平成9年6月定例会 第10回岩手県議会定例会会議録

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〇4番(佐々木一榮君) 新進・公明の佐々木一榮でございます。
 本定例会におきまして、先輩、同僚議員の皆様の御配慮によりまして一般質問の機会をいただき、感謝を申し上げる次第であります。
 それでは、通告に従いまして順次質問をさせていただきますが、一般質問最後の登壇でもありますので、多少重複する点もあろうかと思いますが、誠意ある御答弁をお願い申し上げます。
 まず初めに、増田知事の描くドリームランド岩手について、そして、次期岩手県総合発展計画についてをお伺いいたします。
 知事は、2月県議会定例会において以下のように演述をされております。21世紀を間近に控え、これからの数年間は、自由で新鮮な発想のもと、輝きのある岩手を創造していくための貴重な準備のときであり、新しい時代の扉を開き、大きく羽ばたく助走の期間と位置づけたいと考えられ、また、広大な県土を有し、四季折々の変化に富んだ自然、特色ある歴史、こうした自然と歴史に培われてきた固有の文化に恵まれ、また、進取の気性を持った人材を数多く輩出するなど、全国に誇れる無限の可能性を秘めたフロンティアとも位置づけられております。岩手のあるべき姿とは、このような自然、歴史、文化などを生かした地域づくりが各地で繰り広げられる、躍動感あふれ、心豊かな地域社会、すなわちドリームランド岩手であると述べられております。知事自身、岩手の明るい未来を切り開くため、県民の多様な価値観に応じた自己実現の選択の可能性を広げ、一人一人が将来の夢や人生の目標を抱き、すべての県民が手を携えてそれにチャレンジし、達成できるような環境をつくり上げ、イーハトーブの新しい風を起こすことに全力を傾注されることを決意されております。日ごろの知事の県政懇談会や各種団体との協議や、また、県版行政改革への取り組みなど、先見性と行動力に多くの県民が期待しているところであろうと考えます。しかしながら、今、国、地方を問わず、すべてにおいて改革、変革の時期に来ていると私は認識をしております。
 そこでお伺いいたします。増田知事は就任以来2年を経過した今、行政枠でいうと国と市町村の間の県のリーダーとしてさまざまなジレンマもお持ちだろうと思いますが、21世紀を目前に控えた現在、ドリームランド岩手を実現するためには何が一番重要かつ不可欠とお考えでしょうか。また、実現に向けて阻害要因となるものがあるとすれば何だとお考えでしょうか。
 次に、次期県総合発展計画作成に当たって、知事は、県政の主役は県民であり、県民の皆様のためのものであるというその本来のあり方を考えるとき、これからの計画づくりやその推進に当たっては、県民とともに考え、つくり、実践していくこと、すなわち県民提案型、県民参加型県政の推進が何よりも肝要と認識され、新しい総合計画の策定においてもこのような考えのもとに進めていくと述べられております。まさしく開かれた県政を目指す知事の考えに共感するものではありますが、その中でも最も重要なことは、増田知事自身が岩手はこうあるべきというビジョンを県民に明確に示し、論議を深めることが大事と考えます。世の中が混迷を続ける現在ほど、行政のリーダーとして、そして政治家としての力量が試されているときではないかと私は考えます。このほど、次期計画策定に向けて、大学教授など有識者から未来提言も募っているようですが、知事は、どの段階でどのように知事自身のカラーを県民に明らかにされていかれるのでしょうか、お伺いいたします。
 次に、行政改革について何点かにわたり質問をさせていただきます。
 まず初めに、地方分権と権限委譲についてお伺いいたします。
 知事は、地方分権については、正確には地方主権への動きの強化と認識され、国の方向がはっきりしていないにもかかわらず、できることからということで県版の行革をスタートさせた英断はまことにすばらしいと私は認識をしております。国、県、市町村は、住民から見るとどれもお役所であります。分権社会は、地域のことは自分で決めると同時に、それに責任を持つことが前提であり、住民に一番近い市町村の役割は今まで以上に重要になってくることは間違いないと考えますが、当の市町村が実際に住民の要望をいかに実現せしめ、サービスの向上を目指していくとなれば、さまざまな面での国、県の連携と支援が不可欠と思います。そういう意味から、恐らく市長会や町村会において、市町村への権限、事務委譲について抵抗があるのではないでしょうか。知事はトライアル・アンド・エラーもあり得るとお考えのようでありますが、その際の責任の所在も明確にできるシステムを構築していかねばと考えますし、市町村のコンセンサスをある程度得て進めていかないと、まさしく市町村の格差が広がり、最終的にどの地域に住むかによって住民の行政サービスの度合いが変わってくると思います。知事は、具体的にどのように県と市町村の連携を図り、進めていかれるか、お考えをお伺いいたします。
 本議会開会中も県内各市町村の首長を初め、幹部が知事初め本庁各部局に大勢でそれぞれの地域課題解決のため陳情に訪れているわけでありますが、こういう状況を踏まえ、地方振興局の機能強化は将来どうあるべきとお考えでしょうか、あわせてお伺いいたします。
 第2に、情報公開とこのたびの不正出張支出問題についてお伺いいたします。
 情報公開については、私自身過去2回本会議において質問をさせていただいておりますが、このたび県公文書公開審査会の答申を受け、県は、食糧費で開いた懇談会の接待相手の名前を公開しないと決定いたしました。が、御案内のとおり、このところ官官接待の情報は一切オープンにするよう自治体に命ずる判決が昨年7月の仙台地裁判決を皮切りに、ことしは浦和地裁、大阪地裁判決が接待相手名を含めてすべて公開するよう行政側に言い渡したところであります。本県において、先月21日、開かれた行政を求めるいわての会が平成6年度の東京事務所の食糧費支出で相手側を非公開とした県の決定を不服として、全面開示を求め、盛岡地裁に提訴したところであります。増田知事は、審査会の答申を最大限尊重されたわけでありますが、県外での状況も含め、情報公開について現在どういう認識をお持ちでしょうか。
 また、平成7年度の居住地出張におけるカラ宿泊が147件、204万2、251円と内部調査により明らかにされたところでありますが、お隣の青森や宮城県のように億単位の不正でないにせよ、県民の信頼は全く損なわれたと言っても過言ではないと思います。岩手よ、やっぱりおまえもかという心境でありましょう。県としてどう信頼回復を行っていこうとお考えでしょうか。
 あわせて、県東京事務所の食糧費配分についてもお伺いいたします。
 平成6年度から8年度の3カ年で主要各部の配分額を見ると、約2、600万円をゼロとした土木部を初め、2、000万円台を16万円に減らした農政部、林業水産部ほか各部とも激減しております。8部署の平成6年合計が約1億1、066万円、これが8年には420万円と1億646万円減、率にして96%の減少であります。マスコミに対し総務部長は、県と中央省庁の双方が社会の理解を得られるよう努力した結果と答えられておりますが、真意でしょうか。生活基盤整備もおくれている本県であります。農業、林業、水産業とも本県の大事な基幹産業であります。県庁内部には、国との情報交換の場が全くなくなり、担当者として不安を抱く職員もいると聞いておりますが、どう認識しておられるでしょうか、お伺いいたします。
 また、先ごろ日本経済新聞社が自治体課長アンケート調査の結果を発表いたしました。これらによると、約7割がカラ出張や架空接待など一連の公費不正支出問題について、明らかな不正で批判はやむを得ないとしており、不正支出の解決策として、必要な経費がすぐ認められるよう柔軟で機動的な予算執行制度を望む意見が72・2%とトップであり、34・8%の外部監査制度の導入、27・2%の徹底した情報公開を上回っております。これらの調査結果をどのようにとらえておられるでしょうか、お伺いいたします。
 次に、財政構造改革についてをお伺いいたします。
 先ごろ財政赤字を6年間で半分近く減らす財政構造改革会議の最終報告がまとまり、98年度は公共事業費の7%削減などで政策的経費の2、000億円減額が確定し、国の財政の立て直しに踏み出した形でありますが、地方にとっては大変な課題を抱えたと認識をしているところであります。早速今回の報告に東北地方の自治体から反発の声が相次いでおります。
 そこで、今回の最終報告が本県に与える影響を県としてどう認識しておられ、事業の遂行にどうかかわると認識しておられるかお伺いいたします。
 また、我が党の佐々木博議員も触れておりますが、岩手経済研究所の本県経済に及ぼす影響の試算によりますと、すべての公共事業が7%削減と仮定すると、県内総生産へのマイナス効果は約397億円、推定雇用減少数は建設業の3、160人をトップに、サービス業800人、商業410人、運輸・通信300人、製造業260人と、各産業分野での雇用が失われると推計をしております。県内景気も決してよいとは言えない時期の今回の予測は、県民に大きな不安を与えるものであります。既に県内各市町村長さん方も来年の予算編成について大変頭を痛めていらっしゃいます。北海道を含む東北各県とはどのような情報交換をなされ、この局面を乗り越えていかれるのかもあわせてお伺いいたします。
 関連いたしまして、事業費総額6兆100億円のウルグァイ・ラウンド農業対策費について、2000年度を達成期限としてきた当初の計画から2年間延長する方針が固められました。対策費のうち、総額3兆5、500億円の公共事業について、国費の支出ベースで年間1、300億円程度の削減になると伺っております。報道によれば、延長方針の理由として、約6割を占める経営規模を拡大するとして水田集約などを進めてきた農業農村整備事業が目的である生産性向上について、実効性を疑問視する声が多いということのようであります。また、国全体としては農業関連の公共事業費の繰り越しがふえており、予算消化に苦労している自治体も多いと伺っております。地域によっては、農家の間からも、土地改良などで自己負担がふえることを嫌い、予算を返上する動きも出てきているようであります。全くひどいものでは、予算消化のために、他県で見られるような温泉ランドなど、日本農業の強化とかけ離れた施設ができ、批判されていることも事実であろうと思います。しかし、本県のように中山間地域が多く、農業を基幹産業とする地方にとっては、削減は大きな計画変更を強いられると考えます。私の地元でも、一関遊水地事業と並行しての大区画圃場整備におくれが出るのではないかという懸念が強く残ります。本県においては、平成6年度からウルグァイ・ラウンド農業対策費関連の予算編成をし、本年度予算での国営を除く事業費総額は920億円に上っています。今回の決定は本県農業の振興にとって不可欠な農業生産基盤の整備に大きな影響があると考えますが、現在、県としてどのような影響があると見込み、どう対処していかれるのかお伺いいたします。
 次に、首都機能移転計画の延期について知事の所感をお伺いいたします。
 首都機能移転については、それ自体が議論される対象ではあるわけではありますが、宮城県南部や福島県阿武隈地域など、隣県を含む東日本では五つの自治体が移転先候補地として表明していることは御案内のとおりであります。もし仮に2010年の国会開会が本県からそう遠くない場所において行われるとすると岩手の位置づけは大きく変化し、さまざまな施策に好影響を与えることになるなど、県民にとっても大きな環境変化がもたらされるものと考えます。首都機能はぜひ我が県にと地域間の綱引きの過熱も問題ではありますが、増田知事におかれましては、北海道・東北知事会等さまざまな機会を通じ、首都機能移転問題について持論をお持ちかと思いますので、移転計画延期についてどのようにお考えかをお尋ねいたします。
 次に、市町村合併についてお伺いいたします。
 先ほど来、国の財政改革について触れてまいりましたが、御案内のとおり、地方の財政赤字も深刻であります。これから地方分権が進んでいくと、市町村の責任は大変大きなものになってまいります。財政の効率的運用、真の住民自治の実現という見地からいうと、市町村合併について真剣に議論していかねばならない時期に入っていると考えます。平成9年度の地方財政計画によりますと、地方財政の赤字は147兆円の見込みで、3年度の70兆円から6年で約2倍に膨れ上がりました。国においてもこの間180兆円から250兆円にふえましたが、倍率からいいますと地方の方が厳しく財政再建を真剣に進めていかないと破綻することも予想されます。
 私が生まれる前のことでありますので当然実感はありませんが、昭和28年施行の町村合併促進法、続く31年の新市町村建設促進法により、全国に約1万あった自治体がその年の9月までに半分以下の4、000弱に整理されたそうであります。
   〔副議長退席、議長着席〕
 それ以降40年、現在の全国3、325市区町村に大きな変化は見られないようであります。この10年を見ましても、県庁所在地クラスの都市と周辺のベッドタウン化した町村との合併がほとんどのようであります。これから市町村は、公的介護保険制度を初め、行政能力を試される機会がふえてくることは間違いありません。行政のスリム化が問われながら、担うべき事務は増大を続けるという大変な時代がそこまで来ている状況であります。そういった意味において、県の役割に期待するところは大きいと考えます。
 埼玉県が合併による経費節減効果を試算したところ、人口3万人から10万人の2市2町が合併し、23万人の新市をつくった場合、職員数、議員数が減ることで職員給与総額は4分の3、議員報酬総額も半分になり、合計で26億円の節減になるとのことであります。単純に条件も違いますので比較はできませんし、実際には障害が多いことも予想できます。
 今秋まとめをめどとして、全国知事会を初めとする地方6団体が市町村が自主的に合併推進策を探る研究会を設置いたしましたし、自治省内部の合併プロジェクトチームは、合併を促進するための調査、分析、促進の具体策の検討をしており、先月16日には、市町村合併を住民投票によっても可能とする方向で検討を開始したところであります。知事は、時事通信社のアンケートに対し、自主合併促進に賛成、促進策としてパンフ作成を本年度中に実施予定と答えておられますが、青森、宮城、福島では調査研究段階に入ったようであります。県版行革推進を重要課題とする増田県政におかれましては、もっと積極的に具体に市町村合併について取り組まれてはと考えますが、いかがでしょうか、お尋ねいたします。
 次に、県際交流についてお伺いいたします。
 知事は、昨年度の部課長特別研修において、北東北3県を例に挙げ、青森、秋田、そして岩手、この3県が単に行政的に分かれている、そういった区域を越えていろいろと県レベルで連携をしていくということが望ましいし、県内で見ても、市町村の中には市町村境や県境を越えて広域的な事業をやっていこうという動きが方々で見られているところであり、一つ一つという形で私どもも物事を考えるのではなくて、もう少し広域の大きな単位で市町村というものの活動を進めていく行政の方向、そして、市町村が広域で物事に取り組んでいくといったようなときに、県の方で必要な部分について強力に支援していくと、そういったことをより進めていくことがこれから必要だろうと思っていますし、各地域の地方振興局長にもそのような話をしているところでありますと講話されたと仄聞しております。私もまことに同感であります。知事の考えの方向に間違いなく進むべきと思いますし、そうあるべきと考えます。
 先月、一関市において同広域圏内の岩手側9市町村、宮城県側9市町村、それに一関、千厩両地方振興局、宮城県の迫地方県事務所の両県の出先関係機関が出席して、県境の壁をネックに進展のない行政連携の道を探る県境市町村首長交流会が開催されたことは御案内のとおりであります。すばらしい試みであると考えますし、ぜひさまざまな課題解決に向けて進めていただきたいと思います。
 県境では、例えば岩手の農家が宮城側に水田を持って米をつくった場合、米価は属人主義で宮城米にはならず安い岩手米になったり、圃場整備の際の補助率の格差など、すぐ隣にあって抱える課題は少なくありません。こういった県境課題をどのようにお考えでしょうか。また、解決の手法としてどのような道があるとお考えでしょうか、お伺いいたします。
 あわせて、保健医療等の県際交流についてお伺いいたします。
 おかげさまで県南の中核病院である磐井病院、そして、南光病院の改築については計画をお進めいただいておりますが、この病院に通院する患者、また、入院患者の10から15%の方々が宮城県北の方であります。実は一昨年、仙台市におきまして浅野宮城県知事を囲んで県境議員クラブの会合がございました。その際に、宮城県北における救急医療を初め、福祉や医療では、大きな病院がないこともあり、大変岩手にお世話になっているとのお話をいただいたところであります。また、逆に室根村などでは公立気仙沼病院にお世話になっているというようなことも聞いております。私は、これらのことから、県境においては、医療関係は言うまでもなく、保健、福祉の分野においても、県と県との行政レベルでの意見交換等を通じて連携を深めていくことが今後ますます重要なことであると考えますが、いかがでしょうか。
 次に、県内における工場立地と企業誘致についてお伺いいたします。
 通産省がこのほどまとめた96年度の工場立地動向調査(1、000平方メートル以上の用地取得)によると、全国合計で件数が前年比18・4%、面積で9・7%と、景気の緩やかな回復を反映して増加に転じました。また、東北通産局による東北地方の工場立地も、件数で前年比52件、25・6%増加の255件で、7年ぶりの増加であります。6県中、山形県が3倍増加していますが、残念ながら本県は29件と、前年比13件、31%の減少という結果でありました。全国的にも、また、東北の中でも地域間格差が大きくあらわれておりますが、このような状況を県としてどのように分析され、ウイークポイントをとらえておられるのでしょうか、お伺いいたします。
 あわせて、本県立地の29件の地域別立地の状況をお伺いいたします。
 また、このような現状を踏まえ、今後の工業団地のあり方をどうお考えでしょうか。
 次に、一ノ関駅東口開設問題についてお伺いいたします。
 東口開設は10年来の両磐地方の懸案であり、早期開設について、地域からの期待の大きさにははかり知れないものがあります。去る1月中旬に一関、千厩両地方振興局が実現の可能性についてJR東日本盛岡支社に対し回答を求めたところ、今月3日、技術的には可能との回答を示したところであります。地元の一関市もこれを受け、開設の絶対条件とされる駅前広場、駐車場、駐輪場など関連施設の用地は市が基本的に準備すべきものと、積極的に取り組むとの姿勢であります。地元民間運動団体の一関市拠点駅推進協議会の活動も活発であり、両磐地区として盛り上がりも増してきているところであります。去る3月定例会開会中、一関、東磐井、陸前高田選挙区の先輩、同僚議員とともに企画調整部長にお邪魔いたしました。一ノ関駅東口については、地元の意向、進め方が何より重要で、県としてその動向を見ながら支援していきたいとのお話をいただいたところであります。現在、本庁の交通政策課の方でも検討に入ったとお聞きしておりますが、今後どのようなスケジュールで進めていかれるお考えでしょうか。また、解決していかねばならない大きな問題をどのように認識しておられるでしょうか、お伺いいたします。
 以上をもちまして私の質問を終わらせていただきます。言葉足らずの点やお聞き苦しい点もあったかと存じますが、お許しをいただきたいと思います。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
   〔知事増田寛也君登壇〕
〇知事(増田寛也君) 佐々木一榮議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、ドリームランド岩手を実現するためには何が一番重要かつ不可欠かという御質問でございますけれども、このドリームランド岩手を実現するためには、私は、県内各地域が持つ発展可能性を最大限に引き出して、地域の個性や特色を生かした地域づくりを進めることが重要でございまして、その基盤となります道路などの社会資本の整備はもとより、地理的、地形的ハンディキャップを克服するための高度情報通信基盤や経済社会のフロンティアの源泉となります科学技術などの基盤の整備促進、さらには、本県が持っております豊かな自然環境を生かしながら、地域の発展に結びつけていけるような新しいシステムの構築や、各分野にわたります環境政策の推進、創造性に富み、チャレンジ精神や国際的視野を持った人材の育成を図っていくこと、こうしたことが不可欠であると、このように考えております。また、こうした条件整備、環境づくりにおいて特に重要となってまいりますのは、分権型地域社会の実現に向けて、地方の自主性、自立性を高めながら、県、市町村と県民一人一人とがしっかりとしたパートナーシップを築き、相互に連携を図りながら、自由で新鮮な発想を持って積極果敢に取り組んでいくことであると、このように考えております。
 なお、阻害要因という言葉がそのまま当てはまるかどうかわかりませんけれども、これからの県政において特に留意をしなければならないことは、漫然とした前例踏襲や、いわゆる縦割り的な発想に陥ることではなくて、常に県民の側に立ち、県民の皆さん方の視点から何をなすべきか考えていくということでございまして、また同時に、県民一人一人が自分たちの地域のために誇りを持って何をなし得るかということを考え、みずから行動していくことも必要ではないかと考えているところでございます。今後におきましては、こういった点を念頭に置きまして県政の推進に努めていく考えでございます。
 次に、新しい総合計画の策定に向けてどのようにカラーを出していくのかというお尋ねでございますが、新しい総合計画につきましては、来月--7月の下旬に県の総合計画審議会に諮問を行いまして、おおむね2カ年程度をかけて策定することといたしております。この審議会におきましては、行政の縦割り的な視点ではなくて、生活者としての県民の立場から、例えば環境との共生、快適な暮らし、連携と交流、参加と共同など、幾つかの新たな視点に基づく分科会的な組織をこの審議会の中に設置をいたしまして、十分に議論を深めていただきたいと考えております。
 審議会からは、来年の秋ごろに、それまでの審議の内容を取りまとめた中間答申をちょうだいし、その後速やかに、県としての計画原案とも言うべき中間報告を取りまとめ、公表したいと、こういうスケジュールで考えております。
 この報告の取りまとめまでの間におきましては、各分野の有識者へのインタビュー調査、県民の皆様からの夢や提言の募集、さらには、県民、企業を対象とした大規模なアンケート調査など、さまざまな形で広範に意見を伺うこととしておりますけれども、この中間報告におきましては、これらの内容も十分に踏まえ、今後の岩手のあるべき姿、その実現に向けての理念、施策の方向性などを明らかにすることとしておりまして、その中で、私の考え方を県民の皆様にわかりやすい形でお示しをしたいと、こういうふうに考えております。
 次に、権限委譲に伴う県と市町村の連携についてでございますけれども、住民に身近な行政を地方が担うと、地方のことは地方がみずからの責任において決定していくべきであると、こういうふうに私は考えておりまして、地方分権時代の主役として、これからは市町村の役割がますます重要になっていくものと、こういうふうに認識をしております。このような観点から、県と市町村は、ともに個性豊かな地域づくりを進めるパートナーといたしまして、適切な相互の機能分担と支援協力関係を基本として、市町村に対して今後期待される役割に見合う、それだけの県から市町村への権限の委譲を積極的に進めていきたいと、こういうふうに考えております。
 市町村への権限委譲に当たりましては、県民サービスの向上の観点などから、市町村が執行することが望ましい項目につきまして、各団体の意見や要望を踏まえまして、本年3月に岩手県事務委譲等推進指針として既に取りまとめたところでございます。この指針に基づく権限委譲を推進するため、5月に市町村と県によります岩手県市町村権限委譲推進協議会を設置したところでありまして、今後はこの協議会などの場を通じて、各市町村の御理解が得られるように十分に意を尽くしながら、計画的に年次ごとに委譲を進めていく考えでございます。この市町村への支援につきましても、事務処理に伴う財源措置を適正に講じますとともに、各種研修会の開催やマニュアルなどの作成のほか、県の各地方振興局を通じて、円滑に地元市町村へ事務を引き継ぎ、緊急、異例時の応援体制にも県において万全を期するなど、市町村が安心して県からの事務を受け入れることができるように、きめの細かい条件整備に努めていく考えでございます。市町村側もいろいろ大変な部分もあるというふうには思っておりますけれども、ぜひ壁を乗り越えて県からの事務を受け入れて、自主的な行政が展開できるようにしていただきたいと、こういうふうに期待をしているところでございます。
 また、地方振興局につきましては、住民の利便性の向上はもとより、市町村と一体となって特色ある地域政策を展開できるよう、行政機構の整備や本庁で持っております権限の大幅な委譲、そして振興局への人的体制の充実、また、予算面では地域活性化事業調整費の拡充などを通じまして、振興局個々に総合性、自己完結性をさらに高めて、名実ともに地域振興の拠点として、機能の一層の強化を図っていきたいと考えております。
 次に、首都機能移転計画の延期についてでございますけれども、平成4年12月に国会等の移転に関する法律が施行されまして、この法律に基づいて設置をされました国会等の移転調査会の、これは平成7年12月の最終報告において、その中で世紀を画する年までに新首都の建設を開始することを目標とすることと、こういうふうに提案がなされ、移転候補地の選定に係る準備作業が現在進められているところでございます。
 しかしながら、ただいま議員お話ございましたとおり、先般閣議決定された財政構造改革の推進についてにおきましては、この首都機能移転問題については、あらゆる分野で痛みを伴う改革が進められている状況を総合的に勘案して慎重な検討を行うことを提起すると、こういうふうにその内容でされたところでございまして、法律の制定当時と比べまして、首都機能移転を取り巻く状況は変化してきているものでございますけれども、最終的には、国が、国民の合意のもとに、これは国家的見地から進めるべきものであると、こういうふうに考えています。
 私自身、首都機能移転について、特に重要なものであるというふうに考えておりますことは、まずその前提として、地方分権を強力に推進をして、現在の中央集権構造、これを改めることによりまして、国と地方の関係を変えていくということがぜひとも必要でございます。現在進められている行政改革などの諸改革と的確に関連づけながら、こうしたことを並行して推進すべきであると、すべてのことが東京に行かないと用事が済まないという、その今の構造のままで首都をどこに動かしても意味がないわけでありまして、こうした新しい国と地方の関係を構築すべきであるということだと思っております。
 このような新しい国と地方の関係ができ上がる前提のもとで、首都機能の移転を考えますと、東北地域は移転先として最も望ましい地域であると考えられますので、今後におきましても、この地域への首都機能の移転に向けて、これは北海道東北知事会などを通じまして、国に対して要望を継続していきたいと、こういうふうに考えております。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部長から答弁をさせますので、御了承をお願いいたします。
   〔総務部長大隅英喜君登壇〕
〇総務部長(大隅英喜君) まず、情報公開についての現在の認識についてでありますが、本県の公文書公開制度は、平成6年10月の発足以来4年目となり、この間、開示請求が年々増加するなど、着実に定着してきているものと考えております。
 全国の状況を見ますと、既に各都道府県において情報公開制度が実施されており、国におきましても、平成8年12月に提出された行政改革委員会の情報公開法制の確立に関する意見を受けて、情報公開法の制定に向け検討が進められているところであり、今後一層、情報公開制度の普及が図られるものと存じております。
 食糧費関係公文書に関する情報公開については、御案内のとおり、一部の都道府県において裁判所の判決が出されており、司法の判断ということで重く受けとめるものでありますが、各都道府県によって、それぞれの状況が異なることから、直ちに本県に当てはまるものではないと考えております。
 申し上げるまでもなく、公文書の公開制度は、県民の県政に対する参加を促進するとともに、県政の公正な運営の確保を図るために重要な役割を果たしております。このため、これまでも原則公開の理念のもとに、条例の適正な運用に努めてきたところでありますが、今後とも、本制度の県民への普及、定着を一層促進するとともに、その充実を図ってまいる必要があると考えております。
 次に、県民の信頼の回復についてでありますが、このたびの平成7年度の旅費の点検の結果、通勤職員が居住地に出張する際の旅行命令の中に、適正を欠くものがあったことは、まことに遺憾であり、申しわけなく存じております。これについては、直ちに差額旅費を返還させたところであります。
 また、居住地への出張を命ずる場合の留意点等について通知を発するとともに、行政管理委員会を通じて、その趣旨の徹底を図ったほか、旅行の完結確認等の旅費支給事務の厳正な運用などについて、各部局に指導を行うなど、その再発防止のための措置を講じているところであります。
 なお、平成4年度以降の居住地出張に係る旅費につきましても、現在総力を挙げて点検を行っているところであります。
 今後におきましては、このような事態を再び引き起こすことのないよう、一層厳正な職務執行と公務意識の高揚に努め、損なわれました県民の皆様方からの信頼の回復に全力を尽くしてまいりたいと考えております。
 次に、東京事務所の食糧費予算についてでありますが、東京事務所の食糧費の減少は、県や中央省庁などが、昨今、食糧費の執行に関し、さまざまな意見があることを十分認識し自粛したことや、その必要性を吟味することなどにより、懇談が縮減されたことが大きな要因であると考えております。
 また、情報交換の機会の確保等につきましては、あらゆる機会を通じ、さまざまな方法を講じて、効率的かつ効果的な情報収集等を行っているところであり、引き続き、円滑な県行政の推進に努めてまいる所存でございます。
 次に、新聞社による自治体課長アンケート調査結果についてでありますが、この調査は、本年3月、都道府県と主要都市の課長級職員210人を無作為に抽出し、公務員制度や待遇などの評価や意識を調査したものとされております。調査の具体的な内容や結果については、報道されたもの以外承知いたしておりませんが、御指摘のとおり、不正支出の解決策について必要な経費がすぐ認められるよう柔軟で機動的な予算執行制度を求める意見が72・2%を占めたとされております。現行の地方財務の制度では、地方公共団体の予算の執行は、あらかじめ款項目節別に予算に計上し、議会の議決を経て、それぞれの事業目的に沿い、法令の定めにのっとった適正な処理を行うことを求めております。アンケートに言う柔軟で機動的な予算執行制度の内容がつまびらかでなく、不正支出の解決策として有効なものかどうか判断することは困難でありますが、予算執行に当たりましては、実態に即し、的確な対応を心がけていく必要があるものと考えておるところでございます。
   〔企画振興部長武居丈二君登壇〕
〇企画振興部長(武居丈二君) まず、財政構造改革会議最終報告の本県に与える影響等についてであります。公共投資予算の大幅な縮減等が閣議決定されたことなどに伴い、本県における公共事業を中心とした各種事業の実施についても、相当の影響が出ることも懸念されるところであり、社会資本の整備について、可能な限り支障が生ずることのないよう、万全を期していく必要があるものと考えております。
 北海道を含む東北各県との情報交換につきましては、北海道東北地方知事会や各道県知事に各道県議会議長をメンバーとして加えました北海道東北自治協議会等において、私ども各県の事務局レベルも含めまして情報交換を重ね、国土の均衡ある発展と整備水準についての地域間の格差是正という観点から、政府及び関係機関、さらには、関係の国会議員に対しまして、北海道東北地域の実情を訴えながら、本地域への公共事業予算の優先的、重点的配分について強く要望しているところであります。したがいまして、今後におきましても、北海道東北地方知事会等を通じまして、各県と密接に情報の交換を行いながら連携をとり、適切に対応してまいりたいと考えております。
 次に、市町村合併についてでありますが、市町村においては、住民の日常生活や経済活動の範囲の拡大に伴う広域的ニーズにこたえ、広域的視点のもとに行政を行う必要があるほか、少子・高齢化の進展に伴う福祉サービスの提供など新たな行政課題や、地方分権の動向に的確に対応するために行財政基盤の強化を図っていく必要があることから、市町村の合併を含む広域行政を促進していくことが時代の要請となっていると考えております。現在、国におきましては、第25次地方制度調査会や、地方分権推進委員会の審議の中で、市町村の自主的合併の推進方策について検討が進められているところであります。
 こうした観点から県といたしましては、市町村の自主的な合併の促進のため、これまでもさまざまな機会をとらえ機運の醸成に努めるとともに、関係者からの求めに応じて先進事例の紹介や必要な助言等を行ってきたところでありますが、今後さらに合併関連の制度だけでなく、合併のメリット、デメリットが住民の側にもよくわかるパンフレットを作成し、合併の論議を深めていただくとともに、合併機運の醸成に向けましては、例えば地域活性化事業調整費の、これは地方振興局の判断で活用することも可能でありますので、市町村を取り巻く現状や国の動向を踏まえながら、市町村の意向や取り組み状況に応じまして、積極的に対応してまいりたいと考えております。
 次に、県際交流についてでありますが、近年、産業、観光、教育・文化などさまざまな分野において、市町村や県などの行政単位の枠を超えた広域的な活動が活発化してきておりまして、県境を越えた取り組みとしても、北上川流域の地域づくりを進めるための北上川流域連携交流会、岩手県南、宮城県北の村おこしグループなどによる岩手・宮城県際交流会、あるいは議員御紹介のございました首長交流会等の開催など、官民を挙げたさまざまな連携、交流活動が見られるようになってきております。議員御指摘のような課題につきましても、このような活発な連携、交流活動の中で、それぞれの地域が知恵を出し合い、協力し合いながら、可能なものから段階的に、これは地方公共団体レベルで解決できるものもあれば国のレベルの制度改正を必要とするものもございますが、一つずつ解決が図られていくものと期待しているところでありますし、地方振興局を通じてこういった活動を支援してまいりたいというふうに考えております。
 県といたしましては、このような取り組みを積極的に支援していくため、本年度は、地域活性化事業調整費を増額し、県境を越えた取り組みを含め、地域からの要請に沿った事業展開を一層図るとともに、道路網の整備など連携、交流を支える基盤の整備などを進めるほか、宮城県など隣接県と地域間の課題について話し合いを積極的に行いながら、今後とも連携、交流のための諸条件の整備に努めてまいりたいと考えております。
 次に、一ノ関駅東口開設問題についてであります。
 この問題につきましては、佐々木議員を初め、広域的に関係の議員の皆様から私自身実情を伺ったところでありますが、議員御指摘のとおり、一関市や両磐地域、さらには、沿岸部とのアクセスの面からも長年の懸案であると承知しているところであります。この問題の打開を求める要望が強まる中で、住民や民間団体の意向を踏まえた検討を関係市町村が本格化させたほか、JRからも開設のための条件が初めて示されるなど、解決の前提となる地元の環境が整いつつあるものと認識しております。
 これらの状況を踏まえ、県におきましては、一ノ関駅を利用する県民の利便性の向上を早急に実現するためには、一関市を初めとする地元の主体的な取り組みが何よりも重要であり、そのためには、開設に向けた具体的な方策や市町村、JR等関係者間の役割分担について共通理解を得る必要があるとの考えに基づきまして、本年4月以降、関係市町村、一関、千厩両振興局及び庁内関係各課からなる連絡会議を随時開催しているほか、JRに対してもその意向を照会したところであります。
 その結果、当初は、改札口をあわせて整備すべき施設の範囲について市町村の間で考え方に隔たりが見られたものの、現時点におきましては、駅前広場、駐車、駐輪場、アクセス道路等を同時に設置する方向でおおむね共通理解を得るに至っており、今後におきましては、まず各施設の具体的な配置や構造を決定し、それらを踏まえて事業手法や経費の負担のあり方等を検討することが主要な課題となってきておりますので、連絡会議の場を通じてこれらに関する議論を深め、今後は何よりも関係市町村も含めた地元における取り組みというものが重要になってこようかというふうに考えておりますので、できる限り早期に地元関係者がこの課題解決に向け、次の段階に進むことができるように、県としても努力してまいりたいと考えております。
   〔農政部長中村盛一君登壇〕
〇農政部長(中村盛一君) 財政構造改革の推進方策によるウルグァイ・ラウンド農業合意関連対策の期間延長の閣議決定が、本県に与える影響と今後の対処についてでありますが、農業生産基盤や農村の生活環境の整備が立ちおくれている本県といたしましては、ウルグァイ・ラウンド農業農村整備緊急特別対策の実施を絶好の機会ととらえ、これまで市町村、土地改良区などの関係機関と一体となり、新しい国際環境に対応し得る力強い農業、活力ある農村づくりを通じて、本県が標榜する総合食料供給基地の形成に向けた基盤づくりを積極的に推進してまいったところであります。こうした中でウルグァイ・ラウンド農業合意関連対策の期間が延長され、年度事業費が縮減されることになれば、県内各地域で加速的に進められている、担い手育成基盤整備事業などによる高生産性農業の実施に必要な生産基盤の整備や、中山間地域総合整備事業などによる中山間地域における定住条件、生活環境基盤の改善等に影響が生じ、農家の方々の生産意欲の減退につながるのではないかと懸念しているところであります。
 県といたしましては、今後、国の動向を踏まえ、中山間地域の充実を図るため、国に対して基盤整備のおくれなど本県の実情について国の理解を得るとともに、また、事業の実施に当たりましては、事業推進への影響を的確に把握しながら、必要に応じて重点化、効率化を行うとともに、事業費の確保を図るためコスト削減を行うなどして、できるだけ支障が生ずることのないよう万全を期して本県農業、農村の振興に努めてまいりたいと考えております。
   〔保健福祉部長緒方剛君登壇〕
〇保健福祉部長(緒方剛君) 保健医療、福祉分野における県際交流についてでありますが、保健医療、福祉分野においても地域のニーズに応じて県単位の枠を越えて交流、連携を図ることは、地域住民に対して適切なサービスを提供する上で重要であると考えております。現在、宮城県などの隣接県との間では救急医療分野における患者の搬送、病院や老人ホーム等の医療、福祉施設における患者、入所者の相互受け入れや、結核、伝染病等が発生した際の連携、協力などが行われているところであります。
 また、一関地方振興局及び一関市と宮城県築館福祉事務所との間において、生活保護業務に係る合同研修会を開催しているほか、久慈保健所と青森県八戸保健所における救急医療や地域保健について話し合う県境保健所課題検討会議の設置、北上地方振興局における秋田県との高校生福祉ボランティアの交流など、それぞれの地域の特性に応じて連携、交流が定期的に行われているところであります。
 一方、県としては、東北各県とは毎年衛生及び福祉の主管部局長会議等の場において、時々の課題等について意見交換や協議を行っているところでありますが、特に平成8年からは東北各県と災害時における医療救護班の派遣などの相互応援協力体制についても検討を行うなど、密接な連携を図っているところであります。今後はさらに隣接の衛生福祉主管部局長との話し合いの場において、県際交流を含め地域連携のあり方について議題を提起するなど、必要に応じ関係団体をも含め隣接県等と地域連携、交流のあり方などについて意見、情報交換を行い、保健医療、福祉関係機関相互の有機的な連携の促進、支援に努めてまいる考えであります。
   
〇議長(那須川健一君) 本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめ延長いたします。
   
   〔商工労働観光部長佐藤孝司君登壇〕
〇商工労働観光部長(佐藤孝司君) 県内における工場立地動向等についてでありますが、通商産業省の平成8年工場立地動向調査によりますと、工場立地に当たっての地域選定理由として、用地面積の確保が容易であることを挙げる企業が全体の20%を占め、最も重視されているところでありますが、最近の特徴といたしまして、市場への近接性、関連企業への近接性、本社への近接性などを挙げる企業の比率が高まっており、工場の立地に当たっては、企業活動のネットワークや企業の集積を重視する傾向にあるものと考えております。
 また、本県における平成8年の地域別立地状況につきましては、岩手中部地区が10件、胆江地区が6件、盛岡地区と気仙地区がそれぞれ3件、両磐地区、釜石地区及び宮古地区がそれぞれ2件、二戸地区が1件、合計で29件となっているところであります。御案内のとおり、本県の北上川流域地域は優良企業の立地が進み、東北地域でも有数の工業集積圏を形成するに至っておりますが、今日の地域産業の発展を見るに至った大きな要因は、先人の卓越した先見性による立地環境の整備と、企業誘致に向けた多くの関係者のたゆまぬ努力の積み重ねにあるものと存じております。
 したがいまして、今後の工場団地整備に当たりましては、こうした先人の努力に改めて思いをいたすとともに、企業の立地は、経済の動向に大きな影響を受けますことから、中長期的展望に立ち、市町村と緊密な連携を図りながら、地域の実情に即した団地の整備促進に努めてまいりたいと考えております。
〇議長(那須川健一君) 以上をもって一般質問を終結いたします。
   
日程第3 議案第1号平成8年度岩手県一般会計補正予算(第6号)の専決処分に関し承認を求めることについてから日程第12 議案第10号財産の譲渡に関し議決を求めることについてまで
〇議長(那須川健一君) この際、日程第3、議案第1号から、日程第12、議案第10号までを一括議題といたします。
 これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、発言を許します。斉藤信君。

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