平成7年12月定例会 第4回岩手県議会定例会 会議録

前へ 次へ

〇1番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 議案第1号、第4号から6号、第7号、9号、12号、14号について反対の討論を行います。
 議案第1号95年度一般会計補正予算は、地震調査研究費や福祉施設の整備費など、県民の要望にこたえる施策もあるものの、国の経済対策に基づく公共事業が150億円余と大半を占めるものであります。9月県議会の補正予算に対して述べたとおり、ゼネコン奉仕、談合体質をそのままにした上での公共事業の積み上げでは、決して真の景気対策とはなり得ないものであります。特に農業関係の公共事業は、米の輸入自由化への対応策として、新農政の名のもとに一部の農家に土地を流動化し、規模拡大を推進しようとするものであります。これは、農家を差別、選別し、規模拡大農家にも米価の下支えのない大きなリスクを押しつけかねないものであります。米の輸入自由化に反対し、農業を続けたいと願うすべての農家を育成の対象として、家族経営を守る対策こそ農業を守る大道であります。
 議案第4号から6号は、県営建設事業にかかわって、市町村に一部負担を押しつけるものであり、反対するものであります。
 議案第7号は、特別職の給与報酬を引き上げるものであります。特別職の給与は現状でも高額なものであり、一般職員の史上最低の賃上げ、不況に苦しむ県民の実態から見て到底理解が得られないものであり、凍結すべきと考えます。
 議案第9号、14号は、一般職員と市町村立学校職員の給料の調整額を変え、低額に抑えるものであります。これは、実際上、職務の評価を低下させ、一時金、退職金にも影響を与えるものであり、反対します。一般職員の給料の改定は超低額ではあっても賃上げとなるものでありますから賛成し、当然早期支給を求めるものであります。
 議案第12号県立学校設置条例の改正は、県立高校の学科を再編しようとするものであります。本会議の質疑でただしたとおり、毎年行われる学科再編成は、該当する高校では何ら検討されることもなく、10月に新聞発表されて驚くというやり方であります。また、12月県議会の条例改正で本決まりとなるものでありますが、来年度の入試から実行されるものですから、学科再編の準備も中学校の進路指導にとっても大きな問題を含んでいます。今回、再編が提起されている水沢農業高校の場合、農業高校の基本学科であり、自営者養成の位置づけを持つ農業科、園芸科、畜産科を廃止し、農業科学科と環境工学科を新設するものでありますが、農業高校の理念、あり方が根本から問われる再編であります。こうしたことが学校現場、教職員の間での検討を抜きにし、一方的に押しつけられることはとても教育的なあり方とは考えられません。この10年間で70近い学科が再編されましたが、その全体的特徴は、先に名称変更ありきで、教科書もなく、教育内容も手探りの学科が少なくありませんでした。本来、教育は中長期的な視野と展望を持って行われるべきものであります。とりわけ現場の学校、教職員の意見を酌み上げ、民主的に進めてこそ本来の効果を上げられるものであります。これまでの非民主的学科再編の進め方と、その内容の改善を強く求めるものであります。
 最後に、増田知事は、清新にして公正、県民にわかりやすい県政を標榜しながら、一党一派に偏る姿勢が強過ぎるのではないでしょうか。今、新進党の党首選挙が行われています。党員以外の企業や団体にまで選挙動員を要請する異常なものでありますが、増田知事自身が岩手県知事として、党派を超えてと言いながら党首選の特定候補に推薦文を寄せていることは異様なことではないでしょうか。消費税10%増税、国連警察隊創設、300の市町村への大合併再編を主張する人物に対して、憂国、救国の士そのものであり、郷土岩手の誇り、誉れであると言っても決して過言ではない、このような推薦はとても140万県民を代表する岩手県知事の言葉とは考えられないものであります。私は、知事の公約どおり、清新、公正で県民にわかりやすい県政の推進を強く求めるものであります。
 以上、反対の討論といたします。(拍手)
〇議長(堀口治五右衛門君) 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより議案第1号、議案第4号から議案第7号まで、議案第9号、議案第12号及び議案第14号を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(堀口治五右衛門君) 起立多数であります。よって、議案第1号、議案第4号から議案第7号まで、議案第9号、議案第12号及び議案第14号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第2号、議案第3号、議案第8号、議案第10号、議案第11号、議案第13号、議案第15号から議案第18号まで、及び請願陳情を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(堀口治五右衛門君) 起立全員であります。よって、議案第2号、議案第3号、議案第8号、議案第10号、議案第11号、議案第13号、議案第15号から議案第18号まで、及び請願陳情は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
   
   日程第20 委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件
〇議長(堀口治五右衛門君) 次に、日程第20、委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件を議題といたします。
〔参照〕 
総務委員会
 地方分権について
福祉文教委員会
保健商工委員会
農林水産委員会
 本県の花き生産について
土木委員会
 冬季の道路交通の確保について
〇議長(堀口治五右衛門君) お諮りいたします。委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件につきましては、先ほど各委員長から報告のとおり申し出がありましたが、委員長から申し出のとおり、閉会中の継続審査及び継続調査に付することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶものあり〕
〇議長(堀口治五右衛門君) 御異議なしと認めます。よって、本件は委員長から申し出のとおり、閉会中の継続審査及び継続調査に付することに決定いたしました。
   日程第21 認定第1号平成6年度岩手県一般会計歳入歳出決算から日程第32 認定第12号平成6年度岩手県県民ゴルフ場事業特別会計歳入歳出決算まで  
〇議長(堀口治五右衛門君) 次に、日程第21、認定第1号から日程第32、認定第12号までを一括議題といたします。
 各案件に関し委員長の報告を求めます。瀬川決算特別委員長。
   〔決算特別委員長瀬川滋君登壇〕(拍手)

前へ 次へ