平成10年2月定例会 予算特別委員会会議録

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平成10年3月11日(水)
   

1開会  午前10時4分

1出席委員  別紙出席簿のとおり

1事務局職員
事務局長 村上勝治
議事課長 及川宣夫
議事課長補佐 駿河 勉
主任議事管理主査 千田正和
議事管理主査 上柿 聡
議事管理主査 木村 稔
議事管理主査 南 敏幸
議事管理主査 筒井則裕

1説明員
副知事 千葉浩一
副知事 吉永國光
 
総務部長 大隅英喜
総務部次長施設管理課長事務取扱 合田 武
県立大学整備室長 川崎 功
参事兼秘書課長 佐々木 徳治
総務学事課長 藤沢政則
文書公開監 種田 勝
人事課長 照井 崇
財政課長 千葉 弘
税務課長 佐藤 健
消防防災課長 小野寺 禎 夫
県立大学整備監 千葉俊明
県立大学整備監 石川 戡
 
企画振興部長 武居丈二
企画振興部次長 小野寺修
企画振興部次長 福岡勝夫
企画調整課長 上野賢一郎
地域政策課長 邨野善義
市町村課長 久保隆男
情報科学課長 高島竜祐
交通政策課長 瓦林康人
広聴広報課長 小原公平
 
議会事務局長 村上勝治
議会事務局次長総務課長事務取扱 千葉幸兵
議事課長 及川宣夫
調査課長 三上佑子
   

〇折居委員長 これより本日の会議を開き直ちに議事に入る。
 議案第4号から議案第24号まで、議案第32号から議案第38号まで、議案第40号、議案第43号、議案第45号、議案第49号、議案第50号及び議案第53号、以上34件を一括議題とする。
 本日は、きのうに引き続き総括質疑を行った後、議会、総務部関係を終わるように進行したいと思うので、御協力をお願いする。
 また、世話人会の申し合わせにより、質疑項目が複数ある場合、関連する事項についてはできるだけまとめて質疑されたいこと、また、質疑及び答弁については簡潔明瞭に行い、午後5時を目途に審査が終了するよう議事進行に御協力をお願いする。
 なお、関連質疑については、質疑冒頭に質疑を表明している委員より優先して発言を認めているものであるので、その性格上、関連性の強いもののみ、短時間、簡潔に発言されるよう、また要望のみで終わることのないよう御協力をお願いする。
 総括説明に対する代表質疑を続行する。

〇須藤委員 清和会の須藤敏昭である。
 会派を代表し、総括的に順次質問を行うが、これまでの質問と若干の重複する点があるかと思うが御了承をお願いする。
 まず、本県の人口動態と将来推計人口についてお伺いする。
 県政の諸施策を構築し、これに伴う予算編成を行うに当たっては、当然、各種の要素がその基礎となるものと考える。その分類は、多面的かつ多次元的であろうと思うが、中期的、長期的な施策を構築する場合の要素の一つに、県民人口の動向は欠かせないものであろうと思う。我が国の人口は2007年に減少に転ずると言われておるが、ならば、当岩手の人口はどのように推定されるのであろうか。県政の諸施策のそのほとんどが、人為的要素、要件のもとに編成され、かつ社会と財政が厳しい変革の今、我が県民の将来的動向が県政とその予算に大きな要因となると考えるので、県民人口の近年の状況と中長期的推計及び、でき得れば広域圏別の状況をお聞かせ願う。

〇武居企画振興部長 県民人口の近年の状況についてであるが、国勢調査結果で見ると、昭和50年には138万5、000人であったが、昭和55年には142万1、000人、60年には143万3、000人と増加を続けてきておる。しかしながら、昭和60年以降は減少に転じ、平成2年には141万6、000人まで減少し、その後再び増加に転じ、平成7年には141万9、000人まで回復しておる。最近の状況でいくと、平成8年、9年の人口は、10月1日現在の県の毎月推計人口によると、ともに141万9、000人台となっており、人口は平成7年以降横ばいで推移しておる。これは、平成5年以降、平成8年までは、バブル崩壊等の影響もあり、それまでの転出超過の傾向が和らぎ、自然増が社会減を上回ることによって人口増加に転じているものである。平成9年は、死亡の増加などにより5年ぶりに減少に転じておる。なお、この間自然増については一貫して減少傾向にある。
 次に、県民人口の中長期的な推計についてであるが、これについては、国立社会保障・人口問題研究所が平成9年5月に推計した都道府県別将来推計人口では、平成12年には141万2、000人、平成17年には139万8、000人、平成22年には137万5、000人と、中長期的に減少し続けるとの推計がなされておる。また、少子・高齢化が一層進展し、老年人口の割合は平成8年の18・7%から、平成22年には25・4%になると予想されているところである。
 次に、広域生活圏別の状況についてであるが、昭和60年から平成9年までの推移を見ると、北上川流域の盛岡、岩手中部、胆江の3圏域が増加しており、両磐地区がやや減少、沿岸・県北地域の気仙、釜石、宮古、久慈、二戸の5圏域で減少傾向にあるところである。

〇須藤委員 次に、自主財源確保の観点から、平成10年度の地方消費税の税収についてお伺いする。
 平成6年の税制改革において、活力ある福祉社会の実現を目指す視点に立ち、地方分権の推進、地域福祉の充実等の地方財源の充実を図る観点から、消費譲与税にかえて地方消費税が創設されたところである。平成9年度の我が国経済は、4月の消費税引き上げ前の駆け込み需要の反動等から減速し、回復テンポも遅く低調なまま足踏み状態となり、家計や企業の景況感の厳しさが、個人消費や設備投資に影響を及ぼし景気が停滞している状況にある。このような状況の中で、平成9年度の地方消費税の税収は35億6、700万円余と計上されたものと理解しておる。
 そこで、導入2年目となる平成10年度の地方消費税の税収は、9年度を大幅に上回る125億8、500万円余と計上されたところであるが、どのように積算されたものかお尋ねさせていただく。

〇大隅総務部長 平成10年度の地方消費税についてであるが、見積もりに当たっては、譲渡割については、国において賦課徴収し各都道府県に払い込まれることから、地方財政計画の収入見込み額2兆5、683億円をベースに、平成9年度地財計画に対する実績割合と消費税の全国収納額に対する岩手県の割合により積算したものである。前年度予算額に対して178・9%増、124億5、400万円余を見込んだところである。
 このような大幅な増収が見込まれるのは、平成9年度が導入初年度であり、平年度に比べ3割程度の税収しか見込めなかったことに対して、10年度はほぼ平年度化されるということ及び経過措置により平成9年度中に中間申告がなかった法人、それから個人事業者、両方であるけれども、確定申告にその分合わせて10年度は申告することになるものである。
 また、貨物割については、平成9年度の月ごとの実績額により積算しており、これについては32・6%減、1億3、100万円余である。両方合わせて、お話のように125億8、500万円余と見込んだところである。

〇須藤委員 次に、個人県民税に係る特別減税についてお伺いする。
 今回の特別減税は、アジアの通貨金融不安あるいは我が国の金融機関の経営問題などの影響により、家計や企業の景況感が悪化している中で、県経済の先行きに対する不透明感を払拭し、我が国の経済の力強い回復を実現することをねらいとした景気対策として、国税にあっては所得税、地方税にあっては住民税、合わせて2兆円規模の特別減税を実施しようとするものである。そこでお伺いするが、個人県民税に係る特別減税の内容と減税総額はどの程度になるのであろうか。また、関連して平成10年度の地方税制改正の内容と県税収入への影響額についてお伺いする。

〇大隅総務部長 個人県民税に係る特別減税等についてであるけれども、今回の特別減税は、平成10年度分の個人住民税において1年限りの措置ということで減税を実施するものである。これまでの定率控除方式による減税とは今回は異なり、納税者本人については8、000円、控除対象配偶者並びに扶養親族を有する場合は、1人につき4、000円を加算して控除する定額控除方式による減税である。例えば、夫婦と子2人の標準世帯では、住民税で2万円が減税額となるものである。この特別減税の実施による個人県民税に係る減税総額は、本県で18億3、600万円余と見込んでおる。
 次に、平成10年度の地方税制改正の内容と県税収入への影響額についてであるが、平成10年度の県税に関する主な改正内容は、個人県民税で均等割・所得割の非課税限度額の引き上げ、それから法人事業税で税率の引き下げ、さらに不動産取得税で住宅取得に対する課税標準の特例措置等に係る床面積要件の引き上げ等が予定されており、これら改正による県税収入への影響額は2億8、600万円余の減収になると見込んでおる。

〇須藤委員 次に、地方振興局の権限強化についてお伺いする。
 地方振興局については、昨年4月に保健医療部門と福祉部門の連携、土木事務所の統合、企画部門の増員等が行われ、また農政部門の再編等、県民に最も身近な機能強化が図られることに期待するものである。
 しかしその一方で、県民は行政サービスや権益の等しい享受を望んでおり、機能強化と権限強化に伴う地域経営の不均衡が生じないか懸念するものである。また、分社化が進むほど、本庁との地域課題に対する認識の相違、調整、さらに、さまざまなチェック機能などが明確にされるべきと考えるが、今後どう取り組まれるおつもりなのかお伺いする。
 なお、行政遂行の究極は職員いかんである。振興局の機能と権限の強化により、地域経営、本庁との調整等々、振興局職員に負託された広範かつ大きな責任にかんがみた場合、職員の資質向上はますます重要になってくると考えるが、その取り組みについてのお考えをお聞かせ願う。
 さらに、これらに係る本庁職員の意識改革等も同様に必要と考えるが、その取り組みについてもあわせてお尋ねする。

〇千葉副知事 地方振興局の機能強化は、地域における県民サービスの向上を図るために取り組むものである。そのために、大幅な権限委譲に伴う現地決定権の拡大や地域経営を担うにふさわしい職員の重点的配置などを通じて、個性豊かな地域づくりを推進し、名実ともに地域振興の拠点としての位置づけを確立するとともに、地方振興局が責任ある地域経営を行うことができるようにしていこうと、そういう考え方に立つものである。したがって、今後とも地域の個性・資源を生かした地域振興施策の推進については、積極的に取り組む必要があると考えておる。
 一方、福祉や保健医療の分野を初め、県民が等しく望む行政サービスについては、地域間不均衡が生ずることのないよう最大限の配慮をしていく必要があると考えておる。
 今後の新しい時代に対応した行政執行体制としては、地方振興局については総合的事業推進機能を、また、本庁については全県的な政策の企画立案と評価機能を高度化して、特に施策の評価体制の確立を図り、それを次の政策に反映させ、そしてそれをさらに再評価していく、そういったシステムづくりを進めていく必要があると考えておる。県が行う各種施策については、地方振興局と本庁が機能を分担して、政策の企画立案、実施、評価を繰り返しながら、不断にその成果の検証を行い、県としての施策の整合性を確保してまいりたいと考えておる。
 また、地方振興局の職員の資質向上への取り組みであるけれども、地方振興局の職員の資質向上の取り組みについては、振興局の職員が、地域住民がどのような行政サービスを求めているかを常に意識して、地域のことは地域で完結させていくという強い意思を持ち、主体的に考え、行動していくということが必要である。このような観点から、地域経営の感覚を磨くための地域の政策課題に対応した市町村との合同研修や海外派遣研修、あるいは市町村との人事交流に積極的に取り組むとともに、職員一人一人がチャレンジ精神を持って仕事に取り組むことができるような職場環境の醸成を進めてまいりたいと考えておる。
 こうした方策を通じて、地方振興局に負託された広範かつ重要な仕事を担うにふさわしい職員の養成に努めてまいりたいと考えておる。
 また、本庁の職員の関係であるけれども、本庁職員の意識改革に向けての取り組みについては、今後、地方振興局の機能あるいは権限が強化され、名実ともに地域振興の拠点として位置づけされている中にあり、本庁職員は、これまで以上に両者の役割分担や機能を理解し合いながら仕事を進めていく必要があると考えておる。人事交流、地方振興局職員との共同研修や広域的な政策課題への取り組みなどを通じて、その意識改革を図ってまいりたいと考えておる。

〇須藤委員 次に、地域連携についてお伺いする。
 知事が演述で述べられているとおり、新しい、次代に対応した社会を築いていくためには、既存の枠を越えた多様な連携・交流の推進が必要と考える。昨年は、北東北3県知事サミットの実施など、連携・交流の動きが新たな局面に入ったのではないかと考えておるが、連携が必要なのは、もちろん北東北3県のみには限らないわけである。両磐地域や気仙地域は、宮城県とは歴史的なつながりも深く、また交流が日常的に行われている地域である。去る2月18日に一関市において開催された北上川流域連携フォーラムには、増田岩手県知事、浅野宮城県知事がそろって出席され、北上川をテーマとした連携について話し合われた。また今月6日には、私を含め、超党派の両県県議会議員が、岩手・宮城県境議員懇談会を一関で開催し、県際の諸課題について認識を深め、解決、向上について協議をしたところである。気仙地域においても、大船渡、陸前高田、気仙沼の市長が、連携・交流の動きを活発化させようとしておる。このように、岩手・宮城県際地域は、今後一層の連携と交流が具体的に飛躍向上する地域と存ずるが、この地域の連携等についてどのようにお考えになり、さらにどのような連携方策をお進めしようとしているのかお聞かせをお願いする。

〇千葉副知事 本県と宮城県の県際地域は、古くから日常生活を初めとして産業、経済、文化など、さまざまな分野で県境を越えた活動、交流が行われてきたところである。近年は特に、新たな連携・交流組織が結成され、観光や物産面などにおける広域的、一体的な取り組みが活発に展開されているところであり、連携・交流に大変積極的に取り組んでいる地域であると考えておる。また、昭和59年以降10数年にわたる岩手・宮城県境議員懇談会の熱心な活動についても、力強く感じているところである。
 県としては、この地域がさらに連携・交流の輪を広げて、本県における地域連携のモデルになることを期待しているところである。このため、道路網や、交流拠点としての北上川の整備など、その条件整備を進めるとともに、観光、イベントなどにおける地域の主体的な取り組みに対しては積極的に支援してまいりたいと考えておる。
 ただいま委員がお話になった北上川流域連携フォーラムについては、岩手・宮城県境議員懇談会、この懇談会には、先ほどお話があったとおり両県の知事も出席して、県境を越えた連携・交流の必要性について改めて強く認識したところである。今後、行政、民間各主体によるさまざまな活動を通じて、さらに連携・交流が促進され、両県の県際地域がともに発展していくよう、宮城県との連携を一層深めてまいりたいと考えておる。

〇須藤委員 県境の私ども、そしてまた県民は大きな期待を持って取り組もうとしておるので、ぜひ今後ともよろしくお取り組みをお願いしたい。
 次に、地域連携衛星デジタル情報発信事業についてお伺いする。
 同様に、知事演述の中で、新しい岩手の創造のためには既存の行政の枠組みを越える多様な連携と交流を図っていくことが重要であり、また、同じ目的意識を持つ県や地域が、互いに手を携え行動し、実践することにより、地方から国全体を変革していくことができるという手ごたえを感じていると述べておられる。このような方針のもと、県では平成10年度から、三重県、高知県等と連携しながら、通信衛星を利用したデジタルテレビ放送に取り組み、全国に向けて本県の情報を発信されるようであるが、新たなメディアの活用により、本県のメッセージや魅力などを伝える意欲的な試みと思い、期待するものである。ついては、この放送を活用してどのような情報を発信しようとしているのか、その目的、期待する成果等についてお聞かせをお願いする。

〇武居企画振興部長 地域連携衛星デジタル情報発信事業についてである。
 県外向けの広報については、これまでも積極的に取り組んできたところであるが、これらに加えて平成10年度からは、通信衛星を利用したデジタル放送を実施し、県外向け広報の一層の充実を図ることとしておる。この事業は、本県と宮城県、岐阜県、三重県及び高知県が連携をとりながら、これまでのような国から地方へ、中央から地方へ、こういった政策あるいは情報の流れを反転させて、地方から政策提言や情報の発信をしていこうという趣旨のもとに、関係県が共同で事業を実施するものである。
 この放送は、衛星デジタル放送として日本で最初に放送サービスを開始したパーフェクTVの国会TVのチャンネルを利用して、参加各県の共同制作番組、あるいは各県の独自制作番組をローテーションにより毎週土曜日に1時間放送する計画であるが、年間52回の放送のうち、本県分は13回を予定しているところである。
 放送する内容は、当面、4月から岩手の菓子博が始まるので、そういった内容であるとか、情報ということで、9月に全国マルチメディア祭が開催されるので、そういったイベントはもとより、各県知事の対談であるとか、ことしの春に県立大学が開学するので、そういった紹介の番組であるとか、北東北3県の知事サミットであるとか、先ほどの御質問にもあったように、宮城県側も参加しているので、近年活発に行われておる岩手・宮城県際交流の状況等、岩手あるいは地方みずからの発想による独自のメッセージを効果的に情報発信してまいりたいと考えておる。

〇須藤委員 次に、農業問題についてお伺いする。
 まず、本県の農業生産の推移と本県農業の振興についてお伺いする。
 かつて日本は、水田農業を背景として世界の先進国の仲間入りをしたただ一つの国であると言われたところである。これは、水田農業の本来の人口扶養力の高さからくるものと考えるが、御案内のように、米の需給緩和に伴い事情は一変し、いわゆる転作が昭和40年代半ばから、今回の対策を含め大きく7次にわたり、約30年間実施されてきたところである。一方、輸入農産物や他県産地との競合関係も年々激しくなってきておる。農業生産の拡大はそう簡単にはいかないのではないかと思うのである。
 そこでお伺いするが、最近の本県の農業生産の推移と作目ごとの状況はどうなっているのであろうか。また、今後本県農業の振興をどう図っていこうとしているのか、お考えをお伺いする。

〇吉永副知事 最近における本県の農業生産の推移をその粗生産額で見ると、平成6年までは約3、500億円の生産額が維持されてきておったが、平成7年以降は、転作の強化や米、野菜を中心とした価格低迷が大きく影響し、平成7年の粗生産額は3、218億円、直近の平成8年には約3、152億円と減少したものの、平成7年の東北での順位は1位、8年は2位と、東北の中では上位にある。
 また、作目ごとの状況を平成元年と8年対比で見ると、米がこの間に9%減、園芸が7%増、畜産が3%減と、そういう状況である。
 本県が農業粗生産額を減少させながらも常に東北の上位を維持してきておるのは、米、園芸、畜産を基幹部門としてバランスよく振興してきたということによるものであるかと考える。しかしながら、御指摘のとおり最近の農業は、輸入農産物の増大や国民の食生活の多様化、あるいは中山間地域を中心とした農業労働力の減少、高齢化の進行など大きく変化してきており、こうした状況の中で、県としては地域農業を担っていく農業者の育成確保を初め、革新技術の開発普及、農業生産基盤の整備、さらには消費者の視点を踏まえた総合的な流通販売戦略を展開しながら、米、畜産の生産体制の一層の強化と、野菜、花卉など園芸部門の重点的な振興により、米、園芸、畜産のバランスのとれた収益性の高い農業への再編を加速してまいりたいと考えている次第である。

〇須藤委員 次に、減反政策についてお伺いする。
 先日、日本穀物検定協会から平成9年産米の食味検査結果が発表され、県南地区のひとめぼれが4年連続で最高ランクである特Aに評価されたところである。これは、生産者の皆さんの日ごろの御努力はもちろんのこと、関係者が一丸となって取り組まれたものと敬意を表するものである。しかし、こうした話題も昨今の米情勢を見ると、その喜びも半減する感じがする。米価が好転する気配が一向に見えない中にあり、生産調整面積がさらに上積みされ、稲作経営は厳しい状況に置かれており、特にも、大規模農家ほどその影響が大きく、昨日も種々論じられたところである。こうした状況に対処するため、国は、新たな対策として価格安定対策を実施すると聞いておる。
 そこでお伺いするが、この価格安定対策の内容及び補てん水準はどの程度と見込まれるのか、実際に推計される数値で御教授をお願いしたいと思う。

〇吉永副知事 最近の米をめぐる環境は、自主流通米価格の低落や生産調整面積の拡大によって、稲作経営が厳しい状況に置かれているというのは、委員御指摘のとおりである。国は、新たな米政策において、生産調整実施者のメリット対策として、平成9年産米から、自主流通米の価格低落に対して補てんする対策を講ずることとしたところである。具体的には、生産者の拠出と国の助成により造成する資金を財源として、9年産米に対しては、新たな政策への移行対策として、銘柄ごとの6から8年産の平均価格と7から9年産の平均価格の差額の8割を補てんするものである。10年産米以降については、稲作経営安定対策として、銘柄ごとに過去3カ年の平均価格を補てん基準価格として、当年度の平均価格との差額の8割を補てんするものである。これらの対策の補てん水準については銘柄により異なるわけであるが、例えば県産のひとめぼれを例にすると、9年産米に対しては60キロ当たり1、100円程度補てんされるものと見込まれる。また、10年産米については、価格がどの程度になるか現時点では予想しがたく、あくまでの試算であるが、仮に現在の価格水準と同程度、60キロ当たり1万7、200円ということで試算すると、60キロ当たり1、350円程度が補てんされるものと見込まれるところである。

〇須藤委員 次に、有機農産物等認証制度についてお伺いする。
 最近、より安全な食品を求める消費者志向を背景にして、有機食品が脚光を浴びており、連日マスコミに取り上げられるなど、全国的にそのブームとなっておる。
 また、例えば平泉町の長島地区では、平成3年から神奈川県内の7生協でつくるユーコープ神奈川事業連合から、より安全な食料の安定供給の申し出があり、当時、参加農家41戸で有機・低農薬米生産組合を発足させ、今では250戸106ヘクタールも栽培するほどの生産団地となり、有機・低農薬米のひとめぼれを産地直送しておる。このように、量的には少ないものの、有機農産物等を生産し、独自の銘柄や表示をしながら販売している地域と農業者の努力が多々あるわけである。このような状況の中にあって県が認証制度を創設することは、今までそれぞれの地域の銘柄で少量ずつ販売していた有機農産物等を県統一ブランドで全国に流通することになり、品目はもとより、量的にもまとまり有利販売等が期待できるものと評価するものである。
 そこでお伺いするが、県は、この有機農産物等認証制度についてどのように取り組むのか、今後の見通しも含めてお聞かせをお願いする。

〇吉永副知事 県としては、独自の有機農産物認証制度を早期に創設して、県産農産物の有利販売と、純情産地いわて、このイメージアップに役立てたいと考えているところである。
 10年度当初予算に御提案申し上げておる有機農産物等認証事業は、今後農業団体、消費者団体、学識経験者等で構成する、仮称であるが有機農産物等認証制度検討懇談会、これを設置して、その中の御意見を伺いながら、10年度半ばを目途に制度化を図りたいと考えておる。
 この制度創設の検討に当たっては、本年度農政部内に設置した有機農産物生産流通対策検討チームが取りまとめた一つのたたき台をもとにやりたいと考えておるわけである。その内容は、認証する対象農産物は、米麦、園芸作物、豆類、雑穀等とする。認証する範囲については、農薬や化学肥料を3年以上使わない圃場で、農薬等を使わない環境で栽培した農作物、これが一番高いわけであるが、これを有機農産物。それから、農薬等を使わない期間が3年未満6カ月以上の圃場で、農薬等を使わないで栽培した農産物、これを転換期間中有機農産物。それから、農薬等を使わないで栽培した無農薬栽培農産物、あるいは化学肥料を使わないで栽培した無化学肥料栽培農産物、この4種類の認証をしたいと考えておる。
 今後、関係者等と十分協議して、消費者等にとって信頼性の高い認証制度の創設を図ってまいりたいと考えている次第である。

〇須藤委員 次に、本県の黒毛和種振興の展開についてお伺いする。
 本県の肉用牛生産は、申し上げるまでもなく重要な位置を占めているほか、土地の有効利用、農山村地域の活性化などに大きな役割を果たしておるが、今日、肉用牛生産を取り巻く情勢は、国際化等の進展や食糧需給の変化など、従来とは大きく様相を異にしてきておる。そこでまず、本県における黒毛和種の肥育頭数と繁殖牛頭数の動向はどのようになっているのかお伺いする。
 また、県内では、県あるいは関係団体の努力にもかかわらず、近年、黒毛和種飼育農家、特に零細飼育農家が減少していると伺っておるが、今後とも飼育戸数・頭数の減少が続けば、全国有数の主産地としての維持発展はもちろんのこと、中山間地域の農業生産活動、また先ほどの質問の有機農産物生産に多大な影響が懸念されるところであるので、きのうの総括質疑の中でも牛離れというのがあったが、そこで県は、黒毛和種の主産地として今後どのような振興を図ろうとしているのかお聞かせをお願いする。

〇吉永副知事 まず、本県における黒毛和種の肥育頭数と繁殖牛頭数の動向であるが、本県における黒毛和種は、稲作、畑作などの耕種部門との結合による複合経営の基幹作目として、平場から中山間地域まで広く飼養されておる。平成9年2月現在の飼養頭数は、繁殖牛が5万500頭、肥育牛が2万2、300頭となっており、全国第4位の地位を占めておる。しかし、その飼養頭数は、価格の低迷や飼養農家の高齢化などから、繁殖牛については平成3年以降、肥育牛については平成6年以降、それぞれ減少傾向が続いておる。
 今後の黒毛和種の主産地としての振興方策については、県としては、このように飼養頭数は減少傾向にあるものの、黒毛和種が本県農業にとって大きな役割を担っており、我が国有数の主産地としての地位を固めるためにも、一昨年策定した岩手県酪農・肉用牛生産近代化計画に基づいて、土地基盤に立脚した経営体の育成、飼養規模の拡大や高品質牛肉の生産等による経営の合理化・高度化に努めながら、一層の生産振興を図ることとしておる。具体的には、公共牧場の機能強化や、コントラクターの活用による効率的な飼料生産、育種価などを有効活用して、増体・肉質を兼ね備えた繁殖雌牛の改良、認定農業者など、生産意欲の高い農家を対象とした優良素牛の導入に対する支援、簡便畜舎やリース畜舎の普及等を推進することとしているところである。

〇須藤委員 農業問題の最後に、新たに設置される農産物流通課の取り組みについてお伺いする。
 本県農業を持続的に振興発展させていくためには、農産物の生産拡大はもとよりであるが、今後は、特にも生産された農産物などを他県に負けないように高く売れるような出荷及び販売に力を入れ、生産農家が意欲を持って取り組めるようにしていく必要があるものと考える。私は、さきの12月定例会においても、その現状と必要性をただしたところである。県はこの4月から、農政部の本庁及び関係出先機関の組織を再編することとしておるが、農産物の流通対策は生産対策と並んで本県農業の持続的な振興発展を図るためにも重要であり、期待しているところである。新たに設置される農産物流通課は、どのような取り組みを行うこととしているのかお伺いする。

〇吉永副知事 近年、農産物の需給緩和基調から、産地間競争の一層の激化に加えて、多様化する消費者嗜好や市場流通など、流通環境が大きく変化してきておる。こうした中で農業者の所得の向上を図っていくためには、品質のすぐれた農産物の安定的な生産はもとより、消費者ニーズに的確に対応し、有利販売に結びつける農産物の流通対策を強化していくことが一層重要となっておる。したがって、これまで米、園芸、畜産、それぞれの生産原課で行ってまいった農産物流通関連事務を一体化して、総合的な取り組みを図るために新たに農産物流通課を設置することとしたものである。農産物流通課においては、首都圏等の大消費地への大量流通を中心とし、大型量販店等を対象とした予約相対取引や、県内消費者向けの地場流通のほか、産直、宅配など、多様な販売促進の仕組みづくりを行うとともに、いわて純情米、いわて純情野菜、いわて牛等の各種フェア、キャンペーンの実施によるブランド確立を目指した宣伝活動等、消費者ニーズを先取りしたマーケティングの強化を図ることとしておる。
 また、これらの対策とあわせて、独自性のある有機農産物の流通や付加価値の高い地域特産物づくりの促進、流通販売に携わる人材の育成に努める等、農産物流通対策の総合的な展開により、県産農産物の評価向上と有利販売を図ってまいる考えである。

〇須藤委員 次に、首都圏における情報発信拠点施設・銀河系いわてプラザについてお伺いする。
 近年、各県の首都圏における物産観光センターの中には、既存施設を銀座等の商業街に移転し、あるいは新たに出店する動きが顕在化してきているとお聞きし、私も、これら各県の施設、取り組みを視察させていただいた。これらの新たな施設は、アンテナショップのほかに、飲食部門や観光部門、さらに、県によってはビジネスサポート部門や企業誘致部門までを含めた総合的な情報発信拠点として整備され、それぞれ特色を持たせた内容で展開され、活気にあふれ好評を博している状況であった。御案内のとおり、昨今の特産品の販売拡大や観光振興等における地域間競争はますます激化しつつあり、情報発信の果たす役割は極めて重要になってきておる。
 そこでお伺いするが、このたび設置する予定の銀河系いわてプラザは、どのような施設内容とするのか、また、どのような情報発信を行う拠点施設としようとしているのかお尋ねをする。

〇吉永副知事 御指摘のとおり、現在有楽町にある岩手ふるさとショップ及び岩手ビジネスプラザと、東京駅八重洲口にある岩手県物産観光東京サービスセンター、それに岩手県東京事務所の企業誘致部門を銀座五丁目に集約して、そこから総合的な地域情報の発信を行うための、仮称銀河系いわてプラザとして整備することとしておる。これは、本年7月の開設を目指して現在準備を進めているところである。銀河系いわてプラザでは、これまで、今挙げたそれぞれの施設が行ってきた物産・観光情報や就職情報、企業誘致関連情報等の発信に加えて、交流イベントの開催や必要に応じた県内各地の地域情報なども発信できる機能を持たせたいと考えておる。そのためには、従来と違う点は、スペースを広く確保して、例えばイベントスペースの利用を市町村や広域圏、団体等に開放し、写真パネル、映像や実演等を行えるようにして、他県の情報発信施設にはない個性的な情報発信ができるような拠点として整備してまいりたいと考えている次第である。

〇須藤委員 場所は一流であるが、各県の競争も激しい地域でもあるので、ぜひ鋭意御努力をお願いする。
 次に、花巻−沖繩間の航空路線についてお伺いする。
 昨年11月1日、花巻空港から5番目の新規格路線となる花巻−沖繩線が日本エアシステムによって開設されたことは記憶に新しいところである。特にもこの沖繩線は、11年ぶりの新規路線の開設と言われた一昨年6月の福岡線からわずか1年余りという短い期間で開設にこぎ着けたことに加え、平成5年の冷害の際に、沖繩県に種もみ等の緊急増殖事業をお願いして以来、両県の間でさまざまな交流が行われてきたこともあり、県民こぞってその開設を喜んだところである。発表の際の報道によれば、当面、11月から本年5月までの季節運航としてスタートするが、実績次第では通年運航の可能性もあるやに伺っておったが、先月中旬に会社側が運輸省に申請したダイヤ改正によれば、沖繩線は3月で運航が打ち切られることとなった。観光、経済交流など、本県と沖繩県の結びつきをより長く、より深めて進めていくためには、両県の間にデイリーとまではいかなくても、年間を通じての直行便が運航されることが望ましいだけに、今回の決定はまことに残念に感ずるものである。
 そこでお伺いするが、これまでの沖繩線の利用状況はどうであったのであろうか。なぜ、当初5月までとされていた運航が3月で打ち切りになったのであろうか。さらに、今後の再開見通しを含め、県として、今後沖繩線にどのようにかかわり、取り組みをされるお考えなのか、お聞かせをお願いする。

〇武居企画振興部長 沖繩線の利用状況についてであるが、昨年11月1日から週3便で開設された花巻−沖繩線の2月末までの4カ月間の利用者数については1万4、297名であり、搭乗率も平均で83%に達するなど、観光を初めとする地域間交流の活発化を背景に利用実績は大変好調に推移しているところである。運航期間について、当初5月までの期間限定便として計画されていたものであるが、これが3月に前倒しされた理由ということであるが、運航会社である日本エアシステムからは、利用者の大半を占める観光客が4月以降は減少する傾向が一般的にあるということで、実は通年で沖繩線を出している仙台空港についても同様の傾向が4月、5月と−−5月は5割を割るような状況が仙台空港でもあり、実際、花巻空港についても、4月及び5月の事前予約状況も低迷している状況にあると伺っておる。日本エアシステムからは、今年度の好調な利用実績も踏まえて、来年度も再び冬の時期に沖繩線を運航する予定と伺っておるので、県としては、農業や文化、スポーツなど、さまざまな分野で培ってきた両県間の交流を一層深める手段として重要であるとの認識を踏まえて、来年度の運航時にも本県内における需要の掘り起こしをして、沖繩線が名実ともに一つの路線として充実され、積極的な利用促進ができるように私どもも頑張ってまいりたいと思っておる。

〇須藤委員 次に、新しい旅推進事業についてお伺いする。
 地域における観光の振興は、交通、宿泊などのそれぞれの産業のみならず、商工業、農林漁業等の地域産業を振興し、地域活性化の有力な手段としてますます重要性を増していると思うのである。このため、地域が広域的に連携し、新たな観光素材の発掘や開発、広域観光ルートの開発、受け入れ体制の整備充実、さらには効果的な観光情報発信事業の一層の推進を図る必要があると思っておる。県においては、本年度から新しい旅推進事業を創設し、県内に四つの王国を設立、おのおのの自然や歴史、文化、風土を生かした地域の新たな取り組みを推進するとともに、旅行エージェントに働きかけ、これらを取り入れた地域提案型の旅行商品の企画とその開発に努めているところである。
 そこで、新たに誕生した四つの王国の観光客の集客状況、地域での取り組み状況についてお伺いする。
 また、地域の取り組みをさらに促進し、観光による地域づくりを総合的に推進する必要があると思うが、今後、県として各王国の活動をどのように支援して伸張させていくのか、あわせてお伺いする。

〇吉永副知事 四つの王国は、御案内のことと思うが、沿岸部の魚彩王国、県南部の黄金王国、県西部の湯雪王国、そして県北部の穀彩王国である。平成9年度におけるそれぞれの集客状況であるが、新緑シーズンを対象とした穀彩王国と黄金王国については、昨年の6月から7月まで実施したが、期間が非常に短かったということ、週末のみの実施であったことから、期間中500人程度の入り込みに終わったところである。また、冬のシーズンを対象とした湯雪王国と魚彩王国は、昨年12月から本年3月末までの期間として取り組んでいるところであるが、これは非常に好評であり、2月末までに首都圏を中心に約4、000人の観光客が訪れているところである。
 このように、各王国においては新しい観光資源の発掘と活用、観光ルートの設定、郷土料理や土産品の開発など、関係業界と連携した新たな取り組みがなされているところである。今申し上げた、非常に入り込みが少なかった穀彩王国と黄金王国については、今後とも実施期間の延長やいろいろな反省をして、今後宣伝活動の強化を図ることとしておる。
 平成10年度においては、各王国ごとにこれらの取り組みを盛り込んだ観光振興計画を作成することとしており、県としても、こうした振興計画に基づいて必要な支援を検討するとともに、首都圏等での宣伝事業などについて積極的に支援してまいりたいと考えている次第である。

〇須藤委員 次に、新たな道路整備の5カ年計画と道路の整備に関するプログラムについてお伺いする。
 これまで高規格幹線道路である東北横断自動車道釜石秋田線、あるいはまた三陸縦貫自動車道等においては、すべての区間が基本計画区間になるなど、その整備に向けて着実に進展しているところである。しかしながら、高規格幹線道路が一定の進捗が見られる中で、これらを補完する国道、県道、さらには県民の足元道路である市町村道等で、まだまだ整備すべき道路が多く残されており、財政構造改革の非常に厳しい環境下にはあるが、今後も着実に道路整備を推進すべきであると考えておる。このような中、来年度からは新たな道路整備5カ年計画がスタートし、それにあわせて道路の整備に関するプログラムも策定されるとお聞きしておる。
 そこでお伺いするが、本県の新たな道路整備5カ年計画のビジョンの内容とプログラムの策定方針について、どのようにお考えになっているのかお尋ねする。

〇吉永副知事 国の新たな道路整備5カ年計画にあわせて、本県においても、県版の新たな道路整備5カ年計画と道路の整備に関するプログラムを作成することとしておる。この5カ年計画の骨子となる道路整備のビジョンは、ドリームランド岩手を支える道づくりを基本理念として、昨年9月に公表したものである。
 この具体的な内容は、四つの道路を積極的に推進するということであるが、まず一つは、地域高規格道路や交流促進型広域道路の整備、二つ目は、都市内の骨格道路の整備、三つ目は、地方生活圏中心都市と周辺市町村を連結する道路の整備、四つ目は、国道・県道と一体となる市町村道の整備、この四つである。この四つの道路の整備を基本方針として、これを効率的、計画的に行うための、また事業のそれぞれの透明性を高めるための具体的な整備箇所を定める道路の整備に関するプログラムを策定中である。
 この事業規模は、県事業にあっては10億円以上または延長1キロメートル以上、市町村道事業にあっては5億円以上または延長500メートル以上を対象としておる。具体的な整備箇所の選定に当たっては、建設省の評価指標案にも留意しつつ、将来交通特性、道路密度など、本県の地域性等も考慮に入れた独自の評価システムによって行いたいと考えておる。このプログラムは、国の道路整備5カ年計画の策定との関係もあり確定はしていないが、国の閣議決定後、できるだけ早い時期に公表したいと考えている次第である。

〇須藤委員 次に、保育対策についてお伺いする。
 本県は、全国と同様に近年女性の社会進出が進み、夫婦共働きの家庭は今や一般的になっておる。このような状況を踏まえ、県においては、子育てに優しい環境づくりに総合的に取り組んでおるが、特にも、子育て家庭を積極的に支援していくため、保育対策を拡充していくことが極めて重要であると思うのである。子供を、専門的な知識が豊富で経験豊かな保母さんのいる保育所に預けることができるなら、保護者は安心して働くことができるのである。そのためには、保育所が核家族化などに伴って増大している保護者の育児不安、育児疲れ等に対応して、保育所に入所していない児童等についても保育所機能を開放していくこと、保護者の通勤時間、残業など、就労形態の多様化に合わせて、利用者の側に立ち、質の高いサービスを提供する保育所運営を行っていくよう取り組んでいく必要があると考える。
 そこで、このような課題に県はどのように対応していくお考えであるのかお伺いし、私の総括質疑を終わらせていただく。よろしくお願いする。

〇千葉副知事 少子化や女性の社会進出など、家庭や児童を取り巻く環境の変化に伴い、仕事と子育ての両立を支援する保育対策を総合的に推進していくことが重要となってきているところである。このため、県として、核家族化の進行等に伴って増加しておる子育て家庭の育児不安などに対して、保育所が、新たに定められた改正児童福祉法の趣旨を踏まえて、その専門的な機能を生かして相談や助言などを行うよう、市町村や保育関係者に指導していく考えである。
 また、保育所は、就労形態の多様化などに伴って増大している保育需要に応じて、保護者の残業等の場合には、6時以降も引き続き保育する延長保育や、休日等の就労に対応する県単事業の休日保育、さらには、保護者が病気や育児疲れなどの場合に乳幼児を保育所で預かる一時的な保育などのさまざまな保育サービスを適切に提供していくよう、市町村や保育関係者の指導に努めてまいりたいと考えておる。
 なお、県が平成10年度に創設することとしておる延長保育料軽減支援事業により、保護者の利用促進にも配慮していく考えである。

〇折居委員長 以上で総括説明に対する代表質疑を終わる。
 これより自由質疑に入る。自由質疑は、答弁を除き1人15分を限度とすることとし、午後2時までに終了することを目途とすることになっておるので、御協力をお願いする。
 日本共産党の委員から申し出があるので、発言を許す。

〇斉藤委員 それでは、最初に県財政破綻と公共事業の見直しの問題についてお聞きする。
 来年度末の県債残高が1兆27億円となり、公債費も14・4%と一気に8・8%増大した。県財政の破綻は明白であり、その原因は予算の規模を上回る公共事業、特に県単事業の増大にあると思う。平成4年度以降の国の経済対策に追随して公共事業が増大したが、公共事業費、県単事業費、その推移と県債の推移を示していただきたい。
 今後の県債の増加額はどうなっているであろうか。

〇大隅総務部長 公共事業費、県単独事業費及び県債の推移並びに今後の県債の増加額についてであるが、県債残高及び公債費の増嵩は、これまで県民の福祉の向上のために、生活、生産の両面にわたる基盤整備を初めとする普通建設事業の財源として県債を発行してきたことの結果であるが、特に平成4年度以降の数次にわたる国の経済対策に呼応して、県においても、県債を財源とした効果的な公共事業の推進を図ったことや、東北新幹線盛岡以北の整備、県立大学の開設を初めとする県民福祉の向上のための県単独事業などを、県債を活用しながら実施してきたことなどによるものと考えておる。公共事業費等の推移であるけれども、普通建設事業費では、平成4年度が2、688億円、これに対して平成9年度2月現計であるけれども3、667億円と伸びておる。そのうち、県単独事業費であるけれども、平成4年度が960億円であったが、平成9年度2月現計では1、615億円となっておる。また、県債発行額は、平成4年度が784億円であるが、平成9年度2月現計では1、644億円となっておる。
 次に、平成9年度以降の県債の増加額であるが、先般策定した中期財政見通しでは、年度末残高のピークを平成13年度と見ておって、1兆72億円程度と見込んでおる。その後は、県債発行の抑制を行うこととしておるので、県債残高は減少に向かうと考えているところである。

〇斉藤委員 財政課からいただいた資料で、普通建設事業費の推移を見てみると、歳出決算では平成4年から平成8年までで118・3%増である。ところが、地方債は174・3%、普通建設事業費の伸びが130・3%で、もう借金をどんどんふやしてきたということなのだから、この財政破綻の原因ははっきりしている。だから、次に県財政破綻を本当に解決しようと思えば、公共事業の見直しは極めて重要である。県はこの間、公共工事の縮減対策岩手県行動計画を立てて、土木、農政、林水それぞれの行動計画も立てた。これまでの公共事業の実態、あり方を見直してきたと思うけれども、土木、農政、林水、それぞれどう見直したのか、どう縮減しようとしているのか、具体的に示していただきたい。

〇吉永副知事 公共工事縮減対策岩手県行動計画というお尋ねであるが、まず、かかる名前の計画はないので、公共工事を縮減するというものはない。公共工事のコスト縮減対策岩手県行動計画、お尋ねがもしそれであるとしたら、それは公共工事のコスト縮減を一層推進するために、昨年10月に策定したところであって、この県計画とあわせて農政部、林業水産部、土木部においてそれぞれ部門別計画を策定し、平成11年度末までに行動計画に掲げる具体的政策にすべて着手して、国の目標と同じく10%以上のコスト縮減の達成に向けて、それぞれに努力しているものである。それぞれの部、例えば土木部においては、鋼橋上部工の構造の単純化の採用、あるいは公共工事の平準化等によって既に採用しているものがある。また、もしお尋ねが、国の公共投資の見直しを受けて、その実質的な縮減への対応についてであるとすれば、県では昨年10月、行財政システム改革指針を策定して、災害復旧事業を除くすべての公共事業を対象として、指標を用いて実施箇所等の優先度を数値的に評価する方法を定めたところである。これにはしかし、〇〇行動計画といったようなものはない。この評価方法によって、公共事業それぞれについて個々の事業箇所に順位づけを行って、新規事業箇所の採択あるいは事業の中止、あるいはそれぞれの事業費の配分等にそれぞれ反映させ、それを来年度の予算案として御提案申し上げている次第である。

〇斉藤委員 私は公共工事の見直しが必要だと、しかし、計画はコスト縮減だけで、公共事業は見直すつもりはないと、こういうことであるか。あわせて聞く。私は本会議でも具体的な事例を示して、この間のむだ遣いを指摘してきた。港湾整備事業、県営ダム事業、国営、県営のかん排事業、大規模林道、広域基幹林道、ふるさと林道、漁港整備事業、むだと浪費と思われるような公共事業は見直さないのか。どうコスト縮減するのか、はっきり答えていただきたい。

〇吉永副知事 コストの縮減とそれともう一つ、先ほど申し上げたとおり、公共工事自体について指標を用いて見直しはしたわけである。これは今、委員が御指摘になったそれぞれの事業について見直しをしておる。港湾についてもそれぞれの港湾のその施設のところにまでおりて点数をつけて、それを配分額に反映させておるし、ダムについては県営のダムについて、これも必要性その他を全部点数を100点満点でつけて、その点数の低いところから二つを中止、その次の低いところから三つ目のダムについて10年度中に事業の見直しを行う、そういうふうにしたわけである。また、国営、県営かん排事業その他についても県営の部分についてもきちっと点数をつけ、それを予算に反映させておる。また、林道についても、例えばふるさと林道について、これは新規の予定のところも含めてすべてきちっと点数をつけて、その中で点数の低いものは採択しておらない。私どもとしては、こういうふうに公共事業についてはきちっと見直しをしているものである。

〇斉藤委員 見直しをしているということなので、私は具体的には部局で聞く。
 次に、見直しは極めて不十分だが事務事業の見直し、増田知事は事務事業評価システムに基づいて255件の事業を廃止、縮減して92億8、400万円の縮減を図ったと言っているが、その中身については全く示されていない。そこで、お聞きしたい。各部局ごと、教育委員会、県警を含めてそれぞれ廃止、縮減の件数と額を示していただきたい。
 廃止、縮減を行った観点は何か。
 公共事業の廃止、縮減は具体的にどうなっているか。
 福祉、教育関係での廃止、縮減の主な事業と内容はどうなっているであろうか。

〇大隅総務部長 まず、各部局ごとの廃止、縮減の件数と額であるが、総務部、6件5億2、300万円、企画振興部、11件6、600万円、生活環境部、35件1億700万円、保健福祉部、40件1億2、900万円、商工労働観光部、52件4億8、700万円、農政部、28件1億5、500万円、林業水産部、37件28億7、700万円、土木部、20件47億1、400万円、警察本部、5件7、300万円、教育委員会、21件1億5、300万円となっておる。
 次に、廃止、縮減の観点であるが、この事務事業評価システムは、本県の行財政システムを改革するための方策の一つとして導入することとしたものであって、その目的は、事務事業を担当するに当たって常にコスト意識を持ち、担当する事務事業について、これまでの実績にとらわれることなく、ゼロベースの視点から、可能な限り指標によって客観的に評価することにより、廃止、縮減が可能なものはこれを行い、一層推進すべきものはこれを行おうとするものである。そのため、既存の事務事業について評価するにふさわしい指標を複数選択し、事業実施の効果や全国水準との比較、3県総の目標達成度合いなどを時系列的に比較することにより、事業の実施効果や必要性を明らかにするものである。特に公共事業等の投資的経費については、その必要性、重要性、緊急性及び事業実施の熟度等を評価の項目に加えることにより、これらを全体として評価するものであり、また、指標化になじまないものについては、指標でなく、評価・審査の基準というものを設けて、これに当てはめてチェックすることにより評価をしておる。
 次に、公共事業の廃止、縮減の具体的状況であるが、まず廃止、縮減したものであるけれども、土木部関係、救急内水対策事業、消流雪用水導入事業、住宅情報化推進モデル事業、舗装路面対策事業、地方特定河川等環境整備事業など12件32億1、900万円である。林業水産部関係では、造林事業、ふるさと林道緊急整備事業、治山事業、沿岸漁場整備開発事業、漁港局部改良事業など17件25億1、000万円などであり、公共事業全体としては31件約57億4、900万円となっておるところである。
 次に、福祉、教育の廃止、縮減の主な事業とその理由であるが、保健福祉部関係では、廃止した主なものは、心身に障害のある児童に対し、地域における療育機能の充実を図る心身障害児地域療養システム推進モデル事業や、在宅福祉サービスの普及啓発を図る在宅福祉サービス推進事業などであるが、これらは一定の目的を達成したと認められることから、類似事業に組みかえを行う等、より効果的な執行を図ったものである。縮減したものは、長寿社会にふさわしい健康と福祉のシステムづくりのための普及啓発や、スポーツ活動の展開を図る明るい長寿社会づくり推進事業費補助や、子育てにやさしい環境づくりを官民一体となって取り組みを推進する子育てにやさしい環境づくり推進事業などであるが、これらは事業目的がある程度達成されたことから、毎年実施を隔年実施とすることや、あるいはメニュー事業の一部を廃止して優先度の高い事業へ組みかえることなどにより、事業費の縮減を図ったものである。教育関係では、廃止した主なものは、冬季国体出場選手特別強化費補助である冬季国体特別強化事業や、学校歯科保健モデル事業を実施する学校歯科保健推進事業などであるが、これらは一定の目的を達成したと認められることから、類似事業に一本化したものや廃止したものである。縮減した主なものは、全国スポーツレクリエーション祭参加派遣費補助である全国スポーツレクリエーション祭参加推進費や、高等学校の校舎増改築に伴う設備の整備を行う校舎増改築設備整備事業などであるけれども、これらは事業の補助率の見直しやメニュー事業の一部の廃止などによって事業費の縮減を図り、優先度の高い事業への組みかえを行ったものである。

〇斉藤委員 私、255件92億円余の事務事業の見直しについて、議会調査課を通じて全部調べてみた。出てきたのが177件である。77億円。今、初めて255件出た。こんなやり方でいいのかと。あなた方、胸を張ってこれだけ節約したと言うなら、どういうことを節約したのか、はっきり示すべきである。私は、公共事業の見直しも含まれているからよしとするけれども、その中には、例えば総務部では地域を守る防災強化推進事業とか、今、紹介された福祉の事業では、高齢者及び障害者にやさしい住まいづくり推進事業、これは住宅改造である。大変喜ばれている事業。こういうのが廃止、縮減されている。私はそういう点ではやっぱり福祉、教育切り捨て、こういう側面があるから、こういうのはちゃんと明らかにしてやっていただきたい。私の調査に対してまともに答えないなどということは、とんでもない話だ。これは指摘だけにとどめる。
 次に、公共事業のあり方の問題について、私は三つ目に、社会保障部門の投資、雇用の波及効果についてお聞きをしたい。むだ、浪費と思われる公共事業の見直しは急務だが、投資効果、雇用効果から見て従来型の公共事業優先のやり方を根本的に見直すべきである。社会保障部門と公共事業部門の投資、雇用の波及効果について、各部門で1、000億円の最終需要が生じた場合の波及効果はどうなっているであろうか。

〇武居企画振興部長 ただいま波及効果についてのお尋ねがあった。社会保障部門と公共事業部門、社会保障部門と言った場合に、これは定義としてさまざまあろうかと思うが、事業構造に着目すると、社会保障部門についてはその大宗が消費支出、すなわち生活の必要を満たすために財貨であるとかサービスを使用し消耗することであるのに対して、公共事業部門は固定資本形成、すなわち建設物をつくったり、あるいは機械設備等の固定資本のストックの追加を行う新規耐久財の購入であって、長期間にわたって収益をもたらすという物的資本となるものであって、したがって、両者の質的な違いがあることから、その波及効果について一概に比較することはできないものと考えておる。質的な違いがあると考えているところである。しかし、仮にある一定期間−−通常1年間−−に行われた財貨、サービスの産業相互間の取引の状態を示した一覧表である岩手県産業連関表−−現在の基礎データは平成2年のものであるが−−を用いて、あえて一定の前提のもとに機械的に試算すると、社会保障部門と公共部門それぞれに1、000億円の最終需要が生じた場合の生産誘発額は、社会保障部門で1、680億円程度、公共事業部門で1、720億円程度と算出されるところである。
 なお、雇用の波及効果については、これについてはどのような前提を置くかにより、その結果についても極めてさまざまなケースが想定されるものであって、特に経済波及効果が雇用にどのように直接結びつくのか明確でないことから、雇用の波及効果が幾らであると一概に論じることはできなくて、私どもも分析手法としては採用していないところである。

〇斉藤委員 どうも都合の悪いのは出さない。僕はちゃんとあなたに頼んで試算を出してもらった。それにちゃんと書いている。こういうのはちゃんと答弁していただきたい。1、000億円の最終需要が生じた場合の波及効果は、社会保障の場合、生産誘発額で今言った1、677億円。粗付加価値誘発額は1、125億円で、公共事業の868億円を上回る。雇用効果から見ると、社会保障部門は2万9、285人、公共事業部門は1万4、245人。それで、これは雇用誘発数では公共事業の2・1倍である。公共事業を見直す際に、ただ減らすだけではない、福祉型、こういう流れに変えたら、経済波及効果は基本的に変わらないし、雇用効果はその倍になる。今そういう方向に県民の需要もあるわけだから、産業連関表ではこういう試算もされて、大阪との比較もあるのだけれども、大阪以上に雇用効果は大きいと出ている。だから、これは一つの試算だろうけれども、例えば部長のところで調査しているアンケートだって一番何が多いか。高齢化・少子化対策を一番強めてほしいであろう。それにこたえるような仕事をやったら、不況も打開するし雇用もふえると、そういう方向でひとつ検討していただきたい。
 次に、貸し渋りの問題についてお聞きする。
 私の本会議での質問に対して商工労働観光部長は、本県においては貸し渋りはないと認識していると、驚くべき答弁があった。私は質問でも具体的事実を示して聞いた。また、この間、日専連東北地方連合会盛岡会からも、正当な理由がないのに事業資金の借り入れが困難な状況に陥っていると具体的な要望も寄せられている。国民金融公庫の調査でも、これは全国的調査であるが38%が貸し渋りを実感している。今後の貸し渋りの深刻化は68%である。私は副知事に聞きたいが、貸し渋りがないと認識しているか。

〇吉永副知事 まず、ないとかあるとか言う前に、貸し渋りとはどういうふうに考えるかということであるが、明確な定義があるわけでないが、例えば、企業活動としての業況、資産等に特に問題がないにもかかわらず、金融機関側の事情により十分な量の資金供給が行われない場合、これが一つの定義だと思う。この金融機関側の事情として、現在、一番新聞等で言われておるのは、自己資本比率規制に関する早期是正措置が3月期決算から導入されるということのために、それをクリアしなければならないという金融機関側の活動がそういうことを生じているということである。特に、海外に拠点を持つ金融機関の場合には、8%の自己資本比率をクリアすることが条件となっておる。これらの機関については、分子である自己資本に計上される株式の資産価値が減少している現状においては、自己資本比率を上げるために分母である資産を圧縮すると、そういうことを原因とする貸し渋りが昨年来、都銀や大手地銀等で見られているものである。このため、特に都市部において民間金融機関の貸し渋りというものが生じているわけである。東北地区にはこの8%ルールを適用される金融機関は仙台に1行のみあって、岩手県には存在しない。実際、貸し出しの動きはどうかということであるが、日銀の調査によると、平成9年11月末現在の民間金融機関の貸出残高、これを前年比で調べてみると、全国ベースでは横ばいとなっておる。貸出残高で横ばいということは、ある意味ではその間に新規の貸し出しがないということに等しいものである。これが貸し渋りと言われているわけである。東北地域の貸出残高の伸びはこの期間3・7%、本県は4・9%、という意味で貸出残高の伸びは、全国と東北、東北の中でも岩手というのはちょっと違っているという、そういう事実がまず一つある。しかしながら、最近の景気は、御案内のとおり、県内を含み、足踏み状態から停滞傾向に後退しておる。こうした景気の停滞を反映して、企業の業績悪化等によって金融機関が融資態度を厳しくするという、そういう意味の資金調達に困難を生じているという、そういう企業が生じていることは、数字でどうかということを別として否定できないと考えておる。こういうことに対する対策としては、県としては1月5日から中小企業対策特別相談窓口を設置して、中小企業のそういう企業相談に応じるなどの措置、その他を講じて、いかなる意味においても資金調達が問題になるようなことがないよう配意してきているところである。

〇斉藤委員 この貸し渋り発言問題は、もう県内の中小業者は、新聞を見て本当に怒っている。そんな実態を、何も県はわかっていないのかと。いろんな融資枠の拡大をやって、私はそれを評価している。しかし、それに魂が入らない。いわば貸し渋りの実態はないという認識でそういう行政をやったら魂は入らない。中小業者は、今、戦後最悪の不況で苦しんでいる。それで景況が変わらないことを前提に融資、貸し渋りがないなどという、腐敗した大蔵省の解釈でやっていたらとんでもない話である。私はああいう発言はあなたが訂正して、本当に今、県内中小業者のこの実態をよくあなたが掌握して真剣にやっていただきたい。要望にとどめる。
 学校給食、米飯給食への助成について改めてお聞きする。
 橋本内閣が米の輸入自由化を促進する一方で大暴落を招き、異常な減反拡大を農民に押しつけている。この中で農業つぶしの象徴とも言うべきものが学校給食、米飯給食への補助の削減、廃止である。米が余っているというのになぜ学校給食、米飯給食への補助削減、廃止をするのか。米の消費拡大にとって学校給食は極めて重要で、日本型食生活の普及定着にとっても最も重要な課題だと私は考えるものである。農業県、食糧供給県岩手として、なぜ県として独自に米飯給食推進の助成をしないのか。政府の補助削減、廃止によって県内では11市町村が学校給食の回数を減らして対応しようとしている。給食費の値上げを検討しているのが22市町村である。米飯給食は前進してきたと言ってもまだ週3・2回、週5回にしてもおかしくない。岩手の県政にとって、米の消費拡大にとっても私は学校給食の拡充、それへの助成はぜひとも必要だと考えるが、いかがであろうか。

〇吉永副知事 米の消費拡大は非常に重要な政策課題であって、米飯学校給食の推進というのはこの大きな柱であると思っておる。昭和51年度以来講じておる学校給食用米穀の値引き措置はその柱であったわけであって、財政構造改革の推進に関する特別措置法の趣旨を踏まえ、その一環として、国は集中改革期間中に段階的に廃止することとされたところであって、大変残念なことと思っておる。この値引き措置については、週3回未満の実施校については10年度から廃止されるが、週3回以上の実施校については、保護者負担に配慮して段階的に廃止されるということになっておる。御指摘のとおり、当県では平均3・2回であるから段階的に廃止されるということである。この負担増については、保護者の理解と協力を得ながらやっていきたいと考えておるわけである。最近、米の消費が年々落ち込んでいる中で、米飯を中心とした日本型食生活の一層の普及を図っていくことが必要である。このためには子供のときから米食に親しませる食習慣を定着させるということが非常に重要である。米を食べない限り日本人ではないと私は個人的には思っておるわけであって、そういう思いは委員と同じだと思っておる。であるから、学校給食ではこういう点からは今後とも拡充すべきと考えておって、国が10年度から事業化する、廃止になったかわりにいろいろ推進措置があるので、まずはそれを試しつつ、米飯学校給食については今まで以上にその維持拡大に積極的に努めてまいりたいと考えておる。

〇斉藤委員 言うことはいいけれどもやることがだめなんだ。あなたがそんな立派なことを言うならちゃんとやったらいいではないか。約1、000億円近い農政予算があるのだから、将来に向かっても、僕は本当に農政の基本にかかわるような問題だと思う。今の答弁を生かすような施策をやっていただきたい。
 大規模林道川井住田線について。
 昨年11月、12月、森林開発公団がプレック研究所に委託して猛禽類の生息状況調査を行った。その報告書を県は受けているであろうか。
 報告書では、考察、今後の課題でどう報告されているであろうか。
 報告書の内容について公団任せでなく、県内外の専門家による検討委員会を設置すべきであると考えるが、いかがであろうか。
 予定路線が土石流危険溪流の周辺を通ることになっているのに、公団は知らなかったと言っているが本当であろうか。県は1973年に災害、地質、地形の調査を行ったと言うが、どういう内容であろうか。だれがやったのであろうか。それ以外はやっていないのであろうか。

〇吉永副知事 まず、川井住田線の猛禽類生息状況調査報告書であるけれども、森林開発公団が実施した猛禽類の生息状況調査については報告を受けておるし、その報告書も読んでおる。
 その中にはどう書いているかということであるが、報告書によると、クマタカの飛翔状況については、タイマグラ地区では林道が施工済みの箇所で3回、未施工の箇所で1回確認した。また、横沢地区では林道が施工済みの箇所で1回確認したが未施工の箇所では確認されなかった。また、希少猛禽類についてはそれぞれ1回確認したが、その生息区域については不明。今後の課題としては、クマタカについては、繁殖状況、行動域、林道周辺の利用状況について、その他猛禽類については飛翔状況の確認をし、希少猛禽類の生息特性を把握することが必要とされておる。これらの課題を受けて、今後の調査は、クマタカの営巣期に当たる4月から7月にかけて実施することとし、その間は工事は着工しない、そういうふうに聞いておる。
 それから、この報告書の内容について公団任せでなく県内外の専門家による検討委員会を設置すべきではないかということであるが、これは公団は御存じのとおり、環境庁のマニュアル、それを引いた林野庁のマニュアルに基づいてやっておって、それによれば情報に接した場合、その内容が具体的かつ信憑性があり、しかも繁殖の可能性が多いと判断された場合は工事を一時中止して、都道府県あるいは市町村で営巣地等の確認を行うことになっておる。現在はその前の段階であって、公団がこの前の段階で独自に調査している段階であるので、現在はこのマニュアルどおりにやっておる公団を見守りたいと、そういうことである。
 次に、土石流危険溪流であるが、土石流危険溪流は、県が、土石流による災害から人命を守るための警戒避難体制を徹底させることなどを目的として、建設省の行政指導によって昭和41年から随時見直しを図りながら箇所づけを行っているところである。箇所づけを行って、これを市町村の地域防災計画などに掲載するよう指導してきたものである。この大規模林道川井住田線の予定路線がこの中に含まれているというものである。しかしながら、この箇所づけは直接工事を規制するのではないことであるので、森林開発公団がこのことを承知していなかったとしても、特に問題になるものではない。
 それから、73年に行ったとされる災害、地質、地形調査であるが、これは20年以上前のことであって、当時の書類は廃棄されておるから、どのような内容かは不明である。

〇斉藤委員 クマタカについては実は平成7年のクマゲラ調査のときに、その報告書にクマタカの飛翔を確認している。ところが、公団はこのクマタカについては全然調査しなかった。そして、どんどん工事を進めてきた。私は、環境行政を第一にする増田知事だったら、こういうやり方に抗議してしかるべきだと思う。そして、私は、本会議でも聞いたけれども、環境庁の猛禽類保護マニュアルでは1年半の期間で調査が必要になってくるわけだから、しっかり言うべきことを言って環境を守るようにしていただきたい。
 最後である。食糧費の問題についてお聞きする。
 第1、288件5、171万3、000円の食事券について、購入先、配付先を調査したのであろうか。

〇千葉副知事 食事券については、経費支出の事実は確認されたものの、関係者、関係書類などからの確認においては、適正な配付が行われたかどうか判断できず、また、社会通念上、許容の範囲とは認めがたいと思われるところから、不適正な支出としたところである。なお、配付先については、当時の県側の担当者から聞いたところ、いずれも配付先の特定ができなかったため調査に至らなかったものである。
 なお、食事券の発行について、購入先に照会したところ、件数で9割を超える回答があった。そのうち販売の事実が確認できたものが約7割、残りの約3割は既に帳票がないところから確認ができないという回答を得ているところである。

〇斉藤委員 食事券については、今7割から確認したと、私、商工文教委員会で聞いたら、購入先も配付先も調べてないと、こう答弁があった。これはちょっと整合性がないから後からしっかり聞きたいと思うけれども、そもそも食事券は、調査によれば売ってないという業者が多い。省庁はもらってないと言っているのである。私は本当にこの食事券が存在したのかどうかが問われていると思う。それで、存在しなかったらそれは裏金になる。この点をもう少し、本当に存在したのかどうか。東京事務所の職員はどう言っているか、どう調べたのかお聞きしたい。
 議会費を使った食事券、不正支出ではないであろうか。

〇千葉副知事 債権者への経費支出の事実が確認されているわけであるけれども、関係者、関係書類の確認において適正な配付が行われたかどうか判断ができないために不適正な支出としたものである。食事券の関係については、支出証拠書類、すなわち購入票、支出票、請求書が存在して正当な経費が支払われておって、お尋ねのようなことはないと考えておる。

〇大隅総務部長 東京事務所に係る各部局ごとの不適正支出額を明らかにすることによって、その不適正支出に関連した職員が識別されるという可能性が高いことから、議会費に係るものについても差し控えさせていただきたいと思うので、御理解を賜るようお願いする。

〇斉藤委員 私が聞きたいのは、議会費による食事券も不正だと思う。議会のために使っていない不正支出ではないかと聞いている。平成5年、3件120万円、平成6年、3件69万円ある。これは議会のため使われたのであるか、それとも不正支出であるか。不正支出の件数、額に入っているか。それをお聞きしたい。

〇大隅総務部長 東京事務所の職員は、例えば県議会担当という職員が事務分担表で明らかになっておる。したがって、先ほど申し上げたようなことがあるので、御理解を賜りたいということである。

〇斉藤委員 答えていない。私は、不正額に入っているのか入っていないのか聞いているのである。もしこれが不正額だとすれば、議会の費用を勝手に東京事務所が不正に使ったということになるのだから、答えられないということはないであろう。
 あわせて私は、議会費にかかわる東京事務所の懇談が、不正懇談、不明、適正、どうだったのかも聞きたい。

〇大隅総務部長 先ほど答弁申し上げたものと同質のものであるので、御理解を賜りたいと思う。(斉藤委員「だめだ、答弁不能だそれでは、答弁にならないではないか。ちょっと検討してもらいたい。これでいいか、これで。だめだ、これでは答弁になっていない。」と呼ぶ)

〇折居委員長 斉藤委員、挙手してもう一回発言してもらいたい。

〇斉藤委員 私は、議会費を使って東京事務所が不正支出をしたのではないかと聞いている。これに答えられないということはないであろう。

〇大隅総務部長 であるから、何度も申し上げておるように、議会費を執行する担当者、東京事務所の職員というのは1人しかいないわけであって、個人が識別される結果になると、不正なものが例えばあったとなればその個人が関係したということが明らかになるということであるから、そういう意味で申し上げることを控えさせていただくと申し上げているわけである。(斉藤委員「世話人会で検討してくれないかな。だって公務員だよ。」と呼ぶ)

〇折居委員長 斉藤委員、発言は挙手して正式にやっていただく。

〇斉藤委員 今の答弁では全く納得できない。世話人会で検討してもらいたい。

〇折居委員長 今の件であるが、委員長において検討させていただくから、次の質問に移っておいてもらいたい。

〇斉藤委員 ビール券についても食事券と同じように使われたのではないか。購入先、配付先は確認調査しているのか。
 ビール券を食糧費で支出すること自体が問題ではないか。食糧費の定義も含めて答えていただきたい。

〇千葉副知事 ビール券については、県政推進上必要とする各種の情報提供や助言、指導などに対して、社会通念上、儀礼の範囲内で配付したものである。今回の調査においても、儀礼の範囲内で使用したものであり、社会一般に認められているものとの判断から、特に配付先の受領の確認は行わなかったものである。
 ビール券を食糧費で購入できるかどうかについてであるけれども、食糧費は、会議用、式日用の茶菓弁当、応接用の料理、酒類、災害等における非常用炊き出しなどに支出できるものとしてきたところである。ビール券は、酒類の購入として支出してきたところである。

〇斉藤委員 今の食糧費の定義を正確に言うと、応接用の弁当、料理、酒類なのである。応接用の。ただビール券を買ってばらまくなどというそういう支出は認められていないであろう。どうであるか。

〇千葉副知事 私の答弁で応接用がちょっと抜けておったので、訂正させていただく。

〇斉藤委員 詳しくは総務部でもやるが、そういうものなのである。本来食事券もビール券も食糧費で支出すべきものではない。私はそういう点では使われ方も同じだから全く不正だと思う。
 時間がないので進むけれども、不正支出懇談会の中で実施内容が不明なものが549件3、630万7、000円ある。懇談会ではなく別のものに使われたのであろうか。何に使われたのであろうか。

〇大隅総務部長 実施内容が不明なものに分類しているケースは、実施伺に関係者の記載はあるものの、その関係者から懇談の事実の確認を得ることができなかったものである。したがって、不明なものという区分をして、不適正という判断をしたものである。なお、その実施内容が不明なものに係る利用の事実について債権者に照会をしたところ、件数で約6割の回答があった。そのうち利用の事実が確認できたものが8割、残り2割については既に帳票がないところから確認できないと、こういう回答を得ているところである。

〇斉藤委員 不正の懇談会、1、518件9、872万2、000円、不正の懇談会も全部請求書があるのである。支出票があるのである。これは改ざんであろう。支出票や請求書があったからまともに支出したものだというそういう認定できないではないか。どうであるか。

〇大隅総務部長 書類を改ざんしたという理解はしておらないところである。

〇斉藤委員 1、518件の懇談会は伺いどおりにやっていないのである。ところが、請求書がその日付であるわけだ。これは業者と結託して文書を改ざんしたということではないか。

〇大隅総務部長 別途の機会に既に申し上げておるけれども、さまざま2次会の処理であるとか、あるいは支出科目等の関係などにおいて作成をした書類というのがあったけれども、例えば、業者から提出されたものを書き直したとかそうしたものはなかったと申し上げているわけである。

〇斉藤委員 1、518件はその日付どおりには懇談会がやられていないということなのである。ところが、請求書がその日付で来ているのである。だから、その請求書は業者が書いたのか、東京事務所の職員が書いたのかわからないけれども、私が言っているのは、こんなものがまともな支出の根拠にならないということである。そうではないか。食事券だって、7割回答があったと言うけれども、私たちの調査では売ってないと言うのだから。これだって業者と一緒に結託したということにならないか。

〇大隅総務部長 私どもはそういう認識はしていないところである。

〇斉藤委員 認識の問題ではない、これは事実確認の問題である。あなたが認識していないと言うなら資料を出していただきたい。全会派に食糧費調査委員会で出した資料を全部出すべきではないか。隠して、言われればそう認識していないなどと、事実に基づかない話はだめだ。食事券は本当にあったのか。改めて聞く。

〇大隅総務部長 私どもは調査において確認した範囲で、食事券は存在しておったということである。

〇斉藤委員 配付先の省庁から東京事務所に問い合わせがあった。どこに配ったのか教えてほしいと言ったら、回答がなかったのである。なぜ答えなかったか。東京事務所の職員は食事券についてどういう証言をしているか。真実を言っているのであるか。そのことを答えていただきたい。

〇大隅総務部長 当時の食事券の発行に携わった職員から聞き取っておるところでは、食事券は確かに購入したと、ただ、どこに配付したかとか、日付とか、そうしたものは記載した書類はないし、記憶も定かではないので相手方からの確認はできかねるという回答がある。

〇折居委員長 おおむね12時近くになったので、この際、昼食のため午後1時まで休憩したいと思う。
   午前11時49分 休 憩
 
   午後1時5分 再 開

〇折居委員長 休憩前に引き続き会議を開く。
 この際、先ほどの斉藤委員の質問に対し世話人会を開いてほしい旨の発言に対してであるが、委員長としては、総務部長は答弁していると判断したので、あの件については御了承願う。
 進行する。
 ほかに質疑ないか。

〇伊藤委員 3点ほど質問させていただく。
 まず最初に、県立大学がいよいよこの4月からオープンすると、こういうことで、試験も終わり、入学者も決定したようである。そこで、県立大学の運営を上手にしていこうということでいろいろな意見を聴取する機関として参与会を設けられる、そのように聞いておるが、その参与会はどのような目的のもとにつくられるのか、それからその人選についてはどのように選任をされるおつもりなのか、まず1点お伺いしたいと思う。
 それからもう一つは、106号の達曽部工区が今2本目のトンネル、2本目の橋がかかっており、いよいよ完成が間近なのかと、このように思っておる。私が聞いておるところ、平成10年度中には供用開始をさせると、そのように伺った。しかし、先般宮古市で公共事業拡大総決起大会を開催したときに、来賓として来られた代議士は、平成11年度からの供用開始であると、このようにおっしゃったわけであるが、一体いつなのか、この部分をまずお伺いしたいと思う。

〇吉永副知事 達曽部道路についてお答えする。
 達曽部道路は、一部用地取得が困難となっておったが、平成10年1月に事業認定を受け、平成10年度の早々に用地収容裁決申請を行い用地取得を完了したいと考えておる。したがって、供用時期については、これら事務手続と残る区間の工事施工を勘案すると、平成11年中になるかと考えている次第である。

〇大隅総務部長 県立大学の参与会についてであるが、県立大学は、地域に開かれた大学として県民の要望やニーズに積極的にこたえることが必要である。また、経済社会情勢の変化が著しい今日、大学は広く学外の意見に耳を傾けながら、みずから意識改革に努め、円滑な大学運営や活性化を図る必要があると考えているところである。このため、参与会は学長の諮問機関として設置し、学長に対して助言または提言するものであり、20人以内で構成することとなっておる。構成メンバーについては、県立大学の職員以外の者で、大学に関し広く、かつ高い識見を有する者のうちから知事が任命することになっており、現在、人選については、行政、各産業界、報道機関、各学部に関連する団体及び学識経験者等で構成する方向で検討しているところである。

〇伊藤委員 県立大学の参与会についてであるが、今回、盛岡短大も、もちろん宮古短大もこの県立大学の傘下にというか、そういう組織になるのであろうと思う。盛岡短大は地元であるから、それはそれとして、宮古短大は沿岸に唯一の県立の部分であるので、そういう参与会の中にぜひ県北・沿岸地域の方も加えていただき、宮古短大の位置する地域の声をぜひともこういう部分に反映していただきたいということでお考えいただくように、これはお願いしておきたいと思う。
 それから、106号については11年度中ということであるそうであり、大変ありがたいと思っておる。今、この106号の南インターから川目地区までは国の直轄でやっていただいておる。一昨年の暮れに、簗川ダムが用地交渉がまとまったということから、いよいよこの部分も進捗していくのであろうと思っておる。つまり、このダムができることによって約7・5キロの現在の106号が水没してしまう。それに代替のルートとして4本のトンネル、14本の橋、こういった部分で工事をしていくと伺っておるけれども、11年度に達曽部工区が終わってしまうと、今やっておる川目地区の工事も、簗川に係る部分も、全体これは盛岡土木事務所に関する管内の部分である。したがって、達曽部工区が完了すると宮古土木管内の部分がなくなる、こういうことであると思うので、この106号の宮古土木管内についても、箱石あるいは川内、あるいは茂市・蟇目間の大体90度に近いカーブ、あるいはまた、上部がJRのために上には行けない、それから、反対側は河川になっているからそっちも広げられない、あるいはまた、反対側は岩が立っていてそっちにも行けないと、こういうことであり、現在宮古港にコンテナ船が、フィーダー船がやっと入ってくれるようになった。今は20フィートのコンテナであるが、恐らく将来は40フィートのコンテナに早晩なるのであろう。そうなると、40フィートコンテナを積んだトラックが、通れないに近いような状況にある部分があるわけであるので、次なる工区の設定をぜひともこの106号にかかわって偏らないように、これは土木工事という部分だけではなく経済効果を早くという部分もあるので、盛岡土木あるいは宮古土木均等に工区設定をしていただきながら順次やっていきたいと思うわけであるが、これについてのお考えをひとつお聞かせいただきたい。

〇吉永副知事 盛岡宮古道路、これは地域高規格道路として整備を順次進めているわけであり、現下の非常に厳しい財政状況の中においては最重点を置いてやっているところである。工区間のバランスについても、私ども意を払いながらやっていきたいと考えている次第である。

〇伊藤委員 あと1点お伺いする。
 今、国内はもちろんであるけれども、県内でもダイオキシン、あるいは除草剤の埋設等の部分でいろいろ物議を醸しておるけれども、本来自然界に存在しないものを人間がつくり出してきた物質、こういうものはやはり人間の手を加えてもとに戻してやらないと本来おさまりがつかないと、こういうことであろうと思う。今は科学もものすごく発展しており、当初は光ファイバーという、大変な技術であると思ったところ、今度は超伝導であると言う。あるいは、超伝導の次はニュートリノであると言う。さらに今度は超臨界という部分までいろいろ勉強が進んでおるようであり、これは日本の水処理メーカーの大手であるけれども、オルガノというところで、水で完全燃焼、超臨界水酸化処理ということで、超臨界の水でポリ塩化ビフェニール(PCB)や強力な温室効果ガスでオゾン層破壊物質のフロン、あるいはダイオキシンも650℃、250気圧の条件下で99・99%以上分解できるという技術が確立されているようである。このオルガノでは、超臨界水と呼ばれる高温高圧の水であらゆる有機化合物を数分で完全に酸化分解する有害物質の万能安全化装置を世界で初めて実用化をした。この技術をダイオキシン退治にも応用していく、こういうふうにうたっておる。この資料は、後で委員の皆様にもお配りさせていただきたいと思うが、今県内で大変大問題となっておる雫石・御所湖周辺の農薬の埋設の部分についていろいろやり取りしておるわけであるが、このオルガノの技術で新しい水処理分野の事業領域としてこの超臨界水に着目、93年に米国のMODAR、現ゼネラルアトミクスと技術提携をした。そして、国内での超臨界水酸化(SCWO)処理の独占権を得た後、新エネルギー産業技術総合開発機構(NEDO)の委託を受け、埼玉県戸田市の総合研究所内に、名目1日1トン、実質同2トンの連続処理能力を持つ実証設備を建設、運転してきた、こうある。
 何を言いたいかというと、今県内に埋設されているという部分を、監視監督は今一生懸命やっておられるようであるが、コマーシャルにあったと思うが、臭いにおいはもとから絶たなければだめと。したがって、管理監督という部分ではなく、この際、根本解決をするために、こういう部分を掘り出して、こういう施設で処理をして、その処理費がちょっと幾らかかるかわからないが、むしろその処理費を国に請求していく、こういう部分にこの技術を取り入れていただくと県民の不安を一気に解決できるのではないか、こう思うが、当局ではどのようにお考えであろうか。

〇千葉副知事 非常に専門性の高いものであるが、超臨界水による産業廃棄物の処理の技術の関係については、ダイオキシンの処理技術としてもかなり研究が進んでいるということだけは承知しておる。現在、民間企業において実証試験がかなり進んでいるということであり、今後、経済性も含めてさらに研究が進んでいくのではないかと考えておる。
 いずれにしても、環境関連技術の一つとして非常に有望であるということを新聞等で拝見しておるので、これらについても情報収集等にこれから努めていきたいと考える。

〇伊藤委員 増田知事の演述にもあったけれども、平成10年は環境創造元年にしていく、こううたっておられるので、ぜひこういう先端技術を積極的に活用していただき、県民が不安を持っておるこの農薬埋設問題の根本解決のために御活用いただくようにお願いして終わる。

〇佐藤(正)委員 それでは、私は簡単なものを4点。
 財政についてであるが、私は、昨年の2月県議会予算特別委員会総括質疑において、現在のような厳しい財政環境の中では、新幹線の地元負担、県立大学、花巻空港、その他、美術館、図書館等の建設費及び運営費等に今後大きな財政負担を余儀なくされ、命取りになりかねないのではないかということを御提言を交えながら幾つかの点について問いただしたところである。特に県債の発行については、いわゆる優良な起債を積極的に導入するといってもしょせん借金であることから、財政の健全性を維持するための起債の上限を決めて、その範囲内での地方債の導入、発行というものを考えていくべきではないかと御提言申し上げたが、そこにおられる千葉副知事からは、本県の予算は毎年度の国の予算や地方財政計画などに大きく影響を受けるから、中長期的な財政の見通しを立ててそのような方法を導入することは困難であるという旨の御答弁をいただいておる。
 ところが、今般県では突然、県財政の見通しを策定する一方、行財政システム改革指針なるものを策定し、その中で、単年度の県債発行額は平成10年以降毎年減少させ、14年度までに858億円までに減らす方針を明らかにした。これは、さきに私から議会で指摘した盛岡大学の不正に対する助成の減額、さらには監査委員の外部からの導入と、今回も私の提言が早速取り上げられた、これはびっくりしているわけであるが、それにしても、1年前の答弁とは天地ほどの差がある。君子豹変すとは申すが、この1年間で県財政当局の認識を反転させるような事態が生じたのか、あるいは、当時余り危機感がなかったからそのような答弁をされたのか、この点についてお願いする。
 次に、新しい総合計画の策定について。
 また、県の財政見直しを詳細に見ると、県債発行残高が県予算を大きく上回り1兆円を超える勢いである。これも一般質問など、先ほどの代表質問でもあったが、歳出予算も借金返済である。公債費のみが膨張し、3県総の主要施策に充てるべき財源をどこに求めるのかと、ますます懸念が広がってまいる。そのため、当然のことながら、未着手の箱物整備は抑制されていくものと考えるわけである。報道によると、新県立図書館の建設地選定は平成10年度以降になるとのことであるが、3県総は今後確実に推進できるのであろうか。仮に計画どおり事業が進捗しない場合は、現在県企画当局が策定を進めている新しい総合計画は砂上の楼閣になるのではないかと、このように深く危惧するものである。したがって、目標年次が平成12年度である3県総後期計画を県の体力、懐ぐあいに合わせて着実に推進することがまず最優先されるべきであり、新計画策定作業は当分凍結すべきではないであろうか。県企画当局の御見解を伺っておく。
 次に、入札の−−疑惑までいかないけれども、臭いところを2件。
 昨年の12月26日の県報を見ると、物品落札者の決定公告が出ておった。落札にかかわる物品及び数量は、1、ヒューマンパフォーマンス解析システムほか5品目である。金額は1品6、000万円から2、000万円までのかなりの金額である。うち4番目を株式会社岩手科学社が3、118万5、000円で落札しているほかは、全部アイシーエスなる会社が落札しておる。合計金額で2億916万円である。一般競争入札に参加した会社名、入札価格をお示し願いたい。
 もう1点は、菓子博である。
 菓子博がいよいよ始まるが、これは昨年12月の決算で、多少不協和音があると私は警告しておった。全体予算が19億、県の補助負担金が5億円。私は、土木常任委員会で請負契約の案件が出ないがどうしたのかと、こう聞いたところが、私は関係ない、これは実行委員会に聞いてくれという御答弁であった。会場整備費5億6、175万円と伺っておるが、指名業者は何社であろうか、落札業者はどこであろうか。
 以上4点についてお答え願う。

〇千葉副知事 最初に、財政の見通しについてであるけれども、本県の財政は、県税などの自主財源に乏しく、地方交付税、国庫支出金や県債にその多くを依存せざるを得ないという状況にある。したがって、国においてこれら依存財源にかかわる制度の改正や予算措置の増減等の変動がある場合は、本県の予算編成や財政運営に大きな影響を及ぼすものである。したがって、毎年度の国の予算や地方財政計画を抜きにして将来の財政見通しを立てることは困難が伴うところから、県財政の中期の見通しの策定は昭和55年を最後に行っていなかったところである。しかしながら、国においては膨大な公債残高を抱えて財政的に危機的な状況にあるとして、昨年11月に、財政構造改革の推進に関する特別措置法を制定した。その中で、財政構造改革の推進に関する国の責務や改革の目標などを定め、今世紀中の平成12年度までを集中改革期間として、徹底した歳出の縮減などに取り組むこととするなど、財政構造改革を最重要課題として位置づけたところである。
 また、地方財政についても、国と同一基調での改革の推進が求められ、公共投資予算額のカットや地方公共団体に対する補助金の整理、合理化、あるいは地方債の発行規模の抑制方針が打ち出されるなど、本県の財政運営を取り巻く環境はここ1年でかつてないほど厳しいものになったところである。
 また、本県の財政も県債残高が1兆円に迫り、今後とも公債費の一層の増嵩が見込まれるなど厳しい財政状況にある中で、今後3県総に基づく各般の施策の推進、さらには新しい総合計画への対応などを図っていくためには、弾力性のある財政構造を確立していくことが最重要課題となったところから、昨年10月に行財政システム改革のための指針を策定したところである。この指針に基づいて、本県財政の現状と今後の推移を把握するための中期財政見通しを策定するとともに、財政健全化の目標として、歳出の抑制、平成12年度末までに県債依存度を10%未満まで縮減、財政調整基金など主要3基金の残高の確保の三つを定めて、財政の健全化を図ることとしたところである。
 次に、高額物品の落札状況であるが、ヒューマンパフォーマンス解析システムほか5品目に係る一般競争入札に参加した会社は品目ごとに異なるけれども、株式会社アイシーエス、株式会社岩手科学社、日本ビクター株式会社、そして富士通株式会社の4社である。品目ごとの入札参加社と消費税抜きの入札金額は次のとおりである。ヒューマンパフォーマンス解析システム、参加した会社名は株式会社アイシーエス、入札金額は3、150万円である。マルチメディアデータベースシステム、これは参加した会社は株式会社アイシーエス、入札金額は6、360万円となっておる。それから、プレゼンテーションシステムであるが、参加した会社はアイシーエス、岩手科学社、日本ビクターである。入札金額は、アイシーエスが4、970万円、岩手科学社が5、000万円、日本ビクター株式会社が5、100万円となっておる。それから、オーサリング型簡易工房システムであるが、参加した会社は、岩手科学社、アイシーエス、この2社であるが、入札金額は、岩手科学社が2、970万円、アイシーエスが3、100万円となっておる。それから、開発支援基盤システムであるが、参加した会社は株式会社アイシーエス、富士通の2社である。入札金額はアイシーエスの2、000万円である。富士通は入札保証金額が不足であり、この入札は無効となっておる。それから、ネットワーク接続システムであるけれども、参加した会社は株式会社アイシーエスであり、入札金額は3、440万円となっておる。

〇吉永副知事 菓子博の関係の会場整備工事の契約手続についてお答えする。
 第23回全国菓子大博覧会の円滑な運営を図るために、県、盛岡市、菓子工業組合など、県内40機関、団体からなる実行委員会を組織して準備を進めているところである。県は、実行委員会の構成員として12名の職員と5億円の負担金を支出しているところである。実行委員会は、全体の事業費を19億円とし、収入は負担金、入場料その他の収入を充てることとしており、支出については、御指摘のとおり、施設建設費を10億5、200万円見込んでおる。このうち、会場整備工事費は予算で5億6、000万円程度である。
 実行委員会は、契約事務の手続については全国菓子大博覧会会計規程に基づき執行しているところである。この会計規程は、県の例によるとしておる。県の工事契約事務については、地方自治法に基づく競争入札を基本としていて、設計枠5億円以上の工事の場合は、原則として公募型指名競争入札、21億6、000万円以上は一般競争入札、その他特別の場合に随意契約ということになっているわけである。発注する工事業種は、建設業の許可業種区分では、建築一式工事、とび、土木工事等に分かれるわけであるが、この菓子博の場合には、発注者である実行委員会事務局の技術職員数が1人しかいなかったということ、それから冬季を含む短い工事工程を考慮して、会場整備工事と会場設営工事、外の工事と中の工事、この二つだけの区分にして発注したものである。
 それから、お尋ねの会場整備工事の契約方法であるが、工事内容が博覧会会場の大規模な仮設建築物の設営から、会期中の施設管理終了までの撤去までを含める非常に特殊な工事であるということから、実行委員会としては競争入札方式を採用せずに随意契約によることとして、該当する業種の建設業の許可を有し同種工事に多くの経験と実績を持つ、海づくり大会も行ったことのある小川テントを相手方として見積もりを行い、特名随意契約により契約を締結したものである。

〇武居企画振興部長 まず、3県総後期実施計画の状況については、重点的に取り組むべき事業として330事業を設定しているところであるが、平成10年1月1日現在で、そのうち95・2%に当たる314事業に着手するなど、その着実な推進に努めているところである。
 一方、21世紀を目前にした今日、人々の価値観であるとか生活様式も大きく変化するとともに、さまざまな、地球時代であるとか、人口減少、高齢化時代であるとか、高度情報化時代、こういったものが本格的に到来しつつある中で、産業、経済の構造であるとか社会構造であるとか、県、市町村にとっては、国と地方の関係というもの、特に地方分権の推進、こういったものが行われており、などなど各種施策を推進していく上での前提が3県総策定当時、これは平成3年に策定されたわけであるが、基準年として昭和63年度をさまざまなデータの際に当時とっておったわけであるけれども、こういった当時と比較して予想し得なかった大きな変化が見られるほか、今後の経済なり人口の動向を見ても、これまでのような右肩上がりの成長が必ずしも望めない経済社会が想定される、こういった状況がある。こういった中にあっては、目標を定めて、いかに政策を立案し、これを実行していくか、こういったことが、従来にも増してそのかじ取りが重要になってくるものと認識しているところである。
 県としては、こうした状況に対応するために、新たな時代に向けて明確なビジョンを持って県政を運営していくことが必要不可欠であると考えており、こうした認識に立って新しい総合計画の策定に鋭意取り組んでいるところである。
 なお、3県総との関係、新しい総合計画が策定されると、3県総後期実施計画の計画期間と一部後半部分で重なる部分が出てまいる。こういった点について、3県総後期実施計画について、特に11年度に策定されると、平成11年度と12年度の2カ年間が問題になってくるわけであるが、こういった期間に継続して実施する予定の事業であるとか、あるいは新たにその期間に着手する予定の事業については、これから具体的に検討することとしておる新しい総合計画の施策体系を踏まえて、新規事業との調整を図りながら新しい総合計画の中に位置づけ、進行管理もしっかりと行いながら、県政における継続性の確保を図ってまいりたいと考えておる。

〇佐藤(正)委員 なかなか苦しい答弁である。
 副知事、1年前にこの問題を取り上げたので、私は副知事と張り合うつもりはないのである−−県議会議員は部長級であるから。だけどどうか、1年前に私は御指摘したのであるから、あなた今、ここ一、二年厳しいと。厳しいと1年前にここで私は御指摘申し上げたのであるから、そういう意味で、今回もおやめになるかどうかわからないけれども、やっぱりそういうものはきちんと立ててもらわないと、1年ぐらいでぐらぐら変わるようでは困る。(「橋本総理に言え」と呼ぶ者あり)橋本総理になんか会えるのか。会えないくせに、言ったってだめであろう。
 企画部長、今おっしゃるとおりで、平成12年度に本当にこれができるかどうか非常に心配である。県債発行額も、10年から減らして14年までに858億、ここまで減らすのであるから、今御答弁のとおり、新計画策定については重点的にやりたいと、これは当たり前のことである。であるが、現状を把握していかないと、今副知事御答弁のとおりであるから、ひとつ連携を保ちながらやってほしいと、こう思っておる。
 それから次は、例の入札である。御案内のとおり、ヒューマンパフォーマンスという新しい機械であるそうであるが、アイシーエスという会社は、ここに出ているが第三セクターの会社である。第三セクターの会社がほとんどをとっている。岩手科学社が3、118万だけで、あとは合計2億968万、これはアイシーエスという会社である。営業しないでもとるのであるからいい会社である。第三セクターであるからとるのかどうかわからないが、そうなるとどうであろうか。第三セクターであるから重点的にとるかどうかわからない−−一応入札しているのであるが、実際にはとっているということになると、営業しないこの会社が優先的にとるということになると、そこの裏に何か談合があるのではないかと思ったりする。あるいは、入札の公平性が欠かれるのではないか。何も苦労しないでとるような会社ならこんないいことはない。そういうことになると民間会社を圧迫するということになりはしないか。どうか、その御見解をひとつ伺っておく。
 それから、菓子博について。
 今契約については伺った。5億6、175万、これは、これだけの金額があれば市町村では立派な施設が一つできるわけである。だから、この間土木部である人に聞いたら、この値段はどうかと言ったら、少し高いのではないかと言っていた。私は、これを今伺うと、技術関係が1人である、だから随契にしたということであるが、そうなると、この種の工事というのは余りないから1社で随契にしたということであるが、やはり県民から見ると、日本で1社しかないわけではないのであるから、きちんとした入札の手続をとってやるべきが本当と思うのである。例えば、今度のこの菓子博というのは、県が主導するイベントであるから、県の菓子博であるから、菓子博覧会実行委員会がやっているなどと普通の人は思っていない。県がやっていると認識しているわけであるから、しかも県が5億という多額の負担をしている極めて公共性の高い施設であるから、そういう意味においては、これは県が積極的に入札にかけてやるというのが本当ではなかろうかと思っておる。
 そこで、どうであろうか、不幸にも事故が発生した場合、お客さんが日本じゅうから来るわけであるが、その場合、実行委員会で責任がとれるのか、それとも、しようがないからその責任は県がとるということになるのか、その点についてもひとつ伺っておく。

〇吉永副知事 まず、マルチメディアセンターの入札のところは千葉副知事がお答えしたとおりであるが、このマルチメディアセンターの、例えば仕様であるけれども、これを見ると、確かに名前は口をかみそうな名前がいろいろ入っているわけであるが、それは、例えば映像制作編集関連システム、あるいは簡易工房システムといろいろあるわけであるが、このマルチメディアセンター、通商産業省の補助事業の導入を図って、先進的なソフトウエアの開発を行うための開発拠点としてつくっているわけである。例えばこの入札の仕様書を見ると、これは幾つかのコンピューターと、例えば映像制作編集関連システムで見ると、コンピューターほか、いろいろなハード11に、それに必要なアプリケーションソフト、それから全体をシステムとして組み、それをまたソフトのインストールから設置、アフターサービスまでを一つの仕様書として書いてあるわけである。そういった仕様書に書かれているものを入札にかけたわけであるので、その仕様書の書き方そのものがどこかの1社に有利になるようには、私が読む限りにおいてはないわけである。目的に応じて非常にきちっと書いていると思うわけである。
 他方、機械を中心とするそういうシステムを組めて、かつそれのアフターサービスまでできる会社ということであると、これは一般競争入札を、ある意味では世界中に対してやったとしても、岩手のあの地でそういうアフターサービスまでやれる会社ということでは、結果として1社になったと、そういった面があろうかと考えている次第である。
 それから、次に菓子博であるが、これについて、まず設計金額が高いのではないかということであるが、この菓子博は24日間の開催期間に60万人以上の観客動員を見込む全国規模の博覧会であり、この規模にふさわしい施設を建設することとしておる。また、この博覧会としては、今までの最大規模の博覧会であり、実行委員会では、基本構想策定の段階から、規模、程度、安全性等を十分に検討して決定したものである。設計の額そのものは事務局で行ったものであるが、適切なものと考えている次第である。
 あと、この入札についてであるが、これを結果として随意契約にしたわけであるが、その点について今しばらく敷衍して説明させていただくことを許していただきたいと思うわけであるが、例えばこの工事がもし仮に県営の工事であったとした場合には、これは率直に言って公募型指名競争入札以外しか取り得なかったと考えている次第である。これは、会期中の設営した建設物の管理、撤去ということを考えても、設計金額は5億円以上であるので、入札方法の透明性ということが最優先されるということから、公募型指名競争入札になったと思うわけである。
 しかしながら、実行委員会としては事務局の技術職員が1名ということと、冬季を含む極めて短い工事、輻輳する工事現場とか、いろいろな事情があり、もし公募型指名競争入札をとった場合には、工事に余り経験のない業者が入ってくるのではないかと、そういったいろいろなおそれを感じ、該当する業種の建設に許可を有し非常に経験のあるものに施工させたいという、そして工事の安全性とか確実性を担保したい、そういう配慮があったわけである。であるので、発注者としては、透明性、公正性を優先するか、あるいは工事の安全性、確実性を優先するかと、そういう二つの選択がこの実行委員会にあったかと思うわけである。そのときに、この実行委員会の会長は県菓子工業組合の理事長であり、その実行委員会のかなりの部分は民間であるということであるので、実行委員会というものの性格上、地方公共団体が発注者である場合とは異なった判断ができるのではないかということを考えて、実行委員会として最終的には随意契約方式を選んだと、そう聞いておるわけである。

〇佐藤(正)委員 わかった。議員の中にはそれぞれ専門家がおいでであるから、その方はおわかりになると思うが、一般的な我々議員というのは、県民の代表として、県のお金が実際に間違いなく使われているかどうか、疑惑があるかどうかということを聞くわけなのである。今のお話を聞いていると、菓子博の実行委員会は、たしか負担が2、500万であったと思った。あとは5億円という金を県が出しているわけであるから、この5億円が間違いなくきちんと使われているかどうかということが我々の責務なわけである。その点を疑惑がないように、また県民からの、きちんとした菓子博で終わるように−−何となく、菓子博だから甘いのではないかという気もするのであるが、そこらあたりはやっぱりやっていかなければならない。
 それから、もう一つの難しいシステムの会社、これは私、聞いても何だかわからない。ここでわかる人が何人いるか知らないけれども、副知事、あなたも難しくてわからないのではないかと思う。こういう難しいものを私どもばっと県報で見た場合に、10もあるのに1社しかとれないで、あととれないのはどういうわけであろうかと、こう思うのである。調べてみると、このアイシーエスは第三セクターである。第三セクターというのは、営業もしないで仕事がとれるのであるか、これはうまいものであるなということは我々考えるわけである。だから、そういう意味でお尋ねしたわけであるから、今こういう時期であるから、斉藤信委員のようにもう少ししつこく言えばいいのであるが、私はあっさり引き下がるわけであるから、どうぞよろしくお願いしたいと、こう思っている。

〇折居委員長 ほかに質疑ないか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇折居委員長 質疑がないようなので、きのうの佐藤正春委員の発言に係る対応について御報告する。
 きのうの会議の結果に基づき、私は、本日9時10分から、佐々木副委員長とともに議会事務局長を帯同し、知事に対しきのうの審議経過を詳細に伝えた。それについて知事からは次の発言があった。
 きのうの予算特別委員会総括質疑における審議経過は十分承った。特別職の秘書は、私の責任において選任したいわば私の直属の部下であり、私の基本線に沿って行動してもらわなければならない。今後とも誤解を与える言動や行動をしないよう注意してまいりたい。
 以上であるので御了承願う。

〇佐藤(正)委員 委員長には大変御苦労さまであった。本当に心から感謝申し上げる。
 そこで今、知事からのお話を承ったわけであるが、このコメントされた文書以外にお話のやり取りの中でどんなことがあったかどうか、あればひとつお聞かせを願いたい。
 それから、御苦労された委員長には、こういう問題について委員長としてどういう御見解をお持ちであるか、あわせてひとつ伺いたい。
 以上である。非常にありがたかった。

〇折居委員長 詳しくいろいろ説明をし、いろいろやり取りがあった。おおむねこの私が報告したとおりであるので、その点は御了解いただきたいと思う。
 それから、委員長としての所見であるが、私も全く知事と同様の考え方に立つものであり、やはり誤解を与えるような行動や言動をしないように注意してもらいたいと思った。
 それでは、これで総括説明に対する質疑を終わる。
 これより、各部局別の審査に入る。最初に、議会事務局長から議会関係の説明を求める。

〇村上議会事務局長 平成10年度の議会関係の歳出予算について御説明申し上げる。
 議案その2の6ページをお開き願う。
 第1款議会費は、総額14億9、197万円余であるが、この詳細については、便宜、予算に関する説明書により御説明申し上げる。予算に関する説明書の88ページをお開き願う。
 1目議会費の10億3、326万円余は、議員47人の報酬、旅費等議会運営に要する経費である。次に、2目事務局費の4億3、688万円余は、議会事務局職員34人分の人件費及び事務費等で、事務局の管理運営に要する経費である。次に、3目議員会館費の2、181万円余は、議員会館の管理運営に要する経費である。
 以上で議会関係の予算についての説明を終わる。よろしく御審議のほどお願いする。

〇折居委員長 ただいまの説明に対し質疑ないか。

〇佐藤(正)委員 それでは、私は県議会の野球大会の参加費について、これを確認しておきたいと思う。
 あるマスコミの中で12月31日、奉仕の精神を忘れた県議会という欄を見た。内容は、都道府県議会野球大会の参加費に公費が支出されているのは問題である。市民団体に対して、議会は公文書公開条例の実施機関でなく回答できないという議会の見解に対することである。この件では、これは本会議であったか、斉藤信議員からもちょっと触れられたことがあるが、不肖私も県議会議員の1人である。私は野球大会には余り行っていないが、かつての同僚、共産党の横田議員に勧められて、この野球団に入会し、何回か参った。毎月会費を5、000円、年間6万円払っておる。私にとっては、奉仕の精神を忘れた県議会議員と言われる覚えはない。
 そこで、なぜはっきりした見解を議会事務局では示さないのか。何かそこに県民に対する後ろめたさがあるのではないかと思われるわけであり、この際私は、恐らく将来、今聖域になっている議会などの公文書公開などもあろうかと思うのであるが、そういうものを含めてはっきりしたらどうかと、こう思うわけである。私の知る限りでは、本来はこれは野球大会ではなく、会議をやって、その後に親睦の野球大会をやったということに承知をしておるが、この点についてお伺いをする。

〇村上議会事務局長 都道府県議会議員野球大会の参加についてであるが、委員御承知のとおり、岩手県議会議員においては、議員間の交流、健康づくりを図ることなどを目的として、改選ごとに全議員による議員野球団を結成しておる。お話にあったように、年間1人7万円ということで会費をいただき、野球用具代、練習用費用、合宿費用など、活動に係る一切の経費をそれで賄っているわけである。県費については、全国大会、あるいは北海道・東北のブロック大会に参加する場合に議員に対して旅費のみを支出しているところであるが、この県費支出の考え方については、去る12月の決算特別委員会でもお答え申し上げたところであるが、例えば、全国大会については、全国議長会及び開催地の県議会が、国民体育大会を盛り上げるために協賛して開催しているものであること、あるいは各都道府県議長が大会役員を委嘱されていること、それから、参加議員の意見交換等を通じての情報収集ができることなどから、議会活動にとって有意義なものとしてその必要性を認め議会の公務として取り扱っているところである。
 お尋ねの、市民団体に対して明確な見解を示してはどうかというお話であるが、昨年12月8日付で北海道・東北市民オンブズマンネットワークと開かれた行政を求めるいわての会の両団体連名で、議員野球大会に公費を支出することなどについて見解などについて4項目であるが、質問書という形で議長あてに送付されたところである。これは、同時期に北海道・東北ブロック内の道県議会すべてに同種の照会があったものと聞いておる。当事務局としては、この質問書に対する回答については、同年の12月19日付で県議会事務局長名をもって、岩手県議会は公文書公開条例に基づく実施機関になっていないことから、質問項目には回答できない旨、文書を送付したところである。
 議会事務局としては、こういった内外の各種団体からの同様な照会がたくさんあるものであるから、その対応に当たっては、基本的には、議会が公文書公開条例の実施機関となっていないという制度があるわけであるので、その制度の範囲内で対処すべきものと考えてきたところである。
 なお、公文書公開を、将来県議会も含めてはっきりしたらどうかということであるが、この件については、その検討の必要性、あるいは検討項目等については、今後議会の中で検討していただくべきものではないかと考えている。

〇佐藤(正)委員 今、事務局長の答弁で、やましいことも何もないであろう。にもかかわらず、何か奉仕の精神を忘れ−−こっちは毎日毎日奉仕して一生懸命やっているのに、言われる筋合いではない。今の御答弁のとおり何もないであろう。そうであろう。我々は一生懸命やって、そしてその合間に体力を鍛えようということであるから、こういうことを余り、何か隠すような格好をすると県民も疑いの目で見るわけであるから、はっきりすればいいわけである。
 もう1点、例えば今局長の御答弁のとおり、議会は公文書の非公開であると、現状はやむを得ない、そういうことになっているわけであるが、例えば福島県の監査委員では公開にしなさいと勧告しているわけである。今度我が方の議会も、一戸克夫さんという新しい方々が監査委員になるわけであるから−−これは最終日であるからなるかならないかわからないが、なったとすれば、公開しろと言うかもしれない。言われてから公開するのではなんであるから、言われる前に、やっぱり議会は将来透明性を皆さんにはっきりするために公開する方向で進めたらいいのではないかと私は思っておる。
 以上である。答弁は要らない。

〇折居委員長 ほかに質疑ないか。

〇斉藤委員 最初に、今の佐藤委員にかかわってお聞きしたいのは、私は議会の公開、大賛成である。大いにその議論を進めるべきであると思うが、全国の都道府県で、既に議会も公文書公開の対象になっているところは幾らあるであろうか。

〇村上議会事務局長 平成10年2月現在の状況について申し上げる。
 条例で県議会が実施機関となっておるのは、神奈川県、山梨県、三重県、福岡県の4県である。それから、要綱等で公文書を公開しているのは、東北では宮城県、それから奈良県、岡山県、以上合わせて7県である。

〇斉藤委員 わかった。既に全国でもこういう状況が生まれているから、これは今後議会でも重要な検討課題であると思う。
 私は、総括で先ほど聞いた県議会費による食事券、総務部長は中身としてほとんど答弁しないと、私はこれは極めて問題であると思う。議会事務局は、この議会費にかかわって食事券が発行されていると、そういう事実をどう掌握しているか。また、システムとしてこの食事券というのは、東京事務所の食糧費はどういう形で使われるのか、お答えいただきたい。

〇村上議会事務局長 まず、議会費の食糧費について、それが食事券に使われているかどうかということであるけれども、私の方では、食糧費として予算令達を東京事務所にしており、いわば執行権を委任している形なものであるから、詳細にはその使途について承知しておらない。
 それから、食事券については、予算繁忙の折、なかなか相手にお会いできないような場合について、その懇談にかわるものとして交付しているものと、一般的な考え方であるけれども、そう理解しておる。

〇斉藤委員 私は、議会費にかかわる食糧費を調べた。ビール券が、これは平成5年4月9日に買って、これは請求書が翌年である。平成6年5月10日、支払い日が平成6年5月16日。1年後に請求書等、支払ったと。本当なのかと。食事券はみんな同じである。平成5年を言うと、平成5年4月14日購入したものが、請求は平成6年5月6日、平成5年4月8日購入したものが、請求書は平成6年5月6日、平成5年11月11日購入したものが、請求書は平成6年5月6日、支払いは5月16日である。平成6年の場合、平成6年11月15日購入をしている。11月15日2件、12月15日1件、合わせて69万円だけれども、全部平成7年5月の支出分。議会が令達して買ったと言うならおかしいのではないか。何で1年後に請求書が来て支払われるのであるか。東京事務所がやった食事券は全部不正支出である。議会費が不正に使われたのではないか。そう考えるしかないではないか。

〇村上議会事務局長 この食事券の交付については、先ほど申し上げたように食糧費の令達の執行の問題であるので、私の方としてはその詳細は承知しておらないので、御了承願う。

〇斉藤委員 だとすれば、これは総務部長に答えてもらわなければだめなのである。先ほど委員長は配慮していただいたけれども、あれでは答弁にならない。これから総務部審査があるから、そこでしっかり答えなければこれは進まない。そのことを言って終わる。

〇水上委員 きのうの総括でも若干触れさせていただいたが、視覚、聴覚に障害を持った方々、そしてまた、車いすを使う方、また、難病の方等から傍聴の希望があったときの対応ができているかどうか、これからまたその予定があるか、そのことについてお聞きしたい。

〇村上議会事務局長 まず、難病、障害者に関する広報についてお話し申し上げていきたいと思うが、まず、現在、聴覚障害者がおいでになって傍聴したいという場合には、手話通訳者の確保とか、伝達の正確性の問題等もあることから、本県において、手話通訳は実施しておらない。ただ、これはちょっと話がそれるかもしれないが、テレビ座談会においては放映の際には手話を挿入した放送をしておる。したがって、傍聴の問題については、今後、全国的に施行されているような県もあるやに聞いておるので、その辺の調査もしながら考えてまいりたいと思っておる。それから、車いす等の、あるいは難病で歩けないような方については、現在、傍聴席の6席分を、車いすで傍聴できるような形にしておる。

〇水上委員 前向きに検討していただくことを要望して終わる。

〇折居委員長 ほかに質疑ないか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇折居委員長 質疑がないようなので、これで議会関係の質疑を終わる。
 次に、総務部次長から総務部関係の説明を求める。

〇合田総務部次長 総務部関係の歳出予算等について御説明する。
 便宜、お手元の予算に関する説明書で御説明するので、予算に関する説明書の90ページをお開き願う。
 2款総務費1項総務管理費1目一般管理費37億6、008万円余のうち、総務部内各課の人件費等の管理運営費は19億6、611万円余であり、地方分権推進費は市町村長に対する権限委譲に要する交付金等である。行政改革推進費及び行政運営改善状況調査診断費は、新たに、行政改革大綱の見直しや地方分権に対応した行財政システムを構築するための行政運営診断を行おうとするものであり、共通経費は、休職者に係る人件費、人事異動に伴う赴任旅費等である。次ページの2目人事管理費は57億2、656万円で、この主なものは、退職手当及び公務災害補償費等に要する経費である。3目文書費は、文書収発、公文書公開等に要する経費である。次に92ページをお開き願う。4目財政管理費は、財政調整基金、公共施設等整備基金及び地域振興基金の果実収入の積み立てが主なものである。次ページ、6目財産管理費は、県庁舎、地区合同庁舎、職員公舎並びに通信施設の維持管理に要する経費等が主なものである。94ページをお開き願う。7目東京事務所費は、管理運営に要する経費等を計上しており、8目公会堂費は、管理運営に要する経費、9目恩給及び退職年金費は、恩給、退隠料及び扶助料等に要する経費である。10目諸費は、宗教法人設立認証事務等に要する経費のほか、岩手県学生寮整備費補助及び巌鷲寮整備費補助は、首都圏または札幌市近郊の大学等への修学を容易にするため、学生寮を整備する経費の一部を補助しようとするものであり、11目庁舎等施設費は、地区合同庁舎の整備に要する経費である。
 次に、少し飛んで100ページをお開き願う。3項徴税費であるが、1目税務総務費は、税務関係職員の人件費等の管理運営費であり、2目賦課徴収費は、個人県民税徴収取扱費交付金など賦課徴収に要する経費である。
 次に、また少し飛んでいただいて106ページをお開き願う。6項防災費1目防災総務費は4億6、536万円余で、この主なものは、航空消防防災体制強化推進事業費等であり、2目消防指導費は、コミュニティ防災資機材等整備事業費補助等が主なものである。
 次に、大きく飛んでいただいて206ページをお開き願う。10款教育費8項大学費1目大学費は、67億1、048万円余で、この主なものは、県立大学及び県立大学短期大学部等の運営に要する経費のほか、岩手県立大学学術研究振興支援事業費は、学術研究の推進や人材の養成に資するため、財団法人岩手県学術研究振興財団に対し助成しようとするものである。
 262ページをお開き願う。9項私立学校費は、59億3、582万円余であるが、その主なものは、私立学校運営費補助、私立高等学校の新時代を拓く特色ある学校づくり推進事業費補助等である。
 少しさらに飛んでいただいて、270ページをお開き願う。12款公債費は、総額888億9、270万円余であり、前年度に比べ15・0%の増となっておる。
 次に、274ページをお開き願う。13款諸支出金4項地方消費税清算金は、122億4、230万円の計上額である。次のページ、5項利子割交付金は、計上額10億45万円余、次の276ページ、6項地方消費税交付金は、133億5、588万円余、次ページの7項ゴルフ場利用交付金は5億2、920万円余、次の278ページをお開き願うが、8項特別地方消費税交付金は4億6、335万円余、次ページの9項自動車取得税交付金は38億8、880万円余で、いずれも市町村に交付するものである。
 次に、280ページをお開き願う。10項利子割精算金は、437万円余の計上である。
 次ページ、14款予備費は、前年度と同額の3億円を計上しておる。
 次に、債務負担行為について御説明を申し上げる。議案その2の11ページをお開き願う。第2表債務負担行為のうち、事項欄の1から3までが総務部関係のものである。これは、いずれも庁舎または公舎の改修工事に係るもので、それぞれ期間及び限度額を定めて債務を負担しようとするものである。
 次に、予算以外の議案について御説明申し上げる。議案その3の13ページをお開き願う。
 議案第33号岩手県県税条例の一部を改正する条例であるが、これは、地方税法の一部改正に伴い、個人の県民税について平成10年度限りの措置として、定額による特別減税を実施するほか、中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法に規定する、特定中小会社が発行した株式に係る譲渡損失の繰り越し控除等の課税の特例を設けるなど、所要の改正をしようとするものである。
 次に、同じ議案その3であるが、58ページをお開き願う。議案第53号当せん金付証票の発売に関し議決を求めることについてであるが、これは、公共事業等の財源に充てるため、全国自治宝くじ及び関東・中部・東北自治宝くじの発売限度額を88億円に定めようとするものである。
 以上、総務部関係の議案について御説明を申し上げた。よろしく御審議のほどお願いする。

〇折居委員長 ただいまの説明に対し、質疑ないか。

〇黄川田委員 1点お伺いする。学生寮の整備費補助についてお尋ねする。
 首都圏や札幌市近郊の大学等への修学を支援するため、学生寮の整備に4億7、000万円の補助を予定しておるが、岩手県学生寮、巌鷲寮ともに大変歴史のある寮である。特にも、札幌の巌鷲寮は1927年に建設された当時において、全室個室でスチーム暖房、ふろや炊事用具はすべて電化という、寮のイメージをはるかに超えたものと聞いておる。そこで、これまでの学生寮の果たしてきた役割、そしてどれほどの人材を輩出してきたのかを、まずもってお知らせいただく。
 また、改築に当たってそれぞれ定員はどうなるのか、また、時代の流れに沿った特色のある学生寮となるのか、あわせてお尋ねする。

〇藤沢総務学事課長 今回二つの学生寮の改築をお願いしておるわけであるけれども、一つの東京の方の岩手県学生寮であるけれども、30年11月に財団法人岩手県学生援護会というものが設立されて、そこでこの寮を運営管理しているものである。今までに1、400名ほどの寮生を卒寮させておる。今回、現在と同じ場所に現在の敷地を目いっぱい使った建物ということで、現在の35室から86室の規模の寮を建設しようとするものである。特徴であるけれども、今回、今まで男だけであったけれども女の方も入れるということで、男女一体型という寮にしたいと考えておる。そのほかに学生会館的なスペースを設置するということも間取りとしては考えておる。あるいは短期の入寮者、スクーリング等で必要な方もあるかと思うが、その分のスペースも若干考えようということにしておる。
 それから、もう一方の巌鷲寮、北海道の方の関係であるけれども、70年ほどの歴史があるけれども、今までに400名近い人材を送り出しておる。現在の建物は昭和39年に建ったものであって、約30年ほどの年月を経ておる。それで、現在は15人ほど岩手県の学生が入っておるけれども、若干大きくして17名という規模の建物にするつもりである。それから、寮としては在道岩手県人会の活動拠点、情報交換の交流の場と、こういうスペースもとりたいと考えておる。

〇佐藤(正)委員 食糧費について。この食糧費の不適正支出、盛んにずっと言われてきたのであるが、これは悪事なのであるか。斉藤信委員は、不適正ではない、不正、不正と言うのだ、あの人は。不適正と不正では大分違うのだけれども、これは悪事なのであるか。

〇大隅総務部長 食糧費についてはさまざまな議論がされておるわけであるけれども、県の行政事務を円滑に推進するために情報の収集、その他諸調査等において支出をしてきたものであるけれども、ここ数年、大変節度を超えるような執行もあったということで御批判をいただいておるわけである。県政のためと思ってそれぞれやってはきておったわけであるが、確かに常識的な範囲を逸脱している部分もあったということで大変反省をしておるところである。したがって、現在においては過去のような社会一般の常識を超えるようなものは一切行っておらないというところであるので、どうにか御理解を賜りたいと、こう思っておる。

〇佐藤(正)委員 ここ一、二年はこれは確かに不正ということを言われ出したが、少なくとも5年前はこれは不正でも何でもなかったのである。全国でみんな、我が県の振興のためにとにかく頑張らなければだめだということでやってきたのが、ここへ来ていわゆる不正ということになって、だから部長、先ほど来斉藤信委員の質問を聞いていると、何か悪いことをやってやっつけられてやられているような、裁判所か警察みたいな、警察の敏腕刑事にやられているような、決してそうではないのである。議会というものは警察でも裁判所でもないのである。いわゆるチェックするチェック機能を働かすところなのである。であるから、斉藤委員はそれをわかっているかわかっていないか。本人は検事か何かのつもりかどうかしらぬけれども、だからはっきりお答えいただければいいと思うのである。
 そこで、伺う。先般、私の手元に5年前にさかのぼって飲み食いの調査表が参った。私は酒好きで、その上、宴会が大好きなものであるから、余り数が多くて正確な日時、時間、場所は覚えておらない。私は食糧費、すなわち交際費、接待費は本県のためなら、後ろ暗い食糧費などはやめて堂々とやれと、これはもう最初から私は言っている。言っているのも私だけかな。盛んに言ってきたわけである。これも本会議で堂々と主張してまいった。恐らくこの調査は国の各省庁の該当者まで行ったかと承知しておるが、これは個人あてなのであるか、役職、すなわち組織の担当者あてなのであるか。しかもその上、これは失礼だと思うのであるが、国には手紙で出したということであるが本当であろうか。ちなみに、私は5年前当時は自民党岩手県連の政調会長として県との政策打ち合わせの責任者であった。いわば組織の1人であった。
 次に、もう一つは、東アジア経済調査団派遣事業及び部長等の旅費の予算の計上についてを伺う。
 昨年12月3日、決算特別委員会において、東アジア経済調査団派遣事業費プラスバリ島の旅費について質問したところ、商政課長は、部長と主査の旅費約50万円、この金は商工業振興指導事務費507万円余の基準経費の中から出ていると答弁をしておる。そこで、次の点、予算の計上について改めてお伺いする。
 1、第2回の調査団において県補助と特別調査団員の予算状況はどうであろうか。
 2、決算書による商工費のうち指導事務費2、000万円余の中から出ているが、適正であるかどうか。監査結果はどうだったであろうか。
 3、公用ということになると日当が出るが幾ら出たのであるか。どこから出たのであるか。土曜、日曜日でも出るのであるか。
 4、なぜこの指導事務費で海外旅行ができるのであろうか。他の部局にも計上してあるのであろうか。
 5、このバリ島、これはニコポン旅行と言うのである。ニコニコポンポン、このバリ島ニコポン旅行は部長と主査のみが旅費が支給されているが、同行者1名については旅費が出ていない。さきの答弁で部長は知事の命令と強調しておったが、知事の命令ならばなぜ旅費、現地調査費一切出さないのであろうか。同行者の選択は知事が決定するのであろうか。それとも知事から財政当局に指示があったのであろうか。明らかにしてもらいたい。

〇千葉財政課長 まず、1点目の食糧費調査における対象者についてであるけれども、食糧費の執行状況調査は、平成4年度から8年度までの5年間を対象として、懇談に係るものにあっては、基本的に出席者に対する事実確認を行うと、こういうことで状況調査をやったものである。このため、懇談の相手方については、懇談に出席したかどうかという事実関係そのものの確認をするということでお願いしたものであって、したがって、個人あてに行ったものである。
 それから、2点目の商工労働観光部関係であるが、東アジア経済調査団派遣事業の予算の関係である。私から予算面と基準経費の性格について申し上げる。
 まず、お尋ねの第2回調査団、これは平成9年度−−今年度になるわけであるが、これの予算の状況についてである。この事業は財団法人岩手県中小企業振興公社、これが事業主体となっておるが、ここが行う東アジア経済調査団派遣事業に対して、その経費の一部を県が助成しているものである。振興公社が行うこの事業の全体事業費は−−今年度であるけれども−−1、031万3、000円である。このうち県の補助として254万3、000円補助しておる。これは公社職員の旅費あるいは現地での交流経費、こういったようなものを補助対象としておる。この1、000万円余から県の補助を差し引いた770万円余は、各団員の自己負担という形で旅費に充てられているものである。この250万円余の補助金のほかに、県職員が同道するということで直接旅費として47万4、000円予算措置しておる。
 それから、基準経費である指導事務費の性格であるが、ちょっと複雑になるけれども、予算編成の仕組みを若干申し上げたいと思うが、本県においては予算編成作業の効率化を図るという観点から、事務事業に要する経費の性質に応じた分類を行いながら、それによって作業を行っておる。その分類というのは、大きく政策的な経費、これは主要経費と呼んでおるが、これと、一方、例えば人件費であるとか議会とか県庁舎の光熱水費とか清掃料とか、そういった経常的な経費、これを一般行政経費と呼んでおる。この基準経費なるものはこの一般行政経費に含まれるわけであるが、一般行政経費については政策的な判断要素が少ないということで、総務部長段階で予算を決定しておる。この一般行政経費の中には、先ほど申し上げたが我々の人件費であるとか、庁舎の清掃委託料とか、こういった、一部は特定経費ということで一々積み上げでやっておるけれども、一部は各部局長が裁量で使途を特定できる基準経費というものを設けておる。これは一般的な、例えば県立学校等の光熱水費とか事務費とかそういったものであって、これはほとんどどこの県でもやられている方式であって、これはあくまで予算編成作業の効率化、あるいは予算執行の柔軟性を図ろうとするものであって、お尋ねあった海外旅費についても各部局の判断で、基準経費の中の旅費という節から充当できると考えておる。

〇照井人事課長 外国出張の場合の旅費についてのお尋ねであるけれども、旅費条例の規定によって、外国旅行の旅費については国家公務員の例によることとされておる。出張先の地域に応じて、国の旅費法に定める額の日当が支給される。御質問のアジア地域のマニラ、バリ島などの日当は、部長で5、000円、主査で4、200円となっておる。また、命令に基づく旅行期間中の土曜日、日曜日についても支給されるものである。
 次に、同行者が1名で、旅費が出ていないということであるが、その事情については承知しておらないが、商工労働観光部から確認したところでは、同行者には県費で旅費は支給されていないということである。なお、職員以外の者が、県の機関の依頼に基づいて、公務の遂行を補助するために旅行した場合には、旅費条例の規定に基づいて、その者に対して旅費が支給されることとなっておる。また、出張を依頼するかどうかは、各部局において判断しているものである。

〇佐藤(正)委員 まず、財政課長、個人なのか組織なのかと言ったら、今、個人だという答弁だった。個人で私はそんなにごちそうになるいわれはなかったのだけれども。
 それから、本省の方のあれは手紙で出した、これは答弁なかった。これは後でいいから。
 次に参ろう。本県が昨年制定した食糧費執行要領によると、懇談の必要性が明らかとなるよう懇談の開催目的を具体的に記載すること、出席者の所属、職及び氏名を明記することとなっているが、これではだれも会う人もいないし、ましてや飲み食いなどするわけない。こんなことで情報収集や個々の要望が可能なのであるか。緊急時の場合は間に合うのであろうか。
 また、知事と部局長と職員が出席する場合は夕食の単価が違うが、これは相手方に合わせて違うのであるか、こちら側の肩書によるものであろうか。
 さらに、食糧費不適正支出の返還が決まったようであるが、そこで次の点についてお伺いしたいと思う。
 まず、差し当たり、先ほど斉藤委員の質問に対して総務部長は、東京事務所の関係職員からの事情聴取及び初めて先ほど聞いたのであるが、債権者への照会をしたということであるが、それらから食事券についていわゆる裏金のようなものがなかったと言えるのかどうか。この際はっきり、この点大事なところだからはっきりひとつお尋ねしておきたいと思う。
 一般質問では、私は、伊沢議員が元県職員であったので、愛情のある非常に適切な質問をされたと思っているのである。そういうことを含めてお伺いしたいのであるが、課長級以上の管理職を返還対象者とした任意返還を前提としているようであるが、職員組合に加入できない管理職にとっては協力を拒否できず、事実上の強制ではないのであろうか。また、仮に協力を拒否した場合にペナルティーはあるのであろうか。
 2、調査対象年度に在職していた県職員OBへの返還協力も検討しているらしいのであるが、1人当たりの協力額は幾らであろうか。また、県職員OBのうち中央省庁から来た、いわば天下り職員やあるいは元職員で国会議員になっているのもいる。こういう人についても返還協力を求めていくのであろうか。求めていく場合には協力額は幾らになるであろうか。
 それから、私も先ほど申したとおり飲み食いをした一人であるが、議員として任意返還の意思が私も十分ある。−−相当もらっているから。今80何万もらっているから。−−任意返還の意思があるが、私が返還すると幾らになるか。これは公職選挙法というものがあるのであるが、いずれにしろ額は幾らになるか。
 4、知事は責任の所在を明らかにして3月中に処分したいと、こう述べておられる。県庁という組織の責任者なのであろうか、それとも規定の額以上に大判振る舞いした、先ほど課長に言った個人のことなのであろうか。個人ならかなり使った職員いたから。上司の命令で一生懸命食糧費を使って霞が関本庁に人脈をつくり、そのことにより予算を獲得し本県振興のために尽力した職員が、本来ならば褒められてこの4月の異動では昇進すべきものが、一転して罰せられる、処分されるということはどういうことなのであろうか。もしも組織の責任者が罰せられるということになると、命令権者である知事、副知事、総務部長ということにならないか。
 バリ島については先ほど答弁があったのであるが一つ抜けている。それは、規定はわかるのであるが、商工労働観光部長は知事の命令だと、こう言っているのである。その知事の命令で同行者1名というのは、行くとすればこれは旅費が出なければだめだ。今のお話だと出ていないと言う。これは知事の命令で同行者が1名、県職員が2人だから3名−−3名がバリ島のニコポン旅行に行くからちゃんと予算を措置せよと、こう言ったのであるか、言ってないか。どっちかがそうすると、部長がうそついているのかなこれは、その点について。

〇大隅総務部長 私からは食事券とそれから返還についてお答えを申し上げる。その他のお尋ねについては関係課長の方から答弁をさせていただきたいと思う。
 まず、食事券についてであるが、食事券については当時の担当者からの聴取では、配付先の特定ができなかったなど適正な配付が行われたかどうか判断できず、また、社会通念上、許容の範囲とは認めがたいと思われるところから不適正な支出としたものである。なお、食事券の発行288件について購入先に照会したところ、件数で9割を超える回答があった。そのうち帳票がないということで確認ができないという回答がその中で約3割があって、残り7割については販売の事実が確認できたところである。また、回答があったすべてについて、食事券は換金できない旨の回答があったので、したがって、いわゆる裏金という事実はないと認識をしているところである。
 次に、不適正支出の返還についてであるけれども、部下職員に対する指導監督とみずからの管理監督の両面からとらえて、給料の特別調整額受給者である管理職の協力のもとに返還を行うこととしたものであって、あくまで協力をいただくものである。よく対象者の理解をいただきながら進めてまいりたいと考えておる。
 また、今回の食糧費執行状況の調査対象年度である平成4年度から8年度に在職していた県職員のOB及び国から本県に出向していた職員で特別調整額を受給していた方々にも、現職の負担額との均衡を考慮し応分の協力をお願いしてまいりたいと考えておる。その額についてはまだ現在固まっていないところである。
 なお、県議会議員からの御協力をいただくことは考えておらない。
 それから、責任の所在についてであるが、これは目下、急いで調査検討を進めておるところであるので、申し上げる段階にないから御了解賜りたいと存ずる。

〇千葉財政課長 大変失礼した。答弁漏れであるが、食糧費調査の個人あてへの照会のやり方であるが、原則的に文書が多かったわけであるが、電話での聞き取りあるいは面談による聞き取りもあった。
 それから、次のお尋ねであって、昨年定めた食糧費の執行要領の運用についてであるが、こんなことで情報収集や個々の要望が可能かというお尋ねである。昨年定めた執行要領については、食糧費についての執行範囲、これを明確化した、あるいは具体的な執行手続を明確化したといったような内容であって、この要領に基づいて、より一層適正な食糧費の執行に努めてまいる必要があると考えておる。情報収集などについては、従来からあらゆる機会を通じて、さまざまな方法を講じているところであるけれども、その食糧費の執行が真に必要なものについては、相手方の御理解、御協力をいただきながら、その情報収集等に支障が生じないようにやってまいりたいと考えておる。
 それから、もう1点であるが、食糧費の単価に差をつけていると言うが、これはなぜだということであるけれども、この単価については、開催場所における標準的な単価、価格を用いているわけであるけれども、社会通念上、妥当な範囲で簡素に実施するという観点から、その単価の上限を定めているところである。この単価については、実勢を勘案して定めておるものであるけれども、懇談の相手方に応じ、必要と考えられる職員が県側から出席するという性格のものであるので、単価の基準は、便宜、県側の役職によって段階をつけているものである。

〇照井人事課長 いずれ県からいわば依頼した場合には民間の同行者についても旅費が出る規定になっておる。商工労働観光部に確認したのは旅費の支給の有無であって、依頼したかどうかについては確認しておらない。

〇佐藤(正)委員 この食糧費も今までも非常に論議、我々議会も論議してきたし執行部もそうであるが、だから、繰り返すようであるが、5年前はこれは職員もよかれと思ってやっているわけだから、我々議員もそうである。その一つの手段として、会ったときはやっぱり気が打ち解けるから一杯飲んだり、あるいはせっかく呼んだのだからと帰りにはタクシー券をやったりと、あるいはいわゆる食事券をやったりというようなことが、多少都道府県間で競争になってきたものだから、こういう事態になったのではなかろうかと思っておる。しかし、そこで先ほど来、斉藤委員がしつこく聞いていたのであるが、総務部長はなぜ答弁しなかったのか。今伺っていると、食事券についてはいわゆる裏金のようなものはないとはっきり断言しているのであるから、だから斉藤委員にそう言えばよかった。斉藤委員はこれからあと聞かないからいいけれども、私は非常にいいことだと思う。はっきり裏金はないということになったのだから、だからそういう中で改めて我々議会も含めて、私も再三申し上げてきた。これは県勢発展のためにはこれからもやはり本省とのつき合いもあるし、お茶も飲まなければだめだし、夕方になれば飯も食べなければだめだと、そういう中にどうあるべきか。だから私は食糧費ではなくて交際費なり接待費なりでやれと、そういうことではなかったから、結果的に本県の振興、発展というものが目的なのであるから、その手段として今日までやってきたことがいわゆる悪と、不正と言われるようになったわけであるから、まだ不適正であるからいいけれども、これは不正になってきたら大変だ。そういうことになってきたのだから、そういう反省の上に立ってやればいいわけであって、これからそういう方向でぜひ進んでほしいと思っておる。
 それから、私が申し上げた議員の返還については、ほかの議員はごちそうにならないけれども、私はいっぱいごちそうになったものだから返さなくてはならない。OBと同じこれは任意返還だから、であるから公職選挙法の関係があるから、私が知っている料理屋に、つぶれたところもあるけれども何カ所かあるから、行って返すから、自分らの飲んだり食べた分を割り勘で返すから、それをもらえばいいのだから、ここまで来れば私もきちんとけじめをつけて払うということであるから、そういう処置がとれるならひとつどうぞおとりいただきたい。
 それから、バリ島についてはこれはまた商工労働観光部でがちっとやるから、大体あとはほかの人がおやりになるようであるが、以上で終わる。

〇菅原委員 8年12月の土木部の決算審査のとき申し上げたわけであるが、岩手県は言うなれば後進県である。先進県に追いつけ追い越せ、これが合い言葉ではないであろうか。今までの食糧費の支出については確かに問題点はあったと思うけれども、こういうことによって職員の士気が低下したのではこれは大変なことになるのではないかと、そんな感じをする。現に宮城県の県庁職員はやる気がないと、そういうような状況のようである。そういうことが岩手県であっては、せっかく県職員も議会の方々も一生懸命努力して、岩手県発展のために努力してきたことが水の泡になるのではないかと、そんな感じをする。であるから、職員の士気が低下しないように、何回も申し上げるが、後進県から脱却すると、そういうような気構えの体制を早急につくっていただくと、そういうふうに私は思っておるわけである。大いにやれとまでは言わないが、適切な対応はすると、そういうことでひとつお願いしたいと思う。総務部長の見解をお伺いする。

〇大隅総務部長 ただいまの委員からのお話、深く受けとめてその趣旨をよくかみしめながら、今後の行政の推進に十分注意を払って努めてまいりたいと、こういうふうに考えておる。

〇小原委員 食糧費にかかわって幾つかお伺いをする。
 最初に、話も出ておるが、食事券の購入を含めて食糧費支出にかかわる会計処理の手順、懇談等の伺い書というのであろうか、それから精算までということになろうかと思うが、食事券を含めてこの会計処理の手順をまず最初にお示しをいただきたいと思う。

〇藤沢総務学事課長 会計事務の手順であるけれども、まず最初に、その目的あるいは実施日時、出席者等を記載した実施伺、これを実施担当課が作成して、経理主管課の決裁を受けるものである。懇談等を実施してから債権者からの請求書を送付いただいて、実施担当課で内容を確認し受理した後に、経理主管課で支出票等を作成して支払うという手順になっているものである。
 また、食事券の方であるけれども、物品という扱いになっておって、実施伺にかえて、その品名、数量、単価、契約業者などを記入した物品購入票というものを実施担当者が作成する。そして、経理主管課の決裁を同様に受けて購入するという手順になっておる。

〇小原委員 ただいまお話を受けたように、出席者等実施伺、どういう形で懇談等を実施するかという伺いをするわけである。これらの実施伺について許可決裁をする方はどなたであるか。

〇藤沢総務学事課長 最終的には経理主管課の課長という格好になるかと思う。

〇小原委員 わかった。
 そこで、次であるが、この食糧費支出にかかわって、いわゆる調査報告では適正、不適正という形で分類をされておる。このただいまの処理手続に基づいてそれぞれ判断をされたと思うのであるが、この適正、不適正の判断基準、これはお話にもあったかと思うけれども改めてお伺いするが、どういう基準であったか。ただいまの会計処理手続、手順に基づいて適正処理がなされておったという面が一つあると思うし、その実施が伺いのとおり行われていたかどうかという実態の面、この両面があると思うのであるけれども、調査に当たってはこの両面の調査を行ったと理解してよろしいか。

〇藤沢総務学事課長 調査に当たっては、実施伺どおり実施されたかどうかという観点で確認しておる。

〇小原委員 不適正な支出があったと判断されるものの類型という形で整理をされておるが、一つは、相手方の確認において相手方が否定をしたと、これは実態の調査という形になるわけである。そういう意味ではこの会計処理の手順という部分の精査と同時に、そのとおり実際行われたかどうかということの調査もこれは行われているわけである。そういうことになると思うのである。そうでないとこの相手方が否定したのでこれは不適正であるということにはならない。それから、二つ目には、二次会等のために実態と異なる処理をしたものとある。それと三つ目の、内部懇談等のため実態と異なる処理をしたと、この2点がよくわからない。申した2点目の二次会等のための実態と異なる処理ということ、これはもう少しわかりやすく平たい言葉で説明していただかないとわからない。3点目の、内部懇談等のため実態と異なる処理をしたということもよくわからない。これは今後のためも含めてこの際やっぱりはっきりしておく必要がある。どういう実態であったのだろうか。それがなぜ不適切であるとなったか、お伺いをする。

〇千葉財政課長 今回の調査においては、懇談会の場合であるけれども、懇談会を実施する場合、実施伺書というものを起案してやるわけであるが、その実施伺書どおりの懇談が行われていたかどうかという観点で調査を進めたものである。実施伺書には、懇談である場合、県側の出席者と相手側の出席者が記載されておる。したがって、お尋ねの二次会の処理の実態であるが、二次会の処理という形で不適正にされたものであるが、実施伺書の記載のとおりにはなっていない。その実態としては、いわゆる懇談を二次会として処理するために相手方の名前を変えたとか、それから日付を変えたと、そういったような処理がなされているものである。それから、内部懇談の処理であるけれども、例えば事業推進上でいろいろ反省会があるといったような場合、あるいは急遽相手側が出席できなかったということで、結果として県内部の職員だけで懇談が行われたというものである。

〇小原委員 ここは皆さんがよくわかっていることなのであろう。二次会等のためにと、これは二次会等の実施費用捻出のためにと解釈してはだめなのであろうか。そんなふうになると二次会費用捻出のために人数を膨らませたか、あるいは実際かかっていなかった部分の経費が膨らんでしまって支出に及んだという、ちょっと事実に反するかもしれないけれども、そんな思惑というものがここに働いてしまうというわけであるから、ここのところは先ほどの意見でも、人数が違う、あるいは日付が違うというのは私はよく理解できないと思う。今後そういうことはないと思うのであるが、ぜひここのところは再度お尋ねをしておきたいと思う。
 食事券についてであるけれども、この報告書によると、関係者、関係書類等からの確認によっては適正な配付が行われたかどうか判断できない。また、社会通念上、許容の範囲とは認めがたいと、こういうことである。一つは、この関係者というのは、食事券を渡した側と渡された側というのが関係者だと思うのである。渡した側というのはこれは職員だと思う。であるから、渡された方は、いや、よくわからないと、忘れたというふうにおっしゃるかもしれないけれども、渡した側はわかるのではないか。これは関係者の確認によっては適切な配付が行われたかどうか判断できないと、どうしてそういうふうになるのであろうか。食事券は購入したと、先ほどの御答弁にもあったから、食事券は現物として手元にあったわけであろう。そうするとそれは配付をされたというふうに、換金もできないというわけであるからこれは配ったであろう。その配ったという実態がわからないというのはどういうわけであるか。

〇千葉財政課長 まず、先ほどの二次会の場合であるけれども、二次会であるので一次会があるわけであるが、本県ではいわゆる懇談について1回当たりの単価というのを設定しておる。仮に二次会に行った場合それをオーバーするといったような場合があるわけであって、その場合、その二次会の処理を日付を変えたり、先ほど申し上げたような処理で対応したというものである。
 それから、東京事務所の食事券であるけれども、食事券については、東京事務所の場合、予算編成時の繁忙期における折衝等を行う過程で、懇談の実施にかえて配付する目的で購入しておる。この事実は先ほど来申し上げているとおり確認されておる。したがって、これらの経費は、支出は確認されておるわけであるけれども、関係者、関係書類等からは適正な配付が行われたかどうか判断できない、あるいは社会通念上、許容の範囲とは認めがたいということで不適正なものとして分類しているわけである。配付先については、当時の県側の担当者−−東京事務所の担当者であるが−−からの聞き取りであるけれども、いずれも配付先の特定ができないということで調査に至らなかった。調査期間が5年間に及ぶというようなこともある。そういったようなことで配付先の特定ができなかったということである。

〇小原委員 今の食事券、これは購入をした事実があると、確認できるとおっしゃっているわけであるから、その食事券が配付先がわからないと、仮にそういうふうになるとすれば、これは10年も20年も前の話ではない。であるから、どこへ行ったのであるか、その食事券は。あるいは職員がその食事券を使って食事したのであるか。そういうふうに疑問が膨らんでいくのである。であるから、その食事券が購入をされた事実は確認したというわけであるから、今の課長の答弁だと、それはどこに行ったかわからないと言いかえることができる。これはどうも納得しがたいと思うので、これは調査可能な範囲の話だと思うのであるが、これは再度お聞きをしたいと思う。
 それから、社会通念上の範囲とは認めがたいと言っているわけであるが、金額の多寡、多少にかかわらずこの食事券というものは社会通念上の許容の範囲とは認めがたい。これは社会通念上の範囲だと思っておやりになったことではないのであろうか。そうすると、今になって社会通念上の許容の範囲とは認めがたいと判断をされた根拠というのは、これは金額がちょっと多過ぎたとか、あるいは頻繁にやり過ぎたとかいう要件がそこに加わっていかないと、ただ単なる社会通念上の問題ということだけでは理解しがたい。この点いかがなのであるか。
 それから、東京事務所には出納員が配置をされていると思う。東京事務所の出納員の職務というのはどういうものなのであろうか。会計規則によればこの出納員というのは、会計処理に当たっては支出簿あるいは支出経理簿、支出日計表などの帳票を備え、所要の事項を掲載しなければならないということで、日々、支出面についてはきちっと日計表も含めて処理することになっている。こうした関連の帳簿というのはあると思うのであるけれども、これらによってもしっかり確認できるのではないであろうか。この点をお伺いしておきたいと思う。もしこの出納員の会計処理に不備があったとすればどういう点だったのか。不備がなかったのかどうか、お伺いをしておきたいと思う。
 それから、総務部長、大変恐縮なのであるけれども、この予算の執行の適正を期するという面では、予算規則によって総務部長の職務範囲になっているわけである。予算の編成または執行の適正を期するため、必要があるときは部局長等及び地方公所の長に対し必要な報告を求め、または予算執行の状況について調査を行うことができると、こういうことで、総務部長はこの予算執行に当たっては、全般この適切な処理について目配りをしていかなければならないという立場にある。これは大隅部長だけという話ではないから、歴代の総務部長ということにもかかわってくると思うのであるが、今回問題になっておる食糧費支出という点で、部長の立場で、これはもちろん部長1人でおやりになる話ではないのであるが、そうした適正執行にかかわって、まずかったなという点がもしあったとすれば、制度的な問題を含めて、御感想をいただきたいと思う。

〇大隅総務部長 予算執行の責任ということについては私から、その他については関係課長の方から御答弁を申し上げたいと思う。
 予算規則の24条の規定であるけれども、総務部は、必要に応じて報告を求め、調査することができるという規定である。県としては、従前から一般的に予算執行が適正に行われるよう、時に応じては報告をとるとか、あるいは配当においても調整を加えて、一方的に各部局において執行が行われないようなバランスをとるとか、そうしたことは常々やっておる。ただ、この食糧費に関して特別の報告を求めるということは従前なかったものである。ただし、これは今このような事態になって申し上げても何なのであるけれども、予算の計上等に関しては本県にとっては大変厳密に査定をしてきておった。毎年度調整等も加えて拡大を防ぐような措置はしてきてはおったわけであるが、その運用面においてやはり緩みがあったと大変反省しておる。たしか平成8年度からだったと思うけれども、いずれこうした問題が生じてからは随時各部局から報告をとったり、その内容についても報告をさせるなど、財政課を窓口にして進行管理を行っておるところである。今後においても十分注意をして執行してまいりたいと、こういうふうに存じておる。

〇千葉財政課長 東京事務所の食事券の配付先の件であるけれども、いずれ支出関係書類から支出の事実は確認できておるわけであるが、その配付先の特定ができなかったということについて若干事例を申し上げると、県側担当者からの聴取の例であるが、渡したのは記憶があるが日付、個人名までは記憶がない、あるいは配付した記憶はあるが、個々の氏名までは特定できないといったような内容である。そういったことで相手先というか、配付先の調査に至らなかったというものである。
 それから、社会通念上の解釈であるが、数年で変わるものではないと、委員のお説のとおりだと思う。いずれ本来であれば正式に懇談という形で実施すべきを、食事券でもってかえたということであって、安易に前例を踏襲してきたということがあると思う。いずれそういったことについては公金を扱う意識というものが非常に薄れていたという反省があると考える。

〇藤沢総務学事課長 出納員の関係のお尋ねであるけれども、東京事務所の出納員は総務課長が出納員に発令されておる。出納員の職務内容であるが、自治法によると、出納長の事務を補助させるため出納員その他の会計員を置くということになっておって、支出負担行為に関する確認あるいは歳出の支払い、これらについて委任されているところである。関係する帳票、支出票とか一連のものは保存期間中はそれぞれに正式につくられて保管しておるものである。

〇小原委員 最後にする。私は出納員と申し上げたけれども、これはもちろん正式な形で出納の権限を持った処理する担当者という意味でお伺いをした。もちろんこの会計処理についてはそれぞれ一般職員の方でも担当者がおいでになるだろう。いずれにしてもそれぞれ予算あるいは会計、諸規定に基づいて適切な執行がなされているというのが通例なわけである。それからはみ出ているということで問題になっているということであるので、それらは十分に今後も事態の解明という部分はさらに継続されることになるかと思うけれども、ぜひ今後そうしたことのないような形での対応を切に望むわけである。
 そこで、今後の対応ということであるが、端的に言って罰則の強化というふうな、いわゆる罰則を担保にしないとこうした不適正、あるいは不正とまでも言われるような事態の根絶に至らないと仮にするならば、これはまことに憂慮にたえない。これは職員の資質という問題にかかわって憂慮にたえない話である。そういうわけであるから、今後、元気を出して頑張っていくというお話もあった、頑張れという話もあったが、一方では罰則の適用が不十分ではないかという議論も、あるいは意見もある。しかし、そこのところは先ほど言ったように、罰則を担保にしないとこの不適正が直らないということでは、これはまことにもって情けない話だと思うのである。そういう意味で今後の対応についてどうなさるお考えか、総務部長の御見解を承りたい。

〇大隅総務部長 罰則規定等によらなければ今後の適正な執行が担保できないということであれば、もう既に公務員としての根本的な資質そのものが欠如しているということになるかと思う。したがって、こうしたことを皆様方に御心配をいただき御議論いただくということ自体大変ざんきにたえない次第であるけれども、いずれにしても具体的な指導なりあるいはチェックをかけなければ、現にこういうことが発生したわけであるので、今度は大変事細かなチェックの仕組みをつくった。事務的にはちょっと今までから見れば煩瑣な部分もあるが、例えば出納が支払いを行うに際して時に応じて抜き打ちのチェックをする、業者に直接確認するなどというようなことも今回具体的に取り入れておる。そうした今まで以上に事務量が若干ふえるとしても、深い反省に立って具体的な改善が担保されるように全力を挙げてまいりたいと、こう思っておるので、御理解を賜りたいと思う。

〇折居委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩する。
   午後3時16分 休 憩
 
   午後3時34分 再 開

〇折居委員長 休憩前に引き続き会議を開く。
 申し合わせのように、午後5時を目途に審査が終了するよう、議事進行に御協力を願う。
 質疑を続行する。

〇菊池(勲)委員 1点だけ総務部長にお伺いする。
 実は、久しぶりにきのうの夕方盛岡で懇親の場所を得た。久しぶりである。我が県民クラブの水上、千葉両先生と御一緒に、大変いい盛岡の夜の町を見せていただいたけれども、残念ながら気になることがたった一つあった。増田知事は就任以来3年間、県土の均衡ある発展と言いながら、自分の足で県内くまなく歩いたということは毎回議会で報告しておった、私もそう認めておった。残念ながら、宮城県の浅野知事の顔はテレビでしょっちゅう出るけれども、増田知事の顔の出ない地域が岩手県にあるそうである。おかしいと思った。先般、テレビ中継で私は会派代表で質問した。県土の均衡ある発展といって、県南、県北に対しては高規格道路をつくれないかと質問した。そのときは、知事は立派な答弁をしたのである、やると。残念ながら、テレビが映らないところがある。増田寛也さんの立派な顔が見えないところが岩手県にあるそうである。たまたま私は北上に生まれているからありがたいのであるけれども、同じ県民で増田知事の顔が見えないところがあるそうである。情けないところがあるのである。これ、夕べの全く新しい話なのである。それで、隣の浅野さんは見事に毎回ニュースに映るそうである。きょうあたりも県議会のニュースで映っているであろう。総務部長、さっき事務局に行ったら、これは企画振興部であるというが違うのである。知事の姿勢に対して総務部長は責任者であるから、県土の均衡ある発展と増田さんは一生懸命言っているのであるけれども、せめてテレビで顔ぐらい映して見せないと、しゃべっても意味がないということなのである。部長、お願いする。

〇大隅総務部長 大変難しい御質問であった。本来、多分県土の均衡ある発展ということに主眼がおありなのかとも思うけれども、端的にテレビ難視のお話で申し上げたいと思う。
 このテレビ難視聴解消は、本当にもう何十年も取り組んでおるわけであり、私もかつて予算担当のときにこれを扱ったことがあるが、幾ら解消事業をやってもどんどん難視聴地域がふえてくるという仕組みのものである。毎年毎年事業は実施しておるけれども、難視聴地域は依然としてなくならない。また、さまざまな条件によって、テレビ局もふえてまいるし、よく見えない地域が依然としてあちらこちらに存在していることは承知しておる。なるだけ予算措置も、これはテレビ事業者等との協調が整わないと実施できないので、そうした具体的な話の整ったものについては措置しているつもりであるけれども、何にしても今この情報化時代にそうした地域が依然としてあるということは決して好ましいことではないので、もちろん全力を挙げて私どもの方としても対応してまいりたいと存じておる。

〇菊池(勲)委員 企画振興部にも質問を申し入れてあるけれども、今、県土の均衡発展で総務部長に聞いたわけであるが、皆さんの一般質問とか、こういう会議の中でこの問題はちょいちょい出ているわけである。ところが、放送事業者とのタイアップであるからという話でなかなか解消できない。私、県北・沿岸の均衡ある発展と毎回言っているけれども、御案内のとおり、一生懸命努力しているのは認めるのである。だけれども、依然として格差が広がるだけの話なのである。せめて基幹道路とかそういうものは、幾らやっても金がかかるものであるから難しいけれども、少なくともテレビ、地球の裏でテレビが映るところがあるのであるから、岩手県が幾ら広いと言っても、増田知事の顔が見えないところがあるというのであれば、これは県土の均衡ある発展以前の問題である。だから、事業者との相手もあることであるけれども、少なくともその地域は、全額県費で投資をして事業者を説得してやることにしなければ、テレビ局が1局ふえたのは、後からふえたのは入らなくてもいいのである。一番最初のNHKあたりは入らないと困るのである。そうしなければ増田さんが幾ら頑張っても、むだ足を使っているのである。せっかく我々が選んだ増田知事であるから、140万県民が若さと行動力に期待をしているのである、ねえ、自由党さん。そう思って見ているのであるけれども、テレビも見えないで−−隣の浅野さんというのは背の小さい人である。やっぱりうちの増田さんは背の大きい立派な男なので見せてあげてほしい。部長、もう一遍、特段の配慮をお願いする。

〇大隅総務部長 御趣旨を十分踏まえて、適切な対応をしてまいりたいと思う。

〇谷藤委員 いろいろ皆様方の質問等でも、財政的に非常に厳しいという中のお話たくさん出ているけれども、そこの中でちょっとお聞きしたいのは、県の債務保証、それから損失補償についてである。これは議案その2の11ページの債務負担行為の表の中にも見受けられるけれども、平成10年度はどれだけ予定されておるのか。また、これまでの実績、さらには、保証先がどうも調子が悪いというようなところで、県が肩代わり弁済したような例があるものかどうかお伺いしたいと思う。
 それから、県の多額の貸付金があるわけであるけれども、償還期限が過ぎているにもかかわらず回収できない債権というのはどういう状況にあるのかと思い、それらについてもちょっとお聞かせいただければと思う。
 それから、今後公債費の負担が非常に増加していくというような傾向にあるということであるけれども、非常に高い利率の県債がそのまま繰り上げ償還をしていかないと大変になっていくのではないかと思ったりするのであるが、自治省の方で、民間の金融機関との関係もあるので余り積極的には推進していないのかもしれないが、いずれ他県でも既にそういう形で動き出している県もあるやに伺っておるけれども、その辺の実態はどうなっているのかお知らせいただきたい。

〇千葉財政課長 まず、1点目の債務保証、損失補償についてお答えする。
 債務保証、損失補償を10年度どれぐらい予定しているかということであるが、御案内のとおり、議案の11ページ、12ページで御審議をお願いしておるが、延べ9件で66億8、200万円である。うち、債務保証が1件で10億円、これは県の土地開発公社である。それから、損失補償が8件で56億8、200万円で、財団法人クリーンいわて事業団ほかである。
 二つ目の、これまでの実績のお尋ねであるけれども、平成8年度の決算ベースで申し上げたいと思うが、議決いただいた合計額が8年度の決算ベースで519億5、700万円ほどある。このうち、いわゆる債務保証額と申すか、8年度末現在で残高として残っている額が308億2、600万円ほどである。議決額に対して59%ほどである。
 過去に保証先破綻で県が肩代わり弁済した例はあるかというお尋ねであるが、少なくともここ10数年は記憶がない。
 2点目のお尋ねの貸付金であるけれども、償還期限が過ぎて回収できない債権はどういう状況かということであるけれども、償還期限が過ぎて収入未済となっている額は、やはり8年度決算段階で申し上げるけれども、中小企業振興資金特別会計など四つの特別会計で13億6、600万円となっておる。一般会計の貸付金については収入未済はない。これらの収入未済の大宗は、今申し上げたとおり中小企業振興資金特別会計の貸付金の元利収入及びこれに伴う違約金が12億9、400万円、先ほど申し上げた全体の94・7%になる。その理由であるが、貸し付けた企業の業績不振あるいは倒産により大口の延滞債権が残っている、回収が思わしくないというものである。これらの収入未済額については、そういった企業の再建指導に努めながら延滞債権の回収を図っていくことに努めているところである。
 それから、中小企業振興資金特別会計以外の特別会計の収入未済額が7、000万円ぐらいあるのであるが、これは、母子寡婦福祉資金の貸付金、それから農業改良資金の貸付金、林業改善資金の貸付金である。
 それから、3点目の高利の県債の繰り上げ償還であるけれども、県債は主に政府系資金と銀行等縁故資金に大きく区分されるわけであるけれども、このうちの政府系資金、8年度末で4、350億円ほどあるけれども、これについては、この資金で取得した財産を処分するとか、目的外に使途変更するといったような場合以外には繰り上げ償還が認められておらない。その理由としては、これを認めた場合、郵便貯金の利率とか貸付利率に大きく影響するということで認められていないものであり、したがって、その残りの銀行等縁故資金であるけれども、これは2種類に分かれるが、証券発行によるものと証書発行によるものに分かれる。これのうちの証券発行によるものが大宗であるけれども、これは市場流通を前提としているということから、繰り上げ償還は難しいと考えておる。残りの証書発行分、8年度末で1、000億円ほどあるけれども、これについては、基本的には相手側が応諾すれば繰り上げ償還をすることが可能であると考えておる。その場合、やる場合には当然その償還額に見合う一般財源が必要になってまいるので、やはり慎重に検討する必要があると考えておる。しかしながら、委員御案内のとおり、高金利県債を繰り上げ償還するというのは、将来の財政負担軽減、これには大きく効果をもたらす。したがって今後においては、いずれ引受先の応諾というのが前提条件になるので、それらを含めて、さらには全体の財政状況を勘案しながら検討してまいりたいと思う。

〇谷藤委員 いずれ非常に厳しい県財政であるという認識があるとすれば、いろいろな努力をしていかなければならないであろうと思う。ただ、相手のあることでもあろうからなかなか進まない話もあるかもしれないが、いずれ財政の厳しいという認識の中で努力していただきたいと思っておる。
 次に、職員研修というか、部課長特別研修というのが内部であるようであるけれども、そのときの知事講話の中で知事は、公務の原点に立ち返って県民への最大のサービス提供者として県民の負託にこたえる行政を徹底してまいる所存ということをうたっておるようであるけれども、そこの中で知事が特に指摘をしているのは、県政運営にダイナミズムが欠ける、それから、組織全体が仲よしクラブ的で共同体に変質してきている、それから、政策形成部門は、創造性、総合性、また他の部署との、庁内外を問わず、国も含めてであるけれども、調整力に欠ける、それから、事業実施部隊は閉鎖的であるというような、知事が県庁を見たときの印象を持っておられる。そういうことを講話の中でお話をして、これを知事は改善していくべきであるという意味で恐らくおっしゃったのであろうとは思うけれども、どうもこういう苦言を呈しておられるようである。知事の指摘するとおりであるとすれば、これらをいろいろ改善していくというか、職員も努力しなければならないであろうし、知事は努力する必要があるかどうかわからないが、いずれそこがしっくりいかないと、今後いろいろな事業を遂行していく上でうまく機能しないのではないかと思ったりするわけである。その辺、総務部長どのように、部長も当然出られたであろうけれども、その辺のお話を聞いて、そしてまた、感じるところがあってその後どのように対応してきた部分があるのかということをお知らせいただければと思う。

〇大隅総務部長 この講話は、課長以上の職員が集まって知事からお聞きしたということである。私もお聞きしておった。この知事講話の内容は、地方主権時代を迎えて、これまで以上に県としての自己決定あるいは自己責任が強く求められている、その中にあって、職員を信頼し、またその業務遂行、組織運営に寄せる期待の大きさがゆえに、仕事を進めるに当たっての今後の心構え、姿勢として、前向きな取り組みを求めたものであると認識しておる。
 御質問のあった知事発言の各項目に関しては、事業の成果の検証、あるいは安易な前例踏襲、縦割り的な組織体制による関係分野との十分な調整の不足など、私ども職員として今後改善を加えるべき部分、反省すべき部分、また、職員みずからの意識改革により取り組みが必要な部分も存在していると私は思っておる。いずれにしても、職員一人一人が近時の県政を取り巻く環境の変化のスピードというものを十分認識するとともに、安易な前例踏襲や困難な課題の先送りなどすることなく、また、県民サービス提供の直接の担い手として強い目的意識のもとに柔軟な発想で県政運営に取り組む、そういう必要があると認識しており、これらのことについてこれまで以上に職場の中で十分議論しながら、県勢発展のため職員一丸となって取り組んでまいりたいと考えておる。

〇谷藤委員 いずれ、知事の感じたものと現場との差というものが大きくあるとすれば、これは大変なことであるし、その辺がやっぱり一体となって県民のために頑張っていただくことが必要であろうと思うので、そしてまた、知事に生の声が入りやすい環境もつくっていく必要がこれまで以上にあるのかなと感じた次第である。ぜひ頑張っていただきたいと思う。
 それから最後に、県立大学がこの4月に開校するわけであるけれども、そこの中でのスポーツに対する取り組みというか、自主的にそこに入学した学生の皆さんはいろいろ活動していくと思うけれども、そこに対する指導者とか施設面の関係はどのように対応してこられたのかというのをお知らせいただきたい。

〇石川県立大学整備監 県立大学とスポーツ振興についてのお尋ねにお答えする。
 県立大学においては、健康づくりやスポーツ文化を修得するために、大学の体育施設、あるいは自然も含めて、そういうものを活用したスポーツ種目を取り入れる体育実技を全学生共通の必修科目ということで設置しておるが、そのため、体育施設としては、体育館、室内プール、陸上競技場、野球場、サッカー場、テニスコートを整備しているところである。また、教員については、盛岡短期大学部を含めて4名の専任教員を配置しているところである。
 そのほか、授業とは別に課外活動としてのスポーツ活動は、充実した学生生活を送る上で極めて重要な部分であると認識しているところであり、スポーツを愛好する学生の自主的なサークル活動の拠点となる部室を、文化系のサークルも含めると、サークル活動の部屋として44室を用意しており、サークル活動を支援する環境を整えているところである。
 このような環境の中で、この4月に入学する学生のスポーツサークル活動の自主的な展開の状況を見守りながら対処していきたいと考えているところである。

〇斉藤委員 総務部の問題について、最初に幾つか、食糧費以外のことを聞く。
 第1は防災対策である。
 阪神・淡路大震災以降、どういう対策をとり、消防力はどう強化されたか、基準から見て現状はどうなのか示していただきたい。第1点。
 第2点、津波対策について。
 津波浸水域マップ、これが作成をされた。私は極めて重要な成果であると考えている。津波対策では、避難が一番の大事な課題と言われているけれども、ことし行われた避難訓練、これの参加状況、そして避難場所、避難経路、避難施設の整備はどうなっているか、これが第2点である。
 第3点は、消防団員の手当が改善をされると思うけれども、どういう内容になっているであろうか。私は、各市町村に適切に対応するよう指導すべきであると思うがいかがであろうか。
 次に、県債の繰り上げ償還について、谷藤委員が取り上げたので若干だけ。
 1、000億円ぐらい繰り上げ償還できるものがあるという答弁であった。盛岡は繰り上げ償還をやっているのである。それで節減もしたと。岩手県の財政の赤字と市中銀行の業務純益から見たら、どっちが厳しいかと、これははっきりしている。岩手県の財政危機の方が深刻である。県都盛岡でやっているのであるから、岩手県が、何回も私は決算、予算で取り上げているけれども、まじめにそういう対応をしているのか。市中銀行がうんと言わないでできないのか、それともこっちの方から一言も声をかけていないのか、そういう状況を示していただきたい。
 第3点、県職員の労働条件の改善について。
 私は、食糧費や旅費問題の背景、根底に労働条件の問題があると思うのである。それでお聞きするが、支出決算の中で人件費の比率は低下している。昭和62年、これは33・1%、平成9年25・3%である。いわば少ない人員でたくさんの仕事をしているというのが実態ではないであろうか。これは、人員増が必要であるということを示しているのではないであろうか。人員をふやさないから、サービス残業、これが残念ながら強いられている。それで、私はサービス残業の実態、改善についてお聞きしたい。超過勤務の申告状況、そして超勤手当の支給状況は各部局ごとにどうなっているであろうか。この申告状況は、最終的な財政と調整するものではなく、実際に職員が申告した状況を示していただきたい。宮城県や盛岡市などでは全額支給するという形で抜本的な改善を図り、その結果、残業も減っている、かなり吟味されている。私は、やっぱりサービス残業を野放しにしているから、悪循環で残業がなくならない。必要な残業ということにすれば改善されるのではないかと思う。
 年休の取得状況はどうなっているであろうか。まともに年休もとれないような状況に陥っているのではないであろうか。
 行政運営改善状況調査診断費、1、000万円計上されているが、行政運営診断について、私は県民の視点が大事であると思う。県民の代表や県内の行政、地方財政の専門家を入れて診断すべきであると思う。その点どうであろうか。県はどこに委託しようとしているのであろうか。どういう民間機関、コンサルタントがあるのであろうか。
 次に、市町村からの接待、土産の贈答について。
 私は、これは基本的に受けてはならないと副知事依命通知が出ていると思うけれども、平成8年の陸前高田市の決算においてこういうものが出ていた。市から接待を受けた県職員28名、土産をもらった県職員29人、これは陸前高田市の決算である。接待を受けて土産までもらっていると、中央官僚の接待も問題であるけれども、本当に反省が−−平成8年である、これ。私は、こういうことでいいのかと、このことをお聞きする。

〇大隅総務部長 第1点については私から、その他のお尋ねについては、それぞれ関係課長から答弁させていただく。
 まず、阪神・淡路大震災以降の消防防災対策についてであるが、万一の場合、適切かつ円滑な各種災害対策を実施できるように、平成7年度から、県の地域防災計画の全面見直しと計画の具体化を図ってきたところである。
 まず、県の防災対策としては、防災ヘリコプターひめかみの導入のほか、地震津波・職員参集システムの整備、職員災害応急対策マニュアルの作成など初動体制の確立、衛星車載局ぎんがの機能の強化、警察ヘリコプターのテレビ電送システムの搭載、全市町村への計測震度計の設置など、通信、情報体制の整備を図ったところである。
 また、北海道・東北8道県や県内全市町村、民間団体との相互応援体制の確立を図るとともに、県立総合防災センターの全面改修、防災指導車の配備、地域住民が身近に使用できる初期消化・救助・救護用資機材の整備など、県民の防災意識の高揚や自主防災組織の育成に努めてきたところである。
 さらに、厳冬期の市街地を会場とした実践的な1・17合同防災訓練の実施、津波に対する防災意識の高揚と避難率の向上を図るための津波防災マップを作成したほか、大規模地震が発生した場合の効果的災害応急対策を進めること等を目的とした地震被害想定調査を行っているところである。
 また、市町村の消防力については、消防ポンプ、耐震性貯水槽、防火水槽等の整備を重点に促進してまいったところである。これにより、平成7年4月に比べ、9年4月では、消防ポンプで90口、耐震性貯水槽、防火水槽などの消防水利では1、355基が増加しており、消防力の基準上の充足率も向上しているところである。今後とも市町村ともども、本県の消防防災体制の一層の強化に努めてまいりたいと存ずる。

〇千葉財政課長 高金利県債の繰り上げ償還であるけれども、先ほど谷藤委員にお答えしたが、基本的には、引受先の応諾を前提としてするものであるが、その財政状況全体を勘案しながら検討してまいりたいと思う。
 財政状況であるけれども、今御提案申し上げている10年度の当初予算においても大幅な一般財源の不足が見込まれており、その主要な3基金365億円取り崩しているという状況である。それから、さきにお示しした今後の見通しにおいても、11年度以降数百億円の一般財源が不足するという状況であるので、そういった状況をも勘案しながら、各年度の補正予算になろうかと思うが、いずれお話の件も含めて検討してまいりたいと思う。

〇小野寺消防防災課長 津波浸水域を示した津波防災マップについてであるけれども、御案内のとおり、津波災害から自分たちの命を守るため、現在とり得る最善の方法は避難をするということである。津波防災マップは、過去に襲来した三陸大津波等の浸水域や避難場所、津波への心構えなどを記載し、津波に対する防災意識の高揚と、津波警報等が発表された際における避難率の向上を図ることを目的として、沿岸14市町村と県共同で取り組んできたところであるが、昨年末完成して、現在、沿岸市町村において避難対象地域の全住民に順次配布しているところである。
 このマップの今後の活用先については、沿岸市町村と意見交換をしておるけれども、自主防災組織の結成促進と育成への活用、津波防災に対する学習会、小中学校での授業等での活用、観光客等への周知など、マップを十分に活用しながら、住民意識の高揚、訓練への参加と警報発令時における確実な避難の実行が図れるよう、引き続き市町村ともども住民の啓発に努めてまいりたいと考えておる。
 本年行った津波訓練の状況であるけれども、本年においては3月3日、沿岸の6市町村において実施した。参加人員は8、527人であった。参加率ということについては14・6%という形で、前年度とほぼ同様になっておる。
 続いて、市町村の避難場所等の整備についであるけれども、平成10年1月31日現在、この津波防災マップの浸水域に対応した避難場所は668カ所、避難施設は690カ所となっており、前年と比較するとそれぞれ75カ所、31カ所増加しており、市町村の努力により着実に整備が進んでいるものと思っておる。
 なお、避難路においても、地震防災緊急事業5カ年計画により、計画的に整備の促進を図っているところである。
 次に、消防団員の手当についてお答えするけれども、現在国会で審議中の平成10年度の予算案に盛り込まれている地方交付税における単位費用では、消防団員の手当は標準団体で、団員報酬が年額3万500円、同じく出動手当が1回当たり6、300円となっており、報酬で年額1、000円、出動手当で100円引き上げられることになっておる。県内市町村における団員に対する報酬、出動手当は各市町村の条例で定められ、その額は市町村によってさまざまであるけれども、平成9年度であるけれども、一般団員の場合、平均で年額2万2、000円程度、出動手当は1回当たり2、000円程度と、いずれも交付税措置額を下回ってはおるけれども、逐年改善の方向にある。私どもとしては、地域社会における消防防災活動の中核を担っている消防団員の役割の重要性にかんがみ、市町村消防主管課長会議などの機会をとらえ、処遇改善について市町村を指導しているところである。

〇照井人事課長 幾つかお尋ねあった。まず、職員の勤務条件の改善についてである。
 人件費の比率のお話があったが、これまで人員の配置に当たっては事務量に応じて配置することを基本にし、毎年度新たに生じる行政需要には適切に対応してまいった一方、行政需要の消長に応じた事務事業の見直しなどにより効率化を図り、最小の人員で最大の効果を上げることを目指してきたところである。御質問の人件費比率の低下は、これまでのこのような取り組みの成果のあられわれの一つであると認識しておる。
 次に、超過勤務の御質問があった。超過勤務は、給与条例上は職員の申告ではなくて、命令権者からの命令に基づいて行うことになっておる。お尋ねの平成8年度知事部局の場合、決算から推計した場合であるが、1人当たり月平均でおよそ2万7、000円の支給となっておる。部局別に申し上げると、これは推計であるが、総務部が3万5、000円、企画調整部が2万7、000円、生活福祉部が2万3、000円、環境保健部が2万4、000円、商工労働部が2万6、000円、農政部が2万6、000円、林業水産部が2万3、000円、土木部が3万3、000円、出納局が2万円ちょうどとなっている。
 それから、超勤手当の全額支給というようなお尋ねであるが、いずれ職員が勤務時間外に勤務を命ぜられて超過勤務を行った場合には、各所属において適切に超過勤務手当が支給されているものと考えている。超過勤務手当の支給については、一時的な業務増などにより超過勤務時間数が増加したような場合、事情をよく把握して適切な支給が行われるよう努めてまいりたいと考えておる。
 それから、年次休暇の取得についてもお尋ねがあった。平成8年度の年次休暇の取得の日数は、知事部局全体の平均で10・4日となっている。
 それから、行政運営診断についてのお尋ねであるが、このたびの診断は、県民や市町村とのパートナーシップを大切にして、生活者主権、地域主権の観点に立った新しい時代に即した機動性と効率性を兼ね備えた行財政システム、これを確立するために、県民の行政への参画、あるいは市町村との連携、あるいは政策決定、事業評価、業務プロセス、財政運営、行政機構、人事管理など、これまでの本県の行政運営のあり方全般について根本から問題点を洗い出し、第三者の客観的な目でチェックを受けようとするものである。委託先については予算成立後に選定することとなるが、事業の目的から見てふさわしい委託先を適切に選定してまいりたいと考えておる。
 それから、最後の御指摘のあった陸前高田市の件については、その事実は承知していないが、いずれにしても、そういう贈答品の授受、こういうことは行わないよう、毎年、例えば副知事の依命通知などを発して職員の意識の喚起を図っているところである。

〇斉藤委員 サービス残業の問題について、超勤やった分だけ支給していると、こういう答弁は私は通用しないと思う。前に佐藤正春委員がやっていたけれども、総務部だけがたくさん、100%出るところがあるではないかと、ああいう指摘もあった。額で言うとわからないから時間で言うと、総務部は14時間、企画調整部は11時間、生活福祉部9時間、環境保健部10時間、商工労働部11時間、農政部10時間、林業水産部9時間、土木部13時間、出納8時間、地労委8時間、全体平均が11時間、月11時間の超過勤務手当が出ているということである。これは、県職員の実感から言ったらもう2割、3割、こういう実態である。それで、管理職員の皆さんがちゃんと超勤命令を出してないであろう。超過勤務命令を出していないから、サービス残業で仕事をして、そして職員が申告しているわけであろう。しかし、6%しか予算化されていないから、それできれいに並べられてしまうのである。皆さん知っている、夜中の12時まで稼いでいるのは県庁ぐらいではないかと。私はそういう点で、そういう型通りのことではなくて、本当に異常なこのサービス残業の状況をどう改善するか、そういう立場で対応してほしいのである。年休取得が平均で10・4日である。20日間保障されるのに10日間しかとれない。私は、だから人件費が歳出の比率の中で低下したということは、休みもとれない、そして本当に平日も稼がせられているという深刻な実態がそこに示されているのである。私はそういう点で、もう一回、それについてのあなたの、本当に働いた分だけ全部出ているという認識なのかどうか。
 それと、陸前高田市の問題については、これはちゃんと問い合わせをして−−陸前高田はこう言っているのである。これからも接待はやる、お土産もこれからもやると実施委員会では言っているそうである。私はちょっと異常ではないかと。土産品などもらってはならないとなっているわけであるから、問い合わせして調べてもらいたい。その点改めて。

〇照井人事課長 超過勤務の縮減については、やはり職員の健康を保持して公務能率の向上に資するという観点から、これまでもさまざまな方策をとりながら取り組んできたところである。やはり、上司がまず業務の遂行について明確な指示を与えて、業務の進行管理を的確に行うなどの勤務時間管理の徹底を図るなどして、なお一層の超過勤務の縮減に取り組むとともに、一時的な業務増などのやむを得ない理由により超勤を命ずる場合には、事後確認をしっかり徹底するなど、適切な支給に努めてまいりたいと考えておる。
 また、委員御指摘のあった件については、調査させていただく。

〇折居委員長 この際、進行に御協力願うため、質疑答弁は簡潔にお願いする。

〇斉藤委員 私は、本会議でも旅費問題について取り上げた。私自身が直接、久慈、大船渡、釜石の振興局の旅費の実態を調査した。その上に立って、私は三つの問題点を指摘した。一つは、旅行命令とは違う交通手段を使っている。これは、基本的には自家用車使用である。第2は、仕事は1日で済むのに、木金、金土、日月、こういう泊つき出張が多かった。私は、こういう旅行の実態というのは、例えば旅費問題を全庁調査したところでは、これは実態と異なると、こういう旅行に値するのである。そういう点で、私、そういう実態を総務部長、掌握しているか。総務部長は本会議でたびたび旅費の見直しを行う意思を述べているけれども、こういう実態を踏まえた上での見直しであろうか。

〇大隅総務部長 旅費の改正、改善等についてのお尋ねであるけれども、今委員がおっしゃった個別のことについては、今承知しておらないけれども、いずれそうしたような状況が久慈方面に限らずあるいはあるのかもしれないし、いずれにしてもその実態というものを調べて実情に合った改善等はしていきたいと、こういう全般的な意味である。

〇斉藤委員 例えば、私は去年の4月、9年度のことを調べた。釜石の振興局、土木であるけれども、4月1カ月で木金の出張をしたのが13人、金土が9人、日月が7人いるのである。私は、例えば木金などに出張するということは決して悪いことではないと思う。単身赴任者が多い、独身者が多い、そして、出張とあわせて帰省もするという、これは一つの配慮であると思う。ところが、そういう出張に対して泊をつけるということは決していいものではない。私はそういう点で、きちっと調査をして、やっぱり実態に合った改善をしていただきたい。
 それで私は、具体的に改善の方法についてお聞きしたい。自家用車使用を制度化すべきであると思う。第2は、用務先での移動経費などの費用弁償をちゃんとすべきである。第3は、実態を踏まえた宿泊料の見直し。今の宿泊基準では、例えば東京や遠隔地に行ったときに間に合わない場合もあるから。4番目は、これは重要であるが、早朝出発、深夜帰宅の出張、今東京出張はこうなっているのである。朝一番で出て、最終で帰ってくる。そうするとほとんど行き帰りタクシーを使う。ところが、これは手当てされない。私はそういう点で、この改善がどうしても必要である、そして管内旅費の見直し、こうした点でどう改善するおつもりかお聞きしたい。

〇照井人事課長 1番目の自家用車の使用の制度化ということであるけれども、出張におけるマイカーの使用は原則として禁止している。ただし、職員から積極的な申し出があり、公用車を使用できない場合で緊急を要するケース、こういった特別の事情がある場合には、その使用を承認できることとしておる。
 2番目の用務先での移動経費であるけれども、用務先における交通費は日当の中で賄うことにしているものである。ただし、用務先において、交通機関の運行状況などから見てタクシーを利用せざるを得ないというような場合もある。こういう場合については、タクシー代の実費を支給できることとしておる。
 それから、3番目の実態を踏まえた宿泊料の見直しであるけれども、宿泊料の単価は、一般的に使用されている宿泊施設の料金の状況等を考慮して適時に検討を加えているところであるが、現行額は、国や多くの県と均衡がとれているものと考えておる。
 4番目、早朝、深夜等の足の問題であるが、現行の旅費制度の基本原則を維持しつつも、そういう実態に適合した旅費の支給を行うことができないかどうか、いずれ検討してみたいと考えておる。
 それから、最後の管内旅費の見直しについてであるけれども、こちらについても、他県の動向等を踏まえて必要があれば検討してまいりたいと考えておる。

〇斉藤委員 私、自家用車の制度化を言ったのは、例えば私、大船渡に行って聞いてみた。公用車が足りないのが実態である。私は、公用車もふやすべきであると思う。しかし、圧倒的に足りない。だからそういう点で、自家用車の使用というのは、要望も聞いた。例えば久慈、大船渡、冬場に帰ってくる。自分がなれた車の方が安全である、こういうのがある。あとは、帰省絡みで出張があるわけであるから、自家用車の方が効率的である。既に大船渡では今10何人も対応している。だから私は、原則的に禁止ということではなく、自家用車の借り上げ、制度化すればいいわけである。禁止しているから、実際にはみんな本当に困って使っているわけである。事故が起きたらどうなるであろうかと心配してやっているわけである。私はそういう点で、もっと県職員の実態を見て、既に現場は柔軟に対応している。人事課長、よく現場を見てやったらいいのではないか。それは後から答弁してもらいたい。
 続いて食糧費についてお聞きする。
 食糧費について、私は議会でも聞いたが、議会費を使った食事券、総務部長は、議会担当の職員が識別されるから明らかにできないと言うけれども、職員録を見ても議会担当なんか書いていない。こんなのはわからない。議会担当というのは内部の分担であろう。私はそんな議会担当の職員を知りたいから聞いているわけではない。議会費を不正に支出したら重大問題であろう。そういう点で改めて部長に聞きたい。議会費を使った食事券の発行は何件、幾らあるのか、それは全部不正か。あわせて、議会費を使った不正な懇談会はなかったのか、不明な懇談会はなかったのか、明らかにしていただきたい。

〇大隅総務部長 総括質疑の際に御質問のあった件であるけれども、食事券あるいは懇談に係る不適正な支出について、その内訳として議会費があるかどうかということであるが、議会費ということでの内容についてはお話しすることを控えさせていただきたいということを今一度お願い申し上げたいと思う。

〇斉藤委員 私は具体的に識別されないのではないかと言っているのである。あなたの答弁の根拠は崩れたのではないか。僕は、同じことを聞いているのではない。職員録を見ても議会担当なんて書いていない。だれもわからない。だから、そのことを改めて私は別な質問をしたのであるから、なぜ識別されるのかも含めて答えていただきたい。僕は、根拠は崩れたと思う。あわせて、たくさん聞く。
 食事券の問題について、これはいつごろから発行していたのか。中央省庁の問い合わせになぜ回答しなかったのか。中央省庁は市民オンブズマンが確認したのである。科学技術庁と厚生省は、そういう事実はないと答えた。ほかの省庁は、東京事務所に対して、どこに配ったか教えてほしいと照会した。ところが、一つも回答がなかったのである。購入伝票には配付先の課まで書いてあるのである。課までわかれば大体わかるのである。そういう問い合わせにも答えられなかった。そのことを、なぜ問い合わせに答えなかったか示していただきたい。食事券の関係書類で支出が明らかであると言うけれども、食事券の関係書類とは何であろうか、具体的に示していただきたい。
 二つ目、不正懇談会1、518件9、872万について。相手側が否定した懇談会というのはカラ懇談会ではないのか。懇談が実施されたかどうか不明のもの549件3、630万あるが、これもカラ懇談会ではないか。懇談がやられたかどうか不明であると。私、教育委員会で聞いたら、懇談の事実はないと言っている。であったら、これも何に使われたかということになるのである。私はこのことを示していただきたい。先ほども聞いたけれども、1、518件の不適正支出、私は不正であると思うけれども、これはすべて公文書を偽造したものではないか、改ざんしたものではないか。そのことを聞きたい。

〇大隅総務部長 まず、議会費に係る不適正な支出であるけれども、これについては、確かに職員録にその分担は書いてはおらないけれども、どこの所属でもそうであるけれども、事務分担表というのが毎年度作成されておるので、それを確かめれば明らかになるということで、確かめることができる、方途を講じ得るということで申し上げているわけであるので、どうにか御理解をいただきたい。

〇千葉財政課長 東京事務所の食事券の発行についてであるが、いつから始まったのかということであるが、平成3年度以前の書類は存在しておらないので不明である。
 それから、中央省庁の問い合わせに対してなぜ回答しなかったかということであるが、中央省庁の問い合わせに対する対応については、問い合わせのあった省庁に対して、購入票の公文書を開示できる範囲で対応したところである。
 それから、食事券の関係書類とは何かであるが、購入票、支出票、請求書である。
 それから、相手側が否定した場合の懇談はカラではないかということであるが、懇談に係るもので不適正な支出としたもののうち、相手側が否定したものに分類しておるものは、県側出席者に対する事実確認の結果、実施伺どおりの懇談が行われていることが確認されたものの、相手方出席者に対する事実確認の結果、相手方から何らかの理由で否定されたケースである。
 次に、実施内容等が不明なものに分類しているケースであるけれども、実施伺に関係者の記載はあるものの、その関係者から懇談の事実の確認を得ることができなかったものであり、したがって不明なものに区分したものである。

〇藤沢総務学事課長 今回の調査で不適正支出とされた1、518件であるが、支払いの事実は確認されているわけであるが、二次会の経費あるいは単価の超過した分などの経費の支払いのために実態と異なる処理をしたことにより、事務処理に適正を欠くと判断されたものである。実施伺の作成から支払いに至る一連の事務処理が不適正であったわけであるが、職員が故意にみずからの利益を得るためにやったようなものではないので、御理解願いたいと思う。

〇斉藤委員 私は、本当にこの調査の信憑性が問われていると思うのである。1、518件も実施伺どおりに懇談会がやられていなかった。ところが、伺書があり請求書がある、支出票もあるのである。こんなばかな話はないであろう。こういうのを公文書の偽造、改ざんと言うのであろう。そして、そういう職員がやったやったと言っているのが、私が最初に言った懇談会なのである。だから、懇談会をやられたかどうかという客観的傍証が必要なのである。大体、今までずうっとだまし続けてきた職員がやったやったと言っているだけでは、何の証明にもならないのである。
 それで私は聞きたい。適正としたものの疑問。相手側未確認、傍証資料がないのが1、246件5、454万円ある。しかし、これが適正に入っている。相手側が未確認で傍証資料がなしである。これが適正懇談会になっている。相手側が否定、傍証資料なし23件149万1、319円、これも適正懇談会である。相手側が否定して傍証資料がないものも適正に入っている。おかしいであろう。そして、相手先にどういう確認をしたか、その用紙はこういう用紙である。懇談に出席したか。余りはっきりしないが出席したと思う、その他。いわば誘導尋問みたいなものである。出席した、余りはっきりしないが出席したと思う、その他である。私はほかの県の確認書を見たけれども、出席した、出席してない、その他である。これは本当に誘導尋問的な確認書である。それで、余りはっきりしないが出席したというものがみんな適正に入っている。そういう点でも、この適正としたものの判断基準は極めてあいまいである。このことについてお聞きしたい。
 あわせて、不明懇談会が25%ある。4、853件3億7、790万。私はこれは不正隠しではないかと本会議でも指摘した。総務部関係で1、806件2億1、718万。これは東京事務所分であるが、東京事務所は平成4年、平成5年、不正懇談会なし。全部不明にした。この理由は何か。

〇千葉財政課長 適正としたものについてのお話であるが、まず、相手側が未確認で傍証資料なしというものであるが、これは、相手側確認に至らず傍証資料が存在しないものであるが、そのうちで適正と分類したものは、相手方の確認を行い、その結果、わからない、忘れたなどの回答があったものである。相手側に明確に否定されてはおらず、かつ県側出席者の確認は得られているということから、適正と判断したものである。また、相手側が否定し傍証資料が存在しないもので適正と分類したものは、相手側の確認を行い、その結果、否定者がいるものの、1人以上の肯定者がいる場合で、かつ県側出席者の確認が得られているものであり、適正と判断したものである。
 それから、確認用紙についてのお尋ねであるけれども、県側出席者側から実施伺どおりの相手側を伴う懇談が実施された旨確認できたものについてのみ相手側に事実確認を行うこととしたことから、したがって三つの区分により回答をいただくこととしたものである。
 次であるが、不明支出が25%あるわけであるが、不正隠しではないかというお尋ねである。今回の調査においては、可能な限りの調査を行うという考えのもとに、支出関係書類の保存期間である5年間にさかのぼって調査することとした。平成4年から8年度までであるが、しかしながら、調査対象期間中のすべての実施伺が保存されているわけではなく、実施伺が保存されていない場合、当時の関係者からの事情聴取や他の関係書類の確認を行うなど、可能な限り調査を行ったところであるが、支出の事実は確認できたものの出席者が特定できず、具体的な確認の方途を講じ得なかったということから、適正、不適正の判断を行えなかったものが、御指摘のとおり4、853件3億7、790万円余あったものである。これについては、まさに適正とも不適正とも判断し得なかったものであり、したがって不適正なものと判断したものについては返還を行うこととしたが、これと同様の取り扱いを行うことは適当ではないと考えたところである。

〇藤沢総務学事課長 東京事務所も今の一連の調査の一環であり、理由は全く同じである。

〇斉藤委員 まともに答えていただきたい。平成4年、5年、不正懇談会がゼロになっているのはなぜか、実施伺書はなかったのかと聞いたのである。あったのか、なかったのか、はっきり答えていただきたい。

〇藤沢総務学事課長 東京事務所の保存年限が2年となっておる関係から、ない。

〇斉藤委員 実は、東京事務所については平成5年、平成6年、情報公開で明らかになっている。ここに平成5年のがある。保存年限5年になっている。いいか、それがないとしたら、あなた方は証拠隠滅したのである。重大問題である。ここに平成5年があるけれども、全部保存年限5年になっている。大体みんな処分して、みんな不正ではないというのはとんでもない話である。はっきり答えていただきたい。
 僕は、ここまできたら再調査しなければだめである、総務部長も知らないというのであるから。保存年限5年と書いてある。それが廃棄されたら、あなたこれ、証拠書類の隠滅であろう。そうやって不正の懇談会を全部東京事務所は隠したのである。だから平成4年、平成5年がゼロになっているのである。あなた、食糧費調査委員であろう。見たのであるか。それで、これは情報公開になっているから総務学事課にコピーがあるはずだ。あるはずなのである、5年、6年。あるのにわからないのだ。これはもう隠したということである。部長、ちゃんと答えていただきたい。
   〔「議事進行について。」と呼ぶ者あり〕

〇菊池(勲)委員 審議中に大変斉藤委員には失礼だけれども、代表で総括でもやっているし、今、部局の審査でもこのとおり、同じ答弁を我々ずっと聞いているわけだ、委員会の委員方が。ただ、無制限といいながら1人で1時間も2時間もやるということはおかしいよ、これ、委員会審議としては。委員長、どう思う、これは。委員会審議の仕方、これをどう思うか、委員長に。

〇折居委員長 小職としても、菊池委員の発言に賛同する部分が多いのである。私としても、やはり同じような質疑の重複は、この際、好ましくないと思うので、ちょっと観点を変えていただきたい。

〇千葉財政課長 東京事務所の文書の保存年限であるけれども、文書の保存年限は各所属長が定めるということにされておって、それによると東京事務所の食糧費の実施伺に係る保存年限は2年とされていると承知しておる。

〇斉藤委員 まず、私は……、(「議事進行。」と呼ぶ者あり)発言中であろう。発言が終わってからではないの。

〇折居委員長 議事進行についての発言であるから。

〇菊池(勲)委員 議事進行について、委員長は私の意見には賛成するといった程度で、また向こうは進んでいるわけである。それでは議事進行の動議を出した意味は何にもないのだ。ちゃんと世話人会か何かで結論を出してもらいたい。こんな委員会審議は絶対にない。

〇折居委員長 ちょっと待ってもらいたい。今の議事進行について私は同調するところがあるので、世話人会を開いて今後の進め方を相談したいと思う。
 それでは、暫時休憩させてもらいたい。
   午後4時36分 休 憩
 
   午後4時56分 再 開

〇折居委員長 再開する。
 世話人会の協議結果を報告する。各会派、各委員がそれぞれ調整し、あるいは自粛して委員会を運営してきたところであり、斉藤委員にもその点十分御理解をいただきたいと思う。今後このことについて、必要であれば、別途、世話人会を開催することも申し合わせをしてきた。以上のとおりである。
 それでは、この際、財政課長から発言を求められておるので、これを許す。

〇千葉財政課長 東京事務所の文書の保存の件であるが、今いろいろ調べてみたけれども、先ほど申し上げたとおり、文書の保存は各公所長、いわゆる各課長であるが、保存年限を実施伺については定めることとされておって、東京事務所の場合、平成5年度までは5年保存という取り扱いで定められてきたということである。平成6年からは文書の保存年限を2年と改めて、それに従って順次書類を廃棄したということである。期間を縮めたのは、事務所がだんだん狭隘化してきているといったようなこと、文書を整理するためということである。
 それから、なお、文書の保存年限については、先ほど申し上げたとおり1年から5年と各部各課でまちまちだったわけであるが、平成9年度分からは統一して5年間と、食糧費については統一を図ったところである。

〇折居委員長 斉藤委員、きょうは一応、質疑は5時になったので……。

〇斉藤委員 議事運営についてはわかった。ただ、この食糧費問題について私は議会運営委員会で問題提起をした。特別委員会をつくって、また、日程もとって徹底してやるべきだと。そうしたら、本会議や特別委員会で徹底してやって、その結果必要だったら日程を延ばせばいいと、こういうふうになったのである。だから、私は、総務部が所管だから、全部局ではなくこの総務部で徹底してやりたいと、こういうことでやってきたのである。議会運営委員会にも私は問題提起してそしてやってきた。世話人会の言いたいことはわかるし、私も今後の運営については協力するつもりである。しかし、食糧費問題についてはそういう議会運営委員会の論議を踏まえてきたわけだから、ぜひ理解していただきたい。
 それで、今の千葉課長の答弁であるけれども、結局、平成6年になって保存年限を2年にして廃棄したということであろう。これは不正隠しそのものではないか。ところが、平成5年、6年、情報公開で出したものはあるはずだ。コピーが総務学事課にあるであろう。情報公開で明らかにしたものがないのであるか。私はあると思う。なかったら情報公開でとったところに調べたらいいではないか。私が持っているのだから。全くそれを不正はなしにして、不正隠ししたというのは極めて、本当に中途半端な僕は調査だと思う。総務部長、最後にこの問題について答えてもらいたい。

〇大隅総務部長 今回の調査については私としては最善を尽くしたと思っておる。したがって、これ以上の調査というものは不可能だと思っておる。ただ、さまざまな取り扱い等について、今、委員おっしゃったようなこと、これらはまた別途の問題として調べてみたいと思う。

〇折居委員長 ほかに質疑ないか。

〇菅原委員 今、国会の方に電話をかけて聞いた。よくテレビで映る、予算委員会とか決算委員会あるが、どういうルールかと聞いたのであるが、会派から理事が出ている方々は質問ができると、その場合もそれぞれの会派によって持ち時間があると。ところが、理事が出ていない会派の方々は、予算委員の中に入れているけれども発言はできないので、それは悪いというので、自民党が一番持ち時間が多いから、それから大体30%ぐらい割愛しているそうである。しかも、テレビに映るのは大体30%以内なそうである。それにもやっぱりそういう機会を与えるべきだということで、割愛をしてやっているのだと、そしてやはり持ち時間内の関連は認めるけれども、時間オーバーは認めないと、こういうルールなのだそうである。であるから、我が議会においてもやっぱりきちっとしたルールを設けて、1人で1時間も1時間半もやるというのは、これ異常ではないかと思うのである。であるから、きちっと議会運営委員会でルールを確立すると。そういう方向に持っていかないと収拾がつかないと、こういうことになると思う。委員長、その意を体してひとつこれから運営をしていただくようにお願い申し上げる次第である。

〇折居委員長 承っておく。
 では、進行する。ほかに質疑はないか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇折居委員長 質疑がないようなので、これで総務部関係の質疑を終わる。
 以上で本日の日程は全部終了した。本日はこれをもって散会する。
   午後5時3分 散 会


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