平成11年2月定例会 第17回岩手県議会定例会会議録

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〇12番(伊沢昌弘君) 社会民主党の伊沢昌弘でございます。
 最後の任期となる本定例会で、6回目の一般質問の機会を与えていただきましたことに感謝を申し上げ、以下、通告に従い質問をいたします。
 まず、県政の重要課題である県財政の中期見通しについてお伺いいたします。
 日本経済はバブル経済崩壊後、各種の経済対策を講じてきているにもかかわらず、景気の低迷にあえいでいます。県政にとっても、当面する県内景気をどのように立て直していくのかが大きな課題であり、平成11年度の予算にも、経済対策としての公共事業費や中小企業向け県単独融資資金が盛り込まれていることに期待を寄せている県民が多いものと、私は認識しております。しかし、この間、政府の経済対策に対応した公共事業費にかかわり、一般会計における県債の発行残高は急激に増加し、11年度末では1兆1、070億円になるものと見込まれております。県民1人当たり約78万円の負債を抱えることになり、次世代への大きな負の資産となるものであります。確かに、平成11年度当初予算編成における県債依存度は13・5%となるものの、財源対策債を除けば9・8%となり、平成12年度までに県債依存度を10%未満に縮減するという財政健全化計画の目標を満たしてはおりますが、私は、後年度に地方交付税で措置されるという財源対策債が将来にわたって補てんされるものなのか、現在までの国債の発行残高を見ても不安を覚えるものであります。
 そこでお伺いいたしますが、11年度末に見込まれる県債残高のうち、財源対策債の割合と後年度に措置される地方交付税の額をお示し願います。
 また、国の税収が長引く不況や減税のもとで不足してきている現状から、地方交付税の減額が行われるなどの県財政に及ぼす影響が生ずることが懸念されますが、国に対して財源確保を働きかける必要があると考えますが、いかがでしょうか。
 財源の健全化に向けては、自主財源の確保対策を図ることが重要であるとともに、真に県民の求める事業を効果的に推進することが最も重要な課題であり、このことは、新しい総合計画の実施計画策定に向けても十分配慮すべきものと考えます。
 そこでお伺いいたしますが、新しい総合計画の推進も見据えた今後の中期的な財政見通しについてお示し願います。
 次に、緊急経済対策資金についてお伺いいたします。
 昨年の6月定例会以降、補正予算にいわて緊急経済対策資金を計上し、利用実績を踏まえて融資の枠を拡大してまいりました。
 一方、国では、平成10年10月から中小企業金融安定化特別保証制度を発足させ、いわゆる銀行の貸し渋り対策として中小企業の支援策を打ち出したところであり、これらの資金は、県内の中小企業者の救済にとって多くの貢献をしてきたものと考えられます。これら県と国の緊急経済対策資金は、貸出条件や限度額、さらには資金使途などに違いがあることから、個々の企業の選択によって利用されているものと考えられますが、これまでの融資件数及び平均融資額などの利用状況はどのようになっているのでしょうか。
 また、いわて緊急経済対策資金の融資を受けるために申し込んだものの、不幸にして融資条件に合わないために融資ができなかったものもあるのではないかと思われますが、融資の申し込みがあった件数と、融資に至らなかった企業の数やその内容について把握しておられるのかお伺いをいたします。
 私は、不況の出口が見えない中にあって、いまだに資金の流れに不安を抱いている中小企業者も多いと思うのであります。県が行ういわて緊急経済対策資金は、この3月で打ち切ることとされていますが、そのために、県内中小企業の資金繰りが急激に悪化するという恐れはないのでしょうか。私は、いわて緊急経済対策資金にかわる新たな貸付金制度が必要ではないかと思うわけでありますが、県では、国・県の緊急対策資金の申込状況や利用状況を踏まえて、今後どのような対策を考えているのかお伺いをいたします。
 次に、雇用対策についてお伺いいたします。
 国内の雇用情勢は、有効求人倍率が昨年12月には0・48倍、完全失業率も4・3%を記録するなど、極めて厳しい状況となっています。県内における有効求人倍率も0・47倍まで低下しており、経営不振による企業のリストラや倒産による失業が大きく影響しているものと思われます。このような中で、この春に高校、大学を卒業する新規学卒者の就職状況が心配されますが、現時点における新規学卒者の就職内定率はどのようになっているのでしょうか。県内及び県外への内定者数をお示し願います。また、県内企業への雇用調整助成金制度の活用はどのようになっているのでしょうか、あわせてお伺いいたします。
 個人消費が低迷している原因は、収入の減少とあわせて将来的な雇用不安と年金制度の改悪が働く人々にとって大きく影響しているものと考えられます。私は、雇用不安をなくすためには、失業を生まない、つくらないための緊急雇用対策とあわせて、新たな雇用の場の創出に向けた対策を強化していくことが、県内経済対策にとっても重要なことであると考えております。
 そこでお伺いいたしますが、国でも雇用対策の重要性を認識して種々の対策を講じてきていますが、県としても新たに雇用を行った企業に対する助成金制度の創設など、独自の雇用対策を行うことが必要であると考えますがいかがでしょうか、御所見をお伺いいたします。
 次に、岩手県行政システム改革大綱についてお伺いをいたします。
 県は2月5日に、生活者や地域から始まる新しい行政システムの確立を基本理念とした岩手県行政システム改革大綱を発表しました。この中で、県民に信頼され、県民一人一人が主体的に地域づくりに参画できる行政機構を目指すとした改革の視点については、本来あるべき行政の姿を目指すものとして、新しい総合計画の基本構想と合致するものと評価いたしますが、以下の項目について問題があると考えることから、具体的にお伺いをいたします。
 まず、市町村間の広域行政への支援協力についてであります。
 広域行政は、従来実施されてきている地域医療、ごみ処理、消防行政や現在準備が進められている介護保険など、自治体独自で効果が期待できない分野で住民サービスの向上を目指すものであり、自治体が相互の理解のもとに準備を進め、県は、各自治体間の調整を図るべきものと私は理解をしています。この大綱では、合併を含めた広域行政の推進を県が図ろうとしているのではないかとの疑問が持たれますが、地方分権時代を迎え、自治体の自主性が求められる中で広域行政の推進を図る上で、県はどのような役割を担うのかお示し願います。
 次に、従来は県が実施してきた住民へのサービス提供について、今後は民間との役割分担を明確にし、民間委託を進めたりボランティア・NPOに対する支援強化を検討するとしています。ボランティア・NPO等、団体の活動を行政が支援していくことは重要なことですが、県が行う事業を民間委託やボランティアの活動にゆだねる場合、行政が責任を負うべき業務についての十分な検討がなければ、単なる行政責任の放棄となることが懸念されますが、いかがでしょうか。基本的な考えをお示し願います。
 この項の最後に、職員定数管理と職員の意識改革について伺います。
 私は、厳しい財政事情の中で、事務事業の見直しを進め、効果的な行政を行うことは重要なことであると考えますが、ふえ続ける行政需要に県職員は必死に向かっている状況にあると認識しています。しかし、知事は、昨年8月の職員向け機関紙シグナルの中で、民間企業は常に危機感を抱いてコストを下げようと努力している。県庁では、パソコンなどを導入して仕事を簡素化、合理化しているはずなのに、毎晩12時まで電気がついている、本当に忙しいのか。もし、実験できるのなら、午後6時には県庁をロックアウトし、職員を1人も入れないようにする。そうすれば、残業の必要性も明確になり、全体としてコストダウンにつながるのではと、職員の意識改革に触れて述べられておりますが、この真意はどこにあるのでしょうか。恒常化している職員の超過勤務に対して、どのような所見をお持ちなのでしょうか、お示し願います。
 職員定数管理計画では、平成11年度から5年間で、5%の縮減と1%の実人員の削減となっていますが、現在の職員の超過勤務の実態から、計画の実行は可能なのでしょうか。また、職員の意識改革は一人一人の職員に意欲を持たせることが大切であると考えますが、今後、具体的にどのように進める計画なのかお示し願います。
   〔議長退席、副議長着席〕
 次に、日米新ガイドラインに関連してお伺いをいたします。
 一昨年の9月、日米の政府間で合意された日米防衛協力のための指針、いわゆる新ガイドラインの実効化を図るため、政府は関連3法案を国会に提出し、その成立を図ろうとしています。私は、新ガイドラインについて、米軍の軍事行動を日本が支援する戦争マニュアルとしての性格を強く持っていると認識しており、憲法第9条に明記されている戦争放棄を事実上投げ出し、日本が戦争に巻き込まれる危険性が増大するものであり、基本的には廃案にすべきものと考えております。特に、周辺事態法第9条には、関係行政機関の長は法令及び基本計画に従い、地方公共団体の長や国以外の者に対し、必要な協力を依頼することができると規定されております。協力要請となっているものの、実質的には地方自治体や民間に後方支援の責務を負わせるものであり、有事の際には、空港や港そして自治体病院などが優先的に使用されることにより、県民生活に大きな影響を生じることが懸念されることから、外交、防衛は国が所管するものとはいえ、私は地方自治体として見逃すことはできないものと考えます。
 そこでお伺いいたしますが、知事は、新ガイドライン関連法案に対してどのような認識をお持ちでしょうか、お示し願いたいと存じます。
 また、周辺有事の際に、地方自治体に協力要請を行うことができるとされている点に対して、県民生活を優先させるという決意が必要であると思うわけでありますが、法案審議の過程で、自治体等が義務を負わないよう要請をしていくことが必要であると考えますがいかがでしょうか、御所見をお伺いいたします。
 次に、危機管理体制の整備についてお伺いをいたします。
 まず、岩手山の火山活動に関して伺います。
 昨年の2月以降、岩手山は火山性地震が続き、県民の不安が募り、風評被害もあって観光地を中心に経済的打撃を受けてきました。県はこの問題に対して、防災対策や経済支援を含めて、速やかに種々の対策を講じてこられたことに改めて敬意を表するとともに、関係者や関係機関に感謝を申し上げる次第であります。火山活動は小康状態を保っているものの、いまだに噴火の危険性をはらんでいるものと認識しておりますが、9月3日に雫石町を震源として発生した直下型の地震への対応や、2度にわたる岩手山噴火を想定した防災訓練で得た貴重な教訓を最大限に生かしていくことが必要であると考えます。
 そこでお伺いをいたします。
 地震災害や防災訓練で得られた課題や成果をどのように把握しておられるのでしょうか。
 また、今後の防災体制についてどのように整備していく計画であるのかお示し願います。
 次に、米軍機の墜落事故に関してお伺いいたします。
 去る1月21日に釜石市内で低空飛行訓練中の米軍機の墜落事故が発生しました。知事及び釜石市長は直ちに関係機関に働きかけを行い、県民生活への安全を確保するために墜落原因の究明と結果の公表を求めるとともに、安全が確認されるまでの間、危険な低空飛行訓練の中止を要請したことを私は高く評価するものであります。
 しかし、米軍は、これらの要請を無視して飛行訓練を再開し、加えて、墜落したF16戦闘機が人体に有害なヒドラジンを搭載していたことを公表せずに、地元消防団員や警察官が無防備なままで消火活動などの事故処理に当たっていたことが後になって判明いたしました。
 飛行訓練については、議会としても本定例会初日に全会一致で米軍機の飛行訓練中止を求める意見書を採択したところでありますが、今後の県民生活の安全を確保する上でも、県として新たな県民総意による運動を展開する必要があると考えますが、いかがでしょうか。
 また、ヒドラジンの搭載に関して、岩手県警察には青森県警察から情報があったとも報道されていますが、墜落現場で消防活動や事故処理に当たった関係者に対する危険回避のための現場措置に問題がなかったのでしょうか、お伺いしたいと思います。
 加えて、今回の墜落事故に伴い、ヒドラジンを含む有害物質による環境汚染も心配されるところであります。県では、既に釜石市と連携の上、環境調査を実施され、さきにその一部が公表されているところですが、改めて現時点での環境調査の状況について御説明願います。
 次に、自然保護・環境行政についてお伺いいたします。
 県は平成10年度を環境創造元年として位置づけ、岩手県環境の保全及び創造に関する基本条例を施行いたしました。このことは、世界的に地球環境の保全に関する意識が高まる中で、環境との共生・循環型社会の実現を目指して、本県が第一歩を踏み出したものと思っております。また、新しい総合計画の中間報告によれば、基本計画の第2章には、岩手の将来像を実現するための施策の展開として、夢県土いわての創造に向けた五つの視点が示されておりますが、その第1節には、自然と共生し、循環を基調とする社会の実現のため、環境保全対策の諸施策が明記されております。これらのことは、長年我が会派の諸先輩が求めてきた環境保全対策強化を実行に移したものであり、高く評価するとともに、これらのことが新しい総合計画の実施計画に具体的に盛り込まれ、着実に前進することを期待するものであります。
 そこで、まず、お伺いいたします。県は、環境管理に関する国際規格ISO14001の認証取得を目指すことを明らかにしました。現在までに大分県を初め、上越市などの自治体や多くの企業が認証を取得していると伺っておりますが、県がこの規格に基づき、率先して環境配慮の取り組みを実行することは、県内の自治体や企業に対して波及効果があると期待するものであります。この認証を取得するためには大変な御苦労があると思われますが、県が認証を取得する意義とその具体的な計画についてお示し願います。
 また、県内企業の取得状況についてもあわせてお伺いいたします。
 次に、早池峰山頂避難小屋のトイレの改修についてお伺いいたします。
 早池峰山は北上高地にそびえる秀峰であり、ハヤチネウスユキソウやナンブトラノオなどの早池峰山を唯一の産地とする貴重な植物が見られる原生的自然を有する岩手県を代表する山の一つであることは御案内のとおりであります。
 私は、岩手の自然の豊かさを象徴するこの早池峰山を保全していくことは大変重要なことであると考えており、昨年、増加する登山者対策として土日の乗用車の乗り入れを禁止し、バスを運行したことを高く評価するものであります。しかし、近年、山頂避難小屋に設置されているトイレの改修を求める声が関係者から高まり、本県議会でも早期の改善を求める声がたびたび出されてまいりました。
 県では、これらの要望にこたえて、新年度に改修を行うことを公表いたしました。現在の地下浸透式トイレの状況を考えれば、登山者の利便性を高め、環境への負荷を軽減させるためにも早期の完成が望まれるところであります。しかし、先日、この問題について、処理方式や景観上の問題、維持管理に関する検討不足、工事に当たっての環境アセスメントが実施されていないことなどを理由に、改修は慎重に行うよう自然保護団体等から県に対して申し入れがなされたと伺いました。
 そこでお伺いいたします。計画している処理方式は、標高1、900メートルを超える早池峰山頂に設置されても十分な処理能力を発揮し、環境への影響はないものなのでしょうか。他の地域における使用状況を調査した上での決定と思われますが、維持管理の計画とあわせてお示しいただきたいと思います。
 また、この問題は、申し入れのあった団体や関係自治体等の理解を得ることが必要であると考えますが、今後、どのように対応していく予定なのかお伺いいたします。
 次に、ダイオキシン対策についてお伺いいたします。
 大阪府能勢町の一般廃棄物処理施設周辺のダイオキシンによる土壤汚染や埼玉県の農家が栽培した農作物に含まれるダイオキシン濃度がテレビで報道され、大きな社会問題になっています。ダイオキシンに対する種々の安全基準が示されていないことも今回の問題を大きくしている一因と思われますが、私は、過去における一般廃棄物や産業廃棄物焼却施設の排出ガスや焼却灰の処理対策が不十分であったことが付近の土壤を汚染しているものと考えます。
 同様の施設は、県内にも規模や処理方式が異なるものの、数多く存在しているのではないでしょうか。現在は一般廃棄物や産業廃棄物焼却施設からの排出基準が定められ、県としても指導や監視の強化が図られてきているものと考えておりますが、今後、焼却施設周辺の土壤や農作物に含まれるダイオキシン調査などの環境調査を実施していくことが必要であると考えますが、いかがでしょうか。
 次に、介護保険制度についてお伺いいたします。
 これまで私は一般質問や常任委員会の審議を通じて何度も取り上げてきた課題ですが、いよいよ来年4月の制度開始に向け、本年10月からは介護認定の申し込みが始まることとなっております。市町村における準備の状況について重ねてお伺いしたいと存じます。
 私は、この制度は、これまで家庭で支えてきた介護を社会全体で支えていく制度と理解しております。新しい制度の創設であり、特に市町村は実施主体として、介護保険事業計画の策定に始まって、介護認定機関の設置やケアプランの策定、サービス提供機関の整備に加え、住民への制度の周知と保険料の決定など、短期間のうちに多くの事業を進めることとなっているため、大変な事業量を抱えているものと思っておりますが、これらの市町村の制度創設に向けた準備の進捗状況について県としてどのように把握しておられるのでしょうか、お示し願いたいと存じます。
 次に、保健医療施策についてお伺いいたします。
 県民の願いは、健康で長生きすることであります。介護保険制度はあくまでも介護が必要になったときの事後施策であり、保健医療施策との連携のもとに整備されるべきものであると考えます。県民は、健康に関する正しい情報の提供や健康診断などの充実、さらには、身体に障害が生じたときの適切なリハビリテーションの提供体制が充実されることなどを望んでいるのではないでしょうか。県では、これまでも寝たきり老人ゼロ作戦やアクティブいわて健康づくり運動など多くの保健医療施策を進めてきているものの、残念ながら、今後とも介護を必要とする高齢者が増加すると見込まれております。
 そこでお伺いいたしますが、21世紀の本格的な少子・高齢社会に向けた新しい保健医療計画の基本的な考え方と施策の方向についてお示し願います。
 また、新たに健康いわて21プランを策定する計画と伺っておりますが、この計画の視点、計画の期間についてお示し願います。
 最後に、オムニバスタウン構想についてお伺いいたします。
 オムニバスタウン構想は、平成9年度に運輸省、建設省、警察庁が提唱し、バスを人・まち・環境に優しい多様な社会的意義を持った乗り物と位置づけ、環境問題、渋滞対策、交通事故防止、交通弱者対策のためにバスを中心としたまちづくりを進める都市に対して国が支援する制度として始まりました。
 盛岡市においても、きめ細かなバスサービスの向上、地域に合ったバスシステムの構築、そして、持続的なバス利用促進運動の展開を基本にオムニバスタウン計画を策定し、国の指定を目指していると伺っております。私は、この構想が実現されれば、バスと鉄道の利用が促進されることにより、盛岡市内の交通渋滞対策や車の排気ガスによる環境汚染対策、そして、何よりもすべての人が利用しやすいバスを走らせることにより、交通弱者と言われる高齢者や学生・生徒が利用できる利便性が増すものと考えております。
 しかし、この計画が実行されるまでには、バス専用レーンの確保やマイカーからバスへ乗り継ぐための駐車場の確保、さらには、人や環境に優しいバスの導入など、種々の施策が必要になります。指定を受け、計画を実行していく主体は盛岡市でありますが、これらの施策を実現するためには、バスの利用促進施策の展開や道路の整備、さらには、交通規制の分野において県の支援が大変重要な位置を占めるものと考えております。
 そこでお伺いいたしますが、盛岡市が進めるこの構想に対してどのような御所見をお持ちでしょうか。また、県としてどのような支援策を考えておられるのでしょうか、お伺いいたします。
 以上でこの場からの質問を終わりますが、再質問をする場合もあることを通告します。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
   〔知事増田寛也君登壇〕
〇知事(増田寛也君) 伊沢昌弘議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、市町村の広域行政への支援協力についてでございますが、現下の厳しい財政状況の中で、限られた財源などを効率的に活用しながら、高度かつ多様な行政サービスを提供し、市町村の区域を越えた行政課題に対応していくためには、広域行政の推進が有効な方策であると考えております。
 昨年4月の国の地方制度調査会の答申におきましても、市町村の自主的合併や広域行政の推進が必要とされておりまして、都道府県は、広域的な地方公共団体として、地域全体の発展や住民生活の水準の確保という観点から、広域行政についてみずからの問題として考え、積極的に支援するようこの中では要請をされているところでございます。
 もとより、広域行政の選択については、地域のあり方は地域が決めるという地方自治の基本的考え方を踏まえなければいけないわけでありますが、自治の担い手である住民が地域の現状や課題をともに考え、将来の望ましい姿を描きながら、市町村が自主的に判断することが重要であると考えております。
 このため、平成11年度においては、市町村が地域住民とともに論議を深めていただくための広域行政の推進に関する指針を県立大学の協力を得て策定いたしたいと考えておりますし、また、地方振興局を中心に、地域の実態に即した広域行政の調査、研究を行うこととしているところでございますが、これらの取り組みは、県と市町村とのパートナーシップの確立とも密接に関連してくるために、さきに策定した岩手県行政システム改革大綱にも盛り込んだところでございまして、今後とも市町村との連携を密にしながら、県の役割を積極的に果たしてまいりたいと考えております。
 次に、職員の意識改革と超過勤務についてのお尋ねでございます。
 今日、我が国の行政や経営を取り巻く環境が、質的に、しかも急速かつ大規模に変化してきている中で、これからの県土づくりを進めていくに当たっては、一人一人の職員が既成の概念にとらわれない、やはり大胆な発想で時代の変化を先取りしていくことが強く求められているところでございます。
 したがいまして、このような変革と創造の時代にありましては、各職員においても従来の発想や仕事の進め方を根本的に見直し、一たんゼロベースにした上で、全く新たな発想のもとに再スタートをすることが必要だと、このように考えておりまして、そのためには、県行政の今後のあり方を考え、議論する時間を十分に確保できるような、そうした余裕ある職場環境をつくっていくことが重要であると考えております。
 このことから私は、職員一人一人が時間をむだなく有効に活用するという徹底したタイムマネジメント意識を常に持ちながら効率的な事務処理を進めることが必要であると、このように考えております。とりわけ管理監督の立場にある者、とりわけ管理監督者は率先して固定観念を打破して、前例主義から脱却した柔軟な発想と民間企業の経営感覚やコスト意識をしっかりと持ちながら、仕事の緊急度や優先度を重視して取り組む姿勢が必要であると思いますし、強いリーダーシップを発揮し、計画的で効率的な業務執行を職場全体に浸透させることが何よりも重要であると考えております。
 次に、新ガイドライン関連法案、すなわち周辺事態安全確保法案、日米物品役務相互提供協定改正案及び自衛隊法の一部を改正する法律案、この3法まとめてのいわゆる新ガイドライン関連法案についてでございますが、これらは、日米防衛協力の指針、いわゆる新ガイドラインの実効性を確保するため、政府が現在制定を目指している法案と、このように認識しているところでございます。
 この中で、周辺事態安全確保法案の第9条の中では、周辺事態に際し、国は法令及び基本計画に従い、地方公共団体の長または国以外の者に対し、その有する権限の行使について必要な協力を求めるなどのことができると、このように規定をされているわけでございます。国におきましては、この規定は地方公共団体などに対する一般的な協力義務または協力依頼について定めるものであって、地方公共団体等に対して強制するものではなく、協力要請または依頼にこたえなかったことに対して制裁的な措置をとることはない旨の見解を示しているわけでありますが、仮に、現実問題として国からの協力要請または協力依頼があった場合でも、県民生活に重大な支障が生ずるおそれがある場合には、こうした協力要請等に応ずることは困難な場合もあると考えております。
 なお、全国知事会におきましても、指針の具体化に向けた取り組みに当たっては、地方公共団体からの意見の聴取及び意向を十分に尊重されたい旨の決議をして、国に対して現在要望しているところでありまして、先般、岩手県として、さらに全国知事会に対し、この決議の実効性の確保について善処されるよう要請をしたところでございます。
 その他のお尋ねにつきましては関係部長から答弁をさせますので、御了承お願いいたします。
   〔総務部長吉田敏彦君登壇〕
〇総務部長(吉田敏彦君) まず、財源対策債の割合等についてでありますが、平成11年度末の県債残高は1兆1、070億円余と見込んでおり、そのうち、地方財源不足対策等により発行した財源対策債は4、475億1、600万円余でございまして、全体の40・4%を占めておりますが、これらの元利償還金について後年度に措置される地方交付税の額は、財源対策債の部分も含め6、143億8、700万円余と見込んでいるところであります。
 また、財源確保についての国に対する要望についてでありますが、地方債残高の増大による公債費の増嵩は、地方財政全体の深刻な問題でもありますことから、地方財源不足としての地方債の発行はできるだけ避け、地方交付税等の地方一般財源の充実・確保が図られるよう、北海道東北自治協議会等を通じ要望を重ねてきているほか、昨年12月には、全国知事会等が主催する地方税財源充実確保総決起大会に参加し、地方交付税総額の安定的確保等について決議し、関係機関に要望するとともに、本県単独でも事あるごとに関係機関に強く要望いたしているところでございます。
 今後とも、あらゆる機会をとらえ、強く要望してまいる考えでございます。
 次に、県財政の見通しについてでありますが、国、地方を通じ、厳しい財政状況にある中で、本県財政も、県税等の自主財源が伸び悩む一方で、公債費等の義務的経費が増嵩するなど、極めて厳しい状況が続くものと考えております。
 このような中で、本県が、地方分権を視野に入れながら、活力に満ち、個性豊かな地域づくりや地域産業の振興を図るなど、今後の内外のさまざまな変動に機動的に対応していくためには、財政運営の健全化を図ることが肝要であります。
 したがいまして、今後の財政運営に当たりましては、行政システム改革大綱に基づき、歳出の徹底した見直しによる施策の重点化と効率化に努めるとともに、歳入面では、地場産業の振興やベンチャー企業の育成等による税源の涵養を図る一方、地方交付税等の充実・確保について国に強く働きかけるなど、財源の確保にも努め、新しい総合計画に掲げる諸施策の推進などに支障が生ずることのないよう努力してまいりたいと考えております。
 なお、昨年策定いたしました本県財政の中期見通しにつきましては、国の財政構造改革の停止や税制改正などのその後の大きな情勢変化もありますので、新しい総合計画が策定される8月ごろを目途にいたしまして、その主要プロジェクトなどを見込んだ上で改めてお示ししたいと考えております。
 次に、住民サービスを民間等にゆだねる場合の基本的な考え方についてでありますが、今後、増大、多様化するニーズにこたえていくためには、より効果的かつ効率的なサービス供給が必要であり、民間企業・団体等が行った方がよりサービス内容の幅が広がったりコストを抑制できたりする場合は積極的にゆだねられるべきと考えております。しかしながら、例えば許認可等を伴うもの、先導的な役割を果たすべきものなどにつきましては、県の責任において実施すべきものと存じております。
 このため、今後、事務事業の実施に当たっては、県がみずから行うのが適当か、民間にゆだねるのが適当か、民間にゆだねつつ県が支援するのが適当かなど、相互の役割分担のあり方を十分に検討し、これを明確にしながら県の役割や責任をしっかりと果たしていくことといたしております。
 なお、民間委託につきましても、委託にふさわしい業務のガイドラインを策定した上で積極的に推進し、また、その効果の検証評価も行うことといたしております。
 次に、新定数管理計画についてでありますが、この計画は、今後の新たな行政需要の動向を踏まえ、これまで以上に簡素で効率的な業務執行体制の確立を目指す観点から策定したものであり、組織の簡素・効率化や不断の事務事業の見直しなどにより、その目標の実現は可能なものと考えております。
 また、職員の意欲の向上を図る方策につきましては、年度内に作成する予定であります人材育成プログラムに基づき、庁内公募方式による民間企業や海外などへの派遣研修の機会の拡充や職員の自主的な政策研究グループの育成と提案内容の積極的な採用に努めるほか、職員の意向をも十分考慮した人事配置など、職員一人一人の満足度を高める職場環境づくりを一層進めてまいりたいと考えております。
 次に、地震災害や防災訓練で得られた課題や成果の把握と今後の防災体制の整備についてでありますが、課題といたしましては、地震災害では、正確かつ迅速な災害情報の把握や住民への情報の提供などがありますし、岩手山噴火対策防災訓練では、強風下における映像伝達の方法や冬場における住民に対する防災行政無線や広報車による情報伝達の見直し、防災関係機関相互の連携の強化などといったことが挙げられるところでございます。
 また、防災訓練の成果といたしましては、地域の方々や多くの防災関係機関の参加をいただき、より実践的な訓練が行われたことにより、火山防災シンポジウムの開催と相まって、火山災害に関する認識と防災意識をさらに高めることができたと考えております。
 今後の防災体制の整備につきましては、何よりも住民の生命、身体、財産を守ることを主眼として、監視体制の強化や情報連絡体制の充実などの整備に万全を期してまいる考えであります。
 次に、1月21日の米軍機の墜落事故についてでありますが、本県においては昭和63年の川井村での米軍機の墜落事故に続く事故であり、人家には被害はなかったものの、地元住民を初め、県民に多大な不安を与えたことはまことに遺憾でございます。
 県では、直ちに外務大臣及び防衛施設庁長官に対し、事故原因の早期の徹底究明や事故の再発防止及び飛行訓練の中止を強く要望したところであります。
 県といたしましては、米軍機による飛行訓練は日米安全保障条約に基づくものではあるものの、県民の安全を確保する観点から、平成11年1月14日、日米政府間で合意した在日米軍による低空飛行訓練の安全性確保及び住民への影響軽減のための具体的措置の実効が確保されるよう、さまざまな機会を通じ、引き続き要請してまいりたいと考えております。
   〔商工労働観光部長小野寺修君登壇〕
〇商工労働観光部長(小野寺修君) 県及び国の緊急経済対策資金の利用状況等についてでございますが、まず、いわて緊急経済対策資金の利用状況を、1月末現在の信用保証協会における保証承諾ベースで申し上げますと、件数で2、997件、保証額で387億円、その平均保証額は約1、300万円となっております。一方、国の中小企業金融安定化特別保証制度は、件数で5、037件、利用額で805億円、その平均保証額は約1、600万円となっております。
 また、いわて緊急経済対策資金の融資に至らなかった内容についてでございますが、申し込みに当たり、商工指導団体の推薦を受けたものの、現にある金融債務についての返済が滞っていたり、保証人がそろわないなどの保証条件を満たすことができずに融資を受けられなかったものは11件でありまして、全体の0・4%となっております。
 なお、いわて緊急経済対策資金にかわる今後の対策についてでありますが、この資金は10年度限りでありますことから、これを打ち切った場合に必ずしも影響がないとは言い切れませんが、国の特別保証制度は、いわて緊急経済対策資金に比べまして無担保による融資限度額が大きく、保証人要件も緩和されておりますことから、昨年の11月以降、県単融資制度の利用が鈍化する一方で、この国の制度の利用が大幅に増加している状況でございます。しかも、この国の制度は平成12年3月まで取扱いが継続されることや、県におきましても、来年度当初予算におきまして、長期、低利の運転資金であります中小企業経営安定資金を50億円増枠措置をしたことなどから、当面はこれらの制度の利用を促進することによりまして、中小企業の資金供給の円滑化に努めてまいりたいと考えております。
 次に、新規学卒者の就職内定状況についてでありますが、1月末現在の高校卒業者の内定について申し上げますと、就職希望者は5、846人でございまして、内定率は85・5%になっております。これは前年に比べまして、4・8ポイントの減少となっております。
 また、就職内定者の県内、県外別でありますけれども、高校生は約67%が県内の内定、県外には33%ということになっております。4年制大学の内定状況でございますけれども、就職希望者は1、207人おりまして、内定率は71・3%になっております。これを前年に比較しますと、大学の場合は0・7ポイントの増となっております。県内企業への内定割合は22・4%が県内、県外には残り77・6%が県外就職内定ということになっております。さらに、短期大学についてでありますけれども、就職希望者は673人おりますが、内定率が1月末で46・4%、これは前年に比べまして5・0ポイントの減少となってございます。短大の場合の県内内定者は約75%、県外の内定者は25%となっております。
 次に、雇用調整助成金の活用状況についてでありますが、助成金支給決定額で申し上げますと、平成9年度は34件の4、353万円余でございましたが、本年度は既に1月末現在で157件、金額にして1億4、200万円余と去年の3倍強ということになっております。業種的には一般機械器具製造業を筆頭に、木材・木製品製造業、そして鉄鋼業で全体の61%を占めている状況でございます。
 次に、県独自の雇用対策についてでありますが、県内の雇用対策につきましては、昨年11月、100万人規模の雇用安定を目指す国の緊急経済対策が策定されまして、その一環として打ち出されました雇用活性化総合プラン、緊急雇用開発プログラムによる各種助成金等が拡充されたこともありまして、この積極的な活用を図りながら雇用の維持・確保に努めているところでございます。
 御提言のありました新たに雇用を行った企業に対する助成金制度につきましては、本年1月から同じ趣旨の制度といたしまして、新規に事業を展開し雇用を創出した事業主に、賃金の2分の1を助成する中小企業雇用創出助成金の制度が創設されたこともあり、その効果が期待されますので、当面はこれらの制度の積極的な活用を促進いたしまして、雇用の場の拡大に努めてまいる考えであります。
   〔生活環境部長村上勝治君登壇〕
〇生活環境部長(村上勝治君) まず、米軍機墜落事故に伴う環境調査の状況についてでありますが、2月3日に釜石地方振興局が沢桧川の水質について、環境基準の設定されております有害物質19項目を含む31項目を調査したところであり、その結果、水質は良好な状況であることが確認されております。
 また、その後に墜落機に搭載されていたことが判明したヒドラジンにつきましては、周辺環境の安全を確認するため、改めて採水を行い、現在分析中であります。地元釜石市におきましても、別途水質調査を行っているほか、墜落地の土壤についても県、市が連携し、ヒドラジンを含む有害物質の調査を実施中であり、これらの結果が判明し次第、追って公表する予定といたしております。
 次に、ISO14001についてでありますが、県がこの認証を取得することは、県民の皆さんや事業者の方々と一体となって環境への負荷の低減に取り組み、環境共生・循環型社会の実現を図る上で大きな意義を有するものと考えております。現在、ISOについての職員に対する教育訓練を行うとともに、個々の事務事業について、環境に与える影響の調査などを進めているところであります。平成11年度は、年度当初に全庁的な推進組織を立ち上げ、9月ころをめどに環境目的、目標や取組方法を内容とする計画を策定し、審査を経て年度内に認証を取得することといたしております。また、県内企業の認証取得状況につきましては、製造業を中心に22社と伺っております。
 次に、早池峰山頂避難小屋トイレの改築についてでありますが、現在計画いたしております自然浄化式汚水処理システムにつきましては、類似標高地で同方式を採用いたしております山形県朝日連峰など、4カ所の調査などから十分に機能するものと判断いたしており、環境への影響につきましても、バクテリアによるし尿の分解、蒸散により、周辺植生に与える影響をほとんど防げるものと考えております。
 維持管理につきましては、5年から7年に1回程度汚泥を回収する必要がありますが、管理は引き続き地元の町に委託いたしたいと考えております。
 また、この事業について関係市町村や地元の理解は得ておりますが、申し入れのあった団体に対しましては今後理解が得られるよう、さらに話し合いの場を設けてまいりたいと考えております。
 次に、ダイオキシン対策についてでありますが、まず、県内におきましては、大阪府能勢町で問題となった一般廃棄物焼却施設と同型式の施設は設置されておらず、また、埼玉県所沢市に見られるような産業廃棄物焼却施設が集中して立地する形態も見られないところであり、これまでの県内の調査結果でも、ダイオキシン濃度はかなり低いレベルとなっております。また、本年度におきましては、国の調査のほかに、県独自に廃棄物焼却炉の周辺大気も含めた一般環境中のダイオキシン調査を進めているところであります。
 ダイオキシンにつきましては、その評価基準がいまだ確立していないところでありますが、県といたしましては、国の調査研究の成果や県内での調査結果などを踏まえ、また、関係部局との連携を図りながら、より適切なダイオキシン対策に努めてまいりたいと考えております。
   〔保健福祉部長関山昌人君登壇〕
〇保健福祉部長(関山昌人君) まず、介護保険制度についてでありますが、御案内のとおり、市町村におきましては、平成12年4月の施行に向けて、本年10月から開始される要介護認定の体制を整備するとともに、介護サービス基盤の整備、介護サービスの目標量等を定める介護保険事業計画の策定や保険料の徴収を初めとする事務処理体制の整備など、多岐にわたる準備を進めていく必要があります。このため、県におきましては、市町村が円滑に準備作業を進められるよう、一連の準備事務、その作業スケジュール、準備作業上のポイントなどを個々具体的に記載した点検作業書を示し、市町村においては、これを参考としながら準備作業を進めていただいてきたところであり、昨年9月と本年1月に、進捗状況の自己点検を行ってもらったところであります。その結果、大方の市町村では準備がおおむね順調に進んでいる状況にありますが、庁内体制や介護保険事業計画作成委員会の体制整備が不十分な市町村が見られることなどから、現在、地方振興局を窓口として、各市町村に対しその改善が速やかになされるよう、助言・指導を行っているところであります。
 次に、保健医療施策についてでありますが、新しい保健医療計画の基本的考え方は、単に病気の早期発見、早期治療にとどまらず、予防や生活の質の向上に重点を置いた、生涯にわたる県民の健康づくりを積極的に推進するとともに、だれもが適切な保健医療サービスを効率的かつ的確に受けられるよう、地域の需要に応じた効果的なサービス提供体制の整備を進めていくことが必要であります。このため、施策の方向としては、少子・高齢社会における保健医療ニーズに適切に対応できるよう、患者の立場に立った保健医療サービスの提供、良質な保健医療サービスが提供できる人材の養成、遠隔医療システム等情報化の推進、医療機関の機能分担と連携などを促進することとしております。
 また、健康いわて21プランについては、健康に生活できる人生の期間、つまり健康寿命の延伸を目標とし、病気にならないための一時予防の推進と、健康増進を図るため具体的な数値目標を盛り込んだ県民に見える計画とするとともに、県民の方々が計画づくりにみずから参画し実践する行動計画とすることを視点とし、計画期間は平成13年から平成22年までの10年間とするものであります。
   〔企画振興部長武居丈二君登壇〕
〇企画振興部長(武居丈二君) オムニバスタウン構想についてでありますが、地域にとって最も身近なバスを中心に据え、人・まち・環境にやさしい街づくりを総合的に展開していこうという盛岡市の取り組みにつきましては、まさに今日的な課題である公共交通機関の利用促進、道路混雑の緩和、地域環境の改善、さらにはにぎわいのある街づくりに資するものであると考えております。現在、計画策定の最終段階で、近々、警察庁、運輸省及び建設省の関係3省庁に指定申請を行う予定であると伺っているところでございますが、この計画は現在のところ指定済みが全国3都市と、大変先進的な取り組みとも伺っているところでありますので、県といたしましても、盛岡市が進めるオムニバスタウン構想の推進について関係諸機関と十分連携を図り、積極的に対応してまいりたいと考えております。
   〔警察本部長篠宮隆君登壇〕
〇警察本部長(篠宮隆君) 米軍機の墜落事故の発生に際し、警察のとった危険回避のための現場措置についてお答えをいたします。
 県警察では、1月21日午後1時36分、110番通報により墜落事故を認知し、直ちに釜石警察署員、警察本部捜査員などを墜落現場に派遣し、現場周辺の立入禁止、交通規制などの初期的現場措置を講じたところであります。この事故は、航空機の墜落事故の中でも米軍戦闘機の事故でありましたので、現場における警察活動や消防活動などに対する危険性について大いに危惧されたのであります。そうした観点から、当該事故機の搭載装備などについて青森県警察に照会をし、関連情報の収集に努めたところであります。
 その結果、当日午後4時30分ころ、同県警察から、未確認情報ではあるが、有害物質であるヒドラジンの搭載もあり得るとの情報と危険回避のための注意事項の連絡を受けたのであります。県警察といたしましては、万が一に備え、現場において地元住民の方々や消防団員、消防署員、報道関係者の危険を回避するため、釜石警察署員がハンドマイクによって機体の100メートル以内に近づかないこと、風下に入らないこととの現場広報を行ったところであります。あわせて、墜落現場から約100メートル区域内への立入禁止措置を講じたのであります。
 県警察といたしましては、現場における関係者の安全確保を第一義に警察措置を徹底したところであり、危険回避のための現場措置については、最善を尽くしたものと認識をしております。
〇12番(伊沢昌弘君) かなり多い項目の質問をしたわけでありますが、それぞれお答えをいただいたことにまず感謝を申し上げたいと思います。かみ合わなかったと思われる部分で二、三聞きたいわけでありますが、私、知事は恒常化している県庁職員の超過勤務についてどう考えているかということで、これまでの中身を全部御破算にして、ゼロにして再スタートしていくと。一人一人の大胆な発想が必要だということと、それから、管理職の皆さんの意識改革の中で変えていかなければならないという部分、わからないわけではないが、職員の皆さんがあのくだりを見たときに、勝手気ままに超勤をやっているのではないかと。民間のような、言ってみればコスト意識が全くないんだというふうにとられているのではないかというふうに私は危惧するわけです。もしそうだとすれば、これから先に、知事と同じレベルで県民のために頑張っていこうという職員の意識改革をいかに--先ほど部長からお話がありましたが--いろんな場面でやっていこうというときに問題が残るのではないかと思いますので、改めて、今の答弁であと変わらないというのであればそれでいいわけですけれども、私のとり方と知事が思っている部分、若干違うような気がしますので、改めて知事のお言葉で御説明をいただければというふうに思います。
 また、定数管理の問題で実はちょっとお伺いをしていきたいわけでありますが、厳しい財政状況の中で職員定数を減らして人件費の抑制を図るということは、行政改革という名のもとで進めるこの計画では最も重要であるという意見が、県民の間やこの間この策定をするときに、いろんな方々の意見を聞く中で出てきたのは当然だというふうに思います。しかし、私は前から言っているんですが、県が将来的に信頼される県政を遂行するためには、先ほども言いましたが、知事と職員が共通の認識の上に立って、一人一人の職員が責任を持って行政執行に当たるという意識改革が全体に広がっていくことが必要だと思っています。そのために、この改革システムを読んでいきますと、超勤が恒常化している部分の対策として、行政システムを見直してグループ制の導入とか組織のフラット化を図るということでいろいろ考えていきたいと、こういうことがあるわけです。これは大変評価できるわけです。今までのような形でやるのではないと、新たなシステムを考えるということで評価ができますけれども、本当はこれらのことが先に十分に実行されて、現在と違う形が実行されて、その結果、職員全体の業務量が平準化をされたと、その後で職員の定数問題を考えていくべきではないかと、こう私は思うんです。最初から削減ありき、縮減ありきという形で、ぎりぎりとそれぞれの職場に義務を課するということのやり方では、最終的には、事務事業の見直しが頓挫をする形で人が減ったということになりはしませんかということを危惧するわけでありますので、重ねてここはお伺いをしたいと思います。
 これに関連してなんですが、雇用対策についてもお伺いをいたしました。県としての独自の雇用対策に向けての助成などは国がいろいろやっているということで、小野寺商工労働観光部長の方からは、直ちにできませんというふうな御答弁であったように思っているわけですが、長引く不況の中で、県内の民間企業も業務の縮小とか従業員の削減などを実施していると。このことが、実は完全失業率も上昇しているということになっていると思うんです。こんな中で、実は国も地方も定数を削減していかなければならないのだと、財政難だから削っていきますよというふうなものは、私はいかがかというふうに思うんです。その理由は、雇用創出に向けた努力をするのも県政の大きな課題であるとすれば、現在この報告の中にありますように、知事部局の職員定数を下回って現在も運転をしているわけであります。さらにこれからも減らすということは、県職員を目指しているこれからの優秀な若い人たちにとって、働く場所を狭めることになりはしませんかと思うわけです。働く人たちの絶対量が減少するということは、今後の年金制度にも大きく影響するという議論が今出ているわけです。合理化というのは世の流れ、人員削減は必要なものというこの論理は、会社とか自治体の一つ一つの単体で見れば当然の義務というふうに思うわけでありますけれども、国全体の枠の中での働く人の総体、失業率の問題、県内で見れば県内の部分、それぞれの企業は頑張っていると。民間企業も頑張っているから、自治体も削減をしなければならないのだというふうな理由ではないと思うんですけれども、一つ一つでは当然なことであっても、枠の中で考えたときには、大変なことをやっているのではないかというふうな気が私はするわけです。こんな中で、夢県土いわてという部分が実現するためには、みんなが働く場所を確保していくということがやっぱり最大限の眼目になる必要があると思うんですけれども、改めて、再質問になじまないと言われればそれまでですけれども、全体に絡めてのこういった部分についての御所見があればお伺いをしたいというふうに思うわけであります。
 それから、危機管理の体制の中でお伺いをいたしました。岩手山部分については、いろいろこれから計画をしていくところできちんとした対応が必要だと思うわけでありますが、警察本部長が答弁するのかどうかわからないんですが、実際は現場で対応していただいたと、警察本部を通じて青森県から聞いて、県警から聞いて対応しましたということはわかりました。しかし、これからこういった部分が、軍事秘密を含めていろんな部分が飛んでいるわけであります。そういった中で、これからも青森県警を通じていろんなことが来るんでしょうか。青森といいますか、他の基地を有する県から県警を通じて来るということになるんでしょうか。現場でお話をしたことが--これ新聞報道でありますけれども--市自体には届いていなかったと。消防本部を所管する市には届いていなかったということがあれば、今後も現場ではいろいろ言って処理しましたけれども、行政レベルなり連絡網の中でわからなかったということが出てくるのではないかと思うわけであります。そういった部分について、これから軍事問題も含めていろいろあるわけですけれども、どういうルートでこれらがなされてきて、安全確認のためのいち早い行動が必要だと思うわけです。そういった部分について、これから決めるということだと思うんですが、基本的な御所見等があればお示しをいただきたいというふうに思うわけであります。
 以上、ちょっと御答弁しづらいかもしれませんが、重ねてお願いをしたいと思います。
   〔知事増田寛也君登壇〕
〇知事(増田寛也君) ただいま伊沢議員から、超過勤務の関係につきましてお尋ねがございました。県庁の職員の皆さんの超過勤務の実態でございますが、平成8年に比べまして平成9年度は、超過勤務の時間数がふえております。いろいろ要素はあるようでございますが、まだそれぞれに対応したしっかりとした分析がすべてできるわけではないんですけれども、やはり経済対策で公共事業などが大分補正予算などで追加されてきたという、事業執行上もなかなか大変だと、消化が大変だという問題もあると思います。
 それから、食糧費の問題で全庁的な調査をしたという、特別の年度の状況もあったと思います。それから、今年度はまだ全部終了しておりませんので途中段階の数字ですが、私も数字をしっかり聞いておるわけではありませんが、やっぱり平成9年度よりも少しふえそうだという話は聞いております。
 現在そういう実態にあるわけですが、これはもちろん好ましいことではないわけで、これを何とか適正な時間にできるだけおさめるように、全体で努力をしなければならないというふうに考えるわけです。
 私はやはり一番この中でいろいろ要素はあると思うんですが、大きな問題は二つあって、一つは仕組みの問題。これはやはり事業がいろいろこれからも経済対策ということで出てくると思うんで、それをできるだけ効率的にやるやり方、まだまだ工夫の余地が現場の振興局なりそれぞれの部局でもあると思うんで、その各振興局の土木部なり農林部なりに余りばらつきがないように、全体で何とかならしながら、本庁も含めて人員を適切に配置してそうしてやっていく。それから、やり方もできるだけ定形マニュアル化して、そして現場で短時間でこなせるようにいろいろやり方の工夫をしていくということが一つと、それから、これも往々にしてあるんですが、勤務時間がおしまいのころの夕刻になってから国の方からいろいろ調査ものが来て、翌日の朝までとかいうふうに期限が切られることがあると。これは残業をしてでもやらざるを得ないという、非常によくないことだろうと思っていまして、こうしたことは事あるごとに国の方に、そういう時間に、また、しかも翌日までというようなことで調査ものを出さないようにということを言っているので、だんだんそういう声が浸透してきておりますし、国の方でも自治省が中心になって、そういうことをできるだけ各省に言ってやめようという動きが出てきているようですが、これは強力にこうした仕組みの問題ということについてやっていかなければならないと。
 もう一つは、やはりこれは主として、管理監督にある立場の者に大きく起因する問題だと思うんですが、そしてそのために私も昨年いろいろ対談の中でしゃべったところですけれども、従来からの仕事をそのまま続けながら、さらに新しい仕事をその上にオンさせていくと。仕事というのは、常に年々内容が変わっていくわけですから、必要性が低いと認められるものは、課の中で、もうこの仕事はこれからはやらないというものを、毎年毎年しっかりと監督の立場にある者が見定めて、そして適切な量というのは常に考えていかなければならない。しかし、そうした努力が往々にしてまだ不十分であって、そして従来から行われてきたことを機械的に続けながら、なおかつ、それに新しい業務を負荷させて、そして全体としてボリュームをやたら大きくしているのではないか。これは庁内あるいは振興局に再三出向きまして、いろいろ若い人たちから話を何度も聞いたわけですけれども、その中で、どういう意味合いがあるのか余りやっている本人も理解できないような、しかしなおかつ、非常に期限を決められてそういう仕事に追われて、そして自分として県の将来の行政をゆっくりと考える時間が非常に少ないということを、再三若い人たちから聞いております。そうしたことは従来からいろいろな定形的な仕事があったと思いますが、そしてそれの有効性というか効用をなお否定するものではないんですけれども、やはり緊急度だとか優先度を十分に判断して、思い切ってやっぱり捨てるものは捨てていくという勇気を持たないと、いつまでたっても変わらないのではないかと。ただ、漫然と業務が積み重なっていくのではないかという、その主に管理職にある立場の人間の個々人のその仕事のやり方、考え方に起因する部分、仕組みというよりも、やはり一人一人の個人の属性に起因する部分があるのではないかと。そしていい言葉で言えば、慎重に仕事をするということにつながるかもしれませんが、やたら仕事の量だけが、その課の部下の者にとって過大なものになっていくということがありはしないかと。そこの意識をぜひ変えていただきたいということで、あのように申し上げたわけでございます。
 そういったことは長年の習慣でありますので身についておりますので、意識的に変えると言ってもなかなか難しいわけですが、ノー残業デーとかいろいろございますけれども、時間を区切って、思い切って全部やらないといってそしてどこに支障が出るのかを、十分に見きわめた上でまたやっていくといったようなことを、本当にそういうことが県の仕事の場合には公益性が高いのでなかなか実現はできないわけですが、そのくらいの気持ちを持って仕事をスクラップしていかないと、この問題はなくならないと思っておりまして、私も県の知事にあるものとしてこの問題については十分に注意をし、職員一人一人が仕事のしやすい環境づくり、そして県の将来をじっくりと考え得るようなゆとりと時間を持つということに十分これからも気をつけていきたいというふうに思っておりますし、また、特に管理に当たるそういう立場の者にそうした私の考え方を十分に徹底させて、日々の業務の中で十分に仕事の見直しが行われるように努力をしていきたいと、こういうふうに思っております。
   〔総務部長吉田敏彦君登壇〕
〇総務部長(吉田敏彦君) 定数管理の問題でございますが、新しく策定いたしました行政改革システム大綱、これで定数管理をきちんとやっていこうと、その考え方というのは、今、知事から申し上げました趣旨のとおりでございますが、厳しい財政環境の中にあって、一方で県民サービスの維持、さらなる向上、これは考えなければならない。ということは、義務的経費とか経常的経費をできるだけ少なくして、そして県民の皆様にサービスの向上あるいは維持を図るということがまず大事だと。そしてまた、その観点から考えるならば、従来のやり方ではなくて、あるいは仕組みではなくて、そんな考え方で取り組まなければならないという考え方のもとに改革大綱をつくっております。そして具体的な計画も定めたところでございます。5%の縮減をやって、新しい事務事業に対処するために割り戻しといいますか、もとに戻して、1%程度以上というふうなところで、その部分を県民サービスの方に回していこうじゃないかというふうな考え方で目標値を立てたところでございます。やはり最小の費用で最大の効果を上げるということが、私ども行政に携わる者の使命だと思っておりますので、こういったことについて、職員の皆さんと理解を共通にしながら取り進めていかなければならないというふうに考えているところでございます。
 それから、危機管理の問題でございますが、岩手山とかそれから今回の米軍の関係でございますけれども、それぞれ道が違うわけでございますけれども、今度のF16の関係について申し上げますと、私どもの関係では米軍とは直接のものはないわけでございます。法律的に申し上げますと御案内のとおりでございますが、いわゆる外務省と防衛施設庁を通じて、アメリカ政府の方あるいは米軍の方から情報をいただいて、そして適切な対応を県としてやっていくと、そして県民の安全を守っていくということになってございますので、今回も外務省あるいは防衛施設庁、あるいはその機関でございます仙台の防衛施設局、ここを通じましていろんな情報収集あるいは要望、要請、そういったことを県としては行ってきて、適時適切に対処してまいったつもりでございますし、今後もそのような形で対応していかなければならないというふうに考えているところでございます。
〇12番(伊沢昌弘君) ありがとうございました。知事の話をお伺いして幾分安心をいたしました。そういう形でやっていく中で、やっぱり県民サービスを中心に考えるんだと、そのために職員とのきずなといいますか、意思の疎通を図るということでの取り組みをぜひお願いしたいというふうに思うわけであります。
 あと、それから雇用についてお伺いしましたが、突発のことでありましたので日を改めてお伺いをするということで、再質問も含めて終わらせていただきます。ありがとうございました。
   
〇副議長(吉田秀君) この際、暫時休憩いたします。
   午後3時46分 休 憩
   
出席議員(40名)
1番 斉藤 信 君
2番 上澤義主 君
3番 佐 々 木博 君
4番 中 屋 敷十 君
5番 佐々木 一 榮 君
6番 黄 川 田徹 君
7番 小 野 寺好 君
9番 千葉 伝 君
10番 佐々木 大 和 君
11番 水上信宏 君
12番 伊沢昌弘 君
13番 大 久 保豊 君
15番 須藤敏昭 君
16番 藤 原 泰次郎 君
17番 伊藤勢至 君
18番 高橋賢輔 君
20番 折居明広 君
21番 船 越 賢太郎 君
23番 谷藤裕明 君
24番 久保田 晴 弘 君
25番 瀬川 滋 君
26番 長谷川 忠 久 君
27番 千葉 浩 君
29番 三 河 喜美男 君
30番 村上恵三 君
31番 村田柴太 君
33番 菊池 勲 君
34番 工藤 篤 君
35番 菅原温士 君
36番 小原宣良 君
37番 吉田洋治 君
39番 及川幸郎 君
40番 那須川 健 一 君
42番 山内隆文 君
45番 佐々木 俊 夫 君
46番 山 崎 門一郎 君
47番 菊池雄光 君
48番 佐藤啓二 君
49番 堀  口 治五右衛門 君
50番 吉田 秀 君
欠席議員(5名)
14番 田村正彦 君
38番 藤原良信 君
43番 佐藤正春 君
44番 樋下正光 君
51番 藤原哲夫 君
   
説明のため出席した者
休憩前に同じ
   
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
   
午後4時5分 再 開
〇副議長(吉田秀君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第1、一般質問を継続いたします。佐々木大和君。
   〔10番佐々木大和君登壇〕(拍手)

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