平成9年9月定例会 第11回岩手県議会定例会会議録

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〇43番(佐藤正春君) それでは、盛岡大学問題に関連してお伺いをいたします。
 そもそもこの学校法人には県が深く関与してきた経緯があり、ただいまの補助金の交付経過、1億5、000万円、1億8、000万円、1億8、000万円何がしを見てもおわかりのとおりでございます。昭和63年11月には、当時、中村知事の懐刀と言われた前県出納長村上武氏が、新キャンパス用地に絡んで収賄で逮捕され、中村知事は、昭和63年11月議会で陳謝をいたしております。当時、与党でありました我々自民党の有志は、逮捕以前に、庁内諸悪の根源は村上武にありとの判断から退任決議をつきつけ、みずからの辞任に追い込んだことは県民に高く評価を受けたものであります。
 そこで伺いますが、この村上武氏の流れをくむと言われている県のOB、田澤文雄氏、中原良一氏が理事として入っているようでございますが、平成7年、8年、9年の理事のお名前をお示しください。
 次に、ただいまも答弁があったわけでございますが、県からの助成金でございますが、助成金ですから事務検査の対象になりますが、その結果も御報告願います。また、あわせて、理事の報酬並びに退任の慰労金などが支給されておりましたらば御報告願います。
 また、これは裁判中でございますが、ただいまは、学園から2億6、000万円の背任横領はその流用が問題になっていますが、是村前理事長は取り調べに対して、私的流用を否認しているということですが、何かほかに人に言えないことに流用したのでしょうか。もしも警察当局でおわかりでございましたらお示しください。
 私は、ここに平成9年6月19日付真相調査委員会の調査結果報告がございます。これ10分以内の関連質問でございますので、全部申し述べられませんので省略をいたしますが、まとめの中にあるように、特に資金操作については、理事会の事後了承になっていたことからもわかるように、他の理事のチェック機能が働かず、寄附行為やその他の規程が無視され不正を見過ごす結果になったと、こうあります。まとめの中にこう書いております。要は、理事会は何もしなかったと、何もしなかったということになるわけです。何のために県は私学助成のための助成金をつぎ込み、県の幹部OBまで派遣していたのでしょうか、厳しく追及をいたします。
 まさかと思いますが、是村前理事長とぐるになって、横領した金をどこかへ流したのではないかと疑っている人もおられます。議会に百条委員会を設置して調査する必要があるかと思います。
 平成8年には、負債24億円、東通アドから2億6、000万円の民事訴訟と横領の刑事告訴を受けているのを知っていながら、8年、9年と、ただいま御答弁のとおり助成金を出しているのはなぜですか。違法ではありませんか。県出身OBからの働きかけがあったから出したとのうわさがありますが、本当でしょうか。ただいまも県の指導について答弁がありましたが、助成は今後出すのですか。県としての責任はどうなるのでしょうか、明確にお示しください。
 もう一つ、私の手元に一遍の資料が送付されております。平成8年2月23日付の盛岡大学の是村理事長、盛岡市の協栄テックス株式会社工藤副社長、ここの社長は達増崔夫氏であり、岩手1区衆議院議員の達増拓也先生のお父上であらせられます。静岡県日本総業の望月社長、そして立会人として盛岡大学事務局長杉山氏の署名入りの覚書でございます。
 内容は、1、協栄テックス株式会社(達増崔夫社長)は、学校法人盛岡大学理事長是村惠三氏に対して金1億5、000万円の融資をあっせんし、株式会社アプトより融資を行うものとする。このアプトなる会社は調べによりますと、協栄テックスの子会社で、佐々木さんという方が社長をやっておられます。そして第4、返済原資としては、盛岡大学より継続して発生する諸事業及び学部増設に関する建設業並びに関連事業を株式会社エル・エージェンシー及び日本総業を通じて発注し、その利益をもって返済に充てるものとするとあり、また、融資の見返りとして、この覚書の当事者が推薦する1名ないしは2名を、盛岡大学の理事として責任を持って受け入れるものと明記されております。これは何とも奇々怪々な覚書でございます。本当にこのとおり運営されているようでしたら、本当に恐ろしい大学ということになるわけでございます。何となく、政、官、財の癒着が感じられるのですが、どうでしょうか。
 県では、これらの事実を承知しているのですか。承知の上で学校法人盛岡大学に助成し、これからも助成を続けるのか重ねてお伺いしますが、時間がございませんので、あとは12月決算でがっちりお伺いすることとして、関連質問を終わります。
 答弁は明確にお願いいたします。以上です。
   〔総務部長大隅英喜君登壇〕

〇総務部長(大隅英喜君) まず、学校法人盛岡大学の理事の氏名についてのお尋ねでありますが、平成7年5月現在では、是村惠三、高橋富雄、森田敬一、杉山仁章、土屋禅也、丸山茂、田澤文雄、小澤一郎、杉山憲夫、戸村敏雄、帖佐寛章、中原良一の12名であり、平成8年5月からは、土屋禅也が抜けて11名となっております。また、平成9年5月からは、久慈次男、高橋富雄、太田原弘、田澤文雄、土屋章、帖佐寛章、中原良一、出村彰の8名となっておりましたが、8月に改選があり、現在は、久慈次男、太田原弘、阿部久佐、土屋章、菊池孝育、帖佐寛章、出村彰、太田稔、一戸克夫、門屋光昭の10名となっていると伺っております。
 次に、同法人に対する事務検査についてでありますが、平成6年度から8年度分に係る高校以下の補助金については、本年度において実施することといたしておりますので、御了承いただきたいと存じます。
 次に、同法人の理事の報酬並びに退任の慰労金についてでありますが、これにつきましては、県としては承知していないところであります。
 次に、同法人の前理事長の2億6、000万円の背任問題についてでありますが、この問題に関しては裁判の過程で明らかになっていくものと存じており、その推移を見守っているところであります。
 次に、同法人の前理事長に係る東通アドをめぐってのお尋ねについてでありますが、高校等においては通常の学校運営が行われていたこと、また、この間、所轄庁からの指導も特に受けていなかったことから、運営費等の助成を行ったところであります。
 次に、融資あっせんに係る覚書の事実についてのお尋ねでありますが、これにつきましては承知をしていないところであります。
 次に、今後においても助成を続けるのか、県の責任はどうかとのお尋ねについてでありますが、今後、所轄庁である文部省とも連携を図りながら、法人の管理運営、経理の適正化等につきまして、県の所轄する範囲において必要な指導や助言を行い、補助金の適正な執行を行ってまいる考えであります。
   〔佐藤(正)議員「議事進行について、答弁漏れあり。」と呼ぶ。〕

〇43番(佐藤正春君) 議事進行でございますので、答弁漏れ1点について申し上げますが、この理事の報酬、退職金等については、これは今わからないということですのでこれ以上追及いたしませんが、議長において、これは県のOBですから、本人に聞けばわかることですから、これは議長から責任を持ってお取り計らいを願いたいと思います。
 以上、終わり。
   〔警察本部長池田克彦君登壇〕

〇警察本部長(池田克彦君) 是村被告の背任容疑の金銭の流用先についてでございますけれども、客観的証拠からいたしますれば、同氏が私的に使用したことは明らかであるというふうに承知しております。
 なお、事実関係の詳細につきましては、公判で明らかにされるべきものと承知しております。
   〔佐藤(正)議員「了解、済みませんでした、議長。」と呼ぶ〕

〇議長(那須川健一君) 次に、藤原泰次郎君。
   〔13番藤原泰次郎君登壇〕


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