平成11年2月定例会 予算特別委員会会議録

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平成11年3月5日(金)
   

1開会  午前10時3分

1出席委員  別紙出席簿のとおり

1事務局職員
事務局長 佐藤嘉成
議事課長 藤沢重一
議事課長補佐 駿河 勉
主任議事管理主査 千田正和
議事管理主査 南 敏幸
議事管理主査 筒井則裕
議事管理主査 森 達也
議事管理主査 熊谷正則

1説明員
教育委員会委員長 三 浦 三千男
教育長 大隅英喜
教育次長 五十嵐正
教育次長兼美術館整備室長 相原正明
全国高校総体推進室長 小瀬川 紀 夫
総務課長 及川宣夫
厚生福利室長 鹿糠幸弘
財務課長 小野寺 篤 信
義務教育課長 山本詔夫
県立学校課長 佐藤和孝
指導課長 杉浦久弘
社会教育課長 八重樫勝
文化課長 鳩岡矩雄
保健体育課長 松田郁夫
美術館整備監 池田克典
全国高校総体推進監 早坂七郎
 
警察本部長 篠宮 隆
警務部長 菅沼 篤
生活安全部長 高橋信夫
刑事部長 及川 剛
交通部長 佐藤三男
警備部長 境谷 滿
警務部参事官兼警務課長 日山 忠
生活安全部参事官兼生活安全企画課長 三浦健嗣
生活安全部参事官兼地域課長 千葉俊夫
刑事部参事官兼捜査第一課長 芳賀与一
交通部参事官兼交通企画課長 添田信之
交通部参事官兼運転免許課長 滝田忠州
警備部参事官兼警備課長 鈴木 勲
総務課長 伊東忠久
会計課長 蒲沢 孝
少年課長 小方政司
生活保安課長 千葉吉秋
捜査第二課長 遠藤雅人
交通規制課長 高橋 弘
交通指導課長 小野寺 英 一
 
財政課長 千葉 弘
   

〇三河委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入る。
 議案第1号から議案第21号まで、議案第26号から議案第37号まで、議案第40号、議案第43号、議案第45号から議案第47号まで、議案第49号、議案第50号、議案第52号及び議案第54号から議案第64号まで、以上、52件を一括議題とする。
 本日は、教育委員会及び警察本部関係を終わるように進行したいと思うので、御協力をお願い申し上げる。
 また、世話人会の申し合わせにより、質疑項目が複数ある場合、関連する事項についてはできるだけまとめて質疑されたいこと、また、質疑及び答弁については簡潔明瞭に行い、午後5時を目途に審査が終了するように、議事進行に御協力をお願い申し上げる。
 なお、関連質疑については、冒頭に質疑を表明している委員より優先して発言を認めているものであるので、その性格上、関連性の強いもののみ短時間簡潔に発言されるよう、また、要望のみで終わることのないよう御協力をお願い申し上げる。
 これより教育委員会関係の審査に入るわけであるが、教育行政施策について、教育委員会委員長から発言を求められておるので発言を許すこととし、その後、教育長から教育委員会関係の説明を求め、質疑に入ることにいたしたいと思う。

〇三浦教育委員会委員長 平成11年度の教育委員会所管に係る予算について御審議をいただくに当たり、教育行政施策について御説明を申し上げる。
 今日、子供たちを取り巻く社会環境が著しく変容する中で、子供たちに豊かな人間性を育てるとともに、一人一人の個性を生かすことが重要な課題となっておる。
 このような状況を踏まえ、昨年は、中央教育審議会が心の教育や地方教育行政のあり方について答申を行い、また教育課程審議会が完全学校週5日制のもと、ゆとりある教育の中で子供たちに生きる力をはぐくむという基本的考え方を示した。国においては、これらの答申を受けながら、心の教育の充実などを柱に教育改革を進めておる。
 平成11年度においては、こうした教育を取り巻く環境の変化や国の教育改革に向けた動きなどを十分踏まえながら、教育行政施策の一層の推進に努めてまいる。
 また、本県教育のより一層の振興を図るため、21世紀を展望した新しい教育振興基本計画の策定に取り組んでおり、昨年11月にはその基本的方向について、教育振興基本対策審議会から中間答申をいただいた。この中間答申及び本年夏ごろに予定されておる最終答申を踏まえながら、鋭意、計画策定に取り組んでまいる。
 以下、平成11年度の施策の大要について申し上げる。
 第1は、生涯学習環境の整備についてである。
 まず、生涯学習に対する県民の理解を深め、学習意欲の高揚を図るとともに、民間や高等教育機関における学習活動をも視野に入れた生涯学習関連施策の効果的な推進に努めるほか、広域的な学習サービスの提供を進めてまいる。
 また、図書資料の高度情報化を図るとともに、県立図書館のデータベースの構築を推進するほか、生涯学習推進センターによる学習情報の提供や指導者養成などを通じて、県民の学習活動を積極的に支援してまいる。
 第2は、学校教育の充実についてである。
 学校教育では、教育の機会均等の理念を基本としながら、生涯にわたって学習を続けていくための基礎を培うとともに、社会の変化にみずから柔軟に対応できるたくましく心豊かな人間の育成に努めてまいる。
 まず、生涯学習の基礎を培う教育については、児童生徒に基礎、基本を確実に習得させながら、一人一人の多様な能力、適性を伸長させるため、新たに社会人を特別非常勤講師として活用するとともに、選択履修の幅の拡大、体験的な学習の充実などに努めてまいる。
 また、障害児教育においては、障害の程度や特性に応じた指導により、自立と社会参加を支援するほか、小中学校等の児童生徒や地域との交流を推進してまいる。
 次に、社会の変化に対応した教育については、語学指導を行う外国青年の招致人員の拡大や高校生の海外派遣の拡充など国際理解教育を推進するとともに、教員研修や民間情報処理技術者の活用、コンピューターやインターネットの活用研究などにより情報教育を一層推進するほか、研究推進校の指定などにより、環境教育を推進してまいる。
 また、急速かつ広範な社会の変化と生徒数の減少を見据えたこれからの県立高校のあり方について、昨年9月、長期構想検討委員会から報告をいただいた。その趣旨を踏まえ、県立高校の新しい整備計画の策定に取り組み、先ごろその中間まとめを公表したところであるが、今後さらに検討を加えるとともに、中高一貫教育や高校の入学者選抜のあり方についての研究・検討も進めてまいる。
 次に、たくましく心豊かな人間の育成については、さまざまな生活体験や自然との触れ合いなど、体験的学習の充実を図るとともに、学校教育活動全体を通して道徳教育やボランティア教育などの充実に努めてまいる。
 また、いじめ、不登校などの諸課題に対しては、学校における真摯な対応に加え、体系的な研修を通じて教師一人一人の指導力の向上を図るとともに、スクールカウンセラーや心の教室相談員の配置など、教育相談体制の充実に努めるほか、学校、家庭、地域社会の連携を深めながら、児童生徒一人一人が生き生きと学校生活を送ることができるよう努めてまいる。
 さらに、児童生徒の心身の健康の保持・増進のため、心の健康相談活動や薬物乱用防止教育などの充実に努めるとともに、学校給食について安全への配慮を徹底してまいる。
 また、平成14年度から実施される完全学校週5日制のもとで新たに設けられる総合的な学習の時間の啓発や研究に着手するなど、新しい教育課程への対応を進めるとともに、家庭や地域社会との連携のあり方等についてさらに検討を進めてまいる。
 第3は、社会教育の充実についてである。
 まず、家庭教育については、少子化、核家族化など、家庭を取り巻く環境の変化に対応し、子供の発達段階に応じた親等の学習の機会や情報を提供するとともに、すこやかダイヤルなど相談体制の充実を図り、子供を健やかにはぐくむ環境づくりを進めてまいる。
 次に、生涯の各時期における社会教育活動については、青少年教育において、郷土の自然、文化などの体験学習や交流の機会を提供するとともに、ボランティア活動などの社会参加活動を促進するほか、成人教育において、高等学校等の開放講座や女性、高齢者のための講座の開設、心豊かな地域づくりフォーラムの開催など、多様な学習機会の提供に努めてまいる。
 第4は、体育・スポーツの振興についてである。
 まず、生涯スポーツの振興については、地域における日常的なスポーツ・レクリエーション活動の定着を図るため、市町村における生涯スポーツ活動を促進するとともに、幼児から高齢者まで、多くの県民が気軽に参加できる県民スポーツ・レクリエーション祭を開催してまいる。
 次に、学校における体育・スポーツの充実については、生涯にわたるスポーツライフの基礎を培う観点から、児童生徒の基礎的な体力や運動能力の向上に努めるとともに、一人一人に運動やスポーツの楽しさ、喜びを体験させるため、教員の指導力の向上を図るほか、学校体育施設の整備を推進してまいる。
 さらに、競技スポーツの推進については、本県競技力の向上のため、体育団体等との連携を強めながら、ジュニア層から一貫した強化対策と指導者の養成確保を図るとともに、県外交流や民間の活動に対する支援など、競技力向上対策の強化に努めてまいる。
 また、体育施設の整備については、長期的展望に立った総合的なスポーツ施設の整備について引き続き調査検討を進めるとともに、本年8月本県で開催されるいわゆるインターハイについては、その成功に向け、万全を期して取り組んでまいる。
 第5は、文化の振興についてである。
 まず、芸術文化活動については、県民の手による文化活動の推進のため実施してきた岩手芸術祭の充実を図るとともに、その開幕フェスティバルにおいて、新たに北東北3県の文化交流の機会を設けてまいる。さらに、県民にすぐれた芸術の鑑賞機会を提供するとともに、高校生の文化部活動を初めとする青少年の創造性豊かな芸術文化活動を支援してまいる。
 次に、文化財については、保護のための調査や指定、史跡の公有化の促進などに努めるとともに、その積極的な活用を図ってまいる。
 また、わかりやすく正確な情報提供を行うため、最新の情報化技術を活用した埋蔵文化財地図の作成に着手するとともに、柳之御所遺跡については、発掘調査を積極的に推進してまいる。
 さらに、本県の新しい美術文化創造の拠点施設として、平成13年度開館予定の県立美術館の整備を推進するとともに、美術館情報システムの設計・開発を進めてまいる。
 以上、平成11年度の施策の基本的な方向について、所信の一端を述べた次第である。教育委員会としては、その責務の重大さに思いをいたし、本県教育の一層の振興を図るため、各般の教育行政施策の推進に全力を挙げて取り組んでまいる所存である。
 申し上げるまでもなく、教育は、県民の積極的な参画を得ながら、県、市町村、団体等の関係者が一体となって推進してこそ、初めてその成果が期待できるものである。議員の皆様と県民の皆様の一層の御理解と御協力を心からお願い申し上げる。

〇三河委員長 次に、教育長から教育委員会関係の説明を求める。

〇大隅教育長 平成11年度岩手県一般会計予算のうち、教育委員会関係の予算について御説明申し上げる。お手元の議案その1の8ページをお開き願う。
 議案第1号平成11年度岩手県一般会計予算の第1表、歳入歳出予算の歳出の表中、教育委員会所管の予算額は、10款教育費のうち1項教育総務費から7項保健体育費までと、9ページの11款災害復旧費のうち3項教育施設災害復旧費を合わせた総額1、737億8、598万円である。これを前年度当初予算額と比較すると、24億1、317万円余、率にして1・4%の増となっておる。
 各項目ごとの内容については、便宜、お手元の予算に関する説明書により御説明を申し上げる。
 231ページをお開きいただきたいと思うが、金額の読み上げは省略をさせていただき、主な事項を中心に御説明申し上げるので御了承いただきたいと思う。
 10款教育費1項教育総務費1目教育委員会費は、教育委員会の運営に要する経費である。2目事務局費は、事務局の管理運営及び県立高等学校等に配置し、語学指導や新たに実施する地域のスポーツ指導の支援等を行う外国青年の招致等に要する経費である。232ページをお開き願う。3目教職員人事費は、教職員の退職手当等に要する経費等である。233ページに参って、4目教育指導費は、教職員の研修の実施に要する経費、不登校やいじめなどの対策として、スクールカウンセラーや心の教室相談員を配置し、学校、家庭、地域社会の連携の支援を行うなど、教育相談体制の充実を図るほか、不登校児童生徒の学校復帰のための支援・方策について実践研究を行うなどの児童生徒健全育成に要する経費、高校生の国際理解教育を推進するため、研究テーマ別に世界5カ国に派遣する高校生世界のかけ橋推進事業に要する経費、民間の情報処理技術者の活用や光ファイバー網による学校ネットワーク活用方法研究等のマルチメディア活用推進事業に要する経費、新しい学習指導要領に基づき2002年から導入される、みずから考え、問題を解決していく力を養う総合的な学習の時間の円滑な実施に向けての実践研究に要する経費等である。5目教育センター費は、教職員の研修などに要する経費のほか、総合教育センターの管理運営に要する経費である。234ページをお開き願う。6目幼稚園費は、平成11年度から教育委員会に移管される岩手県立こまくさ幼稚園の管理運営に要する経費である。235ページに参って、7目恩給及び退職年金費は、恩給及び扶助料等である。
 236ページをお開き願う。2項小学校費1目教職員費は、小学校教職員の人件費、旅費等である。
 237ページに参って、3項中学校費1目教職員費は、中学校教職員費の人件費、旅費等である。
 238ページをお開き願う。4項高等学校費1目高等学校総務費は、高等学校教職員の人件費及び旅費等である。2目全日制高等学校管理費及び239ページに参って3目定時制高等学校管理費は、それぞれ各高等学校の管理運営に要する経費である。239ページから240ページにわたる4目教育振興費は、産業教育設備、部活動設備及び情報処理教育設備の整備費のほか、職業教育に係る実験実習に要する経費等である。5目学校建設費は、県立高等学校の建物等施設整備に要する経費である。校舎建設は盛岡一高、産業教育施設建設は種市高校の潜水プール等の整備、部活動施設整備は大迫高校ほか6校、校地整備は前沢高校ほか8校、教育環境の向上を図る校舎大規模改造は藤沢高校ほか9校、水泳プールは盛岡商業高校、このほか校舎、教職員住宅等の維持管理に要する経費等である。241ページに参って6目通信教育費は、通信教育の管理運営に要する経費である。
 242ページをお開き願う。5項特殊学校費1目盲聾学校費は、盲学校及び聾学校の人件費等の管理運営に要する経費等である。243ページに参って2目養護学校費は、養護学校の人件費等管理運営に要する経費のほか、宮古市立はまゆり養護学校の県への移管及び高等部を新たに設置することに伴い、校舎の実施設計を行う校舎建設事業費並びに花巻養護学校校舎大規模改造の施設整備等に要する経費である。
 244ページをお開き願う。6項社会教育費1目社会教育総務費は、県民の生涯にわたる社会教育活動を支援するための長寿学園の開設、生涯学習県民フェスティバルの開催、ボランティア活動の促進等生涯学習の推進に要する経費、親子の触れ合いの場等の交流機会の提供や、24時間電話相談事業等を通じて家庭の教育力の充実を図るふれあい家族推進に要する経費、恵まれた自然環境の中での野外活動並びに異年齢集団との体験活動及び交流活動等により、主体的に生きるたくましい青少年の育成を図る青少年ふるさと体験学習推進に要する経費のほか、生涯学習推進センター及び青少年の家の管理運営に要する経費等である。244ページから245ページの2目視聴覚教育費は、教育メディアの利用推進に要する経費のほか、視聴覚教育の指導者養成等に要する経費である。3目文化財保護費は、指定文化財の保存修理に対する助成及び埋蔵文化財の位置と範囲を示す埋蔵文化財包蔵地基本図を新たに電子情報化するなど、文化財保護の推進に要する経費、柳之御所遺跡の学術調査に要する経費、特別天然記念物カモシカの食害防止等に対する助成に要する経費等である。245ページから246ページの4目芸術文化振興費は、小中学生を対象とした芸術体験劇場及び青少年劇場の開催、全国高等学校総合文化祭への参加、県民芸術鑑賞事業の開催など、芸術文化の振興に要する経費、北東北3県の連携交流を文化面で推進し、岩手芸術祭開幕フェスティバルにおいて交流、公演の実施に要する経費、高校生の文化部活動の技量の向上等を目指す高校生カルチャーキャンプ事業に要する経費、本県の美術文化振興の拠点施設として本格的に建設工事を進める岩手県立美術館の整備に要する経費のほか、県民会館の管理運営及び施設整備に要する経費等である。5目図書館費は、県立図書館の管理運営に要する経費及び図書資料を適切に管理し、利用者のニーズに対応するため、図書資料のデータベースの構築を行うなど、図書館高度情報化の推進に要する経費である。247ページに参って6目博物館費は、県立博物館の管理運営及び施設整備に要する経費である。
 248ページをお開き願う。7項保健体育費1目保健体育総務費は、児童生徒の保健管理、エイズ、性教育の推進に要する経費のほか、岩手県学校給食会に対する貸し付けに要する経費等である。248ページから249ページの2目体育振興費は、市町村生涯スポーツ推進事業への助成等生涯スポーツの推進に要する経費、全国スポーツ・レクリエーション祭や各種体育大会への参加、派遣に要する経費、本県の全国大会等における総合的な競技力の維持向上を図るために、指導者の養成や選手強化等を行う競技力向上対策に要する経費、本年8月に北上市を主会場として開催される全国高等学校総合体育大会の総合開会式に要する経費や各競技大会の開催経費に対する助成のほか、同大会に向けての選手強化に要する経費等である。3目体育施設費は、体育施設の管理運営に要する経費及び県営運動公園陸上競技場のトラック等の補修、県営野球場のグラウンド給排水施設等の改善など、県営体育施設の整備に要する経費等である。
 ページを飛んでいただき、259ページをお願いする。11款災害復旧費3項教育施設災害復旧費1目学校施設災害復旧費であるが、県立学校施設に災害が生じた場合の復旧に要する経費である。
 次に、債務負担行為について御説明申し上げる。議案その1に戻っていただき、15ページをお開き願う。
 第2表債務負担行為の51、校地整備事業である。これは、一関工業高校ほか4校のグラウンド整備について、工期等が翌年度以降にわたることから、5億300万円を限度に債務を負担しようとするものである。
 次に、予算以外の議案について御説明申し上げる。議案その2である。議案その2の15ページをお開きいただきたいと思う。
 議案第30号県立学校授業料等条例の一部を改正する条例についてであるけれども、これは、国の地方財政計画の基準等に沿って県立高等学校の入学料及び県立こまくさ幼稚園の入園料を改定し、あわせて所要の整備をしようとするものである。
 次に、69ページをお開きいただきたいと思う。69ページであるが、以下は使用料等の改定に関するものである。
 議案第55号青少年の家条例の一部を改正する条例、71ページに参って、議案第56号県民会館条例の一部を改正する条例、75ページの議案第57号博物館条例の一部を改正する条例、76ページの議案第58号県立体育館条例の一部を改正する条例、78ページの議案第59号県立野球場条例の一部を改正する条例、80ページの議案第60号県立スケート場条例の一部を改正する条例、82ページの議案第61号野外活動センター条例の一部を改正する条例、84ページの議案第62号スキージャンプ場条例の一部を改正する条例及び85ページの議案第63号武道館条例の一部を改正する条例についてであるけれども、これは、経済社会情勢の推移や他県等における類似施設の状況などを勘案して、施設の使用料等を改定しようとするものである。
 以上で説明を終わらせていただく。どうぞよろしく御審議を賜るようお願い申し上げる。

〇三河委員長 ただいまの説明に対し、質疑はないか。

〇菊池(勲)委員 1点だけ御質問させていただく。
 教育費の249ページ、全国高等学校総合体育大会に関連をして、私ども北上市を主会場として8月11日が開会式と聞いておるけれども、10日ほどでこの大会はすべて終わって、ほとんどの方々がふるさとに帰るわけである。関係市町村は大変大きな財政負担をしながらこの施設をつくったわけであるけれども、その後に恐らくかなり苦慮しながら施設の維持管理をしなければならないであろうと思っておる。県御当局にはつくるときは御支援をちょうだいしたけれども、維持管理に対しての御支援等のお考えはないか。

〇松田保健体育課長 ただいまのインターハイ関連で整備された市町村施設への支援は何か考えておらないのかという質問とお受け取りしたけれども、このたびのインターハイを契機として整備されている施設などは、会場地市町村が地域の生涯スポーツの振興や、地域の活性化などへ寄与するとの目的により整備されているものであり、だれもが、いつでも身近にスポーツを楽しむ施設として、生涯スポーツの振興を図る上でも大きな効果が期待できる施設ととらえておる。私ども県としては、これまでも国体やインターハイを含め各種イベントは、既存施設の有効活用や当該市町村におけるスポーツの振興と地域の活性化を図る意味から、県内各地において計画的に開催してきているところである。今後においても、地元の市町村のみならず、県の活性化というものに大きく貢献するよう、関係市町村、競技団体とも密接な連携をとりながら、利用の促進という面で大いにいろんなことを考えてまいりたいと思っておる。

〇菊池(勲)委員 利用の促進をする、それは全くそのとおりであるけれども、維持管理に要する経費の問題なのである。恐らく私ども北上もそうであろうけれども、何か聞くところによれば、関係の競技をする施設で実態は見ておらないけれども、水沢市でつくった体育館などは東北一のすばらしい施設をつくったという話を聞いており、すばらしい努力と認めるけれども、終わった後の維持管理に要する経費は一体どこから出すものかということになると、関係市町村は大変苦慮して維持管理をしなければと思っている。今の答弁であると、それを利用したさまざまな行事とか競技をさせるという気持ちは十分わかるけれども、維持管理の経費は一体どうして浮かすのかという感じを持っているので、これは予測であるけれども私たち北上もそうであろうと思っておる。恐らく多くの金がかかる施設はいっぱいあるわけであるから、県御当局もそれに対してやるときまでは応援したけれども、後でやり終わったら知らないという格好では、関係市町村は財政上大変苦慮しながら維持管理をして施設を守らなければならないということであると思う。これも3年や5年ではないと思うので、それをひとつ何か手だてがないものか、教育長にお伺いしたい。

〇大隅教育長 菊池委員からインターハイの施設の維持管理について御心配なさっての御発言があったが、この施設整備に当たって、各市町村においてトータルで200億円ぐらい経費をかけているという大変な状況であった。教育委員会としても約60億円ほどの援助をしておる。これは従前から見ると、大変異例の措置である。これも何とかインターハイを成功させ、さらに生涯スポーツ社会に向けた取り組みを、それぞれの市町村にもしていただきたいという考え方があったわけである。確かに、今後、維持管理は大変とは思うけれども、しかしながら、やはり今、保健体育課長が申し上げたように、何といっても施設の活用を十分にしていただくということが一番なので、私どもも連携をよくとって、なるだけその施設が県民のために有効に活用されるように努力をしてまいりたい、あらゆる意味での御支援はしていきたいと思っておるが、経済的に援助となるとなかなかこれは難しいものではないかと思っておる。ただ、運営について、お互いに余り困ることのないように連絡をとりながら努力したいと思っておる。

〇久保田委員 4点に及ぶものである。
 第1点は、小中高の教員の健康管理についてである。第2点は、教員住宅の整備状況についてである。第3は、施設整備に関係することであるが、小中高の水洗化の状況についてである。第4は、インターハイの実施に伴う補充教員の配属の関係についてである。
 第1点の健康管理のことであるが、現在、教職員が病気休暇で3カ月以上休暇をとって休まれておる状況はどうであろうか。なお、病状ごとにその内容がわかればお知らせをいただきたいと思う。聞くところによると、ことしになって何人かの先生も亡くなっているやにお聞きしておるわけであるが、健康管理が十分であるのかどうか、かなり疑問視する点もあるわけであり、そういう面でまず第1点からお伺いをする。

〇山本義務教育課長 病気休職者の状況とその要因はどうなっているのかというお尋ねである。
 平成10年度中の病気休職者は、平成11年1月末現在であるが、小中学校で47名、高校で23名となっておる。また、病気休暇期間が3カ月を越える教職員は、小中学校で18名、高等学校でも同じく18名となっておる。これらの状況について、平成9年度の状況を対前年度と比較してみると、小中高校いずれも増加の傾向にある。
 平成10年度の病気休職者--小中の47名の病状であるが、妊娠に起因するものが16名、精神性疾患が12名、その他が19名となっておる。小中の場合、精神性疾患は、病気休職者全体の25・5%を占めているという状況である。また、高等学校の平成10年度の病気休職者23名の病状の内訳を申し上げると、精神性疾患が6名、悪性新生物2名、その他が15名となっており、高等学校においては、精神性疾患は病気休職者全体の26・1%を占めているという状況になっておる。
 いずれ教職員の健康管理については、メンタルヘルスを含めて健康診断等の結果に基づいて適正に治療を行うよう、各市町村教育長会議とか校長会議等で御指導を申し上げておるが、現下のこうした状況を見ると、さらにそれを強化しながら教職員の健康管理に万全を期していきたいと考えているところである。

〇久保田委員 お答えいただき理解できたが、小中学校の場合の妊娠による16人、このことは一つ問題点としてとらえる必要がある。これは言うなれば、初期の段階において注意を十分行えば防げることではないのかと思うわけであり、大事な時期における勤務の対応というものに配慮してあげる必要があるのではないのかと思うところである。そういう意味では、女性の身体にかかわる話であるから、私たちの判断では容易にできない話であるが、この辺は学校責任者の方で留意していただくべき事項ではないのかと思うので、適切な御指導と管理をしていただきたいと思うわけである。
 精神障害にかかわっての割合が極めて高いという感じを持つわけである。全体的に見れば、そんなに高いとは思わないが、このことはやはり学校現場におけるストレスのたまりというか、最近の教育事情を反映しているものとも思うわけであり、この辺の教職員の日常の健康管理のあり方については、特にも管理者の配慮というものが必要ではないのかと思うので、適切な御指導をいただくように要請をしておきたいと思う。
 第2点である。
 教職員の住宅の整備の関係であるが、高等学校のケースではちゃんと予算化されており、平成11年度では1億900万円余が予算計上されておるが、現在の配置状況はどうなっておるか。そして、11年度で予算化されておるが、どういう整備が予定をされておるのであろうか。私の承知しているものの中には、バス、トイレの不十分な状況があると承知するわけであるが、こうした住環境をきちっと整備してあげることが大事である。教育環境の全体の整備と相まって、住居の関係も整備してあげなければいけないと思うのであるが、その取り組みの状況についてもこの際お伺いをしておきたいと思う。

〇小野寺財務課長 高校の教職員住宅についてであるが、現在の配置の状況であるけれども、現在教職員住宅は1、379戸あるが、そのうち年次計画でもって大規模改修・改築を進めておる。その分を大体22戸分差し引くと、使える状態にあるのは1、357戸、これは昨年の5月1日現在であるけれども、そういうことの中で配置をしているところである。
 それから、来年度の公舎の整備の関係であるが、改築については盛岡地区の宿舎1棟6戸の分、それから改修については3地区、黒沢尻北高校用、それからそのほかの5校、また黒沢尻北高校ほか全体で8校である。改築が6戸、それから改修が10棟27戸という状況である。
 高等学校の教職員住宅については、教職員の生活の安定を図ること等により、先生方の職務の能率的な遂行を助長し、もって学校教育の円滑な運営に資することを目的として整備してきているところである。現在は、委員御指摘のとおり、社会的な生活水準が向上しているということもあり、既存公舎の老朽化に対応するために、従来の量的な充足から質的な向上に主眼を移した整備を行っているところである。
 トイレ等の整備についてであるけれども、公共下水道の供用開始の時期に合わせてトイレの水洗化を行っておるほか、先ほど申し上げた公舎の改築とか、あるいは大規模改修等を行う際に、合わせてシャワー付ふろ釜等を整備するなど、その充実に努めているところである。今後においても、これらの事業を計画的に実施し、教職員公舎の居住環境の改善、充実に努めてまいりたいと存じておる。

〇久保田委員 教職員住宅の整備についてお答えいただいたので、積極的な改善策というものを取り組んでいただきたいということである。
 次に、小中学校の全体の関係であるが、学校の水洗トイレ等男女の区分がどうなっているのかということについてであるが、この水洗トイレの状況を見ると、全県的にすべての学校を合わせると、水洗化が73%程度ではないのかというお話を聞くのであるが、本来であればもう100%水洗化になって当然であると思うが、この状況についてどのように把握されておるであろうか。

〇小野寺財務課長 県内の小中学校のトイレの水洗化の状況は、昨年の5月1日現在で把握したところによると、小学校は486校中318校で、水洗化率65・4%、中学校は211校中163校で、同様77・3%となっているところである。男女の区別ということであるが、ちょっとそれは把握しておらないので御容赦をお願いする。
 学校は、児童生徒にとって学習の場であるとともに生活の場でもあるので、学校施設もこれにふさわしい環境として整備する必要があると存じておる。小中学校の施設整備の内容等については、第一義的には設置者である市町村の判断に待つところであるが、県教育委員会としても、先ほど述べた観点から、各市町村教育委員会にお話をしてまいりたいと存じておる。

〇久保田委員 学校の整備状況について格差があるというのは好ましくないわけであり、県内すべての学校において、等しく整備された状況を提供してあげるということが大事なことであると思うので、少なくとも水洗化については、100%速やかに達成するように御指導していただくことを要望しておきたいと思う。
 質問の最後であるが、インターハイの実施に伴う補充教員の配属についてである。
 御承知のように、インターハイの競技にかかわるために、多くの教員が専門員となってこの役割を担っておられるわけであるが、その補充をするということで補充教員が配属されていると聞いておる。この配属の期間というか、何かお話を聞くと、競技が終了して間もなく配属の期間が終わるという話であり、現場の先生方のお話を聞くと、少なくとも9月までは配属をしてほしいという要望もあるわけであるが、このことについての基本的な考え方をお伺いしておく。

〇小瀬川全国高校総体推進室長 インターハイに係る派遣職員に伴う補充職員についてであるが、各競技種目別大会の準備と大会の運営を円滑に推進するために、会場地市町村の要請に基づいて、平成10年度から県高体連専門部委員長等である高校教員を、原則として各競技1名、特殊事情等を考慮した水泳、登山、ソフトボールについては複数の派遣を行っており、全体で33名となっておる。平成11年度においても、本年度と同数の33名を、8月31日まで週5日間の派遣を行うこととしておるが、その分、非常勤講師を補充することとしておる。この派遣期間については、派遣の主目的が大会の準備と運営であること、大会の事後処理等については各会場地実行委員会が行うものであることから、先催各県と同様の取り扱いをすることとしておる。
 したがいまして、派遣教員の授業補充のため配置されている非常勤講師については、派遣教員が学校での通常勤務に戻る9月以降は任用しないこととしておる。

〇久保田委員 今のお話でそうなのかという疑問を持って聞いているわけであるが、それでいいのかという感じがあるわけである。現場の先生方の声を十分反映するように措置してほしいというのが私の希望である。少なくてもそれぞれ引き継ぐ時間も必要であろうし、一定の余裕を持った引き継ぎ期間というものをもって、おくれた部分があるとすればそれを回復しなければいけないわけなので、そういう意味で、後に問題を生じないような事前の対策というものを十分にとって配慮していただくことを要望しておきたいと思う。

〇伊藤委員 宮古市の崎山にある、はまゆり養護学校についてお伺いをする。
 一般質問で取り上げようと思ったけれども、時間の関係でこの場に延ばそうと思ったのであり、よろしくお願いする。
 県においては、小中学部の県立化、そして高等部の設置を決定いただき、大変ありがたく思っておる。県内の14本分校ある中では一番最後の県立化、そして新しい高等部を設置していただく。宮古広域の親御さんたちが大変喜んでおり、改めて感謝を申し上げたいと思う。
 そこで、そのことに関してお伺いをするけれども、この父兄たちの間には県立化という部分、そして、特にも高等部設置にかかわる期待と、同時にある種の不安をお持ちなようであり、ハードな面からいくと、例えば現実に使う子供たちにとって、図書館よりもむしろ給食室の方がほしいであるとか、図書を利用することよりも、まず生活習慣の確立ということからいくと、給食室の方がありがたいという声もあるし、また、ソフトの面からいくと、高等部をせっかくつくっていただいても、この地域の子供たちがそのままエスカレーター式に上がっていけるような仕組みになっていればありがたいのであるが、そういうことがなく、ほかの方に向かうようなことがあっては不安であるといったこともあるわけである。いよいよ新年度に設計に着手をされるようであるが、こういったハード面あるいはソフト面の現実に子供たちを送る親側の意見、要望等をどのように吸い上げて、この新しい建物に反映させていこうとしておられるのかお伺いをする。

〇小野寺財務課長 はまゆり養護学校の施設整備についてであるが、実はこれまでの作業からすると、今年度設計をして、そして来年度から着手するということで前にお話をしておったところであるけれども、その後いろいろ国との協議をしたところ、今年度よりはむしろ来年度に事業着手した方がいいというアドバイスをいただいたところである。したがって、今年度の予算については、大変申しわけなかったがそのまま執行せずに、来年度に改めて設計費をお願いしたところである。ただいま、いろいろ保護者の皆さん方の御要望ということを承ったが、そういうことで来年度設備の設計に入るわけであり、この中で保護者の皆さん方の御要望等に対してどういった対応ができるのか、そのあたりを研究しながら対応してまいりたいと存じておる。

〇伊藤委員 現地の学校の校長先生、教頭先生等ともいろいろ話し合いの場は持っておるようであるが、発注をなさるのはやはりこちらであると思うので、その声がこちらにストレートに届いて、それなりの対応が設計なり製作物に反映をしていくように、ぜひお願いを申し上げておきたいと思う。
 それから、この新しいニュースに期待をしながら、父兄の皆さんが日常いろんな支援活動をしておられるわけである。例えば牛乳パックの回収であるとか、空き瓶の回収であるとか、そういった部分に加えて提案をしておるのは花卉栽培で、はまゆり養護学校であるから、はまゆりの花卉栽培をして販売等をしたらどうか。これは、球根でつくるものなので余り難しくない。地域に隣接をしておるリンゴ栽培農家とか、有志の花屋さんたちと一緒に、話し合いの場をいよいよ立ち上げようとしておる。
 そういう中で、教育長にお伺いをしたいのであるが、マラソンの場合は一番最初にゴールをしたランナーと、そして一番最後に入ってきたランナーには同じ拍手を与えると、これがスポーツマンのフェアな精神であるということである。はまゆり養護学校は、県内で一番最後に、県立化、高等部設置ができたわけであるから、その部分を何か新しい形での、心ある支援の形でエールをいただきたいと思うのであるが、この園芸療法というこのはまゆり栽培とか、こういった部分を活動していく場合に対する何かの支援策がないものか、あるいはそれ以外の今までになかった部分の、いろんなハード・ソフト面における新たな支援策等が考えられないものか、ひとつお伺いをして終わりたいと思う。

〇大隅教育長 はまゆり養護学校についてであるけれども、これからの時代に向けて、さまざま多様な教育のあり方というものが議論されなければならないし、取り組みが行われていかなければならないという点で、委員おっしゃるようなさまざまな御意見をお聞きしながら、新たな取り組みにもしていきたいと思う。今まで宮古市とは大変よくコンタクトがとれており、予算等の措置の問題を財務課長が話したが、これはむしろ逆に進路が進行するような形の変更であったけれども、非常に順調にいっていると思う。あとは今おっしゃったようなソフト面で、これからの運営についての取り組みも今後力を入れてまいりたいと、こう思っておる。

〇船越委員 先ほど教育委員長からも演述があり、児童生徒に基礎、基本を確実に習得させながらといったようなすばらしい文言が出たのであるけれども、私は地元で防犯協会長などをやっておるものであるから、いろいろ資料が入るわけであるが、青少年の犯罪が激増しておると、文言とは裏腹な報告がなされておるし、御承知のとおり、この酒鬼薔薇事件やらあるいは栃木県の先生が生徒に刺されて死ぬとか、あるいは最近においてはとめどもなくパンに針が刺さっておるとか、食い物に針が刺さっておるとかいうことで、頻々として起こる状況を見るというと、これは1人の者が一生懸命一関に行ったり、あっち行ったりこっち行ったり飛び回っているものではなくて、こういうたくさんの連中がいるのではないかということが我々素人には想定されるのである。そうすると、非常に社会の良俗といったものが乱れておると、こう見なければならないし、いろいろ学級崩壊とか諸悪の根源は、家庭教育力の低下にあるのではないかということが、随分、教組あたりからもしゃべられ始めている。私は、戦後教育というのは非常にそういったような面がおろそかになったがゆえではなかろうかと痛感するわけであり、経済対策の後には教育改革であるといったものが国の方でも叫ばれておるのであるが、細屋前教育長のときも岩手県からこういう声を発信したらどうかといったことを申し上げたのであるけれども、教育長たちは、これは文部省でやるので我々がしゃべってもしようがない、とは言わなかったが、そういった無力感が漂ったのである。県知事は、せっかく日本全体に向かって、宮沢賢治の思想という香り高きものをうたっており、全国に発信したいということになっているのであるから、やはり岩手県から日本の教育を倫理教育に転換しなさいと、実験してみたのであるから、戦後教育を50年経験してやってみて、こういう結果が出たということで、大いにこの岩手県から発信していくという勇気、元気というのが、教育長あるいは教育委員長にあるであろうと思うので、その辺の所信を聞きたいと思う。

〇三浦教育委員会委員長 突然のお尋ねでちょっと迷っておるが、大ざっぱな言い方を申し上げると、豊かな暮らしを求めた中で、日本人が失ったものは何かということが最終の結論ではないかという気が私はいつでもしておる。その失ったものの中で、いいものと悪いものと両方あるわけである。戦後教育の中でいいものも随分たくさん獲得した。私なんかと違って子供たちははっきり発表するし、態度なんかもはっきりしている。ただ、御指摘のあった規範意識であるとか道徳的な判断とかは、何か失ったものの大きいものではないかという気がいつでもしておる。個人的な感じかもしれないという気もするけれども、そういう中で、国も御承知のとおり心の教育の充実ということで大きく改革に踏み出してまいった。私ども県においても、やはりそういうことが非常に大事だと思うのであるが、個人的な考えであるけれども、学校の教育の対象になる前に子供たちのおおよその姿が決まってきているのではないかと思う。例えば、小学校の低学年で学級崩壊というものもあったりするが、あるいは学校教育で先生方、必死になってやっておる。本当に命を捨ててというか、病気になるぐらい心を込めて教育しているわけであるけれども、それでもなおかつ力が及ばないということで、これはやはり教育改革の中で取り上げているように、家庭と社会と学校と、学校も力を尽くす、しかし家庭でもやはり力を注いでいただく、それから地域社会においても力を入れていただいて、やはり21世紀を託せる立派な子供たちを何とか育ててまいりたい。これは県民の願いでもあるわけであるので、それをぜひやってまいりたい、実現していきたいものだという念願を持っておる。
 特に、家庭について申し上げると、今まで日本人が戦後、大人の社会が持ってきたすばらしいものを失ってきている。例えば、子供の教育についても、年長者というか、経験者の方々は、赤ん坊が泣くときに、これはおなかがすいて泣くのか、ぐあいが悪くて泣くのか、それとも下の方の関係で泣くのかがはっきりわかるわけである。今の子育ての方々は、泣けば、数年前であったか、110番に電話して、子供が泣いて困るという夜中の電話があったりしたなどということをお聞きするが、だからやはり私ども社会の文化を維持してきた人たちから、いいものはやはり引き継いでいく。例えば3歳までの子供については、やはり親が非常に大事にして、3歳までに心の基本的な配線が決まると心理学では言われておる。例えば、人間を信頼するというのは、毎日お母さんが笑顔でおっぱいをやりながら子供を抱っこして、そうすると人間というのは信頼できるというふうに思うわけである。それがなければだんだん人間不信なり、あるいは大人から信頼をされない子供というか、期待されない子供はだんだん横道へそれていくということがある。
 くどくど申し上げたが、概括的に申し上げると、やはり家庭と学校と社会と、みんな一生懸命になって力を合わせてやっていくと、それを、ぜひ岩手でも実現してまいりたいと考えておる。何か所見みたいであるが、ひとつお許しいただきたいと思う。

〇船越委員 教育委員長、図らずも学校に上がるまでの間に人間が大体形成されてくるということがあったが、やはり三つ子の魂百までもということで、胎教から本当に学校に上がるまでの間に形成されてくる非常に大きな、そこで家庭教育力と、こういうことだと思うのであるが、私、本会議のときも申し上げたのであるが、1人か2人の子供だからペットみたいにして、本当に苦労して育ててないために、それやこれやということで、そういう学校に上がらない前から大変なものが出てくる。例えばPTAなどでお母さん方が行っても、真剣に生徒の教育状況を見るというよりか、私語が激しくて授業など子供のところは見ていないで、自分たちがああだとかこうだとかと、一般的なことばかりしゃべっているといったような家庭教育力たちが集まっているというと大変なことになる。そこで私、50年間の集積された家庭教育力が向上するまで、やはり悪いことは悪いのだということで、これは次の警察の方に入るかもしれないけれども、刑罰というものを、罪をやはり重くした方がいいのではないかと、こういうことをすればこうなのだと。そうでないと、何をやっても大したことはないと、学者先生方はすぐ、こうやればああだこうだ、人を殺しても大したことはないといったようなことをしゃべるやつも出てくる、こういったようなことではとてもとても収拾がつかないと思うので、私は、次の警察のときしゃべればいいのだろうけれども、刑罰をやっぱり家庭教育力が回復するまでは重くして、こうやればこうなのだぞということを勇気を出して教育の方でも取り入れるべきではないかと思うのである。それはそれで終わる。
 あと一つで終わるが、先ほど菊池委員が、立派な体育館、施設等をつくってもこの施設の運営が云々ということが出た。私たちも常日ごろ議員たちはそうなのであるが、落成式、竣工式によく招かれるわけであるが、学校等がマルチホールとか何とかかんとかといって、ホテルに負けないような施設がいっぱい出てくる。我々本当に貧乏な時代に育ったが、学校でこんなにホテルもかなわないような施設をつくらなければならないのかと、そういうのをつくったって200年もつわけでないのだと、40年もたてば新しい学校としゃべり出すから、余り金をかける必要はないので、1校よりは2校、3校よりは4校というように、別な施設をつくる方がいいのではないかと思う。これはちょっとまた船越が古いことを言い出すというようなことになるが、明治の元勲大久保利通や伊藤博文等を生み出したのは、本当にあのとおり小さな松下村塾で育ったのだから、校舎ではないと、校舎を幾ら立派にして盛大な、我々が祝辞を述べるときは、こんな立派なのができてと祝辞の文言には事欠かないけれども、そう言いながら裏腹なのである。こんなに立派になってどんな生徒ができるのかと思うような気がしながら祝辞をやるわけであるが、この辺にやはり皆さんも教育予算に歯どめをかけてやる。妙な--妙なではないが、奢侈にわたるような構造は本当に設計者のけんを競っているだけと感じるような気がするのであるが、こういったようなことについては、これからもますます他校より、ことしよりは来年、来年よりは再来年というのが豪華になるように考えているのか、この辺でやっぱりかけ過ぎたと考えるのか、この辺をお聞きして終わる。

〇大隅教育長 教育施設についての一般的なお話かと承ったけれども、学校などさまざまな教育施設等がその地域にあって、ある意味ではシンボル的なものである場合もある。そうした意味ではなるべく地域の方々も一生懸命努力をして、子供たちにいい環境を与えたいという願い、これは十分わかるし、そうした意味である程度非常に恵まれた施設を持っているというところもあるかと思う。ただ、一般論で基本的なことを申し上げると、やはり望ましいのは過不足のない適切な内容の施設ということだろうと、基本的にはそう思っておる。

〇千葉(浩)委員 ただいま針混入事件という問題が出たので、私から関連させて質問させていただきたいと思う。
 一般質問でもやったけれども、警察の方へという取り締まりという関係で質問させていただいたわけであるが、県警でもいろんなことをやって今捜索中と、一生懸命やっているという話あった。問題は、学校へ、盛岡のスーパーから今度は学校ヘ来た、しかも学校給食という形の中へこの問題が入ってきたわけである。水沢でも非常に連続的に出てまいって、学校でもそうであるし、地域、県民、皆不安に陥っていると、私はそう思っているのである。そういう中で未然に防いでいく、こういうことがあと起きてこなければもう何も心配することも何もないのであるが、どうも流れを見ているとぽつぽつ出てくる。突発的に出てくる、全くわからない、だれが一体どういう目的でどうなっているのだということが一番わからないわけであるが、学校としても大変ではないかと思うし、それから小学校であるから、小学校の生徒に与える影響と申すか、非常にはかり知れないものが私はあると思っておるし、これは一日も早く究明をして犯人が出てくればいいと思うが、それを願うわけであるが、今現在、いろいろ各学校でもやって、県の方でも指示していると思うのであるが、幸いに今まで人身的な事故がないから不幸中の幸いなのであるが、これ、もし万が一児童の人命にかかわるような事態が起きてくるようなことになれば、それこそ一大事、大事件に私は発展してくるだろうと思う。これは絶対未然に防いでいかなければならないとも思っておるし、そういう意味で、学校給食という問題であるから、そういう問題に対して県の教育委員会としてどういう考えを持って、そして今後どういうふうに対応し、どういう指示をしていって万全にそういう体制をつくって防ぐ、防衛していくか、そういう問題について、もし教育長、御所見があればお伺いしたい。

〇大隅教育長 学校給食に針が混入しているこの事故についてであるけれども、具体的取り組みを私どもも努力して行っておるが、それについては関係課長から答弁をさせるけれども、まず給食に針が混入している事故ということ、これは大変なことだと思っておる。現在、警察が捜査中であるけれども、私どもからすれば、まず児童生徒の安全確保、これが最大の課題である。関係機関と連携をとって、現在この防止策に懸命な努力をしているところである。そういうことはないかとは思うが、万が一にもおもしろ半分に模倣するというようなことが発生しては、これは一番恐ろしいことになるので、児童生徒に対してはこうしたことの反社会性であるとか、あるいは大変な危険性がある、あるいは非常に重大なことになりかねないことだという善悪のけじめであるとか、あるいは軽薄な行動などを戒めるということに十分注意しておいてほしいという指導を行っているところである。具体的には関係課長から御説明をさせる。

〇松田保健体育課長 それでは、針の混入ということで、今まで具体的に私どもがやってきた内容、そして実際の状況というものを御報告をまず申し上げたいと思う。
 この2月18日、御案内のとおり水沢の水沢小学校で、学校給食用のパンから縫い針が発見されたという事件が発生して以来、県内各地で同様の事件が相次いでおるわけであるけれども、3月4日現在--きのう現在になるけれども--3市2町というところで7件発生しておる。県の教育委員会、私どもとしては、多発している給食用パンへの異物の混入事件、これを憂慮して、2月25日付になるけれども、市町村の教育委員会教育長、それから学校給食を実施している県立の学校長、それから食事を提供している集団宿泊施設を所管するスポーツ振興事業団、これらのところに学校給食の安全及び衛生管理についてということでの通知を出したところである。
 具体的にその内容ということになるけれども、生徒またはその施設を利用する人たちが安心して給食が受けられるようにという観点からの、いろんな点を配慮してくれという内容の通知である。それから、全国的にも同様の事件が発生しているということから、事態を重く見た文部省から、これが3月3日付で学校給食における異物混入の防止についてという通達を各都道府県の教育委員会に出しておるので、これを受けて私どもは学校給食への異物混入の再発防止ということで、2度目の通知を出したということになる。これが3月4日付の文書である。その中で、安全と管理ということにプラスして、先ほど教育長の方からお話あった、万が一にもおもしろ半分に模倣することがないようにとか、それから事件の反社会性や危険性と、それから重大性と、こういうものを生徒たちにしっかり認識させてほしいと、そして命の大切さというものの指導を、より一層強めていただきたいという通知を出した。
 今後のことになるけれども、ほとんどの小中学校では3月の中旬で学校給食が終了するという状況になるものであるから、私どもとしてはその間、何もしないという状況はやっぱりちょっとまずいということで、例年、長期休業中、春休みになるけれども、ここのところで生徒指導ということでいろいろ指導しておるので、その中で事件の反社会性や危険性、そして重大性というものをもう一度認識させて、命の大切さというものを指導してまいりたいということになる。その後4月の第1週、第2週あたりからまた給食が再開されると思うけれども、新年度早々の教育事務所長会議というのがあるが、その会議、それから市町村の教育長会議、それから小中学校の学校長会議と、これが8日前後を中心にしてずっと会議が開かれるので、あらゆるそういう機会を通じながら指導の徹底をお願いしていきたいと考えておる。こういう状況で現場の方を指導して、ぜひこういう、あってはならない事故、早くなくなるようにという形で指導を強めてまいりたいと思っておる。

〇小野寺委員 先ほどの教育委員会委員長の演述に関して2点まずお伺いする。
 この中に、学校教育の中で新たに社会人を特別非常勤講師として活用とあるが、社会人から学ぶ学校教育、この大切さが初めて入ってくるわけであるが、具体的な内容をお聞きしたいと思う。
 それと、ボランティア教育、ボランティア活動という文言が出てまいるが、私、人に尽くすことによって本人もまた成長すると、そういうふうに考えているので、非常にこのボランティア教育というのは大事かと思うので、この点についても具体的な内容も、もし決まっておればお伺いしたいと思う。
 次に、高校生世界のかけ橋推進事業の関係であるけれども、多感な時期にいろんなことを経験すると思うのであるが、その経験したつづりみたいなものはどのような形で一般に出されるのか、お伺いしたいと思う。
 同じように海外交流の関係であるけれども、外国青年招致、この事業であるが、一般家庭でも隣近所、向こう三軒両隣とか、非常に近隣を大切にというのが基本かと思うのであるが、この場合どこの国から招致するものなのか、教えていただければと思う。
 4点目に、体育振興についてであるが、昨今、文部省が学校の校庭、体育館、こういったものをさらに開放していこうというふうに聞いているけれども、ところが最近の例なのであるが、私の近辺で、校庭、体育館、これをちょっと開放し過ぎているから縮小すると、こういった学校が出ているのであるが、先月、利用者団体を呼んで、そういった縮小の方向にある学校もあるのであるが、県教委としてはどのような判断なのか、お伺いしたいと思う。
 災害共済の関係であるけれども、先般もニュースで70グラムのブリキの筆入れをぶつけて大きな事故が起こったなどということが報道されてあったが、県内において大体年間どのくらい不慮の事故があるものか。その中で昨今、毒物とか針とかといろいろあるが、災害共済は恐らく不慮の外的なものを想定していると思うのであるが、そういった人為的なものまで対象になるのか、その辺の賠償、仮に人命にかかわるようなことがあった場合、こういったものでカバーされるものかどうか。
 これとともに、例えばパン業者とかについて損害が出ていると思うのであるが、こういったものはどうなるのか、学校は関与するのかどうかお聞きしたいと思う。

〇山本義務教育課長 小中学校に社会人活用の特別非常勤講師の配置のお尋ねである。
 この社会人の特別非常勤講師配置事業についてであるが、小中学校において、子供の生きる力を育成し、児童生徒一人一人の個性を生かす多様な教育活動を展開するために、社会人の中で幅広い経験を持ち、すぐれた知識、経験を有する方を特別非常勤講師として配置しようとするものである。本県では既に学校の教育活動の中で特別活動やクラブ活動、あるいは教科の一部等でアシスタントティーチャー的な形で学校の創意で導入されている実態があるわけであるが、11年度から国の補助事業を導入して、さらに県として活発化していこうとするものである。現在の段階で、今各市町村の希望を取りまとめている段階であるが、平成11年度、小学校では今のところ19校に22人を配置したいと、中学校は24校に28人を配置したいと考えておる。これは教科とか特別活動等を中心としてであるが、今出てきているものでどういった方々を社会人としてその特技を生かしていくのかということで、若干例を申し上げると、果樹とか野菜等の農業の専門家あるいは農業改良普及員、郷土史の研究家とか、書道に精通している方とか、音楽家、ピアニストあるいはエアロビクスのインストラクター、それから漁業の従事者、自然とか科学の研究者とか、陶芸家とか、美術作家あるいはスキーのインストラクターとか、工芸家とか郷土芸能の伝承者とか、活用する領域によってさまざまな形で今検討がなされている状況である。

〇杉浦指導課長 引き続き、社会人講師招聘事業の関係であるけれども、先ほどは小中学校のお話であったけれども、高等学校でもやはり同じように社会人のさまざまな生きた知識、技術を活用させていただくといったようなことで予算を組んでおる。ただ、高等学校の場合になると知識とか技術が水準が高くなってくるものであるから、やはりそうした専門の方々を探してきて、それでいろいろと授業をやったり、いろいろと実習などを教えていただくといったことが大切になってまいる。それで、主にこれらは多く農業、工業、商業、水産、家庭といったような学科でも実施しておるし、普通科の方とか総合学科でも活用されている。計59校活用しておる。
 それから次に、ボランティア教育のお話であるけれども、ボランティア教育はこれからの急速な高齢化、あるいは地域における連帯感をこれから大切にしていかなければならない。こういったことを背景にして、また福祉環境について年々各地域でもいろいろと取り組まれていることであるから、これらも踏まえながら、教育の場でもそうした国民一人一人が福祉をみずからの問題として主体的に受けとめるといったようなことの教育が求められているところである。それで、実際どのようなことがということであるけれども、学校では小中高どこでもであるが、道徳であるとか特別活動といった時間を使って、近くの高齢者の施設を訪問して心の交流、お話をしたり、お話を聞いたりそういったものをやったりとか、あるいはJRC--青少年赤十字の方との連携でもって福祉、ボランティア教育をやるとか、あるいは学校家庭クラブというのもあるので、そういったものを通じながら、そうしたボランティア教育をやっていくといったものがいろいろある。これは、各地でそれぞれさまざまである。それから、学校外の諸施設の協力もいただいておって、社会福祉協力校事業ということで社会福祉協議会の方から事業をしていただいたりとか、あるいはワークキャンプ実践校の指定といって、やはりこれも県社会福祉協議会の方から幾つかの学校が指定をいただいて、そうした福祉活動にも努力しているところである。いずれにせよ、今後こうした実際の活動を通しながら、あるいは実際のいろんな人との触れ合いを通しながら心を少しずつ豊かにしていく、磨いていくといったことが大切になろうかと思っておる。
 それから次に、かけ橋の関係であるけれども、かけ橋については、2回行ったけれども、秋ごろに派遣をしておって、その後、子供たちは帰ってまいるとそれぞれ研修のレポートをつくっておる。冊子になってまとまって年度末には刷り上がってくるわけであるが、それらはそれぞれ各学校で皆さんに見てもらえるように整えておる。ただ、実際、各学校ではそれというよりは、その行ってきた生徒を発表の場で、皆さんといろいろとどういったことがあった、どんなことを感じてきたというのをみんなで共有し合うといったようなことを通じて、そのかけ橋の効果を少しでも皆さんで共有し合うといったようなことに今努力しているところである。
 なお、今回のこの予算案の中で来年度からお願いしておるのは、もう一段さらにかけ橋を拡充して、みんなで共有するのももちろん大切なのであるが、やはりこういったいろんな海外での学習の体験、それを少しでも一人でも多くの子供にやはり経験してほしいということで考えておるので、御審議の際、よろしくお願いしたいと思う。
 それから次に、もう一つ招致の、国際交流に絡んで外国語指導助手がどういったようなところから来ているかというお尋ねであるけれども、一番多いのはアメリカからである。それから、国としてはイギリス、アイルランド、カナダ、フランス、オーストラリア、あとオーストリアもある。あとニュージーランドもある。以上こんな各国から、英語圏中心であるけれども、いろいろな国から来ていただいておるので、これも子供には本当に交流を深め合って非常にいい成果が出ているのではないかと、このように考えておる。

〇松田保健体育課長 それでは、最初に学校体育施設の開放のことについてお話したいと思うけれども、スポーツ・レクリエーションの活動の場として、学校教育に支障のない限り学校体育施設を開放するというのが大きな趣旨であるけれども、この開放のねらいは実はそういうところではなくて、地域の教育力というお話も先ほどあったけれども、地域のいわゆるお年寄りの方、そして男性の方、女性の方という形が入り乱れた中で子供たちの教育ということをねらいとするという大きな目標もあるので、今後とも学校開放というものは推し進めてまいりたいと思っているけれども、昨年度の1年間のトータルになるけれども、県立学校としては13校を開放ということをしているし、小中の方でも、トータルすると、小学校では387になろうか、それから中学校では173になろうか、それくらいの開放という状況になっておるけれども、今後ともそういう地域の教育力というものを前提にしながらの開放の事業については推し進めてまいりたいと思っておる。ただ、冒頭にお話したとおり、学校の教育の方に支障のない限りということで指導してまいりたいと思っておる。
 それから、2点目になるけれども、災害補償のことがお話あったけれども、現在、学校管理下における災害補償制度ということでは、日本体育学校健康センターというところで災害共済給付金制度というものがあって、死亡から傷害見舞金、それから医療費というものでもってその対応をしておるし、県独自では学校安全互助会というものを設けて、やはり学校管理下における見舞金ということで支給をしているという状況である。

〇小野寺委員 今の最後の部分で、例えばさっきの針とか……。

〇松田保健体育課長 済まない。犯罪等というか、原因がはっきりして加害者というものが明確な状況の場合には、その加害者の方がその補償の責務を負うということになるだろうと思う。

〇小野寺委員 最後の分から、加害者がわからなかった場合についてはどうなのかということだったのであるが。
 あと体育振興の関係で、学校で支障のない限り開放ということなのであるが、地域のママさんバレーとか、そのほかバスケットとかバドミントンとかいろいろやっているわけであるが、その利用者団体を集めて縮小の方向だという、そういう学校についてはどうなのか、所感をお願いしたいと思う。

〇及川総務課長 ただいまの災害給付の、犯罪において加害者云々という御質問であるが、いずれ日本体育学校保健センター法によれば、センターはまず第一義的に災害給付を行うのだという考え方に立っておる。それで、さらに災害給付を行った場合において、当該給付事由の発生について国家賠償法等により損害賠償の責めに任ずる者があるときは、あるいは民法により損害賠償の責に任ずる者、つまり犯罪等か、あるいは施設の設置管理疵等において第三者の加害行為があったという場合は、その者に対する請求権をセンターが取得するということで、一たんはセンターが支払う前提に立った法律構成になっておる。

〇松田保健体育課長 学校体育施設開放が縮小の傾向にあるというお話であるけれども、私どものところではあくまでも、先ほどの地域の教育力を何とかしたいという意味合いも含めながら、学校に支障のない限りにおいては積極的に学校の体育施設を開放していきたいと考えておる。いろいろどういう問題、どういう状況があるのか、その中身をちょっと把握しておらないので、もしいろんな問題点があるならばいろいろと相談に乗りながら、それへの対応を考えてまいりたいと思っておる。

〇伊沢委員 ちょっと現実的なことについてお伺いをしていきたいと思う。教育の部分では、学校や社会、そして家庭が一体となっていろんな子供の教育をするということになるわけであるが、私は、昨年多く行われた何周年記念、小中学校、高校も含めてであるが、そういうときの協賛会、さらには新しい学校ができたときの落成記念にかかわって、PTAが中心になろうかと思うのであるが、協賛会をつくっていろんな記念式典や祝賀会、さらには学校に対しての設備や備品等の寄附を行う。こういうことについての基本的なお考えをお伺いしたいと思っている。私自身、実は子供がお世話になった中学校の20周年記念というのがあって、自分自身が協賛会の会長になって、当時、寄附を集めながら学校の中庭の整備だとかいろんなことをやってきた経緯があったわけである。学校のそういう事業に対して、言ってみれば地域の皆さんが協力をするというのは、一つの社会と一体になった教育ととられるわけであるが、実は昨年、県内、市内を通じて50周年とかいろんな部分含めて多くのこういうものが行われたわけである。お伺いしたところ、議会の中で常任委員会等でもこの問題は出されていろいろ議論してきたということであったけれども、私、何点かにわたってお伺いをしていきたいと思うわけである。前提となるのは全部否定ということではないので、あらかじめお断りをしながらお答えをいただきたいと思うわけである。
 基本的には学校の設備備品というのは、県なり市町村が管理をしているところについてきちんと整備をすべきものだと、こう思うわけである。しかし、いろんなところでその設備を寄贈したいがための賛同のお願いの文章を見ていくと、グランドピアノを贈りたいとか、いろんな楽器を贈りたいとか、そういうものが見えたわけである。基本的には協賛会が自主的に行うものについてはこれは問題ないと思うのであるが、中には学校長が連名でやったというのも過去にあったやに聞いている。となると地方財政法の第4条の5に、実は国とか地方公共団体がその住民に対して寄附をお願いするということの禁止条項があるわけである。割当的寄附金等の禁止というのが地方財政法第4条の5にあるわけである。協賛会がいかにやるにしても最終的には学校といろんな話し合いをしながらやっていく。担当する教頭先生や担当の先生方もこれは大変な事業になるわけであるけれども、今学校には何が足りないということでお話をしながらこういうものが出てくるのではないかと、背景にあるのではないかということになれば、この地財法で言う割当的寄附金等の禁止の中には、直接的にやるものも、それから間接的にやるものも言ってみれば禁止をされている。学校にお世話になっているということで同窓生の皆さんや父母の皆さんは出すということになれば、言ってみればこの部分に抵触をするのではないかという、実はそういう御指摘を私自身受けたことがあったわけであるので、この辺についての御見解も承りたいと思うわけである。そこで、まず設備とか教育資材についての寄附があった場合、県立学校やそれから市町村の学校の場合どのような手続でこの寄附採納を受けていくのか。また、管理をしていく上で、管理費がかかるようなものもこれは中に出てくるのではないかと思うのであるけれども、寄附を受ける場合の基準、こういうものは受け取らないとか、こういうものは受け取るとか、そういうものがこれまで教育委員会の中で整理をされているのかどうか、お伺いをしたいと思うわけである。お願いする。

〇佐藤県立学校課長 県立学校や小中学校の周年事業等に係る設備等の寄附行為についてのお尋ねであるが、学校の管理及び経費の負担については、当該学校の設置者が負担することとされているわけであるので、基本的には学校の設備等についても、設置者である県または市町村が負担すべきものであって、各学校の教育活動が円滑に行われるよう、従来まで計画的に整備を図ってきているところである。学校の周年行事等に伴う同窓会や協賛会等からの善意かつ自発的な寄附の申し出がなされた場合は、寄附物件の内容や学校の状況等を十分検討し、教育上の効果が期待でき、学校の管理運営上、特に問題がない場合についてはお受けしているところであるが、しかしながら、委員御指摘のように寄附は関係者の負担を伴うものであるから慎重に対処すべきものと考えておる。安易に設備の寄附を事業に盛り込むことは避けるよう指導しているところである。なお、このことについては市町村教育委員会教育長会議や県立学校長会議等において周知を図っているところである。

〇伊沢委員 周知を図ってきているわけであるけれども、何かいろんな意味で、あそこはこれをやった、あれをやったということでエスカレートしてきているのかなという部分も実は見受けられる。そこで、お願いなわけであるけれども、私は地域やそれから同窓会、PTAの皆さんが学校にかかわりを持つというのは大変必要なことだと思うわけである。したがって、節目節目において子供を中心にこういう記念式典等を行って、学校の歴史や地域のことを子供たちに教えていく。子供中心に物を考えれば祝賀会は場所を変えてやることもあるかと思うけれども、式典の中でその意味をお伝えしていく。最終的にはいろんな意味での備品とか記念品、記念のモニュメントとかつくる場合もあろうかと思うのであるけれども、極力そういった意味でこれから指導されていく方がよろしいのではないかと思うわけである。私いろいろ言われた方の中には、学校関係で長年各校歩いてきた、その都度、言ってみれば関係者ということで来られるということになるわけである。別にお金の問題ではないと思うのであるけれども、今御答弁あったように基本的には県なり市町村がやるべきと、こういうことになろうと思うので、できればそのあり方についてこれからも、10周年やれば20周年が来るわけであるし、30周年やれば50周年が来る、こういうことになろうかと思うので、一定程度の御見解をさらにお示しをいただきながら、今私が申し上げたような形を徹底されれば競争原理が働かないと、こう思うので、そういった部分についての改めて御指導を賜りたいと思うけれども、御所見をお伺いして終わらせていただきたいと思う。

〇佐藤県立学校課長 県立学校については、今年度100周年2校、80周年1校、50周年20校、30周年1校、20周年3校と、非常に多くの周年行事があったものであるから、年度初めの県立学校長会議等においても、今の御指摘の部分については指導してきたところである。なお、最近の特徴としては、特に今年度の周年事業の中で特徴としては、直接生徒に還元できるもの、生徒を海外等に派遣するような事業と、従来までのような施設とか設備とかそういうものではなくて、そういったものに事業を転換していっていると、そういう状況が見られるところである。今後ともこの点については指導を継続してまいりたいと、こんなふうに思っておる。

〇斉藤委員 簡潔にまとめて聞くので、よろしくお願いしたい。
 私も学校給食の問題について何点かお聞きする。
 学校給食へも残念ながら針混入事件が相次いで起こっておるが、学校での安全管理、衛生管理上の問題はなかったのであろうか。具体的に各校でどう対応されているのか示していただきたい。
 第2点は、米飯学校給食の推進についてであるが、県産米、地場産品活用の学校給食はどう推進されているであろうか。政府の値引措置の廃止、縮小への対応はどうなっているであろうか。米飯給食の後退となっていないであろうか。
 次に、学校給食で弁当持参のケースが生まれているようであるが、冷たい御飯弁当を持ってこさせる、食べさせる、こういう給食でいいのであろうか。例えば、久慈市の場合、調べてみたら小学校高学年、中学校では半分の生徒が持ってこないと、こういう自治体もある。西根町ではこれからそういう事態が予想されているが、完全給食の趣旨がそがれる事態ではないであろうか。
 O-157以来の調理員の増員、施設、設備の改善、未改善の状況はどうなっているであろうか。
 次に、深刻な子供をめぐる状況の問題であるが、私は一般質問でも、1、803人に及ぶ不登校、831人の高校中退、いじめや学級崩壊などの事態、事実を示して、その原因、要因をどう認識しているかお聞きしたが、教育長の答弁では、学校教育、教育行政の問題には全く触れられておらなかった。こうした問題は確かに社会、地域、そして教育の問題であるけれども、学校教育、教育行政に本当に問題はないのかどうか、改めてお聞きをする。
 学級崩壊の実態について、県教委の調査によると小中学校とも1%未満とのことであったが、全国的実態から見ると大きな乖離があると思われる。朝日新聞の全国的な調査、全国教研集会などの報告を見ると、この定義、評価はまだ一律ではないけれども、私はかなり大きな調査の開きがあると、どういう調査をされたのか示していただきたい。
 文部省の学校教育に関する意識調査では、学校の授業の理解度は小中学校でどうなっているであろうか。子供たちが一番長く過ごす学校の授業、この理解度、これは私は一番重要な問題と思うが、いかがであろうか。

〇大隅教育長 学校不適応などという問題について申し上げたいと思う。その他のお尋ねについては、関係課長の方から御答弁申し上げる。
 学校不適応と言われておるさまざまの問題、これについて教育行政等にあって課題はどうだと、そういうお尋ねと思うけれども、近年、家庭とかあるいは地域の教育力の低下であるとか、あるいは人間関係の希薄化ということが言われているわけであるけれども、そうしたこともあって、総体的に学校に対する教育あるいは子育てへの期待が高まっているということも言えるのではないかと考えておる。したがって、学校の方においてもいろいろこれに対して多様化あるいは柔軟化を図ってはおるわけであるけれども、十分に対応し切れていない面があるいはあるのではないかと、そういうことも考えられると思う。したがって、学校の方としては引き続き地域の子育てであるとか、あるいは教育のいわば中心的な場としてその学校の機能を強めて、さらに家庭、地域への働きかけ、あるいは連携を強化していくということが必要ではないかと思う。そしてさらに、何よりも教員と生徒、あるいは保護者、あるいは地域と、この間の信頼関係を築き上げると、これを重要視するというスタンスというのが最も重要ではないかと考えているところである。

〇松田保健体育課長 それでは、学校給食の4点のお尋ねの事項について御説明申し上げたいと思う。
 まず、第1点目の学校給食の安全管理・衛生管理についてということであるけれども、学校給食の衛生管理については、特にもO-157発生以来、食中毒の防止を重点ということで、学校給食衛生管理の基準というものに基づいて、各種会議、講習会等で、市町村教育委員会や教育センター、そして各学校等への周知徹底を図ってきたところである。学校給食衛生管理の基準は、施設設備の清潔・衛生、そして給食従事者の健康管理、献立、それから食材の点検、それから調理過程の衛生管理等を定めておって、配送、配食等についても、飲食物を運搬する場合には必ず容器にふたをすることだとか、それから牛乳等の瓶や容器の汚染に注意することということの内容になっておる。学校給食の安全及び衛生管理に細心の注意を払ってきたにもかかわらず、今回このような事故が起きたということは極めて残念であるととらえておる。原因が究明されていない現在、詳しいことは明らかではないが、再発防止のため、学校給食のより一層の安全、そして衛生管理の徹底というものを指導してまいりたいと思っておる。
 それから、2点目の米飯学校給食の推進についてということであるけれども、米の方については100%県内産のものを使用しておる。それから、野菜や魚、鶏卵などの生鮮食品については、各調理場が地元の商店や業者と契約して、主に地元の生産物を調達しているという状況である。地元の調達が難しいものについては、例えば同一規格で大量に必要なケーキ、ミカン、バナナなどや加工品、そして季節によって地元調達が難しい野菜、こういうものについては中央の卸売業者というものを利用するという状況にしておる。県の教育委員会としては、食材はできるだけ地場産品を活用するよう、各会議等を通じて働きかけていくということである。
 問題の値引措置の段階的な廃止ということについての対応であるけれども、現在、関係機関と連携を図りながら、米の安定供給、これに努めて、完全給食の趣旨が損なわれることのないように推進していきたいという状況である。
 それから、3点目、学校給食における弁当持参ということであるけれども、現在、週1回程度の弁当持参による学校給食というものを実施しているのは3市町村と私どもとらえておる。学校給食の実施方法については実施主体である市町村教育委員会において、それぞれの事情によって検討の上、決定されるとなっておるものであるが、県教育委員会としては、今後も完全給食の実施について市町村の方を指導してまいりたいと思っておる。
 それから、最後、調理員の増員ということになるけれども、あとは施設の設備の改善についてということであるが、学校給食調理員については、O-157の食中毒、これが発生した平成8年度、これは858名という状況であったけれども、平成10年度においては890名ということで32名が増員されているという状況である。それから、施設設備については、平成9年度の保健所の一斉点検による勧告、これがあったけれども、計画的に改善が進められてきておって、保健福祉部の方の資料によると、平成9年度の改善完了数、これは勧告数全体の約72%、これが完了したという状況で報告をいただいておる。残る未改善の項目、これらについては施設の構造上の問題、こういうものがあって平成12年度までに改善の予定となっているところである。

〇杉浦指導課長 それでは、私の方から学級崩壊の調査と、それから先ほどの学校教育に関する意識調査についてお答え申し上げる。
 まず、1点目の学級崩壊の調査についてであるが、このいわゆる学級崩壊については、明確な定義はまだなされておらない。定義が不明確なままで調査というのは大変難しいことであったけれども、やはり早目の対応が必要ではないかと考えて、県教育委員会としても、学級崩壊以外のほかのいろいろなものも調査の数値の中に入ってくるであろうと、そういう恐れもあると承知の上で、まず事態を広目にとらえて、授業の成立が難しくなっている学級ということで、その客観的な現象に着目した調査をまずやった。その調査の中では授業の成立が難しくなっている学級の具体例を幾つかお示しして、授業の中での立ち歩き、私語など10項目、これを教育事務所を通じて校長、教頭に直接、または電話で聞き取り調査したというものである。客観的に明確に把握できる形での調査でまず広目に把握して、そこから対象を絞ろうと考えたところであるが、結果的には、本県の場合はまず1%未満であったということと、しかもそれらを見ていくと、かつてから乱れているいわゆる荒れというような事象に近いものばかりであった。これからは文部省の方でも学級崩壊の定義であるとか内容についてまず研究、調査するという予定であるが、県教育委員会の方としてもこれは気を緩めずに、今後とも子供たちのサインに細心の注意を払いながら、県内はもとより、国、他県の情報収集、対応の研究、そういったものに努めていきたいと考えておる。
 それから、2点目の学校教育に関する意識調査であるが、これは文部省が直接全国の小学校3年生、5年生、中学校2年生、高校2年生、保護者、教員を対象としたものである。調査対象校は、小学校100校、中学校70校、高校50校ということである。その結果であるが、学校の授業がよくわかる、あるいは大体わかると答えた者が、小学校全体では72・2%、中学校2年生になると44・2%、高校2年生では37・4%と、学年が上がると理解度が減少といったような報告がなされておる。一般的には学校での学習スタイルは学年を追って進行すると、進行するごとに難しいもの、抽象的なもの、少しずつ積み上がっていくという方式である。であるので指導上のポイントとしては、子供たちが基礎、基本をしっかりと身につけながら、そして意欲、関心を持ちながら一つ上の新しい課題に挑戦すると、そしてわかったという達成感を感じさせること、この体験を少しずつ積んでいくということがまず基本である。ところが、今の学校教育の場合はと申すと、一斉にとか画一的に教えようという傾向がまだ少し見られるし、子供一人一人の適性、意欲、関心の育成という面での取り組みはまだ弱いのではないか。あるいは年齢が上がるにつれて一人一人の個性、能力、適性の違いが出てくるわけであるが、これらの多様な子供たち一人一人に合わせた個性重視の教育がこれからの課題であるのではないかと、このようにも思っておる。新学習指導要領の方でも、今後、学習内容を基礎、基本に精選して総合的な学習の時間などを取り入れる、あるいは子供たち一人一人の主体性、意欲に焦点を当てた学びづくり、チームティーチングであるとか習熟度別学習などを取り入れて、一人一人に合わせた教育の仕組みをつくっていくといった方向で出されておるけれども、これらがこれからの指導の方向ではないかと考えておる。

〇三河委員長 ほかに質疑ないか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇三河委員長 質疑がないようなので、これで教育委員会関係の質疑を終わる。
 この際、昼食のため午後1時まで休憩する。
   午後0時3分 休 憩
 
   午後1時4分 再 開

〇菊池副委員長 休憩前に引き続き会議を開く。
 次に、警察本部長から警察本部関係の説明を求める。

〇篠宮警察本部長 平成11年度の警察予算の御審議をいただくに当たり、まずもって、最近の治安情勢について御説明を申し上げる。
 県内の治安情勢は、殺人などの凶悪事件、店頭の食品への針混入事件の発生、来日外国人による組織犯罪の多発、少年事件の増加、交通死亡事故の続発など依然極めて厳しい状況にある。今後、景気の急速な回復が望み得ない現状において、失業問題など社会に及ぼす影響を考慮すると、治安を取り巻く情勢は一層深刻化の度合いを増すものと懸念しているところである。
 このような中、県警察においては、平成11年における運営重点の基本姿勢を県民のための警察という原点に立って、昨年に引き続き、県民の期待と信頼にこたえる警察とした。これを具体的に推進するための重点目標として、交通死亡事故の抑止、悪質重要犯罪の徹底検挙、少年非行の防止、組織犯罪対策の推進、安全な地域づくりの推進の5項目を掲げ、組織の総力を挙げて取り組んでいるところである。
 本年は、全国高等学校総合体育大会の警衛警備、岩手山火山災害対策などに万全を期すとともに、時代に対応した捜査体制の強化など治安基盤の整備充実を図り、安全で住みよい地域社会の実現に向かって邁進する所存である。
 それでは、平成11年度警察費当初予算について御説明を申し上げる。
 議案その1の8ページをお開き願う。第9款警察費の総額は315億448万8、000円である。これを項別に見ると、第1項警察管理費が283億3、540万2、000円、第2項警察活動費が31億6、908万6、000円となっておる。
 次に、目別予算の内容について御説明を申し上げる。お手元にある予算に関する説明書によって主なものについて御説明をする。
 平成11年度予算に関する説明書の224ページをお開きいただきたいと思う。第1項警察管理費第1目公安委員会費は822万1、000円である。その内容は、公安委員会の運営に必要な委員報酬などである。第2目警察本部費は258億8、104万4、000円である。その内容は、岩手県警察の運営に必要な経費であり、警察職員の給料及び職員手当などの人件費が主なものである。この中には、高度情報化に対応する岩手県警察ワイドエリアネットワークの構築など、情報管理システムの整備経費が含まれている。
 次に、説明書の225ページに移る。第3目装備費は3億9、567万7、000円である。その内容は、犯罪捜査、大規模災害対策などに的確に対応するための警察装備品の整備と維持管理に要する経費で、車両・災害対策装備品の購入費及び車両、警備船、航空機の維持管理に必要な経費が主なものである。この中には、間もなく年度内に国費で更新配備される中型ヘリコプターの導入関連経費及び警察音楽隊用バスの更新整備経費も含まれておる。同じく225ページ、第4目警察施設費は14億2、722万9、000円である。その内容は、治安の基盤をなす警察施設の整備、維持管理に要する経費で、県民のニーズにこたえるとともに、職員の勤務環境及び生活環境の改善を図るものである。この中には、盛岡東警察署の建てかえのための設計、仮庁舎改修及び現庁舎の解体費用も含まれておる。次に、226ページをお開きいただきたいと思う。第5目運転免許費は4億8、906万円である。その内容は、運転免許行政処分者講習、高齢者講習など運転者対策を推進し、交通事故防止を図るための経費である。次に、227ページの第6目恩給及び退職年金費は1億3、417万1、000円である。
 次に、228ページをお開き願う。第2項警察活動費第1目一般警察活動費は5億2、541万8、000円である。その内容は、交番相談員の配置など、交番・駐在所関係経費、警察通信施設の維持管理経費及び本年8月に開催される全国高校総合体育大会の警衛警備経費が主なものである。第2目刑事警察費は2億9、200万円である。その内容は、少年非行防止対策及び保安警察に必要な経費、犯罪捜査に必要な経費並びに暴力団を排除するための経費である。229ページ、第3目交通指導取締費は23億5、166万8、000円である。その内容は、交通指導取締活動、交通安全施設整備など交通警察運営に必要な経費である。交通安全施設整備については、総合的な計画のもとに、交通管制区域の拡大整備、交通信号機の新設・改良などを行い、交通事故防止と交通の円滑化を図ろうとするものである。
 次に、予算以外の議案について御説明する。恐れ入るが、議案その2に戻って、87ページをお開き願いたいと思う。
 議案第64号自動車運転免許試験場使用条例の一部を改正する条例についてである。
 本条例は、自動車運転免許試験場における運転練習にかかわる使用料であるが、人件費及び物件費などの増嵩を勘案して改定するものである。
 以上のとおりであるので、よろしく御審議いただくようお願い申し上げる。

〇菊池副委員長 ただいまの説明に対し、質疑ないか。

〇谷藤委員 少年少女を取り巻く環境が非常に悪化してきているのではないかと思っておるけれども、その中でツーショットダイヤルとか、伝言ダイヤルを利用した少年の性非行の実態と、それから防止策について、今どのような取り組みをされているのかというのをお聞かせいただきたいと思う。

〇高橋生活安全部長 県内のツーショットダイヤル等の営業所であるけれども、本年2月末でツーショット、伝言ダイヤルは27カ所となっておるし、テレホンクラブは11カ所、合計38カ所となっておる。ツーショットダイヤルなどの利用実態は、男性が電話で会話した女性をデート目的に誘い出すケースが多く、女性の方はフリーダイヤルで利用できるため、女子少年が興味本位で利用し、みだらな性行為などの福祉犯の被害に遭う事案も発生しておるところである。平成10年中に、いわゆる性非行で補導した女子少年は、前年より5名少なく73名となっておる。この中にはツーショットダイヤルなどの利用に関連し、青少年のための環境浄化に関する条例違反の被害に遭った中高校生女子6名が含まれておる。この種事案は、被害者意識が希薄であり、潜在性も強く、数字的にはもっと多いものと考えておるところである。
 平成6年に全国の中学校60校に、3年生の女子を対象に調査した結果によると、女子の27%がこのツーショットダイヤルなどに電話をした経験があることが明らかになっておるところである。このような実態を踏まえて、県警としては、県教育委員会、各学校と連携を図りながら、興味本位でツーショットダイヤルなどに電話をかけない、相手の言葉にだまされない、知らない人からの呼び出しには安易に応じない等について指導しているほか、広く地域社会に対しても地域安全ニュースなど各種広報媒体を活用し、広報啓発活動を推進しているところである。
 また、関係業者に対しては、テレホンクラブ等営業の規制に関する条例に基づいて、18歳未満の青少年に対し広告宣伝をしてはならない、18歳未満の青少年を営業所に立ち入らせてはならない等について、取り締まりを実施しておるところである。
 今後とも、地域、学校と緊密な連携のもとに、性非行防止を含めた少年の健全育成を図るため、補導活動の強化をしてまいる所存である。

〇谷藤委員 日ごろから大変な御努力をされておることに敬意を表するけれども、なかなかイタチごっこでこれも大変なことであろうと思うけれども、今後また頑張って非行防止に努めていただきたいと思う次第である。
 それから、先ほど予算の説明の中で、盛岡の東署庁舎の改築部分にかかわる予算が計上されておるわけであるけれども、平成10年度の当初予算では基本設計の委託ということであったようであるが、11年度は実施設計に入るということである。それで今度新しくできる東署の規模というか、その内容というか、ヘリポートがつくのではないかとかいろんなお話も聞くけれども、それらの中で現段階で明らかにできる部分があったらばお知らせをいただきたいと思う。
 それから、工事期間中は別なところに移動して仕事の方を取り組んでいただくわけであるけれども、それらについても支障のない状態でいかなる方向になっているのか、その辺についてもお知らせをいただきたいと思う。
 それからもう1点、この間久しぶりに機動隊の方の庁舎の近辺に行った。私は、昔よく剣道で稽古をつけてもらいに行ったり、いろんな機会にお邪魔をしたけれども、今当時と違って非常に住宅が密集して、かなり老朽化してして、これでは訓練していても隣近所にかなり気を使いながら訓練していかなければならない状況にもなっているというのを見てきた。これを何とかもうそろそろ新しい体制に変える時期にきているのではないかと思って見てまいったけれども、何かその辺の考え方というのを持っているものか、お知らせいただきたい。

〇菅沼警務部長 盛岡東警察署の改築計画についてお答え申し上げる。
 御指摘のとおり、東警察署については、昭和32年の建築で築後42年という期間を経過しており、非常に老朽化が激しく狭隘化しておる。したがって、現在、当予算でもお願いをしておるが、現在地での建てかえというものを計画しておる。規模としては、建築延べ面積はほぼ1万4、000平方メートルということで、東警察署の部分としては、現在の警察署よりは2倍以上の広さがとれるという状況になっておる。また、委員からお話あったヘリポートについては、そのとおり、屋上に設置したいということで考えておる。
 また、施設の内容としては、現在の盛岡東警察署いわゆる警察署の機能のほかに、現在県警本部の方にある交通管制センターあるいは鑑識課、科学捜査研究所及び情報管理課の部分を新しい庁舎の方に移転をしたいということで考えておる。なお、庁舎の構造として、大規模震災等を考慮して、免震構造等活用して地震災害に強い庁舎を考えておる。
 また、建てかえ期間中の仮庁舎の関係については、現在盛岡短大の跡の旧施設をお借りして、そちらの方で警察業務を進める予定にしておる。これについては、地域住民の方々ともお話をさせていただいて、地域には過度の負担がかからないように、あるいは警察としては、現在の警察力を低下させることのないように、十分配慮してやっていきたいということで考えておる。
 また、次に機動隊庁舎の関係についての御指摘であるが、確かに機動隊庁舎についても、昭和43年の建築で築後31年を経過しておるという状況にあり、御指摘のとおり、非常に狭くかつ老朽化をしておる。また、周辺の住宅化も非常に激しいものがある。また、訓練についても、十分しきれないような状況も見受けられておる。しかし、現在機動隊の設置してある地域については、いわゆる第一種低層住居専用地域ということになっており、現在地での庁舎の建てかえというものができないとされておる。したがって、御指摘のとおり、適地に移転をして庁舎を新築するということを前提にして検討を進めてまいりたいと考えておる。

〇伊藤委員 私からは1点の質問と、それから一つの確認、そして一つの要望を申し上げたいと思う。
 私は今、岩手県献血推進委員会の委員に任命をされておる。共産党の斉藤信委員も同じくである。私はともかく、献血推進委員というのは血の気の多いのが来るところなのかと、こんなふうにも思っておるが、この血液という部分についてちょっとお伺いをしたいと思う。
 先般、献血推進審議会が開かれた。その際に、献血をする人たちが総体的に減っており、そして岩手県内で必要な献血の保存量が間に合っていないという報告があった。その中でいろんな話をしたわけであるが、その席で私は一つ提案を申し上げたけれども、そのことについてお伺いをしたいと思うのである。
 実は、道路交通法が昨年の10月から少し変わって、違反者がいろんな活動をした場合に、減免というか、軽微になるといった社会参加活動というのがあったわけであるが、その中の一つに献血という部分を加えていただけないものか。つまり、足りないというところに何かの形でそういったものを満たす部分があれば、それはそれで県民全般のお役に立つことではないかと、このように思ったからである。交通の三悪と言われておるスピード違反とか、そういった中でよく言われることは、ハッと冷やりの法則とかあるようであり、ハッとする運転を何回すれば1回とか、冷やりとするような運転をすれば何回に何回とか交通事故を起こしてしまうと、こういうような話があるわけであり、交通事故を起こしたということについての行き着くところは、加害者、被害者、そして事故、けが等があれば血液で手当てをするということになると思う。そういう観点から、献血という言葉が当てはまるかどうかわからないが、預血ということもないのであろうし、いずれ国家公安法あるいは警察法等の規則の中で、一概には今イエス、ノーを言っていただけない部分があろうかと思うが、この社会活動、奉仕活動という中の一部として、そういった観点をお持ちになって啓蒙していただきながら、同時にそういった部分を取り込んでいただけないのかという分で提案を含めて御質問をする。
 それから、もう1点は確認であるが、宮古市の千徳交番所は生活環境の悪化というか、地理的条件が余り芳しくなくなってきたということで移転を計画されておるように伺った。地域の自治会の会長さんとか町内会の会長さんたちからよく伺うのは、今でも交番所は移転をしたいのであろうか、場所をどっちの方に求めているのであろうかということをよく聞かれる。したがって、その人たちは、そういう方向にあるのであれば、自分たちの地域のことなので自分たちが一肌脱いで御協力を申し上げたい、一体どうなのであろう、あるいは立ち消えになったのであろうかとも聞かれるので、千徳交番所の移転等についてどのようにお考えになっているのか、これは確認をしておきたいと思う。
 それから要望であるが、おかげさまで宮古警察署が大変立派に新築をして、いよいよ新しい場所で気持ちを新しくして仕事についておられるわけであり、この場所については、宮古市の閉伊川と津軽石川に囲まれた宮古の中間地点に移転をしたということは、さすが将来を見越しての移転であったと思っておる。三陸縦貫自動車道があの地区に入ってまいるし、宮古盛岡横断道路が入ってくる。やはり、将来的には宮古市の中心にあの辺がなってくるということを考えると、あの場所の選定はさすがであると思うわけであるが、今度移転をした旧警察署があった地区の人たちは、警察がそっくりいなくなったものであるから、いろんな意味での抑止力というか、大変寂しい思いがするとのことである。しかも宮古の場合は、宮古駅前交番と鍬ヶ崎地区にある水上警察との間にでんと今までの警察があったが、これがなくなったということで両交番のエリアが急に広がったのではないかといった不安を持っておるようであり、できれば旧警察署の跡地あたりにでも新しい交番所を一つほしいという住民の要望があるので、これについてのお考えがあればお示しをいただきながら、ぜひそういった手当てをしていただきたいということを要望しておきたいと思う。

〇佐藤交通部長 違反者講習の社会参加活動に、献血を加えることができるかということについてお答えする。
 道路交通法の一部改正に伴って、昨年10月1日から軽微な交通違反者を対象として、運転者の資質の向上を図ることを目的に違反者講習を実施しているところである。違反者講習を通じて行う社会参加活動の内容については、国家公安委員会規則で、道路を通行する者に対する交通安全教育、歩行者の誘導、その他道路を通行する者の通行の安全を確保するための活動、適正な交通方法または交通事故防止についての広報活動、その他道路における交通の安全と円滑に資するための広報活動、このほか道路における交通の安全と円滑に資する活動等を定めているところである。
 本県での社会参加活動は、この規定を受けて、道路上の放置自転車の実態確認及び整理、迷惑駐車防止のための広報啓発活動、主要交差点における交通安全に関するチラシの配布、歩行者・自転車の通行の補助・誘導または交通監視活動、交通安全マスコットの作成と定めて実施しておる。
 御質問の違反者講習の社会参加活動に献血を加えることについては、ただいま申し上げた本講習の目的、また他県の例も調べるなどして十分に検討した結果、違反者講習として行う社会参加活動にはなじまないものと判断しておる。なお、献血というのは極めて重要であることは私どもも十分に理解しておるし、従来から血液センターなどが運転免許センターを使用して行っておる献血活動に協力してまいった。今後とも、積極的に協力してまいりたいと考えておる。

〇菅沼警務部長 まず、千徳駐在所の件についてお答え申し上げる。
 御指摘のとおり、大分ひどくなっており、現在のところ、平成12年ないし13年をめどとして建てかえをしたいと考えておる。ついては、その計画に合わせて、現在、場所の選定等をやっているところである。
 また、宮古警察署の移転に伴う港町交番の負担の関係であるが、従前から港町交番については署の設置場所を含めて管轄しておったけれども、交番・駐在所の設置あるいは統廃合については、やはり住民の方々の利便性あるいは管内の人口、あるいは世帯数、犯罪発生状況、事故発生状況等勘案して、全県的な観点から見直すということでやっておるので、同地区の交番設置についても、このような観点から検討してまいりたいと考えておる。

〇久保田委員 2点のことについてお伺いする。
 第1点は、覚せい剤などの薬物の乱用防止対策について、2つ目は、高齢者の交通事故防止対策についてである。
 まず、覚せい剤などの薬物の乱用防止対策についてであるが、報道によると、昨年1年間で県警が押収した覚せい剤の量は過去最高の量であったと報道されており、353グラムと言われておるわけである。覚せい剤の問題は今や第三次というか--第二次という言葉があったようであるが--第三次覚せい剤の乱用期に突入しているという評価の見方もあるわけであるが、覚せい剤の乱用者が増加傾向にあると言われておるわけであり、本県への浸透がますます憂慮をされるわけであるが、最近における薬物の情勢はどうであろうか。本県における事犯発生状況はいかがなものであろうか。薬物の乱用防止対策についてどのような具体的方策を講じておられるか、以上、具体的な三点についてお伺いする。

〇高橋生活安全部長 まず最初に、最近の薬物情勢について申し上げたいと思う。
 我が国における覚せい剤事犯の検挙人員は、昨年1年間で1万6、888人に上っておる。ここ数年、増加傾向にあり、委員御指摘のとおり、第三次覚せい剤乱用期に突入したとも言われておるところである。しかも、その特徴としては、中高校生等少年による覚せい剤事犯の急増、それからイラン人等の密売組織による薬物事犯の増加などが挙げられるところである。現在、国内で乱用されておる覚せい剤は、主に中国から密輸入され、本県へはそのほとんどが関東方面の暴力団等の密売組織から供給されているのが実態である。
 本県の覚せい剤事犯の検挙状況についてであるが、平成10年中は少年1名を含む60名を検挙し、覚せい剤の年間の押収としては、過去最高の約353・2グラムを押収しておる。この量は、約1万1、700回分の使用量に相当する。特徴としては、密売に依然として暴力団が関与していること、覚せい剤のいわゆる前歴者の再犯比率が高いことなどである。
 次に、乱用防止対策についてであるが、県警としては、常習者、末端乱用者の徹底検挙、密輸密売ルートの解明・検挙を重点に、強力に取り締まりを推進しておるところである。特に、密輸密売事犯の摘発については、税関、海上保安部等と緊密な連携を図っており、昨年3月は宮古港におけるけん銃、大麻の密輸入事犯を検挙しているところである。また、広報啓発活動としては、昭和52年に設立された岩手県薬物乱用対策推進本部の活動を中心として、覚せい剤等薬物の乱用を拒絶する県民意識の高揚を図っておる。さらに、青少年の薬物乱用防止対策として、県教育委員会や関係団体と連携を図りながら警察職員を学校に派遣して、小中高校生に対する薬物乱用防止教室を平成8年から実施しているところであり、昨年は133校、児童生徒4万8、337名を対象に、薬物乱用が原因となった事件事故の実例や薬物の恐ろしさ等について講話するなど、啓発活動を推進しているところである。

〇久保田委員 お答えありがたかった。
 今お話があるように、増加傾向にあるわけであり、大変このことが憂慮されるわけである。学校における周知指導の効果というものに期待するのであるが、そういう状況にあるということについて、さらなる取り組みが必要かと思うわけである。何といっても今もお答えの中に触れておるが、この常習者がきっぱりと途絶えるようなことにもっていかないと、結果としては増加傾向に歯どめがかからないということが心配されるわけである。
 そこで私の私見である。これは、警察当局の手に負えない部分になるのかと思うが、つまり再犯に至らないような、未然の対策というものに対する手だてというものが必要であると思うわけである。そのためには、一般的には保護司とか民生委員とか、そういう民間における人たちの協力というものも、ふだんの生活の中で見てあげることによって対策が講じられていくものとも思うわけである。大変難しいことと思うのであるが、新たな視点で今後取り組むべきことではないのかということである。もちろん、小中学校の子供たちの犯罪というものは、最も注意しなければいけない神経を使う部分ではあるが、全体的に覚せい剤に対する防止対策というものについては、なお一層の対策を講じていただくように要望したいわけである。
 現在、保護司とか民生委員等との関係については、これら再犯防止ということでどういう取り組みがなされておるものであろうか。もし、効果的な方法としてあったら、その事例をお知らせいただきたいと思うわけである。
 次に、高齢者の交通事故防止対策についてである。
高齢ドライバーによる交通事故の発生の状況についてである。普通乗用車や二輪車を運転中における場合についてお尋ねしたいのであるが、高齢者のドライバーの事故の件数、死者、負傷者数についてお知らせをいただきたいと思う。
 第2点とすれば、高齢者が被害に遭った事故の発生状況についてであるが、歩行中や自転車に乗車中の高齢者が被害者となっている事故件数や死者、負傷者数はどうなっておるであろうか。前年対比との関係でお答えいただければいいと思う。つまり、これらの事故の発生にはそれぞれの要因があると思うのであるが、その要因についてお聞かせいただきたいと思う。
 高齢者にかかわる交通事故の防止対策については、これまでも各般の対策が講じられてきていることは承知しておるわけであるが、新年度において、いかなる対策を新たに講じられる予定であるか、以上の点についてお答えをいただきたいと思う。

〇添田交通部参事官兼交通企画課長 高齢者の交通事故防止対策についてお答え申し上げる。
 昨年県内で発生した65歳以上の高齢者がかかわる交通事故は、1、159件で、全人身事故の約21%、亡くなった方は50人で、全死者の約37%、けがをした方は908人で、全負傷者の約13%であった。このうち、高齢ドライバーに主として責任のある事故は、四輪車運転中が397件、死者7人、負傷者86人である。また、二輪車あるいはバイクを運転中の事故が120件、死者3人、負傷者102名となっておる。また、高齢者が被害に遭った事故では、道路を歩行中の事故は191件で、死者22名、負傷者169名、また自転車乗車中の事故が153件で、死者7人、負傷者148名である。このほか、自動車を運転中あるいは同乗中に被害に遭った事故が298件、死者11名で、負傷者403人となっておる。
 この事故の形態を見ると、高齢ドライバーに主として責任のある事故のうち、約56%が交差点を通過する際の左右の安全不確認あるいはわき見、あるいはぼんやりとして前をよく見ていなかったという事故であるし、また道路を歩行中あるいは自転車乗車中の事故については、道路を横断する際に、やはり左右の安全を確認しなかった事故というのが約72%ほどあるし、自転車については、交差点を通過する際に左右の安全をよく確認しなかったというのが、これも半数を超えて約67%ある。これが主なものである。これは個人差があろうかとは思うが、年を重ねるとともに、視力、体力等の機能が低下し、高齢者自身がそれをよく自覚しないということと、体系的な交通安全教育を受ける機会が少ない、こういうものがその要因ではないかと考えておるところである。
 このようなことから、警察としては、高齢者の交通事故を防止するために、平成11年度についても免許更新時の高齢者講習の充実強化、それから市町村と連携しての運転実技を中心とした高齢者交通安全教室の開催、県内21地区にシルバー交通安全モデル地区を設定しての広報啓発活動、交通安全団体等と連携して、高齢者宅を訪問しての交通安全についての個別指導、あるいは安全に道路を横断できるように、歩行者用信号を長くした信号機の設置あるいは横断歩道標識の大型化等の交通安全施設整備、そして人も車も自転車もとまって確認実践運動など、諸対策を推進することとしているところである。
 今後とも、自治体、関係者、関係機関・団体との連携を密にして、高齢者の交通事故防止に努めてまいりたいと考えておるところである。

〇高橋生活安全部長 それでは、保護司の皆さんあるいは民生委員の皆さんとの連携というか、つながりはどうかという御質問なのでお答えする。
 現在でも民生委員の方々あるいは保護司の皆さんの方々、それから社会を明るくする運動の方々等の会合には、担当係員がお邪魔して御協力をお願いするとともに、連携を強めておるところであるし、保護司さんの場合には個別にいろんな相談等もあるので、そういった方々については可能な限り御協力を申し上げておるし、今後とも連携を強めてまいりたいと考えておるところである。
 また、少年の場合については、昨年構築した岩手っ子すくすくネットワークの中に保護司さんも参加していらっしゃるので、そういった会合等を通じながらこれまた連携を強めてまいりたいと、このように考えておるところである。

〇久保田委員 覚せい剤の関係については今の答弁で理解できた。高齢者の交通事故防止については、私自身この2月から65歳になったものであるから、みずからをしっかりしなければならないと思って毎日運転はしているが、どうであろうか、この65歳以上になったドライバーに対して免許更新時に再教育というか、運転技術の再点検をするとかという制度になっていないわけであるが、これが言うなれば一つの義務として、高齢者に対する自動車学校における再教育の場をつくるべきではないのかという感じもするのであるが、いかがなものであろうか。県の交通安全対策上の一つの指針として、こういう方向が打ち出されていくべきではないかと思うのであるが、いかがであろう。

〇佐藤交通部長 交通の講習についてお答えする。
 高齢者の講習については、法定講習は75歳以上の方を対象として現在行っておるが、65歳から74歳までの方は、希望者であるけれども、更新時任意で高齢者学級を編成して、他の運転者と区別して講習を実施しているところである。それから実技講習としては、市町村と連携をして実技講習のみを対象として現在進めているところである。これも任意である。

〇小野寺委員 1点。薬物事犯撲滅のためのキャラバンカーというものが、首都圏において非常に好評であると聞いておる。薬物は個人を廃人にするだけではなくて、国をも滅ぼしてしまうといった非常に大変なものなのであるが、近年の若者は悪いという意識が非常に薄れているので、そういったキャラバンカーを借りてきてはどうかと思うのであるが、お聞きしたいと思う。

〇高橋生活安全部長 本県のそういった青少年に対する広報活動というか、先ほど若干申し上げたけれども、各署にいわゆる防犯広報車という車がある。その車等を利用しながら、必要に応じてその地域に対して広報活動を実施しておるし、それからパンフレットあるいは各交番・駐在所で発行しておるミニ広報誌などについても、各号にいわゆる乱用防止、恐ろしいということを訴える記事等を載せて広報啓発活動を現在実施しておるし、今後もさらに強化してまいる所存である。

〇須藤委員 私も前職は消防に身を置かせていただき、皆さんといろんな現場を御一緒させていただいた。まさに、そういう中で6、425名の方々の命を奪う痛恨の阪神淡路大震災が発生した。リアルタイムで放送される災害状況に皆さん大変胸を痛め、そしてまた、時間とともにさまざまな教訓が浮き彫りにされてまいった。
 その一つに、広域援助協定というものがあるが、当県でもあるいは県下の自治体でも、そういう体制が現在大きくあるいは確固として整いつつある。この状況の中で、私の記憶によると、1月か2月に警察の方で警視庁さんと北海道警察さんと、広域緊急援助隊の訓練を岩手山の火山災害対策を想定して訓練されたと記憶をしておる。大変時宜を得、かつ大きな期待をするものなので、この際その訓練を実施された皆さんの方から、改めてこの訓練の概要と緊急援助隊等の概要についてお知らせをお願いしたいと思う。

〇篠宮警察本部長 それでは、御質問のあった広域緊急援助隊の概要について、まず御説明する。
 広域緊急援助隊は、さきの阪神淡路大震災を契機に、国内で大規模な災害が発生した場合、または発生する恐れがある場合に、都道府県警察の枠を越えて速やかに応援体制をとることを目的に、平成7年6月に各都道府県警察に創設されたものである。広域緊急援助隊員は、各都道府県警察の機動隊員、交通機動隊員などから選抜をして、警視庁と北海道警察は単独で、他の府県警察は管区警察局の単位で編成されており、全国で約4、000名の体制になっておる。本県警察の場合は、約50名が東北管区広域緊急援助隊に編成をされておる。
 この緊急援助隊の任務であるが、災害発生の初期段階において、被害情報や交通情報の収集あるいは被災者の救出救助、緊急交通路の確保などの活動に従事することが任務となっておる。ちなみに、昨年9月3日、雫石町で発生した震度6弱の地震の際には、北海道警察、警視庁及び東北管区の広域緊急援助隊が出動待機をとったと聞いておる。
 次に、先般行われた北海道警察及び警視庁の広域緊急援助隊の訓練概要についてお答えをする。
 この訓練は警察庁が主催をした全国初の訓練であった。岩手県を初め東京都、静岡県、大阪府、香川県の全国5カ所において大規模災害が発生したことを想定して、部隊の招集、集結、移動などの訓練を行ったものである。本県で行われた訓練は、岩手山火山災害警備活動を想定したもので、北海道警察広域緊急援助隊は、1月25日に人員約170名が北海道を出発し、室蘭港から青森まではフェリーを利用して翌26日の朝、さらに警視庁広域緊急援助隊については、2月2日に人員約350名が東京を出発し、東北自動車道を経由して同日夕刻に、それぞれ岩手県警察学校に到着をし、翌日、岩手山被災予想地域の視察を行ったものである。なお、この訓練にあわせて本県警察としては、岩手山火山災害警備計画に基づいて、応援部隊の誘導、案内などの受け入れ訓練を実施したところである。
 本県警察では、大規模災害が発生した場合には、最大で約1、100名の警察官を動員して災害警備活動に当たることとしておるが、被災者の救出救助や緊急交通路の確保などにさらに要員を必要とする場合には、ただいま申し上げた全国規模の広域緊急援助隊の応援を受けて、災害警備に万全を期してまいりたいと考えておる。

〇斉藤委員 私は1点だけ、事件事故の際の被害者対策についてお聞きをする。
 昨年、交通事故死した片山隼君の事件が大きな社会問題となった。東京では昨年の8月から、法務省はことしの4月から被害者に対する通知制度を実施するとなっておるけれども、岩手県警における被害者対策はどうなっているであろうか。特に、交通事故被害者への対策を含めて示していただきたい。

〇菅沼警務部長 犯罪の被害者については、直接的な被害ということだけでなく、その結果として、精神的な被害あるいは肉体的な被害等多くの被害を受けておる。とりわけ、精神的な被害の問題については極めて深刻であろうと。特に、それによって著しいストレスを抱えるなどの問題が生じておる。したがって、精神的な援助が必要ではないかと思われる被害者が、多数存在しているのではないかと考えておる。そこで県警察としては、平成9年8月に、県あるいは県医師会等と関係機関・団体で構成される岩手県犯罪被害者対策連絡会を設置するとともに、被害者に対する救援、また捜査過程における被害者の第二次的被害の防止・軽減、あるいは被害者等の身の安全の確保等の活動を展開しているところである。
 交通事故の被害者については、ひき逃げ事件、死亡及び3カ月以上の重傷事故のほか、被害者が望まれるような場合、いわゆる被害者が連絡を希望する場合について、事件事故発生後、速やかに被疑者の検挙あるいは事件の送致等の状況を連絡することとしておる。今後とも、被害者の御要望を把握して、実効ある被害者対策というものを進めていきたいと考えておる。

〇千葉(浩)委員 突然申しわけない。お昼のニュースで報道されたわけであるが、ベルマート都南プラザでの食品に対する針の混入事件であるが、被疑者を検挙したという報道がなされたわけである。今のことであるから、どういう御答弁いただけるかわからないが、その状況についてどういう状況であったのか。そして、この問題は大変な問題であり、県警としても大変全力を尽くして捜査に当たっているというのは我々も感じているわけであるし、県民もそういう形で感じていると思うのである。これは岩手県ということだけではなく、全国版で非常に大きく取り上げておられる問題であり、そういうことがお昼のニュースで流れたので、そのわかる状況の答えられる範囲内でひとつお答え願えればありがたいと思う。

〇及川刑事部長 針混入事件というのは全国的にも発生しておるけれども、非常に模倣犯として発生する確率が高くなっておる。本県においては、1月末からスーパーなどの食品に針を混入する事件が発生しておるし、その後は小学校等においての給食に対して針が混入されるという事案が発生しておる。大別すると、この2種類になっておるけれども、そのうち検挙されたというのは、これは委員御指摘のとおり、紫波署管内のスーパーにおいて豆腐に針を混入されたという事案である。これについては、盛岡市内において発生していた事案が騒がれていた時期なのであるけれども、やはりそういった報道がされたことに刺激されて、自分のイライラする気持ちも面白半分といった形で針を混入したということで、後で自首してきたという形のものである。であるから、善良な市民として自首された事案として処理させていただいておる。こういう針混入事案というのは、動機とか予測される場所というのが非常に判断に難しい事案なので、我々としても非常に捜査に難航を極めているというのが現状である。

〇菊池副委員長 ほかに質疑ないか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇菊池副委員長 質疑がないようなので、これで警察本部関係の質疑を終わる。
 以上で本日の日程は全部終了した。本日はこれをもって散会する。
   午後2時5分 散 会


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