平成9年6月定例会 第10回岩手県議会定例会会議録

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〇7番(佐々木博君) 新進・公明の佐々木博であります。
 先輩、同僚議員の御高配により、今任期中3度目の一般質問の機会を与えていただきましたことに感謝を申し上げながら、通告に従い順次質問をいたしますので、誠意ある前向きの御答弁をよろしくお願いいたします。
 なお、前壇者と一部重複する点については、あらかじめ御了承を賜りますようお願いをいたします。
 最初に、去る6月3日に閣議決定されました財政構造改革の推進方策の本県に与える影響についてお尋ねいたします。
 特にも、本県に大きく影響するものとして、10年間の公共投資基本計画を3年間延長することとし、98年度の公共事業費を7%のマイナスと決めたことや、ウルグァイ・ラウンド関連対策について、対策期間の2年間延長や公共事業に位置づけられている農業農村整備事業について5、000億円程度減額する方向で検討されていることなどが挙げられると思います。経済企画庁は、98年度予算で公共事業費を7%削減した場合、国内総生産を0・6%押し下げる要因になるとの試算を明らかにしておりますが、これは、国内総生産に占める公共投資の比率8・5%に削減率7%を掛けた数字であり、公共投資の波及効果などは考慮に入れていない単純計算によるものであり、実際のマイナス効果はもっと大きなものになると心配されております。実際、岩手経済研究所の試算によると、すべての公共事業が7%削減と仮定すると、県内総生産へのマイナス効果は約397億円になると推計されております。公共事業費の一律削減は、社会資本の整備がおくれ、公共事業依存度が高い本県経済にとって大きなマイナス要因となることは必定でありますが、知事は、この難局にどう対処されるお考えか、御決意をお伺いいたします。
 また、今後は、新規事業はもちろんのこと、継続事業についても予算の獲得が困難となり、第三次総合発展計画の後期実施計画にも大きな影響があるものと考えられますが、その見通しについて御所見をお伺いいたします。
 次に、本県の行財政改革への取り組みについてお伺いいたします。
 97年度末には地方交付税特別会計からの借入金の累積が15兆円に膨らむ一方、地方の累積債務残高も約146兆円を超える見通しとなっており、財政再建は地方自治体にとっても緊急な課題であります。本県においても、97年度末の一般会計地方債の残高は約9、088億円と見込まれており、例外ではありません。特にも、閣議決定された財政構造改革の推進方策では、98年度の地方財政計画については、国が一般歳出を対前年度比マイナスとすることに伴って地方歳出も抑制されること、また、それと相まって、投資的経費に係る単独事業について対前年度比マイナスとすること等により厳しくその歳出の抑制を図り、地方財政計画上の地方一般歳出を対97年度比マイナスを目指すとされており、また、地方債の発行規模を抑制することも記されております。これらが実現しますと、伸び率がマイナスとなるのは83年度以来15年ぶりのこととなります。また、地方債の中でも、単独事業の財源として活用されている地域総合整備事業債を見直す案が浮上しているとも伝えられております。公共施設整備全般に使われる地総債は充当率が75%と高く、事業費のかなりの部分を手当てできる上、元利償還費の30から55%が交付税で措置されるため、自治体の負担が軽く済むいわゆる優良起債として本県でも単独事業に大いに活用されてきたものであります。このような、いわば四面楚歌とでも言うべき財政状況にあっては大きな財源は期待できないのでありますから、なお一層の行財政改革に努力し、財源の確保に努めていただくよう切望するものであります。
 ところで、財政単年度主義をとる国や地方自治体では、予算は使い切るものとの考えが常識になっているのではないでしょうか。そして、こういった発想は大いに改めるべきではないでしょうか。
 例えば三重県では、昨年度から与えられた部局単位の予算を節約すれば次年度に節約分の2分の1を優先的に配分するという節約システムを導入し、昨年度の節約分は総額1億342万円に上り、見返りに節約分で認められた新規事業は全部で41件、計5、046万円となったと報ぜられております。また、約3、000に上る県の全事業ごとに、係長以上全員が各担当事業の目的、活動状況、人件費などのコスト、費用対効果を自己点検し、予算査定に反映させる事務事業評価システムを取り入れ、それに基づき予算査定をした結果、268件、59億849万円の業務が廃止されたとも報じられております。
 こうした財政単年度主義に対する改善や公共サービスに数値で指標を立てるといったことは今までになかった発想であり、非常に示唆に富んでいるものと私は考えるものであります。今後、このような工夫を凝らした行財政改革への取り組みが全国の地方公共団体で展開されることになると思いますが、本県ではどのように取り組むお考えなのか、知事の御所見をお伺いします。
 次に、市町村合併についてお伺いします。
 なお、この問題についてはさきに折居議員が触れておられますし、私の後に登壇いたします佐々木一榮議員も質問を予定しておりますので、焦点を絞って質問させていただきます。
 最近、合併論議が非常に盛んになってきております。第25次地方制度調査会は、この4月から市町村合併特例法の見直しを開始しました。住民発議制度の創設等を盛り込んだ前回の改定からわずか2年足らずで再検討を開始したことは極めて異例であります。また、自治省が市町村合併を進めるため、省内に市町村合併推進プロジェクトチームを設置し、合併推進の阻害要因の解明、インセンティブ拡充の検討など、合併促進策の具体化作業が本格化してきております。知事も報道機関の調査に対し合併促進に賛成と報じられておりますが、その最大の理由は何とお考えなのかお伺いします。
 また、将来、本県の市町村の数はどの程度に集約されるのが望ましいと考えておられるのか、あわせてお伺いします。
 私は、盛岡市と都南村が合併した際、盛岡市議会議員として貴重な体験をさせていただきました。その経験から、提言も交えて質問させていただきたいと思います。
 第1に、住民に合併によるメリット、デメリットをよく説明することが大切であり、特にも、市町村行政は住民に直結する行政であるだけに、市町村のメリット、デメリットではなく、住民自身にどういうメリット、デメリットがあるかということを明確に理解していただくことがいかに大切かということであります。県では合併促進のためのパンフレットを本年度中に作成すると伺っておりますが、作成に当たってはこの点に十分留意していただきたく、御所見をお伺いします。
 第2には、当事者同士では調整のしにくい事項も多々あることから、第三者の立場での県の果たすべき役割が非常に大きいということであります。実際、盛岡と都南村との合併の際、県、とりわけ盛岡地方振興局の果たした役割には非常に大きなものがありました。よく合併に当たっては、当事者の自主性を尊重するとか、住民の機運の盛り上がりを見守る必要があると言われますが、残念ながらそれだけでは合併は進みません。県の積極的なかかわりが求められるとともに、合併促進のための補助制度の創設等も検討すべきではないかと思うのですが、御所見をお伺いします。
 第3に、住民投票についてであります。合併促進のため住民投票の導入が検討されております。確かに、合併することにより身分を失うことの多い議員がサービスの低下という筋論に名をかりて反対運動を展開した例は過去にもたくさんあり、事、合併については、住民の意向と議会の意思とが必ずしも一致しないと思われることも多々あるようです。さきの合併特例法の改正で住民発議制度が創設され、以後39件の発議がなされていながら、協議会の設置に至った件数が5件にとどまっている現状を見ると、住民投票の導入もやむなしと考えるものでありますが、御所見をお伺いします。
 次に、住民投票についてお伺いします。
 去る6月22日、岐阜県御嵩町で産業廃棄物処分場建設の是非を問う住民投票が実施されました。住民投票については、ほかにも原子力発電所建設に関する新潟県巻町と米軍基地縮小等をめぐる沖繩県で実施された例があります。
   〔議長退席、副議長着席〕
 私は、前段で合併についての住民投票については合併促進の見地から導入もやむなしと申し上げましたが、それは、議員の身分に直接かかわる事柄で、議会の意思が住民の意思を必ずしも正確に反映しない可能性があるからであります。しかしながら、産業廃棄物処理施設も原子力発電所も、あるいは基地問題も議員の身分に直接関係する事項でもなく、また、この投票結果に法的拘束力があるものでもありません。住民投票といういわば直接民主制の手法は、間接民主制をとる今の我が国の政治システムを揺るがせかねないとの危惧の念を持つものであります。また、原子力発電所をめぐる巻町の住民投票や米軍基地への賛否を問う沖繩県民投票は、そもそも住民投票になじむ問題なのか、国のエネルギー政策や防衛問題が地域エゴに左右されていいのかと大いに論議されたところでもあります。先日の御嵩町の住民投票は産業廃棄物処分場についてのものでありましたが、同じく処分場については、高知県日高村と宮崎県小林市でも住民投票条例が定められていると伺っております。今後、地域を二分するような問題は住民投票で決着するという傾向が広まることも予想され、また、県内でもそういったことが起こる可能性もあるわけですが、住民投票につき県としてどのように考えておられるのか、御所見をお伺いします。
 次に、産業廃棄物についてお伺いします。
 共同通信の調査によると、建設現場の廃材やコンクリート片、廃油、金属くずなどの産業廃棄物は、少なくとも年間2、200万トン以上が都道府県の境を越えて処分のために運び出されていると報ぜられております。本県においても、95年度の資料では、本県から他県に搬出した量が4万7、850トンなのに対し、他県から搬入した量は21万トンと完全に搬入超過となっておりますが、主にどのようなものが搬入されているのかお伺いします。
 さて、6月10日に産業廃棄物処理法の一部改正が成立いたしました。最終処分場の逼迫、不法投棄等の問題を踏まえ、廃棄物の適正な処理を確保するため、廃棄物の減量化、リサイクルを推進するとともに、施設の信頼性、安全性の向上や不法投棄対策等の総合的な対策を講じるとの趣旨のもとに改正されたものであります。しかしながら、この改正法に対する評価は分かれており、不法投棄者に対する罰則の大幅強化やミニ処分場を許可制にしたことなどは高く評価される反面、できるだけコストの安い業者を選んで産廃の処理を依頼する排出事業者の姿勢がダンピングを生み、不法投棄に走らせているという実態からいたしますと、排出事業者の責任強化という点では不十分であり、また、生産段階での排出抑制とリサイクルの促進による資源循環型社会の構築につき触れられていないことや、水源地への立地規制が盛り込まれなかったことなど、期待を裏切られたとする意見も強いのであります。県は、今度の法改正を受けて、処分場の設置の問題や業界の指導にどのように対処されるお考えなのか御所見をお伺いします。
 次に、大規模小売店舗法、いわゆる大店法についてお尋ねいたします。
 通産省は、大型商業施設の進出を規制している大店法の見直しについて、5月から本格的な検討に入ったと伺っておりますが、規制緩和の一環として大型店の営業規制の一層の緩和が不可避との見方が強まる中で、自治体による独自規制の取り扱いや中小小売業振興策等を検討し、年内にも具体策をまとめる方針とのことであります。大店法は、中小の小売業者を保護するため74年に制定され、90年代に入ってから、92年に出店調整期間に1年の上限を設定、94年には調整対象となる売り場面積を1、000平方メートル以上に引き上げるなど段階的に緩和されてきたのでありますが、さらに政府は同法の抜本的見直しを本年5月に閣議決定しております。同法の見直しをめぐっては、さらに規制緩和を求める大型店業界と、これ以上の規制緩和に反対する中小小売業団体とで意見が真っ向から対立しておりますが、規制緩和の流れからも大幅な見直しは避けられないとの見方が一般的であります。
 今、盛岡市では、周辺の東北自動車道のインターチェンジ付近の3カ所に巨大ショッピングセンターが進出するとの話で、商店街はもとより、市民の間でも大いに話題となり、市議会でも大変活発な議論が行われたと伺っております。もちろん大店法には大型店の進出を阻止する権限はないのでありますが、法の見直しにより自治体による独自規制が認められるとするならば、大型店と地元商店街との共存共栄に向け、どのようなことが可能と考えられるのか、あるいは国に対し何を主張されるお考えか、県の考えをお示しいただきたいと思います。
 次に、盛岡駅西口の県有地活用についてお伺いします。
 県は、本年3月、盛岡駅西口地区県有地活用検討委員会で、活用に当たっての基本的な考え方をまとめました。また、この20日には盛岡駅西口地区県有地活用検討専門委員会の初会合が開かれましたが、いよいよ県有地の活用に向けて動き出したとの実感を持つものであり、本年度内の基本構想の策定に向け、関係者の御努力を期待するものであります。
 ところで私は、盛岡駅西口の県有地の活用についてはタイムリミットがあるのではないかと考えるものであります。それは、県都盛岡市の将来を展望した場合、西口の県有地にできる施設が東北新幹線の通過駅となる前に完成しているか否かで大きく影響を受けると考えるからであります。
 そこでお伺いしますが、今後、財政構造改革等の影響により県の財政状況も大変厳しくなることが予想されますが、施設の完成をいつごろと想定されているのか、構想策定の検討状況とあわせてお伺いします。
 また、盛岡駅西口地区は、雫石川を挾んだ盛岡南地区と連携することにより一層価値の高まる場所であり、仮称中央大橋の早期供用が望まれるものでありますが、それはいつごろとお考えか、あわせてお伺いします。
 次に、県立図書館についてお尋ねします。
 最初に、建設場所についてお伺いします。
 県立図書館の建設場所については、当初予定した現在地が盛岡市の反対で白紙となり、盛岡市からは別の候補地を3カ所提示されているとお聞きしております。県教委としては、その提示された3カ所の中から建設地を選定するお考えか、あるいはそれらも含めてもう少し幅広く検討するお考えなのかお伺いします。また、あわせて決定の時期はいつごろを想定されているのかお伺いします。
 次に、新しい県立図書館の整備基本計画を協議する県立図書館整備基本計画検討委員会についてお伺いします。
 この検討委員会はつい先日設置され、新図書館の有すべき機能につき今後御協議いただくわけですが、検討委員会では新県立図書館のどのような機能について検討するのかお聞かせください。
 最近できた図書館は、図書の検索もスピーディーで、ほかの図書館とのネットワークも充実していますが、これはコンピューターの活用によるものであり、そのためには蔵書のすべてをデータベース化しておかなければなりませんが、それには膨大な時間を要すると伺っております。現在、県立図書館には約41万6、000冊の蔵書があるそうですが、新図書館ができればコンピューターシステムを活用するのは明らかであり、施設建設に先立ってでもそれらの蔵書のデータベース化等は急ぐべきと思いますが、どのような予定になっているのかお聞かせください。
 次に、中高一貫校についてお尋ねいたします。
 私は、2年前の6月議会の一般質問で中高一貫校を取り上げ、質問したことがあります。そのときの御答弁は、今後の審議の動向を注目してまいりたいという程度の答弁しかいただけなかったと記憶しておりますが、本年の5月、中央教育審議会は審議のまとめ(その2)を公表し、昨日第2次答申として文部大臣に提出されました。形式的な平等重視から個性尊重への転換を図り、規制緩和を進める観点から、公立の中高一貫校導入や高校2年終了時での大学への飛び入学を打ち出しているのが最大の特徴であります。特にも、中高一貫校の公立校については、これまでの中学、高校は残しながら、子供や保護者の進路選択の幅を広げるため、自治体の判断で選択的に導入できるよう促し、受験競争の低年齢化を避けるため学力試験を課さないとしており、市町村立中学校と都道府県立高校のように設置者が違っても認めるとしたことに大きな意義があります。あるマスコミの調査によると、全国の都道府県、政令指定都市のうち東京都など8自治体が前向きで、既に検討中か、設置に向けて近く実務的な検討に入る予定とのことですが、本県でも教育長が前向きに取り組む意向を示していると報道されております。教育長の中高一貫校に対する御所見と御決意をお聞かせください。
 最後に、表現が適切かどうか疑義のあるところでありますが、マスコミ等で取りざたされている、いわゆるおやじ狩りなどの少年非行についてお尋ねいたします。
 最近、全国的におやじ狩りと呼ばれる強盗事件が増加するなど、少年犯罪の凶悪化や援助交際という名の性非行の著しい増加が大きな社会問題となっております。本県においても、盛岡市の大通などは深夜ともなると少年たちが徘回し、男性の大人でも1人で歩くのには不安を覚えるほどであり、おやじ狩りに類するような強盗事件も起きていると聞いておりますし、また、明らかに未成年とわかる女性たちが深夜車に乗せられて消えていくのを目にするのもたびたびであり、おやじ狩りや援助交際も岩手にまで広がりつつあるのかと危惧しているところであります。
 そこで最初に、本県の少年犯罪、少年非行の実態がどうなのか、また、数はふえているのかお伺いします。
 また、こうした現状から、警察庁では逮捕も辞さない強い姿勢で少年犯罪に対処することに方針転換したと報道されておりました。恐らくこれは優しさとともに厳しさも必要だという趣旨かと存じますが、県警も同様の姿勢で対処していくのか、あわせてお伺いします。
 次に、最近の少年たちの犯罪を見ていると、例えば盗みや強盗をしても、金に困ってやっている様子もなく、また、余り罪の意識も持っていないように見受けられるのですが、実態はどうでしょうか。また、そうだとすると、その原因は何だと考えられるでしょうか、御所見があればお聞かせください。
 青少年の健全育成は県政の重要課題であり、それには警察だけでなく、地域社会、学校、家庭など社会全体の取り組みが必要なのは申すまでもありません。しかしながら、その中枢を担うのはやはり警察であります。私は、判断力の未熟な少年たちにやっていいことと悪いことのけじめを徹底させ、ルール違反には適正な法の裁きがあることを教えるためにも、警察が少年たちに厳しく対処することに賛成であります。また、間もなく夏休みに入りますが、長期休暇のときに非行に走る子供が多いとも聞いておりますので、県警には万全の体制で臨んでいただきたいと願うものであります。県警本部長の御所見をお伺いし、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事増田寛也君登壇〕
〇知事(増田寛也君) 佐々木博議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、財政構造改革の推進方策の本県に与える影響についてお尋ねがございましたが、御案内のとおり、国におきましては、少子・高齢化の進展や生産年齢人口の減少など、我が国の財政を取り巻く環境が大きく変容し、国、地方を通じて極めて厳しい財政状況にあることを踏まえまして、この財政構造改革の推進について、これを閣議決定いたしまして、その中で、平成10年度の公共投資予算を対9年度比で7%以上削減する、こうしたことを閣議決定したところでございます。このことによりまして、本県におきましても公共事業の実施について相当の影響が生じることも懸念されるところでございまして、地域の発展にとって必要となります社会資本の整備について、可能な限り支障が生じることがないように万全を期していく必要があるものと、このように認識しております。したがいまして、公共投資予算の配分に当たりましては、単に採算性や効率性のみを優先して画一的な基準で行うのではなくて、21世紀の望ましい国土構造がどういうものか、そして、そうした国土構造をいかに構築していくのか、こういう観点や、生活関連資本などについて、立ちおくれている地域への重点化を図る、こういう考え方に立って行われるように、国に対しまして、来月政府予算統一要望を予定いたしておりますが、そうした場を初めといたしまして、あらゆる機会をとらえて強く要望してまいりたいと考えております。
 また一方で、県といたしましても、事業の重点化、効率化を進めますとともに、極力事業量の確保を図るために、公共工事コスト縮減にも取り組んでいく考えでございます。
 なお、三県総後期実施計画への影響につきましては、国の公共事業に係る各種長期計画の期間がいずれも延長されると、こういうことの関連で、各部局におきまして、それぞれの事業推進について見直しが必要となることが想定されるわけですが、そうしたことから影響を当然受けるということも考えられるわけです。この三県総の後期実施計画に沿った今後の事業推進につきましては、今年度から策定に取りかかります新しい総合計画の中で、適切に対応していく考えでございます。
 次に、行財政改革への取り組みについてでございますが、これは本県としての取り組みをどうするのかということでございましたけれども、本県の財政は、御案内のとおり、県税などの自主財源が乏しいと、地方交付税、国庫支出金や県債に強く依存せざるを得ない、そうした体質にあります中で、今般、国が歳出の改革と縮減を強力に進めることを内容とするこの財政構造改革の推進方策を示したことで、この財政を取り巻く環境は、今後一段と厳しさを増していくものと、こういうふうに考えています。
 このような状況の中で、県民の要請にこたえながら21世紀のこの輝きのある岩手を創造していくためには、限られた財源を効果的に活用して、長期的な展望に立った施策の展開ができるような、機動的、効率的な行財政運営を確立していくことが肝要でございまして、そのためには、財政構造改革という時代の大きな流れにも対応できるように、将来を見据えた本県の進むべき目標と方向を明確にした上で、行財政改革に取り組んでいく必要があると考えております。
 このため、予算編成作業が開始される、これは通常いつも10月の半ばごろから本県の場合には開始をするわけですが、その前までに、10月の初めまでに、そのころを目途として、本県としての行財政改革の推進のための指針を策定することといたしております。この指針の内容は、財政健全化のための具体的な目標を設定しながら、予算要求の、従来からシーリング方式をとっておりましたけれども、このシーリング方式の見直しや既存の事務、事業のこれを厳密に評価をいたしまして、この評価に基づく歳出の徹底した見直しを図る。それから、新規事業創設の際のスクラップ・アンド・ビルド原則の徹底や、または緊急度、優先度に配意した限られた財源の重点的配分などのこの具体的な方策をその指針の中に定めたいと、また、定数管理や行政の事務手続の改善方策をもその中に盛り込んだ行財政全般にわたるものにしたいと、こういうふうに考えておりまして、先ほど御指摘ございました三重県のやり方なども、私どもの方で十分調査をしているところでございまして、この指針の策定の内容に生かしていきたいというふうに考えています。これをもとに全庁挙げた取り組みを展開いたしまして、実効性のある行財政改革を推進していく考えでございます。
 次に、市町村合併の促進に賛成する理由についてまずお尋ねがございましたけれども、近年、住民の日常生活圏や経済活動の拡大に伴いまして、市町村の区域を越える広域的な行政需要がますます増大をいたしまして、行政サービスや地域整備の面で広域的な取り組みが必要になっていることに加えまして、価値観の多様化などにより行政サービスも多様で、高度な内容が求められておりまして、特に少子・高齢化の進展に伴う福祉サービスの充実が、これは市町村の重要な課題というふうになってきているところでございます。
 住民に最も身近な市町村がこのような状況や地方分権の動向などに適切に対処していくためには、行財政基盤の強化を図っていくことが必要でございまして、これに対応する有効な方策として、合併をも含んだ広域行政の促進が時代の要請となっていると、こういうふうに考えまして、市町村の自主的な合併の促進について私は賛成というふうに答え、また、そういうふうに考えているものでございます。
 次に、将来の本県の市町村の数がどの程度に集約されるのが望ましいかというお尋ねでございました。この問題は、市町村の適正規模がどの程度であるのかと、また、その結果として市町村数がどの程度になるかといった、こうした論点と密接に関連してくるものであると、こういうふうに考えております。この場合、一般論として言いますと、一つは大都市圏、ここでの市町村合併、昨日ですか、大宮、浦和、与野、こういった都市がこれから合併を目指して、13番目の政令指定都市を目指すという動きが報じられておりましたけれども、こうしたパターンもあると思います。それから、地方中心都市とその周辺地域、本県で言えば盛岡と都南村が合併をしたと、こういうパターンもあると思います。あるいは過疎地域など大変行財政能力が弱いところでの合併、そうしたパターンが幾つか考えられると思っていまして、地域の実情によりましてそれぞれそうしたところで合併を目指す目的が異なるということがあると思います。
 それから、合併して一つの自治体ですべての行政サービス、福祉から医療から、そういったものすべての行政サービスを一つの自治体ですべて完結させようとしていくのかということ、そうでなくて複数の自治体がお互いに連携をして行政サービスを相互に機能分担しながら提供していくと、これはいわゆる広域連合の制度などが新しくできたわけですが、合併しないけれどもそうした広域連合制度などを活用して、そういう方向をとっていこうと、これもまた一つの考え方だというふうに思っておりまして、こうした選択、どちらの道を選択するのかといったようなことなどによっても、大きく前提条件が異なってまいりますので、これは一律に論ずることは実際のところ困難と、こんなふうに考えております。ただ、いずれにいたしましても市町村を取り巻く今日的な課題解決のための有効な方策の一つとして、こうした市町村の自主的合併は時代の趨勢であると、こういうふうに受けとめているところでございます。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部長から答弁をさせますので、御了承をお願いいたします。
   〔企画振興部長武居丈二君登壇〕
〇企画振興部長(武居丈二君) まず、市町村合併の促進のためのパンフレットの作成についてでありますが、市町村の合併につきましては、市町村関係者や地域住民の間で論議が深められて、合併の機運が高まることが何よりも肝要であります。そのため、合併のための住民からの直接請求制度、合併後のまちづくりに対する財政支援措置、議員の定数及び任期の特例などについて、市町村の行政関係者のみならず、住民においても十分理解の上、合併によるメリット、デメリットについて考えていただくことが必要であります。したがいまして、パンフレットの作成に当たりましては、合併に関する制度などの内容のほか、住民の側から見た議員御指摘のような合併のメリット、デメリットについてもできるだけ具体的に触れ、わかりやすく解説したものを作成し、機運の醸成を図ってまいりたいと考えております。
 次に、市町村合併の促進のための県のかかわりについてでありますが、県といたしましては、これまでも市町村間の自主的な合併を促す観点に立ってさまざまな機会をとらえて機運の醸成に努め、また、関係者からの求めに応じて、先進事例の紹介や合併促進のために必要な助言等を行ってきたところであります。もとより、市町村の合併は、住民の間で議論が深められ、合併の機運が高まっていくことが肝要でありますので、今後とも市町村の合併に関する情報の提供に努めるとともに、市町村の意向やその取り組み状況に応じて積極的に対応してまいりたいと考えております。
 また、合併に対する助成制度につきましては、平成7年に延長されました市町村の合併の特例に関する法律によりまして、財政支援措置が大幅に充実され、合併後の財政措置として地方交付税の特例措置を初め、合併市町村まちづくり推進事業による支援措置など、合併に対する支援策が拡充されておりますが、現在、国におきまして、第25次地方制度調査会や地方分権推進委員会の審議の中で、合併を促進するためには一層の財政支援が必要ではないかなど議論が重ねられているほか、自治省内に合併の阻害要因を分析するためのプロジェクトチームが設置されるなどの動きがありますので、県といたしましては、合併促進のための支援策がさらに充実されることを期待し、当面はこのような国の動向を注視してまいりたいと考えております。
 なお、合併の助成制度につきましては、大きく、合併に伴うハード面の整備に対する財政措置と、合併に向けた機運の醸成、例えば市町村でありますとか、住民団体等の先進地への視察、シンポジウムの開催、合併に向けた調査研究等に対する助成、こういったものがございますけれども、全国的に見ますと合併が具体化する前段階においては、後者に対する制度が多いものであります。この点に関しましては、本県では地域活性化事業調整費がございますことから、地方振興局における判断でこの活用ができるものと考えております。
 次に、市町村合併の促進のための住民投票の導入についてでありますが、市町村の自主的合併を進める手続の中に、住民投票制度を位置づけることは、住民の意向を把握するための一つの方法でありますが、住民投票制度と議会の議決権との調和をどのように図るか、こういった問題も生じるものでございます。これに関しましては、現在国の地方分権推進委員会において、市町村の合併の特例に関する法律における住民発議制度の拡充について検討されているところでありますので、その動向を注視してまいりたいと考えております。
 次に、住民投票についてでございますが、住民投票には議会の解散請求制度など法律に基づくもののほか、条例、要綱等による法的拘束力のない住民投票も実際には行われているところでございます。このような法的拘束力のない住民投票は、住民投票によって団体の意思が決定されるものではありませんが、首長あるいは議会を中心とする現行の地方自治制度の中で住民投票制度がどのように位置づけられるべきか、あるいは住民投票に適するものは何かなどについて、地方自治に携わる関係者や大学等の学識経験者の間でさまざま議論があるところでございます。このような制度の取り扱いにつきましては、地方自治の本旨からそれぞれの地方団体においてみずから判断すべきものではありますが、実際に住民投票を導入するに当たりましては、幅広い観点から検討し、慎重に判断していく必要があるものと考えております。
 次に、盛岡駅西口地区県有地の活用についてであります。
 当用地は、議員御案内のように、北東北の拠点性の向上や県内各地域との連携交流の促進を図る上で、地理的に極めて重要な位置にあります。このため、当用地の活用については、県政全般にわたる重要な課題として、当部において全庁的な取り組み体制を整備するとともに、全国の事例調査や専門家との意見交換など、さまざまな取り組みを進め、この3月末に盛岡駅西口地区県有地の活用に当たっての基本的な考え方を取りまとめたところであります。この基本的な考え方の中では、当用地の活用に当たっては、西口地区全体の開発コンセプトやこの地区に整備される施設間相互の機能との調整などに留意しながら、複合的な施設整備について、引き続き検討することとしており、今年度は、新たに私をキャップといたします庁内の部局長で構成する委員会の設置とあわせまして、まちづくりの専門家や学識経験者の方々からなる専門委員会を設置しまして、先般第1回目の委員会を開催するなど、鋭意検討を進めているところであります。
 今後、これらの委員会での意見や提言等を参考にしながら、本年度末を目途に、その活用構想をまとめてまいりたいと考えております。今後、施設整備を念頭に置いた場合、最近の各地の類似例から、バブル崩壊後の情勢変化に対応した施設の整備手法なども、これから重要な検討課題になってまいりますし、さらに導入する個々の施設については、関係部局における将来を展望した詳細な検討もあわせて必要となることから、こうした課題を一つ一つ整理しながら、施設全体の基本計画の策定等、次のステップへ移行してまいりたいと考えております。
 一方、この施設が現在建設中のマリオスの機能などと相まって、西口地区全体の都市機能の強化発展に貢献するためには、議員御指摘のとおり、東北新幹線の盛岡以北の開業時期、さらには、中央大橋の開通時期や西口地区の都市開発整備事業の進捗状況など、周辺環境全体の状況に十分考慮する必要がありますので、これらの情勢も見きわめながら、財政事情も勘案して、時期を逸することなく整備されるよう努力したいと考えております。また、今後策定する新しい総合計画の中にも位置づけ、事業の推進を図ってまいりたいと考えております。
   〔生活環境部長吉田敏彦君登壇〕
〇生活環境部長(吉田敏彦君) まず、他県から県内に搬入されている産業廃棄物についてでありますが、平成2年に本県が定めております産業廃棄物処理に関する指導要綱に基づきまして、県外で発生した産業廃棄物を県内に搬入する場合には、排出事業者に対し、その性状や搬入経路、処理方法等につきまして、搬入前に協議を求めて、当該廃棄物が原料や燃料などとして利用されることが見込まれる廃棄物の搬入を承認してまいったところでございます。
 平成7年度における内容を申し上げますと、県外から搬入された約21万トンの廃棄物のうち、最も多いものは、ばいじんの15万4、000トンでございまして、次いで汚泥の1万7、000トン、廃タイヤなどの廃プラスチック類が1万6、000トンなどとなっているところでございます。これらの廃棄物は、主にセメントの原料や燃料として使用され、98・3%がセメント工場で再利用されているところでございまして、このほか建設廃材からの再生路盤材の製造や、写真の現像廃液からの銀の回収などが行われているところでございます。今後とも排出事業者の協力をいただきまして、県内で適正に処理ができるものに限って搬入を認めてまいる考えでございます。
 次に、廃棄物処理法の改正を受けての処分場の設置や業界の指導についてでありますが、これまで県といたしましては、指導要綱を定めまして、改正法の趣旨とおおむね同様の考え方で、設置者に対して事前協議を求め、施設の構造や維持管理の方法及び地域住民への説明内容を審査するとともに、市町村長の意見を聞き、施設の安全性や信頼性を確保するよう努めてきたところでございます。今般の法律の改正は、大きく分けまして三つの柱が示されているところでございます。
 第1点は、多量排出事業者におきます減量化の推進、あるいはリサイクルに係る規制の緩和が新たに盛り込まれたということでございます。
 第2点は、廃棄物処理施設の構造基準の強化、さらには、処理施設の設置の際における生活環境影響調査の実施、いわゆるアセスメントでございます。事業計画等の公告、縦覧及び関係住民や市町村の意見聴取を行うなどの、設置手続に関する規定が新たに設けられたところでございます。
 第3点でございますが、不法投棄の防止対策として、すべての廃棄物について、排出事業者が産業廃棄物の管理票を作成しなければならない。処理業者に交付することと、そして処理業者が排出事業者にその管理票を回付することを義務づけるとともに、さらには、投棄禁止違反に対する罰金を大幅に引き上げているということでございます。したがいまして、今後は、改正法につきまして、排出事業者や処理業者を対象とした説明会を開催し、周知徹底を図りまして、所要の手続に遺漏のないように指導してまいりたいと考えております。
 また、改正法の趣旨をも踏まえた新たな観点から、指導要綱の改正を行いながら、多量排出事業者における減量化計画の早期策定や、産業廃棄物管理票制度の実効ある運用を図りまして、より県民に信頼される産業廃棄物の処理が行われるよう、排出事業者及び処理業界の指導に努めてまいりたいと考えているところでございます。
 なお、御指摘のございました資源循環型社会の構築につきましては、県としてもその推進に努めてまいりたいと思いますが、水源地への立地規制につきましては、衆議院、参議院両議院の厚生委員会の附帯決議がついておりまして、必要な措置について検討し、適切な措置を講ずることというふうなことになっておりますので、その動向を見守るとともに、県といたしましても研究を続けてまいりたいというふうに存じております。
   〔商工労働観光部長佐藤孝司君登壇〕
〇商工労働観光部長(佐藤孝司君) いわゆる大店法についてでありますが、国が平成7年3月に策定した規制緩和推進計画の中で、平成9年度に法制度の見直しを行うこととされ、本年5月の閣議決定に基づき、現在、産業構造審議会及び中小企業政策審議会の合同会議において、見直しの審議が行われていると承知しております。この合同会議においては、今後、海外調査、地方ヒアリング、国民世論調査の結果等を踏まえながら、年末までには結論を出す予定とのことであり、さまざまな角度から活発な論議がなされるものと思われますが、今後の審議の方向性は必ずしも定かではないと伺っております。
 このような中で、国におきましては、共存共栄の観点も含めて、中小小売店中心の商店街から大型店まで、多種多様な商業機能の面的な展開の促進や、交通環境の改善のための各種基盤整備など、中心市街地活性化のための総合的な施策を検討することとしているところであります。
 県といたしましても、従来のような個別の商店街等を中心とした支援に加え、市町村等の自助努力を基本としながら、いわゆる特定商業集積法の活用による魅力ある商店街、商業集積の形成や、地域の特色を生かした商業基盤整備など、まちづくりの観点からの支援を一層強化してまいりたいと考えております。
 また、各種の都市計画事業との連動による商店街への支援施策の拡充について、本定例会終了後、議会の御協力を得ながら行う政府予算統一要望において、最重点項目として要望することといたしております。
   〔土木部長藤本保君登壇〕
〇土木部長(藤本保君) 仮称中央大橋の供用時期についてでありますが、この橋梁は、盛岡市が21世紀に向けた新しいまちの創出を目指して整備を進めております、盛岡駅西口地区と盛岡南地区を結ぶ、重要な路線内にあります主要な構造物として位置づけられておりまして、平成8年度に補助事業として新規採択を受け着手したところであります。架橋を予定しております雫石川は、都市の中の河川としては、野鳥や植物等の生息する豊かな自然環境が残されており、また、盛岡市の都市景観ガイドプランにおきましても、雫石川河川区として景観形成を図る地区とされております。
 このようなことから、計画に当たりましては、雫石川の自然環境との調和を図るため、盛岡市においては、河川工学等の専門家や自然保護団体等の代表者により構成された中央大橋環境調査委員会を、また、県では、景観や橋梁工学の専門家等で構成した仮称中央大橋景観検討委員会を設置して、自然と景観に配慮した橋梁の整備を目指し、検討を重ねているところであります。今後は、これらの委員会からの提言を踏まえて、詳細設計を進めるとともに、地元地権者の御理解と御協力を得ながら、できるだけ早期に本格的な工事に着手したいと考えております。
 供用時期につきましては、昨今の公共事業を取り巻く環境が極めて厳しい状況にありますが、事業の重要性にかんがみ、事業費の確保に努めながら、平成10年代半ばの供用に向けて努力してまいりたいと考えております。
   〔教育長細屋正勝君登壇〕
〇教育長(細屋正勝君) まず、県立図書館の整備についてでありますが、建設場所につきましては、新しい時代を展望した県立図書館としての役割や機能の検討を進めるとともに、視聴覚障害者の情報センターなどとの複合施設化についても関係部局等と協議の上、盛岡市から提案された用地をも含めて幅広く検討し、年内を目途に建設地を選定したいと考えております。
 また、先般設置しました県立図書館整備基本計画検討委員会におきましては、学習活動の多様化、高度化にこたえ、広く県民が図書館サービスを享受できることを基本として、市町村立図書館に対する支援や県内外の図書館等とのネットワークによる情報提供、さらには、郷土資料を含む図書資料等の整備充実など、県民の生涯学習の中核施設としての県立図書館の機能について具体的に検討していただく考えであります。
 さらに、蔵書のデータベース化等についてでありますが、蔵書の検索及び貸し出しの迅速化、効率化や市町村図書館等とのネットワーク形成など、高度情報化に対応した県立図書館情報化の基盤を整備する上で必要不可欠でありますことから、新県立図書館の開館にあわせて、蔵書のデータベース化の構築を目指してまいりたいと考えております。
 次に、中高一貫校についてでありますが、中央教育審議会は、高校入試の影響を受けないゆとりある学校生活を可能にし、体験学習や特色ある教育により、生徒の個性や創造性を伸ばすという観点から、中高一貫教育の選択的導入を提言したところであります。実際の導入に当たりましては、制度上の問題など、幾つか解決しなければならない検討課題もありますが、高等学校入学者選抜の改善の方向にも沿い、子供たちや保護者などの選択幅を広げる上からも評価できる制度であると考えております。
 教育委員会といたしましては、目下、県立高等学校長期構想検討委員会において、本県の今後の高校教育のあり方や地域の特性等を踏まえつつ、総合学科のような特色ある新しいタイプの学校づくりについて、中長期的な展望に立って検討していただいているところであり、その検討の中で高校教育全体の中でどのような形の中高一貫教育を導入していくか、検討してまいりたいと考えております。
   〔警察本部長池田克彦君登壇〕
〇警察本部長(池田克彦君) 少年非行についての御質問にお答えいたします。
 まず、非行の実態とこれに対する県警察の姿勢についてでございますが、平成8年中におきます全補導人員は1万1、212人でございまして、この数字は年々増加する傾向にあります。県下のいわゆる少年に当たる方は11万2、000人弱でございますので、1人で複数補導される場合もありますから一概には言えませんが、単純計算いたしますと少年10人に1人が補導されているという状況にございます。
 また、議員御指摘のおやじ狩りや、あるいは援助交際というような言葉がマスコミでしばしば取り上げられておりますが、金品奪取を目的として複数の少年が成人男子を襲うという暴力非行は、昨年来、盛岡市や北上市で発生しており、また、性の逸脱行為で補導されました女子少年は昨年は63人で、史上最高でございました一昨年に比して減少はしているものの、長期的に増加する傾向にございます。
 これに対する県警察の姿勢についてでございますが、少年にかかわる各種犯罪の捜査等につきましては、ただいま申し上げた現状認識に立ちまして、少年法の精神を尊重しつつも、規範意識を高めるという観点から、より一層厳正に対処していく考えでございます。
 次に、非行の動機原因と防止のための今後の取り組みについてでございますが、動機の面では議員御指摘のように、例えば生活困窮などによる非行というものはほとんどありませんで、遊興目的等、いわば豊かさの中の非行が高い率を占めております。その背景といたしましてはさまざまあると思いますが、中でもテレホンクラブを初めとする性非行の温床となるような営業、あるいは深夜飲食店、遊戯場等、少年のたまり場になりやすい営業所の増加など、少年を取り巻く環境が悪化していること、それから都市化や核家族化に伴い家庭や地域におきます非行防止機能、これが低下していることというような点が大きな原因ではないだろうかというふうに考えております。
 このような点にかんがみまして、県警察といたしましては、青少年を環境悪から守る県民総ぐるみ運動など、関係機関、団体との連携をより一層緊密にし、街頭補導活動を強化するとともに、有害環境の浄化や少年の規範意識の啓発等を総合的に推進してまいりたいというふうに考えております。中でも盛岡市大通等の若者が蝟集する地域では、夏休みに向けて警察官や補導員を特別に配置し、あわせて地域と一体となった環境整備活動を行うことにより、犯罪の未然防止と少年の規範意識の向上を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
   
〇副議長(吉田盛君) この際、暫時休憩いたします。
   午後3時39分 休 憩
   
出席議員(45名)
1  番 斉  藤     信 君
2  番 佐 々 木  大  和 君
3  番 須  藤  敏  昭 君
4  番 佐 々 木  一  榮 君
5  番 黄 川 田     徹 君
6  番 小 野 寺     好 君
7  番 佐 々 木     博 君
8  番 中 屋 敷     十 君
9  番 大 久 保     豊 君
10  番 浅  井  東 兵 衛 君
11  番 千  葉     伝 君
12  番 伊  沢  昌  弘 君
13  番 藤  原  泰 次 郎 君
14  番 田  村  正  彦 君
15  番 伊  藤  勢  至 君
16  番 佐  藤  一  男 君
17  番 高  橋  賢  輔 君
18  番 瀬  川     滋 君
19  番 渡  辺  幸  貫 君
20  番 長 谷 川  忠  久 君
21  番 谷  藤  裕  明 君
22  番 水  上  信  宏 君
23  番 船  越  賢 太 郎 君
24  番 久 保 田  晴  弘 君
25  番 千  葉     浩 君
26  番 折  居  明  広 君
27  番 三  河  喜 美 男 君
28  番 村  上  恵  三 君
29  番 村  田  柴  太 君
30  番 藤  原  良  信 君
31  番 吉  田  洋  治 君
33  番 工  藤     篤 君
34  番 菅  原  温  士 君
35  番 菊  池     勲 君
36  番 小  原  宣  良 君
37  番 樋  下  正  光 君
38  番 及  川  幸  郎 君
39  番 那 須 川  健  一 君
42  番 山  内  隆  文 君
45  番 佐 々 木  俊  夫 君
46  番 山  崎  門 一 郎 君
47  番 菊  池  雄  光 君
48  番 佐  藤  啓  二 君
49  番 堀  口 治五右衛門 君
50  番 吉  田     秀 君
欠席議員(4名)
40  番 伊  藤     孝 君
41  番 藤  倉  正  巳 君
43  番 佐  藤  正  春 君
51  番 藤  原  哲  夫 君
   
説明のため出席した者
休憩前に同じ
   
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
   
午後3時58分 再 開
〇副議長(吉田秀君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第2、一般質問を継続いたします。佐々木一榮君。
   〔4番佐々木一榮君登壇〕(拍手)

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