平成9年12月定例会 決算特別委員会会議録

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平成9年12月3日(水曜日)

1開会 午前10時4分

1出席委員 別紙出席簿のとおり

1事務局職員
事務局長       村 上 勝 治
議事課長       及 川 宣 夫
議事課長補佐     駿 河   勉
主任議事管理主査   千 田 正 和
議事管理主査     上 柿   聡
議事管理主査     木 村   稔
議事管理主査     南   敏 幸
議事管理主査     筒 井 則 裕

1説明員
生活環境部長     吉 田 敏 彦
生活環境部次長    小笠原 佑 一
総務生活課長     千 田 雅 嗣
交通安全対策監    坂 林 則 夫
文化国際課長     瀬 脇   一
青少年女性課長    千 葉 和 子
環境整備課長     中 村 一 夫
環境保全課長     名須川 定 男
自然保護課長     中 村 世 紀
保健福祉部長     緒 方   剛
保健福祉部次長    菅 原 哲 夫
保健福祉部次長    高 橋 洋 子
保健福祉課長     長 山   洋
地域福祉課長     今 井   明
長寿社会課長     千 葉 清 夫
障害保健福祉課長   祝 田 敬三郎
児童家庭課長     舘   満 弘
保健衛生課長     宇佐美   智
国保援護課長     佐 藤 国 洋
保険課長       山 下 賢 二
国民年金課長     男 鹿 敏 昭
商工労働観光部長   佐 藤 孝 司
商工労働観光部次長  小野寺   彰
商政課長       菊 池 毅 逸
岩手ブランド推進室長 山 口 和 彦
経営金融課長     山 火 弘 敬
工業振興課長     本 田 敏 秋
企業立地推進監    土 井   進
観光課長       保 坂 貢 一
全国菓子博覧会推進室長 渡 邊 主 喜
労政能力開発課長   武 田   弘
職業安定課長     小 林   訓
雇用保険課長     関 澤   明
地方労働委員会事務局長 藤 田 貞 治
総務課長       相 馬 直 人
審査調整課長     仙 石 隆 夫
出納長        高 橋 洋 介
副出納長兼出納局次長 石 川   誠
監査委員       源 新 義 弘
監査委員       橋 本 光 男
監査委員事務局長   飛 澤 重 嘉
総務課長       山 瀬 宗 光
監査課長       青 木   拓
財政課長       千 葉   弘

〇長谷川委員長 これより本日の会議を開く。
 これより議事に入る。
 認定第1号から認定第12号まで、決算12件を一括議題とする。
 本日は、生活環境部、保健福祉部、商工労働観光部及び地方労働委員会関係を終わるよう進行したいと思うので、御協力をお願いする。
 なお、世話人会の申し合わせにより、8年度決算の審査であるので、当該年度に関する質疑とされたいこと、質疑項目が複数ある場合、関連する事項についてはできるだけまとめて質疑されたいこと、また、質疑及び答弁については簡潔明瞭に行い、午後5時を目途に審査が終了するよう、議事進行に御協力をお願いする。
 最初に、吉田生活環境部長から生活環境部関係の説明を求める。

〇吉田生活環境部長 平成8年度の生活環境部関係の決算について御説明申し上げる。
 当部の決算内容を御説明申し上げる前に、本年4月に行われた県の機構改革について、その概要を説明させていただく。
 このたびの機構改革では、部の再編整備により生活環境部が発足したところであるが、部内各課については、各部から事務事業の全体が移管したものと、事務事業の一部のみが移管したものとがある。
 まず、課の業務の全体が移管されたものとしては、総務部から国際交流課、企画調整部から青少年女性課、環境保健部から環境公害課、自然保護課及び廃棄物対策室が移管された。生活福祉部からは、県民生活課及び交通安全対策室が、それぞれ一部課名等を変更して事務事業の全部が移管になっているところである。
 次に、事務事業の一部が移管されたものについては、企画調整部企画調整課から財団法人地域創造に関する業務、公聴広報課から県民運動及び北方領土返還要求運動の事業が移管され、環境保健部生活衛生薬務課のうち、環境衛生関係の業務がそれぞれ当部に移管しておる。したがって、当部関係の決算は、当部が引き継いだこれら事務事業について御説明させていただきたいと存ずる。
 平成8年度岩手県歳入歳出決算書の12ページをお開き願う。
 生活環境部関係は、2款総務費のうち1項総務管理費の一部及び2項企画費の一部であり、予算現額は6億4、111万9、000円であり、これに対する支出済額は6億3、954万2、000円余となっておる。
 次に、3款民生費のうち1項社会福祉費の一部であり、予算現額は2億7、892万9、000円であり、これに対する支出済額は2億7、815万6、000円余となっておる。
 次に、4款衛生費のうち2項環境衛生費の一部であり、平成7年度から平成8年度への繰越額1億4、554万6、000円を含めた予算現額は32億4、700万3、000円、これに対する支出済額は32億2、576万円余となっておる。この結果、生活環境部関係の平成8年度予算現額及び支出済額の総額は予算現額で41億6、705万1、000円、支出済額で41億4、345万8、000円余となるものである。また、平成8年度から平成9年度への繰越額は4款衛生費2項環境衛生費で、1事業1、842万9、000円となっておる。
 以下、個々の内容については、便宜、平成8年度歳入歳出決算事項別明細書により御説明を申し上げる。
 なお、事業ごとの金額の読み上げは省略させていただき、主な事業の内容を中心に説明を申し上げるので御了承いただく。
 歳入歳出決算事項別明細書の116ページをお開き願う。第2款総務費1項総務管理費10目諸費である。諸費の支出済額3億1、700万円余のうち当部関係は国際交流関係の事業で3億879万円余であり、その主なものは、語学指導等を行う外国青年の招致や海外技術研修員及び海外自治体職員の受け入れなど、国際交流及び国際協力の推進並びに岩手県国際交流協会への出捐等に要した経費である。次に、118ページに参って、2目計画調査費であるが、支出済額43億1、500万円余のうち当部関係は1、471万円であり、これは財団法人地域創造への負担金を支出したものである。次に、120ページに参って、3目公聴広報費である。支出済額5億4、200万円余のうち当部関係は1、227万5、000円であり、これは愛ランドいわて県民運動協議会及び北方領土返還要求運動岩手県民会議の運営に要する経費に対して補助したものである。次に、4目青少年女性対策費であるが、青少年育成指導費は、青少年の健全な育成を図るため、青少年育成委員の配置や非行防止を図る各種実践活動の実施及びポニースクール岩手における幼稚園児や小学生を対象としたポニーとの触れ合い事業などを実施した経費であるし、青少年育成県民会議運営費補助は、次代を担う青少年の健全育成、非行防止を主眼とした運動を推進する同県民会議の運営に助成したものである。青少年育成指導者海外派遣事業及び女性海外派遣事業は、国際的な視野を持った有為な青少年指導者や女性リーダー養成のため、青少年指導者を海外に派遣したものである。いわて青年海外セミナー事業費は、21世紀に向けて大胆にチャレンジする青年の養成を図るため海外研修を実施したものであり、女性洋上セミナー事業費及びいわて少年洋上セミナー事業費は、地域社会に貢献する女性リーダーの育成及び団体活動や社会参加活動を行う少年リーダーを育成するために実施したものなどがその主なものである。
 次に、少し飛んで142ページをお開き願う。142ページから145ページにかけてであるが、第3款民生費1項社会福祉費8目県民生活費は、県民生活の安定と向上を推進するため、消費生活協同組合等育成事業費、県民生活センター運営費等消費者保護対策に要した経費及び生活関連物資等の価格動向調査、物価に関する啓発・情報提供を実施した物価安定対策事業費などがその主なものである。9目交通安全対策費は、市町村に交通指導員を設置するための経費に対する補助や、高齢者を対象とした参加・実践型の交通安全教育を実施した交通安全教育推進事業費などがその主なものである。
 次に、少し飛んで158ページをお開き願う。第4款衛生費2項環境衛生費1目環境衛生総務費は、市町村が自然環境保全のため、土地等を取得する場合の経費補助や環境保全に関する普及・啓発活動を行った環境保全対策費及び管理運営に要した経費がその主なものである。160ページに参って、3目環境衛生指導費である。営業施設経営指導費は、環境衛生施設の改善向上、経営の健全化を図るため、環境衛生営業指導センターに対して補助したものなどであり、簡易水道等施設整備費補助は、市町村が行う簡易水道等を整備する経費に補助を行ったものである。合併浄化槽整備費補助は、平成7年度からの繰越分を含め53市町村、1、641基の合併処理浄化槽の設置に対して補助を行ったものであり、産業廃棄物処理モデル事業推進費は、廃棄物処理の適正化を図るため、クリーンいわて事業団に運営資金の貸し付けなどを行ったものであり、さらに産業廃棄物の排出実態を調査した産業廃棄物実態調査費、容器包装に係る市町村分別収集計画の策定指導を行った容器リサイクル推進事業などがその主なものである。次に、4目公害対策費は、公害センターの分析機器等の整備を行った公害対策費、中小事業者を対象とする公害防止施設整備資金貸付金、大気や公共用水域、地下水について、発生源の監視や指導調査を行った大気汚染防止対策費、水質保全対策費などがその主なものである。162ページに参って、5目自然保護費である。自然公園施設整備費は、公園計画に基づき、国立・国定公園や県立自然公園の整備及び折爪岳国民休養地の整備工事等を実施したものであり、自然公園等保護管理費は、自然公園の保護と適正な利用を図るため自然保護管理員の設置等に要した経費である。東北自然歩道整備事業費は、本県の豊かな自然景観や歴史、固有の文化に触れる場の整備として8カ所の自然歩道を整備したものであり、さらにふれあい・やすらぎ温泉地として選定されている二戸市金田一温泉において、温泉センターを整備する事業に補助したふれあい・やすらぎ温泉地整備事業などがその主なものである。
 なお、翌年度繰越額1、842万9、000円は自然公園施設整備費の繰り越しであり、これは設計内容の見直し等のため年度内の事業完了が困難となったため、平成9年度に繰り越したものである。6目鳥獣保護費は、鳥獣保護員の設置及びキジの放鳥等、鳥獣の保護と狩猟の適正化を図った鳥獣行政運営費や、五葉山地域に生息するホンシュウジカの保護管理対策等を実施したシカ特別対策費及び野生生物保護を推進するため、必要な基礎調査等を実施した野生生物保護対策事業費などがその主なものである。
 以上が、生活環境部にかかわる平成8年度決算の概要であるが、当部関係の主要な事業の成果については、主要施策の成果に関する説明書にそれぞれ記載しておるので、ごらんいただきたいと存ずる。
 以上で、生活環境部関係の説明を終わる。よろしく御審議のほどをお願い申し上げる。

〇長谷川委員長 ただいまの説明に対し、質疑ないか。

〇伊藤委員 産業廃棄物処理にかかわって、1点のみお伺いをしてまいりたいと思う。
 戦後の日本の社会は、ひたすら言ってみれば生産産業を生み出すというか、働け働け、こういう動脈型産業を施行してまいったけれども、ここに参って、いわゆる静脈型産業といおうか、回収をしてリサイクルをしていくのだと。それでもって初めて一つの循環がなされる。こういう観点から、今、いろんな廃棄物等の処理についての話がいろいろ出ているのだと思う。ただ、こういう中にあって、大変生産活動を一生懸命やっていただかなければならないわけであるけれども、同時に、生産活動を一生懸命やると当然廃棄物が出てくる。こういうことの中において、この部分も一緒に処置をしていかなければならないと、こういう部分があるわけであるけれども、一方、条例や法律等が追っかけ条例、法律みたいな関係上、いろんなダーティーな部分があるのも事実のようである。
 例えば、岐阜県の御嵩町の町長が産業廃棄物処理に絡んで襲撃をされて瀕死の重傷を負われたと、いまだに犯人が捕まっていない。あるいは鹿児島県においては、鹿児島県内の産廃業者が他県の、主に関東だと思うけれども、産廃を受け入れるということで港まで運んできたものを、今度は鹿児島県がならぬということで追い返したと。そういうことで、鹿児島県が業者から訴えられていると、こういう部分もあるわけであるが、そこでちょっとお伺いをするが、産廃処理という部分にかかわって現在岩手県及び岩手県知事は、だれか産廃業者なる人に訴えを起こされていないだろうか、もしそういう点があればお知らせをいただきたい。

〇中村環境整備課長 宮古において、知事が訴えられていることがないかということについて、産業廃棄物処理施設を以前に持っていた有限会社の方から、県を被告として承継についての訴訟の提起がある。県としては、この法令の要件を満たす承継ということで、その訴訟に応じていわゆる応訴しているところである。

〇伊藤委員 実は、私もこの産廃処理場の問題については市議会時代から大変関心を持ってやってまいった。いずれ、安定5品目の処理ということで許可が出たこの施設であるけれども、いずれ大変不穏なうわさが聞こえてまいった。A4であろうか、A4の左側には、当時の工藤知事の許可するという許可証の部分が載っておったし、そのすぐ反対には、この施設を売却するのだと、こういう部分が一つの紙面になって全国にファクスで回ったようである。そういうものを持って、買ってもいいのだという業者さんであろうか、そういううさん臭い人たちが相当数現地に来たようであり、それを知って安定5品目と言いながらも、どうも違ったものが投棄されるおそれがあるのではないかということで、私は市に対して、公害防止条例を締結するべきだという働きかけをいたして、公害防止条例を締結していただいた。であるが、これは紳士条例であるから罰則も何もない。であるが、一応幾らかの縛りになればいいということでやったわけであるが、そうしたところ、いろんな理屈をつけて、伊藤市議会議員がいろいろ動いたおかげで自分たちの商売に1、500万円の損害を負ったと、1、500万円を払えと、こういう私は裁判を起こされたわけである。しかも、2回目の市議会議員の選挙の告示の前の日に市内にばらまかれ、この訴状というのは、訴える側が原告で訴えられる側が被告であるから、被告伊藤勢至という書類を市内にばらまかれ、私はこれは当然受けて立つべきものと思い、弁護士を立てて私も応訴いたし、結果として宮古の裁判所そして仙台の高等裁判所まで控訴されたけれども、相手が、私を訴えた1、500万円の損害賠償については棄却すると、そして伊藤勢至には60万円の慰謝料を払えと、こういう判決をもらい、私は幾分名誉を回復したのかと思っておるけれども、こういうダーティーな部分があると思っている。後ろについておるいわゆるいろいろなダーティーな部分というのは、例えば暴力団だとかあるいは右翼の方とか同和問題の詳しい方々とか、そういう方々が現金2億円を持って買ってもいいと現地に来た形跡もある。こういう中において、私は将来、例えば目的を達したと、あとは土を覆土してその組織法人を解散する。そうなると、だれもこの部分は追及できないわけであり、それが存在をするのは当該市町村と、こういうことになるわけである。そういう中で、宮古市は本年の4月か5月に、県に対してこういう部分をしてほしくないとか存在をしてほしくないとか、そういった意思表示があったやに聞いておるが、それについてはいかがであろうか。

〇中村環境整備課長 宮古市の市長及び市の議長から、産業廃棄物の処理について慎重に審査してほしいという旨の文書で、ことしの春にあった。

〇伊藤委員 実は、この産業廃棄物処理場は、産業廃棄物処理に詳しいAさんと、土地を持っているBさんが一緒になって始めたものだと聞いておる。ところが、その間にいろんなことがあってけんか別れをしてAさんを追い出した形になり、地主さんのBさんが今度は自分でやると、こういうことの申請があったのだと思う。いわゆるそこにみなし継承というものが出てきたのだと思うが、そのみなし継承というのは一体いかがなものなのか、その組織の代表がかわる、経営がかわるといった場合に、そのまますんなりと移行をしていいものだろうか、こういう疑問があるが、実はこの点に関して、さきの橋本内閣の厚生政務次官の秘書のW氏が、大変強力に県側に働きかけをしたと聞いておる。であるが、途中でこの背後関係に気づいた、ダーティーな部分に気づいた先生からの命令で、そういった部分は一切やめてなくなったとも聞いておる。こういう部分のみなし継承という部分についてどうお考えなのか、お聞かせをいただきたい。

〇中村環境整備課長 ただいまお話のあった産業廃棄物処理施設の承継については、廃棄物処理法第15条の4で準用する第9条の5に規定された承継届け出の趣旨を踏まえ、厚生省の指導を得て届け出の内容を審査し、当時の時点、平成9年1月において要件を満たすと認め、受理したものである。

〇伊藤委員 そうすると、これは継続してそのまま存在をしていくと、営業もそのままやっていくのだと、こういうことになるのであろうか。

〇中村環境整備課長 ただいまのは施設についての承継であり、営業については業の許可ということで別な事柄となっておる。

〇伊藤委員 余り長くなってもあれであるから、一気にやってしまう。
 私、さきの一般質問の際に、環境保全、水質保全という観点から、今度の水質汚濁防止条例が改定になり1条加わった部分がある。これは排出するおそれ、いわゆる予防的措置ということであるけれども、水質汚濁防止の観点からは行政運用の実際上、改善命令等の措置を予防的に発動できる意義は大きいと、こういうことであり、排水基準に適合しない排出水を排出するおそれがあると認める主体は県知事である。要するに県知事が、これはうさん臭いぞあるいは結果として廃棄物処理場から浸透して河川に出てくる水が汚れるおそれがあると認める場合は、おそれがありとしてこれをストップできる、こういう部分が加わっているわけであるが、この処理場が位置しておる宮古の長沢川というのは、宮古市民6万人が飲料水にしておる河川の上流に位置しており、そういう部分が危惧をされており、そういう部分のお考えというものが当然県にもあってもいいのだと思うが、それに対してはいかがお考えであろうか。

〇中村環境整備課長 当該産業廃棄物処理施設については、平成7年7月に法令の要件を満たす施設として、当時の関係者の有限会社から設置届け出を受理したものである。その時点では、届け出の受理ではあったが、平成4年7月からは法改正により許可制となっておる。
 なお、今後、仮に法令に基づく処理業の許可があった場合で、同施設の使用により、その排出水が排水基準を超過することにより、生活環境保全上支障が生じまたは生ずるおそれがあると認めるときには、必要な措置を命ずることができるものである。

〇伊藤委員 処理場から出てくる水が云々くんぬんしたときは私は遅いのだと思う。予見、予想という部分に立ってやっていかないと、にじみ出すあるいは染み出す、そういうものが出てきた時点ではほとんど間に合わない場合が多いと、私はこう思う。今、トリクロロエチレンあるいはテトラクロロエチレンというエチレン系の全国の使っている量は年間20万トンだそうであるが、これは自然界に存在しない物質であるから、やっぱり人工の力を加えてもとに戻してやらないとない物体なわけであるけれども、それを回収しているのは10万トンしかない。したがって、この10万トンはどこかに投棄をされていると、こういう部分だと思う。このトリクロロエチレン等は比重が大変高いものであるから、限りなく地下に浸透していく。水質汚濁の今の一番の根幹をなす物質であると、こうも言われておる。しかも、ドラム缶にそういったものを封入をしてこれをコンクリートで固めてしまうと、これはコンクリート廃材としか見ないで、そういったものをどんどん持ってこられると、俗に1本50万だとかも言われており、そういうものがどんどん入ってくる。安定5品目だと、こういうことで入ってまいると、将来に禍根を残すものと思うので、ぜひとも、こういった部分にはひとつ慎重に慎重に働きかけ、取り扱いをお願いしたいと思う。
 最後に部長にお伺いをするが、私の裁判にかかわる書類一切を参考までに勉強してもらいたいとお上げをしておるが、それをごらんになった感想というものをお伺いいたしたいと存ずる。

〇吉田生活環境部長 環境整備課長から先ほど御答弁申し上げたように、盛岡地方裁判所において訴訟が継続中である。それに絡んで先ほど課長が申したが、この施設の整備に当たっては当時は届け出であり、届け出は法令に正しく受理されておる。ただ、廃棄物処理業の許可はまた新たに要することになっておるので、この業の許可については、今申請が平成9年の1月、8年度であるが提出されており、これは法令の要件に該当するか否か、今審査をしている最中である。そういうことである。

〇小原委員 高山植物の宝庫として、国内はもとより国際的にも大変知られておる早池峰山の登山者のマナーと、それから車の乗り入れについてお伺いをする。
 1点目は、高山植物の盗採、盗掘であるが、これらの状況は近年多発傾向にあるとも聞いておるけれども、こうした高山植物の盗採、盗掘、こういった状況を県はどのように把握をしているであろうか。そしてまた、その対策についてどのような方策をお考えであるか、これを第1点お伺いをする。
 2点目は保護監視員、この体制は十分であろうか。警察あるいは営林署等との連携、これも重要であるが、これらはどうなっているであろうか。
 3点目は、登山者による周辺道路、路肩などへの駐車、車の駐車が大変目に余る状況にあるとも言われておる。
 そこで、この車の駐車について大迫町の岳集落、それから河原坊そして小田越、この道路上における駐車が大変多いということで、これは周辺の植生への影響、環境への影響、それから通行する車両あるいは歩行者、こういった交通の面における安全確保、こういう両面から、この多量の路上駐車というものを何らかの形で規制をしていく必要があるのではないかと思う。これらの点についてどのような対策をお考えか、お伺いをしたいと思うわけである。
 要するに、この高山植物の宝庫と言われる早池峰、これを健全な形で利用しあるいはまたそうした健全な自然環境を確保していく、こういう両面の対応が今迫られているのではないかと思うわけである。
 同時にまた、あわせてお伺いをしたいのであるが、この登山者の車両調査、これを行っていると思うが、その調査結果についてお知らせをいただきたい。できれば、去年そしてことしの実態の把握があればお知らせをいただきたいと思う。
 それから、こうした適正な対応というものを図る上では登山利用の適正化、そしてまた自動車利用の適正化、こういう両面が求められていると今の質問の中でも申し上げた。そこで、他県の例などを含めて、これら両面の対策についてどういう事例を把握しておられるのか、それらにあわせて今後の対応策、これをお伺いしておきたいと思う。

〇吉田生活環境部長 早池峰国定公園における指定植物の盗掘者の最近の検挙件数の関係であるが、平成元年、2年、6年、8年、各1件となっているところである。
 なお、パトロールなどを行って新しい盗掘跡が例年一、二件発見される状況だということである。
 それからその対策であるが、関係3市町村、遠野、大迫、宮守、川井村ということで、自然公園保護管理員10人を配置いたしており、登山客が集中する夏場を中心に1人年間100日、10人で1人年間100日で監視指導を行っている。また、毎年自然公園保護管理員のほかに、県とか市町村、営林署、警察の各職員30人以上で、合同で主要4コースの盗掘防止のパトロールを実施しているところである。さらにまた、営林署、警察のほか、県、市町村、保護管理員が毎年定期的に打ち合わせ会を開催して、連携しながらこの防止に努めているというところである。
 交通対策の関係であるが、お話のあった岳-小田越間については、ことしの夏、特に土曜、日曜あるいは祝祭日において登山客の路上駐車による交通渋滞があり、路線バスが終点の河原坊まで行き着くことができないというような事態もあったので、円滑な交通の確保対策が必要になってきているという認識をしているところである。このため、現在、地元の3市町村で構成する早池峰観光協会などの関係者とともに、特に交通混雑が著しい時期に、大迫町側からの登山客の乗用車について岳地区への駐車の上、おりていただいてということであるが、バスによる代行輸送を行うことを基本とした混雑緩和対策の検討を開始したところであり、種々の検討課題にあるものの、地域の皆様や関係機関の御理解と合意をいただいて、早期にその対策に取り組みたいと考えているところである。
 その他のことについては、中村自然保護課長から答弁させる。

〇中村自然保護課長 まず、早池峰山における車両調査の結果であるけれども、これは道路管理者が行っておる道路交通量調査というのが一つあるが、これによると、3年置きにやっているようであるが、平成6年度の休日に主要地方道紫波川井線、大迫町の天王地区というところで観測したそうであるが、平成6年度約300台だったものが平成9年度──これは9月の休日であるが──平成9年度には、600台近くの通過量があったというような結果が出ておる。これが一つである。
 それから地元の大迫町において、これは法令に基づく調査ではないけれども任意に調査をしたところ、平成8年度、最も多い時期が8月の日曜日に1日につき600台というのがあった。──失礼した。600台ではない。これは7月である。7月の一番多い時期に650台というのがあった。これは祝日の土曜日である。それから平成9年度になり、やっぱり620台、これも日曜日であるけれども、そういうような状況になっており、ここ最近、早池峰山における乗用車の数は非常に増加していると見受けられるものである。
 それから、登山利用の適正化で他県の例等を参考にしてどうかということがあるわけであるが、例えば駒ケ岳、これは秋田駒ケ岳といおうか、秋田県側では8合目まで乗用車が通れる道路はあるのであるけれども、混雑緩和のため、下のところで通行どめをいたしてシャトルバスといおうか、バスを運行すると。これは6月の土日、7月中旬までの土日、それから7月20日から8月半ばまでは連日というようなことで、バスによる輸送をしているという実例がある。ただ、秋田駒ケ岳の場合には行きどまりの、言うなれば主として登山者のための道路なわけであるけれども、今お話のある早池峰山の山ろくを通る道路、主要地方道紫波川井線の場合には登山客専用の道路ということではないわけであり、地域間交流という目的を持った道路でもあるので、全く同率に考えるわけにはいかないというようなこともあろうかと思っておるところである。

〇小原委員 部長からお話あった点で1点、岳地区、その岳地区に駐車場を整備してそこにプールをしてバス代行などについて検討しているということである。地元の合意を得ることは当然であるが、早期に取り組みたいというお話であった。それらのめどについてお知らせをいただければありがたいと思っておる。
 それから、先ほど課長からの御答弁であるが、道路管理者による交通量調査あるいは地元の大迫町で行った調査ということでお話があったが、この地元大迫町で行った調査、今お話のあった点で、平成8年、9年、650台あるいは620台という車両数があったが、これは駐車されている車両数ということであろうか、それとも交通量という点でとらえたのであろうか。同時に、駐車台数はどういう状況にあるかと、道路上あるいは路肩。路肩駐車ということになると、周辺の植生への影響ということも言われているわけであるから、ぜひこの数字については路上駐車の車両の台数がわかったらお知らせをいただきたい。

〇吉田生活環境部長 時期はいつかと、めどはいつかということであるが、今検討を行っているところであり、できるだけ早期にと申し上げたが、地区の住民の方々の問題も、住んでいる方々の道路交通もあるし、その他関係者の御理解を得なければならないと、あるいは関係機関、警察関係、交通関係の警察関係、あるいは道路管理者、そういった方々の意見の一致を見なければならないということもあるのでちょっと時間がかかると思うが、私どもとすればできるだけということで、来年の登山客が多い時期までには、できればそうしたいということで取り組んでいるところである。できればということである。

〇中村自然保護課長 駐車数は通過車両か駐車車両かということであるけれども、これは通過車両数、役場の調査は通過車両数である。ただ、敷衍して申し上げると、河原坊の駐車場の駐車スペースは普通乗用車規模で約70台である。岳地区の駐車スペースも駐車場の収容台数約110台程度である。したがって、最も混雑する時期、例えば650台というような台数が来ると、その大部分は委員御指摘のように路肩駐車をしている。その路肩というのは当然植生があるわけであるので、車が突っ込んだ分、植生への影響があるということはこれは事実であるので、そういう状況を解消するためにも、部長が申し述べたような、バスによる輸送というようなことを検討しなければならないと思っておるものである。

〇小原委員 大体概要はわかった。そういう状況下の中で登山者のマナーの向上、そしてまた自動車利用の適正化、これらの両面対策についてぜひ万全を期するように御要望を申し上げたいと思う。終わる。

〇小野寺委員 野生生物保護対策事業1億円に関して御質問する。
 まず初めに、部長に、狩猟に関してどのような御所感をお持ちであろうかお伺いする。
 去る11月22日の夕刊、声の欄に、狩猟しない人の鳥獣に対する素直な気持ちが投稿されており、私も非常に同感したわけであるが、かなり税金を納めて合法的にやって、しかもマナー向上のために一生懸命頑張っているというまともなきちんとしたハンターのほかに、特に県外のハンターが多いらしいが、事故を起こしたり検挙されたりといった例がある。片や小さい昆虫、チョウセンアカシジミとかブナの原生林とか、そういったものが非常に重要視されている昨今、こういったことに関してどのような所感をお持ちであろうかお伺いする。
 もう一つ、ちょっと細かくなるけれども、水鳥が石と間違えて鉛の散弾銃の粒を飲み込んで汚染されているということで、環境庁の委託を受けた調査があったらしいが、これに関して、岩手県はどのような実態であったかお伺いしたいと思う。

〇吉田生活環境部長 狩猟についての所感ということであるが、私は狩猟しないものであるからちょっとあれであるが、第三者としての考え方ということで、担当部長としての所感ということで申し上げたいと存ずるけれども、鳥獣については委員御案内のとおり、有害な鳥獣もあるしそれから益鳥もあるということであり両面あろうかと存ずるが、益鳥というのは人間にとっての益鳥だと思う。有害な鳥獣と言ってもまた人を中心にした考え方だと思う。そういうことで、なかなか一概に言えないところもあろうかと思うけれども、余り明確には申し上げにくいところであるが、鳥獣の保護とか繁殖にとっては狩猟は圧迫要因だと、基本的には、そういったことになるわけであるが、鳥獣の適正な管理とか有害鳥獣とか駆除を通じて、住民生活の安定に貢献しているということの一面も否定はできないし、また、そういうこともあるので全部を否定するべきものではない。ただ、現在の狩猟は今お話があったように銃器によるものがほとんどということであるので、発砲等による住民の皆さんへの不安とか危険の防止とかという点の問題点もあろうかと、そういうことで、法令を守って事故のない適切な狩猟が強く今求められているところだと。また、環境の面から言った場合に、ブナの原生林の話とかいろいろ社会的な関心を呼んでいるわけであるが、そういった観点から鳥獣全部を否定するわけにはいかないけれども、狩猟を否定するわけにはいかないけれども、そこには一定の限度とか法令の遵守とかマナーとか、そういったものはきちっと守るべきだと考えておる。
 所感になるかどうか、こんな感想を持っているところである。

〇中村自然保護課長 鳥類のいわゆる鉛玉中毒についてのお尋ねであるけれども、本県においては、今のところ、こういう鉛の散弾による水鳥の中毒死という事例は報告されておらない。全国的に一部のところでそういう状況があったということは委員御指摘のとおりであり、環境庁が平成3年度それから平成6年度から8年度にかけて、カモ類等を調査した結果ということを聞いておるけれども、調査をした467羽をサンプル調査したそうであるけれども、そのうち53羽、約1割強、これが肝臓内の鉛濃度が高いということで、汚染されているというような状況になっていると承知しておる。

〇佐々木(大)委員 環境衛生指導費の合併処理浄化槽整備費補助についてお伺いする。
 この合併処理浄化槽の補助事業を本年度も積極的に取り組まれておるが、本年度1、641基の補助事業を進められたということであるけれども、この合併処理浄化槽の県の計画とそしてまた現在の進捗状況についてお伺いする。

〇吉田生活環境部長 合併処理浄化槽の件については、これまでこの事業によって県内の53市町村に6、978基が設置されたところであり、現在の総合計画では平成12年までに毎年1、500基を整備する計画となっているところである。8年度末の総合計画に対する達成率は102.2%であり、順調な進捗状況になっているところである。

〇佐々木(大)委員 この合併処理浄化槽、資料によるとこれ62年からスタートしており、現在、今お話しのとおり順調に進んでおられる。特に、12年には1万2、800までの計画ということであるから、大変担当者の努力によって確実に成果を上げられていると思う。現在、この合併処理浄化槽を含め、この水洗化率というのは非常に問題になっておるが、今県内の市町村別で見たときに盛岡市、これが一番で82.8%、これの中で公共下水道以外に合併処理浄化槽がやはり1万6、000台の数字を上げていると。第2位の矢巾町を見ると79%であるが、そこにおいては公共下水道が6、185、コミュニティープラントが1、939、さらに浄化槽で処理するものが9、178、その中で合併浄化槽が5、627という状況であり、合併浄化槽の割合がかなり高くなっておる。そしてまた、第3位は衣川村であるが、これを見ると公共下水道ゼロ、コミュニティープラントゼロそして浄化槽が3、776、このことにより、衣川村は66.6%の水洗化率を進めておられるということである。県内59市町村の中で、57市町村にこの制度を適用して今普及されておるが、その他の公共下水道、コミュニティープラント等に行き届かない分というか、特に郡部においてこの成果ははっきり出ているものだと思う。
 そこで、今進めておられる制度をさらに充実して岩手県の居住環境の整備を担うべきだと思っておるわけであるけれども、今後に向けて県の補助、伺うと国3分の1、県3分の1、市町村3分の1なそうであるけれども、実質的なトイレ部分は補助対象にはならない。排水部分の処理だということで伺っておるが、これを普及していく上にやはり59市町村ゼロのところが一つもない。全市町村に普及しているこの水洗化の処理方法としては、唯一、合併処理浄化槽が行き届いているということであるので、この政策を進めていく上に県補助のさらなるかさ上げを検討する用意はないであろうか、この辺をお伺いする。

〇吉田生活環境部長 合併処理浄化槽は、生活排水対策とか快適な生活環境の整備という点から重要な課題ととらえており、農村等における快適生活環境の整備ということはもとよりであり、下水道機能の補完とかあるいは水質の管理とかいう点から見て、さらにはグリーンツーリズムの推進ということなども考えた場合には、そういったものに資するものと考えておる。したがって、国庫補助を活用しながら県単独の上乗せ補助を県としては3分の1行っておる。市町村も3分の1あるが、そういったことで普及促進を図っていきたいところである。水洗化率の低いあるいは若干バラつきが県内市町村にあるが、そういったことについては、市町村がその気にならなければこれはできないということに仕組み上なっておるので、市町村とよくこの制度の意義を協議し合いながら、話し合いながらその普及にさらに努めていきたいという考え方であり、委員御指摘の設置者のというか受益者といおうか、そこの負担の部分については、今補助基準からいくと国3分の1、県3分の1、市町村3分の1と10割給付になっておる。その設置者の部分をさらにまたというのは今はちょっとなかなか難しい。まず枠の拡大を図ることを先に行って、今御提案のあった部分については今後の研究課題にさせていただきたいと存じておる。

〇佐々木(大)委員 3分の1、3分の1、3分の1だと、1になってゼロのように聞こえるが、実際はこれは排水の部分だけでゼロではない。そこを誤って聞いてしまうので、間違いのようにとられると思う。3分の1というのは、排水部分だけが100%公共で補助していると。トイレの部分の補助はゼロであると。そっちのゼロの方を検討すべきではないかということを提案申し上げたわけであるので、その辺を検討いただきたいと思う。
 予算が最近の分で言って、平成6年、7年がピークで、8年から対前年よりも減っている状況である、国庫の補助が。そういう意味で、この施策の重要性をもっと考える必要があるのではないか。これが落ちてくるということは、岩手県の水洗化率を伸ばしていくのにこの合併浄化槽は相当貢献していると思うので、そういう意味でもっと研究すべきではないかと思う。
 あわせてもう一つお伺いしたいが、1個ずつの設置ではなくて、農業、漁業は集落排水になっているが、この合併処理のときに、1世帯ではなくて数世帯が共同で計画したときにも補助が出るのであろうか。

〇中村環境整備課長 今、共同で整備した場合と、集落のように、これは今のところ出ない。ただ、農業集落とか漁業集落とか、そういう設備であると、そっちの方のそれなどが出ることになっている。

〇佐々木(大)委員 農業、漁業は当然集落であるからそれが対象であろうけれども、合併処理の場合も、場合によっては今後の運用の中で今後の課題としてとらえていただきたいと思う。
 数戸でこういう計画を持ったときに、補助対象になっていくようなシステムの方がさらに普及がしやすくなるのではないかと、そう考えるものであるから、その点をお願いしたいと思う。
 実は59市町村の中で、57までこの施策を普及させたということは大変な努力だと思う。こういう施策を普及してきたことが今の成果を上げていると思うけれども、残念ながら実際の数字からいくと、29町村は10%以下である。であるから、今これを見て水洗化の状況を見ていったときに、例えば公共下水道でせいぜい10数市町村がせいいっぱい。コミュニティープラントに至っては10市町村はないと思う。結局、59市町村全部が水洗化に取り組んでいるのはここの関連施策だけということになるので、そういう意味での重要性、全域にわたっての重要性というのはこの合併浄化槽にはあると思うので、その辺をさらに御努力いただきたいと思う。
 そして、県の河川補助金も確かに簡単には行かないかもしれないけれども、国の予算確保とあわせて、今後その点を強く求めていくようにお願い申し上げて私の質問を終わる。

〇田村委員 関連でお尋ねする。
 先ほど来の合併浄化槽の問題であるが、まさにこの処理施設に関しては縦割り行政の最たるもので、厚生省は合併浄化槽、そしてまた農水省は集落排水、そして建設省は公共下水道、現場の市町村では非常に混乱というか、どう整合性をとるか非常に悩みも持っているようである。極端な話、せっかく厚生省の合併浄化槽事業でやった家庭が集落排水の中に入っている、あるいは公共下水道事業の中に入ってくる、こういったようないろいろな矛盾が、今、出てきている。厚生省でこの合併浄化槽、やはりその辺の整合性を市町村に指導しながら、絶対ダブルことのないようなやり方というのがこれから必要ではないかと思うわけである。
 それに関して、今のこの行政改革の中で、縦割り水洗化、これを見直すべきではないかという議論もあるやに聞いておる。一本化すべきではないか、そういう議論もちらっと聞いておるけれども、そのへんの中央の方の動きというのはどうなっておるのかお尋ねする。 

〇中村環境整備課長 今、お話があった合併処理浄化槽とほかの事業、漁業集落とか農業集落とか、そういうことについての計画的な、もちろん下水道を中心としてそれができないところという、これのお話であるけれども、県においては、全県域汚水適正化処理構想策定委員会において、庁内においてそれぞれ計画的にダブらないことはもちろんであるけれども、計画的に実施することと、さらに、ことし見直しをすると聞き及んでおる。
 国の動向については、現在、私どもの所管しておる合併処理浄化槽の関係であるけれども、これについては、いろいろ補助の体制等については検討するとか、そういうことは聞き及んでおるけれども、全体的な調整をすることについては、私どもの方ではただいまのところ承知しておらない。

〇田村委員 調整を図るべく努力する、まあ、聞き及んでいるという表現だったわけであるけれども、やはり聞き及んでいるではなくて、この計画というのはすべて町村から上がってくるわけであるから、そのチェックの段階でぴしっとした指導というのはぜひ私は必要だと思うので、そのへんの指導体制、そのあり方をひとつ部長の方からお聞きしたいと思う。

〇吉田生活環境部長 県庁内部におけるこの合併処理浄化槽とか水洗化の問題については、御指摘のとおり、縦割り行政の弊害をなくすような形でやらなければならないと思っておるし、今後ともそういう方向で十分取り組んでまいりたいと存じておる。

〇堀口委員 下水道、これは最近の環境保全で一番整備すべきものである。集落排水の方は農政部の方で県下3300ヵ所ぐらい想定して、今、進行している。生活環境のほうでは、県下どのくらいの部落、集落を対象にして検討しているのか。そういう具体的な、積極的な一つの長期構想というのをつくって、そして集落排水の方と整合した基盤整備をする必要がある。課長の今の答弁は、もっと意欲的な答弁をしなければだめである。どの程度の構想か教えていただきたい。

〇中村環境整備課長 合併浄化槽は確かに有効なものであるので、積極的に取り組んでまいりたいと思っておる。現在、合併処理浄化槽の整備については年間平均1500基を整備するということで、平成12年度には、先程部長の方からもお話があったけれども、約1万3000基を整備するということにしておるし、また、平成29年度には最終目標として4万1000基を達成するということで、市町損と連携を取って、国の情報を得ながら積極的に推進してまいりたいと考えておる。

〇斉藤委員 まず第1に、大規模林道川井住田線荒川横沢区間の自然環境調査についてお聞きする。
 大規模林道川井住田線荒川横沢区間、この工事計画路線周辺で天然記念物のクマゲラの生息情報、絶滅危惧種クマタカの生息情報が寄せられ、森林開発公団の調査でもこれは確認をされている。自然環境を保全する所管部として、どのようにこの状況を把握しているのか。クマゲラについては、2年連続新しいと思われるふんも確認されておって、繁殖の可能性もしてきされている。クマタカについては、今年に入ってからでも数十回の飛行確認がされ、繁殖の可能性も確実視されている。最近では、イヌワシ、オオタカの目撃情報も寄せられている。工事周辺付近は、北上山地の中でも残された原生的なブナ林が分布し、早池峰の主稜線--尾根からつながる林地で、保護樹帯には樹齢150年程度の通直なブナが残されており、クマゲラの生息は否定できない、これは森林公団の平成8年度の生息確認報告書である。県は、自然環境保全指針の策定を準備していると思うけれども、本来この地域は保全の対象になり得るのではないか。林業水産部とは連携、協議を行っているのか。工事は既に峰越しまでしている。工事を凍結して責任ある調査委員会を設置し、科学的な環境影響調査を行うよう森林開発公団に求めるべきではないか。
 第2点、県民生活相談の状況と対策について、平成8年度の県民生活相談の件数、内容の特徴について示していただきたい。
 最近、新聞報道によれば、知的障害者が多重債務に陥ったり、高齢者が暴力団員から詐欺事件でお金をだまし取られる事件が相次いで明らかになっている。県民生活相談にも寄せられていたと思うけれども、どうであろうか。県民生活センターとしてはどう対応したのか。県警はもっと協力して被害を食い止めることが必要ではなかったか。

〇中村自然保護課長 大規模林道川井住田線の工事地域及びその周辺において国の天然記念物に指定されておるクマゲラ、それから環境庁の絶滅のおそれのある野生生物、いわゆるレッドデータブックに掲載されておるクマタカの生息情報があるということであるが、これについては、関係部からの情報等によって承知しているところである。
 次に、これらの地域が自然環境保全指針との関連で保全の対象となりえるのではないかとの御質問をいただいたが、自然環境保全指針については、平成10年度を目途に策定するという予定で現在いろいろ作業、検討を進めているところであるが、現段階では、まだこの地域を指針とのかかわりでどう評価するかといううところまで、結論を出すところまでは至っておらない。今後、指針の策定に当たっては、この地域における稀少な野生生物の生息情報を十分考慮して検討を進めてまいりたいと考えおる。
 次に、この地域における林業水産部との連携、協議であるが、この地域におけるクマゲラ、それからクマタカの生息に関する情報等については、林業水産部と情報の交換を行っているところである。 環境影響評価なり調査委員会というお話があったが、環境影響評価については、環境庁の猛禽類保護の手引など、現行の制度では、これは事業者が行うということになっておる。事業者である森林開発公団においては、本年度にクマタカ等について生息状況の調査を実施すると聞き及んでおるので、当面はこの公団の対応を見守ってまいりたい、このように考えているところである。

〇千田総務生活課長 平成8年度の県民生活相談の件数と、その内容にの特徴についてであるが、平成8年度に県民生活センター等に寄せられた相談件数は5135件で、前年度に比して718件の増加となっておる。相談増加要因としては、今年1月に倒産した大手宝石店からダイヤモンドを購入した消費者からの相談が177件、新聞や雑誌に載っている情報サービスの電話番号が国際電話であることに気づかずに利用して料金を請求されたといったような新しい傾向の相談が81件、多重債務関係が82件となっておる。相談内容としては、契約に関するものがもっとも多く56%であるし、づいで訪問販売に関するものが20%、あわせて全体の77%を占めている状況である。
 それと、知的障害者の多重債務などへの対策についてであるが、知的障害者の多重債務については、県民生活センター等では知的障害者と名乗られてくるようなケースはないので、知的障害者からの相談件数といったものを把握することは困難であるけれども、今年8月にふれあいラント岩手の方に開設した知的障害者専門相談室に寄せられた多重債務相談は2件あったと聞いておる。このため、保健福祉部とも連携をとりながら、多重債務の防止のためのパンフレット、1種類であるが、それを岩手県手をつなぐ育成会を通じて保護者なんかの関係者に配布してその啓発を努めたところである。
 高齢者が暴力団から詐欺によりお金をだまし取られたという事件であるが、県民生活センターに今年1月以降、いずれも20代の男性3人、女性3人から相談があったので、それについては岩手弁護士会を紹介するなど、そういう対応をとったところである。
 更に、岩手県消費者被害防止対策連絡会議とか、あるいはサラ金・クレジット問題等連絡会議、そういう場を通じて、県警本部を初め、弁護士会など、そういう関係機関との緊密な連携のもとに消費者保護に努めているところである。

〇斉藤委員 大規模林道横沢荒川区間について、イヌワシもオオタカも最近は確認情報が寄せられている。ということは、今、猛禽類の保護でレッドデータブックに載っているもの三つ、イヌワシ、クマタカ、オオタカ、さして天然記念物のクマゲラも生息していると。私は、日本全国広しといえども、これだけの貴重な猛禽類や天然記念物の生息している地域というのは少ないと思う。私が特別に質問しているのは、いままで森林開発公団は3年連続クマゲラを調査してきた。ところが、工事を進めながらなのである。その工事は、もう既に106号から見ると峰を越えているのである。いわば調査して、重大な事態が明らかになったときには道路工事は終わっていたと、こうなったら何の保全にもならない。そういう点で、例えば総括質疑でも聞いたけれども、奥山道の安ケ沢線の調査でも林道の夏油湯田線の工事で工事をストップして調査して、そしてその結果、工事の見直しが必要なのかどうかという対応を県はとっているわけである。だから、この大規模林道についてもそういう調査をさせるべきだと思う。私は2度にわたって調査をしたけれども、既設の道路を見たけれども、既設の道路からクマゲラのねぐら木が何本も見える。ということは、まともな環境調査をしたら絶対通してはならないところに7メートルの山岳ハイウェー道路がができている。だから、これからの工事についてはきちんとした科学的な調査をして、貴重な自然を、また、猛禽類を保護しなければならないと、こう思う。だから、森林開発公団の工事しながらの調査ではだめだと。岩手県がやっているような、そういう調査をすべきだと申し入れるべきと思うが、どうか。

〇中村自然保護課長 現在のマニュアルであるけれども、これについては、調査の前段に工事を中止しろということが残念ながら書かれていない。環境庁のこのマニュアルのほか林野庁は林野庁でマニュアルを環境庁のものをベースにしてつくっておるようであるけれども、これによると、情報の内容が具体的かつ信憑性があり、しかも繁殖の可能性が高い、こういうときには工事の一時停止をした上で調査すると、こういうように定められていると承知しておる。現在、森林開発公団において調査をすると私ども聞き及んでおるわけであるので、調査の結果、このような事態になってくれば当然工事も中止されるという段取りになるだろうし、これは続行するかどうかは公団の判断ということになろうかと思うので、その調査結果を見守りたいと考えているところである。

〇斉藤委員 林野庁のマニュアルでも繁殖の可能性があれば、工事を中止してやるとなっているのだから、やるのは公団だろうけれども、そういうことを求めたらいいのではないか。岩手県の自然なんだから、これは。そして、自然環境保全指針を策定しようとしているわけだから、早く調査して、こういうところは保全すべきだという方向を示したらいいと思う。これは要望である。
 次に、2、4、5-T系除草剤とダイオキシン問題についてお聞きする。
 昭和46年当時、県内21ヵ所に6070キログラムの2、4、5-T系除草剤が埋設処分をされたということであるけれども、当時県内で使用された2、4、5-T系除草剤はどの程度の量であったのか使用されたのであろうか。その調査こそ、今、必要でないのか。
 第2は、昭和59年6月から61年6月にかけて青森営林局と県が20ヶ所の周辺土壌及び水質検査を行ったと思うけれども、どういう調査と分担で実施したのか。私は、今回についても営林局はやらないといっているわけだから、営林局に一緒にやろうと、営林局がやらなければ県がやると、こういう態度で迫ったらいいと思うけれども、どうか。
 ダイオキシン問題について、県内焼却施設について4月11日にダイオキシン排出調査結果が発表されて以来、県民の不安と対策を求める声が強まっている。80ナノグラムを越えた5施設含め、県内焼却施設では、その後燃焼管理や施設の改善、改修、プラスチック類の分類など、どのように対策が実施されているのか。
 二つ目、新しい対策では、毎年ダイオキシン排出検査を行うとしている。私は、業者任せではなく、県の公害センターで実施できるよう、検査機器と専門技術員の養成、配置をすべきだと考えるが、すでに埼玉ではそういう配置をしている。岩手県もそうすべきだと思うが、いかがであろうか。
 三つ目、ダイオキシン問題の根本的解決は、ごみの減量、リサイクル、リュースを徹底することである。我が党の政策試案では、少なくとも3分の1に現在のごみの量を減らせると提案をしている。全国の市町村、例えば、北海道の富良野市では、ごみの量を10分の1に減らす目標で、実際に減らした。県のごみ減量の現状、ごみ減量の目標計画はどうなっているのか。県内市町村で一番減量で実績を上げているところ、その内容を示していただきたい。 
 次に、一般廃棄物最終処分場のダイオキシン汚染の問題について、県内43ヶ所の一般廃棄物の処分場について今回調査を行ない、20ヶ所に閉鎖、改善の指導をしたとされているけれども、どういう調査をし、その結果どうだったのか。その後の改善の状況はどうなっているのか。

〇名須川環境保全課長 2、4、5-T系除草の問題についての3点であるが、2、4、5-T系除草昭和46年にしようが中止されたが、それ以前の2年程度使用されたと聞いておる。県内の国有林内に散布された地域とその量については、青森営林局としてはと当時の資料も見当たらないということであるので、把握できないとのことである。
 昭和59年5月に愛媛県の島津町で不適正処分が発覚して、これが全国的な問題となったこともあって、県としては、緊急に県内の埋設箇所、処分方法及び周辺環境への影響、そういったことを確認する必要があったということから、埋設箇所の探索及び掘削と処分状況の確認及び周辺土壌等のサンプリングについては営林局が行う。県、市町村は立ち会いをし、2、4、5-T系成分の分析については、県--これは公害センター等である--で行ったということで、営林局が中心となって、県、関係市町村が協力する形で行われたということである。その後、昭和59年12月、林野庁は専門家の検討結果を踏まえて、事実上の安全宣言をした。営林局が確認された処分地の保全管理をその後続けるとともに、昭和60年、61年には営林局みずから土壌、水質の追跡調査を実施したという経緯がある。したがって、埋設処分の当事者であり管理者である営林局が対処すべきであるという基本的な考えに立って、現在、処分地周辺の土壌と河川水のダイオキシンの調査について要請しているというところである。

〇中村環境整備課長 ダイオキシン問題について、ごみの関係についてお答えする。
 初めに、県内の焼却施設の対策についてであるが、県内の市町村等の焼却施設のうち、ダイオキシン発生防止ガイドラインに規定する緊急対策基準の80ナノグラムを超過しておった5施設については、昨年度に燃焼管理の徹底や設備の改良を指導して改善が図られた。そのほか、周辺住民の要望を受けて2施設が休止しておる。その他の施設の管理者に対しては燃焼管理の徹底を指導するとともに、広域化計画の策定の中で5年後まで達成することとされている恒久対策の早期実施を指導していきたいと考えておる。
 なお、ダイオキシン類はプラスチック等の特定の素材を除いても発生するとの報告もあるので、適正な燃焼管理の焼却施設で処分するということで、これは市町村等の焼却施設で処理するということを考えておるが、一定程度以下に抑制されるということで、燃焼管理の徹底について一層指導に努めてまいりたいと考えておる。
 次に、ごみの減量りの現状についてであるが、県全体のごみ排出量の推移を見ると、平成4年度の約42万6000トンをピークに、5年度は42万2000トン、6年度は42万1000トン、7年度は42万トンと、わずかではあるが減少の傾向にある。これについては、平成6年3月に策定した岩手県ゴミ減量化再利用推進行動指針で平成12年までにごみの排出量を41万2000トン--平成元年どの排出量--にすることを目標として、この計画に沿ってただいま進めているところである。
 県内の市町村の減量の実績についてであるが、市町村が収集したごみを堆肥化したり、スクラップ等に再利用した割合を示す資源化率で見ると、平成7年実績で高いところの市町村を挙げると、紫波町35.3%を筆頭に、矢巾町が30.7%、室根村が24.2%等の順になっておる。紫波及び矢巾町では生ごみを分別収集し、それを堆肥化して地域住民に還元しているということもあって高い資源化率の状況となっておる。他の市町村もそれぞれごみの減量化に向けて努力しているところである。
 3番目に、一般廃棄物最終処分場のダイオキシン汚染についてである。
 市町村の一般廃棄物最終処分場は全部で43施設ある。先ほどお話のあった43施設のうち20ヵ所というのは、52年度以降に設置されたところのすべてが20ヵ所であるが、実際には52年以降、18施設とミニ処分場が、1施設、埋め立て終了しているのが1施設という中身になっておる。実際この中で、52年の規制制定前に設置されている18施設が現行では施設基準に合致していないという状況にある。そのほかに、基準の適用を受けない、いままでのものは1000平米以上であるけれども、基準の適用を受けない、面積が1000平方メートル未満のいわゆるミニ処分場が4施設ある。そして、昭和52年以降に設置された施設で基準に合致していない施設が4施設ある。このような状況になっておって、この中で、特に52年以降に設置された4ヵ所の法令違反施設の廃止については強く指導しておつて、既に埋め立て終了したものが2ヵ所、焼却灰の埋め立て中止1ヵ所のほか、年度内に埋め立て終了するというのが1ヵ所になっている状況にある。
 なお、経過措置で使用が認められている施設については、広域化による整備とか、江刺のクリーンセンターの活用あるいは他の自治体への委託等により早期に改善を図るように指導しているところである。

〇長谷川委員長 答弁は簡潔に願う。

〇千田総務生活課長 ダイオキシンの検査体制についてであるが、ただいま県の方では環境保健センターの整備を進めているところである。ただ、ダイオキシンというものには専門的な化学実験室みたいなものの整備が必要になってまいる。そういうものをつくる構想で考えておるが、そういうものを含めて、今後、ダイオキシンを初め、当面考えられる化学物質が検査できるようなものにしていきたいということで検討を進めているところである。

〇斉藤委員 今の最後の答弁はよかった。ぜひそういう方向で、県内の20数施設を毎年検査するということは大変な、これは金もかかるし、今、20数業者しかないと言われている。だから、検査日がわかるわけである。そうすると、それに合わせて燃焼させることも出来るわけだから、やっぱり県がきちんと責任をもって厳密な検査が出来るようにぜひやっていただきたい。
 今の答弁で、除草剤の問題、6070キログラムは埋設したと決まっているわけである。いくら2年間で使ったかわからないというのは、私は極めて無責任だと思う。営林局はどのくらい除草剤を購入したかわかるのだから、本当にまかれたところこそ私は大変な危険事態にあると思うし、そこの調査こそ必要だと思うので、ぜひ調査を求めていただきたい。
 それと、ダイオキシンの焼却施設について、広域化計画ということをいわれた、厚生省は日量100トンから300トンと。こういう大規模なものをつくったらごみをたくさん集めなければならない。私はごみの減量に逆行すると思う。今の技術の水準からいったら小規模施設でも立派にダイオキシンの規制ができる。そういう点でこの大規模化というのは財政負担も大きくなるし、そして輸送する道路公害もおこるし、百害あって一利なしである。そして、今の既設炉の場合も、塩化ビニール関係を除いて焼却するとか、燃焼管理をしっかりやればかなりの程度改善できるということも実証済である。厚生省のやり方というのは、何も地方と相談しないで、化学的検討をしないで突然日量100トン以上と出してくる。ここに官僚的に発想がありありである。私はそういう点で、これは見直しを求めるべきだし、ごみ減量を大前提にして、それに必要な焼却施設を考える。ヨーロッパはごみを燃やすという発想ではない。そういう点で、ぜひそこは厚生省の言いなりでなくやっていただきたい。
 最後である。
 これは伊藤委員も取り上げたけれども、私も関連して宮古市における産業廃棄物処理埋設問題について、クリーン宮古の営業許可申請が県に出されていると思うけれども、クリーン宮古については、代表のI氏が東京弁護士A氏から既に申請している土地の売却代金を受け取り、A弁護士が第三者に売却可能と主張している転売疑惑絡みの問題である。この経過、A弁護士の東京地方裁判所への準備書面について、県は承知しているであろうか。承知しているとすればどういう内容なのか。A弁護士は現在、弁護士資格を問われる裁判中であるが、こういう業者に対して営業許可を行うべきではないし、慎重に対応すべきと思うけれども、いかがであろうか。
 この問題の背景に、県がクリーン宮古に対し安定型の産業廃棄物処分場の施設について地位の継承決定を行ったことにその問題の根本はある。全国的に例がないと思うけれども、何を根拠に、どういう経過でこの土地の上物の施設も含めた地位の継承決定を行ったのであろうか。

〇中村環境整備課長 ただいまの件について、宮古市の産業廃棄物処理施設問題について、東京地裁の準備書面や弁護士資格に関するお尋ねであるが、現在、県が被告として訴訟されていること、また、個人のプライバシーとかの問題もあり、お答えできかねるので、御了承願いたいと存ずる。また、クリーン宮古から平成9年1月に提出のあった産業廃棄物処分業の許可申請については、現在、その内容が法令に合致するかどうか審査しているところである。
 また、宮古における地位の継承決定、継承とおっしゃったが、法律上、廃棄物処理法では継承ということで進めているが、この継承については、廃棄物処理法第15条の4で準用する第9条の5に規定された継承届出の趣旨を踏まえ、厚生省の指導を得て届出の内容を審査し、当時の時点で平成9年1月において法令の要件を満たすと認めて受理したものである。

〇長谷川委員長 ほかに質疑はないか。

〇船越委員 毎日ダイオキシンの問題が出るわけで、テレビ、新聞等でもこれはサリンより何十倍といったような強い毒性だということで大変だなと思うけれども、当局の方では、我々が聞いていると、万全でもないだろうがいい措置をとっているといったようなことを聞かされるが、私が今申し上げたいのは、こういう猛毒の話が出ているのだから、昨年だったか、私、産業廃棄物の中のカキ殻、ホタテ殻等について質問したとき、最後には当局では、それは産業廃棄物だから、江刺の廃棄物処理場に高い運賃をかけて持ってこいとうような結論であったが、そういったようなことをするというとなかなか商売にならないということなので、再三発曽の転換を図られないかということを私申し上げている。カキ殻、ホタテ殻というのは、貝柱の一部とかへたの一部とかがついて、それが生物であるため臭いということから嫌われているのだけれども、そんなものは1ヵ月か2ヵ月あるところへ積んでおいて腐らせて、そうするというとその次には100%切開になるから、これは一般廃棄物にまぜて、昔は消毒剤といえば石灰をまいたものであるが、100%石灰なのだから、当局が発想の転換さえ図れば--東京の方の当局である--あなた方もすぐ言うことを聞くんだから、そういうことで、当局に発想の転換をしてもらって、一般廃棄物にまぜれば逆にこれは消毒剤になるものだから、私は厚生省に発想の転換を図るように努力していただきたいと思うが、いかにお考えであろうか。ぜんぜん進歩していないかどうかお答え願う。

〇中村環境整備課長 貝殻については、発想の転換ということで国の方の考え方のことがあったけれども、これについては、産業廃棄物、一般廃棄物に限らず、まず減量化するということで、どうしても出たものについては、こういう貝殻のようなものでも出るとそれが悪臭を放ったりなんかするので、環境保全上好ましくない状況もある。そういうてんで、まず、適正に処理すると。適正に処理するけれども、できるだけリサイクルをするということで、現に貝殻を使った浄化とか、あるいは食品添加物とか、そういう形でやっているのを聞いておるので、できるだけそういうものを支援して、適正にリサイクルできる形の方に進めたいと考えておる。

〇船越委員 適正なとか、文言にすれば言いやすいだろうけれども、適正が現地にいって見れば適正にならないのである。だから、2ヵ月ぐらい人家から離れたところに積んでおけばひとりで腐ってひとりで……。
 以前は海岸に置くと、自然に海水で洗われて貝もこなれるしよかったのだけれども、このごろは法律ができて、保安庁は暇なものだから、何もないものだから漁師のことを捕まえていじめて、喜んでいないだろうが実績を上げているといったようなことでかわいそうだか、その適正なところを本当に適正に、答弁用の適正でなく、実際に面したような適正に考えていただくことをお願い申し上げて終わる。

〇長谷川委員長 ほかに質疑はないか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇長谷川委員長 質疑がないようなので、生活環境部関係の質疑はこれで終わる。
 次に、緒方保健福祉部長から保健福祉部関係の説明を求める。

〇緒方保健福祉部長 保健福祉部関係の決算について御説明申し上げる。
 まず、この4月、組織の再編があって、ただいまより御説明申し上げるのは、当保健福祉部が所管する旧生活福祉部及び環境保健部関係に係る内容であるので、御了承お願いする。
 便宜お手元に配布されている歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げる。明細書の136、137ページをお開き願う。保健福祉部関係の決算現額は、第3款民生費404億524万8、460円のうち、第1項社会福祉費中の8目県民生活費及び9目交通安全対策費を除く残りの401億2、631万9、460円であり、その支出済額は399億5、116万7、114円で、翌年度繰越額は、右側にあるように1、265万491円、不用額は1億6、250万1、855円となっておる。
 以下、各項目ごとにその主なものについてご説明申し上げる。
 第1項社会福祉費の支出済額は211億5、551万円余で、そのうち当部関係の支出済額は208億7、735万円余である。1目社会福祉総務費の支出済額48億9、070万円余は、本庁及び各地方振興局の人件費等の管理運営費、民間の社会福祉施設整備等に関する助成費、民間社会福祉活動の推進費及び民生委員、児童活動費がその主なものである。138、139ページをお開き願う。2目身体障害者福祉費の支出済額27億9、079万円余は、在宅の重度心身障害者及び障害者に対する特別障害者手当等の支給費並びに市町村が実施する重度心身障害者及び障害児の医療費助成事業に対する経費の補助がその主なものである。次に、3目精神薄弱者福祉費の支出済額22億2、746万円余は、精神薄弱者援護施設への入所委託等を行う精神薄弱者更生援護費がその主なものである。140ページ、141ページをお開き願う。4老人福祉費の支出済額72億1、298万円余は、老人福祉施設への入所委託を行う老人保護措置費、老人福祉活動推進費並びに特別養護老人ホーム及び老人デイサービスセンター等の施設整備に要する経費に対して補助した老人福祉整備費がその主なものである。次に、5目遺家族等援護費の支出済額8、761万円余は、戦傷病者戦没者遺家族等への援護費並びに兵籍簿等の保存管理費がその主なものである。次に、140ページから143ページにかけての6目国民健康保険指導費の支出済額7億8、645万円余は、市町村の国保財政基盤の安定確保等に要する経費に対して補助した国民健康保険事業安定化推進費がその主なものである。次に、7目婦人保護費の支出済額1億2、714万円余は、婦人相談所の管理運営費及び婦人保護施設への入所保護委託費がその主なものある。144ページ、145ページをお開き願う。10目社会福祉施設費の支出済額24億8、544万円余は、松風園及び中山の園等の社会福祉施設の管理運営に要した経費がその主なものである。146ページ、147ページをお開き願う。11目老人福祉施設費の支出済額2億6、865万円余は、養護老人ホーム松寿荘の管理運営に要した経費である。
 次に、第2項児童福祉費の支出済額は140億6、832万円余である。1目児童福祉総務費の支出済額は29億633万円余は、児童相談所の管理運営費、保育所等の施設整備に対して補助した児童福祉施設整備費、保育需要の多様化に対応した保育活動を行うことを助長する特別保育事業費及び市町村が実施する乳幼児・妊産婦医療費助成事業に対する経費の補助がその主なものである。なお、繰越明許費1、265万491円は、雫石町が実施した保育所の整備事業において、設計変更等に不測の日数を要したため、年度内の事業完了が困難となり、施設整備費に対する補助金を繰り越したものである。次に、146ページから149ページにかけての2目児童措置費の支出済額49億6、949万円余は、養護施設等の児童福祉施設に児童を措置した経費及び児童手当の支給に要した経費がその主なものである。次に、3目母子福祉費の支出済額30億5、154万円余は、市町村が実施する母子家庭医療費助成事業に対する経費の補助及び児童扶養手当支給費がその主なものである。次に、4目児童福祉施設費の支出済額31億4、094万円余は、杜陵学園、都南の園等の児童福祉施設の管理運営に要した経費である。
 150ページ、151ページをお開き願う。次に、第3項生活保護費の支出済額は50億245万円余である。1目生活保護総務費の支出済額2億198万円余は、生活保護の給付事務及び指定医療機関等の指導監査に要した経費がその主なものである。次に、150ページから153ページにかけての2目扶助費の支出済額42億1、831万円余は、生活保護世帯に対する生活扶助及び医療扶助等に要した経費がその主なものである。次に、3目生活保護施設費の支出済額5億8、215万円余は、好地荘及び松山荘の管理運営に要した経費である
 次に、第4項災害救助費1目救助費の支出済額303万円余は、災害救助基金への積み立てに要した経費がその主なものである。
 次に、第4款衛生費について御説明申し上げる。保健福祉部関係の予算現額は、222億7、142万9、000円のうち、第2項環境衛生費中の1目環境衛生総務費及び3目環境衛生指導費から6目鳥獣保護費を除く190億2、442万6、000円であり、その支出済額は189億9、394万4、887円で、翌年度繰越額は、右側にあるように207万7、000円、不用額は2、840万4、113円となっておる。
 以下、各項目ごとにその主なものについて御説明申し上げる。
 第1項公衆衛生費の支出済額は106億56万円余である。1目公衆衛生総務費の支出済額は15億1、120万円余であり、これは、154ページ、155ページにわたっておるが、健康推進課及び衛生研究所の人件費等の管理運営費、妊婦・乳児の健康診断等の実施に要した母子保健対策費及び原爆被爆者への各種手当の支給に要した経費のその主なものである。次に、2目結核対策費の支出済額9、813万円余は、結核予防の健康診断、予防接種及び医療費の給付に要した経費並びに結核に関する職種別専門研修、保健指導等の実施に要した結核対策特別促進事業費がその主なものである。次に、3目予防費の支出済額7億8、437万円余は、狂犬病予防事務費の市町村への交付等に要した経費及びベーチェット病、パーキンソン病等の特定疾患に係る医療費の給付等に要した経費がその主なものである。また、予備費からは、全国的に発生した病原性病原菌O-157等の感染症の予防対策を緊急に実施する経費を充用したものである。なお、繰越明許費207万7、000円は、盛岡市が実施する伝染病隔離病舎建設事業において、設計変更等に不測の日数を要したため、年度内の事業完了が困難となり、建設費に対する負担金を繰り越したものである。次に、154ページから157ページにかけての4目精神保健費の支出済額7億4、283万円余は、精神障害者の医療費の給付等に要した精神障害者入院等措置費及び回復途上にある精神障害者の社会適応訓練等の実施に要した精神障害者社会復帰促進費がその主なものである。次に、5目衛生研究所の管理運営に要した経費である。次に、6目老人保健費の支出済額は74億2、953万円余であり、これは、158ページ、159ページにわたっておるが、市町村の老人保健法に基づく医療給付費に対して一部負担等をする老人保健対策費がその主なものである。
 次に、第2項環境衛生費の支出済額は32億8、542万円余である。このうち、当部に関係する2目食品衛生指導費の支出済額5、966万円余は、屠畜検査等の実施に要した乳肉衛生指導取締費及び食鳥検査等の実施に要した食鳥肉安全確保対策費がその主なものである。
 164ページ、165ページをお開き願う。次に、第3項保健所費1目保健所費の支出済額31億8、068万円余は、保健所の人件費等の管理運営費、本庁と各保健所を結ぶコンピューターの設置、運営等に要した保健所情報システム運営費及び久慈保健所の建設に要した施設整備費がその主なものである。
 次に、第4項医薬費の支出済額は51億5、301万円余である。1目医薬総務費の支出済額は12億6、421万円余であり、これは、166ページ、167ページにわたっておるが、本庁及び衛生学院の人件費等の管理運営費がその主なものである。次に、2目医務費の支出済額は28億6、571万円余であり、これは、168ページ、169ページにわたっておるが、休日、夜間の初期救急医療、2次及び3次救急医療を確保するための救急医療対策費、いわてリハビリテーションセンターの管理運営費及び岩手医科大学付属循環器医療センターの建設費に対する補助がその主なものである。次に、3目保健婦等指導管理費の支出済額9億7、711万円余は、民間立看護婦等養成所の運営費に対する補助等に要した保健婦等指導費、県立保健婦等養成所の管理運営費等に要した保健婦等養成費及び看護婦宿舎の施設整備に要した経費に対する補助がその主なものである。次に、4目薬務費の支出済額4、597万円余は、薬局、医薬品販売業者の監視取り締まり等に要した薬事監視指導取締費及び献血協力者用の報奨品の購入費に対する補助等に要した血液事業推進対策費がその主なものである。
 次に、ページを飛んでいただいて、310ページ、第13款諸支出金第1項公営企業貸付金1名公営企業貸付金のうち、当部関係の支出済額は、県立病院等事業会計運営資金の貸付金148億円である。
 次に、第2項公営企業出資金1目公営企業出資金のうち、当部関係の支出済額は、県立病院等事業会計への出資金6、035万円余である。
 次に、第3項公営企業負担金1目公営企業負担金の支出済額154億5、552万円余は、県立病院等事業会計への負担金である。
 以上で一般会計の説明を終わる。
 引き続き特別会計について御説明申し上げる。328ページをお開き願う。328ページから331ページにかけては、母子寡婦福祉資金特別会計である。その決算状況であるが、歳入総額は4億7、176万2、579円であり、その主なものは、一般会計からの繰入金、前年度からの繰越金、諸収入の貸付金元利収入である。
 330ページ、331ページをお開き願う。歳出の支出済額3億7、653万994円は、母子世帯及び寡婦世帯に対する就学資金、修業資金及び住宅資金等あわせて1、102件の貸し付けに要した経費等である。
 以上で保健福祉部関係の説明を終わる。よろしく御審議のほどお願い申し上げる。

〇長谷川委員長 ただいまの説明に対し質疑を求めるところであるけれども、この際、昼食のため午後1時まで休憩をする。
   午後0時6分 休 憩
   午後1時5分 再 開

〇千葉副委員長 休憩前に引き続き会議を開く。
 この際、進行に御協力を願うために、質疑、答弁は簡潔明瞭にひとつお願いする。
 先ほどの説明に対し、質疑ないか。

〇小野寺委員 4点ほどお伺いする。
 最初に、介護手当についてである。
 月額3、500円と。さきの議会でこの件についてお伺いしたところ、国の介護保険法案の動向を見ながら考えると、そういう御答弁であった。現在、いろんな矛盾を指摘されながらも間もなくこの法案が成立する見通しとなっておる。そこで、現在いかがお考えなのかお伺いする。
 第2点は、市町村の国保税収納についてである。
 国保連で出している資料によると、県内で4町村が何年かずっと100%の国保税収納率ということになっておる。どのような方法でこういった100%を達成できるのか、ほかの市町村も追随できるような方法であるのかどうかお伺いする。
 3番目、輸入食品についてである。
 ポストハーベスト問題についていろいろ問題になっておるけれども、加えて、最近ではアメリカから輸入される肉にホルモン剤が使用されるなど、輸入食品に危険物が使用されている可能性がある。実際、子供たちが影響を受けているということなども知られておる。
 そこで、県のチェック体制はどうなっているのかお伺いする。
 4番目、国民年金保険料、こっちの方であるけれども、最近、高齢者の方から年金需給の相談を受けることが多くなっておるけれども、特に若者の間で、納める側であるけれども、納めたくても納めれないほかに、納めれるのだけれども納めないという、そういう傾向があると聞く。我が県の場合はどのような状況になっているのかお伺いする。

〇緒方保健福祉部長 輸入食品の監視体制についてであるが、我が国の輸入牛肉の大半を占めるアメリカ及びオーストラリア産の牛肉について、肥育用ホルモン剤が使用されていることから、厚生省においてはこの残留物質のモニタリング調査の中でホルモン剤の調査をいたした。牛乳について卵胞ホルモンについて8検体、男性ホルモンについて10検体調査をいたしたが、これらはすべて食品衛生法に基づく食品の規格基準、すなわち0.002PPM以下の基準に適合しておった。
 なお、岩手県においては、現在、輸入食品の安全確保について、73名の食品衛生監視員が平成8年度では残留農薬抗菌性物質など、545項目について検査を行っておるが、ホルモン剤の調査については現在では行っておらない。今後、衛生研究所における各種の調査の中で、このホルモン剤についても国の動向を見た上で研究課題としていきたいと考えておる。
 それ以外の御質問については、障害保健福祉課長、国保援護課長及び国民年金課長からお答え申し上げる。

〇祝田障害保健福祉課長 介護手当である。県としては、介護者の精神的あるいは肉体的な負担の軽減を図るということから、今後においても引き続きホームヘルプサービスあるいはデイサービス、ショートステイなどの在宅福祉3本柱を中心として、その拡充に努めてまいりたいと思っておる。また、国においても、間もなく公的介護保険制度が創設されるわけであるので、これらの制度の実施に伴って家族介護の軽減が図られるのではないかということで、県としても期待しているところである。このような状況の中で、介護手当の増額については、新たに創設される公的介護保険制度の内容、あるいは既に実施しておる22の県の状況、あるいはまだ介護手当を実施していない25の県があるわけであるが、それらの県の動向も見きわめながら、額の増額については検討してまいりたいと思っておる。

〇佐藤国保援護課長 国保税の収納方法についてであるけれども、8年度で100%達成している市町村は4町村ある。これらの納入方法であるけれども、納税貯蓄組合を利用して納入するという、この4町村は県平均に比べて納税貯蓄組合の加入割合が非常に高いということ、それから1町であるが、口座振替の利用率が非常に高いということで100%を達成しているものと見ておる。これら納税貯蓄組合の加入なり促進なりあるいは口座振替の利用というのは、どこの市町村においても利用できることであるので、これらの加入割合の増加あるいは口座振替の活用について、鋭意、市町村を指導いたしているところである。

〇男鹿国民年金課長 国民年金の状況について申し上げさせていただく。
 先ほど委員がおっしゃったように、確かに傾向として若い方の未納率が高いというお話は伺っておるけれども、全体として若者たちの未納率という状況、数字はつかんでおらなくて、全体として申し上げさせていただくと、全国的には平成7年度に比べて8年度は若干、やはり収納率というか年度内に納めた方の率というのは全国的には下がっておる。
 なお、当県においては、市町村の皆様方の御協力により、収納率が7年度が89.3%が8年度90.3%というように上昇しており、これも市町村の皆さんの努力によって保険料の納入は進んでおるように受けとめておる。

〇小野寺委員 1点だけ。
 納税貯蓄組合に対する行政からの補助金交付ということが問題になるわけであるけれども、担当外であると言われればそれまでであるけれども、お考えがあればお聞きしたいと思う。

〇佐藤国保援護課長 納税貯蓄組合、これは市町村が一般税も含めて組織をし納入をしていただくという組織である。それに国保税もおんぶしていると、おぶさっているという格好である。実際に各市町村それぞれ規則、条例を設けて納税貯蓄組合に補助金等を出しているようである。各市町村の実情によってそれぞれ異なるのだろうと思う。国保税もその中で応分の負担をしていると伺っておる。しているということは事実であるが、本来、国保は目的税であるので、そういう納税貯蓄奨励というような補助金は出せないことになっているわけである。それら実態、収納率を上げるという中身においては黙認をいたしているというのが現状である。

〇佐藤(啓)委員 1点だけお伺いする。
 保育所における延長保育問題についてお伺いする。
 県は、平成8年岩手県すこやか保育等プランを明らかにし、本県の実情に応じた保育サービス等の総合的、計画的な推進を図るとしておる。現に、今回の成果に関する説明書の中にも、特別保育事業の成果を明らかにしているところである。
 一方、児童福祉法の改正が行われ、保育施設に対する国庫補助はどうなるのか、保育料がどう変化するのかが大きな問題となっている。特に、延長保育については厚生省は個々の実施する自主事業とし、国庫補助を削減する意向を明らかにしている。たまたま、昨日の岩手日報がこの問題を取り上げている。
 そこでお伺いする。延長保育をめぐる最近の中央の動向を明らかにしていただきたいと思うし、今後、国庫補助の削減が心配される中で、県はどう対処するお考えなのか、以上お伺いする。

〇舘児童家庭課長 延長保育に係る国の動向と本県の対応ということであるが、現行の国庫補助による延長保育の実施状況であるが、実はこの補助割合が国が4分の3それから保護者が4分の1と、こういう割合でこの事業が実施されているところである。しかしながら、保育所が延長保育に自主的に取り組もうというときにも、実は事業の実施主体が市町村であるということから市町村の承認が必要であり、なかなか自由に取り組めなかったということもある。それから、延長保育料等の負担が実際の利用回数や時間に応じたものとなっていないということから、多数利用する者とそうでない者との間で不公平があると、こういった問題点などがあることから、延長保育については、保護者の要望に沿って実施できるようにするために実施に係るさまざまな規制を緩和して、市町村の承認なしに保育所が創意工夫により、自主的に取り組めるようにするというのが主な改正の動きである。また、それに伴って、現在、保護者が負担しておる4分の1の負担が2分の1になるという方向で、現在、国の中央児童審議会において検討されているところである。
 県としては、国におけるこれらの動向を見守りながら、平成10年度からの実施に向けて市町村及び施設関係者との連携を図りながら、さまざまな方策について検討してまいりたいと考えておる。

〇佐藤(啓)委員 冒頭に私申し上げたすこやか保育等プラン、これ県が公表して3年目になるわけであろうか。ぜひ、せっかくのこのプランを実効あるものにするように、国に対しても積極的な要請をすると同時に、十分効果のあるような、そういうお取り組みを心から要望申し上げて終わる。

〇千葉(伝)委員 簡潔にお伺いしたいと思う。
 第4款衛生費に関する分である。県では、平成8年度に機構改革の一環で再編整備が図られたわけであるが、その中で保健所の問題についてお伺いしたいと思う。
 本年の4月から統合されて運営されている保健所であるが、統合後まだ1年経過していない状況とは思うけれども、その運営状況はどのようになっているのか。また、地域のサービス低下を来さないという旨で取り進めていることとは思うが、地域住民から行政サービスの点で苦情等が出ていないのか、まずお伺いしたいと思う。

〇長山保健福祉課長 保健所の再編整備後の状況についてであるけれども、この4月、保健所を専門的かつ技術的な拠点ということで機能強化を図って、同時に保健、医療、福祉の一体的なサービスが提供できるように保健医療部門、福祉部門の統合、連携が行われた。まだ1年たっておらないけれども、それぞれ異なった業務を行った機関が一緒になって、新しい分野の業務を受け持つということで戸惑いがあったけれども、最近では落ち着きを取り戻してきて軌道に乗りつつあると理解をしておる。保健所が統廃合された地域についても、管轄区域の拡大、そういうものに配慮して、車を多く配車するなど機動力というものを確保すると、それから定期的に関係の市町村の巡回相談という事業を実施いたし、いろいろきめ細かな対応で、これまでの住民ニーズというものに対応できるように配慮してきておる。これまで5保健所で年間110回を目標にしておるけれども、およそ半分以上消化してきているという状況である。さらには、ことしの4月以降、生活環境部と密接に連携をとり、保健所長会議等かなりの数にわたって現場との意見交換などを開いて、統合によっていろいろな課題が出て、細かなところについてそれぞれ適切に対応、調整を図ってきたということがある。現時点でいろいろ各保健所ごとに運営協議会というものが設置されており、その中においては、特に住民から大きな苦情等があったという報告は受けていないところである。
 そのほか、新しくいろいろ地域のニーズにきめ細かく対応するという意味で新たに企画部門が設置されたわけであり、それらの中で地域のニーズや課題に合ったいろんな御指導、あるいは支援ができるような体制を組んだと。それから、これから市町村ごとに保健医療計画等いろいろな計画づくりが出てまいるので、そういったところにも指導できるような対応をしたということである。
 それから、個々具体的に、例えば生活保護の指導などにはケースワーカーあるいは保健婦が同行訪問するということで、まさに健康管理的な部分が一緒に指導できるということとか、あるいは福祉施設などに今までは余り同行しなかったわけであるけれども、食品担当あるいは栄養士の担当が同行して、一緒に施設の方に指導監査に行くというようなことで、例えばO-157の調理場の改修であるとか、そういったようなことが非常にきめ細かくできるようになったという評価はいただいておるので、そういったことをこれからさらに保健所の方で地域の実情に応じた形で指導を図ってもらえるように、さらに指導していきたいと思っておる。
 新しい業務等でふなれなものあるいは解決しなければならない問題も出てくるかと思うけれども、今後、ことしの状況を踏まえて、地元の関係の方々の御協力を得てさらに必要な改善等があったならば、できる限り改善を図ってまいりたいと考えておる。

〇千葉(伝)委員 これからの保健所の運営についてはよろしくお願いしたいと思うが、苦情等もまずないという御答弁である。前回というか、1年前に私が地域の実情に合わせた運営をということで、全く血の通った行政をしていただいた岩手保健所岩手駐在というか、あそこの分も多分あっていろんな苦情も出ていないのかという感じもしておる。その点については大変感謝を申し上げる次第である。
 保健所においては、先ほどの御答弁にあったけれども、市町村あるいは地域に対して保健、医療、福祉の連携を図ってさまざまな指導行政を提供していただいておる。今後、地域住民の健康に直接かかわるという意味でますます私は重要な機関になると思うことから、県民の健康を守る視点からよろしくお願い申し上げて終わる。

〇斉藤委員 3件ある。まとめてお聞きする。
 介護保険法案と岩手県の実態について、これが第1点である。
 介護保険法案が国会の審議や公聴会でたくさんの危惧や問題点が指摘されているにもかかわらず、強行されようとしていることは極めて重大である。岩手県の実態から見て介護保険法案が何をもたらすか、このことについてお聞きをする。
 一つ、特養ホーム入所待機者は、ことし6月末現在で915人であった。昨年12月は830人であったから、年間100人ずつふえるということになる。調査すればするほどふえているのが実態である。これでは、保険料2、500円を払っても肝心の特養ホームには入れないという事態にならないか。特養ホーム入所者の負担は、現行では4万6、000円以下が80.7%を占めている。1万円以下の負担は30.5%である。介護保険法が実施されると利用料と食事料だけで4万7、000円かかる。ほとんどが値上げになり、低所得者は特養ホームから出されかねなくなるのではないであろうか。ある特養ホームでは、80人中54人が負担できない、こういう調査も出されている。特養ホームの計画は、私は直ちに見直して入所待ちをなくす計画に抜本的に改善をすべきだと思うけれども、いかがであろうか。
 第2点。ホームヘルパーは1、200名の高齢者保健福祉計画の目標に対し、59.5%にとどまっている。不十分な目標自身、達成の見通しはどうであろうか。現在、ホームヘルプサービスを受けている高齢者は、多くが無料、低料金だと思うが、保健料のほかに利用料が取られるとなると、利用したくても利用できなくなるのではないであろうか。
 第3点。実施主体が市町村とされておるけれども、現状でさえ高過ぎる国保税で現在滞納世帯は2万2、252世帯、加入世帯の約1割、滞納額が累積60億7、900万円になっている。これにさらに介護保健料が上乗せされるなら、一層耐えられない状況、滞納者急増となるのではないであろうか。介護保険では、滞納の場合ペナルティーとして保険証を交付しない、介護水準を切り下げる、こういう措置までとられる。まさに保険あって介護なしという事態が生まれかねないのではないであろうか。
 4点。さらに平成8年版老人保健福祉マップによると、ホームヘルプサービス、デイサービス、ショートステイの在宅3本柱の利用状況、100人当たりの年間利用を見ると、第1位の譜代村は986.8、最下位の東山町は157.7で、実に6.25倍の格差がある。これで全国も県内も統一した介護サービスが実施できるのであろうか。今必要なことは、不十分な高齢者保健福祉計画を見直して、前倒しで実現させることではないであろうか。その実現の見通しはどうであろうか。
 財政構造改革の悪法で、来年度から3年間、社会保障関係予算も削減される方向であるけれども、具体的にどういう影響を受けるであろうか。
 5点。介護保険法案では、家庭介護には適用されない、サービスが適用されないとなっている。介護手当の充実が必要だと私も考える。岩手県以上に介護手当を支給している都道府県、そして県内の市町村の状況について示していただきたい。県としても今、月3、500円の支給額を私は引き上げるべきと思うけれども、所得制限の緩和も含めて現状と打開の方向についてお示しいただきたい。
 大きな2番目、保育問題。
 この間、高過ぎる保育料の引き下げ問題を取り上げてきた。県議会でもたくさんの議員の方々が取り上げた。96年度、97年度の市町村の保育料の最高限度額の引き下げ状況はどうであろうか。東北各県の保育料軽減状況はどうなっているであろうか。
 児童福祉法が改定されたけれども、保育事業は全体としてどう変わるのか。
 延長保育は今質問にあった。私が承知しているのは、11時間を超える延長保育は自主事業にして補助金を削減するということであるけれども、そのとおりであろうか。乳児保育を一般化して保育料徴収基準を別建てにする、7月29日付の厚生省文書であるけれども、これは大幅な引き上げとなるのではないであろうか。
 保育料3区分、当面7区分にする方向と聞くが、いかがであろうか。
 公立保育園の民間社会福祉法人への運営の委託を促進すると、こういう方針を出しているけれども、本当であろうか。
 公立保育園の民営化委託はないかと考えるが、県内での公立保育園の比率、役割についてどう考えておられるであろうか。
 最後、学校給食施設の点検と改善指導について。
 学校給食施設に対する一斉点検を行い改善指導を行ったと聞くけれども、点検検査の内容、結果、改善指導の内容と改善状況、改善計画はどうなっているであろうか。
 病原性大腸菌O-157等感染予防緊急対策事業費7、500万円の内容は何であろうか。

〇緒方保健福祉部長 初めに、介護保険と特別養護老人ホームの関係についてであるが、9月現在の入所待機者の71.5%は、入院または老健等への入所中の者であり、在宅の方は28.5%の278人である。また、このうちには在宅福祉サービスの利用により、自宅での介護が可能な方も今後含まれると考えておる。一方、施設の整備状況は8年度末で4、130人であり、9年度にはさらに緊急の待機者の解消も図るため、170人の増員を図っているところである。このようなことで、本県は既に特養の整備目標を計画より上回る状況となっており、今後の国の事業採択は極めて困難であるが、さらに特に必要な圏域については、施設の整備について国の理解を得られるよう努めているところである。
 今後の整備計画についてであるが、介護保険法案が成立後に、国が定める基本方針に基づいて来年度調査を行い、平成11年度に12年度からの介護保険事業支援計画等の計画を策定し、新たに整備を推進してまいりたいと考えておる。
 その他のお尋ねについては、介護については長寿社会課長及び障害保健福祉課長、保育については児童家庭課長及び学校給食等については保健衛生課長及び保健福祉課長から答弁させるのでよろしくお願い申し上げる。

〇千葉副委員長 答弁は簡潔明瞭にひとつお願いをする。

〇千葉長寿社会課長 それでは、初めに介護保険と特別養護老人ホームについてであるが、現行の特別養護老人ホームにおいては、入所者及び扶養義務者の方々から、所得に応じて費用を徴収しておる。その額は全国平均で4万5、000円、岩手県で8年度では3万8、735円となっておる。介護保険においては、利用料は1割の定率とそれから食事の標準負担で平均約4万7、000円ということになろうかと思う。そういたすと、現在の額よりも平均すると負担が増加するということになる。しかし、介護保険においては、生活保護受給者については介護扶助が支給されるということ、それから1割が高額になる場合には、高額介護サービス費により負担上限額を設定する、あるいは食事の標準負担及び高額介護サービス費については、所得に応じて負担や負担上限を設定するなど、低所得者に配慮すると聞いておる。また、介護保険法施行時点の特別養護老人ホームへ入所している方々については、急激な負担増を緩和するため、制度施行後5年間は、利用料について負担能力に応じた減免措置が講じられるとなっておる。
 以上を考えると、介護保険によって、低所得者が特別養護老人ホームのサービスを受けられないという心配はないものと考えておる。
 次に、ホームヘルパーについてであるが、平成9年度末の見込みでホームヘルパー数は目標に対して68.1%となっておる。今後、深夜等の巡回する24時間介護型のホームヘルプサービスの普及であるとか身体介護を中心とした業務を拡大することにより、ホームヘルパーの増員を図っていきたいと考えておる。
 また、現在ホームヘルプサービスについては、所得状況に応じて応分の負担をしていただいておる。生活保護世帯と生計中心者が前年度所得非課税の世帯については無料となっておるが、その状況は平成7年度実績で約8割の方々が無料ということになっておる。介護保険制度では1割の自己負担となっておるので、現在のサービス利用者のほとんどが負担増となるものと見込まれておる。この介護保険制度においては、自己負担の額が高額となる場合には、高齢者介護サービス費を支給し負担上限を設定することとなっておる。低所得者には、低い上限が設定される配慮がなされると聞いておる。
 次に、国保保険料への介護保険料の上乗せの滞納者の増それからペナルティーであるが、介護保険制度の創設によって、第2号被保険者である国民健康保険加入者に対し、介護保険料が国保保険料に上乗せされることになる。介護保険料の額が決まっていないので、現段階ではどのような影響があるかということは予測できないわけであるが、この上乗せに伴う国保の収納額の減少分に対しては、一定のルールを設けながら国庫助成がなされると聞いておる。したがって、県としてはこれらの動向を見守りながら、国保保険料の滞納への影響が最小限となるよう的確に対応してまいりたいと考えておる。
 また、ペナルティーであるが、公的介護保険では、介護サービスに対する費用を社会連帯を基本として負担能力に応じた保険料とし、被保険者間で公平に負担することとしておる。このため、この制度では保険料の納付を担保するために、保険料滞納者に対して償還払いとかあるいは保険給付率の引き下げ等々の措置がなされると聞いておる。この運用については、今後、国において適切な措置がなされるよう明確な基準をつくる予定と聞いておるので、その動向を注意してまいりたいと考えておる。
 また、国の保健福祉計画の達成状況であるが、在宅サービスでは、ホームヘルプサービスが68.1%、そのほかデイサービスが60.0%、ショートステイが96.3%と、一部についてはおくれが見られる。計画の見直しについては、先ほども部長も申し上げたが、来年度需要調査を行い、11年度において12年度を初年度とする介護保険事業計画、介護保険支援計画を策定することとして、それとあわせて現行の老人保健福祉計画を見直すこととしておる。
 また、国の財政構造改革の影響についてであるが、厚生省における平成10年度概算要求の概要によると、社会福祉施設整備費については7%減となっているものの、他の在宅関連事業費の伸びもあり、新ゴールドプラン関連事業全体については増額されていると聞いているところである。

〇千葉副委員長 答弁であるが、簡潔明瞭にひとつお願いしたいと思う。

〇祝田障害保健福祉課長 介護手当についてである。
 まず、各県の状況であるが、岩手県の補助基準を上回っている県は東京都ほか14道府県である。県内の市町村の状況は、盛岡市ほか27市町村となっておる。
 次に、補助基準の引き上げについてであるけれども、県としては、家族介護者の負担の軽減を図ることを目的にホームヘルプサービスあるいはデイサービス、ショートステイなどの在宅福祉の充実に努めることとしておる。
 介護額の引き上げについては、所得制限のあり方も含めて、新たに創設される公的介護保険制度の内容等を踏まえ、さらに各県の動向をも見きわめながら検討してまいりたいと思っておる。

〇舘児童家庭課長 保育料問題についてであるが、96年度と97年度の保育料の引き下げ状況ということであるが、97年度分についてはまだ実績が未確定のため、95年度と96年度の関係でお答えさせていただきたいと思うので御了承いただきたいと思う。
 保育料については、それぞれ市町村において国が定める保育料徴収基準額表、いわゆる国庫負担金の精算基準額であるが、これを基本としながらも独自の徴収基準額表を定めて保護者負担の軽減を図っているところである。95年度、平成7年度における本県の保育料の軽減割合は16.9%となっており、本年は、8年度であるが20.8%になっておる。前年度より3.9ポイント軽減割合が増加したという状況になっておる。
 96年度の東北各県の保育料の軽減状況であるが、青森県が31.5%、宮城県が23.3%、秋田県が43.3%、山形県が27.2%である。
 なお、福島県については未集計ということである。
 保育問題についてであるが、法改正に伴う保育所制度の改正点であるが、市町村の措置による入所の仕組みを、いわゆる保護者が保育所を選択する方式が認められるという点がまず大きな第1点である。
 2点目は、保育料の負担方式については、現行の負担能力に応じたいわゆる応能負担の方式を保育に要する費用及びこれを扶養義務者から徴収した場合における家計に与える影響等を考慮した方式に改めるということである。
 それから、保育所で持っておるさまざまな機能を地域に一層開放していくと、そういった機能も新たに保育所に求められるということになっておる。
 次に、延長保育の点であるが、これは先ほど佐藤委員にお答え申し上げたとおり、自主事業とするということで一層の拡大を図ると。あわせて、利用者の4分の1負担が2分の1負担になるということで、そういった方向で中央児童審議会において審議がされているということであるので、注目してまいりたいと思う。(斉藤委員「中断中ではないのか。」と呼ぶ)
 いわゆる、トータルとして今11時間ぐらいになるということである。
 それから、乳児保育についてであるが、乳児の保育所入所待機児童の解消を図るため、現行のいわゆる乳児保育所指定制度を廃止してこれを一般化するということで、どこの保育所でも乳児1人から受け入れが可能となるよう仕組みを改めるということになっておる。あわせて、保育料徴収基準については、所得階層区分の簡素化とともに年齢区分の見直しを図る方向で、現在、国の審議会において検討されていると聞いておるが、現時点では具体的に承知していないところである。
 それから、公立保育所を民間法人に委託促進するという問題であるが、保育関係情報誌によると、厚生省が7月29日付で保育所運営に関する基本的な考え方を示しており、この中で公立保育所を民間社会福祉法人へ運営委託する場合にも民間保育所と同様の支援を行うと、こういうことがうたわれておるが、県としては、厚生省から直接これに関する正式通知等の情報等は受けていないため、具体的にはこの内容がどのようなことを意味しているのか承知していないところである。
 なお、県内の公立保育所の数であるが、総数は336カ所中179カ所ということで53.3%となっておる。
 それから、公立保育所の役割であるが、保育に欠ける児童を入所させ適正に保育するという機能については、民間保育所と基本的には変わりがないものと考えておる。

〇宇佐見保健衛生課長 学校給食施設の点検と改善指導についてであるが、本年の5月に点検項目として施設設備それから原材料の取り扱いなど、8区分62項目について一斉点検を実施したものである。結果であるが、これは対象施設199施設あったが、191施設すべてに改善勧告を発しておる。改善勧告をいたした項目としては2、607項目ほどあり、平均すると1施設13項目となる。この改善計画のことであるが、一つの改善の期限として、めどを立てておる平成11年度までに終了するというものが、199施設のうち172施設である。また、平均12年度から14年度まで改善整備をするという施設は20施設である。残りの7施設であるが、予算措置の関係で具体的な改善計画が示されなかったというものである。
 なお、現時点での改善状況であるが、現在教育委員会あるいは各施設に対して具体的な改善方法、こういったものを指導中であり、この改善状況については、平成10年の4月から5月に再点検ということで計画をいたしているところである。

〇長山保健福祉課長 病原性大腸菌O-157等感染予防緊急対策事業の中身についてである。これは昨年8月にO-157が指定伝染病ということになったことに伴う措置であり、県民に対する予防のチラシあるいは検査材料の確保、それから公共施設等への冷蔵庫の設置というものが主な内容である。

〇斉藤委員 今の答弁で、ちょっと看過できないのは、特養ホームの入所者の負担、これ心配ないと。私は、かなり現実、離れていると思う。実際に80%が値上げになるわけである。そして1万円以下が私言ったように3割もいる。であるから、余りにも格差が大きいから政府は激変緩和措置をとるというわけであろう。私は、心配ないなんという状況じゃないと思う。実際に特養ホームの僕はアンケートも指摘したけれども、半分以上が負担できないと言っているわけであるから、さまざまな軽減措置があっても、これは深刻である。もう1回。心配ないなんというものではない。私は本当に、保険あって介護なしの実態の改善を強く求め、県や市町村としてもそれに対応する態勢づくりをしなければだめだと思うけれども、改めてそのことをお聞きしたい。

〇千葉長寿社会課長 低所得者に対する配慮ということについてまだ詳細が明らかになっておらない。それで、今得られている段階での情報であるが、食事の負担が医療保険の低所得者への配慮、軽減措置程度になるとするのであれば、収入が老齢基礎年金のみの家庭の場合であるが、これは市町村民税非課税世帯である。介護保険による特別養護老人ホームの利用料は4万3、500円である。現在、特別養護老人ホームに入所していたとした場合の費用徴収額が4万4、000円ぐらいであるので、余り変わらないのではないかと考えておる。

〇千葉副委員長 ほかに質疑ないか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇千葉副委員長 質疑がないようなので、保健福祉部関係の質疑をこれで終わる。
 次に、佐藤商工労働観光部長から商工労働観光部関係の説明を求める。

〇佐藤商工労働観光部長 それでは私から、商工労働観光部関係の決算について御説明申し上げる。
 便宜、お手元の平成8年度歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げる。
 170ページをお開き願う。第5款労働費であるが、予算総額73億3、939万円のうち、商工労働観光部関係は労働委員会費を除く71億8、116万9、000円で、その支出済額は71億7、501万円余となっておる。
 以下、各項目ごとに御説明申し上げる。
 第1項労政費第1目労政総務費の支出済額2億4、768万円余は、中小企業集団福祉事業及び労使関係の安定促進などに要した経費である。第2目労働教育費は、岩手勤労学園を初め各種の労働講座の開設などに要した経費である。第3目労働福祉費の支出済額2億5、696万円余は、170ページから173ページに記載しておるが、岩手労働金庫等に対する貸付金など、労働福祉の促進に要した経費である。第4目雇用促進費の支出済額4億6、756万円余は雇用対策及び人材確保対策など、雇用の促進に要した経費である。
 第2項職業訓練費第1目職業訓練総務費の支出済額10億6、436万円余は、172ページから175ページに記載しておるが、認定職業訓練、技能向上対策及び職業能力開発推進などに要した経費である。第2目職業訓練校費の支出済額51億3、345万円余は、県立高等技術専門学校等の管理運営及び本年4月に開校した県立産業技術短期大学校の建設工事などに要した経費である。
 次に飛んで、同じく事項別明細書の232ページをお開き願う。第7款商工費であるが、予算総額は543億3、992万3、000円で、その支出済額は542億3、798万円余となっておる。
 以下、各項目ごとに御説明申し上げる。
 第1項商工業費第1目商工業総務費の支出済額21億5、630万円余は、財団法人岩手県高度技術振興協会に対するベンチャー企業への投資に要する資金の貸し付け及びテクノポリス構想の推進などに要した経費である。第2目中小企業振興費の支出済額399億6、618万円余は、232ページから237ページに記載しておるが、商工指導団体、商店街団体等に対する助成、県単融資制度等に基づく貸付金及び技術振興対策や地場産業振興対策並びに岩手ブランドの確立など、商工業の振興に要した経費である。第3目企業立地対策費の支出済額70億5、623万円余は、工業立地の促進及び企業誘致活動などに要した経費である。第4目中小企業経営指導費の支出済額3億6、590万円余は、企業に対する診断指導、研修、情報提供など、中小企業の経営の安定とその向上に要した経費である。次に、238ページに参って、第5目貿易振興費は、国内及び海外見本市への参加並びに貿易振興団体に対する助成など、貿易振興に要した経費である。第6目計量検定所費、第7目工業技術センター費、240ページに参って第8目大阪事務所費、第9目北海道事務所費、242ページに参って第10目名古屋事務所費は、それぞれの管理運営などに要した経費である。
 第2項鉱業費第1目鉱業総務費は、鉱業関係事務の管理運営に要した経費である。第2目鉱業振興費は、中小鉱山の探鉱事業に対する助成及び採石災害防止に係る貸付金など、鉱業の振興に要した経費である。次に244ページに参って、第3目鉱害対策費の支出済額8億8、961万円余は、旧松尾鉱山及び湯田地区鉱山の鉱害発生源対策並びに坑廃水処理などの鉱害対策に要した経費である。第4目銃砲火薬ガス等取締費は、火薬・高圧ガス等の取り締まり、保安指導などに要した経費である。
 次に、244ページから247ページに記載しておるが、第3項観光費第1目観光総務費の支出済額9億9、100万円余は、県外における観光キャンペーン、宮沢賢治・石川啄木生誕記念事業の開催及び日本文化デザイン会議の開催準備などに要した経費である。第2目観光施設費の支出済額13億874万円余は、観光地の環境整備の促進及びオートキャンプ場の整備などに要した経費である。
 なお、繰越額が6、631万円余計上されておるが、これは観光地基盤強化事業の実施に当たり、国立公園事業執行承認等の手続に日数を要したため、事業費を平成9年度に繰り越したものである。
 次に、若干飛んで、同じく事項別明細書の358ページをお開き願う。中小企業振興資金特別会計の決算について御説明申し上げる。
 この特別会計の予算総額は、歳入歳出それぞれ87億8、532万円である。
 まず、歳入であるが、収入済額の総額は90億2、728万円余であり、その主なものは、一般会計からの繰入金、繰越金、貸し付け先企業からの償還金等の諸収入である。
 次に、360ページに参って歳出であるが、支出済額の総額は83億8、290万円余である。
 第1款中小企業近代化資金貸付費第1項貸付費の支出済額83億992万円余は、中小企業設備近代化資金貸付金、高度化資金貸付金などの貸し付けに要した経費である。
 第2項貸し付け事務費は、ただいまの貸付金の貸し付け及び回収に要した経費である。
 以上で、商工労働観光部関係の決算についての御説明を終わる。よろしく御審議のほどお願い申し上げる。

〇千葉副委員長 ただいまの説明に対し、質疑ないか。

〇吉田(洋)委員 私は雇用の問題に絞って質問をする。
 平成8年度の主要施策の成果に関する説明書の中で、98ページにあるけれども、雇用の安定と労働福祉の充実という8年度の1年間の重点事業の実施状況を私も拝見させていただいた。とりわけ、中高年齢者等の雇用対策事業、その中で雇用開発指導員の設置、これは11カ所に設置しており、訪問件数も1万1、487件、あるいは充足数も約4、000人ということで非常に大きな成果を上げていただいた。あるいはシルバー人材センターの育成指導援助においても、非常に13市に設置をするなど高い評価をしているところである。
 さて、今日的な景気の低迷を背景として、そうした当局のあるいはまたそれぞれの地域における努力にもかかわらず、雇用の情勢が非常に厳しさを増してきているのではないかと、こう思うわけである。
 先ごろ総務庁が発表した10月の完全失業率3.5%という過去最高の数値を占めた。同時に、有効求人倍率も0.70倍ということで、これまた高い水準を示しているわけである。こうした状況は、山一証券の自主廃業あるいは徳陽シティ銀行の営業譲渡などにも見られるように、金融機関の破産等の問題が大きく出ておる今日であり、さらには本格的な雇用調整を今先送りしている他の金融、さらに建設業の業況次第では、今後、失業予備軍が表面化するおそれもあるのではないかと思っておる。したがって、雇用情勢の先行きは一段と悪化の傾向を推移していくのではないかと考えており、不透明感を増すと思料するものである。
 そこでお伺いをしたいわけであるが、県内の雇用情勢について部長はどのような御認識をお持ちであろうか。
また、雇用保険の受給者、この数はどういう現況になっているのかどうか、これがまず一つである。
 2点目は、本県の特徴を生かした雇用創出、これが重要だと常々考えておるわけであるが、地域雇用開発の実現に向けた対応策についてどのようにお考えになっておられるであろうか。
 3点目は、非常に今パートタイム労働者がふえているわけであるが、パートタイマーの保険加入、こうした実態はどうなっているか、保険加入率の現況についてお伺いをしたいわけである。
 それから四つ目は、雇用関係助成金、これらの状況はどのようになっているであろうか。
 そして五つ目が、中小企業退職金共済制度というものがあるわけであるが、県内においても中小企業が非常に今多いわけであり、過般も各種倒産が見られておるところである。退職金ももらえないという方々の相談事も参っておるわけであるけれども、中退金制度の加入促進というものを積極的に取り進めていくべきだと、このように考えておるが、そうした加入促進の状況等をお伺いさせていただく。

〇佐藤商工労働観光部長 5点ばかりお尋ねあったようであるが、そのうち雇用問題の冒頭の認識をどうとらまえるかという問題と、地域雇用開発にどう当たるかという問題について私から御答弁させていただく。その他については、それぞれ所管の課長から数字を交えて御答弁させる。
 冒頭、現下の雇用状況をどうとらえるかということである。御案内のとおり、岩手県というのは東京から大体半年あるいは1年おくれで景気の波及が来ると言われておるが、どうも今回だけはそういう猶予期間がないようで、夏に谷村以来の大型倒産と言われた丸伊工業の倒産があったし、特にも学卒者の新規就労がなかなか進まないといったようなこと、あるいは委員からお話があったとおり、有効求人倍率が上がらないとか、いろいろなデータを見ても、あるいは中小企業振興公社のデータを見ても、先行きは経済企画庁なり、あるいは日銀がおっしゃっているように足踏みということではなく、どうも下がっているのではないかというのが実態である。特に、ただいま申し上げたとおり、新規学卒者、これはある一定の失業率を超えると大変な社会問題化するだろうと、私どももそういうとらえ方をしている。そこで、実は、毎年やっているのであるけれども、さらにことしはそれぞれの経済団体に私ども出かけていって、1人でも多く採っていただきたいということをお願いしている。さらに3月に向けてこういう動きを加速していきたい、かように思っておる。
 それから、2点目の雇用創出であるが、まさに私どもが、今、抱えている悩みの最大のものと認識しておる。ベンチャー企業の育成、特にも3、500とも3、000とも言われている集落数から見ると、農業では生活できない。特に中山間地帯は農業では生活できない。さりとて盛南団地のように挙家離村をするわけにもいかないといったようなことから、就労の場を県内に確保するということがまさに私どもの抱えている一番の悩みであって、現下の経済情勢が続くと誘致企業の誘致もままならぬ情勢に現在至っているのかなということで、大変、今、頭を抱えている状況である。しかしながら、先般の本会議でも知事から御答弁申し上げたが、今までの企業誘致のやり方等を変えて、知事自身がみずから企業に出向いて事情を説明する、あるいは有力な企業の方々、岩手県に進出の御希望を持っておられる方々等にお集まりいただいて、知事みずから岩手県のよさを売り込みをするといったようなことをやっておるし、本会議終了後、翌11日であるけれども、今までやったことはなかったのであるが、外資系の企業を県内に誘致するといったことで、実は11日、東京で知事を先頭にして、外資系の企業の誘致についても、初めての試みであるが取り組んでまいるということを考えておる。

〇小林職業安定課長 県内の失業の状況であるが、ただいま部長から御説明したように、かなり憂慮しておるわけであるが、一応数字的なものを申し上げると、先ほど委員おっしゃったように、全国ベースだと完全失業率3.5%、そらから求人倍率0.70である。それに対して本県の数字はというと、完全失業率については統計がとられていないのでわからないが、求人倍率は0.79倍になっておる。全国ベースと比べるとやや高いという状況になっておる。
 それから、助成金関係である。雇用関係の助成金、雇用調整助成金、特定求職者雇用開発助成金、その他8種類ほど現在ある。これの合計、平成8年度ベースで3、602件の給付があって、15億7、000万円支給されておる。

〇関澤雇用保険課長 県内の雇用保険受給者の状況についてである。
 景気低迷の長期化、これを反映して雇用失業情勢もやはり厳しくて、雇用保険の受給者、支給金額とも増加しておるところである。平成8年度の延べの受給者数であるが、これは受給者実人員と呼んでおるところであるが、10万2、733人、これらの人たちの受給金額であるが、約124億9、300万円である。これを月平均にすると、受給者数で8、561人、受給金額で約10億4、100万円である。なお、前年度と比較すると、受給者数で4%、受給金額で6.3%ほどの増加となっておる。
 ことしの状況であるが、4月から10月末までの受給者数であるが、6万4、164人、受給金額約80億3、600万円である。
 次に、パートタイム労働者の雇用保険の加入率と加入促進対策についてであるが、パートタイム労働者については、短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律、これで1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される労働者の所定労働時間に比べて短い労働者と、こう定義づけられているところである。雇用保険の被保険者となるパートタイム労働者、これは短時間労働被保険者と呼んでおるが、この要件であるが、1週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満、それから、1年以上引き続き雇用される見込みのある者、年収が90万円以上見込まれる者といったことが要件となっておる。したがって、1週間の所定労働時間が30時間以上のパートタイムの方については一般の被保険者となるし、20時間未満の労働者は雇用保険の被保険者から外れることになるといったようことがあって、終業形態が多種多様なことから、被保険者となるべきパートタイム労働者の把握というのがなかなか困難である。したがって、加入率についても把握できない状況である。
 なお、10月末現在の短時間労働被保険者の数であるが、これは4、397人で、前年同期に比較すると33.5%ほど増加しておるところである。
 県としては、加入すべき労働者の加入促進については、独自にパンフレット等を作成して、通年的に制度の周知、加入指導に努めているところである。

〇千葉副委員長 この際、答弁については簡潔明瞭にお願い申し上げる。

〇武田労政能力開発課長 中小企業退職金共済制度の加入促進についてであるが、国においては、本制度に新規加入する事業者に対して掛金の3分の1を2年間助成することとしておる。また、掛金の増額分の3分の1の助成を1年間行っておる。
 県としては、日ごろの労働相談員による労働相談、それから、職場巡回指導等によって普及促進をしておるが、それに加えて、国の加入促進運動に呼応して、毎年10月、強化月間を定めて重点的に加入促進に努めているところである。しかしながら、加入状況が高まっておらないので、この制度は林業退職共済制度とか建築退職共済制度、清酒製造退職金制度共済等があるが、これが10年4月1日に勤労者退職金共済機構というものに一本化されるので、それを契機に加入促進についても見直しを図っていきたと、かように思っている次第である。

〇吉田(洋)委員 部長のそうした認識で私も同感なわけであるが、今、雇用保険受給者の状況をお伺いしたわけである。具体的な数字が出されてまいった。平成8年度ベースで月に換算すると約8、500人が雇用保険を受給しているということで、今年度のベースに直していくと4月から10月で6万4、000人余あるわけであるが、7カ月間で割ると9、000人を超える。8、500人の昨年の月ベースがことしは9、000人を超える保険受給者のベースになっている。月約500人余ふえている勘定になるわけである。そうした状況というのは、失業者の増大、私どもも身近ないろいろ政治活動の中で就職問題が一番頭の痛いことなのであるけれども、こうした事態が今の一連の御答弁の中に凝縮されていると思うわけである。知事も企業立地についてトップセールスを展開すると、こういうことで、どうかひとつ商工労働観光部のスタッフ一丸となって、現在、頭を抱えている状況という部長のお話であったが、正念場であるから、執行部、議会一丸となってこうした難局をぜひ切り抜けていってほしい、こういうふうに御要望を申し上げて終わる。

〇佐藤(正)委員 私からは、本当に軽い問題を3点お伺いする。
 一つは、東アジア経済調査団派遣事業費、もう一つは全国のおいしいお菓子の博覧会、それから、ただいまも吉田委員からあった企業立地関連である。
 まず、東アジア経済調査団、第7款商工費に368万円とあって、これは、第1回だそうで、1月9日から1月17日までの日程である。団長は我が岩手の誇る佐藤商工労働観光部長、それから、メンバーはそうそうたるメンバーだそうであるが、まず、その目的とメンバーのお名前、それから予算についてお伺いする。
 なお、同メンバーの一部が1月17日から20日までバリ島まで足を延ばしておられるが、この目的は何であろうか。そして、このバリ島に参加されたメンバーのお名前、それから予算はどうなのか。この経済調査団のものは出ているが、バリ島の方の予算は決算書のどこに該当しているのか。
 それから、全国菓子大博覧会推進負担金8、325万1、494円、これは岩手が大々的にやっておるが、入場券の売り上げ状況、それから準備の進行状況、これについてお伺いする。
 それから、企業立地対策に関連するが、かねて知事からも本会議で御答弁いただいた研究要工業団地の8年度の状況と今後の対策、以上についてお伺いする。

〇佐藤商工労働観光部長 東アジア経済調査団の-細かい金額等については商政課長から答弁させるが-目的なり、あるいは後段佐藤委員からバリのお話があったので、その間の経緯について私から御説明させていただく。
 世界のドラゴンと言われている東アジア地区が非常に激しいテンポで動いている。ここ1カ月ぐらい前からどづも調子が悪くなっているようであるが、アジアのドラゴンが岩手県の経済にどういう影響を与えているのか、これが一つ。二つ目は、県内の異業種、銀行あるいは中小企業の経営の方々あるいはいろいろな経済団体のリーダーの方々等々と岩手県の経済を今後どういう方向で引っ張っていったらいいのかといったようなことを勉強していただきたい。三つ目として、冒頭申し上げた東アジア地区に、実は今回参加された団員の企業の中でも、巷間言われておる産業空洞化の一環であるが、国内でなかなか優秀な人材確保をできないといったようなことから進出されているケース等々があって、こういったものを県内の次の世代を担う経済界の方々に勉強してくれと。これは、実は私、今回は団長で行ってまいったが、発案は知事からであった。今まで青少年だとか、あるいは女性だとかといったような方々を国外に派遣して現地でいろいろな企業の方々とひざを交えて勉強していただく機会というのはなかなかなかったわけであるが、知事からの発案でこれを企画したということである。
 私以下、今回は21名で行ってまいった。委員からお話もあったとおり、1月9日に出発して18日までの10日間、これは一般団員の方々である。それとは別個に、昨年5月、正確な日付は失念したが、知事から私と武居企画振興部長が呼ばれて、地域おこしなり、あるいは観光で非常にうまくいっているバリ島についてひとつ勉強してみたらどうだというお話があって、たまたまということがあったので、その最後のコースにバリ島を入れたと。これは余計なことであるけれども、武居企画振興部長は多分10月に行ってこられたと記憶しておる。
 そのバリに行った目的であるが、千葉工業大学の大橋力さんという方、山城祥二さんというペンネームを持っておられる方であるが、芸能山城組というものを主宰されている先生であるが、この方はバリのある地域の観光開発に大変長い間コミットされてきたということがあって、この方と去年の7月、知事以下、地域の伝統芸能がたくさんある、これを使って地域おこしなり、あるいは観光開発が何かできないかといったことで、実はその大橋先生から知事以下しばしば勉強する機会があって、それで勉強させていただいたと。
 これも蛇足であるが、過般8月、江刺、北上、水沢、二戸4市でバリの伝統芸能を主体とした文化交流事業があったが、これはそのときの経緯で、3月31日までは武居企画振興部長が会長、私が副会長ということで、企画振興部地域政策課、それから商工労働観光部観光課、これを主体に準備したものである。これは、4月1日から文化国際課が生活環境部に移ったということで、テープカット、その他については生活環境部の方で実施したが、実施部隊としてやったのは、バリを勉強させていただいた結果として私どもの方と企画振興部の方で準備をさせていただいた、かような経過になっておる。
 決算額あるいは参加団員の氏名等々については商政課長から答弁させる。

〇菊池商政課長 東アジア経済調査団派遣の事業についてであるが、これについては平成8年から実施したもので、県から財団法人岩手県中小企業振興公社に委託してこの事業を行っているものである。委員からお話があったように、昨年度はことしの1月9日から18日までの10日間というものである。
 これについての予算、決算の状況であるけれども、東アジア調査団の予算額は386万円。内訳は旅費106万円余・・・・・・。(佐藤(正)委員「そんなことはこっちが言ったじゃないか。そうじゃない。」と呼ぶ。)

〇佐藤(正)委員 どうも聞いていることを全然聞いていないのではないか。目的は今、団長であるあなたが一番詳しいんだから、目的は聞いた。調査団のメンバー、お名前、それから予算。これは出ているのだから368万円というのは、助成金とか何か出ているのだから、予算。それから1月17日から20日までバリ島に行っている。本隊から外れてバリ島に行ったメンバーはだれだれなのか。本隊全部行ったのかどうか。それから、バリ島に行った予算はどうなっているのか。その行った予算が公的予算ならば決算書のどこに出ているのか。それとも団長のポケットマネーで行ったのかどうなのか、そこを聞いているのである。
 委員長、注意していただきたい。聞いていることに答弁してもらわないと困る。

〇千葉副委員長 承った。そういうことでよろしくお願いする。

〇菊池商政課長 東アジア・・・・・・。(佐藤(正)委員「これは団長に聞いているのだから、団長が答えたらいいじゃないか。行かない人に聞いたってわからない、行った人じゃないと。」と呼ぶ)

〇佐藤商工労働観光部長 団員21名のうち、バリ島に渡ったのは私と商政課の新屋主査、それから岩手観光ホテルの高塚さんの3人である。
 それから、経費は、私と新屋主査の分についてはすべて公費で賄われておる。一切ポケットマネー、その他については支出していない。

〇佐藤(正)委員 いいか、よく聞いていただきたい。メンバーは何人なのか、そのお名前。それから予算は何ぼだったのか。368万円で行ったわけではないではないか、全員。これはあなたやなんかの旅費やなんかであろう。
 それから、バリ島に行ったのは17日から20日まで。行った人は、あなたともう1人と、高塚とかと3人であろう、行ったのは。そこはわかった。公費だというのなら、その公費の決算書のどこに出ているのか。団長の使った公費、バリ島の、それを言っていただきたい。

〇菊池商政課長 公費の支出額は、佐藤部長と新屋主査の旅費およそ50万円。なお、詳細な資料を持ち合わせておらないので、御了承願いたいと思う。

〇佐藤(正)委員 詳細を持ち合わせてないって、決算である、今は。決算議会である。決算議会で公費はどこを使ったのかわからないから何とかしてくれといってもそうはいかない。
 団長、あなた覚えているであろう、自分がいくら使ったか、どこで何を食ったか、だれと写真を写したか。私も旅行に行くけれども、覚えている、大抵は。いいか、何でもきちんと話していただきたい、そういうことを。隠すとおかしいのではないかと思われる、かえって。

〇菊池商政課長 予算はどこから出ているのかというお話であったが、商工業振興指導事務費507万余の基準経費の中から出ているものである。

〇佐藤(正)委員 公費でバリ島まで行くというのはいいものである。
 さて、そうすると、あれから1年経過しているが、視察調査の結果はどこに生かされているのか。
 それから、この調査団は1月17日の夜、全日空のホテル内にて解団式をやっておる。そうすると、団長のあなたはこの解団式にはいなかったことになる。第1回目の調査団、しかもあなたが信頼するか知らないけれども、知事の最も力を入れたこの調査団の団長がその解団式にいなかった、こんな無責任なことはあるのか。これはどうなのか。
 それから、バリ島に行って、先ほど目的、いろいろ勉強してきたと。私はまだ行ってないけれども、あなたの話を聞いてよかったら私も行ってみたい。来年度の海外視察にでも行ってみたいと思うが、同行したのはあなたの部下と高塚猛さんという方である。私はこの人は知らないけれども、3人が行っている。ところが、私の調べでは、この高塚さんという人はたしかダイエーの資本下にあるホテルの責任者である。そうすると、どうであろうか、今、盛岡でダイエーの進出で大騒ぎしている。そのダイエーのビッグスターの先兵役を果たしているのがこの高塚さんということではないのか。こういう人とバリ島に一緒に行って、3人で昼間は一緒に勉強したけれども、夜は一杯飲みながら、何を話したか知らないけれども、見たわけじゃないから。ただ、あなたは立場上は、いいか、利害を伴う立場にある。今、ダイエーが大問題になっている。あなたはこういう利害に関する立場である。そういう立場の人と部下、あなたはそっちに行っていろ、2人でちょっと話があるということなんかなかったであろう、まさか。ないと思うけれども、商工労働観光部長として、ダイエーの先兵役を果たしている高塚さんという人と、誤解を招かないか。それとも意気投合して肩をたたきながら、では、やろうと。私がいろいろ世話をするからダイエーを持ってこいと。まさかそうなったら知事の命令で行ったなんて大変なことになる、これは。どうか、その点について。
 それから、、バリ島の公的旅行というのは、旅行の経費であるが、これは公的に行く筋合いなのか。あなた自身はどう思うか。一体これは公的に行く旅行なのかどうか。あなた良心があるのなら、どうであろうか、この点について再度お伺いする。

〇佐藤商工労働観光部長 3点ばかりあったと思うが、解団式のときにいないのは無責任ではなかったのかということであるが、これは、実は、出かける前からこういう予定で途中で離団するということは各団員の方々にお話してあるし、マレーシアで皆様をお送りするときも、しかじかかくかくでバリ島の方に私どもは参るということはお話しておる。
 それから、2点目の利害関係人といて若干問題ではないかということであるが、私ども今、佐藤委員からそのような御質問があるまでそういう観点で物を考えてみたことは実はなかった。と申すのは、高塚さんという方は、御案内のとおり県が出資した第三セクターの赤字だった岩手ホテルを短期間で立て直したということ、あるいは盛岡商工会議所にある観光小委員会、そこでさまざまな観光についての発言をされているといったようなことから、実は私ども観光振興についていろいろな御意見をいただける方というように思っていたものであるから、佐藤委員からただいまお話しされたようなことは毛頭、毛筋ほども考えてみたことはなかった。
 それから、3点目に、公的に行くべきか否かというお尋ねであるが、これは、私の方からバリについて見たいと申し上げたのではなくて、冒頭私申し上げたとおり、大橋力さん、別名山城祥二さんという方がバリ島のある地域の観光開発に大変深くコミットされていて、バリ島の地域の伝統芸能を見せて日本から大変な数の観光客を誘致されている。あるいは地元の王様というか、大変小さな地域の王様なそうであるが、そこにまさにあの地域の民家のようなホテルを建てて、そこで通常大都会で経験しないような経験をさせてバリを堪能させるといったようなことをされている方からお話を知事以下お伺いする機会があって、勉強してこいということで行ってまいったものであるから、決して観光旅行に出かけたということではない、さように認識しておる。したがって、勉強してこいと言われる範囲内で私は勉強してきたと、かように思っておるので、公的旅費を使っても何らやましいものではない、かように思っておる。

〇佐藤(正)委員 部長、余りしゃべり過ぎるとかえって大変である。
 21人同行者がいる。今、あなたが説明をしたとおりなら、なぜ部下と2人でバリ島に行かないのか。21人のメンバーのうち何で高塚さんだけ御一緒になったのか。
 それから、一緒に行って、飲み食いは全部割り勘か。ごちそうになったのはないか。これは官官接待どころではない。

〇佐藤商工労働観光部長 先ほど御答弁申したとおり、最初から離団してバリに渡ることは決めておったし、それは団員の皆様方にはお話ししておった。
 それから、経費について、私、実は商政課長から答弁させると申し上げたのは、一切現金をいただいてないくて、バリに係る経費については大橋事務所経由ですべて払い込み済みと。したがって、食事から移動の交通費からすべて日本国で払い込み済みということで、現金の支出、やりとりは一切ない。

〇佐藤(正)委員 私のところに内部告発というか、同行者のある人から文書が来ている。今ここで、決算議会という正式なところで答弁したのだから、あなた、これは間違いがあったらおやめにならなければだめである。大変である、これは。それを覚悟して答弁していただきたい。
 ここにいろいろ書いているが、こういうことを言っている。マニラでは、あすは白バイに金を握らせて一方通行を逆進行してみせる、これはあなたが言ったのである。団長がこう言っている。豪語した。一部の参加者から、こんなことでは大変だから、あしたのバスは乗らないと。結局これは取りやめになった。あるいは、同行した県職員、これはあなたの部下である。一々名刺を取り寄せて、おれは県庁のナンバーツーだと、まるでどこかの大臣気取りだなんて書いてある。中には、この21人の中でひそひそ話で、県の私どもの部長も落ちたものだとささやき合った、こう書いてある。こういう事実があったのか。

〇佐藤商工労働観光部長 細かいことは10日間覚えてないけれども、かつて私、企画調整部にいた当時、青年の船でマニラに3度ばかり行ったことがある。このときに実はしかじかのこういうことがあったということを御紹介した記憶はある。多分それはついた晩に酒食を伴っているときにこういうことがあったという話をしたのだと思うが、白バイ先導で一方通行を逆走したなんていうのは記憶にはない。

〇佐藤(正)委員 今、あなたは、私には絶対やましいところはない、正々堂々たるものだ、こういうことである。バリ島に行った公費についても絶対やましいことはない、こういうことであろうか。それだけお答えいただいて、これは後でまた追及するから、それをお答えいただきたい。

〇佐藤商工労働観光部長 どういう意味がやましいとおっしゃっているのかよくわからないが、いずれ私は命令をいただいた範囲内で、旅費をちょうだいして、その範囲内で支払いして、私のポケットマネーも多分使っていると思うが、それはいかほどかは覚えてないが、いずれ公費以外の金を何らかの形で使ったということは一切ない。

〇渡邊全国菓子博覧会推進室長 菓子博覧会の前売り入場券の販売の状況ということであるけれども、第1期が、9月末でまとめてみたところ10万7、000枚ほどである。有料入場者数を54万人ほどと考えておるので、それに対する達成率は約20%ということになっておる。今後、開催までの期間、あらゆる機会を活用しながら誘客の促進を図るよう頑張ってまいりたいと思っておる。
 それから、準備状況であるけれども、ことしの4月から今お話ししたように前売り入場券の発売を開始して、それから菓子博レディーと一緒に県内、県外にキャラバン活動をさせていただいた。それで菓子博のPRをさせていただいた。それから、5月以降は基本設計をもとに実施設計を作成して、6月になって、いろいろパビリオンがあるが、そういったものについての営業出展の受け付けをした。そして、現在の段階では、出展の方は全部各企業から出そろっておる。それから、11月になって設営展示のための工事を開始しておって、開会直前までそういったパビリオン、その他の装飾関係の工事を完成していきたいと思っている。あと、装飾関係、その他いろいろやっていかなければならないところがあるけれども、これについても大体計画どおり準備が進んでおるところである。

〇本田工業振興課長 企業立地に伴う研究開発工業団地の進捗状況はどうなのかということであるけれども、今般の2月県議会で知事のほうから一関地区に研究開発型工業団地を整備するということはお答えしておる。8年度においては、前後4回にわたって一関市-地元の方と県、それから工業団地開発のノウハウを持っておる県の土地開発公社との協議を行っておる。知事の県議会における答弁等を踏まえて、今年度に入ってかれも前後にわたって7回ほどの協議会を持って、いかに売れる工業団地を整備するかということでいろいろ知恵を出しておる。その結果を踏まえて、近々一関地区研究開発工業団地基本構想検討委員会、これは学識経験者の方々あるいは産業界の代表の方々によってその検討委員会を立ち上げて、これまでの本県にないような研究開発工業団地、全国あるいは国同士の競争にも打ち勝てるような団地として整備する方向でいろいろ知恵を出して検討してまいりたいと考えておる。

〇佐藤(正)委員 菓子博覧会、これは全国的にはどっちかといえば今まで赤字だった。これはイベントだから、特に増田知事が非常に力を入れて何とかこれを盛り上げようということだからぜひ盛り上げてもらいたいが、入場券の売上状況なんかまだ余り伸びていないけれども、ひとつ頑張ってやってもらいたい。
 ただ、聞こえてくるのは、お菓子屋さんと、事務局なのか施行部の方なのか不協和音がある。それはどういうことであるのか知らないけれども、お菓子屋さんだからおいしくまとめていただきたい。
 それから、企業立地については大変御苦労である。ただ、これも5年たっている。最初はここにいる源新元商工労働部長、この人が見にきたのだから。あれから5年である。知事は何と言っているかというと、やっぱり決まったことは早くやれと言っているのである。ところが、さっぱり下の方が動かないんだから何だか、最初の人が余り熱心じゃなかったのかどうかわからないけれども、商工労働観光部長も何だか頑張っているようだから、まさかそれまでにやめるということはないだろうから、ひとつ力を入れてやっていただきたい。

〇村上委員 商工労働観光部長にお伺いするけれども、花巻の工業団地についてお尋ねする。
 きのう企画振興部の審査の際、私は土地開発公社が造成した花巻第一と花巻第二工業団地の分譲状況についておしらせをいただいたが、まだ大分残っている、こういうことであった。企画振興部からは、土地開発公社にも積極的な誘致活動を要請しているという趣旨のお答えもいただいた。事は公社の健全運営にもかかわる問題であるから、第二の岩手開発みたいにならないようにという心配からお伺いするわけであるけれども、企業誘致を担当する商工労働観光部としては、先ほどの佐藤正春委員と別になるけれども、一層の努力をして対応しなければ大変なことになるのではないか、こう思うわけである。御所見はいかがであろうか。

〇本田工業振興課長 花巻の工業団地の分譲の見通しということである。
 きのうの企画振興部の審査の際もあったようであるけれども、花巻第一工業団地は既に完売済みである。その完売を受けて、新たに高度技術を持った企業集積を図るということで、隣地の方に平成8年4月から第2期分としてテクノパークを整備しておる。これはまだ15%の分譲率にとどまっておる。それから、分譲を開始してから大分たつわけであるけれども、花巻第二工業団地、これはまだ54%にとどまっておる。
 私どもも、特に花巻第二工業団地、それからこのテクノパークといったものを、飛行場にも近い、インターにも接しているということで非常に立地条件がいいので、何とか立地を見たいということで、土地開発公社あるいは地元花巻市といろいろな面で連絡をとりながら、連携を図りながら分譲促進に取り組んでおる。特に、ことしの9月に地域活性化促進法に基づいて花巻、北上、水沢、江刺、それから金ヶ崎の4市1町が新たに国の産業支援策を受けることになって、その大きな核となるプロジェクトとして、テクノパークの近くに花巻市の方で設置しておる起業化支援センターがある。これがユニークなプロジェクトとして非常に注目を集めておるので、そういったことをセールスポイントにしながら分譲促進に取り組んでまいりたいと考えておる。
 私どもで行っている企業ネットワーク岩手あるいは花巻市が独自で昨年から企業立地フェアを首都圏で行っておる。それから、花巻市は独自で東京事務所を設けて、専担の職員を2名配置しておる。これらにすべからく県の土地開発公社も連携を図っておるので、なかなか売れないということはあるけれども、企業相手の仕事であるけれども、精いっぱい努めて、何とか分譲促進に取り組んでまいりたいと考えておる。

〇村上委員 いろいろ花巻市と公社、県が一体となって積極的にやっているということで大変ありがたいわけであるが、今、御心配なくと答弁するところだったようで、それでは安心して次に進む。
 二つ目は、県の工業技術センターについてお尋ねする。
 工業技術センターは平成6年4月に開所しているが、その用地の一部が未登記となっており、このことについては、私が平成5年12月の決算特別委員会、平成6年2月の予算特別委員会で指摘しているところである。そのとき、平成5年12月の決算特別委員会では、監査委員が-監査委員にも質問したわけであるから-、事業における用地取得の場合、原則的に予算が計上され、その予算の範囲内において用地交渉の結果、適正な価格でもって売買の契約が成立し、契約に基づいて土地の引き渡しが行われた場合において予算の執行を行うと、こう言っておるわけである。が、しかしということで、必ずしも登記をしなければ予算の執行ができないとは見ておらないと、こう言っておるわけである。私が思うには、そういうおおむねの見解であったが、未登記の土地というのは第三者との対抗上さまざまな問題を生ずるおそれがあるわけである。したがって、原則的には登記終了後代金を支払うべきものであり、未登記の土地はできるだけ速やかに登記すべきものであると監査委員から当時の商工労働部に指摘され、そう指導しておるという答弁をいただいたわけである。
 そこでお伺いするが、私が指摘してから5年経過しておる。工業技術センターの未登記の用地は全体の約8万平方メートルのうち、5、000平方メートルぐらいであるけれども、現在登記になっているのかどうか。もしなっていないとすれば、その解決の見通しはどのようなものかお伺いする。

〇本田工業振興課長 工業技術センターの未登記の土地の問題である。
 ただいま委員から御指摘のあった事実経過、登記等は未登記は速やかにということについてはすべからくそのとおりである。私どもとしても、この問題を放っておくわけではなく精いっぱいいろいろ取り組んでおるわけであるけれども、契約当事者とその他の親族間、いわゆる工業技術センターの土地を持っておった地権者の方々の親族間の財産分割に伴ういろいろな、争いごとと言えばちょっと露骨な言い方になるかと思うけれども、そういったことが尾を引いておって、いまだ最終的な合意が得られず、まだ未登記の状況である。ただ、私ども県としても、この親族間の話し合いが一日でも早く決着を見て県への移転登記が行われるよう、これまでも精いっぱいの説得あるいは理解をいただくように交渉しているわけであるけれども、最近の状況として、幾分かは私ども県の誠意ある対応が理解されつつあるようだというような感触は得ておる。ただ、なかなか長い期間における親族間の財産をめぐる争いということがあるので、その対応にも若干苦慮していることも事実である。ただ、事実である、困っているというだけではなくて、やはり解決しなければならない問題であるので、これも、先ほど来精いっぱいということを言っておるけれども、これも精いっぱい努力して、幾分でも早い時期に決着を見られるよう誠心誠意交渉を続けてまいりたいと考えておる。

〇村上委員 大変難しい問題であって今日まで延び延びになっているようであるが、それでは念のためもう1回お伺いするが、予算の支出命令が出納長によって出ているわけである。金は執行してある。それが親族間というか、何人かの関係者がいると思うが、その個々の関係者にお金が渡っているものなのか。代表だけがそのお金をもらっているのか。領収書というものはどういう関係でもらってそれがなっているのか、その点を確認したいと思う。

〇本田工業振興課長 それぞれ正当な手続を経て登記名義人である契約者の方にそれぞれ土地代金等は支払っておる。

〇村上委員 大変な難しい問題であると思うけれども、崩れないように、ひとつ敏速に解決するように御努力を御要望申し上げて終わる。

〇千葉副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間程度休憩する。
   午後3時   休 憩
   午後3時21分 再 開

〇長谷川委員長 休憩前に引き続き会議を開く。

〇久保田委員 私は、北上川清流化対策について御質問をする。
 このことについては、さきの本会議で田村議員が質問され、部長の答弁があったところである。私も思うのであるが、部長が答弁なさっておるように、国の責任できちんとした対応をすべきだという考え方については、私もそのとおりだと考えるものである。当面の問題として、新中和処理施設であるその周辺での不測の事故等が発生した場合に対しての対応策、今後具体的に対処していかなければならない問題について私はこの際お伺いしたいのであるが、施設はかなりの年数がたっておるわけであり、現状についてきちんと状況を把握したり点検したりしなければならないと思うのであるが、県としてはこれらの現状についてどのように把握されチェックをされておるのか、そのことについてお伺いをしたい次第である。
 特にも、新中和処理施設は、先ほど申し上げたように老朽化しておるわけであるが、これまで事故はなかったのかどうか。万が一、機能停止があった場合、どういう対応をするつもりであろうか。また、発生対策工事はかなり進んでいると思うのであるが、現在の状況とその進捗状況についてお知らせをいただきたいと思う。

〇本田工業振興課長 旧松尾鉱山を原因とする北上川清流化についてのお尋ねであるけれども、基本的な事項についてはただいま委員から御指摘があったとおり、さきの本会議で部長の方から答弁申し上げているとおりである。
 御指摘のあった新中和処理施設あるいは付近の周辺の安全対策はどうなっているのかというお尋ねであるけれども、それぞれ金属鉱業事業団、これは県がやむを得ない措置として、委託を受けて事業主体となって金属鉱業事業団の方に委託しているものであるけれども、それぞれメンテナンスあるいは保守点検等十分行っておるので、差し当たって大きな問題はないと認識しておるところである。
 それから、その他の今のお話のあった発生源対策はどのようになっているかということについても、発生源対策はおかげさまで予算が順調について、おおむね全体事業の97%は工事が既に終了しておる。その効果もあり、中和処理をするいわゆる坑廃水が大体一定量という形で、安定した形で水量の方も保たれておるので、これも発生源対策の工事が功を奏したものだと考えておるところである。いずれ、長い年数がたっているということがあるので、今後とも金属鉱業事業団は当然であるけれども、国の方とも十分な連携を図りながら、そういった万が一の対応がないように、それから万が一の場合ということも想定いたして情報伝達訓練、流域住民等に万が一何かあった場合というようなことも想定しながら、情報伝達訓練などを行う、あるいはマニュアルを作成するといったようなことも進めておるので、そういった意味においての万全は期する覚悟でおる。

〇久保田委員 この対策については、恒久対策を基本的にやっていかなければならない問題であるが、本会議でも議論されておるように、国に対する対応のあり方については特にも強く要望され、しかるべき措置がされるように要望して終わる。

〇伊藤委員 私もこの北上川清流化について、視点を変えてお伺いをしたいと思う。
 10月22日の新聞であるけれども、財政改革で補助削減もというタイトルで、10%削減等があると県の負担がこれから増大をするのではないかと、こういう記事が載っておったが、こういう部分について今どのようにとらえてどのように国に働きかけをしておられるのか、まずお伺いをしたいと思う。

〇佐藤商工労働観光部長 本会議で御答弁申し上げたとおり、通産省の鉱山課長であるが、技術屋さんであるが大変理解が深い方で、とりあえず平成10年度の予算については通産省の予算の枠の中から10%カットはなしということで要求をしたと、かように聞いておる。したがって、あとは必要経費を満額ちょうだいできるように私どもこれから運動いたしたいと、かように思っておる。

〇伊藤委員 これは恒久的、半永久的にやっていかなければならない事業であるわけである。この北上川の清流というのは、言ってみれば人工清流と言ってもいいわけである、年間7億円近いお金をかけているわけであるから。しかし、岩手県の人口142万人という部分は、行く川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらずと。水もそうであるけれども、人もどんどん変わっておるわけである。平成6年は、岩手県内で1万3、583人が生まれて1万1、320人が亡くなっていると。7年は1万3、475人、そして1万2、168人が亡くなっている。このようにどんどん1万二、三千人近い方々がお亡くなりになって新しい命が生まれてきている、どんどん変わっていくわけである。一昨年が清流化になって20周年ということであったから、前にもちょっとお話をしたが、もう20数歳、20代前半の人たちは、かつて中国の揚子江のような、ああいうどす黒い川であったというのを知らない人が多いと思う。であるから、こういう部分はずっと未来永劫続く運動にしていかなければならないので、ぜひビデオ等を制作でもしながら、次なる世代にもこれは申し送っていかなければならないものだと思う。県庁内の二十四、五歳以下の人は恐らく知らないと思う。そういう中で今度は国に陳情するにしても、国もどんどん若返っていくわけで状況を知らないわけであるから、こういう部分を次に送っていく、正しく知らしめると。これは本当に環境対策の最たるお手本になる仕事でもあるわけである。こういう部分をぜひ申し送りをしていくべきだと思うし、同時に、この運動は北上川の流域の人たち、あるいは自然保護団体の方たち、あるいは淡水漁協の人たちとか、そういう人たちを中心にして、県選出の国会議員団あるいは県議会も一丸となった県民運動を展開して、予算満額確保に向けて連動していくべきだと思うが、それについてのお考えを伺う。

〇佐藤商工労働観光部長 大変ありがたい。実は過日、本会議で、田村議員から御質問があったので、若干長かったかと思ったが、実は御理解を賜るという趣旨で、長々と経過を御答弁申し上げたということである。
 それから、ただいまあったビデオをつくったらどうかという御提案であるが、実は古いビデオはよみがえる北上川であったろうか、そういうビデオはある。ただ、委員御提案あったように、もう一度県民運動を起こして、殊にも当時、通産省なり大蔵省が強行に反対した立論の根拠というのは、水俣病その他に波及するということで、大蔵が何としても首を縦に振らなかったということから、現下のような決着方法に落ち着いたと、かように存じておるので、御案内のとおり、水俣病についても一応は決着を見たということが一つと、それから、現在CO2の問題で京都会議があるけれども、環境というのはこれから21世紀に向けての大変大きなキーワードになるだろうと思うので、委員御提案の県民運動を新たに組織して、県議会あるいはオピニオンリーダーの方々、それから一般の県民の方々等々にも御参加いただいて、殊にも最大の流域の享受県であるので、もちろん岩手県も四十四田から南は大変な流域を享受しておるけれども、実は公費の負担について宮城県は全くないというのが実態である。そういうことで、宮城県等々にも強烈に働きかけて、一大県の県民運動を起こしたいと、かように思っておる。

〇谷藤委員 3点についてお伺いをする。
 中小企業の情報支援化対策という分野についてお伺いをいたしたいと思う。
 平成8年度の新規事業、情報化モデル企業育成事業の成果はどうであったかという点、
そしてまた、平成8年度に実施した情報サービス産業振興拠点整備事業というのがあるけれども、これらはインターネットの普及ということ、地場産業の育成とも関連するかもしれないけれども、それらの成果というのはどのようにあったか、この辺についてお聞かせをいただきたいと思う。
 それから、今、非常に中小企業でも世界的なレベルでいろんな情報をとりたいと思っているのもあると思うけれども、それらに対しての現在の中小企業の情報化、そういう実態というのはどう把握されて、また、なかなか中小企業が導入に至る過程でいろいろ問題もあるのかと思ったりもするけれども、その辺の問題点をどうとらえているかお知らせいただきたい。

〇山火経営金融課長 中小企業の新規事業情報化モデル企業育成事業についてであるが、情報化モデル企業育成事業については、岩手県中小企業振興公社の中にある岩手県産業情報センターが実施いたしたものである。情報化による経営革新を行おうとする企業をモデルとして育成支援し、その成果を広く普及することにより、県内中小企業の情報化を促進しようとするものである。平成8年度は電気機械器具製造業など、4社について専門家による情報システムの構築について指導を行うとともに、各社のシステム導入の費用の一部を補助したところである。事業を実施した企業においては、受注システムのオンライン化や社内情報の共有化についてのシステムが構築され、経営の革新に寄与しているところである。
 なお、これらの成果ついては報告書に取りまとめて、情報化に取り組む県内企業及び関係機関に配布して広く周知を図っているところである。
 次に、県内中小企業の情報化の実態であるが、岩手県産業情報センターにおいて隔年でコンピューター利用実態調査を実施しておる。本年5月の調査では、回答のあった企業が532社あったが、このうちコンピューターを導入しておる企業の割合は70.3%であり、平成7年度に実施した調査よりも5.7ポイントばかり増加している状況である。中小企業の場合、情報化と申しても人材面あるいは技術面、資金面で対応が困難な企業が多いので、こういった企業を支援するために岩手県産業情報センターにおいてコンピューター化業務の検討など、システムの導入、活用について診断あるいは指導を実施しているところである。

〇本田工業振興課長 情報サービス産業振興拠点整備事業の成果ということでのお尋ねであったけれども、これは平成8年度モデル事業として情報サービス産業振興拠点整備事業、それからあわせてインターネット整備方策調査ということで進めたものである。新たな地域産業を創出する高度情報化基盤として期待されておるこのインターネットを利用しての環境整備促進、あるいは整備指針の策定調査を行うということで第3セクターである株式会社岩手ソフトウエアセンターに委託して実施いたした。その結果、モデル事業として行ったインターネット利用促進モデル事業においては、商用、いわゆる商い用のインターネットに利用環境を試行的に整備すると。新たな事業展開を計画する場合、県内の企業等がどういう状況にあるのかというようなことをモニター56社を委託して調査した。その成果については、ことしの4月に成果報告会というものを開催し、このインターネットを利用した商用利用技術あるいはモニター6社による具体的な事例発表なども行っておる。創意工夫のインターネット利用型の情報発信、受信を行うことにより、新たなビジネス展開あるいは開拓、あるいは事務の高度化といったものができるのではないかというような有用性というものがある程度実証されたのではないかととらえておる。
 それから、インターネット関連ビジネスの振興方策、それからそういったものに伴う調査事業であるけれども、これは今後の地域産業の活用、これはただ調査するというわけにいかないので、この調査した結果を踏まえて情報の発信から受信への転換、いわゆる出すばかりでなくて受ける方、それからマーケティングへの活用、それから販売経路確立への活用、流通である。それからコストコントロール、非常にコストというものは大事だと思うけれどもこのコストコントロール。それからもう一つは、地域メディア産業とうまく連携をとれないかといったような成果として出てきておるので、これらを踏まえ、さらに中小企業の中小業ビジネスへの支援方策といったものをさらに検討してまいりたいと考えておる。

〇谷藤委員 まずいろいろ頑張っておられるようであるので、今後とも継続して支援体制をつくっていただきたいと思う。
 中小企業と言っても随分差が、企業の力量というのは差があると思うけれども、そこの中でできるだけ多くの企業が取り組めるような、そういう形で御支援をいただければと思う。
 次に、金融機関の救援、支援というか、そういうことに関連するけれども、非常に金融業界も、証券もそうであるけれども大変な時代に入っておるわけである。そこの中で、以前もちょっと問題になったけれども、非常に体力的に弱い信用組合関係であるが、以前は岩手信用組合で大分問題になった時期があったけれども、これ信用組合経営基盤強化資金貸付金という項目があるけれども、例えばこの岩手信用組合に今までどれぐらいの支援をしてきたものか。

〇山火経営金融課長 岩手信用組合については、平成6年11月から県、県内金融機関、それから信用組合の上部機関であるが全信組連、この3社で不良資産償却のための支援を実施しておる。平成6年度については、年度途中からの支援であったので満額ではないが、7年、8年については、計画どおりの支援を実施しているところである。参考までに、単年度の支援額は3社あわせて7、390万円となっておる。

〇谷藤委員 その後は受け皿というのが別なところに移ってやるようになっている。そちらの方にはどういう形で今資金の流れというのはあるのであろうか。

〇山火経営金融課長 本年5月29日の決算の発表に関していろいろ報道されたところであるが、3月31日に不良資産債権の一部を社団法人岩手県信用組合協会に譲渡して、現在は岩手信用組合から支援相当額が社団法人岩手県信用組合協会の方に特別賦課金として支払われることになっておる。それが不良資産償却の原資になる。(谷藤委員「金額は幾ら。」と呼ぶ)
 同額である。

〇谷藤委員 いずれ、いろいろ苦労した経過はあるわけであるが、非常にこういう時代に入ってきて厳しくなっていくのではないか。ここだけではなくて、たくさんまだあるであろうけれども、それらに対してもやはり、国の方でも公費の投入、預金者の保護だとかいろんなものを含めて議論されているわけであるけれども、その辺の県費を入れていくという、県の場合限度がどうしたって体力的にもあるいは財政的なものもあるし、そこの中のある一定限度を設けていかないと、どんどん引きずられていってしまっても、県の方の動きがとれなくなってしまっても大変であるし、その辺の、県の方が指導監督というのであろうか、機関委任事務という形で任されているという立場であるから、その辺を慎重に、きっちり経営内容を見きわめながら、指導すべきは指導していく、そういう形できっちり取り組んでいかないと、何か、なあなあでいってしまうのではないかと心配しているわけである。今後どのように、その辺の体制をつくりながら……。

〇佐藤商工労働観光部長 お尋ねの岩手信用組合であるが、当時の商工労働部として大変な決断をして支援に踏み切ったと、かように思っておる。これ、もしという仮定つきであるが、例の大和銀行を初めとする中央大手の金融不安がなかりせば、例えば情報開示の問題とかということがなくて、平成16年までに順調に立ち上がったと、かように認識いたしておる。ところが、ただいま申し上げたとおり、大和銀行を初めとする種々の金融不安から、繰り上げて情報開示なりあるいは不良資産等々については護送船団方式、いわゆる護送船団方式をやめてすべて明らかにするといったような大蔵省の方針転換を受けて大変厳しい局面に至ったと、かように認識いたしておる。私どもとしては、気仙地域において今後の県勢の発展を考えてみた場合、あの地域に金融機関が果たしてなくていいのかといったような議論の結果として県が支援に踏み出したということである。しかし、委員御心配のように、どろ沼に引き込まれて貴重な県費を投入することのないように、大蔵省の支援指導を受けながら、なお厳重な指導に努めたいと、かように思っておる。

〇谷藤委員 そういうことで、慎重に経営状況も見ながら対応していただきたい。ある意味では、大蔵の方で切り捨てが間近だというので県の方で引き受けたような形もないわけでもないという状況であるので、その辺のことを踏まえながらきちんと対応していただきたいと思う。
 次に、駅の西口のマリオスに整備をするという予定になっておるいわてブランドプラザ、これはマリオス自体は11月25日オープンしたけれども、これは来春に設置するという方向で進んでいるようである。あの辺の状況を見ると、マリオスは立派にできたけれども、まだ周りの環境は大分、駐車場にして使えるところはたくさんあっていいけれども、非常にそこにお客さんというか、引っ張っていくときの導線がちょっと弱い状況である。その辺のことも含めて、どうPRして、そこにあるのだということを知らせるには相当の努力が今後必要かと思っている。そういうことで、県産会社とかいろんなところと一緒に取り組んでいくと思うけれども、これは責任を持って決断した事業でもあるので、その辺の考え方、それをまずお聞かせいただきたい。

〇山口岩手ブランド推進室長 委員御指摘のとおり、マリオスは11月25日にできたわけであるが、うちの方のいわてブランドプラザについては来年の4月に開業する予定になっておる。面積は838平米ということになっておるが、先ほど委員御指摘のとおり、開業時には、今、人であると自由通路ということで盛岡駅の中から、構内から行く1本である。それから、車についてはJRの旧物資部のところから、信号から入っていく道路、それから南の方からは盛南大橋を経由して来る、これも暫定であるけれども、2車線であろうかできておる。あるいは46号から入る場合は、太田橋のところから入ってくるという三つの線がある。こういう状況であるので、これを生かしながらマリオスとともに旅行業者等とタイアップしてやっていかなければならないと思っておるが、施設としても例えばフェザンとかその周辺にも同じような施設があるので、それと差別化しなければいけないということで、例えばそういうものではなくて、ネーチャードームと言って岩手の自然とか歴史とか、そういうものをパノラマ風に見れるような施設とか差別化するようなものを少し考えておる。
 それからあと、来場動機を喚起させるという意味から、展示の仕方とか、これもずっと黙って展示するだけではなくて、もう少し四季折々に変えるとか、そういう工夫をするとか、あるいはイベントをやるコーナーも設けて、そこでいろいろとやって人を呼ぼうと考えておる。
 それから、市民ホールとかマリオスの方にいらっしゃる方々、この方々にPRするということはもちろん必要であるし、あとは盛岡駅から導線に誘導看板というかサインというか、これについても検討したいと考えておる。やはり一番は歩いていく方が多いと思うので、そこの導線をそういうサインでと考えておる。
 あと、旅行業者とかとタイアップして修学旅行とか、そういう方々がいらしていただくような形のものをやりたいと思っておる。
 それから、あとは簡単なことであるけも、PRということで新聞とかそういうものを使って何度も何度もPRしたいと思っておるし、それからあとは今インターネット、こういうものに載せてPRしていきたいと考えておる。

〇谷藤委員 ぜひ、今の時点では非常にまだ不便なところだと、将来的にはすばらしいところになるかもしれないけれども、今の時点では出発時点はちょっと難しい状況もあるので、ぜひその辺考えてもらいたい。
 それから、商品構成といおうか、私は願わくはやっぱり、県内くまなく地域おこしということでいろんなものを開発されている。ところが、日が当たる商品と日が当たらない商品さまざまあるけれども、その辺をうまく吸い上げながら、県内各地で努力されている方々のものをうまく掘り起こしていただきたい、それを日の当たる場所に出していただくように御要望を申し上げて終わる。

〇藤原(良)委員 ただいまの谷藤委員の岩手信用組合についていろいろと応援をする演説をしていただいてまことに、本店がある大船渡出身の県議会議員としてちょっと確認をさせていただきたいと思うので、関連として発言をさせていただきたいと存ずる。
 まず、山火経営金融課長、組合員数は何人であろうか。

〇山火経営金融課長 およそ7、000名と聞いておる。

〇藤原(良)委員 この岩手信用組合は大船渡市を本店として、2市1町で経営をされておる金融機関である。7、000人の組合員を抱えているという極めて珍しい地域密着型の、7、000人も加盟している組合員で成り立っている金融機関である。そういう金融機関はない。そしてまた、そういう密着型の金融機関というものは、7、000人も加盟している金融機関というのは、いろんな意味での地域との密着度が非常に高いということをまず認識をしなければならないということは一つある。そしてこの岩手信用組合だけでなくて、今金融機関のことについては谷藤委員のお話しのとおり、ビックバンを目前にして大変厳しい状況下にある。
 私、地元に住んでおりかいま見ておると、この岩手信用組合の役割というのは大きな事業所は余り関係ない。おじいちゃん、おばあちゃんで商店を経営しているとか、弱小のところが極めてこの岩手信用組合とのつながり、これの活用の仕方、連携の仕方が非常に密着度合が高い。私は、県民の税金を活用するということは極めてこの判断、どういうところに使うかというのは重要なことであり、その選択については執行部と議会が責任を持って決めていかなければならないことだと思う。この岩手信用組合の厳しい経営状況のときに、岩手県が率先をして、そして地域の経済的な安定のために立ち上がった応援の仕方というのは、私は敬意を表したいと思う。ただいま申し上げた7、000人も組合員を持っているという金融機関はほとんどない。そういうような地域密着型というのは、改めて認識をしていただきたいと思う。
 それから、谷藤委員が先ほど部長の方に最後に要望で申し上げておったけれども、岩手信用組合、大蔵省が切り捨てて岩手県が引き受けたようなお話をされたときに、部長、うなずいておったけれども、そういうことはあるであろうか。

〇佐藤商工労働観光部長 切り捨てについてうなずいたのではなくて、過重な負担をされたときに、ないようにということでそのとおりであるという意味でうなずいたのであり、特に意図的にうなずいたわけではない。

〇藤原(良)委員 なかなか言い方もある。
 もともと、信用金庫以上は監督官庁は大蔵省である。信用組合は委託委任で都道府県が持つということになっているわけである。ただ、岩手信用組合にちょっと申し上げさせていただくけれども、地元として経済界総挙げて、岩手信用組合だけではない、大船渡商工会議所を中心にして岩手県に対する要望をしてまいった。ただ、要望するだけではなくて、自助努力をしなければならない。相当リストラをされておる。七十数名おったのが今50名を切っており、ほかの職場に職員が変わっておったりされておるし、1人当たりの稼ぎ高も高くなってきておる。そういうような状況を総合的に判断をして、私は岩手県の貴重な税金というものの活用の仕方を総合的に判断していただきたいと思う。
 どうぞ、今後とも前向きに対応していただくことを強く御要望申し上げて終わる。

〇佐々木(一)委員 大きく2点にわたって質問をさせていただく。
 まず1点、観光客誘致拡大に関して、昨年度宮沢賢治、石川啄木生誕記念事業や地域伝統芸能全国フェスティバルのイベントを初め施策が展開されたわけであるが、平成8年度の観光客誘致策を県としてどう評価され、これは一時的ではなく継続的に進めていくのにどういうお考えかお伺いする。
 それから、通告しておった菓子博はさっき出たので割愛する。
 それから、県では、今、県内を四つの王国ということで分けPRしているわけであるが、現在の県としてのそれぞれの、湯雪王国がきょうからスタートしたようであるけれども、魚彩王国、施策展開を現在どう評価され、それぞれの王国の現状と将来にわたっての見通しをまずお伺いしたいと思う。

〇佐藤商工労働観光部長 昨年度宮沢賢治、石川啄木生誕100年、110年、あるいは地域伝統芸能フェスティバル等々イベントがあり、所管した当時の商工労働部としてはそれなりの評価はいたしておる。ただ、申し上げたいのは、県が積極的に一つのイベントに、県主導でイベントに取り組むという形がいいのか、あるいは市町村あるいは地域の方々が継続してイベントを取り組んでこれによって誘客するのがいいのか、実は私どももそれはどちらがいいのか正直言って、現段階ではまだ評価いたしておらない。ただ、現下の経済情勢等々を考えると、これから大きなイベントを県主導でやるというのはなかなか難しい時代が来るのではないかと、かように思っておる。先ほど佐藤正春委員から菓子博のことについてお話があったので、私の方からお願いであるが、前売り券の売り上げが大変低調であり、本日御出席の委員の皆様方、率先してひとつお買い求めいただければと。三陸博を主催した当時は、右肩上がりの経済情勢ということでこれほど苦労はされなかったようである。協賛県の集まり等々を考え合わせてみても、今後、県主導型の大規模なイベントというのはいかがなものかという気がする。
 それから二つ目の四つの王国であるが、これ実は結果として四つの王国という形にしたのであるが、これはもともとは広い県土を一つのコンセンサスで1年間通して観光客を呼ぶというのは非常に難しいのではないかと。一番感じていたのは、海岸は夏、内陸は紅葉シーズンとスキーシーズンということで、必ずあくのが春先の緑豊かな時期がどうしても全県的にあく。そういったようなことで、緑の時期に何とか観光客に本県においでいただけないかといったようなことから、一つのコンセンサスで、全県ひとくくりで観光客をキャッチフレーズで呼ぶのはやめようじゃないかという窮余の策として考え出したのが、結果として四つになった。
 それから、もう一つの四つの王国で特筆すべきは、これは確かに県商工労働観光部から提案したものであるが、県はあくまでも提案あるいはアイデアを出していくということで、あとは地元市町村、振興局、観光協会あるいはホテル業界等々、観光に携わる方々の熱意とアイデアと汗をかいていただくということで始めたまさに手づくりの観光企画商品と認識いたしておる。昨年は、宮古を中心とした魚彩王国で大変御好評であった。それから春先大変準備が短かったものであるから、内陸、県北を地域とする穀彩王国については、後ほど細かい数字については観光課長にお答えさせるけれども、なかなか思ったような数にはならなかった。ただ、去年、ことしと始めただけであり、JR東日本も本気でこれに取り組んでくれるということもあり、今後ともただいま申し上げたとおり、アイデアとそれから熱意と皆さんのやる気と、この三つで何とか伸ばしていきたいと、かように思っておる。

〇保坂観光課長 四つの王国の現状の数字であるけれども、地域提案型旅行商品についていろいろと地元の方で検討いたして生み出しておる。きょうから湯雪王国がスタートしたが、昨年の12月からことしの3月まで、最初のスタートであった魚彩王国、これについては4カ月の期間で目標の3、000人を上回る4、500人の方々が、首都圏を中心であるけれどもお見えになった。
 それから、先ほど部長からも御答弁申し上げたけれども、県北の穀彩王国、それから県南に黄金王国、これはことしの6月と7月、2カ月だけであった。しかも週末だけの実施であり、大体500人から1、000人ぐらい、JRを中心に入ったと把握をしておる。
 それから、先ほど申し上げた冬のシーズンの湯雪王国についてはことしの12月から来年の3月までであり、一応目標を3、000人と、そう置いておる。私どもとしては、四つの王国の事業展開に際して今後ともできるだけの支援をしてまいりたいと、そう考えておる。

〇佐々木(一)委員 次に、中小企業振興と景況判断についてお伺いする。
 平成8年度の企業倒産状況を業種別にお伺いしたいと思う。
 ことしも4月以降、倒産、負債総額とも増加しておるが、現状はいかがになっておるであろうか。
県で独自に景気浮揚策として中小企業経営安定資金の融資枠を20億円増額し170億円としたようであるが、平成8年の実績と平成9年度の見込みはどうなるであろうか。先ほど来金融のお話が出ておるが、ビックバンを控えて市場の金融機関の融資抑制が考えられる。その中で、県が今後どう対応されていくのかお伺いしたいと思う。
 それから、先ほど吉田洋治委員から景況問題が出たわけであるが、政府は景気は足踏み状態と、佐藤商工労働観光部長よりは悪化しているというお話があったと認識いたしたが、県として、ほかの県ではゼロ県債であるとかあと景気浮揚策も東北各県独自に出しておるようであるが、岩手県としての独自の景気浮揚策等をお考えであれば、これについてお伺いしたいと思う。

〇佐藤商工労働観光部長 景気浮揚対策については私の方から、その他の中小企業の経営安定資金等々については経営金融課長から答弁させる。
 私どもの所管内容から申すと、ただいまの佐々木委員御指摘のゼロ県債とかいうことについてコメントする立場にないものであるから、これは御勘弁いただきたいのであるが、私どもできる範囲内として、先ほど委員から御指摘あった20億円の額を積み増しするとか、できる限りのことはやらせていただきたい、かように思っておる。

〇山火経営金融課長 平成8年度の県内の倒産状況であるが、1月から12月までの暦年であり、平成8年度1年間の倒産件数は84件、負債総額は127億4、300万円であった。業種別に見ると、件数では小売業が32件と最も多く、次いで建設業の19件、製造業の14件と続いておる。一方、負債額で見ると、建設業が36億9、700万円と最も多くなっておる。次いで製造業が36億2、500万円、小売業が28億8、000万円となっておる。平成9年度については大型倒産が発生して、11月前年同期と比較して約2倍の負債総額となっているところである。
県としては、ただいま部長がお答えいたしたように、中小企業経営安定資金の融資枠の増加を図ったところであるが、この経営安定資金について8年度の融資実績であるが、258億円となっておる。今年度、10月以前であるが、約156億円ということで、景気の減速傾向からこういった後ろ向き資金の需要が多くなるものと考えておる。県としては、例年よりも年末金融110番の実施時期を早めることといたしたし、若干さかのぼるが、10月13日から県単融資制度の金利について0.2%引き下げ措置を実施したところである。
 今後とも、経営安定資金については、実績を見ながら必要な措置を講じていきたいと考えておるところである。

〇佐々木(一)委員 いずれ、非常に厳しい経済環境下であるので、苦心の施策はともかく、県としての岩手県に合った単独の浮揚策についても御検討をお願いしたいと思う。
 それから最後に、中小小売店の関係について御質問をする。
 平成8年度における中小小売店と大型店の売上高比率はどのようになっているであろうか。
特にも、今後展開しておる大型店の立地を見、県内でその比率が大きく変わるだろうと予測される時期についてお伺いする。
また、小売店の店舗数、売り上げ、これは前年比どのような状況下にあるであろうか。
 それから、昨年も質問したのであるけれども、ことしも非常に元旦営業の自粛の陳情等が各団体から出されているようであるが、県内の元旦営業をする大型店の状況と、もし県内の商店街でこれに足並みをそろえて元旦より御商売を始められるというようなことがあればお教えいただきたいと思う。
 それから、けさほども報道されたようであるけれども、大店法の規制緩和、これが審議をされておるようであるけれども、これらが県の商業政策にどういう影響をもたらせるか、方向転換を強いられるのか、この辺の影響について最後にお伺いしたいと思う。

〇菊池商政課長 8年度の中小商店と大型店の売り上げ状況はどうであるかということであるけれども、いわゆる小売業の全体に係る売上高の統計資料、これについては商業統計調査でもって把握しているわけであるが、これが3年ごとに実施されており、直近では平成6年度の結果が出ておるということで、御質問は8年度ということであったが、6年度でとらえたところ、これを前回の平成3年と比較すると、いわゆる大型店の売り上げは15.9%増加しているところである。そして、小売業全体に占めるその割合は6年度で23%、平成3年度に比べて2.0ポイントの増加という状況になっておる。また、小売業のうちの中小小売店の売り上げであるが、平成6年は1兆1、229億円ということで、平成3年度に比べて3.6%という増加の状況になっておる。
 また、県内でその大型店の比率が大きく変わると予想されるような地域はどうだろうかという御質問であるけれども、これについては大型店の出店ということ、あるいはその売り場面積の規模などによって比率がどう変わってくるかというのは大変予測が困難であるけれども、現時点で大型店の届け出があって、今後、開店が見込まれる地域というのが一関市とかあるいは北上市、水沢市で見込まれるので、こういった地域において今後大型店の売り上げの比率が変化するであろうと考えているところである。
 なお、中小小売店の店舗数について、平成6年度であるけれども1万8、565店あり、平成3年に比べれば6.7%減少しているところである。
 次に、元旦営業の状況であるけれども、県内の大型店で、おととしの元旦に営業した店舗は10店舗あった。来年は3店舗増加して、13店舗で元旦営業を予定していると聞いておる。これらに対応して、県内商店街の足並みをそろえた休みにするのはどうだろうかということであるけれども、私ども現在把握している範囲においては、元旦休業する地域はなくということで、例年どおり2日に共同の初売りを行う商店街がほとんどと、そのように伺っておる。

〇長谷川委員長 結構である。

〇佐藤商工労働観光部長 大店法の廃止問題であるが、私ども通産省の構造改革審議会それから中小小売審議会が合同で審議しているということは伺っておる。私ども正直申し上げて、きのう、きょう、新聞その他で報道されている以外の内容については承知いたしておらない。
 それから新聞報道等によると、廃止しっ放しなのか廃止した後はどういう措置をとるのかといったことがよくわからないので、若干コメントのしようがないのであるが、ただ、いずれにしろ大店舗法の廃止後、どういうまちづくりをするのかというのはまさにすべて各自治体の識見にかかってくるものではないかと、かように思っておる。

〇伊沢委員 2点についてお伺いをしたいと思う。
 商工費の7款なわけであるが、第1項の商工業費、その中の2目の中小企業振興費と7目の工業技術センター費にかかわっているが、産学官の共同研究推進事業、これについてお伺いをしたいと思う。
 先ほど来、県内の中小企業を含めて大変厳しい状況下の中で、誘致企業も含めてなかなか配置がされないこと、さらには経営をやっている皆さんもなかなか基本的に商品も含めて生み出す努力をされているわけである。この間、岩手県においては産学官共同研究ということで、官の部分である県も一緒になっていろんな研究開発に向けてやってきたわけである。8年度決算の中にも、今申し上げた2目と7目にこの産学官にかかわる支出があるけれども、これまでこの産学官共同研究の中で行ってきている事業内容、ずっとやってきていると思うが、その内容とこれまでの成果についてまずお伺いをしたいと思っておる。
 また、あわせて私が今申し上げたように、企業というのは工業技術とか科学技術だけが中小企業ではないわけであるけれども、そういう分野に向かって一つの企業が自分で研究開発をするとなかなか難しい面がある。たまたま岩手大学を含めて県内に多くの大学があると。来年には県立大学もできてくるわけであるけれども、ますますいろんな大学との、大学に限らず高校でもいいと思う、いろんな学の部分の粋を集めたそういう研究が必要になってくると思うわけである。ついては、県が多くかかわってイニシアチブをとりながら進めていくという方法があると思うわけであるけれども、これについてのお考えをお伺いしたいと思う。まず1点目お願いする。

〇本田工業振興課長 いわゆる産学官の共同研究の推進の状況についていかがかと、これまでの成果はどうかということでのお尋ねであるけれども、ただいま伊沢委員から御指摘があったとおり、本県では従前から岩手大学の工学部を中心とした研究者の方々とのいわゆる産学官共同促進事業というものを行っておるわけである。ただいま御指摘のあった事業は、これは昭和62年度から県単事業として実施しておるわけであるけれども、これまで57件の共同研究が行われておる。補助金の総額で言うと6、200万円ほど支援を行って事業を行っておる。
 その中身であるけれども、これは57件であるからこれを一つ一つ申し上げると大変になるので、8年度の主なものを挙げると、8年度は全部で10テーマあった。その中でちょっとユニークだというか今後いろいろ考えてもよさそうだという一つのプロジェクトとしては、地熱熱水を用いた化学処理木材の開発といったものが岩手大学の工学部の先生と行われておる。これは加工が容易で強度のある、いわゆる強い機能性のある材料の開発を行うというテーマである。それからもう一つは、金型磨き加工装置の開発ということで、これは従来手作業で行っておった金型の研磨作業を自動化するというテーマである。こういったようなことで、県内の中小企業の方々が持っている技術といったものをより確かなものにし、新たな事業展開につなげるためにこういった大学の研究者の方々との共同研究を行っており、それなりの成果を得ておるので、今後ともこれについては積極的に対応して、こういった技術開発力といったものを支援してまいりたいと考えておる。
 それからもう1点の産学官の取り組みについていかにお考えかということであるけれども、いずれ本県の産学官の取り組みというのはINS──岩手ネットワークシステムということで、岩手大学の研究者を中心にした産学官の共同推進組織がある。これには岩手大学の工学部の先生方を中心に、約15の研究会が設けられてそれぞれの先生方を中心にかなりの企業の方が参画して、いろいろテーマを設けて非常に熱心に研究、討議をしておる。したがって、こういったものを県も全面的に支援しながら、いわゆる産学官の中で新たな共同というか新たな事業開発あるいは商品開発といったものをいろいろ支援してまいりたいと考えておるところである。文部省あるいは通産省あるいは科学技術庁等も、産学官については非常にこれからも力を入れて取り組んでいくというような情報もあるので、そういった情報もうまく入手しながら、県としての体制をつくっていきたいと考えておる。

〇伊沢委員 そういう形で、今、芽が出なくても何年か後にということも含めて投資をするというのも大事だと、こう思うのでお願いをしたいと思う。
 関連をするが、この事業が言ってみればスタートしてずっと続いていくと。先ほど7目の工業技術センター費のところにも、この地域産学官の共同研究費があると私言ったが、特許権という問題で次にお伺いをしたいと思うわけである。
 前にも一般質問等を含めて特許権のあり方、県ももうちょっといろんな意味で職員の研究開発に積極的にかかわる、そしてどんどんとれという奨励もしたらどうかということで私お話をした経緯があったが、8年度の決算で、諸収入の中に特許権実施料ということで82万6、481円という収入があったわけである。多分、これは前に私が聞いたときに、農産物の加工にかかわる特許が持たれていて、その部分の使用料が上がったのではないかなと、こう勝手に解釈しているわけであるが、違っていればお知らせをいただきたいと思う。
 そこで、財産に関する調書の中には、平成8年度に本県所有の特許権が6件増加をしたと記載がある。その前までは累計で3件しかなかったものが6件ふえてトータル9件になったということがあるわけである。研究機関等における研究の成果も大きな原因ではないかと。産学官で研究していくと、これは県だけの所有ではなくて、企業との分配も含めて出てくると思うが、いずれこの8年度の特許権の6件の中に、もし商工労働観光部にかかわるものがあるとすれば、それをお示しをいただきたいということで今取り上げたところである。
 また、関連をするが、3月の予算委員会の中で部長と若干やりとりをした経過がある知的所有権センターというのがあるわけである。予算書の中に、決算書の中にも480万円ほど設置に向けた予算執行をしているわけであるが、9年度に入って大変な努力をして本県に誘致をしてきたという部分があるわけであるが、その御苦労も含めてお伺いをしたいわけであるし、また、スタートして間もないと思うが、現在までどのような業務内容を実際つくってやっていらっしゃるのか、また、いろんな意味で全世界の特許を含めて網羅をしながら本県の企業への反映をさせる、こういう目的があったようにお伺いをしているわけであるけれども、どのような効果が今後期待をされるのか、その辺についてあわせてお伺いをしたいと思う。

〇佐藤商工労働観光部長 特許権の件数だとか金額等については担当課長から答弁いたさせるが、御案内のとおり、国会で議員立法でできた例の法律によって国も方針変換を図りつつあるということで、これは私ども直接的な所管ではないが、いずれ私どもも、例えばフルタイムで県の工業技術センターで働きながら特許を取るケースあるいはアフターファイブで別のところに行って勉強して取るケースとが、あるいは休職、休暇等々でやるケースとかいろいろ考えられるが、いずれ今までのような形ではなかな職員の勤労意欲を喚起することは難しいだろうという考えを持っておる。したがって、一定のロイヤリティーを払うとかといったような形でなければ多分うまくいかないのではないかと、かように思っておる。多分そういう方向に進むのではないかと私自身も期待しておる。
 それから、知的所有権センターであるが、細かいことについては工業振興課長から答弁させるが、通産省の大変な支援をいただいて秋から本番に結びつけて、新日鉄におられた方で岩手県御出身の方においでいただいて、特にも私どもの期待しているのは、新たな特許もさることながら、全世界、国内も含めてであるが、休暇特許の情報が県内の企業に回って、これをもってビジネスチャンスに結びつけられれば大変ベストだなと、かように思っておる。

〇本田工業振興課長 工業技術センターの特許あるいは知的所有権センターの大枠についてはただいま部長から申し上げたとおりであるけれども、工業技術センターの特許取得状況についてちょっと数字を申し上げたいと思う。平成8年度財産に関する調書というもので把握している数字であるけれども、特許権は6件、すべてこれは工業技術センターの研究員が得たものである。
 その主なものとしては、漆精製の自動化を可能にした漆の精製装置、それから、お土産用冷麺、これの大量生産を可能にした冷麺の製造方法といったようなものが、我が県、非常にこういった地域性を生かしたものとして特許を得ておる。それから、生の青果物の硬度や風味を損なわずに長期保存を可能にした鮮度保持切断青果物の製造方法、これはいわゆるカットリンゴである。リンゴを切っても赤くならない、いつまでも新鮮な状態でいるというような技術も我が工業技術センターの研究員が開発しておる。そういったようなもので、現在までに平成6年度に1件、本年度には1件の特許権を得ておって、これを加えると現在まで8件の特許権を有している。それから、現在出願中のものは13件である。そのような状態で、いろいろ工業技術センターも頑張っておるところである。
 それから、知的所有権センターであるけれども、これはただいま部長から申し上げたとおりで、全国14ヵ所の中に本県も採択されて、ことしの10月から技術アドバイザーが着任しておる。その技術移転の専門家であると。守秘義務もあり、そういったいろいろな特許の技術移転のノウハウを持っている方が特許流通アドバイザーという形で着任しておる。特に東北では我が工業技術センター1ヵ所だけである。したがって、東北6県全部カバーするというのは大変な労力であるので、とりあえずは北東北3県の特許取引の経験の少ない中小企業に対して、特許の円滑な導入等の支援をこのアドバイザーを中心に行ってまいりたいと考えておるところである。
 それから、最初に質問があった82万円ほどの収入の件であるけれども、これはほとんど大半が農政部関係の特許権等実施料の82万6、491円であるけれども、これは、御指摘のとおり農政部関係のものである。

〇伊沢委員 この間、いろいろな意味で県職員のいろいろなことが言われて、元気が出ないのではないかと私は心配していた部分があるが、頑張っているところは頑張っているということで、そういった意味も含めてぜひ宣伝をしていただきたい。さらには、今、佐藤正春委員からも、研究にかかわるような工業団地をつくったけれどもなかなか張りつきがないという部分があるが、こういう知的所有権センター等も含めて、あるのだと。こういうことをぜひ、せっかく取って頑張ってやっているわけであるから、大いにアピールをしながら頑張っていただきたいと御要望申し上げて終わる。

〇斉藤委員 思い切って絞ってお聞きする。丸伊関連の不況対策についてのみに絞ってお聞きする。
 丸伊工業の事実上の倒産から3ヵ月が経過した。昨日の新聞報道によると、盛岡地裁は、検査役を選任して来年1月12日までに詳しい調査結果を求めるとしている。県は、丸伊工業対策協議会を設置して対応してきたが、現状とこの間の取り組み状況について示していただきたい。負債総額、関連企業への波及、融資状況や経営相談の状況、労務債権の確保状況、離職者、特に主な市町村を含めて再就職状況も含めて示していただきたい。また、関係市町村が独自の対応をしている生活資金などもあれば紹介をしていただきたい。
 当面、切実な問題は、関連労働者の、とりわけ、高齢者の再就職問題である。丸伊工業関連の下請、孫請企業の仕事の確保と融資対策、これもまた重要である。私は年末から年度末にかけて特別の具体的対策が必要だと考えるが、いかがであろうか。
 国民総生産が1974年以来23年ぶりに低下するという深刻な不況の状況となっている。原因は、消費税の増税、医療費の値上げなど、戦後最大最悪の9兆円負担増にあることは明らかである。重要なことは、金融機関の貸し渋りが顕著になっていることである。金融機関は超低金利のもとで史上空前の業務純益を上げている。岩手県の場合でも、9月中間決算を見ると、岩手銀行92億円、北日本銀行45億円、東北銀行19億円、史上最高の業務純益である。私は、こういう空前の利益を上げている金融機関が貸し渋るということはあってはならないことだとおもう。こういう点で、11月19日に中小企業金融懇談会の中でも議論があったようであるけれども、県として、こういうことがないよう、厳しい状況のもとで県単融資制度が活発に活用されるように強く指導すべきだと思うが、いかがであろうか。

〇佐藤商工観光労働部長 私から丸伊工業の現状と、いわゆる貸し渋りの問題についてお答え申し上げる。その他については課長から答えさせる。
 丸伊工業の現状であるが、2度対策協議会を開いたのであるが、正直のところ、司法当局あるいは訴訟になっていること、あるいは関係者がなかなか情報をくれないということで、実は第1回目の情報交換をして以来、それ以上進展はない。いろいろなルートで担当課長が電話するとか、あるいはファクスを流すとか、いろいろな接触の仕方は試みておるが、いずれ正確な情報をいただけないということで、負債総額、その他についても把握し切れないというところが現状である。
 それから、2点目のいわゆる貸し渋りの問題であるが、過日、私が主唱して年末を控えての中小企業の金融対策協議会をしたが、それぞれ県内の金融機関に御出席いただいておったが、どの金融機関からも、私どもは貸し渋りというのは聞いたことがないという御答弁であった。それから、つい二、三日前だったか、通産省環境立地局長の並木さん、それから商務流通審議官記者会見等々出ておったけれども、通産サイドでは貸し渋りが見られるという認識のようであるけれども、残念ながら私どもの力不足であろうか、私どものところに具体の貸し渋りというのはまだはっきりした形では出てきておらない。

〇山火経営金融課長 丸伊工業に関連する企業の倒産状況であるが、いわゆるグループ企業、オール商事、その他であるが、これらが丸伊重機も含めて2回目の不渡りを出して倒産したということは把握しておるが、それ以外に丸伊工業と取引のあったところが倒産したという情報はまだ得てない。
 それから、負債総額については、民間の調査機関の情報以外入手してない。既に報道されておるとおり、丸伊工業110億円、オール商事16億円といったところである。
 関連する企業への融資あるいは相談状況であるが、11月末現在で信用保証協会が承諾した実績であるが、18件2億2、600万円となっておる。このうち、骨材販売業者にかかわるものは9件の2、300万円となっているところである。また、県が特別に設置した特別経営相談所への相談状況については14件で、そのうち金融相談が12件、法律相談が2件ということである。
 年末にかけての対応であるが、先ほど佐々木委員の御質問にお答えしたように、20億円経営安定資金について増額を図ったところであるが、今後も融資がふえる状況かと思う。可能な限り額の確保に努力してまいりたいと思うし、また、年末金融110番等の相談機能を生かしながら、経営の相談あるいは融資の相談に応じてまいりたいと考えておる。
 なお、関連企業への工事の発注状況については私どもの方では把握しておらないので、御了承いただきたいと思う。

〇武田労政能力開発課長 労務債権の確保状況ということであるが、丸伊工業元従業員の労務債権については、8月までの給料、それから解雇手当、旅行積立金、これらについては10月22日に全部支払われておる。9月分の給料、退職金については未払いであるということであるが、額については承知しておらない。これも聞いたものである。
 それから、関連会社のうち、丸伊重機については9月分の給料が2、000万円弱あるということであるが、それの7割程度と、それから退職金の1億5、000万円が未払いであると聞いておる。
 これらの労務債権の確保であるが、賃金の支払いの確保等に関する法律に基づく未払賃金の立替払制度を活用するという方途がある。現在、盛岡地方裁判所において商法上の会社の整理の手続中である。この決定がでればこれらの請求手続ができるであろうということである。そういった手続が速やかになされるように、賃金に関する監督機関である労働基準監督署と連携をとりながら、制度、それから手続方法等の説明会などを開いて対応してまいりたいと考えておる。
 それから、市町村における生活賃金のことであるけれども、水沢市が債務保証しておる生活資金がある。これは融資枠が5、000万円で、1人50万円という限度である。これについて、申し込みが9月22日からあった33名、1、450万円、そのうち貸し付け実行なされているのは27人に対する1、180万円と聞いておる。これも取扱金融機関である岩手労働金庫から聴取したものである。

〇小林職業安定課長 丸伊工業関連の離職者の状況である。11月末現在で把握している数字で申し上げると、丸伊工業及び関連4社合計で419名の方が離職されている。このうち再就職をなさりたいと申し出のあったのが93%に当たる391名である。その391名のうち、圧倒的にやはり胆江地区、水沢市を中心とする地域の方が多くて322名、全体の77%に当たる。そのほかの方は大体県下一円、1名、2名という形で各市町村に散らばっている形になっておる。こうした方々を対象として2回ほど集団面接会を開催した。その結果、全体の7割近くに当たる269名の方が現在再就職されていらっしゃる。さらに、まだ3割方、122名の方が残っておるわけであるが、委員御指摘のとおり、残っていらっしゃる方は比較的高齢の方、それから免許等を余りお持ちでない方、こういった方々が残っておるようである。これらに対して、行政としては、御自身への御指導と、それから、求人開拓を通じて強力に再就職を図ってまいりたいと考えておる。

〇長谷川委員長 ほかに質疑はないか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇長谷川委員長 質疑がないようなので、商工労働観光部関係の質疑をこれで終わる。
 次に、藤田地方労働委員会事務局長から地方労働委員会関係の説明を求める。

〇藤田地方労働委員会事務局長 地方労働委員会関係の決算について御説明申し上げる。
 便宜お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明を申し上げるので、176ページをお開き願う。
 第5款労働費のうち、3項労働委員会費が当委員会が所管するものである。予算総額1億5、822万1、000円に対して支出済額は1億5、770万48円となっておる。
 支出の内訳としては、1目委員会費3、289万円余は、委員14名に対する報酬及び委員会運営に要した経費である。2目の事務局費1億2、480万円余は、事務局職員13名の人件費と事務局の管理運営に要した経費である。
 以上で地方労働委員会関係の決算についての説明を終わる。よろしく御審議のほどお願い申し上げる。

〇長谷川委員長 ただいまの説明に対し質疑はないか。

〇斉藤委員 地方労働委員会が平成8年度、9年度に対応した調整事件について、その件数。
 その中に盛岡中央高校関連のものがあれば、その内容について示していただきたい。

〇仙石審査調整課長 平成8年度の調整事件取扱件数は、前年度からの繰り越しが1件、それから新規申請が7件の8件である。うち、調停が1件で、残りの7件はあっせんとなっておる。それから、平成9年度の現時点までの取扱件数であるが、前年度からの繰り越しが2件、それから新規申請が6件、合計8件となっておって、すべてあっせん事件である。
 このうち、学校法人龍澤学館に係るものは、平成7年度から8年度に繰り越されたものが1件、それから、平成8年度及び9年度各1件の合計3件である。いずれもあっせんであるが、平成7年度、8年度についてのものは、いわゆる組合側の上部団体を団体交渉に入れてほしいという要求に対して学校側が拒否をしたということで、当委員会のあっせんによって上部団体を入れた団体交渉が開催されてあっせんは取り下げという形で解決しておる。それから、9年度のものは、就業規則の変更を求めてあっせん申請したものであるが、これは、現在、委員の方で対応中である。

〇長谷川委員長 ほかに質疑はないか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇長谷川委員長 質疑がないようなので、地方労働委員会関係の質疑をこれで終わる。
 以上で本日の日程は全部終了した。
 本日はこれをもって散会する。
   午後4時43分 散 会


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