平成8年2月定例会 予算特別委員会会議録

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平成8年3月14日(木)

1開会    午前10時2分

1出席委員  別紙出席簿のとおり

1事務局職員
  事務局長        渡邊勉
  議事課長        小国平二
  議事課長補佐      西田幸男
  主任議事管理主査    駿河勉
  議事管理主査      吉田徹
  議事管理主査      小原敏文
  議事管理主査      中澤悟
  議事管理主査      木村稔

1説明員
  教育委員会委員長    三浦三千男
  教育長         橋田純一
  教育次長        佐藤文昭
  教育次長心得      三田健二郎
  総務課長        照井崇
  厚生福利室長      伊藤功
  財務課長        小田島栄
  義務教育課長      竹田紀男
  県立学校課長      三田信一
  指導課長        五十嵐正
  社会教育課長      山本詔夫
  文化課長        廣田英樹
  保健体育課長      長澤佳彦
  全国高校総体推進室長  及川克郎
  
  警察本部長       石川正
  警察部長        藤和彦
  生活安全部長      伊藤一弥
  刑事部長        宮原幸一
  交通部長        小池進
  警備部長        熊澤國夫
  警務部参事官兼警務課長        石川瑞彦
  生活安全部参事官兼生活安全企画課長  石山幸雄
  生活安全部参事官兼地域課長      岩渕勝
  刑事部参事官兼捜査第一課長      太田代憲夫
  交通部参事官兼交通企画課長      佐藤光雄
  交通部参事官兼運転免許課長      干泥善嗣
  警備部参事官兼警備課長        兼平則夫
  総務課長        鈴木勲
  会計課長        関口勉
  情報管理課長      出堀宏明
  少年課長        高橋良二
  生活安全課長兼銃器対策室長      高橋弘
  鑑識課長兼科学捜査研究室長      楢木鉄蔵
  捜査第二課長      津田隆好
  交通規制課長      中川健
  交通指導課長      齋藤勉
  公安課長        高橋榮
  
  財政課長        佐藤勝

〇那須川委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入る。
 議案第1号から議案第21号まで、議案第23号、議案第27号から議案第33号まで、議案第40号及び議案第41号、以上31件を一括議題とする。
 本日は、教育委員会及び警察本部関係を終わるように進行したいと思うので、御協力をお願いする。
 これより教育委員会関係の審査に入るわけであるが、教育行政施策について教育委員会委員長から発言を求められておるので発言を許すこととし、その後、教育長から教育委員会関係の説明を求め、質疑に入ることにいたしたいと思う。

〇三浦教育委員会委員長 平成8年度の教育委員会所管に係る予算について御審議をいただくに当たり、教育行政施策について御説明を申し上げる。
 本県の教育は、県民の熱意と関係者の努力によって着実に発展してまいったが、経済社会の進展とともに教育を取り巻く環境も大きく変化する中、スポーツや文化活動に対する興味関心が高まるなど、県民の多様で高度な学習意欲が増大する一方、学力の向上、生徒指導、さらには教育諸条件の整備充実など、さまざまな課題が指摘されているところである。教育委員会では、このような課題に対応するため、第7次岩手県教育振興基本計画に基づき、県民が学びたいときに、みずからに適した方法で学ぶことができる生涯学習社会の構築を目指し、諸施策を総合的、効果的に推進してまいったが、平成8年度は後期実施計画の初年度でもあるので、なお一層の努力を傾注してまいる所存である。
 以下、平成8年度の施策の大要について申し上げる。
 第1は、生涯学習環境の整備についてである。
 県民の多様な学習意欲に対応した学習情報や効果的な学習機会の提供が要請される中で、生涯学習に係る施策を総合的に推進するためには、さまざまな教育機能の体系化を図るとともに、その推進体制の整備充実や県民の学習意欲の啓発、学習活動の支援など、生涯学習環境を整備していくことが肝要である。このため、生涯学習審議会において基本的な施策の調査、審議を進めるとともに、全庁的な連絡調整を密にしながら、民間の教育活動をも視野に入れた生涯学習関連施設の効果的な推進に努めるほか、市町村における生涯学習推進体制の整備促進を図ってまいる。
 また、生涯学習に対する県民の理解と意欲の高揚を図るため、生涯学習推進県民のつどいを開催するほか、各種情報媒体により学習情報を提供するなど、県民の学習活動を支援してまいる。
 さらに、本年4月には、生涯学習振興の中核施設として生涯学習推進センターを開所し、学習情報の迅速な提供や調査研究、指導者の養成などを通じて、生涯学習推進基盤の一層の整備を図ってまいる。
 第2は、学校教育の充実についてである。
 学校教育では、生涯学習の基礎を培うとの観点に立ち、基礎的、基本的内容を確実に習得させながら、児童生徒の個性を尊重し、多様な能力、適性を伸長させるとともに、社会の変化にみずから柔軟に対応できる、たくましく心豊かな人間の育成が求められている。 まず、生涯学習の基礎を培う教育の推進についてであるが、みずから学ぶ意欲を育てるため、選択履修の幅の拡大、体験的な学習の充実など、指導方法の工夫改善に努めるととに、基礎的な学力の向上を図るため、1人1人の個性に応じたきめ細かな指導を行ってまいる。
 また、個々の生徒がその能力、適性に応じてみずから進路を選択できるよう、将来展望に立った進路指導を行うとともに、職業についての基礎的な知識、技能の習得と望ましい職業観の育成に努めてまいる。
 さらに、障害児教育については、盛岡地区の精神薄弱養護学校高等部の整備を推進するなど、教育環境の充実に努めてまいる。
 次に、社会の変化に対応した教育の充実についてであるが、語学指導を行う外国青年の招致や高校生の国際交流を進めるほか、教職員の海外派遣研修の充実に努めるなど、国際理解教育を推進してまいる。
 また、情報処理能力の育成を図るため、情報関連機器の整備等に努めるほか、新たに民間の情報処理技術者の活用を図るなど、情報教育を推進するとともに、長寿社会や地球環境問題については、その理解を深めるため、学校教育全体を通して福祉教育や環境教育の充実を図ってまいる。
 職業教育の充実については、生徒が学習上の課題をみずから設定する課題研究の充実により、問題解決能力や創造力を育成するとともに、社会人講師による生きた情報や最先端の産業技術等についての指導を実施するほか、高度技術化に対応した学科の新設に努めるとともに、職業教育に対する県民の理解と生徒の学習意欲を高めるため、引き続き産業教育フェアを充実した内容で実施してまいる。また、新たに21世紀に向けた魅力ある高校づくりについても調査検討してまいる。
 次に、たくましく心豊かな人間の育成についてであるが、児童生徒のよりよい生き方を求め実践する力を養うため、さまざまな生活体験や自然との触れ合いなど、体験的学習の充実を図ってまいる。
 また、いわゆるいじめなどに対する指導については、学校適応指導支援チームの指導助言による関連事業の充実や、専門カウンセラーの拡充による教育相談活動の充実に努めるとともに、学校、家庭、地域社会の連携を図りながら、児童生徒1人1人の指導に徹底を期してまいる。
 さらに、児童生徒の心身の健全な発達を促進するため、健康状態の的確な把握や事故防止のための安全指導の徹底、学校給食の充実、さらには不登校などの心の問題の予防に努めるなど、健康教育を推進してまいる。
 また、昨年4月から導入された月2回の学校週5日制については、引き続き教育課程の編成や学習指導などの工夫改善に努めるとともに、家庭や地域社会との一層の連携を図りながら、その円滑な定着に努めてまいる。
 学校施設については、引き続き所要の整備を進めるとともに、阪神・淡路大震災を契機として新たに防災のための校舎等の耐震診断を行うほか、ひとにやさしいまちづくりの観点に立ったスロープ等の整備に着手してまいる。
 第3は、社会教育の充実についてである。
 豊かで生きがいのある人生の創造と活力に満ちた地域社会を形成していくためには、県民の生涯にわたる学習活動を促進するとともに、幅広い日常の地域社会活動を奨励、援助することが重要である。このため、まず、家庭教育においては、少子化、女性の社会進出など家庭を取り巻く環境の変化に対応し、子供の発達段階に応じた親等の学習機会や学習情報を提供するとともに、家庭教育振興の集いを開催するなど、学校、地域の持つ教育機能と連動しながら子供をはぐくむ環境づくりを進めてまいる。
 次に、生涯の各時期における社会教育活動を推進するため、青少年教育においては、郷土の自然、文化、歴史等について体験学習する機会の提供に努めるほか、地域の一員としての自覚を高める地域活動やボランティア活動などの社会参加活動を促進するとともに、学校、家庭、地域の連携による実践活動を支援してまいる。
 また、成人教育においては、高等学校や専修学校の開放講座、女性の生涯学習講座、高齢者のための長寿学園を開設するなど、多様な学習機会の提供に努めてまいる。
 さらに、新県立図書館については、その整備に向けて取り組んでまいる。
 第4は、体育・スポーツの振興についてである。
 県民1人1人が日常生活の中でスポーツに親しみ、健康の保持増進と体力の向上を図るとともに、スポーツ活動を通じて豊かな人間関係を形成するため、県民が生涯にわたって体育・スポーツに親しむことのできる環境の整備が求められておる。
 まず、地域における日常的なスポーツ・レクリエーション活動の定着を図るため、市町村における生涯スポーツ活動や学校体育施設の開放を促進するとともに、スポーツリーダーバンクの登録指導者の拡充を図るほか、幼児から高齢者まで、より多くの県民が気軽に参加できる県民スポーツ・レクリエーション祭を開催してまいる。また、8月に本県で開催される第7回世界少年野球大会を通じ、子供たちのスポーツへの参加意欲の向上と国際交流を図ってまいる。
 次に、児童生徒の基礎的な体力や運動能力を高めるため、個々の体力の実態を踏まえた指導の充実を図るとともに、各種スポーツの奨励や教員の実技指導力の向上を図るほか、学校プールの利用効率を高めるため上屋を整備するなど、学校体育施設の整備を推進してまいる。
 さらに、本県競技スポーツ水準の一層の向上を図るため、体育団体等との連携を強めながら、児童生徒の発達段階や能力、資質に応じた強化対策と指導者の養成確保を図るとともに、スポーツ教室の開催、県外交流の推進、民間の活動に対する支援など、競技力向上のための対策を強化してまいる。
 また、体育施設の整備については、生涯にわたるスポーツの振興と競技力向上を図り、あわせてスポーツに対する県民の多様なニーズに対応するため、スポーツ医科学を取り入れたスポーツ研修センターの整備に向けて取り組みを進めるとともに、長期的展望に立った総合的なスポーツ施設の整備について調査検討を行ってまいる。
 さらに、平成9年2月に開催される全国高等学校スキー大会については、成功に向けて万全を期してまいるとともに、平成10年の国民体育大会冬季大会についても所要の準備を進めてまいる。また、平成11年度全国高等学校総合体育大会については、推進体制の充実を図るとともに、県民の参加意識の醸成に努めるなど、開催準備を本格的に推進してまいる。
 第5は、文化の振興についてである。
 心豊かで、潤いのある生活を築くためには、青少年から高齢者まで県民が生涯にわたって文化に親しみ創造することのできる環境を整備していくことが重要である。
 まず、芸術文化活動については、県民の手による文化活動の推進を図るため、岩手芸術祭を開催するとともに、すぐれた舞台芸術の公演などを通じて、多くの県民に芸術鑑賞の機会を提供するほか、青少年の創造性豊かな芸術文化活動を支援するとともに、高等学校の文化部活動の一層の活発化を図るため、部活動施設の整備に努めてまいる。
 次に、文化財については、保護のための調査や指定、史跡の公有化の促進などに努めるとともに、志波城跡の復元整備の促進や文化財の公開等により、県民に広く歴史、文化に親しむ機会を提供するなど、その積極的な活用を図ってまいる。考古学研究機関については、引き続き整備に向けた調査を実施してまいる。
 また、国の史跡として答申された柳之御所遺跡の活用については、史跡公園としての整備に向けて基本計画を策定してまいる。
 さらに、美術館の整備については、推進体制の充実を図るとともに、実施設計や造成工事等に着手するなど、本県の美術文化振興の拠点施設として、整備の具体化を図ってまいる。
 以上、平成8年度の施策の基本的な方向について所信の一端を述べた次第であるが、申し上げるまでもなく、教育は、県民の積極的な参画を得ながら、県、市町村、団体等の関係者が一体となって推進してこそ、初めてその成果が期待できるものである。教育委員会としては、その責務の重大さに思いをいたし、県民各位の深い御理解と御協力のもとに、本県教育の振興のため、全力を傾注してまいる所存である。
 なお、予算の内容については教育長から御説明申し上げるので、よろしくお願いする。

〇那須川委員長 次に、教育長から教育委員会関係の説明を求める。

〇橋田教育長 それでは、平成8年度岩手県一般会計予算のうち、教育委員会関係予算について御説明申し上げる。お手元の議案その1の議案第1号であるが、8ページをお開き願う。
 10款教育費のうち教育委員会所管に係る予算は、1項教育総務費から7項保健体育費までの1、745億1、977万4、000円で、前年度当初予算に比較して76億4、802万円、率にして4・6%の増、同じく6月現計予算に比較して18億2、645万2、000円、率にして1・1%の増となっておる。
 9ページの11款災害復旧費3項教育施設災害復旧費は3、000万円である。
 一般会計予算の総額に対し、教育委員会関係予算の占める割合は21・6%となっておる。
 なお、詳細については、便宜、予算に関する説明書で御説明申し上げる。予算に関する説明書の237ページをお開き願う。金額は省略させていただいて、主な事項を中心に御説明申し上げるので、御了承お願い申し上げる。
 10款教育費1項教育総務費1目教育委員会費は、教育委員会の運営に要する経費である。2目事務局費は、事務局の運営に要する経費及び県立高等学校等に配置する外国人講師招致に要する経費などである。238ページをお開き願う。3目教職員人事費は、教職員の退職手当及び教職員互助会への補助金などである。4目教育指導費は、英語教員の海外派遣研修等教職員の研修に要する経費、初任者研修の実施に要する経費、239ページに参って、スクールカウンセラー活用調査等児童生徒の健全育成に要する経費、高校生の国際交流に要する経費、専門高等学校課題研究の推進など、高等学校の活性化推進に要する経費、生徒の学習意欲を高め、技術、技能の向上を図る産業教育フェアの開催に要する経費のほか、マルチメディア活用の推進に要する経費などである。なお、初任者研修に要する経費は、小学校費、中学校費、高等学校費、盲聾学校費及び養護学校費の中にもそれぞれの指導教員の人件費を計上しておる。5目教育センター費は、教育研究に要する経費、小学校、中学校、高等学校、盲聾学校及び養護学校教職員の現職研修などに要する経費のほか、総合教育センターの管理運営に要する経費である。240ページをお開き願う。6目恩給及び退職年金費は、恩給及び扶助料などである。
 241ページの2項小学校費1目教職員費、242ページの3項中学校費1目教職員費は、小学校、中学校教職員の人件費及び旅費などである。
 243ページに参って、4項高等学校費1目高等学校総務費は、高等学校教職員の人件費及び旅費のほか、教職員住宅の整備に要する経費などである。2目全日制高等学校管理費、244ページの3目定時制高等学校管理費は、それぞれ学校などの管理運営に要する経費である。4目教育振興費は、産業教育設備の整備に要する経費、245ページに参って、部活動設備の整備及び情報処理教育を推進するための設備整備費のほか、職業教育に係る実験実習に要する経費などである。5目学校建設費は、県立高等学校の建物など、施設の整備に要する経費である。校舎建設は盛岡農業高校ほか2校、産業教育施設建設は大船渡工業高校ほか3校、部活動施設整備は釜石工業高校ほか10校、校地整備は盛岡第一高校ほか6校、教育環境の向上を図るための校舎大規模改造は雫石高校ほか17校、水泳プール建設は太陽熱利活用プールの上屋整備などを葛巻高校ほか3校、セミナーハウス建設は東和高校ほか3校のそれぞれの整備に要する経費のほか、校舎、教職員住宅などの維持管理に要する経費などである。246ページをお開き願う。6目通信教育費は、通信教育の運営に要する経費である。
 247ページに参って、5項特殊学校費1目盲聾学校費は、盲学校及び聾学校の管理運営に要する経費のほか、施設の整備に要する経費などである。248ページをお開き願う。2目養護学校費は、養護学校の管理運営に要する経費のほか、盛岡地区精神薄弱養護学校高等部及びみたけ養護学校奥中山校の校舎建設に要する経費などである。
 249ページに参って、6項社会教育費1目社会教育総務費は、ふれあい家族の推進に要する経費、長寿学園の開設、生涯学習県民のつどいの開催など、生涯学習の推進に要する経費、市町村に社会教育指導員を設置するための経費、高等学校及び専修学校において開放講座を実施するための経費、青少年の郷土理解と新しいふるさとづくりの意欲を培うためのふるさと発見銀河鉄道の実施に要する経費、サークル活動などを行う地域少年わんぱく広場開設に要する経費、生涯学習推進の中核施設として整備した生涯学習推進センターの管理運営に要する経費のほか、県内3カ所にある青少年の家の管理運営及び施設整備に要する経費などである。2目視聴覚教育費は、教育メディアの利用促進に要する経費のほか、視聴覚教育の指導者養成などに要する経費などである。250ページをお開き願う。3目文化財保護費は、指定文化財の保存修理に対する助成など、文化財保護の推進に要する経費、柳之御所遺跡の整備調査に要する経費、考古学研究機関整備の調査に要する経費、特別天然記念物カモシカの食害防止などに対する助成に要する経費、民俗芸能及び天然記念物の調査など、文化財指定の調査推進に要する経費のほか、文化財についてのシンポジウムなどの経費に要する経費などである。4目芸術文化振興費は、全国高等学校総合文化祭への参加、こども芸術劇場、青少年劇場の開催など、芸術文化の振興に要する経費、251ページに参って、文化活動を通じた国際交流に要する経費、地域芸術文化の育成と振興に要する経費、文化振興の拠点施設として整備する県立美術館の整備に要する経費、宮沢賢治の生誕100年記念展の開催に要する経費、全日本文化集会岩手県大会開催に要する経費に対する補助のほか、県民会館の管理運営及び施設整備に要する経費などである。5目図書館費は、県立図書館の管理運営に要する経費である。252ページをお開き願う。6目博物館費は、県立博物館の管理運営及び施設整備に要する経費である。
 253ページに参って、7項保健体育費1目保健体育総務費は、教職員、児童生徒の保健管理、学校歯科保健の推進、エイズ、性教育の推進に要する経費のほか、岩手県学校給食会に対する貸付金などである。2目体育振興費については、次の254ページに参って、生涯スポーツの推進に要する経費、全国スポーツ・レクリエーション祭の参加に要する経費、学校スポーツ活動の推進に要する経費、各種体育大会の開催、派遣に要する経費、岩手県体育協会等の体育団体に対する助成、指導者養成認定事業や選手強化事業など、競技力の向上対策に要する経費、平成10年に本県で開催される国民体育大会冬季大会及び平成11年度に開催される全国高等学校総合体育大会に向けての準備、選手強化に要する経費及び会場地が行う施設整備に要する経費に対する補助のほか、全国高等学校スキー大会及び世界少年野球大会の開催に要する経費などである。3目体育施設費は、県営体育館の暖房設備などの改修、県営運動公園の電気設備の改修など、施設整備に要する経費のほか、スポーツ研修センター、仮称であるけれども、これの整備調査に要する経費などである。
 次に、恐れ入るが、少し飛んで265ページをお開き願う。11款災害復旧費3項教育施設災害復旧費1目学校施設災害復旧費は、県立学校に災害が生じた場合の復旧に要する経費である。
 次に、債務負担行為について御説明申し上げる。大変恐縮であるが、議案その1に戻って、15ページをお開き願う。第2表債務負担行為の65、校舎建設事業は、遠野高等学校の校舎整備について6億4、500万円を限度に債務を負担しようとするものである。同じく66、産業教育施設建設事業は、盛岡工業高等学校の産業教育施設整備について2億7、300万円を限度に債務を負担しようとするものである。同じく67、養護学校建設事業は、盛岡地区精神薄弱養護学校高等部の校舎整備について9億700万円を限度に債務を負担しようとするものである。同じく68、県営体育施設整備事業は、県営スケート場の機器整備について8億円を限度に債務を負担しようとするものである。
 以上で説明を終わらせていただく。よろしく御審議を賜るようお願い申し上げる。

〇那須川委員長 ただいまの説明に対し、質疑ないか。

〇佐々木(一)委員 1点お伺いしたいと思う。
 考古学研究機関整備調査事業に絡んで御質問をさせていただく。
 県立平泉文化研究所の概要が大体固まったとお聞きしているが、その概要についてお知らせいただければと思うし、それから、今後のタイムスケジュール、どういうふうな時間的な経過で進めていかれるか。また、奈良県の橿原研究所をモデルにされるということであるが、当県としては具体的にどういうような体制をお考えか。また、来年度の予算が平成7年よりも減額予算であるが、この理由についてお伺いしたいと思う。

〇橋田教育長 考古学研究機関の整備についてであるが、これの取り組みについては、昨年7月にそれぞれの専門家、有識者による検討会議を設置して、その基本構想案について御審議を賜って、答申という形で既にいただいておる。この間、この構想の中で、名称については岩手県立平泉文化研究所とすることがいいのではないかという御提言を賜っておる。これを受けて、本年度に入ってから3回ほど引き続き有識者の方に、今度は構想を受けて基本計画をつくっていく上で必要な具体的な御検討を賜って、今年度の7月をもって3回やったわけであるけれども、具体的に御提言をちょうだいしている。
 この内容については、一番中心になる調査研究事業としては、基本は学際的、国際的な研究を念頭に置くわけであるけれども、領域的には、考古学、歴史学、それから保存科学というか、そういう3つの研究分野を確立することがいいだろうと。こういうものを中心にして、まだはっきりしていない、解明されない分野が大きい平泉文化というものについて、単に岩手県内のみならず、研究に関係するものを全国的あるいは国際的に調査していくような考え方でやるのがいいのではないか。それから、その成果について、やはり県民の皆さんや国民の皆さん、あるいは国際的にもその研究の成果が発表できる、あるいは展示をしながら、そういう機能もやっていくべきではないかという御提言をちょうだいしておる。もう1つであるけれども、整備について、これから所要の期間がかかるわけであるけれども、その間、中断するような形ではなくて、講演会とかシンポジウムとか、そういうものを開催しながら機運の醸成あるいは必要性あるいはその成果、そういうものを情報として発信すべきではないかという御提言をいただいた。
 県教育委員会としては、これらの有識者による検討会議の協議内容の詰めを来年度に向けて行い、建設予定地の絞り込みも必要である。さらには、御指摘のあった整備のためのスケジュールの確定の具体的な見通しを立てる作業を平成8年度にしてまいりたい。県教育委員会としては、できるだけ早期に県としての整備基本計画を取りまとめたい、それが来年度の仕事というふうに考えておる。

〇佐々木(一)委員 2点ほど御答弁がなかったわけであるが、私もちょっと勉強不足であるが、奈良県立の橿原研究所をモデルにされるということであるが、実際当県としては、そのモデルとしてどういう体制をお考えか。それから、100万円ほどであったが、今年度事業費が減っておるという点について再度お伺いしたいと思う。

〇橋田教育長 ただいま説明させていただいたように、有識者の中に橿原考古の所長さんにも入っていただいておる。それから、委員の皆さんで御視察、その他もある。それから、国立歴博の先生とか、そういう皆さんも入っておって、モデルというか、1つの参考の施設としていただいておって、これをもとにして考えていきたいということである。
 2点目の予算については、内部でする作業が中心になるので、予算的には減額という形になっていると思う。

〇大久保委員 ことし8月本県で開催される第7回世界少年野球大会・いわて盛岡大会についてお伺いする。
 健全な青少年の育成と健康で活力に満ちた県民生活を築く上で、スポーツの振興は重要な課題であると私自身もとらえておる。野球は、今度、釜石南高校が品格、品位を重んじる春の選抜高校野球大会に久しぶりに当県から出場するということで、頑張ってほしいなという気持ちである。そのほかに夏の甲子園大会はもちろん、従来からスポーツ少年団における活動、早起き野球、50歳野球大会と、子供から中高年齢者に至るまで幅広く親しまれているスポーツの1つとして認識をしておる次第である。
 そこで、本県で開催されるこの世界少年野球大会は、私が今まで、そしてまだかかわっておる少年野球の振興という意味からも非常に意義あるイベントであると考えておる。この大会を盛岡に誘致したということは本当に教育長の絶大なる力だということで敬意を表している次第である。そこで、本大会の概要と現時点での取り組みについてお伺いする。

〇長澤保健体育課長 第7回世界少年野球大会・いわて盛岡大会についてお答えする。
 本大会は、世界のホームランキングである王貞治選手と、アメリカのハンク・アーロン両選手が提唱して、正しい野球を世界に普及させていこうということから、世界の子供たちに友情と信頼の輪を広げようとの趣旨で企画されて、1990年から日本、アメリカで開催されておる。本県での開催は東北、北海道では初めてということになる。
 本大会は、財団法人の世界少年野球推進財団が主催するもので、現時点で明らかになっている大会概要については、今年の8月5日から14日までの10日間、世界26の国と地域から10歳から11歳の少年少女215名、うち県内からは30名を選んでということになるけれども、県営野球場及び県営運動公園を中心に野球教室を行い、最終日には日米のプロ野球の往年のスタープレーヤーたち50名が集ってオールスターゲームを開催するということになっておる。また、子供たちの宿舎は国立岩手山青年の家ということで取り進めておるが、地元の子供たちとの交流事業も予定をしているところである。大会の推進に当たっては、岩手県及び盛岡市が共催となって、従来の大会から協力を得ている協賛団体等で実行委員会を今月の4日に設立して所要の準備を始めたところである。また、これらの団体のほか、この大会を支援していただくために県内の諸団体の協力を得て、その団体から成る構成で組織委員会を間もなく設立させて本格的に取り組んでいきたいと考えているところである。

〇大久保委員 そうすると、この大会は少年野球大会というあれがあるけれども、試合はしないで野球教室ということになるのであろうか。

〇橋田教育長 やはり大会の趣旨がそういうことになっておるので、委員御指摘のような形になるということになる。
 と同時に、現在、少年野球について指導に当たっておられる皆さんの御協力もまた運営上、クリニックを中心にして教室を開いていく場合、協力を求められておるので、今後、組織委員会を開いた後に具体的に県内の指導者の皆さんに御要請を申し上げていくと、このような形になるものである。

〇大久保委員 もう1点だけ。
 岩手県から30名参加する子供がいるということであったけれども、その30名の選抜方法というか、選考方法はどのようになっておるのか。

〇長澤保健体育課長 先ほどもお答えしたが、実行委員会あるいは組織委員会を今後設立させていくということであるのでまだ詳しくは決めてないところであるけれども、スポーツ少年団などを中心として選考を進めてまいるのかなというふうな考えでおる。

〇大久保委員 最後に要望であるけれども、スポーツの世界であるから、県南と県北の格差のないように、ひとつよろしく選考をお願いしたいと思う。

〇菊池(雄)委員 簡単に1つだけ、環境保健部で質問しようと思ったが、3県総の基本計画では環境保全の体制整備のため教育を充実すると、こういうことになっておるが、これは学校教育や社会教育の現場ではどのように展開されているのか。

〇五十嵐指導課長 環境教育についてのお尋ねであるけれども、御承知のように世界的な規模で環境教育の問題が叫ばれておるということで、学校教育においても環境教育を推進するということで、環境教育推進校の指定とか、または環境教育実践発表会とか、そういったことを行いながら環境教育に対して取り組んでいるところである。
 さらに、本県においては、森林愛護少年団とか、そういう活動が非常に全国的に見ても活発である。そういったものを通しながら、今後ともよりよい環境教育を目指していきたいと考えておる。

〇菊池(雄)委員 教育現場、これは小中学校であるけれども、県から環境教育に対する教育指針が示されて、校務分掌で担当者も設置をし、環境教育はやっておるということであるけれども、学校間の格差もあるようである。また、具体の対応については、例えばリサイクルとか酸性雨の問題は理科の教科でできるけれども、今、お話あった地球的規模の環境汚染の問題とか、公害問題全般になると、どの教科で対応するのか、こういう問題もあるようである。それから、県立高等学校はどういうふうに対応しておるのか。それから県教委は、この基本計画はそもそもは環境保健部の環境保全という項目の中にあるわけであるから環境保健部の仕事であるけれども、環境保健部とどのような連携調整をこの問題について行っておるのか、このことについてお尋ねする。

〇橋田教育長 基本的な取り組みについては私から説明させていただくし、具体的なことについては指導課長から答弁をさせるので御了承願う。
 6年度の実際の展開例であるけれども、県で実施をしておる統計コンクールにおいて、東磐井郡のある小学校であるけれども、大変優秀な成績で表彰をいただいた。この学校においては、小学校の中学年から高学年にかけて、地域から出るごみについての継続的な増減についてきっちり調査をしてきた成果であるが、これを具体的に学校教育の中で、ではこのごみがどういうところに今度は集められてどこへ持っていかれるのかということで、処理場の方に子供たちが計画を立てて見学に行って学習をするということになった。これに父兄の皆さんも、大変大切なことなのでということで、一緒に行って我々も勉強しようという形になって、この全取り組みの経過を岩手県社会科研究会という場でその実践報告という形で報告がなされて、大変県内で大きな反響を呼んだという事実がある。かつまた、学校全体が持っている領域の中で、教科のみならず、秋の学習発表会の際に全取り組みについて学校劇という形でそれを発表するということで、非常に学校教育の全領域で関係する部分を網羅しながら、1年間、実際は準備から初めて2年間であるけれども、かなり緻密な計画と、今の学校が求めている興味、関心、そういうものを具体的に実践をしたという形のものがある。私ども県教育委員会としては、1つの先進的な例ということで、その取り組みについて普及を図っていると、こういうことである。
 その他については指導課長から答弁させるのでよろしくお願いする。

〇五十嵐指導課長 環境教育についての取り組みということで、環境教育の担当者を分掌に位置づけているという学校は、小学校では96・8%の学校、それから中学校では98・6%となっておる。さらに、各学校では、環境教育についての指導計画等を作成をしながら進めているということである。環境教育の推進校としては、県としては14校を指定をして行っておる。
 それから、本県の代表が全国の環境教育フェア等で発表して大変好評を得たとか、そういったことも多くある。
 なお、具体的な学校での取り組みでは、各教科はもちろんなわけであるけれども、道徳、特別活動の分野においてそれぞれ環境教育を行っているということである。教科では、特にも小学校では生活科、さらに小中学校では社会科、理科、技術家庭、それから、道徳教育の中でも自然環境を大切にしようというような、そういうことで取り組んでおる。さらに、特別活動においては、学級活動、児童生徒会のそういった活動、クラブ活動、学校行事等において水質の調査とか学校施設、学校周辺等の清掃活動、廃品回収、勤労生産活動とか林間学校、そういったことを通しながら環境教育を進めているということである。

〇菊池(雄)委員 何の問題でもそうであるけれども、特に環境問題になると住民運動とか教育というのは非常に重要な役割を果たすわけであるので、今後、この問題についてはいろいろと一層の努力をしていただきたいと、そういうことを申し上げて質問を終わる。

〇村田委員 5項目ほど伺いたいと思う。
 まず、教育長に伺いたいが、市町村教委の場合の教育長の任免、常勤特別職である教育委員であると同時に一般行政職という立場も持っている教育長ということであるが、県の認証事項であるということで、内申をしなければならないということのルールがあるようであるが、これは県教委の人事の管理の問題、監督の問題ということで置かれている制度であると思うけれども、この御見解をいただきたい。

〇橋田教育長 ただいまの教育長の承認制度については、特に市町村と県との関係であるけれども、地方教育行政の組織及び運営に関する法律で法律事項となっておるので、適正な手続で進められなければならない、こういうふうな仕組みでずっとやってきておるけれども、現在、私ども都道府県の教育長で構成する教育長部会があって、そこで各部会を設けて検討しているわけであるけれども、地方分権の流れの中で、特に都道府県の教育長について、任命前提として文部大臣の承認という仕組みもあるので、その是非について種々検討しておる。私としては、そういう組織がいろいろ審議した方向づけを今後考えていく必要があるかなと考えておる。このことで本県において、市町村との関係で県が承認する案件についていろいろ御指導申し上げたという経緯はこれまでない。

〇村田委員 御検討願いたい事項であるが、確かに地方分権という流れからいって、市町村の置かれた独自な教育行政の立場ということを尊重するという立場からいえばちょっと時代錯誤的な1つの制度ではないのかなということで、文部省と県教委との関係等についても議論もあるやに聞いておるわけであるが、確かにその問題についてはメリット、デメリット、デメリットということはないかもしれないが、往々にして市町村の独自の教育体制に対する容喙というか、そういうことのおそれもなきにしもあらずと考えられるので、御検討いただきたいと思うのである。
 それからもう1つは、交付税についてであるが、一般財源としての交付税を算定する場合には算定の基礎的な数値があるわけである。その場合に、算定された1つの教育費全体の、現在1、882億円の教育費全体の事業費、そのうちの教育負担金あるいは教育補助金というふうな財源、ひもつきの財源ということもあろうが、一般財源としての交付税算定ということは、丸々算入された教育費に充当せられるべき財源だということが一応あるわけであろうが、それが実際の1、882億円というものの中身、これは超過して一般財源を、県民の財源をプラスして計上されておるものであるか、それともその分は交付税では見てくれたものの、道路財源とかそっちの方に移っているのではないかというふうに解釈せられるものであるのか、その辺のところは教育長はどのように考えておられるか。

〇小田島財務課長 地方交付税の算定は通常8月ごろで、平成8年度についてはお答えいたしかねるが、平成7年度における教育費の基準財政需要額は、推計でおよそ1、057億円。また、当該年度の教育費の一般財源は1、188億円と承知しておる。基準財政需要額の教育費と県予算上の教育費の範囲は必ずしも一致しないので一概には言えないが、交付税算入額を超える一般財源が措置されているものと理解しておる。

〇村田委員 大変積極的な予算の取り組みであるということで認識をした次第である。
 それから、文化施設等の施設が大変市町村段階で、矢巾、田園ホール、水沢、Zホール、都南、キャラホール、玉山村の姫神ホール、さらに久慈市においても大変ユニークな施設が間もなく誕生、いろいろと取り組んでおられるし、文化の分散というか、遍満、そういう意味からいうと大変好ましいことであるが、しかし、心配されることは、市町村単位での芸術活動、文化活動ということになると利用度がどうも限定されてくるのではないだろうか。そういう意味からいって、文化振興事業団等の横の連絡等によって施設の運営がもっと充実されるような誘導が必要ではないか、その御見解を承りたい。
 さらに、運営の経費が人件費、光熱水費あるいは保全、保守といういろいろな点で恒常的に大変これからも負担がふえてくると推察されるわけであるけれども、その分が大変市町村財政を圧迫する要因になりかねない。その辺のところは、大変施設そのものは歓迎せられるべきことであるが、内容の充実もそれに並行していかなければならない。その辺の御見解はどのように、指導ということもなかなか難しいことであろうけれども。
 それからもう1つは、関連して、文教施設として文部省の補助あるいは起債ということの枠でやられたところもあるであろうが、農水省サイドだとか、通産省サイドだとか、各種事業と複合してつくられるというケースもなきにしもあらずと、こう思うわけであるが、その場合の運営の窓口というものがばらばらでは困るんではないだろうか。やはり文教施設として位置づけるのであれば教育委員会を窓口として運営するとか、市町村によっては、農林サイドの方でこれはやった事業であるから農林行政の方で担当しているというところもあるが、その辺はまだ過渡的な現象なのかなという感じもするが、その辺の御見解があれば承りたい。

〇橋田教育長 後段の部分の、他の文化施設にも活用できる施設、産業振興上必要ということで整備されたものが各種ある。リンクを使ったり、さまざまなものがあるわけである。そのほかに福祉施設的なものであるけれども、地区センターと申すか、そういうものもあって、お説のようにそこで行われる各種の事業、これ生涯学習推進という観点に立つと、やはり教育委員会としてもお手伝いできる部分、あるいは御相談できる部分という切り口ができるので、そういう観点に立って今後やはりその連絡調整と申すか、そういうことに努めていく必要があると教育委員会としては考えておる。
 その他について文化課長から説明させるので、御了承願う。

〇廣田文化課長 御指摘のとおり、近年、各市町村において文化会館といった施設の建設整備が非常に盛んに行われているわけである。現在24館ということで私ども把握しておるけれども、大きな地域における芸術文化活動の向上に寄与していると理解しておる。御指摘のとおり、横の連絡というようなことは非常に重要なのではないかということであるけれども、そのとおりである。こうしたこの公立文化施設の機能を十分に発揮するため、文字どおり相互の連絡調整、情報交換、それから研究、研修といったようなことを行って地方文化の向上に寄与する。こういったことを目的として、岩手県内公立文化施設連絡協議会というものが設けられておる。その協議会の運営であるけれども、文化振興事業団の県民会館が事務局としてその役割を担っておって、例えば自主文化事業の共同実施であるとか、あるいは業務管理等さまざまなことに関する調査研究などの活動を行っているところである。私ども県教育委員会としても、従来より毎年6市町村で舞台公演を行う県民芸術鑑賞事業、そういったものを実施してまいった。それから、平成6年度から新たに海外の芸術文化団体を招いて、県内4市町村で地元の文化団体と共同で公演するというような、地域文化国際交流事業といったようなものも開始して、そうしたソフト面の充実にも努めてきているところである。
 それから、何と申してもこういった文化会館の運営という点では、その運営に当たる職員の資質向上、これが非常に重要なわけであって、そこで御指摘のように運営に当たる人というか、県のいろいろな機会を通じて研修ということが必要になってくるわけであるけれども、ことし1月、初めて岩手県アートマネジメント講座というものを開催して、各市町村の文化担当職員であるとか、あるいは文化施設の職員の方々とか、合計で82名の参加をいただいたけれども、そういった講座を開催して中央から著名な方を講師にお招きして開催したが、非常に好評であった。私どもとしては今後とも、こうした県内の文化施設、その連携をより図っていくとともに、各地域で実施される文化事業のソフト面を充実発展させるということからも、積極的に取り組んでまいりたいと考えておる。

〇村田委員 施設も第1級を目指すと、そしてその中身の魂を入れるという意味においては第1級の運営であると、こういうようなことを目指していただいて、よろしく御指導賜りたいと思う。

〇久保田委員 10款4項5目の学校建築費に関して3点についてお伺いをする。その後10款5項2目の養護学校の関係、その他1項目についての御質問である。
 まず最初に、学校建築についてであるが、さきの決算委員会で私は取り上げさせていただいた内容に関連するのであるが、学校建築に当たっては地域の学校の個性や特徴を引き出した学校建築のあり方について提言をさせていただいたのである。その後、遠野高校の学校建築に当たって地域の要望の実現について、私は佐藤一男議員と一緒に要望してきた経過があるのであるが、この地域の要望について今般の学校建築に当たってどのような取り入れ方をされておるか、そのことについて伺う。
 第2点は、予算計上されておるが、下水道施設整備の関係についてである。各学校において下水道の布設がされることが緊急を要するものと理解するのであるが、今後、整備しなければならない対象になる学校はどの程度あるであろうか。これは小中学校含めてその整備計画を示していただきたいと思う。
 第3点は、太陽熱利用の活用によるプール上屋の整備の計画についてであるが、これは、県内小中学校の普及についてどのような指導をなさる考えになっておるであろうか。国の補助はどういう状況にあるか。この太陽熱利用によってプールの使用期間の延長があるなど、多様な効果が期待できるのであるが、今後どういう計画を持って計画が進められていくものであるか。
 まず、以上3点についてお伺いする。

〇橋田教育長 私からは学校改築についての地域要望ということでお答えさせていただく。あと下水道整備の問題、それから太陽熱の問題については財務課長から答弁させるので、御了承願う。
 地域の要望ということであるが、これまでも学校建築の場合、特に県立の場合、十分地域の皆さんと御協議申し上げてやるということであった。ただ、いろんな長い間の取り組みでやはりある種の規格的な校舎建築というものが、財政的な理由とかそういう制約もないわけではなかったということであるけれども、そういう面で一般的に基準面積とか単価について、かなり緩和されてきているという状況もこれあるので、工夫しながら可能な限り地元の皆さんの御要望もお聞きして進めていきたいと、特に最近は景観の問題について大変関心も強い状況であるので、そういうものも念頭に入れながら取り組んでまいりたいと、このように考えておる。

〇小田島財務課長 県立学校の下水道整備であるが、下水道整備は市町村の公共下水道整備計画による排水設備の切りかえ、あるいは単独式浄化槽から合併式浄化槽への切りかえを行っているところである。県立学校102校のうち平成7年度現在、公共下水道が20校、合併式浄化槽が70校、単独式浄化槽が10校、くみ取り処理が1校である。現時点での整備対象校として考えているのは、公共下水道への切りかえの予定が9校、合併式浄化槽への切りかえの予定が6校、計15校という状況である。平成8年度は合併式浄化槽への切りかえが4校を予定しており、9年度以降についても計画的に整備を進めてまいりたいと考えておる。
 それから、県立学校の太陽熱利活用プール上屋整備計画であるが、本県は寒冷地に位置するため、高等学校の水泳プールの通常使用期間は2カ月半程度というようなことで、これを4カ月程度まで使用期間を延長し、天候に左右されない安定したプールの利用を確保しようとするものである。平成8年度は4校設置予定であるが、平成9年度以降も試験、実証を行いながらさらに改良を加え、その結果を踏まえて今後の整備について検討してまいりたいと考えておる。

〇長澤保健体育課長 小中学校のプールの上屋についてであるが、公立学校の水泳プールの設置状況については、平成7年度の3月末現在で見ていくと、小学校390校、中学校117校になっておる。そのうち上屋を整備しているのは、小学校が5校、中学校が7校ということでまだまだ整備がなされていないという状況になっておるので、今後とも屋内プールの利用期間の延長等、効率的な促進を図っていくためには、上屋つきのプールあるいは屋内プールの整備について、国庫補助金等の補助制度を活用して整備、充実に努めてまいらなければならないと考えておる。

〇久保田委員 地域の要望におこたえをして進めていくとの考えを示されておるわけであるが、具体的な遠野高校について言えばどういう配慮がなされておるか、この機会に差しさわりなければお答えをいただきたいのである。
 決算委員会の際にも申し上げたのであるが、現在の学校の整備の中で、生徒がけがなどをした場合のトイレの状況について申し上げておるわけであるが、速やかな改善をすべきという声を私は大分聞いている。そういうことからぜひ緊急的に措置しなければならないと思うのであるが、この際、お考えを改めてお伺いをしたいと思う。
 次に、養護学校の学校建築についてであるが、特に寄宿舎の設置されておることについて申し上げたいのである。私の知るところによると、学校によってそれぞれの違いがあると思うが、例えば寄宿舎の整備は必ずしも充実しているということではないわけであって、簡単なことを言えば乾燥室が極めて狭いとか、おふろの配管が非常に細いためにおふろがお湯がなかなか出にくいとか、いろいろの問題を残しているケースが多いわけである。寄宿舎の部屋の中にある子供たちの机が和室用なために、ふだん利用しておるいすによっての勉強ができないというような状況などもあるやに聞いておるわけである。いずれにしても養護学校の建築は特殊な状況の中で配慮しなければいけないことたくさんあるわけであって、一般学校の建築とは異なった配慮が十分なされる必要があると思うのであって、そういう意味でこのたびの養護学校建築に当たっての設計については、十分現場の先生方のあるいは関係者の方々の御意見を聞いてきちっとした体制で臨まれることを私は申し上げたいわけである。このことについての所見をお伺いをする。
 最後の質問になると思うが、学校開放の事業に関係することであるが、県内各小中学校などには今グラウンドに野外照明施設が設置されておるわけである。この照明設備についての各市町村からの要望はどの程度の件数になっておるのであろうか。そして、その充足率というか、設置されておる状況はどうであるのかについてお伺いをしたいわけである。 なお、照明施設をせっかくつくったとしても、その後の利用がどうかということが問われるわけであって、この際、その利用状況がどうであるかについてもお答えいただきたいと思う。
 あわせて伺うのであるが、照明施設があることによって地域の皆さんが夜利用するわけである。当然のことであるがトイレの施設が併設されなければいけないのであるが、それが備わっていないケースが多いのである。このことについても見解を伺っておきたいと思う。

〇小田島財務課長 まず最初に、遠野高校の件であるが、学校要望等を踏まえて民話の里にふさわしい景観づくりにも配慮し、同校校歌にもうたわれているかわらを使用した屋根、あるいは和風の町並みに溶け込むよう形状、配色等に配慮してまいりたいと考えておる。
 それから、第2点目のトイレの改善であるが、これは便座の洋式化ということだと思うが、平成8年度は32校ほど予定しておって、今後も計画的に整備してまいりたいと考えておる。
 それから、第3点目の養護学校の寄宿舎であるが、委員御指摘のとおり、学校要望等を踏まえながら可能な限りその要望に沿うように配慮してまいりたいと考えておる。

〇長澤保健体育課長 小中学校の校庭の地域住民への開放に当たっての条件整備についてであるけれども、まず市町村の希望が大体年間で5件から8件ほど、特に夜間照明の設置については御要望があって、これ国庫の導入が今のところほとんどそれぞれ希望したところには導入されているという状況である。公立の小中学校ということになろうかと思うけれども、夜間照明施設の整備については、小学校では校庭開放校は390校余りになっておる。そのうち52校に夜間照明が整備されておる。13・3%という状況である。それから、中学校では校庭開放校が166校のうち64校に整備されておって、これは38・6%になっておる。それから、高等学校においては開放指定校ということで13校を指定しておるので、これには全部夜間照明は整備しておる。
 次に、地域住民の活用状況についてであるけれども、小中学校数が809校になるわけであるが、そのうち581校が体育施設の開放を行っている状況である。これは大体72%程度ということになる。このうち校庭については569校開放されているところである。70・3%ということである。
 それから、平成6年度における学校開放施設の利用者は延べ224万3、000人ほどになっておる。微増の利用傾向というところでとらえているところである。
 それから次に、校庭のトイレについては、公立の小中学校開放校のうち、小中学校が48校、高校が13校ということで61校のクラブハウスに整備されている状況である。
 今後はさらに学校体育施設の開放を促進するということから、市町村に対して国庫補助金の活用による施設整備等の推進を指導してまいりたいと思っておるし、県立学校の開放については引き続き指定校13校の開放の充実を図っていくほか、指定校以外の学校においても部活動との調整を図りながら、学校の実情に即した開放を行ってまいりたいと考えておる。

〇佐藤(一)委員 2つほどお伺いしたいと思う。
 まず、第1点目であるが、学校建設に当たってただいま久保田晴弘委員よりも御発言あったが、今回の予算において遠野高校が新築されると、このようなことで6億4、500万円の予算が計上されておる。先ほど教育長なり小田島課長より御答弁をちょうだいした。一番心配しておったのは、中学校までは義務教育であるが高校教育は義務教育でない。したがって、これから新築される高校にあっては、全く同じスタイルと申そうか、コンクリートの同じような学校じゃなくして、その地域の景観なり、あるいはまた、地域事情をお含みの上その地域に合った学校をつくっていただきたいと、このようなことで久保田晴弘委員にいろいろ御相談申し上げたところ、久保田晴弘委員のいろいろな御指導によって、今、御答弁いただいた遠野高校はかわらを上げていただくと、このようなことであって、このお話を聞くと遠野市民の人たちは大変感激するだろうと、このように思って大変力強く思った。今日の生徒数の減少に伴うところにおいて、どうしても子供さんたちは格好のいい学校に入りたいと、このような考えが随分あるわけであって、先ほど申し上げたように1つの今までの学校じゃなく地域に合った学校だということであるから、何と申しても高校教育は教育の、学校の校舎はその教育のシンボルであるから、大変画期的なことであると、このように思っておる。
 なお、もう1つ今後お考えいただきたいのは、鉄筋コンクリートでなくして、岩手県の木材を、地場産業であるこの木材を、特に今日においては技術も向上されておって集成材工場なども岩手県内につくられると、このような見通しもあるわけであるから、その木材の岩手県の地場木材で今後の学校の新築などもお考えを賜ればと、このようなことをお聞き申し上げる。要するに今後その木材で高校校舎を建てられるお考えがあるかということをお伺いする。

〇小田島財務課長 高等学校の場合はほぼ3階、4階というような建物になる。そういうことで建築基準法上の制限もあるので、木材については内装等に活用させていただくという考え方でおる。

〇佐藤(一)委員 本年も4校ほど新築、改築される学校があるやに伺ったが、私どもも県議会議員という立場であるから、その地域の皆さんの声を県政に反映させていただくというその使命と責任があるわけであるから、今後、教育委員会に対していろいろと陳情をお願いをしなきゃならぬ、こういう事態が予想されるわけであるが、その場合はひとつ優しく対応いただくようにお願いを申し上げたい。
 それから、もう1点であるが、校名変更についてお伺いするが、たしか今、県下において農業高校という学校が12校ほどあるやに記憶しているのであるが、これは当然我が岩手県の基幹産業である農業であるし、さらには、農業県岩手と、こういうもので一生懸命に努力しておるのであるから、当然農業の振興を図る上において農業後継者の育成はこれは当然のことであって、今日の農業の振興はその農業後継者の育成の成果であると、このように高く評価しておるのであるが、実際農業高校に入っている生徒さん方が、要するに農業後継者として学んでおられる生徒さんがほんの少数であると、このような実態であるわけであって、要するに校名変更をされる場合に当然農業教育の学科というものはこれは当然のことであるのであるが、要するに農業高校という学校を卒業されてほとんどの方が電気関係とか機械関係の業種に就職されていると、こういうのが実態であるわけであるし、履歴書は生涯ついて回るものであるから、例えば今後、農業高校というものの校名変更があり得るのかと、このようなことをお伺いをする。

〇三田県立学校課長 お尋ねのあった農業高校の校名変更についてであるが、昭和63年4月に千厩農業高等学校を千厩東高等学校にした。また、平成2年4月に遠野農業高等学校を遠野緑峰高等学校に校名を変更したところである。千厩東高等学校については、昭和61年度に学科改編によって工業に関する学科である産業技術科を、また、遠野緑峰高等学校については、平成2年4月に商業に関する学科である情報処理科を設置した。この学科改編により両校とも農業に関する学科のみを設置する学校ではなくなったこと。また、地域、同窓会、PTA等からこれを契機に新しい校風と伝統の確立を目指して校名を変更したいという強い要望もあって、全国的な校名変更の状況をも勘案し校名変更を実施したものである。もとより、学校はその歴史や伝統が同窓生を初め、学校関係者に深く浸透しているところから、校名の変更には慎重であるべきと考えておるが、今後の社会状況にも留意しながら研究してまいりたいと考えておるところである。

〇菊池(勲)委員 さっきの久保田晴弘委員にも関連をするけれども、学校校舎の建築に対して、今、課長の答弁では高等学校の場合は3階か4階の建物だから木造建築は難しい。小中学校ではそういうことはないと聞いておるから、県産材の振興のためにもぜひとも小中学校の校舎の新築に対しては、県産材を使うようにひとつ努力してほしいし、そして森林県岩手の産業開発のために特に教育界の御努力をまずお願いしたいから、教育長からこれ答弁いただきたい。
 今、佐藤一男委員の言葉を聞いてちょっと腹が立ったわけである。私は花巻農業高出身である。一度もこの花巻農業高校出身という履歴書を持って歩いて不利益をこうむったことは1回もないわけであるから、私は校名変更そのものに対しては時代の推移によってと、課長の答弁は適当な答弁であることは承知するけれども、その学校を出たから不利益こうむるという感じのものであれば、全く日本の構造が間違っていると私は言いたいわけである。1億2、000万人の国民は何を食べているか。主食たる米であろう。農産物を食べない国民は1人もいないわけだから、私は全く話はおかしい。それはその時代につれてそのものに対して地域の社会の方々と相談をしながら校名を変更することに対しては異論はないけれども、そいう論法では岩手県の農政は当然先行きは不可能だろう。私は農業を自分でしながら自負をしてこの仕事もしておるわけであるから、申し添えて、教育長の答弁もしあったら聞かせていただきたい。

〇橋田教育長 岩手県の場合に1次産業が本県産業の大宗を占めているわけであって、県教育委員会としても中等教育の高等学校、専門性を持った高等学校の充実整備については大変大きな課題と受けとめておる。それで、今後8年度から21世紀を目指した新しい県立高校のあり方ということで、識者による検討も始めたいと思っている。そういう中でさまざまな御意見をちょうだいしながら、ただいま御指摘のあった農業高校、そのほかに工業、商業、家庭──家政であるけれども、水産といういわゆる職業教育の場があるので、その中でいろいろ県民の皆さんの御意見をいただきながらも、その方向づけをしてまいりたいと存じておる。
 それから、県産材の利活用の問題であるけれども、遠野地区に集成材の、林業水産部の方で基盤整備のために現在、少し時間かかるようであるけれども、その拠点施設をつくるという事業も進んでおる。小中学校における校舎建築については市町村の御判断によるわけであるけれども、そういう動きが大変多くて、岩泉町の場合、例であるけれども、今度あと小本の学校を1つ整備することでほぼ町内の学校の整備は終わるという、計画的にやっているところもあって、実際に見させていただいて大変そういう木材を多面的に活用した整備に今、挑戦しておるので、大変関心が高いことでもあるし、そういう方向にも動いているということの紹介をもって、私どももそういうことを進めていけるような指導をしたいと思っておるので、よろしくお願い申し上げる。

〇菊池(勲)委員 木造建築の場合は鉄骨建築よりは多少単価が高くつくという話になっている。今、市町村の要望によっては県教委が協力すると言っているけれども、今の状態であれば市町村は財政が大変厳しいわけであるから、確かにいいとは言いながらも手をかけるときに予算的な措置ができない場合は、どうしたって今までの方式でコンクリート図面にしなきゃならないというのが私は実態と見ているわけである。私ども北上でも校舎をつくらきゃないのがいっぱいあって、今、盛んに協議してもらっておるけれども、そのうちに県教委と相談しなきゃない時期は近々来ると思って見ている。であるから、森林県岩手であって私ども北上は奥羽山系のふもとであるけれども、そういう今言った遠野みたいな木材をつくる施設はないわけであるから、県産材と言えば北上じゃなくて全県の中で処理するために、教育委員会としても今までの補助の方式であれば市町村は絶対手をかけれない。今の財政を見れば。やはりそれを上乗せする努力をしてもらわないといいものはできてこないと思うんであるけれども、教育長どうであるか。

〇橋田教育長 ただいまの御意見について貴重な御意見として承らせていただきたいと思う。

〇那須川委員長 佐藤委員、関連であるか、執行部に聞くのであるか。

〇佐藤(一)委員 関連である。何分とも1年生議員で、予算委員会初めてであるので上がっておって舌足らずの部分があって、今、菊池勲委員の御指摘のとおりであって、まさに私の舌足らずと表現の悪さに心からおわび申し上げて、菊池勲委員の御意見、全くそのとおりであるので、今後言動に十分気をつけて予算委員会に臨むので、お許しを賜りたいと思う。

〇渡辺委員 さっき校名の話があった。私は佐藤一男委員の意見を尊重するわけである。なぜかと言うと、ある年齢に達すると、例えば菊池勲委員も五十ウン歳で私よりちょっと上だろうと思うが、その時代にはそれが主体であって、学校を卒業してそういう中で生活をして、それが本当にその時代に合った教育だろうと思うが、今の時代になると本当にお医者さんよりも少ないという時代に入って、農業高校という名前を背負って現在生きているのは我々40、50の方じゃなくて、16に入って18に出ていく人がその履歴を持って世の中に出ていくわけであるから、確かに合意の点では御答弁にあったとおり同窓会やさまざまあるかと思う。ただ、時代の流れに沿って、そして校名を考えられていくということも本当に大切だと思うので、その辺も本当に加味されて考えていかれることが必要ではないかと私は思う。

〇那須川委員長 そういう要望であるか。

〇渡辺委員 はい。

〇佐々木(大)委員 木造校舎の建築について関連してお伺いしたいと思う。
 木造校舎の建築の場合と鉄筋の校舎の場合に国の補助率が違うということを聞いているわけであるけれども、その点をちょっとお知らせいただきたい。

〇小田島財務課長 補助単価は鉄筋の場合でも木造の場合でも同じである。

〇山内委員 質問の前に議事進行。
 それぞれ思いがあって校名のことについて御意見が発表されたわけであるけれども、本委員会は予算特別委員会、質疑を行う場であるので、やはりその辺はきちっと整理をしていただきたい。これは委員長にお願いを申し上げておきたいと思う。
 質問に入らせていただく。10款1項4目教育指導費、そのうち児童生徒健全育成推進事業費4、100万余円のことについてお伺いをする。
 この質問をする前に、平成7年度、まだ年度途中であるけれども、いわゆるいじめというものの実態についてどう把握をされているのか。対前年比、減少傾向にあるのか、ふえていると把握をしているのか、まずお知らせをいただきたいと思う。

〇五十嵐指導課長 まず、いじめの実態ということであるけれども、今まで発表していた資料で284件ということであった。昨年に調査をまたした。ただ、年度途中ということであるわけであるけれども、調査の仕方も、従来は学校で把握したいじめの数というような観点だったわけであるけれども、いじめられる子供、児童生徒から等の調査等も含めて調査をしておる。284件よりはふえているという状況である。
 次に、児童生徒健全育成の関係の予算のことであるけれども、中身は在学青少年指導員の配置、それから専任のカウンセラーの配置、総合教育センターに専任のカウンセラー2名、それから嘱託員1名の配置、それから学校適応指導支援チームの従来からの継続ということである。それから、大学等のカウンセリング講座への派遣等、そういったのを含めて児童生徒の健全育成ということで予算を計上しておる。

〇山内委員 284件を上回るという推計である。これが出ているわけで、まだまだいじめというのは本県教育にとって大きな課題になっていると私も認識をしておる。そこで、聞く前にもうすべてそのお答えをいただいたこの児童生徒健全育成推進事業、この内容であるけれども、これはどちらかといえばいじめられた側に対する対策という傾向が強い。こういうふうに私、判断をする。いじめというのは学校内に巣食う病巣、病気だとも言えるわけであって、この病気を治していくためには早期発見、そして早期治療、こういうことだろうと思う。さらにその前には健康な体を保つという当然の前提があるわけであるけれども、いずれ病気になった以上は早期発見、早期治療、こういうことだろうと思う。そこで、疾病に打ちかつための体力、これは耐える力と読みかえてもいいと思うんであるが、体力をつけなければならない。これはいじめられた側に対する今言ったような療法だと思う。と同時に、病巣部分の縮小、それから最悪の場合には切除、切り取る、こういったことも病気の場合にはあるわけであって、いじめた側の対策というものは今どのようにお考えになっているんであろうか。いじめた側に対する対応。これについてお伺いする。

〇橋田教育長 いじめる側もいじめられた側も学校にとっては児童生徒である。ただいま御指摘のあった、ややいじめられる側に対策がシフトしていると、それも事実だと思う。これはやはり大変緊迫した状態があって、いじめられることによって死を覚悟するという状況がいかに深刻であるかということについては、これはもう県民の皆さんも御心配されていると思うのである。したがって、ここ2年ほどやっぱり対処療法的にまずそれをとめるということに、あらゆる手を使ってくるということに重点を置いてやってきているということだと私自身は受けとめておる。今後については対処療法的な対応についてはほぼ私は出そろってきていると思う。それで、いじめた側についてはこの傷口も心に残った障害が大変大きいケースが非常に多くて、これを学校ももちろん主体的に取り組む必要あるけれども、やはり関係する機関とかなりケースごとに十分に情報が還流して、それぞれの役割が有機的に結んでいくと、当該そういう生徒さんに対して、そういう形で進めるようなシステムもまた必要になってくる。学校としては相談領域、聞き取りカウンセリング、それともう1つは、心を回復していくためのクリニック、いじめる側も、そういう部分をやはり、生徒指導と言っているが、そういう部分の両輪をやはり力をつけていくということが教育委員会としては今のところその最大のあれであるが、やはりいじめた側について学校ももちろん主体的に取り組むが、関係する機関とネットワークをつくる。これは古い話であるけれども、これにやっぱり本腰を入れて、やや今、私ども腰が引けている。そういう対処療法をきっちりやっていくために最悪の事態を回避するということについて、これではいけないと、やはり一歩突っ込んでそのことに対応をしていかなきゃならない。生徒指導の充実ということになるか、そういう考え方で現在進めているところである。

〇山内委員 基本的な考え方については了解をする。今まで対処療法に急がなければならないというその実態についても理解をするが、今、教育長お話のとおり、いじめる側の対策について、これは早急に具体策を検討いただきたいと、このように思う。
 さらに、重ねて伺うけれども、いじめというものをなくしていくためには、これは学校現場だけじゃなくて、もちろん周辺の関係する多くの人たちの協力がなければならないことは十分承知しておるけれども、やはり学校現場内でのいじめということになると、教員、先生方のお力というのが大変に大きなウエートを占めてくるんだろうと、こう思う。そこで、先生方がうちの学校にはいじめはないという前提に立って子供たちに日々接するのか、いじめがあるという前提で子供たちに日々接するのかによって大きく対応が変わっていくと思う。例えば、いじめ110番の制度なんかもあるわけであるけれども、これは民間でもやっている。ただ、例えば小学校低学年、そういったことがあることすらわからない子供たちも学年によっては多いわけである。そうするとその子供たちに、学校現場でもしいじめられたらこうしろという初期的な指導というものが必要になってくると思う。漫然といじめがあるのかないのかわからぬような状態で先生が認識をするのではなくて、いじめがあり得ると、そういった強い認識で日々の生活を送るべきだろうと、こう思っているけれども、この考え方について御所見を伺いたいと思う。

〇橋田教育長 私の情報も非常に限られたものであるので、大体小中高合わせて平成8年度で692校ほどになるわけである。ここでどういうふうな生活が日常行われているかということについては、ちょっと全体を掌握することはできないけれども、やはり御指摘のように、何せ心の中でのさまざまな事柄である。したがって、委員御指摘のように、やはりいじめがあるという前提ということももちろん必要であろうかと思うけれども、やはり心の葛藤がその個人に受けとめ方によってどういう状況にあるか。それが行動面に学校生活の中で非常にマイナスの方向に行きはしないか。そういう考え方を大切にした日常の生徒との関係、そういうものをつくり上げていくと、それが先ほど申し上げたいじめる側の対策にもつながっていくと思う。これは基本的な問題で、心の葛藤がどういうきっかけで深くなっていくかということについては、いじめ支援チームの先生方の御指導もいただいておるけれども、なかなか多様なものがある。そういうことでなかなかいい案を見出せないでおるが、現時点ではそのような認識に立って進めていきたいと思う。

〇山内委員 確かにいじめの問題というのは心の問題ということにもなるのかもしれないけれども、やはり価値観の教え方だと思う。私が知り得たケースの1つの中に、小学校1年生、女子である。これはいじめる側が金銭を求める。それにいじめられた側が応じる。そのときそれが発覚をして当然に担当の先生にお話しに行くわけなんであるが、そのときにその先生が冒頭最初に言った言葉は、いじめる側も悪いけれどもいじめられる側も悪いんだ、こういうことの答えなんである。確かにそのいじめを排除する勇気がないという点ではいじめられた側も悪いのかもしれないけれども、明らかに私はそれは取る方が悪い、こういう教え方をしていくのが、特にも低学年のうちは必要なのではないのか。こういう思いがあるわけである。そういうことで、教員の価値に対する認識というものをきっちりとやはり確立をしていく必要があるんだろうと、こう思う。教育は教員1人1人が本来独立して行うべきものだということは認識はしておるけれども、基本的な価値についてはやっぱり共通の認識に立っていただいて指導していただく。こういうことが必要だと思うんであるが、いかがであろう。
 あわせてお伺いするけれども、教職員の研修事業と初任者研修事業、こういった研修事業というのもそういった先生方の資質を向上させていくために大変必要なことだろうし、私も認める。こういった中で新たな研修制度というものが創設できないのか、こう思っておる。それは例えば、特にも初任者研修であるけれども、採用後半年なら半年、1年間なら1年ボランティア活動に専従をさせるだとか、ある企業に1年間勤めていただくだとか、そしてさらに広い見聞を広めていただく。こういうことも必要なのではないのかなと私は考えているんであるけれども、教育長のお考えはいかがであろう。

〇橋田教育長 価値観を統一して対応すると、いじめられる方も悪いという言い方、これはやっぱりいけない。これは県教育委員会としてもそういうことはあってはならないし、今もう学校でそういうことは言っていないと思う。また、そういうことであらねばならないと思う。
 それから、価値観の問題については、大変多様化しておって教員1人1人も自分の教育に対する認識、逆に言うとそういうものを、多様な価値観を自分の教育の仕事の中に取り入れてくれる先生方、そういう先生を私どもはやっぱり期待していきたいと存じておる。 それから、2つ目の新たな研修について例示があった。他道県でもそういう取り組みをしているようであるけれども、現時点ではまだ県教育委員会としてはそこまで考えていないところであるので、御了承願いたいと思う。

〇山内委員 要望にして終わるが、今の先生方すべてが悪いということを私は申し上げるつもりは全くないわけであるけれども、さらにすばらしい教育を行っていくためには、やはり教員の人格形成というのは一番大切だと思うんである。そういう意味で確かに財政的に厳しいのかもしれないけれども、その先生方が見聞を広める機会というものを、ぜひとも幅広くつくっていただくように御検討をお願いする。

〇那須川委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩する。
 午前11時51分休憩
 
 午後1時3分再開

〇水上副委員長 休憩前に引き続き会議を開く。
 教育委員会関係の質疑を続行する。

〇藤原(泰)委員 いろいろ教育行政については、委員長を初め、教育長、職員の方々大変御苦労である。午前もあったように、いろいろいじめの問題やら学力向上ということで御苦労をおかけしているわけであるが、そうした中にあって、課題もまたたくさんあるわけである。
 これから申し上げるのは、高等学校に係るところの質問をさせていただくが、まず1つは、教育審議会の答申の中には、初等、中等教育の改善充実ということがある。その中でも、特にも高等学校の入学者の選抜の方法の改善ということが打ち出されているわけである。これについては、やはり偏差値の問題やらいろいろな課題を抱えた中で出てきた問題で、高等学校の学力検査については、今までの全県一斉に実施すべきものを改めるということで、必ずしも同一時期に同一問題で実施する必要はないという改善を行ってきたわけである。今までであると、同じ時期ということであると、当然そこに出てくるのは、複数の受験ができないということになるわけである。やはり10代の子供たちを泣かせないということで、学校当局の教職員の方々も大変御苦労なさっていろいろな調整等も行っているのが現実である。そうした中で、受験の機会の複数化ということについてはどのようにお考えなのか。いわば入らざるを得ない学校ということよりも入りたい学校ということで進めるのが当然だと思うし、また、その点はお考えなわけであるけれども、そうした現状と今後の考え方についてお伺いする。

〇五十嵐指導課長 高等学校の入試改善ということで、第15期の中教審答申等でもいろいろ議論されているところなわけである。そうした中で、複数の学校を受験する方法ということなわけであるけれども、本県の現状では、推薦入学と一般入試というのが1つあるわけである。推薦入学の場合に、それで不合格になった場合に、同じ学校を再度受験することも可能であるけれども、ほかの学校に調整で志願先を変えるということもできる仕組みになっておる。さらには、再募集という制度も設けているわけである。それから、一部の学校、杜陵高校であるけれども、定員を前期と後期に分けて2度にわたって試験をやっているというような方法を講じているわけである。
 他県の場合等を見ると、現在、2段階の選抜を行っているという県は愛知県のみである。愛知県の場合には、高等学校の学校をAグループとBグループに分けて、それで両方受験ができるというようなことで進めているという例はある。
 本県は、先ほど申し上げた現状のようなわけであるけれども、今後は第15期の中教審の答申等を見ながら、また、本県の状況等をいろいろ踏まえながら、入学者選抜方策検討委員会等で検討して改善について詰めてまいりたいと思っておる。

〇藤原(泰)委員 次に、学区制の関係についてお伺いするが、たしか平成5年の段階で学区制に係るところの規則を設定しておるわけであるが、ただ、この学区制を全県見るというと、その町村がすべてある学区に入るということではなくて、一部の旧町村というか、小学校区と言えばいいのか、町村の中で一部が他の学区に行っていると。例えば盛岡・雫石の場合には大更地区が盛岡学区だとか、あるいは宮古方面あるいは北上方面にもそれぞれあるわけである。やはりこれはそれなりの理由があって一部地区が他の地区というふうに設定されたとは思うが、しかし、現実に今の交通事情等、それから町村における地方自治体のあり方等を見た場合、町村の中で分けられるということも何となく不自然のような感じもするわけである。例えば同じ地区の中でA中学校は盛岡の学区内だと、あるいは宮古でも北上でもそうであるが、Bはそっちの方に行けないことはないけれども、例の15%という枠の中である程度抑制されている。抑制されることそのものは全面的に否定するとかそういうことではない。やはり、その当該学区の中の高校ということも前提にするというとすべてが悪いということではないが、しかし、前段申し上げた入りたい学校ということになるというと、当然そこには無理があるのではないか、あるいはある程度制限されているのではないかという感じもするわけである。
 そこで、県全体の中で、そうした町村の中で、やはりこういう交通の便のいい時代になったわけであるから、その町村なら町村すべてがある学区の中にというふうな方法で検討してもいいのではないかと感じておるわけである。その点の御所見をお伺いする。

〇三田県立学校課長 学区についてのお尋ねであるが、本県高等学校の学区については、全県を19学区に分割し、高等学校教育の普及と機会の均等を図ってまいったところである。現行の学区は、まず、学校の選択に幅を持たせることや、受験における過度の競争の防止への配慮、さらには、各学校それぞれが地域の期待を担っていることから、そのような地域の学校、すなわち地元校の育成など、総合的に勘案して設定しているものである。なお、職業学科において全県1区とし、普通科の学区外許容率も15%の枠を設けるなど、現行の学区は全体としてバランスがとれたおおむね妥当なものとして受けとめられ、定着を見ているものと考えておる。
 なお、今後においても、御指摘のあった市町村を含めて、社会的な状況の変化や生徒の進路動向等の変化を勘案しながら、高等学校入学者選抜方策検討委員会等において広く意見をいただきながら、検討してまいりたいと考えておる。

〇藤原(泰)委員 ただいまのお答えでは、妥当なものと、そして後段ではこれからのというふうな言い分もあったわけであるが、いずれ妥当とは申されるけれども、現実には現場に参ると若干のそうした問題が介在しているということも1つ御認識いただきたいと思う。
 次に、次元の低い話で恐縮であるが、紫波町におけるかかわりであるが、現在、盛岡・雫石学区ということで、これについてはさきの議会でもいろいろ話しされたこともあるわけであるが、紫波町の場合をとって何であるけれども、距離的にいくと花巻学区、そして盛岡学区の中間にあるわけである。特にもそうした中では、経済交流あるいはすべて行政の面においては盛岡広域の中でいろいろ仕事をさせていただいておるわけであるが、その中で、盛岡地区の方々にすると15%あるいは10%に応じて他地区から入ることをある程度制限してもらいたいという声もあるのは十分わかるが、しかしまた、行政の中での仕事のあり方からいうと、距離的にも余り問題はないということからすると、やはり盛岡・雫石学区に入れないものか。もちろん入れないからこのような学区を設定しておるわけであるけれども、やはり町民の大きな声として、いろいろこの関係については議会等でも問題になっているケースがあるわけであるので、今後こうしたかかわりについての考え方と、それからもう1つは、その学区の編入については再検討をお願いしたいという質問と要望を申し上げる次第である。

〇三田県立学校課長 紫波町の学区についても、先ほど申し上げたように、やはり学校の選択に幅を持たせることや、受験における過度の競争の防止、そして地元校の育成ということを観点に設定しておるわけである。今後、これらの学区にかかわりあるそれぞれの市町村及び当該学区の方々の意見を徴しながら検討してまいりたいと思っておるところである。

〇藤原(泰)委員 前段、妥当という中で、また小さい範囲の町でということでお答えをいただいたわけであるが、妥当であるということになれば何事もそれで決まりということで、あえてこの場で貴重な時間を費やす必要はないわけである。それだけにいろいろ賛否両論あるわけである。もちろんこの当該町村内にある高校についての影響度も全然なしとはしないということも前提に私は申し上げたわけであるが、やはりそうしたことについては十分当事者として認識した中で、地元における意見も尊重していただきたいということを強く要望申し上げて終わる。

〇田村委員 4点ほどお尋ね申し上げる。
 まず、とりあえず2点、高校、中学あるいは小学校の教員の男女比率、これがどうなっているのか、過去から現在までの比率の状況はどうなのか。
それから、今、藤原委員の方からも出たが、学区制度のメリット、デメリットはどのようにお考えになっているのか、まずこの2点をお尋ねする。

〇竹田義務教育課長 教員の男女比率の推移ということのお尋ねであるけれども、小中学校においては、現在、男性が49・9%、それから女性が50・1%ということになっておる。これをもう少し前の方の推移から申し上げると、元年のあたりから見ると、男性が56・7%、女性が43・3%、平成2年になると、男性が55・4%、女性が44・6%、3年度が男性が53・9%、女性が46・1%、4年度が男性が52・6%、女性が47・4%、5年度が男性が51・5%、女性が48・5%、6年度が男性が50・5%、そして女性が49・5%と。先ほど申し上げたように、7年度が男性が49・9%、女性が50・1%ということになっておる。このデータによると女性が少しずつふえてきているという状況になっているということである。

〇三田県立学校課長 高校の教員の男女比率であるが、平成元年以前は女性の占める比率が14%前後で推移しておったが、平成元年度から女性の占める比率は15%を超えて、平成元年度は15%ちょうど、平成2年度には15・8%、3年度は16・5%、4年度は17・1%、5年度は18%、6年度は18・1%、そして平成7年度──今年度──であるが、19%という女性の占める比率になっておる。徐々に女性教員がふえてきているということである。

〇五十嵐指導課長 通学区域、いわゆる学区についてのメリット、デメリットということであるけれども、メリットということで考えられることは、県内の公立高校の平均的な向上が図られているということが言えるのではないかと思う。それから、特定高校への集中による受験競争の緩和が図られておる。それから3つ目には、生徒が通学する場合の無理な負担の軽減ということが考えられるのではないかと思う。それからデメリットについては、生徒の学校選択の自由が制限されるということが言えると思う。本県では、こういったことで学区外の15%というものを認めているわけである。

〇田村委員 これはあくまでも1つ確認しながら質問申し上げるわけであるが、女性を軽視とかべっ視するという気持ちは毛頭ないが、このように女性の比率がどんどん高まっているという原因は何なのか、まずそれをお伺いする。
学区制については、メリット、デメリット、お話にあったわけであるけれども、先ほどの課長の答弁で、これはもう定着したものでもあるし、妥当なものという認識を持っているというお話であった。私は、そういう妥当なものであるという認識を持たれるというのはまことにもって承服しがたいと思う。例えば、具体的に西根町の場合であるけれども、中学校がたった2つあって、1校が盛岡学区、もう1校が地元の西根町内の学区。同じ西根町という行政単位の中にあって、同じ西根町の教育委員会の管内にあって、同じ教育行政の中にあって学区が違う。ましてや地元に学校がある。先ほど通学の負担がかかるんだというデメリットの話もあった。そういったものから見ても、こういう学区分けの仕方というのは、どうしても地域住民にとっては納得のいく学区制ではないのではないか。学区制のメリットはもちろん認める。認めるが、せめてそれは市町村単位の区分けがそこにあってしかるべきではないのか。今の学区をもって妥当だというのはどうしても私は理解がいかないわけであるが、そこのところをもう1度御答弁をお願いしたいと思う。

〇三田県立学校課長 私、先ほど妥当だと認識していると申したが、決してこれでもうずっとやっていって差し支えないんだということではない。今後、関係する市町村及び当該学区の方々の意見を徴しながら検討してまいりたいと思うので、御了承いただきたいと思う。

〇竹田義務教育課長 先ほど女性の教員の方たちがふえてきている要因というか、そこについてのお尋ねであったが、ここ数年のデータを見ても、教員を志望する者に非常に女性が多くなってきているという状況がある。そういう中で採用の選考が行われるということ等もあって、そういうことが大きな要因の中でこんなふうな状況になっているということである。

〇田村委員 教員の採用に関してであるけれども、確かに応募者は女性が多くなってきているというのは理解できる。ただ、我々子供を学校に預ける立場の者とすると、冒頭申し上げたとおりべっ視するわけではないけれども、努力なさっているのは十分認めるけれども、父兄の立場からするとどうしても男性よりも若干弱いのかなという感じは否めないわけなのである。そこで、これは極論になるけれども、例えばどんどん女性の応募者がふえる、男性が減ってくる、そして女性の比率が80、90になった場合、これでもそのまま採用試験に従って採用していくわけであるのか。女性がほとんどを占めるという事態になりかねないと私は思うが、どういうものであろうか。

〇橋田教育長 傾向をたどれば女性の比率が小、中、高ともに高まってきているという状況である。と同時に、学校の管理職の登用についてもそういう傾向が御指摘いただけるのではないかと思う。あり方論と現実具体の話と二通りあるわけであるけれども、岩手県でも、また全国的にもこういう傾向を経験しておらない、これまでの学校教育の中で。新たな考え方、それから養成のあり方も含めて、システム全体の中でこの問題を考えていく必要があると思っておる。基本的には、教員の採用については適性を基本にして選考に当たるということであるので、今後ともそういう考え方で選考に当たってまいりたいと考えておる。

〇田村委員 ぜひ適正を期するような採用の仕方で、これからの岩手を背負っていく子供たちを育てるのであるから、たくましい子供を育てるようにひとつ御努力願いたいと思う。
 そしてまた、あと2点お尋ね申し上げるが、養護教員の問題である。実は教育委員長の演述要旨にも載っておるが、不登校などの心の問題の予防に努めるなど、健康教育を推進してまいるとうたっておる。小学校、中学校の場合、不登校にしてもいじめにしても、実際子供たちの心を酌み取るというか、接触している方というのは養護教員の方がかなりのウエートを占めている。ところが、現場でお話を聞くと、例えば職員会議のときでも、何か養護教員の先生というのは先生でもないような末席の方に座って会議に参加している、そういうような声も聞いておる。特にこういう時代になってくると、心のケア、そういった意味で養護教員の資質の向上、そして地位の向上、学校内での地位の向上というのが本当に必要なことではないのかなと思うが、養護教員の今後の充実強化策、これをぜひともお聞かせいただきたいと思う。
 最後になるが、これも演述の中にある。学校、家庭、地域社会の連携を図りながら、地域社会、そして家庭との連携を図りながら子供の教育をしていくんだと演述ではうたわれておるわけであるが、実際、地域と連携していくためには、例えばスポーツ少年団の育成とか、あるいは地域の部落、部落という言葉は差別用語だそうなので何と表現したらいいのかちょっと迷うところであるが、地域活動に積極的に参加していただいている教員の方もあるし、また、全くこれを無視したというか、全く関知しないというような方もおられる。教員個々の価値観でこれは判断していくんだという話も先ほどあったようであるが、教育委員長の演述にあるような基本的なことは、やはり教員の方はこれを積極的に実現していく立場をとるべきじゃないのかなと私は思うわけである。
 そこで、具体例は出せないけれども、例えばスポーツ少年団活動あるいは地域のいろいろな父母との対話、そういう活動に積極的な教員の方、この方々がどっちかといえば学校の中では浮き上がってしまっているという現実が私の少ない経験上からもかなり見受けられる。要は、教員同士の教育の基本方針に対しての認識が徹底してないんじゃないか。せっかくこういう立派な演述要旨が配られているけれども、やはり県の方針、そういったものは現場にも徹底させるべきだし、教員同士のそういった職員間の不整合というのはあってはならないと思うわけであるが、こういったところの御指導はどうなさっていくのかお尋ね申し上げる。

〇橋田教育長 養護教員の今後の充実の問題については保健体育課長からお話しさせていただくけれども、連携の問題であるけれども、基本的には、学校として地域と連携をする具体的なあり方であるけれども、やはり学校は年間の教育計画を持って1つの目標を具体的に実現をしていく運営体であるので、地域との連携ということ、それをベースにして、やはり学校が何を目指して具体的に何に取り組んでどういうことを期待しているかということについてもっと地域の皆さんに御説明を申し上げる、ある種の学校の情報の公開であるけれども、そういうことを軸にしながら御意見をちょうだいする、それを丁寧に着実にやっていくことが今一番学校に求められていることではないか、これが基本である。
 それから、具体的に学校には活動の領域がある。それから、地域が中心になって活動する領域がある。これはやはり前段申し上げたような、学校がねらいとしている目標にどう到達していくかということをベースにして、やはり学校自体の中で協議を通しながらその役割分担を持っていく。決して孤立をしたり浮き上がったり、そういうことのないような形を学校自体がはっきり教育目的、その実現のための教育活動、そういう中で位置づけをしていくことがやはり必要ではないかと。これは私どもの考え方であるのでいろいろ論のあるところかもしれないけれども、連携については、そういうふうな形も1つ具体的で、今、必要なことだと存じているところである。

〇長澤保健体育課長 養護教員の充実強化策についてであるが、お説のとおり、児童生徒の心身の健康保持あるいは増進を図るためには、養護教員の果たす役割は非常に大きいと私どもも認識しているところである。このため、学校保健講習会の養護教諭部会の研修あるいは経験者研修、これは5年研と10年研があるけれども、そのような研修会、あるいは全国の研修会等への参加を通しながら養護教員の資質の向上に努めているところである。特に児童生徒の心因性の問題の早期発見であるとか、あるいは心身症を初め、いじめあるいは不登校の予防、さらには相談者としての必要な知識あるいは技能の習得を図ることが今後大事だということから、新たに8年度から養護教諭ケースカウンセリング研修会を実施して、一層の養護教員の資質の向上を図っていきたいと考えておる。
 学校組織上での養護教員の地位のことがあったけれども、学校教育というのは、いろいろな機会をとらえながら教職員が全員で当たるものだと私ども認識しておるし、いろいろな機会をとらえてそのような形で指導しておる。

〇伊藤(勢)委員 3点について通告順にお伺いをしてまいりたいと思う。
 その第1点、第2点は文化課にかかわる部分であるので、一緒にお伺いをしたいと思う。
 教育委員長の演述の中にも書いておるが、芸術文化活動については県民の手による云々、一生懸命支援をしてまいりたいと、こういうことのようである。こういう部分、岩手県民の中に文化活動あるいは芸術も含むのであろうが、そういう活動が盛んになってくると、どうしても作品を皆さんに見ていただきたい、こうなってくるのだろうと思う。そういう部分、岩手県の中にあっては中枢のシンボルというか、それが岩手県民会館であろうと、こう思うわけであるが、そこの利用についてはほぼ100%に近い状況で入っておる。100%でないのは、どうしても催し物と催し物の間に空白というか、1日、2日が出る。これはしようがない。したがって100%に近い利用率だと思うわけであるが、ある団体が、自分たちの希望する日数を確保したいためには、1年前から受け付けをするのだそうであるが、そうすると、1年、さらに1カ月前ぐらいから並んで、自分たちが場所を押えたいがために1カ月以上も並ぶと。並び方がいいとか悪いとかではなくて、自分たちが展示したい、あるいは発表したい場を確保するための手段であろうから、これはこれで今の与えられた条件の中ではそれしかないにしても、この根本の原因は、やっぱりこういう発表する場あるいはギャラリーが少ないということに尽きると思う。だから、こういう活動を高めるということをどんどんやってまいれば、結果として展示したい発表したいということがこれは当然出てくるわけであるが、どうしても発表するとなれば人が集まるところ、見ていただける人が来やすいところと、こうなるので、どうしても場所も限られてくる。したがって、もっと発表の場、活動の場を広げるという意味で、県民会館の例えば増築とか、あるいはこれからいろいろな教育施設をお考えになっている中でどのようにこの部分を消化をしていこうと考えておられるのか。当然お考えはあろうと思うから、これについてまず1つお伺いをしたいと思う。
 それから、予算に関する説明書の250ページにあるが、歴史ロマン再生事業費658万1、000円、この部分についてお伺いをしたいのであるけれども、今、大変考古学上いろいろな新しい発見が国内で続いておる。例えば函館の空港のそばにも1万年ぐらい前、あるいは8、000年前の遺跡が出て云々がある。あるいは青森県の三内丸山4、500年前の遺跡、この4、500年前の繩文初期であろうが、そういう部分の遺跡というのは岩手県にも大変多い。したがって、こういう部分をこれからいろいろ発掘調査をしていくと、我が岩手県内にも三内丸山をしのぐ遺跡が出ないとも言えない。出るかもしれない。大変これはすばらしいロマンの部分であるが、こういう部分をやっていくのだろうかなと思うわけであるが、この事業についてどのような事業なのか、大変期待をして見ているわけであるが、まず、この2点についてお伺いをしたいと思う。

〇廣田文化課長 まず、展示の問題についてお答え申し上げたいと思う。
 御指摘のとおり、近年、県民の方々の創作活動というものは非常に高まってきておって、それ自体大変すばらしいことであるけれども、展示の場がいろいろなところに求められているという状況にある。御指摘のとおり、県民会館の展示室、大変高い利用率になっておる。数字上は平成7年度は31件、87・5%ということであるけれども、御指摘のとおり、それぞれの催しの間に1日、2日あいているような日にちはなかなか使えないので、実質的には切れ目なく利用が続いているという状況である。そこで、この県民会館の展示室の利用を希望する方の中、とりわけ特定の期日、どうしてもここの期日にやりたいという場合には、ぜひ確保したいということで、相当程度以前から予約待機していただくという例も見られる。ちなみに今年度は10日以上にわたって待機していただいた例が2件あるけれども、その内訳としては13日待たれた方が1件、31日の方が1件ということであった。こうした状況にかんがみて、県民会館においても平成3年から夜間の予約待機を廃止するとか、あるいは平成6年からは土日等の予約待機も廃止するなどの改善措置を図ってきているところであるけれども、いずれ絶対的な展示スペースの問題というのもあると思う。ただ、御指摘の展示場の増設についてであるけれども、平成10年度に盛岡駅西口に盛岡市の地域交流センターというものが建設されると。ここに文化ホール的な機能もある、非常に人の集まる施設になると予想されるけれども、その中において市民ギャラリーが開設されると。この市民ギャラリーの規模としては、今、県民会館に2つ展示室があるけれども、その中の大きい方である第2展示室、地下の部分であるけれども、その大きさにほぼ匹敵する規模の市民ギャラリーが開設される予定であるということで、これによって県民会館の利用状況も相当程度緩和されるのではないかと期待しておるところである。そのほか、こうした展示スペースとしては、現在、県民会館以外にも中央公民館などの盛岡市の施設、それからエスポワールいわてなんかにも展示場があるし、さらに民間の大小のギャラリー等も多数存在しておる。だから、こうした諸施設全体の利用状況とか、それぞれの施設の持つ特性、特徴等も考慮して、全体として適正かつ利用者の方々にとって円滑な利用が図られるよう努めてまいりたいと考えておる。
 それから、第2点目の歴史ロマン再生事業であるけれども、この歴史ロマン再生事業、本県には御指摘のとおり、繩文時代から近代に至るまで多種多様のすばらしい文化財がある。そこで、この事業のねらいとしては、さまざまの識者の方々から本県の文化財について論じてもらい、その魅力を多面的に掘り下げていただくということを通じて多数の県民の方々に改めて文化財のすばらしさに触れていただくとともに、文化財保護に対する理解の増進、さらには郷土文化の再認識、再発見ということにつなげていただきたいということをねらいとしておる。そこで、今年度事業としては、この前、去る2月であるけれども、一関文化センターを会場として平泉文化をテーマとした大学とか専門の研究者の方々によるシンポジウム、それから、瀬戸内寂聴先生、五木寛之先生お二人方による講演会を開催した。当日、雪で新幹線もおくれたりしていろいろあったけれども、そういった悪条件にもかかわらず、宮城県など、県外の方も含めて約1、300人もの方々に会場に足をお運びいただいて、大変好評であった。そこで、新年度の催しの中身であるけれども、今現在の計画を申し上げると、ちょうどこの平成8年という年は御存じのとおり宮沢賢治生誕100年、石川啄木生誕110年という特別な年である。県立博物館の特別企画展としても、このうち宮沢賢治を取り上げて生誕100年記念、宮沢賢治の世界展というものを開催する予定であるし、また、盛岡市近辺にも重要文化財に指定されておる旧盛岡高等農林学校本館であるとか、岩手銀行旧本店本館、そういったものを初めとした宮沢賢治にゆかりの深い文化財も多数存在することから、平成8年度の催しの中身としては、宮沢賢治をテーマに、盛岡市を会場としてシンポジウムや講演会を開催することを計画しておる。

〇伊藤(勢)委員 いずれ県民会館の展示室等の部分については、これからも活動が活発化してくるにつれてどんどんそういう要望が高まってこようと思うので、今後のいろいろな教育的な施設等も含めて、新築等、お考えの際にはぜひ中央部に展示あるいはギャラリー等のスペースをおとりいただくようにお願いをしておきたいと思う。
 それから、歴史再生ロマンの部分であるけれども、宮古市の崎山というところにやっぱり4、500年前からの遺跡と言われておる崎山遺跡がある。このすぐ近くから、今、県民博物館で陳列をしておる3、000年前の繩文時代の人骨という部分が展示をされているわけであるが、実はここの遺跡が栃木県の何とかという遺跡、函館にも出たようであるが、その遺跡が言ってみれば昔の太陽の出る方向、冬至、夏至を示している部分があるのではないのかという部分が大変盛んで、私も3年前に市議会議員時代にその部分を取り上げて、図面に冬至と夏至のラインをおろしてみた。そうしたところ、崎山の遺跡から、国民休暇村のある方向であるが、これに線を真っすぐ伸ばしていくとこれが夏至のラインなのである。崎山の遺跡からは大型のタイ、マグロ、カツオ等の魚類の骨が出ておる。したがって、太陽がこの方向から出てくると、これは夏至の時期だと。このころになると黒潮に乗ってマグロ、カツオ、タイが来るぞ、とれと、こういうラインだったのではないかなと思うわけである。夏至のライン、ことしの6月21日が夏至であるから、実は去年、おととしも6月21日の4時40分ごろが日の出で行ってみたのであるが、2年とも曇天でさっぱり見えなかったわけである。ことしもぜひ挑戦をしたいと思っておるが、これはむしろぴたっとその方向に出てもらっては困る。少しずれている方がいい。というのは、地軸が昔はちょっと違っていたのではないかなという指摘もあるので、ずれていた方がいいわけであるが、この夏至のラインと冬至のライン、太陽が60度の間を行ったり来たりしているという部分、あちこち新聞に出ているわけであるが、石の並びぐあい、あるいは石棒、言ってみれば陽根である、男性のシンボルの15センチぐらいのが出ているのであるが、この線を引いたラインがと、こういう部分であるので、これはかなりおもしろい部分だなと思う。そこで、歴史ロマンの部分であるから、廣田課長にどうぞ6月21日の早朝4時40分ごろであるが、来て、この日の出に立ち会いをいただければおもしろいなと思って、お願いをしておきたいと思う。ロマンであるからどういうのが出るかわからない。 次に、通告どおりいじめの問題についてお伺いをしたいと思う。
 先ほど山内議員からも質問、それから御提言があったわけであるが、視点を変えて、私は、いじめというのは今初めて出てきた部分ではなくて、大分前から、あるいは私たちが学生時代からもこれは存在したのではないのか、私はそう思っておる。ただ、今問題になっているのは、いじめの結果として、これからの日本をしょって立つ若い小学生、中学生、高校生たちが命を絶つ、この部分、命を絶つことによって自分がこうだったんだよという部分をアピールする唯一の手段になっている。これは大変な部分だと思って、こういう部分の違いだと思うが、これについて橋田教育長からちょっとお伺いをしたいと思う。以前もあったと、命が大切と、こういう部分。

〇橋田教育長 大変私どもも同感である、そういうお考え。よく遊び、ごっこ遊び、1つの遊びを通してルール、それから負けとか勝ちとか、そういう問題状況にどういうふうに自分が対応していくかということを丁寧に、いろいろな形で大事に今まではやってこられたと思うけれども、そして最終的にはそういった自我を防衛していく、あるいは外の世界とのかかわりを十分熟成させて次の段階に進んでいくという、そういうことが時間的にかなりゆとりを持って用意されていたころにはこれに似たようなことがあったと思う。今はそういうふうな時間的なゆとりがないままストレートに自分を主張する。本来であれば自分を実現させていくために必要なことなのであるけれども、主張するためにそういう直截的な行為、これは相当悩むわけであるけれども、それだけに痛ましいわけである。そういうことだと思っておる。現時点ではそういう考え方のもとに学校のいじめの問題について対応していっていると、こういうことである。

〇伊藤(勢)委員 いじめという部分、いじめらる方、いじめる方、どっちも云々という部分があったが、私が考えるに、教育という、いわゆる義務教育、学校に入ってからの部分ももちろん大きなかかわりを持つものであろうけれども、学校に入ってくるまでの、言ってみれば生まれた子供に自我が芽生えて、それから自己顕示欲も出てくる、そういう時期に小学校に入ってくる。そして初めて協調性という部分を身につけながらと、こういうことであろうから、小学校に入ってくるころはいじめたりいじめられたりはなく、おもしろくおかしく、本当によい子で入ってくるはずなのである。そういう中で、今、欠落しているのは何かというと、私が思うに、これは全くの私見であるけれども、生命を授かって死ぬまでの間が命である。ところが、この命を終わる、つまり死ぬという部分、これはだれでも必ず行く部分で、私もまだ死んだことがないのでその先はよくわからないが、だけど、だれでもこれは行く部分である。秦の始皇帝は不老長寿の薬を探して国をひっくり返してしまったわけであるけれども、だれも生きたい、長く生きたいという要望は持つわけであるが、死ぬことによってしか解決ができないという部分。というのは、ふだんから家庭生活とか学校生活の中に死について語る部分がないのではないのか。死が怖いとか、恐ろしいとかという部分ではなくて、死というのがどういうものか、あるいは死なせる、殺す、殺される、こういう部分がどういうものかという部分を語り合う場が学校の中にもあるいは家庭の中にもないのではないのか、私はそう思う。これが全部に当たるということではないかもしれないが、例えば家庭内暴力等が起きてどうしたらいいかわからないというときに、ある人からの勧めでペットを飼った。そうしたら、子供が今まであさ起きておはようもただいまも言わなかった子供が喜び勇んで帰ってきて、ペットに向かって、つまり話相手が欲しかったんだと、このようにお父さん、お母さんは言っていた。だけれども、やはりまた事例であるが、平成6年度に岩手県の保健所が処分をしたペットの数は9、600頭と、たしか伺った。この9、600頭の中には、もちろん野犬とか野放しになっているペットがいて、それも処分をしたんだと思うのであるが、中には、子供の情操教育をするためにペットを飼った、子供がもう高校に入るので情操教育は終わった、したがって処分をしてほしいと、こうやって持ってくるのもままあると伺った。しかし私は、死について語る部分あるいは現実を見る部分として、本当はペットを飼ったらペットが死ぬ部分を子供に見せるべきだ、私はそう思う。そして、死ぬということがどういうことなのか、あるいはだれにもお父さん、お母さん、おじいさん、おばあさんがいるわけであるが、世の中は順繰り番こで回っているんだよと、必ずそうなっているんだ、だから1回しかない命を生きるんだと、こういう部分が大事だと思う。それを死ぬということ、あるいは殺す、殺されるという部分を余りにもオブラートで隠してしまって、子供たちに見せない、現実のやりとり、厳粛な部分を見せないという部分が大変いさかいというか、あるいは遊びが高じてというか、いじめるというか、限度なくやってしまう、この部分にあるんだと思うが、これについては論がいろいろあろうけれども、橋田教育長の哲学の部分でひとつお答えをいただきたい。
 勇退という言葉も聞いておるので、だんだん肩がほどけてまいったであろうから、違った意味で肩のお力をお抜きいただいてお答えをいただければ次の代に生きていく、このように思うものなのでお聞きをしたいと思う。

〇橋田教育長 動物や植物の飼育、それからそういうものを通じての心のかかわり、このことについては、実は学校教育の中で、平成4年度から小学校に、一、二年生であるけれども、従前あった社会科と理科をやめて生活科という教科が新しく出て、現在実施展開中である。ここでは、責任や思いやりを持って動物を飼うというのを実際にやってみる。それから、植物を育てる活動の中で、これらが生きていることを実感する、それで生き物に親しみを持つ、そういう学習をかなり中心に据えた教科であるので、全県下で行っている。また、道徳の時間においては、小学校においては、やはりテーマが命あるものを大切にするということで、中学校ではかけがえのないみずからと他人、自他の生命を尊重する、こういうことが目標になっておる。やがて高等学校に行って、死生観というか、そういうものを倫理社会のところで勉強していく、こういう体系になっておる。仕組みはそうであるけれども、やはり委員からいろいろお話のあったように、現実の社会の中で近親者の死に立ち会う、死に至る過程の中でどういう事柄を感じ取るかという機会が、多いか少ないかはともかくとして、やはり教育的な意味という視点だけで見るとそういうこともまた大変貴重なことである。しかし、これは悲しいことであるし、家庭にとっても大変なことであるけれども、やはりそういうふうなことの重要性というか、そういうふうなことも考えていく。いずれ、みずから経験する、体験する、そういうものを積み上げていきながら、やっぱり学問体系の死生観というものに向かって価値をみずからの中に築き上げていくというか、そういうことをやはり学校教育の中では大切にして、1つ1つ丁寧に扱っていくという努力をする必要があるのではないかというふうに感じておる。

〇伊藤(勢)委員 それと、いじめられた子供、いじめられたことによって命を落とした子供の立場に立てないのであるけれども、昔から三つ子の魂百までという言葉もあるし、鉄は熱いうちに打てという言葉もある。したがって、熱いうちに打て、三つ子の魂百までという部分については、これは家庭内の部分である、学校に入れる以前。だから、こういう部分から就学の年が来たから学校に預けて、全部学校が、学校がと、こういうのでは先生方が大変だろうと思う。したがって、テリトリーというか、やっぱりエチケット、マナー、学校に入る前に当然覚えてこなければならない社会のエチケット、マナーぐらいは、おはよう、さようなら、こんにちはぐらいはやっぱり家庭においてやっいただく。そういう部分と、それから切磋琢磨という言葉もあるわけであるが、切磋琢磨することによって本当は磨き合って光ってほしいという願いなわけであるが、ただ小さいころ純粋培養に育ち過ぎておると、切磋琢磨をさせようと思うがためにかえって傷を負いやすい。そういう部分もあって、金剛石も磨かざればであるが、金剛石じゃなくて、軽石のような、あるいはソフトなやわらかい気持ちのままに来た子供たちというのはまた違う部分だろうと思う。だから、同じ学級、同じクラスという部分であっても、全然料理方法と言っては大変失礼であるが、接し方、扱い方が違ってしかるべきだろうと思うが、こういう部分について、昔はそれならずっときつくかたい玉だったかというとそれもまた言いづらい部分があるが、しかし、切磋琢磨ということによって傷つきやすい子供たちが多いがために短絡的に命を自分で閉じることでしか解決ができないようになっていくという部分にもうちょっと光を当てるべきだと思うし、そういう前兆は必ずあると聞いておる。だから、どういうサインを子供たちが出してくるかというのは、先生方だけじゃなくて、家庭も一緒になってという部分であるから、そういう部分について今もやっていただいているわけであろうが、こういう部分に重きを置いていただいて、あすの岩手をしょって立つ子供たちがみずから命を終わっていくというようなことがないように、これはもちろんだれも思っていることであるが、親御さん、この前は高校生が高校生を殺したという部分もあるが、これはどっちも地獄の苦しみだと思う、今後。だから、そういうことがないようにというわけでおやりをいただいているわけであろうが、ひとつ先生方が、──。(「簡明に。」、「質問だか何だかはっきりしろ。」と呼ぶ者あり)今やっている。だから、先生方がこういうことのないように、たとえ切磋琢磨があっても傷つかないように、めげずにやっていく子供を大きくしていただきたいと願うものであるが、最後に、子供の前兆をキャッチをするという部分について、1つだけ考えを伺って終わりたいと思う。

〇橋田教育長 必ず心の動きが行動に出る。そういうことをいかに敏感に生徒と一緒に暮らしている学校教育の場で先生方が感じ取れるか、ある種の理性を越えた感性の部分もあるので、そういうことを大切にしながら日々の学校教育に当たっていくと、これを最重点にしていきたいと存じておる。

〇水上副委員長 委員長の不手際で若干進行が下手なようであるけれども、静粛にと、それから、質問は簡潔にお願いする。

〇伊沢委員 大変長い御質問だったので、最初の部分で関連でお伺いしたい。
 県民会館の展示室等の部分で、予約の関係であるけれども、私も実はいろいろな音楽団体が私の場合は多いが、大ホール、中ホールを含めて予約をするのに大変な苦労をされている。今、廣田課長の方から、展示室を借りるのに30日も10日も並んでいらっしゃる。こういうことがあったわけである。大変込む時間というのはこれをだれでも使いたい。土日を中心として使いたい。あるわけであるが、借りるに当たっての現状の格好はどうなっているのか、まずそのシステムを教えていただきたいと思う。

〇廣田文化課長 県民会館の予約のシステムであるけれども、特にホールについてそういったやはり特定の期日に使いたいという方がたくさんいらっしゃる。そこで、現在は予約待機というやり方、これはどういうことかと言うと、結局、先着順ということである。大きく分けて2つのやり方があると思われるが、その1つは、今申し上げた先着順、もう1つは抽選というやり方であるが、いずれ県民会館においては先着順というやり方、その先着を確保するためにかなり事前にその予約待機ということで、人が毎日来て待機していただくということでいろいろ御負担をおかけしている面もあるわけである。一応仕組みとしてはそういうことである。

〇伊沢委員 やり方で先着順をとっていらっしゃるというのはわかるわけであるが、聞くところによると相当長い期間、毎朝早くから行っていらっしゃるということ、それからいろいろあるようであるが、これについてはどうか、足りない部分は当然あるわけで、先ほど言ったようにいろんなところをつくっていくとある。現状の中で負担が軽減されるような形で、それから使いたいのはみんな一緒だということで、均等のやり方を含めた前向きの御検討をぜひこれお願いしたいなと思うわけであるけれども、それについて御所見いかがであろうか。

〇廣田文化課長 先ほどの伊藤委員の御質問でも申し上げたように、県民会館はそういったいろいろ御負担をおかけしておるので、平成3年からはその夜間の待機を廃止したり、平成6年からは土日、それから休館日の待機を廃止しているということでしておるけれども、やはりどうしても施設の絶対的な不足状況ということがあるものであるから、また、どうしてもこの日にちを確保したいというような方にとっては、並んでも、どうしてもと、逆にそういった方からは抽選ということでガラガラとくじを引いてということよりも、確実にとれる、行列をつくって並んでも確実にとれるという今のやり方がいいという声もあるみたいである。ただ、いずれその絶対的な不足状況というのがあるわけであって、そこでやはり、これも先ほどの御質問で申し上げたんであるけれども、西口に盛岡市の市民交流センター、こちらでたしか県民会館よりも一回り小さい、1、500くらいだと聞いておるけれども、実際、今の県民会館の大ホールの利用、1、994席あるけれども、その利用が大体上限が実質的には1、500くらいということで、ほぼそれを満たすホールができるやに聞いておる。私どもとしてはこれによってその施設の不足状況が緩和されるということを、今、期待しているところである。

〇斉藤委員 当該委員であるので、絞って簡潔明瞭に2点だけお聞きさせていただく。
 第1点、岩手県土地開発公社の贈収賄事件について。
 県教委が家宅捜索される時代となった。教育委員会関係の工事はどうかかわっていたのか。県教委のチェック体制はどうだったのか。製品名の記入をなぜ見過ごしたのか。改善策をどう検討しているか。

〇橋田教育長 土地開発公社から納入された設計図書の審査については、当委員会事務局財務課技術職員4人でチェックをし、財務課長専決という形で事務を取り進めているところであるが、委託した設計図書の一部に特定の商品名が記載され、こちらとしての審査が十分でなかったと、こういうことを反省をしておる。このことを1つの教訓として、今後、事務の厳正な執行、これに尽きると思うが、これを図ってまいりたいと考えておる。

〇斉藤委員 私、具体的にどうかかわっていたのか聞いたから、平成6年、7年の工事でどういうものがあったのかお知らせいただきたい。
 第2点、学校への業者からの寄附問題について。
 盛岡市議会で取り上げられ、新聞でも報道された。盛岡市内のある市立小学校の指定運動着やトレーニングウエアの販売をめぐり、学校から商品納入や販売の指定を受けていた業者らが、割引販売を禁止する覚書を作成していたことが明らかとなっている。これは独占禁止法にもかかわる問題と思うが、いかがであろうか。
 また、学校と利害関係のある業者が楽器セットなどを、100万円以上と言われるけれども寄附していた。これは学校と業者との癒着ではないかという指摘もある。県教委として実態をどう掌握しているか。岩教組中央委員会でも取り上げられている。これは氷山の一角だと思うがいかがであろうか。学校が業者から物品だけでなくお金をもらうことはないか、もらった場合どういう扱いとなるか、県教委に報告されるのか。そうした点をお知らせいただきたい。

〇小田島財務課長 土地開発公社へ委託した業務の件数であるが、平成6年度、グラウンド等の造成の設計委託7件、補助監督委託が8件、平成7年度は、設計委託が4件、補助監督委託が14件という状態である。

〇竹田義務教育課長 学校における寄附のお尋ねであるが、小中学校の管理運営に必要な備品というのは、まず基本的には公費で賄うということが原則であって、従来からそのように各市町村教育委員会は指導してきているところである。教育委員会としても、いずれ今後においても各市町村教育委員会に対してこのように指導してまいりたいと考えておる。
 それから、新聞で報道されたいわゆるいろんな実態等についてであるが、このことについては現在、当該市議会において審議が継続されているということであるので、これらの推移を今後見守ってまいりたいと、こんなふうに考えておる。

〇斉藤委員 新聞報道によれば、当該校だけではなくて楽器、校門石、応接セット、その他の学校にも寄附があると、私はだから氷山の一角ではないかと言っている。岩教組中央委員会ではこの問題を重視して、これをただしていこう。学校と業者の癒着じゃないか。今、問題になっている学校について言えば、私の調査では運動着の選定が決まる前から寄附の話があったと言われている。そういう寄附はどう扱われているのか、金品の場合もあるのか。そのことをぜひお知らせいただきたい。

〇橋田教育長 学校の管理運営上必要な備品等は公費で賄うことが第一義であると、このことを基本にして、市町村教育委員会においては市町村の予算執行という立場の中で行われていると、こういうことである。私ども承知しておる事案については、現在、市の議会で審議中であるので、それを待って、その後の状況について報告をいただいて対応してまいりたい。その他については私ども承知をしておらない。

〇斉藤委員 盛岡市議会は18日に常任委員会に報告があると聞いておる。この問題については引き続き福祉文教常任委員会で徹底して取り上げていきたい。

〇佐々木(俊)委員 通告しておらないので大変申しわけないが、ちょっと時間を拝借したいと思う。
 まず、三浦委員長、学校の先輩であって、こういう1年に1回しかお会いできないものであるから、この機会に御所見をいただきたいなと思って立った。
 その1つは、私ども県政の最大課題というのは、地域間格差の是正、こういうことで、すべてにも通ずると、こういう意味で取り上げているんであるけれども、一体教育の方には地域間格差というものはあるんだろうか、ないんだろうか。あるとすればどういう点があるんだろうか。こういう疑問を持って、先ほどの演述をお聞きしながら、はて、そういう視点が入っているかなと思ったが入っていないんであるが、ひとつ御所見があればお聞きしたいと、こう思う。
 それから次は、橋田教育長、どうも長い間御苦労さまであった。後で送別のお話あろうから私はそれは省略させていただくが、この機会にやっぱりお聞きしたいのは、私、過去何回か取り上げてきた僻地校という言葉の問題である。これいつかの議会で取り上げたら新聞の方で報じられた。そうしたら声の欄にも出たし、私にも何通か実は手紙が来て、この問題はぜひ何回も取り上げてほしいと、こう言われて、その後しばらくさたやみしておったので、この機会にまた取り上げてみたいと思うんであるが、学校ではよく僻地校という言葉を平気に使っているが、やっぱり僻地というのは僻遠の地だとか、遠隔だとか、あるいは文化果つるところ、こんな感じなんであるが、私の学校は僻地校であってと言うと子供にいい影響を与えないじゃないだろうかなと、こんなことでこの問題を取り上げたが、いや、法律にもそういう言葉があるからと、こういうことだったんであるが、前の高橋健教育長は、これからできるだけ使わないようにすると、こういう答弁が当時あったが、今回、教育委員会を去られる橋田教育長、何か御所見ないか。
 それから、もう1つ、これは担当の課長どなたであろうか。やっぱり今の僻地校に絡むんで前から疑問に思ったことなんであるけれども、学校の先生がいわゆる僻地校と言われるところに赴任をすると月給が何号か上がる。これは不便なところへ行くから御苦労だということで月給上げるんであろう。そこに何年かおられて今度は都会の学校に転任をする。そうすると元に戻らないで上がった分でずっといってしまう。学校の先生やめるまでその差額の分でずっといってしまう。一体これはどういうことなんだろうか。1回行けば御苦労分と、一生勲章のようにくれるものなのか。極めて私疑問に思っているんである。これはやっぱり法律でそうなっているものなんであるか、それとも岩手県としてそうやっているものなんであろうか。

〇三浦教育委員会委員長 県内における教育の格差についてのお尋ねであった。私ども教育行政としては、法令等に基づいて教育の機会均等とそれから公平さというか、それを理念としてずっと長年取り組んでまいっておる。具体的には例えば、高校進学率だとか、それから幼稚園の就学率だとか、あるいは保育所の就園率と申そうか、その他のいろんなバロメーターを見ていても県南とか県北等に大きな差がないことは、そんなふうに私は思っておる。ただ、これは私自身の経験であるけれども、私は小学校4年まで複式学級で育った。1人の先生で4学年まで教えられた。そういう関係でこれは何があるかというと、ごらんのとおり私は口べたである。朴訥なしゃべり方しかできない。それが大きな立派な数多い生徒の中で育てばまだまだ雄弁を振るって、委員の先生方をしんから納得させるような雄弁ができたと思うが、そういう面の地域の差というのは、何かやっぱり自分の心の中では多少あるかもしれないなということである。ただ、私ども本当に法令に基づいて、憲法や教育基本法で願っている、国民の、すべてどこに生まれても、岩手県のどこで生まれても教育の機会均等があって、自分の持っている能力や素質や創造性を存分に生かして生きていくということができることを念願として、できるだけそれに近づくように努力しておる。どうぞ応援のほどお願いする。

〇橋田教育長 私も社会人としてのスタートがいわゆる僻地校であって、小学校と中学校を経験させていただいたが、残念ながらその通過年数が合わなくて級の方はともかくとして、そういうことであるが、確かに御指摘のように法律にも、それから給与制度上も学校の、人事委員会の指定であるけれども僻地指定ということが現在ある。これはこれとして制度の安定性というか、そういうことでやがて、そういう分野で議論されていく問題だと思うが、少なくとも受けとめ方として今、委員長からもお話ししたように、やはりみずからのその体験というものをどういうふうに生かしていくか、その力というか、そういうものに負うところが非常に教育が多いわけであるので、使う、使わないというよりも、それが何か、最近では過疎とか過密とかという言葉に変えられてきておるので、社会状況の変化によってこれもまたいろんな変化を来してくるものではないかと存じているところである。御了承いただきたいと思う。

〇照井総務課長 僻地校に勤務している職員の給与制度についてお答え申し上げる。
 僻地校に勤務している職員に対しては、規定に基づいて僻地手当というものが支給される。これは級地に応じて一定の割合で支給される。それから、この僻地校に勤務している職員については、勤務した年数に応じて、これも規定に基づき特別昇給という制度がある。

〇佐々木(俊)委員 それわかっている。課長、わかっているんであるけれども、その勤務中はわかる。何で都会の学校に移ってまで一生それがついて差額になっていくのかなあという不思議さ、そこを聞いたんである。今はそうなっているんである。それ不思議だなあと思ったんであるが、それはそれとしてなかなか難しい問題で委員長申しわけなかったが、やっぱり私は、先ほど来、学区制が云々だとかいろいろ論議になるのはやっぱり差があるという感覚に立っていると思う。そういうことをやっぱり是正をしていかなきゃいかぬのだということが、この演述の中にどこかに流れていなきゃいかぬ。そういう視点が1つもないんじゃないかと思ったから申し上げたんであって、来年の演述の場合はぜひひとつその辺もお考えの1つにされたらいかがかなと、こう思って申し上げた。
 それから、橋田教育長も苦しい答弁であって、そういう中にあってできるだけこういう言葉は使わないようにと、教育的言葉じゃないというこの精神が教育委員会の中に流れてほしいという趣旨で申し上げたので、制度上あるから使っていいんだと、でも言うにもちょっと声を低く言うぐらいじゃないと、堂々と今の課長みたいに僻地校はなんて言われるとこっちはギョッとするので、ちょっと低くやっていただきたいと思う。

〇佐藤(啓)委員 ただいま佐々木委員から、教育長送別の話は後にあるというお話があったわけであるが、私から、今回3月をもって勇退される橋田教育長にこの場をおかりして、これまでの御尽力に対しお礼を申し上げたいと存ずる。
 戦後教育の一端を担い、また、時代の一時期立場を異にしながら私自身、本県教育の向上を目指して努力をした。そういう立場からあなたに対しこういったあいさつを申し上げること自体に何か感懐ひとしおのものを感ずるわけである。
 ただいま、これまた佐々木委員からお話があったように、あなたは昭和35年岩手大学の教育学部を卒業されるや、葛巻町の星野小学校、これは6学級、生徒数は100人に満たないという学校である。続いてまた同町の冬部中学校、ここは3学級、生徒数50名程度といういずれも小規模の、しかも僻地指定校である。この僻地教育の振興法については、本県を初め東北の各県、新潟を含め、そしてまた離島、島嶼等の僻遠のそういう地域の振興を図ろうと、こういうことで本県が先陣を切ってこの法制定の努力をしたという経緯がある。もちろん私自身も僻地校というのは公然と言っていることじゃなくて、そういう法律、制度上の問題があるものだから僻地校という言葉を使うんで、あくまでも僻地性の解消に努力するのが本来のあるべき姿だ。そういうふうに思いながら今日も関係者が努力をしているところだと思うわけである。
 初任校での体験というのは、恐らく橋田教育長にとっても生涯忘れることのできないものではなかろうかと私は拝察しているわけである。昭和35年というのはちょうど我が国経済も高度経済成長期に入り、若い労働力が金の卵ということで集団就職が行われた時期でもある。また、特にも葛巻町は木炭産業が斜陽産業と言われるほど燃料革命の影響を受けるという、そういう状況の中にあって、まさに地域の変容が急速に進むという状況にあったと思うのである。恐らくこうした葛巻町における6年間にわたるこの体験というのは、私は橋田教育長の哲学につながっているのではないかと拝察するわけである。
 こうした体験を経られて、その後、教育委員会事務局に入られ、その後、皆さん御承知のように知事部局、そして医療局長に就任をされ、平成6年4月に教育長に就任されたのである。このように豊富な行政経験に加え、教職の経験者でもあるあなたは教育行政に卓越した識見を持ち、常に教育のあるべき姿を見定めながら、本県教育行政の推進に大きな指導力を発揮されたのである。先刻、教育委員長の演述の中にもあったんであるが、最近の激しく急速な社会の変化は、学校のあり方が地域と家庭とどうかかわりを持つべきなのか。こうした根本的な問題が現在私は学校の中にあるんだと、こういうふうに考えておる。いわばこれまでの学校とは変わった新しい学校のあり方を考えなきゃならぬ。そういういわば歴史的転換期を迎えているのが学校の現実ではないかと思うわけである。
 こういう中で橋田教育長は、特に学校教育においては、具体には学校5日制の完全実施に向けての問題、また、先ほど来指摘されておる深刻化するいじめや不登校の問題、これに対応を迫られるとともに、真剣に取り組まれたところだと思うわけである。私は、あなたが貴重な教師経験を生かし、教育現場を重視しながらきめ細かな対応に心がけられた。私は大変ありがたいことだと思うわけである。学校5日制の円滑な実施に努められたほか、学校適応指導、前は不適応という言葉を使ったんであるが、積極的に学校適応指導支援チームの編成、専門カウンセラーの配置等による教育相談の充実を図られた。
 さらにまた、特色ある学校づくりに力を尽くされ、全国的な注目を浴びた中野七頭舞に次いで、岩泉高校、田野畑高の高文祭における文部大臣奨励賞の受賞、また、スポーツの面においては沼宮内高校の男子ホッケーの優勝など、また、今春の選抜大会への釜石南高の出場など、本県生徒の数々の活躍は根源的な課題解決への私は新しい芽がもえ始めていることの明るい証左ではないかと思うのである。
 また、学校を取り巻く教育環境整備の面では、この4月に開所予定の生涯学習推進センターの建設、県立美術館建設を軌道に乗せたほか、県立考古学研究機関の検討に着手、これまた柳之御所跡の活用についても整備に努力された。スポーツの面では、平成10年の冬季国体及び11年のインターハイの開催に向け、その推進体制整備に努められた。施設建設に向けた財政支援、教員スポーツ特別選考制度の導入による指導者の確保など、このように社会教育、体育、スポーツ、文化等の各分野にわたって積極果敢に行政手腕を発揮された。
 また、第7次岩手県教育振興基本計画後期実施計画の策定を手がけられ、本県教育の21世紀への橋渡しをされた。これもひとえにあなたの本県教育振興に寄せる熱い思いとすぐれた行政手腕によるものと高く評価しながら、改めて敬意を表し心から感謝を申し上げる次第である。今、私は県内の学校は、校長先生も先生方も本当に一丸になって、これからも一生懸命努力をしなければならないそういう時期だと思うわけである。新たな道に進まれてもどうぞ御健勝の上に、本県教育振興のため御指導、御助言をくださるようにお願い申し上げ、お礼の言葉にかえさせていただく。
 この際、あなたから御感想なりお聞かせいただければ幸いである。ありがたかった。(拍手)

〇橋田教育長 ただいま佐藤委員から大変身に余るお話をちょうだいして、本当に恐縮をしておる。委員からお話あった現場重視主義というか、私もそういう考え方を基本に据えておる。スポーツの現場、文化の現場、社会教育の現場、学校の現場、いずれも第一線で苦労してその具体的な目標に向かって夢を持って努力されている人たちというのは大変多いので、それがあって本県教育行政もまた1つの目標に到達できる道筋を得られると、こういう認識であって、私ども教育委員会全体の仕事はそういういわゆる事業実施の現場の皆さんのお力になれるような条件を整えることに専心しなければならないと、こういう考え方でやってきたつもりである。そういう意味では幸い多くの職場の同僚の皆さんや、それから現場の皆さんの御理解をいただいて、何とか微力ではあったがそういういわゆる教育関係者の一員に加えていただいて、微力なんであるけれどもその仕事に打ち込んでこれることができたと、そういう意味でただいま委員からお話をちょうだいしたことは全体として受けとめさせていただければ、大変私の気持ちとしても何かすっきりいくかなという感じである。
 非常にまとまりのない話であるけれども、これまでいろんな形で議会の先生方に御理解と御協力を賜り、かつ御叱正もちょうだいし、御鞭撻もちょうだいして何とかここまでやってくることができたので、これも本当に幸せなことだったなと思う。こういうところで仕事をさせていただいたことを誇りに思って、これから私自身も自分の人生に向かって頑張っていきたいなと存じておる。
 今後ともよろしく御指導、御鞭撻賜るようお願い申し上げて、感想にかえさせていただきたいと思う。どうもありがたかった。(拍手)

〇水上副委員長 ほかに質疑ないか。   
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇水上副委員長 質疑がないようなので、これで教育委員会関係の質疑を終わる。
 次に、警察本部長から警察本部関係の説明を求める。

〇石川警察本部長 お疲れのところ、簡潔にするので御了承いただく。
 平成8年度の警察予算の御審議をいただくに当たって、まずもって平成7年中の治安情勢の概要について御説明申し上げる。
 平成7年は、戦後50年の節目の年であったが、国内的には、阪神・淡路大震災に始まり、一連のオウム真理教関連事案、銃器使用凶悪事件等、重大特異な事案が発生し、日本の治安に大きな影を落とした1年であった。
 一方、本県では、幸いこの種事案の発生もなく、その意味ではおおむね平穏に推移したところである。県民の御理解と御協力のもとに、治安対策に取り組んだ結果、重要犯罪及び凶悪な犯罪に発展するおそれのある重要窃盗犯の検挙率が100%を超え、検挙率において重要犯罪では全国第2位、重要窃盗犯では全国第1位という過去に例を見ない実績を上げることができた。
 また、交通事故による死者数を前年比25人減少させ、減少率において全国第1位と同時に、5年連続減少という全国ただ1つ、岩手県だけの快挙を成し遂げておる。
 加えて、県民が摘発を強く望んでいる選挙違反や贈収賄事件の検挙、また、過去最高である12丁のけん銃の押収等の成果もあったところである。しかしながら、良好と言われた本県の治安レベルの推移について、刑法犯の認知件数で見ると犯罪の広域化、スピード化及び都市化の進展に伴う匿名性の増大という傾向が著しいという背景の中で、人口10万人当たりの刑法犯認知件数、いわゆる犯罪発生率が都道府県単位で全国一低かった10年前の昭和60年と比較すると48%も増加し、全国で一番良好であった治安が20番目まで転落している実態にある。
 また、盛岡市と人口10万人以上の都市、これは東北管区内で14、盛岡を入れると14都市あるけれども、比較した場合に盛岡市は他の都市を大きく引き離しワースト1位となっておる。この10年間で東北全体では1%、全国ベースでは13%の増となっているのに比べ、本県では先ほど申し上げたように48%の増と、異常な増加を見ていることは、極めて憂慮すべき情勢と言わざるを得ないのである。
 平成6年における治安レベルは、全国21番目であったのが、平成7年には、県民を挙げた諸対策により20番目とやや好転したものの、低下した治安レベルの回復の困難性をアメリカ社会等の苦難の例に見るとき、治安の問題を、今、県民の足元にある危機としてとらえなければならないと考えるところである。
 かかる状況を打開するために、平成8年の警察運営重点を、地域安全の推進、重要犯罪・重要知能犯の検挙、少年非行の防止、交通死亡事故の抑止、けん銃の摘発、オウム真理教関係手配被疑者の追跡捜査の徹底などを掲げ、日本一安全な岩手にするため、私以下2、300人余の警察職員が新たな決意を持って、平成7年に倍する活動を展開しているところであるが、今こそ県民1人1人の連帯意識による相乗的回復力を発揮する必要性があると強く認識しているところである。
 それでは、警察関係の平成8年度当初予算について御説明申し上げる。
 議案その1の8ページをお開きいただきたいと思う。第9款警察費の総額は315億444万5、000円である。これを項別に見ると、第1項警察管理費が286億4、430万6、000円、第2項警察活動費が28億6、013万9、000円となっておる。
 次に、目別予算の内容についてお手元の予算に関する説明書によって、主なものについて御説明申し上げる。
 232ページをお開きいただきたいと思う。第1項警察管理費第1目公安委員会費は1、060万8、000円である。その内容は、公安委員会運営に必要な委員報酬などである。第2目警察本部費は239億7、982万8、000円である。その内容は、岩手県警察運営に必要な経費であり、警察職員の給与及び職員手当等の人件費が主なものである。次に、233ページの第3目装備費は3億9、570万9、000円である。その内容は、スピード化、広域化の傾向を一層強める犯罪に的確に対応するため、警察装備品の整備と維持管理に要する経費が主なものである。第4目警察施設費は36億6、411万3、000円である。その内容は、治安基盤施設整備に要する経費で、岩泉及び花巻警察署庁舎の新築に要する経費、それにヘリコプターテレビ中継システム整備費が主なものである。次に、234ページの第5目運転免許費は4億2、381万1、000円である。その内容は、適切な運転者対策を推進し、交通事故防止を図るほか、運転免許証の即日交付など、県民の利便性の向上を図るための運転免許関係に要する経費である。第6目恩給及び退職年金費は1億7、023万7、000円である。
 次に235ページの第2項警察活動費第1目一般警察活動費は3億9、505万8、000円である。その内容は、県民が安心できる、安全で快適な生活環境の確保のため、交番の機能強化策の一環として、交番相談員を配置する等、地域の特性に応じた安全活動を維持推進するために要する経費、及び警察通信施設の維持管理に要する経費が主なものである。第2目刑事警察費は2億4、571万8、000円である。その内容は、犯罪捜査に必要な経費、暴力団排除活動を強力に推進するための経費及び少年非行防止対策、並びに薬物事犯の取り締まり等保安警察に必要な経費である。次に236ページの第3目交通指導取締費は22億1、936万3、000円である。その内容は、交通指導取締活動及び交通安全施設整備など交通警察運営に必要な経費が主なものである。交通安全施設整備については、総合的な計画のもとに、交通信号機の新設、改良等を行うほか、都市生活環境整備対策事業の一環として、信号機などの電線地中化を図る経費が主なものである。
 次に、予算以外の議案について御説明する。恐れ入るが議案その1にお戻りいただいて、15ページをお開きいただく。
 債務負担行為の整理番号64は、警察署庁舎建設事業であり、昭和40年に建設された花巻警察署を移転新築しようとするもので、7億5、600万円を限度に債務を負担しようとするものである。
 以上のとおりであるので、よろしく御審議いただくようお願い申し上げる。

〇水上副委員長 ただいまの説明に対し、質疑はないか。

〇村上委員 長年追いかけてきた問題について御質問をする。
 盛岡南地域の治安対策についてお伺いをする。
 私は、特にこの地域を中心とする支持者によって県議会議員になったわけであって、また、その地域に住む一住民でもある。旧都南村を核とする盛岡南地域は、これまで県都盛岡の業務機能を担う地域として、またベッドタウンとして発展を続けてまいったところである。さらに、計画人口が3万人という盛南開発が本格的に始動して、今後、人口の集積はもちろんであるが、多くの事業所集積も見込まれ、都市化の進展が顕著になる地域と思っておる。このようなことから、私は平成3年の9月議会で初めての一般質問の機会をいただいて、以来、一貫してこの地域の治安の問題について資してまいった。初めての質問は、盛岡市との合併によってこの地域の警察署の新設の考えはないかというものであって、当時の村上警察本部長から、地域の治安実態はもちろん、各署とのバランス、要員、用地取得など検討しなければならず困難であると、こういう答弁をいただいて、当面は見前派出所の体制強化を検討中ということであった。おかげさまで見前派出所の機能の強化が図られたところであるが、平成5年9月の議会で一般質問において私は、これに感謝を申し上げながら、盛南開発の本格化や矢巾町の住宅団地建設の進展を背景として、この地域の中長期的な発展方向を視野に入れて盛岡東署の分割や、あるいは紫波警察署の所管区域の見直し等について提言を申し上げたところであった。当時の林警察本部長からは、この地域には本部直轄の機動捜査隊の重点的投入という対策についてお答えをいただいたわけであって、この地域の警察事象の増加の懸念を表明され、将来望ましい警察体制について検討してまいる。こういう答弁であった。私はこの後、この地域において悲惨な交通事故がたくさんあったし、住民が本当に不安に思っておる凶悪な犯罪も発生したりということで、昨年の予算特別委員会でも改めて警察署の新設や地域の治安体制等についてお伺いをした。藤警務部長はその際、その必要性について検討中であるという答えをいただいた。治安情勢の今後の推移、警察力の配分、地域住民の意向などの問題があるので、これを総合的に判断して検討を急いでやるというお答えであった。この間、私は派出所の駐在所の質の強化という観点から、警察官OBの活用により警察官が不在の場合でも住民の相談などに対応できる体制の整備について質問したのであるが、見前派出所では住民の理解と協力のもとにこの体制ができ上がったのである。この地域の治安の確保に対する住民の意向がいかに強力なものであるか歴然としているわけである。
 そこで、お伺いするが、急いで検討したいとお答えしてから1年が経過しようとしておる。また、増田新知事のもとで3県総の後期計画が固まろうとしておるこの時期であるので、そろそろ具体的な方向が明らかになったのではないかと思うのであるが、いかがであろうか。その後の検討状況等を含めてお尋ねをする次第である。よろしく御答弁をお願いする。

〇藤警務部長 まず最初に、いわゆる盛岡南警察署構想についてであるが、警察署を新設する場合には所要の要員の名数が伴うので、現在の県警察の規模を前提とすると組織の細分化につながり、警察力の集中投入や夜間体制の面で問題が出てくるのではないかと考えておる。したがって、盛岡南署については、委員先ほど御指摘の盛岡南新都市開発事業の進捗等、長期的な視点からの治安の流動情勢を見ていく必要があって、本構想については将来の検討にゆだねたいと考えておる。しからば、当面の南地区の治安対策の方針はどうかということであるが、この件については、さきの本会議における藤原泰次郎委員の御質問に対して警察本部長から、中長期的な観点から鋭意検討を進めており、できるだけ早い時期に一定の結論を導きたい旨、内部的には検討途上との答弁を申し上げた。同地区の治安は刑法犯認知件数で比較すると約10年間で4倍に急増しておる。その内容も、ことし2月末に永井地内で発生したビデオショップ被害に係る2人組みの強盗事件に見られるように差し迫った情勢にある。したがって、本会議でもこれまで再三取り上げていただいたし、盛岡市等関係自治体あるいはマスコミの方からも注目をされているわけであるが、警察本部としても南地区の治安レベルの向上を図るために、見前幹部交番を中心としたこれまでの逐次の体制強化に加え、見前幹部交番を例えば移転新築するなどして施設の規模の拡大を図り、さらには高度化を図るとともに、人的にも警視を長とした大規模交番化を図って、さらには、機動捜査隊本隊を常駐させるなど、いわゆるミニ警察署的な位置づけをし、抜本的に体制を充実強化することを、先般、警察本部としてその方針を決定して、この実現に向け今後、関係部局と積極的に協議を進めてまいる。
 なお、紫波警察署については現在の紫波町の人口増加動向、日詰西地区宅地開発等警察事象の増加が予想されることから、これらの事情をしんしゃくしながら、紫波町内において将来建てかえを行うことを前提に検討を進めてまいりたいと考えておる。

〇村上委員 大変ありがたかった。ありがたいかありがたくないかはこれからであるけれども、ちょうど質問して5年たって順次検討いただいて、その内容はいいか悪いかは別にしても一定の結論を見たいということは、地域住民が安心すると思う。ただ、気分として、都南村が合併して盛岡市であって、我々は市民なわけであって、そこに紫波警察署の分署があるというような感じ、これは市民からすると少し寂しいがという感じがあると思う。そういう意味では盛岡・紫波警察署の管轄の見前派出所というようなことも考えられてはどうかと、ひとつ提言を申し上げて終わる。どうもありがたかった。

〇水上副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩する。
   午後2時55分 休 憩
   午後3時8分 再 開

〇那須川委員長 休憩前に引き続き会議を開く。 
 約10名ほどの発言申し出があるので、これから発言なさる委員の皆さん、そしてまた御答弁いただく執行部の皆さんにはできる限り簡潔にしていただいて、議事進行に御協力をお願いする。
 警察本部長関係の質疑を続行する。

〇菅原委員 委員長の命によって簡潔にする。特にこういう委員会の質問は簡潔明瞭が旨である。したがって、簡潔に質問するから、簡潔な御答弁をお願いする。
 まず、けん銃、薬物対策の取り組み状況と根絶に向けた推進方法についてお伺いする。 平成7年中の警察活動を見ると、重要犯罪の検挙率や交通事故死亡事故の減少率などで全国トップの成績を上げており、石川本部長を初めとする2、300余名の警察署員の方々が雨の日も雪の日も、暑さと寒さと闘いながら身を呈しての御活躍に対して心から敬意と感謝を申し上げる次第である。
 さて、新聞報道によれば、平成7年中のけん銃押収数は全国及び県内とも過去最高の押収となっておる。けん銃使用による凶悪事件の多発や発砲による一般市民の死傷者数も前年に比較して増加している状況としている。また、覚せい剤も検挙人員が増加して、中でも一般市民層への蔓延など、銃器、薬物情勢はもはや一刻の猶予もならない段階に来ていると私は認識をしているわけである。
 そこで、県警は、これまでのけん銃、薬物対策の取り組み状況と今後の根絶に向けた推進方策があればお伺いしたいと思う。

〇伊藤生活安全部長 まず、銃器対策の取り組み状況と今後の推進方策についてであるが、近年の銃器情勢は、けん銃使用による凶悪事件の多発などから、国民の日常生活に重大な脅威となっていることは先刻御承知のとおりである。したがって、けん銃の摘発は警察の大重要課題と位置づけ、全力を挙げて取り締まりを強化しているところで、当県においても警察本部並びに各警察署にプロジェクトチームを編成するとともに、昨年、警察本部生活保安課内に銃器対策室を設置し、取り締まりの強化を図っているところである。特にけん銃の大半は海外からの密輸入されたけん銃であることから、水際における取り締まりを強化するため、税関などの関係機関と銃器・薬物取締連絡協議会を結成したところである。
 また、けん銃の押収については、昨年全国で過去最高の1、880丁、県内においても過去最高の12丁のけん銃を押収しているところであるが、本年に入っても暴力団に関係したけん銃2丁及びけん銃実包22発を含め、既に3丁のけん銃を押収しておる。今後の推進方策については、銃器取り締まり体制の一層の充実強化を図り、犯罪に使用されるおそれのある暴力団などが組織的に管理する武器庫の摘発に重点志向した取り締まりを図っていくことはもとより、密輸防止のための水際対策を強化するとともに、県民の銃器犯罪に対する抵抗感や拒絶感が麻痺しないよう、広報警察活動等を徹底するなどして県民の理解と協力を得ながら排除機運の醸成を図ってまいる所存である。
 次に、薬物対策の取り締まり状況と今後の推進方策についてであるが、覚せい剤と薬物の乱用は生活破綻や家庭崩壊を招くばかりでなく、殺人事件など、凶悪な2次犯罪を誘発するおそれもあるし、さらには暴力団の有力な資金源になっているなど、社会に及ぼす害悪は極めて重大であることから、県警察としても薬物事犯取り締まりと乱用防止対策に総力を挙げて取り組んでいるところである。
 まず、取り締まり状況について申し上げると、常習者、末端乱用者の徹底検挙、密売ルートの解明、摘発などに重点を置きながら事件検挙に努めているところであり、昨年の覚せい剤事犯は104件、62名を検挙し、約10グラムの押収であったが、ことしはきょうまで既に17件、17名を検挙し、約38グラムの覚せい剤を押収しておるが、これは昨年1年間の押収量の約3・7倍に当たる。そして、その使用量は約1、900回分の使用量と言われておる。これらの検挙から見た特徴は、依然として暴力団関係者が多い中で、少年、女性の検挙者が増加しているところである。このような覚せい剤事犯の傾向を踏まえ、警察としては、特に少年に深く関与している暴力団を重点とした覚せい剤密売ルートの壊滅と、末端乱用者の徹底検挙など、取り締まりの徹底と乱用防止のための広報啓発活動を強力に推進するなど、薬物事犯の根絶に向けた諸活動を強化しているところである。

〇菊池(勲)委員 県民クラブの山崎代表が会派代表質問でお伺いした経緯に関連をしてお尋ね申し上げたいと思う。
 大変恥ずかしい話であるけれども、私ごとで失礼であるが、私は子供が3人あるわけであるけれども、過般、次男坊が大変岩手県警察北山駐在所の署員に御迷惑をかけたことを思い出しながら、当局の姿を見ると背筋に寒気のする思いをいまだにするわけで、大変そのときに当たられた警察官の対応がすばらしく、おかげさまで今、3人の子供を生み育て、家族ともども精いっぱい努力しながら生活をしておる。この際、本部長初め、警察官の方々には衷心から感謝を申し上げたいと思う。
 そこで、先ほど本部長の議案説明の中で、10年前を100としたときに現在は148、普通ならば数字が上がるということはよいことであるけれども、警察関係では上がることによって悪い結果になるわけであるから、大変これは憂慮する時期になったんだなという認識を深めながら、私の自分の経験からして、なかなか大勢の方々の手をかりなければ、この問題は幾ら警察官と学校当局が精いっぱい努力されてもなかなか減少させるには至難のわざであって、現況もそうであるということを認識をしながら、私は県民の1人として、青少年は将来岩手を担い、岩手の我々県民のすべての財産であるわけであるから、この財産をむだに、また、悪い方向に展開させないがために、この議会を通じながら、私ども県民クラブから岩手の安全と安心の確保という形で発議案を提出させていただいておる。もちろん全議員の方々の賛同を得られるものと確信を持って今進めていただいておるけれども、この際本部長にお願いをするわけであるが、例えばそういう決議はもちろんであるけれども、私ども一般県民として、果たしてどんな形で具体的に応援をしたならばこの治安維持、また、低下をさせないための当局の努力に対して、我々県民が力を注いでどんな形で展開すればいいものかをひとつ御所見をお聞かせ願えれば大変ありがたいと思う。

〇伊藤生活安全部長 少年の非行防止等の地域住民の方々の支援についての御質問にお答えをする。
 まず、平成7年中の県内における非行少年等の補導数は9、300人を数え、全国的に減少傾向にある中で本県においては平成5年以来3年連続の増加となっており、全刑法犯検挙人員に占める少年の割合においても常に少年が半数以上を占め、しかも刑法犯少年の大半と言えるおよそ75%が中学生、高校生で占められておる。非行の内容も、社会の注目を浴びる殺人未遂、放火、強盗などの志向が見られたほか、集団による恐喝事件等が多発するなど、凶悪粗暴化の傾向が顕著になっておる。また、暴行傷害、恐喝等を内容とするいじめ事案、校内暴力事案の発生もあり、さらには性的犯罪の被害者となって保護され、あるいは性的問題行動で補導される女子少年も大幅に増加しておる。特に性にかかわる問題は、さまざまなメディアによる性情報のはんらんに加えて、最近増加しているテレホンクラブに代表される性を売り物とする各種の営業の影響が性非行増加の原因になっておると見られる。
 このような厳しい情勢に対応するため、警察では、地域における街頭補導、有害環境浄化活動、広報啓発活動等を任務とする少年補導員611名、風営適正化法に基づき、盛り場等における街頭補導活動や風俗営業者等に対する協力要請活動等を任務とする少年指導員71名、少年の非行集団から離脱、集団の解体補導活動を任務とする少年警察協力共助員8名を民間ボランティアとして委嘱して、各種の少年関係機関団体や地域住民との緊密な連携のもとに、学校の内外で繰り返し慣行されているいじめ事案の兆候段階における早期把握と警察への迅速な通報、テレホンクラブ、ツーショットダイヤル等の増加によりますます悪化傾向にある有害環境の浄化活動、性非行や薬物乱用事案の温床となり、集団非行等が行われることになる少年のたまり場などの解消活動、商店、学校、保護者等の連携による万引き防止三ない運動、また、少年非行の入り口となる深夜徘回等に対する地域ぐるみの愛の一声運動、また、シンナー、刃物などの少年に対する販売の自粛規制の促進、地域の各種会合等における少年の健全育成活動に関する啓発活動など、三位一体となってそれぞれの地域の志向実態に即応した活動を推進しているところである。今後とも地域の多くの皆さんがこのような活動に積極的に参加されて、少年の健全育成に御努力をいただきたいというふうに思っておる。

〇石川警察本部長 今、生活安全部長から御答弁させていただいたが、ちょっと委員の御質問と違っている面もあるのかなと思うので、多少補足答弁させていただく。
 議会としてどのような対応をとればいいんだろうか、県民として治安の悪化に対してどのように対応すればいいんだろうかという御質問だと思うので、県議会として治安の悪化に対する決議をしていただくという今の動きは承知しておる。それから、仄聞するところによると、盛岡市議会でも同様に治安の悪化に対して何とかしようじゃないかという決議の方向で、今、御検討いただいているやに聞いておる。私としては、まず、議会等で、県の、または市の治安レベルが下がってきているということを県民の皆様方にとりあえず御認識をいただいて、今までの治安というものはどちらかというと警察主導で防犯対策とか交通安全対策をやってまいったが、そうではなしに、県も、それから警察も、そして自治体もそれぞれの努力をしていく、そういう時代になってきたのではないかと私は思っておる。したがって、平成8年の予算においても、そういったいろいろな活動に対して、県の予算として、いわゆる賛助金というか、活動いただいた方に対する支援金というか、そういう予算的な計上もお願いしておるし、それから、警察も従来に倍した対応をとってまいるし、それから、そこに住んでおられる住民の方も、皆様方の目で見たときに、例えば少年非行が発生しているエリアにおいては何が問題なんだろうかと。例えばダイヤルQ2とか、いろいろなものが今、自動販売機でいっぱい売られているので、それからエロ雑誌類のものがいっぱい売られているので、そういったものをどういった形で考えていけばいいのか。それから、お年寄りの交通事故がたくさん発生する、では、どういう形で考えていけばいいのか、地域住民の皆様方と警察と、それから行政主体が一体となってそういった網の目をかけていく運動を、59自治体あるわけであるので、その自治体全部に、すぐにはなかなかできないと思うが、メッシュ方式で網をかけていって、そして少しずつでもそういった治安対策を講じていく、それが回り道ではあっても治安をよくするための一番の近道ではないのかと、このように考えているところで、そういう方法で一生懸命やらせていただきたい、このように考えている。
 その中で、今、警察が一生懸命させていただいているのは、顔のある交番、顔のある駐在所活動ということで、その地域住民の方々と一体感の持てるような交番、駐在所活動をさせていただいている。そのために何とか交番とか、何とか駐在所とか、地域住民の方々の御賛同をいただきながら、地域に足をおろした駐在所、交番活動を展開しておるので、そこも大きな核になるのではないかと期待しているところである。
 ちょっと私が言っている趣旨、そのような形で御理解いただければと思うが、よろしいであろうか。

〇菊池(勲)委員 大変丁寧な答弁、まことにありがたい。
 本部長は、過去、沖繩県警にも勤務されたと聞いておって、私の嫁の父親も本部長の御指導を得て大変感謝をしておった。特に岩手県は日本でも一番治安のいい県として私ども自負しておったのであるけれども、きょうの本部長の議案説明の中で日本一が日本一でなくなったという残念な結果になっておるわけであるから、これ以上悪くなるということは、当然このままではこれ以上悪くなるということははっきりしているわけであるけれども、私は、日本一になるのは無理としても、日本一になるような努力を県民の1人として警察本部を中心にしながら支援をしていきたいというのが私の質問の趣旨であるので、本部長の今のお答えは大変すばらしいお答えであるけれども、私は適切な指導、応援する手段を御指導いただければ大変ありがたいというふうに思っておるので、具体的な御指導をひとつお願い申し上げて終わりたいと思う。

〇久保田委員 私は、3点になると思うが、よろしくお願いする。
 1つは、本予算に計上されておるヘリコプターテレビ中継システムの導入についてである。
 5億6、100万円余が計上されておるわけであるが、このことによって災害発生時における情報収集に大きな威力を発揮するものと期待をするものであるが、このことによって本県全域の情報収集はすべて包含されるものになるのかどうか、まだ不備な中継地点というものが生じておるのかどうか、そういうことについてまず第1点お伺いをする。

〇藤警務部長 ヘリコプターテレビ中継システムについては、現在、ヘリコプターの改修工事及び警察本部内の受信設備工事を実施しておって、4月から本格稼働をさせる予定である。これが完成すると、大規模な対応を初め、山岳遭難、水難等行方不明者の捜索、列車事故、航空事故、高速道での多重衝突事故等の大規模事案においてその実態を上空から広範囲に把握することが可能となるので、救助部隊の導入、装備機械の運用など、初動対応が適切にできるほか、原因解明においても威力を発揮するものと考えておる。また、警衛警護、各種イベントなどの雑踏警備、交通指導取り締まり、交通危険箇所調査等々の面でも幅広く活用できるものと期待しておる。

〇久保田委員 私の質問、ちょっと落とされているかなと思うが、岩手県のすべての地域の情報は全部入ってくるのかということであるが、そうなのか。

〇藤警務部長 私ども基本的にはそのとおりだと思っておるが、先ほど申し上げたとおり4月から本格稼働するわけなので、その段階で不備があれば適宜対処してまいりたいと思う。ただ、基本的には県土全体がカバーできるものと理解しておる。

〇久保田委員 次の点についてである。
 交通違反、交通反則金のことである。
 私も運転しているが、罰金はここしばらく納めたことがないのである。本県の反則金の徴収の実態について、種別ごとにあると思うが、その内容についてお聞かせいただきたい。
 あわせて、この納入された交通反則金は国庫に納まるわけであるが、その使途については国の管理にかかわることであるが、どういう使い方をされているのか。漏れ聞くところによると、それぞれの道府県に配分をされているというお話も聞くわけであるが、そうだとすれば、配分の基準はどういうものによってなされておるのか、その内容についてお聞かせいただきたいのである。もとよりこの反則金は少ない方がいいわけであるが、ただ、これによって交通安全施設などの整備を図るという考えがあるようであるが、それでは本来の目的ではないとも思うし、交通安全施設を拡充するための方法とすればもっと別な対応をしなければいけないのではないかという感じを持つものであるからお伺いをする。

〇小池交通部長 久保田委員の御質問にお答えする。
 平成7年中に本県において交通違反の反則行為によって納付された反則金であるけれども、納付金額は、これは平成7年であるが、8億9、861万円余である。それからまた、納付金額を項目ごとにというお話であるが、ちょっとその資料がないので、ただ、どんなものが金額的に多いかということで申し上げると、やはり一番多いのはスピード違反、速度違反である。それから、一時不停止、駐停車違反、大体この3つである。そういうことである。
 第2の質問の、どんなものに使われているか、基準はあるのかということについてお答えすると、これはいずれも国庫に納入されるわけであるが、これは交通安全対策特別交付金ということで、県及び市町村に交付されるわけである。これに関する政令があって、交付金の使用範囲というのが決まっておる。1つは、公安委員会で所轄しておる信号機の設置、それから、道路標識等に活用されている。それから、県、市町村であるが、それぞれ管理しておる道路等の歩道、自転車道、ガードレール、カーブミラー等々の設置に活用されているわけである。この配分の基準ということであるけれども、これは交通取締法の付則17条というのがあって、この基準というのがある。これは、それぞれの範囲の中における交通事故の発生件数、それから人口の集中度、その他の事情を勘案して配分されているわけである。ちなみに、それでは平成6年に岩手県に、市町村にどのくらいの交付金があったかについてお答えしたいと思う。これは、平成6年であるが、10億6、770万円余である。そのうちの約3分の2の6億6、000万円ほどが県、それから市町村には3億3、300万円ほど交付されているところである。

〇久保田委員 最後の質問になるが、今、お話があったが、交通信号機の設置の状況についてである。
 多分各市町村からかなりの要望があると思う。その充足状況はどうなっておるのか。今後の設置の見通しについてお答えをいただきたいと思う。

〇小池交通部長 交通信号機の整備については、交通安全施設等の整備5カ年計画ということでやっているわけである。年々設置整備に努めているわけであるが、信号機の設置の要望については、県内各地の住民の方々から警察署を通じて要望がされている。大体毎年どのくらいの数か大ざっぱに申すと、総括的に申すと、110から120カ所ということである。平成7年についてお答えすると、147の御要望があった。そのうち、それぞれ設置については警察署ごとの地元の交通規制対策協議会ということで、地元の交通関係者、それから要望されている住民の方々と協議をする。そこの中で、場合によっては現地を視察してその必要性等について検討し、吟味して、それぞれ各署から上申を受けておる。昨年は上申を受けたのは50件である。そのうち48基を整備しておる。そういう状況である。それから、来年度になるが、どのくらい整備する予定かということであるので、ちょっと申し上げると、来年度は87カ所ほど上申があったので、そのうちの41ほど予定しているところである。

〇久保田委員 部長のお話の中で、交通事故、死亡事故件数がそれぞれ減少したお話をいただいた。大変うれしく思った。
 ところで、減少をさせることについては当局の大変な御苦労があったわけであるが、どういう方法、手段を講じられて減少への結果というものを生み出したのか、具体的にお話をいただければ大変ありがたいことである。

〇小池交通部長 おかげさまで、先ほど本部長からお話し申し上げたとおり、死亡事故の発生は前年対比マイナス25、全国一の減少率ということになったわけであるが、この減少した一番の原因は何かというと、やはり県内における交通関係の機関団体の方々、この方々に一生懸命やっていただいた、これが最大の力である。それと、私どもは一生懸命協力し合ってやったということである。具体的に中身を二、三申し上げると、1つは、前年の年に、平成6年に交通死亡事故が多く発生したのは国道4号であった。それで、ルート4対策ということで、これを強力に過去5年間の死亡事故など、重要事故の発生状況を検討して、その間における4号沿いの警察署のゾーンを決めた。レッドゾーン、一番危険なところ、それから次がイエローゾーンということで、そこに関係機関団体のいろいろな施策を集中的に実施した。それからもう1つは、死亡事故が発生する都度、現地に私どもの規制担当課長以下行って、それぞれ道路を管理している国あるいは県、市町村の担当係員に来ていただいて、その場でなぜ事故が起きたのか、何が問題点なのかということで検討していただいた。その結果、例えばここが少しでこぼこしている、ではこれは平らにしよう、あるいはあそこにガードレールをつけようとか、いろいろな対策をとっていただいた。あともう1つは、大変失礼であったけれども、私の名前で死亡事故が発生した場所、それから死亡事故を起こした方の住んでいる市町村の──これはいずれも交通安全対策協議会の会長であるが──市町村長の方に対して、こういう事故が起きた、こういう点は問題である、事故が起きればこういったことによって大変悲しい結果になっている、こういった点に注意していただきたいと思うという私の文書を差し上げた。それから、関係機関の先ほど申し上げたいろいろな対策、高齢者対策あるいは二輪車対策、女子対策ということで、かなりの力を入れたつもりである。再度申し上げるけれども、いずれもやはり県民の関係機関団体の方々の大変な御尽力で達成できたと感謝申し上げる次第である。

〇中屋敷委員 私は1点、過般、11日の予算特別委員会総括で我が会派の吉田洋治委員がただしておる県土地開発公社職員による汚職事件についてお尋ねする。
 いやしくも公務にかかわる人間として清廉潔白な態度が基本条件で、本人にその自覚が欠如していたということは明白であるけれども、吉田委員が質問しておるとおり、システムとしての再発防止措置が必ず必要であろうと、このように考えておる。
 そこで、適切な再発防止措置を講ずるためには、まず、その事実関係を正確に把握する必要がある、こういう認識から、捜査に支障のない範囲で事件概要と捜査状況についてお聞かせ願いたい。

〇宮原刑事部長 贈収賄事件の検挙についてお答えする。
 岩手県土地開発公社職員をめぐる贈収賄事件、3月4日に公社の公共事業課長補佐、それから資材製造販売会社盛岡営業所長、それぞれ収賄、贈賄の容疑で逮捕、取り調べをして、3月5日の盛岡地方検察庁に送致をしておる。
 事案は、公社の職員が平成6年11月ごろ、資材の選定などに便宜、有利な取り計らいを受けたことなどの謝礼として、資材販売会社の盛岡営業所長から現金30万円のわいろを受けたというものである。現在、事実関係について鋭意捜査中であるので、具体的な内容については答弁を控えさせていただく。

〇谷藤委員 日夜治安維持のためにお働きをいただいて心から感謝申し上げる次第である。
 簡単に質問させていただきたいと思うが、まず、司法解剖に係る体制が整ったという話を聞いているわけであるけれども、岩手医大との連携の体制、どういうふうになっているのか、まずお聞かせいただきたいと思う。
 それからまた、年間、その年でいろいろ状況は違うであろうけれども、平均して司法解剖の件数というのはどのぐらいの件数が今まであったものか。
 それから、県内各地でどういう状況で検体というか、その状況を把握して、それから解剖するところまで移動するときの体制とか、その辺というものが十分確保されてあるのかどうか、その辺、今の体制についてちょっとお聞かせをいただきたいと思う。

〇宮原刑事部長 最初に、医大との連携ということであるが、昨年の3月末に桂教授が医大を退職されて、以後、後任者がないという状態であった。これまで東北大学の医学部あるいは秋田大学の医学部、それぞれ死体の解剖の必要があるときにはそちらの方にお願いをしておった。参考までに、昨年司法解剖した死体は33体あった。そのうち、桂教授が退任された後の解剖が25体であった。うち23体を東北大学、2体を秋田大学、それぞれ嘱託をして解剖しておる。この4月から後任の新しい教授が来られると聞いておるので、4月以降の体制は十分であろうと、こう考えておる。
 それから、死体の取り扱い、保存等についてであるけれども、死体の腐敗防止等の観点から、すぐに解剖できないという場合には、各警察署においてそれぞれの病院等にお願いをして、死体保冷庫に一時保管をしていただくなどの処置をとっておるが、死体の腐敗あるいは損傷等を防止して良好な状態で搬送する、こういうためには可搬式の死体保冷庫が必要である。現在、2月補正予算にその可搬式の死体保冷庫4台の要求をいたしているところであるが、これらが整備されればかなり体制としても整備できていくのではないかと、このように考えておるので、よろしくお願いする。

〇谷藤委員 次に、先ほど久保田委員の方からも警察の情報通信システムというか、そこにかかわる質問があったわけであるけれども、4月1日から導入されていろいろ整備されていくということであるけれども、岩手県の情報システムというか、その辺は全国的に見たときにどういう水準に位置されてあるか、どういうふうに認識されているかお伺いする。

〇藤警務部長 警察通信システムについては、まず3つの観点からお答えしたいと思うが、まず、照会業務の観点、広域犯罪に対する適切な情報のやりとり、災害発生時の情報の収集という観点でお答えをしたいと思うが、いずれも我々良好なレベルでその水準を保っているものと認識しておる。
 まず、照会業務の方についてお話しすると、警察本部内に照会センターを設置しておって、24時間体制で運営しておる。システムとしては、全国オンラインとなっておるので、迅速確実な照会業務が可能である。
 次に、広域犯罪対応であるが、これについても、各都道府県相互で通話可能な無線機の整備や無線機と電話をリンクして全国警察と通話が可能なシステムの整備を順次行っているところである。
 それから、3番目の災害発生であるが、これも警察無線、電話を駆使して対応しておるが、確実な通信ライン確保のために多重移動無線車を1台整備しておって、この活用も図っておる。さらには、平成8年度からは携帯電話の整備をお願いしているところで、このような形で警察通信のシステムの整備に努めているところであるが、ただ、県の方でもこの間おまとめになった行政改革大綱の中でもあるように、行政の情報化というのも我々警察本部としてもその重要性を認識しているところで、全国的にはそのランシステムの整備を図っているところであるから、我々としても、本庁舎内、さらには本部と各署、各署と駐在所、交番の情報ネットワークというものを順次整備していくことによって、より一層の警察の向上、さらには市民生活の向上を図ってまいりたいと思っておる。

〇谷藤委員 ぜひ体制を整備して、また、実際に行動してみたときに不備な点があるとすれば、それはまたぜひ充実させていただきたいなと思う次第である。
 次に、12月の決算のときにもちょっと質問させていただいたわけであるけれども、どうも最近の岩手県警と言ったらあれであるが、警察のスポーツ関係に取り組む姿勢がちょっと以前に比べると弱体化しているんじゃないかと私は思っている。その辺、最近、公務員志向が非常に高くなってきて、知能犯対策に向いている人たちが大量に採用されているのかなと思ったりしているが、やはり運動部で思いっきり鍛えてきた、そういう体育会系というか、そこは上下関係を大切にするし、規律正しい青年たちがたくさんおられるわけである。やっぱり頑強な、体力、気力を充実した職員をぜひ大量に採用していただけば一番いいわけであるが、なかなか全体としてはそうはいかないのかもしれないが、ぜひ警察のスポーツ振興、やっぱり指導的立場で、私ら高校生あたりのときはよく機動隊の方々にけいこをつけていただいて鍛えていただいたことを思い出すわけであるけれども、その辺の人的採用のときの何かそういう基準というもの、ただペーパーテストだけで採用して体制を整えていっているものであろうか、それをお聞かせいただきたい。

〇藤警務部長 委員御指摘のとおり、昨今、警察官の採用についてはその枠がかなり厳しくて、そういう意味では、我々としてはうれしい悲鳴ではあるが、非常に競争率が高い状況で、優秀な人材が確保できるものと考えておる。ただ、採用の枠が多ければいろいろ多様な人材が確保できるということで、我々の方としても運用の幅が大きくなるわけであるが、いかんせん、やはり非常に競争率が高いという状況の中でなかなか難しい状況にある。ただ、我々としては、委員御指摘のとおり、警察官というのは体を張って市民の安全を守るという観点からは、そういう意味の熟化というか、運動能力をある程度維持し、さらには向上させなければいけないと思っておって、我々としては、そのための体力増進のためのさまざまな策をとっておるところではあるが、委員からごらんになるとまだまだその努力が足りないという御指摘だと思うが、今後とも引き続き前向きに検討してまいりたいと思うので、よろしくお願いする。

〇谷藤委員 採用人員には限度があるわけであるけれども、ぜひその辺を考慮していただいて、大いに希望している青年たちはたくさんいる、県警に入ってやりたいと。ところが、なかなか運動の方の活動する時間にとられて机に向かう時間が少ない方も中には若干いるけれども、情熱としては、そういう体育会系の青年たちは希望を持ってやっている人たちがたくさんいる。ぜひその辺にも配慮をしていただいて、頑強な体力を持って治安に当たる、こういう信念でぜひ今後対応いただきたいなと思う次第である。要望する。

〇伊藤(勢)委員 1点だけお伺いする。
 先ほど本部長のお話の中に、顔の見える交番という部分があった。それに関連して1つだけお伺いをしたいのであるが、235ページの交番相談員設置費という部分があるが、この部分についての御説明をいただきながら、ひとつお願いであるが、実は私は宮古の消防団の副分団長を仰せつかっておって、大変火災現場等では警察の皆さんにもいろいろ支援をいただいて消火活動をやっているという部分では大変感謝を申し上げる。
 また、そういう中で、我が分団の消防ポンプ車の新車購入が昨年あって、そのとき、各町内会長さんたちにお集まりいただいて、寄附の関係で報告をしたりした会があったが、その際に町内会の皆さんからお話が出たのは、消防団の人たちとこういう懇談をもっと持ちたい。そして、できればこういう会に消防関係の方あるいは消防署の方、つまり救急車の部分、それと警察の方にも参加をしていただいていろいろな話、情報交換をし合えば大変心強いと、こういう部分があった。私たちは消防団であるから、今までは火を消すのが主な使命と思ってやってまいったが、地域住民の中にそういう声があるというのであれば、これは新しい形の消防団の役目となっていくのかなと。まず1回やってみようということで消防団の分団の幹部の中では話し合いをしているところで、また、我が管内に、かつてはなかったのであるが、宮古の暴力団の組長の家が移転をしてまいって、そういう部分もあったり、ところが、消防団にその辺を見回ってくれと言われても、私たちはサイレンしか持っていないわけで、いろいろな意味で何ら役に立たない。煙が出れば、それは走り込んでいく場合もあるわけであるが、そういう中で住民からそういう話し合いの場を持ちたい、1年に1回か2回と、こういうことであった。それにこの設置相談員という部分がかかわるのかどうかもわからないが、そういった場合に、ぜひ交番の方にこういう会においでをいただきたいとお願いしたらかなうものかどうか。そして、恐らくこの場合は平常の勤務時間外、6時半なり7時という時間設定になろうと思うが、そういう部分がかなうのかどうか。そして、新しい形の住民と密着をする活動になっていければいいなと思うが、その部分についてお伺いしたいと思う。

〇伊藤生活安全部長 まず、地域の諸会合についての交番あるいは駐在署員の出席であるが、警察では、高齢者の日常生活の安全を確保するために、毎月高齢者家庭訪問の日を設けて、交番、駐在所の警察官を中心に訪問活動を行い、要望、意見、困り事などを伺いながら交通事故防止や被害防止等の防犯指導を行っているところである。地域の安全を守るための関係団体との諸会合には交番、駐在所の警察官を積極的に出席させて地域の安全づくりのための支援を強化しているところである。御提案のような懇談会には積極的に参加してまいりたいと思っておる。
 それから、交番相談員については、昨年は3名の交番相談員を設置した。本年度は2名の交番相談員の拡大をお願いしているところである。こうした交番相談員が主要な交番に配置されると、交番、駐在所の警察官は留守にすることなく地域の活動に、いわゆる街頭活動に出られるということである。交番を留守にしないで外に出てくれというのが地域の住民の方々の要望であるから、こうした要望にこたえていけるものと思っておる。

〇伊藤(勢)委員 そうすると、交番に直接お願いに行ってよろしいわけであるのか。いずれ近いうちに相談に上がりたいと思っておるので、これがどういう形に展開するかわからないが、いずれ初めてのケースかもしれないが取り組んでみたいと思うので、御支援をよろしくお願いする。

〇伊沢委員 先ほど御答弁の中で言葉が出てまいったが、テレクラの営業実態とか関連事件についてお伺いをしたいと思う。
 先ほどの御答弁の中で平成7年の非行少年補導件数等が出されたわけであるが、9、300人、年々ふえていると。これはゆゆしき状況だと思うし、特に低学年の女子の非行が目立ってきていると、こういう状況があるという御答弁があったわけで、大変大きな問題だと思うわけである。私も子供はもう卒業したが、PTA等の役員をしながらいまだにおつき合いをしている方々があるが、その中で、テレホンクラブの利用カードの自動販売機が盛岡市内にも、県内にあるかと思うが、かなり見えてきている。これについて何らかの措置がないのかという御相談を受けたことがあったわけである。私は、テレクラというのは本県にはないものと思っていたわけであるが、非常に大きなスピードで盛岡を中心として岩手も都市化をしているんだなということで驚いているわけである。これらはいろいろな意味で、放置をすると大変な被害に遭う女子も出てくるのではないか。さらには大きな社会問題になるという感覚があるわけであるが、県内における現在のテレクラの営業実態、何件ぐらいあってどういう状況なのか、把握していれば教えていただきたいし、また、他県においてはかなりテレクラに関連をした事件が発生しているように聞いているが、おつかみになっているとすれば、平成7年の段階でどのくらいあるのかお示しをいただきたいと思う。もしあるとすれば、県警としてこれらの対策を今の時点でどう考えているのか、あわせてお示しいただきたいと思うが、よろしくお願いする。

〇伊藤生活安全部長 テレホンクラブいわゆるテレクラについての実態について御説明申し上げる。
 テレホンクラブは不特定の男女を電話で会話させる営業を言うけれども、男性客が店舗内の個室で女性からの電話を受ける状態のもの、あるいは最近では、男女双方からの電話を営業所に設置して、いわゆるツーショット交換機によって接続させて会話させるツーショットダイヤル営業と呼ばれるものが増加しておる。これらの営業は風俗営業等の規制及び業務の適正化に関する法律の規制対象にはなっておらず、また、営業形態もさまざまであることからその実態の正確な把握は困難であるけれども、8年の1月末現在、県内で店舗式営業、個室式というか、店舗型の営業が11業者、ツーショットダイヤル式営業が7業者、それに伴うプリペイドカード、いわゆる利用カードの自動販売機が県内に40台設置されておることを把握しておる。
 テレホンクラブの利用の実態は、男性が電話で会話した女性をデートに誘うケースが多くて、女性はフリーダイヤルで利用できるために、女子少年が興味本位に利用してみだらな性行為等の福祉犯の被害に遭う事案が多発しておって、性非行の温床となっている実態もよく見られるほか、ツーショットダイヤル営業については、街頭に設置された自動販売機でカードを購入することにより男子少年も容易に利用できるなど、少年の健全育成上極めて憂慮すべき問題が発生しておる。平成7年中には、テレホンクラブに直接関連した非行として、少年中学生被害のみだらな性行為事犯、あるいは無職少女被害の薬物乱用事犯、女子高校生被害の恐喝事犯などの福祉犯を13件、13名検挙して10名の被害少女を保護しておるけれども、テレホンクラブ等の影響を受けたと見られる売春、児童福祉法の淫行、県条例のみだらな性行為の被害少女や不健全な性行為などの保護、補導した少年は昨年は85名に及んでおる。こうした情勢にかんがみ、警察としては、テレホンクラブに関連する福祉犯はもちろん、営業に起因する違法行為の取り締まりを徹底するとともに、関係機関と連携した広報啓発活動、地域住民との連携によるビラ、チラシ、カード自動販売機の撤去等の有害環境浄化活動など、テレホンクラブに係る諸対策を推進してまいりたいと思う。

〇伊沢委員 大変な実態があるということがわかったわけであるが、認識不足だったのかもしれない。
 そこで、実は茨城県で、今、行われている議会の方にテレクラ規制のための条例を提案しているというふうに新聞報道で読んだわけである。岩手県には青少年のための環境浄化に関する条例というのが54年につくられたわけである。ビデオとか文書を含めてあったわけであるが、岐阜県の場合は、これを改正をしてテレクラ規制をやる。茨城県の場合は、この報道によると、県警本部の方で独立する形でテレホンクラブだけを取り締まる条例を、今、茨城県の県議会に出しているという形があるわけである。本県にとってこの条例が必要なのかどうかという判断はまたあるとして、少ないうちにいろいろな意味での規制をかけることが後々の、条例の言ってみれば実効性を上げるために必要だというのはこれまでの経験上いっぱいあるわけである。そんなことで、モデルケースとしてこの茨城県のものがあるわけであるけれども、本県においてこの条例案、例えばどういう形で、入手していると思うので、検討されているのか、どういう形がいいのか御検討されている経緯があるとすればお示しいただきたいと思うが、よろしくお願いする。

〇伊藤生活安全部長 テレホンクラブ営業は、先ほど申し上げたように、風営適正化法あるいは県の条例の規制対象になっていない内容で、先ほど申し上げたように、これらの営業は県内においても増加して、少年の健全育成上許されない状況にある。このテレホンクラブ営業の規制については、全国的な動きとして、ただいま委員御指摘のとおりであるが、これを見ると、既存の青少年保護育成条例の改正による方法、それと、新たな条例の制定による方法の2つの形態が見られるようである。岐阜県では御指摘のとおり既存条例の改正であるし、それから茨城県では、報道によれば新条例の制定であって、この条例を見ると、所管を公安委員会として、営業所、利用カード自動販売機の届け出制の導入、学校図書館、児童施設からの営業禁止区域の設定あるいは広告物の配布、掲示の制限、営業所の禁止行為の設定などが柱になっておって、常時警戒体制を保持しておる警察に禁止行為に対する警告等の権限を付与して実効を期そうとするものであると理解しておる。本県においてもテレホンクラブ営業が少年に及ぼす悪影響ははかり知れないものがあって、これらの営業に絡む福祉犯の取り締まりの強化、地域ボランティア等の協力によるカード販売機等の撤去活動を先ほど申し上げたように展開しているところであるけれども、何せ法的規制のない中での活動には限界があるから、今後、この規制については各県の動向を見ながら、現在資料等を収集中である。本県においても、この種の条例化等については前向きに、今、検討しているところである。

〇伊沢委員 全国で、報道によると10県程度が何らかの規制を考えたいと。私は、県警が持つのがいいのか、54年につくられた本県の青少年のための環境浄化に関する条例の延長上で考えるのがいいのか、これはちょっと今判断できないと思うけれども、今後検討する課題ではないのかなと、こう思うわけである。ただ、地域に40台も利用カード、何か私の家の前にもある。伝言ちゃまというものではないのかなと思うが、もしそうであればその部分御答弁をいただきたいが、何が置いてあるのかわからないのがちまたにあるという部分が、地区の形がある。これらを見て冒頭申し上げたPTAの方たちが問題にしたという部分があったので、余りお知らせをしない方がいい部分もあると思うが、いないからいいと思うが……。(「見本だ。」と呼ぶ者あり)見本か。(「買ってみればいいんだ。」呼ぶ者あり)買ってみればいいのだが、3、000円、5、000円と書いていたようであるけれども、そういう部分なのかどうか、あわせてお願いをしながら、今申し上げたように、検討をぜひここはお願いしたいと思うので、御所見があれば改めてお願いする。

〇伊藤生活安全部長 テレホンクラブ、先ほど2つの型があると申し上げたが、最近非常に増加しているのはツーショットダイヤルである。そのツーショットダイヤルを利用するために県内にプリペイドカードの、いわゆる利用カードの販売機が私有地に設置されているということである。この利用システム、簡単に申し上げると、自動販売機で、私もまだ利用してないけれども、1、000円単位で1、000円から2万円ぐらいまで、1、000円券、3、000円券、5、000円券と自分で選んでカードを買うことができる。これはちょうどテレホンカードと同じようなものであるが、それが5、000円カード、1万円カード。それを買うと、そのカードに買った人の会員番号と暗号番号がある。あなたが5、000円分利用するのは、あなたの会員番号はこれで、暗唱番号はこれだという番号をもらう。そのカードを使って電話をする。相手の電話番号と自分の会員番号、暗号番号をシャープを押しながらプッシュホンする。そうすると、業者の方の電話につながる。これは有料で、もちろん5、000円なら5、000円有料。そのほかに電話料がかかる。相手の女の方からの電話が来ないと音楽がかかって待ち時間になるが、その間はカードの利用はカウントされないけれども、電話料はどんどんかかっていくということである。ところが、女性からかける電話というのはフリーダイヤルである。ほとんどはただでかかる。したがって、女性からかかってくると自動的に話ができるということで、大体1、000円で10分程度、電話料は別として10分程度である。半分使っても2回目はまた半分使える。全部それを使い終わると、自分の会員番号で銀行に振り込めば新しいカードが送られてくる。販売機で買ってもいいのだけれども、そういうシステムになっている。ところが、女性がサクラで、いわゆるやらせの女性、業者は女性と話をしている分だけが収入であるから、音楽だけ流したのでは収入にならないので、やらせの女性が非常に多い。業者から雇われ契約した女性が素人の女性に成り済まして電話をするというのが多いようである。大体金曜日の夜とか土曜日あたりかけるとすぐつながるというような状況である。これがツーショットダイヤルのシステムである。

〇宮原刑事部長 先ほど死体の解剖に関連して死体保冷庫について御答弁申し上げたが、2月補正で要求していると御答弁申し上げたけれども、7年度2月補正で容認されて、現在購入手続中である。訂正させていただく。

〇斉藤委員 1点だけお聞きする。
 岩手県内の犯罪等諸情勢を読むと、盛岡市が10万人当たりの犯罪発生、いわゆる刑法犯認知件数で東北ワーストワンとなったとあるけれども、その特徴、原因、今後の対策はどうなっているであろうか、お聞きする。

〇伊藤生活安全部長 増加している犯罪の内容を見ると、全刑法犯の8割を占める窃盗犯の増加が目立って、その中でも特に自転車盗、オートバイ盗などの乗り物盗と、空き巣盗の侵入盗の増加が全体の発生率を高いものにしておる。平成7年の県内の窃盗犯認知件数は1万2、774件で、その約半数の6、493件が自転車盗、オートバイ盗などの乗り物盗で、この乗り物盗の半数が盛岡東、西署管内で発生しておる。この窃盗犯について盛岡市とほぼ同じ人口の福島市あるいは青森市に比較すると、人口に対する発生率が福島市の約2倍、青森市の約2・5倍となっておって、このほとんどが乗り物盗である。したがって、この乗り物盗及び侵入盗の事件対策を推進することによって、県内はもちろんのこと盛岡市の刑法犯の発生率を大幅に抑えることができるものと考えておる。
 具体的な施策については、一昨年から地域安全活動の推進を県警察の運営重点に掲げて、この地域安全活動において住民の身近な犯罪の防止対策を推進しており、推進の方法としては市内の重要交番に交番相談員を配置して、警察官による街頭活動の強化を図るとともに、自転車盗など乗り物盗の多発するJR駅前駐輪場を対象に関係機関の御協力をいただきながら、駐輪場施設の整備や防犯協会が中心のボランティア活動による整理整とん、さらには、中高校生を対象に自転車防犯灯と二重施錠などの指導、または、侵入盗対策については地域安全ニュースを発行して、住民に犯罪の発生状況を知らせるなどして外出時のかぎかけ等の広報指導を行っているところである。この推進の効果について、徐々にではあるけれどもあらわれてきておって、例えば地域安全活動を強化指定した花巻警察署管内の自転車盗については、平成6年が514件の発生であったが、平成7年は391件で31・5%ほどの減少を見たところである。本年4月からは犯罪発生率の高い盛岡市を管轄する盛岡東、西警察署を地域安全活動強化のパイロット警察署に指定して、両署を中心に県下全域にわたって乗り物盗や侵入盗を初めとする全刑法犯の発生を抑止したいと考えておる。

〇那須川委員長 ほかに質疑ないか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇那須川委員長 質疑がないようなので、これで警察本部関係の質疑を終わる。
 以上で本日の日程は全部終了した。本日はこれをもって散会する。
   午後4時13分 散 会


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