平成11年2月定例会 予算特別委員会会議録

前へ 次へ

平成11年3月4日(木)
   

1開会  午前10時4分

1出席委員  別紙出席簿のとおり

1事務局職員
事務局長 佐藤嘉成
議事課長 藤沢重一
議事課長補佐 駿河 勉
主任議事管理主査 千田正和
議事管理主査 南 敏幸
議事管理主査 筒井則裕
議事管理主査 森 達也
議事管理主査 熊谷正則

1説明員
議会事務局長 佐藤嘉成
議会事務局次長総務課長事務取扱 千葉幸兵
議事課長 藤沢重一
調査課長 吉岡朋子
 
総務部長 吉田敏彦
総務部次長兼県立大学室長 和美宏幸
総務部次長兼行政システム改革室長 盛 合 桂三郎
参事兼秘書課長 保坂貢一
総務学事課長 小野寺 禎 夫
文書公開監 今泉敏朗
人事課長 照井 崇
財政課長 千葉 弘
施設管理課長 佐藤国洋
税務課長 山口一彦
消防防災課長 篠谷 隆
火山対策監 小野寺博
県立大学監 千葉俊明
行政システム改革監 邨野善義
 
企画振興部長 武居丈二
企画振興部次長竹内重徳
企画振興部次長 佐藤 勝
企画調整課長 上 野 賢一郎
地域政策課長 中村世紀
特定地域振興室長 菊池秀一
市町村課長 久保隆男
情報科学課長 黒 田 淳一郎
交通政策課長 河原畑徹
資源エネルギー課長 名須川 定 男
広聴広報課長 小原公平
統計調査課長 佐藤安彦
 
出納長出納局長事務取扱 高橋洋介
副出納長兼出納局次長 石川 誠
総務課長 砂子沢 勝 男
出納課長 山火隆三
 
人事委員会事務局長 福岡勝夫
総務課長 晴山祐典
職員課長 千葉 務
 
監査委員事務局長 飛澤重嘉
総務課長 青木 拓
監査課長 小田中 善治郎
   

〇三河委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入る。
 議案第1号から議案第21号まで、議案第26号から議案第37号まで、議案第40号、議案第43号、議案第45号から議案第47号まで、議案第49号、議案第50号、議案第52号及び議案第54号から議案第64号まで、以上52件を一括議題とする。
 本日は、議会、総務部、企画振興部、出納局、人事委員会及び監査委員関係を終わるように進行したいと思うので、御協力をお願いする。
 また、世話人会の申し合わせにより、質疑項目が複数ある場合、関連する事項についてはできるだけまとめて質疑されたいこと、また、質疑及び答弁については簡潔明瞭に行い、午後5時を目途に審査が終了するよう議事進行に御協力をお願いする。
 なお、関連質疑については、冒頭に質疑を表明している委員より優先して発言を認めているものであるので、その性格上、関連性の強いもののみ短時間、簡潔に発言されるよう、また、要望のみで終わることのないよう、御協力をお願いする。
 最初に、議会事務局長から議会関係の説明を求める。

〇佐藤議会事務局長 平成11年度の議会関係の歳出予算について御説明申し上げる。
 議案その1の6ページをお開き願う。
 第1款議会費は総額16億2、258万円余であるが、この詳細については、便宜、予算に関する説明書により御説明申し上げる。予算に関する説明書の89ページをお開き願う。
 1目議会費の10億6、593万円余は、議員51人の報酬、旅費等議会運営に要する経費である。次に、2目事務局費の4億6、915万円余は、議会事務局職員34人分の人件費及び事務費等で、事務局の管理運営に要する経費である。次に、90ページをお開き願う。3目議員会館費の8、749万円余は、議員会館の管理運営に要する経費である。
 以上で議会関係の予算についての説明を終わるが、よろしく御審議のほどお願いする。

〇三河委員長 ただいまの説明に対し質疑ないか。

〇吉田(秀)委員 佐藤事務局長は、この3月をもって後進に道を譲られるというのは本当であろうか。私は新聞で見ただけであるが、そんなになったのかと思っておった。
 この機会をおかりして、一言お礼を申し上げさせていただきたいと思う。
 事務局長には、昭和39年、ちょうど東京オリンピックが開催された年に岩手県職員として盛岡県税事務所に採用され、県職員としての第一歩を踏み出され、以来、総務、福祉部門を中心に、35年間にわたって県政に尽力をしてこられた。
 昭和63年4月には生活福祉部高齢化対策室長として幹部職員となられ、平成元年4月からの2年間余りは県民生活課長として、国税の消費税の対応や生協の経営安定化対策に尽力してこられたわけである。消費税の施行日がちょうど課長職発令の日で、もう終日電話が鳴りっぱなしだったと聞いておる。この時期が本格的な御苦労の始まりであられたのではないかと感じさせられる。
 そして、平成3年5月には、圧倒的支持を得て当選された工藤県政のスタートに当たり、その力量を買われ秘書課長となり、平成7年4月までの4年間、豊かな自然の中に活力と希望にあふれ、心のふれあうふるさと岩手の創造に邁進された故工藤知事のもと、お世話役として、あるときはよき相談役、あるときは県民の要望や報道機関などと知事とのパイプ役になり、本当に公私ともにこれを支えてこられたわけである。
 また、工藤県政時代の、大成功を見た4大イベントや献血運動推進全国大会などの開催に伴う皇族の御来県に当たっては、宮内庁、関係宮家との連絡調整を陣頭指揮し、信頼関係を築かれ、皇太子、同妃殿下の御成婚後初の地方へのお出ましなど、十回を超える行啓、お成りの対応を無事行ったところである。
 故工藤前知事は、県立大学整備構想の具体化など輝かしい御功績を残されたが、知事を支えた事務局長は、裏方の本当の功労者ではなかったかと思う。
 平成7年5月には生活福祉部次長、平成8年4月には東京事務所長となり、東京では、老朽化のため長年の懸案であった学生会館の整備や東京で話題となっているいわて銀河プラザの開設に奔走された。また、この2年間は、国との折衝や企業誘致など第一線で活躍される中、矢面に立った場面もあり--この矢面は相当ひどかったと思うが、斉藤信委員はよく御存じだと思う--、本当に苦労をされたと思う。
 そして、昨年4月、県議会の事務局長につかれ、我々議員にとって任期最後の1年であるが、会派の再編や情報公開の取り組みなど、目まぐるしい時期であったと思う。私なりに振り返ると、議会は清々円滑に運営ができ、情報公開の推進など諸問題についても着実に進展を見ておる。2度目の裏方に徹し、迅速で的確な事務処理がなされたおかげである。
 以上、事務局長の県政推進の御功績の一端を述べたが、局長の今までの御努力は我々岩手県の発展の歴史でもある。また、局長のその人となりは、改めて申すまでもないが、虚心坦懐、そして花を愛するロマンチストでもあり、我々議員もいろいろな面で相談し、支えていただいた。
 ここに長年の御尽力に対し敬意を表し、ねぎらいを申し上げるとともに、心から感謝を申し上げる次第である。退任後におかれても、健康に十分留意なされ、なお一層の御活躍、御発展をお祈り申し上げ、お礼の言葉とさせていただく。本当にありがたかった。(拍手)

〇佐藤議会事務局長 ただいまは身に余るねぎらいのお言葉をいただき、まことに恐縮に存じておる。
 ただいま吉田委員からお話があったとおり、私は、昭和39年から35年余にわたり、総務、福祉、短い期間であったが土木、そして、議会などで仕事をさせていただいた。
 今、この長い県庁生活を振り返ってみると、それぞれの職場で課題の対応に追われながらも常に楽しく過ごさせていただき、あっという間に35年余が過ぎ去ったという感じをしているところである。
 この間、常によき先輩、上司、同僚に恵まれ、たゆまざる支援と指導、助言を賜りながら、何とかこれまで務めさせていただいた。また、特に県議会の議員の皆様方からは、各般にわたって御指導や御支援を賜った。心から厚く御礼を申し上げる。
 思い出すことは数多く、そのすべてが、今、脳裏を去来するのであるが、特にも3回にわたって担当させていただいた人事事務や健康に恵まれなかった工藤前知事時代の秘書課長としてその任期いっぱいを務めさせていただき、その間の皇室対応など、また、余り思い出したくない東京での食糧費問題への対応、そして、最後の職場となった県議会事務局での1年はまさに変革のときであり、このようなときにこの職務につかせていただき、不足ながらも何とか全うさせていただいたことは終生の思い出になるものと存じておる。
 大変貴重な時間をいただいていろいろお話し申し上げたが、この3月末をもって私とともに勇退を決意しておる隣の千葉次長ともどもここに御礼を申し上げ、委員各位のますますの御健勝と御多幸をお祈りし、御礼とする。ありがたかった。(拍手)

〇三河委員長 これで議会関係の質疑を終わる。
 次に、総務部次長から総務部関係の説明を求める。

〇盛合総務部次長 それでは、総務部関係の歳出予算等について御説明する。
 便宜、お手元の予算に関する説明書で御説明するので、予算に関する説明書の91ページをお開き願う。
 2款総務費1項総務管理費1目一般管理費37億5、688万円余のうち、総務部内各課の人件費等の管理運営費は20億3、582万円余であり、地方分権推進費は、市町村長に対する権限委譲に要する交付金等である。外部監査費は、監査機能のより一層の充実を図るため、外部監査人に監査を委託するために要する経費であり、共通経費は、休職者に係る人件費及び人事異動に伴う赴任旅費等である。次に、92ページをお開き願う。2目人事管理費は56億5、869万円余で、この主なものは、退職手当及び公務災害補償等に要する経費であり、3目文書費は、文書収発、情報公開等に要する経費である。次ページの4目財政管理費は、財政調整基金、公共施設等整備基金及び地域振興基金の果実収入の積み立てが主なものである。94ページをお開き願う。6目財産管理費は、県庁舎、地区合同庁舎、職員公舎並びに通信施設の維持管理に要する経費が主なものであるが、県庁舎有線電話設備整備事業費は、県庁舎の電話交換機が老朽したことから、県民の利便と通信回線の効率化を考慮し、電話交換手による中継台方式とダイヤルイン方式との併用可能な設備に更新しようとするものである。次ページの7目県外事務所費であるが、これは、平成11年度において、従前の大阪、北海道、名古屋、福岡の各事務所費を商工労働観光部から総務部に移管することとし、東京事務所費とあわせ県外事務所費として計上したものであるが、このうち、東京事務所管理運営費及び東京事務所宿泊施設管理運営費は、それぞれの管理運営に要する経費である。なお、いわて銀河プラザ管理運営費以下の予算については、商工労働観光部から総務部に移管になる予算であり、商工労働観光部において御説明するので、御了承願う。次に、8目公会堂費は、管理運営に要する経費である。96ページをお開き願う。9目恩給及び退職年金費は、恩給、退隠料及び扶助料等に要する経費であり、10目諸費は、宗教法人設立認証事務等に要する経費、11目庁舎等施設費は、地区合同庁舎の整備に要する経費である。
 次に、100ページをお開き願う。3項徴税費であるが、1目税務総務費は、税務関係職員の人件費等の管理運営費であり、2目賦課徴収費は、個人県民税徴収取扱費交付金など賦課徴収に要する経費である。
 次に、106ページをお開き願う。6項防災費1目防災総務費は5億4、141万円余で、この主なものは、航空消防防災体制強化推進事業費、岩手山火山活動対策費等であり、2目消防指導費は、消防学校運営費及び消防防災施設等整備事業費補助等が主なものである。
 次に、大きく飛んでいただいて251ページをお開き願う。10款教育費8項大学費1目大学費は63億4、333万円余で、県立大学及び県立大学短期大学部の運営に要する経費のほか、岩手県立大学学術研究振興支援事業費は、学術研究の推進や人材の育成に資するため、財団法人岩手県学術研究振興財団に対し助成しようとするものであり、県立大学大学院整備費は、当面ソフトウェア情報学研究科及び総合政策研究科--これは仮称であるが--、これらを平成12年4月に設置することをめどに諸準備を行おうとするものである。
 次に、252ページをお開き願う。9項私立学校費は57億5、323万円余であるが、その主なものは、私立学校運営費補助、私立高等学校の新時代を拓く特色ある学校づくり推進事業費補助等である。
 次に、260ページをお開き願う。12款公債費は総額982億5、368万円余であり、前年度比で10・5%の増となっておる。
 次に、264ページをお開き願う。13款諸支出金4項地方消費税清算金は138億2、154万円余の計上額である。
 次ページ、5項利子割交付金は、計上額11億6、266万円余、次に、266ページの6項地方消費税交付金は119億6、364万円余、次ページ、7項ゴルフ場利用税交付金は4億7、641万円余、268ページ、8項特別地方消費税交付金は3億7、697万円余、次ページ、9項自動車取得税交付金は31億7、191万円で、いずれも市町村に交付するものである。
 次に、270ページ、10項利子割精算金は549万円余の計上額である。
 次ページ、14款予備費は、前年度と同額の3億円を計上しておる。
 次に、債務負担行為について御説明申し上げる。議案その1の11ページをお開き願う。
 第2表債務負担行為のうち、事項欄の1が総務部関係のものである。これは、地区合同庁舎の改修工事に係るもので、期間及び限度額を定めて債務を負担しようとするものである。
 次に、予算以外の議案について御説明申し上げる。議案その2の10ページをお開き願う。
 議案第26号岩手県公会堂条例の一部を改正する条例であるが、これは、岩手県公会堂の使用料の額を増額しようとするものである。
 次に、67ページをお開き願う。議案第54号岩手県立大学等条例の一部を改正する条例であるが、これは、岩手県立大学等の授業料等の額を増額しようとするものである。
 以上、総務部関係の議案について御説明を申し上げたが、よろしく御審議くださるようお願い申し上げる。

〇三河委員長 ただいまの説明に対し質疑ないか。

〇伊藤委員 県有財産の管理という点で二つほどお伺いしたいと思う。
 まず、一つは、宮古駅前の旧宮古病院の跡地についてであるが、昨年の暮れに係争中だったものが結審して岩手県が全面勝訴した。その結果、12年度に郵政省がその土地を岩手県から購入して、13年度から新しい郵便局をその地に建設をするという流れが出てきたと伺っておるが、これはそのとおりに理解をしていてよいのであろうか、これをまずお伺いする。
 それから、もう一つは、このごろ県の所有する宿舎関係で、全く人の入っていないような宿舎があちこちに散見される。例えば宮古市の津軽石の払川地区の県職員宿舎2棟24世帯あるいは磯鶏地区の警察官宿舎等々であるけれども、さらには、宮古の警察が磯鶏地区に移ったことによって旧警察署の跡地をどうされるのか。県有財産あるいは建物の活用についてどのようにお考えなのか、2点お伺いする。

〇千葉財政課長 まず、旧宮古病院の跡地の件であるが、御指摘のように、裁判が終わって全面勝訴ということで、今後、郵政省に売却を進めるというふうに考えておる。今、財産を所管しておるのは県医療局であるので、私、医療局から伺っている範囲内でしかお答えできないけれども、今、委員がおっしゃるとおり、平成11年度は無理だろうと思われる。予算の関係で、郵政省は平成12年度を目指して予算化したいとのことである。ただ、価格面でなかなか難しい局面が予想されるということを伺っておる。
 それから、2点目の旧警察署跡地であるけれども、今後いろいろ利用等を含めて検討することになるわけであるけれども、当初予算でも財源確保でいろいろ苦労しており、もし県なり市での利用がないということであれば、民間への売却を含めて今後検討してまいりたいと考えておる。

〇佐藤施設管理課長 宮古地区の津軽石に県の職員合同宿舎があるわけである。古くなっておるし、また、利用する職員が非常に少ないということで現在空き家にしておるが、これは廃止する予定で、その宿舎なり敷地の処分について現地と十分打ち合わせをしているところである。

〇伊藤委員 宮古病院の跡地の件についてはわかった。
 警察等も含めて、県が各市町村に持っている土地等が結構あると思うが、まず、民間に売却をするというのは、県の財産を処分するということからいくと至極当然だとは思う。しかし、今、各県内市町村が自主財源をなかなか確保できなくて苦労しているわけなので、もし本当に市町村を活性化させようという思いがあるのであれば、この際、しばらくの間活用のめどのないそういう遊休の土地は、思い切って市町村に現物給付するというような思いがあってもいいのでないかと思うが、そういうお考えがないかどうかお伺いする。

〇吉田総務部長 県有地の市町村への現物給付ということであるが、基本的には、県と市町村の機能分担とか、あるいは財政分担をきちっとするという考えでやっていかなければならないと思っているわけである。ただ、処分に至るまでの間に、その地域地域において必要とする場合においては市町村にお貸しする事例もあるし、今後においても、処分に至る、あるいは利用に至るまでの間は地域の方々に御利用いただくということも十分にあり得ると考えており、そのようにしてまいりたいと考えておる。

〇伊藤委員 最後に一つお伺いする。
 これから県は地方振興局を充実していくという方針にあるようであるが、そうなると、地方振興局の職員の数がふえていくのだろうと思う。そうした際によく伺うのは、例えば地方振興局に出向というか、派遣されてきている人たちの住所、住民登録という部分がほとんど現地にないのではないかという声がある。これは、地方交付税なんかの場合の頭数という部分あるいは道路、橋、トンネル、そういったものの重要な基準になっているような気がして、各市町村が人口増減にすごく微妙に真剣に思うのはその辺もあると思う。
 したがって、同じ県内にいて各地方を指導、振興する役を持つ県職員が、地元に入っても半分地元でないというようなスタンスはいかがなものかと、このような声がよく聞かれるわけである。もちろん選挙のこともあるけれども、いずれ各地方に出向いた人たちは、各地方に溶け込んで、そして、その地域の実態を身をもって体験をするというのが言ってみればパブリックサーバントの基本ではないのかと思うのであるが、そういうものが指導とか何かでできるかどうかちょっとわからないが、迎え入れる地元としては、やはり地元に住民票を移していただいて地元の中で生活をしていただきたいという要望が強いようであるが、それについてのお考えをお示しいただきたい。

〇吉田総務部長 県職員が地方振興局に勤務する場合の住所の問題であるが、これは企画振興部の市町村課の方で住民基本台帳を所管しているわけである。各職員が住所を移転するか否かはもとより各職員の意思にあるわけであるが、ただ、客観的な事実として、そこに1年以上継続して居住するという事実がなければならないということになっているようである。地方振興局に勤務した場合、盛岡なら盛岡に家がある場合にたまたま帰ってくる場合はカウントしないとか、それが定期的に帰ってくる場合はどう判断するのか、基本台帳法の解釈等にもよろうかと思うわけである。
 ただ、今、委員御指摘のような意味から申し上げて、地元にいて現場をよく知って、見て、聞いて、そして地元の市町村と、あるいは住民の皆さんとよく話し合い、あるいは聞かせていただいて、いい発想のもとに地域発信をして県行政に生かしていくということは大事だと考えておる。ただ、前段申し上げたように、職員の意思に係る部分、それから、法の解釈の部分といったことがあるので、強制はなかなか難しい点があろうかと思う。事実を認識しながら指導してまいらなければならないと考えているところである。

〇谷藤委員 最初に、防災対策の部分についてお伺いしたいと思う。
 防災の資機材の整備関係であるけれども、阪神・淡路の大震災以来、さまざまな災害に対応できるようにということで自主防災組織の活動というものが非常に重要だということが叫ばれてきたわけであるけれども、行政としてその活動を支援していくという立場から、どのように今までそれらの整備を進めてきたのかについてお聞かせいただきたい。
 それからまた、岩手山の火山活動対策という意味からもいろいろな資機材がこれから必要になると思うけれども、これらの今後の取り組み関係というのはどうなっているのかをお知らせいただきたい。

〇篠谷消防防災課長 資機材の整備については、一つは、防災用資機材備蓄の考え方と、あとは委員がおっしゃった自主防災の関係がある。
 防災用資機材備蓄の考え方であるが、これについては、空中消火等補給基地というのが御承知のとおり防災センターを初め、全部で6カ所ある。これについては、大きく言って三つの備蓄を考えており、林野火災、津波災害用、放射性物質災害用ということで三つの備蓄を進めているところである。
 林野火災については、防災ヘリの運航等も絡みながら6カ所を設置しており、これについては、御承知のとおり、平成9年の石鳥谷、紫波林野火災の教訓を踏まえたものである。
 津波用災害については、沿岸14市町村で津波が発生したときに、どういう状況で発生するかわからないので、県立総合防災センターが矢巾にあるが、津波災害用ということで、市町村が本来備蓄する資機材を補完するという立場の中で、沿岸市町村が指定する避難場所の備蓄関係約10%程度を防災センターの方に備蓄しているというものである。
 放射性物質災害用については、東北自動車道を輸送する放射性物質汚染災害を対象とするということから、防災センターに備蓄をしている。
 それと、委員からお話のあった自主防災の関係であるが、御承知のとおり、平成7年1月17日の阪神・淡路大震災を踏まえて、県でも平成8年、9年、10年、ことしまでであるが、コミュニティー防災、自主防災の資機材の整備を進めるということで、県単助成制度を設けて進めてきているところである。
 今、お話しした平成8年度から3年間の事業であるが、地域を守る防災強化推進事業の中のコミュニティー防災資機材整備事業ということで進めており、これについては、8、9、10年度で346整備分団に対して3億1、200万円余の補助等を進め、初期消火資機材及び救助用資機材、救護用資機材等を整備させていただいたところである。

〇小野寺火山対策監 岩手山の火山関係の資機材への取り組みという御質問であるが、現在、県の方としては、関係の市町村と連絡をとり合うのが非常に大切であるということから、防災行政無線の整備、それから、電話が非常にふくそうするということを考えて、県の方としては衛星携帯の電話を整備した。市町村においてもそのような取り組みを現在進めているところである。
 いずれ、県と市町村の連絡を密にして、少しでも早く住民の避難が安全に行われるようにというところにポイントを置いて現在進めているところである。
 なお、そのほかに、県の方としては、さきに議決いただいて整備をしたところのテレビ会議システムで、先生方からの観測情報を的確に把握して、少しでも早く情報を流せるようにということで取り組みを進めさせていただいているところである。

〇谷藤委員 お答えをいただいたけれども、公というか、行政側の対応の部分というのは充実しているようなお話であるが、自主防災の組織というもの、民間も含めて、住民に対してどういう対応をしていくかという部分が非常に大切だろうと思う。そういうことで、公の方は大分いいのであろうけれども、簡単なものであれば消火器だとか医療機器のセットみたいなものを民間のところに、市町村が対応していくのかどうかわからないけれども、それに対するものとか、細かいものがたくさんあるのではないかと思う。そういうことで、県として、自主防災組織の活動がしやすいような体制をこれからもぜひ整えていただきたいと思っておる。
 それから、非常事態の相互応援協定であるけれども、これは、地震、雷、火事、おやじではないけれども、非常に風水害、それから火山等のさまざまな災害に対応していかなければならないけれども、1行政主体だけの対応では限度があると思う。そういうことで、知事も北東北のサミット関係等でいろいろ接触もしているわけであるけれども、これらの中で、万が一そういう状態が生まれたときの県レベルでの連携とか、それから、県内の市町村レベルはどうなっているのかという部分についてお知らせいただきたい。

〇吉田総務部長 非常事態が生じた場合、いわゆる災害が発生した場合の対応であるが、これは、まず早急に対応する必要があるし、市町村あるいは県のみでは対応できない場合があるので、個々の市町村同士で、あるいは特定の地域の中で協定を結んで相互応援をするとか、あるいは県境を越えて応援が必要な場合には、ヘリコプターの供給とか、あるいは人員の派遣とか、そういったことが必要だということで、東北6県で協定を結んで有事に備えているという状況である。公共団体同士もそうであるが、かてて加えて民間のライフラインの関係機関等ともそういったことを今後はやっていかなければならないのではないかと感じているところである。
 詳しくは消防防災課長から御答弁申し上げる。

〇篠谷消防防災課長 谷藤委員から御質問のあった県レベル、市町村レベルの防災相互応援協定の関係である。
 部長からのお話のとおり、一つは、消防組織法に基づくものであるが、地震、風水害あるいは水、火災等のあらゆる災害に対応して、消防力のみではなかなか十分対応し切れない部分があるといったことを想定して消防組織法の中でも広域応援というものを規定しているということで、本県では昭和50年5月13日、消防広域応援に関する協定を県内全消防本部と結んでいる。それと、消防組織法に基づくものの中で、市町村については、消防相互応援に関する協定を県内市町村間で54協定あるいは他県を含めた隣接県市町村間で21協定、あわせて75協定を結んでいる状況にある。
 また、県レベルの連携であるが、これについては、災害対策基本法、部長から先ほどお話があったとおり、同じように県、市町村、消防関係機関、さらには民間、そういったものとの連携あるいは協力が必要ということで、全国レベルにおいては、平成8年7月に全国都道府県における災害時の広域応援に関する協定というものを結んでおるし、北海道、東北については、平成7年10月31日に大規模災害時の北海道東北8道県相互応援に関する協定、また、市町村においては、災害対策基本法に基づく部分であるが、平成8年10月に大規模災害時における岩手県市町村相互応援に関する協定、特定市町村間の災害相互応援に関する協定を18協定にわたって結んでいるところである。

〇谷藤委員 ぜひその辺の協定がうまく流れるように今後とも御健闘をお祈りしたいと思う。
 防災無線を初め、連絡網の点検をたまにはしてみる必要があるのではないかと思ったりもする。最高幹部のところに連絡がとれなかったりすると大変なことになるだろうと思うので、その辺、時々点検をして、ちゃんとつながっているのかどうか見てみる必要もあるのではないかと思う。そういうことで、対応がおくれることのないような状態に万全を期していただきたいと思う。
 次に、行政改革部分にもかかわるかもしれないが、県の方で民間のシンクタンクに依頼して県民の満足度を評価する外部診断の成績というのがまとまったと伺っており、その結果が5段階のうち総合評価で2ということであったけれども、これは、そのシンクタンクというか、調査機関のレベル等にもよるであろうけれども、東証一部上場の企業あたりにもし頼んでいるともう少しどういうふうになったのかというような声も聞いたりするけれども、これらの結果というものをどのように生かしていこうとされておるのか。
 それから、この評価が高い、低いというのはどういう意味を持つことになっていくのか。特にも行政の流れの中で、5段階評価だとすれば、5を求めて効率のいい状態を常に追求していく。それから、民間と比較してというか、利潤を追求するという立場にはないだろうと思うけれども、県民のためにどういう立場で行政が取り組んでいけば一番県民に喜んでいただけるかというものとのバランスがあるのではないかと思ったりもする。ただただ効率よくギシギシしゃくし定規にやっていけばいいというものでもないであろうし、柔軟に対応しなければならない場面もあるであろうし、その辺も含めて考え方というものをお知らせいただければと思う。

〇吉田総務部長 外部診断を行ったことについて、確かに評価では5段階の2の評価であった。ただ、これには注釈がついておって、一部上場企業のうちの中くらいのところだという評価をいただいたところであり、決して満足はしておらないが、低い評価ではあったがそういった評価をいただいておる。
 その中で、特に留意するべき点というか、今後県として考えるべき点として特に挙げられた点は、人材育成に取り組むべきだということが強く表記されており、行政改革システム大綱においても、あるいは計画においてもこの面に力を入れて取り組みをしていきたいと考えているところで、今年度中にその指針を具体的に定めて、新年度から新たに取り組んでいきたい。これは長期的な展望に立った上で取り組んでいかなければならないと考えているところである。
 その他のことについては行政システム改革監から答弁させる。

〇邨野行政システム改革監 いわゆる外部診断の結果をどう生かすかということについて、若干具体的にお答え申し上げたいと存ずる。
 ただいま部長からお答え申し上げたとおり、5段階レベルの2という評価をちょうだいしたわけであるけれども、その中で、特に県がわかりやすいシステムをつくったり、あるいはマネジメント目標を明確にした情報データを分析活用すべきだとか、それから、部長申し上げたとおり、人材育成の観点等さまざまな御指摘もちょうだいしたところである。私どもとしては、そのような民間企業の観点から指摘をいただいたものについて、今回の行政システム改革大綱の中にできるだけ取り入れたいと考えたところである。
 取り入れるに当たっては、ただいま委員から御指摘があったとおり、営利を目的とする民間企業と、また、公的な業務を行う県の場合、当然違う部分がある。例えば最低レベルのシビルミニマムを確保したり、あるいは県の施策として先導的なものを行う場合は、民間のような営利というものとはまたちょっと違った範疇で物を考えていかなければならないと思うわけで、そういった視点に十分留意して、例えば県民満足度の測定と評価をやっていこうと提言があって、これをシステム改革大綱の中に取り入れたし、それから、現在、企業は企業メセナというような形でいろいろな社会的責任への取り組みを行っておる。こういったようなものも県でやっていこうと思っている。あるいは、行政評価システム、今回の診断では、企業はいろいろなプロセスにおいて、常にその過程が結果としてうまくいっているかという評価を繰り返し繰り返しやっているということが明らかになった。そういったことで、私どものいろいろな企画立案から施策を展開するまで、そして、その結果を評価するような形のシステムをつくっていこうではないかといったようなこと、あるいは人材育成プログラムを作成するといったことにも取り組んだところである。そのような形で今度の行政改革大綱の中にできるだけ取り入れ、これらの結果を生かしていきたいと考えておるところである。

〇谷藤委員 今のお話を振り返りながら思うのであるが、5段階評価の2というと大体赤点すれすれぐらいからのスタートであろうから、相当努力していかなければならないということであろうと思うけれども、今後とも定期的にこういう民間のシンクタンクを通じて点検というか、評価を入れるおつもりかどうかをお聞かせいただきたい。

〇邨野行政システム改革監 外部診断のようなものを定期的に行うかということであるけれども、今回、この診断で得たノウハウをもとにして、これをもっとコンパクトにまとめた、自己診断できるようなシステムを、今、委託先に開発してもらっておる。そういったものを導入しながら、当面みずから診断を行っていきたいと思うし、また、長期的には必要に応じて導入してまいりたいと思っておる。

〇佐々木(俊)委員 谷藤委員の防災に関連して1点御質問する。
 防災組織にはいろいろあるけれども、非常に大きな役割を果たしているのは消防団であろうと思う。ところが、現在、県下59市町村の消防団で、定員を満たしているという市町村はない。全市町村とも定員割れをしているわけで、これをいかにして充足をするか、大変に私ども苦労をしているわけである。
 その原因にはいろいろある。ここで挙げるといろいろ言いづらいこともあるけれども、しかし、そうした中にあっても、特にも地方は過疎化しておるので、どうしても年齢構成が高くなる。しかし、頑健であれば、60歳を超したって70歳だっていいのだと思う。地域を守るという意識があれば、そしてまた、それにたえ得るだけの体力があればいいのだという基本的な考え方で私は進んでいるわけである。
 ところが、けさの新聞を見たところ、滝沢村で55歳定年を二、三年延ばすのが否決されたという報道があった。これは自治体消防であるので、各町村で条例によって定めるから、町村の事情とかいろいろな都合があることなので一概にはいかないけれども、現下の情勢のこういう高齢化社会の中で55歳をもって定年とするという、何でそういう定めが過去において生きてきたのかとむしろ不思議に思うけれども、これが否決されたということについて、県下の消防行政を指導される県としてどのような評価をされるのか。それともまた、それはそうであっても消防団員の充足についてはこういう手があるのだと、こういう形で進められるのだという積極的な何か指導方針でもあるとすれば、この際お示しいただきたいと思う。

〇吉田総務部長 御指摘の消防団の定員の割れ、確かに深刻なものが地域によってはあると伺っておるし、自主防災組織と相まって、防災上貴重な消防団であるから、この定員割れというのはゆゆしきことだと感じておる。
 定年の関係であるが、法律的にまだ確認しておらないけれども、各自治体でそれぞれ条例で定めることに相なっていることと思うが、各市町村の消防団員の定員割れの状況とか、あるいはそれを補充する自主防災組織が充実している、あるいは装備が充実しているということなど、いろいろなことがあろうかと存ずるけれども、一般的に申し上げると、今、委員御指摘のように、55歳でも、あるいは50代後半でも、まだまだその知識、経験といったものを生かせるという面もあろうと思うので、一概に55歳だから出なければならないということもないのではなかろうかと思っているわけである。
 御案内のとおり、婦人消防組織などもかなり普及してきているわけであるし、女性がそういったものに参加しているところから見ると、まだまだ男性であればそういったことは可能かなという感想を抱いておる。滝沢村がどういったことでそういうことになったのか承知しておらないが、一般的な考えとすればそういうふうに存じているところである。
 今後としては、個別の事情を聞かせていただきながら、指導できる分野については指導してまいりたいと存じておる。

〇佐々木(俊)委員 基本的には了解した。
 条例で定年制をとっているというところがあることを、実は私、不覚にして知らなかった。ほとんどのところはないはずである。ところが、何であそこでそういう定年制をとったのか、その理由があると思うけれども、ただ、私が申し上げたいのは、ああいう物の考え方が県下に蔓延することによって、ますますもって定員割れの事態に追い込んでいくのではないのかと、こういうことをおそれるために県の見解をお伺いしたわけであるので、あれは1地域の事情であろうから、やっぱり60歳であろうと65歳であろうと、その意識があって健康体であればその地域のために団員として活躍していただきたいというぐらいの強い指導を期待する。

〇須藤委員 私からも防災について二、三お伺いさせていただくが、くしくも昨日は昭和8年の三陸津波から66年ということで、そこで、岩手山はそのとおりであるが、我が国も我が県政の中でも、これまでもこれからも災害史上津波が最も憂慮される災害であろうと思う。交通事故の死者数等と比べても、その甚大な被害は申すに及ばずである。
 そこで、阪神・淡路大震災以来さまざまな措置が講じられ、努力されてまいった。当県の例をとっても、沿岸14市町村のハザードマップが作成され、それぞれ関係者に全戸配布されたところである。そして今、防災応援協定のお話もあったが、ならば、過去の災害事例、昭和8年の三陸津波あるいは明治の津波が押し寄せたならば、現在、人的、物的にどれだけの被害を皆さんは想定なさって防災相互応援協定をなされておられるのかお伺いしたい。

〇篠谷消防防災課長 須藤委員の御質問の、ハザードマップの結果を受けて被害想定をどのようにやっているかというお話である。
 委員お話しのとおり、津波防災マップについては津波防災に関する各種施策に反映させたいということと、津波に対する防災意識の高揚を図る、また、津波発生時にはそれをもとに避難を万全にしていくということで、平成9年に沿岸12市町村と県で共同で作成したものである。これに基づく被害想定ということであるが、県としては、この被害想定は行っていないところである。ただ、明治大津波等を踏まえ、それ以来、湾口防波堤あるいは防潮堤、海岸護岸、そういったハード面の整備、あるいは避難体制の整備、住民に対する意識啓発、いわゆるソフト面等々推し進めてきたところである。そういった意味では、当時と比べ津波を取り巻く環境というものが、減災という面からも大きく変わってきているのではなかろうかと考えているところである。
 御承知のとおり、津波対策は何よりも避難が大切である。そういった点で、平成8年には地震津波・職員参集装置、あるいは震度情報ネットワークシステム等々整備し、避難体制の整備に力を入れているところであるが、今後においても、避難訓練を実施するなど、万全な体制を構築してまいりたいと考えておるものである。

〇須藤委員 阪神・淡路の災害の数々の教訓の中に、防災ヘリが夜間なぜ飛べなかったのかという問題がクローズアップされておることは御承知のとおりである。そこで、有史以来の地震発生時刻を全部調べたわけでもないし確率もないわけであるが、しかし、往々にして明治29年の三陸大津波は午後7時32分、昭和の三陸津波は午前2時31分ごろである。いわゆる災害は不測不慮である。そこで、その教訓となった夜間に飛べない防災ヘリについて、当県ではどのように対応されようとしておるのであろうか、実態と方向をお伺いする。

〇篠谷消防防災課長 防災ヘリはなぜ夜間に飛べないのかというお話である。夜間の飛行については、飛行場から飛行場までの飛行が可能ということである。ただ、この場合、航空法の施行規則の第117条に、飛行場の灯火の設置基準というものがあり、その基準を満たさないと飛べないという、法的にそういった状況がある。あと、実態的な面で申し上げると、夜間の捜索とか救助などの活動は、地上が見えないというハンディーがある。また、現地周辺の障害物が見えないといったこともある。そういった点で、危険防止のために夜間の飛行は現在行っていないところである。いずれ、委員の御意見を踏まえて、今後検討を進めてまいりたいと思っておる。

〇須藤委員 ロサンゼルスのノースリッチの地震の際には、3日間でライフラインを初めとするさまざまな応急措置が速やかに行われた。これは、過去の災害事例に対してライフラインが、これぐらいの地震ならばどれぐらいと、いわゆる被害想定がきちっとしていて、応援協定が、それならば、どの部隊をどの方向からどれぐらい出したらいいかということで成功している。そこで、さまざまな応援協定、あるいは、先ほど万全の体制ということがあったので、私はあえてこの際、14市町村の被害想定のもとに県の防災体制の向上をぜひ願うものである。
 それから、今、夜間飛行のお話あったけれども、既に北海道、埼玉、島根、私の記憶に間違いなければ数都道府県で夜間飛行を行っておる。ましてや、法的措置を超える国民なり県民の危機に、設備がどうのこうのということは当てはまるのであろうか。既に、国においても、法的措置を超えて行わなければならないと、阪神・淡路の教訓を踏まえてそう位置づけてあるのである。夜間に飛べないヘリコプターなど、私は、今後県民の期待に大きく失墜を来すものではないかと考えるので、これからの津波防災対策の県政における方針、位置づけについて、総務部長にお伺いし、終わる。

〇吉田総務部長 委員御指摘のとおり、本県では、明治以来3回にわたる大規模な津波があったところであり、多くの方の尊い生命がなくなる、あるいは財産、身体等に被害を生じたということであり、それを教訓として従来生かしてまいる努力をしてきたけれども、さらに一層御提言のあったことを十分に勘案というか検討させていただき、ハザードマップを踏まえ、また、応援協定についてもシミュレーションなどを十分に行って、ロサンゼルスの例なども十分に研究し、大災害があった3回の過去の例に対応できるような協定等に取り組んでまいりたい、広域市町村ともどもに一緒にやってまいりたいと存じておる。

〇小原委員 私からも、消防体制の整備強化という点でお伺いしたいと思う。篠谷課長、ご苦労さまであるが、よろしくお願いする。
 第1点は、消防士への女性の登用についてである。
 このことについては、昨年9月議会でお伺いした経緯がある。その際私は、医療の高度化等とも相まって、女性救急救命士の育成を含めて要員整備が必要であるという趣旨でお伺いした。このことに対して知事は、平成10年4月1日現在の全国の女性消防士は、37都道府県で1、054名、東北では本県と山形県を除き17名の女性消防士が活躍しているということであり、本県としても、消防の一部事務組合などと協議するなどしてその実現に向けて取り組んでまいりたいと、こういう趣旨であった。そこで、この間、消防の一部事務組合などと、あるいは市町村とではどのような対応がなされていると認識しておるのであろうか。同時にまた、県としてこのことについての対応策はどのようにやっておられたかという点をお伺いしたいと思う。
 それから2点目は、消防車両等の機器材の整備面についてである。
 やはり、高層ビルあるいは建築物の今の状況という点からしても、消防機器材の高度化ということが求められている状況にあろうかと思う。そこで、これらの整備状況はどうなっているのであろうか。また、重点的に強化・充実すべき点をどのように把握しておられるのかお伺いする。

〇篠谷消防防災課長 小原委員からの消防職員への女性の登用のその後の措置の状況というお話である。その後の動きであるが、委員から御指摘いただいたとおり、一つは、昨年10月8日であるが、岩手県消防長会というものがあり、その定例会において、消防職員の採用について各消防長に、女性の採用について積極的に行うよう要請しているところである。ただ、委員御指摘のとおり、女性の登用ということについては、例えば休憩所の設置とか、シャワー室とか、いろいろ設備面の整備、措置も必要になってまいる。それらのことも将来的にも考えていかなければいけないということであろうと思う。そういった点で、今後とも市町村あるいは消防長会等々と協議するなど、やはり女性の登用というのが、今後職員の確保が難しい状況になってきていることもあるので、その実現に向けて努力してまいりたいということである。
 消防機器材の関係で重点ということである。特に私ども、消防力の関係については、委員御指摘のとおり、充足率を満たしていない部分も多々ある。今お話いただいた消防吏員もしかりであるが、今後特に、消防だけではなく救急業務ということがあるので、現在、高規格救急自動車の整備を進めているという状況にある。これについては、平成4年度に初めて両磐消防本部で高規格自動車を導入したところであるが、現在、その整備を進めているということで、県としては、平成16年度までに県内13消防本部61消防署であるが、そちらに国庫補助の導入とあわせて、県単補助制度を創設して整備を図っているという状況である。今年度末においては、高規格救急自動車40台が確保・整備され、そして、ことしの4月1日には、県下13消防本部すべてで運用が開始されるという状況になっておる。
 今後においても、消防本部の要請あるいは、当時の計画設定と状況が変わってきておるので、そういった点、救急業務高度化推進連絡会あるいは関係機関との連絡、意見を聞きながら、計画的な整備を進めてまいりたいと思っておる。

〇小原委員 女性の消防士登用の件であるが、勤務先というか、職場の休憩室あるいはシャワー室が男女の部分が整備される必要があると、当然であると思う。それらが障害ということであれば、もちろんこれらを改善していくについては経費がかかってくることは当然であろうけれども、そのことが主たる要因ということであれば、これは手だては可能であると思う。そうそう面倒な話ではない。採用条件という点で、これは男女雇用機会均等法もある時代であるので、男性のみという募集要項というのはないと思う。この点はちょっと確認させていただきたいと思うが、そういう面で、この女性消防士の採用という部分では、採用条件それ自体に問題はないと思うので、今お話があった休憩室あるいはシャワー室あるいはトイレ、こういう施設面の改善ということをもって条件改善できるというのであれば、それなりの手だては可能と思うのである。その点についてちょっとお伺いしておきたいと思う。

〇篠谷消防防災課長 施設整備というのは、そういったこともあるというお話である。それと、例えば採用試験に当たってであるが、これについては、確かに男女の別はないと伺っている。ただ、PR等が行き届かないという部分もあるかもしれないが、採用試験に当たって女性職員--受験している人もいるのであるけれども、そのときに希望をとって、消防職員を希望するか、事務職員を希望するかと。そういった中で消防職員の希望は、平成11年度の採用試験においてゼロであったということは伺っているところである。

〇小野寺委員 関連であるけれども、消防学校運営費の関係であるが、今後、女性の消防隊員ということも考えられると思うが、現在、他県においてもあるのであるが、女性であるからということで、何か不都合とかがあるのかどうか。

〇篠谷消防防災課長 消防学校において男女の教育訓練で何か不都合があるのであろうかということである。これについては、実際の場面においては、課程を男女に分けて組むとかいった措置をしておるので、現在特に不都合はない。ただ、トイレとかそういったものについては、御承知のとおり両方別々にあるという状況ではないので、そういった点では、講座で分けながら進めているというのが実態である。

〇田村委員 1点だけ簡単にお尋ねする。
 岩手山の火山活動の活発化に伴い、昨年であろうか、学者による火山対策検討委員会が設置されたわけであるが、その正式名称とメンバーの構成、あるいはメンバーの方の所属、そういったものを教えていただければよろしいのであるし、もう1点、この検討委員会の町村も含めた防災行政とのかかわりはどうなっているのかお尋ねする。

〇吉田総務部長 岩手山の火山活動に関する検討会の名称であるが、このメンバー等については火山対策監からご答弁させる。
 県行政とか市町村行政とのかかわりについてであるが、検討会は、あくまでもこれは県とか市町村の行政判断をする場合の学問的、科学的な基礎データと申すか、そういったものをちょうだいして、その上で行政として判断する材料の提供をいただくというものである。常時、そのために、東北大学、あるいは岩手大学、あるいは気象庁等で観測しているわけであり、そういったところでの情報をもとにして、第一義的には市町村長さんが判断するということになっておるし、その関係で広域的な問題があるので、県もかかわりがあって、県と市町村と一緒になって対応しているということである。

〇小野寺火山対策監 委員お話の検討会の名称であるけれども、岩手山の火山活動に関する検討会ということで、これは昨年10月6日に設置したものである。この委員のメンバーであるけれども、5人おられて、東北大学の名誉教授である青木謙一郎先生である。それから、同じく東北大学であるけれども、大学院の理学研究科附属地震・噴火予知研究観測センター教授ということで、浜口博之先生である。それから、地元としては、岩手大学工学部の斎藤徳美教授である。それから、公のところであるが、盛岡地方気象台の野口晉孝台長である。それから、民間であるけれども、地熱エンジニアリング株式会社の事業本部取締役技師長ということで、岩手大学の客員教授であるが、土井宣夫委員である。この5名を委員としてお願いしている。

〇田村委員 本当に、まさに学者の先生方の検討委員会ということで、この検討委員会のデータが行政の判断材料の基礎になるというお話をいただいたわけであるが、この委員会、何回か開催されておるように報道されておるし、それは承知しておるが、直近のこの検討委員会の火山活動に関する報告というのはどういう内容になっておるのか、まず教えていただきたいと思う。

〇小野寺火山対策監 基本的には、現時点においては2週間に1遍であるけれども、気象台の方から火山情報というものが出ておる。その公の機関からの情報をもとにして、その検討会の方にもお話はしているし、メンバーにも気象台長さんが入っておられるので、現時点においては、依然として昨年の3月以前の状況までは今現在下がっておらないというような状況であり、これは先般の火山噴火予知連の方で同じような見解が出されているけれども、我々もそういう認識でおるし、先生方も、そのような状況から、現時点においてはしばらくその監視を続けていく必要があるというようなことになっておる。

〇田村委員 昨年の3月以前よりも若干は活動が活発であるという報告のようである。御承知のとおり、突然にあのぐらいの急激な地震活動、微動あるいは地震活動であろうか、1日に100回、多いときでは200回、我々もびっくりするぐらいの回数で、本当に恐れおののいて入山禁止という措置が昨年されたわけである。現在、私どもは新聞報道だけの判断であるけれども、その報道を見ると、1日の火山性微動がゼロ回、あるいは、あっても数回といったような状況、これは表面的な我々の判断の状況が実態としてあるわけである。そういった中で、いまだに入山禁止措置がとられている。
 よく、私も興味があって島原の太田先生の話を篤とお聞きする機会があったし、ラジオ番組でも3時間ぐらいぶっ続けで聞いたことがあるのであるが、確かに、学者の先生方の言う危険性と、民生、一般の生活との整合というのは、やっぱりこれは大事なのであるというような太田先生の見解も経験上から出されておった。学者としての経験上から、地域の経済といったものも、やはり若干でも判断の材料の一つにしていかなければならないのではないかというような太田教授の、これは地域に住んでいて、そういう検討委員会に所属していた私であるからこそ言えるのであると、そういう表現であった。よそから来て検討委員会にかかわっている人は、地域の経済、地域の実態というのは見えない。だから、学者の論理で言うのであるけれども、同じ学者でも、その地域に住んでいれば、やはり判断も若干違ってくるのであるというようなおっしゃり方をしていた。そういった面で、不景気もあるけれども、御案内のとおり雫石あるいは松尾地域の観光の入り込み客の落ち込みというのは、本当に大変深刻な問題を投げかけておる。そこだけではなくて、盛岡のホテルも、実際はかなりな減り方をしているということで、検討委員会の基礎データ、それを判断する上で、行政の裁量というのをこれからはしていかなければならない時期に入っているのではないかと思うわけである。そういったところの県としての御見解はいかがなものかということをお聞きする。

〇吉田総務部長 田村委員から、行政上の主体的な判断が必要ではないかというお尋ねであるが、まさにそのとおりであり、市町村長あるいは知事として、こういった問題には取り組んでいるわけである。ただ、何せ見えないところ、地下30キロメートルとか、あるいは何十キロとか、あるいは5キロ、3キロとかというところであり、科学的な知識とか、そういった観測なしに行政の判断をするのは、もし万が一のことを考えた場合に、行政だけで判断するというのはなかなか難しい面がある。ただ、御指摘の、いわゆる地域の経済とかといったことの住民の方々の心労と申すか、そういったものについては、私どもも同じであり、十分わかるわけであるが、そのために、観光行政などの面において県としての取り組みもしておるし、市町村でもやっておるわけである。
 そこで、地震回数は、確かに新聞報道にあるとおり、1日数回とか、あるいは日によってはゼロの日もある。ただ、地震の報道されている回数が少ないから安全であるとは火山の専門家の先生方はおっしゃっておらなくて、例えば、これは受け売りであるが、地下30キロメートルほどのところで、いわゆる日本海溝から流れ込んでいるマグマが--いわゆるマントルである。マントルの流れがあり、その地層とマントルの表面の--モホ面と言うそうであるが、そのモホ面の動きの中で地震活動が地下30キロメートルのところであると言われているわけである。そのモホ面のところから、地下から上の方に上がって、特定のところにたまったり、上がったり、それで岩石が割れたりということが生じているということのようである。ただ、回数がひところより大分少なくなったというのは御指摘のとおりであり、一方ではそういった学者の見解がある。
 行政として主体的に取り組む場合に、入山規制ということであるが、前に本会議で御答弁申し上げたが、入山規制というのは、警戒区域の設定とかというものとは違うので、法的根拠を持っているものではない。ただ、もし万が一入山していて災害に遭った、火砕流あるいは溶岩、あるいは噴石とか降灰とかということがあった場合に、人命を第一に考えた場合には、やはり根拠なしに規制を解除するというのはいかがなものかと思っており、今まで続いてきているわけである。ただ、間もなく雪が解けてという時期になったときにどんな状態になっているか、それから、地域の経済の実情とか地域住民の皆さんのいろいろなことなどを考えながら、先生方と協議というか助言をいただきながら、行政としての判断を、何らかの地元の住民の皆さんの苦痛にこたえられるような方策があるかどうか、今後考えていかなければならないと存じておるところである。

〇斉藤委員 私は数項目、簡明、簡潔に聞くので、答えもひとつ簡潔にお願いする。
 第1は、小渕内閣による減税という名の増税について。
 個人住民税で見ると、今年度の特別減税と比べてどの階層、どれだけの県民が増税となるか、増税額を含めて具体的に示していただきたい。今年度、来年度の法人2税の減収額の内容、その減収補てん策はどうなっているのであろうか。
 第2点、行政システム改革大綱について。
 これまで、昭和59年2月、平成8年1月、2度にわたって行政改革が行われ、財政健全化に積極的に取り組んできたと大綱は述べている。しかし結果は、現状は1兆円を超える財政危機、財政破綻を招いている。この原因の解明と改善こそ、私は行政改革の最大の問題と考えるがいかがであろうか。なぜ、2度にわたって取り組んで、今までにない財政破綻に陥っているのか、この原因の解明はどうなったのであろうか。節度を越えた公共事業の拡大こそ財政危機の原因ではないかと私は考えるが、この5年間、10年間で、決算、普通建設事業、県単独事業の推移を示していただきたい。
 少子化、高齢化、国際化と言うなら、福祉・医療の対策を抜本的に評価することが行革の中でも私は重要であると思うが、公共事業と社会保障費の比率は、今年度末、来年度予算ではどうなっているのであろうか。地方自治体における公共事業費の諸外国の比率は御承知であろうか。
 次に、サービス残業の改善について。
 私は、一般質問でも取り上げた県職員の超過勤務時間の実態と手当支給の状況を各部局ごとに示していただきたい。サービス残業手当分は幾らになるか、全額支給へ改善すべきと思うが、改善策を考えているのであろうか。決算に占める人件費の比率は、この間どう推移しているのであろうか。行革大綱では1%定員削減が出ているが、人件費が財政危機の原因となっているのかどうか。私はそうは思わないけれども、どうであろうか。1%定員削減の根拠は何であろうか。

〇吉田総務部長 県債残高が1兆円を超えた原因であるが、近年、東北新幹線盛岡以北の整備が本格化したこととか、あるいは、県立大学の整備を集中的に実施したこと、また、国の経済対策に呼応し、県内経済の活性化を図るため公共事業などを積極的に導入したこと、これらに加えて、地方財政対策として平成6年度以降の地方財源不足額や特別減税等による減収の補てん措置としての財源対策債の発行を余儀なくされたことがその主な要因と考えているところである。
 その他の関係は、担当課長から答弁させる。

〇山口税務課長 平成11年度に予定されておる個人住民税の減税と本年度の特別減税の比較についてであるけれども、御案内のとおり、今年度は定額減税であったわけであるが、来年度というか11年度は定率減税と税率の引き下げということがあわせて行われるという予定になっておるので、いわゆる減税の方式が異なることになる。また、私どもが所得階層別、あるいは世帯構成別の納税義務者数というものを把握できないという状況にあるので、これを比較して、どの階層でどれだけの影響があるかということはお答えできないという状況にあるが、定率減税と今年度の特別減税の比較ということで申し上げると、夫婦、子2人のいわゆる標準世帯においては、全世帯において減税額は小さくなるのではないかと思っておる。それから、サンプルというか、夫婦2人当たりであると、給与取得の収入金ベースであるが、575万2、000円あたりであろうか、これより下の方はいわゆる減税が小さくなると試算しているところである。
 なお、今回の税制改正による影響額であるけれども、最高税率の引き下げについては県民税には影響がないわけであるが、市町村民税では、対象者は1万1、000人程度、12億600万円程度が影響になると思っておるし、定率減税については、県民税では20億9、900万円程度、市町村民税を合わせると64億9、500万円程度になるものと見ているところである。これを合わせると、今回の税制改正においては77億100万円程度の減税になると、このように見込んでいるところである。
 それから、平成10年度、11年度の法人二税の減収の内容であるけれども、平成10年度については、前年度決算に対して38億4、000万円ほどの減収になるであろうと見込んでおり、そのうち、10年度に改正になった税制改正の影響分は2億2、000万円程度になるであろうと見込んでいるところである。それから、11年度の当初予算については、本年度決算見込みに対して90億6、700万円余の減収と見込んでおるが、そのうち税制改正による影響分であるけれども、いわゆる10年度改正、昨年度改正になったものであるが、これについては24億4、000万円程度、それから、今回予定されておる11年度改正の予定分では8億円程度、合わせると32億4、000万円程度の影響があるであろうと見込んでいるところである。

〇千葉財政課長 税の関係で、法人二税の減収に対する補てんというお尋ねである。基本的に税の減収については、地方交付税の積算の際に基準財政収入額を減少し、一方で国税が増となるといったような補てん措置が講じられるわけであるが、お尋ねの意味は、特別減税あるいは恒久的減税の補てん策としてフレームで示された分であると思う。それで申し上げると、10年度であるが、これは、主に住民税の特別減税が総合経済対策に伴って打ち出されたが、全国ベースで5、800億円であり、本県分への影響としては、10年度当初の減税に係る影響額を含めて全体で41億円ほどであるが、減税補てん債を発行することによって補てんされたということになる。それから、11年度についてもやはり同様に、個人住民税の分も含めて恒久的減税の補てん措置という形でお答え申し上げるが、これは、御承知のとおり地方税の減収が全国で1兆700億円ほどであり、これが本県分とすれば28億円ほどになる。この補てんとしては4種類あり、一つは、国のたばこ税の一定割合を地方に委譲するということで、本県分は4億7、000万円ほどである。それから、法人税の地方交付税率の引き上げということがなされた。従来32%であるが、平年度ベースで35・8%に引き上げるというものである。11年度は経過的な時期であるので32・5%である。これにより、法人事業税の減収分と合わせて本県で6億7、000万円ほど補てんされる格好になる。それから、減税補てん債というものが項目として措置されておるが、本県分としては7億円である。それから、新たに地方特例交付金というものが措置され、これが本県分では約9億6、000万円補てんされるものと見込んでおる。
 次に、行政システム改革大綱のところで、普通建設事業費、それから県単独事業費の伸びのお尋ねであるが、10年前、5年前ということであるが、普通建設事業費全体であるが、10年前の昭和63年度が1、923億円、5年前の平成5年が3、084億円、それから、御承知のとおりであるが、今年度2月現計予算3、884億円である。これは普通建設事業費全体である。御承知のとおり、10年度2月現計3、884億円には、約1、000億円の経済対策分が入っておるし、平成5年度も約900億円の経済対策分が含まれておる。このうちの県単独分については、63年が547億円、平成5年が1、168億円、本年度2月現計では1、493億円であり、5年度、10年度では、県立大学とか新幹線の負担金、あるいは経済対策による追加分が含まれるものである。
 次に、医療・福祉への対策というお尋ねであるが、県民が保健・医療・福祉のサービスを適時・適切に受けられるような体制整備というのが極めて重要であるということは、私も認識は同じであり、従来から本県では、高齢化社会に対応した老人福祉施設の整備、社会福祉施設の整備、あるいは県立病院の移転整備、高度医療器械の整備等で保健医療体制の充実に努めてきているところである。
 普通建設事業費と社会保障関係費の比率のお尋ねもあった。平成10年度の2月現計予算では、普通建設事業費4に対して社会保障関係費1の割合である。11年度当初予算では、これが3対1となる。ただ、10年度の分については、経済対策ということで貸付金とか公共事業費ということが大幅に補正でふくらんでおるが、この分を控除すると11年度と同じ3対1となる。
 それから、公共団体における公共事業費の国内生産に占める割合のお尋ねであるが、数字は省略するが、6%と承知しておる。諸外国については、不勉強であり承知しておらない。
 それから、県民サービスの低下に結びつくのではないかというお尋ねもあった。御案内のとおり、11年度の予算要求段階においては、厳しい状況を踏まえ、各部局に厳しい要求枠を設定したわけであるけれども、これは、いろいろ時代が変化する中にあり、さまざまな行政需要に、新しい行政需要に弾力的に対応していくといったようなねらいに対応するためということもあるし、委員常々おっしゃるが、学校の電気、福祉施設の暖房料、そういったものの財源を確実に確保するためにも必要な手だてであると承知しておる。
 次に、サービス残業のところで、人件費の決算に占める割合のお尋ねがあった。5年前の平成6年度であるが、決算に占める人件費の割合は25・8%である。それから、10年度--今年度であるが--2月現計予算でのこの割合は23・0%である。御承知のとおり、経済対策で分母がふくらんでおるので、約1、210億円の経済対策分を除くと26・4%となる。それから、11年度当初予算では26・1%ということで、いずれも数ポイント上昇しておる。

〇照井人事課長 職員の超過勤務の状況についてのお尋ねであるけれども、超過勤務は、命令権者からの命令に基づいて行うものであるが、超過勤務を縮減するための具体的対応策を検討するために、命令権者からの命令による、よらないにかかわらず、職員が勤務時間外に残っているおおむねの時間を調査しているところである。それによると、知事部局における平成9年度の職員1人当たりの月平均時間数はおよそ21時間となっておる。部局別にはおよそ、総務部27時間、企画振興部23時間、生活環境部25時間、保健福祉部18時間、商工労働観光部21時間、農政部18時間、林業水産部21時間、土木部25時間、出納局10時間となっておる。
 超過勤務手当の支給状況についてであるけれども、職員が時間外勤務を命ぜられて超過勤務を行った場合には、各所属において適切に支給されているものと考えておる。
 次に、その改善策についてであるけれども、一時的な業務増などにより超過勤務時間数が増加した場合には、その事情をよく把握して適切な支給が行われるよう努めているところである。
 なお、超過勤務手当の支給については、何よりもまず、管理監督者が率先し、先入観とか固定観念を打破し、従来の仕事の進め方を根本から見直して、コスト意識をしっかりと持ちながら、仕事の緊急度、優先度を重視した業務執行に努めるとともに、やはり強いリーダーシップを発揮し、計画的で効率的な業務執行を職場全体に浸透させることが何より重要であると考えておる。そこで、その意識改革に現在鋭意取り組んでいるところである

〇斉藤委員 やっぱり小渕内閣の減税というのは、今の答弁にあったように、標準世帯であると全所得階層で増税である。これは、個人県民税、住民税、本当に重大であると私は思う。そして、例えば給与収入金額で見ると、450万クラスが3万5、100円の増税で、いわば所得のそんなに高くないところが一番増税額が大きいと、これは私は、極めて今の不況打開に水を指すと指摘しておく。
 それと、行革大綱で財政健全化のためにやってきたのに、財政が一層悪化したということを深刻に受けとめなければならない。だから、公共事業がこれだけ必要であったという答弁があるけれども、私が言っているのは、節度を越えているから、結局こういう財政再建が成功しないということを言っているわけである。だから、増田知事が言うように、本当に公共事業の総額を見直して、重点化しなかったら、その他の部分を切るだけ切って公共事業は手つかずであるということにならざるを得ない。この間の10年、20年の推移はそういうことを示している。だから、このためにふえたというのではなくて、それが結果的には原因なのであるから、そこにメスを入れる本当の行革をやっていただきたい。もうレコードがすり切れたような同じ答弁ばかりでは、これは本当の解決にならないということを私は指摘しておく。
 そして、サービス残業の問題について、人事課長は、都合の悪いところを答えないのである。超過勤務は21時間やって、支給勤務時間は11時間なのである。だから、1人当たり平均10時間のサービス残業なのである。あなた、私が聞いているのに肝心のところを答えないではないか。それで、1人当たり月10時間ということは年間120時間である。5、100人の職員であったら15億3、000万である。これは大変重大である。だから、本気になってこれを改善する、全額支給してこそ、私は、本当にむだと浪費を解決できると思うのである。ここを放置しているから、なあなあで改善されないのである。超過勤務はふえているのであるから、そういう点で、本当に本気になってこれを改善していただきたい。
 最後である。米軍機墜落事故と新ガイドライン法案について、最後にお聞きする。
 1988年の川井村の米軍機墜落事故の事故報告書、これを県は報告を受けているのであろうか、内容を承知しているのであろうか。この間の低空飛行訓練について、どういう情報収集を岩手県はしているのであろうか。しているとすれば、その件数、地域を示していただきたい。
 ヒドラジンの対応について、知事は記者会見でこう述べた。やはり、事故原因者あるいはそこに関係した人たちの怠慢であった。この事故原因者はもちろん米軍であるけれども、そこに関係した人たちというのはだれであったのであろうか。だれの怠慢であると知事は指摘したのであろうか。
 新ガイドライン関連法は、アメリカの引き起こす戦争に日本と地方自治体と国民を動員する重大な、憲法9条に抵触する法案であると私は思うが、本会議で聞いても、憲法認識は触れなかった。憲法9条は、国際紛争の解決に当たって、武力の行使も武力の威嚇も行ってはならないと、これに私は反すると思うけれども、この関係でお聞きしたい。

〇吉田総務部長 昭和63年(1988年)の米軍機の墜落事故であるが、これについては仙台防衛施設局を通じ、平成元年7月7日付で事故原因について、エンジントラブルであったという連絡を受けているものである。ただ、報告書は受け取っておらないところである。ただ、外務省に照会したところ、この報告書が外務省にも届いた形跡がないという回答をもらっているところである。
 なお、今回の事故報告書については、平成8年12月2日の日米合同委員会において、米軍航空機の事故調査報告書の提供とか公表に関する手続が承認されたことを踏まえ、外務省を通じ、事故報告書の提出を求めていく考えである。
 それから、低空飛行訓練についてであるが、昭和63年川井村での事故以来であるが、県に報告のあった騒音による苦情であるが、平成2年度が2件、平成5年度が2件、平成6年度が3件、平成9年度が1件、平成10年度は、2月末までであるが5件が、陸前高田市、宮古市など、主に沿岸部の市から連絡があったところである。
 それから、ヒドラジンのことについて、怠慢というお話であるが、よく私存じ上げておらないけれども、あるいは防衛施設庁とか米軍の方からそういったものが私どものところになかったという意味であると私は理解しておるが、私どもも知っていれば対応したわけであるが、遅くなってから知ったということである。
 次に、ガイドラインの関連法案についてであるが、日米協力の指針と、いわゆる新ガイドラインの実効性を確保するため制定を目指している法案と認識しているという知事の答弁であると私は理解しているところである。

〇斉藤委員 これで終わるが、今三沢のF16戦闘機はどういう訓練をしているか、私は事実を示して指摘するから答えていただきたい。
 三沢から延べ36機が昨年イラクへ4回、延べ約14カ月間実戦展開をしている。司令官は、世界の紛争に備えて毎日訓練していると言い、帰還した飛行隊長は、三沢でしてきたことと全く同じ方法で作戦を遂行したと言っている。ペンタゴンは、在日米軍基地は日本の防衛の任務を持っていないと言っている。今、岩手県民を危険に脅かしている米軍の低空飛行訓練、通常訓練というのは、全く日本の防衛と関係がない。私は、こういう危険な低空飛行訓練の中止を米軍に堂々と求めるべきであると思う。秋田県の知事は、これは堂々と米軍の司令官に抗議をして、米軍からきちんと文書で回答をいただいている。この間の経過を見ると、岩手県は米軍に対して直接の抗議が一つもない。私は、きっちり米軍に対して抗議をして回答を求めるべきであると思うが、いかがであろうか。

〇吉田総務部長 米軍の演習というか練習、そういったものについては、県民に被害があったことは事実である。墜落事故があった、あるいは騒音事故ということで、県としては、外交上の問題であるので、これは外務省あるいは防衛施設庁、それに基づく仙台防衛施設局を通じて、その都度、あるいは文書により、あるいは口頭により、両省庁を通じ、善処するよう、中止するよう求めているところである。私どもは、米軍と直接、アメリカ政府と直接交渉する立場にないものであるので、国の政府機関を通じて中止要請等を行っているところである。

〇吉田(洋)委員 矢継ぎ早の質問で大変お疲れの御様子であるが、私から真心込めて申し上げたいと存ずる。
 この3月をもって勇退されると伺っている吉田総務部長に対し、この機会をおかりして、これまでの御尽力に心から感謝と、そして一言御礼の言葉を申し上げる。
 吉田部長には、昭和39年教育委員会事務局秘書調査課に奉職され、以来35年の長きにわたり、県政のさまざまなセクションにおいてその幅広い見識と卓越した実行力をもって岩手県の発展に御尽力なされた。
 部長が奉職された昭和39年は、待望の花巻空港が開港し、翌40年には、東北本線の複線電化工事の完成、三陸縦貫鉄道の起工、また、東北縦貫自動車道の建設基本計画が決定されるなど、まさに本県の高速交通網の整備が緒についた時期である。また、現在の県庁舎及び議会棟の完成や、岩手国体を控え、県営運動公園に陸上競技場が完成したのを初め、本県のさまざまな基盤整備が本格的に開始された時期でもある。国内的には、特にも日本じゅうを感動の渦に巻き込んだ東京オリンピックが開催された時期であり、高度成長期がまさに始まった時代でもあった。
 その後、昭和60年には、教育委員会事務局総務課長として力量を発揮され、昭和62年には、生活福祉部成人福祉課長として、生きがいと創造の施設・福祉の里整備や、高齢化に対応するための長寿振興財団の設立準備に手腕を発揮されておる。
 昭和63年には、企画調整課長として、新県総合発展計画後期実施計画による各般の事業展開にリーダーシップを発揮されておる。
 その後、医療局次長、生活福祉部次長を歴任され、平成7年には、人事委員会事務局長に就任されたところである。
 さらに、平成8年には、医療局長として、県立病院の今後の課題と将来展望を明らかにした県立病院事業経営計画を策定されたほか、県立胆沢病院の移転新築に尽力されたのである。
 平成9年には、初代生活環境部長として、環境基本条例の制定や2,4,5-T系除草剤の埋設問題で、国との調整、折衝に陣頭指揮をとられたのは記憶に新しいところである。
 平成10年度においては、人事、財政など、県政運営の基幹部門を総括される総務部長として、岩手山の火山活動の活発化に対応した官民を挙げた防災対策の検討、また、行政運営の透明性の向上への要請の高まり、厳しさを増す財政状況など、県を取り巻くさまざまな環境の変化や分権型地域社会の到来へ対応するため、新たに岩手県行政システム改革大綱の策定にも精力的に取り組まれたところである。
 こうした部長の数々の業績は、部長の豪放らいらくさと緻密さを兼ね備え、また、県行政に対する情熱と真摯な気持ち、そしてすぐれた行政手腕のたまものと高く評価するものである。ここに改めて敬意を表するとともに、感謝申し上げる次第である。
 退任されても、どうぞ御健勝で、県勢の発展のため御指導、御助言賜りますようお願い申し上げて、お礼の言葉とさせていただく。本当に御苦労さまであった。
 この際、吉田総務部長から、退任に当たっての御所感をお聞かせいただければ幸甚に存ずる。よろしくお願いする。

〇吉田総務部長 ただいまは、吉田委員から大変なお褒めの言葉をいただき恐縮に存じておる。ありがたかった。
 お話にあったとおり、昭和39年4月、県教育委員会に入庁し、思い起こしてみると35年経過している。その間、去来することが多々あるが、その当時の行政需要と行政水準、それから今の行政需要、行政水準といったものを考え合わせるとき、その格段の差に愕然とするというか、驚きを感じるところである。その39年当時において、今日のような行政需要、行政水準を私は予測できたであろうかとじくじたる思いであり、いかに先を見るかということが大事かと思う。私は、その日その日だけやってきたということであり、今委員からお褒めいただいたようなことを全然果たしてこなかったとじくじたる思いでいるところである。今いただいたお言葉を胸に抱きながら、今後も頑張りたいと思う。
 後輩諸君も、多くの職員が育っておるので、今後とも、後輩諸君に対しても御支援、叱咤激励していただければ大変ありがたいと存ずる。
 最後に、議員の先生方が御健勝で、ますます活躍されんことを願い、また、県勢の発展をこいねがって御礼の言葉にさせていただく。ありがたかった。(拍手)

〇三河委員長 これで総務部関係の質疑を終わる。
 この際、昼食のため午後1時まで休憩する。
   午後0時6分 休 憩
 
   午後1時5分 再 開

〇菊池副委員長 休憩前に引き続き会議を開く。
 次に、企画振興部長から企画振興部関係の説明を求める。

〇武居企画振興部長 企画振興部関係の歳出予算などについて御説明申し上げる。
 企画振興部関係の予算は、議案その1の6ページ、2款総務費のうち2項企画費、4項地方振興費、5項選挙費及び7項統計調査費と、少し飛んで9ページの13款諸支出金のうち、2項公営企業出資金の一部である。
 それでは、便宜、お手元に配付されておる予算に関する説明書によって御説明申し上げる。97ページをお開き願う。
 2款総務費2項企画費1目企画総務費の156億7、900万円余の主なものについて申し上げる。まず、管理運営費は、人件費及び一般管理事務費である。次に、三陸鉄道企画列車運行事業費負担金は、三陸鉄道の利用促進を図るため、沿線市町村のイベント等と連携し、山田線、大船渡線を活用した内陸部との交流を図る企画列車の運行及び仙台-八戸間の運行に対して支援しようとするものである。次に、東北新幹線建設促進対策事業費は、日本鉄道建設公団が建設する東北新幹線盛岡以北の建設に要する経費の負担並びに建設促進対策等を実施しようとするものである。次に、コミューター関係地方公共団体協議会負担金は、花巻空港における航空路線網の充実を図るため、花巻と新潟を結ぶ都市間コミューター航空の運航を同協議会を通じて支援しようとするものである。次に、バス活性化システム整備費補助は、利用者にとって便利なバスカードシステムの整備に対し補助するとともに、高齢者、障害者等に優しいスロープつき低床バスの導入に対して補助しようとするものである。次に、2目計画調査費の27億5、600万円余の主なものについて申し上げる。まず、総合計画推進費は、経済社会情勢の変化等に対応し、21世紀初頭を展望した新しい総合計画を策定するとともに、新しい岩手づくりに向けた所要の調査・検討を行おうとするものである。次に、北東北三県地域連携推進費は、北東北3県の地域連携を推進するため、北東北広域連携構想の策定や北東北地域連携フォーラム、北東北三県知事サミット等を行おうとするものである。98ページをお開き願う。リゾート地域整備促進事業費は、リゾート施設整備事業を実施する市町村に対し補助するとともに、民間事業者等との調整を図り、個性豊かな地域づくりを促進しようとするものである。次に、科学技術振興推進費は、科学技術の振興による地域の活性化を促進するため、総合的かつ長期的な科学技術振興策を企画・推進しようとするものである。次に、先端科学技術研究センター管理運営費は、本年4月に開所する先端科学技術研究センターの管理運営に要する経費である。次に、テレビ難視聴地域解消事業費は、テレビ難視聴地域の解消を促進するため、中継局及び共同受信施設設置事業を実施する市町村に対し、補助しようとするものである。次に、電気通信格差是正事業費補助は、地域住民の生活に密着した情報通信基盤の整備を促進するため、電気通信格差是正事業を実施する市町村に対し、補助しようとするものである。次に、高度情報化推進費は、生活者を起点とした地域情報化社会を実現するため、複数の自治体等と共同してデジタルコミュニティー構想について調査、研究を行うとともに、海外の大学との遠隔授業実験を推進しようとするものである。次に、いわてウォータープラン21推進費は、総合的な水資源対策の効率的な推進を図るため、流域水環境保全構想の策定等を行おうとするものである。次に、地熱熱水有効利用促進費は、地熱熱水供給事業実証調査により得られた成果を地域振興や住民福祉の向上に役立てるなど、地熱資源の有効利用を促進しようとするものである。次に、西暦2000年世界地熱会議開催推進費は、西暦2000年5月末から6月初めにかけて開催される世界地熱会議に向け、その開催準備を行おうとするものである。次のページに参って、3目広聴広報費の3億5、700万円余の主なものについて申し上げる。まず、広聴広報活動費は、県民に開かれたわかりやすい県政を推進するため、県政情報の提供などを行う広聴広報活動に要する経費である。次に、銀河系いわて情報発信事業費は、本県の情報を県外に広く発信するため、全国紙等への広告の掲載、広報誌の発行、ラジオ放送及びインターネットによる広報を行おうとするものである。次に、地域連携衛星デジタル情報発信事業費は、他県との共同により実施する衛星デジタルテレビ放送を活用して、県外に向けて本県の情報等を発信しようとするものである。
 次に、少し飛んでいただいて102ページをお開き願う。4項地方振興費1目地方振興総務費の14億4、800万円余の主なものについて申し上げる。地方振興局管理運営費は、地方振興局総務部職員の人件費及び一般管理事務費である。次に、2目市町村振興費の19億6、700万円余の主なものについて申し上げる。まず、市町村振興宝くじ交付金は、市町村に対する貸付事業を実施する財団法人岩手県市町村振興協会に対し、市町村振興宝くじの発売収益金を交付しようとするものである。次に、地域づくり交流ネットワーク推進事業費は、県内各地で自主的・主体的に展開されている地域づくりの取り組みをより一層推進するため、地域づくり関係者の連携・交流活動を支援するほか、地域づくり情報誌の発行を行おうとするものである。次のページに参って、広域行政推進啓発事業費は、地方分権の受け皿として、市町村合併や広域連合などの広域行政を推進するため、広域行政シンポジウムを開催するほか、新たな取り組みとして、県立大学と協力し、県内の市町村における望ましい広域行政体制のあり方について調査、研究を行おうとするものである。次に、地域活性化事業調整費は、地方振興局において、地域の要望等を踏まえ、市町村と一体となって地域の特性を生かした個性豊かな地域振興を図ろうとするものである。次に、地域づくり団体全国研修交流会岩手大会開催費は、全国各地の地域づくり団体等が一堂に会し、地域づくりについて語り合い、交流する全国研修交流会を平成11年秋に本県で開催しようとするものである。
 次に、104ページをお開き願う。104ページから105ページの5項選挙費は、1目選挙管理委員会費6、200万円余、2目選挙啓発費900万円余、3目知事県議会議員選挙費7億7、000万円余を計上しておる。
 少し飛んでいただいて、108ページをお開き願う。7項統計調査費1目統計調査総務費の3億6、300万円余の主なものについて申し上げる。管理運営費は、人件費及び一般管理事務費である。次に、2目地方統計調査費の1、700万円余は、いずれも県単独で実施する統計調査に要する経費である。次のページに参って、3目委託統計調査費の3億8、700万円余は、いずれも国の委託により実施する統計調査に要する経費である。
 次に、債務負担行為について御説明申し上げる。恐れ入るが、議案その1にお戻りいただいて、11ページをお開き願う。
 当部関係は、第2表債務負担行為の事項欄2の公営企業金融公庫及び市中金融機関が岩手県土地開発公社に融通した資金についての債務保証であるが、これは、岩手県土地開発公社が市中金融機関等から資金を借り受ける場合、借り入れ総額31億2、800万円を限度として債務保証を行い、公有地の先行取得等、同公社が実施する事業の円滑な推進を図ろうとするものである。
 最後に、予算以外の議案について御説明申し上げる。同じく議案その1の61ページをお開き願う。
 議案第16号東北新幹線鉄道の建設事業に要する経費の一部を負担させることに関し議決を求めることについてであるが、これは、東北新幹線鉄道の建設事業に要する経費の一部を受益市町である二戸市及び岩手町に負担していただこうとするものである。
 次に、恐れ入るが、議案その2の12ページをお開き願う。
 議案第27号自治振興基金条例の一部を改正する条例であるが、これは、市町村等に県単独の資金として貸し付けを行う自治振興基金の総額を変更しようとするものである。
 次に、21ページをお開き願う。議案第32号屋内温水プール条例の一部を改正する条例であるが、これは、屋内温水プールの使用料の額を改定しようとするものである。
 以上で説明を終わる。よろしく御審議をお願いする。

〇菊池副委員長 ただいまの説明に対し質疑ないか。

〇佐藤(啓)委員 財政課からいただいた当初予算の説明資料の中に、当部関係として、新しい総合計画策定費の中に夢づくりシンポジウム開催、いわて地元学フォーラム開催など地域づくりについての内容が記載されているわけである。私が一般質問でも触れたように、地域づくりというのはこれからの岩手にとって大変重要なことであり、しっかりした理念のもとに進められる必要があろうと考えるわけで、今、申し上げた二つのシンポジウムあるいはフォーラム等はまことに時宜にかなったものではないかと思うわけである。しっかりした理念のもとに展開されるよう期待しながら御質問申し上げる。

〇武居企画振興部長 夢づくりシンポジウム、それから、いわて地元学フォーラムの内容等について御質問いただいた。
 これらは、いずれも新しい総合計画策定後に開催を予定しており、総合計画に掲げる理念なり目標のもとに、私たち行政に携わる人間も含めて、県民の皆さんがどのような役割を担い、そして行動していくべきかを理解し、また、実践していくためのきっかけにしたいと考えておる。新しい岩手づくりは、計画をつくったところからが本番、スタートであると考えておる。新しい総合計画については、私たちみんなが新しい岩手づくりを進める上での指針となるものであり、これらのフォーラムやシンポジウムは、いよいよ県民の皆さんお一人一人が主役としてこれから各地域で頑張っていただくためのスタートにしたいと考えておる。
 概略のイメージであるけれども、いわて地元学フォーラムについては、地域のすばらしさを再発見し、それを育てていこうとする機運をそれぞれの地域の実践例を交えて県内幾つかの地域で行おうと考えており、こういった地域でのフォーラムに続いて、全県下を対象として21世紀の新しい岩手の夢を語る夢づくりシンポジウム、こういったものにつないでいきたいと考えておるが、最終的には、こういったフォーラムなりシンポジウムに御参加いただいた県民の皆さんも、あるいはこういったところに出ていただけなかった方も含めて、これらを県民の皆さんお一人一人が地域を舞台にして、佐藤委員が代表質問の際に地域の定義等についていろいろ述べておられたけれども、まさに地域を舞台にして日々の実践活動を行っていく、こういったものに一連の流れとしてつなげていきたいと考えており、でき得れば、これも単なる県だけの主催行事ではなく、地域づくり団体など、地域で活動されている方々もむしろ主催者の一員に名前を連ねていただいて実施していきたいと考えておる。
 いずれにしても、従来型のやり方ではなく、地域の視点あるいは生活者の視点を生かしながら、所期の目的が達成されるよう創意工夫をしながら実施してまいりたいと考えておる。

〇伊藤委員 3点ほどお伺いする。
 まず、科学振興についてお伺いするが、県は、科学技術の振興には大変力を入れているようで、大変好ましいと思っておる。科学技術というと、我々一般県民にはどうも雲の上の問題であるとか、どうも遠いところの世界のような気がするのであるが、こういう部分をどんどん県で開催していただいて、特に次なる世代の若い層にカルチャーショックを起こしていただくというのは大変重要な部分だと思う。
 来年度、超電導の国際シンポジウムの開催を予定されているようであるが、このような世界的なレベルの大会が本県で開催されるということは、これもすばらしいと思っておるが、そういった際に、必ず一緒のイベントとして、県民にも理解しやすいような公開シンポジウムなどを併催していただいて、少しずつであっても種をまいていただくというか、そういう部分が必要だと思うが、その辺についてお伺いしたいと思う。
 それから、これまでも本県でもいろいろなこういった部分の学会等を誘致して開かれておると思うが、総体的にどうしても県の内奥に偏ってきたのではないかと思う。したがって、県北あるいは沿岸等でもどんどんこういうものを開催していただいて、科学の一発目の光を当てていただければありがたいと思うのであるが、その辺についてお伺いしたいと思う。
 それから、2点目であるが、今、地域振興という部分にかかわって、大変いろいろな施策をもって市町村の元気づけをしようとやっておられるわけである。いろいろなメニュー、施策を考えておられるわけであるが、現実の市町村はいろいろなメニューを示されても、全く体力が疲弊しており、自主財源がない、原資がない。したがって、パン食い競争のようなパンを示されても、そのパンに飛びつく気力も体力もないというのが現状だと思う。
 したがって、そういった部分は、本当に地域の目から考えた場合に、ちょっと言葉がそぐわないかもしれないが、岩手県版のふるさと創生基金のような、そういう制度こそがむしろ地域が望んでいるのではないのか。つまりひものない、どうぞ自由にお使いいただきたいというお金を地域に支給というか、そういうのがあっていいのではないか、そんなふうに思うのである。
 例えば、59市町村あるわけであるけれども、13市には一律7、000万円あるいは30町に5、000万円、16村に3、000万円ということになるとトータルで28億9、000万円であるが、こういったものを3カ年ぐらい継続してやっていただければ110億円ぐらいになる。そういった部分は必ず10倍の事業、仕事になると言われるから、3カ年そういったものを継続していただけると、恐らく1、000億円以上の仕事が県内に起こり出してくるのではないのか。そういった部分が今、市町村が最も希望しているものではないのかと思う。
 国の創生基金についての使い道では、余りかたくなり過ぎたせいか、金の延べ棒を積み上げてみたり、お城をつくったり、何か形に残るものを残そうという部分に走って、どうもマスコミにあおり立てられてそういった形になったように思うが、そうではなくて、国は国として置いて、地方分権の中で岩手県が本当に市町村の面倒を見て元気よくさせていくということであれば、思い切ったそういう施策が必要なのではないか、こう思うのである。
 一昨年までの年末に中小企業対策の資金等融資の枠を設定して用意をしても、言ってみれば手つかずで返ってくるのが現状であった。それは、従来どおりの担保、保証人という部分があったからである。しかし、昨年6月の経済対策の融資制度については無担保という部分があって、大変利用価値が高かった。これは大きな進歩だと思う。したがって、そういう観点から、見せ金だと言われないように使っていただくためにも、現実に市町村が今一番欲しがっておる生のキャッシュを支給するというような大転換の政策があってもいいのではないかと思うが、それについてお伺いする。

〇黒田情報科学課長 まず、科学技術振興とシンポジウム等の活用についての御質問であるが、委員御指摘のとおり、県においては、平成5年度に科学技術振興の専門部署を設置して以来、本県の自然環境あるいは地元の受け入れ態勢といったようなものをアピールしながら、学会、研究会などの誘致にも努めてまいったところである。
 委員が触れられた超電導シンポジウムについては、本年10月に盛岡市で開催する予定にしており、これは超電導に関する国内最大規模の国際学会ということである。また、あわせて、委員から御指摘いただいたように、市民向けの講習会及び超電導に関するわかりやすい展示といったようなものも予定しているところである。
 これまでにも本県においては、例えば平成5年度には科学技術政策の国際ワークショップを八幡平で、あるいは平成6年度に素粒子物理学の国際会議を安代町で、平成7年度以降は超電導研究の国際会議を連続して滝沢村、八幡平等で開催しているところである。また、沿岸地域においても、例えば平成8年度に宮古市においてニュートリノの物理学会、また、本年度--昨年--には大船渡において同じニュートリノの物理学会を開催したところである。
 県としては、今後とも、本県がこうした学術研究の場としてすぐれたポテンシャルを有しているということをアピールしながら学会誘致に努めるとともに、その際には、公開講演会の開催等、県民にもわかりやすくアピールをしていくこともあわせて考慮して、科学技術の啓発、普及に努めてまいりたいと考えておる。

〇久保市町村課長 市町村活性化の支援資金について創設する考えはないかという趣旨の御質問と受けとめておるが、私のところで現段階ではその案については持ち合わせておらないけれども、市町村に対する県単補助金については、御承知のように、岩手県行政システム改革大綱にうたわれておるが、平成11年度以降、交付事務の見直しが進められることとされておる。この中で、定型的あるいは定例的補助金などの総合交付金を推進することとされており、市町村の意向の把握、確認等を進めながら、この制度の導入により市町村財政の弾力的な運用を可能にしたり、事務手続の簡素化などの改善が図られるのではないかと期待しておる。
 具体的には、今後、11年度以降になると思うが、制度検討がなされ、12年度以降に順次実施されることとされておるが、私どもとしても、総合交付金化は市町村の事務の効率化や行財政運営の弾力化あるいは地方分権の推進等に資するものであるので、市町村が自主的あるいは自立的に行財政運営を行うことにつながるものと期待しておる。

〇伊藤委員 いきなりの質問であったのであるが、恐らくそういう返事になるのはわかる。であるけれども、現実に市町村が全く元気がないという部分は御認識であろうと思う。元気がないのであるが、頭とか、いろいろな部分は使って目いっぱいやっているのであるが、何しろ行動を起こすための原資がない、自主財源がない、ここでみんなとまってしまうわけである。したがって、皆さんが県民税として上がってきた税金をいろいろ手を添えて、こうやればこうなるよと言って返していただくのはいいのであるが、それはそれで、市町村にもちゃんと優秀な者がおるから、そういう連中が自分の地域のことを自前で考えてやってみたいというお金を、色のつかないお金を、大盤振る舞いでもないが、さあ、使ってみていただきたいというような形で、そういう気持ちがあってもらいたいと、こう思う。国と県の関係でもそうかもしれないが、中には小さな親切大きな迷惑という言葉もあるみたいであるが、ありがたいのであるけれども、そういう配慮なしに全く手つかずのお金をいただきたいというのが市町村の考えだと思う。
 したがって、今の段階ではそういうお話だろうと思うが、ぜひ武居企画振興部長からそういう部分も取り入れてみたいような味を含んだお答えをいただければありがたいと思う。

〇武居企画振興部長 今、御質問があって、市町村の財政状況がだんだん厳しくなってきているというのは私どもも認識しておるが、ふるさと創生に関して若干お触れになって、それから、新しいそういった県版というお話があったが、私自身もふるさと創生の事業については直接タッチしており、そういった経緯は大変よくわかっているわけである。いろいろな経緯があって平成10年度でふるさと創生の一連の事業は終了して、現在、国においても自治省で新しい事業に衣がえしているわけである。平成11年度からスタートする地域活力創出プランというものに衣がえしているわけであるけれども、この中で、ソフト事業で全国で2、500億円、それからハード事業で7、500億円、1兆円の地方財政措置がされている。2、500億円のソフト事業については、それぞれの団体によって人口要件とか、あるいは人口の減少率、若者が減っていくとか、いろいろ差はあるけれども、5、000万円ぐらいから1億数千万円まで地方交付税の中に特別に手当てされるという動きが今度出てまいって、これは、むしろ今までのふるさと創生の経験とか反省を踏まえて、特に経済再生とか人づくり、こういった分野に力を入れていかないと地方ではなかなか活性化は難しいのではないかというところに光を当てているように考えておるけれども、そういった事業が創設されておる。
 したがって、私どもも、いずれ県でもそういった地方財政措置に連動して、これは当然県にもお金が参るし市町村にもお金が参るので、そういったものと地域活性化事業調整費であるとか、先ほど市町村課長の方から申し上げた例えば補助金の総合交付金化のようなものを重ねて、さらには、本年度の予算編成時に地方振興局の予算要求権というのが認められたし、そういった一連のいろいろの動きによって、市町村とか振興局単位で地元のことについてより柔軟に対応できるような仕組みをトータルとしてつくっていかなければならないのでないかという気持ちを持っておる。
 したがって、直接的に金をすぐぽんと出せるかどうかという問題はあるが、委員御指摘の点というのはこれから特に重要になってくるかと思うので、いろいろと研究させていただく中で、より望ましい方向を考えてまいりたいと思う。
 しかし、最後に申し上げたいのは、とかく私ども市町村の行財政を指導する立場から見ると単なる財源補てんになりかねない要素もあって、結局気仙広域もそうであるけれども、広域行政が自分の市町村だけでは独自にできない、財政基盤を強化しようということで、あるいは西磐井もそうであるけれども、自分たちのところだけではだめなので一緒にやろうといって広域行政を一生懸命やっているところとそうでないところが同じように財源をもらえる仕組みというのはこれからはなかなか難しくなってくるのではないかという気もしておるので、そこのところはある程度努力しているところが報われるような仕組みをより以上につくってまいりたいと考えておるが、いずれ、御指摘の点も含めて今後研究してまいりたいと思う。

〇伊藤委員 今、文人と野人の議論みたいな感じになって、私はどうも野人なものであるから、腹が減ったときは、米の飯でなくてもいいから麦が入ってもいいからいっぱい食いたいという立場である。あなたは器にこだわって、ちゃんと金の器に入れて差し上げようと。そういうのは要らないという議論があってもいいと思うので、体裁とか形にこだわらないで、今、何が求められているのかという部分もぜひ根本に置いてお考えいただきたいと思う。
 最後に、12カ年の今後にわたる発展計画を、今、策定中なわけであるが、その12年後に何がどうなるのかと考えると、まず一つ確実なのは、私自身が12歳年をとること、こういうことである。いずれ、12年後のそのころに何が起こるのかと思うと、恐らく2巡目の国体の範疇に入ってくるのであろうと、このように思う、昭和45年の25回大会以来であるから。そうなると、施設は45年の国体当時の施設で、ほとんど今の国体の基準に合致していないようで、恐らく今ある県内の競技場等はすべて新築をしていかなければならないのではないかと、こういう議論が出てくるのだろうと思う。しかも、これは大変大きな経済を含む問題でもあるから、一、二年でできる問題ではない。少なくともやはり五、六年、七、八年前には議論をやり出して準備に向かっていかなければならない。そろそろその議論に入っていく時期なのかと、こう思うわけである。
 その中で、岩手県の経済振興ともこれは密接な部分があるわけで、過日の新聞によると、平成13年の2001年に開催される新世紀宮城国体が宮城県内にもたらす経済波及効果を調べた宮城県の試算結果が12日明らかになったと。施設整備や大会運営費などの総額は3、285億円で、誘発される生産やサービスを加算した経済波及効果は1・65倍の5、417億円に達する。県は、国体開催が地方経済の活性化に与える影響は大きいと期待しているとある。そして、同紙の中で、過去の部分を振り返って、過去の国体波及効果は、平成10年の神奈川ゆめ国体では投資・消費総額が3、308億円で効果が6、165億円、そしてまた、なみはや国体大阪では5、274億円をかけて8、757億円。そして、福島国体では1、366億円をかけて2、206億円の経済波及効果があったと、こういう試算も出ておる。こういった部分を含めながら、前回の国体開催の経過を振り返りながら、こういった大きなイベントを持ちながら岩手県勢をどう発展させていくかという議論は当然あっていいのだと思う。振り返って、どうもこういった部分が県の内奥に偏り過ぎてきたのではないかという思いがしておる。
 そういう中で、どの地域をどう発展をさせて総合的に県を発展の方向に持っていくかという議論もやはりこれから早速していくべきだと思うが、12カ年の発展計画の中で、どの辺でそういった議論をしていくのか。あるいは、議会とも当然議論をしなければならないことだと思うが、それについてのお考えをお示しいただきたい。

〇上野企画調整課長 国体の関連であるが、まさに御指摘のような問題が多々あろうかと思う。
 国体の開催自体は今回の新しい総合計画の2010年という期間を超えて行われることが想定されるわけであるけれども、それまでに準備をしなければならないようなことが多々あるだろうと思う。施設整備の問題というのはまさにそのとおりだろうと思うし、そのほか競技力の向上とか、いろいろな経済的な問題も含めていろいろな議論が必要だろうと思っておる。
 そうしたことを踏まえて、これからの新しい総合計画の中では教育委員会とも十分に協議しながらその検討を深めていきたいと思うが、昭和45年の国体がまさに岩手県勢の発展の大きな起爆剤になったと伺っており、次の国体についても非常に重要なものだと認識しておるので、よく検討を深めていきたいと思っておる。

〇谷藤委員 企画振興部長に以前からお伺いをしてきている分野であるけれども、盛岡駅の西口の県有地、企業局会館を建てようとした失敗作であるけれども、これは何度も取り上げてまいった。都市機能の充実という観点、それから、都市間競争におくれをとってはならないということで、早め早めの対応をお願いしたいという思いからこれに取り組んできたところであるけれども、昨年3月に策定した基本構想をもとに、今、それらを詰めながら導入施設とか規模、内容、さまざま検討を重ねて基本計画を策定中だと思っておる。
 地元では、駅の西口にいつできるのかということで随分話題になっている。ところが、本来は西口開発の先導的役割を大いに期待していたものであるけれども、延び延びになってきている。いつも大体2月議会が終了してから公表するとか、そういうタイミングである。議会の中で議論しないうちに、いきなり2月の議会が終わったあたりにぽんと出てくるというような形が見られてきている。そういうことで、今の進捗状況はどの辺までいっているものか、お知らせをいただきたいと思う。
 それからまた、昨年の9月議会で取り上げたのであるけれども、その際には、整備の時期については中央大橋の開通の時期とか西口の都市開発整備事業の進捗状況、それから、財政状況を考慮するとのことであった。新幹線の盛岡以北の開業の時期も重要な視点として留意すべきとの答弁をいただいたわけである。さきの本会議で我が党の工藤篤議員が質問をしたのに、知事は、新幹線は平成13年から2年ほど開業が延びるだろう、おおむね15年ぐらいになるのではないかという答弁をされた。すると、これのお話からいくと、当初13年という想定の中で進んできたものが、平成15年に新幹線の開通が延びるということが想定されると、この考え方も一緒になって延び延びの考え方に立つのか。必要だから、これはやっぱり早期に取り組まなければならないという考え方に立つのか、その辺についての考え方をお聞きしたい。

〇中村地域政策課長 まず、基本計画策定の進捗状況についてであるけれども、お話にあったように、現在、庁内の部局長等で構成する西口地区県有地活用基本計画策定委員会において、県民生活サービス拠点機能とか県民交流活動機能などの各種の機能ごとに施設の規模や内容等を精査しながら、立地特性に合った施設構成について幾つかのケースに分けて施設配置や管理運営等を総合的に検討を進めているところである。
 主な検討事項としては、施設構成の関係で、導入施設の機能を効果的に組み合わせて多機能型複合施設としての相乗効果が発揮できる施設構成や供用施設の効果的な配置をどうしたらいいか、それから、利用者のアクセスの関係では、盛岡駅側からの歩行者動線を確保するために人工地盤を有効活用する方法であるとか、それから、盛岡駅本宮線を越えていく連絡通路であるとか、これの検討をしておる。
 それから、隣接施設との連携のことであるけれども、集会施設等については、隣接するマリオスとの機能分担、連携、補完、そういうような問題など、これらを技術的にいろいろ調整する必要があると、こういう事項がいっぱいあるので、これらを、今、検討しておる。
 さらに、今、申し上げたような技術的な問題のほかに、特にこれは本年の問題であるけれども、当初予算が骨格的予算として編成されたわけであるけれども、今、検討しておる施設が多機能型複合施設という施設の性質上、関係部局が6月補正で要求をする予定の主要事業との関係についても調整が必要である。こういうことなどがあって、今、検討に時間を要しているわけであるけれども、平成11年度の早期には基本計画を策定して公表したいと考えているところである。
 次に、整備の時期についてであるけれども、これについては、現在策定中の新しい総合計画の前期実施計画に位置づけた上で、時期を逸することのないように整備に努めてまいりたいと考えておる。
 多機能型複合施設として整備するというわけであるが、この場合に、今、概算の整備費が200数十億から300億円ぐらいになるのではないかと見込まれておることから、この整備時期については、中央大橋の開通時期や西口地区の都市開発整備事業の進捗状況など、委員から御指摘のあった周辺環境の情勢や、さらには県の財政状況など諸般の事情を考慮して、さらには、お話のあった東北新幹線盛岡以北の開業時期についても重要な視点と認識して、21世紀に向けた新しい岩手の財産として広く県民の皆様に活用される施設となるように、こういう考えで整備に努めてまいりたいと考えているものである。

〇谷藤委員 そういうことで、タイミングである。本来、新幹線は13年の予定だった。新幹線に合わせれば13年、中央大橋に合わせると15、6年というか、その時期あたりかなと。どれに標準を合わせていくかということで今まで進んできたのかよくわからないのだけれども、新幹線ということを考えると、13年度に合わせたペースで本来は取り組んでこなければならなかったのだろうと思う。なぜこれを取り上げるかというと、盛岡から先に延びていったとき、盛岡が相当魅力あるまちづくりを今進めようとしているわけであるけれども、そこの中の位置づけで、この県有地に何ができるかというのが非常に大きなポイントになってきている、通過駅になってしまうのかどうかということも含めてのとらえ方の中から見れば。そういう大切な位置づけにある施設だということを御認識いただきながら、やはり早期にこれらに取り組んでいくという前向きな姿勢が必要ではないかと思う。
 それから、11年度の早めの時期に基本計画を公表したいということであるけれども、行政システム改革大綱では、政策立案の際に検討案を公表して広く県民から意見を求めるパブリックコメント制度等の県民の県政への参画システムを構築するということである。こういうことから考えていくと、計画の情報を公開しながら多くの意見を求めていくということだろうと思う。そういう状況に今なっているのか、これからどういうふうにしながら形づくっていこうとしているのか、これらについての決意をお伺いしたい。

〇武居企画振興部長 新幹線に関しては、統一要望の際には、谷藤委員初め、県議会の皆様には大変お世話になって、補正予算等も含めてこれはこれで一生懸命頑張っているわけで、大変いろいろと日ごろの御支援ありがたい。
 一方で、西口については、これはおくらせているわけではなくて一生懸命やっているわけであるけれども、何分大変調整項目が多いというのは先ほど担当課長の方から説明させたわけであるが、これからどういった形でこれを意見集約していくかというのは、今、谷藤委員がおっしゃったように大変難しい部分がある。私自身ちょっと迷いがあるのは、ぱーんと一つのものが突然出てくるような形はこれからできにくいのではないかという気持ちを持っており、マックスでいくと300億円近くなるような施設を、その中にいろいろの機能が入ってくるのに、それを1回で出せるというのはなかなか難しいのではないかと思っており、これについては、意見集約の仕方についても、これから取りまとめる際にはかなり内部で検討し、その情報もある程度外に出せる段階になったらお示しする形をとらざるを得ないのかなという気もしておる。
 先ほど申したようなわけで、6月補正との絡みがあるということと、もう一つは、別途、私どもの方で新しい総合計画を今つくっているわけであるけれども、前期の実施計画というものをこれから具体的にまとめていくわけであるが、そうすると、この前期実施計画の中にどういうふうに位置づけていくかというところで、当然この問題についてもより具体に調整を図らなければいけないという問題が出てくる。いずれ、春先からそういった問題をすべて整理しながら一定の方向を出していくという形になろうかと思うが、その際には、委員御指摘の点についても十分留意しながら、情報も外に御提供申し上げながら意見集約をしてまいりたいと考えておる。

〇谷藤委員 いずれ大いに期待されている施設であるから、内容も吟味しながら、ぜひ早めの段階で取り組めることを御期待申し上げたいと思う。
 次に、新しい総合計画であるけれども、今、中間報告、県の総合計画審議会初め、各市町村初め、いろいろな意見を集約しながら中間報告をまとめられたわけであるけれども、非常に県民としてはその具体的な実施計画というものに対して関心があるだろうと思う。先ほど伊藤勢至委員の方からも話が出たけれども、次期の計画の中に国体の関連の部分、施設を早めにつくり過ぎると古くなってしまうけれども、ただ、用地の取得だとか先行取得のタイミングだとか、いろいろなことが出てくるだろうと思う。その辺を加味しながら今後の計画の中に盛り込んでいく必要があるだろうと思う。
 3県総では、前期--平成3年から7年--の段階での事業というのが314事業、約2兆2、300億円、それから、後期が平成8年から12年度までで330事業で3兆2、500億円程度の事業が盛り込まれているわけである。今度8月に策定して公表するという方向にあると思うけれども、この厳しい財政下、どんな方針でこれからボリュームを含めて臨もうとしているのか。どの程度の事業でどれぐらいの規模になるのか。そしてまた、今後8月策定に向けたスケジュールもあわせてお聞かせいただければと思う。

〇上野企画調整課長 実施計画の方針であるけれども、これについては、これから計画の策定作業を進めていく上で政策推進の具体化というのが御指摘のとおり非常に重要な観点になってまいる。これについては、プロジェクトであるとか、あるいは各論編、これについて事業内容の具体化を図っていくわけであるが、これと並行して、委員御指摘の実施計画、これについても県庁内で鋭意検討作業を進めていく予定にしておる。
 事業規模のお話であったけれども、これは、やはり御指摘のとおり、非常にこれから厳しい財政環境になるという中で、しっかりと長期的な展望を持ちながらやっていく必要があるだろうと思っており、中期の財政見通し、そうした状況も踏まえながら、これから事業内容を詰めていくのと並行して検討を進めていきたいと思っておる。
 作業のスケジュールであるが、これから委員も御参加いただいておる審議会であるとか、あるいは庁内のいろいろなデザイン会議等の場を通じて3月、4月、5月と精力的な検討を進めてまいり、7月ごろをめどに審議会の方から計画の答申をいただいて、次に、それをもとにして、8月、これもめどであるが、実施計画も含めた最終的な計画策定をできればというふうに考えておる。

〇佐々木(博)委員 1点だけお伺いする。
 地域活性化事業調整費についてお伺いするけれども、地方振興局において、地域住民の要望等を踏まえ、市町村と一体となって地域の特性を生かした個性豊かな地域振興を図ろうという趣旨で、来年度も11億円ほど計上されているようである。機動的、弾力的に執行ができるということで非常に評価も高いようであるけれども、しかしながら、いろいろ聞くところによると、例えば県庁の部局で予算要求したけれども予算がつかなかったものだとか、あるいは市町村でやりたいと思っていながら予算措置できなかったというものも含まれているのではないかというようなお話も幾らか、実際そうなのかどうかわからないけれども、聞くこともあるわけである。今、財政が非常に厳しい状況の中で、県は、昨年来事務事業の評価に非常に積極的に取り組んでいろいろ削減に取り組んでいらっしゃるわけであるが、この調整費を使った事業というものについてはいわゆる事務事業の評価の対象になっているのかどうか、まず、そのことについてお伺いしたいと思う。

〇中村地域政策課長 地域活性化事業調整費の評価の問題であるけれども、事務事業評価として二つの観点から評価をしたところである。
 一つは、地域活性化事業調整費の制度そのものがどういうものか、制度の是非という観点からの評価をした。これは、当課というか当部というか、本庁で実施し、それで予算編成に反映をさせたものである。
 ちなみに、その評価の結果は、当方の評価は、事業効果が高くて重要な事業であるというような制度全体の評価をしておる。
 もう一つは、ただいまの委員の御質問とも関係してくるけれども、この調整費制度の中で実際に行われる個別の事業についての評価ということになるけれども、これは大変件数が多いわけで、例えば平成9年度で申し上げると365の事業を実施しておる。したがって、これについては、予算編成に盛り込むべき個別の365を予算としてどうかという評価、統一的な評価、制度の評価とは別な評価は、別途、振興局において実施して、それを本庁で取りまとめて検証をする、そういう形の評価を実施した。
 その結果は、内部の評価であるけれども、効果が高い、あるいは相当程度高いと評価をしたのが全体の85%以上を占めているという状況である。

〇佐々木(博)委員 実際のところ、今365の事業とおっしゃったけれども、私らも調整費を使ってやっている個々の事業について実はよくわからないところがあるわけである。件数が多いということもあるし、それから、議会でも特に個々の事業についての説明もないし、むしろ新聞紙上等で、例えば何々地方振興局ではこういった事業をやるということを記事等で見て、それで知るというのが実態ではないかと思っておるわけであるが、どうなのであろうか、今後とも今までどおりのやり方でやっていくのか。あるいは活性化調整費での事業を議会で少し具体的にこれから説明しようというお考えはあるのかどうか、その辺についてお伺いしたいと思う。

〇中村地域政策課長 地域活性化事業調整費の個別事業についてであるけれども、活性化事業調整費そのものが地域の実情に応じて機動的、弾力的に運用すると。それを地方振興局長の判断と責任においてやっていただくと、こういう趣旨で県議会に総予算枠を計上して御審議をいただいているという制度であるので、11年度も11億円を計上して御審議をお願いしておるわけであるが、その事業内容に何を予定しているのかということについては実は私もまだお答えできないという状態であり、それは予算をお認めいただいてから各地方振興局に配分して地方振興局長が使うと、こういう制度になっているものである。
 しかしながら、ただいま委員からお話があったように、それぞれ地域の実情に応じて配分をする調整費が地域から選出された県議会に全く説明がないということは決して適切な運用方法ではないと考えられるわけなので、各地方振興局長の責任というか、運用の問題として、地方振興局長と調整を図って、それぞれ地域の事業について地域の代表である県議会議員の皆さんにその辺の情報が的確に伝達、説明されるような形の調整を地方振興局長と図っていきたいと考えているところである。

〇佐々木(博)委員 非常に貴重な財源であるので、地域の活性化のためにぜひとも効率よく使っていただきたいと思うわけである。
 それで、さきの行政改革大綱にもあるけれども、いずれ、これから地方振興局の権限をますます強めていく、自己完結性であろうか、そういったものを高めていくという方向をますます目指していくわけであるが、先ほど武居部長からの答弁もあったけれども、本年度からは、地方振興局にも予算要求権を認めたりしているわけである。それで、いずれこれから振興局の権限がますます強化されていくであろうと思うけれども、そういった形になってまいると、この活性化調整費についてもいろいろと、今までと違って今後改善していかなければいけない点も出てくるのではないかと考えるのであるが、その点についての御見解をちょっとお伺いしたいと思う。

〇武居企画振興部長 活性化調整費に関し、今後の変更なり改善の方向性についてどうであろうかというお話があった。今委員御指摘あったように、いろいろの制度、仕組みを現在変えておるので、これに伴って活性化調整費も一部運用の部分で変えていく必要があるのかないのか、これからそれが課題になってこようかと我々も考えておる。これが平成11年度になるのか平成12年度になるのかといった問題はあるが、いずれ調整費の運用の仕方を一部変えていくことができないであろうかということは、これから検討してまいりたいと思う。特に私ども、これは私自身も、今まで活性化調整費の過去のものをいろいろずうっとチェックしておって、当初に比べソフト事業がふえているという部分がある。当初はハード事業がかなり多かったのであるが、ソフトの事業がふえてきている。それから、一部県の今までやっていた事業、あるいは県の査定、あるいは市町村の査定との関係というのは先ほどお話あったけれども、私どもは、何も財政課で落ちたからといってつけるなとは申さない。と申すのは、財政課はどちらかと申すとオール岩手で見ている場合もあるので、地域の事情によってはどうしても必要な事業というものも振興局で出てまいるので、地域の個性とか特性を出していくためには必要になる事業もあろうかと思う。しかし、先ほどの総合交付金の問題とかいろいろ出てまいると、調整費にどういった役割を担わせるかというのが従来とは違ってくる可能性もあるし、特に私ども、ここ二、三年、いろいろなソフトの事業を見ている際に、イベントとかもいいのであるけれども、これからは、経済の活性化というのであろうか、そういった部分が非常に重要になってくるのではないかということを大変考えており、産業振興にもうちょっと結びつくような使い方はできないであろうかということを実は考えているところである。そういった点で、これからよりよい使われ方がされていくようにするためには、まさにこれは、各地方振興局で実際に毎年毎年いろいろと悩みながらこういった事業を調整しながら決定している現場の声を聞く必要が一番大事になってこようかと思うので、平成11年度においては、さらに一層そういう地方振興局の担当職員の声を吸い上げ、御指摘の点も含め検討してまいりたいと考えている。

〇佐々木(博)委員 この地域活性化調整費、県民の間にかなり広く浸透しており、何か事業をやるときに、この対象にならないであろうかなどという相談を実は受けることもあるわけである。それで、随分浸透もしているし、期待感もあるなと思うのであるが、今、部長おっしゃったけれども、何となく県民の間には、イベントなどをやるときに対象にならないであろうかという相談が多いのである。それで、イベントも大切であると思うが、今、非常に貴重な財源であるので、どうかできるだけ効率よく活用していただけるように、ひとつ御検討いただきたいと思う。

〇伊沢委員 私の方から、新幹線盛岡以北の問題と絡めて、並行在来線の課題が残ってくると思うのであるが、お伺いしていきたいと思う。
 私も、中央における予算要求の際に、JR本社を含め、新幹線の早期完成を求めて陳情にも参加したことがあった。実はその際に、貨物の運行がどうなるのかということで、本社の方でもいろいろ検討されているということを聞いたわけである。新幹線を通すのか、従来の、今ある東北本線を通していくのかという問題点等々含めていろいろお話を聞いてきた部分があった。これがどうなっているのかわかっていれば教えていただきたいのであるが、こうした中で、実はJRの貨物盛岡機関区が縮小もしくは廃止されて、要員も減らされるという情報が入ってきたわけであるけれども、今、谷藤委員の質問の中にも、新幹線の開業が13年から15年に延びるという状況があるわけであるが、東北本線そのものが使われるということになるわけである。そうした際の、いわば保線なり、機関車そのものに対する安全を見ていた施設が、JRの会社であるからそっちで考えろということになろうかとは思うのであるが、そうは言っても、県民が利用している東北本線の中で、安全上の問題としてきちんとしたものが確保できるのであろうかということが、私自身懸念されるわけである。県としてこういう問題についてどう把握しているのかお伺いしたいと思うし、並行在来線ということで経営分離されるというのが東北新幹線盛岡以北の建設時点で決められ、それに向かって今、並行在来線のあり方について御検討されているかと思うわけである。私自身は、本当からいけば、第三セクターでこれをやっていっても、今の三セクと同じようなことにならないであろうかということで大変危惧する部分もあるわけであるが、あわせて貨物の問題がどうしても最後残るのではないかと思うわけである。新幹線を走るのか下を走るのかという問題は、まだけりがついていないともお伺いしている部分があるのであるが、もし、この並行在来線を第三セクターでやっていった際に、貨物を東北本線の残った並行在来線を走らせるとした際に、どういった形になるのか。使用料がもらえるからいい面もあろうかと思うし、逆に言えば、人を運ぶよりも重い荷物を運ぶということで、これは保線にも大変な費用がかかっていくのではないかと思われる。そういう部分について、現在のところ、並行在来線をどうするかという課題の中で御検討されている部分があればお示しいただきたいと思うわけである。
 以上の部分について、まずお伺いしたいと思う。

〇河原畑交通政策課長 並行在来線対策についてのお尋ねである。
 まず、JRからの経営分離後の鉄道貨物輸送の走行経路に関する検討がどこまで進んでいるのかというお尋ねであるが、まず、貨物輸送の取り扱いについては、平成8年度末の整備新幹線に関する政府・与党合意において、新幹線鉄道上を走行することも含め、関係者間で調整を図るとされており、現在、国においてJR東日本やJR貨物との調整がなされていると伺っておるが、県に対しては、貨物列車が新幹線上を走行した場合の問題点についての情報提供がなされているにとどまっておる。我々が伺っておる情報によると、鉄道貨物が新幹線上を走行する場合には、貨物列車が狭軌で走行できるよう、線路を三線軌条化する等の工事を行うため、約1、000億円程度の追加投資が必要となるほか、新幹線と貨物列車が同じ線路を走行することに伴う安全性を担保するため、さまざまな技術的課題を克服する必要があり、そのために、少なからず工期に影響を与えるとされておる。
 県としては、今後新幹線工事が本格化してくることから、鉄道貨物輸送のあり方について、全国的な運輸政策の見地から、国において早期にその取扱方針が示されるよう、引き続き青森県とともに働きかけを行ってまいりたいと考えておる。
 次に、JR貨物の盛岡機関区の廃止に関連したお尋ねであるが、この問題については、基本的にはJR貨物内部の経営問題と考えており、県としては直接意見を申し述べる立場にはないけれども、仮に機関車の検査・修繕部門などが統合されたとしても、関係法令などに基づき、安全性の確保や緊急時の対応に十分配慮しながら適正に業務が行われるものと考えており、また、当然そのようになさるべきものと考えておる。
 それから、盛岡以北の並行在来線の経営と貨物輸送の関係についてのお尋ねである。この問題については、もう一度経緯を触れさせていただくと、東北本線の盛岡-八戸間について、平成2年12月、平成6年12月の政府・与党申し合わせ等により、新幹線開業時にJR東日本の経営から分離することを地元自治体があらかじめ確認することとされ、県においても、沿線市町村との協議を経た上で、平成3年7月及び平成7年4月に、経営分離に同意する旨、運輸省に回答したところである。現在は、旅客輸送を行っておるJR東日本が鉄道施設を保有し、JR貨物が低廉な線路使用料でそれを借りて貨物輸送を行うという形態になっておるが、新幹線の開業に伴い、東北本線盛岡-八戸間がJR東日本から経営分離された場合、その鉄道施設をだれが保有するかということが問題となる。今後、JR東日本からの経営分離後においては、在来線の鉄道施設は、JR貨物もしくは地元の経営主体が保有することになるものと想定されるが、全国的にもJR旅客会社から低廉な線路使用料で鉄道施設を借りて走行しているJR貨物が、経営を圧迫しかねない膨大な鉄道施設をみずから保有するかどうかという問題がある。仮に地元経営主体が鉄道施設を保有することとなれば、そのコストを地元自治体が負担し、その鉄道施設をJR貨物が借りて貨物輸送を行うこととなる。しかしながら、東北本線の貨物輸送は、北海道と関東一円を結ぶ大動脈である一方、盛岡以北において県内で取り扱われる貨物は皆無であるので、全国的な貨物輸送の維持のために地域的な旅客輸送が必要とする規模を上回る鉄道施設が必要となれば、そのコストを盛岡-八戸間の地元自治体のみが負担することには大いに問題があると考えておる。このように、貨物輸送の問題と並行在来線の維持・存続の問題とは同一に論じられるものではなく、分けて考える必要があると考えており、並行在来線を考える場合には、地域住民や地元自治体に不便をかけないことを基本に、それぞれ別個にその運営のあり方を検討していく必要があると考えておる。
 県としては、貨物輸送の継続の有無にかかわらず、地域住民の足を将来にわたって確保するため、引き続き青森県とも十分に協議を重ねながら、最善の方策を検討していく方針である。

〇伊沢委員 わかった。明快な答弁であると思うが、私は、やっぱり問題が残るのではないかと思うわけである。物流関係を含めて、今課長からお話あったように、関東地方と北海道を結ぶ物流についてこの東北本線を使って今貨物が走っている。本県の部分についてほとんど関係がないという部分があったわけであるが、将来的に、今、環境問題を含めていろいろなことが言われているわけである。車社会の中で多くの物流がトラック輸送に委ねられているわけであるが、本来的には、大量、そして環境の問題を考えれば、鉄路の輸送というのも大きな課題ではないかと思うわけである。今お話あったように、その部分を地元と自治体が、仮に全部鉄路を保有した場合の保線も含めての責任を負うというのは、やはりどう考えても理不尽な部分があり、国の中で、本当の意味で物流を考えるのであれば、保有するのがどこであれ、国の責任で貨物輸送を含めて、今の東北本線を残して--肋骨路線を残すべきであると私は考えるわけであるけれども、そういった部分、今のお話を聞くと、人を運ぶだけのことを考えて、あとは県としては今のところ検討に値しないというか、する必要がないというニュアンスでとらえたわけであるけれども、国との協議の中でその辺についてプッシュするべき部分が大いにあるのではないかと私は思うのであるけれども、その辺についての御見解をお伺いしたいわけである。

〇河原畑交通政策課長 今、委員から御指摘があったとおり、岩手県としては、旅客輸送を将来にわたって確保していくということをまず第一に考えているわけである。したがって、仮に今後在来線を利用して貨物輸送が行われる場合になると、貨物輸送を維持するために必要となるコストが旅客の運賃に添加されるといったような悪影響が生じないよう、JR貨物に対して応分の経費負担を求めていく必要があると考えておる。
 なお、全国的な鉄道貨物輸送のあり方については、我が国の物流をどうするかという極めて運輸政策上の問題であるので、国において判断されるべきものと考えている。したがって、貨物輸送維持のためにどこが支援するかということについても、国とJR貨物との間の問題と考えておる。

〇伊沢委員 この間、本会議を含めて委員会の中でも、県債の残高問題が取りざたされてまいった。先ほどの総務部長の答弁の中でも、本県の県債残高がふえた大きな理由の中には、新幹線東北以北問題を含めてあったわけである。11年度予算の中にも、県の大きな負担が盛り込まれているし、岩手町や一戸町に対する債務負担行為も載っているわけである。そういったことを考えると、やっぱり県としても言うべきことは言いながらやっていかないと、お金だけ出して口は出すなという形になりはしないかと思うわけである。そういった意味で、今課長からお話あったように、全国的な中での物流体制を考える意味でぜひとも、今、本県の物が乗っていないということがあるけれども、岩手県もこれから、言ってみれば本県のブランド化を含めた大きな物をどこかに送る、その際には鉄路を利用するということもあり得るわけであるから、当県に関係ないということではなく、ぜひ御検討賜りながら、国の方に対する要望をきちんと言っていただけるよう要望を申し上げて終わらせていただく。ありがたかった。

〇小野寺委員 簡単にお尋ねする。
 交通手段の関係で、バスの関係であるが、平成10年の予算の中では低床バス、盛岡とか宮古を合わせて4台であったかと思うのであるが、この評価はどうであったのであろうか。利用者側からの評価、あるいはまた、運転手の方からはどうであったのであろうか。その評価をもとに、ことしはどこに何台ぐらい助成されてのこの予算措置なのかお伺いする。
 交通弱者から、どうもバス路線がどんどん減っていくとか、あるいは本数が少なくなってといった話をよく受けるのであるが、新年度の中ではバス路線の増減はどの程度になるのか、もしわかっていればお伺いしたいと思う。
 第2点は、テレビ・ラジオの難視聴対策であるが、自治体によっては、県からの補助をいただいても、結局、民間会社の放送局のために費用負担せざるを得ない、ちょっと困るというのが本音かと思うのであるが、その辺の市町村の考えは最近どうなっているのであろうか、お伺いしたいと思う。
 第3点は、太陽光発電についてであるが、平成8年9月一般質問のときに、県としては公共施設を中心に考えていくといった御答弁をいただいたが、一般家庭向けについてはその後考え方の変更はないのかどうであろうか。あわせて、一昨日の報道にもあったけれども、今度の予算では、公共施設はどういったところを考えているのであろうか、お伺いしたいと思う。
 最後であるが、電気通信格差是正費補助、約3億円であるが、これはどこの会社に対しての補助なのであろうか、また、場所はどこか。最近、携帯電話の普及に伴って、中継の電波塔がどんどん建てられていっているが、わかっている範囲で、そういったトラブル、得体の知れない電磁波ということで心配な住民からのトラブルはないかどうか。もしあった場合には、県はどういった対応ができるのかお伺いしたいと思う。

〇河原畑交通政策課長 まず、低床バスの導入に関してのお尋ねであるが、最初に、利用者と運転手などの評判はどうであったのであろうかというお尋ねについては、申しわけないが、現在のところ把握しておらないので、会社などを通じて把握するよう努めてまいりたいと考えておる。
 それから、次年度何両の導入が予定されているのであろうかということについては、盛岡市において、岩手県交通株式会社が小型車を4両導入するという計画になっている。

〇黒田情報科学課長 テレビ・ラジオ難視聴についてのお尋ねである。
 御質問の趣旨は、例えば事業者が事業を行うような際に、県が補助をする用意があっても、なかなか市町村が民間事業への支援ということでお金を出しにくいのではないかというような御趣旨であったと思うのであるけれども、私が聞いている範囲では、最近非常に景気が低迷している、あるいは今後デジタル化等で投資がかさむというようなこともあり、まず、主体的に難視聴を解消していくべき責務を負っておる民間事業者の方が経済的に非常に苦しいというのが現実であり、私どもとしては、市町村と連携をとりながら、テレビあるいはラジオの難視聴等の要望があるところについては、事業者に積極的な働きかけを行っており、事業が可能であるということで事業者との間で相談がつくような場合には、県が市町村の方を補助していくというような形で、テレビ・ラジオは難視聴の解消を図っているということである。御質問のように、市町村の方で、特に民間事業に対してそういった理由で補助がしにくいというようなことは、私としては特に聞いていない次第である。

〇名須川資源エネルギー課長 太陽光発電についての一般家庭の導入状況ということである。やはり、現在まだ太陽光発電の設置コストが高いという状況にはある。いろいろな技術がどんどん進んでまいっており、かなりのコストダウンといったものが目に見えて進んできておる。けれども、やはりコストが高いというのが、一般家庭への普及を妨げている要因の一つであるということが現在でも言えるであろうと思っておる。そうは言っても、平成9年、平成10年4月から今年の1月まで、そういった導入傾向を見ておると、若干ではあるが、県内での導入傾向が増という傾向にある。
 それから、平成11年度公共施設への太陽光発電の導入ということであるが、これについては、6月の予算編成という時期に検討することになっておるので、よろしくお願いする。

〇黒田情報科学課長 電気通信格差是正事業についてのお尋ねであるけれども、本事業費補助については、いわゆる携帯電話用の鉄塔整備、テレビの難視聴解消事業、さらには、ケーブルテレビの施設整備事業といったようなものが対象となっている。11年度に計上させていただいている予算においては、現在予定しているところでは、携帯電話については田野畑村、テレビの難視聴解消事業については大東町、ケーブルテレビについては盛岡、滝沢及び遠野市という地域についての事業である。
 お尋ねの後段である、特に携帯電話の設置に伴うトラブル等である。基本的に、岩手県の場合にはそうしたアンテナ設置等に係るトラブルというのは余りないと理解しておるけれども、先般、新聞報道等もあったように、例えば盛岡市等においては、携帯電話の鉄塔の設置といったようなものが人体に悪い影響があるのではないかというような御懸念をなさる住民の方というのもいらっしゃるとは聞いておる。トラブルというわけではないけれども、こうした形で、それぞれ放送事業者が地域住民の理解を得た上で施設整備を進めていくというのが基本的な格好であるけれども、県としても、こうした形で例えば住民の方から懸念が表明されているといったような場合には、市町村と連携をとって、放送事業者とこうした住民との間の理解の促進といったようなものに努めていくという格好になろうかと考えている。

〇小野寺委員 テレビ難視聴の方で、そうすると、町村役場では消極的であるという姿勢はもうないと考えてよいのであろうか。
 もう一つ、電磁波の関係で盛岡市内でトラブルがあるというのは聞いてないであろうか。

〇黒田情報科学課長 最初の質問については、特に市町村が消極的であったとは私は聞いていない。
 それから、後段については、携帯電話については、盛岡市の方で携帯電話設備の設置に懸念を表明している住民の方がいらっしゃるということで、トラブルという意味では、そういう事例があるということは承知しておる。

〇斉藤委員 まず最初に、私はアイシーエスの入札問題についてお聞きする。
 1月28日入札となった情報端末機一式の一般競争入札の過程で、アイシーエスからの出向職員が関与したと報道もされ、陳謝もあったようであるけれども、どう関与したのであろうか。この入札に関する入札仕様書はだれが作成したのであろうか。情報科学課に専門の技術職員はいるのであろうか。アイシーエス職員の関与は、入札仕様書作成の過程で全くなかったのであろうか。アイシーエスとNTTから出向職員がいるようであるが、何を根拠に、どういう必要性に基づいて出向されているのであろうか。アイシーエス任せの体制があるのではないのであろうか。アイシーエスへの出資の是非については検討されているのであろうか。今後の改善策を含めてお聞きする。

〇黒田情報科学課長 情報端末機器の調達に係る御質問である。順次お答えさせていただく。
 今回、入札手続については、会計規則等法令に照らして適正に執行されたというものであるけれども、具体的には、各社から提出された入札仕様書が、入札に際して県として提示しておる基本的仕様書の性能等を備えているかどうかという技術的な内容について、入札後において不明な点、あるいは確認したい点というものがあったことから、通常であれば県の担当者が照会するべきところであるけれども、時間的な余裕がなく、かつ、内容的にも技術的な問題であったことから、アイシーエスからの派遣職員が、県職員としての立場で各社の担当者あてに電子メール等で照会したというものである。
 県の方で提示した基本的仕様書については、県の担当者が作成したものであり、アイシーエスからの出向職員は関与していない。
 専門の技術職員はいないのであろうかというお尋ねであるけれども、当県の場合、情報関係の外部委託を進めてきた結果として、情報科学課内には、システムエンジニア等の専門の技術者といったような職員はいないわけであるけれども、情報通信に詳しい人間というものの確保に努めるとともに、さまざまな研修等を活用することにより、専門的な能力の育成に努めているところであるし、他県においても同様な対応をしているところもあると理解している。
 それから、アイシーエス及びNTTからの出向社員の根拠と必要性である。県としては、行政情報ネットワークの運用等による行政情報化の推進、あるいは県内の各市町村を初めとする地域情報化の推進といったようなものを図る観点から、例えばパソコンの操作指導、あるいは情報化研修などによる情報システムの企画・運営能力の向上といったような点で、県としても有益であると考えたことから、アイシーエス及びNTTの職員を受け入れることとしたものである。受け入れに当たっては、地方公務員法などの規定に基づいて、県と派遣先との間で職員の身分あるいは期間、職務、服務等に関し、覚書あるいは協定書を締結して任用しているところである。
 アイシーエス任せの体制があるのではないかという御質問である。御案内のとおり、県では、情報関係の電算業務については外部委託をしてきておる。これにより、我々としては組織のスリム化を図るとともに、非常に進歩の早い情報の世界であるので、こうした技術革新に柔軟かつ的確に対応できるというような形で、時代を先取りして情報化を進めてきていると考えている。しかしながら、委員御指摘のとおり、情報処理業務というのは、今非常に急速に高度化しておる。したがって、そうした情報処理業務の高度化・多様化といったようなものが当初予想していた以上のペースで進んだということもあり、これに対応する情報収集分野の専門的なスタッフの育成・確保が必ずしも十分でなかった面もあると考えている。
 アイシーエスへの出資の是非についてであるけれども、アイシーエスについては、現在、県の行政情報あるいは税、医療等のネットワーク、こうした非常に重要なネットワークを運用・管理しておる。したがって、機密性の高い県の情報のセキュリティーを担保する手段として、現時点では、地方自治法第199条に基づく監査権を行使するため、資本金の4分の1以上の県の出資というものは依然として必要であると考えておる。しかしながら、現在、アイシーエス設立当時とは社会環境が異なってきておるし、今後も環境が変化するということが考えられることから、県としては、アイシーエスと県とのかかわり方について、現状のままでいいのか、あるいは何らかの変更が必要であるのかといったようなことについて、関係部局とともに検討してまいりたいと考えている。
 最後に、今後の改善策である。今回の件を契機として、県としても、今後外部から誤解を招かないような情報に係る発注業務の透明性を高めるということ、さらには、今後の情報化ニーズに適切に対応できる人材の育成・確保が重要であると考えている。具体的には、利害関係のある民間企業からの派遣受け入れについては見直しを行い、今年度限りでその受け入れを取りやめる。2番目には、例えば、技術的な仕様の作成の際の留意事項、あるいは発注・委託業者等の選定に係る技術的審査を公正に行うための技術審査委員会の設置等を内容とする、調達に関する技術的審査の指針といったようなものを作成し、周知を図る。さらには、情報関係の専門的な人材育成・確保策について検討を実施していくということで改善を図ろうと考えている。

〇斉藤委員 前向きの改善策が出たから、もっと聞きたかったけれども、やめる。
 次に、第2点、遠野ふれあい交流センターへの県の対応についてお聞きする。
 遠野市は、遠野ふれあい交流センター建設について、自治省の地域総合整備事業債、いわゆる地総債を導入して進めようとしているが、その内容はどういうものであろうか。県との協議は、いつから、これまで何回あったのであろうか。地総債導入の条件、その見通しはどうであろうか。遠野ふれあい交流センターの内容を見ると、それまでの遠野シティホテル計画と全く変わらない内容となっていると思うが、いかがであろうか。地元の民宿、旅館関係者が、経営を圧迫すると反対の声を上げている。県の旅館ホテル組合やいわておかみの会なども、民業を圧迫する公営宿泊施設への県の支援に反対を表明している。深刻な不況のもとで、採算の見通しも不明なシティホテル、いわゆるふれあい交流センター建設は、公益性もないし、財政危機を一層深刻にすると懸念されるが、県はどのように指導・対応してきたのであろうか。山田町のマリンパークの二の舞になる危険性があるのではないであろうか。全国の地方自治体、市町村でホテル、宿泊施設の経営でうまくいっている事例はあるのであろうか、失敗している事例はどのぐらいあるのであろうか、示していただきたい。

〇久保市町村課長 遠野ふれあい交流センター建設事業についてであるが、遠野市においては、日本のふるさとの原風景をとどめる美しい農村の景観を維持しつつ、遠野物語を題材としてまちおこしを推進してきているところであり、遠野市を訪れる人々と市民が交流し、また、市民が各種の研修や創作活動等を展開する拠点として、宿泊施設や語り部ホール、多目的ホールなどを備えた遠野ふれあい交流センターを地域総合整備事業債の活用により建設するものと承知しておる。そして、この交流センターは、総合的な公共施設として、条例を制定して設置・管理するものと承知しておる。
 遠野市と県との協議についてであるけれども、平成10年4月の地域総合整備事業債の事業要望の際に、当然協議があったわけであるが、その後も担当者レベルでいろいろと協議を重ねてきているものである。地域総合整備事業債は、自主的・主体的な地域づくりの推進を図るための起債制度であり、同事業債の取扱要領によると、このような宿泊機能を備えた施設であっても、全体の施設が研修や住民の交流を目的とし、そうした目的に伴って宿泊施設が利用されることを予定したものであり、受益者負担程度の料金の徴収のみを行うものであれば対象とすることができることとされておるので、この点を十分検討し、昨年の5月6日付で自治省に事業要望のための実施計画書を提出したところである。その結果、平成10年8月28日付で、自治省から遠野ふれあい交流センター建設事業を地域総合整備事業債が充当されるふるさとづくり事業として事業指定する旨の通知があり、県では、これを受けて平成10年9月1日付で遠野市に通知しているものである。
 ただいま、事業内容について御説明したが、そういったことから、遠野市からは、ホテルとは異なるものであるという説明を受けており、私どももそのように受けとめておる。
 それから、県の指導についてのお尋ねであるけれども、遠野ふれあい交流センターは、遠野市が、地域の実情や財政運営の将来予測も勘案しながら主体的に取り組んでいるものであるが、県としては、今後とも中長期的な財政見通しのもとに健全な財政運営に努めるよう、必要な助言・指導を行ってまいりたいと考えておる。
 また、全国の市町村が経営している宿泊施設の成功事例等についてであるが、今のところ掌握しておらないけれども、県内市町村が設置している宿泊施設の例を見ると、地域振興あるいは産業振興など、その目的はさまざまであるので一概に論ずることはできないが、それぞれの市町村ではいろいろ創意工夫を凝らしながら、運営に努力しているものと受けとめておる。

〇斉藤委員 私、今の県の認識では、本当に机上の対応と言わなければならない。遠野市は数年来、大型宿泊施設の検討をしてきた。そして、遠野シティホテル構想を立てたのである。ところが、なぜ地総債を導入したかというと、これは去年、平成10年6月の市議会の市当局の答弁である。基本的には、ホテル基本計画と中身は変わっていない。財源確保について、過去にも数回議会に対して有利な方法で財源確保すると説明してきた。中身は変わってないと。ただ、国の補助金を導入するために、ホテル計画ではなくてふれあい交流センター計画にしたと、議会ではっきり答えている。だから、こう言っている。建物の高さ、部屋、コンベンション等、現在のところホテル基本計画と全く変わっておらない。いいであろうか、私はここに内部施設の比較表を持っているけれども、全然変わっていない。ふれあいホールがラウンジ、喫茶店、食堂が和食レストラン、物産展示がショップ、多目的ホール、これは同じである。部屋の大きさも全然変わっていない。変わっているのは名称だけである。そして、損益計算書はどうなっているのであろうか、ホテル計画と変わっていない。ホテル計画で立てた損益計算書、どのぐらいの利用人員がいるか、宴会をどのぐらいやるか、損益計算書もホテル計画と全然変わっていないのである。こんなことで地総債の条件をクリアできるのであろうか。まず、そこからもう一回聞きたい。

〇久保市町村課長 今の都市ホテルの話が出されたけれども、私の方では、シティホテルの内容については承知しておらない。あくまでも遠野ふれあい交流センターということで、事業の中身について、地域総合整備事業債に関する取扱要領に定めている事項に適応しているかどうか、あるいはふるさとづくり要綱に照らし合わせて審査したものである。

〇斉藤委員 今の答弁、極めて重大である。シティホテル計画については全く知らないと。何回市とあなた方は協議をして、新聞ざたになって、地元では、これは重大な社会問題、経済問題である。それを県は、そういう中身も知らないで、市から来た中身だけで審査して通したと。こんなのは県の指導にならないであろう。この間、実は次長にも直訴して、知らないわけはないのである。
 それで、収支、損益計算書がどうなっているか、少しリアルに御紹介する。初年度は宿泊で1億2、100万円、料飲で4、300万、宴会で2億2、900万円、合計4億500万円の売り上げ収入を見込んでいるのである。宴会が7割で、ホテル経営そのものである。しかし、これは過大投資で、地元の旅館経営者が見たら、とてもこんなものはやれるわけがない。宿泊費は幾らであろうか、ハイシーズンで1万5、000円である。地総債の条件というのは、受益者負担程度ならいいということであろう。それは6、000円から7、000円程度であると自治省は言っている。自治省出身の部長、私は部長に聞きたい。私は、これは重大であると思う。いわば、今まではホテル計画でやった、とても採算が成り立たないから民間がこの計画をやめたのである。それを市が受け取って、市のホテル計画として推進してきた。しかし、資金が必要であるから、全額起債が認められる地総債導入をねらったということである。こういうことが通っていいのであろうか。私は、そもそもこの計画自身が地総債の対象になり得ないのではないかと。
 もう一つは、今深刻な不況下で、観光客が減っている中で、こういうことをやったら二重の破綻をする。一つは、民業圧迫である。今でさえ苦しんでいる地元の旅館、民宿関係者に重大な影響を与える。もう一つは、損益計算書に見られるように、過大な計画書であるから完全に破綻する。その借金は市民に押しつけられる。山田のマリンパークが最近ああいう事態になったわけであろう。市町村を指導するあなた方が、そういう点で慎重に指導しなければどうなるのであろうか。部長、この間の経緯も踏まえて説得力ある答弁をしてもらいたい。

〇武居企画振興部長 ただいま、遠野ふれあい交流センターに係る御質問があった。この件に関しては、先ほど担当課長から答弁させたとおり、地域総合整備事業債といったものに関する事業債の取扱要領に基づいて適正であると判断して対応したものである。
 今、委員から御指摘の、過去にいろいろの経緯があったということについては、直接私、承知しているわけではないが、過去いろいろ経緯があったこと、それがどういった地域に対して影響を与えるか、これはひとえに遠野市及び遠野市議会において十分に議論が尽くされているところと考えておるし、また、仮にこういった点に関して今後、中長期的に財政状況、こういった問題が健全な財政運営を確保する上で支障が生じてくるといった点に関しては、これは県として十分に助言・指導する立場にあるので、今後とも必要な助言・指導は徹底してまいりたいと考えておる。

〇斉藤委員 この遠野ふれあい交流センターの実態をあなた方よく見ていただきたい。私が言っているのは、中身がホテル計画であるということである。ふれあい交流センターというのは、地元の住民の交流とか都市との交流とかが目的である。しかし、実際の損益計算書にしても、施設の中身にしても、ホテルそのものなのである。何も変わっていないのである。私はそういう点で、岩手県がそういうことについてまともに指摘も指導もしていないとしたら、これは極めて重大であるということを指摘しておく。遠野市を二分している。確かに市議会では、若干の多数で、もめにもめて紛糾しているけれども、そういう問題であるからもめにもめているわけで、私は、そういうところをよく踏まえて、山田マリンパークの二の舞を踏むようなミスリードだけは絶対しないでいただきたい。
 次に、盛岡以北の在来線問題については、先ほど伊沢委員がほぼ同じ質問をしたので、私はこれは割愛して、盛岡機関区の問題については、補足を含めて質問したいと思う。
 盛岡機関区は、108年の歴史を持つ、今までの東北本線、そして現在ではJR貨物の大動脈を支える役割を果たしてまいった。しかし、3月末でこの盛岡機関区も廃止という計画が出されている。私は先日、現地調査を行った。JR貨物の盛岡機関区長、国労、全動労などの労働者の方々からも話を聞いてまいった。一番の問題は、公共交通機関としての安全・安定輸送の確保という点で大変重大な問題が残されているということである。現在使われている機関車は、昭和30年代のものであると。今でもそれが修理に修理を重ねて使われているというので大変驚いた。この間でも、台車が破損した、モーターの軸が折れた、一歩間違えば大事故になるような、そういう状況で、しかし、盛岡機関区の修理修繕で機関車が走っているという、本当に驚くべき状況であった。もし、この盛岡機関区が廃止されれば、こういう修理修繕の機能がなくなってしまう。これは大変である。昨年1年間で、モーター関連の修繕は135件、2日に1件、その他の車両故障は月に5件から6件発生し、機関車の交換で対応している。いわば、故障した機関車は使えないので、もっと古い別な機関車を交換して使っているという深刻な状況である。私は、公共交通機関の安全性と安定輸送にとって看過できない問題と考えるが、県当局は現状を把握しているのであろうか。盛岡機関区の廃止計画をこうした安全輸送という角度からどのように受けとめておられるのであろうか。この廃止計画は、公共交通網の安全・安定輸送、旅客への影響も含めて、私は、JR貨物や運輸省に対して、この見直しを県として求めるべきではないかと思うが、いかがであろうか。
 それと、これは貨物輸送にもかかってくる。先ほど来論議があったけれども、JR貨物が新幹線を通るのか在来線を通るのか、これは国政の問題であるというのはそのとおりである。しかし、盛岡以北の存続にかかわる問題でもあるわけである。私は、大動脈を本当に存続させようと思ったら、JRからの経営分離そのものが大問題ではないのであろうかと思う。JRから経営分離するということが、JR貨物をどっちに通すかという新しい問題を生んでいるわけであるから、この経営分離の見直しというのは、岩手県が今の時点では主張すべきではないかと思うがいかがであろうか。

〇河原畑交通政策課長 盛岡機関区の廃止問題についてのお尋ねである。故障が多発している実態を把握しているかというお尋ねについては、JR貨物の輸送の安全に関する指導・監督については運輸省において行われるものであり、県としては、故障の実態については把握していない。
 盛岡機関区の廃止計画をどうとらえているか、また、その計画の見直しを求める考えはないかというお尋ねについては、盛岡機関区の廃止計画については、先ほども答弁させていただいたが、基本的にはJR貨物内部の経営問題と考えており、県としては、直接意見を申し述べる立場にないと考えておる。仮に機関車の検査・修繕部門等が統合されたとしても、関係法令等に基づき、安全性の確保や緊急時の対応に十分配慮しながら適正に業務が行われるものと考えており、また、当然そのようになされないといけないものと考えておる。万が一にも、旅客の輸送の方に影響が出てくるという事態が生じた場合には、関係法令に基づき適切な処分がなされるものと考えておるし、また、県としても、そのような事故の再発がないよう申し入れていきたいと考えておる。
 それから、貨物輸送を存続することが在来線存続にとっても重要ではないか、それから、JRからの経営分離を撤回すべきではないかというお尋ねであるが、整備新幹線のスキームについては、長年の経緯に基づいて現在の仕組みができ上がっており、経営分離が着工の前提とされて、現在工事が相当進捗しているという状況を踏まえると、今の時点で経営分離を撤回するということは現実にはできないと我々は考えておる。
 また、貨物輸送が残されれば在来線も安心して残るのではないかという御指摘については、JR貨物がみずから線路を保有して事業を続けていくという保障がない以上は、県側において旅客輸送の確保を第一義として、地域住民とか地元自治体に不便をかけないということを基本に検討を進めることが必要であると考えておる。

〇斉藤委員 これで終わるけれども、私は、盛岡機関区廃止の問題は安全輸送の問題ということで指摘した。というのは、皆さんも御承知のように、最近、JR山手線で2月21日に5人の下請労働者が引かれ死亡するという大変な事態があった。調べてみると、93年度以降19件、死者29人である。なぜこうなっているかというと、今、JR、これは旅客も貨物もそうであるけれども、安全体制は全部下請任せなのである。去年の1月には、青森駅構内でこういう事故があった。結局、盛岡機関区廃止というのは安全をないがしろにするやり方であるという点で私は指摘したのであり、事件、事故が起きたら法令に基づいてという結果論ではなく、そういうことが起きないようなことを県として求めるべきではないのかと取り上げたのであるが、指摘にとどめる。
 最後であるが、増田知事の資金管理団体について、私一般質問で取り上げた。フォーラム21は、2万円の会費制で会費を集めているようであるが、過去3年間、政治資金報告書には記載がない。会費納入が事実とするなら、これは虚偽の報告ということになるのではないのであろうか。虚偽の報告であるとするならば、選管はどういう対応が必要になるのであろうか。フォーラム21の事務所は石鳥谷町内で、会計責任者も石鳥谷町内となっている。しかし、会費の送金先は水沢であるとなれば、これまた、報告と実態が違うのではないであろうか。こうした虚偽報告の場合はどういうことになるのであろうか。

〇久保選挙管理委員会事務局書記長 政治資金規正法による収支報告書についてであるけれども、政治資金規正法上、都道府県の選挙管理委員会は、政治団体から提出された収支報告書に形式上の不備があり、または、これに記載すべき事項の記載が不十分であると認めたときは、当該報告書を提出した者に対して説明を求め、または理由を示して当該報告書の提出を命ずることができるとされており、いわゆる形式審査権にとどまっているものである。したがって、政治団体から提示された収支報告書については、その趣旨を踏まえて受理しているものである。
 それから、政治資金規正法上、会費の送金先等については収支報告書への記載が求められておらないので、承知しておらない。

〇斉藤委員 私は、本会議でもここでも指摘したのであるから、形式的説明でも、きちんと説明を求めていただきたい。

〇上澤委員 先ほど斉藤委員から遠野の問題が出たので、関連して一言だけ聞いておきたいと思うが、この実質の生々しいところは私が知っておるから、そこまでは触れないけれども、地総債が、この制度を使う方がいいということを県が教えたのであろうか、それとも市町村が持ち上げたのであろうか、それをひとつお伺いしておきたい。

〇久保市町村課長 具体的に私承知しておらないが、市の方で自主的に、これは制度上、要領あるいは要綱等できておるので、これは各市町村とも承知しているものと理解しておる。

〇菊池副委員長 ほかに質疑ないか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇菊池副委員長 質疑がないようなので、これで企画振興部関係の質疑を終わる。
 皆さんにお諮りするが、次は出納局、人事委員会、監査委員会である。この三つは、休憩なしでやるということにしたいと思うが、いかがであろうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇菊池副委員長 次に、出納局長から出納局関係の説明を求める。

〇高橋出納局長事務取扱 出納局関係の予算について御説明申し上げる。
 便宜、お手元に配付してある予算に関する説明書により御説明申し上げるので、説明書の91ページをお開き願いたいと思う。
 第2款総務費第1項総務管理費第1目一般管理費のうち、出納局関係は、説明欄の中ほどにある13億6、444万円余である。これは、出納局職員162名の人件費など管理運営に要する経費である。次に、93ページをお開き願う。第5目会計管理費であるが、予算額は6億9、946万円余である。これは、一時借入金の利息など管理運営に要する経費4億3、160万円余を初め、収入証紙売りさばき手数料、給与計算等事務委託料などである。
 次に、飛んで394ページをお開き願う。証紙収入整理特別会計であるが、予算額は、歳入歳出ともに91億9、150万円余である。
 歳入の主なものは、次の395ページにあるように、県税に係る証紙収入が60億6、340万円余である。その内訳は、自動車税、自動車取得税、狩猟者登録税及び入猟税に係るものである。
 また、使用料及び手数料は31億2、817万円余である。その主なものは、旅券発給及び運転免許に係るものである。
 次に、397ページをお開き願う。歳出であるが、これは、証紙により収入した県税使用料及び手数料を一般会計のそれぞれの歳入科目に同額を繰り出すものである。
 以上で説明を終わる。よろしく御審議賜るようお願い申し上げる。

〇菊池副委員長 ただいまの説明に対し質疑ないか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇菊池副委員長 質疑がないようなので、これで出納局関係の質疑を終わる。
 次に、人事委員会事務局長から人事委員会関係の説明を求める。

〇福岡人事委員会事務局長 人事委員会関係の予算について御説明申し上げる。
 便宜、お手元の予算に関する説明書の110ページをお開き願う。
 第2款総務費第8項人事委員会費であるが、第1目の委員会費の785万円余は、委員3名分の報酬、その他、委員会の運営に要する経費である。次に、第2目の事務局費の1億9、000万円余は、事務局職員18名分の人件費、事務費など事務局の管理運営に要する経費である。
 簡単であるが、以上で説明を終わる。よろしく御審議を賜るようお願い申し上げる。

〇菊池副委員長 ただいまの説明に対し質疑ないか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇菊池副委員長 質疑がないようなので、これで人事委員会関係の質疑を終わる。
 次に、監査委員事務局長から監査委員関係の説明を求める。

〇飛澤監査委員事務局長 監査委員関係の予算について御説明申し上げる。
 便宜、お手元の予算に関する説明書により御説明申し上げるので、112ページをお開き願う。
 第2款総務費のうち、第9項監査委員費1目委員費の予算額は2、507万8、000円であるが、これは、監査委員4名の報酬、給与及び監査等に要する経費である。次に、2目事務局費の予算額は2億2、761万1、000円であるが、これは、事務局職員19名の人件費等事務局の管理運営に要する経費である。
 以上、簡単であるが、監査委員関係の説明を終わる。よろしく御審議のほどお願い申し上げる。

〇菊池副委員長 ただいまの説明に対し質疑ないか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇菊池副委員長 質疑がないようなので、これで監査委員関係の質疑を終わる。
 以上で本日の日程は全部終了した。
 本日はこれをもって散会する。
   午後3時14分 散 会


前へ 次へ