平成8年12月定例会 第8回岩手県議会定例会会議録

前へ 次へ

〇43番(佐藤正春君) 大分熱い議場になってまいりました。山内議員は直球を投げるピッチャーでございますから、私はカーブの方で。
 そこで私は、いわゆるただいまもお話がございました岩手の政争とはもう関係のない、県民の素朴な感情を代弁いたしましてお尋ねをする次第でございます。
 先般は、国への統一要望でございまして、知事並びに堀口議長を初め、関係機関の皆さんには大変に御苦労さんでございました。副議長も御苦労さんでございました。まず、その結果につきまして、この要望の実質的な責任者である吉永副知事にお伺いをいたします。
 新聞やテレビの報道を拝見しますと、昨年、ことしの夏に続いて、またもや大臣に会えず、知事の新進党寄りの姿勢響くと、活字が踊っております。このことは、これからの県政にとっても県民にとっても、大きなマイナス要因になるのではないかと解説がなされており、県民も実は心配をいたしているのでございます。確かに限られた予算の中からの優先順位となると、おいしいものは親しい人、信頼関係のある人から分けてやるのが世の中の常でございます。この点について、知事も記者団に対して、政治的な問題も当然のことながら含まれていると思うと、このようにコメントしてみずからも認めているわけでございます。また、堀口議長も、超党派での支援隊をお願いしたいと、こう申し上げたようでございますが、何しろ先般の衆議院議員の選挙の敵、味方の応援がはっきりしているわけでございまして、なかなか色よい返事がないのもまた当然でございます。したがって、知事、議長という県民を代表する立場にある人は、公平中立が実は求められているのでございます。しかし、知事は、選挙によって県民から選ばれた政治家でございますから、みずからの信念に従って行動し、その結果が県政にとってマイナスになるならば、その責任は選んだ県民にもあるわけでございます。
 御承知のとおり、地方自治法第150条は、国の機関委任事務の指揮、監督について規定をいたしております。その要旨は、地方公共団体の長--いわゆる知事ですね--長が国の機関委任事務を処理する際は、国の機関として位置づけられていることから、国の包括的な指揮、監督に服することを規定したものでございます。したがいまして、知事は、主務大臣と緊密な関係にあることが望ましいわけでございます。
 そこで、知事に2点についてお尋ねをいたします。
 今まで、統一要望の際に、行ってきますと、私も参りましたが、県選出の国会議員との懇談会というのがございました。これはなぜ中止したのでしょうか。いわゆる先ほど来話題になっておりますところの、本県の場合は国と県とのねじれ現象の中だからこそ、よく話し合ってもらい、また、お願いし、また、各党各派、超党派で、議長がおっしゃるように協力することが必要かと思われますが、これはどうなんでしょうか。
 もう1点は、鈴木俊一厚生政務次官は、大臣に会えないと言うけれども、知事からの面会したいとの要請もなかったと、こう漏れ聞いているわけでございますが、要請はしなかったのですか。また、本県出身の衆議院議員であり新進党の党首であるところの小沢代議士には、大臣面会の要請はしなかったのでしょうか。
 かつて、京都府の知事として反権力を貫き通した蜷川知事という人がおりました。御存じだろうと思います。この人は、革新知事と言われましたが、実は庶民に大変に人気の高い知事でございました。この人は頑として東京には行かず、政府に対する陳情は1回も行かなかったと、このように聞いております。
 増田知事、何回行っても大臣に会えないならば、岩手の蜷川となって、ひとつ信念を曲げず、今後、統一陳情をおやめになったらいかがですか。何もそんなに無理して行くことない。これも私は増田知事の1つの政治姿勢ではなかろうかと思っております。
 次に、吉永副知事に伺いますが、現在、国からのいわゆる天下り人事として部長級以上では、吉永副知事を初め武居企画調整部長、緒方環境保健部長、中村林業水産部長、藤本土木部長、こうおりますが、あなた方は何のために本省から岩手に派遣され、どのような役目を果たしているのですか。知事は、ただいま申し上げましたとおり政治家でございますから、その時々の立場で苦しい立場に追い込まれることは当然であります。その知事を補佐し、知事が十分に政治的手腕を発揮できるよう、今までの実績を活用し努力するのがあなた方の務めではないでしょうか、そうでしょう。県民はそんな役に立たないような--役に立たないというのは悪いけれども、責任を果たせないような方ならば岩手に要りませんから、このことを申し上げておきます。皆さんが今回の統一要望に対して、それぞれの出身省庁に対してどのような努力をされたのか。大臣面会折衝も含めまして、各部長ごとに具体的に県民の前に明らかにしてください。
 また、余り効果のなかった今回の統一陳情にかかわった知事、県議団、職員の旅費、宿泊を含めまして、経費は幾らかかったのですか。これは企画調整部長。年末はうんとかかる、今度は何ぼかかったのだか、--余り役に立たなかったけれども。
 最後になりますが、冒頭に、知事から陳謝の言葉がありました。これもまた知事の態度は立派だった、陳謝の態度は。この今回の一連の不祥事件、スキャンダルに関して、執行部は、他県のように内部調査機関を設置して徹底的に調査をするお考えがあるかどうか、これは総務部長、ひとつお尋ねをいたしておきます。
 実はこの件につきましては、午前中、源新代表監査委員から、テレビを通しましてこの調査機関については発表したということを伺っております。
 以上でございます。
   〔知事増田寛也君登壇〕
〇知事(増田寛也君) 佐藤正春議員のただいまの御質問にお答え申し上げますが、まず、県選出国会議員との懇談会の件についてでございますけれども、県選出の国会議員に対しましては、議員会館で統一要望の際に実施をしております説明会のほかに、要望活動終了後に懇談をする機会を設けてきたところでございますけれども、昨今の全国的な国への予算要望活動の見直しの動きなど、諸般の情勢を勘案いたしまして、今回開催をしないこととしたところでございます。
 次に、関係大臣に対する面会についてでございますけれども、これは県の東京事務所を通じまして直接関係省庁に申し込んだと、このような経緯でございます。
 それから、統一要望のあり方についてのお尋ねがございましたけれども、この統一要望は県議会と一体となって、国に対し、いまだおくれております本県の社会資本の整備、地域課題に対応した新たな制度創設の必要性といった、この本県の実情を説明し理解をしていただく上で意義があるものと、このように考えているところでございます。
   〔副知事吉永國光君登壇〕
〇副知事(吉永國光君) まず、政府予算統一要望の結果についてでございますが、知事からも申し上げましたとおり、去る11月15日に県政の重要課題72項目につきまして県議会と御一緒に、知事、県議会議長を先頭に、関係省庁に対して要望活動を行ったところでございます。本県の実情及び要望の趣旨につきましては、十分理解が得られたものと考えております。
 次に、統一要望及び各省庁への要望の具体的な活動についてでございますが、統一要望に際しましては、私及び各部長におきましても、知事、議長を補佐し、各班ごとに積極的な要望活動に取り組んでまいりました。それに加えまして、統一要望と相前後して、関係省庁に対する本県の状況説明あるいは情報収集といったようなものに対しましては、関係省庁へのそれぞれのパイプを最大限に活用しつつ、要望内容の実現に向けて積極的な活動を展開したところでございます。
 私自身、10月下旬以降、ほぼ毎週上京しておりまして、財政当局によります査定の中間状況を中心に情報収集をしているところでございます。その状況は、具体的に知事に御報告しその指示を仰いでいるところでございますが、知事御自身もそれぞれの時点で最大限、国に対する働きかけをされているところでございます。
 御承知のとおり、国の財政状況は極めて厳しいところにあります。政府は、来年度財政構造改革元年予算と位置づけており、例年にも増して厳しい予算編成が予想されております。このため、各部長ともどもあらゆる機会をとらえて、本県の置かれた厳しい実情を関係省庁に対し強く訴え要望事項が実現されるよう、知事を補佐し努力を重ねてまいる所存でございます。
 お尋ねの大臣への面会につきましては、各部長におきましてもそれぞれの立場で関係省庁に働きかけを行ったものでございます。私自身も、ある大臣に対しまして1つのルートを使いまして、大臣面会が実現するよう努力をしたものでございます。結局、日程の調整はつきませんでしたが、当県の要望内容については大臣の目に触れるようお願いしたところでございます。
 次に、私を含めました国からの割愛職員が何のために派遣され、どのような役目を果たしているかとのお尋ねでございますが、それぞれ職域において国等における経験及び情報収集力等を生かし、本県の行政施策の推進に積極的に取り組むとともに、国の県施策に対する理解を深める役割及び国と県とのそれぞれの施策の連携を図り、もって県勢の一層の発展に寄与することなどが期待されているものと理解しております。
 御理解いただきたいのは、国から縁あって岩手県に奉職している私もそういう職員も、岩手県の発展、県民生活の向上のために働こうという熱い思いは、県に長く奉職している職員と全く同じということでございます。私どもは今後とも知事を補佐し、県勢の発展のために全力を尽くしてまいる所存でございますので、どうかよろしくお願いいたします。
   〔企画調整部長武居丈二君登壇〕
〇企画調整部長(武居丈二君) 今回の統一要望の経費についてでありますが、要望書の作成費約200万円のほか、知事、県議会議員を含む統一要望班員33名分の旅費が別途支給されております。
 旅費につきましては、東京における東北ブロックの大会やさまざまな会議などの用務をあわせて出張した者もありますことから、統一要望に係る旅費分を一定の仮定のもとで計算することになるわけでございますが、全体ではおよそ190万円程度になるのではないかと見込まれております。県といたしましては、今後とも効率的な要望活動の実施に努めてまいりたいと存じております。
   〔総務部長大隅英喜君登壇〕
〇総務部長(大隅英喜君) 今回の遺憾な事態、まことに申しわけなく存じております。行政管理委員会を通じまして内部考査の徹底を図りますとともに、公務意識の高揚等に努めまして、再発の防止に全力を尽くしてまいりたいと存じております。
   
〇副議長(及川幸郎君) この際、暫時休憩をいたします。
   午後3時39分 休 憩
   
出席議員(47名)
1  番  斉藤信  君
2  番  須藤敏昭  君
3  番  佐々木一榮  君
4  番  黄川田徹  君
5  番  小野寺好  君
6  番  佐々木博  君
7  番  中屋敷十  君
8  番  浅井東兵衛  君
9  番  佐々木大和  君
10  番  藤原泰次郎  君
11  番  千葉伝  君
12  番  伊沢昌弘  君
13  番  折居明広  君
14  番  大久保豊  君
15  番  田村正彦  君
16  番  伊藤勢至  君
17  番  佐藤一男  君
18  番  高橋賢輔  君
19  番  瀬川滋  君
20  番  渡辺幸貫  君
21  番  谷藤裕明  君
22  番  水上信宏  君
23  番  船越賢太郎  君
24  番  久保田晴弘  君
25  番  千葉浩  君
26  番  長谷川忠久  君
27  番  三河喜美男  君
28  番  村上恵三  君
29  番  村田柴太  君
30  番  藤原良信  君
31  番  吉田洋治  君
34  番  菅原温士  君
35  番  菊池勲  君
36  番  小原宣良  君
37  番  樋下正光  君
38  番  及川幸郎  君
39  番  那須川健一  君
40  番  伊藤孝  君
41  番  藤倉正巳  君
42  番  山内隆文  君
43  番  佐藤正春  君
45  番  佐々木俊夫  君
46  番  山崎門一郎  君
47  番  菊池雄光  君
48  番  佐藤啓二  君
49  番  堀口治五右衛門  君
50  番  吉田秀  君
欠席議員(3名)
32  番  飯澤忠雄  君
33  番  工藤篤  君
51  番  藤原哲夫  君
   
説明のため出席した者
休憩前に同じ
   
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
   
午後3時58分 再 開
〇副議長(及川幸郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第1、一般質問を継続いたします。長谷川忠久君。
   〔26番長谷川忠久君登壇〕(拍手)

前へ 次へ