平成9年2月定例会 予算特別委員会会議録

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平成9年3月13日(木)
   

1開会  午前10時3分

1出席委員  別紙出席簿のとおり

1事務局職員
事務局長 村上勝治
議事課長 及川宣夫
議事課長補佐 西田幸男
主任議事管理主査 駿河 勉
議事管理主査 中澤 悟
議事管理主査 上柿 聡
議事管理主査 木村 稔
議事管理主査 南 敏幸

1説明員
教育委員会委員長 三浦 三千男
教育長 細屋正勝
教育次長 佐藤文昭
教育次長 三 田 健二郎
総務課長 小 田 島栄
厚生福利室長 高橋正信
財務課長 小原公平
義務教育課長 竹田紀男
県立学校課長 三田信一
指導課長 五 十 嵐正
社会教育課長 山本詔夫
文化課長 杉浦久弘
美術館整備室長 池田克典
保健体育課長長 澤佳彦
全国高校総体推進監 及川克郎
冬季国体推進監 工藤勝文
 
警察本部長 池田克彦
警務部長 藤 和彦
生活安全部長 石川瑞彦
刑事部長 北條祐吾
交通部長 及川 剛
警備部長 熊澤國夫
警務部参事官兼警務課長 沼 崎 喜四郎
生活安全部参事官兼生活安全企画課長 石山幸雄
生活安全部参事官兼地域課長 及川光雄
交通部参事官兼交通企画課長 佐藤光雄
交通部参事官兼運転免許課長 三浦健嗣
警備部参事官兼警備課長 日山 忠
総務課長 吉村 浩
会計課長 菊池幸男
生活保安課長 高橋 弘
捜査第二課長 佐野朋毅
交通規制課長 中川 健
 
財政課長佐藤 勝
   

〇藤原委員長 これより本日の会議を開き直ちに議事に入る。
 議案第6号から議案第25号まで、議案第27号、議案第32号から議案第49号まで、議案第51号から議案第68号まで、議案第70号から議案第72号まで、議案第74号から議案第84号まで及び議案第86号、以上72件を一括議題とする。
 本日は、教育委員会及び警察本部関係を終わるように進行したいと思うので、御協力をお願いする。
 これより教育委員会関係の審査に入るわけであるが、教育行政施策について教育委員会委員長から発言を求められておるので、発言を許すこととし、その後、教育長から教育委員会関係の説明を求め、質疑に入ることにしたいと思う。

〇三浦教育委員会委員長 平成9年度の教育委員会所管に係る予算について御審議をいただくに当たり、教育行政施策についての御説明を申し上げる。
 本県の教育は、県民の熱意と関係者の努力により着実に発展してまいったが、経済社会の進展とともに教育を取り巻く環境も大きく変化する中、県民の多様で高度な学習意欲が増大する一方、学力の向上、生徒指導、さらには教育諸条件の整備充実など、さまざまな課題が指摘されているところである。教育委員会では、このような課題に対応するため第7次岩手県教育振興基本計画に基づき、諸施策を総合的、効果的に推進してきたところであるが、県民が学びたいときにみずからに適した方法で学ぶことができる生涯学習社会の構築を目指し、今後とも本県教育の一層の振興を期し最善の努力を傾けてまいる所存である。
 以下、平成9年度の施策の大要について申し上げる。
 第1は、生涯学習環境の整備についてである。
 まず、各種情報媒体により生涯学習に対する県民の理解と意欲の高揚を図るとともに、民間の教育活動をも視野に入れた生涯学習関連施策の効果的な推進に努めるほか、市町村における生涯学習推進体制の整備促進を図ってまいる。
 また、昨年4月に開所した生涯学習推進センターによる学習情報の迅速な提供や、調査研究、指導者養成などを通じて県民の学習活動を積極的に支援してまいる。
 第2は、学校教育の充実についてである。
 学校教育では、教育の機会均等の理念を基本とし、その具体化を図りつつ生涯学習の基礎を培うとの観点に立ち、基礎的、基本的内容を確実に習得させながら児童生徒の個性を尊重し、多様な能力・適性を伸長させるとともに、社会の変化にみずから柔軟に対応できるたくましく心豊かな人間の育成に努めてまいる。
 まず、生涯学習の基礎を培う教育の推進についてであるが、みずから学ぶ意欲を育てるため、選択履修の幅の拡大、体験的な学習の充実など、学習指導等の工夫改善に努めるとともに、基礎的な学力の向上を図るため、一人一人の個性に応じたきめ細かな指導を行ってまいる。
 次に、社会の変化に対応した教育の充実についてであるが、語学指導を行う外国青年の一層の招致を進めるとともに、高校生の国際交流を拡充するなど、国際理解教育を推進するほか、民間の情報処理技術者の活用や情報通信ネットワークの活用、研究などにより、情報教育を一層推進してまいる。
 また、職業教育については、新しい時代に対応した学科の新設や改編に努めるなど、その充実を図ってまいる。
 さらに、少子化による生徒の減少や社会の急速かつ広範な変化、生徒の多様なニーズに対応するため、21世紀に向けた魅力ある高校づくりについて調査検討を進めてまいる。
 次に、たくましく心豊かな人間の育成についてであるが、さまざまな生活体験や自然との触れ合いなど、体験的学習の充実を図るほか、学校教育全体を通じて道徳教育や福祉教育などの充実に努めてまいる。
 また、いわゆるいじめなどに対する指導については、研修の充実により教師一人一人の指導力の向上を図るとともに、教育相談ネットワークの構築などにより、教育相談活動の一層の充実に努め、学校、家庭、地域社会の連携を深めながら、児童生徒一人一人が生き生きと学校生活を送ることができるように努めてまいる。
 さらに、児童生徒の心身の健全な発達を促進するため、不登校などの心の問題の予防に努めるほか、学校給食ついては、特に安全への配慮を徹底するなど、健康教育の推進を図ってまいる。
 また、月2回の学校週5日制については、教育課程の編成や学習指導などの工夫改善に一層努めるとともに、家庭や地域社会との連携を図りながらその円滑な定着に努めてまいる。
 第3は、社会教育の充実についてである。
 まず、家庭教育については、少子化、女性の社会進出など、家庭を取り巻く環境の変化に対応し、子供の発達段階に応じた親等の学習機会や学習情報を提供するなど、学校、地域の持つ教育機能と連動しながら子供を育む環境づくりを進めてまいる。
 次に、生涯の各時期における社会教育活動の推進については、青少年教育において郷土の自然、文化、歴史などの体験学習機会の提供に努めるほか、ボランティア活動などの社会参加活動を促進するとともに、成人教育においては高等学校や専修学校の開放講座、女性の生涯学習講座、高齢者のための長寿学園を開設するなど、多様な学習機会の提供に努めてまいる。
 第4は、体育・スポーツの振興についてである。
 まず、生涯スポーツの振興については、地域における日常的なスポーツ・レクリエーション活動の定着を図るため、市町村における生涯スポーツ活動を促進するとともに、幼児から高齢者までより多くの県民が気軽に参加できる県民スポーツ・レクリエーション祭を開催してまいる。
 次に、学校における体育・スポーツの充実については、児童生徒の基礎的な体力や運動能力を高めるため、個々の体力の実態を踏まえた指導の充実を図るとともに各種スポーツの奨励や教員の実技指導力の向上を図るほか、学校体育施設の整備を促進してまいる。
 さらに、競技スポーツの推進については、本県競技スポーツ水準の一層の向上を図るため、体育団体等との連携を強めながら、ジュニア層から一貫した強化対策と指導者の養成確保を図るとともに、県外交流の推進、民間の活動に対する支援など、競技力向上のための対策を強化してまいる。
 また、体育施設の整備については、長期的展望に立った総合的なスポーツ施設の整備について引き続き調査検討を行ってまいる。
 さらに、平成10年に開催される国民体育大会冬季大会については、その成功に向けて万全を期してまいるとともに、平成11年のいわゆるインターハイについても推進体制の充実や県民の参加意識の醸成に一層努めるなど、鋭意開催準備を進めてまいる。
 第5は、文化の振興について、県民の手による文化活動の推進を図るため、第50回を迎える岩手芸術祭の開催とこれを記念する事業を推進するとともに、すぐれた舞台芸術の公演などを通じて、多くの県民に芸術鑑賞の機会を提供するほか、青少年の創造性豊かな芸術文化活動を支援してまいる。
 次に、文化財については、保護のための調査や指定、史跡の公有化の促進などに努めるとともに、その積極的な活用を図ってまいる。
 また、柳之御所遺跡や考古学研究機関については、引き続きその整備に向けて調査を進めてまいる。
 さらに、美術館の整備については建設工事に着手するなど、本県の美術文化振興の拠点施設としてこの整備を進めてまいる。
 以上、平成9年度の施策の基本的な方向について所信の一端を述べた次第であるが、申し上げるまでもなく、教育は県民の積極的な参画を得ながら、県、市町村、団体等の関係者が一体となって推進してこそ初めてその成果が期待できるものである。教育委員会としては、その責務の重大さに思いをいたし、県民が等しくその成果を享受することができる生涯学習社会の構築を目指し、県民各位の深い御理解と御協力のもとに本県教育の振興のため全力を傾注してまいる所存である。
 なお、予算の内容については教育長から御説明申し上げるので、よろしくお願いする。

〇藤原委員長 次に、教育長から教育関係の説明を求める。

〇細屋教育長 それでは、平成9年度岩手県一般会計予算のうち、教育委員会関係の予算について説明申し上げる。お手元の議案その2の8ページをお開き願う。
 議案第6号平成9年度岩手県一般会計予算の第1表歳入歳出予算の表中、教育委員会関係の歳出予算額は10款教育費のうち1項教育総務費から7項保健体育費までの1、770億6、933万4、000円で、前年度当初予算に比較して25億4、956万円の増、率にして1・5%の増となっておる。
 さらに、9ページの11款災害復旧費の3項教育施設災害復旧費の3、000万円が教育委員会所管の予算額である。
 なお、詳細については便宜、予算に関する説明書により説明申し上げる。お手元の予算に関する説明書の243ページをお開き願う。金額は省略させていただき、主な事項を中心に説明申し上げるので御了承願う。
 第10款教育費1項教育総務費1目教育委員会費は、教育委員会の運営に要する経費である。2目事務局費は、事務局の運営に要する経費及び県立高等学校等に配置して語学指導を行う外国青年の招致事業に要する経費である。244ページをお開き願う。3目教職員人事費は、教職員の退職手当及び教職員互助会等への補助金等である。4目教育指導費は、英語教員の海外派遣研修等教職員の研修に要する経費、245ページに参って、初任者研修の実施に要する経費、いじめなどの対策として、研修の充実により教師の指導力の向上を図るとともに、教育相談ネットワークの構築により、教育相談活動の一層の充実に努め、学校、家庭、地域社会の連携を強化しながら、児童生徒一人一人が生き生きと学校生活を送ることができるような事業を推進する児童生徒健全育成に要する経費、高校生の国際理解教育を推進するため、高校生を世界4カ国に派遣する高校生世界のかけ橋推進事業に要する経費、民間の情報処理技術者の活用や情報通信ネットワークの活用研究等のマルチメディア活用推進事業に要する経費等である。5目教育センター費は、教育研究に要する経費、教職員の現職研修等に要する経費のほか、総合教育センターの管理運営に要する経費である。246ページをお開き願う。6目恩給及び退職年金費は、恩給及び扶助料等である。
 247ページに参って、2項小学校費1目教職員費は、小学校教職員の人件費及び旅費等である。
 248ページをお開き願う。3項中学校費1目教職員費は、中学校教職員の人件費及び旅費等である。
 249ページに参って、4項高等学校費1目高等学校総務費は、高等学校教職員の人件費及び旅費のほか、教職員住宅の整備に要する経費等である。2目全日制高等学校管理費、250ページに参って、3目定時制高等学校管理費は、それぞれ学校などの管理運営に要する経費である。4目教育振興費は、産業教育設備の整備に要する経費、251ページの部活動設備の整備及び情報処理教育設備整備費のほか、職業教育に係る実験実習に要する経費等である。5目学校建設費は、県立高等学校の建物等施設の整備に要する経費である。校舎建設は遠野高校の1校、産業教育施設建設は盛岡工業高校ほか2校、体育館建設は盛岡四高ほか1校、部活動施設整備は盛岡三高ほか7校、校地整備は不来方高校ほか4校、教育環境の向上を図る校舎大規模改造は沼宮内高校ほか8校、水泳プールは大槌高校の1校、太陽熱利活用プール整備は宮古高校ほか1校、セミナーハウスは盛岡北高ほか3校のそれぞれの整備に要する経費のほか、校舎、教職員住宅等の維持管理に要する経費等である。252ページをお開き願う。6目通信教育費は、通信教育の運営に要する経費である。
 253ページに参って、5項特殊学校費1目盲聾学校費は、盲学校、聾学校の人件費等の管理運営に要する経費、盛岡聾学校の校舎、屋内運動場の大規模改造など、施設の整備に要する経費等である。254ページをお開き願う。2目養護学校費は、養護学校の人件費等の管理運営に要する経費のほか、盛岡高等養護学校(仮称)の校舎及び寄宿舎等建設、花巻養護学校、一関養護学校の校舎大規模改造等の施設整備に要する経費等である。
 255ページに参って、6項社会教育費1目社会教育総務費は、家庭教育のための環境づくりを進める触れ合い家族推進に要する経費、生涯の各時期における社会活動の推進のための長寿学園の開設、生涯学習県民の集いの開催、ボランティア活動を促進する生涯学習の推進に要する経費、青少年の郷土理解と新しいふるさとづくりの意欲を培うための青少年ふるさと発見銀河鉄道推進に要する経費、生涯学習の中核施設である生涯学習推進センターの管理運営に要する経費のほか、県内3カ所にある青少年の家の管理運営及び施設整備に要する経費等である。256ページをお開き願う。2目視聴覚教育費は、教育メディアの利用推進に要する経費のほか、視聴覚教育の指導者養成等に要する経費である。3目文化財保護費は、指定文化財の保存修理に対する助成など、文化財の保護の推進に要する経費、柳之御所遺跡の整備調査に要する経費、考古学研究機関の整備調査に要する経費、特別天然記念物のカモシカの食害防止等に対する助成に要する経費等である。4目芸術文化振興費は、全国高等学校文化祭への参加、こども芸術劇場、青少年劇場等の開催など、芸術文化の振興に要する経費、257ページの第50回岩手芸術祭の開催負担金など地域芸術の育成と振興に要する経費、文化振興の拠点として整備する県立美術館の整備に要する経費、県民にすぐれた美術鑑賞の機会を提供するため、萬鉄五郎没後70年を記念する萬鉄五郎展開催に要する経費のほか、県民会館の管理運営及び施設整備に要する経費等である。5目図書館費は、県立図書館の管理運営に要する経費である。258ページをお開き願う。6目博物館費は、県立博物館の管理運営及び施設整備に要する経費である。
 259ページに参って、7項保健体育費1目保健体育総務費は、児童生徒の保健管理、学校歯科保健の推進、エイズ・性教育の推進に要する経費のほか、学校給食会に対する貸付金等である。2目体育振興費であるが、260ページをお開き願う。生涯スポーツの推進に要する経費、全国スポーツ・レクリエーション祭への参加に要する経費、各種体育大会の参加派遣に要する経費、指導者養成認定事業や選手強化費に対する助成など競技力向上対策に要する経費、平成10年に開催される国民体育大会冬季大会の開催に要する経費、平成11年に開催される全国高等学校総合体育大会に向けての準備、選手強化に要する経費及び、261ページに参りまして、インターハイの会場地が行う施設整備に要する経費に対する補助等である。3目体育施設費は、県営スケート場のリンク、管理棟の改修、食堂棟の改築など、県営体育施設の整備に要する経費、スポーツ研修センター(仮称)の整備調査に要する経費のほか、登はんボードの整備に要する経費等である。
 ページを飛んでいただいて270ページをお開き願う。11款災害復旧費3項教育施設災害復旧費1目学校施設災害復旧費は、県立学校に災害が生じた場合の復旧に要する経費である。
 次に、債務負担行為について説明申し上げる。議案その2に戻っていただいて、議案その2の15ページをお開きいただきたい。第2表債務負担行為の58校地整備事業は、不来方高等学校ほか4校のグラウンド整備について1億8、500万円を限度に債務を負担しようとするものである。同じく59美術館整備事業は、県立美術館の整備について91億300万円を限度に債務を負担しようとするものである。
 次に、予算以外の議案について説明申し上げる。議案その3の29ページをお開き願う。議案第41号県立高等学校授業料等条例の一部を改正する条例であるが、これは国の地方財政計画の基準に沿って、入学料及び入学選考料の額を改正しようとするものである。
 次に、ページを飛んでいただき111ページをお開き願う。議案第75号青少年の家条例の一部を改正する条例、さらに、113ページの議案第76号県民会館条例の一部を改正する条例、117ページの議案第77号博物館条例の一部を改正する条例、119ページの議案第78号県立体育館条例の一部を改正する条例、121ページの議案第79号県立野球場条例の一部を改正する条例、123ページの議案第80号県立スケート場条例の一部を改正する条例、125ページの議案第81号野外活動センター条例の一部を改正する条例、127ページの議案第82号スキージャンプ場条例の一部を改正する条例、128ページの議案第83号武道館条例の一部を改正する条例についてであるが、これらは消費税率の改正に伴い改正となる消費税相当額及び経済社会情勢の推移や東北各県における類似施設の状況などを勘案して、施設の使用料を改正しようとするものである。
 なお、県立博物館条例の一部を改正する条例については、学校週5日制に対応した学校外活動の充実に資するために、児童生徒に係る入館料を無料とするようあわせて改正しようとするものである。
 以上で説明を終わらせていただく。よろしく御審議賜るようにお願い申し上げる。

〇藤原委員長 ただいまの説明に対し質疑ないか。

〇村田委員 それでは、トップを承り恐縮に存じておるが、学校、特に高校再編についての長期対策について新年度から特に腰を上げて強力に取り組まれるということであるが、それに関連して、今春の高等学校の入学志望者と合格者との割合であるが、戦後学制改革により新設された地域高等学校というものが果たしてきた役割というものは、大変な貢献をしておるわけであるが、ほとんど大部分、今年度あるいは来年度において50周年を迎えるという状況にあるわけであって、一つの歴史的なエポックではないのかなと思うわけである。しかるに、昨今の社会情勢の変化により、少子化という現象が高等学校の入学志願者の状況あるいは合格者数、それによる学級の編成が、2学級が1学級しか維持できないところも出てくるのではないか。それが今後の少子化の状況等によってどのように学校を維持経営することが--存立が危ぶまれるという状況になるのではないか。それは大変地域住民にとっての大きな関心事であるわけである。したがって、この高校再編の長期対策についての取り組みの一つの意図するところ、それを承りたいと思うわけであるが、お聞きすると、中教審等において、現在までの中学校義務教育というものと、それから高等学校がそれを受けて、そして現在は義務教育ではない立場で高等学校教育というものが進路の指導を行い、進学あるいは社会人ということの一つの仕分けをしておる、指導をしておる、こういうことであるが、それをどちらかというとヨーロッパ的なギムナジウムの感覚を取り入れて、義務教育と高等学校というものの一貫性を持たせるということを一つの視野に入れて審議なされようとしておるのではないであろうか。それをどのように岩手県教育委員会が受けとめて、長期構想の中にこれを取り組もうとしておるのかということをまずお聞きしたいと思う。

〇細屋教育長 今お話いただいたいわゆる地域における高等学校の役割は、極めて重要な役割を果たしてまいったと考えておる。しかし、御案内のように少子・高齢化等によって、学校の学級減で今対応しているわけであるが、次第に存立の危機になることは自明である。私どもとしては、生徒減少への対応についてこれまでも委員会の内部で検討してまいったところであるが、今後生徒減少が一層激しさを増すということから、今月中に県立高等学校長期構想検討委員会を開催して、これから問題になる募集学級数、今お話あった2学級以下の学校の取り扱いであるとか、同一市町村内に小規模校が複数存するというような場合の扱いであるとか、さらには分校の扱い、それから普通科であるとか専門学科、総合学科、こういうものをどう配置すべきであるか、さらには総合学科など、いわゆる新しいタイプの学校をどう設置していくか、今お話のあったいわゆる中高一貫教育、これをどのようにどの地域でやっていくか、いずれこれからの県立高校のあり方について全県的な視野で検討することとしたところである。
 なお、現在基礎資料収集のために、県内の公立中学校、県立高等学校の生徒、それから保護者に対して意向調査を昨年12月からことしの2月にかけて実施しており、現在その分析を進めており、先ほど申し上げた長期構想検討委員会で十分こういうデータを見ながら検討してまいりたいと考えておる。
 以上である。

〇村田委員 この高等学校が戦後教育の中で果たしてきた地域経済あるいは地域の産業の発展、文化の向上に資した実績は大変重いものがあると思うわけであるが、特に個性化のある地域、この個性豊かな地域の、そして地方分権という時代を迎えてますます教育の人材育成の場としての高等学校の、特に戦後設立された地域学校の使命はますます重きを加えているのではないか。しかるにそういう生徒数というものが、どんどん志望者が地元高校に減ってきている、そして、他の学校に引かれていく率が大変高い。例えば大迫高校の今年度の場合においては、単一の高等学校であり、大迫の中学校の生徒が80%近く今まで入っておったのが、45%しかことしは志望者がなかった。38名と。今まで70名台であったのを、2学級編成であったのが1学級に陥落をした。これは非常なショックであって、義務教育としての立場として、地元高校というものの今までの実績から言うと、大変高いレベルで今まで推移してきたわけであるが、それについては、今後学区の再編というような形も視野に入れて御指導願うべきではないであろうか。また、地域義務教育の所管である教育委員会に対する指導ということについても、もっと強力なサジェスチョンがあっていいのではないかと思うけれども、それはどうか。

〇細屋教育長 非常に難しいお話をいただいた。特に最近においては、少子化に加えて中学生の進学先も多様化しておる。そいうことから、地域によっては地元の高校への入学者数が減少する傾向も確かにある。教育委員会としては、学校活性化を図るための事業として、各学校にいろんな支援をしているところであり、各学校では特色を持たせながら魅力ある学校づくりに努めているところである。今お話の大迫高校においては、オーストリアとの関連もあり、いわゆるドイツ語の履修をやったり、さらには多様化した生徒に対応するために習熟度別のクラス編成をしたり、さらには科目の大幅な選択制度の導入と、かなり知恵を絞っておる。それから、学校図書館の一般開放であるとか、30年にもわたるオーストリア・ベルンドルフとの交流の中で、生徒たちの積極的な国際交流が図られているところである。これは、ほかの地域に比べると極めて強い地域とのかかわりで行われてきたところであるし、この大迫においては、特に高校と--一つしかないわけであるが、高校と中学校との連携が、教員はもちろんであるが、生徒たちとの中でもかなり十分にやられている。そういう意味では、先ほど言った中高一貫に極めて近いような形ではある。ただし、今の時点で、先ほどあった学区の再編であるが、これはもちろん長期構想検討でやってまいる。ただ、今お話あった地域の教育委員会を指導してはいかんという話については、やはり私どもは県の教育委員会であるし、市町村それぞれの教育委員会がある。市町村でもかなり努力はされておるし、中学校でも努力はしていると聞いておる。ただし、それをいわゆる県教委が余りにも指導するというのはどうかと考えておる。むしろ、もっと長期的に、今お話あったようにいわゆる中高一貫教育の導入、あるいは学区の再編、もっと広い学区での高校再編、そういうものを考えてまいるべきが至当かなと考えているところである。

〇村田委員 お聞きすると、高等学校改築以来20年近い状況におかれ、今建物の補修、内装その他、抜本的なお色直しを2億数千万円の巨費を投じてお世話くださっておるということ、実に感謝にたえないわけである。地元住民として、それだけの県の教育委員会の意気込みにこたえて、我々住民も真剣にこれは取り組むべきではないであろうかということを私も声を大にして言っているわけであるが、今後ともひとつ個性豊かな高等学校、大迫高校のみならず地域に存在する親しまれる、信頼されておる高等学校の今後の経営維持については、十分なる長期構想の中でお取り決め願うことを要望して終わる。

〇小原委員 全国高等学校総合体育大会、いわゆるインターハイに関連をしてお伺いをする。
 まず一つは、各競技施設の整備状況であるが、進捗状況はどうなっているか。それから、インターハイ関連スポーツ施設整備費補助、予算では21億6、000万円ほど計上されているようであるが、この補助費総体額としてはいかほど見込んでおられるのか、あるいは今後の見通しを含めてお伺いをしたいと思う。
 2点目は、大会運営についての準備業務であるが、県外からの選手、生徒、そして関係者の受け入れ体制はどうなっているか。宿泊あるいは輸送の準備について見通しをお伺いする。
 それから、開会式の持ち方についてである。岩手らしさということについては鋭意御検討なさっておられるであろうと思うが、そうした状況がおわかりであればお知らせをいただきたい。その際の県内高校生の集団演技というかそうしたものについて、どのような規模あるいは参加状況を考えておられるか。そしてまた、このインターハイに県内の高校生、競技選手というだけではなしに、補助員というのか、いろんな形で参加されるであろうと思うが、そうした従事のための体制、これについてお伺いをする。

〇長澤保健体育課長 まず、競技施設の進捗状況についてであるが、インターハイ関連スポーツ施設整備費補助事業で整備を予定している競技施設は12件である。そのうち、8年度までに着手したものは6件である。今後着手するものは6件となっているところである。既に着手している事業については、概ね順調に整備が進み、現時点では盛岡市のサッカー競技場の芝の養生のため、平成11年6月までかかるものが一つあるが、その他はすべて平成10年度中に完成をする見込みになっている。
 次に、平成9年度の補助額についてであるが、10件、継続4件、新規6件という中身になるけれども、この整備に対して総額約21億6、900万円を平成9年度当初予算に計上しているところである。8年度末現在の全事業費及び県の補助状況についてであるけれども、全事業費、市町村あるいは県の補助も含めたものであるが、約234億1、000万円である。県の補助は、これまで28億7、000万円を補助している。総体で見ていくと、約57億8、000万円を見込んでいるところである。

〇及川全国高校総体推進監 お尋ねがあった大会への準備業務についてお答えする。
 本大会に向けた準備については御案内のとおり、一昨年、平成7年であるが、県準備委員会を設立して五つの専門委員会を設置させていただいておる。その中で各分野ごとの基本方針等を策定していただいておる。また、昨年9月には、大会日程や競技会場の岩手県案、さらには大会スローガン、シンボルマークの決定を見たところであり、大変順調に準備をさせていただいておる。
 お尋ねのあった大会関係者の宿泊施設の確保についてであるが、これについては宿泊保健専門委員会において宿泊対策基本方針を策定し、安全で快適な宿泊施設を提供できるよう宿泊に関する関係者で構成する小委員会を設置し、配宿の対応策の検討に着手したところである。また、輸送対策については、輸送警備専門委員会を設置して、輸送交通対策基本方針を策定するなど、円滑な輸送確保に向けた検討を行っておる。
 それから、総合開会式の持ち方及び規模、さらには集団演技については、式典演技専門委員会において総合開会式基本構想を策定して、本県の特徴や大会スローガン等の趣旨を生かしたものとするために三つの小委員会、企画運営、放送音楽、さらには公開演技、この小委員会を設置して具体的な演目等の検討に着手しているところである。さらに、各競技運営においては、高校生の積極的な協力体制が必要であり、その参画の形態については、今後競技専門委員会において検討を進めることとしておる。これについては、昨年12月に設立された県高等学校推進委員会との連携を図りながらとり進めているところである。
 なお、現在は補助員等の必要数及び編成について基礎的な調査に着手しているところである。
 以上である。

〇小原委員 このインターハイ関連スポーツ施設整備費補助であるが、総体では57億8、000万円と、こういう規模になっているようであるが、なお、これらは増額を要望するという形は、それぞれ施設会場を抱えている市町村などからもあるいはあるかと思うが、ぜひひとつそこのところは実態に応じながら対応をいただければありがたいと思う。
 それから、それぞれ大会運営については検討されているようであるが、特にも学校現場、高校--現時点では中学校も入ると思うが、学校現場との十分な連携をとっていただきながら、それぞれせっかくの大イベントであるから、思い出がしっかりと残っていくような、言い方を変えるとトラブらないように、ぜひ大会が成功されるように特段の御配慮をいただければと思うわけである。
 それから来年、平成10年となると、各競技種目ともにリハーサル大会が行われるのではないかと思うが、その見通しはどうか。
 それから最後であるが、インターハイに向けた大会実行委員会という設置になるであろうと思うが、この大会実行委員会はいつ設置をなさるか、そしてその体制はいかようなものであるかという点についてお伺いをする。

〇及川全国高校総体推進監 まず、第1点のリハーサル大会の見通しであるが、平成10年にはたまたま本県で東北総合体育大会、ミニ国体が開催される予定になっておる。一応大きな大会としてはそれであるが、最終的にはその辺をターゲットにしながら、各競技団体に今お諮り申し上げているところである。
 それから、2点目の実行委員会の設立見通し、体制であるが、県準備委員会としては、今年度中には予定していた準備業務が達成できる見込みであることから、来年度、平成9年度のできるだけ早い時期に、より具体的な業務を推進するために、知事を会長とする実行委員会を設立したいと考えておる。

〇伊藤(勢)委員 二、三お伺いをしたいと思う。まず、予算に関する説明書の245ページの高校生世界のかけ橋推進事業費について一つ、それから、256ページの歴史ロマン再生事業費についてお伺いをしたいと思う。
 この高校生のかけ橋、大変すばらしいことで、増田県政の目玉であろうと思っておる。来るべき21世紀を背負ってくれる次の世代を担う子供たちを、ボーダレス社会と言われている今日、どんどん世界に出してやる。かわいい子には旅をさせろ、こういう部分は大変評価をしたいと思うが、この内容について詳しくお知らせをいただきたいと思う。
 それから、歴史ロマン再生事業という部分であるが、どういう部分をどのように進めておるのかお伺いをしたいと思う。

〇五十嵐指導課長 高校生世界のかけ橋推進事業の概要について説明を申し上げる。
 従来は、高校生の海外派遣ということで、財団法人の文化振興事業団に補助として生徒を20名アメリカのカンザス州に派遣をしていたわけであるが、11年を経過して、その反省のもとに9年度から派遣の人数の拡充、訪問する国の拡充ということで新たな事業として考えてまいった。内容については、従来の施設の見学とかホームステイ、体験通学等からもう一歩踏み込んだ形で、岩手の高校生の今後いろいろな課題に直面するであろう課題について検証したいということである。例えば、福祉ボランティア関係、それから芸術文化関係、環境関係、情報理数関係、さらに、異文化理解関係、こういった関係についてコースを設け、各コース20名ずつ計100名になるわけであるけれども、こういった生徒を派遣してまいりたいという事業である。期間は約2週間、大体は秋ごろに出発するというようなことである。
 なお、この事業については、こういったコースについてどの国が適当であるかということを調査をお願いした。それによると、福祉ボランティアコースについてはスウェーデン、環境コースについてはドイツのボン、芸術文化コースについてはフランスのパリ、情報理数コースについてはアメリカの大体シアトルを中心とするところ、それから異文化理解コースについては現在と同じようにカンザスと考えているものである。

〇杉浦文化課長 256ページの歴史ロマン再生事業についてお答え申し上げる。
 歴史ロマン再生事業については、文化財の公開と活用という視点から、文化財をテーマにした講演会、シンポジウムの開催などを行おうとするものであり、文化に対する関心を深め、文化財愛護思想の普及に資するものと考えておる。そしてその事業の内容であるが、平成7年度は平泉文化、平成8年度は宮沢賢治、そして平成9年度は繩文文化と、こういった形でテーマを構成しており、来年度は繩文文化をテーマにした事業を展開していきたいと考えておる。

〇伊藤(勢)委員 ただいまの高校生派遣の件について重ねて質問であるが、伺うと、いわゆる北欧と申すか米国を含めて4カ国ぐらいと、こういうようであるが、やはり私ども日本というのは、これはアジアの一員であり、大変ルーツとしての中国とのかかわりも多いわけであるし、今現在世界の経済情勢の中では大変東南アジアが元気がいい状況にある。ルックイーストということで、日本に追いつき追い越せ、こういう部分でやっているマレーシア等があるわけであるから、ぜひ日本人、岩手県人のルーツとして、これからの将来を見越した場合にはアジアという観点も必要になろうと思うので、ぜひそれを加えていただきたい。ことし盛岡市内の盛岡タイムスというところの40周年記念があって、その中で記念誌の増田知事と社主の対談の中には、これからはやはり中国あるいはアジアという部分も視野に入れて子供たちに伝える部分を多く継承してもらう部分があるので、そういう部分も考えていこうというような記事が載っていた。ぜひ含んでいただきたいわけであるが、それについてひとつお答えいただければと思う。

〇五十嵐指導課長 委員御指摘のとおりなわけであるが、今回のこのかけ橋事業については、課題別研修のコースとして、その内容にふさわしい候補地はどうかということを全国的な高等学校の海外交流プログラムをやっている、文部省の海外の派遣プログラムなどを手がけている国際教育交換協議会に調査をお願いをした。それによると、今回の研修テーマに沿うアジアの諸国の該当がなかったということである。我々のこのプログラムが、欧米の国々の方がより適当であるという回答をいただいたものである。なお、平成9年度からは海外の修学旅行を実施できるように基準を見直したところである。全国的な海外の修学旅行の状況を見ると、約9割の学校が近隣諸国に修学旅行をやっているという状況であるので、本県も多分そういうふうになっていくのかと予想しているところである。

〇伊藤(勢)委員 せっかく次の世代を背負ってくれる子供たちを県費で出してやるわけなので、このグローバルな観点を持ってもらうという意味からも、希望をとって好きなところに出してやるのではなくて、余り光が当たってなくても将来のためになるという、こちらからのしつけといってはあれであるけれども、ぜひ必要な部分であるということでアジアもぜひ加えていただくように、これは要望しておく。
 それから一つ伺うが、中学校で3年間、大体高校も全入といってもいいような状況にある中で6年英語の勉強をしてくるわけであるが、会話がほとんどできないというのは一体いかがなものであろうか。私の場合はもう完全に能力不足であり、これはしようがないのであるが、もちろん今の若い子供たちは、私たちのときよりはずっと会話ができるのかもしれないが、やはり岩手を代表するという形で2週間も出してやる中で、世界の共通語と言われておる英語を6年間やっているのに会話ができないということは、私は大変おかしな部分であると思っておる。確かに、中学校から高校に入る場合の試験、受験といったものには会話という部分がないわけであるけれども、やはりこれからも続くであろうこういう授業のためにも、ぜひとも日常会話的な部分はやれるような、胸を張ってばんばんしゃべれるような子供にして出してやった方がいいのではないかと思う。
 私は、ある自分の同級生であるけれども、これは余り私と同じでできる方ではなかったのであるが、世界をまたにかけた船乗りである。それに聞いた。おまえはよく外国を歩いて、困らないでよくやっている。いやいや、度胸と根性でいく。ミルクをほしいときはどうするのか。ああ、それは簡単であると、こうやってこうやるとミルクが出てくる。であるけれども、逆にこうやってこうやると、お母さんが怒っていると、こういうことなそうであるが、そういうことではいけないと思うから、やはり日常会話--朝起きて、夜休むまでの間できるぐらいの言葉を、会話ができるようにして送り出してやっていただきたいものであると、これは強く要望しておく。
 それから一つ、教育の根幹と申すか、これをうたっておるのは教育勅語というものがあったものであるが、これは大変に今の私ども、こういう部分から習わなかったものから見ても大変すばらしい部分であると思っておる。
 つまり、朕惟うに我が皇祖皇宗国を肇むること広遠に徳を樹つること深厚なり、と始まるこの部分であるが、今の質問というか、提言とするか、要望と申すのは、実は歴史にかかわる部分である。特に、皇祖皇宗にかかわる部分であるので、緊張してひとつ質問をしたいと思う。
 明治43年、国定教科書の編さんに関連して、南北朝聖人論がにわかに政治問題となり、つまりどっちの系統が正統であるかということと思うのであるが、各層、学者等の論議を呼ぶところとなったようである。当時の第2次内閣総理大臣桂太郎は、幸徳秋水の問題で困惑し、天皇陛下より裁可を仰ぐことになったようである。これに当たり明治天皇は、明治44年3月3日、南朝こそが正統の天皇家であり、98世長慶天皇を歴史上に認めなさいと大号令を発したのである。長慶天皇については全国290カ所に伝説があり、明治から昭和16年まで全国津々浦々まで調査されたが、昭和18年、大阪府下に陵墓を決定したようである。しかし、宮古地方には明和年間1764年の南部封域志巻の四神祇部、安永年間1772年の黒森山陵志、あるいは嘉永年間1848年、黒森山神譜の記載書の三上系譜や言伝書などに、長慶天皇は青森県浪岡でお亡くなりになり、三戸から陸路で黒森山に葬送したとある。南部氏は南朝方であり、八戸市の櫛引八幡宮には国宝長慶帝の鎧、南部せんべいの伝説などがあるわけである。宮古市花原市には、鎮西八郎為朝の子供の頼基が父を祭ったとされる華厳院がある。これは800年前のことである。また、黒森神社に伝わる黒森神楽は県内神楽のルーツとされており、800年前の作とされる国宝の獅子頭がある。またもっと古くは、黒森山は、第11代--これは紀元前であるが--垂仁天皇第5王子、是津親王山陵である。これは言伝書にあるけれども、そうある。また、宇津峰護良親王、長慶天皇のいとことの説もある。またさらには、俗に日本書紀には霊亀元年--715年--の蝦夷、須賀君古麻比留の陵であるとの説もある。大正13年11月25日付岩手日報の夕刊によると、この黒森神社で7個の勾玉が出土し、古墳時代末期から奈良・平安初期のものであるとの記事が載っておるわけである。南部藩が過去3回、黒森山を直営で補修工事をしており、3回目は嘉永年間である。また、建久元年--1100年代--の棟札があったと言われており、神社仏閣の耐用年数からいってこれは200年以上も古い、そうすると900年代のものとなり……

〇藤原委員長 伊藤委員、申し上げる。少し簡略に進めていただきたい。

〇伊藤(勢)委員(続) 1000年ぐらいも前のものであるということになる。そういう中で、昭和50年の10月、宮古の郷土史家である山口道隆氏ほか数名が、宮内庁の陵墓課に参上して長慶帝の史跡文献を提出し、これを受理されたという事実がある。受理するということは否定をしてないわけなので、これはいわゆる先ほど申した、朕惟うにの皇祖皇宗の部分にかかわるものであるから、その辺に巡幸されたとか、お手植えの松がある、杉があるという部分とは違う史実のものであると思うのであるが、例えば長くなって大変恐縮であるが、歴史ロマン再生という事業等の中で、岩手が誇るルーツの部分としての調査をぜひされてほしいと、こう思うのであるが、それについてひとつ所感を伺いたいと思う。

〇杉浦文化課長 岩手県内の各地には、委員今お話のように、伝説とか史実にまつわる伝承等が数多く存在しておる。郷土史家などによっても調査等されており、こういったことを調べて各地の歴史を調べ、文化を振興していくことは非常に意義深いことと認識しておる。先ほど歴史ロマン再生事業については、答弁申し上げたとおり、もう平成9年度は繩文文化をテーマとする事業で考えておる。ただ、今、宮古の黒森神社のお話が出たけれども、例えば宮古市の黒森神社にかかわる神楽巡業については、それは大変貴重な習俗の保存と伝承を図るために、県として今年度から3カ年計画で国庫補助金導入して、伝承由来、それから歴史的背景などを調査して、それとともに実態を映像収録する調査あるいは記録作成事業に取り組んでいるところであるので、こうしたいろんな事業を使いながらそういった振興をしてまいりたいと考えておる。

〇伊藤(勢)委員 今のに関してであるが、実は、菊の16弁のいわゆる皇室をあらわす部分であると思うのであるが、私は持っておる。これは今から二十数年前に、生業が水道屋であり、水道工事で土を掘っているときに表土の30センチぐらいのところから出てきたものである。ある金属に詳しい方から聞いたところ、金赤銅といって、こう見ると、金も浮いて出ているような気がして、くぎ穴が三つあるので、多分これはどこかに張ってあったものではないか。黒森のふもとの辺りにはいろんな地名も残っておる。例えば、宮古弁になっておるが、はいで、はいでと言っておるけれども、これは拝む殿という拝殿というのもあれば、いろんなぼうがついて、何とかぼう何とかぼうというのも残っておる。そういう部分にかかわるところからこれが出てきたので、私は自分なりにカーボン鑑定とか、あるいは金属鑑定等をしていただいて、年代という部分も特定をしていきたいと思うのであるが、そういった中にいろんな見えてくる部分があるのではないのか。歴史ロマンの再生という部分で、ぜひ御協力もいただきたいと思うし、そういう観点を持ちながら岩手県の誇りを発掘していくべきであるということを強くお願いして、大変長くなったことをおわびして終わる。

〇黄川田委員 先ほど国際交流について、どうも言葉だけが並んでいるような形でちょっと気になるので、私も伊藤勢至委員の高校生世界のかけ橋推進事業についてお伺いする。
 私は、国際という言葉は当然に伊藤勢至委員が言われたとおり、アジア、アフリカ、中南米等を含む世界という言葉に置きかえられるものと理解しておる。そこでまずもって、21世紀を担う高校生の国際的視野の拡大や国際感覚の醸成に資するための事業として、これまで高校生の国際交流にどのように取り組んでこられたのか、派遣事業とか受け入れ事業といろいろあると思うが、世界を視野に入れた事業であると思うので、これまで具体的にその目的、人数、期間、派遣先あるいは受け入れの相手国、そしてその事業の成果等についてお知らせいただく。

〇五十嵐指導課長 国際理解教育に関する高校生の派遣事業についてであるけれども、本県における高校生の国際交流事業は、今までねらいとしては意欲を持って国際理解、国際交流に取り組んで、国際平和とか郷土の発展に寄与する人材の育成、さらに語学力の向上、国際的視野や国際的感覚の醸成といったことを目的としながら、昭和61年度から県の補助事業として財団法人の文化振興事業団が実施主体となって、県内の公・私立高校生を1年に20名、今回で11年になるので220名を派遣してきたところである。交流の相手国であるけれども、昭和61年度から平成元年度まではアメリカのオクラホマ州タルサ市であった。平成2年度からはアメリカのカンザス州の小児ミッション教育である。なお、受け入れに関しては、平成4年度から始まって、アメリカのカンザスからの受け入れである。現在まで43名の受け入れをしておる。交流期間であるけれども、約3週間程度の派遣で体験通学、ホームステイ、それから文化施設等の視察ということになっておる。
 なお、成果ということであるけれども、派遣される生徒は事前の語学の学習状況が非常に熱心であるし、そういった力がついていると、それから派遣先期間中には生き生きと交流活動をすると。
 つい最近、今年度のカンザス派遣の生徒が帰ってきたわけであるけれども、ちょうどカンザスにいる日本のレックスで派遣している教員が私どもにファックスを送ってよこした。それによると、岩手の高校生が英語を使ってどんどん積極的にホームステイ先とか学校で話をすると。教師自身が自分が高校生のころとはもう雲泥の差であるというふうな、そのぐらい語学力とか、先ほど会話の話も出たけれども、ついているのではないかと思う。これらは外国青年招致事業のALTによる指導とか、そういったいろんな国際関連事業の成果であるというふうに思っておる。なお、派遣された生徒が帰ってきた後、今でも交流を続けていると、いわゆる世界に友達ができているということであろうと思う。ただ、先ほど申し上げたように、今までの派遣がアメリカだけであるということで、もっと世界にということでかけ橋事業として今度新たに4カ国ということである。東南アジアの件については先ほどお話したとおりである。

〇黄川田委員 語学の習得は大事なことであるけれども、もっと世界的な視野に立った人間に育つためには何か足りないような気がする。今までの実績は総計で220名の派遣ということであった。そこで岩手県出身の青年海外協力隊の国別派遣実績は、平成8年末の累計でアジアに98名、アフリカに64名、中南米に44名など、239名に上っておる。この中に本県の今までの事業--高校生国際交流事業に参加された方が何人おられるであろうか、海外協力隊に……。

〇五十嵐指導課長 青年海外協力隊の派遣ということであるけれども、二十以上39歳までというふうに伺っているわけであるけれども、高校生国際交流事業で派遣された生徒が青年海外協力隊に参加したかどうかということは、生徒の卒業後のことでもあり、現在まだ掌握できていない状況である。

〇黄川田委員 それでは、来年度の世界のかけ橋事業についてもうちょっと具体的に質問する。
 まず、県内の公立、私立高校の全学年の生徒を対象とし、派遣人数は5コース、各20名、合計100名ということであるが、県内の高校生は平成8年の学校基本調査によると5万5、906人であり、どのような方法で100人を選ばれるのであろうか。
 次に、自己負担はあるのであろうか。
 次に、もうちょっと研修の特色、文化振興事業団に委託したみたいな形で、教育委員会としてどのような特色を持ってやるかという主体性がちょっと何か見えないようで、どことかでやっておるみたいな話なので、もうちょっとその辺言ってほしいところがある。
 それから、もう一度聞く。米国、欧州なのである、最も身近なはずのアジアが見当たらない。この特別な理由は何かあるのか。地域社会では中国、韓国、台湾、フィリピンなどからお嫁さんが来ているということも珍しくない状況なのである。もっともっとアジアに目を向ける必要があるのではないかと、重ねてちょっとお聞きする。
 それから、先ほど高校の修学旅行、海外が解禁となると、平成9年度から実施される予定であると、それも考えているということであるが、学校行事はもう1年間きちきちと決まっているわけで、今現在でもうわかっていると思うのであるが、現時点で何校ぐらいの希望があるのか。そうして単なる物見遊山ではないと思うので、その目的、行き先等把握されている範囲でよろしいのでお知らせいただきたい。
 これで最後であるが、この事業は本当に新しい事業として期待するものであるが、平成10年度以降この事業はどのように展開されていくのかお示しいただきたいと思う。

〇細屋教育長 なぜ欧米かという点については私から、その他については五十嵐指導課長から答弁させる。
 今までいろいろお話あるけれども、この中でいわゆる異文化交流事業の従来からやっておる文化振興事業団の補助事業としてやっておる部分については、従来から同じように、いわゆる交流型である。新たに設けた4コースについては、いわゆる交流型ではなく、課題研修型の海外派遣をやろうということで、テーマに基づいて派遣することになったわけである。であるから、そういう観点からしてテーマごとにどこに行くかは、そのテーマに沿った国に行くという観点であるので御了承願いたいと思う。

〇五十嵐指導課長 派遣生徒をどういうふうに選ぶのかということであるけれども、派遣生の選考基準または方法等については、各コースの特色を生かし、単なる学業成績にはこだわらないで、各コースに興味、関心、意欲の高い者を選考したいと考えておる。例えば、福祉、芸術、情報、理数コースの場合には、コースに関連のある学科で学んでいる生徒もたくさんいるわけである。さらに、そういう学科以外でも将来の進路をこういうところに考えている生徒もいるかと思う。そういう意味で、普通科も含めたその他の学科で学ぶ生徒も中に入れてまいりたいと考えているわけである。また、環境異文化理解とかボランティアのコースについては、そういった学科を専門に学んでいるという学科は少ないわけなので、こういったものに関してはそれぞれの学科とかそういったものにとらわれないで、テーマに強い関心を寄せる生徒を選びたいと考えておる。現在のカンザスの派遣は校内で選考して、その後、調査の小論文というか作文、そして日本語による面接と英語等による面接を行って決めておる。今度についてもそういったことを踏まえながらコースの担当校、それから教育委員会等と協議をしながら、さらに詳細については決めていきたいと思っておる。
 次に、自己負担はあるのかということであるけれども、約10万円ぐらいの自己負担があると見込んでおる。各コースの派遣の経費はそれぞれコースによって差があるけれども、1人当たり平均すると約54万円ぐらいになるであろうと思う。そのうちの約10万円の自己負担をしていただくということになる。自己負担の範囲はパスポートの取得とか保険料とか、または国内の旅費等というようなことである。
 それから修学旅行の方の関係であるけれども、平成9年度から海外修学旅行を認めるということで、これは今までは国内でも訪問先の規制があったわけであるけれども、国内、国外を問わないということにしておる。ただ、海外については、実施の1年前に教育委員会と協議をしてもらいたいと、行き先のこと、安全性のこと、それから経費のこと等あるので協議をするというようなことで進めるものである。ただ、平成9年度については、この海外修学旅行を認める通知を学校に出したのが昨年の暮れであるので、実際学校で実施するというふうになると、もう既に高校1年生は入学の時点のところからいろいろ計画を立てているわけなので、これから減ることがあれば別であるけれども、現在のところ、そういう変更を申し出るところは出ておらない状況である。

〇藤原委員長 進行する。答弁漏れ。

〇五十嵐指導課長 平成10年度以降の取り組みということであるけれども、このかけ橋事業については平成10年度以降も継続をして実施してまいりたいと考えているところである。9年度の状況等を見ながら、さらに派遣の分野、派遣国、それから派遣人数等でもし拡充できるのであれば拡充ということで事業を見直しながら、さらに継続して進めてまいりたいと考えておる。

〇船越委員 一般質問で重複になるのであるが、一般質問では時間が制約されておるので言い足りない点をちょっとだけお伺いしたいと思う。
 先ほど伊藤委員から教育勅語の話が出たのであるが、私たちも数少ない教育勅語の影響をがっちり受けて育ったものであるから、どうしても儒教とか陽明学とかそういったものにとらわれるわけであるが、今教育問題については、私は偏差値というのは非常に重要になっているというか、競争になっておるものであるから、それはそれとしていいのであるが、戦後非常に西洋の文物が流入して、そうして国旗を掲げたりあるいは国歌を歌うのに、50年経った今日もいまだに抵抗があるといったような今日であるので、そのいい悪いはともかくとして、非常に精神的なものがおろそかになっているのではないかということで、偏差値の優秀なものではオウムの青山であるとか、あるいは岡光であるとか、あるいは警察の長官を狙撃する警官、これはまだわからないであろうけれども、それが本当であるとするならば上官を狙撃する警官があるものかといったようなことで我々は非常に抵抗を感じるのであるが、そんなことばっかりたくさん出るわけなので、ここでやはり精神的なものをがっちり教育しなければならないと思うものの古い一人なのであるが、そこで一般質問でも申し上げたのであるが、やっぱり体育というものが進学校のような場合はそっちの方に頭がいっているであろうけれども、実業高校などは特に中学校でもそうなのであるが、若い時代のエネルギーの発散の場所として、先ほどの教育委員長からの演述の中にスポーツ振興云々とあったが、そういったようなことでこれを指導するということは、やはりエキスパートが絶対に必要であると。すばらしいエキスパートの場合は、そのスポーツが非常に伸びるということはだれでも知っているといったようなことで、俺についてきてもらいたいということで、幾ら偏差値がよくても自分自身をおさめるので精いっぱいなような教員で、子供たちまで俺についてきてもらいたいという力があるかどうかといったようなこともあったりするものであるから、やはり体に自信があり精神に自信があり、そういったようなことでスポーツの与える青少年教育には非常に大事な面があるのではないかと、こう私は思っているものであるから、これから教員の採用についてはそういったようなことで偏差値だけに片寄らないで、各種スポーツの堪能なる教員を採用する方向でやってもらいたいというのが一つと。それから、高校等の体育館等もどんどんできておるけれども、中学校あたりに格技場だけでもぜひ建ててあげるように、そういうことを二つばかりお伺いする。

〇細屋教育長 スポーツ教員については私の方から、それから中学校の格技場については長澤保健体育課長から答弁申し上げる。
 教員の採用に当たっては、従前から人物面等を重視した選考を行っているわけであり、その過程において個性豊かな教員、もちろん今お話の中高生等のスポーツ競技力向上に資するような教員の確保にも配慮しているところである。さらに、国際級あるいは全国レベルの大会で、競技者あるいは指導者として特に優秀な実績を持っているそういう教員を確保するために、平成8年度の採用に係る試験から、いわゆるスポーツ特別選考試験を実施して、平成8年度には4人、9年度には3人を採用したところである。今後においてもこういう指導力豊かな教員の採用については、この制度を継続等しながら採用してまいりたいと考えておる。

〇長澤保健体育課長 市町村の中学校への格技場の設置についてであるけれども、現在、設置者である市町村が主になって中学校の格技場については整備をすると。それに向けて国庫を導入しながら進めているという状況になっておる。中学校の格技場は柔道あるいは相撲、剣道、なぎなた、弓道という形で非常に数の多い形になっておるけれども、いずれも3分の1の補助という形で現在進められているところである。

〇浅井委員 ただいま船越委員の方から中学校の格技場というお話があったけれども、これに関連して、私も船越委員も柔道協会に関係するものであるけれども、中学には柔道、剣道の指導者が非常に少ない。昔、私どもは必ず柔道、剣道を習ったものであるけれども、今の先生は心得のある人が全然少ないということで、非常に指導者が問題であるということなので、どうかひとつその辺はどういうふうに考えておられるのか。格技場もつくることはもちろん大切であるけれども、指導する人がいなければ何にもならないということにもなるので、その辺どのようにお考えであるかお伺いする。

〇長澤保健体育課長 武道の指導者の確保ということであるけれども、現在、体育実技指導者研修会というのを毎年行っており、これは高校それから中学校の保健体育の免許を持っている教員を対象にしておるものであるが、柔道と剣道の2種目について研修を行って、その後、段位を習得するという形で取り進めておるので、いわゆる柔剣道専門でない教員であっても保健体育の教員であれば、柔剣道の段位を所有して正しい指導がなされるということが進められていると認識をしているところである。

〇田村委員 4点ほどお尋ねする。
 まず、今年度美術館建設が着手されるということなわけであるけれども、県立博物館はかなりのウエートで美術品が置かれておるものと理解しておるが、その美術館建設に伴って博物館の--表現はどうかわからないけれども--空きができると、そう思うのである。そういったものを今後どう運営していこうとしているのか。博物館の方である。
 あともう1点が、これも先ほどから御討議がある教員採用の件であるが、大変すばらしいことであると聞いておった、一般質問における教育長の答弁。その答弁では1次合格者枠をふやして、教員としての適格性を慎重に審査して採用に当たっているという答弁であったわけであるけれども、実際はどの程度採用して、1次合格者はどの程度の人数を1次合格にしているのか、その点をお尋ね申し上げる。
 もう1点が、県立総合運動公園が現在みたけにあるわけであるけれども、あれがどうしても企画上問題があるやに聞いておる。また将来、国体も2巡目に入って、我が県もこれを実施していかなければならない立場になってくると思うのである。それを見越して県立運動公園を新たに設置する考えはないのかをお尋ね申し上げる。
 あとこれは通告にないので大変失礼なのであるけれども、いろいろ今の論議でもスポーツ関係の--特に高校生である--スポーツ関係の論議がなされておるわけであるが、本県は御承知のとおり、文化、芸術面ですばらしい人材を世に輩出しているわけであり、今の高校の文化的な面、芸術的な面といった実態はどうなっているのかをお尋ね申し上げる。

〇細屋教育長 教員採用の関係と新たな県立運動公園の点については私から、博物館の運営については杉浦文化課長から、それと高校の文化・芸術面はどうかということについても杉浦文化課長から答弁申し上げる。
 教員採用における、いわゆる第1次合格者の枠についてであるけれども、まず、小中学校については平成8年度の教員採用試験における第1次合格者の枠は、採用予定者数の約1・7倍になっておった。平成9年度採用の教員試験については、この枠を2倍まで拡大したところである。
 次に、県立高校等の第1次合格者の枠であるけれども、8年度の採用に係る教員試験では1・9倍、9年度の採用に係る教員試験については約2・4倍になっておる。もちろん、県立学校の場合には、残念ながら採用者数の少ない教科、科目において、いわゆる第1次合格者をやや多めに選考しているということから、そういう意味では小中学校に比べてこの枠が大きいものである。科目等にもよるけれども、今後においても、いわゆる筆記試験中心の第1次合格者の枠を拡大しながら、いわゆる2次試験においてできるだけ個性豊かなという意味で個人面接のほか模擬授業、さらには集団討論、そういうものを行って人物面の評価を重視して、すぐれた人材を確保してまいりたいと考えておる。
 それから、県立運動公園を新たにというお話であるけれども、新たなものについて現在の3県総の後期実施計画において、いわゆる調査事業ということで計上しておるので、今お話あった2巡目の国体等を視野に入れながら、これから十分検討していきたいと考えているところである。

〇杉浦文化課長 私の方から県立博物館の今後の運営についてお答え申し上げる。
 県立博物館の自然系の資料を含む歴史博物館の性格と、美術博物館の性格をあわせ持つ総合博物館であることは御承知のことかと思うけれども、県立美術館が今度できることに伴って今後の博物館をどうするかという問題が、展示内容などいろいろ含めて考えていかなければならない時期にきていると認識しておる。美術以外にも歴史の分野あるいは自然系の分野、博物館がこれまでいろいろな資料、それから文化財を着実に収集してきており、こうした資料を今後うまく活用して県民の皆様にわかりやすい展示の充実に努めてまいりたいと、こう考えている次第である。
 2点目であるが、高校生の文化活動の関係である。
 高校生の文化活動については、例えば本県の場合であると、全国高等学校総合文化祭に--ことし20回目であるが--北海道へ派遣されたものの中で、例えば日本音楽で盛岡二校が文部大臣奨励賞を取って--これは日本音楽の部門であるが--取ったものを初め、将棋の部門、放送の部門、この総合文化祭で非常に優秀な成績をおさめているところである。また、全日本合唱コンクール全国大会、これでも不来方高校の合唱部が文部大臣奨励賞全国1位を取って、そのほかにもいろいろな実績がことし出ており、これからもさらに頑張ってもらうように、いろいろと県の方としても支援していかなければならないと考えておる。具体には全国高校文化祭への派遣、それから本県の高校文化祭、それから文化部活動育成事業、これは高等学校の文化部活動をこれ一層活性化し、質的な向上を図るという目的で指導者の派遣とかやっているものであるけれども、こうしたものを通じてさらにその振興に努めてまいりたいと考えておる。

〇田村委員 県立博物館の運営に関してであるけれども、先ほど来、伊藤委員の方からもお話あったとおり、我が県は非常に他県に比べても--異質なといっては何であるけれども--比較してもすばらしい文化、歴史があると思うのである。平泉文化初め戊辰戦争、他県にはないいろんな一つの歴史があるわけであり、そういったものを資料収集あるいは完璧にはかって、すばらしい歴史館にしていくべきではないのか。もう一つ、やはり本県の特徴であると思うけれども、自然環境を強調した自然を守る、環境を守るといったような発想のもとでの資料というものも必要ではないのかと、これからの子供たちに教えていくためにも、そういったところも念頭に置く考えがないのかをお尋ね申し上げる。
 もう1点、教員採用に関してであるけれども、スポーツの教員枠3名という話であった。これは答弁にもあったのであるが、全国レベルの優勝者というか、そういったものを対象に採用するというふうにお伺いしているわけであるが、このスポーツ選手というのは例を引くまでもなく、プロ野球でいえば王選手とか長島さん、優秀な選手が優秀な監督、指導者かといえば、これは意見の分かれるところであるけれども、そうでもないということなのである。ぜひそういったところも加味しながら、何も全国レベルでトップであるから優秀な指導者かといえば、若干違う面もあるというところもひとつ考えていただいて、採用に当たっては考査の対象にしていただきたい。これは要望である。

〇杉浦文化課長 博物館の運営について御答弁申し上げる。
 まず、本県の長い歴史というものを反映するような歴史博物館、あるいは自然の保護、そうした環境の問題とかもいろいろと考えたものを博物館の運営に反映させてはどうかというお話であるけれども、先ほども申し上げたとおり、県立博物館は創設のときから歴史博物館、それから自然ももちろんそこに入っておるし、あと美術博物館という総合博物館でスタートしておる。歴史の方の資料も今、3万7、000点ほどの非常に多くの資料を持つに至っており、今後はこれをどういうふうに県民の皆様にわかりやすくしていくかといったことが課題かと考えておる。本県の通史があの県立博物館に行くとよくわかるというものにこれからしていかなければならないと思うし、あと自然についても県立博物館は場所からして非常に自然に恵まれた場所にあるものであるから、いろいろな事業展開も考えられるかと思う。資料の方も大分収集が進んでおるので、そうしたものを活用して頑張ってまいりたいと、こう考えておる。

〇千葉委員 ただいまの質疑の県立博物館の運営に関した分であるが、先ほど田村委員の方から今の県立博物館のあり方、それから今後の考え方ということで今、文化課長からお話があった。私は、この博物館の運営ということで、今お持ちの資料は当然整理していただく。それから地域においても博物館に似たというか、その地域地域の歴史、郷土に関した資料をさまざま各地域で持っていると。これがまた、その地域の皆さん、それからこれから育つ子供さんとか、そういった方々により私は知っていただくということが必要と。そうして、そういった地域地域の歴史的な分が横のつながりもできる、そしてそれを県立博物館が、いわゆる統括というのかデータを整理して、いつでも地域にはこういうのがあるといったやり方をぜひ進めていただきたいと思うのであるが、いかがであろうか。

〇杉浦文化課長 今、地域の特色あるいろいろな県立博物館との連携を今後どうしていくかということであるけれども、実は県立博物館がスタートした当時は、余り各市町村の資料館や博物館がなかったものである。しかし、創設以来16年経って、本県には100近い資料館、地域の博物館、特色あるものをいろいろやっておるし、そうしたところでまさに住民の皆様と一体となったいろんな事業を展開しているところである。それぞれの特色ある資料とか、これをうまく連携させていかなければならないということは、これは私どもも非常に認識しており、情報化が進んでおるし、何とかここら辺の連絡がとれないかというふうに考えているところである。博物館の方でもそうした県内のいろんな資料館と連携をとった協議会など設けて検討しておるし、私どももこれからの情報化を見据えた形での検討を博物館ともやっておるところなので、そうした今後の県立博物館をどういうふうにしていくかということについては、いろいろと検討してまいりたいと思っておる。

〇藤原委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩する。
   午前11時53分 休 憩
 
   午後1時04分 再 開

〇久保田副委員長 休憩前に引き続き会議を開く。
 午前中の説明に対する質疑を続行する。

〇佐藤(一)委員 251ページの学校建設に関連してお伺いする。
 私立高校合わせて約100校あるのであろうか、これから老朽化あるいはまた地震対策上改築をされていくと思うが、その場合、各市町村は特徴あるまちづくりということで一生懸命にやっておるようである。学校はその地域のシンボル的存在であるのであるから、そのまちづくりに合った学校をつくっていただきたいと、このように考えるのである。学校と申すと、何と申そうか、すぐだれにでもわかるような学校をつくるのであるが、マッチ箱みたいな全く同じものをつくるのであるが、これはやっぱり同じ設計屋が同じような考えで設計されると全くそのとおりなものであると、こう思うのであって、先ほど来申し上げたように、その地域に合った設計をされることがその地域のまちづくりの大きな発展につながるものだと、このように思うが、どのようにお考えになっているかお伺いしたいと思う。
 それから、教育長も多分私らと同じ考えだと思う。本県は北海道に次ぐ森林県であるから、何と申しても木材の振興なくして本県の発展はあり得ない、こう申し上げても過言でないと思うのであって、要するに県産材の活用をお願い申し上げたいと、こう思うのである。この問題については、おかげでことしの予算にも入っているようであるが、遠野高校が立派に改築していただいておる。この改築に当たっていろいろ御陳情申し上げた。何とか木材を多分に活用お願いしたいということであったが、なかなか聞いてもらえないと申すか、使うところがないと申そうか、あるいはまた3階建ての校舎を建築基準法、いろいろ問題があるということであるが、しかしながら、これから改築される学校は、生徒数の激減と申そうか、生徒数が減るわけであるから、それに伴う予想をされての校舎づくりであるから、例えば3階でなくても2階でもいいというような校舎も考えられるかと思うのであるが、その場合、ぜひ木造の校舎をお考えになっていただきたいと、このようにお願い申し上げる次第である。
 それからもう一つ、中学校を卒業されて高校に進学される子供さんたちのお話を聞くと、事前に自分が希望している学校を訪問すると。その訪問した場合、例えばどこどこの高校の先生は大したやる気がある。ともかく何とかこの学校に来てほしい、一生懸命頑張れよというようなことで意欲が感じられる。ところが、ある学校に行くと全く感じられないと、このようなお話を多分に耳にすることがある。私はPTA会長を10年やった経緯があり、かなり荒れた学校を大分よくした経緯があるので自信があるのであるが、学校経営も企業経営も全くトップ次第だ、言うなれば校長次第でかなり学力は上がる、あるいは学校内に暴力がなくなる、非行がなくなる。であるから、校長の人事については、いい校長というのはちょっと表現が悪いかもしれないが、年功序列型でなく、やる気のある校長から人事をお願い申し上げたいと思う。と申すのは、くどいようであるが、全く校長次第で、実は私、PTA会長を10年やったときに4人の校長先生と学校運営についていろいろ議論したことがあるが、単純な例から申し上げると、例えば校長公舎がある--官舎と申そうか、校長が住んでおられる住宅があるのであるが、その住宅にお住まいにならないで、例えば御自分の家から通うのであるが、どうぞ学校が荒れているときは、校長がいないと何となく生徒たちの気持ちが揺るぐと申そうか、しかし、校長がちゃんと泊まっておると先生方もしっかりやると、したがって生徒もしっかりやる、こういうことですぐに学校がよくなるのである。例えば単純なこのような例を申し上げてもまさに校長次第だと、このように思うので、教育長がどういう校長をお考えになっているか御質問したい、こういうことである。
 三つの点についてお伺いする。

〇細屋教育長 校長人事については私から、特徴ある学校づくり、それから県産材の活用等については小原財務課長の方から答弁申し上げる。
 お答えできないぐらいおっしゃるとおりであって、確かに私も年功でここに座っている感じはするのであるけれども、確かに幹部登用に当たっては教員採用ばかりでなく、教頭も校長もいわゆる試験をやっておる。今お話あったように、教員採用のみならず、幹部職の登用についても、もっとある意味ではドラスティックに、いわゆるやる気のある、そういう人材を登用していきたいと考えておる。

〇小原財務課長 それでは、校舎の特色ある設計についてという点についてまずお答えする。
 御指摘もあったように、現在遠野高校、8、9、2年度で建築中であるが、この高校については、遠野市の景観形成方針というのがあり、それを踏まえて民話の里にふさわしい景観づくりに寄与したいという観点から、総かわらぶきの屋根として和風の町並みに溶け込むように配慮したところである。校舎の改築については従前から、学校、それからPTA、同窓会等々の意見を聞きながら、さらには市町村の景観条例などにも配慮して設計を組んできているところである。今後についてもこのような方向で対処したいと思う。
 それから、第2点の県産材の利用促進ということであるが、これも従前から積極的に取り組んでいるところであるが、高等学校の場合、まさに委員御指摘のとおり、3階建て以上の場合は建築基準法との関係があり、なかなか構造材に木材を使用できないという面がある。ただ内装については、例えば床材とか壁、天井というところには極力使うように努力しているところでもある。校舎はそういうわけでちょっと難しいのであろうが、セミナーハウスというのを実は最近整備しており、平成8年度は4校整備したが、これはいずれも木造である。それから今回、9年度予算にも盛り込んでおるが、また平成9年度も4校のセミナーハウスを整備したいということで、これもいずれも木造で建築したいと考えておる。それから、市町村の小中学校もあるわけであるが、これについても市町村教育委員会に対して、機会あるごとに木材の利用促進をお願いしており、現在把握しているところでは、平成8年度は3校、それから9年度も3校において木造の施設が建築されるという状況である。
 以上である。

〇佐藤(一)委員 ただいまの三つの質問に対して三つのお答えをちょうだいしたが、そのお答えに対して三つとも要望させてもらう。
 まず一つは、県産材の利用については、むしろ市町村が一生懸命やっている。特にも遠野は岩手県下の見本であり、全く地元材を一生懸命使って、要するに文部省の補助金に市の単独費を足しても何としても県産材の活用を図っていかなければならんということで一生懸命やっておるのであるから、県はもっとその上に立って積極的な利用方法をお考えいただきたい。これがまず1点御要望申し上げる。
 それから、景観に対してであるが、実は遠野高校、公立高校では全く初めてのかわらぶきの高校をつくっていただくことになった。実は、これは私大変苦労した。幾ら県の教育委員会に来てお願いしてもなかなか取り上げてくれない。私ばかりではだめであるから、きょうの委員長をやっておる久保田晴弘先生に御助言いただいて、そこで初めて御理解をいただいて、それで遠野の町に合ったかやぶきの屋根と、このようなことで大変立派な学校をつくっていただくことになり敬意を表するのであるが、今後、先ほど来申し上げたように、地域のまちづくりに合った要望を十分踏まえていろいろ設計をお願い申し上げたい、こう思うのである。
 それから、校長の問題でのお答えをちょうだいしたが、ちょっと諸問題で恥ずかしいが、実は私も県議という立場をちょうだいしておって、入学式あるいは卒業式に御案内を賜るのである。同じ県立高校でも、祝辞を述べさせていただく高校と全然そういう機会をちょうだいできない学校とあるのである。なぜ祝辞を述べさせてもらいたいかと申すと、私は入学式にも、とにかく学校経営は校長次第だ、ですから校長に一生懸命頑張ってもらわなければならない、こう申し上げるから、しゃべられた学校は一生懸命やってくれるのであるが、どうも祝辞のないところは--一生懸命やってもらっているのであろうが、私としては何となく物足りなさを感じるのであるが、今後、同じ県立高校で、祝辞をしゃべらせてもらうところともらえないところはどういうものが原因であるか、その辺をお伺いしたいと、このように思う。

〇三田県立学校課長 今のお話、初めてお聞きしたので、実際にどこの学校で祝辞を述べていただいているか、その辺ちょっと私どももこれから把握して--いろんな事情があろうかと思うので。ただ、祝辞というのは、これはお祝いの言葉とかそういうあれでいただいておるので、祝辞という……(佐藤委員「どちらでもよい。」と呼ぶ)そうであるか。いずれ今までの学校の慣例もあろうかと思うし、その辺、私どもちょっと調べさせていただきたい。

〇久保田副委員長 ほかは要望であったようであるから、進行させていただく。

〇須藤委員 先ほど田村委員の質問にあった新総合運動公園の検討状況についてであるが、私の認識と若干の差異があるので、重ねてお伺いする。
 去る2月23日付の岩手日報の報道によると、盛岡地域の5町村が早くも誘致合戦を繰り広げているとのことであり、しかも県教委は8年度事業で規模や施設の基本構想をまとめたと報道されておる。この新総合運動公園計画が、報道されたように激しい綱引き合戦が繰り広げられ、基本構想もまとめられたとすると、かなり具体化が進んでいるような印象を強く持つものである。そこで、新運動公園事業がなされるとすれば県としてもかなりの大規模な事業となることは明白でもあるので、この際、現在検討中とのことであるが、さらにその状況と今後の見通しについてお伺いする。

〇細屋教育長 今新たな総合運動公園ということであるけれども、現在、盛岡広域圏の矢巾町、玉山村、雫石町、滝沢村、紫波町という五つの町村から新しい総合運動公園のいわゆる誘致について陳情されているところである。現在県の教育委員会としては、先ほどもお話し申し上げたが、3県総の後期実施計画においていわゆる調査事業として位置づける、マル調事業と言っているが、そういう位置づけになっていて、特に予算を計上したりしてやっているものではない、そういう状況である。平成8年度においては、先ほど来お話し申し上げておるように、20年代後半とも見込まれるいわゆる2巡目の国体、こういうものを視野に入れて、どの程度の施設の規模が必要であろうかとか、そういうものについて全国、さらに国際的規模のいろんな大会、イベント、そういうものが開催可能な施設というものを整備しようということで、最近他県の方で開催されている状況などを事務的に調べたりしている段階であり、建設場所をどこにするかとかという検討はまだ先のことと考えておる。今後においても、3県総の計画期間内に学識経験者等の意見を徴しながら、中長期的な観点に立って基本構想等をまとめていきたいと考えている段階である。

〇久保田副委員長 よろしいか。

〇須藤委員 はい。

〇大久保委員 私の方からは、平成11年にインターハイが本県で開催されるわけであるが、その当然主力選手になるであろう今の高校生、中学生のクラブ活動におけるスポーツの民間指導者に関してお伺いしたいと思う。
 先般、9月議会の一般質問に対して教育長から、民間指導者を中学校、高校に派遣して運動部活動の活性を図っている旨御答弁いただいた。これに関しては評価するところであるが、このことに関連して質問させていただく。
 1点目であるが、9月の答弁では、平成2年度からこれまで延べ140人の民間指導者を派遣したということであったが、どのスポーツ部門が多いのか、またその派遣状態、そしてそれが継続的に同一高校に行って指導しているのか、あるいはスポット的に行っているのか、まずそれをお伺いしたいと思う。

〇長澤保健体育課長 民間指導者派遣のスポーツ部門についてであるけれども、最近5カ年の傾向を見てみると、中学校では野球、バレーが10校、卓球が8校、バスケットボールが7校、サッカーが6校という形で、そのほかもあるが、大体球技に指導者が集中しているという傾向が見られる。また、高等学校については、弓道、テニスが6校、卓球が5校、バスケット、ソフトボールが4校、野球、空手が3校、そのほか体操とかボクシング、アーチェリー、カヌー、乗馬というような、非常に高等学校の方は中学校に比べて多彩な種目の指導者という状況になっている。

〇大久保委員 2点目であるが、民間の指導者がそのクラブ活動の指導中に児童生徒がけがをした場合の補償についてであるが、学校の先生が指導しているのなら学校関係の災害共済などにより補償されると思うが、民間の指導者が指導してもし事故等、あるいはけが等生じた場合の補償はどのようになっておるか。

〇長澤保健体育課長 まず、先ほど答弁漏れがちょっとあったけれども、継続しているかどうかというお尋ねであったが、この事業については、継続しても3年という--同一校3年。今非常に希望も多くなってきておるので、2年ぐらいのところでできるだけ多くの学校に民間指導者を派遣していこうという考えで進めているところである。
 それから、部活動での民間指導者が指導中に児童生徒が事故を起こした場合どうなるのかというお尋ねであるが、学校の教育計画に基づいた児童生徒のけが等については、学校管理下として日本体育学校健康センターの災害給付の対象になる。いわゆる医療費等の給付が受けられるということになっており、学校教育活動である部活動中の児童生徒のけがについては、指導者が学校の教員であろうが民間の指導者であろうが、区別なく学校管理下の事故として災害共済給付の対象になっている。

〇大久保委員 多分これは確立されていないと私は思っておるが、逆の場合、格闘技、いわゆるボクシングとかそういうのをやって指導者が逆にけがをする場合もあるわけである。もう体力が皆さん立派になっているから。そういう場合に、多分民間の指導者の方にはそのような制度がなされていないと思うが、もしなされていないようであれば、私は、どういう形で派遣されているかあれであるが、善意で指導しているわけであるから、同じような補償の制度を、なされていれば結構であるが、なされていない場合は、民間の指導者の方にも十分それだけの補償をするような制度を今後検討していただきたいし、またぜひ実現していただきたい。これは要望である。多分なされていないと思うからお願いする。まず、それは結構である。

〇久保田副委員長 要望でいいか。

〇大久保委員 はい。

〇久保田副委員長 質問通告されておる委員はあと5名ある。この後、警察本部の審査もあるので、質問、答弁は簡潔にお願いをし、進行に御協力を願う。

〇佐々木(博)委員 それでは、私から大きく2点について御質問する。
 最初に県立図書館の整備についてであるが、県立図書館の建設場所については県教委でいろいろ検討されて、現在地に建て直しをするのが最適であると意向を固められ、その旨盛岡市の方にも打診をされたわけである。盛岡市に打診されたときには、現在地に建て直すに当たりA案、B案という二つの案を示されたと伺っておるが、いずれその打診をされて、その回答が盛岡市から返ってきたはずであるが、あそこのところは御承知のとおり、大変史跡の近い、非常に景観上もすばらしい場所であるし、また当該地が芝生広場として非常に市民にも広く親しまれている場所だというようなことで二、三の注文がついたと伺っている。確かに現在地は、今の図書館の利用者をよく見ると中高生が多いわけである。あるいはまた、普通の職業を退職された方々の利用も大変多いわけであり、そういった意味では非常に交通適地であることがふさわしいであろうと思う。ましてや視聴覚障害者の情報センターも併設される意向だと伺っておるので、そういった陳情も出ているやに伺っておる。しかしながら一方では、確かにあそこの景観というのも、盛岡市民の一人としてやはり大切にしてもらいたい場所だとも感じておるわけであるが、いずれ新聞等一部の報道によると、この建設場所の問題で県と盛岡市が何か食い違いがちょっとあってどうのこうのというような記事も出ておったりもしているわけであるが、現在どういった状況になっているのか、まずそのことについてお知らせをいただきたいと思う。

〇山本社会教育課長 盛岡市との折衝状況についてお知らせ願いたいというお尋ねである。
 新県立図書館の建設場所については、現在地が交通アクセスや周辺環境等が極めて良好で、しかも長年県民に慣れ親しまれてきていることなどから、教育委員会としてはもっとも有力な候補地として選定した旨盛岡にお示しし、市の意向を伺ってきたところである。市からは、芝生広場の現有面積の確保及び建物の高さも現況の高さ程度の範囲内にしてほしい旨の意向が示されたところである。教育委員会としては、こうした盛岡市の意向等にも配慮しながら、芝生広場の現有面積の確保や、さらなる地下部分の有効活用などを再検討した上で、県の考え方の理解を求めながら、市と今誠意を持って調整に臨み、共通の理解に立って今調整をしている段階である。

〇佐々木(博)委員 それで、現在地に建て直しということになると、一番問題になるのは、その建て直しの期間、図書館の機能が大変低下するのではないかと思うわけである。例えば市町村への貸し出しの業務だとか、そういったことはできるかと思うが、例えば一般の方の閲覧とか、そういった点では非常に不自由になるのではないかと危惧されるわけであるが、その辺についてはどうか。

〇山本社会教育課長 県立図書館の利用者へのサービスを考えると、図書館を開館しながら建設することが望ましいわけである。しかし、いろいろ協議した中での盛岡市の意向からすると、場合によっては工事期間中、仮移転をし、そして市町村図書館への図書の貸し出し等、市町村支援機能を確保することが中心になり、場合によっては一般貸し出し等は若干--若干でない制約を余儀なくされる、こういう状況は今予測されるところである。

〇佐々木(博)委員 今の図書館というのは、いろんなところの図書館を見ると、確かに図書もかなり多いわけであるが、それ以上に、例えばビデオだとかCD-ROMだとか、そういったいわゆる書物以外のものの在庫というものも大変ふえているはずである。それで、多分これからの図書館というのは、私たちが今まで想像してきた以上に、出版もますます盛んになると思うし、そういった新しいメディアもますます充実されてくると思うので、そういった点では、やはりこれから何十年間耐える図書館ということを考えると、ある程度そのスペースにも余裕のある規模でなければいけないのではないか。何か今県は、全部合わせると、ほかの施設も合わせると1万8、000平米ぐらいの面積のものを想定されていると伺っておるが、今検討中なはずであるが、要するに盛岡市の意向を受け入れて現在地でそのことが可能なのかどうか。やはり現在地にこだわってスペース的に狭めるということになると、非常に将来に禍根を残すことになるのではないかという心配が1点はあるわけである。ですから、その辺のところどのように現在検討が加えられているのか。
 それからもう1点は、時期の問題があろうかと思うが、いつごろまでにその候補地を確定して決めてしまわなければいけないものなのか、そのことについてもちょっとお伺いをしたいと思う。

〇山本社会教育課長 現在地の建設においても、地下部分の可能な限りの有効活用を図ることなどにより、最近建設をされておる類似県の図書館の面積等を試算参考にしているわけであるが、私どもの計算では、現在地であっても施設規模の確保は十分可能であるという判断に立って折衝をしているところである。
 さらに、いつごろのめどということであるが、できるだけ計画どおり行きたいわけであるが、私どもの計画された完成年度を目標に誠意を持って進めていく、こういう考え方で努力をしてまいりたいと思っている。

〇佐々木(博)委員 もう1点、いわゆる学校不適応の問題、不登校、いじめの問題についてお伺いしたいと思う。
 現在、学校不適応の児童生徒、いわゆる不登校だとかいじめの件数はどうなっているか。増加傾向にあるのか、その辺についてまず最初にお伺いしたいと思う。

〇五十嵐指導課長 学校不適応、いじめの件数等についてであるが、まず、登校拒否、いわゆる50日以上欠席した児童生徒は、現在小学校で97人、中学校では504人、高等学校では387人、合計988人である。いじめの発生件数については、小学校が150件、中学校が167件、高等学校が40件と、合計357件である。これは平成7年度の状況であって、前年度に比べて増加の傾向にはある。

〇佐々木(博)委員 ただいま、増加の傾向にあるという御回答をいただいたわけであるが、いろいろ子供さんを学校に通わせている父兄だとか、あるいは周囲の方々のお話を聞いてみると、実感として、どうも教育委員会に報告になっている実数以上に、実際にはもっと多いのではないかという気が実はしておる。それで、この調査というのはどのような調査方法に基づいてなされているのかちょっとお伺いしたいと思う。

〇五十嵐指導課長 不登校、いじめの調査の件であるが、不登校については、欠席日数が年間50日以上という客観的な尺度に基づいていると思うので、正確なデータであると思っておる。
 いじめについては、平成5年度に文部省の調査のときには、いじめがあったと学校がとらえた数ということでの報告であったわけである、現在においては、生徒みずからの報告等に基づいた数になっておるので、そういったことでふえているのではないかなと思う。

〇佐々木(博)委員 わかった。実は、予算における重点事項の説明書の105ページ、学校適応指導推進費の中に地区教育相談連絡協議会の設置というのがある。これは恐らくその関連のものではないかと思うが、その内容について若干お知らせをいただきたいということと、いろいろ学校の関係者等の御意見を伺うと、教員の指導力、特にも生徒指導の大変すぐれた先生がいる学校というのは、例えば若干荒れているような学校に行ってもうまくおさまっている、そういったお話を聞いているわけである。そういった意味では、学校の先生の生徒指導の指導力というものが今非常に問われているのではないかと思う。それで一般の先生方、実は生徒指導にちょっと消極的になっているところがあるのではないかと。それはなぜかというと、例えば私たちのころであると、学校で怒られると、家に帰ってきてそのことが親にばれないように隠したものである。学校で怒られたことがわかると、また親に怒られると、そういった時代であったわけであるが、どうも最近、学校で何かあると、父兄がすぐ教育委員会に連絡したり、そういった傾向があって、それでどうも先生方もそういったことも気になさって今一歩積極的な対応ができないところもあるのではないかと思って若干危惧しておる。その辺のところについてはいかがか。

〇五十嵐指導課長 まず、地区教育相談連絡協議会の事業についてであるが、これについては、先ほどの不登校とかいじめに対応する事業の一つであるということである。これは、従来は学校適応推進協議会というのをやっておったが、地区教育相談連絡協議会については、各教育事務所単位でいじめや登校拒否等、学校不適応の問題を教育相談の考え方から対応していこうとするものである。各学校で児童生徒の心の問題に直接かかわっている教育相談担当の教員、養護教諭、関係機関の教育相談員などが、個々の児童生徒の問題により個別的で具体的な対応をしようとするものである。
 また、地域の実態に応じて、県立総合教育センターでの教育相談、長期研修受講者とか、つくば大学でのカウンセリングの講座の受講者がチームをつくって地区内を巡回をしたり、各学校の教育相談担当者や担任と協議をしながら児童生徒の指導について効果的な対応を進めていきたいと考えているものである。
 次に、教師の指導力ということであったけれども、御指摘のとおり、学校教育の中において教師の指導力が不可欠だということは申すまでもないことである。いじめ、不登校に関しても、そういった教員が大きく力を発揮していただいているというようなことでもあろうかと思う。今年度から県立総合教育センターを会場として年3回いじめ問題等の対策の研修講座を開始して、専門的な研修を深めながら教員の指導力を図りたいと思っておる。初任者研修だけでなくて、5年、10年を経過した教員の研修においても、いじめ、不登校等に関する研修を実施して理解を深めるということを考えておるものである。
 さらに、こういった学校不適応の問題の対応は非常に多岐にわたっておる。教員では対応が困難な事案も大変多いわけである。そういったことから、医師とか弁護士等、専門家から成る学校適応指導支援チームを委嘱しながら、御意見等をいただきながら、研修の充実を図って教員の指導力を向上させたいと考えている。

〇佐々木(博)委員 これで最後にするが、学校不適応の問題というのは学校の先生だけの問題ではなく、家庭教育の問題もあるし、もちろん地域社会の問題もあろうかと思うが、しかしながら、どうしても学校にいる時間、先生に依存するところというのが多々あるであろうと思うわけである。今の課長の御答弁でも、初任者研修等のお話もあったが、初任研でも、今校内60日、校外30日、たしかそういった研修をなさっているはずであるけれども、今までの実例として、そのベテランのなかなかすぐれた先生が生徒指導に当たると、荒れた学校もうまくいっている例が非常に多いと伺っておるので、どうかそういったすばらしい先生方に指導に当たっていただけるような時間をたくさん確保していただいて、ぜひそういった機会に、その先生方の研修会、時間を設けていただけるように要望して私の質問を終わる。

〇折居委員 新県立図書館建設費について関連してお伺いするが、その前に、県立図書館の機能の充実・強化を図るとともに、ノーマライゼーションの理念の実現という観点から、現在視聴覚情報センターとの複合施設化を検討しているということであるが、これは検討しているのか、決定したのか、まずそのことからお伺いしたいと思う。

〇細屋教育長 私どもとしては、そのとおりにやりたいという判断であの場所にいわゆる複合施設を設置したいという考え方から、あの場所を選定したものである。

〇折居委員 現在の敷地規模約6、000平方メートルの範囲内で建設できると、そのように努力するというお話であるが、そうだったら市側では何も反対する理由がないわけである。なぜならば、反対する理由の一番の障害になっているのは、現在の図書館の規模を超える施設の建設には同意できないということであるから、その範囲内で建てることがはっきりしていれば、市の方では反対する理由がないと私は思うわけであるが、その辺のところに何かお互いの話し合いがうまくいっていないところがあるのではないかと考えた。それをちょっとお聞かせいただきたい。

〇山本社会教育課長 当初、私どもが検討を依頼した段階の案と盛岡市からいただいた意向との間には、芝生広場の問題、あるいは高さをめぐって若干開きがあったことは事実である。そういう盛岡市の意向を踏まえて、御理解をいただけるのではないかという県の再度出した案を今協議中であるので、もう少し協議の推移を見守っていただきながら、もう少し時間を貸していただければありがたいと思っておる。

〇折居委員 わかった。
 それでは、市側では、盛岡市当局では、もし規模が大きくなってあそこにおさまり切れないというようなことであると反対だと。反対だけではだめだから、必要ならば代替地も提示する用意があるというようなお話もあったようであるが、いずれこの問題は、整備基本計画案等々、もう詰めなければならない時期に来ていると思うので、もう少しスケジュールというか、いわゆる取り組みの日程をきちんと立ててやらなければならないと私は思うが、9年度以降の取り組みはどのように考えておるか。14年度の開館を目指しているわけであるが、その辺のところをお聞かせいただきたい。

〇山本社会教育課長 今御指摘のとおり、私どもは平成14年度以降の開館になるであろうと、こういう考え方で、折衝が順調にいけばできるだけ早くと、こういうことになろうかと思うが、基本的には、9年度においては整備基本計画案について外部の有識者や専門家で構成する検討委員会を設置して広く御意見をいただき、さらに、庁内の合意形成を図って整備基本計画を策定をするという作業がある。さらに、建設地の早期決定を図りながら、地質調査や基本設計、実施設計、そして建設工事に着手していくと、こういう段取りで今考えているところである。

〇折居委員 今大変重要なお話があったわけであるが、平成14年度以降であるか、14年度開館を目指すのか、そのどちらかをはっきりここでしていただきたい。

〇山本社会教育課長 今御説明を申し上げているとおり、折衝が若干流動的な部分があるので、その部分の幅の部分が若干あるであろうと、こう思っているところである。

〇村田(柴)委員 佐々木博委員、それから折居委員に関連してさらにお聞きをしておきたいと思うが、図書館である。
 まず、天下百年の計だと思うので、平成14年をめどにとは言ったけれども、それはもっとも早い時期を想定したのであって、あるいは若干おくれる可能性もあると、今こういう説明があったわけであるが、いずれこれはじっくりとやっていただく必要がある事業だと思うので、拙速は避けたいと思うわけである。しかし、現在二十数年たって、20万冊の容量が今42万冊にふくれて、毎年3万冊から4万冊また収蔵量がふえてくるということで、機能的には全くパンク同様である、一般の閲覧室も狭隘であると。やっぱり時期的にはもうもっとも切羽詰まっている状態である。しかし、百年の計であるからじっくりやらなければいけない。盛岡市の風致地区の制約もあるわけであるし、これは幅広い検討をしていただく事項ではないのか。
 ただその場合、視聴覚情報センターという機能とか、あるいは市町村のネットワークの事業とかというのは、本館の方に全部セットすべきであるのか、それとも分離して、あるいは閲覧、一般閲覧の機能というものとは分離して現在地に分館的に置いてやれる部分はあるのかないのか、この辺をちょっとお聞きしたいわけである。データブックシステム、データベースシステムということだけは、市町村の図書館の機能とネットワークで結ぶというのが、この県立図書館に課せられた大きな使命であろうかと思うわけであるので、それのデータベース作業というのは、お聞きするとまだ着手されておらないようであるが、これは3年かかるのか5年かかるのか、大変膨大な事業量だと思うわけであるが、これはいつから始められることであろうか、この2点をお聞きしたい。

〇山本社会教育課長 ネットワークの電算システムの導入と、こういうことであるが、その部分については、私どもとしては条件を整備してできるだけ早く着手していきたいなと思っているところであるし、ネットワーク化については、全体の整備計画の中でさらにいろんな角度から検討する必要があるものであるから、若干整備計画の中での検討、こういうことになろうかと思うが、整備計画全体の中でもコンピューターシステムの部分については、委員御指摘のお考えを、私たちも基本的にそういう考え方でおるものであるから、できるだけ早めて着手していきたい、こう考えておる。

〇千葉(伝)委員 私からは体育・スポーツに関してお伺いしたいと思う。
 平成11年に開催される全国高校総合体育大会、いわゆるインターハイに関してであるが、このことについては午前中に小原委員の方から質疑があったわけであるが、小原委員の場合は、施設あるいは運営に関しての質疑だったと思う。私はちょっと視点を変えて、選手の強化という部分でお伺いしたいと思う。
 去る2月4日から安代、松尾村で全国のインターハイのスキーの大会が開催されたわけである。私も開会式に参列する機会があったわけであり、その後の状況を毎日、新聞紙上を注視しており、結果的にはいろいろ選手の皆さんが活躍されたということでの成果が上がったということについては大変評価申し上げたいし、そしてまた運営に当たられた皆様方初め関係の皆様方には大変敬意を表する次第である。そういった今度の--冬季だったわけであるが、平成11年に向けての選手の強化といった部分について、どのように現在取り組んでおられるのかをお伺いする。

〇長澤保健体育課長 平成11年の全国高等学校総合体育大会に向けての選手強化についてであるが、委員御指摘のとおり、安代町で開催された全国高校スキー大会は、安代町を初め関係各位の熱心な御努力により成功裏に終了することができたと評価をしているところである。入賞者も、コンバインドの2位を筆頭に6種目に入賞を果たし、地元開催成功に大きな役割を果たしてくれた。このことは計画的に選手強化事業を実施してきた結果であるし、特にも選手個々の努力はもちろんのこと、それを支えてきた県のスキー連盟を初め指導者の多様な努力の賜物だと認識をしている。
 平成11年のインターハイもあと2年4カ月余りに迫り、地元選手の活躍が大会成功の要因の一つであるということから、関係団体と綿密な連携のもとに強化事業を推進してきているところである。選手強化費を見ていくと、従前の通常強化費を2・17倍に増額するとともに、インターハイ選手強化事業として、これまでの中学校の強化合宿や県外交流、それから高等学校の県外交流事業に加えて、新たに中央からトップクラスの指導者を招聘して、アドバイザリーコーチ招聘事業、これは9年度取り組むこととしているが、3、550万円余を計上しているところである。これらを含めて選手の強化の拡充を図ることとしており、所要の予算を今議会に提案をしているところである。
 今後においても、関係団体あるいは学校、体育団体等と綿密な連携を図りながら選手強化事業を充実させて、11年のインターハイを成功におさめたいと考えているところである。

〇千葉(伝)委員 ただいま御答弁あった選手育成強化に鋭意取り組んでおられるということで大変敬意を表するわけであるが、選手の実力を十二分に発揮するという観点から、私、ちょっと昔の話で恐縮であるが、中学校の時代は陸上をやらせていただき、日報の市内一周で優勝の経験、あるいは高校のときテニスをやってインターハイの経験もあるが、そのときは実力の差が大きくて1回戦で敗退した1人である。そういった意味で、スポーツに関しては多少理解しているうちの1人だと自負しているわけであるが、そういった大会があった場合に、今までの選手強化をして、そして本番のときに自分の力を十二分に発揮できなかったとか、そういった声があるし、私もそういった経験があるわけである。そういったことから考えた場合に、選手の精神的な面という分も私は強化を図る必要があるのではないかなと思うわけであるが、その辺の、同じ強化であるが、競技力とかそういった強化とあわせた精神面での強化というのはどのような感じでおいでなのか。

〇長澤保健体育課長 選手の精神的な強化をという御指摘であるが、いろいろな強化事業の中で、確かに競技中心的だけには見えるけれども、精神的な部分の強化もあわせて行っているし、特に9年度予定しておるアドバイザリーコーチ招聘事業は、医科学的なもの、あるいはメンタルトレーニング的なものも含まっており、十分精神的な部分にも及んだ形で指導を受けられるのではないかと期待をしている事業である。

〇千葉(伝)委員 そういう形で取り組んでおられるということで大変いい話であるし、ぜひそういった面でもあわせて進めていただきたい。
 もう1点、簡単であるが、午前中の分で、小原委員の方から施設整備の件があった。選手が大会に向けて一生懸命頑張っていくということで、いわゆる岩手県で開催されるわけなので地元の利を逆に利用すると。これは実力はそうなのであるが、そういった地元の利というのは、いかに施設を熟知してやるかといったことがまた必要ではないかと思うわけである。そういった観点から、施設整備が、平成10年にはすべての整備は完了するということであるが、より選手にそこの競技する場を長く使うということから考えた場合、施設整備を少しでも早く進めるというお考えはないのであろうか。

〇長澤保健体育課長 それぞれの市町において施設は整備しているわけであるが、できるだけ各市町とも早め早めにとは考えて建設整備に鋭意取り組んでいると考えているわけであるけれども、確かに地の利ということがおっしゃられる場合が多いわけであるが、競技によってはそんなに影響がないということも言えるのではないかなと。特にアウトドア、スキーとかあるいはスケートとか、そういうものについては、特にスキーなどは本当に地の利が勝利の最大の条件になってくるであろうと思う。そういうことも他の種目にもあるわけであるが、大勢としてはそんなに影響しないのではないかと思っているが、できるだけ建設を進めている、整備を進めている市町村については、早め早めに完成するような形でお願いは申し上げていきたいと考えておる。

〇千葉(伝)委員 ちょっと私の表現が、地の利ということで、スキーとかとは若干違うと。私も、確かにそれはあるかと思うが、2点目でちょっとお伺いした精神的な面というかそういった意味でも、やっぱり慣れたところでということがまた十分実力を出す部分につながってくるのではないかと感じたからである。
 いずれ、平成11年に向けて選手強化を図り、また施設整備も進めていただいてぜひ頑張っていただきたいということを申し上げて終わる。

〇久保田副委員長 要望であろう。

〇千葉(伝)委員 はい。

〇黄川田委員 1点のみお尋ねする。県立野外活動センターについてお伺いする。
 県内に野外活動センターは、林間型の花巻野外活動センターと海洋性の高田松原野外活動センターの2カ所あるが、まずもってここ5年間のそれぞれの施設の利用状況はどのように推移しておるかお知らせいただきたいと思う。

〇長澤保健体育課長 県立野外活動センターの利用状況についてであるが、野外活動センターは、それぞれの位置する自然環境の中で野外活動を通じて青少年の健全育成を図ることを目的に設置された施設である。委員今、林間の野外活動センターとしての花巻という御質問があったけれども、私どもは山岳という形でとらえているところであるが、まあ似たようなものだと思うが、この施設は4月から10月までの半年間の期間開場しているものであって、平成8年度の利用状況は1万3、601人であるが、過去5年間ということであるので、平成4年度は1万6、360人、5年度は1万7、588人、6年度は1万6、247人、7年度は1万5、428人という状況で、年々減少してきている状況にある。
 また、海洋性の野外活動センターとしての通年利用できる高田松原野外活動センターの利用状況については、8年度はまだ2月末現在であるけれども、6万1、499人ということである。委員御承知のように、この高田松原のセンターは平成4年度に開設されておるけれども、その初年度は5万93人、それから5年度は5万5、082人、6年度は6万7、968人、7年度は6万108人ということで、大体利用者が増加の傾向にあるのではないかととらえているところである。

〇黄川田委員 今お話あったとおり、それぞれ山岳、海洋ということで事情がある中で進んでいるようであるけれども、この野外活動センターの運営において利用者の方々から各施設に対する要望など、これまでそういうものがあればどんなものがあったかお示しいただきたいと思う。

〇長澤保健体育課長 利用者からの要望についてであるけれども、花巻の野外活動センターにおける要望事項の主なものとしては、交通手段の確保であるとか、あるいはグラウンドの水はけの改良等であり、今後検討してまいりたいと考えているところである。
 それから、高田松原野外活動センターにおける要望事項であるが、テニスコートの夜間照明施設ということであるけれども、これは平成8年度に整備を終えたところである。それから陸上競技の投てきサークル、あるいは跳躍用の砂場、それから全天候走路の設置、さらにはトレーニング室の設置等が主な要望になっておる。現在まで海洋性野外活動施設としての性格に沿った整備を進めてきているところであるが、まだ整備の途上であるので今後についてもその方向で取り進めてまいりたいと考えておる。

〇黄川田委員 保健体育課長からお話があったとおり、高田松原野外活動センターではテニスコートの夜間照明施設の要望があり、おかげさまで平成8年度事業で整備され、大変好評を博しておる。今後とも利用者の声を大事にしていただきたいと思うが、最後に、第三次岩手県総合発展計画後期実施計画によると、高田松原野外活動センターマリーナ整備事業を平成9年度、10年度の2カ年継続事業として県が事業主体となり、9億4、500万円の事業費で実施する予定となっておるが、ここにある平成9年度の当初予算には計上されておらないようである。当地区では県の土木において、コースタルコミュニティーゾーン整備事業が推進されておるし、高田松原は本年度北海道、東北地区では初めて健康海岸として地域指定を受け、さまざまな事業が今後展開される予定でもあるので、これと一体となったマリーナの整備は必要であると私は考えておる。
 そこで確認の意味でお尋ねするが、平成9年度の予算措置なくして、計画どおり平成10年までにマリーナは完全に整備されるのであろうか。

〇長澤保健体育課長 高田松原野外活動センターのマリーナの整備事業についてであるけれども、現在、土木部において船を引き上げる斜路など、護岸施設の整備が河川環境整備事業として行われているところである。平成9年度においては土木部が実施する河口部の泊地のしゅんせつ、それからマリーナ利用者の安全確保のための波浪状況調査の結果を踏まえながら、マリーナの運営上最も大切な安全管理マニュアルや研修プログラムの作成並びに管理運営のあり方、あるいは各種団体等との調整などを行うこととしており、その他指導員についても他県の海洋センターでの体験研修であるとか、あるいは講習会への参加等によって養成をすることとしておる。これらの調査結果を踏まえながら、計画に沿ってマリーナに必要な施設、堤高、クラブハウス、浮き棧橋、ヨット、救助艇の設備などの整備を図ってまいりたいと考えておる。

〇谷藤委員 当該委員であるから、簡単に質問させていただきたいと思う。
 委員長という立場もいただいておるので、委員会ではなかなか発言をする機会を失っており、この機会をちょっとお借りして質問させていただきたいと思っておるところである。
 まず、1点目であるけれども、今の高校のクラブ活動をいろいろ盛んにやっておるけれども、施設の面でちょっと不備を感じている高校というのもあるのではないかと思っている。特に、盛岡地区の場合で市街地というか、そこの中に従来からあってなかなか隣近所にも敷地を延ばすことができないとか、そういう中でクラブ数がかなり多くなってきているわけである。そこで、校庭の中でいろんな種目が交差してクラブ活動をやっているものであるから、非常に危険な状態が生まれてきているわけである。そういうところの声があり、これらに対して県教委はどのように認識されているか、ちょっとお聞かせいただきたいと思う。

〇小原財務課長 県立高校のグラウンドということであるが、確かに盛岡市内の高校の場合は狭いという現状がある。それでいろいろ意見、要望等を踏まえて、これまでも隣接地に適地があれば、極力確保するように努力してきたところである。例えば盛岡地区で申すと、盛岡第四高校の隣接の県有地があったのであるが、あれは所管がえを受けて一定の面積を確保したというのもあるし、それから来年度は予算にも計上しておるが、不来方高校の隣接地を購入してグラウンド用地を拡張するという計画も持っておる。本当の市内というか、隣接住宅地という状況が多いものであるから、周囲に即確保というのは難しいという面があるが、いろいろ関係学校あるいは関係機関と相談しながら、できるだけ今後も努力してまいりたいと考えておる。

〇谷藤委員 そういうことで市街地の中にある学校というのは、なかなか隣接に延ばしていくことは実際難しい状況にあるわけである。そういうことで昨年の末であったと思うが、新聞で--盛岡市の緑が丘にあるけれども、旧競馬場である--ここの問題を取り上げられていたわけであるが、南側が盛岡市の方でいろいろ福祉施設とか公園とか考えている。それから北側の方は県の方でそういう不便を感じている高校とか、そういうところのために第2グラウンドということも含めて考えていったらどうかというものを目にしたわけであるけれども、ここの広さを市とどういう割合で使っていくとか、市全体でこれから計画が出てくるのか、逆に県の方で何か考えるということも可能かもしれないが、いずれそこの検討していく過程の中で、全庁的にいろいろ考えていかなければならない問題でもあろうかと思うけれども、教育委員会の立場として、ここの部分に非常に危険な状態で今クラブ活動が行われているという状況を解消していくためにも、これ全体を使うとか何かということでは別な範囲になるかもしれないが、それを補う意味で何らかの対応をここの敷地の中に確保していく方向というものを検討するおつもりはないであろうか。

〇細屋教育長 県教委だけを考えると、現時点では、やはりそういう場所があれば大いに活用したいという観点で、担当部局の方に話は通しているところである。

〇谷藤委員 ぜひ、今、高校生の生徒諸君が一生懸命汗を流しながら頑張ってクラブ活動をやっているわけであるけれども、そういう危険な状態も見受けられるところもあるので、できればそれを解消する意味でもぜひ前向きに取り組んでいただければありがたいと思う。
 それからもう1点、非常に今、私が心配しているのは、道徳教育の重要性ということについてお伺いしたいのは、最近における風俗である。これはもうまさに目に余るものがあるという感じがする。子供たちが経験してきた学びや、その年代の常識では消化しきれない判断を超える内容のものがどんどんはんらんしてきて、本当に青少年の目に触れるところへ、ヘアヌードのはんらんとか、テレクラ、デートクラブを利用した援助交際という名の売春であるとか、下着や制服を売るブルセラショップというのか、こういうことでいろいろ性に関する過剰な情報が簡単に手に入る状況になってきているわけである。本とか雑誌、漫画、テレビ、ビデオいろいろなものを通して、閉鎖された子供の部屋にどんどんそういうのが届けられていっているのではないか。そういうことで、興味旺盛な子供たちは冒険心を持って、お金に魅せられて得た情報により、即行動に移すという現状が指摘されているわけである。
 そこで、子供独特の発想が大人の常識をひっくり返している社会現象が見られているわけであるけれども、この辺についての教育委員会として認識をどのようにとらえておるかお伺いしたい。

〇五十嵐指導課長 青少年の性に関する遺脱行為ということの質問と承ったけれども、まず、環境的には有害図書の自動販売機が平成9年の2月末現在で235カ所あるし、テレホンクラブ等も12カ所あると。さらには、ツーショットテレホンダイヤルとかそういったものの設置が17カ所あるということで、青少年にとっては非常に環境上好ましくない状況にあるということは承知しているわけである。そういったことを踏まえながら、学校教育の中で正しい健全な性というか、そういったものの指導をしていかなければならないわけであるけれども、主には道徳教育の中で実施されているわけである。ちょうど中学生のころというのは思春期であり、性に目覚めるというか異性に関する感情とか非常に強くなるので、こういった地域の環境等にも非常に左右されるわけであるけれども、道徳教育の中では異性に対する関心やあこがれ、そういったものは当然出るわけであるので、これらをどのように自分で律しながら生きていくかということになろうかと思う。特にも、男女が相互に人間として尊重する態度を基本にしながら、相手を深く理解してこそ健全な異性観が育つものととらえておる。性的な衝動に走ることなく、男女の交際を清純で明朗なものにすると、また、長い人生を通じて男女が敬愛をし、協力し合うこともこのような基盤の上に成り立つものと考えて、各学校では道徳教育を中心に指導しているところである。

〇谷藤委員 そういうことで頑張っていろいろ道徳教育という形の中で頑張られていると思う。ところが、世の中の動きは一向におさまるふうはない。そういう中で、さらに道徳教育の中で性の尊厳という問題について、道徳で思いやりであるとか倫理観とか、そういう生命の尊重とか、いろんなことはやっておられる。ところが、この性の尊厳という問題をもっときっちり倫理観に基づいて道徳教育をしていくということが非常に大切であろうと思う。一生懸命取り組んでおられるのはもう十分わかるけれども、世の中の動きが全く効果が出てないように見えるものであるから、ひとつさらにこれを徹底していただいて、これからのすばらしい青少年が変な方向に進まないように指導方よろしくお願いを申し上げたいと思う。

〇斉藤委員 2点に絞って質問をさせていただく。
 一つは、生徒が主役の学校づくりについて。
 北松園中学校では、生徒、教師、父母、共同した学校づくりが進んで全国的な注目を受けている。先日は、テレビの全国放映にもなった。それで北松園中学校の取り組みについて、県教委は内容をどのように掌握し、そして受けとめておられるのか、まず第1点お聞きしたい。
 一方で、厳しすぎる校則がいまだに放置されているのも現状である。私は、昨年10月に福祉文教委員会でも聞いたけれども、丸刈りを校則で決めている学校が中学校で31校、高校で3校もある。また、多くの学校ではソックスの色から髪の長さまで決めて、北松園中学校の経験を生かして、私は、生徒が主役、教師、父母一体となった学校づくりを進めるべきと思うけれどもいかがであろうか。

〇五十嵐指導課長 北松園中学校の教師、父母、生徒による学校づくりと校則についての質問であるけれども、北松園中学校は制服とか校則を考えるに当たって、学校、生徒、父母が話し合う場を設けた。その中で、お互いに意見を出しながら父母の願いとか子供の思いを学校が十分に酌み取り、校則等決定していったものと聞いておる。制服の問題を例に挙げれば、学校への所属感とか機能性を考えて制服を制定することに賛成する生徒も多かったと伺っておる。また、制服は制定したわけであるが、着用についてはお互いの意見を尊重し、個性も発揮できるように配慮したというふうにも伺っておる。
 北松園中学校の新しい学校をスタートさせるに当たって、学校を中心として父母、生徒が一緒になって校風の確立に努力したことは、これからの学校のあり方としてすばらしいことと評価できるものと考えておる。なお、また新入生が入ることであるし、さらには全学年がそろうまでの間に、よりよい校風が確立されるよう期待しているということである。校則の見直しを進めるに当たっては、各学校ともこうした環境づくりをすることが大切であると思うし、実現できるように各種の教員研修等の機会にこういった例を指導してまいりたいと考えておる。
 次に、厳しすぎる校則云々ということであるけれども、校則というのは学校教育において児童生徒が発達の過程にあることを基本におきながら、児童生徒が充実した学校生活をおくり、学校教育目標を達成するために必要なルールとして学校が定めるものであるととらえておる。本県においては時代の変化に対応し生徒の実態を踏まえて、平成3年度までにすべての学校で検討し、見直しを行ったところである。見直しや点検に当たっては、児童生徒、保護者、教職員からのいろいろな意見等を出し合いながら、校則について学級や児童会、生徒会等でも十分な討議の後に最終的に学校が児童生徒と十分話し合って、保護者、地域の理解も得ながら進めているということである。御指摘のあった丸刈りや髪型の規定は、こうした手続と議論を得て現在も残っているところもあると思うし、決して放置された結果そういうふうになっているものではないと考えておる。県教育委員会としては、今後とも学校の実態と児童生徒の自主性の育成、保護者の理解を主点として適切な校則の運営を指導していくものである。

〇斉藤委員 私は、極めて不十分な答弁であると思う。北松園中学校の経験について、例えば父母の役員をされた方が日報論壇に書いているし、新聞各紙でも詳しくそれが紹介をされている。私は、特に大事であると思ったのは、最大限生徒の意見を尊重すると、こういう立場で進めたと校長先生が言っておられる。例えば、校則や心得については一切定めなかったと、詳しくは。夢、希望、創造力、挑戦、協力、チャレンジ、生活行使、これだけである、決めたのは。そして、みずから考え、行動する中学生を目指すことにしたと、これが北松園中学校の校則である。そして制服は大論議になった。お話あったように、多数は制服がほしいと言った。しかし、私服でもいいのではないか、強制すべきではないと、こういう論議の中で四つの点が決められた。
 一つは、上下組み合わせ可能な制服を定めた。二つ目は、公式行事などでは全員同一の服を着る。三つ目は、ふだんの通学では制服の着用を基本とするがこれにこだわらず、好みの服で来てもとがめない。四つ目は、土曜日は全員リラックスできる私服でいいとすると、いわば少数意見も尊重して全員が納得するこういう制服を決めたと、私はここがすごく大事であると思う。もちろん、この検討は生徒が生徒自身でそう論議した。父母は父母で教師と一緒になって論議した、こういう結果である。私は、教育委員長にお聞きしたいのであるが、全国が注目したのは文字どおり生徒が主役で、父母や教師一体となった学校づくりの一つの典型であるからと思うのである。であるから、私はそういう点を今後の県教委の指導でぜひ生かしていただきたい、そういう立派な実例があるわけであるから。
 それでそういう立場から見れば、丸刈りを強制する校則はいかがなものか。子供の権利条約というのがある。子供の意見表明権--これは子供の人権を何よりも大切にする、大人と同じように一個の人間として認めるというのが子供の権利条約の精神である。そうした場合に、長髪にするか坊主にするかは人権問題である。私はそういう点で、何年か前に決めた校則で強制すべき問題ではないと思う。そういう点でぜひこういう校則がいまだに放置されている、こういうのは改善すべきであると改めて思うけれども、教育委員長どうであろうか。

〇三浦教育委員会委員長 ただいまの件については、私も校長先生個人からあるいは新聞、ラジオ、テレビ等でいろいろと情報を自分でも積極的に獲得して、非常にいい進め方をしたということで校長先生にも私的にどこか街で会ったときにお話したことがある。しかし、先ほど五十嵐指導課長がお答え申し上げたとおり、これは児童生徒のサイドと、それから根源的にはやっぱり未成年のうちは親権者が教育権を--教護監督権を持っているわけである。したがって、その意見も無視できないと。学校はそれぞれの小学校の段階、中学校の段階、高校の段階という具合に発達の段階によってまた扱いが当然変わってくると、それから地域の特性ということもあるかと思う。近代というか明治維新以降、その地域がどんな精神的な地域文化というか、伝統というのであろうか、歴史というのであろうか、そういう流れできたかということも含めて、いろいろ総合的に決定されてしかるべきものであると考えるわけである。例えば、人間の頭脳というのは3歳までに配線が決まると申す。したがって、3歳までの間にろうそくに指をやればやけどすると、それがわかれば以後火については注意するようになると。その段階その段階にあるわけであるので、発達段階と申すのであろうか、成長段階と申すのであろうか。そういうことで非常にいい進め方ではあったけれども、ここの長い伝統を持って、そして徐々に子供の権利条約みたいな方向を目指している、そういうところに、今すぐそうしてもらいたいというわけにはいかない面もあるのではないかと個人的には考える。いずれ、大変いい扱いであったと私も個人的には感心しておる。

〇斉藤委員 北松園中学校の教訓については一致するようであるから、私は北松園中学校ができることは県内どこでもそういう力を発揮できると思う。であるから、ぜひ県教委に強制して変えてもらいたいとは言わない。ぜひ生徒主役で大いに論議をして、そうして生徒のそういう自主性を引き出すような校則の改善をやっていただきたい。これは要望にとどめる。
 それで、そういう極めて限界が示されたのが実は千厩の問題であった。千厩の統合中学校問題に関連をして、生徒らが町議会に統合中学反対の請願を提出した。ところが、町教育委員長が署名した生徒の所属学級や住所、保護者名を調べ、町議会全員協議会に請願コピーを配布し、これが大きな問題になった。岩手弁護士会は最近、町教委に対して、教育長の全員協議会での発言は中学生に心理的圧力を加えることになり、請願の権利を侵犯、署名した生徒に対する調査も基本的人権の侵害であると指摘をした。町議会に対して教育委員会に調べさせ、大人の関与の有無などを報告させたのは、憲法で禁止される差別待遇に当たる、こういう要望書を提出した。私は、県教委としてこの間この問題にどう対応されたのか、そして、今回の岩手弁護士会の要望書をどう見ておられるか、お聞きする。

〇五十嵐指導課長 千厩町の統合問題に関する岩手弁護士会の要望書については、町に提出されたものと聞いておるわけであるけれども、こうした事情について特に詳しいのは町当局であるので、町当局が対応し、解決することがよろしいのではないかと考えておる。これについて、岩手県教育委員会が関与すべきことではないと受けとめておる。

〇斉藤委員 私は、福祉文教委員会でもこの問題を問いただした。実は、県教委がかくまっているからである。町議会にこれが出されたときに、県の教育委員会に問い合わせがあった。いわば子供権利条約上、この請願権は正当かどうか文部省に問い合わせして、それは子供の権利を越えるという対応を県教委がして、こういう結果になったのである。であるから、聞いているのである。私はそういう点で、岩手弁護士会のこの要望書はまともである、請願権は憲法上の権利である。そして、そういう何人も認められた請願に対して身元調査をやるなんていうのは、文字どおりの人権侵犯である。私はそういう点で、県教委もミスリードがあったと思うけれどもいかがであるか。

〇五十嵐指導課長 意見表明権に基づく請願については、何人でも請願することが可能なわけである。千厩町の議会においても、請願が受理をされて審議されているということである。それから、請願者の名簿の中に奥玉中学校の生徒が存在するかどうかということについて、千厩町の教育長の判断のもとに奥玉中学校の在校生がいるかどうかの確認を行ったものと聞いておる。そういったことであるので、県教育委員会としてはこのことに関してはコメントをする立場ではないと考えておる。

〇斉藤委員 いずれ私は、きょうは北松園中学校のすばらしい教訓を紹介し、本当に生徒の自主性、子供たちの人権を大事にした教育を進めてもらいたいと、こういうことで質問した。ひとつこういう立場でやっていただきたい。

〇久保田副委員長 ほかに質疑はないか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇久保田副委員長 質疑がないようなので、これで教育委員会関係の質疑を終わる。
 次に、警察本部長から警察本部関係の説明を求める。〇池田警察本部長 平成9年度の警察予算の御審議をいただくに当たり、最初に平成9年における警察の運営重点について御説明申し上げる。
 岩手県警察では、平成9年の運営重点の基本姿勢を、県民の期待と信頼にこたえる警察と定めて、これを具体的に推進するための重点目標を、交通死亡事故の抑止、けん銃・薬物事犯の根絶、重要悪質な犯罪の徹底検挙、少年非行の防止、暴力団の壊滅、安全な地域づくりの推進、そして豊かな海づくり大会に伴う各種対策の推進の7項目としておる。これらの目標に向かって全職員が一致団結し、英知と努力を結集して良好な治安維持に努め、県民の期待と信頼にこたえなければならないと決意しているところである。
 それでは、平成9年度警察関係の当初予算について御説明申し上げる。
 議案その2の8ページをお開きいただきたいと思う。第9款警察費の総額は323億5、019万6、000円である。これを項別に見ると、第1項警察管理費が290億7、917万7、000円、第2項警察活動費が32億7、101万9、000円となっておる。
 次に、目別予算の内容について御説明申し上げる。お手元の予算に関する説明書により、主なものについて御説明する。
 237ページをお開き願う。第1項警察管理費第1目公安委員会費は857万3、000円である。その内容は、公安委員会の運営に必要な委員報酬等である。第2目警察本部費は249億7、222万5、000円である。その内容は、岩手県警察の運営に必要な経費であり、警察職員の給料及び職員手当等の人件費が主なものである。次に、238ページの第3目装備費は3億1、130万2、000円である。その内容は、国際化、スピード化の傾向を一層強めておる犯罪に的確に対応するため、警察装備品の整備と維持管理に要する経費で、車両購入費及び車両、警備船、航空機等の維持管理に必要な経費が主なものである。第4目は警察施設費であり、32億4、289万6、000円である。その内容は、治安基盤施設整備に要する経費で、花巻及び宮古警察署庁舎の新築に要する経費が主なものである。警察施設の整備によって、県民のニーズにこたえるとともに、職員の執務環境及び生活環境の改善を図り、より効果的な警察活動に努める所存である。次に、239ページの第5目運転免許費は3億9、203万2、000円である。その内容は、交通事故防止を図るため、適切な運転者対策を推進するほか、運転免許証の小型化を推進するなど、県民の利便性の向上を図るための運転免許関係の経費である。次に、240ページの第6目恩給及び退職年金費は1億5、214万9、000円である。
 次に、241ページの第2項警察活動費第1目一般警察活動費は5億6、514万5、000円である。その内容は、平成9年10月に開催される全国豊かな海づくり大会に伴う警衛警備等に要する経費、及び地域安全センターとしての交番の機能強化を図る一環として、交番相談員を配置するなど、地域の特性に応じた安全活動を推進するための経費、並びに警察通信施設の維持管理に要する経費が主なものである。第2目刑事警察費は2億6、154万1、000円である。その内容は、犯罪捜査に必要な経費、暴力団排除活動を強力に推進するための経費及び少年非行防止対策、並びに保安警察に要する経費である。次に、242ページ、第3目交通指導取締費は24億4、433万3、000円である。その内容は、交通指導取締活動及び交通安全施設整備等、交通警察の運営に必要な経費が主なものである。交通安全施設の整備については、総合的な計画のもとに交通環境の改善を行い、交通事故の防止と交通の円滑化を図ろうというものである。
 以上が警察関係の予算である。
 次に、予算以外の議案について御説明する。まことに恐れ入るが、議案その2にお戻りいただき、15ページをお開き願う。
 債務負担行為の整理番号57は、警察署庁舎整備事業であるけれども、昭和41年に建設された宮古警察署を移転新築しようとするもので、8億2、600万円を限度に債務を負担しようとするものである。
 次に、議案その3の130ページをお開き願う。議案第84号自動車運転免許試験場使用条例の一部を改正する条例についてである。本条例は、自動車運転免許試験場における原動機付自転車及び自動車の運転練習に係る使用料であるが、人件費及び諸経費等の増嵩を勘案して改定するものである。
 以上のとおりであるので、よろしく御審議いただくようお願い申し上げる次第である。

〇久保田副委員長 ただいまの説明に対し、質疑はないか。

〇伊藤(勢)委員 ただいま本部長から、この新年度の活動方針という部分で御説明があったわけであるが、その最後の部分の大槌町で行われる豊かな海づくり大会の警備についてお伺いをする。
 本年10月5日、大槌町大槌漁港において第17回全国豊かな海づくり大会が開催され、天皇、皇后両陛下の御臨席が予定されているとマスコミ報道されておる。伺うと、昭和49年の第25回全国植樹祭から23年ぶりの行幸啓であり、また、今上陛下におかれては昭和59年の第8回全国育樹祭以来、13年ぶりに本県に行幸啓されると伺っておる。今回の行幸啓は、私も一県民として大変うれしく光栄に思う次第である。そこで、海づくり大会は国民体育大会、全国植樹祭と並ぶ天皇、皇后両陛下の地方行幸啓の公式行事であり、大変重要な警備になると思うが、県警の基本的な視点についてお伺いをしたいと思う。

〇池田警察本部長 ただいま伊藤委員御質問の第17回全国豊かな海づくり大会は、御指摘のとおり、天皇陛下のいわゆる3大行幸の一つとして、私どもとしても厳しい状況を踏まえて、その重要性を強く認識しているところである。したがって、先ほど申し上げたとおり、平成9年の岩手県警の重点目標の中に、あえて豊かな海づくり大会に伴う各種対策の推進を掲げて、天皇、皇后両陛下の御身辺の絶対安全を確保するとともに、歓送迎車のいわゆる雑踏等による事故の防止、それを図りながら、あわせて皇室を県民との間の親和を妨げないように配意して、県警察が一丸となって諸対策を推進し、警衛警備の万全を期す所存である。

〇伊藤(勢)委員 どうも御答弁ありがたかった。警衛警備の万全を期すという力強い御答弁を伺い、御苦労さまではあるがよろしくお願いをしたいと思うのである。
 先ほど厳しい情勢を踏まえてと話されておられた。また、多くの警察官を配置しての警備となるわけであるが、その諸対策など差し支えない範囲で御説明をいただければありがたいと思う。

〇池田警察本部長 温かい激励ありがたかった。
 警衛警備を取り巻く現下の情勢を見ると、極左暴力諸団等が御承知のとおり、恒常的に皇室闘争というものを継続しておる。また、狂信者等による不測の事態というものも懸念される。さらに、オウム真理教等の新たなテロ集団の出現とか、銃器使用による犯罪の多発など、諸情勢を見ると依然として厳しいと、かつ油断は許されないと考えている次第である。したがって、本年の全国豊かな海づくり大会に向けて、一昨年の4月に岩手県警察警衛警備準備室をつくった。また、昨年の4月1日付で、岩手県警察警衛警備準備本部を設置して体制を確立した上、効果的な事前対策、これを鋭意推進しているところである。警備の具体的な内容については、現在、詳細検討中であるが、警衛に関しては当然岩手県警察だけでは人数が足りないということで、県外からの応援部隊を要請して万全の体制で望みたいと考えておる。

〇伊藤(勢)委員 大変御苦労をおかけすると思うが、どうぞひとつ万遺漏なきよう期していただくようにお願いを申し上げる。
 それから、一つ要望を申し上げさせていただきたいと思う。
 地域課題で申しわけない、106号線についてであるが、この106号線は45年の国体のときに開通したので、以来三十数年が経過をしておる。閉伊川と併走して走っている地域が結構あるが、その中の追い越し可能な区間というのが直線部分についてあるわけであるが、河川に三十数年の間に繁茂してきた樹木により、見通しがきかない部分が出てまいっておる。これは管轄は河川の方かとも思うけれども、その所管をするという部分に関して、ぜひ土木の河川の方とも情報交換等をされて、お願いは予算がないから白いラインを黄色くすることのないような形で、ぜひとも視界を確保していただいて106号線の安全対策として検討いただきたいことをお願い、要望しておきたいと思う。

〇谷藤委員 日ごろから県警の皆様方には大変日夜御努力されておることに、まず敬意を表したいと思う。
 ところで、最近テレビでも新聞でもそうであるが、スネークヘッドから始まって、中国から密航者が10万人ぐらい入ってきているのではないかという報道もされている。それから大窃盗団というか、それを組織的にやっているということで大変心配しておるわけである。ただ、岩手県の警察としては日常の捜査活動を通じて、相当重要窃盗犯部門で平成7年には摘発率というのか、これが全国1位になったというすばらしい活動を展開されておるわけであるが、その後、これはどういう状況になっておるのかお知らせいただきたい。

〇北條刑事部長 最初に、平成8年中における来日外国人による刑法犯罪の発生状況についてお答え申し上げる。
 当該犯罪が外国人によるものかどうか、これは検挙してみなければ確定できないので、検挙数についてだけお答え申し上げると、平成4年は5件、6名、平成5年には14件、7名、平成6年には5件、1名、平成7年は30件、15名、平成8年は11件、13名それぞれ検挙しておる。犯罪内容のほとんどは窃盗犯である。特徴としては複数犯が多い、それから広域的な犯行が増加していると、それから不法滞在者の犯行が多いと、こんな特徴がある。
 具体的な事件としては、まだ捜査中であるが、来日外国人による蓋然性が極めて高いというふうに見ておる事件で、平成8年の6月、盛岡東署、花巻署、一関署、釜石署管内、ここでホンダスーパーカブ34台、216万相当が盗難になったバイクとオートバイ等事件がある。この事件は岩手県、宮城県、山形県、福島県、ここでも同様の事件が発生しており、共同捜査第1号事件として現在捜査中である。
 また、検挙した主な事件としては、平成8年の3月に北上署においてベトナム人4人組による自動販売機荒らし事件、大船渡署でも自動販売機荒らしでベトナム人2名、花巻署ではペルー人1名を店舗荒らし事件でそれぞれ検挙しておる。いずれも単独あるいは複数による犯罪である。いわゆる組織的犯行と認められる犯罪の検挙は現在まではないが、さきに申し上げたバイクの盗難事件などはその恐れが極めて強いという事件であり、今後十分に警戒してまいりたいと考えておる。
 その対策であるが、県警察としてはこれら来日外国人の犯罪に対処するため、国際室を設置して国際捜査係を配置して対策をとっておるし、これまでも通訳人の委嘱や捜査員の語学研修等の推進に努めてまいったところである。さらに、緊急配備等の初動捜査体制の整備、他県警察との情報交換などを進めるなどして、この種犯罪の捜査の万全を期してまいりたいと、そのように考えておる。
 次に、犯罪の摘発率はどうなっているかという御質問であるので、そのことについてお答え申し上げる。
 平成8年中における摘発率であるが、平成8年は県内で刑法犯の全認知件数は1万5、042件で、昨年より242件増加しておる。そのうち、市民生活に最も不安を与える重要犯罪、殺人、強盗、放火、強姦、略取誘拐、強制わいせつ--これを重要犯罪といっておるが--この重要犯罪については認知が84件である。そのうち、検挙が81件、検挙率は96・4%である。
 次に、治安の主要ともなる重要窃盗犯--住宅に入って、あるいは事務所に入って窃盗をする--こういった重要な窃盗犯は、認知件数が1、518件である。検挙は1、359件である。検挙率89・5%、全国第1位であった平成8年、このときは104・7%であったから、このときに比べると若干率が低下しておるものの、比較的高水準、全国では第6位という位置にあるが、そういうふうになっておる。しかしながら、より高い水準を目指して今後とも一層努力してまいりたいと考えておるので、よろしく御理解のほどお願い申し上げる。

〇谷藤委員 日ごろからの大変な御努力をされているということに、本当に心から敬意を表したいと思う次第である。
 それで、もう1点であるけれども、警察官の処遇と勤務環境についてちょっとお伺いをしたいと思うわけであるけれども、凶悪犯罪の多発や薬物乱用等、警察事象の多様化、複雑化が進展してきておるわけであるけれども、そのような中にあって警察行政の一翼を担うという人が少なくなってきているのではないか。というのは、かなりハードな仕事であるし、危険も伴うとか、これから長期的に見ていくと少子社会の中で一人っ子政策みたいな状況にだんだんなってきているような--頼みもしないのになっているような感じもするが、そこの中でなかなか将来的に警察行政というか、こういう部門に携わっていく人たちというのが少なくなっていくのではないかと思って、ちょっと心配もしているところがあるわけである。それで非常に危険も伴う場面も多いということで、過保護の親が最近多いからなかなか警察に入るのをちょっとためらったりしてくると、大切な仕事の部分が人手不足になったりすると大変なことになると心配もしているが、いずれ優秀な人材を今後とも確保していくということが非常に県民も期待を寄せているところなわけであるけれども、そのために第一線の警察職員が誇りと使命感を持って、勤務に精励できるような処遇を改善したり、また勤務環境を改善していくこともいろいろ必要な面があるのではないか、その状況をちょっとお伺いしたいと思う。また、他県と比較して本県はどういうレベルにあると思われておるか、その辺ちょっとお聞かせをいただきたい。

〇藤警務部長 御指摘の点であるけれども、委員御承知のとおり、警察事象は先ほど刑事部長が御説明したとおり、広域化、凶悪化が一段と進行している中で、さらには来日外国人問題ということでますますその対応が複雑、困難化しており、残念ながら警察官の勤務条件は厳しさが増すことすれ減ってはいない。このような状況を踏まえて、我々としても給与等については基本給に加えて超過勤務手当、休日給、特殊勤務手当等、でき得る限り勤務実態に応じて支給をしてきているところである。さらには、社会情勢に対応した特殊勤務手当の新設、例えばいわゆるサリン手当ということで1日4、900円の特別の手当を新設するなど、そのような形でのさらなる改善を図っているところである。さらに、警察施設の整備についても、財政当局の理解を得ながら警察署、さらには待機宿舎の整備を計画的に進めているところである。それで将来の警察官のなり手が減ってしまうのではないかという、ある意味では非常に我々自身も懸念をしているところであるが、今のところおかげさまで警察官を希望する方が多くて、むしろ多い応募者の中でどうやって警察官を選ぶかという意味でのうれしい悲鳴を上げているところではあるが、委員御指摘のとおり、今後少子化が進むし、そういう状況の中でより一層優秀な人材を確保するために、第一線の警察署にも協力を仰ぎながら、より積極的かつ適切な人材が採れるようリクルート活動を進めてまいりたいと思う。

〇谷藤委員 ぜひ将来に向けても長期的な中で、やはり県民のために頑張って警察行政の一翼を担っていこうという方々が入りやすい環境整備に取り組んでいただきたい。
 それから、先ほど申し上げたが、犯罪が非常に、暴力団も含めていろいろあるのであろうけれども、やはり警察側も、特に機動隊関係、訓練を徹底的に積んでいただく。以前は、前にも申し上げたが、特に柔剣道関係は警察が圧倒的指導権を持って岩手県のスポーツ界も引っ張っていったわけであるが、個人的には随分柔道なんかも、まだまだ頑張っている方々もおるが、総体としては以前のような感じではなくなってきたのではないかなとちょっと感じておる。逮捕術なども、かつては日本一というか全国制覇して、今どういう状況になったかちょっとあれであるけれども、ずうっと何連覇かした時期もあったように記憶している。そういうことで、やはりそういう強固な体力の頑丈な、そういう人たちを少し、重用するわけではないが、採用のときも、やっぱりいざ対決しなければならないときにばさっとやられるようでは話にならないと思うので、これは相当たくましいのを十分に確保していく必要があると思うので、ぜひ頭の方ばかり先行しないで、少しスポーツ関係をやったのを優先的に採ってもらうようにお願いを申し上げて質問を終わる。

〇久保田副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分ほど休憩する。
   午後3時6分 休 憩
 
   午後3時19分 再 開

〇藤原委員長 休憩前に引き続き会議を開いて質疑を続行する。

〇千葉(伝)委員 私からは、県警の組織の活性化という観点でお伺いしたいと思う。
 県警の皆様には、開かれた警察、信頼される警察を目指して努力いただいているわけであるが、最近の新聞報道において、私大変興味深く感じたわけであるが、3月9日読売、3月11日岩手日報、3月12日河北、それぞれに掲載された中身であるが、いわゆる警察官の理想の上司像とは、またどんな組織を望んでいるかという記事である。これが、中身としてはそういった評価制度を導入するということであったが、この制度の導入に当たっての考え方というのか理由あるいは内容を含めて、まずお伺いしたいと思う。

〇藤警務部長 御質問の件であるが、県民の安全と平穏な生活を守りながら期待と信頼に的確にこたえていくためには、県警としてもふだんの組織の見直しが必要であると考えており、かつそのためには組織の活性化対策が極めて重要なことと考えておる。今般報道された施策については、全職員に対して理想の上司像を記入させることになるが、必ずしも個人名を挙げなければならないわけではないが、職員各自に理想とする上司像を描かせて自己啓発の糧とさせるものであり、その具体的なあり方については今後検討していくところである。職員一人一人がこれまで以上に高い知識のもとに、多発する治安事象に的確に対応することによって組織の活性化が一層図られるものと期待しておる。

〇千葉(伝)委員 ちょっと、いつごろから導入したいかということをもう一度。

〇藤警務部長 先ほど申し上げたとおり、新年度に入ってから十分中身について詳細検討した上で施行してまいりたいと思っているので、現段階ではいつからとは申し上げられないが、早ければ平成9年度から実施したいと思っておる。

〇千葉(伝)委員 私なりにこの記事を読んで、この制度というのは、警察の階級制が強い組織という中で全国でもめずらしい試みということで、警察の場合は民間企業への研修制度も取り入れるなど、先ほど言った信頼される警察として、まず部下とか上司の相互研さんにより組織の活性化を図ると、私、大変大胆な発想と思うわけである。私も昔ある研修で、逆に、こういう上司にはなりたくないという題で議論したことがある。さまざま出て、最後は人の欠点を見出してぐちに近いというようなことになったような記憶がある。それも裏返せば、逆に理想の上司というものに近くなるということであったろうと記憶しているところである。人間、だれしも人格、見識等で100%完全というものはないと思うわけであるが、長所とか欠点があるから人間関係がおもしろい、楽しいというようなこともあろうかと思う。ただ、これが組織ということを考えるとなかなか人が、人それぞれの価値観も異なる、みずから置かれている立場というものもある。そういうことから考えると、ほかからどう見られているかということで、逆にみずからを振り返るということの反省にもつながるであろうと思う。警察官として、また上司としてかくありたいという理想を目指しお互いの切磋琢磨することが、結果的に組織の活性化に結びつくと私なりに考えていることで、このやり方については大いに評価したいということである。
 こういった制度というのは、どの職場、組織においても考えられるものであり、例えば、午前中ちょっと教育関係もあったが、学校の先生についても、生徒から教え方も含めどういう評価をされているかとか、そういったところも考えられるのではないか。それから、現在さまざま公務員の倫理という分で問われているという中で、大いに参考になるものではないかと考えることから、願わくは県警でその模範を示していただいて、ほかの職場へ波及することをお願いしたいと思うわけであるが、私の今の考え方に対して、本部長の所見なり決意があったらお伺いしたいと思う。

〇池田警察本部長 今の委員の御指摘のとおり、この評価制度、まだ検討中ではあるけれども、いわゆる上司の逆査定というような意味ではなくて、プラス面を大いに強調してまいりたいというような制度にしたいと考えておる。これは、やり方次第では人気投票のような形になってかえって弊害を生み出すという部面もある。そのあたりを考慮しつつ、身近なみずからの目標設定をさせて、これは個人名でなくてもいいわけであるが、身近な目標設定をさせてそれに自己啓発していく、そういうような制度にするため、できるだけ衆知を集めながらいい制度にしてまいりたいと考えている次第である。

〇千葉(伝)委員 お願いというか、先ほどお願いになったが、きょうここに並んでいる皆様はほぼその理想に近い方々と思うわけであり、開かれた警察、そして警察の活性化ということでぜひ頑張っていただきたいとお願いして終わる。

〇村田(柴)委員 さなきだに下界が大変あわただしくて、社会総変化の中で、毎日の御努力本当に御苦労さまである。山の恵まれた山岳の立場で、警察御当局の日ごろの山岳治安と申すべきであろうか、山岳遭難あるいはタケノコ掘り等でときどき生じる行方不明者の捜索、あるいは山火事の防止あるいは出ましたときの出動、あるいは文化財としての特別天然記念物盗採のいろいろな事例も後を絶たない。そういう中で非常に交通対策等、また犯罪の多様化の中でお忙しい中、この山岳のいつできるかわからないこれらの事象についてどのように対応なさっておられるのか、まず承りたいと思う。本部長どうぞ。

〇石川生活安全部長 村田委員の御質問にお答えする。
 山岳遭難事故対策ということであろうと思うが、山岳遭難と申しても、いわゆる本来の登山、それから山菜とり、あるいはいろんなキノコとりと、こういう形で山に入るという形でいろいろと各種の事故が発生しておる。そういう中で対策としては、日ごろ各勤務員に対する警ら、いわゆる山の警ら、そういう形、それから通常のヘリコプターによる上空からの監視、こういう形でやっておる。それから、いろんな面で登山者等の把握という形で、登山道の入り口等ではいろいろと入山者の名簿、これら計画なり、そういうものを記入いただいて、それらによってチェックするという形で対応している。
 それから遭難の対応については、県警に山岳遭難の救助隊という形で30名、機動隊あるいは東西署、これらを主として組織しておる。それら非常に常日ごろから時期を見て訓練をして、それらについての対応ができるように。そしてまた、県内では6地区に民間の遭難対策隊という形で組織されている。その方々とまた共同して、事故が一たんあったときはそれらについて対応しておる。
 以上である。

〇村田(柴)委員 例を早池峰に挙げるとするならば、遠野市、それから川井村、大迫、そして毛無森 は盛岡に接すると、こういう多様な花巻--営林署の関係から言ってもそういうことであるし、また警察の管内から言うと遠野、宮古、花巻とにまたがっておる地域である。それで、例えば防災無線のキー局はどこか。そして入山者の、今のお話のような名簿に搭載されておるのは比較的わかるのであるが、少なくとも大きく行くと三つの登山の入山口があるわけであるが、そこでの名簿の記載が漏れている、名簿の記載をしないままに入っている人ほど行方不明者が多い、遭難者が多いというような傾向もあるようであるが、その辺をどのように指導すればいいのか。私どもかつて当事者であった。遠野が早池峰の管轄の3町村のキー局みたいな行政の窓口になっておるわけであるが、警察のいざというときには、花巻から大体連絡がとられて、そして遭難対策、救助に入るというような事例が多いのであるけれども、その辺の横の連携動作がうまくいかないケースが非常に多い。この辺を何とかもう少し善処していただきたい、こう思うわけであるが、お考えをお聞きしたいと思う。

〇石川生活安全部長 早池峰山をめぐっての遠野、宮古、花巻という形の各署にまたがっておる。そういうことで、御指摘のように登山者についてはいろいろな登り口という形で登る。そういうことで、一つのところの登りから逆の方におりるというような形になると、なかなか記帳がされていてもそれらがチェックしにくいというのが現状になっている。ただ、うちの方でもやはりそういうチェックという形が、必ずしもそれら連携という形がスムーズにすべてがうまくいっているかと申すと、それぞれ工程、いわゆる日程というか、その入り方もかなり違うし、それぞれ上がってまた元のところに戻る、あるいはまた抜けてしまうという形で、非常に一人一人の個々の把握という形が難しいのが現状である。そういうことで、それらについて今後また、いわゆる関係署、これらについては相互に連携をとり、あるいはまたそれぞれの自治体なり、いろいろと協議を進める中でそれらがスムーズに円滑に連携をとれるように、そしてまた、いざ事故等が発生したときに、各署がそれぞれのルートから入って早く発見をして人命の事故にならないように、そういう形で進めてまいりたいと思う。
 以上である。

〇村田(柴)委員 要望であるが、かつて一度、警察の防災ヘリが導入される前であったが、早池峰を中心に遭難対策総合訓練をなされた経験もおありだと思うが、ヘリを中心にされて、また防災無線ネット網が相当密度が濃くなっているわけであるので、折を見て山岳遭難の総合訓練を実施せられる対象地としてお考えになったらどうかと思っておるわけであるが、お考えがあったら聞かせてほしい。

〇藤原委員長 要望であろうか。

〇村田(柴)委員 要望である。

〇藤原委員長 進行する。

〇千葉(浩)委員 常日ごろは大変御苦労さまである。私から2点ほど質問させていただきたいと思う。
 まず1点は、少年の非行の実態、そしてその対策、それからテレクラ条例の施行された後の状況について、まず1点お伺いをしてまいりたいと思う。
 青少年の健全育成は県政上の重要課題であることには間違いないが、最近のマスコミ等を見ると、少年の非行というものが非常に増加傾向にあるという報道がなされておる。この青少年の対策は防止対策だけではとまらない。先ほども教育委員会でも話があった教育問題、それから環境というようなもののいろいろな問題と関連してまいるが、総合的に対策を立てていかなければならないとは思っておるが、まず現状を正しく認識するというのが我々が大事なことではなかろうかと思い、現在の県内の少年の非行の傾向、それから何か特徴があるか--いろいろあると思うが、これらに対する対策についてまずお伺いをする。
 それから、テレクラの規制条例が施行されてから1カ月以上経過したわけであるが、県内のテレクラ等の営業の実態はその後どうなっているのか、あわせてお聞かせを願いたいと思う。

〇石川生活安全部長 千葉委員の御質問にお答えする。
 第1点の少年非行の傾向と特徴、それからまた対策についてであるが、県内における少年非行の傾向と特徴については、これを平成8年中の補導状況から見ると、その第1は、補導総数が平成元年以来7年ぶりに1万人を超えるという形の大台を超えている。数として1万1、212名の多くを数えておる。その二つとして、性にかかわる非行、これらもあって、とりわけ女子の非行という形が増加が著しいという形である。それからその三つについては、深夜の街頭でたむろし、そして徘徊する少年という形が非常に増加しておる。これらが非行増加の大きな要因という形に挙げられるであろうと思う。このような現状から、少年非行の防止を警察運営重点の一つという形で位置づけて、地域住民また関係機関、団体、これらと一体になって有害環境の浄化活動、また少年の非行防止活動、これらを一層強力に推進することにしておる。それから、あわせて本年の2月に施行になったいわゆるテレクラ規制条例、これらを適正に運用することによって性非行の防止を図ってまいりたい、こう思っている。
 それから二つ目の御質問であるが、テレクラ規制条例の施行後、営業実態はどうか、こういうことであるが、テレホンクラブ等営業の規制に関する条例、これは去る2月1日から施行されておる。その中で経過措置規定によっての営業開始、また利用カード自販機販売開始の届け出という形が一斉に行われておる。これを県警として受理しておる。これによると、県内で店舗型のテレホンクラブの営業という形が11カ所、それからツーショット、伝言ダイヤル営業、これが22カ所、合計33カ所という形でテレクラ営業が営業されておるという形になる。また、ツーショット、伝言ダイヤル、これの利用カードの自販機という形での届け出が58台という形になっている。そういうことで、現在58台が設置されているという形の実態が明らかになっている。これを条例制定前という形で、昨年の9月末という形で把握数を比較すると、営業数で8カ所、自販機の数で5台増加という形になっている。この増加の理由については、県外に居住する営業者と、これがいわゆる駆け込みという形である。それからさらに、ツーショット、ダイヤル営業の中には、一部未把握のものもあったのであろうという形で考えている。それから、条例の施行後の特異動向として、2月17日に警ら中の交番勤務員が、いわゆるツーショット営業のチラシ入りポケットティッシュ、これを制服の女子高校生に交付した、こういう行為を青少年に対する広告、宣伝の禁止違反という形で中止命令という形を行った事案がある。これを除いては、今のところ各営業者とも条例の規定を遵守し、特段の問題は生じていないが、今後とも制定の趣旨に沿って適正な運用を図り、青少年を取り巻く環境の浄化に努めてまいる所存である。
 以上である。

〇千葉(浩)委員 非常に少年の非行が増加しているということであるが、関係機関と特に連携を密にして、こういう不良化というものに対して万全の体制で今後もひとつお願いしてもらいたいということをお願いする。
 2番目の質問であるが、覚せい剤の現状とその対策ということについて質問させていただく。
 先日、テレビで岩手県警察24時間という番組が放映されたわけであるが、その中で覚せい剤の犯罪の実態、そして取り締まりというものが放映されたわけである。私も見たのであるが、覚せい剤の恐ろしさ、怖さというものを実感したわけであるが、要するに動機などを見ると、非常に簡単なと申すか安易と申すか、本当に軽い気持ちでこの道に入るというのが実態のように私見受けたが、ただ更生する場合は非常に、何十倍何百倍の苦しみがあるというのをこのテレビで実感として受け取ったわけである。
 なお、私が一番気になったのは、一般市民にも普及しておる、そして日常使用されているというような報道もあったわけであるが、非常に私は大変なことだなと危惧したわけである。したがって、薬物犯罪対策というものが今後強力に進めていただかなければならないのではないかと私は感じたわけであるが、県内の覚せい剤犯罪の現状、そしてその防止対策ということについてひとつお聞かせ願いたいと思う。

〇石川生活安全部長 県内における覚せい剤の現状という形で、それから防止対策という形でお答えする。
 覚せい剤の乱用については、生活破綻あるいは家庭の崩壊という形を招くばかりでなく、殺人事件など、凶悪な第2次犯罪、これらを誘発する恐れもある。さらには暴力団の有力な資金源という形にもなっているなど、社会に及ぼす害悪は極めて重大という形で受けとめ、県警としては県警察の運営重点の一つという形で、薬物事犯の根絶、これを掲げてその取り締まりと乱用防止の対策ということで総力を挙げて取り組んでいるところである。
 現状から申すと、平成8年中の覚せい剤事犯の検挙状況、これは117件、前年対比とするとプラス13件、12・5%の増、それから人員については74人、前年対比プラス12人、プラス19・4%の増ということになる。これらを検挙しておるが、また覚せい剤については49・885グラム、これも前年比プラス39・548グラムという形で押収しておる。これは通常1回の使用量約0・02グラムということであるから、押収量については約2、500回の使用ができるという相当量になる。
 それから、平成8年中における本県の覚せい剤事犯の傾向ということであるが、その第1は、検挙件数、人員とも増加傾向にあり、押収量も増加している状況である。
 なお、県内における少年の覚せい剤の事犯の検挙という形は1名、それから女性の検挙が11名。またその2としては、従来暴力団関係者が主たる使用者という形であったのであるが、最近は一般人にまで拡散という形で、検挙人員74名中46名、62・2%という形で暴力団関係者以外の一般人という形になっておる。それから三つとして、覚せい剤の前歴者の検挙、これは43人、58・1%。これは習慣性の薬物ということで、その特性である再犯率が非常に高くなるということがある。
 また、このような傾向とあわせて、覚せい剤事犯は最近その手口がますます巧妙化しておる。そういうことから強力な取り締まりという形を実施しているにもかかわらず、なかなかその根絶という形には至っていないというのが現状である。また特に、既に東京など首都圏がこの傾向が非常に顕著になりつつあり、次代を担う青少年層への拡大という形が懸念されるところである。
 次に防止対策ということで申し上げるが、警察としては、今述べたような事態に対処するために、今後も強力に末端の乱用者の検挙、そしてまた密売ルートの壊滅、これら取り締まりを進めてまいる所存である。あわせて取り締まりあるいはまた報道を通じて覚せい剤を使用する者の自覚を促す、またそのほかに、岩手県薬物乱用対策推進本部という形のものがあるが、これらを初めとして関係機関、これら緊密な連携のもとに各地の防犯団体あるいはまた少年の非行防止団体、これらと協力を得ながら、各種会合という形を通じて、覚せい剤等、薬物事犯の恐ろしさという形を訴えるリーフレットあるいはビデオを活用ということをして広報活動をさらに進めているのが現状である。
 以上である。

〇千葉(浩)委員 一般市民に暴力団以外に浸透している、拡散しているという非常に大事な報告を今聞いたわけであるが、なかなか大変なこともあると思うが、一般市民までどんどん拡散していったら大変なことだというような気もするので、ぜひ今後とも一層力を入れてひとつ頑張っていただきたいとお願いをして終わる。

〇小野寺委員 2点お伺いする。
 最初に、私どもの持っている自動車運転免許証の大きさについてお伺いする。
 キャッシュカードとかテレホンカード、こういったものより一回り大きく収納とか携帯に非常に不便を感じてきており、さきの決算特別委員会においてお伺いしたところ、交通部長から、できるだけ早い時期に切りかえすることで準備を進めている、そういう御答弁をいただいた。今回予算書を拝見したらば4、600万円ということで、慎重な御答弁のわりに若干少ないなという気がしたので、果たしてその実施時期がいつごろからになるのか、また何カ所で手続をするのか、例えば、一部地域限定になるのか、あるいは一斉にできるのか、また切りかえが終わるのはいつごろなのか、この点についてお伺いする。

〇及川交通部長 免許証の小型化については、従来から世上に出回っている各種カードの大きさにそろえてほしいという要望が強くあったので、このたびその要望にこたえて現在のものより一回り小さいサイズの大きさに改めるもので、全国では約半数の都道府県が既に実施しているところである。今後の予定としては、本年12月末までには主要の機器等を整備して、平成10年1月から小型化への切りかえを始めたいと考えておる。現在の免許証の更新は長い方で5年に1回であるので、完全に小型化に切りかわるには約5年を要する見込みである。なお、この業務の取り扱い場所については、従前と同様である。
 以上である。

〇小野寺委員 従前と同様ということは、県下一斉に始まるということであろうか。

〇及川交通部長 そうである。

〇小野寺委員 第2点であるが、昨今の高度情報化社会への対応についてお伺いする。
 近年、官公署、企業、個人へのコンピューターの普及は非常に目ざましいものがある。そこでは重要機密とかプライバシーといった情報が大量に、しかも瞬時に処理されているわけであるが、いかんせん目の届かないところでなされているところに事の難しさがある。そこでお尋ねするわけであるが、第1点として、警察本部内の高度情報化への対応であるが、機器機材、そういったものの準備とそれを操作する方の技能習得のようなことはどうなっているのか、これが第1点である。
 二つ目に、コンピューターが犯罪にかかわった場合、従来の管轄地という概念を超えて、地域、時刻にかかわりなく発生すると考えられる。また、犯人、発信地、そういったものの特定が非常に難しいかと思う。そこで、文書や財産に関しさまざまな態様の犯罪が予想されるが、コンピューター犯罪の県内での発生の有無と、また今後予想される事態に対する対応策についてお伺いする。

〇藤警務部長 私の方から、機材の準備とそれを操作する者の技能習得、さらには今後の対応策について御説明する。
 委員御指摘のとおり、各種警察事象においては広域化、複雑化、スピード化の傾向を一段と強めるとともに、コンピューターの高度な発達に伴ってこの分野への適切な対応が一層重要になっている。こうした情勢に対応するために、昨年来から警察本部内において全庁的な組織であるコンピューター対策委員会を設置してさまざまな角度から検討を行ってきておる。その際、市民サービスの向上も視野に入れて高度な機能を備えた汎用コンピューターの整備や、インターネットを初めとする最新のマルチメディア技術の積極導入などを進めていくことが肝要であろうかと思う。さらに、これら施設設備の整備に伴って、その操作する者の養成とレベルアップを図ることが急務であり、このため岩手県警察コンピューター能力検定試験の実施、各所属におけるパソコン研修会の開催、さらには警察学校における専門集合教育、大手専門業者、他機関への派遣など、これらの研修、教育などを通じて常に最新のコンピューター及び通信技術に関する知識、技能等を習得させてまいりたいと思っておる。
 また、今後発生することが予想されるコンピューター犯罪に適切に対応するため、警察本部としては、社会情勢等を踏まえつつ専門的な知識を有する捜査官を育成することが必要であり、平成9年度から警察本部の捜査二課内においてコンピューター犯罪捜査専従係を配置するなど、適切に対応してまいりたいと思う。
 以上である。その後、犯罪の発生状況については、刑事部長の方から答弁させる。

〇北條刑事部長 私からはコンピューター犯罪の発生状況等についてお答え申し上げる。
 当県内のコンピューター犯罪の発生の有無についてであるが、昭和63年に銀行の支店長代理らによるオンラインシステム利用の電算機使用詐欺事件があったし、平成3年には、信用金庫職員らによる業務上横領電算機使用詐欺事件を検挙しておる。全国的には、平成8年中にデータまたはプログラムの改ざんあるいは消去といったコンピューター犯罪が133件認知されておる。
 以上である。

〇小野寺委員 非常に情報化対応には経費がかかるわけであるが、おととしの一般質問の際に、交番の警察無線とかパトカーの配置についてお伺いした際、まだまだ十分ではないという御答弁をいただいたが、新たに経費のかかるこういった状態になってきたけれども、優先順位とかを考えた場合にどうなるのかお伺いする。

〇藤警務部長 委員御指摘のとおり、一昨年、いわゆるそういう通信関係の整備についてはまだ整備の途上であると御答弁を申し上げた次第である。ただ委員御指摘のとおり、いわゆる無線に加えて、最近非常に高度情報化が進んでおり、新たなる技術なりそういう機器を導入しているわけであるので、我々としてはもちろん優先順位を考えながら整備をしなければいけないと思うわけであるが、ただこれは、こちらを優先、こちらを後ということよりも、むしろ交番、駐在所の置かれている状況を見ながらより最適なものを導入していくという格好で、より総合的な形で検討を進めていかなければいけないと思っておるから、もちろん限られた予算であるので一気に両方というわけには参らないが、警察本部については、まず、いわゆるこういうマルチメディアを中心とした統合ネットワークの整備、さらには交番、駐在所においては、従前と同様、さらにはそれ以上に先ほど御指摘あった通信設備の整備を引き続き続けてまいりたいと思う。
 以上である。

〇那須川委員 当該委員であるので1点だけ質問させていただく。なお、警察当局には通告をしておらなかったので、お許しをいただいて、ひとつ質問させていただく。
 前沢町の殺人事件に関連し、今後の凶悪犯罪に対する検挙という点からひとつ質問させていただきたいと思う。
 この新聞報道が3日ぐらい前に出たわけであるが、15年前に起きた前沢町の婦人殺人事件が時効が参ったわけである。新聞によると、その間、警察当局では2万人以上の警察官を投入して捜査をし、そしてまた2、000人以上の方々から事情をとりながら大変な努力をなさったわけであり、やるだけやったという、一方において私はそういう感を持つわけであるが、他方、こういう時効が来たということで地元、特にも前沢町の地元で起きた事件であるので、地元の皆さんは大変この犯罪に対する憤りと、それから無念というものを感じておるわけである。一方、こういう時効というものは、やっぱりこういう凶悪犯の県民というか一般の方々に対する認識を大きく後退させるものでもあると思う。悪いこと、そういうものをやったやつが必ずつかまるのだという、そういう認識を常に持ってもらうことは大変大事なことであるので、できるだけこういう時効が来ないように挙げていただくということが大事なことだと、こういうように思っているわけである。
 そこでちょっとお伺いするわけであるが、45年以降、こういう殺人事件について時効が来たようなものはどれぐらいおありなのか、それがまず第1点。それから今回の、15年間一生懸命捜査されながらこういう結果に至った、こういうものに対する総括をしてみて、何かひとつ今後はこういうことでいかなければいかんという警察当局の御決意でもあったなら、お考えを持たれたなら、そういう新たなものがあったなら、その点も1点お伺いしたい。
 それから、私は常に、今回の件にかかわらずよくこういう件についてこのごろ思っておるのであるが、このような殺人事件のような凶悪犯がどこかに発生したと、しかし、一般的には警察の皆さんも3年か4年ぐらいで異動なさる。そういう異動なさることによって一つの犯罪の検挙するそういうものはつくられるであろうけれども、直接担当された方がその地からいなくなる、そういう形というものは、やはりこういう検挙を薄くしてしまう一つの大きい元にもなるのではなかろうか。前沢町においても途中、これに当初かかわった警察官が死んでしまったわけである。これは病気でであるが。それからあまり--熱が入らないわけではないであろうが、どうもそこら辺の動きが鈍くなったという感じも私しておった。やはり、これは必ず挙げなければいけないという場合には、その方には大変御迷惑な話であろうけれども、一つの見通しがつくまで、3年のところを5年でも6年でも頑張っていただけるような、そういう人事配置というものも今後のこういう犯罪検挙のためには私は大変大事なことではなかろうかと、こう思ったので、あと立たないので、以上3点についての、これは通告もしないで大変申しわけないが、御意見をひとつ賜りたいと思う。

〇北條刑事部長 那須川委員から御質問のあった前沢町における主婦殺害事件であるが、この事件は57年3月9日の日中に発生した事件であり、当時42歳になる主婦の方が殺されたと、こういう事件である。事件発生以来、水沢警察署に捜査本部を設置して大量に捜査員を動員して広範囲にわたって捜査を続けてまいったわけである。その間、延べ捜査員は約2万6、000人従事しておる。捜査の対象に上った人では2、400人ぐらい捜査をしておるし、車の関係では約4万台捜査をした。しかしながら、私どもの力が及ばずことしの3月9日をもって時効が完成したわけであり、大変残念に思っておるし、被害者の方の冥福をお祈り申し上げたい、このように思う。この事件についても時効は完成したものの、引き続き関心を持って、情報等があればいろいろ調査を進めたいと考えておる。
 次に、御質問の第1点の、昭和45年以降時効が完成した殺人事件が何件あるかという御質問であるが、手元の資料でざっと数えてみたところ6件ある、殺人事件では。昭和45年に発生した久慈の一実ちゃん殺害事件、8歳になる少女が殺された事件、それから宮古の身元不明の女性が殺害された事件、これは51年である。それから53年に発生した紫波署下の高校女性事務員の方が殺された事件、55年に発生した遠野市の女性殺害事件、それから55年に岩泉で発生した64歳の方が殺された事件、そして今委員御質問のあった前沢町の主婦殺害事件、この6件が犯人検挙に至らず時効が完成していると、こういう状況である。
 総括あるいは今後の捜査に対する決意はどうなんだと、こういうお伺いである。先ほども申し上げたように、大きい事件が発生すれば、署の管轄を問わず大量に捜査員を早期に導入して県警としては万全を期してやっているところである。早期に立ち上がって、装備資機材をフルに活用して捜査に当たる、これが常道であるので、今後この種の事件が万一発生した場合には、この決意で絶対犯人を検挙するということで臨みたいと考えておる。
 3番目の、捜査に従事している捜査員の異動が早過ぎはしないかと、こういう委員の御指摘である。現に重要な事件の捜査に携わっている者については、異動等についても考慮しておるし、署の管轄にかかわらず捜査員を当該重要事件の捜査に充てる、こういう制度もある。指定捜査員制度ということでやっておるし、本部の執行体である機動隊あるいは機動捜査隊、こういったものを活用して大規模な捜査を展開する、こういう建前でやっておるので何分御理解賜るようお願い申し上げる。

〇菅原委員 1点だけ、高齢者の交通事故防止対策についてお伺いをしたいと思う。
 先般ある新聞を見ておったら、全国で65歳以上、いわゆる高齢者の運転免許所持者の割合は7%ぐらい、2010年になると20%台になる。したがって今後高齢者の交通事故が多発するのではないかというような記事があったわけである。そこでお伺いするわけであるが、岩手県の運転免許人口を調べてみたわけであるが、75万4、852名である。これは9年の2月末現在であるが、県民人口に対する割合は54%、いわゆる2人に1人は免許保持者である、そういうことを言われるわけである。男は45万4、665人で60・2%、うち女が30万187人で39・8%。そこで、この65歳以上の割合は8・9%で6万7、394人である。これは2010年に20%台になるというから調べてみたのであるが、岩手県の場合は15万人になる。そういうことで、急速に高齢者の免許取得者がふえていくのではないか、そんな勘定をするわけで非常に心配されるわけである。本県においても、高齢者の交通事故が多く発生しておる、そういうようなことであり、これの対策を今のうちから積極的に講じないと大変な事態になるのではないか、そんな感じをしておるわけである。
 そこで、今後の高齢者の交通事故防止対策は、やはり県警が強力なリーダーをもって官民挙げて、特に老人クラブ等の協力を得て安全対策を進めていかなければいけない、そのように考えておるわけである。したがって、高齢者の交通事故の実態はどうなっているか、それから、今申し上げたように高齢者の具体的な交通事故防止対策、どのようにお考えになっておるかお伺いしたいと思うわけである。

〇及川交通部長 高齢者の交通事故の実態と防止対策についてであるが、まず交通事故の実態について見ると、我が国社会の高齢化は急激なスピードで進展しており、これに伴い交通事故の高齢化も著しいものがある。本県においても、平成2年以降高齢者の死者は毎年40人を超えており、平成8年中の交通事故による死者は46人と全体の35%を占めておる。また、高齢者の人身事故も毎年増加しておって、昨年は1、018件とついに1、000件を超え、10年前の昭和62年に比較して2・4倍にもなるという極めて厳しい状態にある。こうした著しい交通事故の高齢化の背景としては、もちろん人口に占める高齢者の割合が増加していることがあるが、あわせて高齢者の運転免許保有者が増加し高齢ドライバーが多数道路交通の場に参加するようになってきたことが挙げられる。このような現状から、今後本県における交通事故死者数を減少させ、安全かつ快適な交通社会を実現するためには、高齢者の交通事故防止を徹底することが極めて重要であると考えておる。
 次に、高齢者の交通事故防止対策である。高齢者の交通事故防止対策に当たっては、高齢者の特性に応じた交通安全教育、高齢者が事故に遭わない社会気風の醸成、高齢者に優しい交通環境の整備を推進することが重要と考え努力しておる。
 まず第1に、高齢者に対する安全教育について具体的な実施状況について申し上げると、その第1は、交通安全意識の高揚である。県下21地区をシルバー交通安全モデル地区に指定し、ここを拠点とし、夜間道路横断体験学習、交通安全1日クリニック、交通安全ビデオの回覧などを通して、高齢者自身の交通安全意識の高揚を図っておる。その第2は、高齢者の加害者事故防止のための交通安全教育である。指定自動車教習所の協力を得ながら、実技講習としてのシルバードライビングスクールや、高齢者の動態視力、反応速度等の検査を内容とする参加・体験型の交通安全教育を実施し、高齢者自身に自己の身体機能を自覚していただき、加害者あるいは被害者とならないための交通安全教育を実施しておる。その第3は、夜光反射材の普及活用の促進である。各自治体や関係機関等と協力しながら、体験学習等を通じて夜光反射材の普及活用を推進しているところである。
 第2に、高齢者が事故に遭わない社会気風の醸成のために、進めようシルバー交通安全運動、シルバー交通安全指導の日等を積極的に推進するとともに、高齢者の主張、高齢者交通安全大会などイベントを実施することにより、高齢者の意識の高揚を図り、高齢者が事故に遭わない社会気風の醸成を図っておる。
 なお、警察庁によると、今国会で道路交通法が改正されると、いわゆるシルバーマークを任意ではあるが高齢ドライバーが貼付することになるので、この点もあわせて広報していきたいと考えている。
 第3に、高齢者に優しい交通環境の整備についてである。高齢歩行者が多い地域では、歩行者保護ゾーン、通称シルバーゾーンやコミュニティゾーンの設定、視覚障害者用信号付加装置、弱者感応式信号付加装置の整備など、高齢者に優しい交通環境の整備に努めておる。
 以上、高齢者の交通事故防止対策に努めているところではあるが、今後とも関係機関、団体と連携し、積極的に対策を講じ高齢者の交通事故防止を図ってまいる所存である。よろしくお願いする。

〇菅原委員 質問ではないが、警察関係者は一般職と異なって非常に厳しい職務が要求されているわけである。特に第一線で活躍する警察官、雨の日も雪の日も街頭に立って交通安全指導等々に尽力されておるわけである。その活躍に対して心から敬意と感謝を捧げたいと、そのように思うわけである。そういうことで、この交通安全運動は官民挙げてが一番重要だと思うわけである。そういうことで、今後真のリーダーを発揮していただいて効果が上がるような対策を講じていただくように重ねてお願いして終わる。

〇斉藤委員 盛岡市内の交通渋滞問題について本会議でも論議があったけれども、私は、県警サイド、公安委員会サイドから見て盛岡市内の交通渋滞の問題点、要因についてまず最初に伺いたいと思う。

〇及川交通部長 盛岡市においては、上堂交差点、南大橋北たもと交差点、館坂交差点、北山バイパス前交差点等、7カ所ほど日常的に交通渋滞が発生している現状にある。一般的には、交通渋滞は交通容量を交通需要が上回ることから起きる現象である。特に、一部のボトルネックと言われているようなところでそのような現象が起きた場合、渋滞は顕著になる。盛岡の場合、道路の整備が交通需要に追いつかないことが大きな原因であるが、あわせて川で周囲が囲まれていることなどから、ボトルネックとなる地点が多くあることも原因の一つではないかと思う。

〇斉藤委員 全国的にも渋滞問題は都市にあるわけで、全国的な渋滞解消の参考になる例、盛岡市では一時、ノーマイカーデーというのもやったが、このノーマイカーデーの効果というのはどのようにあるのであろうか。

〇及川交通部長 では、全国的な渋滞解消事例、それと盛岡市において実施したノーマイカーデーの効果ということでお答えする。
 全国的な渋滞解消対策事例としては、旅行時間提供による交通流の分散化、既存の道路幅員の中での車線数の増加による交通容量の増大、踏切などの立体交差化による渋滞の解消などがある。その他、静岡県で推進しておる雨天時の通勤通学時間帯の路線バスを臨時増発するレイニーバスの運行、山口県で実施している買い物客を対象とした遠隔地の駐車場から顧客をピストン輸送できるシャトルバスの運行などがある。
 私どもが把握しておるノーマイカーデーの効果としては、実施しておる盛岡市の参加車両台数が少ない等から、全体の交通量の抑制に顕著にあらわれておらないけれども、盛岡市の交通渋滞解消対策の一環として、今後検討すべき施策の一つと考えておる。

〇斉藤委員 先ほどもあったが、実際にこの間、車両台数が昭和55年と比較すると152%、車は1・5倍ふえて、運転免許保有者が、これは148%である。ところが、道路整備は105%しか整備されてない。私はここに大変な隘路がある、まちづくりが一体となって進んでいないと、そこに大変大きな問題を感じるわけであるけれども、しかし同時に、手をこまねいているわけにいかないので、全国的な参考例も研究しながら、最大限とれる盛岡市内での渋滞解消の対策というのはどういうものなのか、そのことについて伺う。

〇及川交通部長 盛岡市内の交通渋滞対策解消の具体的な対策ということでお話するけれども、先ほどもお話したように、渋滞というのは交通容量を交通需要が上回る現象であることから、交通容量を増加させるか、または交通需要を抑制させることが解決策である。交通容量の増加は根本的に道路の整備が必要であるけれども、中・短期的には個々具体的な箇所で交通容量を増加させることによって解決を図ってまいりたいと考えておる。警察としては交通管制センターの機能を充実して、信号を常に最適の状態にしておくこと、交通容量を減らす大きな要因である駐車対策を進めること、右折レーンや中央線変位などの効果的な規制を実施するということなどをやってまいりたいと思っておる。一方、交通需要を抑制することについては、バス優先対策等公共輸送機関の利用促進を支援するということ、情報提供による交通の分散を図ることなどの対策を講ずるとともに、輸送の効率化等についても関係機関とともに呼びかけてまいりたいと思う。
 具体的な交通渋滞解消対策箇所について申し上げる。
 その第1は、南大橋北たもと及び館坂交差点であるが、信号方向別通行区分規制を実施して、車両が2車線を右折できるように規制しておるほか、交通信号のサイクルを変更しておる。
 その第2は、明治橋南たもと交差点であるが、明治橋からバスセンター間における右折レーンの設置による右折車両と直進車両の分離、信号現示調整を実施しておる。
 その第3は、津志田交差点であるが、右折レーンの設置と同時に、右折矢印灯機の増灯と進行方向別交通区分の見直しを実施しておる。いずれ個々の具体的箇所の交通容量を増加させるもので、結果として対策を講じた交差点の円滑な交通が確保され、交通渋滞解消に効果があったものと考えておる。

〇斉藤委員 盛岡の渋滞対策は本当に大きな社会問題で、道路整備が基本的問題であるけれども、私は、例えば中心部は官庁街なわけで、ノーマイカーデーが一定の効果があるとすれば、官庁あげての今の時点での対策というのはあり得るのではないかという感じがするので、大いに研究をしてやっていただきたい。
 最後である。県警幹部職員の問題行動について。
 私のところに次のような告発情報が寄せられた。ある県警幹部職員の行動は目に余ると、スナックで深夜しょっちゅう飲み歩いて、ある女性に食事を迫って困っていると。さらに、深刻な訴えもあって職場をやめた女性もいると。こうしたことがあるとすれば私は極めて重大で、本当にこれは公費で飲み食いしているかどうかということも問われるので、ぜひ調査をして適切な対応をしていただきたい。どうであるか、本部長。

〇池田警察本部長 突然のお尋ねであり、具体的なことは承知してしないのであるが、そのような事案はないものと承知しておる。ただ、お尋ねであるので、そういう事案の調査等についても実施したいと思う。

〇藤原委員長 ほかに質疑ないか。

〇佐藤(正)委員 突然であるが、ひとつ伺いたいことは、私の周辺でぜひということで岩手県警を受けるのであるが、皆落ちてしまう。ところが、滑りどめに受けた警視庁や神奈川県警は採れるわけである。そうすると、本県の警察というのは非常に優秀であるということに相なるわけである。しかし、赴任して東京あるいは大阪に行くと、どうしてもこのふるさとを離れると精神的にもいろいろ問題があり、中にはやっぱり警察官といえどもそういう精神的なものから間違いを起こすという事例もあるわけであり、こういう都会に出た警察官がぜひふるさとへ戻って、ふるさとの治安に当たりたいという希望がある場合にはいかがなものであろうか、何かそういう方法があったらひとつお示しをいただきたい。

〇沼崎警務部参事官兼警務課長 委員の質問にお答えする。
 他県で勤務しておる警察官が本県の警察官として勤務したいと、こういう意向は確かにある場合もあるけれども--私ども割愛採用と申しておるけれども--この割愛採用については、本県警察官の定数が欠けた場合とか、あるいは緊急にそういう体制を整備する必要があるとか、そういう特異な場合のみ割愛採用というものを採らざるを得ない。一般的にはやはり正式に当県警察官を希望し、受験した者を採用していくと、そういう方針であるので御了承いただきたい。

〇藤原委員長 ほかにないか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇藤原委員長 ないようなので、これで警察本部関係の質疑を終わる。
 以上で本日の日程は全部終了した。これをもって散会をする。
   午後4時27分 散 会


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