平成9年2月定例会 予算特別委員会会議録

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平成9年3月14日(金)
   

1開会  午前10時3分

1出席委員  別紙出席簿のとおり

1事務局職員
事務局長 村上勝治
議事課長 及川宣夫
議事課長補佐 西田幸男
主任議事管理主査 駿河 勉
議事管理主査 中澤 悟
議事管理主査 上柿 聡
議事管理主査 木村 稔
議事管理主査 南 敏幸

1説明員
生活福祉部長 佐々木  孝太郎
生活福祉部次長 高橋洋子
参事兼総務課長 伊藤静夫
地域福祉推進室長 長葭常紀
高齢福祉課長 千田雅嗣
障害福祉課長 祝 田 敬三郎
児童家庭課長 今井 明
国保援護課長 佐藤国洋
県民生活課長 大内義雄
交通安全対策室長 高橋信雄
保険課長 山下賢二
保険指導室長 伊藤國男
国民年金課長 松繩 裕
 
環境保健部長 緒方 剛
環境保健部次長 小笠原 佑 一
医務課長 千葉洋志
健康推進課長 長山 洋
生活衛生薬務課長 藤田紀弥
廃棄物対策室長 中村 昭
環境公害課長 名須川 定 男
自然保護課長 保坂貢一
 
財政課長佐藤 勝
   

〇藤原委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入る。
 議案第6号から議案第25号まで、議案第27号、議案第32号から議案第49号まで、議案第51号から議案第68号まで、議案第70号から議案第72号まで、議案第74号から議案第84号まで、及び議案第86号、以上72件を一括議題とする。
 本日は、生活福祉部、環境保健部関係を終わるよう進行したいと思うので、御協力をよろしくお願いする。
 なお、説明、質疑及び答弁については簡潔明瞭に行い、議会運営委員会の申し合わせにより、効率的に審査が進行するよう御協力をお願いする。
 最初に、生活福祉部長から生活福祉部関係の説明を求める。

〇佐々木生活福祉部長 予算の説明を申し上げる前に、今般の行政機構の再編整備に伴い、生活福祉部関係の予算が9年度から新たに設置される生活環境部と保健福祉部に移管されることになり、これに伴い、民生費の予算科目に第2項生活文化費が設定され、これが生活環境部関係の予算となり、それ以外の科目が保健福祉部関係の予算となることをあらかじめお断り申し上げる。
 それでは、現行の生活福祉部所管に係る予算について御説明申し上げる。
 議案その2の6ページをお開き願う。3款民生費の428億4、125万3、000円のうち、生活福祉部関係予算は417億4、901万8、000円で、前年度当初予算に比較し18億7、459万9、000円、率にして4・7%の増となっておる。
 以下、各項目ごとに内容を御説明申し上げるが、便宜、予算に関する説明書により説明させていただく。
 予算に関する説明書の115ページをお開き願う。115ページから116ページにかけての第1項社会福祉費1目社会福祉総務費の41億190万円余は、民間社会福祉活動の育成助長を図る民間社会福祉活動推進費、福祉コミュニティーの形成を図るため、住民参加による地域ボランティア活動等を促進する市町村に対して助成する福祉コミュニティー形成促進事業費補助、116ページ中ほどのすべての県民に優しいまちづくりを推進するためのひとにやさしいまちづくり推進事業費及び福祉人材の養成、確保を図るための福祉マンパワー養成・確保対策事業費がその主なものである。116ページから118ページにかけての2目身体障害者福祉費の30億1、736万円余は、身体障害者の社会活動への参加と自立を促進するため、在宅の身体障害者に対するパソコンネットワークの整備などの各種事業を行う障害者社会参加促進事業費、在宅身体障害者の福祉の増進を図る身体障害者福祉活動推進費、重度心身障害者(児)医療助成費、身体障害者の療護施設等の整備を行う身体障害者更生援護施設整備費、次のページに進んで、地域の身体障害者等の自立と社会参加を図るための市町村障害者生活支援事業費補助及び障害者のリハビリテーションを推進するための障害者乗馬推進モデル事業費がその主なものである。118ページ中ほどから119ページにかけての3目精神薄弱者福祉費の24億1、482万円余は、入所援護委託料、精神薄弱者福祉作業所設置運営費補助等を行う精神薄弱者更生援護費、精神薄弱者更生施設、精神薄弱者福祉工場などの施設整備を行う精神薄弱者援護施設整備費及び在宅の精神薄弱者の社会的生活能力の向上を図るための精神薄弱者社会活動総合推進事業費がその主なものである。119ページ中ほどから121ページにかけての4目老人福祉費の83億4、406万円余は、老後の生活を健やかで豊かなものとするための24時間対応ホームヘルプサービス推進モデル事業などの各種事業を行う老人福祉活動推進費、次のページに進んで、老人入所施設及び老人利用施設整備のための老人福祉施設整備費、介護保険制度に備え、介護支援専門員を育成するとともに、要介護認定等をモデル的に実施する高齢者ケアサービス体制整備支援事業費及び21世紀の初頭における本県の高齢化対策のあるべき姿について、新たな指針を策定する岩手県長寿社会総合対策指針策定事業費がその主なものである。121ページ中ほどの5目遺家族等援護費の5、478万円余は、永久帰国者特別援護対策費及び中国帰国者への日本語指導、生活指導等を行う中国帰国者自立研修センター運営費がその主なものである。121ページから122ページにかけての6目国民健康保険指導費の8億6、735万円余は、国民健康保険診療施設運営費補助及び保険者の財政基盤の安定確保などを図るための国民健康保険事業安定化推進費がその主なものである。122ページ中ほどの7目婦人保護費の1億3、038万円余は、婦人相談所管理運営費及び婦人保護施設入所保護費がその主なものである。123ページの8目社会福祉施設費の28億2、529万円余は、松風園管理運営費、中山の園管理運営費及びふれあいランド岩手管理委託料がその主なものである。9目老人福祉施設費の3億1、045万円余は、養護老人ホーム松寿荘の管理運営に要する経費である。
 124ページをお開き願う。第2項生活文化費1目県民生活総務費の8億5、099万6、000円のうち、生活福祉部に関係する予算は3億9、679万5、000円であり、これは、消費生活協同組合育成のための金融準備資金の貸し付けなどを行う消費生活協同組合等育成事業費がその主なものである。125ページの2目交通安全対策費の9、015万円は、交通指導員の設置に要する経費を助成する市町村交通指導員設置費補助及び高齢者などの交通事故防止を図るため、参加・体験型の交通安全教育を行う交通安全教育推進事業費がその主なものである。
 以上が生活文化費のうち、生活福祉部関係予算である。
 128ページをお開き願う。128ページから129ページにかけての第3項児童福祉費1目児童福祉総務費の32億2、222万円は、保育所などを整備する児童福祉施設整備費、多様化する保育需要に対応するための特別保育事業費、本県の実情に合わせ、市町村が行う乳幼児保育、時間延長保育、一時的保育及び多様な就労形態に対応した休日の保育に要する経費に対して助成するすこやか保育支援事業費、一戸町奥中山地区に整備予定のすこやか子どもランド(仮称)整備事業費がその主なものである。130ページをお開き願う。2目児童措置費の49億8、547万円余は、心身障害児などの在宅福祉等を推進するための心身障害児援護費及び児童保護措置費がその主なものである。3目児童母子福祉費の33億4、899万円余は、母子家庭医療助成費及び児童扶養手当支給事業費がその主なものである。131ページから132ページにかけての4目児童福祉施設費の26億8、710万円余は、杜陵学園など児童福祉施設の管理運営に要する経費である。
 133ページをお開き願う。第4項生活保護費1目生活保護総務費の1億7、687万円は、生活保護給付に係る事務費及び指定医療機関等の指導監査費がその主なものである。2目扶助費の41億5、950万円余は、生活保護世帯に対する生活扶助、医療扶助等の給付に要する経費などである。134ページをお開き願う。3目生活保護施設費の5億8、420万円余は、救護施設好地荘及び松山荘の管理運営に要する経費である。
 135ページの第5項災害救助費1目救助費の3、125万円余は、救助及び小災害見舞金、災害救助基金積立金に要する経費などである。
 以上が民生費のうち、生活福祉部関係の歳出予算である。
 次に、議案第7号の母子寡婦福祉資金特別会計について御説明申し上げるが、便宜、予算に関する説明書により説明させていただく。
 予算に関する説明書の329ページをお開き願う。歳入歳出予算総額は、それぞれ4億30万6、000円である。
 歳入は、一般会計からの繰入金、繰越金、諸収入及び県債であり、歳出は、母子家庭及び寡婦の経済的自立、生活意欲の助長、児童の福祉の増進などを図るために必要な資金に要する経費である。
 以上で母子寡婦福祉資金特別会計予算の説明を終わる。
 次に、予算以外の議案について御説明申し上げる。
 議案その3の19ページをお開き願う。議案第37号の都南の園及び岩手県立中山の園使用料等条例の一部を改正する条例は、都南の園及び岩手県立中山の園の使用料等の額の算定方法を改定しようとするものである。
 40ページをお開き願う。議案第48号の福祉の里センター条例の一部を改正する条例であるが、これは、福祉の里センターの使用料の額を増額しようとするものである。
 41ページの議案第49号の福祉交流施設条例の一部を改正する条例であるが、これは、福祉交流施設ふれあいランド岩手の使用料の額を増額しようとするものである。
 以上で生活福祉部関係の議案についての説明を終わる。御審議のほどよろしくお願い申し上げる。

〇藤原委員長 ただいまの説明に対し質疑ないか。

〇村田委員 冒頭御指名を賜って光栄に存ずる。
 福祉行政については、複雑多様な社会構造の中において大変きめ細やかな心温まる行政が展開されておることに敬意を表するところである。
 私、3点申し上げたいと思うけれども、1つは、保育所運営についてであるし、それから、8目の社会福祉施設費に関連して点字図書館の管理委託について、それから3番目は、生活保護扶助費について、3点伺いたいと思う。
 保育所の果たしておる役割は、児童福祉法に基づいて、措置に欠ける児童ということで従来運営されておるわけであるが、その後のいろいろな社会情勢の変化に伴って、勤労所得の階層と生活扶助を受けている階層、あるいはまたボーダーライン階層ということで、その所得に応じてのランク、入所条件のランクづけがなされておるわけであるが、ただ、勤労世帯についても、最高額ということになかなか耐え切れない。また一方、幼稚園教育との問題もあるし、いろいろ議論のあるところのようであるが、いずれこれは国の考え方として、少子化時代でもあるし、措置費のランクの均等化というか、もう少しこれを緩和していく必要があるのではないかということの論議がなされておるやに聞いておるわけであるが、その状況について。それから、幼保一元化というのはかねがねの大きな課題であるが、就学前教育ということも加味された保育所の任務があるわけであるけれども、それが現実にどのように今後展開されるべきものなのか、県のお考えをお聞きしておきたいと思う。
 まず、この保育所問題について。

〇佐々木生活福祉部長 私の方からは所得割の保育料の関係についてお答えするが、その他については今井児童家庭課長の方から答弁させたいと思う。
 保育料についての所得のランクづけについてであるけれども、昨年12月、国の中央児童福祉審議会から児童福祉制度の見直しについての中間答申がなされて、これを受けて3月11日に児童福祉法等の一部を改正する法律案が国会に提出されておる。保育料の負担については、現在の応能負担方式から保育費用や子供の年齢等を考慮した負担とするということが盛り込まれているようであるが、今回の法改正に基づく具体的な保育料の徴収基準案についてはいまだ提示されていないところであるので、県としては、今後国における検討の動向を見守りながら対応してまいりたいと考えておる。

〇今井児童家庭課長 幼保一元化についてであるけれども、保育所は、保育に欠ける乳幼児について市町村が措置を行い、入所させる施設で、幼稚園は、幼児教育を目的とする施設である。それぞれの目的、機能に基づいて充実が図られてきているところで、県においても、教育委員会と連携を図りつつ、その相互の充実に努めているところである。
 最近の動きとして、昨年12月20日の地方分権推進委員会の勧告で、地域の実情に応じて幼稚園、保育所の連携強化及びこれらに係る施設の総合化を図る方向で幼稚園、保育所の施設の共用化等、弾力的な運用を確立するという指摘がなされたところである。さらに、本年1月24日に教育改革プログラムが出されて、国民のニーズに的確にこたえるため、幼稚園と保育所のあり方について、地方分権推進委員会の勧告等も踏まえ、文部省と厚生省で共同で検討に着手するとされたところである。こうした動向を見守ってまいりたいと考えておる。

〇村田委員 ようやく長年の懸案が数歩進んできているという感じがしたわけであるが、御期待申し上げる次第である。
 次に、2点について一緒に申し上げたいと思うが、8目の社会福祉施設費の中に点字図書館管理委託料というのがあるが、これは、県立図書館の視聴覚情報センターという機能に委託をしておる、こういう意味なのであろうか。それから、現在までの点字図書館の翻訳作業というのは大変な努力を要しておるだろうと思うけれども、どういう方々にこれはお願いをして、そして集積されつつあると思うけれども、その図書館の集積件数、それから利用の状況、それから将来の運営の見通しということについてお伺いしたいと思う。
 それから、第3点の生活保護の扶助費については39億八千四百数万円ということであるが、この数字は、現在の不況ということ、あるいはまた医療扶助といういろいろ複雑多様な社会的な状況によって相当中身が変わってきているのではないだろうか。その今までの経過、それから、現在はどのようなところに置かれているのかということの御認識の中身をお聞きしておきたいと思う。

〇佐々木生活福祉部長 点字図書館関係については祝田障害福祉課長から答弁させる。
 生活保護についてであるが、生活保護は、景気動向等の経済的、社会的要因はもとより、公的年金制度の充実など、他法他施策の整備により影響を受けるわけであるが、本県の保護動向は、昭和59年度以降から生活保護世帯、保護人員、保護率ともに減少傾向にある。特に保護率は、昭和47年度の19・6パーミルをピークとして、以降、逐年減少して平成7年度には5・2パーミルとなっているところである。また、平成7年度の保護の開始要因についてであるが、おおむね傷病によるものが50%、就労等収入の減少によるものが25%、離別及び老衰等によるものが5%、その他が20%となっておる。この中で、就労収入の減少とその他の理由によるものの比率が増加傾向にある。保護の開始要因が複雑化してきている傾向にあると認識しておるが、今後とも社会経済、雇用動向等に十分に留意して、きめ細かな保護の動向分析を行い、的確な制度の運用に努めてまいりたいと考えておる。

〇祝田障害福祉課長 点字図書館についてお答え申し上げる。
 盛岡市の北山に設置されておる県立点字図書館については、その運営を岩手県の社会福祉事業団に運営委託しているところである。点字図書館の機能とあわせて、視覚障害者の情報センターといったようなことも性格づけをしながら運営を委託しているという状況にある。
 それから、集積状況であるけれども、現在、点字図書で2万7、189冊、それから録音図書で6万3、620冊ということになっておる。あわせて9万冊を超えておる。東北6県で最も多い整備率ということになっておる。
 それから、利用状況であるけれども、これについても、点字図書が3、500、それから録音図書が4万1、000ということで、利用状況についても東北の平均を上回っているという状況である。
 それから、今後の整備であるが、ボランティアである点訳奉仕員あるいは朗読奉仕員の方々の協力をいただきながら、利用者の希望に沿った整備を進めてまいりたいと考えておる。

〇瀬川委員 村田委員に関連して質問させていただく。
 児童福祉法の改正案が今国会で審議されるようであるけれども、学童保育がその児童福祉法の改正の中に位置づけられると報道されておるけれども、その中身について、わかる範囲でよろしいから教えていただきたい。

〇今井児童家庭課長 学童保育、いわゆる児童クラブ事業についてであるけれども、去る3月11日に国会提出された児童福祉法等の一部を改正する法律案によると、児童クラブ事業を法律上明確に位置づけておるところである。さらに、この法律案によると、市町村に対して地域住民が児童クラブ事業を利用することを促すよう努力しなければならないという旨の規定が設けられたところである。これに関しては、県議会ともども執行部としても従来から法制化を国に要望してきたところである。

〇瀬川委員 そうすると、その促すということと、あとは県の対応とか国の対応とか、これは、今国会で審議されて可決された後のことになるわけなのか。

〇今井児童家庭課長 児童クラブ事業に関しては、従来から県としても、特に共働き家庭の子育て支援策の一環として、事業実施主体の市町村に対して積極的な事業の導入を働きかけてきたところである。また、国に対しても事業内容の充実、法制化について要望してきたところである。法律の施行は、この法律案によると10年の4月からということであって、この規定が効力を発するのは、法律が可決成立すればそうした時期になるということである。

〇瀬川委員 そうすると、来年--10年の4月からその中身は充実されて進歩するということに解釈してよろしいか。

〇今井児童家庭課長 この事業は国庫補助の事業として実施をされてきておって、年々充実されているところである。10年以降ということになると、それぞれの年度の予算措置の動向を見てまいる必要があると考えておるが、年々人件費、指導員の配置等、その充実が図られてきているところである。

〇佐藤(正)委員 それでは、委員長の要請にこたえて議事を促進するために1回に申し上げるので、それぞれに御答弁を願う。
 まずもって、先ほど部長は説明の中で、精神薄弱者と説明をしたが、どうか、これは知的障害者とも言うが、公的にはそれでいいのかどうか。
 次に、山下保険課長、あなたはなかなか出番がないのでひとつお伺いする。
 あなたはたしか厚生省からの出向、いわゆる天下りであるが、このたびの厚生省のスキャンダルはどうお考えか。
 次に、今回の医療保険制度改正案によると、健康保険加入者本人の一部負担の増などで国民に負担増を求めているわけである。これに対して反対もかなりあるようであるが、いわゆる医療費の適正化ということについて、厚生省の派遣役人の御見解を承っておく。
 次に、診療報酬明細書、いわゆるレセプトというのだそうだが、これらの審査については、先般テレビでも拝見したが、各機関において審査をされていると思うが、その審査の状況あるいは効果について御説明を願いたいと思う。
 また、昨年は、本県においても診療報酬の不正請求、ごまかしによって保険医療機関及び保険薬局の指定の取り消しが1件あったようである。このような不正請求防止のために保険医療機関等の指導、監視などはどのように行っているのか、以上、お聞きする。

〇佐々木生活福祉部長 精神薄弱者という言葉は、法律上そのようになっておったのでそう申し上げたが、一般的に知的発達遅滞という言葉も使われるようになってきておることも事実であって、厚生省で検討しているやに聞いておるところである。
 医療費の総額については私の方から、それ以外は山下保険課長の方から答弁させるが、医療費の総額は7年度で約27兆2、000億円と見込まれておる。前年度に比較して1兆4、000億円の増、5・3%の伸びを示しているところである。国民1人当たりの医療費は、平成5年度19万5、000円、6年度20万6、000円、7年度21万7、000円となっており、毎年約1万円ずつ増加しているところである。特にも老人医療費の伸びは著しく、平成7年度においては前年度に比較して7・1%の伸びを示しており、8兆7、000億円に達し、国民医療費の32・2%に及んでいるところである。
 一方、国民所得の伸びは、平成5年度においては0・9%、平成6年度においては0・2%の伸びとなり、平成7年度には1・8%増と推定されているわけであるが、バブル経済崩壊後、医療費の伸びと経済成長率の間に大きなギャップが生じてきておるところである。

〇山下保険課長 冒頭に厚生省のスキャンダルをどう考えるかということであるが、私どももあのニュースに接して以来、大変考えられないようなことであると感じたわけで、本当に厚生行政に対する国民の信頼を大変大きく損なったものと考えておって、委員の言われたとおり、私も厚生省から参ってきているわけであるが、今後厚生行政の国民の信頼を回復すべく努めてまいらなければならないのではないかと考えておる。
 それから、医療費の適正化関係について回答申し上げる。
 医療費の適正化対策については、医療機関から提出される診療報酬明細書、レセプトであるが、この点検調査に当たって、点検調査率の向上あるいは内容点検調査の充実というものを年々図っているわけである。また、事業主、被保険者に対する受診の指導というものを徹底させているところである。
 そしてまた、レセプト点検、審査状況ということであったが、レセプト点検に当たっては、岩手県の政府管掌健康保険においては、被保険者1人当たりの効果額は平成5年度で3、520円、平成6年度で3、721円、平成7年度では5、002円となっているわけで、レセプト点検の結果、政府管掌健康保険の平成7年度の効果額約14億7、000万円ほどを計上しているところである。
 そのほか、保険医療機関の指定の取り消しの件があって、医療機関の指導はどうなっているかということであるが、保険医療機関の指定の取り消しについては、平成7年度で全国で15機関あった。このため、不正請求防止のための指導については、保険医療機関等の指導については、保険診療の適正を図るために、健康保険法、国民健康保険法及び社会保険医療担当者指導大綱がある。これらに基づいて保険医療機関の集団指導あるいは集団的個別指導及び個別指導を実施しているところである。これらの指導については、集団指導は全医療機関を対象に、また、集団的個別指導及び個別指導については県の選定委員会で選定された保険医療機関を対象に厚生大臣あるいは知事が実施することとなっているわけで、通例は県において指導しているわけであるが、医科、歯科、薬局、それぞれ2年に1回程度、厚生省との共同指導も行っているところである。このほか、病院などにおいては、看護の問題とか、あるいは食事あるいは寝具の問題、それから施設基準等の実施調査を随時行っているわけで、診療報酬請求との整合性などについて保険医療機関の指導を行っているところである。今後とも、さらに医療費の適正化を図るためにレセプト点検の充実に努めるほか、不正請求防止のため、医療機関の指導強化にさらに努めてまいりたいと考えておる。

〇佐藤(正)委員 一生懸命やっているようであるが、どっちかというと医者の分野というのは今まで聖域だったのである。しかし、こうして今、全国で15件あったということであるが、どうなのか、このレセプト、要するに診療報酬明細書は1カ月ごとのようであるが、本県では1カ月何枚ぐらいなのか。
 それから、これを点検する、例えば国保連合会などは何人でこれを処理しているのか。
 それから、昨年は、取り消しは医療法人誠心会真山池田病院、不正請求が382枚、178万9、155円。これは同系統だろうと思う、調剤薬局ではないか、有限会社上横町薬局、338枚、774万8、114円、こういうように、去年は1件だけなのである。全国では今答弁の15、本県では1件ということなのであるが、先ほど申し上げたが、一体1カ月何枚ぐらい処理しているのか、それをちょっとまずお伺いしたい。

〇山下保険課長 診療報酬明細書の、いわゆるレセプトであるが、支払い基金における毎月の取り扱い件数は約60万件となっておる。この60万件のレセプトについて、63名の審査委員で毎月審査しているところである。

〇佐藤(正)委員 だからなかなか大変なのである。よほどの神わざである、これは。それでもなお一生懸命やって、本県では1件摘発したわけである。だから、先ほど申し上げたが、今度健康保険の一部負担などもあるが、こういうところにかなりむだなところがあるのではないかというような感じもするわけなのである。このレセプトだけではなくて、例えば私どもが病院に行ってよく言われることは、馬みたいに薬をもらうと。とても飲み切れるものではないと。これはいわば薬の過剰供給である。要らないものまで薬をもらう。あるいは医者の過剰な診察、こういうものがあるわけである。さらにはまた、看護婦が本当に基準に合っているかどうか。こういうものを調べるのは、あなたの保険課では専任の医師が2人なわけである。2人で実際に県内のこういうものを調査することはできるのかどうなのか、その点ひとつお伺いする。

〇山下保険課長 指導医療官は医科、歯科それぞれ1名ずつおって、先ほど申し上げた医療機関の集団的個別指導あるいは個別指導、これらを行っておる。そのほか、私どもの事務担当職員が看護あるいは施設基準、食事の問題、これらの調査に5名で当たっているところである。それによって、平成8年度はまだ出ていないが、平成7年度の指導の数を申し上げると、保険医療機関で、医科で539医療機関、歯科で657医療機関の集団指導を行っている。それから、個別指導については、医科で145医療機関、歯科で51医療機関、保険薬局で22薬局の指導を行ったところである。

〇佐藤(正)委員 何だか大分苦しい答弁だからこれ以上やらないから。
 最後だけれども、レセプトについてはわかったが、少なくとも過剰な薬とか診察という事例は1件も出ていない。ところが、実際にはあるのである。そのほかに食事あるいは看護婦の基準等々があるが、どうであろうか、こういうことが出ていないということは何もないから出ていないのか、とても手が回らないから出ないのかどっちかである。そこで、こういう問題にやはりきちんとメスを入れるというか、きちんとしないと、県民、国民は医療費の負担増を求められてもなかなかそれに快く応じられないということがあると思うが、あなたは厚生省から来ていつ帰るかわからないけれども、岩手県のこういう問題について、どういうふうにしてこれから手直しして、そしてやっていくべきだと思うか、そのことをひとつお伺いしておく。

〇山下保険課長 確かに医療機関の不正請求で取り消ししたものが平成7年度1件、保険薬局が1件あったわけであるが、そのほかに、個別指導等で不正なものがあった場合には返還させているところである。(佐藤委員「それはいくらあったのか。」と呼ぶ)金額にすると、平成7年度で医科が16医療機関、歯科が7医療機関ある。総額で2、800万円の返還をさせているところである。
 これらについては、厚生省の監査要綱で取り消しする場合の規定というものがあって、故意に不正、不当な診療あるいは診療報酬の請求を行った場合には取り消しということをされているわけであるが、そのほか、過失により不正、不当な診療報酬請求を行った場合には、返還させるということで医療機関の指導を行っているところである。今後とも、国民所得の伸びに比べて非常に医療費の伸びが高いので、医療費の適正化については、保険医療機関の指導を含めて、また、いろいろ社会的入院とか重複受診とか言われておる。これらの被保険者指導も行いながら進めてまいらなければいけないものと考えておる。

〇伊沢委員 1点についてお伺いをしたいと思う。
 さっきの村田委員の質問に関連をしてしまうわけであるが、実は、さきの本会議の一般質問で児童福祉法の改正案、要綱が出た、こういう時点で御質問させていただいた経緯があったわけである。ただいま御答弁あったように、去る3月11日にこの児童福祉法の一部を改正する法律案が閣議決定をして国会に上程をされた、こういう情報を得たもので、改めてお伺いをしたいということで質問させていただきたいと思う。
 法改正、条文が出たわけであるけれども、私が一般質問で質問したのは、保育所の利用者の負担が増加することはないのか、措置基準が外れる、そういう部分があったわけであるけれども、それらが後退をして将来的に補助金が削減をされることはないんだろうか、こういうことで御質問をさせていただいた経緯があったわけである。当時の御答弁については、要綱の時点でよくわからない、こういうことだったわけであるが、今回の法改正が出た、こういう時点で、県はどのような受けとめ方をしているのか、改めてお伺いをしたいと思う。
 もう1点は、先ほど来お話が出たが、法改正の中には、この措置基準以外、大変多くの課題が含まれているわけである。保護者とか児童が利用しやすいような保育所づくりを目指すというのがこれまでの審議の中身、そして、法改正だと思うのであるけれども、県として、これらにどのように対応していくお考えなのかお示しをいただきたいと思うわけである。9年度予算の中にも、独自の児童福祉法の関係で、事業費の中に休日保育の問題だとか時間延長の問題を含めてこれまでも取り組んでこられているわけであるけれども、これらが法改正案と絡めて今後どのように変わっていくのか、その辺のことも含めてお示しいただきたいと思う。

〇佐々木生活福祉部長 今回の法律案は、少子化の進行、家庭と地域の子育て機能の低下等、児童及び家庭を取り巻く環境の変化にかんがみて、児童の福祉の増進を図るということで改正されるものと理解しておるが、保育所については、措置による保育所入所の仕組みを、情報の提供に基づき、保護者が保育所を選択する仕組みとなるというように理解しているところである。県としては、今回の法律案はもとより、改正に基づいて見直しが行われるであろう保育料の徴収基準や施設の基準といった具体的な基準等についてはまだ示されておらないので、今後の検討の動向を見守りながら、関係機関と連携をとりながら適切に対応してまいりたいと思っておる。
 先ほど申し上げたとおり、保護者が希望する保育所に申し込みするというように制度が改められるわけであるが、よりサービスのよい保育所を選択できるようにするものと解されるところである。今後とも一層利用しやすい保育所づくりを進めていく必要があると考えておるところである。県としては、従来から各種特別保育事業に対する積極的な取り組みを保育所事業の実施主体である市町村に働きかけるとともに、国に対して、国庫補助要件の緩和等、事業の充実を要望したところであるし、県としては、平成8年度から県単新規事業ということで、すこやか支援事業を創設して、対象児童が国庫の補助の要件に満たない保育所を対象に延長保育、一時的保育の小規模、特例的な補助制度を設けるとともに、県独自の事業として、休日、祝日の保育に対する補助制度を設けたところである。9年度からは、より多くの県民にこの事業によるサービスを利用していただくために、休日保育の受け入れ対象を保護者の育児疲れやボランティア活動などの社会文化活動にも拡大するなど、さらに事業の充実に努めているところである。今後ともこのような取り組みを行うことによって、本県の実情に応じたきめ細かな保育サービスの総合的な推進を図り、県民の方々が利用しやすい保育所づくりに努めてまいりたいと考えておる。

〇伊沢委員 改正案が出たけれども中身がわからないということで村田委員の答弁と同じなわけであるけれども、ちょっと突っ込んで申しわけないけれども、先ほど保育料のランクづけの話が委員からあった。実は、私も2人子供を育てて、2人とも成人をしたわけであるが、2人しかつくれなかったわけである。なぜか。保育料が高かった。共稼ぎをして最大級のところを払って、私の賃金はマイナスというか、自分の賃金で足りなかったというのが実はあって、ボーナスでやっと何とかやってきた。こういうのがあって、子づくり、少子化、その部分がまさに難しい。
 聞くところによると、これまで所得割でやってきた保育料を年齢に応じて必要な部分を平準化をしていく、こういうことであると思うが、それは大変いいことで、高いところを下げる、低かったところを上げていく、こういうことになると思う。私が子育てをしている段階で、例えば床屋とか自営業の皆さんとお話をする機会があった。同じ保育所に子供を入れているわけである、3歳児、4歳児。片方はおやつ代程度でやっている。所得を聞くと、公務員、いくら高いと言われても、家族2人で床屋をやっている方の収入とほぼ見合いのところにある。ところが、税金の問題で、私たちの方は源泉徴収、こういうことで取られる。そうすると、同じくらい取っている自営業の方が3、000円、4、000円のおやつ代で済んでいた、こういうことがあるわけである。それは非常にいいことで、今回の改正の中で、こういう人たちが平準化という中で多分上に上げられるのではないかと、こう思うわけである。上げないで、高いところを下げて、上げないで補助をやるというのであればいいわけであるが、そういった部分がこれからどうなっていくのかというのが今回請願も出ている一つの中身なのかと私は思うわけであるが、この辺について、もしおわかりであれば教えていただきたいし、補助の部分、措置の部分とまた別問題であると思うけれども、これらについて、どのような対応がこの法改正案の中に盛り込まれているのか、もしおわかりであれば重ねてお伺いをしたいと思う。

〇今井児童家庭課長 法律案によると、その施行が平成10年の4月ということである。保育料の徴収基準は毎年度予算でセットをするもので、改正後の保育料の動向というものも、今後平成10年度の予算編成の過程の中において検討されるものではないかと理解をしておる。これに関係して、この法律案のもとになった中央児童福祉審議会の中間報告では、保育料負担の適正な水準を確保するため、引き続き所要の公費負担を行うことが必要としておる。法律案の中に反映されている考え方ということであるが、これは、今回の法律案においては、それを受けてと理解をしているわけであるが、従来の公費負担のあり方を変更する内容は含まれていないところである。
 県の受けとめ方であるけれども、従来より保護者負担の軽減に向けて保育料徴収基準の見直しを国に要望してきたところである。今後ともそうした機会に触れて要望しつつ、国の動向を注目してまいりたいと考えておる。

〇伊沢委員 あと1点で終わる。
 この法律案、措置基準を含めて大分変わると。市町村が実施主体になるわけであって、総務部とかの審議の中でも事務委譲の問題で大変、今県議会の予算委員会あるわけであるけれども、事務委譲等はこれ違うわけであるが、負担が前と変わってくる、市町村の事務のやり方が変わってくる。こういう時点で市町村に対する御指導というか、いろんな意味で対応をきちんとしないと、実施主体である市町村がいろんな対応が困ってくる面があるんではないかなと危惧をしているわけである。したがって、法律ができてからということになると思うけれども、ぜひ市町村の担当、そして御理解をいただいてやっていくと、こういうことでここは遺漏のないように御指導いただくことをお願い申し上げて、終わらせていただく。

〇千葉(伝)委員 私からは社会福祉の充実という観点からお伺いしたいと思う。
 本県においては、これまで社会福祉施策の展開により着実に向上してきていると考えているところである。しかしながら、高齢化社会の進展、生活意識における心の豊かさを求める流れなど、社会福祉に対するニーズは増大かつ多様化していると認識しているところである。こうしたニーズに的確に対応していくために県ではさまざまな施策が講じられているところであるが、私もノーマライゼーションという理念に基づき、今後、より積極的な展開を図る必要があると思う。生まれながら障害を持つ人、あるいは不慮の事故等により障害が残った人、病気とか高齢化に起因した障害がある人などに対し、すべての県民の相互理解、交流を深め障害者の自立の助長と社会参加の促進、そういったことを図って、一方では在宅福祉、ホームヘルプサービス、デイサービスとか、あるいは施設福祉サービスの充実を図るということが必要であろうと思う。こういった観点でお伺いしたいと思うが、続けて三つお伺いする。
 一つは、重度障害者を含めて、さらには精神薄弱者の授産、更生施設といったことに対して平成9年度の対策といったことを、取り組み方をお示し願いたいと思う。
 それから、もう一つは、民間等における同様な施設等の状況、あるいはそういったところに対しての支援対策といったことでお伺いしたいと思う。
 それから、3点目は障害者という観点から、予算説明書のページ118なんであるが、身体障害者福祉費のうち障害者乗馬推進モデル事業というものがあるが、この事業の内容をお聞きしたいと思う。
 以上、3点である。

〇佐々木生活福祉部長 乗馬モデル事業については障害福祉課長から答弁させる。
 障害者施設の整備については、重度化、高齢化に対応して第三次岩手県社会福祉基本計画に基づいて促進を図っているところである。身体障害者の福祉施設については、平成8年度から継続事業として、介護が必要な重度の身体障害者を対象とした身体障害者療護施設を、これは定員84名であるが雫石に、また、一般雇用の困難な身体障害者を通所させ必要な作業訓練を行う身体障害者通所授産施設、これは定員20名であるが陸前高田に、さらに、在宅の身体障害者に対して機能回復訓練などのサービスを提供する身体障害者デイサービスセンターを盛岡市と雫石町の2カ所に整備することにしておる。
 次に、精神薄弱者の施設についてであるが、これも平成8年度からの継続事業であるが、盛岡市内の精神薄弱者更生施設に新たに20人の重度棟を増設して、50人定員の更生施設として整備することとしておる。
 また、知的障害者を通所させ必要な作業訓練を行う精神薄弱者通所授産施設、これは定員30名であるが、紫波町に整備することとしておる。
 さらに、知的障害者の働く場を確保するということから、東北では最初の施設となる精神薄弱者福祉工場、これは定員30名であるが一戸町に設置することとしておる。
 県としては、これらの施設整備を通じながら、また、ソフト事業を充実しながら、引き続き障害者の自立と社会参加の一層の促進に努めてまいりたいと考えておる。
 次に、民間福祉団体に対する助成についてであるが、現在、地域の民間福祉団体に対する助成としては、県から直接行うものと、財団法人岩手県福祉基金あるいは財団法人岩手県長寿社会振興財団の高齢者保健福祉基金から行う三つがあるわけである。
 8年度の実績で申し上げると、岩手県福祉基金からは、社会福祉団体活動、在宅福祉等の普及向上等に関する事業に対して45団体に対し4、900万円余の助成、また、高齢者保健福祉基金からは高齢者の保健福祉の増進を図るための先駆的、先導的事業に対して39団体、4、700万円余の助成を行っているところである。県から助成するものとしては、市町村社会福祉協議会の福祉活動専門員設置費、ふれあいのまちづくり事業、市町村ボランティア活動事業などに2億2、600万円余を助成しておるところである。
 9年度においては、これらの事業のほかに県単独事業として、新たに福祉コミュニティー形成促進事業を創設して、市町村社会福祉協議会へのボランティアコーディネーターを配置し、地域のボランティア活動の促進により福祉コミュニティーの形成を一層推進することとしており、今後とも社会福祉活動の振興のために積極的に支援してまいりたいと考えておる。

〇祝田障害福祉課長 障害者の乗馬推進モデル事業である。
 障害者の乗馬については、古くからヨーロッパの方では障害者のリハビリテーションに大変いいということで実施されておるわけであるが、本県は、全国有数の馬産地でもあるので、地域に根差した障害者福祉を推進したいということで、9年度新規に実施するものである。
 事業の中身であるが、四つほどになっておって、一つは、推進検討委員会を設置するということで、理学療法士あるいはポニースクール岩手の職員の方々等関係者で組織する検討委員会を設置したい。それから、2番目は、実際に身体障害者あるいは精神薄弱者の方々に乗馬をしていただくということで、年10回ほどの乗馬をしたいと考えておる。3番目が啓発事業ということで、乗馬の意義等について広く障害者の方々に啓発をしたいと考えておる。4番目が、最終的に報告書等をまとめて、広く県内の障害者の方々が乗馬に親しめるような施策を推進してまいりたいと考えているものである。

〇千葉(伝)委員 最初の部長のお答えで、さまざまな施策をしていただいているわけである。その障害者がより自立に向けた更生施設も含めて。それで、平成9年度の対応は今お聞きしたわけであるが、こういった施設等について、箱物という意味で平成9年度でこれが設置されたといった場合に、まだまだ足りないのか、ほぼ充足されるのか、まずそれが一つ。
 それから、乗馬の方なんであるが、岩手県で今、初めての取り組みということなわけであるが、その四つの観点で推進していくと、こういうことなわけである。私も動物との触れ合いというその視点から考えた場合に、こういったやり方を進める中で障害がある方がやはり感情、それから歩行あるいは動きとかそういったものが緩和されたり、いい方向に行くということでの、ほかでちょっと読んだことがある。これは岩手県初めてということなんであるが、全国的にほかの県でこのような事例というのを参考にした分があるのか。馬を使うわけなんで、その馬の種類というのであろうか、これはかなり気をつけないと、いわゆる乗馬に本当に適した馬ということを考えていただいているとは思うけれども、ポニーとか--ポニーと言っても実際にさわるとかなり、ほかの、競走馬でもそうなんであるけれども、きかないものはきかないということで、単純に馬だからいいということじゃないということで、したがって、言いたいのは、乗馬の温順な馬というのが最適だということで、先ほど遠野の馬の里のお話が出ていた。そういったことでその辺の馬、何頭ぐらいを考えて、それのやり方、もうちょっとそこを詳しく、以上である。

〇佐々木生活福祉部長 身体障害者の療護施設については、84名の定員が確保されるので、これは計画上はこれで十分だと理解しておる。
 それから、身体障害者なり精神薄弱者、精神発達遅滞の方々の通所の授産施設であるが、県内に今それぞれ無認可の施設があって施設運営をやっているわけであるけれども、どうしてもボランティアなり措置費が入らないということで、県も補助しておるけれども施設の運営が非常に厳しい状況にあることは、間違いないことであるので、やはりある程度の定員を確保しながら認可施設の方に移行させて、経営基盤を確立していくという方向に進むべきものと理解しておるので、今後とも努力してまいりたいと思う。
 また、精薄の入所施設についてはまだまだ足りないということで、今後の計画の中でも新たに設置する計画であるところである。
 あと乗馬の関係は課長の方から答弁させる。

〇祝田障害福祉課長 乗馬の関係で先進県があるかということであるが、私の知っている限りにおいては九州の雲仙の精薄の施設で、主に知的障害者を中心にそういう事業を実施しているということを承知しておる。
 それから、実際、馬をどういう馬を使うのかということであるが、基本的にはポニースクール岩手と共同してこの事業を実施したいと考えておって、基本的にはポニー、小型の馬を使用して実施をしたいと考えておる。専門家に聞くと確かに気の荒い馬とか、おとなしい馬ということがあるように聞いておるので、その辺は十分気をつけながら事業の実施に当たりたいと思っておる。

〇千葉(伝)委員 施設等の今後の足りない分はよろしくお願いしたいと思う。
 それから、馬については、岩手県のモデル事業という名前でおやりになるわけなんで、そのモデルということになるやり方を、当然、次の展開もお考えでのやり方だと思う。したがって、そういったきちっとしたスタッフ--スタッフというのはその調教、それから馬、乗せる人といったそういった関係をきちっと配慮していただくようにお願いを申し上げて終わる。

〇田村委員 1点だけお尋ねする。
 去る平成7年の決算委員会において、私の交通指導員に対しての答弁で、交通指導員の設置の根拠、道交法14条あるいは通達等に合致しているのかということになると、全く合致していない状況である。我々交通安全担当部局としても非常に憂慮すべき事態である。こういう御答弁をいただいて、なおかつ、所管の警察本部あるいは国の方にその必要性を訴えてまいりたいという御答弁をいただいておるんであるが、その後の国との経緯をお知らせいただきたいと思う。

〇佐々木生活福祉部長 昨年の決算特別委員会の質疑の経過を踏まえて、平成7年12月に県警に対して、児童生徒の登下校時の安全指導のみならず、老人クラブや各種学校との交通安全指導を行っている現在の交通指導員の活動実態を踏まえて、交通指導員の明確な設置規定の制定など、道路交通法の改正について国に要請するようお願いするとともに、主管課長会議等、ブロックの会議等を通じて国に対して同様の趣旨の要請をしてきたところである。
 今般、道路交通法が改正される予定であると聞いておるわけであるが、報道によると、高齢者の歩行者の保護についても、学童、幼児の場合と同様に、そばにいる人が誘導等歩行者が安全に横断することができるように努めるという規定が加わると聞いておる。しかし、残念ながら交通指導員という名称は入らなかったようである。いずれ児童擁護のほかに高齢者の保護という交通指導員の活動の根拠規定が新たに加わったことは前進であると考えておる。今後においても県警と連携を図りながら、国に対して交通指導員の活動状況とその重要性について、御理解を願う努力を続けたいと思うし、私たちとしても全国の交通安全担当主管課長会議等あらゆる機会を通じて、交通指導員の明確な設置規定の制定に向けて、引き続き努力させていただきたいと思う。

〇田村委員 その対象として高齢者等が加わったので若干の前進があったのかなという御答弁だったわけであるけれども、いろいろこういうような交通戦争時代に入って、交通指導員の活動範囲、あるいは現実には何回も言うとおり、非常に通達、法令上逸脱するような事態、現状があるわけである。これを解決するためにはどうしてもその根拠になる法律の策定というのは私は絶対必要だと、こういうふうに思うんである。今回の予算においても交通指導員に対しての服に対する補助その他で6、100万円、現物をごらんになっていらっしゃるんであるか、交通指導員が着用する服を。その結果の、そういう実証をなさっていらっしゃるんであるか。

〇佐々木生活福祉部長 朝晩通勤のときに、交通指導員の方が規制をしながらスムーズな交通をやっている姿は見ておるので、一応今までのものについては認識しておるつもりである。

〇田村委員 ちょっとしつこくなるんで1点だけでやめるけれども、その通達の中に、少なくとも警察官と紛らわしいような行動、服装をとってはだめだと、完璧にこういう通達があるんである。だから、補助を出すのがよくないとか何じゃなくて、やはりそういった通達とか法律をぜひこれは早く改正する必要があるんだと、こういう訴えをもっともっと連携を深めながら強めていく必要があるんじゃないか。そうでなきゃ今の交通指導員の人はかわいそうである。法的根拠がないから。そこのところの今後の取り組みをぜひお聞かせ願いたい。

〇佐々木生活福祉部長 確かに田村委員お話しのとおり、通達には、警察官の行う交通整理と紛らわしい行動をしないようにというようなことも書いてある。ただ、実態的には非常に交通指導員の重要性というものは認識しているところであるので、今までも国に対してあらゆる機会を通じて要望してまいったので、今後とも要望してまいりたいと思う。

〇浅井委員 2項1目の県民生活総務費の中の消費生活協同組合育成事業費、これについてお伺いをしたいと思う。
 これは貸付金が6、000万円、無利子ということになっておって、これは毎年無利子で6、000万円と、そういうことになっているようであるが、これを労金に預けて、そして労金からさらに安い金利でもってその3倍というから1億8、000万円であるか、の融資をするということになっておるようであるが、現在の同協同組合は非常に積極的に店舗展開を図っている。最近、宮古市にも大きい店舗ができたということのようであるけれども、一体この生活協同組合の事業目的というものはどういうところにあるのか、それからいつごろ設立されたものであるか、そしてまた、それに対して無利子の融資をする理由、どういう理由から無利子の融資をしているのであるか。そして、大体時期はいつころからそういうことをやっておったのかということについてお伺いしたいと思う。

〇佐々木生活福祉部長 消費生活協同組合法は昭和23年に制定されておるわけであるが、生活協同組合は組合員の共同によって生活の経済的、文化的向上を図ることを目的として設立された組織であると認識しておる。
 その主な事業は、商品の購買事業を初めとして、医療、住宅等多方面にわたっておる。良質な商品、サービスを組合員に提供していると思っているところである。現在、県内には21の生活協同組合があるが、その設立については担当課長の方から月日については御説明させたいと思う。
 それから、制度資金の関係であるが、いつからかということになると、ちょっとこれも課長の方から、いつから始まっているかお願いする。基本的に県が労働金庫に6、000万円融資して、労働金庫から消費生活協同組合に、8年度実績によると4つの生活協同組合であるが、3倍協調ということで1億8、000万円、利率が年2・5%で貸し付けしているという状況である。

〇大内県民生活課長 説明をする。この生協用の融資についてであるけれども、県が無利子で労働金庫に預託をして、これを3倍協調で、実際、現在は生協に貸し出すときは2・5%で貸し出しをしているものである。過去からずっといろんな施設設備用の資金を貸し付けた時期、それからその後今回のような、予算上は金融準備資金貸し付けという形をとっておるが、いろんな制度がある。その時々の状況に応じてこの貸し付けの制度も変えてきたわけであるが、具体的に言うと、42年から金融準備資金貸し付けという形で行われてきたものがある。現在は6、000万円を預託して3倍協調ということで進めているものである。
 それから、生協法の、生協はいつごろからかということについてであるが、法律的には昭和23年に現在の消費生活協同組合法が制定された。施行日は10月である。実際その母体というか、生協法が施行される前は、それに似通った形のものが前からあったということで、いろんな社会的な問題もあったりしてそれを消費生活協同組合法という形で整理をして、実際現在のような消費生活協同組合が設立されたということである。生協の事業目的等、それから事業の範囲、これは生協法に、申し上げるまでもないことであるが、生協法に規定された経済的、文化的向上ということである。この経済的、文化的向上というものは、生協法の解釈からすると非常に、地域のあるいは組合員の生活を広くとらえて、それを経済的、文化的向上と広く考えるとこれは書かれておる。

〇浅井委員 先ほど積極的に店舗展開をしておるということを申し上げたわけであるけれども、まずその中の物品の共同購入というか、その店舗に関することであるけれども、一応基本は、建前は共同購入であろうと、販売ではなくして共同購入なんだということのようであるけれども、実際、現実には今、生協のお店へ行くとだれでも買えると、組合員でなくとも。あるいは組合員でなくてもその場ですぐに組合員にすることが簡単にできるといったような状況で、消費者からこれを見ると、だれが行っても買えるんだと、あるいはさらには、その中には酒の安売り等テナントも入っている。こうなると一般の大型店とほとんど変わりはないのではないかと、消費者の認識としてはこれはほとんど一般の大型店と同じように見ている。例えば、どこそれの生協は何々が安い、肉が安いとか、どこそれのスーパー、大型店は野菜が安いとかと、こう渡り歩いて買って歩いているというのが現状。全く同じような感覚でとらえている。あるいはむしろ物によっては生協の方が高いものすらあるということの現状である。したがって、これは非常に、そういう共同購入というよりは、むしろもう一般の大型店舗じゃないかというような感がするわけである。
 またさらに、先日も斉藤委員から大型店の積極的な進出には大変に困った問題だといったようなことがあったわけであるけれども、これはまた、小規模小売店の方から見るというと、大型店と生協に挾み打ちに合うというような感じになって大変な問題になっている。商店街の活性化ということが今、大変に問題になっているわけであるけれども、これは商工労働部の方の問題であるけれども、しかしながら、そういう問題で大変に大きな問題になっている。そういったような観点からすると、果たしてこれにそういうふうにどんどんと無利子の融資をこちらから出してやる必要があるのかということなんであるけれども、これは昭和23年に先ほど組合の方ができたということであるけれども、やっぱり経済社会情勢というのは当時とは物すごく変わっておる。しかも、現況はますますそのスピードが早くなっておる。こういう状況下においていつまでもいつまでも終戦直後の物資の足りなかったときのことを、そのままの制度で果たしていいものかということが大変に疑問になるわけである。これについてどういうお考えを持っておられるかということをお伺いしたいと思う。

〇佐々木生活福祉部長 生協は基本的には組合員が利用するべきものと理解しておる。ただ、今お話があったとおり、組合員以外の方も利用していることも事実であって、一番新しい例でまいると、平成8年であるか、昨年の6月16日にいわて生協の一関店にお邪魔して調査させていただいたが、その調査の結果によると員外利用している割合は3・8%であったということである。
 また、先ほど労金に対して貸し出しが無利子で貸しておるけれども、労金から各生活協同組合に出ていく金利は2・5%ということであるので、各協同組合が借りる金利は中小企業等の商工労働部の制度資金とほぼ同じ金利になっているのではないかなと思っておるところである。

〇浅井委員 員外の利用については、行くとだれでもすぐに組合員になれるという、したがってそれを調べれば皆組合員だという答えになるわけであって、現実にはだれが行っても組合員にすぐなれる。だれが行ってもすぐ買えるというのが現実である。
 それから、なお今、労金からは2・5%で借りると、これは小規模の小売店では2・5%では全然借りられないわけであるけれども、それはそれとして、県から出す分を無利子で出すというところが私は、そこのところをお聞きしたいと、こういうことである。

〇藤原委員長 明快に答えてもらいたい。

〇佐々木生活福祉部長 県の制度資金にはさまざまあるので、例えば県単の商工労働部の資金はたしか保証協会に何%かの金利をつけて、それが協調されて何倍かにもされているという例もあるように思っておるので、今、無利子に貸している理由は何だということになると、ちょっと私も不勉強であるので、他の県単制度等の整合性について検討させていただきたいと思う。

〇浅井委員 わかった。ただ、商店街は先ほどお話し申し上げたように大変に困っているわけであるので、それを一方で無利子の金でということに大変に抵抗を感ずるというのが一般の考え方である。どうかひとつその辺のところを十分に御検討いただくと同時に、今後はどのような方針で臨まれるのであろうか、この融資に対して。

〇佐々木生活福祉部長 いずれ他の制度融資との関連性を検討して、今のままでいいのか、有利子にしなければならないのか、もう少し検討させていただきたいと思う。

〇浅井委員 最後に、小規模の小売業者、大型店と挾まれて大変に困っている現状にあるので、であるからそういうところを十分に今後検討されて対処していただきたいと、このように思う。終わる。

〇菅原委員 関連する。今の問題であるが、これは前にも私、論議したことがあるんであるが、当時の答えは、いわゆる組合員の生活の向上、それからプライスリーダーの役割を果たすんだと、そういうような答弁だったんであるけれども、今もう生協さんがプライスリーダーの役割を果たすという時代ではないんではないか。もうそれ以上の大型店がどんどんどんどん進出してくるから、もうプライスリーダーの役割は終わったんではないかと、そんな感じをするわけである。それから、生活協同組合の規定には、もちろんこれは組合員が利用するということであるが、員外利用の規制も実はあると思うんであるが、その辺ちょっとお聞かせ願いたいと思う。

〇大内県民生活課長 員外利用の件についてであるが、基本的に員外利用は認められないというのがもちろん原則である。したがって、現在、店舗にも員外の方は利用できないという、そういう書き方をする場合と、それから利用する場合は組合員になろうという書き方をしておる。この生活協同組合に加入する場合には、だれでもが加入できる。例えば、県内を対象とした生協であれば、県内在住者もしくは県内に勤務先がある者は希望すれば入れるというのが生協法の考え方である。したがって、店舗が新たにできた段階では、具体的に初めてどういう形で買えるとか、試し買いと通称言われているようであるが、そういうときにどうぞ入ってもらいたいというやり方も実はある。現在、最近調査したのは、部長が申し上げたとおり3・8という数字なわけであるが、これでよしとすることなく、具体的にはっきり組合というのは組合員を対象として供給する、あるいは共同の力でやるということをさらに徹底をしてまいりたいと思う。店舗については、具体的にそれを掲示するように、私どもも具体的に店舗に行ってそれを見ておるが、そういう形で進めておる。

〇菅原委員 わかった。そういう規定はもう形骸化している。消費者はそんなことだれもわかっている人は、はっきり言っていないんである。そういうような形骸化しているものに県費を無利子で出すというのは、ちょっと時代がもう変わってきているんじゃないか。十分にこれは検討する必要があると思うんである。それで、生協さんはほとんど一般企業と内容は同じなんである。変わりはないと思うんである。そういうことでこれはやっぱり大きな課題ではあろうと、そのように思うわけである。

〇藤原委員長 要望でよろしいか。(菅原委員「はい。」と呼ぶ〕
 進行する。

〇佐藤(一)委員 老人ホームについてお伺いする。
 私は、人生の最大の幸せは老後だと、このように思う。生涯を閉じるとき、家族や孫、あるいはまた親戚の皆さんに、一男、まだ死ぬな、こう言われて手を握られて惜しまれて死ぬのが一番の幸せだと、このように思うんである。私は、議会を終わるたびに各御家庭を御訪問して議会報告をする。一番びっくりするのは、まず老夫婦の家庭が多い。ひとり暮らしの御老人の御家庭が多いんである。そこで、一番の要望は、おれたち夫婦は年いって、おばあさんが痴呆症にかかって盛岡の老人ホームに行っている。何十年とともに暮らしてきたのであるから、盛岡の老人ホームに行って毎日おばあさん見たい。ところが、息子もいない、孫もいない、車も運転できない、だから行って見れない。何とか部落に老人ホームをつくってくれないか。こういう要望が一番多いんである。70代、80代の私どもの先輩方は、私たち子孫を育てるために食うや食わずで一生懸命働いてくれた。私どもをただただ心の支えとして、生きがいとして、そして今日このようなすばらしい国家を、社会を築いていただいた。私どもはそういう御先輩の皆さんに御恩返ししなきゃならない。その先輩の皆さんはそういうすばらしい社会を、国家を築いても何のための人生であったかなと、このようにお話を聞けば聞くほど涙の出る思いである。
 と申すのは、今、行政のおかげで公共的にも民間にも大変立派な老人ホームをつくっていただいておるのであるが、しかしながら、そういう御先輩の皆さんは自分の生まれたところで、育ったところで死にたい。であるから要するに集落に老人ホームをつくっていただきたい。そして、その集落に老人ホームをつくっていただくと、要するに集落は一家族である。これが農村社会のすばらしいところであるわけであるから、そうすると隣のおばあさんが入院すると隣の嫁さんが行って看護してくれる。隣のお孫さんが行っていろいろな幼稚園の報告をする。しゅうと、嫁の関係、悪い関係まだあるわけであるが、隣の嫁さんが自分のおばあさんを行って見てくださると、その嫁さんも黙っていられないから行ってみる。今非常に親子の情愛が薄れておる。

〇藤原委員長 発言中であるけれども、質問に入ってもらいたい。

〇佐藤(一)委員(続) というわけであるから、何とか今後の老人ホームを集落ごとの老人ホームをつくっていただくお考えがあるかないか、お伺いしたいと思う。

〇千田高齢福祉課長 集落ごとに老人ホームをつくるというようなお話であるが、今の制度の特別養護老人ホーム、今のお話であると痴呆性とか寝たきりになった御老人が利用するということで、特別養護老人ホームになろうかと思うが、特別養護老人ホームは一般的には広域的に利用できると、だれでもが広域的に利用する施設だとされておる。これは一方ではそういう施設を運営するためには、ある一定規模がなければ運営上の問題もあろうかということもあるし、それで今のところは、現在は50人以上が最低、地域によって、特に過疎地域とか大都市では30人という基準があるが、そういうものでつくっているものである。委員お話のあった、生まれ育ったところでいつまでも生活したいという希望の御老人というか、高齢者の方々はさまざまな調査においても、ある調査では80%以上と言われるような方々が、いつまでも自宅でというか、地域で生活したいという状況である。
 県としては、このような多くの高齢者の希望に沿ったというか、できるだけ地域で家庭で長く在宅での生活ができるように支援するためというような形で、ホームヘルプサービスとかデイサービス、あるいはショートステイ、あるいは訪問入浴といったような在宅福祉サービスの拡充に努めているというところである。ただ、委員のお話にあったように、在宅でいても老夫婦であれば、片方の方が弱った場合にはどうしても特養に入らなくてはいけないというようなこともあろうかと思う。そういう場合に対応するというか、そういう場合に利用いただくように特別養護老人ホームというものも広域的な整備水準というか、入所状況を考えながら整備を進めているところであるが、平成5年から措置の権限というのが町村に委譲されて、各市町村で老人の方々を保護するというか、措置するという形になってきていることも背景にあろうかと思うが、できるだけその地域に近いというか、地域でそういう施設を利用できるようにということで、各市町村に1カ所以上は特養をつくりたいということで進めてきておる。現在まだ1カ所だけがないわけであるが、そういう未設置市町村の解消ということを念頭にそこも整備を進めてまいりたいと思っている。

〇水上委員 佐藤一男委員のお話に大賛成である。そして、いろいろな規定にとらわれないで、今、地域に建物とか学校の若干余っているところとか、集会所の余っているそういうところを利用して、50人以上とか50人以下とか、余りそういう規定にとらわれずいろいろ考えていただきたいと思う。

〇佐々木生活福祉部長 制度に基づいて施設整備するということになると、それぞれの要件がクリアされなければできないということもおわかりいただけるだろうと思うが、地域地域でそういうものを、地域が支え合うということも福祉施策の中で必要なことでもあるので、そういう要望が現実のものとして出てきた場合に、それぞれの対応の仕方があるのかなあと思うので、県がそういう場合はこういうふうにやるというふうな、一律的に物を、施策を出すということは非常に難しいところではないのかなと思っている。

〇田村委員 佐藤委員に関連してお尋ねする。
 すばらしい発想だと思う。これは私もかねがね話をしていたことなんであるが、特別養護老人ホーム、そういったいろんな基準によってやる施設は施設として、これからは本当の地域、部落、集落単位で何とかそういう処理をしなければならない時代にもう差しかかっている。そこで、明確な答弁は得られなかったんであるが、今の福祉部長の答弁の中で、地域地域の実態に即して県独自でそういった施策を講じていくと私は理解したんであるが、そうじゃないか。

〇佐々木生活福祉部長 それぞれ制度的な施設整備をするということになると、あるそれぞれのクリアしなければならない問題があるんだろうと思うし、地域地域の問題については、それぞれその課題が区々であろうと思う。その対応の仕方については、地域のボランティアによる対応の仕方もあるであろうし、さまざまあるんだろうと思うが、地域の中でどういうことがベターであるかということをよく検討していただきながら、市町村なり県として支援できる部分があれば支援していく方向にあるべきものと思っておる。

〇田村委員 今、農協で広域合併が進んでいる。農政審議会のその答申の中に、地域農協組織をこれをひとつ活用して老人福祉対策も今後は考えていく必要があるんじゃないかというような答申もなされている。そういったいろんなもろもろの条件から、やはりそういったものも視野の中に入れながら、基準は基準として集落でそういう取り組みをする場合には、ぜひ私は県の支援策というのは必要じゃないのかなと、こういうふうに思うんで、ぜひその辺の検討をこれから早急にひとつされるように要望して終わる。

〇菊池(勲)委員 佐藤一男委員は岩手県より先取りした意見で大変感動した。四国4県より広い県土を持つ岩手県で、特に高齢化社会の到来を一番先に受けるような感じの岩手県で、佐藤一男委員のような意見は私は最も入れていかなきゃいかぬと思った。私はたまたま北上出身だからまだそこまで行ってないんだけれども、特に最近の岩手県は日本では一番トップばかりである。御案内のとおり、自主減反は東和町、これ日本で最初だ。部長、あなたは3月いっぱいで退官されるそうである。だとするなら、あと1週間かそこらしかないんだが、あなたの在職中に岩手県らしい高齢化対策、佐藤一男委員のようにいくかどうかは別としても、やや近い方法が私はあると思う。これこそ日本一の発想である。これなら法律にも違法しない。どうであろうか、部長。

〇佐々木生活福祉部長 先ほど来申し上げておるが、制度の活用とボランティアの活用、それから先ほど農協の話もあったが、やはり地域で支え合う地域社会づくりを今から展開していかなきゃならないということで、先ほども申し上げたが、小規模地域での部落単位というか、町内会単位というか、そういうところでのボランティア活動をどのようにするかということで、来年度から新規事業として6町村で実施したいということで予算をお願いしているところであるので、その結果を踏まえながら、地域での福祉施策のあり方がモデル事業として行われるので出てくるんだろうと思う。それを見ながら検討させていただきたいと思う。

〇藤原委員長 この際、休憩をする。午後1時に再開をするので、よろしくお願いする。
   午前11時55分 休 憩
 
   午後1時3分 再 開

〇久保田副委員長 休憩前に引き続き会議を開く。
 午前中の説明に対する質疑を続行する。

〇那須川委員 老人クラブ育成費補助、これに関連して質問を申し上げたいと思う。
 当局の御意見をちょうだいしたいと、こういうことであるが、今さら申し上げるまでもないことであるけれども、今、我が国の現状というものは世界一の長寿国家で、人生80年代、そしてまた、一方においては少子化時代を迎えて高齢化率がどんどん年々高くなってくる。こういうふうに人口構造が大きく変化をしてきたわけで、昔は、人生60年時代は、60になるととにかく第一線から引退した。しかし、今はやはりこういう高齢者パワーというものを活用していただかなければ国力が低下をしてしまうという、そういう現状の構造になってきたわけであるが、このような時代背景の中に、老人クラブというのは、私の記憶によると大体35年から40年ぐらい前にできたクラブではなかろうかと思うのであるが、老人クラブの県下の現状というものを見ると、65歳から入会資格があるというが、65歳からの高齢者人口に対して、恐らく30%かそこらぐらいしか入会なさっていないだろうと、こういうふうに思う。私は、せっかく高齢者の生きがいづくりの場としてつくった老人クラブというものは、もっとたくさんのそういう方々がお入りになって活性化すべきであろう、こういうふうに考えておる。この間、70歳を過ぎた元気な方に、第一線で活躍している方に、なぜあなたは入らないのかと二、三人に聞いたら、どうも老人という、老けた人と書く、そういうものに抵抗があると、こういうことなのである。私も65歳であるので入会資格があるが、全く老人という認識もなければ自覚もないし、ただ、高齢者という、そういうものについては納得するわけなのである。そんなことで、私はこういう面からいって、老人クラブを指導されておる県の方では、今、私が持ったようなそういう認識というものはお持ちにならないのか。私は、できれば高齢化率の高い岩手県が、これは全国的なものであると思うので、国に向かって、ひとつ名前を高齢者クラブなり何なり、老人というものを取っていただくような、そういう要請をしたらどうかと、こういうふうに思う。今、2点について申し上げたが、私が申し上げたことに対する県の考えをひとつ、おまえの言うのは間違っているというのかどうか、部長ひとつ。

〇佐々木生活福祉部長 ただいま那須川委員の方から老人クラブのことについて話があった。
 私が申し上げるまでもなく、平成7年の国調を見ても、岩手県の高齢化率というか、65歳以上の方の占める割合が18%という現実にある。老人クラブについては一応60歳から加入することができるということになっておって、私も間もなくその近くにはなるわけであるが、やはりなかなかお話があったとおり、スムーズに老人クラブに入れるかなということでは若干戸惑いも感じているわけであるが、お話があったとおり、加入率が非常に下がっているということも事実である。60歳から80歳までということで、年代層の幅が非常に広いということもあって、なかなか加入率が思ったとおり上がらないのも現状である。
 名称については、老人クラブというのは法律用語でもないので、運営の補助要綱の中に老人クラブという名称があるだけであるし、市町村単位のそれぞれの老人クラブ名で見ると、非常に区々である。ただ、新聞で見たが、神奈川県では老人クラブという名称ではなく、夢クラブという愛称があるようである。やはり老人クラブという名称は、全国統一的に考えると、それぞれの施策を展開するためには統一の名称が必要だろうと思うので、やはり老人クラブという名称にこだわることなく、愛称でやっていくのも今後の老人クラブの組織の向上の一つの方法かと思っておる。ということで、来年度予算の中で、21世紀を展望した高齢化施策をつくるということで、長寿社会総合対策指針をつくることにしておる。その中で、さまざま老人クラブなり、さまざまな団体の皆さんからお話を聞きながら、21世紀初頭に向けた高齢化施策を立案していくわけであるので、この名称についてもやはり考えていく必要があるのかと思っておる。
 全国にということになると、先ほど申し上げたが、全国では全国老人クラブ連合会というのがあって、これが各種老人施策についての提言を国等にやっているので、それまで名称を変えるのは非常に困難だとは思うが、岩手県の名称を変えて、柔軟性を持ちながら、お年寄りの方が喜んで入れるクラブ組織にしていくということが必要だろうと思っておる。

〇那須川委員 大変いい御答弁をちょうだいした。今、全国にと言ったが、私、言い方を間違えた。国がこういう用語を使っているものだから、だから全国の各県、町村がこういうものを使っていると思うので、国に対して、こういうものはちょっと時代に合わない、そういう名前じゃないかということで要請をしてもらいたい、こういうことであるので、国がどうであろうと、岩手県だけでもどうぞひとつそういうふうに御訂正をいただきたいと思う。

〇斉藤委員 できるだけ簡潔に、項目的にお聞きする。
 第1点は、JRの秋田新幹線の安全対策について。
 開業前に既に事故も、また、踏切のさまざまな異常感知なども報道されている。現状と、踏切対策など安全対策はどうなっているかお示しいただきたい。
 山形新幹線の場合の事故件数と対策はどうだったのか、これが第1点である。
 第2点、政府は3月11日に児童福祉法の改悪案を国会に提出した。今も論議されているけれども、その内容について、措置制度が利用者の選択性に変わるけれども、この措置制度とはどういう中身か、どういう役割を果たしていたか。そして、保育料を定額化するということで、国の基準額から見て現状より高額の保育料になると思われるけれども、いかがか。岩手県の保育料の水準、負担軽減率はこの1年間どう変わったか。
 3番目、24時間ホームヘルプサービスの拡充について、来年度拡充の方向が出されているので、その見通しについてお示しいただきたい。
 第4点、医療制度の改悪にかかわって、県民への影響についてお聞きしたい。健保1割から2割負担への影響はどうか。薬価--薬代が1種1日15円の徴収となる。これは、実は30年前に1度導入をされて、服薬をしないで亡くなるという深刻な事態も全国に起きて、すぐこれは取りやめになったいわくつきのものなのである。私は、これは極めて重大だと思うけれども、薬を飲む人にペナルティーをかけるようなものだけれども、その影響をどう見ておられるか。
 最後であるが、国保税の国民健康保険証の取り上げ是正について、私は本会議でお聞きしたが、答弁は大変中身のない簡単なものであった。具体的にお聞きしたい。保険証の未交付、資格証明書、短期保険証発行の現状について、この5年程度の推移はどうなっているか。
 二つ目、応能、応益割の状況について、平成8年度応益割を引き上げた市町村はどのぐらいあるか。厚生省は、岡光前事務次官が保険局長時代に東大阪を先進市に挙げて、市町村長を洗脳せよと指示した。これは、さきの日曜日のテレビ朝日のサンデープロジェクトで詳しく報道された。東大阪市は、応能、応益50対50で、岡光さんに言わせれば全国の先進市だが、大変な国保税の高さで、払い切れなくて深刻な事態が生まれている。私は、こういうやり方をしたら岩手県は大変なことになると思うけれども、岩手県はこういう方向を目指すのかどうか。
 そして3番目に、岩手県の国保税の基金のため込みであるけれども、総額1世帯当たりはどうなっているか。5%以上のため込みを指導しているか。5%を超える市町村はどうなっているか。

〇佐々木生活福祉部長 JR秋田新幹線の安全対策については高橋交通安全対策室長から、24時間ホームヘルプサービスについては千田高齢福祉課長、医療改正の県民への影響については山下保険課長、国保税については、5年の推移と応能負担の状況については国保援護課長から答弁させるが、私の方からは、児童福祉法の改正について答弁させていただきたいと思う。
 先ほど来申し上げておるが、今回の法改正は、少子化の進行と家庭と地域の子育て機能の低下等、児童及び家庭を取り巻く環境の変化にかんがみて、児童の福祉の増進を図るために、保育所については、措置による保育所収容の仕組みを情報の提供に基づき保育者が保育所を選択できる仕組みに改めるとともに、保育料については、現行の応能負担の方式から保育費用や子供の年齢等を考慮した負担とするということになったところであるが、見直しについては、具体的な保育料の徴収基準案についてはまだ示されておらないわけで、県としては国の動向を見守ってまいりたいと思う。
 それから、負担というか、保育料の軽減については児童家庭課長の方から答弁させたいと思う。
 次に、被保険者証の未交付状況であるが、本会議で質問があったが、263件が被保険者証の未交付であって、そのうち194件、約8割の方が行方不明という状況である。その他の42件は滞納により、納税相談の上、交付するため指導中のものであるということである。短期被保険者証は、今1、260件出しておるわけであるが、これは、納税相談の機会を多くするため、更新の時期を通常より短くしているものである。資格証明書は、十分な負担能力があるにもかかわらず、再三の納税相談や指導に応ぜず、滞納に誠意のない方に対して交付するものであるので、これを放置しておくと他の納税者の納税意欲を減退させるということであるから、税の負担の公平化を欠くことになるので必要な措置だろうと思っておる。

〇今井児童家庭課長 保育料の見直しについてであるが、今回の法改正に基づく具体的な保育料の徴収基準案についてはいまだ示されていないところで、今後の国における検討の動向を見守ってまいりたいと考えておる。
 岩手県における保育料の軽減率についてのお尋ねであるが、平成6年度15・4%の軽減率である。一番新しい数字が平成7年度の数字で、これは16・9%というふうに推移しておる。

〇高橋交通安全対策室長 JR秋田新幹線の安全対策についてであるが、昨年8月に県の交通安全対策室、土木部、岩手県警察、東北運輸局、JR東日本などから成る県の交通安全対策協議会というものがある。その踏切等改善促進部会において、平成8年度から12年度までの5カ年にわたる第6次踏切事故防止総合対策実施計画というものを策定した。この計画においては、現在、田沢湖線の県内区間には踏切が24ある。そのうち9カ所を立体交差化する、そして、3カ所を統廃合する、同じく3カ所を拡幅する、こういう計画である。都合15カ所をこういった形で改良すると、こういう計画である。そのうち、開業--今月22日であるけれども--までには踏切の廃止が3カ所、立体交差化5カ所、これが開業前に完成すると、こういうことになっておる。
 以上がいわゆるハード面での安全対策であるが、ソフト面においては、昨年11月に試運転が開始された。その試運転の開始に際して、沿線の市町村である関係市町村に踏切事故防止について文書で通知し、それぞれ住民などに注意を喚起するようにお願いしたところであるし、また、県の交通安全対策協議会の各種広報紙、ポスターなどでも踏切事故防止を広くPRしているところである。なお、このほかに、沿線市町村においては住民参加による事故防止訓練であるとか、公安委員会においては交通規制の実施であるとか、あるいはJR東日本においては、御案内のとおり、新聞、テレビ、ラジオなどで広報しておる。こういった各種のソフト面の対策も実施しているところである。
 以上が秋田新幹線の現在の安全対策などであるが、次の御質問であった山形新幹線の事故件数などであるが、残念ながらこれについては私ども把握してないので、御了承のほどお願いしたいと存ずる。

〇千田高齢福祉課長 24時間対応のホームヘルプサービスの拡充方向ということであるが、平成9年度に、利用対象者が20人未満ということで国庫補助の対象にならない地域においてもその地域の実情に応じたサービスが提供できるようにということで、県単独の24時間対応ホームヘルプサービス推進モデル事業というものを創設したところである。5市町村でこの事業を予定しておるし、また、20人以上になると国庫補助の対象となる24時間のホームヘルプサービスは、平成7年度から盛岡市で1カ所やってきておった。それを来年度--9年度は盛岡市で2カ所、水沢市と一関市の4カ所に拡大するというか、予定しているところである。ただ、サービスの内容とか対象者、実施方法、そういうものについては今後市町村と協議してまいりたいと考えておる。

〇山下保険課長 医療保険制度の改正に伴って県民への影響はどうなるのかという質問である。
 健康保険加入者本人の1割から2割負担への影響と薬価1種1日15円の影響であるが、被用者保険について、県民がどの保険者に加入しているのか、県内の保険者に加入しているのか、県外の保険者に加入しているのか、これらつかめない面が多々あって、また、薬剤については、外来患者に対する薬剤の交付状況というのは県内の実態の把握が困難になっておって、総額についてなかなか推計することは難しいわけである。厚生省の試算による、老人を除いた平均的な通院の場合ということで、1カ月に2・1回通院し、1回に3種類の薬を7日分もらうという試算でもってやると、被用者本人の自己負担が2割になることについては、今まで1カ月1、470円であるのが1、940円となるという試算が出ておる。また、薬剤については、同様のケースで被用者保険、国民健康保険ともに月660円の増加になると試算されているところである。

〇佐藤国保援護課長 国保税の応益割合の引き上げの平成8年度の状況についてであるが、平成8年度賦課割合を変更した保険者は19市町村であったが、そのうち、応益割のみを引き上げたところが1町、応能割を下げ、応益割を上げたところが14市町村、応能、応益とも上げたところが1町という状況である。
 それから、基金の関係であるが、国の指導では、5%を下限として必要な額を基金に積めという言い方をしているわけで、国民健康保険財政の基盤を安定強化する観点から、保険者の規模や状況に応じて所要の基金の造成に努めるよう指導をしているところである。

〇山下保険課長 先ほど数字をちょっと間違えたので、訂正させていただく。
 2割負担になることについて、1、470円から1、940円と言ったかと思うが、2、940円の間違いである。失礼した。

〇斉藤委員 1回だけで終わるから、今の不十分な答弁について再度お聞きしたい。
 秋田新幹線についてはぜひ万全の対策をとっていただきたいと思う。山形新幹線が通ったときに、やはり事故は起こっている。だから、先行で、同じような条件でミニ新幹線というか、ああいう新幹線を通した経過があるわけだから、山形のことを知らないということではなく、そういう先行事例をよく研究して万全の対策をとっていただきたい。開業前にこのぐらい事故が起きていることは、私は本当に大変だと思う。これは要望だけにとどめておく。
 児童福祉法の改正、いわゆる改悪について、私は、この措置制度がなくなるというのは極めて重大だと思う。その措置制度というのは何かというと、これは三つあるわけである。一つは、市町村が保育に欠ける子供を入所させる、二つ目は、国が設備、運営の最低基準を設ける、三つ目は、費用の一定割合を国、自治体が負担する、これが措置制度の中身である。いわば保育について、国、市町村の責任をはっきりさせているのが措置制度なのである。この措置制度がなくなったらどうなるか。補助金になるわけである。今、補助金行政で何が起こっているかというと、補助金が足らなくなればカットになるのである。全額出てこない。これは、国や市町村の責任を外すものである。措置制度だから、例えば保育料が高いと市町村が軽減措置をとるわけである。これは措置制度だからなのである。これが補助金行政だったら、やってもやらなくてもいいということになる。私は、そういう点で、この児童福祉法というのは50年目にして一番大事なところを改悪する。結局保育料を引き上げることになるのではないか。改めてお聞きする。今の国の保育料の徴収基準はどうなっているか。最高限度額がどのレベルで、どの所得階層で最高限度額が幾らになっているか、これをお示しいただきたい。
 それと、医療制度の改悪については、これはお年寄りを除いてということだと思う。それで通院の場合、これが約2倍。薬代は660円ふえるということになるけれども、これはあくまでも平均で、お年寄りの場合、かなりの種類を毎日飲んでいる。そうした場合、今、実際に飲んでいるお年寄りの状況を聞くと、4、000円から5、000円。病院で薬代を払ったほかに1日15円取られるのである。だから、これは丸々二重払いになってしまう。だから30年前、この薬代が払えないと薬を飲むことをやめてしまって亡くなったという事例がたくさん出て、すぐやめた制度である。私はそういう点で、医療制度の改悪というのは、これは負担という点でも、そして、この二重払いという点でも、薬価で製薬大企業がぼろもうけしているということがあるから、こういう是正なしにこういう負担を国民だけに押しつけるというやり方は正しくないと思うけれども、一言考えを聞きたい。
 最後の国保のことであるけれども、私は、応益、応能割を50対50にするという厚生省の指導、これが今、厳しく問われていると思う。結局応益割を50%にすれば低所得者の負担が大きくなる。テレビで報道された東大阪は既に50対50になっているけれども、年間収入280万円、家族4人で国保税が35万6、000円。だから払えないのである。だから、今、5、000世帯が保険証未交付、こうなっているのである。そして、役場に行ったら、保険税を払えば飯を食えなくなる。あんた死んだらどうかと、こういう対応になったというのである。これはテレビで生々しくやられた。私はそういう点で、今、汚職腐敗にまみれた厚生省の言い分そのとおりのことをやったら大変なことになるので、そして、実際に国保財政は今106億円の基金をためているのである。106億円の基金といったら、大体1世帯当たり5万円近いため込みになるのである。だから、本来なら国保税を取り過ぎて返さなければならない。それをため込んで、黒字も四十数億円あるのである。私は、取り過ぎて、負担をどんどん押しつけるようなこういう応益、応能割の50対50というやり方は絶対やるべきでないと思うけれども、その点について改めて最後に質問して終わる。

〇今井児童家庭課長 保育料についてのお尋ねであるが、児童福祉法の改正案のもとになった中央児童福祉審議会の中間報告によると、保育料負担の適正な水準を確保するため、引き続き所要の公費負担を行うことが必要としておって、今回の法律案においては、公費負担のあり方を変更する内容は含まれていないところである。負担金としての性格づけについて、特に変更する条文は盛り込まれていないと承知をしておる。
 国の徴収基準についてであるが、国の徴収基準、10の階層に税額によって分かれておる。一番下が生活保護法による被保護世帯でゼロ円で、一番上が税額51万円以上である。これは、保育単価というふうになっておる。これは、定員であるとか所長を設置している、していないといったことによって金額がいろいろであって一概には申し上げられないが、おおむね3歳未満児で10万円前後の金額である。

〇山下保険課長 薬剤の負担に関連してお答えする。
 先ほど老人がかなりの負担ではないかということがあった。また、午前中にも佐藤委員から薬剤の過重投与の質問等もあった。そういうこともあって、薬剤の使用が多過ぎるという問題が指摘されているのも事実である。これらのことから、多剤投与に歯どめをかけたいということで一部負担の導入ということをやったと聞いておる。昭和43年か42年だったかと思うが、確かに薬剤に対する一部負担を導入したことは承知しているが、私、それを廃止した理由について、まことに恐縮であるが承知していないところである。いずれにしても、医療保険財政が大変な危機に陥っているわけであって、私どもも政府管掌健康保険に携わる者として、問題視されておる薬価基準の問題あるいは出来高払いの診療報酬制度、こういうものを含めた制度全般の抜本的な見直しが一刻も早く実現されるよう期待しているところである。

〇佐藤国保援護課長 国保税の平準化の問題であるけれども、国民健康保険税、いわゆる保険料であるけれども、現在の国民健康保険税には限度額がある。上限、今、52万円である。また、低所得者には減額措置、6割軽減なり4割軽減措置があるわけであって、結果的に中間の階層に非常に過重負担がかかっているということで平準化を進めているところである。地方税法上は50対50というのが決められているわけであるけれども、現実には、岩手県の場合、今、69対31ぐらいになっておるわけである。平準化を進めることによって、いわゆる低所得者の負担が若干ふえるけれども、それに伴って軽減額もふえていく。軽減額がふえるということは全体の被保険者の保険税負担が少なくなるという格好になるので、その方向でこの平準化というのを進めているところである。軽減されればその分は全部一般会計で負担することになっておるので、被保険者の負担は全体的には少なくなるという格好になるところである。
 また、基金なり繰越金等の関係で、国保税を引き下げるべきではないかという御意見であるけれども、私どもは、国民健康保険税を引き下げる場合にも、市町村において長期的かつ安定的な財政運営の見通しについて十分に検討の上、対処するべきものという指導をしているところで、引き下げるとか引き上げるとかという言い方はしていないところである。

〇谷藤委員 ただいまは斉藤信委員から当該委員という立場もあって非常に短時間の中での質問であったわけであるけれども、さて、このたび佐々木生活福祉部長におかれては、この3月をもって勇退されると伺っておるわけであるが、この機会をおかりして一言お礼を申し上げたいと思う次第である。
 佐々木生活福祉部長は、昭和38年に当時の経済部商工観光課に勤務されて以来、34年の長きにわたり、県政のさまざまなセクションにおいて、その幅広い見識と卓越した実行力とをもってその発展に御尽力された。この間、昭和49年4月から3年間は議会事務局議事課委員会係長として、さらに、昭和60年4月から2年間は議会事務局総務課長として県議会の円滑な運営に御尽力いただくとともに、そのおおらかな中にも細心な心配りのお人柄で、私的な面においてもおつき合いをさせていただいた。また、お世話になった先輩、同僚委員も数多くいると伺っており、議会人として改めて感謝申し上げる次第である。
 その後、生活福祉部の児童家庭課長、参事兼総務課長として障害児保育の充実、田老大規模年金保養基地の利用拡大、大船渡市の福祉の里の整備促進に努められ、さらに、岩手シルバー洋上セミナーを新たに実施するとともに、ノーマライゼーション理念の普及、定着と障害者や高齢者の社会参加の促進のため、ふれあいランド岩手の整備推進計画を策定するなど、現在の本県福祉行政の礎を築かれた。平成2年には一関地方振興局長、平成4年には商工労働部次長に就任され、工業技術センター、地域交流センター、オートキャンプ場等の整備に着手する一方、職業能力開発施設の再編整備に取り組み、その成果は本年4月の県立産業技術短期大学校の開学となって実を結んだところであり、本県の産業振興にも大きな足跡を残された。
 その後、盛岡地方振興局長に就任されたが、一関とあわせ2つの地方振興局長を経験され、若者の定住促進や盛岡広域圏のイメージアップの実現に向け、官民一体となって設置されたくれよん構想まちづくり応援団を支援し、他県との交流や情報交換を行うなど、地域の人々とともに地域の課題を考え、さまざまな施策を推進し、地域の振興に取り組まれてまいったことは今後の地方振興局のあり方の一つの範ともなるものであり、高く評価したいと思うものである。
 昨年4月には生活福祉部長に就任され、今般の県行政機構の再編整備に当たり、生活福祉部と環境保健部の再編を円滑に進められるとともに、3県総後期実施計画に基づく各種の施策を着実に推進された。特にも平成9年度予算案においては、新たに24時間対応ホームヘルプサービス推進モデル事業や福祉コミュニティー形成促進事業等を創設し、在宅福祉施策の充実を図り、また、特別養護老人ホームや福祉工場等、老人、障害者等の施設の整備拡充に努めてきたところであり、急速な高齢化、少子化等に対応したこれらの本県福祉施策の方向を形づくっていただいたものと確信しておる。
 以上、佐々木生活福祉部長の34年にわたる県勢発展に対する御功績の一端を申し述べたが、ここに改めて長年の御尽力に対し敬意を表し、ねぎらい申し上げるとともに、心から感謝申し上げる次第である。
 佐々木生活福祉部長におかれては、新たな道に進まれても、今までと同様こよなくゴルフとスポーツを愛されるとともに、余り酒を飲み過ぎないよう、健康には十分留意され、なお一層の御活躍、御発展をお祈り申し上げてお礼の言葉とさせていただく。
 この際、佐々木生活福祉部長から、退任されるに当たっての御所感をお聞かせ願えれば幸いである。

〇佐々木生活福祉部長 ただいまは谷藤委員から過分な身に余るお言葉をいただいて恐縮しているところである。
 昭和38年4月、阿部千一知事から辞令をいただいて、経済部商工観光課構造改善係をスタートして以来、34年間、16公所において楽しく仕事をさせていただいたが、このたび、先例によって今月末日をもって県職員を退職することになった。この間、経済部での中小企業構造改善事業による地場産業の振興、東京事務所での富士通、山之内製薬、東洋サッシ等の企業誘致、地方振興局での地域の方々と一体となった、もち、そば、祭りなどを通した地域興し、生活福祉部でのノーマライゼーションの理念の実現に向けての各種福祉施策の展開など、その時々の県民の方々、県議会の先生方、先輩、上司に恵まれ、楽しく、前向きに、県民が主役であるという視点に立ち、仕事をさせていただいたことに対して厚く感謝を申し上げたいと思う。
 谷藤委員からのお話もあったが、議会事務局には5年間勤務させていただいた。県政に真摯に取り組む先生方に接して気を新たにさせていただいたし、本会議場、特別委員会、常任委員会では御指導、御鞭撻をいただき本当にありがたかった。この場をおかりして厚く御礼申し上げたいと思う。
 谷藤委員のお話には万感胸に迫るものがあるが、きょうのこの気持ちを忘れることなく、今後は1県民として岩手県の発展を温かく見守ってまいりたいと思う。
 最後になるが、21世紀に向けて、県議会議員の先生方の御指導をいただいて、増田知事が掲げておるドリームランド岩手の実現に向けて一歩でも前進することを御期待申し上げて私の御礼のあいさつにさせていただく。本当に御指導ありがたかった。(拍手)

〇久保田副委員長 ほかに質疑はないか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇久保田副委員長 質疑がないようなので、これで生活福祉部関係の質疑を終わる。
 次に、環境保健部長から環境保健部関係の説明を求める。

〇緒方環境保健部長 予算等の御説明を申し上げる前に、今般の行政機構の再編整備に伴って、環境保健部関係の予算は、平成9年度から新たに設置される生活環境部及び保健福祉部へ移管が予定されていることをあらかじめお断り申し上げる。
 なお、衛生費の移管について御説明申し上げる。
 議案その2の7ページをお開きいただきたい。4款衛生費の予算額についてであるが、このうち、2項環境衛生費の予算額の大部分が生活環境部に移管され、また、1項公衆衛生費の予算の全額、2項環境衛生費の予算額の一部、3項保健所費及び4項医薬費の予算の全額が保健福祉部に移管されることとなる。
 それでは、環境保健部関係の平成9年度当初予算等について御説明申し上げる。
 引き続きただいまの議案その2を開いていただき、前のページの6ページをごらんになっていただきたいと思う。その2の6ページの3款民生費の予算額428億4、125万3、000円のうち、当部関係の予算額は1億4、120万8、000円で、これは、新設される生活環境部の管理運営費の一部である。
 7ページに戻って、4款衛生費の予算額は227億3、809万5、000円で、前年度当初予算額に比較して10億8、392万7、000円の増、率にして5%の増となっておる。これは、老人保健対策費及び救急医療対策費等の増額によるものである。
 次に、9ページをお開き願う。13款諸支出金の予算額460億296万円のうち、当部関係の予算額は311億9、486万3、000円で、これは、県立病院等事業会計に対する貸付金である。
 なお、当部関係の予算総額は540億7、416万6、000円となっておって、これが一般会計予算総額に占める割合は6・2%となっておる。
 それでは、以下、各項目ごとの予算の内容について、便宜、お手元に配布しておる予算に関する説明書により御説明申し上げる。
 説明書の124ページをお開き願う。3款民生費2項生活文化費1目県民生活総務費の予算額8億5、099万6、000円のうち、当部関係は1億4、120万8、000円で、これは、新設される生活環境部総務生活課の人件費等に充てる管理運営費の一部である。
 ページを飛んでいただいて、136ページをお開き願う。4款衛生費1項公衆衛生費1目公衆衛生総務費の予算額14億4、599万2、000円は、保健福祉部保健衛生課等の管理運営費、妊婦乳児健康診査費等の補助及び高度不妊治療設備の整備費補助などを行う母子保健対策費、身体障害児の医療費の給付等を行う療育等指導費、婦人の健康づくり推進事業費の補助等を行う健康づくり推進事業費、137ページに参って、環境保健行政の科学的・技術的中核機関として衛生研究所と公害センターを再編整備する環境保健センター--仮称であるが--の整備事業費等が主なものである。2目結核対策費の予算額9、914万9、000円は、結核予防法に基づき医療費の給付等を行う結核健康診断、予防接種及び結核医療費、結核予防の普及啓発及び職種別専門研修等を行う結核対策特別促進事業費が主なものである。3目予防費の予算額7億8、565万7、000円は、市町村伝染病予防費及び予防接種事故対策費の負担等を行う伝染病予防費、138ページに参って、狂犬病予防技術員の設置及び市町村事務費の交付等を行う狂犬病予防費、ベーチェット病、パーキンソン病等の特定疾患患者に医療費の給付等を行う特定疾患対策費、エイズについての正しい知識の普及啓発及び治療拠点病院の整備費補助等を行うエイズ対策費が主なものである。4目精神保健費の予算額9億4、671万1、000円は、措置入院者等の医療費の給付などを行う精神障害者入院等措置費、精神障害者の社会適応訓練及び小規模作業所の運営費補助等を行う精神障害者社会復帰促進費のほか、精神障害者社会復帰施設の運営費補助及び整備費補助が主なものである。139ページに参って、5目衛生研究所費の予算額3、260万円は、衛生研究所の管理運営及び試験研究に要する経費である。6目老人保健費の予算額79億9、090万円は、老人保健法に基づき医療費及び保健事業費の負担等を行う老人保健対策費、医療法人等が借り入れした老人保健施設整備資金の利子補給補助、140ページに参って、国立がんセンターと中核的成人病診療施設との情報ネットワークの整備等を行う診療施設情報高度化支援ネットワーク事業費が主なものである。
 141ページに参って、2項環境衛生費1目環境衛生総務費の予算額16億1、506万3、000円は、生活環境部環境整備課等の管理運営費、環境の保全を図るため、知識の普及啓発、実践活動の支援及び快適環境施設の整備費補助等を行う環境保全対策費のほか、環境保全等の管理事務費が主なものである。2目食品衛生指導費の予算額4億1、621万円は、食肉衛生検査所等の管理運営費、食肉の衛生確保を図るため、屠畜検査等を行う乳肉衛生指導取締費、食鳥検査等を行う食鳥肉安全確保対策費が主なものである。142ページをお開き願う。3目環境衛生指導費の予算額12億2、554万8、000円は、環境衛生営業指導センターの経営指導事業費の補助等を行う営業施設経営指導費、財団法人クリーンいわて事業団の運営資金の貸し付け等を行う産業廃棄物処理モデル事業推進費、143ページに参って、市町村に対する簡易水道等施設整備費補助及び合併処理浄化槽整備費補助が主なものである。4目公害対策費の予算額2億3、238万1、000円は、公害センターの分析機器の整備等を行う公害対策費、公害防止施設の整備促進を図るため、中小事業者に円滑な資金供給を行う公害防止施設整備資金貸付金、公共用水域及び地下水の水質監視等を行う水質保全対策費、本県における環境影響評価制度のあり方等の調査検討を行う環境影響評価制度推進費が主なものである。144ページをお開き願う。5目自然保護費の予算額8億7、449万8、000円は、自然公園の保護と適正な利用を図るため、公園計画に基づき施設を整備する自然公園施設整備費、国民保養温泉地の各種公共施設を整備するふれあい・やすらぎ温泉地整備事業費、沿岸地域を縦走する自然歩道を設定し、野営場、案内標識等を一体的に整備するシーサイドウオーキングロード整備事業費、山岳自然公園に登山コースを設定し、登山道、案内標識等を一体的に整備するふれあいトレッキングロード整備事業費が主なものである。6目鳥獣保護費の予算額1億566万4、000円は、鳥獣保護員の設置及び鳥獣保護思想の普及啓発等を行う鳥獣行政運営費、五葉山地域に生息するホンシュウジカの適切な保護管理を行うシカ特別対策費、145ページに参って、県内の野生生物の保護上重要な種をリストアップするいわてレッドデータブック作成費が主なものである。
 146ページをお開き願う。3項保健所費1目保健所費の予算額25億8、048万5、000円は、保健所の管理運営費、保健・医療・福祉情報に関する国、県庁、保健所等のネットワークの充実強化を図る保健所情報システム運営費、久慈保健所の庁舎新築を行う施設整備費、住民のニーズに応じた保健・医療・福祉サービスの展開及び地域に根差した保健活動の強化等を図る地域保健連携支援事業費、保健所を地域における専門的、技術的、広域的拠点としてその機能強化等を図る保健所再編整備費が主なものである。
 147ページに参って、4項医薬費1目医薬総務費の予算額11億2、861万6、000円は、保健福祉部保健福祉課等の管理運営及び各種の衛生統計調査に要する経費である。2目医務費の予算額22億5、445万3、000円は、148ページに参って、僻地中核病院の運営費及び設備整備費の補助等を行うへき地医療対策費、自治医科大学の運営費の負担等を行う医師確保対策費、病院群輪番制病院の運営費補助及び救命救急センターの施設設備整備費補助等を行う救急医療対策費、149ページに参って、いわてリハビリテーションセンターの管理運営費、地域中核病院の高度医療施設設備整備費補助が主なものである。3目保健婦等指導管理費の予算額9億5、844万円は、看護婦等養成所及び院内保育事業の運営費補助等を行う保健婦等指導費、150ページに参って、看護婦等修学資金の貸付費、県立衛生学院及び県立高等看護学院の保健婦等養成費、看護婦宿舎の施設整備費補助が主なものである。4目薬務費の予算額4、572万8、000円は、医薬品等の監視指導などを行う薬事監視指導取締費、輸血用血液の確保を図るため、献血者報償費の補助等を行う血液事業対策推進費が主なものである。
 次に、ページを飛んでいただいて、272ページをお開き願う。272ページの13款諸支出金1項公営企業貸付金1目公営企業貸付金の予算額145億円は、県立病院等事業会計に対する運営資金の貸付金である。
 273ページに参って、2項公営企業出資金1目公営企業出資金の予算額11億855万円のうち、当部関係は県立病院等事業会計への出資金9億7、552万7、000円である。
 274ページをお開き願う。3項公営企業負担金1目公営企業負担金の予算額157億1、933万6、000円は、県立病院等事業会計への負担金である。
 次に、債務負担行為について御説明申し上げる。
 お手元の議案その2の11ページをお開き願う。
 第2表債務負担行為のうち、当部関係は、4公害防止施設整備資金の融通に伴う利子補給であるが、これは、融資総額2億円を限度とし、中小事業者が国民金融公庫等から融資を受けた場合に利子補給をするものである。
 次に、予算に関連する5件の条例の改正について御説明申し上げる。
 議案その3の20ページをお開き願う。
 議案第38号保健婦養成所等授業料等条例の一部を改正する条例であるが、これは、保健婦養成所等の授業料及び入学選考料の額について、他の県立教育施設の授業料、保健婦養成所等の運営費の増加などを勘案して見直しを行い、増額しようとするものである。
 次に、30ページをお開き願う。
 議案第42号岩手県衛生研究所検査等手数料条例の一部を改正する条例であるが、これは、衛生研究所における検査及び試験等の手数料の額について、人件費及び諸経費の増加などを勘案して見直しを行い、増額しようとするものである。
 次に、37ページをお開き願う。
 議案第45号理学療法士及び作業療法士修学資金貸付条例の一部を改正する条例であるが、これは、理学療法士及び作業療法士修学資金の貸付金額について、養成施設の授業料などを勘案して見直しを行い、増額しようとするものである。
 次に、48ページをお開き願う。
 議案第51号リハビリテーションセンター条例の一部を改正する条例であるが、これは、地方消費税が実施されることに伴い、リハビリテーションセンターの利用料金の額の算定方法を改定しようとするものである。
 次に、49ページに参って、議案第52号精神保健福祉センター条例の一部を改正する条例であるが、これは、精神保健福祉センターにおける診断書及び証明書の交付の手数料の額について、人件費及び諸経費の増加などを勘案して見直しを行い、増額しようとするものである。
 なお、これらの条例は、いずれも平成9年4月1日から施行しようとするものである。
 以上で環境保健部関係の御説明を終わらせていただく。よろしく御審議のほどお願い申し上げる。

〇久保田副委員長 ただいまの説明に対し質疑ないか。

〇渡辺委員 いわてリハビリテーションセンターについて伺う。
 この間、私、ある医療法人のところに見舞いに行ったわけである。そこは社会的入院というか、息子さんが東京におったりして、ある程度リハビリ、もうちょっとすれば出られるのになあと言いながらなかなか、入って1年以上たっているという、大変かわいそうな感じをしてきたわけであるが、そのときに、前に見たいわてリハビリテーションセンターが大変立派で、自然の光なり風なりを入れて、起きてリハビリに常に励めると。私のさっき言ったところはベッドとベッドが、とにかく部屋が狭いところに6つもベッドが入っておるから、ベッドとベッドの間に見舞いの我々も入れないようなところであるから、それで療法は何をしているかというと、リハビリをしているんだという話なんである。そうすると余りにいわてリハビリテーションセンターと、そこなんかのほかにもそういう病院が結構あるかと思うが、余りに格差が大きいものであるから、その辺、思いながらこのいわてリハビリテーションセンターの入院患者はどこの地区の方が多くて、その辺の状況、どういうふうに対応されているのか、その辺ちょっとお聞きしたいと思う。

〇千葉医務課長 リハビリテーションセンターの患者の受け入れの状況等についてお答え申し上げる。
 当リハビリセンターの基本的な考え方として、紹介制で患者を扱っているところであって、県下各地から患者を受け入れておる。盛岡保健医療圏は人口等も多くてかなり入っておるし、また、岩手医大あるいは中央病院、あるいは日赤といった医療機関と当センターが連携の結果として、患者が約5割程度占めている状況にあるけれども、人口の多さ等から見てやむを得ないのかなと考えているところである。
 リハビリテーションセンターは、名前のとおり県の中核施設であって、いわゆる直接一般の患者を受け入れるという第一線の病院ではない位置づけである。したがって、今後とも第一線の病院と密接な連携体制を確立して、今後リハビリを必要とする患者の受け入れ、あるいは退院した患者のその後のフォロー等をしていきたいと、このように思っておる。また、今後ともセンターと各地域の医療機関等とのネットワークを持っていきたいと、お尋ねの患者の状況については、盛岡保健医療圏が約5割、その他の地区で、いろいろばらつきはあるが、一番多いのは宮古、約20%、その他の地区からは10%内外の利用状況となっておる。

〇渡辺委員 今、報告あったが、初めて私がお邪魔したころは二、三年前であるから、そのときはほとんど盛岡圏の方だったんである。今のお話であると大分平準化はされてきているように思うけれども、何せ紹介先が今おっしゃったような病院からであると自然に偏在をしてくると、そういうことを考えると、これからは老人保健施設、つまり老健施設に入りながらという道も出てくるけれども、やはりここは何といっても、例えば平成7年が2億9、000万円、8年が2億1、000万円、今度は2億7、800万円という大変な金額で90人か100人のわずかな人たちを待遇をしておるわけであるから大変格差があるんだろうと思うんである。であるからこの辺は今後こういう施設を盛岡以外の地区に発展させていくおつもりなのか、それともまた、今の人数をもっとふやしてほかの地区からももっと入れてあげるという配慮をしていくべきなのか、その辺の今後の展望についてお伺いする。

〇緒方環境保健部長 ただいま課長の方からも答弁があったが、いろんな地区から入っておるけれども、やはり大事なことはこの岩手県のリハビリテーションの患者さんをすべてこのリハビリテーションで処遇することは無理だと思っておる。むしろ大事なことは、急性期の専門的なリハビリテーションやいろんな維持期のリハビリテーションというものを、このリハビリセンターと地域の医療機関とでうまく連携して分担していくことが大事だと思っておる。ということでリハビリテーションセンターでは今年度から、平成9年度から地域の医療機関とリハビリテーションのネットワークをどのようにするかを検討することにしておって、こういったことによってうまく地域のリハビリテーション機能を高めるとともに、リハビリテーションセンターとうまく連携して、どの地区でこういった障害とか病気が出た方についても同じようなサービスができるように努力していきたいと思っておる。

〇佐藤(正)委員 それでは、部長、あなたも厚生省出身であるが、厚生省も白もあれば黒もある。あなたは白だ。
 そこで、伺うが、一部ちょっと医療局も入るかと思うが、どうであろうか。現在、准看の学校や養成所の閉校が全国的に問題になっている。これはなぜであるか。また、本県の状況はどうなっているのか。その対応等についても伺いたい。
 次に、エイズ問題、薬害エイズ事件の初公判が去る10日から開かれておる。ここにも厚生省のお役人が入っている。そこで、HIV患者に対して先般身体障害者に認定の方向で検討しているという報道があって、これでいささか安堵しているわけであるが、本県の非加熱血液製剤の納入等の調査対象の医療機関の発表によると、32病院、うち県立病院が15病院、半分あるんである。その中で使用実績は中央病院、大船渡、花巻厚生、宮古、磐井、一戸、花泉各病院となっておる。この患者は血友病その他の患者とあるが、病名は何であろうか。
 また、この非加熱製剤の納入時期、これが非常に問題になっているわけであるが、この納入時期は昭和何年から何年までであるか。その点についてお伺いする。

〇緒方環境保健部長 まず、准看護婦の問題についてのお尋ねがあるが、県内においても民間等の准看護婦学校がある。これについて厚生省では検討会を開いて、今後のあり方について調査、検討を行って、その結果、看護婦養成制度については統合を行うと、こういうことになったわけであって、ただ、具体的に今後どういう時期にどういう方策を進めるかについては、今後引き続き厚生省において検討等が行われることになっておる。こういったことを踏まえて、県内においては准看護婦課程、平成7年度においては266名の卒業者が出ておるけれども、こういった各准看護婦学校について、現在、医師会と協力をしながら、今後学校としてどのようにしていくのかというようなことについて、御希望などをお聞きしている状況である。したがって、今後はこういった学校のいろんな方針などをよくお聞きし、また、厚生省の今後の具体的な規則改正等の状況を見ながら、准看護婦の養成の問題について対応してまいりたいと思っておる。
 なお、この検討会においては、医療機関で看護補助者として就労している学生の問題が取り上げられたが、こういったことについては養成所の設置者に対していろいろとお願いをして、適正に行えるようにしていきたいと考えておる。
 その他のお尋ねについては、健康推進課長より御答弁申し上げる。

〇長山健康推進課長 エイズの問題であるけれども、問題の非加熱血液製剤の使用実績についてであるけれども、ほとんどが血友病の患者さんに使用していたと聞いておるが、血友病以外では新生児出血症あるいは肝臓疾患、心臓疾患、消化器疾患等に使用された例が多いとされておる。
 また、本県の問題の非加熱製剤の納入時期であるけれども、医療機関によってそれぞれ異なるけれども、昭和54年から61年まで納入されたということが国のまとめた結果で把握されているところである。

〇佐藤(正)委員 部長、わかった。ただ、准看とか、これは中学校出て勉強しながら、非常にそのときには勉学の志に燃える、しかも看護婦を目指した子弟の有力な学校だったんであるが、現在は卒業生に就職の差別あるんである。そのことが一番問題になっているわけである。であるから、今ここを出ても実際に病院に行っても差別も受ける、給料も低い、そういう問題があるものであるから、やはり必然的にこういうものが消えていくということになるので、その精神というのはやっぱり生かしていかなきゃいけない。特に本県の病院というものは非常に全国的にも医療機関というものはすぐれているわけであって、ぜひその精神というのは残していかなきゃない。こう思っているわけである。これは答弁要らないが、特に部長が答弁したいというなら、何か意欲的な顔をしているから。
 さて、そこで、一番問題になっているエイズの問題であるが、一番問題なのは53年から63年の間に納入されたいわゆる非加熱製剤、今の答弁であると本県は54年から61年であるから、これが一番危険なんである。そこで、私の調査によると、本県は非加熱製剤によるいわゆるエイズ患者などの発生はないと--ないと言ってもこれは実は秘密にしているものであるから、ないということであるが、問題は潜在中であってもいつ発病するかわからない。潜在、しかも発病の可能性のある投与というのは54年から61年ということであるから、非常に危険性が高いというわけであって、その追跡調査というものは行われているのか、あるいは現在その後の状況はどうなっているのかということをお尋ねしたいわけである。

〇長山健康推進課長 この間の調査は、いわゆる非加熱血液製剤による血友病以外のHIV患者、いわゆる第4ルートと言われるものについての調査であった。本県では調査対象になったのは、先ほど委員御指摘のとおり32の病院があった。この製剤が投与された非血友病患者は3人、この内訳は、死亡した人が1人、HIV検査の結果、陰性という人が1人、それから検査未実施で生死等不明が1人と把握されたわけである。
 なお、血友病患者の感染状況については、プライバシー保護という観点から、国が直接その状況を把握すると、医療機関と直接情報交換をしながら把握していくということであって、県にはその情報がもたらされていないという状況にある。
 また、県では厚生省の指示によって、血友病以外のHIV感染者の早期発見あるいは発症予防など、感染者の早期救済につなげるために、昨年の11月に調査対象になったいわゆる医療機関の名前を公表した。そして、それぞれの病院に張り紙等を出して、投与を受けた可能性のある人あるいは不安を持っている人に対して、医師会あるいは病院、保健所等を通じて受診、検査等の呼びかけを行ってきたところである。その呼びかけによって、プラス、いわゆる陽性と診断された患者についてはあるいは感染者については、診断した医師から県を通じて国に報告することになっておるけれども、現在までのところ陽性になったという報告は受けておらないので、そういう状況になっておる。

〇佐藤(正)委員 非常にこれはプライベートな問題も絡むのであれであるが、1名が不明というところが少し気がかりであるが、なおそこらあたり県で把握できる、あるいは権限を持っているところにおいて、なお追跡の調査をしていくということが大事でなかろうかと、こう思っておる。

〇小原委員 3点お伺いをする。一つは、環境基本条例の制定についてである。
 この条例が目指すといおうか、条例制定をするときにどういう基本的な理念あるいは認識、こういうものに基づいているだろうかということである。それぞれ行政分野の中では環境とのかかわりというものが強く求められているわけであって、一行政セクションだけではもちろん不十分だと、こういう状況にあると思うわけである。そこで、各般の県行政、事業の中に具体的にこうした環境とのかかわりというものをどのように反映をさせる、そのための条例であるかということである。そういう意味でこの環境基本条例の制定に向けて準備中ということであるから、この環境基本条例の基本理念あるいは認識、このことについてお伺いをしたいと思う。
 それから、2点目は、自然環境保全指針である。
 このことについては、過日、環境保健部長を初めおいでをいただき、環境保健議員クラブの総会の中で勉強会をさせていただいたわけであるが、改めてお伺いをしたいと思う。既に県内市町村から身近な自然等について保全すべき箇所、このことについては聞き取りが終わったということであるが、これは既に完結をしたということなんであろうか。あるいはなお漏れておったと、あるいはこういうところがあったんだけれどもということが受け付けといおうか、そういうものにこれから入っていく余地があるか、この点を一つお伺いをしておきたいと思うし、新年度--平成9年度において行われる調査内容、そしてこの調査、環境保全指針が完全にでき上がっていく時期、これについて改めてお伺いをしておきたいと思う。
 それから、3点目は保健所の統廃合に伴う試験検査体制についてである。
 この点は本会議でも我が党の伊沢議員が一般質問でも伺っていたところであるけれども、いわゆる県内を4ブロックに分けて、各ブロック内の特定の保健所に高度な検査設備を整備すると、こういうことである。今までの部分で漏れたといおうか、対象外になったのは北上保健所、そして釜石保健所ということである。そこで、北上保健所にかかわって申すと、例えば北上市は大分以前であるが、たしか私の記憶によると明治製菓だったと思うんであるが、企業誘致の際に公害防止協定をいち早く結んで、その内容についても全国レベルのものであったということで、全国的な評価があった。そういう記憶がある。なお、企業集積の高い地域であって、そういう点では公害防止というところに特に市としては力点を置いている。こういう地域でもある。したがって、今後の試験検査体制、北上保健所だけ言って大変、釜石保健所の部分は申しわけないが同じ意味合いだと受けとめてもらって構わないが、いずれこうした公害防止あるいはさまざまな環境の変化ということに対応していくための試験検査体制、この点についてどのようにお考えであるか、部長に改めてこの際お伺いをしておきたいと、こう思っておる。

〇名須川環境公害課長 環境基本条例の理念あるいは認識というお尋ねである。実は今、作業にかかった時点であって着手したというところであるが、やはり基本となるのは、県民一人一人が環境に対する共通の理解と認識を持つということが一番大事であろうと、そのように考えておる。それで、その基本理念として行政、それから事業者あるいは県民の方々、それぞれがお互いの役割と責務というものをしっかり持つ必要があるだろうと、そのように考えながら今、作業を進めているところである。

〇保坂自然保護課長 自然環境保全指針の策定についてであるけれども、現在、平成8年4月から策定を始めているわけであるが、現在、身近な自然の調査ということで市町村にいろいろとお願いをしながら、市町村の方から1、682カ所の身近な自然環境、うちの市町村にはこういう身近な自然環境があると、そういうことが上がってきておる。実は昨年の11月の末に第1回の締め切り調査をしたんであるが、その時点ではまだ1、300カ所ほどであって、足りない部分が多々あったものであるから、私どもとしては振興局等にお願いをして、さらに再調査をお願いし、現在1、682カ所、こういうふうな形で出てきておる。市町村にとってはランドマークであるとか、本当に身近な自然がたくさんあるわけであって、私どもはこの1、682カ所について、今、性質別に分けて保全に当たっての留意事項、そういうものを今、検討している段階である。9年度については非常に大切なと申すか、貴重なと申すか、すぐれた自然について調査をしたい。その上で評価をして、どういうふうに保全をしていったらいいか、どういうふうに開発と調整をしていったらいいか、そういう調査、検討を行いたいと思っておる。そして、最後平成10年には指針の完了の時期なんであるが、関係機関あるいは庁内の関係部、あるいは市町村との調整を行って指針という形でまとめていきたい、そういうふうに考えておる。

〇千葉医務課長 保健所の検査施設等についてお答えする。
 現在の体制というのは昭和48年につくって、より技術的に難易度の高い試験検査機能を整備した保健所6カ所を、いわゆる指定保健所として現在に至ってきているところである。しかし、今日の保健所における検査の状況は、基準が変更になったり難度の高い検査項目が増大して、十分に対応できていないという状況にもある。それらを勘案して今回の保健所の再編整備にあわせて、より高度な検査機器あるいは設備等を整備するために、また、限られた人的な資源を有効に活用するということで、従前の指定保健所制を廃止した。そして、保健所における検体の搬送状況あるいは試験検査の実態、交通事情等を総合的に勘案して県内を4つのブロック、県央、県南、沿岸、県北のある保健所に高度な検査設備を整備することとしたものである。今後は各保健所で共同でその検査施設を活用していくと、そしてブロック内における保健所相互間の連携を図りながら、広域的な試験検査で対応していきたいと、このように思っているところである。
 なお、検体の採取、それから住民の依頼の受け付け、検査結果の通知等は従来どおりすべての保健所で行うとしているところであって、住民のサービスについては損なわないようにしたいと存じておる。
 また、従前は保健所で検査できなかった食品中の添加物や残留抗菌性物質、工場排水中の重金属や有機溶剤などの規制物質等の行政検査や、依頼を受けた飲料水の検査を県内4ブロックにおいて地域内で調整を図りながら行うこととしておる。

〇小原委員 環境基本条例については今、緒についたということのようであるが、私のイメージからするともちろん県民の意識の高揚というのは一番大事な問題であるが、同時に県行政の中にあって、その各般の行政の中で環境とのかかわりというものは常に基本に置いておくんだと、こういう認識が県行政の中に必要ではなかろうか。そういうことを具現化するための条例でもあると、そのことがひいて県民の意識高揚ということにつながっていくと、あるいは市町村行政にも直接かかわりを持っていくと、こういうふうに考えるわけであって、どうぞ効果が上がるようなそういう条例の内容になるようにひとつ御努力を賜りたいと思う。
 それから、自然環境保全指針であるが、すぐれた自然という部分にいよいよ着手をするということであるが、このすぐれた自然の評価の基準をどのようにお持ちか。評価をするわけであるから、評価をする際の基準、これは一体どういうふうにお考えであろうか。
 それから、保健所の件であるが、それぞれブロックの中で対応していくということは一定程度わかる。ただ、地域的な部分で申し上げて大変恐縮なんであるけれども、花巻、北上地域、本会議でも話あったように北上川流域テクノポリス構想のまさに中心地域ということになるから、この部分は時間的な問題あるいは対応の速度の問題、技能の問題ということが問題点として出てこないようにしてもらいたいし、このブロック内におけるフォロー体制を、この地域に何らかの形でフォロー体制を敷いていただけないだろうかということである。今、北上保健所にも特定保健所という形で器材がある。もちろん古いというか、今のレベルになかなか合わないということかもしれないが、一定の器材はあるわけである。これはどのように活用をなさるお考えであろうか。

〇緒方環境保健部長 まず、指定保健所の廃止に伴う検査体制のお尋ねであるけれども、課長からも答弁申し上げたけれども、いろんな検査をめぐる状況の変化の中で非常に高価な器材を使って集約化をしていくと、その場合にはブロックというもので考えて、そのブロックの中でどういうふうにしていくかということは、基本的にはさまざまな交通事情や搬送体制なども考えてそういうふうにしているわけであるけれども、その場合にはまず一つは、ブロック内の保健所のいろんな連携体制を確立していきたいと考えておる。それは具体的には保健所長や担当者等によるブロック内の各保健所による連携組織をつくると、あるいは危機管理のために何か問題が起こったときに、保健所内に直ちに検査できなくてもお互いの連携によってうまく対応できるようにしていくということであって、その中には指定検査施設がある保健所だけではなくて、現在、各保健所に置かれているいろいろな機器などもどのように活用するかというようなことも含めて、いろいろそれぞれのブロックの状況の中でそれぞれ検討していただいて、一つのブロック内の1保健所だけですべての検査をするということではなくて、いろいろなそれぞれの機器とか人の張りつけの状況の中でうまく連携を考えて、そしてその成果を各保健所が共有していくと、このような体制で考えていきたいと考えておる。
 そのほかのお尋ねについては、自然保護課長からお答え申し上げる。

〇保坂自然保護課長 すぐれた自然の評価の基準についてであるけれども、現在、専門家で構成する指針の策定検討会議、ここの段階で今、評価の基準について検討が始まったところである。今、検討のさなかにある中身をちょっと御紹介すると、本県のすぐれた自然を調査した後に、この自然というものが国際的なレベルですぐれているのか、あるいは国内レベルですぐれているのか、あるいは県レベルですぐれているのか、あるいは地域レベルですぐれているのか、そういう評価をする。その後に指針としてそういう国際的あるいは国内的に非常にすぐれた自然であると、そういう地域については、これは厳正に自然を保全していく地域であると、これは国立公園等の特別保護地区と、そういう地域が考えられるわけであるが、そういうふうに厳正に自然を保全し、開発等がこれはしてはいけないところであると、そういう区分けを何ランクかに分けてつくっていくと、こういう方向で今、話が進んでおるが、最終的にまだ評価の基準であるとか指針のつくり方、こういうものが決まったものではない。

〇田村委員 1点だけお尋ねする。予算の説明書144ページ、ふれあいトレッキングロード整備事業費、これは新規だと思うんであるが1億6、900万円、この中身をお知らせいただきたいと思う。

〇保坂自然保護課長 ふれあいトレッキングロード整備事業についてであるけれども、近年、非常に自然志向が高まる中で、本県においても非常に登山客等、ハイカー等がふえてきておる。こういうことから私どもとしては、平成9年度から11年度までの3カ年の事業であるけれども、ふれあいトレッキングロード整備事業という形で、本県の山岳公園を代表する十和田八幡平あるいは栗駒、早池峰の国定公園、それから五葉山、県立自然公園であるけれども、この公園の中で9つの登山のコースを設定する。この9つのコースの中に、これは登山道のほかにであるが、避難小屋であるとか野営場であるとか、そういう山岳利用施設を一体的に整備して、県民の自然との触れ合いの場をつくっていきたいと、そういうふうに考えておる。具体的に9年度であるけれども、このうち八幡平ほか4つのコースについて、野営場、それから木歩道等の整備を約1億9、000万円ほどの予算を一応計上して御審議をいただいているわけであるが、整備をしてまいりたいと、そういうふうに考えておる。

〇田村委員 本県の観光の一つの大きな柱としての山岳観光というんであるか、これは重要性は先般の一般質問でも申し述べたし、また、登山道、そしてその標識の不備というか、それについては御指摘申し上げた経緯があるわけであるが、そういった中ですばらしい事業をおつくりいただいたわけなんであるが、3カ年の継続事業ということであるが、この3カ年である程度の登山道の整備というのは、標識の整備というのはできると認識されておるのか。
 あともう1点であるが、これは林業水産部の方での事業なんであるが、県民の森、これを整備しようという計画が、高価な営林署からの買い上げで整備しようとしているわけであるが、県民の森から岩手山に通じる登山道の整備、これは森と親しむ県民の森を生かす上でも私はぜひ重要なルートじゃないのかなと、県民の森からの登山ルートというのは、御承知のとおり、お花畑あるいは御釜湖、御苗代湖と、すばらしい景観を通る道路だと私、記憶しているんであるが、そういったものも含めてこれ整備していく必要あるんじゃないのかなと思うんであるが、いかがであろうか。

〇保坂自然保護課長 ふれあいトレッキングロード事業については確かに3カ年の事業であるけれども、この3カ年で県内すべての登山道を整備するのかということになれば、これはもう少しその後に--その後と申すか、4年以降についても自然公園の施設整備という形でこれは進めていくわけであるが、9つのコースを設定してこの中で一体的に登山道を含めて施設を整備していくと、そういうものである。
 なお、県民の森から岩手山への登山道路であるが、これは公園計画の中でもきちんと歩道という形で位置づけをしておる。ただ、標識等がかなり荒れておるので、今回のこのトレッキングロードの整備事業において整備をしたいものだと、そういうふうに考えておる。

〇田村委員 最後に、これは重ねての要望になるんであるが、ことしに入ってからであったか、痛ましい遭難事故が発生したわけであるけれども、あの事故についてもやはり標識の整備、そういったものの重要性というのがすごく認識されておる。そこのルートに限らずかなりなルートでの標識の不備というのが指摘されているわけであるから、ひとつこの事業を活用してどんどんと進めていただきたいと思う。要望である。

〇水上委員 若干重複するところもあると思うが、質問2点と、要望2点お伺いさせていただく。
 地域における保健医療の充実の観点からお聞きするが、長寿高齢化の進展や成人病の増加など、県民の健康に対する関心の高まりなどによって、多様かつ高度な保健医療サービスが求められており、各保健医療圏の実情に即し総合的な施策を関係者一体となり保健医療体制の整備充実が必要と思う。そこで、お伺いするが、地域保健法の改正に基づき平成9年度から再編整備する保健所に関連し、地域の保健医療サービスの充実をどのように進めていくのか、また、地域の各種検査、指導体制は大丈夫か。
 それから、予算に関する説明書の138ページの4目であるが、精神病患者についてお伺いするが、いろいろ精神病患者の人権等が言われて、別な被害者等の人権は若干無視されているような事件が久慈地方に起きたことでちょっとお聞きしたいと思う。ずっと行きつけの病院にお願いしても、連れてこい、それから警察にお願いしても、家族でやれと言っているうちに、別世帯の患者だったんであるが、何とか説得して連れてこようと思ったら、あの大きな刃物で切りつけられてほとんどずっと身体障害者になるようなことになったので、その精神病患者の把握、そしてそういうときどのようなところに相談に行くといいのかということ、2点お願いする。

〇緒方環境保健部長 地域保健法の施行に伴うサービスの問題であるが、特に地域保健法が4月から本格的に施行された場合には、保健所の機能強化ということで、より高度、専門的な技術的中核機関としてこういったサービスについての機能を高めてまいりたいと思っておるが、それに関連して保健所のさまざまな能力を活用して、市町村に対しても支援を深めていきたいと考えておる。例えば、市町村への技術的な助言や研修、あるいは市町村保健センターへの運営協力等を行っていきたいと考えておる。
 また、9年度においては2次医療圏ごとに保健、医療、福祉に係るネットワークシステム、地域保健福祉連携推進ネットワーク事業や、あるいは地域が抱える健康や環境の問題についての調査研究事業を予定しておるし、また、市町村に委譲される母子保健等の事業についても積極的に協力していきたいと考えておる。
 また、特に検査についてのお尋ねであるが、先ほども少しお話し申し上げたが、検査施設がどこの保健所に位置的に置かれるかにかかわらず、そのブロック内の保健所が十分連携をして、その検査体制について問題が起きないようにということで、そのような体制を組んでまいりたいと考えておる。また、その検査の機能強化ということでは、当初予算で御審議いただいておるが、新たに整備する機器として原子吸光計、ガスクロマトグラフ質量分析計、高度液体クロマトグラフ、こういったものを1セットで4、000万円ほどのものであるが、こういったものを整備して、これらをブロック内の保健所で共同で利用していくと、このような体制にしたいと考えておる。
 その他のお尋ねについて健康推進課長よりお答え申し上げる。

〇長山健康推進課長 精神障害者の事件に絡む処遇というか、取り扱いの関係であるけれども、精神保健福祉法というものができて、非常に1人の人間として人権擁護という観点から、かなりできる限り束縛というか、そういうものを排除しようという動きになってきているわけである。そういった傷害事件等については一義的には保健所の方で相談なり手続等は行うことになっておる。特に傷害事件等あると警察の方と一緒になって作業をするということになる。それから、病院に入院する場合に三つのタイプがある。一つは措置入院と言って、やはり自傷他害というか、人を傷つけたりあるいは迷惑をかけたりするというおそれがあるという場合には、専門の鑑定医の方2人の診断をいただいて、そして強制的にというか命令的に入院させるという形のものである。これは近年はかなり限定的になっておって、かなり少なくなってきているということである。その次に、保護入院と言って、家族の同意という形で入っていただくということになる。それから、もっと緩やかになると、本人の意思によって入院するという形で任意入院ということになる。いずれそういうできるだけ周りに迷惑かけないように社会防衛的な部分というのが、周りの皆さんの御理解で少しずつやっぱり解いていくという方向になっておるので、ひとつ保健所の方に御相談いただければと思う。

〇水上委員 地域の保健医療の充実を図るため、特にも保健サービスの低下を来さないようなさまざまな配慮をいただいていることに感謝申し上げる。今後ますます県民の健康づくりのための体制整備、保健医療体制の整備、従事者の養成、確保、安全で衛生な環境の確保のため、地域、市町村と綿密な連携のもとに推進していただくようお願い申し上げる。
 それから、もう一つ要望であるが、来年度からの保健福祉部ということにかかわってお願いしたいと思っておる。先ほど福祉の方で聞くべきものであったが、来年から一緒になると思うのでお願いであるので、よろしくお願いする。
 というのは、職員の皆様方はいろいろエリートだと思うのである。そして、福祉をしなければならない人を見るとき、同じ目線に立って見ていただきたいという観点から、自分のことを申し上げてまことに恐縮ではあるが、私は今で言えば生活保護をもらって生活しなければならないようで、昔は地域、そして親戚が何とか面倒見てもらったので何とか、準保護世帯だと思っているので、そういう方々のOBだと思っているので、その点からお願いしておく。
 医療費の一部負担の増額、そして消費税等のアップにより生活が随分困難になってきていると予想される。今まででも赤ちゃんの置き去りや、また、生命を奪ったりするような事件が毎日続いているわけであるが、母親として、親として子供を捨てたり、投げたり、殺したりは絶対本当はしたくないと思う。やむを得ずやっていると思うので、その点を十分考えて福祉行政を、いろいろ保護をもらうとき兄弟、親戚等に照会したりプライバシーに若干走る傾向があると思うので、そういうことをどのようにやればいいかは今、私の頭でわからないので、県職員の方々が英知集団の県庁だと思うので、どうか優しく目線に立っていろいろな施策、先ほどの障害者のことに当たってもその立場に何とか下がって--下がってと言えばあれだけれども、その立場になっていろいろ施策していっていただきたいと思う。お願いを申し上げ、私の質問を終わらせていただく。

〇久保田副委員長 要望であるから、そのように受けとめさせてもらいたい。
 次に進む。

〇佐々木(博)委員 廃棄物の問題について、一般、産廃両方あわせてお尋ねをしたいと思う。
 最初に、ことしの4月1日からいわゆる容器包装リサイクル法がいよいよ実施されるわけである。それで、県内各市町村では4月1日に向けて体制の整備をされているところだと思うわけであるけれども、県の方ではそれを取りまとめておられるはずであるので、まずその状況についてお尋ねをしたいと思う。特に、対象が7品目だと承知しておったのであるが、1回になかなか7品目全部やれるところはないだろうと思うけれども、どの辺のところからどのように進められていくのか、その辺の状況についてお尋ねをしたいと思う。
 それから、あわせて、今いろんなところでは児童会だとか、あるいは老人クラブだとか、そういったところが中心になって民間の資源ごみ回収のリサイクル団体の活動というのが非常に活発になってきているわけであるけれども、そういった団体と、それから今度市町村で始める容器包装の、分別収集するわけであるが、これのその整合性というものはどのようにとらえるものなのか、この辺についてもお尋ねをしたいと思う。
 それから、先般NHKのたしか衛星放送だったと思うんであるけれども、いわゆる廃棄物のリサイクル社会のことについての特集番組をやっておって、それを見ておったらこの容器包装リサイクルのいわゆるかかるお金の負担についての問題が出ておって、いわば商品として供給している、再商品化の義務のある方々のいわゆる資金的な負担の割合が低いんじゃないかと、市町村に余計な過大な資金的な負担がかかるんじゃないかというような問題提起がされておる番組を拝見した。その辺についてどのように考えていらっしゃるか、あわせてお伺いしたいと思う。
 それから、第2点、産業廃棄物についてであるけれども、何か今度の国会でいわゆる廃棄物処理法の改正が提案、提出されると聞いているんであるが、何か聞くところによると閣議決定がまだされていないと伺っておるが、いずれ今国会に提出の予定だと伺っておる。どういった検討がなされているのか、その中身についてお伺いしたいと思う。

〇緒方環境保健部長 まず、後の方の廃棄物の処理法の改正の問題である。御指摘あったように、国では今通常国会に向けてこの廃棄物処理法の改正案を提出するとお聞きしておる。改正内容についてはまだ国から正式には示されておらないが、現在までの情報では四つの方向性が示されているようである。
 一つは、廃棄物の減量化あるいはリサイクルの促進ということであって、具体的には減量化のための取り組みの徹底とか、リサイクル推進のための規制緩和などが示されるようである。
 2点目としては、この処理に対する信頼性や安全性の向上のために、施設の申請書あるいは生活環境影響評価書の告示縦覧を行って、住民や市町村長から意見を聴取するというようなこと、あるいはミニ処分場についても今後許可対象にしていくということ、さらには、処分場の維持管理積立金制度を創設するといったこと、こういったことが信頼性、安全性の問題として示されておる。
 三つ目としては、不法な投棄に対する対策の強化として、罰金の最高額を従来の300万円から今後は個人で1、000万円、法人で1億円に強化すること、あるいは産業廃棄物の管理票、いわゆるマニフェスト制度について拡大していくというようなことが示されておる。
 四つ目としては、原状回復措置の制度であって、これは産業界と国等が資金を出し合って基金を創設して、投棄者が不明の場合などにおいて都道府県が原状回復措置を行うとき、この当該都道府県に対して出捐をすることなどが検討されておる。県としては、法改正の内容や本年秋ごろまでに行われる政省令等の改正などを見ながら、県の法施行規則とか指導要綱の改正を進め、さらには、市町村や関係事業団体等と連携を密にして周知徹底を図ってまいりたいと考えておる。
 その他のお尋ねについては、廃棄物対策室長の方から御答弁申し上げる。

〇中村廃棄物対策室長 市町村における分別収集の取り組み状況であるが、ただいまお話があったように対象品目は7品目ある。それで、平成9年度を初年度としてこの計画は5カ年計画ということで、59全市町村が策定しておる。その取り組み内容であるけれども、平成9年度当初は全品目収集しようとする市町村は15の市町村である。そのほかは、例えば瓶と罐、ペットボトルの組み合わせとか、いろんな組み合わせでやるわけであるが、トータルでは48の市町村が実施するということになっている。特にも今回初めて分別収集するという市町村は17である。それから、特に問題になっておるペットボトルを始めようとするのが19の市町村である。
 そういう取り組みを進めていくということになっておるが、次の集団回収等分別収集の調整と申すか、その点についてであるが、実はこの計画を策定するに当たって、地域地域においてかなりな集団回収がなされておるということから、県としては集団回収はやはりこれからも支援強化していくべきであるという考えのもとに市町村を指導してまいったところである。ちなみに今までの状況を見ると、市町村で集めて資源化しておる量と、集団回収によって資源回収されておる量はほとんど同じぐらいの量までなっておる。それだけ集団回収の方も力が入っておるということで、今後ともそういう強化を指導していきたいと考えておる。
 それから次の、分別収集したものについて再商品化すると費用がかかるわけであるが、この費用負担についてである。実は中小企業者には、一部の中小企業者にはその義務が免除されておって、その免除期間というのは平成11年度末までである。その免除されておる分を市町村が負担すると、こういう形になっている。その負担率は、種類ごとに申し上げると、ガラス瓶の無色で28%、それから茶色で31%、その他の瓶が41%、それからペットボトルは11%ということになっておる。市町村が集めた量でこのパーセンテージの分は市町村が持つわけであるが、平成9年度のちなみに単価を申し上げると、無色はトン1、980円、それから茶色が2、518円、その他のガラスが5、491円、ペットボトルは10万1、755円という形になって、その分の先ほどの比率でもって市町村が負担する。こういうことになる。

〇佐々木(博)委員 産業廃棄物の関係でもうちょっとお尋ねしたいんであるが、今、法改正のその検討されている中身についてはわかったわけであるけれども、何か聞くところによると、このまま推移すると、今、最終処分場が非常に逼迫しておって、ある推計によると2010年ぐらいにはなくなってしまうんじゃないかという、何かそういった予想もあるやに伺っておる。なぜこういうことになるかというと、結局産廃、不法投棄がよく出るものであるから、それをマスコミ等もいろいろ書く。それで、非常にイメージが悪くて、そういったのがまた余計処分場をつくることに対して近隣住民の抵抗が出てきて、それの悪循環でもって何か非常に産業廃棄物の処分場ができづらいということになっているんじゃないかと思う。そういった点では適正に処理をされるということが非常に大切ではないかなと思っておる。今、部長の答弁いろいろ聞いていたわけであるけれども、例えば、今、本県でもミニ処理場というものがあって、これは許可がなくてもできるわけである。これにも安定型と管理型と2種類あるはずなんであるが、特に一番危険なのは管理型だと思うんであるけれども、今、本県に管理型のミニ処分場というのは幾らぐらいあるのか、まずそのことを1点お伺いをしたいと思う。
 それから、ちゃんと適正に処理している処分場であっても、例えばそこの管理している業者が倒産なんかした場合は、将来適正な処理がされなくなる心配がある。そういったことが先ほど部長の答弁にあった、最終処分場の長期的な維持管理の確保ということが一つ検討を加えられているところなのかなと思うけれども、その原状回復の問題もあわせて、原状回復のその費用負担、今、国と業者というお話もあったが、考えてみると適正にやっている方々も費用負担をやるというようなことであれば、業界としてもやはりいろいろ苦情も出てくるだろうと思う。何か産廃の不法投棄いろいろ見ると、確かにだれが捨てたかわからないというものがかなりのパーセンテージであるようであって、したがってこういった原状回復についてのあり方が出てくるんではないかなと思うが、いずれそういったことを国でいろいろ方針が出てくるかと思うが、これはやはり岩手県は何か聞くところによると、県外に流出しているよりも県内に入ってきている産廃の量の方が多いというようなことも伺っておるので、ひとつ厳正に今後対処していただきたいと思うわけであるが、その辺について御所見をお伺いをして、私の質問を終わりたいと思う。

〇中村廃棄物対策室長 まず1点目のミニ処分場、管理型のミニ処分場の数であるが、二つある。いわゆる法対象外の安定型処分場は3、000平米未満が許可対象外、それから管理型は1、000平米未満ということで、これを俗にミニ処分場と言っておる。このミニ処分場についても我々は把握に努めて、通常の指導検査対象の中で指導はしておる。それで、先ほど部長の方からお話しあったとおり、今後はこういうのも法の許可対象ということになると、当然立入検査も許可になると、こういうことである。
 それから、原状回復制度あるいはそれに絡んだ不法投棄の関係であるけれども、実は幸いというか、岩手県にはそう多量な、他県に行ってしまうとか、ああいうふうな大きな問題はないんであるけれども、幾らかの規模のものはある。それは産廃に限らず一廃との絡んだものが結構あるということで、これは本会議の方でも答弁させていただいたが、行政パトロールとか、それからいろんな調査指導の中で対応していくが、それをはるかに超えて、どうしても原因者がわからぬというもの、あるいは原因者が仮にわかっても、わかった時点ではもう回復能力、資産がないというものが考えられるわけである。であるから、そうなると先ほど部長が答弁した内容で申し上げると、県は4分の1を負担しなければいかぬということになるわけである。であるから、そういうものを原状回復をしなくてもいいように行政が対応していけば、いわゆる持ち出しがなくて済むということで、そういう形の中できちっと対応してまいりたいと、こう思っている。

〇渡辺委員 今の佐々木委員が言われたミニ処分場についてであるが、これはたしか保健所が5年に1回ぐらい更新をしていくということで、あと毎月どういうものが入ってきて、どれぐらいの量、何トン入ってきたという受け入れの報告もすると、こういうことになっていると思う。そのたびに保健所が判こをついていくんであるが、ただ、それが例えば周辺の私ら住民の中で、どうもあそこの処分場は変なのが入っているようだと、どこか都会から何かどろどろしたものが入っているようだと思ったときに、例えばバックホーで中を見ないと、何層かやったときに埋めてしまうから、どうも後であそこおかしいよと言ったって、いや、毎月ちゃんと出されているし、中身もこういうことになっているし、古いものは既にその書類は捨ててあるしというケースがあるんである。だから、対策室長のところでそういう例えばちょっと、バックホーで掘ってみて、いや、今までちゃんとやっていたなという、ただ、立入検査というのは人間が立ち入るだけじゃなくて、そういうことまで予算もちょっと持ちながらやっていけば、安心してそういう産業廃棄物を受け入れる場所も、ちゃんとやっていくんだからいいなと、今のままであると塀もつくれというふうに法にあるから、塀までつくっていくとますます中が見えない。トラックが入っていってやっていくという、何か変な法じゃないかという、法律がちょっと、この規制はおかしいんじゃないかという感じを持つんである。ぜひ岩手県でもそういう予算も持ちながら、きちっとやれば今おっしゃるような行き詰まりにならない廃棄物の処理になると思うんであるが、所感があればお願いする。

〇中村廃棄物対策室長 中身はただいまお話があったようなこともあるかもしれない。ただ、1点目の施設許可の更新というお話があったが、施設の設置許可には更新というのはない。処分業の許可には更新があるが、施設の場合は一たん許可すると終わりまでそのままということである。
 それから、検査の中でバックホーで云々ということがあるが、実は法律的に問題があったのは、マニフェストが全品目に義務づけられていないために、ただいま渡辺委員からお話があったような事例もあるかもしれない。ただ、そういう形の中でいわゆるバックホーで掘るということは、この埋め立てする手法は3メートル埋めたならば50センチの覆土していくわけである。この繰り返しでいくので、そこを崩すと下の方が安定しかけているのまでいじってしまうということもあって、行政の中では目視でやるようにやっている。今後は法改正がなるとすべて品目チェックできるので、その中で対応してまいりたいと、こう思っている。

〇久保田副委員長 よろしいか。
 この際、世話人会の申し合わせにより10分ほど休憩する。
   午後3時14分 休 憩
 
   午後3時33分 再 開

〇久保田副委員長 休憩前に引き続き会議を開いて質疑を続行する。

〇谷藤委員 先ほどの佐々木博委員の質問にもちょっと関連する部分があるけれども、産業廃棄物の処理にかかわることであるけれども、先ほども話にあったけれども、他県からどんどん入ってきているんだと。岩手県のよりも7倍近く県外からのものがあるという報道をちょっと目にしたが、何倍とか、その辺はどういうところで把握しているのか。

〇中村廃棄物対策室長 ただいまの県外産廃が岩手県に入ってくるのを把握する状況についてであるが、岩手県は産業廃棄物指導要綱というものを設定しておって、岩手県に持ち込みたいというときは事前協議してくれという形でやっておる。基本的には、持ち込まないようにという自粛を要請しているわけであるが、ただ、再生利用に係るものについては入れようということで、その中で把握しておる。
 量的に見ると、平成6年まではずっとふえてきて21万2、000トンぐらいになっておったが、平成7年度は若干減少傾向にある。逆に他県に行っているのはふえておる。

〇谷藤委員 徐々に外から入ってくるのは減ってきて我が方から行くのがふえていると。国全体で見ればどこかに行ってどうにかなっているのであろうけれども、ちゃんと適正に処理されていく分には構わないと思うけれども、それ以外のものは相当いろいろなところに来ているのではないかとちょっと心配している。まず、水際作戦、入ってくる段階での不法投棄しそうなところを徹底的に撲滅をやらなければならないんだろうと思うけれども、それらに向けていろいろ取り組みをやられていると思う。大分頑張っているというところもそれなりに評価するけれども、実際にどういう形で、どこまで今やろうとしているのか、もう1回お聞かせいただければと思う。

〇中村廃棄物対策室長 不適正処理あるいは不法投棄の防止に当たっての水際作戦、県境とか、そういうことになるのであろうと思うが、私は、不法投棄をさせない、不適正処理をさせないというのは、県の行政の中の面だけではどうにもならないと思っている。実は、県民の総体の廃棄物に対する意識がきちっと上がってくれば、それなりのかなりの効果が及ぶものと、こう思っておる。今までは、保健所なり、あるいは県警本部にもいろいろお願いして、業界と一緒になってやった経緯もあるけれども、県内をすべてということにはなかなかまいらなかった。そこで、ことし--平成9年度新たに国庫補助事業を導入して、もちろん県もそうであるが、県と県警本部、市町村あるいは産廃協会とか建設協会とか、そういう方々と一体となって合同パトロールをやろうと。それを保健所管内ごとにやっていこうと。そういうことによって、先ほど申し上げたように若干の不法投棄があるので、それらを片づけていこうと。そして、一方では、原因者がわかったときには徹底的に撤去命令、措置命令をかけるので、そういう形の中で対策を強化したい。
 それから、一方では、先ほども申し上げたように、意識啓発という観点に立って、よく山火事防止なんかでやるのであるが、上空からの広報活動、それから、マスメディアや市町村、関係団体でいろいろな広報をやっているので、それらを活用して意識啓発を行っていきたい。そういうことによって県内への不法投棄や不適正処理を防止したい、こういうふうに考えている。

〇谷藤委員 そういうことで、不法投棄を極力ないような方向で、これは一般市民のモラルの問題から始まっていくそういう啓蒙活動が非常に大切だろうと思う。それから、関係する業者、営業所のところにもいろいろ指導していかなければならないだろうけれども、総合力でひとつ取り組んでいただきたいと思う。
 そういうことで、岩手県にはいわてクリーンセンターという立派な施設があるわけである。ただ、以前は料金の問題だとか、いろいろなこともあったかもしれないが、非常に利用率が悪かったというときもあったような気がするが、今、現にどういう経営状況、利用状況も含め、どういう状況になってきているのかと思うわけである。
 せっかくこれらの施設があるということで、もっと利用しやすいようにしていくというか、そういう業者さん方に利用しやすいようにしていく。それから、少し遠距離から来たとき、どういう仕組みになっているかちょっと詳しくわからないけれども、遠方から来たときというのは相当輸送コストがかかってくる。その辺のこととの関係とか、そこの中でどうやって利用促進を図っていくかということもあるのではないかと思うわけであるけれども、その辺についてお考えをお聞かせいただきたいと思う。
 それから、これは環境保健部対応なのかどうかよくわからないが、ちょっとだけお伺いしたいのは、廃車というか、車の使用期限が終わったものであろうけれども、それが野積みにされているところが随分あるが、どうも景観行政というか、油が流れたりするといろいろ周りの環境問題にも発展するかと思うけれども、これら、産廃というよりも一般廃棄物扱いだろうと思うが、各市町村に1カ所にまとまるような、団地じゃないけれども、そういうようなものでうまく、余り目立たないようなところに上手にできれば非常にいいなと思ったりするが、それについて何か指導する気はないか、その辺をお伺いする。

〇中村廃棄物対策室長 まず、1点目のいわてクリーンセンターの利用状況、それから、利用促進に向けた対策ということであるが、平成7年9月の中旬に操業開始ということで、年度途中あるいは初年度ということもあったが、7年度の利用状況は12・6%であった。平成8年度は、先ほどお話があった料金の改正を行った。その改正内容というのは、利用しやすい料金体制にしようということで、我々どうも役所なものであるからかたく見ておったのであるが、営業活動をすると業界の動きがよくわかって、それを参考にして緩やかにやったという点と、細分化したという点と、多量に持ってきたときには値引き、割り引きをするというのが大きな改正要点であるが、そういう形でもって改正したわけである。そういう改正と、それから、営業活動の強化をした結果、平成8年度は、2月までであるが、46・1%まで伸びてきておる。今後さらに営業活動に努力してまいりたい。そういうことによって引き上げてまいりたいと思っておるが、なかなか厳しい状況にある。
 それから、廃自動車の野積みの問題であるが、私たちもよく承知しておる。野積み状態にあるのは実は2種類あって、廃車を持ってきて、それからエンジンなんかの有価物を取って業を行うために野積み状態に積んでおくというものと、個人が例えば山の中にちょっと置くということと、大きく言えば2種類あるが、数の多い野積み状態にあるものであるが、現在の廃棄物処理法の中では、有価物で動いているものについては実は適用にならない。ただ、最近の状況からすると、有価物として買ってきてエンジンなんかを取り外して販売して、そして残ったものをシュレッダーダストにしてもらうように処理委託すると最近は商売にならない。そういう観点から、次第に、逆に処理するから料金をくれということで自動車を持ってくる場合がある。そうすると、それは廃棄物処理法の適用になる。そこで、そういう時代の流れに伴って、平成8年の3月に、そういうふうに流れが変わった場合には廃棄物処理法に基づく処分業の許可を、あるいは施設の基準はこういうふうにしてくれということを定めて業界指導したわけである。それがだんだんに浸透して、平成8年度もそういう講習会をした。そういう講習会をしながら、次第に廃棄物処理法の適用の方に動いてきていたので、そういうものを通じながら、谷藤委員が言われたような山の中にある野積み状態のものも片づけていきたい、こう思っておる。

〇佐々木(大)委員 今の産業廃棄物に関連して、北上川流域の工業団地における廃棄物の処理はどんな状況にあるのか。工業関係である。

〇中村廃棄物対策室長 工業関係とかちょっと資料がないけれども、実は、岩手県全体から出る産業廃棄物で多量に排出されるのは、全体から見ると盛岡から北上川流域沿い、ここから大体75%排出される。それから、それ以外、県北とか沿岸で見ると、そこら辺は25%。ただいまそういう数字を申し上げたのは工業だけではなくすべてのもので、工業だけに限って押さえたのは実はない。

〇佐々木(大)委員 工業関係、例えば工場の廃油とかプラスチックとかゴムとか金属とか、そういう分野の処理がどうなっているかということをお伺いしたかったのである。あと、医療廃棄物とか特殊な分野がかなりあると思うが、いろいろ聞いてみると、岩手県はそういう処理を思うようにやってくれてないということが言われて、廃油なんかの場合も、実は県外にみんな持っていくと。工場誘致に関係してくるのだと思うけれども、これからの工場誘致、企業誘致なんかの場合にその分野が一番要求されると思うけれども、県がやはり取り組むべきことだと思うが、いかがであろうか。

〇中村廃棄物対策室長 ただいまお話があったのは、多分に特別管理型産業廃棄物だろうと思う。これは、おっしゃるとおり県内に処理する施設の数はほとんどない。一部にはちょっとあるけれども、ほとんど他県に行っておる。他県に行って処理されておるわけであるが、それが、例えば県内で不法投棄というような形になる状態であれば考えざるを得ないということがあるし、例を挙げて言えば、医療廃棄物、これはかなりの量が他県で処理されておる。これは、福島と大阪で処理されている。これも完全、適正に処理されている。だから、そういうルートにつくられてあるものを、県が県内で処理という方向性についてはちょっと考えておらないところである。なぜならば、本来産業廃棄物の処理というものは排出事業者がみずから責任を持って処理するという観点に立っておるものであるから、そこのところをまず持っていって、どうしてもそこでできないというものについては、いわてクリーンセンターというものをつくって、行政が関与してそこを補完していこうという考え方に立っておるものであるから、そこまで考えておらない。

〇伊沢委員 ただいまの佐々木委員の御質問であるが、私も常々思っていた部分である。PPPの原則、そのとおりなのであるが、佐々木委員がお伺いしたのは、有害物質を含めてそれを県内で処理をするところがない。クリーニング屋さんの廃油も含めて秋田県等々に持っていっているというのが現状だと思うのである。その辺で、今、室長の答弁は理解をするのであるけれども、クリーンセンターをつくって処理をするということで県が動いたわけである。将来構想の中に、有害物質も含めたものを公共関与でやるということが県民に対する責務であるし、廃棄物の適正処理に向かっての一つの方向性が出てくるのではないかと、こう思うわけである。直ちにつくれとは言わないが、そういうことで、今後検討していく気はないのかどうか、この1点だけお伺いをしたいと思う。

〇緒方環境保健部長 先ほど室長からも御説明申し上げたように、この産業廃棄物についてはPPPの原則というか、本来排出する事業者が第1次的な責任を負うわけで、行政としては、それに対していろいろな必要があれば、どうしてもできないときは支援を行っていくというのが現実的な組み立てである。ということで、当面はそういうことである。他方、いろいろ委員から御指摘いただいている点もあるかと思う。今回の廃棄物処理法の改正等でも公共関与のことがいろいろと議論をされておるが、先ほどお話があった企業誘致という点については、これは関係部局等の御意見も聞かなければいけない部分もあるかと思う。いずれにせよ、こういった点については長期的な観点に立っていろいろと勉強させていただきたいと思う。

〇佐々木(一)委員 私は、産業廃棄物についてお伺いする。先ほど谷藤委員からの質問があったので、重複した部分は削らせていただく。
 いわてクリーンセンター産業廃棄物処理モデル施設であるが、以下の3点にわたってお伺いする。
 まず、管理運営している財団法人クリーンいわて事業団に対する貸付金であるが、平成7年度、これは設備投資の時期であるけれども、14億円となっておる。その後、8年度2億円、また、本年度予算で5億円となっておるが、その増加の理由をお伺いする。
 それから、10年度以降の貸付金の見通しはどのようになっているのか。
 先ほど室長から平成7年9月の開業以来12・6%、今度46・1%という話も受けたけれども、今後の見通しについてお伺いする。
 それから、7年度は金利3・5%ということであったが、8年、9年は無利子で貸し付けしておる。この理由についてもお伺いする。
 それから、県からの運営費の補助であるが、県派遣3人の職員の方々の人件費相当分ということであるが、毎年、平成7年度から約2、000万円ずつ上昇をしておる。毎年補正でふえているようであるけれども、本年も3、000万円ということで計上されておるけれども、今後の見通しについて、これもお伺いする。
 それから、2点目であるけれども、先ほどの御回答で大体わかったのであるけれども、処理能力に対する実績というか、稼働率、これについてお伺いしたいと思うし、今もお話が出ていたけれども、料金を下げられたということであるが、県立病院を初めとする県の公立の施設からの受け入れはどのようになっているか。例えば県発注のさまざまな工事等もあるけれども、それらの関係について第2点目としてお伺いしたいと思う。
 それから、最後3点目であるけれども、平成7年9月事業開始ということであるけれども、当時、経営計画というか、事業計画をお立てになっているかと思う。確かにまだ年数はたっていないけれども、この計画と実績との乖離が生じているのかどうか。もし生じているとすれば、今後どのように対応されていくのか。非常に予算も莫大にかかっているようなので、今後の見通しについて、現段階でわかる範囲でお伺いしたいと思う。

〇中村廃棄物対策室長 まず、1点目の事業団への貸し付けの中で、平成8年度に比べ平成9年度に3億増加しているという、その理由は何かということであるが、後段の何点目かで当初の事業計画と実績の乖離というお話もあったが、実は、当初計画に比べて利用率に伸び悩みがあって、そのために運営資金が不足するということで、それに対応するために貸し付けるということである。
 それから、10年度以降であるけれども、10年度以降もそういきなりふえてくる、100%になるという状況でもない厳しい状況である。しかしながら、利用率の向上を図りながら運営資金の確保に努めてまいりたい、こういうふうに考えておる。
 金利については、平成7年度の貸付金利が3・5%である。これは、10年償還で3年据え置きなのであるけれども、県施設整備資金である、いわゆる長期貸し付けであるということから3・5%としたもので、平成8年度、9年度は単年度貸し付けの運営資金ということと、それから、公共関与の趣旨からして無利子で貸し付けしたいと、こういうものである。
 それから、次の定額補助、人件費見合いの話であるが、実は、県職員を3名派遣しておる。その派遣見合いの人件費を定額で補助しておって、2月補正で増額になっているのは給与改定分ということである。したがって、今のような運営状況であるので、これからもそういった形になろうかと思っておる。
 それから、処理能力に対する稼働率の状況であるが、100%稼働時に対しての利用率であるが、平成7年度は、前にもお話ししたように12・6%、平成8年度はこの2月末までで46・1%、平成9年度は60%を目標にしていきたい。その後、年に十数%の伸びを確保してまいりたいと考えておる。
 それから、県立病院などからの、いわゆる公立機関からの搬入状況であるが、県立病院については江刺病院だけである。そのほかは国保診療所など20施設から委託を受けておる。県が発注したものに係る受け入れということであるが、あそこの施設は管理型処分場が目的であって、県発注工事となれば土木工事とか、そういうのが大きいわけであるが、それらのものは入っておらない。
 それから、当初の事業計画と実績の乖離という問題であるけれども、確かに乖離は生じてまいっておる。当初、平成7年の事業計画を立てる際に、7年度は40%まで頑張ろうと。そして、8年度は90%まで持っていこう、10年度で100%にしようという計画を立てたわけであるが、その計画の根拠となるものは、平成3年当時の県内の排出量の状況と、処理委託量の状況などから勘案したものであった。簡単に申し上げると、当初計画と現在の実績では大体40%を超える乖離が生じておる。その理由であるけれども、一つには、民間事業者が設置する処理施設が増加してまいっておる。例えて言うならば、木くずの焼却施設は計画当時は13あった。それが現在では30施設になっている。それらが競合している。そういうことで、民間の施設が増加してきておる。それから、県内の産業廃棄物の排出量が5年前、その当時に比べて約10%減になってきている。それからもう1点は、企業における減量化あるいはリサイクルというふうに、かなり回ってまいっておるので、そういうことが減となっている理由なのかと考えておる。

〇佐々木(一)委員 いろいろと理由はわかったけれども、今後貸し付けの方もふえてくる要素が恐らくあるのではないか。経営環境が非常に悪いということであるから、非常に資金繰り関係も厳しい状況下に置かれている中で、10年償還ということであるけれども、この辺が果たして、来年度以降の予算にもいずれ補正とか、さまざま関係してくるのではないかというように思っておる。そういった中で、ごみの量も減り、民間業者もふえているということであるけれども、下手をすると足を引っ張る大きい原因になってくるかと思うので、せめて県関係の施設関係で、私これは前回も質問したけれども、医療局等とも検討を前向きにお願いすることを要望して質問を終わる。

〇伊藤(勢)委員 当該委員であるので自重しておった。どなたかがお触れになるかと思っておったものだから。お許しをいただいて1点だけ、通告もしてないがお伺いしたいと思う。
 環境公害課長にお伺いしたいと思う。
 融雪剤についてであるが、今まで道路に積もった雪等を融雪あるいは解かすという意味から塩カルがずっと使われてきておる。スパイクタイヤが使えなくなってからこの塩カルの使用量が相当ふえているものと思っておる。ただ、これはNaCl、言ってみれば塩であるから、どんどん大量に使うことによって土壤に塩分が残る。あるいは川にそれがまじって、海に行けば当然しょっぱいのであるが、そこまでの間の部分がいろいろこれから公害的な部分を発生してくる、そういう部分があるようであるが、実は、台湾産と聞いておるけれども、大理石を粉にした状態の新しい形の融雪剤が出ておるのだそうで、既に県内の何カ所かの土木事務所あるいは市町村等でもここ一、二年ぐらい前からそれを使用していると聞いておる。値段については若干高いという話もあるようであるが、ただ、値段が仮に高くても効率が倍以上ある。つまり蓄熱性が高いということで有効性が高い、こういうことであれば、公害を事前に防止をするという観点から、これは散布をするのは土木の方だとは思うが、品質を管理するという意味からは環境保健部の方からそれなりの情報を集めて情報提供をされて、全県的に統一をしてそういうものに取り組む、そういう観点があってもいいのではないかと思ったので、情報収集等をされておるかどうか。あるいはされておったら、やはり機会を得て土木事務所等と相談をしてそういうものに全県的に切りかえるべきではないか、こう思うので、ひとつお伺いしたいと思う。

〇名須川環境公害課長 融雪剤、台湾産の大理石粉末というか、環境に優しいというもののようであるが、私、申しわけないが、今初めてお聞きした。今、委員言われるように、これまで塩化ナトリウムとか塩化カルシウムが使われておるわけである。うちの方では、毎年測定地点は変わるけれども、いろいろそれの影響について水質調査等をやってきておる。その結果から見ると、特に水道とか水質基準値があるが、そういったものへの影響とか、それからヤマメが避けるというか、量的に十分下回っているというようなデータが出ておる。ただ、委員お話しのように、年々融雪剤は増加してきておるので、その点について、大理石の新しいというか、その辺はもう少し勉強させていただいて、もし必要であれば関係部局、そっちの方といろいろお話ししながら対応してまいりたいと思う。

〇斉藤委員 6項目あるから、2回に分けてお聞きする。
 一つは、国立病院の問題である。
 国立病院の充実強化については、議会としても、また、行政当局も何度か意見書採択や要望をしてきた経緯がある。国立南花巻病院、ここで3月9日から長時間2人夜勤2交代制、これが99%の看護婦の反対を押し切って強行された。さらに、一関の岩手病院であるけれども、病院長は、5月から2病棟について長時間2交代の夜勤を導入することを明らかにした。ここでは100%の看護婦さんが反対をしている。私は、県民の生命と安全、看護婦さんの生命と健康、こういうことから見て、極めて重大な問題だと考える。職員、看護婦さん等との話し合い、合意、納得を得てこういう措置は進められるべきと思うけれども、県の考え方をお聞きする。
 第2点、医療制度の改悪に伴う老人にかかわる改正の内容と負担増の影響について示していただきたい。
 3点目、保健所の統廃合について。私は本会議でも聞いたが、盛岡保健所は岩手保健所と統合して盛岡地方振興局の保健福祉部となる。ところが、聞いてみると、人員は8名減。こういう人員減で、どうして岩手郡の広大な地域を含めて住民に不便をかけない、こういう体制がつくられるのか。盛岡保健所の体制、活動について具体的に示していただきたい。
 4月から妊産婦、新生児に対する訪問指導、妊産婦、乳児、3歳児健診、一般的な栄養指導が県から市町村に移管されるけれども、市町村の受け入れ体制はどうであろうか。保健センターの設置状況や保健婦さんの増員の体制などは整っているのかどうか、まず3点お聞きする。

〇緒方環境保健部長 まず、看護婦の2交代制勤務の問題であるが、国においては、この2交代制について平成7年度に試行を実施して、これらを踏まえていろいろ検討した上で導入しているものとお聞きしておる。この2交代制については、夜勤回数が減少する反面、1回の勤務時間の長時間化が起こるなど、いろいろな要素があって、それに伴ってさまざまな意見があるものと聞いておる。いずれにせよ、国立病院としてみずからの判断に基づいて実施していることであるが、県としては、岩手県民が患者であるので、労使協調して患者へのケアが適正、円滑に行われるよう願っておる。
 その他の質問については健康推進課長及び医務課長からお答え申し上げる。

〇長山健康推進課長 医療保険制度の改正で、老人医療の内容と、それから、その影響ということである。
 まず、どういうふうに変わるかということを、今、国の方で審議されている内容について、把握している分についてお話し申し上げる。
 まず、外来の場合であると、現在、通院が1カ月1、020円、これが1回500円という形になって、負担が4回までという形になって、最大2、000円という形になるということである。それから、薬剤について、1種15円の負担をするということになる。それから、入院した場合については、今まで1日入院すると710円であったものが1日1、000円となるということである。
 それらの影響については、一人一人の状況がそれぞれ違うので、平均的な形で国の方で試算しておるので、それらの内容について御説明申し上げると、厚生省の試算では、老人の平均的な通院の場合--2・3回ぐらいと見ているようであるけれども--、自己負担額が1、150円ということで、影響額は1カ月1人130円と聞いておる。また、薬剤については、ちょっと複雑なあれがあるけれども、試算では月1、280円の増と聞いておる。それから、入院については、自己負担が1カ月--30日入院すると2万1、300円が月3万円となるということで、その差額が8、700円ということで聞いておる。
 なお、低所得者、老齢福祉年金の受給権を有する市町村民税等非課税の方であるけれども、これは1日1、000円ではなくて500円というふうに、切り下げというか、配慮されていると聞いておって、これでいくと差額が6、000円ぐらいということで見ておる。
 それからもう一つ、今度法が変わって、先ほどおっしゃられたような母子保健の関係の業務は市町村の方で行うということになるが、県では、これまで事務の移管ということで、平成6年度から関係職員に説明会など、あるいはヒアリングをしながらいろいろ指導してきたし、それから、2回にわたって市町村のトップセミナーということで、市町村長あるいは助役に集まっていただいてそれらの背景を理解していただき、人材確保等について要請を行ってきたということである。
 平成6年度に保健婦が349人いたわけであるけれども、9年度の見込みでは373人と、24人ほど増加してきておる。それから、栄養士も70人であったものが9年度見込みでは82人ということで、12人ほど増加ということで、マンパワーの確保など、市町村の受け入れということはおおむね進んできたのではないかと思う。もともとこれらのマンパワーの配置状況では、全国でも配置率が全国3位ぐらいということで非常に高い水準ではあったが、それが一層促進されるのではないかと考えておる。ただ、一部市町村ではさらにマンパワーの充実が必要な部分があるので、特に今後、小規模の町村の保健活動支援事業というのがあって、人口1万人未満で保健婦が2人というところについては県の方で応分の援助活動という形で、さらに効率的、効果的な事業が行われるように努めてまいりたいと思っておる。
 また、健診などの主たる拠点というか、会場は市町村保健センターが主になるけれども、これも順次整備が進んで、現在37の市町村で39カ所設置されているということである。このほか、20の市町村では、福祉センターであるとか生活改善センターであるとか類似の施設があるので、こういうところが活動の拠点になるということで、一応確保されているというふうに聞いておる。

〇千葉医務課長 盛岡保健所における人員の配置等についてである。
 御案内のとおり、法の改正によって、また、今回の保健所の再編整備等、さらに母子保健関係の仕事が移る、そういうようなことを総合的に勘案して、業務量に応じて適切に配置してきた、これが基本的な考えである。現在、検討中ではあるけれども、盛岡保健所において、企画保健部門及び衛生部門の人員については同程度であろうかと。ただ、総務部門については、振興局と統合することもあって、管理部門について若干の減員が見込まれるという状況かと考えておる。
 また、今回の保健所の統廃合による区域の拡大に伴って、機動力の確保だとか、あるいは管内の市町村に出向いていってきめ細かに相談を受ける、あるいは定期的、随時やるというようなことで、サービスを落とさないように努めていきたい、このように思っておる。
 さらに、盛岡保健所は今回統合されるわけであるけれども、サービスの低下を来さないためにも、一定期間数名の駐在職員を配置して配意したいと、このように考えておる。

〇斉藤委員 国立病院の問題で、予想以上に前向きの答弁だったのであれであるが、実は私、南花巻病院に直接要望もし、看護婦さんを激励もしてきた経過があるが、既に3月9日から実施されているので、どういう実態になっているかということで聞いてみたら、16時間拘束で15時間勤務である。仮眠なし2人夜勤。それで、もう朝方になると意識もうろうとしてきて、本当に書くのも大変だと。そもそも2交代というのは、自動車産業が発展する中で、機械を遊ばせないために導入されたのである。例えば自動車産業なんかの場合には、ミスをやったって車がつぶれるだけでいいのだけれども、医療でミスが起こったらそうはならない。これは大変なことである。本来、医療の中でこういうものは導入されるべきものでは私は絶対ないと思う。そういう点で、実は試行段階からさまざまな問題が指摘をされて、そして、看護婦さんが99%、100%やっぱり導入すべきでないと言っているときに、病院長、施設長の独断専行でやられるとすれば、これは地域医療にとっても県民の安全にとっても大変大事なので、ひとつしかるべき対応をやっていただきたい。
 それと、保健所の関係で、市町村への移管の問題だけれども、若干保健婦さんが増員されたり体制も整備されつつあるけれども、59市町村かなりこれは違いがある。アンバランスが私はあると思う。だから、これは大変なことなので、きめ細かな対策を私は県に要望をしておく。
 残された3項目をまとめてお聞きする。
 第三次岩手県保健医療計画の一部見直し答申について。
 一つは、乳幼児の歯の健康についてであるが、幼児の齲歯の状況というのは、1歳6カ月児で8・1%、全国平均が6%、3歳児で58・2%、これも全国平均48・3%となっていて、全国より齲歯の比率が高い。これは答申もこう言っておる。岩手県はなぜ高いのか、その要因。私は歯医者さんに聞いたら、ヨーロッパではいわゆる虫歯はないというのである。基本的にないというのであるけれども、何が違うのであろうか。特にその中でも岩手県が全国でもおくれている。3歳児、また、就学前の対策が必要だと思うが、どうなっているのであろうか。
 救急医療体制について。答申では、二戸、両磐、宮古地域については中長期的な見地から既存の救急医療体制を逐次充実する方向で3次救急医療体制の整備を図るとしているが、これはどういう内容であろうか。実は、磐井病院、福岡病院も改築の計画がある予定のあるところなのである。だから、もし3次救急をやるとすれば、この改築とセットでやるのが一番合理的なのである。今、久慈病院の整備はセットでやられている。大船渡は改築してから、その後救命救急センターの工事が入って2度工事になってしまった。私は、この保健医療計画でこういう記述があるので、中身次第ではセットでやるべきだと思うが、いかがであろうか。
 5番目、県内のごみ焼却場におけるダイオキシン濃度の測定はどうなっているのであろうか。許容1日摂取量を超える焼却場はどれだけなのであろうか。そして、今後の対策はどうなっているのか。
 最後である。自然環境保全基礎調査の来年度の内容、県版レッドデータブック作成の目的、内容について、さらには、野生生物保護対策事業の8年度の内容、成果はどうなっているか。
 山岳トイレの改善が予算に盛られて関係者から大変好評をいただいているけれども、具体的にどう進められるのであろうか。

〇長山健康推進課長 本県の乳幼児の歯の健康についてである。
 委員御指摘のとおり、乳幼児の齲歯率というのは大変高いという認識で、そういう現実を踏まえて、計画で特に重点的に取り組んでいこうということである。本県がなぜ齲歯率が高いのかということについては、過去に調査した中では、砂糖の食べ物などを摂取する量が多いのではないかとか、あるいは親の意識、しつけの問題ではないだろうかとか、歯磨きの習慣のつけ方がなかなかうまくいってないのではないかとか、そういう要因が考えられておるけれども、他県と比べてどうだということが数字的な形で出てないものであるから、これだという要因というか、特定はちょっと難しいかと思っておる。
 また、ヨーロッパの方の状況については私も詳しくはわかっていないわけであるけれども、私の持っている資料では、12歳の状況を見ると、やはりヨーロッパでも二、三本ぐらいは齲歯があるというデータがあるので、基本的にないという根拠はちょっと私もわかりかねる。例えば、乳幼児期に甘味料などを与えるときにやはりきちんと親がしているとか、あるいはブラッシングなり弗素の使用なり、そういったことが要因として考えられるのでないかと聞いておる。
 それから、本県の齲歯率の改善を図るということでは、従来乳児の歯科健診というものを行っているわけであるけれども、平成5年度から県の歯科医師会の協力をいただいて母子健康手帳というのを交付しているわけであるけれども、その際にこういうパンフレットをいろいろ配って、具体的に下の歯が2本生えたらどういうふうに手入れするんだとか、具体的なカードなんかを配って、予防について親の方の教育なり何なりを徹底していただくということにしておる。それから、モデル地区を選定して、幼稚園とか保育園とか、そういったところを歯科医師が巡回して、児童、保護者あるいは保母などにも勉強していただいて、そういった部分をかなり徹底してきたということである。ここ5年間では、3歳児健診の結果で齲歯率が平成2年度は68・0あったけれども、平成7年度では58・2と、10ポイントほど改善されてきているということで、全国との差が少しずつ縮まってきておるので、今後もこれを継続して、歯科医師会の協力を得ながら、何とか齲歯率の改善ということに取り組んでまいりたいと思っておる。

〇千葉医務課長 3次救急医療体制の整備であるが、御案内のとおり、保健医療計画の答申に先立って、本県の救急医療体制がどうあるべきかということを検討するために、その道のオーソリティーに集まっていただいていろいろ検討を行った。その最終報告を御紹介申し上げると、岩手医大に県がつくっておる高次救急センターから地理的、時間的に最も遠い地域にあり、かつ救急医療資源の乏しい久慈、大船渡地域に国の承認する救命救急センターを設置することが望ましい。また、比較的遠い二戸、両磐及び宮古地域については、中長期的見地から、既存の救急医療体制を逐次充実する方向が望ましいという提言がなされたところである。今回の保健医療計画もこの提言を尊重して、この見直しに当たって、大船渡病院と久慈病院については救命救急センターとして整備しておる。それから、二戸、両磐、宮古については、既存の県立病院に逐次救急医療体制の機能を強化していく、こういうこととして記載してあるものである。

〇中村廃棄物対策室長 ダイオキシン類の濃度の測定状況あるいは今後の対策ということであるが、県内のごみ焼却施設は26の施設がある。平成8年7月に厚生省からダイオキシン類の排出状況を調査分析するようにという通知があって、直ちに市町村指導を行ったわけであるが、その際に、統合や更新整備計画のものは外していいということで、その施設が3つあって、したがって、23施設について測定が行われ、検体採取分析をやっているわけであるが、検体採取分析が終わったのが20施設である。まだ3つの施設が終わってないということになっておる。そういう状況下にあって、10月にダイオキシン類の削減検討会の中間報告に基づいて緊急対策を実施するようにという通知があって、これによると、ダイオキシン類の排出濃度が立米当たり80ナノグラム、それを超える施設については燃焼管理の適正化あるいは間欠運転から連続運転に変える、それから施設を改善する、そういうことによって排出濃度をクリアしろという通知があったので、そういうことからすれば、この緊急対策の判断基準、いわゆる80ナノグラムを超えるものが5つある。これらの施設については、先ほど申し上げた中間報告に基づき、緊急対策の内容に沿った燃焼管理の適正化、あるいは場合によっては施設の部分的な改造、そういうことを検討して、早期にダイオキシン類の転化を図るということで個別指導も行って、現在やっておるところである。全体の施設をすべて分析して対策検討が終わるのは3月末の予定で進めておる。今までもかなりシビアな形で対応してきておるが、実は全国的にそういう問題があって、このダイオキシンを測定する機関は全国で二十数カ所しかない。それに千八百何カ所かの施設から集中していたので、それが一つ時間がかかっていることと、プラントメーカーも全国引っ張りだこでなかなか大変だということで時間がかかっておる状況である。いずれにしろ今後ともきちんと対応してまいりたいと思っておる。

〇保坂自然保護課長 4点の質問があるので、御答弁する。
 自然環境保全基礎調査をまず御答弁する。
 この調査は、自然環境保全法に基づいて国がやる調査なのであるが、昭和48年度から県が国から委託を受けて実施をしておるもので、平成9年度においては、県内の動植物の分布情報を収集する種の多様性調査、そしてもう一つ、県内の貴重な植物群落の分布を調査する特定植物群落調査、これを実施する予定としておる。この調査結果等については、現在策定を進めておる自然環境保全指針の基礎データとしても使いたいと思っておる。
 次に、レッドデータブックについてであるけれども、国では、平成元年に日本の絶滅のおそれのある野生生物、いわゆるレッドデータブックであるが、これについて公表しておる。県版のレッドデータブックというのは、本県に生育、生息する絶滅のおそれのあるなど、貴重な野生動植物に対して保護対策を確立する資料を得たいと思っておる。そういうことで、平成9年度から私どもとしては調査を開始し、最終的には具体的な保護対策を実施する。あるいは貴重な動植物の捕獲や採取を規制する種の保存に関する条例、こういうものを制定したいと、それを検討してまいりたいと、そういうように考えておる。
 それから、3点目、野生生物保護対策事業であるが、平成8年度から3カ年の計画で、現在最も絶滅が心配されておるイヌワシ、これは全国で300羽しか生息しておらない。本県では60羽、約20%が生息しておる。このイヌワシの保護対策について検討委員会を設置して、繁殖の状況、行動圏、そういういろいろな調査をし、私どもとしては保護対策、これは保護管理マニュアルであるとか、鳥獣保護区の設定等になるわけであるが、そういう保護対策を講じようと思っておる。平成8年度については、繁殖状況を調査したところ、県内30カ所、これはペア、つがいでおるから30カ所になるが、この生息地のうち、9カ所で繁殖が確認されたという報告を受けておる。
 最後である。山岳トイレであるけれども、平成9年度においては、県内で特に利用者が多い岩手山と早池峰山、この山岳トイレについて、現地に適応したし尿の処理方法、環境に優しい衛生的なし尿処理方法、これを検討したいと思っておる。その上で、なるべく早い時期に岩手山と早池峰山のトイレについて改善を進めたいと考えておるし、岩手山については避難小屋も非常に古くなってきておるから、この避難小屋の改築とあわせて9年度に改築の設計を予定しておる。

〇斉藤委員 ダイオキシンの5施設については本当に万全の対策をとられるように、これは日一日危険が増しているわけだから、ぜひやっていただきたい。
 同時に、救急医療体制、3次救急、今の答弁だと既存の県立病院の充実で対応するんだと。3次救急の場合、例えば久慈、大船渡は、これは環境保健部が責任を持って人員を配置し、財政措置もとるわけである。しかし、ここで出されている二戸、両磐、宮古の場合は、これはどういうことになるのか。県立病院に任せてやっていただくということになるのか、それとも一定の県の責任を明確にした充実整備が図られるのか。そして、中長期というのは大体どのぐらいなのか。5年なのか10年なのか、それ以上なのか、ちょっとそこの点を最後にお聞きしたい。

〇千葉医務課長 久慈の救急センターについても、当初は医療局等とともに検討して、それで一般行政の方で予算措置をしようということで検討してまいったが、いろいろの利点があって、一体的に医療局の中で運営した方がいいということになって、現在では医療局の運営の中でやる形式にはなっておる。それらの運営については、この救急医療のみならず万般にわたってであるが、絶えず医療局とは連絡をとってやっておるので、また、救急医療は一般的に経営上マイナス面がある、そういうことが言われておるが、それらについては国庫補助等を導入して、一般県費もつぎ込んで医療局に補てんしているのが実態である。
 それから、それとの関連で、それならその他の県立病院等はどうなるのかということであるが、基本的には同様の格好で進める。運営についても先ほどと同様であるし、また、赤が出た場合には一般会計で出しているのが実態である。
 話は、とりあえず久慈、大船渡が完結した時点で逐次考えていきたい。委員がおっしゃっているように、改築の時期に合わせてやるのが合理的だという認識は医療局等もあるので、それらは検討されるものと考えておる。

〇久保田副委員長 ほかに質疑ないか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇久保田副委員長 質疑がないようなので、これで環境保健部関係の質疑を終わる。
 以上で本日の日程は全部終了した。
 本日はこれをもって散会する。
   午後4時36分 散 会


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