平成12年2月定例会 予算特別委員会会議録

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平成12年3月21日(火)
   

1開会  午前10時4分

1出席委員  別紙出席簿のとおり

1事務局職員
事務局長           和 美 宏 幸
議事課長           藤 沢 重 一
議事課長補佐         千 田 正 和
主任議事管理主査       浅 田 和 夫
議事管理主査         筒 井 則 裕
議事管理主査         森   達 也
議事管理主査         熊 谷 正 則
議事管理主査         下 山 義 彦

1説明員
商工労働観光部長       合 田   武
商工労働観光部次長      大 沼   勝
商政課長           長 葭 常 紀
岩手ブランド推進室長     佐々木 由 勝
経営金融課長         齋 藤 静 夫
工業振興課長         黒 田 淳一郎
企業立地推進監        勝 部   修
観光課長           山 口 和 彦
労政能力開発課長       千 葉   務
職業安定課長         野 口 茂 喜
雇用保険課長         照 井 一 雄
 
医療局長           佐 藤 文 昭
医療局次長          伊 藤 勝 也
参事兼経営指導室長      小 林 繁 芳
参事兼医師対策監       大 川 正 裕
管理課長           長 澤 忠 雄
職員課長           露 木   利
業務課長           佐 藤   巖
システム管理室長       内 藤 善 雄
 
地方労働委員会事務局長    菅 原 哲 夫
総務課長           相 馬 直 人
審査調整課長         米 本 清 一
 
財政課長           池 田 克 典
   

〇工藤篤委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
 議案第1号から議案第21号まで、議案第29号から議案第37号まで、議案第39号、議案第41号から議案第46号まで、議案第48号から議案第51号まで、議案第54号、議案第55号、議案第57号、議案第58号、議案第60号、議案第62号、議案第65号及び議案第100号、以上49件を一括議題といたします。
 本日は、商工労働観光部、医療局及び地方労働委員会関係を終わるように進行いたしたいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 また、世話人会の申し合わせにより、質疑項目が複数ある場合、関連する事項についてはできるだけまとめて質疑されたいこと、また、質疑及び答弁については簡潔明瞭に行い、午後5時を目途に審査が終了するよう、議事進行に御協力をお願いいたします。
 なお、関連質疑については、質疑冒頭に質疑を表明している委員より優先して発言を認めているものでありますので、その性格上、関連性の強いもののみ短時間、簡潔に発言されるよう、また、要望のみで終わることのないよう、御協力をお願いいたします。
 最初に、商工労働観光部長から商工労働観光部関係の説明を求めます。

〇合田商工労働観光部長 それでは、平成12年度の商工労働観光部関係の予算について御説明を申し上げます。
 まず、一般会計予算でありますが、議案その1の7ページをお開き願います。
 5款労働費のうち、3項労働委員会費を除いた37億6、495万9、000円と、7款商工費の797億8、168万5、000円、あわせて835億4、664万4、000円が商工労働観光部関係の予算総額であります。これは、前年度6月現計予算に比較いたしまして74億6、997万7、000円の減、率にして約8.2%の減となるものでありますが、この主なものは、商工観光振興資金貸付金及び中小企業経営安定資金貸付金などの中小企業向け貸付金におきまして、新規融資に係る予算額は増額しておりますが、平成11年度以前の融資残高分に係る予算が大幅に減少したことによるものであります。
 各項目ごとの内容につきましては、便宜、お手元の予算に関する説明書により御説明申し上げます。
 なお、予算額の読み上げにつきましては、省略させていただきますので御了承願います。
 それでは、予算に関する説明書の148ページをお開き願います。5款労働費1項労政費1目労政総務費は、中小企業の労務改善や労使関係の安定促進などに要する経費であります。2目労働教育費は、各種労働講座の開設に要する経費であります。次に、149ページに参りまして、3目労働福祉費は、育児・介護休業者生活資金貸付金や離職者対策資金貸付金など、労働者の福祉の向上に要する経費であります。4目雇用促進費は、緊急地域雇用特別基金事業費補助や障害者雇用対策費など、雇用の促進に要する経費であります。
 次に、151ページに参りまして、2項職業訓練費1目職業訓練総務費は、技能労働者の技術水準の向上を図るための認定職業訓練及び青年技能者の育成などに要する経費であります。2目職業訓練校費は、県立産業技術短期大学校を初めとする公共職業能力開発校等の管理運営及び技能労働者の向上訓練等に要する経費であります。
 次に、少し飛びまして、196ページをお開き願います。7款商工費1項商工業費1目商工業総務費の主なものでありますが、北上川流域高度技術産業集積推進事業費は、地域産業の振興を図るために、北上川流域に高度技術産業の集積を促進しようとするものであります。いわて新産業創造支援事業費は、内発的な工業振興を図るため、ベンチャー企業や起業家の育成等を行おうとするものであります。いわて新事業創造プラットフォーム推進事業費補助は、仮称でありますが、財団法人いわて産業振興センターが行う中小企業者等への研究開発から事業化までの各種支援事業に要する経費に対し補助しようとするものであります。次に、197ページに参りまして、2目中小企業振興費の主なものでありますが、商工業小規模事業対策費は、商工会や商工会議所などが行う経営改善普及事業等に要する経費に対し補助しようとするものであります。小規模企業経営支援強化対策費補助は、商工会連合会や商工会議所が行う地域中小企業支援センターの設置に要する経費に対し補助しようとするものであります。魅力ある商店街整備事業費補助は、商工会や商店街の組合が行う商業基盤の整備等に要する経費に対し補助しようとするものであります。次に、198ページに参りまして、地場産業総合振興対策事業費は、地場産業の振興を図るため、新商品開発や販路開拓等に要する経費に対し補助しようとするものであります。次に、貸付金関係でございますが、商工観光振興資金貸付金は、中小商工業者の設備改善等に要する経費に対する貸付金であります。199ページに参りまして、中小企業経営安定資金貸付金は、中小企業者に対して運転資金を融資することにより、経営の健全化を図るための貸付金であります。いわて起業家育成資金貸付金は、創意と活力ある企業の育成のために、創業に要する経費に対する貸付金であります。中小小売商業者等強化支援資金貸付金は、意欲的な中小小売商業者などが積極的に店舗展開等を行うために要する経費に対する貸付金であります。次に、工業振興関係でありますが、中小企業創造技術研究開発費補助は、新製品や新技術開発等に要する経費に対し補助しようとするものであります。次に、200ページに参りまして、中小企業経営革新支援事業費は、新たな事業活動を実施する中小企業に対し補助するとともに、経営革新計画の策定について指導啓発を行おうとするものであります。3目企業立地対策費の主なものでありますが、工業立地促進資金貸付金は、長期低利の設備資金を融資し、工業立地の促進を図ろうとする貸付金であります。企業立地促進奨励事業費補助は、県北・沿岸地域等への企業立地を促進するため、市町村が誘致企業に助成する経費の一部を補助しようとするものであります。次に、201ページに参りまして、4目中小企業経営指導費は、仮称でありますが、財団法人いわて産業振興センターが行う中小企業地域情報センター事業及び中小企業診断助言事業に対する補助など、中小企業に対する各種支援事業等に要する経費であります。5目貿易振興費は、県産品の輸出拡大などに要する経費であります。次に、202ページに参りまして、6目計量検定所費は、計量器の検査や指導監督に要する経費であります。7目工業技術センター費は、特定産業集積活性化研究開発機能強化事業費など、試験研究等に要する経費であります。
 次に、204ページに参りまして、2項鉱業費1目鉱業総務費は、鉱業関係業務の管理運営に要する経費であります。2目鉱業振興費は、中小鉱山が行う探鉱事業に対し補助しようとするものなどであります。3目鉱害対策費は、旧松尾鉱山等の鉱害発生源対策工事及び新中和処理施設の維持管理などに要する経費であります。次に、205ページに参りまして、4目銃砲火薬ガス等取締費は、火薬類、高圧ガス等の取り締まり、保安指導などに要する経費であります。
 次に、206ページに参りまして、3項観光費1目観光総務費の主なものでありますが、北東北広域観光推進事業費は、岩手県、青森県及び秋田県の3県共同で、各種観光宣伝事業等を実施し、観光客の誘致拡大を図ろうとするものであります。新しい旅推進事業費は、県内の四つの広域的エリアから、地域の観光資源を活用した地域提案型の旅行商品を企画・開発しようとするものであります。いわて観光イメージアップ推進事業費は、新しい観光キャッチフレーズ及びシンボルマークの制定を契機として、首都圏での宣伝活動を行い、本県観光のPRとイメージアップを図ろうとするものであります。2目観光施設費の主なものでありますが、快適観光空間整備事業費補助は、外国人観光客の来訪を促進するため、地域の伝統文化を体験する場や、住民との交流の場等の整備に要する経費に対し補助しようとするものであります。次に、207ページに参りまして、観光客総合誘導施設整備事業費は、各地域の観光地等に統一したデザインコンセプトに基づいた総合観光案内板等を、外国語を併記して設置しようとするものであります。
 以上で、一般会計歳出予算の説明を終わりまして、次に債務負担行為について御説明申し上げます。戻りまして、議案その1の11ページをお開き願います。
 第2表債務負担行為のうち、事項欄の6から8及び12ページに参りまして、9の4件が当部関係のものであります。
 11ページに戻りまして、6は、岩手県火災共済協同組合が行う火災共済契約の履行に関する損失補償であります。
 7は、岩手県信用保証協会が行う創造的中小企業支援資金についての信用保証契約の履行に伴う損失補償であります。
 8は、仮称でありますが、財団法人いわて産業振興センターが貸与した設備に係る被貸与者からの償還金の納入がない場合の不足額の損失補償であります。
 12ページに参りまして、9は、市中金融機関が、財団法人岩手県観光開発公社に融通した資金について、元利金の償還がない場合の不足額の損失補償であります。これらはいずれも、それぞれの期間及び限度額を定めて債務を負担しようとするものであります。
 次に、特別会計について御説明を申し上げます。議案その1の33ページをお開き願います。
 議案第7号平成12年度岩手県中小企業振興資金特別会計予算でありますが、これは、歳入歳出予算の総額を、歳入歳出それぞれ41億3、447万1、000円とするものであり、歳入及び歳出の区分は、34ページ及び35ページの第1表のとおりとするものであります。
 第2表地方債は、歳出予算の中小企業高度化資金貸付金に充当しようとするものであります。
 各項目ごとの内容につきましては、予算に関する説明書により御説明申し上げます。予算に関する説明書の376ページをお開き願います。
 歳入歳出予算の総額につきましてはただいま申し上げましたとおり、まず歳入について御説明を申し上げますと、377ページに参りまして、1款繰入金1項一般会計繰入金1目一般会計繰入金は、中小企業高度化資金の貸付原資として一般会計から繰り入れるものであります。
 次に、378ページに参りまして、2款繰越金1項繰越金1目繰越金は、前年度からの繰越金を予定するものであります。
 次に、379ページに参りまして、3款諸収入1項貸付金元利収入1目貸付金元利収入は、設備資金貸付金などの貸付償還金であります。
 次に、380ページに参りまして、2項預金利子1目預金利子は歳計現金の利子であります。
 次に、381ページに参りまして、3項雑入1目雑入は違約金収入などであります。
 次に、382ページに参りまして、4款県債1項県債1目県債は、中小企業高度化資金の貸付原資の一部として、中小企業総合事業団から借り入れしようとするものであります。
 次に、歳出でありますが、383ページに参りまして、1款小規模企業者等設備導入資金貸付費1項貸付費1目設備資金貸付費は、仮称でありますが、財団法人いわて産業振興センターが行う設備資金貸付事業に要する資金を貸し付けしようとするものであります。2目設備貸与資金貸付費は、仮称でありますが、財団法人いわて産業振興センターが行う設備貸与事業に要する資金を貸し付けしようとするものであります。3目高度化資金貸付費は、構造改善等高度化資金貸付金などの貸付金及び中小企業総合事業団に対する償還金などであります。
 次に、384ページに参りまして、2項貸付事務費1目貸付事務費は、貸付事務及び資金の回収などに要する経費であります。
 以上で、商工労働観光部関係の予算についての説明を終わります。
 続きまして、予算以外の議案について御説明を申し上げます。
 議案その2の232ページをお開き願います。議案第50号家族旅行村条例の一部を改正する条例でありますが、これは、県立岩洞湖家族旅行村に整備されるテントサイトの使用について許可を要することとし、及びその使用料を徴収するとともに、あわせて所要の改正を行い、平成12年5月1日から施行しようとするものであります。
 次に、236ページに参りまして、議案第51号産業技術短期大学校条例の一部を改正する条例でありますが、これは、産業技術短期大学校の授業料等の額を増額し、平成12年4月1日から施行しようとするものであります。
 以上で、商工労働観光部関係の予算及び予算以外の議案についての説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。

〇工藤篤委員長 ただいまの説明に対し質疑ありませんか。

〇高橋賢輔委員 私から、4点ほどお伺いしたいと思います。
 まず、平成12年度の予算について先ほど部長から説明がありました。大変減額が大きいものだったものですから、ちょっと疑義があったのですが、先ほどの説明で大体わかりました。
 そこで、今回の予算措置で当部として全体像をどうとらえて進めようとしているのか、それが第1点。
 そして、新しい総合計画、キーワードは環境、ひと、情報ということになってございまして、いわゆる環境ですけれども、県内の観光地、それに関連するところの整備等々についてどのように結びつけてとらえておるのか、それが1点。
 それから、ひとですけれども、いわゆる全国から見た場合、岩手県の観光等について、いろんなお客さんが岩手県を訪れた場合、まず岩手県のいろんな観光地に問い合わせてもほとんどわからないとか、いろんなそういうことが往々にして見聞されておるわけですが、その件についてどのようにこれからこれをとらえようとしておるのか、その辺をお願いしたいと思います。
 そして、情報ですけれども、岩手県からの情報は確かにいろいろな面でお聞きして理解しておるわけでございますけれども、他県等々の情報をどのようにとらえて、それをどのように岩手県の観光行政に結びつけていこうとしているのか、その辺についてお伺いしたいと思います。
 それから、第2点は、今、中小企業、商店関係の方々が景気が一向に見えてこないと、いい方向に見えてこないと、こう言っておられるわけでございます。そこで、昨年いろいろ経済対策の補正予算を組まれておるわけでございます。いかんせん、そういった予算が一体どこへ回っているのか。どうも言っているのと実際やるのだという、そういうことの歯車がかみ合っていないのではないかと、そういう関係の方々が言っているわけですが、いわゆる他の県から言わせれば、いろんな社会資本整備が確かにやられておるわけでございますけれども、いかんせん、県内の、地元の商店街の売り上げは全然伸びていない。そういうことで、一体どういうことなのかと。いわゆる原材料あるいはいろんな資材等々の調達が、県内のそういう企業等々から調達しているのかどうか、その辺のあれが見えてきていないというようなことがあるわけですけれども、それは商工労働観光部ばかりではないわけですから、例えば土木部とかいろんな結びつきがあるわけですが、その横のつながりがどうなっているのか、その辺のことをお聞きしたいと思います。
 それから、知事は北東北知事サミットをやられたわけです。テーマは観光が最初だったわけですけれども、その後、知事が言っておった、観光を重点的に進めようということで北東北3県知事サミットがやられて、その後の経過がどのように変わってきているのか、その辺のことをお聞きしたいと思います。
 それから、今観光客が岩手県を訪れている流れ、岩手県から花巻空港を使って乗りなさい乗りなさいと随分宣伝していますけれども、確かによそへ行かれるのも大変結構ですけれども、それ以上に岩手県にお客さんを呼ぼうという、そういう何かがあってしかるべきだと思うんですが、岩手県からよそへ流れていく数と、よそから岩手県に呼ぶ数がどうなっているのか、その辺のことを教えていただきたいと、こう思います。
 それから、岩手県は広大な面積でございまして、大変知られざる貴重な名所、史跡等々があるわけです。その知られざる貴重なそういうものを、どうとらえて岩手県の観光に結びつけようとしているのか、その辺も私から見れば余り見えてきていないなという感じをしているわけです。その辺のことをどうこれからとらえようとしておるのか、お聞かせ願いたいと思います。
 それから、先ほど申し上げましたけれども、北上では今度十字路商店街、再開発がなったわけですけれども、いかんせん、周辺のアクセスが悪いために大変よそのお客さんが怒っちゃって、もう来ないというようなことが出始めてきているんですよ。なものですから、私は補助をやることもいいですけれども、やっぱり土台は最初が大事だと思うんです。箱は立派にできましたけれども、周辺はどうもさっぱり整備もされない、それでは効果が半減するんだと思うんです。しかも、今見えている人は、県外です。なものですから、私はやっぱり横のつながり、横の軸、他部とのつながり、関係をもっともっとしっかりしてやっていかないと大変だろうと思って聞くわけですけれども、これからますますよそのまちもそういう形でやろうとしてくるのだろうと思いますが、その辺のことをきちっとやるべきだと思いますが、どうお考えになるのかお聞かせ願いたいと思います。
 それから4点目は、労働費の関連でお聞きしたいんですが、さっき資料を見させていただきましたけれども、他県は随分伸び率が大きいですね。それに関連して、岩手県の有効求人倍率がどうなっているのか。そしてもう既に新しい年度にかわろうとしていますが、現在の求人率、就職率はどうなっているのか、その辺のことをお聞きしたいと思います。

〇合田商工労働観光部長 今のお尋ね4点につきまして、1点目の予算の関係と総合計画の関係については私から、それから中小企業の関係については商政課長、観光については観光課長、雇用対策については職業安定課長からそれぞれ答弁させていただきます。
 先ほどもお話ししましたけれども、12年度の予算は11年度の6月現計に比べて75億円減少しておりますが、その主な理由は、先ほど申し上げましたように、貸付金の関係で県単独融資制度に係る予算額については、ことしの12年度の、来年度の分についての新規の関係は11億円として見積もってございますけれども、11年度以前の融資残高が途中でうちの方で、いわて緊急経済対策資金というのを10年度に設けましたけれども、それが国の保証制度ができるために、それをやめて新しく国の方に乗りかえたという形になりまして、当初見込んでいた残高よりもその融資の返還が進んだと。そういうことで、過去の見積もりがちょっと大きかったと、その制度をやめたために、そのために今回過去のもののやつを落として、新規の分は、ことしの分は11億円やったと、そういう形で若干その分が69億円という形で大きくなって、全体では貸付金の不用額と申しますか、見積額の減に基づいて予算額が落ちたということで、それ以外の予算措置は必要なものはすべて措置しているところでございます。
 それから、来年度が総合計画の実質的な推進、当部の部門別計画につきましても実質的な実施段階になりますので、予算につきましてもそれらを中心として事業を進めたいと思っております。先ほど委員からお話しございましたけれども、情報、ひと、そういったことを含めて御説明申し上げますと、まず、商工関係におきましては、中小企業の経営革新や新事業分野への進出、新規操業に向けた主体的な取り組みを推進するために、具体的には研究開発から事業化までの一貫した支援事業を中核的機関で行うために、岩手県の中小企業振興公社というのが今あります。それから、既にあります通称テクノ財団と申しておりますけれども、岩手県の高度技術振興協会、これを二つ統合いたしまして、新たに財団法人いわて産業振興センターというものをつくりまして、中小企業も一般の企業もそれぞれ新しい操業、事業ができるような支援体制を組んでいこうと、その実質的なスタートが来年度であり、その予算措置をしているところでございます。
 二つ目に申し上げますと、それらは今まではテクノ財団を中心として1本のそういう支援措置でありましたけれども、それを県内7地域のブロックに分けて、それぞれ地域ごとにもそれを細かく支援していこうという、そういう意味合いで、地域中小企業支援センターというのも7ブロックに設けまして、それに対する予算もお願いしているところであります。
 さらに、情報につきましては、産学共同による高度なマルチメディア技術を活用したソフトウェアを開発するために2件ほど考えております。具体的には、岩手大学1件と県立大学のそれぞれの情報の担当の先生方を中心として、新たなソフト関係の開発をしようとすることもお願いしております。
 それから、それに基づく新商品開発などの新たな事業活動を行う中小企業を支援するために、中小企業経営革新支援事業、こういったことを商工関係では考えております。
 次に、先ほど委員の方からもお話がありましたとおり、金融・雇用対策につきましては非常に厳しい雇用情勢にかんがみまして、中小企業の経営安定化資金などのいわゆる中小企業金融における新規、来年度の新規枠組みにつきましては既に公表されておりますけれども、融資枠としては69億円の拡大を図って対応したいと考えておりますし、雇用機会の創出を図るためには、引き続き緊急地域雇用特別基金事業を進めていきたいと考えております。
 なお、観光関係につきましては、ちょうど新しいキャッチフレーズとそれからシンボルマークを制定いたしましたので、それを活用した戦略的な情報発信による新たな観光需要の掘り起こしを推進するために、首都圏でいろいろなフェアを開催して観光も進めていきたいと考えております。
 以上、予算の減額と主な施策について説明申し上げましたところでございます。

〇長葭商政課長 商店街の整備、他部との連携ということでございますけれども、国におきましては、市街地の整備改善と商業等の活性化を柱とします総合的、一体的な対策を関係省庁、地方公共団体、民間事業者が連携して推進することを目的といたしまして、中心市街地活性化法を施行しているところであります。
 県といたしましては、商店街の活性化を図るためには、この法律の趣旨を踏まえまして、アーケードの整備とか共同駐車場の整備などの従来型の商業振興の枠組みを越えまして、土地区画整理事業とかあるいは道路の整備事業などの都市基盤の整備などと一体となった総合的な取り組みを進める必要があるだろうと考えております。このため、平成10年5月に土木部とか商工労働観光部など、関係5部10課長をメンバーとします中心市街地活性化連絡会議を庁内に設置いたしまして、各部の横断的な連携のもとに、まずもって市町村におきまして、地域の特色を生かした実効性のある計画づくりがなされるよう、助言指導に取り組んできております。このことによりまして、遠野市及び北上市におきましては、既に基本計画が策定されて各種の事業が展開されているところでございまして、また、盛岡市など11の市町が基本計画を策定中でございます。
 北上市を例にとりますと、平成11年4月に策定されました基本計画に基づきまして、市街地再開発事業により商業施設や大規模駐車場、催事場等が先ごろ完成したところでございますが、これにあわせて県の街路整備事業として車道、歩道の整備や電線共同溝の整備を進めておりますほか、これにあわせて商店街においてアーケードの改修等が計画されており、各種事業の一体的実施による相乗効果が期待されているところでございます。
 今後とも、市町村の基本計画に盛り込まれました事業の実現に当たりましては、国の助成制度の導入を図るとともに、庁内各部や地方振興局との連携をさらに強化しながら、積極的に支援してまいりたいと考えております。

〇山口観光課長 まず最初に、観光地の整備についてのお尋ねがございました。観光地の整備につきましては、御存じのとおり、去年の4月に陸前高田のオートキャンプ場を整備しまして、166サイトという、県内というか東北でもかなり大きいキャンプ場を整備しております。
 それから、そのほかに過去にはさわやかトイレということで120カ所ぐらい、これはいらっしゃるお客様には、特にトイレというのは非常に大事なものですから、そういうもので120カ所ぐらい整備しております。
 それから、観光案内板とか案内標識、これにつきましてもかなりやっておりまして、特に近ごろの場合は英語だけではなくてハングルとかあるいは繁体字といいますか漢字の中国語、そういうものの整備とかそんなものをやってきております。
 そのほかに整備の関係ですけれども、今後につきましては、今、観光客が非常に低迷してきているところもありますので、施設整備が大事だということで、特に岩手県の場合は八幡平の山頂とか、八幡平地域が非常に大変だということで、そこで八幡平の御在所地区がございますが、そこについて一応その辺にトイレとか駐車場を少し整備して、そこでかなりのお客さんにトイレなんかしていただいて頂上に上がっていただくとか、そういうことで考えたいと思っております。これを来年度予算に考えておりますし、それから山頂の施設につきましてもかなり古くなってきておりますので、その辺につきましても整備しまして、それで八幡平から十和田湖に行くような格好の施設整備もしたいと考えているところでございます。
 それから、今回の議案に出ております家族旅行村、岩洞湖ですが、ここにも今回20サイトぐらいのオートキャンプ場を整備していくという状況でございます。今、そういう整備の状況でございます。
 それから、いろいろと何かやっているようだけれどもさっぱりわからないのではないかと、もっとPRという話でございますが、先ほども委員からお話しありましたように、北東北サミットが平成9年に行われまして、やはり今の観光行動というのが広域で動いております。そういうことで、単県ではなくて3県で一緒になって整備するという方策になってきております。そういうことで、3県でさまざまな今まで準備をやってきております。特に、アクションプランに基づきましていろいろなことをやっております。
 例えば、事例としますと、御存じのとおり、福岡県に事務所をつくって情報発信に努めたり、あるいは東京事務所とか東京の銀河プラザとかそういうところでやったり、あるいはいろいろとやってきております。
 それで、来年度につきましては、いずれそういうことで、3県でこれからいろいろとPRもしてまいりたい。特に、ことしから来年度にかけまして、北東北3県で、広域のプロモーションと言いまして大きいキャンペーンをやっておりまして、これでたくさんのお客さんを呼ぼうということで今やっております。
 それから3月からですが、JR東日本と一緒になりまして、やはりこれも2000年鉄道ロマンの旅というようなことで、大きなキャンペーンをやっております。
 そういうことで、県外に対して相当PRはしておりますけれども、県内の方にちょっとPRが足りないというところはあったかもしれませんが、そういうことでやっております。
 それから、情報はどのようにしてやっているかということですが、どうとらえてどうやっているかということですが、これにつきましても今のような話とかあるいはインターネット、これも北東北3県でつくったり、単県でもつくっております。あるいは観光連盟でもつくっております。そういうものでの情報もいろいろとやっておりますし、それからさまざまなパンフレットとかあるいは商談会とかそういうものをやりまして、しょっちゅう交換をしておるところでございます。そういうふうなところで御承知いただきたいと思っております。
 それから、知事サミットの成果というか、これまでのその後の状況はどうなっているかという話で繰り返しになるかもしれませんけれども、いずれ平成10年に北東北観光振興アクションプランというものをまずつくりました。この計画に基づきまして、10年から各県で予算を出しまして、かなりこれも事業費を大幅に拡充させたところでございます。それで、だんだんに広域の推進に向けた北東北3県の連携が強化されてきております。
 例えば今言ったように、先ほどの福岡のみちのく夢プラザを開設してそこで観光とかあるいは物産の方の情報発信をして、非常に好評を得ているところでございます。それから、外国人観光客の誘致拡大を図るために、平成11年4月にこれは北東北3県で共同の協議会をつくりまして、国際観光についての協議会をつくりましていろいろと誘致をしているところでございます。これは実際に海外に行ってミッションをやったり、あるいはこちらの方にお呼びしていろいろそういうことでやっております。その成果で御存じのとおり、台湾から国際チャーター便が今度花巻空港に直接乗り入れるというものも、その成果として出ております。
 それから、そのほかに北東北3県の知名度を上げるということで、キャッチフレーズ、シンボルマーク、透明な日本、見に行こうということで、これもことしつくりまして、これから平成12年度に向けて大いにPRしていきたいと考えておるところでございます。
 それから、岩手県にどのぐらいの人が入ってどのくらいの方が出ていっているのかということでございますが、出ていく数についてはちょっと把握しておりませんが、これは入り込みということでごらんいただくとわかりますけれども、大体平成8年をピークにして実は9年、10年と下がってきておりまして、平成11年、今年度になりまして1.7%で、わずかではありますが上がってまいりました。そういうことで、幾らかそういう意味での希望的なものが見えてきたなと考えております。
 そういうことで、ここではさまざまなキャンペーン、あるいは先ほど部長が話しましたような岩手県のシンボルマークもできておりますし、そういうふうなものも含めて、どんどん大いにこれからPRをして誘客を図りたいと考えております。
 それからあと、穀彩王国で岩手県に来ている方は、平成8年に魚彩王国、それから平成9年から穀彩王国それから黄金王国、湯雪王国というのが始まったわけなんですが、これは実数です。人回ではなくて、実数で大体3万人ぐらいの方がいらしております。それで、その方々のお話を聞きますと、アンケートで聞きますと、ほとんどの方々が初めて岩手県を訪れた方だということでございます。それで、またいらっしゃるかということですが、90%以上の方がまた来てみたいということで、餅文化とかさまざまな新しいものについてもPRしておりまして、かなり好評なようでございます。
 それから、知られざる地域をどう見ているかということでございますが、最近の観光行動は地域全体を楽しむ、何というか体験型観光へとシフトしておりまして、地域の個性そのものが観光資源となってきていることから、各地域がその特性を生かした取り組みにより、魅力ある観光地になり得ると考えております。このために、県におきましては、既存の観光地のみならず、地域の隠れた魅力とかあるいは観光振興に向けた市町村の取り組みを観光情報誌に、これはいわて王国というのをつくってうちの方で出しておりますが、そういうものとか、あるいはテーマ別に絞ったパンフレット、例えば花とか温泉とか、あるいはアウトドアとか、今つくっております。そういうもので広く県内外に紹介しているところでございます。
 それから、PRのみならず、先ほど言いましたようにいろいろと4王国におきましても、地域の隠れた観光資源にスポットを当てて旅行商品化に努めているところでございます。
 例えば先ほど言いましたように、餅文化とかあるいは白鳥のえづけとか、それから鬼の伝承館とかあるいはみちのく民族村とか、さまざまなものが出てきております。
 今後におきましても、地域の視点に立った観光の振興が重要であるということから、地方振興局ともども、市町村との連携を強化しながら、地域の観光の魅力を積極的に情報発信したいと考えているところでございます。

〇野口職業安定課長 最近の有効求人倍率はどうなっているか、それから就職はどうなっているかというお尋ねでございますけれども、本県におきます有効求人倍率の推移は、昨年5月の0.48倍を境としまして、8月が0.50倍、11月が0.52倍と緩やかに上昇しておりまして、1月末では0.54倍と全国平均の0.52倍を0.02ポイント上回っております。
 また、公共職業安定所に申し込まれる新規求職者の方は、1月は約8、000人おりまして、そのうち就職された方が約2、000人おります。就職率で見ますと約25%になります。就職におきましても、ここ11月、12月、1月と対前年度比で増加傾向にございます。

〇高橋賢輔委員 わかりました。ぜひ頑張ってやってください。ただ、大事なことは、私はやっぱりケア、例えば補助事業等々、あるいはいろんな施設ができますけれども、事業は完成したあるいは補助はもう終わったのだというようなことでそれで構わないというのではなく、やっぱりケア、フォローというものが大事だと思う。そうなものですから、これからいろんな事業が入ってくるわけですけれども、事業が終わったものについてもこれから各市町村行政あるいは関係者の方々、フォローなりケアなりをきちっとやっていただきたいと、こう思います。

〇菊池勲委員 北上のことをしゃべられたから関連しなければ。
 自由党の総務会長の後に関連とは失礼だけれども、長葭商政課長、あなたの答弁は大変格好いいんだよね。質問者はそうはなっていないと思うんだ、私も。私も北上市民だ。立派なものをつくったね。これは恐らく県一か東北でも一、二を争う施設になろうかと思っているんだけれども、残念ながら1、500台が入る駐車場はつくったんだけれども、そこに我々市民が数十億円を第三セクターに投資をしているわけだ。1、500台の車が入ってどこから出るんだ、一体にして。出る道路がたった1本しかないんだよ。15台ならわかるんだけれども1、500台入ったら、朝も開店する前から約6キロぐらい並んでいるんだよ。市民がえらい迷惑しているんだ、これ、逆に言うと。課長の答弁だと大した立派な答弁をしているんだけれども、全然これなっていないよ。建物ができる前に、1本ぐらい2車線の道路をつくらなければいけないでしょう。全然なっていないんだもの、これ。どうなんだ、課長。その相談はなかったのか、市から。見事に気にしているの、私。周りでは3年もたないと言っているよ、この建物は。我々市民が数十億円の財産を投資しているわけだ。これが心配なの。部長、今度偉くなるから部長に聞いてもいいな。部長、どうなんだ。あなた、次、偉くなるんだものな。その相談があったかどうかだ。あったとするならば、少なくてもあの市街地に1本ぐらいは2車線にしておかなければ。全然、その計画あったって実施されていないんだもの。どうなの、部長。

〇合田商工労働観光部長 今、委員の方からお話しございましたけれども、具体的な土地利用関係については当方には相談がなかったようでございますけれども、我々の方も新聞とかいろんなことで気を使いまして、県の方から市の方にアプローチしまして、今の現況を調査いたしておりまして、その中でやはり問題点は、今オープンして間もないという事情もあるかもしれませんけれども、入場車両の整理について渋滞があるため、その対策について引き続き検討するということで、そういう形で一応私たちの方も問題意識として持っておりますので、この次の新しい市街地開発については、関係部局とさらに調整をしながら進めてまいりたいと考えております。

〇菊池勲委員 部長、いい答弁なんだけれども、こういううわさ、うわさだから確かめていないけれども、私も人間感情からすればそうだと思っているの。ビブレ成金という言葉が、北上では横行しているんだよ。わかりますか、成金という言葉。私はいつも貧乏しているからわからんけれども。そうすると、これからやる商店、中心商店街の道路の開発のときに、一般市民が恐らく判子を押さないだろうというんだ。土地ね。そうすると、工事は幾らしたくてもできっこないんだ。これ、あなたの部署じゃない、土木になるわけだな、都市計画の。私はそれを心配しているから、そういう立派なものをつくるときに、あなた方に相談があったはずなんだ。さっきの課長の答弁では、すべて相談があったと言っているんだね。納得できない形でスタートしているわけですよ。心配なのは我々市民なんだ、市民。数十億円を第三セクターに、今、第三セクターみんな失敗してまたつくっているんだ、私ども、北上市は。そうしなければ物ができなかったから、これ手法としてはしようがないと思う。だけれども、将来性のないものに数十億円の金をかけたという市民が、どんな気持ちで毎日見ているか。私も帰ればただの市民なんだ。そこらあたりに問題があると思うんだよね、課長、答弁してください。

〇長葭商政課長 委員御指摘のとおり、開店日とか土日につきましては相当の渋滞があるという報告を北上市から受けております。これは開店間もないということもありまして、買い物客以外の見物客がたくさん来ているという、そんな混雑の要因だということも承っておりまして、部長の答弁にもありましたが、これからもこういうような大きな店舗をつくる場合には、周りの商店街あるいは小売の商店の方たちが一緒に共存できるように、そういうような施策をこれからも関係部と一緒になって講じていきたいと考えております。

〇千葉浩委員 今、観光課長から2000年鉄道ロマンの旅の話がありましたから、関連しまして私から申し上げます。
 この計画は1年がかりの計画とも承っているんですが、JR東日本が中心になってやるわけですが、みちのく、東北、特に北3県には集中して動員計画を立てるやに聞いているわけですが、恐らく前半が6月までと聞いているんですが、その中で大体北東北へ1万5、000人から2万人ぐらいというような計画があるやにも聞いているんですが、これはやってみなければわかりませんが、いよいよ第1陣が4月16日に来るやに私聞いています。盛岡へ8両編成ですか、JR専用列車で盛岡入りすると、こういうような話もちょっと聞いているんですが、その具体的な話もちょっと聞きたいんですが、その中でやはり長い期間、観光、これ首都圏、東京首都圏が中心ですから、そこから動員をかけてこっちへ来るわけですが、初めに来るお客さんの印象というものが私は非常に大事になってくるのではなかろうかと。長期間やるわけですから、1回きりでございませんから、そうしますと、その印象がどうなるか。それによって、今後の観光にも影響してくるのではなかろうかということで、初めが私は大事ではなかろうかというような気もします。
 そういう意味で、北東北3県、特に岩手県の観光のよさというものを十分に見ていただきまして、印象を与えていただくような施策を県としても支援していただきたいとも思いますし、また、一つは岩手の物産ですね。やっぱり観光ですから物産、買い物というものが非常に私は大事になってくるのではなかろうかと。岩手の物産をどう発信していくのか、その辺の考えもあるならお聞きもしたいし、そういう形でこの計画がぜひ立派になって、そして岩手の観光の名が東京首都圏にかけて波及していきますように期待するわけですが、その辺のお考えをひとつお願いします。

〇山口観光課長 今、千葉委員お話しのように、鉄道2000年ロマンの旅というものがJR東日本など、そういうことで始めたものでございまして、第1期と第2期がございまして、第1期が3月22日から6月30日まで、それから第2期が8月20日から11月の30日までと、2回来ることになっています。それで、これは本県にいらっしゃる方の人数は何人ぐらいかと聞きましたところ、大体1万9、500人、大体2万人ぐらいが訪れるだろうと言われております。いずれ、北3県の観光立県推進協議会の方でお金を出しまして、大いにそういうことで、委員おっしゃるように印象を悪くしては困りますので、例えば小岩井農場とか浄土ケ浜とか主要な観光地を訪れますので、そこで市町村も通じながらいろいろと十分に対応したいと考えております。
 それから、観光と物産というのは非常に密接不可分でございまして、やはり現地に行きましてそこのお土産を買って帰るというのが多いわけです。そういうことで、これに大いに期待をしているところでございます。

〇伊藤勢至委員 1点だけお伺いをいたします。
 中小企業の育成に関してでありますけれども、いろんな施策を展開していただいていることには感謝をいたしたいと思いますが、今回は特に中小企業の食品製造業という部分に関してお伺いをいたしたいと思います。
 それは、ハセップという部分に関連してでありますけれども、今ハセップという、いわゆる今まで日本になかった新しい食品の安全衛生管理という部分が導入をされてきておるわけでありますが、これは聞くところによりますと、本格的なハセップ対応の認定を受けるためには、恐らく4億円ぐらいかかるのではないかと言われておりまして、大変膨大な投資になるようであります。そういう中でも体力のある、基礎力のある人たち、あるいはそういう企業はそれに対応ができるようでありますけれども、中小企業、特にもじいちゃん、ばあちゃんあるいは家族的、家内的な部分でやっております製造業、例えば豆腐とかコンニャク、納豆、うどん、そばあるいはお新香、そういったものをつくっている人たちにおいては、とてもこれは対応ができないという現実があるようであります。そうした中で、この大手の生協のスーパーだとかあるいはコンビニエンスストアなどでは、そういう食品製造に関してハセップ対応がないものは売り場から外していく、そういう部分が現実に始まっているようでありまして、こういった部分がどんどん伸びていきますと、中小企業、特にも食品に関する製造業は生き残れないのではないか、そういう声があるわけでありますが、これに対して当局はどのようにお考えになっているのか、まずお伺いをいたしたいと思います。

〇合田商工労働観光部長 今、委員の方からハセップに関する中小企業の振興についてお話がございましたけれども、確かに食品関係についてはO-157の状況から衛生面に特に力が入りまして、いわゆるハセップの導入が食品関係は中心になろうと思っています。しかし、今御指摘の、お話しのあったとおり、中小企業の特に小規模な、具体的に申しますと水産加工業の人たちは、非常に人材あるいは資金面においてその対応に課題がたくさんあろうかと、そういう認識をしております。そういうわけで、我々の方の当部といたしましての中小企業の振興に携わる者といたしましては、大手の流通ルートを通らないでも、例えばある地域では塩辛がおいしいよと言って、その地域で非常に経営的にいいものがある。きのうかおとといの新聞にもございましたけれども、釜石地方においてはある企業が優しいトレーをつくりまして、10年度の3、000万円がことし1億2、000万円ぐらいになると、そういうふうに新製品とあわせた新しい工夫でやるとか、地域完結編の経営に持っていくとか、いろいろな方法があると思いますし、さらにこのハセップにどうしてものらなければならないときに、どこまで共同でやっていけるか、協業でやっていけるか、そういったことをひとつ、窓口は水産の関係で申しますと林業水産部ですけれども、林業水産部とともにそういった課題について、中小企業の面から見てどういう課題があるかということをひとつ検討したいと思っております。そしてさらに、経営面、資金面、技術面につきまして、そういった中小企業の方たちの支援を県としてやっていきたいと、そう考えております。

〇伊藤勢至委員 安全衛生管理ということですから、万分の一があってはいけないということでの厳しい衛生管理ということだと思うんですが、ハセップというのは決して法律ではないと思っております。言ってみれば実質的な安全衛生管理を売り出すことによって業界に生き残ろうとする部分もあるのだと思いまして、それはそれで理解をいたしますけれども、ただ、日本人はどうも過激に走りやすいという部分がありまして、万分の一という議論だけに走って、万分の9、999を忘れてしまいはしないかという思いがあります。したがいまして、こういった部分が今後、例えばみそとかしょうゆとか、あるいはお酒あるいは醸造関係に広がっていくということになりますと、日本の食文化そのものの根源的な見直しを迫られることにもなりはしないかと、そんなふうにも思うわけでありますので、法律でないということにおいて、県内版の、これは保健福祉部が保健所を統括していますから、そういったところで、今までの安全衛生管理をさらに強めるけれども、ハセップの対応まではいかないけれども今までよりは安全なんだというアピールの仕方をぜひ検討いただいて、中小企業の人たちが自信を持って、意欲を持って、おいしいもの、この土地にしかないものをつくっていけるような、そういう部分をぜひ御検討いただいて対処いただきたいということをお願いして終わります。

〇佐々木一榮委員 観光関係について4点お尋ねしますが、簡潔に2点ずつお尋ねします。答弁の方も簡潔によろしくお願いします。
 まず、第1点でありますが、平成12年度、県内において大型イベントが開催されますが、その対応と支援策についてお尋ねします。
 まず、初めに、第17回伝統的工芸品月間全国大会開催事業でありますが、主な開催要綱、また、来県予想者数、また、その対応についてお伺いします。
 あわせて、中尊寺、毛越寺の開山1150年祭についてもお尋ねいたします。
 2番目としまして、岩手ブランド確立・推進の観点からお尋ねいたしますが、商工労働観光部においては、物産販路開拓費を計上され、また、農政部ではいわて純情ブランド確立対策事業を、林業水産部ではいわてブランド材推進事業を行うわけでありますが、このように、本県県産品のPRには各部横断型の展開が必要と考えますが、本県営業の最先端を担当される商工労働観光部としまして、他部との現在までの取り組みについての評価と今後の方針について、まず、お尋ねします。

〇合田商工労働観光部長 県内の12年度の大型イベントの関係につきましては私の方から、それから、ブランドの確立につきましてはブランド推進室長から答弁させます。
 まず、初めに、12年度開催の第17回伝統的工芸品月間全国大会でございますけれども、これは、既に御存じのとおり、伝統的工芸品月間というのは11月にございまして、その11月を目途に、伝統工芸品に対する理解と関心を高めるために、通産省、それから、外郭団体でありますけれども伝統工芸品産業振興協会、それから日本伝統工芸士会などの主催によりまして58年度から開催されているものでございます。
 12年度の岩手県大会は、11月が月間でございますので、11月1日から盛岡市におきまして記念式典と全国伝統工芸士大会を行いまして、2日から5日の4日間は産業文化センターにおきまして伝統工芸ふれあい広場を開催する計画でございます。
 記念式典には、全国の伝統工芸士、産地のいろいろな関係者を含めまして1、000人ほど、それから、いろいろなフェアをする産業ふれあいの広場では、昨年度の先進地の例から見まして大体7万人から8万人ぐらい、ちょっとかためだと思いますけれども、見込んでいるところであります。
 県では、今回予算の御審議をお願いしておりますけれども、岩手県伝統工芸品月間推進協議会というものを来年度すぐ4月に入ったら設けまして、全国大会を共催いたしまして、全面的に支援してまいりたいと思っております。
 また、中尊寺と毛越寺の開山1150年にちょうど相当するわけでございますが、聞くところによるとそれぞれ200万人の観光客の入り込みを目標にしていると。ちょうど寺社仏閣関係の観光の入り込みが逆にこの二、三年下がっておりますので、この機会に、県といたしましても誘導する大型のイベントとして非常に期待して支援したいと考えております。去年から既にこの話がございましたので、東京、大阪、名古屋、福岡の大都市圏におきまして、旅行代理店における誘致説明会、名古屋の場合、私も行ってきましたけれども、それぞれのエージェントにつきまして、こういうことがあるので商品として開発してほしいという申し入れをしております。
 また、今後におきましては、四つの王国のうち黄金王国というのがございまして、5月から始まるいろいろな旅行商品の中にこの1150年の記念もあわせて入れて考えておりまして、県といたしましても、この1150年祭に対して全面的に支援してまいりたいと考えております。

〇佐々木岩手ブランド推進室長 岩手ブランド推進における部局間連携についてお答えいたします。
 岩手ブランドの確立につきましては、良質な原材料の確保から、技術あるいはデザイン開発、さらにはマーケティングに至るまでのトータルとして考える必要があると思います。そういったことから、総合的な取り組みをすることが非常に重要でございます。県といたしましては、各関係課長によりますところの岩手ブランド振興連絡会議を設置いたしまして、それぞれの商品開発や販路拡大について議論をいたしておるところであります。
 例えば、先般、発表されました県産オリジナル吟醸酒の開発につきましては、県の生物工学研究所と工業技術センターが開発しました独自の酵母、さらには、農業研究センターが開発しました酒造好適米吟ぎんがを用いたものでございましたけれども、当部といたしましては、その商品化をするとともに、その販路拡大のアクションプランを策定いたしまして、12年度早々からマーケティングに取り組むことといたしております。
 今後におきましても、本県の産品を全国に強くアピールしてまいるには、それぞれの産品のPRも非常に大事でありますが、加えまして、岩手全体のイメージアップ、さらには、岩手ブランドとして農林水産物を丸ごと売り込むといったことが極めて重要でございます。今後におきましても、各部の事業の調整を図りながら、東京銀座のいわて銀河プラザや、あるいはみちのく夢プラザ、さらには、市内のブランドi、さらには、東京で開催しております銀河系いわてフェスティバル等々におきまして、各部の連携をとりながら、総合的かつ体系的な販路拡大に努めてまいりたいと考えております。

〇佐々木一榮委員 後半2点についてお尋ねします。
 先ほども質問が出ておりましたけれども、平成9年度からいわて4王国──穀彩王国、魚彩王国、湯雪王国、黄金王国──、これが新しい旅推進事業として支援されてまいりましたが、現在までの各王国への投入予算とその効果についてどう分析されているでしょうか。それから、平成12年度事業についてもお知らせいただきたいと思います。
 また、12年度、岩手観光イメージアップ推進事業費を大幅に増額されまして、新しい観光キャッチフレーズ、また、シンボルマークの制定を契機としていわてナチュラル百貨店フェアを開催することとしておりますが、今までのPRと違う展開を当然図られると思いますが、その戦略についてお尋ねいたします。
 最後、4点目でありますが、本県における外国人観光客来訪促進戦略についてお尋ねいたします。
 平成10年度の来日外国人旅行者は、東南アジアが経済不振であったものの411万人ありまして、そのうち東北へは新潟も含め19万人から20万人と言われておりまして、全国の四、五%という数字であります。2002年のワールドカップが宮城、新潟、また、2001年には秋田におけるワールドゲーム、2003年には冬季アジア大会が青森で予定されております。先ほど山口観光課長からお話がありましたが、本県も3県と、発見もう一つの日本、北緯40度の道ということをテーマに、通年4ルート、また、四季各1ルートの合計八つのルートを設定すると聞いております。そして、目標として、平成15年には平成8年の7万3、000人の倍の16万人を目標とするとされておりますが、本県の今後の対応と課題についてお尋ねいたします。

〇山口観光課長 まず、最初に、新しい旅推進事業への投入予算とその効果、あるいはどのように分析しているか、あるいは12年度の事業についてという話でございます。
 県では、新しい旅推進事業ということで、先ほど委員お話しのように、平成9年以降にこういう事業を大いにやってきているわけですが、平成9年から11年までで1億5、000万円ほどの金額を投入してきております。
 これの効果でございますけれども、大手旅行エージェントが主催するツアーの参加者数を見ますと、これは実数でございますけれども、今までのところ、先ほども話しましたように魚彩王国は一部8年間やっておりますけれども、トータルしますと大体3万人ぐらいの実績になっております。
 この参加者の方々に対してアンケート調査を実施しております。そのアンケート調査によりますと、先ほどもちょっとお話し申し上げましたけれども、岩手を訪れたことがなくて初めてという方が半分以上でございます。大体55%から62%は初めてだということでございます。それから、残りの30%ぐらいの方が来たことがあるという方なんですが、もう一回来てみたいという希望が非常に大きゅうございます。初めての方も含めて、トータルで大体97%ぐらいの方がもう一回来てみたいという話をしているようでございます。非常に岩手の魅力を知っていただいたのではないかと考えているところでございます。
 また、地域固有の文化、例えば、先ほども話しましたような餅料理とか、あるいは触れ合い体験とか、こういうことを組み込んだ地域提案型の旅行商品を出しましてPRしてきたわけなんですが、これについての一定の評価をいただいたのではないかと認識しているところでございます。
 さらに、観光イベントの開催とか体験観光などの観光客の受け入れ態勢の整備に向けては、旅館とか運輸等の観光関係者のみならず、商工業者とか農林漁業関係者あるいは地域おこし団体など、地域が一体となって観光客の誘致に取り組む機運が盛り上がってきております。
 12年度につきましては、先ほども黄金王国の話がございましたけれども、中尊寺、毛越寺の1150年祭を契機としまして、それを取り込んだものとか、あるいは花をメーンテーマとした事業などを黄金王国では考えております。
 それから、ほかの王国につきましても、実は湯雪王国と魚彩王国につきましては、現在3月まで王国、今、やっておりますけれども、来年度につきましても、例えば魚彩王国につきましては、関係市町村全域で体験の教室をやりたいということでの魚彩王国ふるさと学校の実施とか、あるいは湯雪王国におきましては、ファミリー温泉券ということで、家族で行って非常に廉価なもので入れるというものとか、そういうものを企画しているようでございます。
 いずれ、これまで以上に、県、地方振興局ともども4王国の連携を強化して、地域の視点に立った旅行商品の企画を支援してまいりたいと考えているところでございます。
 それから、いわてナチュラル百貨店フェアは今までのPRとどう違うのかということでございます。今までの観光展というのは、本県を代表する観光地中心の宣伝であったところは否めないところでございますが、今度、「こちら、岩手ナチュラル百貨店」というキャッチフレーズには、自然とか伝統文化、祭り、暮らし、食文化、人情などが満載された魅力ある岩手という意味が込められております。そういうことから、ナチュラル百貨店という新キャッチフレーズ、これの意味するところ、ナチュラルというところで、しゅんとか、あるいは鮮度とか、こういうものを前面に打ち出した、岩手の魅力がぎっしり詰まった内容のフェアにしたいと考えております。
 このキャッチフレーズは首都圏では非常に評判がようございまして、実は文化デザイン会議で平成9年にいらっしゃいました日比野克彦さんとか榎本了壱さんとか川崎徹さんという方々が審査員になっておりますが、その方々のアドバイスもいただきながら特色のあるフェアを実施したいと考えているところでございます。
 それから、外国人観光客の来訪促進の戦略についてということでございます。
 本県への外国人観光客の入り込みでございますが、平成11年は4万2、552人が訪れております。その中で、台湾からの観光客が2万3、238人ということで55%ほどを占めております。そういう状況でございます。
 県では、北東北3県で一緒になりまして、あるいは関係市町村とか民間観光団体による協議会をつくりまして、例えば台湾への観光ミッションの派遣とか、あるいは韓国への派遣とか、いろいろとやってきたところでございます。
 それから、やはりいらっしゃった方が外国人ですので、どこに行って聞いたらいいかわからないと。日本語がわからない方もいらっしゃいます。そういうことで、i案内所というのがあります。インフォメーションという意味ですが、これは今までは北東北観光センター──盛岡でございますが──にしかございませんでしたが、今回、一関の観光案内所にも1人、3月10日から配置することになり、これが指定されたという状況でございます。
 いずれ、台湾とか韓国とか東アジアの諸国をターゲットにしまして、外国人観光客の広範な観光行動に対応するために、3県が共同して広域的な誘致宣伝活動をこれからもやっていきたいと思っておりますし、県としましては、やはり外国語併記の観光案内板の設置とか、あるいは観光従事者の研修とか、こんなものをやって大いに受け入れ態勢を整備してまいりたいと考えているところでございます。

〇佐々木一榮委員 農政部でも12年度から北東北3県のグリーン・ツーリズムということで、実は宮城県との県境に住んでいる人間としましては、いつも北ばかりが中心で、前にも質問したことがあるんですが、ワールドカップにしましても宮城、新潟と。そちらから連れてくるためには、やっぱり南とも組んでいかないとなかなか難しいのではないかと思います。
 北東北3県と非常にたくさん出てくるのでありますが、現在の段階で、お隣の宮城県とはどのぐらいの連携をとられておるのでしょうか。この点について、何対何という比率で結構ですので、お答え願います。

〇山口観光課長 宮城県との連携の状況でございますが、県南地方の地方振興局と、それから、築館とか迫の宮城県の事務所との交流を9年度から始めておりまして、10年度には観光案内板をつくったり、あるいはビデオをつくったり、いろいろしております。そういうところがありますし、それから、あと、大船渡とか陸前高田、宮城の気仙沼で県境サミットをやったり、あるいは気仙地域の本吉町とか気仙沼市とか唐桑町で三陸観光協議会をつくったりさまざまなことをやったり、あるいは宮城県北と岩手県南で「宮手県の押し売り委員会」とか、そういうようなものをいろいろやっておるようでございます。そういうことで、何対何というのはちょっとあれですが、かなり交流が活発になってきていると認識しております。

〇小原宣良委員 最初に、インランド・デポの設置に向けた県の支援策についてお伺いいたします。
 本県物流の基盤をなす企業立地の動向につきましては総括質疑の際にお伺いいたしました。海外貿易の活発化を促すためにも、インランド・デポ──内陸通関基地──の設置は極めて重要な役割を担うと思います。現在、御承知のとおり、北上流通センター内の日本通運北上営業所が函館税関の認可を得まして保税蔵置場を開設し、営業に当たっているところであります。
 課題は、このインランド・デポの設置という正規の通関署になるためには、取扱貨物の件数あるいは量の確保が大変重要でございます。それぞれ北上市を初め、周辺の企業の皆さんの協力を得るという形で、今、現地では進めているわけですけれども、県としての具体的な支援策がおありでしたらひとつお示しいただきたいと思います。
 2点目は、本県工業出荷額の近年の動向と対策についてございます。
 雇用の場の創出とも相まって、企業群の活発な経済活動が期待されているところでございます。雇用動向ということも当然連動するわけでございますが、本県工業出荷額は、近年、どのような傾向になっているでしょうか、お知らせいただきたいと思います。
 これら企業活動の状況とあわせた雇用動向については先ほど申しましたが、あわせて、新規高卒者の就職状況はどうなっているでしょうか。もう既に高校の卒業式は終わっているわけでして、もしまだ決まっていないという方がおるとすれば、かなり深刻な状況かもしれません。それらの状況がどうなっておりますか、あわせてお伺いいたします。

〇合田商工労働観光部長 インランド・デポにつきましては私の方から、それから、工業出荷額の動向等については工業振興課長から、それから、新高卒者の就職の動向につきましては職業安定課長からそれぞれ答弁させます。
 インランド・デポにつきましては、先ほど委員からお話しのとおり、県といたしましても、この機能につきましては、貿易・物流機能の関係で重要な課題だと認識しております。そういうわけで、先ほどお話がありましたとおり、まず、物流関係の実績を十分つくることがこのインランド・デポの税関機能を設置するために重要なポイントでありますので、まず、企業の皆さんにいろいろとそういったことをくみ取ってもらう、そういうわけで、県といたしましても、ジェトロとの共催によりましてインランド・デポの実現に向けたセミナーの開催をやっておりますし、そこの中でいろいろな情報提供をしております。さらに、これは地方振興局と市もあわせてでございますけれども、いろいろな意味の貿易の振興とか県内企業の利用の意欲をさらに強めるいろいろな活動をしております。また、定期的に函館税関といろいろ調整しておりますけれども、今まではどちらかというと市と県が主に函館の方に出向いて、いろいろ情報なり、いろいろな理解をしていただいておるんですが、逆に、今月、函館税関の方からどういう様子になっているかなと、ようやくその話し合い、今までやっていたいろいろな調整が一歩進んだような感触といいますか、これからまた国の行革とか、いろいろな問題があると思いますけれども、そういう形に一応話し合いを続ける雰囲気が強まってきたと、こういうふうに感じております。

〇黒田工業振興課長 本県における工業出荷額の近年の動向あるいはそれに対する取り組みという御質問でございますけれども、本県製造業における工業出荷額につきましては、中期的に見ますと全国平均を上回って増加基調で推移してきておりますけれども、近年、国際競争の激化あるいは景気の低迷などによりまして工業出荷額も伸び悩んでおりまして、厳しい状況にあると認識しております。特に平成10年につきましては2兆3、397億円余でございますけれども、景気低迷による生産活動の落ち込みなどの影響を反映いたしまして、電気機械器具製造業等を中心に6年ぶりに減少したところでございます。
 工業出荷額につきましては非常に総合的な指標でございますので、私どもも総合的に取り組んでいくということだと認識しておりますけれども、特に新産業の創出あるいは研究開発への支援などを通じました中小企業の支援、さらには積極的な企業誘致活動といったことを通じまして、今後、工業出荷額の増加を促進し、本県経済の活性化を図っていきたいと考えております。

〇野口職業安定課長 高卒の就職状況のお尋ねでございますけれども、2月末現在の状況は、就職希望者が4、514人、そのうち就職内定者が4、043人で、内定率は89.6%になっております。1月末が内定率が82%ですので、2月におきましては7.6ポイント改善されております。また、内定率の前年同期比を比べますと、1月がマイナス4.2ポイントでしたが、2月が2.9ポイントとなっておりまして、1.3ポイント改善しております。
 今後におきましても、引き続き求人開拓に努めるほか、新規学卒者の就職紹介は6月まで取り扱うこととなっておりますので、就職を希望する生徒全員が就職できるように努めてまいりたいと思っております。

〇小原宣良委員 1点目のインランド・デポにかかわりましては、函館税関も強い関心を持って、本県の物流対応、特にも海外貿易について、その拠点整備に対応が強まっていきそうだということでございますので、ぜひここは県として、国、対税関ですから、県の役割が大変大事だと思っておりますので、実績を高めることに対する支援策を含めてぜひよろしくお願い申し上げたいと思います。
 なお、ジェトロとの関連についても先ほど部長からお話がありましたけれども、ジェトロとの関係については、なお十分な密接な関係を保ちながら、情報をジェトロも持っているわけですから、そうした面で対応をぜひ強めていただきたいと思います。
 それから、新規高卒者の就職状況、前年に比しても大変厳しいという状況ですが、引き続いてぜひこれらの対応をお願いしたいと思います。手元に資料がございましたなら、県内、県外の動向について、就職先についてどういう傾向にあるかお示しいただきたいと思います。
 それから、先ほど高橋賢輔委員からもお話がございました中心商店街地活性化の件でございますが、答弁ありましたように、都市基盤の整備があわせて重要であるということは大変重要なポイントだと思うんです。ただ、北上市の中心商店街地整備のような形で大規模な形で行われていく際に、道路整備という部分とあわせてということは大変重要でありますが、難しい点もあるということだと思います。第一義的には、やはり地元北上市が市民の協力を含めて、やはり車の流れというものに対する配慮、これらも一つは大事ではないかと思うんです。もちろんこうした都市基盤の整備について、県に対して実情をしっかりとわかっていただきながら支援をいただくということは市としても大事なことだと思いますが、あわせて市民の協力体制、例えば迂回路など熟知しているわけですから、そこを通らなくても市役所に行けるとか、そうした部分が必要だと。
 あわせて、公共交通の整備という点では、やはりバスの活用だと思うんです。盛岡でもオムニバスタウン構想などバスタウン構想があるわけですが、こういう中心商店街の車の流入とどう調整を図っていくのかという点は大変重要な部分だと思いますので、交通関係の緩和という対策とあわせてこれらは対応していくべき重要な課題でもあろうかと思いますが、部長、この点は今後の中心商店街活性化とあわせてどうお考えかお伺いしておきたいと思います。
 もちろん、北上の場合はオープン間もないということですから、そうしたある程度の渋滞はあるいはやむを得ない部分もあるかもしれませんが、もう出発しておりますから、今後におけるそうしたまさにフォロー、バス利用も一つの解消策ではないだろうか、あるいは市民の協力ということも一番大事だと思いますが、その点についてお考えをお伺いしておきます。

〇合田商工労働観光部長 中心市街地につきましては私の方から、それから、高卒者の県内、県外の動向は職業安定課長から答弁させます。
 今、中心市街地の取り組みについてのお話でございますが、やはり一番大事なことは、計画の前、構想の段階に、地域の人とか、あるいは商店街にかかわる我々とか、あるいは都市計画とか、そういった関係の方を実質的に地元できちっとやることが一つは大事かなと考えております。その中で、いろいろな意味で、そういう道路とか交通網とか、ちょっと私の方もあれですが、今までの我々のサイドではどちらかといえば調整業務の大店舗の対応でありましたので、今度法律が6月から変わりまして立地法になりますけれども、やはり基本的にはそういう法律よりも、地域の中身を地域の人たちも含めて、我々行政も含めてどういうふうに考えていくかということがちょっと足りなかったかなということが、今、お話を聞いてわかりましたので、今後、我々商工サイドとして、いろいろ市街地開発をやっておりますけれども、今、御指摘のあったような交通網、道路網、そういったことを総合的に含める形の窓口として商工労働観光部が調整していかなければならないのかなと考えておりますので、今後の取り組みはそのような形で対応させていただきたいと考えております。

〇野口職業安定課長 県内外の就職状況でございますけれども、就職希望者を県内、県外で分けますと、7割が県内希望、3割が県外希望となっております。また、求人倍率は、合計では1.82倍ですけれども、県内が1.13倍、県外が3.83倍となっております。県内の就職内定率は88%、県外の就職内定率は94%となっております。

〇伊沢昌弘委員 商工労働観光部の皆さんには大変広い分野で仕事をしていただいているということで敬意を表しながら、観光にかかわってお伺いしていきたいと思います。
 これまでも出てまいりましたけれども、私は、八幡平地域の観光に絞ってお伺いしたいと思っています。
 ここ数年、県全体の観光客の入込状況はどのようになっているのか。当然減ってきているのかと思うわけでありますけれども、全体の状況と八幡平地域への観光客の入込状況がどのようになっているのか、まず、お伺いしたいと思います。
 あわせて、この地域への観光客誘致に向けてどのように取り組んできたのか、特筆することがあればお伺いしたいと思っています。
 また、八幡平地域の状況、多分減少傾向にあるのではないかと思っておりますが、岩手山の火山活動にも大きな原因があると思うんですが、そのほかの要因等をどのようにとらえているのか、あわせてお示しいただきたいと思います。
 なぜこれを聞くのかといいますと、続けてお伺いしますが、八幡平頂上の観光施設の計画の部分、私も平成2年に岩手県をやめる際、最後の職場が岩手保健所だったものですから、この地域、当時は有料道路でございまして、開通の前の日に地域の頂上まで行かせていただいて衛生状況等々を検査する、そういうことをやってきた地域でありますので、思いが残っているわけであります。
 そういった部分で、言ってみればレストハウスを含めて大変老朽化をしてきている。あわせて、2月初旬でしたか、秋田県の鹿角市が経営している第三セクターが三つ統合して秋田県側のレストハウスが休業してしまう、廃止をする、こういう報道があったわけであります。そうしますと、本県を代表する観光地八幡平頂上を含めて、観光客や登山客の休憩場所として大変問題が出てくるのではないかと思っているわけであります。そういった意味で、今後の整備計画を示していただきたいと思っているわけであります。
 あわせて、頂上に至る途中に八幡平スキー場があるわけでありますが、先ほど課長から、多分この部分かと思ったんですが、一定程度の整備をしていきたいという御答弁があったわけでありますが、途中も整備をしながら、頂上のみでトイレを使うということがないような形も含めて総合的な整備が必要だと思うわけでありますが、こういった部分をどのようにしていこうとしているのかお願いしたいと思います。
 最後になりますが、八幡平地域、国立公園地内ということで、環境庁を含めて、県とすれば自然保護課との協議も必要だと思っています。そういった意味で、庁内での協議状況はどのようになっているのか。全く手をつけないというのであればこの協議は必要ないと思うんですが、もしいろいろな意味で整備をするとなればこういった形が必要になると思うんですが、こういったことについての状況についてお示しいただきたいと思います。

〇合田商工労働観光部長 八幡平頂上等に対する全体の施設計画は私の方から、動向等については観光課長の方から答弁させます。
 今、お話しのとおり、八幡平地区は本県を代表する観光地でありまして、特にもその核になるのは山頂かと思います。なお、今、お話あったとおり、山頂にあるレストハウスが築後30年ぐらい経過しておりまして、非常に観光客の皆さんに不便をおかけしている、そういう状況を踏まえまして、来年度の予算の中で審議をお願いしておりますけれども、今後の施設の規模とか内容とか、あるいは完成後の管理運営の方法についてどうするか、そういった検討会を設けようと。調整する機関も国立公園内なものですからいろいろありますので、そういったことを調整する会議を来年度設けまして、そして、それを踏まえて整備していこうというのが一つでございます。
 なお、頂上へ行くまでの休憩基地といいますか、途中基地といいますか、スキー場の下の方にある御在所を中心として、やはり頂上だけであればトイレやなんかが満杯になる時期もございますので、途中の中継基地も整備しようとしまして、御在所地区につきましては、来年度トイレの修繕とか、あるいは大型の駐車場の整備とか、山頂の将来の計画に合わせてそういった整備に着手したいと考えております。

〇山口観光課長 八幡平地域の観光の動向について、まず、お答えします。
 岩手県全体の観光の入込客数については、先ほどもお話し申し上げましたとおり、平成8年がピークで4、160万人回を記録したわけでございますが、その後、岩手山の火山活動とかの影響によりまして、平成10年には大体3、760万人回ぐらいにまで減少しております。しかし、平成11年は、夏場の猛暑によります海水浴客の増加、あるいはインターハイが行われましたこととか、あるいは紅葉がよかったとか、さまざまなことでかなりふえまして、3、820万人回ということで、1.7%、3年ぶりに増加したということでございます。
 それから、八幡平地域の観光動向でございますが、八幡平地域と申しますのは、八幡平、それから藤七温泉、東八幡平、松川というところをとっておりますが、ここはやはり委員おっしゃったとおり年々減少傾向にございまして、特にこの二、三年その傾向が顕著になっておりまして、平成11年度は202万人回という状況になっております。本来であればこの辺は250万人回から300万人回ぐらい入るところでございますが、今はそういう状況でございます。
 八幡平の観光客誘致につきましては、これまでも岩手山対策としまして岩手山麓サマーフェスティバルの開催とか、あるいは湯雪王国への支援とかいろいろやってきておりますし、それから、市町村と連携しまして、観光インストラクターの養成とか、あるいはスキーモニターツアーなどを実施してきております。あるいは修学旅行の誘致などに努めてきたところでございます。
 それから、八幡平地域の観光客の入込数の減少の原因ですけれども、これは、委員おっしゃったように、やはり岩手山の火山活動の長期化というものが非常に影響していると思いますし、あるいは景気低迷によります原因もあると思いますし、あと非常に大きいのが、やはり秋田新幹線の開通によりまして田沢湖とか角館方面の方に動いているということで、これが減少の大きな原因ではないかと考えているところでございます。
 それから、八幡平頂上の施設整備の計画について、関係部局との協議はどうだというお話ですが、八幡平の頂上の施設整備については、やはりこれは国立公園の特別保護地区に指定されておるところでございます。そういうことで、これまでも生活環境部と整備のあり方について協議してきております。それから、委員からお話ありましたように、鹿角とか秋田県とも話をしてきております。今後におきましては、それに環境庁とか加えながら、あるいは生活環境部を含め、庁内の関係部局等検討委員会のメンバーに入っていただきまして、いろいろと具体的な詰めをやっていきたいと考えているところでございます。

〇伊沢昌弘委員 予算の中に整備計画の検討会があるということで大変前向きだなと思ったんですが、若干重ねてお伺いしたいと思っています。
 今、部長からお話のありましたレストハウス、30年以上経過している中で、本当に大変な状況になっていると思います。また、私も現地でいろいろな仕事をする際に、国立公園内ということで、環境庁との協議をしなければ浄化槽の清掃をするにしても道路一つつけられなかったということ等々あって、苦労した覚えがあるわけであります。そういったことを踏まえて、私、本来であれば、早池峰山の山頂のようにそんなに観光客が行って山を汚していいのかという視点ももちろん持っているわけですが、そうさせないために整備をするということで、いろいろな意味での整備をお願いしたいと思っています。というのは、あの上に行ってレストランが本当に必要なのかと私常々思っています。山に行けばカレーライスも食べられる、トンカツも食べられるという形でレストランを経営しても、多分これはだめだと思うんです。言ってみれば、岩手県の特徴であるそばなり何なり、本当におなかがすいて縦走した方がおりてきて休めるレストハウス的なものをやらないと、経営上無理だと思っています。あのレストハウス、ひもといていくと、たしか企業局がつくって、その後、松尾村の村営になったり、今は観光協会が経営をしているという形の中で、もうけ仕事で管理をさせるということになるとやっぱりペイしない部分が多いので、それに対する対応もぜひこの検討会の中できちんとしていただきたいと思っています。
 また、トイレも、県もつくったり、それから秋田県側もつくって、今、たしか美化財団の八幡平支部に管理をお願いしているというのがあって、私もこの間、現地を見てきたんですが、水が足りなくて、要するにとまってしまう。大変きれいな源太清水などというのがあそこにあるわけですが、容量が足りないといいますか、配水池が足りないということで閉まってしまうということ等々がある。こうなると、年に3分の1もしくは3分の2ぐらい霧に囲まれる頂上に行って、何も見えないで帰ってくるのではなくて、そこの休憩所に行けば、次に来たときはこういう風景が見えますよというのをきちんと見せて、また来てくださいと。リピーターになってくださいという部分も含めてきちんとやるということがやっぱり必要なのではないかと思っています。
 また、下の方にある藤七温泉でも、昔、国民宿舎であった蓬莱荘さんでしたか、これも廃止してしまって老朽化した施設がそのまま残っているということ等々あるわけですが、取り壊すにしてもいろいろなことで大変な部分があろうと思うんですが、きちんとした整備を総合的にやりながら、観光客、さらには登山を楽しむ皆さんに、自然を愛するということも含めた、そういう意味での学習施設としての整備をぜひお願いしたいと思うんですが、あわせて御所見を賜って終わりたいと思います。

〇合田商工労働観光部長 現在あります八幡平レストハウスをそのままの形で整備するという考え方は持っておりません。どういう形にするかという内容の計画検討を、まず、一つは検討委員会の中に入れていただく。それから、周りの配水、水を取るのにちょっと苦労が要るところで、それがどのように自然環境との関係で取れるかということ、それから、擁壁をどうするかということ、そういったいろいろなことをその中に入れながら総合的な検討会を開きたい、こう考えております。

〇斉藤信委員 最初に、雇用対策についてお聞きします。
 雇用対策について、雇用状況、常用新規求職者、そして企業都合による離職者はどうなっているか、前年比も含めて示していただきたい。
 私は、本会議でも取り上げましたが、雇用対策の最大の柱は、長時間労働の規制、解消にあると思っています。長時間労働、残業の規制こそ雇用確保の世界の流れであります。県内労働者の実労働時間は年間どうなっているでしょうか。全国との差はどうなっているでしょうか。
 政府の目標である1、800時間を達成するなら全国では200万人の雇用増となりますが、岩手県の場合はどうなるでしょうか。この目標はいつまでの目標でしょうか。
 サービス残業の実態調査を行うべきではないでしょうか。また、県内労働者の年休取得の実態、この点について示していただきたい。
 雇用対策の二つ目に、緊急雇用対策特別基金事業について、県の事業の場合の実績について示していただきたい。実人員と新規雇用の見込みはどうなっているでしょうか。私の本会議の質問に対して、公共職業安定所を通じて行っていきたいと答弁がありましたが、職安を通じてどのぐらいの求職開拓を行ったのか示していただきたい。また、県事業の場合の委託先の企業は主にどうなっているでしょうか。平均雇用日数はどうなっているでしょうか。あわせて、市町村事業はどう把握されているでしょうか。
 3番目に、県内の職業訓練の実績とその後の就職状況はどうでしょうか。来年度の職業訓練の課題、対策、そして、今、訓練を受けている方々の特徴、年代、業種などはどうなっているでしょうか。
 新規学卒者の場合、就職後3年以内で約40%から45%転職をしていると聞きますけれども、岩手県の場合の実態はどうでしょうか。その要因と対策はどうなっているでしょうか。

〇千葉労政能力開発課長 まず、最初に、県内労働者の年間総労働時間についてでございますけれども、平成10年に労働省が調査しました毎月勤労統計調査、毎勤統計と私ども言っておりますけれども、これによりますと、年間1、931時間となってございます。その内訳は、所定内労働時間が1、807時間、所定外労働時間が124時間となってございます。全国と比較いたしますと、本県の1、931時間と全国平均の差をとりますと、52時間岩手県が多くなってございます。
 さらに、この年間総労働時間を1、800時間とした場合、本県の雇用増についてという御質問がありましたが、本県1、931時間から1、800時間を除いた時間を単純に計算いたしますと、約3万人となるところでございます。
 年休取得についてでございますが、平成11年度に県が実施した労働時間・退職金制度調査によれば、年次有給休暇付与日数は13.8日、付与日数というのは、年間その労働者に対して与えられる平均の日数です。それに対し、実際に取得した日数の平均は7.9日となっておりまして、付与日数に対し実際に取得した日数の取得率は57.2%となってございます。
 次に、緊急雇用特別基金事業のお話でございますが、まず、県事業と市町村事業につきまして、基金事業の多くはまだ完了していないことから、実績報告がすべてそろってございません。現時点では少ない状況となってございますが、いずれ当初計画においては、県事業においては、実雇用予定者数は1、000人強、うち新規雇用者数は800人弱、平均雇用日数は、研修事業を除きまして約110日になってございます。市町村事業におきましては、実雇用予定者数は1、700人強、うち新規雇用者数は1、100人強、平均雇用日数は、研修事業を除きまして約25日と見込まれてございます。
 また、新規の雇用者について、必ずしも公共職業安定所を通じなければならないことにはなっていないものの、失業者へ就業の機会を提供するという観点からすれば、なるべく公共職業安定所を通して雇用するよう依頼しているところでありますけれども、先ほど申し上げましたとおり、実績報告がまだ全部そろってない現時点では少ないところでございまして、公共職業安定所を通じて雇用した件数については現時点では把握できないところでございます。
 委託先についての御質問がありました。計画段階におきましては、その委託先というのは、商工関係団体、事業協同組合、土地改良区、社会福祉協議会、シルバー人材センター等となってございます。
 次に、県内の職業訓練についての御質問にお答えします。
 今年度は、七つの県立職業能力開発施設におきまして、新規学卒、これは中卒、高卒、1年・2年課程がございますが、これらについては、新規学卒が入った在校生、訓練生は501人。そのほか、雇用保険受給者である離転職者が新規学卒と一緒に教育・訓練を受けておる者がおります。それは30人ございます。あわせまして合計531名訓練してございます。
 また、この七つの県立施設の就職内定状況でございますが、3月17日、先週末現在で就職希望者数291名中237名、内定率が81.4%となっておりまして、前年同期と比べますとやはりことしは低くなっておりまして、6.8ポイント低くなってございます。
 これが県立施設における訓練の状況でございますけれども、一方、最近の雇用情勢が悪化している中で、特に再就職の厳しい中高年離職者を対象にいたしまして再就職促進訓練事業を実施しており、今年度は、民間職業訓練機関等に委託して3カ月コースのオフィスビジネス科を3地域で4回、39名訓練してございます。
 この中高年離転職者の再就職促進訓練事業につきましての39名の実際の就職状況は、相変わらず現下の厳しい雇用情勢を反映して極めて困難となっているところでございます。
 来年度も引き続き厳しい雇用情勢が予想されますことから、やはり離転職者の職業能力開発が課題となってございます。その対策として、雇用増大促進地域に指定されております宮古、釜石、久慈地域におきまして、70名を委託訓練することを予定してございます。
 それから、訓練を受ける側の特徴というお話でございますが、近年、女性の職場進出も含めまして、やっぱり訓練を受ける女性もふえてますし、先ほど申しましたように、やはり離転職者が多い状況でありますので、その方々の入校もふえています。
 それから、職種では、情報、建築、デザイン、自動車関係等に応募者が多い状況となってございます。
 また、当県立施設において、入校者は中卒、高卒が主で、若干の離転職者も入ってきておるんですけれども、大学を卒業したり短大を卒業して、再度この県立訓練施設に入ってくる方も最近多くなってございます。ちなみに、その数字を申し上げますと、平成9年以前は三、四人であったところが、10年度以降は10人前後という経過で来てまして、最近では、大学、短大を終わってもなお、就職が難しいという点からでしょうが、訓練を受けに入ってくる方々が多くなっている現状でございます。

〇野口職業安定課長 お尋ねの常用新規求職者数でございますけれども、4月から1月までの常用新規求職者は5万9、597人となっておりまして、前年同期に比較しまして3.7%増加しております。
 次に、事業主都合による離職者数でございますけれども、4月から1月までの事業主都合による離職者数は1万5、388人で、前年同期比で4.1%の増加となっております。
 次に、新規学卒者の状況でございますけれども、新規学卒者の離職率は、本県におきまして、平成8年3月の新規高校卒業就職者の離職状況は、1年目で24.2%、2年目ではさらに13.5%が離職し、合計37.7%、3年目では8%離職し、合計で45.9%となっております。ちなみに、全国平均は48.1%で、本県は2.2ポイント下回っております。
 離職の要因でございますけれども、性別、職種別で相違があるものと思われますが、県内の公共職業安定所の窓口での離職者に対する職業相談によりますと、仕事の中身が合わなかった、新しい仕事に挑戦したいといった理由で離職している者が多いと聞いております。
 また、対策としましては、就職時の適性把握として、就職先の業種や職種選択が合わないことが早期離職につながることが多いため、教育関係者との連携を図り、本人の適性を的確に把握することに努めているところであります。
 また、就職の動機の問題として、地元就職志向が続いており、地元企業の採用数が減少傾向にあり、企業に対する採用枠の拡大要請、また、県費によります職業アドバイザー、臨時求人開拓推進員の配置による効果的な求人開拓に努め、職業の選択肢の拡大に努めているところであります。
 また、今後の対策としましては、職業意識啓発を通じた若年者早期離転職の予防を図るため、事業主団体、学校との連携のもとに、高校生を対象にしたジュニアインターンシップを試行したいと考えております。

〇工藤篤委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午後0時4分 休 憩
 
   午後1時3分 再 開

〇伊藤勢至副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 午前中の説明に対する質疑を続行いたします。

〇斉藤信委員 先ほどの雇用対策についての答弁で、岩手県の労働者の年間総労働時間は1、931時間と。この1、800時間というのは、国際公約でいつまでの目標なのか、そしてこの1、800時間を達成するために、岩手県としてどういう努力をしているのか。フランス、ドイツは1、500時間から1、600時間ですよ。だから1、800時間というのは本当に現実的な、フランス、ドイツと比べたら何カ月も労働しているようなそういう水準だけれども、私は先ほど話したように1、800時間になれば、3万人の雇用に匹敵するというわけだから、私これが一番現実的な数だと思うんです。その点について、いつまでを目標にこれ掲げられた目標なのか、県としてこの1、800時間をいつまで達成するためにどういう対策をとっているのかお聞きをしたい。
 年休の付与日数が13.8日で、とっているのがわずか7.9日だと。これ本当に後進国の状況ですね。実際には平成5年、平成8年から見ると、付与日数は取得率も全部低下ですよ。本当にこれは大変な私は事態だと思っていますが、この改善策を県としてはどう考えているか。
 もう一つ、緊急雇用対策でお聞きをしましたら、市町村事業は雇用日数平均25日だと。25日だったら、つなぎの就労になりません、これは。いろいろ不適正なこともあったけれども、根本問題は、いわば今仕事を求めてもすぐ仕事を確保できない方々に対して、その期間は5カ月間だと。ですから、6カ月未満、つなぎ就労という形でこの事業が導入された。しかし、市町村がやっている事業はわずか25日となれば、これはつなぎ就労にならないし、雇用効果も残念ながらほとんど無に等しいと言わざるを得ない。こういうことは、来年度の事業で改善されるのか。そういう指導を岩手県はやっているのか、改めてお聞きをしたい。
 続いて2問目に行きます。中小企業対策です。
 県内労働者の約8割を中小企業が占めています。地域経済にとっても雇用確保にとっても、中小企業対策が極めて重要です。ところが、来年度予算731億円で8.2%、金融対策を除くとわずか71億円、0.8%というのが岩手県の中小企業対策の実態です。地域経済にとっても雇用確保にとっても、私はこの位置づけを根本的に変えなければならないのではないか。少なくとも2倍、3倍に中小企業対策は引き上げる必要があると思いますけれども、いかがでしょうか。
 県内中小企業を対象としたリストラ調査を昨年の6月、県中小企業振興公社がやっていますが、この内容、特徴、どうなっているか示していただきたい。
 昨日のあるテレビのニュースで、鉄骨関係の女性経営者が、単価が半分に下がって、銀行の貸し渋りを受けて、そして悪質な貸金業者に手を出して自殺に追い込まれたという、大変シビアなニュースもありました。一関の東北畑瀬機工、私はこの倒産の場合にも調査に行きましたけれども、その大きな要因は下請単価の切り下げでした。約半分ぐらいにこの間下げられている。私は県として、この下請いじめの実態を調査して、そして取引先企業に、大手の企業にきちんとこの下請単価の異常な切り下げ、下請いじめ、是正を求めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 県の官公需の地元中小企業向け発注比率の拡大について、部として具体的にどう対策をとるのか。各部局に対して具体的に働きかけているのかどうか。官公需の引き上げですね。10%引き上げるだけで、約300億円近い仕事を地元の業者にふやすことができるんですけれども、私は担当部としてこれにどう取り組んでいるか、具体的にお聞きしたい。

〇合田商工労働観光部長 県官公需の関係につきましては私の方から、労政関係についてそれから予算、それから中小企業関係については、それぞれの担当課長の方から説明させます。
 まず、県の官公需の中小企業の発注比率を高めるためには、既に各部におきましてもそれぞれの対応をしているところでありますが、当部からは各部局に対しまして受注機会の増大に努めるよう、人もかわりますし組織もかわりますので、毎年要請をしております。それから、市町村に対しては文書でやはり当部からそれぞれお願いをしておりますし、物品のいろいろな発注、そういった情報を岩手県中小企業団体中央会を通じて、最低でも2回ぐらい、どういう発注があるかと、契約やなんかでございますから、情報発信をしてこの拡大に努めているところであります。

〇長葭商政課長 予算についてでございますけれども、平成12年度の一般会計の歳出予算案におきまして、商工費の占める割合は8.9%でございます。東北平均の7.6%を約1.3ポイント上回っているという状況でございます。また、金融対策以外の予算でございますけれども、地域の中小企業者に対する総合的な相談事業等を行います地域中小企業支援センターの設置とか、あるいは中小企業経営革新支援事業などの創設を行いまして、中小企業支援対策の充実強化に努めているところでございます。今後とも、必要な予算の確保に努めてまいりたいと考えております。

〇黒田工業振興課長 まず、取引先企業のリストラ実施に伴う下請企業への影響につきましては、委員御指摘の岩手県中小企業振興公社が、県内下請企業を対象に平成11年6月に実施をいたしました受発注動向関連調査によりますと、約半数の取引先企業で人員整理あるいは既存外注の見直しなどのリストラが進んでおり、また、6割以上の下請企業が取引先企業の影響をこうむる可能性を持っていると回答しているところでございます。
 また、具体的な影響の内容といたしましては、受注量が減少したとする企業が最も多く、さらにコストダウンの要請、短納期化の要請、多品種少量生産の要請などとなっているところでございます。
 次に、下請企業等の取引の実態についてでございますけれども、同公社が平成11年10月に実施をしました下請取引条件調査によりますと、発注企業との取引において、受注単価が前年度と比べて低下したとする企業が57.3%と前年の53%を上回っておりまして、下請企業にとって依然として厳しい状況となっております。また、回答企業412社のうち、複数回答で143社が、最近1年間で取引企業とのトラブルがあったと回答しておりまして、具体的内容は、著しく低い代金の設定が最も多く、さらに下請代金の減額、下請代金の支払い遅延などとなっております。
 対応でございますけれども、企業のリストラに伴う下請中小企業対策につきまして、関係機関におきまして適時適切な対応を講じることとされておりますが、特に下請代金の減額等の不当な行為につきましては、下請代金支払遅延等防止法に基づき、厳正な措置がとられることとなっております。
 また、県といたしましても、岩手県中小企業振興公社を通じまして、下請中小企業の新たな受注開拓に対する支援といたしまして、取引あっせん事業等を継続して実施するとともに、下請取引の適正化を図るため、苦情または紛争の相談に応じてその解決に当たっているところでございます。
 さらに、中小企業の新たな取り組みによる経営革新に対しましては、平成11年7月施行の中小企業経営革新支援法などによりまして、経営環境の変化に対応した新たな事業活動による経営の向上に対して各種支援策が講じられており、県においても融資や補助等の支援を行っているところでございます。
 今後とも、一層のきめ細かい下請中小企業対策を推進してまいりたいと考えております。

〇千葉労政能力開発課長 労働時間短縮に関連しての質問でございますけれども、1、800時間の目標はいつまでかというお話でございました。これは昭和63年に経済運営5カ年計画、世界とともに生きる日本という中に初めて具体的に盛り込まれまして、その後平成4年には、労働時間の短縮促進に関する臨時措置法というものができて現在に至っております。その当時の目標は、平成8年度末までであったものが達成されないということから、その臨時措置法が延期されておりまして、12年度末までと、現在では法律的にはなってございます。
 この労働時間短縮の問題に関連いたしましては、これは国の施策と相まって県はその普及啓発に努めてまいっているところでございまして、早い時期に1、800時間が達成されるように、私どもも努力し期待しているところでございます。
 それから、緊急雇用対策の基金事業に関連して、市町村事業において、25日という雇用期間の平均では趣旨に合わないのではないかという御指摘でございますけれども、この事業につきましては、いずれ今年度から始まりまして、3カ年度で実施するものでございます。今年度は年度の途中から始まったものでございまして、いずれ、いろいろ今年度事業を秋口から始めまして、冬場に向かって今年度いっぱいという事業でございました。
 そこで、市町村では工夫をしていただきまして、さまざまな事業を考えていただいたところではありますけれども、何分にも今年度配分額の内訳からいいまして事業規模が小さかったこと、それから降雪期、冬場に向かって事業がなかなかうまくできないという事情もございましたし、市町村事業においてはイベント開催などの短期間で終了するような事業などが組まれたのが特徴的でございます。そういったことがございまして、何分にも今年度補正予算で予算措置をし、急いで取り組んだ点も一つ要因としてはございます。
 来年度につきましては、もう既に計画の段階のものを今とっている段階で、先日説明会もいたしまして、本来の趣旨である雇用創出という点で事業を計画していただくように指導していたところでございます。

〇斉藤信委員 中小企業対策の予算、低いほかの県と比べたってだめなんですよ、全体が低いんだから。私が言っているのは、地域経済に占める中小企業の役割、雇用に占める中小企業の役割から見て、0.8%程度のこういう対策でいいのかと。課長、ちゃんと聞いたことの角度をよく考えて、すれ違い答弁でなく。私は、もっともっとこの中小企業対策が県政の柱になるようにしなければならないと思います。そういうことを聞いたのだから、ちゃんと答えていただきたい。
 それと、単価の切り下げ57.3%、そして412社のうち143社がトラブルがあったと、著しく単価が低かったと。私、業者から聞いて、個々の業者が取引先に物を言うというのはなかなか難しいんですよ。そういう点では、せっかく岩手県はこういうリストラ調査をしているわけだから、実態もわかっているわけだから、岩手県として私はそういう関連業界に要請するとか、そういう対策を中小業者は求めているんです。本当に受注量の減少というのと下請単価の大幅な切り下げ、これでうんと苦しんでいます。そして、先ほど私が紹介したような、倒産に追い込まれる事態も生まれているんですよ。だから、県としてこういう調査を生かして関係業界に県として要請をすると、私はそのことを求めたいけれども、そういう形でぜひ具体化してやっていただきたい。これは質問ですからね。
 次に、3番目の問題に入ります。悪質な貸金業者の実態と対策についてであります。
 県内における日掛け金融の実態と被害対策状況はどうなっているでしょうか。県としての対策はどうでしょうか。
 私は本会議で、悪質な貸金業者、知事登録の貸金業者について取り上げました。毎年そういう苦情の多い業者については検査しているという答弁がありましたけれども、こういう毎年検査している業者というのは何件ぐらいあるのでしょうか。強く指導している内容というのはどういうものでしょうか。改善されているのでしょうか。
 取引経過について、裁判所に告発された。この例をちょっと聞きますと、裁判所の文書提出命令に応じない。これは私は貸金業法違反になるのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

〇長葭商政課長 中小企業は地域経済の柱でございますので、厳しい状況の中ではありますが、今後とも中小企業対策について頑張っていきたいと考えております。

〇黒田工業振興課長 下請対策についてでございますけれども、親企業への要請につきましては、これは下請企業とそれから親企業との関係が非常に広域あるいは全国にわたっているというようなこともございまして、県として要請するというのは非常に難しい点もございまして、現在においては、基本的に国の関連機関において行われていると理解をしております。ただ、県といたしましても、中小企業振興公社を通じた下請支援あるいは県としての中小企業支援等を通じて、下請企業対策に万全を期してまいりたいと考えてございます。

〇齊藤経営金融課長 ただいまの日掛け金融の実態でございますが、いわゆる知事登録の日賦貸金業者、きょう現在で16業者ございます。この日賦業者と申しますのは、事業者向け、常用の5人以下の事業者にお貸しするというものでございますし、さらに返済期間が100日以上、それから100日以上のうち7割を貸金業者みずからが集金すると、そういうものが日賦貸金業者でございます。県に寄せられています相談は現在1件ありまして、その内容は多重債務からの債務整理に関するものでございます。
 今後、県といたしましては、現在、日賦業者の上限金利が109.5%になってございますが、先ほど申しました特例要件に違反した貸し付けあるいは法令に反した取り立て、そういったものが行われないよう指導監督に取り組んでいるところでございます。国や県警、あるいは県民生活センターなどと構成します貸金業関係の連絡会議などを通じまして、この日賦貸金業者への対応あるいはこの6月から新しい出資法あるいは貸金業規制法の改正が施行されますので、こういったものの円滑な施行が行われますよう取り組んでまいりたいと、そのように考えているところでございます。
 次に、毎年検査している業者は何件あるかというお話でございますが、1件でございます。その強く指導している内容と申しますのは、根連帯保証契約につきまして十分な説明を行うようにということと、保証人からの承諾を得る場合に、その承諾の意思を十分確認した上で対応するようにと、その徹底を図っているところであります。苦情相談があった場合には、その都度業者に対しまして事実確認を行い、適切な対応を求めているところでありまして、このような指導の結果、県への苦情相談は減少傾向にあります。
 なお、裁判所への文書提出命令の件でありますが、本件につきましては、貸金業規制法等に規制されたものの命令ではございません。

〇斉藤信委員 中小企業対策、あと下請対策、ぜひ踏み込んで県はやっていただきたい。
 今の悪質な貸金業者の話ですけれども、根保証契約については指導していると。
 こういうやり方ですよ。お金を借りに行くと、その場で保証人に電話させるんですよ、その場で。どういう借り方をするかといいますと、今、デパートで買い物をしていると。お金が足りなくなったのでぜひ保証人になってほしいと。こういう形で保証人に電話して、途中でこの貸金業者にかわるんです。貸金業者は、いわば契約書をそこで棒読みするんです。いいですかと。後から契約書を送りますと。これテープにとっておくんですね。だからこういう形で保証人がどんどんつくられているんです。これは北海道の裁判では違法だという形になっていますから、私はこういう形の根保証契約というのは本当に許されないことだと思いますよ。
 それと、実際に借金を返済しに行くと、それを受け付けないんです。もっと借りなさいと。何時間もそういう説得をして、事実上、軟禁する。こういう事態もあります。私は文書の提出を言ったのは、いわば借りた人が私の取引経過を教えてほしいと言っても、残高証明を出さない。取引経過を出さない。これは貸金業法違反じゃないかと私聞いているんです。そういうことを裁判所が命令しても応じない。私はそういう点で、本当にこういう業者に対してやっぱり厳しい規制をやっていただきたい、これは指摘にだけとどめますから、ぜひやっていただきたいと思います。
 最後ですけれども、大型店問題について。
 大型店の小売面積に占める比率は、全県的にどうなっているでしょうか。盛岡市、北上市ではどうでしょうか。北上のことがこの委員会でも論議になりました。課長は、共存共栄が可能か、そういう形で商工労働観光部は対応したと。しかし、北上ビブレは、私も去年の予算特別委員会で取り上げたように、商工会議所の影響調査では、イトーヨーカドーには3割の影響を与える、ジャスコには2割近い影響を与える。地元の商店街には、28%の買い物客減少という影響を与えるという結果が出ていたんですよ。私はこういう結果を見たら、とても共存共栄という条件はなかったのではないか。そういう点で、課長が言われた共存共栄ということはどういうことを指すのか。こういう影響調査が出ていても、共存共栄が可能だと思ってやったのかどうか。知事さんまでテープカットしましたから、本当に共存共栄が可能なのかどうか、改めて私はお聞きしたい。
 盛岡市の場合、前潟地区にマイカルの出店が予定されていますが、出店計画の内容と動向について示していただきたい。盛岡市は、商店街の方々の運動と相まって、大型店出店協議手続要綱を定めました。事前協議制です。これは、どういう内容で県としてどう評価しているか。県としても、無秩序な大型店の出店を規制すると。必要な、できる規制・対策を盛岡市のようにとるべきだと、このように考えますがいかがでしょうか。

〇長葭商政課長 まず、大型店の占有率でございますけれども、これは推計でございますけれども、大体全県で52.8%、盛岡では60.1%、北上市で75%ぐらいということになっております。
 なお、北上につきましては、ツインモールプラザを加えますと80%ぐらいになるのかと思われます。
 それから、2番目のビブレができることによりまして、北上ツインモールプラザができることによりまして、地元商店街等と共存共栄が図られるのかというようなことでございますけれども、これは実は周辺の商店街に対しましていろいろ北上市等から聞き取り調査をしましたが、おかげさまで周辺商店街への往来客も大幅に増加しているということでございまして、このような状況を見ますと、商店街の中小商店にとりましても知恵とか努力とか、そういうもの次第では、着実に売り上げを伸ばすことができる機会が到来したのではないかというような見方もあると思っております。事実、業種によって違いますけれども、若者向けの衣料品店とかあるいは飲食店等は大幅にふえているというようなお話も市からは承っております。
 次に、盛岡市の大型店出店協議手続要綱でございますけれども、この要綱を見てみますと、大規模小売店舗と周辺地域の調整を図り、快適なまちづくりの形成に資することを目的としているということでございまして、出店予定者に対しまして、交通対策など、周辺地域の生活環境保全対策に関する事前協議を求める内容となっております。この内容からしますと、現行の大店舗法によります商業調整とは異なりまして、周辺地域の生活環境等の保全に主眼を置いたものかというような印象を持っております。
 それから、大型店の出店につきましては、県といたしましては現行大店舗法の趣旨にのっとりまして適正に対処してきたところでございますけれども、また、本年6月からは新しい大店立地法が施行されることから、今後とも同法の趣旨にのっとりまして、適正に対処してまいりたいと考えております。
 マイカルでございますけれども、正式な申し入れが県の方にはございません。申し入れとか報告がございませんので、正確な内容につきましては、現在、把握していないところでございます。

〇斉藤信委員 いやいや、正式な報告がないって、私は去年も聞いたし、ことしは盛岡市議会でもかなりリアルに話されているんですよ。大体去年の答弁よりも答えないということは、商政課長、怠慢だ。わからないならあれだけれども、そういう対策じゃだめだと思うんですよ。大型店の出店が本当に地元商店街の振興にとって深刻なときに、これは盛岡の商工会議所、まちづくり委員会、ここが情報を把握しているんだけれども、店舗面積が3万平米、うち直営が2万平米、専門店が5、000平米、共有が5、000平米で、アミューズメント部分が7、000平米、そのほかの専門店が1万2、000平米という、大変な規模です。私はそういう点で、こうした大型店が無秩序に進出することがあれば、どんなに地元商店街が頑張っても大変なことになると。そういう点で、よく情報も収集して地元商店街の振興のために、皆さんが期待されるように頑張っていただきたい。

〇伊藤勢至副委員長 ほかに質疑ありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇伊藤勢至副委員長 質疑がないようでありますので、これで商工労働観光部関係の質疑を終わります。
 次に、医療局長から医療局関係の説明を求めます。

〇佐藤医療局長 平成12年度岩手県立病院等事業会計予算等につきまして御説明を申し上げます。
 予算の内容を御説明申し上げる前に、事業運営に当たっての基本的な考え方について若干申し上げたいと思います。
 御案内のように、病院事業につきましては、本格的な少子・高齢化社会の到来や疾病構造あるいは価値観の変化などによる医療ニーズの多様化、経済構造の変化など、医療を取り巻く環境が著しく変化してきているところでございます。
 国においては、このような変化に対応するため、介護保険を導入する一方、医療供給体制、薬価基準制度、診療報酬体系などの見直しや医療における規制緩和の検討など、医療制度全般にわたる改革が進められており、今後の病院事業の運営につきましてはさらに厳しいものになると予測されているところでございます。
 今般策定いたしました新しい経営計画は、こうした中にありまして、新たな視点に立って、県営医療の進むべき方向とそれを実現するための基本的方策を明らかにし、県営医療システムの確立を推進するものでございます。
 平成12年度の事業運営に当たりましては、以上のような考え方に立ちまして、県営医療50年の中で培われました創業の精神を堅持しつつ、新たな時代に適応した医療サービスの提供を目指しまして、安定した経営基盤の構築と効率的、効果的な県営医療システムの確立のため、職員一丸となって取り組んでまいりたいと考えております。
 それでは、議案の説明に入らせていただきます。議案その1の49ページをお開き願います。
 議案第13号平成12年度岩手県立病院等事業会計予算につきまして御説明申し上げます。
 まず、第2条の業務の予定量でございますが、収益的収入及び支出につきましては、病床数を6、205床と定め、年間延べ患者数を、入院では192万人、外来では464万8、000人と見込むものでございます。
 次に、資本的収入及び支出でございますが、病院建築工事のうち、磐井及び南光病院新築工事につきましては、今般、一関市狐禅寺字大平地区に用地が内定したことに伴いまして調査費を計上するものでございますし、沼宮内病院及び福岡病院につきましては、それぞれ13年度及び15年度の竣工に向け、工事費など所要の事業費を計上するものでございます。さらに、医療器械の購入費といたしましては25億4、500余万円を予定しているところでございますが、その主なものといたしましては磁気共鳴画像診断装置等の購入でございます。
 第3条の収益的収入及び支出と、50ページに参りまして、第4条の資本的収入及び支出の具体的な内容につきましては、後ほど予算に関する説明書により御説明申し上げます。
 次に、51ページに参りまして、第5条の債務負担行為でございますが、これは、工期が翌年度にわたる沼宮内病院新築工事及び住田病院附帯設備改修工事につきまして、債務負担行為の期間と限度額を定めようとするものでございます。
 第6条の企業債でございますが、病院建築工事や医療器械購入等の財源となる起債の限度額を55億5、000万円とするほか、その償還方法等を定めようとするものでございます。
 第7条は、一時借入金の限度額を108億円と定めようとするものでございます。
 第8条は、議会の議決を経なければ流用することのできない経費を定めようとするものでございます。
 第9条は、薬品、診療材料等の棚卸資産購入限度額を定めようとするものでございます。
 52ページに参りまして、第10条は、重要な資産の取得でございますが、これは、1件が面積2万平方メートル以上で、取得予定価格が7、000万円以上の土地及び購入予定価格が1件7、000万円以上の医療器械の取得でございます。
 それでは、予算に関する説明書の438ページをお開き願います。平成12年度岩手県立病院等事業会計予算実施計画につきまして御説明を申し上げます。
 まず初めに、収益的収入及び支出についてでございます。
 まず、収入でございますが、第1款病院事業収益は1、132億4、600余万円で、11年度の最終予算と比較しますと21億1、500余万円、1.9%の増加でございます。
 第1項医業収益は992億7、800余万円で、1目入院収益は552億1、200余万円、2目外来収益は380億7、300余万円でございます。3目その他医業収益は59億9、300余万円で、その主なものといたしましては、救急医療等の一般行政経費に係る一般会計繰出金、健康診断等の公衆衛生活動収益等でございます。
 第2項医業外収益は139億6、700余万円で、主なものといたしまして、3目負担金交付金128億5、800余万円は、高度医療等の不採算経費に係る一般会計繰出金でございます。次のページに参りまして、5目その他医業外収益6億5、000余万円は、不動産貸付料等でございます。
 次に、支出についてでございますが、第1款病院事業費用は1、140億9、100余万円で、11年度の最終予算と比較いたしますと30億5、000余万円、2.7%の増加となるものでございます。
 第1項医業費用は1、071億9、000余万円で、その主なものといたしましては、1目給与費560億5、500余万円、2目材料費362億7、100余万円、3目経費107億9、900余万円、5目減価償却費34億5、500余万円等でございます。
 第2項医業外費用は59億2、900余万円で、その主なものといたしましては、440ページに参りまして、1目の企業債等に係る支払い利息50億5、300余万円等でございます。
 3項特別損失は9億6、600余万円で、北陽及び大迫病院の旧建物除却費等でございます。
 以上、収入の合計額1、132億4、600余万円に対しまして、支出の合計額は1、140億9、100余万円となり、収入と支出の差し引きでは8億4、500余万円の純損失が見込まれるところでございますけれども、特別の収支を除きましたいわゆる単年度の経常収支で見ますと、1億2、100余万円の黒字となるものでございます。
 次に、資本的収入及び支出につきまして御説明申し上げます。
 441ページに参りまして、収入の総額は92億5、600余万円であり、その主なものといたしましては、第1款資本的収入の第1項企業債55億5、000万円で、これは、さきに業務の予定量で御説明申し上げました病院建築工事や医療器械の購入費等に充てるためのものでございます。
 第3項負担金36億9、800余万円でございますが、企業債償還等に係る一般会計の繰出金でございます。
 次のページに参りまして支出でございますが、その総額は135億4、100余万円であり、その主なものといたしましては、第1款資本的支出の第1項建設改良費62億9、100余万円でありますが、その主な内容は、1目土地費6億1、000余万円、2目建物費26億4、400余万円、3目医療器械費25億4、500余万円などでございます。
 第2項企業債償還金は67億8、000余万円、第3項投資は、医師等に対する奨学資金の貸付金で8、400万円を計上してございます。
 第4項開発費は、情報処理システム等の開発費で3億8、500余万円でございます。
 443ページ以降の資金計画、給与費明細書、債務負担行為に関する調書、予定貸借対照表及び予定損益計算書につきましては説明を省略させていただきます。
 次に、予算以外の議案につきまして御説明申し上げます。議案その2の270ページでございます。
 議案第60号岩手県立病院等使用料条例の一部を改正する条例であります。これは、介護保険法の施行に伴い、岩手県立病院等の利用料の額として、同法の規定により定められた指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準により算定した額を定めようとするものでございます。
 以上で説明を終わります。よろしく御審議をいただきますよう、お願い申し上げます。

〇伊藤勢至副委員長 ただいまの説明に対し質疑ありませんか。

〇佐藤正春委員 佐藤医療局長には御留任だそうでございまして、御苦労さまでございます。本当は転勤かと思ったんだけれども。
 先般、県立病院長期経営計画というのが送られてまいりました。拝読をいたしました。まごころと科学で支える医療を目指して、こういう標題でございましたが、このまごころというのが、どうも私はまよい心と読めてしようがなかった。まよい心と科学で支えると、こう思えてしようがなかったわけですが、おかげさまでただいまも報告がございました。県立の磐井・南光病院も迷いに迷って、やっと場所が決定をいたしました。結果的には、前堀地区に内定を決めた知事も非を認め、反省の弁を述べておられます。また、医療局長も現地前堀地区に参りまして、地権者に対して陳謝をしたというようなことでございます。私は、知事提案を信用いたしまして賛成した1人でございますが、何となくばかを見たようなものでございまして、知事というものを私は100%信用したんですが、残念でございます。これからは医療局長と一緒になって、早く建設を進めなければいけないと、このように思っているわけでございます。
 そこで、さきの総括質疑で、一関地区選出の佐々木一榮・阿部富雄両県議は、前堀地区の今後の取り扱いについて質問をしました。千葉副知事は、前堀地区の地権者と一関市で話し合っていると聞くが、市から県に相談があった場合、制度上できる範囲内で協力したいと答弁をしておられます。もちろん、これは医療局とも相談、打ち合わせの上の答弁でございます。私はこれを聞いて、言葉が悪いんですが、あきれて話にならないというのが率直な感情でございます。こんなようなことでは、県政不信、二度と恐らくこの事態を知っている人は、協力する県民はいないだろうと思うんですが、いかがですか。
 先ほど医療局長は冒頭で、県医療50年の創業の精神と、こうおっしゃられた。創業の精神というのはこういうことでしょうか。もともとは、県立病院の候補地として地元一関市長にお願いし、数箇所の中からOKを出して、内定したのは県の医療局ではなかったのですか。前堀の地区民は、押し売りした覚えもないし最初は気乗りもしませんでした。ぜひぜひ頼むというから協力したのではなかったでしょうか。だからこそ二転三転、迷惑、心配をかけた後、知事も反省し、医療局長も出向いて地権者会の集まりで陳謝をしたのではなかったのでしょうか。
 さらには、昨年医療局の管理課長が前堀に参り、ことしの作付はしてもよろしいですよと申し渡しております。これは県立病院でありますから当然でございますが、県の医療局が完全にかかわっているという証明でございます。にもかかわらず、前段で申し上げたとおり、一関市から相談があった場合、協力できる範囲で協力したいとはどういうことなんですか、具体的に。まず先に、迷惑をかけた地権者に行って局長はおわびをしたんですが、その地権者に行って、地権者の意向を聞いて、一関市長と打ち合わせを何回も重ねて、よい結果を出すことが、知事の普段言っている県民のための県政であり、県民が主人の行政ではないんでしょうか。前堀地区民のためにはこれが一番ではないでしょうか。全然、知事の心、知事の考え方、知事の行政のあり方ということを医療局はわかっていない。前堀の地権者とは何回会って要望を聞き、市長と何回会って相談し、どこまで話し合いが進んでいるかをお示し願います。
 そこで伺いますが、1、順調にいって大平地区16年の完成ですが、本当にこれは大丈夫なんですか。調査費を見ているんですが、本当にこれは100%大丈夫なんですか。地権者との問題あるいは地盤の調査等々が始まるわけでございますが、また変わるということはないんですか。
 2、副知事は、前堀地区の地権者に対して、市から県に相談があった場合協力するということは、具体的にはどういうことなんですか。どういう協力をするというんですか。
 それから3番目、前堀地区の地権者は、医療局の今後の対応によっては損害賠償、訴訟をも辞さないと、こう言っております。その場合には、医療局は受けますか。
 4番目、16年度両病院の完成ということでございますが、この間、建設がおくれている両病院の老朽化は目に余ります。患者に迷惑をかけ、修繕費もかかる。それは知事の言う税金のむだ遣いでございます。このむだ遣いはだれの責任になるんですか。だれの責任でこういうおくれが出て、こういうむだ遣いが行われるんですか、このことを県民に示してほしいと思います。
 さて、知事の決断はよいところも大いにあり、私はこれを褒めながら、一つ別な問題を伺ってみます。
 それは、かねてから私が議会で取り上げてまいりました情報公開に聖域はなしと。医師と患者の信頼関係はカルテの開示にありと質問したところ、早速、検討の結果、本年1月1日から実施の運びとなりました。これは、全国に先駆けての快挙であり、大ヒットでございます。県内28病院の受け入れ状況と開示状況をお示しください。また、他病院への影響度はいかがなものですか、おわかりでしたらお知らせください。
 また、さきに遠野病院の医療過誤訴訟では、県医療局は敗訴したことになりますが、このような事件に発展しかねない県立病院医師も私は承知いたしております。対策はどうなっていますか。こういう第2の遠野病院というものの対策はどうなっていますか。なぜ、遺族にはもっと早く、医療過誤というものを認めなかったんですか。何でぐずぐずして、負けてから認めたんですか。その理由は何でしょうか。以上についてお尋ねいたします。

〇佐藤医療局長 ただいまお褒めにあずかりました開示請求につきましては業務課長の方から、それ以外については私の方から答弁をいたします。
 まず、磐井・南光病院問題につきましてでございますが、完成時期についてでございます。完成時期につきましては、用地交渉等を市の方にお願いをしておりましてこれを進めておりますけれども、これが順調にまいりました場合につきましては、私どもの計画のとおりに推移するものと考えて、そういたしますと、早くて16年度内には建築工事を完了させたいと思っております。
 それから、前堀地区の地権者に対しての今後の対応ということでございますけれども、前堀地区の内定の取り消しに当たりましては、一関市が誠意を持って解決に努めていただけると聞いており、現在、一関市と地権者との話し合いが続けられているところでございます。私もお説のように一度参りました。具体的な対応につきましては、さまざまな要望が出ているところでございますけれども、これらを今一関市が聞き取りをいたしまして、今後、何らかの対応策が出てくるのではなかろうかと、こう思っておりますけれども、その時点で医療局としては知事部局等とも連絡をとりながら、現行制度上、可能な限りこれを支援してまいりたいと思っております。
 それから、病院建設がおくれていることにつきまして、これがだれの責任かと、あるいは修繕費等がかかるということで、これが言ってみればむだなものではないかという趣旨にお伺いしましたが、磐井・南光病院に限らず、これまでも病院建設がおくれていた場合には、必要な場合にその修繕につきまして行ってきておりまして、これはむだ遣いというよりも、資源をなるべく長く活用したいという願いからでございますので、むだ遣いということではないのではないかと理解をしております。
 それから、今後のおくれによって患者さん等への支障につきましては、なるべくそういったことのないように、こういった修繕費をかけながら、地域の患者さんの支障にならないような形で診療を続けていきたいと考えております。
 それから、医師に対しての医療事故といったようなものに対する指導ということでございますが、これにつきましては、常々の患者さんと医師との意思の疎通というものが一番大事なことでございますので、機会あるごとにこれにつきましては病院長会議あるいは文書でも通知をし、病院ごとにマニュアルをつくり、あるいは看護婦さん等の診療に対応するマニュアルをつくったりということで対応をしているところでございます。

〇佐藤業務課長 診療情報の提供、いわゆるカルテ開示の状況につきましては、現時点では開示の申し出が1件ございます。患者さんと日程を調整の上、近日中にカルテを開示する予定でございます。
 それから、他の病院につきましての影響でございますが、現在承知しているところでは、岩手医科大学の附属病院で1月5日から実施しておりますし、盛岡赤十字病院では4月1日の実施予定と、それから済生会の北上病院では新年度の実施に向けて検討中と聞いております。それから盛岡市立病院では、公開条例等の調整に入っていると聞き及んでおります。
 なお、私どもの県の実施要領は全国自治体立病院協議会を通じまして、全国の自治体病院へ資料提供をいたしておりますので、少なからぬ影響があるものと考えております。

〇佐藤正春委員 ちょっと舌足らず答弁があったのでもう一回聞きます。
 大平地区は前堀地区の前例もあることで、100%大丈夫ですかと。これから地権者の問題、あるいは地盤の問題を調査して、そうすると、また前堀と同じく変わり得ることもあるわけですか、そこをちょっと聞いておきたい。
 それから、前堀の地権者、場合によっては前も何回か医療局長さんのところにお邪魔したときに言っていたんですが、今までの対応によっては損害賠償、訴訟をやりたいと、これについてはその場合受けますかということ。
 それから、今カルテの開示があったんですが、これがあればよかったのかなという気がするんですが、遠野病院の医療の過誤訴訟では負けたんですから。なぜ負けるまでぐずぐずしていたんですかということ。最初から、これはうちの方のミスですということになれば、ここまでいかなかったのではないかと思うんですね。裁判をやって勝つつもりでいたんだかどうか、その理由は何ですかということです。これもちょっと先に聞きたいと思います。

〇佐藤医療局長 大平地区に建設予定ということだけれども、100%大丈夫かということでございますが、現時点で状況は私も現地に行って見ましたけれども、あそこを変更し得るような新たなものはないのではなかろうかと。地盤等いろいろ言われておりますけれども、それにつきましては、現代の科学をもってすれば大丈夫だと確信をいたしております。ただ、地権者の御協力、あくまでもそれが前提ということでございます。
 それから、前堀地区につきましての損害賠償請求を受けるかということでございますけれども、これにつきましては、現在、鋭意一関市が地権者と話し合いを進めているということでございますので、そういうことにならないように私ども努力してまいりたいと考えております。
 それから、もう一つ、医療訴訟の関係で遠野病院の件がございましたけれども、第1審と第2審それぞれ負けたことではございますけれども、第1審よりは第2審の方ではその状況等の判断をしていただきまして、第1審よりは金額的には約3、000万円ほどでございますが、いわゆる損害賠償の額が減ったということでございまして、そういった意味からいきますと、私どもの主張している部分も一部認められた部分があるということでございまして、これは第1審の際にも弁護士の方々ともいろいろ相談をして決定をしていったということでございまして、この医療事故というのは専門的な分野もかなりあり、法律的な分野も絡み合いまして、それから、そこの地域の状況が、いわば非番であったり、医師の充足ということもいろいろあったりということで、100%の対応を求められているわけですが、実態としてなかなか難しい部分もあるといったようなことなどから、今回、第2審の判決を仰ぐまでに至ったということでございます。

〇佐藤正春委員 医療事故というのは命にかかわることでございますから、裁判で勝ったとか負けたとか、今、医療局長が私の意見がと言ったけれども、結果的にはやっぱり人命の問題でございますから細心の注意を払わなければならないし、また、特に県病の場合は、どうしても民間の開業医と違って、患者に対する扱い方が開業医に比べて非常に粗雑です。そういう点もあるので、したがって非常に事故もあるし、感情的なものも多いということはやっぱりこれから気をつけていかなければいけないのではないかというような気がします。
 そこで、今、医療局長からも御答弁のとおり、磐井・南光病院を何もなければとにかく16年度までには大平地区においてつくりたいということでございますが、ここに施設設備の改修及び医療機器の導入予定表というものがございます。それを見ますと、平成12年度の施設設備の改修について、磐井病院では待合ホール冷房装置設置の整備費として450万円が計上されて、この維持修繕経費は16年度まで毎年度必要となっています。もう老朽ですからね。南光病院ではカルテ倉庫新設430万円が必要となっております。また、医療器械の導入予定を見ますと、現在ある設備の更新に対応するために、磐井病院では平成12年と13年度で1億6、600万円、南光病院で4、900万円が必要だと、こうなっております。これも今の古い病院につけていいものかどうか。つけたはいい、壊さなくてはならない、つける部屋もないということで、これだけ新しい病院との差が出てきているわけなんです。このほか、毎年度修繕費用と書いているんですが、金額は書いてないんですが、これまでも必要な都度修繕で対応しておりますが、今後も同様であると。幾らかかるかわからない。私、この間申し上げたけれども、3日に1回ぐらい病院に行って見ているからよくよくわかっているんだ。局長より私の方が詳しいわけだから、だから、何ぼかかるか。毎年、修繕費用に何百万円単位でかかるということになるわけでございまして、非常にある意味では、今、局長は何か既存の資源だか資材を大事に使ってというようなことを言っていたけれども、いかにむだが多いかということですね。
 また、このほかに、精神保健福祉法の改正によりまして、任意入院患者のための閉鎖病棟の自動ドアの整備、このことは予定表には書いてませんよ。書いてませんが、整備するとしたらどのくらいかかりますか。
 あわせて、病棟が足りず、閉鎖病棟に入院している人がいるわけでございますが、その病棟修理費も書いていない。これは幾らかかるんですか。
 厚生省では、精神障害者を緊急入院できる指定病院をふやすようですが、本県では何カ所になりますか。
 こうして見てみますと、たとえ16年に両病院ができたとしても、いかにむだな費用、1回で整備が済むものを2回やらなければならない。修理修繕にかかるわけですが、これはすべて県民の税金です。いかにむだがあるかということです。このむだな支出は、すべて医療局の見通しの甘さ、決断の誤りから来ているということを自覚してほしい。こういうものが全部かかるのが。いわゆる知事の言っているむだがここに出ている。ここで医療局の責任ある見解を最後に聞いておきたいと思います。

〇佐藤医療局長 今、古い病院につきましての設備のことでお尋ねがございましたけれども、機械等につきましては、設置したものを極力新しい病院に持っていって使いたいと思います。ただ、それ以外の一部補修等を加えたものにつきましては、新しく病院ができるまでの間、地域の患者さんのためを思えば支出はいたし方ないと思っております。
 それから、我々極力税金を使わないようにということで、診療報酬でなるべくこれを補おうということで、この分につきましての財政当局への要求はしないようにして、我々一生懸命働いたものでこれを賄っていきたいと考えております。
 さらに、修繕費のことにつきまして、いろいろ個々具体的なものを挙げて幾らかかるかということでございますけれども、管理課長、わかったら答弁してください。

〇長澤管理課長 修繕費のお尋ねでございますけれども、これは医療器械と建物一緒でございますけれども、磐井病院ですと、平成8年から10年、3カ年平均で大体4、400万円でございます。ただ、1病床当たりにいたしますと14万4、600円ということでございまして、広域中核病院の平均は15万7、200円となってございます。中核病院の全体の平均よりは若干安いというような推移になってございます。
 それから、自動ドアの件、特に聞いておりませんけれども、今まで、例えば遠野病院で改修した場合は大体100万円から200万円の間で改修してございます。
 それから、開放病棟がふえるということでございますが、これはまだ法律的な内容がはっきりしてございませんので、そういう施設基準の確定に応じて対応してまいりたいと考えてございます。

〇谷藤裕明委員 今、佐藤委員の方から県立遠野病院の件に触れましていろいろ御質問いただいたところですけれども、御遺族の方々にとっては大変お気の毒なことだと思っておるわけですけれども、岩手県だけではなしに全国的にもこういう医療ミスを含めていろいろ新聞紙上でも騒がれ、報道されておりますけれども、今後、再発防止に向けてどのように対応されていこうとしているのか。
 もう1点、今回、訴訟で負けたわけですけれども、負けた場合の補償金の財源というのは何をもって充てていかれるのか、その財源の出どころ、その辺についてお聞かせ願います。

〇佐藤医療局長 まず、先に財源の関係でございますが、医療局としましては保険を掛けておりまして、不幸にしてなった場合につきましては保険で対応をするという仕組みになってございます。
 それから、事故の発生防止への取り組みでございますけれども、平成7年に各病院に対しまして医療事故予防対策委員会を設置するようにということで進めておりまして、これでは、防止対策としまして、手術時等の手順化、チェック体制の強化ということをつくるようにということで言っておりますし、また、看護の部分でも事故というのは起こり得るということで、看護の安全対策のチェックマニュアルというものを昨年12月に作成し、全県立病院に配布、徹底をしているところでございます。
 いずれにいたしましても、事故防止というのは日ごろのチェックと確認が大事だということで、折あるごとにこれにつきまして最重点課題として医療局としては取り組んできましたが、今後ともそういうことで取り組んでまいりたいと思っております。

〇谷藤裕明委員 いずれいろいろな問題点、まだ改良していかなければならない点、たくさんあると思いますけれども、医師不足というものも基本的にあるわけですよね。これらについての充足率を高めていくことが今後とも必要だろうと思いますし、やはり医療局の長期経営計画の目標の中にも良質で満足度の高い医療サービスの提供というものをうたってあるわけですから、これらの目標達成のためにさらに御努力をいただきたい。

〇村上惠三委員 医療局長の職務に関してお伺いいたします。
 私は、昨年度の12月議会本会議において、医療局の経営規模、すなわち5、000人にも及ぶ従業員を抱え、1、100億円を超える年間売り上げを計上する一大企業に匹敵する経営規模の企業体の経営責任にかんがみまして、経営者たる医療局長が1年で交代するのはいかがなものかという質問をいたしました。また、医療局長は、知事と一体となって経営責任を負う地方公営企業法の趣旨からいっても、特別職である医療副知事と位置づけて経営に専念させてはどうかという御提案をいたしたところであります。私の質問のせいかどうかわかりませんが、久々に1年を超えて腰を落ち着けて経営に専念されている医療局長は、経営改善計画を策定し、これからも続くでありましょう厳しい経営環境に対処しようとしており、その御労苦に対し感謝いたしているところでございます。
 この2年間企業経営に当たってみて、例えば職員の仕事ぶり、言いかえれば従業員の営業成績、今後の事業展開などについてどのような所感を局長はお持ちなのでしょうか。
 また、私が医療局には医療副知事を置けと主張してまいった関係上、医療副知事の設置について御所感があればお聞かせ願いたいと思います。

〇佐藤医療局長 まず、2年間企業経営に当たった管理者としての所感ということでございますけれども、営業成績の方から申し上げますと、平成10年度は、診療報酬のマイナス改定ということや入院患者数の減少傾向などかなり厳しい状況にありまして4億8、000万円余の赤字を出したところでありますが、平成11年度は経営努力もいろいろいたしまして、おかげさまで約8、900万円余の黒字の計上を見込んでおります。もちろんこれは一般会計からのお手伝いもありますので余り声を大にするというわけにはいきませんけれども、まず、わずかながらプラスに転じたということでございます。
 こうした内容を平成10年度の決算分析等から見ますと、例えば医業収益対医業費用の比率も、東北各県、それから新潟の病院から見ますと第1位でございますし、一般会計の繰り入れといったものも、1床当たり見ますと少ない方から2番目ということでございます。それから、料金収入に対する職員の給与費でございますけれども、これも一番下の方で頑張っているという傾向が出てきております。これらにつきましては、医師や看護婦が昼休みの時間も超えて診療するといったように、患者数の増嵩ということで、うれしい悲鳴の中にもそういった苦労をしていただきながら営業成績を上げたものではないかと思っております。
 ただ、先ほど話題になりましたように、新聞紙上等で県立病院等のいろいろな問題、医療事故等がございます。そういったことについてはまことに残念でございますけれども、これにつきましては、今後、最重点課題として解決してまいりたいと思っております。
 今後の事業展開ということでございますけれども、何と申しましても、患者さんと職員、それから職員同士のコミュニケーションが大事でございます。そういったことから、まごころと科学でささえる医療をめざしてということで今度の計画のキャッチフレーズをつくり、職員一丸となって努力をしてまいりたいということでございます。
 それから、御提言のございました医療副知事ということについてでございますけれども、これにつきましては、知事が地方公営企業法等の趣旨等を総合的に判断してなされるものではなかろうかと考えておりますが、私といたしましては、医療局の県民に果たす役割の重要性からこうした御発言があったものと受けとめておりまして、これを職員への励ましの声と受けとめまして、さらに努力をしてまいりたいと存じます。

〇村上惠三委員 ただいま丁寧に業績等もお答えいただきまして大変ありがとうございました。
 最後の医療副知事の設置についてということでは、自分にかかわる問題でもありましょうし、弱気な発言のような感じがいたしたわけでありますが、私が思うに、累積赤字が幾らあるかわかりませんが、大体80億円から90億円あるということでしょう。そういうことをずっと医療局の審査を通して見てきまして、もうこれは県民の税金を投入していいんだと、この赤字はこれでいいんだという風潮があるように思うわけであります。医療局だから、人命を守るということでいいだろうと。県民の税金をそれぐらい投入してもいいだろう、赤字でもいいだろうということでは、一体企業の考えとしてはどうかなと思ってきたところでございます。
 そういう意味で、これだけの規模の経営でありますから、県の人事異動等で局長になって、また何かの都合で異動ということで局長がかわるという、私から見るとまことに無責任な人事の回しと思うんですが、そういう意味で、これは知事の任期中4年間なら4年間、医療副知事として副知事クラスの任務を与えて執行体制を確立すべきであろうと、こう思ってきたところであります。
 そこで、経験上、個人的な見解でよろしゅうございますから、局長の見解を賜りたいと思います。

〇佐藤医療局長 今の医療局の6、000数百床の規模になるためには、多くの先人の方々の努力があって今の医療体制が確立されてきたということでございまして、これは先輩の方々が営々として築いてこられたものと思いますし、県民の協力があったればこそと思います。これは、ただひとり医療局長のみが頑張ってもどうにもならない課題でございまして、職員一丸となってやってきた結果でございます。
 したがいまして、人事の面につきましては何とも申し上げようがございませんけれども、そういった意味で、果たしてそういう方がいいのかどうかということにつきましてはなかなか難しいものがある。ただ、今まで果たしてきた役割と、それから、先ほど経営状況についても申し上げましたけれども、そういったものを残してきたというのは、職員が一丸となって努力したものがあったればこそと思っております。

〇及川敦委員 私からは、待合・診療体制の諸課題について3点お尋ねしたいと思います。
 まず、現在、県営医療に対して、私は信頼感と期待が非常に高いと思っておりまして、平素、私の住まいしている盛岡の中央病院に関しては非常に患者さんが多いということで、その点については是としたいと思っているわけでありますが、患者さんの不満度の高い待合の体制についてでありますけれども、中央病院では再診の患者さんについては診察の予約制を導入しておるようでございますけれども、しかしながら、実態は、その予約した時間から1時間、下手をすると2時間以上も待たなければ診察を受けられない状態がかなりあるように私も伺っております。こういった状態について、診察の予約制を導入しながらなぜ1時間も2時間も待合時間が生じるのか、その理由と改善策があればお示しいただきたいと思います。
 次に、身体障害者等への医療業務の待合・診療体制についてでありますけれども、身障者の方にもいろいろな方がいらっしゃるわけでありますが、特に聾唖者の方が診察に行った場合、受付で申し込みをして待合で待っているわけでありますけれども、聾唖者の方ですから耳が聞こえないということで、それなりの対応をしていかなければ待合時間にいろいろ問題が起きるということで、格別なる配慮が必要かと思っておりますが、どのように現在は対応していらっしゃるのか、まず、お知らせをいただきたいと思います。
 あわせて、こういった方々に対して、診察を受ける際に手話通訳者というのが非常に大事になってくると思いますが、今、私も調査をしておりますが、他の都道府県営の病院においては、1カ所1人とは言わないまでも、ローテーションで手話通訳者を配置して医療体制を確立している公営病院もあるようでございますが、手話通訳者の導入についてどのようなお考えを持っていらっしゃるのか、この点についてもお聞かせいただければと思います。

〇佐藤業務課長 最初に、中央病院における待ち時間の問題でございますが、確かに中央病院、今、予約制をとってはおりますが、委員御指摘のとおり、予約の時間どおりになかなか診察できないのが実情でございます。一つは、中央病院での患者数が多いということもございます。平成6年度で1日平均患者が大体1、500人、10年度が1、660人、11年度の1月末で大体1、700人ぐらいと、増加していることが原因の一つとも考えられております。
 対応でございますが、一部の診療科では、1時間の枠内での予約患者さんの数を見直すとか、それから、診療ブースを確保できる診療科においては、入院を担当している医師を一時的に1人ふやすとか、そういうことで対応しているところでございます。
 それから、今後におきまして、中央病院においては、予約制のあり方、午後診療の充実等を検討することとしておりますので、これらの検討結果を踏まえまして、待ち時間の短縮に努めてまいりたいと思っております。
 それから、2番目の身体に障害のある方に対する対応でございますが、口とか耳の御不自由な方々に対しましては、実際は筆談あるいは常々意思疎通を図られております御家族の方を介して症状を伺ったりしておりますし、十分な時間をかけて、診療に支障のないよう対応しているところでございます。また、再来の方につきましては、カルテにシールを張るなどして、職員が円滑に対応できるよう努めているところでございます。
 それから、病院の方に手話通訳者を配置する考えでございますが、先ほど申し上げたような筆談あるいは家族の方を介しての方法が診療上の詳細な内容を適切に伝達できるのではないかと考えておりますので、配置につきましては今のところ考えておりませんが、現在、各地方振興局の保健福祉部に聾唖者相談員が配置されておりますので、これらの方々の御協力を得るなどして診療に対応してまいりたいと思っております。

〇及川敦委員 今、3点について御答弁いただきましたけれども、これは県病だけに限らず、1時間、2時間待ち3分診療というのはどこの医療機関でもいろいろ問題が指摘される事項だと思っております。中央病院なんかでは、予約制をとりつつ、10時の予約の方は30分待ち、30分おくれ1時間おくれということで掲示をしている診療科もあるように私も2度ほど拝見させていただきましたけれども、あのシステムは非常にいいと思っております。患者さんの方ではこの点について非常に不満が大きいようでありますので、もちろんこの点について問題点は認識されていると思いますけれども、できるところからで結構だと思いますので、今、御答弁あった内容できちっと診療体制、待合体制の充実を図っていただければと思っているところであります。
 聾唖者等に関する対応でありますけれども、いわゆる聾唖者相談員等、また、筆談や家族を通して云々というお話ありましたけれども、ぜひ一度直接聾唖者のいろいろ御病気を持っている方々と対話をしていただいて、果たしてそういう形が聾唖者の方たちにとって満足度の高い診察の体制なのかどうかというのもヒアリングをしていただきたいと思っているところであります。恐らく、直接的な形よりも、こういう間接的な手法もあるということで暫定的なこういう対応もしているのかと思いますけれども、やはりどこが痛いとかかゆいとか、本当の病状の実態を知らせるには筆談では非常に不都合な方もいらっしゃると私も認識しておりますので、きちっと当事者の方からヒアリングをして体制充実に努めていただければと思うところでありますが、その点について、再度御見解をお聞かせいただければと思います。

〇佐藤業務課長 今、実際私どもがやっていることを先ほど申し上げましたが、委員御指摘のような点についても検討を進めてまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

〇佐々木順一委員 まとめて4点お伺いいたします。
 まず、長期経営計画についてでありますが、計画の着実な推進を図るためには、マンパワー計画と病院の施設整備計画、そして、経営収支計画の実効性を確保していかなければならないものと考えますけれども、ついては、この3計画の主要な重要項目と基本的な考え方についてお伺いいたします。
 それから、結核医療についてお伺いいたします。
 昨年7月に国では結核緊急事態宣言を出しましたが、かつては根絶できると思われておりました結核でありますが、新たな危機を迎えているのではないかと心配するものであります。ついては、本県の現状と事態に対する予防策につきましてお願いします。
 次に、看護職の一般病床配置基準を、国では患者4人に対し1人から3人に対し1人に強化する医療法の改正に着手しておりますけれども、県立病院の現状と、それから、将来をにらんだ対応方針についてお願いします。
 それから、最後ですが、先ほどの佐藤正春委員と谷藤裕明委員にも若干関連しますが、医療の単純ミスによる深刻な事態が全国的に相次いでおりますけれども、国では、医薬品をめぐる医療ミスの事例を病院や薬局から集めまして、原因を分析して対策をとる制度を新設するやに聞いております。ついては、データ収集には事柄の性格上なかなか難しい側面もありますが、これに対する医療局の対応と、そしてまた、県独自、これは生活環境部とも関連するかもしれませんが、このような貴重な資料を作成する用意がありやなしや、この点につきまして4点お願いします。

〇佐藤医療局長 まず、長期の経営計画の基本的な考え方、ポイントについて申し上げたいと思いますけれども、まず、この計画は、何と申しましても患者さんと職員の心の触れ合い、いわゆるコミュニケーション、インフォームド・コンセントといったことを基本としなければならないということから、キャッチフレーズをまごころと科学でささえる医療をめざしてということで進めていきたいということで、さらに、その経営の状況もございますけれども、マンパワーにつきましては、現在、条例定数が5、058人となっておりまして、その5、058人の中で、例えば事務管理部門につきましては120数名に及ぶ委託職員への切りかえなど、かなりドラスチックなことをしながら経営の健全性を保っていかなければならないと考えてございまして、その結果、条例定数を今のところふやすことなく何とか対応していきたいと考えております。
 それから、施設設備の関係につきましては、具体的に、平成17年度までの前期の7カ年計画で、既に整備に着手している大迫、沼宮内、福岡、磐井、南光病院のほか、新たに山田病院と花巻厚生病院、それから北上病院の整備について完成年度を明らかにしたということでございます。
 それから、経営収支につきましては、非常に厳しい状況ではございますけれども、先ほど申し上げましたような経営努力もしながら、なるべく単年度の収支の均衡をとってまいりたい。そして、累積欠損金が余りふえないように何とか努力をしていきたいと考えております。これは、一つは快適性の問題と経営の問題という両方のはざまの中で経営というものを進めていかなければならない関係上、なかなか両方にこたえ得るようなことにならないかもしれませんけれども、その中で健全な経営を維持しつつ、それから快適性についても維持をしてまいりたいと考えております。
 それから、医療ミスの関係につきまして、原因分析等をしたものを医療局ではつくるつもりはないかと、こういう御発言でございましたが、これにつきましては、既に各病院におきまして、そういった事例等も私の方で出しながらつくっておりますし、昨年12月、看護等につきましても、医療ミスにつながらないまでもはっとするような事故というのがございます。なかなかそういったものについては職員から非常に出しにくい状況にあっても、なおかつこれは将来における財産として、ぜひ恥をしのんで出してほしいということを言いながら、こういったものも取り入れて、計画を既につくって病院に配布をしているということでございます。
 その他につきましては業務課長の方から答弁させます。

〇佐藤業務課長 結核医療についてのお尋ねでございますが、結核患者の現状でございます。県の結核統計によりますと、新規の発生患者数は、昭和40年で3、707人、50年で1、139人、60年で615人、平成7年で404人、10年で383人と、減少傾向が鈍化している状況でございます。県立病院では、結核病棟あるいは結核の病室を10病院で178床有しておりまして、結核での入院1日平均患者数は、平成9年度が42人、10年度で34人、11年度の1月末で同じく34人、こういう状況になっております。
 それから、緊急を要する事態に対する予防策でございますが、県においては、保健所を中心として、健康診断の実施の徹底、早期発見と早期治療あるいは二次感染の防止、結核に対する知識の普及活動を実施していると聞いております。

〇小林参事兼経営指導室長 医療法の改正の関係で、4対1を3人に1人という一般病床の看護婦の数の関係の医療法改正案が3月17日に閣議決定されたという報道がございました。今国会に提出される予定ということなんですが、県立病院の看護婦の場合、夜勤体制、夜の勤務でございますが、2人で月8日以内、俗に二・八体制を基本に配置しておりまして、現在では、県立病院平均で2.2人に1人と、3人をさらに下回っております。したがいまして、県立病院は多分法改正による新たな増員は生じないと思っておりまして、影響はないと思ってはおりますが、各病院におきまして、患者の立場に立った良質な医療を適切かつ効率的に提供していくために、体制の整備は常に検討していかなければならないと思っております。

〇工藤大輔委員 医師確保についてでございますが、これについて、先週の保健福祉部の審査におきまして藤原良信委員より同様の質問がございましたので、重ならないように、大きく1点についてお伺いします。
 医療局の職員奨学金制度についてでございますが、この制度は、医療局が県立病院の医師確保を目的として、昭和40年4月に条例を制定され、医師免許取得後、奨学制度を受けた年数分県立病院に勤務すると奨学金の返済を免除されるというものであります。金額の方も年次ごとに見直され、平成9年には月額7万3、000円から20万円に引き上がったことにより、10名枠の採用人数だったんですけれども、7万3、000円の時代には下回っていた人数が平成9年には応募した人数が19人、10年には27人、11年度には18人と、倍以上の希望者がいるという状況になっておるわけでございますが、この制度につきまして、条例制定された昭和40年以降、平成9年度にアップするまでの間の医療局の奨学制度の利用実績、義務履行についてどのような状況であったのか、また、今後、平成9年度以降、増額をされて奨学生の義務履行がどのようになっていくと予想されているか、まず、最初にお伺いします。

〇大川参事兼医師対策監 まず、平成9年度の改正以前の奨学生の利用実績でございますけれども、奨学生346人の動向を見ますと、全部または一部であれ義務を履行した方は、現在履行中の者も含めて225人、65%で、このうち63人、18.2%が履行後も引き続き県立病院に勤務しております。定着率は低いとはいいながらも、一定の効果はあったものと考えてございます。
 それから、2点目の、新しい制度になって義務履行をどのように予測するのかということでございますが、時代の流れとともにそれぞれ価値観も多様化してきてございますし、それから、生活水準の向上、こういう中で、これまでとは違った展開になるのかなと、現在ではこの程度しか。というのは、まだ卒業生が出ておらないものですから定かに把握することは困難でございますが、いい方向に向かってほしいという願望は持ってございます。

〇工藤大輔委員 入学し、卒業するまで6年間ということで、このワンサイクルを待たずに判断できないということでございますが、今、県立病院の常勤医師の数から見ますと、平成7年度から5年間平均して毎年17名増加、特にも昭和63年以前から比較しますと160名も増加しているものの、まだまだ医師数が足りないというのが現状だと思います。
 希望する人数が上がったということは、この制度もやっと本当に魅力的な制度に変わったということであり、私からすると、6年たたない前に、卒業生の状況を踏まえてからということではなく、希望者があるのであれば増加させていくようにもう少し検討してはどうかと思います。といいますのも、特にも医大に入ると国立大学では6年間で入学金と授業料をあわせて315万円ぐらいお金がかかるんですけれども、私立でいきますと6年間でその10倍の3、000万円を超える状況であり、一部昭和医大など比較的安いと言われる学校もございますが、ほとんどの大学において3、000万円を超えていると。また、大学によって1口100万円であったり500万円であったり、任意ではございますが寄附金も準備されているような状況であり、高額所得者でなければなかなか支払う能力がない、一般の家庭からはなかなか難しいのではないかという状況だと思いますので、今後は、希望者が多くなったわけですので、私はもう一度検討されてはどうかと思うところであります。
 それと、医師不足に関してなんですけれども、眼科、小児科、また、耳鼻科などの特定診療科についても医師が不足しているわけでございますので、医師獲得のため、別枠での奨学制度というものも今後検討してはどうかと思いますが、どのように考えていらっしゃいますでしょうか。

〇大川参事兼医師対策監 ただいまの質問の御趣旨、応募者が多いのだから貸付枠をふやしてはいかがかと、こういうことが第1点だろうと思います。
 新しい制度になりまして3年経過したばかりでございます。それと、現在、国におきましては、卒業後2年間は厚生大臣の指定する臨床研修病院あるいはまた大学附属病院で臨床研修することを義務化するための準備が進められております。医師の養成制度が大きく変わろうとしておる状況でございますので、これらの動きなども見きわめながら、奨学金制度のあり方について検討してまいりたいと考えてございます。
 2点目の、特にも不足している眼科、小児科ということでございますが、実は、奨学生の採用時に面接を行っております。そのときに専攻診療科を聞くわけでございますけれども、入学時点で明確に将来の進路を決めている方というのは極めてまれでございます。大方の学生さんは高学年になってから進路を考え始める、こういうことが一つございます。
 それから、別枠ということでございますので、貸付金額を高目にしたらと、こういうことなのかもしれませんけれども、果たして貸付金額を増額するだけで解決できるのかどうか大変難しいものがございますけれども、いずれ有効な手だてについては検討すべき課題と受けとめておるところでございます。

〇工藤大輔委員 医療局の職員奨学金の貸付制度なんですけれども、入学前から貸し付けを受けられるものと、何年生からでもこの貸付金というのは利用できるということですので、これも難しいことだとは思いますけれども、進路が決まるかなというときに魅力的なものというものも考えていただきたいと思います。といいますのは、地域において、首長さんや地域の住民の方々から、特にも先ほど言った小児科、耳鼻科、眼科などの医療施設を設置してほしいという声が多く聞かれているわけでございますが、この声が聞かれている地域を見ますと、開業医を含めて、その地域で診療してもらえる場所がないというところが多いと思います。そういった観点から見ても、県下一緒の水準の医療サービスを受けられるように、今後も保健福祉部の方と連携をさらにまた強めていただいて、さらによいサービスに努められますことを要望しまして質問を終わります。

〇伊藤勢至副委員長 質疑の継続中でありますけれども、この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩をいたします。
   午後2時53分 休 憩
 
   午後3時13分 再 開

〇工藤篤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

〇伊沢昌弘委員 1点についてお伺いをしたいと思います。医療局の廃棄物の処理の関係についてお伺いをしたいと思っています。
 医療系廃棄物の問題につきましては、最近のマスコミの中でも不適正処理の中に医療系廃棄物が入っているということ等々、含まれているわけでありますが、医療局にありましてはそんな不適正処理はないと、こう思うわけでありますが、処理の状況についてお伺いをしたいと思っています。
 それぞれの病院で、自家処理のための焼却炉等整備をされていると承知しているわけでありますが、現在、どのくらいの施設を持ってこの焼却炉の運転をしているのかと思っています。その辺をお示しいただきたいと思います。
 また、使っている焼却炉、ダイオキシン類の対策特別措置法の中で、対策規制がかかるということになっているわけですけれども、その状況はどのようなものかということをお示しを願いたいと思っているところであります。
 また、あわせて、医療系廃棄物は感染性の廃棄物ということで、事前の処理なりきちんとした対応が求められているわけでありますが、感染性廃棄物として出していく場合の対応について、かなりスタートの時点では頑張ってやってきたと、こう思うわけですが、現状と対策を含めてお示しをいただきたいと思っています。
 あわせて、クリーンセンターがあるわけですが、江刺市であります。前にもいろんな委員会で、私、お伺いをして御所見を伺ったわけでありますが、料金が高過ぎるとか遠いとか、なかなか使用ができない、こういう答弁になっていたと記憶をしているわけであります。現状で自家処理の部分を先ほど聞きましたけれども、そしてクリーンセンターに持ち込んでいる部分、どういう程度なのか、そういったことについてもお示しをいただきたいと思います。

〇佐藤業務課長 病院の廃棄物の状況でございますが、最初の自家処理している分でございます。県立病院28のうち、15病院で16基の焼却施設を有しております。また、すべてが過日施行されましたダイオキシン類対策特別措置法に該当する施設でございます。その旨、届け出を行ったところであります。
 それから産業廃棄物、病院から出る医療廃棄物の処理状況でございますが、県立病院の医療廃棄物の処理委託に当たっては、知事の許可を得た収集運搬あるいは処理業者を相手に業務の許可内容、あるいは処分の場所、こういうものの確認を行った上で委託の処理を行っております。委託に際しましては、廃棄物の種類、数量、こういうものを記載した管理票──マニフェストを作成して、廃棄物と一緒に収集運搬業者に引き渡しを行いまして、最終処分場から返されてくるマニフェストと照合いたしまして、完了の確認を行っているところでございます。これは、自家処理している病院にあっては、焼却によって出る燃え殻、これらについても同様に委託の処理をいたしております。
 それから、3番目のクリーンセンターの利用状況でございますが、今年の2月末では18の病院が利用しております。県立病院で委託処理をしている産業廃棄物1、900トンのうち、おおよそ4分の1の約464トン、こういうものをいわてクリーンセンターに処理を委託しているところでございます。

〇伊沢昌弘委員 きちっとした対応をしているとお伺いしたわけでありますけれども、その部分をこれからもぜひよろしくお願いをしたいと思っています。
 もう一点だけお伺いしますが、県では知事部局、県庁でISO14001の取得をしたわけであります。これ、事業者単位にやっているという部分なんですけれども、全国的には病院そのものも取っているというところが何カ所かポチポチ出てきていると聞いています。医療局としてこれに対する御所見、対応、御検討していることがあるのかどうか、そのことだけお伺いして終わりたいと思います。

〇佐藤医療局長 医療局本庁そのものがまだということでもございまして、病院につきましては今後の課題ということで、今後、その取得に向けての検討をしてまいりたいと思っております。

〇小野寺好委員 病院の改築についてお伺いします。
 県立病院50年の歴史の中で、医師の確保と県立病院の改築、これが大きな比重を占めてきていたのではないかと思います。病院は言うなれば富の蓄積でもありますが、跡形もなく壊してまた新しいのを建てると。一体、何年くらい使う予定で建てているのか。毎年の予算とかを見ますと、一通り全部終わったら、またもとに戻って永久に改築をやっているような、こういった気がします。一般会計からのお手伝いで、毎年広域中核病院を一つ建てるくらいのお手伝いをいただいているわけですが、何かもっと長い間使うようになれば、その分、別な形で患者さんに別なサービスができるのではないかと思いますので、そういった病院の、何年くらいで改築しているか、あと、今後どのような理念でこういった改築計画を立てていくのかお伺いします。

〇長澤管理課長 およそ何年ぐらいで改築しているのかというお尋ねでございますが、現在進めておりますあるいは今後進めようとしております病院は、昭和40年代の建設の病院でございます。木造から非木造といいますか、不燃化対策をやってきた病院でございまして、鉄筋コンクリートあるいは一部コンクリートブロックの病院もございます。病院は24時間フル稼働ということもございまして老朽化が結構早いんですが、大体30年を目安に改築を行ってきたところでございます。ただ、今度の医療法の改正もございますけれども、その中には施設基準、例えば一般病床も療養型病床と同じような基準になるとか、あるいは医療器械の進歩によってそれに対応する諸施設が必要、あるいは患者が特に外来がふえてございますが、そういう患者動向に対応するということが必要でございまして、今の40年代の病院ではこれに対応するために、順次、改築していく必要があると考えているところでございます。
 確かに経費をかけますと耐用年数は長くなるとは思いますけれども、また、将来の医療の情勢がどうなるか、あるいは地域がどうなっているかということも大変予測が難しいところでございまして、11年度に地方公営企業法の施行規則が4月に改正施行になってございます。これですと、鉄筋コンクリートの病院が、50年から39年の耐用年数と短く改正になってございます。新しい計画では、これに準じて大体39年をおおむねの目安ということにしてございますけれども、建設技術なりあるいは資材がよくなってきてございますので、できるだけ長く使ってもらいたいと考えてございます。
 いずれ、今後の改築につきましては、医療局で中核病院それから総合病院、地域病院という種類がございますけれども、いずれそれらの連携なり役割分担という、こういうのを考慮に入れながら、患者さんの快適性あるいは職員の働きやすさ、それから安全性、特に耐震に関しては重要度係数といいますか、これが2割ぐらいアップしてございますけれども、特に県の防災計画では、災害拠点病院ということで広域の中核病院が指定されてございます。これは、災害時においても病院機能の維持を図る必要があるということでございますので、耐震ばかりではなくて免震といいますか、揺れに強い構造も検討していかなければならないと考えてございます。また、経済性ということで、先ほどの施設基準の改正とか医療器械の進歩、これに対応するためにある程度フレキシブルに、柔軟性を持った構造、あるいはランニングコストなりサイクルコストを考えながら、今後の医療環境に適切に対応できるような整備を図ってまいりたいと考えてございます。

〇小野寺好委員 今度の予算では沼宮内病院と福岡病院、それから調査費として磐井・南光病院となっていますけれども、何年間かすれば一応一段落するという、そういった時期が出てくるんでしょうか。

〇長澤管理課長 今回の計画は、7年間の整備計画ということで策定いたしました。次の病院の計画につきましては、次の後期計画でと考えてございます。

〇斉藤信委員 簡単に聞きます。
 一つは、県立一戸病院、新病院となりましたが、この医師確保、医療体制の強化についてお聞きをしたいと思います。
 標榜診療科への医師の配置は、具体的にどうなるのでしょうか。立派な手術室が3室つくられたと聞きましたけれども、これが活用されるような体制になるのかどうか。看護体制はどうでしょうか。2人夜勤はふえるのでしょうか。2人夜勤については、今年度、来年度、県立病院全体でも示していただきたいと思います。
 二つ目は、看護婦さんの研修、研究、委員会の改善についてであります。私、以前にもこの問題を取り上げました。県立病院を訪問してお話を聞きますと、3交代のほかに時間内、時間外、こういう委員会がたくさんやられて大変だと、こういうことであります。実態はどうなっているか。
 例えば最近の声をちょっと紹介しますけれども、休憩時間が確保されない。非番、夜勤明けでも当番だったりすると出ざるを得ない。会議が多いことで業務に、いわば日常の業務に支障を来すということで、これはぜひ改善をしていただきたいんだが、示していただきたい。
 抜本的な改善策を求めて、私の質問であります。

〇大川参事兼医師対策監 一戸病院のお尋ねについてお答え申し上げます。
 一戸病院につきましては、標榜診療科13のうち非常勤となるのは神経内科、皮膚科、産婦人科及び歯科の4科で、いずれも週2日の診療を予定しているところでございます。
 それから、手術への対応でございますけれども、支障を来すことのないよう、所要の体制を組むことを考えてございます。

〇露木職員課長 一戸病院の夜勤体制についてでありますが、まず、一般病棟では許可病床数が148床から145床と3床の減少を見ておりますが、病棟は2病棟から3病棟にということで一つの病棟がふえることから、所要の要員を確保しております。
 夜勤体制は、各病棟とも準夜勤2人、深夜勤2人の2人体制とすることとしております。この体制は、病棟数が増加したことから、2人夜勤体制が1病棟ふえることとなりますけれども、一般病棟全体の準夜勤、深夜勤あわせた体制は、現在の9人から12人へと現在を3人上回り、夜勤体制の強化が図られるものと考えております。
 また、精神病棟では、許可病床が250床から225床と25床の減少となりますが、病棟数は従来と同様、精神病棟全体では、夜勤体制は閉鎖病棟等の体制の見直し等もありまして、準夜勤、深夜勤あわせて現在の20から21ということで、現在より1人上回るものでございます。
 なお、一戸病院を除く他の県立病院でございますけれども、新たな2人夜勤体制の予定は今のところございません。

〇佐藤業務課長 看護婦の研修、委員会の改善でございますが、まず最初の実態はどうなっているのかという御質問でございますが、県立病院での看護科における委員会の平均回数は、大体1病院で5委員会ほどで、おおむね月1回程度の開催でございます。今年度の委員会数は、類似の委員会の統合を図ったりしまして昨年度より27委員会を少なくしまして、開催回数は予定も含めまして122回ほど減少の予定でございます。
 それから、非番とか休憩時間とか時間外の参加の改善でございますが、委員会、研修会等の開催は基本的には時間内に行うことといたしております。
 委員、御指摘のありました夜勤あるいは非番の後の参加とか時間外に及ぶ、こういうことのないよう総看護婦長を通じまして一層指導してまいりたいと、こう思っております。
 それから、抜本的な改善ということですが、今後におきましてもさらに類似の委員会の統合、あるいは短時間での効率的な会議の持ち方、あるいは研修会を選択性による自主参加にするなど、改善を進めてまいりたいと、こう思っております。

〇工藤篤委員長 ほかに質疑ありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇工藤篤委員長 質疑がないようでありますので、これで医療局関係の質疑を終わります。
 次に、地方労働委員会事務局長から地方労働委員会関係の説明を求めます。

〇菅原地方労働委員会事務局長 地方労働委員会関係の予算につきまして御説明を申し上げます。
 お手元の予算に関する説明書により御説明を申し上げますので、説明書の153ページをお開き願います。
 第5款労働費第3項労働委員会費のうち、1目委員会費3、587万円は委員の報酬及び委員会運営に要する経費であり、2目事務局費1億2、567万2、000円は事務局職員の人件費等、事務局の管理運営に要する経費であります。
 以上で、地方労働委員会関係の予算についての説明を終わります。よろしく御審議くださるよう、お願い申し上げます。

〇工藤篤委員長 ただいまの説明に対し質疑ありませんか。

〇樋下正信委員 簡潔にお聞きしたいと思います。
 平成11年度に地方労働委員会で処理した案件が何件で、どのような案件を処理したかお知らせをお願いします。

〇菅原地方労働委員会事務局長 本県の11年度の調整事件の関係でございますけれども、現在まで取り扱った調整事件は5件でございます。いずれもあっせんにかかわるものばかりでございます。前年度からの繰り越しはございませんので、一応5件ということでございます。うち、4件につきましては、調整が終結をいたしました。2件が双方に歩み寄りが見られまして、解決に至ってございます。また、1件は途中で取り下げになりました。また、1件が双方に歩み寄りがなくて解決の見込みが立たないということで、打ち切りとなってございます。それからもう1件につきましては、今月11日でございますが、先週でございますが、あっせん申請があったもので、来週の27日に関係者の方々にお集まりいただきましてあっせんを行う予定と、こうなってございます。
 中身でございますけれども、これらの業種につきましては、サービス関係が3件、それから運輸通信関係が1件、それから製造業が1件と、こういうことになっております。

〇工藤篤委員長 ほかに質疑ありませんか。

〇村上惠三委員 菅原地方労働委員会事務局長には、この3月をもって県を勇退されるとのことでありますので、この場をお借りいたしまして、これまでの御労苦に対し深く敬意を表し、一言御礼の言葉を申し上げたいと存じます。
 菅原事務局長は、昭和39年4月、教育委員会事務局秘書調査課を振り出しとして、36年の長きにわたり県の職員として歩んでこられましたが、この間、数々の主要なポストを歴任され、県政全般にその力量を遺憾なく発揮されてこられました。
 特にも、平成8年4月には、持ち前のバイタリティーとその幅広い識見、卓越した実行力を買われ、郷里宮古の地方振興局長として、沿岸地域の産業・観光振興に力量を発揮されたのであります。また、長年、福祉行政に尽力された行政手腕が評価され、平成9年4月には、保健福祉部次長に就任されたところであります。福祉行政に精通されております菅原さんは、平成8年10月施行されましたひとにやさしいまちづくり条例を基本として、ひとにやさしいまちづくり総合推進事業の具体化に取り組まれ、また、本年4月から実施される介護保険の導入に向けての下地づくりに尽力されたほか、県立大船渡病院、県立久慈病院に救命救急センターをそれぞれ併設するために努力されるなど、保健・医療分野においても、その豊富な行政経験を遺憾なく発揮されました。
 この間、日本経済は右肩上がりの発展が望み得べくもなく、戦後最悪の経済不況の中にあって、本県経済においても、いまだ不況を脱し切れない状況にありますが、限られた財源の中で、英知を絞って事務事業を選択し、県民の負託にこたえてこられ、本県の21世紀の輝かしい未来の礎を築かれてこられましたことに、感服いたしているところであります。
 昨年4月に、地方労働委員会事務局長に就任されてからは、その使命を十分に果たされ、公・労・使の各委員と緊密な関係を維持しながら、昨今の経済不況のもとで増加傾向にあり、また、複雑多岐にわたる事件に適時適切に対応し、本県における労使関係の安定に努力されてこられているところであります。
 ここに、これまでの御尽力と御努力に対し改めて敬意を表するとともに、心から感謝を申し上げる次第であります。
 菅原事務局長には、退職後も御健康には十分に留意され、さらなる御活躍をお祈り申し上げまして、御礼の言葉とさせていただきます。
 この際、県職員として36年間を振り返り、何か御所感の一端をお話しいただければ幸いに存じます。(拍手)

〇菅原地方労働委員会事務局長 ただいまは、村上委員さんから過分なる慰労のお言葉をいただきまして、まことに恐縮でございます。
 お言葉に甘えまして、若干36年間の県職員としての生活を振り返ってみたいと思います。
 私は、お話にございましたように、昭和39年の4月に岩手県に奉職をいたしました。昭和39年は御案内のとおり、東海道新幹線が開通し、10月10日には東京オリンピックが開催されるなど、日本経済は折からの建設ブームを反映して活況を呈しており、将来に明るい見通しを持ったものでございます。県職員としての出発は、県教育委員会事務局を皮切りに、総務部、環境保健部、土木部、生活福祉部そして現在の地方労働委員会事務局で仕事をさせていただきました。
 この間、東京、水沢、宮古などの地方公所を経験し、うち、数年は家族ともども勤務地で生活したこともございます。特に勤務が長かったのは、9年間の福祉と8年間の税務の仕事でございます。いずれも地味で忍耐の要る仕事ですが、県政の基本にかかわるこれらの仕事に従事できたことを、今も誇りに思っております。
 特に、福祉業務に関しましては、地域の人々と直接交わることが多く、生活の各場面において現実の厳しさをかいま見ることが間々ございました。福祉のさらなる必要性を身にしみて感じたところでございます。
 このほか、私にとって忘れられない思い出は、3年間の国体局勤務でございます。広報係として岩手国体成功に向けて、県のイメージアップや県民意識の高揚のためにPR活動に従事をいたしました。また、公害問題が全国的に話題になったころ、企業との公害防止協定や防止機器の資金貸し付けのため、県内のあちこちを調査して歩いたこと、そして企業誘致で都内を会社訪問して、本県の熱意と優位性を説いて回ったこと、その結果が県内立地に結びついたときのうれしさ、また、振興局において、地元商工会や青年会議所の皆さんと一緒になって地域活性化事業を考え、観光振興や特産物の販路拡大などに取り組んだことなど、思い出は尽きないところでございます。
 いずれにせよ、今日まで地方公務員として楽しく充実した生活を送ることができましたことは、ひとえに県はもとより、国や市町村の関係職員、そして県議会や関係団体等の方々の御指導、御支援によるものであり、ありがたく感謝にたえないところでございます。
 今後は、一県民、市民として、側面より県勢の発展を応援し見守ってまいりたいと思っております。
 県議会の議員方々におかれましても、お体に留意されまして、岩手県勢のさらなる伸展のために一層御活躍されますようお祈り申し上げまして、簡単でございますがお礼の言葉とさせていただきます。
 長い間お世話になりました。ありがとうございました。(拍手)

〇工藤篤委員長 これで地方労働委員会関係の質疑を終わります。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会します。
   午後3時43分 散 会


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