平成9年9月定例会 第11回岩手県議会定例会会議録

前へ 次へ

〇5番(黄川田徹君) 新進・公明の黄川田徹でございます。
 まずもって、去る8月13日に御逝去されました、同志であり大先輩の故藤倉正巳先生の御生前の個性豊かなお人柄をしのび、心から御冥福をお祈り申し上げます。
 さて、このたび先輩、同僚議員の御高配により、本定例会におきまして一般質問の機会を与えていただきましたことに対しまして感謝を申し上げ、通告に従いまして順次質問をいたします。
 まず、県政懇談会の感想についてお伺いします。
 知事は、今まで県内の各地を訪れ、市町村長や各種団体の代表者、地域の活性化に取り組んでおられる方々など、各界・各層の皆様方と意欲的に懇談を重ねておられます。現地を訪問されるたびに新しい発見があるのではないでしょうか。去る7月29日には、私の地元陸前高田市において、新花き研究会の皆さんと懇談をされました。先日、会のある方とお話をする機会がありましたが、活発で有意義なものであったと感激をしておりました。知事が多くの地域を訪れることによって、特にも地域の活性化に取り組んでおられる方々の大きな励みになっているものと私は思うのであります。県では新しい総合計画の策定に着手いたしました。私は、これらの現場で活躍されている方々の生の意見、要望を大いに取り入れていただきたいと思うものであります。
 そこでお伺いしますが、知事は多くの方々と懇談され、どのような御感想をお持ちになっておられるのでしょうか、お聞かせ願いたいと思います。
 次に、県立大学の整備についてお伺いします。
 県立大学の整備は、来るべき21世紀において本県の発展を担う優れた人材を育成するとともに、地域と結びついた学術研究により、産業・文化の振興を図る上で大きな役割を果たすものと大いに期待をいたしております。また、県立大学の整備により、本県の大学収容力や進学率が改善され、大学進学者の県外流出に一定の歯どめがかかるものと考えております。去る9月17日には、国の大学設置・学校法人審議会の委員の方々が、県立大学の実地審査を行ったとのことであり、着実に開学準備が進められているとの感を強くいたしたところであります。
 そこでお伺いしますが、教員の確保を初め、カリキュラムの作成、校舎の建設工事など、開学の準備状況はどの程度進捗しているのか、具体的にお示し願います。
 また、県立大学に対する県民の期待が高まる中で、とりわけ関心を寄せているのは、受験生とその御家族、高校の進路指導担当の先生方であろうと思います。開学初年度では、どういった基本的な考え方のもとに入学者の選抜を行おうとしているのか、また具体的な実施方法や受験生などへの周知方法などはどうなるのかといったことであります。
 そこでお伺いしますが、これらの検討状況はいかがでしょうか。認可申請中という事情もあろうかと思いますが、差し支えがない範囲でお示し願いたいと思います。
 次に、三陸鉄道についてお伺いします。
 三陸鉄道仙台直通乗り入れ列車、いわゆるリアス・シーライナーの運行に関してでありますが、私は、去る9月11日に仙台市で開催された三陸沿岸国道並びに鉄道完遂促進協議会に、先輩同僚議員ともども岩手県議会を代表して出席してまいりました。この席で宮城県知事から、今回のリアス・シーライナーの運行は、宮城、岩手、青森3県の沿岸を結び、仙台-八戸間の直通運行に向けた大きな前進であるとあいさつがありました。また、青森の県議会の代表は、今回の岩手県の取り組みに感謝するとともに、今後八戸方面にも目を向けられるよう要望したいと話しておりました。
 三陸鉄道は、年々利用客が減少を続けてきたため、ここ3年ほどは赤字決算を余儀なくされております。これに対処するため、県と関係市町村とで組織する岩手県三陸鉄道強化促進協議会では、経営安定化対策調査を実施し、具体的かつ実効性のある方策を実施主体別に取りまとめ、適切な役割分担のもとに着実に取り組んでいくことにしたと伺っております。その一つとして、この夏、久慈から仙台までを乗りかえなしでつなぐリアス・シーライナーを運行させたところであり、16日間の延べ乗客人員は6、500人を超える結果であったと聞いております。今回の直通乗り入れは試験運行事業として実施されたものでありますので、乗客アンケートなどをもとに運行結果を詳細に分析し、将来に向けて生かしていく必要があると考えます。
 そこでお伺いしますが、県においては今回の直通事業の結果をどう評価し、今後どのように進めていくつもりなのか、その基本的な方向や考え方についてお聞かせ願います。
 次に、三陸鉄道が抱える大きな問題として、資産の譲渡問題があります。この問題に関しては、昨年の9月定例会においても取り上げたところでありますが、事の重大性に鑑み、改めて県の考え方、対応についてお伺いするものであります。
 そもそも三陸鉄道は、資産については無償貸与とすることと、災害時の復旧については国の支援が受けられることの2点について国から確約を得た上で、それを前提として会社の設立に踏み切ったはずであります。今般、国においては国鉄長期債務の本格的な処理の方針の中で、平成10年秋に国鉄清算事業団を整理するとの方向性を打ち出したと承知しており、この問題もいよいよ新たな局面に入ったのではないかとも思われます。
 そこでお伺いいたしますが、現在までに国や清算事業団において、この問題に関しどのような動きが見られるのか、また、県におきましては今後この問題についてどのように対処してまいるお考えなのか、お聞かせ願います。
 次に、中山間地域の振興についてお伺いします。
 中山間地域の振興については、これまでも昭和40年代から山村振興対策、過疎地域対策を初めとする特定の地域を対象にした各種の地域振興制度により、生産基盤や施設の整備等による農林業の振興や都市住民との交流の促進、農地等の利活用を通じた国土・環境の保全、生活環境の整備など、各般にわたる施策が講じられてきております。また、平成4年に公表されたいわゆる新政策プランの農村地域政策の中で、主要課題として掲げられ、その根拠となる特定農山村法が制定されたところであります。その後、平成6年の国の農政審議会答申で、特にウルグァイ・ラウンド農業合意の影響が大きくあらわれる恐れのある地域の活性化を農政の重要課題として取り上げ、中山間地域等活性化特別対策が打ち出されたものと承知いたしております。
 しかしながら、本県の中山間地域の実態を見ますと、若者を中心とする人口の流出に伴い、農業労働力の減少や高齢化が進行し、農林業を初めとする生産活動は停滞気味で、加えて集落機能も低下し、地域の伝統や文化の継承が難しいなどの状況も見られてきております。また、道路や下水道、医療水準等の生活環境の整備も、平場に比べて依然として立ちおくれている現状にあります。こうした状況を見るにつけ、中山間地域における農林業の振興対策、実効性のある施策が不十分ではないかと言わざるを得ないのであります。県土の均衡ある発展と中山間地域に求められている健全な農林業の展開や農林産物の安定供給などの役割を十分に果たすことができるのかどうか、いささか疑問を感じるのであります。
 そこでお伺いいたしますが、本県の中山間地域の活性化に向けた施策の成果をどのように評価し、また、今後どのように振興していくお考えなのか、お尋ねいたします。
 次に、林業労働力の育成・確保対策についてお伺いします。
 御案内のとおり、本県は県土の8割が森林で占められており、北海道に次ぐ第2の森林県であります。歴代の知事は、本県のこの広大な森林に着目し、造林を督励され、緑の工場として地域に雇用の場をつくってこられました。おかげをもちまして、県下では4割以上の人工林が造成され、21世紀には本格的な県産材時代の到来が期待されております。また、10月の全国豊かな海づくり大会の開催を控え、県民の間にも、豊かな海づくりのためには山づくりが重要であるとの認識が一層定着しつつあります。しかしながら、近年の農山村の過疎化、高齢化、さらには木材価格の低迷等から、林業に従事しようとする人が極端に減少してきており、新たな林業労働者を採用しようとする元気のある林業の事業体も少なくなってきている現状で、21世紀の緑豊かな県土づくり、山づくりが非常に危惧されてきております。
 私の地元の気仙地方は、県内でも林業の盛んな地域の一つでありますが、林業労働者の新規参入がほとんどなく、毎年毎年従事する労働者の年齢が1歳ずつ確実に高くなってきております。気仙地方の四つの森林組合を見ても、ここ数年はほとんど新たな林業労働者の確保がなされていない状況にあります。私は、このような状況に対処して、本県林業が一層の発展を期するためには、若い優秀な人材の確保が重要課題の一つであり、そのためには新規に林業労働者を雇用する林業事業体の体質を強化し、林業労働者の雇用の安定と労働条件の改善を図ることが何よりも必要であろうと考えております。
 他県の例ですが、大分県の日田市森林組合では、労働条件の改善を図り、若手労働者を現場職員として採用し、若手労働者にとって魅力ある職場づくりを進めていると聞いております。また本県においても、葛巻町森林組合や盛岡市森林組合が、経営の近代化を図りながら若手労働者を計画的に採用しているとのことであります。
 そこでお伺いしますが、県では、林業へ若い優秀な林業労働者を育成・確保するため、財団法人岩手県林業労働対策基金に林業労働力確保支援センターを設置し、6億円の基金を積み増しするなど、取り組みを強化されておりますが、今後どのような対策を講じられようとしておられるのか、見解をお示し願います。(「林業がんばれ」と呼ぶ者あり)
 次に、全国豊かな海づくり大会に関連して、漁業の振興についてお伺いします。
 御存じのように、第17回全国豊かな海づくり大会が10月5日に大槌町の大槌漁港において、天皇、皇后両陛下の御臨席のもとに開催されます。残すところあと9日、会場には式典会場の大型テントやアトラクションの舞台などがほぼ完成するなど、大会の準備は最後の仕上げ段階に入っていると聞いており、関係の皆様方の御努力に敬意を表する次第であります。
 この大会は、水産資源の維持、培養と海の環境保全への意識の高揚を図るとともに、水産業の振興に寄与することを目的としております。そして、本県では21世紀に向けて、つくり育てる漁業を推進することと、次代を担う青少年の大会参加、本県水産業の全国への情報発信を基本方針として開催するものと伺っております。この大会が本県水産業のさらなる発展と飛躍の新しい第一歩となるよう、本県漁業者のみならず、関係者一同強く期待しているところであります。
   〔議長退席、副議長着席〕
 さて、この大会で放流されるマツカワやヒラメなどの種苗生産については、水産技術センターや県の栽培漁業協会の研究開発により、既に事業化の水準まで到達していると聞いております。この大会を契機として私は、本県でもこれらの新たな魚類の栽培漁業を大いに展開すべきものと考えるのであります。
 そこで、今回の大会を一過性のものとして終わらせることなく、大会の趣旨を引き続き生かしながら漁業の振興と沿岸地域の活性化を図っていくことが肝要でありますが、県は今後どのように取り組んでいくお考えなのか、具体的にお知らせ願います。
 次に、痴呆性高齢者対策についてお伺いします。
 人生50年と言われたひところと比べて、現在は多くの人が80歳代の長寿を迎えるという時代になってきております。しかしながら、残念なことに痴呆の出現率は高年齢になるにつれて高くなり、85歳以上では5人に1人が痴呆の症状を示すと言われております。厚生省の推計によれば、我が国の痴呆性高齢者は西暦2000年にはおよそ156万人になると予測されております。また、本県においては全国を上回って高齢化が進んでおり、特にも75歳以上の後期高齢者の増加によって痴呆性の高齢者数は急増することが見込まれております。
 現在において、痴呆症状の原因となるアルツハイマー病など発生のメカニズムが解明されておらず、有効な予防方法が確立されておらないものもありますが、脳血管性痴呆も多いと聞いており、その発生原因となっている疾患の予防が大切であると言われております。また、原因はともかく、不幸にして痴呆によって介護が必要になった場合でも、痴呆を早く発見し適切な対応をすることによって、痴呆の進行を抑えたり、痴呆性高齢者や介護負担が大きいその家族を地域で支えていくような対策が重要と考えております。
 新聞報道によりますと、この10月に大船渡市において痴呆性高齢者介護の先進国であるスウェーデンの専門家など、内外の第一人者を迎えて、民間団体等の主催による全国痴呆性高齢者ケア大会が開催されるとのことであります。痴呆性高齢者の介護手法やシステムのあり方などについて研究、討議されるとのことであり、その成果に期待している一人であります。
 そこで、老後生活の最大の不安要因の一つでありますこの痴呆という問題に対し、その介護対策が重要でありますが、県では今後どのように取り組んでいかれようとしているのか、お伺いいたします。
 次に、建設省所管のダム事業の推進についてお伺いいたします。
 申し上げるまでもなく、ダム事業は洪水対策や生活用水、工業用水などの水資源の確保といった面で、その地域にとっては最も根幹的な基盤整備事業の一つであります。その反面、計画から完成まで長い年月と多くの費用が必要な事業でもあります。国では、平成10年度の概算要求時において、財政構造改革の一環として全国のダム事業を見直し、中止ダム事業、休止ダム事業、そして足踏みダム事業の合計88事業を公表いたしました。
 本県では、中止ダムの事業の中に、大変残念なことでありますが、日野沢ダムと明戸ダムの二つのダムが該当したとのことであります。今回の公表結果は、逆に考えますと、県内の残りのダム事業は必要性、緊急性があり、今後とも強力に推進していくべきものと国が認めたものであると考えられるわけであります。したがって私は、県勢発展の礎となるダム事業の重要性を考えますと、今後ともダム事業の推進が必要不可欠であると考えるものであります。しかしながら、県内のダム事業が、この二つの事業中止によって陰りが生じてくるのではないかと危惧もされます。
 そこで、今後のダム事業の推進に当たっての基本的な考え方と、今後の事業費の見通しについてお尋ねいたします。
 また、気仙地区では鷹生ダムと綾里川ダム、津付ダムの三つのダム事業が実施されておりますが、そのダム事業の見通しについても、あわせてお伺いいたします。
 次に、県立病院の医師確保対策についてお伺いいたします。
 陸前高田市にある県立高田病院においては、本年3月末に小児科の医師が退職をしましたが、同市には小児科の医院もないことから、4月からは小児科医が不在の状況になりました。小さい子供を抱える住民は、夜間などの子供の発熱などの急変の不安におびえ、また、大船渡市や隣県の気仙沼市への通院にも多くの時間を要することにもなりました。こうしたことから、本年の6月県議会において、高田病院の小児科医師の確保についての請願陳情が出され、これが採択されたところであります。県医療局においては、この請願陳情の採択を受けて、高田病院の小児科医師の確保に御尽力された結果、来る10月1日から高田病院に新たな小児科医師が配置されることになったと伺っております。(「よかった、よかった」と呼ぶ者あり)この間の医療局長を初めとする、医師確保に当たられた方々の御尽力に対しまして、この場をお借りし深く謝意を表するものであります。
 さて、御承知のとおり県立28病院には、中央病院のように体制も設備も十分に整った病院もあり、大船渡病院などの地域の中核となる病院、高田病院などの地域総合病院、さらには、住田病院などの地域に密着して医療を提供している病院など、病床数や職員数などの規模の異なる病院が、それぞれ機能を持って、それぞれの立場で地域医療の確保に尽力をしているところであります。しかしながら、県立病院の医師の充足状況は必ずしも満足のいくものではないと思われます。県議会においても、さきの請願陳情も含めて、毎回のように医師の確保が問題となっております。話題となっておるところであります。医療局ではその都度、確保には努力をすると答弁されておりますが、なかなかその努力の結果が出てこない、確保が進まないというのが実態ではないでしょうか。
 そこで、県立病院において現在の医師の確保の状況がどのようになっているのか、特にも内科、外科などの基本となる診療科目以外の小児科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科など、現在標榜している診療科の医師の確保状況と今後の対応策についてお伺いいたします。
 最後に、外国人の犯罪についてお伺いします。
 近年、日本における国際化の進展は著しく、外国人の来日は昨年約425万人であったと聞いております。日本と外国の良好な関係の維持を図ることは申すまでもありませんが、その一方で、これら来日外国人による殺人や強盗事件を初め、貴金属や高級自動車の窃盗事件やROM交換によるパチンコ玉窃盗事件などが多 発していると連日報道されているところであります。
 また、新聞報道によれば、本県においても昨年、大船渡港に入港した貨物船で10数名の外国人が集団密航し、一部の者が奈良県警察に逮捕されているとのことであります。そのほか、パチンコ店で外国人を職務質問をしようとした警察官が暴行を受けるといった事件があったほか、自動販売機からの窃盗事件や偽造クレジットカードを使用しての詐欺事件など、来日外国人による犯罪が発生しているとのことであります。
 そこでお伺いしますが、岩手県内における来日外国人による犯罪の発生状況はどうなっているのでしょうか。また、奈良県警察が検挙した大船渡港からの密入国事件の内容とその捜査状況はどうなっているのでしょうか、お伺いします。
 先般、気仙地区国際化安全対策協議会が発足するなど、官民一体で外国人に係る安全対策が講じられているようでありますが、警察では、密入国に対する取り締まりを含めて、外国人犯罪に対しどのように対処していこうとされているのか、あわせてお尋ねいたします。
 以上で私の質問を終わりますが、明快な御答弁をお願いいたします。
 御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
   〔知事増田寛也君登壇〕

〇知事(増田寛也君) 黄川田徹議員の御質問にお答えを申し上げます。
 まず、県政懇談会実施の感想についてお尋ねがございましたが、私は、県政推進の基本姿勢といたしまして、県民に開かれたわかりやすい県政を掲げまして、あらゆる機会をとらえて、多くの県民の皆様方から県政に対するさまざまな御意見や御提言を直接お聞きをいたしまして県政に反映させてまいりたいと、このように考えておりまして、こうした考え方の一環といたしまして市町村単位の県政懇談会を県内全市町村で開催をいたしましたほか、平成8年度の後半からは、地域でさまざまな活動に熱心に取り組んでおられる方々と、現場におきまして特定の課題について、より掘り下げた意見交換を行ってきているところでございます。これらの県政懇談会におきまして、地域の発展を考え、日々努力を重ねておられる方々や、将来の夢や希望を力強く語っております子供たちに接しまして、大変心強く思いますと同時に、また、大いにこちらも勇気づけられたところでございます。
 私は、県民一人一人が創造性とチャレンジ精神を十分に発揮できるような地域社会を、このような県内各地域で活躍されている方々とともに手を携えながら築いてまいりたいと、このように考えているところでございまして、また、県政懇談会に御参加をいただいた方々からは、地域に根差し、現場に直結した数多くの御意見や御提言を直接お聞かせいただいているところでございまして、こうした貴重な意見、提言につきましては、早期に可能な限りその実現に努めますとともに、現在策定作業中でございます次の新しい総合計画におきましても積極的に反映をさせてまいりたいと、このように考えております。
 次に、中山間地域の振興についてお尋ねがございましたが、中山間地域は人口の流出などの課題を抱えておりますけれども、一方では県土の保全や良好な自然環境の維持など、多様な役割を担っております極めて重要な地域でございます。この中山間地域を健全に維持、発展させていくためには、その地域の基幹産業でございます農林業の振興だけではなくて、商工業、観光など他分野と連携した地域おこしや都市との交流などによりまして、そこに住む方々が安定した所得を確保できるよう多くの就業機会を生み出しますとともに、快適で潤いのある居住環境をつくることが重要であると、このように認識をしております。
 県といたしましては、これまで高品質な野菜、花卉などの生産施設や、木炭の生産流通施設、シイタケ生産施設などを整備いたしましたほか、地域特産物の直売施設の設置、集落道や集落排水施設など、いわゆる生活環境の整備、農林体験学習や触れ合い農園など都市住民との交流施設の整備を進めてきているところでございます。
 さらには、山間地域の主要作目である園芸作物の価格支持に対する本県独自の支援、地域の産地化に向けた戦略作物の栽培技術や、地域ならではの特産的な農林産物の加工指導を積極的に行いますなど、ハード、ソフト両面からの施策を講じてまいったところでございます。
 このような活動の結果として、リンドウ、レタス、ホウレンソウなどの農産物や、干しシイタケ、木炭などの特用林産物など全国に誇れる優良な産地に加えまして、菌床シイタケやワサビなどの新しい産地が形成をされてきておりまして、また、そば、山菜などを活用した地域特産品の開発や、地域の食材を生かした料理を提供いたしますいわゆる農村レストランの開業、産地直売など、生活改善グループによる先導的な取り組みが各地で数多く見られるようになってきているところでございます。
 さらに、近年は、そば打ちや木工の体験とあわせて、郷土食に触れ合うグリーンツー・リズムモデルツアーの実施ですとか、三陸沿岸の市町村が一体となった花の産地づくり運動など、地域間の交流活動も活発化してきていますほか、農林業、農山村に魅力を感じて都市部や他の職業からの新たな参入や、若い担い手が定着すると、こうしたような事例も見られてきているところでございます。
 今後におきましても、地域の方々の創意工夫を生かした実践活動をさらに助長しながら、こうしたモデルとなります各地の成果を全県的に波及させますとともに、広域的視点に立った地場産業の振興や定住環境の改善など、幅広い観点から、この中山間地域の活性化に向けた取り組みに対する支援を強化いたしまして、活力に満ちた農山村社会の形成に努めてまいりたいと考えております。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部局長から答弁をさせますので、御了承お願い申し上げます。
   〔総務部長大隅英喜君登壇〕

〇総務部長(大隅英喜君) まず、県立大学の開学準備の進捗状況についてでありますが、本年4月に文部省に対して、教育内容を示すカリキュラムなどについて記載した設置認可申請書を提出し、次いで7月には、教員予定者全員の個人調書等を提出いたしまして、現在、大学設置・学校法人審議会の審査を受けているところでありますが、そうした中で、去る9月11日には、大学設置学校法人審議会による教員審査などの結果が示され、また、17日には同審議会委員による現地実地審査が行われたところであります。その結果、審議会からは若干の要望、意見が出されておりますが、これらにつきましては10月末の補正申請で十分対応が可能と考えております。本年12月に見込まれる設置認可に向け、おおむね順調に進んでいるものと考えております。
 校舎等の建築工事の進捗状況つきましては、9月末見込みで53%となっており、年内には骨格ができ上がり、明年の3月中旬には完成する予定であります。運動施設や構内道路等の土木工事につきましても、9月末見込みで90%まで進み、年内には完成する見通しにあり、全体として計画どおり進捗しているところであります。
 また、学則を初めとする諸規程の制定等大学運営体制の整備などについても、具体的な準備、検討を行っているところであり、来年4月の開学に向け、万全を期してまいりたいと考えております。
 次に、入学者の選抜についてでありますが、県立大学は、真に豊かな地域社会の形成に寄与する人材の育成を基本理念としており、こうした理念に沿った多くの優秀な学生を確保することが、極めて重要な課題と認識しております。このため、入学者の選抜に当たりましては、入学志願者の個性や資質、意欲等多様な潜在能力にも配意して、学力試験のみに偏らない多面的な選抜方法を採用したいと考えております。具体的な実施方法につきましては、現在、学長予定者を委員長とする入試委員会を設置して、各学部の特性に応じて、受験生の考える力をより重視するなど、特徴のある入学者選抜となるよう検討を重ねております。試験の日程や実施教科等の詳細は、文部省の認可前であり、まだ公表できない事情にありますが、基本的な方向としては、初年度は、一般選抜は、受験機会の複数化の観点から前期と後期の2回実施するほか、専門高校及び総合学科の卒業生に配慮した特別枠を設けたいと考えております。このほか、特別選抜として入学定員の3割を目安に、県内高校の卒業生を対象とする推薦入学を実施するほか、県民の多様な学習ニーズ等にこたえるため、社会人を対象とした選抜を実施するなど、県立大学の特色を生かした入学者選抜としたいと考えております。
 また、受験生等への周知につきましては、リーフレットや各種広報媒体の活用により、県立大学のPRに努めるとともに、今後、教育委員会とも連携しながら、進学説明会や県内の高校訪問等を実施し、県立大学の入学者選抜について適切に周知を図っていくよう努めてまいりたいと存じております。
   〔企画振興部長武居丈二君登壇〕

〇企画振興部長(武居丈二君) まず、三陸鉄道の仙台直通列車の運行事業についてでありますが、御案内のとおり、県及び沿線15市町村で組織する岩手県三陸鉄道強化促進協議会におきましては、昨年度に取りまとめました経営改善を図る方策の一環として、仙台圏からの観光客誘致と沿線におけるマイレール意識の高揚を目的に、去る7月26日から8月10日までの16日間、リアス・シーライナーの愛称で、仙台直通乗り入れ列車の試験運行事業を行ったところであります。実施に当たりましては、JRなどの協力のもと、地元関係者が一丸となって取り組み、主要駅での歓迎セレモニー、特製弁当、特産品の車内販売あるいは沿線の観光PRや記念品の配布等の利用者サービスに努めたところでありまして、その結果、期間中の利用者が延べ6、596人、また、座席定員に対する乗車率は185%に達したところでございます。
 期間中に実施したアンケート調査でございますが、これは2、558名の方々に御回答いただきまして、この内訳は宮城県内が41%、岩手県内が36%、それから東京圏が12%という内訳になってございますが、こういった方々の約7割から満足したという評価をいただくなど、予想以上の成果を上げることができたものと考えております。これらの背景といたしましては、乗りかえなしの利便性やきめ細かな車内サービスが観光事業の掘り起こしに効果的に結びついたことや、沿線においても身近な交通機関として改めて注目を集めるきっかけとなったことなどが挙げられると思います。
 県といたしましては、今回の成果が三陸鉄道全体の利用者数の早期回復の実現につながるよう、来年度以降における事業の継続に向け、アンケート調査結果も分析しながら、より効果的な実施方法や運行期間等について、三陸鉄道や市町村と協議してまいりたいと考えております。
 次に、三陸鉄道の借り受け資産の譲渡問題についてでありますが、鉄道施設の譲渡の受け入れは、三陸鉄道の経営に深刻な影響をもたらすことが懸念されることから、県におきましては、現在の無償貸し付けが将来にわたって維持存続されるよう、あらゆる機会をとらえて要望を重ねているところであります。これは、国鉄長期債務の処理とも密接に関連する問題でありますが、国の財政構造改革におきましては、債務処理の問題について平成9年中に成案を得ることとされ、政府としては不退転の決意で臨む姿勢が明らかにされているほか、これを受けました運輸省の平成10年度概算要求は、来年10月に国鉄長期債務を国に移管した上で清算事業団自体を整理する方針を打ち出しております。さきに平成10年度政府予算要望を行った際にも、当時の運輸大臣から、従来の形での無償貸与の継続は、清算事業団自体が解散するため難しいとの発言がなされたところでもございます。このような状況の中で、運輸省は、第3セクター鉄道の中でいまだ資産譲渡がなされていない三陸鉄道など4社に譲渡の受け入れを促すため、かつて国鉄改革に際して全国の第3セクター鉄道を対象に設けられた、資産譲渡時の登録免許税と不動産取得税に係る非課税措置を特例的に復活することを内容とする税制改正要求を国の税務当局に行うなど、4社が資産譲渡を受け入れやすい環境づくりを進めているところであります。
 このような動きに対しまして、県といたしましては、仮にこれらの非課税措置が復活された場合にありましても、毎年度の固定資産税や災害発生時の復旧費用の負担の問題が依然として残されることとなりますので、今後とも、この問題をめぐる国の動向を十分に注視しながら、秋田県、福島県など、他の第3セクター鉄道3社の関係県とも連携しつつ、国等に対する要望活動に全力を挙げて取り組んでまいる考えであります。
   〔林業水産部長中村陽兒君登壇〕

〇林業水産部長(中村陽兒君) まず、林業労働力の育成、確保に関する対策についてでありますが、林業労働力を確保する上で何よりも必要なことは、林業をめぐる労働条件を改善し、また、現場作業を魅力あるものにするための高性能林業機械化を促進するとともに、これらを駆使し得る有能な人材の育成と新規参入者の就労の促進を図るための適切な施策を講ずることが肝要であると考えております。
 このため、県では、これまで林業労働安全衛生対策や高性能林業機械の導入を促進してきたほか、林業労働対策基金として36億円の基金を造成し、補助事業の対象とならない社会保険への助成を行うなど、労働条件の改善に努めてきたところであります。今後、これらの施策に加え、重要な課題となっている林業労働者の雇用主である林業事業体の育成を図るため、昨年制定されたいわゆる林野3法の一つである林業労働力の確保の促進に関する法律に基づき設置された、林業労働力確保支援センターと県が一体となって、地域の中核となる林業事業体を認定し、経営基盤強化のための支援を行うこととしており、本年9月現在では、盛岡市森林組合を初め、20の事業体を認定しているところであります。
 さらに、平成12年度までに本県の素材生産の約半分を担い得る70程度の認定を行い、これらの事業体が事業の合理化や雇用条件の改善などに意欲的に取り組むよう指導することといたしております。
 また、新規参入者の就労促進対策につきましては、林業労働力確保支援センターにおきまして、林業体験や就労セミナーの開催に加え、就業を促進するための無利子資金の貸し付けなどに取り組んでいるところであります。
 県といたしましては、今後とも市町村、関係団体などと連携を図り、本県林業の将来を担い得る若年労働者を初めとする林業労働力の育成確保に努めてまいりたいと考えております。
 次に、全国豊かな海づくり大会に関連してのお尋ねでありますが、御指摘のとおり本大会の真の意義は、大会を契機として水産資源の維持培養と、海の環境保全への取り組みが一層強力に展開され、水産業の振興や沿岸地域の活性化が図られることにあると考えております。このため、大会の1年以上前から、21世紀を展望する岩手の海づくりフォーラムの開催、三陸鉄道とタイアップした記念列車の運行、沿岸地域の皆さんや子供たちと一体となった海と森を考える植樹活動、大槌町青年有志による創作劇の上演など、10件以上のプレイベントの実施を通じて、大会の趣旨の浸透と機運の醸成に努めるとともに、本県漁業の果たしている役割と、豊かな漁村文化の存在への理解が深まったと考えております。
 また、大会を契機として、本県漁業と漁村地域のさらなる発展を目指す五つの振興方策を柱としたアクションプログラムを策定し、先般、漁業団体、市町村等関係者に提示して、共通する意識の形成に努めているところであります。この五つの振興方策の第1の柱は、平成12年度までに大槌漁港の豊かな海づくり大会の会場地にヒラメ、マツカワの種苗生産施設を整備し、新たな魚類栽培を推進すること。第2として、きれいな海を守るため、漁業団体やボランティアなどと一体となって、沿岸の美化を実施するなど、豊かな資源をはぐくむ環境づくりを推進すること。第3として、秋サケ、アワビ、ワカメなど本県を代表する水産物を中心に、新鮮さや安全性、味のよさについて、時代にマッチしたおいしい岩手の全国発信。第4として、漁村生活環境を改善するため、緑地や広場、防災安全施設、集落道、生活排水の処理施設などを計画的に整備し、ゆとりある豊かな暮らしを支える環境づくりを推進すること。第5として、海づくり少年団の活動の促進、青壮年漁業者、漁村女性、高齢者などの活動を支援し、漁村を支えあすを開く人づくりを推進することであります。
 今後これらを柱に、漁業者、漁業団体、市町村と一体となって、21世紀に向けて豊かな岩手の海づくりと、活力と潤いのある漁村づくりに努めてまいりたいと考えております。
   〔保健福祉部長緒方剛君登壇〕

〇保健福祉部長(緒方剛君) 痴呆性高齢者の介護対策についてでありますが、痴呆性高齢者は、徘回や危険行為等の問題行動を伴うことも少なくなく、専門的な介護や長時間の見守りを必要とするなど、家族にとっても、心身ともに重い負担となることから、介護者への支援を含め、地域で支援する体制の整備が重要となっております。
 このため、県としましては、痴呆疾患の早期発見や原因となる脳血管障害などの予防を図る観点から、老人性痴呆疾患に関する知識の普及や訪問指導などを推進するとともに、いつでも家族などの相談に応じられるよう、市町村、保健所、在宅介護支援センター、痴呆疾患センターなどの相談機能を充実してまいりたいと考えております。
 また、個々のニーズに応じたサービスの提供と家族の介護負担の軽減を図るため、痴呆性老人向けデイサービスや老人保健施設のデイケア事業を推進するとともに、痴呆性高齢者を特別養護老人ホーム等で夜間預かるナイトケア事業を拡充してまいりたいと考えております。
 さらに、医学的な管理のもとで、専門的な介護や機能訓練を行う老人保健施設の痴呆性老人専門棟や、精神症状問題行動への治療を行う老人性痴呆疾患療養病棟の整備を促進するとともに、特別養護老人ホームにおいても、専用居室の整備を進めることとしております。
 他方、ホームヘルパーや施設職員の専門性の向上が重要であることから、これらを対象とする痴呆性高齢者の処遇知識や技術に関する研修を充実してまいりたいと考えております。
 さらに、痴呆性高齢者が専門的なケアを受けながら、少人数で共同生活を送る新しい形態のグループホームは、症状の進行の抑制や問題行動の軽減に効果を上げていると言われていることから、今後その普及に努めてまいりたいと考えております。
   〔土木部長藤本保君登壇〕

〇土木部長(藤本保君) ダム事業についてでありますが、現在10ダムの県営ダム事業のうち、来年度から中止を予定している2ダムを除く8ダムについて現在取り組んでいるところであります。今後とも随時、社会経済情勢を勘案しながら、めり張りをつけた上、計画的に推進してまいりたいと考えているところであります。
 次に、今後の事業費の見通しについてでありますが、本体建設中の早池峰ダムや綾里川ダムを初め、生活再建中の簗川ダム等に重点的に取り組んでいるところから、それぞれのダムに必要な予算が確保できるよう努力してまいりたいと考えております。
 次に、気仙地区のダム事業の見通しについてでありますが、鷹生ダムはつけかえ県道工事が今年度には概成することから、厳しい財政状況ではありますが、今後、本体工事に着手できるよう国に対し強く要望してまいりたいと考えております。
 また、綾里川ダムは、今年度ダム本体の基礎掘削終了後、堤体コンクリートを打設する予定であり、平成12年度の完成に向けて鋭意取り組んでいるところであります。
 また、津付ダムは、平成10年度の新規建設要望を行っておりましたが、建設省では、平成10年度予算が極めて厳しいことから、概算要求において、新規建設ダムを要求していないとのことであります。このため、県といたしましては、建設省と協議を行うとともに、地元関係機関の協力をいただき、関係地権者の方々に実質的に御迷惑をおかけしないよう、さらに努力してまいりたいと考えております。
   〔医療局長渡辺勲君登壇〕

〇医療局長(渡辺勲君) 県立病院の医師確保の状況についてでありますが、県立病院の常勤医師は平成8年度末現在で前年度に比べて14名増の524名となっておりますが、医療法上の医師必要数に対しまして非常勤医師等を加えても、なお104名不足しているところでございます。そのうち、お尋ねの小児科、産婦人科、眼科及び耳鼻咽喉科のいわゆる特定診療科の医師は、合わせて前年度に比べ1名増の97名となっており、医療法上の医師必要数に対してはなお9名不足してございます。
 また、現在この特定診療科を標榜している診療科は合わせて69でありますが、このうち常勤医師を配置できないでいる診療科は12となっております。これら特定診療科の医師につきましては、全国的に見ても内科、外科等の診療科の医師に比べてその数が少ないことから、その確保はとりわけ困難な状況にあります。全国的には医師過剰時代とも言われておりますが、本県の医師はただいま述べましたとおり依然として不足しておりますことから、医師の確保については今後とも一層努力しなければならない大きな課題であると認識しております。
 こうしたことから、医療局といたしましては、長期経営計画に基づき、広域中核病院等に重点的な医師の配置を行い、周辺の病院への診療応援を充実するネットワーク体制の整備を推進するとともに、医師確保のため岩手医科大学を初め、東北大学等の各大学とのつながりをこれまで以上に緊密にし、なお不足する医師については首都圏の大学への働きかけをするなどの対応をしてまいりたいと考えております。
 また、今年度におきましては、中長期的な医師確保対策として奨学資金制度を拡充整備し、新たに10名の医学生に対しその貸し付けをしたところであります。今後とも県民の皆様の期待と信頼にこたえることができるよう、長期的に安定した医師の確保に一層努めてまいりたいと考えております。
   〔警察本部長池田克彦君登壇〕

〇警察本部長(池田克彦君) 初めに、県内におきます来日外国人犯罪の発生状況についてお答えいたします。
 まず、発生件数ですが、これは当該犯罪が外国人によるものかどうかは、検挙してみなければ確定できませんので、検挙件数でお答えいたします。
 来日外国人による犯罪の検挙は、本年8月末現在で、件数56件、人員28人で、人員は前年比マイナス6人と、若干減少しておりますけれども、件数ではプラス20件と、昨年を大幅に上回っております。
 主な事例といたしましては、盛岡市内の貴金属店や電気店において、偽造カードあるいは窃取したカードを使用して商品をだまし取ろうとした事案、なお偽造カードを使用いたしましたのはナイジェリア人で、窃取したカードを使用しましたのは中国人でございます。全国で連続的に事件を発生させている被疑者、これはペルー人でございますけれども、これが矢巾町のドラッグストアにおいて、レジスターから現金を窃取しようとした事件などがございます。来日外国人犯罪の特徴といたしましては、短期ビザで組織的に入国し、犯行後は首都圏等へ逃走するという、いわゆるヒットエンドラン型が顕著でございます。
 次に、大船渡港におきます密入国事件についてでございますけれども、当該事件は平成8年11月ごろ、フィリピン人など10数名が大船渡港に入ります貨物船を利用して密入国しまして、その後、JRなどを使って国内に潜入したというものでございまして、その一部が奈良県警察において検挙されたというものでございます。なお、詳細につきましては現在も奈良県警で捜査中でございますので、答弁は差し控えさせていただきたいというふうに存じます。
 続いて、外国人犯罪に対する警察の諸対策についてでございます。
 県警察では、来日外国人問題に関する諸対策を一体的かつ総合的に推進するため、本年4月、本部長を室長といたします岩手県警察外国人問題対策室、それから専門捜査員から編成する来日外国人組織犯罪対策本部を設置いたしまして、その捜査の強化を図っているところでございます。
 また、密航者の水際対策は、税関あるいは海上保安庁、漁協など、関係機関と連携を図ることが不可欠でございますので、この点にかんがみまして、関係機関からなります岩手県集団密入国取締まり連絡会を設立いたしまして、その対策を講じているところでございます。
 さらに、官民一体でこの問題に取り組むべく、議員御指摘の気仙地区国際化安全対策連絡協議会などの団体が各地域で結成されているところでございますので、警察といたしましても、これらの団体との連絡を強化して、この種問題に対処してまいりたいというふうに考えております。
   

〇副議長(吉田秀君) この際、暫時休憩いたします。
   午後3時8分 休 憩
   

出席議員(42名)
1  番 斉  藤     信 君
2  番 佐 々 木  大  和 君
4  番 佐 々 木  一  榮 君
5  番 黄 川 田     徹 君
6  番 小 野 寺     好 君
7  番 佐 々 木     博 君
8  番 中 屋 敷     十 君
9  番 大 久 保     豊 君
11  番 千  葉     伝 君
12  番 伊  沢  昌  弘 君
13  番 藤  原  泰 次 郎 君
14  番 田  村  正  彦 君
15  番 伊  藤  勢  至 君
17  番 高  橋  賢  輔 君
18  番 瀬  川     滋 君
19  番 渡  辺  幸  貫 君
21  番 谷  藤  裕  明 君
22  番 水  上  信  宏 君
23  番 船  越  賢 太 郎 君
24  番 久 保 田  晴  弘 君
25  番 千  葉     浩 君
26  番 折  居  明  広 君
27  番 三  河  喜 美 男 君
28  番 村  上  恵  三 君
29  番 村  田  柴  太 君
30  番 藤  原  良  信 君
31  番 吉  田  洋  治 君
33  番 工  藤     篤 君
34  番 菅  原  温  士 君
35  番 菊  池     勲 君
36  番 小  原  宣  良 君
37  番 樋  下  正  光 君
38  番 及  川  幸  郎 君
39  番 那 須 川  健  一 君
42  番 山  内  隆  文 君
45  番 佐 々 木  俊  夫 君
46  番 山  崎  門 一 郎 君
47  番 菊  池  雄  光 君
48  番 佐  藤  啓  二 君
49  番 堀  口 治五右衛門 君
50  番 吉  田     秀 君
51  番 藤  原  哲  夫 君

欠席議員(5名)
3  番 須  藤  敏  昭 君
10  番 浅  井  東 兵 衛 君
16  番 佐  藤  一  男 君
20  番 長 谷 川  忠  久 君
43  番 佐  藤  正  春 君
   

説明のため出席した者
休憩前に同じ
   

職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
   

午後3時30分 再 開

〇副議長(吉田秀君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第1、一般質問を継続いたします。谷藤裕明君。
   〔21番谷藤裕明君登壇〕(拍手)


前へ 次へ