平成10年12月定例会 第16回岩手県議会定例会会議録

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〇31番(村田柴太君) 私は、自由公明県民会議の村田柴太であります。このたび、私の任期最後の登壇になるであろう12月決算県議会におきまして、発言の機会を得られましたことを幸せとするものであります。
 今、我が国は、未曾有の大不況の渦の中にあります。政治、経済の混迷も底知れぬ深まりを示し始めております。国民のみならず、地球的規模におきましても、我が国の一日も早い混迷からの脱却、指導的影響力の発揮が強く求められているのではないでしょうか。増田知事は、平成7年就任以来、この最も内外の変化の大きい状況の中で岩手丸のかじ取りに当たってまいりました。消費税5%の導入、ウルグァイ・ラウンド合意に基づく米の減反政策、農業基本法の制定による農政の諸問題、中央政府の異動に伴う県政予算の確保に対するバッシングに追いかけられるように、財政構造改革路線が打ち出されるや、公共事業の大幅な削減、さらに金融不安に発した底知れぬ大不況、今度は180度転換して、緊急経済対策の24兆円の投入を図ろうというありさまであります。そうしたここ二、三年のうねりは、国民の将来に不安を与え、米国からはしりをたたかれ、日本の経済力の影響下にある開発途上国からも怨嗟の声が上がっております。今、岩手はどうあるべきかを問われますとき、その先頭に立つ増田知事の日々の心労は察するに余りあります。そこで、知事に伺うのですが、御就任以来その衝に当たっていかなるこのうねりに対する所感をお持ちか、伺いたいと思うのであります。
 次に、新しい県総合計画の策定について伺います。
 増田知事におかれては、今や任期余すところ数カ月、これからの岩手の進むべきところを、総合計画の中間答申を受けてこのほど中間報告が発表されたところであります。ポスト3県総後の新総合計画策定に当たっては、時代の潮流の大きな変化、人間の価値観の変化、住民ニーズの多様化、地域主権へのアピールなど、意欲的に、先駆的に取り組まれていることは、まことに心強く、敬意を表するところです。今、県民が求めているのは、現在は渦巻く波の上にあるのでありますが、動かない確かなものを探り、遠からざる将来において、明るい希望のともしびを見出すことにあるのではないかと思います。新しい県総合計画は、従来営々として築いてきた県政の歩みを評価しながら、踏まえながら、旧来の概念にとらわれることのない清新な哲学こそが必要ではないでしょうか。そこで、まず知事に、新県総策定に処する基本的なビジョンと願いとするところをお聞かせいただきたいと思います。
 また、今後の計画策定に至るスケジュールにつきましても、あわせて伺います。
 知事は、計画策定の大前提として、つとに県民各層の意見を聞き、肌で県民の願いとするところを実感されたと思うのでありますが、その数およそ1万7、000人に及ぶと聞いております。まさに平場で語り合う炉端県政と言えましょう。その中から、知事の地域重点主義、住民本位、県と市町村行政のより深い連携を中心に据えたいとの姿勢が強くうかがわれるところであります。知事みずからの所感を伺いたいのであります。
 次に、知事は、岩手の持つ特殊性、他県に見られない豊かな美質を含めて、岩手の持つ個性にこだわる県政の方向づけを強調されておるのでありますが、それは端的に言えばどういうところかを伺いたいと存じます。
 さらに、今までは、事業の導入を、既にでき上がっている国の制度の枠内において国に働きかける時代であったのですが、今後は、あくまでも県政や市町村自治体を主体とし、岩手ならではのニーズに適応しない部分につきましては、強く制度の改正にまで踏み込んで働きかけるとしておられます。このことは、地方の時代が問われ始めて既に20年、いまだ旧陋を脱しない状況にありますとき、地方分権の精神そのものでありまして、高くその志を評価するところであります。率直な御所見を伺いたいと存じます。
 さらに、地方振興局ごとに管内市町村からの地域課題を吸い上げて、近く中間報告がまとまると思いますが、その内容はいかなる調整を経て新計画に投影されることになるのか、伺いたいと存じます。
 我々県民が戦後今日まで接した国分県政、千田県政、中村県政、さらに工藤県政と歴代の知事は、それぞれの時代を背景として、それぞれ強いキャラクターで県民を指導していただきましたが、今日、増田知事は、若さと健康に恵まれ、広い県土に身を投じて住民とともに歩む姿の一方、今や岩手軍団の武将としてのたくましさと眼力を備えてきたようであります。このことは、この混乱の時期に、県民に誇りと希望を与えるものではないでしょうか。そこで伺いますが、新県総策定に当たって、知事はいろいろな斬新なフレーズを打ち出しておりますので、その字句の意味するところを簡明に説明していただきたいと思います。一つはいわての地元学、二つはいわてスタンダードづくり、3は緑と水の回廊、4はいわて情報ハイウェー、5番目は多軸型ネットワークと多層型ネットワークについて、6番目はのりこえるべき壁などについてであります。
 次に、文教行政について伺います。
 まず、県立高等学校の長期再編の構想についてでありますが、目下の再編に関する協議、検討の状況について伺います。
 総合学科の導入による学科の再編や、あるいは生徒数が最小限2学級編成に満たない状況が3年経過すれば統廃合の対象とするということなど、相当踏み込んだ審議がなされているようであります。将来、教育委員会は基本的にどういう取り組みをしようとしているのかについて伺いたいと思います。
 次に、私学教育について伺います。
 同じ県民の子弟が学ぶ場としての私学は、その成立の歴史において、教育理念を高く掲げ、それぞれの個性ある教育が行われ、人材育成の大きな一角をなすところであります。公立学校と同様に少子化の波を受けて、その経営はまことに厳しいものがあります。県におきましては、従来私学振興上の見地から応分の助成を行っており、それなりに評価するのでありますが、21世紀を担う人材の育成を願う立場から、現状でよしとお考えか、少なくとも、つとに教育立県を標榜している当県にあって、東北でも助成のあり方が中位あるいは下位に甘んじていることはいかがなものか、当局の御所見を伺います。
 また、私学振興の窓口は総務部所管となっておりますが、国の縦割り行政の遺産ではないのか、教育行政との連携はうまく稼働しているのか、現状でよいとするのか、御所見を伺いたいと思います。
 次に、県立美術館について伺います。
 平成6年、県立美術館整備の基本構想が定まり、今日ようやく盛岡中央公園内に28・7ヘクタールの空間を生かして、幾多の機能を備えて建設に着手しているところでありますが、県民の期待著しいところであります。思えば、昭和40年、千田県知事と岩手の美術関係者との懇談において美術館が話題となってから起算すれば、およそ30年余の年月がたちました。そこで、伺いますが、現在の進行状況と、将来開館後における美術館活動の基本的なビジョンについて改めて伺うものであります。
 また、昨今岩手日報社の夕刊紙面に美術館収蔵の美術作品が連続紹介されており、身近に目を楽しませてくれております。その数、現在まで180点ほどと聞いております。美術品収集に関する現状と基金の利用状況についても伺います。
 さらに、去る11月20日、テレビは、和賀郡東和町の中学生が全国美術ハイビジョン映像コンクールに入賞し、すばらしい独創的な作品を紹介しておりました。これは、地元の萬記念館をよりどころとして、学校現場と一体となっての成果であると聞きました。そこで私は、将来、県立美術館に少年美術館としての活動の機能をぜひ付与していただきたいことを提案するものであります。御見解を伺うものであります。
 次に、スポーツの振興について伺います。
 平成11年の全国高等学校総合体育大会岩手大会が目前に迫ってまいりました。会場地決定後今日まで、主会場をめぐって諸般の取り組み、選手強化対策のほか、大会受け入れの万般の準備に奔走されている関係当局の御努力に対し敬意を表するものであります。現在の準備状況はどうなっているか伺いたいと思います。
 また、開催県として、各競技とも高い水準での入賞を目指して取り組んでいることと思いますが、本年の成績の状況と来年の目標、見通しについて伺いたいと思います。
 また、山岳競技部門は、数多い種目の中でも国体、高総体ともトップレベルにあり、特に、本年の神奈川国体においても数少ない山岳部門総合優勝を遂げており、この陰には、ただ一つ弱かった登はん競技の部分が、先年、県の思い切ったクライミングボード等の施設の設備によって訓練の成果が上がったことによるものではないかと思うのであります。
   〔議長退席、副議長着席〕
 ところで、会場地の一つである早池峰は、自然保護の観点から、県では本年度に初めてマイカー規制に踏み切るなど、環境保護に力を入れているところでありますが、自然保護の団体の意見として、インターハイ会場は不適当であるという指摘が新聞紙上で報道されております。この点について、大会を所管する教育委員会とあわせ、生活環境部長の御見解を伺うものであります。
 さらに、国体の成績順位は、当県で開催された昭和45年国体に天皇杯をいただいたのをピークに年々下降線をたどり、全国最下位ラインを低迷しておりましたが、近年は著しい向上が見られ、平成9年は30位、平成10年は24位と躍進しておるところであり、多年にわたる体育関係団体並びに関係者の精進、努力がようやく結実期を迎えたのかと喜びにたえません。競技力の向上は、これを支える県民の広いスポーツに対する関心の高まりとスポーツの日常化による底辺の拡大によるところが大きいものと存じます。この際伺いますが、国体における当県の競技レベルの特色と将来の目標はどこに置いておられるか伺います。
 次に伺いますが、以上の意味合いからも、来年に向けて県民スポーツのさらなる浸透と向上を図るためには、県独自の総合運動公園の構想がなければならず、恐らくは、新県総においてもその実現に向けて何らかの表現が示されるものと思いますが、現在どのように対処するおつもりか、見解をお聞かせください。
 次に、介護保険行政について伺います。
 介護保険法は、平成12年4月施行を目標に、急速に進展する高齢化社会に伴って介護を要する人々の増大に向けて、要介護者により手厚い手を差し伸べ、家族など介護者の負担の軽減を図ることを目的として実施されるものであります。老後の保健・医療・福祉を考える場合、避けて通れない課題であります。とりわけ地方分権の流れを受け、一昨年の地域保健法の改正により、保健行政の住民身近な領域においては市町村固有の責務となっているところであり、同様に介護保険法においても、市町村が保険者として制度の運営に当たることとされております。このため、市町村は介護保険の導入に当たっては、介護保険関係事務、要介護認定の業務など、膨大な事務を背負うこととなり、さらに、市町村において財政力、人的能力、特にも高齢化率の高い町村と低い市部等のアンバランスなどから、保険料の賦課割合にはばらつきが生ずる恐れがあるなど、長い将来を考えると不安な要素を含んでいるのではないでしょうか。
 また、介護認定の業務は、特に専門的な知識と経験を持つ方々によらなければなりません。聞くところによると、県は介護保険業務は広域化に取り組むよう指導しているようでありますが、広域化の実績について伺います。
 全国的には、広域連合、一部事務組合、共同設置と三つの方法のうち、共同設置の方向をとる県が多いようでありますが、当県は、主としてどういう組織を推進しようとしているかを伺います。
 次に伺いますが、岩手県における保健医療、特に救急災害医療、高度特殊医療、母子保健医療等の充実を図る上で、健康で安全な血液の供給は必須の要件でありますが、本県における輸血用の血液の充足状況はどうなっているのでしょうか、お聞かせいただきたいと存じます。また、国内全体の状況と海外への依存の状況はどうなっているのでしょうか。
 血液センターによる献血車が日常県内くまなく巡回し、献血を呼びかけている姿は、いつも深い感謝を覚えているところであります。このたび、増田知事がみずから率先して献血を行ったことを知り、まことにその献身に対し敬意を表するものであります。しかし、聞くところによると、県内で行うのは公選法による寄附行為に当たるおそれありとのことで、県外(東京)で献血をされた由であります。知事は、自治省に改めてその見解を問い、結論として、公選法の寄附行為に当たらないという公式見解を発表されました。至極当然のことでありますが、万人の命のためにささげる無償の行為が公選法の解釈の俎上に上るなどということは、だれしも考えられないことでありました。日本赤十字社岩手県支部長としての知事が、みずからの献血によって投じた一石は、公選法による国内多くの選良の方々の献血に対する開眼を促したことになったのではないでしょうか。今後、献血運動が一層強力に推進されることを祈るものであります。
 次に、平成5年から施行されている岩手県景観条例について伺います。
 恵まれた自然景観を大切にし、先人の残した有形、無形の文化的遺産の保存は、大変重要な施策の一つであります。しかし、それらはともすれば、人間の経済合理主義の風が一たび吹いてまいりますと、景観の側面から損なわれてくる恐れが多分にあります。したがって、景観を守る行政の必要性はますます高まることが予想されるのではないでしょうか。今日まで、景観条例に基づいて県民に対し指摘したり指導を行ったケースがありますかどうか伺います。
 また、地方公共団体は、その計画する事業については、当条例による行政指導の対象になっていないと聞きますが、それでよいのでしょうか、伺います。
 また、本年4月から、景観形成重点地区を選び、指定第1号として岩手山周辺エリアを設定されております。今後、県内にさらに重点地区を設定していくお考えがあるのかどうか、御見解をお聞かせください。
 次に、森林の間伐対策について伺います。
 本県の民有林におきましては、これまで約34万ヘクタールの人工林が造成され、森林資源は年々充実してきており、今後積極的にこの森林の整備充実を図ることが重要であります。しかしながら、造成された森林の大部分がいまだ下刈り、除伐及び間伐等の保育を必要とする森林であります。特に間伐の必要な16年生から35年生の森林は、人工林の中で約6割を占めていると聞いております。間伐は、良質な木材生産に必要な施業であるほか、病虫害や雪害など気象災害にも強い健全な森林の育成、林地の保全に不可欠なものであります。長期にわたる林業の低迷、山村における労働者不足等から、間伐されない森林が県下各地で増加しております。このような状況が続くとすれば、これまでの先人の努力がむだになるほか、森林の持つ種々の公益的機能の発揮に支障を来すものと懸念しているところであります。
 こうした中で、県は間伐対策を本県林政の最重要課題として取り組まれ、本年9月には、今後の間伐を推進するための指針として、岩手県間伐推進行動計画を策定したと伺っております。21世紀は国産材時代と言われておりますが、本県が名実ともに我が国における木材供給基地としての地位を確立するとともに、山地災害の防止等、県土の保全を図るため、今後どのような間伐対策を実施されようとしているのか伺いたいと思います。先ほどの久保田晴弘議員の関連にも当たりますけれども、お答えいただきたいと存じます。
 終わりに、岩手県民の歌は、昭和39年、新県庁舎の落成にちなみ、岩手県県章とともに千田知事当時制定されたのであります。県民手帳の表紙の見返しにも必ず印刷されておりますが、歌う人はなかなか最近ありません。しらくものうかぶはてまで、はろばろと蒼き国原、かぎりなき未来をこめて……、作曲は中田喜直、作詞は田原耕二両先生であります。中田さんと当県西根町出身の江間章子さんはコンビを組んで、かつて終戦後、夏の思い出を発表いたされた生みの親でもあります。最近、県主催の行事があっても余り聞くことはなくなりました。後進県からの脱却、大県いわて建設に向けて県民の願いが込められており、改めて愛唱掬すべきものがあると思いますが、いかがでしょうか。県旗を掲げ、県民の歌がペアで歌われるべきと思いますが、お考えをお聞きいたしたいと思います。
 増田知事は、みずから足を棒のようにして、県民と語らいの日々が続いております。情熱と確かな夢を県土に求めて歩み始めました。願わくは、みずからの編んだわらじをはいて、これからの策定されるであろう県の総合計画を指針として、さらに、県民の先頭に立って21世紀の地方の時代を切り開いていかれることを念じつつ、一般質問を終わりたいと思います。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事増田寛也君登壇〕
〇知事(増田寛也君) 村田柴太議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、知事就任以来今日まで、県政を担当しての所感についてでございますが、議員ただいま御指摘のとおり、今我が国は、内外ともに激動の時期にあると考えております。知事に就任いたしました平成7年以降、我が国の経済・社会は、景気が低迷をする中、急速な高齢化が進展し、生産年齢人口の減少などにより経済の潜在的な活力の低下が懸念されているところでございます。一方、県内においても、経済が停滞し地方財政が逼迫する中で、情報化、少子・高齢化などの社会環境の変化や行政に対する県民ニーズの多様化など多くの課題を抱えることになり、県行政の運営はまことに厳しく困難なものがあったと認識をしているところでございます。
 今まさに21世紀に向けた県土づくりの重要な時期にございまして、私は、こうした課題を克服し、県民の負託にこたえるため、現場重視の考えのもとに、県政懇談会の開催などを通じて可能な限り県民の皆様の活動の場に足を運び、そうした方々と接する中で、その地域ですばらしい意欲を持って光り輝いて活動している方が大勢おられることや、いまだ知られていない文化や資源が多く存在していることを改めて感じたところでございます。
 私は今、県民の皆様の声をお聞きしながら、21世紀の新しい岩手づくりを目指し、新しい総合計画の策定を進めているところでございますが、地域で活動する大勢の方々の英知が結集され、地域の文化や資源が有効に活用されることによって、新しい総合計画の目標でございます県民一人一人がふるさと岩手に誇りを持ち、それぞれの地域を舞台に活躍できる夢県土いわての実現に大きな力になるものと確信しているところでございます。
 次に、新しい総合計画の策定に処する基本的なビジョンについてでございますが、中間報告におきましては、自立・参画・創造による持続的な地域づくりを、21世紀を通じて私たちが大切にしなければならない新しい岩手づくりの理念として位置づけたところでございます。新しい総合計画は、この新しい岩手づくりに明確なビジョンを持ち、しっかりとした足取りで歩み始める、その出発点となるものでございます。そしてこのことは、私たちの生き方や岩手とのかかわりを再認識することでもございます。そのためにはまず、これまで岩手が守りはぐくんできたものを再評価するととにも、時代の大きな流れを踏まえながら、岩手の持つ可能性を最大限に引き出し、美しく、豊かで魅力にあふれる岩手を誇りと自信を持って創造していくことが必要であり、こうした観点から、今に受け継がれた岩手の特性を生かし、豊かでやすらぎのある社会を実現する可能性と、21世紀に流れる時代の風をつかみ、躍動感あふれる社会を実現する可能性という二つの大きな可能性を導き出したところでございます。
 このような岩手の持つ大きな可能性を生かして21世紀の岩手を創造していくため、基本目標として、みんなで創る夢県土いわてを掲げているところでございますが、これは、一人一人の生活者、それぞれの地域が個性的に光り輝き、これが世代や地域をつなぎ一つの大きな輝きとなり、総体として夢県土いわてを実現することを目指すものでございます。
 今後の計画策定スケジュールにつきましては、この中間報告について県民の皆様の御意見をいただきまして、さらに総合計画審議会における審議を深めながら、来年7月ごろの審議会からの最終答申を受けまして、来年8月ごろには計画を最終的に策定してまいりたいと考えております。
 次に、県民各層の意見などから実感したことについてのお尋ねでございますが、私は、知事就任以来、県内各地に出かけまして多くの県民の皆様方と直接接し、地域の課題やこれからの岩手に対する期待、そして、みずからも新しい岩手をともにつくっていこうという熱意を肌で感じたところでございます。このような場を通じて私が特に強く感じましたことは、地域を大切にし、地域全体をよりよいものにしていくためには、生活者や地域から始まる新しい仕組みづくり、即ち、一人一人の意欲がよりよい地域をつくる生活者主権社会や、地域の元気が新しい岩手をつくる地域主権社会を創造していくことが極めて重要であるということでございます。このような観点から、私は、この新しい総合計画を、生活者や地域の視点に立ち、みんなでつくり、みんなで進める計画とすることとしたところでございます。
 新しい岩手づくりは、民間と行政、地域、世代、性別などのさまざまな垣根を越え、また、今岩手に住む私たちばかりではなくて、将来岩手に生まれ、次代を担う子供たちを含めたみんなで取り組んでいく必要があるものと考えておりまして、県では、県行政の果たすべき役割をしっかりと自覚し、県民と共につくる開かれた県政や、一人一人の意欲を高める生活者の視点に立った県政、地域の元気を高める地域の視点に立った県政など、中間報告に掲げました県行政を進める上での四つの方針のもとに、これからの岩手づくりに取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、国への働きかけについてでございますが、ボーダーレス化やグローバリゼーションの進展、価値観・意識の転換など、21世紀に向けて経済社会が大きく変化をしていく中にありまして、今後、私たちの地域が持つ独自の自然、歴史、文化などの特性を基盤とした地域の価値観を確立していくとともに、それぞれの地域みずからの判断と責任によって、これらを生かした個性的な地域づくりを行っていくことが肝要でございます。そして、それぞれの地域が元気を出して魅力的な地域づくりを進めることが、岩手が総体として光り輝くことにつながり、こうした地方の活力が投影されて、さらに日本の国全体を形づくっていくものと考えております。
 そのためには、地方分権を推し進め地域の主体性を尊重する地域主権の社会を創造していく必要がございます。このため国に対しては、まず、住民に身近な行政は、市町村や県がみずからの判断と責任で、住民の立場に立った行政サービスを総合的に提供できるよう、全国の一律・画一的でない柔軟な行政運営や必要な権限・財源の地方への委譲など、岩手の実情に即した制度や仕組みにつきまして、時には志を同じくする他県などと互いに手を携えて、地方から積極的に提案、発信をして、そして地域主権時代の到来に向けて、あらゆる機会を通じて働きかけてまいりたいと考えているものでございます。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部長から答弁させますので、御了承お願いいたします。
   〔企画振興部長武居丈二君登壇〕
〇企画振興部長(武居丈二君) まず、岩手の持つ個性の総合計画への反映についてでありますが、新しい岩手づくりを進めていくためには、まず、この岩手に住む私たちのアイデンティティーを再確認することが必要と考えており、このような観点から私たちの暮らしを見つめ直すとき、岩手の多様で美しい自然と、こうした豊かな自然に抱かれた暮らしや文化は、私たち日本人の原点としてのふるさととも呼べるものであり、21世紀の国土を拓く新しいかぎとも言えるものであると認識しているところでございます。そして、この岩手を形づくる一人一人の生活者である県民やそれぞれの地域の視点に立ち、岩手が守りはぐくんできたものを生かし、岩手の可能性を最大限に引き出して、美しく、豊かで、魅力にあふれる岩手を誇りと自信を持って創造していきたいと考えております。
 今回の中間報告におきましても、計画の基本目標の夢県土という言葉や、いわて地元学の実践、岩手スタンダードづくり、新しい結づくりといった取り組みや、環境、ひと、情報を重視する視点、美しいくにづくり、学びの里づくり、情報の森づくりなどのプロジェクトなどにおきまして、こうした岩手や地域を舞台にしっかりとした足取りで歩み始めるとの思いが込められているものと考えております。
 次に、地域課題の新計画への投影についてでありますが、このような生活者や地域を重視する視点から、地域計画につきましても、本庁や基本計画からのブレークダウンではなく、地域の実情や課題を市町村や地域住民の身近にあって把握している各地方振興局が中心になって、それぞれの地域の方々の参画を得ながら、地域が主体となって計画づくりを進めているところであります。このようにして抽出された地域課題などにつきましては、銀河系いわて21デザイン会議などの、本庁各部局及び地方振興局を交えた庁内組織による検討や各部局における新たな施策の立案作業などを通じまして庁内調整を行うほか、さらに、市町村や県民の皆様の御意見などもお伺いしながらフィードバックし、地域計画をよりよいものにしていくとともに、基本計画にも反映させてまいりたいと考えております。
 次に、総合計画における新しいフレーズについてでありますが、まず、いわて地元学の実践につきましては、住民が主体となって自分たちの暮らしや地域を見つめ直し、地域の個性や文化など、いろいろな地域の宝あるいは財産とも呼べるものを大切に育てながら、みんなで力を合わせて地域らしさを追求していくことでございます。
 また、岩手スタンダードは、中央や東京から見た既成の価値観などにとらわれることなく、いわて地元学の実践などから生み出される、岩手を舞台としながらも世界に通じる普遍的な価値観や基準と言えるものでございます。これは、いろいろな分野においてその可能性が考えられますが、例えば現時点で考えますと、伝統を生かした新たな地域文化でございますとか、あるいは岩手の大地から生産される安全で健康な食料、自然共生型の技術でありますとかライフスタイル、独自の技術に裏打ちされた工業製品などが考えられるところでございます。岩手スタンダードづくりを通じ、これらを磨き、全国や世界を視野に入れた情報発信や交流などを行うことにより、岩手そのものが一層磨かれることにつながるものと考えております。
 緑と水の回廊は、暮らしの基盤である地勢、気候などの岩手の自然や風土に流れる連続性や一体性に着目した圏域でございます。
 多軸型ネットワークは、多くの県土軸などから構成され、人やモノの大きな流れを生み出すネットワークであり、また、多層型ネットワークは、高速で大容量の情報通信基盤であるいわて情報ハイウェイなどにより、情報の大きな流れを生み出し、さまざまな地域や分野の連携を進めるネットワークでございます。
 そして、乗り越えるべき壁につきましては、地理的地形的な条件から来る制約など、さまざまな制約につきまして、一人一人の生活者の意欲、あるいは地域の元気を阻むさまざまな要因を壁としてとらえまして、このような壁を乗り越え、なくすことが夢県土いわての実現につながっていくものと考えております。
 次に、岩手県民の歌についてでありますが、岩手県民の歌は、議員御指摘のとおり、昭和39年の制定以来、岩手国体や全国植樹祭など県主催の行事や学校関連行事などで演奏、愛唱されてきたところであります。最近の例といたしましては、全国豊かな海づくり大会、冬季国体、全国菓子大博覧会などのイベントや少年洋上セミナーなどで合唱され、また演奏されております。また、小学校音楽教材・歌はともだちや、先ほど議員からも御指摘ございました岩手県民手帳などの印刷物にも歌詞や楽譜を掲載し、岩手県民の歌を紹介しているところでございますが、議員御指摘のような点もございますので、今後におきましては岩手インターハイを初めとしまして、さまざまな機会に一層広く愛唱されるよう努めてまいりたいと考えております。
   〔総務部長吉田敏彦君登壇〕
〇総務部長(吉田敏彦君) まず、本県の私立学校に対する助成についてでありますが、本県の私立学校は、それぞれの建学の精神に基づいて個性豊かで特色ある教育を行うなど、本県学校教育の充実発展に大きな役割を果たしてきているところであり、県といたしましては、これまでも私立学校の運営費に対する補助や施設設備に対する補助を行うなど総合的な助成措置を講じてきているところであります。本県の助成状況を東北各県と比較いたしますと、幼稚園児1人当たり運営費補助額は13万4、380円となっており東北中位にございます。また、高校生1人当たりの運営費補助額は28万7、142円で東北下位にありますが、過疎補助分を含めた全体額で比較いたしますと上位に位置しているところでございます。今後におきましても、私立学校を取り巻く社会経済情勢の変化を踏まえながら、助成措置の充実強化を図ることにより、私立学校が個性的で魅力ある教育の場となるよう努めてまいりたいと考えております。
 次に、私学振興の窓口についてでありますが、高校、幼稚園などの私立学校については、私立学校法等関係法令上、都道府県知事が所管することとなっておりまして、本県におきましては総務部においてその事務を処理しているところでありますが、本県の私学教育の振興を図るという観点から、これまでもさまざまな場面を通じて教育委員会と連携をしてきているところでございます。
   〔生活環境部長村上勝治君登壇〕
〇生活環境部長(村上勝治君) 早池峰山における全国高校総体登山大会の実施についてでありますが、この大会は、正しい高校登山のあり方を求め、登山の基礎的な技術・マナーの確実な実践を主眼とするもので登山の速さを競うものではなく、また主催者においては、参加する生徒に対して自然や環境の保護意識を積極的に教育するなど、自然保護には特に配慮していくとしているところであります。このような内容からすれば、この登山大会を早池峰山において実施することについて、自然保護の観点から特に問題があるとは考えていないところであります。
   〔保健福祉部長関山昌人君登壇〕
〇保健福祉部長(関山昌人君) まず、介護保険制度についてでありますが、市町村における介護保険事業の広域化は、要介護認定の公正、中立化、保険財政の安定的運営、事務の効率化などの面で有効な方策と考えております。このため、県におきましては、地方振興局を窓口として管内市町村の調整を図りながら、市町村における介護保険事業の広域的な取り組みを支援してきたところであり、現在、盛岡地方振興局管内の西根町など6町村が介護保険事業の全般を共同で実施することとしております。また、千厩、宮古、久慈の各地方振興局の管内市町村において、介護認定審査を共同で実施するほか、その他の市町村においても広域化に向けた検討が進められております。
 なお、介護保険事業の広域化の方法につきましては、介護保険事業全般を共同で実施する観点から広域連合や一部事務組合が望ましいと考えております。しかしながら、どのような方法とするかは、関係市町村が、共通に処理する事務の内容や範囲などを十分に協議して決定すべきものと考えており、県といたしましては、今後とも地方振興局を窓口として市町村に対して必要な支援をしてまいりたいと考えております。
 次に、本県における輸血用血液の充足状況についてでありますが、血液を原料とする血液製剤は、全血製剤と血液成分製剤及び血漿分画製剤とに分類されております。本県の医療機関で使用されている全血製剤と血液成分製剤につきましては、多くの県民の献血により、平成6年度以降毎年度、200ミリリットル製剤換算で約22万6、000本、総量として4万5、200リットル供給されており、その必要量が確保されているところであります。
 また、国内においても、全血製剤や血漿成分製剤は国民の献血により完全自給されております。しかしながら、血漿分画製剤につきましては、血友病患者に不可欠な血漿凝固因子製剤の約90%が国内で自給されているものの、やけどなどの治療に用いられるアルブミン製剤はその26%、また感染症などの治療に用いられるグロブリン製剤はその56%を自給しておりますが、不足分は海外からの輸入に依存している状況にあります。
 県といたしましては、今後とも血液製剤の国内完全自給に向け、広く県民の協力に基づき、国や日本赤十字社と連携し、血液事業の推進を図ってまいりたいと考えております。
   〔土木部長大石幸君登壇〕
〇土木部長(大石幸君) 岩手県景観条例についてでありますが、本県のすばらしい景観を大切にしながら、より美しい景観を創造し、後世に引き継いでいくため、岩手の景観の保全と創造に関する条例に基づき、景観対策を推進しているところでございます。本条例に基づく指導状況につきましては、平成6年10月の届け出開始から本年の10月まで818件の届け出があり、うち66件について指導を行い、届け出者の御理解を得て、景観上の配慮に御協力をいただいているところでございます。
 また、地方公共団体の計画する事業につきましては、県が公共事業を行う場合、岩手県公共事業等景観形成指針に基づき景観形成に配慮して事業を実施しているところであります。
 また、市町村に対しては、条例によりこの指針に沿った事業の実施を要請しているところであり、市町村みずからが景観上の配慮を行うとの趣旨から、県の届け出、指導の対象から除外しておりますが、まだ十分趣旨を御理解いただけない面も見受けられるところであります。したがいまして、今後市町村に対し、この指針に配慮した事業が実施されますよう要請してまいる考えであります。
 また、景観形成重点地区の指定についてでありますが、本年4月に岩手山麓・八幡平周辺景観形成重点地域を指定し、この地域の自然景観を基本とした景観形成を図っているところであります。なお、引き続き、寺院、遺跡等の歴史的文化遺産を有する地域の景観形成を図るため、平泉周辺の指定に向けて準備を進めているところであります。
   〔林業水産部長渡辺勲君登壇〕
〇林業水産部長(渡辺勲君) 森林の間伐対策についてでございます。
 本県の人工林は、その大半が保育段階にありますことから、病虫害や気象災害等に強く、また公益的機能を高度に発揮し得る質の高い森林資源を育成する上で、間伐は必要不可欠な施業であります。しかしながら、木材価格の低迷、労働力不足・高齢化、林道等路網整備の立ちおくれ等により、間伐の実施面積は緊急に必要とされるものの約6割の水準にすぎず、また間伐材は約5割の利用にとどまっている現状にあります。このため、今後間伐を推進するに当たりましては、間伐の実施について、森林所有者のみならず広く県民の理解と協力を得ること、間伐材の用途の拡大等による利用率の向上を図ることなどが重要と考えられます。こうしたことから、本年9月に岩手県間伐推進行動計画を、また10月に間伐材の利用をも含めた岩手県木材利用推進方針を策定したところであり、水土保全森林緊急間伐対策を初めとする国庫補助事業の積極的導入などにより、今後とも実効性のある間伐対策を一層積極的に推進してまいりたいと考えております。
   〔教育長大隅英喜君登壇〕
〇教育長(大隅英喜君) まず、県立高等学校の再編構想についてでありますが、県教育委員会では現在、県立高等学校長期構想検討委員会からいただいた報告をもとに、具体的な再編成計画の策定作業を鋭意進めているところであり、年度内を目途に中間取りまとめを行いたいと考えております。検討委員会の報告の内容は極めて多岐にわたっておりますが、県教育委員会といたしましては、その趣旨を踏まえ、今後における県立高等学校のあり方の基本的な視点として、豊かな人間関係に恵まれた活力ある学習環境を構築することが最も重要であるととらえております。そのために、地域の実態をも考慮しながら可能な限り適正な学校規模を維持し、生徒が主体的に学ぶため、教科・科目の選択幅を拡大すること、また時代の変化や生徒の志望動向の変化に対応し、多様で柔軟な学科、コース、類型を設置すること、さらにはその際に、地域の産業や伝統・文化と結びついた教育内容の充実にも配慮する必要があると考えているところであります。このようなことから、再編成計画の策定に当たりましては、統廃合も考えなければならない厳しい状況の中で、21世紀を生きる子供たちが、みずから考え、みずからの力で課題を解決していく能力を育成する学びの場としてふさわしい県立高等学校となるよう、意を用いているところであります。
 次に、県立美術館についてでありますが、現在の進行状況は、本年10月に施設建設工事に着手したほか、情報システムの設計などを進めているところであり、今後平成13年の開館を目指して整備に万全を期してまいります。
 また、開館後の美術館活動の基本的なビジョンについてでありますが、美術館整備基本構想では、その基本的性格をすぐれた美術品の収集、保存、展示という本来的機能が充実した美術館、新しい美術文化創造の核となる美術館、地域性と国際性とをあわせ持つ美術館としているところであり、開館後においては、このような基本的性格の具体化のため、展示や教育普及などの事業活動の充実に努めてまいりたいと考えております。
 次に、美術品収集に関する現状と基金の利用状況についてでありますが、平成3年度に設置した美術品取得基金の活用により、本年8月までに郷土関係作家の作品を中心に、137点、総額9億7、100万円余の美術品を購入したところであります。このほか県立博物館の近代美術部門において収集済みの作品約600点を移管することとしております。
 次に、少年美術館としての活動の機能を付加することについてでありますが、県民が生涯を通じて美術に親しみ、心豊かで創造性に富む生活を送るためには、少年期からすぐれた美術に触れ、豊かな感性をはぐくむことが必要であるとの認識から、美術館整備基本計画において学校教育を初めとする他の教育活動との連携を図り、独自の美術館教育プログラムの確立を目指すとしたところであります。また、本年9月の中央教育審議会答申におきましても、美術館等の運営のあり方として施設・指導者の部活動等教育活動への活用など、学校教育との連携の重要性が指摘されております。県立美術館の運営に当たりましては、これらを踏まえ、学校教育との連携を重視したプログラムの開発と事業実施を積極的に推進し、青少年に親しまれる美術館としてまいりたいと考えております。
 次に、全国高等学校総合体育大会の準備状況についてでありますが、各競技会場地においては、会場施設の整備が本年度内に完了する見込みであるほか、大会に向けた役員の編成などの具体的な準備業務が順調に進捗しているところであります。なお、大会運営に係る競技別実施要項につきましても、過日の全国高体連理事会において承認されたところであります。
 また、総合開会式に向けた公開演技や式典音楽の練習が出演予定校において教育活動の一環として行われており、先般、集団演技の全出演校が一堂に会して合同練習を行うなど、大会本番に向けて順調に進展しているところであります。
 次に、選手強化についてでありますが、さきの四国インターハイでは34種目の入賞を果たし、昨年に比較しほぼ倍増という成果を上げております。また、もう一歩で入賞可能な競技の増加など、着実に強化事業の成果が出てきているものととらえております。既に各強化指定校においては、新チーム・新メンバーのもと、監督・選手一丸となり各強化事業に取り組んでいるところであり、'99岩手総体本番においては、一つでも多くのチーム・選手が入賞を果たし、それぞれの夢と目標を達成してくれるものと期待しております。
 次に、早池峰における登山大会の実施に関し、一部の報道にあった自然環境への影響についてでありますが、全国高校総体における登山大会は、登山の基礎的技術や正しいマナー、自然環境保護についての実践の場でもあることから、参加する生徒に対しては、自然や環境の保護意識や態度を積極的に教育しているところであり、本県が誇る早池峰の自然環境保護を含む意識啓発の面からも意義ある大会であると考えております。なお、大会運営に当たっては、会場地や関係団体との連携のもと、自然環境の保護・保全に特に配意してまいりたいと考えております。
 次に、本県の国体における競技レベルの特色と将来の目標についてでありますが、国体の順位は、39競技での男女総合成績、いわゆる天皇杯得点で競われております。昭和63年の2巡目国体以降、すべての国体において入賞し得点を獲得した競技は、ことしの神奈川国体で競技別総合優勝を果たしたホッケーを初め、スキー、山岳など8競技で、各年度において全得点の63%から90%を占めており、本県の大きな得点源として特色づけられます。また、国体総合順位をさらに引き上げるためには、これまで本県の得点源として活躍した競技の全国レベルの維持向上を図ることはもちろん、そのほかの競技についても競技力の底上げを図り、常時入賞できるよう、本県の競技水準を向上させることが必要であります。競技力の向上は、県民に夢と感動を与え、スポーツの振興を図る上で極めて重要なことと認識しており、今後におきましても、県体育協会や関係団体等と連携を図りながら積極的に推進してまいりたいと考えております。
 次に、総合的なスポーツ施設の構想についてでありますが、県民の豊かなスポーツライフを実現していくためには、年齢と体力に応じてスポーツに親しむことができる環境整備が重要であり、生涯スポーツの活動のほか、全国的・国際的規模の大会が開催できる機能を有するとともに、優秀選手の育成強化や指導者養成などの多様なスポーツ活動を支えるスポーツ環境の整備を推進する必要があると考えております。施設整備に当たりましては、中・長期的な観点に立った段階的、計画的な対応が必要であると考えており、県及び市町村、あるいは広域的な役割分担、機能分担等をも考慮しつつ、新しい総合計画に位置づけできるよう検討してまいりたいと考えております。
   
〇副議長(吉田秀君) この際、暫時休憩いたします。
   午後3時27分 休 憩
   
出席議員(41名)
1番 斉  藤     信 君
2番 上  澤  義  主 君
3番 佐 々 木     博 君
4番 中 屋 敷     十 君
5番 佐 々 木  一  榮 君
6番 黄 川 田     徹 君
7番 小 野 寺     好 君
9番 千  葉     伝 君
10番 佐 々 木  大  和 君
11番 水  上  信  宏 君
12番 伊  沢  昌  弘 君
13番 大 久 保     豊 君
14番 田  村  正  彦 君
15番 須  藤  敏  昭 君
16番 藤  原  泰 次 郎 君
17番 伊  藤  勢  至 君
18番 高  橋  賢  輔 君
20番 折  居  明  広 君
21番 船  越  賢 太 郎 君
23番 谷  藤  裕  明 君
24番 久 保 田  晴  弘 君
25番 瀬  川     滋 君
26番 長 谷 川  忠  久 君
27番 千  葉     浩 君
29番 三  河  喜 美 男 君
30番 村  上  恵  三 君
31番 村  田  柴  太 君
33番 菊  池     勲 君
36番 小  原  宣  良 君
37番 吉  田  洋  治 君
38番 藤  原  良  信 君
39番 及  川  幸  郎 君
40番 那 須 川  健  一 君
42番 山  内  隆  文 君
44番 樋  下  正  光 君
45番 佐 々 木  俊  夫 君
46番 山  崎  門 一 郎 君
47番 菊  池  雄  光 君
48番 佐  藤  啓  二 君
49番 堀  口 治五右衛門 君
50番 吉  田     秀 君
欠席議員(5名)
19番 渡  辺  幸  貫 君
34番 工  藤     篤 君
35番 菅  原  温  士 君
43番 佐  藤  正  春 君
51番 藤  原  哲  夫 君
   
説明のため出席した者
休憩前に同じ
   
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
   
午後3時46分 再 開
〇副議長(吉田秀君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第1、一般質問を継続いたします。山内隆文君。
   〔42番山内隆文君登壇〕(拍手)

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