平成10年2月定例会 予算特別委員会会議録

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平成10年3月12日(木)
   

1開会  午前10時4分

1出席委員  別紙出席簿のとおり

1事務局職員
事務局長 村上勝治
議事課長 及川宣夫
議事課長補佐 駿河 勉
主任議事管理主査 千田正和
議事管理主査 上柿 聡
議事管理主査 木村 稔
議事管理主査 南 敏幸
議事管理主査 筒井則裕

1説明員
企画振興部長 武居丈二
企画振興部次長 小野寺修
企画振興部次長 福岡勝夫
企画調整課長 上野賢一郎
地域政策課長 邨野善義
特定地域振興室長 法貴 敬
市町村課長 久保隆男
情報科学課長 高島竜祐
交通政策課長 瓦林康人
資源エネルギー課長 多田英壽
広聴広報課長 小原公平
統計調査課長 佐藤安彦
 
出納局長事務取扱 高橋洋介
出納局次長 石川 誠
総務課長 小野寺 文治郎
出納課長 浅沼昌明
 
人事委員会事務局長 佐藤英輔
総務課長 晴山祐典
職員課長 千葉 務
 
監査委員事務局長 飛澤重嘉
総務課長 山瀬宗光
監査課長 青木 拓
 
財政課長 千葉 弘
   

〇折居委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入る。
 議案第4号から議案第24号まで、議案第32号から議案第38号まで、議案第40号、議案第43号、議案第45号、議案第49号、議案第50号及び議案第53号、以上、34件を一括議題とする。
 本日は、企画振興部、出納局、人事委員会及び監査委員関係を終わるように進行したいと思うので御協力をお願いする。
 また、世話人会の申し合わせにより、質疑項目が複数ある場合、関連する事項についてはできるだけまとめて質疑されたいこと、また、質疑及び答弁については簡潔明瞭に行い、午後5時を目途に審査が終了するよう議事進行に御協力をお願いする。
 なお、関連質疑については、質疑冒頭に質疑を表明している委員より優先して発言を認めているものであるので、その性格上、関連性の強いもののみ短時間、簡潔に発言されるよう、また、要望のみで終わることのないよう御協力をお願いする。
 最初に、企画振興部長から企画振興部関係の説明を求める。

〇武居企画振興部長 企画振興部関係の歳出予算等について御説明申し上げる。
 企画振興部関係の予算は、議案その2の6ページ、2款総務費のうち、2項企画費、4項地方振興費、5項選挙費及び7項統計調査費と9ページの13款諸支出金のうち、2項公営企業出資金の一部である。
 それでは、便宜、お手元に配布されておる予算に関する説明書により御説明申し上げる。まず、96ページをお開き願う。
 2款総務費2項企画費1目企画総務費の187億2、200万円余の主なものについて申し上げる。まず、管理運営費は、人件費及び一般管理事務費である。次に、東北新幹線建設促進対策事業費は、日本鉄道建設公団が建設する東北新幹線盛岡以北の建設に要する経費の負担並びに建設促進対策等を実施しようとするものである。次に、コミューター関係地方公共団体協議会負担金は、花巻空港における航空路線網の充実を図るため、花巻と新潟を結ぶ都市間コミューター航空の運航を、同協議会を通じて支援しようとするものである。次に、ひとにやさしい低床バス導入事業費補助は、高齢者、障害者等を含むすべての人が利用しやすいスロープ付低床バスの導入を促進するため、路線バス事業者に購入費助成を行う市町村に対し、補助しようとするものである。次に、2目計画調査費の40億3、600万円余の主なものについて申し上げる。まず、総合計画推進費は、経済社会情勢の変化等に対応し、21世紀初頭を展望した新しい総合計画の策定に向けた所要の調査検討を行おうとするものである。次に、北東北3県地域連携推進費は、北東北3県の連携を推進するため、北東北広域連携構想調査、北東北地域連携フォーラム、北東北3県知事サミット等を行おうとするものである。次に、盛岡駅西口地区活用調査費は、盛岡駅西口地区県有地の活用について調査検討を行おうとするものである。次に、リゾート地域整備促進事業費は、リゾート施設整備事業を実施する市町村に対し補助するとともに、民間事業者等との調整を図り、個性豊かな地域づくりを促進しようとするものである。次に、地域活性化プロジェクト調査事業費は、平庭高原における地域資源を生かした地域活性化のためのプロジェクト、エコパーク平庭高原について、環境影響評価調査を実施しようとするものである。次に、広域連携推進事業費補助は、特定地域のうち県北地域等の市町村が、広域連携により産業の複合化を進めるため、都市農村間交流拠点施設として、情報発信機能を備えたアンテナショップを首都圏に整備する経費に対し、助成しようとするものである。次に、科学技術振興推進費は、科学技術の振興による地域の活性化を促進するため、総合的かつ長期的な科学技術振興策を企画、推進しようとするものである。次に、先端科学技術研究施設整備事業費は、独創的かつ先端的な研究を促進するため、超電導など先端的な分野の共同研究施設を整備しようとするものである。次に、フォーラム21世紀への創造開催費負担金は、岩手県立大学の開学に当たり、ノーベル賞受賞者を招聘して行うフォーラムの開催に要する経費の一部を負担しようとするものである。次に、テレビ難視聴地域解消事業費は、テレビ難視聴地域の解消を促進するため、中継局及び共同受信施設設置事業を実施する市町村に対し、補助しようとするものである。次に、電気通信格差是正事業費補助は、地域住民の生活に密着した情報通信基盤の整備を促進するため、電気通信格差是正事業を実施する市町村に対し、補助しようとするものである。次に、全国マルチメディア祭開催推進費は、平成10年9月に開催される全国マルチメディア祭'98inいわての開催経費を負担しようとするものである。次に、土地利用対策費は、県土の適正な利用の確保及び適正な地価の形成を図るため、土地利用の調整、土地取引の届け出審査等を行おうとするものである。次に、いわてウォータープラン21推進費は、総合的な水資源対策の効率的な推進を図るため、水循環調査等を行おうとするものである。98ページをお開き願う。クリーンエネルギーいわて21推進事業費は、新エネルギーの積極的な利用を促進するため、太陽光発電の導入等を行おうとするものである。次に、地熱熱水有効利用促進費は、地熱熱水供給事業実証調査により得られた成果を、地域振興や住民福祉の向上に役立てるなど、地熱資源の有効利用を促進しようとするものである。次に、3目広聴広報費の3億9、900万円余の主なものについて申し上げる。まず、広聴広報活動費は、県民に開かれたわかりやすい県政を推進するため、県政情報の提供などを行う広聴広報活動に要する経費である。次に、銀河系いわて情報発信事業費は、県外に本県の情報を広く発信するため、全国紙等への広告の掲載、広報誌の発行、ラジオ放送及びインターネットによる広報を行おうとするものである。次に、地域連携衛星デジタル情報発信事業費は、他県との共同により実施する衛星デジタルテレビ放送を活用して、県外に向けて本県の情報等を発信しようとするものである。
 次に、少し飛んでいただいて102ページをお開き願う。4項地方振興費1目地方振興総務費の14億2、400万円余の主なものについて申し上げる。地方振興局管理運営費は、地方振興局総務部職員の人件費及び一般管理事務費である。次に、2目市町村振興費の41億5、600万円余の主なものについて申し上げる。まず、自治振興基金貸付事業費は、公共施設の整備の促進等を図るため、市町村、一部事務組合及び広域連合に対して、県単独の資金を貸し付けようとするものである。次に、市町村振興宝くじ交付金は、市町村に対する貸付事業を実施する財団法人岩手県市町村振興協会に対し、市町村振興宝くじの発売収益金を交付しようとするものである。次に、ふるさと市町村圏基金造成費補助は、来る3月18日に設置される予定の気仙広域連合が行う、ふるさと市町村圏基金の果実を活用した広域的な地域振興事業を推進するため、当該基金の造成費の一部を補助しようとするものである。次に、地域活性化事業調整費は、地方振興局において地域の要望等を踏まえ、市町村と一体となって地域の特性を生かした個性豊かな地域振興を図ろうとするものである。
 次に、104ページをお開き願う。104ページから105ページの5項選挙費は、1目選挙管理委員会費6、400万円余、2目選挙啓発費1、100万円余、3目参議院議員選挙費8億9、600万円余を計上しておる。
 少し飛んでいただいて108ページをお開き願う。7項統計調査費1目統計調査総務費の3億6、200万円余の主なものについて申し上げる。管理運営費は、人件費及び一般管理事務費である。次に、2目地方統計調査費の2、000万円余は、いずれも県単独で実施する統計調査に要する経費である。次のページに参って、3目委託統計調査費の2億5、500万円余は、いずれも国の委託により実施する統計調査に要する経費である。
 次に、大きく飛んでいただいて272ページをお開き願う。13款諸支出金のうち、当部関係の予算について申し上げる。
 2項公営企業出資金1目公営企業出資金の12億9、800万円余のうち、当部関係は、説明欄2行目の工業用水道事業会計出資金1億8、200万円余であるが、これは施設建設費に係る企業債の償還等に対応する経費について出資しようとするものである。
 次に、債務負担行為について御説明申し上げる。恐れ入るが、議案その2にお戻りいただいて、議案その2の11ページをお開き願う。当部関係は、第2表債務負担行為の事項欄4の公営企業金融公庫及び市中金融機関が岩手県土地開発公社に融通した資金についての債務保証であるが、これは岩手県土地開発公社が市中金融機関等から資金を借り受ける場合、借り入れ総額10億円を限度として債務保証を行い、公有地の先行取得等、同公社が実施する事業の円滑な推進を図ろうとするものである。
 最後に、予算以外の議案について御説明申し上げる。同じく議案その2、63ページをお開き願う。議案第19号東北新幹線鉄道の建設事業に要する経費の一部を負担させることに関し議決を求めることについてであるが、これは東北新幹線鉄道の建設事業に要する経費の一部を、受益市町である二戸市及び岩手町に負担していただこうとするものである。
 次に、恐れ入るが議案その3になるが、議案その3の12ページをお開き願う。議案第32号自治振興基金条例の一部を改正する条例であるが、これは自治振興基金の額を増額し、市町村−−これは合併市町村も含むものであるが−−市町村一部事務組合に加え、新たに広域連合を貸付対象とし、並びに合併市町村・広域連合等が実施する広域行政推進事業に係る貸付金額の限度額及び貸付利率の特例を設けるとともに、あわせて所要の整備を行おうとするものである。
 以上で説明を終わる。よろしく御審議をお願いする。

〇折居委員長 ただいまの説明に対し質疑はないか。

〇長谷川委員 今、3秒前に質問通告をして、資料が整っていないと思うけれども、お願いする。
 実は、一昨年ぐらいに一般質問で御要望を申し上げた件であるけれども、スーパーハブ空港についてである。今議会においても沿岸空港ということで、岩手県に第2の空港をつくってほしいと、こういう要望があったわけである。しかし私は、諸般の事情で大変難しいことであろうと思っておるわけである。岩手県のことだけ考えて空港をつくれということは、どうも実現性に乏しいと。日本全体を、あるいは地球上の規模で物事を考えて、岩手県にもう一つの空港をつくるべきであると、そのように思っておるわけである。
 一昨年の部長の答弁においては、継続してスーパーハブ空港の実現について努力すると、こういう御答弁があったやに記憶をしておるわけであるけれども、その後の経過についてお聞かせをいただきたいと思う。

〇瓦林交通政策課長 ただいまのスーパーハブ空港の御質問について御説明させていただく。
 スーパーハブ空港についてはまだ定義が必ずしも一定してなくて、5、000メートル級の滑走路を指すような場合については、超高速で大陸間を往来するといったような航空機を想定しているものと思われる。現在、こういった航空機については、先進国を中心に研究が進められているわけであるけれども、現段階においてはまだ実用化のめどは立っていないということなので、私どもとしては、この試験研究の成り行きについて注視していきたいと考えておる。

〇長谷川委員 その注視するだけではだめなのである。既に、世界的な規模でスーパーハブ空港の誘致はもう始まっているのである。御存じのとおりであると思うのであるが、スーパーハブ空港の立地は北米に2カ所、アジアに1カ所、ヨーロッパ1カ所、オセアニアも1カ所であるし、あとどこかよくわからないけれども、6カ所スーパーハブ空港をつくろうと。アジアを対象であるから、もう既にシンガポール等はスーパーハブ空港の立地を検討し始めているわけである。そうすると、どうも注視をしていたばかりではその実現は大変危ういと、このように思うわけである。
 御存じのとおり、5、000メートルという滑走路は二つ必要であるし、国内用でも2、500メートルが二、三本必要になるのであろうと思う。御存じのとおり、調査をどこでやったかちょっと忘れたけれども、岩手県には3カ所ある、適地として。外山高原であるとか平庭高原であるとか、貞任新山と、こういう3カ所の立地可能性がある場所がある。もちろん、24時間の開港をしていなければならないし、なおかつ、できるものであれば半径10キロの間に家がないと、こういうふうなものが必要なわけであり、多分日本でも御存じのとおり、そういうものができるのは岩手とか北海道とか、あるいは鹿児島とか、そういうところしかないと、そのように言われておるわけである。北海道はどうも緯度が高すぎて、立地には難しいという条件があるようである。あるいはまた、そのスーパーハブ空港を大阪の関空とか成田とか、あるいは中部国際空港とか、そういうところであると、これもまた困った問題が一つあるわけである。御存じのとおり、あの辺は空港利用料というのが大体もう100万円以上である、100万円から120万円、今でもそうなのである。北上山系地域につくると、空港利用料は推計であるけれども、7万円から12万円で本当にヨーロッパ並み、アメリカ並みの空港利用料でそれが立地できる。私は、岩手県は大変、特に北上山系は空港立地、スーパーハブ空港立地には向いていると、そういうことが言えると思う。
 また、遠野市では御存じのとおり、スペースプレーンの名乗りを上げた経緯があるわけであるけれども、場合によってはスペースプレーンとスーパーハブ空港は併用できるというメリットもあるわけである。私は、こう思うのであるが、小さい構想はなかなか実現しないと。環境問題等もあるわけであるけれども、地球規模で物事を考えていけば、それは時間はかかると思う。時間はかかるけれども、実現性は大きいと、このような理解をしなければならないと思うわけであり、もう一度そのスーパーハブ空港の立地についてどのように考えてきたのか。何か今聞くと、注視するだけで何の対応もしていないようであるけれども、考え方についてお聞かせをいただきたいと思う。

〇武居企画振興部長 スーパーハブ空港そのものをターゲットにした詳細な研究というのは、正直なところ、私が担当部長になってからはやっておらない。しかし、ただいま委員の御質問にもあったように、スペースプレーンとの関係で共用でいろいろできるのではないかといった議論は実は私どももしており、これについては国への統一要望の際にも重点項目の中に入れているわけであるが、これからのいろいろ将来の財政事情を考えると、単に一つのプロジェクトとしての空港機能だけの推進では、なかなか地方からの声としては推進力として弱いのではないか。その際に、将来の日本の産業を支えていく一番基盤なところの科学技術振興分野、こういった分野については、シーリングがかかっている中でも予算を伸ばしていこうという動きがある。そういったところと兼ねながら国に対して要望していこうということで、実は、スペースプレーンに向けてのいろいろ宇宙関係の会議の誘致なり、いろいろの動きというのは大変活発にやっており、これについては全国の中でも大変大きな評価を得ているところである。ただいま御指摘あったように、空間的な立地の可能性として、全国何カ所かあるという事情を私どもも十分に承知しているわけなので、アジアのスーパーハブ空港をどうするかという問題、これは私も大変気にしているところではあるが、日本からそういった大航海時代、空港時代という中で、日本の航空行政の、ある意味で空洞化が進んでしまってはまずいというのは、私どもも十分承知しておるところである。これについては、いろいろの面についてきっちりとした情報収集を行うなり、研究は引き続き−−むしろ御指摘を受けたので、これから積極的にやっていきたいと考えておる。

〇長谷川委員 ぜひ積極的にやっていただきたいと、こう思っておる。私もスペースプレーンの全国的な規模の展示会であるとか、会議には出たことがある。確かに、岩手県も熱心にはやっておる。しかし、それ以上に熱心にやっているところはある。例えば、この間も展示会に行ってまいったのであるが、岩手県から出ているパンフレットはたった3種類である。鹿児島県では何十種類あるのであろうか、ちょっとよくわからなかったけれども、北海道なんかも10種類以上あると。確かに、熱心には取り組んでいるのであろうけれども、熱心さに差があるような気がしておるわけである。殊にも、スーパーハブ空港が立地されるかどうかというのは、これからの国の威信にもかかわるし、国の発展にもかかわるということは、国際連合なんかでも言われているのである。どうしても日本の経済が衰退しており、どうもスーパーハブ空港を日本に立地できないということになると、かなり大きな打撃を受けるであろうと、こういうことも言われておるわけであり、もう少し勉強して本当に立地できるのかどうかという問題、その調査機関によると、岩手県には3カ所あるということなんであるけれども、その辺も踏まえて、一昨年、私が一般質問してから何もやっていないようで、何か一般質問でうそをつかれたような感じもするわけであるけれども、それはそれとして、これからは部長答弁のように一生懸命やっていただきたいと思っておるわけなので、よろしくお願いをする。

〇工藤委員 96ページの1目企画総務費の中の東北新幹線建設促進対策事業費に関連してお尋ねをする。
 県でも大変、新幹線の事業には積極的にお取り組みをいただいて、工事も順調に進んでいるように思うわけであるが、二戸市あるいは一戸町内でもトンネル工事の安全祈願祭等々もあり、非常に順調であるというお話を聞いておるわけであるが、新幹線の関係でいわゆる盛岡−八戸間のこれまでの工事の進捗率、また、県内の進捗率はどうなっているのかについてお尋ねしたいと思う。あわせて、これまで着工以来、平成9年度末までに事業費の積み重ねは盛岡−八戸間で幾らになるのか、あるいは岩手県内はどうなっているのか。
 それからもう一点は、平成10年度の事業の見通しについてもあわせてお聞かせをいただきたいと思う。

〇瓦林交通政策課長 東北新幹線盛岡−八戸間の進捗状況である。
 この建設については、近年の政府予算において配分事業費の増加が大変続いておる。その結果、事業費ベースで見た進捗率、これは総事業費に対しての比率であるけれども、その比率で今年度末−−9年度末で約28%、それから10年度末になると約42%ということになるので、約1、800億円強が10年度末までに事業費として出されるということになっておる。その具体的な進捗状況であるけれども、これまで工事は総延長の大体約7割以上をトンネル区間が占めるということで、トンネル区間を中心に進められてきたわけであるけれども、去ることしの2月1日の時点で、このトンネル区間−−トンネル全部で21本あるが、そのうち18本で着工が完了しており、掘削済みの部分も50・9%に達しておる。したがって、今後は地上区間の建設がいよいよ本格化していくと考えておる。
 それから、県内区間であるけれども、県内区間は盛岡−八戸間の約80%を長さで占めているわけであるけれども、その進捗率については10年度末までの時点で事業費ベースで46・4%となっておる。

〇工藤委員 トンネルを中心に今工事が順調に進んでいると、こういうことであろうと思うわけである。実は先月の状況であるが、その後状況は変わっているかと思うわけであるが、これからいよいよ地上部の工事に入ってくるのであろうと思う。いろいろ仄聞をすると、平成9年度、いわゆる事業費の関係で用地買収の費用を130億円余を計上していると伺っているわけであるが、2月ごろの話を伺うと、そのうち契約ができたのは10億円余りであると、こういうことを仄聞しておるのである。いわゆる用地交渉の状況が非常に厳しいと伺っているわけであり、これは県でも頑張っていただいて、あるいは関係市町村等といろいろ連絡をとってやっていただかなければならないわけであるが、その用地買収の関係はどうなっているのか。あるいは、平成10年度の関係はどういうふうになるのか、そういう状況をひとつお知らせいただきたい。

〇瓦林交通政策課長 用地買収の状況についてお答えさせていただく。
 この新幹線の建設に伴う用地の買収、用地の取得については、この建設主体である日本鉄道建設公団が岩手県の土地開発公社に委託して進めておる。その結果、今年度末までに盛岡−八戸間−−これは青森県側も含んでおるけれども−−全部で用地取得の必要面積が80万3、400平米ある。このうち、今年度末までに約36%に当たる土地について、取得または地上権の設定ということがなされる見通しであると伺っておる。
 先ほど申し上げたとおり、これまでの工事はトンネル部分に集中してきたわけであるけれども、このトンネル区間の掘削率がいよいよ5割を超えたということで、今後は委員御指摘のとおり、いよいよ地上区間の建設が本格化するということであり、県においても早期完成を実現する上では、用地の取得が一層円滑に進むことが必要であると考えておる。
 このため既に、日本鉄道建設公団、それから委託を受けておる岩手県土地開発公社この双方において、人員の増強、組織の強化等を行って、用地利用の増大に備えているところであるけれども、県としては、引き続き両者に対して、緊密な連携を保って円滑に用地取得を進めていくように要請したいと考えておる。また、必要に応じて、御指摘のとおり、地元市町村においても適切な支援措置を講ずるよう求めていると。その結果、盛岡−八戸間の早期実現の完成に向けて万全を期していきたいと考えておる。

〇工藤委員 用地の関係は、今お話があったような状況であり、いずれ用地交渉がまとまらないと工事は進まないわけであり、積極的にお取り組みをいただきたいと思うわけである。
 それから最後に、武居部長にちょっとお尋ねをするが、今もお話があったわけであるが、新幹線は御承知のように、平成13年に開業を目途に事業を進めておるわけであるが、今の事業の進捗率あるいはその予算の関係、今までの工事の状況を見ると、実際はなかなか平成13年の開業は厳しいと、私は思っているのである。実は、隣の青森県の企画部長も東北新幹線盛岡−八戸間は13年度開業は大変厳しいと、こういう認識を示しておるわけであるが、武居部長はどういう認識を持っているのか、ひとつお尋ねしたいと思う。

〇武居企画振興部長 盛岡−八戸間の完成目標時期については、委員御指摘あったように、平成3年に国が認可した工事実施計画において、おおむね平成13年−−おおむねとついておるが、平成13年とされているところである。県としては既開発区間と直結される唯一の区間−−全国の新幹線の中で、そういった直結される唯一の区間であることなども強調しながら、平成10年度に続いて、これから多分またことしの概算要求、ことしの暮れの平成11年度の予算編成に向けても、大変いろいろ全国でそういった予算の分捕り合戦といってはいけないのであるけれども、重点配分に向けての動きがあろうかと思うので、政府等に強く働きかけ、最大限努力してまいりたいと思う。
 一方、委員御指摘もあったし、それから現下の状況としては平成12年度までが財政構造改革の集中改革期間ということであり、そういった中でいろいろの事業、特に公共事業の中で整備新幹線の予算全体をどういうふうにしていくかと、これも大変重要な問題であると思うので、十分に注視していきたいと考えておるところである。
 今の御懸念の話なのであるけれども、実は、私も昨年県議会の先生方と一体になって、統一要望を国にさせていただいたけれども、そういった機会に運輸省の事務方の方に−−これは正式ということではないのであるけれども−−どうなるのであろうかという話をちょっと尋ねたこともあった。今のところ、正式ではないけれども、運輸省のこういった担当課の事務方では、当面、工事実施計画の見直しを考えていないということを言われたものであるから、それでは来年以降、重点的にさらに一層配分してもらえるよう、私どもも頑張るからよろしくお願いするということで、一応その段階では言ってきておる。今の段階で私どもの方から難しいとか困難ということは、ともすると新幹線予算全体に対してあきらめの形にもなってはいけないので、当面は一生懸命頑張っていきたいと思うが、これも時期でいろいろとより以上に話題になってくることもあろうかと思うので、また折りを見て、国の方にはそういったことについても尋ねるなり、いろいろと情報収集するなりしていきたいと考えておる。

〇工藤委員 今、部長から答弁あった内容であろうというふうには思うわけであるが、新幹線絡みで各市町村あるいは民間でもいろいろな計画を進めているわけである。それは一つには、いわゆる平成13年度の開業に向けてさまざまやっているわけであるが、なかなかそういう事業にも非常に微妙に影響してくるわけである。したがって、今言われたように、いわゆる予算確保に向けて非常に弱気の姿勢になるということでまずいという意味のことを言われたわけであるが、そうは言いながら、これから国とも相談をして、やっぱり事業の見直し等も当然するなり、あるいは開業時期を再検討するなりということが求められると思うわけである。いろいろ予算の確保については、長野新幹線が終わったら、いわゆる予算の配分も多くなるのではないかということになっているわけであるけれども、いずれ私たちとすれば、当然平成13年に完成させていただきたいわけであるけれども、実態は今申し上げたような状況にあるわけであるから、今後、国とも十分協議を図ってひとつ対応していただきたいと思って、そのことは要望で終わる。
   〔「関連」と呼ぶ者あり〕

〇堀口委員 新幹線に関連すると思うので、並行在来線についてその存続の見通しというか、並行在来線についてどういうふうになるか、その方向性を具体的に現在の状況をお知らせいただきたい。

〇瓦林交通政策課長 並行在来線対策であるけれども、経営分離後の並行在来線の運営については、これは私ども県の方で以前申し上げたとおり、鉄道による輸送の継続ということを基本的な前提にして、経営分離後も現在の輸送のサービス等の水準が下がることのないようにやっていくということで作業を進めておる。
 具体的にどういう作業を進めているかと申すと、経営見通しの把握ということが第一にまいるので、そのための試算作業を進めておる。それからプラスして、これはいろいろ外部環境があるので、外部環境の方もやっていかなければならないということなのであるが、この外部環境の部分、具体的に申すと、国等における鉄道貨物輸送の扱いがどうなるかという検討が進捗を見ていないということが一つある。
 またもう一つ、いわばパートナーになる青森県の方が昨年末までは御承知のとおり、八戸−新青森間の着工問題で非常に忙殺されており、また着工決定後も年度内の八戸−新青森間の予算が当初、新規着工で100億円あったのが、そのうち70億円は盛岡−八戸間を含む既着工区間に回されてしまうといった波乱もあり、その対応に追われてきたということで、私ども岩手県との協議を本格化できる態勢になかったという事情がある。このため現在、こうした状況がそろうのを待ち、かつ一方で試算作業を鋭意進めているという状況である。

〇堀口委員 その経営見通しで一番心配というか、国鉄の二十何兆円の債務に絡んだ無償貸与ができるのか。あるいは、それが重大な経営見通しになると思うし、三陸鉄道にもこれは関連してくるわけであるが、その見通しはどうであるか。

〇瓦林交通政策課長 御指摘の資産の問題である。
 これは、鉄道として営業していく上での資産を、現在はJRが保有しているわけであるけれども、これをどういった形で譲り受けるかという問題があり、私どもこれは以前から統一要望等のさまざまな機会を通じて、国あるいはJR等に対して無償による資産の譲渡といった一連の支援措置をお願いしているところである。支援措置として、既に資産関係以外では税制上の恩典措置が創設されておるけれども、資産そのものの扱いについては、まだ何らかの反応が得られていないという段階にある。

〇佐藤(啓)委員 いわてウォータープラン21推進費について、一点だけお伺いする。
 県は、平成8年6月に新岩手県水需給計画を策定した。その冒頭に、水循環から見た本県の水資源の現状と課題というところから始まっておる。大変注目すべき計画であると、私は思っている。ところで識者によれば、地球上の淡水、特にも我々がそれを利用している河川水は、地球の水全体の1万分の1であると。それがなぜこうして我々が水を利用していけるのか、それは、これまた識者の指摘であるが、10年から15年の頻度で行われる水の循環があるからであると、そういうことが言われているわけである。つまり、この水循環をどううまく活用していくのか、これがこれからの地球上の人類の課題であると、こういうことになるのであると思うわけである。説明書によれば、この今年度のいわてウォータープラン21推進費、これの内容は、水循環等を行おうとするものであると、こういう説明がある。この申し上げた水需給計画によれば、水循環調査は平成9年度から12年度まで行う事業というふうに明記されているわけである。
 そこでお伺いするが、今年度計上している推進費の事業内容の具体をお聞かせ願いたい。
 第2点は、既に9年度において水循環調査を実施したと思うわけである。特に調査の項目、方法、これはまさに新しい課題に取り組むということで、大変苦労が多かったのではないかと思うわけであるが、水循環調査の現状、特に問題点についてお聞かせ願いたいと思う。
 私は、水循環調査ということは、同時に環境政策という面からすれば、大変大きな意義のあることであると思うわけである。できればこの調査を通じて、関係市町村も含めて水資源ということについての認識を深める大変いい機会であると思うわけで、ぜひ立派にこの事業を成功させてほしい、そういう希望を持っているわけである。二つの点について明らかにしていただきたいと思う。

〇多田資源エネルギー課長 いわてウォータープラン21推進事業の今年度の計画についてであるが、いわてウォータープラン21推進事業は、平成8年3月に策定した新岩手県水需給計画を総合的に推進することを目的としており、いわてウォータープラン21推進委員会を開催して、水資源に関する総合的な検討を行っているほかに、水資源データベースの整備を行い、また水循環調査に着手したところである。平成10年度は現地調査を含む2回のいわてウォータープラン21推進委員会を開催するとともに、平成9年度の水循環調査の成果をもとにして、千厩川、そして久慈川、この流域について、総合的な水資源対策の効果についてシミュレーション解析を行いながら、関係部局と連携して流域全体の具体的な水資源対策の計画を立案することとしておる。
 それから、これまで実施した水循環調査の結果についてであるが、平成9年度に実施しておる水循環調査では、千厩川、それから久慈川の流域について、流域の涵養量と水利用量、それから自然の浄化機能、そして汚濁負荷量の関係に着目して、水資源対策の効果をシミュレーションするための解析モデルを作成し、それぞれの流域の水循環上の課題を抽出することとしておる。現在、調査の途中ではあるが、これまでの結果について、千厩川、久慈川流域の河川ともに、流域の涵養量の割に水利用量が多いと。それから、自然の浄化機能の割には汚濁負荷量が多いと、このような課題を把握したところである。調査は現在、解析モデルを作成中であり、いわてウォータープラン21推進委員会のそれぞれの分野の先生方の指導を得ながらこれを完成して、今年度中に流域の涵養量と水利用量、自然の浄化機能と汚濁負荷量の関係について数値的に詰めて、千厩川及び久慈川の流域のそれぞれの水循環上の課題を取りまとめることとしておる。

〇佐藤(啓)委員 千厩と久慈ということで2圏域ということか。将来はどんなふうに考えておられるか、今後の計画というか、お示しできるのであれば明らかにしていただきたいと思う。

〇武居企画振興部長 今回の水資源の解析調査については、全国的に初の試みであり、前例がない中で手探りでやっているわけであるけれども、実は千厩川と久慈川を選んだのは、川が比較的汚いというか、切実な課題がある川を今回モデルとして取ったわけである。この解析でデータが得られると、それをほかの川にも応用できるような仕組みを私ども解析モデルでつくれると考えており、この解析モデルができると、他の河川でもこういった方式で応用しながら、全体の流域の涵養と水の利用量であるとか、浄化機能と汚濁の負荷量であるとか、そういったものをより数字で示せるのかなと考えておる。実際、ことしは室根村が国土庁の農村アメニティーで最優秀賞をもらったけれども、あそこもカキの森ということで気仙とか唐桑地域と広域的な交流をやっている。ああいったものも経験則としては非常にわかるのであるけれども、バックデータ的にある程度行政から示されると、より以上にそういった運動なんかにも弾みがつくのではないかなと考えており、いずれこういったものが完成したら、可能な限り全県下で応用できるように努力してまいりたいと考えておる。

〇菊池(勲)委員 1点だけお聞かせを願いたいと思う。
 きのう総務部の審査のときにもお願いして、部長から答弁はもらったけれども、この97ページのテレビ難視聴地域の解消事業について関連しておる。
 今回も予算には計上されておるけれども、これで全県の中でどれだけ解消できるのか、まずそれをお聞かせ願う。

〇高島情報科学課長 平成10年度のテレビ難視聴解消事業の予算において、解消する予定の難視聴世帯数としては、1万2、000世帯余を予定しておるところである。

〇菊池(勲)委員 毎回こういう予算について、委員から質問があるけれども、これであと残りが幾らぐらいあるのか。

〇高島情報科学課長 まず、県内の難視聴世帯全体の数から10年度に解消される世帯を引いた残りということであるけれども、全体の数であるが、平成9年2月の調査によると、5万5、511世帯が難視聴という結果が出ておる。この数字については、テレビについてはNHKと民放4局が岩手県にあるわけであるが、このうちのどれか一つでも受信障害があるという定義でもって、5万5、511世帯という数値が出されておるわけである。したがって、これをもとにすると、5万5、511世帯から10年度解消予定の1万2、909世帯を差し引いたものが残りということになるわけであり、ちょっと今、引き算を厳密にしておらないが、約4万3、000世帯ということに計算されるかと思う。(後刻、「5万5、511世帯から、9年度中の解消予定の1万4、697世帯及び10年度の解消予定の1万2、909世帯を控除すると残るのは2万7、905世帯と計算される。」と訂正)

〇菊池(勲)委員 部長にお願いと御質問をするわけであるけれども、たまたま二、三日前に水上委員、千葉委員と盛岡で飲む機会があり、久しぶりであったけれども大変おいしい酒を飲んだ。その中で、たまたま同じお店の中で、別席に若い方々がおった。千葉委員の知っている人であったから交流があった。隣の宮城県の浅野知事は随分テレビには出るけれども、肝心な岩手県の増田知事のテレビはほとんど見たことないというところが岩手県にあるそうである。部長、一般質問で私質問したけれども、知事が先頭に立って県内各市町村を回っているのである、1回。今度は2回目を回るであろう、恐らく。あと1年任期があるわけであるから。であるけれども、残念ながら見た人は一部だけである。あとの大半は顔を見たことないと言っているのである。これ見たら3分の1か2分の1しか工事してないのである。そしてまた、4万3、000戸も残っているというのである。430でも大きいけれども、人口142万人の中で4万3、000戸がまだ増田知事の顔を見れないという人がいる。部長、この程度のやり方であれば、あと何十年かかるのか。大概死んでしまう、私も死んでしまう。であるから、部長、きのうの総務部長の答弁であれば、相手事業者との協議とか何か言っておった。隣の菅原委員はその地域の自治体の積極性がなければ、なかなか事業が起きてこないというのである。放送事業者だけでなく、地域の自治体には金がないのである。であるとするならば、増田県政の開かれた県政をするということであったならば、市町村が持たないで放送事業者と県が全額を持っていってやるくらいに方針を切りかえないと、4万3、000戸にあと何十年かかるか。知事の任期はあと1年しかないのである、私もそうであるけれども。かわいそうで何ともならない。私は、たまたま幸せに北上選挙区に住んでいるからいいのである。であるけど、同じ県民なら気の毒である。部長の決意ある答弁をひとつ。

〇武居企画振興部長 先ほど担当課長の方から5万5、000戸なり4万3、000戸という数値があったが、これは改めて私の方から申し上げるが、実は、私が担当部長になってからこの基準というのは大変問題があると思っているのであるけれども、民放の数がふえると難視聴の地域というのは数がふえるのである。実は、NHKと民放3局の時代の平成6年4月に、既に県全体の5・7%まで、ずっと50年代以降努力してきて2万5、000世帯まで減っているわけである。ところが、それに某民放局が1局入ったら、それで結局アンテナを立てるのは、順次会社のいわゆる経営状況に立ってくるので、4局見えないところが難視聴という定義になると一気にこれがふえて、それまでの私どものやってきた努力というのが数字の上では出ないという形になる。難視聴の中でも、例えばNHKも全く見えないとか、あるいは民放が2局だけしか見えないとか4局まで見えるとか、実は難視聴といっても重度の難視聴から軽度の難視聴まで区別すべきではないかという気持ちも持っており、今度の調査ではそういったこともしたいと考えておるのである。いずれ隣の県の知事の顔が見えて、本県の知事の顔が全く見えないような地域があれば、それは私どもも早急に解消しないと、広聴広報で一生懸命県政の施策推進のためのPRをしても伝わらないということになるので、ぜひ解消していきたいと考えておる。
 実は、私どもの部が企画振興部となって市町村課が移ってまいったので、大変そういう意味では私どももデータがより以上に入ってくるのであるが、去年までは企画調整部であったので、市町村が本当にやる気があるのかどうかというのは見えなかったのであるけれども、今回は財政力指数でチェックができる。結局、市町村でやる余力があるのにやらないところというのは、まさにしっかりとなぜできないのか、ほかの政策を優先して難視聴地域の解消に手が回らないのか、あるいは住民の負担金というものが場合によっては出てまいるので、住民の方々のコンセンサスが得られないのかとか原因はいろいろあろうかと思う。それについては難視聴の担当課の情報科学課だけではなくて、例えば市町村課の振興係になろうか、そういったところも一緒になって親身に市町村から事情を聞いて、それで共同受信アンテナもあれば中継局もあれば、いろいろやり方あると思うのである。この間の宮城県との県境の議員懇談会でもそういった話題が出たので、いずれにしても非常にそういった意味で、重度の難視聴地域というのは可能な限り早期に解消しなければいけないという気持ちを持っておるので、もう少しきめ細かく情報収集しながら努力してみたいと考えておる。

〇菊池(勲)委員 大変前向きな答弁まことにありがたいわけであるけれども、今言った、私はそれは知らなかったから、局がふえればふえるほどそういう数字がますますふえてくるというのは残念なことなのであるけれども、どこのテレビも映しているわけではないと思う。浅野さんという固有名詞を使ったのであるけれども、県政懇談会等各市町村を知事は先頭に立って回ってくれているのである。私は、大変すばらしい政治手法であると思って、常に尊敬をしながらおったのであるけれども、残念ながら同じ岩手県人ですばらしい政治を展開しているトップのその顔を知らないという人が有権者の大人の中に−−子供ならしようがないけれども−−多いということなのである。見たら4万3、000戸もまだ難視聴という数字の中に入る戸数があるとなれば、これは今部長の答弁を聞いてやっとわかったけれども、岩手県のテレビは最近いっぱいある。あれを全部映すのは難しいかもしれないけれども、昔からあったのがあるであろう、NHK以外のものが。そうすれば、きょうのこういう議会の空気なんかを県民に映すわけなのである。きょうは知事は出席していないから部長の顔しか映らないかもしれないけれども、少なくとも本会議では知事の顔は必ず映る。そのときに、隣の知事よりうちの知事は背が大きいし立派な男なのだけれども、残念ながら全然見たことがないというのが県民におるというのだから、部長、これはかわいそうだと思う。だから、部長の答弁を聞いて了承したいのだが、これは調べるというから、早急に調べて、やっぱり財政の厳しいときに満額持つというのは難しいのであろうか、傾斜配分だから、やっぱり大変な社会だから。平成11年度からは全部出すから、あなた方は難視聴地域を解消するために努力していただきたいとハッパをかけるぐらいの姿勢でないと、調べた結果、そのとおりであるというのでは困ると思うから、部長、調べさせて、そしてやっぱりそうだとすれば、こういう状態だから、せめてテレビぐらいは皆に見せたいから、出すから積極的にやろうというような姿勢でやる方法はないか。

〇武居企画振興部長 お気持ちをしっかり受けとめて頑張りたいと思う。

〇伊藤委員 先ほど長谷川委員から大変壮大なスペースプレーンの話が出てちょっとやりづらくなったのであるが、私は人間もハートも小さいものであるから、小さい議論でいきたいと思う。
 先般の一般質問で第2の県内の空港という部分をお伺いした。ちょっと聞き方がまずかったのかと思っておるが、岩手県の総合交通体系基本計画を熟読すると、決して第2の空港という部分を否定されていないと思っておる。ただ、その手法として、コミューターという部分をてこに考えていこうというお考えのようであるが、今年度の予算に調査研究をする部分を少し盛り込んだと伺ったような気がするが、それはどこに入っているのであろうか、まず、それからお伺いしたいと思う。
 それから、コミューター航空というと、私どもちょっと勉強が足りなくて、これが大ミューターとか中ミューターだったらいいが、コミューターとなると全く目立たぬような空港になるのではないか、そんな気がして、それで抵抗があるのかもしれない。ただ、かつて農道空港といって800メートル規模の滑走路でフライト農業というのをやってきた経緯もあるが、これは今、ほとんど破綻をしていると聞いている。そういった中で、コミューターという定義もあわせてお教えをいただきたいと思う。

〇瓦林交通政策課長 現在提出させていただいておる県の平成10年度予算案の中の調査費であるけれども、コミューター空港に直接的に言及した、あるいは想定した調査の費用ということでは計上していない。しかしながら、毎年度計上しておる総合交通対策費というのがあるけれども、この総合交通対策費は、広く鉄道、バス、航空、交通一般について、各分野について調査研究活動を行っている費用であるが、10年度においてはこの一部を活用して、たまたま昨年末に花巻−新潟間でコミューター路線が開設されたことも踏まえて、その実績を見ながら、今後、コミューター航空を活用していく場合の利点であるとか、あるいは問題点、こういったことを研究していくことを計画しておる。その成果については、今後さまざまな面で活用していきたいと考えておる。
 それから、コミューター航空の定義であるが、これは国によってまちまちな側面があるけれども、日本の制度のもとでは、いわゆる航空運送事業−−飛行機でお客さんを運ぶ事業−−のうち、定員が60人以下の機材を使って運送する事業である。現在、日本の場合であると、先般花巻に就航したジェイ・エア−−これは日本航空の子会社であるけれども−−を初め、大手の子会社を中心に10社が全国で運航している状態である。滑走路で申すと、これは日本で使われている機材と海外で使われている機材とでは若干の違いがあるかと思うが、日本で現在コミューター航空に使われている機材では大体1、500メートルまで−−ただ、規模によってまたさまざまであるけれども−−ぐらいの幅とお考えいただければと思う。

〇伊藤委員 今までの空港の立地については、政策目標や需要あるいは収支、採算性、地元の調整ぶりに重点が置かれておった。これまでは便益が費用を上回るかどうかという計算がなかったことから、運輸省では新手法の計算の基本を今度見直しをしたようで、空港が開港してから最低半世紀の間、つまり50年の間の期間で便益が費用を上回るかどうかを考える、こういうように随分変わってきていると思う。したがって、今から議論をして第7次空港整備計画に間に合うか間に合わないかはともかくとして、この見方というのが50年スパンに変わってきたということであるので、コミューターから入っていかれる手法はいいと思うが、コミューターにこだわらずに、2、000メートルの、あるいは今、長谷川委員がおっしゃったようなスーパーハブ空港、そういった部分まで広げていくということであれば私は構わないと思うけれども、いずれ総合交通体系調査の中では第2の空港を否定していない、このように理解しておるので、そういった部分にひとつ論を広げていただきながら、何も新幹線だけが動脈ではないので、岩手の特性を出すためにはむしろローカルの部分を縦横につないでいく、こういった部分にも県の有効性を生かす部分があるかもしれないので、そういう観点を持ちながら、これは将来の大事な議論になろうと思うので、ぜひ研究をしていただきたいと思うが、所見をお伺いしたい。

〇瓦林交通政策課長 私ども、これは繰り返しになるが、平成8年に策定した岩手県総合交通体系基本計画が基本になるわけで、これをベースに考えていくつもりであるが、ただ、世の中の動向、これは委員御指摘の国の制度の変化といったものも十分含まれるので、こういったものも常に視野に入れながら研究を進めていきたいと考えておる。

〇田村委員 知事の演述の項目の中にもあるが、連携・交流による新しい岩手の創造という項の中で、県と県あるいは市町村間など、幅広く連携、交流し合うシステム、仕組みを構築し、その環境を整備していくのだという表現がある。そしてまた、御案内のとおり、知事においては各種の会合の席でそういった趣旨の発言をしておられるけれども、これは具体的にどう進めていこうとしているのか、それをまずお尋ね申し上げる。

〇武居企画振興部長 非常に幅広いお尋ねなので私の答弁も論点が定まらないかもしれないが、県と県の連携云々という部分については、北東北3県もあれば、宮城県と岩手県、こういったところの連携の話もあるし、あるいは衛星デジタル放送、私、冒頭御説明申し上げたが、ああいったものを活用することで、遠く離れた高知県とか三重県とか、あるいは岐阜県とか、そういったところとの連携の事業もあるし、さまざまその目的や課題に応じて連携を図っていくという動きがある。
 それから、市町村の連携という部分については、これも実は県内と県外とあろうかと思うけれども、県内については、これはどちらかというと地域から見る視点が生活レベルでいくとまず中心になろうかと思うので、私の所管している分野でいくと、市町村課を抱えているところの広域行政の推進というのが一つ重要になってくるであろうという感じがしておるし、広域行政の推進という話になると、これはかつてであれば広域生活圏とか、そういったレベルが静態的には中心になったけれども、むしろそういった広域生活圏という話になると、広域生活圏の圏域と境を接しているところはもう一つの圏域と背中合わせになってしまうので、広域生活圏みたいなものを一つの圏域としながらも、隣同士とももう少しおつき合いするような仕組みをつくっていった方がいいのではないかという感じも持っておる。
 それから、市町村同士であっても、これも先般知事も私も参った宮城と岩手県の県境を越えた交流みたいな形で、市町村レベルで防災協定とか、あるいは救急医療の協定とか、そういった動きもあるので、ここのところも市町村レベルでもいろいろな動きがあるが、いずれそういったものが従来以上に大変活発になってきておるので、そこのところを県としても後押しできるようなことをこれから最大限考えていきたいと思っておる。

〇田村委員 ちょっと幅広く聞いてしまったので、県内の市町村の連携についてお尋ね申し上げたいと思う。
 御承知のとおり、地方分権推進委員会の数次にわたる答申もあるし、また、今般、自治省による広域的連携地域活性化事業、こういったものも来年度から強化されるということで、非常に国のレベルでも市町村間の連携事業なり広域連合というのを強く推し進めてくる傾向が見えている。そういった中において、本当は各部局ごとにお尋ねすればいいのであるけれども、ただ、企画調整という立場から各部局を調整する一つの部署としてぜひ考え方を聞きたいのであるけれども、具体的に言えば、従来は市町村間において、例えば道路1本とっても、舗装道路で来て、よその町境に入れば全く道路がそこから先に延びない、そういった個々の市町村間のばらつきというのが非常に多かったのである。こういったものをどう調整していくか、これがまず広域連携というか広域的な物の考え方、箱物もそうであるし、そういった指導というか調整というか、これはこれから本当に地方財政も市町村財政も非常に厳しい中で強く求められるものではないのかと思うが、そこのところの県庁内の調整というか、それをどの部署でどう図っていくべきなのか、それをお尋ね申し上げる。

〇武居企画振興部長 今、道路を例に出して調整の話があったが、具体的に道路のようなものであれば土木関係のセクションがという話になるが、しかし、道路を例にとっても、例えばそれが国県道なのか市町村道かで違ってくるが、多分委員御指摘の部分は、県がかかわっているというよりも市町村のレベルだと思うので、そういった話になると、これは一義的には県庁組織でいくと市町村課が担当になろうかと思う。市町村課が担当するという話になると、広域圏の中における市町村同士であると、広域市町村圏計画というものを各圏域ともつくっておるので、そういった中での事業調整という話が出てまいろうかと思うが、例えばばらつきがあるという場合も実はいろいろ理由があって、市町村道の話になると、例えば片方の市町村は過疎市町村であってもう一方の市町村は過疎市町村でないという場合に、過疎市町村については過疎債を使えるから一気に道路などの整備を行えるけれども、過疎債の使えない市町村はどちらかというとおくれてしまうとか、逆の部分も実はあったりして、財政力が低いから進んでいないというばかりでもないが、いずれ委員御指摘のように、実は幾つかのところでばらつきが見られるような状況もあるので、市町村課で調整できる部分についてはこれから従来以上にそういった調整に意を用いていきたいと思うし、特にことし−−平成9年度からは特定地域振興室とか、地域政策課と市町村課が同じ部内に入ったので、そういったところの調整を図ることによって一生懸命できるのかというふうに考えておるが、私、それ以上に重要なのは、実は地方振興局ではないかという感じがしておる。
 この地方振興局における総合調整機能というのはより以上に発揮されるべきではないかと私自身考えておる。しかし、いろいろ事情を聞くと、現状では本庁と振興局の部の縦割り的な部分もまだ色濃く残っているような話も聞いておって、もし仮にそういったことが今のような事業調整が進まない一因になっているのであるとすれば、それは振興局長を中心に、各振興局の部長の調整会議的なものを従来以上に活発にやっていただいて、その中で市町村間のそういった事業の効果が上がるようにしていただくということがこれから特に大事になってくるのではないかと考えておるので、総括的には振興局の窓口が私どもにもあるので、振興局長会議、その他でそういった点についてはこれから周知してまいりたいと考えておる。

〇田村委員 今までの一連の経過から、どうしてもこうすべきではないかということを申し上げたかったのであるが、部長からもう答弁を言われてしまったのでなんであるが、地方振興局に権限委譲というのを知事は常日ごろ言っているけれども、やはりこれからは地方振興局の中での、管内市町村の中での調整作業、調整権限、これが強く求められているのではないかと思う。そういった意味で今の部長の答弁は非常に心強く思うけれども、ぜひ今後、市町村間の調整権限、そういったものを振興局長会議等を通じてスムーズな市町村間の連携が保てるような、そういう指導というか調整をぜひ図っていただきたい。それが地方財政が厳しい折の手助けにもなるであろうし、そしてまた、地域間の交流の活発化にもつながるということであるので、答弁は求めないけれども、要望して終わる。

〇谷藤委員 まず、北東北3県の地域連携推進という意味をちょっとお聞きしたいと思う。
 今、田村委員の方からは、それぞれの市町村間とか地域の圏内のお話に関連する部分も若干あったかと思うけれども、まず、北東北3県の連携、これについて知事は非常に熱心に取り組んでおられる。特にも観光の分野については非常に連携を強めていこうということでやられた。ただ、中には、政治的なスタンスで同じ方向の仲よしクラブが集まって何かやってたのではないかというような論評も聞いたことがあるけれども、それとは別にして、北東北3県の連携というのは非常に大切なことだろうと思っている。ただ、新幹線がこれから北に延びていくわけであるし、それから秋田新幹線も開業したし、それから秋田自動車道も開通したということで非常に連携がとりやすくなってきたとは思うけれども、観光以外で、ほかにどういうことを目指そうとしておられるのか。そして、県民にとって何が利益になることだと考えておられるのかお聞かせいただきたいと思う。
 それから、いいことばかりかというと、例えば岩手県の場合は新幹線が盛岡でとまっていたからかなり優位性というのがあった。これからどんどん延びていく。そうすると、都市間競争というのがどんどん激しくなっていく可能性もあるわけである。メリット、デメリットというものもあるのではないか、そういうことも踏まえながら、特に都市間の競争ということなると県都盛岡の充実というものを図っていかなければならないという場面も出てくるのではないかと思っているけれども、その辺も含めてお聞かせいただきたいと思う。

〇武居企画振興部長 北東北3県の地域連携に関連してのお尋ねであるが、観光以外何がというお話があったが、観光が一番わかりやすいということ、それから、青森県はことし、たしか観光立県か何かの動きがあったので、第1回目は青森で開催したので、そういうところで観光をテーマにしたが、本年秋、10月にも開催したいと思っておる私どものテーマは環境ということにさせていただいておるけれども、例えば環境の分野についても、各県とも大変すばらしい国立公園なり国定公園を持っておるし、これからいろいろ産業振興を図っていくとゼロ・エミッションとかごみの問題、そういったことで環境とのかかわりというのが大変重要になってまいるので、そういった分野もテーマの対象になるのではないかと考えておる。
 それから、観光にも使われるけれども、先ほどの田村委員からの御指摘にもあったけれども、実は、県境をまたがる道路事情、これは国道とかそういったものはいいのであるが、県北地域でも、青森側から九戸なり県北に入る道路の部分で整備状況が両県で違っておって、それをぜひ進度を合わせて改善したいという動きも実はあったりと。これは、実は観光以外の、例えばビジネスの部分とか産業振興とか、そういった部分にもつながるし、あるいは何かあった場合の救急医療の問題であるとか防災体制の確立にもつながるということで、できればそういった部分で幅広く3県連携で考えていきたいと考えておる。観光から始まったが、最終的には圏域の住民の皆さんの近い部分でいろいろと役割分担なり協力できるところはもっとあるのではないかと実は考えておって、それは私どもの方でいろいろ探っていきたいと考えておる。例えば、公共施設の運動施設とかスポーツ施設なども同じものがあれば、ウインタースポーツの関係でも−−谷藤委員も今度会長になられたけれども−−陸上の関係でもそうであるが、そういったものを県境をまたいでお互いに活用すると2倍の効果を上げるということがあるのではないかという感じを持っておって、そういった部分を含めて、もう少し詳細に、ことしは連携の調査事業費もついたのでいろいろ調べて、本当に実のある交流をしていきたいと考えておる。
 それから、確かに先ほどの御指摘のとおり、一方で地域間競争の時代で、盛岡市も北東北の拠点という話を言っておるが、秋田とか八戸とか、そういったところは別の面で今度は危惧感を持つという話もある。これはそれぞれの特色を出しながら共存共栄できるという仕組みというのをつくらなくてはならないので、拠点性を何に求めるのかという議論はあるけれども、やっぱり地域、地域の都市の個性なり魅力をそれぞれお互いに尊重しながら、自分たちの地域と相手の地域が共存共栄できるような仕組みを考えていかなければならないと考えておって、実は秋田と岩手県の間については国土庁の調査費をいただいて横軸連携の調査を去年とことしやっておって、秋田大学の清水先生が委員長をやっておるけれども、そういったことで国も巻き込んでいろいろ調査をやっておるので、そういった成果も生かしながら、ぜひ新しいモデルになるような取り組みをしていきたいと考えておる。

〇谷藤委員 連携していくということでのメリット部分を大いに生かしていくということでは今後とも御努力いただければと思っておる。
 この事業を進めていく上で、先ほどもちょっとお話があったけれども、自治省の方で都道府県と自治体間の政策連携を支援していくという形での財政的な支援の体制というか新制度が導入されていくというお話をちょっと聞いたが、3県の事業の中にこれを活用していくという考え方は持っているのか。

〇武居企画振興部長 国の方で新しい制度をいろいろ現在検討されているやにも聞いておるので、取り入れられるものは積極的に取り入れていきたいと考えているところで、これはいろいろ予算の問題とか人員の問題があるので、3県の足並みをどういうふうにそろえるかという問題はあるが、県レベルもそうであるけれども、むしろ市町村レベル同士の取り組みというのも実は大事になってくるように考えておる。それで、実は内情を申し上げると、私どもの県の場合は地方振興局の体制がここ一、二年で非常に整ってきているのであるけれども、青森県はこういった出先の総合事務所の制度になっておらないので、こちらが地方振興局で向こうと話をする際に、縦割りの出先と話をしてなかなか要領を得ないということが実はあって、私どもの方で指示して、市町村課とか地方課というのであろうか、市町村の関係セクションを巻き込んでやった方がむしろうまくいくのではないかと。それぞれの県の事情もあるので、そういうことも考えておって、振興局と地方課なり市町村課を巻き込んでお互いの県同士のそういったものをやると。特に地方課とか市町村課はそういった自治省の制度に大変詳しいので、積極的に取り入れられるものについては的確なアドバイスができると考えておるので、そういった仕組みも活用しながら御指摘の点についてもこれから鋭意考えていきたいと思う。

〇谷藤委員 まず、積極的に考えられることをどんどん進めていただければと思う。
 次に、盛岡駅の西口地区の県有地の活用、これは代表質問でも取り上げさせていただいたけれども、どうも時期が非常にずれ込んできているために、本来であれば先導的役割を果たすべきものであったろうと思うけれども、なかなか前に進めない。鋭意検討していることには敬意を表するけれども、ただ、今、特にもこういう厳しい経済状況に入ってきている中で、これがおくれていくと、民間サイドも県のところでどういうものが出てくるのかと注目しながらなかなか踏み切れないでいるところがたくさんあるのではないかと思っている。そういうことで、県が動き出すことによって民間が注目しながら一歩踏み出していくのではないかという期待感が非常にあるわけである。盛岡の方でも、公有地を民間の方に売却しようと思っても、なかなか現実に売れないで非常に困っているわけである。そういうことで、まちづくりがなかなかできないということで大分苦労しているということであるから、代表質問の答弁の中でもそこの箱の中に入れたいと思ういろいろな構想が述べられたけれども、今急いでやらなければならないものもあるだろうし、長期的に見ていかなければいけないもの、いろいろ混在しているような答弁だったと思っている。それが全部体制が整ってからスタートしようということになるとかなり時期がおくれてしまうのではないかと、そういうことを非常に心配しているけれども、その辺、どういう決意でどういう時期ぐらいまでにはやるという決意があればお聞かせいただければありがたいと思う。

〇武居企画振興部長 西口地区の県有地の整備については、委員御指摘のようなお考えというか、あるいは地元のそういう希望というのは私どももひしひしと感じているところなので、構想をまとめる作業に現在鋭意取り組んでいるところである。いずれ、今月中を目途ということで、ちょっと来月にずれ込むかとは思うけれども、活用の基本構想について取りまとめ、それについては広く多くの方々に情報を提供して、盛り込む機能をどういうふうに具体化していったらいいかということはこれから鋭意検討していきたいと考えておる。その際に、先ほどあったように、私ども後ろにずらす気持ちは毛頭ないので、民間の方々にある程度こういった感じのものが将来建つということがわかるように、その際にはある程度具体的な例示はぜひ出したいと考えておる。しかし、それがすべて実現するのか、あるいは県議会の議員の皆様も含めて、いろいろ御批判あるいはアドバイスをいただく中で若干変わるかもしれないが、いずれそういった方向性はきっちりと出したいと考えておる。
 その後、実際設計なり建設ということにかかっていくわけであるが、これについても、財政当局はどうかという問題はあるが、私どもとしては、ひとときも停滞なく進んだときにどのくらいでできていくのか、そういうことを常ににらみながら、その際に県庁内の各部局で必要になる機能をどういうふうにしていくかということをぜひ考えていきたいと考えておる。いずれ新しい総合計画を来年までかかってつくるので、新しい総合計画の中にもきっちりと位置づける必要があると考えておるし、その際にはある程度いつくらいが目途なのかというのは書かざるを得ないのかなという感じはしておるけれども、まだ庁内における取りまとめの際の協議が調っておらないので、いずれそういったことを頭に入れながら、何ができるかわからなくて民間の方々も二の足を踏むということがないような形には持っていきたいと考えておる。

〇谷藤委員 時期的なことはまだ明確に出せる段階ではないということのようであるけれども、いずれ早いうちに構想をまとめられて、民間の方にもどういうものが出てくるのかというイメージがわくような状態を早くつくっていただければと思う。そのことによってその地域のまちづくりが進んでいくのではないかと期待をしておるので、どうぞよろしくお願いする。
 それから、超電導研究開発という分野でお伺いしたいと思うけれども、平成6年に設置された盛岡分室と本県の工業技術センター、この連携を深めて非常にいい成果が上がってきたと思っておるけれども、超電導研究所の研究は、工業技術院の産業科学技術研究制度が実施されて平成9年度で終了するという話を伺っているけれども、平成10年度以降、どういう研究を進めていこうとするのかを含めて、その辺お知らせをいただければありがたいと思う。

〇高島情報科学課長 超電導研究開発についてお尋ねがあったのでお答え申し上げる。
 委員御指摘のとおり、本県における超電導研究は、超電導工学研究所盛岡研究所を中心にして、県の工業技術センター、それからまた岩手大学、その他が共同研究を実施するなどして活発に行われているところである。これも委員御指摘のとおり、昭和63年度から超電導工学研究所において進められてまいった研究が平成9年度で終了するということで、平成10年度からはエネルギー応用、その他に向けた応用研究が新たに始まることになっているところで、主な研究内容としては、より強い磁気エネルギーを保持する超電導バルク材料の開発であるとか、高性能な超電導線材の開発、さらには、低い消費電力で高速の情報処理が可能になるような新しい電子デバイスの開発、こういったことを目標とする研究が10年度から新たにスタートするということになっているところである。
 御案内のとおり、これまでも超電導工学研究所盛岡研究所においては種々の研究成果が上がってきておって、その研究成果をもとに、例えば超電導単結晶の育成については、新しい電子回路として利用可能な50ミリメートル角の高品質の単結晶の育成ということを期待されておるほかに、工業技術センターとの共同研究でバルク材の接合技術なども開発されておって、そういったものも生かして、例えば高速磁気浮上列車に利用可能な大型のバルク材の製造技術の開発といったようなことが期待をされているところである。
 県としても、これまでもさまざまな支援、その他を行ってきたところであるので、今後とも産学官共同での超電導研究の一層の推進を図って、超電導技術の地域産業への展開についても努めてまいりたいと考えているところである。

〇谷藤委員 ぜひ頑張っていただきたいと思う。非常に全国的にも注目されるような成果も出したりして、非常に期待しているところも多いようなので、今後ともよろしくお願いする。
 最後に、航空自由化というか、平成11年からそのような方向で需給調整というか規制が撤廃されるという動きにあるようであるけれども、我が県の場合は非常に厳しい状況にこれから置かれるのではないかというような心配もちょっとしている。やっぱり航空会社のそれぞれの考え方、採算性、さまざまあると思うけれども、そこの中で岩手県の空港が頑張り通せるものかどうか心配しているところがあるけれども、花巻からの各路線の見通しというか、その辺について自由化になった場合大丈夫なのかということについてのお考えをお聞かせいただきたい。

〇瓦林交通政策課長 ただいま委員から御指摘あったとおり、運輸省においては航空事業者による路線参入あるいは運賃の設定に関する規制の撤廃ないし大幅な緩和を計画しておって、11年度に一部前倒しされる部分も含めて平成12年度には完全実施されるということである。現在運輸省においては、その細目の検討とか、あるいは準備を進めているものと承知しておる。
 この抜本的な規制緩和であるけれども、この実施が行われると、離島生活路線と一部を除いて、一般的には、広く航空会社間の競争を通じてサービスの向上も可能になると考えられるところである。したがって、県としては、花巻空港についても、これから着工されようとしておる滑走路2、500メートル延長、この延長によって空港機能が充実するので、この充実効果を活用しながら魅力ある空港あるいは魅力ある路線、これはもちろん利用者にとってということもあるけれども、航空会社にとってもまた魅力ある空港、魅力ある路線、こういったものをつくっていくよう努めることで規制緩和による効果を十分に生かしていく必要があると考えておる。
 なお、花巻空港においては、従来の日本エアシステムに加えて、御案内のとおり昨年末から新たにジェイ・エアという会社が乗り入れているところであるけれども、県としては、今後もさらに航空会社あるいは路線に関する利用者の選択の幅がふえるようにということで、競争を通じてサービス水準の向上につながっていくように積極的に取り組んでまいりたいと考えておる。

〇大久保委員 平庭高原地域の整備について、1点のみお伺いする。
 平庭高原地域の整備については、地域資源を最大限に生かし、地域住民の参加によって整備が進められるエコパーク平庭高原として構想が策定されているものと承知しておるが、本事業は、県土の均衡ある発展という観点から、財政力が弱く、種々の条件が不利な地域において、地元町村が広域連携を前提として県と共同で事業を進めるというモデル的な事業であり、従来の取り組みと異なる先導的な事業であると認識しておる。
 そこでお伺いするが、現在、エコパーク平庭高原、その進捗状況はどのようになっているのか、それをまずお伺いする。

〇法貴特定地域振興室長 平庭高原の整備については、平成8年度に農山村の生活、自然、文化を生かしたエコミュージアムの視点を取り入れながら、葛巻町、山形村両町村の連携と地域住民の参加を中心として整備を図るというエコパーク平庭高原基本構想を策定しているところである。この基本構想を踏まえて、現在、両町村で構成されている平庭開発促進協議会と一体となって地域住民の参加システムや研究体験プログラムの策定を行うとともに、両町村連携による管理運営のあり方などを柱とする基本計画の策定に向けて検討を重ねているところである。
 また、10年度については、平庭高原が県立自然公園区域内にあるということから、基本計画に沿って環境影響評価調査を行って施設配置計画にフィードバックさせるとともに、自然公園計画の変更や保安林の解除など、土地利用に関する諸手続に着手したいと考えておる。

〇大久保委員 先般、新聞で報道された次期全総のための多自然居住地域形成のためのモデル圏域調査との整合性、あるいはまた、現存されているあの地域の環境との整合性等はどのようになっているのかお伺いする。

〇法貴特定地域振興室長 次期全国総合開発計画の国土庁素案、まだ成案にはなっておらないけれども、21世紀の国土のグランドデザインの基礎を築き、多軸型の構造への転換を図る戦略の一つとして多自然居住地域の形成ということが掲げられておるが、その調査の支援施策を検討する地域として国土庁が3カ所選んでおって、これは大分県の国東半島、高知県の四万十川流域、岩手県においては盛岡市から久慈に至る広い圏域について、その具体的な方法は何かということで今、調査に入っているところである。今後は、この調査をも考慮しながら、当該事業に十分反映させて、エコパーク平庭高原が実りある事業内容となるよう仕上げてまいりたいと考えておる。

〇田村委員 今の御答弁で、環境影響評価調査を10年度実施するということで、それを受けて施設配置計画を策定するということなのであるが、この環境影響評価調査はいつごろ確定するのか。そしてまた、この施設の配置計画をつくるに当たって、地元の協議会の意見なり提言というのはどの程度盛り込まれるものか。
 そしてまた、この地域においては平庭トンネル構想というのがある。この平庭トンネル構想とエコパーク構想の整合性、あそこにトンネルを掘ってしまったのではエコパークとどううまく整合させるのか。
 あともう1点は、従来通っている道路は、我々もたまには通るが、日本にはないようなすばらしいシラカバの中を通る道路ということで、その辺のトータル的な整合性、環境影響評価調査の経過もあると思うが、その辺をどう考えていくのか、まず、お尋ねする。

〇法貴特定地域振興室長 最初の環境影響評価調査の時期であるけれども、動植物あるいは地形、地質全部調べたいと思っているので、1年間ぐらいはかかっていくのではないかと考えておる。
 それから、施設配置計画についても、両町村が管理運営主体となることから、できる限り両町村の意見を取り入れて、それに沿うような形でやっておるが、エコの取り組みということで、できる限り地形、地質を余りいじらないで最適な施設を配置してまいりたいと考えておる。
 それから、トンネルとの整合性ということであるけれども、総括のときに281号のトンネルとの関係が出ておったけれども、いずれ整合性を図りながら、影響調査も取り入れていきたいと思っておるので、よろしくお願いする。

〇田村委員 その整合性の問題というのは、非常にとりようによってさまざまなものが出てくると思う。トンネルはトンネルでいいのである。これは、1時間半構想を実現するためにはトンネルの必要性というのはどなたも認めるところである。ただ、そのトンネルがどういうルートで、どういう設計で、そこからどうエコパークに結びつけるか、これが私はこのエコパーク構想を成功させる、させないの一つの大きな基準点になるのではないかと思う。ここのところは十分に、トンネルができてもお客さんが1人も来なかったと、こういうことでは困るので、ぜひ成功させるためにも十分に検討を加えてやっていくべきだと思うが、もう1度御答弁をお願いする。

〇法貴特定地域振興室長 トンネルの整備については土木部と十分協議しておって、トンネルにも支障を来さない、それから自然もそのまま十分反映させるというルートをやっていただきたいと協議しておるので、まだはっきりとルートが決まったわけではないけれども、いずれ十分協議しながら進めていきたいと考えておる。

〇山内委員 ただいまの問題について関連質問をさせていただく。
 先ほどの答弁にあったとおり、国東半島、四万十川、そして盛岡から久慈に至る地域は多自然居住地域のモデル地区として指定されていると、こういうことで、大変関心を寄せておる。そして、そこにいろいろな施設がこれから配置をされていくわけであるけれども、何といっても、今の田村委員の指摘にもあったとおり、そこに至るアクセス、こういったものが非常に重要になってくるのだろうと、こう思う。281号のトンネル化構想、これと何ら相反するものではないと私は思っておる。というのは、地下部分をトンネルが通って、上にすばらしい景観が残ると、こういうことだろうと思うので、御答弁にもあったとおり、担当部局−−土木部ともよく打ち合わせをしていただいて、すばらしい景観形成をしていただきたいと、こう思うわけであるが、同時に、一つには、九戸インターチェンジからこの平庭に至る道路整備というものも課題になっているようである。これはふるさと林道緊急整備事業で行うと聞いておるので、これは林業水産部との調整が必要、こういうことになるであろう。それから、野田村から山形、平庭に至る一連の塩の道というものがあるわけである。これは商工労働観光部の担当になってくるのかと、こう思う。いずれ、すべての部局にわたってこの事業がかかわってくると、こういうことであるので、特定地域振興室の総合調整、法貴特定地域振興室長の横断的な調整能力というものに期待するわけであるが、もう1度決意をお示しいただきたいと思う。

〇法貴特定地域振興室長 委員おっしゃるように、九戸村から瀬月内ダムを通って山形の平庭高原、それから、野田村から野田山形線といろいろなアクセス道路があるし、それからオートキャンプ場とかいろいろな構想があるので、各部局と連携して実りある計画ができ上がるように努力したいと思う。

〇折居委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩する。
   午前11時54分 休 憩
 
   午後1時3分 再 開

〇佐々木副委員長 休憩前に引き続き会議を開く。
 午前中の説明に対する質疑を続行する。

〇渡辺委員 岩手県は観光に力を入れると、風光明媚な三陸海岸や、そしてまた、十和田八幡平等もあるし、そういうことで国の承認を得たさんりく・リアス・リゾート構想なり、須川・焼石山麓リゾート構想なり、県版リゾートを目指してきたわけであるが、ただ、さまざま聞くところによると、民間のリゾート関係のホテルとか温泉とかもなかなか不況が長引いているのではないかと思うわけであるが、この県版リゾートの現状というか、展望というか、その辺のお話をお聞かせ願いたいと思う。

〇法貴特定地域振興室長 リゾート地域の振興についてであるけれども、リゾート構想の推進については、地元雇用機会の創出や未利用資源の有効活用等の経済的な効果のほかに、人的交流の拡大や地域イメージの向上などの効果があり、地域づくりのための有効な手段の一つとして今まで進めてきているところである。本県のリゾート構想の特色は、大手資本の誘致のみに依存する短期的な集中投資ではなくて、地元資本を中心とした、地域が主体となる手づくり方式を基本としており、地元の理解と合意のもとに、自然環境の保全との調和や農林水産業との共存に配慮しながら、総合的な地域づくりの一環としてこれを推進してまいった。ちなみに、平成9年4月1日現在におけるさんりく・リアス・リゾート構想、あるいは県版リゾートの特定施設の年間利用者数は、宿泊施設で28万3、000人、スポ・レク施設で732万人程度となっており、また、直接的な雇用者数は、通年雇用で地元雇用が785人というふうに数字が掲げられており、地域の振興施策としては有効な手段ではないかと考えておる。
 委員御案内のように、バブル経済の崩壊後、長引く景気の低迷により、本県においても民間プロジェクトの一部については、必ずしも順調に進んでいるとはいえないものもあるが、これらについては長期的な観点に立って、当面は公共による施設整備や交通基盤の整備等による誘客のための諸条件を図りながら、景気の好転を待って民間企業者等誘導していきたいと考えておる。

〇渡辺委員 県内を見回すと、かなり市町村がおやりになっている直営というものとか第三セクターと思われるものが見られるけれども、それらの内情はいかがなのか。黒字でいっているのか火の車なのか、その辺の内情はいかがであるか。

〇久保市町村課長 市町村直営や第三セクターで行っている事業の経営状況ということであるけれども、リゾート事業として調査した資料はないけれども、本県の市町村公営企業のうちで観光施設事業については、国民宿舎等−−これは休養宿泊事業であるが−−計7事業ある。それから、スキー場等の索道事業が5事業ある。その他、温泉等の2事業の計14事業の直営でやっている事業がある。そのうち、経営状況の推定であるけれども、8年度決算で実質収支が赤字となっているのは休養宿泊事業のうち3事業で、これ以外の11事業については黒字を計上しているという状況である。
 それから第三セクターについては、全体で135法人ととらえておるけれども、そのうちリゾートという分類ではないけれども、観光として分類しているものは36法人ある。この第三セクターの経営内容については、それぞれ独立した民間法人として経営しているものであり、経営内容が県として掌握しているものはない。県として第三セクターについては、設立の市町村の財政運営に及ぼす影響を考慮して、設立市町村が法人の監査等を通じて、指導監督等適切に行うよう指導、助言しているという状況である。

〇渡辺委員 市町村を通じて指導監督もなさるかもしれないが、現実に例えば羅賀荘のものとかタブの木荘のニュースとか、我々がさまざま聞くところによれば、ほかのところでもそうであるが、市町村はやはり赤字にしてはいられない。したがって、職員を派遣しているケースもあるであろうし、市町村から定額をいつも補助していくことになっていて黒字になっているところもあるのではないかと、私は強く思うのである。そういう中で、例えば6、600万円等の予算については、その辺をつくって運営することが結局民間の圧迫にはならないのかなという危惧もするのである。そして今、財政がやっぱり減らされている中で、この振興については慎重にならざるを得ない部分も多いのではないか。展望がしっかりしていれば手づくりでもいいであろう。そしてまた、個性豊かなリゾートでもいいであろう。ぜひその辺の展望をもう一度お聞かせ願いたいと思う。

〇法貴特定地域振興室長 リゾート施設の運営については、リゾート推進協議会等でいろいろな活性化方策等を通じて、地元といろいろ協議して進めてまいっておるし、やはりそれぞれ新しい施策、リゾートが展開する中で、都市間交流とかいろいろな交流人口の拡大等が図られておるので、それらの有効な手段として県単の補助金等を続けて、地元の振興に寄与させていきたいと考えておる。

〇中屋敷委員 午前中の田村委員の質問とも重複する点があるかもしれないけれども、私は、企画振興部の機能面という点でお伺いしたいと思う。
 本年度、平成9年4月1日から行革により大幅な機構改革がなされた。それで行政組織再編整備ということで、地方においては地方振興局の強化、また本庁においては、これまでの生活福祉部、環境保健部を生活環境部とか保健福祉部になったと、いろんな機構改革がなされたわけであるけれども、私は一番注目したのが、やはりこれまでの旧地方振興課を総務部から企画調整部に移管し、企画振興部となった。これはまさに、政策形成を立案する中枢機能としての大きな目玉であったのではなかろうかと、かように存じているところである。特にも、市町村指導を担う市町村課という形が企画調整部分に組み入れられたということで、まさしく今、地方財政がかなり地方自治体危惧しておるけれども、市町村もこれまた同じという面では、市町村を指導する市町村課とこれまでの企画調整部門が一緒になって、財政が窮している中で知恵を出し合って地域振興に努めるということが、これから本当に期待するものは大きかろうと思う。それで機構再編整備、企画振興部になって丸1年となるわけであるけれども、こういう地域振興の面で、大きな話であるけれども、組織運営してみてどのような効果があったのかということを武居企画振興部長の方から御感想なりをお聞かせ願いたいと思う。
 また、今後やはりそういう形の中で、地方振興に向けた県と市町村との連携といったことで、先ほど田村委員の方からもあったけれども、やはりシステム構築というものが大切であろうと思うけれども、どのような形で連携を図っていくのかということもあわせて御所見を伺えればと思う。

〇武居企画振興部長 ただいま行政体制の再編整備にかかわる御質問があった。今、中屋敷委員からも御指摘あったように、特に、県庁の企画調整部門に地域振興なり地方振興の部門が厚みを増したという形になったことから、私どももそういった面で精いっぱいこの1年頑張らなくてはいけないということで、3月までやらせてきていただいておるわけである。特に、本庁と地方振興局、それから市町村の縦の関係が従来よりも大変近くなったのではないかと感じておる。特に、私ども県庁の中では、県議会の先生方からもいろいろと励まされたり、あるいは時にはおしかりを受けながら、県庁におけるシンクタンク機能であるから、もっといろいろ前向きに考えろという話を伺うのである。そういった新しい企画なり政策についても、実際地域の顔が見えないと、それが本当に岩手県の各地域でそういうものが根づいていくのであろうかというところが、実は何となく手探りであったり不安であったのである。振興局なり市町村課を通じて市町村の状況というのがつぶさに入ってくるようになって、そういった政策というものがより以上に現場を押さえて実行できるようになったという部分では、大変私どもも感謝している次第であり、これからもそういった面で頑張っていきたいと思っている。
 それから特に、県庁の企画と地域振興が一体化するということで、現在進めておる総合計画の策定作業についてもそうなのであるけれども、従来以上にそういったかかわりの中で、地域なり生活者主権という言葉を使ったりもしたのであるけれども、上から下を見るという感じではなくて、目線を同じにしてそういった行政を行うための体制が整ったと考えておる。特に、振興部内でいくと市町村課、地域政策課、それから特定地域振興室、それから情報科学課とか広聴広報、今までは単に報道するとかお知らせするとか、情報科学課であると、今までは県庁内の行政情報ネットワークをつくるというような感じのイメージから、まさに地域振興とか企画と一体になって、そういったものを県民なり地域と一体となって行政を進めていく際に、システムとしての情報なりシステムとしての広聴広報機能というのがより以上に厚みを増してきたのではないかと感じておる。そういった意味で、これからそういった点、まだまだ足りない部分があろうかと思うので、これからも一生懸命努力してまいりたいと考えておる。
 それから、県と市町村の連携という話があったが、これから特に私ども頑張っていかなくてはいけない点というのは幾つかあるけれども、一つはシンクタンクなり企画立案機能という話を先ほど申し上げたが、それをもっと開かれたものにしていって、それを振興局なり市町村なり県民の方々にもっと私どもの考えているアイデアなり、これから目指す方向というものを情報として御提供し、その中で地域の振興を考えていただけるようなシステムにしなくてはいけないと考えており、そういった意味では振興局なり市町村との風通しのいい情報交換というものをもう少しできるようにしていきたいと考えておる。
 あとこれは、ちょっと理想的な話でできるかどうか−−なかなかこれはすぐにはできないのであるけれども−−総合調整機能と私どもは言われるのであるけれども、実は情報化の問題にしても何にしても、非常に専門性を求められる話が多くなってきて、それで単にゼネラリストだけでこれから仕事ができていくのかなという感じをしておる。例えば、各部局との環境問題にしても土木の行政にしても、各部局のそういった専門の方々ともっと情報交換なり−−本当はもっと人事交流できればいいと思うのであるけれども−−そういったことをしながら、専門性を深めると同時に、そういった総合性はもっと視野を広くしていかないと、これからの難しい行政はできないのかと感じておるので、そういった点も含めて一生懸命努力していきたいと思っておる。そういう中で市町村との関係でいくと、総務部なりの方で人事交流の話もあったけれども、私どもの方で研修生という形で市町村からも職員を受け入れておるけれども、人材のネットワークというものが大変重要になってまいるので、そういった点についてもこれから意を用いていきたいと考えておる。
 それから、これは情報の方とも関係するが、やはり本庁と地方振興局の情報のやりとりの中でスピードがおくれてはいけないので、できればここ何年かのうちに一人1台パソコン環境ではないけれども、そういった情報の整備をして、できれば定型的な決裁とか、そういった判こ行政みたいなものは電子決裁とかああいう形で、本当に県職員が現場に出てやらなくてはいけない部分にもっと時間を割けるような体制といったものをつくっていきたいと考えており、スピーディーな行政についてもこれから努力していかなくてはいけないと考えておる。まだ、いろいろ課題はあろうかと思うが、これからそういった課題を2年目また努力して改善していきたいと考えておる。

〇中屋敷委員 まさしくまだ発足して1年ということで、これからまだまだ取り組まなければならないと思うけれども、いろいろ効果はあらわれているということで、私よく感じたのは、よくぞ総務部が地方振興課を離して企画調整部によこしてくれたという感想もある。そういう意味では、やはりこれまで地方振興課、市町村課というと、首長さんが直接参っていろんな行政指導面やら何やらやる部署でもあるから、それが企画調整部で一元化されたということは、これからの地域振興のためにもますます果たす役割が大きくなるのではないかと、このように思っておる。
 それから新しい総合計画の中でも、武居部長、地域編の作成については、地方振興局にできれば任せてやりたいというお話がこの議会の答弁でもあったけれども、ぜひとも地方振興局の強化という面でも、先ほどおっしゃった地方振興局と市町村の連携といった形の中でも、ぜひそういう形の中で取り組めれば、まさしく市町村計画と県の地域編の整合性のとれたものが図られるものかと、かように存ずる。
 それで最後に1点であるけれども、やはり企画振興部は企画立案の中枢の部署である。やはりそうすると、横断的な企画の調整がますます重要になってくるということであるけれども、そうなれば技術的にいろんな県民意向調査とかやられておるわけである。実際面、計画策定の技術面では各部門、部局との部門別計画の基本というものがあって、それから計画の施策の体系というのが構築されるということなのであろうと思う、私の経験上から申し上げても。そうすると、各部門と今、企画調整課との連携というか、そういう検討はどのようになされているかということを、最後に企画調整課長にお伺いして質問を終わりたいと思う。

〇上野企画調整課長 計画の策定過程における各部門との連携の状況という御質問であると思うが、現在、計画の策定については、庁内で銀河系いわて21デザイン会議というのを設けて、そこで各部局横断的な取り組みをやっておる。これには各部局だけではなくて、当然地方振興局の皆さんにも入っていただいて、その中でいろいろ計画の中身を詰める実質的な議論を進めている、そういう状況である。御指摘のあったとおり、総合計画、それと部門別の計画−−これは各部局で作成をしていただくものであるが−−これについては当然ながら、その基本的な方向というのは一致させなければならないと思っておるし、そうしたものの積み重ねがある意味では総合計画全体になると、そのようなことを思っておる。そういった意味から今までもそうであるが、これから中間報告あるいは最終的な計画の取りまとめに向けて、各部局とは密接な連携を図りながら、特に地域の視点あるいは生活者の視点に立った計画がつくれるよう全力を尽くしていきたい、そう思っておる。

〇佐々木(博)委員 2点についてお伺いしたいと思う。
 最初は、市町村合併についてであるけれども、県では昨年合併についてのパンフレットを作成されたり、あるいはまた今議会でも自治振興基金の条例改正が出されているが、これも合併であるとか、あるいは広域連合について支援をするという趣旨での条例改正であるから、やはり望ましい方向としては県内の各市町村もこれから合併していくことが望ましいという認識を多分持っておられてのいろいろな諸施策であると思うのであるが、まず、そこのところについてちょっと確認をさせていただきたいのであるが、いかがであろうか。

〇久保市町村課長 市町村合併への県の取り組みについてということになるかと思うが、今の日常生活圏あるいは経済圏の活動が市町村の枠を超えて拡大してきているということである。また一方、地方分権が実施段階を迎えているという今日、市町村においては分権による自己決定権と自己責任の拡大を自覚しつつ、介護保険やあるいはごみ処理など、今後とも増大する行政需要に対応していくためには、みずからが行財政基盤を強化して、分権時代に対応した行政体制の整備、確立を図っていくことが求められているのではないかと、そのように考えておる。
 県としては、今後さらに、市町村の自主的な取り組みを行うに当たって必要な情報提供、それから助言などについて積極的に支援していきたいと、そのように考えておる。

〇佐々木(博)委員 今、課長からも答弁があったけれども、例えば2000年からであるか、介護保険がある。それからごみ処理も平成14年、19年、29年と段階的に将来的には六つの広域でやろうという計画素案が出されているわけであるけれども、いずれ今後いろいろ市町村行政というものも、市町村の垣根を払って広域にやっていかなければいけないものというのはたくさん出てくるであろうと思う。恐らく時代の要請というのは、そういった要請であろうと思う。しからば、今県内の中で具体的にそういった話が出ているかというと、気仙地区の広域連合は確かにあるけれども、それ以外に具体的な市町村合併の話というのが出てないわけである。主体的には出ていない。確かに、例えば盛岡広域圏の矢巾であるとか、滝沢村との合併というお話はマスコミ等も取り上げておるし、それぞれ住民の間では話題にはなっておるが、実際には主体的な市とか町とか、あるいは村が具体的に動いているという段階ではないわけである。非常に残念であると思っているのであるが、例えば気仙の広域連合について、これも2市2町であるが、広域連合でやっていくというのは、やはり単独市だけでもこれからはなかなかできないと。であるから、広域で市と町がそれぞれ連携しながらやっていこうという趣旨でこういった話が出てくると思うのである。今、盛岡市では中核市を目指したいということで、中核市をクリアしなければいけない盛岡市の要件は、人口が30万人以上達成できないというところが一つのネックになっているであろうと思うのである。一方、滝沢は非常に人口が増えてきていて、何か報道によると、滝沢の単独市政というものも幾らか話題になっているようであるが、例えば私の認識であるけれども、滝沢村が滝沢市になったといっても実態が変わるわけでないから、どうも時代に逆行するのではないかと。やはり、むしろ広域合併の方が方向としては私は望ましい方向ではないかと考えているのであるが、この点について答弁しづらいかもしれないが、企画振興部長はどういう御所見をお持ちか、ちょっとお伺いしたいと思う。

〇武居企画振興部長 大変答弁しづらい部分があり、歯切れが悪いかもしれないが、先ほどの関連で合併なり広域連合の必要性という話なのであるが、これは地方分権推進委員会の第2次勧告にも当然出ているところであるが、これは私が申すまでもなく、避けて通ることのできない時代の要請であるというふうに認識しておる。市町村課のデータによる財政分析によっても大変厳しい状況になってきており、その一方で、高齢化を初めとして新しい時代の要請にこたえていくという現在の行政システムの仕組みだけでは、まず、市町村住民の満足を得られるような行政サービスの展開というのは難しいのではないかと感じておる。しかし、市町村の住民の側からすると、今までやってこられたのであるから、これからも同じようにやっていけるのではないかという感じは何となく感覚としてお持ちであると思う。であるから、そこのところは私どもが、将来こういう時代の潮流があったり課題があるといってもピンとこないというところは、それが何となく認識のずれの部分ではないかという感じはする。近々の具体的な例としては介護保険の問題等あるけれども、そういうふうになってくると、今、滝沢の具体的な話が出たけれども、合併云々ということに限らないのであるけれども、私が言える範囲としては滝沢なり、この盛岡周辺の市町村との関係も従来のような行政システムのやり方では、やっぱり非常に無理があるのではないかという感じがしておる。それについては、それぞれの市町村が具体的にどういった方向に持っていければ自分たちの課題解決ができるのかという、その最もいい方法をみずから探らなくてはいけない部分があるので、私どもでこういったやり方が一番いいという処方せんを今、示す形はとれないのであるけれども、客観的な流れからいって広域行政という言い方を一般的にはしているのであるけれども、そういうこれからの時代に対応した行政システムというものは、つくっていかなくてはいけないものであると認識しておる。

〇佐々木(博)委員 結局、市町村の自主性を尊重するという答弁−−どうしてもそういう答弁せざるを得ないであろうと思うけれども、ただ平成4年に盛岡市と旧都南村が合併をして、その当時、私も盛岡の市議会議員であったわけであるけれども、あのときの合併に当たって県の役割、特にも盛岡地方振興局の果たした役割というのは、私は非常に大きかったと思っているのである。県とか振興局の後押しが、合併を実現するのに非常に大きな役割を果たしたと認識をしておる。確かに、市町村それぞれ独立した行政体であるから、また住民の意思を尊重しなければいけないということは全くそのとおりであると思うが、しかしながら、やはり時代の要請というものはどうしてもそういった方向に向いているということも、またこれは確かなことであろうと思うのである。そういった点ではもうちょっとこれからいろいろな資料を提供するとか、積極的なかかわりというものをお願いしたいと思っているのであるが、そのことについて御所見をお伺いしたいと思う。
 それからあともう一点、盛岡駅の西口の活用調査費についてであるけれども、このことについて先ほど谷藤委員からも質問があったのであるが、以前から庁内でもこのことについてかなり検討されているはずであるし、それから民間人を交えていろいろ意見も聞いているはずなのであるが、今回の西口地区の活用の調査費であるけれども、これは具体的にはどこかに委任して調査するものか、それとも庁内でやるものなのか。それから、その中身は主にどういったことについて調査される考えか。それからもう1点は、この調査は平成10年度単年度で完了させる調査なのか、あるいはもう少し長くするものなのか、そのことについてちょっとお伺いしたいと思う。

〇武居企画振興部長 積極的なかかわりというお話があった。私どもも条例を別途提案しておるけれども、可能な支援措置については事前に準備させていただきたいと思っておるし、あと新年度−−平成10年度−−になるが、人事当局の御配慮もいただいて、市町村課の中に広域行政を専門に担当する、組織という形までいかないけれども、そういうスタッフを充実しておきたいと考えておる。これは従来であると、なかなかそこまで市町村課の仕事もいろいろ関係があり、回らなかった部分をむしろ専門的にいろいろ市町村からこういった情報を知りたいということがあったら答えられるような、正確な情報を上げられるような組織なり人を置いた方がいいのであろうということで、組織という形にはならないけれども置きたいと思っておる。それとあわせて、振興局のそういった企画振興課というのであろうか、総務部の中にもそういうところとの連絡体制もしっかりとして相談コーナーも設置したいと考えており、そういう意味では、現在とり得る私どものいろいろな方法というのを最大限生かしながら、市町村の要望にこたえられるように対応してまいりたいと考えておる。

〇邨野地域政策課長 西口地区県有地の活用の調査についてお答えする。
 現在、私ども昨年3月に取りまとめた基本的な考え方というのがあり、それをもとに今年度は年度末を目途に、現在、導入がふさわしいさまざまな機能、これを盛り込んだ基本構想の取りまとめの作業中である。これに引き続いて、来年度はその基本構想をもとに、基本計画の策定といったようなものに向けて取り組んでまいりたいと考えておるわけであり、この基本構想で示される各機能ごとに具体的にどのような施設といったようなものが必要か、あるいはこの県有地に対する円滑なアクセスの確保など、そういったようなものについて具体的に調査、検討していきたいと考えておるところである。
 このためには、基本構想の中で明らかになるところの、導入がふさわしいいろんな機能に対応した施設について関係する部局と協議しながら、導入する施設というものを検討してまいらなければならないけれども、その際に、各施設ごとにその規模なり機能といったようなものを把握する必要がある。その場合、専門的な技術を要する、例えばイメージ図の作成なり、それからレイアウトの検討、それから委員も御承知のとおり、この用地は傾斜を持った立体的な道路により2方面が囲まれておる。このため、こういう立地特性に合ったような施設の構成、それからマリオスなど隣接との歩行者動線をどうしたらいいかといった極めて技術的な検討、こういったようなものも必要になってまいる。このため、このような専門的、技術的な事項について委託の調査を行うとともに、庁内各部局、それから時には専門家の意見なども聞きながら、私ども内部を中心に足らないところは委託調査を行いながら検討、調査を進めてまいりたいと考えておる。
 それから、調査は1年だけかといったことであるけれども、これまでの本日の御質問の中にもあったけれども、関係部局でどういった施設をいつごろ必要となるかといったことも検討が必要となってまいるので、この場で直ちに1年で終わってしまうとまではちょっと言い切れない面がある。そのような状況に応じながらも、可能な限り早目に検討を済ませてまいりたいと考えておる。

〇佐々木(博)委員 これで最後にするけれども、できれば調査は単年度ぐらいで早く終了していただいて、そして事業着手に向けて、本当は進めていただければ大変ありがたいと思っておるわけであるが、いずれここの場所というのは、企業局が清算事業団から取得した際は、建築条件の期限がついていた場所であり、先ほど谷藤委員も言ったが、本来であれば、駅西口の先導的な役割を期待された場所である。それがなかなか企業局ではいろいろ難しい問題が出てまいって、今、全庁的な検討をいただいているところの場所であるが、その事業の着手の見込み、いわゆる次期の県総とか、そういった関連でこれから決まってくるものであると思うが、やはり時期を失してはだめであるという気がするのである。私は思うけれども、東北新幹線の盛岡駅が通過駅になるころには、やはりある程度具体化していないと時期を失してしまうのではないかと考えておる。もちろん企画振興部だけでまとめられるわけではない。これからいろいろ総合計画の中で、この実施計画で着工年度というものを区切って絞っていくわけであろうけれども、企画振興部長、私は、やはりおそくとも東北新幹線の通過駅になる時点では具体的な形というものが見えていないと、西口の活用のプロジェクト自体が大変手おくれになるのではないかと、非常にそういう点では危惧をしているところなわけであるけれども、その辺についての部長としての御所見をお伺いしたいと思う。

〇武居企画振興部長 盛岡広域都市圏も含めた都市機能の中で、多分これから通過駅云々という話は、北東北における高次都市機能をどういうふうに整備していくかという話と密接に関連していると理解するわけであるが、その際に西口地区に付加される新しい機能というものは、当然のことながら、かなり大きな視野で盛岡の市民とかそういったレベルよりも、もっと大きな視野で考えていく必要があろうかと思う。それについては先ほど担当課長の方から答弁させたように鋭意検討していきたいと考えておるし、タイミングというのは大変重要であると認識しておるので、新しい総合計画も私ども現在策定しておるけれども、今、御指摘受けたような点についても十分留意しながら、今後の作業を進めていきたいと考えておる。
   〔「関連」と呼ぶ者あり〕

〇吉田(洋)委員 今、佐々木博委員の市町村合併に関連して質問をする。
 私、通告をしておったのであるが、当該委員でもある。私は、総務常任委員会なわけであるけれども、我が委員会には菊池、山内、山崎先輩を初めとして論客ぞろいであり、私はいつもまとめ役をしており、委員長としてなかなか発言の機会がないので、お許しを願って今の合併問題について関連の質問をさせていただく。
 私ども同期の議員が16人であったのであるが、今6人残っており、せんだって、6人で同期会をやらせていただいた。これまでの歩みを語り合いながらこれからの県勢発展をみんなで誓い合ったのであるが、この11年間の歩みの中で、合併で私どもがいろいろと議論に参加をさせていただいたことが大きく二つあった。一つは、北上、和賀町、そして江釣子の3市町村の合併であったと思うし、もう一つは、この盛岡と都南村の合併ということで、それぞれもう長年の懸案の合併が実現して、今や北上においては工業出荷額あるいは農業総生産、それぞれ岩手県一を誇るような実績を見るに至っておる。また、盛岡においても県都等の機能が大きく発揮されて、盛南開発を初めとして、都南地域が大きく展望を開いておる活力に満ちたまちづくりが進められると、このように認識をしているわけであるが、先ごろの新聞報道、特に3月5日の滝沢村の村議会において、盛岡市との合併問題、あるいはまた滝沢村の単独市制の諸問題等についていろいろ活発な論議が展開されたと、6日付の日報紙を初めとして、各紙報道がなされておったわけである。それで今までの合併を振り返ってみて、やはり住民が合併の是非について正しく判断する材料というものを住民に提示をしていくと、こういうことが時の首長さんなり、時の自治体なり、あるいはそれらの指導機関にある県の果たす大きな役割になってくるのではないかと思い、同時に今までの合併は、そうしたことの努力の積み重ねが合併の実現になってきたのではないかと思うのである。そこで滝沢の村長さんの答弁も、滝沢村の場合は国や県の定める市政施行要件をおおむね達成できる状況にあると、こういう御答弁があったと聞いておるし、もう一つは、これは住民が決める問題であると、住民が判断をするのであるという答弁であったと、このように報道で見聞をしているわけである。そこでその要件なわけであるが−−ちょっと突っ込んで−−この辺の要件というものを私も勉強させていただいたのであるが、単独市政の要件というのは、まず一つは、地方自治法第8条にあるわけであるが、普通、市となるべき地方公共団体の要件は、一番として、人口5万人以上有しているということが第一の要件であると見ておる。二つ目は、中心の市街地を形成している区域内の戸数が、全戸数の6割以上あることということが2番目である。もう一つ、またこれは県の条例で定めることになるわけであるが、都市の施設の中に地方事務所、それから税務署、あるいはまた、公共職業安定所等の官公署が五つ以上設けられているということであり、旧都南村の場合もこの五つの官公署の要件というものが大きな問題としてクローズアップされて、この問題を果たしてクリアしているのかどうかということが大きな議論の対象になったと私は思っているわけである。今、私が三つの要件についてお伺いをしたわけであるが、これらは滝沢村として現況でクリアしているのであろうか。また近年、こうしたことが果たして可能になるのであろうかということ、この辺についてまずお伺いをしたいわけである。

〇久保市町村課長 滝沢の問題であるけれども、滝沢における合併や単独市政の論議が行われていることについては、先般、滝沢村から伺ったところによると、滝沢村では盛岡圏域における他市町村との広域的連携を模索する中で、単独市政を施行する場合の要件についても調査、検討してきたと伺っておる。滝沢村では、現在人口が伸びておることから、地方自治法第8条で規定する、人口5万人以上を有することとの人口要件を主たる要件と考えて、他の要件もクリアできる可能性があると考えていたようである。現時点では人口要件以外にも、先ほど委員からもお話あった中心市街地の形成など要件があるが、その要件を満たさないものもあると認識しておる。
 それから滝沢の場合、中心地となるのは鵜飼地区について想定しているのではないかと考えておるけれども、手元の資料によると、滝沢村の住民基本台帳による地区別世帯数で全村の2割程度のようである。したがって、現時点では中心市街地を形成する区域内にある戸数が、全戸数の6割以上との要件には該当していない状況である。
 それから、条例に規定しておる官公署についてであるけれども、この要件は、市は都市的な地域に置かれるべきものと想定されている地方公共団体であることから、都市としての機能を果たし得るための都市的施設を要件の一つとして定められているものである。官公署の意味については、条例では三つ例示されておるけれども、ほかに地方法務局、支局または出張所、警察署、郵便局、保健所、それから労働基準監督署などが条例上の官公署に該当するものである。なお、これらは都市的サービス機関としての官公署を意味するものであり、例えば警察署の駐在所など、限定された業務を行う機関は含まれてない。また、条例の5以上ということであるが、この5以上とは官公署の種類が5種類以上という意味であり、例えば同一種類の官公署が5カ所であればよいというものではない。そういう状況である。

〇吉田(洋)委員 そうした観点でいうと、私が示した二つ目の6割以上の確保の問題、これは2割ということであった。それから官公署の五つ以上という、いわば5種類というお話であるが、例えば滝沢の場合は自衛隊の岩手駐屯地とか国立青年の家とか、あるいは国、県の試験研究機関というのもあるが、それは入るのであろうか。それとも先ほどの5種類は今のところ満たしていないと判断しているのであるが、今、私が申し上げたようなことは入るのであろうか。

〇久保市町村課長 今、委員からお話あった陸上自衛隊の岩手駐屯地、それから国立岩手山青年の家、あるいは国、県の試験場等あるけれども、その試験研究機関、これらについては私どもが定めておる条例上、都市としての機能を果たし得るための都市的施設には入らないということで、条例上の官公署には該当しないと理解しておる。

〇吉田(洋)委員 わかった。今も佐々木委員からの御指摘もあったし、過去にも本会議等で同僚委員がさまざま合併問題についても取り上げてまいっており、これはさきに示された第2次勧告、昨年の4月であったか出されておるわけであり、これにも県として果たすべき役割というものが明確に位置づけされておるわけである。やはり、住民がそうした判断ができる素材提供、同時に地方振興局におかれても、かつて都南との合併のときに、当時の尾沢局長さんを初め地方振興局の皆さんが一体となって、合併のメリット、デメリットというものを具体的に明らかにしていただいて、市民、村民が等しく判断できるような素材提供もしていただいた経過があり、そうしたことが今日の合併の大きな成果になっていると思うわけである。今、部長の方からは、この合併問題は避けて通れないという時代認識を示された。また、久保市町村課長の方からは佐々木委員の質問に対して、さらに自主的な合併の取り組みについて積極的な支援をしていくという、部長、課長のそれぞれの御答弁があったわけであり、時代認識に沿ったそうした推進をこれから積極的に進めていくべきであると思うわけであり、部長の御所感をいただいて、私の質問を終わらせていただきたいと思う。

〇武居企画振興部長 時代の要請というお話を私先ほど申し上げたけれど、何と申しても、これは的確な情報を関係市町村に提供するというのが、まずもって県の使命であると考えておる。そういった点については、これから鋭意さまざまな機会に−−一般論としての情報提供というものを今まで行ってきているわけであるけれども、これからは個別課題に応じた情報提供というものも、場合によっては提供していかなくてはいけないという認識を持っておる。特に、地方振興局、先ほど来、合併等の際にもいろいろ過去のお話あった。県と地方振興局が一体となって、そういった要請にこたえられるように最大限努力していきたいと考えておる。

〇千葉(伝)委員 私からは2点についてお伺いしたいと思う。
 一つは、クリーンエネルギーの活用の面、それから二つ目は、午前中も質疑あったのであるが、東北新幹線絡みの並行在来線についてお伺いしたいと思う。
 まず、最初のエネルギーの関係であるけれども、平成10年度の予算説明書98ページ、クリーンエネルギーいわて21推進事業費というのがあるわけであるけれども、こういった新エネルギーの有効活用あるいは新規開発を含めて、特にもクリーンエネルギーについては資源の豊富なこの岩手県ということを考えると、地熱あるいは太陽光、風力といったエネルギーを積極的に活用するということが大切ではないかということと、県ではさまざまな観点から鋭意取り組んでおられるということについては、敬意を表する次第である。
 そこでお伺いしたいのであるが、その中で特に、風力発電について県内の取り組み状況はどうなっているのであろうか。まず、お伺いしたいと思う。

〇多田資源エネルギー課長 県内の風力発電の取り組み状況についてであるが、本県ではこれまで平成9年度に、東山町、平泉町、前沢町からなる一部事務組合である束稲産業開発組合が新エネルギー・産業技術開発機構、いわゆるNEDOの風力開発フィールドテスト事業によって、平成9年度に490キロワットの風力発電を設置し運転を開始しているところである。県としても、市町村や事業者による風力発電の積極的な導入を促進するために、平成10年度には風力発電が有望と思われる地域において、現地での風況調査を実施していくこととしておる。
 一方、葛巻町においては、風力発電の事業化を目指すベンチャー企業であるエコ・パワー社などと、本年4月に、第三セクター、くずまき高原風力発電研究所−−これは仮称であるが−−これを設立することとしており、本年1月に、風力発電研究所設立に関する調印を行ったところである。早ければことしの秋にも、同町の袖山地区に風力発電を設置することとしているものと聞いておるところである。

〇千葉(伝)委員 平成9年の分、それから今後の平成10年度の葛巻町の風力発電に向けた取り組みということをお伺いしたわけであるが、その中で民間活力を積極的に活用するということもあるわけであるけれども、県がどの程度まで事業なりエネルギーを活用するということで、例えば葛巻町についてはどのような管理をしておられるのであろうか、そこの分を。

〇多田資源エネルギー課長 葛巻町へ、今まで風力に関する風況が有望な場所とか、それから、いろいろな風力発電に関する情報提供など行ってきておる。そして、この風力発電研究所設立に関する調印式にも県は出席しておるが、今後ともいろいろな情報提供等について努めてまいりたいと考えておる。

〇千葉(伝)委員 ありがたかった。いずれ先ほど申したけれども、民間活力の導入と、それからそれを促進するということから結果的に地域の振興に結びつく観点から、県の方でもそういった支援というか指導というか、そういったことも今後積極的にしていただければというふうに、これは要望する。
 それから第2点目に入るが、午前中の質疑で工藤委員、あるいは関連で堀口委員から東北新幹線並びに在来線の問題の質疑あったわけである。前段の部で重複する分は割愛するが、特にもその並行在来線の問題である。この分については、その運営方式云々ということで今、鋭意協議していただいているということはわかるわけであるが、新幹線が平成13年に開業する、それに向けて在来線をどのように運営していくかと、いわゆる運営方式についての質問なのであるが、そのめどをどのあたりにおいて進めていっているのかということで、最初に部長からお伺いしたいと思う。

〇武居企画振興部長 並行在来線問題、私どももこれは整備新幹線の建設の問題とも密接に絡んでくることは委員御案内のとおりであり、一方で、整備新幹線の予算について重点配分ということで精いっぱい努力しているところである。平成11年度の概算要求に向けても、ことしまた議会の先生方の御支援もいただきながら精いっぱい頑張りたいと考えておるが、そういったものと関連する話として並行在来線の問題というのがある。これは青森県側については、昨年ああいった形で一部着工の予算ついたのであるけれども、実際的には調査しか行えないような形で、その残った分が私どもの方に建設費として増額になって、2月の補正につけていただくという形にもなったが、当面は青森側との協議をどう進めるかというのが大変重要なポイントになってこようかと思う。
 それで、これは内輪話になるのであるけれども、青森県側は八戸から青森までの間をいかに早く建設したいかというのがやっぱり腹づもりとしてはあるみたいであり、そうした場合に、私どもは盛岡から八戸までをいかに急ぎたいかという。ところが青森の側は結局、関係する市町村は八戸から青森までの建設されるところと並行在来線、あそこは並行ではないわけである。御案内のとおり、両在来線と新幹線の通る関係利害を受ける市町村が違ってきてしまっているという問題があり、一方、八戸からこちらの南の方はまさに並行在来線になっているのであるが、県境を挾んで青森と岩手に分かれているという問題があり、私どももいろいろこれから本格的に協議していくのであるが、何となくそれぞれの沿線市町村と県の思惑というのが若干ずつ微妙に違うような感じもある。しかし、それはちょっと私どもの方で県を窓口にして、いずれにしても一生懸命誠意を持って協議をして、新幹線の工事の進捗状況と開業までに必要となる準備期間の両方あわせて、今までと同じ答えになってしまうのであるけれども、時期を失することがないように万全を期してまいりたいと考えておる。

〇千葉(伝)委員 部長の御答弁は、対相手もある、それから新幹線の進捗云々という分に当然絡んでくるわけで、なかなかはっきりしたお答えは難しいという感じは受けとめたわけであるが、物事にはタイムリミットというか−−ちょっと正面から聞くと、そういうお答えしかできない。横から聞いてももしかすれば同じかもしれない。私は、後ろからちょっとお聞きする。
 こういうことである。新幹線開業が平成13年の春か秋かであるけれども、例えば平成13年に開業する−−めどである。そうすると、平成12年は1年前、それから平成11年が2年前、平成10年−−ことしは3年前という大きいスパンで考えた場合に、新幹線の開業に向けて在来線も動かなければならないということになろうかと思う。そういうことで、進め方の部分で基本的な考え方をお聞きしたい。いわゆる開業に向けての、例えば運営方式が決まった、その後に当然認可とかいろいろな期間というものが必要であろうと。そういうことからして、逆算でどんな基本的な考え方を持っているのかという観点でお聞きしたいと思う。

〇瓦林交通政策課長 開業が平成13年と仮定した場合のスケジュールという御質問であるが、現在の工事実施計画、着工されたのが平成3年9月で、そこからおおむね10年ということになっておるので、平成13年10月が開業のめどだと仮定する。その仮定のもとで、かつ長野県における例、しなの鉄道という、長野県の場合は第三セクター鉄道が経営分離されて開業したわけであるけれども、その例を参考にすると、私どもの試算によると、遅くとも平成11年度半ばまでには経営主体等に対する基本的な考え方をまとめ、かつ経営計画を策定する。その上で、その後2年程度かけて新たな経営主体の設立、それから鉄道の開業に至る免許、こういった作業が必要になってくるものと見込んでおる。

〇千葉(伝)委員 それが結果的には新幹線のいろいろな国の事業というか予算の絡みで多少ずれたにしても、基本的なタイムスケジュールというか、それは今みたいな、例えば長野の例としてのお答えであるから、確実にそうだということは言えない部分としてお聞きしたわけである。そういうことで、いずれにしても、各関係機関あるいは団体、市町村も絡んでくるということなので、できるだけ早めにそういったことを鋭意進めていただきたい。地域住民には、どうなる、こうなると、常に心配というか、不安があるということもあろうかと思う。そういった意味で、ぜひよろしくお願いしたいと思う。
 最後に要望である。東北新幹線の部分に当然これは絡んでくるものである。たまたま昨年11月に平成10年度の県予算の統一要望ということで、私も知事と一緒に運輸大臣に直接お会いして、この問題については盛岡以北の問題であるけれども、県全体に絡む重点課題だということで強力にお願いしてきている部分がある。これは県当局はもちろんであるが、県議会としても一緒に頑張らなければならないという観点で、私ども議会も頑張るけれども、県の方もそういったことで今後とも積極的な取り組みをお願いしたいと要望する。

〇吉田(洋)委員 通告1点だけ質問させていただくが、計画調査費の西暦2000年世界地熱会議開催推進費が648万7、000円ついた。西暦2000年6月の世界会議開催に向けていよいよ動き出したということで、ぜひその成功を実現していかなければならないと、こう思うわけであるが、これを今後具体的にどのように推進していこうとしているのか、これが一つ。
 それから、安代の地域で地熱開発の促進調査をしていると、このように聞いているわけであるが、それらの調査の現況について、この2点についてお伺いする。

〇多田資源エネルギー課長 世界地熱会議に関してであるが、西暦2000年の6月に本県で開催。それは2地域開催ということで、前半が九州の大分で後半が岩手−−秋田の鹿角も含めるが−−、そういったことで開催の具体的な日取りも決定して、現在、いろいろな技術プログラムをどうするかとか、地域プログラムをどのような形で構築していくかとか、そういったものの具体的な検討に入っておる。また、世界地熱会議の総体の予算、そういったものも審議されておる。そういった面で具体的に動き出し、これから各小委員会でいろいろなプログラムを具体的に構築していく過程にある。
 2番目の安代地域の地熱開発の促進の関係であるが、安代地域においては、国が新エネルギー・産業技術総合開発機構、いわゆるNEDOに委託して行っている地熱開発の調査のうち、調査B、これは50から70平方キロメートルの概査ということで、貯留層の有無の確認を主な目的とする調査であるが、この調査を平成6年度から平成9年度までの期間で実施されたところである。現在、NEDOにおいて調査結果を分析中で、調査報告書は平成10年度にできると聞いておる。
 最高温度が約300度と高温で、噴気状況も蒸気が熱水より多く、発電に適したものであるということで、次の調査段階である調査C、これは特定した5ないし10平方キロメートルの地熱有望地域で長期の蒸気噴出試験を前提とした大口径の坑井調査を実施して地熱資源量の把握まで進めると、こういう調査であるが、これに進む候補地の一つとして有望であるとの感触を得ておる。今後において、全国の他の調査地域の結果等を踏まえて調査Cの選定があるが、地元安代町と連携を図りながら、NEDOを初めとする関係機関に対し、調査Cへの移行について要望していきたいと考えておる。
 なお、先ほどの西暦2000年に本県で開催される世界地熱会議では各国の地熱関係の学者が一堂に会するわけであるが、その現地視察先としても考えられるもので、視察先として取り入れられれば学術的な研究の場を提供することにもなり、非常に有意義なものと考えておる。そういったことからも促進に努めてまいりたいと考えておる。

〇吉田(洋)委員 非常に積極的な、前向きな対応だと思うが、岩手は御案内のとおり電源の後発県であるから、さまざまなクリーンエネルギーをこれから開発していくことは非常に重要だと。今も千葉委員から出された風力、あるいはまた、岩手山にやろうとしている太陽光発電、こういうものも非常にタイムリーだと、このように思うし、新しいエネルギービジョンの中にもそうしたことを位置づけていかなければならないと、こう思う。
 特に、いわゆる大型電源がないわけであるから、地熱の場合は出力3万あるいは5万キロというようなものになってきている経過があるだけに、ぜひ安代の地熱開発、今の課長のお話にあったように、有力な熱水が噴出しているということで発電可能性が十分にあると思うわけであるが、私は一歩進んで、企業局あたりもこうしたことに注目をしていってほしいと、こう思っているわけである。民間電力会社もさることながら、今まで企業局は発電事業は水力発電に絞って進めてきているわけであるが、こうした多様な電源についても注目していく必要があるのではないかと思うわけで、これからの電源の企画推進の過程の中にあってぜひ企業局にも参加していただきながら、こういう電源開発という問題について積極的に対応していくべきではないかと思うわけであるが、その辺のことについて、部長、何か御所感があったらお伺いしておきたいと思う。

〇武居企画振興部長 岩手県の貴重な資源であるので、県全体として望ましい方向に持っていくべきだと考えておる。
 今のお話についても、私どもの方、県全体のエネルギーを所管しておるので、企業局にも伝えたいと思うし、また、連絡調整会議等を通じて、そういった御趣旨が可能かどうか、これはクリアすべき課題等もあろうかと思うけれども、1歩でも2歩でも前進するように検討してみたいと考えておる。

〇山内委員 説明書97ページ、電気通信格差是正事業費補助について6億7、500万円余計上されておる。冒頭の部長の御説明によると、この事業は地域住民の生活に密着した情報通信基盤の整備を促進するため市町村に補助すると、こういうことである。補助率は8分の3及び15分の8と、こう定められておるけれども、具体的に、基盤の整備の基盤とはどういったものを指すのか、まず、お知らせをいただきたい。

〇高島情報科学課長 電気通信格差是正事業についてお尋ねがあったのでお答え申し上げる。
 基盤とは何かというお尋ねであるが、電気通信格差是正事業の事業の中身としては、具体的には、まず第1に、携帯電話、その他の移動通信、これを行うための鉄塔施設の整備、これが第1点である。それからもう一つは、NHKを初めとした(後刻「NHK以外の」と訂正。)テレビであるけれども、テレビの電波が1局もよく見えないところについての民放テレビ放送難視聴解消事業というのがある。それからもう一つは、ケーブルテレビの施設整備を図る新世代地域ケーブルテレビ施設整備事業という三つの事業内容に分かれておって、具体的な基盤としてはこの三つが該当するものである。

〇山内委員 そこで、6億7、500万円余計上されているわけであるけれども、鉄塔の整備、あるいは今、御説明があったNHK等を含めて1局も見えない放送局等に対する施設、それからケーブルテレビの施設、こういったことであるけれども、どういった割合でこの予算が配分されているのか。
 それから、携帯電話等移動通信、この計上された予算の中でカバーできるエリアは面積的にどのぐらい改善をされるのかということを1点伺う。
 これには、先ほどの議論にもあったとおり、テレビ難視聴地域等と同じような他の変動要因というのはあるのだろうと思う。例えばデジタル化に伴う新たな不感地帯、こういったものもあろうかと思う。そういった変動要因があるにしても、平成10年度どのぐらいの面積をカバーできるものか、こういった数値をお示しいただきたい。
 それから、同じく携帯電話等にかかわってであるけれども、この予算は、各市町村の事業であるから、各市町村の要望を100%満たした計上になっているのか、他に要望があっても予算の枠上これにとどまったということであるのか。
 それから第3点、市町村間における熱意の差というのがおありだろうと思う。これはテレビ等の難視聴地域のお答えでもあった。こういった熱意の差というものについて、部とすればどのような指導をしていこうとしているのかお知らせいただきたいと思う。

〇高島情報科学課長 まず、三つの事業についての予算の配分の割合ということであるが、今、委員から御指摘があったとおり、予算に関する説明書97ページに記載があるとおり、当初予算額としては電気通信格差是正事業全体で6億7、552万4、000円が計上されておるが、このうち、移動通信用鉄塔施設整備事業に2億9、083万2、000円、民放テレビ放送難視聴解消事業に1、719万2、000円、新世代地域ケーブルテレビ施設整備事業に3億6、750万円がそれぞれ計上されているところである。申しわけないが、割り算をしておらないので、パーセンテージをすぐに出せない。
 それから、私、先ほど不正確な答弁をしたのでちょっと訂正させていただくが、民放テレビ放送難視聴解消事業については、NHK以外の民放について1波もよく見えないところが対象である。NHKを含むように申し上げて失礼した。
 次のお尋ねであるが、携帯電話等に使用される移動通信用鉄塔であるが、カバーできる割合はどのぐらいになるのかというお尋ねであるけれども、本年2月5日現在で調べたものがあって、それによると、岩手県内59市町村のうち、役場所在地付近でもって携帯電話を使用し得る市町村は47ということになっておる。10年度事業で移動通信用鉄塔施設整備事業を行う予定としては、湯田町、田老町、この2カ所が予定されておって、これによってエリアが拡大するということである。ただ、電波であるので、何平米とか何平方キロメートルという面積でもって通話可能面積をはじき出すのは大変困難で、大変申しわけないが、面積としてのデータは持ち合わせていない。市町村の数としては、本年2月時点でも47市町村でできて、それがさらに広がるということである。
 それから、この電気通信格差是正事業に関して、市町村から要望があったものは全部採用しているのかというお尋ねであるけれども、これについては、新世代地域ケーブルテレビ施設整備事業以外は、いずれも事業主体は市町村自身である。これについては、放送事業者との協議が調っており、さらに事業の要件に合致すれば、県としては予算化をすべてしてきているものである。
 それから、一番最後のお尋ねであるが、市町村に熱意の差があるのではないかということであるけれども、基本的には、県土全体に電気通信の格差をなくすということは非常に重要な施策目標であるので、市町村によって熱意の差がある場合には、県としてもよく話し合いをしていきたいと考えておる。

〇山内委員 予算編成上の四つの重点的課題の一つに地域情報化の推進という項目がある。今、私が申し上げているこれらの事業というものは、こういった四つの課題の一つであるこの問題についても深くかかわっている問題であると思う。したがって、県当局ももう少し熱意を持って取り組んでいただきたい。というのは、今のお答えにもあったとおり、役場所在地でメリットがある、感度がある、こういったとらえ方をしているわけであるけれども、本県の地形上、こういったとらえ方だけでは十分満足な状態ではないのではないか、こう思う。その市町村の中でも何割をカバーすれば大体到達したと、こういった一つの新しい指標、基準というものをぜひとも設けていただきたい、こう思うが、この点についてお考えを聞いて終わる。

〇武居企画振興部長 地域情報化の推進に向けて、当然のことながらインターネット等の新しいマルチメディアのみではなく、むしろこういった通常の情報通信ができる分野というのは大変重要だと認識しておる。特に役場中心というお話をさせていただいたけれども、委員御指摘のとおり、多分委員御自身もそうであろうし、多くの委員が御自宅から県庁に来られるときに途中で切れたりつながったりという事態も生じているのではないかと思うけれども、これから本当はネットワークみたいな形で、もうちょっとこういったものが活用できるようなことを考えていかなければならない。問題認識は非常に持っているけれども、そうすると、結局利用者はその地域の方々ではなくて、むしろ通過される方々という話も出てきて、負担の問題等も実は出てくるわけであるけれども、いずれにしてもこういった分野は大変重要だと考えておるので、防災上の観点、その他いろいろあろうかと思うが、これからも特に御指摘のような点も踏まえて、従来以上に熱意を持って対応してまいりたいと考えておる。

〇佐々木(一)委員 大分時間も経過しているので、3点あるが、一括してお伺いする。
 まず、第1点、地域連携衛星デジタル情報発信事業であるが、さきの答弁でもパーフェクTVの国会チャンネルの空き時間を利用して県外に向けて情報発信をするということである。今度、JスカイBとパーフェクTVの合併もあるわけであるが、現在の加入状況、また、国会チャンネルも最近のようであるけれども、契約件数等がわかればお示しをいただきたい。また、全国的にこの衛星放送がどういう傾向にあり、また、本県の現状について、もし調査されてあればお答え願いたい。
 それから、4県で進めるわけであるが、増田知事がどちらかというとリーダーシップをとって他県の知事に働きかけたということである。今後、どのように将来的に展開されていく予定か、また、どうあるべきか、お考えがあったらお伺いする。
 2点目、全国マルチメディア祭について伺う。
 昨年、兵庫県で開催されたわけであるけれども、ことしは本県で行われるということで、この衛星デジタル初め、さまざまな面で非常にいい機会だと思っておるが、昨年の兵庫県の開催状況から、反省点等を含め、本県では岩手の特色をどうこのマルチメディア祭に生かしていかれるのか。この考え方、また、準備状況についてお伺いしたいと思っておる。
 それから最後、3点目であるが、今までもお話あったが、テレビ難視聴地域の解消についてお伺いする。
 県単の方の部分であるけれども、昨年度より増額をしていただいた。ありがたい。市町村からの申請に対して、県としてはどのぐらいの形で補助をされているのか、この点についてお伺いしたいと思う。
 また、先ほど来お話があったが、逆に市町村から件数が多く出てきた場合でもそれに100%対応できるという形が実際県予算の中で今後も展開できるのかどうかというあたりについてもお伺いしたいと思う。
 それに関連して、岩手、宮城の県境の解消について菊池委員からも質問があったわけであるが、現在、東北電気通信監理局の方と検討を進めているというお話を伺っておる。アンテナを宮城県に立てるかどうかという問題もあるけれども、これについても最近になってやっとそういう方向が国の方からも出されたということであるが、この状況について、検討状況と、また、今後、具体的に何年後にはこういう形でできるというようなことがあったらお示しいただきたいと思う。

〇高島情報科学課長 幾つかの点についてお答え申し上げる。
 まず、第1に、全国マルチメディア祭についてである。
 全国マルチメディア祭は、地域情報化を全国的に推進するために郵政省が中心になって各県持ち回りで開催しているもので、本県開催で11回目、東北では福島県に次いで2回目の開催になるわけである。9年度に県の高度情報化構想を策定中であるけれども、これを踏まえて、本年9月のマルチメディア祭の開催が本県における地域情報化推進の契機になるように、県民主役、手づくりといったようなことを基本コンセプトとして、11回目ということもあるので新たなフレーズに入ると考えて、これまでの例を必ずしも踏襲せずに、岩手らしさを出した企画をつくっていきたいと考えているところである。
 具体的には、地域情報化サミットといったものを予定しておるけれども、これも小岩井農場で雄大な自然を満喫していただきながら開催したいと思っておるし、また、地域フォーラムも県内8カ所という多数の箇所で実施する予定にしておるほかに、この中に県立大学も会場の一つに加えたいと思っておる。また、北上川を下りながら花巻市などの上陸地点でシンポジウムを行う北上川Governor's Shipといったような新しい試みもやってみたいと考えているところである。
 準備状況としては、1月26日に第1回の実行委員会を開催したところで、今後、各地域ごとに実行委員会を立ち上げて開催準備に万全を期してまいりたい、このように考えているところである。
 それから、もう2点ほどお答えを申し上げる。
 県内のテレビ難視聴地域解消事業についてである。
 市町村から要望が上がってきた場合に、すべて県として対応できるのかというお尋ねであったかと思うけれども、これまで県としては、市町村が放送事業者との協議を調えて申請をしてきた案件についてはすべて予算化をしているところである。今後についてもそのように努力をしてまいりたいと思っておる。
 それから、もう1点であるけれども、東北電気通信監理局の方針、郵政省全体であるけれども、郵政省全体の運用方針の変更に係って県境を越えたテレビ中継所の設置の道が開かれたという御指摘であるけれども、委員御指摘のとおりで、つい最近そのような方針が郵政省において示された旨、情報として我々も認識しているところである。特に宮城県境の県南部においては難視聴世帯もあるし、宮城県側に中継所を設置することも制度上可能な道が開かれたということなので、それも踏まえて、今後、よく町当局、その他と相談をしてまいりたいと考えているところである。

〇小原広聴広報課長 地域連携性デジタル事業の関係であるが、まず、パーフェクTVの加入件数ということであるが、この放送局は平成8年10月から放送開始しておる。本年2月末現在の状況では59万6、000件と発表されておる。この管理運営会社というのがあって、そこによると、本年中には100万件をめどに普及をしたいと発表しておる。委員もおっしゃっておったけれども、ことしの5月にJスカイBと合併をするという最近の報道もあったけれども、これが実現すると、西暦2000年−−平成12年−−には加入者が150万件から200万件にまでなるのではないかと言われておる。
 それから、本県の状況ということであるが、県別には発表しておらないので、まことに申しわけないが、把握していない。
 それから、国会テレビの件数であるが、これも実は本格放送が先月からで、したがって、まだ件数等は発表に至っていないので、これについても御了解いただきたいと思う。
 それから、大きい2点目であるが、こういった放送が将来的にどうあるべきかという御質問があったけれども、日進月歩であるので、衛星デジタル放送が今後どうなるのか、その動向を見なければならないけれども、一般論とすれば、ますますこういう地方からのメッセージの機会として活用していくほかに、さらには、いろいろな施策実行手段があると思うが、例えば観光客の誘致とか企業誘致とか、そういったものがあると思うが、そういう手段としても活用が図られていくのではないかと思っておる。それからもう一つ、通信衛星の大きい特徴に、難視聴というか、地理、地形のハンディキャップを解消するというメリットもあって、そういう意味では、環境情報の提供とか防災の関係、あるいは保健医療、福祉サービスといったような面でも活用が図られるのではないかと思う。
 いずれにしても、来年度からこういう連携事業をやっていくわけで、いろいろな経験を積みながら、あるいは問題点も出てくると思うが、そういうものを検証しながら今後につなげていきたいと思っておる。

〇佐々木(一)委員 武居企画振興部長にお伺いする。
 今の衛星デジタルと、それから11回になる全国マルチメディア祭、さまざま県の方でもインターネットのホームページを通じて、周りを見ると各振興局でも出しておるし、各部局でもホームページを作成されているようであるし、非常にいい形だと思っておるが、せっかくことしこういう事業があって、また、新規で全国でも初めてこういうふうに4県でやるというわけなので、今度開催のマルチメディア祭で、何か観光も含め、また、岩手というものを売り込む意味でも、この辺の衛星デジタルも含めた、何か一緒となった全庁的な企画というものが欲しいような気がするが、これについて何かお考えがあればお伺いしたいと思う。

〇武居企画振興部長 マルチメディア祭、先ほど担当課長から答弁させたように従来と全く違った形でやりたいと考えておって、それはまさに地域からの情報発信という部分を特に大事にして、実行委員会も民間の皆さんとか、そういう方々に特に入っていただいて、行政主導ではない形で進めたいと考えておるが、一方で、全庁的なという話があったように、この点についても特に従来ないような形のものにしていきたいと思う。一つは、CSデジタル放送でもこういった状況を逐次流したいと考えておるが、たまたまこういった御縁で宮城県とか三重県とか高知県とか、そういったところともつながりができて、北東北3県とか宮城県との交流以外にも遠く離れた県ともこういった情報を使うと隣にいる県と同じように交流ができるという形になったので、そういった県の方々にもこういった情報が伝わり、そこからまた反応が返ってくるという形の新しい企画もこれから考えていきたいと考えている。知事御自身も大変一生懸命、川を下るかどうかわからないけれども、意欲は非常にあるけれども、頑張るように聞いておるので、私どもも知事に負けないように精いっぱい頑張りたいと思う。

〇高島情報科学課長 補足訂正をさせていただく。
 テレビの難視聴解消事業に関連してである。
 午前中、菊池勲委員から御質問があったときに、私、ちょっと数字を正確にお答えしなかったので、改めて御答弁させていただく。
 難視聴の世帯数についてのお尋ねがあったが、10年度解消して、あとどのぐらい残るのかというお尋ねがあった点であるけれども、午前中申し上げたとおり、平成9年2月調査では難視聴世帯5万5、511世帯ということになっておるが、平成9年度中、もうあと少しであるが、平成9年度中の解消予定世帯数が1万4、697世帯である。10年度の解消予定が午前中申し上げたとおり1万2、909世帯で、5万5、511世帯から1万4、697世帯及び1万2、909世帯を控除すると残るのは2万7、905世帯と計算されるところで、午前中ちょっと不正確な答弁をして申しわけなかった。訂正させていただく。

〇斉藤委員 簡潔にまとめて聞くので、答えも簡潔明瞭でいい。
 一つは、整備新幹線にかかわる在来線問題について、私も千葉委員と同じ質問を準備した。先ほどの答弁は、2年ほどの期間が必要だと。平成13年開業であれば11年の半ばという答弁であった。あわせて経営主体について、第三セクターを含めてどういう類型で検討されているのか教えていただきたい。
 もう一つは、鉄道貨物について、これは決算で私も聞いたが、鉄道貨物の見通しについてどういう検討がされているのか、また、今後、どういう検討がされる見通しか、これが第1点である。
 第2点は、新総合計画について、県民アンケート、モニターアンケートなどがとられている。かなり広範に県民から意見、要望を聞くというので、これは、私は増田県政の手法としては大変いいと思う。その県民アンケートやモニターアンケートの、特に県政のあり方、県行政のあり方にかかわる内容はどうなっているのか。そして、そういう県民の意向を計画にどう盛り込むつもりなのか、このことが第2点。
 第3点は、盛岡圏の市町村合併の動き、あわせて気仙広域連合についてお聞きするが、滝沢村や矢巾町は、私は極めて消極的、否定的だと認識しておるが、県はどう受けとめているのか。こういう状況の中で、私は、県が余り勇み足をすべきではないと。やっぱり市町村合併というのはあくまでも市町村の自主性に基づいてやられるべきで、今までの論議を聞くと、介護保険法があるからとかいろいろ言うけれども、小さい市町村の方が在宅福祉の水準は高い。私は、そういう点では余り必然性のないことだと思うが、その点をお聞きしたい。
 それと、気仙広域連合についてであるけれども、私は、補正予算の反対討論で、10億円の基金の果実はわずか400万円だと申し上げた。この果実の400万円を使ってやろうとしている事業が専任職員の人件費を含めて700万円かかると。そして、気仙連合の場合は、進める事務は三つなのである。今までの広域圏協議会の事務とし尿処理の事務と今度の基金の事務だけなのである。こういう中身で、新たに借金をしてわずか400万円の果実を運用する気仙広域連合のメリットとは何なのか。私は、こういう広域連合をそんなに拙速に進めるべきではなかったと思うけれども、いかがであろうか。

〇瓦林交通政策課長 並行在来線の対策に関して、経営分離後の経営主体の類型についての御質問であるが、私どもとしては、現段階においては大きく分けて二つ、小さく分けると三つ想定しておる。
 一つ目は会社形式である。会社形式には細かく分けると二つあって、一つは第三セクター、もう一つがJR以外の既存の会社による経営というパターン、会社として二つある。それから、会社以外においては公営企業という選択肢もあろうかと考えておる。私どもとしては、試算の過程において人件費の違い等も勘案しながら試算を進めているところである。
 それから、二つ目の鉄道貨物の輸送問題をめぐる検討状況であるが、これについては、残念ながら詳細な状況は把握するに至っておらない。私ども、常に機会あるごとに運輸省の鉄道局の方から情報収集するようにしておるけれども、最新の情報では、技術的な検討は着実に進みつつあるけれども、他方、経営面での検討、鉄道貨物を上を走らせるのか下を走らせるかということについて、それぞれを運営するJR貨物あるいはJR東日本の方の理解とも絡んで、そちらの方の検討は必ずしも進んでいないと承知しておる。

〇上野企画調整課長 アンケート調査の結果等について御説明申し上げる。
 まず、いろいろな種類のアンケートをやっておるが、そのうちの一つ、県民100人に1人を対象にしたアンケート、これの第1回目の調査結果によると、県民の方には、人と人との触れ合いを重視する、あるいは心身の健康や生きがいを持った生活を重視する、そういった傾向がうかがえるという結果が出ておるし、岩手県のよいところとして、8割の方が恵まれた自然を挙げる、それから、豊かな人情や文化、伝統を挙げる、そういった傾向が読み取れる結果となっておる。
 また、昨年10月には銀河系いわてモニターを対象としたアンケート、これはおよそ100名の方を対象にしたアンケートであるが、その中では、21世紀初頭の岩手県のイメージとして、自然や住みよい居住環境に恵まれた県を挙げる方が約半数近くに上っている、そういう状況がある。それから、本県の重要課題として、少子・高齢化の問題あるいは地域経済の振興、そういった問題を挙げる、そういった方が多いという結果になっておる。
 こうした結果から申し上げると、多くの県民の方が生活に身近な視点から岩手の将来を見詰めて、その中で心の豊かさあるいは触れ合いを求め、あるいは環境などの本県のすぐれた特性、そういったものを積極的に評価している、そういった傾向がうかがわれるところで、私ども行政としてもこのような内容については真摯に受けとめ、計画の策定に当たっては、審議会における審議あるいは全庁的な検討に際してこれを積極的に活用して、県民の夢や期待を新しい計画に反映させていきたいと思っておる。

〇久保市町村課長 まず、合併問題についてであるけれども、これまでも広域行政についてはるる述べられてきておって、分権時代に対応した行政体制の整備確立を図っていくということが時代の要請ということで、そのためにも広域行政の推進を図っていくことが大事だろうと思っておる。盛岡広域市町村圏においても、このような観点から広域行政を進めていく必要があるのではないかと考えておる。
 広域行政のあり方については、少子化、高齢化に対応した福祉サービスやインフラ整備、環境整備、ごみ処理など検討すべき問題も多々あって、このような問題について市町村が住民を交えていろいろ議論を深める中で望ましい方向を目指していくべきと考えておる。県としても、このような自主的な取り組みを行うに当たって、必要な情報提供なり助言などを支援していく考えである。
 それから、気仙広域連合についてであるけれども、気仙広域の4市町村においては、厳しさが予想される財政状況や、あるいは多様化する広域行政需要の増大などの諸情勢を踏まえて、これまでそれぞれの市町村間でいろいろ議論されてきていると伺っておる。その中で、広域行政体制としての広域連合の制度、それから必要性、そして、ふるさと市町村圏基金の積極的な活用について、連携して主体的に検討を進めてきたものと承知しておる。この検討の過程において、地元の4市町の要請を受けて、大船渡振興局が広域連合の制度の内容や必要性、またはそのあり方等について連携して協議を進めてきたものである。
 それから、金利の問題であるけれども、現在の金利情勢を踏まえると果実に多くを望めないというのは事実である。しかし、その基金の原資であるけれども、地域総合整備事業債を充てておるが、その借入利率も低いという状況で、基金造成のタイミングとしては望ましい時期ではないかと思っておる。また、その基金のおよそ2分の1が現行では国、県からの財政措置、これは地方交付税なり補助であるけれども、そういう財政措置によって地域振興事業を展開するための財政基盤が整うということも考えると、そのメリットは大きいものがあるのではないかと、そのように考えておる。

〇斉藤委員 少しかみ合っていないと思うけれども、例えば交付税措置があると言うけれども、私、岩手県の中長期の財政見通しを見てみたら、ここ数年間地方交付税はふえていない。優良起債をどんどん使ってきたけれども、地方交付税はふえていない。どういうことかというと、交付税措置されてきたけれども、自由に使える資金が足らなくなったということなのである。だから、優良起債、優良起債と言うけれども、結局借金体質をふやす以外の何物でもないということ。突然あなたはメリットが大きくなると言うけれども、私は全然根拠がないと思う。大体起債の利率は2・8%、基金の果実の利率は0・4%だから、本当にこれは大変なことである。これは指摘だけしておく。
 私は、今、企画調整課長に県民アンケートの特徴を答弁していただいた。特に私が注目したのは、21世紀の岩手県、子供たちにどういう岩手を残したいのかということで、第1位が、空気や水、豊かな自然環境が守られている岩手、第2位が、農業が盛んで働く場に恵まれている岩手県、第3位が、福祉、医療サービスが充実し、お年寄り、障害者が大切にされる岩手県と。私は、ここに本当に県民の要望が集約されているという感じがする。モニターアンケートでは、少子・高齢化の進行を一番心配している。私は、きのう公共投資のあり方の問題を聞いたけれども、やっぱり従来型ではなく、今、岩手県民が求めている環境、福祉、産業でいけば農業、ここの本格的振興というのが新しい岩手の像だと思うけれども、部長、一言だけでいいから、どうであろうか。

〇武居企画振興部長 御指摘のとおり、大変重要な分野ではないかと考えておるが、一言言わせていただくと、福祉という分野については、多分子供たちとか皆さん方は、家庭から見ている場合に、従来型の福祉というよりももう少し幅広いのではないかという感じ、少子・高齢化という話になるから。そうすると、単なる従来型の縦割りの福祉ではなくて、産業とのかかわりとか、ボランティアとかもいろいろあるけれども、あるいはもうちょっと広い環境との接点であるとか、いろいろ関係してくるのではないかと考えておる。そういったことで、今度の総合計画の小委員会を五つ設けたけれども、従来型の縦割りではなくて、個性とか連携とか交流とか、そういう横断的な形でやっておるので、そういった中で今のアンケートの内容についても十分に踏まえて検討してまいりたいと考えておる。

〇佐々木副委員長 ほかに質疑はないか。

〇瀬川委員 自治振興基金貸付事業費55億円のうち、全国高等学校総合体育大会施設整備費事業29億円についてお伺いする。3点お伺いする。
 一つは、平成10年度に予定されている施設はどのようなものかお伺いする。
 次に、平成10年度末の自治振興基金の見込み額が228億3、400万円になるようであるが、貸付事業に充当する予算はどのように決定されるのかお伺いする。
 それから、インターハイ施設整備関連予算が、平成11年がインターハイであるので、10年度で大概整備は終了するものと思われる。しかし、引き続き平成11年の6月ごろまでかかるというような施設があってこの貸付金が利用されるようなことがあるのか、その辺お伺いするし、また、29億円相当の貸付枠があるとすれば新しい対象の事業が期待されるものかどうか、3点お伺いする。

〇久保市町村課長 自治振興基金貸付事業のお尋ねであるけれども、まず、最初に10年度の貸付対象であるけれども、現在、市町村から要望があるものは、現時点で申し上げるが、盛岡市が屋内プール、サッカー場、テニス場、これが20億7、600万円余となっておる。水沢からは関連道の整備ということで1、400万円余、それから、一関市から体育館6億5、900万円余、岩手町から関連道の整備として3、900万円余、石鳥谷町から総合運動公園の整備ということで600万円余、計で28億4、100万円余となっておる。
 それから、二つ目の貸付事業に充当する予算はどのようにして決定されるかということであるけれども、この貸付枠については、市町村の要望額あるいは過去の貸付状況を勘案して設定しているもので、平成10年度55億円としておる。当該貸付金の財源としては、既往の貸付金に係る元利償還額、不足分については毎年度一般会計からの繰り出しということである。
 それから、11年については、インターハイ事業の最終年度として貸付事業を継続するということで、現時点では水沢市から約400万円の借り入れ希望ということで見込み額が出されておる。この事業は、インターハイ分についてはインターハイに係る施設整備を対象としたもので、平成11年度で貸し付けが完了する予定である。今後においては、この自治振興基金について、新しい対象事業については市町村の要望等を踏まえながらさらに検討していきたい、そのように考えておる。

〇瀬川委員 市町村の要望ということであるけれども、例えば広域行政推進事業分が今回は2億円という枠である。今後、合併推進とか、そういうものを進める上で、かなり議論も出てきているようである。そういうときに、やはり無利子というのは非常に魅力だと思う。また、補助よりもこういう貸し付けでもって事業の厳しさとか、そういうものも自治体が持つということが大事だと思うので、私は、貸付事業というものを枠を広げて充実させてほしいと思うわけである。市町村合併の観点から、この広域行政推進事業分、この枠をこれから広げていく考えがおありかどうか武居企画振興部長にお伺いする。

〇武居企画振興部長 自治振興基金については、委員御指摘のとおり、これからその役割は大きくなっていくと考えておる。先ほど御指摘あったように、ここ一、二年で貸付対象事業等の一段落なり、そういったものもあるので、でき得ればここ何年かの間に全体を一度見直してみたいと考えておる。そういった際には、当然のことながら、合併ということには限らないけれども、新しい広域的な行政課題に対応できるような資金の貸し付けというものをもう少し弾力的にできないのか、そういった点というのは大きな課題になろうと思っておる。委員御指摘のような点も踏まえて、今後、そういった検討を進める際には参考にさせていただきたいと思う。

〇佐々木副委員長 ほかに質疑はないか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇佐々木副委員長 質疑がないようなので、これで企画振興部関係の質疑を終わる。
 この際、世話人会の申し合わせにより、10分ほど休憩する。
   午後2時59分 休 憩
 
   午後3時19分 再 開

〇折居委員長 再開する。
 次に、出納局長から出納局関係の説明を求める。

〇高橋出納局長事務取扱 出納局関係の予算について御説明申し上げる。
 便宜、お手元に配布してある予算に関する説明書により御説明申し上げるので、説明書の90ページをお開き願いたいと存ずる。
 90ページ、第2款総務費第1項総務管理費第1目一般管理費のうち、出納局関係は、説明欄の中ほどにある13億9、126万円余である。これは、出納局職員164名の人件費など、管理運営に要する経費である。次に、92ページをお開き願う。第5目会計管理費であるが、予算額は6億3、053万円余である。これは、一時借入金の利息など、管理運営に要する経費4億3、791万円余を初め、収入証紙売りさばき手数料、給与計算等事務委託料などである。
 次に、ちょっと飛んで408ページをお開き願う。証紙収入整理特別会計であるが、予算額は歳入歳出ともに100億8、261万円余である。
 歳入の主なものは、次の409ページにあるように、県税に係る証紙収入が72億1、600万円余である。その内訳は、自動車税、自動車取得税、狩猟者登録税及び入猟税に係るものである。また、使用料及び手数料は28億6、661万円である。その主なものは、旅券発給及び運転免許に係るものである。
 次に、411ページをお開き願う。歳出であるが、これは、証紙により収入した県税、使用料及び手数料を一般会計のそれぞれの歳入科目に同額を繰り出すものである。
 以上で説明を終わる。よろしく御審議のほどお願い申し上げる。
 なお、このたびの食糧費執行状況調査の結果、不適正な支出が見られたことはまことに遺憾であり、支出審査を担当する私ども出納局としては、このような事態に至ったことを深く反省し、また厳粛に受けとめており、申しわけなく思っているところである。今後は、二度とこのようなことが起こらないように、審査機能の強化、また職員の意識改革など審査の改善を図りながら、厳正な執行に努めてまいる所存である。

〇折居委員長 ただいまの説明に対し、質疑ないか。

〇斉藤委員 1点のみ。今、出納長からも陳謝の弁があった。食糧費の不正支出について、私はその出納事務上の強化、問題点について伺いたいと思う。
 特に、東京事務所については、食事券、ビール券、懇談会の支出が半年後、1年後の5月に集中をしておる。これはほとんどである、一部ではなくて、ほとんど。例えば、食事券、ビール券の場合であると、まず90数%が5月に支出されると。懇談会の場合でも8割方が5月に支出される。私は、本当にきちっと出納の必要な事務をしていれば、こういうやり方が数年も続くということはなかったと思うけれども、その点いかがであろうか。

〇高橋出納局長事務取扱 東京事務所の出納員については、審査に権限を委任しているところであり、私どもはその出納員を指揮監督するという立場から、これまでも毎年会計実地検査等を通じて、適正な事務処理について指導をしてきたところである。特に、食糧費に関しては、平成7年度及び8年度に実施した実地検査において、懇談等の実施から相当期間を経過してから支払いしている事例が見受けられたところであり、そのことについては、支払い事務を早急に処理する必要がある旨を指摘して、事務処理の改善を求めてきたところである。その理由については、出納課長の方から答弁をさせるが、いずれ今後は東京事務所の実地検査に当たっては、もう既に平成8年度から回数もふやしておるし、検査の人員もふやしておる。また、これからは検査期間をさらにふやすなどして、今後、厳正、適切な会計事務の執行について指導してまいりたいと、そのように考えておる。

〇浅沼出納課長 支払いが大分おくれているというお話であるけれども、7年、8年まではそういうことがあったけれども、9年からはない。検査の結果、そうなっているが、会食あるいは懇談そのものが国の予算編成の最盛期ということで、年度末から年初めというところにいろいろなことが集中したことが一つあると思うし、また、利用した店からの支払い請求が長年の信頼関係ということもあり、年度末に集中する傾向が非常に多かったということがある。さらに、令達も若干おくれ気味であったこともあり、そういう結果が出たのであるけれども、ただ、その支払い遅延防止法の関係では、一応期限内に支払いが終わっているという状況である。

〇斉藤委員 これで終わるけれども、例えば食事券の支出は確認されたと、ずっと県は言っているけれども、この物品購入票、そして見積書、支出票、請求書を見ると、例えば請求書なんていうのは−−これは平成5年7月19日に購入したものである。その見積書は、平成5年7月6日でいいのである。請求書は平成6年5月16日−−この5月16日の請求書であるけれども、いつ買った食事券か日付がないのである。1年近くも経過しているのに、この請求書には日付がないのである、買った日付が。請求書の発行した日付だけで。こういうのは出納通るのか。(「信頼関係。」と呼ぶ者あり)信頼、そこだけ私は聞く。

〇浅沼出納課長 本庁においては、一応、法令あるいは予算の範囲内で支出負担行為が確認されているかということについて確認しているわけであるけれども、そういった適正なもの以外については、出納局で審査する場合は理由をつけて相手方に返付するという手続をとってやっておる。

〇折居委員長 ほかに質疑はないか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇折居委員長 質疑がないようなので、これで出納局関係の質疑を終わる。
 次に、人事委員会事務局長から人事委員会関係の説明を求める。

〇佐藤人事委員会事務局長 人事委員会関係の予算について御説明申し上げる。
 便宜、お手元の予算に関する説明書の110ページをお開き願う。
 第2款総務費第8項人事委員会費であるが、第1目の委員会費の804万円余は、委員3名分の報酬、その他委員会の運営に要する経費である。次に、第2目の事務局費の1億8、622万円余は、事務局職員18名分の人件費、事務費など、事務局の管理運営に要する経費である。
 簡単であるが、以上で説明を終わる。よろしく御審議を賜るよう、お願い申し上げる。

〇折居委員長 ただいまの説明に対し、質疑ないか。

〇吉田(洋)委員 質問もないようであるが、私から、この3月をもって勇退されると伺っておる佐藤事務局長に対し、この機会をお借りしてこれまでの御尽力に感謝し、一言御礼の言葉を申し上げる。
 佐藤事務局長には、昭和39年から9年間、東京都の職員として勤務された後、割愛により昭和48年から郷里である岩手県の職員として奉職されたと伺っておる。当時、我が国は、経済成長追求から社会福祉の充実、開発と自然との調和など、国民の意識も大きく変化し始めておった。我が県においても、こうした社会情勢に対処した新しい県勢発展計画を策定し、県民福祉の充実、生活環境の整備などを重点とした施策の推進に取り組み始めたときであり、まさに新しい岩手の建設に向かって大きく踏み出した時期に県行政に携わり、以来25年の長きにわたり、県政のさまざまなセクションにおいて、その幅広い見識と卓越した実行力をもってその発展に御尽力された。この間、昭和58年4月から3年間、県派遣助役として東和町に出向され、新たな時代に対応した同町の振興・発展に尽力し、大きな成果をおさめられた。昭和62年からは、冬季オリンピック招致促進室長、さらにはアルペンスキー世界選手権大会推進室長として、関係各国を東奔西走し、平成5年2月に開催されたアルペンスキー世界選手権盛岡・雫石大会の招致に結びつけた行政手腕は、高く評価されるところである。その後、宮古地方振興局長に就任され、平成4年7月に開催された三陸・海の博覧会に際しては、みずから先頭に立ち、管内住民の心を一つにして博覧会を成功に導くとともに、三陸沿岸を国内外に広くPRし、各般の施策の展開に尽力された。平成6年4月からは環境保健部次長として、自然保護や環境保全対策に取り組まれ、また保健所の新たな体系の構築、高齢化・環境変化に対応した施策を積極的に展開された。
 平成8年4月に人事委員会事務局長に就任されてからは、卓越した人格・識見、豊富な行政経験をもって事務局職員を適正に指導監督し、常に人事行政の公正な推進と能率的な事務処理に意を用いられた。ここに改めて佐藤事務局長の長年の御尽力に対し、ねぎらいを申し上げるとともに、心から感謝を申し上げる次第である。
 どうか御退任後も健康に十分御留意されて、なお一層の御発展と御健勝をお祈り申し上げ、お礼の言葉にかえさせていただく。
 この際、佐藤局長から退任されるに当たっての御所感をお聞かせ願えれば幸甚に存ずる。お願いする。

〇佐藤人事委員会事務局長 ただいまは身に余るお言葉を賜り、恐縮に存ずるとともに、県民への奉仕者として努力してきた立場からは、その任を辞するに当たって、このような場において温情に満ちた評価をいただいたことについては心から感謝するとともに、第二の人生への自信と勇気を与えていただいたと受けとめておる。まことにありがたかった。
 私は、東京都主税局を振り出しに、ふるさと岩手県に参っても、税、財政を長く担当するなどして国民、住民の税に対する意識、また期待については十分な理解と、また細心の配意を心がけてきたものの一人と自負しておるところであるけれども、最近における一連の公務員倫理を問われる問題の発生については、県職員募集あるいは任用する立場からもこれを深く憂い、また事態の早期解明、対処と信頼される行政への回復を強く願っているきょうこのごろである。
 若いころは畳の上では死ねないとまで罵倒されての徴税事務−−いわゆる税の徴収であるが−−そういった事務に悩んで、また転じて、財政部門での税の生きた使い方、これには喜々として徹夜で取り組んだ後、東和町の財政再建に赴いたころ、そのころが一番使命感に燃えた時期でもあったが、さらには燃え上がる県民運動の中での−−今、御紹介あった冬季オリンピック、そしてアルペン世界選手権の招致活動は−−私、ウインタースポーツには割と縁の薄かった方であったので、ましてや命がけの仕事と相なった。長野県にオリンピックに次いで負けた後、アルペンの開催地決定に向けて、国際スキー連盟の総会がイスタンブールであるということで、これに出発する際、中村知事から、佐藤君、辛いのは一緒であると。オリンピックで負けて、すぐまたアルペンの決闘というのはなかなか大変なものであったが、だめでも生きて帰ってこいと、決して飛びおりるなということで、飛びおりるときは一緒であると、こんなお言葉をいただいた。なるほどと、非常に責任ということの県民の期待に対する責任、またその重さ、責任のとり方、現地で死んではいけないと、負けても帰ってきて報告するという意味の責任のとり方というものを改めて知事から教わった気がした。あのときは県議会の先生方、また知事、それから軍師村里というのがおったが、あるいはハラキリで演説有名になった猪賀谷千春、そういったそれこそ各界各層の方々が組織的にだけではなくて、本当に一人一人が燃えて、一丸の意識になって取り組んでいただいたと思っておる。私も世界に公約した立場から、盛岡に決定後、引き続いて皆様の熱意でアルペン世界選手権大会が、天候不順はあったけれどもほぼ成功裏にアジアで初めて開催できたということについては、おくればせながらこの場をお借りして皆様に敬意と感謝を申し上げる次第である。
 振り返ると、環境庁の局長室の前に私は座り込んで、言語道断の岩手の自然保護課長ということで、非常にカンカンに怒られた野生生物課長がおったが、その課長を抑えながら、五葉山のニホンジカの大量駆除5、000頭もであるが、これを認めていただいた環境庁の山内局長さん−−今はもう亡くなられたが−−そういった方々など本当に多くの方々、またすばらしい先生方の出会いに恵まれて、これまた多大な御指導、御鞭撻をいただく中で、私は非常に非力であるが、県勢発展の一部に参画できたということを非常に誇りに思い、また感謝しているところである。
 私もるる申し上げたが、申すまでもなく県職員一人一人がこのようにそれぞれの持ち場において、県政の奉仕者として人生の歴史を刻みながら日夜努力しているわけなので、どうぞ委員の皆様におかれては、今後とも私ども県職員に対して理解ある叱咤激励を賜り、それが糧となって創意と工夫、あるいは勇気と行動、そして思いやりに満ちた県職員、これをはぐくむこととなるよう心からお願いするものである。
 最後に、委員皆様の一層の御活躍、そして御健勝を祈念申し上げて謝辞とする。本当にありがたかった。(拍手)

〇折居委員長 質疑がないようなので、これで人事委員会関係の質疑を終わる。
 次に、監査委員事務局長から監査委員関係の説明を求める。

〇飛澤監査委員事務局長 監査委員関係の予算について御説明申し上げる。
 便宜、お手元の予算に関する説明書により御説明するので、恐れ入るが112ページをお開き願う。
 第2款総務費のうち、第9項監査委員費第1目委員費の予算額は2、565万1、000円であるが、これは、監査委員4名の報酬、給与及び監査等に要する経費である。次に、第2目事務局費の予算額は2億2、241万7、000円であるが、これは、事務局職員19名の人件費等事務局の管理運営に要する経費である。
 以上で監査委員関係の説明を終わる。よろしく御審議のほどお願い申し上げる。

〇折居委員長 ただいまの説明に対し、質疑ないか。

〇斉藤委員 食糧費にかかわって幾つかお聞きしたいと思う。
 第1点は、1億5、000万円余の食糧費の不正支出が明らかになり、3億7、790万円余の不明が示された。これまでの監査のあり方が問われる問題であると思うけれども、どう問題を感じ、責任を感じておられるのか、第1点お聞きする。
 第2点は、これまで食糧費、旅費について重点監査による指摘事項を出していると思うけれども、その内容について明らかにしていただきたい。
 第3点は、食事券はすべて不正支出とされた。監査委員会は食事券にかかわる住民監査請求を棄却したけれども、この判断は現段階では問題ではなかったかと思うが、いかがであろうか。

〇飛澤監査委員事務局長 3点ほどお尋ねがあった。
 第1点であるが、このたびの全庁調査の結果、多額の不適正な支出が判明したことは、県民の信頼を損なうものでまことに残念であり、このような事態となったことを厳しく受けとめておる。食糧費については、平成6年度会計に係る監査から重点事項の一つとして監査して、留意改善事項については、その都度指摘したところであるが、何せ例年、監査対象が550機関、あるいは団体も含めると約600弱になるけれども非常に多くあり、いろんな時間的な制約等もあることから、一定金額以上のものを抽出して書類による調査によらざるを得ないというのが現実である。であるけれども、今後においては、このたびの全庁調査の結果を踏まえて、支出手続、内容等のチェックを徹底するとともに、外部確認による監査手法の導入、あるいは職員の資質の向上を図るための各種研修等の充実に努めて、監査機能の充実、強化に取り組んでまいりたいと考えておる。
 第2点の食糧費、旅費についての指摘事項についてであるが、まず食糧費から申し上げると、平成6年度会計においては食事券、ビール券の使用目的等が明確でないものなど9件である。それから平成7年度会計については、節区分になじまない、いわゆる食糧費に会場使用料を含めて支出したことによるものなどが1件あった。それから旅費についてであるが、平成6年度会計においては、路程キロ数の積算誤りによるものが1件、平成7年度会計においては、旅行命令の変更手続がとられていないことによるもの1件、あるいは支出科目を誤っていたものなどが21件、平成8年度会計であるが、支出科目を誤っていたものが14件ほどあった。
 それから、第3点の住民監査請求の件についてであるけれども、食事券の購入等の事実関係については、東京事務所における関係書類の調査あるいは事情聴取、食事券の購入先である飲食店に対する関係人調査によって、実際に購入されたものと判断したものである。

〇斉藤委員 この食糧費の不正については監査委員事務局も残念ながら1件、4万3、775円が内部懇談と出て、監査すべき監査委員事務局でもこういうのが出たというのは残念なことである。それで私は、食糧費、食事券の住民監査請求に対する監査結果について立ち入ってお聞きをしたいと思う。
 これは平成8年6月11日付で、岩手県報に掲載されている。そこではこうなっている。食事券の購入について、相手方の都合により懇談にかわるものとして食事券を購入し配布している。本件食事券については物品購入票のとおり購入したものと認められる。この根拠を一つは示していただきたい。
 次に、食事券の配付についてというのがある。本件食事券の配付先、各省庁等の課室等は述べ303カ所であり、1カ所1回当たりの平均配付額は3万9、381円となっている。また、1カ所1回当たりの配付額が10万円を超える配付先は5カ所であった。なお、食事券の写しについては、岩手県東京事務所に保管されていなかった。さらに、本件食事券の購入先の飲食店は、いわゆるスナックである。岩手県東京事務所が懇談会の二次会の会場として利用した店であるが、この店では得意先に対し食事券を発行することもあるとのことであった。食事券の配付先について、本件食事券は1カ所当たり5万円ずつ配付されている。これは、監査委員に対しては、東京事務所の職員は配付先をきちんと報告したということである。その配付金額も明らかである。私は、そういう点でこの監査の資料が今、監査委員事務局にあるかをお聞きしたい。そして、この食事券を発行したところがスナックであると、いわば料亭とか食堂ではないのである。私は、こういう点でも極めて疑義がある。スナックが発行する食事券とは何であろうか。私は、こういう点で食事券の写しもなかったと言っているわけであるから、食事券の存在を確認していないと思うけれども、この点をお聞きする。

〇飛澤監査委員事務局長 まず、質問にお答え申し上げる前に、ただいま斉藤委員からお話のあった事務局内の内部懇談についてであるが、今御指摘あったとおり、監査委員事務局において食糧費に関連して不適正な支出と判断されたものは1件あった。行財政の適正な執行を確保する立場にある監査委員事務局において、このような不適正な支出があったことはまことに申しわけなく存じており、県議会並びに県民の皆様に深くおわびを申し上げる。今後、再びこういうことが起こることのないように、現在の事務局の予算執行について、職員の意識改革あるいは綱紀の保持に努めて、適正な予算執行の確保に全力で取り組んでまいりたいと考えておる。
 質問3点ほどあったのでお答えを申し上げるけれども、まず第1点の物品購入票に関連するお尋ねであるが、食事券購入の事実関係の調査においては、特に債権者に対して、支払いの対象とされておる食事券が実際に発行されているかどうかなどについて関係人調査を実施したところであるが、該当する債権者すべてから、実際に発行し東京事務所に納入したとの回答があったことから、実際に購入されたものと判断したものである。
 それから、次の配付先についてであるが、食事券の配付先については、東京事務所における物品購入票等の関係書類の調査、あるいは関係職員からの事情聴取の結果に基づいて、監査結果に記述した内容を把握したものである。その当時の記録は残っているものと存じておる。
 それから、第3点のスナックに係る件であるが、スナックからの食事券の購入については、この店に対して事実確認調査を行ったところ、得意先に対しては食事券を発行することもあり、本件食事券については実際に発行しているとの回答があったので、そのように判断したところである。
 いずれにしても、今後、監査の執行に当たっては、冒頭で申し上げたけれども、監査の実施に当たって外部確認の導入等を図って、適正な財務会計事務のチェックに誠心誠意取り組んでまいりたいと考えておるので、どうぞ御理解をいただくようお願いする。

〇斉藤委員 それで重要な事実が明らかになった。いわば、配付先を監査結果では明らかにしている資料はあるということなのである。ところが食糧費調査委員会、行政管理委員会はそういう事実を聞こうとしたのか職員が言わなかったのか、私は、こんな調査は極めて不十分である。相手は監査委員であるから、私は、委員長にぜひ委員会として真相究明を求めたい。そういう取り計らいをしていただきたい。いわば配付先を明らかにしているし、監査委員事務局もその資料あるわけであるから。それがわからないということで全部不明にした、2億1、000万円。これは不正隠しというべきものである。
 そして第2点に、今、食事券の購入を債権者に確認したと。しかし、今まで1、800件の不正が明らかなように、不正の懇談会、いわば伺い書どおりにやられてなかった懇談会には全部請求書もついているのである。いわば業者と結託して、これは今まで仕組んできた。であるから、その業者に聞いても発行したという答えはかえってきても、私はそれだけでは傍証にならないと思う。そして実際に重要なことは、この食事券を監査委員は債権者から見てないであろう、スナックでも見てないであろう。東京事務所にも保管ないのである。どういう食事券を発行したか、債権者に確認したけれども出てないであろう。私は、もしあったらお答えしていただきたいけれども、債権者に確認して食事券を発行したと示しているのか、スナックでも示しているのか。スナックが発行する食事券というものは極めていかがなものかと思うけれども、そういう点で私は、やっぱり監査の方はまじめに終わったと評価する、これは。しかし、この程度の監査では本当に証明はされないし、それ以上に行政管理委員会、食糧費調査委員会の調査はずさんであったと思うが、食事券そのものについて確認しているかどうかを伺って、あとは委員長に今後の対応方お願いしたい。

〇飛澤監査委員事務局長 お尋ねのあった食事券の実際のものであるが、当時の記録等によると食事券がなかったということなので、現物は見ておらないということであると思う。

〇折居委員長 斉藤委員、ただいまのお話承っておく。(斉藤委員「はい。」と呼ぶ)
 ほかに質疑ないか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇折居委員長 質疑がないようなので、これで監査委員関係の質疑を終わる。
 以上で本日の日程は全部終了した。本日はこれをもって散会する。
   午後3時59分 散 会


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