平成9年2月定例会 第9回岩手県議会定例会会議録

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〇1番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 私は、県民が切実に求めている課題、県政の重要課題について、増田知事並びに関係部長、教育長に質問いたします。
 橋本自民党内閣は、4月から予定の消費税の増税で5兆円、特別減税の廃止で2兆円、医療保険の改悪で2兆円、国民に新たに9兆円もの増税負担を押しつけようとしています。戦後の歴代政府の中で、これまで増税、負担増の最高記録は、1981年、鈴木善幸内閣時代の1兆6、500億円でありますから、橋本内閣の9兆円の負担増は文字どおり史上未曾有のものであります。しかも、6年目を迎えた90年代不況の深刻化の中での増税、負担増は、国民の命と暮らしを根底から脅かすとともに、日本経済のかじ取りをも誤るものであります。増田知事は昨年の総選挙において、消費税増税反対を最大の公約とした新進党の候補者を公然と応援しました。新進党候補を応援した知事として、消費税の5%増税をどうとらえているのでしょうか。9兆円の史上未曾有の増税、負担増の県民への影響、地域経済への影響についてどう認識されているか、明確な答弁を求めるものであります。あわせて、消費税増税、特別減税の廃止、医療保険制度の改悪が県財政、県立病院、企業局等に与える具体的な影響を示されたい。
 ゼネコン奉仕、浪費型の公共事業をふやし続け、軍事費の拡大、大企業優遇税制をそのままに、国際的に2割から3割も高い薬代、薬価にメスを入れずに、国民には9兆円もの増税、負担増を押しつけることは絶対に許されないものであります。また、国会論争を見ても、増税、負担増の根拠は完全に破綻しているのであります。私は、増田知事に対し、県民の命と暮らし、地域経済を守る立場から、消費税増税反対、9兆円の負担増に反対の立場を明らかにするよう強く求めるものであります。
 次に、県の財政危機と公共事業の総点検についてお聞きいたします。
 国の240兆円を超える財政破綻と軌を一にして、地方財政も危機的な状況を迎えています。来年度県予算は、国の地方財政計画の2・1%を大きく上回る8、764億円、8・6%増の大型予算となっています。その特徴は、従来型のゼネコン、県内大手企業優先の公共事業のばらまきであります。特に、県民の借金で公共事業を進める地方単独事業が、前年比で31・7%増となっていることは重大であります。その結果、県民への借金は、ついに1年間の予算を超える9、115億円余という規模となります。これは県民1人当たり約64万円、4人家族なら256万円もの借金を県民に押しつけるというものであります。県債は、この7年間で4、262億円から9、115億円に、2・1倍に増加しました。一方、公共事業は普通建設事業で1・74倍、地方単独事業は2・71倍となっています。県民の借金でこの7年間で3倍近くも公共事業費を拡大させてきたことが、借金財政の最大の原因ではないでしょうか。県の財政の危機的状況とその原因について、どうとらえているかお聞きいたします。
 私は、今こそ従来型の公共事業のあり方を根本から見直し、真に県民が切実に求めている緊急、重要な課題、生活、福祉、防災などの事業に公共投資の流れを改めるべきと思いますが、いかがでしょうか。
 具体的に伺います。大きな社会問題となっている奥産道工事のあり方について。
 奥産道雫石東八幡平線について、知事は、知事演述で自然との共生を訴え、本会議での答弁では、自然との共生ができるかどうかが重要な問題と述べました。原生林伐採事件が発生した場所は、そもそも現在の景観を極力保護することが必要な十和田八幡平国立公園第1種特別地域であります。そして既に工事が進められている松川工区は、地すべり地帯、温泉変質地帯であり、水分を含むと急膨張するモンモリロンナイトが広範に存在する地帯であります。既に工事中の区間で地すべりの崩壊が数箇所も生じています。岩手日報社の世論調査では、50・4%の県民が奥産道の工事はやめるべきと答えています。知事として、奥産道の現状、県民の世論をどう認識されているか示していただきたい。
 沢内村の奥産道安ケ沢線も、環境庁が特定植物群落Aランクに選定をした貴重なブナ原生林地帯を横断する山岳道路であります。1970年から既に27年間続いている工事でありますが、地元の多くの住民さえ知らず、その工事の必要性も認識されていなかったというのが状況であります。今日、既に近くには高速道路が整備され、国道107号も整備されている状況で、ブナ原生林地帯を破壊し横断する山岳道路がどうして必要でしょうか。自然との共生、自然環境の保全という点でも、公共事業の浪費の総点検という点でも、今後の奥産道工事は見直すべきと考えますが、いかがでしょうか。また、県は、来年度二つの奥産道について環境調査、地すべり調査などを行うとしていますが、具体的にどういう体制でどういう調査を行う予定か。安ケ沢線の場合、工事の内容と環境調査との関連についても示していただきたい。
 公共事業の総点検すべき課題の二つ目に、港湾整備計画についてお聞きいたします。
 大船渡港湾整備計画は、さきに漁協、漁民との漁業権の損失にかかわる補償について決められましたが、それでもなお整備計画の見通し、根拠が問われるものであります。総事業費は、96年度ベースで420億円となっていますが、県の負担分は幾らになるでしょうか。整備計画では、2000年までに取扱貨物量730万トンとしていますが、この目標は94年度実績573万トンから見ると、わずか1・27倍程度のものであります。この程度の目標計画で、420億円もの投資が本当に必要かどうか。来年度予算では工業用地の造成も行われますが、地元企業の工業用地への参入の可能性はどうでしょうか。港湾整備計画は、国の段階でもゼネコン浪費型公共事業の典型として問われているものであります。実際、国際的な大型港湾として整備をされた福井港では484億円が投入されましたが、肝心の外航船は月二、三隻しか来ず、100億円の釣り堀と言われる状況であります。大船渡港湾整備計画が、福井港の二の舞とならない具体的根拠を示していただきたい。
 公共事業の総点検すべき第3は、ダム建設の問題であります。
 現在建設中の県営ダムは、調査段階を含めて11にもなります。その総事業費の合計は2、662億円となっています。当初の計画で実際完成まで考えると、4、000億円程度になるものと予想されます。本当にこれだけのダムが必要なのか、地方財政危機のもとでこのまま推進することが妥当と考えるかどうか。自然環境保全、財源とのかかわりを含め明らかにしていただきたい。
 具体的に、簗川ダムについてお聞きします。
 総事業費340億円の計画ですが、その根拠を見ると、計画給水人口では盛岡市は38万5、640人となっています。現在28万人余で、これは過大な計画と思われるが、いかがでしょうか。北本内ダムは、総事業費420億円の巨大なものでありますが、イヌワシやクマタカなどが確認されていると聞きます。環境影響調査ではどうなっているでしょうか。今後対応すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 いずれにしても、従来型のこうした公共事業、ゼネコン奉仕型の公共事業は総点検して見直すべきであります。
 次に、大型店問題についてお聞きいたします。
 地域経済とまちづくりにとって、大型店問題は極めて重大であります。私は、昨年の予算特別委員会で大型店問題を取り上げ、大型店の売り場面積が6割、7割を占める市町村の具体的影響について県に調査を求めましたが、その結果はどうなっているでしょうか。具体的に示していただきたい。県内の大型店の占める売り場面積は、ことし2月1日現在46%となっています。70%以上が北上市、60%以上が紫波町、矢巾町、前沢町、50%以上が盛岡市を含め7市町となっています。50%以上は11市町村に及んでいます。私は、先日、水沢商工会議所、盛岡の大通商店街振興組合の役員の方々と懇談してきましたが、水沢市の場合、前沢町に出店したジャスコの進出によって、既に1割以上の売り上げが減少しているという話でありました。話によっては2割以上とも言われています。前沢町で生き残れるのは米屋さんだけではないか、こういう話もありました。私は実際、前沢町のジャスコを見てきました。駅東側、バイパスに直結した一等地で、広大な駐車場を有し、夜9時までの営業であります。その商圏は宮城県南部から県沿岸部、県中部までというものであります。今や、1つの大型店の出店が1つの市町村の商店街の存亡のみならず、広域市町村の商店街、まちづくりに重大な影響を与えていることを痛感してまいりました。さらに水沢市では、商店街に進出しているジャスコが郊外に土地を造成しているということも聞いてまいりました。これでは、地元商店街はどうなっても大型店だけもうければよい、こういうことにならないでしょうか。県は、前沢ジャスコ進出の影響、水沢ジャスコの動向をどう掌握しているのでしょうか。今後の対応をどう考えているかお聞きいたします。
 最近の新聞報道によると、盛岡市近郊への巨大ショッピングモール進出の計画が、滝沢、盛岡、盛岡南インターの近くに3カ所もあると指摘をしています。私も調査をしましたが、その計画の概要は、盛岡市内の川徳デパートの2倍から3倍以上の大規模なものであります。大店法の規制緩和が進む中で、こうした大型店の出店が強行されるなら、現在歯を食いしばって頑張っている地元商店街が壊滅的な打撃を受けることは明らかであります。また、城下町のたたずまいを残すまちづくりにとっても、絶対に見逃すことのできないものであります。知事は、こうした動向、状況をどう把握し認識されているのでしょうか。大型店の出店は今や地元商店街との共存共栄どころか、大型店同士の競争、地元商店街はあとはどうなっても構わないという状況となっているのではないでしょうか。
 知事は、昨年ヨーロッパの福祉事情の視察に行ってきましたが、まちづくりも観察されたと思います。フランスでは、大型店の出店規制を300平米以上から一層厳しくしているのが状況です。大店法の規制緩和に反対し、大型店の出店については都道府県知事の許可にするよう政府に強く求めるべきと思いますが、いかがでしょうか。緩和された大店法のもとでも、知事の意見を述べることができるとありますが、これまでの大型店出店に際し、知事はどのように意見を述べておられるかお聞きいたします。
 地元商店街、また、住民ぐるみでこのような大型店の出店に対し、知事を先頭にあらゆる手だてと対策をとることが必要と考えますが、いかがでしょうか。
 次に、地方自治法50年と福祉の充実について質問いたします。
 増田知事は知事演述の中で、ことしは地方自治法が施行されて50周年に当たり、地方自治を考える上で極めて意義深い年、地方のことは地方で考えていくことが基本であると述べました。今問われていることは、地方自治の本来のあり方とは何かということであります。地方自治法第2条には、地方自治体の目的として、滞在者及び住民の安全、健康、福祉を保持するとあります。92条には、地方自治体の組織、運営は、地方自治の本旨に基づいて決めるとあります。今、地方自治体、県政に求められていることは、地方自治法にも明記されている地方自治の本旨、目的に立ち返って、9兆円もの増税、負担増という自民党政府の悪政から、県民の生命、安全、福祉を守る防波堤の役割を県政が果たすことではないでしょうか。
 増田知事、あなたは県知事選挙の選挙広報で、福祉立県を目指して少子・高齢化対策の充実による豊かな長寿、思いやりのある福祉社会づくりを県民に公約されました。知事の公約実現を求める立場で具体的にお聞きします。
 第1に、入院給食費への助成は、既に31都府県で実施されていますが、増田知事も選挙戦前には前向きの姿勢を見せていましたが、なぜ岩手県政で実現しないのでしょうか。さらに、なぜ独自に実行している盛岡市や実行を検討している市町村に圧力さえかけているのでしょうか。
 第2に、乳幼児の医療費助成について、増田知事は保険医協会との懇談で、東北の模範になりたいと、対象年齢引き上げに前向きの姿勢を示しました。全国的には、3歳児以上を対象としているのが北海道、青森、宮城など11道府県、2歳児以上対象が24都県、あわせて35都道府県であります。岩手県の乳幼児医療費助成は、対象年齢でも、所得制限でも、償還払いという点でも、全国的に最もおくれていると言わなければなりません。知事の公約実現の立場で、対象年齢を少なくとも3歳児以上に、歯科の場合の未就学児までに引き上げるべきと思いますが、いかがでしょうか。
 第3に、国保税の問題は住民にとって最も重税感の大きいものです。現状は、高過ぎる国保税を取り過ぎて、基金をため込み過ぎているのではないでしょうか。95年度で見ると、基金が106億円、黒字が48億円、計154億円にも及んでいます。これは、加入世帯1世帯当たりで約7万円にもなるものです。国保税の取り過ぎ、ため込み過ぎは、住民に還元し引き下げるべきと思いますが、いかがでしょうか。基金はこの10年間で実に4・9倍、繰越金は4・8倍、黒字は2倍に膨れ上がっています。一方で、高過ぎて払えない住民には保険証の取り上げ、未交付が236件、資格証明書の発行が51件、短期保険証の発行が1、260件にも及んでいます。これでは、金の切れ目が命の切れ目になりかねない冷たいやり方ではないでしょうか。国保税の引き下げとあわせ、保険証の取り上げは直ちに是正すべきと思いますが、いかがでしょうか。
 次に、社会福祉法人のあり方について質問いたします。
 ある社会福祉法人が、この一、二年の間に、国、県、市町村の補助金を受け、四つの福祉・保健施設と一つの福祉専門学校を建設しています。これは常識的に極めて異例のものであります。ベテランの福祉施設の施設長さんは、一つの特養ホームを運営するだけで大変なのに、一度に五つの施設を建設、運営することはとても考えられない、こう言っております。
 具体的にお聞きします。
 一つ、県生活福祉部、環境保健部として、一度に五つの施設と専門学校への補助、建設に問題を感じなかったのか。
 二つ、施設建設の際、きちんと入札がされていたのでしょうか。入札の結果と、福祉法人と受注企業の関係を明らかにしていただきたい。
 三つ、五つの施設と福祉専門学校のそれぞれの国、県、市町村の補助金と総額、法人の自己負担額はどうなっているでしょうか。
 四つ、施設建設に関連して、県が誘導したということはなかったでしょうか。
 次に、農業、減反問題について質問いたします。
 今農村では、米を輸入しながら減反せよとは何事か、許せないという怒りの声が広がっています。橋本高知県知事は、行政が減反の強制を行うことは中止すると言明し、大きな反響を呼びました。東和町も98年度から減反の強制をやめ、自主的転作に転換する方針を明らかにしています。これは、国の減反政策の行き詰まりを示すものであり、その抜本的転換を求めるものであります。また、新食糧法の立場から見ても当然だと思いますが、知事の受けとめ、考え方をお聞きします。
 総理府の調査では、食糧は、外国産より高くても国内でつくる方がよいというのが83・4%にも達しています。食料自給率の向上は、緊急の国民的課題となっています。世界食糧サミットの宣言でも、食料自給率の向上、食糧の増産がうたわれており、WTO農業協定の見直しを政府に強く求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。今、農業者が最も望んでいるのは、農産物の価格の保証です。ところが、岩手県の農政は、予算の半分以上を農業土木事業が占めるという異常なものです。96年度、97年度、農業予算に占める農業土木事業の割合はどうなっているでしょうか。農産物価格保証の内容と割合はどうなっているでしょうか。
 次に、教育長に質問いたします。
 昨年、残念ながら盛岡市内の緑が丘小学校において、病原性大腸菌O-157による集団感染が発生しました。O-157が常在菌となっている今日、どこでも起こり得る問題となっています。今、まさに学校給食の実態とあり方が根本から問われています。私は、この間、緑が丘小学校を訪問するとともに、盛岡市内の栄養士さんや調理師さんと数度にわたって懇談をして、実態、要望を聞いてきました。今必要なことは、今回の集団感染を教訓にして、学校給食の抜本的改善を図る大きな転換点とすることです。県教育委員会として、今回のO-157による集団感染の問題点、教訓をどうとらえているか、これまでの改善策の状況、今後の対策について示していただきたい。
 自衛隊の軍事基地ツアーへの県立学校教職員の参加について質問します。
 これまでの県立学校教職員の参加状況はどうなっていますか。学校長の旅行命令か、どういう立場で参加しているのか明らかにされたい。
 自衛隊の沖繩地区研修、長崎地区研修の実態は、国民の税金による自衛隊丸抱えの接待旅行であり、軍事施設を見学する自衛隊のPRに、県立学校教職員を利用するものであります。高校生の就職活動のためという口実も出されていますが、求人活動のルールから言っても、自衛隊丸抱えの接待旅行を受けるというのは、求人活動、就職活動のルール違反とも言うべきものであります。県教育長として、自衛隊の軍事基地ツアーの中止を求めるとともに、今後、県立学校教職員の参加は取りやめるべきと思いますが、明確な答弁を求めます。
 次に、食糧費、カラ出張問題について質問します。
 来年度の食糧費は、前年比わずか8・6%減の2億290万円となっていますが、款別食糧費を示していただきたい。総務部が突出している理由は何か。中央官僚が、もう地方の接待は受けないとしているのに、食糧費が減らないのはなぜでしょうか。全国は大幅に減少しているときに、増田県政の姿勢は官官接待継続の姿勢とも言うべきものですが、官官接待をこれからも継続するのでしょうか。96年度末の部局別食糧費と東京事務所の官官接待の件数、額はどうなっているでしょうか。
 カラ出張の疑惑について質問いたします。
 開かれた行政を求めるいわての会が、2月17日に、釜石土木事務所の出張について、情報公開による調査から、カラ出張、カラ宿泊の疑惑について具体的に指摘し監査請求を行っています。監査委員の調査を待つまでもなく、県みずから自浄作用を発揮し、カラ出張、カラ宿泊の実態、事実を明らかにすべきと思いますが、いかがでしょうか。
 私も独自に調査をしました。釜石土木事務所の幹部職員の場合、95年3月5日から7日にかけて、二重の出張旅費が支払われているがどうでしょうか。95年3月10日から14日まで、日曜日を挾んで2度の盛岡出張となっています。96年3月には、3週続けて木、金、土にかかる出張となっていますが、土曜日、日曜日にかかる出張の理由は何か。花巻土木事務所の場合、花巻温泉、志戸平温泉への出張が2月、3月だけで95年は14人、繋・鶯宿温泉を含めると実に32人も近隣の温泉出張をしています。96年度は27人が、花巻温泉などへの温泉出張となっているが事実かどうか。その内容、温泉出張の理由について示されたい。花巻土木事務所の出張では、用務として随行というのがあるが、どういう目的か明らかにされたい。いずれにしても、カラ出張もしくは予算の消化が目的の出張が見受けられるのが実態です。県として、みずからの責任でカラ出張の実態を調査して改善すべきは改善するということが必要と考えるが、どうでしょうか。
 情報公開についてお聞きします。
 食糧費、官官接待にかかわる情報公開の状況は全国的にどうなっているでしょうか。県側、相手側、場所の公開の状況を示されたい。最近、宮城県、埼玉県、東京都の情報公開について、地裁、高裁の判決が出されていますが、どういう内容でしょうか。今や官官接待の実態について、県出席者はもとより、相手側も会場も公開するというのが全国の流れ、時代の流れと考えられますが、岩手県はこれからも参加者、会場について黒塗りの非開示を続けるのでしょうか。すべての情報を公開して、県民の監視を強めることこそガラス張りの県政、住民が主人公の県政を推進できると思いますが、いかがでしょうか。
 行政改革について質問いたします。
 本来、行政改革とは、行政のむだをなくし、効率的で民主的な行政を推進することです。その最大の課題は、公共事業のむだ遣いを総点検し、見直すことであります。同時に、その背景にある政官財の癒着を断ち切ることであります。県の課長以上の幹部職員の天下り、再就職の状況は各部局ごとにどうなっているのでしょうか、過去5年程度で示されたい。幹部職員の天下りを規制すべきと思いますが、いかがでしょうか。
 中央官僚の県への天下りも改善すべきであります。厚生省汚職を契機に、政府・自治省も中央官僚の地方幹部ポストの指定席化は問題があると改善方向を示しています。中央官僚の県への天下りの実態、指定席化の実態と改善方向を示していただきたい。特に部長職8名のうち4名が中央からの天下りが占める事態は改善すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 最後に、沖繩県民への連帯問題について増田知事にお聞きします。
 言うまでもなく、沖繩県と岩手県は大冷害の際にお世話になって以来、友好協力の関係を強化しているところです。沖繩問題は、今、日本の平和と進路にとって極めて重大な問題となっています。
 一つは、アメリカ海兵隊による劣化ウラン弾射撃事件です。これは、アメリカ本国はもとより、日本でも訓練のために劣化ウラン弾を発射しないという米軍の内規にも違反した暴挙であり、3年間も隠されていたという日本の主権と安全をじゅうりんするものでした。沖繩県議会は2月14日、定例会冒頭に劣化ウラン弾発射に対する抗議決議を全会一致で採択し、劣化ウラン弾の撤去を求めています。私は、友好県である岩手県知事として、米軍と日本政府に対して抗議の意思と沖繩県への連帯を明らかにすべきと思いますが、知事は今回の事件をどう受けとめているのでしょうか。
 二つ目は、米軍用地強制使用問題です。5月14日には嘉手納施設など12施設、地主3、084人の土地が不法占拠の状態となります。これらの土地は、国際法に違反して住民の土地を強奪し、銃剣とブルドーザーによって占拠、使用されてきたものであります。違法、不法な米軍の土地使用、占拠に反対するよう求めますが、どうでしょうか。
 沖繩県民の最大の願いは、県民投票に示されているように、米軍の整理、縮小であります。特に、米軍の主力である海兵隊は、日本の防衛に何ら関係のない海外への遠征を業務とする最も危険な部隊であり、海兵隊の沖繩からの撤退は、安保条約の廃棄以前でも必要な緊急の課題です。知事として海兵隊の撤去を強く求め、岩手の県土においてもアメリカ海兵隊との日米合同演習に反対を貫くよう強く求めるものであります。
 以上で私の一般質問を終わりますが、答弁次第では再質問を行いますので、誠意ある答弁をお願いして終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事増田寛也君登壇〕
〇知事(増田寛也君) 斉藤信議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、消費税についてお尋ねがございましたけれども、消費税及び地方消費税の税率につきましては、平成6年秋に成立いたしました税制改革関連法におきまして、平成9年4月1日から消費税と地方消費税をあわせまして5%とされたところでございます。また、この税率につきましては、財政状況などを総合的に勘案いたしまして、必要があると認めるときは平成8年9月30日までに所要の措置を講ずるものとされていたところでございます。これにつきましては、御承知のとおりさまざまな議論があったところでございますが、政府においては、平成8年6月25日の閣議決定で、既に法律に規定されております消費税と地方消費税をあわせた税率5%を変更せずに、平成9年4月1日から施行することを確認したものでございます。
 次に、税制改革の県民、地域経済への影響についてでございますけれども、経済企画庁が平成8年7月に試算したところによりますと、平成9年度以降も現在の税制と同様とした場合と比較いたしまして、平成9年度から11年度までの3年間平均で実質国内総生産を0・9%程度引き下げる効果を生じるが、平成6年度から8年度までの過去3年間に先行減税などの税制改革が全く行われなかった場合に比べますと、依然として平均0・4%程度高い経済活動水準が維持されるものと見込まれる、このようにしております。県経済に及ぼす影響につきましては、計量的には把握いたしかねておりますけれども、本県経済は我が国経済と密接に関係をしているところでございますので、大局的に見ました場合には国とおおむね同様であろうと考えているところでございます。
 次に、一般県道雫石東八幡平線、いわゆる奥産道についてでございますけれども、この路線は雫石町と松尾村を結びます唯一の道路でございまして、地域間交流の活性化や観光資源の活用などに資することを目的として整備してきたものでございます。この道路は国立公園の第1種特別地域や地すべり地帯を通ることなどから、極力自然に影響を与えないよう工事を進めてきたわけでございますけれども、本事業につきましては過去にもさまざまな議論がございました。また、このたびの自然破壊といった事件を契機に県民の間にさまざまな意見が出ていることは十分認識しているところでございます。このため、自然環境などに関する有識者から成る検討委員会を設置いたしまして、この委員会でさまざまな角度から検討していただきたい、このように考えておりまして、この議論を十分に踏まえたその上で判断をしていく考えでございます。
 次に、大型店の進出についてでございますけれども、大型店の出店につきましては、いわゆる大店法に基づきまして一定期間以前に届け出がなされることになってございます。その場合には、法の趣旨にのっとりまして、周辺の中小小売業の事業活動の機会が適正に確保されるように、消費者利益の保護に配慮しつつ大型店の事業活動の調整が行われることになっておりまして、その調整に当たりましては、第1種大型店につきましては通商産業大臣が、第2種の大型店につきましては知事が行うこととなってございます。この意見の申し出につきましては、私は、平成8年1月に第1種大型店の紫波ツインプラザの出店届け出が国になされた事案につきまして、地元意見を尊重されたい旨の申し出を行ったところでございます。今後におきましても、大型店の届け出がなされました場合には、地元商工団体や市町村などの意見も踏まえながら適切な対応をしていく考えでございます。
 次に、入院時の食事療養費についてでございますけれども、この制度の趣旨は、入院と在宅などとの費用負担の公平化を図るものでございまして、県といたしましては、この創設の趣旨が妥当なものと考えまして、県単独医療費助成事業の対象としないこととしたものでございまして、市町村を初め、関係団体とも協議を重ねたものでございます。
 また、乳幼児医療費助成事業は、平成7年8月に対象年齢を1歳未満から2歳未満への引き上げを行いましてその充実に努めてきたところでございます。県といたしましては、この改正後間もないことでございますので、その成果を見きわめますとともに、関連施策を含めまして総合的に検討していく考えでございます。
 次に、東和町の生産調整に関する動きについてでございますけれども、もとより生産調整は、生産者全体の御理解により初めて実効性が確保されるものでございます。米の需給が大幅に緩和しているという現状の中で米の需給バランスが崩れますと、結果として個々の生産者の経営に多大な影響を及ぼすことが懸念されますので、生産調整の実効性の確保につきまして町の真意をお伺いいたしまして、私どもの考え方につきまして御理解を得る考えでございます。
 次に、米軍の劣化ウラン弾射撃事件についてでございますけれども、沖繩県が今回の事件について抗議を行ったことにつきましては十分理解できるものでございまして、このことに関しましては既に国が米国に遺憾の意を伝えまして、再発防止について要請しているところでございます。
 また、米軍の土地使用問題についてでございますけれども、これは、個々の国の防衛の問題でございまして、国政レベルで十分議論されるべきものと考えてございますので、県としての意見は差し控えたいと考えております。
 なお、本県と沖繩県との交流は今後もさらに深め、そして根づかせてまいりたいと、このように考えております。
 その他のお尋ねにつきましては関係の部長から答弁をさせますので、御了承お願い申し上げます。
   〔総務部長大隅英喜君登壇〕
〇総務部長(大隅英喜君) まず、消費税率改定が県財政等に与える影響についてでありますが、平成9年度予算における一般会計につきましては、歳入は、地方消費税や地方消費税清算金の導入等により203億円余の増、歳出では、地方消費税の市町村交付金や他県への清算金、工事請負費などの負担増等により142億円余の増と試算いたしております。また、県立病院事業については約8億円余の費用負担増、企業局事業については、料金に全額転嫁することから直接的な影響はございませんけれども、電気事業で5、400万円余、工業用水道事業で900万円余の納付税額の増と試算されております。
 なお、一般会計における特別減税の廃止による影響は、平成8年度の実績で申しますと19億円余となっております。
 次に、県財政の厳しい状況とその原因についてでありますが、本県の財政は、交付税や県税の伸びに多くを期待できない中にあって、今後とも公債費などの義務的経費の増高が見込まれるなど、厳しい状況にあります。特に公債費の増高は、本県のみならず地方財政全体の問題でありますが、その原因としては、平成4年度以降の国の経済対策に伴う補正予算債や平成6年度以降の地方財源不足に対処する財源対策債の発行が増加しており、これらの元金償還が始まったことなどが主なものとなっております。しかしながら、これらの起債は償還時に手厚い交付税措置がなされるものであります。
 次に、公共事業の見直しについてでありますが、国の公共投資基本計画では、今後は生活環境、福祉等の機能に重点を置いて配分を行うこととしており、県といたしましても、平成9年度予算におきましては、特に下水道や住宅のような県民に身近な生活環境の整備を着実に推進することとしたところであります。しかしながら、東北新幹線盛岡以北の整備促進や花巻空港の滑走路の延長整備等の高速交通幹線の整備、治山治水等の県土の保全や農林水産業の生産基盤の整備などについても県民生活に欠かすことのできない重要な社会資本であることから、引き続き着実に整備していくことが重要であると考えております。
 次に、食糧費についてでありますが、まず、平成9年度の食糧費の款別計上額は、議会費795万3、000円、総務費7、441万8、000円、民生費1、170万6、000円、衛生費1、456万円、労働費369万2、000円、農林水産業費3、067万9、000円、商工業費1、238万5、000円、土木費859万4、000円、警察費1、208万4、000円、教育費2、591万5、000円、災害復旧費100万円となっております。
 次に、総務費の額が多いのは、全国豊かな海づくり大会を初めとして、国民体育大会冬季大会や全国和牛能力共進会などの全国規模の大会が多く開催されることが要因となっているものであります。
 なお、食糧費の総額は2億200万円余であり、前年度対比8・7%の減となっているところであります。
 次に、食糧費を伴う中央官庁等との懇談につきましては、その支出が公費をもって賄われることにかんがみ、その必要性を十分吟味し、簡素かつ公正を旨として節度ある対応を図ってまいりたいと考えております。
 次に、平成8年度末の食糧費の見込みは1億2、700万円余、東京事務所の食糧費の執行は1月末現在で73件、349万円余となっております。
 次に、出張の実態調査についてでありますが、県といたしましては、これまでも服務規律の確保、行政事務の適正な執行等を図るため、各部局の内部考査などにより、それぞれ所管する本庁及び出先機関の調査、指導等を実施して必要な改善を行ってきたところであります。今後におきましても、行政管理委員会などを通じて内部考査の徹底を図ってまいりたいと考えております。
 次に、食糧費関係公文書の開示についてでありますが、全国的な状況といたしましては、県によって公文書の記載内容に差異があり、一概に比較することは難しいところがありますが、多くの県において、県側、相手方出席者、懇談場所については非開示としていると聞いております。裁判所の判決につきましては、公文書に個人名等の記載のない県もあるものの、おおむね県側、相手方出席者、懇談場所については開示すべきとの判示がなされていると承知しております。
 また、今後の開示についてでありますが、東京事務所の食糧費関係公文書の部分開示決定処分に係る異議申し立てについて、現在、公文書公開審査会において審査いただいているところでありますので、当審査会の答申を踏まえた上で県としての対応について検討してまいりたいと考えております。
 次に、過去5年間の課長級以上の職員の再就職の状況についてでありますが、部局別では、総務部6人、企画調整部1人、生活福祉部6人、環境保健部1人、商工労働部4人、農政部20人、林業水産部4人、土木部13人、出納局4人と聞いております。
 また、幹部職員の再就職の規制についてでありますが、課長以上の職員にある職員が退職する場合、退職前に在職していた職と密接な関係にある営利企業に再就職することにつきましては、原則として退職後おおむね2年間自粛を求めるなどの一定の制限を設けることといたしたところであります。
 なお、国の職員の本県への出向人事についてでありますが、国からは本庁部長4人を含む16人の職員を受け入れているところでありますが、職員の人事につきましては適材適所を基本に、そのときの状況に応じ、最も適切なポストに配置しているところであり、今後においても同様の観点に立って必要な職員を任用してまいりたいと考えております。
   〔土木部長藤本保君登壇〕
〇土木部長(藤本保君) まず、沢内村道安ケ沢線の整備についてでありますが、この路線は、林業振興、西和賀地域と秋田県仙北地域の歴史的交流の復活と両地域の活性化促進及び主要地方道花巻大曲線の代替機能をあわせ持つ県際道路として重要なものと認識し、沢内村の要請を踏まえ、県代行事業として秋田県と連携を図りながら整備を行っているものであります。この整備に当たりましては、これまでも関係機関と協議の上、自然環境への影響を最小限にとどめるなど慎重に進めてきたところでありますが、さらに、平成9年度からは生態学や造林学の専門知識を有する方々の参画を得て、動植物等に対する影響について調査を実施するなど、自然環境に一層配慮してまいりたいと考えております。
 なお、平成9年度の工事は、これまで暫定施工としてきた区間について、のり面保護、排水工及び路盤工等を実施し、その概成を図ることとしております。
 また、県道雫石東八幡平線につきましては、引き続き現状の自然環境の把握のため、水文や植物などについて調査を行うほか、道路の地すべりの変動やその対策工法の検討を専門のコンサルに委託して実施する予定であります。
 次に、大船渡港の港湾整備計画についてでありますが、本計画の事業費は約420億円で、そのうち係留施設等の直轄、補助事業に要する費用は330億円であり、その県負担は約130億円で、そのほか埠頭用地や工業用地の起債事業に要する費用は約90億円となっております。その必要性についてでありますが、大船渡港は、内外の物流需要の増大に対応するとともに、新たな産業基盤や旅客船埠頭の整備を行うものであり、沿岸地域のみならず、本県の発展にとりましても重要なものであると考えております。
 地元企業の参入についてでありますが、工業用地は、地域産業の振興を図るため、地元の水産加工企業等の立地を想定するとともに、新たに港湾利用型企業の導入も計画しているところであります。今後、事業の進捗にあわせ、地元企業等の参入を積極的に働きかけてまいりたいと考えております。
 港湾の振興につきましては、背後圏である県南内陸部の企業集積の進展に伴い、大型船舶や外航船の寄港がふえ、港湾取扱貨物量も増加してきております。県といたしましては、地元市とともに、より一層強力なポートセールスを展開し、さらなる港湾の利用促進が図られるよう努力してまいりたいと考えております。
 次に、ダム建設事業についてでありますが、本県は災害が発生しやすい地形を呈しており、県民が安全で安心できる治水事業は極めて重要であると考えております。このため、土地利用を考慮しつつ、河川改修計画とダム計画との効率的な組み合わせによって治水を行うことが肝要でありまして、現在、11河川においてダム事業を実施しているところであります。
 また、ダムは、安定的都市用水やかんがい用水等を供給する極めて重要な施設でもあります。ダム建設は完成までに長い年月と多大な事業費を要することから、計画的に整備を進めるとともに、事業執行に当たりましては建設費のコスト縮減に努め、また、事前に環境影響調査等を十分に行い、地域の文化や自然環境の保全に配慮しているものであります。
 簗川ダムに利水参加している盛岡市の計画給水人口についてでありますが、この数値は市の水道用水事業第7次拡張計画に基づいたものと承知しております。
 また、北本内ダムの環境影響調査についてでありますが、平成3年度に実施した環境影響調査におきましては猛禽類は確認されておりませんでしたが、平成8年度に地元の方から猛禽類を確認したとの報告があり、現在、専門家に依頼し、調査を実施しているところであり、必要に応じて、環境庁が作成いたしました猛禽類保護の進め方に基づき保護対策を検討することとしております。
 次に、花巻土木事務所及び釜石土木事務所の職員の出張旅費についてでありますが、旅費の執行に当たりましては、これまでも各土木事務所に対し、出張目的を明確にし、関係条例等の規定に基づき適正に執行するよう指導してきているところであり、各土木事務所等においてもこのことを十分理解の上執行しているものと考えております。花巻土木事務所の平成8年2月、3月分の出張旅費と釜石土木事務所の平成7年2月、3月分及び平成8年2月、3月分の出張旅費については、御案内のように、開かれた行政を求めるいわての会の会員から監査委員に対し監査請求書が提出されたところであり、その推移を見守ってまいりたいと考えております。
 なお、土木部といたしましても、御指摘のありました花巻、釜石両土木事務所の出張旅費の内容等について事態を把握してまいりたいと考えております。
   〔商工労働部長佐藤孝司君登壇〕
〇商工労働部長(佐藤孝司君) 大型店出店の影響調査についてでありますが、大型店の影響の概要について緊急に把握するため、大型店の売り場面積が占める割合の高い地域など、7地域を選定して実施したところであります。この調査は、無作為に抽出した2、553の中小小売店を対象として、商工会議所等に依頼して調査票の配付、回収を行ったものであり、回収率は49%となっております。また、消費者に対する調査は、同様に1、741人を対象として、商工会議所等の職員が面接し、聞き取りにより実施したもので、回収率は90%となっております。統計学的には厳密な調査とは言えませんが、この調査結果によると、影響の度合いを端的に示す項目では、大型店の出店により売上額が2割以上減少したと回答した中小小売店は59%となっており、また、中小小売店の利用頻度が減少したと回答した消費者は63%となっております。平成8年11月に開店した前沢ジャスコの出店の影響につきましては、胆江地区広域商工業振興協議会が開店前に実施した予測調査によりますと、相当程度の影響が予測されるという結果が出ていると聞いております。水沢地域のジャスコの動向につきましては、郊外に新たな店舗の出店を検討しているやに仄聞しておりますが、その詳細な内容については承知いたしておりません。今後におきましても、大型店の出店調整を通じて、消費者利益の向上及び小売業の健全な発展が図られるよう努力してまいりたいと考えております。
   〔生活福祉部長佐々木孝太郎君登壇〕
〇生活福祉部長(佐々木孝太郎君) まず、国民健康保険税の引き下げについてでありますが、保険者である市町村が長期、安定的な財政運営の見通しについて十分検討の上、慎重に対処すべきものであり、また、被保険者証の交付につきましては、被保険者間の負担の公平化の観点から短期被保険者証や資格証明書の交付を行っているもので、必要な措置と考えております。
 次に、老人関係施設の整備についてでありますが、事業の実施に当たりましては、老人保健福祉計画に沿って市町村において意思決定がなされ、資金計画が確実なものを採択しているところであり、その建設に当たっては、定款や経理規程に従い、指名競争入札によって行われております。
 また、現在、補助金交付決定を行っていない介護福祉士養成施設を除いた4施設の事業費は、国庫補助金が7億200万円、県補助金は3億400万円、市町村補助金が2億2、000万円で、総額で12億2、600万円、法人の自己負担額は12億2、900万円となっております。
 なお、県が施設整備を誘導した事実はないところであります。
   〔農政部長中村盛一君登壇〕
〇農政部長(中村盛一君) まず、WTO農業協定の見直しを求めることについてでありますが、この協定は我が国の農業にとって大変厳しいものとなっておりますが、国会の締結承認を経て受諾したものでありますので、国レベルの問題と認識しておりますので、見直しを求めることにつきましては差し控えさせていただきたいと思います。
 次に、農業予算に占める農業土木事業と農産物価格保証の割合等についてでありますが、農業土木事業の割合は、平成8年度63・5%、9年度当初61・1%となっております。また、農産物価格保証につきましては、青果物等の価格安定対策、肉用子牛等の生産者補給金交付、さらには、山間地域を対象とした価格支持などの4事業を行っており、予算割合は、8年度0・2%、9年度0・5%となっております。
   〔教育長細屋正勝君登壇〕
〇教育長(細屋正勝君) まず、O-157による集団感染の問題点等についてでありますが、給食施設の構造、設備の不備や施設の衛生管理が十分に確立されていなかったことに加え、食品の衛生的な取り扱い等が不十分であったことなど、日常点検項目の遵守の徹底を欠いていたもので、残念なことと考えております。
 県教育委員会といたしましては、再発防止を図るため、学校環境衛生の基準に基づき、市町村教育委員会に対し調理作業区分の明確化、調理従事者の検便など健康管理の徹底を指導しているところでありますが、今後とも、学校給食関係者に対して、より一層、衛生管理の徹底を図るよう指導してまいりたいと考えております。
 次に、自衛隊沖繩・長崎地区部隊研修についてでありますが、県立学校教職員の参加者は、平成5年度、6年度、各3人、7年度はゼロ、8年度は1人となっており、出張による者4人、休暇による者3人であります。
 なお、自衛隊の広報活動について、県教育委員会としては中止を求める立場にはないものと考えております。また、教職員の参加については、今後とも各学校長の判断により行うことといたしております。
〇1番(斉藤信君) 再質問を行います。
 最初に、答弁漏れだと思われる点を3点。
 一つは消費税の問題で、消費税は6月の内閣で、閣議で決めたというのはあくまでも経過で、その後の総選挙で大争点になって、そしてそのときの与党の国民への公約は国会での徹底審議であります。ですから、今、国会で徹底審議をされている状況なわけで、消費税の是非が今まさに問われていることなので、ぜひこの消費税の5%増税、新たに5兆円の増税について知事が新進党を応援したと、こういう立場は何だったのかと、このことを改めてお聞きしたいと思います。
 二つ目に、中央官僚の天下りの問題について、自治大臣が今までどおりのことはやらないと、指定席化はしないと、私その実態についてお聞きしたのに残念ながら答弁がなかった。私は、中央から来られた方は熱心にやっていると思いますよ。なかなか聞くのは聞きづらいんだけれども、しかし国が厚生省汚職の教訓を踏まえてこの指定席化を改めると言っているわけだから、それを受けて地方分権というなら、大いに受けて立ってやったらいいじゃないですか。その実態と対策についてお聞きします。
 三つ目、大型店の問題で、私は盛岡における大規模ショッピングモールが3店も水面下で動きがあると。私は極めて重大だと思っています。これは前沢の規模をはるかにしのぐものです。文字どおり盛岡の存亡のかかった問題だと、私はそういう立場で取り上げたので、この盛岡周辺における動向について掌握をされているのか。私は真剣にこの問題は知事を先頭に対応しないと、岩手県全体にかかわる問題だと思いますので、その実態の掌握と受けとめについて最初にお聞きしたい。
 次に、学校給食の問題について具体的にお聞きします。
 施設設備の改善について、緑が丘小学校では抜本的改善がなされたようですが、同じ状況にある学校の場合、床を塗装しラインを引いて汚染区域と非汚染区域の区別をしているというのが状況です。かまの数も足りずに二、三回転で調理しています。せめて緑が丘小学校並みに自校方式の施設、設備の改善を早急に図るべきと思いますが、どうでしょうか。
 文部省のことし1月27日付通知と文部省の調査研究協力会議の取りまとめでも、ドライシステム化等施設の大規模改修の整備が提起されています。ドライシステム化を本格的に推進すべきと思いますが、いかがでしょうか。
 82項目の点検項目は多過ぎて点検だけでも大変だ。必要重点事項を精選すべきだという専門家の指摘もありますが、衛生管理の改善はどうでしょうか。
 最大の問題は、人員、体制の問題です。現在の学校給食調理員の配置基準は37年前に決められたもので、パンと脱脂粉乳の時代のものです。この人員で、現在、週3回の御飯による手の込んだ給食がつくられているのが実態です。とても余裕がない、ぎりぎりで仕事をしている。こういう状況がさまざまなミスを誘発する客観的条件となっているんじゃないでしょうか。ところが、学校給食調理員が地方行革のリストラの対象となって、調理員退職者の不補充、非常勤職員の増大という深刻な事態が今進められようとしています。これでは、O-157集団感染の教訓に逆行するものと言わなければなりません。東京都や日野市などでは、それぞれ給食調理員の加配措置をとっていますが、岩手県でも未来を担う子供たちに、新鮮で安全、おいしい学校給食を実現するために調理員の加配、増員を行うべきと思いますが、いかがでしょうか。
 栄養士、調理員の研修を定期的に積極的に行い、県教委、市教委にも専門的に指導できる専門家を配置すべきと考えますが、どうでしょうか。
 県の行政改革について再質問します。
 保健所の統廃合が4月から強行実施されますが、保健所の人員配置はどうなるでしょうか。盛岡合庁では、保健福祉部で8名の減と聞いていますが、具体的に明らかにしていただきたい。
 盛岡保健所の場合、葛巻から安代町までをカバーすることになります。人員減の一方で活動範囲は広くなる。どうしてこれで、これまで以上に不便をかけることはないと言うことができるでしょうか。具体的な対策を示していただきたい。
 県の行政改革、とりわけ市町村への事務委譲については、私たち県議会議員にも資料を示されませんでしたが、なぜでしょうか。これでは県議会として十分な審議、発言ができないじゃないでしょうか。新聞報道で見る限り、県の事務を市町村に押しつけるものになりかねない内容で、市町村に過大な仕事量を十分な財源、人員なしに押しつける内容に見受けられるが、市町村が求めているのは権限と財源の委譲ではないでしょうか。
 カラ出張疑惑について、釜石土木事務所の幹部職員について、私が指摘したこの幹部職員は異常に出張が多い。95年2月、16日間出張。3月、18日間出張。44日中、34日間出張しています。出勤日のうち77%出張です。96年の場合、2月、11日間出張。3月、15日間出張。41日中26日間出張。復命書は旅行命令書36件中、4件しかない。土、日、休日の出張が95年の二、三カ月だけで6日間。96年は3日間もある。極めて不自然であると思いますが、いかがでしょうか。釜石土木事務所全体でも出張が多い。95年2月8日には、32人中15人が管轄地以外への出張を行っています。組織的なカラ出張じゃないでしょうか。
 社会福祉法人の問題について、社会福祉法人と密接な関係のある建設会社が、三つの施設と一つの福祉専門学校を受注しています。これは異常であり癒着じゃないでしょうか。設計はそれぞれどこが行っているのか。発注者である社会福祉法人の理事長と建設会社の社長は同一人物で、予定価格が筒抜けじゃないでしょうか。これでまともな入札と言えるのか。軽米の老健施設の場合、入札さえやられていないと見受けられる。社会福祉法人経理規程準則から見ても極めて重大だと思いますが、いかがでしょうか。
 軽米町の老人保健施設の建設に当たっては、八戸市にある財団法人--役員が軽米町出身である--が、平成6年の5月ごろから町の要望を受けて老人保健施設の建設計画を立て、軽米町、県とこれまで協議をしてきたものであります。私の調査では、この経過には紆余曲折がありましたが、平成7年の春ごろ、県の担当者が一方的に私が指摘している社会福祉法人を軽米町に紹介し、方向転換が図られたと見受けられます。軽米町の当時の幹部職員は、県幹部職員の指導を受け社会福祉法人を紹介されたと述べていますが、県が誘導して社会福祉法人の参入の便宜を図ったんじゃないでしょうか。社会福祉法人が、福祉専門学校を設立するのは異例のことではないでしょうか。全国、東北にどういう例があるか。軽米町の経過説明によれば、社会福祉法人の働きかけは、平成7年7月4日、町は渡りに船と要望したとあります。情報によれば、県の幹部職員の発言として、社会福祉法人は平成7年度事業で、盛岡広域圏に老人保健施設を計画し県に申請したが、過剰地域ということで見送られた経緯があり、県が今回平成8年度事業として軽米町を紹介したとのことです。財団法人の数年にわたる努力の一方で、水面下では社会福祉法人の参入を誘導したと、こういうことじゃないでしょうか。
 東和町の自主的減反方針に関して再質問します。
 新食糧法から見ても、減反は農業者の自主的なものだと考えるが、どうでしょうか。自主的な減反によって国や県のぺナルティー、圧力がかかることは絶対あってはならないと思うが、どうでしょうか。知事にはっきりと答えていただきたい。今回の減反問題の根底には、米を輸入しながら農民には減反を押しつける、減反しても生産者米価が下がってしまう政府の農業政策自身の破綻と矛盾があります。97年度も51万トンの外国の米を輸入しようとしていますが、これは岩手県の全生産量約40万トンを大幅に超えるものです。9年度、10年度の米穀需給見通しの中には外米も含まれており、外国産の輸入米が減反上乗せされているのじゃないでしょうか。米の輸入はきっぱりとやめて、そのためにWTO協定の見直しを今から求めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。現在、輸入されている外米は、すべて海外援助米に回すよう強く要求すべきと思いますが、いかがでしょうか。減反の最大の問題は、減反しても米価が守られるどころか下がる一方だというところにあります。生産費を償う1俵当たり2万円の米価の下支えを政府の責任で果たすべきだと考えますがいかがでしょうか。さらに、条件不利地域、中山間地域に対する特別対策、所得補償が必要と考えますが、いかがでしょうか。米価の引き下げ、減反拡大の中で一番影響を受けて苦しんでいるのは、特定認定農家、いわゆる規模拡大農家であります。ところが、県政は規模拡大一辺倒の政策を推進しています。今、実際岩手の農業を支えている兼業農家、小規模農家への融資や対策こそ強めるべきと考えますが、いかがでしょうか。胆沢町では、全農家対象に500万円の融資制度を実施しようとしています。こういう制度こそ、岩手県が農業土木じゃなくやるべきじゃないでしょうか。
   〔知事増田寛也君登壇〕
〇知事(増田寛也君) ただいまのお尋ねにお答えを申し上げます。
 まず第1点の消費税につきましての認識についてお尋ねございましたけれども、この消費税につきまして国会で大議論が現在行われているというお話でございましたが、平成9年度の国の予算、ただいま本日成立をするというようなお話のようでございますし、あるいはこの時間にはもう成立しているかもしれません。そういったような状況でございまして、本年4月以降、消費税がさらに2%引き上げられるものと受けとめておりまして、本県予算もこれを前提といたしまして編成をしているものでございます。
 それから、次の大型店の盛岡地域への出店につきましてのお話しございましたけれども、この関係につきましては情報を把握していないところでございます。
 それから、3点目の東和町の生産調整についてのお尋ねでございますけれども、米の需給ギャップが3割にも及んでいるといったような現状もございます。したがいまして、米の需給バランスを保つということ、そして価格の安定を図るということは何よりも重要であるというふうに考えてございます。したがいまして、この生産調整の実効性を確保するという先ほども申し上げました私どもの考えにつきまして、生産者の御理解を得ていく考えでございます。
   〔総務部長大隅英喜君登壇〕
〇総務部長(大隅英喜君) まず、国からの割愛職員につきまして指定席化しているのではないか、改善すべきではないかということについてでございますけれども、先ほども申し上げましたけれども、職員の任用に当たりましては、適材適所を基本といたしまして、最も適切なポストに配置をいたしているところでございます。しかし、御指摘のように、結果的に連続して同一ポストにつく場合もございます。今後につきましては、国の動向等も参考にしながら、十分適切な対応をしてまいりたいというふうに考えております。
 それから次に、市町村への権限委譲についてでありますが、今般の権限委譲につきましては、昨年1月に策定いたしました県行政改革大綱の住民に身近な事務は市町村が主体的にこれを担うことができるよう権限委譲に関する計画を策定するなど、市町村への権限委譲を積極的に進めるとの基本的な考え方に沿って行われるものであります。県から市町村への権限委譲は、昭和55年に制定いたしました市町村長に対する事務委任規則を根拠といたしまして、市町村との合意のもとに委譲するものでございまして、これまでも147の権限について既に委譲を行ってきているところでございます。このたびの権限委譲につきましても、これまでと同様に、住民の利便性の向上の観点等から、今後、おおむね5年間に市町村において執行することが適当と考えられる権限について、各市町村ごとの御意見を十分に踏まえながら、本年度内に権限委譲に係る指針を取りまとめることとしているものでございます。また、具体の権限委譲に当たりましては、来年度以降、県と市町村による協議機関において協議を行い、各市町村との合意のもとに委譲を進めてまいる考えであります。
 なお、これに伴う財政措置につきましては、委譲初年度に係る準備事務とその後の事務処理に係る経費について措置をしてまいる考えであります。
   〔環境保健部長緒方剛君登壇〕
〇環境保健部長(緒方剛君) 保健所における具体的な人員配置についてでございますが、地域保健法の改正を踏まえまして保健所の集約化及び機能の強化、母子保健サービス等の市町村への委譲や地方振興局との統合による事務の効率化等を総合的に勘案しながら、業務量に応じた適正な人員配置に努めることといたしております。
 また、保健所の統廃合による所管区域の拡大に対処するため機動力等の確保を図るとともに、管内市町村に出向いて定期的な巡回相談の実施やきめ細かな訪問サービスを展開するとともに、機動的な監視指導体制の整備等に努めることといたしております。また、一部保健所につきましては、その廃止後においても一定期間駐在職員を配置するなど、地域住民に不便をかけることのないよう、最大限に配慮してまいりたいと考えております。
 次に、軽米町の老人保健施設の建設に係る請負業者の選定についてでございますが、社会福祉法人経理規程準則においては、請負その他の契約をする場合には一般競争に付すべきこと、また、それができない場合や適当でない場合等には、指名競争や随意契約によることと規定されておりまして、当該社会福祉法人の経理規程におきましても同様の規定がなされております。この法人が軽米町において建設する老人保健施設の請負業者の選定に当たりましては、A級指名業者のうち福祉施設建設の工事等の実績を有する4業者を指名いたしまして、設計書縦覧の上、期限を定めて見積書の持参により入札させ、一斉に開札を行ったとのことであります。この結果、予定価格以下で最低額の業者を請負業者として選定したとのことであります。
 また、軽米町の老人保健施設の整備に当たって県が誘導したのではないかというお尋ねについてでございますが、平成6年から、軽米町と隣県の財団法人の役員から施設の整備について相談を受けたところでありますが、当初、その事業計画は県外から移転した休眠法人を利用しようとしたものであり、岩手県への移転の経緯、組織、資金計画など不明な点が多く、慎重な対応が必要であると町に対して助言指導を行ったものであります。その後、平成7年の春、町から県に対して地域住民等の要望も強いので、施設建設に向けた適切な事業主体を見つけてほしい旨、強い要請があり、また、当時、当該圏域の施設整備率が低く、県としても整備促進を図る必要があったことから、この要請を受けて地元医師会等に打診したものの設置可能な事業主体が得られず、結果的に近隣で運営実績のある当該社会福祉法人について情報提供を行ったものであります。
 なお、県の意向打診に対しては、当該法人は、当初軽米町における老人保健施設整備には極めて消極的でありました。この間、隣県の財団法人の役員が、この財団法人を母体として新たな医療法人を設立の上、施設を建設するとの動きが出てきたところでありますが、この隣県の財団法人は、当時、周辺の老人保健施設においてトラブルを起こしているということから、県としては慎重に対応すべきと考えていたところであります。その後、平成7年6月ごろから、軽米町が当該社会福祉法人に対して再三打診した結果、7月に両者で建設の合意を得たと聞いております。
   〔土木部長藤本保君登壇〕
〇土木部長(藤本保君) 釜石土木事務所の出張についてでありますが、先ほどお答えいたしましたように、その実態を把握してまいりたいと考えておりますので、御了承願います。
   〔生活福祉部長佐々木孝太郎君登壇〕
〇生活福祉部長(佐々木孝太郎君) まず、社会福祉法人と4施設を受注した建設会社との関係でありますが、施設の設計は、平成7年度に整備した二つの老人福祉施設につきましては盛岡市と仙台の設計会社に、また、平成8年度に整備いたしました介護福祉士養成施設と老人保健施設は、7年度と異なる仙台の設計会社に発注しております。また、予定価格の決定は理事長の職務を代理する理事が設計価格を根拠に予定価格を決定し、入札に当たっては複数の理事と評議員、設計会社の建築士が立ち会って指名競争入札により行われており、請負契約の理事長の職務代理者が締結して理事会へ報告されているところであります。
 次に、社会福祉法人が設置しております介護福祉士養成施設についてでありますが、平成8年4月現在で全国で17施設でありますし、東北では福島に1施設設置されていると承知しております。
   〔農政部長中村盛一君登壇〕
〇農政部長(中村盛一君) まず、輸入米の減反面積への上乗せについてでございますが、平成8年度から実施されております新生産調整推進対策における目標面積につきましては、平成8年10月末現在の国産米の持ち越し在庫見込み量220万トンを10年度まで3カ年で150万トンにするということで、あくまでも国産米の在庫量を縮減しようとする考えに基づいて決定されたものと伺っております。したがいまして、生産調整の目標面積に輸入米は上乗せされていないものであります。
 次に、輸入米を全量海外援助に回すことについてでありますが、国は輸入米を含む政府米につきまして、10万トン程度をアフリカなどの発展途上国に援助することを決定いたしましたが、輸入米全量を海外援助に回すことにつきましては、WTO協定など国際ルールの問題がございまして困難であると伺っております。
 県といたしましては、輸入米が国産米の流通に影響を及ぼすことがないよう、加工用あるいは新規用途などに仕向けるよう、政府予算要望等を通じて国に強く要請をしているところであります。
 次に、政府買い入れ米価の下支えについてでありますが、政府買い入れ価格につきましては、自主流通米の入札価格の動向や米販売農家の生産費の動向を踏まえまして、米の再生産を確保することを旨として国が算定しているものと理解しております。
 次に、条件不利地域、中山間地域に対する特別対策、所得補償対策が必要と考えるがどうかということでございますが、中山間地域における所得補償制度の導入につきましては、国におきまして平成6年の農政審議会の提言を受けまして、我が国の農業や地域社会の実態にも十分留意しつつ、農業基本法の検討とあわせ幅広く検討されると伺っております。したがいまして、県といたしましては、国に対しまして政府予算要望等を通じまして、我が国独自の所得補償制度を創設するよう、引き続き強く要望してまいりたいと考えております。
 次に、兼業農家、小規模農家への融資や対策を強めることについてでありますが、意欲を持って農業経営の維持、拡大を図ろうとする方々につきましては、規模の大小を問わず、個々の経営志向に応じた農業近代化資金あるいは協業推進特別対策融資制度などの支援制度がありますので、これを十分に活用していただきまして、地域農業の一翼を担っていただきたいと考えております。
   〔教育長細屋正勝君登壇〕
〇教育長(細屋正勝君) まず、学校給食施設等の改善についてでありますが、これらは設置者である市町村が保健所の具体的な指導を得ながら取り組んでいるところであり、県教育委員会といたしましては、適切に改善がなされるよう個別に指導してきたところであります。また、調理場のドライシステム化につきましては、市町村の要望を踏まえまして、施設、設備の更新等に合わせ、国庫補助の積極的な導入によりドライシステム化を進めてまいりたいと考えております。
 次に、衛生管理の改善についてでありますが、82の点検項目は従来の考え方と大きく変わったものではなく、学校給食の作業に必要な項目が細分化されるなど具体的に整理されたものでありますことから、今後とも市町村教育委員会との連携のもと、適正な衛生管理体制が機能するよう努めてまいりたいと考えております。
 次に、調理員の加配、増員についてでありますが、学校給食調理員については設置者の負担において配置するものであり、その配置基準については昭和35年の文部省通知によって示されているところでありますが、県教育委員会といたしましては、昭和60年の文部省通知、学校給食業務の運営の合理化についての趣旨をも踏まえて、各市町村において地域や調理場の状況に応じ、弾力的に運用するよう指導しているところであります。
 次に、学校給食従事者の研修についてでありますが、これまでも学校栄養職員、調理員の資質向上を図るため定期的に研修を実施してきたところでありますが、平成9年度からは、特に保健所等の関係機関や学校給食会等と連携を図りながら学校栄養職員の新規採用者研修を拡充するとともに、新たに経験者研修を設けることといたしているところであります。
〇1番(斉藤信君) 最後に、知事に改めて3点伺います。
 96年度の食糧費は、答弁にあったように1億2、712万円です。前年比38・4%も減少しています。中央官僚も接待を受けないと言っています。なぜ来年度の食糧費を2億290万円も計上するんでしょうか。これは削減をして、予算を見直すべきではないでしょうか。
 第2点、私は、奥産道、港湾ダムを例に、県の従来型公共事業の見直しを求めました。農政の場合でも6割を超える予算が土木事業だと。こうした公共事業全体のあり方を見直すべきだと思いますけれども、知事、いかがでしょうか。
 第3点、釜石、花巻土木事務所のカラ出張疑惑について、私は、具体的に指摘をして、残念ながら答弁がありませんでしたが、知事みずから総点検をして調査をすべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 最後に、社会福祉法人の問題については、この2年余の間に一つの法人が五つの福祉施設や学校を受注する、関連の企業が四つも受注するというのは極めて私は異常なことなので、そのことを最後に指摘をして、今後の対応を強めていただきたい。
 以上で終わります。
   〔知事増田寛也君登壇〕
〇知事(増田寛也君) ただいまのお尋ねについてお答え申し上げますが、その前に、先ほど私、消費税のところの議員の御質問に対しまして、本日、国の予算、来年度予算が成立というふうに誤って申し上げましたが、衆議院の通過の誤りでございますので、訂正をさせていただきます。
 まず、第1点の食糧費の関係でございますけれども、食糧費につきましては、この支出が公費をもって賄われているということでございますので、この食糧費の執行の必要性を十分吟味いたしまして、簡素、そして公正な執行ということを十分心がけていく考えでございます。
 それから、2点目の公共事業のあり方についてお話ございましたけれども、この公共事業につきましては、当然事業の性格から、私ども県内の各地においてそれぞれの事情により必要なものを実施をしているところでございます。したがいまして、私どもの県民の生活の質の向上に資する、そういうものについて今後も実施をしていく考えでございます。
 3点目の出張の実態についてでございますけれども、この出張につきましては、行政監理委員会などの内部考査を徹底いたしまして、その適正な執行に努めていく考えでございます。
〇議長(堀口治五右衛門君) 以上をもって一般質問を終結いたします。
   
日程第2 議案第6号平成9年度岩手県一般会計予算から日程第110 議案第114号北上川水系に係る一級河川を指定し、及び変更することについての意見に関し議決を求めることについてまで
〇議長(堀口治五右衛門君) この際、日程第2、議案第6号から日程第110、議案第114号までを一括議題といたします。
 議案第87号から議案第114号まで、以上28件について提出者の説明を求めます。大隅総務部長。
   〔総務部長大隅英喜君登壇〕
〇総務部長(大隅英喜君) 本日提案いたしました各案件について御説明いたします。
 議案第87号は、平成8年度岩手県一般会計補正予算(第5号)であります。
 これは、国庫支出金の決定及び事業費の確定に伴う整理並びに事業執行上、今回計上を要するものなどについて総額31億8、517万1、000円を減額補正しようとするものであります。
 補正の主なものは、退職手当及び公務災害補償費26億100余万円、財政調整基金積立金3億3、800余万円、公共施設等整備基金積立金149億8、100余万円、地方バス路線運行維持費補助3億8、600余万円、国営土地改良事業費負担金8億1、600余万円、商工観光振興資金貸付金20億4、100余万円、中小企業経営安定資金貸付金26億8、700余万円、除雪費5億300余万円、県債償還元金3億4、600余万円、県債償還利子4億6、200余万円、県債管理基金積立金3億3、700余万円、県立病院等事業会計負担金4億3、700余万円等であります。
 また、減額補正の主なものは、漁港修築事業費11億3、600余万円、信用組合経営基盤強化資金貸付金21億5、500余万円、工業立地促進資金貸付金14億7、900余万円、団体営農地等災害復旧事業費16億500余万円、河川等災害復旧事業費75億4、100余万円等であります。
 次に、繰越明許費は、東北新幹線建設事業費補助など123事業に係る予算を翌年度に繰り越して使用しようとするものであります。
 債務負担行為の補正は、オートキャンプ場施設整備事業など12件を追加し、岩手県信用保証協会が行う創造的中小企業支援資金についての信用保証契約の履行に伴う損失補償等10件を変更しようとするものであります。
 地方債の補正は、総合防災センター施設等整備事業など16件を変更しようとするものであります。
 議案第88号から議案第98号までは、平成8年度の母子寡婦福祉資金特別会計、農業改良資金特別会計、県有林事業特別会計、林業改善資金特別会計、沿岸漁業改善資金特別会計、中小企業振興資金特別会計、土地先行取得事業特別会計、証紙収入整理特別会計、流域下水道事業特別会計、港湾整備事業特別会計、県民ゴルフ場事業特別会計の各補正予算でありますが、これは、それぞれの事業計画の変更に基づいて所要額を補正しようとするものであります。
 議案第99号から議案第101号までは、平成8年度の県立病院等事業会計、電気事業会計、工業用水道事業会計の各補正予算でありますが、これは、収益的収支及び資本的収支等においてそれぞれ所要額を補正しようとするものであります。
 議案第102号から議案第106号までは、建設事業等に要する経費の一部を負担させることに関する議決及びその変更に関し議決を求めようとするものであります。
 議案第107号は、県議会議員及び知事の選挙における選挙運動用自動車の使用及びポスターの作成の公営に関する条例の一部を改正する条例でありますが、これは、選挙運動用自動車の使用及びポスターの作成の公営に要する経費に係る限度額を引き上げようとするものであります。
 議案第108号は、学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例でありますが、これは、公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償の基準を定める政令の一部改正に伴い、休業補償等の額の算定の基礎となる補償基礎額等を引き上げるとともに、あわせて所要の整理をしようとするものであります。
 議案第109号から議案第111号までは、工事の請負契約の締結に関し議決を求めようとするものであります。
 議案第112号及び議案第113号は、財産の取得に関し議決を求めようとするものであります。
 議案第114号は、北上川水系に係る一級河川の指定及び指定の変更についての意見に関し議決を求めようとするものであります。
 以上のとおりでありますので、よろしく御審議の上、原案に御賛成くださるようお願いいたします。
〇議長(堀口治五右衛門君) これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、発言を許します。斉藤信君。

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