平成9年2月定例会 第9回岩手県議会定例会会議録

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〇1番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 議案第87号1996年度岩手県一般会計補正予算(第5号)について反対の討論を行います。
 反対の第1の理由は、岩手県競馬組合収益分配金が5億5、000万円も大幅に減額されていることであります。そもそも公営競馬の存在意義は、第1に、畜産の振興に寄与すること、第2に、その収益によって地方公共団体の財政に貢献し、結果として公益に寄与すること、第3に、国民に健全な娯楽を提供することにあります。競馬法第23条の3、収益の使途では、畜産の振興、社会福祉の増進、医療の普及、教育文化の発展、スポーツの振興及び災害の復旧のための施策を行うのに必要な財源に充てるよう努めるものとするとあります。昨年度の4億1、250万円の削減とあわせ、今回の5億5、000万円の削減は2年間で約10億円に及ぶものであり、県財政に与える影響は極めて大きなものがあります。昨年に続く今回の分配金の削減は、まさに公営競馬の存在意義が問われる問題であります。
 分配金削減の直接的原因は、発売金額が前年比96・1%、約23億円の減収となったことであります。同時に重大なことは、当初計画の1・7倍、410億円に膨れ上がったずさんな新競馬場建設問題であります。競馬組合は1988年、水沢市議会が新競馬場建設の凍結を求めたのに対し、収益配分金を減らさないことを約束として建設を進めたのであります。競馬組合の責任が厳しく問われる問題です。
 また、若干改善されたとはいえ、競馬組合役職員の通常から見て高過ぎる報酬、退職金の問題も検討されるべき課題であります。
 競馬組合の運営改善にとっては、異常に少ない競馬議会議員のチェック体制の強化が必要と考えます。
 さらに、深刻な財政難の中で、十和田市や田舎館村などへのテレトラックの開設は見直すべきと考えるものであります。
 いずれにしても、競馬組合は知事が管理者であり、副知事は運営協議会の会長、農政部長は審議会の会長に名前を連ねています。県の指導責任、役割は極めて重大であり、適切な指導を強化することを強く求めるものであります。
 反対する第2の理由は、院内保育事業への運営費補助を年度末になって1、680万3、000円も削減補正したことであります。この原因は、厚生省が年度内途中で昨年10月に突如として院内保育所への補助要綱を一方的に変更したことにあります。しかし、院内保育所は年度当初にそれぞれ予算を立て、設置者である病院の補助はもとより、父母、看護婦、保母の負担によって運営しているのであります。厚生省は、岡光前事務次官の厚生省汚職に見られるように、福祉事業までみずからの利権とする一方で、院内保育所や看護婦さんにわずかばかりの補助金まで削減するこうしたやり方は全く許されないものであります。県は、今回、県単で削減分の4分の1に当たる426万円の助成を行うことにいたしました。しかし、1、704万円の削減額から見れば極めて不十分なものと言わなければなりません。また、今回の措置が今回限りというのも問題であります。全国的には13県が県独自に助成しており、岩手県の対応はその点でも極めて不十分と言わなければなりません。今回の補助金カットが看護婦さんや父母にしわ寄せ、犠牲転嫁されないよう、県の適切な指導と対策を求めるものであります。
 議案第102号から106号までは県単独事業に当たって市町村に負担の一部を求めるものであり、反対するものであります。
 以上、反対の討論といたします。
〇議長(堀口治五右衛門君) 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより議案第87号及び議案第102号から議案第106号までを一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(堀口治五右衛門君) 起立多数であります。よって、議案第87号及び議案第102号から議案第106号までは、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第88号から議案第101号まで及び議案第107号から議案第114号までを一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(堀口治五右衛門君) 起立全員であります。よって、議案第88号から議案第101号まで及び議案第107号から議案第114号までは、委員長の報告のとおり決定いたしました。
   
〇議長(堀口治五右衛門君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後1時50分 散 会

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