平成19年3月臨時会 第24回岩手県議会臨時会会議録

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〇25番(阿部富雄君) 地方自治法第97条第2項では、議会は、予算について増額してこれを議決することを妨げない。ただし、普通地方公共団体の長の予算の提出の権限を侵すことはできないとされています。
 本日招集の趣意説明並びに総務部長の議案の説明では、廃止を前提に補正予算が提案されたものと認識しています。しかし、発議案、修正案は、存続を前提にしたものと思われます。
 地方自治法第97条第2項の予算の増額修正については、昭和52年10月3日の自治省行政局長通知で、当該予算の趣旨を損なうような増額修正をすることは、長の提案権の侵害になると解するとされております。知事の提案の趣旨は、廃止が前提と理解すべきであり知事提案の趣旨を損ねると思いますが、どのように認識しているのか、お聞きします。
〇39番(伊沢昌弘君) 地方自治法第97条第2項の条項が今御質問されました。増額補正することは妨げない。また、長がこれを侵害するとした場合は、これは成り立たないものであります。
 先ほどの知事提案の中で、廃止に向けたスキームが出されました。知事は、何度もお答えをしております。赤字のない、出ない形での県民負担を超えない部分、そのためには、330億円の融資スキームの中で、環境が整えば競馬存続は可能であると述べられていたわけであります。そのことからすれば、知事の提案権を侵害するとは私は考えていないものであります。
〇25番(阿部富雄君) 知事にお聞きします。
 予算の増額修正については、ただいま提案者への質疑で申し上げたとおりです。知事の提案と修正案は方向が180度違い、相入れないものと私は認識をしております。知事の当該予算の趣旨を損なうような増額修正であり、知事の提案権の侵害になると思いますが、認識をお聞きします。
 そして、この議案の質疑の際、知事は、新たな赤字が出ないこと、県民の負担が最も少ないこと、こういう環境が整えば存続は可能になるというような趣旨の発言をされておりますけれども、これはまさに他人の力に頼っている、みずからが努力するという、そういうことを放棄したことに私はつながるのではないか。本当に競馬を存続させるという熱意があるのであれば、まさにこうしたみずからの考えをきちっと打ち出して、議員の皆さんの理解を得られるような、そういう努力をすべきじゃないでしょうか。
 このような中身で仮に議会がこの修正案あるいは発議案を可決したとしても、知事がそういう後ろ向きの姿勢で競馬問題に対応するということでは、私は成果は得られないというふうに思います。その点、知事はどのような考え方でいらっしゃるのか、お聞きします。
〇知事(増田寛也君) まず、私の提案権を侵しているのではないかとうお話でございました。
 今、内容を見ますと、先般、私が議会の方に提案したものとは、内容的には若干異なっております。若干異なっておりますけれども、全体を見ますと、さきの定例会で私が提案した予算の範囲の中でこういった提案がなされているということと、それから、財源手当て等もなされておりますので、そうした状況を総合的に判断すれば、知事の予算の提案権、提出権を侵害するという形にはなっていないと、こういうふうに私も思っております。
 それから、これについて、知事として競馬の存続をどのように考えているのか、こういうお話でございました。私も、これまでの議会の中で、存続のための条件、大きく言うと二つでございますけれども、そうした存続の条件というものを満たす、非常に小さな道でありますけれども、そういう中で御理解をいただければ存続をしたいということで議案を提案したわけでございます。
 しかし、そのことを、私として、私なりの表現と考え方で十分御説明をしたつもりでございましたけれども、そのことについて議会の方の否決という御判断をいただきました。議会におきましては、この提出をいたしております議案が否決されるということであれば、組合の事業については廃止せざるを得ないと申し上げておりましたので、そうした当議会での発言を受けまして、今回、事業の廃止の議案の提案をさせていただいたものでございます。
〇議長(伊藤勢至君) これをもって質疑を終結いたします。
 これより討論に入ります。
 討論の通告がありますので、発言を許します。斉藤信君。
   〔26番斉藤信君登壇〕

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