平成10年2月定例会 第13回岩手県議会定例会会議録

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〇48番(佐藤啓二君) 私は、社会民主党を代表して、去る2月20日に行われた知事演述に対し質問いたします。
 相次ぐ金融破綻、大型倒産、失業、そして景気の停滞という我が国経済崩壊とも言うべき状況の中で私たちは1998年を迎えました。新年度は、知事、あなたにとっても、私たち議員にとっても任期最後の年度を迎えることになります。私は、あなたの演述を深い関心を持って聞きました。そして、これまでの3度のあなたの演述に目を通し、あなたの県政への取り組みの姿勢と、その実績について振り返りました。
 あなたは、知事に就任して初めての演述の中で、県政運営についての所信を次のように述べられました。すなわち、県民の皆様の御支援により県政を担当することになりましたが、今まさに21世紀に向けた県土づくりの重要な時期にあり、私に課せられた責任の重大さを痛感いたしますとともに、県民の皆様から寄せられている期待の大きさに身が引き締まる思いであります。今後は、皆様の負託にこたえ、ふるさと岩手の発展のために全力を尽くしてまいりたいと考えておりますと述べ、県政推進の基本姿勢として、第1に、清新で公正、県民にわかりやすい県政の実現、第2に、すべての県民の英知と創造力を結集した県政の推進、第3に、国、県、市町村の連携の強化の三つの柱を掲げ、21世紀の岩手の創造に向けて大胆に挑戦をし、柔軟な発想と情熱、信念を持ってあらゆる困難に立ち向かうと、その決意を述べられました。私は、あなたのこれまでの3年間を、知事就任時の初心、それは県内各地で県民との接触から得ることのできたものだと思いますが、その初心を大事にしながら、その後の激しい経済社会の変動に正対し、常に県民との対話を通しながら課題の解決に誠実に努力してこられたと率直に評価したところであります。
 ただ、極めて遺憾なことは、食糧費の執行をめぐって不適正な事務処理が行われていたことが明らかになり、あなたが県民の前に表明なさった清新と公正な県政に背くことになったことであります。この上は、今回の事態を招いた要因を明らかにし、そのための改善策を打ち立て、全職員の真摯な取り組みのもとに、一日も早く県政に対する信頼を取り戻すため、懸命の努力をされますよう強く要請しておきたいと存じます。
 さて、就任2年目の平成8年には、あなたは、人、物、情報等が地球規模で動く時代を迎え、経済活動の分野では、国境を越えた競争が激化し、そのことが産業の空洞化への懸念や雇用への不安が生じていること、そして、その反面で、環境や食糧問題等についても全地球的規模で対応すべき課題であるとの認識が広まっていること、また、少子・高齢化の進展に伴い、経済の活力の低下や福祉、医療など、国民負担の増大に対する不安が生じていることなどを明らかにした上で、施策推進の留意すべき視点として、次の7点、すなわち、第1は、地域の連携と交流、第2は、安全で安心感のある県民生活の確保、第3は、自然との共生、第4は、国際的視野に立った地域経済の構築、ここでは、特にウルグァイ・ラウンド合意のもとで、国内外の競争に打ち勝つ農林水産業の構築を目指すことを強調しております。第5に、福祉の充実、第6に、人づくり、第7に、男女共同参画社会の形成を挙げられました。そして、これらの七つの視点は、平成8年から始まる3県総後期実施計画に生かされました。
 そして3年目は、宮沢賢治生誕100年、石川啄木生誕110年という節目の年を経て、地方自治法施行50周年という意義深い年を迎える中で、あなたは、県政運営の基本方針と重点施策の中で分権型地域社会の創造を掲げ、八つの重点施策、すなわち、1、連携と交流の促進、2、高度情報化の推進、3、地域経済の活性化、4、自然との共生、5、文化新時代の創造、6、科学技術の振興、7、安心して暮らせる地域社会の実現、8、未来を切り拓く人材の育成を明らかにしました。そして、新しい総合計画の策定についても明確にしたところであります。あなたは、岩手のあるべき姿として、自然、歴史、文化などを生かした地域づくりが各地で繰り広げられる躍動感あふれ、心豊かな地域であるとし、それをドリームランド岩手と宣言されました。
 こうした3年間の経緯を踏まえての先日の演述だったと理解しました。そして、今後の県政の基本方針として打ち出した地域社会の展開ということは、現在におけるあなたの心境あるいは到達点あるいは哲学そのものなのでしょうが、私は、そこに重みと秋晴れに似た清浄さを感じました。すなわち、あなたはその中で、地方分権はそのこと自体が目的ではなく、地域や住民本位の立場をより明確にする地域主権社会を実現していくための道筋であり、地域に暮らす人々が責任を持って地域のあり方を的確に判断できる生活者主権の社会であると述べられました。私は、あなたが現場で県民との対話の中で得られた生活者主権、地域主権という価値観こそこれからの難局を乗り越える原動力になり得ると信じています。だからこそ、あなた自身もこうした地域間の連携・交流によって国全体を変革していくことができるという手ごたえを感じておられるのだと思います。
 知事におかれては、健康第一に心がけられ、清新で公正、県民にわかりやすい県政の実現、そして生活者主権、地域主権の県政実現のために一層の御精進を重ねてお願いをしながら、以下、質問に入ります。
 第1は、自治振興基金貸付事業についてであります。
 御承知のように、地方制度調査会が昨年末中間報告をまとめ、この春には答申をする考えのようであります。それによれば、都道府県の市町村合併の機運の盛り上げや、合併協議会を設置するための住民発議制度の改善等を求めています。私は、市町村合併を否定するものではありませんが、肝心なことは、自治能力を高めること、すなわち、生活者主権、地域主権の意識を高めることではないのかと思っています。合併によって財政規模を拡大し、そして公共事業をどんどん進めていくという時代は終わったのではないのかとの識者の指摘もございます。県は、自治振興基金貸付事業に新たに広域行政推進事業を創設するようでありますが、この事業を創設する趣旨は何でありましょうか。
 また、市町村合併と広域連合の場合に、貸し付けの条件に差を設けた理由は何でしょうか、明らかにしていただきたいと存じます。
 第2は、営林署の統廃合と森林管理についてであります。
 林政審議会が昨年末に林政の基本方向と国有林野事業の抜本的改革について最終答申を行い、これに伴い、関係法案の審議が今国会で行われることになっています。答申が森林の公益的機能を評価していることはどなたも異論のないところでありますが、国有林野事業の抜本的改革を図るということで、累積債務の処理に絡み、営林署・局の統廃合が進められようとしております。既に雫石営林署、川井営林署の廃止が決まりましたが、林業県岩手として、これ以上の営林署廃止は許してはならないと考えます。これに対するあなたのお考えと、あわせて、県内公有林、私有林の公益的機能が発揮できるよう、森林管理に果たす県や市町村の役割がますます大きくなるのではないかと思います。これに対するあなたの決意のほどをお聞かせ願いたいと存じます。
 第3に、新しい農業基本法についてお伺いいたします。
 食料・農業・農村基本問題調査会がこれまた昨年末に中間取りまとめを明らかにしました。調査会は、今後、広く国民の意見を聞くため、地方公聴会を開くなどして、この夏には最終答申を行う意向のようであります。私は、農林漁業者がそこに住んで仕事ができること、しかも希望と意欲を持って働けるということが地域の活性化につながると信じています。あなたは、国の最終答申に向けて何を発信していくお考えですか。また、これまでの取り組みについてもお知らせ願いたいと存じます。
 第4に、魅力ある商店街整備事業費補助についてお伺いいたします。
 この事業は、まことに時宜を得た措置であると思います。商店街の活性化を中心としたまちづくりは、まさに生活者主権の地域づくりそのものと思います。それだけに、この事業は各振興局を中心に展開されるべきものと考えますが、今後の取り組みについてお聞かせください。
 第5に、環境の保全についてであります。
 あなたは、来るべき21世紀は、人々の暮らしぶりから産業の仕組みまで、社会のあり方そのものが環境を価値観の中心に据え、大きく転換していくことが予想される、いわば環境の世紀だと言い切りました。そして、平成10年を環境創造元年と位置づけ、その制度化を積極的に進められることに賛意を表したいと存じます。そして、行政と事業者、県民とのしっかりとしたパートナーシップを築きながら施策の展開を図るとしておりますが、具体的にどう取り組むお考えなのかお聞かせください。
 私は、県職員の皆さんは、知識、技術ともすぐれた専門職員だと思います。どうぞあなたの考えを全庁的なものとされて県民に接していただくよう強く要望しておきたいと思います。
 最後に、人づくりについてお伺いいたします。
 知の大地に人が育つということで、県内外に呼びかけた県立大学が西澤潤一先生を学長に開学を迎えることは県民にとっても大きな喜びであり、長い間その準備に当たられた関係者の皆さんに心から感謝を申し上げます。そして、学生諸君が岩手の自然と歴史と文化という大地の中で研さんを積まれ、そこで得た知を力としてこれからの時代を切り開いていただくよう期待いたしたいと思います。
 一方、あなたも演述で触れられた子供たちの問題行動であります。あなたは、昨年、地方自治施行50周年を記念して行われたこども議会の中で、21世紀に向けて岩手の姿を描きながら子供たちにメッセージを送りました。いじめの問題についても触れられてお話をされました。私は、あなたの要を得た簡潔で新鮮なお話に、子供たちは深い感銘を受けたのではないかと思います。知事、あなたは、今の子供たちを取り巻く環境をどうとらえておられますか。そして、21世紀の岩手を担う子供たちの健全育成についてどのようにお考えなのかお聞かせください。
 以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事増田寛也君登壇〕
〇知事(増田寛也君) 佐藤啓二議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、自治振興基金貸付制度の広域行政推進事業についてでございますが、近年、市町村の区域を越えた広域的な行政需要がますます増大してきておりまして、行政サービスや地域整備の面で広域的な取り組みが必要となっておりますほか、多様化、高度化する住民ニーズに対応したより高度の行政サービスの提供が求められております。一方で、地方分権が実施段階を迎えております今日、市町村が分権による自己決定権と自己責任の拡大を自覚しつつ、今後とも増大するこうした行政需要に対応していくためには、みずからその行財政基盤を強化し、効率的な行政体制の整備、確立を図っていく必要がございまして、このための有効な方策として広域行政の推進が時代の要請になっていると、私はこのように考えております。
 このような観点から、広域行政推進の一形態としての合併や広域連合の有効性については市町村におきましても一般的には理解されつつあるものと認識しておりますけれども、実際にこれを推進する上では、それぞれの地域の実情もあって、さまざまな障害や、その推進に消極的となる要因があるものと思われまして、こうしたものに対してのきめ細かな対応が肝要であると考えております。特に、近年の地方を取り巻く厳しい財政環境の中で、本県市町村の財政基盤を考慮しますと、合併や広域連合設置後の行政サービスの提供に係る行財政運営についての少なからぬ懸念もあると思われますことから、市町村が自主的な検討を行うに当たって少しでもこのような懸念が解消されるように、県として可能な支援措置については積極的に対応していく必要があると、このように考えております。
 このため、この3月にも気仙地区において広域連合が設置される運びとなったことも踏まえまして、今般、自治振興基金貸付制度を改正いたしまして、広域連合や合併市町村が行う広域行政推進のための事業について新たに貸付対象としようとするものでございます。
 貸付条件につきましては、合併と、それから広域連合それぞれに関連する事業の事業期間や事業量などを勘案して設定するものでございますけれども、貸付利率につきましては、合併はその性格上、合併後も幅広い分野において長期にわたり多額の財政需要が生ずるものと、このように見込まれることから無利子としまして、一方で、広域連合は事務のうちの一部を広域的に処理するものと。したがって、これに関連する財政需要に限定されると、このように考えまして1・0%の利率と、このように設定したものでございます。また、貸付期間につきましては、関係市町村の将来にわたる財政運営を勘案いたしまして、いずれも通常の10年以内を15年以内とするものでございます。
 今後、県では、この制度の創設のほか、広域行政に関する本庁組織の充実を図りますとともに、各地方振興局に広域行政相談コーナーを設置するなど、市町村の自主的な広域行政の取り組みを積極的に支援していく考えでございます。
 次に、営林署の統廃合についてでございますが、国では、昭和53年度以降、数次にわたる国有林野事業の経営改善に取り組み、その一環として営林署の統合・改組が行われてきたところでございまして、本年度は全国で35署が予定され、そのうち、本県におきましては雫石営林署と川井営林署の2署が盛岡営林署と宮古営林署にそれぞれ統合されることとなったところでございます。さらに、平成9年12月の政府・与党による財政構造改革会議の決定、また、林政審議会の答申などに基づきまして、国有林野の管理経営を木材生産機能重視から公益的機能重視へ転換すること、組織の合理化等を図ること、独立採算性を前提とした企業特別会計制度を見直すこと、債務の一般会計承継等累積債務の本格的処理を行うこと、こうしたことを柱といたしました抜本的な改革を推進する旨が決定されまして、これにより、平成11年1月には229の営林署が98の流域単位の森林管理署に再編整備されることとされたところでございます。
 私は、この再編整備に当たっては、本県における国有林の重要性と、今後、民有林、国有林の連携を強化した林政の推進が重要な課題となっていると、このように考えまして、営林署の統廃合によって本県の森林・林業の振興、本県の林政政策の推進、また、県民生活への影響を及ぼすことのないように国に対して要請していく考えでございます。
 また、森林管理に果たす県や市町村の役割強化についてでございますが、森林の重要性については、平成4年6月のブラジルのリオデジャネイロにおける国連環境開発会議、いわゆる地球サミットにおきまして、森林の持続可能な経営や保全を推進するための行動計画アジェンダ21が採択されましたほか、昨年12月の地球温暖化防止京都会議で森林の機能が評価されるなど、世界的に認識されてきていると、このように思っております。
 本県では、これまで森林資源の維持、培養や森林の有する公益的機能の高度発揮を図るため、県有林の造成や県行造林事業を積極的に推進いたしまして、全国最大規模を誇る人工林の整備に努めてきたところでございます。また、市町村については、近年、国の森林・山村対策などを活用し、公益的機能の高い森林の取得に努めているところでもございます。
 今日、林業をめぐる情勢は、長期にわたる木材価格の低迷や労働資金など経営コストの上昇などから極めて厳しく、林業生産活動が停滞し、森林所有者個々の努力のみでは森林の適切な維持、管理は困難な状況にあるのは御案内のとおりでございます。
 したがいまして、県では、森林の有するこうした公益的機能を初め、多面的機能が高度に発揮されるよう、今後とも市町村とともに森林の整備、保全に積極的に取り組む考えでございます。
 次に、国の食料・農業・農村基本問題調査会におきましては、我が国における食料、農業、農村政策を考える上での基本的な視点や、当面する諸課題を踏まえた政策の方向について昨年12月に中間取りまとめを行い、公表したところでございます。今後、最終答申に向けて、国民各層から寄せられる意見も参考としながら、諸制度の抜本的な見直しを含む具体的な政策全般にわたる改革の方向について検討することとされてございます。
 県では、このような国の動向に対応していくために、岩手県農政審議会を初め、農業関係団体、消費者団体など各界各層の意見を伺いながら、農業者が将来展望を持って取り組める農業の実現を基本に、活力と魅力にあふれる農村社会を形成するとともに、我が国の総合食糧供給基地としての地位の向上を図る観点に立って、新たな基本法の制定に向けた本県の対応策について検討を現在まで重ねてきたところでございます。
 今回の国の調査会の中間取りまとめにおきましては、農業が有する公益的、多面的機能の重要性を評価するなど、本県の検討内容とおおむね共通するものとなっておりますが、本県農業の振興を図る上で極めて重要であります国内農業生産の位置づけや、政策目標としての食糧自給率の取り扱い、中山間地域などのいわゆる条件不利地域に対する直接所得補償措置の導入などについては意見が分かれておりまして、国の方では両論併記となっているところでございます。
 したがいまして、県では、中山間地域を多く抱えている農業主産県という本県の立場から、国内農業生産を基本とした食糧の安定供給の確保や、食糧生産、国土自然環境保全の面で重要な役割を果たしております、いわゆる条件の不利な中山間地域への直接所得補償措置の導入についての考え方を明確にしていただきますとともに、地域農業を担っていく農業経営体、いわゆる認定農業者や農業生産法人への支援の強化や環境保全型農業の推進などについて、国の調査会の最終答申に向け、強く要望していく考えでございます。
 次に、魅力ある商店街整備事業費補助についてでございますが、この事業は、消費者ニーズの多様化や郊外型大型店の増加などを背景に、いわゆる空き店舗の増加など厳しい状況に置かれております商店街の活性化を図るため、駐車場やコミュニティー施設、アーケードなどの商店街の基盤整備を支援する目的で、国庫補助事業と県単独事業として実施しているものでございます。平成10年度におきましては、和風建築で外観を統一した商店街づくりなど、商店街の統一コンセプトに基づく店舗の整備を新たに補助対象に加えることとしたところでございまして、この商店街の統一コンセプトづくりについては、郊外型の大型店などとは差別化された、歴史や文化など地域の特色を生かした個性豊かな商店街づくりを促進するため、本県からの提案により国庫補助事業として実現したものでございます。
 商店街整備事業の効果的な推進につきましては、地域住民の意向を踏まえた商業の振興を担う市町村を初め、商工団体や商店街団体、そして個々の商業者の意欲ある主体的な取り組みが極めて重要でございまして、また、県では、地域の方々との連携を深める中で、その意欲を引き出しながら、実情に即して迅速に支援を進めていく現場重視の姿勢が大切であると、このように考えております。したがいまして、この事業につきましては、平成10年度から各地方振興局がそれぞれ創意工夫し、事業実施に関する指導を十分に行えるようにその権限を地方振興局に委譲することとしておりまして、市町村や商店街団体などとの連携を強化し、より一層効果的な取り組みができるようになるものと考えているところでございます。
 次に、環境施策への具体的な取り組みについてでございますが、環境はすべての生命の母体であることを認識して、現在のさまざまな環境問題を踏まえ、県民、事業者、行政各主体がみずからの役割を自覚して環境の保全と創造を十分に意識した行動に主体的に取り組み、産業経済と環境とのバランスのとれた持続可能な地域社会を形成することが極めて重要であると私は考えております。そのため、環境の保全と創造に関する総合的かつ基本的な計画を策定することとしておりまして、この計画の中で、よりよい環境の水準を確保するために数値目標を設定するなど、具体的な環境施策を明らかにしていく考えでございます。
 また、公共はもとより、民間も含めた事業の実施に当たりまして、環境の保全について適正に配慮することを推進するために環境影響評価が重要でございまして、本県独自の制度としてこれを条例化していく考えでございます。
 私は、このような計画の策定や制度の創設、さらにはその運用においても県民の皆様の御意見を反映させるなど、適切な手続を踏み、理解と参画をいただくことが大切であると、このように認識しておりまして、県民参加をキーワードとして、この岩手の地に環境と共生する未来を描き、今後とも県民、事業者とのしっかりとしたパートナーシップを築きながら環境の時代を切り開いていく考えでございます。
 次に、子供たちを取り巻く環境と健全育成についてでございますが、本来、子供は、幼児期から思春期前期におきましては、自我意識が芽生え、育ち、家族や社会など他者との関係を体得していく大切な時期であると考えております。したがって、この間においてはいろいろな遊びや学びを通じ、うれしさ、痛み、恐れを知り、みずから考える力を培い、おのれを感じ他者を思いやる心などの社会性を身につけていくことが肝要であると思っております。また、思春期後期には、視野を広げ、知識の習得のみならず、個性や能力を存分に伸ばし、支え合う社会の一員として自覚し、自立心を高めていくべき時期であると考えております。しかしながら、経済社会情勢の急激な変化や核家族化の進行、コミュニティー機能の弱体化などによりまして家庭や地域の教育力の低下が指摘されているところでございまして、さらに、社会のモラルや規範意識の希薄化、そして有害情報のはんらんなど、必ずしも今は良好な環境にはないと、このように存じております。
 こうした状況にかんがみ、たくましい岩手っ子に育てるためには、子供の人格を尊重し、主体的に生きる力と社会に感謝する心を学校と家庭、地域、そして我々行政が一体となってはぐくむことが今まさに求められていると、このように考えております。これにこたえるためには、県民皆が、ひながふ化する場合のそっ啄同時の心を持って子供たちを育てていくという、こうした気風をたゆまず醸成していくことが何よりも大切であると、このように考えているところでございます。
   
〇副議長(吉田秀君) この際、暫時休憩いたします。
   午後3時5分 休 憩
   
出席議員(43名)
1番 斉  藤     信 君
2番 上  澤  義  主 君
3番 佐 々 木  一  榮 君
4番 黄 川 田     徹 君
5番 小 野 寺     好 君
6番 佐 々 木     博 君
7番 中 屋 敷     十 君
8番 大 久 保     豊 君
9番 佐 々 木  大  和 君
10番 浅  井  東 兵 衛 君
11番 千  葉     伝 君
12番 伊  沢  昌  弘 君
13番 須  藤  敏  昭 君
14番 藤  原  泰 次 郎 君
15番 田  村  正  彦 君
16番 伊  藤  勢  至 君
17番 高  橋  賢  輔 君
18番 瀬  川     滋 君
19番 渡  辺  幸  貫 君
20番 長 谷 川  忠  久 君
21番 谷  藤  裕  明 君
22番 水  上  信  宏 君
23番 船  越  賢 太 郎 君
24番 久 保 田  晴  弘 君
25番 千  葉     浩 君
26番 折  居  明  広 君
27番 三  河  喜 美 男 君
28番 村  上  恵  三 君
29番 村  田  柴  太 君
30番 藤  原  良  信 君
31番 吉  田  洋  治 君
33番 工  藤     篤 君
34番 菅  原  温  士 君
35番 菊  池     勲 君
36番 小  原  宣  良 君
37番 樋  下  正  光 君
39番 那 須 川  健  一 君
42番 山  内  隆  文 君
46番 山  崎  門 一 郎 君
48番 佐  藤  啓  二 君
49番 堀  口 治五右衛門 君
50番 吉  田     秀 君
51番 藤  原  哲  夫 君
欠席議員(4名)
38番 及  川  幸  郎 君
43番 佐  藤  正  春 君
45番 佐 々 木  俊  夫 君
47番 菊  池  雄  光 君
   
説明のため出席した者
休憩前に同じ
   
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
   
午後3時15分 再 開
〇副議長(吉田秀君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第1、一般質問を継続いたします。菊池勲君。
   〔35番菊池勲君登壇〕(拍手)

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