平成12年12月定例会 決算特別委員会会議録

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平成12年12月6日(水)
   

1開会 午前10時4分

1出席委員別紙出席簿のとおり

1事務局職員
事務局長       和 美 宏 幸
議事課長       熊 谷 素 紀
議事課長補佐     千 田 正 和
主任議事管理主査   浅 田 和 夫
議事管理主査     浅 沼   聡
議事管理主査     森   達 也
議事管理主査     熊 谷 正 則
議事管理主査     下 山 義 彦

1説明員
生活環境部長     村 上 勝 治
生活環境部次長兼環境政策室長 長 山   洋
総務生活課長     長 澤 忠 雄
交通安全対策監    白 木 健 志
文化国際課長     稲 田   収
青少年女性課長    廣 田   淳
環境保全課長     晴 山 祐 典
廃棄物対策監     簗 田   幸
自然保護課長     菅 野 文 也
環境政策監      久 保 協 一
 
保健福祉部長     関 山 昌 人
保健福祉部次長    石 川   戡
保健福祉課長     小 原 公 平
地域福祉課長     冨 手 正 義
監査指導監      細 川 敦 子
長寿社会課長     及 川 宣 夫
介護保険システム整備監 六本木 義 光
障害保健福祉課長   細 田 重 憲
児童家庭課長     笹 木   正
保健衛生課長     若 城 康 平
国保援護課長     滝 田 勇 夫
 
商工労働観光部長   鈴 木 清 紀
商工労働観光部次長  大 沼   勝
商政課長       長 葭 常 紀
岩手ブランド推進室長 佐々木 由 勝
経営金融課長     齋 藤 静 夫
工業振興課長     三 浦   聡
企業立地推進監    勝 部   修
観光課長       山 口 和 彦
労政能力開発課長   千 葉   務
 
地方労働委員会事務局長 盛 合 桂三郎
総務課長       米 本 清 一
審査調整課長     高 橋 敏 美
 
出納長        高 橋 洋 介
副出納長兼出納局長  藤 沢 政 則
出納課長       山 口 喜 弘
 
監査委員       一 戸 克 夫
監査委員       及 川 桂 子
監査委員事務局長   小笠原   宗
総務課長       青 木   拓
監査課長       三 上 佑 子
 
財政課長       池 田 克 典
   

〇佐々木大和委員長 これより本日の会議を開きます。
 これより議事に入ります。認定第1号から認定第12号まで、決算12件を一括議題といたします。
 本日は、生活環境部、保健福祉部、商工労働観光部及び地方労働委員会関係を終わるように進行したいと思いますので、御協力をお願いします。
 なお、世話人会の申し合わせにより、平成11年度決算の審査であるので、当該年度に関する質疑とされたいこと、質疑項目が複数ある場合、関連する事項についてはできるだけまとめて質疑されたいこと、所属する委員会の部局の審査では当該委員の発言はできるだけ遠慮願いたいこと、各委員の発言機会を保証するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう願いたいこと、また、質疑及び答弁については簡潔明瞭に行い、午後5時をめどに審査が終了するよう、議事進行に御協力をお願します。
 最初に、生活環境部長に生活環境部関係の説明を求めます。

〇村上生活環境部長 それでは平成11年度の生活環境部関係の決算について御説明申し上げます。
 平成11年度岩手県歳入歳出決算書の12ページをお開き願います。
 生活環境部関係は、3款民生費のうち2項生活文化費でございまして、予算現額は15億1、012万7、000円、これに対する支出済額は14億3、451万5、000円余となっております。
 次に、4款衛生費のうち2項環境衛生費の一部でございますが、予算現額は53億9、136万7、000円のうち49億7、327万9、000円、支出済額は50億2、912万4、000円余のうち46億1、159万2、000円余となっております。この結果、生活環境部関係の平成11年度予算現額は64億8、340万6、000円、支出済額で60億4、610万7、000円余となるものでございます。また、平成11年度から平成12年度への繰越明許費は3款民生費2項生活文化費で6、994万1、000円、4款衛生費2項環境衛生費で2億3、439万2、000円であり、経済対策で補正いたしました県民生活センター施設整備及びふれあいトレッキングロード整備事業などがその主なものでございます。
 以下、個々の内容につきましては、便宜、平成11年度歳入歳出決算事項別明細書にて御説明申し上げます。
 なお、事業ごとの金額の読み上げは省略させていただきまして、主な事業の内容を中心に御説明申し上げますので御了承願います。
 それでは、歳入歳出決算事項別明細書144ページをお開き願います。3款民生費2項生活文化費1目県民生活総務費でございます。備考欄の方でございますが管理運営費は、生活部門の職員人件費等管理運営に要した経費、その3段ほど下の方ですが消費生活協同組合等育成事業費は、消費生活協同組合の育成、支援を行ったものであり、その下でございます物価安定対策事業費は、生活関連物資の価格動向調査等を行った経費でございます。それから3行ほど下ですが地域文化交流発信事業費補助は、地域における特色ある文化活動の創造を図るため、九戸村で実施されました東北こども太鼓フェスティバルなど3事業に補助した経費でございます。下の方でございますがボランティア活動支援事業費は、ボランティアやNPO活動支援のための拠点機能の整備及び災害ボランティアマニュアルの作成等を行ったものでございまして、それからその下の文化情報総合システム整備調査費は、県内の文化団体の活動内容等文化に関する情報全般の総合的な提供システムのあり方について調査を行ったものでございます。
 なお、翌年度への繰越額6、994万1、000円は、県民生活センター施設整備に係るもので、経済対策補正分でございまして、冷暖房工事の設計に日数を要したことから翌年度に繰り越したものでございます。次に、146ページに参りまして2目交通安全対策費でございます。交通安全指導費は、交通安全思想の普及啓発、交通安全功労者の表彰等の実施及び市町村の交通指導員設置経費に対し補助したものなどでございます。交通安全キャンペーン推進費でございますが、これは、県民の交通安全意識の高揚を図るため、テレビのコマーシャル枠を活用したキャンペーンを実施したものでございます。次に、3目国際交流推進費でございます。この3行目でございますが国際交流推進費は、本県の国際交流を推進するため、語学指導を行う外国青年の招致事業による国際交流員の招致、外国人留学生に対する奨学金の支給及び在住外国人の生活を支援するため、日本語教育やボランティアの養成などを行ったものであり、国際協力推進費は、開発途上国からの技術研修員の受け入れ、海外移住者の援護、南米移住者子弟の留学生受け入れ及びJICA研修員の受け入れ等がその主なものでございます。一番下でございますがグローバルネットワーク推進事業費は、いわてフレンドシップ推進事業など世界各国との幅広い交流及び岩手の青年と南米移住国の移住者子弟青年との派遣交流を行ったものなどでございます。次に、148ページに参りまして4目青少年女性対策費でございます。青少年育成指導費は、市町村に青少年育成委員を設置した経費、ポニースクール岩手における少年少女を対象としたポニーとのふれあい事業及び乗馬普及事業を実施した経費であり、もう少し下の方でございますが北東北ユースサマーセミナー開催事業費は、北東北3県の青年たちが一堂に会し、ボランティアや自然環境等をテーマとした体験活動を通じた交流を行ったものでございます。いわて女性さわやかプラン推進事業費は、男女共同参画社会の形成を目指すいわて女性さわやかプランを推進するため、いわてさわやかフォーラムの開催等に要した経費であり、いわて女性洋上セミナー事業費及びいわて少年洋上セミナー事業費は、地域社会に貢献する女性リーダーの育成及び社会参加活動を行う少年リーダーを育成するため、洋上研修と寄港地研修を実施したものでございます。
 次に、少し飛びまして160ページでございます。160ページから162ページにかけての説明でございます。4款衛生費2項環境衛生費1目環境衛生総務費でございます。管理運営費は、環境部門職員の人件費等管理運営に要した経費、ゼロエミッション構想推進費は、廃棄物処理をこれまでの焼却中心の処理からごみの減量化、再使用への転換を図るため、セミナーの開催、リサイクルコンクールの実施及び地域の実情にあったリサイクルモデル事業等を行った経費でございます。北東北三県環境施設連携推進費は、青森県及び秋田県と共同して、児童向けの環境啓発用の学校副読本の作成等に要した経費であり、地球温暖化対策推進費は、地球温暖化防止対策を県レベルで推進するため、普及啓発事業、研修会の実施及び温暖化防止計画の策定等に要した経費でございます。ここの一番下でございますが環境ネットワーク共同プロジェクト推進費は、岩手県、国連大学高等研究所及びNTT先端技術総合研究所が共同して、環境教育及びゼロエミッションをテーマとしたフォーラムを開催したものでございます。次に、164ページに参りまして3目環境衛生指導費でございます。営業施設経営指導費は、環境衛生関係営業の経営の健全化、衛生水準の維持向上等を図るため、財団法人岩手県環境衛生営業指導センターが実施いたします事業に対し補助したものであり、産業廃棄物処理モデル事業推進費は、産業廃棄物の適正処理を図るため、財団法人クリーンいわて事業団に運営資金の貸し付け及び最終処分場保護設備の整備に対し補助したものなどでございます。それから3行ほど下でございますが災害廃棄物処理事業費補助は、平成11年10月27日から28日にかけての大雨洪水災害に伴う廃棄物の処理に要する経費の一部を軽米町に対し補助したものであり、それからやはり2行ほど下の方でございますが広域的水道整備促進費補助及び簡易水道等施設整備費補助は、広域水道企業団を構成する市町村への補助及び市町村が行う簡易水道等施設の整備に対し補助したものでございます。一番下のところになりますけれども合併処理浄化槽整備費補助は、58市町村、1、949基の合併処理浄化槽の設置に対し補助したものでございます。
 なお、翌年度への繰越額2、220万円は、簡易水道等施設整備費補助に係るもので経済対策分であり、道路管理者との協議に日数を要したことから翌年度に繰り越したものでございます。次に、4目環境保全費でございます。大気汚染防止対策費及び水質保全対策費は、県内の大気及び水質の保全を図るため、工場や事業場の監視、酸性雨の実態調査、公共用水域及び地下水の水質測定並びにゴルフ場で使用される農薬の残留実態調査などを実施したものでございます。化学物質環境対策費は、ダイオキシン類に係る大気、水質等のモニタリング調査及び河川、海域等における環境ホルモンの実態調査、さらにはフロン回収システムを確立するため、フロン回収機器の整備に対し補助したものでございます。次に、166ページに参りまして5目自然保護費でございます。自然環境保全対策費は、自然環境保全地域等の保全に要した経費等であり、自然公園施設整備費は、北山崎園地展望台等自然公園における施設の整備及び二戸市が行った梨木平園地整備など、市町村が行った公園施設整備に対し補助したものでございます。シーサイドウォーキングロード整備事業費及びふれあいトレッキングロード整備事業費は、陸中海岸国立公園及び山岳自然公園において、田老野営場、北山崎線道路、乳頭山国見温泉線道路等の整備を行ったものであり、ふるさと自然塾整備事業費は、衣川村が整備した廃校を活用した環境学習拠点に対し補助したものでございます。
 なお、翌年度繰越額2億1、219万2、000円は、シーサイドウォーキングロード整備事業及びふれあいトレッキングロード整備事業に係るもので、いずれも経済対策補正分であり、計画調整に時間を要したため繰り越したものでございます。また、前年度繰越事業費不用額1億1、391万5、000円余につきましては、自然公園山岳施設リフレッシュ整備事業に係るものであり、岩手山の入山禁止に伴い、8合目避難小屋の改築工事を中止したもの等でございます。次に、6目鳥獣保護費でございます。鳥獣行政運営費は、鳥獣保護員の設置及びキジの放鳥等鳥獣の保護及び狩猟の適正化を図ったものであり、シカ特別対策費は、五葉山地域に生息する北限のホンシュウジカ保護管理計画の効果を検証、評価し、今後の対策及び保護管理計画策定のため、ヘリコプターによる生息数調査等を行ったものでございます。野生生物保護管理特別対策事業費は、本県の希少な野生生物の保護を推進するため、ツキノワグマの侵出防止技術の検討などを行ったものでございます。
 以上が、生活環境部所管に係る平成11年度決算の概要でございますが、当部関係の主要な事業の成果につきましては、主要施策の成果に関する説明書にそれぞれ記載してございますので、ごらんいただきたいと思います。
 以上で、生活環境部関係の説明を終わらせていただきます。よろしく御審議のほどお願いいたします。

〇佐々木大和委員長 ただいまの説明に対し、質疑はありませんか。

〇佐藤正春委員 それでは、私は1点だけお伺いします。
 岩手バリ友好事業──バリというのはバリ島ですよ、インドネシアの──友好事業は、平成9年11月8日増田知事がインドネシアバリ州知事と確認書を交わした。確認書がここにございます、これは写しだけどね。これを見ますと、この確認に基づく交流事業は2001年3月31日──来年の3月31日。この中に、本確認書は等しく正文である英語、日本語、インドネシア語により作成する。本確認書の内容につき疑義が生じた場合には、英語により作成された確認書が優先するものとなっている。ここにデンパサルにおいて日本国岩手県知事増田寛也、この字は確かに本物だ、知事さんの。これは、インドネシア共和国バリ州知事の署名がないんだ。署名がない確認書というのがあるんですか。それともだれかこれを持っていって、増田知事だけの名前で持って帰ってきたんですか。ここにあるように、英語、日本語及びインドネシア語と三つ書いてある。本確認書に疑義があるときは、英語による確認書が優先するとあるんですね。英語に書いた確認書があるわけだから、それをお示し願いたい。
 期間は、先ほど申し上げましたとおり、2001年3月31日までの4年間、内容は、1、農業に関する交流、2、観光に関する交流、3、芸術文化に関する交流と書いている。ところが、調べてみると、平成8年に悪名が高かった自称増田知事の懐刀の佐藤元商工労働部長──あの有名な、この前も3日あったバリ島ホイホイ旅行をやった人ですね──この人が訪問、本格的交流の検討を詰めてきたことになっております。だれがどこで決定したか定かではございませんが、恐らく知事は利用されたんじゃないかと私は推測をいたしております。私もかつてバリ島に行ったことがあります──どなたか執行部でありますか──ありますが、なぜあの地が岩手と歴史的、文化的交流につながるのか、いまだに不明。私もいろんな史物調べてみたけど、岩手とは全然関係ない。
 交流事業にあるように、先ほど申し上げましたとおり、1、農業に関する交流は相互に何人交流したんですか。
 2番目、観光に関する交流は何人、どのような団体が行き来したんですか。
 3番目、芸術文化に関する交流、相互交流がどのくらいあったんですか。廣田課長、あなたは青少年担当だ。青少年の交流あったんですか。また、山城組なるものが仲介しているということですが、この山城組には幾ら払っているんですか。
 4番、結果として、岩手とバリ島の友好関係は岩手県にとってどのようなメリットがあったんですか、お示し願いたい。

〇村上生活環境部長 まず、バリ州との交流の経過と成果につきましては、私の方から御答弁申し上げます。それから交流の実績、山城組につきましては、稲田文化国際課長の方から答弁いたします。
 まず、バリと岩手がなぜつながったかということでございますけれども、岩手におきましては1、000を超える地域芸能団体がございまして、これは日本の中でも伝統芸能の宝庫と評価されておるわけでございまして、このような地域伝統芸能を生かした地域振興を図りたいという思いがあったわけでございまして、たまたまそれがバリ州がモデルになるということからバリとのつながりが出てまいったものでございます。バリでは、毎日どこかでお祭りがあるということで、そのくらいお祭りに欠かせない音楽とか舞踊がございまして、伝統的なものを守る一方で、宗教的儀式から離れまして観光目的に演じられていることもたくさんございます。また、後継者養成もきちっとなされているというような参考となる部分がございます。それから御存じのとおり、バリ島は、地域伝統芸能を核といたしました世界有数の観光地でございまして、世界各国から多くの観光客を呼び込んでいるということが、本県の地域伝統芸能を生かした文化指導の地域振興の戦略に何か参考になるんではないかということでつながりが出たものでございまして交流が始まったということでございます。
 それから成果でございますが、まだ今年度全体総括してはいないわけでございまして、すぐに成果を御説明するのはなかなか困難でございますけれども、一つは、バリで毎年バリ・アート・フェスティバルということでバリ島の最大イベントがございまして、これに相当なバリ州全部の伝統芸能団体の踊りが出ます。これに岩手県の伝統芸能団体が参加させてもらえたということで、世界の多くの観光客の方々に紹介できたということが一つございます。それから県民の皆さんの異文化理解の促進、伝統芸能、バリの踊りあるいは音楽を岩手県に招致しまして、県民の皆さんに紹介することによって伝統芸能、異文化の理解、それから本県の伝統芸能の価値の再認識につながったのではないかと考えてございます。
 具体的には、民間レベルで本県の地域文化の新たな活動も出てきております。江刺市を中心にした新民族楽器楽劇創作委員会が発足して、岩手とバリの音楽、踊りを合作したようなものが出ておりますし、それから気仙町けんか七夕保存会がバリの芸能団と交流がなされているということで、そういう活動が芽生えていると私たちは理解してございます。なお、もう少し検証してみなければならないかなと考えてございます。

〇稲田文化国際課長 まず、確認書の英語のものがあるかということでございますが、日本語とインドネシア語と英語によりまして、増田知事ほかインドネシアバリ州の知事のサイン入りのものがございます。
 それからバリ島との交流の実績でございますが、まずは農業に関する交流でございます。平成10年度から毎年度1名ずつ計3名のバリ州の農業部門の職員を、研修員として県立農業大学校と農業研究センターで受け入れてございます。
 観光に関する交流でございますが、平成9年11月のバリ島への岩手県民の翼に203名の方々が参加してございます。
 芸術文化に関する交流でございますが、平成9年8月のインドネシア・日本友好祭'97in・いわてにおきまして、バリ島の舞踊団50人と本県伝統芸能団体6団体によります合同公演を県内4会場で開催いたしました。また、同じ年にバリと絵画展を県立博物館で開催してございます。昨年6月には、バリ島のアート・フェスティバルに本県の伝統芸能6団体一行66人を派遣いたしまして、パレードと野外公演に出演いたしました。また、本年9月から10月にかけまして、いわて・バリ友好祭2000を開催しまして、バリ島の舞踊団40人と本県文化団体14団体との合同公演を県内6会場で行いました。
 次に、山城組についてでございますが、芸能山城組は千葉工業大学教授の大橋力氏が主催してございます芸能団体でございますが、大橋氏はチプタ・ブダヤ・バリ財団日本代表部の代表も努めてございまして、この財団はバリ州の観光宣伝、芸能普及を日本において行う公的な団体でございます。平成9年度と今年度に県内公演を行いましたバリの舞踊団も、この財団を通して招聘したものでございます。平成9年度の友好祭におきましては、芸能団の招聘、芸能公演の企画・制作業務、バリ絵画展の開催業務をこの財団に委託してございまして約3、000万円支払ってございます。今年度の友好祭におきましては、芸能団の招聘業務、舞台演出、美術、音響、照明など、芸能公演の企画・制作業務全般をこの財団に委託してございまして、委託料として約1、400万円を支払ってございます。

〇佐藤正春委員 これはおもしろくなってきたな。
 それでは課長、私のところにきたこれにはインドネシアの知事の署名入ってないんだけど、入ってくる前によこしたのかな。そっちは入ってあるんだね、後で見ますから。間違いなく3通あるわけね。そうすると、ここの確認にあるように英文が最優先するという意味ですね。英文と日本文の違いというのはあるんですか、同じですか。そこは後でお答え願いたい。
 それから部長、随分言いわけがましい苦しい答弁だったけれども、問題はバリとの交流事業というものは確認書が基本なんですよ。いいですか、あなた。確認書に何て書いてあるかというと、先ほど申し上げましたとおり、三つ書いてある。農業に関する交流、観光に関する交流、芸術文化に関する交流の三つなんですよ。これが基本なんです。このことによって、今あなたが説明されるように成果は必ずしも上がったと思われないということで、ダラダラと二つ、三つ上げたけれども成果が上がってないんだ。全然上がってない。これは最初からおかしいから上がるわけがないんだ。公費の決算だから私は申し上げているの。こんなでたらめな公費の使い方ないでしょう。これはよく特別監査受けなかったかと思ってね。監査委員、後で監査の結果をひとつお伺いしたい。
 平成8年の事務費は、佐藤元部長が浪費だか何だか、本当はバリ島に行ってみたかったんだろう。バリ島に行って、ホテルの飲み食いからゴルフ場を調べればみんなすぐわかるんだから。調査費がないから行かれないんだ。平成8年は196万8、000円、平成9年は3、375万円、平成10年は249万4、000円、平成11年は822万3、000円、平成12年度は2、219万4、000円、12年度はまだ終わってないけど、合計で6、862万9、000円、これだけ使っている。何とこのむだ遣い、いいですか。しかも今の答弁のとおり、この確認書にあるように、農業に関する交流はたったの3人ですよ。バリ島から来たのは3人。岩手県は農業県ですから、こっちからは1人も行っていない。行ってみたって私もバリ島に行ったみたけど、農業といってもどこを見るのか、岩手県の方が進んでいるんだから。向こうから3人来て見ていった。たったの3人。いいですか、岩手から行っていない。
 次に、観光に関する交流は、県民の翼で1回203人行ったそうですね。これは金出して行ったので、招待されたわけでも何でもない。バリ島というのは観光地なんですよ。何も確認書に基づいて行かなくたって、旅行社に行けばすぐ行かせてくれるんだ。何のために行ったのかどうかしらないけれども、観光に関する交流、芸術文化に関する交流には、何と山城組に3、000万円と1、500万円の4、500万円払っている。明細書見たいものだよ、本当に。大体、山城組に接点を持ったのはだれですか、佐藤元部長でしょう。私はわからないけれどもね。4、500万円払っている。しかも、興業のあり方は非常に評判が悪い。なぜならば、この興業日時になかなかだれも見に行く人がいない、切符が売れない。ここに切符があるんだ。バリ島ヤマサリ公演、当日券が2、300円、前売り券2、000円。これは売れない。売れないから市町村に援助を求めたり、あるいは商工会議所や自治体を通じて、中には商工関係の人に押し売りだ、割り当てしている。商工会議所や商工業者の団体業者は、割り当てられたら県にお世話になっているから返せないでしょう。渋々買っている、見に行かない。だから、券だけ買って、がらがらになっていつも空いているんだ。。こういうのを本当の岩手バリ島の友好というんですか、悪好でしょう、これは。友好ですか、悪好でしょう。そういうような状態の中で、改めて部長はよくこの内容をごらんになってくださいよ、決算ですから。実際こういうものがあって、これはむだ使いじゃないのかどうか、それだけの効果が上がっているのかどうか。しかも、これは今後続けるのかどうか。続けることになっているんですよ。知事がすっかりだまされた。そういうものを今後は続けるのかどうか、改めてあなたにお伺いしたい。

〇村上生活環境部長 まず、バリ島からの観光団につきましては、稲田文化国際課長の方から答弁いたしまして、私の方からはむだ使いの関係、効果はあるかということについて申し上げ、それから入場券の押し売りの関係、今後とも続けるかどうかにつきまして御答弁申し上げたいと思います。
 まず、この経費そのものにつきましては、私たち御指摘ありましたことを踏まえながら、今後、効率的な予算執行に努めてまいりたいと考えております。それから効果はあるかにつきましては先ほど申し上げたんですが、ちょっと舌足らずのところがありましたけれども、農業、観光、芸術文化を通じてそれぞれ交流を図るということでございますけれども、農業の方は言うならば岩手県が農業先進県であるということで、農業技術研修をしていただくということで、毎年1人ずつ岩手県においでいただいて研修を受けてもらっているものでございます。このように農業につきましては、岩手県がインドネシアバリ州に対しての国際協力を行い、また芸術文化関係につきましては、岩手県がそのノウハウを探るという趣旨と思いますので、交流の中でそれらがそれぞれ行われたものと見ております。ただ、先ほど申し上げたように、なかなかこれは検証してみないとすぐにはちょっと結論出せない部分ございますので、私たちの方としましては検証してみたいと思ってございます。
 それから、今後とも続けるかでございます。これにつきましては、確認書に基づく交流事業というのは今年度で終わることになってございます。したがいまして、これまでのような交流は今回で終了することになります。今後は、これまでの交流で形成されました人的ネットワークを生かしまして、民間レベルでの交流を促進していきたいと考えてございます。
 また、農業研修員の受け入れにつきましては、インドネシア側の方の希望もございますし、それから国の助成制度がございますので、これを活用して受け入れを少なくとも来年度は続けていきたいと思っております。基本的には、今後多くの国々あるいは地域とさまざまな分野で交流を展開していくというような幅広い国際交流の一環として、その中でバリ州の交流も位置づけられると見てございます。

〇稲田文化国際課長 確認書の日本文と英文の違いということでございますが、翻訳をしまして中身的には同じでございます。
 それから、バリ島からの観光団についてでございますが、確認書に基づく期間内におきましては、経済格差あるいは政情不安定などのあちら側の事情もございまして、バリ島からの観光団の来県は見られなかったところでございます。なお、国際文化交流の事業につきましては、今後とも効率的な予算執行に努めてまいりたいと存じます。

〇村上生活環境部長 答弁漏れございまして、大変失礼いたしました。
 入場券の問題につきましてでございますが、その前に、私は県レベルの実行委員会の代表をした者でございますので、非常に今、委員のお話身につまされる思いで聞いておったんですが、より多くの県民の方にバリ島のトップクラスの音楽舞踊と、それから各6カ所で地元の伝統芸能団体の共演をしたわけですが、その中で岩手のすぐれた伝統芸能などの共演を鑑賞していただいたと。あるところでは、バリよりも地元の伝統芸能がすばらしいという評価をいただいたところもございました。そのようなことでぜひ県民の多くの皆さんに鑑賞していただきたいということで、入場券の販売を各地区にお願いしたものでございます。そのほか、県としてもテレビ、マスコミ等を通じまして随分PRしたのでございますけれども、さらに地域にもお願いした。そういう意味では、地域の実行委員会の皆さんには大変な御協力をいただいたわけでございまして感謝しているわけですが、その積極的な周知活動が委員御指摘のような押し売りと受け取られてしまうようなことがあったとしますと、それは私どもの本意ではございません。まことに残念でございます。今後、このような事業の推進に当たりましては、かかることのないように配慮してまいりたいと思っております。

〇廣田青少年女性課長 青少年の交流があったかという御質問ですけれども、私どもとしては、とりたててそういった形であったということでは承知してございません。

〇佐藤正春委員 監査委員の方から何もなかったけれども、何もないんだな。適正だったんだな。
 最後にちょっと申し上げるが、あなたはなかなか言い回しが上手で、大学は文学部かどうかわからないけれども、押し売りと広く見てもらうというのは別だよ。いい芸術だからみんなに見てもらうように積極的に売ったということと、売れないから何とかこなしていくというのは別だからね。
 それからもう1点、大体この交流事業というのは永久にやっぱりやらなければいけないんですよ。それを途中でさっぱりでたらめやったから、とても議会でおこられたからやめたではだめなんだ、本当はね。だから、最初から組み立てがしっかりしていない。どなたがどういうふうにして知事をだましたか知らないけれども、交流事業というのは永久に続いていかなければだめなんですよ。大体今おっしゃるように、農業のノウハウを勉強するためにバリ島から3人来られたといっても、農業の何のノウハウを勉強するんですか。あなたは行ったことあるの、バリ島へ。バリ島の農業というのを見たことあるんですか。あそこは果物とかそういうのが多いんですよ、パイナップルとか。岩手は米とか畜産なのに何を勉強したんですか。だから、議会で追及されると、つい苦し紛れにいろいろと美辞麗句を重ねるけれども、最初からしっかりしていないということだ。やるのなら最初からしっかりするし、やらないのならやらない。あなたの先輩である佐藤元商工労働部長が一番の原因なんだろうけれどもね。そういうことで終わり。

〇及川敦委員 2点についてお伺いします。
 1点目は産業廃棄物対策についてでありますが、我が政和会の田村誠委員が総括質疑で取り上げた産廃の対策の答弁を踏まえまして、何点かお伺いしたいと思います。
 田村誠委員の質問の中では、いわゆる産廃Gメンの導入効果についていろいろ質問しまして答弁がございました。その趣旨は、まず産廃Gメンが導入されて、いわゆる不適正処理の事案の件数が非常にふえたということでありましたけれども、その中身というのは不適正処理事案が現実ふえたというよりも、パトロールや立入検査が徹底されたことでそういった事案が発覚したというのが実態かなと認識をしております。
 その関連でお伺いしますが、まず1点、田村委員の質問にもありましたけれども、産廃Gメンは最初は4人、12年度は6人という体制になっておりまして、制度が導入されてから1年半ぐらい経過しているわけでありますけれども、副知事の答弁では適正配置数については、今後、動向を見ながら考えていくということでありましたけれども、担当部としては一体このGメンについては広い県土で何人必要と現在考えているのか、再度お聞きしたいと思います。
 それはなぜかと申し上げますと、来年の13年からは家電リサイクル法が施行されることになっておりまして、この施行に伴っていわゆる消費者の方で処理費用は負担するということになっておりますので、施行とともに不法投棄が非常にふえるんじゃないかということが懸念をされております。石原東京都知事は、この件についてもメーカー側に徹底的に費用負担を求めるよう申し入れをしていくということが数日前報道でなされておりましたけれども、家電リサイクル法施行に伴う不法投棄の増大も懸念されるわけでございますので、その点も踏まえて適正人員をどのように考えていらっしゃるのか、再度お聞きしたいと思います。
 2点目は、監視内容についてそれぞれ各保健所、そして産廃Gメンの方が監視をし、現場に入りましていろいろな指導監督をしてきたように思うわけでありますけれども、私は一番産廃の問題で難しいなと思っておりますのは、いわゆるグレーゾーンの施設、適当な許可を持たずに実態の運用は最終処分場のような形をとっていたり、例えば安定型の最終処分場であっても安定5品目以外のものを現場に投棄をして土をかぶせてしまえばもうわからないといった状況が、私が県内を歩くだけでもわかるくらいでありますのでかなりあるんだろうなと思っております。産廃Gメンの方がどのような形で現場に入って徹底指導されているのかも問題でありますけれども、このグレーゾーンの施設や現場について、どのような状況にあるのかということをどう認識されているのかについてもお示しいただきたいと思います。
 三つ目は、一般質問からいろいろ議論ありました、いわゆる法定外目的税の環境税について産廃対策の中で種々議論されておりますけれども、私は産業廃棄物行政の中で環境税が最初に議論されるというのは非常に問題だなと実は思っております。幸い部長の答弁でも、もし環境税を導入するとすれば処理量が的確に把握されていないこと、また、課税することで逆に不法処理の増大につながる可能性もあるということも御答弁されておりますし、導入されるとすれば、環境税だけではなくて保証金や供託金、いろいろな登録料とあわせて、いわゆるポリシーミックスの中で考えていきたいという御答弁がありましたけれども、いかんせん報道が先行しているのかどうかわかりませんけれども、環境税の議論が先にありきといった感を私は非常に否めないと思っておりまして、大変に懸念をしております。一番懸念しておりますのは、例えば環境税が広く事業者や排出業者に課されることになって、その目的が例えば二戸──岩手県、青森県の県境の現場でいろいろ不法投棄がありましたけれども、現況回復のようなものに公費が投入される、その資金に使われるということが前提であれば、いわゆる悪質な業者の方に不法投棄をしても公費でやってもらえるんだという間違ったメッセージを与えることが十分考えられるわけでありまして、私は環境税導入の最初の議論というのは非常に懸念をしているところであります。この点について、もし導入されるとした場合に、もちろんメリットもあるでしょうがデメリットもかなりあると思いますので、具体的にお示しをいただきたいと思います。産廃対策については、まず3点お聞きしたいと思います。

〇簗田廃棄物対策監 まず、1点目の産廃Gメンの配置数ということでお答えいたします。
 現在、10保健所のうちの6保健所にそれぞれ1名ずつ6名配置されておるところでございますけれども、現行の6人体制の活動内容などの実績を見ながら、必要に応じた体制整備が必要であると考えておりまして、現時点でその適正な配置数を何名と確定することは困難でありますが、今後とも十分な監視体制がとれるよう、人員数のほかにも産廃Gメンに対する研修など充実を図りながら、資質の向上の面でも配慮してまいりたいと考えております。
 また、本年6月に県内全保健所に関係出先機関、市町村、地元の関係団体等による産業廃棄物不適正処理情報ネットワークを設置しまして、産廃Gメンを核とした連絡通報体制を強化したところでありまして、7月から10月の4カ月間でありますけれども、県民等からの情報提供受付件数が148件、このうちの31件、約21%がこのネットワークによるものでございます。地域ぐるみの不法投棄等に対する監視体制が整備されてきていると認識しております。
 なお、来年度の家電リサイクル法の施行を控えた不法投棄対策についてでございますが、想定される廃棄物は一般廃棄物が多くなるのではないかと考えられることから、市町村で設置しております廃棄物処理指導員の方々とも連携を図りながら適切に対応してまいりたいと考えております。
 それから、2点目の産廃Gメンの監視の内容についてでございます。
 不法投棄の未然防止の一つとして、現場における産廃Gメンの初動的な指導が非常に重要でございます。平成12年度9月末現在でございますが、Gメンによる不適正処理──これは、野焼きとか不法投棄あるいは不適正処理の指導件数でございますけれども、排出事業者などに対するものも含めまして723件で、昨年同期の416件より307件ふえております。このような産廃Gメンに対する研修でございますけれども、平成12年度の場合は、述べ20日間にわたって廃棄物処理法を中心に公務員法──これは、守秘義務等でございますが──公務員法とか環境事犯対策、警察の方々の講師からの研修とかあるいは立入検査実習など、実践面に重点を置いた研修を実施しております。今後、さらに実践的な研修の充実を図り、産廃Gメンの資質向上を図る一方、現場に同行する保健所職員の専門的、技術的な見地からの指導と事後フォローの徹底を図るなど、なお一層監視体制の強化に努めてまいりたいと考えております。
 それから3点目の環境税のメリットとデメリットの件でございますけれども、三重県などで検討されている産業廃棄物税を本県に導入した場合、次のようなメリットとデメリットが考えられると思います。
 主なメリットとしましては、一つとして、排出事業者のごみ減量化促進やリサイクル推進へのインセンティブが働くんではないかということ。それから二つとしましては、県外からの産業廃棄物の流入の抑制につながりまして、最終処分量の減少──これは、埋立量に応じて課税をした場合でございますけれども──最終処分量の減少が期待されると。四つ目には、環境対策経費の財源の確保になるというメリットが考えられます。
 これに反しましてデメリットとしましては、排出事業者の県外の処分業者との契約が増加するのではないかということで、県内産業廃棄物が県外に流出するということ。それから埋立量に応じた課税をした場合でございますが、埋立処分量を減らすために焼却処理が増加して、ダイオキシンなどによる環境汚染につながるおそれがあるということ。三つ目は、不法投棄、不法搬入の増加のおそれが予想されること、それから四つ目は、課税客体として廃棄物の量の正確な把握が困難なことなどが考えられております。

〇及川敦委員 今それぞれ御答弁ございましたけれども、Gメンの方々の配置については、今後とも実績を見て検討していくということでありましたけれども、家電リサイクル法に対応した形も市町村の監視員の方ともやっていくということでございましたが、当面、来年度についてはどのように考えているのか、もし現時点でお考えがあればお教えいただきたいと思います。
 二つ目の監視体制の内容についてでありますけれども、以前一般質問で私いろいろ警察当局にも御質問いたしましたけれども、警察との連携についてはどのようにお考えになっているのか、再度お聞かせいただきたいと思います。
 3点目の環境税については今御答弁ありましたけれども、私は現時点で三重県と同じような方式を導入すれば、やっぱりメリットよりもデメリットの方が絶対に大きいなと思いますし、メリットに関しても課税をする分だけのメリットを県民の方や排出事業者、そして処理業者の方々に理解を得られるとは到底思っておりませんで、私はやはりどちらかといえば、表現悪いですけれども法定外目的税を最初に導入すれば脚光を浴びるという観点から産廃対策を進めていただきたくないと強く思っております。この点について部長、御見解あれば御答弁いただければと思います。

〇村上生活環境部長 環境税の検討のあり方についてでございますけれども、今、課長の方から申し上げましたけれども、デメリットというものは確かに大きなデメリットがございます。したがいまして、当面は、必ずしも税にこだわらないで検討していこうと。要するに、本県が直面する不法投棄問題を解決するために優良事業者を育成する方策、あるいは悪質業者への厳しいペナルティー、それから原状回復への公金投入回避という観点から、廃棄物事業者の保証金とか、それから優良事業者の登録制、こういうものをまず検討してみるべきではないかなという考え方を持ってございます。ただ、全体の中ではこの環境税の関係につきましても当然検討対象に入るものと見ております。

〇簗田廃棄物対策監 産廃Gメンの配置について当面来年度はどう考えているかということでございますが、現時点で来年度何名ということにつきましては、今申し上げることはできないと思いますし、それから警察との連携ということでございますが、できればやはり県警の方からいろいろ、取り締まるという形でも監視するという形でもどういう形でもいいと思いますが、できるだけ行政と連携をとれるような体制が敷ければいいというふうに考えているところでございます。

〇及川敦委員 産廃対策についてはこれで終わりますけれども、もう一点はISO14001の認証取得効果についてお尋ねします。これは総括で取り上げる予定でございましたけれども、時間の関係で部局の方に回しましたのでよろしくお願いしたいと思います。11年度予算では1、155万7、663円の取得事業費をかけましていわゆるISO14001について、東北6県の中では初めて本県はISOの認証を取得しました。県内では金ケ崎町が一番早かったわけでありまして、県内では第2番目ということであったわけでありますが、この認証取得の前後でまずこの庁内の中で基本的に何が変わったのかをお示しいただきたいと思います。
 環境マネジメントシステムの運用状況では、それぞれエネルギー使用量の推移、内部監査結果の状況、物品購入の状況などいろいろ把握されていると思いますが、詳細についてお知らせをいただければと思います。
 次に、この本庁舎での認証取得に続いて、地方振興局や出先にも広げるというようなことを伺っておりましたけれども、地方振興局、出先機関への認証取得の計画の進捗状況についてもあわせてお知らせをいただければと思います。
 そしてまた、本県の本庁舎の認証取得が他市町村へ波及して公共部門から環境負荷の低減に取り組む姿勢を県民に示して、ひいては民間企業などへも広がっていくことを期待しておったわけでありますけれども、県ではこの認証取得を契機にしまして、民間企業等にいろいろな支援事業をやっておりますけれども、その効果についてはどのようになっておりますでしょうか。また、各市町村等への相談、働きかけはどのようになっているかもお知らせいただきたいと思います。この質問の前提としては、これは盛岡市でありますけれども、ISO14001の導入を図らなくても環境負荷低減の取り組みは十分に行うことができると、そのために認証取得の必要性はないと強く主張している市町村もあるようでございますけれども、県としてはこの本庁舎での導入効果を検証して他の市町村へ助言や取り組みを積極的に行うべきと考えておりますけれども、その助言、取り組みと認証取得状況についてもお知らせをいただければと思います。

〇村上生活環境部長 まず、ISO14001の認証取得の効果についてでありますが、この取得によりまして職員一人一人の環境への配慮意識といいましょうか、そういうものが日常的な業務を通じてかなり高まってきているということが言えるかと思います。また、公共事業等の工事につきまして建設廃棄物の削減目標をこのプログラムの中に定めてございますけれども、さまざまな事業の実施に当たりまして、環境配慮の目標を定めて取り組むようになってきているということが言えるのではないかと思っております。
 それから、実際の運用状況についてでありますが、まず内部環境監査につきましては、知事部局の32課を対象にして実施した結果、パソコン等の節電あるいは古紙の回収などに一部不備が認められましたけれども、いずれもおおむね速やかに改善されております。それから、エネルギー等の使用量でございますが、11年度の下期でございますけれども、前年度の同期と比較しまして電力が3.3%減、重油が3%減、都市ガスが15.2%減、それぞれ削減されております。それから、物品の購入についてでありますが、コピー用紙における再生紙の使用割合、これが前年度の22%から93.3%に向上してございます。その他の物品の購入についてでありますが、環境配慮型商品の割合が備品で3.1%から11.6%に、それから消耗品では12.6%から24.6%に向上してございます。
 今後のISOの支援、取得状況ということでございました。まず、県庁内での今後の進め方でございますが、平成12年度──今年度新たに盛岡地方振興局、二戸地方振興局、それから宮古地方振興局、水沢地方振興局に取得してもらう方向で現在職員の研修あるいは事務の総点検、その作業をしてございまして、現在の本庁のISOを拡大する方向で考えているものでございます。なお、平成13年度は残りの地方振興局に広げようと考えてございます。それから、その他の県の施設につきましても逐次拡大してまいりたいと考えてございます。
 それから、市町村についてでありますけれども、お話ございましたように現在5市町村が取得してございまして、金ケ崎町、宮古市、花巻市、滝沢村、胆沢町、この5市町村が認証を取得してございます。さらに、水沢市など5市町が年度内の取得を目指して準備を進めているということで、県の方にこのマネジメントシステムのノウハウの提供あるいは県の運用状況の照会とか、そういう指導要請がございます。県としましては、先ほど申し上げたような実績等も公開して市町村の認証取得に向けた取り組みを支援してまいりたいと考えております。それから、民間企業への支援でございますけれども、これは商工労働観光部の方と連携を図りながら、認証取得費用に対する助成あるいは研修会等を実施してございまして、10月末現在で本県の認証取得企業は49件となってございます。

〇佐々木大和委員長 質疑、答弁ともに簡潔明瞭にお願いいたしまして、議事進行に御協力をいただきたいと思います。

〇谷藤裕明委員 まず、産廃処理対策ですけれども、今産廃Gメンのことについてはいろいろ質問、答弁ありましたのでこの辺については省略します。
 岩手県にどんどんといいものが入ってくるならいいけれども、産廃で岩手県が投げるにちょうどいいところだなんていう評価ではこれは大変困るわけでして、民間の産廃処理場の今の動向、それからクリーンセンター、これらの営業状況というのはどういうふうに今なっているのか。莫大な県費を投入してつくって、それを活用されないでどこだりに投げられたのではさっぱり意味がないわけでございますので、これらの当初計画していたところから今見てどういう状況になっているのかということをお知らせいただきたいと思います。
 それから、先ほど及川委員が質問しましたけれども、家電のリサイクル法が施行されたときの対応という部分にもなるのですが、聞くと回収してきたものをメーカー別にいろいろ持っていく場所が分かれるのだそうですけれども、ところがある程度プールしておかなければ効率がとても悪くて電気屋さんの方も大変だというので、どこかにメーカーごとに仕分けしてプールしておいて、トラックか何かで出すところにまで持っていくというようにしたいという希望でいろいろ動いているようですけれども、なかなか市町村の方の対応というのが腰が引けているというのか、処理場を抱えているところの一角のところにそれをプールしておいてやれれば一番いいのだがなあなんていう希望でいろいろ当たっているようですけれども、なかなか市町村の対応というのが芳しくないというように聞いているんですね。これらについても、直接11年度には関係ないけれども、将来的にこれらがどこもさっぱり対応が鈍いということになってくると、ついついいろんなところに、県内だけではなくて県外の方からもどんどん来るのだろうと思いますけれども、それらに対しての指導というのも非常に大切な分野になっていくのだろうと思いますけれども、これらについてお伺いいたします。

〇簗田廃棄物対策監 産業廃棄物の民間処理場の動向ということについてでございますが、平成9年6月に廃棄物処理法が改正になっておりまして、その際、生活環境影響調査、それから告示縦覧などの手続が強化されております。それが平成10年6月17日から施行されておりまして、その後、最終処分場とかあるいは焼却施設はできにくいといいますか、そういう法規制になっております。平成7年度には最終処分場は2件、それから8年度には1件、これは新規に許可を取得されて以降最終処分場はふえておりません。現在安定型の最終処分場が44カ所、それから管理型の最終処分場は12カ所という状況でございますし、焼却施設につきましては平成7年度に1件、8年度に2件、9年度に1件、10年度は設置がなく、11年度は2件ということで、その焼却施設の設置基数は現在44施設が設置されておりまして、38施設が稼働しているという状況でございます。現在のところは適正な最終処分、それから焼却施設の稼働状況ということでやっております。
 それから、クリーンセンターの運営状況ということでございますが、これは7年9月に稼働しておりまして、当初その受け入れ量の目標は133トンでございます。7年度当初はその受け入れ計画に対して12.6%、非常に状況が悪い──悪いといいますか、大幅に下回っていたわけですが、その後、法規制の強化あるいはセンターの利用促進に向けた営業活動ということによって11年度、これは焼却対象のごみが非常にふえてきておりまして、運転時間の延長もしております。11年度は133トンに対して122%という実績が出ておりますし、また12年度10月末現在でございますが153%というふうに非常に大きい伸びを示しております。現在は木くずなどの一部受け入れについて調整を図っていただいているという状況でございます。
 今後の見通しとしましては、初期の投資が大きかったものですから借入金の償還ピークを迎えるというようなことがありまして、経営状況は非常に厳しいということがございます。なお10年間ほどは赤字状態が続くのではないかと考えております。ただ、当センターは全国初の廃棄物処理センターというその指定を受けております適正処理のモデル施設でありますことから、今後とも排出事業者を訪問するなどダイオキシン対策の困難な事業所等の受け皿となるよう、一層利用率の向上に努めてまいりたいと考えております。

〇谷藤裕明委員 いずれ当初12.6%から大分努力を積み重ねていい方向に来ているということですけれども、できるだけこういう立派な施設をつくったわけですから、さらに努力を重ねていただいて、岩手県は78%が山ですからごみの山にならないで宝の山としてずっと存続していくように頑張っていかなければならないだろうと思います。
 それから、さっき言った家電のリサイクル法、これらが施行されていくといろんな問題が出てくるだろうと思いますけれども、市町村への指導もきちっとぜひやっていただいて、ある程度のスペースを持っている場所がたくさんありますから、そこの一角にこれらのものも協力したらどうだというぐらいの指導をしてはどうかなと思います。要望しておきます。
 次に、環境創造資金貸付金というのがありますけれども、これは中小企業などが公害防止施設の整備とか省エネルギー設備の導入のための資金調達に資するという目的でつくられたようですけれども、当初予算では1億4、200万円を計上していた。ところが、決算では約8、900万円ぐらいというようになったということになっているのですけれども、5、300万円ぐらいの減額、要するにせっかく予算を計上したけれどもうまく利用されなかったということなのか、その辺の、非常に大切な事業だろうと思っているんですね。これがよく周知徹底されていないのか、PR不足なのか、いろんな原因があるのだろうと思いますけれども、せっかくいいものをつくっても利用されないのではこれは話にならないので、この原因というのはどういうところにあると思うか、その辺をお聞かせいただきたい。

〇久保環境政策監 環境創造資金貸付金についてお答えいたします。
 環境創造資金の最近の融資実績をまず見てみますと、改正前の公害防止施設設備資金を含めて見てみますと、平成9年度が4件、平成10年度が2件、平成11年度は融資実績はございませんでした。環境創造資金につきましては、平成11年度にそれまでの公害防止施設設備資金を全面的に見直しまして、新たに環境アセスメントの実施、ISO14001の認証取得、低公害車の導入あるいはエネルギー有効利用施設の設備に要する経費など、その融資対象を大幅に拡大しております。11年度にこのように利用拡大のために制度の大幅な改正を行ったわけですが、実はちょうどその平成11年2月に日銀のゼロ金利政策が導入されまして、その市中金利が非常に低くなった、あるいは政府系金融機関の金利が大変低い水準にあったということが大きな原因ではないかと考えておりますが、委員御指摘のとおり、この制度改正について私どものPR不足ということもやはりあったかと思いますので、今後はそのPRに一層努めてまいりたいと考えておりますし、また関係者の方々の御意見をお聞きしながら、さらに使いやすい制度というものにこれから努めてまいりたいと考えております。

〇谷藤裕明委員 民間独自でやったのかもしれないし、それはいろいろやり方があったのかもしれませんけれども、いずれ使いやすいような形に範囲をもう少し柔軟にできるような形でぜひ、いいものをやっぱりもっと徹底して広めていく作業を今後とも続けていただきたいと思います。
 もう一点、公衆浴場業の環境衛生指導費というのがあります。これは今温泉もブームでしょうし、それから郊外型にふろ、いろんなのが出ていますけれども、それから従来からの公衆浴場が町の中である。そこの中でやはり公衆浴場の果たしてきている役割というのはかなりの年月の中、苦しい状況に、町中でやっている方々のお話を聞くと大変厳しい。ところが、やはりそこになければ大変不便を感じる方々も実際におられる。するとそこの中で郊外型にもいろんなのもできていくし、温泉も足のある方々はどんどん行けるでしょうけれども、近所で公衆浴場を頼りにしながら暮らしている。そこの中で新たに見直しした事業として何か創設して補助金も出しているようですけれども、ぜひこれらの方々、極端に言えばやめるにやめられないし、地域の方々の分のそこにこたえていかなければならない、その葛藤の声をよく聞くんですよね。そういうことで今後この公衆浴場に対する支援措置というのがどういうふうにあるべきなのかというものの考え方をお知らせいただきたい。

〇晴山環境保全課長 公衆浴場の経営実態ということでございますが、現在県内には、いわゆる銭湯と呼んでおりますが、これが65施設ございます。これは10年前と比べますと4割ぐらい減っているということで大変厳しい環境にございます。この原因といたしましてはやはり自家ぶろの普及がございます。現在、推計でございますが、岩手県では97%の普及と推計されておりまして、残り3%ぐらいしかないということでございます。もう一つは、今お話ありましたように郊外にレジャー型の浴場が出てきているというようなことがございます。また一方、経営者の方からは後継者難というようなこともございます。そういったことからこの施設数あるいは利用者の方にも減少傾向が続いておりまして厳しい状況にございます。それで、平成11年度におきましては、公衆浴場の維持確保のためにふろがまですとか、あるいは給湯施設ですとか、そういった設備に対する補助を行っておりますし、もう一つはこの公衆浴場の活性化を図りますために老人無料入浴、それから入浴料金の割り引き、こういったことを内容といたします公衆浴場ふれあい時間帯設置事業ということで実施をしたわけでございます。しかしながら、公衆浴場の経営は依然として利用者が低迷いたしまして、施設数もまた少しずつ減ってきているという実態でございますので、これを自家ぶろのある世帯からいかにして銭湯の方に足を向けていただくかということ、こういったことのために魅力ある銭湯づくり、こういったことを図る必要があるという認識のもとに、昨年来公衆浴場組合といろんな話し合いを何回も持ちました。その中で今年度からはいろんな設備に対します補助の限度額を引き上げをいたしました。それから、もう一つは、同じ敷地の中にサウナを併設する場合に従来は規制があったのでございますが、これも厚生省の方の指導等を得まして規制を緩和いたしてございます。したがいまして、同一敷地内にサウナを設置することができるように改善をいたしました。3番目といたしましては、従来のふれあい時間帯設置事業のこれにつきましては見直しを行いまして、今年度からは老人とか身障者の方々の利用者の方々でございますが、そういった安全を確保するために浴槽ですとか、脱衣所ですとか、あるいはトイレですとかそういった公衆浴場の中に老人のための手すりを設置するような経費に対して、新たに補
 いずれにいたしましても、この銭湯の経営につきましては委員御指摘のとおりなかなか厳しい状態にあるわけでございます。今後におきましてもこの利用者をいかにして拡大していくかということを念頭に置きまして、魅力ある公衆浴場とするためにはどのような支援がいいのかというようなことにつきまして、組合ですとかあるいは公衆浴場の経営者の方々ともいろいろな話し合いを重ねまして、よりよい方向を探ってまいりたいと考えております。

〇小原宣良委員 早池峰山の登山者用の車両規制と山頂トイレのあり方についてお伺いをいたします。
 早池峰山の登山者用車両の交通規制と、それに伴うシャトルバスの運行は昨年も実施をされましたが、自然環境に配慮した措置として関係者から好意的に受けとめられていると私は思っております。この早池峰山周辺の車両規制をどう評価をして今後につなげていくお考えかお伺いをいたします。
 また、早池峰山山頂のトイレのあり方についてでありますが、いかにも山頂にトイレを置くことは、秀峰、霊峰早池峰にふさわしくありません。県は早池峰山山頂トイレについてさまざま検討してきた経緯がありますが、そろそろ結論づける時期に来ているのではないでしょうか。どうお考えかお伺いをいたします。

〇菅野自然保護課長 1点目の早池峰の交通規制についてでございますけれども、今年度は観光バス等の貸し切りバスについても交通混雑緩和のために、規制対象に新たに加えるなどいたしまして対策を充実したところでございます。また、アンケート調査結果を見ましても、利用者からおおむね高い評価をいただいているというところでございます。この交通規制もことしで3年目を迎えましてほぼ定着してございますが、今後とも関係機関との連携を図りながら一層のPR活動に努めるなど、さらに充実してまいりたいと考えてございます。
 それから、2点目の山頂トイレについてでございますけれども、現在自然保護団体とか地元市町村等で構成します早池峰保全対策懇談会におきまして、利用者のマナー向上とか利用施設のあり方と、こういったもので早池峰地域の保全対策全般の中でこのトイレについても検討しているという状況でございます。それで、これまでの懇談会におきましては、トイレにつきましては自然を損なわないような最小限のものを現在地に改築するということでは意見集約されてございますが、具体の方式につきましては土壌処理方式とか、あるいはヘリコプター方式、人力による担ぎおろし方式、さらには携帯トイレというふうにさまざまな方式について検討されている状況にございまして、今後この懇談会の提言を待って県としての対応を考えていきたいというふうにしているところでございます。

〇小原宣良委員 車両規制についてはおおむね順調に進んでいると、貸し切りバスも規制の対象にしたということですから、そういう点では今後さらにあの貴重な自然環境を保全すると、保護するという観点を含めてさらに工夫をしていただきたい。同時にまた、自然保護という意識をその中に十分持っていただくということも必要かと思いますので、必要によっては、県の方でやっておられるかどうかわかりませんが、パンフレットなども用意をしてそうしたシャトルバスを利用する皆さんにもお配りをして、自然環境保護保全という、岩手だけではなしに全国にあるいは世界に誇る早池峰という部分を十分認識をいただく、そうした工夫もしていただければよろしいかと思いますが、その点お伺いをしておきます。
 それから、山頂トイレでございますが、来年度の予算編成時期にも今来ているわけですけれども、いつの時点を目標にしながらこれに結論づけながら具体的な対応に入っていくお考えでしょうか。それぞれ地元あるいは関係者と十分話し合いをするということは大事なことでございます。それはそれとして十分な意見をお聞きをしながら悔いのない結論を出していかなければなりませんが、同時にまた、そのめどというものもある意味では持ち合わせながら話し合いを詰めていくと、結論を導き出していくということが必要かと思いますが、そのめどはどのようにお考えでしょうか。

〇菅野自然保護課長 1点目のパンフレットの点につきましては、自然保護意識の啓発あるいは登山マナーの向上という面から非常に大事なものだと認識しておりまして、今後パンフレット作成については前向きに検討していきたいと考えてございます。
 それから、2点目のトイレの関係の時期ということでございますけれども、先ほど申し上げましたとおり懇談会の運営につきましては、県の方からは素案を出さないで委員が提案をして、あくまでもその懇談会で提言をまとめて対応していくということでございまして、県の方からいつごろまでという時期を申し上げるということは非常に難しいと考えてございます。

〇田村誠委員 簡潔に1点だけ質問させてください。147ページの交通安全指導費に関連してお伺いをいたしますけれども、県内、最近交通事故が多発をしておりまして大変憂慮される事態になっているわけでありますが、これも県の御指導をいただいて各市町村がそれぞれ交通安全指導員を配置しながら、各種イベントあるいは朝夕の交通指導などを通じまして交通事故防止、いわゆる交通事故の抑制に大きな力を発揮していると私は思いますし、大変この方々に御苦労をおかけしているというふうにも認識をしているわけでございますが、そうした観点から県としてこの安全指導員のこれまでの評価というものをどのようになさってきたものか。あるいはその指導員の身分というのはどういうことになっているのか。そして、指導員の出動実態と申しますが、活動状況というのでしょうか、こうしたものをどのような実態になっているかお知らせをいただきたいし、それからこれに加えて指導員に対し報酬などが支払われているだろうと思いますけれども、これらはどのような状況にあるのか。退任というのでしょうかね、やめられる場合の、そうした場合のその手当等は支給されているものかどうか。それから、今後の指導員のあり方についてどのように考えているか、その点教えていただきたいと思います。

〇白木交通安全対策監 交通指導員につきましてお答えをいたします。
 まず、交通指導員の評価でございますが、現在県内各市町村に1、100名ほどの交通指導員が設置されておりまして、幼児や児童あるいは高齢者の歩行の安全の確保のため献身的な活動をしていただいておりまして、その重要性並びにその活躍に対して深く認識をしておるところでございます。
 次に、身分の関係でございますが、交通指導員は市町村長が任命をする非常勤職員となっております。また、活動状況でございますが、平成11年度実績で見ますと、年平均の出動回数が1人当たり92回となっております。
 次に、指導員の報酬でございますが、11年度の全交通指導員1人当たりの平均年間報酬額は約17万円となっております。
 また、退任手当の関係でございますが、これにつきましては各市町村単位におきまして互助会等を組織して運用する方法が適当であると考えておるところでございます。
 今後の指導員のあり方の関係でございますが、課題とその対応でございますけれども、一つは業務の過密化と人員不足あるいは高齢化という問題がございます。いろんな街頭指導や交通安全教室等の講師、また、委員お話ございました各種イベントの際の交通整理等の業務が非常に増加しておりまして、そういった関係と、人員が必ずしも充足されていない、あるいは高齢化の傾向があるというようなことがございまして、それらが一つの課題になっております。また、今後の課題といたしましては、いろんな処遇の改善とあわせまして、交通指導員の活動の位置づけといいますか、これらについて今まで以上に何らかの形で明確化をしていくというようなことが課題となっておりまして、そういった方向で今後努力をしてまいりたいと考えております。

〇田村誠委員 評価をいただいておるようでございますので、それはそれといたしまして、今この交通指導員の方々が1人年間92回出動いただいている、そしてその報酬として年間17万円ぐらい、これは多分平均だろうと思うのですけれども、こうした方々の状況を見ておりますと、むしろ今までのボランティア的な活動からむしろ専業化といいますか、92回という回数よりは実態としてはもっと出ている。あるいはいろいろなイベント、公的なイベントのほかにもさまざまなもののイベントにまで出動要請をされまして参加をしている、そうしたことでかなりの交通事故防止、あるいは朝夕子供たちにあいさつで声をかけながら、子供たちのそうした非行防止にも大変貢献をしていると私は思っておりますし、それから退任手当の場合でも、これは互助会ということで自分たちがもらった報酬から積み立てをして、お互いに分かち合っているということも聞いたこともございます。それから、今後の高齢化あるいは人員不足ということもあるわけでございますが、これはもう少し身分的なものから報酬あるいは退任手当等まで含めてやっぱり抜本的に見直しをする必要があると言われているわけでございますが、今後検討したいということでございますので、そうしたことも含めてぜひやっていただきたいと思いますが、部長、もしお考えがあればお聞かせをいただきたいと思います。

〇村上生活環境部長 この交通指導員につきましては、国の方でその法律上の位置づけについて問題にしてございまして、やっぱりいろいろ検討しているわけでございますけれども、実態を見ますと先ほど委員御指摘のとおりボランティアでやっているものがあったり、それからきちっとした非常勤の形でやったりということで全国がまちまちな状況になっているという、その実態調査の結果も出ているようでございます。国としてはまだいつまでということではないですけれども、そういう実態を踏まえまして今後どのような抜本的な対応がいいのか、これを国の方では検討しているというようなことでございます。私の方でも全国の課長会議の際には皆さんの御意見等も踏まえて、それから実態を認識した上でいろいろ改善等要望してございます。今後とももう少し明確な姿になるように要望してまいりたいと考えてございます。

〇小野寺好委員 まず初めに、国際交流プラザの管理運営費、結構出しているわけですけれども、このプラザの役割、実績、こういったものをお聞きしたいと思います。
 あと、この関係で、先ほどの説明で外国人受け入れ支援については積極的に行っていると、こういったことがありましたけれども、外国人が目的外行為をした場合の例えば賠償責任とか、あるいは病気とかけががあった場合どのような扱いになっているのか、まるっきり御本人の負担になっているかどうかお聞きしたいと思います。
 それから、携帯電話とかPHS、最近機種変更が非常に盛んに行われているわけですけれども、この中にはレアメタルあるいは化学物質とかがあってきちんと回収されるべきであると思いますが、一ころまではきちんと従来のものを回収していましたけれども最近は回収しない、そういった傾向にあると思います。非常に軽くて小さいので一般ごみと一緒に投げてしまっているのではないかなと思いますが、こういった回収については把握しているかどうかお聞きしたいと思います。県費を投入して中継塔なんかに補助を出しているわけですけれども、その一方でこういったマイナスのようなことがあってはならないと思いますので、その辺の実態をお聞きしたいと思います。
 3番目に、法定外普通税として環境税ということが今出てきていますけれども、先ほどもありましたが、1週間前の知事の答弁では財源確保という観点が非常に強かったと思いますが、先ほどの部長答弁では税収よりもむしろ優良な事業者の育成というふうな観点、そういった方が強かったなと、ちょっと部長と知事で違うのかなというふうに聞いていましたけれども、その辺確認したいと思います。しょせん、この環境税といっても事業者ではなくて、回り回って排出している一般生活者、こちらに負担が来るわけで、果たして住民の納得が得られるかどうか私個人としてはちょっと心配なんですけれども、その辺ちょっとお聞きしたいと思います。
 4点目は、合併処理浄化槽なんですが、公共下水道の予定されていないところに対してずっと何年も前から補助していますが、これはまだまだ続くのかどうかお聞きしたいと思います。企画振興部の方では太陽光発電に対して、個人資産だからという観点でなかなかオーケーしないのですが、こっちの部ではやっぱりこの合併処理浄化槽、個人の資産形成という点で援助しているのではないかと思いますが、こういった批判に対してはどういうふうにお考えなのか、以上お聞きしたいと思います。

〇村上生活環境部長 4点ございまして、私は、3点目の法定外普通税のお話ございましたが、これについてお答え申し上げます。その他につきましては関係の課長の方から答弁をさせたいと思います。
 知事の発言の趣旨と違うのではないかということでございますが、結論を申し上げますと同じでございます。ただ、検討する際には、まず税ありきではなくて、その税以前の、例えば優良事業者の確保とか養成、そういうものが検討されるべきではないか。それで、それらとより効果的な形で連携してやるということでその税の問題も出てくるのではないかと思ってございます。知事が法定外普通税ということで財源確保と申し上げましたが、もし法定外の税制を考える場合には、それは財源確保という側面もあるという趣旨というふうに私は理解しております。

〇稲田文化国際課長 国際交流プラザについてでございますが、国際交流プラザは県民の方々や在住外国人の方々に利用されておりまして、日本語の研修とか外国語の研修、あるいは国際交流の行事などに利用されております。11年度の年間の利用者数は2万5、000人余でございまして、開館当初7年度の約2倍となってございます。そのうち外国人の方は5、500人となってございます。国際交流プラザは県の国際交流協会の活動と一体となって運営されておりまして、その中では国際理解の推進に関する活動とか、あるいは在住外国人に対します情報提供とか日本語指導、そういうような活動をしておりまして、国際交流団体やボランティアの活動拠点として利用されておりますほか、在住外国人に対する生活情報の収集の場として、また一般県民との交流の場として利用されてございまして、年々その利用者は増加してございまして、国際交流の推進に寄与しているものと考えてございます。
 なお、在住外国人が病気の場合でございますが、通常在住外国人の方も国民健康保険等に入ってございますので、そちらの方で普通は対応になりますし、短期の場合は海外旅行損害保険にも加入してございまして、そのようなところでなされているということでございます。

〇簗田廃棄物対策監 2点目の携帯電話の回収状況といいますか、レアメタルとして回収されているということですが、どうなっているのかということでございますが、現在市町村のごみに出されている分と、それから民間レベルで回収されているという状況で実態はよくつかんではおりません。いずれ民間ベースで回収されているということは聞いております。
 それから、4点目の合併処理浄化槽をまだ補助事業を続けるのかということでございますが、この合併処理浄化槽は生活雑俳水による都市中小河川等の水質汚濁問題、これを解決する一つの手段であるということ。それから、下水道はなかなか時間がかかって普及に時間がかかるということがございまして、国では63年度から国庫補助を取り入れているものでございます。現在でもこの公共水域の水質保全という面から社会的な便益というもので国、県、市町村が3分の1ずつ補助をしているものでございまして、今後こういった事業についてでございますけれども、平成10年5月に策定しました県の新全県域汚水適正処理構想というのがございまして、平成22年までこの汚水処理整備の率を80%まで持っていこうというものでございまして、この構想ではそのうち合併処理浄化槽が5.7%となっております。市町村のいろいろヒアリングを行っておりまして、その実施計画では合併処理浄化槽への需要が高まっておりまして、この新構想以上に普及していくということが考えられます。今後は市町村がみずから合併処理浄化槽を設置し維持管理を行う特定地域の生活排水処理事業というようなものも導入を検討しております。こういった特定地域生活排水処理事業を導入いたしますと、個人の負担が非常に軽減されるというメリットがございまして、低コストで効率的な整備を今後は図ってまいりたいと考えております。

〇小野寺好委員 さっきの携帯電話の関係なんですけれども、電波を発しなくなったこの機器はおもちゃにも何にもならない単なるごみにしかならないので、その辺の実態把握に努めていただきたいことを要望して終わります。

〇佐々木大和委員長 ほかに質疑ありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇佐々木大和委員長 質疑がないようですので、生活環境部関係の質疑をこれで終わります。
 早目ですけれども、この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午前11時52分 休 憩
   午後1時5分 再 開

〇阿部敏雄副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 次に、保健福祉部長に保健福祉部関係の説明を求めます。

〇関山保健福祉部長 平成11年度の保健福祉部関係の決算について御説明申し上げます。
 平成11年度岩手県歳入歳出決算書の12ページをお開き願います。当部関係は、第3款民生費のうち2項生活文化費を除くものと、第4款生活費のうち1項公衆衛生費、3項保健所費、4項医薬費、2項環境衛生費の一部、16ページに参りまして、第13款諸支出金のうち1項公営企業貸付金及び3項公営企業負担金と2項公営企業出資金の一部であり、平成11年度の総額は予算現額で944億1、042万円余、支出済額で919億4、362万円余となるものであります。また、平成11年度から平成12年度への繰越額は9事業、21億3、596万9、000円余となっております。
 以下、項目ごとにその主なものにつきまして、便宜、平成11年度歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。
 なお、事業ごとの金額の読み上げは省略させていただき、主な事業の内容を中心に御説明申し上げますので御了解お願いいたします。
 歳入歳出決算事項別明細書の136ページをお開き願います。第3款1項1目社会福祉総務費は、本庁及び各地方振興局の管理運営費がその主なものであります。138ページに参りまして2目身体障害者福祉費は、市町村が実施する重度心身障害者及び障害児の医療費助成事業に対する経費の助成がその主なものであります。なお、139ページの繰越明許費5、675万5、000円余は、身体障害者更生援護施設整備費において工法の選択に当たり、不測の日数を要したため補助金を繰り越したものであります。3目知的障害者福祉費は、施設への入所委託等を行う知的障害者更生援護費がその主なものであります。140ページに参りまして4目老人福祉費は、施設整備に要する経費に対して補助した老人福祉施設整備費がその主なものであります。
 なお、141ページの繰越明許費15億3、655万7、000円余は、老人福祉施設整備費と介護予防拠点施設整備事業費において、関係機関との設計協議等に不測の日数を要したため補助金を繰り越したものであります。
 5目遺家族等援護費は、戦傷病者戦没者遺家族等への援護費がその主なものであります。142ページに参りまして6目国民健康保険指導費は、市町村の国保財政基盤の安定確保等に要した経費に対しての補助がその主なものであります。7目婦人保護費は、婦人保護施設への入所保護委託費がその主なものであります。144ページに参りまして8目社会福祉施設費は、社会福祉施設の管理運営に要した経費がその主なものであります。9目老人福祉施設費は、養護老人ホームの管理運営に要した経費であります。
 なお、145ページの繰越明許費8、498万8、000円は、松寿荘施設整備費において関係機関との設計協議に不測の日数を要したため工事請負費等を繰り越したものであります。
 次に、少し飛びまして148ページをお開き願います。3項1目児童福祉総務費は、保育需要の多様化に対応した特別保育事業費がその主なものであります。
 なお、149ページの繰越明許費3億6、698万7、000円余は、児童相談所管理運営費と福祉相談センター施設整備費において、電気配線等の設計に、また、児童福祉施設整備費において、建物の間取り等の設計に、すこやか子どもランド──仮称でございますが──整備事業費において、屋内施設に導入する遊具の選定に、それぞれ不測の日数を要したため委託料、工事請負費及び補助金を繰り越したものであります。150ページに参りまして2目児童措置費は、児童福祉施設に児童を措置した経費がその主なものであります。3目母子福祉費は、児童扶養手当支給費がその主なものであります。152ページに参りまして4目児童福祉施設費は、施設の管理運営に要した経費であります。
 4項1目生活保護総務費は、事務費がその主なものであります。154ページに参りまして2目扶助費は、生活保護世帯に対する扶助等に要した経費がその主なものであります。3目生活保護施設費は、施設の管理運営に要した経費であります。
 5項1目救助費は、被災者生活再建支援法による県負担金及び災害救助法に基づく応急救急等に要した経費がその主なものであります。また、応急仮設住宅の設置に当たりましては、予備費をもって対応したところであります。
 次に、156ページにかけての第4款1項1目公衆衛生総務費は、乳幼児の健康診断等の実施に要した母子保健対策費がその主なものであります。2目結核対策費は、結核予防に要した経費がその主なものであります。158ページに参りまして3目予防費は、ベーチェット病等の特定疾患に係る医療費の給付等に要した経費がその主なものであります。4目精神保健費は、精神障害者の医療費の給付等に要した経費がその主なものであります。
 なお、159ページの繰越明許費9、068万2、000円余は、精神障害者社会復帰施設整備費補助において工法の選択に当たり不測の日数を要したため補助金を繰り越したものであります。
 160ページに参りまして5目衛生研究所費は、衛生研究所の管理運営に要した経費であります。6目老人保健費は、市町村の老人保健法に基づく医療給付及び健康教育等保健事業に対して負担等をする経費がその主なものであります。
 次に、2項環境衛生費のうち当部に関係する162ページから164ページにかけての2目食品衛生指導費は、と畜検査等の実施に要した乳肉衛生指導取締費がその主なものであります。
 次に、少し飛びまして168ページをお開き願います。3項1目保健所費は、保健所の管理運営費がその主なものであります。
 4項1目医薬総務費は、本庁及び衛生学院の管理運営費がその主なものであります。170ページに参りまして2目医務費は、救急医療の確保と充実を図るための救急医療対策費がその主なものであります。3目保健婦等指導管理費は、看護婦宿舎施設整備費補助がその主なものであります。172ページに参りまして4目薬務費は、県赤十字血液センター献血ルームの移転整備に要した経費に対しての補助がその主なものであります。
 次に、ページを少し飛んでいただきまして306ページをお開き願います。第13款1項1目公営企業貸付金は、県立病院等事業会計運営資金への貸付金であります。
 2項1目公営企業出資金のうち当部関係は、県立病院等事業会計への出資金であります。
 3項1目公営企業負担金は、県立病院等事業会計への負担金であります。
 以上で、一般会計の説明を終わります。
 引き続き特別会計について御説明申し上げます。
 324ページをお開き願います。327ページにかけての母子寡婦福祉資金特別会計の決算状況でありますが、歳入の収入済額は6億418万5、000円余であり、その主なものは一般会計からの繰入金、前年度からの繰越金、諸収入の貸付金元利収入及び県債であります。
 なお、久慈地方振興局保健福祉環境部の母子相談員による不正貸し付け等に係る弁済金について御説明申し上げます。
 弁済金総額1、377万9、729円は、第3款諸収入1項貸付金元利収入1目貸付金元利収入として392万4、037円、3項雑収1目違約金及び延納利息に1万2、873円及び2目雑入に939万2、819円を歳入として整理しております。また、弁済金のうち45万円は、歳出戻入として整理しております。
 次に、326ページに参りまして歳出の支出済額3億8、500万円余は、母子世帯及び寡婦に対する修学資金、修業資金及び住宅資金等あわせて976件の貸し付けに要した経費であります。
 以上、保健福祉部関係の説明を終わります。よろしく御審議のほどお願いいたします。

〇阿部敏雄副委員長 ただいまの説明に対し、質疑はありませんか。

〇伊藤勢至委員 2点についてお伺いをいたします。
 まず1点は、グリーンピア田老の譲渡問題について、現在どのような国との交渉になっているのか、その方向性はどうなのか、それについてお伺いをしたいと思っております。
 グリーンピア田老の大変いいところは、全天候型のゲートボール場がありまして、これからの冬季にはこれを活用して、全国からそういうお客さんを呼び込めるいい施設であると思っております。使いようによっては十分黒字にやっていける施設だと思っておりますが、県のお考えをお伺いいたします。
 それから2点目でありますが、保健福祉部は社会福祉施設あるいはリハビリテーション等の施設を相当数有しているわけでありますが、かなりこれは以前につくったということから、そろそろ改築の時期を迎えている施設もあるのではないかと思います。
 そこでお伺いをいたしますが、現在、改築が必要だと考えている施設はどのようなものがあるのか。そしてそれらの改築については、どのような順序やタイムスケジュールで当たっていこうとしておられるのか、この2点についてお伺いいたします。

〇小原保健福祉課長 まず、1点目のグリーンピア田老の譲渡問題の現状でございます。
 御案内のとおり、年金福祉事業団は来年の3月31日で廃止になるということになっております。それに当たりまして、厚生省なり事業団の方からはこの施設を地元で引き受けるかどうかといった意向打診がかつてございました。これにつきましては、全国13基地あるんですが、大方の県が引き受けは困難だという回答を申し上げております。
 それで現在でございますが、事業団の方ではまずもって健全な運営をやってくれという話をされております。施設がどうしても経済合理性を欠くという表現をしておりますが、運営がうまくいかないものであれば、それについては廃止等を検討するという事業団の意向が示されておりまして、県としましては大変重要な施設でございますので、何とか健全運営がされるように今受託しております財団法人ともども頑張っているという状況でございます。今後、事業団の方からどういう意向打診等があるかは、今のところ特に動きがないところでございます。
 それから、2点目の保健福祉部所管の社会福祉施設の改築についてということでございますが、建物の数で見ますと、当部所管の県立施設の福祉関係、保健関係は28程度あります。それらにつきまして、県の総合計画あるいは保健福祉計画の中で、前期実施計画というものを定めておりますが、平成11年から17年までの計画でございます。この実施計画の中で改築整備として掲げておりますのは、松山荘と和光学園でございます。このほか、点字図書館につきましては、視聴覚障害者情報センター──仮称でございますが、そういう形で盛岡駅西口複合施設に整備するという予定になっております。それから、この実施計画には掲載されておりませんが、社会福祉研修所、介護実習・普及センター、福祉人材センターのこれらにつきましては──仮称でございますが、福祉総合教育・人材センターという形で整備したいという構想がございます。改築のスケジュールでございますが、松山荘と和光学園につきましては、総合計画の前期実施計画に沿うような形で進めてまいりたいと考えておりますし、点字図書館等につきましては、他の部局の施設と一緒にやる共管という形で取り組むものでございまして、そういった関係部局と調整しながら整備を進めてまいりたいと考えております。

〇伊藤勢至委員 グリーンピア田老につきまして譲渡問題というのは、いわゆるホテル、箱物だけという分で今進んでいるのでしょうか。といいますのは、現在、年金事業団が購入をした土地が半分未利用のまま残っている。地元の地権者たちからは、全然使わないんだったら返してくれという意見もあるようでありますが、そういった部分も含めて解決に向かっていただきたいと思うのでありますが、この件についてお考えをお示しいただきたい。
 それからもう一つ、この改築のいろんなスケジュールをお伺いいたしました。その中で初めて言うのでありますが、忘れていることがあるのではないでしょうか。実は、おかげさまで教育委員会の方の所管でありますけれども、沿岸のはまゆり養護学校が小中学校県立化をしていただきました。同時に、高等部の設置も決めていただきまして、今これが工事中であります。大変ありがたいと思っております。沿岸の9市町村が一部事務組合をつくってやってきたわけでありますが、ようやく県立化になるということで等しく扱っていただくことになったと思っているわけであります。ただ、同じ敷地内に宿舎の部分がございます。これは、いわゆる現在でも一部事務組合ということで沿岸の9市町村がお金を出しあって運営をしているわけでありますが、ほかの同じような施設の中ではほとんどが県立化になっているものと思っております。唯一ここだけが残ってしまう、これは等しくないのではないかと思うわけであります。
 実は、このはまゆり学園というのは、14養護学校の中で一番最後に整備が回ってきたというのにはいわく因縁があるようでありまして、宮古地区におきまして、今から二十数年前に各学校にありました特別学級という部分を統合して、各学校で隅に追いやられていた生徒をちゃんとした施設でちゃんとした先生のもとに教育をしようということで、養護学校のはしりだと思うのでありますが宮古市が中心になって九つの市町村に働きかけをして、よしやりましょうということになった。そしてその際、当然県の方にひとつ補助、助成をお願いしたいと来たわけであります。ところが、国にも県にもそういう制度がないからといって断られてしまったわけであります。ですけれども、いずれこれはしなければならないということで、一部事務組合をつくって運営をしてきた。ところが、3年か4年したら、国にもそういう制度が出てまいりまして、岩手県もやっぱりやらなければならないということになりまして、当時一部事務組合で運営をしておりました宮古市を中心とする市町村に、これからは県が面倒を見るからこっちによこしなさいという経緯があったようであります。そのときに当時の市長が、気持ちはわかるのでありますが、だから私たちはあれほど県にお願いをしたじゃありませんかと、こう言ったらしいんですね。そうして、つまるところ自分でやると言っているから、宮古市のことは考えなくてもいいのだということで、ほかの13の養護学校は全部県立で立派にできてきました。私は、この部分が決して宮古沿岸の子供たちを等しく扱っていることになっていない、これは県の教育委員会によるはまゆり学園のいじめだと、実は増田知事に直にお訴えをいたしまして平成8年9月26日に現地に入って状況を見ていただいて決定してもらったわけであります。そういう中で一番最後まで待ったんですから、マラソンでは一番最後のランナーにも拍手が多いと聞いてますから、はまゆり学園のいわゆる宿舎の部分もぜひとも県立化をしていただきたいと。これは当部の担当だと思うのでありますが、あわせて御所見をお伺いいたしたい。

〇小原保健福祉課長 グリーンピア田老の建物、土地の譲渡の関係でございますが、事業団から前に示された案としますと、一括譲渡という考えを示されております。ただ、県では先ほど申し上げましたように、現時点で譲渡の引き受けは困難だというお話をしているわけでして、恐らくその建物だけにするのか、土地も入れるのかといったのはまさに引き受けるといったときの交渉という話になっていくんじゃないかなと思っております。まずもって、廃止されないように利用促進を図って、健全な経営をすることが最大の課題だということでございます。

〇細田障害保健福祉課長 はまゆり学園の問題でございますが、現在、県内には同種の施設である入所型の施設が7カ所ございまして、3カ所は県立でございます。3カ所が民間立でございます。それから1カ所が今御指摘のありましたはまゆり学園でございまして、沿岸一部組合ということになっているところでございまして、県立だけという形で運営をされているものではございません。そういうことでございまして、今のお話につきましては、御要望としてとりあえず承らせていただきたいと思います。

〇伊藤勢至委員 要望として承っておくと言っていただきました。今初めて言うことでありますからそれで結構でありますが、いずれ県内のはまゆり学園にかかわる部分は、いろんな部分があって大変おくれたと思っております。ただ、今着手をしていただいておりますから過ぎたことは水に流すといたしまして、いいものができればいいんだと思っておりますけれども、いろんな部分で据え置かれてきた部分があるということもひとつ勘案をしていただきまして、県の温かい手をはまゆり学園の宿泊施設の方にも差し伸べていただきますように、重ねて強く要望をしておきたいと思います。

〇佐藤正春委員 1点だけお願いをいたします。
 先般、国保援護課から中国帰国者自立研修センターの閉所通知がございました。本県は全国に先駆けての特別引受人の制度の発祥地でございます。そのために、特別に各県で1カ所というところを盛岡、一関の2カ所に研修センターの設置を見たところでございます。これにつきましては、関山部長を初め、関係者に大変御尽力をいただきまして、このような結果になったことに対し敬意を表したいと思います。
 したがいまして、相当の実績を上げてきたわけでございまして、現在、引き続き中国花嫁さんあるいは研修生の日本語教育などの実施をいたしているわけでございます。11年度の実施の経過などを振り返りまして、さらには盛岡、一関地区を今後どのような対策をやっていかれるのか、この点についてお伺いいたします。

〇関山保健福祉部長 中国帰国者自立研修センターが閉所後の対応でございますが、御案内のとおり、中国帰国者自立研修センターは、平成7年7月の開所以来、開設地は盛岡市及び一関市でございました。本県における帰国した中国帰国者及びその同行御家族の方々に対しまして、日本語指導、生活相談、就労相談指導を実施し、帰国者の定着自立の支援のための拠点として貢献してきたところでございます。自立研修センターの閉所につきましては、これは国が設置し、そして運営を県に委託しているものでございますが、県としては貢献してきておりますその実績を勘案し、存続に努力してきたわけでありますけれども、本県よりも中国帰国者の定着者数の実績のある他県の自立研修センターが次々と閉所となっております。これらは国が計画的に進めているものでありますから、したがって全国で5番目になりますが、平成13年2月をもって閉所すると決定されたものであります。
 センターの閉所後の県の対応といたしましては、帰国者本人の御努力もさることながら、引き続き日本語指導や就労相談などの定着自立のための支援が必要と考えておりまして、基本的には、日本語教育、生活相談、就労相談指導について、閉所後においてもサービスの低下に至ることのないよう努力してまいりたいと考えております。
 具体的には、現在、県単独事業で実施しております日本語教室ございますが、これを盛岡、一関地区を対象としてさらに拡大し、そして国の制度でございます自立指導員や身元引受人、さらに就労相談員の効果的な活用も図りまして、また開催場所については、今現在関係市と相談しているところでありまして、引き続き帰国者への支援策を講じてまいりたいと考えております。

〇佐藤正春委員 大変な御理解をいただきましてありがとうございます。
 実は、このセンターについては、私も一関に設置した責任がございまして1週間に1回ぐらいは行っているわけでございますが、いわゆる今おっしゃるように、日本語教室、生活相談、就労相談あるいはそのほかに新しく参りました新中国人のたまり場的、憩いの場的なものになっているわけでございまして、これが大変に効き目があります。実は、このことがお互いの情報交換あるいは活動の場、就職相談、あるいはいろいろ在留の外国人の犯罪もあるわけでございますが、いわゆるホームシックやストレスなどの解消の場にはかなりなっているわけでございまして、これが大変な効果を上げているわけでございます。さらには、日中の交流かけ橋、いわゆるお世話になったところの中国の養父母への間接的な御恩返しという面もございます。岩手県は旧植民地でございますところに対する友好交流というものがどうも余り進んでいない。逆にいえば避けているのではないかと思うぐらいでありまして、なぜこういう旧植民地の問題について熱心でないのか、お考えがあったら賜りたいわけでございます。
 次に、何点かをお尋ねいたします。
 厚生省は、2003年の開所を目指しまして、中国帰国者支援・交流センターを考えているようでございますが、センター自身じゃなくても関係部門を誘致する考えはないのか。なぜならば本県は中国の東北地区、旧満州でございますが、旧満州には開拓団とか義勇軍を含めまして日本では最も多く県民が在留したところでございます。
 2番目については、在留日本人本人の平均年齢は60歳を超えております。老後の生活を考えなければならない問題になっておりまして、生活保護を含めまして一世の老後の生活保障をどうするのか。さらには、在留日本人の父、母とともに帰国したところの子供たち二世、三世の就労が、先ほど申しましたとおり、言語習慣の違いからどうもうまくいっていない。そこでどうも落ち着かないので、中国に帰るという二世、三世がおります。さらには、一部脱落者がありまして事件などもあるようでございます。これらを含めまして戦後処理というものは、日本に在住している日本人我々全部の責任ではなかろうかと思っているわけでございます。
 3番目につきましては、この二世、三世の結婚問題も非常に深刻でございます。私どもも相談を受けるわけでございますが、非常に深刻な事態でございます。現在、民間のいろいろな団体や機関を通じまして、中国花嫁さんが岩手県にも相当参りまして生活をいたしております。これは、特に農村の嫁不足の中では大変ありがたいわけでございまして、ただ、中には悪徳ブローカーとか世話する人の結婚詐欺みたいなこともありまして、現にトラブルもございます。私どもが扱っているトラブルもあるわけでございますが、そこで岩手県の公的機関を通じまして、あるいは花嫁センター的なものの設立によって、十分に調査をした上でこれらをお世話するならばよい成果が出るんじゃないかと。さらには、これが国際親善、人的交流に進むのではなかろうかと思うわけでございまして、今、部長からはこれにかわるものというお話がございまして、非常に意を強くしているわけでございます。さらには今、伊藤勢至委員からも社会施設についてちょっとお話があったんですが、何か新しく社会福祉センターみたいなものを開所したいという答弁が中にございました。例えばそういうところにでもこういう相談所みたいなものを併設することも考えられるのではなかろうかと思っております。いずれにいたしましても、関山部長ならばこれはできると思うんです。ほかの部長になるとちょっと難しいので、ぜひ部長のおられるうちにこれらの実現をお願いしたいと思っております。

〇関山保健福祉部長 まず、友好交流に積極的ではないのではないかというお尋ねでございます。
 保健福祉部につきましては、御案内のとおり、主に内政問題を取り扱う部局であります。国際関係につきましては、中国帰国者援護対策等による取り組みであり、この中国帰国者援護対策としての取り組みによって見てみますと、他県と比較しても早い時期から県単独で日本語教室を開催するなどの努力をさせていただいているところでございます。今後ともこのような中国帰国者援護対策等を通じまして、保健福祉部としては対応させていただきたいと思っております。
 次に、中国帰国者支援・交流センター等を誘致する考えについてでございます。
 中国帰国者支援・交流センターは、中国残留邦人に対する厚生省の帰国支援策の重点施策として構想されており、平成13年度政府予算概算要求に調査設計費として計上されておりまして、この中国帰国者支援・交流センターの構想は、国が国内に定着した帰国者に対して、日本語教育、生活上の相談、帰国者同士の交流など、継続的な自立支援・交流を行うための全国の拠点として、帰国者の約3分の1が在住いたします首都圏に平成15年度の開館を目指しているものと伺っておりまして、具体的な場所につきましては、既に実質的に神奈川県内に決まっていると伺っております。県としては誘致できる状況にないものと考えております。
 次に、残留日本人本人の老後の生活保障をどうするのかということと、あわせて戦後処理の責任問題のお尋ねでございますが、まず前者につきましては、自立支援法において帰国者本人が高齢である場合、帰国後の扶養のために実子1世帯の同行帰国が認められておりまして、これによって同行家族による親の扶養が基本とされております。このため、中国帰国者が経済的に自立し、安定した生活基盤を築くためには、何よりも親を扶養する同行家族への就労面での支援援助が欠かせないということで、帰国者に対して個別に就労相談等きめ細やかに実践し、あわせて地域の職場開拓を行うといった就労相談員を配置し、そのような施策を通じながら御支援申し上げているところでございます。この就労相談員につきましては、自立研修センターの閉所後についても引き続き配置いたしまして、相談員の積極的な活用と公共職業安定所や定着市町村など関係機関の御協力を得ながら、帰国者の就労の場の確保がされるよう努めてまいりたいと思っております。
 なお、これも委員御案内のとおりでありますが、年金需給要件該当者については年金が支給され、就労による収入・年金などで生活が保障されない場合の帰国者については、生活保護で対応する仕組みが整えられているところでございます。
 一方、戦後処理の責任に係る問題についてでございますが、国家としての問題であるため基本的には国において対応すべきと考えておりまして、地方自治体としてはコメントできる立場にないので御了解いただきたいと思っております。なお、中国残留邦人に係る問題については、この自立支援法に基づいて地方公共団体として取り組むべきものについては取り組んでまいりたいという考えでございます。
 次に、二世、三世の結婚問題等中国花嫁対策についてのお尋ねでございますが、中国帰国者の御家族に係る結婚問題については、身元引受人あるいは自立相談員が相談に応じ、必要な助言指導を行っており、身近なところにいらっしゃる方々によって、親身に相談させていただくという体制をとらせていただいているところであります。
 中国花嫁対策についての公的機関等の対応については、保健福祉部としてはそのような対応を今後とも必要に応じて行ってまいりたいと考えております。なお、農村の花嫁問題ということにつきましては、県レベルでは岩手県農業担い手育成基金等と連携し、地域において青年農業者が女性と出会う場を設けるなど行っていると伺っております。こういった場の活用が望ましいのではないかと考えられる次第でございます。
 また、最後にいろいろな相談が出てくるといった花嫁問題でございますが、女性の方々にとってのお悩み事といったことについては、現在も婦人相談所ということで相談の窓口を開いております。こういった場も活用していただければと思っております。

〇谷藤裕明委員 2点についてお伺いをいたします。
 まず最初に、保健所の一斉点検についてお伺いをいたしたいと思います。
 保健所は本当に県民の生活の安全、衛生の管理を適正・厳正にチェックする機関として、県民から大いに期待をされているわけでありますけれども、総務庁の方で行政監察の結果を見れば、保健所の約3割ぐらいが問題を見逃していたというものが出ているようでありますけれども、今いろいろ全国の学校給食施設とか社会福祉施設の不適切な衛生管理について約3割ぐらいちょっと見逃しがあったんじゃないかという指摘を受けているようですけれども、本県として一生懸命やられていると思います。しかし、人的な問題とかさまざま要因はあると思いまして、全国的にそういう問題が指摘をされておるわけですけれども、我が県としての状況はどうであるのか。それから、またいろいろ総務庁の方から厚生省に勧告という形での指示が出たりもしているようですけれども、この辺のことについてお知らせいただきたい。

〇若城保健衛生課長 食品の安全に対する御質問でございます。
 食品の安全と衛生に関する行政監察が、昨年の8月からことしの10月にかけまして厚生省、文部省、農水省、そして本県を含む25の都道府県を対象として実施されてございます。その結果に基づく総務庁の厚生省等に対する勧告によれば、保健所が実施した集団給食施設の一斉点検の際に約3割の指摘漏れがあったとされております。この勧告の中では、県別の監察結果が示されていないという状況にございます。この3割の指摘漏れでございますが、その理由といたしましては、一斉点検が限定された期間内で多数の施設に対して行われていることが一因とされてございます。本県におきます一斉点検でございますが、これは厚生省が示しました大量調理施設衛生管理マニュアルに基づきまして、共通の点検表を使用して十分な時間をかけて実施してございます。施設について不適合項目があるわけでございますが、これにつきましては文書によりまして施設に改善勧告を行うとともに、その施設から改善計画書を徴収するなど適正な監視指導を行っております。
 学校給食施設につきましては、一斉点検は平成9年から実施してございます。対象施設は197ございますが、その施設に2、570項目の改善勧告をしております。それらについて、毎年4月から5月にかけまして一斉に調査しているわけでございますが、11年度は85%、12年度は93%の改善を確認しております。それから社会福祉施設でございますけれども、これにつきましては平成10年度から一斉点検を実施しておりまして、こちらは551施設でございますが、平成10年には3万5、000余の項目について点検をしておりまして、その適合率は84%でございました。平成11年度においては、適合率は95%となっております。平成12年度につきましては、現在一斉点検を実施しているさなかでございます。今後ともこういった集団給食施設につきましては、これら指摘事項が早期に改善するように指導を行うこととしておりますし、また、さらに総務庁の勧告に対します厚生省の対応等を踏まえまして、本県としても適切に集団給食施設の監視指導に対処していきたいと考えております。

〇谷藤裕明委員 まず、年々かなり改善されてきているようですけれども、膨大な施設でいろいろチェック項目も多くて大変だろうと思いますけれども、食の安全という部分にもかかわってきますし健康問題にもかかわる問題ですので、大変だと思いますけれども今後とも努力を続けていただきたいと思います。
 次に、関山部長が率先して取り組んでいる少子化対策につきまして質問させていただきたいと思います。
 これは、部局横断的にそれぞれの課題解決に向けて鋭意取り組んできていると承知してますけれども、昨年、少子化対策特別交付金というのが5、000万円交付されたんですけれども、施策全体に対してどのように評価されているのか。それから、特に延長保育とか一時保育、乳児保育など、行政側でさまざま取り組んできている部分も特別保育事業費──これもよく特別というのがついてまして強調している部分だろうと思いますけれども──これらの実績と、そして、また実際行ってきてどういう課題があるのかという部分についてお伺いをいたしたいと思います。
 それから、これも部局横断的なテーマかもしれませんが、介護とか育児休業のそれぞれ必要な届け出をきちっとされた場合には、解雇することを禁じられているということになっているようでございますけれども、その後、現場に戻ったときに不利益をこうむるとか、いろんな部分でそういうことが起きるということになれば、これらは第1子か第2子かは別として次への取り組みに力が入らなくなるという部分につながっていくんだろうと思うんですね。そういうことで、その辺についての今の状況の中で何かわかっている範囲でお知らせをいただきたい。

〇関山保健福祉部長 実行力と実績では私ははるかに先生から劣っておりますが、今の少子化について、まず、少子化対策臨時特例交付金の交付に係る評価でございますが、これにつきましては本事業は少子化対策の呼び水として、地域における少子化対策の一層の促進・普及を図るとともに、雇用・就業機会の創出に資することを目的として、平成11年度限りの臨時、緊急の措置として県及び市町村に交付されております。県には5、000万円、県内市町村分として20億5、700万円余が交付されているということであります。これらの交付による市町村の事業の実施内容を見ますと、保育所定員の増員や乳児受け入れのための施設整備等に約46%、幼稚園関連施設の整備等に約17%等と、その他少子化対策でありますが11%基金に積み上げて、13年度までで有効活用しようというやり方がありますが、この基金が約25%ということになっております。県においては、ソフト化事業に限定されておりますので、マスメディアを通じた少子化問題に対する広報啓発等を実施したといったことでございます。市町村においては大半が施設整備等のハード面を中心に充当されておりますので、保育所の入所待機児童の解消または保育環境の向上ということなどによって、一定の効果が上がったんじゃないかと認識しております。
 次に、延長保育、一時保育等のさまざまな特別保育の取り組みについてのお尋ねでございます。
 これについては、国において平成6年にエンゼルプランを策定し、大幅な事業の拡大が図れたということであります。さらに、平成11年には重点的に推進すべき少子化対策の具体的実施計画についてということで──これは、新エンゼルプランと申し上げておりますが、これが策定され、低年齢児の受け入れ拡大等さまざまな需要にこたえるよう、保育サービスの推進が示されたということでございます。県におきましては、平成8年に保育サービス等の総合的かつ計画的な推進を図るため、平成8年度から平成12年度までの期間とする岩手県すこやか保育等プランを策定し、延長保育、一時保育等の特別保育事業の保育サービスの拡充──県独自の事業も含めまして──拡充に努めてきたということであります。すこやか保育プランにつきましては、平成12年度で計画終了することになっておりますが、低年齢児保育や休日保育事業等では、当初立てた目標値を平成11年度末でクリアするということになっております。延長保育──これは、男女共同参画社会の形成に必要な──延長保育、この実施率は全国5位という状況にまでおおむね順調に推移をしてきております。しかしながら、今後、核家族化、それから女性の社会進出等々を考えますと、この女性職場進出などさまざまな就労形態の増加に対応できるような各種保育サービスをいかに実施していくかというところが課題でございますし、また、保育サービスだけでなくて、今、御利用いただいているのが2万1、000人、そのほかに認可外保育所が2、000人から3、000人程度いらっしゃいます。したがって、保育サービスというものについてはサービスのメニューが広がりを持ってきている。また、この認可外保育所の保育サービス以外にも保育ボランティアの方々も進出目まぐるしいという状況でございますので、こういった保育サービスのメニューの多様化、そして質の確保を行いながら、安心して御家庭がサービスを選択できるような体制づくりというのが今後より課題になってくるんじゃないかと考えております。そういった課題を踏まえながら、現在策定中のいわて子どもプランにおいて検討させていただいているという状況でございます。
 また、介護育児休業後の取り扱いでございます。
 今、女性の方は、せんだって県で少子化対策についての実態調査を行った際も、御希望としては出産した後もまた職場復帰し就労に努めたい、あるいは仕事を続けながら育児にかかわりたいといったお考えがやはり強く出ております。したがって、そういった取り組みについて私どもも積極的に取り組んでいきたいと思っておりますが、ただ、雇用問題については、労働関係法は国の事務になっております。我々としては、県としてどのような女性の就労職場の確保をしていったらいいのかということも子どもプランの中に頭で描き、そして岩手労働局と緊密な連携のもとにおいて雇用対策をがっちりとっていただくように相談させていただきながら、この子どもプランというものを推進してまいりたいと考えております。

〇谷藤裕明委員 本当に力強く実践されていく部長ですから、私は大いに期待をしてます。私も保育園には今のところ20年ぐらい一度も切れたことがない状態でお願いをしておりますけれども、いずれずっとさかのぼって考えてみると、随分変わってきているなというのを実際に思います。延長保育、一時保育とか、それぞれの保育園でいろいろ工夫しながらやっていると思いますけれども、そういう中で今度少子化という国家存亡の危機にある問題ですから、これは部長、きちっとやっていただきますことを心からお願いを申し上げて終わります。

〇小野寺研一委員 私は、2点について。項目として二つになりますが、県立一戸高等看護学院についていろいろお尋ねをしてまいりたいと思うところであります。
 平成10年、11年をもって県立一戸病院が新築移転をされて、威風堂々、本年4月から開業しておるわけでございます。御案内のとおり、旧県立一戸病院は、精神医療をつかさどる北陽病院と統合して一つの県立病院ということに相なったわけでございますけれども、県内唯一のモデルケースとして何とか支援をしてまいりたいという知事の力強い言葉をいただきながら、今順調に運営が推移されておると認識をいたしてございます。その新しい病院等の建設にかかわって、同時に旧一戸病院の隣接地にありました県立一戸高等看護学院、県内に宮古、水沢、一関と四つあるわけでございますけれども、二十数年間にわたっての伝統がございました古い病院が解体をされました。ぽつんとそこに建っているのは、院生に対してもまた医療機関のすべてに対して非常に忍びないということで、新しい立派な病院の隣接地にぜひ一戸高等看護学院を新築移転をして、院生たちに立派な環境のもとでいろいろ実施をしたり教育に当たっていただきたいというのが自治体の願いなわけでございますし、恐らく県としてもそのようなお考えだろうと思うわけでありますが、建設と同時にいろいろ新築移転の陳情ということを知事以下、千葉副知事、関山部長にるるお願いをしておるところでございましたが、保健福祉部としてはどのような見通しをされてこれに対応されるのか、ひとつお伺いをしたいと、そのように思うところであります。
  そして、いま一つ、この点に関して岩手県看護職員需給見通し等検討委員会というものが保健福祉部の諮問機関といいますか、当然県内の高等医療看護体制がどうあるべきかということを検討するための諮問機関であろうかと思いますが、その検討委員会のメンバーが一戸高等看護学院に現地調査の実施に参ったという報告を受けました。これには一戸高等看護学院の教育環境等の調査を実施いたしたいので、ひとつ町長以下、助役、担当御出席をいただきたいと、こういう案内でございます。そのときの委員はお二人、それに小原課長が同行されて参ったということでございますけれども、この調査内容といいますか、それがどのようなものであったのかお示しをいただきたい。お願い申し上げます。

〇小原保健福祉課長 第1点の高等看護学院の見直しの経緯、見通しといったようなお尋ねでございましたが、現在の看護職員の需給見通しというのは平成3年から平成12年度まででございます。国の指導で全国一斉に13年以降の需給見通しを策定しているというのが現状でございます。この13年以降の需給見通しを策定するに当たりまして、看護職員の資質の向上とかいろいろその状況変化等もございますので、県民ニーズに対応した看護職員の養成確保をしていくために、関係団体とか専門家とかの意見を聞きながら進めていく必要があるということで、県医師会、県看護協会、市町村、医療機関等々の代表者14名で構成する岩手県看護職員需給見通し等検討委員会を設置しまして、これが昨年の8月でございます。この中で県全体の今後の看護職員の需給はどうなるのか、それから供給はどうなるのかといったような見通しをるる検討していただいているところでございます。県としましては、この委員会の意見を伺いながら見通しを策定する。あわせて今後の県内の看護職員が需給、供給どうなるのかというのとあわせまして、県立の養成所、現在4カ所ございますが、これをどのように持っていけばいいかと、あり方をこの委員会の中で検討していただいております。見通しということでございますが、今後委員会から意見が出されましたならば、早期に県の方向を取りまとめたいと考えております。
 それから、現地調査を行ったということでございますが、11月の中旬にこの検討委員会が一戸高等看護学院の状況、それから実習病院が2カ所ございまして、一戸病院と福岡病院でございます。この2カ所の病院で看護実習をどのような形でやられているかといったような実態を委員が行ったところでございます。また、あわせて関係自治体ということで一戸町と二戸市の方から教育環境等についてのいろいろな構想なりお考えなりを伺ったという状況でございます。

〇小野寺研一委員 二戸市と一戸町のお話し合いの中といいますか、やりとりの中では二戸市は公式にはそういうふうなことの要請はしておりませんという、その回答をちょうだいしたと、こういうことですが、この検討委員会の皆さんは完全にこのとき一戸町に20分ちょっといた。そして、これは福岡病院を拝借したのでしょうか、そこへ行ってどういう調査をされたのかわかりませんけれども、そうなりますと一戸高等看護学院は二戸へ移るとかという、地域的にはそういう不安を持つのは当たり前だと私も承知しています。ですから、一戸町の倍ぐらいの新築移転をお願いしたいという賛成者の署名を持って副知事あるいは関山部長にお願いをしてある経緯があるのに、少し地域性を、看護教育の面からは確かにそのとおりかもしれませんが、地域性を全く無視──無視とは言いませんが、考慮しないで調査がされたのではないかなという感じを私は持ったところであります。広域のいろいろな連携、より一層強い連携をこれから保っていかなければならないというときに、そういう管内の広域連携を合併も含めて、新幹線開通に向けて駅舎あるいは広域センターのそういう支援体制も含めてこれから相談に、土俵に乗っかろうというときにこういうふうな話になってくると、非常に内部に大きな亀裂が生じてこれからの広域連携に大きな支障を来すと、私はそういうことが非常に懸念をされてならないのであります。ために、そういうふうなこととは全く趣は違うのかもしれませんが、考えるところが違うのかもしれませんが、そういうことに御配慮いただいてこれから十分にこういう検討委員会の事情聴取その他やっていただくようにお願いをしたいと、そういうことでございまして、今ここ一、二年でどうなるというものでもないだろうと思いますから、引き続き広域の連携に基づいて、こういうことにはひとつ地域性も十分に考えられて、そしてお願いをしたいと、一関の病院も地元である程度の綱引きが始まったときには、医療局初め皆さん指導ができなかったという事情があります。そういうこともありますので、ひとつ地域の1市4町村にある程度お任せいただいて、そこで相談をしてみろと、そういう指導も必要かと思いますので、ひとつ強く要望をして、時間の関係もございますので私の質問を終わらせていただきます。コメントありましたらひとつ部長に伺います。

〇関山保健福祉部長 一戸高看の問題でございますが、これについては私どもは、委員も御指摘のとおり、立派な環境のもとで看護婦職員を養成していくことが必要であるということでございます。やはりこのような視点に立って私どもも教育環境がより整っている状況の中で養成してまいりたいと思っております。いずれにいたしましても、その地域ということもございましょうが、より大きな地域の範囲の中でこういった将来を担う看護職員を温かく地域の方々がはぐくんでいただければと思っております。

〇小野寺研一委員 一戸高看の耐用年数といいますか、そういうものにまだ至っていないと、危険度の割合が少ないと、そういうことなのか、財政的に苦しい、そのためにもう少し時間をかけてこの検討をしてみたいというのであれば、それはいいのだろうと思います。ただ、ここのものをここへ移すとか、そういうことになりますと、これは県立大学の看護学部というか、そういう機関にこれを統合していきますよとか、そういう高度な県の考え方であれば、反対はするでしょうけれどもこれはやむを得ないのかなという考え方もあるわけですが、場所をここへ移して、しかも経営主体は県なわけでございますので、隣接の町と市がそこでいろいろやるということは非常に無理があるというふうに、私はそう思いますので、まずそのことを一つだけ申し上げて終わります。

〇小原宣良委員 2点お伺いをいたします。初めに感染症対策についてでありますが、近年、エイズ、エボラ出血熱、O-157などさまざまな感染症が世界じゅうで猛威を振るう事例が報道をされております。そこで、伺いますが、県内における平成11年度の主な感染症の発生状況は過去に比べてどうであったでしょうか。今年度の発生状況についてもあわせてお知らせをいただきたいと思います。
 また、危機管理の面から国や他県との相互協力関係を整備することも重要でございますが、この点はどのようになっておるのかお伺いをいたします。

〇若城保健衛生課長 感染症における11年度の主な発生状況、過去に比べてどうであったか、それから今年度の発生状況、それと危機管理体制の面からの連携についてのお尋ねでございます。
 感染症につきましては、昨年4月に感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律、いわゆる感染症新法でございますが、これが施行されまして、感染症1類から4類までに分類をされてございます。この主な発生状況でございますが、1類感染症に分類されておりますのがエボラ出血熱等でありますが、これらはこれまで患者の発生はございません。それから、2類感染症に分類される感染症の中で細菌性の赤痢でございます。これは例年県内で数人発生しておるわけでございますが、平成11年の発生が6人、本年は現在まで2人の発生と、こうなっております。また、コレラでございますが、コレラは毎年散発的に発生するわけですが、昨年及び本年とも患者は1人発生という状況でございます。次に、3類感染症でございます。3類感染症は腸管出血性大腸菌感染症でございます。いわゆるO-157のたぐいでございます。これは平成11年に80人が感染しております。本年は現在まで2件の集団発生を含めまして116人と、昨年より若干増加をしております。4類の感染症でございますが、これは全部で60の感染症を数えております。この中で後天性免疫不全症候群、いわゆるエイズでございます。このエイズの患者や感染者は昨年及び本年とも1人発生ということで、県内におけるエイズの累計は現在まで12人と、全国に比べ少ない状況となっております。
 次に、感染症における危機管理体制でございますが、昨年の9月に岩手県感染症予防計画を定めました。この中で緊急時における国との連携及び地方公共団体相互の連絡体制の確保を図るとしておりまして、ことし5月には本県が呼びかけをいたしまして、北海道・東北地区感染症対策連絡協議会、これを設置し、その中で県を越えて感染症が発生した場合に迅速な協力体制をとるということとしております。

〇小原宣良委員 わかりました。ぜひ万全を期していただきたいということでありますし、これら感染症状が出た際の初期の対応というのは大変大事だと思うのですけれども、それら医療あるいは検査体制という部分はどうなっておりますか、お伺いをしたいと思います。

〇若城保健衛生課長 これらが発生した場合の初期体制でございます。現在、感染症マニュアルを策定中でございまして、ことしじゅうにはこれができ上がるかなと、それでこれによりまして感染症の初期対応、一番大事なのは初動調査でございますので、この初動調査が保健所一体となってできますように、それと衛生研究所あるいは保健所の検査室とのタイアップがうまくいくように、これらを盛り込んだ感染症マニュアルを現在策定中でございます。これによって万全を期してまいりたいと、こう考えております。

〇小原宣良委員 次に、介護保険制度の発足にかかわってお伺いをいたします。
 平成11年度は本年度の介護保険の本格実施に備え、県は特別養護老人ホームや老人保健施設などの基盤整備を積極的に推進してきたものと思います。これらの施設利用に当たり当初は制約もあってショートステイの利用が極めて低調であり、一方では入所施設利用は常に満杯状態にあるなど、施設の利用にアンバランスが生じました。このような状況を踏まえて国はショートステイ用居室を入所利用施設に転用することを認め、県もそれに沿った対応をしてきたところであります。しかし、国はここに来てショートステイ利用の制約の緩和を打ち出してきたため、今後、昨年度以前と同様の利用希望が出た場合、十分ベッドが確保できるか心配な面もありますが、県はどのような見通しをお持ちかお伺いをいたします。

〇及川長寿社会課長 ショートステイ用ベッドの確保の見通しについてでございますけれども、ショートステイ床の介護老人福祉施設への転換は、国の通知を受けまして、介護老人福祉施設の整備が不足している地域であって、かつ介護老人福祉施設への転換を行っても、地域の短期入所サービスの需要に十分応じられるということを条件のもとで進めてきたところでございます。また、転換は、1施設当たり当該施設のショートステイ床数の20%以内とされておりまして、989床のショートステイベッドのうち、12月1日現在で転換されたものは、7.5%の74床という状況でございます。ショートステイ床の介護老人福祉施設への転換に当たりましては、施設側の希望だけではなくて、当該施設の所在地の市町村から、平成22年度までのショートステイ床の利用見込みを徴するなど、転換しても将来的にショートステイ床の利用希望に十分対応できるという判断のもとで行っているところでございます。以上のことから、昨年度の月別の利用率で最高のレベルでありました12年3月の利用率75.7%までの利用率が回復向上しましても、十分対応できるものと考えているところでございますが、新たな転換につきましても地域の需要動向等を十分踏まえまして、かつ市町村の判断をも確認しつつ、慎重に対応してまいりたいと考えてございます。

〇小原宣良委員 当面困る状況にはないと、こういう趣旨の答弁でありますが、いずれにしましてもこの介護保険制度、発足間もないものではございますけれども、必要に応じて必要なサービスを受けられる体制の整備ということが大変重要であります。実施主体は市町村ということもございますので、ぜひ県としてもこれら市町村と十分連携をとりながら、もちろん必要に合わせて制度を変えるということはあり得ることでございますし、よりよい方向にこれを変えながら制度充実を図るということは大事なことではございますけれども、折々、国の方からこうした形で方針の変更といいましょうか、対応の変更が出てくるということについては、現状を十分踏まえて県としても指導に当たっていただきたいと思うわけです。そこで、一例のみ申し上げましたけれども、市町村とのこの介護保険制度実施運用に当たって、これらの部分も含めてさらに連携を強めていただきたいと思いますが、現状、どのような連携と指導体制になっておるかお伺いをいたします。

〇六本木介護保険システム整備監 介護保険制度の運営上の市町村との連携等のことについてでございますけれども、県といたしましては制度が始まって間もないこともありまして、4月にまず第1回目の運営状況調査というものを実施いたしました。その際、早急に改善していただきたいこととか制度上の課題等が上がってまいりまして、内容については省略させていただきますけれども、幾つかの項目については6月及び7月に国に対して要望してまいりましたところです。また、今度保険料徴収が始まりましたので、12月時点で再度市町村からの求めといったようなものを聞いてまいりたいと思っております。それから、市町村だけではなくて事業者やあるいは利用者の方の声も聞きまして、必要なものについては国に対して要望したりあるいは県としての対応を進めながら、市町村と連携をとりながら制度を円滑に運営できるようにしてまいりたいと考えております。

〇水上信宏委員 事項別明細書の方の説明書の155ページにかかわってお聞きしたいのですが、生活保護のことで実例を挙げてちょっとお聞きしたいわけですが、兄弟でも──姉、弟ですが──、兄弟があって弟が別なところでずっと暮らしてきて、そして少し年とってから同居したんです、家が二つあって。そして、病院に入院して生活できなくなって、自分がちょうど町会議員のときだったかお願いしたら、一応県の方では来て調べてみたのですけれども、同じ屋根の下にいたら、姉が身体障害者の方で、そしてその人が少しずつほんの1カ月1、000円か2、000円ずつ積み立てている保険金があるということで、弟に医療扶助もそれから生活扶助もできないようなことがあったのですが、そういうのは改善になっているかどうか。

〇関山保健福祉部長 生活保護の適用の問題でございますので、生活保護についてはその制度の基本原理として何点かございます。申請保護の原則とか、あるいは必要即応の原則とかいろいろございまして、その中で法に基づいて世帯単位の原則ということがございます。保護の要否、程度を世帯単位で判断してその生活保護の適用をいたすというこういう仕組みでございますので、生計を同一にしている世帯全員でその保護の可否を判断させていただいていると、法に基づく事柄によって行わさせていただいているという状況でございます。

〇水上信宏委員 そうしたらどうなっても、生活が苦しくても死んでもどうでもいいということなんですね。ということはそのとおり部長の思ったとおり亡くなったんです。ということは希望どおりに亡くなったんです。ということは姉に何とか応援してもらえるかと言ったら応援してもらえないという、そして生活保護の方の県の方では、そういう少しの保険でもあるからそれを解約しなかったらだめだという、そして姉にその弟が自分を面倒見てみてくれているかと言ったら、見れないということでやっぱり思ったとおり冷たい行政だ、実行して今もういなくなってから6年ぐらいですから、八戸・苫小牧のフェリーで亡くなったと思いますが、これからもそういう考えでいくのですか。介護保険もその保険をかける方の契約者の有無にかかわらず強制的に集金して取ってしまって、そしていろいろな福祉行政が後退していったらもう大変だと思いますが、所見をお願いします。

〇関山保健福祉部長 介護保険と生活保護は基本的に、介護保険というのは国民全員がひとしく被保険者たる方々が保険料を納めていただいて、そしてまさかのときにお互いを助け合うというものでございます。この生活保護につきましては、経済的な状況等々各種要件ございますが、そういった保護を要保護状態になった場合、生活保護者に対する生活保護は国の責任としての原則で明文化され、ケースバイケースの案件によって手当てされているという状況でございます。したがって、その生活保護の要否を決定するに当たっても、先ほど申し上げた世帯単位を基本とし、そしてそこに対してのミーンズテストを行わさせていただいていると、資産調査をさせていただきながらやらせていただいているということでございます。先ほどのお話は大変痛ましいお話でございました。しかしながら、こういった制度としての適用をさせていただきながらやらせていただいている。また、そういったお困りの方についても、私ども行政としてもいろいろさまざまな面でケースワーカーもございます。そういった中で生活の悩み事というものも別途お聞かせいただいておりますので、そういったことについても御相談していただければと思っております。

〇水上信宏委員 予告しないで少し長くなって大変済みません。同じ屋根の下に住んでいても世帯が別なのもあるのです。結局部屋を借りれなかったら姉のところに住まわせてもらうときもあるし、その逆のときもあるから、屋根の下が同じだったから世帯が同じだというようなことは、もう完全に県民のあれから離れていると思うのです。ただ、事務的にやるのだったら税金も何も取らなくてもいいような感じでないですか。一生懸命県民を助けるために県職員があってそういう保護の福祉ですか、行政が私は充実していかなければならないと思うので、ちょっと最初は上がりましたけれどもだんだん脂が乗ってきましたから、ぜひそのことを真剣に考えていただかなかったら本当に大変です。次々とこういうことがあるのです。同じ屋根の下にいたったらもう同じ世帯と見るかどうか、そこは肝心なところですからしっかり教えてください。

〇関山保健福祉部長 先ほども御答弁させていただいた状況でございます。いずれにいたしましても、世帯で一緒に身を寄せ合いながらお住まいになっているという方々がいらっしゃるわけであります。そういった御家族の中で稼得能力を向上し、そして生活の確保をまず第一にやっていただく。それで生活保護の適用の可否というものについて御判断させていただいているという状況でございます。
 なお、原則としては今の世帯単位ということでございますが、この詳細についてはあれですが、世帯の中においても世帯分離と呼ばれるものもございます。同じ世帯の中においても生活保護の適用の可否の、これは特例として認められているものもございます。したがって、こういった特例に該当し得るのかどうかも監視しながらやらさせていただいているということでございますので、御理解のほどをいただきたいと思います。

〇水上信宏委員 そうしたらさっきの部長の答弁は、資産内容をきちっと調べて、それに対応しているという答弁でしたが、ではその……、笑って聞くことではないですよ、部長。対応していると言っていたのですが、そうしたらその対応した県職員は怠慢だったということは明らかですが、そうすれば責任はどこにいくのですか。

〇関山保健福祉部長 非常にここについては特例の中に、ちょっと私も詳しい条文等、今手元にないので大変恐縮でございますが、ここは特例に該当し得るかどうかという、非常に個別具体的な問題でございますので、今の事例が果たして該当し得るかどうかというのはなかなかお答え申し上げられないという状況でございます。そういったことで御理解いただきたい。ただし、その生計を一にする世帯を単位とするわけでありますが、そういった世帯単位であっても同一世帯に認定されるものであっても、分離してその方だけ分離世帯ということで一つの単位として生活保護の適用の単位として認められる、こういった特例措置もございますので、これに該当し得るかは個別具体的な事例をもって判断させていただくということでございますので、そういったことで御理解いただきたいと思います。

〇水上信宏委員 その特例なりそれは後でコピーとってじかに自分のところにあれしてください。
 それから、ただ事務的な話だけしているんですよ。どうしたって同じ屋根の下で生活保護、あるいは部屋代も認められますから部屋代も幾らか経済しようと思って身を寄せ合って、別々に暮らす兄弟もあるでしょう。だから、そういうことも考えなかったら、ただ同じ屋根の下にいれば同じ世帯とか、どうも冷たい行政ですね。どうしてもね。それから、さっき介護保険の話もした。それとこれとは別のように見えるのですけれども同じなんですよ。金を払ったらやっぱり金はなくなるでしょう。介護保険の方でも余りもらっていない金を強制的に取るのだから。結局こういうことが事例が出てくるのです。それから、どうしても同じ屋根の下に住んでいるというときのことを一つと、それからもう一つ、きちっと調査していないから、私はわかっているのだから、私のところに相談に来れば私は助けるのだけれども、相談に来ないで遠慮して亡くなったのだけれども、だからどうしてもそこをもう少し、質問してからたしか6年ぐらいかな、大体同じような趣旨の話をしていますから、前の部長でしたけれども、そこのところ、次に質問お願いするときは必ず前向きな答弁をできるようなことに進めていただくことをお願いして質問を終わります。

〇小野寺好委員 最初に、先ほどの谷藤委員の質疑の関連なんですけれども、我が党がこだわりました少子化対策臨時特例交付金、これは市町村分で合計約20億円だったかと思うのですが、当初8月のあたりで手を挙げないところがあったりしてちょっと心配したのですが、11月の締め切りでたしか全部そろったかなと思います。あのときに、急だったものでとりあえず蓄えておこうというところもあったかと思うのですが、すべて使われたかどうかお伺いいたします。
 もう一つ、どのような効果、代表的なものあれば──あればって、あると思うのですが、お聞きしたいと思います。
 次に、身体障害者自立支援事業、この関係の中に今言われています、IT革命の時代だと言われていますけれども、パソコン講習みたいなものが入っているかどうかお伺いいたします。県の情報科学課の資料によりますと、既に県内各市町村でいろいろやっていまして、例えば60歳から楽しむパソコン教室、大船渡、小学生対象の遠野とか雫石、あと県立高校でやっているものとか、農家が対象のものとかいろいろありますが、こういった中に障害者の方というのが全くないので、これと別になされているのではないかななんて、こう思うのですが、その辺お聞きしたいと思います。

〇笹木児童家庭課長 ただいまの少子化対策臨時特例交付金についてでございますが、全市町村で対象になりまして20億5、700万円余が交付されておりますが、そのうち基金として積み立てている市町村が21市町村、5億2、300万円ほどございます。これらの効果等につきましてですが、少子化問題に対する広報啓発を実施した結果、県民の少子化への意識啓発に効果が上がっていると同時に、また施設整備を行ったことによりまして、保育所の入所待機児童の解消や保育環境の向上などに一定の効果があったものと考えております。

〇細田障害保健福祉課長 障害者のパソコンに関する御質問でございますが、県の事業の中に障害者社会参加促進事業というものがございまして、その事業の中で、県単でございますが障害者パソコンネットワーク事業というものを実施しております。これは平成9年度から実施をしておりますが、主に在宅の障害者の初心者の方が中心ということでございますけれども、対象にいたしまして県内を巡回してパソコンの基礎的な操作訓練等を行うということと、またパソコンを各障害者団体の支部等に設置をいたしまして、そのネットワークを使って情報の受発信あるいは相談等を受けるという、そういう事業を現在までやっているところでございます。

〇小野寺好委員 21市町村で基金としてとりあえずためておいているような、そういった御答弁だったのですけれども、これでいいのか、ちょっと何かアドバイスとか県の立場でやっているかどうかお聞きしたいと思います。
 障害者の方にとってもこのITの時代はビジネスチャンスだと思うのですが、もしも積極的な、もうしこたまもうけているとか、そういったことでこの時代の波に乗っているようなものとかあればお聞きしたいなと思います。

〇笹木児童家庭課長 この交付金につきましては11年度限りの臨時緊急の措置ということで、市町村においては、そのうち13年度までに使ってもいいということで基金に組み込んで、21市町村では現在その少子化対策事業に充当しているところで、一応市町村の希望によりこういった措置をとったものですので十分かと思います。

〇細田障害保健福祉課長 パソコンを活用して障害者の方がさまざまに就労等しているという例は、例えば最近の新聞でも県内の例として、印刷を御自分のお宅でやっておられるというふうな例が報道されたところでございまして、ビッグビジネスといいますか、大きなところまでというのは私もちょっと承知をしておりませんが、そのようにしてみずから就労するというところに結びつけているという例は出てきているように理解をしております。

〇阿部敏雄副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇阿部敏雄副委員長 質疑がないようでありますので、保健福祉部関係の質疑はこれで終わります。
 次に、商工労働観光部長に商工労働観光部関係の説明を求めます。

〇鈴木商工労働観光部長 それでは、商工労働観光部関係の決算について御説明申し上げます。
 便宜、お手元の平成11年度歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。
 まず、172ページをお開き願います。第5款労働費でございますが、予算総額63億9、381万5、000円のうち、商工労働観光部関係は、労働委員会費を除く62億3、605万5、000円で、その支出済額は61億3、610万円余となっております。以下、各項目ごとに御説明申し上げます。
 第1項労政費第1目労政総務費の支出済額2億4、529万円余は、中小企業集団福祉事業及び労使関係の安定促進などに要した経費であります。174ページをお開き願います。第2目労働教育費は各種労働講座の開設などに要した経費であります。第3目労働福祉費の支出済額3億252万円余は、岩手労働金庫等の貸付金など、労働福祉の促進に要した経費であります。第4目雇用促進費の支出済額30億7、363万円余は、雇用対策及び人材確保対策など、雇用の促進に要した経費であります。
 176ページをお開き願います。第2項職業訓練費第1目職業訓練総務費の支出済額8億9、276万円余は、認定職業訓練、技能向上対策及び職業能力開発推進などに要した経費であります。178ページをお開き願います。第2目職業訓練校費の支出済額16億2、033万円余は、県立産業技術短期大学校を初めとする公共職業能力開発校等の管理運営や、施設整備及び技能労働者の技術向上訓練に要した経費であります。なお、翌年度繰り越しが1、308万円余計上されておりますが、これは、国の第2次補正予算に対応した就職支援能力開発の実施に当たり、事業の実施に相当の日数を要することから、事業費を平成12年度に繰り越したものであります。
 次に、飛びまして、同じく事項別明細書の228ページをお開き願います。第7款商工費でございますが、予算総額は789億5、811万円で、その支出済額は784億3、526万余となっております。以下、各項目ごとに御説明申し上げます。
 230ページをお開き願います。第1項商工業費第1目商工業総務費の支出済額18億7、554万円余は、銀河系いわてフェスティバルの開催費及びいわて新産業創造プラットフォームの推進事業などに要した経費であります。なお、翌年度繰越額が7、663万円余計上されておりますが、これは、岩手産業文化センター施設整備の実施に当たり、工事計画の調整に相当の日数を要したため、事業費を平成12年度に繰り越したものであります。第2目中小企業振興費の支出済額687億6、172万円余は、230ページから233ページに記載しておりますが、商工指導団体等に対する助成、地場産業振興対策及びいわてブランドの確立や県単融資制度に基づく貸付金、並びに工業技術振興対策など、商工業の振興に要した経費であります。なお、翌年度繰越額が3、000万円計上されておりますが、これは、国の第2次補正予算に対応した中小企業創造技術研究開発費補助の実施に当たりまして、国における繰越明許の手続に呼応し、事業費を平成12年度に繰り越したものであります。第3目企業立地対策費の支出済額41億3、524万円余は、工業立地の促進及び企業誘致活動などに要した経費であります。次に、234ページに参りまして、第4目中小企業経営指導費の支出済額3億6、985万円余は、企業に対する診断指導、研修、情報提供など、中小企業の経営の安定とその向上に要した経費であります。第5目貿易振興費は、海外見本市への参加並びに貿易振興団体に対する助成など貿易振興に要した経費であります。第6目計量検定費及び236ページに参りまして第7目工業技術センター費は、それぞれの管理運営に要した経費であります。
 次に、238ページに参りまして、第2項鉱業費第1目鉱業総務費は、鉱業関係業務の管理運営に要した経費であります。第2目鉱業振興費は、中小鉱山の探鉱事業に対する助成及び採石災害防止に係る貸付金など鉱業の振興に要した経費であります。第3目鉱害対策費の支出済額8億3、783万円余は、旧松尾鉱山と湯田地区鉱山の鉱害発生源対策及び坑廃水処理などの鉱害対策に要した経費であります。240ページに参りまして、第4目銃砲火薬ガス等取締費は、火薬・高圧ガス等の取り締まり、保安指導などに要した経費であります。
 第3項観光費第1目観光総務費の支出済額4億9、992万円余は、県外における観光キャンペーン、岩手山周辺の観光対策としての各種イベントの開催などに要した経費であります。第2目観光施設費の支出済額3億9、593万円余は、240ページから243ページに記載しておりますが、観光地の環境基盤整備の推進及び陸前高田オートキャンプ場の開設などに要した経費であります。なお、翌年度繰越額が1億6、500万円計上されておりますが、これは、国の第2次補正に対応した観光客総合誘導施設整備事業の実施に当たりまして、工事計画の調整に相当の日数を要したため、事業費を平成12年度に繰り越したものであります。
 次に、飛びまして、同じく事項別明細書の352ページをお開き願います。それでは、中小企業振興資金特別会計の決算について御説明申し上げます。この特別会計の予算総額は354ページと356ページに記載しておりますが、歳入歳出それぞれ34億8、673万1、000円であります。
 まず、歳入につきましては、戻りまして352ページから355ページに記載しておりますが、収入済額が総額35億7、369万円余であり、その主なものは一般会計からの繰入金、繰越金及び貸付先企業からの償還金等の諸収入であります。
 次に、歳出につきましては354ページから357ページに記載しておりますが、支出済額の総額は20億875万円余であります。第1款中小企業近代化資金貸付費第1項貸付費の支出済額19億8、456万円余は、中小企業設備近代化資金貸付金、高度化資金貸付金などの貸し付けに要した経費であります。
 第2項貸付事務費は、ただいまの貸付金の貸し付け及び回収に要した経費であります。
 以上で商工労働観光部関係の決算についての御説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。

〇阿部敏雄副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
   午後2時56分 休 憩
   午後3時14分 再 開

〇佐々木大和委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 商工労働観光部関係の説明に対し、質疑はありませんか。

〇佐藤正春委員 それでは、商工労働観光部の部長は私の学校の後輩ですが、甘くすると癒着していると思われるのでさらに厳しくお伺いいたします。2点についてでございます。
 1点は、岩手県産でございます。岩手県産は御承知のとおり、社長は知事でございます。委員長、ですから場合によっては知事を呼ぶ準備をしておいてください。専務もここ歴代は県の幹部の天下りでございます。さらにまた、県の商工労働観光部長も歴代取締役として関与をしておりますから、典型的な第三セクターでございます。ここに機構図がございますが、岩手県産が出資している会社に伝統工芸館という会社があるんです。この会社は平成6年10月に工芸品、民芸品、家具の販売などを目的に設立されました。同社の株の55%を岩手県産が融資、筆頭株主となっております。また、専務と平取締役2名が岩手県産の社員から派遣されて、事実上の事務局は岩手県産にあり、実態は岩手県産が出資している会社というよりも岩手県産と一体の会社、いわば岩手県産の小売販売部と思えば間違いがございません。資料によりますと、9月30日に会社の臨時株主総会が開かれ、同日をもって会社を解散することが議決されております。これは、私が質問して調査を始めたらいきなり解散した。私のためじゃないでしょうね。
 そこで伺います。
 1、伝統工芸館解散の理由は何ですか。同社の設立趣意書によれば、伝統的工芸品の展示販売場は県都盛岡に設置することについて、関係業界はもとより多くの愛好者からも強く要請されていると述べております。設立後の決算状況を見ますと、設立当時は赤字があったわけでございますが、平成11年9月決算で利益を出しております。累積赤字はあるが財務諸表を見る限りでは、設立趣旨をもって設立し、しかもわずか6期しか経過していない会社を解散しなければならないというような財務状況はないと私は見ております。何と私の懇意にしている公認会計士もそう申しております。
 2、さきにも言ったとおり、この会社は岩手県産と一体の会社、岩手県産の小売販売部であったと思いますが、要するに同社の決算は岩手県産との間に操作されたと私は思います。本当はもっと大きな赤字を出しているんですが、岩手県産の足を引っ張っていたということではまずいのではないかと。はっきりこれはひとつお示しを願いたい。私の方でも調査をしております。
 3、この会社の出資について岩手県産の取締役会、平成6年6月21日開催で満場異議なく承認されて決まっております。当時の神田部長も出席されております。設立に当たって作成された収支計画書を見ると、岩谷堂箪笥に関する売り上げで60%、鉄器と漆器をあわせて85%となっており、以後年間10%売り上げがふえる計画となっております。これは御承知のとおり、南部鉄器、岩谷堂箪笥、秀衡塗、浄法寺塗の4点なんですが、その岩谷堂箪笥だけが落ちているわけです。ところが、実績値を見ると計画の70%であり、しかも大きく計画と違っているのが岩谷堂箪笥に関する売り上げで、これは計画の半分なんです。結局、設立時においてすら、今後の需要拡大が望めない岩谷堂箪笥に大きく依存した計画そのものがずさんであった。私にきた投書によると、岩谷堂箪笥と役員との癒着があるというけれども、そうは思いたくないんだけれど、そう出ている。県は、岩手県産がこの会社に出資することに関して、どのような検討を経て出資することが適当と判断したのか、また、設立後どのような指導を行ってきたのか。
 4、伝統工芸館の解散を決めた臨時株主総会の議事録を見ると──なかなか渋くて出さなかったけれども、私もとりあえず見た──臨時株主総会の議事録を見ますと、解散による出資金の元手は20%程度となっております。つまり、岩手県産の出資は3、300万円でありますから差し引き80%、2、640万円は岩手県産の損失になるわけですよね。岩手県産の平成12年3月期の決算で当期利益は1、500万円でありますから、この損失は大きい。株主配当はできないんじゃないですか。
 伝統工芸館に出資を決定して、その後の同社の破綻によって県を初めとする岩手県産の出資者に損失を与えることになるわけですが、その際の代表取締役社長及び各取締役の責任──これは知事が社長でしょう、それから各OBが入っているわけですが、その責任はどうなんですか。さらに、こうした事態を招いた根本的な原因は、社長である知事の不在が──知事がいつもいない、当たり前だけどね。常態化している形骸化した取締役会の運営、経営能力を欠いた天下り役員の配置にあると思いますが、どうですか。これは今までいろいろ議会でも論議されてきましたが、三セクの外郭団体も同様でございます。特に、ここはひどい。
 5、県からの天下り専務に対する退職金の支払いについて。
 岩手県産の天下り専務は2期4年が通例のようですが、これまで歴代の退職専務に幾ら払ってあるんですか。
 第2点、今度は朝鮮人の強制連行問題で、午前中は中国人問題をやって、午後は朝鮮人の連行問題です。
 知事は、国際交流、国際親善に大変に熱心で、みずから南米パラグアイ、ハンガリー、バリ島に出かけ、それなりに成果を上げておるようであります。午前中のバリはひどかったな、とんでもない金を使ってね。
 ところで、今、部長からも説明がございました。ハンガリーと交流をやっておられるようでございますが、その成果と今後の事業計画について伺います。
 私は、旧日本植民地に生活してきた1人として過去の正しい歴史を知り、それを伝えることから、国と国の友好親善は図れるものと申し上げ、実践してきたつもりでございます。平成3年定例会7月2日に、私は一般質問の中で、朝鮮人(韓国人)の強制連行問題、それに抑留者問題を取り上げました。中でも、本県に関係のある日鉄釜石の朝鮮人強制労働についてただしたのですが、当時の商工労働部長は、朝鮮人労働者に対する未払い金供託報告書はあるが釜石の分はわからない。大火や水害で消失してしまってわからないという答弁でございました。ところが、その後、遺骨については殉難者追悼委員会のメンバーによってかなり解明された。これは小原宣良委員に大変お世話になった。
 また、賃金については、最近文書が発見され、それには敗戦直後旧内務、厚生両省が、各企業は賃金の大半を貯金し、将来必ず本人に渡すと約束せよという通達を出していることが最近わかりました。これは、国会図書館やいろいろな資料でこういうことがわかりました。この通達は1945年9月1日付、両省の4局長名で各地方官──これは現在の知事で、知事あてに出されておりますが、それをひとつお示し願いたい。この2点です。

〇鈴木商工労働観光部長 伝統工芸館と朝鮮人の強制連行問題については私から、それからハンガリーの成果についてはいわてブランド推進室長から御答弁申し上げます。
 まず、伝統工芸館の解散の理由でございますが、伝統工芸館は平成6年に創業いたしまして、6年間伝統的工芸品を中心に展示販売事業を展開してまいりました。しかし、創業以来、業績が当初計画をずっと下回りまして、累積赤字がそのままずっと続いてきている経営が続いておりました。会社としても今後の経営改善の見通しが立たない、それから事業を継続していくことが困難であるという判断から、平成12年9月の臨時株主総会において解散を決定したものと理解しております。
 それから、伝統工芸館の決算は操作されても本当はもっと赤字が大きかったんじゃないかというお尋ねでございますが、伝統工芸館は決算の上では平成10年度は240万円ほど、平成11年は280万円と、形の上ではそれぞれ黒字を計上しておりますが、実質的に見まして黒字を計上しているのは岩手県産の支援によるところが大きいと見ております。
 岩手県産の支援として主なものが二つございます。
 一つは、岩手県産から伝統工芸館への出向社員3名の給与人件費の2分の1、半分を岩手県産が負担している。これは、6年間で3、600万円ほどでございます。
 それから二つ目ですが、岩手県産と岩谷堂箪笥生産協同組合が主催します箪笥展示頒布会が年2回行われております。これには伝統工芸館も参加しておりまして、その岩谷堂箪笥の展示販売には岩手県産の社員と伝統工芸館の社員とが共同で当たっておりますが、この頒布会での箪笥の売り上げは岩手県産と伝統工芸館で折半して分け合っていると。岩手県産の方がやや大きいんですが、その額は物産展を含めて6年間で1億700万円ぐらいでございます。利益が双方で半々になっておる。このように会社とその関連会社とが、いわゆる小売部門で広く商品が競合しているということは会社のあり方としてはやっぱり変形であると考えております。
 それから減価償却の問題がございます。株式会社伝統工芸館の建物の附属設備と什器備品は、減価償却の可能額の58%程度しか償却されていないと、償却不足が6年間で800万円ぐらいでございます。また、今度は伝統工芸館側から見れば、総務、経理、物流といった業務を岩手県産に業務委託契約いたしまして、その委託経費として伝統工芸館の売上高の1.5%、年によっては1.0%相当額を岩手県産の方に支払っているということがございます。この委託経費は6年間で560万円ほどでございます。これらを考えあわせまして、いずれにしても伝統工芸館の経営が岩手県産に大きく依存しているということは言えると思います。
 それから、岩手県産が伝統工芸館に出資する際にどう配意をしたのか、設立後どのような指導を行ったのかということでございますが、伝統工芸館の設立に当たりましては、岩手県産内部で何回か社内検討を経まして、そして平成5年開催の岩手県産の取締役会で新会社の出展計画の承認、それから平成6年の岩手県産の取締役会で岩手県産による出資というものが承認されたものでございます。県としての対応でございますが、私ども県にある関係書類を調べてみましたが、県としてはそれぞれの取締役会の直前に取締役会に付議する議案事項などにつきましては、岩手県産からその内容について説明を受けております。これは記録が残っております。ただ、岩手県産が関連会社を設立することの必要性についての検討経過はちょっと県に記録がなく──普通、こういうことは記録が残っているんですけれども、県としての検討経過の確証はよく得られなかったということでございます。
 それから新会社設立後の指導につきましては、県としては平成8年後半から行政改革の一環として県出資法人等の見直しの検討を行う中で、岩手県産に対しまして伝統工芸館の自立促進を指導してきております。そして、岩手県産においても伝統工芸館からの撤退について取り組みが始まりまして、このたびの伝統工芸館の解散に至ったものでございます。
 それから伝統工芸館の解散に伴いまして、岩手県産に損失が発生したことにより株主配当ができなくなるんじゃないかというお尋ねでございますが、伝統工芸館の解散に伴う清算事務につきましては、平成13年3月までには結了する予定となってございまして、損失額の確定はその時期を待たなければなりません。8月現在での岩手県産の見込みは、未処理損失も8株主全員が出資額に応じて負担することとしまして、8月末現在では、岩手県産の損失見込みは約2、600万円になるものと認識しております。株主への配当につきましては、損失が発生した場合、岩手県産の剰余金である積立金がございますので、積み立ての取り崩し充当も含めてどうするか、配当するか配当しないか、その辺の検討が行われるものと思います。
 それから、社長及び各取締役の責任についてでございますけれども、これは、平成13年3月末までには伝統工芸館の清算結了を行う予定でございまして、その清算結了を待って岩手県産の取締役会で責任のあり方を議論するべきものと考えておりまして、また、その結果につきましては、株主総会において各株主に報告するというように岩手県産には指導してまいりたいと考えております。
 それから、このような事態を招いた原因として、社長の不在常態化とか天下り役員の配置というお尋ねでございますが、岩手県産の経営体制につきましては、以前から代表取締役社長非常勤、それから代表取締役専務常勤の2人体制の代表制としております。会社の日常業務につきましては、常勤の代表取締役専務と常勤の常務取締役が当たっておりまして、岩手県産の経営はこれまでは黒字基調できているところでございます。ただ、このたびのことにかんがみまして、やはり会社としての経営のあり方というものを県としても検討すべき時期にきているものと考えますし、会社としてもどうするか取締役会で協議するようにしてみたいと考えております。
 それから、岩手県産の専務には県退職者が就任しておりますが、歴代専務の退職金の実績はどうかというお尋ねでございますけれども、これまで常勤取締役専務の退職金の支給につきましては株主総会で決定しておりまして、具体的な支給額や支払い時期等については、株主総会から取締役会に一任されてこれを決定して支給しております。県退職者による代表取締役専務の就任は、昭和60年度以降今日まで4名ございます。うち3名が退職しております。その3名に対する岩手県産からの退職金でございますが、支給状況は昭和60年から就任して平成4年6月まで7年在職した者に対しては550万6、000円、平成4年から就任して4年在職の者は72万5、000円、平成8年から就任いたしまして4年1カ月在職の者は84万9、000円となっているところでございます。
 次に、朝鮮人の強制連行問題に関連いたしまして、未払い賃金についての旧内務、厚生両省の通達文書についてでございますが、1945年9月1日付の旧内務省、厚生省の通達についてですが、これはお尋ねの強制連行労働者の問題につきまして、労働関係所管事項でございますので私ども商工労働観光部で対応しているところでございますが、1945年当時の厚生省勤労局が2年後の1947年9月に発足した労働省に再編されておりましたことから、まず、私ども労働関係文書を中心といたしまして公文書の保管庫を初め部内の文書を鋭意探してみましたが、現段階では残念ながら見つかっておりません。引き続き保管文書の中を探してまいりますが、新しい自治制度のもとで労働行政は国と地方にもわかれてきておりますので、念のため岩手労働局にも照会してみましたが、これもわからなかったところでございます。今後、労働省に直接出向いて調べるなど、確認に努めてまいりたいと考えております。

〇佐々木岩手ブランド推進室長 ハンガリーとの経済交流の成果についてお答えをいたします。
 ハンガリー共和国との経済交流につきましては、平成7年以降、花巻空港の活用拡大ということでハンガリー友好協会が既に交流をいたしておりました。その際に、ハンガリーが日本に対して非常に重要視しているということもございまして、平成9年から経済交流も加えたものでございます。平成9年はハンガリーの物産あるいは芸能の皆様方を岩手県にお招きいたしまして、販売あるいは展示をしたものでございます。平成10年は岩手県の物産をハンガリーのブダペストに持ってまいりまして、ハンガリー国民の皆様方に岩手の食文化を中心に食料品の展示販売、そして商談会を実施したものでございます。その結果でございますけれども、5、200万円ほどの成約がございました。それは本県から向こうに輸出をするものとしては約4、000万円、これはお酒だとかあるいはお米、さらにはハチミツドリンクの中にスズメバチドリンクというのがございまして、これが予想外の契約でございまして1、200万円ほど決まりました。これは、ハンガリーを初めとするサッカーの選手が途中で飲む飲料水がございますが、これがスズメバチの入ったドリンクということで脚光を浴びたものでございます。11年度は岩手県の方にハンガリーの物産等を持ち寄せて、県民の皆様方にハンガリーのワインだとか、あるいは陶器関係の展示販売をしたものであります。この際にも1、000万円以上の売り上げを記録いたしております。12年度は9月でございましたけれども、副知事を筆頭に岩手の物産を持ち寄せて展示並びに商談会を実施いたしました。その成果についてはまだまとまっておりませんが、商談の継続が7社ほど取り引きがあると思ってまして、金額については今のところまだ継続商談になっておるところでございます。なお、関係した会社でございますけれども、平成9年には県内の企業4社ほどでございます。平成10年には5社の皆様方においでをいただきました。それから11年度は6社の皆様方が参加をしておりますし、本年度は3社の新しい業者の御参加をいただいております。13年度以降につきましては、いずれも民間移行を中心に考えた交流でございまして、ある程度商談会方式であったものですから、民間の皆様方の取引の芽生えがございますので、13年度以降は民間主導型で実施を続けるように指導してまいりたいと考えております。

〇佐藤正春委員 それでは再質問いたします。
 今、部長の岩手県産並びに伝統工芸館の答弁を聞いていると、これからの推移を見なければはっきりしたことわからないわけですから、これは今しゃべれないわけだ。しかし、今の答弁の内容ではどうも解散の理由がはっきりしない、なかなか言いにくいだろうけれども。したがって、元来この岩手県産と伝統工芸館の関係というものが答弁の中にあったように、必ずしも好ましいやり方じゃないんだ。だから、こういうことになるわけだ。もっと詳しく言うと、県の天下りが入って、さんざん給料をとったあげくに退職金はどうですか、556万円あるいは少ないので72万円。いいですか、今までこういうことずっと行われてきたわけだ。ここだけじゃないんだ。天下りが入って食いつぶしていくわけだ。給料もらったあげくに退職金もらって、最後には会社をつぶして解散するというやり方だ。そのことが一番の原因なんですよ、私ども委員が一番とらえるのは。だから、最初から無理があるわけだ。同時に、役人だからやっぱり商売人じゃないから、そんなうまくいくわけない。したがって、今度の解散も何となく筋が立たない。さらに申し上げるならば、この決算もいわゆる県産が入り込んでやっているわけでございますから、どうも粉飾とは言わないが、かなり無理な決算の内容ではなかろうかと思っているわけでございます。
 そこで私が申し上げたいのは、相変わらず告発文書がきているんですよ、私のところに。あなたのところにやったから見たと思うんだ。これは文章からすると内部告発ですよ。内容見るとわかるんだ。役人の書いたことなんて大体文章がわかるから。それを見て抜粋しますと、一般の株主の数が多いことを忘れてやしませんかと。県は大株主としてOBが振るまっていることが、まさに傍若無人だ。監査の際にも工芸館を解散する必要性が全く見られないと、再度検討するようにとの指導があったにもかかわらず、県産の専務は複数の人に対して一切手を引くようにと、無理に推し進めるのであればそれなりの覚悟があると、こう恫喝しているんですね。そういう事実があるのですか。さらには、石杜常務は公私混同をして、自分の会社に親類の人間を縁故採用して、これをスパイに仕立てて内部から情報をとっていたと、このような文書があるんですが、これは事実ですか。この点についてもひとつお伺いいたします。

〇鈴木商工労働観光部長 まず、最初の伝統工芸館解散に当たっての理由、それから恫喝というお話ですが、理由等は先ほどお話しましたが、考え方としてやはり会社とその関係会社、親会社と子会社といっても、本来分社化とか役割分担ということでやるべきが筋ですが、主力商品が同じようなものを取り扱っているというので、委員御指摘のように無理があったことは事実でございます。そういうことでやはり解散の方向に持っていこうと、前は自立化をまず推進させてきましたが、あとは伝統工芸館の方で解散と持っていったようでございまして、恫喝とは私も聞いてません。いずれ解散というふうに進めたと、そのように指導したというお話は聞いております。恫喝かどうか、その辺はちょっと恫喝ではないのではないか、そう指導したという話は聞いています。
 それから、お尋ねの常務の公私混同のお話でございまして社員の採用だと思うんですが、岩手県産の社員の採用につきましては岩手県産の就業規則がございまして、採用試験に合格した者を採用すると。採用試験は書類選考、身体検査、学科試験、面接試験、技能検査と定めております。実際、選考採用とは聞いておりますが、実際にどういうことだったのか、また、それがどういう関係にあったのかはちょっと私も承知してございません。総務部におきまして各部のこういったヒアリングもあるようでございますので、会社から事情を聞いてみたいと思っております。

〇佐藤正春委員 それじゃ部長、これからいろいろと推移を見ながら退職金や何だということがあるんだ。恐らくこれは退職金なんか出ないでしょう、議会でこれだけ問題になったんだから。これからは十分に検討して、こういうあり方が一番県民の批判を呼んでいるんだから。岩手県産も少し考えて、解散するとか何とか考えなければならないと思うんですよね。その点について最後にお伺いしておきます。
 それから、朝鮮人の強制収容の問題でございます。
 いわゆる公文書をなくしたというのは大変ですね。大変ですよ、これは。委員長、知事呼ぶ準備しておいてくださいよ。公文書をなくしたというんだから、外交問題に発展しますよ。この公文書の通達は、1945年9月1日付朝鮮人集団移入労働者等の緊急処置に関する件、この文書でございまして、当時の商工部長は全くうそをついたことになる。ですから、場合によっては外交問題に発展する。しかも公文書をなくした。この公文書というのは旧内務省、厚生省のお墨つきでございますから、そこは非常に責任が重い。また、日鉄釜石については、最近では11月9日、12月14日証人尋問、来年の2月14日には原告6名の本人尋問が東京地裁で行われることになっております。さらには、9月15日には原告が釜石を訪問、小野市長とも面会しているようでございます。このような経過の中で、県としては黙っていられますか。やはり本県に起こったことでございますから、ここで県としての対応を考えなければならないと思うわけでございます。
 そこで私が申し上げたいことは、先般、御存じのとおり、秋田の花岡事件が和解をいたしました。これは戦時強制労働者に対するところの戦後補償の先例をつくったことになるわけでございます。この和解の中で一番実は表に出てないんですが、秋田県が大変に尽力したということなんです。秋田県に起こった中国人における労働残虐事件でございますから、県が大変に力を入れたということを忘れてはならないと思うんですよね。でありますから、この戦時釜石の旧日鉄釜石製鉄所、現在の新日鉄製鉄所には約690人の労働者が強制連行され、25名が死亡しております。これは艦砲射撃や何かで死んだわけでございますが、その他生存者、行方不明者がいるわけでございまして、そのあと遺族がいるわけでございます。
 そこで私は、ぜひこれをあなた方知っているかどうか参考にお話したいと思う。
 資料によれば、日本の敗戦後、在日本朝鮮人連盟岩手県本部──当時は朝鮮人は一本だったんです、韓国人も朝鮮もなくて、朝鮮人連盟と。今、民団と朝総連という二つありますが、当時は一つでございました──在日本朝鮮人連盟岩手県本部は、朝鮮人労務者を使用していた県内主要企業に対して補償を求める運動を起こしたが、昭和21年6月7日岩手県内務部長は調停案を示し、関係者間の合意が成立するところまで進んだ。しかし、日本製鉄株式会社本社、企業団体並びに国の反対で調停は白紙に戻された。当時、岩手県当局は朝鮮人労働者に対する補償問題の解決に非常に積極的にかかわったと、こういう資料の記録があるんです。その後を継いでのあなたと増田知事なんですよ。私は以上の経過の中で、自分の県内で起こったことは積極的に応援する、責任持って応援する。今、秋田ではこの禍いを転じて福にして、中国や韓国から秋田を通じて観光客が今、相当来ている。そういう実態の中でございますから、私はこの問題については県が積極的に、賃金については会社と遺族との間のことでございますから関与するものではない。しかし、そこまでもっていくために秋田県では大変に県が陰で力を入れた。岩手県も同様でございます。それまで岩手県は知りませんよと、あげくの果てに公文書もなくした。隠しているんでしょう。その点お答え願いたい。委員長、知事をひとつ呼んでもらいたい。

〇鈴木商工労働観光部長 まず、岩手県産の伝統工芸館の解散に伴う岩手県産のこれからの経営についてでございますが、岩手県産の経営につきましては、取締役会、役員で決めていくわけでございますが、その役員の中でこれからのあり方、経営体制などをやはり検討していくべきものと考えてますし、県としても適切に指導してまいりたいと思っております。
 それから、お尋ねの大戦中に日本に連行され、強制労働を強いられた外国人の方々の問題についてでございますが、文書いわゆる通達につきましては、探してみたところ現段階では見つからないと先ほどのとおりでございますので、国の方も労働局も探してないので、これからも引き続き労働省に出向くなどして確認に努めます。
 それから、県としてこういった強制労働を強いられた方々に対することについてでございますけれども、外交関係にもかかわることではございますが、国の所管であります外交に関する事項とは別に、地方としてもやはり過去の歴史を直視して対応していくことが大切であると思います。また、これから将来に向けての相互理解と信頼関係も深めていくということも大切であると考えております。
 当時の日本製鉄株式会社釜石製鉄所を初め、県内で強制労働を強いられた外国人の方々、その遺族の方々への対応につきましては、これからも釜石市などとも相談しながら県として何ができるのか、何をすべきなのかと考えてまいりたいと思います。
 それから将来に向けてのことですが、ちょっと一言付言いたしますと、現在、我が商工労働観光部商政課にことしの7月から9カ月間でございますが、韓国の全羅北道淳昌郡の郡庁から研修生が来ておりまして、部内の職員と交流を深めているところでございまして、若い職員たちの次に引き継ぐ取り組みというものも期待しているところでございます。
  〔佐藤正春委員「委員長、議事進行について」と呼ぶ〕

〇佐々木大和委員長 佐藤委員に申し上げます。
 ただいまの知事の招聘のことなんですが、本決算委員会は11年度に一応特定しておりますので、重要な案件かもしれませんけれども、ここの段階で本案件は打ち切らせていただきたいと思いますが、御了承いただけませんか。

〇佐藤正春委員 私はこの経過については、先ほど午前中は中国人問題あるいは朝鮮人問題やっているわけですが、継続して皆やっているわけですよ。そういう中で、最近発見された両省における通達というものが国で発見されたわけです。その公文書を見たい。1945年9月1日付の公文書が知事あてに来ているわけですから、これを見たい。公文書をなくすというのだから、これは重大問題でしょう。公文書なくなったらどうするんですか、これからこの問題。今、部長がおっしゃったように、これからの対策について申し上げているんですから。公文書がなかったらどういう対策するのかわからないでしょう。どうするんですか。

〇佐々木大和委員長 現在探している最中なものですから、それが出れば商工労働観光部から答えが出てくるというように私は今聞いてましたけれども。

〇佐藤正春委員 委員長、今、皆少し呼んで相談してからね。議事課長の話聞いてすぐ、はいじゃわからない。だから、議事課長言ってるんだろう。委員寄りじゃないんじゃないかと、当局寄りじゃだめだよって言ってるんだ。はい、世話人会やって。

〇佐々木大和委員長 それじゃ確認をさせていただきますので、一時休憩して世話人会をここで招集させていただきます。
   午後3時53分 休 憩
   午後3時54分 再 開

〇佐々木大和委員長 結果を報告いたします。
 佐藤委員から申し出のあった知事の出席を求める件については、知事の出席は求めないとの結論に至りましたので、御了承願います。
 質疑を続行いたします。

〇伊藤勢至委員 2点お伺いをいたします。
 まさに、12月の師走になりました。あと26日で21世紀ということでありますが、平成10年、11年と岩手県商工労働観光部が行いました岩手緊急経済対策資金の状況についてお伺いをいたします。
 これは大変にタイムリーな、しかもクリーンヒットの政策だということで評価が高かったわけであります。その業種別の利用状況あるいは利用企業の資金使途、内容等についてどのように評価をされておったのか、あるいは県内経済界にどのような効果があったと思われているか、それについてまずお答えをいただきたいと思います。

〇齊藤経営金融課長 岩手緊急経済対策資金でございますが、これは平成10年度に実施いたしたものでございまして、その利用状況は3、007件、融資実績は388億700万円余でございます。これらの利用の状況でございますけれども、建設業を中心に製造業、卸小売業、サービス業と広く利用されておりますが、建設業を主体の利用が多かったという状況でございます。

〇伊藤勢至委員 ちょっと数字が違うんですが、大差ないとしておきましょう。私の資料では3、041件、390億円余なんですけれども、まず大体あっているということです。
 そういう中で業種別の利用状況を見ますと、建設業が34.9%、小売業が23.3%、そして製造業が19.6%、あわせて全体の77.8%であります。さらに、この利用企業の使途内容につきましては、買掛金決済資金が38.5%、支払手形決済資金22.5%、そして商品仕入れ資金18.9%ということで、79.9%という約80%を占めているわけであります。このことによりまして、大変と言われたバブルの崩壊後からずっと景気の低迷が続いてきた部分を乗り切った企業が3、041件もあったということにつきましては、大変いい政策だったと思うのであります。
 そこで県内の各中小企業は、これで難局を乗り越えて輝く21世紀を迎えられると思っておられるでしょうか。といいますのは、12年度の予算にはこういった部分がなかったわけでありまして、これは打ち切ってしまったということだと思うんです。ですが、現実といたしましては、石の上にも3年ということもありますが、今一番つらい時期に置かれている人たちがまだ残っているのではないかと思うわけであります。半年なり1年先の見通しが立てられる中小企業といっても、ある程度目先のきく人たちは早期に手当てをしていると思うのでありますけれども、まさに毎日が戦場できょうをどう過ごすか、あしたの仕事をどう確保するかということに四苦八苦している人たちというのは早々長い先まで検討ができないということがあろうと思うんです。こういった人たちをどう手助けしていこうとするのか、せっかくのクリーンヒットが1本で終わってしまってはだめなんじゃないかと思うのでありますが、お考えをお示しいただきたい。

〇齊藤経営金融課長 岩手緊急経済対策資金については平成10年7月に創設されまして、その後に国が、いわゆる貸し渋り対策といたしまして中小企業金融安定化特別保証──これは、岩手緊急経済対策資金よりも貸付限度額が大きいとか、それから保証人徴求の面でも緩和されているという制度ができまして、それが昨今の経済情勢から平成12年度末まで実施されるということで現在も利用が進んでいるところでございます。昨今の利用につきましては、平成10年に岩手中小企業金融安定化特別保証制度の利用につきましては、10月末までの実績が1万2、457件、1、745億円近くの実績となっているものでございます。これらの利用によりまして、岩手緊急経済対策資金が終了いたしましたけれども、その後の中小企業の経営安定に大きく貢献しているのではないかと考えております。

〇伊藤勢至委員 ちょっと数字が違うんですよ。岩手緊急経済対策資金の中の一番のいいところは、中小企業にとって一番取っつきやすいところは、言ってみれば担保がいらないということなんです。この1点に尽きると思いますよ。今言った中小企業金融安定云々というのは、これは国の政策でしょう。国の方がそういう政策をとったから、岩手県に相談に来た人はどうぞ国の方に行ってください、岩手県は関係ありませんと、これで本当にこの年末を県民が過ごせると思いますか。冷たいんじゃありませんか。説明ももうちょっと伊藤勢至に言うんじゃなく、県民に対して説明するんだと思ってまじめにもっと真剣に答えてもらいたい。もう1回答弁お願いします。

〇鈴木商工労働観光部長 まず、いわゆる国でいう貸し渋り対策の特別保証につきましては、制度としては今年度末でございますが、ただ5年を限度に保証期間の延長というものがございますし、それから、あとは現在の中小企業金融安定化特別保証、いわゆる貸し渋りですが、今年度の3月まで5年間さらに延長できることもありますし、既にもう一部返して限度額の残額の分についてはまだ、3月までですけれども追加保証ということもできます。それから、あとは中小企業に対する年末の金融対策につきましては、信用保証協会の年末資金保証というものがございまして、今年度も10月1日から12月29日までの期間で40億円の保証枠を設けているところでございます。それから中小企業の実情に応じまして、いつでも弾力的に利用できる資金として、政府系の金融機関の融資制度、それから県単融資制度など多様な資金が確保されておりまして、これで対応していきたい。そして県民の方々につきましては、各種パンフレットやチラシの配布とか県の広報誌、ラジオ、テレビの県政番組、それからインターネットによる情報提供など、各種媒体によります広報に努めております。
 それから金融機関に対しましても、年末の資金需要期に向けた円滑な融資を要請しておりますし、県、地方振興局、商工団体などで県内79カ所に年末商工金融110番を設けておりまして、相談にも応じるようにしております。

〇伊藤勢至委員 ちょっと水かけ論的になりそうですのでこれでやめますが、いずれ年末でありますのでかわる制度なり何なりをつくって、あるいはこういう制度があるよという部分につきましては、まさに県民に対してのアカウンタビリティーということが問われると思いますから、しつこいくらい、くどいくらいに周知をしていただいて年末を県民が乗り切ってもらえるように、元気のない県民が乗り切ってもらえるように、ぜひ手だてをしていただきたいということをお願いしておきます。
 次に、観光振興について1点お伺いをいたします。
 その前に、宮古に住む人間といたしまして、ことしは大変宮古が大騒ぎの年でありました。サンマの宅配から始まりまして毒キノコの問題、さらには先般フグ中毒までありまして、大変皆様に御迷惑と御心配をおかけしたことを宮古の1人としておわびを申し上げるものであります。
 私は、観光振興の中で大事な点と思いまして、4年前からサケの一本釣りという部分を提唱してまいりました。昨年から田老町、田野畑村あるいは宮古市、山田町、大槌町と、いろんなところでやり出してきたわけであります。それによって観光客誘致にもつながっているんだろうと思っておりますけれども、一口に釣りといいましても大変幅の広い層がやると思うんです。例えば家庭的なアットファミリー的な自動車でサンダル履きで行って、岸壁に降りてすぐ釣るチカ、サバとかイワシといった釣りもあれば、本格的ないそ釣りに取り組む人もある。あるいは船に乗りまして沖合に出て、トローリングと称して大変大かがりな、あるいは宿泊込みでやる釣りといろいろある。そういう中でサケの一本釣りが、実はある程度の専門的な部分で期待をしてくる人たちから大変不評であります。不満たらたらであります。といいますのは、畳半分ぐらいの大きなポスターが全国に張ってあると思うんですね。豪快サケの一本釣り、このサケの写真が大写しになりまして、釣りざおで釣っているような部分。そうしますと、釣りに来た人、特に専門的な部分の人かもしれませんが、海でそのまま本当に直に一本釣りができるんだと思ってくるんだそうです。ところが現地に行きますと、定置網に入ったサケを釣り堀のような状況で港に入れてやるから、なかなか食いつきが悪い。あるいは地域によってはガラガケといいまして、川に上がってくるサケをかぎ状のもので引っかける。目ん玉に刺さったり腹に刺さったり、尾っぽに刺さったりといろいろです。それがまた最終的には殺して食ってしまうものではありますけれども、経過においてちょっとなあという部分もあるようであります。そういうことから看板に偽りありと、実は宮古の民宿に泊まられた釣り情報誌の発行人の方々、あるいは観光コンダクターの方というかエージェントの方々からお聞きをしましたが、これでは看板に偽りありだと言われてもしようがないぞという部分を言われました。したがいまして、県もサケの養殖には補助をしているわけでありますから、そういうサケ振興あるいは漁業水産振興にかかわって、今サケの一本釣りをやっている市町村を集めるか何かしてそこに漁協にも入っていただいて、あるいはまた釣り客、釣り情報誌を発行している人たちと会合してある程度統一性というものを打ち出していかないと、このままだとせっかくの

〇山口観光課長 今、伊藤勢至委員からお話ありましたように、一本釣りというのは、特に沿岸部におきましては冬にかけての観光客の誘客のために非常に効果があるものだと思っております。そういうことで、平成10年から一番最初に田野畑と田老が始まったわけなんですが、それでことしの状況を見ますと、6市町村でございますが2、531人ほどの方がいらしてます。そのうち、大体40%近くが県外の方にいらしていただいているという状況でございます。特に、去年に比較しましても400名ほどふえております。そういう状況で非常に期待しているところでございます。ただ、それはいいんですけれども、今、委員おっしゃったように、ガラガケとかさまざまな面でまだこれが試行錯誤の段階ではないかと思っております。
 今後につきましては、委員おっしゃったように釣りの専門家とか、それから、あとは実際に釣った方々の御意見を聞くということについて、これからは市町村も交えていろいろと指導してまいりたいと考えております。

〇伊藤勢至委員 今の件ですけれども、400人ふえたという話で副知事も先日の総括でおっしゃっておられましたが、実態は各振興局から補助を受けてやっている部分もあるので頭数を確保しておかないと格好が悪いということで、あるところでは漁協の組合の若手の人たちを集めてカウントして、きょうは何人来たとかやっている分もあるやにも伺いました。したがって、それはちょっとどうかと思いますので、やはりこれを本当に大きく岩手の沿岸の冬の観光の目玉として育てるためには、まさに今が大事だと思いますので、悪評が立たないうちにぜひ取り組みをいただきたいとお願いして、終わります。

〇瀬川滋委員 企業誘致についてお伺いいたします。
 まず最初に、花巻の工業団地にサンポットの誘致が決まりまして、その御尽力に感謝を申し上げるところでございます。
 先月、議会に科学技術振興議員懇談会というものがございまして、水沢の国立天文台水沢観測センターと関東自動車工業を見学してまいりました。その中で、関東自動車工業ですけれども、トヨタのマーク傔の生産も加わって、本当に五、六年前に視察に行ったときよりもラインがふえて、部品等の置き場もなくなるぐらい繁盛というか、忙しい操業をしているようでございます。撤退したり閉鎖する誘致企業がある中で、本当に有望な企業として期待できるわけでございます。系列のトヨタの社長も言っておりましたが、21世紀においても車で勝負するという話をしておりました。車で十分企業がやっていけるということを予測しているようです。ですから、非常に安定した企業として岩手県においても大いに期待できるわけでございます。そういう中で、部品の関連の工場の誘致がどのように進んでいるのか、そしてこれからどのように働きかけていくのか、それをお伺いしたいと思います。

〇鈴木商工労働観光部長 関東自動車工業の横須賀本社の工場が昨年3月に閉鎖の方針ということが示されまして、ことし6月から静岡県の東富士工場と岩手県金ヶ崎の岩手工場に生産機能をシフトするということになっております。県としては横須賀工場の閉鎖の方針が示されて以来、京浜地区とか中京地区のトヨタ系自動車の部品製造業の企業約80社に対しまして個別に訪問をしました。そして、現在の部品供給の実態とか今後の見通しなどを聞きながら、岩手県への工場進出ということでいろいろ誘致活動に努めてきたところでございます。その後30社ほどに絞り込みまして、現在岩手県への進出を促してきております。双葉産業のように、積極的に最初から来たところもございます。それで関東自動車の副社長は岩手県出身の方でいらっしゃいまして、私もこの9月に副社長にお会いいたしまして、関東自動車の岩手県におけるこれからの取り組みなどいろいろ率直に意見交換をいたしました。やはり、部品の現地調達率を高めたいという意向が非常に強いです。トヨタ自動車は愛知県東海地区で約9割の部品調達と聞いておりますが、関東自動車につきましても現地調達率の現地というのはかなり幅広く見ておりまして、岩手県だけではなく北東北3県、宮城県も視野に入れてということのようでございますが、岩手県としてはぜひ岩手県の方に工場がございますので、これから中京地区からの誘致あるいは地場の育成など、これから関東自動車なんかとも意見交換しながら、対策を考えていきたいと、そう思っております。

〇瀬川滋委員 部品に関しては3、000から4、000、1台の車で使うと言われておるわけです。ですから、それに大いに期待する部分がありますので、ぜひその誘致と、あともう一つはやはり県内の発注率を高めてもらうことが重要だと思うのです。ただ、あのとおり厳しいトヨタさんの系列企業ですから、恐らく視察に行ったときは安くていいものであればいつでも買いますよという話はしておりましたけれども、それだけの製品をつくる技術の援助ですか、そういうものが岩手県としてやっていただきたいと思いますし、そういう方面はどうなっているのか、お伺いしたいと思います。

〇鈴木商工労働観光部長 自動車関連事業のいわゆる現地調達率を高めるためには、中京地区からの誘致とそれから地場の育成と、この二つの方向があるかと思います。中京地区からの誘致につきましては、やはり初期投資がかかるのでなかなか難しいというか、はい、そうですかというわけにはいかないで、かなり誘致活動に力を入れなければならない分野がございます。それから、あとは現地につきましては委員御指摘のとおり、非常に厳しい品質検査といいますか、それに対応できるような地場の育成というのは、今までの蓄積以上に新しい自動車技術のそういった品質管理の中のノウハウ、そういったものをやっぱり高めていく必要がございます。それに対する取り組みどうするか、これから今ある現在の国の中小企業創造活動法とか、そのベンチャーキャピタルの育成制度だとか、国の制度なんかも活用しながら、方向としてはエンジェルといいますか、スポンサーといいますか、そういうところが実は欲しいなと思っていますので、そのところも含めまして、これから職員の方にもそういった対策をちょっと検討してはということで指示させることにしております。これからどうしていくか、検討委員会なんかもつくりながら、その方向性を探ってまいりたいと思っております。

〇藤原良信委員 時間が迫っていますから、気にしながらですけれども、7款3目の企業立地対策費、関連してくるわけですけれども、部長にちょっと御見解をお聞かせをいただきたいのですけれども、厳しい環境の中で、企業立地に関しましては大変努力をされていると思っておりまして評価しております。今後の歩み方ですけれども、私は二つの面でこれは考えていかなければならないことがあろうと思うのですけれども、一つは、企業立地そのものについては厳しい環境の中で誘致することそのものが大変なんだけれども、今後の考え方としてはできるだけ、例えば今の例で言ったら岩手関東自動車というような形で関東自動車の工場、いわゆる本社の工場という形の存在ではなくて、例えば岩手関東自動車とか、そういうような状況の要請をやっていくことが必要だと思うのです。これは法人事業税が全然違ってきますから、法人事業税を含めまして、もう一点は、誘致する方からとすれば、開発研究部門を研究者も来ていただくような状況の工場にするということだと思うのです。これはなかなか難しいことですけれども、そのことを念頭に置いて対応していくことが必要だと思います。その場合、もう一方の大きな点での大切なことは、来てくれるような環境をいかに我々の地域につくるかなんですね。特に従業員が岩手県の工場に、例えば今度も関東自動車では相当増員をされたようでございます。希望が岩手県よりほかの首都圏の、例えば工場があるとすればそっちに行きたいと、その選択をするわけですから、岩手県に行きたいと思うような環境をするための努力をしなければだめです。例えば、関東自動車が──関東自動車のことばかり言いますけれども、例としてですから、何を岩手県が整備してくれれば大変来やすいのだがということあろうと思うのです。例えば、道路なんか一つだと思いますよ。国道4号線、大変な量を仙台港から運んでいるわけでしょう。これを4車線をあそこは希望しているわけでしょう。そういうことをやはり県も努力をして、これ直轄だから建設省と、今度は国土交通省になりますけれども、そういう輸送路線の整備をしていくとか、あるいは医療とか、教育環境も含めてなんでしょうが、そういう居住環境とか、そういうことについて商工労働観光部担当課だけではなくて、トータルで岩手県の県庁が考えることだと、これが岩手県の企業誘致の促進に大きくつ

〇鈴木商工労働観光部長 企業誘致でございますが、最近の地方へ展開しようとする企業さんは、情報などもあるのでしょう、かなり詳しくその立地の先を検討しております。道路、それから生活環境、学校とかそれからショッピングとか、従業員の将来の持ち家対策とか、本当に何百項目というような点で会社で立地検討をして、そして立地先を検討していると。岩手県がもう資料を持っていく前にそういう企業はある程度かなり実態をつかんでいます。でもそういった中でやはり岩手県の優位性というのが徐々に高まってきていることは、かなり企業さんには理解していただいてきているし、それから岩手に来ていただいている企業さんとしょっちゅう意見交換したり、要望なんか聞いて、岩手は非常にいいところだよというようなうわさも、そういうようないわゆる口コミですね、これも結構高まってきている。そう悪く直接目の前では言わないのかもしれませんけれども、客観的に見てもそう悪い評判は立っていませんので、その辺の岩手のそういった熱意と、そういった生活環境を含めた立地性の優位、これを整理いたしまして、さらにということでお願いいたしております。
 それから、現地法人についてもできればそのようにお願いしたいなということで、これはお願いしてまいりたいと思います。

〇佐々木一榮委員 何点かありましたが、2点に絞ってお尋ねします。
 工業団地の整備状況につきまして、これは昨年のちょうどきょうの副知事答弁でありますけれども、研究開発工業団地、これ一関に予定し、産業集積活性化事業用地1カ所、これは江刺ということで、それ以外に拠点工業団地5カ所を調査検討していますが、今年度の状況についてまずお伺いします。

〇三浦工業振興課長 工業団地の整備状況についてのお尋ねでございました。工業団地につきましては現在までのところ、いわゆる制度上の農工団地及び工業適地を合わせると115あるわけでございますが、これらの団地のうち県が、いわゆる県の拠点工業団地として位置づけているものとして9団地既に存在しているということでございます。それから、御質問にもありました江刺の産業集積団地については、今造成に着手をしているというところでございます。

〇佐々木一榮委員 拠点工業団地5カ所を調査検討という答弁をいただいておりますが、それについてお答えいただきたいと思います。
 それから、一関の研究開発工業団地についてでありますが、これも一関研究開発工業団地整備等調査委員会を設置したと。その後、産業支援の支援金などのあり方について調査研究を行ってきましたと。本年度、要は今決算年度ということになろうかと思いますが、同委員会からの報告や岩手県高度技術振興協会を中核として企業立地の誘導を進める仕組みのあり方について検討をしているということでありますが、この状況についてお尋ねしたいと思います。

〇鈴木商工労働観光部長 工業団地整備事業調査団地5団地というのは、これから具体的にということになります。 
 それから、お尋ねのいわゆる一関の研究開発工業団地でございますけれども、研究開発型企業ということでこれまでもありましたが、いわゆる新しい計画のコンセプトは環境首都ということを目指すということになっております。工業団地も20世紀型を考えますと、研究開発から生産、リサイクルまでその団地に一貫してバランスよく配置して、そして相互に連絡してその団地から可能な限り廃棄物は出さない、出すにしてもみんなちゃんと分別して出すと、そういうゼロエミッション型の工業団地というものはこれからの工業団地だと思います。また、地形につきましても自然の地形を生かしながら、自然環境にできるだけ配慮すると、全部造成して平地にするのではなくて、高いところ低いところある、自然の形の中で林の中の企業群と、そういったイメージがこれからの工業団地だと、こういうふうに考えております。私どもも現在、環境関連産業の立地可能性とか、あるいは立地基盤のあり方、それから産業のゼロエミッション化など、いろいろ今専門機関に調査をお願いしておりますが、いずれこういった状況を見ながら、一関の研究工業団地についても新しい21世紀型の工業団地ということでこれからやっていくのかなと、一関市とも十分その辺は意見を聞きながらというふうに考えております。

〇佐々木一榮委員 昨年のきょうの副知事答弁は、さっき申し上げましたとおり、その調査委員会からの報告と岩手県高度技術振興協会を中核としたところからの報告に基づいて検討を行っていると、そして整備基本計画を策定していくのだということでありますが、これは市の要望も毎年ずっとこの研究型開発工業団地でやってきたわけであります。今の鈴木部長のその環境ゼロエミッション工業団地は初めて今伺ったのでありますけれども、そうしますとこの委員会が今までやってきたことですとか、この技術振興協会、こちらでの提言というのはどうなってくるのかということをまずお尋ねしたいと思います。
 それから、県では県立大学の近郊に研究開発工業団地を計画したと、ですから一関については今、部長がおっしゃった、今度は循環型の工業団地なんだよということでありますが、今まではずっとその研究開発工業団地で進めてきたと思うのですね。ここに来て循環型ということになるのですが、こう方針が変わることによって、今まで重要統一要望項目として毎年毎年知事にも要望しながらやってきているものが、これは計画どのようになっていくのでしょうか、お尋ねいたします。

〇鈴木商工労働観光部長 研究開発工業団地ということ、全部張りつける企業が研究開発ということではやはりこれからもなかなか難しいなと、そうすればやはり団地の中でその研究開発をもとにしてそして生産し、生産したものを廃棄していくと、そういうイメージがこれからあるべきかなと、他県を見てもそのような取り組み、構想を持っている県が多いので、そういったところを見ながら、考え方も今までの工業団地プラスゼロエミッション、そういった新しい社会に対応した工業団地ということで考えれば、より企業への現在のニーズにも合っていくのかなということで今我々考えているわけでございまして、それは今までやってきた検討委員会の延長からはちょっと変わるかと思いますが、ただ、それについては一関市と十分、あるいは地元産業界なんかともその辺を意見交換して、その辺の合意に至ればなと、こういうふうに考えております。
 それから、県立大学の研究の構想については、これは企画振興部の方で対応しているわけでございますけれども、その中での研究成果なり研究の状況などがこういった一関の工業団地をこれから考えてその中に生かせれば、それは生かしていきたいなと考えております。

〇佐々木一榮委員 最後に確認をさせていただきます。そうしますとこのゼロエミッションを目指す循環型工業団地と研究型開発工業団地とはこれは別物ではなくて、あくまでも今までの計画どおり、多少そのイメージ的な、キャッチフレーズ的にはあるのですけれども、そうしますと今までどおりこの地元としては要望を続けて、さほど修正はないと、スケジュール的にも今回の今の部長の答弁は変更はないよということで認識してよろしいでしょうか。

〇鈴木商工労働観光部長 研究開発工業団地というのがさっき言ったように、もう少しゼロエミッションに対応して中身がちょっと若干変わってくるよう整備手法とか、整備手法も造成だけではなくて自然の地形もできるだけ生かしながら、そして整備の手順とか何か進め方についてはこれまでどおりの、一関市と協議しながらと、その辺は変わりございません。

〇伊沢昌弘委員 2点についてお伺いをしたいと思います。中小企業振興費にかかわって2点であります。
 最初に、岩手ブランドの創出育成についてお伺いをしたいと思います。11年度決算書の中にはいわて新世紀ブランド創造事業費550万円ほど計上されているわけでありますけれども、この事業、たしか9年度から始まってきたように記憶をしているわけでありますけれども、9年、10年、11年、本年度と、こう来ているわけですが、これまでのこのブランド創造事業の進捗状況なり成果はどうなっているのかお示しをいただきたいなと思っています。この間、サケの加工品なり、ひっつみなり、県産オリジナル清酒等々含めて検討されてきたと伺っているわけですけれども、これらの販売も含めたいろんな中身でどのようになっているのかお伺いをしたいと思います。
 2点目は、昨日もたしか話題になったと思うのですが、知的所有権についてお伺いをしたいと思います。私、以前もこの知的所有権の問題については、県職員がつくったものも含めていろいろ聞いてきた経緯がありました。前の部長のときだったと思うのですが、知的所有権センターを岩手県に招致をして、いろんなパテントを含めてこの研さんをしながら地場産業で使えるようなもの、企業化をできるようなものについてやるのだということで、いろいろ活動してきていると思うわけでありますけれども、これら、まだ期間はたっていないと思うわけですけれども、これらの発掘状況、そして県内の企業に一定程度こういったものがどのように波及をしてきたのか、わかる範囲で結構でありますので、お示しをいただきたいと思います。

〇佐々木岩手ブランド推進室長 いわて新世紀ブランド創造事業についてお答えをいたします。
 非常に本県は数多い県産品に恵まれておりますけれども、新しいいわてブランドを創出するということで仕組んだ事業であります。まず、アクションプランをつくりまして、その後販路開拓を行うものであります。初年度の平成9年には秋サケの戦略をつくったところであります。それを受けまして本年度まで3カ年間、県内を初め、関東、関西あるいは九州におきまして物産展あるいは展示会で高鮮度イクラ、寒干しサケ等を出品して商談会等を実施してきたところであります。その結果、これまでほとんど取引のなかった西日本におきまして新たな取引が発生するなど成果を上げているところであります。
 10年度はひっつみを取り上げまして計画をつくったところでありますが、何せ量産体制が必要でありますので、量産をするためのひっつみ製造機を開発いたしました。その結果、アンテナショップや物産展で試食販売を実施したところ、お土産品としてわんこそば、あるいは冷麺に続きまして商品化が図られておりまして、販売が増加をいたしております。あわせまして県内の食堂等のメニュー化になりまして、徐々にその成果が出ておるところであります。あわせまして家庭でのひっつみの料理がふえているようでございまして、これはひっつみ用の小麦粉が販売が拡大しているというような情報も得ておりまして、郷土料理としての浸透も見直されてきていると考えております。
 それから、11年度は御案内のように県産オリジナル清酒を選定いたしまして、戦略方針をつくりまして岩手ならではの物語性のある酒づくりを進めようということで、県が開発をしました吟ぎんが、それに独自の酵母、それを南部杜氏の皆様方が開発に成功いたしました。本年度の2月には知事が県内外に発表をしたところであります。なお、明年2月5日をこの新酒の一斉発売日と決めまして全国に強くアピールをしてまいりたいと、そして岩手のうまい酒どころのイメージを上げてまいりたいと考えております。
 なお、12年度につきましては、日本一の品質を誇っております干しシイタケを取り上げまして、原料供給の現状から脱皮をしたいということで、付加価値の高いブランド商品化に向けて専門の委員の皆様方に今検討をいただいているところであります。

〇三浦工業振興課長 2点目のお尋ねの知的所有権センターでございます。その活用状況及び成果でございますが、まず知的所有権センターでございますけれども、仕事二つございまして、一つは特許出願の支援ということ、それからもう一つが未利用特許の流通支援ということでございまして、2名のアドバイザーを設置して進めてまいったわけでございます。一つ目の特許出願の支援についてでございますが、これは弁理士であります知的所有権アドバイザーが県内企業の発明相談でございますとか、あるいは特許を出願する際の選考技術調査、出願方法の相談といったものに応じておりまして、知的所有権センター、これはできて以来累計で142件の活用実績があったところでございます。それから、もう一つの未利用特許でありますとか、あるいは大学・試験研究機関が保有する特許を民間企業に移転する特許の流通支援の方でございますけれども、一つは東京特許流通アドバイザーが企業を訪問して特許移転の相談仲介をするというものにつきましては、企業訪問が194件、それで移転仲介を103件行った。それから、特許庁の特許電子図書館というのがございまして、ここにアクセスできるようにしまして、特許情報を無料で検索できるようなサービスというのも提供しているわけでございますが、これの利用件数がこれまで935件でございます。それから、あと休眠特許のリストでございますとか、あるいは開放特許のガイドというのを作成いたしまして企業に送付するというようなこともやってございます。
 それで、成果でございますけれども、103件移転仲介を行いまして、実際に12件が企業への特許移転契約に結びついたということでございます。これはちなみに申し上げますと、東北管内全体で特許流通成立件数というのは24件あるわけですが、岩手1県でその半分を占めているという成果でございます。
 それから、今年度におきましては、公設試験研究機関では全国で初めてなのでございますが、県の工業技術センターが出願いたしました特許でございます象嵌装飾体の製造方法という特許がございまして、これら特許流通アドバイザーの仲介によりまして、県内の民芸関係の企業に、二つの企業でございますけれども移転されたというような実績が上がってございます。
 ということでございまして、今後とも知的所有権センターの充実強化に努めまして、県内企業の新製品開発というのを応援してまいりたいと考えております。

〇伊沢昌弘委員 ブランドの問題については頑張っているなという感じを持ったわけですが、中小企業振興という視点で、これらが県内のいろんなベンチャーも含めてこれまでやってきた方々の企業、取り扱いとかつくる方、売る方含めてふえていくことがこれは必要だと思うのですね。その辺、もしつかんでいれば、今お話の出たサケ、ひっつみ、清酒、酒づくりはだれでもつくれるわけでありませんので、そういった分野であとは販路ということになると思うのですけれども、そういった分野に今後どのようにかかわっていくのか、改めてちょっとお伺いをしたいなと思います。
 それから、知的所有権センターについて、かなりの成果だというふうに私も、初めて件数を含めて聞いたわけですので、そう思います。それで、最後におっしゃられたこの工業技術センターがトータル2件のところ、実際使えるようなアドバイザーを行ったということで大変有効だと思うのですが、以前に私この件をお伺いしたときに、県もそれぞれの研究機関なり民間等の産学官共同の中でいろんな研究をやっているわけです。最終的に特許を取る際のそういったアドバイザーとしても、そこにせっかく専門家が来るのであるから、ここの場を活用したらどうですかということでお話をした経緯があったのですが、当時の部長は、それは私の方ではないと、総務部の仕事だと、こういうことで一笑、一喝された経緯があったわけです。検討するとは言ってきた部分なのですが、工業技術センターにたしか置かれている部分で、日常のいろんな相談はやっていると思うのですけれども、位置づけ的に県のその研究機関とのかかわりをどうなのか、もしわかれば教えていただきたいなと思います。

〇佐々木岩手ブランド推進室長 これの地場企業への移転でございますけれども、特に先ほど申し上げました事業での販路開拓の事業につきましては、3年継続でそれぞれの県内の企業の御希望の皆様方に御支援を申し上げておりますけれども、その後、233ページで検討いただいております地場産業総合振興対策事業というのがございます。これは国半分、県半分の10分の10の支援事業でございまして、これらを活用いたしまして地場企業の皆様方の御支援を申し上げ、そして県内外に販路が拡大するような御支援を申し上げたいと考えております。

〇三浦工業振興課長 知的所有権センターの方でございますが、この工業技術センターと特許流通アドバイザーとの関係でございますけれども、まさに御質問いただいた中にございましたけれども、まず物理的な場所として県の工業技術センターの中にあると。それから、この県工業技術センターの事務を行っている人間、県工業技術センターの職員と兼ねておりますので、事務的な連携もこれ万事怠りなくやっているということでございます。現に先ほど申し上げましたとおり、岩手県の工業技術センターでの研究成果というものが、これ全国でも初めてなのでございますが、特許流通アドバイザーの手によって移転がうまく結びついたということございまして、そういった形で県の研究機関が使いやすいようにしているということでございます。

〇斉藤信委員 2回ぐらいに分けてお聞きをしたいと思います。一つは、昨年来、ことしと誘致企業の撤退、工場閉鎖が続いていますが、実態はどうなっているでしょうか。事業所数、従業員数で示していただきたい。中には赤字に至らない企業もあるのではないでしょうか。県として市町村と協力して強力に企業の存続を働きかけるべきではないかと思いますがいかがでしょうか。
 2点目、これも昨年来取り組まれていますが、緊急地域雇用特別基金事業の実績はどうなっているでしょうか。実人員、平均雇用期間、雇用への継続、うまくいっているかどうか示していただきたい。

〇勝部企業立地推進監 誘致企業の撤退及び工場閉鎖の実態についてでございますが、平成11年度及び12年度における誘致企業の撤退または工場閉鎖の件数につきましては13件となっております。その離職者数の合計が586名。それから、現時点において年度内に閉鎖、撤退の意思表示が行われております企業が3件ございます。この3件の現時点での従業員数が313名でございまして、これを合わせますとトータルで16件、899名となってございます。それから、中には赤字に至らない企業もあるのではないかということでございますが、上場企業以外は決算経営状況の公開を義務づけられておらないということもあるわけでございますが、撤退企業の経営状況のすべてを我々として把握するに至っておりませんが、いずれの企業においても厳しい経営環境の中で、国内工場の再編あるいは海外シフト、そういう状況の中で再編を余儀なくされたり、あるいは工場閉鎖に至ったりしているのが実態ではなかろうかと思ってございます。企業存続上やむなく生産拠点の海外シフトに至るケースがほとんどであると受けとめてございます。それから、本県に進出いただいている企業が岩手に進出を決めるに当たっては、いずれの企業におきましても地元に根づいて、岩手の地で地域の一員として発展していこうという思いで立地に踏み切っているものと認識しておりまして、その後、企業を取り巻く環境の変化によりまして、不幸にして閉鎖であるとか撤退などの事態が避けられない状況になる場合も、企業としてぎりぎりの決断に基づくものと受けとめているところでございます。私どもといたしましても、企業との信頼関係の構築を第一として、企業の進出時、すなわち工業用地の購入時における満足度だけでなくて、その後、操業後におきます使用時の満足度も高めていけるよう努力しておりますが、もちろんこのことは県だけでできるものでもございませんので、市町村と一緒になって連携して取り組んでまいりたいと思っております。

〇千葉労政能力開発課長 お尋ねの緊急地域雇用特別基金事業の実績はどうかということについてお答えいたします。
 雇用実人数についてでございますけれども、平成11年度の実績は4、041人、これは実人数でございます。そのうち新規が2、560人となってございます。次に、平均雇用期間についてのことでございますが、雇用実人数に係る期間は平均して16日間、新規雇用に係る期間につきましては若干多くて、平均して17日間となってございます。本事業につきましては、失業状態にある人が次の仕事につくまでの臨時応急的な事業につくということを前提としておりまして、本事業による新規雇用は6カ月未満の雇用期間が限定されているものでございます。さきに申し述べましたとおり、本事業の導入によって11年度の10月から事業を開始したわけでございますが、10月から3月までの約6カ月間において新規2、560人が雇用されたということから、一定の効果があったものと考えているところでございます。

〇斉藤信委員 誘致企業の撤退で、経理が公開されていないということだけれども、岩手ティアック、これは東京商工リサーチの情報だと2000年3月でも利益を上げていますね。利益率は下がっているけれども、赤字ではないのですよ。私は軽米町のアツギ白石軽米工場、この状況も聞いてきましたけれども、こういうことでしたよ、撤退が発表されるときに職員が呼ばれたと、職員の人たちは一生懸命稼いでいるのだから表彰されるのだと思って行ったと言うのです。そうしたら工場の閉鎖だったと、だから赤字なんて全然考えていないわけですよね。そういう説明も全然ないのですよ。私はこのアツギ白石の場合は、去年の大水害のときに床上浸水をして、その復旧のために町が金を出しているんです。こういう企業が全くこれまでの経理も説明しないで、一方的に工場を撤退するなどということは、本当にやり方としても無謀だと、説得力全くありません。私はだから、さまざまな県も情報もつかんで、本当にそういう撤退が理由があるものなのかどうか、呼ぶときには工業立地資金だとか固定資産税の減免とかやるのだから、私はそういう点で企業というのは地域経済に対する社会的責任を持っていると思いますよ。だから、本当に従業員も仕方がないという合理化撤退もあるでしょう。私の今挙げたものはもっと行政が頑張って工場の存続を求めなくてはならぬ。そういう点についてちょっと見解をお聞きしたい。
 それと緊急対策を今聞きましたが、実人員が4、041人で新規が2、560人と、これ全部新規事項ではなかったのですか。これ実人員と新規雇用の関係をちょっとその違いを教えてください。それで、私は前にも取り上げたけれども、16日とか17日の雇用期間では全然これは新たな雇用継続にならないのですよ。これは労働省だって6カ月かかると言っているのですから。いわば離職されてから次の雇用までは約6カ月かかると。だから、この事業は6カ月未満ということになっているけれども、そういう考え方ですよ。それが16日、17日の雇用期間だったら私は十分な雇用にならないと思いますよね。これ12年度も、どうですか、雇用期間、どうなっていますか。せっかく深刻な雇用危機のもとでやられている事業なのだから、やっぱり本当に次の雇用に結びつくような、そういうものに私はすべきだったと思うけれども、その点について今年度の状況も、こんな短いものなのかどうか示していただきたい。

〇勝部企業立地推進監 誘致企業の事前のその企業動向の把握につきましては、非常に難しい面もございますが、いずれ今後とも十分充実したフォローアップを行うとともに、企業を取り巻く諸情勢の動向把握に十分努めてまいりたいと思っております。

〇千葉労政能力開発課長 お尋ねの12年度の当初計画についての数字をとりあえず申し上げます。計画の段階での数字でございますけれども、12年度は人数が2、099人、うち新規雇用が1、520人ということになってございます。雇用期間につきましては、この12年度の当初の計画の段階では、雇用実人数、トータルで31日、新規雇用に係る期間につきましては30日となってございます。先ほどお話がありましたように、期間が短いのではないかという観点の御質問でございますが、昨年中途から始まりました3カ年事業でございまして、取りかかりが年度の後半ということもありまして、昨年の数値はかなり低い、先ほど示したとおりになってございます。今年度に入りまして計画を各市町村、県事業もあるわけでございますが、それらを吟味いたしまして、先ほど申し上げました数値のような予定になってございます。まだ年度の途中でございますので結果はまだ出ていませんが、今盛んにやっているところでございます。なお、本県のこういった関連の事業を各市町村も創意工夫でやっていただいておりますけれども、失業状態にある方を雇用するための事業はどんなものがあるかということを考えた場合に、やらせたい事業と失業状態にある方との仕事のやりぐあい、やらせぐあいのマッチングがうまくいかないというのもネックとしてございます。ですから、必ずしも予算があるからとか、計画では数字が多いからと言っても、難しいというのが市町村の現場ではあるように私どもは把握してございます。

〇斉藤信委員 緊急雇用対策は今、課長言われたとおりなんだよね。昨年はばたばたして十分な具体化されなかった。しかし、ことしも30日ぐらいでは雇用の継続にならないので、やっぱり失業者の実態にかみ合った対策を来年度も続くのだから、ひとつ知恵を出してやっていただきたい。
 最後ですけれども、深刻な不況の中で中小企業対策の有効な対策とすれば、県が発注する官公需の県内中小企業向け発注比率を高めることであります。11年度の県官公需の中小企業向けの発注額、率はどうなっているでしょうか。10%引き上げたらどのぐらい県内業者への発注額を高めることができるか、この間の推移も含めて示していただきたいし、この発注率を高める努力を県としてどうやっているか。
 最後は大型店進出問題であります。今回の議会にも大店法廃止に絡んだ議案が出ていますけれども、大店法の廃止に対応して大型店の無秩序な出店、進出を規制する対策はどういうものがあるか示していただきたい。
 前潟地区への大型店出店の計画は最近新聞報道もありましたが、ショッピングセンター、東北マイカル、どのような出店計画と把握しているか示していただきたい。既にこれらの出店計画に対しては地元の商店街、市商連の方々が深刻な影響調査なども示していますけれども、どういうふうにこれも受けとめているか示していただきたい。

〇長葭商政課長 県の官公需の中小企業向けの発注額でございますけれども、平成11年度の県の官公需の中小企業向け発注額は約1、968億円、発注比率にしまして79.7%となっております。過去5年間でございますけれども、7年度が77.4%、8年度が73.2%、平成9年度が70.7%、平成10年度が76.9%、平成11年度が79.7%となっておりまして、平成11年度は過去5年間で最高となっております。また、これを10%高めるとどうなるかということでございますが、約247億円ほどの効果があるだろうと見ております。
 それから、大型店の進出でございますけれども、大店法が廃止になりまして、従来の中小小売商業保護のための大型店の出店調整というものは法的根拠がなくなったというところでございまして、今後大型店の出店につきましては、地域の実情とか住民の意向、あるいは大型店の出店によります消費者の利便性など、まちづくりの観点から市町村が総合的に判断しながら、必要に応じて改正都市計画法に基づきますゾーニング規制などを行うなど、適正に対処されるべきものだというように考えております。なお、新たに施行されました大規模小売店舗立地法におきましては、県は大型店の新設の届け出に対しまして、店舗の周辺地域の生活環境の保持という観点から、同法で定める指針に基づきまして騒音とか交通渋滞、あるいは廃棄物などの点について、大型店の設置者に対し配慮を求めるということができるということになっておりますので、今後とも同法の適切な運用に努めてまいりたいと考えております。
 それから、前潟地区の大型店出店の計画でございますけれども、私どもでは前潟地区における専門店によるショッピングセンターにつきましては、現在盛岡地方振興局におきまして大規模小売店舗立地法に基づく届け出書類でありますとか、あるいは添付書類の作成方法などにつきまして御相談を受けているところでございます。しかしながら、正式な計画が提出されておりませんので、まだこの場でお話しする段階ではないと考えております。また、マイカル東北につきましても、盛岡地方振興局に対しまして立地法に基づく届け出とか相談はなされていないというところでございます。地元商店街の方たちがいろいろ困らないかというようなお話でございますけれども、県では従前から商店街の活性化のために商店街の駐車場の整備でありますとか、空き店舗対策とか、あるいはイベントの開催など、さまざまな事業に至るまで各種補助事業を活用しながら、積極的に支援しているところでございます。また、大型店に対抗しながらみずから創意工夫を凝らしまして消費者ニーズに対応しようとする意欲あふれる商店街に対しましては、県といたしましても今後とも引き続きこうした施策で支援していく必要があるというように考えておりまして、今後も地方振興局を通じまして商店街等の意向を十分に把握し、市町村や商工団体等と連携をしながら、積極的に支援をしてまいりたいと考えております。

〇斉藤信委員 官公需でこれは前進しているのでこれは若干評価をしたい。しかし、本当に10%ぐらい引き上げるだけで約250億円の新たな仕事の確保ができるわけだから、今後の努力目標言わなかったけれども、商工労働観光部として本当に努力してくださいよ。その中で70%台に低迷しているところ、それ以下に低迷しているところがあります。保健福祉部、農政部、土木部、出納、監査が一番低くて27.4%と、理由がわかるなら示していただきたい。
 大型店の問題は、新聞の独自の取材などもありますけれども、東北マイカルは3万平方メートルだと、これは県内最大規模ですよ。ショッピングセンターは1万2、000というこういう報道もあります。そうしますと、本当にもう県都の中心商店街を揺るがすような進出になるわけですね。中心市街地活性化で税金を投じながらやっているときに、こういう大型店の郊外型の出店によって今までの努力が水の泡になるという危険性があるのです。だから、そういう点では空き店舗とかいろいろ頑張っているという程度では全然済まない影響ですよ。例えば、これは2万5、000平方メートルのマイカルが出店したときの試算だけれども、青山地域は14.1%影響を受ける。材木町は9.8%、肴町や菜園は7.8%の影響だと。大体商店街は10%売り上げが減少したら倒産するのです。だから、この影響というのはそういう規模ですよ。そういう点では、あの都市計画審議会であそこを市街化区域に指定したときにこういう条件をつけたのですよ。盛岡市が調整をすると。それを強く要望するという形であそこの商業地域というのが認められた経過が県都市計画審議会でありますから、私は本当に県もこの精神に立って盛岡市と共同して、地元商店街が成り立つような厳しいやっぱり調整をすべきだ。盛岡の商工会議所は3万平方メートル規模に減らしてほしいと──売り場面積でなくてあそこの商業地の面積ね──いうことを具体的に求めていますからね。そういう点で盛岡市と一体となって禍根を残さないようにひとつ対策をとっていただきたい。
 最後ですけれども、北上ビブレが進出しました。最初は交通混雑でしたけれども最近は交通混雑がないと、周辺の商店街にもさっぱり効果がないと聞いていますが、そういう点もわかれば示していただきたい。

〇長葭商政課長 官公需でございますけれども、平均以下の部局の理由ということでございましたが、御指摘のとおりの部局が平均以下ということでございまして、理由につきましてはいろいろございますけれども、情報処理システムの開発とか、あるいは特殊な機械設備など大企業の特殊技術、こういうものが必要なものの割合が高かったことによるものだと考えております。
 それから、ビブレの状況でございますけれども、ビブレの客足というお話がございましたが、ビブレの入り込み状況につきましては、数値は公表されておりませんけれども、北上市が北上都心開発から聴取したところによりますと、まず開業直後は見学を兼ねたお客様が随分入ってきて大変だったということですが、夏休み以降は順調に推移しているということでございまして、ほぼ計画した目標数は達成しているのではないかというような答えでございました。

〇阿部富雄委員 箇条書き的にお伺いいたします。まず、企業立地の関係ですけれども、11年度県全体で10件の立地ということでありますが、地域別にどういう立地状況にあるのかお伺いいたします。
 2番目、今後企業立地について県はどのように取り組んでいくのか。
 3番目、最近企業側の工業団地取得に対する意識に変化が見られるのかと、見られるとすればどういう変化なのかお伺いいたします。

〇勝部企業立地推進監 まず、企業誘致の状況につきましてですが、最近10年間の誘致件数は89社となってございまして、その内訳を見ますと北上川流域を中心とする内陸地域が75%、それから沿岸地域が19%、県北地域が6%ということになってございます。本年度につきましては、昨日立地内定が盛岡西リサーチパークに1社決まったわけでございますが、その1社を含めまして本年度11社の立地が決まってございます。これは昨年度の10社を上回る状況でございます。
 それから、今後の企業誘致の取り組みについてでございますが、企業を取り巻く状況はなお厳しい環境にありますが、IT関連産業など業種によっては設備投資意欲が上向いてきているところもございます。したがって、これら成長産業に重点を置いた企業訪問活動などを展開してまいりたいと思ってございます。そのほか情報環境関連産業など今後成長が見込まれます分野におきましても、地域の特性を勘案しながら幅広い誘致活動を展開してまいりたいと思っております。また、首都圏等の企業を対象といたしまして、東京、大阪、名古屋等で開催いたします企業ネットワーク岩手の開催でありますとか、さらにはホームページ、iモード──iモードにつきましては先月から本県の企業立地ガイドを掲載してございまして、全国で初めてiモードでホームページを掲載してございます。そのほか情報ツールを有効活用いたしまして本県の立地環境を情報発信してまいりたいと思ってございます。
 それから、3点目の最近の企業側の工業用地取得に対する意識の変化でございますが、企業にとりましてその以前のバブル期のような市場開拓が期待できないということもございまして、また企業が保有する土地の過剰感が強まってきているということ、それから加工組み立て等に代表されます量産部門の海外シフトが非常に傾向が強まっていると、このような背景がありまして企業サイドの意識も変化してきていると受けとめてございます。具体的には、企業において新たな設備投資が直ちに新たな用地取得には結びつかないという傾向がございます。それから、生産工場の集約再編の過程で新たな遊休地が生じているということもございます。さらには、企業にとっては何よりもまず現在企業が保有しておる遊休地の有効活用が優先課題となっておりまして、企業における工業用地取得に対する姿勢というものは以前より相当厳しいものになっていると考えてございます。また、従前は行政サイドが紹介する用地を中心に企業の方で進出を検討する企業が多かったわけでございますが、最近の傾向といたしまして、情報化の進展という背景もあると思うのでございますが、企業自身がインターネットを利用して各県のホームページにアクセスをいたしまして、そして情報収集して独自に現地調査まで行っていると、その上で進出の意思を固めるというケースが非常にふえてきております。本県の場合も調べてみたわけでございますが、過去8年間の立地企業60社について調べてみました。その結果、約半数の28社が独自に本県のホームページにアクセスをして、独自に現地視察をしているという状況にございます。したがって、私どもといたしましては、企業からアクセスがあった場合のその迅速な対応、そのホームページ等の内容充実はもちろんでございますが、企業からのアクセスがあった場合のその迅速な対応等に懸命に努力してまいりたいと思っておるわけでございます。さらに、最近の傾向といたしまして、必ずしも造成済みの団地を希望する企業がそれほど多くないということでございます。つまり未造成の用地を希望する企業がふえてきているという傾向にもございます。それから、初期の投資額の軽減のために空き工場に対する照会案件、これが非常にふえてきております。そういう点が最近の特徴でございます。私どもといたしましては、これら企業のニーズの変化にしっかり対応してまいり

〇阿部富雄委員 わかりました。そこで、この企業の地域別の立地状況を見ますと、盛岡以南の北上川流域に75%ですか、4分の3ということになるわけですね。県はもちろん県土の均衡ある発展ということを考えれば県北・沿岸にも力を入れている、そのことは私は思っていますし、これからもぜひやっていく中身だと思っていますが、ただ、企業がそういう背景にあるとすれば、それに対する対応もやっぱりとっていくということは私は必要だと思います。というのは、県内に土地開発公社であるとか、市町村が先行的に整備している工業団地というのは80カ所、このうち工場敷地面積が1、500ヘクタール、約1、100町歩ぐらい売れているということでありますが、全体的にはどこの工業団地もまず30%ぐらいの余裕があるわけですね。ただ、余裕のない、いわゆる受け入れ態勢の整っていないそういう地域もやっぱりあるわけです。例えば、先ほど話が出たように一関地区なんかについてはほとんどそういう工業団地としての状況はないわけですから、満杯状態で受け入れできないという、こういうことになっているわけですから、特にここだけ私は力を入れろということを申し上げるつもりはないわけですけれども、せっかく企業がそういうような立地動向にあるとすれば、それを的確にとらえて対応していくという、そのことが大事だと思っているわけであります。特に一関については研究型開発工業団地だとかゼロエミッションということ、先ほど議論ありました。この一関の研究工業開発団地というのは10年以上前から議論していますよね。恐らく庁内でも10年以上この議論やっていると思うのです。なぜこんなに時間かかるのですか。私から言わせれば、職員の皆さんは非常に能力のある優秀な方だと思っています。やっぱり行政にもスピードというのが求められるのではないでしょうか。企業は毎日毎日厳しい競争を繰り返しているわけですから、やっぱり即時に判断をするというものも求められているわけですから、県行政だってそういう的確な判断、スピードというものを当然私はあってしかるべきだと思うのです。仮にこういうことができないとすれば、民間のシンクタンクに頼んで概略をつくってもらってそれを庁内で検討するということだって、スピードを速めるという意味では私はあり得ることだと思うのです。そういうことをやっぱり我々の口から言わせないため
 それから、いろいろ先ほどの団地造成については考え方を検討しているということですけれども、先ほど課長が答弁したように、いわゆる未造成を希望している、そういう企業もかなりあるわけです。ですから、私はこれからはすべてこちらがおぜん立てをするということではなくて、一定のアウトラインを示して、そして道路だとか電力だとかそういうインフラ整備をやって、あとは企業の意向を聞きながら造成を進めていくという、こういう考え方に立って私は企業立地については進めるべきだと考えているわけですけれども、その辺についてのお考えをお尋ねいたします。

〇鈴木商工労働観光部長 企業の立地についてでございますけれども、一関の研究開発型のは確かに時間がかかっております。これは地に足がついた計画というものになかなかならなかったと、言いかえればペーパーの計画だけではなくて、本当に土地、どこなんだというそういうことと一体となっていないとなかなか進まない。県内の企業立地、工業団地のその状況、北上市、花巻市なんかと比べましても、まさに地に足がついた計画ということで進んでいくし、企業がどういうことを望んでいるかという、具体の企業に当たりながら進んでいくということが大切なので、その辺を一関市と今話を進めようかなと、そして地に足がついた、いわゆる見える形での工業団地の進め方と、今言ったように造成だけではなくて、先ほど言いましたように自然の地形を利用して、そしてその地区に企業が適正に張りついていくという、そういう形での進め方ということでこれから一関市と協議していこうかなと考えているところでございます。それから、あとは県北・沿岸につきましては、内陸部に比べて優位性ということではなかなか難しい面もありますけれども、ただ、岩手県全体でインフラも進みますし、それから内陸部の二次展開ということで内陸部の企業もそういった考えを持ってますので、私どもとしてもフォローアップしていきたいなと考えております。

〇阿部富雄委員 基本的には部長の答弁で私は理解するわけですが、ただ、県の対応は、例えば一関の工業団地については平成17年度までに整備しますということを言ってますよね。これは、実施計画だとかそれぞれ決算だとか、あるいは委員会の場で皆さんが答弁している中身ですからね。これから当該市と話し合いをするといった場合に、あと5年の中でいろいろな枠を決めて用地取得をする、造成、設計、果たしてそういうことが可能なんでしょうか。17年度までに整備するという考え方に立つことには変わりないわけですか。

〇鈴木商工労働観光部長 中期計画の17年度まででそれまでの計画ということでございますが、いずれ要はどこの場所にするかと、はっきり言えば。それは、やはり地元市にいろいろ考えてもらってここでいこうと、そして、あとはコンセプトはこういこうと。どこどこの企業に当たろうと。そうすると、県南を希望している企業というのは、県の企業との計画連携なんかありますのでその辺を進めていこうと。そのために、まず一関市と話し合いをし、地元との意向を考えながら、地元の意向に沿って調整していただきながら進めようということでございます。今の17年度のものは一関工業団地の整備着手、17年度までに着手ということでございます。

〇佐々木大和委員長 ほかに質疑はありませんか。   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇佐々木大和委員長 質疑がないようでありますので、商工労働観光部関係の質疑をこれで終わります。
 次に、地方労働委員会事務局長に地方労働委員会関係の説明を求めます。

〇盛合地方労働委員会事務局長 それでは平成11年度の地方労働委員会関係の決算につきまして御説明申し上げます。
 便宜、お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げますので、178ページをお開き願います。第5款労働費のうち、3項労働委員会費が当委員会が所管するものでありますが、予算総額1億5、776万円に対し、支出済額は1億5、703万4、000円余となっております。
 支出の内訳といたしましては、1目委員会費3、484万円余は、委員15人に対する報酬及び委員会運営に要した経費でございます。次に、2目の事務局費1億2、218万円余は、事務局職員12人の人件費と事務局の管理運営に要した経費でございます。
 以上で、地方労働委員会関係の決算について説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。

〇佐々木大和委員長 ただいまの説明に対し、質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇佐々木大和委員長 質疑がないようでありますので、地方労働委員会関係の質疑をこれで終わります。 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後5時20分 散 会


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