平成7年2月定例会 予算特別委員会会議録

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平成7年3月6日(月)

1開会    午前10時5分

1出席委員  別紙出席簿のとおり

1事務局職員 
  事務局長       古館敏男
  議事課長       小国平二
  議事課長補佐     西田幸男
  主任議事管理主査   中坪貞雄
  議事管理主査     吉田徹
  議事管理主査     八重樫典彦
  議事管理主査     小原敏文
  議事管理主査     中澤悟
  主事         平野信二

1説明員
  生活福祉部長     細屋正勝
  生活福祉部次長    吉田敏彦
  参事兼県民生活課長  谷地信子
  総務課長       石川誠
  福祉まちづくり推進室長     祝田敬三郎
  高齢福祉課長     福田素生
  障害福祉課長     長山洋
  児童家庭課長     小笠原佑一
  国保援護課長     千葉幸兵
  交通安全対策室長   山瀬宗光
  保険課長       越昭太郎
  保険課保険指導室長  大津博美
  国民年金課長     松沢藤夫
  環境保健部長     松本義幸
  環境保健部次長    佐藤英輔
  技術参事兼健康推進課長     伊藤浩三
  医務課長       押切悟
  生活衛生薬務課長   藤田紀弥
  廃棄物対策室長    中村隆
  環境公害課長     佐々木徳治
  自然保護課長     佐藤幹夫
  参事兼財政課長    佐藤文昭

〇戸羽委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入る。
 議案第1号から議案第20号まで、議案第23号、議案第27号から議案第33号まで、議案第36号から議案第40号まで、議案第42号、議案第44号、議案第45号及び議案第48号から議案第50号まで、以上39件を一括議題とする。
 本日は、生活福祉部、環境保健部関係を終わるように進行したいと思うので、御協力をお願いする。
 なお、説明、質疑及び答弁については簡潔明瞭に行い、議会運営委員会の申し合わせにより、効率的に審査が進行するよう御協力をお願いする。
 最初に、生活福祉部長から生活福祉部関係の説明を求める。

〇細屋生活福祉部長 生活福祉部関係の予算について説明申し上げる。
 議案その1の6ページをお開き願う。
 第3款民生費は346億1、028万9、000円で、前年度当初予算に比較し35億7、558万1、000円、率にして9・4%の減となっておる。
 以下、各項目ごとに内容を御説明申し上げるが、便宜、予算に関する説明書により説明させていただく。
 予算に関する説明書の112ページをお開き願う。
 112ページから113ページにかけての第1項社会福祉費1目社会福祉総務費の39億4、286万円余は、本庁及び各地方振興局生活福祉部の人件費等の管理運営費、民間社会福祉活動の助長を図る民間社会福祉活動推進費及びすべての県民に優しいまちづくりを推進するためのひとにやさしいまちづくり推進事業費がその主なものである。
 113ページから115ページにかけての2目身体障害者福祉費の22億1、225万円余であるが、114ページをお開き願う。身体障害者の社会活動への参加と自立を促進する障害者社会参加促進事業費、在宅身体障害者の福祉の増進を図る身体障害者福祉活動推進費、重度心身障害者・児に対する医療助成費がその主なものである。3目精神薄弱者福祉費の19億4、175万円余は、精神薄弱者の入所援護委託料・福祉作業所設置運営費補助等の精神薄弱者更生援護費及びグループホームに入居する精神薄弱者の日常生活を援助し、社会参加の促進を図る精神薄弱者地域生活援助事業費がその主なものである。115ページから117ページにかけての4目老人福祉費の48億5、271万円余は、市町村が実施する老人ホームヘルパー設置事業や、老人デイサービス運営事業等に要する経費に補助する老人福祉活動推進費、117ページに進んで、老人介護の実習等を通じて、介護知識、介護技術の普及を図るとともに、福祉用具の展示などを行う介護実習・普及センターを新たに設置するための整備事業費及び設置運営費がその主なものである。5目遺家族等援護費の5、944万円余は、戦傷病者戦没者遺家族等援護費及び中国残留邦人やその家族の受け入れ後の定着自立のために、日本語指導や生活相談などを行う中国帰国者自立研修センターを新たに設置するための設置運営費がその主なものである。118ページをお開き願う。6目国民健康保険指導費の9億5、630万円余は、市町村の国保財政基盤の安定確保を図るための国民健康保険事業安定化推進費及び国民健康保険福祉医療特別対策事業費補助がその主なものである。7目婦人保護費の1億2、603万円余は、婦人相談所の管理運営費及び婦人保護施設入所保護費がその主なものである。119ページに進んで、8目県民生活費の1億5、037万円余は、消費生活協同組合育成のための金融準備資金の貸し付けなどを行う消費生活協同組合等育成事業費、県民生活センターの運営費及び物価安定対策事業費がその主なものである。9目交通安全対策費の1億1、941万円余は、交通安全思想の普及を図るための啓発活動及び交通事故防止のための夜光反射材着用推進などを行う交通安全指導費、120ページに進んで、交通指導員を設置する市町村への補助及び交通事故相談所の運営費がその主なものである。10目社会福祉施設費の23億6、403万円余は、松風園管理委託料、中山の園管理運営費及びふれあいランド岩手管理委託料がその主なものである。11目老人福祉施設費の2億6、388万円余は、養護老人ホーム松寿荘の管理委託に要する経費である。
 121ページに進んで、121ページから122ページにかけての第2項児童福祉費1目児童福祉総務費の22億4、252万円余は、児童相談所管理運営費、保育需要の多様化に対応するための特別保育事業費、122ページに進んで、乳幼児、妊産婦医療助成費がその主なものである。
 なお、平成7年度においては、乳幼児、妊産婦等の医療費助成事業について、所得制限の緩和や対象者の拡大を図るとともに給付方法の変更を行うこととしておる。
 122ページから123ページにかけての2目児童措置費の49億1、236万円余は、養護施設等の児童福祉施設における児童の保護措置費がその主なものである。123ページに進んで、3目母子福祉費の27億5、414万円は、母子家庭に対する医療助成費、児童扶養手当支給事業費がその主なものである。4目児童福祉施設費の27億8、490万円余は、杜陵学園及び都南の園の管理運営費、和光学園など児童福祉施設の管理運営委託に要する経費である。
 125ページをお開き願う。第3項生活保護費1目生活保護総務費の1億7、016万円余は、生活保護給付にかかる事務費及び指定医療機関等の指導監査費がその主なものである。2目扶助費の41億5、758万円余は、生活保護世帯に対する生活扶助、医療扶助等の給付に要する経費などである。126ページをお開き願う。3目生活保護施設費の5億6、322万円余は、好地荘及び松山荘の管理運営委託に要する経費である。
 127ページに進んで、第4項災害救助費1目救助費の3、628万円余は、救助及び小災害見舞金、災害救助基金積立金に要する経費などである。
 以上が民生費の歳出予算である。
 次に、議案第2号の母子寡婦福祉資金特別会計予算について説明申し上げるが、便宜、予算に関する説明書により説明させていただく。
 予算に関する説明書の316ページをお開き願う。
 歳入歳出予算総額は、それぞれ3億7、823万4、000円である。歳入は、一般会計からの繰入金、繰越金、諸収入であり、歳出は、母子家庭及び寡婦の経済的自立、生活意欲の助長、児童の福祉の増進などを図るために必要な資金に要する経費である。
 以上で、母子寡婦福祉資金特別会計予算の説明を終わる。
 次に、予算以外の議案について説明申し上げる。
 恐れ入るが、議案その2の28ページをお開き願う。
 議案第36号の福祉の里センター条例の一部を改正する条例であるが、これは、物価上昇及び類似施設の状況等を勘案して、多目的ホールの使用料の額を改定しようとするものである。
 以上で生活福祉部関係の説明を終わる。よろしく御審議のほどをお願い申し上げる。

〇戸羽委員長 ただいまの説明に対し、質疑はないか。

〇谷藤委員 保育事業についてお伺いをしたいと思う。
 今、まさに長寿社会、高齢化社会、それと問題になっているのが少子社会との絡みの中で、保育事業というのが非常に大切になってきているのかなと私なりに感じている。女性の職場進出、核家族化とか労働形態の多様化によって、女性の労働環境の変化が非常にあるわけであるけれども、子育て機能を有した保育所の役割というのが非常に重要になっていると思っている。そのことで、本来は保育事業は市町村の取り組みというような感じがあると思うけれども、ただ、岩手県としては、子育てに優しい環境づくりというか、子供たちを生み育てやすい環境づくりを整えていくという子育て支援という立場からいけば、これから、県の立場として、この辺をもっともっと充実させていく。ただ市町村に任せていればいいということだけじゃなくて、県としていろんな形の保育事業というものに幅広く取り組んでいく必要があるんじゃないと考えておるわけである。職場の中にも、保育所等の設置も含めてこれから必要になるであろうし、24時間保育というような形も検討に値するのかなと思ったりもするけれども、その辺の保育事業というものに対する県の考え方をお聞かせいただきたい。

〇小笠原児童家庭課長 保育対策の御質問にお答えをする。
 ただいま委員の方からお話があったとおり、保育対策は極めて重要になってきていると承知をしており、量的には十分間に合っているわけであるが、特に乳児保育であるとか、時間を延長する保育であるとか、そういったことについては、これまでも積極的に推進をしてきたところであり、国においては、昨年12月に緊急保育対策5カ年事業というものを導入した。それらを踏まえて、今後さらに進めていかなければならないと考えておる。例えば、来年度の予算においても、乳児については、今年度は86カ所ほどになっておるが、これを109カ所ほど見込んでおる。それから、時間を延長する保育については、県の予算を通らないわけであるが、今年度は25カ所であったが、29カ所ほど見込んでおり、私どもとしても、今後とも市町村ともども積極的に対応してまいりたいと考えておる。
 それから、こういったいわゆる認可保育所だけではなくて、ただいまお話があった事業所内保育であるとか、子供未来財団というところ、あるいは労働省の方でも支援措置を充実してきておるので、そうしたことについても啓発をしながら、積極的に取り組んでまいりたい。
 それから、24時間のお話があったが、これについては、今後の研究課題として研究してまいりたいと考えておる。

〇谷藤委員 そういうことで、それぞれの時代に合わせて対応していかなきゃないことが、これからも保育という問題については出てくると思うけれども、ぜひ、そういうふうに対応していただきたい。
 これは要望にするけれども、先日、ちょっと新聞で、保育料関係について、全国でもいろいろばらつきが幅広くあるというのを見て、例えば県内だけを見ても、どこにいても同じような保育料で行えるというのが一番平等のような感じもするわけであるけれども、国家的にも、今、少子社会の中で、将来、どうやってそれぞれの地域で活力を生み出していこうかということの大変な問題だろうと思う。将来、子供たちを生み育てやすい環境を整えていく一環の考え方で、ぜひ、そういう支援策には今後とも力を入れていただきたいと思う。
 それから、乳幼児、妊産婦関係に対する医療費の県単助成は、非常に思い切った措置をしていただいたことに敬意を表するわけであるけれども、さらに、これを2歳とかでとめることなく、この間、歯科医師会の先生方のお話を聞くと、歯の生えていないところに予算をつけられたって何ともならない。歯が生えてきたときに対応できる年齢まで引き上げなきゃ、これは話にならないというお話もあったわけであるけれども、そういうことで、今後とも、子育て支援という、岩手県にとっても少子社会の中で大切な事業だと思うので、どうぞよろしくお願いを申し上げる。

〇村上委員 ふれあいランド岩手の用地問題についてお伺いをする。
 ふれあいランド岩手の用地問題については、本委員会総括質疑の際、横田委員も取り上げたところであり、高橋副知事からは、地権者の求める状況には時間を要し、地権者の理解を得るなど、引き続き検討したいという旨の答弁をいただいたところであるが、この答弁に対して、私の感ずるところでは、若干納得できない部分がある。
 それはさておいて、実は、県の用地取得に当たっては、地元の議員として、不肖私も、地権者に対して施設の意義を説明するなど、交渉が円滑に進むよう、少なからず協力してまいったつもりである。したがって、この間の県と地権者のやりとりなどは、その経過を十分承知しておる。しかるに、このような地権者の意にそぐわぬ結果となり、協力してきた私としては、これが解決がなされず、まことに遺憾である。県は、県民を裏切ったとさえ申し上げたい心境である。今思えば、事業が繰り越される状況のもとで、これを急ぐ余り、1つ1つを明確に認識せず取り進めた事務の不手際と非難をしたいわけである。この問題について、知事に地権者が直接嘆願書を提出されたように、この前の横田委員の発言でわかったが、その内容についてお示しをまずいただきたいと思う。

〇細屋生活福祉部長 ただいま村上委員からお話があったふれあいランド岩手の建設に当たっての用地問題である。嘆願書の中身ということであるが、要旨はこういうことである。3点ほどある。1つは、2人の地権者との用地交換の話し合いがつかず、実現されていない。2つ目は、土地の規制解除がなされず、ゴルフ練習場の建設ができないでいるということ。第3点は、ふれあいランド岩手完成時には事態解決するという約束をほごにされたので、契約を白紙に戻すこと、この3点である。

〇村上委員 今、部長から、そういう要約したものであろうかと思うが、おたくからいただいた内容を見ると、全然違うんじゃないか、嘆願書の内容と。全然違うとは申さない。違うんじゃないか。いかがか。

〇細屋生活福祉部長 知事に嘆願している中身は変わりないと認識するが、明確に言っているのは、代替地、飛び地地権者との交換の話し合いがつかない。それから、代替地は農業振興地域指定がなされており、指定解除は数年先のことになるというふうに、要するに行政側が突然言い出したという言い方をしておるが、これは、そういうことはもちろんないので、今、要約した中身が不満な中身だと認識しておる。

〇村上委員 私は、いろいろ問題にしたくはないけれども、そういうふうな答弁になるから、言いたくなるのである。日を追って、経過があるわけである。私は、これは平成5年の3月、用地が解決していないのに事業を発注したというところから問題になっているわけである。人の土地に県の施設を建てるということを決めたわけである。それが着工できないので、地権者を説得してくれということで、地権者にお願いをして、その後、着工したわけであるが、そのとき私は、あなた方が言うように、ゴルフ練習場ができるような用地をあっせんすると約束したのだと聞いているんじゃないか。そのとき、そういう用地をあっせんすると答えているのである。だから、本人が、それではと納得していったわけであろう。そして、今の嘆願書のことを聞くと、飛び地がどうとか、農振法がどうとか、最初からこれはできないところをあっせんしたことになるんじゃないか、そうなると。そうならないか。事業用地として、普通の田んぼだったら1反歩600万円で買えるのを、1、300万円であっせんしているということは、本人はふれあいランド岩手が開業する年度、要するに今年度までには事業着工できるから、多額の投資をしているわけであろう。そういうようなニュアンスを与えて地権者を説得させているということにならないか。そうでないと、何も高い土地を買わないわけである。そう思わないか。私はそう思う。何で倍以上の、しかも農振法のかかった土地を買うのか。嘆願書の内容はそうであろう。それを、何で代替地が──代替地の飛び地の交渉というのは、県は、そこだけでは狭いから、その隣の土地も含めて今後あっせんしていくと。それはできなかったということならいいのである。事業用地としてあっせんするところでないところをあっせんしたところに問題があるんじゃないかと私は言っている。それが嘆願の内容であろう。全然言っていることと違うんじゃないか。

〇細屋生活福祉部長 地権者が言っていることは、やはりこの3点だと認識する。ただし、地権者が言っているのは、私の約定が平成6年度末までに実現できるよう御措置くださることを嘆願する次第であるとなっておるが、中身とすれば、やはりさっき申し上げた、大きな意味では3点だろうと考えておる。
 今、委員お話の、当時のゴルフ練習場ができるような土地をあっせんすべきであったのに、できないところをあっせんしたというお話であるが、これについても、少なくとも、限られた時間で、しかも限られた地域、徳田橋から都南大橋、その間において、十数カ所にわたって提示申し上げ、その中で、地権者が、隣接地がたまたま準工業地域になっているものであるから、近々そういう可能性があるだろうという御判断だと思うけれども、そういうところを、ここであれば結構だと。ただし、さっき言ったように、飛び地があるということ、農振地域と都市計画の調整区域になっているということで、直ちにはそういう施設はつくれないというようなところであったが、そういうことは十分説明申し上げて、そこで売買契約が成立したものである。そのときに、確かに地権者の方は、ここでゴルフ練習場をやりたいという意向は当然あったわけである。ただし、御案内のように、農振地域あるいは調整区域ということで、それはいかんともなしがたい。そこで、時間はかかるというお話を申し上げて、そこで調整がとられたもので、すぐできるというような話はしていないことを明言申し上げる。

〇村上委員 大変意見が食い違って情けないわけであるけれども、私の感じでは、私はその都度立ち会っているのである。ゴルフ練習場をやれるような土地をあっせんする。そして、それが時間がかかるなんて言ってないんじゃないか。このメモで、全部期日を追えばわかるのである。平成2年からかかっている。それが平成9年なり10年までかかると思ったら、こういうような投資をするだろうか、普通。大体、農振地域をあっせんしたというところに問題がある。県の短期大学が矢巾に移る、そのとき農振を解く。ここも一緒に解くようなニュアンスで言って、本人が、それでは、県が言うんだから、県を信用するから、そこでいいという判断をして、ここを取得したんじゃないか。食い違いだからやむを得ないけれども、いずれ、この嘆願書の内容を見ると、私の判断と部長の判断は全然違う。これは証拠であるわけであるから。
 それはまずそれでいいとして、それでは、この嘆願に対して、本人に知事の意向を伝えたのか。どうなのか、それは。地権者側からこういうものが出ているものに対して、地権者にこれを説明して、県の考えはこうだと説明して、了解いただいたのか。了解いただかなくても、そういう説明をしたのか。まず、そこを聞いておく。

〇細屋生活福祉部長 嘆願書についてのお話は、地権者にはしていない。

〇村上委員 そうすると、私はわからないけれども、直接本人から、拝啓、知事殿というものは、知事がただ受け取って見たというだけで、あとはそのまま放置しておくというのが県政のやり方なのか、事務的な。事務的なというより、そういう姿勢なのか。大変不満である、私は。県民とともに歩む県政を基本姿勢とする工藤知事である。直接知事の所見を本人に伝えるということが、知事の姿勢じゃないのか。その手続さえやってないということは、一体どういうことになるのか。この地権者は、県の行政を信頼するからこそ、オーケーしたのである。それが裏目に出ているんじゃないか。だから、嘆願になるのである。そうじゃないだろうか。そういうことになるわけである。知事の基本姿勢に反するような、事務的なそういうミスさえあるんじゃないかと私は指摘をしたいわけである。
 答弁内容は議事録を見ないのでよくわからないが、この前の横田委員の質問に対して副知事の答弁は、1地権者のために農振を解くようなことはできないというニュアンスで答弁しているのである。そうしたら、最初からできないところをあっせんしたということにならないのか。そこが問題である。どうしてそういうあっせんをし、そう相手に思わせて、しかも、すぐ解けそうなことを言っているんだから、この農地は高くてもやむを得ないんだというニュアンスでこういうふうにやるのか。まことに不満である。
 そういうことで、今後、部長はこの問題について、部長の考えをきちっと示していただいて、私はその考えに合わないかもわからないが、一応質問は終わるけれども、所見をきちっとしていただきたいと思うし、嘆願に対して、嘆願した人に県が知事の意向を伝えるということもやっていただきたいと思う。いかがか。

〇細屋生活福祉部長 本当に当時から村上委員には多大な御協力をいただきながら、現時点で結局はこういう形になっているということは、非常に申しわけないと考えておる。
 今、お話があった知事に対する嘆願書について、もちろん私が知事に説明申し上げた。その知事の感想については、総括質疑の際に副知事がお答え申し上げたようなことであり、知事は、土地を提供いただき、非常にありがたい。しかし、どんなことがあろうと、規制解除については、制度の枠組みがあるので、それはやはり所要の手続と期間が必要であろうなということで、それについてはしようがないと。ただし、その他の問題、特に飛び地の問題については、現在、私どもはある程度接触して、従前よりはかなりいい関係になってきているということで、その辺をもっとしっかりと、議会の協力をいただいて、できるだけもとの地権者の納得のいくように、誠意を尽くすようにという指示を受けておるので、私も、その指示を受けながら誠実に対応してまいりたいと考えておる。

〇横田委員 いろいろ県当局が御努力なさっておることは評価するものであるが、確かに、この問題は県行政の不信にかかわりそうな問題だと承知する。
 そこで、先ほど村上委員から御提言のあった県と嘆願者の意思疎通の場を設ければ、課長はもとより、次長あたりも御出席をいただいて、御説明やら、意見交換やらをお願いできるものか、第1点。
 第2点は、ただいまの生活福祉部長のお話を、大変そのとおりだなと思う。それで、この問題については、今の生活福祉部長がここでおっしゃったとおり、しかるべく意思疎通を図るということが大切だと思うので、あとの点は要望であるが、おっしゃるとおり、誠実に対応していただきたい。前段は質問であるので、お答えを賜りたい。

〇細屋生活福祉部長 地権者との交渉であるけれども、これは、従前から随分やっておるわけであるし、実を言うと、余り大きな騒ぎ方をしないで接触している部分もあるわけである。これは相手があることであるので、余り公的な場でお話しするよりも、もっと個別的なお話しをしながら、実態に即したような解決ができればということで、私どもは私どもで土地開発公社等の協力を得ながらやっていきたいと考えており、その過程の中で、いろいろ関係者にはサゼスチョンをいただきたいと考えておるので、御了承いただきたいと思う。

〇大倉委員 私は、社会福祉費の8目県民生活費になると思うが、製造物責任法(PL法)についてお伺いをしてまいる。
 製品に起因する事故から消費者を保護するには、事業者、消費者双方の事故責任原則を踏まえつつ、事故の未然再発防止及び迅速、適切な被害の救済からなる総合的な消費者被害防止、救済制度を確立する必要がある。
 昨年の6月に成立をして、本年の7月1日から施行される製造物責任法(PL法)は、この重要な一翼を担うものと認識しておるが、県としてどのように受けとめているのかという点についてお伺いをしてまいるが、まず最初に、製造物責任法の基本的考え方は何かということについてお示しをいただきたいと思う。

〇谷地参事兼県民生活課長 製造物責任法の基本的な考え方は、製品の欠陥によって、生命、身体、または財産に損害が生じた場合、製造業者等の責任を追及するためには、これまで民法の不法行為責任によっておったところであるが、この場合、被害者は製造業者等の過失を証明しなければならず、これは、製品について専門的知識のない被害者にとって困難が伴っておったところである。製造物責任法は、この過失の証明を欠陥の証明で足りるとするというもので、被害者の立証の負担を軽減するとともに、訴訟における争点を明確化することを目的として制定されたものである。

〇大倉委員 次に、項目的にお伺いをしてまいるが、1つは、製造物責任法の周知徹底、これは今後の問題になるけれども、どう図っていくおつもりか。
 次に、製品事故にかかわる県の相談体制と紛争処理期間についてどう考えておられるか。
 3つ目として、製品事故に係る県の原因究明体制についてどう考えておられるか。
 以上、3点についてお答えをいただきたいと思う。

〇谷地参事兼県民生活課長 まず、製造物責任法の周知徹底についてであるけれども、この法律については、県の広報紙等の活用や講座の開催等により、できるだけ広く県民への周知に努めてまいりたいと思っておるところである。また、消費者にもこれまで以上に安全な製品の選択、製品の正しい使用等が求められることから、製品の安全性に対しての意識啓発や情報提供に積極的に努めてまいりたいと存じておる。
 次に、製品事故に係る県の相談体制と紛争処理機関についてであるけれども、製品事故に係る相談業務は、現在、県民生活センター及び地方振興局の消費生活相談室で行っておるけれども、平成6年度は、昨年12月末現在で23件の苦情相談があった。これについては、県民生活センター等であっせん解決を図ったほか、助言などを行ってきたところである。
 次に、県の紛争処理機関についてであるけれども、現在、岩手県消費者保護対策審議会に消費者苦情処理部会が設けられており、今後は、この部会を活用し、県民生活センターでの処理が困難な事案については、部会の技術的専門性を配慮した委員構成や機動的運用を図ることとし、国の製品関連技術専門家の県の紛争処理機関への派遣制度の活用などについても検討を進め、部会の紛争処理機能の充実に努めてまいりたいと考えておる。
 終わりに、製品事故に係る県の原因究明体制についてであるけれども、製品事故に係る苦情相談に伴う原因究明のために、商品テストを現在、県民生活センターにおいて、必要に応じて医療品や食料品、雑貨品等について、年間、数件程度実施してきたところである。今後も、比較的被害が軽微でかつ発生頻度の高い製品を念頭に置きつつ、商品テスト機器の整備充実、テスト職員の一層の資質の向上に努めるとともに、県あるいは国等の検査機関、試験研究機関などと連携を図りながら、原因究明体制の整備充実に努めてまいりたいと考えておるところである。

〇大倉委員 わかった。昨年度は12月末現在で23件の苦情相談があったということであるけれども、その苦情相談の内容、その処理の結果について、ちょっとお知らせをいただきたいと思う。

〇谷地参事兼県民生活課長 主な製品事故に係る相談事例を申し上げると、電気こたつのヒューズが再三にわたって切れたということで、センターでも実験したが、販売業者の方に送って解決を得たという例とか、健康食品では、クロレラ等についての服用によって体調が悪いとか、そのような例である。

〇小原委員 学童保育所への支援策について、まず最初にお伺いしたいと思う。
 学童保育施設は、子供たちが健やかに育つ施設として、あるいは女性の社会参加を支援するという意味でも大変大切な施設である。私の出身の北上市でも、市が施設整備に積極的に対応しているという状況もあるけれども、このことに対する国の政策、そして県の支援策、これらはどのようになっておられるのか。今後の見通しを含めながら、お考えをお示しいただきたいと思う。

〇小笠原児童家庭課長 学童保育、私どもは事業名では児童クラブと申し上げておるが、共働き家庭も大変ふえているということで、非常に重要な事業であると認識をしており、国庫補助を導入して積極的に支援をしてきたところである。例えば平成元年度については、9市町村の26クラブであったが、今年度は11市町村の53クラブ、来年度は16市町村の58クラブほどを見込んでおり、要望に対応しながら、年々拡充を図っているところである。 この事業の内容は、ここ数年と申すか、平成3年度以降、大変充実されてきており、例えば従来は3万人以上の市町でなければならないということであったが、全部の市町村、それから、クラブの人員も30人から20人に引き下げられる、あるいは基準額もアップされるということで充実されておる。また、今年度は人数の多い児童クラブについては職員を加配する加算、75万2、000円ほどであるが、こういった制度も設けられておる。来年度はこれをさらに充実して、36人以上の場合は基準額を倍にするというようなこと。35人ふえるごとに基準額を倍にする。ちなみに、来年度は109万9、000円が予定されておるけれども、36人を超えると、この2倍、71人を超えると3倍になるということで、充実が図られておる。
 それから、施設整備は従来なかったわけであるが、4年度から、児童館にそのスペースを確保する場合は助成をするという制度ができる。また、来年度は、社会福祉法人、特に保育所などを経営しているところが、空き室を利用するとか、あるいは別途建てるとかといった場合には助成をするという制度で、ハード、ソフト両面で充実をしてきておるので、これらについてさらに市町村に取り組みを指導する、国の事業を積極的に導入する、あるいは充実も要望するといったことも含めて支援をしてまいりたいと考えておる。

〇小原委員 ただいまの説明であると、既存施設、保育所とか児童館、これらへの併設という考え方があるようであるが、今行われている事例等を見ると、やはりそれぞれ父母の皆さん方が大変頑張っておられて、独立した学童保育所としての施設整備ということで対応されている現状にあると思う。そういう点で、併設というよりは、方向としては、そうした目的を1つにする学童保育の運営上の問題もあるだろうが、独立したものが望ましいのではないかと考える。これらの方向性は、併設に力点を置いているということであるが、その点は、地域あるいは関係者の要望とちょっと離れているのかなという感じがする。その点、いかがか。
 それから、国ではエンゼルプランなどでかなり力を入れており、そういう点では学童保育──今、児童クラブというふうに御説明があったけれども、これらの部分にも国のエンゼルプランは対応していると認識をするけれども、これらの強化策は、当然中身としてあるだろうと思う。この点について説明をいただきたいと思う。同時にまた、国と市町村という形の中で、県の支援策が見えないということがあるように思われるけれども、その点、どうお考えか、再度お伺いをする。

〇小笠原児童家庭課長 第1点は、施設整備の問題であるが、これは、児童センターあるいは児童館に、保育所でもそうであるが、独立したスペースを設けるということで対応しているものであり、ごっちゃにするという趣旨ではない。市町村が事業主体になるわけであるが、いずれ、そういった一般の児童との関連も考えながら進めていただきたいと考えておる。
 それから、エンゼルプランについての関連のお話であるが、エンゼルプランを具体化するために、昨年12月に緊急保育対策等5カ年事業というものがつくられたわけである。これについても、平成6年度、予算上は4、520クラブであるが、これを倍増して9、000ぐらいにするということで考えておる。県としても積極的に対応するということである。それから、これは、県も、3分の1ずつであるが、応分の負担をしているところである。

〇小原委員 わかった。ぜひ、積極的な支援策をお願い申し上げたいと思う。
 次に、在宅の重度心身障害者の方々については、介護について大変御苦労があるということで、一時介護施設というのか、一時預かり所の要望が大変強いわけである。介護されている方々についても、付きっきりということの中で、大変な御苦労がある。そこで、一時預かり所のような施設整備、しかも、近いところに欲しいという切実な要望がある。これらについてどのようにお考えか。方向性なり、あるいは今後取り組むべき施策展開があれば、ぜひお示しをいただきたいと思う。

〇長山障害福祉課長 在宅の重度障害者の方の一時預かりであるけれども、今の制度としては、各福祉施設の方でショートステイという制度がある。これは、保護者が病気あるいは冠婚葬祭、リフレッシュを図るなど、家庭で介護ができなくなった場合に、短期間、福祉施設でお預かりするという制度である。現在、いろいろなところでお預かりをしておるけれども、昨年度の実績を見ると、171件、延べ823日ほど利用されているということであり、こういった福祉施設の方で預かれるような形で、私どもも整備拡充について検討してまいりたいと思う。

〇小原委員 ぜひ強化をお願いしたいわけである。
 そこで、これら福祉施設で対応するという際に、医師がそこにしっかりと対応するということも求められているようであるけれども、これら施設の整備と医師の支援策、こういうものについては十分対応がなされているのか。その点、もし、その部分が障害になってなかなか進まないということであれば、そうした方向からの改善策も必要ではないかと思われるが、いかがか。

〇長山障害福祉課長 在宅で常時医学的な管理が必要だという子供さん、あるいは者の方々が、もしそういう状態の場合には、県内では、2カ所の国立療養所でそういう受け入れ態勢ができるという形になっておる。あとの普通のそういう管理のない方々は、経験を積んだ福祉施設の方でお預かりするという形になっておる。

〇小原委員 要望にとどめるけれども、近いところにそうした施設がほしいといった要望に対して、ぜひ、今後、御検討をいただきたいものだと思う。

〇横田委員 今の政府は、余り悪く言うと差しさわりがありそうだが、健康保険法を改めて、付き添い看護料が保険から一部払い戻しされてきた制度を2年後に廃止するというのであるが、県はどう承知しているか。
 これが実施されれば、県民の医療福祉にマイナス影響があると思うが、どう試算されるのか。
 一方、在宅看護支援センター設置状況がはかばかしくないとの情報が、昨年12月末、報道されたが、今日の時点までどう改善されておるのか。計画どおり実施のお見込みはどうか。
 付き添い看護も在宅看護もままならず、高齢者よどこへ行く。県は国に対して、払い戻し制度復活を働きかけるべきではないか。あわせて、在宅介護対策確立のためにいかなる対策をおとりになられるのか。
 次に、阪神大震災被災地の支援、御苦労さまであった。岩手県から被災地のあちこちに行っている人たちが避難者のところへ直接行って、何が欲しいかと言ったところが、いろんなことを言った。布団ばさみだとか、ガムテープだとか。こういう物品を当方からその場所を指定して直接送付することができるだろうか。
 次に、義援金を看板に詐欺行為をする者があるということであるが、嘆かわしいものである。県は、実情をどのように把握しておられるのか。
 総務部長も説明したが、政府国債残高120兆円などを聞くと、震えが来る。部長にお尋ねするが、政府は財政難打開の方法として、消費税率アップに出てくるのではないか。これは私の見通しであるが。村山内閣が存続する限り、必ずこれは出てくるのではないだろうか。
 1、貴職の見通しはどうか。これは、貴職が県民生活擁護の主管部長だから、お尋ねするものである。
 2、次に、税率アップとなれば、消費生活に著しい悪影響を来すものと考えるが、どうだろうか。
 3、県民生活擁護の主管部長たる貴職は、事あるごとに政府に対し、消費税廃止、また税率アップをするなと働きかけていただきたいと思うが、いかがか。

〇細屋生活福祉部長 ただいまお話があった消費税の関係については私から、それから在宅介護の確立方策についても私から、阪神大震災の関連については石川総務課長から、それから付添看護料の廃止については越保険課長から、在宅介護支援センターについては福田高齢福祉課長から答弁させる。
 初めに在宅介護対策確立についてであるが、岩手県では在宅介護を推進するために、岩手県高齢者保健福祉計画に基づいて現在ホームヘルパーのサービス、デイサービス、老人訪問看護等の在宅保健福祉サービスの充実に努めているところであるが、平成7年度からは、国が、御案内のとおり、新ゴールドプランにおいて示しておる巡回型の24時間対応のホームヘルプサービスなど、そういう積極的な導入について市町村を指導、支援してまいりたいと考えておるし、市町村に対しては在宅介護支援センターの増設を促進して、高齢者の多様なニーズにきめ細かく対応したサービスが提供できるように、サービスの質的な充実を図ってまいりたいと考えておる。さらに、在宅介護に関しては、広く県民に対して普及を図るために、来年度、県として介護実習普及センターを設置しようと考えているところである。
 それから消費税の関係であるが、増税に対する懸念についてであるけれども、国の諸施策あるいは税財政制度がどうあるべきかということについては、基本的には国政の場において論議がなされるべきものと存じておるので、地方公共団体の立場からは意見を申し上げるのは適当ではないと考えているところである。
 次に、消費税率のアップによる消費生活への影響についてであるが、国の税制改革の一環として、平成9年の4月から消費税率が3%から5%に引き上げられると決定しているところである。この税率の引き上げが消費者物価の水準を押し上げるということは当然考えられるところである。しかし、今般の税制改革においては、御案内のとおり、消費税率の引き上げとともに既に所得税であるとか住民税の減税が行われておるし、次年度も継続実施されることが決定しておる。そういうことからして、消費生活への影響については、消費税率の引き上げと所得税、住民税等の減税による効果がどうなるか、総合的に判断する必要があるのではないかと考えておる。
 県としては、今後とも県民生活に必要な生活関連物資の調査監視あるいは情報提供の充実に努めて、県民生活の安定に資するよう努めてまいりたいと考えておる。

〇福田高齢福祉課長 在宅介護支援センターに関する御質問にお答えを申し上げる。
 ただいま部長からも申し上げたとおり、在宅介護支援センターは、在宅ケアのケースマネージメントを中心となって行う施設であり、受け手の立場に立ったきめ細かなサービスの提供のため、大変大切な施設であるという認識を持っておる。ただ、在宅介護支援センターは平成2年度に創設された比較的新しい制度であり、ホームヘルプサービスであるとかデイサービスであるとかといった歴史あるものと違って、必ずしも市町村が十分にまだ理解が進んでいなかったというようなこともあって、今のところ5年間で31カ所の設置ということで、委員御指摘のとおり、必ずしも順調に整備が進んでいるとは言えない面がある。ただ、私どもも今申し上げたような重要性を機会あるごとに市町村に御説明を申し上げて、また、制度的にも市町村にとって大変有利な制度になっておるので、そうしたこともあわせて申し上げて、ぜひ設置してもらいたいということで強く働きかけたところ、これまで5カ年で、年平均今までは大体6カ所の整備だったわけであるが、幸い来年度は過去の実績を大幅に上回って、一挙に16カ所程度がつくれるんではないかということを予定をしておる。
 以上申し上げたように、ようやく在宅介護支援センターの整備は軌道に乗りつつあるので、今後ともその重要性にかんがみて、高齢者保健福祉計画の目標に向けてさらにその整備が促進されるよう、市町村を積極的に指導、支援してまいりたいと考えておる。

〇石川総務課長 阪神・淡路大震災に関連する御質問にお答えする。
 御質問のあった救援物資の送付についてであるが、送付先が特定されておる場合には、直接そこに送付することができるようになっておる。
 なお、災害対策本部に送付する場合には、郵便小包については3月17日までのものについては無料ということになっておるし、宅配便で送る分についても、場合によってはあるいは業者によっては無料というところもあるようである。
 次に、義援金の詐欺の件であるが、人様の不幸につけ込む、大変遺憾なことである。その後、警察本部の方を確認したところ、そのような事例はないと、なかったものと承知しておる。

〇越保険課長 私から付添看護料の廃止という件についてお答えをしたいと思う。
 御案内のとおり、昨年の10月に健康保険法等が改正されたわけである。この改正は、人口の高齢化の進展、疾病構造の変化、医療サービスに対するニーズの多様化、さらには医療技術の高度化など、医療を取り巻く状況がこういった大きく変わってきている中で、医療保険制度が、将来にわたって良質かつ適切な医療を、安定的かつ効率的に提供していくことができるようにするために必要な措置が講じられたものというわけである。その改正の1つに、医療機関が責任を持ってみずからの職員で看護、介護サービスを提供するという、いわゆる院内看護の実施ということで、看護、介護体制の充実を図ったわけである。これまでは、基準看護を実施していない医療機関に入院した場合、患者が保険者の承認を受けて当該医療機関以外の者の看護を依頼するいわゆる付添看護が行われたわけである。その場合は、規定の金額が療養費として償還されているわけであるが、実質的にはかなり重い患者負担があったと承知しておる。しかし、この改正によって医療機関の中で質の高い介護、看護サービスの提供が可能となり、付添看護に係る重い患者負担が解消されると認識しておる。
 なお、付添看護の解消は原則として平成7年度末をめどとしておるので、付添看護料、療養費の支給についても平成7年度末限りということになっているわけである。
 3月1日現在の県内の医療機関での病院の新しい看護体制の実施状況であるが、89%ということである。全国的にはちょっと古い資料になるけれども、60%と聞いておる。県としては、県民への医療サービスの向上、患者負担の軽減ということを図る立場から、基準を満たしていない医療機関が改正された法律のもとでの基準看護体制へ移行していくように、引き続き指導方努力をしてまいりたいと考えておるところである。
 お尋ねの国の今回の法改正の療養費の廃止を復活するよう求めたらどうかということであるけれども、医療上必要とする看護については、やはり医療機関が行うことが望ましいと考えておるので、県としても改正された法律の趣旨を尊重してまいりたいと考えておる。

〇横田委員 それでは続けてお伺いする。
 中国残留孤児の発生原因、現状など、時移り星変わり、知らない世代もふえてきている。シベリア、南洋諸島、その他旧大日本帝国侵略失敗に伴う事跡は、特に戦後50年の今日、記念して後世に明らかに伝えられねばならないと思う。
 1、戦後50年のことし、生福としてどんな行催事をどのような形で行おうとしておられるのか。今出されているのは骨格予算だと承知するが、次期知事に大幅にゆだねられるものなのだろうか。しかし、生福としてお考えがあろうからお尋ねをするものである。
 私は、例えば中国残留孤児の発生を痛ましく記録した蒼い記憶という映画をJAが上映し、あるいは731部隊関連の行事を県内労働団体が積極的に行うなど、各般の動きも大きくなってきているようであるし、国際交流協会との関連もあると思うが、生福としても積極的にこれにこたえ、援助、助成すべきではないかと存ずるがいかがであろうか。特に、シベリア慰霊の関係での今後のお取り組みはいかが相なるのであろうか。
 最後に、県は在宅精薄児者世帯の実態調査を行ったようであるが、回収率はどうであろうか。かつて、この関連の実態調査というものは慎重にしようとの声が強く、かつては実施に二の足を踏んだものである。この調査ができて一方では安心もしているのであるが、調査方法はどのように行われたのであろうか。快く応じてくれたのであろうか。今後もいろいろな方法でこの種の調査が行われるのであろうか。

〇千葉国保援護課長 まず、戦後50周年を記念した行催事についてであるが、例年1、200人規模で実施してきた岩手県戦没者追悼式を1、700人規模に拡大して実施することを予定しておる。
 次に、民間団体が行う行事に対する援助、助成についてであるが、平成7年度が戦後50周年の節目の年であることから、援護関係団体の取り組みについての意見等も聞きながら検討をしているところである。当面、岩手県遺族連合会が実施しておる海外慰霊巡拝について、補助人員対象の拡大を予定しているところである。
 次に、シベリア慰霊に関する今後の取り組みについてであるが、シベリアへの慰霊巡拝については岩手県遺族連合会が平成4年度から3カ年計画で実施し、今年度をもって終了したところである。この遺族連合会が行っておる慰霊巡拝に当たっては、県においても遺族援護行政の一環として強力に支援をしてきたところである。今後、シベリアへの巡拝を希望する方には、国の慰霊巡拝事業を活用していただき、その実現が図られるよう県としても支援してまいりたいと存ずる。

〇長山障害福祉課長 精神薄弱者の実態調査についてであるけれども、まず調査表の回収率については97・6%という非常に高率であった。調査の方法については、地方振興局等にある名簿をもとにして、在宅の障害児者のいる家庭を、県が委任しておる県内各地の精神薄弱者相談員という方が90人ほどおられる。この方が直接家庭に出向いて聞き取りする方法で実施したものである。調査に当たっては、障害児者の親の会などの協力を得、また、調査員に対してもプライバシーの配慮等、事前の指導あるいは説明会を開催した上で実施しておるので、トラブルということはなかったと承知しておる。調査員が地区担当の相談員でもあり、調査には比較的協力的であったと聞いておる。
 今後の調査についてであるけれども、知的障害者に対する福祉施策の充実を図っていくためには、それぞれのニーズを的確に把握していく必要があるので、今後、国の調査あるいは県が5年ごとに実施しておる社会福祉総合動態調査等の関連を踏まえながら、必要に応じて調査の実施について検討してまいりたいと思っておる。

〇横田委員 最後に、生活福祉部長に、同僚議員には大変恐れ入るが、この50周年の行催事を今聞くと、例えば遺族連合会と戦没者追悼式を共催し、かなり規模を広げると。結構なことであるが、その際に日本の侵略行為を政府は謝罪すべきだと思うし、本県においてもそのことが貫かれるものであろうか。
 こういう質問をすると、なんだあなたは二、三日前の新聞に、侵略行為ということが言われなくても一歩前進などと述べたじゃないかと言われるが、私はこれを撤回して、やっぱり侵略行為ということをはっきりさせないと、一切の問題は片づかないというように思う。知事も副知事も、この点についてはどうも教育関係の教科書、副読本なんかにはきちんと書いてあるのにその点が不明確だということは、生活福祉部当局が、これ援護担当の部局であるから、その辺のところがきちんとしていないところに問題があるのかなと思っている。生活福祉部長は、この50年の行催事を行う所管部局として、この日本の50年前に行われた戦争というものが侵略行為であったという観点を貫くべきと思うが、御所信はいかがであろうか。

〇細屋生活福祉部長 非常に難しいお話である。知事も副知事も明確じゃないということは、私も当然明確には出し得ないのであり(横田委員「やはり不明確か。」と呼ぶ)はい、やはり不明確である。極めて国家的な判断で行われるべきと考えるので、その辺については意見を差し挟まないことにしたいと思う。
 50周年の記念行事については、戦後50年ということで当時をしっかりと認識し、これからの平和を祈念するという意味合いでいろんな行事をやっていきたいと考えておる。

〇舘沢委員 最初に、高齢者大学に関してお伺いしたいと思う。
 高齢者大学は今年度から9広域圏で開校しておるが、第1点は、9大学の入学希望者数は定員と比べてどうだったのかお伺いする。
 第2点は、高齢者大学の卒業生に対して、県は地域のリーダーとしてどのような活動を期待しているのか御所見をお伺いしたいと思うし、また、具体例があるならばそれを含めてお知らせ願いたいと思う。

〇福田高齢福祉課長 高齢者大学は委員御案内のとおり、高齢者の健康とか生きがいづくりあるいは社会参加活動の活発化などを目的として、財団法人の岩手県長寿社会振興財団が平成2年度に開設したものである。平成5年度までは毎年2校ずつの開設だったわけであるが、今年度から全広域圏に設置を拡大して9校の開設としておる。今年度の入学希望者の方は、9校で624人であった。1校あたりの定員を私ども70人をめどとしておるので、学校ごとに若干のばらつきはあるが、ほぼ定員どおりの入学希望があって、希望者全員にお入りいただくことができたと考えておる。また、卒業生の活動状況であるが、平成5年度までに開設した4校について294名の方が卒業されているわけであるが、これらの方はその後も自主的に自主講座を継続されて開設されたり、あるいは大学で学ばれたことを生かして、人形劇団とか影絵劇団といったものを結成されて、老人ホームや保育所といったような福祉施設を慰問していただくなど、それぞれの地域で積極的な活動を展開していただいていると承知しておる。
 高齢者大学の卒業生については、私どもとしては地域のリーダーとして、ボランティア活動などの中で大学で学んでいただいた成果をいろいろまちづくりなどに生かしていただければ大変ありがたいなと思っているわけであり、財団法人岩手県長寿社会振興財団などとも連携をしながら、その活動の一層の活発化をできる限り支援していきたいと考えておる。

〇舘沢委員 次に、精神薄弱者への支援についてであるが、県内各地域において、借り上げた民家やアパートなどで、精神薄弱者が共同生活を営むグループホームが整備されてきておるわけであるが、このグループホームは、精神薄弱者が地域の中で自立的な生活を送れることから、このすぐれた特性を生かして今後とも積極的に整備を進めていく必要があると存ずるが、県はどのように考えておられるのか、県内の整備状況も含めてお知らせをいただきたいと思う。

〇長山障害福祉課長 グループホームについてであるが、このグループホームは、端的に言うと知的障害者の下宿という感じであるが、平成元年度から制度化され、本県においては平成元年一戸町で最初に設置し、以後、毎年数カ所ずつの設置拡大が図られておる。現在、県内で設置されているグループホームは25カ所になっておる。これは東北で最も多い設置数となり、全国でもかなり上位の方である。障害ある人もない人も、ともに地域で生活するいわゆるノーマライゼーションの具現化に向けて、一層、自立、助長を図っていくためにもこのホームの設置というのは非常に重要な課題と認識しており、今後もグループホームをバックアップする施設と協議しながら設置拡大について検討してまいりたいと思う。

〇舘沢委員 それでは最後に、人に優しいまちづくりについてお伺いしたいと思う。
 人に優しいまちづくりを推進する場合、市町村の行政関係者はもちろんのこと、特に県内で働く設計や工事等の関係者に十分な理解を得ていく必要があると思うわけである。このような方々に対して、周知の方策についてお伺いしておきたいと思う。

〇祝田福祉まちづくり推進室長 人に優しいまちづくりの周知方策についてお答えする。 今後においては、人に優しいまちづくりの推進については、平成7年度早期に条例化をするということとしておるけれども、条例制定後、その趣旨とか内容について、県民の方に周知を図るということで施行までに一定の期間を置きたいと考えておる。周知については、設計あるいは工事関係者の方々を初めとして、県内各層の関係機関あるいは団体の方で構成するまちづくりの推進組織を設置するということにしておる。この組織とさらに各地方振興局に設置しておる地域、ひとにやさしいまちづくり推進協議会、これらの運営を通じて、関係者の理解を得られるように十分配慮してまいりたいと思っておる。

〇長谷川委員 3点ばかり質問させていただきたいと思う。
 第1点は、ふれあいランド岩手を利用する立場の1人として、今までの質疑を聞いておると、ちょっと寝覚めの悪いところもあるのでお聞きをするわけであるが、地権者の問題、私も全く関与しておらないのでわからないけれども、生活福祉部としては平成何年ごろをめどに解決をするつもりなのか、これからの対応について具体的にお示しをいただければと思う。
 第2点は、老人ホーム等におけるリハビリの問題である。
 福田高齢福祉課長にお伺いをするが、今回神戸の方で大震災があったわけであるが、神戸の老人ホーム、特別養護老人ホームであるけれども、以前にお話を聞いたことがあるわけであるが、お医者さんが老人ホームを経営をされており、その方が、足萎えも歩むという文章を書いておるわけである。適切なリハビリさえすれば、大概のお年寄りは日常生活もあるいは歩行すらできるようになるという文章であるわけであるが、私は特別養護老人ホームであっても、寝たきりにしておくだけでは私は福祉という精神から言って、大変外れているような気がするわけであるが、特別養護老人ホーム等におけるリハビリのあり方が今どうなっておるのか、あるいはまた在宅の方がおられるわけであるが、ホームヘルパーの方々、あるいは施設職員に対するリハビリの研修みたいなものが現在どのように実行されているのかということが第2点である。
 第3点は、ハートビル法が昨年成立をしたわけである。障害者も高齢者も利用しやすい特定建築物の促進に関する法律であるけれども、これに伴って、私は例えば福祉のまちづくり条例というのが大阪であるとか兵庫であるとか、あるいは高住条例というのが山梨で制定をされておるわけであるが、岩手県においても平成7年度をめどとして福祉のまちづくり条例的なものを制定するという御答弁は前にお聞きをいたしておるわけであるが、このハートビル法の成立によって、岩手県における福祉のまちづくり条例なるものがどのように変化をするのか、そしてまた本当に福祉のまちづくり条例を平成7年度に成立させることができるのか、その辺のお考えをお聞きいたしたいと思う。

〇細屋生活福祉部長 ふれあいランドの地権者の問題については私から、それから特別養護老人ホーム等のリハについては福田高齢福祉課長、それから福祉のまちづくり条例の関連については祝田福祉まちづくり推進室長から答弁させる。
 今、長谷川委員からお話しあった、いつをめどに解決するかというお話であるが、はっきり言って当時からいつをめどにということは全く難しい問題だったと思う。先ほど若干お話し申し上げたように、飛び地の解消については地権者の方々が若干テーブルに着いてくれるようになったということで、相手があるのでこの推移をできるだけ切らないで進めていきたいと考えておる。
 それから、規制解除の問題については、これはもう土地利用の規制問題であるので、都市計画の見直しとかあるいは農振の見直し、いわゆる土地利用、大体ああいうものというのは四、五年経過後に見直しということで来年度からの見直しに入り、9年度あたりから実施ということに今のローテーションではなっているようであるので、その中にあの地域が入るかどうか、それだけの問題だろうと思うし、余りそういう事態がはっきりわかっていて地方自治体がどうするかというのはちょっとわからないけれども、私どもとしては、そういう意向の方もあるということはできるだけ事務的に伝えて、何とか協力願いたいと考えているところである。

〇福田高齢福祉課長 老人ホームでのリハビリ等の問題についてお答えを申し上げる。
 委員御指摘のとおり、リハビリをいたしてできるだけ寝たきりの状態にしないということは、私どももとても大事なことだと認識をしているものである。そういうことで、日ごろから監査、指導といったようなことで施設にお邪魔するときにも、まず第1に見るのがその施設の離床対策というか、どうやってベットから起きていただいているのかという点であり、御案内のとおりリハビリの1歩は生活にあると、生活をすることそのものがリハビリなんだということで、食事あるいはトイレ、入浴といったような、各生活の場面でできるだけ体を動かしていただくということをいたしておるし、保健医療担当部局とも連携をとって、できるだけ医学的なリハビリの機会も持っていただけるように日ごろより意を尽くしているところである。
 また、施設職員のリハビリに関する、研修に関するお尋ねであるが、私ども社会福祉研修所等々でのいろいろな研修の場においても、できるだけそういうものを取り入れる方向で努めているわけであるが、例えばOT、PTといったような方を採用して、できるだけ積極的に御採用いただいて、施設の中でそういう知識を共有していただくというようなことであるとか、介護福祉士という資格をお取りいただく中でそういうものを勉強していただくとか、いずれいろいろな機会を見つけて、委員おっしゃるようなリハビリに関する技術なり知識なりの向上する機会をつくるように努めてまいりたいと思っておる。

〇祝田福祉まちづくり推進室長 まちづくり条例についてお答えする。
 昨年9月に国の方でハートビル法ということで、同じような目的で法律をつくっておるわけであるが、本県のまちづくり条例については、さらにその法律の上乗せというか横出しというか、できるだけ幅広いものということで、ぜひ条例化をして岩手のまちづくりをしていきたいと考えておる。条例化については、今内部的にかなり検討しており、いずれ来年度早期に条例化できるように準備はしているところである。

〇長谷川委員 部長、ぜひ御努力をして、次の改選後の議会ではこういう議論がないようにぜひ御努力を賜りたいと、こう思う。
 福田課長、雫石にリハセンターがあり、PT、OT、STいろいろあるが、それらの派遣というのは市町村にも派遣するという形で、そういう目的でリハセンターが建てられたという部分もあるわけであり、私はより高度のリハの研修、施設職員だけでなくホームヘルパーにもやはりリハの研修をさせるべきだと思っておるわけである、在宅介護の問題もあるので、それをだれが受け持つのかということについては在宅支援センター、いろいろあるわけであるが、私は雫石のハリセンターではなかろうかと、元締めは、そのように思うわけであるが、その辺の連携をぜひお願いをいたしたいと思うが、それの考え方をぜひお伺いをしたいと、こう思っておるわけである。
 それからまちづくり条例、来年度ということになると4月から来年度に入るわけであるから、ぜひ早期に実現できるようよろしくお願いをしたいと思う。

〇福田高齢福祉課長 リハビリテーションセンターを活用したらどうかというお尋ねであるが、委員御指摘のとおり、最も高度で専門的な知識なり技能なりを今県内で有している施設であるので、その福祉のサイドでの活用についても、今後、十分環境保健部等関連部局と御相談をさせていただいて、適切に対応させていただきたいと考えておる。

〇戸羽委員長 ほかに質疑ないか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇戸羽委員長 質疑がないようなので、これで生活福祉部関係の質疑を終わる。
 次に、環境保健部長から環境保健部関係の説明を求める。

〇松本環境保健部長 それでは、環境保健部関係の平成7年度当初予算等について御説明申し上げる。
 議案その1の7ページをお開き願う。議案第1号平成7年度岩手県一般会計予算のうち、4款衛生費の予算額は205億2、980万5、000円である。前年度の衛生費当初予算と比較すると16億1、048万9、000円の増、率にして8・5%の増となっておる。これは産業廃棄物処理施設整備費の財団法人クリーンいわて事業団に対する建設資金の貸付金の増額等によるものである。
 次に、9ページをお開き願う。13款諸支出金の予算額367億1、416万6、000円のうち、当部関係の予算額は278億4、496万円で、これは県立病院等事業会計に対する貸付金等である。
 なお、一般会計予算総額に対する当部関係の予算額483億7、476万5、000円の占める割合は6・8%となっておる。
 以下、各項目ごとにその主なものについて御説明を申し上げる。
 便宜お手元に配布されておる予算に関する説明書により御説明申し上げる。
 それでは、128ページをお開き願う。4款衛生費1項公衆衛生費1目公衆衛生総務費の予算額14億5、123万1、000円は、健康推進課などの人件費などの管理運営費、妊婦、乳児の健康診査などを行う母子保健対策費、婦人の健康づくり推進事業費補助などの健康づくり推進事業費、運動機器を搭載した健康運動体験車げんきカーの運行等を行うアクティブいわて健康づくり運動事業費、80歳で自分の歯を20本以上保つことを目標とする事業を実施するイー歯トーブ8020運動推進事業費が主なものである。129ページに参って、2目結核対策費の予算額3億4、518万9、000円は、結核健康診断、予防接種及び結核医療に要する経費のほか、結核予防思想の普及及び結核医療の適正化の推進を図る結核対策特別促進事業費等である。3目予防費の予算額6億8、066万3、000円は、130ページに参って狂犬病予防費、スモン、ベーチェット病などの対策経費の特定疾患対策費のほか、エイズについての正しい知識の普及啓発及び予防体制の整備を図るエイズ対策費が主なものである。4目精神保健費の予算額9億5、119万1、000円は、入院措置者に係る医療費の負担をする精神障害者入院等措置費、精神障害者小規模作業所運営費補助などの精神障害者社会復帰促進費及び精神障害者社会復帰施設の運営費補助が主なものである。131ページに参って、5目衛生研究所費の予算額3、072万9、000円は、衛生研究所の管理運営に要する経費である。6目老人保健費の予算額65億3、791万9、000円は、老人保健法に基づく医療費負担金や医療等以外の保健事業費負担金などの老人保健対策費、老人保健施設の一層の整備促進と経営の安定化を図るための老人保健施設整備資金利子補給補助及び寝たきり老人ゼロ作戦など、普及啓発推進事業費が主なものである。
 133ページをお開き願う。2項環境衛生費1目環境衛生総務費の予算額9億6、512万4、000円は、生活衛生薬務課などの人件費等の管理運営費、環境の保全を図るための知識の普及啓発、快適環境の創造及びすぐれた自然環境の保全等に要する経費の環境保全対策費が主なものである。2目食品衛生指導費の予算額6、465万4、000円は、食肉の衛生確保を図るため、と畜検査及びと畜場等の衛生指導を実施する乳肉衛生指導取締費及び、次134ページであるが、食鳥肉の総合的な安全確保を図るため、食鳥検査等を実施する食鳥肉安全確保対策費が主なものである。3目環境衛生指導費の予算額24億110万1、000円は、環境衛生営業指導センター経営指導事業費補助、簡易水道等施設整備費補助、135ページに参って、合併処理浄化槽整備費補助のほか、在団法人クリーンいわて事業団に対する建設資金の貸付金及び余熱利用施設の建設費等の産業廃棄物処理施設整備費が主なものである。4目公害対策費の予算額3億4、098万3、000円は、中小事業者の公害防止施設の整備を促進するための公害防止施設整備資金貸付金、大気汚染防止対策費及び生活排水汚濁水路浄化施設整備事業費補助等の水質保全対策費が主なものである。136ページに参って、5目自然保護費の予算額4億8、747万8、000円は、折爪馬仙峡県立自然公園を整備する国民休養地施設整備費等の自然公園施設整備費及び東北自然歩道整備事業費が主なものである。6目鳥獣保護費の予算額1億1、348万8、000円は、鳥獣保護員の設置、鳥獣保護思想の普及啓発等の鳥獣行政運営費、五葉山地域に生息するシカの適正な保護管理に要するシカ特別対策費が主なものである。
 138ページをお開き願う。3項保健所費1目保健所費の予算額30億568万7、000円は、保健所職員の人件費等の管理運営費及び3歳児健康診査等の母子保健指導費が主なものである。
 139ページに参って、4項医薬費1目医薬総務費の予算額12億1、330万3、000円は、医務課などの人件費等の管理運営費及び衛生統計調査に要する経費である。2目医務費の予算額12億9、842万6、000円は、次の140ページに参って、自治医科大学運営費負担金などの医師確保対策費、病院群輪番制病院運営費補助、高次救急センター交付金、県民のだれもがどこでも心肺蘇生法を行えるよう知識及び技術の普及を図る事業などの救急医療対策費のほか、いわてリハビリテーションセンター管理運営費が主なものである。141ページに参って、3目保健婦等指導管理費の予算額5億9、463万7、000円は、看護婦等養成所及び院内保育事業の運営に対して補助などを行う保健婦等指導費、保健婦、助産婦、看護婦、歯科衛生士等を養成する事業の保健婦等養成費及び民間立看護婦養成所に対する図書教材整備費補助が主なものである。142ページに参って、4目薬務費の予算額4、800万2、000円は、献血制度を推進し、輸血用血液の安定的確保を図るための血液事業推進対策費のほか、青少年の薬物乱用による健康被害の防止を図ることを目的とした普及啓発事業を実施する青少年薬物乱用防止啓発事業費が主なものである。
 次に、ページを飛んでいただいて262ページをお開き願う。13款諸支出金1項公営企業貸付金1目公営企業貸付金の予算額133億円は、県立病院等事業会計の運営資金として貸し付けしようとするものである。
 263ページに参って、2項公営企業出資金1目公営企業出資金の予算額5億5、870万7、000円のうち、当部関係は県立病院等事業会計への出資金3億4、838万2、000円である。264ページに参って、3項公営企業負担金1目公営企業負担金の予算額115億819万5、000円は、県立病院等事業会計への負担金である。
 265ページに参って、4項公営企業補助金1目公営企業補助金の予算額28億2、453万3、000円のうち、当部関係は県立病院等事業会計への補助金26億8、838万3、000円である。
 次に、債務負担行為について御説明申し上げる。
 お手元の議案その1の11ページをお開き願う。第2表債務負担行為のうち、6及び7が当部関係である。
 6、公害防止施設整備資金の融通に伴う利子補給についてであるが、これは融資総額2億円を限度とし、中小事業者が国民金融公庫等から融資を受けた場合に利子補給をするものである。
 7、日本開発銀行が財団法人クリーンいわて事業団に融通した資金について、元利金の償還がない場合の不足額の損失補償は、財団法人クリーンいわて事業団が元利金の償還をできない場合、融資総額34億8、000万円を限度として、元本及びその約定利息に相当する額の損失補償をしようとするものである。
 次に予算に関連する6件の条例の改正について御説明申し上げる。
 議案その2の19ページをお開き願う。議案第31号保健婦養成所等授業料等条例の一部を改正する条例であるが、これは、保健婦養成所等の授業料及び入学選考料の額を、他の県立教育施設における授業料及び保健婦養成所等の運営費の増高などを勘案して見直しを行い、増額しようとするものである。
 次に、21ページをお開き願う。議案第33号岩手県衛生研究所検査等手数料条例の一部を改正する条例であるが、これは、岩手県衛生研究所における検査及び試験の手数料の額を、人件費及び諸経費の増高などを勘案して見直しを行い、増額しようとするものである。 次に、29ページをお開き願う。議案第37号精神保健センター条例の一部を改正する条例であるが、これは、精神保健センターにおける診断書及び証明書の交付の手数料の額を人件費及び諸経費の増高などを勘案して見直しを行い、増額しようとするものである。
 次に30ページをお開き願う。議案第38号興行場条例の一部を改正する条例であるが、これは、興行場営業の許可の申請に係る手数料の額を、人件費、諸経費の増高などを勘案して見直しを行い、増額しようとするものである。
 31ページに参って、議案第39号浄化槽の保守点検業者の登録に関する条例の一部を改正する条例であるが、これは、浄化槽の保守点検業者の登録の申請に係る手数料の額を、人件費、諸経費の増額などを勘案して見直しを行い、増額しようとするものである。
 次に32ページをお開き願う。議案第40号化製場等に関する条例の一部を改正する条例であるが、これは、化製場等の設置等の許可の申請に係る手数料の額を、人件費、諸経費の増額などを勘案して見直しを行い、増額しようとするものである。
 なお、これらの条例はいずれも平成7年4月1日から施行するものである。
 以上で、環境保健部関係の説明を終わらせていただく。よろしく御審議をお願い申し上げる。

〇戸羽委員長 ただいまの説明に対する質疑は、昼食後午後1時から開始いたしたいと思うので、この際、昼食のため午後1時まで休憩する。
   午後0時2分 休 憩
   午後1時5分 再 開

〇佐藤副委員長 休憩前に引き続き会議を開く。
 午前中の説明に対し、質疑はないか。

〇伊藤(孝)委員 2つばかりお伺いしたいと思う。
 まず第1番に、いつもの質問で、どなたの委員も申し上げてこられた県勢の均衡ある発展ということに対して、御答弁は、所得の向上という意味合いのみだけではなくて、県勢の均衡ある発展は、大自然に恵まれた類のない他県にない自然という環境も、所得とは申さなくとも、内容的には、充実したすぐれた景観が所得の対象源とみなして、均衡ある発展と言わざるを得ないというような意味合いの御答弁がなされる。それは大変いいことであるが、最近の葉っぱがなくなった小河川の流路を見ると、やたらとビニールが目立つ。これらに引っかかってごみが堆積する。こういう状態でも自然の恵みと言うのであろうかということが、非常に懸念を持たれる内容の1つであろうと思う。
 そこで、これは環境保健部とのつながりとしてあるかないかという1つの線もあるが、環境ということになると、これも環境保健部対象に考えていいのではないか。特に小河川の問題として、ビニール袋が引っかかり、それにごみが引っかかり、惨たんたる光景が、今の落葉した冬期間の中での光景である。それが今度は清流の水の汚染にも伝わっていることであり、この横の連携というものを、関係官庁でお話し合いになったことがあるだろうか。もちろん、上下水道の幹線完備も必要である。そういう観点から、ひとつ河川の流路に対する自然の環境をきれいにするということに専念をしていただきたい。これには、ひとつ今度は横の連絡もあるわけであるが、本県では生物工学研究センターをつくっており、非常に熱心に優秀な教授を集め、そしてバイオ関係ではプロトプラスト培養まで進行したと申され、その他、数々の功績を上げられておる。
 その中で、関連性というものを1つ申し上げると、微生物の研究、つまりバイオリアクターの研究面において、小川の清流、あるいは沼地の清流、下水の清流はもちろん、この清流に関する力の入れ方、バイオリアクターの微生物の研究にどれだけの力を注がれておるか、それを1つお伺いしたいと思う。
 一遍に申し上げるが、昔の、石をひっくり返すとカジカがチョロチョロ出たり、サワガニが泳いだりするような自然を、均衡ある県政の自然の恵みとして評価をするような、そういう自然の小川をつくってもらいたい、これが1つ。
 もう1つは、私は選挙区が水沢であるが、伝統産業として鋳鉄産業が盛んである。その場合の原料を炉で燃やすとノロが出てくるわけであるが、このノロの問題は、いろいろと学説を問いただし、研究あるいは御指導を得ると、これは管理型ではないというように学術界は申し上げておられるが、ただ、においだけはある。においがあっても、これは毒質のものではないということで、伝統をただすならば、1200年前の平安からの伝統産業だ。今ごろ法律をつくって、どこだりさ捨ててはわかんないとは何事だというのが、業界の声である。今、炎立つ、江刺市でやっている豊田城の始まりから歴史の調査をした結果、これは平安時代からの産業だということが判明したわけであるが、ノロの処理の問題が、毎年、水沢では問題を投げかけられておる。投書をする者があり、あるいは何とか処理しなきゃない、背に腹はかえられないということで土の中に入れてみたり、そんなことをしながらやっておるものであるが、何とかうまく処理をする方法がないだろうか。石灰で練り合わせて捨てる方法、コンクリート用のセメントで練り合わせて捨てるような方法、組合を結成して、そういうお金のかかる処理の仕方等も、私、個人的には指導しているわけであるが、いずれにしても、金がかかるということなので、何とかひとつうまい方法はないだろうか。おまえは毎回県議会に行っているんだから、少しそのぐらいのことを聞いてこいというようなお話があったので、きょう、改めてこんなお話を伺うわけであるが、1200年前からの伝統産業を継続するためには、ぜひとも行政のお力をおかりしたい。問題は、このノロの処理問題というものをどのようにすればいいのかを、ひとつ御指導願えれば幸いである。

〇松本環境保健部長 バイオリアクターと自然の護岸の件でお答え申し上げる。
 生物工学研究所の所長といろいろ私もお話しをさせていただくことがあるが、委員御指摘の微生物の研究というものも、ぜひ、環境のためになるような微生物の研究というものができないだろうかということで、一応お話しはしておる。これから先、具体的にどうなるかということは、まだはっきりしたことはわからないが、生物工学研究所の方でも非常に御関心を持っていただいていると思っておる。
 また、当部の方に、河川のそういう微生物の研究という点においては公害研究所というものがあり、そちらの方でも、今後、委員御指摘のような観点からのものについても研究させていただきたいと考えておる。
 また、今後、河川をつくるときに、自然の護岸ということではどうかというお尋ねであるが、これについても、岩手県環境保全計画に基づいて、水清く緑あふれる快適な環境の保全と創造という中で、関係部局とも話し合いながら、できるだけ自然の護岸に近いような形でやっていただけたらというぐあいに、今、話し合いをやっている最中である。
 あと、お尋ねのノロの点については、中村廃棄物対策室長の方より答えさせる。

〇中村廃棄物対策室長 それでは、ノロについてお答えする。
 現在、ノロの処理、活用については、産業廃棄物処理法上は、鋼滓基準ということで管理型処分場で処理するというふうになっておる。今、委員がお話しなされたように、それらが研究されて、非常に有効であるということであれば、廃棄物の減量なり再利用なりに非常に役に立つと思っておる。また、再利用としては、一応芝の土どめなどがあるということは承知しておる。

〇伊藤(孝)委員 最後の言葉がちょっと聞き取れなかったが、そういうことで再利用できるならばいいというようなお話があったが、再利用をやっていいということは、まだ所管庁からは出ていない。これは、あなた1人で決めていいのか。
 もう1つは、再利用できる場合であればいいというけれども、石灰は許されてないのである。石灰をまぜて盛り土にするということは。それから、セメントでやる場合においても、これも1回はそうしてセメントでくるむけれども、強度の問題で、再利用はできない。石垣のようなぐあいには使えないのである。だから、いい加減なそういう御答弁ではなくて、では、くるんで、砕いて、土とまぜて埋めるんならいいとか。再利用はできないのである。そういうようなことをはっきりとした姿勢で、伝統産業を持続するためには、指導面がしっかりしてもらわなきゃないということになる。だから、そのことをひとつもう1回お答えをいただきたいと思う。
 それから、バイオリアクターの問題についての下水の、あるいは汚泥土の微生物関係はもうできている、筑波の学園都市に行くと。ただ、それをこっちが取り上げて早く行うか、行わないかの問題だけであって、10年前、私は随分筑波に通ったのであるが、あのころからもうできているのである。それを早く取り入れてきて、岩手県の自然を誇りとするならば、小川の清流に専念してもらうならば、非常に幸いという意味で申し上げたわけである。その点をもう1つ、横の連携をとる意味合いにおいても、よく所長と連絡をとりながら、その問題に誠意を持って取り組まないと、大自然を有する岩手県は、所得を倍増する宝なんだとはおっしゃるが、ビニールのごみが引っかかっているようでは、コガニもいない、カジカもいない、そんな自然は、自然と言えるのだろうか。ぼうぼうと生い茂った中がごみ、これが自然だと称するならば、大きな間違いではないだろうかと私は思うので、お伺いしたわけである。その点、もう1回はっきり御返事願う。

〇松本環境保健部長 貴重な御意見、ありがたい。
 微生物を自然に適用して浄化するということになると、既にあるもの、ないもの、また、大量に入れたときにどういう影響があるかということについても、いろいろ勉強する必要があるので、今後、研究させていただきたいと思う。
 また、委員が御懸念のビニールとか、そういうごみの問題は、私も、まちの中を歩きながらそういうものを見ると、非常に心痛むものがあり、これについては、住民の方々にもお願いしながら、またいろんな手だてを考えながら、ごみの減量化というものにまた一方では努めてまいって、本県の豊かな自然を美しい状態で保っていきたいというぐあいに考えておる。
 あと、ノロの関係については、中村廃棄物対策室長より答弁させる。

〇中村廃棄物対策室長 ノロの再生利用が確立されていないところであり、今後、その研究成果を待って対応していきたいと考えておる。

〇村田委員 チョウセンアカシジミの問題と、早池峰の国定公園にかかわる農用地の開発について、現況と将来の見通しについて承りたいと思う。
 この2月10日の各新聞においては、チョウセンアカシジミの会が、昭和62年に県から自然保護功労者として送られた感謝状を返上した事件について、かなりのスペースを割いて掲載されておるところである。その背景となるものは、絶滅のおそれのある野生生物で、しかも貴重な種とされておる田野畑村に生息するチョウセンアカシジミの保護のために、昭和43年に県が指定した自然環境保全地域について、その区域が、人里を好むチョウセンアカシジミには不向きの山林が大部分であり、その生息数も少ない。したがって、保護の効果が上がっておらないのではないかというものである。
 この会では、以前からこの地域の見直しなど積極的な保護を県に求めてきたのであるが、県がこれに対応しなかったために、このような抗議行動に出たもののようである。県の考え方が十分に伝わらなかったのか、それとも県の姿勢そのものに反省すべき点があったのかはつまびらかではないが、県民とともに歩む県政を基本姿勢とする工藤県政最後の時期に当たって、せっかく差し上げた感謝状の返上という珍事が生じたことは、まことに残念なことであると思う。
 このチョウセンアカシジミの保護問題については、保全地域の見直しや必要な土地の公的な買い入れ、あるいはまた保護団体が主張しておる県の天然記念物の指定、さらにはそれを特定した新たな啓発活動による保護など、幾つかの方法も考えられるんじゃないだろうか。
 自然保護をめぐってさまざまな意見が出されることは、国定公園を抱えた、私が町長時代に経験をしてまいったし、多くの困難が伴うことも十分承知しておるのであるが、この際、英知を出し合って適切な解決の道を探っていくべきものじゃないだろうか。県は、今後、この問題にどのような対応をするお考えであるかをまずお尋ねする。

〇佐藤自然保護課長 チョウセンアカシジミの保護についてお答えする。
 チョウセンアカシジミの保護については、保護団体、地域の方々等により、地域によってはだんだんふえているというような状況であるし、今すぐ絶滅するとか、そういう状況ではない。ただ、この前、2月に保護団体の方々が参って、私どもが指定しておる環境保全地域はチョウセンアカシジミの生息がそれほど多くはない。他の地域は大変多い。そして、チョウセンアカシジミの保護方法としても、環境保全地域として保全するのは適当ではない。だから排除しろと、そういうふうな主張があったわけであるが、私どもとしては、あの地域を指定するに当たっては、学術調査をして、しかも、環境保全審議会の御意見等をお聞きしながら県が指定していったわけである。それから、あそこはだんだん少なくなってきたということじゃなくて、先ほど申したように、他の地域でいろいろな形で努力している。そういうところについては、だんだんふえてきているわけであり、総体的に申すと、あの地域の占める割合と申すか、生息の割合がだんだん少なくなってきているという状況である。
 今申したような経緯で指定したところであるし、我々としては、廃止をしろと言われても、すぐそうというんじゃなくて、やっぱり自然環境保全地域の廃止等については慎重に考えていかなければならないものだと思っておる。
 それから、チョウセンアカシジミの特性として、あれはトネリコという木が食樹になっておるけれども、これは大木には生息しない。むしろ小さ目の木に生息するというような特徴がある。かつてはトネリコというのは木製のバットの材料に使われたり、しゃくしに使われたり、また家具材に使われるということで、大変需要が多かったわけであるが、現在はそういう需要がだんだんなくなってきておる。したがって、更新をされないということで、工事等では、何かあればそのまま切り倒されるというような例もあるし、また、切らないものであるから、そのまま残っているものは大木になってしまう。そこで、チョウセンアカシジミの生息にはだんだん適さないような状況になっているというのは事実である。これは、やっぱり手をかけてやっていかなきゃいけないということなわけである。
 保護団体の方々の主張では、自然環境保全地域というのは、そういう手をかけるというんじゃなくて、むしろ手をかけないで保全していくのが自然環境保全地域じゃなかっただろうか。そういう性格のものを指定しても、なかなかチョウセンアカシジミの保護にはならないんだ。だから、そういうことはやめて、天然記念物等に指定して保護していった方がいいと、こういう主張なわけである。
 我々としては、自然環境保全地域については、そういう原則的な側面もあるが、ここの地域について言えば、チョウセンアカシジミの保全のための地域指定であるので、保護計画等により、ある種の手を加えるとか、そういうことができるようになっているので、保全地域を廃止する、廃止しないの前に、私どもとしては、生息環境を整えるような努力をしてみることがまず先決だろうと考えているわけである。
 それから、天然記念物の指定の関係については、これは、委員御承知のとおり、天然記念物というのは文化財なわけである。文化財というのは、地方教育行政の組織及び運営に関する法律でもって教育委員会の所管になる。それから、具体的に県で指定する場合には、岩手県の文化財保護条例の規定による保護になろうかと思うが、これも教育委員会でやることになっており、我々の方では、それについて、別に指定することについて否定的な見解を持っているわけではないし、それも1つの方法だろうと思うが、我々のところでは対処できないような状況である。

〇村田委員 手をかけてはならない保全地域、手をかけなければ生態学的な保護にならぬという生態の問題、このチョウセンアカシジミの問題は、手をかけなければ、幼木でなきゃ生息しないトネリコの問題である。そうなると、せっかく差し上げた感謝状というものは、1つの県としての行政的な励ましの意味で出されたものではないのか。それを受けた保護団体みずからが、それらの生態学を勉強していただいて、幼木をリンクしていくような林木の育成というか、そういうものを配慮すべきではないのか。それを指導すべきではないのか。その指導をする場合に、しかし、自然保護団体みずからの所有地じゃないという意味もあるだろうが、手をかけるというのは、別な所有者の方の経済行為であろう。そういうことになると、どうも大変な難しい問題になってくる。その辺はどうお考えか。ある程度、県とか市町村で、これはやっぱりサイクルさせるような配慮、そうすると、ある程度助成をするとか、そういったような積極的な保護に踏み切っていかないと、やはり空手形の地域保全になるんじゃないかと思うけれども、1歩踏み込むお考えはないか。

〇佐藤自然保護課長 私どもが指定しておる環境保全地域については、これは、私どもの直轄の指定というのは直轄の保護地域であるので、県としては、いろいろな形でそういう保全のための措置をしていきたいと思っておるし、委員がおっしゃった市町村とか、そういうところでの保護の場合の何か助成策がないかということであるが、それについては、快適環境整備事業という環境保全基金の中の1つの事業があるので、市町村等の希望があれば、それによって措置をしてまいりたいと考えているところである。

〇村田委員 これは、今後とも趣旨の徹底を図るように、そして、感謝状が返上されないように、生きていくように、いろいろとこれから指導を加えていただきたいと思うわけである。
 もう1つは、早池峰の国定公園は、文部省所管の特別天然記念物、それから特別自然環境保全地域、あるいはまた保健保安林、特別鳥獣保護区域もそうであるが、5つ、6つ、ずっと網のかかっている地域である。その中にぽつりと、戦後の林野整備で民間に払い下げられた林地が90ヘクタールある。その後、平成4年に至り、民間の90ヘクタールを町が買い上げをした。町有地になった。そこへ、今度は農用地の開発で高冷地野菜を栽培したりということで、農地開発の申請が地元町から出されておるやに聞いておるわけである。それは、平成4年のことだと思うけれども、その後、継続して現地の調査をされておると思うが、今までたびたび申し上げておるやりとりの中では、地元の町の方から出されておる申請で、環境保全の関係についてもカバーされておる、施行上にも問題がないという答弁に農政部所管では接しておるわけである。
 しかし、今日、町長も変わり、自然環境の保全という点について強く地元の意思としても見直しをすべきではないか。したがって、代替案というものを考えつつ、何とか農用地開発を避けたらどうであろうかという論議が、今なされつつあると私は承知している。したがって、この問題については、後に禍根を残すことのないように、網の中にボツッと入っている公用地であるので、よほどこれは慎重を期すべきではないかと私もかねがね思っておるわけである。環境保健部としては、この問題は、横の話し合いがなされているか、意見調整がなされておったのか、今後どういうふうに進めるべきとお考えであろうか、承りたいと思う。

〇佐藤自然保護課長 早池峰地域の農用地開発についてお答え申し上げる。
 委員から、今いろいろな地域指定がなされているというふうに御指摘があったが、私どもの方の所管としては、あの地域は、1つは早池峰国定公園であるし、隣接のところには国の自然環境保全地域という指定があるわけである。そして、そういう自然環境の保全というのは大変大切なものであるので、県が行う開発等の計画が作成され、あるいは開発計画が実施に移されるような場合には、自然環境の保全に万全を期す必要がある。そういうことから、関係部では自然環境の保全について慎重に検討することはもちろんであるし、環境保健部の方にも申し出をいただいて、協議をいただくという形になっているわけである。ただ、先ほど申したように、この地域で私どもが指定しておるのは、国定公園と自然環境保全地域である。それから、委員が御指摘のその土地は、早池峰国定公園からも、環境保全地域からも離れた地域のようであり、そういう意味で、農政部からは、現在までのところ、そういう協議等は行われていないところである。

〇村田委員 その場所の90ヘクタールは、確かにそういう網から外れているのである。それでも、実際は国定公園の範囲内にある部分である。隣接しておる。線引きでただちょっと外れているということで、それが、やたらな開発行為をされることによって、1つの自然を守る緩衝地帯が失われるということになる。これは大変な影響のある場所であると私は認識しておるわけである。したがって、相手が第三者、いわゆる民間の40名当時の林野組合、牧野組合ではなくて、町の公的な所有物になったということであるから、今後とも町から十分な意見聴取なりしていただいて、ひとつ将来とももっといい方法を選んでいただくような誘導をお願いできないかと思っておるわけであるので、もう1度、ひとつその辺の御所見を承りたい。

〇佐藤自然保護課長 私どもの方としては、先ほどの2つの指定があるし、恐らく我々の所管じゃない別の指定等も、委員御指摘のとおり、あるのかもしれないので、そちらの方であるいは協議しているのかもしれないが、我々のところでは、現在のところでは協議を受けていないということであるし、ただ、自然保護の観点からは、いずれ、大切なものは守っていかなきゃいけないと思っておるところである。

〇菅原委員 お尋ねをするが、食鳥検査に関係することである。
 御承知のとおり、食鳥の生産上位5県というのがあるわけである。1番が鹿児島県で1億1、300万羽、次は宮崎県で1億500万羽、3番目が岩手県で8、800万羽、次は徳島で2、500万羽、青森県2、300万羽である。これは平成6年度の3月の実績の想定でこういう数字が出ているわけであるが、岩手県は、先ほど申し上げたように全国3番目で、鹿児島、宮崎、岩手県で、全国の食鳥生産の2分の1を生産している状況になっているわけである。
 岩手県の農業粗生産額の合計は、平成5年で2、615億円、うち畜産が53・9%で1、400億円、その中の食鳥の占める割合は44%ある。619億円という数字が出ているわけである。平成4年から食鳥検査制度が発足したわけであるが、この上位2県は、当初から食鳥検査手数料は3円、岩手県は4円ということになっておったわけである。これはいろいろな事情があったようであるが、平成7年度から上位2県並みに1羽当たり3円に値下げをしたということである。これは新聞紙上等にも記載になっているわけである。すべてのものが値上がりをしているうちで、ただ1つだけ値下げということになったわけであるが、これは、環境保健部としては大ヒットではないかという感じをしておるわけである。したがって、1円値下げすることに対して、非常に努力をなさったんではないかと思い、心から敬意を捧げる次第である。
 岩手県は、年々出荷羽数もふえており、特に首都圏に対する輸送は、鹿児島、宮崎よりは非常に有利な立場にいる。だから、これから食鳥の生産の主導権を握っていくのは岩手県ではないかという感じをしているわけである。
 そこで、先ほど敬意を表したわけであるけれども、4年から3年間続いた食鳥検査の結果、廃棄率とか、廃棄羽数とか、あるいはまた、その中のマレックの廃棄、そういうような実績があったら、ひとつお示しをしていただきたいと考えるわけである。

〇藤田生活衛生薬務課長 食鳥検査の廃棄処分の状況のお尋ねにお答えする。
 本県の食鳥検査における全廃棄羽数の状況については、平成4年度は検査羽数8、594万6、000羽に対して、全廃棄羽数が146万3、000羽で、廃棄率にして1・7%である。平成5年度では、8、886万羽に対して、廃棄羽数が130万羽、廃棄率が1・5%である。平成6年4月から平成7年1月末までの実績では、総羽数が7、486万2、000羽に対して、廃棄羽数が84万5、000羽、廃棄率で1・1%になっており、廃棄羽数、廃棄率とも年々減少しているところである。
 次に、マレックの状況であるが、マレック病については、率で申し上げると、平成4年度が0・82%である。平成5年度では0・66%、平成6年の4月から1月まででは0・27%というふうに、マレック病も年々減少してるところである。

〇菅原委員 おかげさまで廃棄率が減少しているということであるが、依然として、全国平均から見ると高いようであるが、今後、環境保健部として、どのような対策を講じたらば率が低下するかというような所感でもあれば、お聞かせを願いたいと思うわけである。

〇藤田生活衛生薬務課長 廃棄処分の減少対策についてであるけれども、食鳥検査において廃棄処分となるものについては、先ほど、委員御指摘のとおり、マレック病とかあるいは大腸菌症等によるものである。これらの疾病は、養鶏場の飼養管理あるいは衛生管理が極めて重要であると考えているところである。環境保健部としては、当初より食鳥検査結果のデータを分析して、食鳥処理場として、養鶏場に還元というか、提供してきたところである。養鶏場では、それらのデータを有効に活用していただいて、養鶏場における対策をいろいろ講じてきたものと理解しておるが、その結果、廃棄率が下がってきているものと私どもは認識しているところである。
 今後においても、こうした検査データを分析したものを養鶏場等に還元して、有効活用が図れるよう努力してまいりたいと考えておる。

〇菅原委員 先ほど、廃棄羽数の数字が示されたわけであるが、これを金額にすると、どのぐらいの損失になるか計算していないけれども、いずれにしても、廃棄率が減少するということは、県内の食鳥生産振興のために大いに役立つわけであるが、そういう面を含めて、これからもひとつ岩手県の食鳥産業振興のために御努力をしていただくように要望して、終わる。

〇佐藤(啓)委員 2点お伺いする。
 1つは、リハビリ医療についてである。
 県の第3次保健医療計画の中では、リハビリテーション医療の供給体制の整備が求められている。そして、そのための供給システムの調査検討が必要だという問題意識が計画の中に盛り込まれているわけである。雫石のリハビリテーションセンターが完成し、多くの県民がこれを視察する中で、リハビリ医療に対する関心は大変高まっていることは事実であるし、御存じのような県土の広さから、何としても、供給システム、サービスの整備が強く望まれているというのが現状だと思うわけである。
 さらに加えて、高次救急医療体制についても、先刻、全県に配慮した措置を講ずる旨の考えが明らかになっているわけであるが、どうだろうか、やはり県内にサブセンター的なものを2カ所ぐらい設置する必要があるのではないかと考えるわけである。したがって、3県総の後期計画の中に、これを明確に盛り込みながら、その間、当該地域の県立病院のリハビリ診療科の充実を積極的に図る、そういうことが必要ではないかと思うわけである。お考えを示していただきたい。
 第2点は、C型肝炎についてである。
 新薬や医療技術の開発に伴って、一面、プラス面はあるわけであるが、逆にそういった新たな病気の発生ということも考えられるわけである。C型肝炎もその1つだと思うわけであるが、患者数の把握はどうなっておるのか。発病の原因究明がどの程度なされ、どんな予防措置が講じられているのか。そして、御存じのように、これは大変医療費がかさばるということで、厚生省の指導等で患者負担の軽減策は講じられているようであるが、この点についてもどう措置されているか、明らかにしていただきたいと思う。
 発病の問題についてであるが、これは潜伏期間というのか、つまりかなり日時が経過して発病するというケースもあるようである。そういう意味で、原因究明がどの程度明らかにされ、予防措置が講じられているのか、ぜひ明らかにしていただきたい。

〇押切医務課長 いわてリハビリテーションセンターのサブセンターということについてお答えする。
 まず、いわてリハビリテーションセンターであるが、このセンターは、人口の高齢化等を背景として、リハビリ医療の需要の増大に対応して、高度なリハビリ医療のほか、リハビリ医療に関する調査研究を行い、その成果を県内の各医療機関へ普及を図るなど、県内のリハビリ医療の中核施設として、平成5年10月に開設したわけであるが、これまでに、県下各地の医療機関と連携を図りながら、障害の回復期の患者への対応を中心に、49の医療機関から紹介された患者を受け入れているところである。
 一方、県内の各地域のリハビリ医療についてであるが、まず、県立病院であるが、逐次専任の医療及び理学療法士を充足し、現在までに19病院において、厚生大臣の定める基準に適合する施設の承認を受けて、急性期の患者に対応し得る機能の整備に努めてきているほか、その他の病院においても、例えば岩手労災病院とか東八幡平病院など、相当レベルのリハビリ医療を実施している状況にあるわけである。これらの病院は、県下9医療圏すべてに配置されており、地域における保健福祉施設との有機的な連携を図る中核機能としての役割を果たしているところである。したがって、県としては、今後とも本県リハビリ医療のレベルアップを図るために、いわてリハビリテーションセンターが行っている高度リハビリ医療に関する調査研究の成果を積極的に普及するなどして、地域のリハビリ医療の充実に努めてまいりたいと考えておる。

〇伊藤技術参事兼健康推進課長 C型肝炎についてお答えする。
 C型肝炎は血液を介して感染して慢性化し、肝臓がん等に移行するケースが多いわけであるが、報告義務がないために、感染状況は把握しておらないわけである。厚生省からの情報によると、全国の感染者数が100万人から120万人と推定されているわけである。これによると、本県の感染者数は1万人から1万2、000人ぐらいだと推定されるわけである。
 感染者の医療体制についてであるけれども、平成4年に、県医師会、血液センター及び岩手医科大学の関係機関が協議して、本県のC型肝炎に関する相談、治療に当たる医療体制を整備したところである。
 現在、岩手医科大学第1内科を中心にして、県内の14の専門医療機関がその対応に当たっておるわけである。また、血液センターでは、陽性の献血者に対して、検査結果と専門医療機関を紹介し、相談等受診するよう通知が行われているわけである。
 医療機関に対しては、岩手医科大学第1内科が医師会と協議して、キャリアクリニック診療指針を作成して周知を図っておる。さらに、医師会主催の研修会や学会を通じて、一般医療機関においても、感染予防対策が講じられていると承知しておるところである。
 それから、医療費の患者負担の軽減ということであるけれども、C型肝炎の治療費は1カ月当たり100万円ぐらいかかると言われておる。そのうち、これは国保の場合の例をとると、一部負担は30万円となるが、これは高額療養費制度により、自己負担額は1カ月6万3、000円となり、かなり軽減が行われておるわけである。

〇佐藤(啓)委員 逆に第2点の方から聞くが、患者は減っているのか、横ばいということになるのか。平成4年に医大等を中心に対策が講じられているようであるが、減っているのか、まずその点を明らかにしていただきたい。
 それから、結局、医師会を通じて各開業医等に十分な指導がなされているんだろうと思うが、それでも発生するというのは、お話のように、血液を通じてということになれば、これは大変な問題だと思うが、その辺、万全を期してほしいという要望を申し上げるしかないのであるが、患者の動向に焦点を合わせながら明らかにしていただきたい。
 第1点のリハビリの問題は、午前中の生活福祉部の中でも、体制が19病院でかなり充実されているというお話があり、私は、サブセンター方式がいいのか、そういう県立病院の中の施設設備を充実していくという方がいいのか、その辺は今、お答えを聞いて、なお検討したいと思うわけであるが、結局、このとおり、広い県土だから、むしろ地域のそういうリハビリ医療の充実を図った方がいいというのが県のお考えなのか、もう1度お聞かせ願いたい。

〇押切医務課長 順序が逆になって恐縮であるが、リハビリセンターの方についてお答えする。
 先ほど申し上げたように、地域ではかなりの病院で相当レベルのリハビリ医療を実施している状況にあるわけで、今のいわてリハセンターでは高度な医療ということを中心にやっているわけであり、いわてリハセンターと、そういう地域のリハビリ医療をやっている病院と有機的な連携を図るという中で、地域のリハビリ医療の資質の向上というか、充実を図る。そういう中で、本県全体のリハビリ医療のレベルアップを図るというようなことを考えていきたいと、今の段階ではそう思っておる。それが、県民全体としても、ある程度有効なものじゃないか。もちろん、高度なリハセンターの方も一層充実を図ってまいりたいとは思っておるが、そういうことで対応していきたいと思っておる。

〇伊藤技術参事兼健康推進課長 C型肝炎についてであるけれども、その実態については、詳しいことはわかっておらないけれども、この原因となるのが、先ほど申し上げたように、血液を介してなるわけであり、現在においては、注射器であるとか、そういう器具類については使い捨てのものを使っておるので、感染することについては少なくなってきておると思う。当時、感染しておるのは、恐らく1960年代の古い時期であったと思うし、現在は、先ほど申し上げたように、献血などにおいても検査して、献血者に陽性があった場合には通知する等で防止しておるので、少なくなっていると存じておる。

〇佐藤(啓)委員 これは、かかったら完治するということがあるのか。私は、患者がかかってしまえば大変だというお話を聞いているわけで、国の方で、難病とか何か、治療に専念できるような医療技術の開発とか、そういうことが講じられているものか、お伺いして、終わる。

〇松本環境保健部長 専門的な事項であるので、私の方からお答えさせていただく。
 C型肝炎の場合、原因はC型肝炎ウイルスというウイルスによる感染であり、1度感染すると、これは、はっきり申し上げて、ウイルスが勝手に出ていくわけではないので、治らないということになる。ただ、感染される方々が全員肝炎になるかというと、必ずしもそういうわけではなく、やはり日ごろの健康管理とか、そういうこともある。また、他へ移さないようなということで、生活管理の方も医療機関の方でなされていると聞いている。
 あと、厚生省の方においては、こういう肝炎についての研究班が置かれており、治療法については、先ほど担当の課長の方からお答えしたが、非常に医療費のかかるインターフェロンという薬があるが、あれを用いてかなりのところまで効果があるというぐあいに言われておる。ただ、その薬も効果のない患者さんも一部いらっしゃるということもわかってまいった。そういう方については、どのようにすれば発症を抑えるか、肝炎になるのを抑えるかという、そこの研究もあわせて厚生省の研究班の方で行われているという具合に聞いており、そういうことで、不幸にして感染された方々については、治療のできる方については、治療を受けていく。保険でも適用になっておるけれども、まだそれでも効果がないという方には、今しばし、その研究成果が出るまで待っていただきたいというような状況であるので、当職としても、そういうものがわかり次第、できるだけそういうことを還元するように努めてまいりたいと考えておる。

〇小原委員 2点お伺いする。
 1点は、自然環境保全指針の策定についてである。この策定に向けては、第三次岩手県総合発展計画の県の独自事業ということで、鋭意お取り組みをいただいているところである。
 そこで、平成7年度については、専門家の検討に入ると聞いているわけであるけれども、この専門家による検討ということの内容について、どのような検討がなされる年度にするおつもりなのか、この点を1点お伺いをしておく。
 2つ目は、家庭用の雑排水の処理対策である。厚生省が所管をしておる合併処理浄化槽の普及状況はどうなっているのか。さらにまた、今後の普及の見通しについてお伺いをしたいと思う。
 平成6年度から自治省による財政支援というものもかなり強化をされたと聞くわけであるけれども、そうした小規模の戸数単位による合併浄化槽の普及対応、これらについてお伺いをする。

〇佐藤自然保護課長 自然環境保全指針に向けた平成7年度の取り組みについてお答え申し上げる。
 自然環境保全指針については、環境に配慮した開発という考え方を県民の方々に御理解をいただく、大変有効な手段であるという認識を私どもとしてはいたしているところであるが、県はこれまで環境情報の集積を進めるとともに、指針の策定手順などについて、事務的に他の道県などを調査検討してきたわけである。平成7年度においては、引き続き環境情報の集積に努めるとともに、新たに学識経験者による検討会を設け、その意見を聞きながら、指針のあり方それから自然環境に関する基礎資料の解析、あるいは評価の手法などの検討のほかに既に調査しておる基礎資料等もあるので、これらの整理、分析など、自然環境保全指針の策定に向けた作業に具体的に着手してまいりたいと、このように思っているところである。

〇中村廃棄物対策室長 合併処理浄化槽についてお答え申し上げる。
 合併処理浄化槽は、し尿等生活排水をあわせて処理することができ、下水道未整備地域における生活排水の有効な手段として位置づけられており、年々市町村からの要望が多いことから、県としても積極的に対応してきているところである。平成5年度に1、208基を設置しておるし、また、6年度においては1、242基を予定しておる。7年度当初においても1、418基を予定しているところであり、今後とも積極的に対応してまいりたいと、このように考えておる。
 それから、2つ目の自治省における財政措置の関係であるが、これは小規模集合排水処理施設整備事業というものがあり、これは農業振興地域において農業集落排水事業の対象とならない小規模の集合型生活排水処理施設の整備ということで、これについて自治省から財政支援しており、事業費の30%を一般会計から公営企業会計へ繰り出し、事業費の60%は下水道事業債で充当すると、こういう制度である。
 なお、この繰出金については普通交付税に全額措置されるし、また、下水道事業債は元利償還の50%が後年度で交付税の対象になると、こうなっている事業である。ただ、この自治省の財政支援措置に関する事務については、総務部の地方振興課が所管しているということである。

〇小原委員 この自然環境保全指針の策定について、環境情報の集積を今鋭意行っていると、こういうことであるが、1つ、市町村からの積み上げという、市町村を通じての情報集積ということも当然行われているかと思うけれども、これら県民の認識、理解を高めていくという観点からも、市町村を通じた県が策定をする環境保全指針のその過程の中で理解度を高めていくということも必要かと思うので、この点はどうなっておるか、市町村からの情報の積み上げという点について現状をお知らせをいただきたい、あるいは取り組みの方向性を示していただきたいと思う。
 それからただいまの、確かに自治省が所管をする小規模の農村集落排水施設整備事業、ここから外れたところということであるが、確かに総務部所管ではあろうと思うけれども、それらの地域への有効対応、これらは双方の事業がある意味では近接をするというか、そういう規模にかかわることであるので、十分御留意をして普及拡大に御努力をいただきたいと、この点は御要望にさせていただきたいと思う。1点お伺いをしておく。

〇佐藤自然保護課長 自然環境保全指針をつくるに当たって、市町村等からの情報をというお話であったが、従来から私どもの方では基礎資料としておる動植物の分布調査等については市町村からの情報等もいただいているところであるし、それから今後煮詰めていかなければならない問題であるが、環境保全指針の中で身近な自然等を取り上げるということになると、当然、市町村等からの情報もいただかなければならないと思っているところである。

〇菊池委員 今、前段の小原委員と関連するわけであるけれども、合併浄化槽を毎年千数百個ずつ設置をされていると聞いて、今の答弁では市町村の要望にこたえてということになっているけれども、例えば千数百個ずつ毎年予算に組んでやっていったらば、何年たったらば全部終わるだろうか。(「百年河清を待つ。」と呼ぶ者あり)

〇中村廃棄物対策室長 その年度はちょっと計算してみたことがないけれども、今現在、平成4年度は下水道整備率が、水洗化率が25・9%ということで、これは土木あるいはうちの方の合併処理等も含めて生活排水の処理に努力していくと、こうしているところである。

〇菊池委員 部長、例えば、私素人だから、25%ということはまだ4分の1である。これは公営下水道も含めてということは、私は合併浄化槽を必要とする地域は岩手県の場合はもっと多いだろうと。今、後ろの委員は100年かかると言ったけれども、100年だと私は生きていないので、例えば一たん汚染された環境を復元するときに、今合併処理浄化槽を使う補助金を出すよりはどれだけ金がかかるであろうか。もとの今のきれいなものに戻すには、それをちょっと聞かせてもらいたい。

〇松本環境保健部長 正確に試算したわけではないが、汚染されるものにもよるが、一たん汚染されたものをもとに戻すというのは、これは金銭だけではなくて非常に時間的にも大変かかるということで、これは金銭に換算できないほどいろんな影響が多いんではないかと思っておる。

〇菊池委員 先ほどの答弁では、市町村の要望にこたえて年間千数百個ずつやっていると聞いたけれども、私の聞いている範囲では市町村の持ち分もあるわけである。県も補助する国も補助するし、もちろん受益者も出すけれども、市町村にも持ち分があるわけであるから、今の現況の市町村の財政では、こちらでは要望どおり出してあるはずなんだけれども、もっと地域から要望があっても市町村は対応できないんじゃないかと思う。例えば市町村の持ち分に対しては、県や国が起債か何かで補てんするような形だと100年かかるところ50年で済むとか、50年かかるところ30年で終わるという格好をとれると思うけれども、そういう考えはないであろうか。私の聞いている範囲では、かなり要望があるけれども限度があるからそれはだめだという話を聞いている。その実態は把握しておられるか。それとも、それはむしろそれとして、例えばそういう形で起債を出してやると、市の持ち分、市町村の持ち分、そして要望に100%こたえる形だとかなり速度が早く、自然環境を保全しながら立派な岩手の県土を保持できるんじゃないかと思うけれども、その方針をひとつ聞かせてもらいたい。

〇松本環境保健部長 貴重な御提言だと思っておるが、ただ、このようなちょうど似たようなものが、いろんな事業がある。その中で国の補助があってかつ県が補助し、市町村が補助し、かつ受益者が負担するというものがあるが、そういうものの中で市町村の部分を国なり県で肩がわりというか、部分的に肩がわりしてやらないかということであろうかと思うけれども、ほかのいろんな制度等の中との絡みがあるので、そういうことができるのかどうかということを含めて、いろいろ調べさせていただきたいと思っておる。

〇阿部委員 少産、少子が大きな問題となっているわけである。これに対応して、子育て支援など積極的な施策も打ち出されているところであるけれども、こうして子供を産みたいと思っても産まれない、いわゆる不妊症という方もかなりいらっしゃるわけであるが、こういう不妊症の実態について県はどのように把握されているのかお伺いする。

〇伊藤技術参事兼健康推進課長 県内における不妊症の実態についてお尋ねであるけれども、不妊症は大体夫婦のうち10%前後に見られると医学的に言われておるけれども、その把握については個人的問題等もあり困難である。

〇阿部委員 およその数とすれば全体の10%ぐらいが不妊症ではないかと、こういう概数で見ているようであるけれども、確かに個人の問題に帰してしまえばそのとおりだと思う。では、今まで行政が行ってきたものを、個人にかかわり合いある以外のものというのは、すべて個人に起因しているのがほとんどなわけである。だから、私はこれが表面化してこないという原因の1つの中には、相談する窓口がはっきりしていない。これは個々にはそれぞれの病院等に行って相談している方もいらっしゃると思うが、まずどこに行って相談したらいいかということがはっきりしていない。それから、それを専門に扱う医療機関あるいは医療従事者というか専門医、こういう方がどこにいらっしゃるかわからないという、こういうことが実態を把握しにくくしている一面もあるのではないかなと、こう感じるわけであるが、もう少しこういうところについても丁寧に対応していくということが必要だと思うわけであるが、それらについてはどのようにお考えであろうか。

〇伊藤技術参事兼健康推進課長 県内におけるそういう方々の相談なり医療機関の問題であるけれども、県内において岩手県医師会で調査したものによると、不妊に係る何らかの診療を行っている産婦人科等の医療機関は、60カ所程度と聞いておるわけである。
 なお、体外受精等のいわゆる高度先進医療機関として日本産科婦人科学会に登録されている生殖医学登録産科施設、これは平成6年11月現在で、東北では東北大学など8カ所となっておるわけであるが、本県においては今のところ登録されていないという状況にある。

〇阿部委員 そこで問題はここだと思う。本県が積極的に対応するかどうか、これは確かに個々の開業医の問題なりあるいは法人が判断して開業するとか何とかということになろうかと思うが、もう少し明確に、本県としてもこうした医療機関はここでやるという形で明示するとか、あるいは専門医についての要請もきちんと方向性を出していくと、このことも必要だと思うし、さらに、特に体外受精などの高度医療などについてはかなりの金額もかかるんだろうと思う。だから、こういう不妊症に対する医療費助成、こういうことも検討に私は値すると考えるわけであるが、それらについてはどのようにお考えなのかお伺いする。

〇伊藤技術参事兼健康推進課長 その専門医の養成についてであるけれども、これについては個々の医師の問題、あるいは医療機関の取り組み等に係る課題があるわけである。また、県単医療費の助成についてであるけれども、不妊治療技術の熟度や安全性や倫理性などの問題があることから、現時点では考えていないところである。

〇阿部委員 いずれこの問題についてはまた別の機会にやらせていただきたいと思うが、ぜひ環境保健部としても十分な対応、検討をお願いを申し上げたいと思う。
 次に、精神障害者の問題についてお伺いをするが、今精神科を持っている病院では、入院させなければならない患者がいても入院させることができない。片一方では、もう退院してもいいんだけれども、退院させることのできないいわゆる受け入れ態勢がないという、こういう形でベッド数とのかかわりなどで、かなり精神障害者を取り巻く状況というのは厳しい状況になっているわけであるが、このように退院してもいいと医師が判断されている患者というのは、一体、現在どの程度の方が入院されているのか。それから、入院しなければならないと医師が判断しても、そうしたベッド数の問題などから、入院もさせられないでいる患者というのはどの程度いらっしゃるのかお伺いする。

〇伊藤技術参事兼健康推進課長 本県において精神病院に入院されている方は約4、700人ばかりいらっしゃる。それから、通院している方はおおむね3、700人ばかりおられるわけである。

〇阿部委員 私どもも地域の県立病院の運営協議会なんかにも参加させていただいているわけであるが、そのとき精神科のある病院の先生からは、退院させたいけれども受け入れてくれる家族の側の問題、あるいは中間的にもう少し治療をしながら様子を見たいと、こう思ってもそういう施設もないという、こういう患者がかなりいるとお聞きしているわけである。だから、そこを考えた場合には、もう少し行政の側としてもこうした精神障害者に対する中間的な施設、これを整備していくということが重要な課題だと考えるわけであるけれども、こうした中間施設の整備の考え方についてはどのようにお考えかお伺いする。

〇伊藤技術参事兼健康推進課長 今、委員から御指摘あったように、精神障害者の退院後の社会復帰に際しては、発病による自信の喪失、長期入院による生活の場がない、あるいは精神患者の精神疾患や精神障害者に対する誤解や偏見の存在、こういう問題があり、社会復帰には非常に困難を来しているということになっているわけである。このため、退院に際しては生活の場の確保や日常生活上の指導を必要とすることから、援護寮、福祉ホーム、こういうものが1カ所ずつ整備されておる。今後も関係者の協力を得ながら、グループホーム事業を実施したいと考えているわけである。
 それから、精神障害者の症状の安定が得られた後には、社会的な活動が病気からの回復のために必要となるわけであるが、通所授産施設1カ所、それから小規模作業所が10カ所整備されておる。今年度はそのかわり通所授産施設が1カ所整備されることとなっておるし、さらに職親制度の活用などにより、社会復帰の一層の促進を図ってまいりたいと思っておる。
 それから、精神障害者の家族は、患者の病気については病気の急変、症状の急変や再発のおそれ、将来の不安や焦り等病気に対する精神的な負担、患者の生活に対する援助や病気等の経済的な負担なども負っているわけである。病気に対する精神的不安の解消については、保健所や精神保健センターで実施しているデイケア事業等の社会復帰指導相談事業や保健婦による精神保健訪問指導を実施しておるところである。さらに、経済的な負担の解消については、さきに述べた施設の整備に加え、家族会などの団体の育成指導、通院公費負担制度による医療費の軽減、所得税の減免などを指導しておるわけである。
 また、精神障害者に対する偏見等を解消するために、一般県民に対する正しい精神保健思想の普及、啓発に努め、精神障害者が地域でともに生活できる環境づくりを推進するつもりである。
 なお、精神障害者の社会復帰のための施策については、今後、精神障害者社会復帰促進計画というものを策定し、福祉的施策をさらに取り入れながら、精神障害者が地域において自立と社会参加ができるように、地域精神保健推進の対策の充実に努めてまいりたいと、こう考えておるわけである。

〇阿部委員 対応については大体わかったが、最後には精神障害者の社会復帰計画をつくって進めるということであるから、そのことに尽きるんだろうと思うが、ただ、今お話しいただいた例えば入院が4、700人、通院が3、700人という状態の中で、通所授産所が1カ所のものを2カ所にふやす、それから共同作業所が10カ所だと、こういう状況であるけれども、果たしてこれが全体に対応できる中身なのかということに疑問を持つわけである。私たち、そういうところに行くたびにお話をされているわけであるから、ぜひ今度つくる精神障害者社会復帰計画なそうであるが、この計画の中で、こういうあぶれることのないような計画をきちっとつくっていただくように要望して終わる。

〇渡辺委員 ただいまの阿部委員に関連するが、この精神障害者の方はどれぐらい長い間入院可能なのか。よく聞いていると、余りまだ治り切らないけれども、半年ぐらいたつと医療費の関係でよく退院を勧められるという話もチラッと聞いたことがあるが、その辺についてもし状況がわかればお知らせ願いたいと思う。

〇伊藤技術参事兼健康推進課長 入院の長期化、短期化というのは私どもで十分把握していないけれども、長い方はもう相当長く入院しておられるわけであるし、やはり症状によっては、治癒でき得れば半年なり1年で退院するということもあると思う。

〇渡辺委員 さっき通院の話、入っているということもあるが、なかなか治り切らないという方もさっきの数字の中にはたくさんあると私は思っておる。だから、この医療制度の中でこの精神障害者とほかの病気との何というか、区分けというか、この病気の性格上、施設をつくるなり何なりして医療制度に合った受け入れの態勢もつくってやらないと、同じ医療制度の中で、これが入退院の料金なり何なりも決まってくるということであれば大変問題だなと私は思っている、かねがね。この点についてはやっぱり今の阿部委員ではないが、施設をつくるなり受け入れ態勢ももっとつくってあげないと、本当に家族ともども不幸だなと強く思う次第である。よくその辺入退院の辺もお調べ願って、ぜひ施設の拡充をお願いする。

〇横田委員 保健商工担当であるので極めて項目的にお尋ねする。
 1、昨年夏の高温により、杉花粉症の増加が心配されておるが、県はどのように認識しているか。これに対する対応はどうであろうか。
 県内医療施設における週休制の導入状況はどうであろうか。私どもの調査によれば、平6である程度進んできていると認識するが、当局の現状把握はどうであろうか。今後のお見込み、具体的措置を聞かせてもらいたい。
 ことしは被爆50周年の年でもある。県として、被爆者援護法をより被爆者の要望に沿うよう、国に要請すべきではないであろうか。県下市町村においても、被爆者を二度と出さないとの観点からなされる行催事措置にはどんなものがあるであろうか、今後のお見込みを聞かせてもらいたい。
 高速道自動車騒音は依然深刻であり、環境基準をオーバーした測定地点は全国で55・2%と、過去の最高を記録しているそうである。本県の実情はどうであろうか。このような事態を解決できないのであれば、とても整備新幹線着工などと言えないではないか。整備新幹線、高速道については、100%環境基準値を守ることが大切と考えるが、当局の見解はどうであろうか。守られなければ、通行をストップするというほどの決意で取り組むべきではないだろうか。
 ガット合意により、食品安全基準の後退を懸念する向きがあるが、県の認識はどうであろうか。もしもそのような事態になることが予測されるならば、環境保全当局はどのように対処なされるのであろうか。
 最後に、ダイオキシンは猛毒とされる。これが本県のごみ焼却炉、その他の諸般の人間の行為の中から生じつつあるのではないだろうか。県のお見込みはどうであろうか。基準がないというなら、県としてこれを設定し実施すべきである。あわせて、トリクロロエチレンの汚染濃度上昇も心配されているが、具体的にどうであろうか。酸性雨も心配されている。部長の、県土を汚染から守る基本方針をお示しを賜りたい。あわせて、各項についての対応、対策はどうであろうか。

〇松本環境保健部長 美しい岩手の県土を環境汚染から守る基本方針はいかにというお尋ねであるが、今日我々を取り巻く環境というのは、人口の集中であるとか産業の集積、あるいは廃棄物の処理など、新たな汚染の可能性の対応といったいろんな問題が山積みしておる。また、地球環境問題ということで言われておるが、それぞれ住民1人1人が被害者であると同時に加害者の部分も担っているという、そういうものではなかろうかと認識しておる。こういう中で、第三次岩手県総合発展計画あるいは岩手県環境保全計画に基づいて、水清く緑あふれる快適な環境の保全と創造というものを目指して、自然そのものが非常に浄化作用があるのでその自然の浄化作用をはぐくむと、あるいは助けていただくと同時に、大気質あるいは水質の環境を常に監視しておく、あるいは工場や事業所などでいろんな化学物質などを使っておるが、そういうところから汚染が広がらないようにということでの監視指導、あるいは生活排水という、これは各家庭から出てくる水で河川あるいは海が汚れると言われておるけれども、そういう生活排水対策であるとか、廃棄物の適正処理の確保などを積極的に図っていきたいと考えておる。
 また、新たな汚染化の物質については、いろいろ国の方でも調査をされるので、その調査に協力しながら、また、今まで申し上げたいろんな情報等については、広く一般の県民の方々に提供し御協力いただこうかと考えておる。
 今後とも、体系的な自然環境の保全あるいは公害の防止、環境保全活動とかあるいは一般の県民の方々にも、環境保全の大切さということを学習していただくというためのいろんな施策の促進を図るということと同時に、今後、行政あるいは県民一体となって環境の保全に努めてまいりたいと、そのように考えておる。
 あと、その他のお尋ねについては、関係課長より答弁させる。

〇伊藤技術参事兼健康推進課長 それでは、私の方から杉花粉症とそれから被爆50周年についてのお尋ねについてお答えさせていただく。
 杉花粉症についてであるが、杉花粉症の飛散は、雄花の芽が形成される前年7月の気温と深い関係があることから、ことしの飛散数は過去最高となる可能性が高いと言われておるわけである。杉花粉症はくしゃみ、鼻水、鼻詰まりの3大症状を初期段階で示すほかに、目のかゆみや発熱などの非常に不快な症状を呈することから、県としてもことしの大量発生の予測については憂慮しているところである。杉花粉症は、花粉を吸入したことによる抗原抗体反応によって起こると言われておるが、はっきりしたことはわかっていないというのが現状である。盛岡周辺の杉、ヒノキ花粉情報は、医療機関である盛岡友愛病院と日本気象協会盛岡支部が気象情報をもとにして発表しているわけである。したがって、花粉の飛散が多い時期には、マスクやゴーグル──めがねであるが──を使用する等、粉に触れたり吸い込んだりしないようにする、普段からバランスのとれた食生活を心がける、専門の医療機関で治療を受けると、こういう対応を呼びかけるなど、県としては花粉飛散調査を実施している医療機関及び日本気象協会盛岡支部の協力のもとに、県政番組や広報を通じて広く県民に対して予防についても注意を促してまいりたいと考えておる。
 それから、次に被爆50周年についてのお尋ねであるけれども、まず県として、被爆者援護法に何を期待するかについてであるけれども、原子爆弾被爆者援護に対する法律いわゆる被爆者援護法は、国の責任において被爆者に対する総合的な対策を講じようとするものであり、この法律が施行されたことにより、被爆者の方々に対する施策がさらに充実されることを期待しているものである。
 それから、次に県及び市町村における行催事についてのお尋ねであるけれども、昨年11月、県北青少年の家において、県教育委員会主催によるあすの岩手をひらく青年セミナーの分科会の中で、平和活動の一環として被爆体験者との交流が行われたわけである。また、県内の被爆者団体が国庫補助事業である原爆被爆者慰霊等事業の導入により、被爆者を追悼し被爆体験の継承と核兵器の廃絶を訴えるために、県内の被爆者みずからがつづった原爆体験手記集を作成し、各市町村あるいは学校等に配布することにしており、これに対して県は助成をしたところである。
 それから、県内の市町村が直接実施した事業として、8月に盛岡市と大船渡市において原爆写真ポスター展を開催しておるし、さらに団体の主催としては、県内各地において学校や婦人会等を対象として被爆者体験講演会が開催されると仄聞しておるところである。今後も、国庫補助事業である原爆被爆者慰霊等事業を活用し、関係団体との連携のもとにイベント等の開催を審議してまいりたいと、そう考えておる。

〇押切医務課長 県内医療機関における週休2日制の導入状況であるが、平成5年度においては、4週5休以上のいわゆる週休2日制の病院は111病院中101病院、91%であり、このうち完全週休2日制、つまり4週8休であるが、この病院が21病院、全体の18%であった。これが平成7年2月末現在、現時点ということになると、4週5休以上の週休2日制の病院は111病院中105病院、4カ所ふえて96%、このうち完全週休2日制の病院は62病院、41病院ふえて全体の56%となっており、県内の病院の週休2日制は着実に進んでいると認識しておる。
 県内の医療機関の週休2日制の推進については、平成4年11月に、看護婦等の人材確保の促進に関する法律が施行され、同年12月に同法に基づく基本指針が示されたわけであるが、これを受けて同年11月、さらには平成5年1月に県医師会及び病院の開設者等に対して趣旨の周知を図ってきたところである。その後も毎年度保健所が医療監視を行う際などにおいて、この週休2日制の導入について指導しているところである。また、特に本年2月においては、病院の看護及び上部部門の関係者に対して研修会を実施して、その趣旨の徹底を図ったところである。
 今後とも、県内医療機関における週休2日制の導入が一層進むよう指導してまいりたいと思っておる。

〇佐々木環境公害課長 私からは、東北自動車道と新幹線の交通環境基準と、それからあとダイオキシン、その他についてお答え申し上げる。
 まず最初に、東北自動車道と東北新幹線の環境基準の達成状況であるけれども、平成6年の状況を見ると、東北自動車道で83・6%、それから東北新幹線で25メートル地点であるが62・5%ということになっておる。それで、私ども県と沿線市町村で組織しておる岩手県高速交通公害対策連絡協議会というのがあるし、それからもう1つ、東北上越新幹線・高速自動車道公害対策12首都圏協議会といったようなのがあり、これらの組織が一緒になって、日本道路公団とかあるいは東日本旅客鉄道株式会社盛岡支社といったところにそれぞれ要望活動をやってきておるところであるが、この日本道路公団においても日本旅客鉄道においても、例えば防音壁を設置するとかあるいはパンタグラフを改善するとかといったようないろいろな対策は講じてはいただいており、徐々に改善されているところではあるが、何分にも長い線なものであるから一気にというわけにはいかないのが実情であるけれども、いずれ引き続き強く要望してまいりたいというところである。
 それから、先ほどのダイオキシンのお話あったが、確かに県内にもごみ焼却施設とか製紙工場といったダイオキシンを発生する可能性のある施設はあるわけであり、国ではこの調査を行っておるけれども、その調査結果によると、現時点では人の健康に影響を及ぼすとは考えられないけれども、低濃度とはいえ、当該物質が検出されているので、国では今後ともその汚染状況の調査を継続するとともに、治験の集積に努めていると聞いておるところである。県としても、国の指導もあったこともあり、ごみ焼却施設とか製紙工場といった設置者に対して、例えば燃焼過程の温度管理とかばいじんの除去措置とか、あるいは塩素使用量の削減といったようなことに指導を申し上げてきたところである。
 それから、基準をつくって実施したらどうかというお話もあったが、この基準づくりは本来政府の責務とされておるけれども、殊にもダイオキシンについては、現在国において健康被害の未然防止といった観点から、総合的な対策を確立すべく、治験の集積とか環境汚染状況の調査を進めるというところであるし、また、基準を設定するとなると、そのために必要となる膨大な調査あるいは高度な技術的な治験とか、あるいは物すごい巨大な施設の整備とか、あるいは常に化学的な判断を求められるといったようなことなどを考慮いたすと、県が独自に基準を設定するということは極めて困難なことであると理解しておるところである。
 それから、トリクロロエチレンとお伺いしたが、それの上昇が心配される点はどうかということであるけれども、本県の場合はおおむね横ばいか一部漸減傾向にあるところである。国のように、全国レベルのように高い基準はない。
 それから、酸性雨については、当県では大体PHの平均値が大体4・9から5・3であり、おおむね国とほぼ同じ程度であるし、今現在のところ、本県における酸性雨の被害があったという報告は受けていないところである。

〇藤田生活衛生薬務課長 ガット合意による食品の安全基準に係る認識についての御質問にお答えする。
 我が国の食品の安全基準に関しては、国が厚生大臣の諮問機関である食品衛生調査会に図り、その答申を得て設定しているところである。このたび、ガット・ウルグアイ・ラウンドの合意による衛生及び植物検疫に係る措置に関する協定、通称SPS協定と言っておるが、これにより食品の国際貿易上の不必要な障害を取り除くために、原則的に国際基準を採用することとなっているところである。現在、国においては抗菌性物質等の基準を化学的根拠に基いて見直しをするとともに、残留農薬、天然添加物及び合成ホルモン剤などに新たに基準を設定するなどの規制が検討されていると聞いておるところである。したがって、これらを見ると、総体的に規制強化が図れるものと認識しているところである。また、輸入国の食生活の事情から摂取量が例外的に多く、1日摂取許容量を超えるといった化学的な根拠がある場合には、国際基準より厳しい国内基準を採用できることとされておる。このことから、県としては我が国の食品の安全性確保を図られる基準が設定されるものと認識しておる。今後とも、食品の安全性に関する基準について、国の動向を見守りながら対処してまいりたいと存ずる。

〇横田委員 詳しくは常任委員会で。
 最後に1つだけ部長に、いわゆる被爆者の問題で大変いろいろ県の援助、助成等でやっていただいておることには敬意を表する。
 そこでお尋ねをするが、非核平和宣言を上げている市町村も県下に大変多いが、被爆者援護所管の環境保健部長としてどのように評価、認識をなされるか。

〇松本環境保健部長 非核宣言を出されている市町村は市町村それなりの御判断をなされたものという具合に認識しておる。(横田委員「それで終わりか。」と呼ぶ)

〇舘沢委員 ごみ問題についてお伺いする。
 県内のごみの量は年々ふえ続けていると思われるが、その実態はどのようになっておるか。また、年々ふえ続けるごみの減量化を目指し、また、ごみ資源の再利用を図ることは公衆衛生の向上または生活環境の保全という観点から、非常に重要なことと認識しておる。本県のごみの減量化等に向けた対応策をどのように進めようとしているのかお伺いをする。

〇中村廃棄物対策室長 ごみ問題についてお答え申し上げる。
 市町村が処理したごみの量は、昭和63年度では39万6、000トンとなっておる。また、平成2年度には42万5、000トンまで増加しており、その後は増加傾向に歯どめがかかっており、平成5年度には42万2、000トンとわずかながら減少しているところである。これは町内会あるいは子供会等による資源回収量が増加していることがその一因ではないかと考えられ、平成5年度には2万7、000トンが資源として回収されておる。県では、平成5年度に岩手県ごみ減量化再生利用懇話会からの提言をもとに、ごみ減量化のための高度指針を策定しており、ごみ減量化のための3原則として、発生の抑制、ごみ化の予防、資源化の促進を定め、県民事業者あるいは行政のおのおのがそれぞれの立場で努力していくということにしておる。また、この懇話会からの提言を受け、今後のごみの減量化のための課題を具体的に検討するため、有識者による委員会を組織して、現在、花巻市において買い物袋持参方式の導入についてモデル事業を実施しているところである。さらに昨年11月には、宮古市で第2回岩手県ごみ減量化再生利用推進県民大会を開催し、広報啓発に努めているところであり、今後とも市町村のごみ減量化の計画の策定やあるいは分別収集の徹底等について指導するとともに、県としては広域的な観点からの取り組みを積極的に推進してまいりたいと、このように考えているところである。

〇舘沢委員 次に、東北自然歩道整備事業の進捗状況についてお聞きする。
 東北自然歩道の整備については、平成8年度までに整備するということであったが、その全体計画及び進捗状況はどのようになっているのであろうか。この全体計画で、県内全域の自然歩道を整備したこととなるのかどうか、地域によっては未整備の箇所もあるのではないのか、あるいは事業の実施の延長を図る必要がないのかあわせてお伺いする。

〇佐藤自然保護課長 東北自然歩道整備の進捗状況についてお答えする。
 歩くことというのは、自然との触れ合いの場合の最も基本的な形態だと考えているわけであるが、ただ最近の状況を見ると、モータリゼーションの発達というんであろうか、そういう歩く機会が大変少なくなっている。そこで、我々としては歩くことの復権をまず図らなければならないと。それから、みずからの足で歩いて広く地域の自然なり歴史なりというものを訪ねることによって、健全な心身とか郷土愛を育てていけるのではないかと、そしてそういうことが必要であると、こういうことから、私どもの方では環境庁の東北自然歩道整備事業を導入して、平成2年度から平成8年度にかけ、7カ年であるが、42コースを距離にして336・9キロメートルであるが、これを整備しようということで今やっているわけである。本年度じゅうに26コース完了する予定であるので、その進捗率は62%となる見込みである。平成8年度までには42コース全部を完成させたいと、こういうことで現在努力をいたしているところである。
 それから、事業の延長を図る必要があるんじゃないだろうかと、こういうことであるが、これまでも陸中海岸国立公園を初めとして、自然公園の中の遊歩道についてはずっと整備をいたしてきたところである。これらの既存の設備と、今回主としては自然公園外を整備しているわけであるが、東北自然歩道をあわせるとほぼ全県を網羅していることになるんじゃないだろうかと、このように私どもは認識いたしているところである。しかしながら、120キロメートルにも及ぶわけであるけれども、陸中海岸国立公園内の遊歩道については、これは整備もかなりの年数を得ておる。したがって、その間に地域の実情等も大分変わってきておる。そういうことから、今後は現地の状況を調査して、そして東北自然歩道とあわせて県民が快適に自然と触れ合うことができ、しかも使いやすい、親しみやすい遊歩道を整備したいと、このように考えているところである。

〇佐藤副委員長 世話人会の申し合わせにより、おおむね午後3時から10分間休憩することになっておるが、質問予定者が残りわずかであるので、このまま質疑を続行する。

〇舘沢委員 それでは最後に、輸入食品の安全確保についてお伺いをする。
 我が国の輸入食品の増加に伴い、消費者の輸入食品の安全性に対する関心が高まりを見せている状況にあるわけであるが、本県における輸入食品の検査結果の状況はどのようになっているのか。また、検査項目が大変多いと思われるが、検査の体制は万全であるのかどうかあわせてお伺いをする。

〇藤田生活衛生薬務課長 輸入食品の検査についてお答えする。
 本県の輸入食品の安全性確保については、県内での流通実態を踏まえて、毎年度30から50程度の食品について衛生研究所で実施しておる。検査結果であるが、過去5年間の輸入食品の検査は、米、大豆、小麦、魚介類、グレープフルーツ、レモン、オレンジ、牛肉等の食品197検体について残留農薬、抗菌性物質、食品添加物等、延べ851項目ほど行っているところである。その結果、農薬が検出されたイタリア産ワイン、それから麻痺性貝毒が検出されたスペイン産西洋トコブシのこの2検体が違反として見つかったわけであるが、それについては直ちに回収、返品等の措置を講じたところである。今後とも計画的に検査を実施して、輸入食品の安全確保に努めてまいりたいと存ずる。
 それから、輸入食品の検査体制についてであるが、先ほど申し上げたとおり、衛生研究所で実施しており、高度な分析機器と技術等の体制が整っていることから、多項目の残留農薬等の検査に十分対応しているところである。

〇佐藤(正)委員 最後に簡単に答えやすいやつを。
 先ほど阿部富雄委員から精神障害者の問題について御指摘があったが、精神障害者の福祉というのは、いわば福祉の最後の福祉と言われるぐらい非常に難しいものであり、御答弁のように入院が4、700人、通院が3、700人。これは実際になぜ難しいかというと、退院したなと思ってもう薬は飲まないと。部長御存じのとおり、かつてある代議士の娘が自宅で父親を刺して殺したという事件があって、とっさに起こる事故が大変ある。そこで、いろいろ今御説明があったが、いわゆる長年、5年とか10年、これも渡辺委員からもあったが、長いので5年、10年病院に入っているわけである。そうすると、帰る家がない、実際に。帰ろうと思っても、今大体南光病院だと130%ぐらい入院しているんだけれども、退院してもいいんだけれども、退院すると行くところがない。要するに帰える家がない。それはなぜかというと、代がかわって、親が死んで今そのおいっことか孫の時代になっている。しかも、大変こういうことはちょっと差別があってよくないが、あたりの人目もあるというようなこともあり、実際に退院してもいいんだが退院できないで病院にいるということで、いわゆる通所の施設を今度は2カ所ふやしてまた10カ所目の働く場所をつくるというのであるけれども、実際には帰る家がないと。これをどうするかということが一番問題であり、そこでここにあるところの社会復帰の施設運営費の福祉ホームあるいは援護寮などが、実際に今県内で何カ所あるのかどうかということ。
 それから、いわゆる通所やなんかでもできれば常時医師がついていないと非常に難しい。だから、法人で何か私どもちょっと関係しているけれども、法人でやろうとしてもなかなか常時医師がいないといけないという問題点があるわけである。なかなかこれが、そういう社会復帰施設あるいはそういう福祉のうちというようなものができないというのが現状であり、県内何カ所あるかということが1つと、いわゆる先ほど御答弁の社会復帰計画というのは一体これいつ作成していつでき上がるのか。気の長い話で、中間施設とか社会復帰施設は前々から要望しているが、これは今日まではこのような状態であり、これをひとつ御答弁いただきたい。
 それからもう1つは、自然環境保全指針というものを策定したいということの自然環境問題であったが、最近県内でも自然保護団体とゴルフ業者あるいはホテルの建設業者、あるいは開発業者と独自に協定というのを結んでいるわけである。ホテルを山に建てるんだが5階だと景観を壊すんで4階にしてくれというので4階にすると、非常にこれはそれなりにいいことである。いいことであるが、実際こういうものというものはどうなんであろうか、法的な拘束力が実際にあるのかどうか。
 もう1つは、県の大規模開発指導要綱というのがあるわけである。これに関連があるのかどうか。あるいは今後のこれらの開発行為に対して、自然保護団体との協定というものは必要なのかどうか。実際には条例とか法というのがあるが、そこで自然環境保全指針というものを小原委員から早くつくれというようなことを言っていたが、これらの関連に対してどうなんだということ、この2点。
 もう1つ細かいが、ここに騒音振動悪臭防止対策費312万4、000円というのがある。これは都市部じゃ割合問題が多い、振動とか悪臭とか騒音というのは。非常にこれに対するクレーム、訴えが多い。その割合には随分細くしけったような金だなと思って見ているが、一体過去の事例でこういう事例はどう対応してきたのか。あるいは、これではどんな対策ができるのかということを聞きたい。この3点。

〇伊藤技術参事兼健康推進課長 今、精神保健の関係で社会復帰施設であるけれども、県内の状況ということで精神障害者援護寮は1カ所ある。それから精神障害者福祉ホームが1カ所、それから精神障害者通所授産施設が1カ所ある。そういう状況である。
 それから計画については、平成7年度、8年度に実施したいと、計画をつくっていきたいと考えておるところである。

〇佐々木環境公害課長 大規模開発行為と申そうか、いわゆる開発行為者と地元の方との協定を結ぶことについてというお話があり、まず、拘束力はどうかということであったが、これは、基本的には当事者同士のお話し合いと申すか、そういった性格のものだと思う。
 それから、大規模開発行為との関連ではどうかというお話があったが、これについては、基本的には地元市町村と公害防止協定を結ぶようにと御指導を申し上げている例が多いようである。
 最後に、振動のお話があったけれども、具体的に今、東北新幹線の振動に伴う被害があり、それについては、東日本旅客鉄道盛岡支社でかなりの予算を計上して対策をいろいろ研究しておるし、県内でも何カ所か既に対策を講じたところもある。

〇佐藤(正)委員 今、精神障害者のもので、福祉ホームが1カ所、援護寮が1カ所であると。これは、恐らく定員は50人かそこらであろう。そんなものだろう。そうすると、100人しか収容できないわけであろう。通所というのは自宅から通っているわけであるから。
 そうすると、入院が4、700人、通院が3、700人で、全部があれだというわけではない。これでは、どうしたって帰るところがないわけである。だから、やはり一番大事なことは、帰る家をまずつくらなきゃいけない。そこから、職業訓練をして、やや治ってきたら、軽度の就職口を探すというような順序を踏まないと、たったの2カ所しかないのだろう、これは。だから、こういうことをもう少し、知事は一生懸命福祉の岩手だなんて言っているんだから。部長も、福祉、福祉と言っているんだから。こんなことじゃ、全く福祉にも何もならないわけであるから。
 もう1つ伺いたいのは、医師が常駐できないとすれば、例えば精神科の病院のそばにこういう社会復帰の施設を置いて、それから通うということにならないと、とてもこれは民間ではできないのである、実際には。そういう点はどうお考えになっているか。これからの社会復帰計画をおつくりになるのであるが、これだって、7年、8年と2年かかってなんて、のんびりしたことを言っているが、それはそれでしようがないから。どうだろうか、そういうようなことをお考えになっていないか。

〇松本環境保健部長 精神障害者の福祉の問題については、委員御指摘のとおり、障害者の中で一番対策がおくれているのではないかという御指摘であるが、私はまさにそのとおりだろうと思う。その根底にあるのは、何と申すか、一般の方々に十分御理解をいただいてないというところがあるのが事実である。先進県でいろんな福祉保護ということでやっているところはあるが、それをつくると、どうしても表立っては反対はないんだけれども、やはりそういうものについての設置の反対というものがあり、なかなか進まないという状況にある。ただ、そういうわけで手をこまねいているわけにはまいらないので、精神障害者の社会復帰対策については、全身全霊を傾けてやっていきたいと思っている。ただ、地元の方々、あるいは周辺の方々の御理解というものを得るのに時間がかかるし、一般の方々の精神障害者に対する正しい理解というものを得ながら進めてまいらないとうまくまいらないので、委員の方から、カタツムリみたいじゃないか、非常に遅いという御指摘を受ける結果になるかもしれないけれども、今後、うまずたゆまず、全身全霊を傾けてまいりたいというぐあいに考えておる。

〇佐藤副委員長 ほかに質疑はないか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇佐藤副委員長 質疑がないようなので、これで環境保健部関係の質疑を終わる。
 以上で本日の日程は全部終了した。
 本日はこれをもって散会する。
   午後3時10分 散 会


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