平成10年9月定例会 第15回岩手県議会定例会会議録

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〇5番(佐々木一榮君) 自由公明県民会議の佐々木一榮でございます。
 請願陳情、消費税を3%に戻し、食料品は非課税にすることについて賛成討論を申し上げます。
 御案内のとおり、政府は、今年度経済見通しの実質成長率を当初の1・9%からマイナス1・8%に下方修正し、前年度のマイナス0・7%をさらに下回ると発表いたしました。これは、戦後最低の成長率とともに、2年連続のマイナス成長も戦後初めてという深刻な状況を裏づけるものであります。日本経済は、戦後最悪の域を越えて、昭和恐慌にも匹敵するような状況に向かいつつあると言っても過言ではないと考えます。
 経済企画庁の発表したことし4月から6月期の実質GDPの伸び率は、前期比0・8%減、年率で3・3%減と、去年10月から12月期から3・四半期連続で減少しています。日本経済の活動が3・四半期連続で縮小するのは、石油危機時以後、プラザ合意後の円高不況時にもなく、GDP統計をとり始めての未曾有の異常事態に置かれています。
 企業の景況感は主要全業種でマイナス、完全失業者も戦後最悪の297万人、東京市場の平均株価も12年前の水準という状況であります。不振の原因は、内需の2本柱、すなわち個人消費と民間設備投資の落ち込みであります。雇用不安や所得減少傾向などを受けて、個人消費は前年度比0・9%減と2年連続の減少であり、これに対して、民間設備投資も、企業収益の悪化と既存設備の稼働率低下や貸し渋りで、当初の3・5%の予測から10・1%の減少と大幅な減少の見通しであります。
 県内においても同様であり、民間調査機関の発表によりますと、企業倒産が半期で昨年1年間72件に並ぶ高水準であり、有効求人倍率も13カ月連続の低下、個人消費や住宅建設の不振も続いており、生産活動も依然停滞いたしております。
 私は、昨年4月からの消費税率が3%から5%に引き上げられたことだけが、今日の不況の原因とは認識はしておりません。バブル経済崩壊後の不良債権処理のスピード、また、金融機関システムの再生プランのおくれも大きな要因であると考えます。
 消費税率を3%に戻すには、今まで申し上げてきた状況を考えるとき、必要不可欠なことだと認識をしております。
 また、政府には、抜本的な金融システム再生プランを決定し早期に発動できるように期待したいし、このままでは企業も家計も正常な営みはできないと考えます。
 1%分の地方財源の議論もなされるわけでありますが、今まで申し上げてきた状況下では、税収そのものの見込みも大きく減少を余儀なくされ、ますます大変な状況に地方財政も追い込まれることになると私は考えます。
 行政改革、規制緩和を初め法人税、所得税の減税も早期に実現させるべきと考えますが、消費税率を3%に戻すことも同時に検討すべきと思います。
 また、報道によりますと、日本世論調査会の9月26日、27日に行われた全国世論調査の結果においても、消費税率を3%に戻すべきとの意見が41%に達し、将来5%に戻すことを条件に引き下げるべきが12%と、あわせると引き下げ派が過半数を占めている状況であります。廃止すべきとの意見も入れると79%が、消費税下げ廃止派であります。いかに国民が現在の厳しい状況を訴えているかが明白であります。よって、消費税率3%に戻し、食料品は非課税にすることについて賛成であります。
 以上で、私の賛成討論を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〇議長(那須川健一君) 次に、佐々木博君。
   〔3番佐々木博君登壇〕(拍手)

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