平成12年2月定例会 予算特別委員会会議録

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平成12年3月17日(金)
   

1開会 午前10時4分

1出席委員 別紙出席簿のとおり

1事務局職員
事務局長           和 美 宏 幸
議事課長           藤 沢 重 一
議事課長補佐         千 田 正 和
主任議事管理主査       浅 田 和 夫
議事管理主査         筒 井 則 裕
議事管理主査         森   達 也
議事管理主査         熊 谷 正 則
議事管理主査         下 山 義 彦

1説明員
生活環境部長         村 上 勝 治
生活環境部次長兼環境政策室長 長 山   洋
総務生活課長         久 保 隆 男
交通安全対策監        熊 谷 素 紀
文化国際課長         三 上 佑 子
青少年女性課長        菊 池 秀 一
環境保全課長         晴 山 祐 典
廃棄物対策監         簗 田   幸
自然保護課長         山 瀬 宗 光
環境政策監          福 田   毅
 
保健福祉部長         関 山 昌 人
保健福祉部次長        伊 藤 静 夫
保健福祉課長         小 原 公 平
地域福祉課長         舘   満 弘
長寿社会課長         上 野 寛 二
介護保険システム整備監    六本木 義 光
障害保健福祉課長       細 田 重 憲
児童家庭課長         深 田   聡
保健衛生課長         宇佐美   智
国保援護課長         西 川 龍 成
保険課長           吉 永 盛 満
国民年金課長         男 鹿 敏 昭
 
財政課長           池 田 克 典
   

〇工藤篤委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
 議案第1号から議案第21号まで、議案第29号から議案第37号まで、議案第39号、議案第41号から議案第46号まで、議案第48号から議案第51号まで、議案第54号、議案第55号、議案第57号、議案第58号、議案第60号、議案第62号、議案第65号及び議案第100号、以上49件を一括議題といたします。
 本日は、生活環境部及び保健福祉部関係を終わるように進行いたしたいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 また、世話人会の申し合わせにより、質疑項目が複数ある場合、関連する事項についてはできるだけまとめて質疑されたいこと、また質疑及び答弁については簡潔明瞭に行い、午後5時を目途に審査が終了するよう議事進行に御協力をお願いいたします。
 なお、関連質疑については、質疑冒頭に質疑を表明している委員より優先して発言を求めているものでありますので、その性格上、関連性の強いもののみ短時間、簡潔に発言されるよう、また要望のみで終わることのないよう御協力をお願いいたします。
 最初に、生活環境部長から生活環境部関係の説明を求めます。

〇村上生活環境部長 それでは、生活環境部関係の平成12年度当初予算及び関連いたします条例案について御説明申し上げます。
 まず、議案第1号でございます。平成12年度岩手県一般会計予算についてでございます。議案その1の6ページをお開き願います。
 6ページから7ページにかけてでございますが、生活環境部が所管いたします予算は、3款民生費2項生活文化費の15億499万1、000円と、7ページに移りまして、4款衛生費2項環境衛生費52億65万1、000円のうち、このうちの47億8、135万8、000円でございます。したがいまして、当部の予算額は総額でいきますと62億8、634万9、000円でございます。ここには数字は出ておりませんけれども、トータルで62億8、634万9、000円でございます。これを前年度の6月補正予算後と比較をいたしますと、額にして2億3、100万円余、率にいたしまして3.8%の増となっております。
 当部の平成12年度当初予算に当たりましては、環境関係では、県の総合計画、環境基本計画の実質的初年度として、環境首都を目指した事業の推進を図ることといたしまして、特に県民とのパートナーシップ構築をねらいとした普及啓発事業の積極的展開及び廃棄物の不法投棄、あるいは化学物質問題など環境問題への対応に重点化を図ったところであります。
 また、生活関係では、今年度策定いたしますいわて男女共同参画プランの着実な推進を初め、ボランティア、NPO活動への支援、文化・国際協力の充実など、各分野ごとにその重点化を図ったところでございます。
 以下、予算の内容につきましては、予算に関する説明書により御説明申し上げます。お手元の予算に関する説明書122ページをお開き願います。なお、説明に当たりましては金額の読み上げは省略させていただきまして、主な事業を中心に説明させていただきますので、御了承をお願いいたします。
 122ページですが、3款民生費2項生活文化費1目県民生活総務費でございます。この説明の右の方をごらんいただきたいと思いますが、管理運営費は職員の人件費等でございます。消費生活協同組合等育成事業費は、消費生活協同組合の育成、支援等を行うものでございます。文化行政推進費は、カヤぶき家屋等県内に現存する伝統的建造物の調査を実施しようとするものなどでありまして、国際文化交流促進事業費は、インドネシア共和国のバリ州舞踊団を招聘し、いわて・バリ友好祭を開催するものでございます。愛ランドいわて県民運動協議会運営費補助につきましては、環境を守り育てる運動推進事業など県民運動を展開する協議会に対し補助しようとするものであり、ボランティア活動等支援事業費は、NPOのネットワークづくりなど、活動環境の整備、支援を実施しようとするものでございます。次に、2目交通安全対策費でございます。交通安全指導費は、市町村が交通指導員を設置する経費に対する補助等でございます。123ページに参りまして、交通安全キャンペーン推進費は、県民に幅広く交通安全意識の啓発を図るため、テレビを活用したキャンペーンを実施するものでございます。次に、3目国際交流推進費でございます。国際交流推進費は、国際交流員の招致、いわて国際塾の開催及び現在ございますいわて21国際化計画にかわる、本県の総合的なプランを策定するものなどでございます。国際協力推進費は、開発途上国等からの技術研修員の受け入れ、留学生への支援事業及びペルー共和国との鋳物技術交流などを実施するものでございます。124ページに参りまして、4目青少年女性対策費でございます。青少年育成指導費は、ポニースクールを通じ、青少年の健全育成推進事業を実施するものなどであり、岩手っ子の夢チャレンジ事業は、子供たちからさまざまな夢を募集いたしまして、実現していく過程を通してチャレンジ精神を持った、たくましい青少年の育成を図ろうとするものでございます。いわて男女共同参画プラン推進事業費は、本年度策定いたします男女共同参画プランを推進するため、本県における男女共同参画社会の実現に向け、推進月間事業、サポーター養成等総合的な施策の展開を図ろうとするものでございます。
 次に、少し飛んでいただきまして138ページをお開き願います。4款衛生費2項環境衛生費1目環境衛生総務費でございます。管理運営費は、環境部門職員の人件費等であり、環境基本計画推進事業費は環境基本計画の目標達成に向け、環境NPOのネットワーク化などパートナーシップ形成を促進しようとするものでございます。環境会計導入調査費は、自治体におきます環境会計導入の検討調査を実施しようとするものであり、北東北3県子ども環境サミット開催事業費は、北東北3県の小学生等を対象に第2回のサミットを本県で開催するものでございます。次に、地球温暖化対策推進費は、エコ・ライフ推進事業、楽しみながら記帳できる環境家計簿のCDロム化、CDロム作成など、地球温暖化防止対策を県レベルで推進しようとするものでございます。環境ミレニアム事業は、日本の環境首都を目指し、環境に関するさまざまな情報を県内外に発信するためシンポジウム、親子環境体験学習などを開催するものでございます。次に、140ページに参りまして、2目食品衛生指導費を飛んでいただきまして、140ページの3目環境衛生指導費でございます。産業廃棄物処理モデル事業推進費は、財団法人クリーンいわて事業団に対する運営資金の貸し付けなど安定経営に向けた支援、及び木くずの資源化に向けたモデル事業を委託実施するものでございます。廃棄物適正処理監視等推進費は、廃棄物の不適正処理、不法投棄の未然防止を図るため、産廃Gメンの配置、最終処分場の受け入れ状況調査、スカイパトロール及び廃棄物処理法の講習会などを実施するものでございます。資源循環型廃棄物処理構想策定費は、ダイオキシンの削減、廃棄物の減量、リサイクルの推進及び処理施設の確保を課題とした廃棄物の処理構想を策定しようとするものでございます。水道広域的防災構想策定費は、災害時におけるライフラインとしての安定的な水の確保を図るため、水道防災システムを構築しようとするものでございます。次に、4目環境保全費でございます。環境創造資金貸付金は、環境影響評価に要する経費、ISO14001の認証取得経費、リサイクル施設の設置経費など中小事業者が実施する環境の保全及び創造に関する事業に対して融資のあっせんを行うものでございます。141ページに参りまして、化学物質環境対策費は、ダイオキシン類環境モニタリング事業、環境ホルモンの実態調査、フロン回収システムの確立推進費補助などを実施するものでございます。次に、5目自然保護費でございます。自然環境保全対策費は、本県の自然環境保護に関する総合的な施策を推進するため、野生動植物の分布状況の調査などを行う自然環境保全基礎調査を実施するものなどでございます。自然公園等保護管理費は、自然公園保護管理員の設置、早池峰地域の自然環境調査を実施するものなどでございます。シーサイドウォーキングロード整備事業費及びふれあいトレッキングロード整備事業費は、陸中海岸国立公園及び山岳自然公園において自然歩道、登山道、野営場などを整備するものなどでございます。次に、6目鳥獣保護費でございます。鳥獣行政運営費は、鳥獣保護員の設置、狩猟事故防止のための研修会の開催など鳥獣の保護と狩猟の適正化を図るものであり、142ページに参りまして、野生生物保護管理特別対策事業費は、ツキノワグマと地域住民の共生を図るため、奥山放獣調査などを実施し、侵出防止技術を確立しようとするものでございます。
 次に、債務負担行為についてでございますが、議案その1に戻っていただきたいと思います。議案その1の11ページをお開き願います。第2表債務負担行為のうち生活環境部関係は、3環境創造資金の融通に伴う利子補給でございまして、これは、中小事業者が市中金融機関等から融資を受けた場合に利子補給を行うもので、期間、限度額を定めて債務を負担しようとするものでございます。
 それでは、引き続き予算に関連した条例案について御説明を申し上げます。議案その2でございます。
 生活環境部関係の条例案は議案第41号理容師法施行条例から議案第45号温泉法施行条例までの5件でございます。194ページをお開き願います。議案第41号理容師法施行条例でございます。次に、196ページに参りまして、美容師法施行条例でございます。198ページに参りまして、議案第43号クリーニング業法施行条例でございます。200ページに参りまして、議案第44号廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行条例でございます。次に、207ページに参りまして、議案第45号温泉法施行条例の条例案、以上の条例案はいずれも地方分権一括法による地方自治法の改正によりまして、機関委任事務制度が廃止されたことに伴い、従前政令等で定められていた事務及び手数料については、地方公共団体が条例で定めることとされたことから、新たに制定しようとするものでありまして、このうち手数料につきましては、人件費、物価上昇率の推移などに基づき、また、地方公共団体の徴収する手数料の標準に関する政令というのがございますが、この政令をも勘案して定めようとするものでございます。
 以上で生活環境部関係の説明を終わらせていただきます。よろしく御審議のほど、お願い申し上げます。

〇工藤篤委員長 ただいまの説明に対し質疑ありませんか。

〇谷藤裕明委員 1点についてお伺いをいたしたいと思います。
 二酸化炭素の削減計画についてでございますけれども、昨年の秋に策定した県の環境基本計画では、地球温暖化防止のために政府の方では目標を6%ということでしたけれども、それを上回る8%の目標を設定したということでございます。いわば環境首都を目指していくという知事の強い決意があるわけでありますけれども、これは知事の公約みたいなものですね。平成22年までにそれを達成していくということでございますけれども、この目標は実現できるのかどうか、見通しですね、お伺いしたいと思います。
 それから、あわせてこの目標達成に向けて12年度は具体的にどのように取り組んでいこうとされているのかお伺いをいたしておきます。
 当然これらの目標を達成していくためには、県民とか業者等の取り組みが不可欠であろうかと思いますけれども、これまでの働きかけ、県がどのように啓発活動、働きかけをしてきたのかについてお伺いをいたしたいと思います。

〇村上生活環境部長 まず、1点の、実現できるかというお話でございますが、私たちこの8%の約束をぜひ実現したいと考えてございまして、今後、計画の弾力的な運用も図りながら、そのときそのときの状況あるいはその達成状況を踏まえながら、ぜひ実現するようにしていきたいと思ってございます。
 それから、12年度の取り組みということでございますが、県としまして部局横断的な、各部局におきましても地球温暖化あるいは環境に配慮した事業をそれぞれ実施することといたしておりまして、それらの事業を実施するというふうに考えてございます。この12年度の当部の方の取り組みについてはまたちょっと後ほど申し上げます。
 それから、県民への働きかけについてでございますけれども、例えば基本計画の策定をする段階で県民の方々からもたたき台あるいは素案についてたくさんの意見をいただいてございます。審議の過程でもうオープンにいたしまして意見をいただいておりまして、そういうことで大分最近の新聞情報を見ても県民の皆さんの関心は高くなっているというふうに私たちは理解いたしてございます。このようなことで、例えば二酸化炭素の取り組みに向けた具体的な取り組みについてでございますけれども、本県で2月4日にISO14001を取得いたしました。きょうの新聞を見ますと、宮古市も取得したというふうな記事が載ってございまして、県内では地方公共団体では県とそれから金ヶ崎町──金ヶ崎町が先ですが、県と宮古市ということで、また各数市町村でも現在その取得に向けて事業を実施しているというふうに聞いてございます。このようにISOを県として取得したことに伴いまして、その波及効果が期待できる状況にあるということ。それから、さらに強力に県内に波及させるために、平成12年度におきましては県北、沿岸、県南の地方振興局の認証取得も図ってまいりたいと思っております。
 それから、事業者に対しましては、温暖化の防止の取り組みを促進するため、ISOの認証取得の支援ということで、環境創造資金の融資を予定してございます。それから、市町村におきましても温暖化防止実行計画を策定していただくことを考えてございまして、それによりまして地域住民の方々も意識が相当高まるというふうに思っておりますが、これに対する技術的な支援も行う予定にしてございます。
 それから、県民の皆さんに対しましては、例えば環境家計簿を私の方で考えているんですが、環境家計簿を利用してそれが目に見える形でその削減の数字が出るということであれば、一般県民の方々も取り組みやすいものだろうというふうに考えてございまして、新年度は県内の町内会の2地区を選びまして、そういうところに環境家計簿の記帳とかそれから活用の仕方についてモデル事業として実施いたしまして、それを全県的なものに広めていきたいというふうに考えてございます。それから、最近特に関心を持たれておりますアイドリングストップ、これらについても積極的な啓発事業を行ってまいりたいと思っております。
 この問題につきましては、短期的にはいろいろな啓発事業を私たち12年度は考えていかなければならないんですが、中長期的にはやはり県民と一体となった取り組みが必要であるというふうに考えておりまして、愛ランドいわて県民運動とか、環境NPO等も育てまして、これらの団体と連携を図って温暖化防止、CO2削減に努めていきたいと思っております。それから、パーク・アンド・ライドとか、最近、盛岡でオムニバスタウン構想が動き出しているわけですが、こういうものも結果的には大きな力になるものでございますので、これらの必要な施策を県としてもバックアップし、あるいはその支援をしてまいりたいと考えてございます。

〇谷藤裕明委員 一生懸命目標達成のために取り組んでいこうという気持ちが伝わってまいりますけれども、現実に気持ちは気持ちであれですけれども、確実に形に見えていくようなところまでつくっていくということになれば大変な努力が必要だろうなと思っております。特にも県民の方々の声もそれぞれお聞きになった。それからまた、業者の方々、県民の声は聞いたが、業者の声というのはそんなに聞いてますかね。なかなかその辺の関係というのも相当連携をとってやっていかないと幅広く浸透していかないのかなと思っています。それから、これら非常に継続力といいますか、辛抱強く頑張っていかなければ浸透していかない部分が結構あるのかなと思っていますので、そういう小さな努力というか、それの積み重ねというものが非常に大切だろうと思っております。そういうことでこれらの、必ずというか、絶対目標を実現、達成させたいということでございますので、大いに期待をいたしたいと思いますけれども、今後ともそれぞれの時代時代、商品開発もされてくるでしょうし、いろんなものが変わってくるわけですから、幅広くそれらに対応できるだけの体制づくりもぜひ進めていただきたいと思って、要望して終わります。

〇藤原良信委員 できるだけ簡潔に質問いたしますので、答えの方も簡潔に要望しておきたいと思います。
 私は、第4款3目環境衛生指導費の中の産業廃棄物処理事業等改善指導費、産業廃棄物処理モデル事業推進費に関連をいたしまして、その有効活用等を含めてその内容等を含めましてお尋ねをしたいと思います。
 今次の社会状況の変化に対応すべく、さまざまな法案が今動き出しております。循環型社会の構築に向けたいわゆる国の枠組み法案が大詰めを迎えている現状、御案内のとおりでございます。環境庁や通産省など8省庁がまとめました循環型社会基本法案、また、ことしの1月15日から施行されましたダイオキシン類対策特別措置法、あるいは個別法レベルでは建設省による建設資材再資源化法案、農水省によります食品廃棄物再商品化法案、環境庁はグリーン購入法案の新法のほか、廃棄物処理法改正案が厚生省から出されております。そして、再生資源利用促進法、リサイクル法の改正案を通産省が今国会に提出される予定でございまして、まさしく今回の通常国会、この循環型社会の構築に向けた法案がたくさん提案をされているという状況でございます。そういう中にありまして、私は12月の決算特別委員会でも質問をさせていただきました。あのときは焼却炉のダイオキシン対策について、あるいは不法投棄対策について、水銀の処理についてもお尋ねをさせていただきましたが、その中でダイオキシンの排出量の大半を占める一般廃棄物焼却炉及び産業廃棄物焼却炉の改善状況がその後の対応でどうなっておりますか、お尋ねをしたいと思っております。
 また、1時間当たり50キログラム以上の処理能力を持ちます小型の焼却炉の届け出状況はどうなっておるか、これも変わってきております。
 また、産業廃棄物施設の設置につきましては、岩手県では事前協議制をとっております。許可をとるまで8カ月から1年かかるというふうに私は聞いているわけでありますけれども、事前協議制度の見直しや許可事務の改善については県当局はどのような見解をとっているか、まずお示しをいただきたいと思います。

〇簗田廃棄物対策監 まず最初に、市町村が設置する一般廃棄物焼却炉の改善状況でございますが、現在稼働しております22施設のうちすべての施設が、現行のダイオキシン排出基準値80ナノグラムを満たしております。しかし、平成14年12月から適用されます厳しい排出基準を満たしていない施設が4カ所あります。また、排出基準は満たしているものの構造基準に合致していない施設も数カ所ございます。これらの施設はいずれも県のごみ処理広域化計画に沿って、施設の更新、改造などを計画または実施しておりまして、平成14年の規制強化までにはすべて対応が完了できるものと考えております。
 次に、民間が設置する産業廃棄物の焼却炉の改善状況でございますが、平成11年12月1日現在、39施設稼働しておりまして、そのいずれも現行の排出基準を満たしております。しかし、7施設がまだ14年12月の厳しい基準を満たしていない状況にあります。県としましては、休止している施設も含めまして、事業を継続する意思がある者につきましては、今後構造改善やリサイクル施設への転換も含めた計画の提出を求めるなど、早急に基準に適合できるよう、指導を行ってまいりたいと考えております。
 それから、事前協議や許可事務改善についてということでございますが、事前協議は、廃棄物処理施設の設置に当たって、設置者に、地元との合意形成を初め、関係法令の適合状況、構造等技術上の基準の確保を指導しているものでございます。たび重なる法改正によりまして廃棄物の保管基準あるいは最終処分場、焼却施設に係る構造・維持管理基準の法規制等で、申請件数が増加するとともに、審査内容も非常に複雑化してきております。このため、申請書の不備、不明瞭な記載内容につきましては書面で訂正や補正を求めることも多くなっており、時間がかかるケースが出てきております。県としましては、新年度に廃棄物技術指導主査を新たに設けるなど、審査体制の強化を図ることとしております。

〇晴山環境保全課長 小型焼却炉の届け出の状況でございます。御案内のとおり、平成12年1月15日からダイオキシン類対策特別措置法に基づきまして、業務用の焼却炉で1時間当たり50キログラム以上の焼却能力のあるものは知事への届け出の義務づけがなされたところでございまして、現在、地方振興局におきまして届け出を行っておりますけれども、3月1日現在で276施設となってございます。なお、いわゆる小型焼却炉と呼ばれます、焼却能力1時間当たり50キログラム以上200キログラム未満のものは、このうち155施設となってございます。なお、現在も地方振興局の方には照会ですとか相談、あるいは確認等いろいろございまして、今後この件数はふえるものというふうに見ております。

〇藤原良信委員 次に、ただいま申し上げましたように、法改正が頻繁に行われようとしてございます。まさしく今回の通常国会はそういう真っただ中にあるわけですけれども、環境政策が重要視されているということだろうと思います。そこで、民間との連携を含めて事務処理能力の対応等の必要性から言って、以前にも私は質問しておりますけれども、産廃処理業界の組織であります産業廃棄物協会あるいは協同組合との役割分担といいますか、今次の社会状況に対応する役割をそれなりに担ってもらう必要があると思いますけれども、そのことについては12月の決算特別委員会でも提言をしてお聞きしているわけですけれども、その後の生かし方等その取り組み姿勢についてはどういう状況になっているか、お示しをいただきたいと思います。

〇村上生活環境部長 12月の議会で委員の方からいろいろ御提案があったわけでございまして、私の方でも先ほど申し上げたように、委員申し上げているような8カ月から1年くらい審査にかかるというこの実態を何とか改善したいということで考えていきますと、実態として、例えば行政書士とか司法書士の方々──主として行政書士ですね──に作成してもらったような申請書は、これは私たちの方でもすぐ内容審査に取りかかりやすいんですが、そうでない場合は結構書類の書き方から何からやりとりがございまして、結局時間を要してしまうという実態もございます。そういうところを何とか改善できないんだろうかということで、例えば事務処理をもう少しマニュアル化して簡便化する方法がないかとか、いろいろ考えているわけですが、何しろ、先ほども対策監の方から申し上げましたけれども、もう毎年のようにといいましょうか、法改正がございまして、そのたびに基準が変わるということで、なかなか現状ではまだ安定した状態になっていないものですから、事務処理の問題もすぐには合理化は検討し得ないような状況にございます。そういう状況にございますので、私たちも例えば産廃協会さんに各事業申請書を事前にチェックしてもらって、幾らかでも県に上がった段階で時間を短縮できるような、そういうことはないものかなということで、これは産廃協会さんとも雑談の中で申し上げた経緯がございます。そういうことになりますとこの産廃協会さんの方でその体制を整えなければならないという問題もあるかと思いますので、その辺のところは今後引き続き検討してまいりたいと思ってございます。なお、産廃協会さんに、全員がメンバーでないようですけれども、ぜひ傘下の協会、メンバーの方々にいろんな不法投棄とか何か防止するような、そういう意識も高めていただくというような努力もお願いしたいものだというふうに考えてございます。

〇藤原良信委員 あと一括してお尋ねいたしますけれども、実はそういう状況の中で民間も意識を持ち始めてございます。資源リサイクルにつきましては、私どもの地域になりますけれども三陸町で、商工会と町内の有志の方々が木くずや廃材から木炭をつくり地域の河川浄化に利用しようとして準備を進めているグループがございます。これは岩手日報が取り上げてございます。地元紙でも取り上げまして、今次の予算委員会で海の汚染状況の一番の原因は生活排水じゃないかということが別な部局で委員の方からお話もございました。河川の清流化で木炭を活用してその清流化を取り戻そうという動きの一端でございまして、これが資源リサイクルで廃材や木くずからこれを木炭化してやろうとして動いている三陸町商工会と町民の有志の記事でございました。こういう姿はみずから企画立案しての取り組みでありますけれども、非常に今次の状況下でうれしい出来事だなあと思っております。こういうことにつきましてはいろんな支援の仕方があると思いますけれども、例えば地方振興局での調整費の活用の仕方等々含めまして、この点では地方振興局の権限ですからお話しできなければ結構でございますけれども、県としてこういう動き方に対していろんな支援をしていく必要があると思いますけれどもどうでしょうか。まずこれが1点。
 それから、今次の、先ほど来お話ししておりますいろんな法案が国会に提出されてきましたけれども、その中で目玉的なものは廃棄物処理法の改正では、今度は排出者責任が伴ってまいります。大変な出来事になっていくだろうと思います。この改正に対して県はどのように対応しようとしておりますか、その点をお尋ねいたします。
 それから、最後になりますけれども、全くこれとは別になりますけれども、何回も立つのは申しわけないのでお尋ねいたしますけれども、岩手県がこれも環境対策の一環でクリーンエネルギーづくりを政策的に推進していこうということで、今次の総合計画にもこれは盛り込んでございます。風力発電もその一環でございます。風力発電の場合は難点といいますか、世界的に問題点は景観形成との整合性のことをヨーロッパでも言われておりまして、当然立地場所というのは風光明媚なところが多いのではないかなと、風通しがいいところということになるわけですから、したがいましてその風力発電の認定をしていく場合、自然環境との整合性がどうしても問われていくだろうと思います。そこで、一方ではクリーンエネルギーを進めると、一方では景観形成ということが出てくるだろうと思いますけれども、その整合性を、大変難しいケース・バイ・ケースということはわかりますけれども、どういうスタンスで担当部としてお持ちになっているか、あわせてお伺いをしたいと思います。

〇村上生活環境部長 それでは、3点御質問ございましたので、私の方からは廃掃法の改正の関連を御答弁申し上げまして、残り2点につきましては関係課長の方から答弁させていただきます。
 委員御指摘のとおり、今国会に廃掃法の改正が提案されるということで、特にその中で排出者責任というものが強化されるということが最近の新聞では随分活字が踊っているわけでございます。そういう排出者責任の問題につきましては、現行の制度におきましてもどうも途中で切れてしまう、責任が途中で中間処理が入りますと切れてしまう。それから、やはりなかなか実効あるような、例えば簡単に偽造できるとか、そういうような問題もあるということで、特にその排出者責任を強化されたものというふうに考えてございます。県といたしましても従前からこのような問題につきましては国の方に要望いたしてきております。全国知事会あるいはブロックの部長会で要望いたしておりまして、今回のもしそういう内容のものが提案されているということでありますと、私たちも重大な関心を持って推進してまいりたいと思ってございます。そういう問題とあわせまして、県といたしましても独自の対応を考えていかなければならないということで、先ほどもちょっと触れたかと思いますが、産廃Gメンの増員とか、情報を各地域からいただけるようなネットワークづくり、こういうことも考えてまいりたいと思います。
 それから、ちょっと説明が前後になりましたけれども、もう一つ申し上げたいのは、有価物と廃棄物の判断基準が非常に難しいのがあるということでございまして、この辺も今後国の方でどのように対応するか関心を持ってまいりたいと思っております。

〇簗田廃棄物対策監 木くずとか廃材からのユニークな木炭リサイクルということでございますが、このような試みがいろんな形で行われることは、廃棄物の減量化や再利用を促進して、循環型の地域社会を構築するためには、極めて意味があることと考えております。そのような趣旨から、県としましては、木くずのリサイクルモデル事業を来年度クリーンいわて事業団に委託して行うこととしております。この成果を公表するなど、リサイクルに向けた取り組みを支援していきたいと考えております。
 また、廃棄物の再生利用には、法制度や技術的な課題をクリアしなければならないことがございまして、今回の廃材から木炭を製造する例では、防腐剤などの薬剤処理したものの取り扱い、あるいは産業廃棄物処理業の許可取得の課題があると考えられますことから、保健所等の関係機関において、相談に対応していきたいと思っております。

〇山瀬自然保護課長 風力発電と自然環境の整合性ということについてのお尋ねでございますけれども、確かに風力発電の立地、これは場所によっては自然公園の区域に風の適地があるという場合もこれは予想されることであろうと思われます。その場合、確かにクリーンエネルギーの推進ということ、これは広域的にも重要なことであろうと思っておりますが、また一方では自然環境の保全と、二つの要請が出てくるわけでございます。そういう意味では具体的にそういうあれが出てきた場合に、その場所、例えば自然公園の区域であれば一概にだめというふうなことではなくて、結局は具体のその場所について、例えばどういう動植物がいるのか、どういう地形、地質があるのか、その場所の貴重性だとか、その景観に及ぼす影響だとか、その地域がその公園の中での中心的な景観をなしているのかどうかとか、そういうふうなことなどを具体的に検討いたしまして、その許可をするべきかどうかということを判断してまいりたいと考えておるところでございます。

〇藤原良信委員 最後の風力発電と自然環境の整合性につきましてですけれども、私は県といたしまして、総合計画に盛り込んで地球的な環境対策、岩手県のイメージづくり、岩手県の基本的な柱としての環境を構築していく上でクリーンエネルギーづくりをしていくんだという、そういうような観点からいきましたなら、違法性がないとすれば、違法性があればこれは別ですけれども、違法性がないとすればこれは自然環境を守る方の担当部はただいまの生活環境部ですけれども、風力発電等を含めてクリーンエネルギーの施策を進める方向では企画振興部で縦割り行政になっておりますけれども、相互の連携をとりまして、違法性がなければこれは県の施策で盛り込んでいる以上、そして社会的になじむ以上、世界的になじむ以上、行政上なじむ以上はこれは進めるべきだと私は思います。そういうことを申し上げて、要望にいたしますから、終わります。

〇田村正彦委員 1点だけお尋ねいたします。昨年の決算特別委員会でしたか、岩手山の入山禁止によって山本体の自然環境の生態系、そういったものが崩れているんじゃないかということを調査すべきじゃないかというようなお話を申し上げたんですが、平成12年度、そういったことをお考えになっているのかどうか、まずお尋ねいたします。

〇山瀬自然保護課長 岩手山の自然環境につきましては、現在、立ち入りが規制されております。そういう意味では、自然環境保全のための対策といたしましては、現在、県で自然公園保護管理員、この8人、岩手山地区には配置をしておりますけれども、このような方々に登山口でもって登山者に立ち入らないように指導していただくとか、県警の協力を得て盗採防止のための取り締まりを行うとかしてきたところでございますけれども、今後ももし入山規制が継続される場合には、引き続きそのような登山口における指導とか監視活動だとか、県警との連携をとった取り締まりをもっと回数をふやすなどの対策を考えてまいりたいと存じておるところでございます。

〇田村正彦委員 今のお話では登山口における指導、監督の強化を図っていきたいという答弁だと理解しておりますけれども、現実にもう入山禁止、2年経ようとしているんですけれども、昨年で言っても数百名の登山者が登山を自由にしている。そしてまた、現実は秋のキノコとりシーズンになりますと1、000名を超える人たちが自由に入ったり出たり。そして、特にこれはキノコとりの場合ですけれども、今まではちゃんと旧営林署、今は森林管理署と言うんですか、そういったところでチェックをして、チェックを受けた人じゃなければキノコとりにも入れなかったんです。入山禁止になってそのチェックが一切とれた。当然入らないという前提ですから料金も取らない、チェックも受けない。それで全くの素人、言っては失礼なんですけれども、一般の方々までもう自由にキノコとりに入っている。そしてまた、さっきも言ったとおり正規の登山者たちもどんどん登っている。こういった事態を受けて、中には、前にも言いましたとおり高山植物の盗掘、そしてまた、山小屋の破損ですか、そういったことも起きる事態がもう出ているんですよね。そういった現実を見据えてやはり自然保護課でも調査隊なりそういったものを入山させてチェックすべきじゃないですか。私はそう考える。ただ登山口で指導しましょうと言ったって、それはもう物理的にもかなわないことだと思うんですが、いかがでしょうか。

〇山瀬自然保護課長 実態、そのようなお話、私も前に伺ったことがございます。ただ、私どもといたしましては、現在入山が規制されておるわけでございますが、これは火山の災害防止という観点で規制ということがなされておるわけでございます。そういう意味では県としても規制を率先して守るべき立場にもございますし、またそういう危険があるということを前提での入山規制がなされておるわけでございますので、そこに例えば保護管理員の方々に入ってくださいというふうなのは、なかなか私どもとしても言いにくいこともございまして、そういうことで現在のところはそういう形で進めてきているということでございますので、御理解をいただきたいと思っております。

〇田村正彦委員 では現実は無視して一切県ではそういったチェックをする気はないと、そう解釈していいような今の答弁だと思うんですけれども、実際雫石町でも、そしてまた来年度、平成12年度西根町でもそういった意味で調査隊、山の現状を認識するための調査隊なんかも派遣しようとしているんですよね。町村がそういうふうな努力をしているのに肝心のそういったものを統括する、自然を保護する、環境を守るといった立場の県がそういう認識では、私はちょっとまずいんじゃないかなと思うんですよ。やっぱり県は県で、確かに入山禁止はされていますけれども、そういった現実を踏まえて調査するぐらいの気持ちを出していただかなければ、今の状態ではこれがもう高山植物の盗掘あるいは自然破壊というのがもうずっと続いていくわけですから、ぜひ考えていただきたいと思うんですが、あえてもう一度御答弁お願いします。

〇村上生活環境部長 委員御指摘の心配事は確かに私たちもそのように考えてございますが、現実問題として入山を禁止されている地域に人を立ち入らせて調査するということは、やはり身の危険があるわけでございまして、したがって、(「ない。」と呼ぶ者あり)そういう考え方もあるかと思いますけれども、私たちとしては、なかなかそこは踏み切れないところがございます。したがいまして、今御指摘あることも私たちも十分大きな課題というふうに受けとめまして、改めてそういう事例等がないのか、それから今お話あったような町村の動向、これらお話をお伺いしましたので、その辺と話し合いをしてみて何か方法がないかどうか、あるいはあるのかもしれませんけれども、そういう方法がないかどうか引き続き検討していきたいと思いますので、御了承願いたいと思います。

〇佐々木大和委員 142ページの野生生物保護管理特別対策事業費というところでお伺いさせていただきます。
 さきの12月の決算特別委員会で千葉伝委員、中屋敷十委員が野生生物に関しての質疑の中で、五葉山のシカと、それからまた、ツキノワグマについてクマ談義をされたわけでございますけれども、そういうところからいきましても、岩手県のクマというのがいろいろイメージ的には相当多いような感じでいますけれども、今回この取り組まれる、先ほどの説明でもツキノワグマ対策ということでございましたけれども、この事業の内容と、そしてまた、昨年度のクマの出没件数あるいは有害駆除として対応したのがどれくらいあったか。そしてまた、人的被害がどういうのが起きたか、その点をまずお伺いしたいと思います。

〇山瀬自然保護課長 野生生物保護管理特別対策事業についてのお尋ねでございますが、これにつきましては平成10年、それから11年、2カ年行ったものでございまして、来年も引き続き行いたいと考えておりますが、有害駆除で捕獲いたしましたクマ、これに強烈なにおいのあるようなスプレーをかけまして、いわばお仕置きをいたしまして奥山に持っていって放すということで、クマはそれに懲りておりてこないというふうな、他県のそういういろんな例も実験例というか、それもありますので、それも本県で行っているというふうなことでございまして、これまで11頭のクマにスプレーをし、電波発信器をつけて放してやりまして、その後の行動、どういうふうな、例えば人里にまた近づいてくるかとか、いろんな行動を電波発信器でもって、その電波でもって追跡しているものでございますが、今まで11頭つかまえまして、この電波発信器を装着して放獣をしております。これによって放獣後のクマの行動パターンが徐々にわかってきているというふうな段階でございまして、いずれ来年もこれを引き続き行いまして、奥山放獣の有効性について検討、分析を加えてまいりたいと考えておるところでございます。
 それから、昨年度の有害駆除の件数についてのお尋ねでございますけれども、11年度は県下で73件のクマを捕獲いたしております。有害駆除で捕獲いたしております。そのうち19件、県の事業で放獣したのもありますし、それ以外で放獣したのもありますが、19件については放獣されております。そういうわけで、54頭は捕殺されているという状況でございます。
 それからまた、被害の発生状況でございますが、11年度は被害件数が18件、被害人数も18人の方がけがをされているという状況でございます。

〇佐々木大和委員 前回の論議の中で、県内にどれくらいのクマがいるかという質問も出ていまして、1、000頭ぐらいということの、これは62年から平成元年までの調査のようですけれども、岩手県内は1、000頭ぐらいということなようでございます。
 私、前に聞いた、大分前、この調査よりも前だと思うんですが、日本の都道府県の中でどこにクマが多いかというような話の中で、岩手県はたしか5番目ぐらい、イメージからいけば一番いそうなんですけれども、静岡あたりがトップだったと思いますが、静岡、長野、山梨、岐阜、あの辺が、多分アルプスを中心にクマが多くて、その後にこの辺に来るんだろうという感じで聞いておりましたけれども、現在がどうなっているかわかりませんけれども、いずれ、クマの生息環境というのはやはり向こうの方がいいということは実態の中にあると思います。こっちにいますと岩手県が非常に多いようなイメージですけれども、実際は違うのではないかという気がしますので、その辺はどうなっているのかおわかりでしたらお伺いしたいと思いますし、また、今、奥山の開発から来てこういう形になったんでしょうけれども、最近の被害というのはほとんど農作物等に来ておりますので、そういう意味では逆にクマの生息環境をどう維持しているか、返して、放獣するということになりましても、生活するところがわからないでただやっていくと、また戻ってくるのは当たり前です。多分、そういうことが今繰り返されているのではないかと、そんな感じがしているものですからその辺をお伺いしておりますが、また、大陸型でいけば必ずクマの場合でも、ヨセミテあたりでもえさを一回食べてしまうと、もう手が出ないと。そういうことで、あちらの方は日本のような島国じゃないですから、山火事が起きても自然公園の中は消さないというぐらいに報じていますし、マツカサも拾ってくれば罰金というような、また、えづけをすれば間違いなく自然体系を壊すということで、えづけをさせないというのが自然保護の基本なようでございますけれども、そういう意味で、一遍人間のつくったものを食べた動物が本当に山に帰るかと、そういうところはもっと強く論議をして、ほかにもうこれらは例が出ているのではないか、答えが出ているのではないかと、そういう気がいたします。そういう意味で、このクマ対策の場合に、もう人身事故がつきまとっておりますので、そういう意味ではっきりした体制をつくると。あえて言えば、これを保護していくのであれば、奥山をもう一度クマがすめるような環境に早く戻すと、そういう施策の提案をしてもらいたいと思うのですが、これらの取り組みをもう3年継続なようですが、その辺についての取り組み方をお伺いいたしたいと思います。

〇山瀬自然保護課長 最初に、クマが全国で5番目というお話でしたけれども、私ども県別の数というのはちょっと把握しておりません。ただ、九州とか中国、四国地方、あちらの方では環境庁のあれでも、地域後退群ということで、かなり絶滅が危惧されているくらい減少していると聞いておりますが、本県はそういう意味では確かにおっしゃるとおり多い方なのかもしれません。ただ、ちょっと県ごとの何頭というのはデータを持ち合わせておりませんので、そういう調査もないと思うんですが、ちょっとそれについてはわかりかねるところでございます。
 それから、クマの例えばどこに放したらいいかという、そういうのもわからない話というのは、確かに効果がないのではないかというのも御指摘のとおりでございますが、今回の調査に当たっては、どういう場所に放したらいいのか、どういう場所に放せばまた戻ってこないのかということも、それらもいろいろ調べている中で、どういう場所に放すのが有効だということもある程度わかってくるのではないかと思っております。
 それからまた、人間の例えばつくった食べ物とかそういうのを食べるということになるとまた戻ってくると。確かに、御指摘のとおりの心配がございます。それについては、従前から残飯等については、外にごみを出してクマが来て食べやすいような外に放置しておくと、残飯を放置したりということがないように、これについてはいろいろ振興局を通じて周知を図っておるところでございます。それについては今後とも続けてまいりたいと思いますけれども、それから、クマの生息環境につきましては、私どもの自然保護課サイドだけでは、山のクマのえさということについてまでなかなかうちの方だけでは難しいところがございますけれども、いずれ、クマの対策については現在も関係する部等で集まっていろいろ連絡調整を図ったりしておりますので、引き続きそういう格好でまいりたいと思っております。

〇佐々木大和委員 キャンプ場なんかでああいう、先ほどちょっと例として出したヨセミテなんかの場合は、鉄板でつくってクマが壊せない容器、そこに食料を全部入れると。車のトランクだとクマが壊すんだそうです、簡単に。それで、においをかんで車にもし何か食べ物があれば必ず車が壊されると。そのために車の中には一切置かないで、キャンピングカーを含め、全部の車に食料を置かないで、鉄板の食料格納庫をキャンプ場の中にはつくっているというのが向こうの方の例なんですけれども、多分、こっちの方でやっているのは余り簡単な食物保管庫なために、それこそカラスでさえも壊しているような状態が続いていますが、本当にやるのでしたらそこまで徹底したものでやっていただいて、人に害を加えないということは、要するにそういう分野の食料を食べないということが前提になるように私は聞いてきておりましたので、ぜひその辺を詰めて検討していただくようにお願いしたいと思います。

〇伊藤勢至委員 先ほどの藤原委員からの産業廃棄物処理の部分に関連をいたしまして、あるいはまた、いわてクリーンセンターの運営という部分にも関しまして1点お伺いをいたしたいと思います。
 岩手県は、ひと、環境、情報を骨子に夢県土いわての部分を目指しておりまして、最初の予算が今回の予算と、このように思っております。こういう中で、環境という部分につきましては、ゼロ・エミッション社会を目指すと、こういうことでありまして、大変時宜にかなったものと思っております。このゼロ・エミッションというのは、あるところで出たものは廃棄物、ごみとして出るけれども、これを違う場所に持っていけばこれが資源となる。そういう部分で、どんどん活用といいますか転用していきますと最終的にはごみというものがなくなってしまう。つまり、ゼロ・エミッションだと、こういうことだと理解をいたしております。
 そういう中で、昨年の10月だったと思いますけれども、ごみはなくせるんだという注目の、完全リサイクル企業を追うという本が出版をされてございます。これは児玉浩憲さんという方が書いた本でございますが、ちなみに、著者のプロフィールでありますけれども、児玉浩憲、科学ジャーナリスト、1934年──昭和9年に和歌山県に生まれた。京都大学理学部卒、同大学大学院でエコロジー、動物社会学を専攻、1959年から朝日新聞の記者、主に科学部で科学技術、医学を担当、科学や医学の雑誌編集長、そして科学部長、編集委員を務めて1990年フリーになったと、こういう方が書いた本なんでありますが、実はこの本を宮古のある産廃業者さんからいただきました。私も一通り読ませていただきまして、大変先進的な産廃に取り組む姿勢があらわれている、このように思いましたものですから、会社を訪ねていろいろ伺ってまいりました。そうした中で、この本を書いたということあるいは書いてもらったということ、こういったことを、この中で言ってみればいろんな技術の部分で特許を取ったり、あるいは実用新案を取ったり、そういうことで売って商売にしたいというつもりで私に持ってきたのかと、こう聞きましたところ、そうではありませんと。自分たちがもう20年近くやってきたいろんな取り組みが、県なりどこなりに活用される部分があるのであればどんどん情報を提供したいのですと、こういうことでありましたので、70冊私に寄贈しなさいということで、ここにおられる全議員にもこれを配らせていただきましたし、庁内の各部局にも二、三冊ずつ配らせていただいたところであります。
 そういった中で、ごみをなくするという、リサイクルという部分についての先進的な部分がこれに盛り込まれていると私は思っておりますが、多分をお読みをいただいたと思うんですが、これに関して県としてどういう部分が活用できそうだとか、これはいいぞとか、そういった部分の目新しいと思われる部分について注目すべきところがあったのかどうか、それについてまず1点お伺いをいたしたいと思います。

〇簗田廃棄物対策監 児玉先生の書かれた本につきましては私も拝見しております。健全な物質の循環ということは、究極的と申しますか理想的な方法であると考えております。しかしながら、現状としましては、必ずしもリサイクルに向くものばかりではなくて、最終的にはきちっと適正に処理しなければならないものも出てくるということで、こういう現状で、資源化できるものは可能な限り減量化、リサイクルを進めると。そして、最終的には処理をするものは適正に処理をするということを、現状では我々は推進していかなければならないと考えております。また、近年、リサイクルという名を借りた不適正な処理も全国的には横行しているような現状にありまして、現行制度上、リサイクルを進める場合には、この廃棄物とリサイクルできるものとのあいまいさといいますか、この辺の課題もございます。現在、国が進めております廃棄物処理法の改正法案、中でもその辺がかなり改正されるというようなこともございますので、その辺に期待してまいりたいと考えております。

〇伊藤勢至委員 確かに大事な部分でありますから、軽々に取り組みができないという部分もわかります。しかし、この本の中に載っております経営者の考え方は全く違うような考えでありまして、日本各地で煙やにおいを平気で振りまく産業廃棄物処理業者が後を絶たず、厚生省や環境庁も地元ももてあましていると、こういう部分が大変気になっている部分だと思います。一たん許可さえとれば、天下御免とばかりに横暴をきわめる業者も多い。そんな人に限って、規制が厳しいから緩めてほしいと弱音を吐いて当局に訴えたりするが、この経営者は全く違う考えを持っているようであります。つまり、いろんな面で規制緩和が進むのは歓迎だが、環境行政だけは別だと。逆に環境規制を強化しないと、日本人の住み場がなくなるだろうと。国や自治体が環境破壊に加担するようなことをしてはならないと、これを哲学としているようであります。
 三陸沿岸でも、平成の貝塚などと称して、養殖で大量に排出するホタテガイやカキの殻を山奥に運んで埋める案が検討されている。たとえ人口が少ない地域でも、いいかげんな捨て方をしていると、山はもとより川まで傷み、あげくの果ては自分たちが生活のよりどころにしてきた海まで傷んでしまうと、こういう部分もあるようであります。
 そういう中で、岩手県は産廃リサイクル推進ということで木くずの活用を探るということから、12年度に実証試験をするということで、クリーンセンターに委託をしたようであります。これは1日50トンの木くずを処理すると、こういうことでありますが、既にこの会社では1時間に50トンを処理する能力を確立いたしております。そしてさらに、秋田県の民間業者もこれを始めたようであります。ノウハウをそっくりいただいて、さらに熊本県、神奈川県、宮城県、青森県も全部この方式を採用して既に今立ち上げをしていると、こういうことであります。さらに、秋田県の建設省でもこれを採用して動き始めたと、こういうことであります。さらに、私が聞いてきた中におきますと、2月だけでも全国からいろんな視察団が来ているようであります。平成10年2月18日には、日本放送協会──NHK盛岡放送局の都築さんという方が取材に来ているようでありますし、同じく2月22日には、通産省の東北通産局環境資源部の総括係長と課長補佐も視察に来ております。さらに2月23日には、関西電力の土木建築室の土木課あるいは同じく土木建築室の土木補修課という人たちも続々とこれを見に来ていると、こういうことであります。つまり、こういう確立をされた技術が県内にあるとすれば、こういう部分を積極的に採用していくのが岩手県の考えであろうと思いますし、これは今回の一般質問の中で菅原委員からも質問がありました、岩手県で進めようとしておりますPFIという、民間活力活用という部分にまさにこれは合致をするものだと思うものでありますが、こういった部分についてのお考えはどのように思っておられますか、お伺いをいたします。

〇村上生活環境部長 ただいまの御質問、私もこの本は読まさせていただきまして、やはり民間でアイデアを出していろいろ努力をされているということにつきましては、これは評価すべきことですし、また、内容につきましても評価すべきものは評価してまいりたいと思います。今後、県の事業としてそれを活用していくということも出てくるかもしれません。私たちの方は、民間でやっているのを別に排斥するとか除くとかということではなくて、私たちとしても実証してみたいということで、今回この事業を起こしたものでございます。基本的には、ごみはゼロということを念頭に置いているわけでございますので、その会社の経営者の方々の考えとも別にそごしているものではないと思います。
 いずれ、我々も現行制度の中でこういうものは重要課題と受けとめまして、いろんな活用方法を考えていくべきものだと思っております。

〇工藤篤委員長 この際進行に御協力を願うため、質疑は簡潔に願います。

〇伊藤勢至委員 今、申し上げましたこの会社では、木くずの再利用法はもう既に確立をしているんだと思っておりますし、その中で建設省の三陸国道工事事務所が同社ののり面基盤材に目をつけ、初めて山側ののり面にエコサイクル緑化工法を採用したと書いてあります。既にやっているようであります。建設省が乾燥チップを主体とする廃材利用に踏み切った裏には、ゼロ・エミッションの思想に沿って廃棄物ゼロ・ロード、つまり廃棄物がない道路と、こういうことですね、これをつくりたいとの願いがある。山を切り開くと樹木がたくさん倒され、中でも引き抜いた木の根の始末が大変だが、このやっかいな建設廃材がこの処理技術によってのり面の緑化に結びついたと、建設省もこれをどんどん進めようと、こういうことのようであります。そういう中で、これは財界という週刊誌でしょうか月刊誌でしょうか、結構権威のある本だと思っておりますが、この中の3月14日号にもこの部分が取り上げられております。ゲストといいますか取材をした方は小石原昭という方で、この方は今大変有名になっております石原東京都知事を世に出した人と、こう言われているわけですが、そういう中でもいろんな部分が取り上げられております。
 そこで、すばらしいと思いますのは、都市鉱山という言葉あるいは都市森林あるいは都市油田と、こういう言葉がここに出てきておるわけであります。つまり都市鉱山ですから、例えばこれを油田と考えればそこから大変なものが出てくる、あるいは森林ということは一般家屋を含めて、つまり、木でできているものを再利用することで森林、言ってみれば、都市森林だと考えればこれもリサイクルをして利用ができる、あるいは都市油田、こういった部分があるわけですので、こういう部分を積極的に活用してPFIを導入して、言ってみれば、岩手のクリーン事業団というのは今はっきり言ってこれはペイをしていない事業団と思っていますが、これをまずペイさせながら県北そして沿岸にもつくっていくと、こういう部分が私は生活環境部の最も今近々の大事な県政課題になるのではないかと思いますので、こういう部分についての考えをどのようにお持ちか、今後どう進展をしていこうとするのか、まずお伺いをしたいと思います。

〇村上生活環境部長 多分委員御指摘の要点は、PFIの活用ということだろうと思いますけれども、私たち今年度は調査、それから来年度、岩手に最もふさわしい廃棄物の処理構想というのを検討することといたしております。その中で、経営主体の問題についてもいろいろこれから議論していかなければならない。その中で、言うならば公共団体が運営する場合もあるでしょうし、それから民間にお願いする場合もあるでしょうし、PFI方式でやる場合もあるのではないかというようなことで、そういうことも視点に置いて検討してまいることにしております。

〇伊藤勢至委員 最後です。県は新しい技術を導入するに当たって、どうも県条例とか法律といったものを先に持ってくるために、なかなか新しい一歩が踏み出せないのではないかと、私は普段からそんなふうにに思っております。近々の課題として、14年から焼却という部分が大変厳しくなってくる。したがって、焼却という部分をクリアできない産廃業者は生き残れない、こういうところから、先進的な取り組みがあったものと思っております。そういう中で、今県が初めて木くずの活用法を探るということで委託をすると、これはこれで結構でありますけれども、せっかく完成をしている技術が県内にあって、しかもこの部分が全国に広まっていっているという部分がある中で、私はこれを活用しない手はないと思っております。
 今、相撲の春場所が盛んでありますけれども、横綱になって一番最初にするのは、先輩横綱から土俵入りを習うことでありますので、このことは何も恥ずかしくないと思うんです。確かにここの会社の社長は小学校しか出ておりませんけれども、すばらしい勉強をしてきた結果が今あるのだと。したがって、そういうことを習うのは恥ずかしくない、岩手県のために活用できる部分はどんどん活用していく、こういう気持ちを持って、ぜひともこれに積極的に取り組んでいただきますようにお願いをして終わります。

〇及川敦委員 2点についてお伺いしたいと思います。139ページ、4款衛生費3目環境衛生費に関連してでありますけれども、2点。
 今、産廃についての話がありましたので、先に産廃についてお尋ねしたいと思います。
 今もいろいろ質疑がありましたけれども、今年度いわてクリーンセンターにおきまして、木くずのリサイクルのモデル事業について2、100万円の予算をつけて事業を展開していくということにつきましては、国等の動きとも連動して非常にタイミング的にいい事業だなということを思っておりまして、敬意と賛同を示したいと思いますけれども、この事業についていろいろ問題も、今対策監の方からもお話がありましたけれども、リサイクルを前提とされていない生産物についてどのように解決していくのかという、いろんな調査研究も必要だと思っておりますけれども、今後、この木くずのリサイクル以外に瓦れきとか鉱滓、金属くず、廃プラスチック、ガラスくず、陶磁器のくず等いろいろ課題もあろうかと思いますが、国もダイオキシン対策の閣僚会議において、きちっと目標数値を平成17年まで掲げて推進していくというような方向にあるようでございますが、このクリーンセンターについてリサイクル事業、今後の方向性は拡大していくのかと思っておりますが、どのようになるのかお知らせをいただきたいと思います。
 また、今、伊藤勢至委員の質問にもありましたけれども、私も以前の一般質問でも申し上げましたけれども、今、公的関与による適正処理がなお一層求められてきている時代にもなってきておりますし、今、審議されております廃棄物処理法の改正案の中でも、この第2クリーンセンター的なものをつくるに当たって、制約条件になっておりました都道府県に1カ所としていた設置制限が撤廃する内容等も含まれているようでありまして、こういった改正案が可決された後、今御答弁ありました資源循環型廃棄物処理構想策定を今年度の事業で盛り込んでおりますが、こういった構想の策定の中で公的関与を強めた第2のクリーンセンター的な事業は検討されているのかどうか、お伺いをしたいと思います。
 次に、容器包装リサイクル法の実施状況についてお伺いをしたいと思います。
 9年4月から指定の7品目について、各市町村においては分別収集計画を立てて、この3年間7品目について取り組みを行ってきているわけでありますが、その指定7品目の分別収集の状況、市町村数等についてお知らせをいただきたいと思います。
 と申しますのは、これは市町村にとってこの7品目、義務ではないわけでありますけれども、私はできるだけせっかくこういった個別リサイクル法が制定されてきたという経緯をかんがみれば、できるだけ実行していただきたいと思っていたわけでございますが、今、御答弁いただきながらまた改めて質問しますけれども、いま一歩、浸透していない部分もあろうかと思いますので、その問題点も含めてお教えいただきたいと思います。
 次に、本年度12年の4月1日からまたこの指定品目、3品目、ダンボール、その他の紙容器、プラスチック等について、3品目追加されて4月1日から分別収集が開始されると認識をされておりますけれども、この4月1日以降の指定3品目の追加後、市町村はどのように取り組んでいくような形になっているのかもあわせてお示しをいただきたいと思います。

〇簗田廃棄物対策監 木くずのリサイクルのモデル事業についてでございます。このモデル事業は、単年度事業としております。現在、8年度の実態調査によりますと、木くずは建設業から5万9、000トンほど、それから木材あるいは家具製造業からは4万4、000トン、あわせて10万3、000トンぐらい排出しております。製造業から排出される木くずは87%ぐらいがリサイクルされております。一方で、建設業から出される木くずは1.4%にとどまっているという状況でございます。このようなことから、クリーンセンターに委託して12年度にモデル事業を実施しようとするものでございまして、内容につきましては、発生時の木くずの種類、例えばタールが入っているものとかあるいは防腐剤、防虫剤、いろんな廃材がございます。そういった種類ごとにどういった使用用途があるのか。例えば先ほど来出ました緑化基盤材あるいは堆肥とかそれから合板とか舗装材とかいろんな使用用途がございます。その排出される廃棄物の種類によっては、いろんな例えば塩素系の殺虫剤とかあるいは防腐剤とかが入っていることもございますので、そういった成分含有量までを含めてどういった利用、使用ができるのかを1年間で調査研究をしたいという事業でございます。標準化といいますか、これは将来になると思いますけれども、分別の方法とか処理の方法、あるいは再製品の用途といったものを提案してまいりたいと。この成果につきましては、当然、排出事業者あるいは処理業者が行うリサイクル事業の推進といいますか、資するように公表してまいりたいと考えているものでございます。
 それから、公共関与による廃棄物処理センターについてでございます。これは今委員からお話がありましたとおり、平成4年の廃掃法の改正でこの廃棄物処理センターというものが法的に位置づけられたものでございます。本県では、財団のクリーンいわて事業団というものを平成3年11月に設立しておりまして、これがこの法に位置づけられた翌年度平成5年1月7日に、全国初の厚生大臣指定廃棄物処理センターとして指定されておるものでございます。
 次に、この公共関与といいますか、この処理センター、また県でというお尋ねでございますけれども、これは先ほど来出ております来年度まとめようとしております資源循環型廃棄物処理構想の中で、具体的に検討してまいりたいと考えておるものでございます。

〇村上生活環境部長 私の方からは、容器包装リサイクル法の関連について御説明申し上げます。
 現在、指定7品目で分別収集を行っている市町村の数というのは、この7品目全部やっているのは15市町村ございます。それから、平成12年4月1日以降、今度は10品目に拡大するわけですが、この10品目全部を実施する市町村、平成12年4月1日からは例えばダンボールが40市町村、これは多いんですが、プラスチックは26市町村、それからその他ダンボール容器は4市町村と私たちの方では把握してございます。この少ないという現状ですが、決して自慢するというわけでもありませんけれども、全国の状況を見ますと、本県の状況は、全国が延べ市町村数でいきますと39%ほどの、例えば10年度の7品目実施している割合を見ますと、全国で4割くらいの市町村が実施しているんですが、本県の場合は66%が実施しているということがございます。それから平成12年度、新しくさらに追加してリサイクル法が動き出すわけですけれども、この10品目全体で見ますと、実施している市町村数の割合が全国が大体73%の割合に対して、本県が77%の割合、そういうことで全国を上回っている状況にございます。しかしながら、一つは、分別収集にストックヤードを整備するということが市町村で必要になってまいります。ところが、今、補助率が4分の1なものですから、非常に補助率が低いという問題もございまして、なかなか市町村で取り組みにくい現状にございます。
 それから、分別するのに人手を必要としているような実態がございまして、その分の市町村の負担、それから現在免除されている一定の規模以下の市町村の負担分、事業者の負担分につきましては、これ市町村が肩がわりした形で負担をしているんですが、こういう市町村の負担が非常に多いということがございますし、それから何よりも問題だと思われますのは、なかなか一般の人が分別する際に識別表示がなされにくい実態にあると、その分が結局市町村に負担がいくものと思いますけれども、そのような問題がございます。したがいまして、県としましては、国に対して支援制度とか、それから識別しやすいような形のものを要望してまいりたいと思いますし、県自体としましては、分別の仕方についての一つの方法あるいは問題点を洗う意味で、モデル事業を実施してまいりたいと。ある市町村等で実施されているような分別につきまして、それをモデル事業として指定しましてモデル事業の問題点等を改めて洗い直すと、そういうことも考えてございます。
 それから、啓発の関係につきましては全世帯に配布する予定にしてございますが、ごみの減量化・再生利用マニュアルも現在つくっております。これは県民の方が、一人一人がどういう行動、具体的にどのようにすればいいかというふうにわかりやすく示したいと思っているんですが、そのマニュアルをつくっているわけですけれども、その中で識別表示のマークなんかも紹介していきたいと思っておりますし、それから既に先進的に実施している花巻市の集団回収システムの紹介を行いまして、市町村におきましても積極的に取り組めるような、そういう条件整備をしてまいりたいと考えております。

〇及川敦委員 時間の関係もありますのでこれで最後にいたしますけれども、今、御答弁ありましたけれども、岩手県は全国平均に比べて非常に進んでいるということで、私も一安心をしたところでございますけれども、しかしながら、やはり問題があるということも今御答弁ありました。4分の1の補助率等分別の人件費、市町村負担が非常に大きいというような御答弁もありましたけれども、例えば今ペットボトル、回収と保管については自治体が負担で、1本当たり20円もかかるというようなばかげた現実もあるわけでありまして、こういった根本的問題はやはり制度全体から見直していかなければならないと私も思っておりますので、今、部長の答弁がありましたけれども、きちっと国に働きかけていただきたいと思います。
 時あたかも、今、政府・与党の方でも、循環型社会基本法ということで国会で成立を目指して今、与党内でいろいろ検討されているやに報道等で伺っておりますが、非常にタイミング的にはいいのかなと思っておりますので、できればこの法律の制定に関して拡大生産者責任がきちっと明示されるように、本県としても取り組んでいただきたいと思いますが、再度その点について御認識を御開示いただければと思いますし、もう一点、今御答弁の中で、モデル事業を展開して指定していくというお話がありましたけれども、その点についてももう少し詳細に御答弁を最後にいただいて、私からの質問は終わります。

〇村上生活環境部長 2点ございました。モデル事業につきましては、担当課長の方から説明をさせたいと思います。
 国に対する要望の関係でございますけれども、これは日本じゅうのどこでもリサイクルの問題につきまして、あるいは廃棄物の問題につきましては日常茶飯、大きな問題になっているわけでございまして、県民一人一人も十分に認識しているものと思います。ただ、その制度の中で県としてなかなか難しいもの、経済は全国区で動くわけでして、そういう意味で、県としてもなかなか取り扱いにくいものもございますので、そのようなものは、部内あるいは東北各県との十分な話し合いを踏まえながら国に強く要望していきたいと、そういう気持ちは常々持っておりますので、今後、努力してまいりたいと思います。

〇簗田廃棄物対策監 12年度のモデル事業をどのようなことを考えているかということでございますが、この容器包装リサイクル法は、市町村が計画を立てて市町村が実施することになっておりまして、各市町村がまちまちの分別計画を立てて、まちまちに実施するということでございますので、県が今進めております廃棄物処理の広域化計画を構成するブロックの市町村でもまちまちでございます。これがまちまちでありますと、組合で例えば処理を実施するような場合、非常に不都合が生じてくるというようなこともございますので、そういう広域的なブロックでの分別収集形態、統一したような形というのをひとつやりたいと考えております。
 もう一つは、釜石地区では溶融炉でごみ処理をしているわけなんですけれども、どうしてもすべて溶かしてしまうということになりますと、分別収集が市民意識として進まないというようなこともございますので、釜石地区に、ごみの分別収集の徹底というようなところで取り組んでいただきたいなということで働きかけたいと考えておるものでございます。

〇中屋敷十委員 先ほど来、廃棄物の処理という形でやはりすごい関心事だと思います。いずれ、環境首都岩手を目指すという形の中で、こういう環境施策を積極的に取り組んでおられる生活環境部には、敬意を表するわけでございます。
 ところで、産業廃棄物等の適正処理の関係についていろいろ質疑が交わされておりますけれども、1点だけ、まず、いわてクリーンセンターを平成7年に産業廃棄物の処理モデル施設として設置したわけでございますけれども、この役割というのは、やはり一つの意味では民間の処理施設の、施設水準の向上を誘導するという大きな役割があると思うんであります。その中で、いろいろ県が昨年定めた県の環境基本計画にもそのことがうたわれておりますけれども、どういった形で取り組まれるのかということを第1点お伺いしたいと思います。
 というのは、先ほど及川敦委員も言われたとおり、こういう第2のいわてクリーンセンター的なものも必要かという中でも、やはり絶対的には民間の処理施設が充実されなければ、また、適正に処理されなければ、なかなかこの問題、対応できないという意味では、先導的役割を果たす、いわてクリーンセンターが果たす役割という形で、民間の処理水準の向上を果たす有力な役割というのは非常に大きいと思いますので、そういった意味で第1点。
 それから環境保健センター、仮称でございましょうけれども、盛んに今整備されているわけでございますけれども、この推進体制に当たっても、これ前にも聞きましたけれども、こういう抜本的な環境対策を進める意味では技術者、化学を中心としたいろんな体制で技術者が必要だと思うんであります。多分、岩手県でも公害センターが設置された際に、大きなそういう専門の職員を配置したという中で、また大きく環境という問題が取り上げられておるので研究体制、さらには監視、指導という体制の中においても、やはり技術者の確保というのは大変だと思うんですけれども、これは前にもお聞きしましたけれども、今どういう形で採用されどういう体制で配置されて、また、今後この環境保健センターの整備また廃棄物等の適正な監視処理体制の中で、どういう保健所等への職員配置等を考えていらっしゃるのか、この2点お伺いしたいと思います。

〇簗田廃棄物対策監 クリーンセンターの役割としまして、民間誘導をどのように取り組まれるのかということでございます。これ、当初クリーンセンターを設立する際に当たりましては、ふえ続ける有機汚泥、無機汚泥、それから木くず、医療系廃棄物の処理というのが当初課題であったわけであります。木くずにつきましては、これまで焼却中心という形で取り組んでまいりまして、今後リサイクルのモデル事業をやっていこうという取り組みがございます。それから汚泥についても、有機汚泥は焼却しておりますし、無機汚泥はそのまま埋め立てをしております。こういった適正処理を、ぜひ今後民間にもやっていただきたいというモデルが一つございますし、料金につきましても、現在、首都圏の廃棄物がいろんな地方に出ているというのは、安かろう、悪かろうというような形で行われているのが非常に多くなってきておりまして、適正料金という標準化というものも民間には示したいと考えておりますし、もう一つは、医療系廃棄物、これも当初は県立28病院ありまして、その辺を県内で公共関与した施設で適正に処理しようとしたものでございますが、どうしても入札制度というのがございまして、安いところに、大阪あたりまで安い料金で運ばれているという実態にございます。その辺もぜひ県内でモデル的に適正に、ニッソーのようなことのないような形で処理を目指しているものでございまして、民間にそういった形で誘導してまいりたいと考えてございます。

〇晴山環境保全課長 環境保健センターへの人員の確保の関係でございます。
 環境保健センターの方には、施設の中に今回新たに化学安全試験室を、ダイオキシンの専門の試験機関でございますが、それを設置することにしておりまして、その中にこれまでのガスクロよりも1、000倍から100万倍くらいという、大変精度の高い機械を導入する予定でございます。その人材の関係でございますが、現在そういった非常に専門的な機械でございますので、これにつきましては環境庁の出先でございますが環境研修センターというのがございます。そこに平成12年度から計画的に職員を派遣いたしまして、研修していくという予定をいたしてございます。当面、そういった大変高度な技術なものでございますので、その辺は研究の人材育成というような観点から進めてまいりたいと思っております。
 なお、人員の配置でございますが、これにつきましてはまだ確定をいたしてございません。今後、保健福祉部の方とも協議しながら、その体制を整備してまいりたいという考えております。

〇中屋敷十委員 廃棄物の処理、クリーンセンターが適正な形で誘導するということは、県内の産廃処理施設をやっている施設がいろいろあると思うんですけれども、最終処分も含めて、なかなか今はそういう基準というんですか、適正な処理ができるところがないと、少ないと解釈してよろしいんでしょうか、その点まず1点。
 それから、職員配置で今、多分、そういう処分場での処理について許可等いろんな指導があると思うんですけれども、そういった場合、実際、保健所でどのような担当職員がそれを担当されているのか、そこだけお伺いして終わりたいと思います。

〇簗田廃棄物対策監 適正処理ということでございますが、焼却施設は先ほど申し上げましたように39施設ございまして、このうちほとんどが現在のダイオキシンとかあるいは構造をクリアしている施設でございます。ただ、規模が小さいということでございますので、焼却に関して処理施設が少ないということはございません。それから、最終処分場につきましても、管理型、安定型という施設がございます。これについてもクリーンセンターを含めまして残余容量と申しますか、量にしますとあと十三、四年ぐらいございますので、これも十分に、今のところ少ないという状況ではございません。
 それから、保健所でこの指導に当たっている職員でございますけれども、衛生環境課に廃掃法の指導員を担当する職員1人を配置しております。10保健所10人、特に10人、あとは公害、環境面を担当する職員も一緒に動いているという状況でございます。

〇中屋敷十委員 その職種というのはどういう形でしょうか。技術系とかいろいろあるでしょうけれども、実際担当なさっている、私、つたないあれで見れば、薬剤師さんがいろいろそういう担当してみたりという形で解釈しているんですけれども、いろんな形があるんですけれども、その職種が、職員を配置しているのはわかるんですけれども、どういう職種の方が、経験の方がいらっしゃるかということだけお聞きしたいと思います。

〇簗田廃棄物対策監 薬剤師の方もおられます。それから、工学部系の化学の方もおられますし、理学の化学の方もおられますし、農学部関係の化学系の方も職員としております。ほとんどといいますか、すべて技術系の職員でございます。

〇工藤篤委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午前11時54分 休 憩
 
   午後1時3分 再 開

〇伊藤勢至副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 午前中の説明に対する質疑を続行いたします。

〇佐々木順一委員 簡潔に御質問したいと思います。21世紀への橋渡しとして位置づけられております環境ミレニアム事業についてお伺いいたします。
 これは過般の12月議会で私質問をさせていただきましたけれども、ついてはかかる事業の具体の内容と、そしてまたその効果、さらには環境首都宣言の必要性を私申し上げたところでありますけれども、その宣言の取り扱い、さらにはこの宣言にはどうぞ県民の共感が得られるようなもの、そしてまた、実効性のあるものにしていただきたいと思いますが、その辺も含めまして1点のみお尋ねします。

〇福田環境政策監 環境ミレニアム事業の概要についてでございますが、本県は日本の環境首都を目指しまして、各般の環境施策を総合的に推進してまいるということとしております。特に20世紀から21世紀への橋渡しとなります本年西暦2000年には、環境の世紀と言われております新たな世紀に向けて県民の意識を大きく盛り上げていくということで、国際的な視点に立って、世界の中の岩手としてとるべき行動などについて議論しまして、その成果について世界に向けて情報発信する環境ミレニアムフォーラムを実施してまいりたいと考えております。具体的な開催時期につきましては、本年11月初旬に延べ5日間程度の開催を予定しておりまして、開催場所につきましては、県民の皆さんが集まりやすい場所という観点から盛岡市内を予定しておりますけれども、インターネット等を活用することによって広く県内に波及してまいりたいと考えております。それから、内容といたしましては、次代を担う子供たち、それから県民の皆さんに広く参加していただきたいと考えておりまして、県内環境保全団体の展示・実演、それから親子環境学習教室、それから化学物質対策ですとか、あるいは環境マネジメントシステムについての講演会、シンポジウム、県民運動大会と、多彩な行事を実施したいと考えております。事業の具体的な内容につきましては、今後、共催を予定しております国連大学高等研究所、それから日本電信電話株式会社等と協議してまいりますとともに、県民の皆さんに広く意見、提案を募集してまいるなどしまして、具体的に詰めてまいりたいと考えております。
 それから、2点目の環境宣言の取り扱い、それから県民の共感を得られるような、実際に取り組んでもらえるようなものにしていく必要があるということについてでございますけれども、環境宣言につきましてもこの11月に開催する環境ミレニアムフォーラムの中で、環境首都創造に向けた宣言を発したいと考えておりまして、県民、事業者、行政それぞれの参加、連携、協力による環境に配慮した行動を進めていき、恵み豊かな岩手の環境を将来の世代に引き継いでいくといったところに向けて取り組んでまいりたいと考えております。

〇小原宣良委員 3点についてお伺いいたします。
 一つは、早池峰山山頂トイレの整備についてでございます。このことについては、県としても一定の計画を持ちながら、それぞれ地元の自治体あるいは環境保護団体等と話し合いをしてきた経緯があるわけでございますが、この早池峰山山頂トイレのあり方を含めてどのようにお考えでしょうか、お伺いをいたします。
 あわせて、早池峰山の登山口付近の交通緩和策といたしまして、自家用車の乗り入れ規制、そしてそれに伴うシャトルバスの運行ということで、周辺環境への配慮を含めて実施をしてきたわけでありますが、ことしの登山シーズンに向けたこれら対策はどのようになるものでしょうか。
 2点目は、自然環境保全指針であります。これも県が策定をいたしまして、それぞれ有効活用が期待をされるところでございますけれども、特にも身近な環境という点では、市町村段階における活用というものも大変県民の意識高揚のためにも、あるいは事業者にとっても配慮すべき事項等が具体的に記載をされていると、箇所づけされているという点からも有効に活用すべきものでございますが、これらの状況についてお伺いをいたします。
 3点目は、きのうの教育委員会の予算審査の際にお伺いをいたしたものでございますが、昭和45年に発刊をいたしました岩手県植物誌、これは昭和45年の国体記念でもって発刊されたものでありますが、これは教育委員会で発刊されたということから教育委員会部局でお伺いをしたわけでありますが、教育委員会では今後の課題として検討していきたいと、担当としては県立の博物館が担当ということになるのではないか、こういう趣旨の御答弁を昨日いただきました。この岩手県植物誌の中身は、これは生活環境部にかかわる部分でございますので、協力体制の中でぜひ再改訂、再編さん、こういう形での実現に生活環境部としても協力をしてほしいものだと思いますがいかがですか。
 以上、3点お伺いいたします。

〇村上生活環境部長 3点ございました。私の方から自然環境保全指針について御答弁申し上げまして、残り2点については自然保護課長の方から答弁させます。
 自然環境保全指針、委員御指摘のとおり、身近な自然というものを掲示してございます。市町村からの推薦あった時点で、地域住民等の意向等も把握しながら報告されてきているものと考えてございまして、このような推薦の過程で地域住民が自分たちの身近な生活の中にすばらしい環境があるんだという、スポットがあるんだというふうな意識を高める意味では非常に有効であると考えてございます。それから、あわせましてこの有効策につきましては、例えばアセスメントの際に活用されております。事前にいろんな相談に参っておりますし、それから事業の実施に当たりましても、事前に情報収集という形で私の方の自然保護課の方に照会があるという状況で、現時点では有効に活用されているなというふうに考えてございます。なお、ホームページにも掲載してございますけれども、現時点で約1、000件くらいのアクセスが記録されております。

〇山瀬自然保護課長 早池峰のトイレ問題についてでございます。早池峰山頂避難小屋トイレの今後の進め方といたしましては、これはトイレ問題を個別の問題として考えるのではなくて、全体的な保全対策の検討の中で検討してまいる必要があるというふうな考えから、国とか県、市町村、自然保護団体等による検討の場といたしまして、早池峰地域保全対策懇談会を設置いたしたところでございます。この懇談会は平成11年9月の準備会を経まして、現在まで2回、準備会合わせて3回ということになりますが、開催をいたしております。懇談会におきましてはトイレ問題についても議論が交わされておりますけれども、まだ具体の方向が出されるまでには至っておりません。今後、懇談会の場におきまして何らかの方向が出されることを期待いたしまして、それを受けましてトイレ問題の解決を図ってまいりたいと考えているところでございます。
 次に、早池峰のマイカー規制、ことしの実施についてどのようになるかというお話でございますが、これについては昨年まで2年間の実施を踏まえて、例えば貸し切りバス等も規制するべきだというふうな声等もございましたので、それらを受けまして来年度どのようにしたらいいのかというふうなことについて、現在いろんな点についてさまざま法律的な問題だとかいろんな問題、これについて現在、関係機関、市町村等で検討をいたしておるところでございます。したがって、まだ今年度どういう形になるかというのはもうちょっとこれについては検討が必要な状況でございます。
 それから、岩手県植物誌でございますが、これについては教育委員会で策定をしたものでございまして、これは私どもが現在作業しておりますレッドデータブック、これは絶滅の危機に瀕している動植物等をリストアップしてその状況といいますか、作成するものでございますが、岩手県植物誌は県内に生息しているすべての植物についてまとめたものというふうに承知をいたしております。今後、教育委員会でどのようにされるのかちょっと伺っておりませんけれども、うちの方でつくるレッドデータブックに合わせて野生生物目録というのもつくりますので、これは名称だけなんですが、県内に生息する動植物の名称を全部リストアップしていくというふうな、ただ、それぞれの種について詳しい説明はなくて名称だけなんですが、そういうことを参考にはしていただけるのかもしれないなという気はいたしますけれども、これにつきましてはいずれ教育委員会の方の対応をちょっと見守っていきたいと存じております。

〇小原宣良委員 わかりました。一番最初の早池峰山山頂トイレの件なんですが、これはいつごろをめどに一定の方向を見出そうとしておられるでしょうか。例えば、山頂トイレそのものをなくしていくというふうなこととか、あるいはヘリコプターで簡易トイレを設置してそれを運ぶとか、これはもう具体的な話になってくると思うんですね。どのように対応していくのか、あるいはその方向性を見出すという点で。そこで、今御説明ありましたように、もう全体的な保全対策の一環としてというふうにおっしゃっているんですが、これは総論的にはわからないでもないんですが、早池峰山という貴重な植物群が生育をしているという環境の中で、全体的な保全対策の一環として検討すると、これは例えばどういう方向性が考えられるかという点についてはいかがですか。

〇山瀬自然保護課長 全体的なということにつきましてでございます。現在、早池峰地域保全対策懇談会におきまして検討する事項というのは、一つは利用者のマナーの向上に関すること、それから高山植物の盗採防止に関すること、それから利用施設のあり方──これはトイレも含めてになりますが──に関すること、4番目が、利用抑制の必要性などに関すること、5番目がその他必要な事項というふうなことになっておりまして、これらについて懇談会において検討をお願いしているということでございます。したがって、全体的なということは以上のような内容になろうかと思っております。
 いつまでに建設という話でございますが、これについては私どもの希望といたしましては、もし可能であれば13年度の予算要求時期までに何らかの方向が出せることを期待したいというふうには思ってはおるところでございます。

〇小原宣良委員 13年度予算要望ということになると、12年、ことしの9月、10月という話になるんでしょうかね。その辺の見通しということになるんでしょうか。確かに全体的な保全対策の一環という意味はわからなくもありません。例えば、私も経験しましたが、去年の夏に私も早池峰に登りまして、携帯トイレを持参しまして私の小便を持ち帰りました。こういうことから言ってもそれぞれ登山者の心がけといいますか、そういう点では全く山そのものに負荷をかけないといいますか、そういうことは確かに可能なんですよ。そういう全体のものを含めたということなんでしょうから、ぜひこの対策について早目の対応──もちろん懇談会の中でも十分意見を伺いながら──をお願い申し上げたいと思います。
 それから、岩手県植物誌、教育委員会の方でも前向きにとらえておられるようですから、さまざまな資料を持っているのは生活環境部ですから、ぜひ協力体制を敷いていただくようにお願いをして終わります。

〇川村農夫委員 さきに新聞で大きく報道されましたが、矢巾町の北上川の西の川岸で幼稚園児がハクチョウを見学中にカモをねらうハンターによる発砲がありました。一歩間違えば大変な事故につながっていたと思われます。その影響で200羽近いハクチョウが全く寄りつかない状況にあります。実はこの場所は長年ハクチョウおじさんや地元自治会の努力で毎年ハクチョウが飛来し多くの人を楽しませていたところでありました。特に町内の小学校、保育園、幼稚園の子供たちが毎年見学に訪れており、今ハクチョウが見られないのが大変残念なこととなっております。ハクチョウ募金をしてえさ代にしたり世話人をねぎらうなど、子供たちの情操教育の面からもハクチョウとの触れ合いは貴重な体験でありました。現在1羽もおらず来年の飛来さえ心配されております。そこで、見学する人の安全性やハクチョウが安心してえさをとるためにも、ハクチョウが休める地域周辺を禁猟区として設定することに向けての手続をとらなければならないとは思いますが、その以前にハンターのマナーの欠如が最大の原因であろうと思います。子供たちの目の前で発砲されたわけでございます。そういったマナーの徹底教育について猟友会等に任せるのではなく、県の徹底教育の取り組みについてどういうお考えを持っておられるのかお伺いします。自然と人との共生を目指す意味でも重要な課題であると思いますが、御所見をお伺いします。

〇山瀬自然保護課長 ハンターの教育ということでございますが、狩猟事故の防止対策ということで県におきましてもこの取り組みをいたしておるところでございます。例えば、狩猟者登録証、これを交付する際に狩猟事故の防止研修会を実施して安全指導を行うとか、また狩猟の初日には警察当局と連携を図ってこの取り締まりを行うとか、また県の猟友会の方で取り組んでいる狩猟指導員の設置だとか射撃講習会等についても補助を行うということで、この事故防止対策を進めてきておるところでございます。今後とも一層この狩猟事故防止が図られるように、そういう研修会等において十分にその周知を図ってまいりたいと思っているところでございます。

〇伊藤勢至副委員長 禁猟区については何かありませんか。

〇山瀬自然保護課長 失礼しました。禁猟区といいますか、銃猟禁止区域についてでございますが、これにつきましては毎年度、これは市町村から希望を聞きましてこの設定等をやっておるところでございます。そういうことで今回のその場所につきましては、地元の市町村からそういう声があれば、そういう希望があればこれは前向きに取り組んでまいりたいと思っております。

〇阿部静子委員 3点についてお伺いをします。その第1点目は、岩手っ子の夢チャレンジ事業についてでございます。どんなことをするのかと楽しみで胸がどきどきするような事業名でございますが、この事業内容の具体的な内容についてお知らせをいただきとうございます。
 2点目は、大正以前の和風の建造物の実態調査の事業がございますが、その対象になる──これは大正時代の大正ではなくて──建造物というものの予想される代表的な建造物、そしておおよそどれくらいを対象として実態調査をなさるのか、その実態調査の項目とそれをどうその後生かしていくのか、これをお尋ねいたします。
 第3点目は、廃棄物について随分御質問がございましたが、その中で産廃の不法投棄などの部分で、指導体制拡充強化のために指導の車あるいは人員をふやしているわけでございますが、この広い岩手県内、県民一人一人がチェックマンとなってその現状を訴えていける110番機能というものをお備えになる御準備がございますかどうかお伺いをいたします。

〇菊池青少年女性課長 岩手っ子の夢チャレンジ事業につきまして説明させていただきますが、これは青少年の健全育成の新規事業ということで企画した事業でございまして、今考えております内容につきましては、県内の小中学生から、自分でいろいろ思っている夢というものをどんどん出していただきたいということで募集したいと考えております。例えば、点字のパンフレットや本をつくってみたいですとか、縄文時代を体験したいですとか、いろいろな夢があろうかと思いますがそれを出していただくと。あわせまして青年のボランティアを募集いたしまして、ボランティアが実行委員会をつくるということで、その子供たちの夢をボランティアの青年たちが選定し、そしてその実現に向けてサポートしながら、異なった世代、一緒になって事業に取り組んで実現していくと、こういったことを考えた事業でございます。

〇三上文化国際課長 伝統的建造物の実態調査についてのお尋ねでございますが、この調査の対象となる建造物は、現在のところ、農家、商家あるいは武家屋敷などの和風様式の建造物等を考えてございます。近年、急速にその数は減少しているものと予想されますので、詳細な公式な調査が実施されてございませんので、その件数というものは把握されてございません。今回そのような実態調査を実施するというものでございます。カヤぶき家屋などの伝統的建造物は地域固有の文化を形づくる貴重な文化的資源であるというふうな考えから、これまでその保存、活用策について検討してきたところでございまして、関係者の意見交換あるいはシンポジウムなどを実施してきたところでございます。12年度におきましてはそういった実態を明らかにいたしまして、さらに具体的な保存活用策を検討していきたいというものでございます。
 調査の方法でございますが、地域の実情に精通した調査員の方を依頼いたしまして、文献調査あるいは現地訪問などによります聞き取り調査、さらには居住者の方の意向調査なども実施をしたいと思います。具体的には、さらに建築年代あるいは建物の構造、保存状態、こういったものを調査いたしまして、調査結果のデータベースを作成しようと考えてございます。その調査結果の活用につきまして現時点で考えられますことは、これらの建物、建造物が地域の観光施設あるいは交流施設、またはグリーン・ツーリズムなどの拠点の施設として活用していただくこと、あるいはこれらの伝統的建造物の保存活用のためのNPO等のグループの育成、あるいは技術や技能の保存伝承などをすることによりまして、地域の活性化につなげていけるのではないかというふうに考えてございます。

〇簗田廃棄物対策監 不法投棄対策で監視強化策として110番制度の導入を御提案したいということでございますが、11年度にいわゆる産廃Gメン4人、4保健所に配置しております。12年度は2人増員していただきまして6人体制で不法投棄パトロールあるいは不適正パトロール、その他産業廃棄物処理施設への立入検査あるいは排出事業者への適正処理指導ということで強化に努めてまいりたいと考えております。さらに、これとあわせまして保健所ごとに河川巡視員あるいは森林パトロールの方、道路のパトロールをされている方、鳥獣指導員の方々で連絡会議を設置することとしております。このほか地域住民の方々から広くいろんな通報をいただくネットワークといいますか、そういった形でファクスによる110番ということもあわせて考えていきたいと考えているところでございます。

〇阿部静子委員 この子供たちの夢チャレンジ事業でございますが、青少年のボランティアを募集して、そこを実行委員会として子供たちから夢を集めると、県はどういうかかわりをこの事業にお持ちなのか。
 それから、他県で既にこういう事業をやっているところがあるのかどうか、それをまずお伺いをいたします。
 それから、建造物の実態調査につきましては、三上課長のすばらしい御説明ですとんと落ちました。今度はその調査をして、この建物はこういうすてきな建物だよということが調査の結果として出ましたときに、地域の活性化、観光へつなぎ合わせていくのと同時に、県内のみんなにこういういい建物が岩手にもあるんだよという周知法というんですか、広げていく方策はどのようにお考えでしょうか。

〇菊池青少年女性課長 ボランティアの関係でございますけれども、県の方ではおととし、総務庁の国際青年の村という事業がございますが、青年たちが一堂に集いまして交流を深めネットワークを構築していくという事業がございますが、それ以来、青年たちのボランティア育成ということも引き続いてやっております。今年度は安比におきましてユースサマーセミナーというものをやりましたけれども、この際にも民間のといいますか、青年のボランティアを募集して実行委員会をつくるという方式をとりました。そのときは結果として50名の青年が事務局をつくっていただいて活躍していただいているという、こういう流れがございましたので、引き続きましてこの事業も青年の事務局でいろいろ柔軟な発想でやっていただく方がいいのかなということで企画しておりまして、できれば余り県は口を出さないで条件整備の方に努めたいというふうに考えております。
 それから、他県ではどうかという御質問でございましたが、今承知している中では、佐賀、埼玉、和歌山でも同じようなものをやっておりまして、埼玉は例えば人口が多うございますから、公募しました結果2、000件を超す子供たちからの夢が出て、その中から八つほどを選んで事業を実施したというような実績がございます。

〇三上文化国際課長 伝統的建造物の周知方法ということでございますが、現時点で考えられますことでございますが、当部の環境政策室の方で環境地元学事業、エコミュージアムというふうな事業がございます。県内にどういったそういった文化的な施設、自然環境ですとかそういったものを県内のデータを収集する作業、作成する作業を12年度に予定をしてございますが、それとリンクさせながら伝統的建造物につきましても紹介をしていきたい。それから、もう一つは、当課の事業の中で文化情報システムを将来的に県民の皆様に周知をするようなシステムづくりを考えてございます。それとのリンクをさせるということで周知の方法が考えられるところでございます。

〇阿部富雄委員 二酸化炭素などのいわゆる排出抑制については、地球温暖化対策の推進に関する法律で国が基本方針を定めて、それに即して県あるいは市町村は実行計画を策定する、こういうふうに定められているわけでありますが、まだ県では策定していないというふうに聞いておりますけれども、その県の策定状況、それから内容的にはどういうものを盛り込んでいかれるというふうにお考えなのかお尋ねをしたいと思いますし、あわせて市町村、それから事業者、市町村はこれはつくらなければならないというふうに設置が義務づけられているわけですね。それから、市町村はそれらの対策を措置するということになると思うんですけれども、こうした市町村、それから事業者に対する要請の方法はどういうふうな形にされていくのかお尋ねします。
 あわせてお伺いしますが、NPO関係についてでありますけれども、先般私、須川の自然を考える会という方から、NPOの認証を受けたいということでその申請についてのいろいろな相談を受けたわけでありますけれども、この会のその取り組みを見てみますと、生態系保護地域の編入やあるいは水資源の確保、それから乱開発の規制の提言、登山道の整備、山野草の盗掘監視、景観形成のためのフラワーロードの整備など、まさに行政の目の届かないところ、あるいは手のつけられない、そういうところまで幅広く活動をしているということを改めて認識をさせられたわけであります。ボランティアについては阪神・淡路大震災でのボランティア活動であるとか、あるいは高齢者介護などの福祉の分野でのボランティア活動が積極的に行われておりまして、今後こういうのがだんだん盛り上がりを上げていくことになるんだろうというふうに思いますけれども、一方でこういうことが指摘されているわけですね。NPOを運営していくためのノウハウがないことで、県内でいっぱいそういう芽が出てもなかなか相互の連携がとれないために、独立した認証を受けるということが難しいという話も聞いておりますし、それから寄附金の税制の見直しなどのいわゆる税制上の優遇措置の拡充もしてもらわないと、やはり財源的な裏づけがないと活動が十分にできない、こういうお話も聞いているわけでありますが、こうしたことについて県はどのような支援を行っていくのかお伺いをいたします。

〇福田環境政策監 地球温暖化防止実行計画についてのお尋ねでございますけれども、まず1点目、策定状況については後ほど申し上げるといたしまして、その内容についてでございますけれども、昨年の4月に施行になりました地球温暖化防止の地球温暖化対策推進に関する法律におきましては、地方公共団体、都道府県、市町村両方でございますけれども、事業者として温室効果ガスの排出抑制に取り組みを、この計画の策定が義務づけられているものでございます。その内容につきましては、県の事務事業から排出されます温室効果ガスの総排出量に関する数量的な目標、それから電気量、ガソリン使用量といったエネルギー使用量の抑制に関する数値目標を定めるということにされております。
 それから、具体的な取り組みといたしまして、例えば物品を購入することに際して、再生品ですとか、あるいは環境に負荷の少ない商品を購入することですとか、日常的な省エネ、省資源行動を行うことと、それから庁舎等の建設に当たっては木材資源を有効利用したり、それから自然エネルギーの利用等に留意すると、そういったことについて定めるものとされております。
 現在の策定状況でございますけれども、基準となります平成10年度の総排出量、県の事業者としての総排出量でございますけれども、この算定を終了いたしまして、二酸化炭素などの温室効果ガス削減のための数値目標等、現在検討中でございます。早急に策定いたしまして、地球温暖化防止に向けた環境配慮の取り組みを進めていきたいと考えておるところでございます。
 それから、市町村、事業者に対してどのような要請をしていくのかということでございますけれども、市町村につきましては、先ほど申し上げましたように、この温暖化対策の推進に関する法律でこの実行計画の策定が義務づけられているということになっております。ということから、市町村の方でも県の計画がまだということで様子を見ているような状況もあるかと思いますけれども、県の計画の策定に伴ってこういった市町村の実行計画の策定についても拍車がかかるということになってまいりますし、県が策定に当たっていろいろ得たノウハウについて、いろんな会議等を通じて積極的に情報提供するとともに、いろんな技術的支援を行ってまいりたいと思います。それから、事業者につきましては、温暖化防止実行計画においてはその計画の策定が義務づけられていないわけでございますけれども、環境マネジメントシステムの導入ということについては積極的に支援してまいりたいと考えております。特に国際的な規格としてはISO14001というのを認証取得するというのが、外部からも認証されるという形で一番適切なやり方ではないかと考えておりますので、こういうことについていろんな形で支援をしてまいりたいと考えております。

〇久保総務生活課長 NPO、ボランティアへの活動の支援についてというお尋ねでございますが、NPOにつきましてはその運営をしていくために必要な情報の提供あるいは相談への対応等を行うために、ボランティア活動振興センターがございますが、このセンターの機能の拡充や、それから情報システムの整備などを行い、それとともにNPO同士の交流、連携を目指していくようなネットワークづくりに対する支援等を行いまして、NPOの活動しやすい環境づくりを積極的に推進してまいりたいと考えております。また、NPOに考えられる補助または委託でございますけれども、そういう事業等適当と認める事業につきましては、今度新たに創設しようとしております市町村総合補助金、あるいは地域活性化事業調整費などを活用しまして支援していきたいというように考えております。
 それから、税制上のお話ありましたけれども、税制上の優遇措置の拡充につきましては、県は既に収益事業を行わないNPO法人の県民税の均等割を免除することにしております。また、県内のすべての市町村におきましても、市町村民税の均等割の免除措置が講じられておるところでございます。それから、NPO法人に係る寄附金税制の見直し等についてでございますけれども、NPO法の附則において、法施行の日から3年以内に検討を加え必要な措置を講ずることとされておりますことから、これまでも大蔵省を初め各省庁に要望してまいりましたけれども、これにつきまして引き続き関係省庁に対して要望してまいりたいと考えております。

〇阿部富雄委員 ただいまCO2等の温暖化物質の排出量、県内の総量は把握をしたということですけれども、車は5分間アイドリングするとCO2の排出量は約40グラムぐらいじゃないかというふうなことを言われているわけですが、県がその排出量の総量というのは一体どの程度に押さえたんでしょうか。
 それから、市町村のその取り組みですけれども、実はこういう話が市町村からよく言われるわけであります。県からいろいろな報告、調査物が来て、本来の自治体業務に手がつけられないでそちらをやるか、あるいはその調査をやめるか、そういうような非常に忙しい中で我々は仕事をしているのだという、こういうお話を聞くわけですけれども、まさに今回の実行計画であっても、県と違いまして市町村はやっぱり現場ですから日常業務をいっぱい抱えて私はやっていると思います。そういう中で企画立案にかかわる部分を市町村に求めても、かなり厳しい面があるだろうと思っているわけであります。そういう意味ではこういう市町村が設置しなければならないさまざまなものについては、生活環境部だけじゃなくて福祉とか、いろんな分野にわたって法律で求められているわけですから、ですからできるものについてはもっと県内の市町村が統一して参考にできるようないわゆる指針などを示して、それに基づいて市町村が主体的にそれらを選択しながら策定をできるという、そういうマニュアルづくりをやっぱり県としては私は支援をしていくべきではないかなというふうに感じているわけですが、その辺についての対応はどのようにお考えかお尋ねします。

〇福田環境政策監 温室効果ガスの総排出量についてのお尋ねでございますけれども、この温室効果ガスの排出量については県全体の数値ということではなくて、県の一事業者としての数値ということで算定いたしております。この細かい数値につきましては現在精査している段階でございまして、この温暖化防止計画の公表の段階でそれについては明らかにさせていただきたいと考えております。それから、市町村の指針となるようなものを示すべきじゃないかということでございますけれども、一つは県が地球温暖化防止実行計画を策定することによりまして、これが一つのモデルとなるのじゃないかということとあわせまして、地球温暖化防止実行計画のマニュアルについては事前に情報提供しておりまして、これに基づいてそれぞれの市町村では現在検討なされているところというふうに考えております。

〇斉藤信委員 私、当該委員ですから1回だけ簡潔に聞いて終わりますので、よろしくお願いします。
 早池峰山の自然環境調査の問題が予算化されていますが、どういう調査をどういうメンバーでやる予定なのか。
 ごみ処理の広域化、大型化、高温ガス化溶融炉方式、この問題とごみ減量についてお聞きをします。盛岡・紫波地区環境施設組合が高温ガス化溶融炉施設を導入しようとしています。ごみ減量化の計画に基づく計画規模となっているのか。私の調査では1人当たりのごみ排出量はふえるという計画になっていますがいかがでしょうか。CO2の発生、金属などの有害ガス、窒素酸化物の発生が心配されるのがこのガス化溶融施設であります。地球温暖化防止、CO28%削減の県の方針に逆行するのではないか。イニシアルコスト、ランニングコスト、私きょう聞きましたら釜石市の溶融炉の場合は平成10年度でトン当たり2万9、000円だと、大変高くついているのではないかと思いますがどうでしょうか。高温溶融炉は高温で燃やす。そして24時間燃やさなければだめですから必要なごみを確保しなくてはならない。そういう点で私は根本的にごみ減量に逆行するのではないかと思います。この高温ガス化溶融炉、大型化、こういうものを厚生省、県は推進していると聞きますが見直すべきではないでしょうか。
 最後ですが、国も来年100トン未満も補助対象にしています。広域化計画では100トンから300トンの大型化を目指すとなっていますが、私はこの広域化方針も見直すべきではないかと思いますがいかがでしょうか。

〇山瀬自然保護課長 早池峰山の自然環境調査の内容でございますが、これは来年度──12年度に実施をしたいということでございまして、その対象区域は早池峰国定公園と、それから早池峰自然環境保全地域でございまして、その区域の自然環境の現状を科学的に明らかにするとともに、過去との比較についても可能な限り行いたいと考えているものでございます。調査の内容は、まず植生、これは高山植物とか森林群落とかございますが、そういう植生とか動物、それから地質、地形、土壌、地表変動などの項目について行いたいと考えておるところでございます。それから、どういうメンバーというお話でしたが、これは調査につきましては調査研究機関への委託により行う予定でございます。

〇簗田廃棄物対策監 ごみ処理施設の問題でございますけれども、現在ごみ処理施設の方式には、焼却、溶融、固形化などさまざまな方式があります。これまでの溶融炉は一般的にイニシアルコスト、それからランニングコストがかかるというふうに言われております。処理方式、メーカーによってこれはそれぞれ長短があります。最近では排ガスや焼却灰中のダイオキシン削減など高度な処理が求められてきておりまして、その差は以前より縮まっているというふうに承知しております。
 それから、二酸化炭素の排出の問題でございますけれども、今計画しております盛岡・紫波地区の方式はコークスを使用するという点で、これまでの方式よりも二酸化炭素の増加が見込まれております。一方では余熱を利用した発電を行うということもございまして、化石燃料の削減につながる配慮もされております。処理方式の導入に当たりましては、イニシアルコスト、ランニングコストを含め運転管理の安全性、発生するスラグの有効利用性、最終処分場の延命化対策等々、学識経験者の助言を得ながら慎重に検討したというふうに聞いているものでございます。
 それから、ごみ減量化計画に基づく規模、あるいはそのごみ減量化に反するのではないかというお尋ねございますが、当該地区はこれまで生ごみ堆肥化など、全国の先例になるようなリサイクルに積極的に取り組んできております。この地区は盛岡市及びその近郊にありまして宅地開発が非常に活発でありまして、人口が著しく増加しております。また、企業等の施設立地も進んでおります。こういうことで自家処理していた焼却ごみがかなり増加しておりますし、またダイオキシン削減対策によっても焼却炉等を廃止することがあってのごみの増量と、こういう増加するごみの処理にここの施設は現在16時間運転で従来やっていたんですけれども、今現在そのごみの処理に迫られておりまして24時間フル運転しているというような状況にございます。このため組合構成市町では、今後も減量化、リサイクルを積極的に進めた上で、なおごみの増加が見込まれることを考慮して現在の規模に設計したというふうに聞いております。
 それから、100トン未満の件で広域化計画を見直す考えはないかということでございますが、国の方針であります100トン未満に補助金を出すということは、広域計画に沿ったものであってダイオキシン削減等のその措置が十分に講じられている施設に対して100トン未満のものを補助の対象にしているということで、国の方では基本的にこの方針は変わらないということでございますし、県としても広域化計画を今後進めてまいりたいと考えております。

〇伊藤勢至副委員長 ほかに質疑ありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇伊藤勢至副委員長 質疑がないようでありますので、以上で生活環境部関係の質疑を終わります。
 次に、保健福祉部長から保健福祉部関係の説明を求めます。

〇関山保健福祉部長 保健福祉部関係の平成12年度当初予算及び条例案について御説明申し上げます。
 まず、議案第1号平成12年度岩手県一般会計予算についてでございます。議案その1の6ページをお開き願います。
 保健福祉部関係の一般会計歳出予算額は、3款民生費の502億7、500余万円のうち、2項生活文化費を除く487億7、000余万円と、4款衛生費の246億2、400余万円のうち、2項環境衛生費の一部を除く198億4、300余万円と、9ページに参りまして、13款諸支出金の1項公営企業貸付金から3項公営企業負担金までのうち、2項公営企業出資金の一部を除く258億5、000余万円の合わせて944億6、400余万円であり、これを前年度6月補正後と比較いたしますと、50億5、800余万円の増、率にいたしまして5.7%の伸びとなっております。
 当部の平成12年度当初予算について、まず初めに県総合計画の環境、ひと、情報の三つの視点から主な点を御説明いたします。
 まず、環境についてでありますが、環境保健センターについては、平成13年度の開所に向けて施設及び設備の整備を進めます。また、生活環境の面では、バリアフリーに関する情報の提供など、人に優しいまちづくりを推進いたします。
 ひとについては、介護福祉士等への修学資金貸付事業など保健福祉人材の養成、確保を計画的に進めるとともに、小地域での福祉活動の中心的役割を担う結づくりリーダー・ボランティアの養成を推進いたします。
 情報については、環境とひとを有機的に結ぶ仕組みとして、環境保健センターを拠点とする環境保健総合情報システムの開発や医療情報センター構想を推進するなど、保健・医療・福祉における情報ネットワークづくりを推進いたします。
 以下、予算の内容につきましては、便宜、予算に関する説明書により御説明申し上げますので、お手元の予算に関する説明書の114ページをお開き願います。なお、金額の読み上げにつきましては省略し、主な事業を中心に説明させていただきますので、御了承願います。
 115ページにかけましての3款民生費1項社会福祉費1目社会福祉総務費のひとにやさしいまちづくり推進事業費は、人に優しいまちづくりを推進するための整備資金の貸し付け等を行うものであります。2目身体障害者福祉費の障害者社会参加促進事業費は、身体障害者の社会活動への参加と自立を促進するものであります。117ページに参りまして、3目知的障害者福祉費の知的障害者更生援護費は、入所援護委託等を行うものであります。4目老人福祉費でございます。118ページに進みまして、老人福祉施設整備費は、老人入所施設等を整備するものであり、119ページに参りまして介護給付費等負担金は、市町村が行う介護給付及び予防給付に要する費用の一部を負担するものであり、介護保険財政安定化基金積立金は、市町村の介護保険財政の安定化を図るための基金を設置するものであり、介護予防・生活支援事業費補助は、要介護認定において自立と判定された高齢者等へ、市町村が実施する介護予防・生活支援サービスに対して助成するものであります。
 少し飛んでいただきまして125ページをお開き願います。3項児童福祉費1目児童福祉総務費の特別保育事業費は、多様化する保育需要に対応するため、市町村が行う一定の各事業等に対し補助するものであります。126ページに進みまして、すこやか子どもランド(仮称)整備事業費は一戸町奥中山地区に自然を活用した児童の健全育成のための拠点施設を整備するものであります。
 少し飛んでいただきまして130ページをお開き願います。4項生活保護費2目扶助費は、生活保護世帯に対する生活扶助等の給付に要する経費であります。
 132ページをお開き願います。5項災害救助費1目救助費は、救助及び小災害見舞金等に要する経費であります。
 133ページに参りまして、4款衛生費1項公衆衛生費1目公衆衛生総務費の環境保健センター(仮称)整備事業費は、環境保健行政の科学的・技術的中核機関として、衛生研究所と公害センターの再編整備を行うものであります。134ページをお開き願います。135ページにかけましての3目予防費の特定疾患対策費は、パーキンソン病等の特定疾患患者に医療費の給付等を行うものであります。4目精神保健費の精神障害者入院等措置費は、措置入院患者の医療の給付等を行うものであります。136ページに参りまして、6目老人保健費の老人保健対策費は、老人保健法に基づき、医療費及び保健事業の負担等を行うものであります。
 少し飛んでいただきまして143ページをお開き願います。3項保健所費1目保健所費の保健所情報システム運営費は、保健・医療・福祉情報に関する国、本庁、保健所間のネットワークの充実強化を図るものであります。144ページからの2目医務費でありますが、145ページに参りまして、救急医療対策費は、病院群輪番制病院の運営費補助及び救命救急センターの運営費補助等を行うものであります。
 次に、263ページをお開き願います。13款諸支出金1項公営企業貸付金1目公営企業貸付金の県立病院等事業会計運営資金貸付金は、県立病院等事業会計に対して運転資金の貸し付けを行うものであります。
 264ページをお開き願います。2項公営企業出資金1目公営企業出資金のうち県立病院等事業会計出資金は、県立病院等事業会計に対して出資を行うものであります。
 265ページに参りまして、3項公営企業負担金1目公営企業負担金の県立病院等事業会計負担金は、県立病院等事業会計に対して負担を行うものであります。
 次に、議案第2号の母子寡婦福祉資金特別会計予算について御説明申し上げますが、便宜、予算に関する説明書により御説明させていただきます。
 予算に関する説明書の317ページをお開き願います。歳入歳出予算総額は、それぞれ4億2、800余万円であります。318ページに参りまして、歳入は、一般会計からの繰入金、繰越金、諸収入であり、323ページに参りまして、歳出は、母子家庭及び寡婦の経済的自立、生活意欲の助長、児童の福祉の増進などを図るために必要な資金の貸し付けに要する経費であります。
 以上、母子寡婦福祉資金特別会計予算の御説明を終わります。
 引き続き、予算に関連する議案について御説明申し上げます。
 議案その2の15ページをお開き願います。議案第30号の介護保険財政安定化基金条例は、介護保険の財政の安定化に資する事業に要する経費の財源に充てるため、介護保険財政安定化基金を設置しようとするものであります。
 次に、189ページをお開き願います。議案第37号の理学療法士及び作業療法士修学資金貸付条例の一部を改正する条例は、理学療法士及び作業療法士修学資金の貸付金を増額しようとするものであります。
 次に、211ページをお開き願います。215ページにかけましての議案第46号の福祉交流施設条例の一部を改正する条例は、福祉交流施設の使用料の額を増額しようとするものであります。
 次に、217ページをお開き願います。議案第48号のと畜場法施行条例は、と畜場法の実施に関し必要な事項を定めようとするものであります。
 219ページから231ページにかけましての議案第49号の食品衛生法施行条例は、食品衛生法の実施に関し必要な事項を定めようとするものであります。
 以上で、保健福祉部関係の議案についての御説明を終わります。御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。

〇伊藤勢至副委員長 ただいまの説明に対し質疑ありませんか。

〇藤原良信委員 私は、4款の公衆衛生総務費1目の周産期医療施設整備費補助並びに保健医療研究費補助、それから、4款2目医務費の中の救急医療対策費に関係いたしまして御質問いたします。
 これは、岩手医科大学の支援の予算が盛り込まれている分野と思っております。そこで、まとめてお尋ねをいたしますのでよろしくお願いをしたいと思いますけれども、さきの総括で、我が会派の佐々木一榮委員からも御質問をされておりましたけれども、いわて情報ハイウェイを県の施策として整備していくと。そしてその中で、平成14年度から順次運用を開始していきたいという、いわゆる医療情報センターの構想がございます。このセンターの機能を岩手医科大学に持たせていくということでございますけれども、大まかな整備スケジュール等についてはお示しをいただいたわけでございますけれども、さらにこのことについて具体的にお示しをいただきたいと思います。岩手医科大学の役割でございます。
 それから2番目といたしましては、岩手県というのは大変面積が広いわけでございまして、医師が地域的に偏在してございまして、医師確保というのは大変なテーマでございます。岩手医科大学というのは、岩手県では唯一の医師の養成機関であることは言うまでもございません。そういう意味での岩手医科大学の意味合いを、どう思っていらっしゃるか。
 3番目といたしまして、がんや循環器の病気に対する県民の医療のニーズがますます大変高度化しております。岩手医大は、本県の高度医療のいわゆる中核医療の一翼を担っていると思っております。
 例えば、若干参考までにお話しいたしますけれども、東北6県を見ますと、これは日本の制度の一つの仕組みでございますけれども、1県1医大で、私大で医師養成をやっている県は東北では岩手県だけでございまして、御案内のように、福島県は県立で医学部を運営しております。
 その中で、ちょっと参考までに言いますと、一般会計で、1年間で86億何がしの福島県は県立の医科大学に出してございます。これは民間で今、岩手医科大学は経営をされておるわけでございますけれども、ただいま申し上げましたその役割、情報ハイウェイとしてそのセンターの役割を持っていく、あるいは医師の養成機関としてそれらの役割を持っていくと。それから、高度医療のあるいは複雑な重度の疾病を担っていくという、そういう役割も、これは岩手医科大学だけではございませんけれども、附属病院だけではございませんが、岩手県には県立中央病院もありますので双璧でございますけれども、いずれにしろそういう分野を持っている。
 一方で、国では診療報酬の改定がなされてきている。近年、診療報酬の改定をなされて医師の充足率が50%から60%になる。県立病院等々これから見ていっても、充足率が100%に達しているというのはほとんどございませんで、医師確保というのは県立病院の運営から言っても大変だと、これは重要なことでございます。ましてや、ただいま申し上げました地域的に偏在しております医師の不足、民間の医師不足等からいきましても、これは岩手医科大学並びに附属病院、これをトータルで申し上げますけれども、岩手医科大学だけがその役割を担っていくわけではございませんで、自治医科大学等々もあるわけですけれども、しかし1県に1医大という役割の中で、岩手県には県立ではなくて私立で、東北ではただ1カ所、私立で医師養成の大学が岩手医科大学であると。
 今後の役割を考えていきますと、これまでの役割を見ましても、私は岩手医科大学の現況を見た場合、県民の期待の大きさから考えていきますなら、私は施設の整備等々、もっと積極的に考えていく時期ではないかと。あわせて、医師不足、医師確保。診療報酬の改定が将来もあるだろうと必ず予測をされますので、そうすると、ハードルがまた高くなる。これは経営にはね返ってまいりますので、当然、充足率を満たしていかなければならない。そういうことからいきましたら、ぜひ私は今回盛り込まれている予算を含めて、さらに今後検討していく必要があるだろうと思うのでありますが、まず御見解を賜りたいと思います。

〇関山保健福祉部長 まず第1点、岩手医大における医療情報センター構想についてでございますが、この医療情報センター構想については、本年度、有識者からなる懇談会において、その基本計画を御検討していただいているところであります。基本的には、本県における高度医療を担い、唯一の医師養成機関である岩手医科大学にセンター機能を持たせ、センターと県内各地の端的な医療機関との医療情報ネットワークを構築し、いわて情報ハイウェイ上にそれを整備してはどうかということであります。県北・沿岸地域の基幹的な医療機関とのネットワークから順次開発していってはどうかということなどを、今現在検討しております。
 具体的には、テレビ会議システム等で行います地域医療情報システムや、岩手県高次救急センターと県立大船渡病院あるいは久慈病院の救命救急センター等がございますが、そういったところを相互に結びつけ合い、高度救急医療支援システムといったものを整備等、あるいは国立がんセンター、国立循環器病センターとそれぞれの機関が結んでおりますがんネットや循ネットとの機能を、地域医療機関へ拡張するシステム等々、この岩手医科大学に担っていただこうとしている医療情報センターにおいて実施していただければと思っております。これによって、県全体の医療の底上げを図っていただこうと考えております。
 スケジュールといたしましては、平成12年度に具体的なシステムを整備し、平成13年度には岩手医大と県立大船渡病院及び県立久慈病院間に主なシステムの開発整備を行いまして、平成14年度から順次、運用を開始する予定であります。その後もネットワークの機能の検証を行いながら、他地域へのネットワークの拡張ということを行ってまいりたいと考えております。
 次に、医師確保における岩手医大の位置づけでございます。
 県内の医師数は年々増加してきておりますが、しかしながら、地域的な偏在の問題は依然として課題として残っております。先般の保健福祉計画におきましても、医師養成というものの重要性にかんがみ、医師の養成確保の事業の目標として、平成22年度までには県内の医師数、これは平成8年を基点としておりますが、200名程度を増とするという目標値を設定いたしました。これによりまして、県内の病院において、総体として不足している法令上定められて配置しておかなければいけない標準医師数というのがございますが、これをほぼ満たす数字でございます。年々医師は、大体純増は13人程度ありますが、これをちょっと頑張っていただこうと思っております。したがいまして、医師確保につきましては、岩手医大における卒業生の定着というものを確実なものとしてまいりたいと考えておりまして、これは青森、盛岡等では40%の半ばぐらいが卒業生の定着でございますが、本県の岩手医大においては50%というのが直近のデータでございます。比較的そういった地域と比べますと、若干よろしいということになっております。
 また、岩手医大においての医師供給というのは非常に重要な位置づけでありますが、それ以外にも、岩手県出身の方が他県に行かれて他県の大学で学ばれている方々、こういった方々に対しましても本県に戻ってきていただいて、そして医師として活躍していただくという対応をする必要があるかと思っておりまして、こういった対応としては奨学金制度の活用などを今現在行っております。来年度からは、県外の大学医学部に在籍する本県出身者等に対しましては、県内での就職等の働きかけを積極的に行ってまいりたいと考えております。
 次に、岩手医大の財政的な支援ということであります。先ほども申し上げましたが、岩手医大は本県医療の中核的存在であり、唯一の医師養成機関であるということから、今までも一貫して本県医療において必要な経費負担は行ってまいりました。今後におきましても、本県の政策的医療を遂行するために、やはり岩手医大については御協力いただく面が多々出てまいりますので、こういった政策的医療等を遂行するに当たりまして、必要に応じて所要の支援をしてまいりたいと考えております。

〇藤原良信委員 今の話の中でも出ておりましたけれども、医師確保につきましては、何しろ医師の養成機関というのは岩手医科大学だけではございませんけれども、1県1医大で、岩手県にある医師養成機関は岩手医科大学ということで、そのほかでも別な役割を、高度医療とかあるいは情報ハイウェイでいわゆる医療情報センターの役割も担っていくとか、さまざまなそういうような意味合いもあるわけですけれども、特にも医師の確保につきましては、これは先ほど来お話ししてありますけれども、岩手県の大変な大事な分野でございます。これは、入学者が今数字が出ましたけれども1桁台だったと。岩手県出身者が1桁台で、なかなか受験のハードルが高くて入学者数が少なかったけれども、10数人になったと。定着率が50%。もとが小さいものだから、50%というのも大きく見えますけれども、やはりほかから来た生徒さんは卒業されますと自分の郷里に帰っていく方が多いと思います。私は支援をするとともに、センター病院としての役割を持っているわけですから、岩手県の出身者を多くとってもらうような、そういう仕組みをこの際、推薦入学等を含めて考えていかなければならない時期ではないだろうか。
 私は、先ほど診療報酬のことを申し上げましたけれども、診療報酬が2年前だったと思いますけれども改定になりまして、医師の充足率が50%から60%になってしまいました。そうしましたところ、例えば県立病院をとりましても、余り大きな声では言えないんだと思いますけれども、充足率がそれを満たしていないのが三つぐらいあったと。そうすると、診療報酬といいますか、病院経営としたらガクッと収入が落ち込むと。よって、医師の充足を慌てて足したわけでございます。今後また診療報酬が改定されていくとすれば、60%からさらに65%、70%となっていきますと、医師を確保していかなければならない。
 一方で、今の医大は大学院大学になっておりまして、県立病院等々からどんどんお医者さんを抜かれております。したがって、医師確保というのは競争になっております。ですから、ちなみに大船渡病院なんかは県立でいきますと格から言ったら2番目だそうですけれども、それでも76%の医師の充足率でございます。推して知るべしでございますので、私はただいま部長お話しでございますけれども、岩手医大ともっと何か、そういう対策というものを岩手県の要望を満たしてもらって、なおかつ、役割は担ってもらうんですから、そのほかでも、そして医大の附属病院なんか赤い水が出ているなんということも聞きますけれども、センター病院として高度医療の場所としてきちっとした体制整備を含めて、そのかわり医師確保等々、岩手県の生徒を多くとってもらうとか、何かそういうことを考えていく時期に来ているものだと思いまして、ただいま取り上げた次第でございます。
 これはここでは答えを出せないかもしれませんけれども、県立病院の経営からいきましたら医師確保は大変重要でございまして、そういうこととトータルの中でこれは考えていかなければならないと思いますけれども、改めて御見解をお願いいたします。

〇関山保健福祉部長 まず医師確保につきましては、委員御指摘の岩手県出身者を岩手医大の入学生として多くとってはどうかと、そういうことにつきましては大変貴重な御意見だと思っております。私どもとしては、いずれにいたしましても、卒業生がどの程度本県に定着していただけるかというところが一つのポイントではないかと思っておりますし、岩手医大の卒業生の本県定着率を高めるということと、さらに県外に出ていかれた本県出身者の大学医学部入学生をこちらにもう一度戻っていただけるという仕組み、この二本立てをうまく組み合わせながら、今後この医師確保というものについては検討していきたいと思っております。
 また、岩手医科大学についての財政支援については、本県の政策的医療の遂行というような観点も踏まえまして、よく大学当局のお話などを伺いながら、検討を必要に応じて行ってまいりたいと思っております。

〇藤原良信委員 これは今回初めて取り上げたわけでございますけれども、これは大変重要な問題だと思いますので、県御当局、担当部だけではなくて、やっぱり議会としてもこれは立法論でどうしていったらいいかを考えて、御提言も改めてさせていただきたいと思っておりますので、一緒になって考えていきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げまして終わります。

〇谷藤裕明委員 1点についてお伺いをいたしたいと思います。
 少子化対策推進事業というのがございますけれども、この問題についてお伺いをいたしたいと思います。
 急速な少子化に対する歯どめのために、県としてはこれまでさまざま取り組んできたとは思いますけれども、人づくりはあらゆるものの発展基盤でございますから、非常に大切な分野でございます。まさに岩手県だけの問題ではなくて、まさに今この少子化問題は、国家存亡の危機にあると言われるぐらい大切な問題だろうと思っております。
 不肖私も、率先垂範というわけではありませんが、大分頑張っておる経緯がございますが、今もまた頑張ろうかなと思いますが、そこでお伺いをいたしたいと思います。
 これまでの県としての取り組みの課題をどう認識されているか。県の取り組みだけでは限界があるのではないだろうかと、このように感じたりもいたします。そのような課題を踏まえて、12年度は具体的にどのように取り組んでいかれようとしておられるのか。具体的な目標を掲げて取り組むべきではないかと存じますので、明確なお答えをお願いいたしたいと思います。

〇関山保健福祉部長 少子化対策についてであります。この対策につきましては、今現在、昨年8月に策定いたしました岩手県総合計画の中でも、結の心・子育て環境日本一の推進プロジェクトというものを挙げておりまして、妊娠、出産から子育てまでの総合的な支援体制の整備ということを進めていこうということでありまして、これらの総合かつ計画的な施策を推進していくというために、実施計画でございますが、いわて子どもプランというものの策定を今現在しているところであります。その中において、今まで保健福祉部だけでなく、他の部局も巻き込み全庁的な取り組みとし、そしてこの点については県民の方々も参加していただいて、この少子化対策というものについて取り組んでいく仕掛けを今現在考えておるところでございます。
 12年度の取り組みということにつきましては、子育てと仕事の両立支援とかあるいは家庭における子育ての支援、子育てのための生活環境の整備、さらには大学生などの若者を対象とした少子化を考えていただくことも、今後、次代を担う方々にとって、この少子化問題というのを切実な問題として受けとめていただく場をさらに特別講座というような形で設けてまいりたいと思っております。子育てボランティアの養成ということについても、少子化対策推進事業などというものを活用しながら、また、子育ての方々が安心してまちに出られるような施設整備、乳幼児育児設備整備事業といったようなもの、それからやはり安全な出産というようなことが重要でありますので、先ほども御指摘ございましたが、岩手医大に総合周産期母子医療センターの整備を行っていこうということであります。これは12年度に整備に着工し13年度から稼働していくということなど、こういったさまざまな施策を12年度当初予算に盛り込まさせていただいているところでございます。

〇谷藤裕明委員 いろいろ取り組んではいるようですが、しかし、行政としてできるのは、子育てができる環境整備というんですか、それが中心なわけですね、子育てしやすい環境整備をしていくという、そういうことなんですね。それはそれで必要なわけですけれども、なかなか効果が上がるまで時間がかかりますね。もっと根本的なところで、即効性の高い対策というのはなかなか、これはなかなか言いにくい話でございますけれども、いずれ、子育てに生きがいを感じるような教育の部分からも入っていかなければならない。先ほど今の日本の状態、また、岩手県の状態も含めて、活力ある岩手をつくっていくために、やはり過疎地域だとかそういうところも含めて大変活力が失われていくところも生まれてくる可能性もあります。そういうことを考えていけば、相当真剣にこの問題を考えていかなければならない問題だと思います。
 まず、以前にも質問しましたけれども、もう既に結婚されている方でさらに前進を図ろうという場合の考え方、それから、それ以前の段階、まず出会いがなければなかなか事が進まないという部分があるわけですね。それで盛岡市の医師会なんかの例を見ても、出会いの機会をつくるというか、そういうことで、かなり応募をされてそういう機会で結ばれた方々もおられるようですけれども、ところが民間でも結婚相談所を初めいろんなのがあるようですけれども、やはりある程度信頼の置ける仲でないと、勝手に遊び半分でやるような企画というわけにもいかない部分があるわけですから、それぞれのプライバシーにかかわる問題にもかかわっていくと思いますので、やはりそれを何らか、公といいますかいろんなところでバックアップをしていくような形での出会いの機会、これらをつくっていくこともある意味では必要ではないかと思っております。
 公共というか県庁でもそうかもしれませんし、いろんな大きな団体というか、それぞれの中にもたくさんおられますし、どなたが結婚されていてどなたが結婚していないのかもなかなかわからないわけですけれども、そういうことでいろんな出会いの機会を、部長、率先してつくるぐらいの気概を持ってぜひやってもらいたいと思うんですね。なかなかみんな恥ずかしがり屋なものだから、その機会を得られないままに時を過ごして、あっと気がついたら、今、何歳ぐらいまで出産のあれがどうだかわかりませんけれども、なかなか難しいタイミングに入ってきたりしているときも多いように伺っておるわけです。そういうことで、そういう仕掛けというのは変だけれども、部長が率先して、そういう機会を設けるように考えたらどうかなと私は御提言申し上げて(「部長、子供いるよ。」と呼ぶ者あり)部長も大分頑張っているんだよね、私には及ばないけれども、いずれ努力していることは認めます。自分のことはさておいて、周りのことを心配してあげるというような気持ちになって、ぜひ頑張ってもらいたい。御所見があればお伺いしたい。

〇関山保健福祉部長 いつも谷藤委員の御質問には私も尊敬しておりまして、私自身のことばっかり考えずに他を考える。まさにそういうことで、現在いわて子どもプランというものの中におきましても、出会いの場、未婚男女の出会いの場、これがなければ始まらないわけでありますので、農村部における青年の方々のお悩みというものもあるわけであります。そういったことも今現在策定しておりますこのプランの中で、事項として、施策として御議論していただいているということでございますので、今後とも、委員御指摘の点も踏まえて、十分このいわて子どもプランの作成に当たってまいりたいと思っております。

〇及川敦委員 117ページの4目老人福祉費に関しまして、介護保険の問題について1点だけお尋ねしたいと思います。
 昨年末から、介護保険主体である市町村また連合体において要介護認定が始まっているわけでございますけれども、その要介護認定の作業の中で問題が指摘されております。いわゆるコンピューターの1次判定ソフトの問題についてであります。いわゆる障害者の方や痴呆性のいろいろな問題を持っている方に関して、要介護認定度が非常に辛く認定されるといったような問題が多々指摘されているようでございます。本県においても、湯田町がいわゆるモデルとしていろいろ実験した結果、10の改善項目等について厚生省に要望しているというようなことを伺っておりますけれども、県当局としては、この厚生省から出てまいりましたいわゆる1次判定のソフトの問題について、どのように認識されているのかお尋ねをしたいと思います。
 あわせまして、今現在、介護認定がいろいろ始まっていると思うんですが、認定に対しての不服として県の介護保険審査会にいろいろ申請が出ていると思うんですが、この申請の中身については、この1次ソフトのいわゆる不完全な部分に由来するものなのかどうかについてもあわせてお知らせいただきたいと思います。

〇六本木介護保険システム整備監 要介護認定の行い方なんですけれども、まず、コンピューターによる1次判定がありましてから主治医の意見書あるいは特記事項に基づきまして、介護度ごとに状態像の例というのが示されております。これは各介護度ごとに10の例があるわけですけれども、その中に例えば心の型の問題行動のような心身の状況が含まれておりまして、これと照らし合わせた上で最終的な判定を認定審査会の方で行うというような仕組みになっているものでございます。これについては、県の方としまして認定審査会委員の研修を通じて周知を図っておりました。
 なお、3月7日の全国会議におきまして、この痴呆性の高齢者に対する審査判定を一層適切に進める必要があるという指示がございまして、認定調査での適正化あるいは認定審査会での適正化をさらに一層進めるように、現在、市町村に対して通知をしているというところにございます。
 問題になりますこの1次判定のソフトウェアのことなんですけれども、これについては国の審議会の方で現時点ではおおむね妥当なものというような評価を得ている一方で、この1次判定のもとになっているデータがやや少ないという問題、それから在宅で介護を受けている方のものを対象としたデータになっていないというような問題点も指摘されているところでございまして、国におきましては平成12年度以降、介護方法の進歩ということもございますし、あるいは実際に介護認定を受けた後でのサービスの利用といったような状況を踏まえまして、データの集積を行うということを予定しております。その上で集積されたデータに基づいて、より精度の高い1次判定というソフトをまた開発するというような予定とされているというところでございます。
 なお、不服申し立てのありました件につきましては、主治医意見書の記載内容、それから調査員の特記事項の内容が本人の状況を十分反映しているものではないというのが申し立ての理由でございまして、これから盛岡市の方から弁明書それから御本人から反論書をいただきました上で、審査会の方で内容については検討していくということになります。

〇及川敦委員 今御答弁あったように、いろいろやはり問題が指摘されていて、国の方も改善の方向というようなことであるやに伺いましたが、ある自治体においては、そういったソフトの問題点が既にあるということから、独自の運用ということもいろいろやられて、厚生省と検討していろいろ経緯もあったようでございますけれども、本県では、一応国のソフトの改善を待って、この要介護認定におけるさまざまな問題をクリアしていこうという考えなのか、それとももう少し国の──部長も国から来られているので余り言えませんけれども──いわゆる国の対応を待つべくもなく、もう少し独自の判断でいろいろやろうとしている自治体並びに保健福祉部での考え方があるのかないのか、その点についてもあわせてお伺いしたいと思います。

〇六本木介護保険システム整備監 この要介護認定は、一つの社会保険制度の中での介護給付を行うかどうかの判断の材料になりますので、自治体が独自の方法とか基準に基づいて認定をするということについては、国の方としても不適当というような判断をしているところでございます。私どもといたしましても、要介護認定の1次判定のソフトについては、精度についてまだ課題はあると認識はしておりますけれども、このソフト自体が1995年の実際の高齢者への介護サービスの内容の調査に基づいてつくられているものでございまして、新しいソフトを開発するとしても相当のデータ集積と時間を要すると考えております。そういったことで、現在はこの1次判定ソフトを使いながらも、認定審査会での運用を適正に行っていくということが必要であろうと思っております。

〇阿部富雄委員 介護保険導入については、今日まで想定されるさまざまな問題点あるいは制度の確立、論議をされてきたわけでありますけれども、私はこれからもまだたくさん問題が出てくるのだろうと思っているわけであります。それぞれ事業主体では介護保険計画が策定されているところですけれども、まだ、介護認定がおくれていると、こういうたくさんの問題もあるわけでありますから、走り陣立ての中で解決していく課題もたくさんあると私は思います。そうなった場合に、問題だとか達成状況を具体的に点検あるいは分析して対策を実施するということが望まれるわけでありますけれども、そのための組織整備をきちっとやっておくということが大切だと私は考えているわけであります。
 そこで、それぞれの事業主体では、介護計画策定委員会というのを設置して取り組んできたわけでありますから、当面、この事業が安定するまでこの策定委員会をそのまま残すということにはならないと思いますので、運営委員会等のような形に組織がえをして、今申し上げたような対応をしていくということが必要と私は考えていますが、まずその点についてお尋ねをしたいと思いますし、それからもう一点は、やはり実際の実施ということになりますと、住民からいろんな苦情が来ると思います。ですから、この苦情に対する窓口というものもきちっと確立しておくということが大切だと思っているわけでありますが、その苦情相談の窓口というのはどういう形で考えていらっしゃるのかお尋ねいたします。

〇六本木介護保険システム整備監 まず、介護保険制度の実施段階での問題ということに対する対応として、現在の市町村の計画作成委員会を改組して介護保険事業の運営の点検というようなことを行う組織をつくってはどうかという御提案でございますけれども、現在、市町村で介護保険条例を制定しておりますけれども、その中で既に13の市町村において、介護保険運営協議会というものを設置するということが予定されております。これによりまして、市町村における4月からの介護保険事業計画の推進など、介護保険事業の円滑な運営を図るための協議会を設けるという予定となっております。
 それから、県といたしましては、このような介護保険制度が適切に定着するよう、あるいは介護保険事業計画の適切な達成が図られるように、評価点検する体制の整備については市町村に必要と思いますので、今後とも働きかけてまいりたいと考えております。
 また、県におきましても、現在は介護保険推進協議会というものがございますし、圏域ごとにも協議会がございますけれども、これも改組いたしまして、介護保険協議会といったようなものを県と各圏域に置きまして今後の介護保険制度の円滑な運営を図ることとしているところでございます。
 それから、住民の方々等からの相談あるいは苦情等ということですけれども、これにつきましては、この相談等に迅速に適切に対応できるように、本年1月に介護保険相談苦情解決システム指針というものを県として策定しているところでございます。この中では、特に市町村においては、単に苦情に対応するというだけではなくて、介護保険にかかわるさまざまな相談等にも十分に対応できるような総合相談窓口を設置していくということで、住民からの苦情相談への対応とともに、さらに事業者等に対する助言指導といったようなものもできるような体制をつくっていこうと考えております。

〇佐々木大和委員 私も介護保険についてお伺いしますが、介護保険の中山間対策みたいなところで聞きます。
 119ページの介護給付費等負担金66億2、000万円余ですけれども、介護保険がいよいよ実行される段階になりました。これまでの、特にこの1年間大変な準備をされまして、いよいよここまで進めてこられたと、まさに全国一律の大事業でございまして、県そしてまた市町村の方々にも心から敬意を表したいと思います。
 いろいろ難しい問題がたくさんあるようでございますけれども、ひとつそれぞれの段階で論議されておりますが、今申し上げましたように、中山間対策といいますか、そういう介護の給付に当たって特別地域のかさ上げについてお伺いしたいと思います。
 特にこういう一律で行う事業ということになれば、同じサービスを持っていっても、なかなかその費用というのは一律に考えることはできないわけでございます。そういうことで、いろんな条件の差によりましてこの費用は違ってくるわけでございますので、それに対してどのような給付方法なのか。そしてそれは地域の指定の仕方、そしてまた金額的な加算の仕方、さらにサービスはどういうものを対象にそれらが行われるのか、その点についてお伺いしたいと思います。
 それからもう一点、これと関係しますが、高齢化の進展の中で、やはり介護とともに、介護の自立に向けては中心的な役割を果たすのがリハビリではないかと思います。リハビリがいろんな地域におきまして従事者が不足しているというような話を聞きますが、このリハビリに従事する理学療法士とか作業療法士がそこに当たるそうですけれども、いずれ、こういうリハビリに従事する方々をどのようにこれから育成していってリハビリを充実していく方針なのか、その辺についてこれからの人材の育成計画についてお示しを願いたいと思います。

〇六本木介護保険システム整備監 特に訪問系のサービスにつきましては、山間等の移動に時間を要するなど非常に効率の悪いサービスもございますので、それらにつきましては、山村振興法に基づく振興山村などの指定地域、これは本県では市町村全域が指定されているところが19町村ございます。それから、一部地域が指定されているところが28市町村ございます。全く指定されていないところが12市町村ございます。このような地域につきましては、地域に事業所があるサービスの事業者の介護報酬の単価に15%の加算、特別地域加算というものなんですが、15%の加算をするという措置が講じられております。
 なお、サービスの種類については、訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、福祉用具の貸与、居宅介護支援と、この五つの事業でございます。それから、県におきましては、特に過疎山村地域などの事業の運営あるいはサービスの安定的な供給ということを考えまして、事業者が出張所を設けて、こういったようなところのサービスを確保するということができるように国に要望してまいりまして、これが実現したというところでございます。これらの設置についても、促進してサービスの空白地帯がないように図っていきたいと思います。

〇小原保健福祉課長 2点目の理学療法士の件についてお答えします。
 まず、実態でございますが、県内では平成10年の10月現在で、理学が192、作業が127ということで、あわせて320人程度が就業しております。これは医療機関でございまして、このほかに老人保健施設、これは法令で理学療法士かあるいは作業療法士のいずれかを配置しなければならないと義務規定があるのが老健なんですが、これに同じ10年10月で50人従事しているというような状況にございます。
 県内の養成施設は、唯一、岩手リハビリテーション学院というのがあるんですが、そこの卒業生の就業状況を見ますと、10年度卒業生が53名おりました。そのうち34名、64.2%が県外に就職しているといったような状況にございます。どれぐらい需給を見ればいいかということになりますと、病院等の場合は配置基準が定まっておりませんので、どれぐらいいれば足りるのかというのがなかなか把握困難なんですが、今お話しした岩手リハビリテーション学院の就職状況を見れば、まずもって、県外に就職している方々が県内に就職していただくという策が大事かなと思っております。
 それから、どういうふうに養成していくのかということでございますが、新しい計画で理学と作業あわせて平成17年までに130人ふやすと、それから22年までには250人ふやすという目標を設定したところでございます。これに向けまして、現在、修学資金の貸付制度がございますが、今議会に貸付額の増額の改正条例案をお願いしておりますので、こういった制度の活用だとか、あとは県内就職定着を促進するためのさまざまな就業環境等の整備についても養成施設とか関係団体と連絡をとりながら、県内の必要人員の養成確保に努めたいと考えております。

〇佐々木大和委員 非常に手のかかる作業だと思いますけれども、今回スタートの段階で今伺いますと、指定された地域に15%アップの給付だそうでございますが、いずれ、全国的な基準があるでしょうから簡単にはいかないことでございますけれども、だんだんにはその実績を見る中でぜひそういうサービスが崩れないように、スタートしていきましても、当然、外からの参入した業者なんかの場合は大型店のその問題と同じように、採算性を見たときには経済活動にならないということで引き揚げては大変でございますので、可能であればそれらの実績を見ながらもっと段階を踏んだ、何段階かの給付制度に将来持っていくように御検討いただければと思います。
 それから、理学療法士、作業療法士等も先ほどお伺いしまして半分以上が県外と、これはやっぱり需要が多いということも一面で言えると思いますので、ぜひ県内定着率を上げるように努力をいただきたいと思います。要望にしておきます。

〇伊藤勢至副委員長 質疑継続中でありますが、この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩をいたします。
   午後2時58分 休 憩
 
   午後3時19分 再 開

〇工藤篤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

〇小原宣良委員 2点についてお伺いします。1点目は介護保険制度についてでございますが、既にお話ありましたように、要介護認定は市町村が行うこととなっておりまして、要支援介護度によってランクづけされサービス内容が決まるというものであります。そこで、利用者に不服があった場合、不服申し立てができることになっておりますが、不服申し立てから不服審査と、その結果の報告までの流れをお知らせいただきたいと思います。

〇六本木介護保険システム整備監 要介護認定の結果についての不服申し立てにつきましては、受け付けた後に、まずその要件を満たしているかということについて要件審査をいたします。正式に受理をいたしまして、処分庁に対しまして弁明書の提出を求めます。これは14日以内となっております。その弁明書に対して申請者に反論書の提出を求めます。これも14日以内となっております。その上で介護保険審査会を開きまして、審理、裁決という手続になるわけですけれども、その際に認定調査の内容とか、あるいは主治医の意見書、それから市町村における認定の経過などについての調査もあわせて行うことになります。その上で審理、裁決を行いまして、最終的には90日以内──3月以内に裁決書の送達を行うというふうになっております。

〇小原宣良委員 そうしますと、今の説明は認定に対する不服ということですね。これはもう4月1日から制度発足でございますので、まさに今そうした部分が必要な時期だろうと思うんですね。そこで、4月1日を越えてこれらの手続が時間を要したという場合は、当初認定、1、2、3、4、5とあるわけですが、これらのランクに対して不服があると、しかし4月1日から制度は実施をされているといった場合は、その不服審査、不服の申し立てをして、その結果90日以内という説明なんですが、この期間はどうなっていくんですか。その利用者の方はどのランク、当初のランクということになるのか、その間の速やかな改善策というのにどう対応なさるんでしょうか。それと、今は認定というものに対する不服でありますが、4月1日以降実施をした中でサービス内容そのものに不服があると。要するに指定事業者との間の契約内容に不足があったり、不誠実な部分があったりというふうな形で不服が行われるということも考えられると思うんですが、その点はこの不服申し立て並びに審査という点では同列、同じような扱いということになるんでしょうか。

〇六本木介護保険システム整備監 まず、市町村の行った認定に対する不服申し立てをしている期間のサービスについてでございますけれども、これについては不服申し立ての内容が例えば市町村の行った認定を取り消すよう求める内容であったとした場合、県の介護保険審査会がもしその不服申し立てを認容して市町村の行った処分を取り消すというふうになるまでの間は、市町村の認定結果が生きておりますので、その介護度でのサービスの利用ということになります。もし認容ということになりまして要介護認定をやり直すということになりましたら、その結果が出た後でそれに基づく、出た後と言うとちょっと厳密ではないと思いますけれども、取り消されておりますので、また申請している段階と同じになりますので、いずれ不服申し立ての結果が出るまでの間は市町村の行った介護度に基づいて行うということになっております。
 それから、サービスについてですけれども、介護サービス計画自体は利用する方とそれから事業者との契約に基づいて行います。ただ、契約に基づいて実施する際に不満がある、あるいは苦情があるといったことが当然あり得るわけですけれども、介護サービスに対する相談や苦情につきましては、まず直接サービスを提供した事業者あるいは介護サービス計画を作成した介護支援専門員、あるいは市町村に設けております相談窓口に対して相談、苦情を受け付けるような体制を整備しております。その上で相談、苦情に対しましては受け付けた機関がまずは解決を図るということになります。ただ、そこの機関では解決ができないといったような場合には、必要があれば地域の中核的な機関としての市町村が苦情解決を図るということになります。さらに、市町村でも解決が困難な案件につきましては、専門の苦情処理委員を設置する国保連において苦情処理に対応するというふうになっております。

〇小原宣良委員 そうすると事実上不服申し立てというのは、認定にかかわる不服申し立てということになると、それから実施している中で、サービスを受けている中で不服があるといった場合は、相談あるいは苦情という種類になると、こういうことですね。わかりました。そこで、こうした相談、苦情あるいは不服審査を含めてですが、市町村には保険者としての調査権があると思いますね。これはサービスの実態などについて調査をする調査権限があると思いますが、この権限に基づいた市町村の対応、どのような対応が可能だとお考えになっていますか。

〇六本木介護保険システム整備監 介護保険法上、市町村と国保連においてサービス事業者に対する調査とかあるいは指導とか、助言というような権限が位置づけられているということでございます。

〇小原宣良委員 一定の権限があるということなんですが、常に市町村では指定事業者と利用者とが相互信頼のもとで介護保険サービスが円滑に実施されることが必要でありますし、その体制の整備も必要ですね。今お話ありましたけれども、これら事業者と介護を受ける人、利用者がスムーズにやっていけるようなシステム、市町村におけるシステムというのはどのように考えているんでしょうか。現状をどういうふうに市町村は、この円滑な運営に当たってのシステムづくりというものについてどういう検討が今なされており、体制整備が行われているか。これに対して県はどういう指導といいますか、相談にあずかっている現状にあるんでしょうか。

〇六本木介護保険システム整備監 介護保険事業の円滑な運営ということにつきましては、保険者である市町村が基本的にはその体制をつくっていくべきというふうに考えております。県といたしましては、介護保険にかかわる機関が相互に連携して、迅速かつ適切に利用者からの相談や苦情を受けて対応すると、その上でサービスについても信頼できるようなシステムをつくるということを目的といたしまして、本年1月に相談苦情解決システム指針というものを策定いたしました。今後はこの指針に基づきまして市町村の中核的な総合相談窓口といったような体制をつくっていこうと考えております。

〇小原宣良委員 総合的な相談窓口の設置ということなんですが、基本的には市町村だと。しかし、これらを支援していくという点では、これは初めてのケースでもありますし、さまざま試行錯誤があると思うんです。そういう点で県においては、あなたのところもそうなんですが、特に地方振興局でこれらを一体でやっぱり相談に乗る、あるいは指導していくというふうな体制が必要じゃないんでしょうか。その点は県としてどういうふうになっておられるかお伺いします。

〇六本木介護保険システム整備監 介護保険に関する相談あるいはさまざまな疑問等もあると思われますけれども、これにつきましてはこれまでも県とそれから各地方振興局に相談支援センターというものを設置いたしまして、市町村が基本的に住民の方からの相談等を受け付けるわけですけれども、その対応について地方振興局が窓口となって支援をしてきたという経緯がございまして、今後の制度施行以降についてもこういったような体制というものが必要ではないかと考えております。

〇小原宣良委員 ぜひ県としても積極的な支援体制というものについて御努力をいただきたいと思います。
 それから、2点目は環境保健センターの機能についてです。これについては私も総括質疑で有害化学物質の検査体制ということでお聞きをいたしましたけれども、ここでは食中毒の予防あるいは発生時の迅速な対応など、食品衛生関係について従来の対応と比べて、この環境保健センターが設置をされることによってどのような効果を期待しておられるのか、この点をお伺いします。

〇小原保健福祉課長 環境保健センターの食品衛生といいますか、保健衛生分野の取り組みということでございます。施設設備としましては、倍率の高い透過型電子顕微鏡とか、あるいはウイルス、細菌等の遺伝子配列の解析に使うDNAシーケンサー、さらには食品の残留農薬などの測定を行う液体クロマトグラフィ質量分析計といったような高度な検査機器を新たに導入するというふうな予定にいたしております。これら検査の高度化、それから研究の推進を支援するための安全実験室といったようなものも整備する予定にいたしております。このような施設設備の充実によりまして、例えば食中毒の原因物質の特定などの面で検査期間の短縮が図られると、あるいはさまざまな分析において精度の向上が図られるといったようなこと、さらには検査対象物質が拡大すると、いずれ、より高いレベルの研究などが可能になると考えております。

〇阿部静子委員 一つだけ質問をいたします。周産期の医療施設補助の部分でございますが、私も子供を産んだんですけれども、周産期と、こう言われたときに、私が子供を産んだころにこの言葉がなかったんですよ。それで、聞くは一時の恥でございますが、まず周産期というのはどこからどこまでの期間でございましょうか。
 そして、子育て支援の部分はいろいろな事業等あるわけですけれども、子供が産まれなければ子育てはできないわけでございます。この周産期の医療というのがどんなに大事か。せっかく妊娠をいたしましても途中において切迫流産であるとか、あるいは妊娠中毒であるとか、小さな命を失う母親の悲しさ、この大事な事業を岩手医大に持っていくと、まずその具体的な内容について御説明をいただきとうございますし、それでは県の医療関係、センター病院でございます中央病院なんかの体制はどうなのでしょうか、お聞かせをいただきとうございます。

〇宇佐美保健衛生課長 それでは、周産期についてお答えを申し上げます。
 まず、周産期の期間でございますが、これは妊娠22週から出生後7日までの期間ということでございます。
 それから、第2点目でございますが、県が行う具体的な事業内容でございますが、これは今回のこの整備事業の内容でございます。これは国の周産期医療システム整備指針、これに基づきまして本県に総合周産期母子医療センターの整備をする。そのために岩手医科大学附属病院に新たに母体胎児集中管理治療室というものを9床整備いたします。それから、当該施設を中核といたしました情報システム等の整備、こういったものを図りたいと考えております。それから、岩手医大に設置をする理由でございますが、本県におきます周産期医療対策、これにつきましては平成9年11月に周産期医療に係る有識者、それから関係機関、それから地域の代表の方々からなります周産期医療検討会を設置したところでございます。さらに手順といたしまして、平成11年2月には岩手県周産期医療協議会というものを設置いたしまして、本県における周産期医療の方向性あるいは周産期医療体制の確立ということにつきまして検討、協議を重ねてきたところでございます。その結果、総合周産期医療センター、これを運営するための最も大事な医療従事者でございますが、これが確保されること、それからさらに、他の周産期の医療施設の医療従事者に対する研修体制、これが構築できるということで岩手医科大学附属病院に設置することが望ましいというような結論をいただいたところでございます。これに基づきまして今回岩手医科大学附属病院に設置をするというふうにしたものでございます。
 それから、県立中央病院の体制はどうかということでございますが、これにつきましては現在中央病院の産科、いわゆる周産期医療に非常に必要でございます産科、それから小児科、これは設置されておりますし、それぞれの専門医も配置されております。そういった状況でございますし、また県立病院を見た場合に、現在15カ所のところで産科、小児科が併設されております。こういったところで地域周産期医療を担っていただいているというようなことでございます。

〇阿部静子委員 今の社会の体制の中で、妊娠障害異常というのが随分ふえているということ。私もかつて岩手県教職員組合の婦人部長をやっておりましたときにアンケート調査をいたしました。そうしたら、何らかの妊娠の異常を感じているという女教師が25%だったんですよ。そのときに産前休暇が6週間でございまして、何としても産前休暇8週間にというその運動をやった記憶がございます。そして、私ごとで大変申しわけございませんが、長女が出血をいたしまして病院に行ったら即入院、そして6カ月、切迫流産ということで入院をいたしました。そのときに即入院していなかったら2番目の孫娘は生まれていなかった。そういう体制づくりというのがこの出生率にかかわっても、それから肉親の愛につながるものとして大事なのではないかと思います。そこで、ちまたのうわさでは、市内の産科では日赤がいいという話なんですよ。何で中央病院と言わないのかという、娘2人、日赤で産んだんですが、長女は結局は帝王切開だったんですけれども、その辺の部分をどう認識されていらっしゃいますか。

〇宇佐美保健衛生課長 非常に難しい問題でございまして、日赤がいいというような話もございますが、体制的には県立病院に設置されておりませんNICUあるいはPICUという新生児の集中管理治療室、それから母体胎児集中管理治療室というものは、台数は少ないんですが配置をされているという状況にはございます。あとは御判断をいただきたいと思いますし、それから妊婦さんの切迫流産というようなお話がございましたが、これにつきましては経年的な統計というものはうちの方では持ち合わせておりませんが、ただ、古いデータではございますが、平成4年に岩手県医師会さんが30歳以上の女性の出産状況調査というものをおやりになっております。そのデータを見ますと、妊娠経過中に対象妊婦の14.4%が切迫流産の治療を受けたと。中でも初産婦の方が21.2%ほど治療を受けた。経産婦の方は12.8%ということで、初産婦の方と経産婦の方では明らかに有意の差が出ているというふうな結果が出ております。それから、30歳から34歳までの方のいわゆる切迫流産の治療を受けたかどうかという率でございますが、これは14.4%でございますし、また35歳以上の方、30歳から34歳の方と、それから35歳以上の妊婦の方の対比をしたわけでございますが、これは同列でございます。14.4%ということで全く差が認められないというような結果が出ております。

〇阿部静子委員 今後やはり高齢出産であるとかというのがふえるのではないかという、社会の状況の中から考えられることでございますので、県立病院でもその条件整備に向けて頑張っていただくことをお願いして終わります。

〇小野寺好委員 出産のときに政府管掌保険とか国民健康保険からの一時金は出生届の後に支給されると、こういう仕組みになっておりますが、恐らく不正受給というこういった懸念はないと思われますので、あらかじめの支給とかあるいは産院の窓口での現物支給、こういった制度をつくることができないのかどうかお尋ねします。
 もう一つは、盲導犬は広く知られているところでありますけれども、本県でもその盲導犬の貸し出しとかという事業をやっていると聞いております。今回お聞きしたいのは聴覚障害の方のための聴導犬、例えば電話が鳴ったときにその犬が買い主にお知らせするとか、玄関のチャイムが鳴ったときに知らせてくれるとかという、そういった聴導犬というのが最近新聞とかテレビで報道されております。我が県でも恐らく聴覚障害の方かなりいるかと思うんですが、そういった方たちからこういった聴導犬の導入について問い合わせとかなかったかどうか、また今後の取り組みについてお伺いいたします。

〇吉永保険課長 小野寺委員の御質問にお答えいたします。
 政府管掌健康保険におきましては、出産育児一時金としまして30万円支給するという形になっておりますが、これにつきましては分娩をしたときに支給するという規定になっております。これは健康保険は妊娠というよりも分娩という事実を重要視して制度が組まれているということかというふうに受けとめております。それで、この部分につきまして出生の事実がある以前に給付してもいいのではないかというふうな御質問でございますけれども、今健康保険を実際に運用していく上におきましては、この規定が親子一緒に亡くなるというような場合につきましては支給されないような規定、要は分娩の事実がないということになりますので支給がされないということになります。そういたしますと、それはお返しいただくというふうな、仮に委員の御提案のような形になりますとお返しいただかねばならないという形になってまいりまして、制度の運営のやり方としましてかえって給付を受けられた方、あるいは受けられた方がお亡くなりになれば、その御遺族に対して御迷惑がかかると、困惑されるという形になってまいるのではないかというふうに認識をしております。そういったことで現在のような形で出生届を出された後で支給をするという形になっておりまして、この運用の仕方が一番制度を運営していく上においては妥当なやり方ではないのかというふうに私どもは考えております。

〇細田障害保健福祉課長 聴導犬についてでございますが、導入の希望が県内の聴覚障害者からあったかどうかということにつきましては、まだ現在私どものところにそのような希望を伝えてきたという方はいらっしゃいません。今後の取り組みについてでございますが、去年私ども調べた段階で幾つか聴導犬の育成団体が全国に生まれ始めたということと、去年の5月で全国で約20頭ほどがいるというふうなことはわかっております。聴覚障害者の生活の中で聴導犬がどういう役割を果たせるのかといったような事柄につきまして、これからよく勉強してまいりたいと思っております。

〇小野寺好委員 ただいまの答弁で分娩の事実に基づく給付だという、こういったことでありますが、であればさっきお話ししました産院の窓口で現物給付、そういったこともいいんじゃないかと思いますが、もしかして乳幼児医療費の公費助成の場合に、償還払いじゃなくて現物給付だと国の方から交付税の形で岩手県の場合は約8億円のペナルティーがかかると、そういったことを聞いておりましたけれども、同じようなペナルティーがかかってくるんでしょうか、お尋ねします。

〇吉永保険課長 それでは、まず現物給付になじむものかどうかということにつきましてお答えさせていただきますと、健康保険の中では現物給付をやっておりますのは、疾病あるいは負傷に伴います治療が必要なものにつきまして現物給付を行うという形になっておりまして、分娩というものにつきましては、今までこの制度自体、昭和の、もう戦前からずっと続いている制度でございますけれども、必ずしも医療機関にかかって分娩を受けられるとかということではない時代から来ているものですから、現金給付というふうな形で制度を運営してきているところでございます。乳幼児医療の関係につきましての部分につきましては、私所管外でございますので、所管の方でお答えいただけたらと思います。

〇西川国保援護課長 ただいまのお尋ねにつきましては、国民健康保険につきましても政府管掌の健康保険と同様な扱いでございます。

〇斉藤信委員 当該委員でありますから簡潔に自粛をして質問をさせていただきます。
 一つは、市町村独自の低所得者負担軽減策、私はこの間一貫してこの負担軽減策が必要だと提起をしてきましたけれども、市町村の具体的な計画ではどのようになっているか。社会福祉法人の減免はすべての市町村でやられるのか、このことをお聞きします。
 丹羽厚生大臣は、国や都道府県には介護保険のオンブズマンを配置すべきだと、このように言っていますけれども、岩手県の場合このオンブズマン制度、オンブズパーソン制度、どういうふうに受けとめ具体化しようとしているかお聞きします。

〇上野長寿社会課長 低所得者対策でございますけれども、市町村の対策の状況でございますが、市町村におきましては利用者負担を当面3年間3%という特別措置の上乗せといたしまして、ホームヘルプサービスの利用者の負担軽減につきまして、平成12年度からの新規利用者に対しても対象者として追加して軽減を実施しようとする市町村が9市町村ございます。それから、ホームヘルプサービス以外の特定の介護保険サービスにつきましても追加して軽減しようとする市町村が5市町村ございます。それから、法人の減免の状況でございますけれども、これに対して助成措置の実施意向を示しております市町村が46市町村となっております。

〇六本木介護保険システム整備監 厚生大臣のオンブズマン制度ということですけれども、市町村が地域で活躍している高齢者の方々等を介護相談員というような形で登録をして、これらの相談員が各種の相談に応じたり、定期的あるいは随時にサービス現場を訪問して必要な相談やサービス事業者に対する助言を行うというような、事業名としては介護相談員派遣事業というものを、今、国の方でモデル的に実施するということで検討している段階というふうに伺っております。

〇工藤篤委員長 ほかに質疑ありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇工藤篤委員長 質疑はないようでありますので、これで保健福祉部関係の質疑を終わります。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後3時54分 散 会


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