平成11年12月定例会 第4回岩手県議会定例会会議録

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〇23番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 議案第12号、第25号、第28号、第29号から第34号、第35号、第38号に反対の討論を行います。
 議案第12号は、岩手県立学校設置条例の一部を改正する条例であります。これは、県立高等学校新整備計画案の初年度の計画に当たるものであります。来年度の県立高等学校再編成計画そのものを来年4月に実施しようとするものをその数カ月前に決めようとするものであり、その内容も含め、極めて場当たり的なものであります。釜石商業では3学科のすべてを、福岡工業では4学科のうち3学科を、北上農業でも3学科のうち2学科を廃止して改編しようとするものであります。新たな学科をつくっては消す学科の改編ではなく、それぞれの専門学科の基礎、基本を重視した授業内容の改善こそ必要ではないでしょうか。
 一方で、雫石高校のように、今年度学級増を実施したものの、1学級分の入学者がないにもかかわらず来年度も学級増を続けることは全く根拠がありません。久慈農林高校については、新整備計画案では来年度1学級改編される計画でしたが、見送られました。これは、新整備計画案に根拠がないことを示すものであります。
 生徒の減少を理由に10年間で18校90学級を削減し、当面5年間で17校を統廃合し、10校51学級を削減しようとする新整備計画案は、県内各地域から厳しい批判と見直しの声がかつてなく寄せられているものであります。県教育委員会自身が県民の理解を得られていない面があると認めている以上、県議会と県民の声を重く受けとめ、県民の理解が得られる計画案の抜本的見直しを行うべきであります。
 議案第25号は、1999年度岩手県一般会計補正予算であります。この中には、軽米町など県北部における大雨被害復旧対策として135億円が計上されるなど重要な内容のものがありますが、全体の特徴は、国の経済新生対策に追随した従来型の公共事業大盤振る舞いの541億7、000万円を中心とする総額654億円余のかつてない大型補正であります。政府は、これまで過去8回、経済対策の名のもとに64兆円に及ぶ公共事業の拡大を行ってきましたが、景気は回復するどころか一層深刻となっています。
 一方で、国と地方の借金は608兆円にまで膨らみ、深刻な財政危機、財政破綻の道を突き進んでいるのであります。今回の補正予算の内容も、米価が低落し、農業生産が縮小する一方で土地改良費に148億円余が計上されるなど、矛盾に満ちたものであります。整備新幹線の地元負担に新たに42億5、000万円が計上され、今年度分では222億円が支出されますが、県内企業の受注分はわずかに1.3%にとどまっています。不況対策と言うなら県民の暮らしと消費を拡大する施策が求められますが、その対策は何もありません。それどころか、県職員、教職員の期末手当を0.3カ月削減し、1人平均約10万円の減収、総額23億1、000万円の賃金カットを行うものとなっています。県職員には1人平均10時間のサービス残業を押しつける一方で、期末手当を約10万円も削減するやり方は到底認められるものではありません。これは不況を一層悪化させ、地域経済にもマイナスの効果をもたらすものであります。
 今回の補正では新たに308億円の県債を発行し、県債発行額は1、624億円余、県債残高はついに1兆1、569億円余となりました。これは、昨年2月に示された岩手県中期財政見通しはおろか、ことし10月に改めて出された中期財政見通し、今年度末県債残高1兆1、158億円をはるかに超えるものであります。破滅型の国の経済対策に追随するやり方は、増田知事自身が岩手県を悪くするというものではないでしょうか。
 以上が補正予算に反対する理由であります。
 議案第28号は、99年度岩手県県民ゴルフ場事業特別会計補正予算でありますが、その内容は、職員の期末手当をカットする委託料の削減であり、反対するものであります。
 議案第29号から34号までは、県建設事業に要する経費の一部を関係市町村に負担させるものであり、反対いたします。
 議案第35号と第38号は、県職員並びに市町村立学校職員の給与に関する条例の一部を改正するものですが、既に述べたように、戦後初めて公務員の賃金をマイナスとする重大なものであります。これは、労働基本権の代償措置としての人事委員会の役割を放棄するものでもあります。
 次に、請願受理番号第7号介護保険の緊急改善を求める請願の一部不採択について、反対の討論を行います。
 介護保険料と利用料の軽減を求める項目が採択とされたことは評価できますが、1万5、000円以下の低額年金者からも保険料を天引きし、身体的状況のみに偏った介護認定の改善を求める項目が不採択となったことは、県民の切実な願いに背を向けるものであります。平均4万2、000円程度の年金で生活している高齢者は全体の4割を占めますが、生活費と医療費を除いたら何も残らない状況であります。さらにそれ以下の年金者から保険料を天引きされたら、どうして生活ができるのでしょうか。
 また、現在の介護認定ソフト自体が在宅介護のデータが入っておらず、介護が必要な人ほど介護時間が短くなる、いわゆる逆転現象が80カ所もあると指摘されています。こうした改善こそ介護保険の大前提となるものであります。
 請願受理番号18号は、学童保育制度の充実のため岩手県すこやか保育プランを実効あるものにすることを求める請願であります。障害児受け入れ学童保育への助成実現は採択となりましたが、施設設備整備への助成や人件費助成は不採択となりました。施設設備への助成は既に11県では実施されており、県の整備目標が半分程度にとどまっている状況では必要な対策と考えるものであります。
 請願受理番号16号は、米の過剰分を主食用以外に処理するなどの検討をやめ、食料自給率引上げを求める請願であります。これが不採択となったことは、農民の切実な声に背を向けるものであります。今、農民は、3割を大幅に超える減反の拡大と米価の暴落のもとで、将来の見えない困難に直面しています。米価低落の最大の原因は、222万トンにも及ぶミニマムアクセス米の輸入であり、大商社、大スーパーによる買いたたきにあります。ところが政府は、農家の責任で豊作分はえさ米、飼料用に回すという驚くべきやり方を今年度から前倒しで実行するというのであります。今年度は作況指数が101の平年作ながら、全国で17万トン、岩手県分は1万トンを飼料用に回す方針であります。これは、県内では14億円から15億円の農家の負担となり、減収となるものであります。10ヘクタール規模の農家の場合は、約40万円の負担、減収となるものであります。こうしたやり方では大規模専業農家ほど打撃を受け、農業を続けようとする意欲を奪うものと言わねばなりません。こうした農民の願いを込めた請願を不採択とすることは、農業県岩手、県議会にとって極めて残念なことであります。
 以上申し述べまして私の反対討論といたします。御清聴ありがとうございました。
〇議長(山内隆文君) 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより、議案第12号、議案第25号、議案第28号から議案第35号まで、議案第38号及び請願陳情中、受理番号第7号、受理番号第18号を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(山内隆文君) 起立多数であります。よって、議案第12号、議案第25号、議案第28号から議案第35号まで、議案第38号及び請願陳情中、受理番号第7号、受理番号第18号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、請願陳情中、受理番号第16号米の過剰分を主食用以外に処理するなどの検討をやめ、食料自給率引上げを求めることについて請願を採決いたします。
 本案は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(山内隆文君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第16号米の過剰分を主食用以外に処理するなどの検討をやめ、食料自給率引上げを求めることについて請願は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第1号から議案第11号まで、議案第13号から議案第24号まで、議案第26号、議案第27号、議案第36号、議案第37号及びただいま議決いたしました請願陳情を除く請願陳情を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(山内隆文君) 起立全員であります。よって、議案第1号から議案第11号まで、議案第13号から議案第24号まで、議案第26号、議案第27号、議案第36号、議案第37号及びただいま議決いたしました請願陳情を除く請願陳情は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
   
日程第40 委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件
〇議長(山内隆文君) 次に、日程第40、委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件を議題といたします。
   
〔参照〕
総務委員会
 地方分権について
環境福祉委員会
受理
番号
件名
12県立磐井・南光病院移転用地の早期決定を求める請願
2230人学級、教職員定数改善、子どもの放課後をたのしく、私学助成の大幅増額などのゆきとどいた教育の実現を求めることについて請願

 
商工文教委員会
 
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受理
番号
件名
1930人以下学級の早期実現を求めることについて請願
21増田知事の私学振興公約の早期実現を要望することについて請願
2330人学級、教職員定数改善、子どもの放課後をたのしく、私学助成の大幅増額などのゆきとどいた教育の実現を求めることについて請願

 
農林水産委員会
 
受理
番号
件名
20遺伝子組換え食品の表示の見直しを求めることについて請願

土木委員会
 企業局における電気事業の現状について
   
〇議長(山内隆文君) お諮りいたします。委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件につきましては、先ほど各委員長から報告のとおり申し出がありましたが、委員長から申し出のとおり、閉会中の継続審査及び継続調査に付することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(山内隆文君) 御異議なしと認めます。よって、本件は、委員長から申し出のとおり、閉会中の継続審査及び継続調査に付することに決定いたしました。
   
日程第41 認定第1号平成10年度岩手県一般会計歳入歳出決算から日程第52 認定第12号平成10年度岩手県県民ゴルフ場事業特別会計歳入歳出決算まで
〇議長(山内隆文君) 次に、日程第41、認定第1号から日程第52、認定第12号までを一括議題といたします。
 各案件に関し委員長の報告を求めます。折居決算特別委員長。
   〔決算特別委員長折居明広君登壇〕

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