平成7年2月定例会 予算特別委員会会議録

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平成7年3月3日(金)

1開会    午前10時5分

1出席委員  別紙出席簿のとおり

1事務局職員 
  事務局長       古館敏男
  議事課長       小国平二
  議事課長補佐     西田幸男
  主任議事管理主査   中坪貞雄
  議事管理主査     吉田徹
  議事管理主査     八重樫典彦
  議事管理主査     小原敏文
  議事管理主査     中澤悟
  主事         平野信二

1説明員
  教育委員会委員長   上山司光
  教育長        橋田純一
  教育次長       合田武
  教育次長       原久雄
  参事兼義務教育課長  松尾弘一
  参事兼指導課長    小原貞徳
  総務課長       伊藤静夫
  厚生福利室長     伊藤功
  財務課長       小田島栄
  県立学校課長     三田信一
  社会教育課長     竹田紀雄
  文化課長       廣田英樹
  保健体育課長     三田健二郎
  警察本部長      石川正
  警務部長       藤山雄治
  刑事部長       菊地輝夫
  生活安全部長     伊藤一弥
  警備部長       宮原幸一
  交通部長       北條祐吾
  警務部参事官兼警務課長        熊澤國夫
  警務部参事官兼監察課長        高舘牧夫
  刑事部参事官兼捜査第一課長      佐藤三男
  生活安全部参事官兼生活安全企画課長  高橋敏雄
  生活安全部参事官兼地域課長      岩渕勝
  警備部参事官兼警備課長        境谷満
  交通部参事官兼交通企画課長      佐藤光雄
  交通部参事官兼運転免許課長      佐藤桂信
  総務課長       鈴木勲
  会計課長       関口勉
  捜査第二課長     津田隆好
  鑑識課長       太田代憲夫
  生活保安課長     芳賀与一
  公安課長       日山忠
  交通規則課長     兼平則夫
  交通指導課長     加藤睦夫
  参事兼財政課長    佐藤文昭

〇佐藤副委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入る。
 議案第1号から議案第20号まで、議案第23号、議案第27号から議案第33号まで、議案第36号から議案第40号まで、議案第42号、議案第44号、議案第45号及び議案第48号から議案第50号まで、以上39件を一括議題とする。
 本日は、教育委員会及び警察本部関係を終わるように進行したいと思うので、御協力をお願いする。
 これより教育委員会関係の審査に入るわけであるが、教育行政施策について教育委員会委員長から発言を求められておるので、発言を許すこととし、その後、教育長から教育委員会関係の説明を求め、質疑に入ることにしたいと思う。

〇上山教育委員会委員長 平成7年度の教育委員会所管に係る予算について御審議をいただくに当たり、教育行政施策について御説明を申し上げる。
 本県の教育は、県民の熱意と関係者の努力によって着実に発展してまいったが、経済社会の進展とともに教育を取り巻く環境も大きく変化する中、スポーツや文化活動に対する興味関心が高まるなど、県民の多様で高度な学習意欲が増大する一方、学力の向上、生徒指導、さらには、教育諸条件の整備充実など、さまざまな課題が指摘されているところである。
 教育委員会では、このような課題に対応するため、第7次岩手県教育振興基本計画に基づき、諸施策を総合的、効果的に推進し、県民が学びたいときに、みずからに適した方法で学ぶことができる生涯学習社会の構築に向けて、努力を傾注してまいる所存である。
 以下、平成7年度の施策の大要について申し上げる。
 第1は、生涯学習環境の整備についてである。
 県民の多様な学習意欲に対応した効果的な学習機会の提供と学習成果の適切な評価が要請される中で、生涯学習に係る施策を総合的に推進するためには、さまざまな教育機能の体系化を図るとともに、その推進体制の整備充実や、県民の学習意欲の啓発、学習活動の支援など、生涯学習環境を整備していくことが肝要である。
 このため、生涯学習審議会において基本的な施策の調査、審議を進めるとともに、全庁的な連絡調整を密にしながら、民間の教育活動をも視野に入れた生涯学習関連施策の効果的な推進に努めるほか、市町村における生涯学習推進体制の一層の整備促進を図ってまいる。
 また、生涯学習に対する県民の理解と意欲の高揚を図るため、生涯学習推進県民の集いを開催するほか、各種情報媒体を利用した学習情報の提供などを通じて、県民の学習活動を支援するとともに、学習情報の迅速な提供や調査研究、指導者養成などの機能を有する中核施設として、明年4月の開所を目指し、生涯学習推進センターの整備に努めてまいる。
 第2は、学校教育の充実についてである。
 学校教育では、生涯学習の基礎を培うとの観点に立ち、基礎的、基本的内容を確実に習得させながら、児童生徒の個性を尊重し、多様な能力、適性を伸長させるとともに、社会の変化にみずから柔軟に対応できる、たくましく心豊かな人間の育成が求められておる。 まず、生涯学習の基礎を培う教育の推進についてであるが、みずから学ぶ意欲を育てるため、選択履修の幅の拡大、体験的な学習の充実など、指導方法の工夫改善に努めるとともに、基礎的な学力の向上を図るため、1人1人の個性に応じたきめ細かな指導を行ってまいる。
 また、個々の生徒がその能力、適性に応じてみずから進路を選択できるよう、将来展望に立った進路指導を行うとともに、職業についての基礎的な知識、技能の習得と望ましい職業観の育成に努めてまいる。
 さらに、障害児教育については、盛岡地区の精神薄弱養護学校高等部の整備を推進するなど、教育環境の充実に努めてまいる。
 次に、社会の変化に対応した教育の充実についてであるが、語学指導を行う外国青年の招致や高校生の国際交流を進めるほか、教職員の海外派遣研修の充実に努めるなど、国際理解教育を推進してまいる。
 また、情報処理能力の育成を図るため、情報関連機器の整備や研修の実施などにより、情報教育を推進するとともに、長寿社会や地球環境問題に対する理解を深めるため、学校教育全体を通して福祉教育や環境教育の充実を図ってまいる。
 職業教育の充実については、生徒が学習上の課題をみずから設定する課題研究の充実により、問題解決能力や創造力を育成するとともに、社会人講師による生きた情報や最先端の産業技術等についての指導を実施するほか、高度技術化に対応した学科の新設に努めるとともに、職業教育に対する県民の理解と生徒の学習意欲を高めるため、昨年初めて開催し、大きな成果が得られた産業教育フェアを、引き続き充実した内容で実施してまいる。 次に、たくましく心豊かな人間の育成についてであるが、児童生徒のよりよい生き方を求め実践する力を養うため、さまざまな生活体験や自然との触れ合いなど、体験的学習の充実を図ってまいる。
 また、いわゆるいじめなどに係る学校適応指導については、学校適応指導支援チームの指導助言による関連事業の充実や、新たに専門カウンセラーの配置による教育相談活動の拡充に努めるとともに、学校、家庭、地域社会の連携を図りながら児童生徒1人1人に指導の徹底を期してまいる。
 さらに、児童生徒の心身の健全な発達を促進するため、健康状態の的確な把握に努めるとともに、事故防止のための安全指導の徹底を図るほか、学校給食の充実に努めてまいる。
 また、本年4月から月2回の実施となる学校週5日制については、これまでの調査研究協力校における調査研究の成果を踏まえ、教育課程の編成や学習指導の一層の工夫改善に努めるとともに、家庭や地域社会との連携を図りながら、その円滑な実施に努めてまいる。
 第3は、社会教育の充実についてである。
 豊かで生きがいのある人生の創造と活力に満ちた地域社会を形成していくためには、県民の生涯にわたる学習活動を促進するとともに、幅広い日常の地域社会活動を奨励、援助することが重要である。
 このため、まず家庭教育において、少子化、就労女性の増加など家庭を取り巻く環境の変化に対応し、子供の発達段階に応じた親等の学習機会や学習情報を提供するとともに、家庭教育振興の集いを開催するなど、学校、地域の持つ教育機能と連動しながら子供をはぐくむ環境づくりを進めてまいる。
 次に、生涯の各時期における社会教育活動を推進するため、青少年教育においては、郷土の自然、文化、歴史等について体験学習をする機会の提供に努めるとともに、地域の一員としての自覚を高める地域活動やボランティア活動などの社会参加活動を促進してまいる。
 また、成人教育においては、高等学校や専修学校の開放講座、女性の生涯学習講座、高齢者のための長寿学園を開設するなど、多様な学習機会の提供に努めてまいる。
 なお、昨年30周年を迎えた教育振興運動については、これまでの成果を踏まえ、生涯学習、学校適応指導、さらには学校週5日制への対応など、今日的課題の解決に向け一層の充実を図ってまいる。
 第4は、体育・スポーツの振興についてである。
 県民1人1人が日常生活の中でスポーツに親しみ、健康の保持増進と体力の向上を図るとともに、スポーツ活動を通じて豊かな人間関係を形成するため、県民が生涯にわたって体育・スポーツに親しむことのできる環境の整備が求められておる。
 まず、地域における日常的なスポーツ・レクリエーション活動の定着を図るため、市町村における生涯スポーツ活動や学校体育施設の開放を促進するとともに、スポーツリーダーバンクの登録指導者の拡充を図るほか、幼児から高齢者まで、より多くの県民が気軽に参加できる県民スポーツ・レクリエーション祭を開催してまいる。
 次に、児童生徒の基礎的な体力や運動能力を高めるため、個々の体力の実態を踏まえた指導の充実を図るとともに、各種スポーツの奨励や教員の実技指導力の向上を図るほか、学校体育施設の整備を推進してまいる。
 さらに、本県競技スポーツ水準の向上を図るため、体育団体等との連携を一層強化しながら、児童生徒の発達段階や能力、資質に応じた強化対策、指導者の養成確保を図るとともに、スポーツ教室の開催、県外交流の推進、民間の活動に対する支援など、競技力向上のための総合的かつ効果的な対策を推進してまいる。
 また、体育施設の基盤整備については、生涯にわたるスポーツの振興と競技力向上を図り、あわせてスポーツに対する県民の多様な要求に対応するため、スポーツ医・科学を取り入れたスポーツ研修センターの整備に向けて基本計画を策定するとともに、長期的展望に立ったスポーツ施設の整備についても調査検討を進めてまいる。
 さらに、平成11年に本県で開催が予定されている全国高等学校総合体育大会については、その準備態勢を一層強化してまいる。
 第5は、文化の振興についてである。
 心豊かで、潤いのある生活を築くためには、青少年から高齢者まで県民が生涯にわたって文化に親しみ創造することのできる環境を整備していくことが重要である。
 まず、芸術文化活動については、県民の手による文化活動の推進を図るため、岩手芸術祭を開催するとともに、すぐれた舞台芸術の公演などを通じて、多くの県民に芸術鑑賞の機会を提供するほか、青少年の創造性豊かな芸術文化活動を支援するとともに、高等学校の文化部活動の一層の活発化を図るため、部活動施設の整備に努めてまいる。
 なお、一昨年、本県で開催された国民文化祭は、県民の文化活動への関心と参加機運の醸成に大きな役割を果たしたところであり、今後ともその成果の継承、発展に努めてまいる。
 次に、文化財の保護については、調査や指定、史跡の公有化を促進するとともに、文化財に対する県民の理解を深めるため、志波城跡の復元整備を促進するほか、埋蔵文化財の発掘調査などを円滑に進めるため、市町村担当職員に対する研修を実施するとともに、引き続き、考古学研究機関の整備に向けた調査を実施してまいる。
 なお、柳之御所遺跡については、国の史跡として指定されるよう準備を進めているところであるが、今後は、遺跡の積極的な活用方法について検討を進めてまいる。
 また、美術館の整備については、各界各層の方々から御意見をいただき基本計画を策定しているところであるが、今後さらに、その具体化に努めてまいる。
 以上、平成7年度の施策の基本的な方向について、所信の一端を述べた次第であるが、申し上げるまでもなく、教育は、県民の積極的な参画を得ながら、県、市町村、団体等の関係者が一体となって推進してこそ、初めてその成果が期待できるものである。
 教育委員会としては、その責務の重大さに思いをいたし、県民各位の深い御理解と御協力のもとに、本県教育の振興のため、全力を傾注してまいる所存である。
 なお、予算の内容については、教育長から御説明を申し上げるので、よろしくお願いする。

〇佐藤副委員長 次に、教育長から教育委員会関係の説明を求める。

〇橋田教育長 それでは、平成7年度岩手県一般会計予算のうち、教育委員会関係予算について御説明申し上げる。
 お手元の議案その1の議案第1号であるが、8ページをお開き願う。
 10款教育費のうち教育委員会所管に係る予算は、1項教育総務費から7項保健体育費までの1、668億7、175万4、000円で、前年度当初予算に比較して35億7、634万9、000円、率にして2・1%の減となっておる。
 9ページの11款災害復旧費3項教育施設災害復旧費は3、000万円である。
 一般会計予算の総額に対し、教育委員会関係予算の占める割合は23・3%となっておる。 なお、詳細については、便宜、予算に関する説明書で御説明申し上げる。
 予算に関する説明書の232ページをお開き願う。金額は省略させていただいて、主な事項を中心に御説明申し上げるので、御了承お願いする。
 10款教育費1項教育総務費1目教育委員会費は、教育委員会の運営に要する経費である。2目事務局費は、事務局の運営に要する経費及び県立高等学校等に配置する外国人講師招致に要する経費等である。3目教職員人事費は、教職員の退職手当及び教職員互助会への補助金などである。4目教育指導費は、英語教員の海外派遣研修等教職員の研修に要する経費、初任者研修の実施に要する経費、234ページに参って、移動適応教室はつらつキャンプなど、児童生徒の健全育成に要する経費、高校生の国際交流に要する経費、職業高等学校課題研究の推進など、高等学校の活性化推進に要する経費、生徒の学習意欲を高める技術・技能の向上を図る産業教育フェアの開催に要する経費、環境教育の推進に要する経費などである。なお、初任者研修に要する経費は、小学校費、中学校費、高等学校費、盲・聾学校費及び養護学校費の中にも、それぞれの指導教員の人件費を計上しておる。5目教育センター費は、教育研究に要する経費、小学校、中学校、高等学校、盲・聾学校及び養護学校教職員の現職研修などに要する経費のほか、総合教育センターの管理運営に要する経費である。6目恩給及び退職年金費は、恩給及び扶助料等である。
 236ページをお開き願う。2項「小学校費」、1目「教職員費」、237ページの3項「中学校費」、1目「教職員費」は、小学校、中学校教職員の人件費及び旅費等である。
 238ページをお開き願う。4項高等学校費1目高等学校総務費は、高等学校教職員の人件費及び旅費のほか、教職員住宅の整備に要する経費などである。2目全日制高等学校管理費、239ページの3目定時制高等学校管理費は、それぞれ学校などの管理運営に要する経費である。4目教育振興費は、産業教育設備の整備に要する経費、240ページに参って、部活動設備の整備及び情報処理教育を推進するための設備整備費、職業教育に係る実験実習に要する経費などである。5目学校建設費は、県立高等学校の建物など施設の整備に要する経費であるが、校舎建設は大東高校ほか1校、産業教育施設建設は福岡工業高校ほか1校、校地整備は一関農業高校ほか1校、教育環境の向上を図るための校舎大規模改造は、東和高校ほか4校のそれぞれの整備に要する経費のほか、校舎、教職員住宅等の維持管理に要する経費などである。6目通信教育費は、通信教育の運営に要する経費である。 242ページをお開き願う。5項特殊学校費1目盲聾学校費は、盲学校及び聾学校の管理運営に要する経費のほか、施設の整備に要する経費などである。2目養護学校費は、養護学校の管理運営に要する経費のほか、施設の整備に要する経費などである。
 244ページをお開き願う。6項社会教育費1目社会教育総務費は、ふれあい家族の推進に要する経費、長寿学園の開設、生涯学習県民のつどいの開催など生涯学習の推進に要する経費、市町村に社会教育指導員の設置をするための経費、高等学校及び専修学校において開放講座を実施するための経費、青少年の郷土理解と新しいふるさとづくりの意欲を培うためのふるさと発見銀河鉄道の実施に要する経費、サークル活動などを行う地域少年わんぱく広場開設に要する経費、生涯学習推進の中核施設として整備する生涯学習推進センター(仮称)の整備に要する経費のほか、県内3カ所にある青少年の家の管理運営及び施設整備に要する経費などである。2目視聴覚教育費は、視聴覚教育の指導者養成などに要する経費等である。3目文化財保護費は、ふるさと歴史の広場の整備に対する助成など、文化財保護の推進に要する経費、考古学研究機関整備の調査に要する経費、特別天然記念物カモシカの食害防止などに対する助成に要する経費、民俗芸能及び天然記念物の調査など、文化財指定の調査推進に要する経費などである。4目芸術文化振興費は、全国高等学校総合文化祭への参加、こども芸術劇場・青少年劇場などの開催など芸術文化の振興に要する経費、246ページに参って、国民文化祭の成果継承に要する経費、高等学校の文化部活動育成に要する経費のほか、県民会館の管理運営及び施設整備に要する経費などである。5目図書館費は、県立図書館の管理運営に要する経費である。6目博物館費は、県立博物館の管理運営及び施設整備に要する経費である。
 248ページをお開き願う。7項保健体育費1目保健体育総務費は、教職員、児童生徒の保健管理、エイズ・性教育の推進に要する経費のほか、岩手県学校給食会に対する貸付金などである。2目体育振興費は、生涯スポーツの推進に要する経費、各種体育大会の開催・派遣に要する経費、岩手県体育協会などの体育団体に対する助成、指導者養成講習会の開催や選手強化事業など競技力の向上対策に要する経費、平成11年度本県で開催される全国高等学校総合体育大会に向けた選手強化に要する経費、全国スポーツ・レクリエーション祭の参加に要する経費などである。3目体育施設費は、県営スキージャンプ台の改修、県営運動公園陸上競技場バックスタンド改修など施設整備に要する経費のほか、スポーツ研修センター(仮称)の整備基本計画策定に要する経費などである。
 次に、恐れ入るが少し飛んで259ページをお開き願う。
 11款災害復旧費3項教育施設災害復旧費1目学校施設災害復旧費は、県立学校に災害が生じた場合の復旧に要する経費である。
 次に、債務負担行為について御説明申し上げる。議案その1に戻って15ページをお開き願う。
 第2表債務負担行為の63、校舎建設事業は、盛岡農業高等学校の校舎整備について4億400万円を限度に債務を負担しようとするものである。
 同じく64、産業教育施設建設事業は、大船渡工業高等学校の産業教育施設整備について3億3、400万円を限度に債務を負担しようとするものである。
 次に、予算以外の議案について御説明申し上げる。
 まことに恐れ入るが、議案その2の20ページをお開き願う。
 議案第32号県立高等学校授業料等条例の一部を改正する条例であるが、これは、地方財政計画の基準に沿って授業料等の額を改定しようとするものである。
 42ページをお開き願う。議案第48号県民会館条例の一部を改正する条例であるが、これは、物価上昇及び類似施設の状況などを勘案して、その使用料の額を改定しようとするものである。
 以上で説明を終わらせていただく。よろしく御審議賜るようお願い申し上げる。

〇佐藤副委員長 ただいまの説明に対し、質疑ないか。

〇山内委員 それでは、ただいまの説明に対する質問をさせていただくが、まず最初に委員長演述についてである。我々いただいたこの資料──資料というか、演述要旨の3ページの、いじめに係る学校適応指導という言葉についてであるけれども、私、若干この言葉、気になったわけである。要するに、いじめという問題をとらえた場合に、いじめられる側に問題があるのか、いじめる側に第一義的に問題があるのかということについてであるが、この学校適応指導という言葉からすれば、いじめられる側にこそ問題があるから適応するように指導するというふうに私には感じてならないわけである。そういったことについてのまず委員長の御認識についてお伺いをしたいと、このように思っておる。後についてまたこの点について議論を交わさせていただきたいと思っておる。第一義的にいじめの問題はいじめられる側にあるのか、いじめる側にあるのか、こういった認識についてお伺いをする。

〇上山教育委員会委員長 一方というわけにはまいらないで、両方に原因があるものと、こう思っておる。
 あと詳しくは教育長の方から申し上げたいと思う。

〇橋田教育長 学校不適応あるいは学校適応の使い分けの問題なんであるけれども、従前、国において学校不適応対策事業ということでさまざまな政策体系が組まれておる。今般、私ども学校不適応の問題に取り組むに当たって、やはり指導という点を考えて、前向きに、持っている子供の能力を伸ばしてあげたいという意味合いから、個々の事案については適応指導と、これは従前の当県の事業にもあったけれども、そのような形で考えておるので、御了承いただきたいと思う。

〇山内委員 委員長のその御認識だからいじめというものはなくならぬと私は思っておる。本県についてのいじめの実態については御報告をいただきたいわけであるが、認識がまず間違っているのではないのかな、こう思うんである。確かに誘因される側、誘因するその要素というものはいじめられる側にもあると思うんであるが、いじめという問題はこれはいじめる方が悪いに決まっていると認識をしないと、なかなか解決をしないと思う。これは我々が小さいころ、確かにいじめらしきことはあったんであるけれども問題には余りならなかった。これは何なのかなということを考えていただきたい。子供らには子供らの独特の、独自のと言ったらいいか、社会というものが形成されていると思うんである。だから子供らがみずから解決をし得る、そういった場面もあるだろうし、それを温かい目で人生の先輩として見詰めておくということも必要だろうけれども、果たしてそれだけの余裕を持って──余裕というか、一歩離れたところから眺めておるだけでいいのかなと、やはり学校生活なら学校生活の中で子供社会に加えて教師もいて、1つのまた違った大きな社会というものを形成しているわけである。そういったことを考えていくと、いじめられる側、いじめる側どちらにも問題があるんだというようなことで本当に解決できるのか、こう思うんである。というのは、価値観の違いだというような気がするんである。価値観というか、いじめられるというその行為は、あるいは肉体的にも精神的にも暴力を受けているということになると思うんである。そのことを、いじめられるということを先生に伝えることを彼らはちくると、こう言うんだそうである。それは要するに子供社会の裏切り行為だということでさらにいじめが加速されていく。これは例えば、泥棒してはいかぬ、だけども泥棒するには泥棒するなりの理由があった。例えば、ほかに働く手段がないとか、さまざまなことがあって泥棒をした、だから泥棒は許されるという議論にはならぬと思う。それと同じように、いじめるという行為そのものが本当に悪いんだということを徹底して子供らに理解をしていただかなきゃならぬ。そのためには、どちらにも問題があると一義的に、一律的に判断するその姿勢はいかがかと、こう思うわけであるが、もう一度御答弁をお願いする。

〇上山教育委員会委員長 そのいじめる側、いじめられる側、これは一方だけというわけにはまいらないで、いずれやってはならないこと、そういうことはすべきでないということについては、子供たち全員に対して指導すると、こういう立場に立っているわけである。そういうことで、どのような問題がそこにあるのかということで、この支援チームというものの御指導もいただいてまいりたいと考えているところである。

〇山内委員 今の御答弁を聞いてやや安心はしたんであるけれども、ただ、基本的に教師の方々あるいは社会全体にもあるのかもしれないけれども、いじめられる側にもそれは悪いんだと、問題があるんだと、これは問題は確かにいろいろあるわけである。いじめられる子供の性格だとか、いじめられやすい要素を持っている子供は確かにいる。そういった意味においてはいじめられる側にもそれは問題はあるわけであるが、第一義的にいじめる側が悪いのだと、こういうことを徹底指導していかなければならぬ。こう思っておる。私も小さい子供を持っている仲間がたくさんおる。お話を聞くと、そういった問題があった場合に学校の先生の多くの先生は、ほとんどがどちらも悪い、いじめられるのも悪いんだと、こういう指導するんだそうである。だから私はいじめがなくならないと、こう思っている。そこで、お願いになるけれども、教諭というか、教職員というか、そういった方々の認識を一度調査、把握をされたらいかがであるか。今、私が質問したような切り口でもいいであろうけれども、いじめという問題についてどのような認識を持っているのか、そういった調査はもう既におやりになっているんであろうか。いじめについて学校現場で働いている方々がどういった認識を抱いておられるのか、そのことの調査があればお知らせをいただきたいと思う。

〇橋田教育長 昨年の秋からさまざまな問題があって、文部省が中心になって調査を実施しておる。これは全般的なことであるから、委員御指摘のようなことに直接つながるものかどうかはともかくとして、そういう調査をしておる。やがてはっきりしてまいるので、まだ公表の段階でないので、御了承いただきたいと思う。

〇山内委員 わかった。ぜひその調査を踏まえていじめが根絶されるように御努力をいただきたいと思うが、そのいじめの実態についてお伺いをして、この件については終わりたいと思う。

〇小原参事兼指導課長 いじめの実態ということであるけれども、平成5年度の本県のいじめの状況は141件である。

〇山内委員 その141件、多いのか少ないのか、本当はその判断もお聞きしたいわけであるけれども、これは次の機会に譲らせていただく。いずれいじめについては先ほど私が指摘したことを十分御勘案の上、対応していただきたいと、このように思う。
 それでは次に、県立美術館についてであるが、県立美術館の建設については大変御努力をいただいておる。このことについては敬意を表したいと思う。さて、その完成後の運用であるけれども、前々から私は、その県立美術館、盛岡地区につくられるわけであるけれども、県民ひとしくそのすばらしい作品群に触れてほしいと、このことの願いを県教委にお伝えを申し上げておった。その県教委の今までの御答弁によれば、例えばハイビジョン画像を設置するだとか、さまざまな御努力をいただいているようであるが、もう1つ、各市町村がそれら美術館に類似するような、いわゆる展示場だとか、そういったものを建設する際に当たって、ぜひとも県の助成というものも考えていくべきではないのか、こういうことを申し上げてきた経緯があるけれども、その点についてお答えをいただければありがたいと思う。
 それから、もう1点ついでにお伺いするが、競技スポーツの向上ということについてである。これは競技スポーツの向上ということ、低学年になればなるほどに指導者の資質にかかわる部分が大きいと、こう言われているわけであるが、確かにすばらしい指導者が来ればその地域のある特定の競技が向上していくと、こういうことは実体的にもあるわけであるが、そこで前々からこれも申し上げてきたことであるけれども、継続的にあるスポーツ種目について指導者を配置していくと、こういうことの方針を立てるべきではないか、こういうことを申し上げてきたわけである。例えば、剣道なら剣道、谷藤委員おられる前で口はばったいことを言うけれども、剣道なら剣道について、久慈地域なら久慈地域にすばらしい指導者がおられた。その後もそれに劣らぬ指導者を例えば配備していく。こういった一貫した流れをつくっていくことが必要なのではないか、こう思っておるが、その点についてお話をいただきたいと思う。
 また同時に、器械体操あるいは新体操、こういったことについてクラブ活動を含めて県内の各県立高等学校あるいは市立の小学校、中学校、これらについてどのような体制で臨もうとしておられるのか、県教委のお考えをお聞きしたいわけである。と申し上げるのは、器械体操なり新体操、これはまさに人間の行動の基本をすべて網羅をしている最も基礎的なスポーツだろうと思っておる。ただ、いかんせん器械体操にしろ新体操にしろ、整備する、いわゆるその施設面で相当な金額が求められると、こういう実態にあると聞いておる。であるからなかなか県全般に普及しているという実態にはないわけであるけれども、そういった先ほど申し上げたような観点から、器械体操あるいは新体操といったものについてどのような方針で県教委として臨んでいかれるのか、この点についてお知らせいただきたいと思う。

〇廣田文化課長 まず、県立美術館についてお答えさせていただきたいと思う。
 私ども県立美術館、これは盛岡市に建設すると決定させていただいたわけであるけれども、やはり岩手県、全国一の広い県土を持つわけであって、盛岡地区以外の方々にもぜひ美術館を、何というか、鑑賞していただきたい。そういった機会を充実する。こういった方策はぜひ考えていかなければならないと考えておる。今、具体的にはハイビジョンソフトを開発してそういったものを貸し出すとか、あるいは美術館の収蔵作品の移動展示とか、そういったことを考えているわけである。それで、御指摘の市町村のつくる施設についての助成ということであるが、従来から私ども文化会館とか、それから記念館、美術館とか、そういったものに対して助成を、その建設費の補助を行ってまいって、御指摘の展示場、これがまず具体的にどういったものかちょっとまだ、そういう要望があるかどうかあれなんであるけれども、やはり地域に根差した文化を振興する上で必要な施設というものは、ぜひ私どもとしても支援する必要があるだろうということで、市町村から要望があったら適宜対応して、そういったものを支援してまいりたいと考えておる。

〇三田保健体育課長 それでは、まず継続的な指導を行うために指導者の配置を継続的にやってはどうかというお話であるが、御承知のとおり、教員の配置については一定の基準があるが、それはそれとしてできるだけ地域の特性を生かした、そこに根づいた競技スポーツあるいは生涯スポーツもあるかもしれないが、そうしたものをさらに振興を図るということで考えて今後ともまいりたいということで、今後はやはり地域の特性を重視したそういったこともスポーツ振興として大事な観点であると考えて、これからそういう振興策も図ってまいりたいと考えておる。
 それから、特に小学校の体育指導の点を御指摘かと思うけれども、あらゆる、スポーツだけではないが、成長にとって大事な時期であると認識しておって、この時期のスポーツ活動は非常に大切であるということから、特に小学校の指導者、体育専門ばかりではないので、特に体育に関しての正しい指導、この指導力の向上のために、現在、小学校の先生方を対象にした正しい運動の指導のあり方ということで取り組んでおる。これを一層充実させていきたいと考えておる。
 新体操、体操関係であるが、これは基本的な運動として非常に大事なことと考えておるが、ただいま申し上げた中で自主的にとらえていきたいと考えておる。

〇山内委員  県立美術館関連でもう1点お伺いする。
 移動展示となれば、当然それだけの空調設備だとか、さまざまの施設を整えていかなければ、これは展示しようにも展示ができないというのが実態であろうと思う。恐らくそうであろう。そうなれば、地元市町村からの要望があればという御答弁であったけれども、そうではなくてやはり県教委として、県民全般にそういった作品群に触れてもらうんだという積極的な努力が必要だと思う。となれば、町の姿勢ではなくて、この程度の規模にはこのぐらいの多分予算がかかるだろうけれども、こういった場合には県がこういった助成をしていくというような、マニュアルならマニュアルというものをつくる、そして県内各市町村にそれを知らせていくという積極的な行動を私は望みたいわけなんである。
 その点についてもう一度お答えをいただきたいし、それから器械体操、新体操について基本的な姿勢はわかった。それを具体的にどうされるのか。踏み込んでのお答えをいただきたいと思う。

〇橋田教育長 美術館整備と、いわゆるそういった芸術文化振興のあり方なんであるけれども、具体的に申し上げて、県下、委員どういう、類似施設というお話であったが、実際に私立の美術館もあるし、財団法人もあるし、公営のものもある。いろんな多岐に及んでおって、今後そういう展開がどういう形で行われるのか、そういうことを見きわめてまいりたいと思う。いずれ県立美術館の実際の供用開始というのはまだ特定できていない段階で、現在、基本計画をつくっておるので、間もなくつくり上げたいと思っている。そういう中でいろんな御意見いただきながら、ただいまの御意見、受けとめさせていただきたいと、このように思うので、御了承いただきたいと思う。
 それから、新体操、器械体操についてこれまで各種全国レベルの大会で、かつて大変な成果をおさめた時期も幾つかあったわけである。最近なくているわけである。それは、いわゆる素質あるいはその後の可能性のある子が他県、その他に行くケースもあったり、なかなか難しい問題と私、受けとめておる。実際に部活は、今、具体的に何校が取り組んでいるということはちょっと御紹介できないけれども、すべてインターハイということではないけれども、それに向けてやはり組織化、それから委員御指摘の指導の一貫性、体系化、そういうことについて今の小学校6年生がその時点での主力選手になるわけであるので、そういう背景を御指摘いただけたものと考えておるので、そのような考え方で取り組ませていただきたいということである。よろしくお願い申し上げる。

〇谷藤委員 それでは、今、山内委員の方からもお話あった件とも若干関連をしてまいる分野であるけれども、競技力の向上という分野の中で、特に中学校、高校生の競技力の向上に向けての取り組みの問題である。今、山内委員は小学校を含めた中の取り上げ方をされてきたわけであるけれども、小学校の方はどちらかというとスポーツ少年団を中心としたような形での展開が多く見られているように思っておる。スポーツ少年団も設立されてもう30年を迎えるということで、今年度は全国大会を岩手県で開催をするというようなことにもなっているようであるけれども、そういうような形で小学校については随分スポーツ少年団の果たしてきた役割は大きかったなと思っておるわけであるけれども、ただ、全体を見ていると一番中学校が特に指導体制が整っていないように思う。それと専門職の先生方が不足しているんじゃないかということを痛感しているけれども、特に平成11年度のインターハイという問題を考えてみたときに、この指導体制、それと競技力向上を目指していくという中で、どのように充実を図っていくことを具体的に考えておられるのか。
 それから、確かに今まで全国レベルのものでも、アジア大会なんかでもボクシングでも八重樫選手が優勝したり、野球なんかでも随分甲子園で盛岡第四高等学校が活躍して県民の血を熱くしたと、こういうぐらいな活躍はそれぞれ部分的にはあるけれども、どちらかというと国体の成績を見ても全国44位という低位まできたということは非常に残念で、県民所得が全国の38位、それよりも下がったこと今までなかったんじゃないかと思うんであるが、それを超えるぐらいまで低迷をしてきた。この問題についてもなぜそうなったかという教育長の考え方、その分析の仕方、この辺もあわせて競技力の向上という考え方についてちょっとお聞かせをまずいただきたい。

〇橋田教育長 実はその点についてなかなか私どもも悩んでおって、しかし冷静に各種目別についてこれまでの競技成績、これについては体協さんが中心になって各競技団体からヒアリングという形で、今、取りまとめを行っていて、その成果について一部私ども承知をしておるが、これは政策的にもこれの整理をした上でやっぱり要因をはっきりさせていく。それは今後のさまざまな競技力の向上対策の上でベースになるものだと思っておって、そのような取り組みをしてまいりたいということだけを考え方として答えさせていただきたいと思う。具体的に申すと、中学生、高校生については基本的に3つの柱で我々やってきた。その競技力向上、ジュニア合宿というもの、それからジュニアコーチの配置、それから中学校スポーツ教室と、この3本柱で中学生にターゲットを当ててやってきたんであるが、その前提で申し上げた各競技団体が、競技力の低迷あるいは力不足というものがどのようなものであるか具体的に出てくると思うので、これと今御紹介申し上げた3つの柱と、具体的にやり方がどうだったのかということを私どもとしてはきっちり整理をしたい。以降の対応について内容面まで含めて分析をしないとならないと思っておるので、よろしくお願い申し上げたいと思う。

〇谷藤委員 まず、いろいろ長年、昭和45年の岩手国体以来どうも、ぐうっと下降線をたどりながら苦しみ続けてきた。確かに私も現場の声をお聞きする機会もたくさんあるけれども、そこの中で中学校あたりまでは地元でやる。高校になると意外に他県の有力有名校というか、そこにもう流出していく。有望な選手が外に出てしまう。ということは、確かにそっちの方が魅力あるであろうけれども、それだけ逆に言えば岩手県の中に指導者も含めて、その選手の人たちにしてみれば魅力がないという形になっているという現実である。これに向けてやはり、せっかく中学校まで岩手県の中で一生懸命指導してきて、ある程度のレベルにまでいった、それ以上伸ばそうとしたときに、県外にその子供たちが引き抜かれていくということは確かにあるけれども、そういうことで有望選手が外へ出ちゃう。スキーなんかでも東奥義塾に行ってみたり、いろんな方が外へ出ていく。そんなことではせっかく育て上げた子供たちが高校に今度行くときにそれを受け皿となり得ない。一流と言ってはあれであるけれども、ある程度のレベルまで行った選手が、岩手県の指導体制では満足できないという決断をしているわけである。そして生徒が出る。そのまま今度は大学進学とか何かでまた行って、また大学へ行ってふるさとへまた戻ってくるならいいけれども、そのまま今度は岩手県で受け入れ態勢がない。いい選手は全然外へ出っ放しの状態で岩手県では受け入れないという、悪循環を何かしているんじゃないかなというような、最近いろいろ現場の声を聞くたびに、どうしてそういうことができないのかなという歯がゆさを感じながらおるわけである。そういうことで体育振興費という全体の予算を見ても、全体としてこの金額というのがどうも著しく低いんじゃないか。これは岩手県の県行政の中でスポーツのとらえ方というのが非常に低い位置に位置づけられているような気がしてならないわけである。そういうことで、今後ともこの予算というもののベースがもともと低過ぎるんじゃないか。他県と比べてこれをどのように認識されているか。

〇橋田教育長 2つに分けさせていただいて、第1点目の、他県に流出する、そういうことの基盤、受け皿、この問題については私から、それから強化費については保健体育課長からお答えさせていただくが、最近の例では明るい話題として、全国のスケート、それからスキーの大会でそれぞれ安代町と浄法寺の中学生が優勝するということであった。これ実はスケートの関係なんであるけれども、スケートと出会った最初のきっかけは、県北青少年の家のリンクであって、大変興味を持ったと、それを御家族の方が大変バックアップして技術的にも上がってくる、競技でも成果が上がると、そういうことで盛岡に来て指導を受けるということで、今度中学校3年卒業するが県内の公立学校に入学が予定されているという形である。しかし、その反面、委員の御指摘のように他県に出ていく生徒も実はある。これをどうするかについて、やはり委員から御指摘あったように、ここに残ったことによる成績の期待というか、成果というか、そういうものをはっきり事実で示さないと何ともならないと我々も思っていて、これをしっかりやらなければならないと、スキーにおいても同じだし他の競技においても同じだと思う。これについては今、さまざまな要因が絡むが、1つにはやっぱり施設づくりだと思う。それから、やはり人といってもしっかりした施設がなければ指導者も安んじてそこに身をゆだねると、自分の人生かけるという形にならないので、今ははっきり申し上げて中学校、高等学校の先生に学校教育の仕事のほかにそれをお願いするという形でずっときておるので、やはりそういうことを7年度から早速始めたいと思っている。そういうことで指導者を確保するための特別的な対策を、やがてお示しできる機会があると思うので、よろしくお願いしたいと思う。

〇三田保健体育課長 それでは、本県の競技力向上のための対策費ということであるが、これは県によっていろいろな形があるが、県費として支出しておる直接執行あるいは体協に対する補助、中学校体育連盟、高等学校体育連盟等への補助というようなことがあるが、本県でも昨年からことしにかけてインターハイに向けての大変な増額を先生方の御理解でいただいておる。しかしながら、十分とは言えないと思うが、近県の状況と比較すると、どうしても近県はたまたま福島国体もあったし、山形も先ころ終わったと、それから今から宮城県は国体を目指しておる。そういうわけでやっと、やや追いついたところでまた追い抜かれているという感じがしておる。金額についてはなかなかいろんなとらえ方があるので難しいところであるが、そこはよろしいであろうか。

〇谷藤委員 そういう具体的な数字を言ってしまうと、比較すればはっきり言って恥ずかしいような数字だということである。要するに、財政課長もあっちにおいでであるからきっちり聞いていてほしいなと思うけれども、確かに国体との関連とか連動があるから、強化費というのは国体が絡んでくると膨大な費用で取り組んでまいるのはそのとおりだと思う。ただ、やっぱり福島にしろ山形にしろ、今度宮城県にしろ、8億とか10億とかその程度ぐらいの規模になっていくんだろうと思うけれども、そこの中でここ二、三年前まで四千何百万とかそんな20分の1程度の予算で、考え方では、よくぞ今まで頑張ってきたとお褒めいただいてもおかしくないような金額かなと思うけれども、ただ、それだけではこれからの各県が相当努力している中で、もともとの基礎ベースが低いのであるから、これを前年対比幾らになったからよいというものじゃなく、もともとが低いんだという認識を持って、さらに財政当局にも働きかけをぜひお願いして、現場で一生懸命頑張っている方々にこたえていくような体制をつくっていかなきゃ、本当に気の毒だなと思う。もう、日曜、祭日も捨てて、先生方一生懸命子供たちのためにやっているし、そこに向けて環境を整えてあげるという配慮がこれから必要だなと思っておるので、ぜひよろしくお願いをしたいと思う。
 それからもう1点、スポーツ研修センター、仮称であるけれども、この進捗状況であるけれども、平成6年に基本構想費ということで130万ほど計上されたわけであるけれども、構想であるから、構想というのはどの程度まで構想されたか。
 それから、平成7年度に整備基本計画費ということで345万ほど計上されておるわけであるけれども、今後どのような取り組みをされていくのかということをお尋ねしたいわけであるが、私も実は青山町にあるトレーニングセンター、昭和45年の岩手国体に向けての強化合宿等も含めたことを考えての合宿、トレーニングセンター、もう足を運んでみれば大変老朽化が著しい。おふろは使えない。たまたま近いところにおふろ屋さんがあるから、そこをお借りして入っているわけである。子供たちが合宿に行って、その中に施設としておふろがもうぼろぼろになって、赤い水が出てきたり全然使えないということになって、近所のおふろ屋さんに行く。今の時代で、飽食の時代でもあり、食事は大分改善されたようであるけれども、せめてそれぐらいのことが今のこの時代に、子供たちがあそこの施設に行くんじゃいやだと思われるぐらいの中に押し込んで、そうじゃなくたって、汗水たらして指導者から絞り上げられてぐったりして帰ってきてふろに入りたいと言ったとき、この施設にはふろもついていません、そこの中に押し込んで頑張れ頑張れと気合をかけたって、とても元気が出るものじゃないと思っておるわけである。そういうことで、これいつ完成を目指してやられるのかあれであるが、平成11年に間に合わせるとすれば、少なくても1年、2年前くらいには完成していなければならない。そういうことを考えていくと、早急にこれはやらなければならない。平成11年のせっかくの節目に向けて取り組まなかったら、話であるけれども、平成二十五、六年に予定されている岩手国体、2巡目の岩手国体に合わせるなんというサイクルでのんびり構えてやっていたんじゃ、せっかくのこの節目があるときに対応がおくれてしまう。果たして、どういう場所にこれから立地させていこうとする構想があるのかわからないけれども、ぜひ早急に、今毎日毎日動いているわけであるから、そして今度またそこの施設を使って小学校、中学校、高校生もまた合宿に入る。いいとか悪いとか言ったって、なかなか合宿する場所がないわけであるからそこに行かざるを得ない。経費がないから、予算がないから安いところを探してそれを繰り返している。それをやはり現場の声にこたえていくためには、行政として一日も早い、今の大きな問題になっているこの問題を解決していただきたいなと思っているわけである。そんな中での今の取り組み状況をひとつお知らせをいただいて、この際大ぶろしきを広げるような気持ちで、大県岩手の中のスポーツの拠点をつくるんだというような意気込みのお考え方に立たれた方がいいんじゃないかと思うので、お考えを伺う。

〇三田保健体育課長 仮称のスポーツ研修センターであるが、これは体育・スポーツに関して科学的な根拠のもとに体系的に研究、研修を行うための指導者養成の中核施設ということで整備を目指しているものである。本県の体育・スポーツ振興を図る上で、極めて重要な意義を持つ施設であると認識をしておる。本年度においては、学識経験者等からなる整備、このスポーツ研修センターの整備構想、基本構想策定委員会を設置して、スポーツ医科学を中心に据えた研修のあり方を初め、調査研究あるいは相談、情報提供事業の基本方針あるいは宿泊、それから運動施設等の整備方針について検討を行ってまいった。今後は、この検討結果をもとにして、これを具体化するために基本計画の策定に取り組むこととしておる。おっしゃるように、長年の検討課題であったこの施設の整備については、できるだけ早い時期に建設できるように、積極的に努力をしてまいりたいと存じておる。

〇谷藤委員 それでは、積極的にということであるので、平成11年度を考えた場合に、その前なのか後になりそうなのか、そこの1点だけ。

〇橋田教育長 平成7年度のこの事業は計画を立てることである、6年度が構想だったので。そこの中でいろいろ御議論、それから広く県民各位の皆さんの御意見などもいただきながらやがて定まってくるだろうと。教育委員会としては、教育費全体、スポーツ関係の施設、それから文化施設、考古学施設、体育施設などなどがあり、これから大きな構想でたくさんいかなければいけないものばかりであり、これいかに整理してやっていくか、これはちょうど7年度が振興計画の見直しの時期であるので、私どももその中でしっかりと整理をさせていただきたいと、で、積極的に取り組んでいくと、こういう意味であるのでよろしくお願いをする。

〇村田委員 私からは、博物館行政について、そして関連して考古学的な対応についての問題と、それから図書館行政について承りたいと思う。
 国立博物館の誘致に関連して、県はこれまで国立博物館の誘致を進めておるところであるが、現在のところ、民間レベルでの具体的な構想などで考えると、福岡県に1歩リードを許しているんじゃないだろうかと思われる。このような情勢のもとに、県は考古学研究機関の整備に取り組むことが教育委員長の演述の中にもあるが、新年度からその計画策定を行うべく予算計上をいたしておることは、大変なこの運動に弾みがつくことであろうと期待しておるところである。既に識者による検討が始まっており、平泉周辺にこれを設置する方向と承っておるのである。私はこの際、思い切って、県立博物館の中に機能しておるこの考古学研究部分を分離をして、その研究機関に充てることにした方が、より効果的ではないのかなと愚考するものであるけれども、その点について承りたいと思う。
 と申すのは、県立博物館の研究部門とかなり重複しておる部分があるのではないかと思われるからである。そこでお伺いするが、この研究機関の指向していく方向づけと、現在の県立博物館で運営されておる考古学研究に関する部分についての整合性と申そうか、その骨組みについてどのように考えておられるのかをまず承りたいと思う。

〇橋田教育長 御指摘のあったのは、事業名で考古学研究機関の整備に関する事業であるが、おかげさまで基本構想が終わり、現在、年度末まで向けて基本計画をつくるということで進んでおる。これは主として識者の御意見であるが、まだ全く解明がされていないに等しい平泉文化、これは大変な広がりを持っており、この辺を中心に調査、研究をするということを主たる中心テーマにした機関を整備すべきではないかということで現在進んでおる。御指摘のように、県立博物館には本県の歴史を通観するための調査、研究をする考古部門がある。これの関係も整理をする必要が出てくると思う。それから埋蔵文化財センターがあり、そこにも専門家あるいはそれにかかわる要員がおり、この考古学研究機関を整備する過程の中で、やはりそういう整備が必要になってくるということについて御指摘のとおりであるので、その作業が必要であると。一方、県立美術館には美術部門があり、今進んでいる県立美術館の整備が進む過程の中で、やはり近代美術部門、これもやはり整理するということになるので、美術あるいは文化関係の県立の施設を整備する過程の中でこれらをシンプルにして、もともと本来予定をすべきあるいは期待すべき役割をはっきりさせる必要があるということを現在思っており、博物館の内部に現在勉強会を設置をしており、今後、それも同時並行的に、やがて識者の方の御意見もいただく機会もあろうと思うし、県民の皆さんの御意見をいただく機会も出てくると思うので、そういう形で進めていきたいと。
 ここで一言申し添えさせていただくとすれば、県立博物館はそういう意味で、この15年以上の長きにわたって、本県のそういう分野についてこれまで頑張ってきたけれども、やはり専門化、分化、その中から出る県民へ還元される研究成果、そういうことを考えると、考古学研究機関あるいは美術館の整備という中で、やはり体制をはっきりした形で整えていく必要があるという認識でそれぞれの事業に取り組ませていただいていると、こういうことである。

〇村田委員 繩文発信と、こういうことであるが、繩文文化というものは言われておるとおり、北東北における当時のいわば日本国の中での最も高い水準における文化圏を形成しておった時代だと、こう認識しておるわけであるが、その後のアテルイの時代で結局のところ没落をした、藤原3代没落した、そういったようなことについての1つの流れとして、中世の豪族の史跡、志波城の復元はやっておられるわけであるけれども、それに関連してその当時蟠踞しておった、特に岩手の古城というか中世の史跡というものは相当豊富な蓄積があるはずであるが、それらの現状の発掘の調査とかそういう問題については委員長演述の中でも述べられておるけれども、それは具体的にはどういう1つの手だてで今後これを取り組んでいかれるか、その辺も伺いたいと思う。

〇橋田教育長 中世の遺跡については、やはり復元に至るまでの基礎的な調査研究というものが進むというには相当時間がかかるという考え方を持っておる、物によるけれども。それで、主としてこの問題については県立博物館においてテーマを定める中で取り組みをするということを第一義的にして、それが教育委員会、本庁においてそれをバックアップしていくというふうなことをまず柱にして考えていきたいと。また、これまでもそのようにしてまいったので、それを継続していくということであるのでお願い申し上げたいと思う。

〇村田委員 そこで、今後の国立博物館としての誘致ということだけにこだわっているとなかなかこれは先の長い話であると思うわけであるが、現実に埋蔵文化財の調査も進んでおるし、また、中世古城の調査も一部手がけておるし、さきに花巻の鳥谷ケ崎城のいろいろな問題で、解決になったわけであるけれども、それらの近世における遺跡の問題という1つの流れの中で国立博物館というのを構想すべきではないのか。そしてまた、そこに特徴づけがなければならないのではないだろうか。そうすると、当然、県立博物館の機能というものから独立した形で、もしも国立博物館がなかなかゆるくないということになると、県立博物館として、資料館としての構想をまず考えるべきではないのか。それが考古学研究機関というものに1つのスケルトンとして構想されておるということであるならば、その辺との取り組みの中身はどうなんであろう。

〇橋田教育長 国立博物館の誘致については、息の長い取り組みが必要であると、こういうことで考えておる。具体的には、地元で期成同盟会などもできたし、地方団体の中でそういうものを一元的に頑張っていこうという動きもお伺いしておる。それはそれで、私どももそれに期待をするところが大きいわけである。それはさて置き、ただいまお話のあったような施設の持つ本来的な役割、そういうものの整理の中で、やはり国が分担してもらう施設が必要だという整理の仕方もあってしかるべきではないかという御意見とお伺いさせていただいておる。全くそのとおりだと思う。それで、やはり県の施設の整理とそれから足らざる部分というか、さらに力を入れる部分について、国にその役割を担っていただく施設を本県に誘致をするというところあたりを、今後、私どももはっきりした整理の仕方をした上で国立博物館の誘致に取り組んでいく必要があると考えておる。

〇村田委員 三内丸山の遺跡が新しい脚光を浴びて、考古学的な非常な資料になっておるということであるけれども、うかうかするというと青森の方が大変その点の重要度が高まってくる。したがって、これらの考古学的な研究機関、そして国立博物館を誘導するという現状においては、岩手県の側の方から呼びかけて、青森県との共同作戦で岩手に誘致をするというようなことになると、なお力が入るんじゃないであろうか。その辺はどうであろうか、相当問題はあると思うが。

〇橋田教育長 やはりこれは東北全体あるいは北海道まで含めた大きな長期構想の中でほくとう銀河プランというのがあり、私どもが今さまざまな取り組みが必要であるけれども、県立の施設と国立の施設の役割分担、それを一体として本県に定着させていく作業の中についての回廊構想であろうか、そういうものが示されており、私どもとしてはその考え方の整理をしっかりした上で、東北北海道知事会に対して誘致方について働きかけをしながら、かつ、地元でのさまざまな期成同盟会など運動母体、そういうものの整備を図りながら取り組んでいく必要があると考えておる。

〇村田委員 問題についてはぜひとも岩手県の文化圏としてのいろいろな蓄積があるわけであるから、将来とも主体的な取り組みをお願いしておきたいと思うわけである。
 それから、図書館の問題について申し上げたいと思うけれども、教育委員長の演述の中でお聞きいたしておるところによると、社会教育の分野あるいは生涯教育の分野ということについては触れておられるわけであるが、図書館行政という形においては美術館というのが最後に、末尾にあるわけであるが、図書館というのは、今私も図書館の審議会に属しておるものであるけれども、お聞きするところによると、図書館は狭隘であると、現在70万冊程度であると。100万冊がピークであって、これ以上になると何とも身動きがとれないと、サービスも低下するということも聞いておるわけであるが、したがって、現在の図書館というものを増改築をするという1つの方向もあるであろうが、やはりこれは環境上大変難しい問題があるので、別な場所に構想をしなければならないということを聞いておるわけである。これは生涯学習という点でさらに強調せられるべき用務がたくさんある図書館だと思う。美術館行政という形と並行して、むしろこれは考えられるべき問題ではないのか。これらについて懇談会というような形であろうか、県の諮問機関がおありだと聞いておるわけであるが、それの進行状況。そして、教育委員長がこの図書館という問題についての語句をここに挿入せらるべきだったと思うけれども、その図書館行政としての役割ということをどうお考えになっておられるのか、これは教育委員長にお尋ねをする。

〇上山教育委員会委員長 このことについては大変大切な問題であるので、この経過については教育長の方から答弁をさせたいと思う。

〇橋田教育長 これまで調査費をいただいて幾度か検討してまいった経緯がある。さまざまな経緯があったが、平成7年度の予算に100万程度調査費を新たにつけさせていただいて、これから識者の方の御意見をいただきながら、その構想づくりあるいはそれ以前に図書館のあるべき姿というか、そういうことも含めた構想について御検討をいただきたいということで予定の事務を進めさせていただくことにしておる。やがてその場所の問題それから果たす役割、さまざまなことが、そこで今まで調査してきたものも含めて、あわせてそこで7年度の仕事として取り組まさせていただきたいと思っておる。

〇村田委員 他県の例でもないわけじゃないけれども、美術館という機能と、美術館の果たすべき機能と図書館行政というものとのパートナーシップ、そういう意味でどうお考えになっているであろう。

〇橋田教育長 言葉としては、生涯学習の場としては共通の役割を持っておるが、主として図書館の場合には情報提供、いわゆる活字による情報提供ということをベースにしたものだと私ども考えておる、媒体として。それから博物館の場合は、物をして語らしめるというか、やはり直接本物に触れるという、その決定的な役割の違いがあると思うので、それぞれの施設が持っている役割を、非常に今は通信技術、将来についても大変変化が予測されるので、そういうものを駆使しながら本来の役割を果たしていく必要があるということが第1点である。
 第2点は、しかしそうは言っても、読書というものあるいは創作活動というか、実は図書館が誇れる事業の1つとして、創作のコンクールをいたしており、その最優秀賞を得たものの作品を出版をするという、絵本が多いわけであるけれども、そういう活動も持っておるので、そういうことを全県的にさらに普及できるように、学校図書館あるいは市町村の図書館、公民館とのネットワーク、内容的に、そういうことも独自の役割として強化されるべきものだというふうに思っておる。

〇村田委員 図書館の問題ばかりじゃなしに、それらの美術館、博物館、大変な人間としての岩手の県民性ということをはぐくむ大きな肥やしであろうと思うわけであるが、ただ、そこに施設ありきということではなしに、それが広大な岩手の県民の日常生活に遍満していくという、そういう機能を今後積極的に構想しつつやっていかなければならないだろうと思うけれども、例えば新聞の購読者数、岩手の県民と新聞の日常の購読者数という、購読部数であろうか、そういったようなものが他県と比較してどうなっておるかなどということも統計資料として出ているのであろうか。いずれにせよ、そういう問題についても文化の程度の尺度になるわけであろう。今後、ひとつそういう点についての施設から発信していく行政ということのきめ細やかな対応について御要望を申し上げて終わる。

〇村上委員 2つほどお尋ねをする。
 工業試験場そして醸造試験場の跡地の活用については昨年の9月の議会で質問して、総務部長から、盛岡四高の学校用地としての活用を含めて検討する旨答弁をいただいておったわけであるが、その後商工労働部から聞くところによると、その用地は盛岡第四高の用地として活用することとして建物の撤去、あるいは整備の上教育委員会の方に所管を移したと伺っているわけであるが、そこでお伺いするが、狭隘な盛岡四高の校庭が広くなり生徒たちも大変喜ぶと思う。また、地元の住民の皆さんも大変歓迎していると思うが、こうしたことに対して当局の御配慮に地元の議員として感謝を申し上げる次第である。しかし、この用地については、長いこと地域住民が事実上の生活道路として利用してきた校内道路があるわけである。今、閉鎖されると住民の生活に大きな支障が生ずるのではないかという心配がある。住民には不便が生じないような配慮をしていると思うけれども、教育委員会としては、この整備についてどのような計画でどのような時期に整備されるのかお伺いをする。
 次に、予算委員会等でお願いしてまいったものであるけれども、盛岡市の飯岡地区の県有地が長いこと放置されて有効な活用がされず、住民の、特に土地を提供した人々からは大変な不満が続出して、そういう経緯があったわけであるが、教育委員会はこの土地の有効な活用を速急に検討して、盛岡地区の精神薄弱者養護学校の高等部を整備するということになったところであるが、この整備に当たってその計画と内容について、その進捗状況等も説明を願いたいと思う。
 また、地元の地区住民からは何らかのいろいろな要望があろうかと思うが、そういう要望を聞く機会等も持っておるものか。あるいはまた、要望されている内容があるとすれば、その内容は実現可能な要望なものか等も含めてお知らせ、お示し願いたいと、このように思う。

〇小田島財務課長 まず第1点の旧醸造食品試験場及び工業試験場跡地に係る道路整備についてであるが、盛岡四高のグラウンド用地として利用することとしており、その県有地内を地区住民が生活道路として利用しているというような実態を踏まえ、及び地区住民からは道路確保の要望等があったことにより、現況の道路を校地南側に切った上で整備することで盛岡市と現在協議をいたしておる。現時点では、道路整備については盛岡市が施行することとしておるが、県としては安全性等を考慮して整備するように、盛岡市に対して要望等をいたしておる段階である。
 それから、第2点の盛岡地区精神薄弱者養護学校高等部、これは仮称であるが、この整備についてであるが、今年度用地を購入し造成、設計をしておる。来年度は造成あるいは建築の基本実施設計ということを予定しておる。先ほどの地区に対する説明であるが、過日、関係地区住民に対して説明してその中で要望等があり、県としてできることについてはぜひその要望を実現するような方向で検討してまいりたいと考えておる。

〇三田県立学校課長 ただいまの盛岡地区精神薄弱者養護学校の御質問に関連してであるが、その内容であるが、今まで県内につくられてきた精神薄弱者養護学校の高等部は、ほとんど普通科を主体としたものである。したがって、今度つくる予定である高等部には普通科2学級、そして職業学科3学級、これを設定する予定である。そしてこれからの生徒がいろんな職種に対応できるような、そういう教育を施していきたいと考えておるところである。

〇大欠委員 予算原案とは直接関係ない質問になって恐縮であるが、その中身はいじめの問題である。
 いじめの問題については、昨年、愛知県の東部中学校2年生の大河内清輝君のいじめを苦に自殺したことが社会全体に大きな問題を投げかけたわけである。学校側の生徒の行動記録を公表したことから始まって大きな問題となったわけであるが、学校側の記者会見で、生徒を問題グループの一員としてとらえ、いじめを受けているという認識の違いが大きな波紋を呼んだのである。それは、一方的に公表したのはおかしいということを父母の批判を浴びたのであるが、生徒はいじめを受けているという認識の違いが大きな波紋を呼んでおる。それは、一方的に公表したのはおかしいということで、強く父母から批判を受けたところである。彼の死を上辺だけでとらえないでほしい、こういうことで、父母の学校との対立が大きな波紋を呼んだのであるが、ところでこれは他県のことであるが、本県の5年度のいじめの発生件数は、先ほどの報告を聞くと141件と言われておるが、この141件の内訳、小学校、中学校、高等学校の件数はどのくらいなものかということが1つと、それからもう1つは、その原因は何であったかということをまず第1にお伺いしたいと思う。

〇小原参事兼指導課長 平成5年度のいじめの状況についてであるが、発生件数の内訳を申し上げると、小学校は46件、それから中学校が73件、それから高等学校は22件となっておる。それから、その原因、理由等であるが、子供の動作や態度が鈍いと、それから自己主張ができない場合があるとか、それから協調性に欠けるというようなことが挙げられておる。しかし、いじめは基本的には児童生徒1人1人がお互いに1人の人間としてのよさを認め合い、尊重し合おうとする心の欠如がその根底にあるものと考えておる。

〇大欠委員 そこで次に移るが、盛岡周辺のある中学校では万引きに上級生が誘ったと。そしてそのボス格の仲間を教師に話をしたと。これは防止をしたいという気持ちもあったようであるが、その仲間に裏切られ、そのボス的存在の生徒が不登校に陥ったと言われておる。生徒はその学校の対応に不信感を抱き、不登校を継続したという記事を見ておるが、その不登校の期間というのは一体どういう期間であったかということについて、まず第1にお伺いしたいと思う。

〇小原参事兼指導課長 非行グループに誘われたことから登校拒否に陥ったとされる中学生の事例についてであるが、当方において把握している内訳では、1年以上連続して欠席した中学生は見当たらないところであるが、当該地域に友人関係をきっかけとして登校拒否に陥ったケースはある。この場合は、2年生では100日、3年生では150日を超える欠席日数となっておるが、現在は新しい高校生活に向けて残りの中学校生活を有意義なものとするよう、学校において指導しているとお聞きしておる。

〇大欠委員 次に、平成元年に設置した学校不適応対策本部、そしてその支部に当たる各教育事務所ごとに設置したようであるが、学校適応の推進協議会というものがあったようであるが、その成果はどんなものであったかということを具体的な例を挙げお聞かせをいただきたいし、また、その陰には何というか、潜在化と陰湿化という問題がなかったのかどうかという点についてお伺いしたいと思う。

〇小原参事兼指導課長 ただいまの御質問の県内の12の教育事務所に設置しておる支部の活動状況についてであるが、地域の学校関係者や福祉関係者、保護者などで構成する学校適応指導推進協議会を毎年2回開催をしているところである。この協議会においては、主にいじめや登校拒否等の問題について、回復事例の報告等から具体的な対応策等について協議をいたし、さまざまな立場から提言がされ学校適応を推進する上で機運が盛り上がり、学校や家庭において指導に役立てていると承っておる。また、県立総合教育センターに設置している支部においても、いじめなど学校不適応に関する相談活動を行い、また、基礎的な研究を進め指導資料等を刊行しているところである。このほか、学校不適応対策推進本部・支部に開設をしている電話相談においては年間700件の相談が寄せられており、その5%程度がいじめ問題の相談になっているという状況である。
 いじめは潜在化しているというようなことの御質問等であるが、いずれ、多様な形で行われているという状況である。

〇大欠委員 次に、学校の大きな課題だと言われておるが、校内暴力という問題が大きな問題になった時代があったが、こういう校内暴力と現在の不登校という問題が県内でどのぐらい発生しているのかという点についてお伺いしたいと思う。

〇小原参事兼指導課長 平成5年度の登校拒否と校内暴力についてであるが、登校拒否については50日以上欠席した児童生徒は962名であった。その内訳は小学校が100名、中学生が472名、高校生が390名である。全体として、増減を繰り返しながら緩やかな増加傾向を推移しておるところである。また、校内暴力の発生は13件であった。

〇大欠委員 最後の質問になるが、私は率直にお聞きしたいのであるが、いじめあるいはいじめられる、こういうことを学校からなくするために、一体、どういう学校が望ましいのかということを含めて、この問題について教師集団に何を求めるかということについて、求めるかというか望むかというか、どっちでもいいが、そういう点についてお伺いしたいと思う。

〇橋田教育長 大変難しい問題であるが、これがはっきりしないうちはなかなかいじめの問題も見えてこないと思う。県下に小中高あわせて800校近い学校があるわけである。そこでこれまで大変地域の信頼と支持を得て、そこに学ぶ子供たちが生き生きと前向きに暮らしていくという学校をつくっている学校も相当数ある。私どもは、そういう学校がどういうポイントを中心に学校の運営に当たっているかということについて大変重大な関心を持っており、これをはっきりさせる必要があるということで基礎的な作業に着手をしておるが、おおよその話をさせていただくと2つの柱があり、1つは、児童生徒の学習を中心にした情報を非常に整理をしていると、指導に当たっての。それからもう1つは、学校は4領域から構成されておるから、申し上げるまでもないが、教科指導、特別活動、学校行事、道徳と、こうなっているが、そういう4領域を1週間単位あるいは学期単位、1年間単位で計画的に事業をしているわけであるが、その中で主として学校行事、教科の中にもあるけれども、ロングタイムからさらに週単位でもってあるいは年単位でもってあるテーマを決めて取り組む、福祉でも環境でもそれから体験学習でもさまざまあるが、その際地域の方あるいは父兄の方とそれを取り組んでいくに当たっての企画立案、実施の全過程で、学校側と十分な連携をとりながらそれに対応していると、そういう仕組みを持っている学校、これについては、いろいろな意味で学校が本来果たすべき役割についてかなりダイナミックな教育活動が行われているということが、現時点でそういう姿が出てきているわけである。そういうことを考えると、このいじめの問題の根絶ということでお話をさせていただくと、やはり結論的にはいじめの第一義的な役割は、根絶の役割は、社会的ないろんな仕組みの中で学校だと私は思っておる。それで、全教師がいじめの問題の重大性ということの認識、これを1人1人きっちりと持つということ、それからいじめの実態から目を背けてはいけないということ、それから児童生徒の小さな変化を敏感に受けとめる力、これをまず1人1人の先生方が持っていただくこと、それを学校という組織の中で相談体制を組むとか、それから先ほど申し上げたような学校教育活動を行う上で、展開過程の中でそういうものをしっかりとして、児童生徒がお互いに尊重し合うような雰囲気を醸成するというか、そういう学校づくりに取り組んでいけば、先ほど御紹介したような学校の例もあり、やはり1人1人の生徒が自分の役割分担、そういうものを十分に安心しながらあるいは確信を持ちながら学校生活を営んでいくことができるのではないかと。ただ、これは考え方であり、御質問のあった何を望むかということに直接はお答えできないのかもしれないが、そういうことを日常の仕事を通し研究し合って、学校の中にそういう体制を築いていっていただければ、この問題についても今よりはもっとしっかりしたスタンスができてくると考えておる。

〇佐藤副委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩する。
   午前11時56分 休 憩
   午後1時4分 再 開

〇戸羽委員長 休憩前に引き続き会議を開く。
 午前中の説明に対する質疑を続行する。

〇横田委員 千厩町の中学校統合問題について。基本方針は教育長から、具体的には義教あるいは財務等の課長たちにお伺いする。
 千厩町では2月23日、3中学校の統合に反対する集会が開かれ、町民850名が参加したと聞いた。これだけの町民が反対している統合問題は一体どうなのか。県教委はどのような指導、助言を千厩町に行ってきたのであろうか。
 昭和48年の通達の趣旨とそれに基づく対応はどうであろうか。奥玉中、小梨中は1971年、昭和46年に県教委より危険校舎として改善方勧告が出たと承知する。校舎の危険度、耐久度は現状でどうなっているのであろうか。昭和46年といえば私が県会議員にとれた年であるから、24年間そのままに放置されておる。なぜ改善されないまま放置されてきたのであろうか。その原因と責任はどうなのであろうか。もしこれにより生徒に事故があった場合、責任はどこが持たなければならないものなのであろうか。
 統合問題の解決は住民の声を尊重して、住民が合意できることがいわば条件ではなかろうかと思うが、いかがであろうか。住民参加で検討すべきだと思うんであるが、どうであろうか。危険校舎の対策は急務であり、住民との紛争対立をして解決するより、県教委が適切な指導、助言をすべきと考えるが、どんなものであろうか。
 千厩町では反対運動が大変広がり、署名も有権者の40%に達していると聞く。ところが、町と町教委は9小中学校の校長による検討委員会をつくり、統合を前提にした基本構想をこの3月にも出そうとしていると聞き及ぶが、当局はどのように聞いているのであろうか。こうした校長による検討委員会というものは、一体住民の意思をよく尊重するものになると思われるか。千厩町では住民はもとより、未成年の、母校奥玉中学校を考える青少年の集いがつくられ、中学校の存続と危険校舎を早く改造、改築してくれということを求める署名運動さえ取り組まれている。これは子供の権利条約、意見表明権、表現、情報の自由、思想、良心、宗教の自由に基づくものと位置づけられるものであろう。奥玉中学校の文化祭でのアンケートでは100%の生徒が統合反対、中学校存続だったと報告を聞いた。県教委はこうした青少年、生徒の声、願いをどのように受けとめておられるのであろうか。

〇橋田教育長 私から統合についての私どもの考え方についてお話をさせていただく。その他については義務教育課長と財務課長から答弁をさせていただきたいと思う。
 基本的な考え方であるが、申し上げるまでもないんであるが、公立小中学校の統合は、これはもう御案内のとおり、基本的には学校の設置者である市町村が学校規模の適正化による教育効果の向上を目指して主体的に行うものだと私ども承知をしておる。現実の問題として、千厩町の中学校の統合について住民の皆さんの中に反対する動きがあるということについては承知をしておる。私どもとしても町の教育長さんを通して、その統合についての準備態勢、考え方、それから対応について十分住民の皆さんの御意向を聞いて取り組んでいくようにというお話をさせているところである。

〇松尾参事兼義務教育課長 今、教育長の方から基本的なお話あったので、具体的なことであるが、千厩町の教育委員会においては、こういった反対運動があることはもちろん承知しておって、その反対運動とあるいは意見をより深く聞くという立場から、各地区ごとの地区民の懇談会の開催とか、あるいは議会内に特別委員会を設置して、賛成、反対双方の立場の方々からも意見を聞くといった、地域住民の理解と協力を得るように努めておるという報告を受けておるし、今後とも一層努力する旨の報告も受けておるところである。県としては、統合実施に当たっては御指摘あったような昭和48年の文部省通達と、これに基づいて学校の持つ地域的な意義等をも考慮しながら、地域住民等との間に紛争が生ずることのないように、十分理解と協力を得て進めるように千厩町の教育委員会に対して指導をしておるところである。
 それから、校長を検討委員会に充てることについてであるが、これについても千厩町の教育委員会からは、統合中学校の基本構想を策定するに当たって、学校の代表者である町内の小中学校の校長先生方も委員として入れているといったことについては報告を受けておる。このことであるが、基本構想の策定に当たっては、生徒がどのような教育環境で教育を受けるのが最良なのかと、こういった観点が一番大切ではなかろうかと、そういうことを考えた場合、学校現場の意見をこれに反映させるということを考えると適当であろうと考えておるところである。
 それから、青少年や生徒の声についてであるが、去る2月28日であるが、横田委員の御紹介によって奥玉中学校を守る会ほかの方々とお会いした。その際にも、奥玉中学校の生徒の作文をちょうだいしておるし、その内容についても承知しておるが、この作文の中にも、大人の方々で知恵を出し合い、よい方向にというくだりもあった。いずれにしても今後とも賛成、反対双方の立場の方々から御意見をよく聞くなど、地域住民と十分話し合いを行って、理解と協力を得ながら進めるように千厩町教育委員会を指導してまいりたいと考えておる。

〇小田島財務課長 奥玉中学校、小梨中学校の校舎の現状ということであるが、千厩町から聞いたところでは、平成5年度には設計事務所に校舎の現状と修繕方法について調査を委託し、その調査結果にも基づきながら補強、補修工事を実施してきているということである。なお、設計事務所の調査報告によると、一部柱等に腐朽等が見られるが10年はもつというような内容のようである。
 また、先ほど委員の方から、県教委より危険校舎として改善勧告をしたとのお話があったが、公立小中学校の設置管理者は市町村であり、県教委としては会議等を通じて施設の安全管理について指導はしておるが、個々具体に危険校舎としての改善勧告というようなことはしておらない。
 次に、改善されない原因ということであるが、町においては奥玉中学校及び小梨中学校と千厩中学校を統合し、町内1中学校の方針のもとにこの統合計画を推進するため、これまで住民との協議等を行ってきたということであり、奥玉中学校及び小梨中学校については改築事業は実施しておらないが、先ほど申し上げたとおり、施設の安全管理上必要な補修、補強工事は行っていると聞いているところである。
 次に、事故があった場合の責任ということであるが、その原因にもよるが、仮に設置管理者の疵が原因で事故が発生したとすれば、設置管理者の責任が問われることになろうかと考える。

〇横田委員 私も千厩町に行って奥玉中学校を見せていただいたが、どこの設計事務所なんであろうか、セメントかわらが風化して落ちるとか、はりが腐食しておるとか、そういう事態を見たのは2年前か3年前であるから、それなりの補修をしておるのか。しかし、昭和46年にどういう形で述べたかはとにかく、これをこのままに放置するのはどうかということを県教委が申し上げたことだけは事実であろう。どういう改善勧告という形をとったのか、文書でしたのか、口頭でしたのかはとにかく、そのように私は聞いている。県教委の当時の財務課からお伺いしていた。それが24年も今になって一部どうだこうだというのは、教育委員長、教育長、これはだれかの怠慢じゃないか。千厩の教育委員会の怠慢なのか、申し述べてやった県教委の怠慢なのか、こんな状態に子供たちを置いていて何が教育と言えるか。本来なら市町村がやらなくちゃならないことなのであろうが、だから演述に校舎をよく保全するなんていう文言はないのは、それは市町村だからということなんであろうが、教育環境という面から言えば重大な怠慢だと思うが、委員長、どんなものであろうか。(「反発せ。」と呼ぶ者あり)反発するならしてみていただきたい。

〇橋田教育長 私の分担になっておるので、私から答弁させていただく。経緯はいずれともかく、学校統合というのはそういう学校のいわゆる耐用年数とか、老朽化ということの度合い、そういうものもまた1つの要件だと思う。それから、児童生徒数の急減期にこれから入っていくわけであるが、そういうものを予測すると、そういう要素があるが、基本的にはやっぱり子供たちがその学校で最善の状態で学習にいそしめるということは、もちろんそれが大前提だと思うが、そういう観点から考えると、今の状況がこれからしばらく続くということは私どもとしてもやはり結構なことではないという認識は持っておる。そういう前提でよくお話し合いをしていただきたいという考え方である。じゃいつ具体的にどのようにするか。これは市町村の教育委員会、つまり千厩町においてやはり団体の意思として決定をしていただくことになろうかと、このように考えておる。

〇横田委員 分担というのは何であるか。

〇橋田教育長 分担というのは、教育委員会が所管する事項のうち私に規則でもって委任されている事項もあって、そういう意味で私から答弁をさせていただいた。(横田委員「委員長は答えられないの。」と呼ぶ)

〇上山教育委員会委員長 今、教育長から話あったとおりであって、私ども委員会委員としてこのことについて取り上げての話し合いということはまだ持っておらないので、そういう意味での話である。

〇横田委員 行ってみたのか、教育長。財務課長はどうなの。(「見なくてもいい。」と呼ぶ者あり)行ってみなくてもいいという人もいるけど、奥玉の人たちは来て見てもらいたいんだな。そういう感覚でいるからあなた方は奥玉の実情を見誤るんじゃないかと、私、感じがしてならない。今の橋田教育長のお答えは、いや、統合になればもっと立派なものがつくられるんだよというような含みがあるように思えてならない。だってこの話が出たのは46年の年だ。何やっているんだ、あなたたちはと、こう言いたくなる。ひとつ十分申し上げたことを御検討の上、だって、まだ統合になるかならないか、海のものとも山のものともわからないじゃないか。こういう状態の中で24年、じんぜんと言えば少し言い過ぎになるか、時をむなしゅうしてはやはりまずいのではなかろうか。ぜひ担当者は行ってみた上で物のお考えをしていただきたい。
 あとは項目的に申し上げる。
 新学習指導要領は見直すべきとの世論が高まっていると認識するが、教委当局はどのように考えておられるか。
 単に5日制の問題のみではなくて、今日、授業ないしは教科書が難しくてわからないということが学校内外で課題となっているように思うが、どうであろうか。さきの本会議で、文部省調査と本県議会の教委答弁の乖離についてお尋ねをしたいきさつがある。全国の子供は授業がわからないことで苦悩しているが、本県のみはそうではないということなのか。それならば教育委員会の論拠をお示し賜りたいと存ずる。
 次に、小中学校において自主的に取り組む環境保全運動に対する教育委員会の対応はどうなっているであろうか。県北のある中学校では、ふるさとの産業保全のためリサイクル活動を全校で行ったわけであるが、ところが、これをリサイクルサービスに出したところがガソリン代の元がとれなかったそうである。
 1つ、教育委員会はこういう実情を知っておられるであろうか。
 2、学校ぐるみの環境保全運動をどのように評価されるのであろうか。これが育成のためいかなる手だてをおとりになられるのであろうか。
 3、環境保全運動が経済的にこんなありさまでは、地球に優しい活動など絵にかいたもちではないであろうか。
 4、しかるべき学校というのは、こういう運動を熱心にやっている学校にリサイクル用の施設設備を設置してやったらよろしいなあと思うんであるが、教委の御見解はどうであろうか。
 どんどん言うからひとつよろしくお願いする。盛岡市醸造試験場跡地に設置拡幅されようとしている道路について、市、県との間にいろいろ検討がなされていると聞き及ぶが、当該地域の利便を図るには教育委員会の関連が1つのポイントとなっていると思う。教育委員会のお見込みはどうであろうか。
 委員長演述に災害対策が全く考慮されていないのはどういうわけなのであろうか。阪神大震災は対岸の火災にすぎないのであろうか。
 1、津波など災害の際、避難場所と指定されている教育施設に、阪神の教訓であるが暖房設備が取り入れられてあることが必須条件と思うが、どのようになっているのであろうか。この場合、暖房施設設備を設置しようとすれば、その経費は教育費から出るものであろうか、それとも他の知事部局のどこかから出さなければならないということになるのであろうか。災害との関連において教育委員会は今後どのような方針、措置をおとりになるのであろうか。

〇小原参事兼指導課長 1つは、学習指導要領の改訂についてであるが、学習指導要領の改訂はそのときどきの社会的要請や時代の要請を受けて、将来の教育のあり方から見て行われるのが基本であり、その見直しについては、通例、国において相当期間、学識経験者等による検討がなされており、国の動向を見ながら適切に対処してまいりたいと考えておる。
 次に、教科書の内容理解についてであるが、学習指導においては基礎的、基本的事項を重視し、1人1人を大切にした指導を行っているところである。本県が実施している児童生徒の学習達成状況調査は、直接全国状況と比較することはできないが、本県の平均正答率は60%を超えており、おおむね理解しているものと理解しているところである。
 次に、学校における環境保全についてであるが、御指摘のあった県北の中学校のリサイクル活動の状況については承知しているところである。学校における環境教育の評価と育成についてであるが、環境教育の目標は、1つは、環境や環境問題に関心を持ち、人間活動と環境とのかかわりについての総合的な理解と認識を持つこと。それから、環境の保全に配慮した望ましい働きかけのできる技能や思考力、判断力を身につけること。よりよい環境の創造活動に主体的に参加し、環境への責任ある行動がとれる態度を育成することである。現在、本県においては県の指定する環境推進協力校が14校あり、さまざまなテーマで具体的に取り組んでいるところである。また、その成果については、環境教育実践発表会の開催や環境教育実践事例集の刊行によって、広く県下の小中高等学校に普及を図っているところである。
 次に、環境教育を進めるための経費についてであるが、そのケースによって千差万別であると思うが、環境教育への取り組みの教育的意義は大きいものと考えておる。
 次に、リサイクル用設備についてであるが、各学校の取り組みの状況を調査してまいりたいと考えておる。

〇小田島財務課長 盛岡第四高校の南側の旧醸造試験場及び工業試験場跡地に係る道路整備についてであるが、当該跡地については盛岡四高のグラウンド用地として利用する予定としておる。県有地内を地区住民が生活道路として通行している実態及び地区住民からの道路確保の要望等を踏まえて、現況の道路を校地南側に切った上で整備することで盛岡市と協議しておる。現時点では道路整備については盛岡市が施行することとしておるが、県としては安全性等を考慮して整備するよう盛岡市に対して要望しておる段階である。
 それから、避難施設に係る暖房設置の現状についてであるが、現在、市町村防災計画の中で避難施設として指定されている県立学校の体育館18施設のうち、暖房設備を設置している施設は養護学校1施設のみである。また、小中学校については、避難施設として指定されている体育館の数を把握しておらないが、暖房設備のある体育館は県下で32施設となっておる。
 また、避難施設という観点から暖房設備を設置する場合の費用の負担についてであるが、これは防災担当部局あるいは市町村等と協議の上、検討して決められるべきことではなかろうかと考えておる。
 それから、災害関連での学校施設に係る今後の方針については、従来にも増して日ごろの安全管理あるいは点検に留意するとともに、国においては現在、建設省において被害状況の詳細な調査、分析が行われているとのことであり、また、文部省においても学校施設の被害状況の調査中であり、これら国の動向を踏まえながら、さらに岩手県地域防災計画の見直し結果などを勘案しながら適切に対応してまいりたいと考えておる。

〇三田保健体育課長 それでは、学校における防災訓練についてお答えを申し上げる。
 学校における防災についてであるが、これはいわゆる学校安全の一部として実施されておる。学校安全は学校教育と学校管理から成り立っておって、各学校においては学校保健法の第2条の規定に基づく、学校保健安全計画の中の安全に関する計画ということで位置づけられておる。現在、小学校から高等学校までのほぼ100%の学校で計画され、実施されているところである。安全管理の1つとして防災のための組織づくり、災害時あるいは緊急時の避難場所、避難経路の設定確保など、児童生徒の安全確保のために各学校において計画的、実践的に春、秋を中心にして年2回ほどの避難訓練を実施して災害時に備えた指導をしているものである。さらに、地域の実態に応じて、特にも沿岸部においては津波に対する避難訓練も実施しているところである。
 なお、参考資料として副読本については、文部省発行の、小学校、中学校ともに安全指導の手引あるいは高等学校においてはこれに準じた指導をしているものである。さらにまた、市町村によっては社会科の副読本等を活用しながら指導しているものである。今回起きた阪神・淡路大震災の教訓を生かして、今後とも学校における安全教育の充実に努めるよう指導してまいりたいと思う。
 なお、地域防災計画の見直しが予定されておることから、その結果を踏まえて安全対策、安全教育の充実を期してまいりたいと考えておる。

〇横田委員 指導課長のお話であるが、最後に大変含みのある御答弁であって、資料を見ると本当に情けなくなる。いっぱい集めてそして持っていったのに何百円にしかならないなんて、そういう実情を承知しているということを言ったのだと思うんである。ぜひひとつ、地域のためにもなることであるから、いろいろ御検討の方をよろしくお願いをしたい。
 次に、財務課長の暖房設備に関する御答弁は、うの毛で突いたすきもない。お役人さんとしてまことに立派な答弁だが、教育長にそこでお尋ねしたいんである。まず、早い話があすにでも大きな震災があるかもしれない。頼りになるのはやっぱりその避難先であるし、いつ寒さが来るかわからない昨今である。それで、教育委員会としてはそういう避難されてくる施設というものに対して改善しようというおつもりはないんだ。それはほかのところから言われてくれば、対応をするのにどうするかというのは協議するとかそんな考えなのか。それともどうなんであるか。やっぱりやるべきことは今すぐどしどしやった方がいいという感じ。だからといって直ちに全校全施設にすぐ全部つけられるというものでもないんであろうが、でも手をつけられるところはどんどんつけた方がいいと思うから言うのである。その費用が一体教育費なのだかどうなのだかということが今の段階ではわからない。だからこのようにお伺いする。一言御質問と、それからほかのところと協議しなければならないのなら、もう素早く協議をしてしかるべき措置をやった方がいいという提言を申し上げたい。一言質問ある。

〇橋田教育長 ここで法律の建前論をお話し申し上げるのはいかがかと思うが、災害救助の場合の避難場所における人的、物的な対応については、当委員会の指揮系統とはまた別な体系の中で行われているということを、ひとつ申し上げさせていただきたいと思う。御質問であるが、冬期間、主として学校の体育施設、これが暖房が要るか要らないかという議論もいろいろあると思う。県立学校についてとそれから市町村の教育委員会の意向というものも十分見なければならないので、そういう上でいろんな御意見をちょうだいして対応してまいりたいと、このように考えておる。

〇藤尾委員 横田委員の質問に対しての関連であるが、先ほど来、横田委員の質問は、市町村の権限に対してまでのことだったようである。それに対して御答弁は、これも指導している、あれも指導している、随分指導しておられるようであるが、それに対して市町村の自主性というものをどうお考えなのか。また、質問する方も何とかかんとか答弁を出したいという意味だろうと思うわけであるが、結局は県教委の範囲外のこともあり得るだろうと思う。そのことについてどのようにその立て分けをやっておられるか、それをお聞きしたい。

〇橋田教育長 先ほどもお話し申し上げたが、学校の管理運営については、設置者は当然市町村であるし、その管理のあり方、それから将来の設置の見通し、その他についてはこれは当然市町村という自治体の中で団体の意思を決定してなされるべきものということは、これはもう原則である。ただ、教育事業については、他の行政と若干異なる点は、教職員の任用、それから服務監督権で特別その法律があって、任命権を逆に県の教育委員会が持っていて、しかしその場合においても内申という前提になる部分が市町村教育委員会で意思決定していただくと、それを待って任用すると。給与制度上もそうであるので、そういう部分がある。もう1つは、やはり学校教育は国の事業としてなされているものを機関委任としていろんな事務があるわけである。指導の内容についても国の基準に基づいて行うという、それを指導する立場に立つのが県教育委員会という、などなどがあって、若干のそういう役割分担があるけれども、やはり基本は学校教育については特に市町村という団体の意思、それを教育の部分でつかさどっている教育委員会がやはり主体的にお取り組みいただくということを原則として考えておるので、よろしくお願いする。

〇藤尾委員 ただいまのお話で明快にできておるわけであるが、往々にして横田委員の質問に対して、先ほど来聞いておると全部県教委で責任持ったように御答弁なさるものだから、もうこれから後はないであろうから、そういうことも必要ないし、また、そういう私も後はないから、以降気をつけていただけばよろしいではなかろうか。終わる。

〇戸羽委員長 要望であろうか。(藤尾委員「はい。」と呼ぶ)

〇舘沢委員 教育委員長の演述にもただいまあったが、学校週5日制の月2回実施についてお伺いをしたいと思う。
 本年4月から学校週5日制が月2回実施となって、すべての学校で第2土曜日と第4土曜日が休みとなるわけであるが、この実施に当たって県民の中には、子供たちの学力が低下するのではないか、あるいは学校、生徒にゆとりがなくなるのではないかといった心配や、休みがふえることで子供たちの非行が増加しないかといった声もあると聞いておる。そこで、このような声に対してどのような対策を講じておられるのか、まずお伺いをしたいと思う。

〇橋田教育長 学校週5日制の月2回実施についての対応についてであるが、基本的には私どもよりどころにしておるものが2つある。1つは、県下17校・園を中心に先導的に3カ年間にわたって実施をしてまいった学校の成果、それから課題、そういうものをまず1つよりどころにしておる。それから、形は違うけれども学校週5日制の月1回実施に当たってさまざま考え方、対応をして実施をした経緯があるので、その2つをベースにして4月からの月2回実施についてさまざまな対応を考えており、現在それに向かって各学校においては準備をしていると、こういう状況である。お尋ねのあった学力水準の維持、それから健全育成の問題であるけれども、これら2つのよりどころとしておる報告あるいは検討結果に見て、特段そのことによって著しい変化というものは見られないと、むしろ緊張の高い状態と言うと変であるけれども、特に17校・園の場合は調査協力校であったので特別な対応を校内にもシフトして、地域との関係もかなり頻度を強くしてやったものであるから、そういう意味での緊張感という意味であるけれども、そういうことが作用したこともあるのではないかと、いずれにしても私どもその2つのよりどころに基づいて現在対応しているわけであるけれども、そういう2つの問題についてやっていけると、そういう変化があっても懸念される材料は学校で克服できるという見地に立って取り組ませていただいておるところである。

〇舘沢委員 それでは次に、中学校における進路指導についてお聞きしたいと思う。
 県内の中学校から業者テストが廃止されてから2年が経過しようとしているわけであるが、この間、業者テストを廃止したことにより中学校の進路指導はどのように変わってきているのか。その状況をまずお伺いする。
 また、今後の進路指導はどのように進められていくのか、あわせてお伺いしたいと思う。

〇小原参事兼指導課長 中学校における進路指導については、昨年度、学校の教育活動から業者テストをなくしたことに伴って、各学校においては日ごろから校内テストや特別活動の実績等を基礎資料としてきめ細かな進路指導を行い、その充実に努めているところである。また、高校1日体験入学などの啓発的な体験学習を推進するとともに、中高進路指導研究協議会などを実施して適正な進路指導に取り組んでいるところである。今後とも生徒1人1人のよさを積極的に伸ばし、生徒が主体的に進路の選択ができるよう取り組んでまいりたいと考えておる。

〇舘沢委員 最後にもう1問。民俗芸能の保存についてお伺いしたいと思う。
 私たちの祖先がはぐくみ継承してきた貴重な文化遺産である民俗芸能等は、県民が新しい地域文化を創造していく上で、その上に据えられるべきものと考えられているものであるが、本県には各地に多くの民俗芸能が伝えられ、また、多数の保存団体が存在しておるが、各団体とも継承者の確保が難しくなっていると聞き及んでおる。そこで、民俗芸能の保存、伝承、活動の充実強化に早急な対策を構ずべきと考えるものであるが、本県の民俗芸能の実態と今後の対応についてお伺いをする。

〇廣田文化課長 それでは、民俗芸能の振興策についてお答え申し上げたいと思う。
 本県には1、000を超える民俗芸能の保存団体が伝承活動をしていると言われておって、この数は他の都道府県と比較しても圧倒的に多く、まさに民俗芸能の宝庫ということができるのではないかと考えておる。しかしながら、このように一見活発に見える保存活動、これに共通した課題として、御指摘のとおり公演機会の減少、それから後継者不足、こういった問題をどの団体も共通して抱えている状況にあるわけである。私ども県教育委員会としては、このような課題に対処するため社団法人岩手県文化財愛護協会主催の岩手郷土芸能祭、それから各市町村が実施する民俗芸能大会の後援を行うなどして、公演機会の拡大を図るとともに、文化振興基金による保存団体への助成等も実施してきたところである。また、平成6年度においては、深刻な後継者不足に対処するため、従来、公演機会の少なかった青少年を対象に青少年伝統芸能発表会を開始するなど、後継者の育成に努めたところである。平成7年度においてはこうした取り組みに加えて民俗芸能緊急調査に着手して、本県の民俗芸能の全容を明らかにし、計画的な文化財指定を積極的に進めてまいりたいということとともに、本県で北海道・東北ブロック民俗芸能大会を開催して、広く一般の方々にも民俗芸能のすばらしさに親しんでいただきたいと考えている次第である。

〇三河委員 通告はしておらなかったが、質問させていただく。
 当県にとって産業の振興は極めて重要な問題であるわけである。特にも当県においては農業高校を初め、1世紀にも及ぶ以前から人材の育成に努力をされてまいっておることに対して敬意を表する次第である。ついては今年度の職業高校への願書の受け付け状況はいかようになっておられるのか。農業高校、水産高校。商業、工業については人気のある学部であるのでよろしいが、農林業、商業についてお伺いをしたい。

〇小原参事兼指導課長 平成7年度の農業と商業への志願状況であるけれども、定員が農業が1、400名のところに1、295名、それから商業は1、760名のところに1、461名と、こういう状況である。水産は定員が200名のところに199名の出願である。

〇三河委員 今、志願者状況について伺ったわけであるが、約1、500名近い農業関係の募集に対して1、300名ぐらいの応募である。しかも、その内容を見ると年々卒業生が1、400名ぐらい出ておるわけであるけれども、農業を担っていく学生あるいは農業関係の大学の方に進まれる方含めて、大体どのぐらい農業関係につかれるのか、把握しておられるならばお聞かせをいただきたい。

〇小原参事兼指導課長 大学等の数字について今詳細なところはちょっと手持ちないけれども、もうちょっと時間をかしていただきたいと思う。
 なお、先ほどの志願者数の数値であったけれども、大変恐れ入るが先ほどの数値ちょっと訂正させていただきたいと思う。農業が、定員が同じであるけれども1、271、それから水産は164である。大変失礼をした。

〇三河委員 実態についてはあれであるけれども、農業については卒業生の1割に満たない状況ではないかと、農業を担う方々がそういう状況にあるだろうと思うし、また、水産については、1クラスに満たない状況にあるわけである。3校あるわけであるけれども、今後そのような状況をどのような形で打破していくおつもりなのか。また、私が危惧するのは、例えば農業を目指して入学してくる生徒が、例えば40名なら40名の中に1割ぐらいしかおらない状況の中で農業の教育を進めようとしても、これは全く無理な話じゃないかと思うわけであるが、その辺についての見解をお聞かせいただきたい。

〇橋田教育長 農業と水産の問題をまずお答えさせていただくけれども、そういう御認識、御見解もまたあろうかと思う。と同時に、一部なんであるけれども、大学受験を前提にして農業高等学校で自己実現を図るというか、そういうことで努力をしている生徒もまたおる。総体として農業高等学校の将来の問題、それから水産の将来の問題、再編整備であるけれども、これについてちょうど平成7年度に全体的な見直しを行うことになっておるので、ちょうど昨日、産業教育審議会から御答申をいただいて、それぞれ将来のあり方についての提言をいただいておるので、そういう中でこの将来のあるべき姿について、現時点でここ四、五年の入学者状況とそれから進路動向、そういうことも加えることと、それから生徒急減期に入るのでその辺を勘案しながら、今後の再編整備のあり方について取り組ませていただきたいと、このように考えておる。

〇三河委員 産業の中において第1次産業を今取り上げてお話し申し上げたけれども、重要な部分である。将来を見据えての再編を要望して終わりたいと思う。

〇佐藤(知)委員 財務課長に伺うが、教育費の10款4項5目学校建設費の中の、高校校舎大規模改造費の10億7、555万8、000円の各校別の改造の事業内容と予算額についてお伺いしたいと思う。

〇小田島財務課長 学校は東和高校、盛岡工業、水沢農業、釜石商業、岩谷堂高校である。これは昨年度から事業を実施しておって、来年度は内部等の改造を考えておる。

〇堀口委員 横田委員の質問の中に入っておったんだけれども、落としたものだから。
 スキー国体について、けさ、きのうの新聞に載っていたけれども、雫石から安代に変わった平成10年の国体であるが、その経緯について県はどの程度介入して対応したのか。その経緯についてまずお聞かせいただきたい。

〇橋田教育長 大きく平成元年から始まっておられるようであるので、3つぐらいに分けると、平成元年に岩手県のスキー連盟と雫石町が、雫石町を開催地としてスキー国体を誘致したいということでやはり御協議をされて、全日本スキー連盟に働きかけたという経緯を承知をしておる。その後、全日本スキー連盟理事会において、あくまでも全日本スキー連盟理事会においてその旨の機関決定を行ったと、こういうような経緯がある。こういう事態を受けて県教育委員会事務局として、やはり種目について、全種目を同一会場でやるかということである。その際、そのジャンプ台とかクロカンの競技のコースとか、まだ町御当局で整備をしていないものについてのお考えなどについて意向を徴したと経過の中にある。その後、平成5年になるけれども、当時の雫石の町長さんがその件について県の教育長に対して計画概要をお示しになられた。その際、全種目を町内で実施をすること、それからジャンプ台及びクロスカントリーコースについては県営施設として設置をし、維持管理も行ってほしいことなどを内容とするお話があったということである。その際、県教育委員会として県教育長からジャンプ台の整備、クロスカントリーのコースについて県が設置する考えは計画として持っていないということをお話し申し上げて、計画について再検討を要請したというのが経緯である。その後は本年1月に入って今の町長さんから、私、直接お話を賜って、町単独でそれらの施設について設置することは財政上の理由などから断念したいと、しかし早急にクロスカントリーコースについては整備をしたいという話だった。それで、全種目はできないんだけれども、いわゆる分離開催の方法もこれありで、その辺について十分町の考え方、取り組みについても御勘案の上、しかるべきところでその開催のあり方について雫石町の考え方を、そんたくと言うと変であるけれども、十分に考慮してもらいたいというお話を私、直接承った。その間、県のスキー連盟と私ども事務局とスキー国体の受け入れについて、どのようなあるべき姿がいいのかということについて意見交換をして、諸般の事情から開催形態についてやっぱり分離開催の道は大変大会運営に難しい面があるので、単独開催として、この際、実績のある安代町に県の教育委員会から──私からであるけれども──町当局に対してその旨、意向の確認というか、御要請というか、そういう形で文書をもってお願い申し上げた。それが昨日になるけれども、安代町の町長さんと議長さんが直接文書を持ってお越しになって、各機関、町民の皆さんの関係団体も含めた真摯な意見交換の中で、この際お引き受けをしたいという御回答を持ってまいったところである。これが経緯である。

〇堀口委員 わかった。それで、前に1回やった経験もあるからであるけれども、やはりジャンプ台を直さなければいかぬということで、町財政上も相当苦慮している状況もあるし、それから経験上、大会を開く、その前にインターハイもあることになると思うんであるけれども、役場職員が相当駆り出されて、普通の役場の行政にいろいろ支障を来す状況もあるものだから、そういう点をいろいろひとつ県の方でジャンプ台の改造の方も、その他大会に従事する方々の方もいろいろひとつ御支援をしていただきたいと、こういうことであって、私、今、県政報告会に歩いていると、地域の、受け入れをしたいというほとんど希望はあるけれども、そういう心配している声もあるので、その点ひとつよろしく御指導、御支援のほどお願いする。どうもありがたい。

〇戸羽委員長 ほかに質疑ないか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇戸羽委員長 質疑がないようなので、これで教育委員会関係の質疑を終わる。
 次に、警察本部長から警察本部関係の説明を求める。

〇石川警察本部長 平成7年度の警察予算の御審議をいただくに当たって、最初に、平成7年の岩手県警察の運営重点について御説明申し上げる。
 岩手県警察では、平成7年の警察運営重点の基本姿勢を、県民の期待と信頼にこたえる警察と定め、これを具体的に推進するための重点目標を、交通死亡事故の抑止、少年の非行防止、重要犯罪、重要窃盗犯の徹底検挙、暴力団の壊滅、けん銃、薬物事犯の根絶、テロ、ゲリラの根絶、地域安全活動の推進の7項目としておる。これらの目標に向かって全警察職員が一致団結し、英知と努力を結集して治安の確保に当たり、県民の期待と信頼にこたえなければならないと決意しているところである。
 それでは、平成7年度警察関係の当初予算について御説明申し上げる。
 議案その1の8ページをお開きいただきたいと思う。第9款警察費の総額は281億3、028万8、000円である。これを項別に見ると、第1項警察管理費が254億339万1、000円、第2項警察活動費が27億2、689万7、000円となっておる。
 次に、目別予算の内容について御説明申し上げる。
 お手元の予算に関する説明書により主なものについて御説明する。
 226ページをお開きいただきたいと思う。第1項警察管理費第1目公安委員会費は1、035万3、000円である。その内容は、公安委員会の運営に必要な委員報酬等である。第2目警察本部費は232万9、930万5、000円である。その内容は、岩手県警察の運営に必要な経費であり、警察職員の給料及び職員手当等の人件費が主なものである。次に、227ページの第3目装備費は3億863万7、000円である。その内容はボーダーレス化、スピード化の傾向を強める犯罪に的確に対応するため、警察装備品の整備と維持管理に要する経費で、車両購入費及び車両警備船、航空機の維持管理に必要な経費が主なものである。第4目警察施設費は12億1、904万2、000円である。その内容は、治安基盤施設整備に要する経費で、平成6年度30%、7年度70%の2カ年継続事業として施行しようとしておる岩手警察署庁舎の新築経費が主なものである。警察施設の整備によって、県民のニーズにこたえるとともに、職員の勤務環境、生活環境の改善を図り、より効果的な警察活動に努める所存である。次に、228ページの第5目運転免許費は3億9、325万3、000円である。その内容は、適切な運転者対策を推進し、交通事故防止を図るほか、運転免許証の即日交付等県民の利便性の向上を図るための運転免許関係に要する経費である。
 なお、平成7年度には(仮称)県北自動車運転免許センターの運用を開始し、県民の利便性の向上にさらに努める所存である。
 第6目恩給及び退職年金費は1億7、280万1、000円である。
 次に、229ページの第2項警察活動費第1目一般警察活動費は3億8、227万1、000円である。その内容は、県民が安心できる安全で快適な生活環境の確保のため、地域の特性に応じた防犯対策の推進及び交番の機能強化を図るため交番相談員を配置するなど、地域警察活動に要する経費と、警察活動全般を円滑に推進するための通信維持管理経費が主なものである。第2目刑事警察費は2億5、530万4、000円である。その内容は、犯罪捜査に必要な経費、暴力団排除活動を強力に推進するための経費及び少年非行防止対策並びに保安警察に必要な経費である。次に、230ページの第3目交通指導取締費は20億8、932万2、000円である。その内容は、交通指導取締活動及び交通安全施設整備等交通警察運営に必要な経費が主なものである。交通安全施設整備については、総合的な計画のもとに交通信号機の新設、改良等を行うほか、本年度に引き続き幹線道路交通事故防止施設として路面凍結等情報収集装置、カーブ事故抑止装置等の設置や、違法駐車対策の一環としてパーキング・チケット発給装置を設置するなど、安全で円滑な車社会の実現のための諸施策を総合的に推進する所存である。
 次に、予算以外の議案について御説明する。
 恐れ入るが、議案その2の46ページをお開きいただきたいと思う。議案第49号自動車運転免許試験場使用条例の一部を改正する条例についてである。本条例は、自動車運転免許試験場における原動機付自転車及び自動車の運転練習にかかわる使用料であるが、人件費及び諸経費等の増高を勘案して改定するものである。
 以上のとおりであるので、よろしく御審議いただくようお願い申し上げる。

〇戸羽委員長 ただいまの説明に対し質疑ないか。

〇村田委員 さきのイメージアップ特別委員会においては、特にワーストワンの交通事故致死率、名誉ならざる当県の交通安全の逆行する現象ということで心の痛むことであるが、その対策についていろいろな角度から勉強なされたところであり、かつまた、先般、交通安全の決議案の上程ということになるわけであるが、それに関連して、私ども委員の立場から質疑をなされたのは1月17日の阪神・淡路大震災の以前であったけれども、その当時は主として交通安全の致死率を何とかコントロールする、少しでも少なくするという県民の命を守るという立場からの論議であったが、本部長のお考えの1つとして、救急医療対策としてのヘリコプターの導入ということが仮にもっと充実しておるならば、遠距離における広大な岩手県土の中における交通事故死ということを想定いたした際にも、また、津波対策等における人命の問題にしても、いずれにせよ、もっともっと高度な医療を早急に時間的短縮によって命が救われるという可能性があるのではないかと、そういう1つの御所見の発表があったわけであるが、いずれにせよ、このたび大震災になって、災害の実態把握というものを第一前提として、いずれにせよこれを把握しなければならぬと。そのための近代兵器としてはやはりヘリコプター以外にないのではないだろうか、そういう初動動作としての必要性ということが特に今度強調されておるわけである。そういう意味において、ヘリコプターの導入ということについては、あわせてイメージアップ特別委員会においても強調せられた要望事項の1つであったと思っておるが、そういう交通災害に関連し、また、警察が治安を維持する立場として、初動動作としての必要性ということについていかがにお考えになっておるであろうか、伺いたいと存ずる。

〇石川警察本部長 委員、御指摘あったが、警察の設備と申すと陸・海・空、御案内のとおり、陸は例えば車両、白バイ等の関係、それから海は現在2隻あるが警備船、そして空、これはヘリコプターである。昭和60年の11月に本県に5人乗りのヘリコプターがあるが、先ほど御指摘があったが、阪神・淡路大震災の際には大変ヘリコプターが情報収集関係等で威力を発揮しておる。本県において、四国4県ほどの広大な面積を管轄するわけであるので、今ある体制で大丈夫かと言われるといろいろ私どももよく検討しなければならない事項がたくさんあるわけであるけれども、御指摘の点を踏まえながら将来の問題、その他いろいろ現在私どもの方も検討しておるので、そういった面で対応してまいりたい。ヘリコプターは今御指摘あったけれども、災害だけではなしに人命救助、山岳遭難とかそれから交通の関係、それから捜査、いろんな面で効用が期待できるものであるので、御指摘の点を踏まえながら検討させていただきたいと存じておる。

〇村田委員 この問題は当議会の先輩方の方からも数度にわたって指摘されておる県政の大きな課題であろうと思っておるわけであるが、やはりこういう機会にひとつワーストワン、致死率からいち早く脱却する、汚名返上、そしてまた不時の災害に備える機動性を付与するということについては、もう一歩進める段階じゃないのかなと思うわけであり、そういう場合の操縦士等のあるいは整備に要する1つの専門家の養成とか、そういったようなことも並行に進めながらこの予算の確保に向けて、今度の予算は骨格の予算ということであるが、肉づけ予算の問題のときにはぜひともひとつ強力な予算要求をなさったらどうであろうか。

〇伊藤生活安全部長 ただいま本部長が御答弁申し上げたとおり、今回の阪神・淡路大震災においては、兵庫はもとより大阪、徳島など、近県の警察用ヘリコプターが飛び立って被害状況の情報収集に当たったほか、医薬品あるいは乳児用粉ミルクなどの救援物資の輸送に当たるなど、極めて大きな威力を発揮したと聞いておる。本県警察が保有するヘリコプター、いわゆる航空いわては、最大搭乗人員5名、最大航続時間3時間、最大航続距離約540キロメートルである。これは小型ヘリコプターで、昭和60年11月に導入いたしたものである。体制は現在操縦士2名、整備士2名を含む5名編成であるが、花巻空港に駐機いたし常時出動する体制をとっておる。大きな災害が発生した場合は、速やかに離陸しヘリコプターに搭載しておる警察無線等の資機材を活用して災害実態の把握及び情報収集、また、避難誘導及び広報の実施、人命救助あるいは大規模交通規制の情報収集、地上部隊と連携しての災害対策活動などの諸活動を想定いたしておる。また、災害の規模によっては、2次的処置として隣接県警察航空隊等の応援を得て対処したいと考えておる。また、ヘリの大型化とかあるいは搭載設備の問題については、本県は震災県でもあることから、関係機関と調整を図りながら今後も検討してまいりたいと思っておる。

〇村田委員 関連して、今の大型化、5人乗りということでは制約があるわけであるから、例えば山火事の際の消火剤の散布だとかそういう機能というのはないんじゃないだろうか。また、山岳遭難のような場合にも、気流の悪い岩手山とか早池峰山のようなてっぺんに停止をして、そこからザイルを下げてそして遭難者を救助するというような性能はないと私は思っておるわけであるが、大型化という問題については特に今の御説明のように視野に入れて御配慮をいただけるように要望して終わる。

〇村上委員 盛岡の南地域の警察の体制についてお伺いをするが、良好な治安が確保されてこそ地域住民は安心して仕事あるいは子供たちも元気で学校に通えるわけであり、また、夜も安心して眠れるというようなことであり、私はそういう意味では警察活動というものは社会発展の大きな土台であろうと認識をいたしているところである。そこで私は、これまでも数度にわたって盛岡南地区の治安対策についてお伺いをしてきたところであるが、私なりに安全で安心して暮らせる社会づくりに少しは役立ってきたのかなと思っているところである。御承知のとおり、盛岡南地区は金融機関あるいはそれらのもろもろの会社等もあり、強盗事件や全く痛ましい交通事故等が多く発生しているわけであり、いわゆる都市化の進展に伴って良好に治安が確保されるということがなかなか心配になってきている地域である。幸い、県警察の御理解を得ながらこれまで盛岡南地区一帯を管轄する紫波警察署の体制強化をしていただき、まさに見前幹部交番員の勤務の増強などが徐々に行われ、タイムリーにその推進を図られたことに対しては心から感謝を申し上げる次第である。私は、昨年の10月であったろうか、見前の派出所の幹部交番員の勤務先を訪れ、いろいろ激励をしながら御意見も賜ってまいったし、その中でどうしても庁舎というか派出所は全く狭隘であり、1人の警察官が1坪も使えないというような状態である。そのようなことを考えると、今後の治安の情勢を考えるときに、その整備が緊急に必要であろうと思ったところである。前にも質問してまいったが、これまで警察本部内では整備検討を行うということになっておったが、警察署の新設というか、将来のあの地域の治安体制をどのようにしていくのか検討されているとは思うが、その検討に際して何か大きい問題でもあるのかなというふうに若干不安もある。そういうことで、今日まで検討されている経過についてお示しをいただければ大変幸いに存ずる。よろしく御答弁をお願いをする次第である。

〇藤山警務部長 盛岡の南地区の治安体制ということに関する御質問であるけれども、今村上委員御指摘のとおり、この地区はいずれ犯罪から言っても交通事故という点から言っても、非常が事象が多くなってきているということは紛れもない事実である。したがって、警察としては、その警察署、管轄する紫波警察署の増強、あるいは機動隊を常時派遣してのパトロールの強化といったようなことで治安体制の確保に努めてきたわけであるけれども、やはり抜本的には、より確固たる治安の拠点をつくる必要があるのではないかということを感じておるので、その必要性についてただいま検討を進めておるというところである。この検討に当たっては、当然のことながら今後の治安の情勢の推移はどうかと、あるいはそれに対する県警としての県下全般を見渡しての力の配分はどうなるのか、あるいは地域の住民の方の意向はどうかといったような問題があるので、それらの点について総合的に判断をして検討を急いでやっていきたいと考えておる。

〇菊池委員 本来であればきのうの選挙管理委員会の質問で終わる予定であったけれども、どうもそこで結論が出ないので、きょう、あえて警察本部にお伺いを立てるわけである。
 どうも、新聞には私の思ったようなことは書いてくれなかったので大変残念だなと。何か対抗意識を出してかなり興奮して質問したと、こう書かれたけれども、私は興奮は全然していないので御了承を願いたいと思っておる。
 選挙管理委員会で質問したところが、政党用のポスターであれば、管理委員会の立場であれば違法ではないという答弁をもらって、そのとおりだと私は理解しておったんだけれども、残念ながら政党用のポスターが立てる場所によってそれが違法であるかどうかとなると、かなり別な部署に移動したわけであり、それは県警本部に移動させていただいた。大変不幸な道を私が歩むことになって、最後には私の担当する土木まで行かなければならないと、新聞報道でも行かないうちに書かれたわけであり、できれば石川本部長の裁断できょうあたりが回答が出れば大変ありがたいと思って御質問するわけであるが、まず、この政党用のポスターを立てる場所によってどうなのかということをまず質問させていただく。

〇菊地刑事部長 御指摘のことについては、具体の問題でもないので何であるが、いずれその場所によっては政党の政治活動用ポスターであれば、例えば何かきょうの報道にもあるように道路敷地内等にあったにしても、公選法上の規制はないものと私どもは承知しておるわけである。ただ、したがって、その問題についてはいかがなものかということであるが、道路管理者等が当然措置すべきものと、そんなふうに考えているところである。

〇菊池委員 不幸にして資料を提出させていただくけれども、今、菊池勲が質問して菊地刑事部長が答弁して大変ありがたい、親戚の答弁でありがたい。現況を把握していないという形の答弁と聞いたので、この資料を提出したいがいかがであろうか、委員長、お許し願えるだろうか。

〇戸羽委員長 どうぞ。
   〔資料提示〕

〇菊池委員 ただいま刑事部長に資料を提出したわけであるけれども、その状態でもという御質問をさせていただく。お答え願う。

〇菊地刑事部長 ただいま拝見したけれども、先ほど申し上げた答弁を繰り返すというのみである。

〇菊池委員 やっぱりそうすると、マスコミの方が私より早かったわけである。県警本部に質問しても先ほどの答弁と同じというのであれば、これ以上何遍問うても同じことであるから、最終的には道路の管理者の土木部になるということになるであろうか、もう一度御答弁願う。

〇菊地刑事部長 そのように考えておる。

〇菊池委員 では、県警本部長にお伺いする。
 平成5年の5月に新しい公職選挙法が改正をされて、私も政治家の端くれとして、この法律は、できるだけ選挙に金のかからない方法で政治家を選ぼうという基本姿勢でこれが選ばれたことは承知しておる。詳しいことは承知していないけれども、大筋ではそう理解をして政治活動をしておるわけであり、私の考えが間違っているとすればこれもひとつ御指摘と教えを願いたいと思っておる。
 私どもは、後援会組織をしながら政党に所属せずして無所属で政治活動をさせていただいておるから、当然、政党用ポスターに恩恵をこうむる筋は1つもないわけであり、これがもし新しい公職選挙法で政党に所属せぬ者がすべて政治活動ができないという方法であれば、私も含めて地方議員はほとんど無所属で政治活動をしておるわけであるから、この点をひとつ県警本部長はいかがかを御所見を伺いたいと思う。

〇石川警察本部長 今、菊池委員がお話をされたように、公職選挙法が改正された趣旨はまさしく金がかからない選挙の実現がその最大の眼目であったんだろうと私は理解しておる。しからば、政党のまたは個人のそれはどうなんだろうかという関連の御質問であるが、今刑事部長から御答弁申し上げたが、政党の政治活動用のポスターもこれまた認められておる。したがって、そこは私どもの警察が所管する法律でもないし、私どもは正不当、厳正、公平な立場のもとに法に抵触するものであれば、これは断固処罰するという決意を表明する以外にないわけであり、その点は御理解をいただきたいと思う。

〇横田委員 それでは、ただいまのポスター問題に関連してお尋ねをする。
 公用地と公道は国県道、市町村道、林道と数あるが、その道路敷地など公用地への立て看板、ポスターの張り出しというのは違反なのであろうか。許可を得れば違反にならないのであろうか。もし、おや、私の所管の道路に立て看、ポスターが立っているぞと、これは困るということになれば、その管理者が告発することになるのか。それとも、あなた方が見て、これは公有地だからだめだと言って何かするということになるのであろうか。
 ただいま菊池委員の聞かれたことは、北上・和賀地域の件だろうと思う。恐らくただいま提出された写真もそうだろうと思うが、警察当局は北上・和賀地域であるという今の資料の特定はできているだろうか。北上・和賀地区の件は、御調査または御捜査をなさっておるのであろうか。今張り出されているその写真の中に見たのは、私の認識では新進党さんのポスターなのではないかなと認識した。この張り出されている新進党さんのポスターは、公職選挙法その他の法令から見て、違反または違反の疑いがあるだろうかないだろうか。

〇菊地刑事部長 委員の御指摘のまず第1点であるが、和賀町地内におけるそういったポスター等が道路敷地内等に立てられてある、あるいは掲示されてあるということについてどうなんだということであるが、先ほども御答弁いたしたわけであるが、政党の政治活動用ポスターであるならば、道路敷地内にあったにしても公選法上の規制はないものと私どもは承知しておるわけである。また、詳細は把握はしておらないけれども、そういう場所に立てておるもの、掲示しておるものを、警察の立場でそれを把握したならばどう対応、阻止するのかということであるが、私どもは当然のごとく、法に照らしてその適否等を判断し、必要な調査なり捜査をするということになるわけである。
 次に3点目であるが、捜査しておるかということであるが、そういった具体個別の事案について、その捜査内容についてまではここで御答弁、残念ながらいたしかねるものである。
 最後に、新進党云々ということがあったけれども、私どもは、何といっても法に照らしてそれがいかがなものか判断することであり、私ども警察は、捜査機関でありまた捜査の密行性というかひそかに行うというか、そいう性格を持っておる組織であるので、その辺の言及は差し控えさせていただきたいと思う。

〇横田委員 そうするともう一度お尋ねをするが、つまり公道の道路敷、これは公有地である。あるいはJRだとか東北電力だとかというような、これは準公共機関であろう。こういうような公共用地、準公共用地の敷地等に、別段許可を得なくても立て看やポスターをどんどん張っていって違反ではないのだとお答えをいただいたが、それでよろしいであろうか。公用地は管理する人がいる。そうすると、何か私たちであると公用地に立て看やポスターを張るのはまずいと思って遠慮してきた、実は今まで。そうすると、本日の御答弁をもって、なに張っていいんだと。そこの管理者に何だかんだって言われないうちは違反ではないのか。これまず第1点。
 それから、これ公職選挙法についてだけ聞いているのではない。屋外広告物条例だとかいろいろな法令があるであろう。その法令についてもやはり違反はないのであろうか。違反だというなら、それを見つけた人がどうすればいいのであろうか。許可を得ればいいというなら、許可を出せばいいのか。
 次に、菊地刑事部長は内容について答えられないと言った。私、実は内容について聞いたんじゃない。今までも、県警本部は全体として御承知であろうか、以前にいわゆる何かの事件、案件について、あなた方が調査しているかどうかその内容を聞くときは、捜査、調査の機密にわたらない範囲でお答えを願うと私はいつでも申し上げてきたはずである。今お伺いしたのは、調査、捜査をやっているのかと聞いた。その中身がどうなのだと聞いたのではない。で、これまでこういう事案の調査、捜査をやっているのかと聞いて、していると答えられたこともある、前例として。それで今お尋ねした。この点についてはいかがであろうか。
 それから、はしなくも刑事部長は北上・和賀の件についてと今お答えになられたように伺った。つまり、菊池勲委員から提起されている問題は、北上・和賀の件だと認識なさっておられるのだと承知してよろしいであろうか。ならばお尋ねするが、この北上・和賀のポスターの件で菊池委員が提起なされておる問題は、皆さんの調査、捜査の範囲内に入っているのであろうか、いないのであろうか。

〇菊地刑事部長 道路等の公有地に立ててあるポスターについてはどうなんだということであり、先ほどお答えしたわけであるが、それは公職選挙法上はそういうふうに当たるということである。
 それから、2点目の屋外広告物条例云々というお話があった。それについても含めてどうなんだということである。私どもは、一般論とすれば先ほども申し上げたように、それらを含めて刑罰法令に触れる事実が認められるならば、従来と同様、厳正、公平に対処してまいるという考えである。
 それから、調査しているあるいはしていない、そういうことについても言えないということはどういうことだということであるが、やはり私どもは法律に基づいて仕事を進めておるわけである。法律上は捜査機関である私ども捜査員は、事件関係者等を含めた事案関係者の名誉を害しないように注意しなければならないという訓示規定もきちっと設けられておるわけであり、単なる捜査の密行性のみならずそういった面も配意するならば、やはり与える影響等を考えるとその調査あるいは捜査していない、その辺についてもやはりここで言及することは控えるべきであろうと、そんなふうに考えておるところである。

〇横田委員 もう一回聞いてわからないときは別な機会を持っていただくように委員長さんにお願いするつもりであるが、石川本部長にお尋ねするが、ある事案、事犯とは言わない、ある事案、事件等についてこれは警察で調査しているのかと聞けば、物によっては答えられるし物によっては答えられないということがあるのであろうか。私は具体的な例を挙げてもいいけれども、ある病院のある事件について調査、捜査なさっておるのかと聞いたとき、しておると答えられた前例があるので、それで今のようにお尋ねするのである。もしも、答えることができるものと答えることができないものとあるのであれば、それはどんな基準、どんな規則──先ほど刑事部長は、訓示という言葉を使われたが、どんな訓示によってそうなるものなのであろうか。県議会でお伺いするのに、先ほど申し上げたとおり、あなた方の機密に踏み込むわけには我々いかない、三権分立の立場であるから。だから、そこの建前をきちんと聞いておかないと、またあなた方の方に聞いて、いや、それは答えられないと言われたらつまらないことになるので、それで今、そこのところをお伺いした。今、北上・和賀のこの立て看、ポスターの件で調査、捜査をなさっておるのかどうかということをお尋ねしたわけであるが、北上・和賀だということはこれで特定したなと私は思うが、この件はそれならどうなのであろうか。
 それから、もう一回聞いて私よくわからなければ申し上げたようにあと委員長にお願いすることになろうかと思うが、公有地、公共用地というものに政治活動用ポスター、具体的には私が申し上げたように、ただいま新進党さんのポスターが問題になっていると私は認識しているが、この政治活動用ポスターを道路敷を初め公共用地、準公共用地に張り出すということは、だれの許可を得なくてもどんな法令にも該当しないのか。

〇菊地刑事部長 その訓示規定云々ということを申し上げたが、刑事訴訟法にきちっと規定されておるところである。具体的に申し上げる。
 196条に、捜査関係者に対する訓示規定ということがある。検察官、検察事務官及び司法警察職員並びに弁護人、その他職務上捜査に関係ある者は、被疑者その他の者の名誉を害しないように注意し、かつ、捜査の妨げとならないように注意しなければならないという規定がここにうたわれておるわけである。そういった意味合いで、これに私どもは、常にその事件関係者の名誉とあるいは真相の究明、もちろんそういった議会におけるこういった質疑に関しても、その辺のところを常に念頭に置きながら対応してまいってきたところである。その辺のところを、私どもの胸中をどうか御理解いただきたいと思う。
 それから2つ目であるが、公有地、公共用地あるいは云々ということであるが、これは先ほども申し上げたが、選挙法上はそうだということであり、その他の、私どもは、選挙法上は、その政党の政治活動用ポスターであるならば何らの選挙法上は規制されないということであるが、それ以外の刑罰法規、いろいろるるあるわけであるが、それらに抵触するような事実があるとするならば、当然、それに私どもは仕事であるので対処すると、現状に厳正、公正に対処してまいるという考えである。

〇横田委員 つまり、公共用地に政治活動用ポスターを張り出すのは違反ではないと、こう伺っていいか、公職選挙法は。しかし、他の法令ではどうなんであろうか。私たち法律の素人である、多少知らなくもないけれども。あなた方は法の番人なんだから教えてもらいたい。私は、屋外広告物条例というのを1つ出したが、それ以外に、公共用地なら公共用地を守るような何か法令やなんかあるんじゃないのか。私何度も聞いたが、いや、違反でないというならば、おら公共用地にどんどん立てる。こんなに立てやすいところない。いいんであろうか、立てても。いいであろうか。他のいかなる法令にも該当しないとお答えをいただけるのか、いや、そうじゃない、調べてみなければわからないというのか、個々の具体的なことについてでなければわからないというのか。その最後の個々の具体的なことについてでなければわかないというなら、それなら今菊池委員が出した北上・和賀の件はどうなんだと、こういうことである。
 それから、今、どうせ話に出てしまったから新進党さん済まない。本当は、県議会では政党の名前は、具体的な名前はSとかNとかと言えばよかったかもしれないけれども、事の成り行き上申し上げたので、御勘弁をお願いする。
 今張り出されている新進党の何とかという顧問さんの講演会か何かだというので立たした方の上にMさん、今度はこっちの方の下にTさんとかというポスターが張り出されているが、あれは政治活動用ポスターなのであろうか、違反ではないんであろうか。菊池委員から今出された具体的にそこにポスターの写真があるけれども、これは違反なんであろうか違反でないんだろうか。

〇菊地刑事部長 公選法上は違反でないにしても、他の具体的な法令にはどうなんだということであるが、私ども警察は、捜査機関であって指導機関ではないという立場であり、その辺をどうか御理解いただきたいと思う。
 それからもう1つ、2点目であるが、やはりそのポスターそのものがどうなんだということであるが、一般的に申し上げるならば、今写真はちょうだいしたけれども、いろいろと判然としない部分もあるので、ここで個別には具体的にお答えするわけにまいらない。一般論として申し上げるならば、先ほども申し上げたけれども、違反となるようなそういったポスターになるか否か、その辺の判断についてはやはり私どもは法に照らして判断すると。しかもまたこの種事案の判例等をよく先例としながら、参考にしながら判断してまいっているところであり、ただそれが具体的にどうなんだということについては、違反になるとかならぬとかいうのは、断定的なことについては、私どもは先ほども申し上げたように捜査機関であるし、そういった捜査の密行性というような性格を帯びた組織であるだけに、その辺の見解の表明は控えさせていただきたいということである。

〇横田委員 関連質問の最後であるが、せっかく資料まで提出していろいろ申し上げたが、やはりいきなり申し上げたせいだか、あそこだという具体的なあなた方の言葉で言えば現場というか、そこそのものの、これだということが特定できないために、今こういう御答弁を聞かなければならないのかと私は思った。だからどうなんであろうか、こういう問題は今は選挙であるから、もう3月議会が終わるとすぐ選挙だし、その間、政治活動用ポスターなるものが張られているわけだし、そうすると菊池委員のような方は張られ損、政党でいうと張り得なんという結果で、後から、いや、あいつは違ったなんと言われても、もう結果は出ていたなんということになると非常に困る。そこで私は警察当局に、これ菊池委員から提出された具体的な写真があるのだから、そこを特定して調べてみてそして答えを出してもらいたい。あれは違反なのだ、違反でないのだ、公共用地だから何の法令に該当する、しない、そういうのをできるだけ早く教えてもらいたい。そのような措置を、委員長、お取り計らいをお願いしたいと思う。

〇山内委員 関連質問であるからごく簡単にお伺いする。
 先ほど横田委員からは公共用地等についての占有というか、ポスターを掲示するという点についてお伺いがあったわけであるが、一般論として、公共用地であれあるいは純粋の民間の方の私有地であれ、そういったところに許可なく建物あるいは掲示板その他を設置する、不法に占有した状態と私どもは認識するが、こういった場合に、いわゆる第三者であれ、当該土地所有者あるいは建物の所有者であれ、告発ということを待たなければいわゆる捜査機関としては捜査に入れないと、こういうことに理解をしてよろしいであろうか。

〇菊地刑事部長 私どもはそういった告発の有無にかかわらず、そういう刑罰法令に該当するような事象が、事案があるとするならば、当然私どもの仕事、範疇の中で取り組んでまいるという考えである。

〇山内委員 確認をするけれども、そういった公共用地であれ純粋の私有地であれ、許可なくその土地を占有すると、こういう状態は法令に照らし合わせていかがな状態にあるのであろうか。質問の意味がおわかりにならないであろうか。私も専門用語よくわからないものだからお聞き取りをいただければありがたいけれども、ありていに言えば、今言ったみたいな掲示用ポスター、ポスターの掲示板、こういったものが許可なく他人の土地に立てられた場合に、直ちに違法状態ではないと、こういうことであろうか、刑法上。

〇菊地刑事部長 先ほども申し上げたのであるが、私どもはそういった仮定の例を取り上げられてどうなんだということを言われても、なかなかそういった担当の指導機関が県にはおありなわけであるから、その辺のところでひとつ御理解いただきたいなと、そう思う。

〇戸羽委員長 世話人会の申し合わせにより、おおむね午後3時から10分間休憩することになっておるが、質問予定者が残りわずかであるので、このまま質疑を続行したいと思う。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇戸羽委員長 それでは続行する。

〇佐藤(啓)委員 今の山内委員の質問にまた関連であるが、菊地部長、この場合の、この場合のというのは今までの経過は省略するが、指導機関というのはどこなんであろうか。

〇菊地刑事部長 選挙管理委員会である。

〇横田委員 委員長、私が要請したことはひとつよろしく御配慮をお願いする。
 それでは、私が準備してまいった警察に対する質問の第1点、これは高齢者の輪禍死の問題である。
 高齢者の輪禍死者数は、全体の死者数が減少している中で逆に増加し、その割合には30%を超えているというが実情はどうであろうか。その原因を何だと把握しておるであろうか。
 次に、高齢者の加害事故も増加しているというが、実情はどうであろうか。その原因についてどう認識しておられるであろうか。これら高齢者間での事故件数を抑えるため、いかなる対策をおとりになられるのであろうか。
 次に、高速道における交通事故、特に多重衝突は後を絶たない。交通部は、その原因をどう認識しておられのであろうか。
 私は、かねて高速道の事故防止のために、例えば自動取締機の増設など、この取締機械器具、設備を大いに設置してもらいたいと提言してきたが、事故防止のための物理的措置はどうなされてきたのであろうか。速度制限を守らないとかアウトローの存在とかを、安全意識が低いと当事者の責任にのみ解消してはならないと思う。そのために県警が予算を持っているわけだから、ヘリコプターはうんと役に立つであろうが、しかし、こういう機械器具、施設設備だってあなた方の予算のテリトリーのうちじゃないであろうか。交通部は秋田県、青森県境から宮城県境まで全部自動取締装置を張りめぐらして違反者を厳しく取り締まるべきと存ずるが、どんなものであろうか。現行通行体制は違反者に甘いと思う。これを見逃しているのではないと思うけれども、県警が見逃しているという言い方をすればちょっと不遜な言い方になるのでそうは言わないけど、秋霜烈日の規制をすべきと思うが、御見解はいかがであるか。
 全部申し上げる。110番通報は著しくふえており、その40%がいたずら、間違い電話とある。日夜を問わず治安に肝胆砕く警察に対し、これはまた何と残念な仕打ちなのであろうか。警察当局はこの原因をどう認識し、これをどう防止するのであろうか。お見込みを承りたい。逆探知が瞬間的に作動する機器はまだセットできないのであろうか。

〇北條交通部長 私からは高齢者の交通事故と高速の事故関係、これについてお答え申し上げる。
 最初に、高齢者の交通事故関係であるが、平成6年中の県内における交通事故による犠牲者は144人で、このうち65歳以上の高齢者は全体の32・6%を占める47人である。前年より5人増加しておる。死亡した47人の状態を見ると、バイクや自動車を運転中に死亡した方が20人で最も多く、歩行者が18人、自転車に乗車中が6人、自動車に同乗中が3人となっておる。特にバイクや自動車を運転中に死亡するケースがふえておる。高齢者の死者数が増加している要因としては、高齢化社会の進展とそれに伴う高齢者ドライバーの増加などが考えられるところである。
 次に、高齢者の加害事故についてであるが、平成6年中、全死亡事故件数133件のうち高齢者の加害事故は16件である。年々増加しておる。事故の原因としては、前方不注意、一時停止違反、優先車の通行妨害など、基本的な交通ルールを守らなかったと、こういうことが原因になっておる。このことは高齢による運動機能の低下や注意力の減退など、身体的なことが大きな原因を占めていると考えられる。
 次に、高齢者関連事故の抑止対策についてであるが、抑止対策の1つとしては、高齢者を保護するための交通指導取り締まりの強化である。高齢者が犠牲となった状態別を見ると、道路横断歩行中に事故に遭うというケースが多くて、夕方から夜間にかけて横断歩行者を妨害する著しい速度違反、あるいは歩行者妨害違反を重点的に取り締まりをしておる。
 対策の2つは、交通安全教育の推進である。高齢者の自転車、歩行者あるいは運転者に対する交通安全教育は、高齢者の身体的特徴などを踏まえた上で、高齢者を対象としたドライビングスクールの開催、夜間道路上で夜行反射材を活用しての照射効果の体験など、参加型、実践型の教育を進めておる。また、病院、福祉施設などの待合室での出前方式の交通安全教育、地域の公民館長などから交通安全のアドバイスをしていただく制度など、こういったものを充実、推進しておる。
 対策の3番目であるが、交通安全施設などの整備である。高齢者の安全な歩行を確保するために、歩行者信号の青時間を長くする。感応式信号と申すが、高齢者に配意した交通環境の整備を推進してまいる。
 なお、これら死亡事故抑止対策については、今後も引き続き交通関係機関、団体との連携を強化しながら推進してまいりたいと考えておる。
 次に、高速道路における交通事故の関係についてであるが、平成6年中の高速道路における交通事故は、人身事故69件、物損事故720件、合わせて789件発生しておる。高速道路における多数の車両が関連したいわゆる多重事故については、平成6年中には4件で、ここ数年横ばいの発生傾向にある。この多重事故の原因はいずれも12月から2月にかけて路面の凍結や視界不良時における速度違反、車間距離不保持、ハンドルやブレーキの操作不適、こういったものが原因になっておる。
 次に、御提言の高速道路における自動取締装置については、59年の9月から稗貫郡石鳥谷町地内に1基、これは高速道路地内であるが、さらに、昨年8月には紫波郡矢巾町地内に増強整備し、2台運用しておる。また、移動可能な取締装置を5基使用するなど、合わせて7基により取り締まりを強化して交通事故抑止に向けて最善を尽くしているところである。

〇伊藤生活安全部長 私からは110番電話のいたずら電話の対応について御回答申し上げる。
 御承知のとおり、110番電話は犯罪の発生や交通事故などがあった場合緊急に警察に通報する、いわゆる緊急通報電話であって、県内全域の110番電話は県警察本部通信指令室において24時間で受理体制をとって対応しておる。平成6年中の110番受理件数は4万2、245件であって、このうち事件、事故等に関して警察が緊急に対応しなければならない、いわゆる有効通報は2万4、475件で58%である。そのほかのいわゆる無効通報は42%に当たる1万7、770件で、この中のいたずら電話と言われるものは2、314件であって、無効通報の13%に当たる。こうしたいたずら電話は近年減少傾向にあるものの、依然として高率を占めておって、警察処置の対応に支障を来す場合がある。110番電話は人命、財産等にかかわることについて警察の早期対応を求める県民からの通報であって、これに対して警察は早期に対応する必要がある。そのため110番電話から間違いやいたずら電話をなくしていくことが重要であると認識しておる。警察では110番電話の重要性を認識していただくため、毎年1月10日を110番の日に設定し、県民の皆様へ正しい110番のかけ方を呼びかけているほか、各警察署においても各種会合や広報紙などを利用して110番電話の重要性の広報に努めておる。
 また、逆探ということの御質問であるが、逆探装置とは言えないけれども、110番電話には相手方が電話を切ってもこちらから、いわゆる警察側から折り返し呼び出すことができる機能を備えておる。いたずら電話などに対しては折り返し相手方に呼び出し信号を送って、その都度注意を促しているところである。

〇横田委員 前に県警本部長にであったか、高速に私服で乗ってみたらどうであるかと提言したのはあなただったか前の県警本部長だったか。(石川警察本部長「私は記憶ない。」と呼ぶ)私、県警本部長を乗せてみたらいいと思う。あなたがおっしゃった自動取締装置、上の方についているのはわかる。私なんかはいつもコンスタントに走っているけど、私などを追い越していったすごいスピードの車が、そこに行くとすうっと100キロぐらいになっちゃう。わかっているんだ、どこにあるかというのは。だから、私は全線につけなければだめだと思う。うまい、相手はやっぱりそれなりの知恵を持っているから。だから、例えば高速だと私らのような初心者は、高齢者であるし恐ろしいわけである。特に冬の地吹雪地帯などのときは絶対安全速度を守るわけである。ところが、守らないのがいるから多重衝突出るだろう。それを申し上げたように、マナーがどうだとか、運転手が悪いとかでは私は片づかないと思う。やっぱり警察の威信を示すにはそれなりの物理的裏づけがなくちゃだめだ。そう思うが、この見解に対して貴職の御意見はいかがであるか。県警本部長は高速に乗ってみられるつもりはおありか。

〇北條交通部長 高速道にずっと自動取締機をたくさん設置せよという御提言であるが、これにも限度があろうかと思う。先ほど申し上げたように、定置式のものは2基あるし、そのほか移動しながら取り締まる装置もあるので、今後ともそういった無謀運転については取り締まりを強化してまいりたいと思うし、自動取締機の整備についてもこれから検討させていただきたいと、このように思う。

〇石川警察本部長 大変含蓄のある御提言をいただいたが、私二十数年、21年になるが警察官をやっておって、そのうち半分交通警察をやっておる。したがって、委員の御指摘は十分理解しているつもりであるが、適正な取り締まりを行いながら、死亡事故をたしか私、委員に半分に減らすという約束をしたので、その決意をもって答弁にかえさせていただく。

〇舘沢委員 簡単にお聞きする。
 最近、防犯部を生活安全部と名称を変更したり、あるいは派出所を交番とするなど、地域に密着した活動を推進し、特に県民の最も身近にある交番については、先般も交番ネットワークとか、交番相談員という新しい制度を導入したと報道されておったが、具体的にはどのようなシステムあるいは制度なのか、その内容についてお伺いする。
 次に、先ほど、高速道をスピードを出していった場合に、取り締まりの関係であったけれども、低速で走った場合にはこれはどうなるか。あわせて2点。

〇伊藤生活安全部長 私からは交番ネットワークシステムとそれから交番相談員についてお答えを申し上げる。
 まず、交番ネットワークシステムの導入についてであるが、地域に密着した交番としての機能を強化するため、拠点となる主要交番にパソコンを導入してネットワークシステムを構築したいと考えておったが、本年1月に盛岡東警察署管内の拠点交番である菜園、中ノ橋、上田、仙北町の4交番に整備し運用を開始しておる。このシステムは警察署のコンピューターと接続をされておって、交番としては遺失物、拾得物の照会や盗難被害の照会など、住民の要望に迅速に対応ができるし、住民のニーズに沿った地域安全情報提供が可能になるなど、交番の機能が飛躍的に強化されていくものと思われる。
 次に、交番相談員についてであるが、県民の皆様の要望には、交番に常に警察官がいてほしいと、また、パトロールを強化してほしいと要望があって、それにこたえるため警察官にかわって地理案内や遺失物、拾得物の受理に当たるほか、住民の困り事など、意見、要望を聞いてそれに対する助言など、主に行政サービスの面を担当させるため、地域警察活動に精通し経験豊かな方を都市部の交番に配置するものである。今回配置する3名については盛岡東警察署の菜園交番、中ノ橋交番と盛岡西警察署の盛岡駅前交番に配置する予定である。

〇北條交通部長 高速道の低速で走る場合のことについてお尋ねであるが、道交法の75条の4に、高速自動車の本線車道においては、道路標識によって最低速度が定めらる区間にあっては、その最低速度に達しない速度で進行してはいけない。こういう規定になっておる。その速度は施行令の方で50キロとなっておる。

〇舘沢委員 今の御答弁であるけれども、そうすると違反になる、罰金を取られるか、どうなんであるか。

〇北條交通部長 道交法の違反になる。

〇戸羽委員長 ほかに質疑ないか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇戸羽委員長 質疑はないようなので、これで警察本部関係の質疑を終わる。
 以上で本日の日程は全部終了した。本日はこれをもって散会する。
   午後3時22分 散 会


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