平成12年2月定例会 予算特別委員会会議録

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平成12年3月14日(火)
   

1開会  午前10時4分

1出席委員  別紙出席簿のとおり

1事務局職員
事務局長      和 美 宏 幸
議事課長      藤 沢 重 一
議事課長補佐    千 田 正 和
主任議事管理主査  浅 田 和 夫
議事管理主査    筒 井 則 裕
議事管理主査    森   達 也
議事管理主査    熊 谷 正 則
議事管理主査    下 山 義 彦

1説明員
副知事       千 葉 浩 一
 
総務部長              武 居 丈 二
総務部次長兼行政システム改革室長  盛 合 桂三郎
総務部次長兼県立大学室長      大 槌 典 男
参事兼秘書課長           保 坂 貢 一
総務学事課長            千 葉 俊 明
文書公開監             千 葉 英 寛
人事課長              邨 野 善 義
財政課長              池 田 克 典
施設管理課長            佐 藤 国 洋
税務課長              菅 原 晴 輝
消防防災課長            篠 谷   隆
火山対策監             小野寺   博
行政システム改革監         今 泉 敏 朗
 
企画振興部長            渡 辺   勲
企画振興部次長           佐 藤   勝
企画振興部次長           相 原 正 明
企画調整課長            本 田 敏 秋
地域政策課長            中 村 世 紀
市町村課長             瀬 脇   一
情報科学課長            古 澤 真 作
 
議会事務局長            和 美 宏 幸
議会事務局次長総務課長事務取扱   小野寺 文治郎
議事課長              藤 沢 重 一
調査課長              吉 岡 朋 子
   

〇工藤篤委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
 議案第1号から議案第21号まで、議案第29号から議案第37号まで、議案第39号、議案第41号から議案第46号まで、議案第48号から議案第51号まで、議案第54号、議案第55号、議案第57号、議案第58号、議案第60号、議案第62号、議案第65号及び議案第100号、以上49件を一括議題といたします。
 本日は、昨日に引き続き総括質疑を行った後、議会、総務部関係を終わるように進行いたしたいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 また、世話人会の申し合わせにより、質疑項目が複数ある場合、関連する事項についてはできるだけまとめて質疑されたいこと、また質疑及び答弁については簡潔明瞭に行い、午後5時を目途に審査が終了するよう議事進行に御協力をお願いいたします。
 なお、関連質疑については、質疑冒頭に質疑を表明している委員より優先して発言を認めているものでありますので、その性格上、関連性の強いもののみ短時間、簡潔に発言されるよう、また要望のみで終わることのないよう御協力をお願いいたします。
 総括説明に対する自由質疑を続行します。

〇斉藤信委員 日本共産党の斉藤信でございます。
 まず最初に、県政の基本問題についてお聞きします。小渕自自公政権のもとで、国と地方の借金が来年度末には645兆円、GDP──国内総生産比1.3倍となります。これは国民1人当たり510万円、4人家族なら2、040万円となる世界一の借金大国となるものであります。この水準は、第2次大戦の末期1943年の借金と同じ水準であります。こうした異常な財政破綻の状況をどう認識されているか。こうした国のやり方に追随する県の予算編成でいいのか、最初にお聞きします。

〇千葉副知事 お答え申し上げます。我が国の財政は、平成12年度末の公債残高が364兆円にも達する見込みでございます。これは、これまで景気回復に向けた諸施策に伴う歳出の増大や大幅な減税の実施などによるものとされております。極めて深刻な状況にあると認識しておるところでございまして、財政構造改革は避けて通れない課題であると考えております。なお、今後は国におきましては、我が国経済が民需中心の本格的な回復軌道に乗ることを確認の上で、財政、税制の諸課題について、21世紀の我が国経済社会のあるべき姿を展望しながら、抜本的な措置を講じることとしておりますので、県としてもその動向を見きわめながら、適切な財政運営に努めていきたいと考えております。
 なお、本県の予算編成は、限られた財源の中で、本県にとりまして必要な施策、事業について措置することといたしまして主体的に行ってきているものでございます。

〇斉藤信委員 645兆円に及ぶ借金の最大の理由は公共事業の拡大であります。私は一般質問で県財政の危機的な状況を指摘しましたが、この10年間で岩手県の場合でも公共事業が年間1、500億円ふえました。2、000億円から3、500億円であります。構成比でも約10%拡大をされました。この構造的ゆがみを正さなければ岩手県の財政危機の打開にならないんじゃないでしょうか。特に増田県政の5年間で5、338億円、借金は1.8倍にふやされました。この公共事業の異常な拡大、ばらまき路線を見直すべきと考えますがいかがでしょうか。
 今後とも公共事業が拡大したままで県政を推進していくのか。県債発行額、県債残高を減らす財政再建の計画はないのかお聞きします。

〇千葉副知事 公共事業は、それぞれの地域が自立的に発展していくための基礎的、社会的条件を整備する上で極めて重要な役割を果たしてきているわけでございます。とりわけ岩手のように基盤整備のおくれているところでは極めて重要な役割を果たしてきていると認識しております。これまでもその実施に当たりましては、厳しい財政環境の中にありまして、スクラップ・アンド・ビルドの原則を基本といたしまして、事務事業評価システム等による見直しを行うとともに、施策の重点化と効率的な推進を図るなど、創意と工夫を凝らしながら、緊急度、優先度の高い事業の厳選に努めてきたところでございます。今後におきましても、地域みずからの選択と責任で、地域が元気を出して、魅力的な地域づくりを進めることができるよう、そのための条件を整備するとの観点に立ちまして、中長期的な財政運営に配慮しながら、真に必要な社会資本の整備に取り組んでいくつもりでございます。

〇武居総務部長 県債発行についての御質問がございました。これまで行われてきました県債の発行は、人件費等の経常的経費への充当ではなく、本県の道路あるいは下水道等の生活基盤でございますとか、学校等の文教施設など将来にわたって便益をもたらす社会資本整備に充てられたものでございまして、特に平成4年度以降は、国の経済対策を活用しながら、立ちおくれている本県の社会資本整備を推進するため、この経済対策時のみに措置される有利な起債を活用してきたところでございますし、また、このほかに地方財政全体の財源不足のための財源対策債を発行してきたことなどによるものでございます。
 今後におきましては、県債の発行を極力抑制することとしておりまして、平成13年度から本格的に導入するバランスシート──これは実際には平成14年度の予算編成に反映していきたいと考えてございますが──などの発生主義会計の考え方によりまして、資産と負債の関係を明確にしながら、中長期的な見通しのもとに適切な財政運営に努めてまいりたいと考えております。
 なお、国に対しましては、特に地方債の県債発行の中身を分析しますと、財源不足のための財源対策債というもののウエートが高うございますので、地方一般財源の充実強化が図られるよう、引き続き強く働きかけてまいりたいと考えております。

〇斉藤信委員 中期財政見通しについて、私は県債発行額は減らないし、県債残高も減らないじゃないかと指摘したんですよ。これでは財政再建にならないじゃないですか。一方で、基金は700億円から300億円に減らすと、400億円も取り崩すという、これで中期財政見通しになるんですか。一昨年の財政見通しと全く違うじゃないですか。もう一回答えていただきたい。

〇武居総務部長 一昨年の中期財政見通しは、前提としまして新しい総合計画策定前の時点でのものでございましたし、国における財政構造改革、特に予算のいわゆる財政構造の伸びというものをむしろ凍結するという中でのものでございましたが、今回の中期財政見通しは新しい総合計画の推進という要請と、一方で財政の健全化の確保という両面の要請があるということで、平成12年度におきましては、一昨年に策定しました中期財政見通しの12年度における目標をすべてクリアした上で、今後もなおかつ両面の要請にこたえていくためにどのような見通しを立て、そのもとに予算編成をしていったらいいかということで策定したものでございますので、今後とも見通しを踏まえ、年度年度の予算編成に当たりましては、先ほど申し上げましたようなさまざまな分析手法も活用しながら、適切に対応してまいりたいと考えております。

〇斉藤信委員 ですから、財政再建にならない中期財政見通しを出して、その理由は総合計画の右肩上がりの計画にあったということですよね。それで、きょうの新聞報道にGDP比が年率5.5%マイナスと、これは国のやり方が公共事業拡大路線が景気回復に結びつかないと、はっきり示したものですよ。それで、私は岩手県の公共事業の拡大もこの景気回復、雇用の拡大に結びついてなかったということを一般質問で取り上げました。県内の公共事業は1985年、1、600億円投入されました。1998年には3、200億円、2倍に拡大しましたけれども、それによる雇用、就労者は逆に1日当たり2万2、500人から1万9、200人に大幅に減少しています。
 公共事業の資本金別発注推移も5、000万円未満の中小企業への発注が47.7%から32.6%に激減、一方で資本金1億円以上の大企業は31.1%から46.8%へ大幅に拡大をしています。この実態をどうとらえているか。
 公共事業の拡大、ばらまきが雇用拡大に結びついていないし、中小企業の仕事の確保にも結びついていない。こういうやり方を変えなければいけないんではないか。
 従来型の国に追随した公共事業の拡大は見直して、公共事業の規模をバブル経済の前の水準に戻す必要があるんじゃないでしょうか。私は、今、事業着手の公共事業を含めて、目的、経済効果、採算性、環境に対する影響などの角度から徹底的に見直すべきと思いますがいかがでしょうか。

〇千葉副知事 公共工事着工統計におきまして公共事業総工事費評価額がふえているのに雇用者数が減少している要因につきましては、現在、建設省において分析の作業を行っているところでございます。まだ対外的に公表できる段階にないというふうに伺っているところでございます。
 それから、資本金1億円以上の企業への発注がふえていることについてでございますけれども、91年に改正商法が施行されました。そして、株式会社の要件といたしまして、資本金1、000万円という最低資本金制度が導入されたところでございます。また、95年に改正建設業法が施行されまして、大規模工事を施工できる特定建設業者の資本金要件が強化されたところでございます。これは1、500万円から2、000万円に上がったわけでございますけれども、こういったところから業者全体として資本金が高額方向へシフトしている傾向が見られる。こういったことも高額資本金企業への発注割合が増加している要因の一つになっているのではないかと考えているところでございます。
 なお、県営工事におきましては、県内業者の育成と県内経済振興の見地から提出されました県議会からの意見書を踏まえまして、県内資格者で施工可能と認められる工事につきましては、県内業者に配慮した指名を行いまして、県内中小企業の発注率の向上に努めているところでございます。
 次に、公共事業評価の見直しについてでございますけれども、県では10年度から、新規着手箇所の評価と着手から一定の期間を経た事業の再評価からなる公共事業評価に取り組んでいるところでございます。公共事業評価につきましては、これまでも、必要性、緊急性、費用対効果の評価の充実に加えまして、現地調査の実施など、評価の精度の向上に努めてきたところでございます。
 また、平成12年度には、自然環境や生活環境保全の観点からの評価を充実するために、環境分野の専門家を委員会に加えることについても検討しておりますし、大規模構造物について景観に関する評価方法の充実に取り組んでまいりたいと考えております。今後も評価の方法について調査研究を重ねまして、公共事業のより一層の重点化、効率化を図ってまいりたいと考えております。

〇斉藤信委員 公共事業の事業評価について、平成10年度に大半やってしまったんですよ、不十分な形で。私はこれをやり直すべきだと思いますよ。今までの公共事業の評価で中止になった、縮小になったそういう事業は何ぼあるか、改めてお聞きします。
 それで、私はきょうは具体的に花巻空港の2、500メートル化についてお聞きします。現在の2、000メートルの滑走路の利用状況はどうなっているか。利用人員がこの間減少、停滞しているがなぜか。航空の自由化、いわゆる路線と運賃の自由化の影響は、私は地方空港にとって極めて重大な影響を受けると思いますがどう把握しているか。
 今後の利用客の予測、その根拠は私はなくなっているのではないかと思いますがいかがでしょうか。

〇渡辺企画振興部長 花巻空港2、500メートル化に関連しまして数点のお尋ねがございました。
 まず一つは、最近の花巻空港の利用状況ということでございますが、最近5カ年の利用者数を見ますと、平成6年度が41万3、000人、7年度が47万人、8年度は53万人と対前年で相当の数の伸びとなっておりまして、平成9年度、これは沖縄線、新潟線が相次いで開設されたことによりまして、ここでも対前年度で3.6%増の54万9、000人となってございます。平成10年度でございますが、対前年比で5.6%減の51万9、000人にとどまったところでございますが、これは、景気の低迷等による観光客やビジネス客の減少、さらには大阪便における使用機材の小型化などが影響したものではないかと考えてございます。なお、平成11年度でございますが、8月の岩手インターハイ開催の効果、あるいは九州地区からの観光客の伸び、それからもう一つ大阪線の提供座席数の増、再びちょっと大型になりましたので、それによって本年2月末現在では、対前年同期比で2.4%増、利用者数で1万1、000人の増となってございます。
 次に、航空の自由化の地方空港についての影響でございますが、今回の航空法の改正に伴う航空分野における規制緩和によって、地方路線については、収益性の低さから路線の撤退であるとか、あるいは運航便数の削減など、今後厳しい経営判断がなされる可能性はそれぞれあるものとされております。しかしながら、花巻空港の場合におきましては、これまでの利用実績はおおむね順調に推移してございまして、航空会社からも路線の撤退等の情報、これは入っていないところでございます。また、航空運賃の自由化によりましてさまざまな割引制度が導入されるなど、規制緩和のプラス方向の効果もあるのではないかと存じてございます。
 それから次に、航空需要の予測等でございますが、花巻空港の滑走路延長整備に当たりまして実施いたしました需要予測については、供用開始を平成16年度とし、その5年後の平成21年度の需要を90万人余りと見込んだところでございます。この需要予測は全国的に統一された手法によってなされたところでございまして、JR等の利用を含む全体の旅客流動を把握し、国の経済成長率の予測値によって将来の旅客総流動量を算出した上で、将来の花巻空港における航空分担率、これは交通手段を選択する際に料金、時間を勘案して、さまざまな交通機関の中で航空が選択される確率でございますが、この航空分担率を乗じて求めているところでございます。このように航空分野における規制緩和の影響につきましては、これが需要予測の算出の前提条件とはしていないところでございまして、今回の航空法の改正によって、需要予測の根拠がなくなっているということはないものと認識をいたしてございます。

〇千葉副知事 公共事業評価の関係でございますけれども、再評価した事業は平成10年、11年を合わせまして116件でございます。そのうち中止、休止した事業は広域基幹林道夏油湯田線と北本内ダムの2件となっております。

〇斉藤信委員 花巻空港の需要予測、2005年で84万3、000人、2010年で91万6、000人というんですよ。ここ数年間50万人台ですよ。これ2005年で80万人いくわけないじゃないですか。これは全く根拠がない。というのは、全国的に航空需要を過大に見積もって地方空港をどんどんつくっている。必要でもない関西国際空港の第2期工事をやろうとしている。国の基準でそのままやったらこれは現状は無視することになるんですよ。そういう点で2005年、80万人の根拠、ありますか。

〇渡辺企画振興部長 ただいまお話し申し上げましたとおり、国の航空需要予測、全国一律の基準でもってなされるものでございます。それに乗って、その上でこういう需要予測を出したものでございますので、御了解を賜りたいと思います。

〇斉藤信委員 全国で今そういう地方空港、関西国際空港などのむだ遣いが国政問題で大問題になっている。それに便乗したら私は花巻空港も大変な見通しを誤ってしまうと思うんです。臨空都市構想、ここでもこう言ってますよ。東北の他空港と比較して空港の利用頻度が花巻空港は低い。2、000メートルの滑走路をもっともっと活用すべきだと、活用した上で必要性が出たら2、500メートルを検討するというのが筋ではないか。例えば、国際チャーター便にしても台湾からのチャーター便がやっと来るようになった。これはいいことですよ。こういうことをもっともっと成果を上げて、2、000メートルでできることをやったらいいじゃないですか。そういうこともやらないで私は滑走路を延長しても、それだけで滑走路延長したからといって需要拡大にはならないと思うがどうですか。

〇渡辺企画振興部長 本県における国際化の進展等も視野に入れながら、交通の利便性を一層高めてまいると、こういう観点は当然必要だろうと存じます。委員お話しのとおり、2、500メートルになったから直ちにそうだということはございませんが、私どもただいまお話ししましたような本県の交通利便性能を高めるというような視点に立ちまして、なお一層、航空の利用促進に、飛行機の利用促進に努めてまいりたいと、かように存じてございます。

〇斉藤信委員 2、500メートルにする理由を二つ指摘されています。増大する空港需要と国際チャーター便の運航拡大ですよ。これが第1。第2は、降雪地にある就航率の向上です。増大する空港需要がなくて国際チャーター便も2、000メートルでもっとふやせるとするなら第1の理由は要らないじゃないですか。冬場の就航率、そんなに低いんですか。私は低くないと思いますよ。どうですか、この二つの理由。

〇渡辺企画振興部長 数値はただいま持ち合わせておりませんが、花巻空港における冬場の就航率、こういうものは一般的にかなり低いと言われているところでございますので、御了解をいただきたいと思います。

〇斉藤信委員 就航率が低いというのはとんでもない話ですよ。欠航原因、これはあなたからもらったものですよ。欠航数58のうち雪はたった8回ですよ。2、782回、これは定期便行っているんですよ。やっぱり現実を無視した、今でも十分2、000メートルで活用できる、この利用頻度が低いと言われている。これを活用して、そして必要なときに2、500メートルという投資をすべきだ。臨空都市構想では352億円の事業費となっていますけれども、この中身は何ですか。これにはターミナルの建設も入っているんですか。

〇渡辺企画振興部長 ハード部門につきましては、すべて所要の部局の数値を伺ってございまして、ただいま委員お話しされた数値も入れているものでございます。

〇斉藤信委員 答弁不能だ。本当にこれで2、500メートル滑走路で300億円も400億円も投入するということは私認められない。しかし、次に進みます。
 社会保障と公共事業の経済的波及効果、雇用効果について、最近の産業連関表に基づいて示していただきたい。1、000億円の最終需要が生じた場合、来年度予算の公共事業と社会保障部門の額、比率はどうなっているか。国と地方合わせて公共事業に50兆円、社会保障に20兆円投入されていますけれども、これは世界では異常で、欧米では社会保障が公共事業の3から6倍、これが常識です。岩手県の場合は国よりもそのゆがみが大きいと思います。予算の主役を公共事業から社会保障、県民の暮らし、福祉、教育に転換すべきと考えますがいかがでしょうか。

〇渡辺企画振興部長 社会保障と公共事業の経済効果、雇用効果ということでございますが、社会保障部門と公共事業部門、その定義さまざまであろうかと存じますが、その需要構造に着目したときに、社会保障部門は消費支出、すなわち生活の必要を満たすための財貨、サービスを利用したり消耗したりすることであるのに対しまして、公共事業部門は固定資本形成、すなわち建設物、機械設備等固定資本ストックの追加となる新規耐久消費財の購入でございまして、長期間にわたって収益をもたらす物的資本となるものでございます。したがって、元来、両部門は質的に異なるものでございますので、その波及効果について一概には比較いたしかねるものと存じてございます。仮に平成5年の1年間に行われた財貨、サービスの産業相互間の取引の状態を示す岩手県産業連関表によって、あえて社会保障部門と公共事業部門の経済波及効果について、一定の前提のもとに機械的に試算をいたしますと、両部門にそれぞれ1、000億円の最終需要が生じた場合の生産誘発額は、社会保障部門で1、640億円程度、公共事業部門では1、630億円程度と推計されるところでございます。
 一方、雇用効果でございますが、これはどのような前提を置くかによって極めてさまざまなケースが想定されるものでございまして、特にも経済波及効果が実際の雇用にどのように直接結びつくのかは明確ではございません。また、その分析手法も確立されているものでもございませんので、雇用の波及効果が幾らであると一概に論ずることはできないものと認識してございまして、私どもこの分析手法は採用していないところでございます。

〇斉藤信委員 都合の悪いのは答えないんですね。私は産業連関表に基づいて機械的にやっていただいた。雇用効果は社会保障部門の場合は3万131人、公共事業部門は1万2、810人ですよ。機械的に言ったらいいじゃないですか。それだけ社会保障の方が経済波及効果もあるし雇用効果にも結びつくと、今のゆがみを正すことが必要だということを私は指摘をしておきます。
 次に、介護保険と関連して国保税について質問いたします。
 介護保険が実施されることにかかわって、国保の医療費が減少すると思いますが、全県でおよそどのぐらいになりますか、国保加入世帯当たり、1人当たり幾らになるか示していただきたい。
 国保税滞納者の数と滞納額とその理由、滞納者に対する国保保険証未交付、資格証明書、短期保険証の発行数はどうなっているか。
 介護保険実施に伴って、上乗せになる額は幾らか。さらに滞納者が増加すると思うがどうか。滞納者に対するペナルティーが義務化されれば、県民の生命にかかわることになるがどうか。国保の医療費削減分は国保税の引き下げに回すべきと考えるがどうでしょうか。

〇工藤篤委員長 それでは、先ほどの件で答弁漏れありましたので、その前に武居総務部長。

〇武居総務部長 失礼いたしました。来年度予算の公共事業と社会保障部門の額の比率等につきましてお答えしたいと思います。
 まず、来年度の予算における公共事業と社会保障関係費の額につきましては、普通建設事業費が約2、804億円、前年度の6月現計予算と比較しましてこちら1.7%の減となっております。社会保障関係費につきましては、こちらにつきましては県の予算にはそのような費目がございませんので、便宜、県の予算科目の中から、福祉・医療及び雇用に関する民生費、衛生費、労働費及び諸支出金のうち社会保障関係費、こういったものを算出いたしますと約917億円でございます。これは一定の仮定を置いているものでございますけれども、前年度の6月現計予算と比較しまして、こちらは8.1%の増というふうになっておりまして、公共事業と社会保障関係費の比率は約3対1となっておりますが、最近の状況を見ますとその割合というものは縮小傾向にございます。
 それから、公共事業から予算を社会保障なり県民の暮らしなり、そういった部門に転換することについてのお話ございましたけれども、先ほど企画振興部長の答弁にもございましたように、消費サービスに対する部門と将来にわたるストックとして使われていく事業に対する投資というもの、性格を異にするものでございまして、新しい総合計画でもこれは両面相まって効果を発揮してこそ将来の岩手の振興発展につながるということでございますので、これにつきましてはそれぞれの必要に応じましてこれからも適切に予算での対応をしてまいりたいと考えております。

〇千葉副知事 介護保険の施行に伴いまして、来年度からはこれまで老人医療で医療を受けていた高齢者の医療費の一部が介護保険に回ることになります。したがって、その分、国保自体の医療費は減少するものと考えられるわけでございますけれども、国保における医療費の自然増や平成12年4月以降の診療報酬の改定等による医療費の増加要素が見込まれるところから、国保医療費は一概に減少するものとは言いがたいと考えているところでございます。なお、本県の国保について被保険者1人当たり医療保険減少額の確たる数字はございませんけれども、国の試算では1人当たり330円の減となっているものでございます。
 平成10年度末の国保税の滞納世帯でございますけれども2万5、315世帯で、滞納額は70億8、200万円となっております。滞納の理由につきましては、経済的事情によるものや医療保険制度に十分理解をいただけないケース等が主なものでございます。滞納者に対する国保保険証未交付は293件、資格証明書3件、短期被保険者証1、926件となっておるものでございます。これは平成12年2月1日現在の数値でございます。
 それから、介護保険実施に伴って上乗せになる額は、国の試算では市町村国保で、国庫負担分を除いて1人当たり月額1、280円となっているものでございます。滞納者の方々についてでございますけれども、滞納者の増加については現時点では不明でございます。滞納者に対しまして、今回の国保法の改正において対策が強化されたことなど、引き続き制度の周知を十分図るとともに、被保険者として皆保険たる医療保険制度の趣旨を御理解いただいた上、御負担いただくことが重要であると考えております。

〇斉藤信委員 大事なことは答えないので、老人医療費、私の調査だと約20億円減少します。これは1世帯当たり9、064円、これを国保の引き下げに回すべきじゃないでしょうか。もう一つは、今国保は103億6、100万円基金をため込んでいます。これは1世帯当たり4万7、000円です。今でさえ滞納者が多い。介護保険が上乗せされる。こういうときにこういう上乗せ分を引き下げるべきじゃないでしょうか。どうですか、もう一度答えてください。

〇千葉副知事 先ほど答弁申し上げましたとおり、一般的には老人保健の方に回っていくわけですから、医療費が減少するというふうに考えられがちでございますけれども、やはり老人でございますので、医療費の自然増ということも考えられます。それから、先ほど申し上げましたとおり、12年4月に診療報酬の改定が予定されております。この関係で今の段階で国保医療費が一概に減少するということは言えないという状況になっております。

〇小野寺好委員 公明党・小野寺好であります。幾つかお伺いいたします。
 まず、岩手県総合計画の視点の一つになっております情報についてであります。
 県の情報を発信、受信するためのハード面での整備がいろいろな事業名で計上されております。去る12月議会ではパソコン356台1億3、000万円、今回の補正でATM交換機9億円、新年度予算で情報ハイウェイ6億9、000万円、また地方振興局もパソコンを1人1台とする整備経費を含むオンラインシステム運営費として15億7、000万円、及びいわて行政情報システムに1億1、000万円などとなっております。かなりの設備投資でありますが、こうした情報化の基盤整備は総額幾らと想定し、どのような情報の発信、受信を考えているのでしょうか。
 さらに、操作についてでありますが、これは各自の責任において習得していくものか、あるいは講習会などを設けていくのかお伺いいたします。今後、操作できない職員は仕事ができないことになっていくのか心配いたしますが、いかがでしょうか。

〇渡辺企画振興部長 情報基盤整備のお尋ねでございます。
 まず、情報基盤の整備等に要する経費はどのくらいかということでございますが、現段階では総額で約27億2、000万円余でございます。その内訳を申し上げますと、まず第1に中核的な情報通信基盤としての役割を担います、いわて情報ハイウェイの構築に要する経費、これが総額で17億2、700万円となってございます。それから、二つ目に、県の行政情報化の推進に資する情報端末の整備、いわゆる一人1台パソコンの環境整備のための経費でございますが、8億9、000万円でございます。三つ目に、新しく整備される行政情報ネットワークを、職員一人一人が有効に利用、活用するためのシステムの開発等に要する経費として1億1、000万円をそれぞれ計上してございまして、これらの総額が約27億2、000万円余となってございます。
 次に、整備された情報通信基盤、これの活用についてでございますが、このネットワークを活用しまして、当面、遠隔病理診断支援システム等、医療分野の利用であるとか、県内学校間の交流ネットワークや学校でのインターネット活用等、教育分野の利用、それから県、市町村間の災害情報システム等、防災分野の利用、県政情報を提供する住民情報システムや生涯学習ネットワークなどの県民利用、あるいは電子メールやテレビ会議システムなどの行政分野での利用等々を予定しているところでございます。今後ともこれらにつきましては、地域、そして県民の視点に立って、いわて情報ハイウェイの利用システムの開発を促進し、県民生活の利便性の向上、産業の活性化を促進してまいりたいと、かように考えてございます。
 それから、これの職員の操作方法の習得ということでございますが、高度情報化の進展に対応いたしまして、行政分野におきましても、情報ネットワーク等による情報の共有化や業務の効率化が求められてございます。そして、職員一人一人の意識が高まるように、情報機器の操作能力の向上を図ることが極めて重要であると考えてございます。こうしたことから、これまでにも職員を対象といたしまして、情報化の最新動向等を学び、意識の高揚を図るための研修であるとか、あるいはパソコンの操作や各種の情報処理のためのソフトウエアの操作の習得を目的とした研修、さらには財団法人、地方自治情報センターが主催する専門的な研修への派遣等を体系的に実施し、その操作方法の習得に努めてまいったところでございます。平成12年度におきましては、職員の操作能力に応じて効果的な研修ができるように、引き続き体系的な研修の実施に努める一方、新たに導入するソフトウエアをホームページ上で職員が自己学習できるシステムを構築することといたしてございます。今後ともこうした研修の充実により、すべての職員が必要とされる情報機器の操作能力を習得できるよう努めてまいります。

〇小野寺好委員 総職員定数についてであります。知事部局は5、266人のままでありますが、事務事業のボリュームは毎年異なると思いますが、実数はどうなっているのか、臨時職員の数とともにお示しいただきたいと思います。
 国は25%の削減を打ち出しましたが、本県においての検討の必要性はいかがでしょうか。
 また、職員を県出資等法人その他に派遣した場合、定数に欠員が生じたことになるのでしょうか。その際、その職員の給与はどこから支払われているのかお伺いいたします。
 次に、歳入の中に県競馬組合の配分金がことしは予定されておりません。11年度当初予算の場合1億6、500万円でありました。これまでの傾向からして売り上げが伸びず旧競馬場の売却金も入らないとして、返済のための借り入れをするようなことになっていった場合、構成団体である県はどのような立場になっていくのでしょうか。

〇武居総務部長 まず、県職員の総数についてでございますけれども、平成12年2月1日現在、定数条例の対象となる知事部局の職員の数は4、915人でございます。このほか市町村でございますとか、公共的団体などに派遣している職員、また休職者などの定数条例の対象外となる職員につきましても、派遣の終了後、休職からの復帰などによりまして、条例定数の対象になりますことから、これらの職員も条例定数の範囲内で一体的に定数管理をしているところでございまして、これらの職員210人を合わせますと5、125人というふうになるところでございます。また、期限つき臨時職員についての数ということでございましたが、約840人を任用しておりまして、おおむね県職員との割合は6対1になります。
 それから、定数管理につきましては、厳しい財政環境の中で全体の職員定数を増加する状況にはないところでございまして、こういったことから本県では昭和63年以降3次にわたりまして定数管理計画を策定してきております。こういったことで定数削減に取り組んできておりまして、全国的にも定数抑制の取り組みは最も進んでいる県の一つでございますけれども、歳出総額に占める人件費の割合も平成10年度決算で24.3%と過去最低水準になっております。こういった中での今後の定数管理計画ということでございますけれども、これは昨年2月に策定いたしまして、平成11年から5年間で平成10年4月1日の職員数、これは5、151人というものが母数になるんですが、これの5%を縮減、それから1%を純減することとしております。
 それから、出資法人に派遣している職員の取り扱いについてでございますけれども、派遣職員につきましては、条例に基づきまして、法令の規定あるいは県の行政運営上、県が援助または配慮することが必要と認められる団体に対しまして、県職員としての身分を有したまま派遣しているところでございます。また、派遣職員の服務などの取り扱いにつきましては、職員派遣事務取扱要領の規定に基づきまして、この要領により、給与につきましては派遣先が負担することとされております。

〇千葉副知事 岩手県競馬組合は、地方競馬の実施に関する事務等を行うため設立された一部事務組合でございますが、組合の経費は、競馬事業から生じます収入等をもって支弁することとされております。また、不足があるときは、岩手県競馬組合規約第11条の規定によりまして、その不足額を構成団体である岩手県、水沢市及び盛岡市が一定割合で負担することとされているところでございます。この割合でございますけれども、これは収益配分金の配分割合と同じでございまして、岩手県が55%、水沢市25%、盛岡市20%、こういう形で負担する形になっています。ただ、今まで他県の例等も見ましても、単年度収支が赤字になった場合でも構成団体が負担したという例はないようでございます。大体他の場合、単年度赤字が出た場合には翌年度の歳入の繰り上げ充用でもって対応しているというのがほとんどのようでございます。

〇小野寺好委員 防災ヘリコプターであります。点検整備等の日を除いて出動可能な日数は、過去の出動日数から見てことしは年間どのくらいと予定しているのでしょうか。もし稼働割合が低く、救急用として利用できるとすれば、どのような場合に出動を要請できるのかといった使用基準はどのように考えていますでしょうか。
 なお、他県で救急用として利用している例があればお伺いいたします。
 次に、財団法人クリーンいわて事業団に対し運営費をことしも3、000万円余補助し、さらに無利子貸付金12億円を予定していますが、これまで利用料金の改定を行うなどの努力を重ねてきたようでありますが、業務開始から4年経過しての現在の状況と今後の業務量、経営見通しをお伺いいたします。

〇武居総務部長 防災ヘリコプターの出動可能日数でございますが、平成11年の場合は修理日数等に若干変動がございましたけれども、11年に関して申し上げますと、おおむね300日程度が出動可能というふうに考えてございます。なお、この中には天候不順等の部分は入ってございませんけれども、そういった計算になるところでございます。
 それから、過去の出動回数とそれから救急出動の回数につきましては、平成11年につきましては290回出動を既にしておりまして、救急出動が17回となっておりまして、ここ3年ほど見ましても救急出動の回数がふえてきている状況にございます。
 他県におけるヘリコプターの救急出動の状況はどうかということでございましたが、これは10年のデータでございますけれども、全国43の都道府県に67機のヘリコプターがございまして、トータルで760件の救急出動回数がございますので、これ1機当たりに換算しますと11件ということになりますので、本県、ことし17回出動しておりますので、平均よりも若干多い出動回数になっているところでございます。
 また、基準等というお話ございましたが、救急業務に関しまして消防庁の方で本年2月に救急ヘリコプターの出動基準ガイドラインというものを定めまして、これに基づきまして一層の救急業務を推進していただきたいという要請も来ているところでございますので、私ども既に救急業務に携わっているところでございますが、このガイドラインに基づいた新しい体制づくりを本年の夏ごろを目途に整備したいと考えてございまして、こういったことによりまして消防本部なり市町村経由で救急搬送の要請があった場合に、一層の対応が可能になるものと考えているところでございます。

〇千葉副知事 クリーンセンターの受け入れ状況でございますけれども、初年度の受け入れ量が当初目標の12.6%と大幅に下回ったところでございます。しかし、そのセンターの利用促進に向けた営業活動等によりまして、平成11年度は焼却対象ごみの増加がふえたわけでございまして、運転時間の延長を図ったところから、1月末現在で116%の受け入れと、目標を上回る伸びとなっているところでございます。
 今後の見通しでございますけれども、初期投資が大きく、12年度以降に借入金償還のピークを迎えることになります。また、規制強化による施設改良などから、なお10年程度は赤字の状態が続くのではないかと見込んでいるところでございます。今後、排出事業者を個別に訪問するなど企業努力を行いまして、一層の利用率の向上に努力していきたいと考えております。

〇小野寺好委員 無認可保育所についてお伺いいたします。
 設置者の事情や父母の都合で、認可を受けていない保育所に乳幼児を預けざるを得ないという現実があります。さきの少子化対策特例交付金は、こうした無認可保育所も対象にはなりましたが、当然、同格の扱いにはなりませんでした。この無認可保育所について県として、どのように把握してどう対応していくのかお尋ねいたします。
 次に、海外貿易の振興についてでありますが、本県の扱う輸出入の量と総額について、近年の傾向をお伺いいたします。
 また、県産品の販路拡大のためのアンテナショップを開設したこともありましたが、その後の状況をお尋ねいたします。
 なお、インランド・デポについて何か動きがあればお示しいただければと思います。

〇千葉副知事 最初に、無認可保育所の関係でございますけれども、平成11年現在、従業員の子供を対象とする事業所内保育施設を除いた無認可保育施設は66カ所、利用児童数は1、700人となっております。
 それから、平成11年度に実施されました少子化対策臨時特例交付金の無認可保育施設への助成状況は、14市町村、15施設となっているところでございます。一部には保育士の配置や施設整備面で問題を有する施設もあるわけでございますけれども、大半の施設は、多様な保育ニーズに応じた弾力的な運営などによりまして、認可保育所を補完する役割を果たしているものと受けとめているところでございます。
 県における具体的な対応でございますけれども、入所児童の健全な発育と安全を確保する観点から、適正な施設運営を図るため、毎年度立ち入り調査を行いまして必要な指導を行っておるところでございます。また、平成10年度から無認可保育施設の施設整備や運営状況等について、認可保育所の情報とあわせまして地域住民に積極的に提供するよう市町村を指導しているところでございます。また、保育所職員や事業所内保育施設の保育従事者の研修を行うに当たりましては、無認可保育施設職員も含めて実施し、無認可保育施設の職員の資質の向上を図っているところでございます。国におきましては、待機児童の解消の課題に、より一層柔軟に対応するため、保育所の設置主体制限の撤廃などの規制緩和が平成12年度に予定されているところでございます。これらの動向を見ながら、引き続き適切な指導に努めてまいりたいと考えております。
 次に、海外貿易の関係でございますけれども、ジェトロ盛岡貿易情報センターの調査によりますと、本県の輸出入量については公表されておりませんが、平成10年の本県の輸出向け出荷額は1、283億円と、前年の1、241億円から3.4%の増となっておるところでございます。なお、平成3年をピークに伸び悩みの傾向にございます。また、平成10年の輸入実績は433億円でございまして、前年の443億円から2.3%の減となっているものでございます。
 次に、海外貿易の関係でございますけれども、海外におけるアンテナショップは、北米における県産品の販路開拓を図るために、平成7年度から9年度までアメリカ合衆国ロサンゼルスに設置したところでございますが、平成9年11月、設置先のスーパーの事情等により閉鎖したところでございます。その後アンテナショップの成果を生かして、民間企業が平成10年からロサンゼルスを中心とした13店舗との取引を新たに開始しておりまして、県ではこれまで3回にわたりまして物産展を開催するなど、その支援と販路拡大に努めているところでございます。アンテナショップを開設した平成7年度以降、10年度までの4カ年の輸出は、総額で9、800万円余となっておりますが、現在では一部の商品が定番化いたしまして、商業ベースでの取引に発展するなど販路開拓の成果が徐々にあらわれてきております。今後におきましては、商業ベースでの通年取引が定着するよう、民間主体による物産展の開催などの取り組みを支援してまいりたいというふう考えます。
 それから、インランド・デポの関係でございますけれども、県におきましては昨年の11月、函館税関との行政連絡会の際、インランド・デポ設置に関して意見交換を行ったところでございます。また、北上市においても、昨年11月にインランド・デポ実現に向けたキャンペーンを実施するなど、保税蔵置場の利用促進に努めているところでございます。なお、本年3月27日、函館税関職員が北上市を視察いたしまして、翌28日には函館税関と県で情報交換を行うことにいたしております。

〇小野寺好委員 農業後継者がいなくなった場合の耕作地はどのように扱われているのかお尋ねいたします。
 生産手段である農地は、同時に資産でもあり、譲渡は容易でないはずであります。本県における離農者の農地流動化の程度をお伺いいたします。
 また、非農業者が農地を取得することはできませんが、行政の仲介で市民農園として活用できるとも聞いておりますが、県の方針をお伺いいたします。
 あわせて、いわゆる脱サラ等の全くの新規就農者の現状、人数とか所得、また借入金の返済、こういったことはどうなっていますか、お伺いいたします。
 次に、ナイロン漁網、発泡スチロール魚箱、FRP漁船など軽くて水に強く腐らない石油製品はとても重宝でありますが、やがて廃棄する段になると単純に埋設や焼却するわけにはいかず難儀いたします。この種の漁業系廃棄物はだれの責任において、どのように処理されているのかお伺いいたします。
 また、生活雑排水がストレートに海に注いでいる様子を目にいたしますが、公共下水道あるいは漁業集落排水といった汚水処理対策の進みぐあい、湾内汚染の変化、よく変わっているのか、悪く変わっているのか、そういった部分もお伺いいたします。

〇千葉副知事 農地の流動化の関係でございますけれども、農業委員会の調査によりますと、平成9年に農地の売り渡しまたは貸し付けをして農業を廃止した農家は、県全体で71戸、その面積は31.5ヘクタールとなっております。これらの農地のその後の利用につきましては、親戚や近隣の農家に譲り渡したり、貸し付けるほか、一部の農地につきましては、農業保有合理化法人が買い入れまして、担い手に売り渡すこととしております。こうした形で農地流動化がされているものと見込んでいるところでございます。
 それから、市民農園の関係でございますけれども、県におきましては、平成3年に市民農園整備促進法に基づきまして、市民農園の整備に関する基本方針を策定・公表いたしまして、農地の有効活用や都市と農村の交流の場として、市民農園の整備促進を図っているところでございます。開設に当たりましては、開設工事費や啓蒙普及費、管理人手当などに対しまして助成制度が設けられているところでございます。
 なお、平成11年4月1日現在の県内の設置数は28農園となっておりまして、開設者は市町村、農協、農家等となっているものでございます。
 新規就農者の状況でございますけれども、近年、県内の脱サラ等の新規就農者数は年間15人から20人程度となっております。また、非農家出身者が農業を開始する場合には、経営基盤が全くないところからスタートするわけでございまして、一定の所得を確保し、経営が安定するまでには、就農後5年程度の年数が必要であると言われているところでございます。このようなことから、新規就農者の経営の早期の安定を図るため、県におきましては、国の資金の一部償還免除措置を講じているほか、来年度から、新たに県単独の低利融資制度を創設したところでございます。
 なお、新規就農者の借入金の返済状況は、現在、諸制度による貸付金はおおむね計画的に返納されているところでございます。
 次に、沿岸部におきます環境問題でございますけれども、ナイロン漁網、発泡スチロール魚箱やFRP漁船などを廃棄する場合には、廃棄物の処理及び清掃に関する法律によりまして産業廃棄物として規定されているところから、排出者みずからの責任において、県の許可を受けた廃棄物処理業者に委託するなどして、適正に処理することとなっております。
 このような漁業系の産業廃棄物につきましては、漁港の利用上の障害や環境保全の問題などもあるところから、関係機関との連携をとりながら、その適正処理について指導していくことにいたしております。
 水質保全の関係でございますけれども、沿岸部における下水道等の汚水処理施設の整備率は、平成10年度末で25.3%となっておりまして、年々向上してはおりますけれども、まだ低い整備率でございます。平成10年5月に策定いたしました新・全県域汚水適正処理構想におきましては、汚水処理施設の整備を積極的に促進することとしておりまして、平成22年度の目標といたしまして、全県で80%を設定しているところでございます。
 水質でございますけれども、16の水域を対象として毎年測定しているものでございます。海域の汚れの代表的指標でございますCODの近年の環境基準達成率を見ますと、ほぼ90%前後を横ばいで推移しておりますので、おおむね良好な水質を維持しているものと考えております。

〇小野寺好委員 ことしは特に交通死亡事故が多発しておりますが、原因をどのように分析して対応していますでしょうか。昨年の一般質問で、優良ドライバーを積極的に顕彰してはどうでしょうかとお伺いいたしましたが、その後、新たなこの種の取り組みがありましたら御紹介いただきたいと思います。
 最後に、独居老人の現状と今後の対応についてお伺いいたします。
 人生の総仕上げとも言うべき最期を孤独に終え、数日後に発見されるようでは、本人でなくても、余りにも無念であります。本県における施設入居者以外の独居老人数の変化、及び行政としてできる生活支援のあり方、特に資産管理については、政令後見人という制度が4月より予定されておりますが、この点についてもお伺いいたします。

〇千葉副知事 交通事故の関係でございますけれども、死亡事故を含めまして、残念ながら多発している状況でございます。特徴としては、国道での発生が最も多い状況になっております。また、これもそうでございますけれども、65歳以上の高齢者の死亡が最も多くて、このうち道路横断などの歩行中の死亡が多くなっております。また、薄暮の時間帯から夜間にかけての事故が多く、特に16時から20時の時間帯に多く発生しているようでございます。この傾向はここ何年か変わっていないということでございます。
 こういったことに対しまして、県警を初め、関係機関、団体と密接な連携をとりながら、次のような対策を講じているところでございます。一つは、主要幹線道路での指導取り締まりの強化、あるいは夜光反射材の着用促進などの高齢者対策、参加・体験・実践型の交通安全教育の推進や薄暮から夜間にかけての広報車、パトカー等による注意の喚起、こういった対策を講じているところでございます。
 それから、優良ドライバー等への取り組みでございますけれども、現在、各地域において市町村等が優良ドライバー等の顕彰を行う各種交通安全コンクールを実施いたしております。これらの地域におけるきめ細かい啓発活動の拡大に取り組んでいるところでございます。また、コンクールの内容も、地域の実態に応じ創意工夫を凝らしたものがふえてきております。例えば、行政区や自治会の対抗、事業所対抗、こういったものが出てきております。
 県民運動におきましても、これら交通安全コンクールの普及拡大に努めておりまして、交通安全功労者表彰、優良運転者表彰など、既存の顕彰制度と相まって相乗効果が発揮されるよう取り組んでいるところでございます。
 次に、独居老人の関係でございますけれども、在宅のひとり暮らし高齢者は、平成7年で2万1、000人、全高齢者の7.4%であったものが、平成10年は2万3、000人、全高齢者の8.1%となっております。今後は、平成12年は3万1、000人、平成17年には3万9、000人、平成22年には4万8、000人に増加するものと予測しているところでございます。
 これらに対する生活支援の関係でございますけれども、住みなれた地域で自立した生活が継続できるよう、配食や移送、軽度生活支援サービス、生きがい対応型デイサービス等の支援サービスの充実を図るとともに、自宅での生活に不安のある高齢者のために、ケアハウスや高齢者生活福祉センター等の生活支援型施設の整備を進めてまいることにいたしております。
 また、孤独感や不安感を解消いたしまして安心して暮らせるよう、地域活動交流センターや老人クラブでの地域活動に参加できる環境づくりを進めるとともに、地域住民、ボランティア等による訪問、見守り、家事援助等の活動促進や緊急時の連絡体制の整備等を進めてまいる考えであります。
 また、財産の保管・管理等でございますけれども、本年度から、地域福祉権利擁護センターにおきまして、日常的な金銭管理、これは通帳とか権利証等の保管とか、あるいは利用料の支払い代行など、こういったものを実施しているところでございます。

〇阿部富雄委員 個人情報の保護について、県は、個人情報保護制度検討委員会において検討され、本年1月にその報告がなされています。その内容を見ると、OECD理事会勧告等で示された8原則を踏まえ、制度化を図ることとしており、おおむね評価できるものの、保護対象とする個人情報の範囲、開示や訂正請求の権利などを明確にすることが必要であります。また、国の新たな個人情報保護制度との整合性も求められるところですが、制度化に向けた課題の検討や策定スケジュールをどう進めていくのかお伺いします。
 県内のほとんどの市町村では、個人情報保護について、電子計算機処理に関する個人情報のみを対象とする条例を制定していますが、いわゆる手作業(マニュアル)についても制度化を図り、個人情報保護を図る必要があります。市町村への要請をどのように行うのかお伺いします。
 住民基本台帳法の一部を改正する法律が公布され、氏名、住所、性別及び生年月日の情報が、法に基づき他の行政機関に提供が可能となるとともに、住民票コードを付与することとなりました。住民票コードについては、将来他の分野で利用されることや国民総背番号制につながり、国の管理が強まることが懸念されておりますが、住民票コードについてどのように考えているのかお伺いいたします。

〇武居総務部長 個人情報の保護についてでございますが、昨年9月に庁内に検討委員会を設置いたしまして、個人情報保護制度の創設に向けまして、県が保有する個人情報の開示請求を県民の権利とすることや個人情報の適正な管理方法、民間事業者における個人情報の取り扱い等を検討してきているところでございます。
 今後の検討課題でございますが、保護対象とする個人情報の範囲でございまして、例えば、個人事業者の事業情報の取り扱いでございますとか、いわゆるマニュアル情報の対象範囲なども検討していかなくてはならないと考えてございますし、また、このほか、県が保有する個人情報に関する収集・利用、提供のあり方でございますとか、非開示情報の範囲、こういった検討、さらに民間の事業者が保有する個人情報の取り扱いに係るところの県の指導等の具体的内容でございますとか、苦情処理・相談窓口の機能、国等との役割分担などが今後の検討課題として挙げられるところでございます。
 また、こうした課題につきまして、幅広い見地から、また専門的観点からの検討を行うため、民間有識者で構成します個人情報保護制度懇話会を設置いたしまして、本年秋ごろを目途に御提言をいただくなど、準備作業を進めているところでございまして、遅くとも平成13年度中の条例の施行を目指したいと考えてございます。
 なお、委員御指摘もございましたように、これは平成14年度中の施行とも聞いているところでございますが、国が検討を進めております個人情報保護基本法との調整を図る必要が出てまいります。したがいまして、この基本法のアウトラインと申しましょうか、方向性というものが出てまいりますれば、そういったものと条例に盛り込む内容との整合というものもとっていきたいと考えてございますが、本制度は県民生活に深くかかわるものでありますことから、4月から施行を予定しておりますパブリック・コメント制度によりまして、広く県民から意見を求めて、条例の内容に反映させていきたいと考えております。

〇渡辺企画振興部長 まず、個人情報の保護についての市町村への要請についてでございますが、個人情報の保護につきましては、地方公共団体が保有する情報に対する住民の権利利益の保護の観点から、これまでも条例の制定について市町村に対して要請をしてまいったところでございます。
 本年2月1日現在で、個人情報保護施策を制度化している市町村は56でございまして、内訳は、電子計算機処理に係る情報のみを対象として条例等を制定している市町村が50、そして、電子計算機処理に係る情報に加え、手作業処理に係る情報も対象として条例を制定している市町村が六つでございます。
 県といたしましては、今後におきましても、まだ条例を制定していない市町村や手作業処理について制度化していない市町村に対して、引き続き通知するとか、あるいは市町村人事主管課長会議等におきまして、条例の制定あるいは必要な見直し等を要請してまいりたいと考えてございます。
 住民基本台帳法の一部改正に係る住民基本コードについてどう考えるのかということでございますが、これは、住民の利便を増進し行政の合理化に資するものと存じてございます。
 住民基本台帳法の一部改正によりまして、住民票の広域交付や行政機関へ本人確認のための情報を提供することなどを可能とする、住民基本台帳ネットワークシステムを整備することとなったものでございまして、このシステム、地方公共団体が共同して整備するシステムであり、保有される情報も、本人確認のための氏名、住所、性別、生年月日、この4情報と住民票コードの最小限のものに限られてございます。また、法律上明確な根拠を有する分野のみに利用が限定されるなど、個人情報保護に最大限配慮したものとなってございます。
 このシステムによって、本人確認を行うために、全国共通の重複しないコードを住民票に設定するものでございまして、この住民票コードは、乱数群からランダムに市町村が設定するということになっているほか、住民の請求によっては変更することも可能である。そして、生涯変わらない番号を国が一元管理するようなものではないということでございます。
 このシステムの実施に当たりましては、個人情報の保護が十分徹底されることが重要でございまして、国におきましては、プライバシー保護の徹底を図るため、民間部門を対象とした個人情報保護に関する法整備等を進めると伺っているところでございます。
 県といたしましても、都道府県の推進協議会あるいは県内市町村の連絡会におきまして、個人情報の保護に十分配慮しながら、このシステムの構築を取り進めてまいりたいと考えてございます。

〇阿部富雄委員 個人情報の保護についての検討課題については、秋ごろをめどに有識者の方から考え方を出していただくということでありますから、いずれ、また別途意見を述べる機会があると思いますので、この程度にさせていただいて、次に進めさせていただきます。
 県は、2月29日、久慈地方振興局保健福祉環境部の不正貸し付けで26人、大迫町の補助事業事務処理不適正問題で32人の県職員の処分を行いました。県職員の大量処分は、平成10年3月の食糧費の不正支出問題で、部局長ら475人の処分以来とのことであります。
 一部の県職員が憂慮すべき不祥事を引き起こし、続発したことが、県政に対する県民の信頼を失墜させ、県政や公務員に厳しい批判を招いています。県職員は、その職務は県民から負託され、公務員であることにかんがみ、職務の執行の公正さに対する県民の疑惑や不信を招くような行為の防止を図り、県民の信頼を確保することが必要です。
 国は、平成12年4月から施行される国家公務員倫理法に基づく倫理規程を定めることとしており、本県においても適切な措置を講ずる必要があります。県職員は、県民に対し不当な差別的扱いをしてはならず、常に公正な職務の執行に当たるとともに、その職務や地位を私的利益のために用いてはならず、県民の疑惑や不信を招くような行為をしてはならないこと。事業者からの贈与等を原則として受け取らない、受け取ったとき、あるいは報酬の支払いを受けたときは報告を義務づける。また、株取引、所得などの報告も義務づけるなどの職員倫理規程を定めるべきですが、その対応についてお伺いいたします。

〇武居総務部長 ただいま委員御指摘ございました国家公務員倫理法につきましては、昨年8月9日に成立しまして、同月13日に公布ということで、この4月1日から施行されることとされております。法に基づく国家公務員倫理規程がほぼ固まったものと私ども伺っているところでございまして、今月中には公布される見込みと聞いております。
 国家公務員倫理法につきましては、職員が遵守すべき職務に係る倫理の原則でございますとか、先ほど御指摘ございました贈与、株取引、所得の報告等についての規定がございます。また、地方公務員につきましても、法に基づく国の施策に準じて必要な施策を講ずるよう努めることも、あわせて規定しているところでございます。
 したがいまして、県といたしましては、法の趣旨に沿って必要な制度を設けたいと考えているところでございますが、条例、規程など、どのような形で制度をつくるのか、また、盛り込む内容をどうするかなどにつきましては、この4月に開催が予定されるとも聞いておりますが、国の自治省の方の説明会などを踏まえまして、検討してまいりたいと考えております。

〇阿部富雄委員 必要な制度を設けたいということでありますから、ぜひ早急に。私は条例が好ましいと思っておりますけれども、いわゆる内部規程でおさまるというようなことのないように、ぜひ条例制定という方向でお願い申し上げておきたいと思います。
 次に、最近の我が国の経済状況について、政府は、各種政策効果やアジア経済の回復などの影響で穏やかな改善が続いていると。しかし、現在までのところ、民間需要に支えられた自律的回復には至っていない。平成11年度の国内総生産の実質的成長率が0.6%になると見込んでいます。まず、こうした国の状況を踏まえて、県経済についてはどのようにとらえているのかお伺いいたします。
 平成12年度予算は、積極的に景気対策に対応するとして、国の15カ月予算に対応し、生活関連社会資本の整備促進を図るため、景気の本格的な回復を図る観点から積極的な対応を行った平成11年度を超える事業費3、615億円余を確保し、現下の厳しい金融情勢に配慮して、中小企業金融の円滑化対策を推進するため、新規貸付枠を69億円増加、厳しい雇用情勢に対応するため、雇用対策として6億6、600万円を手当てしているわけでありますけれども、これら景気対応を行うことによって、平成12年度の県経済の見通しはどのように推移すると見込んでいるのか、お示し願いたいと思います。

〇渡辺企画振興部長 県経済の現状と今後の見通しについてでございますが、本県の景気の現状につきましては、最近の主要経済指標に照らし、去る2月24日に公表いたしました最近の景況のとおり、大型小売店販売は前年割れが続いており、有効求人倍率は依然として低水準となっている。一方、このところ低調だった乗用車販売、住宅建設がともに前年水準を上回り、鉱工業生産は基調として持ち直しており、国内景気よりは幾分緩やかながら、回復基調にあるものと認識いたしてございます。
 平成12年度の県経済の見通しについてでございますが、国は、本年1月28日に閣議決定いたしました平成12年度の経済見通しと経済運営の基本的態度におきまして、経済新生対策を初めとする諸施策を推進することによって、景気は、年度後半には民需中心の本格的回復軌道に乗るとしまして、1%程度の実質経済成長率を見込んでいるところでございます。
 県におきましては、国の経済新生対策に呼応して、平成12年度当初予算、平成11年度補正予算等を通じまして、積極的な景気対策を行うことといたしてございます。これまでの傾向といたしまして、県内経済は、若干ずれはございますが、国内経済に対応して推移しておりますことから、おおむね国内景気の動向に沿って推移するものと期待しているところでございます。
 ちなみに、こうした本県の景気対策が本県経済に与える波及効果はどうかということを、念のため平成12年度当初予算の公共事業費から用地費を除いた分について産業連関表を用いて計算してみますと、大体、対象経費の1.59倍程度の効果があるのかというところが推計されているところでございます。

〇阿部富雄委員 ここ何年か、国の景気対策に対応して県も大幅な公共事業等の事業執行を行ってきたわけですけれども、岩手県として見た場合に、どこに景気回復の目標、目的を置いているかというのは全く見えないわけであります。今、部長がお話しされたように、国の経済に対応して財政措置、財政出動をやっているということであって、どこまで行ったら本当に岩手県経済が自立できるのか、あるいは地域の経済がよくなるかという全くの目安がないわけです。したがって、私は、岩手県の経済が自立するということは基本的には難しいことは十分理解いたしますけれども、県としての経済はこうあるべきだというものに向かって、本来であれば財政投資、出動をするべきだと考えているわけであります。このことについて部長はどのようにお考えになっているのか、お伺いしたいと思います。
 それから、平成12年度の予算執行に当たっては、介護、教育、保育あるいは環境、それぞれの事業において雇用創出につながるような予算措置をしていると思いますけれども、これらの効果はどのように見込んでおられるのかお伺いいたします。

〇渡辺企画振興部長 本県の経済がどういった形でというお話でございますが、もちろん、経済は本来的に閉鎖的なものではないということが基本だろうと思います。特にも、これからグローバリゼーション等々の進展によりまして、いろいろな影響を受けるものであろうと存じます。ただ、私ども本県のあるべき姿ということで、さきに公表いたしました新総合計画におきまして、2010年における五つの社会ということで、そのあるべき姿を、一応そうでありたいということを示しました。また、一方におきまして、経済の見通しにつきましてもお示ししたところでございまして、そういったものを目指してまいるということであろうと存じてございます。

〇阿部富雄委員 いずれ、また別の機会に論議させていただきたいと思いますので、次に進めさせていただきます。
 次に、胆沢ダムの基本計画の変更についてお伺いしたいと思います。
 まず最初に、基本計画策定時点と今日の経済状況が大きく変化していることはだれもが周知のとおりでありますけれども、こうした経済状況の変化にかんがみて、ダムの目的、あるいは効果については、やっぱり検討されたのかどうか、このことを私はお伺いしたいわけであります。
 まず、洪水調整についてでありますけれども、調整容量が大きいということは洪水被害の軽減につながる、それはそのとおりでありますけれども、ただ、北上川流域の洪水については、胆沢ダムのみならず、北上川5大ダム群によって洪水調整をするという基本的な考え方で進められているわけであります。特に、一関市の狐禅寺と言われる狭窄部における洪水現象を防止するためにこうした措置がとられているわけでありますが、こういうことを考えていった場合に、一関遊水地の堤防の整備状況などとあわせて検討すべきでありますが、こうした検討はどのようにされたのか。
 それから、かんがい用水、水道水の供給についても、需要はふえると思いますけれども、果たして、総合計画の中を見ても、人口の減少は避けられないという言い方をしているわけでありますし、さらに農業を取り巻く情勢も大きく変化しているわけであります。したがって、こうした状況についてはどのような検討をされたのか、お伺いいたします。

〇千葉副知事 胆沢ダムの関係でございますけれども、胆沢ダムは北上川上流ダム群の一つといたしまして、一関遊水地とともに、一体となって洪水調節を行う治水対策上のかなめとして位置づけられまして、建設が進められてきたところでございます。特にも昭和56年8月豪雨の災害を初めといたしまして、平成2年9月や平成10年8月など、住宅や農地などに甚大な被害を頻繁に受けてきたところから、早期完成を図る必要があると考えているところでございます。
 まず、かんがいの関係でございますけれども、当初計画時点と現時点の受益面積を比較すると、大きな変化はないような状況でございます。また、当初計画時点から転作を見込んでおりまして、かんがい用水の需要に大きな変化はないと考えているところでございます。
 また、農業用水の現在の不足量でございますけれども、年間の不足量は7、840万トン、干ばつ時の需要予測は年間で1億5、830万トンを予定しているところでございます。
 また、かんがいだけでなくて水道関係もあるわけでございますけれども、水沢、江刺、金ヶ崎、前沢、胆沢町の2市3町で構成します水道企業団の関係でございますが、この企業団が平成2年に作成しました当初の水需要予測は、2市3町の総人口が約1万5、000人増加するという考え方をもとにしたものでございますが、平成10年度に水需要予測を見直すに当たりまして、総人口はほぼ横ばいに推移するという考え方で予測し直したものでございます。この見直しの結果、総人口はふえないものの、当該区域の水道普及率が上昇することによりまして、給水人口が平成40年度に約3万人増加することになります。また、下水道や合併処理浄化槽の普及による水洗化等によりまして、水需要が増加すると見込んだところでございます。これらによりまして、平成40年度には、1日当たり4万3、500立方メートルの不足が生じるものと予測したものでございまして、この不足する水道用水を胆沢ダムにより確保しようという計画でございます。

〇阿部富雄委員 また、これも別の機会にさせていただきたいと思います。
 最後になりますが、磐井・南光病院の移転についてお伺いいたします。
 平成8年9月13日に、磐井・南光病院の移転地として前堀地区を内定する。そして、平成10年10月13日に、移転候補地に変更がある場合は、平成11年1月末までにお知らせ願いたいという文書を発出、そして、本年2月4日に至って狐禅寺大平地区を内定する、こういう形で、前堀地区については3年半もの間翻弄され続けてきたわけであります。この間、土地所有者は、基本的に病院建設に協力するということで、土地の流動化などについてはできるだけ避けて、土地の利用が大きく制限されてきたと言っても過言ではないわけであります。
 そこで、前堀地区の皆さんからは、内定が取り消された今、病院にかわる地域振興策あるいは施設の整備が何とかならないのかという問題が出されているわけでありますが、県としても、県施策あるいは施設について十分配慮、支援すべきと思いますが、このことについてお伺いいたします。

〇千葉副知事 前堀地区の地権者の方々と一関市と、今後の取り扱いについて今協議していると伺っています。ただ、県といたしましても、これまでの経緯もあるわけでございますので、一関市の方からいろいろ相談がなされた場合には、制度上許容される範囲で御協力申し上げたいと考えております。

〇工藤篤委員長 ほかに質疑ありませんか。

〇佐藤正春委員 副知事、1年ぶりの再会でございました。
 まずもって、私は競馬場の方から伺います。
 今までいろいろと御質問があったわけでございますので、省略いたします。言うなれば、盛岡市及び水沢市の配分金が、平成11年度はゼロということで補正予算が可決されたということは、御案内のとおりでございます。
 私は、この新盛岡競馬場につきましては、7年2月県議会、9年2月県議会等において、このような事態になりますよと副知事に申し上げてきた、警告を発してきたんですが、お忘れじゃないと思うんです。一生懸命走った馬も、とってもばかばかしくてやっていられないと、こう言っていました。
 知事は、配分金ゼロは収入減によるもので仕方がない。盛岡市と連携し、同市内の旧競馬場跡地の売却処分を早めたいという見解のようですが、これは当たり前なんです。ただし、企業経営者で言えば、土地の売却収入は臨時収入でございますよ。これは特別利益であって、本業での収入増が厳しいのであれば、一般管理経費の見直しを行うことが当たり前のことでございます。
 そこで、企業で言えば具体的なリストラ方策を今後どのように考えていくのか。きのうの答弁では、馬券の売り上げ、あるいは特別職の人件費の見直しと言っているんですから──見直しと言っているんですから、いわばリストラだ。これはどのようにしていくのか。また、今後の収支見込み等をどのように把握しておられるのか、配分金の復活時期を含め、千葉副知事、これは私は何回も質問しておりますから、改めて御所見を伺いたい。
 ついでだけれども、むだ買いした億単位の絵とか馬のブロンズはどうなりましたか。あれも売ったらいいじゃないですか。その点もひとつお答えいただきたい。
 次、第三セクターについて伺います。
 第三セクターについては、答弁では、これはいわて藤沢を含めまして、市町村の約半分は赤字だと言っているんです。そこで私は、欠損金を生じている県出資の法人はどれだけあるか、欠損はどのようか、これはきのう答弁がございました。これはわかりました。わかりましたから、これはいいです。これは答えなくていいよ。1回聞いたものを、ときどき答える人がいるんだ。
 そこで、次に聞きたいことは、これら欠損の原因をどのように分析しているか。それから、県出資法人の累積欠損金のそもそもの責任の所在はどこにあるか明らかにしてもらいたい。いわゆる倒産──和議等法律に基づく手続の開始、2、不渡手形を2度出し、取引停止、3、経営者失踪等──の心配はないのかと、県民の大方は不思議に思っているのではないかと思う。民間会社であればとうに倒産するはずなのに、倒産しないのはなぜか。
 次に、欠損を生じているこれら法人に対する補助金、貸付金、損失補償など、県の支援状況は12年度予算においてはどうなっているんですか。これらは結局県民の負担になるのでしょうが、どうしてここまで支援をしなければならないのか。そのような支援なしに経営が維持できないというのなら、そもそも会社形式を採用している理由がないのではないか。会社は、安易に支援に頼り過ぎるのではないか。本来の役割を終了したというならば、解散したらどうですか。総務部長、解散したらどうですか。この点について。
 次は、国旗・国歌。
 昨年の8月13日、法律第127号国旗及び国歌に関する法律、第1条、国旗は日章旗とする、第2条、国歌は君が代とする。その国に住む国民は法律を守る義務がある。知事は、この法律をどのように遵守しますか。県政の場でどのように県民にアピールしますか。また、教育委員会は、各学校の教育現場でどのように守るように指示しておりますか、お尋ねいたします。
 それから、審議会の女性登用について。
 ここに、月刊とうほく財界なるものが私のもとに送られてきております。某テレビ局に関係する人のようでございます。
 県の審議会、公的機関への女性登用についてでございますが、女性の登用については、知事も我々議会も積極的で、議会も、女性議員が2名御当選され活躍しておられます。県では女性委員の割合について、平成10年24.3%、17年33%、22年50%を目指している。しかるに、このような水を差すような記事でありまして、まことに残念であります。このO氏なる人は、県の公的機関を含めて25ほどの役員をなさっておられるようでございますが、増田知事の朝食会のメンバーであります。私はその朝食会には呼ばれたことがない、全くけなりなようなものでございます。
 県の審議会等、公的機関の委員はどのように選ばれておりますか。また、現在何人在籍して、兼職は何人ですか。この選び方に問題がありませんか、ありますか。あったらひとつお答え願います。まず第1回。

〇千葉副知事 競馬組合の関係でございますけれども、競馬組合は、最近の景況を受けまして、なかなか経営が厳しい状況に追い込まれております。ただ、幸いなことに入場者がふえておるので、これから景況が回復すればという期待感はあるものでございます。
 ところで、競馬組合のリストラの関係でございますけれども、まず歳入の関係では、きのうも御答弁申し上げましたが、勝馬投票券の種類をふやす、あるいは他の競馬場との連携の強化による馬券の発売委託、あるいは発売受託など、そういったもので増収を図ってまいりたいと考えているところでございます。
 それから、歳出の関係でございますけれども、平成11年度の予算編成では、開催経費や運営経費を7%ばかり縮減を図ったところでございますが、平成12年度には、さらに10%削減を目標としているところでございます。また、特別職、一般職等の人件費等にも切り込みを行っているところでございます。
 また、競馬組合の職員の条例上の定数は51名でございますけれども、平成12年には退職者不補充等で現員を46名という形にすることになっております。まず、こういったことで切り込みをしていきたいということでございます。
 ただ、いろいろ問題がありますので、組合とすれば、中長期的な対策もあわせて考えていきたいということで、いわゆるマスコミ関係とか経済関係者を中心といたしまして、岩手競馬運営改善委員会を設置しまして、これらの方々に今後の競馬組合のあり方その他について、いろいろ御意見を承ることにしておるところでございます。したがって、組合では、今後この委員会から出されたものを中心に、経営改善策を立てていくことにしております。
 それから、一体今後の状況はどうかということでございますけれども、残念ながら、今の情勢からいきますと、入場人員がふえるということでございますけれども、なかなか馬券の方には結びつかないというような状況になっていますので、大幅な増加は見込めないのではないかということでございます。
 それから、収益金の配分の関係でございますけれども、今の段階では見通しが立っておりません。運営改善策が軌道に乗りまして、早期に経営が安定すれば、その段階でまた復帰ができるのではないかと考えております。
 それから、国旗の関係でございますけれども、昨年8月に法律が制定されました。成文法となったわけでございますけれども、県といたしましては、従前から知事室、県庁舎、地区合同庁舎等において、国旗の掲揚をしておるところでございます。また、県の戦没者の追悼式あるいは身障者スポーツ大会等のイベントで、国歌は斉唱しているところでございます。
 法律の制定後、国の通知を受けまして、県内市町村、県関係機関に対しまして周知を図るなど、法律制定の趣旨を踏まえながら対処してきたところでございまして、今後も、そのような観点から適切に対応していきたいと考えております。
 それから、教育委員会の関係でございますけれども、法律の制定にかかわらず、以前から、学習指導要領によりまして、入学式や卒業式などにおいて国旗を掲揚するとともに、国歌を斉唱するよう指導してきたところでございまして、県内の小中高校におきましては、100%これが実施されているところでございます。
 それから、審議会の関係でございますけれども、審議会は幅広い知識や専門的な知識、あるいは豊富な経験に基づく的確な御意見をいただくために、各界、各層の方々にお願いしているものでございます。選任に当たりましては、法令等の定めがあるものはこれに従いますし、その他、ないものにつきましては、設置の目的に沿って、学識経験者、関係団体や関係行政機関の職員などから、適切な人選を行っているところでございます。
 それから、兼職している関係でございますけれども、一番多いのは8機関でございます。これは1人ございます。それから、七つの審議会が2人、6機関3人、5機関11人、4機関25人、3機関53人、2機関134人となっております。
 なお、一番多い8機関の1人は、市長会会長となっておるところでございます。
 なお、先ほどお話がありました絵画とかブロンズの関係ですけれども、購入したということは知っておりますが、その後どう処理されているかということについては、承知しておりません。

〇武居総務部長 県出資等法人につきましてでございますが、累積欠損の主な原因につきましては、現在、個別の法人の具体的指導につきましては各所管部局において行っておりますけれども、御案内のように、県出資等法人の見直しを現在鋭意進めておりまして、新たに実施しました運営状況の評価結果に基づきまして、私どもの方から各部局に対してヒアリングを実施しております。
 そのヒアリングの状況等を踏まえました累積欠損の主な原因でございますが、大きく分けますと三つございますが、一つは、業績の低迷によるものが4法人ございます。例えば、社団法人岩手県肉牛生産公社、これは、牛肉の輸入自由化等に伴う枝肉の下落等ございますけれども、こういったものでございますとか、三陸鉄道、これは構造的な沿線人口の減少とかモータリゼーションの進展といったこともございます。また、宿泊関係で岩手県国民年金福祉協会でございますとか、岩手県勤労者福祉協会、こういったものが業績低迷でございます。
 それから、初期段階で特に大きな設備投資が必要で、回収をこれから段階的に行っていくものがございます。これは2団体ございまして、オイルターミナル株式会社と盛岡ステーションビルでございます。
 それから、これは今後大いに議論していかなければいけない部分もあろうかと思いますが、公的関与の必要性ということで、当面黒字は見込まれないけれども、必要性から現在事業を推進しているというものがございます。先ほどの他の委員からの御質問にもございました、財団法人クリーンいわて事業団がございます。それから、岩手ソフトウェアセンターがございます。この2法人でございます。
 そのほか、その他で1法人、岩手県畜産物価格安定基金協会がございますが、これは、決算処理上の問題で欠損が生じた形になっておりますが、時間のずれでございまして、実質的には累積欠損とはなっていない状況でございます。
 それから、県の支援状況が平成12年度予算でどうなっているのかという御質問でございましたが、大きく欠損を生じている法人に対する補助金、貸付金、損失補償等の状況でございますが、法人の運営支援に係るもので平成12年度予算案に計上しているものは大きく2種類ございますが、一つは補助金でございます。これは合計で4、100万円ございますが、一つは岩手県肉牛生産公社に1、000万円でございます。それから、財団法人クリーンいわて事業団に3、100万円でございます。それから、貸付金は22億5、900万円ございますが、4団体ございまして、肉牛生産公社が9億5、900万円、クリーンいわて事業団が12億円、岩手県勤労者福祉協会が5、000万円、ポニースクールいわてが5、000万円となっております。
 それから、こういった出資法人の運営の責任の所在でございますけれども、県が出資している法人といえども、基本的には独立した事業主体でございますので、それぞれの法人が経営責任を明確に持つべきものであると感じているところでございます。
 一方、私ども今ヒアリングを実施しておりますが、県出資等法人の中には、県の施策の推進の面から採算面で厳しい事業を行っているケースや、社会情勢の変化に伴いまして当初の予測と大きく違ってきまして採算面で合わなくなってきているものなど、実施している事業の性格によっては一概に事業の実施主体の経営責任のみに帰することのできない面も、分析の中では見られるところでございます。
 しかしながら、基本的には、こういったものも含めまして社会経済情勢の変化に対応し、事業の意義の見直しでございますとか、簡素で効率的な執行体制を確立するために、より一層の整理合理化を推進する必要があると考えておりまして、今年度から外部有識者の方々に専門調査員をお願いするとともに、現在、公社等運営協議会におきましても、専門部会を設置しまして、外部の厳しい目から御意見をいただいているところでございます。これらの御意見を踏まえまして、設立目的が達成され存続の必要性がないもの、社会経済情勢の変化により施策を推進する必要性が乏しくなったもの、県行政とのかかわりが小さくなったものなどにつきましては、統廃合や出資の引き揚げなどの整理合理化につきまして、厳正に検討を進めてまいりたいと考えております。

〇工藤篤委員長 佐藤正春委員の質疑中でありますが、この際、昼食のため、午後1時まで休憩いたします。
   午前11時58分 休 憩
 
   午後1時3分 再 開

〇工藤篤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 午前中の説明に対する質疑を続行いたします。

〇佐藤正春委員 まず、議事進行について。委員長に申し上げるけれども、答弁がなってないんだよ、副知事でも総務部長でも。ただ10分間過ぎればいいと思って、何となくすれすれのところをよけて言われたんじゃ、全然これは質問にならないじゃないの。副知事、競馬場の問題だってそうですよ。聞いているんでしょう。あなたおっしゃっているんじゃないですか。特別職を含めて私はリストラをどうするんだ、やりますと言っているんだから、どういうふうにやるんだか答えなきゃわからないでしょう。それから、ぜいたくな馬っこの絵、何億円で買ったもの、売りなさいと言ったら、売るのか売らないのか全然答えていないじゃないですか、そういうことも。総務部長もそうだ。総務部長もこの第三セクターについて、それはなぜ倒産しないのか具体的に聞いているでしょう。和議なのか、あるいは不渡りが出たのか何なのか、取引停止になったのか、経営者が失踪、全然答えてないじゃないですか、あなた方。それじゃ何のための総括質疑かわからないじゃないですか。委員長、まず注意をしてください。

〇工藤篤委員長 ただいまの佐藤正春委員の議事進行に対しまして、もう一度答弁をさせますので、御了承願います。

〇千葉副知事 まず、リストラの関係でございますけれども、管理者、それから副管理者、競馬議会の議員の報酬、それから出納長、監査役、監査委員、それらの報酬等は全部減額するというふうに伺っております。
 それから、絵画とかブロンズ像の話がありましたけれども、競馬組合はこれは法で認められた特別地方公共団体でございますので、県がそれについて、例えばブロンズ像を売れとか、それから絵画を処分しろというようなことは、これは制度上制約があって私はできないと思います。したがって、それらについて今まで指導した経緯はございません。

〇武居総務部長 民間企業との比較で倒産に関するお尋ねがございましたが、先ほど私12年度の予算で県の支援等の状況をお話ししたものですから、これで答弁したというふうに理解しておったんですが、もう少し付言させていただきますと、第三セクター等出資法人につきましても、処理の手続、あるいは倒産、あるいは清算の手続というものは法的手続による清算から任意の清算、あるいはもし仮にこれを将来存続させていくとした場合に、法的手続による再建、それから任意による再建まで幾つかのケースが想定されるわけでございますが、現在私どもが出資法人の見直しで検討している法人につきまして、そういったこれから会社を処理していくという段階に今の段階ではまだ検討が進んでおりません。これは現在の見直しの中でヒアリングをしながら今後の方針を決めていくことになるわけでございますが、先ほど申しましたように、県出資等法人指導監督事務要綱の対象となる53の中で、累積欠損を計上している法人がございます。それらが現在経営が維持されているという理由につきましては、先ほど申し上げましたように、肉牛生産公社であれば県からの運営費補助でございますとか、運営資金の貸し付けによる支援でございますとか、こういったものがなされているところでございます。あるいは三陸鉄道でございますと三陸鉄道の運営助成基金というものがございますが、そういった基金からの運営補助がなされているとか、それぞれ現在累積の欠損を抱えている会社につきましても、それぞれ会社を存続させていくためにどのような資金融通がされて、毎年度の経営が存続しているかという理由は私ども分析しているところでございますが、これからこれらの出資法人について、さらに継続してこのようなものを続けていくべきなのかどうかにつきましても、今回の見直しの検討の中で厳正にヒアリングを行い、その中で結論を出してまいりたいと考えております。

〇工藤篤委員長 佐藤正春委員に申し上げます。進行に御協力願います。

〇佐藤正春委員 今のところあれだが、総務部長、第三セクターは市町村の約半分は赤字だと言っているんだから、見直し検討じゃなく、やはりあるときはこれは決断しなければだめだ。
 そこで、一番問題になっているのはいわて藤沢なんですが、これが約13億5、000万円、この返済方法はどうなりますか。特にこのいわて藤沢に残す6億4、500万円の借入金、7億1、036万円の未収金、これは何でしょうか。設備投資の残額と言っていますが、これは回収不能金でしょう。未収金じゃないでしょう。この点について。
 それから、日の丸、国歌、現在卒業式、入学式が行われているわけでございますが、高校あるいは小中学校の実態はどうですか。これら法律違反に対する処置はどうしますか。教育委員会の指示に対する違反はどのようにこれを処置しますか。この点について。

〇渡辺企画振興部長 いわて藤沢の関連でございますが、お話のとおり、いわて藤沢、第三セクターの統合再編ということで、藤沢町農業開発公社にいわて藤沢の業務を継承することによりまして、生産部門と流通部門を一本化すると、こういうことでございますが、この再編によってもいわて藤沢はなお存続することになりまして、これまでの長期借入金の負債が残ることから、町では、この長期借入金等につきましても、今後の13億円余の償還に対する補助を行う予定というふうに伺ってございます。
 なお、第三セクターに対する町の財政支援のあり方につきましては、基本的には、町議会と町当局にゆだねられるべきものであり、現在、町議会でも開会中であるということでございますが、第三セクターの経営悪化という問題は、市町村財政に重大な支障を来すものということでございますので、県といたしましては、藤沢町に対しても、財政運営の健全化、そういった観点から関心を持ちながら、その推移を注視し、そして必要な助言を行ってまいりたいと考えております。
 それから、未収金のお尋ねでございますが、未収金の問題につきましては、藤沢町のいわて藤沢の長期借入金につきまして、現在の長期借入金7億1、036万円、これは平成23年度まで、また12年度に借り入れる予定の長期借入金6億4、500万円につきましては、平成27年度まで、それぞれ町が補助金として支出し財政支援を行っていくというふうに伺ってございまして、いわて藤沢から金融機関に対する返済については、町の財政支援によって、平成23年度あるいは27年度まで毎年度返済していくというふうに伺っているところでございます。
 それから、未収金の問題でございますが、この借入金の6億4、500万円につきましては、運転資金として借り入れた短期借入金の一部を平成12年度において長期借入金とすると。それで、未収金というお話ございましたが、7億1、036万円、これにつきましては設立時における施設整備等のために借り入れた資金の償還に対して、町が債務負担行為で補助金を支出することとしていることから、この後、後年度分の補助金を貸借対照表上、未収金として計上しているものというふうに伺ってございます。

〇千葉副知事 岩手県の小学校、中学校、高等学校におきましては、平成3年以来すべての学校で入学式等において国旗を掲揚し、国歌を斉唱いたしております。なお、法が制定する以前は学習指導要領に基づいて学校を指導しておったわけですけれども、この学習指導要領は法規としての性格を持っておるというふうに文部大臣が言っております。したがって、これに違反すれば処分の対象になるものというふうに考えます。

〇佐藤正春委員 副知事、今聞いているとなかなか県内では日の丸についてはやっておられるようですが、これは好ましいことですか。一部では反対の方もおられるようですが、あなたたちどうですか、これは。非常にいいことだと思っているのかどうか。
 それから、企画振興部長、この未収金というのは回収不能金でしょう、これは、どうなの。ここははっきりひとつお願いします。

〇千葉副知事 日本国民として国旗を掲揚し国歌を斉唱するということは、極めて大事なことでありまして、これはいいことだというふうに考えております。

〇渡辺企画振興部長 未収金という計上は中身がこれは回収不能じゃないかということでございますが、町が債務負担行為によって補助金として支出するということで、会社としては債権としてとらえ未収金という計上をしたものというふうに聞いてございます。

〇佐藤正春委員 それじゃ最後、後でもう一回、あなたの、あした詳しく聞きますから。
 最後に一つ申し上げますが、今、石原都政が非常に脚光を浴びているわけですよ。それは東京だけじゃないんです。増田県政でもやることは同じことなんです。それは、外形標準課税を初め、都内を走るディーゼル車に排ガスフィルター装置を義務づける規制など、これは石原知事が考えたものではありません。知事就任以前から都の職員が発案し検討してきたものでございます。石原知事は、だれが提案したかではなく、何を提案したかだけを重視すると、こう述べておられます。職員提案は昨年は4、290人が応募したそうです。職員も多いんですがね。本県でもたしか同じ制度があったがどうなっていますか。
 また、せっかくの知事のアイデア、県政改革、一部ポジションへの異動希望者は7人どまりと聞いております。こうして比較してみますと、東京、三重、宮城、高知に岩手は無理して肩を並べているんじゃないですか。岩手県は無理しているんじゃないですか。知事に職員がついていけないのか、職員に知事がついていけないのか。折しも職員の異動時期でございます。議員から見ると余り有能でない一部の高級幹部がところてん式に上がってきて、回転ずしのようにぐるぐる回っております。ここらで思い切って副知事、あなた人事担当なんだから、思い切って石原知事のように、局長19人を退職させ、若手4人を局長にし、13人抜きで副知事にしているんですよ、石原知事というのは。そこまでまねすればいいんだな。思い切って副知事あるいは各全部長を入れかえてみたらどうですか。
 今の岩手県庁は、知事と職員はインターネットではつながっておりますが心がつながっておりません。そのことにお気づきですか。やがて県民がそのことに気がついたときにはもう遅いんですよ。副知事、一言お願い申し上げます。以上、終わり。

〇武居総務部長 職員提案の応募状況についてのお尋ねでございますけれども、本県におきましても職員提案は、職員の県行政に対する建設的な意見を奨励することによって、職員の県行政に対する参加意識の高揚と行政運営の改善を図ることを目的といたしまして、これまでも実施してきているところでございます。平成11年度は、グループ提案を含めまして225件、延べ579人の提案が寄せられたところでございまして、これは職員定数等々を比較しますと、岩手も東京もほぼ提案率11%なので、本県としても一生懸命頑張っているんではないかというふうに私自身は感じているところでございますけれども、このうち46件について今後の政策や改善に反映させることとしているところでございます。

〇千葉副知事 東京都には20万人近い職員がおるわけでございまして、そこと知事部局で5、000人の岩手では人事の手法というものはおのずと異なってくると思います。岩手県は岩手県なりの人事の異動方針でもって、これからも人事をやってまいります。なお、私を含めて総入れかえしたらどうかという話でございますけれども、参考意見として伺っておきます。
 それから、職員のパソコンの関係でございますけれども、今多くの民間会社ではトップと下とのメールの交換がなされておりまして、意思決定、情報交換も全部そういった形でやっていると、いわゆるペーパーレスの時代が来ているわけでございまして、岩手県もやはり来るべき情報化に向けて、今職員すべてにパソコンを配置して、そういう時代に対応していこうということでやっております。ただ、そういうことによって職員間と知事との意思の疎通がないんじゃないかということでございますけれども、知事は定例的に各部局との懇談をやっております。それから、課長クラス、課長補佐、係長クラス、そして地方振興局の職員ともいろいろと意見交換をやっているところでございます。そういったことで知事との意思疎通は私は十分なされているものというふうに考えているところでございます。

〇工藤篤委員長 ほかに質疑ありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇工藤篤委員長 質疑がないようでありますので、これで総括説明に対する質疑を終わります。
 副知事ほか執行部の方々は御苦労さまでした。
 これより各部局別の審査に入ります。
 最初に、議会事務局長から議会関係の説明を求めます。

〇和美議会事務局長 平成12年度の議会関係の歳出予算について御説明申し上げます。
 議案その1の6ページをお開き願います。第1款議会費は総額14億9、820万円余でありますが、この詳細につきましては、便宜、予算に関する説明書により御説明申し上げます。予算に関する説明書の87ページをお開き願います。1目議会費の10億7、001万円余は、議員51人の報酬、旅費等議会運営に要する経費であります。次に、2目事務局費の4億604万円余は、議会事務局職員34人の分の人件費及び事務費等で、事務局の管理運営に要する経費であります。次に、88ページをお開き願います。3目議員会館費の2、214万円余は、議員会館の管理運営に要する経費であります。
 以上で議会関係の予算についての説明を終わりますが、よろしく御審議のほどお願いいたします。

〇工藤篤委員長 ただいまの説明に対し質疑ありませんか。

〇佐藤正春委員 日ごろ議会事務局の皆さんは大変に御苦労さんでございます。なぜ私が議会事務局の職員に気を使っているかというと、足りない人員で精いっぱい議員の活動を補佐していただいているからでございます。本来ならば県民の代表である議員の活動を支障なく補佐するのが当然でございます。私はかつてそのことに関し職員の増員、せめて1議員に1人ぐらいと要望してまいりましたが、その後どうなっていますか。
 いよいよ地方分権の時代となり、議会が今までのように行政の言いなりになるような賛成機関であってはなりません。私がいつも申し上げているように、民が官をリードする。県民の代表である議会が県政をつくり執行部をリードしていかなくてはなりません。特に今予算を見てもおわかりのとおり、地方財政が厳しくなり、県政の優先順位が執行部中心で決められるのでなくて、議会が中心で政策を立案し実行に移すべきであると思うのでございます。
 議員の議案調査権は自治法112条に定められており、これからは議会側から政策条例案をどしどし出すべきものと思われます。しかし、残念ながら議員の政策立案に関する情報、法令、先例、国の上位法の関連、あるいはさまざまな問題は他県の状況などの調査事務、特に法律に関する職員が不足し十分なる議員活動ができません。いわば行政法に詳しい職員を何ぼしたって3人ぐらい入れてもらわなくてはね、とても。私たちは今回初めて県議会側から政策条例案を提出する予定でございます。このことについても議会事務局の見解と責任分担について伺っておきます。再質問はなし。

〇和美議会事務局長 まず、かつて、1議員に1人くらいの職員をとの要望したがどうなっているかということでございます。
 平成9年の12月定例会におきまして、佐藤委員から事務局職員の増員についての御発言がありました。その後、実質的な増員は行っておりませんが、まず現行の職員数の中で最大限努力をするという、こういうことを基本といたしまして、平成10年度から、特に事務局の調査能力と機動性を高めるために、調査課の体制を見直しまして、調査係を主査制に改め、課長補佐級の主任主査と係長級の主査、主任を配置して対応させていただいているところでございます。今後におきましては、大変厳しい行財政環境の中ではありますが、議員の皆様の活動が十分に行われますよう、さらに、組織などの見直しや職員の増員についても検討してまいる考えでございます。
 それから次に、調査、法制機能に関する事務局の見解と責任分担についてでございますが、地方分権の時代に入りまして、住民の代表として執行機関を監視するとともに、政策を立案し、そして意思決定を行う議会の役割はますます重要になると、このように認識をいたしております。
 また、議員の皆様が議会活動を十分に行うことができるよう努めることが、これは事務局の使命でございますけれども、特に政策立案機能、調査機能、法制機能の充実を図ることが肝要であると、このように考えております。このような観点から、今申し上げました三つの機能の向上を図ることを基本といたしまして、その実現に努めているところでございます。今後さらに努力してまいりたいと、このように考えております。
 それから、条例案の作成過程における事務局との責任分担についてでございますけれども、政策的な条例案の場合は、事務局として条例案文の内容、背景といった関連情報の収集とか整理などがありますほか、議員の皆様が発議案作成に至るまでの判断材料を御提供するなど、事務局が一体となりまして事務レベルでできる段階まで対応させていただくと、このようになります。一方、例えば議員の皆様の資産等の公開とか、それから事務局が保有しております公文書の公開のように、いわば議会内部のものでございます。この議会内部に関する条例等につきましては、関係規則などの制定も関連してまいりますので、執行の段階まで事務局が対応させていただくことになるものと、このように考えております。いずれにいたしましても、今後とも議員の皆様の発議案作成に至る調査活動を支えることができるよう、その体制強化に努めてまいりたいと、このように考えております。

〇佐藤正春委員 今、局長から非常に前向きな御答弁いただいた。その中で、私から申し上げた結果、調査課を強化したと、こういうことでございますので、ひとつ調査課長、補足して、どのように強化されているか。

〇吉岡調査課長 お答えいたします。複雑多岐にわたる先生方の調査、それから情報収集、分析という観点から、職員経験の長い主査制をとったわけでございます。そのほかに高度情報化に対応しまして、さまざまな機器を導入いたしまして、さらに先生方の依頼調査に迅速に対応しているわけでございます。こういったことが先生方の議会活動の、それこそ補佐的な役割に貢献しておれば大変いいと思っておりますが、以上でございます。

〇工藤篤委員長 いいですか。それでは、次に進行します。

〇斉藤信委員 2点だけお聞きします。
 一つは、4月から県議会の情報公開が始まりますけれども、これに対応する事務局の体制はどうなっているかお聞きをします。
 第2点は、予算、決算などの特別委員会、このケーブルテレビの放映は技術的に可能なのか。また、館内への放送、これは恐らく議長室、議会事務局は放送されていると思いますけれども、私は各会派の控室、館内にも放送施設を整備すべきだと考えますが、技術的に可能なのかどうか、またどのぐらいの経費がかかるか、お聞きをします。

〇和美議会事務局長 予算とか決算特別委員会のこの模様をテレビ中継はできないかと、こういうことでございます。例えば、放送事業者にお願いしてこの中継を行うとした場合のケースが考えられるわけでございますけれども、実は放送事業者にお願いするとした場合、希望する放送時間を確保できるかという問題があります。それから、当然予算措置が必要となると、こういうこともございます。それから、もう一つの方法といたしましては、県の防災行政無線を活用する方法がございます。このためにはカメラ操作のためのスペースの確保とか、あるいは職員体制、それから予算措置等も出てきますが、もう一つは、防災行政無線は通信衛星を使っておりますので、これは執行部の方の関係課とも調整する必要が出てきます。しかしながら、県議会の審議状況を県民の皆様方に広くお知らせするということは、これは大変重要なことでございますので、今後、議会運営委員会などの場で御協議をいただきながら、そしてその結論を踏まえて対応させていただきたいと、そのように考えております。
 それから、控室の方で放送が聞けるようにできないかと、こういうお尋ねでございますが、これにつきましても議会運営委員会の方でいろいろと御協議をいただきまして、そして対応させていただきたいと、このように考えております。
 それから、もう一つのお尋ねでございますが、県議会の情報公開制度の施行に伴います議会事務局の執行体制でございますが、これは施設面と職員体制の面が二つ考えられるかと、このように思います。そこで、まず施設の面につきましてでございますが、情報公開の相談、受け付けを行います情報公開室でございますが、これを議会棟1階の現在の議案整理速記室の場所に設置して対応することを考えております。
 それから、職員体制の面でございますけれども、総合調整を総務課といたしまして、事務局の事務分掌の見直しを行うとともに、非常勤職員の配置等によりまして、いずれこの情報公開制度が円滑に運用されるように対応してまいりたいと、このように考えております。

〇斉藤信委員 委員会のテレビ放映もしくは館内放送の件につきましては、これは議会自身が判断することでありますから、私は今後これが検討されるよう取り計らいを委員長にお願いして、私の質問を終わります。

〇工藤篤委員長 ほかに質疑ありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇工藤篤委員長 質疑がないようでありますので、これで議会関係の質疑を終わります。
 次に、総務部次長から総務部関係の説明を求めます。

〇盛合総務部次長 それでは、総務部関係の歳出予算等につきまして御説明いたします。
 便宜、お手元の予算に関する説明書で御説明いたしますので、89ページをお開き願います。
 2款総務費1項総務管理費1目一般管理費36億5、599万円余のうち、総務部関係の主なものは、管理運営費が18億9、878万円余の計上額で、職員の人件費や旅費など管理運営に要する経費であり、外部監査費は、監査機能のより一層の充実を図るため、外部監査人に監査を委託するために要する経費であります。次に、行政評価機能推進費は、本県の行政システム改革を推進するため、施策や事務事業の評価機能の充実強化に要する経費であり、行政システム情報化推進費は、県の主要事業や資産等、行政にかかわる情報のデータベース化に要する経費であります。また、共通経費は、休職者に係る人件費や人事異動に伴う赴任旅費に要する経費等であります。次に、90ページをお開き願います。2目人事管理費は53億8、403万円余で、この主なものといたしましては、退職手当及び公務災害補償等に要する経費であり、3目文書費は、文書収発、情報公開等に要する経費が主なものでありますが、個人情報保護制度化推進費は、個人情報保護に関する職員研修会の開催や民間有識者等で構成いたします懇話会の設置等に要する経費であります。次ページの4目財政管理費は、財政調整基金、公共施設等整備基金及び地域振興基金の果実収入の積み立てが主なものであります。92ページをお開き願います。6目財産管理費は、県庁舎、地区合同庁舎、職員公舎並びに通信施設の維持管理に要する経費が主なものであります。93ページ、7目県外事務所費は、県外事務所及びいわて銀河プラザの管理運営に要する経費等を計上しており、8目公会堂費は、管理運営に要する経費、9目恩給及び退職年金費は、恩給、退隠料及び扶助料等に要する経費であります。94ページをお開き願います。10目諸費は、宗教法人設立認証事務等に要する経費であり、11目庁舎等施設費は、地区合同庁舎及び職員公舎の整備に要する経費であります。
 次に、99ページをお開き願います。3項徴税費でありますが、1目税務総務費は、税務関係職員の人件費等の管理運営費であり、2目賦課徴収費は、個人県民税徴収取扱費交付金など、賦課徴収に要する経費であります。
 次に、106ページをお開き願います。6項防災費1目防災総務費は、5億3、388万円余で、この主なものは、航空消防防災体制強化推進事業費、岩手山火山活動対策費等であり、2目消防指導費は、消防学校運営費及び消防防災施設等整備事業費補助等が主なものでございます。
 次に、大きく飛びまして254ページをお開き願います。10款教育費8項大学費1目大学費は、65億1、482万円余でありますが、その主なものは県立大学及び県立大学短期大学部の運営に要する経費や岩手県立大学学術研究振興支援事業費等であります。
 次ページ、9項私立学校費は、58億2、517万円余でありますが、その主なものは、私立学校運営費補助、私立高等学校の新時代を拓く特色ある学校づくり推進事業費補助等であります。
 次に、262ページをお開き願います。12款公債費は、総額1、090億1、291万円余であり、前年度比で10.9%の増となっております。
 次に、266ページをお開き願います。13款諸支出金4項地方消費税清算金は、142億7、706万円余の計上額であります。次ページ、5項利子割交付金は、計上額33億2、105万円余、次に、268ページの6項地方消費税交付金は、126億8、572万円余、次ページ、7項ゴルフ場利用税交付金は、4億3、741万円余、270ページ、8項特別地方消費税交付金は、9、751万円余、次ページ、9項自動車取得税交付金は、30億6、105万円余で、いずれも市町村に交付するものであります。次に、272ページ、10項利子割精算金は、727万円余の計上額であります。
 次ページ、14款予備費は、前年度と同額の3億円を計上いたしております。
 次に、債務負担行為について御説明を申し上げます。議案その1の11ページをお開き願います。第2表債務負担行為のうち、事項欄の1が総務部関係のものであります。これは、地区合同庁舎の改修工事に係るもので、期間及び限度額を定めて債務を負担しようとするものであります。
 次に、予算以外の議案について御説明申し上げます。議案その2の17ページをお開きください。
 議案第31号岩手県県税条例の一部を改正する条例でありますが、これは、自動車税の納税証明書につきまして、交付の請求を受けた地方振興局の長が、当該自動車税の課税地にかかわらず交付することができることとするとともに、あわせて所要の整備をしようとするものであります。
 次に、大きく飛びまして272ページをお開き願います。議案第62号岩手県立大学等条例の一部を改正する条例でありますが、これは、県立大学に受託研究員を受け入れることといたしまして、その研究料の額や納付方法等を定めようとするものでございます。
 以上で総務部関係の議案について御説明を申し上げました。よろしく御審議くださるようお願いを申し上げます。

〇工藤篤委員長 ただいまの説明に対し、質疑ありませんか。

〇佐藤正春委員 それでは、1点だけ、総務部長、部長は増田知事の懐刀でございます。そこで、今議会は各党の代表質問で村上惠三議員、佐々木大和議員、千葉浩議員がいずれも財政について大変心配されまして質問しております。厳しい財政の中でどこに財源を求めるか。知事も具体的な名案がないようでございます。答弁を聞いていると全然なかった。かといって石原知事の外形標準課税を評価はしていますが、踏み切るつもりはございません。そこで、あなた、総務部長がひそかに、しかも着々と進めている必殺財源、自動車税にかかわる特定自動車の税率引き上げ、これは御存じのとおり地方税法147条第5項によって、岩手県が独自に税率を定めることができるわけですね。具体的に言えば現行の岩手県県税条例第101条別表2にこれは規定されていますね。あなたは増田県政の懐刀としてこの税率引き上げの条例改正をねらっているようでございますが、いつこれをおやりになるのですか、どのくらいの税収が見込まれるんですか、またどの程度現在検討中ですか、お答えを願います。

〇武居総務部長 細かいデータにつきましては担当の税務課長から答えさせていただきたいと思いますが、私ども県税につきましても、分権時代に対応する税源、それから他県との状況を見る中でのバランス等もございまして、不断に見直しを行っているところでございます。この自動車税の関係につきましては全国の税務協議会の中でも、いろいろさまざまな議論がある中で、自動車税の車種と言うんでしょうか、車種ごとに現状のままの取り扱いでいいのか、あるいはもう少し違った形できめ細かく分けていった方がいいのかということにつきましては、内部的には検討させていただいております。しかし、これについて、いつ、どのような形で実施するか、あるいは実施しないかにつきましては、まだ私ども事務方レベルで勉強の域を出ていないところでございますので、仮にこういったものを実際実施いたすとしますれば、いろいろの面で影響もあるところでございますので、当然のことながら条例改正という形になりますので、ここにつきましては検討の方向がある程度出てきた段階で、対外的にも公表できるような形で、また御批判をいただきながら制度の改正なり今後の方向を決めていきたいと考えております。

〇菅原税務課長 ただいまの自動車税の税率の見直しの件でございますが、全国と比較いたしましていろいろとバランスの不均衡が出ている税率はございます。それは特種用途車でございます。本県の税率は4区分で分類されておりまして、霊柩車とか小型車とか大型車とかキャンピングカーとかという税率の区分でございますが、他県の税率は、それぞれバス、原車ですね、その原車のトラック、バスとか、そういう税率を適用して課税をしている状況でございますので、岩手県の税率が積載量が大きい車両であれば税率が安いという状況でありますので、その辺、他県と比較しましてどう改正したらいいのか、現在検討中でございます。

〇佐藤正春委員 部長、何も慌てることはないんだよ。あなたこれやってすっと帰ればわからないのだから。何ぼ秘密にこれは検討したって新聞記者なんかすぐ、だから新聞記者より私が早く感づいたからまだよかった。これ新聞にだっと挙げられたら大変だったよ。この問題は今、税務課長からも説明があったとおり、既に全国で税負担の公平性の確保、税財源確保の立場から、最近では富山、長崎、愛知などが相次いで税率引き上げの条例改正をやっています。関係のあれを見るとわかるんだ、書いてあるんだから。そして、それぞれの成果を上げているわけです。この特種用途車なるものは、キャンピングカー、タンクローリー車、コンクリートミキサー車、保冷車などがありまして、同じ大きさの排気量の乗用車やトラックなどと比較すればかなり安い税率が適用されております。これは総務部長としてねらいどころでございますが、本県にとってはどうかということ。本県にとっては地場産業と言える建設業界や運送業界では相当の台数なので反発は必至と思われます。それでも部長は強行してやる意思なようでございますが、どうでしょうか。
 知事は、外形標準課税で石原知事の英断に地方分権の立場から賛同していますから、知事も恐らくこれはオーケーと言うでしょう。この外形標準課税についてはただいま12県で研究会をつくるということでございますが、ちょっとこれはおかしい。知事は一般質問で外形標準課税は全国統一基準でやるべきだと答弁しております。12県で相談してどんな意味があるんでしょうか。この知事発言と矛盾していませんか、総務部長。知事の発言と、あなた方がしているこの12県で相談している、非常にこれは矛盾している。このほかに二、三検討中のものが私の手元ではございます。その検討中の財源があればこの際、先にひとつお示し願いたい。

〇武居総務部長 まず、外形標準課税に関する勉強会の関係についてお答えいたしますが、これにつきましては各県の知事さん方がそれぞれ個人の立場で勉強しようということで、この4月にも発足しようということで準備会が来週開かれるわけでございますが、この勉強会における内容というのは、当然のことながら全国知事会の中にもいろいろな形で反映され、あるいは個々の地方公共団体における今後の地方税財源の充実、さらには国に対する地方交付税率の引き上げ等の要望の中にさまざまな形で盛り込まれて、トータルとして地方公共団体全体にとって望ましい形の地方税財源の充実確保に向けての、ある意味では応援団になっていただけるものと感じているところでございますので、私どもどちらかというと、これは個人的な色彩の強い勉強会ではございますが、各県には窓口の事務局になる課があるようでございますので、これは今回は岐阜県が音頭とりをやっているようでございますけれども、そういったことで、これからもそういった情報交換の場に私どもも携わってまいりたいと考えております。
 それから、先ほどの自動車税の関係も含めました、言ってみれば県税におけるさまざまな税源につきましての課題は、私どもたびたび先週来の代表質問、一般質問でもいろいろ出ておりますが、県としての地方税財源の充実確保のために、ゼロベースでさまざまな税財源についてどんなものがあるだろうかと、その中でどういった確保策ができるのかということは、これは私どもの税務を預かる立場としてこういったことを検討することは使命であると考えております。しかし、一方でそれを導入するに際しては、東京都の場合は外形標準課税につきまして、いわゆる銀行税という形で銀行業界との間でいろいろやりとりがあるようでございますけれども、一方で関係団体というようなものも当然ございますので、そことの調整の中でどんな方向が見出せるかにつきましては、今後また十分に検討してまいりたいと考えております。

〇村上惠三委員 1点だけお伺いいたします。県が導入しようとしている会計方式について伺いますけれども、このことにつきましては三重県や高知県などと共同で、企業会計方式を採用しようとして研究していると伺っておりますが、恐らく企業の財務諸表に近いものを検討していると思いますが、企業では保有財産の状況等を示すバランスシート、あるいは利益の状況を示す損益計算書が中心となった会計方式になっておるわけであります。行政というのは利益を上げることが目的でないわけでありますから、この会計によって企業会計方式を導入しなければならなくなったと、導入した方がいいのだという結論的なものがあるものなんでしょうか。その点についてまずお伺いします。

〇今泉行政システム改革監 新しい企業会計方式導入についてのねらいは何かという御質問でございますが、ただいま私どもやっておりますのは現金主義とか、単式簿記に基づきまして歳入歳出予算を組んだり決算を組んだりしてあるわけでございます。これに対しまして、こういった今のやり方に加えて、企業会計方式の考え方を取り入れてみたいと考えております。それはなぜかと申しますと、現在、財政環境が非常に厳しいわけでございますが、そうした中でやはり財政の全体像というものを、よりわかりやすい形で県民の皆様にお示しする必要があるんじゃないかということもございますし、また長期的な財政の運営とか、資産のより有効な活用策に役立てることができるのではないかということから今やっておるところでございます。既にバランスシートを作成、公表している県というのは幾つかございますが、その中には民間企業に類似した様式をそのまま載せているというところもございます。ただ、それではやはり住民の福祉の向上ということを最大の目的にする私どものねらいというか、行政の本質というものをやはり正しくとらえることができないのじゃないかと考えております。したがいまして、今私どもが考えているのは、そういうふうにただバランスシートをつくればいいということではなくて、今申し上げましたように長期的な財政運営とか、資産のより有効な活用に利用できるというか、活用できるようなものをつくっていきたいと、そういったことをねらいに今考えているところでございます。9県集まりましていろいろ研究会をやっておりますけれども、いずれそういう民間の考え方というんですか、企業会計方式の考え方というものをどう取り入れていくかということにつきましては、いろいろ課題がございまして、私ども考えているようにはなかなかスムーズにいっていないというのが現状でございます。いずれそういったことをねらいに今導入していきたいと考えているところでございます。

〇村上惠三委員 今のお答えを聞いておりますと、そういう方向でやるということが県の財政内容、財務内容を把握する上に大変いいということのようでありますけれども、例えば県庁なら県庁が何年前に建ったかわかりませんけれども、39年ごろかなと思いますけれども、例えばそのときかかった建設費であって、何年たって、県庁は今どれぐらいの財産価値があるのかというようなことを、県の資産をそういうふうにして試算していきますと、かなりの県の財産内容が出てくると思うんですね。そういうようなことも導入するということですか。
 それから、企業局の会計で、平成4年度か5年だったと思いますが、有料道路が赤字だということで、企業局がいつも我々に、なぜ赤字なんだということで責められたことがあるわけでありますが、あれは一般会計に導入するとき、企業局が赤字だと言って県民に赤字赤字ということで批判されたわけでありますが、内容を見ますと道路にかかった建設費と、減価償却しても大変な財産があったわけであって、それが赤字、多分その道路分が赤字になるんですね。そのときも私はそれは評価として赤字じゃなくて採算の合う企業だということで、そのものの価格で一般会計がそれを引き受けるべきだと主張した経緯があるわけでありますが、そういうようなことを今後やっていくというようなことなんですか。
 それから、最後でありますが、もしバランスシートによって計算するということになれば、それでは平成10年度の決算においてバランスシートに合わせて、10年度の決算と合わせた場合、どのような状況になるんでしょうか。もし試算したものがあれは公表いただきたいと思います。

〇今泉行政システム改革監 3点お尋ねがございますが、第1点目でございます。
 今、私どもが考えておりますのは、やはり資産というものを一つ一つ台帳から洗い出していこうということを考えておりますので、当然、お尋ねありましたように、その中でできた資産について、減価償却が必要なものは減価償却していくということになります。ただ、じゃ何を対象に減価償却するのかとか、その方法をどうするのかといったあたりは、まだまだ議論が多くて、今、中で検討しているところでございます。したがいまして、2点目のお尋ねにつきましても、そういった中で、いわゆるこれまでつくった資産、蓄積したストックとしての資産と負債の関係というものは、1枚のバランスシートの中で皆様にお示ししていくという形になるのではないかと思っております。
 過般、9県の共同研究会、第1号報告書ということで、全体としてこういう形につくったらいいんじゃないかということを公表したところでございますが、それを踏まえて、じゃ、モデル的にやってみたらどうなんだろうかということで今やっているところでございます。ただ、資産につきましては、12年度にかけて台帳を整備した上でこれから洗い出しをしていかなければいけない部分がありますので、資産のところについては、当面ほかの方法を用いて、推定ということでそこを出してみて、その上で負債との関係を見た場合どうなのかと、そんなことをちょっとモデル的にやってみたいということで、今その作業を進めているところでございます。

〇田村正彦委員 数点お尋ね申し上げたいと思います。
 まず、これは一般質問、そしてまた当委員会でも盛んに議論がなされておる外形標準課税に対しての考え方でございますけれども、確かに安定的な財源確保という見地に立った場合は、これは私もぜひ今後導入すべきだと思っておるわけです。ただ、マスコミあるいはいろいろな御意見の中で、流れとして、県独自財源を見つけて財源対策を考えるべきだというような傾向に流れているのじゃないのかなと私は懸念しておるわけです。
 今もお話がありましたとおり、独自財源の検討といったものがなされておるようでございますけれども、これは私、経済的に弱い、産業的に弱い我が県にとって、果たして独自財源をこれ以上求めるのが適切なのかどうか、もっとほかに方法があるのじゃないのか。例えば、この豊かな森林あるいは水の確保、言うなれば、地球的な規模で言えば地球の環境に貢献している県、そういう意味でも、県独自の県内に対する財源を求めるよりも、そういった観点からもっと国に、こういったものに対する財源措置を求めていくのがこれからの筋ではないのか。
 そういった意味で、12県のいろいろな検討委員会もあるようでございますけれども、12県の検討委員会はもとより、全国の知事会等で、同じような立場の県がタイアップして、これをぜひ国に求めて、独自の岩手県の財源対策に当たるべきじゃないのかなと私は思うんですが、こういった考え方に対してのお考えはどうなのか。
 次に、火山対策でございますが、岩手山の火山活動対策費として4、100万円ほど予算化しておりますけれども、この中身についてお知らせいただければ幸いだと思います。
 次に、行政評価機能推進費、先ほどに関連するかと思いますけれども、施策や事務事業の評価機能の充実強化を図るという意味で予算化なされておるわけでありますけれども、この具体的な考え方をまずお知らせいただきたいと思います。

〇武居総務部長 外形標準課税に関しまして、国にもっと全国共通の地方への税源を求めるべきではないかというお話でございまして、御指摘のとおりだと思います。法定外目的税その他、ちょうどこういった独自の課税自主権という問題がクローズアップされたものですから、全国のほかの県で、核燃料等に対する税等、既に実施されてきておる県もあるということで、少しくそういったものに対する焦点が当たっておりますけれども、当然のことながら、国と地方の関係で見ますと、地方税財源というコップの水が大変少のうございますので、国からもっと総量として大きなものを持ってくるということが大変重要になってまいります。
 そういった意味で、私、外形標準の課税をずうっと見てみますと、安定的にということで総量をふやすことにはこれはちょっとならないと思います。景気の好不況の波に影響を受けずに、分権時代に地方で毎年度毎年度きっちりと仕事をやっていくためには、外形標準課税は大きな意義はあると思うんですけれども、総量をふやす部分の地方税財源の確保につきましては、おっしゃるような部分がございますので、ぜひこれは、全国知事会その他、さまざま各県連携しながら、精力的に国に要望してまいりたいと考えております。

〇小野寺火山対策監 岩手山の火山活動対策費の具体的な内容という御質問でございますけれども、岩手山の火山活動の活発化に伴いまして、住民の安全を確保するという観点から、予防対策、それから監視・観測等を行う経費を計上させていただいております。
 その主な内容といたしましては、監視・観測体制の維持ということで、昨年10月に地温計と地震計を黒倉山、姥倉山の中腹に設置させていただいておりますが、これらの経費でございます。
 それから、情報伝達体制ということで、これは、岩手山の火山活動に関する検討会の委員の方々と、テレビ会議システムを通じまして活動の状況について適切に把握するというような形の通信費の内容でございます。
 そのほかには、住民の意識の高揚、あるいは意識啓発というような形で防災訓練等を行っております。それから、シンポジウム等、こういった経費を計上させていただいておりまして、11年6月に当初予算という形で骨格であったものですから、6月と比較いたしましても300万円ほどの増となっておりますが、これは観測体制等の強化に伴うものでございます。

〇今泉行政システム改革監 行政評価機能推進費についてのお尋ねでございますが、これは、現在私ども庁内に三つ評価システムがございます。一つは事務事業評価システム、それから公共事業評価システム、さらに、新しい総合計画ができまして、その中で207の目標数値ができまして、今度はそれの進行管理をやっていかなければいけないという問題がございます。これら三つを有機的に統合していくためにはどうすればいいのか、あるいは、その場合どのような方法が考えられるのかということを12年度にかけて研究したいと思っております。そういった内容が1点ございます。
 もう一つ、企業会計方式の考え方を取り入れていくための研究費でございます。特に、これから作成手法、具体的な内容に入ってまいりますので、その辺どのようにやっていったらいいのか、考え方をどう整理していったらいいのかといった調査研究を12年度に行いたいと思っております。そういった内容でございます。

〇田村正彦委員 行政評価機能推進費については、今お話をちょうだいしたわけでございますけれども、そういったいろいろな評価システムを研究する意味で、外部の人をこれに入れて研究するつもりはないのかどうか、その予定はないのかどうか、まずお尋ねします。
 そしてまた、火山対策でございますが、ハードの面、ソフトの面で予算化したということなわけでございますが、今、町村なんかで、住民に知らしめる、あるいは入山者に知らしめるような広報施設というのも盛んに設置しているようでございますけれども、その設置の状況はどうなっているのか。
 それと、現実に今入山禁止になっているわけですが、こういう措置をとった一番の理由といいますか、どういう理由で入山禁止をおとりになったのかお尋ね申し上げます。

〇今泉行政システム改革監 行政評価機能について外部を入れたらどうかというお尋ねでございますが、政策評価システムの構築につきましては、現在、三菱総研と共同で作業に当たっておりますし、企業会計方式につきましても、東京でこういった行政関係の仕事に数多く携わっております公認会計士に、アドバイザーとして私どもの研究会に参加していただいております。

〇小野寺火山対策監 2点お尋ねございました。1点目でございますけれども、現在、町村の入山者に対する緊急情報の設備の設置に関しての検討状況ということでございますが、県と市町村におきましては、活発化以来定例的に、基本的には月に一遍程度でありますけれども、市町村と県と一緒にさまざまなその対応について検討してきております。
 この中で、規制緩和が可能になった場合におきまして、入山者に対して異常時に情報提供する設備が必要だろうというようなことで種々検討してきております。これは、昨年からずうっと検討してきておりますけれども、先進地における山におきましても調査させていただいておりますが、岩手山みたいに非常に大きな山である、それから、これは登山を目的とする山であるというようなことで、入山してから3時間ぐらいかからなければ山の頂きには届かないというような状況でありまして、ふもとの方から情報を流しても難しいし、頂上に設置するにも電源の確保が難しいといったことで、さまざまな検討の中で今進めておるところであります。
 2月に四つの町村の首長さん方にお集まりいただきまして、入山規制をかけているところでございますので、あくまでも山の状況を見ながらということではありますけれども、何か手だてはないかということで検討を進めているところでありますが、なお調査等が必要だというようなこともあります。それから、先ほどのさまざまな整備の問題点があります。こういった形で、来年度に向けてその調査等を行っていくというようなところで聞いております。
 あとは、入山規制を行った理由というところでございますけれども、やはりこれは、10年1月以降地震が活発化してきて、3月ぐらいから非常に多くなった。そして、7月1日が山開きというようなことがありまして、それに向けて、5月、6月ぐらいで地元の町村長さんと県とがいろいろ協議してきたところでありますけれども、特に西側の水蒸気爆発につきましては、いつ起きてもおかしくないような状況であるという助言等をいただいた。それを踏まえて、地元の首長さんの判断をもとに、県と先生方と協議した結果、入山規制を行っているということでございます。

〇田村正彦委員 今、最後に地元の首長さんの判断によって入山を規制したんだという話でした。ただ、地元に帰って首長さんにお聞きすると、いや、これは県の指導だ、我々はそこまでは考えていなかった。強い県の指導があって、やらざるを得なくてやったんだと、最初の出だしがこういう状態だったんです。それはそれとして了としますが、ただ、私が言いたいのは、今もお話ありました、規制緩和が可能になったら、登山者に知らしめるために施設整備を図っているんだという話をされましたよね。その規制緩和が可能になる時点というのは、一体どういう時点を想定しているんですか。
 というのは、平成10年10月から、データをいただいておりますけれども──西側は、私の今の議論の対象外に置いてください。西側というのは、これは当然危険な地帯だと私も認識しております。ただ、岩手山の本体、東側、これについて発言しておるわけですので。平成10年10月から現在まで18カ月間、ほとんど同じレベルで推移しています。その間の気象台、先生たちの発表は、すべて注意深く見守る、ずうっとこうです。これがこのまま注意深く10年も見守ったら、10年も入山禁止にする、そう解釈していいのか。そして、そのことが地元の経済にどの程度の影響を与えているのか。特に岩手山の東側については、火山爆発というんですか、マグマの火山が想定されているわけですけれども、そのマグマの微動の位置も詳細に今把握されています。そういった時点で、ただただ入山禁止を続けていくことが果たしていいものかどうか、その辺のところをちょっとお尋ねいたします。

〇小野寺火山対策監 4点ほどあったかと思います。一つ目は、県の強い指導があったということでございますが、確かに登山道におきます入山の規制というのは、災害対策基本法から参りますと、それぞれの自治体の首長さんであるということになっております。ただ、岩手山の山体からいきますと、四つの市町村にまたがるということもありまして、それぞれの単独の町村長さんの判断では非常に難しいだろうというようなこともありまして、中に県も入りまして、一緒になって規制をかけるというような形になったということであります。
 それから、緩和の時点はいつかということでございますけれども、私どもといたしましても、できるだけ早く規制緩和したいという気持ちはあるんですが、データは10年からあるというお話でございますが、いずれ、地下の深いところから徐々にマグマが上がってきているというような現象が続いていることから、その東側に起きます地震というのは、今、発生した当時から変わっておらないという状況なんです。かつては、東側においてはそのような地震は起きておらなかった。それが平成10年からずうっと起きてきている。
 この伏線としましては、もう少し前の時点から、平成7年9月から、長時間における微動があった。それを踏まえて徐々にマグマが上がってきている状況にある。一番深いところはモホ面と言っておりますけれども、非常に深い、30キロ程度ですが、それから中腹の部分になりますが、8キロから10キロ付近まで上がってきているのが一つある。それが最近はもう少し上向き状況にありまして、6キロから8キロあるいは10キロ程度までということで、8キロからは少し、2キロぐらいここ2年間で上がってきている状況にあります。低周波の地震ということで、体には感じない地震なんですけれども、これは火山特有の地震でありまして、それは流体物が動いているという地震でございます。これが続いている関係もございますので、いつ緩和できるかということには少しお答えできませんけれども、ただ、同じレベルがずうっと続いてきているということは、そういった意味で、入山規制をかけたときと同じ状況にあるということでございます。
 それから、経済への影響ということでございますけれども、私ども火山対策、事前対策ということで一生懸命やっているんですが、経済対策のところまでは把握しておりません。申しわけございません。

〇田村正彦委員 ちょっとしつこくなるようなんですけれども、その地域というのはもう、例えば、修学旅行の生徒は一切来ません。入山規制をかけているところには行けないと。
 それで、今大事なお話がありました。地下8キロから6キロまでマグマが上がってきている。もしこのままの状態で上がってくるのであれば、到底その周辺の人たちというのは、もう今後の生活設計を変えなければならない。それくらい、今、入山禁止をかけなければならないぐらい危険な状態だ。2年間で2キロも上昇している。それならそれで、とても危険ですよ、今後の皆さんの生活設計をそれなりに考えてくださいよと、それぐらいまで言わなければ、このままずるずると行ったのでは、避難しろと言ったときに、避難する人はだれもいなくなるというような状況になります。そこのところをよく考えて、危険な状態なら危険な状態だと皆さんに発表すればいいんです。そうじゃなくて、見守ってる、見守ってるでずうっとこれから先10年も20年も行かれたらどうするんですか。その辺の兼ね合いを十分考えて対処していただきたい。

〇小野寺火山対策監 火山の現象は今確かに動いてきております。ただ、田村委員おっしゃるように、2キロ上がったからすぐ危険だとか、そういうことではなくて、現在はそういうことで、防災マップを我々作成いたしまして、関係する住民の方々にお配りしてございます。火山現象というのは非常に長いスパンで考えていかなければならない。それから、岩手山につきましては、世界でも初めてというぐらい観測機器等が整備されているというようなことで、今の生活どうこうということよりは、火山の活動が活発化したときに、地元の首長さんが住民を安全に避難させ得るというようなところに我々力点を置いて対応してまいりたいと思っております。御理解いただければと思います。

〇中屋敷十委員 田村委員の岩手山火山活動に絡めて関連をいたします。
 田村委員のお話だと、東側が前提で、私は西側の方で、一番危険な地帯で、本当に思いは同じでございます。今、周辺の観光施設等、本当に入り込みが減っている。これは、ただ火山活動の活発化のみならず景気の低迷等もあると思いますけれども、私が一番最初に思うのは、もし万が一の場合の人命の尊重という避難体制の部分だと思います。
 そういったわけで、おかげさまで過般、雫石町において岩手山の火山活動の避難訓練をやっていただきました。町独自でも緊急避難の件で話題を提供しましたけれども、県のハザードマップをさらに拡大した形で、町独自の全戸配布という形の中でもいろいろ対策を講じて、また、消防団等々とのつながりも連携強化が図られているところでございますが、過般の避難訓練においてどのような評価を下されているか、そして反省点等がありましたらばお知らせ願いたいと思います。

〇小野寺火山対策監 2月20日に雫石を中心に訓練をさせていただきました。岩手山の周辺4町村、そのほかに盛岡と玉山とございます。先般、雫石を行ったことによって、岩手山の登山口を有する4町村の訓練は一通り終わりました。今まで岩手山周辺の自治体におきましては、大きな災害が起きていなかったということで、まして町村を対象とした訓練というのは、今まで県の防災訓練でも行っておりませんでした。したがいまして、一昨年から自治体と一緒になって、特に住民の避難ということにポイントを置いた形で訓練を行ってきております。これに関係する関係機関、自衛隊、消防、警察、それからNTTとか、そういった関連のところまで含めて30機関が参加して、今回も訓練を行わせていただきました。
 回を追うごとに自治体職員の考え方も大分変わってきております。それから、住民の参加についても、先般は、地域の避難対象のうちのおおむね3割の方々が出られているというところで、まして今度、雫石におかれまして、あるいはほかの町村もそうなんですけれども、詳細な住民の避難用の地図を今作成して、今月の末までにということで進めておられます。そういったことで、住民に対する町村の方々の意識が非常に高まってきておりまして、この中で、それからマップをつくった上で、さらに住民に説明をしながら配布するということも聞いております。
 これからますます長期化するかもしれない山に対する意識をずうっと持続していく、これが非常に大切だと考えております。特に、町村単位における訓練というのは、毎年行っていく必要があろうと思っております。これは県を交えなくても自主的にやっていける、あるいは自主的な組織を地域ごとに、部落ごとにつくっていただければと思っております。そういった意味では、まだ詳細な反省点というものは上がってきておりませんけれども、おおむね今回の訓練においては、参加した方々は、非常に有効であったという感触をいただいております。

〇谷藤裕明委員 今、お二方の方から防災にかかわる部分の質問が出たわけですけれども、私の方からも、国の防災基本計画には、自衛隊と自治体が平素から連携を強化して共同訓練を行うということになっておりますが、震災などの大災害の場合は、自衛隊の救援能力を生かすためには連携を強化していく必要があるということです。本県はこれまでどのように取り組んできたのか、それから、本県の防災計画と自衛隊の派遣計画のすり合わせはどうなっているのか、お聞かせいただきたい。

〇篠谷消防防災課長 今、自衛隊派遣にかかわる取り組み状況、あるいは派遣計画とのすり合わせというお話でございます。自衛隊関連につきましては、岩手県の地域防災計画に基づきまして、大規模災害が発生いたしましたときには、災害の種類とか規模によりまして、迅速、的確に自衛隊に対して派遣要請を行う。そして、被災地において一刻も早く災害応急対策活動が講じられる、そういったことが肝要であります。そういった点で、機動力を有する自衛隊の応援を得ることが不可欠であると考えているものでございます。
 取り組みの状況ということですが、最近の事例でございますが、石鳥谷町・紫波町あるいは軽米町での大規模林野火災のときの消火活動、あるいは平成10年9月3日、雫石町で震度6弱の地震があったわけですが、その際の救助活動、さらには昨年の10月28日の軽米町の豪雨災害の際に給水活動をいただいているわけです。そういった点で自衛隊からの災害派遣をいただいているのが事例でございます。
 特にも、岩手山の火山活動が活発化している中で、このような災害派遣というものをより迅速かつ効果的にするためには、委員お話のとおり、県や市町村、さらには防災機関と自衛隊との平常時からの密接な連携というものが極めて重要だろうということで、これまでも防災にかかわる各種会議にも自衛隊の方に参画をしていただいている。
 また、県の防災訓練、あるいは先ほどお話のありました岩手山の噴火対策防災訓練等々において、常日ごろから有事に備えた訓練ということで均衡のとれた訓練を実施いたしまして、特に陸上自衛隊岩手駐屯地とは協力体制を構築している状況にある。
 今後とも、自衛隊による円滑な災害派遣活動が実施されるように、連携強化をしてまいりたいと考えております。

〇谷藤裕明委員 今までいろいろと会議等を開いたり、一緒に訓練したりやってきただろうと思いますけれども、実際に共同訓練を行ってみて、連携を図っていく上でどのような課題がそこの中であったかとか、改善していかなければいけない点があったか。また、県の防災計画にどのように反映したかという分野についてお聞かせいただきたいと思います。
 それから、もっと自衛隊のノウハウを学ぶ必要があるだろうと思います。そのときに、やはり人事上もっと配慮したらいいのではないかと思うんですね。人事交流関係も、例えば県と自衛隊の人事交流も含めて考えてみる必要があるのではないかと思ったりいたします。例えば、神奈川県では第六師団の幕僚長を新設の防災局の課長に登用しております。それから、東京都では自衛隊OB、元北部方面総監を防災対策参与に迎えたと聞いておるわけでございますけれども、そういうことで、我が県としては、今後その辺についての取り組みをどのように考えておるかお聞かせいただきたい。

〇篠谷消防防災課長 自衛隊にかかわる防災訓練等々で、どのような生かし方があるのかということでございます。
 実際訓練をしておりますと、実態との乖離については、即、何か事態が発生いたしましたときに、派遣要請が円滑に行くことが何よりも重要でございます。防災計画では、当然、市町村長から県に行きまして、県から自衛隊に派遣要請をするという流れでございます。ただ、その手順だけではなく、事前に市町村長等からの連絡がある、あるいはありそうなときについては、率先して県からも自衛隊に対して、こういうことがあるかもしれないと事前に予告通報してございまして、実際の災害派遣が行われるときにはそれがスムーズに行くように、それを訓練の中でも実際やってきておりますし、そういったことが実態の場面でも生かされてくるものだろうと思ってございます。
 それと、ノウハウを学ぶというお話でございますが、昨年度自衛隊の御協力をいただきまして、県ならびに岩手山の周辺6市町村が一緒になって、岩手山の噴火を想定した図上訓練を実施いただきまして、そういった点で、我々参加をしてそのノウハウの構築に努めている。また、自衛隊では、東部方面でも同じような訓練をしておりまして、そちらの方にも参加していただいている。そういったものを通しまして、いろいろ自衛隊のノウハウを構築してまいりたいと思ってございます。
 人事交流のお話でございますが、現在のところ、日常的な活動の中で、特に自衛隊の方々との連携を深めている状況でございます。より深い状態であれば、そういった人事交流ということもあると思いますが、今のところそこまでの状態には達してございません。

〇谷藤裕明委員 いずれ、神奈川とか東京とか、大都市ですけれども、そういう形で動き出してきているというところの認識もしておく必要があるだろうと思っております。やはり県の方としても、自治省とか、林野庁、建設省とか、幅広く交流しているわけですから、そういう意味からいけば、防衛庁と交流したって、これは何もおかしいことはないだろうと思うわけであります。特にも岩手県の今の火山を含めて大変いろいろな形で取り組みをされている、そこの中から考えれば、少し幅広く考えて万全を期していくことも必要ではないかと思いますので、今後とも、その辺も含めて検討していただければと思っております。

〇藤原泰次郎委員 それぞれただいまの委員会で災害については御質問があり、また答弁があったわけでございますし、また、この間の本会議において、折居議員が、災害にかかわるところのいろいろな御質問をされたわけでございます。そうした中でちょっと私が不安に思ったのは、地震あるいは林野火災、それぞれの単独の災害であればいろいろと検討されておるわけでございますが、複数の災害、例えば林野火災と地震、あるいは地震と津波という場合の災害の対策というのはどのように検討されているのか、その辺のところを教えていただきたいと思います。

〇篠谷消防防災課長 複数の災害の対応はどのようになっているかというお話でございます。本県は毎年9月1日あるいは9月3日の防災の日に当たりまして、防災訓練を実施している。あと、ことしの1月17日でありますが、久慈の方で阪神・淡路を踏まえた訓練を実施している。その久慈の事例でお話ししますと、震度5の地震が発生したことを想定いたしまして、津波が来る、地震の発生と津波、そういった複数の災害を考慮に入れながら、各地区でも実施している状況にございます。

〇佐々木順一委員 先ほどの先輩議員・田村委員の行政機能評価にかかわりますけれども、視点を変えましてお伺いしたいと思います。
 現在、庁内の評価制度は、システムとして公共事業と事務事業の二つが機能しておりますけれども、知事は先般の演述で、政策評価システムの構築を提唱しまして、その導入に意欲を示されたところであります。この一環として、評価機能の強化策として、次年度から政策調査推進監を新設されるとお聞きいたしております。評価システムのいわばバージョンアップと受けとめたいところでありますけれども、現在の事務事業評価機能、すなわち部局内評価と財政課評価との違いとその役割についてお伺いいたします。
 また、総合計画審議会には、先ほどの御答弁で計画の進行管理を委ねることになるとお聞きいたしました。いわば、これは中間的評価機能を持たせることになるものと理解いたしておりますが、事務事業評価に関する計画審議会の役割と位置づけについてお聞かせ願います。
 また、片や総務部、片や企画振興部所管ということになります。ついては、この連結を図る必要があると考えますが、いかがでしょうか。
 さらに、公共事業評価制度と政策評価システムとの関係、すなわち、それぞれ独立して作業に当たるのか、あるいは一体化するのか、連結することになるのか、あるいはこれ以外の位置づけになるのかを含めまして、総合的な体系的な評価システムの全体像につきましてお聞かせいただきたいと思います。

〇今泉行政システム改革監 御質問が何点かございますが、政策評価システムの全体像と事務事業評価制度と他のシステムとの関係、それからそれぞれの役割、こういった全体的な話の中でお答えさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 昨年8月に新しい総合計画ができたわけでございますけれども、総合計画では、自然と共生し循環を基調とする社会といった五つの社会の実現に向けまして、参加と協働による環境にやさしい地域社会の実現など17の施策、それから、それを実現していくというか具体化していくための343の主要事業、そして、これらの施策や主要事業の実施により県民の暮らしがどのように変わるかといったことを示した207の目標数値が掲げられております。この目標に基づきまして計画の進行管理が行われていき、そこで実際にどのような成果があったかということが検証され、県民に示されていくということになるのかと考えております。
 次に問題になりますのは、目標数値の進行管理をどうするのかということでございますが、一つ一つの事業の達成度というんですか、一つ一つの事業がどのようにその目標数値を動かしていったかということがそこで分析されまして、一つ一つの事業の有効性とか必要性が検証される。その結果が、さらにその施策や主要事業にフィードバックされていく。そうした全体の中で、今度は政策体系が五つの社会を実現する上で効果があるのかどうかということが評価・検証されるとともに、そういったプロセスが県民の皆さんに示されていく。その中で県の行ってきた成果というか結果というものが、よりきちんとした形で県民の前に評価されるということになるだろうと頭の中ではわかっております。
 机の上で行くと、おおよそそういった流れになるんだろうと思うわけですが、じゃ、具体的にどうするのかというと、さまざまな問題が出てまいります。例えば、成果を上げているかどうかといった問題、その分析をどのようにやっていくのかということ、それから、成果を検証するといっても、そのためには、やはりそのための基礎的なデータが必要じゃないかということ。そういったデータが手元にあるのか、じゃ、どうやって収集していくのかという問題。それから、事業の必要性、有効性をどのように検証するのか。あるいは、既に実施しております事務事業評価制度、それから公共事業評価制度、これらは一つ一つの事業の必要性については検証を行えるわけですが、こういった全体の中で見たときにできないという部分があります。そういった制約はあるものの、それと進行管理というものを全く別に考えていっていいのか。やはり、そこはどうやってか連結させていかなければいけないだろうという問題。
 それから、今、事務事業評価は全く内部評価だけにとどまっております。公共事業評価は、第三者機関がございまして、一応客観的な評価、検証は行っておりますけれども、そういった形でいいのか。委員御指摘のありましたように、中間的評価機能というものを設けるとした場合、どのように設けていったらいいのか、どのような役割をそこで担わせるべきなのかという問題があります。そして、最終的に県民一人一人の意見、評価が大事になってくるのではないかと思うわけですが、それをどのように全体のシステムの中にかかわらしめていくのかというような問題がございます。
 いずれ、これらの問題を解決していく中で、新しい評価システムの全体像が出来上がっていくのではないかと考えておりまして、そういった観点から今取り組んでいるところでございます。
 もう一つ、今、新しいポストが10年度に総務にできるわけでございますが、じゃ、総務と企画の二本立てでいいのかという問題がございます。これからは新しくできますポストを中心に、企画なり土木なり財政課なりがきちっとした形でスクラムを組んで、今申し上げましたような課題の解決に向けて取り組んでいく必要があるのではないかと考えております。そういった形で、どなたの目から見ても、なるほど、これはよくわかるというようなシステムの構築に向けて努力してまいりたいと考えております。

〇佐々木順一委員 最終的には、やはり基本的には県民の皆さんの最終評価を得ることになると思うんですが、そのためには指標の進行状況とその評価の内容を単純明快に県民に知らしめる工夫を講じなければならないと考えるものでありますが、指標の推移の状況を、情報化時代でありますので、例えばインターネットとか資料配布、あるいはマスコミでも何でもいいんですが、あらゆる方法を使いながら県民の皆さんに知らしめることが最終評価を得る最も大事な方法ではなかろうかと思います。また、評価の内容も一つだけではなく、例えば、事前とか、中間とか、事後とか、そういった比較考量しやすいような工夫も講じる必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 先日、あるテレビ番組を見ておりましたら、あるエコノミストがつくった国の借金時計というものを見る機会がありました。国、地方合わせて645兆円という天文学的な数字であることから、貧しい私には実感が伴わないわけでありますけれども、いずれ物すごいスピードで利息がカウントされていくそのありさまは非常に説得力がありました。どうぞ、県におかれましても、そういった県民が実感できるような簡素な、そしてまた説得力のある情報を提供していただきたいと考えるものでありますが、県民に知らしめる方法につきまして、今のところの御見解があれば、お聞かせいただきたいと思います。

〇今泉行政システム改革監 公表に当たっての見解ということでございますが、これまでもさまざまな形で情報公開には努めてきたところでございます。ただ、どちらかというと、これまでは公表することに急の余り、どういった形でというか、県民の立場に立って、県民がよりわかりやすい形での公表ということはまだ欠けているところがあると考えております。したがいまして、そこらあたり、ただいま委員から御提言がありましたような趣旨を踏まえた形で、今後よりわかりやすい形で情報を出していくためには、我々の側でどういった工夫が必要なのかということは真剣に考えてまいりたいと思います。一方、さまざまな手法を通じて、県民の皆さんがそういった情報にアクセスできる、情報入手することができるようなこともあわせて考えていかなければいけないのではないかと考えております。
 いずれ、御提言の趣旨を踏まえまして、よりわかりやすい形で、しかもより入手しやすい方法で情報を提供していくことを進めてまいりたいと考えております。

〇佐々木順一委員 いずれ、地方を取り巻く環境は殊のほか厳しいものがありますけれども、私は、この行政評価の大部分を占める政策評価システムの導入とその評価の結果を知らしめる、いわば情報公開の徹底を図ることこそ、21世紀のあるべき自治を形成する大きな原動力になるものと考えております。いずれにしろ、こういったものは一朝一夕にできるものではなくて、ある程度の蓄積が必要でありますけれども、この二つの成否が、いわば岩手の将来、地方自治の将来を左右することになると考えます。よって、寄らしむべし、知らしむべからずではなくて、いわば知らしむべし、寄らしむべしの精神に立って、さまざまな批評に耐え得るような評価システムを確立していただきたいと考えるものであります。
 最後に、これは総務部長にお伺いしたいと思うんですが、地方分権の推進とか市町村の合併、あるいは法定外目的税の導入などなど、いずれ地方税の研究の高まりなどに見られるように、地方自治はかつてない大きな曲がり角にあります。避けて通ることのできない課題が山積しておりますが、このような課題に我々が適切に対応しながら、将来に誤りなきを期すことが役目であると思います。
 報道によりますと、知事はさまざまな講演で、道州制とか課税自治権などにも言及されておりますけれども、自治省出身の総務部長は、向こう10年ないし20年の間に自治の姿はどのように変貌していくとお考えになっているのか、議会のありようも含めまして、これから議会は決算が大事になると思うんですが、その辺、経綸に満ちた御見解を賜ればありがたいと思います。

〇武居総務部長 今、地方自治の将来のありようについて、大変難しい問いかけでございますが、これは私個人の気持ちになるのかもしれませんけれども、私なりに常日ごろ感じていることを申し上げたいと思います。
 実は、地方分権が実行段階を迎えた中で、ある意味ではボールが地方の側に投げかけられたという部分がございます。確かに、地方税財源の充実ということで、国と地方のかかわりの中で制度を変えていこうという部分、まだまだ不十分な部分が多々ありますが、一方で、いよいよ地方という舞台の中で私どもが主役になって、実際その中で地域の活性化を考えていかなくてはいけないという時代に入ってきているように感じるわけでございます。
 その際に、これは私が常日ごろ感じていることなんですが、制度論としての地方自治というものと実態論としての地方自治というものの間に非常に乖離が見られるようになってきているのではないかということを実感として非常に感じております。これは広域行政もそうなんですけれども、例えば住民自治の場合の住民と言った場合の、昔は、住民と言った場合には、その地域に暮らす方々は、そこで生まれて育って、働いて、それで一生を終えていくというような、どちらかというと定着性が強い形だったんですけれども、今の住民というのはさまざまな形で非常に他地域とのかかわりを持っているということもございますし、地域という概念も非常に変わっているものですから、地方自治法なり地方自治制度の中で、住民とか地域の定義をしましても、実は昔の時代とそのときどきでイメージするものが違ってきてしまっているということがございます。
 そういった中で、一番こういったことに関しまして日常的につぶさにお感じになっている方々の代表格が議会議員の方々ではないかと思うんですが、そういった地域の実感を地方自治の制度なりの中にどう反映させていくかということが大変重要になってくると思うんです。
 その際に、今の地方自治制度なり地方行政の仕組みなり、特に財政の仕組みというのは、一部対応できていないのではないかという感じがありまして、これが先週来、代表質問なり一般質問で言われているところの、地方の自主財源を確保したらいいのではないかという話が出てくるんですが、そうした場合に、3、300の団体で、いわゆる自己閉塞的に自分のところだけで財源を確保することが果たしてどうなのかということともかかわってくるんですが、もう少し調整の仕組みをつくっていかないと、これからの地方自治というのはうまく機能していかないのではないかと感じております。
 したがって、地域とか住民というのは意識するんですが、その住民とか地域がお互いにかかわり合っているところの連携とか協調とかという仕組みの部分が、どちらかというと今の地方自治の制度の中には少し欠けているような感じがします。これは、情報通信なり、インターネットということで、一方では機械技術的には発展しているんですが、制度論の方にはまだ取り入れられてきていないような部分がございまして、多分にこれから10年、20年は、そういった部分が非常に大きく変わっていくのではないかと感じております。そういった部分に対して、地方の側から国に対してもっともっと改変できる部分は改変できるように働きかけていかなくてはいけないのではないかと感じております。
 端的に申し上げると、地方の選択でお互いに協力しながら、あるいは自己の責任でできる部分をもっともっとふやしていかないと、こういったものには対応できないと感じておりますので、これからは制度論としての地方自治ではなく、実態論としての地方自治、それから静態的な地方自治ではなく動態的な、動いている地方自治という面で、もっともっと私どもも勉強しながら、国に働きかけていきたいと考えております。

〇工藤篤委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
   午後2時56分 休 憩
 
   午後3時13分 再 開

〇工藤篤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

〇及川敦委員 1点についてお尋ねいたしたいと思います。項目は予算に関する説明書99ページにあります2目賦課徴収費の中の納税貯蓄組合等補助3、767万3、000円に関してであります。
 納税貯蓄組合等に関する補助については、現在、特に市町村等でその補助のあり方について全国的に見直しが進んできておりまして、県レベルでも既に何県件か廃止、見直し、削減の方向になってきているようでございますけれども、まず最初にこの3、767万3、000円の補助事業について、その内容とこれまでの事業効果等についてまずお知らせをいただきたいと思います。

〇菅原税務課長 納税貯蓄組合に関する事業の内容と事業の効果の点について御説明申し上げます。
 まず最初に、99ページの予算に関する説明の3、767万3、000円の件でございますが、実質、納税貯蓄組合の補助金は3、524万3、000円となっております。事業の内容でございますが、納税貯蓄組合及び納税貯蓄組合連合会の健全な発達を図り、もって納税思想の普及及び高揚、並びに自主納税体制の確立を推進するためのものでございます。それから、事業効果でございますが、納税貯蓄組合を通じて納付された県税の額でございますが、平成10年度に納税貯蓄組合を通じて納付された県税の額は、個人県民税、個人事業税、自動車税、合わせて52億423万円余であります。これら3税目の平成10年度の収入決算額で申し上げますと396億507万円余で、13.1%を占めている状況でございます。

〇及川敦委員 今、税務課長の方からそれぞれ事業の内容と事業効果についてお話がありましたけれども、今週並びに先週ぐらいの報道を見ておりますと、一関の方で納税貯蓄組合のその補助金について一部不適正な使用があった。つまりこれは事務費にしか充当できないということで納税貯蓄組合法10条では定められているわけでありますけれども、恐らく、私も知っておりますけれども、いろんな例を見るとほとんどが事務費ではなくて、温泉旅行とかそんなものに使っているんじゃないかなというふうに思っております。水沢市に関しては、報道によればそういったものを黙認していたものを今後見直すというような機運になっているやに伺っておりますけれども、まず今いろいろお話ありました3、500万円余の補助事業について、その支出の中身について適正に執行されているかどうかということについて、どのように把握しているのかまずお示しをいただきたいと思います。
 もう一点は、県レベルでは千葉県が廃止、栃木県も2000年から廃止ということになっているようでございますし、埼玉県も削減、見直し方針を昨年宮城県の浅野知事は掲げておるようでございます。国の補助は当然80年に廃止されておりますし、94年には自治省が実態調査をして適正化を指導というような内容にもなっているようでございます。私はこの納税貯蓄組合に関しては、昭和26年に設立された当初の経緯は、非常に事業効果も上がる貴重な団体だったかなというふうに思うわけでありますけれども、昨今の現状を見るにつけ、もうそろそろこの所期の目的は達成されてきたのではないかなというふうに思っておりますし、口座振替というものもだんだん浸透してきておりますし、納税貯蓄組合を通した納付者に対しては、ある一定の還付金的なものがなされて、口座振替をしている一般の納税者には何もないというような、この納税者間の不公平感というものも考えますと、こういった事業については少し見直す必要があるんじゃないかというふうな見解を持っておりますが、その件に関して行政改革大綱でいろいろと検討されたのか、事務事業の見直しの中で廃止や削減等の検討がされてきたのかどうか。
 また、今後この補助事業についてはどのように取り扱っていく予定になっているのかも、あわせてお示しいただきたいと思います。

〇菅原税務課長 3点ほどの質問でありましたが、1点目の補助金の支出内容をどう把握しているかということでございますし、それから行政改革推進のための見直しの中で廃止または削減を検討されているか。それから、3点目が今後の補助事業のあり方についてどう認識されているかと、この3点でございますので、答弁させていただきたいと思います。
 まず、支出内容の把握でございますが、市町村の納税貯蓄組合連合会を通じまして納税貯蓄組合に交付し、指導も市町村連合会に対して行っているものでありますが、1組合当たり4、000円弱と少額で、事務費の一部として適正に支出されているものと考えていますが、今後とも補助金の適正な執行を指導していきたいと、こう考えております。
 それから、事務事業の見直しでございますが、4年ごとに見直しを実際行っております。次の見直しは平成12年度に行うこととなっております。
 それから、3点目でございますが、補助事業のあり方についてどう認識されているかということでございますが、税務当局といたしましては、個人県民税を含めた県税の収入確保につきまして、納税貯蓄組合の役割が大きいものと認識しております。

〇及川敦委員 今の御答弁では平成12年度が次の見直し時期だということで、見直しも含めたということの御答弁ありましたけれども、納税貯蓄組合に対するある一定の事業効果等もお認めになったようでございますけれども、私は補助金の額と、いわゆる徴税コストとそれにかかわる効果というのは非常にこれは怪しげな補助金じゃないかなというふうにかねがね思っておりまして、これは以前からあらゆるチャンネルを通して私も主張してきた内容なんでありますけれども、時代情勢が変わってきた中でこういった事業について、私はあえてこの件を取り上げますのは、本当に行政と納税者の旧態依然とした関係を象徴する事業じゃないかなという意味で、あえてここでお尋ねしているわけでございますが、こういった事業について今後積極的にこういった財政状況を考えるならば、メスを入れていく必要があるというふうに思っておりますけれども、総務部長の御見解を最後にお聞きしたいと思います。

〇武居総務部長 今、税務課長から答弁させましたけれども、これは過去のずっと経緯等がありまして、納税貯蓄組合法というものができて、こういった一定の働きをしてきているわけですけれども、今新聞等に一部そういった組合の補助金の使途についての不明朗な点があるということ、私も認識しておりますので、まずは実態をもう一度再確認すると、その上で12年度の見直しの際に。ただ、本県の場合非常に納税意識が高いわけなんです。非常にこれは県の伝統としてよき美風が残っているという中でのこういう組合のあり方というものも、また一方ではあるわけでございますので、今後、将来どういった方向の形にしていけば、よりよいこれからの納税意識の高揚なり実際の納税に資するかということは、12年度の中で、御指摘ございました問題点も頭に入れながら十分に検討させていただきたいと思います。

〇伊沢昌弘委員 機構改革並びに行政システム改革大綱に基づいて、職員管理の分野でちょっとお伺いをしたいと思っています。
 まず、機構改革の部分ですが、この間、部の再編なり統合を含めてやってきました。また、地方振興局に対して権限の委譲、強化を含めて県は頑張ってやってきたと思うわけであります。この間のこういった機構改革等について、人員の配置が変わった部分なり部の再編があったわけであります。それぞれいろんな思いがあってこの再編をし、機構改革をやってきたわけでありますけれども、この間、総体的に総務部としてどのような評価をされているのか、思ったとおり動いたのか。また、いろんな問題点があったとすれば、それらをどのように把握をされているのか、将来に向かって改善すべき点はないのか、そういった部分についてまずお伺いをしたいなと思っています。
 また、あわせてお伺いをしますが、この間、行政システム改革大綱の中で5%の職員を縮減すると、そして1%の純減をするんだということで動いてきているわけであります。基本的にはスクラップ・アンド・ビルドをしながら、必要な場所に縮減の部分は配置をしていくというふうに言われてきている部分があるわけであります。かなり新しい事業等を投入されて動いてきている部分があるわけですが、この間の言ってみればスクラップの部分、さらにはビルドの部分、どういったものがあったのかお示しをいただきたいし、12年度予算の中で、新年度の計画の中で新たにこういった部分で人員が配置をされる、このセクションに入れるんだというところがあればまずお示しをいただきたいなと思います。

〇邨野人事課長 行政機構改革の評価といったようなことでございますけれども、最近の行政機構改革についてちょっと申し述べさせていただきますが、最近では平成9年4月に保健衛生部門と、それから保健医療部門と福祉部門の組織的な連携を図ったところでございます。これにつきましては身体障害あるいは知的障害、それから精神障害の三つ、かつては違った部門で行っておったわけでございますけれども、これを統合した事業の展開が図られたとなってございますし、また老人福祉とそれから老人保健サービス、これも従前は部局を異にしておったものでございますけれども、これらの連携が密になるなど、異なった分野での総合的なサービスの提供が図られてきたのだというふうに理解してございます。また、地方振興局におきましても、最近、土木事務所をこれを統合いたしてございますし、また平成10年4月からは農政部門を中心に地方振興局の組織体制を整備したところでございます。そして、これらとあわせまして権限委譲というものをこれを進めたことによりまして、現地でのさまざまな決定権、これの拡大が図られて運用されているというふうに理解しているところでございます。
 また、この人員のスクラップ・アンド・ビルドといったような観点でございますけれども、具体的な来年度12年度の例をお示しして御説明申し上げたいと思いますけれども、職員定数につきましては、目下の厳しい財政環境、これを踏まえまして全体の職員定数を増加する状況には難しいといったようなことから、事務事業の見直しあるいは業務の民間委託、事務の合理化、こういったようなものを行いながら、定数の縮減、すなわち新しい業務が出てまいりましたならば、一定の業務をそういったようなことで、浮いた人員をそちらに振り向けるといったようなことで対応しているところでございます。平成12年度におきましても、これまで各種のダムの建設などの進捗が大分進んでございまして、そこから浮きましたといいますか、業務が減少いたしました職員の分を、これは県北地方の大雨災害関連、これを何とか急いでやらなければならぬということで、二戸地方振興局の土木部内に災害復旧対策課という組織を、これらの人員を振り向けて設けてございます。また、特別地方消費税というものがこれが廃止されましたし、それから信用組合検査業務というものが国に移管されることになってございます。そういうところでの業務量が減少したもの、これらにつきましても、例えば新幹線並行在来線関連業務、これが急いでやらなければならない業務でございますので、そちらの方の増員に振り向けるとか、あるいは介護保険の円滑な推進、あるいは社会福祉法人の健全な運営を確保するための指導、監査体制の充実、こういったようなものに振り向けまして、新しい現在必要な行政需要に対応できる体制の整備に努めているといったようなことでございます。今後もこういったような、今、委員おっしゃいましたスクラップ・アンド・ビルドといったような観点に立ちながら、人員の管理というものを進めてまいりたいと思うところでございます。

〇伊沢昌弘委員 スクラップだけが目についてビルドの部分がなかなか見えないと、職員の間で大きな不安といいますか、不満といいますか、一定程度あるのではないかなと思ったものですからお聞きをしたわけであります。
 関連してちょっとお聞きしたいんですが、予算に関する説明書の275ページに一般職の職員の数が載っているわけです。本年度と前年度、12年度、ここには253名の減と、こういう形が載っています。私これは昨年の2月議会の一般質問でも実は地方公務員の数の削減問題について、現下の就職難の中で考える必要はないのかと、こういう質問をさせていただいたことがあります。1年間で、言ってみればこの総体、これは多分医療局、企業局を除く、特別会計以外の一般会計の職員の数だと思うんですが、1%弱の人間が減るという形になるわけです。県内でも誘致企業の倒産とか、それから撤退の中で100人規模、200人規模で職員が減ると、会社の社員が減るということになると大きな騒ぎになっている部分があるわけであります。基本的には1兆円を超える県債を抱えて人件費を含めて見ていかなければならないという部分は大いにわかるわけですけれども、基本的な問題でいけば県内に働く人が減るという部分を考えれば、地方分権時代の中でこういったことが本当にいいのかなというふうに実は思うわけであります。ただ人をふやして楽をさせるという意味ではなくて、膨大な行政需要の中で多くの仕事を抱えている。この間のいろんな事故もあったわけでありますが、職員が怠慢の部分も大いにあったと、しかし検査を含めて回り切れない部分もあったのではないかというふうなことを考えれば、この行政システム改革大綱に基づいて1%純減、5%縮減、大いに必要な部分だと思うんですが、総体で考えた場合にこういったことが本当に県民のためになるのか。県内の消費活動を含めて経済に波及効果があるんだろうかというふうな部分もあるわけであります。全然通告もしないで今私しゃべっているわけですけれども、こういった部分を含めてぜひ御見解を賜りたいなと思うわけであります。よろしくお願いいたします。

〇邨野人事課長 ただいま職員数の減についてのお尋ねがあったわけでございますけれども、この説明書に記載してございます2万3、000人の職員と申しますのは、これは委員御指摘のとおり、公営企業会計を除く分の高等学校等の教職員を含めました全体の数でございます。ここで253人の減というふうになっておるわけでございますけれども、これの大部分は教育関係、小、中、高等学校の教職員のこれは減ということになってございます。また、行政システム改革大綱の中でも職員数の縮減あるいは純減について掲げておるところでございますけれども、これらを進めるに当たりましては、まず第1にそれらの縮減あるいは純減によりまして県民サービスの低下を招かないように、その代替の措置を講じながら行っていくといったようなことに配慮することにしております。また、毎年度定数を管理していくに当たりましては、各事業部の方とも十分その事情を聴取いたしまして、現場での各種の業務の遂行の妨げにならないような、そういったような措置を講じながら的確に対応してまいりたいと考えておるところでございます。

〇伊沢昌弘委員 先生が減っているという部分、これは30人以下学級含めて教育委員会の方でも意見として我々やっている部分あるんですが、行政職を含めて若干純減をされているなという部分があるわけなので私お話をさせていただきました。行革の中で本当の意味で職員が動きやすい。パソコンを配置するのも大いに結構だと思うんですが、私は基本的には行政は人がやるものだと思っています。パソコンはデータを処理をしながらきちんとやれるものだ。しかし、県民との言ってみればいろんな分野での話し合いといいますか、了解をとったり事業をやる、最終的には人がやるものだ、職員がやるものだというふうな部分で思っているわけでありまして、今後も言ってみれば適正な管理といいますか、各部局からのいろんな要望を踏まえて適正な配置をされるよう要望いたしまして終わります。

〇工藤篤委員長 進行いたします。

〇斉藤信委員 項目的に簡潔に聞きますから、答弁をぜひ簡潔明瞭でお願いいたします。
 一つは外形標準課税について。東京都の場合は大手の銀行に課税するもので、これは大銀行優遇税制の是正と、こういう性格を持つものであり、私どもも大賛成であります。ところが、今、自民党税制調査会は法人事業税そのものを外形標準課税に一気に変えようと動いております。自治省も地方税法を改正すれば全国の方式に統一できる。こういう動きであります。これは、外形標準課税というのは企業が生み出した付加価値などに課税する、そういうものでありますから、税負担力のない多くの中小企業からも税金をむしり取る。中小企業にとっては増税となりかねないものであります。私は外形標準課税の一律導入には反対すべきだと、こういうふうに思いますがいかがでしょうか。
 次に、防災対策についてお聞きします。2月20日の防災訓練、そして先日の日曜日開かれた岩手山の火山防災フォーラムに私も参加をしました。岩手県が市町村、民間と協力をして積極的に防災訓練や防災フォーラムなどを開催して、その内容も大変わかりやすいものでありました。大変効果的な啓発事業だなと私感じております。その上に立って2点についてお聞きしたい。
 その防災情報支援システムについて、静岡県を視察したときに大変進んだそういうシステムがありました。聞くところによりますと、宮城県やその他七、八県、かなりまとまった情報支援システムを整備しておりましたが、岩手県の場合は今後の計画としていわて情報ハイウェイなども活用できるのか、またそういう整備をする予定があるのか、検討しているのか、これをお聞きしたい。
 もう一つは、私は、県、市町村、民間に防災の専門家の養成と配置が必要だと思います。岩手県は火山だけではなくて地震、津波、いわば災害のメッカとも言うべきさまざまな危険性があります。これも静岡県で行われていましたが、防災の専門家を養成するということで、静岡県の場合、県立大学を会場にして防災総合講座、こういうものを行っておりました。これは災害論の1冊であります。かなりの科目で第一線の専門家が防災論について講義をする3カ月の集中講義で、これを卒業しますと防災士と県が認定すると、こういうものでありました。岩手県からも参加をしているというのもありました。私は、さまざまな災害が予想される岩手県で、岩手大学や県立大学、岩手大学のINSなどと協力をして防災総合講座などを開設して、市町村や民間、県はもとより防災の専門家を養成、配置をしていくべきと考えますがいかがでしょうか。
 3番目、県職員のサービス残業の根絶について。私は一般質問でも取り上げましたが、まともな回答がございませんでしたので、改めてお聞きしたい。県職員1人平均の超過勤務は月22時間、そのうち超過勤務手当支給が12時間ですから、サービス残業は1人平均10時間、年間120時間になると思いますが、間違いないでしょうか。年間120時間のサービス残業は金額にすると1人当たり幾らになるか。県職員全体では幾らになるか示していただきたい。サービス残業は国会でも犯罪行為と言われています。直ちに根絶すべきと思いますがいかがでしょうか。県庁はサービス残業根絶の先頭に立つべきではないでしょうか。

〇菅原税務課長 外形標準課税についての関係でございますが、法人事業税は地方公共団体の基幹税目でありまして、外形標準課税については税収の安定化、応益課税としての税の性格の明確化、税負担の公平性の観点から地方分権時代における望ましいあり方と思っておりますが、ただ、その導入に当たりまして税負担の激変緩和等の経過措置とか、中小法人等に対する配慮等さまざまな課題があって、それらがクリアされるべき問題でもあり、全国的レベルで議論を深めていくものと考えております。

〇篠谷消防防災課長 私の方から静岡県における防災情報支援システム、それにかわる岩手のあり方、それと防災の専門家の養成、この二つについてでございます。
 静岡県の場合は、委員方、防災の特別委員会の方で御視察をされて、本会議でも質問等が出されたわけであります。災害の様態、岩手の事情等々の違いについては本会議の方で申し上げたとおりでありますが、この防災システム、これについては従来の防災行政無線等々、いろんな施設を一元的にしたもので、それを称して防災情報支援システムと言っているのが静岡県の例でございます。
 本県におきましては、昭和55年に防災行政情報通信ネットワークというものを構築してございまして、その後衛星系の充実とか、いろいろな各種のシステムの改善を図りながら、静岡県と同様ないろんな通信のシステム、市町村等への情報伝達等々実施してきたところでございます。委員お話しのいわて情報ハイウェイ、今年度から県として取り組んでいるものでございます。その中で防災情報ネットワークシステムを構築する、その中に位置づけるというとらえ方をしてございますので、その中で各種の災害に迅速、的確に対応できるようにその防災ネットワークシステムを構築するということで現在整備を進めているところでございます。中身については静岡県と同じような中身になっておりまして、システムの主な中身と言いますと、気象予警報、あるいは震度情報データの市町村等への伝達、あるいは被害情報収集、また災害映像の市町村等への伝達等々の各システムでございます。その防災情報ネットワークシステムを構築、整備を進めまして、県の災害応急対策活動が的確に実施できるように、さらなる整備を進めてまいりたいと思っております。
 それと防災の専門家の養成についてでございます。これについて先ほどお話ししましたとおり、静岡県では県全域を含む広範囲な被害が想定をされるという、東海地震に対応するということが主眼でございまして、専門的知識を体系的に習得した人材を広く養成をする必要があるということで、県立大学に防災専門講座を開設して、防災士の養成を行っているというふうに伺っております。本県におきましては、委員もお話しありましたが、県立大学で岩手山の火山活動に関する総合研究を現在実施しているところでございます。また、岩手大学を中心といたしまして、県内における産学官の連携組織でありますが、岩手ネットワークシステム──INSと言っております。この中で地震と防災研究会、特に火山を中心としたものを今進めておるわけですが、地方公共団体あるいは防災関係機関、報道等も入っております。その方々が毎月定例会を開催してございまして、岩手山の火山活動の現況なり防災対策のあり方なり、幅広く研究討議をしておりまして、それらを通して専門知識の習得を図ってきているという状況でございます。また、県の職員についても、広く災害対応ができる人材の養成が必要でございますので、そういった点では県といたしましては、本庁あるいは地方振興局の防災担当の職員に対しまして、各種の講習会に積極的に参加させ、また防災訓練を繰り返すなど、職員の専門的な知識あるいは実行力、調整能力、そういったものを高めるよう進めておるとともに、広く県民の方々にもそういった防災の考え方というものは広く普及することが大切でございますので、そういった防災意識の県民の啓発等にも努めているという状況にございます。

〇邨野人事課長 超過勤務手当の関係でお答え申し上げます。
 委員御指摘の120時間という時間の関係でございますけれども、これは実は私ども平成10年度に、これは超過勤務ということではなくて、県庁に時間外に残っている時間をこれは調査したことでございまして、それによりますと平成10年度の知事部局のその時間数というのは、おおむね22時間ということになってございます。それに平成10年度の知事部局におきます超過勤務手当の支給総額、これが18億円ちょっとございまして、これを1人当たり機械的に単純に割り返した数字、これが12時間という数字が計算上出てまいります。この差の分が10時間でございまして、これが年間で120時間ということでなっているものと思います。ただ、ただいま申し上げましたように、超過勤務というものは本来職務命令に基づいて行うものでございますし、また1人当たりの平均の超過勤務手当から割り返した時間、これも実際の超過勤務におきましては時間当たりの単価が低い職員が中心であるとか、またどういったような職員がやるかによってかなり実態は動くといったようなことから、何と申しましょうか、この数字はそういったような機械的なおおよその推計だというふうに御理解いただきたいと思っております。(斉藤信委員「答弁漏れだ。1人当たり幾らで、総額何ぼと答えればいいんだ。」と呼ぶ)

〇邨野人事課長 失礼いたしました。今申し上げました大ざっぱな数字でございますけれども、この大ざっぱな120時間というものをベースにその単価というもの、これもまた、単純に全く機械的でございますので、必ずしも実態を反映しているものではないというふうに御理解いただきたいんですけれども、そうしますと1人31万ちょっとぐらいというふうな額になるというところでございます。(斉藤信委員「県庁全体で。」と呼ぶ)仮に管理職を除いた職員数を乗じますと約15億円ぐらいの額になってまいります。

〇斉藤信委員 言いわけが多くてね、ずばっと答えていいんですよ。
 外形標準課税について総務部長に私一言聞きたい。今、課長からの答弁で、これを導入すると激変緩和しなくてはならないぐらい、結局中小企業には大増税になるということですよ。私これは大変だと思うんです。そういう点で、例えばこれで税収がふえたとしても地方交付税で引かれたら余り僕はメリットないと思うので、外形標準課税の全国的一律導入というのはこれは県民にとっては、特に中小企業にとっては大変な打撃になるんじゃないか。その点について部長の見解をお聞きしたい。
 それとサービス残業、私は人事委員会の調査を聞いたんですよ。いる時間じゃなくて実際の残業時間の調査を聞いたのですよ。だから、機械的、極めて正確なんです。それだけ私つけ加えておきます。
 あと二つだけお聞きします。盛岡のある私立高校における生徒による恐喝事件とその対応について。これはきょうの新聞報道もありました。この事件に対する高校と県の対応はどうだったのか。私はこの間の経過を見ますと、高校はまともな調査もしないで自主退学措置をとったのではないかと、そういう点では極めて無責任な対応だったのではないか。そして、学校としても必要な調査をしていないのではないか。これは逮捕された生徒はあるクラブのキャプテンでありましたが、そのクラブは1月22日から26日の全国大会に参加をしているんですね。参加のよしあしは別として、私はそういう生徒であればきちんとした調査や対応があるべきだと、そういうこともないのではなかったのか。実はこの学校というのは副校長がセクハラ事件を起こして今裁判ざたになっている同じ学校なんですね。学校の体質が問われているんではないか。これが第1点です。
 あと最後ですが、米軍機の低空飛行訓練について、私は一般質問でも取り上げました。実は事故報告書の中でフライトレコーダーというのがありまして、具体的にこの飛行ルートが確定をされるのであります。これが航路であります。フライトレコーダーを解析しますと正確な訓練ルートが特定できます。そして、もう一つは、高度も特定できるんです。その高度を見ますと五葉山の付近で200メートルそこそこです。200メートルから500メートルの高さで700キロぐらいの低空飛行訓練をやっているわけです。そういう点ではフライトレコーダーの解析をやっている専門家がいますから、こういうものも事故報告書の中に入れてひとつ公表していただきたい。これは全国の警告になります。どういう低空飛行訓練がやられているかということ。
 それともう一つ私お聞きしたいのは、実はそのときに米軍の演習通報はどうだったのか。一般質問で聞きました。こういうことなんです。空対地射爆撃訓練は──地上攻撃です──三沢対地訓練区域でやる。空対空訓練は北部本州空戦訓練区域でやる。地上攻撃訓練は釜石湾でやられていました。そして、空対空訓練はこの飛行訓練の岩手県のいわば地上でやられていました。そうすると、北部空戦空域というのは三陸北部沖です。演習通報と全く違うところで危険な訓練がやられていたということも明らかなんですね。実は何カ月か置きかに演習通報があるけれども全く同じ中身ですよ。だから、全く同じ中身の通報があって、今でも危険な低空飛行訓練がやられているんじゃないか。こういう点では私はこの事実について、部長、やっぱりきちっと通報と違うんじゃないかということを抗議すべきではないか。
 最後ですが、この間、岩手県は県内の低空飛行訓練の苦情、それに対する対応を行ってきました。それを聞きますと、去年の9月以降の低空飛行訓練による騒音、苦情に対して、外務省を通じてやっているんだけれども米軍は全然回答していない。極めて私は不遜な態度だと思いますよ。9月以降もう半年以上たってもその低空飛行訓練の事実を認めていない。こういうことでいいんでしょうか。私は改めて、もう1周年たったわけだけれども、こういうものを本当に厳しく県民の安全を守る立場でやっていくべきだと思いますがいかがでしょうか。

〇武居総務部長 外形標準課税の問題につきましては、景気への配慮、中小企業の問題等幾つかの課題があることも承知しているところでございまして、そういった問題を含めまして全国知事会を巻き込みまして、国レベルで活発な議論が今まさに行われるような土壌が整ってきているところでございますので、そういった中で私どもも一緒になって、よりよい地方税制、特に地方分権を支える安定的な税制というものはどういうものがよいのか、こういった点につきまして一緒になって考えてまいりたいと考えております。

〇千葉総務学事課長 高校の不祥事の件でございますけれども、学校はどういう対応をしたのかということでございますが、事件が判明した1月14日、県が知った日でございますけれども、直ちに学校を呼びまして口頭で報告を求め、事件の概要につきまして文書で提出するように求めたところでございますけれども、そのときの学校からの報告によりますと、被害者の保護者から事件の申し出を受けた日に加害者及び被害者から事実関係について聴取を行ったと、しかしその被害額が余りにも大きいこと、あるいは当事者間の話の内容が大きく違っていること、警察へ既に被害届が提出されていること等もありまして、それからまた、警察による既にその調査といいますか、捜査が開始されていることもありまして、そういう処分をしたというふうに聞いております。ただ、県といたしましては、いずれ再発防止のためにはきちんとした原因究明が必要であるというふうに考えているところでございます。それに対する県の対応でございますけれども、先ほど申し上げましたように、文書による報告を求めておりまして、その結果、1月25日に報告書の提出をいただいております。ただ、その際に、事件の原因究明なり今後の対応につきましては提出がなかったものですから、強くそれをつくるように──つくるといいますか、文書でつくって報告をするように学校に対して強力に指導しているところでございますし、そういうふうに今やっておりますが、まだ残念ながら報告書は出てきていない状況にございます。
 それから、米軍の関係でございますけれども、報告書につきましては、事故内容の部分につきましては、前にもいろんな機会にお話ししてございますけれども、本来外務省でやっていただくのが一番よろしいわけですけれども、そういうことが予定がないということもございまして、用語等に一部不正確な面があるかもしれないということを前提に、一部翻訳をして既に公表しているところでございますが、事故機のフライトレコーダーに関する部分につきましても、実はこれは直接事故原因ということでもないこともございますし、それからまた、軍事的あるいは航空的な専門的な事項でありますことから、訳した場合、原文といろんな違いが出てくることなんかも随分懸念されますものですから、現在は訳さないでそのまま原文でインターネットに載せているところでございますし、情報センターにも配付して一般の用に供しているところでございます。
 それから、通報との関係でございますけれども、在日米軍の演習通報につきましては、総理府告示及び防衛庁施設告示により定められた訓練区域において米軍が訓練を行う際、その内容及び使用期間について防衛施設庁施設部長が関係機関、団体に通知しているということでございます。

〇斉藤信委員 苦情対策ないから、答弁漏れやってください。それで、とやかく言いません。私、後から情報提供しますから、この解析資料というのは演習通報とやっている訓練が違うということをはっきり示すものですよ。ですから、こういうものをやると全国でも大いに活用されますので、ぜひいいものはどんどんやっていただきたい。答弁漏れだけにとどめて終わります。

〇千葉総務学事課長 大変失礼いたしました。昨年の1月21日の事故以来の低空飛行による苦情についてでございますけれども、きのう現在で23件でございます。それらに対してはその都度、外務省及び航空自衛隊に対し当日の飛行状況について確認をするとともに、本県上空での低空飛行は避けるように外務省に要請しているところでございます。ただ、寄せられた23件の騒音苦情のうち、判明していますのは自衛隊機が5件、それから米軍機9件でございまして、残りの9件については確認できないものですから、現在外務省に照会し督促をしておりますけれども、寄せられた苦情に関する飛行時間とか方向が明確でないために回答がおくれているのかなというふうに感じておるところでございます。

〇阿部富雄委員 個人の県民税については市町村民税と一緒に市町村が徴収をするということで、納付書1枚につき幾ら、そして取扱高に応じて何%というふうに県は交付をしているわけでありますけれども、最近の市町村の徴収事務を見ますと、徴収員はもちろんでありますけれども、臨時を雇って訪問による徴収などたくさんの徴税コストがかかっているということもございますし、さらには電話の加入権の差し押さえ、公売、その他物件の差し押さえと、いろいろ事務が煩雑しているわけでありますが、こうした事態について県はどのように把握をされているのかお伺いしたいと思いますし、あわせて県税徴収についてはどのような努力をなさっているのかお伺いいたします。

〇菅原税務課長 ただいまの質問でございますが、県民税と市町村民税が県の方で課税をお願いしている事項でございますが、制度的に申し上げますと、県民税の賦課徴収に関する事務を行うために要する経費を負担するものといたしまして、県から市町村に対しまして個人県民税徴収取扱費を交付している状況でございます。交付基準は地方税法で定められておりまして、その内容につきましては、市町村が送付した納税通知書などの通数に60円を乗じて得た額と、市町村から払い込まれた個人県民税の額に100分の7を乗じて得た額の合算額を合計いたしまして、市町村に事務経費として負担しているものでございます。したがいまして、この交付基準でありますが、法律で定めている事項でございますので、県でこれを単独で引き上げを実施することは難しいのではないかなと、こう思っております。
 それから、2点目でありますが、県の徴収努力の件でございますが、毎年ですが、これは11年5月でありますが、県税滞納整理特別対策要綱を策定いたしまして、滞納整理を強化して、収入未済額の縮減、新規滞納の防止に努めているところでございます。具体的に申し上げますと、まず1点、長期・大口滞納者に対しましては、滞納者の実態調査、財産調査を徹底し、差し押さえ等の滞納処分を厳正に行うこと。二つ目といたしまして、自動車税については、5月の納期限経過後、督促状発付後直ちに、地方振興局の税務部あるいは総務部税務課において職場を挙げて初動集中整理を実施し、新規滞納の縮減に努めているところでございます。それから、3点目でございますが、個人県民税につきましては、市町村との連携を図りながら、滞納整理の方策について指導、助言を行うほか、具体的徴収支援策を講じておると、その具体的な支援策と申し上げますのは、市町村長と地方振興局長との連名で文書催告しておりますし、市町村職員と共同の臨戸徴収をしておりますし、それから市町村で徴収困難事案につきましては県で徴収を引き受けいたしまして徴収している状況でございます。

〇阿部富雄委員 今お話しいただいたことはわかっていて質問しているわけですよね。私がお聞きしているのは、市町村が徴税努力をしている部分の実態を把握しているかということですね。相当の徴税コストをかけているわけですね。私は徴収するのにコストをかけてはだめだとは言いません。やっぱり徴収というのは平等性を確保するには必ず必要なことでありますから、幾ら金はかかってもやっぱりやらなければならないというのはそのとおりでありますが、市町村はそういう目標に向かって一生懸命努力しているわけですよね。それは相当数の金をかけてやっているわけですが、問題は今言われたように、地方税法で1枚当たり幾ら、それから徴収額の何%という、こういうふうになっているのはわかるんですが、それはそのとおりだろうと思うんですけれども、それ以外の方法であっても市町村の徴収努力を支援するということは私は可能だと思うんです。そのことを私は聞いているわけでありまして、まずそのことについてはどのように把握をされ、対応されようとしているのかお伺いしたいと思います。
 それから、県の徴収努力については3点ほど具体例を挙げてお話をされましたが、具体的に見ますと、市町村がやっているように、例えば物件の差し押さえだとか公売だとかというような形は余り見受けられないんですよね。これもさっき言ったように、やっぱり税金というのは公平性を確保するという意味では、課税されたものについては徴収する、納入してもらうというのはこれは原則ですから、そういう努力をもっとやってもいいのではないかなというふうに感じているわけですけれども、その辺についてもう一度お尋ねしたいと思います。

〇菅原税務課長 第1点目の個人県民税と住民税の徴収に係る市町村における経費負担の増の関係でございますが、うちの方で一応計算してみたんですけれども、個人の住民税に占める個人県民税の割合は28.4%でございます。それから、住民税の徴収に要する徴税費でございますが、これは県民税と市町村民税合わせての徴税費用でございますが、それに占める個人県民税の賦課徴収取扱費でございますが、その率が39.17%ということで、28%の税をお願いしている中で経費として39.17%払っているという状況でございます。
 それから、2点目でございますが、県でも一生懸命滞納整理をすべきじゃないかという質問でございますが、平成10年度は滞納繰越分で4億6、400万円ほど徴収しております。平成9年度と比較しますと1億300万円ほど整理促進を図っている状況でございます。

〇阿部富雄委員 どうも趣旨を、率がこのくらいの割合で徴税費がこのくらいだからいいのではないかというような聞こえ方がするわけですけれども、だってそれは総体として徴収しているわけですからね。市町村民税と県民税を一緒にやっているわけですから、そこをやっぱり履き違えてもらっては困ると思うんですよ。ですから、やっぱり市町村がやっている徴収努力については、法律的なことはそのとおりだろうと思いますけれども、別の形での支援策というのは私は可能だということを言っているんです。そのことを今後検討していただきたいということを要望して終わります。

〇工藤篤委員長 ほかに質疑ありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇工藤篤委員長 質疑がないようでありますので、これで総務部関係の質疑を終わります。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後4時8分 散 会


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