平成11年9月定例会 第3回岩手県議会定例会会議録

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〇3番(樋下正信君) 自由民主クラブの樋下正信でございます。
 このたび、本定例会におきまして、先輩、同僚議員の皆様の御配慮によりまして一般質問の機会をいただき、感謝申し上げます。
 質問の前に、父樋下正光が5期20年間、先輩、同僚議員の皆様や県執行部の皆様方から大変な御厚情を賜り、父にかわりまして心からお礼申し上げる次第であります。
 それでは、通告に従いまして順次質問をさせていただきますので、県当局の御答弁をよろしくお願いします。
 バブル経済が崩壊して今日まではや8年が過ぎようとしておりますが、依然として不況が長引いております。最近、新聞紙上などで景気が若干上向いてきていると報道されており、全国的には幾らかでも明るい兆しが見えてきているのかもしれませんが、岩手の経済は、依然として厳しい情勢が続いております。このようなときに、ただ世の中の経済に甘んじて右倣えで見ているだけではどうにもなりません。地方での積極的な取り組みが必要であると考えるものであります。来年度からは、地方分権一括法が施行されます。地方分権が加速度的に進展し、いわば地方主権時代となります。これからは、地方から逆の視点でよく研究し、独自の発想などを考えていかなければならないと思います。
 例え話でありますが、私どもは地方に旅行や視察などに行った際には高いところ、要するに展望台とかタワーとか天守閣、特に岩手公園の石垣は日本を代表するすばらしいものであると思いますが、残念ながら天守閣がありませんが、ともかく、そのようなところから町並みを一望するわけでございます。これからは360度のあらゆる角度から地域を見詰め直して、地域の可能性を伸ばしていくことが必要であると考えます。地方分権型社会では、そのような取り組みが求められます。
 県では、先般、岩手県総合計画を策定しました。この総合計画は、新しい岩手づくりの理念として、自立・参画・創造による持続的な地域づくりを掲げ、みんなでつくる夢県土いわてを基本目標にしているところであり、また、県行政を進める上で四つの方針として、県民とともにつくる開かれた県政の推進、一人一人の意欲を高める生活者の視点に立った県政の推進、元気を高める地域の視点に立った県政の推進、そして、機動性と柔軟性を重視した県政の推進を掲げているところであります。特に、今回の総合計画は生活者の視点と地域からの視点を重視しており、計画の策定に当たってはみんなでつくる計画とするため、幅広く、かつ、きめ細かに県民の意向を把握しながら、最終的には2万5、000人を超える方々の参画を得ているものであると伺っており、その努力を高く評価しているものであります。
 この総合計画の策定はまことに時宜を得たものであり、まさに21世紀の岩手づくりの新しいスタートであると思います。夢県土いわての実現のため、私も議会活動を通じまして懸命に頑張ります。
 そこで、まず広域行政への取り組みについて質問します。私は、特にも、盛岡市が県都として、そして北東北の拠点都市として大きく発展するためには、周辺町村との広域合併が必要であると考えております。また、盛岡市を中心にそのような動きがあります。本年7月には地方分権一括法が公布され、その中には、市町村の合併の特例に関する法律の改正があり、自主的な市町村の合併を推進するための環境が整えられ、全国的にも広域合併の動きが加速していくのではないでしょうか。県では、本年度内に市町村を対象とした広域行政推進指針を策定するようですが、本県にとって何を中心とするべきかについてもお示しください。さらには、盛岡都市圏の広域合併について、どのような取り組みをなさるつもりかお伺いします。
 次に、盛岡都市圏の工業の振興についてであります。
 県都盛岡市の発展は、そのまま県全体の発展へとつながります。盛岡都市圏の都市基盤や生活基盤の整備、都市機能の集積なども大事でありますが、やはり魅力ある就業の場が必要であります。それがひいては地域経済の発展につながり、若者に魅力あるまちになり、若者が定着するということになるのではないでしょうか。また、岩手を離れている若者が、自信を持って岩手は、盛岡はすばらしいところだと言えるのではないでしょうか。特に、盛岡市は北上川流域テクノポリス開発計画の母都市として指定され、そして盛岡都市圏はいわゆる頭脳立地構想の集積促進計画の地域に指定され、各種の産業基盤の整備がなされてきました。今後においては、今まで以上にこれらの産業基盤を生かしながら、本県の工業振興をリードしていかなければならないと思います。県としては、この地域の工業の振興をどのように図っていこうとされているのか、お伺いしたいと思います。
 次に、高齢者の福祉の充実についてであります。
 我が国では、ひところの人生50歳代という時代から比べれば、近年の平均寿命は男性が77.1歳、女性が84歳で、世界でも有数の長寿社会でありますが、まさしく食生活の改善や医療のたゆまない研究努力の成果であると思います。そういう長寿社会の中で、高齢者の方々は日々満足のいく生活を送っているのでしょうか。ゲートボール、ケアハウス、温泉入浴、安らぎの空間などなど、高齢者を対象とした施設はそれなりに整っていると思われますが、今後は、必要なときに、必要なところで、必要とするサービスの提供が受けられるような体制の整備が必要であると考えております。来年4月から介護保険制度が実施されるわけでありますし、ドイツでは4年前から始まっていると聞いておりますが、高齢者がスムーズなサービスが受けられるよう、要望するものであります。
 そこでお伺いしますが、このような長寿社会における高齢者介護保険制度の導入前と導入後とはどのように違うのか、また、今後は特にどのように取り組んでいかれるのか、基本的なお考えをお聞かせ願いたいと思います。
 次に、身障者の保健福祉施策についてであります。
 先ほども申し述べましたが、医療施設や障害者施設など、ハード面においては目覚ましく環境が整ってきていると思われますが、障害者の自立と社会参加への支援など、ソフト面での施策がおくれておりますが、どの点を今後強化すべきかお尋ねいたします。
 次に、廃棄物のリサイクルについてであります。
 我が国は、戦後、荒廃した中から国民のたゆまぬ努力により、目覚ましい技術力を発揮しながら工業製品を世界じゅうに送り出し、すばらしい経済発展を遂げてまいりました。そういう中で、これは日本のみの責任ではないと思うのでありますが、近年、熱帯林の減少や地球温暖化といったようなさまざまな問題が生じております。また、身近な問題として、産業廃棄物や一般廃棄物の問題が大きくなってきております。産業廃棄物に関しては、県は平成7年に江刺市に産業廃棄物処理施設・いわてクリーンセンターを開設し、産業廃棄物の処理を行ってきており、年々その処理の増加を見てきているところであります。御存じのとおり、日本は資源の輸入国でございます。石油や材木、鉄鋼の原材料など、多くの資源やエネルギーを輸入しているわけでございますが、資源は有限であります。県は、環境日本一を目指し、自然と共生し循環を基調とする社会の実現に向け、積極的な施策の展開を図ろうとしております。県南には、平成7年に産業廃棄物処理施設を設置したわけでありますが、これからも産業廃棄物の処理施設、いわゆるリサイクル施設の整備促進が重要な課題ではないでしょうか。
 そこでお伺いしますが、県北地域を含めた県中央地区での利用が図られるよう、県中央地区に大規模な産業廃棄物処理施設、いわゆるリサイクル施設の整備を促進する必要があると思いますがいかがでしょうか、御所見をお伺いしたいと思います。
 また、一般廃棄物に関してでありますが、平成8年度の東北6県での一般廃棄物のリサイクル率は、青森県では3.6%、秋田県では11.3%、宮城県では17.2%、山形県では16.8%、福島県では10.6%となっており、本県では13.3%という状況であります。ぜひとも、リサイクル率を他県以上に上げていただきたいと思うものであります。
 県では、市町村と連携を図りながらごみの減量化、再生利用を促進するための啓発事業を実施するとともに、リサイクルプラザなどの関連施設の整備を促進することとしておりますが、そのリサイクルプラザの設置は非常に有意義なものであると考えております。
 そこでお伺いしますが、本県のリサイクルプラザ設置状況はどうなっているでしょうか。また、今後、設置の促進に向けてどのように取り組んでいかれるのか、あわせてお伺いします。
 次に、農業問題についてであります。
 北上山系地域を中心に生産されている果樹類、特にもリンゴの栽培面積は3、550ヘクタールで、生産量は全国第3位、そして味、色つや、果肉のしまりなど品質にすぐれ、中央市場でも高い評価を得ていることは大変喜ばしく、本県の果樹振興にとって大きな役割を果たしているものでございます。そのさなか、本年6月8日から9日にかけて、盛岡市を中心として一時的に大きなひょうが降り、リンゴが大きな傷を受け、生産者は大変な損害を受けたとのことであります。その実態はどうだったのでしょうか。
   〔議長退席、副議長着席〕
 また、農業共済制度による補償について早期に支払われるとともに、今後においても台風などの災害により、果樹など農作物の被害が発生することが懸念されますので、農業共済制度への加入促進を図るよう、農業共済組合を指導していく必要があると思いますがいかがでしょうか、お伺いします。
 次に、減反対策についてであります。
 我々は、長年の関係各位の研究努力により、すばらしい米を主食としておりますが、いかんせん、若年層を中心とした米離れにより米の消費が減少し、昭和45年以降、減反政策が続けられております。その減反政策については、国において来年度から新たな対策が講じられるとのことでありますが、従来の対策とどのような違いがあるのか、また、生産者にとってどのような対応が求められることになるのかお伺いします。
 減反対策に関連して一つ申し上げたいと思います。
 ブラジルでは、サトウキビから自動車用燃料を製造し実用化しているとのことですが、ぜひ本県から、新しい発想で減反水田に自動車用や工業用燃料をつくれるような作物を植え、実用化を図る研究を行ってみてはいかがでしょうか。技術や採算性の問題があると思いますが、石油資源は有限でありますし、将来、この石油にかわるものを考えていかなければならないときがまいります。長期的に検討されるよう、御提言を申し上げておきたいと思います。
 次に、下水道の整備についてであります。
 本県におきましては、近年、流域下水道整備事業や公共下水道整備事業、さらには農業集落排水事業などの促進により、水洗化人口普及率が着々と向上してきておりますことは、まことに喜ばしいことであります。しかしながら、全国の平均と比較すればまだまだ低率であり、下水道の整備促進が急がれます。県では、2010年までに水洗化人口普及率を80%に向上させるとしておりますが、どのように取り組んでいかれるのかお伺いします。さらに、目標の80%以上の普及率を望むものですが、いかがでしょうか。
 また、同一地域で公共下水道整備事業と農業集落排水事業が同時的に推進されている事例がありますし、今後とも、このように別々の事業で整備がなされる事例があると思いますが、この際は同一地域に住んでいる住民の環境に極端な違いが生じないよう、両者の同時的、一体的な整備の促進をお願いするものであり、行政の仕組み上難しい面も理解しておりますが、三重県など他県では行政の垣根を越えて調整を図っている例もあると聞いておりますので、あえてお伺いしたいと思います。
 次に、信号機の設置であります。
 県内には1、640カ所に信号機が設置されているとお聞きをしておりますが、合理的な設置が行われているでしょうか。と申しますのは、時々地域の住民の方々から、都市計画事業や道路の整備に伴って交通量がふえ、危険なので信号機の設置をお願いしているが、なかなか実現しないというような声をお聞きするわけであります。信号機の設置についての基準というようなものがあると思いますが、どのようになっているのでしょうか。また、地域の住民とのコンセンサスなどをどのように得ているのでしょうか、お伺いします。
 次に、青少年の健全育成対策についてであります。
 少年非行は全国的には第4のピークを迎え、少子化の中で増加、低年齢化、凶悪化していると言われております。本県では、本年に入り少年による凶悪事件の発生は減少しているようでありますが、今後とも、非行の入り口と言われる、いわゆる万引きや自転車窃盗などの防止に取り組む必要があると考えられます。
 そこでお伺いしますが、これらの補導状況はどうなっているのでしょうか。また、その抑止対策をどのように進めるお考えなのかお聞かせ願います。
 また、青少年の健全育成を侵害する青少年のための環境浄化に関する条例の違反のうち、いわゆるみだらな性行為は、被害者が恥ずかしいということから届け出をためらうことが多いと察せられるのですが、その被害の深刻さを考えますと、当局による積極的な検挙活動や被害者の保護活動が望まれます。本県の検挙活動や保護活動の状況と今後の取組方策についてお伺いします。
 次に、盛岡都市圏の道路網の整備についてであります。
 樋下正光も、平成10年12月の定例会でも質問しており重複すると思いますが、あえて整備状況をお聞きします。
 盛岡市は400年を超える歴史とすばらしい伝統文化を持ち、北東北の拠点都市を目指して大きく発展をしなければなりません。近隣町村も年々発展を遂げ、これに伴い、これら町村から通勤などで市内に入ってくる自動車の量も年々増加しております。盛岡駅西口地区の整備や、盛岡南地区の開発そしてこれらに伴う整備は目に見えて進んでおりますが、こうしたことから、盛岡都市圏の各道路の整備がますます重要となってきております。
 そこで、具体的に何点かお伺いします。
 1点目は、バイパスの建設であります。
 現在のバイパスは昭和39年に開通しましたが、御存じのとおり、慢性的な交通渋滞に見舞われております。そこで、これを解消する上から、奥羽山系側に沿って矢巾町から滝沢村を経て玉山村に通ずるバイパスを整備することが有効と考えるものですが、いかがでしょうか。
 また、現在整備中の西廻りバイパスでありますが、国道46号から盛岡南地区に入ってくるバイパスの整備は進んでおり、最終的には滝沢分レまで通ると聞いていますが、国道46号から北に向かっての状況はどうなっているでしょうか。県当局で把握している範囲でお知らせ願います。
 2点目は、盛岡南地区に関連する仙北町旧4号の改良も始まっておりますが、ここの進捗状況と今後の見通しをお知らせいただきたいと思います。
 3点目は、青山町から東北本線を横切り、旧4号に通ずる都市計画道路、いわゆる上堂鵜飼線の東北本線との立体化の見通しもお聞かせ願います。
 4点目は、国道455号の北山地区のトンネル計画についてでございますが、県立中央病院付近では市の都市計画街路事業の整備が始まり、また、県で行われてきた松園方面から三ツ割地区までは改良がなされていますが、トンネル工事の着工の見通しはどうなっているでしょうか。
 5点目は、宮古市から秋田市までの横軸となる規格の高い道路整備についてでありますが、盛岡市が北東北の拠点都市として発展していくためには、既に整備されている東北縦貫自動車道などのほか、太平洋と日本海を結ぶ横軸の強化が必要と考えられます。このため、秋田市や宮古市を結ぶ国道の整備が必要と考えますがいかがでしょうか、お伺いします。
 最後に、旧競馬場跡地問題についてお伺いします。
 盛岡市では、県の助言、指導のもとに、本年3月に旧盛岡競馬場跡地利用計画を取りまとめましたが、この計画を推進していくためには県競馬組合の所有地の処分が急がれます。また、県競馬組合の財政にも影響してまいります。県として、この問題にどのように取り組んでおられるのかお伺いしたいと思います。
 以上をもって、私の一般質問を終わらさせていただきます。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
   〔知事増田寛也君登壇〕
〇知事(増田寛也君) 樋下正信議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、盛岡都市圏の広域合併についてでございますが、市町村の合併につきましては、地域における自主的な取り組みが前提となるものでございまして、それぞれの市町村が地域の現状や課題を考え、将来の望ましい姿を描きながら、自主的に判断することがまずもって必要であると考えております。
 盛岡都市圏につきましては、都市化の進展、交通網の整備に伴いまして、住民の日常生活や経済活動の範囲が拡大をしておりまして、一体的な生活圏の形成が一層進展しております。また、北東北の交流拠点として、21世紀における北東北発展の先導的かつ中核的な役割を担うとともに、圏域発展の効果が県内外に広く波及するなど、県勢発展の牽引的な役割を果たすことが期待されていることを踏まえまして、盛岡市や関係町村それぞれにおいて議論が深められ、その上で関係市町村相互が連携をして、今後の圏域の発展方向を広く検討する必要があるものと考えております。
 盛岡市においては、今後、市と隣接町村が一体となったこの中核都市のビジョンを策定するものと伺っているところでございますが、県では、盛岡地方振興局を中心としてこの中核都市のビジョンの策定に参画をするなど、盛岡市を初めとする関係市町村の取り組みを支援してまいりたいと考えております。
 また、平成11年度内を目途に、市町村が合併などの広域行政を検討する上での目安となる指針を策定するとともに、関係市町村や住民が必要とする的確な情報の提供や助言などを通じまして、県としての役割を積極的に果たしてまいりたいと考えております。
 次に、高齢者の福祉の充実についてでございますが、本県は全国に先行して高齢化が進んでおります。今後、生活水準の向上などを背景に、豊かで元気な高齢者が増加する一方で、ひとり暮らしの高齢者、寝たきりや痴呆のため介護を要する高齢者も、急速に増加することが見込まれております。この急速な高齢化に対応して、高齢者が健康で心豊かに暮らせる福祉社会を形成するためには、高齢者がその能力を十分に発揮して、生き生きと生活できるような環境を整備いたしますとともに、例えば介護を要する状態になっても、生きがいを持って自立した生活が送られるよう、利用者の視点に立って、社会全体で支援できる福祉サービスの提供体制を整備することが重要であると考えております。このために、高齢者が生きがい就労や社会貢献活動、さらにはひとり暮らし老人等に対する見守りなどの相互支援活動を行う生き生きシルバー活動総合支援事業を拡充するなど、高齢者が持つこの豊かな経験や知識、技能などの活用を図るとともに、高齢者大学の大学院化などによりまして、より的確な学習の機会を提供するなど、就業や社会参加を積極的に推進してまいります。
 また、高齢者ができる限り介護を要する状態にならないように、介護予防対策を積極的に推進していくこととしておりますが、たとえ介護を要する状態になっても、住みなれた環境の中で自立した日常生活を営めるよう、その人にふさわしい介護サービスを総合的かつ一体的に提供できる体制を確立してまいります。
 このような点を踏まえまして、長寿社会における高齢者の福祉対策につきましては、現在、策定作業中の新しい高齢者保健福祉計画並びに介護保険事業支援計画におきまして、県民の皆様の御意見を伺いながら、さらに具体化をしてまいりたいと考えております。
 次に、廃棄物のリサイクルについてでございますが、私は、恵まれた県土の環境を保全しながら、持続可能な地域社会の発展を実現していくためには、従来の大量消費、大量廃棄型社会から資源循環型社会への転換を図ることが不可欠でありますし、このことは、今後の産業政策推進上も有益なことであると考えております。
 こうした観点から、過般、策定いたしました県の環境基本計画におきましては、廃棄物対策を重点施策の一つとして位置づけをして、生産、流通、消費などすべての過程で廃棄物の発生を抑制して、可能な限り廃棄物を資源としてとらえ、再利用、再資源化を図るなど、総合的な取り組みを推進することとしたところでございます。
 こうした方針を踏まえて、現在、一般の廃棄物のほか、建設廃棄物や農林漁業系の廃棄物など産業廃棄物の排出状況や再生品の市場流通の可能性などの調査を実施しているところでございますが、平成12年度には、一般廃棄物と産業廃棄物をあわせた廃棄物処理の新たな枠組みなども検討し、本県にふさわしい廃棄物の処理の方向を示すいわて資源循環型廃棄物処理構想を取りまとめることとしております。
 この構想をまとめる中で、国が検討を進めております廃棄物の減量化、リサイクルをさらに促進するための制度やリサイクル関連施設の整備、運営の仕組みの見直しなどの動向を見きわめながら、県内のどの地域にどのような処理施設の配置が必要なのか、県北・県央地区も含めた県全体の産業廃棄物処理施設、リサイクル施設の整備について検討してまいります。
 その他のお尋ねにつきましては関係部長に答弁をさせますので、御了承お願いいたします。
   〔商工労働観光部長合田武君登壇〕
〇商工労働観光部長(合田武君) 盛岡都市圏の工業振興についてでありますが、これまでも、いわゆるテクノポリス開発計画や頭脳立地計画のもとで、この圏域を北上川流域の産業集積の高度化を図る上で中核的な役割を担う地域として位置づけ、県工業技術センターの機能強化や先端科学技術研究センター、マルチメディアセンター等の産業支援機能の整備を行い、さらには、ソフトウエア業、デザイン業などの産業支援サービス業の集積を促進するため、盛岡西リサーチパークなどの整備を行ってきているところであります。
 また、県と市町村との連携のもとに、農村地域工業等導入促進法や工場立地法などに基づき、受け皿の整備を図りながら、成長性が高く波及効果の大きい優良企業の導入を促進し、魅力ある就業機会の確保に努めてきたところであります。
 今後におきましても、岩手大学や県立大学などの学術研究機能や産業支援機能の集積のほか、盛岡都市圏の持つ立地特性を最大限に生かしながら、引き続き盛岡西リサーチパークへの産業支援サービス業の導入を促進するとともに、研究開発型企業等優良企業の導入に努めてまいります。さらには、本年5月に策定した岩手県新事業創出促進基本構想に基づき、この地域に蓄積されてきた技術や人材などの産業資源を有効に活用しながら、新規創業を初めとする新たな事業の創出を促進していくなど、一層多様な産業集積の形成に努め、盛岡都市圏における工業振興を図ってまいりたいと考えております。
   〔保健福祉部長関山昌人君登壇〕
〇保健福祉部長(関山昌人君) 障害者の自立と社会参加に向けた施策の推進についてでありますが、障害者施策の基本は、障害者がその持てる能力を最大限に発揮し、自立した生活を目指すことを支援するとともに、障害者が地域で障害のない方と同様に生活し、社会・経済活動に積極的に参画できる社会を築くことであると考えております。
 このため、県におきましては、障害者の地域生活の総合的な支援を施策の重要課題とし、障害者が地域で安心して生活できるよう、身近なところでさまざまな相談ができる体制の整備を初めとして、企業等における障害者の一般雇用の促進、福祉作業所、通所授産施設、福祉工場等の整備による働く場の拡大、グループホーム等による生活と住まいの場の確保、さらには、手話通訳者等の養成による視聴覚障害者のコミュニケーション支援などにより、その自立と社会参加の推進に努めているところであります。
 今後におきましては、現在、策定作業を進めている新しい岩手県障害者プランにおいて、障害のある人もない人も、それぞれが社会を構成する一員として尊重され、多様な活動ができるよう、ボランティア活動と協働しつつ、心のバリアの除去も含めたバリアフリー社会の形成も目指し、施策の一層の拡充を図り、障害者の自立と社会参加を積極的に進めてまいります。
   〔生活環境部長村上勝治君登壇〕
〇生活環境部長(村上勝治君) 一般廃棄物のリサイクルプラザの設置についてでありますが、この施設は、破砕設備や圧縮設備などのほか、展示学習室や再生品情報コーナーなどを兼ね備え、リサイクルをより一層促進するための意識啓発機能や情報発信機能を有する総合施設であります。
 リサイクルプラザの設置状況につきましては、現在、国庫補助を導入いたしまして遠野地区厚生施設組合が建設を進めている施設が県内初の施設となります。このほかに、ガラス、アルミニウムなどの選別、破砕を行う資源化施設が盛岡市ほか県内13カ所に設置されております。
 資源循環型社会の実現に向け、他県以上にリサイクル率を高めるためには、このような資源化施設の有効活用を図るとともに、日常生活におきましては、県民の皆さんに資源化できる再生利用物を分別し、排出していただくことが重要であります。
 県といたしましては、こうした視点から、これまで再使用を促進するためのフリーマーケット定例化支援事業の実施や、分別し資源化を進めるための生ごみ再生利用モデル事業などに取り組んできているところでありますが、さらにリサイクルに関する意識の啓発を図るためには、リサイクルプラザにおける学習も有効であると思われることから、今後におきましては、岩手県ごみ処理広域化計画に基づき、ブロックごとの具体的な推進計画の検討の中で、市町村と一体となり、リサイクルプラザの整備について取り組んでまいりたいと考えております。
   〔農政部長佐藤徳兵衛君登壇〕
〇農政部長(佐藤徳兵衛君) まず、6月8日から9日にかけてのひょうによる農業被害の状況についてでありますが、盛岡市を中心に4市町村において、8日未明から9日にかけて散発的にひょうが降り、リンゴやキャベツ、キュウリなどの農作物について約300ヘクタールの被害が発生したところであります。このうち、リンゴにつきましては約290ヘクタールで、生育初期の果実に被害が発生し、約6、700万円の被害額となったところであります。
 次に、共済金の早期支払いと共済加入の促進の指導についてでありますが、御案内のとおり、リンゴの共済金の支払いについては、11月下旬ごろまでの収穫後に損害評価額が確定され、共済金が支払われることとなりますが、損害評価等の事務の迅速化を図るため、県と農業共済組合連合会で組織する共済金早期支払促進検討会を設置し、早期に共済金が支払われるよう農業共済組合を指導してまいります。
 また、農業共済制度への加入促進でありますが、これまでも文書をもって加入促進を図るよう各共済組合を指導してきたところであり、今後とも、果樹共済、畑作物共済等の各種事業推進の会議の機会をとらえて、加入促進が図られるよう共済組合を指導してまいります。
 次に、生産調整の次期対策についてでありますが、国は、7月に次期対策に向けた中間報告を取りまとめたところでありますが、この報告によりますと、次期対策の主な変更点としては、一つには、これまでの2ないし3カ年の短期の対策期間から5年程度の中期的な対策とする、二つには、これまでの米を作付しない面積を配分する方法から、需要に応じた米の計画的生産を進める観点に立って、米の作付目標面積を配分する方法とする、三つには、自給率の低い麦、大豆等の生産を重点的に支援する、以上の3点が示され、現在、その具体的検討が行われていると承知しております。
 このような検討方向から考えますと、生産調整を行うということについては、基本的にはこれまでと変わるものではないものと思われますが、米づくりを行う農家にあっては、これまで以上に米以外の作物で所得を確保していく必要がありますので、麦、大豆等の土地利用型作物や収益性の高い園芸作物の積極的な導入、拡大を図ることが重要となってくるものと考えており、殊にも、団地化や生産の組織化などが求められるものと存じております。また、米につきましても、適地適作の観点から、高品質、良食味米の生産になお一層努め、激化する産地間競争に打ち勝っていくことが肝要であると考えております。
 このため、県といたしましては、農業団体と一体となって、農地流動化ステップアップ運動などを通じ、担い手への水田の利用集積を積極的に進め、稲作と他作物を通じた効率の高い水田農業を確立してまいりたいと考えております。
 次に、旧盛岡競馬場跡地問題についてでありますが、旧盛岡競馬場の跡地利用については、本年3月に公園、緑地や保健・福祉施設などに一体的に活用することを基本とした旧盛岡競馬場跡地利用計画を盛岡市が策定したところであります。市では、この跡地利用計画の具体化に当たり、民有地から優先して用地を取得する意向を示しており、現在、取得用地の評価等、その取得方法を検討しているところであると聞いております。
 一方、岩手県競馬組合の運営状況は、長引く景気低迷の影響により、入場者数は増加しているにもかかわらず、1人当たりの馬券購入額の大幅な落ち込みにより、発売収入では前年対比で減となる厳しい状況が続いており、競馬組合の所有地の早期処分が必要とされております。
 県といたしましても、このような状況を踏まえながら、跡地利用計画の推進に向けて、盛岡市の用地取得が順調に行われるよう、引き続き県、盛岡市、競馬組合の三者協議の場を通じて積極的に助言、協力してまいる所存であります。
 なお、跡地内の県有地については、他の地区の市有地と等価交換すること、及びその交換においてなお不足する場合には、県において競馬組合の所有地を取得することを盛岡市から依頼されており、それらについても現在検討しているところであります。
   〔土木部長大石幸君登壇〕
〇土木部長(大石幸君) 下水道等の整備促進についてでありますが、県土の水質を保全し、県民の住みよい生活環境の確保と環境衛生の向上を図るため、下水道を初めとする汚水処理施設の整備促進が極めて重要な課題であります。
 本県の下水道を初めとする汚水処理施設の整備率は、平成10年度末で44%と、全国平均の66%に比べて低い水準となっております。このため、県では、昨年5月に策定した新・全県域汚水適正処理構想に基づき、2010年度末に県民の80%の方々が汚水処理施設を利用できるよう、市町村と連携を図りながら整備を進めているところであります。
 県といたしましては、広域的な事業効果が期待できる流域下水道事業や、過疎法適用市町村のうち、特にも財政的に厳しい町村に対する県代行制度に取り組み、市町村の起債償還基金費に対して助成を行い、さらに、財団法人岩手県下水道公社による技術的支援もあわせて実施するなど、目標整備率の達成に向け積極的に取り組んでいるところであります。
 今後とも、引き続き財政面や技術面での支援を行っていくとともに、今後整備される多くの処理場を市町村が共同で管理することなどによるコスト縮減を指導しながら一層の整備促進に努めてまいる所存でございます。
 次に、公共下水道事業と農業集落排水事業の同時的、一体的整備についてでありますが、下水道を初めとする汚水処理施設の整備につきましては、新・全県域汚水適正処理構想の策定の際、県が市町村と協議し、地域の特性を生かした整備方法や公共下水道事業と農業集落廃水事業などとの整備区域の調整を図り、事業の効率的執行に努めていくこととしたところであります。
 しかし、市街化区域と市街化調整区域、都市部と農漁村部等、地域の置かれている状況や整備方法の違いにより、隣接する地域間あるいは同一地域内で整備水準に差が生じているところもございますので、今後、汚水処理事業を担当する庁内関係課及び事業主体である市町村と連携を緊密にし、可能な限り整備方法による整備水準のバランスが図られるよう、事業主体となる市町村を指導してまいりたいと考えております。
 次に、盛岡都市圏の道路網整備についてでありますが、いわゆる西廻りバイパスは、国道4号盛岡バイパスとともに市街地等への円滑な交通を図る環状道路に位置づけられる重要な路線であり、早期整備が必要であると考えております。
 お尋ねの国道46号から北側については基礎的な調査の段階ですが、現在事業中の盛南地区内の進捗状況等を勘案しながら、引き続き関係機関と協議し、具体化に向けて調整を進めているところであります。
 また、御提案の奥羽山系側のバイパスにつきましては、将来的には一つの方策とも考えられますが、当面は、盛岡バイパスや都心部の交通渋滞緩和のため、いわゆる西廻りバイパスの整備に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、仙北町旧4号の進捗状況についてでありますが、明治橋から国道4号までの全体延長は約2、100メートルで、整備済み延長は380メートル、整備率約18%となっており、現在事業中の区間は約680メートルとなっております。なお未整備延長が長いことや、多大な事業費を要することから、全体完成までには長期間を要するものと考えております。
 次に、東北本線と都市計画道路上堂鵜飼線の立体交差化については、交通安全対策及び渋滞対策の上から必要であり、都市計画に位置づけているものであります。この箇所は地下道の計画となっておりますが、多大な事業費を要することや関係地権者等との調整もあることから、今後の道路整備プログラムの中で検討してまいりたいと考えております。
 次に、国道455号の北山地区のトンネル工事の見通しについてでありますが、県では、用地が未解決となっているトンネル入り口部分について、これまで数多く交渉を重ねた結果、昨年、地権者の同意をいただきまして、計画予定地への立入調査を実施したところであります。本年は、それに基づき道路設計を行い、地権者の方々と協議を進めており、さらに用地調査の結果を踏まえ、近々具体的な話し合いを行うこととしております。
 県といたしましては、本路線の整備が盛岡都市圏の円滑な交通の確保を図る上で重要な課題と考えており、さきに公表した道路整備プログラムにおきましても、平成15年度から始まる後期5カ年内での完成を目指していることから、できだけ早期に事業同意を得て、トンネル工事に着手できるよう鋭意努力してまいりたいと考えております。
 次に、宮古市から秋田市までの横軸となる国道整備についてでありますが、国道106号と46号は、北東北を横断する規格の高い地域高規格道路として整備を進めることとしております。この横軸は、また21世紀の国土グランドデザインの中の地域の施策の展開方向において岩手、秋田を結ぶ地域連携軸として提示され、これまでも民間主体での交流連携のための活発な各種の活動がなされており、今後より一層の連携強化による地域の発展を支援するためにも、盛岡市内において分離している両国道を直結させるよう整備することが必要と考えております。
 さらに、県が管理している国道106号につきましては、路線の重要性や一貫した管理の必要性などから、直轄管理区間へ編入することが極めて重要と考えており、今後ともその実現を国に強く働きかけてまいりたいと考えております。
   〔警察本部長篠宮隆君登壇〕
〇警察本部長(篠宮隆君) まず、最初に、交通信号機の設置についてお答えいたします。
 地域住民の皆様から交通信号機の設置要望が数多く出されていることについては、よく承知しております。交通信号機の設置につきましては、道路構造、交通の流れや量の実態、あるいは学校、病院などの周辺環境、交通事故発生の危険性などの諸条件を総合的に検討して、設置の可否、時期を決定し、計画的に整備をしているところであります。
 次に、交通信号機の設置に関し、住民とのコンセンサスはどうなっているかとのことでありますが、交通安全対策に住民の皆様の声を反映させるため、各警察署に地域住民の皆様などで構成する交通規制対策協議会を設置し、交通信号機の設置も含めた交通規制全般に関する意見、要望の集約を図っているところであります。
 また、各警察署の窓口や主要交番などに交通規制に関する意見箱を設置し、広く地域住民の皆様からの意見、要望をお聞きしているところであります。
 次に、少年の万引きや自転車窃盗の補導状況についてお答えいたします。
 最初に、本年8月末までに万引きで補導した少年は602人で、前年同期と比較して212人の減少となっております。次に、自転車窃盗で補導した少年は42人で、前年同期と比較して9人の減少となっております。
 万引きの防止対策として、昭和63年から県民総ぐるみ運動として、万引きをしない、させない、許さないという三ない運動を推進しております。具体的には、非行防止教室の開催や万引き防止を重点とした街頭補導活動など各種防止対策に努めているところであります。
 一方、自転車窃盗の防止対策としては、自転車販売店の協力を得た自転車防犯登録の推進や中学校、高校を対象とした自転車盗難被害防止モデル校の指定やかぎかけ運動などによる防止対策に努めているところであり、今後ともこれらの諸対策を息長く推進してまいりたいと考えております。
 次に、青少年のための環境浄化に関する条例違反検挙と被害女子少年の保護活動についてであります。
 いわゆるみだらな性行為の検挙につきましては、過去10年間で234人を検挙し、被害女子少年は377人となっております。本年は、8月までに20人を検挙し、被害女子少年は14人であります。
 議員御指摘のとおり、被害者が羞恥心から届け出をためらう場合も考慮して、女性専門職員によるヤング・テレホン・コーナーなどの電話相談や面接相談を実施しているところであります。さらに、専門的なカウンセリングが必要な被害女子少年については、県警の少年サポートセンターや部外の専門家によるカウンセリングも行っているところであります。
 今後とも、この種のみだらな性行為に対しては、厳正かつ強力な取り締まりとあわせて、被害者保護活動の万全を期し、21世紀の岩手を担う青少年の健全な育成を図ってまいる所存であります。
〇副議長(吉田洋治君) この際、暫時休憩いたします。
   午後3時6分 休 憩
   
出席議員(47名)
1番 及川敦 君
2番 飯沢匡 君
3番 樋下正信 君
4番 照井昭二 君
5番 柳村岩見 君
6番 小野寺研一 君
7番 工藤大輔 君
8番 川村農夫 君
9番 佐々木順一 君
10番 佐藤力男 君
11番 及川幸子 君
12番 阿部静子 君
13番 阿部富雄 君
14番 田村誠 君
15番 岩城明 君
16番 中 屋 敷十 君
17番 千葉伝 君
18番 佐々木大和 君
19番 水上信宏 君
20番 阿部敏雄 君
21番 川口民一 君
22番 小野寺好 君
23番 斉藤信 君
24番 伊沢昌弘 君
26番 上澤義主 君
27番 瀬川滋 君
28番 藤原泰次郎 君
29番 船越賢太郎 君
30番 谷藤裕明 君
31番 菊池勲 君
32番 佐々木一榮 君
33番 黄川田徹 君
35番 高橋賢輔 君
36番 小原宣良 君
37番 長谷川忠久 君
38番 千葉浩 君
39番 吉田洋治 君
40番 工藤篤 君
41番 菅原温士 君
43番 山内隆文 君
44番 折居明広 君
45番 村上惠三 君
46番 藤原良信 君
47番 及川幸郎 君
48番 菊池雄光 君
50番 那須川健一 君
51番 吉田秀 君
欠席議員(4名)
25番 田村正彦 君
34番 伊藤勢至 君
42番 佐藤正春 君
49番 佐々木俊夫 君
   
説明のため出席した者
休憩前に同じ
   
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
   
午後3時25分 再 開
〇副議長(吉田洋治君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第1、一般質問を継続いたします。川村農夫君。
   〔8番川村農夫君登壇〕

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