平成7年12月定例会 第4回岩手県議会定例会 会議録

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〇15番(田村正彦君) 県議会の野球同様、9番の最後に登壇させていただくことになりました新進党の田村正彦でございます。
 今回、先輩、同僚議員の皆様の御配慮と御指導を受けまして、県議会において初めての一般質問の機会を与えていただきました。改めて御礼申し上げます。と同時に、増田知事初め、県御当局におかれましては、ふなれな質問等もあろうかと思いますが、誠意ある御答弁をお願い申し上げるものでございます。
 通告に従いまして順次質問してまいります。
 去る4月に行われました岩手県知事選挙において、増田知事は、岩手県民の圧倒的な支持と期待を担い、全国一若い知事として当選なされました。以来8カ月を経ようとしておりますが、その間の知事の若さあふれる行動力、そしてめり張りのきいた発言は大多数の県民の皆様から好意を持って迎えられております。増田知事を推薦し、そして支援してきた私どもにとってまことに喜ばしいことであり、選択は正しかったものだと意を強くしておるものでございます。しかしながら、知事も御承知のとおり、県政は若さやムードだけでは運営できるものではありません。まず、しっかりとした現状認識の上に立った諸課題への取り組み、対応が基本であろうと考えるものでございます。知事は、各種会合において、県勢の発展は市町村の発展があって成り立つものであり、県の役割は、直接県民と触れ合っている市町村が実施する施策を支援していくことであり、市町村にあっては、画一的な施策でなく、それぞれ地域に合った特色ある施策を実施すべきだという考えをお述べになっておられます。私もその考え方には大いに賛同するものであり、その考え方を県政の基本とし、ぜひ進展させていただきたいと思うものでございます。そういう意味からも、各地で精力的に開催されている県政懇談会は意義深いものがあろうと思われますし、また、評価も高いと聞いております。このような県民との直接の触れ合いを通じ、また、8カ月弱の短い期間を通じてですが、本県の現状をどのように認識なされ、県政にどう反映させていかれるのか御所見をお伺いいたします。
 次に、農業農政問題についてお伺いいたします。
 知事は、さきの知事選挙においての県民に対する訴えの中で、本県農業について、大規模化、大型化も場所によっては確かに必要ではあるが、我が県においては地域の特性を生かした特色ある農業を推進していくことも一方では大事なことではなかろうかというふうに訴えておられました。私も全く同感ですが、地域の特性、特色を生かした農業経営、言葉では大変簡単なんですが、これを具体化するとなるとなかなかいい知恵が浮かばないというのが偽らざる現実ではないでしょうか。平成4年、政府によって新農政プランが示され、農政の方向づけがなされました。以来、それに沿った農業政策が政府によって打ち出されているわけですが、新農政プランの中でも、大規模経営化とあわせ、地域営農集団の育成の重要性がうたわれております。いたずらな大規模化は地域集落の崩壊を招き、ひいては人口流出、過疎を助長しかねません。私の住んでいる集落も戸数50戸弱の純農村地域ですが、その中で、将来農業で生活していくんだという方は、聞いてみると1割もおりません。かといって、皆さん後継者がないわけではないわけです。家の後継者はあっても農業の後継者がいない、これは私の住んでいる地域に限らず、全県的、全国的な実態ではないでしょうか。知事の言う地域に根差した農業、特色ある農業を推進するためには、地域に点在する農業で生活していこうとする意欲のある農家を核とし、兼業農家を包括するような地域営農システムの構築が急がれると思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。
 次に、去る11月1日より施行された新食糧法に関してお尋ね申し上げます。
 新食糧法の内容についてはマスコミ等で報じられており、あえて申しませんが、新食糧法施行により、今後の本県の米の生産、流通に大きな変化がもたらされることは必至であろうと考えられます。とりわけ昭和45年に始まり、今日まで生産者の協力のもと、一定の秩序をもって進められてきた生産調整が選択制に変わったことは、米の流通、需給バランス、それに伴う価格形成に大きな影響を与えることが予測されます。政府、農業団体は、生産調整の確実な実施という観点から、とも補償助成金の上乗せ等、生産調整対策を講じるようですが、今後、生産者に対する行政、そして農業団体の対応は極めて重要な課題となっております。加えて、去る10月25日発表された農林水産統計による平成7年産水稲の作況は、本県は96のやや不良となっておりますが、全国レベルでは102となっており、量では1、072万トン弱となっております。食糧庁の見込みによると、10月末の国産米の在庫が160から170万トン、我が国の1年の米の消費量は多めに見ても990万トン、単純計算でも250万トンの過剰となります。政府による備蓄米、全農による調整保管米を実施したとしても多量の過剰米が出ることは必至の状況であり、農林水産省では、去る11月20日、全国で79万ヘクタールの減反を打ち出しており、同じく11月24日、本県に対し2万5、650ヘクタールの配分がなされました。このことは、4年に1度は水田作付をやめなければならないという大変な事態となっており、特に大規模化、集約化を図り、稲作農業で生きようとしている専業農家の打撃ははかり知れないものがございます。私自身、稲作農業を営む者の1人としてじくじたる思いでいっぱいであり、現在に至る一連の国の農業政策に対し、そして、それを容認してきた自分自身に対しても怒りを感ずるものでございます。新食糧法施行に伴う選択制減反への対応を含め、県では生産調整に対しどのように取り組もうとしているのかお伺いいたします。
 また、新食糧法施行に伴い、本県ではどのような生産、流通、販売対策をとろうとしているのか、あわせてお伺いいたします。
 次に、本県稲作農家待望のオリジナル品種であるゆめさんさとかけはしについてお尋ねいたします。
 両品種とも平成4年産より県の奨励品種として作付されているわけですが、特にかけはしについては、平成5年度の大冷害のため種もみ確保ができない状況だったことは御案内のとおりでございます。あえて申し上げますが、従来なかった県の画期的な発想により、沖繩県に種もみ確保のための作付依頼をされた結果、本年産においては4、600ヘクタールという面積が確保されたわけでございます。県御当局の英断に深く敬意を表するものでございます。種もみの委託栽培について、当時は、莫大な経費をかけ、何もそんなことをする必要はないのではないか、植えつけ時期が大幅におくれることで果たして農家に受け入れられるのか、県のパフォーマンスにつき合わされたのではたまらないと、いろいろ御意見はあったわけですが、私も当時は批判的な意見を持っていた1人でございましたが、その後のかけはしの栽培経過、特に沖繩県と我が県との各種の交流等を見ると、私の不明を恥じなくてはいけないという現在の心境でございます。一連の経過から、県として、我々稲作農家にとっては思い入れの多いオリジナル品種のかけはしですが、今年産の状況は、県全体の作況が96のやや不良をも下回る収量が予想され、特に等級比率では一等米比率が48、9%台と、収量、品質とも平年を大幅に下回る結果に終わっております。私の住んでおる岩手郡はかけはしの適地として今年産は大幅に作付がふえたわけですが、地域の生産者からはさまざまな御意見が寄せられております。総じて言えることは、かけはしがこんなにいもち病に弱い品種だと思わなかった、来年はかけはしの作付をやめにしようという声が多いということでございます。しかしながら、一方では事前防除の結果、平年並みの収量を確保した生産者もあることもまた事実でございます。私は、県のオリジナル品種であり奨励品種でもあるかけはしは、合理的な稲作経営、そして大規模稲作経営、また、値ごろ感から、潜在的需要が高い3類の良質米品種として、県北稲作農家にとってはかけがえのない品種であり、万難を排し普及推進していくべきであると考えるものでございます。そのことが新食糧法のもと、産地間競争に打ち勝つ方策の1つであると考えるわけですが、県御当局は、今後のかけはしの普及に関し、どのような取り組みをしていくのかお尋ねいたします。
 次に、農産物海外アンテナショップの開設について知事の御所見をお伺いいたします。
 県は今般、米国ロサンゼルスにアンテナショップを開設し、知事みずからが出席され、県産農水産物や加工食品のセールスを展開し、現地では大変好評であったと報道されておりますが、本県の農業や食品製造業は厳しい環境下にあり、今後の振興に向けた有効な対策が求められている時期でもあり、その成果を期待するものであります。昨今の国際化の進展に伴う経済環境の急変は、輸入農産物の急増によって国内農産物の市場を狭くしてきているほか、農産物の供給先である食品製造業も海外依存度を強めるなど、各方面に多大な影響を及ぼしてきております。農業は、既に1次生産の拡大だけで成長していける産業ではなくなってきております。製造業者、販売業者なども一緒になって地域産業というくくりの中で取り組んでいく必要がありますし、その販売については、国内にとどまらず、海外へも積極的に広げていくことが極めて重要になっていると思うわけでございます。
 そこでお伺いしますが、今回の海外アンテナショップでは、めん類や切り干しダイコン、冷凍和菓子、海藻サラダなどを販売するとともに、量販店やジェトロ、日本人会の関係者との懇談も持たれたと伺っておりますが、知事は出席されてどのような所感を持たれたのでしょうか。また、今後、この海外アンテナショップをどのように展開していき、本県の農業など、地域産業の振興に生かしていこうとしているのか、あわせてお伺いします。
 次に、本県の交通安全対策を進めていく上で重要な役割を担っていただいている交通指導員についてお尋ね申し上げます。
 我が国、そして本県においても交通安全対策は重要な行政課題となっており、昨年の交通事故の発生件数は全国で72万9、457件、死者は1万649人にも上っております。負傷者に至っては88万1、723人、本県におきましても昨年1年で144名ものとうとい命が失われておるわけでございます。ことしも死者数は減っているものの、件数、負傷者とも昨年を大幅に上回っており、依然として厳しい状況にあり、先ほど来の質疑にもありましたとおり、特に11月に入ってから厳しい状況が続いております。このような中、交通事故の減少のため、あるいは交通安全思想の啓蒙のため、日夜頑張っておられるのが県内各市町村に設置されている交通指導員と称されている皆さんです。その活動ぶりは、児童生徒の登下校時における安全指導、市町村で行われる各種行事での交通整理、そして老人クラブや各種学校での交通安全指導等、多種多様にわたっており、その活動は目覚ましいものがあり、また、大多数の皆さんは本業をお持ちになりながらの活動であります。まことに頭の下がる思いを抱いているものでございます。本県の交通安全対策を進めていく上で重要な位置を占めている交通指導員の皆さんですが、その身分、待遇は各市町村の条例、規則等で定められているわけですが、全くまちまちであると聞いております。交通指導員という同じ名称で、同じ目的を持ち、同じ仕事をしている皆さんが、市町村ごとにその待遇、身分が違うという現実に私は大いに疑問を持つものでございます。県では、交通指導員設置費補助として、平成7年度においても七千数百万円の補助を市町村にしております。どのような基準で支出しているのか、まずお伺いいたします。
 また、補助金を支出する以上、市町村の財政事情もあるでしょうが、ある程度の統一的な指導があってしかるべきだと思いますが、県御当局の御見解をお伺いいたしますとともに、そもそも市町村が条例、規則等により交通指導員を設置している根拠は何によるのか、あわせてお伺いいたします。
 次に、平成11年に本県で開催される全国高等学校総合体育大会、いわゆるインターハイに関しお伺いいたします。
 ことしのインターハイは鳥取を中心に中国5県で開催されたわけですが、選手、役員あわせて4万人という多数の参加によって実施されております。本県での開催にはそれを上回る参加人員が予想されます。現在、各種競技の開催予定市町村においては、施設整備等、開催に向け鋭意努力しておられることと思われますが、そのことが市町村財政を圧迫していることもまた現実でございます。インターハイの円滑な実施は県民及び関係者にとって至上課題であり、県の取り組みが注目されているところでもあります。二十数年後には2巡目の国体開催が予想されている中でのインターハイ開催であり、施設整備に当たっては、将来の国体開催を念頭に置いた整備が必要であると思うものでございます。県におかれましては、インターハイ開催県として、競技施設及びアクセス道路等の整備、4万人を優に超えるであろう選手、役員等の宿泊確保にどのように取り組むつもりなのか、まずお伺いいたします。
 また、開催県として、大会における成績は当然県民が注目するところであり、選手の育成強化が急がれるわけですが、そのことは中学生、高校生の育成強化であり、当然指導者の育成ということだろうと思います。今から指導者の育成では到底インターハイには間に合わないと思われます。しかしながら、幸い県当局においては、スポーツ特別選考試験により指導者確保に積極的に取り組もうとしておられます。その努力は可とするものでありますが、どうしても限界があろうかと思います。
   〔副議長退席、議長着席〕
 県当局は、開催県としてどのような選手強化策を考えておられるのかお伺いいたします。
 次に、観光振興についてお尋ね申し上げます。
 本県は、農産物の生産県、いわゆる食糧基地として位置づけられておりますが、一方では十和田八幡平国立公園、三陸海岸、平泉等、自然と歴史に恵まれ、すばらしい観光資源を有する県でもあります。これらを生かした観光振興は、県勢発展の上からも重要な課題であろうと思われます。特にも、昭和31年に十和田八幡平国立公園として指定を受けた八幡平地区は、岩手、秋田両県にまたがり、そのエリアの大きさ、多種多様な観光資源を持つレジャー地区として多数の観光客を受け入れてきており、さらに昭和62年には、盛岡市、滝沢村、玉山村、安代町を加えた岩手県側は盛岡・八幡平国際観光モデル地区の指定を受け、新たな取り組みが期待されております。当地区は、国立公園指定以来40年を迎えようとしており、施設の老朽化、スキー人口の増大による観光形態の変化、車両の増大による交通事情の変化等、指定を受けた当時とは大幅にその環境が変わってきております。全体的な見直しが必要な時期に来ているという認識を私は持つものでございます。知事は、八幡平地区の観光振興についてどのようなお考えをお持ちでしょうか、お伺いいたします。
 また、滞在型観光として発展してきた東八幡平地区の振興については、県においても樹海ラインの開設等、鋭意努力をいただいていることは十分承知しておりますが、せっかく開設しても、それにつながるアクセス道路が相当以前に改良された道路であるために、多額の投資をして開通した道路が生かされないという現実もあります。観光客の利便性、または面的な観光振興を図る上で、県道雫石東八幡平線、特にも柏台地区から樹海ラインの区間の早期改良整備が望まれているところでもございます。県御当局の御意見をお伺いいたします。
 また、八幡平国立公園の南側入り口に当たる焼走地区は、全国的にもまれな原始の形態のままの大規模溶岩流として、昭和27年、文化庁より特別天然記念物に指定されており、最近、国際交流村としてオートキャンプ場等の整備が進んでおります。また、当地区は、温泉の湧出により、今後、観光客の大幅な増加も見込まれておりますが、残念ながら当地区は、八幡平地区と結ぶアクセス道路がないため、孤立したものとなっております。今後、八幡平地区の広がりのある面的な観光振興からも、観光客の利便性、そして、観光シーズンにおける一般道の交通渋滞の緩和という面からも、東八幡平地区と焼走地区を結ぶ道路の開設がぜひとも必要と思われますが、県御当局のお考えをお伺いいたします。
最後に、県内の河川の改修状況と今後の見通しについてお伺いいたします。
 本県は、御案内のとおり、1万5、000平方キロメートルを超える広大な県土を有しており、当然河川も数多く、その総延長は膨大なものであると思われます。その中でも、1級河川と称される河川の総延長は2、130キロメートルと聞いており、そのうち河川改修が必要な延長は1、200キロメートル、暫定を含め、改修済み延長は466キロメートル、改修率38、9%という御報告をいただいております。このことから、いまだ731キロメートルの1級河川が未改修となっておるということだと理解されるわけですが、河川改修は莫大な工事費を伴うものであり、急速な改修率の向上を望むのは当然無理があろうと思います。しかしながら、現実に1級河川でありながら毎年のようにはんらんし、周辺住民、農作物が被害を受けている地域、場所も多数見受けられます。県では、河川改修に当たってどのような考え方、方針で臨んでおられるのかお伺いします。
 次に、私が常日ごろ目にしておるところでもありますが、北上川と松川の合流地帯である玉山村上川崎地区及び上流の大台地区は、毎年、時には1年に数回もはんらんし、地域住民は農作物を中心に莫大な被害を受け、水害の常襲地となっております。早期の河川改修が地元住民から望まれております。当上川崎地区、大台地区を含め、1級河川である松川の河川改修が望まれるわけですが、県御当局の御見解をお伺いいたします。さきに述べましたとおり、全面的な河川改修は莫大な経費と時間を要するわけで、長期的な計画を策定し、着実に進展させていくべきでしょうが、実際河川のはんらんによる被害を受けている皆さんは全面改修を望んでいるものではなく、暫定でもいいからとりあえず被害を受けない措置を講じてもらいたいと、このように訴えております。このような要望に対し、県当局においてはどのような対処をなされるつもりなのかお伺いいたしまして、演壇からの質問を終わらせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事増田寛也君登壇〕
〇知事(増田寛也君) 田村正彦議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、本県の現状認識と県政への反映についてでございますが、これまで県政懇談会などを通じまして多くの県民の皆様方から直接貴重な御意見や御提言を数多くちょうだいをいたしまして、県内の実情の把握に努めてまいったところでございます。このような機会を通じまして、本県の持っております緑豊かな自然や歴史的、伝統的文化、温かい県民性など、こうしたすぐれた地域特性を直接肌で感じ取ることができましたとともに、一方では、本県が広大な県土を有するがゆえに、交通網の整備は着々とは進んでおりますけれども、高速交通の効果を県内各地域に波及させるためにはなお一層の総合的な交通網の整備を進めることも必要でございますし、また、県民の方々多くが重要な問題としてとらえております、例えば少子・高齢化に対応するための社会福祉施設や保健医療施設の整備ですとか、教育環境の充実など、数多い取り組むべき課題についても実感したところでございます。したがいまして、今後におきましても、地域、地域の特性を生かしながら、県民の皆様方のこうした意向を十分に踏まえまして、県民の最も身近なところで行政を担っております市町村と緊密な連携を図りまして、また、常に県土の均衡ある発展という本県にとりましての基本的な課題を念頭に置いて、地域課題にもきめ細かく対処してまいりたいと、このように考えております。特に、災害に強い県土づくりや消防防災体制の強化、急激な円高に伴います産業の空洞化、さらには、ウルグァイ・ラウンド合意の実施など、新たな経済社会の動向にも的確に対応しながら、東北各県との連携を深めつつ、地域の個性豊かな発展に向けて積極的に取り組んでまいる考えでございます。
 次に、農業問題で、地域営農システムの構築についてでございますけれども、近年、農家の方々の農業への取り組み姿勢が一層分化してきておりまして、今後、本県農業、農村の維持発展を図っていくためには、地域農業を中心となって担う主業型農家を育成をし、兼業農家との協調のもとに労働力や農地の有効活用を図る。そして、地域全体として効率の高い営農システムを構築していくことが重要な課題であると、このように認識をしております。その推進方向としましては、大まかに申し上げますと、まず稲作を志向する主業型農家にありましては、作業受託や農地の借り入れによりまして経営活動規模の拡大を進め、生産コストの低減を図るとともに、兼業農家の労働力もそこに組み合わせる。また、園芸など畑作を志向する主業型農家にありましては、集約度の高い作目の導入を促進しまして、兼業農家の労働力に応じた参画を求めるなどによりまして、地域全体の生産力を高め、農家それぞれが十分に報われるような、いわゆる地域ぐるみ農業を形成していくことが肝要であると、このように考えております。こうした考え方のもとに、地域地域の特性に応じた経営指導を十分に徹底するとともに、農地流動化対策を導入いたしまして、主業型農家への利用集積を促進するほか、こうした今申し上げましたいわゆる地域ぐるみ農業の活動を支援するために、構造改善対策によりまして広域的な苗の供給施設や集出荷施設、あるいは農畜産物の加工施設などの整備を積極的に推進していきたい、このように考えているところでございます。
 次に、農産物の海外アンテナショップについてでございますが、今回の長期アンテナショップは全国初の試みといたしまして、1つは、農産物などの海外販路を開拓をすること。もう1つは、アメリカにおきます大量流通の仕組みを研修することなど、こうしたことをねらいに去る11月4日にロサンゼルスのヤオハン・ニュートーランス店に設置をしたところでございます。御承知のとおり、ロサンゼルス地区は、日本人や日系人がアメリカで最も多いところでございまして、現地製造された日本食はかなり普及している状況でございますけれども、本県から出展をいたしました農林水産物や加工食品は、いわゆる本場物ということもございまして好評を博しておりまして、今後も安定した需要が見込まれるものも多いと、このように感じたところでございます。
 今後は、あわせてこの岩手県の持っております四季や暮らしの紹介などもあわせて行いながら、本県産のリンゴや里芋、ワサビなど旬の新鮮な青果物を出展するほか、このアンテナショップを拠点としたアメリカ東海岸への販売、これは通信販売が恐らく主体となると思いますけれども、こうしたこと。そして、特にも県内の各市町村にも参加を呼びかけておりまして、そうした各地域の特産物の出展に活用してもらうなど、多彩な取り組みを行ってまいりたいと、このように考えております。こうした取り組みを継続することによりまして、恒常的な輸出に結びつけ、また、特に重要なことは、関係者のこうした先進地での流通研修の場として活用する。そして、県内各地の農林水産物や加工食品の生産活動の活性化に役立てていきたい、このように考えているところでございます。
次に、八幡平地区の観光振興についてでございますが、当地区は、十和田八幡平国立公園を初めといたしまして、豊富な温泉群があります。本県を代表する自然系観光資源に恵まれておりまして、大規模なスキー場の開設とも相まって、本県観光の極めて重要な拠点となっている地区でございます。県といたしましては、温泉開発や道路網の整備を進めるとともに、宿泊、スポーツ、レクリエーション施設の整備促進など、自然環境との調和を図りながら、当地区の観光振興に努めてきたところでございます。特に最近におきましては、八幡平の樹海ラインを整備をいたしまして、アスピーテラインとの連結による周遊を可能にしたほか、新たな温泉開発や岩手山の焼走り地区の国際交流村の整備など、観光地の基盤強化を図ってきたところでございます。
 また、近年の観光に対します多様な志向を踏まえまして、特に首都圏の家族の方々を対象にいたしまして、こうした豊かな自然を満喫しながら、一方で農業や酪農などに触れることができる、いわゆる体験型の観光に取り組むなど、当地区の新たな魅力の向上に努めてきたところでございます。しかしながら、ただいま議員御指摘のとおり、国立公園に指定されました当時と比べまして、当地区の環境は大きく変化をしてきております。今後におきましては、来年が八幡平地区が国立公園に指定されてからちょうど40周年の記念すべき年を迎えるということで、盛大な記念イベントを展開をいたしますとともに、これを1つの契機といたしまして、さらに青森、秋田との北東北3県の結束を強化して、八幡平地区の特性でございます温泉、雪質、自然景観などを生かした長期滞在型の拠点型観光の推進に努める。例えば、冬場には世界に開かれたスキーリゾート地としての育成を目指していきたい、こんなようなことを考えているところでございます。
 さらに、青森、秋田との連携によりまして、広域観光ルートの整備を図るなど、北東北の観光拠点機能、現在持っておりますそうした機能が今後さらに一層十分に発揮できるように努めていきたい、このように考えているところでございます。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部長から答弁をさせますので、御了承をお願い申し上げます。
   〔農政部長佐藤昭美君登壇〕
〇農政部長(佐藤昭美君) まず、新食糧法の施行に伴う生産調整への取り組みについてのお尋ねにお答えします。
 県としましては、米の需給と価格の安定を図るためには、生産調整を着実に実施していくことが必要であると考えております。この生産調整の推進に当たりましては、農家の方々の経営志向に応じた営農が展開できますように、地域での話し合いにより、相互に調整を図っていくことが重要でありますので、農業団体が組織する水田利用調整推進センターとも連携をしながら、新たなとも補償制度を積極的に活用し、農家がこぞって取り組み、転作田の集団化を図るなど、生産調整が円滑に実施されるよう指導してまいりたいと存じております。
 次に、県産米の生産販売対策についてでありますが、今後、米の産地間競争がますます激化すると予想されておりまして、これまで以上に、売れる米づくりの視点に立った取り組みが重要になってきております。したがいまして、県としましては、消費者や大口需要者のニーズに的確に対応し、品質、食味にすぐれたもの、値ごろ感のあるもの、さらには酒米など、多様な米を安定的に供給できる産地体制を早期に確立するとともに、本県のオリジナル品種でありますゆめさんさ、かけはしを戦略品種として位置づけ、量販点や外食産業との新たな取引を開拓するなど、きめ細かな販売対策を積極的に講じながら、県産米の有利販売に鋭意努めてまいる考えであります。
 次に、かけはしの普及についてでありますが、オリジナル水稲品種かけはしは、耐冷性が強く、良食味の品種でありまして、県北部における作柄の安定と品質、食味の向上が期待できますことから、本年より本格的に栽培を開始したところであります。本年は、極めていもち病が発生しやすい特異な気象経過をたどり、これまで発生の少なかった県北部などで多発しまして、かけはしも痛手を受けたところでありますが、一方、本年産のかけはしの販売状況を見ますと、既に全量販売契約済みとなっておりまして、その後におきましても、大口需要者から引き合いが来ている状況にありますことから、今後の産地間競争に打ち勝っていくためにも、こうした需要に確実にこたえていくことが極めて重要であると存じております。このため、今後の作付の普及推進に当たりましては、まずもって、商品性の高い米づくりの重要性やかけはしのすぐれた特性について御理解を深めていただくと、そのための巡回指導を現在行っているところでありますし、また、いもち病防除の徹底を図るため、適期防除による発生を軽減した優良事例や、具体的な防除方法などを盛り込んだ防除暦を栽培適地の全農家に配布するなどしまして、関係機関、団体ともども作付推進に鋭意努めているところであります。
   〔生活福祉部長細屋正勝君登壇〕
〇生活福祉部長(細屋正勝君) まず、交通指導員設置補助の基準についてでありますが、交通指導員の方々には、地域における交通安全の確保の使命感に燃えて、日夜、街頭指導などの各種活動に多大の御尽力をいただいており、本県の交通安全のために極めて重要な役割を担っていただいているところであります。今年度、本県が実施しました、いわゆるシートベルト日本一作戦に当たりましても、積極的に御協力をいただき、一定の効果を上げることができ、まことに感謝にたえないところであります。県におきましては、このような交通指導員の方々の活動を支えるため、市町村に対して交通指導員の報酬と被服費を対象に助成しているところであります。報酬につきましては、1人、1日1、200円を基準とし、年間90日分を限度として、その2分の1を助成しておりますし、被服費につきましても、対象経費の2分の1を助成しております。
 次に、交通指導員の待遇についてでありますが、交通指導員は市町村において任命している非常勤の職員であり、設置や待遇について法令の定めはなく、また、1人当たりの活動日数や活動全体に占める街頭指導、広報活動など各種活動の実態が市町村によって大幅に異なっているところから、統一的な指導は難しいというふうに考えております。
 次に、交通指導員の設置の根拠についてでありますが、交通指導員は、沿革的には、地方公共団体などが独自に設置した制度が全国的に広まったものであります。過去に国からは、設置する場合には非常勤とすることが適当である旨の指導があったのみで、その設置の根拠となる法令はなく、したがって地方公共団体がそれぞれの判断において設置しているものであります。
   〔土木部長帷子幸彦君登壇〕
〇土木部長(帷子幸彦君) まず、県道雫石東八幡平線の整備についてでありますが、この路線は、国立公園内を通過していることなどから、観光ルートとして重要な位置づけにあり、観光客の利便性からもその整備は重要なものと考えております。この道路のうち、お尋ねの柏台から樹海ライン入り口までは約8、3キロメートルの延長があり、おおむね2車線とはなっておりますが、この区間は谷合いの狭い地域を通過しているため、地形的な制約から曲線半径や縦断勾配の厳しい道路となっております。したがいまして、隘路となっている箇所につきましては、局部的な改良をするなど、逐次整備を進めてきたところであります。しかしながら、樹海ラインが完成したこともあり、交通量が増加しておりますので、平成5年度から県単独費を投入して、松川地区から柏台方面に向けて道路改良事業に着手したところでございます。
 なお、当地区は、国立公園内にありますことから、自然環境に十分配慮しながら、慎重な計画のもとに事業を進めてまいりたいと考えております。
 次に、東八幡平地区と焼走り地区を結ぶ道路の整備についてでありますが、本県有数の両観光地を結ぶ道路の整備は、四季を通じた滞在型の観光ルートを形成する観点からも極めて重要であると考えているところであります。この両地区を最短で結ぶ路線といたしましては、松尾村の1級村道岩手山1号線と西根町の1級町道上坊線がありますが、現道は幅員が狭いなど観光ルートとしては適さないことから、両町村において、より有機的に両地区を結ぶ構想を検討していると伺っております。しかし、現道のうち岩手山1号線については、八幡平リゾートスキー場を横断しており、冬期間には通行ができなくなるため、路線の整備に当たっては、大幅なルート変更など解決すべき課題が多いものと思われます。したがって、県といたしましても、今後、両町村の構想の具体化に向けた取り組みに対して、適時適切な指導を行いながら、これらのすぐれた観光資源が一層有効に活用されるよう、積極的に支援してまいりたいと考えております。
 次に、県内の河川の改修状況と今後の見通しについてでありますが、河川の整備は洪水等の自然災害から県民の生命、財産を守り、豊かで潤いのある県民生活を確保する上で、欠くことのできない根幹的な事業であると考えております。このため、県といたしましては、河川改修等の治水対策を県土の保全を図る上での重要施策の1つとして位置づけ、積極的に取り組んでいるところであります。
 河川の改修に当たりましては、洪水により大きな被害を受けた地域や、圃場整備あるいは区画整理など、他の事業との連携を要する地域及び市街化の進展が著しい地域などの河川について、優先的に整備を図ることとしております。御指摘のように、河川改修は膨大な費用を要しますことから、鋭意努力しているにもかかわらず、その整備率はいまだに低い水準にありますが、これまで取り組んでまいりました河川改修の効果は着実にあらわれているところであり、今後ともさらに積極的に事業の推進を図り、安全で快適な県土の保全に努めてまいりたいと考えております。
 次に、松川の河川改修についてでありますが、本川の北上川の合流点から上流、約6キロメートルの区間は、川幅が狭く蛇行しておりますことから、集中豪雨等による洪水によって河岸の決壊や河川沿いの農耕地が冠水するなどの被害が発生しているところであります。これらの災害を防止するための抜本的な河川改修を図るには、その地形的な要因により、河川沿いの多くの農地がつぶれますことから、当面は災害復旧事業や県単独事業により、小規模な堤防を築くなど、最小限の用地による暫定的な改修を行ってきているところであります。したがいまして、今後とも地域の皆様方の御協力を得ながら、積極的に災害の防止に努めてまいりたいと考えております。
 次に、洪水等の被害を受けている地域の暫定的な河川改修についてでありますが、河川改修に当たりましては、本来、一定計画に基づき整備を進める必要がありますが、洪水による災害の状況や、土地利用、地形的な特性などを勘案し、局部的な改修により効果が期待されるところにつきましては、暫定的な措置として小規模な築堤や護岸工などを実施し、洪水防御機能の向上を図っているところであります。今後とも、現地の状況を十分調査し、地域の皆様方の御理解を得ながら、実態に応じた河川改修を積極的に進めてまいりたいと考えております。
   〔教育長橋田純一君登壇〕
〇教育長(橋田純一君) まず、インターハイ開催県としての競技施設整備の取り組みについてでありますが、この大会の開催決定を契機に、関係市、町が高規格の競技施設を整備する場合に、財政力に配慮した財政支援を行っているところであり、競技会場、練習会場に予定されている県営体育施設の整備についても、計画的に整備を進めることとしております。
 また、アクセス道路等の整備につきましては、県教育委員会において、現在、関係市町村からインターハイ関連道路等の整備計画についてヒアリングを行っており、関係部に協力を要請いたしているところであります。引き続き、関係機関の協力を得ながら大会関係者の交通輸送に係る路線等の実態把握に努めるなど、円滑な大会運営ができるよう取り組んでまいりたいと考えております。
 大会関係者の宿泊確保につきましては、宿泊の基本的な考え方として、選手のコンディション調整等を考慮し、できるだけ競技会場に近い旅館、ホテル等を原則とすることとし、これによりがたい場合は民宿の協力をお願いしたいと考えております。しかしながら、この大会が夏の観光シーズンに当たるなど、幾つかの課題が予想されることから、本年7月に発足した平成11年度全国高等学校総合体育大会岩手県準備委員会に、宿泊・保健専門委員会を設置し、対応策の検討に着手したところであります。県教育委員会といたしましては、アクセス道路等の整備や宿泊の確保など、大会運営の基盤となる条件整備につきまして、引き続き、関係する機関、団体等と緊密な連携を図りながら準備に万全を期してまいりたいと考えております。
 次に、選手強化についてでありますが、御指摘のとおり、インターハイの成功のためには、円滑な大会運営はもとより、本県選手の活躍が重要であるととらえており、この大会での地元選手の活躍は、本県スポーツの振興を図る上からも、大きな意義があるものと認識をいたしております。県教育委員会といたしましては、平成8年度、9年度が選手強化の最も重要な期間であると考えているところから、通常の選手強化事業のほかに、既に平成5年度から小学校の指導者養成事業を実施しているところであり、平成6年度からは全国高等学校総合体育大会選手強化対策事業として、中学校、高等学校の指導者の養成や、中学生、高校生を対象とした県外交流や強化合宿を行い、積極的にこの大会に向けた選手強化を行ってきたところであります。
 また、本年度からは特殊な競技用具を必要とするヨットなどの用具を整備し、さらに、いわゆる未普及競技である水球競技などの選手育成を行い、その拡充強化に努めているところであります。平成8年度以降につきましては、開催県として本県選手が活躍することを期し、これらの事業の充実を図ってまいりたいと考えております。
〇15番(田村正彦君) 再質問をさせていただきます。
 まず、農業問題についてでございますが、御答弁にもありましたとおり、生産調整に当たっては、とも補償制度を大いに活用しながら、これに対処していくんだというような御答弁をいただいたわけでございますが、そのとも補償制度、確かに国でも10アール当たり2万円ですか、こういった補助を出すと。現在でもとも補償というのは各地区において実施されておるんですが、国あるいは農業団体の2万円の補助、それと同等かそれ以上の多く作付する農家からのとも補償も当然出てくるわけです。それにプラス通常の減反奨励金、そうするとどうしても10アール当たり5万円を超えるような生産調整に関しての補助、とも補償制度に結果的にはなると思うんですね。そういった場合に、知事のお話にあった、あるいは岩手県、これは全国的に進めているんですが、一方では土地の集約化を図るために兼業農家からは田んぼをお借りしてやりなさいと、こういった1つの補助金を出しながらそういう政策を進めている。実際借りようとする農家、よその田んぼを借りて作付しようとする農家はせいぜい2万円か3万円なんですよね、借りる場合。そうすると貸し手が出てこない、休んでいた方がいいんだと。非常に相矛盾する結果が出てくるんじゃないか。これは農政部長が悪いわけじゃなくて、そういう制度になってしまったんだから責めるわけではないんですけれども、いずれにしてもそういうふうに非常に現場では今までやってきた、推進してきたこととこれから推進しようとすることとの矛盾がこれから出てくるおそれが十分にあるんですよ。そういった矛盾点をどう集約化も含めて対応していこうとなさっているのかをまずお尋ね申し上げたいと思います。
 もう1点が、例のかけはしでございますけれども、巡回指導その他でこれを普及を図っていくんだという御答弁をいただいたわけでございますけれども、確かに巡回指導もしていただかなきゃならないし、チラシも配布してもらわなきゃならない。それにも増して今年産の4、600ヘクタールというこの作付面積を割ることのないような推進体制というんですか、その決意のほどを部長から改めてお伺いしたいわけでございます。
 次に、交通指導員の関係でございますけれども、ちょっと考え方が違うんじゃないかなと思っているんですが、独自に市町村が設置して、それが全国的に広まったものであるという御答弁でしたよね。独自に勝手に市町村が設置して、それが全国的に広まったもの、到底そういう答弁ではちょっと納得しかねるんですけれども、あくまでも交通指導員を設置するに至ったというのは、昭和42年の次官通達、これがもとになっているんじゃないんですか。私はそういうふうに解釈しているんです。この次官通達を見ますと、今の交通指導員の方々の実際活動なさっている状況とこの通達とのずれが非常に多いんです。多いからだめだという議論じゃないんです、これは。昭和42年に出された次官通達は現実に今の時代に合うわけはないので、現代の交通戦争を防ごうとした結果がその通達を逸脱するような活動になっているんです。私はそう認識しておるんです。したがって、やはり今のこの交通戦争をより防止するためには、交通指導員の皆さんの日ごろの活動というのは非常にウエートが多いという認識の上に立ちますと、どうしてもある程度の交通指導員の設置に関しての法的な裏づけが必要なのではないか、私はそう思うんですが、それに対しての御見解をお尋ね申し上げます。
   〔農政部長佐藤昭美君登壇〕
〇農政部長(佐藤昭美君) とも補償に関しましての御質問でございますが、貸し付けするよりはとも補償の方に頼った方がいいと言われるわけでございますけれども、何も作付をしないでとも補償を利用するということになりますと、転作の助成金の単価がぐっと低い単価を交付するというふうなことになりますので、地域での小作金との見合いというふうなことになりますと、いろいろ地域では差がございますけれども、そのまま作付しないでおいてとも補償を利用するということがそれほど有利になるということにはならないというふうに考えております。いずれ地域におきましては、規模を大きくして稲作経営を進めていきたいという考え方の方もあり、あるいは野菜等の畑作を中心に経営するというふうな希望の方もおりますので、そういう方々によく話し合いをしていただきまして、その地域の中での調整をとっていただき、そういう中でとも補償が十分に有効に活用されるよう指導してまいりたいというふうに考えます。
 次に、かけはしの今後の推進についてでありますけれども、先ほど申し上げましたように、かけはしの品種の特性につきましては、耐冷性であるとか、わせ品種でありまして、規模拡大農家におきまして作期を調整できるというふうな形にも使える品種である、あるいは粒の大きさ、あるいは白度が高いといったような非常にすぐれた形質を持っておりまして、これをぜひ本県の、特に県中北部の主力品種にしてまいりたいというふうに考えております。本年痛手を受けましたいもち病対策につきましては、現在の農家の技術水準でもって十分に克服できるというふうに確信をいたしておりまして、明年の作付に際しましては技術陣の総力を挙げまして防除指導の徹底を図ってまいりたい。そして、いい米を生産するように指導してまいりたいというふうに考えております。
   〔生活福祉部長細屋正勝君登壇〕
〇生活福祉部長(細屋正勝君) 再質問いただきましたが、先ほど私、地方公共団体が勝手に設置したという意味ではなく、全国的には、沿革的に地方公共団体、それから交通安全協会等団体がそれぞれ設置していたものが全国的に広まり、42年に事務次官通達が出て、本県ではこの通達に基づいて、設置する場合には非常勤特別職で設置することが適当というふうな通知を出した経過でございます。勝手に設置したというふうな意味でお話ししたのではないことを御理解いただきたいと思います。
〇15番(田村正彦君) 交通指導員についてもう1度お尋ね申します。ちょっとしつこいようなんですが、納得いかないもので。
 今の御答弁でもあったんですけれども、私の言わんとしていることは、あくまでも交通指導員を設置するに至ったものは、この昭和42年の交通対策本部の決定を受けた事務次官通達によるものだと私は理解しているんですが、そうじゃない、その前からもう設置がしてあって、それを機会に事務次官通達が出てそれが広がったものだというようなお話のように理解しましたけれども、もし誤解があったら直しますけれども、それに関して県警の本部長にお尋ね申し上げたいんですが、この交通安全指導員というのをどういうふうに御認識なされておられるのか。私が心配しているのは、もし次官通達によってこれを設置しているというのであれば、そこにはっきりうたわれているんですよね。あくまでも交通指導員というのは、登下校時の幼児、児童の交通安全のために設置するんだと。厳に警察官と紛らわしい行動はとるなと、こう載っているんですね。実際は先ほど申し上げましたとおり、実態はそうじゃなくて、時代の趨勢に合わせて実態はそうじゃないんだと。この実態を訴えて、やはり法的根拠を与えるべきものではないのかなというふうに私は思うんですが、交通指導員に対してどういう御認識を持っておられるのか。そして、今の次官通達に関しての考え方を生活福祉部長にお伺いいたします。
   〔生活福祉部長細屋正勝君登壇〕
〇生活福祉部長(細屋正勝君) 私も余り詳しくはないんですけれども、いずれ道路交通法の中である時期に改正されまして今のような措置が入っているわけでございますが、昭和35年6月の道路交通法の制定改正の際に、第14条第4項、要するに交通指導員の活動の法的根拠というこの条項が入っておりまして、このあたりから交通指導員があると。本県では、先ほど申しましたように、42年の通達をもとに各市町村に指示をしたということでございます。
   〔警察本部長石川正君登壇〕
〇警察本部長(石川正君) 交通指導員の活動についての認識についてのお尋ねでございますが、本県では交通指導員が約1、100人ほどいらっしゃると私はお伺いしております。主な活動としては、朝晩の街頭における監視指導、子供さんからお年寄りに至るまでの交通安全思想の普及啓発活動、春、秋の交通安全運動はもちろんですけれども、それ以外には、例えば折居議員からの御質問がありましたとおり、現在の非常事態宣言下における朝晩の監視活動等、本当に大変御苦労いただいております。本来のお仕事のほかにこのような御活動をなさっておられるわけですから大変だと思いますし、日々の御活躍に対しては深甚なる敬意と感謝を申し上げているところでございまして、警察といたしましては、このような方々の御活躍とあわせまして、昨年まで4年連続して死者の減少、ことしも大変厳しい中ではありますが、26名ほど死亡事故、死者数の数を減少しておりますし、そういった意味で、連携をとりながら所期の目的を達していきたいと、かように考えておる次第でございます。
 以上でございます。
〇議長(堀口治五右衛門君) 以上をもって一般質問を終結いたします。
〇議長(堀口治五右衛門君) 本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめ延長いたします。
   日程第2 認定第1号平成6年度岩手県一般会計歳入歳出決算から日程第31 議案第18号財産の取得に関し議決を求めることについてまで
〇議長(堀口治五右衛門君) この際、日程第2、認定第1号から日程第31、議案第18号までを一括議題といたします。
 これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、発言を許します。斉藤信君。

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