平成10年12月定例会 決算特別委員会会議録

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平成10年12月決算特別委員会会議記録(第2号)
   平成10年12月1日(火)
   

1開会  午前10時3分

1出席委員  別紙出席簿のとおり

1事務局職員
事務局長 佐藤嘉成
事務局次長 千葉幸兵
議事課長 藤沢重一
議事課長補佐 駿河 勉
主任議事管理主査 千田正和
議事管理主査 南 敏幸
議事管理主査 筒井則裕
議事管理主査 森 達也
議事管理主査 熊谷正則

1説明員
議会事務局長 佐藤嘉成
議会事務局次長総務課長事務取扱 千葉幸兵
議事課長 藤沢重一
調査課長 吉岡朋子
 
総務部長 吉田敏彦
総務部次長兼県立大学室長 和美宏幸
総務部次長兼行政システム改革室長 盛 合 桂三郎
参事兼秘書課長 保坂貢一
総務学事課長 小野寺 禎 夫
文書公開監 今泉敏朗
人事課長 照井 崇
財政課長 千葉 弘
施設管理課長 佐藤国洋
税務課長 山口一彦
消防防災課長 篠谷 隆
火山対策監 小野寺   博
県立大学監 千葉俊明
行政システム改革監 邨野善義
 
企画振興部長 武居丈二
企画振興部次長 竹内重徳
企画振興部次長 佐藤 勝
企画調整課長 上 野 賢一郎
地域政策課長 中村世紀
特定地域振興室長 菊池秀一
市町村課長 久保隆男
情報科学課長 黒 田 淳一郎
交通政策課長 河原畑   徹
資源エネルギー課長 名須川 定 男
広聴広報課長 小原公平
統計調査課長 佐藤安彦
 
教育長 大隅英喜
教育次長 五十嵐   正
教育次長兼美術館整備室長 相原正明
全国高校総体推進室長 小瀬川 紀 夫
総務課長 及川宣夫
厚生福利室長 鹿糠幸弘
財務課長 小野寺 篤 信
義務教育課長 山本詔夫
県立学校課長 佐藤和孝
指導課長 杉浦久弘
社会教育課長 八 重 樫勝
文化課長 鳩岡矩雄
保健体育課長 松田郁夫
美術館整備監 池田克典
全国高校総体推進監 早坂七郎
 
出納長出納局長事務取扱 高橋洋介
副出納長兼出納局次長 石川 誠
総務課長 砂子沢 勝 男
出納課長 山火隆三
 
人事委員会事務局長福岡勝夫
総務課長 晴山祐典
職員課長 千葉 務
 
監査委員 一戸克夫
監査委員 佐藤文子
監査委員事務局長 飛澤重嘉
総務課長 青木 拓
監査課長 小田中 善治郎
   

〇高橋委員長 これより本日の会議を開く。
 これより議事に入る。
 認定第1号から認定第12号まで決算12件を一括議題とする。
 これより各部局の審査に入る。
 なお、念のため申し上げるが、関連質疑については質疑冒頭に質疑を表明している委員よりも優先して発言を認めているものであるので、その性格上、関連性のあるもののみ、短時間、簡潔に発言されるよう、また、要望のみで終わることのないよう御協力をお願いする。
 本日は、議会、総務部、企画振興部、教育委員会、出納局、人事委員会、監査委員関係を終わるよう進行したいと思うので、御協力をお願いする。
 なお、世話人会の申し合わせにより、平成9年度決算の審査であるので、当該年度に関する質疑とされたいこと、質疑項目が複数ある場合、関連する事項についてはできるだけまとめて質疑されたいこと、また、質疑及び答弁については簡潔明瞭に行い、午後5時をめどに審査が終了するよう議事進行に御協力をお願いする。
 最初に、佐藤議会事務局長に議会関係の説明を求める。

〇佐藤議会事務局長 平成9年度の議会関係の決算について御説明申し上げる。
 歳入歳出決算書の12ページをお開き願う。第1款議会費の支出済額は14億6、355万円余であるが、便宜上、決算事項別明細書で御説明申し上げるので、決算事項別明細書の108ページをお開き願う。1目議会費の支出済額は10億2、490万円余であるが、これは、議員の報酬及び旅費等の議会運営に要した経費である。次に、2目事務局費の支出済額は4億1、613万円余であるが、これは、事務局職員34人分の人件費及び事務費等事務局の管理運営に要した経費である。次に、110ページをお開き願う。3目議員会館費の支出済額は2、252万円余であるが、これは、議員会館の維持管理等に要した経費である。
 以上で御説明を終わるが、よろしく御審議のほどお願いする。

〇高橋委員長 ただいまの説明に対し質疑ないか。

〇斉藤委員 2点のみお聞きする。
 平成9年度の議員野球団にかかわる公費支出は幾らであったであろうか。あわせて、平成10年度の公費支出についても、全国大会、東北大会、それぞれお示しいただきたい。最近の新聞報道によると、全国都道府県議長会は、11月26日までに来年の野球大会を中止することを決めたと報道されているが、その理由は何であろうか。各県ごとに自費、公費負担などの状況がばらばらであると言われているが、全国的状況はどうなっているであろうか。
 第2点目、議会費にかかわる食糧費の不正支出について、私は予算特別委員会のときにもお聞きしたけれども、答弁がなかった。既に、当局からはこの不正支出分は返還されているが、議会費にかかわる食事券や不正支出の実態について、これは平成9年度の調査であるから、具体的に示していただきたい。

〇佐藤議会事務局長 ことしの全国議員野球大会は、神奈川県において開催され、50回の記念大会ということでもあり、大会の運営を見直し、大会の意義を高め、参加議員の一層の交流を図ることを目的に、第1日目に講演会及び交流パーティーを、2日目以降に国体協賛の野球大会を計画したものである。
 なお、野球大会は悪天候のため中止となったものであるが、参加状況については、本県からは議員、職員を含め23名が参加し、議員の費用弁償旅費と随行する職員の旅費として133万9、000円余を支出しておる。
 9年度の参加であるが、これは大阪府で開催された大会であるが、議員が22名参加、223万1、000円余、職員が17名、152万3、000円余の経費負担になっておる。それから、福島県で開催された北海道・東北大会であるが、議員が31名参加で109万円余、職員16名参加で27万5、000円余の支出となっておる。それから、ことしのブロックの議員交流大会であるが、北海道・東北6県議員交流大会は、10年度から北海道・東北6県議会議長会及び開催道県議会の主催により、地域連携など、当面する諸課題に関する意見交換及び軟式野球大会を通じて各道県議会議員の交流と連携を深めることを目的として、北海道において開催されたところである。それに要した経費については、議員が22名参加、156万1、000円余、職員13名参加で79万9、000円余の支出をしている。
 食糧費の支出の関係であるが、東京事務所に令達した議会費の食糧費であるが、平成8年度、9年度に令達した実績はない。過去に東京事務所に令達していた議会費の食糧費は、議長や議員等が上京して、統一要望、全国議長会、各種会議に参加した場合の、参加者または出席者との情報交換の場として懇談を行うことがあり、これらの経費として令達したものである。令達した食糧費については、これまで説明してまいったとおり、令達した目的に沿って執行されているものと理解しており、執行を委任した趣旨から、調査は特に必要がないと考えているところである。

〇斉藤委員 食糧費の平成8年、9年は令達していないと、これはわかった。ところが、平成9年度に食糧費不正問題が大問題になり、全庁調査をやったわけである。そして、食事券は全部不正と、これは返還された。議会費を使った食事券の支出があるのである。いいであろうか、だから私は聞いているのである。議会費が東京事務所によってどのように不正に支出されたのか、その中には食事券があるわけであるから、調査をしないという話はないであろう。議会のために使われたのか、不正のために使われたのか、これをなぜ明らかにしないのであろうか。

〇佐藤議会事務局長 予算令達は執行権を委任しているものであり、東京事務所が食糧費関係書類に基づき、検査あるいは監査を受けておるので、詳細にはその使途について承知しておらないというものである。

〇斉藤委員 これで終わるけれども、令達したと言うが、私は、その趣旨に基づいて使われていないと思う。だから、いわゆる食事券の不正支出があったわけであるから、議会費も食事券が使われているのである。議会費にかかわって、いわば当局が返還した東京事務所の不正支出分が幾らあるのかということは、明らかにして当然ではないか。議会費にかかわる返還分はなかったのであろうか、このことをお聞きしたい。

〇佐藤議会事務局長 東京事務所の返還の中で、議会費もあわせて処理されておるので、御了承願いたいと思う。
 なお、申し述べるけれども、不正支出ではなく、不適正な支出であったと認識しておる。

〇高橋委員長 他に質疑ないか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇高橋委員長 質疑がないようなので、議会関係の質疑をこれで終わる。
 次に、吉田総務部長に総務部関係の説明を求める。

〇吉田総務部長 平成9年度決算の概要については、昨日、出納長から説明があったので、私からは、歳入、歳出の構造などを中心に御説明申し上げる。
 便宜、お手元にある歳入歳出決算説明書で説明させていただく。42ページと43ページである。まず、一般会計の歳入決算であるが、一番上の平成9年度の欄にあるように、県税、地方交付税等の一般財源収入の決算額は4、481億1、446万円余であり、前年度に比較して186億8、592万円余、4・4%の増となっておる。また、国庫支出金、県債等の特定財源収入の決算額は4、567億1、533万円余であり、前年度に比較して34億9、977万円余、0・8%の増となっておるところである。一般財源収入額が前年度に比較して増加した要因としては、平成9年4月から新たに地方消費税が導入されたことによるものであり、また、歳入の中で最も大きな比重を占める地方交付税が1・4%増加し、さらに、公共施設等整備基金及び県債管理基金からの繰入金が増加したことなどによるものである。また、特定財源収入額が前年度に比較して増加した要因としては、県立大学整備に係る県債が増加したほか、商工関係の貸付金の需要が増加したことに伴う償還金の増により諸収入が増加したことなどによるものである。
 次に、54ページと55ページをお開き願う。歳出決算を性質別に申し上げると、人件費等の義務的経費は計欄にあるように1・9%増加しており、決算総額に占める割合は35・4%であり前年度より0・4ポイント減少しておるが、これは、人件費において退職者数が前年度に比較し少なかったため、退職手当が減少したことによるものである。投資的経費については、全体で前年度に比較し6・0%増加しており、構成比は42・2%で前年度より1・2ポイント増加しているところである。これは、平成8年度に比較して9年度は、県立大学整備  費等の投資的経費が増加したことによるものである。
 なお、ここには記述していないが、公債費比率は16・4%で、東北6県平均の16・6%を下回っておる。経常収支比率も84・4%で東北6県で一番低い数値となっているものであるが、いずれも前年度を上回り、財政構造は一段と厳しさを増してきておる。このため、引き続き行財政システム改革指針の目標達成を基本とし、創意と工夫を凝らしながら、所要財源の確保と限られた財源の効果的な活用に努めるなど、財政運営の健全化に配意し、諸施策の着実な推進に努めてまいる考えである。
 私からは以上であるが、引き続き、歳入全般、総務部関係の歳出決算の内容については、盛合総務部次長から説明させるので、御了承お願いする。

〇盛合総務部次長 平成9年度の一般会計の歳入全般及び総務部関係の歳出決算の内容について御説明する。
 便宜、お手元の歳入歳出決算事項別明細書によって説明させていただく。6ページをお開き願う。まず、歳入であるが、第1款県税の収入済額は1、258億452万円余で、前年度に比べ1・3%の増となっておる。また、調定額に対する収入済額の割合である徴収率は、前年度より0・2ポイント低下して98・8%となり、収入未済額は14億7、881万円余と昨年度より26・1ポイント増加しておる。この収入未済額の主なものは個人県民税であるが、個人県民税は市町村民税と合わせて賦課徴収することになっておるので、関係市町村との協議を一層密にしながら、その徴収に努めてまいる考えである。
 次に、12ページをお開き願う。第2款地方消費税清算金であるが、平成9年度に新たに導入された地方消費税について、各都道府県間の消費相当額に応じ清算するものであり、59億4、468万円余となっておる。
 第3款地方譲与税であるが、収入済額55億9、389万円余で、前年度比46・2%の減となっておる。
 次に、14ページをお開き願う。第4款地方交付税の収入済額は2、475億6、805万円余で、前年度に比べ34億7、858万円余、1・4%の増となっておる。
 第5款交通安全対策特別交付金は、収入済額6億7、684万円で、前年度比1・7%の増となっておる。
 第6款分担金及び負担金の収入済額は133億5、764万円余で、前年度と比較して3・7%の減となっておる。
 次に、20ページをお開き願う。第7款使用料及び手数料の収入済額は108億6、415万円余で、前年度より5・2%の減となっておる。
 32ページまで進ませていただく。第8款国庫支出金であるが、収入済額は1、995億9、495万円余であり、前年度比2・5%の減となったものである。32ページから76ページまでは、国庫支出金の内訳である。
 76ページをお開き願う。第9款財産収入であるが、収入済額は32億9、854万円余で、前年度比9・9%の減となっておる。
 次に、80ページをお開き願う。第10款寄附金は4、127万円余となっており、第11款繰入金は264億8、176万円余、91・7%の増と大幅な増加となっておるが、これは、県債の償還財源に充てるため県債管理基金を120億円、及び県立大学等の財源に充てるために公共施設等整備基金を127億9、727万円余をそれぞれ取り崩したことなどによるものである。
 次に、82ページをお開き願う。第12款繰越金は195億5、986万円余で、前年度より大幅に減少しておるが、これは、平成8年度の場合、国の総合経済対策に伴い追加された公共事業などの繰越明許費の繰越財源が多額であったが、平成9年度はそれが減少したことによるものである。
 第13款諸収入は、収入済額826億6、667万円余で、前年度に比べ2・3%の増となっておる。
 102ページまで進ませていただく。第14款県債であるが、収入済額は1、633億7、691万円で、前年度に比べ9・0%の増となっておる。これは、県立大学や東北新幹線などの大規模な建設事業や、地方特定道路整備事業などの基盤整備事業に起債を導入したことによるものである。
 なお、平成9年度末の一般会計の県債残高は9、320億5、180万円余となっておる。
 以上、款別に申し上げたが、歳入の合計額は106ぺージにあるように、予算現額は9、298億1、187万円余、調定額は9、065億9、017万円余、収入済額は9、048億2、908万円余となっており、収入済額は前年度に比べ221億8、569万円余、2・5%の増となっておる。
 なお、不納欠損として処理したものは、県税及び県税に係る延滞金、加算金の欠損処分額が大部分であるが、これは、地方税法の規定により納入義務が消滅したもの、あるいは時効の完成等により処分したものである。
 以上で歳入の説明を終わる。
 次に、総務部関係の歳出決算の内容について御説明する。
 110ページをお開き願う。第2款総務費であるが、第1項総務管理費1目一般管理費のうち総務部関係の支出済額は23億3、696万円余となっておる。これは、秘書課、総務学事課等の管理運営費が主なものである。次に、2目人事管理費は、主に職員の研修や退職手当などに要した経費であり、支出済額は52億8、387万円余である。次に、112ページ、3目文書費の支出済額は5、431万円余である。4目財政管理費は、財政調整基金、公共施設等整備基金及び地域振興基金の積立金等で、支出済額は11億6、226万円余である。なお、9年度末の現在高は、財政調整基金が55億1、721万円余、公共施設等整備基金が470億8、633万円余、地域振興基金が70億8、189万円余となっておる。114ページ、6目財産管理費は、庁公舎の維持管理及び県有資産所在市町村交付金等に要した経費であり、支出済額は42億1、894万円余である。次に、116ページ、7目東京事務所費の支出済額は6、761万円余である。8目公会堂費は管理運営費であり、118ページ、9目恩給及び退職年金費の支出済額は1億3、755万円余となっておる。10目諸費のうち、総務部関係は宗教法人設立認証事務費等で、支出済額は262万円余である。次に、11目庁舎等施設費は、地区合同庁舎建設及び職員公舎の整備に要した経費であり、支出済額は14億8、452万円余である。
 次に、122ページに進んでいただく。第3項徴税費であるが、1目税務総務費は管理運営費であり、2目賦課徴収費は個人県民税徴収取扱交付金など、賦課徴収に要した経費である。
 次に、128ページに進んでいただく。第6項防災費の支出済額は9億4、791万円余で、1目防災総務費は、管理運営費及び航空消防防災体制強化推進事業費が主なものであり、130ページ、2目消防指導費は、地域をまもる防災強化推進事業費が主なものである。
 次に、大きく飛び302ページをお開き願う。第10款教育費第8項大学費1目大学費であるが、支出済額は410億5、792万円余であり、これは、県立大学の整備等に要した経費である。次に、2目短期大学費の支出済額は11億2、835万円余であり、盛岡短期大学及び附属幼稚園並びに宮古短期大学の運営等に要した経費である。
 304ページ、第9項私立学校費の支出済額は52億9、495万円余で、その主なものは、私立学校運営費補助、私立高等学校一般施設整備費補助など、私学の振興に要した経費である。
 次に、310ページをお開き願う。第12款公債費であるが、支出済額は772億8、106万円余であり、県債の償還並びに県債管理基金の積み立てに要した経費である。なお、県債管理基金の9年度末の現在高は801億9、699万円余となっておる。
 次に、第13款諸支出金であるが、このうち、第4項地方消費税清算金は、都道府県間の地方消費税の清算に要した経費であり、第5項利子割交付金、312ページの第6項地方消費税交付金、第7項ゴルフ場利用税交付金、第8項特別地方消費税交付金、第9項自動車取得税交付金は、いずれも市町村に交付したものであり、第10項利子割精算金は、都道府県間の利子割の精算に要した経費である。
 第14款予備費については、3億円の計上であったが、第2款総務費に2億2、170万2、000円、第8款土木費に7、828万7、000円を充用したので、1万1、000円の不用額となったものである。
 以上で歳入全般並びに総務部関係の歳出の説明を終わる。よろしく御審議をお願いする。

〇高橋委員長 ただいまの説明に対し質疑ないか。

〇菅原委員 それではお尋ねするが、まず、地方振興局の件についてお尋ねしたいと思う。この件に関しては、さきの一般質問において山内議員、あるいはまた、きのう佐藤正春委員から話があったようであるけれども、それに関連があるのでお尋ねをするわけである。
 まず、岩手日報の9月24日の新聞である。県の12振興局統廃合案浮上、企画部門一元化ねらう、こういう記事である。次は、10月6日、振興局に予算要求権、人事権も検討と、こうなっておる。それから、10月16日、これは日報の論説の中で、9部の振興局改革というような一連の記事があったわけであるが、今、県は、株式会社岩手県、あるいはまた、振興局を分社というような位置づけをして振興局の体質の強化等々を図っておるわけであるが、そういう中においてこのような新聞報道があると、県民が非常に不安を感じる、そういうことではないかと、そんな感じがするわけである。
 特に、北上、花巻、あるいはまた一関、千厩、釜石、遠野振興局は、九つの広域圏に統合するというような案のようであるが、当面、企画部門だけを一元化するというような意向のようであるけれども、こういうことになると、せっかく振興局の機能の強化を図っていく上にまた変更が出てくるのかと、そういうようなことになるのではないか、そんな感じがする。特に、この企画部門というのは、確かに広域圏の一元化ということを理解しないわけではないけれども、いずれ、それぞれの地域はそれぞれの地域の歴史もあるし風土もあるわけである。それを一つの振興局で計画部門を一元化するというのは、いささかとっぴな感じがしないわけでもない、そんな感じがするわけである。特に、こういう問題で統廃合するということになると、常に上位都市の役所に統合になると、こういうのがパターンである。そうすると、役所がなくなる地域はますます、いわゆる過疎化が進んでくるというような現象を生じてくるわけである。これは、私はやっぱり地域の振興対策にとっては大きなマイナス要素があると、そんな感じをするわけであるから、せっかく12振興局の機能強化に今取り組んでいるわけであるから、これはひとつ余り変更のないようにしていただきたい、そんな感じで、これは地域住民の要望なわけである。
 次に、振興局に予算要求権、人事権も検討と、これは新聞記事であるから、どこの責任ということではなく、こういう記事も実はあるわけであるが、予算要求権、人事権というのは一体どんなものであろうか。特に、人事権というのは知事にしかないのである。どのような形で振興局長が人事権を発揮できるのであろうか。所内の内部の一般行政職の異動、これは私は可能ではないかと、そんな感じがする。特に、振興局には専門職がたくさんいるわけである。獣医が土木部に行け、土木部の技術者が別な部門に行けといっても無理な話で、こういうこともおかしいのではないであろうか、できるのであろうかと、こういう疑問が実はあるわけである。やっぱり人事権というのは、県の人事課で適正な人事の配置、それが一番ベターではないかと、そんな感じがするが、大きな活字で人事権も検討という形になっておるからお尋ねするわけである。
 それから、予算要求権、これも、今までも振興局が本庁に働きかけて、この事業は優先にしていただきたい、いろいろなそういう形はやっていると思うが、これはまた予算要求権ということになるから、権利であるから、することはいいであろうが、果たしてこれが実現できるのであろうか。こういうことをどのようなことを考えておるものか、ひとつお尋ねしたいわけである。
 この問題については、総務部と企画振興部にもまたがると思うわけであるが、まず、総務部から私の質問に対してお考えをお示し願いたいと、そのように思うわけである。

〇吉田総務部長 私からは、地方振興局の統廃合について御答弁申し上げたいと思う。それから、人事の関係と予算の関係については、人事課長、財政課長から答弁させたいと思う。
 最初に、振興局の統廃合という報道の関係であるが、振興局は、基本的には今回の新しい総合計画においても、今後検討することとなっており、それと軌を一にして、当面は現行の振興局の体制で行くと私どもも同じように考えているところである。ただし、今後広域的な課題とか、それへの適切な対応、あるいは市町村との支援協力関係の強化ということなど、広域生活圏が見直しされていく、あるいはどんな方向に行くか検討されていくということになった場合においては、地方振興局間の役割分担とか内部組織のあり方、こういったものについて見直しを図っていかなければならないと考えており、それはその時点時点において順次整備を図っていかなければならないと考えているところである。
 基本的には、振興局に対して機能強化する、予算であれ人事であれ、そういった権限を委譲して、迅速に対処できるという考え方、それから、効率性、合理性、そういったものを実現しようというものであり、その場合には振興局間において機能分担を図ることもあり得るだろうという考え方でいるわけである。この振興局はこの点において重点を持つ、この振興局においてはこの点において重点を持つということもあり得るのではないかということである。
 冒頭申し上げたように、広域生活圏の見直しが今後進んで行った場合には、いろいろなことが考えられる。それに対応した考え方を今から考えておく必要があるということで私どもは考えておるところである。
 あとは課長から答弁させる。

〇照井人事課長 人事権についてのお尋ねであるけれども、職員の採用であるとか配置がえ、あるいは処分などのいわゆる人事権というものは、任命権者である知事の権限に属しているところである。この地方振興局長への人事に関する権限の付与ということについては、いわばこの人事に関する局長の調整機能、これを充実しようとするものであり、具体的には、役付以外の職員の局内各部への配置であるとか、あるいは振興局と管内の市町村との職員の相互交流などについて、今後、局長の判断により可能となるよう検討を進めているものである。今後、地方振興局、それから本庁各部局の意見を十分聞きながら詰めてまいりたいと考えておる。
 当面、来年度の人事異動に当たっては、従来からの地方振興局長からの意見聴取をさらに充実させるとともに、新たに、実務を担当しておる振興局の総務部長からも意見を聴取するなど、これまで以上によりきめ細かな対応をしてまいりたいと、このように考えておる。

〇千葉財政課長 振興局への予算要求権についてであるけれども、本会議で知事が振興局の予算に関して、振興局がそれぞれの課題に対してこれまで以上に主体的にかかわり、名実ともに地域経営を行うにふさわしい地域振興の拠点としての地位を確立するといったような趣旨で権限を付与すると申し上げたわけであるけれども、具体的に、できるだけ幅広く振興局の要望を聞いてまいりたいと思っておるけれども、例えば、総合計画における広域圏計画に盛り込まれた重点事業といったようなもので、部局を超えて横断的な広がりのある事業といったようなものを1ないし3、振興局により、大きな振興局があるし、小さなところもあるが、その程度をまず手始めにやってみようかと考えている。
 これらの要求内容については、原則的には本庁がいろいろ各部各課において、基本的には尊重すると。もちろん、国庫補助との調整とか従来事業との調整といったものはあるわけであるが、原則的には、振興局の要望を尊重した上で要求するという仕組みにしたいと考えている。
 それから、お尋ねの中にあった、従来からこのような振興局の意見の吸い上げというのはやっているのではないかということであるが、例えば、公共事業の箇所づけであるとか、新たな施策の要望であるとか、そういったものは、従来どおり振興局の要望を吸い上げ、各部各課がそれをまとめて要求するというスタイルには変わりないと考えている。

〇菅原委員 わかったが、いずれ、せっかく地方振興局を設置して、機能強化、そして、いろいろな関係の一元化を図っておるわけであり、この部門はそっち、こっちはこっちであると、そういうような不便を感じないような対策を考えていただきたい、そんな感じがしているわけである。
 それから、今の人事権の問題、予算要求権の問題、わかったが、こういう大きな活字で書かれると県民が迷うのである、不思議に思うわけである。こういう点、これはマスコミが勝手に書いたのかどうか、それはわからないが、いずれ誤解を招く、そういうようなことであろうと思うから、ひとつ神経を使っていただきたい、そのように思うわけである。
 それから、ちょっと関連するが、これは総務部にお尋ねするのが適当かどうかちょっとわからないが、いずれお尋ねするが、奥産道問題について県民の関心が非常に高かったわけである。さて、知事がどのような判断をするかというようなことをかたずをのんでみんな見守っておったわけである。まず、新聞で発表になったということである。それで、知事の記者会見で、中止の決断をしたと発表した、こういう形で、議会に対して何ら説明等々もない、事前協議もない、こういう形。これは議運でも問題になったそうであるが、私も、そのとおりであると、そんな感じがする。
 こういうような重大事項については、例えば、市町村においては、議会ではなく全員協議会を開催して協議をするのである。首長が議員に対していろいろな事情説明をして、こういうことにすると。いわゆる全員協議会の中で決定されているわけである。先般、二戸市の火葬場の設置場所が変更になった。学校跡地につくるということで、やっぱり地域住民の感情問題があったようである。これの変更についても、やっぱり二戸市の全員協議会を開催して、話し合いをして、そのようにあの変更を決定しているというようなことなのである。県の場合は、今まで全員協議会というような形で協議したことは、私は記憶にないのである。私は千厩町の町議会議員を務めてまいったので、たびたびそういうようなことが実はあったわけである。まさに、議会は蚊帳の外に置かれた、そういうような形ではないか、そんな感じがするが、この点について、お答えできるのであればお答えしていただきたい、そのように思っておる。

〇吉田総務部長 全員協議会とかということで、行われている市町村もあるし、そうでない市町村もあるところであるが、多くの市町村で全員協議会があるというのは承知しているところである。ただ、それをとるかとらないかというのは、これまた別であるが、県議会においては全員協議会というのをやってこなかったのは、委員御指摘のとおりである。
 今回の奥産道問題について、私は当事者の土木部ではないが、県の総務部として見ているわけであるが、いろいろ検討がなされ、前日までいろいろと論議を交わし、苦慮しながら最終的な判断がなされたと伺っているところである。当日、記者会見の日に関係の議員の方に土木部から御連絡申し上げたようであるが、時間の問題等があり十分伝わらなかった、あるいは新聞でごらんになったという方もおられるやに聞いておる。こういったことは余り好ましいことではないと思うし、知事からも申し上げたが、今後注意してまいるとお話ししたことであり、私ども総務部としても、そういった考え方で臨んでいかなければならないと考えているところである。

〇田村委員 一般質問でも御質問申し上げた件であるが、岩手山の火山防災についてである。
 一般質問でも申し上げたのであるが、いわゆる入山禁止措置という措置、行政措置になるのであるが、この入山禁止措置の一般県民の受け取り方と、入山禁止措置をした行政側との意識の差が非常に大きかったのではないかと私は思うのである。というのは、入山禁止というのはあくまでも、登山道を登っていけば危険が予測される、なるべく登山道は登らないでほしい、こういったような措置であるとお伺いしておる。ただ、一般的に、これは今菅原委員のお話にもあったけれども、報道による誤解、入山禁止というのは、もう危険でしようがない、差し迫った危険で、山全体に入ってはだめなのであるという認識を受けているのが一般的ではないのかと思うわけである。そこの意識のギャップというものをこれからぜひ解消していくようなやり方、それをとるべきであると私は思うわけである。特に、スキーシーズンを迎えて、スキー客も大勢入ってくるということであるので、山全体が危険であるという認識の中で、直接の担当部ではないであろうけれども、スキー客の誘致がどんどんなされているということになると、その辺のところに意識のギャップが大変出てくるのではないかと思ってもおる。
 また、資料をいただいたけれども、直近の11月19日の検討会、あるいは防災検討会、こういったものでの検討の結果を見ても、今後とも岩手山の火山活動は注意深く監視していくのであるという表現もなされておる。あす、あさって大変なことが起こるぞというような表現も使っておらないし、長期化ということも想定されるわけであるので、そういった意識のギャップの解消策というものを今後ともとっていく必要があるのではないかと思うのであるが、いかがであろうか。

〇吉田総務部長 岩手山の入山禁止の受けとめ方、県民の皆さんの受けとめ方と行政の意思とのギャップがあるのではないかということであるが、登山道だけ禁止したということではなく、登山道を禁止するということは、登山道以外も当然、それは危険であるということである。最初、西側の方が水蒸気爆発の可能性が高いということで、西側の方だけ登山道をとめようかという論議があったわけである。ところが、東側から登山した場合に西側に抜ける可能性がある、あるいは北側から登山する、あるいは南側から登山するということがあるので、西側だけとめたってこれは意味のないこと。人命、身体、それを守るためには、やはり、実際6月時点においては、あるいは7月1日時点においては西側だけが緊急性があるということであったわけであるが、今申し上げたように、1カ所だけ禁止しても、これはほかの方面から登山する人を守ることにならない。そういう観点から、全山入山禁止をしたということである。
 その後、御存じのように西側の方が水蒸気爆発の地震の回数が減るなど、少なくなってきた。結果的には、今度東側の方がふえてきている。そういったことで、結果的には、西側も東側もああいう入山禁止したということは、現時点においては正しかったと考えておるところである。ただ、これは4町村と合意の上で行ったところであり、県が主体的にとったものではない。県と町村ともどもに合意したものである。
 それから、いわゆるハザードマップで危険区域とされているところとスキー場との関係であるが、これは、御指摘のようなことであり、水蒸気爆発の場合は範囲は比較的狭い、そうではなくて、溶岩流とか、あるいは火砕流、これになると、時速100キロを超えるとかというようなこと--溶岩であるとゆっくりであるが、そんなことなどいろいろあるわけであるけれども、スキー場は、私どもの考えるところでは、一部はあるが、直接マップにかかっておらない。灰をかぶるところはあるけれども、そういったものはないところである。したがって、御指摘のように、スキー場あるいはペンション、こういったことの経営上の問題、あるいは住民の皆さんの日常の生活上の問題、本当によくわかるところであり、ここのところのギャップはなくさなければならないと考えているところである。今議会に6、700万円ばかりの予算をお願いして、観光客対策と申すか、あるいはスキーも含めてであるが、そういった諸行事を通じて、商工労働観光部などと連携しながら、そのギャップを埋めるように努力しているところである。

〇田村委員 今、ギャップを埋めるために努力しているということであるけれども、そのギャップを埋めるということは、結局はスキー場--特定の表現を使うのは支障があるかもわからないけれども、網張スキー場にしても八幡平リゾートスキー場にしても、スキーをやってもいいということなわけであろう。その全山入山禁止というそこのギャップ、意識のギャップである。直近に迫って、もう危険であるから入ってはいけないという意識と、さっき申し上げたとおり、長期化もするであろう、本当に差し迫った状態ではないのである、ただ、危険防止という観点から、とりあえず全山入山禁止にしているのであるという微妙な意識のギャップというか、それがあるのである。そこのところの解消を、予算上の誘客策も大事であるけれども、その意識のギャップを幾らかでも溶解させるという観点も大事ではないのかと、そのことを私はお伺いしたいわけである。

〇吉田総務部長 危険防止の区域の問題と、それから意識のギャップの問題、これはハザードマップをつくったわけであるが、このエリアについては、万が一があった場合には危険があるというマップを発表させていただいた。これは鋭意、専門家の学者の先生方から御指導いただき、過去数万年にさかのぼって岩手山の歴史をたどって検討し、今の現状を把握して、可能性とすればこういう可能性があるということでマップをつくらせていただいたということなわけである。そこで、このマップ以外のところは、現在のところでは危険性は少ないということで色塗りはしていないわけである。
 危険防止ということであるが、これは、何しろ地下30キロとか10キロとか4キロということであり、現在科学の最高の水準で各気象台の、盛岡気象台、あるいは仙台の管区気象台、あるいは東北大学、岩手大学と、最近は県立大学も取り組んでいるわけであるが、国の各省庁、12省庁全部の英知を結集してマップをつくっておるし、それから、その後の対応もしているところである。そこのギャップをどうするかと。マップについてはマップでというような統一見解を持っておるので、マップ以外のところについてまでも危険であると申し上げているわけではないわけである。これが間違って、岩手山とか、岩手県全体とか、あるいは盛岡も含めて、あるいは岩手山付近全体までも危険であるかのような一部の誤った週刊誌等の報道があったりして、あるいは、そういった報道があったことによって首都圏などでそういったことがあるようである。そういったことを解消しなければならない。住民の皆さんはもちろんそうであるし、それから、首都圏等の皆さんにも御理解いただかなければならないということである。意識のギャップについては、今言ったようなことであるので、今後とも意識のギャップが解消されるように、いろいろな場を通じて取り組んでいきたいと思う。さらに努力してまいりたいと存ずる。

〇久保田委員 人事管理について、この際お尋ねしたいのである。2点ある。
 一つは、公益法人などに対する県の退職者が就職している状況について把握したいわけである。きのうの質疑にもあったが、364の公益法人があるというお話があった。それとあわせて、出資法人等に対して、県の退職した職員が再就職している状況についてお伺いしたいと思う。
 第2点は、県職員の人事異動のあり方についてである。
 一つは、定期人事異動のあり方と基準について、この際お伺いをしたいのである。
 そして、あわせて定年退職者に対する再就職のあっせんをやっておるのかどうなのか、このことについてまずお伺いをする。

〇照井人事課長 それでは、まず第1点目の、県の退職者が県の出資している公社等において、その役員に就任している状況についてであるが、平成10年6月1日現在では、37法人に対し延べ52人、実員で47人となっておる。
 次に、第2点目、定期人事異動のあり方であるけれども、定期人事異動は、人事の刷新によって職場に新しい風を吹き込み、組織を活性化させるとともに、よりふさわしい部署への配置がえによって職員の能力を一層発揮してもらうと、こういうことなどを目的に、いわゆる職員の勤務意欲の高揚と公務能率の向上を図るために実施しているところである。平成11年度の定期人事異動に当たっては、これから本格的な地方分権時代を迎え、新たな行政システム改革を推進するとともに、新しい総合計画に基づく諸施策の積極的な展開を図って、県民サービスの一層の向上を期するために次の4点を基本方針として臨む考えである。1点目は、適材適所の人事配置を基本とする。2点目は、各部局間、それから本庁、出先機関間の積極的な交流を図ることにしておる。3点目は、県政推進の意欲に燃えて、創造性とチャレンジ精神に富む有用な人材の登用に努めることとしておる。4点目は、地方振興局にはとりわけ新進気鋭の者を重点的に配置するように努めることとしておる。
 それから、定年退職者に対する再就職のあっせんについてのお尋ねであるけれども、定年退職者で再就職を希望する職員がある場合、県では従来から再就職先のあっせんは特に行っておらず、職員みずからが求職活動を行っているところである。

〇久保田委員 出資法人の関係については理解できた。公益法人に対してどうなのであろうか。というのは、この関係について言えば、確かに能力のある方が適切な再就職の先があるということであり、そのことがむだだとは言わないが、少なくとも私は新しい雇用創出という観点からすれば、もっと若年労働者がその組織の中に雇用される状態が今求められているのではないのかという観点を持つわけである。そうした状況を踏まえて、今日的状況を踏まえれば、今のやり方が果たして適切なことなのかどうなのかについて再検討すべきではないのかと思うのであるが、所見を伺うものである。
 定期人事異動への考え方について四つの考え方が基本的にあることが示された。そのとおりで結構である。ただ、私の所属する農林水産委員会の例を例えばとってみれば、私の今任期中に部長が3人かわっている。他の部局も同じようなケースがあると思う。地方振興局の例をとれば、花巻でも私の任期中に3人の方がかわっている。そういう適切な意欲のある方を配置させることについての異議はないのであるが、余りにも早い人事異動ではないのかという感じを持つ。本当に適切な人事配置なのかどうなのかについて疑問なしとしない。例えば、きょうそこにお座りの皆さんが平成9年度の予算編成にかかわった人たちなのであろうか。そういう意味でかなり異動が激しいわけである。こういうこと自体は私は先ほどの説明で一定の理解はできるが、もう少し落ちついた人事異動があってしかるべきではないのかという率直な感じを持つわけである。今のあり方が適切だと御判断をなされているかどうかについて改めてお伺いをする。

〇吉田総務部長 人事異動の異動任期と申そうか、これが早いというお尋ねであるが、これは功罪両方あるのではないのかと思っているわけである。長いとマンネリ化して前例踏襲になってしまって、あるいは視野が広がらないということもあるし、新しい職場に行くことによってまた新しい発見をして新しい課題に取り組むと、前のを見直して新しい観点から新しい課題を見つけて、そして課題解決に取り組むということもある。ただ、極端に短いというのはいかがかという気もするけれども、ただ、原則とするならば人がかわっても一貫性、継続性というのはあるわけであるし、それからまた、その一貫性、継続性の中において新しい課題とか、新しい視野とか、あるいは個人によって見方、考え方も違う点もあるわけであるし、それによって進歩というか発展というようなものもあるだろうと思っているわけである。ただ、今一般的にはやっぱり余り短いのはどうかとは思っておる。ただ、人事であるので全体の中で考えなくてはならなくて、短くてもやらざるを得ない場合もあるということであって、できるだけ余り短くならないようにしたいとは思うが、必要によっては職場全体、そして全体のために短くてもやむを得ない場合があるということを御理解賜りたいと存ずる次第である。(久保田委員「公益法人の関係。」と呼ぶ)

〇吉田総務部長 失礼した。公益法人への就職の問題であるが、公益法人でも県が出資している法人と全く出資していない公益法人、民法34条の法人があるわけであるが、特に出資している法人については、県の行政との一体性という面とか、あるいはかかわりが深いという点があるし、そうすると県の行政の方向と、それから出資法人の方向と、これはギャップが余りにもひどくなっては行政目的を達し得ないということもあり得ると思う。この問題と、それから全く出資していない法人、これは分けて考えなければならないのではないかと思っているわけであるが、これは全く出資していない法人については、その法人の要請によって、しかるべき知識なり経験なりを持っていた人が、要請があった場合にはその人の個人の判断でお受けするかしないかという問題かと存ずる。ただ、出資している法人については、今申し上げたように、県行政とのかかわりが--出資の程度にもよるわけであるが--あるわけであるので、全く無視するわけにはいかないと考えているところである。それによって、必要に応じて場合によったら公益法人に行くことがあり得ると考えているところである。

〇久保田委員 短期間の中における人事異動のあり方についてのお話は今あったわけであるが、私は、事務執行の責任の持ち方に希薄な状況が生まれないのかということを実は心配するわけである。結果的には1年ぐらいでかわってしまうということは実に困ったことだと実感として思うわけである。特に地方振興局に関して言えば、地方振興局長はやはりじっくり二、三年はいてほしいと思うわけである。お隣の盛合さんも花巻の地方振興局長で大変好ましい方で、もっといてほしいという気持ちがあったが、すぐにかわられたという状況もある。もう少し根を張っていただく必要があるのではないのか。そういう意味で、地方振興局長に限らずであるが、特にもそういう感じを持っているわけであって、地域にじっくりと根差して配置を見ていただく。そういうことを特に感じておるものであるから申し上げた。最後の質問になるから御所見をどうぞ。

〇吉田総務部長 久保田委員の今の御提言に十分留意して取り組んでまいりたいと存ずる。

〇水上委員 別な角度から人事異動についてお伺いする。
 県にはいろいろな研究センター、そして技術センター等があるわけであるが、その人事異動についての所見。研究センター等では、そろそろ成果が上がると思うころまた別な部署に行って逆効果を生んでいるようであるから、そのことについてちょっとお聞きしたいと思う。

〇吉田総務部長 いわゆる専門技術職員の研究員の方、これはいわばスペシャリストなわけであるが、このスペシャリストの方々はやっぱり特別専門的な分野について、長期間かかって一定の成果を出すということがやっぱり必要だろうと、基本的にはそう考えておる。ただ、スペシャリストだけにとどまらず、本会議でも御質問あったように、企画部門とか、しかるべき立場についていただく方については、広い視野から、広い観点から、別な角度から物を見ていただくと、いわゆる専門分野以外の分野からも物を見ていただいて、また専門分野に生かしていただくということも必要だと思っておるので、そういった観点から、いわゆる研究の専門分野という観点を留意しつつも、人材育成という観点から今申し上げたようなことで異動も行っているということであるし、今後も続けてまいりたいと存じているところである。

〇水上委員 今までの専門機関の技術員の専門分野の年数をどれぐらいの平均で異動しているかというのをお聞きしたいと思うし、それから物をつくっていく場合、何か研究している場合はいろいろな専門的な全体的な分野でなく、物をつくるときはやっぱりその物に対しての専門分野の方をずっと勉強する方が、その研究所においては必要だと思うが、そのことの見解もお願いする。

〇吉田総務部長 どれくらい在職しているかというのは、これは人事課長から答弁させるが、いわゆる物をつくる専門分野の方についてであるが、これは人にもよろうかと思うが、やっぱり研究分野に没頭したいという方もおるし、あるいはその持てる能力を十分発揮して企画部門とか、あるいは施策に生かしていくとかという方もあるし、それは個々で考えなければならない。本人の希望とか、あるいは行政上の組織上の必要からとかいうことで、個々に考えなければならないと思っておる。基本的にはやっぱり研究者については、研究するという意思を尊重するべきものと考えておる。

〇照井人事課長 研究機関のいわゆる専門職員の平均の在職期間であるが、分野によって多少違うが、おおむね4年から、長いところで8年ぐらいで異動しておる。一方、いわゆる行政職員、こちらについては約3年程度で異動しているところである。

〇谷藤委員 以前から救急救命士の問題についてお聞きをしてまいってきておるけれども、この制度は平成3年に発足して、患者が病院まで搬送される間に救命処置を充実させるという目的で創設されたと思っておるけれども、これらは随分実績を上げてきているのだろうと思う。この制度が創設されて厚生省では7年を経過したということで、いろいろ検証をするということのようであるけれども、本県における救急救命士の今の実態というか、数、何名ぐらいおられて、それから患者の回帰率というのであろうか、どれぐらいの状態、実績があったのかということ、それから今どういうことが課題になっておるのかということを、まずお聞かせいただきたい。

〇篠谷消防防災課長 救急業務の関係であるが、委員お話しのとおり、救急救命士の関係については、救急現場並びに搬送途上の傷病者の救命率の向上を図るということで、大変我々も重要視をしているところである。現実的、効果的な状況だろうと思っておる。それの救急救命士の現状であるが、10年度末現在の見込みで94名ということである。現在、大体年間20名ほど研修を進めて養成を図っているという段階である。県の目標とすれば、平成7年度策定した状況であるが、救急救命士250名ほど必要だろうと思っておるが、現在94名と、いずれ年々拡充をしてまいりたいということで、各市町村等にも指導させていただいているという状況である。
 そして、課題については、今お話しのとおり、絶対的な数がまず少ないだろうということで、充足に向けた取り組みが何よりも肝要だろうということである。それとあとは、やはり救急救命士の状態で言うと、医療機関とのタイアップということが当然求められるものであるので、その点も十分配慮して、受け入れ医療機関との体制を十分構築してまいりたいと考えているところである。(谷藤委員「回帰率というか、蘇生率。」と呼ぶ)
 失礼申し上げた。蘇生率等の関係であるが、平成9年度の状況、全国レベルでちょっとお話を申し上げるけれども、一般の救急業務に携わってきた、搬送して受け入れをしていった蘇生率3・9%。それが救急救命士が絡むところについては5・7%、約1・5倍の蘇生率の向上が見られるという状況である。そういった点で救急救命士のものについては、先ほど言ったとおり県内にも、広い県土を抱えているものであるから、そういった点で養成を十分図ってまいりたいということである。

〇谷藤委員 そういうことで目標が250名ということで、現在94名で、年に20名ぐらいずつ新規に教育というか、講習、研修されているということで、まだまだ目標の数字までに到達するには、これでいくと六、七年ぐらいはかかるであろうけれども、いずれ広い県土であるし、それから救急病院の体制とかの連携というのも必要であろうけれども、いずれテレビなどを見ていると非常に頑張っている姿、随分奇跡の生還に近いような状態で報道されるときがあるけれども、それだけ非常に重要な任務だろうと思っておる。そういうことで今後ともぜひ、心肺が停止した患者さんが最も頼りにするのはそこの分野だろうと思っておるので、今後とも強化されて充実されることを御祈念申し上げて終わる。

〇佐々木(俊)委員 救急救命士に関連をする。お話のように大分活躍をしておるし、ただ、救命士の養成というのはなかなか実は大変だろうと思っておる。もともとが消防士として採用された方に医療的教育を加えて資格を与えるわけであるので、もともとが救急というか、お医者さんを志向した人ではないわけである。そこに問題があるし、一方また、救急車の方は高次の救急車がどんどん入っておって、車はあるけれども人手が足りない。今お話しのように250名必要なところに90何名と、こういう状況。そこで出てくる話なのであるが、いかがなものだろうかと、高度な看護教育を受けた看護婦を配置したらどうなのだろうと。いわゆる今、蘇生率がどうとか、非常に緊急状態の中で救命士が半年とか1年教育を受けてやる、それはいいのであるけれども、それよりもやっぱり4年も5年も教育を受けた高次の医療的能力を持った看護婦がそこにおる方が効果的ではないのか。こういう発想があるわけである。これは警察官だって、今婦人と言わないか、昔は婦人警官と、今は女性警官であるか、自衛隊だっているわけであって、夜中の勤務にはなるけれども、男女平等の昨今であるので、やり方によっては非常に効果的ではないかという考えがあるのであるが、いかがなものであろうか。

〇篠谷消防防災課長 ただいまのお話の看護婦の配置によって充足できる部分もあるのではないかというようなお話である。それについて、初めてのお話で御提言を承ったところであるので、いずれ課題等もあるので、今後検討してまいりたいと思っておる。

〇佐々木(博)委員 私立学校費にかかわってお伺いしたいと思う。
 私学教育の振興というのは大変大切だと認識しておるけれども、私立学校の運営費の補助等については、さきの本会議で村田議員とか山内議員から一般質問があったので、その点については省略をさせていただいて、幼稚園に絞ってお伺いさせていただきたいと思う。
 私立幼稚園をつくるときには施設整備費の補助というのがあるけれども、平成9年度も1園、これは多分盛岡のくるみ幼稚園ではないかと思うが、計上され、措置されたわけであるけれども、この私立幼稚園の施設整備費の補助金、これがここ何年間かどういう推移になっているのか、まずそのことについてお伺いしたいと思う。

〇小野寺総務学事課長 私立幼稚園の施設整備費であるけれども、私立幼稚園86園あるけれども、ここ最近5カ年の件数をお話しすると、平成5年は3園、6年は2園、7年が1園、8年がなくて、9年は今お話しあったように1園、10年--ことしは3園となっておる。

〇佐々木(博)委員 今、私立幼稚園の経営は、大変厳しい状況に置かれておる。多分岩手県の幼稚園の先生方の賃金というのは、全国的に見ても一番ぐらい下のところにたしかあるはずであるし、それから御承知のとおりの少子化で園児自体が減っているわけである。ただ、救われているのは、昔は幼稚園というのは1年ぐらいしか我々のときは行かなかったのであるが、2年行くようになって、現在は3年就園する方も大分ふえておって、そういったことで数がやっと確保できているような状況なわけであるけれども、いろいろな私立の幼稚園が県内を見回すと改築の時期に来ている園が随分多いと実は認識をしておる。それで、これからこの施設整備費補助であるか、申請してくるところがふえてくるのではないかと予想されるところであるが、御承知のとおりの財政状況の中で十分対応していけるようなものなのかどうか、その辺についてちょっとお伺いをしたいわけである。

〇小野寺総務学事課長 幼稚園の新築、増改築であるけれども、我々の調査によると、11年度--来年であるけれども、今のところ改築が7園、それから12年度は1園というぐあいに把握しておる。数的にいくと、ここ過去の経緯からいって11年度は多いというような把握になっておるけれども、これらについては国庫補助、文部省であるけれども、文部省の施設整備費補助の獲得に向けて努力してまいりたいと考えておる。

〇伊沢委員 私は、組織管理にかかわってお伺いをしていきたいと思う。
 平成9年度の決算委員会であるので、9年度当初に実は岩手県、10数年ぶりの大がかりな組織改編、機構改革があったわけである。この部分について総務部の方でどのように--1年7カ月、今過ぎているわけであるけれども--把握をされているのかと思うわけである。この間、県政というのは県民の皆さんの負託にこたえてきめ細やかな、言ってみれば施策を展開していく。そういう部分であるわけである。それぞれ本庁の統廃合なり出先機関の統合もあった。そして、新たな地方振興局の体制を含めてこの間やってきたわけである。行革の中ではそういう意味でのきちんとした取り組みをしようということでやってきたわけであるが、この間その成果が、言ってみれば当初の目的のとおり流れているのかと、住民の皆さんが喜んでいるのかという部分を一つはお聞きをしたいと思う。
 もう1点は、そこで働く職員がその前と現状でどういう意識を持っているのか。知事は本社、分社ということで言っている。いわばそこで働く社員が県職員なわけであるが、超過勤務の問題を含めていろんな部分、この間検討されてきて改革をしてきているとはお伺いしているわけであるが、従来と比べて職員の勤務体系というか、その辺がうまくいっているのか。例えば、市町村との関係を含めて出先のところで何かそごが生じることはないのかとか、そういう部分を含めて機構改革をしてそれぞれヒアリングをする中で人を配置してやってきたわけであるが、その後、総務部としてこの再編がどのように動いているのか、言ってみれば把握をしていくことが必要だと思うのであるけれども、その辺の部分についてまず御所見をお伺いしたいと思う。

〇吉田総務部長 組織管理の問題でどのような成果を持っていると認識しているか、あるいは住民がどういう思いを抱いているかということである。地方振興局重視ということで、より身近な行政は住民にできるだけ近いところでということで、合意のもとに市町村に権限を委譲したり、あるいは物によっては財源を付与、あるいは委譲したりということをやっているわけであって、一方で、市町村まで行けなくても地方振興局に権限委譲、あるいは予算等もおろすと、あるいは決定権もおろすということをやってきているわけであって、これについては成果を上げていると、より迅速な、あるいはよりその地域に適した、状態を把握しているようなところで行政を行っているという意味では、成果を上げているものと考えているところである。住民の方からは直接私は聞いておらないが、より早く、あるいはより的確にということが従前よりなされていると考えるので、喜んでいただいているものと思っておる。
 それから、職員自体がどう思っているかということであるが、従来の地方振興局、10年度改革を行って、保健福祉環境部とか、あるいは保健と福祉と医療ということなどの統廃合、あるいは土木事務所が地方振興局に入ったとか、これが県政全体の中で地方振興局が一体となってやり得る余地がふえてきたと、それから横断的な面のとらえ方ができると、それから地域の実情を地方振興局長が全体を把握できるという体制にはなったと考えているところである。ただ、局内での壁が完全に取り払われているかどうかについては、もう少し時間をかけてその壁をなくすような努力はしなければならない。そういった意味で人事の問題とか、あるいは予算の問題とか、そういったものについて地方振興局の横の関係、縦の関係、これをもう少し時間をかけてすっきりしていかなければならないということを考えているところであって、ただ、職員の皆さんが戸惑いも若干あるかもわからない。従来のやり方と新しいものに改革というか、取り組んでいく場合には若干の戸惑いがあると思うが、これは時間の問題であって、いずれ解消できると存じておる。
 それから、超過勤務の問題については、これはできるだけ少なく、勤務時間内にやるようにということで指導しているところである。

〇伊沢委員 驚いた。実は驚いた。私、行革の懇談会があった際には委員として入れさせていただいてきたわけである。その際には、こういう形でいろんな機構改革をする際の御意見を聞こうということで、住民の方に行っていわば聞く、そういう会も持った。その後、大綱ができていろいろなことをやっていこうというときに、この行革の進捗状況を見るということで委員会を縮小されたわけである。今まさにまだ委員会は継続をしていると私聞いているわけであるけれども、部長、今成果が上がっていると思うが住民から中身を聞いていない。これは問題だと思う。知事はこの間、言ってみれば直接聞くということでそれぞれのところで懇談会もやっているわけである。その中で、これはどうであるかということも含めてやってきたと思うけれども、その部分がどうなったのかということを一つお伺いをしたいと思うわけである。
 また、あわせて、職員の側の問題、それから組織の方で、先ほど久保田委員の方からも地方振興局の中の、言ってみれば管理職と言われる方々が一定程度の期間で動く。その際の組織の中がどうなっているかという部分は、県民に向かって物を聞くよりは、自分の社員がどういう考えを持って動いているかという部分を聞かないという手はないのではないか。1年半過ぎているわけであって、適材適所、事務事業の見直しは不断から進めて物をやっていくと、途中でもだめであれば、足りなければそこに人を導入すると、余っていれば抜いてきてでも別な場所に入れる。そういうことをやるのが言ってみれば組織管理ではないかと、こういうふうに思うわけである。その辺についてもう一度御所見を賜りたいと思う。

〇吉田総務部長 いわゆる住民の評価はどうかということであるが、確かに行革の集いを12地方振興局で懇談会の先生方と一緒に聞かせていただいた。いろんな御提言を受けておって、いい点もあるし、それから反省すべき点などを御指摘いただいておる。今それらを前提というか、それらを踏まえて行政改革大綱、これを見直しをして来年の2月にはまとめたいと思っているところである。私が住民から直接というか、個々の住民がどう思っているかということは聞いてない、わからないという意味である。行革の集いとか、あるいはアンケートをいただいておって、これら組織的にいただいた御提言については十分承知しておって、ある一定の評価をいただいていると。さらに、これをどう改めていくかについては、この懇談会においてさらに充実させて大綱に生かしていきたいと思っているところである。
 それから、事務の繁閑の問題で、特定の組織あるいは課なり係なりが事務の繁閑があって超過勤務が多いといった場合には、機動的に対応するべきだという御趣旨に伺ったが、できるだけそういった方向で総務部としても、あるいは人事課、地方振興局の中でそういった考え方がとれるような体制に持っていきたいと考えているところである。ただ、なかなかこれがやっぱり壁、それこそ壁があって簡単にはいかないが、そういう考え方で現実にやっているところもあるので、その趣旨を生かしていきたいと思っているところである。

〇伊沢委員 そういうことであれば大変前向きでいいと思うので、ぜひその辺をお願いしたいと思う。 最後に1点なのであるが、今、超過勤務の問題について努力をしているということで触れられた。人事委員会の勧告も去年とことしの部分しか私手元にないのであるけれども、これに触れられているわけである。去年の勧告の中では、総体の中でいろいろ任命権者の皆さんが努力をしていると。最終的には職員一人一人が実勤務時間を管理しながら頑張っていけば減るのだ。こういうことでの報告が去年、結びの中で触れられている部分で、報告ではないがそういうのがあった。ことしの場合は、言ってみれば任命権者の部分について若干踏み込んだ形での、チェック体制を強めながら超過勤務の削減を進めろと、こういうふうに実は変わっているわけである。部長、今いろいろ努力をしてきているという部分があるのであるが、実態として、この間何回か委員会の中なり議会の中でも出ているのであるが、超過勤務手当という問題ではなくて、実の中でどういう状況になっているのか、その辺、ふえているのか、減っているのか。
 さらには、健康管理も含めてもしお手元に資料があればいいと思うのであるが、私は9年度以降の組織改革にかかわって今お聞きをしている部分で、以前の部分と、9年、10年に当たっての職員の健康管理の問題で、病休等の問題とか、いわば要観察であるか、そういう形の職員がどういう傾向にあるのか、あわせてお伺いをして質問を終わりたいと思うが、よろしくお願いする。

〇照井人事課長 超過勤務の縮減への取り組みについてのお尋ねであるけれども、超過勤務の縮減については、やはり職員の健康を保持し公務能率の向上に資するという観点で、これまで事務事業の見直し等による事務の簡素効率化であるとか、事務量に見合った職員の適正配置であるとか、あるいは年間を通じての業務量の平準化、具体的には今度は定時退庁日の設定等、さまざまの手だてを講じて取り組んできたところである。超過勤務の状況であるが、大体ここ数年、若干ふえているという状況である。
 それから、職員の健康管理の方であるが、前年度と比較するとこれも大体ほぼ横ばいという状況である。

〇斉藤委員 まず最初に、県財政の危機的状況とその打開策についてお聞きをする。
 平成9年度の県債発行額、県債残高、あわせて増田県政発足以来の県債発行額と県債残高の推移を示していただきたい。東北各県との比較はどうであろうか。
 増田知事は部課長研修の中で、国の経済対策に極めてまじめにおつき合いしてきた結果が、県債発行残高9、000億円と、年間の県予算額を超えるような今の財政状況を招いてきている。交付税が当時約束されたような形で本当に将来も担保されるのかどうかもわからない。重要な発言をしているが、総務部長はこの発言をどう受けとめているか。公共事業優先、開発優先のやり方が今日の財政危機をもたらしたのではないであろうか。
 交付税も9年度、約束どおりに交付されたのであろうか。高利の県債の繰り上げ償還、低利への借りかえについて、この間どう取り組んだであろうか。できる県債はどれだけあるのか、具体的に示していただきたい。
 来年度の予算編成方針を見ると、厳しい財政状況のもとで各部局の要求枠は、投資的経費の国庫補助事業は同額、県単独事業は10%減、経常的経費は25%減と、大幅なマイナスシーリングとなっているが、福祉、暮らし、教育の切り捨てとなるのではないであろうか。従来型の公共事業優先から、県民アンケートでも要望の高い福祉、社会保障優先に県政の流れを転換することが求められているのではないであろうか。県の試算でも経済波及効果、雇用効果でも福祉、社会保障への投資が大きな効果を発揮すると示されているから、私はこの転換が必要だと思うが、いかがであろうか。

〇吉田総務部長 県債の発行の関係であるが、平成7年度以降の県債発行額は普通会計ベースで、7年度が1、430億円、8年度が1、520億円、それから9年度が1、699億円余りである。県債残高が7年度が7、598億円余りであったし、それから8年度が8、721億円、9年度が9、970億円という状況である。東北各県の県債の発行を比較すると、7年度が1、387億円、8年度が1、385億円、それから9年度が1、413億円余であって、7年度の7、375億円余、8年度の8、310億円余、9年度の9、252億円余ということであって、平均と比べて本県においては、事業を積極的にやっているという点もあるが、こういう状況になっているところである。
 それから、知事の発言の財政状況についての趣旨であるが、本県がこれまで国の経済対策に呼応して県内経済の活性化を図るという観点から、公共事業を積極的に導入してきたと。それからまた、東北新幹線の盛岡以北の整備の本格化、それから県立大学の整備と、こういった大きな事業が集中しているということとか、さらには地方財政対策として平成6年度以降の財源不足とか、住民税等の減収補てん措置としての財源対策債等の発行を余儀なくされたということもあって、県債発行残高が増加したということで、今日の厳しい財政状況に至ったとの認識をしたものと受けとめているところである。しかしながら、地方財政は多額の公債残高を抱えておるが、交付税特別会計も多額の借入金を抱えていることなどから、極めて厳しい状況にあるなど、今後もいろいろともっと地方財源を充実、確保するべきだと考えておって、そういった考え方のもとにそういった発言がなされたと思っておる。
 それから、9年度の交付税は約束どおり交付されているかということであるが、これは約束どおりというか、ルールに従って交付税をいただいているということである。
 それから、社会福祉とかそういったものに転換すべきではないかということであるが、これは社会福祉も大事であるし、あるいは社会保障とか、いろんなこういったことは県民の福祉の向上という点から考えると社会保障もこれも必要だと思う。ただ、しかし、社会保障にだけというわけにはまいらないと思う。いわゆる基盤整備もやらなければならないということもあるので、そこをバランスよい財政運営をしていかなければならない、あるいは予算の措置をしていかなければならないと考えているところである。

〇千葉財政課長 まず、高金利の県債の繰り上げ償還あるいは借りかえについてであるが、繰り上げについては、まず実現するためには二つの要件があると考えておる。一つは、その財源を準備しなければならない。それから、もう一つは、相手方の応諾ということがある。そういう意味で今年度の場合、今後年度末に向けて全体の財源調整をし、準備できる財源というものをにらみ合わせながら、今後必要に応じて金融機関と交渉してまいりたいと考えておる。それから、借りかえについては、今年度36億円ほど既に借りかえ実施しておる。これは4・861%のものを当時の金利で2・019%ということで、その差が2・8ポイントほどということである。
 それから、2点目であるが、マイナスシーリングの関係であるが、平成11年度の当初予算の要求枠設定という行為があるわけであるが、厳しい財政状況を勘案して、委員おっしゃったとおりであるが、投資的経費の単独、あるいは経常経費についてマイナスシーリングを設定したところである。しかしながら、経常経費にあっては福祉に関係する扶助費とか、あるいは県立学校等になるわけであるが、施設の維持管理費、光熱費とか委託料であるが、こういった経費は当然のことではあるがシーリングの対象外としているところである。
 それから、要求枠の考え方であるが、シーリングは設定しておるわけであるが、その予算編成上の重点課題、あるいは行政分野ごとに重点的に取り組むべき施策の推進に要する経費、あるいはいろんな制度改正などによって当然増加する経費といったようなものは、別途その要求を認めるとしておる。
 それから、経常経費の25%についてなのであるが、一たん25%のマイナスを設定しておるけれども、そのうち10%については各部局の判断で重点化し、必要なものに振り向けるといったような仕組みにしておるので、その分では実質的には15%という認識である。これらのことから、委員おっしゃるようなマイナスシーリングが直ちに福祉、暮らし、教育の切り捨てということにはならないと考えておる。

〇斉藤委員 深刻な財政破綻の原因が公共事業の肥大化、特に県単独事業の増大にあると、これは知事も部長も今まで認めてきた。私は公共事業を否定しているのではない。こういう肥大化を見直して、今まで十分光を当てられなかった社会保障、福祉に回すべきだという提案をしているので、その方が経済波及効果や雇用効果もいいと、これは出ている。だから、そういうことを問題提起したので、ひとつ極論で答えないように。
 それで、今の深刻な財政破綻の状況で、ことしの当初予算でマイナス3・6%の予算が中期財政見通しに基づいて出された。6月で600億円補正して、あっという間にこの中期財政見通しの財政再建方針は変更させられてしまった。今回の議会にもこれから新たに400億円の補正が出されようとしている。これだと中期財政見通しはどうなるのであるか。財政再建ができるのであるか。私はそういう点で、やっぱり国にまじめにおつき合いしていたら、今全国どこもそうであるけれども地方財政の破綻は打開できないのではないか。そのことを改めてお聞きしたい。

〇千葉財政課長 お尋ねの中期財政見通しについては、昨年10月、国の財政構造改革、そういったような動き等、あるいは本県の財政上も極めて厳しいといったような状況から、国の構造改革にあわせて当面3カ年間で健全化を図ろうということで、具体的な数値目標などを設定して取り組んだところである。その一つの中に委員お尋ねのあった、歳出総額をマイナスにするという目標を掲げたわけであるが、御指摘のとおり、当初予算をマイナス3・8%にしたところである。しかしながら、その後、国あるいは本県もそうであるが、景気の状況が極めて厳しいといったようなことから、いずれこれに万難を排して取り組むのが今喫緊の課題であるといったようなこと、それから国の政策に呼応して国庫補助事業、単独事業、景気対策の関連予算を措置したところである。いずれも国の6月及び9月、今回しあさって御提案申し上げる景気回復予算は、そういった国の対策に呼応して措置するものであるので、御理解いただきたいと思う。

〇吉田総務部長 極端な話をするわけではないが、事務事業の見直しをやったり評価システムをつくったりして、重点化、効率化しながら公共事業もやっていかなければならないし、それから社会福祉とかそういった面にも、いろんな面にも目配りをしなければならないということで認識して予算編成はやらなければならないと考えておるので、御理解賜りたいと存ずる。

〇斉藤委員 その公共事業の重点化、効率化がされていない。それを増田知事も言っているのである。いわばもう各省ごとのシェアは30年間変わってないと、そういう公共事業を唯々諾々として受けていてはだめだと、地元が本当に必要なものだけにすべきだと、こういう問題提起を増田知事はしているのである。経済対策というのは上から箇所づけまでされてくるというので、私は増田知事の問題提起はこの点ではそのとおりだと思う。だから、経済対策は上から押しつけられて、だからばらまきではないか、みんな継続ではないか。私は蒸し返すつもりなかったけれども、総務部長がそういうことを言ったわけだから、では今までの経済対策はそういう重点化、効率化できるものではないではないか。

〇吉田総務部長 景気対策としての経済対策の予算編成を6月、9月、今回もまたお願いしているわけであるが、これは当面やっぱりこの景気を回復すると、こういったことが一番まず大事なことだと考えておって、予算をお願いしているわけである。やっぱり重点化、効率化といったものはすべてではなくて、補助事業であってもやっぱり取捨選択しなければならないということは考えなければならないと思っている。ただ、可能な中でやっぱり公共事業もやっていかなければならないと思っているわけである。

〇斉藤委員 私は各論は土木その他でやる。
 それで次に、私は、さきに11月2日から14日まで行われたアメリカ陸軍と自衛隊による日米合同演習、これについてお聞きする。
 この演習の目的、内容はどういうものだったのであろうか。そして、岩手県もこの演習について申し入れを行ったと思うが、どういう内容の申し入れを行ったのか。自衛隊の対応はどうだったのか、これを示していただきたい。
 今回の日米合同演習、私どもも調査した。参加したアメリカの陸軍というのはどういう部隊か。実はアメリカ陸軍第25軽歩兵師団、これはベトナム戦争、ハイチ侵略などで活躍した常時攻撃態勢を整えている侵略部隊である。海兵隊と性格は同じである。であるから、このアメリカ陸軍との演習は日本の防衛と関係ない。上陸作戦、機雷封鎖にかかわるそういう作戦を想定した演習なのである。これは全国同じような目的で分担されてやられている。安保条約、日米地位協定があるから仕方がないではなくて、こういう内容から見たら日本の防衛に関係ないということであれば、私は堂々と岩手県がこういう日米合同演習についてはやっぱり中止を求めるべきだと思うが、いかがであろうか。
 米軍による花巻空港の利用実態はどうなっているであろうか。岩手県はどういう対応をしてきたのであろうか。

〇高橋委員長 斉藤委員に伺うが、まだまだあろうか。(斉藤委員「あと少しあるから、昼休みに入ってもらいたい。」と呼ぶ)
 答弁いただいてからにしたいと思う。

〇小野寺総務学事課長 それでは、今回の日米共同訓練であるけれども、陸上自衛隊第9師団のうち、青森市に駐屯する第5普通科連隊約880名と、米陸軍第25軽歩兵師団の歩兵大隊約580名が、それぞれの指揮命令に従い共同して作戦を実施する場合における相互連携要領を実際に訓練することを目的に、実弾訓練等、それから近接航空支援、物量投下訓練等を行ったと聞いておる。県としては、訓練開始前の10月21日、22日に防衛庁長官、陸上自衛隊第9師団団長、それから岩手駐屯地指令あて、日米共同訓練の実施に当たり地域住民の日常生活や安全に大きな支障を来すことのないよう文書により要請したところであり、趣旨は十分理解されたものと考えておる。
 また、お話しあった米軍の師団はどういう戦闘に参加した部隊であるかは承知しておらない。
 花巻空港については土木部所管であるけれども、土木部によると、米軍による花巻空港の利用は10月26日から11月18日までの間、延べ14日間で23回使用したと聞いておる。花巻空港は民間空港であるということから、米軍の花巻空港の使用による民間航空機への影響等があってはならないものであることから、日米地位協定に基づく米軍の通告を受け、米軍に対して花巻空港が民間空港であることから、その使用に当たっては民間航空機の使用が優先するものであること、並びに航空管制に従い空港を使用することの申し入れを行ったと聞いておる。さらに、通告に基づく空港使用の計画については、再三再四米軍から確認をとるとともに、空港の運用時間を厳守することを強く米軍に対して要請を行ったとのことである。なお、米軍は通告に基づき花巻空港を23回使用したけれども、これに伴う民間航空機への影響等はなかったものと聞いておる。

〇高橋委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩する。
   午後0時1分 休 憩
   午後1時6分 再 開

〇藤原副委員長 休憩前に引き続き会議を開く。

〇斉藤委員 最後の1点であるが、先ほどの日米合同演習の問題に絡んで、これはぜひ調査をして、対応していただきたい問題がある。
 実は、日米合同演習で低空飛行訓練が行われた。岩手県大東町、11日午後3時25分ごろ、米軍の軍用輸送機C130と見られる飛行機2機が低空飛行を行った。これは猿沢小学校の真上である。小学校、民家のある。これは、目撃者の工事現場監督者の方であるけれども、200メートルぐらいの上空であると。これは大変なことである。先ほどの答弁のように、市民生活に影響を及ぼさないどころか、こういう低空飛行訓練があったから、よく調べて、こういうことがないように申し入れていただきたい。
 最後の質問であるが、食糧費と情報公開について。平成9年度の食糧費の実績、あわせて平成6年以来の食糧費の推移はどうなっているであろうか。また、今年度の直近の食糧費はどうなっているであろうか。
 第2点、食糧費の不正支出問題に関し、岩手県は調査総額の25%、3億7、790万円余を不明額として、適正支出の証明がなされていないのにかかわらず返還の対象にしなかった。私は、手に入れられる各県の調査報告書を手に入れて調べてみたけれども、不明額というのはほとんどのところでない。いわば、適正が証明されないものは不適正にして、ほとんど返還しているというのが実態である。宮城県も青森県も秋田県も山梨県も、そういう対応をしている。いわば、調査総額の25%、4分の1に匹敵する不明を適正が証明されないにもかかわらず返還の対象にしなかったというのは、全国的な調査から見ても根拠がないのではないか。何を根拠にそういう処置をしたのかお聞きする。
 食糧費調査については、結局、最後まで情報公開は十分なされなかった。結局、懇談会の可否については、私はこれも資料をいただいたけれども、最後まで懇談の可否は塗りつぶされている。我々が見ても、これが適正な懇談会かどうかわからない、県民の監視が届かないやり方であった。今は情報公開条例が出ているけれども、私は、本当に情報公開の精神に反する、県民の監視も県民の参加も阻むような食糧費調査報告書であったのではないかと思うけれども、これは今後開示されるのであろうか、そのことをお聞きする。

〇千葉財政課長 まず、平成6年度以降の食糧費の決算額の推移であるが、6年度4億200万円余、7年度2億600万円余、8年度1億1、900万円余、9年度が9、800万円余である。それから、平成10年度--今年度であるが、10月末、インターネットで公表しておるが、2、800万円余である。
 それから、2点目のいわゆる不適正支出にかかわる返還についてであるが、本県の調査は過去5カ年間にさかのぼったということである。これも他県にはない期間である。実施伺書が保存されていない場合、これは当時の関係者からの事情聴取、あるいは他の関係書類の確認を行うなど、可能な限りの調査を行ったところである。不明は支出の事実が確認できたものの出席者の特定ができず、適正、不適正の判断に至らなかったものである。御案内のとおり3億7、700万円余がその額であるが、これらについては、適正とも不適正とも判断し得なかったものであり、したがって、不適正として返還したものと同様の扱いをすることは適当ではないと考えたものである。
 なお、他県の状況については承知しておらない。
 3点目であるが、情報開示の関係であるが、食糧費調査に関する文書については、平成10年4月14日付で異議申し立てがなされ、同年5月1日付をもって公文書公開審査会に諮問されたところである。この間、非開示決定の一部を取り消し、県側出席者の職、氏名などを開示したところである。実施機関としては、それ以外の懇談の相手方出席者等が判明する情報については、条例の趣旨に照らし、開示することはできないと考えておる。

〇斉藤委員 これで本当に終わるけれども、いずれその不明額について、特に、東京事務所の不明額が多い。例えば、5年間調査した東京事務所、平成4年度は不適正と不明額で92・8%を占めるのである。平成5年度は93・5%、平成6年度は79・3%、平成7年度は4・5%で、平成8年度はゼロになっていると。だから、平成4年、5年、6年は、8割、9割、不正と不明なのである。全体でも63%が不明。一番不正の多かった東京事務所でこれだけ不明がふえるということは、私は、不明の中には大方不適正支出があったのではないかと。この実態は、わからなかったというだけでは済まないのである。私はそういう点で、ほかの県も調べた。大体、不明という項目をつけていない。理由も見たけれども、適正を証明されないのは不適正支出であるというのが各県の考え方である。だから、そういう点で私は、総務部長、今の財政課長の答弁では説得力を欠くのではないであろうか。

〇千葉財政課長 東京事務所の書類の保存についてであるけれども、2月の委員会でも申し上げた、いわゆる書類の保存年限については、県の文書取扱規程により定められておるけれども、それぞれ所属の長、私でいけば財政課長であるが、当課の文書は私が保存年限を定めると従来されてきたものである。
 なおかつ、平成5年11月であるが、平成6年度以降、文書のA判化、今のお手元の資料はみんなA判になっているわけであるが、従来B5判を使ってきた。国際的にも、あるいは民間でもA判が普及しているといったようなこと、それから、国も地方も一斉にA判化に切りかえるといったようなことで、総務部長通知で、文書の整理、不要なものの廃棄といったような指示が出されておる。そういったようなことで、保存年限等、改めて不要なものを廃棄したという当時の状況である。
 それから、東京事務所においてはさらに、前にも申し上げたとおり、事務所の内装、外装の改修工事が予定されており、そういったようなこととの兼ね合いから文書が廃棄されたものと理解しておる。

〇斉藤委員 私、総務部長に今聞いたのである。一番不正の多い東京事務所で、93%も不正、不明という実態で、これで適正で県民から信頼を得る調査結果と言えるのであろうか。私はそのことを聞いて終わる。

〇吉田総務部長 東京事務所の不明の量が多い、パーセントが多いというお尋ねであるが、今財政課長からお答え申し上げたとおりであるけれども、平成9年度において全庁的に取り組んで調査をしたということであり、東京事務所のものについても同様に調査をした結果、先ほど課長が答弁申し上げたような結果になったと考えておるところである。

〇藤原副委員長 ほかに質疑ないか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇藤原副委員長 質疑がないようなので、総務部関係の質疑をこれで終わる。
 次に、武居企画振興部長に企画振興部関係の説明を求める。

〇武居企画振興部長 それでは、平成9年度企画振興部関係の決算について御説明申し上げる。
 企画振興部の決算は、岩手県歳入歳出決算書の12ページと13ページ、2款総務費のうち、2項企画費、4項地方振興費、5項選挙費及び7項統計調査費、並びに16ページと17ページ、13款諸支出金のうち、2項公営企業出資金の一部であるが、これらの支出済み総額は246億952万円余であり、翌年度への繰越額は59億 9、517万円余、不用額は2、121万円余となっておる。
 それでは、便宜、お手元に配付されておる歳入歳出決算事項別明細書により、各項目ごとに御説明申し上げる。
 まず、118ページと119ページをお開き願う。2款総務費2項企画費1目企画総務費の支出済額124億6、048万円余のうち、主なものについて御説明申し上げる。なお、繰越明許費が59億9、517万円余が計上されておるが、これは、東北新幹線建設促進対策事業費の一部を平成10年度に繰り越したものである。まず、管理運営費であるが、これは、人件費及び一般管理事務に要した経費である。次に、運輸事業振興費補助であるが、これは、バス等輸送機関の輸送力の確保を図るため、社団法人岩手県バス協会に対し、輸送サービスの改善及び安全運行の確保に要した経費を助成したものである。次に、三陸鉄道運営費補助であるが、これは、三陸鉄道株式会社の健全経営を確保するため、鉄道近代化設備整備に要した会社負担経費及び平成8年度経常損失額に相当する経費について助成したものである。次に、三陸鉄道仙台直通乗入列車試験運行事業費負担金であるが、これは、岩手県三陸鉄道強化促進協議会が行った仙台直通乗入列車試験運行等に要した経費の一部を助成したものである。次に、東北新幹線建設促進対策事業費であるが、これは、東北新幹線盛岡以北の建設促進対策及び日本鉄道建設公団が行う新幹線建設事業に係る経費の一部を負担したものである。次に、バス活性化システム整備費補助であるが、これは、バス交通の活性化を図るため、バスカードシステム整備事業を実施するバス事業者に対し、その経費の一部を助成したものである。次に、地方バス路線運行維持費補助であるが、これは、いわゆる生活路線の運行を確保するため、バス事業者に対し運営経費の一部を助成したものである。次のページをお開き願う。2目計画調査費の支出済額42億8、296万円余の主なものについて御説明申し上げる。まず、総合計画推進費であるが、これは、新しい総合計画の策定に向けた所要の調査、検討に要した経費である。次に、北東北3県地域連携推進費であるが、これは、北東北3県の交流・連携の促進を図るため、第1回北東北知事サミットや地域連携フォーラムの開催及び地域連携調査等に要した経費である。次に、地域活性化事業調整費であるが、これは、各地方振興局管内における産業振興や観光物産振興などの各種事業の調整や、市町村と一体となった地域振興施策の展開及び、特に別枠を設けて広域的な事業の実施支援等に要した経費である。次に、盛岡駅西口地区活用調査費であるが、盛岡駅西口地区県有地の活用に関して、その周辺地区も含め調査検討に要した経費である。次に、リゾート地域整備促進事業費であるが、これは、さんりく・リアス・リゾート構想を初めとする四つのリゾート構想の円滑な促進を図るために要した経費である。次に、科学技術振興推進費であるが、これは、科学技術の振興による地域の活性化を促進するため、総合的かつ長期的な科学技術振興策の企画・推進のために要した経費、及び平成9年11月に開催したノーベル賞フォーラムの運営に要した経費の一部を負担したものである。次に、先端科学技術研究施設整備事業費は、独創的、先端的研究を促進するため、超電導分野等の共同研究施設の整備に要した経費である。次に、テレビ難視聴地域解消事業費であるが、これは、テレビの難視聴地域の解消を図るため、市町村が行うテレビ中継局及び共同受信施設等の設置に要した経費の一部を助成したものである。次に、電気通信格差是正事業費補助であるが、これは、光ファイバー等によるケーブルテレビの伝送路の整備や民放テレビ放送の受信障害の解消を図るため、市町村が行う施設等の設置に要した経費の一部を助成したものである。次に、オンラインシステム運営費であるが、これは、行政事務の効率化及び行政情報処理の高度化を推進するため、19のオンライン業務の機械処理や岩手県行政情報ネットワークの管理運営に要した経費である。次に、地域情報化モデル事業費であるが、高度情報化社会の到来に対応した地域情報化を推進するため、東和町及び大野村で実施したモデル事業に要した経費である。次に、土地利用対策費であるが、これは、県土の計画的な利用の確保と、適正な地価の形成を図るため、国土利用計画法に基づく土地売買等の届け出に係る審査事務及び土地利用基本計画の管理のほか、大規模開発行為の指導等に要した経費である。次に、いわてウォータープラン21推進費であるが、これは、総合的な水資源対策の効率的な推進を図るため、水に関するデータベースの構築などに要した経費である。次に、エネルギー確保対策費であるが、これは、エネルギーの安定的確保を図るため、エネルギー問題懇話会の運営及び所要の調査検討を行うとともに、水力発電周辺地域交付金の交付に要した経費である。次に、地熱熱水有効利用促進費であるが、これは、国の地熱熱水供給事業実証調査により得られた成果を地域振興や住民福祉の向上に役立てるため、地熱熱水供給施設の運転管理などに要した経費である。次に、屋内温水プール管理運営費であるが、これは、施設の修繕及び管理運営に要した経費である。次に、地域新エネルギービジョン策定費であるが、これは、本県における地域新エネルギーの導入を図るための調査、検討に要した経費である。次に、3目広聴広報費の支出済額4億3、829万円余の主なものについて御説明申し上げる。まず、広聴広報活動費であるが、これは、いわてグラフなどの広報刊行物の発行、県政テレビ・ラジオ番組の制作や放送のほか、県政懇談会の実施や地方振興局における広聴広報活動に要した経費である。次に、銀河系いわて情報発信事業費であるが、これは、県外に本県の情報を広く発信するため、全国紙等への広告の掲載やインターネットによる広報、県外広報紙イパングの発行及び首都圏住民向けのラジオ放送の実施に要した経費である。
 次に、124ページと125ページをお開き願う。4項地方振興費1目地方振興総務費の支出済額14億1、011万円余の主なものについて御説明申し上げる。まず、地方振興局管理運営費であるが、これは、地方振興局総務部門の人件費及び一般管理事務に要した経費である。次に、企画調整事務費であるが、これは、地方振興局の企画部門における本庁、市町村、各種団体との連絡調整及び現地指導に要した経費である。次に、2目市町村振興費の支出済額51億9、535万円余の主なものについて御説明申し上げる。まず、自治振興基金貸付事業費であるが、これは、公共施設の整備促進及び過疎地域や準過疎地域等の振興を図るため、市町村及び一部事務組合に対して、県単独資金の貸し付けを行うのに要した経費である。次に、市町村振興宝くじ交付金であるが、これは、市町村の振興に資するため、市町村の単独事業等に対する貸付事業の原資として、財団法人岩手県市町村振興協会に対して、市町村振興宝くじの販売収益金を交付したものである。次のページをお開き願う。まず、ふるさと創生推進事業費であるが、県内市町村及び地域づくり団体の地域づくり活動を支援するための各種会議等の開催に要した経費である。次に、ふるさと市町村圏基金造成費補助であるが、気仙広域連合が設置するふるさと市町村圏基金の造成に要する経費に対して助成したものである。次に、地域総合整備事業費であるが、これは、地域の振興、地域経済の活性化と魅力あるふるさとづくりに資するため、民間事業者1社に対し地域総合整備資金を貸し付けた経費である。次に、地域個性形成事業費であるが、これは、東山町が実施した地域の主体性と創意工夫を基軸とした個性豊かな地域づくりを推進するための事業に対して助成したものである。次に、地域間交流支援事業費であるが、これは、大迫町が実施した地域の個性、魅力の発信と他地域との交流等を推進する事業に対して助成したものである。
 次に、5項選挙費であるが、支出済額9、728万円余は、主に県選挙管理委員会の円滑な運営と県議会議員 遠野選挙区補欠選挙の管理執行に要した経費である。
 次に、130ページと131ページをお開き願う。7項統計調査費1目統計調査総務費の支出済額3億7、273万円余の主なものについて御説明申し上げる。まず、管理運営費であるが、これは、人件費及び一般管理事務に要した経費である。次に、統計調査員確保対策費補助であるが、これは、統計調査員の選任を容易にするとともに、その資質向上を図るため、市町村に対し、調査員希望者の登録や研修等の実施に要した経費の一部を助成したものである。次のページをお開き願う。2目地方統計調査費の支出済額1、749万円余は、いずれも県単独の調査であるが、経済統計調査費は鉱工業生産指数の作成等に、人口統計調査費は毎月の人口推計等に要した経費である。3目委託統計調査費の支出済額2億265万円余の主なものについて御説明申し上げる。これらは国の委託により実施した調査であるが、まず、人口労働統計調査費は、就業及び不就業の状態を毎月調査する労働力調査等に、商工統計調査費は、商業の実態を調査する商業統計調査に要する経費が主なものである。
 次に、ずっと飛んでいただいて、310ページと311ページをお開き願う。13款諸支出金のうち、当部関係の支出について御説明申し上げる。2項公営企業出資金1目公営企業出資金の支出済額11億2、484万円余のうち、当部関係は、備考欄の2行目の工業用水道事業会計出資金であるが、これは、工業用水道事業の経営の健全化を図るため、施設建設費に係る企業債の元金償還等に要する経費について出資したものである。
 以上で説明を終わる。よろしく御審議をお願いする。

〇藤原副委員長 ただいまの説明に対し質疑ないか。

〇工藤委員 118ページの第2款総務費2項企画費1目企画総務費のうち、東北新幹線建設促進対策事業費に関連して二、三お尋ねしたいと思う。
 東北新幹線盛岡-八戸間の建設工事で、事業主体の日本鉄道建設公団盛岡支社では、平成9年度分の事業費の一部、約200億円と言われているわけであるが、平成10年度に繰り越したと、非常に異例な事態であるという報道もあるのであるが、実際にどれぐらいの繰り越しをしたのであろうか、本当にこの繰り越しがあったのかどうか、まずそれもお知らせいただきたいと思う。
 そこで、話を伺うと、繰り越し分の約半分は用地費であると、こう言われているようであり、これらの用地取得のためにどんな対策をとられているのであろうか、あわせてお尋ねしたいと思う。
 その結果、県内及び県外--ということは青森県になるわけであるが、用地取得の状況がどうなっているのであろうか。
 それから、平成10年度は、事業費が616億円ぐらいであったわけであるが、平成9年度の繰り越し分と合わせて約810億円余が、いわゆる事業費になろうかと思うのであるが、それらの事業の消化は本年度順調に行っているのかどうか、あわせてお尋ねしたいと思う。
 ついでにもう一つ伺うが、新幹線は、御承知のように岩手町及び二戸市に停車する予定になっているわけであるが、駅舎等々の周辺地域のいろいろな整備事業もそれぞれ岩手町内、二戸市でも取り組んでおる状況があるわけであるが、駅舎の関係は現在どうなっているのであろうか。あわせて以上、とりあえずお尋ねしたいと思う。

〇河原畑交通政策課長 東北新幹線盛岡-八戸間についてのお尋ねであるが、まず、予算の繰り越しの状況についてであるけれども、平成9年度から平成10年度への県予算の繰り越しの状況については、59億9、500万円余りが繰越明許費として計上されておる。これは、整備新幹線の建設主体である鉄道建設公団への負担金であり、盛岡支社によると、地元協議、それから調査設計の発注に時間を要し用地買収がおくれたことから、盛岡-八戸間全体では、昨年度から194億円が繰り越されており、本年度の盛岡-八戸間の事業費は、それも含めて810億円に達すると伺っておる。
 次に、用地取得の状況についてであるけれども、新幹線建設に伴う用地の取得については、日本鉄道建設公団が岩手県土地開発公社に委託して進めておるが、11月1日現在で、盛岡-八戸間の用地取得必要面積84万3、400平方メートルの約54%に当たる45万8、600平方メートルについて、取得または地上権設定が済んでいると伺っておる。昨年度まではトンネル部分に工事が集中しておったけれども、本年度からはトンネル以外の部分、いわゆる明かり区間の建設工事が本格化してきたことに伴い、設計変更、それから追加買収が多く発生してきているという状況のほか、岩手町及び一戸町では、難航地権者があるため調査に入れない状況が続いている箇所もあると伺っておる。
 このような状況を踏まえ、本年度においては、用地取得や市町村と公団の設計協議などについて県としても支援を行うため、日本鉄道建設公団盛岡支社、岩手県土地開発公社、地元市町村との連携のもとに、新幹線用地取得体制の大幅な強化を図ったところであり、地元地権者等の御理解と御協力もいただきながら、用地取得業務を積極的に支援してまいりたいと考えておる。
 それから、駅舎の周辺地域の整備状況については、鉄道建設公団の盛岡支社、それから、関係の岩手町及び二戸市との間で協議が行われているものと承知しておる。

〇工藤委員 それでは、大変細かくお話を承ったが、事業の消化は、ただいま御説明があったわけであるが、役所というのは、とかく前の年の予算消化ができないと、次はなかなか上積みが難しいというのが世の常なようであり、昨年から今年度に繰り越して一生懸命頑張ってはいただいているようであるけれども、来年度の予算の要望活動も積極的にやっていただいておるやに伺っておるわけであるが、今申し上げたような状況から、来年度十分な予算が確保できるのであろうか、その辺をひとつお知らせいただきたいと思う。

〇河原畑交通政策課長 東北新幹線盛岡-八戸間の来年度予算の見通しについてのお尋ねであるが、運輸省においては、来年度の整備新幹線建設事業費として、九州、北陸といったほかの整備区間も合わせて1、635億円を概算要求しておる。これの線区別の配分については、年末の政府予算の閣議決定を待たざるを得ない状況であるけれども、本県においては、先ほど申し上げたような新幹線用地取得体制を確立するといったような形で工事の推進にも万全を期しているということもアピールしながら、引き続き事業費の重点配分による早期開業が達成されるよう、強力に働きかけていきたいと考えておる。

〇工藤委員 それでは、最後に武居部長にひとつお尋ねしたいのであるが、前にもお尋ねしたことがあるような気がするが、実は、平成6年度ベースで計算すると、盛岡-八戸間は事業費が約4、550億円と言われておるわけであるが、平成10年度までの事業費の合計をすると、単純計算すると1、900億円ぐらいかと思うわけであるが、実際に事業費ベースでまだ半分にも満たないような状況なわけであるが、将来的に、実際に平成6年度に見積もりをして4、550億円と言われているわけであるが、物価上昇とかいろいろな状況から、総体的に事業費は当然伸びるのであろうと思うのであるが、どれぐらいの伸びになるのであろうか、数字があればお知らせいただきたいと思うわけである。
 もう一つは、平成13年の開業を目標に頑張っていただいているわけであるが、先ほど来、前段に御説明いただいたような状況からすると、なかなか現実には平成13年の開業は難しいのかなという思いもするわけである。国との協議その他はどんなことになっているのであろうか、あるいは、実際に13年はなかなか難しいという相談やそういうこともしておられるのかどうか、その辺をひとつ詳しくお尋ねをして、立派な説明であれば、これで質問を終わる。

〇武居企画振興部長 ただいま進捗状況等についてのお尋ねがあったが、おおむね13年度という当初からの国における、あるいは鉄建公団における、そういった方針のもとにおける工事の進捗、私どもも御案内のように十分承知しているところであり、これまでも県議会の議員方と一緒になり統一要望等で積極的に行ってきておるわけであるが、私ども、実は先ほどの課長の答弁の補足にもなるし、今のお答えの一部にもなるのであるが、ついせんだって、国の本年度の第三次補正予算案に景気対策臨時緊急特別枠としてさらに、おかげさまで整備新幹線事業費の150億円、これは全国ベースであるので、本県にどのぐらい配分されるかというのはこれからであるけれども、こういったものも追加されたところである。実は、ここ何年か、こういった補正絡みで予算がつく、あるいは当初のシーリングの中で本県にどういった配分がなされていく、ここのところは若干不明な点があり、精いっぱい上積みについてお願いしたいというこれまでの国への要望を行ってきているところである。
 これは、国へ接触している過程での私の感じであるけれども、今後、こういった景気対策絡みの上積みがどの程度されるかによって、最終的に、おおむね13年度と言っている期間がどの程度延びるのかというのが決まるような感じがしており、当面は、最近内示された150億円の線区別の配分について精いっぱい努力していきたいと考えているところである。
 それから、国との協議であるが、実は私どもも、当地であると二戸市あるいは沼宮内の駅舎とその周辺の整備の関係もあるものであるから、国に対しては、もし何年か延びるのであれば、その状況を私どもにもお伝えいただけないかということをざっくばらんに統一要望等の際に国に対して要請しているところである。しかし、実はそれに対して明確な返答が来ておらない状況である。それで、おおむねという解釈の中で読める範囲であれば変える必要がないのではないかというのが、一つ国の考え方のようであるけれども、この点に関しては、青森県と一緒になって積極的にお願いしていかなくてはいけないという気持ちを持っておる。青森県では、冬季アジア大会であろうか、こういったものが15年にも開催されるというようなことで、そういったものに間に合わせられるような時期にという積極的な陳情等も行っているようであり、私どもも、本県独自の陳情あるいは要望もそうであるし、青森県と一緒になって積極的に働きかけて、でき得れば、当初のシーリング等で枠が決まっているものであれば、こういった景気対策絡みのもので何億でも上積みを積極的に行いながら、少しでも早く事業が進捗するように、国に働きかけていきたいと思う。

〇伊藤委員 1点だけお伺いする。情報の伝達の手段としての携帯電話サービスに関してお伺いしたいと思う。
 最近の携帯電話の普及は急速に進んでおる。携帯電話は、日常生活におけるコミュニケーションの手段としてばかりではなく、営業上、すなわち産業経済活動の面や緊急時の連絡手段として重要な役割を有していると考える。自動車電話のサービスが開始されたのが1979年、20年前であった。その後、1985年にショルダーフォン、いわゆる肩にかけるものであるが、3キログラムもあったものが、現在では小型化、軽量化されて60グラム台のものが出てきている。そして、年内にも衛星携帯電話が登場するという状況にあるようである。
 しかし、我が岩手県は大変広く、しかも沿岸部はリアス式海岸という地形上の制約もあり、サービスエリアがなかなか拡大されない状況にある。これは県がすべて責任を持ってやってほしいと、こういうことではなく、第一義的には通信事業者の責任でもあると思うけれども、県としても、これだけ普及してきている、県民の間に定着している携帯電話の利用サービスをバックアップしていくことが望まれていると思う。県は、これまでも国の補助事業を活用してエリア拡大に努力しているとは思うけれども、今後ますます普及していくであろう、そして利用者がふえていくであろう携帯電話のサービスエリア拡大について、さらに努力してほしいと願うものである。
 そこでお伺いするが、岩手県は県人口比率でどの程度の普及率になっているのであろうか。二つ目として、現在、市町村単位として見た場合、携帯電話が使えない市町村はどのぐらいあるのであろうか、それらの市町村について、使えるようになる見通しについてはどう把握しておられるのであろうか。そして、今後どのような視点でサービスエリアの拡大に努めていこうとしておられるのであろうか。この3点についてお伺いする。

〇黒田情報科学課長 ただいま、携帯電話の普及への努力についてのお尋ねであるけれども、まず、県人口当たりの普及率であるけれども、若干資料が古くて恐縮であるが、今年の6月末現在において、人口約141万8、000人当たり、加入台数で見ると21万4、191台ということで、率にすると16・2%、大体、約6人に1台といったような格好になっている。
 本年の現時点で県内で、特に役場周辺の中心地で携帯電話が使えない市町村は七つある。具体的には、湯田町、田老町、住田町、沢内村、田野畑村、野田村、普代村の7町村である。これらの町村については、現在既に国の国庫補助事業あるいは通信事業者独自の努力等において、平成10年度中に使えるようになる見込みのところもあるし、その他のところについても、おおむね平成11年度末までには、役場等の中心地においてはかなりの市町村で使えるようになると見込んでおる。
 また、現在のところ事業者等において計画がない市町村については、県と市町村で一体となり国あるいは事業者に要請を行うといったようなことを現在もしているところである。
 今後においては、こうした状況であるので、平成11年度末までに向けて、まずは役場周辺等中心地については、県内全域の市町村において携帯電話が使えるようにするということを目指していきたいと考えておるし、次に、観光地あるいは、例えば道の駅等々、人口が非常にスポット的に滞留するようなところ、これについても、国あるいは事業者に積極的に働きかけをしていきたいと考えておる。

〇伊藤委員 普代村などでは、沖合に漁業で出ていった場合に、ラジオが聞こえないそうである。入る電波は札幌放送であろうか、北海道放送ということで、地震などがあった場合に、北海道周辺は津波の心配がないというのが入るそうであるが、普代村で北海道に津波の心配がないのを聞いてもしようがないということで、みんな一たん、一斉に岸に帰る。それで、地元はどうなのであろうかと、こういうのを聞く状況にあるところもあるそうであるから、そういった防災上の面からも、携帯電話というものが早く使用できるようになると大変に恩恵が大きいと思うので、ぜひとも努力していただきたいと思う。
 昨年、天皇、皇后両陛下がおいでになり、豊かな海づくり大会をやったわけであるが、その際、106号は電波が通らなくて電話が聞けなかったが、天皇、皇后両陛下のまさに御威徳で、セルラーであろうか、電話が聞けるようになった。今、まだ電波の届かない七つの町村であろうか、これはいずれも沿岸部であり、これはもう一度天皇、皇后両陛下を沿岸部にお招きしなければいけないのであろうかと、このようにも思ったりしたのであるが、今の答弁であると、11年度末あたりには役場周辺で聞けると、こういうことであるので、鋭意努力をしていただくようお願いして終わる。

〇佐々木(博)委員 私も1点だけお伺いする。
 先ほど、盛岡-八戸間の東北新幹線が平成13年度中に開通できるかどうかという議論があったわけであるけれども、いずれ、盛岡-八戸間東北新幹線開通に伴い、また新たな問題がいろいろ出てくるであろうと思うのである。例えば、一つは、高速性を生かすための道路網の整備であるとか、あるいは、今もあった駅舎、その周辺の整備であるとか、あるいは、きのう小原宣良委員がおっしゃったけれども、並行在来線の問題であるとか、いろいろ新たな問題が出てくると思うが、盛岡市にとっては、通過駅となる時点において、盛岡駅の西口の県有地の活用がなされているのかどうかということが、やはり一つの大きな問題であろうと考えておる。それで、平成9年度も調査費がついておるし、10年度、今年度もまた調査費をつけていただいて、今いろいろやっていただいているはずであるが、その進捗状況と見通しについてお伺いしたいと思う。

〇中村地域政策課長 盛岡駅西口地区県有地の活用についてお答えする。
 まず、進捗状況であるけれども、ただいま委員から御指摘あったように、9年度末に盛岡駅西口地区県有地活用基本構想というものを取りまとめたわけである。本年度は、この基本構想をもとにして基本計画を策定するということで、新たに庁内の部局長等で構成する盛岡駅西口地区県有地活用基本計画策定委員会を設置して、県民生活サービス拠点機能であるとか、県民交流活動拠点機能など、基本構想に掲げた各機能ごとに、具体的な導入施設やこの施設の規模、内容等について現在検討を進めておる。そのほかに、隣接の街区との円滑な動線の確保であるとか、そういう専門的な、技術的な事項についても調査を委託して実施するということで、今いろいろ鋭意取り組んでいるところである。
 それから、今後の見通しというかスケジュールであるけれども、整備の時期であるけれども、西口に隣接する中央大橋の開通時期であるとか、それから、西口地区の都市開発整備事業などの進捗状況、こういうものもある。さらには、ただいま委員からお話のあった東北新幹線の盛岡以北の開業時期、これも先ほど来議論があるわけであるけれども、こういういろいろな周辺環境の情勢を見きわめていき、さらには、財政状況にも留意して、今策定を進めておる新しい総合計画において、これを前期の実施計画に位置づけて整備に努めてまいりたいと、こう考えているものである。

〇佐々木(博)委員 実は新しい総合計画の前期の計画の中に、今の財政状況が大変厳しい中にあって明確に位置づけられるのであろうかということをお聞きしたかったわけであるが、ただいま課長から明快な御答弁があったので、ぜひ来年の8月の総合計画を期待して、質問を終わりたいと思う。

〇久保田委員 2点についてであるが、地域活性化事業調整費についてが1点、地域交通確保の対策についてお伺いする。
 まず、一つは地域活性化事業調整費についてであるが、この圏域ごとの配分額はどうであったであろうか。各種の事業の展開にそれぞれ寄与された事業費であったと思っておる。私この場所からは、特に観光振興にかかわる事業がどうであったのかについてお伺いしたいわけである。特に、ユニークな事業展開に対して、どういう活性化対策がなされたのかについてである。
 第2点は、圏域ごとの要望がたくさんあると思う。したがって、調整費の配分は限界があるわけであるから、当然、十分充足しているとは思えないのであるが、その要望に対する消化率というか充足率というか、それはどういう数値になるのであろうか。
 第3点は、活性化事業は、実は県と住民との関係を大変密接なものにしておるという意味で大変効果がある。住民の自主性や創意性が大変誘導されるという意味で評価されるわけであるが、この事業費の拡充強化についてどのようにお考えになっておるであろうか。私は、もっとふやしてほしいという率直な希望があるわけであるが、以上申し上げて、見解をまずお伺いする。
 それから、地域交通確保の関係であるが、決算では、バス活用化システムの整備費補助について計上されておる。このシステムの考え方であるが、これの効果と、将来さらにどの程度の普及を考えられておるのであろうか。これはあわせてお伺いしたいのであるが、バス利用者の利便を図るという視点で、特に高齢者対策というか、助成対策というか、そういう観点でお伺いしたいのであるが、停留所の設置の状況とその停留所で、本来やってほしいという屋根つきの停留所が大変足りないということ、及び冬期間における状況について配慮しなければいけないと思うのである。盛岡市内の日中における乗降客の動向を見ると、朝夕の出勤・通学時間の状況は当然わかるわけであるが、日中におけるバス利用者は高齢者の方々が圧倒的に多い状況である。私は、地域の状況を見ると、80%がそういう状況であるとすれば、停留所の配置について、企画振興部としてバス交通の対策を新たにとってほしいものであるという考えを持つのであるが、このことについての所見をお伺いしたいと思う。
 以上、2点である。

〇中村地域政策課長 地域活性化事業調整費のお尋ねについてお答えする。
 まず、圏域ごとの配分額ということであるが、平成9年度における地域活性化事業調整費の配分額であるが、一般分が8億円、広域連携分が3億円の合計11億円、これを12振興局に配分したところである。まず、一般分というか、これは各振興局管内において、産業振興や観光物産振興などの各種事業の調整とか、市町村と一体となった地域振興施策の展開に充当しているものであるけれども、この一般分の配分額が最も多いのは宮古地方振興局となっており、1億7、300万円ということになっている。1地方振興局当たりの平均配分額は6、600万円余りということになっている。それから、広域連携分であるけれども、これは複数の市町村が連携して事業を行う場合に対象とするというものであるが、これは、振興局からの協議を受けて配分しているが、9年度は10の地方振興局から協議があり、最も多いのが久慈地方振興局で7、100万円ということになっているものである。
 次に、観光についてどうかということであったが、一般分の8億円の調整費のうち、観光振興の目的で使われたものは約25%の2億550万円余である。この中で、ユニークな事業というか実績の上がった事業としては、遠野、釜石、宮古、久慈、この4振興局管内で連携して、魚彩王国事業で、訪れた観光客の方に郷土料理や伝統工芸の技法を体験する場を提供した魚彩王国ふるさと塾事業というのがあった。それから、花巻地方振興局が実施した宮沢賢治生誕100年祭を契機として、賢治の童話をイメージしたマスコットデザインを公募した、賢治童話マスコットデザイン募集事業というのがある。これは、翌年度というか平成10年度に、地元の企業がこのマスコットデザインをキーホルダーとして商品化するという動きにつながっているものである。それから、広域連携分であるが、久慈管内の4町村で実施した、これは地域の多彩な食材を活用した固有の食文化を体験できる施設、食の館を整備するというようなことをいろいろやった地域食文化伝承交流事業、こういうものがユニークな事業というか、特徴的な事業となっているものである。
 次に、圏域ごとに要望についての配分割合というか充足率はどうかということであるけれども、一般分8億円の調整費に対して、平成9年度要望額は15億300余万円となっていて、倍率的に申し上げると1・88倍というか、充足率は大体、15億円の要望に対して8億円を割り振ったので約53%ということになっているものである。それから、広域連携分であるが、これは3億円の配分枠の予算があったが、これに対して要望額は5億2、100万余りということになっていて、1・74倍というか、58%の充足率となっているものである。
 次に、地域活性化事業調整費の拡充と申すか増額、もっとふやしたらどうかというお尋ねであったけれども、地域活性化事業費の増額拡充であるが、本年度というか、来年度当初予算編成に向けて、地方振興局長に直接予算要求を認めるというような制度というか、仕組みをことしからやっておる。それから、事業費を拡充することに伴う、これは事業費を拡充すると補助事業の場合は事業実施主体となる市町村の財源確保の問題なども出てまいる。そういういろいろな問題を十分考慮して、あるいは新たな制度との関係を十分考慮して、予算制度全体の中で検討していくべきものと考えているところである。

〇河原畑交通政策課長 地域交通確保の観点からのバス対策についてのお尋ねであるけれども、まずバス活性化システム整備費補助についてであるが、この事業は公共交通機関として重要な役割を担っておるバスの利用を促進してバス事業の活性化を図るため、平成9年度から国の制度を活用して、利用者にとって利便性の高いバスカードシステムの整備に対して支援しているものである。このカードシステムの効果としては、利用者から見れば小銭の携帯や両替の煩わしさから開放されるといったようなことであるとか、また従来の回数券とは異なって乗り継ぎがあっても1枚のカードで支払いができると、さらに、従来の回数券よりも割引率が高いといったような効果があるものである。
 それから、バスカードシステム整備の進捗状況であるが、この事業は平成12年度を目途に岩手県交通及び岩手県北自動車の全路線に導入することとしておって、9年度末の進捗率は導入台数ベースで約28%となっているところである。
 次に、屋根つきバス停留所の整備についてのお尋ねがあるが、本年3月末現在で全県で308カ所整備されておって、整備率は5・8%となっておる。県においては昭和51年度から運輸事業振興費補助制度によって、輸送サービスの改善、バス利用者の利便性の向上を図ることを目的として、バス事業者が取り組む各種施設整備に対して助成してきておって、平成9年度までに屋根つきバス停留所が延べ183カ所整備されておる。今後においても、高齢者等を初めとするバス利用者の利便性を高めるための屋根つきバス停留所の整備を支援してまいりたいと考えておる。

〇久保田委員 部長に、要望も含まるのであるが、御承知のように地方振興局の強化については知事がよく答弁なさっているわけである。地方振興局に対する住民の期待というのは先ほど申し上げたことがある。したがって、その中心となろうか、やっぱり目に見えるポイントの部分は活性化調整費なのである。これにどう対応していただけるかということに対する期待が大きいという意味で申し上げるわけであるが、先ほどの御答弁にあるように、要望が大変強い、しかし結果は50数%でしかないという現状である。これは先ほどの答弁の中では、予算要求権が地方振興局にあるということでもあるが、ひとつ企画振興部として、出てくるのを待っておることも当然であろうが、主体的にかくあるべきという一つの感覚が欲しいのである。地域の要望にどうこたえるかという観点から部長の見解を述べていただいて、私の質問を閉じたいと思う。

〇武居企画振興部長 ただいまの御質問にあった地域活性化事業調整費については、私どもも大変地域において活用され地域振興に役立っていると感じているところであって、今後ともこの事業は将来とも地域における振興発展のための各種事業に活用されていくべきものと考えるところである。県でも新しい総合計画の中間報告を公表したが、現在、順次各地方振興局において地域計画を公表し、また来年の夏までの最終報告に向けて計画づくりをこれから進めていくというふうに、私どももスケジュールを組んでいるところであるけれども、いずれこういった計画に盛り込まれた事業、特に地域計画に盛り込まれた事業については、そういったものがさまざまな事業が横に調整され、総合的に効果を発揮するようになっていくためには、こういった地域活性化事業調整費というものは非常に使い勝手のいい事業費として、今後もさらに活用が期待されていると考えておるので、私どもも予算を要求する立場ではあるけれども、将来に向けてそういった新しい総合計画、そういったものを推進するための一つの実効たらしめるそういった手段として、これからこういったものが積極的に活用できるよう、いろいろな面で検討を加えていきたいと考えておる。

〇三河委員 久保田委員の質問に関連して、交通確保についてちょっとお伺いしたいと思う。
 先月17日のことであるけれども、前日議運で参ったけれども、盛岡インターから県議会まで実に、10キロメートル足らずのところであるけれども四十七、八分かかって着いた。ちょうど小雨が降っておったので交通渋滞はやむを得ないかもしれないけれども、今議会は盛岡市内の交通渋滞に関する問題を非常に多く取り上げた議会ではなかったかと思うわけである。私も盛岡に来るようになってからかなりになるけれども、盛岡は非常に城下町というか、そういう風情を残したすばらしいきれいなまちだと思っておる。そういう中で市内の交通渋滞を緩和していくというような観点から物を考えると、現在ある道路を大幅に拡張してすばらしい道路をつくるということは理想であろうけれども、それは不可能に近いだろうと。現在のまちの状態を景観を残しながら、なおかつ交通渋滞に対応していくというようなことの観点から考えると、新しい発想が必要ではないかと考えるわけである。四、五日前に多摩市から都心に向けてモノレールが完成したという報道がなされた。盛岡市においても南北にあるいはモノレールの設置等、夢みたいなものになるけれども考えられてはいかがと思うわけである。そのことによって時間の短縮が図られると、あるいは私はもう少し大きくモノレールを延ばして、花巻空港までモノレールを延ばすならば花巻空港の活性化にもつながるというようなことから、夢物語かもしれないけれども、御提言を申し上げたい。また、県の計画の中にはそういったものはあるのかないのか。もしあったら何年度あたりを目標に進めているのだというようなこともあったら、ひとつお話をお聞かせいただきたい。企画振興部であるので、そういう企画も期待をしながら御質問申し上げる。

〇武居企画振興部長 今非常に将来に向けた夢を含んだ提言をいただいて、私どもも参考にさせていただきたいと思うが、交通渋滞の問題等については、私どももこれから単に道路をつくるだけではなくて、そういった総合的な交通マネージメントというものが大変重要になってくるのではないかと認識しているところであって、これについては新しい総合計画の中間報告においても、今回初めて一つの項目として総合的な交通マネージメントの推進という項目を実は設けさせていただいたのであるけれども、これは単にそれぞれの路線を整備するということではなくて、それらの交通手段が相互に機能を十分発揮できるように、交通機関相互の連絡の改善というか、そういったものが行われて全体として交通機能が生きてくるというものをこれからぜひ考えていきたいということで、そういった項目は今回初めて取り入れさせていただいておる。ただし、具体的に新交通システムをどうするかという点についてはまだ踏み込んでおらないで、これについては、例えば大都市圏でも首都圏、それから近畿圏あるいは中京圏等で、いろいろ具体的にモノレールなり新交通システムが行われているところはあるのであるけれども、実態として見るとなかなか運営面で必ずしもうまくいっているものばかりではないように聞いておるものであるから、まずはそういったものについての調査を積極的にやっていく中で、そういった交通手段そのものではなくても、先ほど申した総合的な交通マネージメントの中で活用できる部分があったら、そういったものについては今後積極的に検討しながら、全体としての交通ネットワークが、より以上に機能するように努力してまいりたいと考えておる。

〇三河委員 今積極的な前向きな御答弁をちょうだいして、後ろからは物にしろという御支援もあった。ひとつ前向きな方向で取り組みをいただきたい。地下鉄等であれば100万人以上でなければ間に合わないというようなことも伺っておる。どうかひとつ前向きに御検討をいただきたい。終わる。

〇谷藤委員 今、盛岡の道路交通整備関係についていろいろお話あったけれども、私の方からは盛岡都市圏における市町村の広域合併の問題についてお伺いをしたいと思っておる。
 合併するとかしないとか、こういうことについては住民の意思で決まるというのが今の制度のようであるけれども、そのための判断材料が極めて不足しているのではないのかと思っておる。こういう分野の取り組みというのはむしろ産業廃棄物とか、それらの広域的な処理をしていくとか、そういう分野についての意義というのは強調されてきたようには思うけれども、むしろ市町村においても、今の非常に厳しい財政状況、公債残高が増加するというような、財政が危機的状況にある中であるので、合併によって既存体制の統廃合とか事業の効率化とか、コストの節減の面で意義が非常にあるのではないかと思って、そういう意味での検証をして、県が具体的なデータをもっと提供すべきではないのかと思うのであるけれども、その辺についてのお考えをお聞かせいただきたい。

〇久保市町村課長 市町村合併推進のための県の取り組みについてであるけれども、御案内のように、本年4月、市町村課内に専任組織を設置したが、それとともに自治振興基金を拡充したほか、それから地方分権時代を迎えて市町村の行政を念頭に作成したパンフレットなどを活用して、さまざまな機会をとらえて情報の提供や地域活性化事業調整費活用のシンポジウムの開催など、広域行政の機運の醸成に努めてまいったところである。また、国の第25次地方制度調査会の答申においては、都道府県が合併のパターンや各種の情報を内容とする要綱を作成することとされておるが、それに先立って広域行政とも関連する介護保険、あるいは廃棄物処理の広域化などの市町村の重要課題について関係部局の協力を得ながら、現在調査検討を進めている段階である。今後はさらに県立大学の先生方の協力を得て、合併を含む市町村の広域行政のあり方について研究を行って、あわせて盛岡市や北上市の過去の合併効果に関する調査を行って、きめ細かな検証を行うことなどをいたし、市町村のみならず広く県民にその成果を提供し、それぞれの市町村や地域で議論が深められ、機運が一層高まるよう努力していきたいと考えておる。

〇谷藤委員 パンフレットをつくったりいろいろ研究の方も進めていくというような方向でお伺いしたけれども、いずれ行政の効率を助長させていくと、財政基盤の確固たる市町村の形成をしていくのだという面からも積極的に、合併をした場合、財政面でのシミュレーションというか、そういうものをきちんと情報提供していくという形を示していく必要がそろそろあるのではないかと思う。そういうことでこれからもぜひその辺の研究等も進めていただきたいと思う。
 特に盛岡都市圏の場合は、私、従来からいろいろ申し上げてきたけれども、北東北における人、物、それから情報の交流拠点という位置づけがされているところであるから、人口、それから面積、それから経済等の規模集積が不可欠である。県都の底上げというものは県全体の発展をもたらすということからも、強力に県としても推進をしていただきたい。このように思っておる。そこで、何としても県がリーダーシップをとって誘導策を持っていくのだということで、もう一頑張りこれからこの合併問題についての情報提供、シミュレーションも含めてつくって各地域に提供していくという姿勢を求めたいと思っておるが、お考えを。

〇武居企画振興部長 ただいま県としての積極的な役割についての御質問があった。先ほど担当課長の方からも答弁させたが、これから一般論としての合併の必要性と同時に、個々具体のケースに応じて、よりきめ細かい私どもとしての県の役割というものがこれから出てくるのではないかと思う。その際には合併の効果等のそういったものに対する過去の検証も含めた情報提供というものもあれば、あるいはこれからの時代に今までのような形では果たして対応できるのだろうかという、将来を見通した部分も当然必要になってこようかと思う。これらの点については私どもの方でも十二分に肝に銘じて、精いっぱい努力してまいりたいと考えておる。
 盛岡の関連については一般質問でも答弁させていただいたが、特に住民で判断をする部分についてはこれは情報を積極的に提供して、住民の間で大いに論議してもらうと。しかし、その一方で、例えば広域都市圏の将来ビジョンのように、住民自身ではなかなか描き切れない部分については、これは関係市町村がリーダーシップをとりながら地元で描いていくと。その際に、県としてぜひともそういったものに応援してほしい、あるいは具体的に参画してほしいという要請があれば、これはむしろ私どもの方から積極的にそういったものに入っていくという姿勢がこれは当然重要になってまいるので、そういった点については、これは地方振興局も絡んでまいるけれども、積極的に対応してまいりたいと考えておる。

〇谷藤委員 要望になるかもしれないが、今住民の方々が役場にお聞きをすると、合併したときのメリット、デメリットはどういうところにあるのか、そのときになかなかうまい答弁が出てこないということらしいのである。だから、役所自体というか、その辺余り説明できる状況になっていないと、住民が聞いても答えられないような状況に今なっているのではないかと思う。そのことで住民の問いかけに対して、やはり答えられるだけの情報を関係する市町村の方に出しておく必要があるのではないか。住民から聞かれてそれに対して答えられないで、住民がどうやって判断するのだということになるわけであるので、その辺の情報提供をもっと積極的にしていく必要があるのではないかと思うので、要望する。

〇菊池(勲)委員 市町村合併に関連をして、私も過去に経験があるので、提言ではなくて具申をひとつさせていただきたいと思う。
 平成3年4月1日で私ども北上市、江釣子村、和賀町が合併をした。昭和48年に故斎藤五郎市長と当時の議長福盛田共治さん、この人も亡くなっているのだけれども、この方々の連名で私の町・和賀町にも、三つのまちが一緒になっていいまちをつくろうという申し込みがあったのが昭和48年である。それから足かけ18年かかって平成3年4月1日に合併をしたわけであって、私は旧和賀町出身で、もう合併して7年とちょうど8カ月--きょうは1日であるから、8カ月と1日目だ--たったのだけれども、残念ながら、当時の合併の5カ年計画の約束はほとんど守ってもらっていない、はっきり言って。だけどその理由はいっぱいある。なぜかというと、インターハイの主会場ももらったし、それからオフィスアルカディア構想ももらってあるわけだから。合併当時はそれはなかったのだ、5カ年計画の中には。三つの町、村が一緒になったからこそ拠点都市の何でそういうのがぼんぼんきたということだから、私は旧和賀町の町民1万5、000人持ったのだけれども、その方々に会うときは、それはしようがないだろうと、だけれども約束は5年だから、これは10年過ぎたら計画変更で時効だよ、まだあと残り2年と何カ月あるからもう少し待ってくれという説明をして今日に至ったわけだ。
 けさの新聞で、どの新聞かわからないけれども、盛岡市議会が隣の町とか隣の村の議会と話をしようと言ったら、滝沢から村会議員が2人出てきただけで、あとは矢巾からはだれも来ないと新聞に載っておった。私どもが昭和48年にいたときには、昭和50年4月1日の合併を目途ということだったから、2カ年しかなかったわけである。それで、うちの町長、この人も亡くなっている、斎藤政憲町長が亡くなっているけれども、彼のいわくは、そのときにしなければだめだだめだと。当時、私は議長だった。うちの斎藤町長と私はさんざん議論したのだけれども、840億円というすばらしいこんな本があったのだ。当時の地方振興課長阿部守一というのがおった。部長も自治省から出向だけれども、やっぱり自治省から出向の人が来ておったのだ。あなたのような立派な男だったけれども。先般ここで質問したら次の日ここに、県庁に来た。それこそ当時は眼鏡をかけておらなかったから、おい、だれだあなたと言ったら、いや、阿部であると、えっ、何だ、来たのかという話になった。いいものをとったから確かに約束は守れなかったかもしれないけれども、やはりいいものをつくったときは財政の裏づけをちゃんと、840億円という数字を並べておったのだから、少なくとも7年半たってもまだ半分も進んでいないということにはならぬと私は思うの。
 それはもう市のやり方が悪いと言えばそれまでかもしれないけれども、私どもはいい事業をとったから我慢もしておったのだけれども、我慢にも限界があるわけである。5カ年がもう7年と8カ月も過ぎているのだから、そういうのをちゃんと正直に出さないと市町村合併というのは私は難しいだろうと思う。今、盛岡市は中心都市であるから、私どもは県都第2の都市という話で言っているけれども、残念ながら県都第2北上市は人口9万人である。第1の都市は人口30万人である。数からしたら2とは言えない。2と3はすぐそばにいるわけだ。だけど1と2はこんなに離れている。それでも順番をつければ1番、2番と、こうくるわけである。それではいいまちはつくっていけないと私は思う。であるから、合併そのもののリードは当然してほしいし、当時の話では、3市町村合併して、8万3、000人規模からすれば職員が100人多いと言うのだ。それをそのまま引きずった、100人を。そして、毎年雇うのは5人か10人で、そしてそのうちに定年になるのを待とうというのだもの、当然財政は厳しいのは決まっている。それも県が一切それを指導しなかったのだ。私はそれをずっと今日まで我慢をしてきた。だったのに現職の市長が後でやめたなどと言うものだから。であるから、それは時代が時代の流れだからそれはそれでいいと思うのだけれども、そのために私はここに座らせてもらっているわけだ。1万5、000人の町民の将来に対して約束を守らせなければ。一番得しているのは県議会議員2人おるだけである。和賀町に県議会議員2人おる、今、委員長いないけれども。それだけだ得したのは、あとは全然得していないのだもの、残念ながら。
 そういうことであるから、先ほど谷藤委員言ったとおり、一般有権者に聞かせるのは難しい。主導を握るのはやっぱり議会である、執行者側の。私どもは3市町村の議会の協議会があってそこで議論して、18年かかってやっとまとめたわけであるけれども、私は議会にリードをするような方法で指導した方がいいと思う。部長の見解をお願いしたい。

〇武居企画振興部長 議会の議員の御指導というのは大変重要だと考えておって、それは当該市町村の議会もそうであるし、県議会の議員のお力というのも大変重要になってこようかと思う。私も、北上市もそうであるし、旧都南村の合併のときの経緯もずっと見たら、古くは前知事の工藤知事が市長時代の40年代からいろいろ経緯があったという話も聞いておるし、そういう意味でこれはある意味では住民の代表であるさまざまな場面での議会の議員の方々のお力添えがあって初めてできると考えておるので、そういった点を含めて広域行政の必要性等について、私どものできることは精いっぱいやらせていただきたいと思う。

〇伊沢委員 大変格調高いお話が続いてきたわけであるが、1点だけお伺いをさせていただきたいと思う。
 事項別明細書の121ページに、いわてウォータープラン21推進費、これは計画推進をするための調査費なわけであるが、2、000万円ほど決算されているわけである。成果に関する説明書にも29ページにこの部分が載っているわけであるけれども、今年度の予算にも実は見てきたら1、000万円ほどこの事業が盛り込まれていて継続をされていると思うわけである。これが出る段階で私どもの佐藤啓二議員がたしかこれについてお伺いをして、画期的な事業であるということでお伺いをしながら、ぜひ推進してほしいということで言ってきたと思うのである。今回この決算書に載っている部分が多分調査の最初でなかったのかと私思うのであるが、これまでの経緯というか、その委員会等を含めて開催をされているようであるけれども、千厩川、久慈川流域の水循環調査を行った状況等についてまず教えていただきたい、報告をいただきたいと思うのであるが、よろしくお願いする。

〇名須川資源エネルギー課長 いわてウォータープラン21推進事業、これのこれまでの状況についてのお尋ねであるが、このウォータープラン21推進事業、これは平成8年3月に新岩手県水需給計画、これを策定したわけであって、これを総合的に推進して、豊かで清らかな水の郷いわての創造と、これの実現を図るために今実施しておる。この事業は水資源データベースの構築、それから水資源利用可能量調査、水循環調査などを行っておって、平成8年度から12年度までの期間で実施しているものである。これまでやった中で水資源データベースの構築については、平成8年度、9年度の2カ年で県内の降水量、河川流量、水質データ等の水資源に関するデータを一元化した。これによって水需給実績の把握などの業務の効率化が図られるとともに、関係機関において水資源に関するデータの共有化が図られたと考えておる。
 それから、水循環調査については、委員お話にあった千厩川と久慈川、この二つの流域を対象にして平成9年度から実施しておる。平成9年度は現況把握と解析モデルによる流質解析、それから汚濁解析、こういったものについて行ったわけである。若干結果を申し上げると、久慈川、それから千厩川において水資源の賦存量に対して水利用量の割合、それから流域の土地利用と汚濁負荷の関係、こういった流域における特性がいろいろ把握されておる。今年度は千厩川と久慈川、この二つの流域においていろいろ課題があるわけであるが、こういった課題の整理、それから水循環の視点に立った総合的な水資源対策の検討を行っているわけである。今後このモデルの成果をもとにして、県内の他の流域へ展開していきたいと、そのような考えで今進めているところである。

〇伊沢委員 計画の全体の中の途中の部分でどうなったという聞き方も大変失礼かと思って聞いたわけであるが、大体わかった。私も実は久慈川水系のところに仕事で8年ほど、久慈保健所にいた経緯があって水質調査なり含めて、川釣りも含めて付近の皆さんといろいろ話をした経過があったわけである。昔の水量に比べていずれ少ないと、最終的には山の問題も含めてこれは総合的につくっていかないと、多分新岩手県水需給計画の基本目標になっている、豊かで清らかな水の郷いわての創造という部分には結びつかないのかと今思っているわけなのであるけれども、そのためにもデータベースというか、そういうことが必要だということでやっていることで、大変感動するわけであるけれども、ぜひこの部分、続けて調査をいただく中で必要な部分の計画、私今言ったように、山づくりも含めて水源涵養も最終的には必要になるのではないかと思うわけである。そういった意味での調査にぜひ御努力いただくよう御要望して終わらせていただく。

〇斉藤委員 最初に、9年度決算にかかわってお聞きをする。
 屋内温水プール管理運営費が1億9、000万円余、決算をされているが、修繕と管理運営費という説明であったけれども、その内訳をお聞きしたい。赤字体質にはなっていないのであろうか。それと、さきの内陸北部地震の影響は受けていないのかどうか、これをまず第1に聞く。
 第2に、新幹線の地元負担、在来線問題についてお聞きをする。
 平成9年度の整備新幹線の事業費は106億2、128万円となっておるけれども、県、市町村の地元負担はどうなっているであろうか。平成10年度はどうであろうか。これまでの累計はどうなるであろうか。総事業費に基づく県、市町村の負担はどうなるであろうか。
 在来線問題について。JRからの経営分離後の経営形態について、現段階でどう検討されているであろうか。その判断の時期はいつごろになるのか。
 特に鉄道貨物輸送の見通しはどうなるであろうか。JR貨物はなぜ新幹線利用を考えているのであろうか。現在の新幹線工事は貨物輸送を考慮していないと思うが、貨物輸送となれば設計変更、工事延長などが必要となるのではないであろうか。
 盛岡以北の無償譲渡の見通し、その交渉はどうなっているであろうか。
 三陸鉄道についてもお聞きする。来年度までに無償譲渡か引き続き貸与継続かと、こういう決断が迫られている時期であるけれども、この検討状況、検討項目を示していただきたい。無償貸与というのは、当時国鉄から分離するときの重要な約束であった。この約束を守らせる必要があるのではないであろうか。県、市町村財政が現状でも危機的状況にある中で、さらに地方への財政負担を増大するやり方というのは、とてもこれは容認しがたいと思うけれども、いかがであろうか。

〇名須川資源エネルギー課長 県営屋内温水プール、これの委託についてである。
 これはスポーツ振興事業団にプールの管理委託を行っておる。それで、管理の内容であるが、一般的なプールの管理というか、あそこの管理をすべてゆだねているという形になる。したがって、あの熱水を受けて、それでそれを温度コントロールしてプールに利用すると、そういう時点から、使ったプールの水、それを排水すると、そこまでの委託の内容となっておる。
 それから、9月3日の地震の影響であるが、特にプールそのものに対しての地震の影響はない。それで、いろいろ上の方は若干直すところあって、今、12月1日、きょうからまたプールの方にもお湯を通しておる。

〇河原畑交通政策課長 まず、新幹線の地元負担についてのお尋ねがあるが、平成9年度においては盛岡-八戸間に整備新幹線建設事業費として551億円の事業費が配分されて、これに伴う県、市町村の地元負担については、県が158億6、500万円、駅設置市町である二戸市及び岩手町の負担は合わせて1億2、060万円となっておる。また、平成10年度においては同区間に616億円の事業費が配分されて、これに伴う県、市町村の地元負担については、県が154億6、600万円、駅設置市町である二戸市及び岩手町の負担は2億450万円となっておる。
 なお、これまでの累計については、同区間に配分された1、892億9、600万円のうち、県は365億1、300万円、駅設置市町である二戸市及び岩手町は4億270万円となっておる。
 次に、並行在来線の問題についてのお尋ねである。
 まず、経営分離後の経営形態についての検討状況についてのお尋ねであるが、経営形態を含む並行在来線のあり方については、鉄道による輸送の継続を基本的な前提として、将来にわたり健全な経営のもとで現在の鉄道輸送サービスの利便性を確保することを最大の目標として、現在は経営収支の見通しなどに関する試算作業を行っているところである。県としては、これまでに実施してまいった並行在来線輸送確保調査、それから本年度実施することとしておる運行形態基本調査及び将来需要予測調査などの調査結果であるとか、鉄道貨物輸送のあり方が並行在来線の経営に与える影響などを見きわめながら、地域の旅客輸送を将来とも確保するという立場から、今後さらに検討を進めて青森県や沿線市町村とも十分に調整を図った上で、来年の秋を目途に輸送と経営に関する基本方針を取りまとめて公表する考えである。
 それから、鉄道貨物輸送の問題についてであるけれども、鉄道貨物輸送の取り扱いについては、平成8年度末の整備新幹線に関する政府・与党合意において、新幹線鉄道上を走行することも含め関係者間で調整を図るとされたところであって、県としては国において全国的な運輸政策の見地から早期に鉄道貨物輸送の取扱方針を示すよう、政府予算要望などの際に要望してきておる。JR貨物は貨物輸送を将来にわたって安全かつ安定的に行えるルートを確保すること、それから貨物列車の運行に際し貨物側の負担増とならないことということを主張しておるが、仮に鉄道貨物輸送が新幹線上を走行して行われることになったら、貨物列車が狭軌で走行できるよう3線軌条化を行う必要があるほか、盛岡及び八戸口へのアプローチの設置、それから退所施設の建設などが新たに必要となってまいるので、設計変更、それから工事の実施に伴う工期への影響が生じてくるものと思われるところである。
 それから、JR資産の無償譲渡の見通し、交渉についてのお尋ねであるが、JRの事業用資産については、有償譲渡を受けた場合、初期投資額が大きく膨らんで並行在来線の経営を圧迫することが予想されるところである。このため、県としてはこれまで政府予算要望等の機会を通じて、国、それからJRに対して資産譲渡等について特段の支援措置を講ずるよう働きかけてきたところである。昨年長野新幹線の関係で開業したしなの鉄道の場合は有償譲渡となっておって、また我々の要望に対する国とかJRの反応もしなの鉄道の例を示唆するものとなっておって、なかなか厳しい状況ではあるが、県としては今後とも他の整備区間を抱えておる関係道県、これらとも協力しながら経営分離後の並行在来線の利便性と健全経営の確保、これを図る観点から資産の無償譲渡を含む必要な支援措置の具体化に向けて、国、JRへの働きかけを強めてまいりたいと、かように考えておる。
 それから、三陸鉄道の資産譲渡についてのお尋ねである。三陸鉄道の借り受け資産の譲渡問題については、県としては無償貸し付けが維持、継続されるよう政府予算要望の際に国等の関係機関に対し繰り返し要望を重ねてきたところであって、ことしの夏の政府予算要望の際には、残る4社のうちほかの3社が既に6月に無償譲渡を受け入れている状況であったのであるが、それでも岩手県としては無償貸し付けの継続を要望してきたというところである。しかしながら、日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律、いわゆる国鉄の長期債務をどう処理していくかという法律であるが、これがことしの10月22日から施行されたということを踏まえて、現実的な対応を検討する必要を考えておって、岩手県三陸鉄道強化促進協議会では、沿線の10市町村の首長方とともに、去る11月17日に運輸省と自治省に対して支援措置の要望、それから情報収集などを行ったところである。この問題については、固定資産税であるとか、それから災害発生時の復旧費用、これらの負担といった多くの課題があって、これらについて会社と沿線市町村との間で十分議論を尽くして検討していく必要があると考えておって、早急に結論を出すのは難しい状況であるが、いずれの結論を得るにしても過大な財政負担が生じないよう、鋭意検討していきたいと考えておる。

〇斉藤委員 今度、部長にお聞きするから。今の答弁のように、私は東北新幹線を早くやっていただきたい。しかし、地元負担が新しいスキームでは岩手県は30%負担があって既に365億円の負担である。当初の事業費4、549億円に対応する岩手県の負担は1、036億5、600万円と、これは大変な負担である。この地元負担を軽減することをやっぱり求めていかないと、本当に工事が進めば進むほど地方財政は悪化すると、こういうふうになるので、この問題を強くやっぱり求めていただきたい。これが第1点。
 第2点は、並行在来線の問題であるけれども、平成10年3月に並行在来線輸送確保調査報告書というのが出ている。この最後のところを見ると、黒字転換時期一覧というのがあって、その最後の全く最後なのであるけれども、JR並みの運賃の場合は事業の成立は難しいと、いろんな譲渡条件があり、会社経営の形態があってもJR並みの運賃では難しいと、こうなっているのである。それで、前工藤知事が、あの並行在来線、JR分離を決断したときに、住民にはこれまで以上の不便はかけないと、これを最大の公約にしてJRからの経営分離を決断したという経過があるわけである。私は今の段階だとこの工藤前知事の約束は守れないのではないか。もちろんこれは今の話だと有償譲渡の可能性が強くなってきたというニュアンスの答弁だったけれども、これ自身も粘り強く交渉して突破しなければならないが、無償譲渡の場合でも事業の成立は難しくなっているから、その点について部長、この公約をどう守っていくのかお聞きしたい。

〇武居企画振興部長 まず、新幹線の地元負担については、新しいスキームで確かに負担が数字の上では大きくなるようになっておるが、実際にはこれは新しい地方債の発行形式、90%充当であと交付税措置があると、こういった新たに導入された制度もあるので、全体の中で大きく判断していかなくてはいけないと考えておるけれども、むしろ並行在来線も含めた全体としての負担をどうしていくかという、より大きな中で長期的な観点から私どもの負担が経営に影響を及ぼさないように精いっぱい努力してまいりたいと考えておる。
 それから、2点目の昨年の調査の関係であるが、これについては昨年民間のコンサルに委託して、御指摘の輸送確保調査を行ったわけであるけれども、実はこの調査の中だけでは私ども十分に理解できないというか、詳細をある仮定のもとに置いているものであるから、実はことし輸送力確保調査のこの補足的な調査を現在行っておって、そういったものを含めて、さらにもう少し細かいデータに基づいてこういった将来の経営のあり方についての検討を加えるということにしておる。その際には、当然のことながら、実はJRの資産が、どの程度のものが資産区分ごとにどの程度の額になるかということが実は必要になるわけなのであるが、ここについてJRから今の時点でどの程度協力していただけるかという問題が実は残されておる。土地とか駅舎とか、レールであるとか、あるいは電化施設であるとか、そういったものがそれぞれどの程度になるか。結局、電化施設等についてはこれは償却資産であるから、これは減価償却をしていくわけである。であるから、簿価と実際に譲渡されるときの価格というものがどういうふうに違ってくるか、それがまた有償であるか無償であるか、有償の場合は軽減してもらえるかもらえないかということで変わってくるものであるから、ここのところについては若干仮定の話がこれからも入ってくるかもしれないが、もう少し詳細に私どものできる範囲で詰めて、将来の経営のあり方の検討を深めてまいりたいと考えておる。
 それから、私自身もしなの鉄道にことし、開業後半年の状況をこの7月に行って、直接社長さんなり担当の部長さんから聞いてまいっておるわけであるけれども、実際しなの鉄道の場合はほぼ--若干予定している乗客数よりも落ちているようであるけれども--開業当初は予定どおりの形でいっているようであるけれども、ここも結局、運賃については当初のスタート、JR並みということでスタートしておるが、あとは営業努力で、赤字をいずれにしても広げていくとこれは将来は路線自体がなくなってしまうという可能性も出てくるわけであるから、そういったことにならないようにやっていかなくてはいけない。そうすると将来的には新駅の設置の問題であるとか、駅前の面的開発との連携とか、そういった問題が出てくるわけである。これは実は先ほどの盛岡の北東北の拠点都市の話もあったけれども、駅前にどういった集客力の施設を張りつけるかという問題もこれは当然かかわってくるものであるから、現在の輸送の人員をもとにすると将来こうなると、しかし、将来そういったものと連携をとっていくとどういうふうになるという、実はそういったものもシミュレーションとしてやらなくてはいけない、こういうふうに思っておって、こういった部分については今後の調査の中で可能な限り検討を加えてまいりたいと考えておる。

〇斉藤委員 並行在来線の問題でJR貨物がなぜ新幹線を通そうとしているかと、それはJRから経営分離になったらいつまでもつかわからないという不安があるからなのである。ここが極めて重大である。だからこの貨物輸送を、本来なら下を通って当然なのである。今の建設中の新幹線の設計変更とか、そういうことはある意味でいけば常識外である。しかし、そのぐらい深刻な問題を抱えているということなのである。私はそういう点でやっぱりこのしなの鉄道は絶対前例にならない。貨物が通るような本線としてこれはきちんと守っていかなくてはならないし、そういう立場でひとつやっていただきたいのだけれども、どうであるか部長。

〇武居企画振興部長 気持ちとしてはそのように受けとめて精いっぱい、しなの鉄道は本県と違って確かに御指摘の貨物の問題がある。本県の場合は貨物については、東北から北海道に至る基幹的な大動脈であるから、これは一岩手県の問題ではないと、全体として考えてほしいということは、これからも粘り強く訴えてまいりたいと思う。

〇藤原副委員長 ほかに質疑はないか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇藤原副委員長 質疑がないようなので、企画振興部関係の質疑をこれで終わる。
 なお、皆さんに申し上げるが、この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩する。
   午後3時1分 休 憩
   午後3時20分 再 開

〇高橋委員長 休憩前に引き続き会議を開く。
 次に、大隅教育長に教育委員会関係の説明を求める。

〇大隅教育長 平成9年度決算のうち教育委員会関係について御説明申し上げる。
 まず、決算の説明に先立ち、教育振興にかかわる施策の概略について申し上げる。
 本県の教育振興については、第7次教育振興基本計画に基づき、生涯学習社会の構築に向け、学校教育、社会教育、体育・スポーツ、文化の各分野にわたり生涯学習の振興を図ることを基本方向とし、諸施策を展開しているところである。平成9年度は、教育振興基本計画後期実施計画の2年度目に当たり、盛岡高等養護学校の新築整備や第53回国民体育大会冬季大会を実施するとともに、国際化や高度情報化の進展など、経済社会の大きな変化の中にあって、高校生の海外派遣の拡充、情報教育の一層の推進など、時代のニーズに対応した諸施策を初め、青少年の野外教室の開催、第50回岩手芸術祭記念事業の開催など、各分野にわたる施策を積極的に推進してまいったところである。
 それでは、決算について御説明申し上げる。お手元の平成9年度岩手県歳入歳出決算書の14ページをお開きいただきたいと思う。
 教育委員会所管に係る予算現額は、10款教育費のうち、1項教育総務費から7項保健体育費までを合わせた、金額で、これは実は決算書には記載されていないけれども、1、760億1、641万6、000円であり、その支出済額は1、758億1、848万6、916円、翌年度繰越額は1億3、347万8、000円である。
 決算の内容については、便宜、平成9年度歳入歳出決算事項別明細書によりその主なものについて御説明を申し上げる。
 恐れ入るが、決算事項別明細書の278ページをお開きいただきたいと思う。10款教育費についてであるが、教育費のうち、学校教育については、教育の機会均等の理念を基本とし、その具体化を図りつつ生涯学習の基礎を培うという観点に立ち、基礎的基本的内容を確実に修得させながら、児童生徒の個性を尊重し、多様な能力、適性を伸張させるとともに、社会の変化にみずから柔軟に対応できるたくましい心豊かな人間の育成に努めてまいった。
 まず、1項教育総務費1目教育委員会費の支出済額1、750万円余は、教育委員会の運営に要した経費である。次に、280ページをお開き願う。2目事務局費の支出済額24億250万円余は、教育委員会事務局の管理運営に要した経費のほか、外国語教育の充実を図るため、外国青年を教育事務所や県立学校に配置した経費等である。3目教職員人事費の支出済額126億9、199万円余は、教職員の退職手当等に要した経費である。次に、282ページをお開きいただく。4目教育指導費の支出済額3億2、174万円余は、在学青少年指導員やスクールカウンセラーの配置、高校生の国際交流、産業教育フェアの開催、環境教育推進事業及びマルチメディア活用推進事業などに要した経費である。5目教育センター費の支出済額5億4、583万円余は、教職員の各種研修等に要した経費である。次に、284ページをお開き願う。6目恩給及び退職年金費の支出済額9億1、474万円余は、恩給及び扶助料等である。
 2項小学校費1目教職員費の支出済額558億1、203万円余及び3項中学校費1目教職員費の支出済額329億2、842万円余は、それぞれ小学校、中学校の教職員の人件費や初任者研修等に要した経費である。
 次に、4項高等学校費であるが、286ページをお開き願う。1目高等学校総務費の支出済額376億1、356万円余は、県立高校教職員の人件費や初任者研修等に要した経費である。2目全日制高等学校管理費の支出済額21億2、067万円余は、全日制高等学校の管理運営や教育設備の整備等に要した経費である。3目定時制高等学校管理費の支出済額8、763万円余は、定時制高等学校の管理運営や教育設備の整備等に要した経費である。次に、288ページをお開き願う。4目教育振興費の支出済額12億8、788万円余は、県立高校の産業教育設備、部活動設備、情報処理教育設備及び教育実験実習等に要した経費である。5目学校建設費の支出済額70億1、600万円余は、県立高校の施設整備及び維持補修等に要した経費であるが、校舎建設は遠野高校、産業教育施設建設は福岡工業高校ほか2校、体育館建設は紫波高校ほか1校、291ページの備考欄の方に参って、部活動施設整備は大槌高校ほか7校、校地整備は不来方高校ほか4校、校舎の大規模改造は花泉高校ほか8校、セミナーハウス整備は沼宮内高校ほか3校の整備等に要した経費である。また、繰越明許費の委託料及び工事請負費を合わせた1億1、731万円余は、校地整備事業で計画調整に不測の日数を要したことから、翌年度に繰り越したものである。次に、6目通信教育費の支出済額1、266万円余は、通信教育のための管理運営に要した経費である。
 5項特殊学校費1目盲聾学校費の支出済額23億2、797万円余は、盲学校及び聾学校の管理運営及び盛岡聾学校の校舎大規模改造等に要した経費である。次に、292ページをお開き願う。2目養護学校費の支出済額96億6、613万円余は、養護学校の管理運営及び平成10年4月に開校した盛岡高等養護学校の建設等に要した経費である。
 6項社会教育費であるが、社会教育については、人間形成の基礎を培う家庭教育の充実を図るとともに、生涯の各時期における社会教育活動の推進に努めたほか、社会教育施設の整備充実に努めてまいった。また、文化の振興については、すぐれた芸術作品の鑑賞や文化交流の機会を充実しつつ、地域における多様な文化活動の振興を図るとともに、文化財の保護とその活用に努めたほか、美術館の基本設計を実施するなど、県民が生涯にわたって文化活動に親しみ、創造できる環境の整備に努めたところである。1目社会教育総務費の支出済額20億5、427万円余は、家庭教育の充実を図るふれあい家族推進事業、生涯学習県民のつどいの開催、295ページの備考欄に参って、青少年の家を活用した野外活動体験を通じて生きる力をはぐくむ青少年ふるさと発見銀河鉄道推進事業やいきいきコミュニティー体験活動推進事業及び生涯学習推進センターの管理運営等に要した経費である。また、繰越明許費の委託料及び工事請負費を合わせた1、616万円余は、青少年の家施設整備事業のグラウンド及び営火場の整備において、計画調整に不測の日数を要したため、翌年度に繰り越したものである。次に、2目視聴覚教育費の支出済額637万円余は、教育メディア利用促進事業等に要した経費である。3目文化財保護費の支出済額3億565万円余は、文化財の保護事業、史跡等の公有化事業、柳之御所遺跡整備調査事業及び埋蔵文化財センターの管理運営等に要した経費である。次に、296ページをお開きいただく。4目芸術文化振興費の支出済額8億8、000万円余は、芸術文化の振興を図るため、全国高等学校総合文化祭への参加、岩手芸術祭、こども芸術劇場、青少年劇場等の開催、県立美術館の整備や美術品の取得及び県民会館の管理運営等に要した経費である。5目図書館費の支出済額2億9、015万円余は、県立図書館の管理運営及び県立図書館が所蔵する啄木、賢治などの郷土資料のデジタル化など、高度情報化に要した経費である。次に、298ページをお開き願う。6目博物館費の支出済額7億3、295万円余は、県立博物館の管理運営及び施設整備等に要した経費である。
 7項保健体育費であるが、体育・スポーツについては、県民の日常的なスポーツ・レクリエーション活動の定着を図るなど、生涯スポーツの振興に努めたほか、児童生徒の基礎的な体力や運動能力の向上を図るなど、学校における体育・スポーツの充実に努めたところである。また、平成11年の全国高等学校総合体育大会開催に向け、運営体制や施設整備、競技力向上など、所要の準備を進めてきたところである。1目保健体育総務費の支出済額8億5、129万円余は、児童生徒の保健管理の充実及びエイズ・性教育推進事業等に要した経費である。次に、300ページをお開き願う。2目体育振興費の支出済額28億6、657万円余は、生涯スポーツ推進事業、競技力向上対策事業、全国高等学校総合体育大会の本県開催に向けた準備の推進及び競技開催市町村が実施するスポーツ施設整備事業への助成、並びに国民体育大会冬季大会の開催等に要した経費である。3目体育施設費の支出済額20億6、386万円余は、運動公園や体育館等の県営体育施設の管理運営、国民体育大会冬季大会のアイスホッケー会場の県営スケート場の改修、登はん競技の競技力の向上のため、全国初となる自然の岩場に近いクライミングボードパネルを導入した登はんボードの整備等に要した経費である。
 以上で説明を終わる。よろしく御審議賜るようお願い申し上げる。

〇高橋委員長 ただいまの説明に対し質疑ないか。

〇伊藤委員 299ページの学校歯科保健推進費の部分についてお伺いする。
 現在、各学校で歯科の検診をしていると伺っておるが、学校にも人数がさまざまあり、400人規模の学校、500人あるいは700人、800人、そういった部分を今1人の歯科医師が診ているということで、仮に800人の生徒を1人1分間という部分で診ても800分ということでとてもおさまらない。では、どうやっているのかと聞くと、まあ、それなりにと、こういうことで、将来を背負って立つ子供たちが、62年後に、保健福祉部がやっているイー歯トーブ8020運動につながらない部分であろうと思うのであるが、そのほか、歯科に限らず、学校での健診というか、そういった部分の生徒と医師の数はどのようになっているのかお知らせいただきたい。

〇松田保健体育課長 学校医の充実ということについてのお話であったと思うけれども、現在、学校保健法の方でであるけれども、児童生徒数及び教職員の健康の保持・増進を図るために、学校医、それから学校歯科医及び学校薬剤師--学校3師と言っているけれども--というお医者さんを置くことという規定になっている。これにより、学校においては、各学校に1人の学校3師の先生方を置いているという状況になっている。特に、御指摘の学校歯科医の方であるけれども、生涯を通じての健康の基礎となっておるということで認識しておるし、児童生徒の歯牙萌出・形成期というものにとっては全く重要な時期と認識しておる。というところから、県の歯科医師会を初め、学校歯科医の先生方に全面的な御協力をいただき、大変大きな成果を上げているところである。ただ、現実問題として、今先生のおっしゃるとおりいろいろな問題点が確かに出ている。今後とも、学校歯科医その他の健診の形態、そういうものなどを十分考えて、望ましいあり方について検討してまいりたいと思っている。

〇千葉(伝)委員 私は、体育・スポーツ施設等の整備・充実という観点から、明細書の300ページ、301ページ、スポーツ研修センター(仮称)の整備調査費ということに関し質問したいと思う。
 この施設の調査という部分については、平成7年度に取りまとめられたスポーツ研修センター整備に関する調査結果をさらに深めるために、スポーツ科学の専門的学識を有する者をアドバイザーに委嘱し、種々の情報の提供を得ることとともに、指導を仰ぎながら、具体的調査・検討を行ったという主要施策の成果の説明書がある。そこの具体的な検討の中身をお伺いしたいと思う。

〇松田保健体育課長 スポーツ研修研究センターの方の調査の取り組みということについての御質問ということであるが、これまで、先進県の施設や実態調査というものを行っている。それとともに、私ども、体育・スポーツを専門とする大学教授、3人ほどお願いしておるけれども、いろいろなアドバイスをいただきながら、本県におけるスポーツ研修センターの内容や機能について、調査・検討を今現在しているという状況である。
 本県におけるスポーツ研修センターのあり方ということになるが、スポーツ科学に基づいた合理的なトレーニング等の指導ができる指導者の養成、それから、選手の合宿やトレーニング等が可能な複合的な施設ということが望ましいということを一応御回答というか、御指導いただいている状況である。
 今後、アドバイザーである大学の教授の助言等をいただきながら、本県におけるスポーツ研修センターのあり方について、さらに調査・検討を進めてまいりたいと思っている。

〇千葉(伝)委員 この施設については、随分前から望まれた施設ということと、私自身もスポーツ振興の観点から関心が高いし、また、早くこういった施設ができることを望んでおる。と申すのは、いずれ、現在教育の方がやっておる来年のインターハイ、あるいは毎年度行われている国体の強化ということで、選手の競技力の向上あるいは施設整備というものに鋭意取り組んでいるわけであるが、そういった競技力の向上あるいは施設といった分野から考えると、やはり科学的なトレーニングができる施設、それから当然、先ほど申した、そういったことを指導できる指導者の養成というものが、常々これは必要なものであると考える。そういうことで、今後検討するということなわけであるが、将来的に、新しい総合計画も検討なされていると思うのであるが、その中に具体的に組み入れる考えがあるかどうか。もう一つは、将来的には二巡目の国体ということで進んでおる。そういったことから、岩手県の今後のスポーツ振興という部分から考えた場合に、その関連というものをどのように考えておられるのか。また、もう一つは、県の方が今度新しい総合運動公園構想を考えておられる。そういった中に、このスポーツ研修施設というものをどういう関係あるいはどういう位置づけで考えておられるのか、その辺をお聞きしたいと思う。

〇松田保健体育課長 現在、新しい総合的スポーツ施設の整備ということでいろいろ計画、調査・検討しているところであるけれども、スポーツ研修施設もその中に含めた形で計画ということを立てて検討しているところである。

〇千葉(伝)委員 そういったことで、私は、岩手のスポーツ振興を図る上での重要な施設という位置づけになろうと思う。そういったことから、せっかくつくる施設ということであれば、先ほど、県の方の将来的な運動公園の構想の中に入れる、私はそういった形が望ましいと思う。そしてまた、今度はその施設のあり方ということから申すと、単なる強化のための施設ということではなくて、例えば私も、秋田県のドーム、あるいは出雲のドームも視察してまいっておるが、そういったことも少し入れて、強化する、あるいはほかのスポーツもその中でどんどんできるという施設にしていただければと思う。これは要望とする。

〇久保田委員 6点にわたるのであるが、簡単に言う。
 国体や高校総体を除く全国大会に出場する高校生の各種競技があるわけであるが、県の現状はどうなっておるであろうか。その内容についてである。これと関連するわけであるが、体育振興費の中に体育大会開催派遣事業費があるが、この具体的内容についてお知らせいただきたいと思う。
 学校施設にかかわってであるが、建築の関係で、本県県産材の活用状況は、平成9年度いかが利用度であったかについてお知らせいただきたいと思う。
 小中高校のグラウンドの整備の関係であるが、排水処理が不十分なために大変体育活動などに支障が起きているケースがまま見られるのである。基本的には暗渠排水できちっとやってくれれば排水が非常にいいと思うが、これのグラウンドの整備についての計画や本年度までの整備状況についてお知らせいただきたいと思う。
 県立学校児童生徒災害共済掛金についてであるが、けがなどの災害発生の状況とその原因、それから、対策についてお伺いする。
 最後である。学校給食と環境ホルモンの対策についてであるが、ポリカーボネート容器の使用についていろいろの議論がある。これに対する基本的な認識をお知らせいただきたいと思う。

〇大隅教育長 木材、とりわけ県産材の活用について私から、それから、その他については関係の課長から御答弁させていただく。
 木材、なかんずく県産材の利用についてであるけれども、学校施設は、児童生徒の教育学習の場であるとともに生活活動の場でもあるということから、それにふさわしいゆとり、あるいは潤いという環境が整備される必要があると認識しておるわけである。木材が我が国の風土に大変適した建材資材である、やわらかい感触であるとか吸湿性などという特性を備えているということがあり、教育の環境づくりに効果があると基本的に考えているところである。教育委員会としては、学校施設の整備に当たっては、木造建築は当然であるけれども、鉄筋コンクリートづくりなどの建物にあっても、内装仕上げであるとか、あるいは床、壁、天井など、そうしたものには極力木材、なかんずく県産材を使用するように努めておるところである。
 9年度においても、セミナーハウスであるとか、あるいは校舎改築、弓道場の整備、そうしたものに内装材などとして積極的に使っておるし、美術館の整備に今取りかかっておるが、その収蔵庫の内壁であるとか、あるいは天井、あるいは展示室の床材などにも県産材を使用するように計画しているところである。
 今後においても、学校施設の整備に当たっては、建築基準法等の規制に留意することは当然であるけれども、防災対策等にも注意しながら、県産材の使用促進に努めてまいりたいと、このように考えておる。

〇小野寺財務課長 小中学校におけるグラウンドの整備についてであるが、委員御指摘のとおり、グラウンドの排水が不良であるために、降水後等において体育活動等に支障が生じている学校があることについては承知しておるところである。このため、県教育委員会としては、校地整備事業として、県立学校のグラウンドの排水改良等を図るための暗渠排水、あるいは側溝等の整備を計画的に進めておるところである。平成9年度においては、不来方高校など5校において行ったところであるし、今年度においても、宮古水産高校など4校において新たに着手したところである。この結果、現在暗渠の入っていない学校は、全日制で86本分校あるが、14校残っていて、さらに、整備済みのグラウンドにおいても、機能が劣化しているというような状況も見られることから、引き続き各県立学校の過去のグラウンドの整備状況、あるいは現在の傷みぐあい等を総合的に勘案しながら、計画的に整備を進めてまいりたいと考えている。
 また、小中学校においては、文部省の国庫補助事業である屋外教育環境整備事業の中の屋外運動場整備事業等を活用して、グラウンドの暗渠排水、表面排水等の整備が進められておるところであるが、この国の事業の採択枠が各年度、1県あたり1ないし2の事業と少なく、市町村の希望どおりには事業を進められないという実情にある。このため、今後とも事業予算の確保あるいは採択枠の拡大等について、公立学校施設整備育成会等を通じて国に対して要望してまいりたいと存じておる。

〇松田保健体育課長 それでは、全国高校総体等に出場する選手への支援はどうなっているかということであるけれども、全国高校総合体育大会、いわゆるインターハイに出場する選手への支援ということであるけれども、これは、岩手県高等学校体育連盟補助というところから、県の高体連を通じて交通費の全額を補助しているという状況になる。それから、補助対象競技であるけれども、夏のインターハイ、これが28競技あるし、冬に行われる駅伝、ラグビー、スキー、スケートということで4競技ある。合わせて32競技、これが補助対象競技ということになっている。
 それから、そのほかに全国高等学校定時制・通信制の大会、それから、全国聾学校陸上競技大会という大会に出場する選手に対しても、同様の補助をしているという状況である。
 それから、続けて体育大会開催、それから派遣事業費の内容ということでのお話であるが、体育大会の開催に伴い、開催に係る経費と選手の派遣費、これを補助しているという状況であるが、具体的には、県民体育大会の開催費ということである。これは金額にして337万円ほどであろうか。それから、国民体育大会出場経費、これが7、401万3、000円ということになろうか。それから、国体ユニホームの購入費補助ということで356万2、000円、それから、東北大会開催、選手派遣費ということで4、153万1、000円という支出の状況になっている。
 続いて、学校児童生徒の災害共済のことについてということであるけれども、これは現在、高等学校全日制に限ってのお話であるが、日本体育学校健康センターの掛金は1人当たり1、300円である。その内訳についてであるけれども、保護者の負担が1、050円、それから設置者の負担、これが250円ということになっている。それから、平成9年度の状況を見ると、高等学校全日制の場合であるが、5万3、773人が加入していて、そのうち災害の発生の状況ということでの発生件数は1、678件となっている。災害の発生の状況を見ると、部活動中が1、023件と大体全体の61%という状況になっている。それから、教科の授業中ということで349件、率にして20・8%になっている。それから、通学時というのが122件、7・3%という状況になっておる。災害の種類ということで見ると、挫傷、打撲というものが525件、31・3%、骨折というのが456件で27・2%、捻挫の方が338件で20・1%ということになっている。
 それぞれの災害の原因というのはいろいろなことがあるわけで、部活動であると、準備運動であるとか、それから、学校の登下校ということになれば、いろいろと環境の問題、それから交通の手段というか登校の手段、そういうことの安全ということを確保しながらということで、担任であるとかクラブの顧問であるとかを通じながら、安全、健康、いわゆる災害に遭わないように、事故に遭わないようにという指導を細やかにやっているという状況である。
 給食、特にポリカーボネート製の使用の実態と対応策ということと承知したけれども、まず、平成10年10月1日現在の県の調査、私どもの調査であるけれども、完全給食実施59市町村中46市町村、小学校336校、中学校では110校でポリカーボネート製の食器を利用しておる。使用割合は68・8%という状況になっておる。5月1日に調査したところと比べると、現在の使用割合72・8%を4ポイント下回ったという状況になっている。
 それから、ポリカーボネート製の食器の問題が発生した後、他の材質の食器に切りかえたという市町村であるが、4町村、小学校で22校、中学校で9校となっている。それから、切りかえを検討しているのは19市町村となっている。
 国の方の動向ということになるが、平成10年11月9日、厚生省の方から、内分泌かく乱物質の健康影響に関する検討会というところから中間報告というものがあり、健康影響の可能性は否定できないとしながらも、学校給食やおもちゃなどに使われているポリカーボネートなどの合成樹脂には、現時点で直ちに使用禁止などの措置をとる必要はないという見解を示されたところである。ポリカーボネート製の食器については、安全性に対する不安がまだまだあるので、切りかえを検討している市町村が少なくないが、県の教育委員会としては、厚生省や文部省の動向に注目して、適切適時に情報を提供してまいりたいと思っている。

〇久保田委員 災害共済の関係で、けが発生の状況についてのお話をいただいた。体育館の冬期間における、暖房施設がないために準備運動に多分に時間をかけなければいけないという状況があるそうであるが、時間の関係、授業時間が決まっているわけであるから、もう十分な準備体操ができない中で直ちに入るということが原因で傷害が発生する危険性があるということを聞かされているのであるが、そういう実態についてどういう把握をしておるであろうか。体育館の暖房施設の必要性についての認識をお伺いしたいと思う。
 ポリカーボネートの容器使用についてであるが、それぞれ各市町村の判断にお任せしているような感じであるが、県教委としての基本的な認識を改めてお伺いする。

〇松田保健体育課長 前半の体育館に暖房がないためにということで、確かにこちらの冬期の状況において、学校の体育館の中の暖房ということは現在ないのであるけれども、その補てん措置というか、私ども保健体育課の方では、その日に行う運動をよく分析しながら、どの筋肉を使い、どういう関節を使いということで、きょうの主運動というものをよく体育の教師が分析をしながらということで、何かお答えにはならないと思うけれども、そういう、きょうの主運動ということを考えながら、何をどう使うかということをよく分析しながら、体を暖める--なかなか1時間、50分の中では暖まらないのであるけれども、そういうことを十分しながら、事故防止に気を使いつつ授業を展開してほしいということはやっている。
 ポリカーボネートの方の県の基本的な姿勢ということであるが、先ほど申し上げたとおり、厚生省等でいろいろな見解が出ているということで、今現在、教育委員会としてこうしろという状況にはないものであるから、先ほど申し上げたとおり、国の方の情報をいち早くキャッチしながら、いろいろと教育委員会の方にその情報を提供しながら対応してまいりたいというのが基本的な姿勢である。

〇小野寺財務課長 小中学校の屋内運動場で暖房施設を設置しているところであるが、屋内運動場を保有している小中学校は700校あるが、そのうち46校で整備しているという状況である。屋内運動場等については、非常災害時等には地域住民等の応急避難所としても使われるというようなことから、暖房施設の整備について、文部省でも補助対象ということになっておるところである。その新増改築事業あるいは大規模改造事業等により暖房施設を整備する場合には、これが対象にされているところである。ただ、暖房施設を設置するか否かについては、それぞれの設置者の御判断であるので、私どもとしては、教育的観点あるいは防災機能の観点というようなことから、補助制度の活用についてそれぞれ市町村を指導してまいりたいと存じておる。

〇佐々木(一)委員 大きく2点にわたってお伺いする。
 まず、県立高等学校のあり方について、この報告を読ませていただいた。構想検討委員会の皆様方に、お疲れさまでしたと感謝を申し上げたいと思う。
 まず初めに、県内の公立高校の今春の志願者状況と傾向をどう分析されて、今お話であった再編計画に今後展開されていくのか、お尋ねしたいと思う。
 また、9年度の中退者が大規模校1校に匹敵する831人とのことであるけれども、この数字、5年前の約倍だと伺っておる。このような状況をどう把握され、今後対応されていくのか、第1点目お伺いする。

〇大隅教育長 私からは、中退者について御答弁申し上げたいと思う。その他については、関係課長から答弁させる。
 高校中途退学についてであるけれども、5年前の退学者数が597人であったので、平成9年度のさっきの数字で1・4倍となっているわけである。当方の調査によると、平成9年度の全日制の退学理由としては、進路変更というものが約6割、それから、学校不適応という理由の者が約2割5分ということで、この二つで全体の8割5分を占めているということで、大宗となっておる。この背景としては、最近では、学習意欲の喪失、あるいは人間関係の不調であるとか、不本意入学、目的意識の欠如など、高校生活や学校への不適応に端を発している場合が多くなってきておる。生き方、あり方、これらの指導、あるいは的確な進路意識の涵養など、ますます求められていると考えているところである。
 このため、近年ふえつつある学校不適応型の中途退学者の増加に対応して、高校のさらなる努力、これは当然であるけれども、中学校と高校がより一層連携をして進路意識を育てていくということが大変重要であると考えており、今年度、新たに市町村教育委員会に対して、中学校段階における生徒の将来を見通した進路指導の充実、それと中高の連携の一層の充実を求めたところである。今後とも、工夫を凝らして指導を充実し、高校生たちを支援してまいりたいと考えておる。

〇佐藤県立学校課長 県内公立高校の今春の志願状況の傾向、それから、その傾向をどう分析し、高校再編成計画に展開していくのかというお尋ねであるが、今春の受験者について、昨年12月に調査した予告志願者数の学科別割合は、普通科等が64・9%、職業学科を主とする専門学科は33・8%、総合学科1・3%であり、この割合は過去5年間ほとんど変化してないという状況にある。これに対して、本県における現在の公立高等学校の定員の比率については、理数科、英語科等を含む普通科等の割合が62・8%、専門学科が35・8%、総合学科が1・3%であり、生徒の希望に比べて専門学科の設置比率が大きく、普通科等の設置比率が小さい状況である。
 このような志願状況の分析とあわせて、平成8年度において、中学校2年生に対する進路希望調査を中学校2年生の約4分の1ぐらいの生徒を対象に実施したところであるけれども、今後の高校再編成計画の策定に当たっては、このような生徒の志願状況についても十分考慮しながら進めてまいりたいと、このように考えている。

〇佐々木(一)委員 次に、不登校問題についてお尋ねする。3点にわたるので、よろしくお願いする。
 先ごろ発表された県教育相談センターの平成9年度の教育相談実施状況によると、200件の相談件数があったそうであるが、このうち46・5%、約半数が不登校についての相談というように伺っておる。地域特性とその傾向について、第1点お伺いしたいと思う。
 また、文部省の学校基本調査では、平成9年度の学校嫌いを理由に30日以上欠席した不登校の小中学生が全国で10万人を超え、本県においても、今までの過去最高の991人とされているが、全国平均より低いとはいえ増加の傾向にある。そこで、県として学校適応推進事業の中で、スクールカウンセラーの設置や地区教育相談連絡協議会の開催を展開されているところであるけれども、問題点をどのように分析されておられるのか、2点目としてお尋ねする。
 3点目であるが、6月に行われた銀河系いわてモニターアンケートの教育現場の満足度をどう分析され、新しい教育基本計画に反映されるのか、3点目としてお尋ねする。

〇杉浦指導課長 それでは、不登校の傾向について、1点目である。
 不登校の傾向については、不安など情緒的混乱によるもの、それから、無気力で何となく登校できないというもの、あるいは、これらのさまざまな要素が複合しているものなどが発生しており、これら三つが多い比率である。本県も全国と大体同様の傾向であり、どの地域、どの学校でもこういった傾向が見られるかと思っておる。
 不登校の原因背景としては、家庭における幼児期からのしつけの問題であるとか、児童生徒の多様な能力、適性等に十分対応できていない学校のあり方などが考えられるほかに、最近の傾向としては、学校に行かないことについて悪いことと感じない本人の意識の問題等々の要因が複雑に絡み合っているのではないかと考えられる。
 この学校に行かなくてもいいということに対する指導については、心の問題等を抱える子供さんや保護者にとっては、安心あるいは自分探しの勇気をもたらすものであり、これはこれでよいのであるが、しかし、近年、不登校と一口に言っても、こうした情緒不安型の方ばかりではなくて、無気力型であるとか、怠け、遊び型など、いろいろ多様化しており、こうした子供さんたちに対して、やはり学校への再登校の指導という基本に立つべきものも多く見受けられておる。
 こうしたことから、県教育委員会としては、まず、学校における不登校児童生徒への指導、それから家庭、地域との連携の充実、あるいは子供たちの心の居場所となるように、授業改善等も含めて、いろいろな特色ある学校づくりを指導することが大切かと思う。そして、子供の話を聞く相談体制づくり、学校、家庭、地域の密接な連携であるとか、情報交換を促すような適切な機会づくりなど、学校の内外を問わず、子供たちをみんなで支援し、社会性を身につけさせ、健やかに育つようなネットワークをつくっていく、こういうことが重要であるととらえており、スクールカウンセラーの配置、教員のOBの方々や地域の方々の御協力をいただく心の教室相談員の配置、あるいは地区教育相談連絡協議会等々を実施しているところである。
 また、不登校の対応の多様化ということで先ほど申し上げたが、こうした子供の変化に対応するため、現場でも役に立つような指導法、基本的な対処方法等について調査研究を不断に行っていくことが求められておる。こうしたことから、伸び伸びふれあい体験事業と銘打って、不登校に関する実践研究を本年度から推進しているところである。
 以上が傾向、それから、その後は問題点を説明させていただいた。
 次に、3点目の教育現場の満足度ということであるが、先ほど委員から御照会あった銀河系岩手モニターアンケートの結果について、まず申し上げたいと思う。学校教育の現状について、満足・ほぼ満足とお答えいただいた方、小学校では37・2%、中学校では18・6%となっておる。一方、不満・やや不満は、小学校で49・6%、それから中学校では64・6%ということである。この不満・やや不満の多くは、他人を思いやる心や人権を尊重する心の育成、自然との触れ合いといった心の教育のあり方に関するものや、基礎的な学力の習得といったようなことなどについて大きな関心を抱いているものと考えておる。このため、新しい教育振興基本計画の基本的方向についての中間答申でも、心の教育の充実を大きな柱として位置づけるなど、モニターアンケート等からいただいた御意見の反映に努めているところである。
 それから、学校教育の改善・充実ということとともに、こうした地域の方々や保護者の御意見をいただいたり、学校の考え方や子供たちの実情を御理解いただくためにも、開かれた学校づくりはこれからも重要な課題である。このため、さきに述べた中間答申の中でも、地域に開かれた創意ある学校づくりを進めるため学校の施設・設備等を積極的に開放するとともに、教職員の専門性を十分に生かしながら、家庭、PTA、地域等の意向や学校の教育活動の評価を的確に把握して学校運営や事業改善等に反映できるよう、学校と地域との望ましいパートナーシップの確立に努めるというような形でうたわれておる。
 今後、県教育振興基本対策審議会においてさらに審議が深められ、具体の施策を含めた計画づくりへと進んでまいるけれども、有識者や県民から広く御意見、お知恵をいただきながら進めてまいりたいと、このように考えておる。

〇船越委員 先ほど、宮古水産高校の校地を造成するという話があったが、私が宮古水産に在学中であった18年にわたって学校ができ、当時、日本にはブルドーザーとかダンプカーがなかったものであるから、土が少しこうなった程度のところで学校を建てたものであるから、稲の切株が見えておったようなわけで、雨が降るたびに本当に田んぼであった。ようやく53年目で日の目を見たということで、ありがたかった。
 さて、本論に入るが、301ページのインターハイの関連スポーツ施設云々というのがあるが、神林マリーナというのをインターハイのヨットの会場に今つくっているわけであるが、そのマリーナの五、六百メートル離れたところに小さい川があって、そこに各学校、商業から--伊藤さんの娘さんなどは優勝したり何かしているのであるが、商業とか、宮古水産高校、各学校の部室がそこにあるのである。それが、今度マリーナができたらば1カ所に集まるのであるというようなことで、あそこにマリーナを設置するのに地区住民を説得したのである。だから、当然あそこのマリーナに各部室が移らなくてはならないというようなことなのである。それぞれ、今立派なトイレはつくっているようであるが、部室らしきものは見えないような気がするので、各校、男女であるから、やっぱり立派な着がえ室あるいはヨットを置くところとか、関連する施設がぜひ必要なはずである。だから、その辺もきちんと考えておるのかどうかお尋ねする。

〇小野寺財務課長 宮古地区のヨット等のいわゆる艇庫の関係である。ただいま委員お話のとおり、来年度、あの地区で高総体の競技が行われるところであり、今、あわせて土木部の方で、港湾整備の中で施設の整備をしておるところである。したがって、インターハイが終わった後、土木部で整備する施設の利用の仕方等も見ながら、そして、不足する部分について、土木部の港湾用地を借り上げるような形で、艇庫等、必要な施設の整備を進めてまいりたいとただいま考えておる。具体的には、したがって、インターハイが終わった後検討に入るというようなことになろうかと思う。

〇船越委員 とかく、県はうそをつくとか、行政はうそをつくとかと地元民は言うのである。というのは、先ほども菊池委員から市町村合併のときの話が出たが、最初はとてもうまいことを言うのである。ところが、これは土木部のときに質問しようかと思っていたのであるけれども、そのときはまた別な面でやるけれども、こうやって、こうやって、これをやるからつくらせてくれよと、こう言うのである。そうであるからと思っていると、大体今度は、現にヨットしか入らないよと来ているわけである。そうすると、後のは余るよと、こうなるであろう。当然ではないかとあなた方は思っているであろう。ところが、地元であそこを交渉するときは、何もかも全部その辺に集めるからということで、それではということで、地元民、漁師たちは承認しているのである。そして、ヨットが終わった途端に、おれは知らなかった、だれがしゃべった、かれがしゃべった、あなた方がしゃべるようにすれば別の方に転居すると、こういうことであろう。やっぱりだまされたということで、先ほどの菊池さんのような話が出るわけである。だから、今度は絶対やってもらいたい。お願いする。

〇小野寺財務課長 委員御懸念の点は、私もこれまでいろいろお聞きしてまいったところである。何かいろいろ手違いがあったようであるが、いずれ、その辺は十分地元の皆さん方に御説明申し上げながら取り組んでまいりたいと思う。ただ、先ほどお話ししたとおり、直ちにというわけにはまいらないので、インターハイが終わった後具体的な検討に入る、そういうことであるので、御了承いただきたいと思う。

〇高橋委員長 斉藤委員に申し上げる。世話人会の申し合わせにより、所属する委員会の部局の審査では、当該委員の発言はできるだけ遠慮することとし、各委員の協力をいただいておるので、その趣旨を踏まえ、簡潔に発言願う。

〇斉藤委員 簡潔に1点に絞って聞く。
 私は、30人学級の必要性について、これに絞ってお聞きするので、しっかり答弁していただきたい。
 今までの質問にもあったように、不登校は、平成9年度1、803人、高校中退が831人、保健室登校は1学校当たり23人、中学校になると32人である。子供たちをめぐる状況は極めて深刻で、98年2月の文部省調査によると、学校教育に関する意識調査でも、小学校3年生で授業がよくわかると答えたのが22・1%、小学校5年では17・7%、中学2年では4・7%、高校2年では3・5%となっている。本当にこれは深刻である。私は、こういうときに、どの子もわかる行き届いた教育を進めるためには30人学級の実現が急務であると。中教審は9月に、都道府県教育委員会の裁量で過少人数学級編制は弾力的にできるという答申を出して、文部省は今、研究に入っておるけれども、これは30人学級の必要性を認めたものである。それで、教育行政としては、教師、父母、子供たちの切実な願いである30人学級の早期実現が求められていると思うが、教育長の考えをお聞きしたい。
 私は、副知事に聞いた。大変時間がなくて、こういう答弁であった。現時点では、財政的裏づけ、あるいは学級規模と教育効果との関連など、十分検討しなければならない課題も抱えていると。それで、これにかみ合って私は聞きたいのであるけれども、財政的裏づけというのであれば、例えば、小中学校で30人学級を実現すると1、020学級ふえて1、330人の教員が必要である、財源は108億円であると言われている。しかし、6カ年計画でやるなら、年平均18億円程度の予算増でできる。市町村と半分ずつとするなら、10億円程度でできる。既にこの4年間で見ると、小中では524人の教員が減少している。減少分を考えるなら、大きな負担なしに30人学級が実現できるのではないであろうか。深刻な子供の状況から見たら、私は30人学級の教育効果はもうはっきりしているし、政党では、自民党を除いて全部、7月の参議院選挙で30人以下学級を公約している。これは国民多数の合意であると私は考えるけれども、教育長、いかがであろうか。かみ合った答弁をお願いしたい。

〇大隅教育長 30人学級の実現についての御質問であるが、基本的な点については、副知事がお答え申し上げたとおりである。
 なおまた、その財政負担については、確かにお話のような各年進行の形の場合、初年時等は少額で済むわけであるけれども、いずれそれが累積していくということになり、将来的にはトータルでの負担ということになる。しかし、その負担もさることながら、やはり今私どもがここでこらえどころなのは、これは、負担の多寡のこともさることながら、国と県の間の制度的なことをこの際きちんとやっておくべきであるということがまず基本にあるということであるので、その点を御理解いただきたいと思う。

〇斉藤委員 これで終わるけれども、これは教育長言うように国がやるのが一番いい。国がやるべきだと私も思う。しかし、国が渋っている中で都道府県教育委員会の裁量でできるという道が開かれたわけだから、国に求めるためにも今は都道府県のレベルからどんどん実現して国の制度にしていくと。子供たちの教育は1年2年待っていられない。私はそういう点で文部省任せでなく、県教委としてもこれは真剣に研究して、先生が減少する、子供が減少する、であるから経費はそんなにかからない。そういう点で、どうであるか、真剣に研究する気はあるか。

〇大隅教育長 子供たちの将来を考えるという点では共通だと思うけれども、いずれやはりあくまで私どもは制度のもとで教育行政を行っているわけであるので、この点についてはやはりどうしても、大事な時期だからこそきちんとした制度論を展開していくと、こういうふうに思っているところである。

〇高橋委員長 ほかに質疑はないか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇高橋委員長 質疑がないようなので、教育委員会関係の質疑をこれで終わる。
 次に、高橋出納局長事務取扱に出納局関係の説明を求める。

〇高橋出納局長事務取扱 出納局関係の決算について御説明を申し上げる。
 便宜、お手元に配付しておる歳入歳出決算事項別明細書によって御説明申し上げるので、明細書の110ページをお開き願う。
 110ページの第2款総務費第1項総務管理費第1目一般管理費のうち、出納局関係の支出済額は111ページの備考欄に記載しておる出納局の管理運営費13億6、080万円余である。これは、職員164名の人件費、その他局の管理運営に要した経費である。次に、114ページをお開き願う。第5目会計管理費の支出済額は7億652万円余である。その主なものは、一時借入金の支払い利息などの管理運営費、証紙の売りさばき手数料及び給与の計算事務委託等に要した経費である。
 次に、ちょっと飛んで368ページをお開き願う。証紙収入整理特別会計である。歳入の総額は98億7、521万円余である。これに対して歳出の支出済額は95億1、745万円余である。この歳出は一般会計に繰り出したものであり、その内訳は、県税、使用料及び手数料となっておる。
 この結果、395ページに記載しておるとおり、歳入総額から歳出総額を差し引いた3億5、776万円余は翌年度に繰り越しをしているものである。
 以上で出納局関係の説明を終わる。よろしく御審議賜るようにお願いを申し上げる。

〇高橋委員長 ただいまの説明に対し質疑はないか。

〇斉藤委員 1点のみ。アイシーエスにかかわる入札と契約の問題についてお聞きをする。
 9年度に私はアイシーエスにかかわる県庁各課の契約物件をすべて調べた。その結果は、入札に基づいて契約されたのがほんのわずかで、その案件はマルチメディア創造センターにかかわるものであった。これは出納局で入札がされている。この入札資料を見ると、入札とは言いながらアイシーエスしか入札に参加していない。こういう状況が多数であった。私は各関連業者、その他からさまざまな問題提起を受けたが、入札の仕様書を見ると、メーカーが決まって結局は入札に参加できないようなものがあったと、こういうことであった。入札される物件はわずかで、あとほとんどは随契でやられているが、このわずかな入札もアイシーエスだけの入札と、こういうふうになると入札のやっぱり精神が生かされていないのではないか。
 もう一つは、その他すべて本当に随契である。新規の契約も継続の契約もあるけれども、ほとんど随契でたくさんの契約があるけれども、アイシーエスは御存じのように岩手県が出資している第3セクターで、利益率は県内でもトップクラスの大企業になっている。私は、そういう点ではアイシーエスとの関係では透明性をもっと図る必要があるのではないか。今後の契約のあり方、入札のあり方を改善すべきだと思うけれども、出納長どうであろうか。

〇高橋出納局長事務取扱 一般論--一般論と申すか、いずれ契約はやはり競争というものが前提になろうかと思う。そういうことで施行令でも制度的には特殊な場合に随意契約ができると、こういうような形になっておるわけである。ただ、個々には随契の理由というものもそれぞれの事案ごとに判断していかなければならぬものと、そのように思っておって、私どもも支出審査に当たっては、特に随意契約についてはその随契の根拠と、これが明確であるかと、また相手方を選ぶ、その選定の理由は適正かどうかと、それから特に特殊な理由による場合は個別の事例に照らして競争入札に回せないのかと、そういうようなことを審査しているわけであるが、御懸念のようなそういう競争入札であっても特定のメーカーなり特定の機種に絞られるような、そういうような仕様がなされているというようなことが、御懸念というようなことであれば、私どももこの支出審査の立場から、随契のみならずこの仕様書の点についてもそれぞれ関係各課を指導してまいりたいと、このように思っておる。
 なお、出納関係は物品だけは扱っておるが、出納の物品の関係についてはアイシーエスしか入札しないものもあるという御指摘もあるが、これはそれぞれコンピューターシステムの関係で特に施行令の規定に合致する内容であるので、念のため申し加えさせていただきたいと思う。

〇高橋委員長 ほかに質疑はないか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇高橋委員長 質疑がないようなので、出納局関係の質疑をこれで終わる。
 次に、福岡人事委員会事務局長に人事委員会関係の説明を求める。

〇福岡人事委員会事務局長 人事委員会関係の決算について御説明申し上げる。
 便宜、お手元の歳入歳出決算事項別明細書の132ページをお開き願う。第2款総務費第8項人事委員会費であるが、予算総額2億2、569万5、000円に対し、支出済額は2億2、558万8、000円余である。第1目の委員会費の支出済額は798万8、000円余であって、これは委員3名分の報酬及び活動に要した経費である。134ページをお開き願う。次に、第2目の事務局費の支出済額は2億1、759万9、000円余であるが、これは主として職員18名分の人件費及び事務局の管理運営に要した経費である。
 以上で説明を終わる。よろしく御審議を賜るようお願い申し上げる。

〇高橋委員長 ただいまの説明に対し質疑はないか。

〇斉藤委員 1点のみ。超過勤務の実態と調査について。
 平成9年度の人事委員会の勧告でもことしの勧告でも立ち入って指摘をされている。私が前に質問したときには、超過勤務について実態を調査していると、こういう答弁があった。本庁、地方振興局、教育委員会の超過勤務の実態はどうなっているであろうか。新たな労働基準法、これは私たちは改悪だと思うけれども、新たな労基法によると、年間360時間が上限となっている。この上限自身、極めて緩いものであるけれども、これを超えていたらこれは大変である。実態はどうなのか、示していただきたい。

〇千葉職員課長 超過勤務に関するお話であるけれども、私どもことしの勧告において、従来にも増して超過勤務、いわゆる総勤務時間短縮という観点も含めて、特にも超過勤務の縮減に関して提言をしたところである。それは調査した結果に基づいて提言したわけであって、御指摘のとおり、大変残念ではあるけれども延びておった。したがって、これを縮減するようにということで、るる提言を申し上げたところである。実態ということであるけれども、それぞれ部局によっては延びているところがあるし、ある部局によっては横ばい的、あるいは若干ではあるけれども減っているというところもある。これをいろいろ分析してみるに、やはりイベントとか大きな事業を抱えたり、事業費がいろいろついて急いでやらなければならないような仕事がたくさんあるとか、そういった部門はやはり確かに時間数がふえておる。これを押しなべて平均をするとトータルで延びていると私は表現したが、これはやはりそれぞれの部局によって、事業の内容によってさまざま違うから一概には言えないけれども、いろいろ工夫されて縮減するなり、あるいはそれを踏まえた上で事業の執行、ないし組織体制なども十分考えていただければいいのではないかと考えて、各任命権者にはるる御提言を申し上げている次第である。

〇斉藤委員 労基法の改正によれば360時間は上限なのである。これを超えているのではないか。超えているとすればこれは本当に厳しくやらなければだめである。その実態わかるか。

〇千葉職員課長 調査した内容の方法にもよるけれども、今お話しのような内容の観点では調査しておらない。各部局単位、所属単位でトータルで調査しておるので、具体的な数字は持っておらないので、あしからず御了承願う。

〇高橋委員長 ほかに質疑はないか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇高橋委員長 質疑がないようなので、人事委員会関係の質疑をこれで終わる。
 次に、飛澤監査委員事務局長に監査委員関係の説明を求める。

〇飛澤監査委員事務局長 それでは、監査委員関係の決算について御説明申し上げる。
 便宜、お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げるので、134ページをお開き願う。監査委員関係は134ページから137ページにかけてである。
 134ページ、第2款総務費のうち、第9項監査委員費1目委員費の支出済額は3、073万2、000円余であるが、これは監査委員4名の報酬、給与及び監査等に要した経費である。次に、2目事務局費の支出済額は2億1、878万2、000円余であるが、これは事務局職員19名の人件費等事務局の管理運営に要した経費である。
 以上で監査委員関係の説明を終わる。よろしく御審議のほどお願い申し上げる。

〇高橋委員長 ただいまの説明に対し質疑はないか。

〇斉藤委員 極めて簡潔に質問をする。平成9年度の住民監査請求の内容と監査結果について示していただきたい。
 平成9年度は食糧費全庁調査が行われたが、監査委員による食糧費監査の特徴、内容はどうなっているであろうか。

〇一戸監査委員 平成9年度における住民監査請求は3件あって、いずれも平成6年度会計にかかわる東京事務所の食糧費の支出に関するものである。懇談会に関する請求2件については、食糧費の支出は確認できたものの実施伺書のとおり開催されていることを確認できなかったことから、知事に対し、返還も考慮しながら適切に措置するよう勧告したものである。また、食事券の購入に関する請求1件については、請求の対象となっている公金の支出になった日から1年を経過した後の請求であり、1年を経過して請求することについての正当な理由があるとは認められないことから、不適法な請求として却下したものである。
 平成9年度の食糧費の支出に係る監査結果についてお答えする。
 平成9年度決算について、本年の10月までに実施した食糧費にかかわる監査の結果についてであるが、懇談等の実施確認後、相当期間経過してから支払っているものが3件あったので指摘した。その他についてはおおむね適正に処理されていると認められたところである。

〇高橋委員長 ほかに質疑はないか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇高橋委員長 質疑がないようなので、監査委員関係の質疑はこれで終わる。
 以上で本日の日程は全部終了した。
 本日はこれをもって散会する。
   午後4時42分 散 会


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