平成10年12月定例会 決算特別委員会会議録

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平成10年12月決算特別委員会会議記録(第3号)
   平成10年12月2日(水)
   

1開会  午前10時3分

1出席委員  別紙出席簿のとおり

1事務局職員
事務局長 佐藤嘉成
議事課長 藤沢重一
議事課長補佐 駿河 勉
主任議事管理主査 千田正和
議事管理主査 南 敏幸
議事管理主査 筒井則裕
議事管理主査 森 達也
議事管理主査 熊谷正則

1説明員
生活環境部長 村上勝治
生活環境部次長 小笠原 佑 一
参事心得 清 水 眞一郎
総務生活課長 千田雅嗣
交通安全対対策監 坂林則夫
文化国際課長 三上佑子
青少年女性課長 川崎祐一
環境整備課長 中村一夫
環境保全課長 瀬脇 一
自然保護課長 山瀬宗光
 
保健福祉部長 関山昌人
保健福祉部次長 菅原哲夫
保健福祉課長 千葉清夫
地域福祉課長 舘 満弘
長寿社会課長 上野寛二
介護保険システム整備監 六本木 義 光
障害保健福祉課長 細田重憲
児童家庭課長 深田 聡
保健衛生課長 宇佐美 智
国保援護課長 西川 龍成
保険課長 吉永盛満
国民年金課長 男鹿敏昭
 
商工労働観光部長 小野寺   修
商工労働観光部次長 小野寺   彰
商政課長 菊池毅逸
岩手ブランド推進室長 佐々木 由 勝
経営金融課長 山火弘敬
工業振興課長 本田敏秋
企業立地推進監 熊谷順太
観光課長 山口和彦
労政能力開発課長 武田 弘
職業安定課長 野口茂喜
雇用保険課長 関澤 明
 
地方労働委員会事務局長 小森睦夫
総務課長 相馬直人
審査調整課長 米本清一
 
出納長 高橋洋介
副出納長兼出納局次長 石川 誠
 
監査委員 一戸克夫
監査委員 佐藤文子
監査委員事務局長 飛澤重嘉
総務課長 青木 拓
監査課長 小田中 善治郎
 
財政課長 千葉 弘
   
○高橋委員長 これより本日の会議を開く。
 これより議事に入る。
 認定第1号から認定第12号まで、決算12件を一括議題とする。
 本日は、生活環境部、保健福祉部、商工労働観光部及び地方労働委員会関係を終わるよう進行したいと思うので、御協力をお願いする。
 なお、世話人会の申し合わせにより、平成9年度決算の審査であるので当該年度に関する質疑とされたいこと、質疑項目が複数ある場合、関連する事項についてはできるだけまとめて質疑されたいこと、また、質疑及び答弁については簡潔明瞭に行い、午後5時を目途に審査が終了するよう、議事進行に御協力をお願いする。
 最初に、村上生活環境部長に生活環境部関係の説明を求める。

〇村上生活環境部長 平成9年度の生活環境部関係の決算について御説明申し上げる。
 平成9年度岩手県歳入歳出決算書の12ページをお開きいただきたいと思う。
 生活環境部関係は、3款民生費のうち2項生活文化費であり、予算現額は15億8、796万円、これに対する支出済額は15億8、262万3、000円余となっておる。
 次に、4款衛生費のうち2項環境衛生費の一部であり、平成8年度から平成9年度への繰越額1、842万9、000円を含めた予算現額は41億520万4、000円、これに対する支出済額は40億9、538万3、000円余となっておる。この結果、生活環境部関係の平成9年度予算現額及び支出済額の総額は予算現額で56億9、316万4、000円、支出済額で56億7、800万6、000円余となるものである。また、平成9年度から平成10年度への繰越額は4款衛生費2項環境衛生費で、1事業500万円となっておる。
 以下、個々の内容については、便宜、平成9年度歳入歳出決算事項別明細書により御説明を申し上げる。
 なお、事業ごとの金額の読み上げは省略させていただき、主な事業の内容を中心に御説明申し上げるので御了承願う。
 歳入歳出決算事項別明細書の144ページをお開きいただく。第3款民生費2項生活文化費1目県民生活総務費であるが、管理運営費は部内職員の人件費である。消費者行政推進費は、消費生活の安定と向上のために消費者保護対策を実施したものであり、物価安定対策事業費は、生活関連物資の価格動向調査等を行った経費である。文化行政推進費は、豊かで健康的なゆとりある県民生活を実現し、余暇活動の充実及び生活文化の向上を図るため、文化振興フォーラム等を開催したものであり、国際文化交流促進事業費負担金は、インドネシア共和国バリ州との友好交流と地域文化の振興のため、日本・インドネシア友好祭'97インいわてを開催し、バリ州舞踊団の公演及び絵画展を実施したものである。さらに、花いっぱい運動等県民に親しまれる運動を展開した愛ランドいわて県民運動協議会運営費補助などがその主なものである。2目交通安全対策費であるが、交通安全指導費は、マスメディアを活用して交通事故防止の呼びかけ等広報事業を実施したものであり、市町村が交通指導員を設置するために要した経費に対する補助や、高齢者を対象とした参加・実践型の交通安全教育を実施した交通安全教育推進事業費などがその主なものである。次に、146ページに参って、3目国際交流推進費であるが、国際交流推進費及び国際協力推進費は、語学指導等を行う外国青年の招致や海外移住者への援護、開発途上国からの技術研修員の受け入れなど、国際交流と国際協力及び国際親善を図った経費であり、岩手県国際交流協会への出捐に要した経費などがその主なものである。次に、4目青少年女性対策費であるが、青少年育成指導費は、市町村に青少年育成委員を設置した経費やポニースクール岩手における少年少女を対象としたポニーとの触れ合い事業及び乗馬普及事業を実施した経費である。国際青年の村'97開催費は、世界16カ国から集まった外国青年と本県の青年が一堂に会し、さまざまな活動を通じて交流促進を図ったものであり、青少年育成指導者海外派遣事業費及び女性海外派遣事業費は、国際的な視野を持った有為な青少年指導者及び女性リーダーを養成するため、海外研修に派遣した経費である。148ページをお開き願う。いわて青年海外セミナー事業費は、21世紀の岩手づくりに向けて大胆にチャレンジする青年の養成を図るため海外研修を実施したものであり、いわて女性洋上セミナー事業費及びいわて少年洋上セミナー事業費は、地域社会に貢献する女性リーダーの育成及び社会参加活動を行う少年リーダーを育成するために、洋上研修と寄港地研修を実施したものなどがその主なものである。
 次に、少し飛んで160ページをお開き願う。第4款衛生費2項環境衛生費1目環境衛生総務費であるが、管理運営費は、環境行政担当職員の人件費等である。環境保全対策費は、本県の環境保全を図るため、いわて環境フォーラム'97の開催及び各地方振興局における環境保全思想普及事業や環境アドバイザー派遣事業など、各種の環境保全に関する普及啓発を実施したものなどがその主なものである。次に、162ページに参って、3目環境衛生指導費である。営業施設経営指導費は、環境衛生関係営業の経営の健全化、衛生水準の維持向上等を図るため、環境衛生営業指導センターに対して補助したものなどであり、産業廃棄物処理モデル事業推進費は、産業廃棄物の適正処理を図るため、クリーンいわて事業団に運営資金の貸し付け等を行ったものである。広域的水道整備促進費補助及び簡易水道等施設整備費補助は、広域水道企業団を構成する市町村への補助及び市町村が行う簡易水道等施設の整備に対して補助を行ったものであり、合併処理浄化槽整備費補助は、57市町村、1、606基の合併処理浄化槽の設置に対して補助を行ったものであり、さらに、ごみ処理に伴うダイオキシン類の排出削減等を図るため、ごみ処理の広域化に向けた排出量や処理コストの予測などを行ったごみ減量化広域対策推進費などがその主なものである。それから、次の164ページにかけてであるが、4目の公害対策費である。公害対策費は、公害センターの分析機器の整備を行ったものであり、公害防止施設整備資金の貸付金及び利子補給補助は、中小事業者を対象として公害防止施設の整備に係る資金融資等を行ったものである。大気汚染防止対策費及び水質保全対策費は、県内の大気及び水質の保全を図るため、一般環境大気の測定、工場や事業場のばい煙等発生施設の調査、酸性雨の実態調査、公共用水域及び地下水の水質測定、ゴルフ場の排出に係る農薬の残留実態調査等を実施したものなどがその主なものである。5目自然保護費である。自然環境保全対策費は、自然保護指導員の設置に要した経費などであり、自然公園施設整備費は、公園計画に基づき自然公園等における歩道等施設整備を行ったもの及び折爪岳国民休養地の整備工事を実施したものである。ふれあい・やすらぎ温泉地整備事業費は、二戸市が行った金田一温泉ふれあい温泉センターの整備等に対して補助したものであり、陸中海岸及び十和田八幡平国立公園等において、自然歩道、野営場、登山コースなどを整備したシーサイドウォーキングロード整備事業費及びふれあいトレッキングロード整備事業費などがその主なものである。
 なお、翌年度繰越額500万円は、自然公園施設整備費の繰り越しであり、これは胆沢町が行う焼石岳登山道整備に対し補助しようとするものであり、早い時期の積雪により工事が施工できないため、平成10年度に繰り越したものである。6目鳥獣保護費であるが、鳥獣行政運営費は、鳥獣保護員の設置及びキジの放鳥等、鳥獣の保護と狩猟の適正化を図ったものであり、166ページに参って、シカ特別対策費は、五葉山地域に生息するホンシュウジカの保護管理対策を実施したものであり、野生生物保護対策事業費は、イヌワシ保護のための生息地調査等を実施したものなどがその主なものである。
 以上が、生活環境部所管に係る平成9年度決算の概要であるが、当部関係の主要な事業の成果については、主要施策の成果に関する説明書にそれぞれ記載してあるので、ごらんいただきたいと思う。
 以上で、生活環境部の説明を終わらせていただく。よろしく御審議のほどお願いする。

〇高橋委員長 ただいまの説明に対し、質疑はないか。

〇谷藤委員 まず、149ページであるけれども、いわて青年海外セミナー等の船を利用した事業、これについてお伺いをしたいと思っている。
 青少年の海外派遣研修ということで、さまざまな形態が考えられておられると思うけれども、聞くところではちょっとこの事業自体マンネリ化してきているのではないかという声も聞いたりしたけれども、非常に財政的にも厳しいであろうけれども、これまでそれなりに成果は上げてきていると思う。これまでの評価と今後の取り組みというのは、どういう形でこの事業を行っていこうとしているのかお聞かせいただきたい。

〇川崎青少年女性課長 青年のセミナーは、いわて青年の船という事業からスタートして、当時350人ほど乗られておった。その後、平成7年から見直しを行って、大体100人程度の規模で7年、8年、9年と、ことしの1月まで3年ほど実施してまいったところである。現在、参加された団員は5、316名を数えるに至り、それぞれの地域においてボランティア活動なり、あるいは市町村と一体となったさまざまな活動を展開しておると、このように把握しておる。実は、この青年のセミナーは現在70人で、大体1月16日から25日程度の10日間という形で、船で参って、その後、シンガポールあるいはマレーシア、タイのこの3カ国にそれぞれ飛行機で参る。地域でもって海外の青年との交流もする、あるいは現地でのホームステイなども行って、それぞれの交流活動も行うということであり、私どもはその都度、参加された団員からアンケートをとったり、あるいはその後団体等からも意見を聴取して、それぞれその成果について把握してまいったところであるが、現在、私どものアンケート等の結果では75%、4人のうち3人の青年が何らかの地域での活動を行っているということ、それからまた、今まで地域での活動を全然したことがないと、こういう青年のうちの40%ほどが参加していると、あるいはそういう地域活動に参加するきっかけとなったというお話も受けておるわけである。ただ、この期間が10日間ということもあり、私どもでお話を伺った範囲ではあるけれども、送り出した側の企業150社の中には非常に期間が長いのではないかということもあり、7日程度がおおむねよろしいのではないかというお話も伺っておるので、今後その辺も考慮しながら見直し、検討をしてみたいなと、このように考えておる。

〇谷藤委員 そういうことで以前と比べれば随分規模は縮小されてきていると思うけれども、いずれそれなりの成果は上げてきた事業であると思う。ただ、先ほどお話あったように、10日間と非常に長い。一般企業の方々に参加を求めると、セミナーから戻ってきたら自分のいる場所がなかったということでは大変なことになるわけであるけれども、参加しているメンバーは団体関係の方々とか、時間的に何とかやりくりできる方々にちょっと偏ってきている傾向が見られるのではないか。事業を達成していくために、そういうところからの動員というのでもないであろうけれども、そういう形に何か見受けられるところもちょっとあるのかなと思ったりして、本来もっと幅広く参加しやすいものにつくり上げていかないと、ちょっと参加される方々が偏ってきているように見受けられるのでその辺をいろいろ検討していただいて、多くの青年がいろんな海外に出て行って学ぶべきものは多いと思うけれども、それが実効あるものにつながっていくように方向を検討されたらいかがかなと思っておるところである。
 次に、産業廃棄物の処理の対策についてお伺いしたいのであるけれども、全国的にも大変大きな問題になっていると思う。特に、岩手の場合はすばらしい自然を有して広い県土であるから、そこをねらって他県から産業廃棄物を持ち込んでぶん投げに来られたのではこれはたまったものじゃないと。県境での水際作戦というか、そういうことも非常に大切であろうと思うけれども、本県へのそういう状況というのは今どのように把握されているのか。それからあわせて、民間の産業廃棄物の処理場の動向と、それからクリーンセンターの営業状況は今どうなっておられるのかお知らせいただきたい。

〇中村環境整備課長 まず最初に、県外からの産廃の入ってくる状況についてであるけれども、現在承知しておるのは、8年度県外から岩手県に搬入されているのは約20万トン、そして県外に搬出されているのが4万トンとなっておる。それで県外から搬入されているものについては、生活環境上、支障のないものということで、例えばセメントの原材料とか、そういう形のもので支障のないものを審査して受け入れている状況にある。
 また、2番目に、いわてクリーンセンターの状況であるが、平成7年途中からクリーンセンターが稼働を開始して、当初は稼働率は低迷しておったが、平成10年9月末現在では89%という形で着実に伸びておる。今後とも企業訪問等で産業廃棄物等の受け入れについて努力して、経営の安定化に努めてまいりたいと考えておる。

〇村上生活環境部長 県外からの産業廃棄物の搬入状況については、ただいま課長の方から申し上げたとおりであるけれども、基本的には私の方で要項を制定して、搬入する際には事前協議をしていただくということで、本県にとって、例えば再生利用できるようなものとか、それから物によって金をとれるとか、そういうのがあるわけなので、そのような有価物をとれるようなものについては事前協議の際に了解すると。そういうものでなければ、それは協議はしないでお断りするという形で指導しておる。この基本線は、今後とも通してまいりたいと考えておる。

〇谷藤委員 そういうことで、再利用できるもの等処理できる部分はいいであろうけれども、不法投棄というのかお持ち帰りいただくということでも、すんなり持って帰っていくというものでもない。ついでにどこか県内に置いていかれたのでは、これは大変なことなのであるけれども、そういう不法投棄的なものの実態というのは何か把握しているか。

〇中村環境整備課長 不法投棄については、保健所等で管内を監視指導しておる。9年度では監視指導で、不適正処理ということで大体50件程度となっておる。
 それと、先ほどの件について補足して追加説明させていただくけれど、産業廃棄物の県内の処理体制の状況についてであるが、平成7年度産業廃棄物の排出量は355万トン、これの処理の状況についてであるが、中間処理施設、例えば焼却等の中間処理施設であるが、これが42カ所あり、この施設で適正に処理しておるし、また焼却した後の最終処分場については安定型が42カ所、管理型が5カ所ということで、いずれも適正に処理していると考えておる。

〇谷藤委員 いずれ不法投棄で50件ぐらいということであるけれども、それは表に見える部分かもしれないし、いろんな形でまだまだこれからどこかで処理しなければならないわけである。そういうことで岩手県は非常にねらわれているのかもしれないので、そういうことでは監視体制も含めて強化していただきたいと思っておる。
 これともいろんな形で関係するかもしれないが、化学物質の環境汚染であるダイオキシン等いろいろ化学汚染物質というのか、これらの環境汚染、そしてまた人体への悪影響というものが今大きく取り上げられておるけれども、マスコミでもいろいろ書かれているけれども、本県のその実態というものをダイオキシンにとどまらず、これらの化学物質の影響というものをどう把握されているのか。

〇瀬脇環境保全課長 化学物質の汚染状況についてのお尋ねであるが、まずダイオキシン類については、昨年度2、4、5-T系の関係の調査もあったが、それ以外に大気中のダイオキシン類の測定をことしの2月に行っておるところである。2カ所測定しておるが、その結果、環境庁の方で示されておる指針値よりも、5分の1以下あるいは10分の1以下のレベルということで、総じて非常に汚染度合いは少ないものと考えておる。
 それから、それ以外のいわゆる環境ホルモンの問題であるとか、さまざまな化学物質についてであるけれども、それについてはまだ、現在県内の汚染状況を十分把握していないところで、今年度より本格的な調査を行っておるところであり、また明らかになるものと考えておるところである。

〇谷藤委員 いろいろ測定等はしているようであるけれども、なかなか全体に把握はまだできていない。把握していくということは、検査とか測定をしていくための体制整備というのをしていかなければならないであろうと思うのである。それに向けての、例えば環境保健センターとか、これらの整備というのを急いでいかなければならないのではないかと思うけれども、その辺の考え方をお知らせいただきたい。

〇村上生活環境部長 私たちの方としても今年度からというか、新たに生じた化学物質問題については極めて重要な問題と受けとめており、いろんな情報収集に努めておるけれども、まず基本は県内の実態をつかむということが大事ではないかということで、先般も9月県議会において1、420万円ほどの措置をさせていただいて、本格的な化学物質のいわゆる環境ホルモンの調査を実施しているところである。その他、昨年度からのダイオキシンの調査等があるわけであるが、それらを踏まえて今後対応を考えていかなければならないわけであるけれども、その全体把握のための体制として、平成13年度開設を目指しておる環境保健センターにおいて、従前の検査をさらに研究にまで広げてまいりたいということで考えておる。したがって、その際にはちょっと補足すると、例えば自然環境の分野についても機能を付加して、幅広く環境問題を考えてまいりたいと考えておる。

〇久保田委員 谷藤委員の質問に関連することになるが、次の二つのことでお伺いをする。
 今も答弁があったが、産業廃棄物の処理におけるダイオキシン対策についてのお話をいただいた。実は、一般廃棄物は市町村が指導監督、管理するわけであるが、産業廃棄物は県が責任を持って当たるということになっているわけである。ところで、産業廃棄物は一般廃棄物の7倍の排出量があると一般的に言われているわけであるが、そういう立場からダイオキシン対策は、一般廃棄物の場合の焼却施設については一定の指導が既になされているが、産廃の施設におけるダイオキシン防止対策については、大変おくれているのではないかという認識を持つわけである。これの実際の効果のある防止対策について、県はどのような業界指導をなさっておるであろうか。指導しておること、監督、監視をしている状況についてお知らせをいただきたいわけである。そして、特にも業者、業界のダイオキシン対策に対する反応がどういう指定になっておるか、まずそのことについてお伺いをしたいと思う。
 あわせてであるが、いわてクリーンセンターの稼働状況について報告をいただいた。前から言われているお話であるが、料金の問題について一定の改善策はとられておるが、今、業者、業界の方から料金などについてかくあるべきという要望などがあると思うが、そういう内容について業界筋の要望事項などがあれば、この際お聞かせをいただきたいと思う。

〇村上生活環境部長 ただいまの御質問であるが、私の方からはいわてクリーンセンター稼働状況についてお話申し上げて、それから産業廃棄物のダイオキシン発生防止対策については、中村課長の方から答弁させたいと思うのでよろしくお願いする。
 まず、いわてクリーンセンターの稼働状況についてであるが、クリーンセンターの利用実績としては、平成7年9月から稼働開始したわけであるけれども、年度途中ということもあり、目標に対して当初の実績は12・6%ということで極めて低迷した状態であった。それの利用促進を図るということで営業活動を行って、平成8年度には受け入れ量が計画量の47・6%、それから9年度は70・4%、それから平成10年度は9月末現在であるけれども、89%ということで着実に伸びておる。
 この背景としては、廃棄物処理法による規制が厳しくなったこと等が考えられるし、また県民の環境問題に対する関心の高まりというものも背景にあるのではないかと考えておる。いろいろ業界の方からは料金が高いという話とか、それから受け入れの廃棄物がちょっと種類が少ないということも聞いておることは事実である。ただ、なかなか相当な経費をかけて設置したものなので、御要望に簡単に応じられないところがある。今まで実施しておるのは、例えば遠距離割引を実施するとか、それから大口割引の導入とか、それから料金を細分化して利用しやすいような料金体系にしたとか、また廃液などについても、今後受け入れするということで現在準備を進めておる。いずれにしても、まだ営業開始4年目ということで経営的に厳しい状況であるが、今後とも積極的な企業訪問等によりセンターのPRに努め、また業者等のいろんな相談、個別相談にも応じながら、廃棄物の受け入れについて努力してまいりたいと考えておる。

〇中村環境整備課長 産業廃棄物処理施設におけるダイオキシンの発生防止対策と業界の対応についてであるけれども、産業廃棄物処理施設の焼却施設等を設置している設置者に対しては、昨年12月に文書で廃棄物処理法の維持管理基準の強化・内容等について通知するとともに、その後、地区別に説明会を開催して周知徹底を図っておる。また、今月12月からダイオキシンの規制がかかるが、その前に焼却施設の設置者を指導する行政資料を得るために、事業者の協力を得て産業廃棄物処理施設40施設を抽出して、排出濃度を測定した。この結果、12月から今回適用される暫定基準80ナノグラムを満足できない施設が2施設あった。なお、この2施設の設置者は、直ちに自主的に焼却を中止して施設の改善を行っておる。また、これらを踏まえ、県内全施設について個別の立入検査を行い、施設の改善や燃焼管理の指導等を行っているところであり、業界の対応としては施設の設置者も自主的に測定を行いながら、逐次施設の改善を進めておる。今後とも、12月1日からの暫定基準80ナノグラムを重視していただくことはもとより、平成14年度の厳しい恒久基準も早期に達成するように事業者へ指導を行ってまいりたいと考えておる。

〇久保田委員 一定の指導をなさって、業界の対応もそれなりに前進しているように受けとめたが、今もお話があるように、暫定基準に関しては二つの施設がクリアしていない話がある。いわゆる恒久基準を適用するとなると、かなりの施設が問題になるのではないのかと考えられるのであるが、その辺の判断はどのようにとらまえておるであろうか。自主的に測定をしておる業者、業界の自主性については評価したいと思うのであるが、いずれにしても市町村自体がこの問題で、焼却施設の改善に関して広域的に処理するなどのお話があるが、産業廃棄物処理業者に対する広域的な処理というものについての一定の考え方を示した上で、今検討なさっておるであろうか。将来のあり方、議論はどういう状況になっているか。

〇中村整備環境課長 厳しい恒久対策基準に対応する産業廃棄物処理施設を持っている業界に対しての指導のことであるが、これについては保健所を通じて技術的指導はもちろん継続して行うけれども、さらに支援としては、公害防止資金等の融資制度の活用等、できる限り事業者に対して支援してまいりたいと考えておる。
 また、産業廃棄物処理に係る広域処理ということについてであるけれども、産業廃棄物についてはごみ処理と違って、本来、広域、そもそも市場原理で動いており、県内に限らず県外からの業者も参ってきておる状態であり、特に産業廃棄物について広域化ということで、県がそれを強力に進めるということにかかわらず動いておるので、御了解いただきたいと思う。

〇久保田委員 個別に業者が施設を持っていること自体は、それなりの経過があって理解もできるのであるが、先ほどいわてクリーンセンターの稼働状況についてもお話をいただいたが、できる限り、このいわてクリーンセンターを利用してもらうような方法が一番いいと私は思うわけである。今、お話があるように、業界がこの問題について、いわてクリーンセンターの利用をどう図っていくかということについての議論がどの程度進んでいるのか知りたいわけである。実は、本来であれば、いわてクリーンセンターは24時間稼働ができるような廃棄物の搬入があれば一番好ましいと思うわけである。そういう状況が業界全体の中で意識されないと、いわてクリーンセンターの有効な活用というものが十分でないのではないかと思うわけである。このクリーンセンターの設置の基本的な考え方からすれば、業界が積極的にこれを活用する、利用するということが前提であったように考えるわけである。そういう意味で、広域的な収集によってダイオキシンなどの発生が極力抑えられることになると思うのであるが、県の指導はいかがなものであろうか、所見を伺う。

〇村上生活環境部長 クリーンセンターの活用ということであるが、確かに法律の規制等も、先ほど申し上げたけれども厳しくなっているということで、業界の方としてもやはりクリーンセンターの方に処理してもらった方が、いろんな問題が少なくて済むということでふえている部分もあると考えておる。クリーンセンター側としても、一応受け入れについては努力してまいるわけであるが、県内の産業廃棄物業者もおる。かつ、クリーンセンターそのものの現在のシェアを見ると、1%ちょっとという状況なので、能力的にも恐らく100%は難しい部分がある。そういういろんなことがあるので、現状をもう少し正確に把握しながら、今後の産業廃棄物の計画策定の際に、広域的な観点も含めて考えてまいりたいと思っておる。

〇吉田(洋)委員 今、谷藤、久保田両委員からお話が出たことに関連をして一つと、もう一点、国際研修センターの点について質問をする。
 今の両委員からも出されたけれども、廃棄物の処分問題で、非常にさまざまな問題点が浮き彫りにされてきていると思うわけである。厚生省が、一般廃棄物の最終処分場について全国調査をしたというデータが出ているのであるが、その中で全国で538カ所が不適切であったということで、東北6県でも68カ所に問題があり、欠陥率が29%にも達している。特に、その中でも岩手県内は43%と、半数近い処分場が欠陥施設であったと、こういう記事が報道をされておった。ただいまも御答弁があったように、一般廃棄物の最終処分については、市町村の行政の最重要課題と位置づけておるわけであるが、行政組合は盛岡市の地区環境施設組合を初め、県内で8カ所ある。これらへの県の指導というものがどのように行われておるのか、これが一つと。
 もう一つは、背景としてふえ続ける家庭のごみ、これが大きな問題であって、住民も役所ばかり責めていられないと、やはり住民、家庭それぞれのごみに対する意識転換と、こういうものも非常に重要になってきているのではないかと、こう思うのである。そういう意味での県民に対する広報活動、あるいは町内会等に対する行政指導、こういうものがこれから強化されるべきではないかと、市町村でも改善に全力を注ぐような指導体制を強化すべきでないかと、こう思うのであるが、そのことについて関連してお伺いをしたいと思う。
 それから、国際研修センターの誘致について質問をさせていただくが、歳入歳出の決算書にもあるけれども、2項生活文化費3目の国際交流推進にかかわってお尋ねをしたいわけである。
 今の本県においては、いわて21国際化推進計画、これに基づいて、国際交流や国際協力などの地域の国際化に対応する環境整備をさまざま行ってきており、9年度においても決算状況を見ると、各種の推進事業が積極的に展開されていると、このように評価をしておる。本県においても、開発途上国を中心とした研修員や留学生の受け入れを初めとして、国際協力事業団の事業に積極的に対応してきているわけであるが、その中で国際協力事業団の国際研修センターの誘致を目的とした委員会を設置して、それぞれの誘致を目的とした組織及び検討を続けてきたと承知をしておる。
 先般、札幌でちょっと私も拝見してきたが、北海道の札幌あるいは帯広、そして広島県と最近では設置をされておるわけであるが、東北地方にはまだこの種、国際研修センターが設置されてないという状況である。したがって、これの誘致について本県でも積極的に取り組んでいくべきではないかと、東北地方の中でも先駆けて本県が名乗りを上げて誘致活動を展開していいのではないか、このように思うのであるが、当局の考えをお伺いする。

〇村上生活環境部長 ただいま関連質問と国際研修センターの2点あった。本来、関連質問を先に答弁すべきものかとも思うけれども、研修センターの方を先に答弁させていただく。
 国際協力事業団においては、毎年7、000人に上る開発途上国からの研修員を受け入れており、御案内のとおり、国際研修センターというのはその研修の拠点になるものである。現在、全国14カ所に設置されておる。ただ、東北には未設置であり、そこで本県は国際協力を推進するその拠点となる施設を設置したいということで、これまでも国際協力事業団あるいは外務省、関係省庁に働きかけてきているところである。今年度はさらに、受け入れ機関が期待される大学あるいは試験研究機関の方々を中心とした岩手県国際協力拠点構想委員会というものを設置して、本県における国際協力の方向性などについて検討しているところである。国の方では現在、御承知のとおり、財政事情が非常に厳しいということで、ODA予算も抑制を迫られているということで長期的な取り組みにならざるを得ないような状況がある。したがって、本県においては、受け入れ条件を整備するという目的で、現在この委員会でいろんな意見をいただいておるが、それらの条件整備を整えつつ、引き続き本県誘致に向けて前向きに取り組んでまいりたいと考えておる。

〇中村環境整備課長 初めに、関連質問の方の、市町村におけるごみ処理の最終処分場の組合での関係であるが、委員のおっしゃるとおり8組合あり、その中でうちの方としては、その処分場が生活環境に支障のないものを埋めるものがよろしいということで、支障のあるものは処分場を使わないようにということで、その8組合について適正な処分場の維持管理に努めるよう指導しておるところである。
 もう1点の県民に対してのごみ減量化再生利用の推進ということについては、県でごみ減量化を進めておるところであるが、これについては、例えば県で実施しておる買い物袋持参運動とか、そういうものを市町村が主体的にやるように進めておるし、そのほか容器包装リサイクル法が12年度から施行になるが、それに合わせた形の対応ということでモデル事業等を行うなど、県民に啓発を進めるという方向で進めておる。
 なお、実際のごみの処理量が平成8年度は42万9、000トン、その中で資源化されているのが7・8%ということで、年々向上している状況にある。

〇吉田(洋)委員 関連についてはぜひ積極的にそうした対応をしてもらいたいし、国際研修センターの誘致について、今、部長の方から積極的な対応についての御答弁があり、拠点構想委員会の中でもさらに積極的な活動を要請したいと思う。本県でも議会の中にも国際交流議員連盟もあり、積極的にさまざまな研修も行ってきておるし、岩手県の国際交流協会においても非常に多様な事業を展開してきている。その中でも、ただいまお話があったような国際協力事業団の事業等についても、国際交流協会の中でいろんな意味での対応をしてきたという実績もあるわけであるから、そうした各種団体の連携を密にしていただいて、誘致についての盛り上げを図っていくべきである。今、全国で14カ所あるわけであるが、15カ所目はぜひこの岩手にと、こういうことで、でき得るならば東北各県にあれば一番いいのであろうけれども、やはり他県との協力要請ということも非常に重要になってきていると思う。例えば宮城県なんかの国際交流協会、国際研修センターというのは立派なものが既にでき上がっていて、本県のように小さい仮宿ではないのである。全部そうした施設ができており、改めて国際研修センターを、例えば宮城県あたりで誘致をしようという動きはまずないわけである、現実に。であるから、やはり岩手県としては、さらにそうした誘致の盛り上げを図っていく必要があると。この拠点構想委員会でちょこちょことやったり陳情したりするのもいいのであるけれども、もっとダイナミックにやった方がいいと思うので、そうしたことについて部長の御答弁をもう一度お願いする。

〇村上生活環境部長 連携というか、県内の各種国際交流団体との連携を図って盛り上げたらというお話があった。そういう趣旨を含めて、私は、ちょっと日時はまだ十分承知していないけれども、今年度中にJICAとか国際交流協会、それから青年海外協力隊のグループとか、従前であればそれぞれ年度の大会とかやっておったのであるけれども、このような方々を一堂に会した形で盛り上げたい。それを今回、今年度中に1回やってみたいということを考えておる。
 それから、他県との連携の問題であるけれども、現在のところは、東北では県としては岩手県だけ手を挙げているような状況であるが、なお、何か最近の状況で含みを持ち始めているところもあるので、もう少し私の方としては県内の基礎がためをした上でということを考えておる。

〇菊池(雄)委員 今の吉田委員の焼却炉の問題に関連して質問したいと思うのであるが、ここ数年、ダイオキシンの問題が随分議会の中でも議論されてきているわけであるが、最近になったら、今度は環境ホルモンという有害な化学物質の問題が出てまいった。その前に重金属の問題があって、これをどう処理、処分するかという問題もいろいろ議論された経過がある。それで今、産業廃棄物にしろ一般廃棄物にしろ、特に一般廃棄物の場合は収集をすると、できるだけごみの減量化をするということはやるけれども、しかし、もちろんゼロにはならない。それを分別してリサイクルすると、分別してリサイクルしてもゼロにはならないと思うのである。やっぱり、残ったものは焼却をすると。問題は焼却をして、ダイオキシンとか重金属という有害な化学物質が消滅するということになればいいのであるけれども、それが残存するということになると問題であると。そういうことで、一番わかりやすく手っ取り早い話は高熱で処理すると、こういうことであると思う。ダイオキシンの場合は850度以上の熱量で焼却しろと、こういう指導のようであるけれども、ただ、いろんな溶融炉のタイプがあり、我々も関西の方に行って現物を見てきたけれども、岩手県にもあるが、これは1300度以上の熱あるいは1500度とかの熱で焼却するから、重金属とかダイオキシンといったようなものはなくなると、こういうことは間違いない。私は、最初これは少し金がかかると、金がかかるから余り普及をしなかったのではと思うのであるけれども、しかし最近のいろんなこういう有害な化学物質なんかの排除というものを考えるならば、多少金がかかってもそういう有害な化学物質を除去するということの方法をとるべきではないのかと。つまり、そういうタイプの処理場をつくらせると、焼却炉をつくらせるといったような指導をした方がいいのではないかと、こう私は思うのであるがいかがであろうか。

〇中村環境整備課長 廃棄物の処理、特にごみ処理対策としてダイオキシンとか重金属の対策として溶融炉等がよろしいのではないかということの御意見であるけれども、これについて委員のおっしゃるとおり溶融炉、それはダイオキシンを高温で分解してしまうということで好ましい施設とは考えておる。ただ、この溶融炉ということ、今現在いろいろ技術開発が進められており、溶融炉の中でもいろいろな種類があると聞いておる。そういうことで、私どもの方としてはダイオキシン、重金属、それらを分解する--ダイオキシンを分解するあるいは封じ込めると、そういうよりよい方法を--ごみ処理は市町村の事務であるので、そういう技術情報等も含めて情報を提供し、市町村がダイオキシン等について安全に除去し、県民に対して不安感を抱かせないということ、そういう情報の提供に努めてまいりたいと考えておる。

〇菊池(雄)委員 焼却炉の問題は、かつて各地方自治体でいろんな、これ残念ながら汚職問題なんかがあって、炉のタイプを、型式をどうするかというようなことをめぐって贈収賄なんかが出て、したがって、これはタブーみたいになってきておるけれども、私はどこのメーカーの何を使えとかそんなことを言うつもりもないし、ただ私、今実際問題としてだれでもわかる問題は、高熱で処理すればとにかくダイオキシンにしろ重金属にしろ消滅するということだけは間違いない。であるから、そういう間違いのない方法でやらないと、従来型の850度以上の熱はあるといっても必ずしも850度にならないと、通常ならないと。そのためにダイオキシンが出ると、こういったようなものが実際は多い、見ると。我が国でもそうであるし岩手県でも多い。そうじゃなくて、間違いなく850度、1、000度以上の熱で処理する焼却炉の方がいいんだと、そういう概念で市町村も指導をして、型式とか何とかというのはそれぞれの市町村で決めることであるけれども、そういう化学的な根拠に基づいた指導をやって、そしてダイオキシンとか有害な化学物質をなくするということを考えるべきだと、こう思うので、これはこれからの課題としてぜひ検討していただきたいと思う。

〇小野寺委員 ダイオキシン類を溶融炉で処理するのが非常に好ましいのではないかと思うが、この関係で説明書165ページに、除草剤埋設地周辺調査費77万円と、こうあったが、埋設していた除草剤を掘り起こした場合にどのような処理が考えられているのか。溶融炉での処理のほかに、何か報道でもあったように思うがどのような処理方法が考えられるか。もしも埋設者がそういった費用を負担したくないという強行な態度に出た場合にどう対処していけるか、この2点をお伺いしたいと思う。

〇瀬脇環境保全課長 埋設除草剤の処理の技術問題についてであるが、今委員御指摘あった溶融固化法、それから今我々どもで検討しておるのは脱塩素化処理法という二つの処理技術が、今、ダイオキシン類の処理技術として実用化されておると承知しておる。ただ、これらの処理方法についても、埋設除草剤のようにコンクリート固化されたものについては、実際技術上の課題が、まだまだクリアすべき問題があると承知しておる。仮にコンクリート固化されたものを溶融炉あるいは脱塩素化処理するに当たっても、それを細かく粉砕するということが必要になってまいって、そういったダイオキシン類を飛散させないように細かく粉砕するという技術的な問題がまだまだあると認識しておるところである。
 そういったこともあるが、いずれにしても、埋設者である林野庁に対して、技術課題がクリアされ次第、撤去を含めて恒久的な対策をしていただくよう要望したいと考えておるし、林野庁としても、そういった技術上の課題が解決されていないということで今まで撤去を拒んでいたと認識しておるところである。

〇高橋委員長 伊沢昌弘委員。伊沢委員に申し上げる。世話人会の申し合わせにより、所属する委員会の部局の審査では、当該委員の発言はできるだけ遠慮することとし、各委員の協力をいただいておるので、その趣旨を踏まえ簡潔に発言願う。

〇伊沢委員 委員長の説明の時間で終わろうと思ったが、質問させていただきたいと思う。
 今、ごみ問題を含めていろんな論議があったわけであるが、岩手県が環境創造を目指して頑張ると、こういうことで今動いているわけである。こんな中で9年度に保健所が統廃合され、言ってみれば環境、公害を担当する職員が広範囲にわたって活動せざるを得ないという状況が生まれたと認識をしているわけである。9年4月に支所化二つ、そして出張所一つ、駐在所一つということで保健所が変わったわけであるが、1年7カ月経過した中で、この間の環境行政についての言ってみれば所感というか、前に比べてどのような効果があったのかないしはマイナス点があったのか、将来に向かってこれを今後どうしていくのか、御所見をぜひお願いしたいと思うわけである。
 昨今の環境問題については、今申し上げたとおり、かなり高度な技術を含めて多くの対応に迫られると思うわけである。これまでの人員スタッフで間に合うのかどうか、この辺も含めて、本庁も出先も含めてであるけれども、その辺までの御見解をぜひ承りたいと思う。よろしくお願いする。

〇千田総務生活課長 保健所の業務であるが、生活環境部の関係しておる保健所が担当している業務は水道あるいは廃棄物の処理、そういった環境衛生業務、それと公害防止の業務、自然保護、鳥獣保護業務である。これらの業務の執行状況とか職員の勤務実態というものについては、毎年実施しておる内部考査というもので把握しているところであるが、保健所によって油の流出事故とかあるいはクマの出没といったような、その発生時に業務が繁忙となる時期があるというようなこともある。それと、廃棄物処理法の改正による規制強化に伴う業務、そういうものもあり、保健所の業務は増加傾向にあるということであるが、今後とも業務の簡素合理化といったものを図りながら、保健所というか現場の声を聞きながら、適切な職員の配置も含めた県民サービスの向上に努めてまいりたいと考えておる。

〇伊沢委員 質問が簡潔なものであるから答弁も簡潔で大変いいと思うが、もうちょっと何とかならないだろうか。
 というのは、それぞれの仕事の中身、保健所だけではなくていろんなところ、今、大変な状況でやっているわけである。予算の問題も含めてこれ当然なわけであるが、岩手県が目指す21世紀に向けたビジョンというか、その部分でいけば平成10年度は環境元年だと、環境基本法もつくっていろんなことをやるのだと、そういうことがあった。加えて、これまでにもないようないろんな新しい物質も含めて人間に対する環境問題についての関心も高まってきている。単なる関心ではなくて、対応もしていかなければならないと思うわけである。そういった意味の中で、事務事業の見直しや簡素合理化で頑張っていくと、こういうことでは、当然それもやらなければならないと思うけれども、今後の体制に向かって何らかの考えがないのかという部分なわけである。
 と申すのは、昨日総務部のところで私この問題を聞いた。機構改革についての評価はどうだったかと。いや、大変うまくいっていると、そういう話であった。しかし、事務事業を不断に見直す中で、人員や予算が必要なところについては関係部と協議をしながら頑張っていこう、対応しようという部分も出ているわけである。そういったことも含めて、これから部として要求をしていくというか、体制固めのための検討をしてそれぞれ財政当局に、財政課長もいるわけであるけれどもお願いをするか、そういうことも含めた部分はないのかということをちょっとお聞きをしたいわけである。部長、よろしくお願いする。

〇村上生活環境部長 環境の世紀というか21世紀に向けた生活環境部としての体制づくりの基本的考え方ということだと思うけれども、いずれ、現在の厳しい状況の中で我々として最大限の努力をしなければならないわけであり、簡単に増員とかそういうものはできる状況ではない。これは我が方だけではなくて、各部局においても厳しい中で努力をされていると考えておる。ただ、私たちも今までも環境問題が膨らんできて、必要な分については総務部の方にお願いしながら措置していただいているというようなことである。そういうことであるので、私たちは現時点においては、さらにそういう状況も踏まえて業務の簡素合理化も最大限努力してまいりたいと申し上げたわけである。いずれにしても、私たち生活環境部としては攻めの姿勢で対応していくと、そういう中で体制のあり方を考えていきたいと考えておる。

〇中屋敷委員 まさしく私も伊沢委員のおっしゃるとおりだと思う。実際、環境保健センター、仮称であろうけれども、そういう体制の中で、環境創造元年という形の中でいろんな体制の整備を図っていかなければならない。環境保健センターと保健所のつながり、そういった形の中でどういう環境部門、自然保護部門でやっていくか、なかなかはっきりと明確な、こういう機能を持つのだということが見えてこない。
 例えば一つとして、化学専門職の採用状況というのはどうなっているのか。今何人いて、最近化学の職員を採っているか。言葉ではわかるけれども、そういうものを本当は機能を含めてこういう形でこういくのだという部分がある程度わからなければ、試験研究の再編整備にしてもなかなか対応が難しいと。ましてや、自然保護の研究をやるのだと、自然部門の、環境部門の研究をやるのだと言ってもなかなか--では、本当に対応できる職員がいるかというと、なかなか大変なことになると思う。外部からのそういう研究者を招聘してこなければならないという対応もあると思うので、その辺、しつこいようだけれども、伊沢委員に重ねて化学の、そういう専門職員の採用状況についてお知らせ願いたいと思う。

〇千田総務生活課長 化学分野の関係の職員であるけれども、実際に採用はしておる。今後、環境保健センターの整備、もう少し機能の面を含めたものを検討しながら採用のことも考えていきたいと思っておる。自然保護もまだ、何をやるという中身は固まってはおらない。それを固めながら、それに合わせて人員体制についても考えていきたい。

〇中屋敷委員 環境保健センターの構想ができていて用地買収をして箱物が建つような形の中で、何をやったらいいかわからないという話はないと思う。そういう形の中で、本当に大変な問題だと思うので、これから本当にまさしく21世紀は生活環境部の時代ではないかと言っても過言ではないくらい大切な部署であるので、ぜひそういう体制整備を含めて環境保健センター、さらには保健所のつながり、また、市町村の指導といったものをぜひ対応していただきたいと御要望を申し上げて終わる。

〇斉藤委員 最初にダイオキシン対策についてお聞きをする。
 平成9年度に23施設の一般廃棄物のごみ焼却施設について、ダイオキシン類の排出状況調査結果が明らかにされた。緊急対策が必要とされた80ナノグラムを超えた5施設はどのような対策がとられたのであろうか。現状はどうなっているであろうか。恒久対策の基準に満たない施設については、どのような対策がとられているのであろうか。
 第2点、ダイオキシンの発生源はごみ焼却施設のほかに、産業廃棄物焼却施設、医療廃棄物焼却施設、製鋼用電気炉、非鉄金属の精錬と再生工場、化学工場、セメント工場、ガラス工場、セラミック工場、塩素製造工場、塩化フェノールを中間原料とする製品の製造工場、クリーニング工場などが指摘をされているが、県内の発生源となる状況の調査はどうなっているであろうか。発生源の実態調査はそれぞれどうなっているであろうか。
 あわせて、最近、盛岡市北部に及ぶ産業廃棄物焼却施設による悪臭事件について。
 その悪臭の原因、焼却の状況はどうなっていたか。保健所はどのような調査をし、どういう勧告、指導をしたか。その後、どのように改善されているか示していただきたい。

〇中村環境整備課長 まず初めに、ごみ焼却施設のダイオキシン対策について、緊急対策と恒久対策の状況についてお話しいたす。
 まず、緊急対策を超過した5施設についてであるが、東磐環境組合と二戸地区広域事務組合軽米清掃センターについては使用を廃止しておる。また、遠野と久慈の各組合については、恒久対策基準に適合する改造工事等を行って、本年度中に完成する見込みになっておる。また、葛巻町においては、再測定した結果、8・9ということで改善されている状況にある。
 次に、恒久対策基準に合致していない11施設の対策についてであるが、既に対策工事に着手しているのは1施設、工事計画の策定を終了または策定中が5施設、使用廃止を含む対応策を検討しているのが3施設で、燃焼管理対策を検討しているのが2施設となっている状況にある。
 また、盛岡市北部の産業廃棄物の異臭のことについてであるけれども、ことし9月10日に盛岡保健所と盛岡市が合同で調査を行って、玉山村にある産業廃棄物焼却施設付近で異臭があり、その原因はプリント基盤の試験焼却に際して発生したものと推定された。調査結果から、廃棄物焼却施設の維持管理基準違反が認められたことから、翌11日付で、悪臭の発散防止のために必要な措置を講ずるよう改善を命じたところである。その後事業者から、処理物の性状の確認の徹底、施設の設計能力に見合った焼却を行う等の報告があり、改善措置が講じられたことを確認しておる。

〇瀬脇環境保全課長 ダイオキシンの発生源について、状況についてのお尋ねである。
 一般廃棄物焼却施設以外でダイオキシンの主な発生源とされておる施設、規制対象となっておるのは、現在のところ産業廃棄物の焼却施設とそれから製鋼用電気炉となっており、大気汚染防止法に基づいて規制がかかっておる施設、産業廃棄物焼却施設は県内で82施設、これには医療用の焼却施設も含むが82施設である。それから製鋼用の電気炉については該当がない。その他の発生源については、現在のところ環境庁等で実態調査が進められておるところであり、現在環境庁の方で調査が行われておるのは、クラフトパルプの製造工場であるとか農薬の製造工場、セメント製造工場などとなっておる。

〇斉藤委員 産業廃棄物の焼却施設について、これはことしの12月からダイオキシンの基準対象になると。既に私はこれはもう調査をされていると思うけれども、県としてどの程度、産業廃棄物処理施設のダイオキシン調査の結果をつかんでいるであろうか。
 それと、産業廃棄物、私取り上げた玉山のこの中間施設については、一定のパトロールをやって調べているけれども、野焼き状態の燃焼が多かったと。この玉山の施設というのは、産業廃棄物処理施設の中では施設の整った施設である。それで野焼き状態でやっているということがしばしばあったと。では、それ以外の施設はどうなっているのだろうかと。産業廃棄物は、先ほどの答弁にもあったように335万トン出ているわけである。一般廃棄物が42万トン、であるから圧倒的に産業廃棄物のごみが多い。ダイオキシンの発生源は、どちらかというとこっちの方が多いのではないかと危惧される。私はそういう点で、そういう状況をお聞きしたい。

〇中村環境整備課長 産業廃棄物のダイオキシンの発生源の実態調査のことであるが、先ほど久保田委員から質問があって答弁したとおりであるが、県として焼却施設を持った設置者に対しての指導を行うために事業者の協力を得て40施設を測定して、その2施設が高い数値であったということで、それでその事業者に対しては、自主的に焼却を中止していただくという改善の指導を行っているものである。それで、県内の全施設について、このようなデータをもとにして個別に立入検査指導を行って、施設の改善、燃焼管理の指導を行っているという状況にある。
 また、野焼きについては、廃棄物処理法で野焼きは禁止となっておる。そういうことで、そのような不適正処理は今後監視を強化して、法に基づいた適正な処理施設で焼却すると。能力に見合った能力のものを整備して焼却してもらうということで、強力に指導してまいりたいと考えておる。

〇斉藤委員 産業廃棄物についてはぜひ力を入れてやっていただきたい。
 次に、2、4、5-T系除草剤についてお聞きをしたいと思う。
 埋設処分について、マスコミのアンケートによると、不安を感じるというのが87・6%、調査が不十分だというのが36・4%、完全に撤去してほしいというのが64・5%と、土質や水質の調査をしたけれども、本当に多くの県民、市民が不安を感じている、撤去を求めているというのが状況である。ダイオキシン研究の第一人者である宮田秀明氏も不十分な調査だと、水質、土壤調査、こう指摘をしている。私はその点では、御所湖などの水生生物の調査や土壤調査も2カ所のみでなく、埋設場所の下の部分を調べるなどの調査をすべきではないかと思うが、どうであろうか。
 ダイオキシン類の分解処理技術、今も論議になったが、撤去して化学的処理をするという、こういう恒久対策を求める必要がある。報道によれば、素掘りの穴にそのまま埋めたという当事者の証言もある。20カ所の埋設処分そのものがどうだったのか、聞き取り調査を含めて調査すべきではないだろうか。

〇瀬脇環境保全課長 まず、埋設地周辺の環境調査の方法についてであるけれども、この調査方法については関係12市町村とも事前に十分協議いたして、また、ダイオキシン問題のそれぞれの専門家の先生の御指導を得ながら実施したものであり、埋設した除草剤からダイオキシン類が漏出していないか、拡散していないかどうかということを確認するための適切な調査方法であったと認識しておる。
 なお、今、御指摘あった御所湖における水生生物の調査については、今年度一般環境中のダイオキシンの調査を県独自でやることにしておるけれども、この中で大気や水質、水生生物の調査を行うことにしておる。御所湖についても、今年度の調査地点としておるところである。
 それから、埋設物の撤去を含めた恒久対策についてであるけれども、先ほども御答弁申し上げたが、コンクリート固化された埋設物に含まれておるダイオキシンの分解処理技術については、現時点でまだいろいろ課題があろうかと認識しておるけれども、先般開催いたした関係市町村と県との打ち合わせ会議でも合意事項となっておるけれども、その結果を踏まえて、引き続き林野庁に対してダイオキシン処理技術の進展等を注視しながら、処理技術が確立した場合には、早急に撤去を含めた恒久対策を要求するよう考えているところである。
 それから、当時の埋設方法についてのお尋ねであるけれども、埋設方法については昭和59年に埋設地調査を実施しておるけれども、これにおいて、いずれの箇所においても掘削調査を行って、コンクリート固化の上で埋設されているということを県と関係市町村が立ち会いの上確認しているということである。今、御指摘あったようないろんな懸念、御不満もあるということから、ダイオキシンが漏出しているのではないかという不安もあることから、昨年度から今年度にかけて営林局に調査を求め、県と関係市町村でそれぞれ協力して今回の調査を実施し、その結果、ダイオキシン類の漏出がないという結果が出たものと考えておる。

〇斉藤委員 専門家の指導を得たというけれども、調査はやって結果について意見を聞いたと。そして第一人者を私も紹介したけれども、第一人者は、これは不十分なんだという指摘もあるわけだから、やっぱり一部の専門家ではなくて、そういう専門家の批判にも耐えられるような調査をすべきだと思う。そういう点をひとつ、国の責任でやるようにやってもらいたい。
 次に、早池峰の山岳トイレと自然保護の問題についてお聞きをする。
 来年度設置の方向で県が取り組んでいると、このことを私評価をしたいと思うが、先日開かれた第1回早池峰フォーラムでもこの山岳トイレ、山頂トイレは話題になった。私はあの早池峰にどういうトイレが必要なのか、これは県当局も鋭意検討されていると思うけれども、早池峰山を一番よく知っている地元山岳関係者、自然保護関係者、こうした方々の意見をよく聞いて、よりよいものを設置していただきたい、そういうプロセスを大事にしていただきたい、これをお聞きする。
 それと、あわせて早池峰でのインターハイの問題が本会議でも取り上げられて、心配ないという確信ある答弁が出た。私、それで教育委員会から聞いてみた。そうしたら、こういう日程である。来年の8月8日の日曜日、団体女子、これは46県、230名が参加する競技が行われるわけである。そのほかに総監督、視察員が75名。これ8月8日の日曜日というのは早池峰山のピーク時である。本会議でも答弁あったけれども、一番多いときには1、600人が登山していると。1、000名を超えると頂上まで数珠つなぎになる。私はそういう点で、こういう時期にこういう競技をやると。競技をやる人たちは登山のプロだから、私は心配は余りしていないけれども、たくさんの登山者が来た場合にどういう対応をするのか、その点はひとつ教育委員会と協議をしてやる必要があると思う。大丈夫だなどと簡単に済まない。そういう対応、対策が考えられているかどうか、このことをちょっとあわせてお聞きする。

〇山瀬自然保護課長 まず、早池峰山頂避難小屋トイレの設置についてである。この避難小屋トイレ、現在はボランティアの方々にし尿のくみ取り実施作業を行っていただいておるということもあるし、また、地元の方々もこのトイレの設置については関心を寄せていると承知しておるので、この設置に当たっては、地元の方々や自然保護関係者の方々から御意見をお伺いする場を設けて、そこでの御意見も参考にしながら、よりよい山岳トイレの設置を進めてまいりたいと考えておるところである。
 それからまた、インターハイの登山大会の実施についてであるが、この大会自体はスピードということは全く採点にはないということは伺っておるところであるので、そういう点ではいずれコースを外れたりして先を急ぐということはないと伺っておる。そういうことで、その点では問題はないのではないか。また、主催者においては、参加する生徒に対して自然や環境の保護意識を積極的に教育をするなど、自然保護に特に配慮していくということを言っておるので、私どもとしても自然保護には十分配慮していただくようお願いしてまいりたいと存じておる。

〇斉藤委員 ちょっとかみ合わなかった。8月8日、日曜日、いわば登山のピークのときに1、000名以上来ているわけである。そういう中でこの競技がされると。だから、そういう対策が必要ではないかと。私は登山に参加する人たちは心配していない。私も課長とこれは同じである。ただ、今でさえオーバーユースで大変だということが心配されている中で、そういうピークの日曜日にやられるときの対策というのがちゃんと考えられているのかどうか、このことをお聞きしたのである。
 そして、最後の質問も全部やってしまうが、実は私が総括質疑で大規模林道川井住田線を取り上げて、8月までの調査で猛禽類のクマタカの三つのつがい、生息状況が明らかになったと。ところが9月から工事を再開したと。なぜかと聞いたら、副知事はこういう答弁であった。
 今後の工事予定路線は環境庁マニュアルにおいて採餌等の高利用域に該当すると考えられるが、同マニュアルで、高利用域は非営巣期の工事が可能な地域であるとされていると。私、環境庁マニュアルを見たけれども、高利用域は工事可能なんてないのではなかろうか。そもそも、あそこの調査は報告書が出ていない。高利用域とか営巣中心域とかという内部構造の解析が示されていない。私はあの答弁びっくりしたのだけれども、これは自然保護課からお借りしたが、このマニュアルの手順、私は全く今調査の過程で、重要な生息状況が明らかになった段階で工事を再開するなどというのは、この環境庁マニュアルには反するのではないだろうか。そのことを最後にお聞きして終わる。

〇山瀬自然保護課長 インターハイの登山大会の実施について、その時期はかなりの登山者が出るということであるので、これについては教育委員会の方にも配慮を求めるほかに、例えばうちの方で設置しておる自然公園保護管理員さん方もおるので、そういう方にも協力を求めて、いずれコースを外れたりする登山者が出ないような配慮をしてまいりたいと思っておる。
 それからまた、川井住田線の大規模林道についてであるけれども、これについて森林開発公団、これが今回工事を再開したということであるが、これについては4月から7月の非営巣期の調査を終了したと。それからまた9月から12月であろうか、調査を実施しているということであるが、今回の工事の路線については、環境庁マニュアルにおいても、高利用域は工事をする場合には非営巣期に工事をするようにとなっておると聞いておる。そういうことで、今回の私ら伺っておるところによると、営巣期を外して工事を行うと聞いておるし、また、タイマグラの方については場所が確認されているということで、その工事箇所が相当離れていると、それからまた非営巣期に工事をすると聞いておるところである。

〇斉藤委員 インターハイについては、私はやっぱり総量規制をやらないと日曜日の競技は大変だと思う。これは私、要望にとどめておく。
 それと、猛禽類のマニュアル問題については、工事をする場合はちゃんと保護方策が出てからであろう。調査をして内部構造を分析してそして保護方策をとって、その上で工事をされるということであろう。工事をする場合には、それで非営巣期の高利用域ではできると。しかし、何にもそういう保護方策も明らかになっていない。私が3月の予算委員会で聞いたときには、吉永副知事であったけれども、環境庁マニュアルに基づく調査の前段階の調査をやっているという答弁であった。そして重要な生息状況が明らかになったら、本当ならこれから環境庁マニュアルの調査に入るということになるはずである。私はそういう点でも、ひとつ連携をとってやっていただきたい。増田知事が環境重視と言っているときに、一方では開発優先ということでは、これは新県総の精神にも私はかみ合わないのではないかと思うので、これは要望にとどめておく。

〇高橋委員長 ほかに質疑ないか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇高橋委員長 質疑がないようなので、生活環境部関係の質疑をこれで終わる。
 次に、関山保健福祉部長に保健福祉部関係の説明を求める。

〇関山保健福祉部長 保健福祉部関係の決算について御説明申し上げる。便宜、お手元に配付されておる歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げる。
 136ページ、137ページをお開き願う。保健福祉部関係の予算現額は、まず第3款民生費430億1、683万6、491円のうち、第2項生活文化費を除く414億2、887万6、491円であり、その支出済額は410億736万4、487円、翌年度繰越額は1億9、350万928円、不用額は2億2、801万1、076円となっておる。
 以下、各項目ごとにその主なものについて御説明申し上げる。
 第1項社会福祉費の支出済額は216億4、613万円余である。1目社会福祉総務費の支出済額43億8、064万円余は、本庁及び各地方振興局の人件費等の管理運営費、民間の社会福祉施設整備等に対する助成費、民間社会福祉活動の推進費及び民生委員、児童委員の活動費がその主なものである。138ページ、139ページをお開き願う。2目身体障害者福祉費の支出済額30億1、106万円余は、在宅の重度心身障害者及び障害児に対する特別障害者手当等の支給費、市町村が実施する重度心身障害者及び障害児の医療費助成事業に対する経費の補助並びに身体障害者療護施設等の施設整備等に要する経費に対して補助した身体障害者厚生援護施設整備費がその主なものである。次に、3目精神薄弱者福祉費の支出済額23億9、176万円余は、精神薄弱者援護施設への入所委託等を行う精神薄弱者更生援護費がその主なものである。次に、138ページから141ページにかけての4目老人福祉費の支出済額77億587万円余は、老人福祉施設への入所委託等を行う老人保護措置費、老人福祉活動推進費並びに特別養護老人ホーム及び老人デイサービスセンター等の施設整備に要する経費に対して補助した老人福祉施設整備費がその主なものである。
 なお、141ページに掲げる繰越明許費1億7、650万928円は、社会福祉法人が実施したケアハウス等の整備事業において設計変更等に不測の日数を要したため年度内の事業完了が困難となり、施設整備費に対する補助金を繰り越したものである。
 次に、5目遺家族等援護費の支出済額5、887万円余は、戦傷病者戦没者遺家族等への援護費並びに中国帰国者の自立の支援に要した中国帰国者自立研修センター運営費がその主なものである。次に、140ページから143ページにかけての6目国民健康保険指導費の支出済額8億1、342万円余は、市町村の国保財政基盤の安定確保等に要する経費に対して補助した国民健康保険事業安定化推進費がその主なものである。次に、7目婦人保護費の支出済額1億2、991万円余は、婦人相談所の管理運営費及び婦人保護施設への入所保護委託費がその主なものである。次に、142ページから145ページにかけての8目社会福祉施設費の支出済額28億4、257万円余は、松風園及び中山の園等の社会福祉施設の管理運営に要した経費がその主なものである。次に、9目老人福祉施設費の支出済額3億1、199万円余は、養護老人ホーム松寿荘の管理運営に要した経費である。
 少しページを飛んでいただき、148ページ、149ページをお開き願う。次に、第3項児童福祉費の支出済額は141億9、409万円余である。1目児童福祉総務費の支出済額30億6、195万円余は、児童相談所の管理運営費、保育所等の施設整備に対して補助した児童福祉施設整備費、保育需要の多様化に対応した保育活動を行うことを助長する特別保育事業費及び市町村が実施する乳幼児・妊産婦医療費助成事業に対する経費の補助がその主なものである。
 なお、繰越明許費1、700万円は、すこやか子どもランド--仮称であるが--の整備事業において、昨年度実施の地質調査の結果、基本設計の見直しが必要となり、その検討に不測の日数を要することから年度内の完了が困難となり、委託料を繰り越したものである。
 次に、148ページから151ページにかけての2目児童措置費の支出済額51億9、487万円余は、心身障害児などの在宅福祉の推進に要した経費、養護施設等の児童福祉施設に児童を措置した経費及び児童手当の支給に要した経費がその主なものである。次に、3目母子福祉費の支出済額32億7、148万円余は、市町村が実施する母子家庭医療費助成事業に対する経費の補助及び児童扶養手当支給費などがその主なものである。次に、150ページから153ページにかけての4目児童福祉施設費の支出済額26億6、578万円余は、都南の園、やさわ学園等の児童福祉施設の管理運営に要した経費である。
 次に、第4項生活保護費の支出済額は51億6、189万円余である。1目生活保護総務費の支出済額1億7、752万円余は、生活保護の給付事務及び指定医療機関等の指導監査に要した経費がその主なものである。次に、152ページから155ページにかけての2目扶助費の支出済額44億414万円余は、生活保護世帯に対する生活扶助及び医療扶助等に要した経費がその主なものである。次に、154ページから155ページにかけての3目生活保護施設費の支出済額5億8、022万円は、好地荘及び松山荘の管理運営に要した経費である。
 次に、第5項災害救助費1目救助費の支出済額524万円余は、災害救助法による救助に要する費用の財源に充てるための災害救助基金への積み立てに要した経費がその主なものである。
 次に、第4款衛生費について御説明申し上げる。保健福祉部関係の予算現額は225億5、139万6、000円のうち、第2項環境衛生費中の1目環境衛生総務費及び3目環境衛生指導費、4目公害対策費、5目自然保護費、6目鳥獣保護費を除く184億4、619万2、000円であり、その支出済額は184億640万1、018円で、不用額は3、979万982円となっておる。
 以下、各項目ごとにその主なものについて御説明申し上げる。
 第1項公衆衛生費の支出済額は114億2、530万円余である。1目公衆衛生総務費の支出済額は14億7、687万円余であり、これは154ページから157ページにわたっておるが、衛生研究所等の人件費等の管理運営費、妊婦・乳児の健康診断等の実施に要した母子保健対策費及び原爆被害者への各種手当の支給等に要した経費がその主なものである。次に、156ページから157ページにかけての2目結核対策費の支出済額8、836万円余は、結核予防の健康診断、予防接種及び医療費の給付に要した経費並びに結核に関する職種別専門研修、保健指導等の実施に要した結核対策特別促進事業費がその主なものである。次に、156ページから159ページにかけての3目予防費の支出済額7億9、507万円余は、狂犬病予防事業費の市町村への交付等に要した経費及びベーチェット病、パーキンソン病等の特定疾患に係る医療費の給付等に要した経費が主なものである。次に、4目精神保健費の支出済額9億4、981万円余は、精神障害者の医療費の給付等に要した精神障害者入院等措置費、精神障害者の社会復帰施設整備費補助及び運営費補助がその主なものである。次に、5目衛生研究所費の支出済額3、943万円余は、衛生研究所の管理運営に要した経費である。次に、6目老人保健費の支出済額は80億7、574万円余であり、これは160ページ、161ページにわたっておるが、市町村の老人保健法に基づく医療給付費及び保健事業費について一部を負担する老人保健対策費がその主なものである。
 次に、第2項環境衛生費の支出済額は45億1、768万円余である。そのうち、当部に関係する160ページから163ページにかけての2目食品衛生指導費の支出済額4億2、230万円余は、屠畜検査等の実施に要した乳肉衛生指導取締費及び食鳥検査等の実施に要した食鳥肉安全確保対策費がその主なものである。
 少しページを飛んでいただき、166ページ、167ページをお開き願う。次に、第3項保健所費1目保健所費の支出済額23億3、789万円余は、保健所の人件費等の管理運営費、久慈保健所の建設に要した施設整備費及び地域保健法の平成9年度全面施行を踏まえ、保健所の機能強化を図るため、各種高度検査機器を整備した保健所再編整備費がその主なものである。
 168ページ、169ページをお開き願う。次に、第4項医薬費の支出済額は42億2、090万円余である。1目医薬総務費の支出済額10億8、865万円余は、本庁及び衛生学院の人件費等の管理運営費がその主なものである。次に、2目医務費の支出済額は21億3、170万円余であり、これは170ページから171ページにわたっておるが、休日夜間の初期救急医療、2次及び3次救急医療を確保するための救急医療対策費、いわてリハビリテーションセンターの管理運営費及び地域における中核的機能を担う病院に対して高度特殊医療を行うための施設等の整備を行う地域中核病院高度医療施設設備整備費補助がその主なものである。次に、170ページから171ページにかけての3目保健婦等指導管理費の支出済額9億5、408万円余は、民間立看護婦等養成所の運営費に対する補助等に要した保健婦等指導費、県立保健婦等養成所の管理運営等に要した保健婦等養成費及び看護婦宿舎の施設整備に要した経費に対する整備がその主なものである。次に、4目薬務費の支出済額4、645万円余は、薬局・医薬品販売業者の監視取締等に要した薬事監視指導取締費及び献血協力者用の報奨品の購入に対する補助等に要した血液事業推進対策費がその主なものである。
 次に、ページを飛んでいただき、310ページ、311ページをお開き願う。第13款諸支出金第1項公営企業貸付金1目公営企業貸付金のうち、当部関係の支出済額は、県立病院等事業会計運営資金の貸付金145億円である。
 次に、第2項公営企業出資金1目公営企業出資金のうち、当部関係の支出済額は、県立病院等事業会計への出資金9億9、269万円余である。
 次に、第3項公営企業負担金1目公営企業負担金の支出済額162億6、832万円余は、県立病院等事業会計への負担金である。
 以上で一般会計の説明を終わる。
 引き続き特別会計について御説明申し上げる。
 328ページをお開き願う。328ページから331ページにかけては、母子寡婦福祉資金特別会計である。その決算状況であるが、歳入総額、収入済額となっておるが4億3、204万7、197円であり、これは330ページ、331ページにわたっておるが、その主なものは、一般会計からの繰入金、前年度からの繰越金、諸収入の貸付金元利収入及び国庫貸付金である。
 歳出の支出済額3億6、290万8、742円は、母子世帯及び寡婦世帯に対する修学資金、修業資金及び住宅資金等あわせて1、042件の貸し付けに要した経費等である。
 以上で、保健福祉部関係の御説明を終わる。よろしく御審議のほどお願い申し上げる。

〇高橋委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩する。
   午後0時6分 休 憩
   午後1時5分 再 開

〇藤原副委員長 それでは、休憩前に引き続き会議を開く。
 ただいまの説明に対し、質疑はないか。

〇菅原委員 まず、福祉、特に精神福祉対策についてお尋ねする。
 11月18日岩手日報夕刊に潮流というのがある。この記事には、成年後見制度に理解を、とこういう記事なわけである。私も興味深く読んだわけであるが、余り中身は理解できなかったわけである。そうしているうちに、東磐井郡の精神障害者を持つ親からいろんな相談を実は受けたわけである。いわゆる精神障害者を抱えている家庭は、非常に惨めなものであると、明るい日がないという苦悶の話を切々と訴えられたわけである。私は、全くこういう世界は未知であり、そうかなという思いを実はしたわけであるが、これらの障害者を、特に精神障害者を持つ家庭に対して、もう少し思いやりのある政策がほしいという内容を訴えられたわけである。
 ところで、参考資料を実はもらったわけであるが、平成8年10月3日に、岩手県立南光病院家族会会長山平スエ子さんが、知事に対して7項目の要請をしておるようである。いわゆる精神障害者を持つ家庭は、自分の家にこういう子供がいるということを人に言いたくないのである。またそのことに触れたくもないのである。であるから、我々も本当に認識が少ないわけであるが、その中にはやっぱり精神障害者の社会復帰、社会参加の促進関係、あるいはまた、小規模作業所の設置とか住居の確保と公営住宅入居の条件の緩和等と、都道府県障害者計画をきちっとやっていただきたいと、精神保健養育福祉手帳の制度の各サービスの対象、それから地域住民の理解の増進、それから地域における精神障害者家族会の発足・育成、助成強化等々の要請をしておるようである。予算、決算を見ると、精神保健費は約9億5、000万円計上になっておるわけであり、積極的に対策を講じておられるのであろうと、そのように思うわけであるけれども、いずれこの父兄からの訴えを聞いており、もっともっと我々も勉強して対策を講じなければいけないのではないかと、そんな感じをしたわけである。くしくも、先般の一般質問において、吉田委員が住宅関係について質問したし、また船越委員も授産施設の整備等々についても一般質問をしたわけであり、やはりこの世の中、この委員の中にもこういう問題を真剣に考えている人がいると、実は心強い思いをしたわけである。我々には未知の分野であったわけであるが、こういう問題の解決を県はどのように考えているのか。あるいはまた、入院中心の治療体制から地域におけるケアの体制という問題、あるいはまた、社会復帰の問題等々どのような対策をこれから考えておるのか、その点を今お聞かせ願いたいと思うわけである。まず、その1点ひとつお伺いする。

〇関山保健福祉部長 地域における精神保健福祉施策の推進についてであるが、入院による治療を必要としなくなった精神障害者の方々が地域の中でみずからの力で暮らしていくためには、社会復帰を支援するためのさまざまな取り組みが必要であると考えておる。県においても、このような観点から平成8年に策定した岩手県精神障害者社会復帰促進計画に基づいて、社会復帰施設等の整備を積極的に進めておるというところである。しかしながら、県全体として見た場合、なお全県的な取り組みが行われているかというと、必ずしも十分ではないのではないかと、こういう御指摘がある。このため、当計画を見直して来年度策定する予定になっておるが、県が策定する新しい障害者プランの中において、患者、家族会等の御意見も十分伺いながらその策定を行い、より一層精神障害者の社会復帰へ向けての促進策等を検討してまいりたいと、かように考えておる。

〇菅原委員 その家族からこういうことも教えてもらったのであるが、これは東磐井郡内の精神障害者の患者の数であるが、約80人、いや800人であるか--今ちょっと計算するが、いずれ藤沢町157名、大東町292名、千厩町179名、室根村104名、東山町103名、川崎村55名である、この計算ちょっと今してなかったが、いずれこのぐらい患者の数がおるというのである。これを聞いてびっくりしたのである。こういう家族の方々がそれぞれの思いの御苦労をなさっているのではないかと、そんな感じをしたわけである。そこでそれぞれの町村において、支援の会が結成されておるようであるけれども、この中で公的補助金を受けたというのは千厩町社会福祉協議会から5万円、東山町1万円、東山町の社会福祉協議会から1万円、こんなものなのである。これを見て実はびっくりしたわけであるが、もっともっと我々もこの問題に理解を示していかなければいけないのではないかと、そんな感じをするわけである。岩手県全体は、私は先進県の中には入らないと、あるいは、ややもすると後進県の中に入るのかなという危惧の念を抱かざるを得ないわけである。部長、あなたは厚生省から歓呼の声で送られて岩手県の福祉部長になったのであるから、どうであるか、特に精神福祉の問題に取り組んでいただき、岩手県が最もこの問題の先進県になっていただきたい、任期中に。年が若いのであるからひとつ頑張ってお願いしたいのであるが、決意のほどをお聞かせ願いたいわけである。

〇関山保健福祉部長 委員からの先ほどの御発言、大変私には応援、それから御指導、御鞭撻いただいているということで感謝している次第であり、先ほども申し上げた新しい障害者プランというものを来年度策定してまいりたいと考えており、これは精神障害者、身体障害者、知的障害者の3障害者を統合し、そしてその障害者の方々にとってふさわしいサービスを身近なものとして提供していくということで考えておる。そういった方向を踏まえつつ、委員御指摘の点も留意しながら、来年度の策定に向けて努力してまいりたいと思っておる。どうぞよろしくお願いする。

〇菅原委員 この間、新聞を見ておったら、こういう報道が実はあった。精神障害者の経験がある者であると思うが、1企業で働いておったわけであるが、やっぱりちょっとおかしいからその雇用主を殺害したのである。そして、その損害賠償の裁判で、1億円の賠償をせよという判決が出たのである。お金がある人は1億円の損害賠償できるのであろうけれども、一般家庭では1億円の損害賠償はできるわけないのである。そういうような不安をやっぱり家族も本人も抱えているのではないかと思う。これは一朝一夕で解決できる問題ではないと思うが、いずれこういう事例もあるので、その家族は非常にいろんな思い、苦しみを背負って生活をしているのではないかと、そういうことも十分理解して対策を講じていただきたいと、そのように思うわけである。

〇佐藤(正)委員 実は私は、ただいま質問の精神障害者、精神薄弱--今、知的障害者というのであるが--の当事者なものであるから遠慮していたわけであるが、大変心強い質問を同僚委員からいただき、本当にありがたかった。
 そこでプランを作成する前にひとつ参考に申し上げておきたいのであるが、特に精神障害者の場合は、一関市に南光病院というのがあり、ここから退院予定者がかなりいるのであるが、施設は現在県内で2カ所である。どうしてもこの施設を充実していかなければならないし、また一関市にニコニコハウスという施設があるが、ここで将来はやはり30人から50人ぐらいの体制を整えていかなければいけないので、それらも含めて、このプランの中でこの施設の整備をどうお考えになっているかということ。
 もう1点であるが、これは法の規定内であるので、やむを得ず現在職員が実際もう精いっぱいやっているわけであり、御案内のとおり、一応は社会復帰ということで退院はするのであるが、時によってはマン・ツー・マンでやらなければならないような場合がある。したがって、現在、施設では交替で宿直も置かないし、またこの食事についても今、訓練で寮生も自分でやるようにはなったのであるが、ほとんどがやはり職員がやっているということになると、職員がデイも含めてほとんど全部宿直から食事から何からほとんどやるという状況で非常に過労であり、ここら当たりの職員の規定外で県でどのように御配慮いただけるか、そういう点も含めてプランを練られているのかどうか。
 それから、やってみて非常に難しいのは、福祉施設であっても非常に医療との一元化という面があり、ところが実際には福祉施設であって医師は頼んでおくのであるが、医療の方はなかなか一元化的にはできないという面がある。この点もひとつ御配慮願いたい。
 それからもう一つであるが、特に入院などは今までは退院しても社会復帰する場所がないので、ほとんど長い方であると十年から十五、六年入っている。かなり老齢化してきておる。そこで、ただいまの菅原委員のおっしゃる精神障害者の父兄会、あるいは知的障害者の父兄会、家族会の方からぜひ障害者用の特別養護老人ホームなどもひとつ願いたいと、ほしいという要望がある。現在、県内では1カ所もない。国でも特定のそのような特養施設はないのである。しかし、実際に入所者を見てみると、またこの当局においても御案内のとおり、一般の健常者等の特養あるいは老人ホームの同時入所というのは、実際難しい状態である。これは肉体的にも精神的にも非常に難しい。そこで将来は、できれば障害者専門の特養がほしいのであるが、なければ優先的にそのような施設というものを御配慮、お考え願いたいと思っているわけであり、この点についてせっかくの機会なので私の方からお願いを申し上げたいと。特に、御答弁があればなおありがたいわけなので、よろしくお願いしたいと思う。

〇関山保健福祉部長 先ほどは委員から4点ほどのお話があった。現在、生活訓練施設というものについては、2ないし3医療圏ごとに1カ所ということで、従前の岩手県精神障害者社会福祉促進計画においては策定されておったが、こういった整備単位についても含めて、今後具体的な議論の中で見直す必要があるならば見直すことになるかと思っておる。そのほかにも職員への対応、あるいは障害者用の老人ホームという施設機能を持ったものについての御検討ということについても、今後の新たな障害者プランの策定の中で御議論していただくものと考えておる。

〇折居委員 先般、少子化・高齢社会対策特別委員会の県外調査で熊本、鹿児島の方へ行って参ったが、10月28日早朝6時ごろであったけれども、熊本の市内のホテルで増田知事をテレビの画面で見たわけであり、その内容は御案内のように、血液センターの開設10周年を迎えるのを記念して、11月3日に行われる記念式典であいさつと献血をしようとしたが、公選法199条によって、もしかするとそれは寄付行為に当たるのではないかということでいろいろ相談した結果、献血を中止したというのが大々的に報じられておった。大変なものであると思いながら、熊本のホテルでいろいろ私なりに心配してきたわけであるが、そうしたら11月12日に、知事は東京有楽町の献血ルームで400ミリリットル献血したということであり、やっぱり知事もほっとしたであろうと思っておった。11月19日には正式に、公職の候補者等が献血することは、公職選挙法の199条の2の第1項に規定する寄付に当たらないということで、晴れて我々も堂々とできることになったわけであるが、今、国では献血事業は血漿分画製剤を含むすべての血液製剤を国内の献血により確保するという目的のもとに、成分献血とか400ミリリットル献血を中心とした献血運動を盛り上げるとともに、善意の献血が有効に用いられるよう、血液製剤が適正に使用されるように努力しているということであるけれども、翻って本県において、その辺をちょっと確認したくて今立ったわけであるが、まず献血推進のための啓発活動はどうしているかということ、それからもう1点は、県内の輸血用血液の充足状況はどうなっているかということをお伺いしたいと思う。

〇宇佐美保健衛生課長 献血推進のための啓発活動についてのお尋ねであるが、県においては、毎年国あるいは日本赤十字社、市町村と連携をとって、各種の啓発運動を実施しているところである。
 まず、一つの事業としては、毎年7月1日から7月31日までの1カ月間であるが、愛の血液助け合い運動ということで、この運動期間中、テレビあるいはラジオ、また市町村広報紙、こういったもので啓発活動を実施しておる。それから、これからであるが、12月21日から12月25日までクリスマス献血ということで、いわゆる献血推進ボランティアの方を中心にして、街頭献血などの呼びかけといったものの運動を実施しておる。また、はたちの献血キャンペーンということで1月10日から2月9日までの約1カ月間であるが、成人を迎える方々への献血思想の普及啓発ということを目的に実施しておるし、またバレンタイン献血キャンペーンというもので、これからの2月9日から2月15日までの期間で実施しておる。なお、本年、ちょうど血液センターが開所してから献血者が200万人を達成したということがあり、謝恩キャンペーンとして6月4日から10日まで感謝ということで、いわゆる表彰式等を開催してその普及啓発に努めているところである。
 それから、2点目の県内の輸血用血液の充足状況はどうなっているかということのお尋ねであるが、これについては、県民の400ミリリットル献血あるいは赤血球製剤、あるいは血小板製剤などに使われる成分献血に対する理解、協力により、いわゆる全血製剤と成分製剤、これについてはおおむね医療機関で使用されるものは確保されておるという状況であるが、ただ先ほど折居委員からの御指摘のように、血漿分画製剤については、いわゆる肝硬変あるいは重度のやけどに用いられるアルブミンが74%、それからいわゆる重症の感染症等に用いられるグロブリン、これについては44%ほどが海外に依存しているという状況である。

〇折居委員 どうもありがたかった。よくわかった。
 ところで、今、通告した項目ではないものを一つ加えるが、献血推進運動というものがあるけれども、全国の都道府県の県議会でそういう議員連盟などがあるものかどうか、もしおわかりならばお聞かせいただきたいと思う。

〇宇佐美保健衛生課長 献血に関する議員連盟というものはちょっと調べた経緯があり、今のところ、私の方では協議会をつくっているという議会があるという県は聞いておらない。

〇折居委員 そういう議員連盟なり議員クラブというものがあれば、やはり相当期待できるものかどうか、それもあわせて部長にお伺いしたいと思う。

〇関山保健福祉部長 血液事業については御案内のとおり、私どもまずは広く県民の御協力をいただきながら、日赤岩手県支部等と連携を図りながら血液事業の促進を図っておるところであり、先生方が率先してそのような問題に対応していただけるということについては、ますますもってこの血液事業の推進が図られるのではないかと、かように期待しておる。

〇久保田委員 4点である。
 一つは、在宅支援センターの設置に関してであるが、これが目標に対する達成率が35・5%であることが総括質疑で明らかにされておる。この進捗がおくれている理由、原因は何であろうか。市町村が設置に対する認識をどうであると受けとめておるか、これが一つである。
 第2点は、支援センターと他の機能を持つ施設との併設が多分に多いと思うのであるが、その実態はどうなっておるであろうか。支援センター設置に対する県の指導はいかがな状況になっておるか。
 第3点、デイサービスセンターが59・5%の達成であるが、サービスセンターでの雇用労働条件はどうなっておるであろうか。私の調査したこともあるので、この際お伺いをしておく。
 第4点は、特別養護老人ホームは計画目標を達成していると答弁いただいておるが、現に入所希望者があるわけである。およそ1、000人ほどと聞き及んでおる。いわゆる入所待機しているわけであるが、この状況を考えると、計画目標値が少なかったのでないかという疑問が生じるが、いかがであろうか。
 以上4点についてお答えをいただく。

〇上野長寿社会課長 初めに、在宅介護支援センターのあり方についてであるけれども、在宅介護支援センターの整備状況については、県の計画目標の200カ所に対して平成9年度末で71カ所、35・5%、平成10年度末見込みでは83カ所、41・5%となっているところである。このセンターは、平成2年度から創設された比較的新しい制度でもあり、他の介護サービスに比べると進捗がおくれているという状況にはあるが、全国と比較すると、整備率水準としては65歳以上、人口10万人当たりの施設数で全国では16位となっておるので、全国水準で見ると中の上ぐらいではないかと思っているところである。
 次に、在宅介護支援センターとの併設の状況であるけれども、在宅介護支援センターと他の施設との併設の状況は、平成9年度末の71カ所のうち、特別養護老人ホームとの併設が41カ所である。また、老人福祉施設との併設が11カ所、病院あるいは診療所との併設が5カ所、その他の施設との併設が14カ所で、いずれも他の機能を持つ施設と併設している状況である。介護支援センターについては、夜間あるいは緊急時の支援相談に対応するという必要から、24時間体制で運営しておる特別養護老人ホーム等に併設することが原則とされていたところであるが、本年度の制度改正により、併設要件の緩和された小規模な、いわゆる単独型であるとか、各センターの相談調整を行う機関型のタイプが新たに追加されたところである。このため県としては、これらの多様な事業形態の中から各地域の実情に応じた適切な選択が行われて、在宅介護センターの整備が一層促進されるよう、市町村の取り組みに対して支援してまいりたいと考えているところである。
 それから、特別養護老人ホームの整備についてのお尋ねであるが、特別養護老人ホームの入所定員については、県の保健福祉計画において、厚生大臣が定めたいわゆる参酌すべき水準を上回って、目標水準を4、230人と定めたものであるけれども、積極的な整備が進んだことから、平成9年度末においては既に目標を上回っている整備となっているところである。
 なお、今後の整備については、平成10年9月末現在で在宅の待機者が300人を超えるという状況にあるので、また介護保険制度の導入にも向けて、現在、要援護の高齢者等の実態調査をしているところであるけれども、これらの結果を踏まえて、平成12年度を初年度とする介護保険事業支援計画及び新たな県の高齢者保健福祉計画の中で目標を定めることとしているところである。(「答弁漏れ。デイサービスの雇用条件。」と呼ぶ者あり)
 大変失礼した。デイサービスの職員の雇用条件であるけれども、デイサービスセンターの職員については、国の実施要綱に基づいて、寮母あるいは生活指導員のいずれか一人以上を条件とすることとされており、その他の職員については非常勤とすることができることとされている。本県においては、当該基準に基づいて職員配置が適正に行われているところである。

〇久保田委員 在宅支援センターのおくれについての理由について明確でないわけであるが、市町村の認識はどうなのであろうか。黙っていれば、その目標値に達成するにはいつであるか。県の把握の状況についてお尋ねしたいわけである。
 デイサービスセンターの雇用労働条件についてお話があったが、基準ではそうであるが、実態の中で非常勤の人たちが圧倒的に多いわけである。私が調べたある1施設の状況では16人おるが、常勤がその基準にあっておるとしても、他の非常勤の人たちの労働条件は極めて悪いわけである。こうした状況で、果たしてサービスセンターとしての機能が十分果たされるのかという疑問が生ずるわけである。厚生省の一定基準の見方というのが、実態をどう押えて判断されておるものであろうか。その実態についてどういう調査を県はなさっておるか。現場の声をどう聞き取りをなさっておるか、その状況がわかれば知らせていただきたいのであるが。

〇上野長寿社会課長 在宅介護支援センターの整備に対する市町村の認識ということであるが、市町村においては、県の方針ではおおむね中学校単位で整備するという計画であるけれども、市町村ではこれをかなり下回った計画となっておる。本年度、新たに支援専門員の制度ができたわけであるけれども、介護保険制度が始まった際に、この支援専門員が介護支援センターの機能のある部分を代行するということから、市町村においてはちょっとした安心感みたいなものがあるようであり、それがこの支援センターの整備に若干おくれが出ている一つの原因ではないかと考えておるところである。
 また、デイサービスセンターの労働条件であるが、先ほど申し上げたように、常勤の職員については簡単に一人以上と申し上げたけれども、デイサービスセンターにはA型からE型まで5種類のタイプのセンターがあるけれども、A型の場合には常勤職員が3人で非常勤が5人、あるいはB型の場合には常勤2人で非常勤が6人というふうなそれぞれのタイプに応じた勤務形態の定めが国の指導としてなされており、それぞれこれに沿った確保がなされているところである。

〇久保田委員 介護保険法が施行される直前の状況の中で、やはり何としても大事なことは、しょせんこの介護は人間対人間の関係である。したがって、そこで働く人たちの労働条件が一定水準に達しておらないということは、大変問題である。私は、常にこのことについて前から申し上げてきた経緯もあるが、やはり施設で働く人たちの労働条件が最低保障されるような条件をつくり上げていかなければいけないと思うわけである。このことに対して県の指導は、どちらかというと積極的ではないように見えるのであるがいかがか。今後のあり方に関することなので、部長の基本的な考え方を伺って、私の質問を閉じることにする。

〇関山保健福祉部長 在宅介護支援センターについては、先ほども担当課長から御説明させていただいた状況である。しかしながら、今後適切な介護基盤整備を図るに当たっては、現在、介護事業支援計画あるいは市町村では介護事業計画というものが策定されておるわけであるが、またそれに伴って老人保健福祉計画が見直されていくわけである。したがって、そういった中において、今後新たに平成12年度以降施行される介護保険にどのようなサービス提供体制を整えていくかといったこの中において、在宅介護支援センターというものを今後さらに一層議論を深めてまいりたいと考えておる。

〇小野寺委員 説明書の149ページの関係であるが、乳幼児、妊産婦医療助成費4億6、700万円余となっているが、このうち、乳幼児医療費の関係はどのくらいになっているのか。この9年度に所得制限について何か考察された部分があるかどうかお伺いする。加えて、現在の4歳未満児に所得制限を撤廃した場合どのくらいふえるのか、もし試算があればお伺いしたいと思う。
 2点目、平成9年度の24時間対応ホームヘルプサービスを市町村というふうになっているが、その実施状況、また課題等についてお伺いしたいと思う。
 3点目、同じく説明書の157ページで、骨髄バンク促進事業があるけれども、このかかわりで去年の9月の一般質問の中で、これを補うものとして臍帯血バンクが望ましいのではないかということでお伺いしたが、その後何か検討された部分があればお伺いしたいと思う。
 4点目、児童家庭課の担当かと思うのであるが、財団法人岩手県婦人会館の運営についてお伺いしたいと思う。
 同理事会では、平成9年度維持管理が不能に陥ったという会議の結論を出しているようであるが、行政は冷たく対処しているのではないかという声があるがどうであろうか。この財団についてはかつては、例えば平成3年の場合、年間1、200万円くらいで運営されていたものが低減していって、9年の場合450万円くらいの収支とかになっていて、基金がほとんどなくなっていたりとか、いろいろ苦しい状況にあると聞いているが、その内容についてお伺いしたいと思う。以上4点お願いする。

〇西川国保援護課長 乳幼児医療費助成の事業についてのお尋ねであるけれども、まずその状況であるが、ことしの8月1日施行の形で対象を2歳拡大したのは委員御案内のところかと思うけれども、対象者としては1万7、657人、そして補助金額でいくと2億9、300万円という我が県の状況である。それから、所得制限の問題であるけれども、これも国の方は児童扶養手当の基準で引き下げの状況になったのも委員御存じのことかと思うけれども、当県ではそれに80万円の上乗せをして、それまでの水準を維持してきている状況である。そして、いざ所得制限を撤廃した場合にどういう差が出るかというお話については、残念ながら私どもは手元で試算したものがないので、御了解をいただきたいと思う。

〇上野長寿社会課長 24時間ホームヘルプサービスについての現状と課題ということであるけれども、この事業は本県においては平成7年度から開始されておるが、平成9年度からは国庫基準に満たないものについても県単補助を導入しており、本年度においては13市町村にまで拡大してきているところである。この事業は制度が発足して間もないこともあり、市町村や利用対象者に十分趣旨が浸透していないということが一つある。なお、実施した市町村においては、24時間体制による深夜の巡回サービスの実施等により、介護する家族の負担軽減が図られたとか、あるいは在宅での継続的な介護が可能になっているということで、利用者から大変喜ばれていると伺っておる。

〇宇佐美保健衛生課長 骨髄バンクの関係であるが、臍帯血移植の対応、その後の対応ということの御質問であるが、先般、国の動向を見きわめながら対応してまいりたいとお話をしておるが、今般、国の方ではこの臍帯血移植について非常に、技術的あるいは運営、財政上の課題というものを抱えておることから検討会を設置したところである。これが平成10年1月19日である。これまで10回にわたって検討を重ねて、7月27日に中間まとめということで発表したところであるが、その中でこの臍帯血バンクについては、運営組織を全国一つの組織体として整備する、あるいは臍帯血移植のものと、それから骨髄バンクと一緒にした幹細胞バンクといったものを設置したらいいのかということが、その一つの課題として、いわゆる検討課題として出されておるところである。そういった状況を踏まえて、本県においては国の動向、またあくまでもこういったことを注視しながら対応してまいりたいということであるが、なお、本年の3月3日であるが、県内の血液学の専門家による臍帯血移植についての勉強会というものが開催をされておる。今後、県としても、こういった専門家による臍帯血勉強会といったようなもの、それからそのほか連携あるいは情報交換といった場が設けられるのであれば、そういったものを一層支援をしてまいりたいと考えておる。

〇深田児童家庭課長 その件については、法人の方から今のところその状況について、特段こちらの方で把握しておらないので順調にいっていると思ったが、そういう問題があるということであったならば必要な相談に乗り、指導していきたいと思う。

〇小野寺委員 再度お願いする。
 1点目の乳幼児医療費の関係で、先ほどことし8月から2歳未満という御答弁であったけれども、ことし4歳未満児ではないのか。(「2歳拡大した。」と呼ぶ者あり)拡大したということでよろしいのか。わかった。
 その際に、全く試算してないと、こういう御答弁であったけれども、これは例えば知事から要請がないからそういった計算はしないということなのであろうか、必要が全くないということか。いろいろ請願とか陳情とかあるかと思うのであるが、そういった試算をやっておいて当然ではないかと思うが、その辺の所見をお伺いしたいと思う。
 それから3点目の、骨髄バンクと臍帯血バンクを一緒にという国のそういった考えには、かなり無理があるのではないかという専門家の意見があるのであるが、県はその点についてどうお考えになっているかお伺いしたいと思う。
 あと4点目の岩手県婦人会館の運営状況、この辺についていろいろあるのであるけれども、当事者たちがいろいろ児童家庭課長にお話に行ったりとかしているふうに記録があるが、そういった部分は承知してないのか。

〇西川国保援護課長 ただいまの試算の件についてであるが、所得制限をつけていることにより、その大体必要な方々の7割程度を捕捉している、結果的に3割があるいは外れることになろうかと、そういう感じは持っておる。したがって、今の状況で2億9、300万円であるから、それに3分の4あるいは7分の10をかけたくらいの金額が、もし撤廃すると膨らんでくる状況かなという感触は持っておる。

〇深田児童家庭課長 確かに、担当者のレベルで協議を現在行っているということなので、ちょっとまだ協議が途中であるということで私の方に特段まとまってきておらないが、これからよく把握していきたいと思っておる。

〇宇佐美保健衛生課長 骨髄バンクと臍帯血バンクを一緒にというのは無理があるのではないかということで、県の考えていることであるが、現在のところ、いろいろこの検討会の検討結果というものを注視しているということで、県としては特に一緒になる、あるいはならないということに対しての判断材料は持っておらない。

〇小野寺委員 岩手県婦人会館のこの運営についてもう一回であるけれども、例えば9年度の関係で平成10年3月3日の理事会で、会館の維持管理が不能に陥ったという経過を報告しているのであるが、そういったことなどを御存じなかったであろうか。

〇藤原副委員長 小野寺委員、婦人会館については商工労働観光部の所管なので、今の件についてその分でひとつ御質疑お願いしたいと思う。(小野寺委員「わかった。」と呼ぶ)

〇千葉(伝)委員 私の方から保健所の運営に関して質問する。
 決算事項別明細書167ページの保健所費ということに関し、県では平成9年4月から保健所の再編整備がされており、その後1年8カ月経過するわけであるが、再編後の体制について県はどのような評価、認識しているかをまずお伺いする。この件に関しては、当委員会の総務部あるいは生活環境部で伊沢委員からも質問があったわけであるが、主管部ということで私からもそこの分についてお伺いするものである。

〇関山保健福祉部長 今、委員からの御質問である保健所の再編整備の件については、地域保健法の全面施行に伴って、本県の保健所の機能拡充及びその管轄の拡大等を図るねらいとして行っているところであり、その中においては保健所機能を高めるという観点から保健福祉企画課等を整備し、あるいは試験検査機能を高めるために一定の施設整備を行うなど、その機能強化に努めてきたというところである。また、地方振興局の中において保健所が福祉事務所と一体となって、保健、医療、福祉を一体的な行政としてとらまえ、展開できるという組織の枠組みができたことにより、さらに一層、保健福祉行政の全般的な充実強化がなされる体制づくりが整ってきたのではないかと、かように考えておる。

〇千葉(伝)委員 その保健所の再編整備に当たっての今の部長の御答弁ということであるが、間もなく2年経過するといった中で、いずれ今後の保健所の運営に当たって、 やっぱり地域の保健活動、 先ほど部長がおっしゃった地域保健法の施行を踏まえて、鋭意頑張っていただいているということであるが、そういったことで今後はやはり部長がおっしゃったように、保健、医療、 福祉の連携したシステムの構築、 あるいは地域の課題の調査研究という視点からも保健所の機能強化、それにまた必要な職員の充実、そういったことを進めていかなければならないと私は思う。加えて、そのきめ細かなサービスの提供、いわゆるその地域に根差した保健活動の強化が図られるべきである。この重要施策の分にも保健所の活動の中に、ここが大事であると思うのであるが、その地域に根差した保健活動の強化という分もぜひとも頑張っていただきたいと思う。
 それで、少し具体的になるのであるが、平成9年4月の時点で岩手保健所が廃止されたわけである。そういったことで、これは距離的な面あるいは行政サービスの低下を招かないという視点から岩手町に出張所を置いていただいておる。このことに関しては、当該町村、住民、そして関係者から大変喜ばれておる。地域住民にかわって県に感謝申し上げるところである。県では、地方、地域を重視する行政を推進する、あるいは先ほど申し上げた保健、福祉、医療の連携、従来以上にこういったことが求められていると思う。地域にとってはより身近な行政サービス、指導を受けられる状態がよりベターであると思うわけである。再編後の出張所のある地域の状況をどう認識し、また地域の声をどう把握しているかをお伺いする。

〇関山保健福祉部長 委員御質問の盛岡保健所岩手駐在所については、地域保健法の全面施行に伴って、平成9年4月1日の岩手保健所の廃止という組織改正に伴う激変緩和と措置ということで、岩手町に3人の職員を駐在させ、その中において食品衛生、環境衛生に係る営業許可申請の受理や健康相談業務に対応しているという状況である。何分この取り扱いは激変緩和ということであるし、当初10年度末までの2年間ということで、その駐在の配置期間を設定しておったところである。

〇千葉(伝)委員 その岩手保健所の廃止後の出張所ということで、私は、特に2年という部分は、それは県の方の考え方という認識なわけであるが、いずれ今後平成11年には岩手県で開催するインターハイがある。その会場には岩手町とか西根町が予定されておる。そういったことで県内外から多くの方々が訪れ、そしてまた、宿泊あるいは飲食等をするといったことで、その食品衛生上の観点からの指導が地域に強く求められておる。また、平成12年には、先ほどお話があったのであるが介護保険制度が開始される。そしてまた、平成13年には県立沼宮内病院の改築等が予定されておる。そういったことで、先ほど地域の保健、医療、福祉の連携ということを今後ますます進めていかなければならない。そのためには、私は出張所というもののあり方というのは、未来永劫とは申さないが、いずれ現時点での継続が至当と思う。このことについて、部長の誠意ある御答弁をお願いする。

〇関山保健福祉部長 今の委員御指摘の点について、委員御懸念のお話については私ども地元からも御要望のあることについては承っておる。したがって、駐在の配置期間を1年に限って延長することについて、現在インターハイ等もあるので検討中であるという状況である。

〇千葉(伝)委員 また、期限の話が出て、いずれ前向きな御答弁ということで大変ありがたいと思う。
 加えて、先ほどの質疑の中にもあったのであるが、保健所というものをどうこれから強化していくかという分では、先ほどの前の分で中屋敷委員からの、いわゆる環境保健センター等の位置づけといったこと、それから地域の環境問題、公害、それから環境ホルモン、またいろんな地域の調査研究、さまざまなことがこれからますます求められると思う。そしてまた、そういったことから保健所への期待がますます大きくなると思う。そういったことで、先ほど私が大事だと言ったのは、地域の皆様方により細かな、そしてまた身近な行政ができるような体制をお願い申し上げて、私の質問を終わる。

〇水上委員 今、千葉伝委員からいろいろお話があったわけであるが、前緒方保健福祉部長は、一応、再編統廃合の命題をひっ提げてきて、地域住民の意向とは関係なく統廃合をしたわけであるが、ただ、その後、一生懸命地域の保健活動に対して誠意を尽くしてやってくださった実績があることに対しては、心から感謝申し上げる次第である。
 それで関山保健福祉部長には、前に、廃止した後、いろいろその後の地域の意向を酌んで、必要なところにはまたつくるという意気込みでやってもらいたいし、少なくとも今やっている保健所、出張所等は、できればずっと継続していっていただきたいという趣旨からちょっとお聞きしたいが、先ほど千葉委員のお話にもあったわけであるが、地域の意向調査、その後どのような調査をしてどのように県は今把握しているか。地域住民の声をどのようなことで聞いているかということを教えていただきたいと思う。

〇千葉保健福祉課長 保健所の再編については、先ほど部長から申し上げたとおり、地域保健法の見直しによって大々的な再編整備ということが行われたわけである。私どもにおいても、常に地域での密着した保健所というようなことから、地域の声を保健所の行政に反映させるというような、あくまでも基本的な観点から業務を行っているところではあるけれども、今まで特に大々的に県民の方々にアンケートを出して調査をするということはやっておらないが、常に日ごろ接しておる保健所の職員等々からお聞きすると、特に不便は感じているというような、強い要望というものはちょっと耳にしておらないのでそういう調査をやっていないということであるけれども、そういう状況にあるということである。

〇水上委員 保健福祉部としては、県政懇談会等でこちらから聞くような努力をしたかどうか。

〇千葉保健福祉課長 私の方から積極的に県政懇談会等の場において、保健所を再編整備した後の便利さ、不便さというようなことを積極的に話題に取り上げるということは実はやっておらない。

〇水上委員 ということは、知事の言っている地方の声を、地域地域の声を大事にするという趣旨からいけば大変仕事が怠慢だと思うので、これから積極的にやってもらいたい。
 それから、あそこは細長く、葛巻に長い。そして葛巻から久慈の方に行くにも大変であるから、ぜひ11年度と言わず、継続する努力でやっていっていただきたいと思うので、もう一度部長の見解をお聞きしたいと思う。

〇関山保健福祉部長 盛岡保健所岩手駐在については、先ほども御答弁させていただいた趣旨である。しかしながら、この駐在を廃止するに当たっては、先ほどからも委員御懸念されておるが、行政サービスの低下を招かないようにと、今現在やっておるのは食品衛生、環境衛生に係る営業許可申請の受理等についてである。こういった業務については、廃止後においても行政サービスの低下を招かないように配慮してまいりたいと、かように考えておる。

〇藤原副委員長 それでは、先ほどの小野寺好委員の御質問の関係でおわび申し上げたいと思うが、先ほどの御質問の中に、婦人会館の所管について、先ほど商工労働観光部所管との発言をいたしたが訂正をさせていただく。まことに申しわけない。再度、児童家庭課長に答弁させるので御了承願う。

〇深田児童家庭課長 財団法人岩手県婦人会館の件であるが、これは児童家庭課の所管であった。大変申しわけなかった。訂正させていただく。
 それから、この運営については収益事業がなくなったということを確かに伺っており、そのことで組織の存続まで影響があると、非常に深刻な問題にあるというところまで認識しなかったこと、大変申しわけなかった。今後、適切に相談に乗り指導していきたいと思うのでよろしくお願いする。

〇谷藤委員 介護保険の導入ということが間近に迫っていると思うが、ただ、いろいろ聞くところによれば、なかなか諸問題もあるようであるけれども、いずれ、介護サービスに関する部分についてちょっとお尋ねをしたいと思っておる。
 ホームヘルパーなどこれまでいろいろ取り上げられてきたと思うけれども、それ以外に具体的に理学療法士とか作業療法士、それから臨床検査技師とか言語聴覚士とかいう職種の方々がおられて非常にこれに関連してくる部分だろうと思うけれども、この方々の現在の充足状況、それから今後の養成計画というものがどうなっておられるのか。

〇千葉保健福祉課長 福祉人材の養成については人対人とのサービスというようなことから、さまざまな職種の方々がおられるわけである。それで岩手県としては、施策の基本的な推進方向を決めた福祉人材の育成を総合的、計画的に推進するための福祉人材の基本的な指針というものを昨年度つくったところである。それで、その中でコ・メディカルと申そうか、今委員がおっしゃったとおり理学療法士、作業療法士あるいは言語療法士、そういった方々も含めて、どの程度必要なのかというようなことが一つある。
 それからもう一つは、現在実際に現場で働いている職員の研修というものがあるが、それは現在基本的には社会福祉研修所等々で行っておるけれども、このほかに介護実施普及センターであるとか社会福祉協議会で行っているということから、県立大学社会福祉学部との連携も深めて、新たな社会福祉研修のあり方について検討を進めているところである。
 現在ある社会福祉施設あるいはそういった関連の施設においては、それの職員の最低基準と申そうか、そういったものが基準で、厚生省令で定められており、その職員の数はすべて充足されていると聞いておる。

〇谷藤委員 それは当然、その施設を運営していくためには基準を満たしていかなければ許可にならぬわけであるから、その部分について当然そうだと思う。ただ、将来に向けてこれから介護保険が導入されていくという中で、この部分をどのように計画的に進めようとしているのかという部分について、いろいろ試算しているだろうと思う。将来に向けての、それに対してどのように対応しようとしているのか。

〇千葉保健福祉課長 ただいま社会福祉審議会というものを開催しており、これは新県総並びで部門別計画の一種としてやっているわけであるが、この中で施設整備であるとかサービスの充実ということはもとより、福祉人材、それに従事する方々の数と申そうか、そういうことも含めて現在作業中である。まだ中間報告で、総論部分的なところにしかまだ至っておらないけれども、近くそういった部分にまで着手しようという計画でおる。委員御指摘のとおりの介護保険の施行ということも十分踏まえながら考えてまいりたいと思っておる。

〇谷藤委員 そういうことで、時期はちょっとずれ込むとかずれ込まないでそのまま行くとかという話はいろいろあるけれども、いずれ万全を期して養成方も努めていただきたいと思っておる。
 次に、保育対策の部分についてお伺いをいたしたいと思うけれども、今共稼ぎ世帯というのが大変ふえてきておるわけであるし、それから、その分保育サービスに対するニーズというのも相当多様化してきているということである。そういうことで、これから各保育所についても特色を出して運営していかなければならないということでいろいろ工夫はされておるようであるけれども、延長保育とか一次的保育、また、乳児保育などの取り組みの現状についてお知らせいただく。

〇深田児童家庭課長 岩手県における低年齢児の保育とか延長保育、一次的保育といった特別保育の実施状況については、平成9年度の実績で、低年齢児保育が延べ176カ所、それから延長保育が119カ所、一次的保育が13カ所、それから県単独で補助している休日保育が14カ所の実施となっておる。そして平成10年度、現状であるが、低年齢児保育の受け入れ箇所が204カ所、延長保育が104カ所、一次的保育が41カ所、休日保育が13カ所となっておる。

〇谷藤委員 そういうことで、いろいろその時々の時代というか、それに合わせていろいろ預ける側の状況というのも変わっていくのかもしれないけれども、いずれ、今の流れの中ではいろんな形のものがこれからも模索されていくのだろうと思う。ただ、それに伴う人的なものとか施設が充実していくとか、いろんな面でこれからも苦労がある分野かと思っているけれども、最大限の御理解をしていただく方向で頑張っていただきたいと思っておる。
 私も長年--今もそうであるが、まだ保育園でお世話になっている関係で、実態というのを見ていると理解できるなと思って、一生懸命若い方々も頑張っているわけであるけれども、それに御支援をいただければありがたいと思っておる。 
 それから最後であるけれども、ひとにやさしいまちづくりという分野についてお伺いをしたいと思っておる。
 平成8年に条例が施行されてから3年になるわけであるけれども、いろんな成果は上がってきていると思う。ただ、公用施設の方はかなり進んできたのか、民間の方に対するいろいろな助成措置というのもあると思うけれども、いろいろ取り組んできた部分の成果、これからの目標をどう位置づけておられるか。
 今、バリアフリーという形でいろんな表現の中で、いろんな施設に対して見方が変わってきている。そういう中で、やはり高齢者とか身障者の方々が施設を利用するときに不便をまだまだ感じている部分というのがあるのではないかと思う。そういうことで、どこまで将来計画的に進めていこうとしているのか、その辺をお聞かせいただきたい。

〇舘地域福祉課長 まちづくりの関係であるけれども、御案内のとおり、県においては平成8年4月1日から条例を施行いたしてまちづくりを進めているところである。このまちづくりを進めるに当たっては、やはり建築物、道路、公園などのハード面と、それから福祉教育とか県民の意識啓発など、こういったソフト面の両面からの推進と、こういったものが必要になってくるだろうと、こう考えておる。したがって、このような中で、県においてはそれぞれまちづくりに係る事業というのは各部局にまたがる事項が非常に多いものであるので、それぞれの所管部においてその施設とか事業の見直し等によって条例に基づく整備や事業の推進を図っていただくということであるし、それから県民が高齢者や障害者について理解を深め、ひとにやさしいまちづくりに積極的に取り組んでいただけるよう、まちづくり賞の表彰とかあるいはシンポジウム、こういったものの開催等によって県民の意識啓発を図っているところである。
 また、ひとにやさしいまちづくりを支援誘導するための推進施策として、先ほど委員御指摘のとおりの低利融資制度を設けてその活用について広くPRを行っているところである。比較的公立というか公的建築物についてはまちづくりがどの程度進んでいるかということについては把握できる面があるけれども、やはり民間の施設についてはなかなか正確に把握することが非常に困難な状況であるので、どの程度進んでいるかという御質問に対しては、どの程度進んでいるとはなかなかお答えできないけれども、将来、条例が施行された後の--3年たつわけであるが、その間に民間の施設がどの程度まちづくり条例に合致するような整備がなされたかと、そういったことなどについて何とか調査してまいりたいと、そういったことで考えておる。

〇谷藤委員 いずれ、公的施設というか、そっちの方は建設段階から県がもちろんかかわっていくわけであるから、そこの中で設計の段階でいろいろ工夫していくことは当然可能なわけであるけれども、民間の方が進めていく段階で、設計段階のときとかこれは各市町村も含めてであろうけれども、建築確認とか出てくる段階でいろんな指導というものが、指導というか協力要請ということになるであろうか、そういう段階からいろいろとかかわって協力要請をしていくという形がもっと積極的にとられていくことが必要ではないかと思う。
 それから、確かにまちの中のほとんどの横断歩道というか、そこの段差の切り下げというのはかなり進んできたと思っているけれども、ただ、カナダのビクトリアあたりだとそのままでいいのだと。別にあんなものは段差の切り下げなんかしなくたっていいのだと。困った人がいたらみんなが行ってそれを助ければいいのだという、要するに福祉というかそこに対する考え方というか、みんなで困っている人がいたらばそこにみんなで行って手伝って、動きやすくすればいいのだという、これは教育の分野にもかかわることかもしれないけれども、そういう心を育てていくという分野がこれからも非常に大切になっていくのではないかと思っておるので、保健福祉部の御活躍を御祈念申し上げて終わらせていただく。

〇斉藤委員 まず最初に、介護保険への対応についてお聞きをする。
 私は、総括質疑でもこの問題を取り上げた。低所得者が保険料、利用料を払えない事態になるのではないかと、この問題を取り上げたが、あいまいな答弁であった。国民年金の免除者は4万1、000人、20・1%、未納者は12・4%である。そして国保税の滞納者は10・8%、これは2万2、800世帯。大変な事態である。こういう方々が保険料、利用料を払えるであろうか。このことを私はまずお聞きしたい。
 第2に、介護基盤整備のおくれについて、在宅福祉のかなめであるホームヘルパー、10年度末は76・1%という答弁が総括であった。全国的には要支援者の40%を措置する目標になっているそうであるが、岩手県の場合はどうなのであろうか。
 事業費補助方式、これが平成9年度から一部導入されて、10年度はすべて事業費補助方式に変わった。その結果、補助金は25%減額をされている。この額を示していただきたい。既に市町村、社協、特養などの福祉法人がホームヘルプサービスから撤退する動きが出ているが、承知しているであろうか。具体的な状況を示していただきたい。
 あわせて、これまで無料でサービスを受けていた低所得者、高齢者の多くが、介護保険ではホームヘルプサービスを受けられなくなるのではないか。無料で受けているのが約8割少しである。そうなると、介護保険が導入をされたら、今まで受けていた福祉サービスがかえって受けられなくなると、私はこういう事態は絶対に回避しなければならないと思うが、どうであろうか。福祉の後退、切り捨てということにならないか。また、介護保険の対象になっていない福祉サービスについては、高齢者保健福祉計画が拡充されるのかどうか。
 三つ目に、特養ホームの入所者の問題についてお聞きする。
 私、この問題もお聞きしたが、いつも答えが同じである。どんどん入所待ちがふえるのだけれども、ことし何カ所か特養ホームができているから、その分は解消されるはずであるが、されていない。平成9年度、特養ホームが何カ所できて、入所待ちが何人ふえたか示していただきたい。ことし9月末まで1、145人である。その点で私はもう100%を超えたと言っても、特養ホームの計画というのは全然実態に合っていない。介護保険料を取られても、特養ホームに入れないという事態が一層深刻になるということであろう。私はそういう点で、この特養ホームの緊急増設が必要だと提起したが、その必要性を感じているかどうかお聞きする。
 入所者の問題であるが、現在入所者の6・7%は無料である。30%は1万円以下の入所費用となっているが、介護保険になった場合に、これは食事負担をあわせれば4万7、000円と現段階では試算されているが、こうした高齢者の追い出しにならないだろうか。介護報酬はどうなっているであろうか。とりあえずここまで。

〇六本木介護保険システム整備監 まず、保険料、利用料を支払えない高齢者の実態についてであるけれども、高齢者の所得状況については、平成8年度に実施した高齢者保健福祉実態調査でおおむねのところを把握しているところである。低所得の高齢者が保険料あるいは利用料を負担できるかどうかについては、保険料率や介護報酬がまだ決まっていない段階であり、しかも高齢者の家族の状況や生活のレベルなども関係してくることから、一概には言えないことである。その判断は困難と考えておるので、御了承をお願いしたいと思う。
 順番が前後するけれども、無料でサービスを受けてきた低所得の高齢者が、介護保険ではホームヘルプサービスを受けられなくなるのではないかということであるけれども、介護保険制度は、利用するサービスに応じて利用者が公平に費用を負担する仕組みとなっているものである。しかしながら、低所得者については所得状況に応じて負担上限を定め、これを超える場合には高額介護サービス料を支給するなどの配慮がなされることとなっているものである。
 次に、介護報酬についてであるが、介護報酬については、現在、国の医療保健福祉審議会介護給付費部会において審議をされているところである。

〇上野長寿社会課長 介護基盤の整備についてであるけれども、ホームヘルプサービスの目標量であるけれども、本県の高齢者保健福祉計画においては、寝たきり老人及び痴呆老人については、対象者総数及びサービス提供水準に基づき算定されるサービス最大必要量の50%、それから虚弱老人については30%と定めているところである。
 それから、ホームヘルプサービスの補助金の減額の状況であるけれども、平成9年度は事業費補助を選択導入いたした町村が4市町村あり、これは実施期間が1カ月から3カ月間という短期間であり、合計で381万円の補助金の減額となっているところである。
 それから、ホームヘルプサービス事業の運営主体の動向であるけれども、各運営主体において24時間サービスの導入であるとか、あるいは家事援助型から身体介護型への移行という経営の基盤の安定化に向けた努力が行われておるほかに、市町村においては民間事業者等の参入を促す動きというものも見られると承知しているところである。
 次に、特別養護老人ホームの問題であるけれども、特養ホームは現在平成9年度末で72施設、4、250人の定員が整備されており、平成10年度には既に4カ所、200人定員の増床に着手しているところである。これによって、平成10年9月末現在の在宅の待機者の328人のうちの緊急に入所を必要とする待機者はある程度解消されるのではないかと考えているところである。

〇斉藤委員 保険料、利用料を払えないのではないかというのは難しい話ではない。切実な話である、これは。問題は、厚生省が具体的な基準を決めていないというだけである。ただ、保険料は平均の0・5まで低減できるということであろう、全国平均2、700円であるから。高知で試算したら5、000円だという。低水準のところから出発して全国平均2、700円である。これが5年後には約倍近くになるという厚生省の試算である。そうすると、5年後には2、700円を掛けて5、000円にはなる。夫婦だったら1万円である。であるから、これはもう導入時点で私は大変な額だと、保険料が。そして利用料が1割だと。私は本当に減免制度がなかったら、最初から介護サービスが対象にならない人たちがかなりの規模出てくる。この対策を私は厚生省に強く求めるべきではないだろうか。予想できる、こんなことは。
 それで、全国町村会が国に、岩手県の町村も含めてだけれども、こう言っている。同制度の施行準備が整わない場合は、その実施時期を延期することも考慮に入れるべきだと。介護基盤も対策も整わない場合には延期すべきだと、そうしないと大変な混乱が起こると。全国町村会が10月に緊急要望している。私は事態はそういうことだと思う。皆さんは担当者だからわかると思うので、本当に払えない方々のこういうパニックを起こさないような、国保制度ならある減免制度、免除制度、こういうものを保険料、利用料では導入すべきである。ドイツではあるのであるから。
 それと、特養ホームについて、僕はかみ合わないと言ったのにまたかみ合わない答弁をしたのだけれども、大体去年の、平成9年度の実績で私が聞いたときには、平成9年度は既に170人の増床に着手しているから、この部分は解消できるはずであると。190人を9年度に整備したのに、いいであろうか、在宅はふえているではないか。どんどん入所待ちはふえている。全然追いつかない。今のは答弁になっていない。であるから、緊急増設が必要ではないかと。介護保険で特養ホームに入れる人が、これでは入れなくなるのではないだろうか。その点を私聞いているので、毎年同じずれた答弁しないで、そういう乖離をどう考えているのかお聞きをする。
 それと、事業費補助方式に変わって、10年度も25%減になる大変な額である、これは。それで、こういう動きが出ている。一関市では、24時間ケアを民間に委託。久慈市では介護マネージャーは養成しない。55歳からは雇いどめにする。水沢市は、平成12年3月31日で全員雇いどめ通告。大東町、玉山村の養護老人ホームも法人委託。いわば、この事業費補助方式でやっていけない。深刻な事態がもう既に今の段階で出ている。これが未来の21世紀の介護制度なのか。私は本当にこれでは専門職としてのホームヘルパーの養成はできないと思う。そして公的責任を放棄して、民間にみんな丸投げということになるのではないだろうか。この事態をどう思うか。

〇上野長寿社会課長 特養ホームの件であるけれども、県の計画であると4、230までが老人保健福祉計画の内容であるけれども、既にこれを上回って整備に努力しているところである。
 なお、24時間ホームヘルプのところでも若干申し上げたけれども、非常に喜ばれている制度であるということであるが、そういった利用者の方の中には、24時間ヘルパーを利用したために特養ホームに入所申請をしないで済んだということもある。したがって、現在でも特養ホームの整備には努力しているところであるけれども、在宅サービスの整備と相まって成果が上がるのではないかと考えておるので、今後とも努力してまいりたいと、このように思っておる。
 それから、ホームヘルパーの件であるけれども、先ほど申し上げたがさまざまな民間参入の動き、あるいは経営基盤の確立という点から、家事援助から身体介護という介護報酬の高いサービスへの基盤の努力というものがされておるので、そういう動きを今後とも支援してまいりたいと、このように考えておる。

〇六本木介護保険システム整備監 低所得の高齢者に対する高額介護サービス費や食費の負担における具体的な配慮については、現在国の医療保健福祉審議会老人福祉部会において検討されているところである。低所得の方が負担の重さのためにサービスの利用を控えることは、障害の悪化の予防あるいは生活の質の確保の観点からも好ましくないと考えられる。そのため、サービスを真に必要な方がだれでも適切なサービスを利用することができるよう、介護保険制度の理念の実現に努めてまいりたいと考えておる。

〇斉藤委員 かみ合わないから部長にお聞きする。
 特養ホームについては、いいであろうか、目標が低かった。それを突破しても毎年入所待ちがふえ続けているということが現実である。そこを見て、それに合うようにしなければだめであろう。低い目標を突破したからいいということにならないであろう。入所待ちというのは、入所申請して、特養ホームにあなたは入れる人であると。しかし、ベッドがないから待っていてもらうと、こういう人である。希望者じゃない、この入所待ちという数は。本来入れるのだが、ベッド数がなくて入れないという人である。部長、であるから、毎年こうどんどん100名以上ふえていく。介護保険になったら入りたくても入れなくなっていいのか。であるから、緊急に計画を見直すべきではないだろうか。前倒しで、特養ホームを増設するべきではないだろうか。
 2点目に、在宅福祉を重視しているというけれども、在宅福祉のかなめのホームヘルパーは、10年度末見込みで76・1%である。ゴールドプランも目標を達成しない。これであなたは重視していると言うけれども、おくれている。ゴールドプランも達成しない。ましてや今言ったように、事業費補助方式でまともなホームヘルパーを確保できない。こういう事態に私は--本当にこれは大変だ。厚生省から来ているからあなた詳しいと思うから、こういう事態で本当にホームヘルパー、在宅かなめのホームヘルパーを確保できるであろうか。

〇関山保健福祉部長 先ほど委員がお話しいただいている特別養護老人ホームの施設整備であるが、高齢者が住みなれた地域においてケアを受けるということが基本的に望ましいわけであり、そういった観点で介護保険制度というものはなっておるということである。したがって、箱物をつくればそれでよしということではなくて、在宅サービスをいかに整備していくかということも片や重要な課題だと思って私ども対応しておる。先ほどの特別養護老人ホームの件であるが、高齢者にふさわしい施設サービスとしては、特別養護老人ホーム以外にも療養型病床群あるいはケアハウス、それから軽費老人ホーム等々あり、地域にふさわしい、その地域にお住まいになっている方々にとって必要なものを計画していただくために、現在、介護保険事業計画なるものを策定し、その中で鋭意検討していくわけである。
 先ほどの在宅サービス、特にホームヘルパーの人材確保であるが、この点については、先ほども谷藤委員にも御答弁させていただいたわけであるが、また御答弁させていただくと、私ども、もう既に平成9年度末現在のホームヘルパー養成研修修了者は5、789名ある。今、ホームヘルパーの整備目標数というものについてみれば5、789名であるので、その数字は上回っておると。未就労のホームヘルパーの方々をいかに現場で働いていただくかということが重要になってまいるので、そういった観点からリフレッシュ研修会というものを開いて、介護保険制度が12年度施行するので、それに間に合うようにどうにか鋭意努力しているという状況である。

〇斉藤委員 大体76%にホームヘルパーがとどまっている理由は、待遇が悪いからである。なぜ5、000人の人たちが働けないかというと、そこが問題である。そして、特養ホームに入りたい人がたくさんいる。身近なところに特養ホームをつくったらいいではないか、希望者がいるのだから。私は厚生省が全く実際の高齢者の本当の希望に目を向けていないと思う。本当に残念でならない。
 その次に、介護認定審査についてお聞きする。
 これも大変深刻な問題が起きている。平成8年、平成9年で、第1次審査と第2次判定で22%から21・9%のこの差が出た。今、全市町村で介護認定審査の試行をやっている。余りにも乖離が大きいから、ことしやっているものはコンピューターの第1次判定を覆すことができないような試行になっている。私は本当に今の高齢者の実態を無視するやり方だと思うが、どのようにことしの介護認定の状況が変わったのか示していただきたい。
 時間の関係で後のものもお聞きする。
 学童保育について。平成9年度の学童保育の実施状況はどうであろうか。そして平成10年度は法制化されたけれども、どのように拡大をされているのであろうか。今年度から法制化されたとはいえ、これ自身大きな前進であるが、学童保育のおくれた現状を追認するという現状にとどまっているのも事実である。全国的に県単助成を行っている都道府県の内容を示していただきたい。岩手県としては、私は基準に当てはまらない小人数の学童保育、障害児学童保育には独自に助成して、岩手県も県単助成を法制化にふさわしく進めるべきだと思うが、いかがであろうか。

〇六本木介護保険システム整備監 要介護認定についてであるけれども、平成10年度のモデル事業では、第1次判定を変更しにくくなったというような御指摘であるが、昨年度までのモデル事業では、それぞれの市町村の審査会の判断で1次判定の結果を変更していたものである。今年度は、審査判定が全国一律の基準で行われるように1次判定を変更する際のルールについて決めた上で審査判定を行っているものである。

〇深田児童家庭課長 学童保育についてのお尋ねについてお答えする。
 放課後児童健全育成事業、いわゆる放課後児童クラブについてであるが、平成9年度の実施状況は16市町村で67クラブの実施であった。これが法制化された平成10年度は17市町村、71クラブの実施と拡大した。
 この放課後児童クラブに対する県単助成の状況であるが、本県が把握しておるところでは、小規模な児童クラブへの助成など何らかの県単助成を行っている都道府県が41都道府県ある。この放課後児童健全育成事業の充実については、補助制度の充実等国に対して要望しているところである。また、この法制化を機として、各市町村に対して事業の積極的な推進を指導しているところである。
 この本事業の充実については、県議会からも本年7月には事業の充実を求める意見書を国に対して提出しておるところであり、また、申し上げたとおり県についても、まず国に対する充実の要望を出しておるが、その他、県としての支援策について現在検討を行っているところである。

〇斉藤委員 それで介護認定審査、今までの試行で何が問題だったかというと、調査項目が身体機能に偏り過ぎていて、家族や住宅、経済状況など、お年寄りの置かれている生活実態を総合的に判断するものになっていないというのが、8年、9年の介護認定審査の問題点だった。ところが、今答弁になったように、それを改善するのではなくて、第1次判定を覆せないような中身で今やられている。であるから、全国的にどうなっているかというと、去年要介護度が5だった人が、ことしは3になっている。大変なことである。こういう変更しかできなくなる。そうであろう。私はこれでは逆効果で、本当に必要な人が判定されない。なぜかというと、これは65歳以上のお年寄りの介護サービスの対象が13%だからではないか。13%以上は認定できないということではないか。そこから出ているのではないか。
 それと、最後まで聞く。
 国保税の問題について聞いて終わる。高過ぎる国保税が住民にとって大変苛酷な税金になっている。平成9年、市町村国保会計決算を見ると、合計で黒字が56億4、000万円、ため込んでいる基金が102億5、345万円、あわせると国保加入世帯1世帯当たりで7万4、000円となっている。これは高過ぎる国保税の取り過ぎではないであろうか。住民に引き下げで戻すべきではないであろうか。基金のため込みは、厚生省の5%基準が市町村合計で試算すると35億9、700万円である。その約3倍の102億円もため込んでいるわけである。5市町村を除いてすべての町村で5%以上ため込んでいる。10%以上、20%以上、30%以上、40%以上ため込んでいる市町村はどれだけあるか。
 高過ぎる国保税の一方で、滞納者は全市町村で2万3、353世帯、10・8%に及んでいる。滞納額は65億円である。盛岡市の場合8、524世帯、22・9%、20億7、862万円。この滞納者、滞納額の実態、要因をどうとらえているか。
 厚生省は1986年から、滞納者から保険証を取り上げる指導を強めてきた。保険証未交付、資格証明書、短期保険証の発行状況はどうなっているであろうか。この間の推移を示していただきたい。
 国保税の改悪によって、保険証の取り上げを義務化した。これをそのまま進めれば、金のない者は医療を受けられないことになる。これは介護保険に連動してそうなった。保険証の取り上げ義務化はすべきでないと思うが、いかがであろうか。埼玉県では、短期保険証も資格証明書も発行していない。やればできる。
 応能・応益割の比率を平準化することによって、低所得者が国保税の増税を強いられている。応能、応益の比率はどう推移しているであろうか。低所得者の負担増はどうなっているであろうか。
 県の国保会計に対する出資金は1人当たり28円で、全国平均の1、392円の40分の1以下である。県の支出を全国平均並みに引き上げるべきではないだろうか。岩手はなぜ低いのであろうか。

〇六本木介護保険システム整備監 最初の介護認定において家族の状況等を勘案していないということについての意見は聞いておる。介護認定においては、家族介護の状況を入れていないということであるが、これはもし家族介護の状況を勘案して認定を行った場合には、家族介護者があるものは介護度が低く判定される。そのため、介護給付で受けられるサービスの上限が低くなってしまう。結果的に家族の介護に依存するということになるので、介護の社会化という介護保険制度の創設の理念を没却するということになるということで、個人に着目した認定を行っているものということである。
 それから、昨年までの要介護5がことし3になるというようなケースはもちろんあるわけであるけれども、これは昨年の要介護5の中に非常に幅広い内容が入っていたということで、ことしの要介護5は極めて苛酷な介護を要する方を要介護5としてサービスを手厚くしているという区切り方を変えたということで、そうなっているものである。

〇西川国保援護課長 まず、高過ぎる国保税とのお尋ねであるけれども、この黒字分については繰越金として、翌年度の保険給付の財源に充てられるものである。また、国保の財政調整基金については国保財政の基盤を安定強化する観点から、保険者の規模や状況に応じて所要の基金造成に充てられる必要があると、そう考えておる。
 それから、基金のため込みというお話、保有状況のお話であるけれども、10%以上が21市町村、20%以上が14市町村、30%以上が6市町、40%以上が1村、50%以上も1村という状況になっておる。
 それから、滞納者、滞納額についてであるが、現今の長期にわたる不況の影響等から滞納者、滞納額とも年々増加してきている事実はある。
 それから、被保険者証の未交付件数であるけれども、5年度が434件、6年度359件、7年度409件、8年度236件、9年度が255件となっておる。それから資格証明書の交付件数は、5年度227件、6年度186件、7年度17件、8年度51件、9年度4件となっておる。また、短期被保険者証の交付件数は、5年度725件、6年度963件、7年度1、051件、8年度1、260件、9年度が1、729件となっておる。
 また、国保税の滞納者に対する措置に係る規定の一部改正についてであるが、施行が平成12年4月1日とされており、同法の施行令等もまだ示されていない状況であるから、具体の取り扱いや運用については現時点ではまだ明らかになっていない、そういうことである。
 そして応能・応益割の比率の状況であるけれども、8年度は応能割対応益割が69・2対30・8、9年度が68対32、10年度が62・3対37・7という状況である。平準化は中間所得者層の負担の軽減を図る観点から行われており、低所得者に対しては軽減制度が設けられている、そういうことである。
 それから、県の支出金の状況であるけれども、これについては宮城県など他県の例で申すと、県単医療費助成分が国保の特会に計上されておりこの計数の中に入っておる。我が県はこれは会計が別であるので入っておらない。そういう違いがそれぞれあるので、単純な比較はできないものだと私どもは認識しておる。

〇斉藤委員 最後、指摘で終わる。六本木介護保険システム整備監、私が心配しているのは反対のケースである。家族の介護力がない人が介護認定を低くされた場合にどうなのかと、これを心配している。それでリアルなケース、こういうことである。
 寝たきりで自分で寝返りも打てず、意識障害もあるベッド上の全介助の人の場合、去年は要介護度5であったがことしは3になった。いいであろうか。幅広いと言うけれども、こういう人が3になっている。そういうことをよく実態を見てやっていただきたい。厚生省の答弁を聞いているのではないのだから。
 それで、国保税をため込んでいるから、応能・応益割を平準化する方法でなくても引き下げができる。例えば二戸市の場合、150万円以下の低所得世帯が2、300世帯引き上がった。全体は引き下げなんだけれども、低所得者は引き上げである。こういうむごいことをやるべきではない。今、国保会計は黒字も基金もふえているのだから、そう厳しく私指摘して終わる。

〇藤原副委員長 ほかに質疑ないか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇藤原副委員長 質疑がないようなので、保健福祉部関係の質疑をこれで終わる。
 この際、世話人会の申し合わせにより10分間休憩する。
   午後3時   休 憩
   午後3時20分 再 開

〇高橋委員長 休憩前に引き続き会議を開く。
 次に、小野寺商工労働観光部長に商工労働観光部関係の説明を求める。

〇小野寺商工労働観光部長 それでは、商工労働観光部関係の決算について御説明を申し上げる。
 便宜、お手元の平成9年度歳入歳出決算事項別明細書により御説明を申し上げる。
 まず、170ページをお開き願う。第5款労働費であるが、予算総額34億2、959万6、000円のうち、商工労働観光部関係は労働委員会費を除く32億6、981万2、000円で、その支出済額は32億6、033万円余となっておる。
 以下、各項目ごとに御説明申し上げる。172ページをお開き願う。
 第1項労政費第1目労政総務費の支出済額2億1、258万円余は、中小企業集団福祉事業及び労使関係の安定促進などに要した経費である。第2目労働教育費は、各種労働講座の開設などに要した経費である。第3目労働福祉費の支出済額2億7、084万円余は、172ページから175ページに記載しておるが、岩手労働金庫等に対する貸付金など、労働福祉の促進に要した経費である。第4目雇用促進費の支出済額2億7、095万円余は雇用対策及び人材確保対策など、雇用の促進に要した経費である。
 第2項職業訓練費第1目職業訓練総務費の支出済額9億2、004万円余は、174ページから177ページに記載しておるが、認定職業訓練、技能向上対策及び職業能力開発推進などに要した経費である。第2目職業訓練校費の支出済額15億8、388万円余は、県立産業技術短期大学校を初めとする公共職業能力開発校等の管理運営や施設整備及び技能労働者の技術向上訓練に要した経費である。
 次に、飛んで、同じく事項別明細書の232ページをお開き願う。第7款商工費であるが、予算総額は599億5、143万1、448円で、その支出済額は598億5、350万円余となっておる。
 以下、各項目ごとに御説明申し上げる。
 第1項商工業費第1目商工業総務費の支出済額29億375万円余は、財団法人岩手県高度技術振興協会に対するベンチャー企業への投資資金の貸し付け等及び本年6月に供用開始したいわてマルチメディアセンターの整備などに要した経費である。第2目中小企業振興費の支出済額460億8、979万円余は、232ページから237ページに記載しておる商工指導団体等に対する助成、県単融資制度等に基づく貸付金及び技術振興対策や地場産業振興対策並びに岩手ブランドの確立など、商工業の振興に要した経費である。第3目企業立地対策費の支出済額62億640万円余は、工業立地の促進及び企業誘致活動などに要した経費である。第4目中小企業経営指導費の支出済額3億7、916万円余は、企業に対する診断指導、研修、情報提供など、中小企業の経営の安定とその向上に要した経費である。次に、238ページに参って、第5目貿易振興費は、国内及び海外見本市への参加並びに貿易振興団体に対する助成など、貿易振興に要した経費である。第6目計量検定所費、第7目工業技術センター費、240ページに参って第8目大阪事務所費、第9目北海道事務所費、242ページに参って第10目名古屋事務所費は、それぞれの管理運営などに要した経費である。
 第2項鉱業費第1目鉱業総務費は、鉱業関係業務の管理運営に要した経費である。第2目鉱業振興費は、中小鉱山の探鉱事業に対する助成及び採石災害防止に係る貸付金など、鉱業の振興に要した経費である。次に、244ページに参って、第3目鉱害対策費の支出済額8億6、376万円余は、旧松尾鉱山と湯田地区鉱山の鉱害発生源対策及び坑廃水処理などの鉱害対策に要した経費である。第4目銃砲火薬ガス等取締費は、火薬・高圧ガス等の取り締まり、保安指導などに要した経費である。
 次に、244ページから247ページに記載しておるが、第3項観光費第1目観光総務費の支出済額8億1、579万円余は、県外における観光キャンペーン、日本文化デザイン会議の開催及び全国菓子大博覧会の開催準備などに要した経費である。第2目観光施設費の支出済額10億6、304万円余は、観光地の環境整備の推進及びオートキャンプ場の整備などに要した経費である。
 なお、繰越額が3、026万円余計上されておるが、これはオートキャンプ場施設整備事業の実施に当たり、入札事務手続などにより不測の日数を要したため、事業費を平成10年度に繰り越したものである。
 次に、飛んで、同じく事項別明細書の358ページをお開き願う。中小企業振興資金特別会計の決算について御説明申し上げる。
 この特別会計の予算総額は、歳入歳出それぞれ37億8、375万円である。
 まず、歳入については、収入済額が総額38億9、385万円余であり、その主なものは、一般会計からの繰入金、繰越金、貸し付け先企業からの償還金等の諸収入である。
 次に、360ページに参って歳出であるが、支出済額の総額は29億3、242万円余である。
 第1款中小企業近代化資金貸付費第1項貸付費の支出済額29億340万円余は、中小企業設備近代化資金貸付金、高度化資金貸付金などの貸し付けに要した経費である。
 第2項貸付事務費は、ただいまの貸付金の貸し付け及び回収に要した経費である。
 以上で、商工労働観光部関係の決算についての説明を終わる。よろしく御審議のほどお願いを申し上げる。

〇高橋委員長 ただいまの説明に対し、質疑はないか。

〇伊藤委員 3点ほど質問する。
 まず最初に、北上川清流化ということについてお伺いをする。
 6月20日の岩手日報に、北上川清流化の苦難忘れないで、県がビデオを配布へということで記事が載っておった。これは私もいろいろ提言をしてきた経緯があり、この処置というか、この手当てに感謝を申し上げたいと思う。そういう中で、またその後の新聞で、毎年7億円という巨額なお金がかかっているので、省エネというか新技術を導入して総額を圧縮できないかということで、通産省と交渉されると伺っておった。そういった部分の今回のビデオを配布したことの効果、そして通産省との現在の交渉の経過について、まずお知らせをいただきたいと思う。

〇本田工業振興課長 北上川清流化の確保対策ということでビデオを配布し、それから五省庁会議での取り組みの状況はどうなのかということの2点と承知したけれども、まずビデオであるけれども、世代が大分変わり、20年以上も経って風化が心配されるということで、昨年度の事業として、あらかじめ北上川清流化のビデオがあったので、それをダビングというかリニューアルして流域の市町村の教育委員会の方に配布しておる。特にも、子供たちに北上川の清流化というものは、言うなればこういった人工的なものでもって措置されて、この清流化が保たれているということをよく理解してもらおうということで、教育委員会を通じて、学校現場においてもいろんな形の北上川清流化といったものを理解していただこうということで配布したものである。ことしの6月に、商工労働観光部長と生活環境部長の両部長の名前でもって、流域市町村の教育委員会あてに配布しておる。その後の利用状況等についてはまだフォローはしておらないけれども、いろんな教育現場で使われているものと承知しておる。
 それから二つ目の、いわゆる五省庁会議ということで、この北上川清流化のやむを得ない措置として、県が57年から新中和処理施設を稼働させているわけであるけれども、17年も経過しているということで、ことしの11月4日、5日と2日間にわたって、関係省庁の通産省、建設省、自治省、林野庁、環境庁の関係省庁の担当者であるけれども集まっていただいて、現地報告会という形で現状を説明した。そのほか、次の日は現地を詳しく見ていただいた。いずれも大変なプロジェクトであるということを十分理解していただいたのではないかと思っておるけれども、いずれこの五省庁会議の再開に向けては緒についたばかりと認識しておるので、庁内に設置しておる北上川清流化対策連絡会議は関係部の次長クラスで構成しておるけれども、その中でもっていろいろ横断的に検討しながら、五省庁会議再開に向けて取り組んでまいりたいと考えておる。

〇伊藤委員 小学校に配ったと、こういうことである。実は、この10月2日に、国立岩手山青年の家で新有権者の集いというのが--社教の主催であると思うのであるが、県内の六つの政党が集まって、新有権者に政見を話して聞かせるということがあり、私が行ってきたわけであるが、そういう中で21世紀の課題--みんなはいわゆる21世紀を背負って立つ大事な人たちであるから、あなたたちのテーマとしてはこういうものがあるであろうという中で、北上川の清流化の部分について問いかけをした。これは人工の清流なのである。毎年7億円をかけてやっているが、この中で知っている人があるかと聞いたら、38名が県内いろんな団体から--主に市町村、役場が多かったようであるが、そういうところから来た人たちであったが、だれ一人知らない。地元の松尾村からも3名ほど出席をしておったがやっぱり知らないということで、帰ったらお父さん、お母さんに聞いてみなさいということを話したのであるが、そのお父さん、お母さんは40代後半であろうが、そういう人たちさえも知らない人がふえていると私は思うのである。
 先般また11月12日に、国に対する統一陳情ということで、菊池雄光委員と船越賢太郎委員、斉藤信委員ともども同じ班で、千葉副知事を先頭に関係省庁を回ったわけであるが、この千葉副知事が、岩手山が鳴動というか、うごめいてきているといった部分があって、そういった場合にも心配なので、これは単年度の補助ではなく毎年の恒久的な予算措置をお願いしたいということで願ったわけであるが、正直いって木で鼻をくくったような答弁をするのもいれば、まじめに聞くようなふりをするのもいれば、そんな状況であったと思っている。受付に出てこないのもいて秘書係の女の子に渡して頭を下げてくるような陳情であったのであるが、そういう中でこの事業をやって23年目であろうか、国のお役所の中にも当時44歳以上の人はもういないのである、もう20何年経って定年になってやめている。であるから、補助をしてくれる国の方にも知っている人がどんどん少なくなってきている状況にあると思う。したがって、私が危惧するのは、国はこのプロジェクトに何とかお金がかからないようにして、最終的には岩手県が全部持てと、こう来はしないかと危惧をするものであるが、そういった心配はないものであろうか、まずお伺いをする。

〇小野寺商工労働観光部長 私も陳情のとき、一緒に回った。確かにこの前、先ほど言った11月5日の会議等を経験しても、担当というか、それぞれ人が変わっている状況である。その中には、やはり完全にということではないが、知っておられる方は結構おられた。最近は、この補助金制度の関係で通産省鉱山保安課とつき合っておるのであるけれども、鉱山保安課ではやはり往時の五省庁会議を含めてそれぞれの資料もきちっとあるし、また経緯等についても知っている方々が多い状況であった。そういうことで委員おっしゃるように、確かに経年変化をすると意識の低下というか、希薄になることが十分予想されるので、私どもとしては陳情のみならず、ふだんの通産省等に対するいろいろな折衝のたびに松尾鉱山の状況、現況等については今後とも繰り返し御説明をし、またいろいろ要請をしてまいりたいと思っている。特にも、現在の補助金制度は要綱に基づくものなので、県としては法律に基づく補助というものにしていただきたいと要望申し上げておるところであるけれども、これについては今後行政改革あるいは地方分権といったようなことで、法律に基づく補助という点でも自治省を中心に考えられている節もあるので、それにさらにお願いをしてまいりたいと、こういうふうにして希薄にならないように努力をしてまいりたいと思う。

〇伊藤委員 そこで提案をひとつ申し上げたいと思う。
 これは、96年1月の週刊ポストのメタルカラーの時代という分で、前にもちょっと触れたことがあるが、これは北九州市の話である。北九州市はかつて重工業地帯ということで煙突が林立をしており、1平方キロに毎日80トンのばいじんが降っていた。最大では100トン降ったときもある。こういった部分を10年ぐらいかかって、環境の保全というか政策を進めてきた結果、真っ青な空が見えるようになって、かつては水の汚染がひどくて船のスクリューは溶け、湾内の大腸菌さえも死んだというような海が回復をしてきた。その結果により、これはリオデジャネイロの環境と開発のための地球サミットというところで、北九州市がこの事業について表彰をされた。
 その表彰された理由は、フロム・シー・オブ・デス・トゥ・インターナショナル・エンバイロンメンタル・リーダーシップ、どうも英語がなまって申しわけないが、日本語でいうと、死の海から国際的な環境協力へということで、国連環境計画のグローバル500という賞を受賞したようである。したがって、この死の川から20数年、清流にして保ってきたという部分は、私はこういう賞に十分該当するのではないかと思う。したがって、こういう運動を展開されて賞でもいただけば、国は黙っていられなくなるわけであるから、ずっとやらなければならなくなるという観点をもってひとつ取り組んでいただければいいのではないか。これは決して後始末をしているという部分ではなく、環境創造元年を訴えたこの岩手県にとっても、次の世代の子供たちに誇るべき環境という分の仕事であると思うので胸を張って、50本だけじゃなくもっとつくって、国会議員すべてにあるいは各省庁に、あるいは県内各学校にこういったものを渡して、岩手県は既にこういう部分を取り組んできているということをアピールするべきであると思う。さらに、北九州市の市長は、死の川であった、あるいは真っ黒い海であった写真と、それから10年後にきれいになったこの2枚の写真を持って、いろんなところに行くたびにそれを皆さんにお出しして話をしたり、間をつないだりやってきた。そういうことの結果として国連の賞もいただいたということであるから、そういう部分を大いに巨視的な感覚を持ってお取り組みをいただいて、ぜひとも国からの援助という部分を中止させることがないようにアピールをしていくべきであろうと思うので、後で資料もお渡しをするが御検討をぜひお願いしたい。これは要望である。
 2点目は、銀河系いわてプラザについてお伺いをする。
 10月29日に、特別委員会の視察の際に寄って初めて見させていただいた。大変いい場所に立派にできておった。ただ、私がちょっと物足りないと思ったのは、音と匂いの部分、音というのは確かに会場にはBGMが入っておったけれども、せっかく岩手県を東京都民にアピールするということなので、BGMを例えばウミネコの泣き声とか、ウグイスは月並みであるけれどもコマドリとかルリとか、カッコウとかいった野鳥の音を流したらどうか。あるいはまた、クマゲラとかアカゲラのドラミング--私は共産党でないからクマゲラ、アカゲラにとどめておくが--このドラミングの音といったものをあそこで流したらいかがかと思う。それから匂いの部分であるけれども、これは真空パックのものが多かったので、匂いがなかなかないのであるが、海産物の海草のマツモというのは大変に香ばしい匂いがするのである。そういった部分をちょっと焼くなり煮るなりということではないが、そういう匂いは三陸にしかないマツモということで必ずアピールするものがあると思うから、こういった部分もお考えいただいたらどうか。
 それからもう一つ続けて、中にはビデオコーナーがあった。いろんな観光地、北から南までの部分が映っておったが、これは中に入らないと見れないのである。であるから、これをアイキャッチャーとしてとらえれば、むしろ通路側に向けて通行人でもちらっと見て興味を持ってもらうと、そういう設置にした方がよかったのではないかと、このように思ったがいかがお考えであろうか。

〇小野寺商工労働観光部長 ただいまいわて銀河プラザの演出に関する御提案であるが、確かに私どもとしては、でき上がったばかりということもあるけれども、今まで音と匂いの部分については勉強不足というか、そこまでの知恵が回らない面があったのは事実である。BGMにしても岩手県を思い浮かべていただけるようなという意味であると思うが、単純なものではなくて、四季折々の岩手をPRできるようなものとして、そういう面についても研究をし、これは技術的には簡単に取り入れられると思うので、ぜひその辺のところを研究して採用してみたいと思う。何分、海草等の匂いということについてはまだ私も経験がないので、その辺はもう少し研究してみたいと思う。
 それから、ビデオコーナーについても確かにおっしゃるとおりであり、通行人から見て動かないものだけが見えるという状況である。ただ、あそこのウインドーというか正面のところの両サイドは、これから四季折々でいろいろ演出することが可能なので、御提案をいただいたその外側から見ても何かの観光とか、そういうものでわかるような工夫についても、十分検討させていただきたいと思う。どうもありがたかった。

〇伊藤委員 ありがたかった。
 それで通告はしておらなかったが、ぜひ一つ追加でお聞きしたいことがある。それはサケの一本釣りという部分についてである。
 先ごろ田老町がまず一番先に始めた。これは小堀内漁協に網でとった魚を移して、釣り堀のような形なわけであるが、続いて田野畑村でもやって、昨日であったか一昨日であったかの新聞に、宮古市でも来年からやるという部分が上がった。このことは何をおいても宮古漁協の組合長さんの大英断であったと思っており、この席をお借りして船越賢太郎組合長にお礼を申し上げたい、そう思って今立たせていただいた。ところで、このことは漁業振興に必ず役に立つと思うけれども、当該委員なのでこれは別な常任委員会の方でやらせていただくことにして、観光という面からこの一本釣りにひとつ提言を申し上げたいと思う。
 まず、結構釣れるから何匹釣らせるかはおいておき、そうしたら1匹目は魚拓をとらせる。釣った人は後で、おれはこういうのを釣ったというのを見せたいものなのである。したがって、まず魚拓をとらせる。2匹目は、三枚におろして持って行ってもらう。今、全国の各家庭で出刃包丁を持っているところはほとんどないのであるから、食べれるばかりに三枚におろしてやる。そうすると、頭もしっぽも全部食べれるあら汁にできるわけであるから、そうする。そしてなお、3匹目がもしあったらば、これは民宿なりホテルがお預かりをして新巻にして、新巻ができた時点で送ると、こういうことをなさった方がいいのではないかと、私はそう思っておる。1匹が4キロから4キロ500グラムぐらいであるから、3匹釣るともう12キロを超えるということで車で来る人はいいと思うが、あるいは宅急便で送ってあげるとか、そういった小まめな配慮をすることによって、必ずこの人たちはリピーターとしてまた訪れてもらえると思うし、宣伝がまた行き渡る。しかも、この新巻サケの販路拡大にもつながっていく。大体、この新巻というサケは、せいぜい宮城県から北の部分であり、関東、関西、九州なんていうのはブリの文化圏であるから、余りサケを食べた経験のある人がいないのである。したがって、そういう人たちにおいしい新巻という、特に津軽石川あたりは大変おいしいのであるが、これはつるしている間にタンパク質がアミノ酸にかわってきて、熟成をしておいしくなるという部分があるわけなので、こういうおいしい部分を消費者に直接届けるという部分は、必ず岩手県の観光の起爆剤になってつながっていくと思うのであるが、何かそういう取り組みの気持ちがあったらお知らせをいただきたい。

〇小野寺商工労働観光部長 県においては、現在沿岸地域については魚彩王国というゾーンを設定して、大いに沿岸地域の観光の振興に努めているところである。おかげさまで、今回からサケの一本釣りという新しい観光の題材をつけていただいたことに対して、本当に私どもとしては大変感謝を申し上げているところである。ただいまの御提案のそういうアイデアというものについては、宮古市の観光協会もあり、地元の人たちもいろいろと工夫を凝らして取り組んでいる最中なので、私どもとしては県外の人、東京の人も来ておられるようであるから、宮古市観光協会ともそういうことが可能かどうか十分連携をとって、あるいは実現できると思うので、観光協会と十分話を詰めていきたいと思っておる。

〇伊藤委員 ありがたかった。
 いずれ国内で岸から釣れる最大級の魚であろうと思う。北海道ではイトウという魚があるが、これは別であるけれども、いずれ陸から釣れる魚としてはサケは最大級であろう。したがって、北海道標津町なんかでも、パックやツアーで、飛行機で、どんどん人が飛んでくる。であるから、こういった部分は大変期待ができるところなので、いろんな角度からこういった部分を盛り上げていただくようにお願いをしておく。
 それから、いろいろ前向きのいい御答弁をいただいたので、この前の東京陳情のときのおみやげをひとつ御報告しておく。
 これは自治省に行ったときであったが、政務次官であったか、官房長であったかの時間がちょっとタイミングがずれて待っているときに、庁内の壁新聞を見てまいった。そうしたところ、これは各省庁で情報交換をしている循環紙みたいな感じであったが、その中に水産物消費支援事業という事業が今度新しくできたようであり、これはつくり育てる事業をPRするという目的で、漁業団体等がアンテナショップに出店する、あるいは出品する際の支援を行うという事業なようであり、先月見たばかりであるからまだ新しい事業であると思うので、こういう部分はぜひ御活用いただいて、水産物の生という部分は衛生管理ではちょっと難しいのかもしれないが、東京の消費者というか、そういう人たちにアピールできるようなものを、こういう制度なりを使って頑張っていただきたいということを要望して終わる。ありがたかった。

〇菊池(勲)委員 これで3回目の質問になるわけである。きのう企画振興部にもお話をしたのであるけれども、私は元の和賀町の出身である。平成3年4月1日に3市町村が合併をしたときに、再三議会の協議会で議論した。旧和賀町には、後藤野工業団地と竪川目工業団地の2カ所の工業団地があるのである。そのときに当時の町長は、このテクノポリス圏域に合併すれば入るというのも一つの条件のメリットであったのである。当時、私が県議会議員に当選したときに一般質問したら、それは面積の制約があるから入らないという話の答弁があった。平成10年の予算特別委員会にも質問したら、やはりそれ以上の前進はないということなのである。企画振興部の審査のときも、合併の約束はだれが保証するかである。もう合併して7年と6カ月目なのである。きょうは6カ月と2日目なのである、きのう1日できょうは2日であるから。ずっと気にしておったのであるけれども、きのうも話したのであるけれども、同じことをまたしゃべるのも失礼なのであるが、昭和48年から合併の話が出て、平成4年で終止符を打った、18年かかって。その間、ずっと議論を積み重ねて、よしこれでいいであろうと合併したけれども、やってみたらもう7年と6カ月過ぎ、7カ月過ぎても約束を守ってもらうのがいっぱいある。それは県のだれかが中に入って決めたことであるが、どこにいったかわからなくなった。ましてや今度の工業団地は、平成12年に造成するわけであるけれども、私は去年の4月から和賀川土地改良区の理事長になった。その圏域の中で、ことしからパイプラインを施行することになったのであるけれども、約600町歩の中から60町歩を抜いていただきたいということで、市がまた工業団地の拡張に踏み切ることになったのである。こういう立派な制度があるのに指定を受けないで、ある方が指定を受けないけれども、同じ恩典は与えてあるという答弁があったことがあった。それはうそである。指定の中で入れば、さまざまな制度があるからそれは有効に活用できるけれども、そうでなければ難しいのではないかと思って、また再度気になって質問するのであるが、恐らく答弁は同じであると思う。まず、部長に聞こうか、新しい部長であるから。

〇小野寺商工労働観光部長 このテクノポリス圏域の旧和賀町の編入についてであるけれども、委員御質問のとおり、これまで国に対しては合併に伴う時点でテクノポリス圏域の中に編入できないものかということについては、再三国に対して要望を続けてきたところである。ただ、国の方では、一つは合併によって地域が拡大するということについては想定もしておらなくて、それについては否定的な見解で現在まで不自由をしてきておるところである。これは13万ヘクタールという一つの数値的な範囲があるからである。また、関連して、区域内の税制に対する措置があるので、それも当然拡大すると新たな税制対策が必要ということで、大蔵省がこれについても否定的な見解ということで、なかなか私どもが折衝してもよい返事はもらえなかったということで現在に至っておるのである。
 このテクノポリス法であるけれども、現在法改正の動きがあり、つまり新しい法律ができ上がることによって、このテクノポリス法を平成16年度末でもって廃止をするという方向が一つある。そのチャンスとも思ったのであるが、それでもやはり隘路は打開できないでそのようになっておるわけであるけれども、去年の9月に、東北で最も早く承認された北上川流域基盤的技術産業集積活性化計画というのが国の承認になっておる。この地域内には旧和賀町も入っておるということである。このほかにも、工場立地法に基づく工場適地あるいは農村地域工業等導入促進法--農工法と申しておる--さらには、低開発地域工業開発促進法と、こういうものにも対象地域として入っておるわけである。これらの法律に基づく税制上の優遇措置といったようなものも、テクノポリスと比べると少しはその措置が期待したものではないかもしれないけれども、ほぼ同様というかそれに準ずるものとしての措置はあるわけなので、こういう支援措置といったようなものも最大限活用して、なるべく不公平ということにならないように、私どもも北上市と連絡をとっていろいろ相談してまいりたいと思うけれども、そういう現状にあるもので何とか御承知おきいただきたいと思う。

〇菊池(勲)委員 前は、私一人だった。当時の副議長はこの委員長である。仲間が二人いるのである。あなたの答弁であると、私一人であると負けそうであるけれども、うちの委員長も合併当時は和賀町の副議長であった。であるから、仲間がもう一人いるのである。部長、そういうことであるが、これはやむを得ないであろう。当時の町長は死んでしまったし、聞く方法もない。だれがうそをついたかわからない。であるけれども、結果がそうであるとすれば、これは何ともいたし方ないのであるが、お願いしたいことがある。
 例えば、部長の話では別の法律でもやや近いもので恩典はこうむれるという話である。差が幾らかあるみたいである、それは数字ではわからないけれども。やっぱり企業活動を精いっぱいやってくれている今、いすゞキャステックが入って、それからジックマテリアルが入って、厚和、江本、カメヤマローソクがあるのである。そしてそこに、また60ヘクタールふやすわけであるから、まだまだ企業誘致はするわけである。やっぱり企業努力にプラス国の支援があって、もちろんそうであるけれども県の支援も必要である。やっぱりそういう恩恵のある施設をやるときの合併のメリットにも一つ入っておった。委員長、そうであろう。であるから、そういうのをうそであるとするならば、だれがうそをついたかわからない。当時の責任者はみんな死んでしまっているから。生きているのは私とその委員長だけである。後はだれも知らない。であるから、部長にお願いしたいのは、そういう形のものも最大限に工夫をして、そして企業の将来性を支援する努力をしてほしいのであるが、その気構えをひとつ。

〇小野寺商工労働観光部長 後藤野地域の工業誘致については、当地域の工業を誘導する上で大変いいところと私も承知しておる。いすゞキャステック等の今後さらに工場が増設されるように、企業に対してもお願いをしてきたところであったけれども、今後あの地域については、さらにただいま申し上げた流域の基盤的技術産業の集積地というふうにも考えておるので、今後大いに優良な企業の導入に積極的に努めてまいりたいと思っておる。

〇吉田(洋)委員 私、一般質問で、深刻化する雇用情勢についてということで相当時間を入れて、また再質問もしてやったのであるけれども、どうも県当局と認識が違うような気がするのである。まず、先般の30日の県議会の決算特別委員会でも雇用問題が取り上げられているのであるが、県は景気回復が軌道に乗れば歯どめがかかると考えていると、このように答えるにとどまったという日報の12月1日の記事に載っている。景気回復が軌道に乗れば歯どめがかかると考えていると。
 まず、職業安定課長、9月の有効求人倍率と10月の有効求人倍率はどのようになっているか。

〇野口職業安定課長 県内の有効求人倍率であるけれども、10月は0・49倍と、9月は0・51倍、それぞれ10月は前年同月比を相当下回っておる。昨年の10月は0・84倍もあるので、相当大きく下がっておる。そういう状況である。

〇吉田(洋)委員 そうであろう。9月と10月だけでも0・51倍から0・49倍と、このように推移しているのである。
 それから、雇用保険課長、雇用保険の状況どうなっているか。受給者の状況はどのように推移しているか。

〇関澤雇用保険課長 雇用保険受給者の状況であるが、平成10年度の9月までの状況であるけれども、受給者実人員で前年度比22%、支給金額で見ると25%それぞれ増加しているところである。

〇吉田(洋)委員 そのように雇用保険受給者にしても22%もふえているのである、対前年比から。金額では25%もふえている。そこの中で、景気回復が軌道に乗れば歯どめがかかると考えている悠長な考えではだめだと思うのである。こういうときに、私は11月25日に質問した。そうしたら久慈市で、これは私が指摘したように、雇用機会増大促進地域に岩手県でただ一つ、久慈職業安定所管内が指定されたのである。青森県は全域である。そして、秋田は鹿角と大館、能代の3職業安定地域である。そういうときに、私が質問して答えてもらいたいようなことを久慈市長さんは独自にやってしまった。まず、緊急な就労機会確保対策事業推進委員会、本部長久慈助役を設置して、こうした対策を講じているわけである。そして、独自対策として、雇用確保へ市民臨時採用、12月の議会に予算案を上程、土木作業に延べ1、100人を採用しようと、こういう計画を独自にやっているわけである。私が求めているのはこういうことなのである。本当に雇用というものが深刻だという認識を持っているわけである。確かに、久慈は9月の時点で有効求人倍率0・35倍である。こういう状況であるからして、やはり独自の対策を講じていると思うのである。県では、まずどうなのであろうか。私が県単の独自対策を求めたのであるけれども、そういう考えはないということであった。久慈は0・35倍であり、そのほか宮古が0・40、釜石が0・43、水沢も0・43で花巻も0・44であり、0・5を下回っていると。こういう状況の中で、県がどういう認識を持っているのであろうかとの、私の質問に対する答えになっていない。今、静観をしているような状況である。緊急に対策を打つ必要があるのではないかと、私は言っているのである。どうなのであろうか、もう一度御答弁お願いする。

〇野口職業安定課長 今回、久慈地域は委員の御指摘のとおり、雇用機会増大促進地域ということで指定された。委員のおっしゃるとおり、久慈地域有効求人倍率でいうと、10月が0・39倍という低い数字になっておる。今回の指定に当たっても国の基準があり、過去5年間の常用の有効求人倍率が月平均の全国以下の地域であるとか、それから最近6カ月の常用有効求人倍率が月平均で全国を下回るという基準がある。それに従って、11月5日地域指定があった。その地域指定されることにより、いろんな助成金の制度もある。そのようなものを有効に活用しながら、地域の雇用の確保に努めたいと思っておる。
 また、今御指摘のあった久慈市が行う公共の就労事業については、失対事業は国においても平成7年度終了しており、本県においても平成3年度事業が終了しておる。雇用対策として、県が直接雇用することを目的とした事業は、これからの経緯においても事業の非効率性に加え、事業の永続化の問題がある。このようなことから公的な就労については、県としても適当ではないと考えておる。

〇吉田(洋)委員 まず、先ほど雇用保険の需給状況も聞いたけれども、盛岡の職業安定所は私の町内会なのであり、私も担当委員会であるが、あそこはずっと車が違法駐車で満杯である。でも、よく東警察署は大目に見てくれているのではないかと思うくらい、まず長蛇の列である。一回見ていただきたい。
 そこで今、この前と同じ答弁をしているのであるけれども、指定地域の条件で、最近6カ月及び最近5カ年間の常用有効求人倍率が相当程度下回っている地域ということで、青森は確かに全域なってもいいような状況である、県全体で0・29倍であるから。これはいいのである。秋田なんかはずっとよくなってきている。いいか。鹿角は0・76倍である。それから大館は0・60倍、それから能代は0・43倍、秋田県全体で0・51倍である、9月で。岩手県よりいいのである。これは最近平均をしたと、もっと前が悪かったと思うのであるけれども、こう努力してよくなってきているわけである。本県は悪くなる一方であろう。部長、こういう状況なのである。その中で今、本当に深刻なのである。私は、新規学卒者の話をして、県単でやる気持ちはないという答弁であったけれども、それはそれとしていい。それは中高年者から何からあるから、全体の雇用の問題でこうした深刻な問題を県がどのように受けとめているかということなのである。その中で緊急的に久慈がやっているように、そうした対策を打つための機関を設置してやるくらいのものがなければだめである。私が求めているのは、屋上屋架すところはいいけれども前のやつをそのままやる、どういうことをやっているのであるか、この中で。前の協議会、協議機関を設置して、今の喫緊の課題に対してどのような対応をしているのであるか。部長、ちょっとその辺対応していることをお答えいただきたい。

〇小野寺商工労働観光部長 雇用情勢の悪化に伴う県としての対応であるけれども、委員御案内のとおり、一つはもちろん各公共職業安定所を中心とした雇用開発に努めているというのが最大の対策であるが、今、県レベルの組織については、確かに現下の緊急事態と申すか厳しい情勢に対応して、協議会で何をやっていくかということについては、必ずしも現状にマッチした課題を取り上げてその問題を追求し、そして新たな対応をするといったようなことにはなっておらないのが現状であると私は認識しておる。したがって、せっかくあるそういう対策のための組織なので、こういう問題については、まさに今そういう会議を開催する必要もあろうかと思うので、早急に協議会の開催によって、目下の対策について十分検討してまいりたいとひとつ思う。
 それから地域指定の問題であるけれども、確かに秋田の状況と岩手の状況で若干差異がある。この数値的な指定基準であるけれども、基準にかなり近づいておるといったような地域があるので、これについては基準は基準として、労働省の方にこういう状況について、かなり乖離しているのであれば別であるけれども、かなり近似値になっておるわけであるから、その辺のことについても何とか地域指定をしてもらって、そしてそこで考えられているさまざまな対策等が導入できるようなお願いをしてまいりたいと思っておる。

〇吉田(洋)委員 力強い御答弁をいただいたが、私は本会議でこの答弁をいただきたかった。やはり、そういう深刻な雇用情勢といった認識を県全体できちっと受けとめてやっていかなければならないし、地域指定にしても本当に小差なのである、基準はあるけれども。であるから、これはやはり県の積極的な働きかけ、熱意である。そういうものがないとだめである。かつては特定不況地域で、昭和62年4月から地域雇用開発等促進法に基づいて、当県が地域指定された。これは釜石、宮古が5年間特定雇用開発促進地域、大船渡、二戸、久慈が雇用開発促進地域として5年間、二戸郡の安代町が緊急の雇用安定地域で1年間指定されて、厳しい昭和六十一、二年ころからのいろんな不況対策、雇用対策が、このことによって極めて大きな成果を見た経過があるのである。それに匹敵する、それ以上の深刻な雇用情勢である。であるから、県のそうしたしっかりとした認識というのが前提にないと、今、部長から積極的な答弁が出たから、そういうことをどんどん働きかけてもらいたいと、このように思う。これはひとつ要望にさせていただく。本当に深刻である。
 私たちの仲間の委員は、いろんな政策で制度要求とか提言活動とか、議員活動もしているけれども、日常の就職のお世話というのも結構あるのである。皆さん本当に身にしみて感じていると思うが、本当にいっぱいたまっていると思う。そのくらい深刻である。であるから、そういうことの受けとめをしっかりしてもらいたい。そして、これからの対策をタイムリーに、先手先手と打ってもらいたい。国では第3次補正で、この前私が質問したように、雇用創出100万人である。緊急雇用創出特別資金群も創設する。こういう制度をどんどん県で先取りするのである。あなたたちは国の方のいろんな機関の情報を持っているであろう。そういうものをどんどん先取りして、先手先手で手を打つのである。そして、やはりそうした雇用創出のための具体的な対策をタイムリーに打ち込んでいかなければならない。ヒットだけではだめなのである。岩手県野球団にどんどん得点を重ねてもらわなければ困るのである。ぜひひとつ要望して終わる。

〇久保田委員 吉田委員の質問にまず関連して質問させていただきたいが、私も一般質問で緊急経済対策に係る雇用金融対策について質問した。私は納得できないまま引き下がっているわけであるが、改めてこの場をお借りして問いたいと思う。
 吉田委員がおっしゃっているように、要するに県はどういう感覚で受けとめているかということであると思う。やはり、痛みを感じるか感じないかでこの落差が出てくるわけであるが、私どもはしょっちゅう失業なさっている方とお会いしている。実に深刻である、その状態は。何を求めているかというと、やはりこの状態になっているのは政治が悪いという問いかけなのである。結局は私たちの責任に置きかえられているわけであるが、とすれば放置できない問題がある。
 そこで問うのであるが、今、久慈の例がお話あったように、少なくてもかつて緊急失対事業などというのがあって、その中で雇用を創出したという経過がある。一連の雇用対策の事業の経験がたくさんあるわけであるが、これを応用したものを今地方自治体が導入しなければならないと思うわけである。それを経過として、ただ眺めているだけでは用にならない。いかにこれまでの失業対策について、何が効果があったのかということを分析しながら、新たな手段を講ずる必要があると思うのである。これを打ち出すのが県の仕事ではないのか、市町村を指導する立場ではないのかと思っているわけである。
 今、私も安定所にしょっちゅう出入りしていて、聞くたびに思うのであるが、正月を迎えるに当たって、この年末年始の期間における収入がない人たちの実態をどう受けとめるのかということが、大変課題であると思っているわけである。私は、やっぱり地方自治体が緊急に公共事業の中に導入するようなことをやってほしいし、特にも若年労働者に対しては、公共事業、自治体の何らかの仕事の中に、この場を見つけ出すという創意工夫があってもいいのかなと、こう思っているわけである。であるから、これまでの経験を踏まえて新たな発想で物事を対置していただきたいと、このことを強く求めたいのである。
 きのう、私のお隣にいる菊池勲委員とある飲み屋に行った。実は、今月の28日で私の店はやめると、こうなっていてびっくりしているのである。私の行きつけの店であるが、勲委員の飲み賃だけでは何ともカバーできない状態であった。つまり、県庁の人たちがほとんど来なくなったというお話である、はっきり言って。こういう場所でこういう発言していいのかどうか、問題もなしとしないが、事実そういうお話なのである。桜山神社付近の飲み屋さんは一様に言っている。県庁の人たちは全然来なくなって、これは大変だと言っているわけである。これは直接的な雇用にかかわる話ではないのであるが、その景気の状況からすると、このことは私どもとすれば、大変まじめに受けとめなければいけない事態であると思っているわけである。やはり、金は回りものなわけであるから、ぜひ景気浮揚のために、皆さん方の積極的なという言葉は使わないが、しかるべき消費の活性化を図ってほしいと、こう思って、ゆうべの事例を受けながらお話を申し上げた次第である。
 話は以上で雇用問題については終わるが、私に入ってくる情報によると、ことしじゅうに本県で企業倒産はまだ生ずるのではないのかというある筋のお話があるが、商工労働観光部とすればどういう状況として情報を入手なさっているであろうか。そうなった場合の対策を持っていただきたいと思っているわけである。
 話を別に変える。
 本論に戻る。私、以前から要望してきたことではあるが、かつてさわやかトイレの建設があり、その建設によって大変好評を博してきた経過がある。現状の利用状況と管理はどういう状態で管理なさっているのか。私は極めて有効な施設だと思っておるわけである。大変評価しておる。したがって、申し上げたいのは、好評な施設であるから、要望のあったものにこたえていく姿勢がぜひほしいわけである。今、この事業は中断されておる。要するに、好評を博した事業であるからどんどん要望があるものについては継続してほしいと思うのであるが、その基本的な考え方をまずこの際お伺いをしておく。

〇山口観光課長 委員のおっしゃるとおり、さわやかイメージ大作戦ということで、平成6年から平成8年まで3カ年間で、これはせっかくこちらの方の岩手県にたくさんお客さんが来ても、トイレでイメージが悪くなっては困るので、そういうことでさわやかイメージ大作戦ということでやったものである。3年間で120カ所を整備した。必要と認められている、そういう入り込み数が多いところとかを中心に120カ所、一応整備したところである。それで管理については、県がつくって市町村が管理しているという状況である。
 一応この120カ所である程度整備は完了したということで8年で終わったところであるが、その後、いずれまだ各市町村からもそういう要望があるけれども、今のところ、これらのトイレについては先導的に120カ所やり、その残りは市町村または観光の施設の設置者、この方々において整備するようにお願いしてきたところであり、現実的に五つの市町村で自前で整備をされているところもある。そういうことであるので、今後、新たな観光の需要とかあるいは入り込みがふえるようなところ、それについてはその必要性について市町村と検討しながら考えていきたいと思っておる。(久保田委員「前段で申し上げたことに対して、部長の見解をお願いする。」と呼ぶ)

〇小野寺商工労働観光部長 企業倒産の状況について申し上げるが、本県の企業倒産は平成10年の11月までの状況で、件数として123件、それから負債額の総額としては205億余円となっているものである。これを東北6県と比較すると、岩手県は件数あるいは負債金額の中でも、東北6県最低という状況が一つあるわけである。これはさまざまな対策が講じられた結果だとは認識しておるけれども、ただ、これからの年末にかけての資金需要期、あるいはこれまでいろいろ各企業が対策を講じて頑張ってきていただいている状況がそろそろ倒産に至るといったような、かなり深刻な状況にもあると思うので、予測ということはなかなか申し上げかねるのではあるけれども、いろいろな情報等を読むと、やはり景気そのものがそんなにすぐ改善するわけでもないので、倒産といったような増加も予想されると思う。一部の情報機関でも、件数的にはやはり130件台にも乗るのではないか、あるいは総額でもかなり金額的にも増加するのではないかといったような見方をしておるけれども、私どもも企業倒産については予断を許さない状況と考えており、先ほど申し上げた資金繰りに対する県あるいは国の制度を活用して何とか倒産までに至らないような状況、仮に欠損状態であっても倒産までには至らないような状況ということを考えて、この資金の制度融資の活用に当たってまいりたいと考えておる。

〇久保田委員 観光課長のお答えについてであるが、その後の市町村が対応しているということもあるようであるが、やはり県がやった結果が好評であり評価されているわけであるから、そうしたものはどんどん継続すべきだと思う。であるから、新年度でこれがさらに新たな芽が出てくるように努力してもらいたい。要望して終わる。

〇小野寺委員 3点お伺いする。
 まず初めに、けさの新聞で本県の企業誘致に明るい材料が一つ出たと報道されたけれども、しかしながら経済成長がストップしてしまっている現在、今後の企業立地の展望はどうなのか。既にある県内の工業団地に対する今までの反省点、今後の対応等についてお伺いする。
 なお、平成9年貸付金として60億円載っているけれども、あるいはこれまでの分も含めて焦げつきが出てくるのかと心配するが、この辺についてもお聞きする。
 2点目。平成9年開校の産業技術短期大学校、これについては折々に経過が報告されてきたけれども、いよいよ間もなく丸2年になるけれども、これまで学生の満足度、あるいは退学者の有無とか学習成果、就職の見通し、こういった部分について成果をお伺いしたいと思う。
 3つ目。卸売市場整備事業として、地方卸売市場メフレの施設整備を図ったわけであるけれども、その成果について衛生対策が特に注目を集めておるけれども、その他業界にとってだけでなく一般消費者にとって、これに対して補助したことがどう反映してきているかお伺いする。
 なお、これとの関連で、現在盛岡の中央卸売市場の移転整備が行われておるけれども、このメフレから参考とすべき点があればお伺いしたいと思う。
 以上、3点。

〇本田工業振興課長 それでは企業誘致の見通し、それから団地の状況、それから工業立地促進資金の貸し付けでもって焦げつきなどはないかという3点と承知したけれども、まず企業誘致の見通しである。
 昨日、12月1日でもって1社、ようやくと申そうか、大変景気が悪い状況であり、必死の努力をしているわけであるけれどもなかなかいい感触が得られないという中にあって、一関市の方に研究開発型企業であるけれども、東工業団地の方に1社の進出内定を見ることができた。今、東京の方あるいは関連の団体、土地開発公社であるとか地域振興整備公団であるとか、それからそれぞれ団地を有している市町村ともども必死の努力をしておる。何とか年度内に、3月までにはそれなりの数の立地を見たいものだと努力をしておるけれども、いかんせん、相手のあることであるので、必死に努力をするということで勘弁していただければと考えておる。
 それから団地の状況である。これはさきの総括の場でもいろいろ出ておったわけであるけれども、工業団地対策推進調査という調査がある。この調査によると、土地開発公社あるいは市町村などが整備している工業団地は79カ所、その面積が1、509ヘクタール、分譲率は68・5と7割弱となっておる。これを同じ調査でもって東北各県の状況と見ると、東北各県の平均、東北6県の平均を見ると89カ所、2、557ヘクタールということになって、分譲率も65・4となっておるから、本県の1、509ヘクタールという工場誘致については、必ずしも多いということは言えないのではないかと認識しておる。
 それから貸付金、これは昭和57年から工業立地促進資金という形で、進出した企業に投資規模に応じて貸し付けしているわけであるけれども、かなりの件数、これまでの貸付件数は全部で259件、継続分で259件、それから9年度でもって新規貸し付けした分が9件あり、それでもって68億2、000万円というものを貸し付けしておるけれども、現在までのところ焦げつき等のような事故はない。

〇武田労政能力開発課長 産業技術短期大学校の成果ということであるが、まず学生の満足度ということである。それに関連して、退学者ということであるが、今2年生になっておる初年度に入学した学生は11名退学者が出ておる。それから留年した者が3名、それから、ただいま2年に上がって休学している者が1名というような状況である。今年度入った2年次の学生は、現在のところ1名ということになっておる。これは122名入学しておるが、そのうちの1名ということである。1年次の学生はやはり進路指導、初めての年であるので、どういった内容の学習をするかということがまだわからないというか、そういったこともあったのではないかということである。とにかく、1年間に1、400時間をこなすということである。朝の8時50分から4時10分まで授業をやるということであるので、他の短大とか専修学校と比べるとやはりハードな、それだけ教育に密度があるということだと思う。
 それで満足度であるが、一つの例をとるとバッジをつくったわけであるが、昨年つくったが、それは各学生から公募して、それで自分たちがつくったということであり、そこに一体感なり何なりが出てきておるということであるし、ことしになって学園祭を開いたわけであるが、これも自主的に2年生の者が、昨年の技能フェスタの経験を生かして自主的にやっているということであるので、そういったことで満足が図られるのではないかと思っておる。
 それから就職の状況であるが、先ほど申したように退学者等あるので、現在卒業予定者は92名である。そのうち進学する者5名を除いて、87名が就職を希望しておる。11月30日現在の就職内定者は64名で、内定率は73・6%となっておる。そのうち、県内企業への内定は53名、82・8%を占めているということである。これは、専門的知識と高度な技能技術をあわせた実践技能者の育成ということが、県内企業に期待をかけられているというあらわれではないかと考えているところである。

〇菊池商政課長 三つ目の御指摘の地方卸売市場の状況について、いわゆる農産物ないしは水産物を取り扱うものであるけれども、これについては国では農林水産省、県では農政部の所管にかかわるものであり、当部では詳細を把握しておらないので御了承願いたいと思う。

〇小野寺委員 また門前払いをくい、本当に縦割りというのは難しい。
 産業技術短期大学校の関係で、満足度をお聞きしたのはバッジとか学園祭ではなくて、希望した学習内容、例えば施設が期待したくらい設備がないではないか、こんなのならやめてしまうとか、そういった部分での満足度はどうかとお聞きしたかったわけである。
 今のお話の中で11人ほど退学なさったと。これはそういった教える側とか設備の方に問題があったのか、あるいは学ぶ方にちょっと無理があったのか、その辺の原因はどのように分析なさっておるであろうか、お伺いしたいと思う。

〇武田労政能力開発課長 設備それから指導員の件であるけれども、設備については企業の方々が在職者訓練等に来ておる。そういう方々が見えても大変立派な設備だとお褒めの言葉をいただいているほど、最新の機械を使わせていただいておる。
 それから指導員であるが、1年度、初年度については1学科20名に対して4名の指導員、各科4名の指導員であるが、ことしからは20名ふえたわけであるけれども、学科によって、それに6名の基準どおりの指導員を配置して教育しておるので、そういった問題はないと認識しておる。ただ、先ほど申し上げたように、いわゆるハードなというか時間的な余裕等がないような場合があるので、そういったところで対応し切れないで退学されたのではないかと思っておるところである。

〇伊沢委員 私、工業技術センターの機能充実と産業界との連携についてお伺いしたいと思うわけである。
 先ほど来雇用問題についてのお話があった。いわば、緊急の雇用対策というのは縦死の状態の方にカンフルを打って何とか蘇生をさせる、こういう部分だと思う。私がお聞きしたいのは、長い意味でのこれからの県内の工業界を含めて、産業界を担っていくべき工業技術センターの機能部分についてお伺いしたいということである。
 主要施策の成果に関する説明書の91ページに、特定産業集積活性化事業というのが載っているわけであるが、実は私これをなぜ申し上げたいかというと、ことしの8月17日に札幌で北海道東北6県議員の交流大会があった。意見交換があったわけである。地域産業振興特別委員会の私副委員長という立場で、この中の第2分科会、経済問題、産業の高度化と産業基盤づくりという部分で、産業基盤を広げるという部分で発言をさせていただいたわけである。この中でとらまえたのが、北上川流域基盤の技術産業集積活性化計画が国の方で採択をされて9年度から始まったと、こういう部分を申し上げてきたわけである。大変厳しい各都道府県の、東北6県の中でも企業誘致が難しい中でいろいろなことを私も聞いてきたわけであるが、本県でもこういう部分で頑張っているということを実は言ってまいった。
 そこで、この中にあるところの成果を含めていろいろあると思うが、特にお聞きしたいのは、この中でも関連するいろんなところの機関というか企業というか、そこへも支援をしていると思うが、この中で工業技術センターが中心になっていろいろ今後進めていくべきことがあるのではないかということで、全体の流れの中、この事業の全体の中を若干お示しをいただくとともに、工業技術センターの機能の充実に向かった部分についてお示しをいただきたいと思うわけである。また、現在取り組んでいる研究内容の主なものがあれば、お示しをいただきたいと思うわけである。
 とりあえず、ここの二つについてお伺いをしたいと思う。

〇本田工業振興課長 工業技術センターの機能ということでのお尋ねである。先ほど来出ているとおり、昨年、特定産業集積活性化法の指定を北上川流域ということで、花巻、北上、江刺、水沢、金ヶ崎の4市1町が指定を受けたわけである。これは言うところの金型であるとか試作品であるとか、物づくりを支える基盤的技術を集積させようということでもって、このテクノポリス圏域と同じ圏域が指定を受けたわけである。ただ、この計画の一つの大きな柱は、圏域だけではなくして、圏域の工業集積をいろんな面で支援する産業支援施設も充実させて結構であるという形で、盛岡にある工業技術センターであるとかあるいは一関にある県南技術センターであるとか、そういったようなところの機能充実も図ってもよろしいというような、そういった仕組みになっておる。そういったことで、基盤的技術集積というか特定産業集積活性化法の指定を受け、工業技術センターの機能の充実ということでいろんな機器類の充実を図っておる。向こう5年間でそれなりの予算を確保いたして機器の充実を図って、できれば工業技術センターを核にして、花巻市にある起業化支援センター、それから現在建設中であるけれども北上市のオフィスアルカディアの方に--産業業務団地であるけれども、そちらの方にオフィスプラザとそれから基盤技術支援センター--これは北上市が整備しておるけれども、そういったものが来年の3月には完成する予定となっておる。それから県南技術センターも充実させる。そして、ひいては釜石の方にある財団法人の釜石・大槌地域産業育成センターなどともきちんとしたネットワークを組みながら、工業技術センターを核にして総合的な支援体制と申そうか、産業支援体制といったものを構築してまいりたいと考えておる。
 そういったことも踏まえて、従前の工業技術振興会議という工業技術センターの中にそういった組織を持って、いろんな試験研究計画や内容を議論しようという組織があったわけであるけれども、昨年度、工業技術研究推進会議という形で改組して、生産技術あるいは材料技術、食品技術あるいはデザイン部会などを設置して、それぞれの専門領域に基づいて産業界に寄与するために工業技術センターがどのような役割、機能を果たすべきかということを、その中で産学官と一体となって検討しているということである。
 それから、研究の成果であるけれども、いろんなかなりの成果が上がっておるけれども、特にもこういったそれぞれの圏域を越えての交流ということが非常に多くなっておるから、広島、愛媛の公設試、いわゆる工業技術センター、廃プラスチック類の路盤材等への用途開発研究といったような形で公設試共同研究推進事業、あるいはフードシステム高度化推進事業ということで、ひっつみの機械化製造技術といったようなものも工業技術センターで行っておるし、それから継続事業であるけれども、高硬度難加工金属材料というか、非常にかたい材料を加工できるような加工技術といったようなものもいろいろやって、県内の中小企業の皆様に、工業技術センターとしての役割を果たしていきたいというような形での研究をいろいろ取り組んでおる。

〇伊沢委員 いろんな事業採択をしながらそういった意味での連携プレーをとるということで頑張れば、先ほど北上の菊池委員がおっしゃった、後藤野の団地にもいろんな形の方が張りつくということになると思うので、よろしくここはお願いしたいと思う。
 次に、研究員の皆さん、大変御努力されているというのを取り上げながら若干お伺いをしたいわけであるが、11月26日の岩手日報だと思ったが、工業技術センターの上席研究員の方が、冷麺の加工について研究をされて農学博士号をとったと、こういうことであるわけである。私も、こういった席を含めて、特許の問題等々含めてこの間取り上げてまいった。そんな中で、研究職の皆さんの中で、工業技術センターの分野になると思うけれども、商工労働観光部の分野で結構であるけれども、研究者の中で博士号を取得している方はどの程度今いらっしゃるのかという部分をお聞きしたいし、研究員の資質向上に向けてこの間努力をされてきていると思うが、その辺の内容についてお示しいただきたいのと、やっぱり最終的にはいい研究をするためには研究費の部分もふやしていかなければならない部分もあるのかと思う。昨今の厳しい状況の中であるけれども、その辺がどのような形になっているのかお示しいただきたいと思う。

〇本田工業振興課長 研究員の方については工業技術センター、現在59人の研究員がおる。そのうち私どもで把握しているところによると、博士号を取っているのは、この間冷麺でもって博士号を取った方も含め現在は7人であり、現在、大学院の後期博士課程の方に行っているのが3人おる。この方々が取得すると10人ということになる。
 それから試験研究費の方について、おかげさまで順調に推移しており、9年度決算で4億1、400万円ほどになっており、8年度に比べると7・3%の増で、本宮の方の現在の工業技術センターの方に行った平成6年度からは順調に試験研究費の方は伸びて、試験研究員の職員の方々に対する配慮はそれなりにできているのではないかと考えておる。ただ、大分機器類が充実してきているので、こういったものについては今後もいろんな面で配慮していかなければならないのではないかと考えておる。
 なお、研究員の方については、大学院の博士課程の海外派遣であるとかあるいは中小企業大学校への派遣とか、可能な限りそういった環境づくりは私ども応援してまいりたいと考えておる。

〇伊沢委員 研究員というか職員の競争心をあおるという意味ではなくて、いい研究をした部分については処遇していく部分が今後も必要なのかと、こう思うので、重ねてお願いをしておきたいと思う。
 最後になる。2点お伺いをする。
 昨年、知的所有権センターが設置をされたと、この問題については前の部長と若干やりとりがあった部分があるわけであるが、1年や2年のそこらで成果というのはどうなのかというのはわからないが、岩手に設置をして北東北の部分を含めて包括をするのだという御説明があったわけであるが、この間の成果等についてどのようにとらえているのかお示しをいただきたいと思う。
 最後であるが、産学官の連携ということで、先ほどの最初の質問も、言ってみれば産学官の連携の中で物をやっていくということになろうと思う。実はこの間の東北北海道の議員の交流会の中で、ある県の議員が、我が県は20年も産学官で共同研究ということをやってきたけれども、何も成果が上がらなかったと、こういう発言をした方がいた。同じ県の方があと2人見えていて、いや、違うということで内部でけんかもしていた部分があったが、私は産学官の部分について、私もこの部分に触れてしゃべってきた。というのは、産と学それに官なわけであるけれども、官主導で、いわゆる行政主導で、さあ、皆さん集まってもらいたいと、こういうことをやるからどうであろうかということをやっていくと、なかなかこれは進まないのではないかと。行政はお金を出す、センターの方は多分技術を提供する。そんな自由な発想の中で物をやっていかないと、これは進まないのではないかということで実は私は申し上げてきたわけであるが、その県は、最後にお聞きしたところは、どうも官主導でいろいろ物をやってきたけれども、ついてくるのがいなかったということでのお話だったようである。
 そこで、本県の場合の産学官の連携の中で、工業技術センターが主になると思うけれども、役割をどのように位置づけているのか。大学との関係なりそれぞれ民間のいろんな企業なり協会なりあると思うけれども、そういったところの機能分担をどのように考えていらっしゃるのかお示しをいただきたいと思うわけである。私見は、先ほどそうあるべきだと言ったわけであるけれども、この部分についての御所見も賜われればありがたいと思う。よろしくお願いする。

〇本田工業振興課長 知的所有権センターについては、前にも委員の方から御質問いただいているわけであるけれども、おかげさまで設置して、これは工業技術センターの中に設置しているわけであるけれども、秋田それから青森をにらんだ北東北3県ということで、知的所有権アドバイザーといったような方を配置してやっておる。これまで必死になってそれぞれの地方振興局を会場にして相談会などを実施しておるけれども、これまで18回、70人の相談を受けておる。
 それから、そのいろんな支援事業についても、企業等訪問活動38件、それから指導相談が30件、移転の仲介などが19件という形でやっておるけれども、まだもう少しこの制度がきちんと県民というか企業の方々に周知するまでにもうちょっと時間が欲しいというのが正直な気持ちである。ただ、いずれ着実に技術相談なりいろんな特許についての相談があるから、これについてもう少し粘り強く企業の方に対応していきたいと考えておる。
 その中において、実は特許庁の方に約4、000万件とも言われている特許、データがあるわけであり、それをことし4分野、岩手県の場合、地場産業--鋳物とか食品加工とかバイオとか、医療、福祉、環境といったような分野があるので、そういった4分野の10万件のデータをいわゆるデータベース化した。本年5月からその情報を先ほど申した花巻の起業化支援センターであるとか北上の技術交流センターであるとか、県南技研であるとか釜石のセンターであるとかテクノ財団であるとか、そのような方々にそれぞれ情報を提供しておる。何とかこの制度をうまく軌道に乗せ、新たな産業につながるようなことができればいいと考えておる。
 それから、産学官の連携のお話であるけれども、先ほど冒頭申し上げたとおり、本県の場合、産学官の交流はちょっと申し上げるのはあれであるけれども、比較的うまくいっている方ではないのかと認識しておる。特にも、INSというということで、岩手ネットワークシステムということで、これは官が主導でもなければ民主導でもない、どちらかと言えば民主導であるけれども、INSという形での岩手大学の工学部の先生方、それから産業界の方々、それと私ども官も入って、工業技術センターは当然入っておる。そういった方々が入ってINSという、岩手ネットワークシステムというような形で、いろんな面での産学官の交流事業を非常に活発にやっておる。特にもテクノ財団を中心にいろんな面をコーディネイトしながら企業の方々にいろんな情報を提供する、あるいは技術に関する情報を提供する、そのようなことを一生懸命やっておるので、本県の場合は比較的うまくいっているのかと。これらを先ほど申し上げたとおり、いろんな産業支援施設がそれぞれ立ち上がっておるので、そことうまくネットワークを結びながら構築していくと。その中に工業技術センターが中核にある、あるいは岩手大学の工学部がその中にあると、テクノ財団がその中核を占めるというような形になれば非常に望ましい形になるのかと考えておる。

〇伊沢委員 そういう意味で息の長いというか、かなり時間がかかると思うけれども、そういった分野のてこ入れをよろしくお願い申し上げたいと思う。
 なお、東北北海道の議員交流大会は、その後野球もやったわけであるが、私はこれに行って本当によかったと思う。そういう意味で、北海道の拓殖銀行の破綻問題も含めて特別講演などを受けてまいった。立派な報告書等があるので、当局の皆さん、もし欲しければ、これは全部行っているかどうかわからないが、ぜひごらんになっていただいて、議員活動に対する御理解をお願い申し上げて終わらせていただく。

〇斉藤委員 私は1点だけ質問して終わるのでよろしくお願いする。
 戦後最悪の不況と大型店出店によって県内の商店、商店街は深刻な状況となっている。平成6年、平成9年の商業統計調査では、県内商店数の減少はどうなっているであろうか。規模別を含めて示していただきたい。
 この間の大型店の出店状況と小売面積に占める占有率はどうなっているであろうか。70%、80%以上の市町村はどうであろうか。平成9年度商店街実態調査では、最近の景況と問題点が指摘されているが、どういう内容であろうか。
 大型店の出店を野放しにして、県内地元商店街と地域経済の振興を図れると考えているであろうか。この間の県の商店街振興策はどうであろうか。どういう効果、成果が上がっているであろうか。
 ダイエーの出店計画が中止をされたことは、大変これは大きな成果であった。農政部や土木部との協議はあったのであろうか。今後の問題では、東北マイカルが盛岡西部前潟地域に5万平米規模の出店を計画しているが、どういう出店計画の内容であろうか。5万平米というと、川徳デパートの2倍の規模であるが、盛岡市内はもとより、県内商店街にも大きな打撃と影響を与えるものと思うが、いかがであろうか。
 東京インテリア家具が最近出店をした。約7、000平米である。近くにはトイザらスも出店したが、交通混雑や地域への影響など、わかる範囲で示していただきたい。

〇菊池商政課長 まず、商業統計調査結果による平成6年と9年の商店数の状況ということであるが、平成9年の県内の小売業の商店数は1万8、564店、平成6年はそれに対して1万9、533店。したがって、商店数で969店、率にして5・0%の減少となっておる。
 規模別に見ると、従業員4人以下のいわゆる零細商店が6・3%の減少、5人以上の商店の場合は0・2%ということで、小規模な商店の減少が目立っておる。
 この間の大型店の出店状況と小売面積に占める占有率はどうなっているか。70%、80%以上の市町村はどこかということであるが、第1種、第2種あわせて平成7年度の大型店の出店は32件、平成8年度には26件、平成9年度には26件、平成10年度は11月1日現在であるが7件、最近は落ちついた動きとなっておる。
 小売店の面積に占める大型店の占有率についてであるが、推計によったものであるけれども、平成6年度では36・7%、平成9年では46・4%となっておる。平成10年の11月1日現在では51・6%となっておる。本年11月1日現在の大型店の占有率が70%以上で80%未満となっているのが北上市、紫波町、前沢町の3市町、80%以上となっているのが金ヶ崎町である。
 次に、平成9年の商店街実態調査での最近の景況と問題点はどう指摘されているかということであるが、この調査は県の商店街振興組合連合会が行ったものであるけれども、最近の景況については、繁栄していると答えた商店街は0・9%、停滞しているというのが43・0%、衰退しているというのが56・1%となっておる。
 当面する問題点としては、それぞれアンケートで、複数回答であるけれども、まず第1には、域外大規模小売店の影響があるという回答があったのが商店街全体の70・2%、駐車場の不足という問題点、これが60・4%、商店街の中に非商店が多く商店街が断続的だというのが52・9%、後継者難が52・0%などとなっている状況にある。
 次に、大型店の出店と県内地元商店街あるいは地域経済の振興との関係ということであるが、これについては御案内のとおり、現行の大店法は消費者利益の保護と中小小売業の事業機会の確保を図るという観点から、大型店の事業活動の調整を行っており、県としてもこの法律の規定に基づいて学識経験者あるいは消費者、小売業者の意見を十分に聞きながら、適切な調整を行ってきたものである。
 大型店の出店は消費者の多様なニーズにこたえるという反面、先ほどの実態調査の結果にも見られるように、商店街の停滞というものの大きな要因になっていることも事実かと、そう考えておる。
 また、商店街振興施策についてであるけれども、商店街における駐車場等の基盤整備等ハード面、あるいはポイントカードの導入事業、あるいはイベントの展開といった、空き店舗を利用したさまざまなソフト事業等に対し支援しておるし、さらにはいわてあきんど塾といったものを開催し、商業者の人材育成というものにも取り組んでいるところである。
 こうした事業の成果であるけれども、例えば江刺市においては蔵を生かしたまちづくり、あるいは遠野市においては、先般施行された中心市街地活性化法に基づいて市町村の具体的な計画を策定するといったような活発な動きが見られるところである。
 県としては、このような意欲的な取り組みを支援しながら、県内各地で商店街の振興等を図ってまいりたいと、そのように考えているものである。
 次に、ダイエーの出店計画の中止に関して農政部や土木部と協議があったのかという御質問であったけれども、ダイエーから提出されたいわゆる市街化調整区域における開発計画の位置等に関する事前指導申入書、これに関しては都市計画法を所管する土木部でもって行われたわけであるけれども、これに対しては農政部のほか、当部も含めて庁内関係部との協議あるいは会議の場において協議を経ながら結論を出したものである。
 次に、東北マイカルはどういう出店計画になっているかということであるが、盛岡市からの情報であるが、延べ床面積が約7万平方メートル、うちマイカルが5万平方メートルである。ほかは地元の企業、商店等が入る計画である。駐車場が3、700台、ほかにアミューズメント施設を併設するものであり、開店予定は平成12年と伺っておるものである。
 盛岡市はもとより、県内商店街に大きな打撃と影響があるのではないか、どう思うかということであるが、確かに相当広い商圏になると想定されることから、ある程度の影響が生ずるものと県としては考えておるものである。
 最後に、東京インテリア家具あるいはトイザらスの出店によって交通混雑等の影響を与えたのではないかということであったが、この状況について盛岡市役所に対して伺ったところ、その調査結果では、開店直後、開店は11月20日であったが、22日の日曜日、特にも午後2時ごろに日本トイザらスを起点として、例えば国道4号バイパスでは、高松交差点付近まで約3キロ程度渋滞が見られたようであるけれども、特に大きな混乱というものはなかったと、そのように伺っているところである。

〇高橋委員長 ほかに質疑ないか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇高橋委員長 質疑がないようなので、商工労働観光部関係の質疑をこれで終わる。
 次に、小森地方労働委員会事務局長に地方労働委員会関係の説明を求める。

〇小森地方労働委員会事務局長 地方労働委員会関係の決算について御説明申し上げる。
 お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げるので、176ページをお開き願う。
 176ページ一番下の欄であるが、第5款労働費のうち、3項労働委員会費が当委員会が所管するものである。予算総額1億5、978万4、000円に対し、支出済額は1億5、880万2、012円となっておる。
 その内訳としては次の178ページにある。1目委員会費3、313万円余は、委員14名に対する報酬及び委員会運営に要した経費である。2目の事務局費1億2、566万円余は、事務局職員13名の人件費と事務局の管理運営に要した経費である。
 以上で、地方労働委員会関係の決算についての説明を終わる。よろしく御審議のほどお願い申し上げる。

〇高橋委員長 ただいまの説明に対し、質疑ないか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇高橋委員長 質疑がないようなので、地方労働委員会関係の質疑をこれで終わる。
 以上で本日の日程は全部終了した。本日はこれをもって散会する。
   午後5時10分 散 会


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