平成8年2月定例会 第5回岩手県議会定例会 会議録

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〇4番(小野寺好君) 私は、議案第22号行政手続条例案に関し細かな点を省いて簡潔に質問いたします。
 まず、国の行政手続法によりますと、地方公共団体の処分や行政指導等については同法は適用されないということになっております。つまり、地方公共団体は独自に条例を定めることによって行政運営における公正の確保と透明性の向上を図り、もって住民の権利、利益を保護するよう努めなければならないということが読み取れると思います。この法律が成立したのは平成5年11月で、これを受けて東京都や鳥取県などは素早く対応したようでありますが、我が県は今議会の提案であります。どのようなわけで若干おくれたのかお伺いいたします。
 次に、この条例制定の根源となります許認可等のための申請というものは、県の場合何件ほどあるものかお伺いします。これとともに県内の自治体、市町村の場合はどのくらいあるのか。また、県内市町村では行政手続条例制定の動きについてどうなっているのか、把握していればお示しいただきたいと思います。
 本条例案の一番の目玉は何か。また、国の行政手続法に規定されていなくても本県住民の権利、利益の保護のために特に盛り込んだ条項があればお示しいただきたいと思います。
 次に、条例案の中で行政指導に関し行政指導に対する異議の申し出、あるいは苦情の申し出ができるというような条文はありませんが、よその自治体では定めているところもあります。我が県の条例案にはこれがありませんが、なくとも当然にこのような申し出ができると理解していいものかお伺いいたします。
 最後ですが、閲覧を求めることができると数カ所にありますけれども、この場合に閲覧とともに写しの交付請求ができるかどうかお伺いいたします。
 以上です。
   〔総務部長上田紘士君登壇〕
〇総務部長(上田紘士君) まず、最初に提案の時期の問題について御説明いたします。 本県におきましては、この行政手続条例の制定の件につきましては、県の県版行政改革の一環としてとらえております。したがいまして、県の行政改革に関する行政改革懇談会からの御意見を承った上で今議会に提出するという段取りが適正であると判断したところであります。
 次に、条例にかかわる許認可のための申請というのは何件あるかということですが、何件というか、条項の数で数えまして約100件程度というふうに承知しております。
 それから、市町村につきましては、これは各市町村の法規の問題ですので、申請等の規定がどれだけあるかは、これははかりかねておりますが、市町村に対しましては、行政手続条例のいわば参考例といいますか、事例を送付いたしてその制定を指導しておりますことから、市町村におきましては今3月の定例議会以降、逐次制定がなされていくものと存じております。
 それから、本県の何か特別な規定があるかというお尋ねでございますけれども、今回の条例案につきましては国の行政手続法、それから先行するほかの都道府県の条例を参考として構成しているものでありまして、内容的にはこれらのものとおおむね同じでございまして、特別な規定というものはないというふうに考えております。
 それから、行政指導に対する異議の申し出がどうかということでありますが、行政指導に関する規定におきましては、条例案の第30条第1項は、行政指導にあっては行政指導に携わる者は、いやしくも当該県の機関の任務、または所掌事務の範囲を逸脱してはならないこと、及び行政指導の内容があくまでも相手方の任意の協力によってのみ実現されるものであることに留意しなければならないとしておりますし、また、同2項におきまして、行政指導に携わる者はその相手方が行政指導に従わなかったことを理由として不利益な取り扱いをしてはならないとしておりますことから、異議の申し出というような規定を盛り込む必要はないものと判断したところであります。
 それから、18条の資料の閲覧の関係でございますけれども、この不利益処分に対する聴聞手続に入る事例というものが余り数も多くないかと存じますし、その中でこういう資料の閲覧というケースがどれだけ出るか、ちょっとそのケースを想定するのが難しいようでありますが、その場その場、生じた場合には個々の事例に応じて適切に対応すべきものと考えております。
〇議長(堀口治五右衛門君) 次に斉藤信君。

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