平成11年12月定例会 決算特別委員会会議録

前へ 次へ

平成11年12月8日(水)

1開会 午前10時4分

1出席委員 別紙出席簿のとおり

1事務局職員
  事務局長  和美宏幸
  議事課長  藤沢重一
  議事課長補佐  千田正和
  主任議事管理主査  浅田和夫
  議事管理主査  筒井則裕
  議事管理主査  森達也
  議事管理主査  熊谷正則
  議事管理主査  下山義彦

1説明員
  生活環境部長  村上勝治
  生活環境部次長兼環境政策室長  長山洋
  総務生活課長  久保隆男
  交通安全対策監  熊谷素紀
  文化国際課長  三上佑子
  青少年女性課長  菊池秀一
  環境保全課長  晴山祐典
  廃棄物対策監  簗田幸
  自然保護課長  山瀬宗光
  環境政策監  福田毅
 
  保健福祉部長  関山昌人
  保健福祉部次長  伊藤静夫
  保健福祉課長  小原公平
  地域福祉課長  舘満弘
  長寿社会課長  上野寛二
  介護保険システム整備監  六本木義光
  障害保健福祉課長  細田重憲
  児童家庭課長  深田聡
  保健衛生課長  宇 佐 美智
  国保援護課長  西川龍成
  保険課長  吉永盛満
  国民年金課長  男鹿敏昭
 
  商工労働観光部長  合田武
  商工労働観光部次長  大沼勝
  商政課長  長葭常紀
  岩手ブランド推進室長  佐々木由勝
  経営金融課長  齋藤静夫
  工業振興課長  黒田淳一郎
  企業立地推進監  勝部修
  観光課長  山口和彦
  労政能力開発課長  千葉務
  職業安定課長  野口茂喜
  雇用保険課長  照井一雄
 
  地方労働委員会事務局長  菅原哲夫
  総務課長  相馬直人
  審査調整課長  米本清一
 
  出納長  高橋洋介
  副出納長兼出納局長  三浦雅雄
 
  監査委員  一戸克夫
  監査委員  佐藤文子
  監査委員事務局長  小 野 寺彰
  総務課長  青木拓
  監査課長  小田中  善治郎
 
  財政課長  池田克典
   

〇折居委員長 これより本日の会議を開きます。
 これより議事に入ります。認定第1号から認定第12号まで、決算12件を一括議題といたします。
 本日は、生活環境部、保健福祉部、商工労働観光部及び地方労働委員会関係を終わるよう進行したいと思いますので、御協力をお願いします。
 なお、世話人会の申し合わせにより、平成10年度決算の審査であるので、当該年度に関する質疑とされたいこと、質疑項目が複数ある場合、関連する事項についてはできるだけまとめて質疑されたいこと、また、質疑及び答弁については簡潔明瞭に行い、午後5時をめどに審査が終了するよう、議事進行に御協力をお願いします。
 最初に、生活環境部長に生活環境部関係の説明を求めます。

〇村上生活環境部長 平成10年度の生活環境部関係の決算につきまして御説明申し上げます。
 平成10年度岩手県歳入歳出決算書の12ページをお開き願います。
 生活環境部関係は、3款民生費のうち2項生活文化費であり、予算現額は14億6、103万1、000円、これに対する支出済額は14億5、308万6、000円余となっております。
 次に、4款衛生費のうち2項環境衛生費の一部でございますが、予算現額54億1、211万円、支出済額51億2、452万4、000円余のうち、当部関係につきましては予算現額で49億8、785万3、000円、支出済額では47億148万8、000円余となっております。この結果、生活環境部関係の平成10年度予算現額及び支出済額の総額は、予算現額で64億4、888万4、000円、支出済額で61億5、457万4、000円余となるものでございます。また、平成10年度から平成11年度への繰越額は4款衛生費2項環境衛生費で、経済対策で補正したものなど5事業で2億7、727万円となっております。
 以下、個々の内容につきましては、便宜、平成10年度歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。
 なお、事業ごとの金額の読み上げは省略させていただきまして、主な事業の内容を中心に御説明申し上げますので御了承願います。
 それでは、142ページをお開き願います。3款民生費2項生活文化費1目県民生活総務費でございます。管理運営費は、部内職員の人件費等管理運営に要した経費でございます。消費者行政推進費は、消費生活の安定と向上のために消費者保護対策を実施したものでございまして、物価安定対策事業費は、生活関連物資の価格動向調査等を行った経費でございます。文化行政推進費でございます。これは、文化振興アドバイザーの設置、伝統的建造物の保存・活用を図るための調査を実施したものなどでございます。地域文化交流発信事業費補助につきましては、地域における個性的な文化創造を図るため、石鳥谷町が実施した南部杜氏の里ジャズコンサートなど4事業に補助した経費でございます。ボランティア活動支援事業費は、ボランティア活動支援のための拠点機能の整備及びボランティア情報システムの整備構想を策定したものなどであり、ISO14001認証取得事業費は、県が率先して環境負荷低減の取り組みを行うため、認証取得に係る職員研修等を実施したものでございます。次に、144ページに参りまして、2目交通安全対策費でございます。交通安全指導費は、交通安全思想の普及啓発、交通安全功労者の表彰等の実施及び交通安全母の会の事業や市町村の交通指導員設置経費に対して補助したものなどでございます。交通安全キャンペーン推進費は、県民の交通安全意識の高揚を図るため、10年度から新たに、テレビのコマーシャル枠を活用したキャンペーンを実施したものでございます。次に、3目の国際交流推進費でございます。国際交流推進費は、本県の国際交流を推進するため、語学指導等を行う外国青年の招致事業や国際交流推進員の設置及びいわて国際塾の開催などを行ったものであり、国際協力推進費は、開発途上国からの技術研修員の受け入れ、海外移住者の援護及びブラジル岩手県人会創立40周年記念式典に参加したものなどがその主なものでございます。次に、146ページに参ります。4目青少年女性対策費でございます。青少年育成指導費は、市町村に青少年育成委員を設置した経費やポニースクール岩手における少年少女を対象としたポニーとの触れ合い事業及び乗馬普及事業を実施した経費であり、青少年育成指導者海外派遣事業費及び女性海外派遣事業費は、国際的な視野を持った有為な青少年指導者及び女性リーダーを養成するため、海外研修に派遣した経費でございます。いわて女性さわやかプラン推進事業費は、男女共同参画社会の形成を目指し、新しいプラン策定に向けた意識調査の実施及びフォーラムの開催、情報誌の発行等を実施したものでございます。いわて青年海外セミナー事業費は、21世紀の岩手づくりに向け、大胆にチャレンジする青年の養成を図るため海外研修を実施したものであり、いわて女性洋上セミナー事業費及びいわて少年洋上セミナー事業費は、地域社会に貢献する女性リーダーの育成及び社会参加活動を行う少年リーダーを育成するために、洋上研修と寄港地研修を実施したものなどがその主なものでございます。
 それでは次に、少し飛びまして158ページをお開き願います。4款衛生費2項環境衛生費1目環境衛生総務費でございます。管理運営費は、環境行政担当職員の人件費等管理運営に要した経費でございまして、ゼロエミッション構想推進費は、廃棄物処理をこれまでの焼却中心の処理からごみの減量化、リサイクル、再使用への転換を図るため、コンクールの実施や小学生を対象としたごみ問題の学習資料としましてCD-ROMを作成し、各学校に配付した経費及びゼロエミッションの推進に関し、国際連合大学等関係機関と協議を行った経費でございます。環境保全対策費は、環境情報センター事業、水生生物を指標とした河川水質マップの作成、身近な動植物の調査及び各地方振興局における自然観察会や環境月間行事などを実施したものでございます。次に、160ページから161ページにかけてでございます。2目を飛びまして、3目環境衛生指導費でございます。公衆浴場業環境衛生指導費は、公衆浴場の無料開放、設備改善に対して補助したものであり、営業施設経営指導費は、環境衛生関係営業の経営の健全化、衛生水準の維持向上等を図るため、環境衛生営業指導センターに対して補助したものでございます。次に参りまして、産業廃棄物処理モデル事業推進費でございます。これは、産業廃棄物の適正処理を図るため、クリーンいわて事業団に運営資金の貸し付け、廃液処理設備の整備に対して補助したものなどでございます。ごみ処理適正化推進特別事業費は、廃棄物の焼却に伴うダイオキシン類の発生を抑制するため、焼却施設の排出実態調査等を実施したものであり、広域的水道整備促進費補助及び簡易水道等施設整備費補助は、広域水道企業団を構成する市町村への補助及び市町村が行う簡易水道等施設の整備に対して補助を行ったものでございます。合併処理浄化槽整備費補助は、57市町村、2、356基の合併処理浄化槽の設置に対して補助を行ったものでございます。
 なお、翌年度への繰越額9、504万8、000円は、簡易水道等施設整備費補助及び合併処理浄化槽整備費補助に係るもので、いずれも昨年度実施した経済対策補正分でございまして、用地交渉に不測の日数を要したことなどから翌年度に繰り越したものでございます。次に、4目環境保全費でございます。大気汚染防止対策費及び水質保全対策費は、県内の大気及び水質の保全を図るため、工場や事業場の監視、酸性雨の実態調査、公共用水域及び地下水の水質測定並びにゴルフ場の排出に係る農薬の残留実態調査などを実施したものでございます。環境影響評価制度推進費につきましては、平成10年7月に制定いたしました環境影響評価条例に基づきまして、制度の円滑な導入を図るため、技術指針の策定、支援システムの整備などを行った経費でございます。化学物質環境対策費でございます。これは、ダイオキシン類に係る大気、水質・底質、水生生物についてのモニタリング調査、本県におけるフロンの回収システムを確立するため、フロン回収機器整備及び破壊処理実証試験に対する補助、さらには、環境ホルモンの実態調査を河川、海域、事業場などにおいて実施したものでございます。次に、5目自然保護費でございます。これは163ページにかけてでございますが、自然環境保全対策費は、自然保護指導員の設置に要した経費などであり、自然公園施設整備費は◆ケ崎公衆トイレの整備等、自然公園における施設の整備及び大東町が行ったアストロロマン大東野営場など、市町村が行う公園施設整備に対して補助したものでございます。シーサイドウォーキングロード整備事業費及び164ページにかけてでありますが、ふれあいトレッキングロード整備事業費は、陸中海岸国立公園及び山岳公園において、浄土ケ浜園地、八幡平コース等15カ所において、自然歩道や野営場、登山コースなどを整備したものでございます。
 なお、翌年度繰越額1億8、200万円余は、シーサイドウォーキングロード整備事業費など3事業であり、シーサイドウォーキングロード整備事業費は、経済対策に係るもので計画調整に不測の日数を要したため繰り越したものであります。
 ふれあいトレッキングロード整備事業費は、降雪により工事を中断したため繰り越したものでございます。自然公園山岳施設リフレッシュ整備事業費は、岩手山宿舎、早池峰山避難小屋を整備しようとするものでございますが、岩手山宿舎につきましては、岩手山の火山活動の活発化に伴い工事を中止したものであり、早池峰山避難小屋につきましては、計画調整、関係機関との調整に不測の日数を要したため繰り越したものでございます。次に、6目鳥獣保護費でございます。鳥獣行政運営費は、鳥獣保護員の設置及びキジの放鳥等、鳥獣の保護と狩猟の適正化を図ったものでございます。野生生物保護管理特別対策事業費は、本県の希少な野生生物の保護を推進するため、イヌワシの繁殖状況、行動圏などの調査及びツキノワグマの侵出防止技術の検討などを実施したものでございます。
 以上が、生活環境部所管に係る平成10年度の決算の概要でございますが、当部関係の主要な事業の成果につきましては、主要施策の成果に関する説明書にそれぞれ記載してございますので、ごらんいただきたいと存じます。
 以上で、生活環境部関係の説明を終わります。よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。

〇折居委員長 ただいまの説明に対し、質疑はありませんか。

〇藤原(良)委員 第4款衛生費に関係をいたしまして御質問をいたします。産業廃棄物対策でございます。
 部長もおわかりだと思いますけれども、10月19日、ことしの内閣総理大臣決定、ミレニアムプロジェクトという基本的な方針を決定されました。その中で、2002年までにダイオキシン等総排出量を約9割削減すると。超臨海水産化施設の整備をする必要があると、あるいは処理困難な廃棄物等のリサイクル・リデュース技術の開発導入をすると。あわせて、廃棄物のリサイクル促進の法整備等々がその中身でございます。これらの構築方針といたしまして、廃棄物のリサイクルの促進等の法整備をただいま申し上げましたように進めるとともに、原因者負担の原則を踏まえた方策も考えていかなければならないということが出されたわけでございます。それらの流れの中で今月の5日、厚生省はこの方針に沿った形で新たな考え方を示してまいりました。それは、不法投棄の対策として、現在は産業廃棄物の処理業者にその原状回復等を含めた責任が負わされてきたんですけれども、今後は排出者に対してまでもこれを適用していくという方針が出されてきております。そうなりますと、地域等々におきましては、その対応整備のために体制整備をしていく必要が出てくるわけでございますけれども、県内のその状況がどういうふうになっているかということが一つでございます。
 それから、あわせてでございますけれども、県内の医療廃棄物の処理についてお尋ねをいたします。
 県内の医療廃棄物は約5割が県外に出ているということをよく聞きます。遠くは大阪あるいは広島まで運ばれているということを聞いているわけでございますが、そうしますと、輸送コストが当然出てくるわけでございまして、県内の業者が受注されるのではなくて県外が受注されるということは、安く受注するから受注するわけでございまして、安いコストで受注された医療廃棄物等が県外まで、遠くは大阪あるいは広島まで運ばれていく輸送費を加算しますと、当然成り立つわけはないんです。したがいまして、考えられますことは、途中で不法投棄をされるということを当然念頭に置いていかなければならないということになるだろうと思います。したがいまして、今後、法整備等と、先ほど前段で申し上げました厚生省が基本的な考え方を出してまいりまして、これからはその事業者だけではなくて排出者に対してその責任を持たせて、あるいは原状回復の費用まで持たせるという方針を出してくるようになりますと、岩手県といたしましても、県当局の県立病院を含めました医療廃棄物あるいはそのほかの廃棄物につきましても、当然、原因者負担としてかかってくる可能性が出てきておるということになります。したがいまして、そういう流れの中で担当部としてどのような考え方で臨まれていこうとするのか、まずお示しをいただきたいと思います。

〇簗田廃棄物対策監 今、質問されました医療系廃棄物の問題、それから排出者処理、責任といいますか確認の問題についてお答えいたします。
 県内の感染性の医療廃棄物は、平成9年度で2、280トンばかりが収集運搬されております。このうちの約30%に当たります670トンが県外に搬出されております。最も多いのが青森県の360トン余、そして大阪の211トン、それから福島78トン等となっております。
 なお、平成8年度には今委員おっしゃられましたように、54%ほどが県外に搬出されておりました。これに比べますと、感染性医療廃棄物につきましては県内処理が進んできているというふうに認識しております。
 また、排出者処理責任についてでございますけれども、現在の廃棄物処理法では、廃棄物の処理は排出者責任が原則とされておりますが、排出事業者には処理先までの確認責任が明確にされておりませんことから、排出者責任の強化が必要と考えております。こういうことに対し、国にこれまで全国知事会等、機会をとらえて要望を行ってきているところでございます。
 今後、国の法改正の動向を見きわめる必要がありますが、不適正処理の未然防止あるいは不法投棄された廃棄物の撤去等の原状回復を実効あるものにするためにも、排出者には委託先の処理の確認等を今後とも指導してまいりたいというふうに考えております。
 また、産業廃棄物の処理コストは、産業廃棄物の性状を熟知している排出者がその責任においてみずから処理するか、あるいは必要な処理能力を持っている処理業者であることを確認して委託されるべきものと思っております。排出者処理責任においても、適正に負担するのが原則であるというふうに考えております。

〇藤原(良)委員 簡単で結構でございますから。
 要するに、これからは産業廃棄物の請負業者だけじゃなくて、ごみを出した、いわゆる産業廃棄物そのものを出した、医療廃棄物にかかわらず出したところの排出者責任というものが出てくるということになるわけでございまして、今までは不法投棄をしたところが行方不明になったり、あるいは捕まえることが難しくなってしまうような状況下になっていって、結果的に都道府県があるいは地方自治体が原状回復のための費用を出してきたということ等が大きな要因で、今回の法改正につながるような状況下になるわけでございまして、岩手県としても、これは岩手県全体のこともそうですけれども、県の行政としても、基本的に大変この対応に注意をしてそして整備をしていかなければならないということになるだろうと思います。生活環境部そのものが大変仕事量も多くなるだろうし、そういう意味では大事な部になっていくだろうと思うんであります。
 あわせてですけれども、ダイオキシン対策に対しましてちょっとお尋ねをいたします。
 平成10年の12月に法改正をされました。現在は猶予期間で14年の12月までと聞いておるわけですけれども、その後になりますと、これ猶予期間がなくなるわけですね。そしてまた将来はさらにこの対策のハードルが高くなっていくだろうということが予測をされます。公共の施設については対応がどうなっているんでしょうか、それらに向けまして。
 それから、これは義務的には産業廃棄物というのは民間でございますから、産業廃棄物の処理業者が設置している焼却炉というのは県内にたくさんあるわけですけれども、それら等の改善状況といいますか、対応がどうなっているのか、どのように把握をされているのか、そのことをお尋ねしたいと思います。
 あわせてですけれども、県そのものが、その状況もそうですけれども、どう指導していこうとしているのかということもあわせてちょっとお尋ねいたします。

〇簗田廃棄物対策監 焼却炉のダイオキシン対策についてでございますけれども、公共施設、いわゆる市町村等が設置しております一般廃棄物施設でございますけれども、これは現在22施設が稼働しております。14年12月からのダイオキシン排出基準に、今まだそこまでクリアできていない施設が5施設ほどありますけれども、これはすべて対応といいますか取組方針が決まっております。産業廃棄物の焼却施設でございますけれども、これは現在46施設ございまして、そのうちの39施設が稼働しております。この稼働している39のうちの32施設、これは14年12月対策はクリアしております。残りの7施設は、構造とかあるいは維持管理面にこれから指導していく点がございまして、これは保健所等を通じまして、14年の厳しい基準に適用できるように現在指導しているところでございます。
 なお、全国的にこの施設は設置困難になっておりますが、県内ではことし2施設、建設がされている状況でございます。
 それから、指導をどのようにしていくかということでございますけれども、これまで保健所の立入検査あるいは説明会の開催、規制強化前にはダイオキシンの排出実態を抽出調査するなど、その設備の改善や施設の維持管理を指導してきているところでございます。
 今後とも、保健所職員による立入検査によりまして、施設の維持管理基準あるいは構造基準が徹底されるように、指導強化してまいりたいと考えております。
 また、ダイオキシン類の対策特別措置法施行に伴う廃棄物処理法の政省令の改正も来年1月にございますので、その機会をとらえまして保健所対応ごとに説明会の開催等により、維持管理あるいは構造面での内容等周知を図って、早期に適切な対応をしてまいりたいと考えております。

〇藤原(良)委員 もっと簡単にお答えして結構です。
 今、簗田廃棄物対策監からちょっとお答えあったんですけれども、いわゆる平成10年の12月から新しい法改正になりまして施行されておりますけれども、これはそれ以前に認可されております焼却炉についての猶予期間が14年まであるという意味ですね。そうしますと、10年から14年までの間での新しい法整備のもとでつくられた焼却炉というのは1件もないわけでしょう。ないんですよ。ですから、10年前の、法改正される前のいわゆる昔からやっていた焼却炉そのものが猶予期間が平成14年までしかないと。あとは平成14年以降は、全部体制整備をしなきゃならないということになるんだと思います。体制整備をきちんとした、ハードルをクリアできないような焼却炉は運転できないということになるわけです。ですから、そういう意味で急いでこの整備をしていくと。
 それから、もしこれは産業廃棄物、民間の場合は会社経営もあるわけですから、そこまでやって事業としてやっていけるかいけないかという判断を当然民間はするわけで、そうなった場合に、その処理をやめていった場合どこかでしなければならないと。それら等々も今後出てくるわけでございまして、トータルでこれは考えていかなければならない問題だと思います。これはそういう私の考え方をちょっと申し上げたので、答えは要りません。
 そこであわせて、たくさんあるわけですけれども、例えば螢光灯、これは水銀が入っているんです。それからテレビのブラウン管、これも水銀が入っています。コンデンサーも入っています。これら等はどういう状況下になっているかというと、岩手県にこれを処理するところは一つもないんです。これからは義務負担といいますか、自分のものは自分で処理をするというような岩手県にしていかなければならない、私はそう思いますけれども、こういう螢光灯等はどういう処理をされているかというと、私が把握している中では一般廃棄物は7割です。産業廃棄物に回っているのは3割なんです。これを壊して、ビニール袋なんかで家庭のごみと一緒に出されているんです。それが焼却炉に行くんです。焼却炉に行って燃やしますと、水銀が空気中にこれは残っていくということが実態でございます。例えば乾電池なんかもそうなんですけれども、乾電池を処理するところは岩手県に一つもない。これら等、特に身の回りの生活に必要なこういう螢光灯等を含めた、水銀対策を含めた廃棄物処理について、県として県内で処理できるような施設をつくっていく必要があると思うんですが、それら等を含めてどのようなお考えでいこうとしているのか、ちょっとお示しをいただきたいと思います。
 何回も立つのは恐縮ですから、もう一点申し上げます。
 ただいま一連でお話をしてまいりましたけれども、この産業廃棄物対策というのはもっともっと奥が深いんです。そして法改正がどんどんされていきます。法改正がされていくということは、当然、先ほど申し上げました原因者負担、これからは排出者、事業所等を含めた排出者が、委託をする専門業者だけでなくて、出したところまで責任を負わされますよということ等が出てきた場合には、その原状回復を含めてこれは整備をしなければなりませんよということになっていくわけですけれども、そういう状況の中で、一般廃棄物は公共の義務と、産業廃棄物はこれは民間だと言いながらも、産業廃棄物と一般廃棄物の垣根というのは低くなってきておりまして、この境がもうなくなりつつあります。そういう中で、産業廃棄物の一連の問題を考えるときに、私は江刺市にあるいわてクリーンセンターだけでは対応は全く困難であるだろうと、あるいはなっていくだろうと思います。したがいまして、産業廃棄物処理業界の組織であります岩手県の産業廃棄物協会あるいは事業を行うことのできる岩手産廃協同組合、こういうところがそれなりの役割を担っていかなければならないと私は思いますし、活用していかなければならないと思うんです。現在は組織として講習会等を通じて自己研さんを積んでいると伺っておるわけですけれども、これらの業界団体の現状をどのように把握をされておりますか。
 それから、ただいまも申し上げました水銀などの有害物質を含む廃棄物の回収業務を含めまして、木くずなどのリサイクル関連業務等を行うこれらの業界団体をどのような形で支援していこうと考えているのか、支援というよりは連携していこうとしていくのか、あわせてお尋ねいたします。

〇村上生活環境部長 ただいま2点御質問があったわけでございますが、その後段の方の団体の支援の関係について私の方から答弁申し上げまして、水銀関係につきましては簗田廃棄物対策監の方から答弁いたしたいと思います。
 まず団体の現状をどのように把握しているか、認識しているかということでございますが、本県におきましては産業廃棄物処理業界の関係団体としましては、社団法人の岩手県産業廃棄物協会とそれから産業廃棄物協同組合、この二つがございます。この社団法人の協会の方は産業廃棄物の適正処理、再利用等に関する指導、調査研究、それから研修、啓発事業に取り組んでいるところでございまして、また、岩手産業廃棄物協同組合につきましては、組合員の福利厚生あるいは取り扱う廃棄物の共同受注、あっせんなどの事業を行って、着実に成果を上げてきているというふうに承知してございます。また、社団法人の協会の方は、全国の産業廃棄物連合会の方にも加入していると聞いてございます。
 それから、業界団体に対する支援についてでございますが、今後の廃棄物処理問題を考えたとき、国の方でも随分現在いろいろ検討してございまして、まさに毎日のようにいろんな情報が飛んでくるわけでございますけれども、今後の産業廃棄物処理対策を考えたときに、これまでもこの業界団体とは不法投棄防止の合同パトロール、あるいは廃船関係でも一緒にいろいろ協議あるいは連携して取り組んできているところでございますが、今後とも一層、連携が必要になるものと認識してございます。
 具体的な今後の方法としましては、イベント等にも積極的に参加をしていただいたり、あるいは可能であれば共同でいろんな問題の調査研究もすることが考えられると思いますので、今後、この辺の分野につきましては研究してまいりたいと考えてございます。

〇簗田廃棄物対策監 水銀を含む廃棄物についてでございますけれども、現在、北海道に野村興産のイトムカ鉱業所というところがありまして、ここが全国で唯一、水銀を回収する再資源化処理が行われております。この施設は、昭和60年に通産省の補助を受けてクリーンジャパンセンターと共同でプラントを建設しまして、広域的な処理を行っているところでございます。
 県内では、一般廃棄物としては市町村の回収ルート、それから特別管理産業廃棄物収集運搬業、業者のルートとしまして北海道に輸送されているのが現状でございます。水銀を含む廃棄物の処理といいますのは、焙焼炉という特殊な炉でもって焼却し、それから冷却して水銀を回収するということでありまして、ここ1カ所しか全国にありませんので、当該施設への輸送が的確に行われるように回収、保管方法など事業者、市町村等に指導してまいりたいと思っております。

〇藤原(良)委員 最後にいたします。
 ここでやりとりをそうしたくはございませんで、私だけ時間をとるわけにいきませんので、ただいまの簗田廃棄物対策監の乾電池の北海道の話もありましたけれども、北海道に行っているのは絶対数の中で岩手県の乾電池はそう多くないです。したがいまして、北海道で全部岩手県の乾電池が行って処理されているということではないわけでございまして、先ほど言いましたようにそれ以前の問題で、例えば螢光灯の処理なんかは7割が一般廃棄物に流されているということでございまして、その実態は事実でございまして、何にしろ体制整備をしていかなければならない。前段で申し上げましたミレニアムプロジェクトというのは新しい千年紀のプロジェクト、新しい世紀のプロジェクトを基本的に内閣総理大臣が決定したのがことしの10月19日、その流れでございますから、厚生省もその原因者責任というものを出してきているということでございます。今後、大変大事な問題なので改めて詰めて今後の流れの中でやっていきたいと思いますけれども、お互いにこれは行政だけではなくて私どもも考えていかなければならないと思っております。ただいま申し上げましたことをさらに詰めて進めていただきたいと、改めてそういうことをお願いしながら、私、終わります。

〇伊藤委員 ただいまの藤原委員の質問に関連をいたしまして産廃及びリサイクルという部分についてひとつお伺いをいたしたいと思います。
 ただいま、県内で発生したものは県内で処理するのが基本だというお話があったように伺いましたが、現在もそれは堅持をしているのでありましょうか。
 といいますのは、これはさかのぼって10年ぐらい前になりますけれどもマニフェストという、つまり発生地を明示するという制度ができて、これを一番最初に使ったのが千葉県と聞いております。ところが関東、関西ではもう既にごみためが満杯状態で、国内のどこにそれを運んで処理をしようかという部分にあるわけでありまして、そういう中で東北がどうもねらわれているらしいと、こういう部分があります。白河以北一山百文、100万円を出せば山が三つも四つも買えると、こういう岩手県でありますから、そういった部分の危惧がないとは言えないわけであります。
 10年ぐらい前でありますけれども、千葉県が、自分のところではほかに出しません、ほかからも持ち込ませませんと、こう大言壮語をしておったわけでありますが、10年ぐらい前の平成3年か4年だったと思うんですが、八戸沖で千葉県から出港してきた貨物船が自衛艦と衝突をしたと、こういう4行ぐらいの記事が上がっております。その内容は、千葉県から排出をされた産業廃棄物を1、800トン積んで八戸港に向かっている途中に自衛艦と衝突をしたのだと、こういうことであります。こういった部分をひもといてまいりますと、今ちょっと係争中になっておりますけれども、宮古のある産廃場に運びたいという見積もり依頼があったように聞いておりまして、そういう陸路だけでなくて海路を通って、どんどん岩手あるいは東北の方に運ばれてきつつある、そういう現状もあるのではないか。これは継続をしているんではないかと、このように危惧をいたしておりますが、その辺についてのまず御認識をどう持っておられるか、お伺いをいたしたいと思います。

〇簗田廃棄物対策監 現在、広域的な廃棄物の処理ということでございますけれども、県内から出て搬出されている廃棄物の量が約4万トンほどございます。入ってきている量は20万トンから21万トン入ってきております。この入ってきている分についてでございますけれども、これは廃棄物処理に関する指導要綱というのを県でつくっておりまして、この中で事前に協議していただくということにしております。入ってくる廃棄物としましては、ほとんどがリサイクル、ほとんどといいますか100%リサイクルになるものとして事前協議では認めていると。物としてはセメント原料、燃料にするような汚泥とかプラスチックとかあるいは石炭灰とか、そういったものが主になってきております。あと、出ていっているものとしましては県内で処理できない廃酸、廃アルカリあるいは廃油という有害物質等を含んだ廃棄物ということになっております。

〇伊藤委員 自然界にないものを人間がつくり出してまいりました科学物質でありますが、それは当然人間がつくり出したものでありますから、人間の手によって分解をしなければ安全なものにならないと、こういう世の中にあって、例えばトリクロロエチレンあるいはテトラクロロエチレンというのは四、五年前の調べでありますが、国内において20万トンぐらいが生産をされておるけれども、そういうちゃんとした処分をするために回収をしているのは10万トンぐらいしかないと。あとの10万トンは恐らく地面にひっくり返してあけているんじゃないか、どこかに、こういう部分があるわけであります。ですが、このトリクロロエチレンあるいはテトラクロロエチレンというのは比重が限りなく高いということでどんどん地下に浸透していく、地下水の汚染源になっていると、こういう部分があります。そして搬出方法としては、例えばドラム罐にそういったものを入れてそれをコンクリートで固めてしまう。そうすると、コンクリート製品ということで安定5品目の中に入りますから、これがどこかに投棄されているかわからないと、こういう現状も実はあるやに聞いておりますので、その辺までひとつ深く立ち入った部分の検査、検討をしていただきませんと、将来に大きな禍根を残すことになりはしないかと思っておりますので、この点は十分にひとつ御検討をいただきたいと思っております。
 それから、リサイクルという部分に関連いたしまして、先般、当局及び全議員の皆さんにお配りをさせていただきましたけれども、我が宮古地方におきましてリサイクルという部分に積極的に取り組んでいる企業があるわけであります。例えば、木造住宅を解体した際の木材を、炭のような状況にいたしまして、セメント袋等のようなものに詰め込んで床下に置いてこれを防湿剤に使うとか、あるいはガラス製品あるいは路盤材等を再活用いたしまして、路盤材あるいは道路ののり面の工事の際に使う吸着剤みたいな、そういうふうに使っているという事例に積極的に取り組んでいる企業があるわけでありまして、ここには国の通産省あるいは建設省、そういったところから大変多くの視察団が参りまして、三陸国道事務所では、今回新年度の工事にこの部分をのり面の補強剤に使っていただくと、こういうことになっているようであります。私は、企業の宣伝をしたいのではなくて、企業が持っているノウハウを岩手県に活用していただきたいと思って参考までに本を配布したわけでありますが、決して一企業を応援しようということではなくて、リサイクルに積極的に取り組んでいる業の内容のノウハウを岩手県のこの環境保全型の部分に活用していただきたいと、こう思っての実は配布だったわけでありますが、お読みをいただいて大変興味を持ちましたということは伺っておりましたが、それを今後どのように県の環境政策に取り入れていこうとしておるのかお伺いをいたします。

〇村上生活環境部長 ただいまの質問の中の本のことでございますけれども、多分あれは、何でもリサイクルできるとかというタイトルだったというふうに記憶いたしております。最近の状況を見ますと、県内でも例えば路盤業者といいましょうか道路舗装業者などを中心にして、いろいろなリサイクルの工夫がなされてきているということでございまして、まずその点につきましては問題を深刻に受けとめ、かつ、ビジネスにつなげるという、そういう積極的な姿勢は評価されるんではないかと考えてございます。私たちといたしましても、ことし策定いたしました環境基本計画の中で、このリサイクル産業につきましても振興していきたいというふうに考えてございますので、今後どのようなリサイクルあるいはどのような再利用というものがあるのか、そういう本の中で勉強をさせていただきまして、今後の事業展開に役立てていきたいというふうに考えてございます。

〇折居委員長 伊藤委員に申し上げます。関連質疑につきましては、質疑冒頭に質疑を表明している委員よりも優先して発言を認めているものでありますから、その性格上、関連性のあるもののみ短時間、簡潔に発言されるようにお願い申し上げます。(伊藤委員「終わります。」と呼ぶ)

〇阿部(富)委員 ただいまの県外からの廃棄物の持ち込みについて20万トンから21万トン、これは要綱によって事前協議で持ち込んでいるのだと。しかもその内容についてはセメントなどの原料以外のものは入っていないという答弁でありますけれども、本当にそうなんでしょうか。

〇簗田廃棄物対策監 一番多いのはセメント原燃料となっているのが98%以上を占めております。それ以外には再生路盤材とかあるいは廃液から銀を回収すること、それから鉱滓やなんかの再利用といった部分で、あとは一、二%という状況で100%リサイクル物でございます。

〇阿部(富)委員 それではお聞きしますけれども、一関市の厳美町の長倉という地域があるんでありますけれども、ここには毎日のように県外からの廃棄物が大型トラックで持ち込まれ埋め立て処分がされているわけでありますけれども、こういう実態については把握されているんでしょうか。

〇簗田廃棄物対策監 承知しておりません。

〇阿部(富)委員 承知していないということでありますから、これ以上の議論はかみ合いませんので、後で詳しいことについては担当課の方とお話をして対応策をお願いしたいというふうに思いますけれども、承知していないということは、少なくとも地方振興局の中に今度産業廃棄物Gメンといいましたか、そういったものを一関にも配置しているはずですよね。少なくとも一関段階ではそのことは十分に私は掌握をしているというふうに思っておりますけれども、県が掌握していないということ自体問題だろうというふうに思います。いずれ、後でこのことについては触れたいと思います。

〇谷藤委員 平成10年の2月の議会で知事が演述をされておる部分でありますけれども、平成10年を環境創造元年と位置づけたわけですけれども、環境共生循環型の社会の実現に向けて新たなスタートを切ると高らかに宣言をされたわけですけれども、その年にふさわしいスタートだったのかどうか、まずお伺いします。

〇村上生活環境部長 平成10年を県の方では岩手の環境創造元年ということで、ここから21世紀の環境の世紀に向けた取り組みをしていくということでスタートしたわけでございまして、この10年には環境基本条例等制定してございます。それからアセスメント条例等を制定し、一応、基本的な骨格につきましては構築したというふうに考えてございまして、それに基づいて11年度以降、環境基本計画を策定するのとあわせていろんな仕組みを現在検討あるいは実施に移しているところでございます。

〇谷藤委員 ちょっと元気がなかったように思いますけれども、いずれ、その環境という部分で本県の環境は、知事も述べておりますけれども先人から受け継がれてきた貴重な資源、財産であるという評価を述べておられます。それを我が県の貴重な資源、財産と、こういう表現を使っていますが、それを金額に換算をするとすればどれぐらいの評価になるものでしょうか。
 昨年の環境白書では、環境の機能を適切に評価する方法ということで仮想評価法なるものを紹介しております。いわゆる自然の持つ経済的な価値とか、それから環境が開発や公害によって受ける被害を住民アンケートなどで経済学、統計学などで算出をするというような方法のようでございますけれども、それらによって本県の価値を試算したことはございますでしょうか。

〇村上生活環境部長 岩手の環境を金額に換算をするというお話と、それから仮想評価法というお話でございました。これはなかなか評価することは簡単ではないというふうに理解してございます。例えば現在、環境会計につきまして検討を開始しているわけでございますが、例えば支出経費等はわかるんですが、所有財産といいましょうか、企業の中でもなかなか把握が難しいというふうに聞いてございます。本県におきまして、県全体としてそのような評価につきましては、今後勉強させていただきたいというふうに考えています。

〇谷藤委員 いずれ、岩手の持っている貴重な資源というものを高く知事は評価しながら、これを守り伝えながら岩手の将来を夢あるものにしていきたいという思いで述べておるんだろうと思います。そういうことで、この岩手の持っているすばらしさ、環境を保全していくという意味からも、ぜひ頑張っていただきたいと思っております。
 次に、先ほど藤原委員の方からもいろいろダイオキシンに絡む問題も含めながら質問がございましたけれども、国の方ではこのダイオキシンの摂取量を減らすということで、来年の1月から導入する排出規制策を決めたと伺っています。それで、水質と土壤の環境基準を新設して、大気についても現在の指針値を環境基準に格上げするということのようでありますけれども、我が県は知事が環境首都を目指すという表現をされておりますけれども、ということは国の方で例えば決めたと、全国各県がそれぞれ横並びでその方針に従った基準でいくということになれば、我が県の環境首都というものを目指すということになれば、それよりもさらに先んじて基準値を見なければならないということになっていくだろうと思います。その本県の規制に対する今後の考え方、取り組み方をどういうふうにとらえるのかお知らせください。

〇晴山環境保全課長 ダイオキシン対策特別措置法、これ平成12年の1月15日が施行と見込まれておりますが、それによりまず水質、土壤それから大気の基準案でございますが、今のところ見込まれておりますのが、大気につきましては1立方米当たり0.6ピコグラムということでございます。このピコグラムでございますが、1兆分の1という非常に小さい単位でございますけれども、大気につきましては0.6、現在0.8という指針値になってございますがさらに厳しくするという案でございます。それから水質につきましては、1リットル当たり1ピコグラムの案となっております。それから土壤につきましては、1グラム当たりですが1、000ピコグラムでございます。これが今のところ国の方で予定されている基準値でございます。
 それから、あと廃棄物焼却炉の関係でございますが、現在80ナノグラムとなっておりますが、これにつきましても、将来的には0.1ナノグラムまで持っていこうということで基準を考えているところでございます。

〇谷藤委員 いずれ、環境首都を目指すという表現をあえて使われたわけでありますから、やはりその趣旨を十分に理解をしていただいて、それもまた県民も当然望む方向だろうとは思いますけれども、実効性あるものに、他県よりもやっぱり先んじて、ちょっと基準を高目にというぐらいを出していなければ別に特出ししたものにはならないわけですね。そういう意味も踏まえて、対応をしていくことをお願いして終わります。

〇田村(正)委員 1点だけお尋ねいたします。149ページですか、交通安全対策費として8、000数万円、そしてその中で交通安全指導費として6、300万円ほど支出がなされておるわけでございますけれども、その中身についてまずお尋ねいたします。

〇熊谷交通安全対策監 補助対象経費といたしましては交通指導員の報酬、これは1人1日1、200円を限度といたしまして、年間90日を限度といたしまして補助をいたしております。それから、被服費でございますが、夏服、冬服ともに単価の2分の1の補助ということで補助しているものであります。

〇田村(正)委員 実は私、平成7年の一般質問におきましても、また予算委員会の席におきましても発言しておるわけでございますけれども、県下2、000名ほどいる交通指導員、この設置、いろいろボランティア的な活動で、なおかつ交通安全、本当に一生懸命頑張っておられるんですが、その法的根拠というのは非常にあいまいなわけです。国に対してこの法的根拠のあいまいさ、次官通達の見直しとかそういったものを県として求めていくべきではないのかなという御提言を申し上げましたし、またそれに答え県では努力するというような御回答もいただいたわけでございますけれども、それから4年経過して、いかがな状況なのかお尋ね申し上げます。

〇村上生活環境部長 国に対する要請でございますけれども、平成10年度になるわけですけれども、平成10年7月の北海道東北ブロック会議におきまして、この問題を岩手県の方から提起いたしまして、国の方に要請いたしてきたところでございます。国としましては、全国的に見てこの交通指導員というのが市町村が採用していることもありまして、設置主体あるいは身分、名称、業務内容等がまちまちだということで全国一律な対応ではない。したがって、一律な定義づけとか権限付与が難しいというふうな、この認識は変えてないようでございますけれども、本年度になってちょっと動きがございまして、これは総務庁の方で交通指導員に関する全国的な実態調査を行っております。これは残念ながら岩手県庁に照会はなくて、ある団体を通しまして市町村の実態を調査したということでございまして、その結果に基づきまして今後何らかの進展があるものと私たちは期待いたしております。なお引き続き国の方には要望してまいりたいと思っております。
 また、認識でございますけれども、いずれ交通指導員の活動というのは交通安全活動の中で重要な役割を担っているということで、活動自体は定着していると認識してございます。

〇田村(正)委員 その根拠というのが昭和42年3月の事務次官通達が根拠となっているものだと私は理解しておりますけれども、その通達の中身そのものが、交通指導員というのはあくまでも児童、幼児の横断の補助員をするだけなんだと、いやしくも警察官と見間違われるような服装あるいは行動をしてはならぬと、こう規定されておるわけですね。そういった観点からも実態に合ったような通達の見直しとかそういったものを県としてもこれは強く要望していってほしいと、これは要望ですけれども、よろしくお願いいたします。終わります。

〇船越委員 163ページ、産業廃棄物処理モデル推進何とかといううまいことは書いてあるんですが、このことでございますが、私は1点だけ貝殻の話、伊沢委員にまたかと怒られるんですが、私は当選以来こればかりしゃべって、ばかのひとつ覚えみたいに。なかなかいい話が出てこないということでございますが、今、藤原委員たちからも水銀とかあるいは乾電池、あるいはまた、畜ふん等がおびただしいものが詰まってどこかに保管して積んでおくと、こういったようなことで今のところは過ごしているわけなんですよ。ところが、貝殻というのは本当に100%に近いぐらい石灰だと、あるいは一般廃棄物に粉にしてまぜたらかえって消毒剤になるんでないかと、こんな立派なものはどこにあるものかというのは私の持論でした。こういったようなすばらしいものを、産業廃棄物だからといって、警察にそこに置いて捕まったり、保安部に捕まったりということで格好の成績を上げるのに協力しているようなのがあるので、これ本当に産業廃棄物処理場に持っていくと莫大な金を取られるんですよ、こんないいものが。だから、畜ふんのように、あるいはその他いっぱいあるんだから、貝殻もどこかの一定のところに、ここだったらいいだろうということを、あなたのところの専門家が見てここなら3年、5年、10年積んでおいてもいいよと、そのうちにあなた方がいつでも言うリサイクルのいいことができたら、そのときどんどん持っていって資源にしてもらう間、置いておくというような発想の転換をしていただきたいというのがいつもの持論だが一つもまだ変わっていないか、部長、ひとつ何かうまい話を聞かせていただければ私はそれで終わるんですが。

〇村上生活環境部長 貝殻の問題につきましては、私たちも例えばセメント製造の会社の方々とも話しするときあるんですけれども、原料としても使えるんではないかなというような気はいたしております。また、ほかにもいろんな活用方法があるんだろうと思いますけれども、ただ、現時点での問題点としましては塩素分を含むということが、これが例えば出たセメントの品質にかかわってくるというようなことで、なかなかすぐにはできないような状況になってございます。ただ、結論を先に申し上げますと、今回の環境基本計画の中でも、その貝殻等を含めたような廃棄物活用対策につきましても織り込んでございますので、今後研究しなければならない課題と考えてございます。

〇船越委員 リサイクルする原料として考えますからでなく、それは後でもいいが、どこか積んでおくところを当分の間許可して、畜ふんのように何年か積んでおけというようなふうに、すぐだめだと、産業廃棄物だめだ、ガチャっとこないようにひとつ何とか緩和策がないかというところを私は聞きたいんです。

〇村上生活環境部長 それでは、私の方だけでできる問題ではございませんので、関係部の方にもお話し申し上げて、早くその結論あるいは方向が出るような努力をしてまいりたいと思います。

〇小原委員 自然環境保全指針についてお伺いをいたします。
 この指針、ことしの3月に策定がなされたところでございますけれども、このこれからの活用方法についてでございます。もとよりこの自然環境保全指針には罰則規定というのはこれはないわけでして、挙げて県民の理解、協力のもとに自然環境の保護、保全を図っていくと、こういう趣旨であるだけに、この指針の県民への理解を得るための手だて、これは現状どうなっているでしょうか。指定された部分で身近な自然、すぐれた自然ということでそれぞれランクづけをしながら、保護、保全の方法も異なってくるわけですが、いずれにしろ指定された地域については特に地域の皆さんの理解、協力が必要であると。さらにまた、住宅団地等あるいは個人の住宅でもそうですが、周辺における開発という部分については、そうした開発行為を行う皆さん方の理解、協力、これは何より、特にも身近な自然という部分については必要になってくると思います。そういう意味で、3月策定をされたばかりではございますけれども、これの活用方法あるいは県民に対する理解、協力のあり方、この点について、若干の時間が経緯をしておりますが、今までの経過等を含めてお考えをお示しいただきたいと思います。

〇村上生活環境部長 今年の3月に策定いたしました自然環境指針の活用につきましてでございますけれども、これは策定した後に関係者に配布いたしてございますし、またインターネットを通じましてその概要も掲載してございます。図面まで一緒に掲載してございます。それをもって県民やあるいは事業者の方の理解と協力を求めてございまして、例えばインターネットも、ちょっと数字、確認いたしておりませんけれども、アクセス件数も相当多いと聞いてました。現実に森林施業などにおきまして、行政関係者からの意見を求められる事例もたくさんございます。それから、アセスメント条例に基づく手続の際にもその基礎資料として欲しい、あるいは活用されている例もございます。最近の例では雪谷川の改修、今回の災害の関連だと思いますが、その関係でも情報の提供の照会がございました。このように広く活用されてございまして、私たちはこれからさらに活用しやすい、利用しやいようなものに考えていきたいと思っております。
 それから、身近な自然についてでございますが、この身近な自然というのはなかなか客観的な評価が難しい部分がございまして、私たちがこの指針を策定する段階では市町村に照会いたしまして、市町村から上がってきたのは全部掲載したというのが実態でございます。したがいまして、今後こういうのもあるんではないかというものが出てまいりましたら、市町村の意見も十分聞きながら、補正はしていきたいと考えてございます。

〇小原委員 今答弁にありましたように、環境アセスメント、環境影響調査、この部分には有効に活用ができると思うんですね。そういう点でぜひ持っている資料を提出といいますか、お知らせをしてそうした調査が十分にできるような、そういう機能も発揮できるんだろうと思いますので、ぜひその点については御活用をお願い申し上げたいと、こう思います。
 そして、身近な自然、市町村から上がった部分については全部リストとして上げたということでありますが、今後出てくるもの、今お話しございましたようにあると思うんですが、これは毎年度補正をするというのはなかなか困難でしょうが、その辺どんなサイクルでこれらをフォローアップしていくのか、この点ひとつお伺いをしておきたいと思います。特に身近な自然と言った場合には、市町村の理解とあるいは地域住民の協力ということが必要になってくる。あるいは地方振興局も十分にそうした地域、これは身近な自然に限らず、その管内における自然環境保全指針にきっちりと載っている部分については常に理解をしていくということが、開発行為などにおいてもその事前の環境アセスメント、特にも地方振興局部分で地域に密着している機関の中でこれらを見落とさないようにしていくということが必要かと思いますので、ぜひそうした地方振興局と市町村との連携、そして情報交換、こういったものをぜひ緊密にしていくということが大事だと思いますし、何よりも地域住民の皆さんにそうした箇所であると、大事なところなんだということの理解を得ていくように努力をお願いしたいと思います。先ほど申しましたように、これから新たに出てくる部分についてどういう形で補正されるのかお伺いして終わります。

〇山瀬自然保護課長 ただいまの自然環境保全指針のこの見直しについてでございますが、指針の本文にも、これについては今後新たな調査資料あるいは情報によってその内容が更新されていくというふうなことを書いてございますけれども、例えば今後考えられるものといたしましては、この指針自体は、例えば植生につきましてはこれは環境庁の自然環境保全基礎調査、これは緑の国勢調査と言っておりますが、その植生図を使っております。これは平成2年度の調査のものを使っておりますけれども、例えばその後平成7年度にも調査が行われております。ただ、これはまだ国から発表されておりません。例えば、そういう情報が今後発表になった場合とか、それから今後、県版のレッドデータブック、これでさまざまな貴重種とか、そういう貴重な生物等がこれが明らかになったような場合とか、そういう機会をとらえてその見直しを行いたいと思っております。したがって、いつ国から公表になるかというのは現時点でまだわからないので、はっきりはちょっと申し上げられませんが、そういう機会をとらえて改定を行ってまいりたいと考えておるところでございます。

〇千葉(伝)委員 ただいまの質疑にもちょっと関係する部分が一つあります。レッドデータブックの関連もあるんですが、別な質問もありますので関連いたしません。
 自然保護という観点からお伺いするものであります。平成10年度の歳入歳出決算事項別明細書164ページ、165ページにこの自然保護の分にかかわって鳥獣保護費というのがあるわけです。その中で鳥獣行政を進める中で県では、先ほどもちょっとお話がありました、希少な動植物の調査を行い、県版のレッドデータブックの作成ということで鋭意取り組んでいただいているわけですが、平成10年度の状況、また現在までの進捗状況等についてまずお伺いいたします。

〇山瀬自然保護課長 県版レッドデータブックの作業の状況についてでございますけれども、これは9年度から12年度までの4カ年事業ということで進めておりまして、動物、植物それぞれ専門の先生方を委員にお願いして検討を進めていただいておるところでございます。10年度までには県版レッドデータブックのカテゴリー区分、例えば国で言いますと絶滅危惧一類とか、準絶滅危惧とかそういう区分、本県の場合はAランクとかBランクというふうな区分でいくということになりましたけれども、そういうカテゴリー区分を決定いたしまして、また本県に生育、生息しているすべての動植物種について、これをリストアップした野生生物目録の作成を10年度末までにほぼ終了したところでございます。そして、その後11年度は県版レッドデータブックに、例えばそれぞれのどういう内容を掲載するかというその掲載項目、これを決定いたしております。それからまた、そのAランクとかBランクとかそのカテゴリー区分ごとに、どういう生物をそこにAランクに当てはめるかというか、掲載する具体的な種名の選定と申しますか、それを現在行っておるところでございます。

〇千葉(伝)委員 狭い日本の中で岩手県という分はこういった広大な面積、そしてまた自然豊かな岩手ということで、その中で特にやっぱり、知事もおっしゃっているわけですが、環境、ひと、情報といったその環境の中で、こういった岩手県で持っている貴重な財産というふうに私思うわけであります。そういった意味でこのレッドデータブックの作成というものには大変注目しているわけです。今御答弁いただいて、現在その内容等掲載事項も含めて検討しているということなわけですが、ちょっと私危惧する分が一つあります。こういった分を進めた中で、例えば地図あるいはかなり細かい分で、どことどこの地域にこうこうこういう貴重なものがあるということになりますと、きのうの質疑にもちょっとあったんですが、盗掘とかそういったこともこれはあり得る話じゃないかと思うわけですが、今情報公開の時代だ、どこにどういうのがあるか教えてちょうだいといった場合に、そことの兼ね合いというのが今度出てくるんじゃないか。したがって、そこの対策等をお考えの上で進める分も必要じゃないかなと思うんですが、今の私の質問に対してどう思ってますでしょうか。

〇山瀬自然保護課長 今の点につきましては委員おっしゃるとおりでございまして、したがってこのレッドデータブックに例えば生息場所、生育場所、これをどこまで詳しく書くかということは、今のような盗掘とかそういうことを防ぐという観点とにらみ合わせながら、具体に余り細かくというか詳しく書きますと今のような問題が起きますので、そこら辺についてはその種ごとにある程度そういう貴重なものについては余り詳しく書かないような、そこら辺についてもいろいろ委員会等でも議論されておるところでございますので、そこら辺についても配慮した形にしたいと考えております。

〇千葉(伝)委員 レッドデータブックについてはことしの6月議会で及川敦議員も一部触れております。その中で、こういった貴重なものの種の保存ということで、6月議会ではその種の保存条例についても検討するという部長答弁ありました。この種の保存条例の検討状況について、今どのようになっているかをお伺いしたいと思います。

〇山瀬自然保護課長 この種の保存条例につきましては、6月議会のときにうちの部長から御答弁申し上げておりますけれども、県版レッドデータブックのめどのついた時点ということで検討していきたいということで、その時点というのはカテゴリーにその種、それぞれAランクなりにどういう生物を入れるかというそういう作業を終わらないと、そのめどということにはならないと思いますので、これについてはそういう一応のめどがついた時点に具体的に検討を始めたいと思っておりまして、現時点では全国でどういう県でつくってあるかとか、その内容、概要はどういうものであるかということは把握はしておりますけれども、具体の検討についてはそのめどがついてからと考えてございます。

〇千葉(伝)委員 次に、関連して野生動物という分でお伺いしたいと思います。先ほどは希少な動植物の話でしたけれども、一方では人と動物のかかわり、いわゆる共生も含めて最近の状況の中で、例えば五葉山周辺のシカの問題があります。こっちは逆にふえて困るという話もあるわけですが、それからもう一つは、人に危害を加えるおそれがあるといった意味ではツキノワグマの問題もあろうと思います。最近の新聞あるいはテレビ等でも、格闘したとかさまざまなことが報じられているわけですが、都会にはクマは出ないかと思うんですけれども、地域にあっては、人体にもそうですし、それから家畜あるいは飼料作物、さまざまな分に被害が及んでいる分があるわけです。こういった分につきまして県のシカ対策、そしてまたクマ対策、そういった分の基本的な考え方あるいは取り組んでいる中身をお知らせ願いたいと思います。

〇山瀬自然保護課長 まず、五葉山地域のシカ対策でございますけれども、これにつきましては現在本県独自でもって五葉山地域のシカの保護管理計画というのを、これを平成9年12月に策定をいたしまして、それによりまして保護と管理とその両方をということで進めております。具体的には五葉山地域にあるシカの食物、ササでございますけれども、ササの賦存量等から大体あの地域だけにシカが何頭ぐらいが生息できるかという、その適正生息数というものを求めまして、それを大体約2、000頭というふうに定めまして、シカを2、000頭に減らして、その数で維持していきたいというふうな保護管理計画を定めているところでございます。それによりまして毎年度個体数調整、狩猟等有害駆除によりまして個体数調整を進めてきているところでございまして、それによりましてその被害額もこれはかなり、平成5年度には6億7、000万円以上の被害だったんですが、10年度については1億9、000万円程度に減少したという状況にございます。
 それから、クマにつきましては、ことし随分出てきているという話がございますけれども、原則といたしましてクマにつきましても被害が現に発生し、また発生する可能性が非常に高いというような場合にはその駆除を許可するという方針でもってこの有害駆除等に対処しております。できるだけ追い払い等を考えるということでございますが、やむを得ない場合にはこれは捕殺も認めるということで考えておるところでございます。
 このようにシカとかクマにつきましても、今後とも人間と動物との共生ということを念頭に置きまして進めてまいりたいと考えておるところでございます。

〇千葉(伝)委員 シカの対策についてはさまざまな取り組みをしていただいていて、地域の方のいろんな要望の中にも出ているという観点からお聞きしたわけです。それで、クマの分で、実は地域で出た、どうするということで、それはもちろん先ほどの御答弁で、人体、人に危害が及ぶといった場合はもちろんそういった捕獲の前にやるべきことをするということなんですが、実際に山に逃がすというふうなことを考えた場合に、全く無防備なその人が棒切れを持ってというわけにもこれもいかないだろうなと、したがって一つは鳥獣保護員とか巡視パトロールとか、そういった即応できるような体制というのも必要じゃないかなと思うんですが、その辺の県の取り組みというのが、鳥獣保護員とかそういった人、あるいはそういった人を配置している分があればちょっとお伺いしたいと思います。

〇山瀬自然保護課長 委員今おっしゃいました山に放す奥山放獣等についても、現在、県で去年からこのクマの侵出防止技術の研究ということで取り組んでおるところでございます。これは有害駆除で捕まえましたクマにトウガラシ入りのスプレーをかけましてお仕置きをして山に放すというふうなのを試験的に行っておるところでございますが、これにつきましてはやはりもちろん素手でというわけにはいきませんので、これは猟友会の方々の御協力をいただきまして、その仕掛けたわなに入ったクマについてそういうことを試験的に行っているという状況でございまして、いずれ猟友会の方々に御協力を随分いただいてやっておるという状況でございます。

〇千葉(伝)委員 そういったことで気になるのは、例えば出た各地域、部落、そういったところから市町村、市町村から県、そして例えば捕獲するなり対応するといった場合のその即応性を私はお願いしたいなということです。そういったことで今後ともその対策に遺憾のないようにやっていただきたいという御要望を申し上げて終わります。

〇阿部(富)委員 今の千葉委員と全く同じ考え方で私もいるわけでありますが、要するにクマが出没した、この場合ではまず警察に連絡が行くとか、あるいは関係する地方振興局農林部、こういうところに行くんだろうと思います。それを受けて猟友会であるとか、警察の方々が出動、あるいは地域の関係者が出るということになると思うんですがね。問題は、捕獲したのを放すのはこれは技術的には可能だと思うんですが、出没したという情報が出た段階で、どうクマをもとのところに追い返してやるかという、この技術なり対策がきちっととられていないところに、私は残念ながらクマを射殺しなければならないというこういう事態、悲劇を招いているんだと思うんですね。ですから、そういう情報が来た時点で農林部なり地方振興局の方がどういう対応をとるかという、マニュアルづくりをきちっとやっておく必要があると思うんですけれども、そういうマニュアルというのはなぜつくられないのかお尋ねしたいと思います。

〇山瀬自然保護課長 クマが出た場合に、有害駆除等については先ほどお話し申し上げましたように、被害が現に発生したとか、発生する可能性が非常に高いという場合に、駆除を許可するという基本的な方針によって行っておりますけれども、具体的な有害駆除の申請が上がってきた場合のその対処方針といいますか、それについては一応内規という形で、例えば奥山でクマの本来住んでいる場所に人が踏み込んで出会ったというような場合は、基本的にはこれは有害駆除の許可は出さないとか、やっぱり都市部といいますか、そういう地域に出た場合は危険が多いので、そういう場合には基本的には認めるとか、そういうふうな一応の有害駆除の許可に対する場合のその指針といいますか、対応方針みたいなものはつくって、それもただ、いろんなケースがございますので、必ずしもそれにきちっとというわけではございませんが、一応の基準としてそういうのをつくって、これは平成7年に対応指針というのをつくって、各地方振興局ではそれによって対応をしているという状況でございます。

〇阿部(富)委員 その指針の中身がちょっと私理解しておりませんので、詳しい質問ができないわけですけれども、いずれクマが出没して、駆除という申請は必ずくるわけですよね。ですから、県とすればクマが出たという事実関係は確認できるわけですね。その時点ですぐ、危険があれば私は駆除もやむを得ないと思いますけれども、即駆除という考え方よりも、やっぱりもとのところに追い返すというこういうマニュアル、体制を地方振興局の中でなぜつくられないのかということを、私は常々クマが射殺されるたびに頭を痛めているんですけれども、そういうふうなことできないんでしょうかね。

〇山瀬自然保護課長 基本的には、先ほど申し上げましたように、むやみに殺すということはもちろんこれは考えておりませんので、できるだけ追い払いできる場合は山の方に追い払うということをこれは考えておるところでございます。それを基本に従ってその申請が出てきても、そういうことをできるだけ追い払えるものは追い払うと、ただ、どうしてもやむを得ない場合にはこれは捕殺せざるを得ないということになろうかと思いますので、そういう考え方で対処しているものでございます。

〇中屋敷委員 クマ談義になってきましたけれども、実は私のところも大変クマの被害が多くて新聞等でもにぎわして、都市では長谷川委員の釜石市なんかもよくあるんですけれども、本当に皆、千葉委員、阿部富雄委員言うとおりだと思っておりますし、実際共生方策と言っても実態的にはもう被害が出た後の話なんですね。私もデントコーン畑2町歩全部やられた、惨たんたるものがございます。ただ、ほとんどの方々が泣き寝入りと、それが我が雫石町は家畜等のえさをねらって夜中の2時、3時あたりに民家にまで入ってくるという状況もあるわけでございますけれども、今実際に自然環境保全指針調査の中で、クマの個体数、どのくらいになっているか、それから増加傾向にあるのか、市町村はその数を把握しているのかまずお知らせ願いたいと思います。

〇山瀬自然保護課長 現在のクマの生息数という御質問でございますけれども、これについては昭和62年度から平成元年度までにかけまして全県的な生息実態調査を行ったことがございます。その結果によりますと、県内にはおよそ1、000頭のクマが生息していると、その時点の調査では、環境の改変がない限りは急激な増加とか絶滅をすることのない安定した個体群になっているという調査結果が、その62年度から元年度の調査の結果出ております。ただ、全県ということでやってますので、各市町村ごとのその頭数というのは把握いたしておりません。

〇中屋敷委員 ある程度自然環境保全指針の中に分布等あれば個別のデータはあると思うんですよね。いや、まずいいです。その分ではやはりこれはあくまでも市町村と連携をとった対応というのが必要になってくるんだと思うんです。適正な管理のあり方と思えばですね。意外と自然保護団体、クマは愛玩動物だと思うような形の一部では報道もあると。そうすると、なかなか話をしても有害駆除まで持っていけないという部分も結構あるんですよ。クマの個体数、生息数が多いところではですね。そういった絡みの中でもぜひ市町村と連携をとりながら、実態把握をしながら、先ほど阿部委員がおっしゃったとおり地方振興局とも絡めて対応していかなければ、これは本当に堂々めぐりで、一方では、九州では全然ニホンツキノワグマがもう絶滅したという中では、逆にこういう岩手の地では意外とふえているのではないかと、こうありますから、そういったものでも市町村と連携をとりながら、また他の都道府県とも連携をとりながら、いろんな対策というものを講じてくださるようお願いしまして、要望で終わります。

〇伊藤委員 1点だけお伺いをいたします。これは一義的には土木部にかかる部分だと思うんですが、最終的には環境ということにも関連するということでお伺いをいたします。
 自然保護、そして河川環境管理という部分でありますが、それは融雪剤の散布のことであります。これからまさに厳寒期に入っていくわけでありまして、県内の峠道ではそれぞれ、恐らく今ももう始まっているんだと思うんですが、夜10時ごろから朝方5時ごろまで融雪剤の散布をしていただいて交通の安全を確保していただいていると、こういうことでありますが、当時は塩カルという、いわば塩化カルシウムでしょうか、それを散布をするんだと聞いております。しかし、年間の降雪予想量を超えて積雪等があった場合はこれが足りなくなって、最終的には全くの塩をまいて歩く、このように伺っております。したがいまして、これは最終的には河川に流れ込んでいくわけでありまして、河川の中の自然保護あるいは河川環境管理という部分について、例えば閉伊川などでは遡上してくるサケ、マスなどというのが塩サケ、塩マスになってしまうんでないかと、こういうくらいの散布量があるとも聞いております。これは将来的には必ず問題になってくる部分ではないかと思いますが、そういう中にありまして、新しい無公害型の融雪剤も開発をされてきておると、このようにも伺っております。単価面の点もあろうと思いますけれども、どうぞひとつ土木部と検討されて、そういうふうにぜひ移行していただきたい、こんなふうに思っているわけでありますが、所感がありましたらお伺いをいたしたいと思います。

〇晴山環境保全課長 融雪剤についてでございます。主成分、塩化カルシウムというふうに承知をいたしておりますが、これについての環境の面で特に融雪剤だけに絞った調査は行ってございませんけれども、県内におきまして公共用水域の中で通常の監視等を行っているところでございます。この水質調査の結果でございますけれども、融雪剤由来の異常な数値というものは現在のところ認められないという状態になってございます。ただ、お話のように塩分が非常に強くなっていろんな影響があるのではないかというようなこともございますので、これにつきましては私ども研究してまいりたいと思いますし、またお話ございました無公害型の融雪剤、これにつきましても所管の部の方とよく連携をとって対処してまいりたいと考えております。

〇及川(敦)委員 先ほど議論ございました千葉伝委員の話にありました、164ページ、鳥獣保護費、レッドデータブック作成費に関連しまして、ちょっと明らかにしたいことがございましたので、先にお尋ねします。
 まず、6月にも申し上げましたけれども、その種の保存条例、今お話ありましたが、あくまで県版のレッドデータブックを10年度からつけて、この予算をもとに調査をしてレッドデータブックができて、それを前提として条例を策定というような御答弁であったと思うんですが、先行して条例制定している県が、ちょっときょう手元にデータ持ってきてませんので忘れてしまいましたけれども、何県かあると思いますが、その県では、前提としてレッドデータブックを既に作成してから条例を制定したのかどうか、まず1点この点明らかにしていただきたいと思いますし、私は6月の際も申し上げましたけれども、作業が大分進んできていると思いますので、その対象リストをランクAにするのかBにするのかという議論はあるかと思いますけれども、田村正彦委員も今回の決算特別委員会の中で議論しておりましたけれども、今明らかに盗採とか、またマーケットで希少植物が堂々と売られている、こういった現状がございますので、私とすれば先行して種の保存条例を、明らかに危機的なと判断される動植物を対象動植物に据えて、先行して条例を制定して、その後にレッドデータブックが完全にでき上がった後に対象動植物を追加していくと、こういう手法でやるという方が今のこの現状には合うんではないかなと思っているわけですが、もちろん課長御答弁あったように、データブックが先にできて、その後条例制定というのはデュー・プロセスとすれば私は非常にきれいなものだとは思うんですが、今のこの現状を考えるとちょっと遅いのではないかという認識を持っておりますので、まず1点そこの件についてお知らせをいただきたいと思います。
 2点目は、これもこれまでのいろんな議論があったようでございますけれども、明細書の143ページのISO14001認証取得事業費と、並びに159ページのゼロエミッション構想推進費に関連しましてお尋ねします。
 簡潔に申し上げますけれども、まず1点目は、岩手県庁としてのISOの認証は一体いつになるのか、再度またこの場で明らかにしていただきたいと思いますし、もう一点は、私も5月にこちらの方に議席をちょうだいしてからずっと思っておるわけでございますけれども、ISOを取得して総合的に庁内のエコオフィス化を進めるというその進め方については異論はないわけでございますけれども、このISOの取得が前提となるがゆえにエコオフィス化が少しおくれているんじゃないかなという認識を持っております。例えば、生活環境部関連の提出される資料については私はいいなと思っているんですが、他の部局の提出する資料ございますよね。両面コピーで出てくるものが非常に少ないなと、今常識になっておりますが、県庁というのは進んでないんだなと思っておりましたし、使用している紙についても、R70、古紙混入率70%というようなものが、きょうの議会資料の中ではそういうものも使われておりますが、散見すると漂白をした真っ白いペーパーを使っているところもまだ多く私は散見いたしますし、またもう一点は、例えば地下の売店に行って、私も一度一番最初に行ったとき驚いたわけですが、昼食時なんか行くと、牛乳を職員の方が買いに行くと、そうするとナイロンバッグですか、あれをもらうわけですね。一方では生活環境部の方ではポスターを掲示してマイバッグ運動というのを展開していると、県庁の職員の方というのはこういった環境を守るために実践をしていく、模範、率先垂範する立場だと私は理解しておったんですが、ちょっとその場面を拝見したときに残念に思ったなと感じております。つきましてはISOの認証取得をあくまでも進めつつも、できるところはやはり生活環境部が中心になって、いろんな部局の方にできるところから働きかけていくということも必要じゃないかなと思っておりまして、そうすればこういった事業もなお一層生かされてくるものと私は理解しておりますが、御所見を賜りたいと思います。

〇村上生活環境部長 まず、種の保存条例の関係でございますけれども、他県の状況については自然保護課長の方から答弁させたいと思います。
 レッドデータブックがめどつかないと検討できないのかというお話でございました。やはりある程度レッドデータブックの例えば格付が見えた時点でないとなかなか県民の皆さんの理解が得られにくいんではないかなということで、私は6月議会で申し上げたわけでございまして、今年度格付するわけでございますので、その中で、例えば今話題になっているような早池峰のハヤチネウスユキソウとかナンブトラノオとか、その他あると思いますが、それらが格付、大体かなり上位の格付になる見通しが立った時点でこれはやはり本格的に検討しなければならないじゃないか。いずれ県民の皆さんの理解を得られないと、この種の保存条例というのも規制条例になりますので、そんなことを考えているものでございます。
 それから、ISOの関係につきましては来年2月に認証取得するつもりです。間違いないと思いますが、ただ、先ほどいろいろ御指摘あったような部分については、まだこれから十分に職員の研修、教育が必要な部分だと痛感いたしておりますので、今後、職場での研修とかそういうものを通しまして、あの後内部環境監査なんかもございますので、それらを通して職員の啓発というか、周知徹底を図ってまいりたいと思っております。
 それから、部としての働きかけの問題につきましては、これは私たち主管部としていろいろポスターを掲示したり、あるいはいろんな機会を利用してお知らせはしているわけでございますが、現在、内部環境監査員を中心として各部局で主体的に取り組んでもらうようにしてございますので、御指摘の点につきましては今後十分に配慮してまいりたいと思います。

〇山瀬自然保護課長 種の保存条例、これをレッドデータブックの作成よりも前に策定してあるところがあるかどうかということでございますが、今ちょっと手持ちの資料だけから見ますと、現在、種の保存に関する、これは名称は県によってさまざまですけれども、その条例を制定しているのが4県ございます。そのうちの3県はレッドデータブックをつくっておるようでございますが、ただ、そのつくった時点の前後関係はちょっと今、そこら辺まではこれは聞いてみないとわからないのでちょっと手元ではわかりかねます。そういう状況でございます。

〇及川(敦)委員 これで終わりますけれども、他県の先行して制定されている4県の分、後で調査の上お知らせくださいますよう、委員長お取り計らいのほどよろしくお願いします。

〇折居委員長 はい、わかりました。
 では、次に移ります。

〇阿部(静)委員 民生費2款4目青少年女性対策費のうち、女性施策についてお伺いをいたします。
 平成3年度に策定をされまして12年度を目途にいたしておりますいわて女性さわやかプラン推進の10年度のその事業内容について、そしてまた、いわて女性洋上セミナーの具体的な内容と評価及び課題についてお示しをいただきとうございます。

〇菊池青少年女性課長 事項別明細のところにございます女性施策が並んでおります。それにつきまして御説明申し上げました次に女性セミナーについてお話しさせていただきたいと思います。
 10年度の女性施策の内容ということでございましたけれども、一つとしては、女性海外派遣事業というのを実施しております。これは国際的視野を持った女性リーダーの養成ということを目的としておりまして、男女共同参画の先進国であります北欧の方に女性10名を派遣するという事業を実施しております。参加した女性は、これまでも、昨年度で20回を数えておりますけれども、昨年10年6月には岩手県の女性の翼の会という組織が発足しておりまして、そういう組織を通じた活動、あるいは県内各地で女性リーダーとしてさまざまな活動をいただいていると考えております。
 それから次に、女性対策総合調整費というものがございます。これは本県の女性施策について協議を行うということで、女性施策の懇談会という有識者の審議会的なものをお願いしておりまして、その開催を行っておりますし、県内の女性団体の連携によりまして女性の集いというのを年1回開催しておりますが、そういったものに対する支援、それから県の審議会の女性委員の登用促進に向けましたフォローアップと、こういったものを実施しているものでございます。
 それから、いわて女性さわやかプラン推進事業というのがございますが、これは県民の意識啓発ということを目的といたしましてフォーラムを開催してございますし、情報誌の発行、それから県民の学習ということをも含めましたセミナーの開催といったことを実施したものでございまして、こういった事業を実施あるいは委員おっしゃいましたさわやかプラン、平成4年から実施しておりますが、これによりまして意識調査の結果を見ますと、10年度に調査した結果によりますと、4年前に比べるとかなり男女平等あるいは女性が職業を持つこと、女性進出に対しての変化はあらわれてきておりますが、全国調査と比較しますとまだ強化しなければならない部分があると考えております。
 それから、いわて女性セミナーの関係でございますが、まず内容、成果、課題という御質問でございました。内容といたしましては、ことしの1月、4泊5日という行程で女性に洋上研修していただくということで、内容といたしましては、一つは洋上の研修ということで、男女共同参画に関します講演会、これの受講をしていただく。あるいは地域別に分かれていただきまして、地域活動をどのようにしていくかというようなテーマに沿った協議検討、あるいは班別に分かれまして男女共同参画についての議論をすると、こういったことを洋上で行っています。それから、寄港地として沖繩に寄るということをやっておりまして、戦争のつめ跡の体験、あるいは沖繩の独特の風土あるいは文化の見聞といったもの、それから沖繩の場合、女性の社会進出が盛んなところでございますので、地元の女性との交流といったことをやってございます。
 成果といたしましては、セミナーの参加者のアンケートをやっておりまして、その中ではぜひ継続してほしいという声が圧倒的になっておりますのと、セミナーに参加した結果、視野が拡大したとかあるいは組織活動の大切さがわかった、あるいは地域活動に意欲が出てきたとか、そういったような御意見がかなり寄せられております。
 それから、セミナーに参加したこれまでの方々も含めまして、県内各地に船の会というようなものが結成されておりまして、そういう船の会を通じたさまざまな活動、あるいは個人としていろいろな役職について活動されている方がいるということで、一定の評価があるのかなというふうに考えております。
 それから、課題ということでございましたが、やはりこの事業は、行ってくるということよりも、行って帰ってきてからどのように活動していただくかということが目的の一つになってございますので、今現在、男女共同参画プランをつくっておりますので、セミナー事業は地域活動の活性化と、女性リーダーを養成して活性化に資するということも目的としておりますので、今申し上げました船の会と、こういったようなことを通じた活動がさらに活発になるように、条件整備等にまた努めていく必要があると考えております。

〇折居委員長 阿部委員の質疑中でありますが、この際、昼食のため、1時まで休憩いたしたいと思いますので、よろしくお願いします。
   午後0時1分 休 憩
 
   午後1時4分 再 開

〇折居委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

〇阿部(静)委員 ただいま御答弁をいただきましたが、その内容そして評価、課題についてお話がございました。私も、昭和54年に県の行動計画策定にかかわった者といたしまして、女性施策については非常に胸が熱くなる思いを持っているものでございます。以降、20年間にわたって県の女性施策についての大変な御努力をいただいておりますことに、心から敬意を表しながら御質問をいたします。
 海外派遣の様子そして女性の洋上セミナーの様子、そこに参加した人たちが各地域に行ってそれぞれ大きな活動をしているということ、まことにうれしいことでございます。
 まず、翼の方、海外の方には今までに何人ぐらい参画をし、洋上セミナーにはどのくらいの人数が参加をしたのか、まずお伺いをいたします。

〇菊池青少年女性課長 まず、翼の方でございますが、昨年で20回を迎えまして、10年までの間に派遣された人員の方々、186名という結果になってございます。
 それから、女性セミナーの方でございますが、これスタートの時点では岩手婦人の船ということで最初はスタートしております。その後いろいろな見直しを踏まえまして、現在、いわて女性洋上セミナーという形で実施しておりますが、10年度までの実績で申し上げますと、6、664人の方に参加いただいているという状況でございます。

〇阿部(静)委員 今お聞きのように、県内の各地からたくさんの女性の方々が参加をしているわけでございますが、その各地域におけるそれぞれの翼の会あるいは婦人の船あるいは女性の船の会の人たちが活動をしているわけですが、私が所属をいたしておりました盛岡市におきましても、ここにいらっしゃる佐藤文子監査委員を座長とした女性懇談会をもとにしながら、もりおか女性の翼の会等でパネルの展示会を開きながら、その中で地雷より花をくださいということをテーマにしながら国際的な活動もしているところでございます。これらの成果を何とか県内に広げ、男女平等意識の振興に向けて輪を広げてまいりたい。県ではジョインと読みますか、J湜涬渹、一緒にとか手をつなぐとかという意味なようでございますが、情報誌が発行されてございます。
 それで、課長からの御答弁では、課題として4年ごとに行われている意識調査の結果を見ると、他と比べて男女共同、平等意識が低いのではないかというお答えがございました。うんと活動しているのになぜそうなのか。それは、私は宣伝の仕方にあるのではないかと、いつも岩手はそれを言われるわけです。大変いいことをしているんだけれども、それをすそ野を広くしながら皆さんのものにさせていく手だてが下手なのだと。今、J湜涬渹について取り上げましたが、年2回の発行、何部をどういう部分に配布しているのか。
 参考までに申し上げますと、盛岡ではあの・なはんという女性情報誌がございまして、民間からの公募によった編集委員によってつくられております。それが年4回。各町内会にそれを回しながら、各家庭を回し読みをするという手だてをとっているわけでございますが、その点についてどうお考えか。
 それからまた、私、この決算書を見まして、さわやかプラン推進事業費が648万9、000円、少なぐはながんすか。大事な女性施策にこれだけの決算額では、これは……、もっと多くして、女性の活動を支援しながら意識高揚に向けて実践していく必要があると考えておりますが、今後の取り組みについて御所見をお伺いいたします。

〇菊池青少年女性課長 女性情報誌J湜涬渹の関係でございますが、お話しのありましたように年2回発行しておりまして、4、000部という発行でございます。県内の市町村、あるいは女性団体等に対する配布ということで行っております。
 それから、宣伝の仕方が下手なのではないかということがございましたけれども、これまでの社会の成り立ちといいますか、男性と女性の役割分担ということの上に今まで社会が築き上げられてきたということもあるかと思います。そういうことで、女性の社会進出なり男女平等に対する意識を深めていくためには、やはり意識改革というのが一番重要じゃないかと考えておりまして、そういうことで今現在いろいろなフォーラムを開催いたしましたり、あるいはセミナーを開催する、そういったことで広く県民の方々が男女共同参加について考える機会ということを広く持ちたいということで実施してございます。そういうことで、予算につきましてもプランの予算額からすると低いのではないかというお話がありましたけれども、意識改革というのをまずもって進めるのが先決じゃないかということで、そういうシンポジウムですとかそういうものの開催経費に充てる予算が中心になってございますので、額から言えば少し低く見えるのかなという気はいたしますけれども、それなりに意識啓発のために一生懸命努力しているというところでございます。

〇阿部(静)委員 私、東北6県の資料を見ましたが、審議会の女性登用率、6月の議会で一般質問をしたわけでございますが、岩手は東北一なわけです。そしてまた、地方自治法における決められた委員にしても、これも東北一なんです。それから、地方公務員の女性管理職の登用については、これは低いのです。ただ、女性校長の登用は他の県と比べて倍に近い登用率でございます。ただ、このときは10年の3月31日の資料でございますので、県議会議員はゼロでございます。今回は4弱ぐらいにはなったんではないかと。それで、及川幸子委員と喜んでいるところでございます。頑張らなければと思っているところでございますが、こういう資料があるのでございますから、何とか岩手の女性は頑張っているよという部分を、男性の皆さんとともに大いに宣伝し、そして浸透を図っていくべきだと思いますし、各地で活動をしている、その地域の女性の活動内容を県がそれを把握しながら横の連携をとり、お互いに刺激し合いながら高まっていく方策というのもとっていただきたいと思うのですが、いかがでございますか。

〇菊池青少年女性課長 県の施策といたしまして、各種いろいろ女性リーダーの養成ということで先ほど話しました海外派遣事業あるいは洋上セミナー事業、それからセミナー、シンポジウム等を開催しております。そういうことによりまして、参加した方々というのが県内各地域に散らばっていらっしゃいます。こういった方々がより地域活動に一生懸命専念され、その力がどんどん県内に広がって女性施策の推進につながっていくということは極めて重要だというふうに考えておりますので、今現在、22年の目標といたしております男女共同参画の推進プランをつくっておりますので、この中でそういった活動の条件整備ですとか、そういった活動のさらにやりやすい方向ですとか、そういったことについてもあわせて検討していきたいと考えております。

〇折居委員長 この際、午前中の及川敦委員の質疑に係る件で、山瀬自然保護課長から発言を求められておりますので発言を許します。

〇山瀬自然保護課長 先ほどの種の保存条例とレッドデータブックの作成の時間の前後関係についてお答えを申し上げたいと思います。
 現在、種の保存条例、これは条例の名称とかはまちまちでございますが、設定しているのが4県ございます。その4県について条例の公布とレッドデータ作成の時点の前後関係を見ますと、条例がレッドデータブックよりも先に公布されているというのが2県でございます。それから、条例がレッドデータ作成よりも後に公布されているというのが1県ございます。それから、レッドデータブックはまだつくられていないというのが1県という状況でございます。

〇小野寺(好)委員 2点お伺いいたします。
 最初は、交通安全対策費の関係でございますけれども、車に同乗中の乳幼児が交通事故の際に命が守られるようにということで座席に固定させるように法律改正になって、来年からいよいよ取り締まられるような形で強制的に始まるわけですが、市町村の中にはレンタル事業とかリサイクルに乗り出すところ、あるいは交通安全協会、そういったところでの取り組みとかいろいろ報道されていますけれども、県の姿勢がちょっと見えないというふうに思いますが、どのような取り組みをなさっているか。
 例えば長野県とか大分県の場合は、県が独自にマニュアルを作成して臨んでいるというふうに報道されていますが、まずこの点についてお伺いします。
 もう一点は、油の河川への流出事故なんですが、平成10年に、10月には雫石町で温泉施設から6、000リットル、また、10年の4月には花巻で300リットルと、こういった大きな流出事故があったわけですけれども、大体10年度の場合にどのくらいあったものなのか。そういった事故を教訓として、どのような対策が講じられてきているのか。感じとして、10年度よりもさらにことしの方が多くなっているような気がするんですが、実際はどうなんでしょうか。これによって河川の水質汚濁ですが、公共用水域、水質測定、こっちの方にもかなり影響が出ているんじゃないかと危惧するんですが、実際どのようなデータが出ているのか、以上、お伺いいたします。

〇熊谷交通安全対策監 チャイルドシートの普及方策にどのように県は取り組んでいるかということでございますけれども、県といたしましては、正しい交通ルールを守る県民運動というものを通年を通じて行っているわけでございますけれども、その重点項目にシートベルトの着用の徹底とあわせましてチャイルドシートの着用促進、こういう項目を掲げまして通年、季節運動を通じて官民一体となって普及啓発に努めているところであります。特に、チャイルドシートの義務化を踏まえまして、10年度からは随時ラジオ各局、それから県の広報誌、それから県の県庁前にあります広告塔などを通じまして強力に普及啓発には努めてきたところであります。
 それから、委員お話しのとおり、既に一部市町村それから交通安全協会等々で既に14カ所ほどでレンタル、リサイクル事業が実施されております。それとともに一体となって県も支援しているという形でございます。それから、市町村の交通指導員の研修会を年に3回ほどやっておりますが、その中でもチャイルドシートの選び方と正しい装着方法、このような項目も取り入れまして指導者の養成にも力を入れていると。
 それから、今後でございますけれども、県の交通安全対策協議会という団体がございますが、その中で普及促進用のポスターの配布、それからこれは警察本部でございますけれども、少子化対策特例交付金、これを活用したパンフレット、こういうものもこれから作成配布というようなことにしてございます。
 今後におきましても、県内の市町村ともどもレンタル事業が促進されるよう努めてまいりたいと、こういうふうに考えております。

〇晴山環境保全課長 油事故の関係でございます。平成10年度はどうであったかということでございますが、10年度中には94件となってございます。この中で特に家庭でのホームタンクから油が流出したという事故が94件中の23件、4分の1ぐらいが家庭の事故となってございます。
 それから、10年度はどうかということでございますが、やはりこの油漏れ事故は10月以降、冬場の家庭の灯油の事故が多いということでございまして、例えば10年度でございますが、全体94件のうちの60件が10月以降の事故ということになってございます。今年度につきましてはまだ件数まで把握してございませんけれども、大体同じペースではないかというふうに考えております。

〇小野寺(好)委員 最初の方なんですけれども、レンタルとかリサイクル、こういった場合にほかの商品と違って一番心配するのは安全性なんですけれども、この点について特に心がけてやってきているような点がもしあればお伺いしたいと思います。
 あと、油の流出の関係なんですけれども、一たん起こってしまった場合に、いろいろ土木部とかあるいは建設省とかいろんな部門で対応するかと思うんですが、そういった部分で、こちらの生活環境部の方でできる有効な対策を1点くらいまずお伺いしたいと思います。

〇熊谷交通安全対策監 特にチャイルドシートの安全面にどのようにということでございますけれども、具体的にこのようなという県としての事業はございませんけれども、日本自動車連盟、JAFの関係の協力を得まして市町村等の講習などには安全装着、それからどういう面をチェックしたらいいかとか、どういうものが適しているかと、そのような助言を得るように紹介等をやっているところでございます。

〇晴山環境保全課長 先ほどの油漏れ事故の方でございます。安全対策ということでございますが、公共用水域の方で測定いたしております調査では、そういう深刻な影響は出ていないというふうに承知いたしておりますが、なお、先ほど申し上げましたように、家庭での事故がかなりの件数を占めているということでございますので、私どももいろんなPR、市町村あるいは県の広報等を通じましてPRしているところでございますけれども、これからもなお一層、PRに努めてまいりたいと考えております。

〇小野寺(好)委員 河川の方で人の健康の保護に関する環境基準、こういった部分についてどうなのか、もしデータとかがあれば。

〇晴山環境保全課長 昨年度の公共用水域の測定結果でございますが、基準をオーバーしたものはないというふうに承知しておりますので、そういう環境基準については守られていると考えております。

〇折居委員長 次に斉藤委員でありますが、斉藤委員に申し上げます。
 世話人会の申し合わせにより、当該常任委員はできるだけ御遠慮願うことになっております。ついては、短時間、簡潔に発言されるよう御協力をお願いして、斉藤委員。

〇斉藤委員 委員長の配慮にこたえて、一つに絞ってお聞かせいただきたいと思います。
 一般廃棄物のごみ減量問題でありますが、平成10年度のごみ減量化推進事業費は902万円と極めてわずかなものでありますが、この内容、そしてごみ減量の実績はどうだったでしょうか。
 ごみ減量の決め手は、ごみを出さない、リデュース、リサイクルでありますが、総合計画の目標を含めその推進方策はどうなっているでしょうか。
 政府は9月28日に、一般廃棄物は5%減、再生利用量は10%から24%へ、最終処分量は50%減という目標値を出しましたが、県の目標はこの政府との関係ではどうなっているでしょうか。
 分別回収は、減量効果が極めて大きいものでありますが、全国的には21分別とか13分別などで2割、3割の減量をしていますけれども、県内市町村はどうか。
 最後ですが、ごみの処理広域化方針について。ごみ処理の広域化とは、私はごみの減量に逆行するのではないか。大型焼却炉の建設は、建設費そして輸送コストなどを含めて経済的にも大変負担が大きいと指摘をされ、ロスも大きいと言われています。最近、厚生省の水道環境部長は、今まではダイオキシン対策ということで大型炉をつくるように言ってきたけれども、100トン以上というのはごみの減量と矛盾するのでやめますと、最近の政府交渉でこういう回答がありました。既に100トン以上の焼却炉を建設したところでは、かえって負担が大きい。さらに焼却灰、溶融炉施設も負担が大きくて、出るスラグの利用方法がないと、たまったままになっていると既に問題が指摘をされています。この広域化方針については見直すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

〇簗田廃棄物対策監 最初にごみ減量の実績はどうなっているかということでございますが、昭和60年、61年、63年とここは増加傾向にございました。その後平成4年ころから鈍化してまいりまして、非常にいい状態が続いていたんですが、平成8年、9年と、これダイオキシン対策ということで事業場あるいは自家処理分が市町村に持ち込まれるということで少し増加傾向にございます。
 次に、総合計画の目標ということでございますが、総合計画におきましては、22年度目標として1人1日当たりのごみ排出量が800グラム、これは家庭からは500グラム、それから事業所からは300グラムいうことで設定しておりますし、またリサイクル率については31.6%と設定しております。これをどのように推進していくかということでございますが、家庭であるいは事業所で分別収集できるごみにつきましては、20%カットを目標にしております。もう一つは集団回収、自治会やあるいはPTA、それから子供会等でやっております集団回収を積極的に進めリサイクルを推進すると。また、現在策定中でございますが減量化・リサイクルマニュアルというものを県内の各家庭に普及して推進してまいりたいと考えております。
 それから、政府の目標と比べてどうかということでございますが、一般廃棄物の──政府といいますか国の削減は5%、これ平成22年度目標800グラムは、5.6%となっておりますので上回っております。また、リサイクル率は国は24%に対して22年度設定は31.6%ということで、これも上回っております。
 なお、最終処分量50%カットということに対しましては、県では62%を目標に設定しているところでございます。
 それから、県内市町村の取組状況ということでございますが、容器包装リサイクル法という法律がございまして、この計画を策定している市町村は全市町村59策定しております。そのうちで資源ごみの回収を行っているところが57市町村、それから集団回収に助成している市町村が48市町村、さらに生ごみコンポストに補助しているところが36市町村ございます。順調にリサイクルに向けて市町村は取り組んでいるものと認識しております。
 それから、広域化方針についてでございますけれども、ごみ処理広域化計画は、こういったリサイクル関連法に伴う廃棄物の減量とそれから生ごみあるいは分別可能なごみの20%、2割を削減するということを考慮して広域化計画を策定したものでございます。この広域化計画の目的はもちろんダイオキシンの削減ということでございますが、2番目には減量化、リサイクルという目標がございます。これを県の総合計画の目標に合わせた形で広域化計画を策定しておりまして、逆行するものではないと考えておりますし、国の方におきましても計画を見直す予定はないと伺っておりますので、ただ、今後はいろいろ処理技術の進歩等、情勢の変化ということに対しては柔軟に対応してまいりたいと考えております。

〇阿部(富)委員 先ほど産業廃棄物の県外持ち込みについて御質問申し上げたところ承知しておらないということでありましたが、その後2時間以上も経過したわけでありますから調査されたと思いますけれども、その内容、結果についてお尋ねをいたします。

〇簗田廃棄物対策監 一関保健所の方に問い合わせて聞いてまいりました。委員が御指摘といいますか御質問されたのは、長倉にある最終処分場のことだとすれば、これは平成5年2月から産業廃棄物を埋め立て開始しているところでございまして、これは埼玉からのものが搬入されていた経緯がございます。その後、埼玉から入ってきたものに有機物質が混じったものが安定型の処分場に処分されていたということで、水質が少し悪化する懸念がありましたことから、この埼玉の業者の方に、そういったものを持ち込まないようにという搬入自粛の要請をいたしまして、6年の6月に一関保健所の方から改善命令を出しております。その後、この埼玉の業者の方からは、その命令に対して自粛するという回答が7年の1月にございまして、それ以降については持ち込み実績はないと。保健所の方でもこれは確認していると聞いております。

〇阿部(富)委員 最終処分場であれば産業廃棄物であっても持ち込むことについてはいいという、こういうふうな考え方をとっているということですか。

〇簗田廃棄物対策監 事前協議制をとっておりますのは、搬出者の方が県内にこういう廃棄物を持ち込みたいということで事前に協議をいただいております。これについては、最終処分とかあるいは焼却処理とかするようなものについてはうちの方ではお断り申し上げていまして、リサイクル、再生可能なものだけをその内容、例えば量とか性状とかあるいは受け入れ先が承諾するといいますか、うちではこういうのはリサイクルできるというものであるということを承諾するというようなことを、うちの方で確認した上で事前協議を認めているといいますか、そういう状態で認可しておりまして、焼却処分とかあるいは埋立処分とかというものが搬出者から事前にうちの方に問い合わせが来たものに対してはお断りをしているということでございます。

〇阿部(富)委員 断っているといっても現実には行われてきたわけですからね。この矛盾はどうするんですか。

〇簗田廃棄物対策監 この件につきましては事情といいますかありまして、ただ、この業者だとすればなんですけれども、処分場をつくるときに関東近県から大分借金をして処分場をつくったと。その借金を返せないために物を受け入れるということで借金を返すというような約束事ができていて、受けざるを得なかったというふうに聞いております。

〇阿部(富)委員 借金を支払うために受け入れざるを得なかったというのは、それは処分場をつくった側と持ち込む側の関係だと思うんですが、県の対応を私は聞いているんです。県は今までは、少なくとも要綱の中で産業廃棄物については持ち込む場合には事前協議で持ち込むということにしていると。しかも、それは埋め立てとか何とかという形ではなくて、原料として再生できるもの、そういうものに限ってだと、こういう言い方をしているわけですね。行政はそこに入り込む余地はなかったということですか。

〇簗田廃棄物対策監 この件につきましては、搬出者が持ち込むことについて県の方に事前に協議をしてこないと、それをうちの方では承知できないシステムといいますかそういうことになっておりまして、搬出側で黙ってといいますか、県の方に通知といいますか、こういうものを持ち込みたいという意思表示なしに持ち込まれることについては、今のルールといいますかチェック体制ではできないものでございます。

〇阿部(富)委員 そうしますと、全く県の廃棄物行政というのは成り立たなくなることになるんじゃないですか。持ち込みますよという申し出がなければチェックのしようがない、これではやっぱり私は矛盾すると思うんですけれども、どう考えるんですか。

〇村上生活環境部長 課長の方から申し上げておるところでございますけれども、現行の要綱がその辺に限界があるわけでございますが、例えばその対応として産廃Gメンとかそういうものを配置して監視に努めてまいりたいというふうに考えております。

〇阿部(富)委員 ちょっと私はその部分は納得できないんですよね。搬入しますよというものにしかチェック機能が働かないとなると、やっぱりこれからの産業廃棄物行政、県としての対応が全く空洞化されるといいますか、絵にかいたもちで実効性を上げることができない、こういうことになっていくだろうと思うんです。今、部長がおっしゃったように、いずれこれからの運用の仕方とすれば、産廃Gメンだとかそういうのを活用するとか、現にそれから持ち込まれている地域の方々は、一体どういうものが待ち込まれて埋め立てられているのか、こういう不安もある。しかも、場所は川の上にありますから、そこから下の方では水道水の取水もしている、こういう状況にもあるわけです。こういう不安もあるわけですから、私は持ち込むのが悪いとか何とかの以前の問題で、そういうのがあったとすれば、県の方でも立入検査をやることができるようなことになっていますよね。そういうことを定期的にきちっとやりこなしていただいて、安全性を確認するとかという、そういう手続が県としてしかるべきじゃないかということを私は考えているわけですけれども、その点についてはどのようにお考えなのか。

〇村上生活環境部長 ただいま委員御指摘のそういう情報がありますと、保健所の方で水質の検査とかそういうものをまず行います。疑わしい事実が出てまいりますと、例えば警察の方に連絡をとるとか、それから法律に基づく保健所の立入検査とか、そういうものが可能になってまいります。最初の委員のお話ですと、そういう事実があるというお話でございましたので、今後も一つ保健所の方に十分確認していただきまして、しかるべき対応はとってまいりたいと考えております。

〇折居委員長 ほかにありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇折居委員長 質疑がないようでありますので、生活環境部関係の質疑をこれで終わります。
 次に、保健福祉部長に保健福祉部関係の説明を求めます。

〇関山保健福祉部長 平成10年度の保健福祉部関係の決算について御説明申し上げます。
 平成10年度岩手県歳入歳出決算書の12ページをお開き願います。保健福祉部関係は、第3款民生費のうち2項生活文化費を除くものであり、平成9年度から平成10年度への繰越額1億9、350万928円を含めた予算現額は465億682万3、928円であり、その支出済額は429億6、184万円余、翌年度繰越額は31億1、673万7、000円余となっております。
 次に、第4款衛生費のうち当部関係は、1項公衆衛生費、3項保健所費、4項医薬費と2項環境衛生費の一部であり、その予算現額は181億2、499万2、000円、支出済額は180億5、632万3、000円余となっております。
 16ページをお開き願います。第13款諸支出金のうち当部関係は、1項公営企業貸付金及び3項公営企業負担金と2項公営企業出資金の一部であり、その予算現額は256億3、155万6、000円、支出済額は256億3、043万3、000円となっております。この結果、保健福祉部関係の平成10年度予算現額及び支出済額の総額は、予算現額で902億6、337万1、928円、支出済額で866億4、859万6、000円となるものであります。また、平成10年度から平成11年度への繰越額は5事業、31億1、673万7、443円となっております。
 以下、各項目ごとにその主なものにつきまして、便宜、平成10年度歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。
 なお、事業ごとの金額の読み上げにつきましては省略させていただき、主な事業の内容を中心に御説明申し上げますので御了承お願いいたします。
 歳入歳出決算事項別明細書の134ページをお開き願います。137ページにかけての第3款民生費1項社会福祉費1目社会福祉総務費は、本庁及び各地方振興局の人件費等の管理運営費がその主なものであります。136ページに参りまして、2目身体障害者福祉費は、在宅の重度心身障害者及び障害児に対する特別障害者手当等の支給費、市町村が実施する重度心身障害者及び障害児の医療費助成事業に対する経費の補助がその主なものであります。次に、138ページにかけての3目精神薄弱者福祉費は、精神薄弱者援護施設への入所委託等を行う精神薄弱者更生援護費がその主なものであります。138ページに参りまして4目老人福祉費は、特別養護老人ホーム等の施設整備に要する経費に対して補助した老人福祉施設整備費がその主なものであります。
 なお、139ページの繰越明許費29億5、655万6、182円は、老人福祉施設整備費において、国の第3次補正に伴う計画調整によるものが24億1、997万4、931円でありまた、用地交渉が難航したことや着工に当たり土質を調査した結果、地中に過去の構造物等があることが判明し、基礎工法を見直す必要性が生じたことから、その検討に不測の日数を要したため年度内完成が困難となり、施設整備に対する補助金を繰り越したものが1億258万1、251円、さらに介護保険関連サービス基盤整備事業において、国の第3次補正に伴う計画調整により、基盤整備費に対する補助金4億3、400万円を繰り越したものであります。
 140ページにかけての5目遺家族等援護費は、戦傷病者戦没者遺家族等への援護費がその主なものであります。次に、140ページに参りまして6目国民健康保険指導費は、市町村の国保財政基盤の安定確保等に要する経費に対して補助した国民健康保険事業安定化推進費がその主なものであります。142ページにかけての7目婦人保護費は、婦人保護施設への入所保護委託費がその主なものであります。142ページに参りまして8目社会福祉施設費は、中山の園等の社会福祉施設の管理運営に要した経費がその主なものであります。9目老人福祉施設費は、養護老人ホーム松寿荘の管理運営に要した経費であります。
 次に、少しページを飛びまして146ページをお開きお願いいたします。148ページにかけての3項児童福祉費1目児童福祉総務費は、保育需要の多様化に対応した保育活動を行うことを助長する特別保育事業費がその主なものであります。
 なお、147ページの繰越明許費1億5、290万5、811円は、すこやか子どもランド──仮称でございます──の整備事業において、基本設計の見直しに不測の日数を要したことから年度内の完了が困難となり、委託料1億2、720万1、000円及び149ページに参りまして児童福祉施設整備費補助において、用地交渉の難航等で設計に不測の日数を要したことから年度内の完了が困難となり、補助金2、570万4、811円を繰り越したものであります。
 148ページに参りまして2目児童措置費は、児童養護施設等の児童福祉施設に児童を措置した経費がその主なものであります。3目母子福祉費は、父と生計を同じくしていない児童を養育する家庭の安定と自立の促進を図る児童扶養手当支給費がその主なものでございます。150ページに参りまして4目児童福祉施設費は、都南の園等の児童福祉施設の管理運営に要した経費であります。
 次に、152ページにかけての4項生活保護費1目生活保護総務費は、生活保護の運営等に要した生活保護給付事務費がその主なものでございます。152ページに参りまして2目扶助費は、生活保護世帯に対する生活扶助、医療扶助等に要した経費がその主なものであります。3目生活保護施設費は、好地荘及び松山荘の管理運営に要した経費であります。
 5項災害救助費1目救助費は、災害救助法による救助に要する費用の財源に充てるための災害救助基金への積み立てに要した経費がその主なものであります。
 次に、154ページにかけての第4款衛生費1項公衆衛生費1目公衆衛生総務費は、衛生研究所等の人件費等の管理運営費、妊婦・乳児の健康診断等の実施に要した母子保健対策費がその主なものであります。154ページに参りまして2目結核対策費は、結核予防の健康診断、予防接種及び医療費の給付に要した経費がその主なものであります。156ページにかけての3目予防費は、ベーチェット病、パーキンソン病等の特定疾患に係る医療費の給付等に要した経費がその主なものであります。156ページに参りまして4目精神保健費は、精神障害者の医療費の給付等に要した精神障害者入院等措置費がその主なものであります。158ページにかけての5目衛生研究所費は、衛生研究所の管理運営に要した経費であります。158ページに参りまして6目老人保健費は、市町村の老人保健法に基づく医療給付費及び保健事業費に対して、一部負担等に対する老人保健対策費がその主なものであります。
 次に、160ページにかけての2項環境衛生費のうち当部に関係する160ページの2目食品衛生指導費は、と畜検査等の実施に要した乳肉衛生指導取締費がその主なものであります。
 少し飛びまして164ページをお開きお願いいたします。166ページにかけての3項保健所費1目保健所費は、保健所の人件費等の管理運営費、久慈保健所の建設に要した施設整備費がその主なものであります。
 166ページに参りまして4項医薬費1目医薬総務費は、本庁及び衛生学院の人件費等の管理運営費がその主なものであります。168ページにかけての2目医務費は、休日夜間の初期救急医療、2次及び3次救急医療の確保のための救急医療対策費及びいわてリハビリテーションセンターの管理運営費がその主なものであります。168ページに参りまして3目保健婦等指導管理費は、民間立看護婦等養成所の運営費に対する補助等に要した保健婦等指導費、県立保健婦等養成所の管理運営等に要した保健婦等養成費がその主なものであります。170ページに参りまして4目薬務費は、献血協力者用の報奨品の購入に対する補助等に要した血液事業推進対策費がその主なものであります。
 次に、ページを少し飛んでいただきまして306ページをお開きお願いいたします。第13款諸支出金1項公営企業貸付金1目公営企業貸付金は、県立病院等事業会計運営資金の貸付金であります。
 2項公営企業出資金1目公営企業出資金のうち当部関係は、県立病院等事業会計への出資金であります。
 3項公営企業負担金1目公営企業負担金は、県立病院等事業会計への負担金であります。
 以上で、一般会計の御説明を終わります。
 引き続き特別会計について御説明申し上げます。
 324ページをお開き願います。これは、327ページにかけての母子寡婦福祉資金特別会計の決算状況でありますが、歳入総額は4億7、752万8、016円であり、その主なものは一般会計からの繰入金、前年度からの繰越金、諸収入の貸付金元利収入及び県債であります。
 327ページに参りまして歳出の支出済額3億6、486万9、529円は、母子世帯及び寡婦に対する修学資金、修業資金及び住宅資金等あわせて1、025件の貸し付けに要した経費等であります。
 以上で、保健福祉部関係の説明を終わります。よろしく御審議のほど、お願い申し上げます。

〇折居委員長 ただいまの説明に対し、質疑はありませんか。

〇佐藤(正)委員 委員長に申し上げますが、私は質問が3分なんです。答弁が30分なんです。そこで、同僚議員の菊池雄光委員には少し短くしろと言われているんですが、私は質問が3分なんです。ひとつ答弁の方を明快に、簡略にやるようにひとつ御指導をお願いいたします。

〇折居委員長 わかりました。

〇佐藤(正)委員 (続) まず、関山保健福祉部長、あなたは悪名の高い岡光と一緒になって平成10年でございますが、それ以前から福祉政策というものをつくってきたわけでございます。また、介護保険についても事実上の立案者でございますから、私はその責任というものは重いと思います。したがって、この岡光の悪名を払拭するためにもひとつ頑張ってほしいと、こう思っているわけです。
 まず第1番に聞きたいことは、なぜここに来ていわゆる特別対策、保険料はただ、慰労金支給などというものが入ってきたのかということです。
 一つは、今後絶対に地方自治体の一部負担はないのかということ。2番目、県では独自の現金支給は考えていないと、こう言っているが、知事は僻地で介護する家族に現金支給をすべきだと言っておりますが、ここは食い違いがありませんか。

〇関山保健福祉部長 まず、なぜ特別対策がとられたかとの御質問でございます。国において新たな介護保険制度が導入されるということで、国民の方々がなれるということでの配慮された措置というふうに認識しております。
 次に、今後、絶対に地方自治体への一部負担はないのかということであります。今回の特別対策については、まず二つ大きく分けてございますが、高齢者保険料対策そして医療保険者対策ということで一定の減額あるいは減免と、こういうような措置が講じられておりますが、これは全額国で賄われるということになっております。また、一方、家族介護支給対策あるいは低所得者の利用料、保険料ではなくて利用料の負担軽減、あるいは介護予防生活支援対策については国2分の1、県4分の1、市町村4分の1を賄うということなっております。さらに、今後新たに対策を講じられた場合、地方自治体の負担はどうかということにつきましては、まだそういった対策はどういう対策かということもございますので、これは今の段階では何とも言えないということであります。
 次に、現金支給について知事の発言と食い違うのではないかという御質問でございます。これは知事が11月8日の記者会見でございますか、ここで現金支給について発言がされておりますが、いずれにつきましても過疎地域での介護サービスの提供が十分に行われるかを心配しての発言であるということでありまして、問題認識をあらわされている言葉だというふうに理解しております。私どもも同じ問題認識を持っておるということでありまして、県としましては介護を要する高齢者の方々が必要な介護サービスが受けられるよう、まず現物給付、現金給付ではなくて現物給付としての介護サービス基盤の整備に努めてまいりたいと、かように考えております。

〇佐藤(正)委員 部長、あなたが介護保険を立案したときには特別対策というのはなかったんだよね。そこを聞きたかったんだ。あなた責任者だから、そこが抜けている。これは全国版だ、あなたがつくったのだからね、その点がどうなっているか抜けている、答弁。
 さて、福祉の時代に入って最近スキャンダルが多い。私も福祉施設の関係者として非常に残念であり、また、寒心にたえません。先般、水沢の寿水会で理事長による2億数千万円の不正流用事件がございました。この施設では理事会も開いていなかったと聞いております。寿水会の現状と対策についてはどうなっておりますか。
 県内福祉施設で評議員会、理事会などを開いていない施設はあるんですか、ないんですか。何カ所ぐらいありますか。その施設の名前はどうなってますか。
 2番目、特養ホームには配置医師がおりますが、ホームでの治療は福祉事業として行われるものと承知をいたしております。この治療について入所者に請求しているところがあるということを聞いておりますが、事実ですか、あったならばその施設と医療機関をお示しください。
 3、福祉施設に入所している方から投書で、どこも悪くないのに病院に入れられたと苦情がございます。実際私のところに来ております。そういう事実がありますか。
 また、福祉施設の職員が、配置されている医師の病院に定期的に通院させたり、再診料を請求することができるのですか。このようなことが行われている施設、病院があったならばお示しください。
 それから、さきの厚生省の見解では、医療保険の支給は要介護認定が受給の条件にはないとしております。判断は市町村任せで自治体独自の判定方法を導入してもいいし、1次判定を利用していいとなると、同じ介護の状況、要介護4、5でも、隣り合わせの市町村によって支給を受けるところと受けないところが出てきます。この点についてはどうでしょうか。どのように指導するんですか。今までですと要介護5は月36万8、000円、あるいは35万円ぐらいのところもあるんですが、ヘルパー週5回、訪問看護2回、入浴1回、リハビリ1回サービスを受けられました。また、特養など約30万円で均等なサービスを受けられております。これが市町村の判断で年10万円の慰労金で済むとなれば全くこれは安上がりでございます。これでは家族が倒れてしまいます。本末転倒というのはこのことで、家族の介護では限界があるから介護保険が導入されたのではなかったでしょうか。これは関山部長の一つの介護が原点なんです。これはあなたがつくったときのね。ですから、お聞きしたいわけです。
 さらには、保険料の半年間徴収見送り期間中でも、市町村の判断で保険料の徴収ができることを政府は明らかにしておりますが、これでは県内市町村ばらばら、めちゃくちゃということになりませんか。県の指導はどうなっているんでしょうか。
 それから、認定漏れの対策として今予想されることは、山形市では、自立者に1回1、000円で生きがい対策、あるいはデイサービス事業を行う計画でございます。仙台市では、自立認定者の福祉サービスを新しく制度化しようとしております。福島県では、自立者への市町村の福祉事業に補助金を出すと、こういうふうに計画をされております。また、本県宮古市の市長は、要介護からは外れ自立認定の人たちでも、今までサービスを受けた人には一般財源を投入してまでも助けたいとしております。大変結構なことでございますが、行政的立場からどうなんでしょうか。この支給の財源はどうなっているんでしょうか。部長はこの介護保険は法案作成の時点で、各市町村のサービス競争を促し、よりよいサービスが受けられるように自治体の裁量に任せたのでしょうか。現在あるいは将来そこに住む住民が、自治体のやり方によってサービスを受けられない結果を承知の上でこの法律をつくったのでしょうか。この点について、一番日本じゅうで詳しい部長にお伺いします。

〇関山保健福祉部長 この介護保険法案の作成時における各市町村のサービス競争を促し、よりよいサービスが受けられるようにと、自治体の裁量に任せたのですかという御質問でございます。これにつきましては、地域特性に合った適切なサービスを提供できるように、住民に身近な行政主体として市町村を介護保険の保険者として位置づけたものであります。それにより自治体の裁量ということになるわけでありまして、またこの介護保険事業策定に当たりましては、住民参加ということで計画策定をすることになっており、いわば行政任せでなくて住民参加型の計画でもあり、適切な計画策定が可能ではないかということであります。ただし、計画をつくっても介護基盤整備の体制づくりというのが伴うのかということであります。したがって、私どもとしましては1町村でなかなか難しいということであるならば、介護保険事業全般にわたる、あるいは一部でもよろしいですが、広域的な取り組みを市町村間でおやりになっていただきたいということを、もう昨年来から必要に応じて各首長さんにじかに会い、あるいは必要なところにはじかに会って御説明に上がったわけであります。そのようなことをやり、言うことと、ただ、とりわけやはり介護基盤整備のつくりというのが大変ですので、市町村が介護事業者を誘致しやすいような仕組みづくりというのはやはり必要ではないかということで、今現在は事業者の団体をつくってそして育成を図りながら、そういう誘致もしやすいような仕組みづくりというものを今考え作業しているところであります。いずれにしましても、このような手法等によって適切に市町村が対応できるように、今後とも引き続き必要な支援をしてまいりたいと、かように考えております。
 また、その他の御質問につきましては地域福祉課長、長寿社会課長、介護保険システム整備監から御答弁させていただきます。

〇舘地域福祉課長 まず1点目の寿水会に係る現状と対策ということでございます。
 寿水会につきましては、先般、新聞等で報道されたような状況でございますので、私どもとしては一日も早い適正な法人運営になるようさまざまな指導を加えているところでございます。これまでもいろいろ改善指導などしてきたところでございますが、一部なかなか改善等が進んでいないということなどもございまして、先般、改善命令の事前というふうな形で弁明書の通知などを差し上げたところでございます。それらの状況を踏まえながら、さらに厳しい改善指導などを行っていきたいと考えております。
 それから、2点目の県内施設での評議員会、理事会の開催状況はどうなっているかということでございますが、社会福祉法人に対する指導監査につきましては、年1回開催しているところでございまして、平成10年度の指導監査におきまして、評議員会を設置している22法人中、評議員会を開催していない法人が1法人ございました。また、施設を経営している法人223法人中、理事会を開催していない法人が3法人ございました。なお、補正予算等の要議決事項の一部について理事会を開催していない法人が6法人あったことから、それぞれ適時適切に開催するよう指導しているところでございます。
 監査結果についてでございますが、情報公開条例第7条に示す非開示情報の2号、個人に関する情報でございます。それから3号、法人等に関する情報でございます。それから6号、事務事業に関する情報でございますが、これに該当するため情報非開示としているところでございます。特に第7条6号の解釈の中には、監査の事務にあっては、個別の情報を開示すると当該事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるものに該当するということでございまして、そのほとんどを情報非開示としているところでございます。このようなことから、法人名及び施設名については公表を差し控えさせていただくこととしております。

〇上野長寿社会課長 特養ホームの配置医師が施設内での治療費用を入所者に請求しているところがあると聞いたが、これは違法ではないかというお尋ねでございますけれども、特別養護老人ホームの配置医師が入所者である患者を診療した際に、その診療報酬については初診料、再診料等は算定できないというふうなさまざまな規定はございますが、処置あるいは投薬等については算定できることとされておりますので、その本人負担分について入所者に請求することは違法ではないと考えております。
 それから、福祉施設入所者にどこも悪くないのに病院に入れられたという苦情があるが事実かというお尋ねでございますけれども、どこも悪くないのに入院させられたという苦情は、県本庁関係各課及び各地方振興局に照会しましたところ、寄せられていないということでございました。また、平成10年度に実施した老人福祉施設関係の指導監査におきましても、そのような事実は確認されてございませんです。
 それから、福祉施設の職員が配置されている医師の病院に定期的に通院させたり、再診料を請求できるのかというお尋ねでございますけれども、職員がもしも診療し請求したとすればこれは問題でございますけれども、施設入所者は配置医師の医学的管理のもとに置かれておりますので、配置医師の属する医療機関に通院してその診療を受けることは適当であると考えております。それから、配置医師の診療による診療につきましては、事故による負傷あるいは急病等の場合を除きまして再診料の請求はできないこととなっております。このようなできない再診療を請求している実情についてでございますけれども、市町村が診療報酬の請求内容を点検いたしまして、県におきまして市町村を対象とした老人医療事務指導監査を実施しておりますが、その中で市町村の点検が適切に行われていることを確認し必要な指導を行っているところでございます。平成10年度の指導監査におきましては、配置医師の診療に係る再診料を誤って請求していたものは7医療機関、22人分認められまして、これは過誤調整を指導しているところでございます。

〇六本木介護保険システム整備監 家族介護医療事業の対象者の選定方法についての指導についてのお尋ねでございますけれども、介護保険制度の趣旨からは、県としてはだれもが必要な介護サービスを利用できるように介護基盤の整備を進めることが重要であると考えております。しかしながら、現実として、もし介護サービスを利用できない、あるいは利用しない方があれば、市町村の判断で家族介護慰労事業を行うことになっております。その際の対象者の選定については、要介護認定を受けている者についてはその認定結果を活用することとされておりますが、要介護認定を受けていない者については、正式な要介護認定はしないまでも、基本的には要介護認定と同じような調査を行った上で対象者を選定することとされております。県といたしましては、対象者の選定について適切に対応するように、市町村を指導してまいりたいと考えております。
 次に、保険料を徴収しない期間における市町村判断での保険料の徴収ということでございますけれども、来年の4月から9月までの間については保険料の徴収は市町村の判断とされてはいるものの、保険料をもし徴収した場合には、その徴収した分について臨時特例交付金は市町村に交付されないこととされております。このことから県としては特別対策の趣旨及び内容について、県と市町村が住民に対して十分に説明し御理解をいただき、原則としてこの特別対策に基づいた方法で各市町村が円滑に介護保険制度を導入できるように支援してまいりたいと考えております。

〇上野長寿社会課長 お答えを一つ忘れておりましたんですが、宮古市長が、要介護から外れて自立認定の人たちでも今までどおりサービスを受けた人の中には、一般財源を投入してまでも授けたいとしていると、行政的立場はどうかと、支給財源はどうなっているかというお尋ねでございましたが、要介護認定で介護保険制度の対象外となる方々が安心して生活が送れますように、市町村が地域の実情に応じて介護予防員や生活支援サービスなどのサービスを行うことは、介護保険法の円滑な実施とともに重要なことだと考えております。このような介護予防、生活支援事業につきましては、生きがい対応型デイサービスなど既に実施されておりますけれども、国の平成12年度予算においてさらに大幅に拡充して予算措置される見通しでございまして、11月末にその事業内容が国から示されたところでございます。県といたしましては、このような国の補助事業等もできる限り利用する形で、各市町村が介護予防、生活支援事業の導入等によりまして、必要なサービスを市町村計画の中に位置づけて実施できるように、必要な支援を行ってまいる所存でございます。

〇佐藤(正)委員 やりとりするとこれは長くなるから──長くなるから簡単に言うんですが、部長、あなたがつくったときには介護保険には特別対策というのは入ってなかったんだよな。ところが、私の方の自民党の亀井静香さんとかいうのが横やり入れてしまってね、自民党も時々ああいうことをやるんだ、申しわけないけれども。あなたがつくったときはこれは入ってなかった、なぜこういうものができたかと、これ一つ答弁ない。
 それから、一つだけ聞きましょう、余り聞いてもしょうがないから。あなたはこういうことを言っている、どこかの新聞のコメントでね。自立でよかったと思われるような福祉政策をしたいと、こう言っているんだよね。ところが、今の自立がばらばらなんです。先ほど申し上げましたとおり山形、仙台、福島あるいは今御答弁の宮古、それぞれ自立のその考え方、対応が全然ばらばらだ。こういうことだとすると、県全体をまとめていかなければならないあなたの立場からすればどうするんだということ。まだ全体決まってないだろうけれども、どういうふうに指導していくか。隣のこっちの市とこっちの町は全然違う、あるいはまた、そっちへ行った市でもまた違ってくるわけだ、このように。こういうことでいいんですかと、場合によってはこれは移動していかなければならない。文京区のお受験なんていうのは移動して歩くんだそうだけれども、今度は介護保険のために、受けるために移動して歩かなければ、サービスのいいところに。そういう事態になりはしないかと思って心配するんだ。一つでいいから、認定漏れのあった、要するに自立について、あなたが言われるように自立でよかったなというサービス、岩手県ではどういうふうに受けられるのか。これを一つ伺いたい。
 それから、残念なことにこの社会福祉施設のスキャンダルが最近多いわけでございまして、非常に残念でございますが、どうでしょうか課長、今まで病院とか──ここは余り関係ない──社会福祉法人というと聖域になっていたわけだ。聖域になって余り手を入れない。だからこういうことが起きるんですよ。やっぱりきちんと監査をしてよく調べて、病院をやっておる経営者、病院長とか社会福祉法人をやっておられる方というのは地方では大体名士が多いんだ。だから名士が多いということは社会福祉協議会の会長をやっているとか、協議会の何かやっているわけだ。何となくあなた方も行きにくいんじゃないのか。私の関係するときはばんばん来て調べるくせにさ。私の何ぼ調べたって私はいいから。そういうことだからこういうこと起きると思うんです。寿水会もそうなんですよ。寿水会、水沢じゃ名士ですから、何となく行きにくい。こういう事件が起きてからいつもこういう問題ができるわけでございますから、やはり規則にのっとって遠慮なく、その監査も厳しく調べてそしてやっていかなかったならば、せっかくの福祉事業というものが非常に誤解を与える。そういう事態になりかねないわけでございますから、この点について、これからも厳しくおやりになるでしょうけれども、何か御見解があったら伺いたい。

〇関山保健福祉部長 先ほどの認定から外れた方々、いわゆる自立と言われておりますが、こういった方々が発想の転換として、自立になったから、認定審査から漏れてしまったから残念だというんでなくて、ここは一つの考え方の発想の転換で、自立になったことは社会参加もいろいろできるし、動き回れるし、これほどいいことはないと、こういう発想の転換が必要なんじゃないかと、こういうお話を申し上げたわけであります。したがって、こういうような体制づくりはどうやってつくるのかということで、まさに市町村で今おつくりになっていらっしゃる高齢者保健福祉計画というのがございます。ここの中でそれぞれの住民が持ち寄ってそして議論していただく。私は、必ずしも地域格差があるというのは、それは各市町村の取り組みの結果、努力の結果でありますので、それはいいと思っております。ただし、水準の低い市町村が出てくるとこれはだめだということであります。いずれにしても、その目的は自立の方々がそのまま自立でいらっしゃるような施策をどういうふうにやっていくかということが、個別、具体性のところが求められておりますので、現在、県におきましても高齢者保健福祉計画というのをつくっております。今ちょうど中間報告の段階ではございますが、そういった報告の中において、いわゆる自立者対策というのはどういうふうな姿でやっていいのか、やっていったらよろしいのかという一定の考え方のお示し、今現在させていただいてます。したがって、そういうものを各市町村においてもごらんになっていただいて、参考にして高齢者保健福祉計画を策定していただいていきたいと考えておる次第でございます。

〇佐藤(正)委員 もう語らないと思ったけれども一言、今、部長がおしゃったように自立でよかったと、これは事実なんだよね。ところが、先般の朝日新聞の調査を見ますと、89%、約90%の人が不安がっているんですよ。これは事実です。だから、ちょっとあなたと認識の違いがあるんじゃないの。89%の人が将来老後に対して不安、介護保険に対して不安が89%あるんですよ。だとすれば、自立でよかったと思う前に、自立になったらどうしようかと、デイサービスも受けられないじゃないかと、あるいは老人ホーム、施設からも追い出されるんじゃないかと。うちに行ってもうちではもう息子たちが夫婦とも共稼ぎだから、家に行ってもいるところもない、どこへ行ったらいいだろうかということで、これは山形、仙台、福島、あるいは皆さんがそういう対応、対策を考えているんでしょう。あなたの言うのは理想論なんだよ。自立でよかった。実際に現在そういう年寄りがそういう心境の中にどうしたらいいかと、こう言っているんですからね。そこらちょっと認識が違うんじゃないですか。いかがですか、それ。

〇関山保健福祉部長 認識でございますが、それはどうやって具体的に実施していくかということに尽きるわけであります。この実施の仕方も地域地域によって違ってまいります。したがって、私どもとしては、まず市町村において住民も参加して意見を反映した高齢者のこの保健福祉計画というのをお立てになっていただいて、そしてどういうふうに自立というものを具現化するか。あるいは健康づくり、生きがいづくりというのが自立に結びつくわけでありますが、そういったものをどのように具現化するかというのをやっていただきたい。そのメニューについては、もう既にことしの2月には、私ども通知等でこういうようなメニュがよろしいんではないかということもお話ししておりますし、その都度その都度、必要の都度その自立あるいは健康づくり、生きがいづくりにかかわるようなものを御提示させていただいております。材料は市町村に示させていただいてます。不安というものについては高齢者の方々お持ちだと思います。この不安というものについて我々としてできるのは、どういうようなメニューが皆さんに御提示できるか、あるいは提供できるか、ここら辺を情報をお示しさせていただくということが必要だと思っておりますから、そういったことで今後、御不安をお持ちということは、今後の将来設計をどう描いていくかということですから、その将来設計を描きやすいように、私どももそれらの高齢者の方々の生活を支えるために必要なメニューというのは、情報提示を積極的に進めさせていただきたいと思っております。

〇菊池(雄)委員 ただいま佐藤正春委員から社会福祉法人の指導監督について質問がございましたけれども、関連いたしまして今の寿水荘のその問題なんですが、県もいろいろ改善命令を出すとか法人運営の透明化を高めるための諸施策をやったと、こういうことですけれども、問題はこの寿水会というのはこれからどうなるのかということが問題だと私は思うんです。何かマスコミによると、いわゆる前理事長が運営費を不正に流用したというのはこの寿水会で2億円を超えていると。こういうことでこの2億円を新しい理事長あるいは理事会がこの前理事長から回収して運営をするということなようでございますが、しかしこの前理事長というのはマスコミの伝えるところによると、自己破産を申し立てていると、その他の債務の総額が4億7、000万円もあると。こういうことですから私はこの新しい理事長なり理事会というものは、この事業を運営するということはかなり難しいんじゃないだろうか、こういうふうに考えるんですが、しかしこの事業の中には特養などの施設も入っているわけです。したがって、これをもしこの法人が、寿水会ができなくなったと、こういう場合にはどうするんですか。

〇関山保健福祉部長 今現在、寿水会に対しましては、せんだって改善命令を今後出す予定を念頭に置いておりますので、その前の行政手続法に基づきます弁明というものをいただいてます。これは改善命令で出そうと考えている文面と同じ文面をあらかじめ寿水会に出させていただいて、それに対してどのように対応されるのかといったことなどを事前にお伺いし、そこできちっとされてないということであるならば、改善命令という行政処分を行わせていただくということであります。この中において私どもやはり今後の運営というのが大事だと思っておりますので、再建計画どうするんだというのを問いかけております。まずは社会福祉法人というやはりこういった法人の法人自治から言って独立したものでありますから、そういった法人の中できちっと今までの債権債務の関係を整理し明らかにし、その上で今後の再建計画どうなるのか。その際は利用者の処遇というものにも配慮しながらやっていただくというようなことも1項入れております。そういったことでまずはこの法人の考え方を明らかにしていただきたいということで、今これは待っているという状況であります。

〇菊池(雄)委員 部長にお尋ねしますけれども、今全国的に福祉法人の違法行為、国庫補助金の不正受給などが後を絶たない状態です。さっき佐藤正春委員からもお話ありましたように、厚生省の岡光前次官のかかわった彩グループなどという最たるものもございますけれども、1999年、ことし1年間で福祉法人の補助金不正受給などの司法事件でマスコミなんかで取り上げられたものを、私全国的に、これ1紙だけですけれども集めてみましたけれども、そうしましたら1月から11月までに59件あるんです。59の不正事件が、補助金の不正受給とかその他の不祥事件があると、こういうことなんです。これは私は大変重要な問題だと思うんです。しかし、考えてみますと、今、国も地方も政治改革とか行政改革とか言いまして、規制緩和とか民間移行と、こういうようなことをやって、福祉施設なんかもどんどん民間に移行させるというようなことを当たり前のようにやっているわけです。しかし、自由経済、市場経済の社会では経営はやはり利潤を追求すると、こういうことの原則があって、そのために経営者も効率を上げると、こういうことなんですね。しかし、私はその原則で、例えば特養とか精薄施設、こういうところに入っているいわば物言わぬ弱者、こういう方々が、例えば食事なんか何を食わせたって文句も言われない。場合によってはそういう経営で利潤を追求するためにいろんなことをやる可能性もある。ですから、私は少なくとも特養とか精薄施設とかといったようなものは、民間ではなくて公的機関がやるべきだということを前にも言ったことあるんですけれども、新しい部長、これに対する見解を述べていただきたいと思います。

〇関山保健福祉部長 たびたび発生しておりますこの社会福祉法人の不祥事と、このことはまことに遺憾なことであるというように考えておりまして、今後もその事案も踏まえて適正に私ども対処していきたいと思っております。そこで、社会福祉法人については、これは委員も御案内のとおり、社会福祉事業法の要件に合致あるいは満たしたものが出てまいります。そして、その要件、しかしながら要件を満たしたからといっていいのかということでありますが、ここでやはり必要なのは、今回の事案もそうだったように見ましたが、社会福祉法人の運営の透明性というところの問題だと思っております。利用者の方々が今後、今の介護保険制度でも措置制度から利用制度へ移る。それから、今現在議論されております社会福祉基礎構造改革の中において、社会福祉事業法等のおもしがございますが、それも措置制度から利用制度に移っていくということになってまいります。ここでやはり重要なのは、利用者が安心して施設を選べるということが必要になってまいりますので、選べるように社会福祉法人の運営の透明性を高めていくような方策について、今現在、部内に検討会を設けて検討しているところでございます。

〇佐々木(一)委員 当該委員でありますので、常任委員会と思いましたが、1点のみお伺いいたします。
 寿水会に関係しまして、入所者のお年寄りから前理事長がお金を借り入れていたとか、そういうさまざまな話を聞きますけれども、今回の監査でもちまして入所者の方々からそういうような報告なり、またはそういう苦情なり監査の段階でわかっているか、またその監査後にそういうお話が入所者の方からあるかどうか、これについて現在把握していることをお伺いしたいと思います。と申しますのは、実はその理事長はこの監査で指摘された後にそのお年寄りに対して、これが明らかになると返せるものも返せなくなるよということで、公言しないでほしいというようなことがあったようでありますが、この辺の事実について承知いたしているかお伺いします。

〇舘地域福祉課長 今の委員御指摘の点でございますけれども、入所者からの借り入れがあったというふうなことは初めてお伺いしたものでございまして、そのようなことは監査の時点では確認できなかったということでございます。

〇村上委員 保健福祉部長にお伺いしますが、御存じのようにふれあいランド岩手の建設用地に係る代替地について質問いたします。
 きのうも企画振興部の関係で同じ問題をお伺いしましたけれども、それは企画振興部は土地開発公社が中に入ってあっせんしたということもあって、そういうことでお伺いしました。部長には直接所管でありますのでこの問題について質問してまいりたいと、こう思います。
 県は、平成5年3月、ふれあいランド岩手の建設用地を提供した地権者の1人に対しまして、地権者の希望もあって代替地をあっせんし、あっせんを受けた同地権者は現在もその土地を所有しているわけです。実に1億円余の金額になるわけでございます。しかし、土地利用が規制されていることから、今日に至っても希望する事業用地としてそれを使用することができず地権者はすごく悩んでいる問題であります。御存じのことと存じます。この問題は平成7年2月の定例議会においてこの場において質問が出され、その早期解決について担当課にたびたび説明などを求めてきた経緯もあり、この場では詳細にはお聞きしません。おわかりのことと存じます。私はこのことについて昨年の12月の定例県議会の一般質問で、今後の県の対応について知事にお伺いをいたしました。知事は、引き続き地権者の御理解をいただけるよう誠意をもって最大限の努力をすると、こういう答弁をいただいたわけでありますが、それから今日まで1年を経過して今日に至っております。この問題について今日までどのような努力をされまして、地権者がどのように理解しておられるのか、まずその点についてお伺いをいたします。

〇関山保健福祉部長 お尋ねのふれあいランド岩手の代替地についてでございます。県におきましても昨年の12月議会におきまして知事の答弁に基づきまして、関係部局よりなる検討会を、これは定例部局の次長会及び庁内の企画担当者の検討会、実務的に行える検討、こういった会議等を数次にわたって開催してきております。さまざまな面からこの当該事案について現在研究をしているところでございまして、行政としてできる限りの範囲の中でどのような方策が検討できるのかということで、今現在作業を進めさせていただいているという状況でございます。

〇村上委員 部長にはそれぞれその後庁内で努力されているというようなのでありますが、1年たった今日でも何ら明るい見通しがないのが現状であります。この問題の解決のためにどの程度のめどで、どのように今後これを解決するためにしていくのか、その決意のほどをお伺いいたします。

〇関山保健福祉部長 委員お話がございましたように、かなり経緯のある話だということでございます。そういった経緯の話、それから今前提となっておりますさまざまな都市計画法による計画、農振法による、こういったさまざまな法規関係もございまして、したがってなかなか、いつまでだということは申し上げられませんが、しかしながら引き続き今後におきましても研究を重ねて、地権者の御理解をいただきますよう、誠意を持って取り組んでまいりたいと考えております。

〇谷藤委員 先ほどは介護保険並びに高齢者保健の質問を佐藤正春委員の方からなされたわけですけれども、私、逆にといいますか、少子化対策を初め、子育てにやさしい環境づくりという部分についてお聞かせをいただきたいと思うんですけれども、本県は子育てにやさしい環境づくり対策指針を策定して、そして多種多様な施策を講じてきておるわけですけれども、平成10年は総合的な取り組みの基礎資料を得るために、6、000人を対象とした意識調査を実施したということで聞いたように思いますが、私たしかこれは平成10年9月の一般質問の再質問のときにお答えをいただいたように記憶しておりますけれども、その結果はどうであったのか。また、今後その政策にどう生かしていこうとしているのかお伺いをしたいと思います。
 また、少子化対策を講じる上での課題は何なのかということ。これらについてお聞かせをいただきたいと思います。特に部長は子育て真っ最中の部長でございますから、その辺の体験を通じた中のものを含めながらお答えをいただければと思います。

〇関山保健福祉部長 まず、先ほど御指摘ございました岩手県子育てにやさしい環境づくり対策指針というものを平成7年3月に策定いたしました。これらに基づいて子育てのための相談とか、あるいは子育てと就労の両立支援とか、あるいは母子の保健医療対策とか、子育てをしやすい生活環境の整備とか、さらには子育てについての意識啓発の推進といったさまざまな施策を進めてまいったわけでありますが、さらに今後のこの少子化問題というものをより的確にとらえて対応していくために、平成10年度に岩手県の少子化に関する意識調査というものを行ったわけであります。この中においても少子化に対する意識というものについては、やはり既婚者の方でも理想としてお持ちになりたい子供の数と、それと現実にお持ちになられる子供の数というものに若干の乖離があったというようなことであり、そこには環境についてのお悩みというものがあったかと思っております。こういうことでそれぞれの子育てをする環境における問題点というものが、平成10年度に行いました意識調査で一定程度の傾向性のある状況が得られたんではないかと思っております。したがって、こういうようなデータに基づく事実と、そして今現在このために、子育てにやさしい環境づくり推進協議会という民間の方々の集まりがあります。こういった民間の方々の声もいただきながら、先ほどの平成7年につくりました岩手県子育てにやさしい環境づくり対策指針というものを、指針ということでなくて計画ということでもう、総論でなくて各論の実効性の高い施策はどういうのがあるのかということで、具体的な事柄について今現在その方策について検討させていただいているという状況であります。いずれにいたしましても、この少子化問題というものについては大変重要な問題でございますので、この具体的実効性が重要という認識の上で、各般の施策を一層総合的、計画的に推進していきたいと、かように思っております。

〇深田児童家庭課長 平成10年に実施しました岩手県少子化に関する意識調査の結果の概要について申し上げます。
 理想として幾つか抜き出して申し上げますと、現実に予定している子供と、そういうことを考えないで理想として持ちたい子供の数といいますものが、全国的にも乖離があるということになっていますが、岩手県でも大体全国平均と同じぐらいの乖離があり、やはり理想とするだけの子供──おおむね2.8人くらいということなんですが、予定としては2.2人ぐらいだろうなと県民の方々は思っているという状況でございました。なぜ理想より実際子供を持たないのかということについては、子供を育てることにお金がかかるという回答が圧倒的で、以下は、高年齢などから出産が難しい、それから育児の体力的負担が大きいといったような意識となっておりました。
 また、少子化といった問題全体に対する意識を聞きましたところ、出生率の低下は深刻な問題であると、やや問題であるというこの二つの回答を合わせますと、65%の方が出生率の低下は問題だという認識を持っていらっしゃるということがわかりました。一概に言えないという方が3割、好ましいという方は0.5%という形で少数であるということであります。これにつきまして行政が少子化に対してどう取り組んでほしいかという県民の方の意識でございますが、個人が望むだけ子供を持つこととか、それから結婚すること、そういったことを妨げている社会的要因を取り除く限りにおいて取り組むべきという方が6割、出生率が回復するように積極的に取り組んでほしいというのが26%程度と、行政はこの問題に取り組むべきでないというお答えは12%にとどまりました。
 また、未婚者の方に対する結婚の意識の話がございましたので、それを最後に申し上げますと、未婚者の方々でも、なるべく早く結婚したいという方が男性では約4割、女性で約3割と、いずれは結婚するつもりだが今はしたくないという方は男性4割、女性で5割ということで、これを差し引きまして、結婚したくないという未婚の方は男女とも1割程度という形でありまして、ふさわしい相手がいないとか、また結婚すると自由がなくなるとか、今は仕事や勉強がしたいとか、そういった理由を挙げて今は結婚したくないと、けれども全般として結婚する気のない方はごく少数、こういうような結果になりました。以上概要でございます。

〇谷藤委員 いずれいろんな理由が今述べられましたけれども、この急速な少子化に歯どめをかけるには総合的な施策が必要だろうと思いますけれども、いずれ結婚して子供を持つような、誘導策というのはあれですけれども、何かやっぱり思い切ったことを打って出ないとなかなか難しいんじゃないか。岩手の将来の活力の問題にもなりますしね。それから、やっぱり今は幾ら産めよふやせよと言ってもなかなかいかないと、これは国家存亡の危機にあるような重大な本当は問題だろうと思います。そういうことでこの子育ての経費の負担の軽減を図るとかを含めて、部局を越えてでも横断的にそうとう思い切ったことをやっていかないと、将来に、あのときやっておけばよかったなあというようなことにならないように、今の機会に思い切って取り組んでほしいなと思うわけです。
 それと、さっき行政は余り口出すことではないというような部分もありましたけれども、例えば今、盛岡市の医師会は、なかなかそれぞれ仕事が忙しかったりいろいろ出会いのきっかけがなかったりするわけですね。そういうことで、そういう出会いのきっかけをつくろうという意味で、これはある意味では結婚してその後順調に出産に結びつけば、少子化対策という意味では非常にそのきっかけをつくるということも大切なことだろうと思います。そういうことで庁内ではそういうふうな計画はないですか、部長が音頭をとって。

〇関山保健福祉部長 本当に少子化対策というのは、委員御指摘のように個別の議論というのが大変重要だと思っておりまして、まさに委員も日常実践されているかなということで大変尊敬申し上げている次第でございまして、今この少子化ということについての今の出会いの場づくりということも大変重要なことだと思っております。そういった御意見を承りながら、総合計画でもお話が出ております結いの心、子育て環境日本一という計画を今後さらに詰めていきたいと思っております。

〇谷藤委員 いずれまずいろんな方策を講じて、岩手の将来が明るい方向に行くように頑張っていただきたいと思います。
 次に、児童相談所にかかわる分ですけれども、非常に残念なことに児童の虐待問題等が多発してきておるわけですけれども、これらの近所の方々とか住民の方々の通報によってそれらが発見されるというような形も今非常に多いと思うんですけれども、それに向けての児童相談所の対応、特に親子の関係がゆがんでいるというか、そういう形の中から生まれてくる。学校に行っているときは親からは切り離されているんだけれども、戻ってきて親子の触れ合いがあった途端にそういう場面が起きているということになっていくとすれば、結局多いのは夜間、それから休日、そういう時間帯というか、そういう中でそういうことが残念ながら起きている場面があるんじゃないのかなと思ったりするんですね。そのときにそれら通報関係に即応できるような体制というのが、この岩手県ではどういうふうにとられているのかなと思うんです。

〇深田児童家庭課長 児童の虐待等の問題について、夜間・休日等の通報体制とかの整備ということについてでございますが、中央児童相談所におきまして、この虐待に限らず子育て関係全般の相談を受け付ける子ども・家庭テレフォンと申しますのを開設しておりまして、これが土・日、祝日も含めた毎日開設されておるというところでございます。これは電話開設時間は平日が8時半から午後6時、土・日、祝祭日ですと8時半から午後5時ということで、夜間の電話まではカバーしてないのが現状でございますが、中央児童相談所では子供を一時保護する施設を附置しております関係上、宿直が、まさに事務職ではなくて、子供を扱う児童福祉司の職員が宿直をしておるという場合が多いので、現在はきちっとした体制まではいってませんが、夜間の通報などにも対応できるようになっておるということでございます。引き続きその対応、体制の充実に努めていきたいと考えております。

〇谷藤委員 いずれ難しい時間帯にも確かにあると思うんですけれども、子供たちの方は力の関係もあってとても抵抗できるような状況にないところで一方的にやられていくというのは、非常にかわいそうだなと思うんですね。そういうことでぜひそういう事態が早く発見できて、深いところにはまり込まないうちに何とか助けてあげたいものだなと思いますし、それから学校へ行ってはいじめに遭い、家に戻ってくれば親子であって今度は虐待されたんではこれは大変なことになるわけですので、それらのことのないように、そしてまた、あった場合でもいち早く対応できるように今後時間帯も研究していただいて、人的配置も検討していただきたいと要望して終わります。

〇折居委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
   午後3時 休 憩
 
   午後3時18分 再 開

〇上澤副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 5時を目途に御協力をお願いいたします。

〇阿部(静)委員 明細書141ページの7目婦人保護費にかかわる部分で質問をいたします。
 まず第1に、婦人という呼称がここにいまだ残っているということは、なぜここには婦人なのでしょうか。
 それから続きまして、このとおり呼称します。婦人相談所一時保護、婦人保護施設入所保護、婦人保護施設退所者自立生活援助事業、この対象者及び事業内容についてお知らせください。

〇深田児童家庭課長 婦人保護事業の呼称とか婦人相談所の呼称につきましては、このように定められておりますので、そのまま使っているところでございます。
 婦人相談所の一時保護事業それから婦人保護施設入所保護の事業、それから婦人保護施設退所者自立促進援助事業の対象者と内容について御説明いたします。
 一時保護事業、一時保護の対象となりますのは、売春を行うおそれのある女性や家庭関係の破綻等の理由で家に帰れないなど、保護を要する女性ということでございます。平成10年度の一時保護を受けた女性につきましては、40名の方が保護を受けており、それからその保護を受けた方々が連れていた子供が33名ということとなっております。
 そして、一時保護の後に当面自立が難しい女性につきまして婦人保護施設へ収容し、入所保護ということになるものでございます。県の婦人保護施設に入所しておりますのが、平成10年度で10人となっております。また、これは千葉県にあります長期婦人保護施設に本県から4名の女性が入所しております。
 それから3番目、婦人保護施設退所者自立促進援助事業でございます。これは婦人保護施設を退所した方が、地域社会において自立した生活を営めるようにすることを目的に、生活援助指導員、これは婦人保護施設の中におるわけですが、これが婦人保護施設を退所した人を対象に、電話の相談に応じたり退所した方の家庭とかそれから職場に訪問しまして、必要な援助を行うというものでございます。平成10年度は、13名の施設退所者に対し援助を行ったものであります。
 それから、大変申しわけございません。一番最初の婦人保護施設の名称についてでございますが、売春防止法、法律上、婦人保護施設と名称が規定されているものでございます。

〇阿部(静)委員 売春防止法上、婦人という名称であると。国におきましても、行動計画の部分も、また、県にしても各自治体にしても、女性と呼称を変えているわけでございますが、この部分においてはそのような問題について考えてみようとかという動きはなかったのでございますか、それが一つでございます。
 それから、売春のおそれありという、だから保護をするのだというのが一時保護の部分のように私には聞こえました。それから家庭の事情等ということですが、一時というのはどのくらいの期間でございましょうか。それからまた、入所施設保護のその期間、この部分をお知らせいただきとうございますし、それでは私が考えていたのは、いわゆる今社会的に問題になっております暴力によるあるいは今の言葉で言えばストーカーなどの、それで保護をするのかなと思ったのですが、みずからが売春するおそれがあるので保護なのでございますか。

〇深田児童家庭課長 一時保護の平均的な日数ということですが、おおむね1カ月以内というのが大部分でございます。
 それから、長期の方の婦人保護施設の入所の期間でございますが、こちらにつきましては2年未満の方が7人に対しまして……。

〇上澤副委員長 それはいいです。

〇関山保健福祉部長 委員お尋ねの件、一時とはそれから入所期間、それから暴力等についてデータ的なものを今持ち合わせございませんので、後ほど御説明に上がりたいと、担当者を委員のもとに行かせていただきたいと思っております。
 先ほどの婦人保護という言葉については、これは売春防止法上、また、それに基づいて厚生事務次官通知などで婦人保護という名前が出ているということであります。これは県のレベルでなくて国上の問題として用語整理がなされると、それに基づいて私どもが対応させていただくということでございます。

〇阿部(静)委員 ただいま部長の方から個別に私に御説明ということでございますが、私はせっかくここで質問をしているのでございますから、皆さんにその実態をわかっていただかなければならないですので、何とかここで御説明をいただきとう存じます。

〇関山保健福祉部長 個別にというか、探すのに時間がかかるのではないかということで、そのようにお答えさせていただいたということでございますが、この審議の時間の中で私ども入手できるなら、その時間で御説明させていただきたいと思っています。

〇上澤副委員長 後ほど報告させます。

〇小野寺(好)委員 最初に児童福祉費の関係でございますけれども、少子化対策費としてもし使い道が緩められた交付金があった場合、どのように使われるか非常に興味のあるところですが、委員長にお許しをいただければ、さっきの少子化対策臨時特例交付金、これがどのように各市町村で使われているか、また、申請状況とかお知らせいただければと思います。お許しいただければ、ことしの分ですけれども。
 2点目ですが、母子福祉費の関係ですけれども、149ページに母子家庭等休養ホーム委託事業費がありますが、これは保健福祉部で発行しているガイドブックを見ますと、母子家庭に対してリフレッシュするために1泊の休養に対して1、600円が補助されると、こうなっているんですが、かつて1泊3、000円とか4、000円で泊まれた時代には有効だったかもしれませんが、現在のような宿泊費の状況の中で、この1、600円いただいてもちょっと大変じゃないかなと、こういう気がいたしますが、増額とかの手当が見込めるのか、あるいは見込めないとすれば、日帰りでも温泉とかホテルとかでリフレッシュできるようなそういった仕組みに直せるものかどうか、あわせて10年度に4、200万円を1、600円で割ると延べ2、600人くらいが使ったと電卓で出るわけですが、実際のところどうであったか、その実績をお伺いいたします。
 最後ですけれども、公衆衛生費の関係ですが、骨髄移植を補うものとして、私がかつて臍帯血移植の有効性を一般質問でお話しさせていただいたことがあるんですが、これについてその後県内ではどのような検討が加えられているか。
 先般の茨城県東海村での臨界事故の際に、そのうちの1人に対して臍帯血移植が行われたと、こういった実効性のあるものだということが広く知られたわけですけれども、仮に岩手県内で出産した方が、私の臍帯血をどうぞ使ってくださいと申し出をしようとした場合に、これができるのか。先ごろ発表されました各方面ごとのを見ますと、東北に、仙台あたりにできるのかなと思いましたらば東北はどこもなかったと、こういったことで、東北、特に私たち岩手県の場合はどうなるのか、お知らせいただければと思います。

〇深田児童家庭課長 少子化対策臨時特例交付金の申請状況についてまずお答えいたします。
 この事業は、国が地域における少子化対策の一層の普及促進、それから雇用、就業機会の創出に資することを目的として、今年度、単年度限りの臨時特例の措置として実施しておるものでございますが、まず、県の事業に対する交付額につきましては、岩手県は5、000万円が申請の上限ということで、上限の5、000万円を岩手県として申請しまして交付決定を受けております。事業としては、広報啓発関係として少子化啓発のテレビCMの作成とか、それから企業セミナーの開催等の事業に使うことになっております。それから、人材の育成関係ということで、地域で子育てに、個人として子育ての支援をしたりそれから子供を預かってくれたりして子育てサポーターと呼んでおりますが、こういったものを養成するための子育てに関する講習会の事業などを行うということとしております。
 それから市町村分でございますが、これにつきましては県下59市町村あわせまして国が定めました交付限度額が約20億円ということで、実際各市町村を合計しますと59市町村すべて申請しまして、申請額も約20億円余りということで、国の方での算定した額を活用する枠を非常に有効に活用しておるところでございます。そしてこの市町村事業は全体で310事業ということで、内容としましては、乳児受け入れ拡大を図るための保育所の増改築その他施設整備の事業や児童館、無認可保育施設それから放課後児童クラブ等への備品の助成等の事業、それからチャイルドシートのレンタル事業、それから市町村のエンゼルプランの策定等の事業、このようになっております。
 続きまして、母子家庭等休養ホーム事業についてでございます。単価が1人1回当たり1、600円ということで、予算が400万円、利用人員は2、500人の方に10年度利用しております。
 宿泊費全体の中で1、600円の補助というのは安くないかというお話ですが、このとおり安いのかもしれませんが、2、500人の方に活用していただいて母子家庭、父子家庭そして寡婦の方々の元気を回復し、その後のということに寄与しておるところでございますので、財政事情も厳しいこともあわせましてなかなか難しいところではありますが、御提言のありました1泊からその他の日帰りとかへの支給の拡大とかその他、支給の重点化とか、使用の状況を今後よく見た上でより有効性の高い事業にしていきたいと考えております。

〇宇佐美保健衛生課長 臍帯血移植の関連でございますが、まず、第1点の県内の出産した御婦人の臍帯血の採取、この件でございますが、これにつきましては、現在、この臍帯血のバンクといったようなものの関係で、国の方で日本臍帯血バンクネットワークというものを現在構築中でございます。そういったような関係で、県内で現在基準に合うような施設がないということでございますので、県内では現在採取は行われないということになります。
 それから、東北6県の設置状況でございますが、委員御指摘のように、東北6県で設置をしております県は今のところございません。ただ、厚生省の方からの情報によりますと、宮城県におきまして地元の大学病院などが中心となりまして、臍帯血のバンクの設立の準備が進められているというふうに聞いております。
 また、先ほど申し上げましたが、岩手の場合どうするのかということでございますが、現在、国におきまして昨年の7月、臍帯血移植検討会中間まとめというものを踏まえまして、本年の8月に全国的な見地から、公平かつ安全な臍帯血移植の推進を図るために、既存の8臍帯血バンクをメンバーとする日本臍帯血バンクネットワークを発足させております。今後、当該ネットワークを中心に適正な臍帯血の情報の共有あるいは管理、公開などの体制整備や臍帯血の採取、分離、検査及び保存の標準化等を図るとともに、移植を希望する者の9割以上に臍帯血を提供できるということで、5年間で2万個程度を目標とした基盤整備が進められているところでございます。こういった国が全国を一元的に標準化を図りながら進めているこの基盤整備のこういった動向を見守りながら本県では考えてまいりたいと思っております。

〇小野寺(好)委員 最後の臍帯血の部分なんですけれども、全国の状況と展望で岩手県の状況はわかりましたが、岩手県の今後の展望、何か明るい見通しがあるのかどうか、お願いします。

〇宇佐美保健衛生課長 本県の展望ということでございますが、現在のところ、昨年の3月に専門家の勉強会というのがございましたが、その中でも現在岩手医科大学が骨髄移植の移植医療機関ということで指定をされておりますが、そういったところを基盤にしながら本県の臍帯血、いわゆる国の動きに同調しながら進めていきたいと思っております。

〇上澤副委員長 次に斉藤委員でございますが、しかし当該常任委員でもございますので、簡潔にお願いをいたします。

〇斉藤委員 簡潔に、介護保険の問題に絞ってお聞きをします。
 介護基盤の整備、老人保健福祉施設整備費にかかわって、私は施設サービス必要数、平成10年度と12年度ではどうなるのか。
 一昨日の質問の答弁で、平成12年度は1万1、777人見込んでいるということになれば、特養ホーム、老人保健施設、療養型病床群はどれだけ新たに整備しなければならないか、このことをお聞きします。
 介護施設サービスの目標は、盛岡広域では平成12年から平成16年で122人減少します。盛岡市では97人減少します。介護保険になると、保険料を徴収して介護保険施設サービスは受けられないと。私はこの目標の設定自身が極めて低いし、高齢者が選択できない目標になっているんではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 訪問介護事業者の申請はまだ4件にとどまっているということですが、これはなぜでしょうか。本当に来年の4月まで間に合うんでしょうか。その見込みをはっきりと示していただきたい。
 保険料・利用料の減免について最後にお聞きしますが……。
   〔「議事進行について」と呼ぶ者あり〕

〇菊池(勲)委員 議会運営委員会でも議論になって、世話人会でも議論して、当該委員はできるだけ遠慮してくれと、できるだけ。部局ごとに全部そうだもの、さっきの部局もそうでしょう。これを黙って許すというのは何が世話人会なの。議運でもそういう話を決めてきたんだもの。それをどんどん、黙って許すということはどういうことなんですか、委員長、委員長の見解を求めます。

〇上澤副委員長 本音は同じですが、先ほどの委員長も許しているという、質疑を広くさせようという意思もあるでしょうからですが、次回からは十分気をつけるようにひとつお願いをしたいと。この辺で御了解をお願いしたいと思います。

〇菊池(勲)委員 1人会派とか1人の政党の委員だと、部局ごとに五つの常任委員会があるわけだから、自分の審査の入らない部局だとやむを得ないんだけれども、自分の入っている部局の審査ならば、その当該委員会で十分できるわけなんだよ。それを世話人会で申し合わせて決めているんだ。議運でもそれを認めているんですよ。私は議運の委員長をやっているんだけれども、そんなことをずっと通すから示しがつかないわけだ。委員長、委員長の権限だよ、これは。それでは示しつかない、これ、全然。何回も指名して何回もやるんだもの、こんなばかなことはない。

〇上澤副委員長 わかりました。今回だけにいたしますから、ひとつ御了解をお願いします。
 続けます。

〇斉藤委員 これで終わりますから。
 保険料・利用料の減免については、県自身が厚生省関係重点事項要望で保険料・利用料の負担軽減策を求めています。私は市町村が保険料・利用料を払えない方々に対して、特別の減免制度を行うことは可能だと全国的にもそういう実例がありますが、この点について保険料・利用料独自に減免制度をとった場合に、県はどういう態度をとるのか示していただきたい。県が国に求めている内容は、具体的にどういう内容でしょうか。

〇上野長寿社会課長 介護基盤の整備目標数でございますけれども、来年度の目標といたしまして特別養護老人ホームが346人分、それから老人保健施設が306人分、それから療養型病床群が522人分、これの合計が1、174人ということでございます。
 なお、この必要数を算定するに当たりましては、養護老人ホームの利用者の中で要介護と認定されている方々の分も含んでおりますので、実際の整備に当たってはこの方々がどういう介護施設に入所を希望されるのか、あるいはそのまま養護老人ホームにとどまる希望があるのか等を十分に検討しながら整備を進めてまいりたいと思っております。

〇六本木介護保険システム整備監 介護保険の準備状況の中で訪問介護事業の申請見込みでございますけれども、7月に県で調査をいたしましたところ、148事業者が指定申請を受けるとする意向を確認しておりまして、需要に見合う事業者が確保されるという見通しを持っております。申請のおくれにつきましては、実際のサービスの利用が来年の4月からであるということで、急ぐ必要はないというふうな判断があるものと思っておりますけれども、実際に4月からサービスを実施するためには、ケアプランの中に、介護サービス計画の中にそのサービスが位置づけられる必要がございますので、県といたしましては、ケアプランの作成が始められる1月までには指定申請をしていただくように、申請を急ぐように事業者等に指導をしているところでございます。
 それから、要介護分の18%の利用希望ということでございますけれども、これについて従来の訪問介護、ヘルパーの利用というのは家事援助を中心としたヘルパーの利用であったというふうに認識しております。今後につきましては、身体介護を中心とする介護の需要が伸びてくるということを見込んでおりますけれども、まだその点についての認識が浸透していないんではないかと考えております。各市町村におきましても、現在は18%と見込んでおりますけれども、今後はこのサービスについても普及して、どんどん年々ふえていくと見込みをしているものでございます。
 それから、訪問介護の利用者負担につきましては3%とするというような特別対策もありますし、それから高額介護サービス費による利用者負担の上限額がこれから決定されますので、そういったような状況を踏まえるとさらにサービスの需要がふえるということも見込まれますので、現在、各市町村の計画について精査するように県から指導しているところでございます。
 次に、保険料・利用料の減免についてですけれども、保険料の減免事由については、厚生省の準則によりまして市町村が条例で定めることとされております。この準則の中には、災害とか生計中心者の死亡というような中身になっているわけですけれども、この中身をどうするかということについては市町村の判断によりますが、介護保険制度の趣旨に照らしますと、市町村においては慎重に検討されるべきものと考えております。また、利用者負担の減免につきましては、減免の要件は省令で国が示しておりますので、この制度の中ではそれ以外の減免を市町村が独自に行うということはできないものと考えております。
 それから、県はこの保険料の減免とかあるいは利用者負担の減免についてどのように国に対して要請しているかということでございますけれども、低所得者の保険料や利用料の負担が高いためにサービスが十分利用できないといったようなことが起こらないように措置を行ってほしいということを、政府予算要望の中で要望を続けているものでございます。
   〔「議事進行について」と呼ぶ者あり〕

〇佐々木(俊)委員 今、当該委員の発言の問題が出ました。これはもう、古くて新しい課題であります。皆さんも御存じだと思うんですけれども、予算委員会とか決算委員会を、議長を除く全員でやっている県は全国でも数少ないです。ほとんどが10名か何名かで予算委員会をする、決算委員会をすると、こういうスタイルなんですが、何で岩手県は議長を除く全員でこういう決算委員会をやるかと。この趣旨は、たしか所属していない議員が自分の担当以外のことにもうほとんどノータッチだと、これでは県政を進めるにちょっと問題があると。よって、できるだけ幅広く議論に参加させる機会として予算委員会も全員、決算委員会も全員と、こういうことでやろうということでこうしてみんな集まっているわけです。そういう趣旨に基づきますと、当該委員が遠慮するのはもう当然のことなんです。もう、当該委員以外の方にできるだけ時間を割り振って論議をしていただくと、これがこの趣旨だと私は思うんですね。
 そこで、毎回委員会で世話人会を開いて遠慮しましょうというあいまいな結論を出すからこういうことになるんです。もう、やめてくださいと。あなたは当該委員であって、しかも決算ですから、やってきたことでもう既に論議をしてきたでしょうと。だから、関係者以外に時間を割いてくださいと、こういうことからきちっとやらないならやらないと、そして議運でもそう決めているんだそうですから、やっぱりそういう筋を通さないと、せっかく今斉藤委員のように質問しようと思って用意してきた、あるいは通告しておって答弁しようとしていた。それが今ストップくっちゃったんですね。これだと、御本人に対しても気の毒だし、答弁しようとしている方も、せっかく何時間もかけて用意したのを発言が封じられた、こういうことでまずいので、きょうの委員会が終わった後でも世話人会を開いて、あしたからもうそれはなしだよと、きちっとこういうふうに委員長取り計らってください。(「一番古い議員が語るのだから。」と呼ぶ者あり)

〇上澤副委員長 そのとおりです。全く今議運の中で小委員会をつくって検討している事項でもありますから、そういうのをきちっと議運で精査をしたいと、こう思いますので御了解をお願いしたいと思います。
 阿部委員に対する報告が残っていますので、報告させます。

〇深田児童家庭課長 一時保護の対象者で売春と関係ない例がふえているのではないか、これはどうなるのかというお話でしたが、一時保護の対象者としては現実にも夫の暴力等によるものがふえており、そしてことしの4月の厚生省の通知によりまして、保護の対象となる女性の範囲として家庭関係の破壊、生活の困窮等正常な社会生活を営む上で困難な問題を有しており、かつ、その問題を解決すべき機関が他にないために、現に保護、援助を要する状態にあると認められる者というのが対象者として加えられたところでございます。
 それから、一時保護の期間について大部分の方1カ月以内と申しましたが、より詳しく申し上げますと、平均で7.2日ということに10年度はなっております。それから、婦人保護施設に入所している方の入所期間でございますが、10人の方のうち1年未満が3人、それから10年未満の方が1人、それから10年以上の方が6人という形で短期の方、長期の方と二極に分かれているという状況でございます。
   〔「議事進行について」と呼ぶ者あり〕

〇佐々木(俊)委員 さっきの件ですけれども、私聞き間違えたかどうか、今、議運で小委員会を開いているのでその結論が出てからという委員長の発言だったと思うんですが、そうですか。

〇上澤副委員長 その中で検討項目にも入っていると思っていましたから。

〇佐々木(俊)委員 (続) でしょうけれども、私は明日からの委員会でこれをやらないようにすべきだと、こういうように、世話人会というのがあるわけですから、きょうの夕刻でも開いてやったらどうですかという提案だったんです。どうします。

〇上澤副委員長 それでは、終了後に世話人会を開いてきちっとそれを精査しておきます。御了解願います。
 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇上澤副委員長 質疑がないようでありますので、保健福祉部の質疑をこれで終わります。
 次に、商工労働観光部長に商工労働観光部関係の説明を求めます。

〇合田商工労働観光部長 それでは、商工労働観光部関係の決算について御説明申し上げます。
 便宜、お手元の平成10年度歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。
 まず、170ページをお開き願います。第5款労働費でございますが、予算総額33億4、077万7、000円のうち、商工労働観光部関係は労働委員会費を除く31億7、993万5、000円で、その支出済額は31億7、165万円余となっております。
 以下、各項目ごとに御説明申し上げます。
 第1項労政費第1目労政総務費の支出済額2億4、368万円余は、中小企業集団福祉事業及び労使関係の安定促進などに要した経費であります。172ページをお開き願います。第2目労働教育費は、各種労働講座の開設などに要した経費であります。第3目労働福祉費の支出済額2億5、784万円余は、岩手労働金庫等に対する貸付金など労働福祉の促進に要した経費であります。第4目雇用促進費の支出済額2億5、189万円余は、雇用対策及び人材確保対策など、雇用の促進に要した経費であります。
 174ページをお開き願います。第2項職業訓練費第1目職業訓練総務費の支出済額9億436万円余は、認定職業訓練、技能向上対策及び職業能力開発推進などに要した経費であります。第2目職業訓練校費の支出済額15億1、126万円余は、174ページから177ページに記載しておりますが、県立産業技術短期大学校を初めとする公共職業能力開発校等の管理運営や施設整備及び技能労働者の技術向上訓練に要した経費であります。
 次に少し飛びまして、同じく事項別明細書の228ページをお開き願います。第7款商工費でございますが、予算総額は834億7、426万7、000円で、その支出済額は832億3、773万円余となっております。
 以下、各項目ごとに御説明を申し上げますと、第1項商工業費第1目商工総務費の支出済額29億6、237万円余は、昨年10月に開設いたしましたいわて銀河プラザの設置事業費及び財団法人岩手県高度技術振興協会に対するベンチャー企業への投資資金の貸し付けなどに要した経費であります。
 なお、いわて銀河プラザ設置事業費につきましては、平成11年度から総務部の所管になっておりますので、総務部での審査をお願いしているところであります。
 第2目中小企業振興費の支出済額700億4、800万円余は、230ページから233ページに記載しておりますが、商工指導団体等に対する助成、地場産業振興対策及び岩手ブランドの確立や県単融資制度等に基づく貸付金、並びに工業技術振興対策など、商工業の振興に要した経費であります。第3目企業立地対策費の支出済額48億9、171万円余は、工業立地の促進及び企業誘致活動に要した経費であります。第4目中小企業経営指導費の支出済額3億7、349万円余は、企業に対する診断指導、研修、情報提供など、中小企業の経営の安定とその向上に要した経費であります。次に、234ページに参りまして第5目貿易振興費は、海外見本市の参加並びに貿易振興団体に対する助成など、貿易振興に要した経費であります。第6目計量検定所費及び第7目工業技術センター費は、それぞれの管理運営に要した経費であります。次に、236ページに参りまして第8目大阪事務所費、第9目北海道事務所費、238ページに参りまして第10目名古屋事務所費、第11目福岡事務所費につきましては、平成11年度から総務部の所管になっておりますので、総務部での審査をお願いしているところでありますす。
 次に、240ページに参りまして第2項鉱業費第1目鉱業総務費は、鉱業関係業務の管理運営に要した経費であります。第2目鉱業振興費は、中小鉱山の探鉱事業に対する助成及び採石災害防止に係る貸付金など、鉱業の振興に要した経費であります。第3目鉱害対策費の支出済額8億7、445万円余は、旧松尾鉱山と湯田地区鉱山の鉱害発生源対策及び坑排水処理などの鉱害対策に要した経費であります。242ページに参りまして第4目銃砲火薬ガス等取締費は、火薬・高圧ガス等の取り締り、保安指導などに要した経費であります。
 第3項観光費第1目観光総務費の支出済額7億8、484万円余は、県外における観光キャンペーン、岩手山周辺の観光対策としての各種イベントの開催及び全国菓子大博覧会の開催などに要した経費であります。244ページに参りまして第2目観光施設費の支出済額12億1、601万円余は、観光地の環境整備の推進及び本年4月に開業いたしました陸前高田オートキャンプ場の整備などに要した経費であります。
 なお、翌年度繰り越した額が1億5、000万円計上されておりますが、これは、国の第3次補正予算に対応した岩手山麓エリア観光案内設備整備事業の実施に当たり、工事計画の調整などに相当の日数を要したため、事業費を平成11年度に繰り越したものであります。
 次に、少し飛びまして同じく事項別明細書の354ページをお開き願います。
 それでは、中小企業振興資金特別会計の決算について御説明申し上げます。
 この特別会計の予算総額は、356ページと358ページに記載しておりますが、歳入歳出それぞれ34億5、240万6、000円であります。
 まず、歳入につきましては、ちょっと戻りますけれども、354ページから357ページに記載しておりますが、収入済額が総額35億9、600万円余であり、その主なものは、一般会計からの繰入金、繰越金及び貸し付け先企業からの償還金等の諸収入であります。
 次に、歳出につきましては、356ページから359ページに記載しておりますが、支出済額の総額は23億2、394万円であります。
 第1款中小企業近代化資金貸付費第1項貸付費の支出済額22億9、498万円余は、中小企業設備近代化資金貸付金、高度化資金貸付金などの貸し付けに要した経費であります。
 第2項貸付事務費は、ただいまの貸付金の貸し付け及び回収に要した経費であります。
 以上で、商工労働観光部関係の決算についての説明を終わります。よろしく御審議をお願いいたします。

〇上澤副委員長 ただいまの説明に対し、質疑はありませんか。

〇伊藤委員 2点についてお伺いをいたします。
 まず1点は、岩手名工展という部分についてお伺いをいたします。
 これは県内の卓越業者を顕彰し、そしてさらにはこれを若い世代にも広めていこうと、こういう部分だと思っておりますけれども、この名工を指名するのは岩手県が指名をする。このことだけでも確かに名誉なことだと思いますけれども、これらを受けた形で例えば名工展などを開催する場合に、どうも県からの支援策がちょっと弱いんではないか、こういう部分があります。したがいまして、社団法人岩手県技能士会みずからが表彰状を出しているようでありますけれども、それはそれとしながらも、もっとグレードを高めるといいますか、顕彰するという意味からももっと支援策が欲しいと、こういう声も実はあるわけでありまして、それについて今後どのようにお取り組みをなさりながら、なおかつ県内の卓越技能者の地位向上という部分についてどう支援をしていくのか、これをお伺いいたしたいと思います。
 それからもう一つは、今回の総括でも聞いたんでありますが、企業誘致にかかわりまして宮古の藤原埠頭に11年度ですか1社進出をしたと、こういうことがあったわけであります。このことはずっとポートセールスを展開してきた中にあったものと思いまして評価をいたしますし、宮古にとっても大変いいことだと思っておりますが、ただ、その際の土地所有の価格が8年前に取得したところと大分違ってきたという部分があって不公平ではないかと、こういう意見も実はあるわけであります。8年前は1平米当たり2万円という単価だったようでありますが、今回は1平米当たり1万6、500円、こういうことでガクッと下がったと。この景気状況の中にありまして、どうしても地元の不公平感という部分が否めないんだと思っております。これについては港湾課に聞きましたところ、不動産鑑定士あるいは県の審議会等を通じてどうしてもこれは下がっているのでこれでいくしかないんだと、こういう御説明でありまして、これは納得をするしかないのかなと思っておりますが、ただ、この企業というのは実は合板会社でありまして、今度進出をする場所から直線距離にして1キロかそこらしか離れていない、実は実態は一緒の会社なんだと思っております。そういう中で進出、いわゆる企業誘致といいますか誘致企業扱いをしたということで多分減免制度あるいは優遇制度があるのではないか。したがって、先行取得をしていた人たちが、市内から同じくそこの新しい部分に工場展開などを図る際に、そういった優遇措置が仮にあったとしてそれが受けられなければ不公平ではないかと、こういう意見も実はあるのだろうと思います。したがいまして、同じ市内から同じ市内に移るとはいいながら、結果としては企業拡大は地元にとってはいいことなんでありますが、誘致企業として扱う扱わないにかかわらず、同じような支援をしていただきたいと、こういう声もあるんだと思いますが、そのことについて、例えばこれは市町村もかかるんだと思いますが、固定資産税の減免あるいは設備資金の利子補給等々、そういったことの中で支援策というものが誘致企業にかかわらずにあるのであれば、それは私たちは地元に対してしっかりした説明ができると、このように思っておりますのでお知らせをいただきたい、お願いをいたします。

〇合田商工労働観光部長 今、二つほどいただきましたけれども、第1の技能士の育成等につきまして私の方から、それから誘致企業につきましては勝部企業立地推進監の方から答弁させます。
 今、委員の方からお話がありましたとおり、産業振興、特に工業振興が推進するためには基礎的技術の育成が非常に重要であると考えております。しかしながら、昨今の少子・高齢化社会に向けまして若者の技能離れが非常に進んでおりますので、その技能者の不足あるいは熟練技能者の後継者難といういろんな問題を現在、課題を抱えているところであります。このようなことから、県といたしましては、物づくりの大切さを再認識し、技能の尊重をする機運の盛り上がりを図ろうと、そういうわけで、一つは技能評価の高い人に社会的に評価していただく岩手県卓越技能者表彰制度とかあるいは青年卓越技能表彰制度を実施しておりますし、さらに優れた技能、技術を持っている人を活用するために、技能士現場常駐制度を設けてさらに活用を図っているところであります。さらにまた、技能士の資質の向上、そういったものを図るために技能五輪全国大会、そしてまた若い人だけなんですが、技能グランプリ大会の選手の派遣、こういう形も県の方で支援しております。それから、青年技能士の育成事業について全体的に県内で1回、ことしは水沢でございましたけれども岩手技能フェスタというのを開催いたしまして、全体的にその技能関係の機運の醸成を図るということと、技能士の地位向上を図るために現在までも一応振興をしてまいりました。
 今後につきましても、先ほどお話しあったことも含めまして、関係団体と協議いたしまして積極的に対応してまいりたいと考えております。

〇勝部企業立地推進監 企業が立地した場合の優遇措置についてでございますが、まず、税制上の優遇措置につきましては、例えば農村地域工業等導入促進法でありますとか工業再配置促進法でありますとか、あるいは低開発地域工業開発促進法などによりまして、固定資産税でありますとか特別土地保有税などの地方税、それから減価償却の特例などの優遇措置がそれぞれの法律によって要件が定められておりまして、優遇措置としてあるわけでございます。
 宮古の藤原埠頭の場合は、それぞれの例えば工業立地法上の工場適地に地域指定されてございますし、あるいは低開発地域工業開発促進法の地域指定も受けてございます。あるいは都市計画法上の工業専用地域でもございまして、それぞれの優遇措置が定められてございます。これは誘致企業それから誘致企業以外の企業という区別がございませんで、それぞれの法律の条件に基づきまして定められてございます。
 それから、進出する企業の優遇制度につきましては、非常に企業誘致をする場合の大きな誘因となるものでございまして、これまで企業が進出するに際しまして例えば土地を購入する場合、造成する場合、あるいは工場を建設する場合、そういう場合にその要する経費、これを対象とした融資制度、岩手県工業立地促進資金、これらを初めとしてさまざまな制度の充実に努めてきているところでございます。
 地元の企業が進出した場合、移転した場合にもこの優遇制度が適用されるのかというお尋ねでございますが、誘致企業以外の既存の企業でございましても岩手県工業立地促進資金の場合、例えば工場立地法上の工場適地の区域あるいは都市計画法上の工業地域または工業専用地域、それらに進出される場合、工場を建設される場合、これは制度で適用されることになります。
 そのほか、あと市町村等で独自の制度等もございますが、非常に細かくなりますのでその分は説明を省略させていただきます。

〇伊藤委員 今の技能士制度にかかわりまして、技能士というのは労働省の管轄であります。ですけれども、建設省管轄の例えば1級施工管理技士とかあるいは設備士等々につきましては社会的地位がずっと高いんでありますけれども、労働省関係の技能士というのはまだまだ低いランクにあると、このように思っておりまして遺憾に思っております。西ドイツなんかではマイスター制度という大変にすばらしい制度があってやっているわけですが、これに追いつき追い越せという部分もあろうかと思いますけれども、いずれ今回の岩手の名工展などを大いに活用しながら、若いうちから腕に職をつけるという部分で成功した人たちをどんどん顕彰していただいてアピールをしていただきたい。
 例えば、ある寿司屋のおやじさんから聞いたんでありますが、15歳から寿司職人の道に入った方が、皮膚から技術、技能が入っていくので大成をしやすい、こういうことも言っております。高卒、大卒で入ると、どうも余分な知識があってなかなか入っていかない、こういう部分もあるようでありまして、やはりこういう部分に技能、卓越技能者、こういう部分が出てくるのだろうと思いますから、そういう部分もアピールしながらこの名工展、名工という部分をぜひこれからも大いに育てていただきたい、これをお願いしておきます。
 それから、勝部企業立地推進監にお伺いをいたしますが、あなたはずっと岩手県のポートセールスにもかかわってこられたわけでありまして、港湾活用型の企業誘致という部分には大変明るい方だと思っております。今もその部分は脈々と継続をしているものと思っておりますが、今現在、宮古を問わず岩手の沿岸の方に向きたいという、あるいは行ってもいいという、あるいは行きたいという、そういう企業がないものかどうか、今の見通し、今後の見通しについてひとつこの際お聞かせをいただければありがたいと思います。

〇勝部企業立地推進監 現在折衝中の企業、特に沿岸部の方に可能性はいかがなものかということでございますが、いかんせん、折衝中の企業も何社かございます。ただ、ここで企業名等を明らかにするわけにはいきませんものですからお許しいただきたいと思いますが、一生懸命歩いて誘致活動に頑張っているということでお許しいただきたいと思います。

〇佐藤(正)委員 それでは、3分間質問いたします。先般、県内屈指の鉄骨工事業、一関の畑瀬機工が営業停止、自己破産申請をしたと聞いております。年末資金の融資の行き詰まりであり、県にも資金融資の相談に行ったということを聞いておりますが、現状はどうですか。年末に来て解雇をされた従業員の生活等もございます。また、当面の救済措置について一つお伺いをいたします。
 畑瀬機工に見られるように、不景気による会社の倒産、リストラが多くなっておりますが、失業等給付金についての支給状況はどうでしょうか。かつて某団体が組織的に便乗して不適正支給を受けたことがございましたが、今回はそういう不適正な支給を受けた人がおりますか、おりませんか。いたら何人おりますか。
 また、特定求職者雇用開発助成金の支給の現状はどうなっておりますか。これもまた不適正な給付はなかったんでしょうか、あったんでしょうか。あればお知らせ願います。

〇合田商工労働観光部長 私の方から東北畑瀬機工の営業停止の状況について、それから特定求職者につきましては照井雇用保険課長から、失業等給付金につきましては職業安定課長から答弁させていただきます。
 まず、東北畑瀬機工の営業停止につきましては、昨日、関係する一関市を窓口にいたしまして、県の一関地方振興局とそれから一関の公共職業安定所、それから商工会議所の4機関が集まりまして、この自己破産関係につきましての情報確認をいたしますとともに、それぞれのセクションにおいて役割分担を決めまして、一関市が全体的な窓口、それから一関商工会議所が下請関係の把握、それから一関地方振興局が従業員等に対する貸し付け等の制度面について、それから職業安定所につきましては雇用開拓の面と、それぞれその役割分担に基づいて現在調査をしているところであります。
 県におきましての直接の対策といたしましては、まず第1に、ちょっと今事情が法律関係があやふやな関係でございますけれども、雇用の安定がまず第一だろうということで雇用関係の対策をやると。そういうわけで今その準備を一関の職業安定所を窓口として、その窓口の特別窓口を置く形の準備を今進めているところでございます。なお、そのほかにも関連倒産の防止の関係につきまして、倒産関連防止保証制度というのがございまして、その制度の適用になるかどうかということを関係機関からそれぞれ今調査を進めております。今のところ、直接会社の代表者と会うことができませんけれども、昨日うちの方の職員が直接代理人の弁護士さんの事務所に行きまして、債権者等のいろいろな情報を教えていただきたいという申し入れをしたところ、本日、電話で一方的でございましたけれども、当部の方にございまして、これから弁護士を窓口として調査等に対して対応していきたいということで、今調査をそれぞれの県の機関において対応しているところでございます。

〇照井雇用保険課長 不景気による会社の倒産、リストラが多くなってきておりますが、失業給付金についての支給状況はどうか、また某団体が組織的に不適正支給を受けたことがあったが、不適正な支給はなかったのかという質問でございます。
 御指摘のとおり、景気低迷の長期化によりまして有効求人倍率は連続して低水準に推移しておりますし、完全失業率も高水準にあるなど厳しい雇用・失業情勢が続いております。こうした中で本県の雇用保険の受給者、支給金額とも大幅に増加をいたしております。平成10年度の延べ受給者数で13万5、435人で、支給総額は172億439万円となっておりますが、これを前年度と比較してみますと、受給者数では2万5、354人の、23%、それから支給総額では34億4、000万円の、25.1%と大幅な増加になっております。
 次に、組織的な不正受給についてでございますけれども、現在までのところこのような事例は本県では発生しておりませんが、関西の一部地域において某団体が絡む日雇い労働求職者給付金で約800名の日雇い労働者を装った集団による不正受給が発生し、失業給付金8億円を超える不正受給があった事実を承知いたしております。本県におきましても適正給付に十分配慮した業務推進に心がけているところでございます。

〇野口職業安定課長 委員の、特定求職者雇用開発助成金の支給の現状はどうか、また不適正な給付がなかったのかというお尋ねございますけれども、特定求職者雇用開発助成金の支給の現状でございますが、本年度の支給の状況は、10月末現在1、927件、金額は5億2、800万円余となっており、前年同期比較で件数では653件、51.3%増、金額で1億4、500万円余、37.9%増となっております。
 不正給付はなかったのかというお尋ねですけれども、特定求職者雇用開発助成金の不適正給付につきましては、会計検査院が実地検査を行っております。県内での不正給付についてはありませんでした。今後とも支給事務につきましては適正を期し、不適正な給付がないよう各安定所を指導するとともに、事業主に対しても制度の趣旨の啓発に努めてまいります。

〇佐藤(正)委員 これはなかなか大変なことですね。ところで、不正受給者がないということですが、私の調査では9人、63万円ありますね。それから、特定求職者の雇用開発助成金、これ1社あるんですが、これは違いますか。

〇照井雇用保険課長 9名、63万円という不正受給は、これは個人的な不正受給でございます。これはどのような内容かと申しますと、就職年月日の虚偽の申告、それから就職していながら失業しておったという申告、これらによって個人的に不正受給をやった者がこのくらいの数ございます。

〇野口職業安定課長 特定求職者雇用開発助成金については、10年度そのような事実はございません。

〇佐藤(正)委員 先ほどの不正受給者というのは個人的だと、組織的ではないんだということになると、これは不正受給じゃなくて、要するに手続上の間違いであったと、こういうことなんですか。それから、私の調査では1事業所、約40万円というふうに調査が来ていますが、間違いないですね、これは。あなたさっきしゃっくりしながら答弁したけれども、大丈夫だろうな。

〇照井雇用保険課長 これは個人的、組織的なものではございませんで、個人で就職年月日を、例えば4月1日から就職しておったものを5月1日から就職したと言って、4月分の雇用保険を受給するといったようなたぐいのものでございます。

〇佐藤(正)委員 不正受給かどうかということを聞いているんだ。それだけでいいんだよ、返事は。

〇照井雇用保険課長 個人であっても不正受給でございます。

〇野口職業安定課長 今、委員の指摘でございますけれども、安定所を含めて今後調査してみたいと思います。その結果、また委員には御説明申し上げたいと思っております。

〇佐藤(正)委員 そうすると、不正受給ということですね。そういうことですね。そうしますと、この不正受給された方に対して、いろいろ事情あると思うんですよ、それは、会社がこういう景気ですから。しかし、法は法ですから、法律は法律ですからね。その不正受給された方々、事情はどうあろうにしろこの人たちに対してどういう対応、罰則があろうかと思うんですが、どういう対応をしたんですか。

〇照井雇用保険課長 不正受給をした受給者に対しては、その不正受給の内容によりまして倍額返還、あるいは同額返還という措置で債権を発生させまして、毎月あるいは1回にという形で回収をいたしております。

〇佐々木(一)委員 3点ありますが、時間が迫っていますので2回にわたってお尋ねします。
 まず、1点でありますが、研究開発工業団地についてでありますけれども、10年度どのような検討まで進まれたのかお伺いいたします。
 2点目であります。中小企業振興資金についてお尋ねします。
 この振興資金、平成10年度、前年度比20.7%の減少でありますが、この主な理由は何でしょうか。また、歳入のうち諸収入の収入未済額12億8、200万円余のうち、この内訳の中で大きいものについてお知らせをいただきたいと思います。
 それから歳出の中小企業近代化資金貸付費の不用額、これが11億2、800万円ありまして、前年度よりも32%増加しております。この状況をどう分析されているでしょうか。
 あわせて近代化資金、公社を通しての設備資金の利用先の分布は県内どのようになっていますでしょうかお知らせ願います。
 関連いたしまして、中小企業振興公社についてお尋ねをします。
 中小企業振興公社の主な業務とスタッフ体制は現在どのようになっていますでしょうか。
 設備貸与資金貸付費は当初5億9、000万円だったものが、9月に補正を1億6、700万円増額されておりますけれども、決算を見ますと3億2、800万円余の不用額ということになっています。これは公社の貸付金の減少でありますけれども、なぜその6カ月でこのように決算で大きく差が出るのでしょうか、その理由についてお尋ねをいたします。

〇合田商工労働観光部長 中小企業特別会計につきましての不用額について私の方から答弁させていただきまして、研究開発団地については工業振興課長、それ以外の特別会計につきましては商政課長と経営金融課長から答弁させます。
 中小企業の特別会計につきまして、当初の予算につきましてはそれぞれ前年度の実績に基づきまして予算を見積もって計上するわけでございますけれども、この制度は、ちょっと言葉で複雑なんですが、結論から申しますと制度的にこういうふうな形にならない、今から御説明いたしますけれども、そういう難しさがあります。特別会計の財源は当初は県と国の補助金なり一般財源からの繰り越しで特別会計を組んで、それを公社を通じて民間の企業に貸し付けるということでした。しかし、今は償還、つまり企業から返ってくる償還金とそれから不用額として残ったもの、この二つだけで予算を組んでいるわけです。この予算の繰越額は今の制度ではこれは需要がないから、この繰越額を翌年度の特別会計に繰り入れなくてもいいという制度にはなっていないわけです。つまり明らかに需要がなくてもこの不用額として残ったものは翌年度の特別会計に入れるというそういう制度になっているわけです。それですから、そのままにしておけばこういう設備関係が落ちた不景気の時代においては、それと合わない形の補正が9月に出てくるわけです。ですから、当初組むときには、例えば10年度は5億4、000万円で当初予算を組みました。しかし、前年度で不用額が出ました。そうしたらこの5億4、000万円に対して不用額を繰越額としてそこに入れなければならないから、自動的に4億7、000万円を9月補正して10億円になっていくわけです。そして、その10億円の関係で実際に施行したのは2億1、000万円しか実際のところありません。ですから、7億9、900万円が設備近代化資金では残ることになります。これはまたこの次の9月補正でいく。こういうのはこの二、三年続きましたので、現在の国会において補正でこの法律そのもの、中小企業近代化等助成金の、やはりちょっとおかしいと、委員御指摘のとおり、それでそれはある一定の繰り越しが来たらそれは下げて、それぞれ一番最初に援助した国とか県に返そうと、戻そうという制度改正が現在見込まれておりますので、来年、ことしすぐ行くか、来年どうなるかわかりませんけれども、一応そういう、2月になって繰り越しがぼんと来て実績とその予算計上が合わないという不都合は、将来的にはなくなるのかなと考えております。
 あと以下の方は、それぞれの担当課長の方から説明させます。

〇齊藤経営金融課長 お尋ねの近代化対応の分布ということでございますが、平成10年度の設備近代化資金の利用実績は40件になっております。それから、設備貸与資金については89件になっております。これらにつきましては各設備近代化資金は建設業等を中心にしまして、各業種、分野にわたって利用されております。さらに、設備貸与資金につきましても、機械金属工業とか、そういう分野、各般にわたりまして利用されているものでございますが、分布につきましては県内一円で利用されておるという状況でございます。
 次に、中小企業振興公社の組織でございますが、五つの課からなっておりまして、職員が28名となっております。この中でただいま申し上げましたような設備近代化資金につきましては県の事業ではありますけれども、一部委託し実施しておりますし、設備貸与資金については公社本来の事業として実施しているものでございます。そのほか下請、商工研修、その他の事業を実施しているところであります。

〇黒田工業振興課長 一関におきます研究開発工業団地の整備の昨年度の取り組み状況についてのお尋ねでございましたけれども、昨年度10年度におきましては、一関研究開発工業団地整備等調査委員会を設置いたしまして、産業支援機能、産業支援施設、あるいは産業集積の形成方策等について調査検討を行い、平成11年3月に検討結果の報告をいただいたところであります。なお、本年度につきましては当委員会からの報告、あるいは本年度から行っております地域企業に対する総合的な支援を行っていきます、いわゆる地域プラットフォームの構築などを踏まえまして、企業の立地誘導を進める仕組みのあり方などについて検討を行っているところであります。

〇佐々木(一)委員 それでは、2点目お尋ねいたしたいと思います。勤労者福祉推進事業の中の県単であります育児介護・休業者生活資金貸付金についてお尋ねします。
 これは少子化の問題が非常にあるわけでありますけれども、商工労働観光部の方にもお尋ねをさせていただきます。実施箇所が4カ所で、2、300万円の実績でありますけれども、この申し込み状況を平成10年度どう分析されてますでしょうか。
 次に、県内の事業所において育児休業、介護休業の取得者の状況を把握されてますでしょうかお尋ねいたします。
 もしおわかりであればこの休業取得後復帰した後の──企業に1回戻るわけでありますが──その後の離職率といいますか、在職年数についてもし把握されていればお知らせいただきたいというように思います。
 それから、県内の事業所で事業所内保育、こういうところがあればその状況についてお尋ねをしたいと思います。
 先ほど申しましたように少子化対策につきましては、いろいろ子育て支援ということでさまざまな政策がとられておりますけれども、現実やはり女性が職場進出が非常に多くなってきて、やっぱりその職場での応援というか、側面的支援というのは非常に必要かと思います。財政的な検討ばかりではなく、そういう企業側の支援策も必要と考えますけれども、商工労働部長の部として、県としてこういう少子化対策についてでき得る施策についてお考えがあればお尋ねをしておきたいと思います。

〇合田商工労働観光部長 商工労働観光部といたしまして、少子化対策の一つとしましては、女性が育児あるいは介護を含めまして働きやすいような形で、どういう育児のときにどういう形でやるかというそういう制度で、お互いに育児をする場合に託児所とか保育所じゃなくて、AさんというグループとBさんというグループがあって、こちらは子供を育てていいよという場合に、このBさんがその自宅にいわゆる保育を頼むと、あれはサポートセンターと言いますかね、そういう制度が一応今ありまして、県北の方で若干それらの検討をしております。そういう形で我々の所管するところは働く女性が中心になりますけれども、やはりそういう形で一つは育児の助けをしてやることが一つです。それから、二つは、休業している間、育児休業している間に生活費が25%か何かは保険で入ってきますけれども、それ以外はございませんので、それに対する貸付金も商工労働観光部では対応しているところであります。
 なお、そのほかの詳細につきましては、担当課長の方から答弁させていただきます。

〇千葉労政能力開発課長 今お尋ねのうち、育児介護休業者生活資金貸付金についてでございますけれども、今のところ今年度は申し込み、貸し付けた件数はゼロでございます。10年度におきましては4件ございました。
 それから、一たん復帰をした後さらにどの程度の就業継続されているかというような調査につきましては、そういう観点で調査したものはございませんので、今後調査するなり何か別な観点で調べたものがあれば後にお示ししたいと思います。
 それから、もう一つ事業所内保育所については、これについては存在していることは知ってますけれども、数的なものというのは手持ちにございませんので、後にまたこれもお調べをしましてお知らせしたいと思います。

〇佐々木(一)委員 これで最後です。ただいま実施箇所4カ所、2、300名の実績につきましてはこれは主要施策のものに出ておりましたので、この状況をどう分析されているのかという質問であります。今年度ゼロということでありますが、平成10年度のこの状況をどう分析されているかということをお尋ねいたしたわけであります。
 それから、今答弁ありましたけれども、企業内保育の状態なり先ほどの休業後の復帰並びに離職率、この辺につきましては非常に今後データとして私は必要かと思いますので、お調べになってわかればですが、もしない場合は積極的に調査をされた方が今後のためによろしいんじゃないかと思いますので、御提言しておきたいと思います。

〇千葉労政能力開発課長 先ほど申し上げました調査して、あるいは手元に数字がないものについては今後調査させていただきたいと思います。
 それから、貸し付けの実績の内容でございますけれども、制度的に育児介護・休業制度というものは制度的に存在しているわけですが、これが一たん休業いたしますと原則的には無給になりますものですから、その点で生活資金が必要ということから借りる、そういう目的でつくられているもので説明するまでもないことですけれども、やはり共稼ぎなんかしていれば何とか暮らせるということもあるんですけれども、1人の収入で休業せざるを得ないというような状況のような場合に、どうしても当面の生活に苦しむということで借りているというのが主な理由でございます。4件あったうちの個別の詳細については、ちょっと今手元にございません。

〇伊沢委員 職業能力開発の部分でお伺いをしたいと思います。
 平成10年度の予算の中にも5款2項、そして2目のところに職業訓練校費というのが盛り込まれているわけであります。広範にわたって聞きたいと思ったんですが、岩手県立産業技術短期大学校の部分でまずお伺いをしたいと思ってます。ここはたしか平成9年に開学をいたしまして、平成10年、昨年度最初の卒業生が出たんではないかなと思ってます。3年目で今3回生がいるというふうに了承をしているんですが、この産業技術短期大学校、いろいろ新しい分野を含めて専門スタッフもそろえて頑張ってこられたと思います。この3年間を振り返ってみて部長のところでどういう所感を持っているのかお伺いをしたいなと、通告はしてません。一言しゃべってください。
 それから、卒業生がことし出ているわけであります。現下の厳しい状況の中でこの3月に卒業された皆さんが、県内そして県外にどのような状況で、分類がなければ就職状況だけで結構ですので、どのような就職状況なのかお示しをいただきたい。
 また、あわせて、私も総括等々含めて就職状況を含めて雇用対策を聞いてきたわけでありますけれども、苦労して立ち上げてきたこの産業技術大学校、新しい技術を習得しながら県内の産業に寄与すると、こういう大きな目的があると思うんですが、来年度の就職状況も始まっているかと思います。ほかのところの高校、大学も含めて大変厳しい中だとは思うんですけれども、県立という部分で責任を持って言ってみれば就職活動もしなければならないということで、これらの就職状況についてもあわせてお伺いをしたいと思います。よろしくお願いします。

〇合田商工労働観光部長 産業技術短期大学校の所感でございますけれども、9年度設立いたしまして、ことしになりますけれども1期生の就職がありまして、全体で定員100名のうち当初一番最初の入学は100名を超していたんですけれども、その間に退学する者がふえまして、3名か4名やめて実際は97名ぐらいが卒業した形になっております。そのときの感想でございますが、一つは高校における先生たちのこの大学に対する内容のPRが少ないために、入ってから学生たちが自分が希望していたその内容と違うという、そういう一つのことがございましたので、ことし2年目からはそういうことがないように、職員一同で各学校に行きまして内容を説明して、ことしは100名定員のうち112名現在いまして、余りトラブルもないという形になっております。
 それから、二つ目は就職の関係ですが、去年はほとんど就職しております。ミスマッチと言いまして、女性が自分が就職したいという希望が余り強くて就職をしないことがありましたけれども、ほぼ100%就職しておりますので、そういう意味ではこの学校を評価していいのではないかと考えております。ことしの11年度の今の現在の関係ですが、先ほど申しました112名のうち68名が就職、今内定しております。昨年は64名ですけれども、分母になる数字が去年は97名で、今112名ですから内定率としては60.7%で、昨年度より──昨年度は73.8%だと思いましたけれども──若干低い形になっております。これもちょっと余分になりますけれども、大学の就職内定率、これは10月の末ですが、県内の大学は45.9%ぐらいかなと記憶しておりますけれども、それと比べるとうちの方の産業技術短期大学校の就職活動は、職員も一生懸命やっているけれども、いいのかなというふうに考えております。今後ともまだ残っている方がいますので、学生の希望を十分に聞きながら、就職委員会等学内で設置しておりますので、教職員一丸となって今後の就職活動で希望どおりいけるように頑張っていきたいと思っております。

〇伊沢委員 できて3年目ということで、これからが正念場だと思いますけれども、できるだけ御努力をお願いしたいと思います。
 あと1点追加でお伺いしたいんですが、今までの議論の中で、リストラを含めて多くの中高年者のいわゆる離職者がふえてきている。これまでもそういう離職者に対する新技術については、それぞれの地域である職業訓練校ですか、高等技術専門校等々でも頑張ってこられたと思うわけであります。詳しいデータ等とか数字は聞く覚えがありません。これらについて今後の基本的なお考えをお示しいただきたいと思います。

〇合田商工労働観光部長 今雇用関係全体につきまして県といたしまして力を入れているのは、中高年齢者の再雇用あるいは雇用、それと新学卒者の雇用、この二つを重点的に雇用関係の施策を展開しているところであります。中高年齢の関係につきましては、特にその中でリストラと申しますか、いわゆる非自発的失業者といいますか、その人たちを中心としていつもより多い形で職業関係の紹介をしておりますが、現実的にはまず雇用の安定のために、第1段階は雇用の維持安定のために、現在今雇用している企業に対して雇用調整給付金等を活用して、まず安定を図るということを第1にやっております。第2点目につきましては、これは職業訓練が必要な場合は、ことしは6月補正でお願いしたと思いますけれども、再訓練の形で専修学校3校について中高年齢、45歳から60満未満の非自発者を中心として職業訓練をいたしまして、そして新たな職場の方へ転換を図るというところが第2段目でございます。第3段目は、やや長期的になりますけれども、内発的な企業の創業とか商品開発とか、そういう新しい雇用に向けたいろいろな技術開発等に力を入れていると、これが大体今、力を入れている3段階の雇用対策でございます。

〇伊沢委員 今、夢県土いわて含めて新しい総合計画、やっぱり働き続けて暮らし続けられるというのが基本だと思うわけであります。そういった意味で商工労働観光部の皆さん、中小企業を含めたいろんな分野があるわけでありますけれども、ぜひとも頑張っていただくようお願い申し上げまして、要望いたしまして終わります。

〇斉藤委員 では最初に、商店街の振興施策についてお聞きをします。
 平成10年度の商工会連合会のアンテナショップ事業と、商店街等活性化先進事業として取り組まれた盛岡商工会議所宅配事業について、その実績を示していただきたい。平成11年度は盛岡商工会議所のアンテナショップ事業も実施をされているが、その実施も含めて示していただきたい。大型店進出のもとで商店街はいろいろ頑張っています。先進事業が定着するまでには引き続く事業の継続が必要と考えますがいかがでしょうか。定着してこそモデル事業として他の商店街への普及ができると思いますがいかがでしょうか。特に私は、肴町商店街がこの間、宅配事業、アンテナショップ事業に取り組んできた。私も実際に何度か見てまいりましたけれども、例えばアンテナショップは計画の1.5倍、そういう実績も上げています。ところが、今年度で切られるんではないか。平成13年度からいわば盛岡商工会議所の中心市街地活性化事業、これで13年度から店舗を買い取ってやりたいと意欲を持っているのに、1年間空白になったら大変だと、こういうことがありますので、私は実績を踏まえ、この事業への補助をぜひ継続していただきたい。
 二つ目に、中小企業対策決算についてお聞きをします。
 県内の中小企業が果たしている役割はどうなっているでしょうか。事業所数、事業従業員数、純生産額でそれぞれ示していただきたい。
 平成10年度決算に占める中小企業対策の決算額はどうなっているでしょうか。額と比率、金融対策を除いた場合も含めて示していただきたい。
 中小企業対策、商店街振興策を含め独自の県単事業を強化すべきだと思いますがいかがでしょうか。

〇合田商工労働観光部長 中小企業の決算については私の方から、それから商店街につきましては商政課長から答弁させます。
 まず、中小企業の決算状況でございますけれども、本県の中小企業は、これは総務庁の事業所統計を推計でまとめますと、建設業等を除きまして事業所数は5万6、458事業所、全体の99%、それから従業員数は34万4、930人で全体の79.5%を占めておりまして、本県経済の産業を牽引する原動力でないかと考えております。純生産額につきましては、直接ぴたっとした資料がございませんので第2次、第3次の産業の合計で申しますと3兆1、582億円となっておりまして、純生産額全体の94.8%を占めているところでございます。
 それから、商工関係の予算でございますけれども、都道府県の業務は大部分が中小企業関係の商工関係の予算でございますので、そのベースでお話ししますと、中小企業対策の一般会計ベースで東北平均を見てみますと7.2%になります。全体の決算額に対して7.2%、商工費の本県の場合は歳出に占める割合が9.0%といって、東北全体よりはやや高目の形になっております。それから、これを一般会計ベースの予算で見ますと、740億9、200万円、この商工費のうち、さらにちょっと若干精査して中小企業に特別あるものをピックアップして合計しますと、一般会計ベースでは740億9、200万円で、これは県の歳出全体に対して8%となります。その中で中小企業対策としては、大きく分けて金融対策とそれ以外の対策に分けますと、金融対策を除いた対策は77億3、700万円で、構成比が0.8%になるところであります。今までの県の決算あるいは予算につきましては、平成10年度は前年度に比べて39.1%の増、これは不況対策でいろいろ金融関係があるのでこういう形になると思いますが、東北全体の平均が27.4%、この面でも若干上回っている形になっております。金融を除いた対策につきましても、いろいろその年度によって大きな施設をつくったとかという特異な事情がありますので、それを除いて平成9年度と比較しますと10.9%、これは金融対策を除いた関係も10.8%となっておりまして、これも若干高い形になるのではないかと。このように中小企業関係につきましては、国の補助金を入れたり県単独事業というのも、先ほど申しましたそれ以外の数字の0.8%の金融対策以外、金融対策はほとんどこれ県単でございます。0.8%のうちで県単事業として、例えば10年度に始まった次世代マルチメディア技術利用促進モデル事業とか、商店街交流づくり事業とか、これは県単独ですが、大体3割その中に占めておりますので、今後ともこういう厳しい事情でありますので、中小企業対策について頑張っていきたいと思っております。

〇長葭商政課長 平成10年度の商工会連合会のアンテナショップ事業でございますけれども、商工会地区の特産品開発の成果の普及とか、あるいは販路の拡大のため、盛岡市肴町商店街の空き店舗におきまして、平成11年2月から3月にかけまして約1カ月間実施したものでございます。県内40地区から502品目を集めて5、160人の来客がございました。
 それから、平成10年度の盛岡商工会議所の宅配事業でございますが、これは肴町の商店街において実施されたものでございまして、消費者が商店街などで買い物をしました商品などを預かりまして宅配する事業、それから商店街がファクスを貸し出しいたしまして注文を受けて商品を宅配する事業ということでございまして、合計しまして2、200件の利用がございました。
 それから、平成11年度の盛岡商工会議所のアンテナショップ事業でございますが、平成10年度に引き続きまして、国・県の商店街等活性化先進事業費補助を用いまして実施されたものでございます。商店街の空き店舗対策、それからにぎわいの創出、県産品の販売促進などを目的といたしまして、肴町と大通の両商店街の空き店舗におきまして平成11年6月から約9カ月間の予定で現在実施しております。これまでのところ県内全域から約1、500品を集めまして、随時郷土芸能なども開催した結果、多くの消費者を集めてございます。ちなみに両商店街のアンテナショップの6月から11月までの購買客数でございますが、4万3、178人ということでございます。
 それから、先進事業の継続ということでございますけれども、来年度におきましても盛岡の肴町商店街振興組合あるいは大通商店街協同組合から、アンテナショップにつきましては商店街等活性化先進事業費補助による継続要望が出ているところでございます。しかしながら、この先進事業費補助は商店街活性化のためのモデルとなる事業を支援するということにしてございまして、他の地域からも大変たくさんの要望が出ておりまして、できるだけ各地の商店街を採択したいというように考えております。このため、同一事業、同一内容では複数年の継続を今のところ認めていないということ、それから肴町商店街に関しましては、この同補助事業によりまして既に2年間継続して事業を実施しているということで、当該事業によります平成12年度の継続補助は困難であろうというように考えております。

〇斉藤委員 今の商店街の話で、大変成果を上げているわけですね。平成10年度もやったけれども平成10年度は502品目で5、160人だったと、平成11年度は1、500品目にふえて既に4万3、178人、そしてこの商店街はこれは盛岡商工会議所のビジョンでも、平成13年からは今使っている店舗を買い上げて継続してやりたいと。私はその先進モデル事業というのはいわば認められた1年、2年だけやればいいということじゃないと思うんです。そこで継続できる成果を上げて、そうしてこそほかの商店街にも広がるんではないか。今本当にあと一歩のところなんです。そういう点ではぜひこれは考えて、やっぱりやる気のあるところで、継続したと、そうして初めてこういう経験が生きるわけだから、ぜひ何らかの形でこの対策はとっていただきたいし、県単事業でも私はやれるんじゃないか。そのことをひとつ検討していただきたい。
 あと部長から県内の中小企業の比率、事業所で99%、従業員数で79.5%、34万4、930人、ところがこの中小企業対策の予算ということになると、確かに東北の中では頑張っているかもしれないが、中小企業対策関連で一般歳出の8%です。金融対策を除くと0.8%です。私は岩手県の経済の中でこれだけ高い比重を占めて頑張っているこういう中小企業の方々に対して、岩手県の施策というのは残念ながら極めて弱い。これをやっぱり本当に2倍、3倍に高めていく必要があるのではないか。だから、今の商店街対策だって必要だと思ったら、国のモデル事業でやっぱり必要だと思ったら県単でも取り組んでいく、そういうことが必要ではないか。もう一度、中小企業対策の予算、今の地域経済を活性化させる、不況を打開するという点でも一番労働者を抱えているのは中小企業なんですから。40数万の労働者の中でこれで抱えているんです。そこにこれだけのわずかな予算措置でいいのか。そのことについてさらに頑張っていただきたい。いかがでしょうか。

〇合田商工労働観光部長 中小企業対策に関係する予算の確保について、これからも努力していきたいと思っております。

〇斉藤委員 これは最後です。次に、商工ローン対策と貸し渋り是正についてお聞きをします。
 商工ローンによる被害が全国的にも大きな社会経済問題となっています。商工ローンの顧客は全国では50万人から60万人と言われて、恐らく県内でもこの比率から見ると5、000件前後になるんではないか。県はこういう商工ローン、実態、被害者の相談、どうなっているかまずお聞きをしたい。これまでの県内の被害者の実態については、最近盛岡市、宮古市で被害者の会がつくられて、被害者救済の取り組みが強まっています。その内容を聞きますと、商工ローンは金利28%から40%、さらにシステム金融になると300%から700%、まじめに返済しても利息分も払えない状況に追い込まれる。払えなくなると保証人からの返済を強要する。これが商工ローンのやり口です。さらに保証人にも保証人の返済をさせるために融資をする。こうして商工ローンの高利の借金に苦しんで自殺するケースも、私が承知しているだけで県内、最近数件生まれています。既に被害者の会や弁護士の努力もあって、過払い請求や和解などで解決するケースも生まれていますが、私は県としてこの商工ローン被害についても積極的に年末の融資相談などで相談に応じるべきだ。そして、被害者の解決にも乗り出すべきだと思いますがいかがでしょうか。
 商工ローンの被害が広がっている背景には、金融機関による貸し渋り、信用保証協会の厳しい対応もあります。相談を聞きますと商工ローンに入り込んだきっかけの9割は、銀行による貸し渋り、融資の打ち切りです。今まで取引していたのに追加の運転資金が断られる。そして、一時しのぎで商工ローンを借りて深みにはまったケースが多いんです。それで、私は金融機関の融資改善について強く求めたい。政府の信用保証、これが目的がこうなってます。対象者の考え方、いわゆる貸し渋りを受けて資金調達に支障を来している中小企業、保証要件緩和の内容、上記対象者に対しては破産状態にある企業等一定の場合を除き原則的保証を承諾する。本来こういう制度として実施されているにもかかわらず、現場では銀行の貸し渋りと信用保証協会のこの条件以上の厳しい対応がされている。私はこれはもっと正確に信用保証の対象者、その条件緩和の趣旨を改めて銀行が利用者に徹底する。そして、今の貸し渋りの状況を打開すべきだと思いますがいかがでしょうか。

〇齊藤経営金融課長 ただいまの商工ローンの県内の顧客件数、あるいは被害者からの相談とかについてでございますが、現在問題となっておりますいわゆる商工ローン業者というものにつきましては定義がございませんで、私どもが所掌していますのは一般的には貸金業者ということになっております。ということで県は登録事務をやり、適正な対応のために立入検査とか業務報告を求めると、そういう対応をしているわけでございます。ただいま申し上げられましたような商工ローン業者については、私どもも国の登録業者の中でそういう問題が起きているやに聞いておりますが、国に照会いたしましてもそういう状況がなかなかつかめていないということでございまして、県としてもそういう状況が把握できない状況にございます。
 それから、相談につきましては、県におきましてはただいま問題になっているような脅迫的な違法な取り立てとかにつきましては、そういうような苦情については県に寄せられておらない状況にございます。
 次に、県としても積極的に相談に応ずるべきじゃないかということでございますが、県では平成10年の初めから中小企業対策特別相談窓口を設置しまして、随時、中小企業者からの相談を受け付けておるところでございます。特に今年度におきましても年末にかけまして資金需要が増加するということで、年末商工金融110番を設置いたしたところでございまして、その中で中小企業者の資金繰り相談、経営労働相談などに対応しているところであります。そういう中で今の問題につきましても相談対応しているところでございます。
 次に、金融機関の貸し渋りがあって、あるいは保証渋りがあってそういう問題につながっているのではないかということでございますが、現在、特別保証制度というものが金融の安定化ということで出ておるわけでございますが、これの保証条件に合えば、現在、金融機関、信用保証協会においてすべて応じておるところでございます。ただ、その中に例えば、高利から借りているということでもってそれを利用できないというものではなくて、多額に借り入れて早期解消が見込めないという場合には、やはり承諾が困難という場合もございます。
 それから、今後におきましては特別保証制度は金融環境の変化により、事業資金の円滑な調達に支障を来しているという中小企業者に対して、その事業資金を保証するということでございますので、この制度の目的に沿いまして利用されていくよう、関係機関と連携をとりながら制度の利用促進を一層強めてまいりたいと、そのように考えているところでございます。

〇斉藤委員 ぜひ商工ローンの相談も受けて立つという答弁ですからやっていただきたい。それで、商工ローンの定義はいいけど、日栄や商工ファンドやこういう利用が一番多いわけだから、それで日栄の元支店長が本を出して書いているけれども……。今、課長がネガティブリストの話をしました。私が言ったのは、この条件がそのとおりやられていないからなんですよ。サラ金に借金がある、商工ローンをちょっと使っていれば窓口でまともに対応されていないということがあるから、この信用保証制度の趣旨に沿って、多額で支払い見込みがない場合となっているわけでしょう。見込みも出してやっているときに県も相談してよくなった、信用保証協会抱えてよくなった、それが銀行でだめになる。こういうケースがあって、さっき私言ったように商工ローン被害者の9割はそういう貸し渋りを受けて商工ローンに手を出した人だということです。だから、改めてそこのことを、今大変深刻な状況なわけだから、その中でもやっぱり見込みのある業者はこのせっかくの制度で救済をすると、そういう点で再度私は年末に向けて徹底していただきたい。終わります。

〇佐々木(俊)委員 時間も過ぎましたのであれですけれども簡潔に、資料を渡されましたこの決算書に基づいて。昨今の景気動向に基づいて国でも相当の経済対策をする。我が県の商工労働観光部の方でもいろいろな対策を講じて、資料を見ますといわゆる貸付資金と言われるのが15種類で、総額600億円ぐらいの決算だと、こうなっておりまして、この努力のほどを高く評価します。まして今、斉藤委員おっしゃいましたように、年末でございますので手厚いひとつ対策をお願いしたいと思います。ただ、同じその貸し付けとはまた別に特別会計というのがございます。中小企業振興資金特別会計決算書が今手元にあるわけで、354ページ、これを見ましたところ、貸し付けておったお金、前年度貸し付けておったか、この年に貸し付けたかわかりませんけれども、収入未済額、つまり期日までに入らなかったお金12億8、000万円余り、貸付総額の約35%、こういうデータがここにあるわけですが、景況が景況ですのでいろいろと御都合のある方もあるでしょうが、この内訳はどういうものなんでしょうか。期日までにただ間に合わなかったとかその程度のものなのか。その内容、性質はどんなものでしょう。35%も未済ということになると、よその特別会計にもない高い数字ではないかと今気がつきましたので、これは通告しておりません。お答えを願います。

〇齊藤経営金融課長 ただいまの特別会計における延滞金でございますが、現在、平成10年度末で御案内のとおり12億8、300万円ほどになっておるわけでございます。これは9年度に比べますと比率で5.5%、金額で7、400万円ほど減少したということになっております。こういう状況でありますが、これらの状況はかなり以前に工業関係の構造改善事業が実施された際に、地場産業の構造改善ということで複数の業者が集まりまして、協同組合あるいは協業組合等を結成いたしまして高度化事業を実施したと、そういう事業でありますが、そういうことで生産性は高まるわけではありますが、それに対応しての販売が伴わなかったと、いろいろな経済的な変動もありますけれども、そういうことで過去にそういう多額に上ってきているということが一つございます。これらについては債権回収、いろいろ努力しているところでございますが、最近では商業関係におきまして、商店街の不振等を反映しまして商店街の近代化とか、そういうものに貸し付けた案件で延滞が発生したということでございまして、私どもといたしまして、現在、債権管理調査員とか職員を回収に派遣しております。10年度で延べ185回の訪問をやっておりまして、業績不振のところにつきましては、業績改善のために経営診断指導とかということで、中小企業協同組合等への指導をしたりしながら回収に努めているところですが、昨今の景気低迷も反映しまして、10年度は若干減りましたが多額に上っている。そういう状況でございます。

〇佐々木(俊)委員 いろいろ事情があるでございましょう。昨年よりは幾らか減ったとは言いながら、また努力はしておりますとは言いながら、やっぱりこれももとをただせば県民の税金でございまして、返す能力があるのにもしも返さない人があるとすれば、これはもう道義にもとるわけでございますし、またこの辺を私どもは監視監督もしなければいかぬ、ただくれたんじゃないんだよということをやっぱりきちっとしなければならぬと思いますし、債権確保についてもやっぱりきちっとしなければ、苦しい中でもまじめにやっている方もあるわけですから、不公平のないようにひとつ努力をしていただきたい、かように思います。ただ甘く出せばいいんだというものではないわけでありまして、企業努力があって初めて企業の振興があるわけですので、やっぱり返すものは返す、借りるものは借りるというような商工指導というものが私は基本になければ、先ほどのようにどんどん貸せばいいんだというわけにはいかぬと、こう思いますので、努力を期待しておきます。

〇船越委員 先ほど出ました宮古の誘致企業の関連でございますが、私、当時三、四百年の白砂青松の松原を、そして名漁場に企業誘致すべきかあるいは保存すべきかというところの、保存すべきの方の親分で私戦ったものですから、かつては有名だった、今は落ちぶれたけれども、そういったような関係で、その当時21社の企業が来ると。君たち漁民の次・三男が、雇用を吸収するからということで妥協したものでございます。そういったような貴重な埋立地でございます。ところが、21社はおろか先ほどので2社目である。二つ目である、21社どころの話じゃない。そうしたところが、その点で先ほど企業誘致しますよということで買った後、所有者が数年たっても立地しない場合にはこれは返すのか、どうなんだと。実は私のところにも、今度の誘致企業に対して何ぼか安くいったと。おれはこのぐらい買ったと、矛盾するんでないかと抗議の電話をもらったものですから、何、建てればいいこと、建てないでて、何、文句言っているんだぐらいにして私はうっちゃっといたんです、本当は。ところが、そういったようにどんどん次々と出てくるものであれば、それなら約束違反だから返していてからに新しくやる気の人に県の方では配布して企業立地させるべきではないかと私は思うんですが、この辺の見解はどういうことになっているのかお聞かせいただいて終わります。

〇勝部企業立地推進監 立地決定に至った後なかなか数年たっても操業開始に至っていないという例は幾つかございます。ただ、立地決定に至る段階で当該工業団地、その事業主体の方と土地売買の契約等を当然するわけでございますが、その中で例えば買い戻し特約とかいろいろな条項がございます。その土地売買契約の内容によって手続がされていくべきだと思うわけでございます。ただ、こういう厳しい状況下におきまして、最近、未操業の企業もあるのは事実でございますが、私どもといたしましては、そういう企業に対しましても立地した企業さんの事業のフォローという一環として、例えば本社の方に企業訪問させていただきまして、当該企業さんをめぐる業界動向でありますとかその企業の事業展開の計画等をお聞きしながら、情報収集に努めて、一日も早い立地場所における操業ができますよう、こちらとしても努力をしているところでございます。

〇上澤副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇上澤副委員長 それでは質疑がないようでありますので、商工労働観光部関係の質疑をこれで終わります。
 次に、地方労働委員会事務局長に地方労働委員会関係の説明を求めます。

〇菅原地方労働委員会事務局長 地方労働委員会関係の決算につきまして御説明を申し上げます。
 便宜、お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明を申し上げますので、176ページをお開き願います。第5款労働費のうち、3項労働委員会費が当委員会が所管するものでございます。予算総額1億6、084万2、000円に対し、支出済額は1億6、020万6、367円となっております。
 支出の内訳といたしましては、1目委員会費3、477万円余は、委員15名に対する報酬及び委員会運営に要した経費でございます。2目の事務局費1億2、542万円余は、事務局職員13名の人件費と事務局の管理運営に要した経費でございます。
 以上で、地方労働委員会関係の決算についての御説明を終わります。よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。

〇上澤副委員長 ただいまの説明に対し、質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇上澤副委員長 質疑がないようでありますので、地方労働委員会関係の質疑をこれで終わります。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後5時26分 散 会


前へ 次へ