平成12年12月定例会 決算特別委員会会議録

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平成12年12月5日(火)
   

1開会 午前10時5分

1出席委員 別紙出席簿のとおり

1事務局職員
事務局長         和 美 宏 幸
議事課長         熊 谷 素 紀
議事課長補佐       千 田 正 和
主任議事管理主査     浅 田 和 夫
議事管理主査       浅 沼   聡
議事管理主査       森   達 也
議事管理主査       熊 谷 正 則
議事管理主査       下 山 義 彦

1説明員
議会事務局長       和 美 宏 幸
議会事務局次長総務課長事務取扱 小野寺 文治郎
議事課長         熊 谷 素 紀
調査課長         吉 岡 朋 子
 
総務部長         武 居 丈 二
総務部次長兼行政システム改革室長 佐 藤   勝
総務部次長兼県立大学室長 保 坂 貢 一
参事兼秘書課長      篠 谷   隆
参事兼人事課長      邨 野 善 義
総務学事課長       宮 舘 壽 喜
文書公開監        切 金   精
財政課長         池 田 克 典
施設管理課長       西 川 龍 成
税務課長         菅 原 晴 輝
消防防災課長       小野寺   博
火山対策監        山 本   博
県立大学監        藤 井   了
行政システム改革監    今 泉 敏 朗
 
企画振興部長       佐 藤 徳兵衛
企画振興部次長      赤 津 征 男
企画振興部次長      相 原 正 明
並行在来線対策室長    中 村 世 紀
企画調整課長       阿 部   健
地域政策課長       菊 池 秀 一
特定地域振興室長     田 中 正 武
市町村課長        福 田   毅
情報科学課長       古 澤 眞 作
交通政策課長       河原畑   徹
資源エネルギー課長    小 沢   光
広聴広報課長       高 橋 公 輝
統計調査課長       武 田   弘
並行在来線対策監     望 月 正 彦
 
教育長          合 田   武
教育次長         五十嵐   正
教育次長兼美術館整備室長 千 葉   弘
総務課長         土 井   進
厚生福利室長       鹿 糠 幸 弘
財務課長         中 村   昭
義務教育課長       盛 川 通 正
県立学校課長       田 口 淳 一
高校改革推進監      伊 藤   勝
指導課長         西   俊 六
社会教育課長       藤 堂 隆 則
文化課長         伊 藤 学 司
保健体育課長       松 田 郁 夫
美術館整備監       高 橋 信 雄
 
出納長          高 橋 洋 介
副出納長兼出納局長    藤 沢 政 則
出納課長         山 口 喜 弘
 
人事委員会事務局長    鈴 木 一 夫
総務課長         佐 藤 安 彦
職員課長         小野寺 篤 信
 
監査委員         一 戸 克 夫
監査委員         及 川 桂 子
監査委員事務局長     小笠原   宗
総務課長         青 木   拓
監査課長         三 上 佑 子
   

〇佐々木大和委員長 これより本日の会議を開きます。
 これより議事に入ります。
 認定第1号から認定第12号まで、決算12件を一括議題といたします。
 これより各部局の審査に入ります。
 なお、念のために申し上げますが、関連質疑については、質疑冒頭に質疑を表明している委員よりも優先して発言を認めているものでありますので、その性格上、関連性のある、必要最小限のことについて、短時間、簡潔に発言されるよう、また、要望のみで終わることのないよう御協力をお願いします。
 本日は、議会、総務部、企画振興部、教育委員会、出納局、人事委員会、監査委員関係を終わるよう進行したいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 なお、世話人会の申し合わせにより、平成11年度決算の審査であるので、当該年度に関する質疑とされたいこと、質疑項目が複数ある場合、関連する事項については、できるだけまとめて質疑されたいこと、また、所属する委員会の部局審査では当該委員の発言はできるだけ遠慮願いたいこと、各委員の発言機会を保障するため1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないようされたいこと、また質疑及び答弁については簡潔明瞭に行い、午後5時をめどに審査が終了するよう議事進行に御協力をお願いいたします。
 最初に、議会事務局長より議会関係の説明を求めます。

〇和美議会事務局長 平成11年度の議会関係の決算につきまして御説明を申し上げます。
 歳入歳出決算書の12ページをお開き願います。第1款議会費の支出済額は15億3、277万円余でございますけれども、便宜上、決算事項別明細書で御説明申し上げますので、決算事項別明細書の109ページをお開き願います。1目議会費の支出済額は10億309万円余でありますが、これは、議員の報酬及び旅費等の議会運営に要した経費であります。次に、2目事務局費の支出済額は4億4、434万円余でありますが、これは、事務局職員34人分の人件費及び事務費等事務局の管理運営に要した経費であります。次に、111ページをお開き願います。3目議員会館費の支出済額は8、532万円余でありますが、これは、議員会館の維持管理等に要した経費であります。
 以上で説明を終わりますが、よろしく御審議のほどお願いをいたします。

〇佐々木大和委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。

〇佐藤正春委員 議会だから一つぐらい何か申し上げておかなければならない。私どもの議員というものは議場が戦場でございます。議員の発言というものはいわば鉄砲でございます。ですから、この鉄砲というものが正確に相手に当たらないと相手が誤射する場合もあるわけでございますから、そのために十分に調査研究をしていかなければいけない。当然でございます。そこで、私は今度も決算において朝鮮人の強制労働とか、あるいはあした岩手・バリ島の友好問題とかいろいろ取り上げるわけでございますが、例えばそのバリ島に行って調べれば、これはまた出るわ出るわ何出るかわからない。行ってみたい。金がなくて行かれない。朝鮮強制労働の問題もそうでございます。釜石にも行って調べた、あるいは釜鉄の本社にも行かなければいけない、あるいは朝鮮人の亡くなった人の遺族にも会わなければいけない。随分と実はかかるわけでございます。今、議会では政務調査費の検討をしているようでございますが、これは個人的に言うと今までの分では足りない。皆さんもそう思っているけれども割合言わない。私が代表して言っている。そこで、そういうような調査の中で、かねてから私は議会に申し上げておった。それは、せめて職員も議員1人に1人はどうだろうか。やはり十分に調査するにはそれだけの職員がいなければやっていかれないということを申し上げてきた。これもなかなかままならない。そこで、お願いでございますが、これは調査費については今検討中でございますから、十分に私の意を酌んで上げてもらえるものと、こう思っておりますが、私は県内を歩くのに一番かかるのは車両と宿泊なんです。宿泊は自分が出すからしようがない。車両を何とか、公用車を駅から議会までしか使っていないのですが、ぜひ必要なときは公用車は使えないものか。公用車を、あいているときに。これが1点。
 それから、もう一つは、これは議事課長、ぜひあなたに伺いたい。議会事務局というものは本来は議員の質問、調査研究等をスムーズにいくようにするのが本来の仕事であろうかと、こう思っているわけでございます。しかし、あなたではありませんよ、あなた以前の歴代の議事課長は、何とか早くうまくまとめて、しかも執行部側にいいようにまとめていきたいということをやってこられた。だから、みんな出世した。本来そうであってはいけない。議員の意思というのを十分に県民に反映するように、それを上手にあいどりするのがあなたの役目だ。どうですか、議事課長。あなたは議員側に立ってやっておられますか、執行部側に立っておられますか。その点についてあなたからもお伺いしておきたい。
 以上、2点です。

〇和美議会事務局長 ただいま佐藤委員から2問の御質問あったわけでございますが、私の方からは公用車の関係について答えさせていただきたいと思います。公用車の活用についてでございますけれども、これにつきましては議会運営委員会の場でいろいろと御協議をいただきまして、その結果に基づきまして適切に対応させていただきたいと、そのように考えております。

〇佐々木大和委員長 2問目の質問は当然のことでありますので答弁させなくてもいいと思うのですが、御了解いただけますか。(佐藤正春委員「では、かわりに局長。」と呼ぶ)

〇和美議会事務局長 議事課長の方にということで質問あったわけでございますが、私ども事務局職員は議員の皆様方の補佐機関としてのものでございますので、当然に議員の皆様方が十分に議員活動をできますように努めてまいるのが我々の務めであると、このように考えております。

〇斉藤信委員 簡潔に、昨年来、県議会の情報公開が検討され進められてきました。情報公開のこの実績を、請求件数、内容、さらにはテレビ中継の反応、インターネットのアクセス、そして県民の反応などをつかんでいれば示していただきたい。

〇和美議会事務局長 それでは、まず議会の情報公開制度、情報公開の開示件数と内容についてでございますけれども、御案内のとおり平成11年12月に岩手県議会情報公開条例が制定されまして、本年6月1日から開示請求の受け付けを行っております。これまで3件の開示請求がありました。また、この開示請求の内容でありますけれども、いずれも県政調査研究交付金に関するものでございまして、交付金の支出にかかわります会派の口座情報など、条例に定める一部の非開示情報を除きまして公文書の開示を行ったところでございます
 次に、テレビ中継の反応についてでございますけれども、この方式は防災行政無線を活用して実施しているわけでございますが、その関係から画像が若干鮮明でないという御意見がございます。それからもう一点、画像の切りかえが少しおくれると、こういうことも言われておりまして、こういう御意見を踏まえまして、今後よりよい画像等を御提供できるように関係機関とさらに検討を加えてまいりたいと、このように考えております。
 次に、インターネットへのアクセス件数でございますけれども、昨年6月に開設しております県議会のホームページへのアクセス件数でございますけれども、これは昨日現在、12月4日現在の件数を申し上げますと1万2、383件となっております。単純に1日平均約20件と、こういう感じでおります。また、そのうちことしの6月定例会から行っております本会議のインターネットのライブ中継、これへのアクセス件数でございますけれども、これは内数になりますが6月定例会の合計は859件でございます。9月定例会の合計は344件と、このようになっております。

〇佐々木大和委員 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇佐々木大和委員 質疑がないようでありますので、議会関係の質疑をこれで終わります。
 次に、総務部長に総務部関係の説明を求めます。

〇武居総務部長 平成11年度の決算の概要につきましては、昨日、出納長から説明がありましたので、私からは歳入歳出の構造などを中心に御説明申し上げます。
 便宜、お手元の歳入歳出決算説明書で説明させていただきます。歳入歳出決算説明書の42ページと43ページをお開き願います。まず、一般会計歳入決算でありますが、一番上の欄の平成11年度の欄にありますように、県税、地方交付税等の一般財源収入の決算額は4、716億3、627万円余で、前年度に比較して26億757万円余、0.6%の増となっており、また、中ほどの欄になりますが、国庫支出金、県債等の特定財源収入の決算額は4、789億7、238万円余で、前年度に比較して9億6、911万円余、0.2%の増となっております。一般財源収入額が前年度に比較して増加した要因としては、歳入の中で最も大きな比重を占める地方交付税が8.3%増加したほか、昨年新たに地方特例交付金が創設されたことなどによるものであります。また、特定財源収入額が前年度に比較して増加した要因としては、国庫支出金が2.0%増加したほか、繰越明許に伴う前年度からの繰越金が増加したことなどによるものであります。
 次に、54ページと55ページをお開き願います。歳出決算を性質別に申し上げますと、左側に縦に区分の欄がありますが、義務的経費につきましては、計の欄にありますように2.6%の増加となっており、決算総額に占める割合は36.6%で、前年度より0.7ポイント増加しておりますが、これは、公債費において、近年の経済対策や地方財源不足に対処するため発行された、補正予算債や臨時公共事業債等の財源対策債などの償還金が増加したことによるものであります。その下の投資的経費につきましては、全体で前年度に比較して1.5%減少しており、構成比は37.5%で、前年度より0.8ポイント減少しておりますが、これは、県が陸前高田市に整備したオートキャンプ場の工事が終了したことなどに伴い、普通建設事業が減少したことなどによるものであります。なお、ここには記述しておりませんが、財政構造の弾力性の尺度である経常収支比率につきましては、85.1%と前年度より1.9ポイント下がりましたが、公債費比率は前年度より1.3ポイント上昇して19.0%となり、財政構造は一段と厳しさを増しております。このため、引き続き行政システム改革実施計画の目標達成を基本とし、創意と工夫を凝らしながら、所要財源の確保と限られた財源の効果的な活用に努めるなど、財政運営の健全化に配意しつつ、岩手県総合計画に掲げる諸施策の着実な推進に努めてまいる考えであります。
 私からは以上でありますが、引き続き、歳入全般及び総務部関係の歳出決算の内容につきまして、佐藤総務部次長から説明させますので、御了承願います。

〇佐藤総務部次長 それでは、平成11年度一般会計の歳入全般及び総務部関係の歳出決算の内容について御説明申し上げます。
 便宜、お手元の歳入歳出決算事項別明細書によって説明をさせていただきます。6ページをお開き願います。まず、歳入でありますが、第1款県税の収入済額は1、241億4、893万円余であります。前年度に比べ2.4%の減となっております。また、調定額に対する収入済額の割合でありますが、徴収率、いわゆる収入歩合は前年度より0.4ポイント低下し98.3%となっております。収入未済額は20億7、759万円余と昨年度より34.9%増加しております。この収入未済額の主なものは個人県民税でありますが、個人県民税は市町村民税と合わせて賦課徴収することになっておりますので、関係市町村との協議を一層密接にしながら、その徴収に努めてまいる考えであります。
 なお、収入未済額の増加した主な理由は、軽油引取税に係る多額滞納事案の発生によるものであります。
 次に、12ページをお開き願います。第2款地方消費税清算金でありますが、これは平成9年度に導入された地方消費税について、各都道府県間の消費相当額に応じ清算するものであり、収入済額248億7、200万円余、前年度比5.5%の減となりました。
 次に、第3款地方譲与税でありますが、収入済額31億7、878万円余であり、前年度比1.4%の増となっております。
 次に、14ページをお開き願います。第4款地方特例交付金は、昨年度、恒久的減税に伴う地方税の減収の一部を補てんするため創設されたものであり、収入済額11億5、754万円余となっております。
 第5款地方交付税の収入済額は2、801億4、099万円余であり、前年度に比べまして213億9、134万円余、8.3%の増となっております。
 次に、第6款交通安全対策特別交付金は、収入済額6億8、322万円余となっております。
 第7款分担金及び負担金の収入済額は161億3、386万円余であり、前年度と比較して0.4%の減となっております。
 次に、20ページをお開き願います。第8款使用料及び手数料の収入済額は113億3、004万円余であり、前年度より4.4%の増となっております。
 次に、32ページまで飛ばさせていただきます。第9款国庫支出金でありますが、収入済額は2、013億9、896万円余であり、前年度比0.7%の増となったものであります。32ページから以下74ページまでは国庫支出金の内訳、国庫に係る負担金、補助金、委託金それぞれの状況であります。
 恐れ入りますが74ページをお開き願います。74ページの下になりますが、第10款財産収入でありますが、収入済額は26億9、666万円余であります。
 次に、78ページをお開き願います。第11款寄附金は3億6、888万円余となっております。
 第12款繰入金は76億2、956万円余、59.7%の大幅な減少となっております。これは、公共施設等の整備に充てるための公共施設等整備基金からの取り崩しが減少したことなどによるものであります。
 次に、80ページをお開き願います。第13款繰越金は239億1、297万円余であり、前年度より44.9%増加しております。これは、前年度からの繰越明許繰越額が増加したこと、主として前年度の国の第2次補正予算対応によるものであります。
 第14款諸収入は、収入済額1、057億960万円余、前年度に比べまして1.6%の増となっております。
 次に、100ページをお開き願います。第15款県債でありますが、収入済額は1、472億4、660万円で、前年度に比べまして8.7%の減となっております。これは、オートキャンプ場整備の終了あるいは県債の発行を抑制したことなどによるものであります。
 なお、平成11年度末の一般会計の県債残高は1兆1、209億6、687万円余となっております。
 以上、それぞれ歳入について款別に申し上げましたが、この歳入の合計額につきましては、恐れ入りますが106ページをお開き願います。この歳入合計の欄にありますとおり、予算現額1兆394億3、556万6、225円、調定額9、531億1、485万4、602円となっております。収入済額は9、506億866万7、410円であります。収入済額は前年度に比べまして35億7、668万円余、0.4%の増となっております。
 なお、不納欠損として処理したもの、額にいたしまして1億2、283万4、125円につきましては、県税及び県税に係る延滞金、加算金の欠損処分額が大部分であります。これは、地方税法の規定により納入義務が消滅したもの、あるいは時効の完成等により処分したものであります。
 以上で歳入の説明を終わります。
 次に、総務部関係の歳出決算の内容について御説明をいたします。
 110ページをお開き願います。第2款総務費でありますが、第1項総務管理費1目一般管理費のうち総務部関係の支出済額は、備考欄のとおり──次の右手のページになりますが──19億9、680万円余となっております。これは、秘書課、総務学事課などの管理運営費が主なものであります。次に、112ページ、2目人事管理費は、主に職員の研修や退職手当などに要した経費であります。支出済額は52億1、135万円余であります。3目の文書費の支出済額は6、677万円余でありますが、これは文書の収受、発送あるいは県報の発行などに要した経費であります。114ページ、4目の財政管理費は、財政調整基金、公共施設等整備基金及び地域振興基金の積立金等で、支出済額は12億67万円余であります。なお、11年度末の現在高は、財政調整基金が57億6、713万円余、公共施設等整備基金が280億9、218万円余、地域振興基金が74億1、745万円余となっております。6目の財産管理費でありますが、庁公舎の維持管理及び県有資産所在市町村交付金等に要した経費であります。支出済額は40億2、148万円余であります。次に、116ページの7目県外事務所費の支出済額は2億9、783万円余でありますが、これは、東京・大阪・福岡などの県外事務所及びいわて銀河プラザなどの管理運営に要した経費であります。次に、118ページに参りまして、8目の公会堂費、公会堂の管理運営に要した経費であります。9目の恩給及び退職年金費の支出済額は1億2、209万円余となっております。10目諸費のうち、総務部関係は、備考欄にありますとおり宗教法人設立認証事務費などであります。11目庁舎等施設費の支出済額13億5、011万円余は、久慈地区合同庁舎の建設、並びに二戸地区合同庁舎の新築予定地の取得等に要した経費であります。
 次に、122ページまで進んでいただきます。第3項徴税費でありますが、1目税務総務費は管理運営費であり、124ページに参りまして2目の賦課徴収費でございますが、市町村への個人県民税徴収取扱費交付金など賦課徴収に要した経費であります。
 128ページへ進んでいただきます。第6項防災費でありますが、支出済額は7億2、381万円余であります。1目防災総務費は、備考欄をごらんいただきます。管理運営費、航空消防防災体制強化推進事業費、次のページの備考欄、131ページの備考欄の岩手山火山活動対策費などが主なものであります。次に、2目の消防指導費は、消防学校の運営に要した経費がその主なものであります。
 次に、大きく飛びます。298ページをお開き願います。第10款教育費第8項大学費1目大学費でありますが、支出済額は64億581万円余であります。これは、県立大学及び同短期大学部の運営に要した経費が主なものであります。
 第9項の私立学校費の支出済額は60億6、406万円余でありますが、その主なものは、私立学校運営費補助、私立幼稚園施設整備費補助など、私学の振興に要した経費であります。
 次に、304ページをお開き願います。第12款の公債費でありますが、支出済額は981億8、329万円余となっております。これは県債の償還並びに県債管理基金の積み立てに要した経費であります。
 なお、県債管理基金の11年度末の現在高は803億9、396万円余となっております。
 次に、306ページに参ります。第13款諸支出金でありますが、このうち、第4項地方消費税清算金は、都道府県間の地方消費税の清算に要した経費であり、第5項利子割交付金、第6項地方消費税交付金、第7項ゴルフ場利用税交付金、第8項特別地方消費税交付金及び次の308ページへ参りまして、第9項の自動車取得税交付金は、いずれも市町村に対し交付したものであります。また、第10項利子割精算金は、都道府県間の利子割額の精算に要した経費であります。
 最後になりますが、第14款の予備費になります。予備費につきましては3億円の予算計上でありましたが、第2款総務費に3、213万3、000円、これは岩手山火山活動の観測体制強化のための経費、それから第3款民生費に1億1、781万円、これは軽米町大雨災害に係る応急仮設住宅の設置経費に充用したもの、第8款土木費、これは除雪経費1億5、005万7、000円、これをそれぞれ充用いたしましたので不用額は生じなかったものであります。
 以上で歳入全般並びに総務部関係の歳出の説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。

〇佐々木大和委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。

〇佐藤正春委員 それでは、1本だけ。私の方は県立大学の運営状況についてお伺いいたします。きのうの総括でもちょっと出たようでございますが、内容についてダブるところがありましたら御答弁は省略して構いませんから。
 まず、収入である授業料と支出額の差、いわゆる赤字額は11年度の決算ではどれぐらいになっておりますか。年間で60億円を超える莫大な県費が投入されているわけでございますから、大学運営の経営状況については私は積極的に公表すべきだと、こう思うのですよ。恐らく本県の将来の財政的な負担というのはかなり県立大学というのはウエートが大きいと思うのですよ。その他もありますが、くだらないところに金をかけているのもあるけれども、これは有効なものですからね。だけど相当負担がこれは生じると思う。でありますから、この状況については積極的にひとつ公表してくださいということです。
 2番目、他の公立、国立、私学と比較して学生1人当たりの赤字額、教職員の人件費はどうなっているのでしょうか。
 本県の県立大学より1年早く開学した宮城大学では、野田一夫学長が経済自立のための10カ年計画構想というのを提唱しております。シンクタンクを設立して民間企業や市町村からの受託研究をこなすとともに、大学施設の積極的活用の視点から土日等における結婚式場としても活用しております。本県においても財団法人岩手県学術研究振興財団というシンクタンクがあるわけでございますが、また世界的に高名な西澤学長がおられるわけでございますから、宮城大学とはいい意味で競争を行ってほしいと思うのですね。特に西澤学長は東北大学の御出身でございますから。本財団では県以外の市町村、民間企業からどのくらいの研究受託の実績があるのでしょうか。例えば、学生4人による電波ウェアと、この間これは新聞に出ていたのですよね、活動もあるようでございますが、この件数、金額はどのぐらいですか、お示し願いたい。
 また、折しも国立大学の独立行政法人化が具体的なタイムテーブルに上ってきております。このような状況下において県立大学はどのように対応しているのかということですね。この点については先に自治体のバランスシート、これは宮城大学の教授が2人でつくっているのですが、大変にこれは参考になる。これはそちらにやっていました。総務部長ごらんになったでしょう。あなた頭いいから見ればすぐわかると思う。これを見て宮城大学とどういうふうに対比されるか、ひとつお考えいただきたい。
 4番目、私はかつて県立大学構想が議論された折、海外からの留学生、特に東南アジアからの留学生を招き、授業料はただ、寄宿舎は提供によって10年後、20年後の岩手の国際交流の基礎にせよと、こう申し上げてきました。最近、私立大学では新入学生の定員割れに対しまして、留学生で定員を埋めようとする動きが広がっております。具体的には入試担当者が中国を訪問し、現地の有力者にあっせんを依頼したり、現地出張入試を実施したり、あるいは韓国に現地駐在員を置いたりしております。これは定員を大きく割り込むと国の補助金がカットされるという可能性があるわけでございまして、いわばどうも教育の場ではどうかと思うのですが、現状ではなりふり構わないような状態になっているのですね。ほぼ全額県民の税金で運営されている県立大学にはちょっと、余りピンとこないかもしれませんが、留学生受け入れの裏に補助金の姿が見え隠れするのはいかがなものか。私は感があります。県立大学においてはいわば国際交流の王道を行く留学生の受け入れについてどのように対応されるのか。これはかつて私が申し上げたわけでございますが、この点についてまず1回目は伺っておきます。

〇藤井県立大学監 まず、収入である授業料と支出額の差についてでありますが、平成11年度の大学及び短期大学等県立の大学に係るすべての経費を措置した大学費の歳出決算額は64億500万円余であり、歳入のうち授業料の収入額は5億7、400万円余となっております。したがいまして、大学費の歳出決算額と授業料収入との差は58億3、100万円余となっておるところでございます。なお、授業料のほか学生の納付金といたしましては入学料及び入学検定料がありまして、また、在学する学生の数に応じ地方交付税が措置されていることから、これらの額を合計しますと18億8、800万円余となり、この合計額と支出額との差は45億1、700万円余となるものであります。また、11年度決算額は、学部完成前の決算額でありまして、授業料収入額及び地方交付税措置額は1、2年生の2学年分のみの数値となっておるところでございます。
 次に、県立大学の経営状況の公表についてでありますが、これまで県立大学に係る財務諸表等は作成していないため財務状況の公表は行っていませんが、本年度において、県立大学の経営状況を示す財務諸表を11年度決算ベースで試算することとしていることから、その結果がまとまり次第公表することとしております。なお、13年度以降につきましては、現在11、12年度における財務諸表の作成をしており、その成果を踏まえ、また県の各機関の行政サービスとそれに対する県民の負担を明らかにするシステムが整備されることから、このシステムを活用しながら県立大学の財務状況等についても公表していきたいと考えております。
 次に、学生1人当たりの運営経費でありますが、大学運営経費から授業料等の収入を差し引いた持ち出し分につきましては、国公私立大学を同じ基準で比較できる資料をちょっと持ち合わせておりませんが、大学運営費総額で学生1人当たりの経費を比較いたしますので、御了承いただきたいと思います。公立大学協会発行の公立大学実態調査、平成11年度当初予算ベースでございますが、県立大学の学生1人当たりの経費は531万2、000円となっていますが、先ほど御説明いたしましたが、まだ学年進行中でございますので、仮に学部完成時の学生数で置きかえますと263万5、000円となる見込みでございます。また、全国66公立大学の平均は231万7、000円であり、当大学よりも31万8、000円ほど少ない状況です。なお、岩手県立大学の場合におきましては、学内情報システムに要する経費が多いものと思われます。ちなみにコンピューター理工学部をお持ちの会津大学でございますが、会津大学は学生1人当たり368万2、000円と、当大学よりも高額に経費がかかっているところでございます。なお、国立大学につきましては学校基本調査報告書、これは文部省調査でございますが、これにより試算しますと、99大学の平均で227万1、000円となっているところでございます。
 私立大学の学生1人当たりの経費についてですが、これは今日の私学財政によりますと、学部構成の違いもあり一概に比較できない面もあると思われますが、岩手県立大学と同規模の学生数の規模の平均でございますが160万6、000円となっているところでございます。
 次に、教職員の人件費の比較についてでございますが、大学の規模によりこれも違ってまいりますので、運営経費に占める人件費の割合で比較いたしますと、岩手県立大学の運営費に占める人件費の割合は47.8%となっております。全国公立大学の平均は66.5%であり、当大学よりも高くなっているところでございます。国立大学の平均は50.3%で大体同じ率でございます。私立大学の平均は54.9%となっております。
 次に、岩手県学術研究振興財団における県以外からの研究受託の11年度の実績はどうかということでございますが、11年度は4件を受託しておりまして、受託金額は494万円でございます。また、本年度の受託件数でございますが、11月末現在でソフトウェア情報学部を中心として10件受託いたしまして、受託金額は約2、200万円となっているところでございます。
 次に、大学を取り巻く環境の中での県立大学の対応についてでございますが、企業会計方式による評価や、業務内容、教育内容の評価、公表等について検討を進めるとともに、公開講座の開催や大学施設の一般開放、並びに受託研究などの外部資金の受け入れ等による産学連携にも積極的に取り組み、地域社会に貢献する大学として業務運営の一層の効率化、適正化に努めてまいる考えであります。
 次に、留学生の受け入れについてでございます。建学の理念に国際社会への貢献を掲げる県立大学は、本年4月に国際学術交流推進構想を策定いたしまして、海外の大学、研究機関との交流、留学生受け入れなどの諸施策を進めているところでございます。外国人留学生の受け入れ対応につきましては、私費外国人留学生のための受験区分を設けて受け入れを行っておりますが、現在のところ短期大学部も含めましてアジア諸国から6名の留学生が在籍しております。県といたしましては、この学生に授業料の一部免除制度の適用や奨学金を給付するなど、経済的支援の充実を図っているところでございますが、今後とも留学生の受け入れにつきましては積極的に対応してまいりたいと思っております。また、今後におきましても地域レベルでの国際的な相互交流が重要であるとの認識に立ちまして、さらに一層海外からの留学生及び研究者等の受け入れ拡大を図るため、留学生の受け入れ環境及び支援体制の充実を図ってまいりたいと思っております。

〇佐藤正春委員 今、議員さん方みんなお聞きになっていて、これは大変だなという感を強くしたと思うのですよね。しかし、これは人材教育だからすぐに効果が上がるものではないし、かといってこれは非常にこれから長い道のりだし大変なことは大変なわけでございます。そこで、出納長にお伺いしたいのですが、今の経営内容、学生の赤字あるいは教職員の人件費等を見て、出納長から見てどうでしょうか。まずこれをどのようにしてこれからやるということも大事だろうし、特に私どもが関心があるのは、県財政に与える影響というのは相当あると思うのですよ。こういう点について出納長からぜひお聞かせ願いたい。
 それから、先ほど総務部長に私が示した自治体のバランスシート、これを見ていると本当によくわかるんですね。これは宮城大学の轍を踏むわけではないけれども、これを対比しながら、一つは勉強しながらやっていかれると大変よろしいのではないかと思うのですが、どうでしょうか、県立大学であるから赤字垂れ流しであるということは言えないわけでございますね。そこで、まず自治体バランスシートを見ていると、公立大学で初めてのバランスシートということでここに書いているわけですね。宮城大学は初年度の赤字が17億円と出ております。そこで、赤字があって必ずいいとも言えないのですが、まず損益の予測どうなっているのか、ひとつお示し願いたい。
 それから、これを見ますと、2番目は宮城大学では看護学部が赤字なんです。これは本県でも看護学部というのは当初話題になったわけでございますが、結果的には総合大学ということになったのですが、本県の県立大学の学部ではどうでしょうか。どの学部が一番黒字でどの学部が赤字なのか、これをお示し願いたい。
 それから、今人件費をお話しいただきました。全国的な標準より半分ちょっと下なのでございますが、よそよりは低いと言っては悪いかな、それ相当の給与ということになるのでしょうが、そうしますとこの人件費というものは妥当なのかどうか。私ら素人ではよくわからないのですが、人件費を高く出したらいい教授が来るのかどうかという一つの疑問もあるわけなんですね。この点はどうなんですか。
 それから、もう一つは、県立大学というのは西澤学長の名声というのが余りにも大きい。逆に言えばこの名声におんぶにだっこというような状況だ。本来大学というのは勉強するところであって、いわば研究するところが大学、しかし現実にはどうかと言うと、現実にはその大学を出てどういうところに就職できるか、どういういいところに就職できるかというのが現実なんですよ。もちろんそれは西澤学長のもとで勉強、研究するということは大変いいです。実際に高度な研究体制で評価をいただいているわけでございますから。しかし、現実においては県立大学を出てどういうところに就職、いいところに行けるのかどうか、どのくらい就職率が高いのかということが問題だろうと思うのですが、こういう点についてひとつ県立大学の将来の卒業、就職についても御見解を賜りたい。

〇高橋出納長 県立大学の県財政に与える影響ということでございますが、公立大の先発県、大変大学運営では御苦労なされているというようなことは十分に聞いておるわけでございまして、本県の場合もそのようにならないようにしなければならないということではございますが、ただ、県立大学は委員御指摘のように人材教育の場でもございますし、まだスタートしたばかりで長い目でこれから見ていかなければならぬというようなこともございます。私からはそういう目で今後とも大学のその財政の状況というものを注意深く見ていきたいと、そのように考えております。

〇武居総務部長 私の方から大学の卒業生の今後の県内の定着なり就職の話をさせていただきたいと思いますけれども、先ほど委員御指摘ございましたように、これから大学を最大限に地域に貢献できるようなものにしていくということは大変重要であると考えております。西澤学長も特に実学実践重視の教育研究というものに力を入れていると私どもも承知しておりまして、そういった意味で初めて卒業生が平成14年3月に出ることになるわけでございますけれども、就職対策につきましては学内に就職委員会あるいは就職対策実施委員会を設置しまして、教職員が一丸となりまして学生の就職意識の高揚、それから企業等を訪問し職場開拓に努める、こういった積極的な活動を行っているところでございます。特に県内の就職定着、これは大変重要だと考えておりまして、県内企業等を対象にした人材育成懇談会を10月に開催しまして、県内企業等70社に参加いただいたところでございます。参加した企業からは高度な専門性を備えた人材を地元から確保できる等の期待が寄せられているところでございます。また、県内企業及び自治体等に就業体験を行うインターンシップを実施したほか、学部ごとに就職ガイダンスや業界研究セミナーを開催しておるところでございまして、こういった点も含めまして今後とも積極的に対応してまいりたいと考えておるところでございます。

〇藤井県立大学監 県立大学の損益予測・学部別の損益についてでございますが、これまで宮城大学において実施しました企業会計方式を用いた帳票は現在作成しておりませんが、県におきましてはバランスシート等財務諸表の作成に現在取り組んでおります。本年度、そのモデル部門として県立大学の11年度決算に係る財務諸表作成に取り組んでいるところでございます。その取り組みの中で県立大学に係る損益の予測や学部別の損益を明らかにしていきたいと考えております。
 なお、県立大学の現行の会計方式によりまして予測しますと、4年生がそろう平成13年度におきましては、短大を除いた大学運営費の支出額は56億6、700万円余で、授業料等の収入総額は31億8、600万円余と見込んでおり、その収支差は県費負担24億円余と見込まれるところでございます。
 次に、人件費は妥当な水準と見るか、他大学との比較はどうかという、県立大学の教員の給与につきましては、他の県立大学と同様、前歴等を参考に、初任給等の基準に関する規則により決定しておりまして、給与等条例の給料表1表を適用しているところでございます。
 それから、他大学との比較でございますが、教職員1人当たりの人件費で比較しますと、県立大学の教職員1人当たりの人件費は997万1、000円でございます。それから、全国の公立大学の平均は1、089万4、000円で県立大学よりも93万円ほど高くなっております。それから、国立大学の平均は602万7、000円でかなり低いのですが、これは事務局職員がかなり教員と同じぐらいいるということでの原因かと思われます。全国の私立大学の平均では1、234万1、000円で県立大学よりも230万円ほど高い状況であります。このようなことから県立大学の人件費は妥当な水準と考えているところでございます。
 学部の比較につきましても、今年度、モデル部門として県立大学の決算に係る財務諸表を今作成中でございますので、よろしくお願いします。

〇伊藤勢至委員 3点についてお伺いいたします。
 行財政改革が今、総務部のまさに最大の、そして喫緊の課題であると思っております。その中で、そういう観点から、113ページの文書収発、保存事務費についてお伺いいたしたいと思います。
 これは、いろいろな文書を発送するという部分が主なんだと思うのでありますが、例えば、我々議員は、年4回の定期の議会がありますし、その間、閉会中の常任委員会もあれば、あるいは県外調査、県内調査等々もあるわけでありますが、その招集、あるいはそういった直前に分厚い郵便物が送られてきたりしているわけでありますが、こういった部分は我々の控室の方に持ってきていただければ郵送費がかからなくて済むのではないか。もちろん、招集とかいった部分につきましては、当然これは早期に出してもらわなければならないわけでありますが、そういった観点から、この部分について一つ例を挙げてお伺いいたします。
 むだ、無理、むらを省いていくのが一番の基本だと思うわけでありますが、これは直接総務部の関係ではなく、林業水産部の方になると思いますが、お金を払うという部分、あるいは節約をするという部分については総務の部分だと思ってお伺いしたいと思います。
 漁業監視員というのがあるようでありまして、これは淡水漁業の、いわゆる大雨が降った際なんかに河川の状況を監視して報告をするという役目を委託している方だと思うんですが、11年度までは年額7、680円という部分を一括で支払いしていたようでありますが、11年度以降は月々640円に割って12回に払っているというんですね。そうしますと、今まで1回50円の口座振りかえ案内書を送っただけで済んでいたものが、12回、しかも371人にわたってですから相当な額になって、これが1回で済まないということになりますと約20万円の増になっている。これは民間だと当然考えられないことです。20万円のものを1万幾らに詰めようという努力は民間はするのでありますが、そういった部分をわざわざ割って、12回に分けて、お金をかけて、手間暇をかけて送るというのはいかがなものか。こういった部分がつい見過ごされがちなんだと思うんですが、そういう部分を見直しをして、総務部に限らず、各部局にわたってこういった部分があれば、その部分をまず節約していくことから始めるべきだと思うのでありますが、これについてまず一つお伺いいたします。
 それから、117ページの県外の事務所管理費について、北海道、東京、名古屋、大阪、福岡と事務所があるわけでありますが、この中の管理運営費にそれぞればらつきがあるわけです。この中で福岡が3、900万円と飛び抜けて多い。これは大きいイベントか何かがあったものなのか、あるいは、この事務所がそれぞれのいろいろなねらいがあって動いた結果がこういったふうにばらついているのかどうか、これについてまず教えていただきたいと思います。
 それから、3点目といたしまして、平成4年に県立宮古病院がオープンいたしました。その後、旧宮古病院跡地が医療局の財産から普通財産になって、総務の方で管理する部分になった。こういう経過があった中で、平成12年度あたりを目途に、郵政省と土地交換といいますか、土地の売買契約をして、13年度あたりからあそこに宮古の新しい郵便局が建設される方向だという報告を前はいただいて、楽しみに期待しておったのでありますが、これが現在どの辺までどう進んでいるのかについてお知らせいただきたい。
 都合3点お伺いいたします。

〇邨野参事兼人事課長 ただいまの漁業監視員の報酬の支払いの関係の御質問でございますけれども、この報酬につきましては、従前は年額で支払っていたところでございますが、特別職の給与等条例の適用を受けるということから、これは月額または日額で支払うという定めになっていること、あるいは、年度途中の辞職等の場合の取り扱いが不明確だといったようなことから、少額ではございますけれども、やむを得ずこれを月額に改めた経緯があると承知しているところでございます。
 しかしながら、ただいま委員の御指摘ございまして、また、この御指摘を待つまでもなく、私ども事務管理という観点から考えますと、その事務の煩雑さ、コストの面といったようなところで改善に向けた検討をすべき余地があると考えておるところでございます。このためには、監視員の身分の問題についてもいろいろ検討する必要もございますので、主管部でございます農林水産部の方とあわせまして種々検討を進めてまいりたいと考えてございます。

〇宮舘総務学事課長 福岡事務所の管理運営費がほかの事務所に比べて高いのではないかという御質問でございます。この福岡事務所は、北東北3県の合同事務所ということで運営されておりますが、観光とか、物産とか、アンテナショップの管理運営につきましては、各県共通の業務であるということで、北東北3県福岡合同事務所の運営協議会というものをつくっております。この協議会に対する負担金が1、800万円ほどございまして、この分がほかの事務所に比べて高くなっているということでございます。
 それからもう1点、県立宮古病院跡地の関係でございます。これにつきましては、平成5年に医療局の方から土地開発基金で取得したものでございますが、その後、東北郵政局の方から、この用地を宮古郵便局の局舎用地として取得したいという要望がございました。その後、実は若干訴訟がございまして、この一部に境界確定請求等の訴訟が提起されたために、この訴訟が終結するまで契約を見合わせるということで参ったわけでございます。平成10年7月にこの判決が確定いたしまして、現在、東北郵政局との売買協議を再開しているわけでございますが、郵政本省との協議に時間がかかっているということで、まだ予算化されていないという状況でございます。

〇伊藤勢至委員 最初の文書発送等につきましては、漁業監視員の方々から、そんなに手間暇をかけて、お金をかけて12回にわたってやるんだったら、その分を年額7、680円に加算していただいて1回で済ませてもらった方がいい、こういう話が出ているんですね。民間の考えというのはそうなっていくんです。ですから、そういった部分を、条例なり何なりがあってやっているということでありましょうが、それだったら条例を変えればいい。お金をかけないようにするためには、あるいはこちらから持ち込んでもいい、そのくらいのものをやっていきませんと改善になっていかない。しかも、これは各部局にわたってある問題だと思っていますので、ぜひ見直しをされまして、むだ、無理、むらを省くようにして行財政改革を進めていただきたいと要望しておきます。
 それから、宮古病院の跡地につきましては、今交渉中ということですが、目途というのは全然立っていないのでしょうか。岩手県があっちに売るということですから、買い手の部分がはっきりしないうちは言えないという部分もありましょうが、交渉の過程において、13年度から工事着手と当初聞いておりましたので、宮古市民が大変これに期待しているわけであります。もしそういった部分がわかれば、それも教えていただきたい。
 それから、各県外の事務所について、福岡だけが特別高いから悪いと言っているのではありませんで、福岡事務所がそういうふうに頑張っているのだったら、ほかの北海道とか名古屋も、そういった予算をどんどん使って岩手のアピールをした方がいいのではないかという観点で私は言っているつもりであります。どんどんしりをたたいて岩手のアピールをしていくというふうに動かしていただきたいと思うわけでありますが、これについても考えがありましたら伺って終わります。

〇宮舘総務学事課長 宮古病院の跡地の関係でございます。この実際の交渉は医療局の方を通じてやっておりますので、詳細はなかなか承知していない面もございますけれども、東北郵政局の方では、郵政本省との協議で来年度予算要求をしていると伺っております。
 それから、県外事務所の関係でございますけれども、県外事務所につきましては総務部が所管ということになりまして、現在、いろいろ会議あるいは情報交換を通じながら、その活用について検討しているところでございます。
 今後につきましても、有効に活用していくように進めてまいりたいと考えております。

〇佐々木大和委員長 1点目は要望ですので、いいですね。

〇田村正彦委員 事項別明細書の131ページにありますけれども、岩手山の火山活動対策費6、823万8、440円という支出がなされているんですが、具体的にどういったものに支出されておるのか、そしてまた、今回の規制緩和に伴って、一つの条件として情報伝達等の安全対策の万全を期す、これが大きな条件になっております。それも本年度中というような、本年度はというような表現になっているのですが、その具体的な対策と予算的な措置はどうなるのか、その辺をまずお伺いいたします。

〇山本火山対策監 最初に、岩手山の火山活動対策費についてでありますけれども、主な内容といたしましては、年2回やっております岩手山の噴火対策防災訓練、昨年度は西根町と雫石町で行っています。それから、火山防災シンポジウム、これは地域住民の意識の啓発等を行う催し物でありますけれども、昨年度は玉山村と滝沢村で開催いたしております。
 それから、岩手山の火山活動に関する検討会、あるいは火山活動に関する火山災害対策検討委員会、あるいは関係機関の連絡会議、そういった会議の開催、あるいは、昨年度におきましては、県の方で黒倉山と姥倉山の間に地温計と地震計を設置いたしましたけれども、これらの関係機器の整備に要する経費といったものが主な内容でございます。
 それから、第2点目の入山規制の規制緩和に伴う安全対策についてでございますけれども、本年度整備いたします予定にしておりました安全対策といたしましては、緊急時に入山いたしております登山者に危険を周知させる情報の伝達装置の製作を行う予定にしてございます。年度内、3月までに赤色回転灯あるいはサイレンの製作を済ませて、来年度にこれを設置するという予定でございます。
 それから、財源につきましては、現在、盛岡地方振興局におきまして、地域活性化事業調整費を充てて、事業主体であります岩手山登山者安全対策協議会、これは雫石町と西根町、滝沢村などでつくられておりますけれども、こちらの団体の方に補助をする予定でございます。

〇田村正彦委員 いずれ、平成10年以来、この火山活動活発化に対しての対応については心から敬意を表するわけで、本当に御苦労さんと言いたいわけでございます。幸い緩和の方向に向かうということで、今お話ありましたとおり、登山者の情報伝達装置をまず確立する、これが入山禁止緩和の重大な条件だと理解するんですが、ただ、新聞報道によりますと、そのほかにも、例えば8合目山小屋に常駐させるんだという話もありましたし、また、焼走登山道から登るルートが例の地獄谷に近いということから、ルートの変更という話も──これは新聞報道です──あったわけですが、その辺の真意はどういうものかお尋ねいたします。

〇山本火山対策監 8合目避難小屋に監視員を常駐させるということでございますけれども、これにつきましては、入山規制の緩和を来年7月1日に予定しておりまして、10月8日、体育の日まで3カ月ちょっとの期間でございますが、ここに監視員を常駐させる予定にしてございます。内容につきましては、関係町村の方でこれから詳細に詰めてまいりますけれども、避難小屋に複数の監視員が常駐いたしまして、パトロールあるいは役場との連絡、緊急時の入山者に対する下山誘導といったものを行う予定にしてございます。本年度は、この監視員の設置に要します経費等の負担措置、そういった準備をする予定でございます。
 それから、登山道等の整備に係ります、あるいはいろいろな機器の設置にかかわりまして関係省庁との協議、あるいは許認可等の準備といったものは、年度内に済ませてまいりたいと考えております。

〇田村正彦委員 最後に1点だけ。
 常駐の方向でという話がありましたけれども、これは、多分馬返しから登った8合目の山小屋だと理解してよろしいですか。8合目から登ったその山小屋なんですけれども、今まさに修復作業中にこの火山活動活発化ということで、それを断念して、今中止になっております。そうすると、これはし尿処理の関係も含めて、この山小屋の早期修復作業の再開というのが前提となると私は考えるんです。そこで、これは自然保護課の所管になると思うんですが、その辺の自然保護課との調整ぐあいはどうなのか、最後に伺っておきます。

〇山本火山対策監 8合目の避難小屋の改修につきましては、自然保護課の方の所管でございますので私の方から余り詳しく申し上げられませんが、私の方が聞いておりますのは、いずれにしましても避難小屋の改修は来年の規制緩和、登山者の安全を確保するということにつきまして重大な位置づけになっております。この辺の改修につきましては、昭和48年に整備されたということで、老朽化がかなり著しいということで、自然保護課におきまして平成13年度に改修を行うということで、現在、鋭意検討を重ねていると聞いております。

〇菅原温士委員 2点ほどお伺いいたします。
 まず第1点は、先般の一般質問の中で佐々木俊夫議員が機構再編につきまして質問いたしたわけでございます。その基本理念をただしたわけでありますが、答弁は、右肩上がりの経済成長が見込めない状況のもとで、少子・高齢化の進行などによる多様な行政ニーズに対応した県民サービスの一層の充実、地方分権の進展によるこれまで以上の地域の主体性や創造云々、こういうことを言っているわけであります。それから、組織の再編で、いわゆる総務部が最下位になる、これに対する業務執行に支障はないのかという質問をいたしておるわけでありますが、答弁は、設置条例における部門の順序、それから、組織再編は政策部門や地域振興部門とあわせて、環境、保健福祉、県土整備、県民生活とかかわりの深い部門を前面に立てた。これを内部管理を担当する総務、出納部門が支援をしていくんだという内容の答弁だったように記憶いたしておるわけであります。
 長年、総務部が最上位にランクされておったものが、最下位になるということに対する、何かなじめない感じがする、佐々木議員もそういう思いで質問したと思うわけでありますが、私もそういう思いを実はいたしておるわけでございます。我々の観念としては、やっぱり総務部は一番上位にいる。なぜかというと、財政、人事権も掌握しているのだということもあるわけです。それから、議会対策とかいろいろな対外的な対策もこの部が行っている。そういうようなことだと思うんです。
 しからば、順位が総務部が最下位になったことによって、本会議場の席の順序とか、あるいはまた、きょうのような決算・予算審査の場合の議会、総務とある、これの順番も変わるんですか。そういうことになりますと、せっかく自治省から武居さんという立派な部長をお迎えしているんですが、一番最下位にランクされるといったら申しわけないのではないですか。我々そういうような感じがするんです。いわゆる軽視したというような感じになるのではないか、これもなじめないんですね。その辺の関係は一体どうなるんですか、こういうことなのであります。
 2点目は、今、男女共同参画型社会の形成と、どこへ行ってもこういうことが出てくるわけでありますが、私、何回も県の女性職員の幹部登用につきまして質問いたしているわけでありますが、今、女性の職員も優秀な方々がいっぱいいるようであります。一生懸命努力しているようでありますが、やっぱりそういう方々を幹部に登用するということになりますと、女性職員の資質の向上にもつながってくるのではないか。それから、男子職員も、やっぱり女子職員に負けてだめだということで一生懸命努力するんです。それで相乗効果が出てくると、私はそんな感じをいたしておるわけでありますが、12年度に入りまして、女性職員の幹部の登用状況はどうなっておりますか、お尋ねいたしたい次第であります。

〇武居総務部長 総務部の順序というんですか、建制順についての御質問がございましたけれども、本会議でも答弁させていただきましたが、今回の機構再編は、県民の視点、地域の視点ということで、県庁の内部に対してというよりも、外に対してどういうことを県が使命として果たせるかということを大変重要視して考えているところでございまして、そういった結果がああいう形になったわけでございます。
 部の順序と優先度というのでしょうか、前にあるから上位で、下にあるから下位だというような認識には立たずに、それぞれの部局が精いっぱい努力していくべきものと考えているところでございまして、ほかの県でも、企画が一番最初に参りまして、その後総務に来ているところとか、総務部が必ずしもトップにないところもあるところでございます。いずれ、順番が変わったからということで果たす使命が変わるところではございませんので、これからも精いっぱいその役割を果たしていきたいと考えているところでございます。
 それから、具体的に順番の話がございましたけれども、例えば、こういう決算とか予算特別委員会でございますと、当然のことながら、歳入歳出というものが冒頭に議論されてしかるべき話でございますので、これからこういったものは具体的に内部で相談する話になりますが、こういった場面では、冒頭に私なりのポストの方が登場することになろうかと思いますし、また、議会におきましても、議会運営を司るのは総務部の所管になりますので、あそこのポジションにいるのは、今も、実は知事、副知事、そして企画となっているんですが、知事なり副知事の真後ろに私どもが座りまして、その後ろに財政課が座っているんです。いろいろ議会運営上、支障がないような形ということで今の席順をとっておりますので、こういった具体的な問題につきましては、単に今の部の設置条例上の順番が変わったからといって、画一的に支障が生じないように、むしろ、そこは実態を踏まえてより適切に対応できるように、これからも内容を詰めてまいりたいと考えているところでございます。

〇邨野参事兼人事課長 女性職員の幹部登用のお尋ねでございますけれども、ことしの4月1日の数字でございますが、係長級以上の管理監督者には女性職員334人、県職員の割合にして10.3%の率でついてございます。
 委員のお尋ねにもございましたとおり、私ども、職員全体の士気の高揚を図る観点、あるいは人材の効率的活用の観点からも、こういった能力のある女性職員の育成、登用には今後も努めてまいりたいと考えております。

〇菅原温士委員 わかりました。
 各室部の序列でありますが、その部長さん方、序列が上だから下だからということで人格の相違があるわけではありませんが、私は、やっぱり総務部が上にあっても何ら支障がないのではないかという感じがするんです。それが1点。
 それから、他県でこういう、総務部がランクの下の方にいるということはあるのでしょうか。おわかりになりましたら──わからなければ答えなくてもいいです──教えてください。

〇武居総務部長 他県における例として、出納の上という例はないんですけれども、冒頭でない県というのは多々ございます。しかし、こういった形で、各事業部門を先に出して、総務、出納というところは、まだほかの県ではございません。
 それから、先ほどの繰り返しにもなりますけれども、支障があるかないかという話になりますと、これは、どちらがどうであるからということはないんですが、総合計画推進という観点、それから、行政改革の懇談会でも出ておりましたけれども、地域の視点とか県民の視点からぜひ組織の上でも頑張ってほしいという意見もございまして、県民から見た場合に、内部の組織管理というのは大変重要でありますので、これからもその点については力いっぱい頑張っていきたいと思います。県民に対してどういうことを行っていくかというところがより以上に目に見えるような形にするためには、今回のような組織再編で、ぜひ県庁内部からも意識改革をし、そういった意味での新しい体制でスタートさせていただきたいということで、今回の組織再編の案を上げさせていただいているところでございます。

〇佐々木順一委員 事項別明細書の第1項の総務管理費第7目県外事務所費に関連いたしまして、先輩の伊藤勢至委員と観点を変えまして質問させていただきます。
 まず、平成10年度までは県外事務所の分掌は、東京事務所が総務部でありまして、それ以外は商工労働観光部だったと承知しておりますが、御案内のとおり、平成11年度からはすべて総務学事課の分掌事務となったわけであります。つきましては、この変更された主な理由と、1年間この業務をやったわけでありますが、その効果についてお伺いいたします。
 また、福岡事務所につきましては3県合同事務所でありますが、秋田県は産業経済労働部の、たしか産業経済政策課というところが管理しておりまして、青森県は財政課、本県は総務学事課となります。3県それぞれ所管部が異なっておりますけれども、このことが事務の執行の妨げになっていないかどうかお伺いいたします。
 それから次に、第2目の人事管理費の職員研修についてお伺いいたします。
 自治研修所では、毎年、部課長研修とか初任者研修など多岐にわたる研修を実施されているものと承知しておりますが、11年度の実績についてお伺いいたしますし、特にも、県職員の不祥事が毎年続いていることにかんがみまして、これに対する配慮、再発防止に向けて、どのような具体策をとられたのかお伺いいたします。
 最後、もう1点、平成11年度から実施されている行政改革システムの推進の中で取りまとめられたパブリックコメント制度についてお伺いいたします。
 これは、過般の本会議において先輩の佐々木一榮議員が一般質問でお尋ねになりましたが、これに対して部長は、実施しようとする計画の内容にもよるが、周知方法や計画案の公表方法など工夫を凝らすことを含め、制度の適正な運用に努めてまいりたいと、このように御答弁されました。資料を取り寄せてみましたが、制度に付したものが16件でありまして、そのうち意見が全くなかったものが5件ありましたが、意見がなかったこと自体、県民から見ると、県政はやはり遠いものではないかということをいみじくも印象づけたことにもなるかもしれませんが、この結果に対する部長の御所見と具体的な改善策についてお伺いいたします。
 また、きのう千葉副知事が御答弁で、たしか岩手子どもプランに対しては700件余りの意見が寄せられたと御答弁されましたけれども、寄せられた意見16件の中に、3件を除き、それ以外の件数については意見は極めて少ないものであったわけであります。率直に申し上げまして、結果に対する私の印象は、まさにコメントのしようがないという結果ではなかったかと思うのですが、よもやこういう結果が、県民の意思を聞いて意思決定を行ったということにはならないと思いますが、これに対する印象を部長からお聞かせいただきたいと思います。

〇武居総務部長 それでは、パブリックコメントにつきましての印象ということでございましたので、私の方からお答えさせていただきたいと思いますが、制度の運用につきましては、総務部で制度をつくりましてスタートさせまして、所管部局において、春先から各プランにつきましてパブリックコメントをかけていくということで実際動いているわけでございます。私自身も、各プランを見まして、御指摘ございましたように非常に濃淡があると思っておりました。それで、中身を見ますと、従来、現状でも果たしてパブリックコメントというものになじむのかどうかというものもございます。例えば、林業水産部で緊急間伐5カ年計画をパブリックコメントにかけているんですが、こういったものは、むしろ林業関係者でございますとか、そういうかかわりの深い人たちにきめ細かく説明して御意見を伺うなりということをより以上にやっていけばいいものもあるんですけれども、あるいは農政部の飼料増産推進計画といったものにつきまして、これもゼロ件なんですが、一般の家庭の主婦の方なんかから意見が出てくるかといったら、まず出てこないのではないかというようなものも、実はすべてパブリックコメントにかけているんです。
 それで、私どもこういったものにつきましては、広報とかインターネットというよりも、関係者の説明会をより以上に充実していくという観点も必要ではないかと考えているところでございます。そういった意味で、子どもプランのように一般の県民の方に関心の深い分野から専門的な分野まで多々ございますので、これにつきましては、むしろ関係部の方に私どもの方から注意を喚起しまして、より計画内容に沿った形で関係の県民なり、広く一般県民なり、それぞれに計画内容を周知し、御意見をいただけるような形にしていくべきだということで、ただいま会議等でそういった指示をしているところでございます。
 実際、意見が出されなかったから聞かなかったんだということでは必ずしもなくて、そのまま了解すれば意見が出てこないということもあるのかもしれませんが、なるたけこちらからの周知につきましては、そういった形で計画ごとにきめ細かく対応していくように、これから関係部局にも周知徹底を図ってまいりたいと考えているところでございます。

〇宮舘総務学事課長 県外事務所についてのお尋ねでございますが、県の総合的な情報発信拠点としての機能を高めるとともに、県政全般にわたる窓口としてその機能を幅広く発揮できるようにするため、総務部が一元的に所管しているものでございます。その結果、総務部が事務局となりまして、本庁各部局と県外事務所との連絡会議等を定期的に開催し、県内外における情報の交換や県外事務所が本庁と一体となった事業の展開に向けて取り組んでいるところでございます。
 また、福岡事務所につきまして、各県の本庁の所管部が異なっているということでございますが、今年度から2カ年ですけれども、本県が福岡事務所の所長県ということになっておりまして、全体の調整をしながら事業を進めているところでございます。そういうことで、特に支障は生じていないものと考えてございます。

〇邨野参事兼人事課長 自治研修所での研修の実績のお尋ねでございますが、自治研修所では、県職員のほか、市町村職員の研修もあわせてやってございますが、県職員の方を見てまいりますと、11年度におきましては25課程、50回、2、311人の受講があったところでございます。
 それからまた、一連の不祥事に対応して、公務員倫理研修というものについてどのような充実なり配慮をしたかという趣旨のお尋ねでございますけれども、こういった事態を受けまして、私ども自治研修所におきましては、新採用研修職員につきまして、本年度予定していた研修科目の一部を変更いたしまして、公務員倫理を徹底して教え込んだところでございます。また、私ども人事課におきましても、全職場を対象といたしまして、各部、振興局の代表の職員に研修を行い、それを伝達する形での公務員の倫理研修というものを行ったところでございます。
 また、来年度は、各自治研修所におきます各階層別の研修にこの公務員倫理の科目を導入いたしますとともに、公務員倫理の研修を行う講師の養成にも努めるなど、こういった観点での公務員倫理研修の充実を図ってまいりたいと考えてございます。

〇佐々木順一委員 ありがとうございました。
 まず、県外事務所の関係ですが、考え方とすれば十分理解いたしますが、現実的に、商工観光関係者の方から、やはり機能的に観光商工面を前面に出していただければという御指摘もあります。したがって、どちらかというと情報発信、観光振興といった業務が多いのではないかということでもありますので、今度、来年に向けて機構改革に着手もされておられるわけでありますから、その辺につきまして意を用いていただければありがたいと思っているところであります。
 それから、研修の関係ですが、たしか、さっき人事課長は2、300云々と言いましたが、それ以外は研修を受ける機会がなかったのかどうかということであります。これをまずお尋ねしたいと思います。
 もう一つは、公務員倫理規程も今度条例化の方向にあるわけでありますから、いずれこの点につきまして、まさしく二度とこのようなことがないように研修を積み重ねていただきたいと思います。
 それから、パブリックコメント制度の関係ですが、要綱を見ますと、公表の方法等に義務規定と努力規定、義務規定は、こうしなければならないという公表のことを位置づけておりますが、例えば説明会の開催、報道機関への発表、印刷物の配布などは努力規定にとどまっているわけでございます。この辺、やっぱり要綱を改善する必要があるのではないかと思います。
 もう一つは、やはり1年間このコメントに付すものは県の方である程度わかると思いますので、年間計画を立てて、例えば、岩手グラフは全戸配布されているわけでありますし、また、県政のテレビ番組もあるわけですので、そういったいろいろな方法を駆使して、できれば1年間のアウトラインを県民の皆さんにあらかじめ示すことも大事ではないかと思いますが、この件につきまして御見解をお願いします。

〇邨野参事兼人事課長 自治研修所以外の研修の状況といったようなことでございますけれども、自治研修所におきます研修のほか、各部局におきましても、専門の職種等について幅広く研修が行われているところでございます。ただ、私、大変申しわけございませんが、各部局で行われている個別の研修の総数、データを手元に持ち合わせてございませんが、そのような実施がなされていることを申し上げておきたいと思います。

〇今泉行政システム改革監 パブリックコメントの今後の対応についてでございますけれども、確かに半年やってみた反省といたしまして、委員おっしゃるとおり、きめ細かさに欠けていたのではないかと感じております。確かに、説明会をやるといい意見がいっぱい出てくるということは、やっぱりきめ細かいと出てくるということで、そういった意味で、周知方法につきましても、これまでやっている16件のうち、県広報紙に載せたのが1件、新聞に載せたのが1件ということで、やはりきめ細かさが欠けている。資料の提供方法にいたしましても、ホームページに掲載すれば足りる、あるいは行政情報センターに置いておけばそれでいいんだというところがありはしなかったか、請求があれば、そういった資料を郵送で送るといった対応があってもよかったのではないかというような反省点が多々出てきております。
 いずれ、こういったことを踏まえまして、制度の適正な定着を図っていきたいと考えております。

〇佐々木順一委員 わかりました。
 最後に1点だけ、さっきの県外事務所の件で、質問にならない表現でありましたから、そういった商工関係者の声が届いていないかどうか確認しておきたいと思います。

〇宮舘総務学事課長 福岡事務所は、確かに御指摘のように観光、物産が中心でございます。そういう意味で、商工労働観光部との関係が大変強いわけでございますけれども、私のところにはそういう意見はちょっと聞いていなかったんですが、いずれにしましても、今後とも商工労働観光部の方と連携をとりながら進めてまいりたいと考えております。

〇谷藤裕明委員 昼飯時が近づいてきて、委員長も苦慮するような時間に入っていますけれども、1点だけ、県の出資法人が有する財産の運用についてお伺いいたしたいと思います。
 先日、マスコミでも報道されておりましたけれども、花巻市の社会福祉協議会が基金、財産の一部を運用して、何とか利回りのいいようなものということでいろいろ考えた上ででしょうけれども、社債を購入して、結果として4、700万円の損失を出したという記事が出ておりました。県が持っている基金の場合は、地方自治法で確実かつ効率的な運用で元本保証のあるものということに限定されていると承知しています。そしてまた、基金管理審議会での運用チェックというものもしていると思いますので、県の状況は問題はないのかとは思いますが、県の出資法人の方も、基金等の財産を保有しているわけですが、当局ではこれらの把握、運用状況、この辺がどうなっているのか。それから、元本の保証のない金融商品での運用等はしていないのか、これらのチェック関係はどうなっているのか、11年度の運用実態、これらについてお聞かせいただきたいと思います。

〇宮舘総務学事課長 県出資等法人の基本財産の運用状況についてのお尋ねでございますが、県出資等法人のうち、特別法に基づく法人及び民法法人の基本財産の運用状況につきましては、法人所管部局が県出資等法人指導監督事務要綱に定める運営評価を行いまして、定款あるいは寄附行為等にのっとり基本財産が適正に運用されているかを把握しているところでございます。
 平成11年度に法人所管部局が実施いたしました県出資等法人の運営評価結果によりますと、基本財産は、大口定期預金、国債、県債、貸付信託等により運用されておりまして、国において定めております公益法人の設立許可及び指導監督基準や公益法人の設立許可及び指導監督基準の運用指針に即して、おおむね適正に運用されているものと認識しております。
 今後におきましては、法人の適正な経営を確保する観点から、ただいま申し上げました国の基準や運用指針を踏まえ、法人所管部局において毎年度実施しております運営評価を通じまして、適切に指導監督してまいりたいと考えております。

〇谷藤裕明委員 おおむねということでありまして、非常に超低金利時代でございますから、いろいろな苦労をしながら運用しようとして悪戦苦闘しておられるだろうと思います。私どもも、財団法人の体育協会その他でも、もう銀行に預ける方が金を取られるのではないかというぐらいの金利ですから、なかなか運用が大変なわけであります。そんな中で苦労していることはわかりますけれども、大切な県民の財産の部分にかかわっておるわけです。それからまた、昨日、千葉伝委員の方からも、平成14年4月からのペイオフの解禁という問題を取り上げていたわけですが、やはり、県の公金といえども、今の方向としては、とりあえず1、000万円までの払い戻しの保証額ということになれば、相当大変なことになるのだろうなと。これらをどうやって保全しながらやっていくかということで、自治省の方でもかなりいろいろなこと、県の方とも打ち合わせ等もやっているのだろうと思いますが、これら、本当に難しい今の時代の中で、きちっと対応していくことについての考え方をお知らせいただきたいと思います。

〇武居総務部長 今、出資法人の関連にかかわるところのペイオフ等の環境が変わってきた中でというお話がございまして、委員御指摘のとおり、こういった法人は、一方で財産運用により事業のための財源を捻出するのも大変四苦八苦しているところがございます。先ほど運営評価の話をしましたが、多分にこういった法人の中には、事務局が零細で、こういった面になかなか関心がいっていない法人もあるように私承知しておりますので、ここにつきましては、私どもと出納事務局が、こういった点は非常にしっかりした情報なり、事務手続の手法等を持っておりますので、いずれしっかりとした勉強会なりをやっていかなければならないのではないかと感じております。これは、私ども法人全体を所管する立場で、そういった観点における情報交換なり連絡会の場を設けてみたいと考えております。

〇佐々木大和委員長 この際、昼食のため、午後1時まで休憩いたします。
   午前11時57分 休 憩
   午後1時5分 再 開

〇阿部敏雄副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

〇斉藤信委員 まとめてお聞きします。第1点は、外部監査費1、660万円について。外部監査の指摘事項とそれに基づく改善された事項について示していただきたい。
 第2点は、行政評価機能推進費2、060万円となっていますけれども、いわゆる外部診断の内容と改善された点があれば示していただきたい。
 3番目、法人事業税について、この5年間の推移はどうなっているでしょうか。減少しているとするならその要因は何でしょうか。
 平成11年度の欠損法人の数と割合はどうなっているでしょうか。
 外形標準課税の導入を推進すると本会議で答弁がありましたけれども、税額がふえることはなく、赤字企業からも徴収するとなると中小企業いじめ、利益を上げている企業を優遇するものとなるのではないでしょうか。応能負担の原則を貫くべきと思いますがいかがでしょうか。

〇今泉行政システム改革監 外部監査と外部診断についてのお尋ねでございますので、お答え申し上げます。
 まず、外部監査でございますが、11年度の外部監査は県営住宅及び県営スポーツ施設の収支について行いました。県営スポーツ施設関係については特段指摘すべき事項は認められなかったとのことでありますが、県営住宅関係につきましては、高額所得者に対する明け渡し指導等の対応を適正に行うようになどの指摘がございまして、現在土木部の方では高額所得者に対する明け渡し指導等について、本庁土木部が方針を定め各地方振興局が明け渡し指導、明け渡し請求を実施したところでございます。
 次に、外部診断でございます。外部診断は平成10年度及び平成11年度2カ年にわたり実施してございます。この外部診断と申しますのは、第三者の客観的な目でこれまでの県行政の運営のあり方全般について根本から洗い出し、どこに問題点があるか、そういったことを明らかにするために行った、言ってみれば県庁の組織と行動の総点検というような内容のものでございます。実施機関は社団法人社会経済生産性本部が行いました。10年度、11年度両年にわたる評価の結果でございますが、評価すべき点といたしましては、県民の期待とか要望、そういったものから適正な県政運営全般を考える仕組みがあると、そういったことが評価すべき点だという指摘を受けている反面、わかりやすい県政運営ビジョンの策定とか、ビジョンを遂行する俊敏な、要するにスピードがあるそういった組織体制の構築がまだ不十分、あるいは政策、施策を業績あるいは財務の成果としてあらわす制度の導入、そういったあたりが今後取り組むべき課題として指摘されたところでございます。これらの診断結果につきましては、平成11年2月に策定いたしました行政システム改革大綱の中に盛り込み、改善に向けた取り組みを行っているところでございまして、例えば政策、施策をその業績、財務の成果としてあらわす制度の導入ということで、今年度、試行という形ではございますが、政策評価システムのような形で結実しているところでございます。なお、10年度、11年度で本庁各部、全地方振興局、外部診断が終わったことを踏まえまして、今年度からは外部診断に用いた審査基準というものを用いまして、私どもの職場で自己診断を行っていくと、そういったことを通して職場の中で自主的あるいは自律的にこれまでの仕事の仕組みをなるたけきめ細かなものに変えていく。言いかえれば県民の視点に立った仕組みに変えていくと、そういったことを職場の中で自主的、自律的に行っていけるような仕組みというか、そういった風土というものをつくっていこうということで、これは私ども行政品質向上運動と名づけておりますけれども、そういった運動に今取り組み始めているところでございます。

〇菅原税務課長 法人事業税の関係でございますけれども、まず5年間の推移はどうか、減少している場合はその原因は何かということでございますけれども、本県の過去5年間の法人事業税の税収の推移は、平成7年度が290億円、平成8年度が327億円と増加しましたが、以後は平成9年度が317億円、平成10年度が285億円、平成11年度が252億円と減少しております。この減少した理由につきましては、平成11年度に基本税率が12%から11%に引き下げられた影響もありますが、全体的には景気低迷による影響によるものと思います。
 次にですが、平成11年度の欠損法人の関係でございますけれども、県内に本店を有する法人について見ますと1万329法人でございます。そのうち欠損法人が約60%ございます。
 次ですが、外形標準課税の導入は赤字企業から徴税することは中小企業いじめ、利益企業の優遇ではないかというお話でございますけれども、外形標準課税の導入の趣旨は、税負担の公平の確保、それから事業税の応益負担としての税の性格の明確化、地方分権を支える基幹税の安定化を図るためのものです。自治省の改革案によりますと、中小企業に対しましては、さまざまな配慮、例えば中小企業に対する軽減税率、それから赤字法人やベンチャー企業に対して徴収猶予や雇用の配慮のための雇用安定控除の創設のほか、税負担の変動を緩和するための3年間の経過措置を設けるなど、中小企業法人等に対しましてきめ細かな配慮をする形となっております。
 それから、法人事業税の応能負担が税の原則ではないかということでございますけれども、法人事業税は法人が行う事業そのものに課される税であり、法人がその事業活動を行うに当たって地方団体の各種の行政サービスの提供を受けている。これに必要な経費を分担すべきであるという考えに基づいて課税されるもので、応益負担が原則となっております。

〇斉藤信委員 まず、外部監査の結果と対応について、県営住宅の問題については既に議案も出されて改善もされていると思うのですが、この報告書、これは指摘事項だけではなくて意見というのも入っているのですね。この意見の中に特に県営スポーツ施設については、使用料それ自身が激減をしているということが指摘をされていますね。そういう点で、例えば屋内温水プールは平成6年度に対して平成10年度は40%減ですよ。県民ゴルフ場は21%減、スケート場は33%減と、使用料がもう減少しているということ。これは本当に抜本的に改善しないと、指摘事項ということでの財務監査上の問題はなかったかもしれないが、実体的には大変私は厳しい意見が出されたのではないか。この意見についてもどう対応しているか答えてください。
 外形標準課税ですけれども、今聞きましたら欠損法人は60%だと、そして平成11年度の法人事業税は252億円ですね。外形標準課税になるとどうなるかという本会議での答弁は250億円ですよ。いわば全中小企業に課税してそれでもふえないと、外形標準課税で税収がふえるなら、それだけ見たらプラスになるけれども、しかし本会議の答弁を聞くと赤字企業から税金を取っても税収がふえないというのが本当にいい税制なのか。そうではなくて、平成11年度は60%が欠損ですから、40%の企業が利益に基づいて事業税を出したと。私はこういう利益を上げているところから取って当然だと思いますよ。だから、実際に税収増から見ても、そして赤字でどうしようもない企業からも徴税するという、こういう酷な点から見ても私はこの外形標準課税の意味合いというのがないのではないかと思います。そして、5カ年を見ましたけれども、今不景気で低迷して252億円ですよ。それ以前は、税率もちょっと変わっていますけれども300億円の税収もあったわけだから、そういうことも含めて本当に外形標準課税というのがどういうメリットがあるのか、デメリットがあるのか、もう一回示していただきたい。

〇今泉行政システム改革監 外部監査報告書の中の意見に触れられた部分についてどのように対応しているかというお尋ねでございます。確かに報告書の中の意見にわたる部分につきましては、そういった県営スポーツ施設の中で利用料が下がっているというような個々の指摘がございますが、その背景にある考え方というのはやはり県民の負担とコストとそれに見合う使用料がどういう関係になっているのかということを、単にこれまでのような現金主義的ないわゆる官庁会計でやるのではなく、やっぱり発生主義的な会計方法を用いてきちっと将来のコスト計算というものを行っていく、そういった中で施設の管理というものを行っていくべきではないかというような御指摘、御意見というふうに私ども承っております。現在そういった観点では、県民の負担とコストの関係というものをどういった形であらわすかということで、行政コスト計算書というものの中でそういった県民の負担とコストの関係をあらわしていけるのではないかということで、行政コスト計算書あるいはバランスシート、そういった財務諸表の作成を検討してございます。そういった中で意見で述べられたことについては対応してまいりたいと現在考えているところでございます。

〇菅原税務課長 まず、先ほど大変失礼いたしました。平成11年度の欠損法人の関係でございますけれども、1万7、275社のうち1万329法人が欠損法人ということで訂正させていただきたいと思います。
 それから、外形標準課税の導入のメリットとデメリットでございますけれども、法人事業税は所得課税だということでございまして、景気に非常に影響されやすいという面もあるわけですが、さらに法人の実効税率の引き下げによりまして12%から11%、さらに平成11年4月1日の開始事業年度から9.6%、約20%引き下げになっていると、その税収の影響もかなり大きいということでございます。したがいまして、今後事業税が安定的に税収が得られることによって、安定的な行政サービスが提供できるということでございます。

〇斉藤信委員 これで終わりますけれども、ぜひ県営スポーツの問題については財務管理の問題だけではなくて、利用者が減っているということ自体は、あり方が問われていると私は思うのですよ。いわば利用がふえていても財務管理上コストが高くついているということもあるが、私が今言った三つの施設は利用が激減していると、だから財務管理とあわせて、そういうあり方も問われているということもこの意見に入っているのではないかという指摘をしておきますからね。
 それで、外形標準課税について、部長、法人事業税が下がっているということが問題なのですよ。今、国税全体でも法人事業税も激減しているのですね。消費税がガッと上がっているという、これは本当に逆格差でありまして、下がっている法人事業税でも試算をすれば252億円と外形標準課税は250億円だと、その点では余りメリットないのではないかと聞いているわけだから、一つは法人事業税、これは大企業優遇で下げられたということはこれは見直しすべきですよ。そして、赤字企業からも取るような外形標準課税を行政が先頭に立ってやるべきではないと、今の不景気のもとで赤字でも税金取られたら、ばたばた倒産するのではないですか。これはもう景気の悪循環、そういうことにならないか。ならない保障があったら示していただきたい。

〇武居総務部長 メリットがないというお話ございましたが、今回の税制改革は税収の安定化を図る、こういうことを目指したもので、これはひいては地方分権を推進する上で極めて重要な課題になってくると考えているところでございまして、本会議で私の方から答弁させていただきましたが、これはあくまで増収を目指すというものではなく安定化を図るということでございまして、そういったことから全国的な税収の総額を約4兆円と推計し、その中での本県の税収額を算定したものでございます。これは本会議でも答弁いたしましたように、制度が将来定着し平準化したときの状況をもとに算定しているところでございまして、先ほど税務課長から答弁いたしましたように、当然それまでの間に激変緩和のためのさまざまな措置等もとられているところでございますし、中小法人等に対しましては非常にきめ細かな配慮がされているというところでございますので、こういった制度が導入されれば、即、中小企業に負担が激増するということは全くございませんので、こういったことにつきましては、さきの7月における全国知事会でも一致を見て国に要望しているところでございますし、政府税制調査会の中間答申もそういった方向が出されておりますし、さらに地方財政審議会等々、さまざまな審議会あるいはそういった会議等で将来に向けた地方の財政をどうしていくかという観点から、こういったものを制度として導入していただきたいということで申し上げていると私どもも聞いておりますし、私どももそういった全体の中での要望をしているところでございます。

〇阿部富雄委員 監査委員の意見書によりますと、23ページを見ていただきたいと思うのでありますが、財産の中で無体財産権、特許権が本年は六つ増加して16に、それから実用新案については1件減少して計1件という、こういうことになっているわけでありますが、この特許権、実用新案権といったら具体的にどういうものなのか、そしてこれらの活用についてはどのようになされているのかお伺いいたします。
 あわせて、物品の考え方でありますけれども、例えばいす・テーブル、箱・戸棚類は本年度41増加して計84だという、こういう財産状況になっているわけでありますが、これはどういう形の分類をすることによってこういう数字になってくるのでしょうか。端的に考えれば一つの事業所なり何なりがふえれば、いす・テーブル等だって相当数の数になると思うのですけれども、わずか41という並べ方の根拠というのはどういう形で出ているものかお伺いいたします。

〇宮舘総務学事課長 今手元に無体財産権の関係の資料ございませんので、ちょっと時間をかしていただければと思いますが、申しわけありません。

〇阿部富雄委員 それでは次に、起債についてお伺いをいたします。
 今年度11年度の起債償還が980億円ということになっておりますし、11年度末の起債残高は1兆1、800億円という非常に高いといいますか、多くの借金を抱えているという、こういうことになるわけでありますが、この残高の中で利率の高いものというのは一体どの程度あるのでしょうか。5%を超えているとか、7%を超えているとかという、現在の金利から大きくかけ離れているものという考え方で御答弁をいただければと思いますし、あわせてこうした起債の繰り上げ償還については今年度はなされていないということであります。政府資金については政府そのものが繰り上げ償還を認めないというこういう方針だということを聞いておりますけれども、縁故債にかかわる部分についてはそれなりの金融機関との話し合いで繰り上げ償還が可能だということもあり得るだろうと思うのですが、そうした繰り上げ償還についての努力というのはどういうふうになされてきたのかお伺いいたします。
 あわせて、政府は利率の高い起債についてはその利率分を、ある一定の部分を超える部分については交付税措置をするということになっているわけでありますが、本県の場合にはそうした該当する起債というのはどの程度あるのでしょうか。
 それからもう一つは、繰り上げ償還ということを考えた場合には、縁故債がほとんどでありますから対銀行との話し合いということもあるでありましょうし、さらに証券発行による起債も360億円ぐらいと聞いておりますけれども、かなりの部分が証券で賄われているということになっているようであります。こうしたものについてはどの程度市場に出ているかわかりませんけれども、この市場で証券をとらえることによって繰り上げ償還をすれば、相当数金利負担が軽減されるものと考えるわけでありますけれども、そうした証券に対する取り組みはどのようになされているのかお伺いいたします。

〇池田財政課長 まず、1点目の金利の高い県債残高ということでございますが、11年度末現在高1兆1、882億円余ございます。そのうちお話ありました、一つは5%を超え7%以下というふうに一つ段落を置きますと、それが854億5、700万円余と、これが7.2%に当たります。それから、7%を超えるものが200億円余ございまして、これが1.7%ということになります。
 それから、2点目、4点目でございますが、これはあわせて答弁をさせていただきますが、繰り上げ償還、それからお話のありました証券分ということですが、これは私ども買い入れ消却というふうに申し上げているわけでございますが、その繰り上げ償還、買い入れ消却ともに委員御指摘のように、将来の財政負担、県民の負担というものを軽減する方策の一つとして有効でございますので、私ども常にこれを念頭に置いて業務運営をしているところでございます。お話ありましたように11年度今年度というものは繰り上げ償還は具体化しておりませんけれども、これは繰り上げ償還につきましては10年度に実績がございますし、それから買い入れ消却につきましては55年度にこれは実績がございます。いずれにしましてもこれらを発動するというためには一定の条件が必要になってまいりますので、その条件と申しますとそれなりの原資が必要だと。余裕資金、基金でありますとか、あるいは経済情勢に合わせて金融資産等を売却してその売却益があったというような、そういう余裕資金が必要であるということと、特に買い入れ消却の場合ですが、市場に流通しているものを買い入れるわけでございますので、その流通している価格がどうであるかということで、マーケットの動向でありますとか、それからそういう繰り上げての償還なり買い入れというものが将来に本当に利益になるのかというようなそういう長期的、中期的な金利動向等も見据えた上でそれを発動することになるだろうということで、そういう条件が整いました段階には具体化できるように検討をしていきたいと思いますし、またお話のように金融機関等との調整なりあるいは交渉というものもやっていきたいと思っております。
 それから、3点目の交付税措置の関係でございますが、12年度の自治省の措置でございますけれども、高金利の政府資金の利息の一部を特別交付税で措置をするという条件、これが緩和をされたということでございまして、11年度は起債制限比率が14%以上ということでございましたけれども、12年度は全国平均以上ということで、本県の起債制限比率12.2%でございますので、これは平均を超えているということで対象になるということでございます。この具体的な内容がお話ありましたように政府資金の7%以上の利率のもののうち5%を超える部分について措置をされる。ただ、詳細はまだ未定でございますので、詳しくは現在のところは不明でございます。

〇宮舘総務学事課長 先ほどの御質問でございますけれども、無体財産権でございますが、これらにつきましては米を原料とした飲料の製造方法とか、あるいはブドウの関係とか、あるいはスターチスの関係、農政部関係のものが多いわけでございますけれども、この特許権といったものが主な内容でございます。
 それから、いす・テーブル、箱・戸棚等で41、11年度にふえているというものでございますけれども、これにつきましては財産に関する調書に計上しているものは100万円以上の重要物品でございまして、いす・テーブルについては県立大学に11個実験台を購入したものでございますし、それから箱・戸棚類につきましても移動書架を30個県立大学で購入したものでございます。

〇阿部富雄委員 それでは、無体財産権の関係ですけれども、農業関係が主だということでありますが、これから生物工学研究所なりあるいは農業研究センターだとか、いろんな試験研究機関の中でさまざまな特許だとか実案というものが県でも取得をされていくことになるだろうと思うのですが、今お答えいただいた中身のものについては、いわゆる商品化をするとか、あるいはその特許権を製造メーカーなり製造者の方に提供するとかという、そういう形のものというのは現在あるのでしょうか。

〇宮舘総務学事課長 特許権等の実施許諾につきましては、相手方からの申し出がありますとそれに対して使用の許諾といったことをやっておりまして、実際に例えば先ほど申し上げました米を原料とした飲料の製造方法につきましては遠野地方農協の方に使用許諾をいたしておりますし、ブドウの登録品種の使用許諾につきましては社団法人岩手県農産物改良種苗センターの方に許諾をしております。

〇阿部敏雄副委員長 ほかに質疑ありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇阿部敏雄副委員長 質疑がないようでありますので、総務部関係の質疑をこれで終わります。
 次に、企画振興部長に企画振興部関係の説明を求めます。

〇佐藤企画振興部長 平成11年度の企画振興部関係の決算につきまして御説明申し上げます。
 企画振興部の決算は、岩手県歳入歳出決算書の12ページと13ページ、2款総務費のうち、2項企画費、4項地方振興費、5項選挙費及び7項統計調査費、並びに16ページと17ページ、13款諸支出金のうち、2項公営企業出資金の一部でありますが、これらの支出済総額は290億7、809万円余であり、翌年度への繰越額は71億3、690万円余、不用額は3、697万円余となっております。
 それでは、便宜、お手元に配付されております歳入歳出決算事項別明細書によりまして、各項目ごとに御説明申し上げます。
 歳入歳出決算事項別明細書の118ページからが当部関係であります。2款2項1目企画総務費の主なものについて御説明申し上げます。なお、繰越明許費は60億362万円余が計上されておりますが、これは、東北新幹線建設促進対策事業費の一部を平成12年度に繰り越したものであります。まず、管理運営費は人件費及び一般管理事務費であり、120ページ、121ページにかけて三陸鉄道運営費補助は、三陸鉄道株式会社の健全運営を確保するため、鉄道近代化設備の整備に要した会社負担経費及び平成10年度経常損失額に相当する経費に助成したものであります。次に、東北新幹線建設促進対策事業費は、東北新幹線盛岡以北の建設促進対策及び日本鉄道建設公団が行う新幹線建設事業に係る経費の一部を負担したものであります。次に、コミューター関係地方公共団体協議会負担金でありますが、これは、花巻空港における航空路線網の充実を図るため、同協議会の平成12年度までのパイロット事業に参画して、花巻と新潟を結ぶ都市間コミューターの運航を維持したものであります。次に、バス活性化システム整備費補助は、バス交通の活性化を図るため、バスカードシステム整備事業を実施するバス事業者、並びにスロープつき低床バスの導入及びハイグレードバス停留所整備事業を実施するバス事業者等に助成を行う市町村に対し、その経費の一部を助成したものであります。次に、地方バス路線運行維持費補助は、地域住民の日常生活に必要な路線バスの運行を確保するため、バス事業者に対し運行経費の一部を助成したものであります。次に、2目計画調査費の支出済額25億9、113万円余の主なものについて御説明申し上げます。なお、繰越明許費は10億2、783万円余が計上されておりますが、これは、いわて情報ハイウェイ推進費などの一部を平成12年度に繰り越したものであります。まず、総合計画推進費は、新しい総合計画の策定に向けた所要の調査、検討に要した経費であります。次に、北東北三県地域連携推進費は、北東北三県の地域連携を推進するため、北東北広域連携構想の策定や北東北地域連携フォーラムの開催等に要した経費であります。次に、リゾート地域整備促進事業費は、さんりく・リアス・リゾート構想を初めとする四つのリゾート構想の円滑な促進を図るために要した経費であります。次に、科学技術振興推進費は、科学技術の振興による地
 124ページ、4項1目地方振興総務費の主なものについて御説明申し上げます。まず、地方振興局管理運営費は、地方振興局総務部門の人件費及び一般管理事務に要した経費であります。次に、企画調整事務費は、地方振興局の企画部門における本庁、市町村、各種団体との連絡調整などに要した経費であります。126ページの2目市町村振興費の支出済額25億9、787万円余の主なものについて御説明申し上げます。なお、繰越明許費は1億44万円余が計上されておりますが、これは、地域間交流支援事業費などの一部を平成12年度に繰り越したものであり、また、事故繰り越し500万円が計上されておりますが、これは、地域活性化事業調整費の一部を平成12年度に繰り越したものであります。まず、自治振興基金貸付事業費でありますが、これは、公共施設の整備促進及び過疎地域や準過疎地域等の振興を図るため、市町村及び一部事務組合に対して、県単独資金の貸し付けを行うのに要した経費であります。次に、市町村振興宝くじ交付金は、市町村の振興に資するため、市町村の単独事業等に対する貸付事業の原資として、財団法人岩手県市町村振興協会に対して、市町村振興宝くじの販売収益金を交付したものであります。次に、地域づくり交流ネットワーク推進事業費は、県内各地で自主的、主体的に展開されている地域づくりの取り組みを推進するため、地域づくり関係者の連携・交流活動への支援及び地域づくり情報誌の発行等に要した経費であります。次に、広域行政推進啓発事業費は、市町村合併や広域連合などの広域行政を推進するため、広域行政シンポジウムの開催や県立大学と協力し、県内の市町村における今後の望ましい広域行政のあり方についての調査研究に要した経費であります。次に、特定被災地域復旧緊急支援交付金は、軽米町に対して、大雨洪水災害の復旧対策に要した経費の一部を交付したものであります。次に、地域活性化事業調整費は、各地方振興局管内における産業振興や観光物産振興などの各種事業の調整や、市町村と一体となった地域振興施策の展開及び広域的な連携事業の実施支援等に要した経費であります。
 5項選挙費、支出済額7億6、902万円余は、主に県選挙管理委員会の円滑な運営と知事及び県議会議員選挙の適正な管理執行に要した経費であります。
 130ページからの7項1目統計調査総務費の主なものについて御説明申し上げます。管理運営費は、人件費及び一般管理事務に要した経費であり、次のページ、統計調査員確保対策費補助は、統計調査員の選任を容易にするとともに、その資質の向上を図るため、市町村に対し、調査員希望者の登録や研修等の実施に要した経費の一部を助成したものであります。2目地方統計調査費の支出済額1、775万円余は、いずれも県単独の調査でありますが、県民経済計算事務費は、県経済の規模、構造及び県民の所得水準などを推計するために、人口統計調査費は、毎月の人口推計等に要した経費であります。3目委託統計調査費の主なものは、国の委託により実施した調査であり、経済統計調査費は、住宅及び土地の所有状況等の調査、農林漁業統計調査費は、第10次漁業センサス、2000年世界農林業センサスに要した経費であります。
 次に、ずっと飛んでいただきまして306ページ、307ページをお開き願いたいと思います。13款諸支出金のうち、当部関係の支出につきまして御説明申し上げます。2項1目公営企業出資金の支出済額515万円余のうち当部関係は、備考欄2行目の工業用水道事業会計出資金でありますが、これは、工業用水道事業の経営の健全化を図るため、施設建設費に係る企業債の元金償還等に要する経費について出資したものであります。
 以上で説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。

〇阿部敏雄副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。

〇佐藤正春委員 それでは、2点について簡単に。ただいまも部長から報告がございました。私は花巻空港、花巻新潟コミューター便について伺います。
 本社が広島市にある運航会社J-AIRが花巻新潟コミューター便を来年3月で廃止すると運輸省大阪航空局に届け出たということを私は新聞報道で知った。肝心の県から何の発表もない。部長からも何のお電話もなかった。それは何か発表できない理由でもあったのですか。何ら調査もせず単なる見込みのみで平成9年度から12年までの負担金は6、414万2、000余円となります。私は当初開設時の平成9年10月2日、総務委員長報告に対してその審査の経過をただしております。また、平成11年12月7日決算特別委員会でも、10年度の搭乗率は31.4%、これで大丈夫ですかと、あなたの方は余り心配しないから私は心配して大丈夫ですか、負担金はむだになりますよと、こう申し上げた。ところが、それに対して企画振興部長の答弁、何と言ったか。本県としては、同路線が県民の利便性の向上に資するという観点から、同協議会のパイロット事業に対してその一部を負担しているものでございます。現在のところ低い利用率にとどまっているわけでございますが、平成10年度の運航による利用者全体の年間当たりの費用対効果について申しますと、新幹線利用に比べまして約4、000万円ほどの移動時間あるいは移動費用の低減効果がございます。そういうことで、本県で負担しているのは1、931万4、000円でございまして、この2倍の効果に当たるということでございます。次が大事だ。今後とも継続してまいる必要があると認識していますと、こう言っている。これに対していかなる見解をお持ちですか。1回語ったことが議事録に出ているのだよ。議事録というのは消しゴムで消えないのだからね。責任持ってくださいよ。
 次に、自治体の管理する地方空港が会計検査院の調査によると、11年度は19団体が赤字となっている。花巻空港はどうでしょうか。私の調査によると11年度は収入2億2、629万7、000円、支出が3億546万2、000円、7、916万5、000円の赤字となっています。検査院の指摘によりますと、新幹線や近接空港との競合を考慮していない、まことにずさんな需要予測の結果と、こう言っているのですね。このことについては私は今まで花巻空港の拡張問題では何回も言った。今まで5回も6回も語ってきた。部長は今度は初めて、歴代言ってきた。ところが、答弁は、行け行けどんどん、行け行け。これは答弁と逆の状況ではないですか。ひとつ将来の見通しを重ねてお伺いをしておきたいと思います。
 次、もう一点、市町村の財政についてちょっと伺います。某紙──ここにもちぎって持ってきたけれども──によりますと、何と盛岡市が主要都市100都市の財政火の車ランキング13位。盛岡出身の議員さん、そういうことですよ。そして、これを見るとこういうことを書いている。中には火葬場の使用料を1万円から2万円に上げるとか、ホールの使用料を上げるとか、肝心な敬老金77歳以上を毎年6、000円から8、000円を今度は下げて、77歳8、000円、88歳で1万円、100歳のときは10万円、今までもらった人はこれでダーンと減ってしまった。そういうようなことで盛岡は火の車ランキング13位。これはこの間じゅう税金を余計取ったというのは、こういう苦し紛れに取ったわけではないのでしょうけれども、県内の13市の財政状況はどうなっていますか。これは一部きのう総括でもちょっと出たようでございますが、特に税金を余計取り過ぎた、発覚した税金の取り過ぎですね。これはきのうのテレビなんかだと盛岡の市長さんが減俸して謝っている。しかし、これは謝って済むものではない。盛岡市民といえども岩手県民だ。県としてはどのような見解を持っているか伺います。
 盛岡市の場合、私は昨年12月の本委員会で指摘したように、独自給料表の採用による職員給与のアンバランスが原因となっている。この人の原因ではないでしょうか。その後、県はどのようにこれを指導してきましたか。
 3、知事は常に県内の格差を是正し、県内のどこに住んでも同じ待遇が受けられる快適な暮らしのできる社会を実現すると、こう言っているのですね。この状態だと公営住宅家賃、水道料金、固定資産税、市からいただくお祝い金、ただいまも申し上げましたし、盛岡のお祝い金なんかガタガタと下がっている。これからこの格差というものは下がってくるわけでございますが、その対比表というのがございましたら私に、さきに質問通告しておりますからお示しを願いたい。まず第1回目。

〇佐藤企画振興部長 恐れ入りますが私からは花巻空港関係の新潟便の廃止の関係、それから決算委員会での前部長の答弁に対する認識についてお答え申し上げたいと思います。
 花巻新潟線の路線開設以来の状況を踏まえまして、佐藤委員からこれまで数度にわたり厳しい御指摘をいただいておりますことは承知いたしておりますし、当初の予定といたしました12年度までのパイロット事業期間の利用実態を見ますと約30%程度の利用率にとどまるなど、こういったことからJ-AIRの経営判断により路線の廃止に至ったことは残念ながらやむを得ないと思っております。
 なお、この廃止について記者発表する前に花巻空港利用促進協議会でありますとか、地元花巻を中心に事前にお知らせするところもございましたが、県議全員にお知らせはいたしておりませんでした。おわび申し上げます。それからまた、地元報道機関にも説明を申し上げたところであります。花巻空港全般にわたりまして委員からいろいろこれまで御指摘がありますけれども、今回の新潟便も含めてなんですけれども、航空路線の開設・廃止は最終的には航空会社の判断によりますが、お客、利用者本位の選択が決定権を握りますので、今後におきましても花巻空港の利用促進を高めるために予定便ダイヤの改善はもとより、本年岩手県で開催いたしました宇宙技術と科学の国際シンポジウムや、アジアで初めて開催された地熱会議を通じて高い評価をちょうだいした岩手が有するホスピタリティーの高さと、歴史や文化、自然景観などのセールスポイントを生かしながら、IT情報通信をフルに活用し北東北三県の広域観光ルートの交通拠点として、さらには県民の今後におけるグローバルな活動拠点となるように、花巻空港の機能強化に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
 それから、昨年の、継続することについてでありますが、前段として12年度までのパイロット事業の期間としてという前提で答弁していると認識いたしております。

〇河原畑交通政策課長 まず、会計検査院による地方空港運営調査による花巻空港の赤字についてのお尋ねでございますが、花巻空港の維持管理に係る収支状況につきましては、平成10年度まではおおむね黒字で推移してきたところでございますが、平成11年度は委員御指摘のとおり7、900万円余の赤字となっております。これは平成11年に花巻空港管理条例を改正し、昨年4月から着陸料を3分の2に軽減したことが主な理由となっております。この軽減措置は、国が管理しております地方空港に準じ、利用者負担の軽減及び航空ネットワークの維持拡充を図る観点から、全国的な取り組みの中で本県も対応したものであります。花巻空港管理条例では、この軽減措置の適用は当分の間となっておりますので、今後平成11年度と同額程度の収支状況が続くものと予想されているところでございます。
 次に、検査院の指摘に対する見解及び需要予測の将来の見通しについてのお尋ねでございますが、需要予測に関する会計検査院の検査につきましては、平成11年度における乗降客数の実績値と平成4年度に作成した平成11年度の需要予測値とを比較すると、達成率は74%となっておりまして、達成率では50%から100%未満の5空港の中に位置づけられておりまして、需要予測値を上回ることはできなかったところでございます。実績値と予測値との乖離につきましては、会計検査院も指摘しておりますように、社会情勢の変化により航空需要の将来の伸びが予測どおり伸びなかったこと、これが主な原因と考えております。需要予測につきましては、供用開始時、5年後及び10年後の各時点における乗降客数を予測しているものでございますが、現在実施しております花巻空港整備事業におけるそれぞれの予測値は、82万7、900人、90万3、400人及び96万7、600人となっております。

〇福田市町村課長 県内13市の財政状況についてのお尋ねでございますが、平成11年度の県内13市におきます普通会計決算の見込みにつきまして、平成10年度と比較いたしますと、まず決算規模におきまして歳入が3、748億7、700万円ということで、平成10年度から1.0%減、それから歳出につきましては3、656億1、500万円、10年度に比べまして0.2%減となっておりまして、歳入から歳出を差し引いた形式収支、それから形式収支から翌年度に繰り越すべき財源を差し引きました実質収支につきましては、全市とも黒字となっている状況でございます。
 それから、財政指標の各市平均について見てまいりますと、財政力指数につきましては0.46で、前年度より0.1ポイント下回っております。ただ、ここ数年は横ばい状態にあるというところでございます。それから、財政の弾力性を示します経常収支比率につきましては81.3%ということになっておりまして、前年度より0.7ポイント下回るということで改善が図られている状況でございます。しかし、公債費の負担状況を示します公債費負担比率につきましては16.9%ということで、前年度より0.2ポイント上昇している。それから、地方債現在高につきましても2.7%増ということで年々増加傾向にあるということで、全体として財政の硬直化の傾向が見られるところでございます。
 それから、盛岡市におきまして固定資産税等を本来より多く課税してきたという件についてでございますけれども、この件につきましては市街化区域農地に対する固定資産税の課税の取り扱いについて、地方税法の適用を誤ったという結果生じたものであるというふうに伺っております。県といたしましては、これまでも税務事務研修会などを開催して、市町村における税務行政が適正に行われるよう努めているところでありまして、今後も適正な事務執行が行われるよう適切な助言を行ってまいりたいと、このように考えております。
 それから、3点目といたしまして盛岡市の財政悪化の原因について、職員給与のアンバランスが原因となっているのではないかというお尋ねでございますけれども、委員御指摘の報道によりますと、平成10年度の財政力指数、それから公債費負担比率、経常収支比率の三つの指標を用いてランキングを決定しているところでございます。このうち職員給与等の人件費が影響してくる指標は経常収支比率ということになりますけれども、盛岡市の経常収支比率のうち人件費が占める割合につきましては、県内の市平均が30.4%、全国の都市の平均で言いますと33.4%ということになっております。ということで盛岡市は29.1%となっておりまして、市の平均からは1.3ポイント低い結果になっており、全国平均からは4.3ポイント減という数字となっております。したがいまして、委員御指摘の盛岡市における給与に関する問題点が必ずしも経常収支比率の悪化の大きな原因になっているとは考えておりません。なお、盛岡市がこのランキングで13位に位置づけられているという要因として考えられますのは、クリーンセンターですとか、あるいはインターハイ関連施設である盛岡南公園球技場など、近年、大規模施設についての整備を行いまして、これに係る地方債の償還が始まったということで、公債費が年々増加してきていることによるということで、それが公債費負担比率及び経常収支比率の悪化に影響しているものであると考えております。
 これを受けまして、その後どのように県として指導してきたのかということでございますけれども、県といたしましては、先ほど13市の財政状況を申し上げましたが、非常に厳しい状況を十分に踏まえまして、行政改革の一層の推進による行政経費の節減合理化を図るとともに、税収入の確保、受益者負担の適正化等財源の確保に努める一方、各施策の優先順位につきまして厳しい選択を行って、財源の計画的・重点的な配分に徹し、財源の健全化を図るようあらゆる機会をとらえて助言してきておるところでございます。
 最後に、県内市町村の公営住宅家賃、水道料金等の対比についてというお尋ねでございます。
 まず、公営住宅家賃でございますが、公営住宅の家賃につきましては、公営住宅法等の法令に基づきまして決定されているところでありまして、建築年数、入居者の収入等によりましては家賃に相違が生じるというものでございますけれども、個々の市町村の財政状況に対応して家賃を決定するものとはなっておりません。
 なお、本年11月1日現在における公営住宅を有する59市町村の実態を見てまいりますと、例えば、昭和20年代に建築された住宅の家賃について月額300円というものがございます。それから逆に、収入がかなり高い入居者が入っているということで、その家賃が月額11万5、900円となっているものもございます。このように、一市町村の中におきましても、それから各市町村間におきましてもかなりまちまちな状況となっております。
 これは繰り返しになりますけれども、この違いというのは、あくまで財政力の格差によって生じたものではなく、建築年数、入居者の収入等の状況に応じて法令に基づき算定した結果生じたものと考えております。
 それから、水道料金につきましては、地方公営企業法等の規定に基づきまして、独立採算制を前提として、公正妥当かつ適正な原価を基礎として決定されているところでありまして、これにつきましても、個々の市町村の財政状況に応じて設定するものとはなっておりません。
 なお、平成12年3月31日現在における水道事業、簡易水道事業を実施している59市町村の実態を見てまいりますと、家庭用10立方メートル当たりの料金につきましては、最も低額なもので892円、最も高額なもので2、446円となっております。この違いにつきましては、まず、低額なものにつきましては、地下水を使用しているところで、浄水費が低く抑えられていることに起因するものでございますし、それから、高額なものにつきましては、地理的な条件によりまして施設整備費が高くついたということで、原価が異なることに起因するものでございます。
 それから、固定資産税につきましても地方税法で標準税率1.4%、制限税率2.1%が定められておるところでございまして、財政上の特別な必要があるときは、制限税率を超えない範囲で標準税率を上回る税率を定めることができるとされておるところでございます。
 なお、平成12年4月1日現在におきましては、県内市町村で標準税率を超えた税率を適用している団体は9団体ございます。そのうち1団体が1.45%、残りの8団体については1.5%の税率を適用しているという状況でございます。
 最後に、祝い金の関係でございますけれども、敬老祝い金についてのお尋ねですが、敬老祝い金の支給につきましてはさまざまな形で行われているわけでございますが、一般的には、70歳以上のお年寄りに毎年支給する形態と、それから、米寿といった節目の年に支給する形態の2種類に大きく分かれるところでございます。
 この平成12年度における実態を見ますと、まず、前者の毎年支給する形態の市町村につきましては、支給開始時の敬老祝い金で比較しますと、低い方では、70歳以上から毎年2、000円支給する市町村がございます。それから、高い方におきますと、100歳以上から毎年30万円支給する市町村がございます。それから、もう一つの種類の節目の歳に支給する形態の市町村でございますけれども、まず、低い方について申し上げますと、米寿などの歳に5、000円を支給する市町村が5市町村ございます。それから、高い方では、100歳に100万円支給する市町村、これについても5市町村あるという状況になっております。

〇佐藤正春委員 かなり懇切丁寧だけれども、余りしゃべり過ぎて損する場合もあるからね。
 さて部長、今、花巻-新潟のコミューター便を聞いたんですが、あなたの答弁だと、どうですか、J-AIRが悪いからこれをやめたんだという答弁なんだけれども、そうしますと、かつて2倍の効果があるので今後とも継続していくというのはどうなんですか、継続するんですか。私が尋ねたのにはそのとおり答弁しておいて、今の答弁ではそうではなくて、J-AIRの方がやめたからやめざるを得ないと、さもそっちが悪いんだということだな。それはどういうことなんでしょうか、まずそれを聞きたい。
 それから、花巻空港の拡張については、私は、空港が悪いとは言っていない。かつて競馬場問題でもそうだ。盛岡競馬場の拡張のときにも、こんなに拡張して大丈夫かと申し上げてきた。余り反対する人もいなかったけれども、私は反対してきた。結果的にどうですか、今じゃ、盛岡、水沢に補助金も出せない、交付金も出せない。じゃ、ばくちと同じになってしまったじゃない。ですから注意申し上げている。
 花巻空港もそうなんですよ。今課長が答弁したように、問題は航空会社の方にある、航空会社の方が決めるんだから、それは当たり前でしょう。だから申し上げている。花巻空港の位置から言って、果たして拡張に拡張を続けて大丈夫ですかと。おらほの言葉で言うと、こういうのをどう言うかということになると、我かばねに合ったことやれよと言うんだ。わかる。我かばねに合ったことをやりなさいと。自分の、岩手県なら岩手県の財政、花巻空港のあり方についてやりなさい。会計検査院が言ってるでしょう。新幹線とか近隣の空港、私も何回も申し上げてきたじゃないですか、片や仙台がありますよ、青森がありますよ。中間にある花巻空港は独自のやり方でなければいけないんだ。仙台に遜色ない空港と、どこが遜色ない、遜色だらけでしょう、そう言ってきたわけでございますよ、いいですか。だから私は、我かばねに合ったことをやりなさいと、花巻に合った、岩手県に合ったようなことをおやりになったらどうですかということを口を酸っぱくして申し上げてきたわけでございます。
 会計検査院の指摘によると、旅客実数が需要予測を下回る見通し9空港のうち、花巻空港は2位ですよ。いいですか。会計検査院の指摘によると、実績が需要予測を下回る見通し9空港のうち、花巻空港は2位。予測人員75万人に対して実績は53万人、71%。会計検査院より私の方が先に言っているんだから、指摘しているんですよ。どうですか。こういう意味において、花巻空港をもうそろそろ思い切って見直すところに来ているのではないですか。
 そのことと、今申し上げたコミューター便について、今部長から謝罪はあった、小さい声で。はっきり、私の言うのは間違っていました、見通しが狂ったんですと言ったらいいじゃないですか。議場で言うときには強気に言っていて、今度は、失敗したときばかり、おれが悪いのではない、J-AIRが悪いなんていう答弁はないでしょう。もう一回、はっきり私は聞きたい。
 次に、市町村財政についてでございますが、今、課長からお話ございまして、県内の各自治体の格差をお聞きしました。そうしますと、住みやすく待遇のよい町が限定してくるわけです。そうしますと、最初から、横綱から序の口まで大体差がついてしまう。おっしゃるとおり、住宅、水道、固定資産税、法令に基づいてやるということになると、知事もよく言われるじゃないですか、まちづくりは市町村長の腕比べだと。腕比べも何も、何もできないじゃないですか。どういう意味で腕比べなんですか。どういう指導をして市町村に競争させて、自治体の実績を上げていくんですか。そこのところひとつ、県としての指導を伺いたい。
 盛岡などは、私から言わせると、私の盛岡出身の同僚議員に悪いけれども、公的な施設はほとんど県におんぶですよ。自分のところのは余りない。大きなものは全部県のを使っているんだから。そうしてけちけちして、同じ盛岡に住む県職員と市の職員では格差が相当ある、そういうような状態です。ですから、実際にまちづくりというのはあなたの方ではどういうふうに指導しているのか、特別な妙薬があったらひとつお教え願いたい。

〇佐藤企画振興部長 新潟便につきましては、スタートする前の需要予測が、言うなれば甘かったと言われるとそのとおりだと思います。ただ、背景から言うと、新潟便ばかりじゃなくて、平成9年度以降、経済状況が大変悪いということもございますが、縦の人の移動はそんなに減っていないんです。やっぱり私どもとしては、これからいろいろな交流連携を深めていく上で、いろいろな航空路線があった方が望ましいということで、一応実験運航、パイロット事業に乗っかったわけです。しかし、見通しが甘くて採算割れしてしまった、3割しか乗らないということで、一応、協議会を通して負担金をやったわけですが、会社としては、もうこれ以上やれないという判断が出て、やむを得ず仕方がないと同意したわけでございます。
 それから、今の拡張整備、過大投資ではないかという厳しい御指摘であります。岩手の空の玄関として、委員から過大投資でなくてよかったなと言われるように、一丸となって頑張っていきたいと思います。

〇福田市町村課長 まちづくりは市町村長の腕比べだということの意味について、それから、今後どのように指導していくつもりなのかということについてのお尋ねでございますけれども、まず、前段につきましては、今後、地方分権の推進に伴いまして、市町村が自己決定・自己責任の原則のもとに、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担っていくという傾向がますます強まるとともに、それぞれの地域で個性豊かな地域社会を、それぞれの創意工夫を生かして構築していかなければならないという必要に迫られていくというところでございます。
 こういう中で、自主的、自立的な行財政運営を行っていくためには、行政体制の整備とか、財政基盤の強化が極めて重要であると考えておりますところから、市町村に対しましては、先ほどの繰り返しになりますけれども、歳入歳出両面にわたる改善によりまして財政の健全化が図られるよう、さまざまな面から助言を行っていきたいと考えております。
 また、これに加えまして、県といたしましては、交通・情報ネットワークの形成、医療・保健・福祉機能の充実強化、多彩な地域資源を生かした産業興しなど、地域の発展を妨げております壁を克服する施策を積極的に展開する。そのほか、市町村総合補助金、地域活性化事業調整費、あるいは過疎債、辺地債、こういったものの活用によって、自主的で特色ある地域づくりを支援していく。それから、財源調整機能を果たしております地方交付税の安定的確保につきまして、今後とも国に働きかけていく。こういったことに取り組みながら、個性や特性を生かした地域づくりを進めていくための条件整備を図っていきたいと考えております。

〇及川敦委員 1点お尋ねします。
 2款2項2目盛岡西口地区の県有地の複合ビルの整備についてでありますけれども、平成11年度につきましては、調査事業として619万9、000円ついております。11年度に中間発表があって、アンケート、そして計画ということで進んできているわけでありますけれども、当時、いろいろ県民アンケート実施ということで、パブリックコメントのはしりみたいな形になったのかなと私は認識しておったんですが、あのときに、一体どのような県民の要望が西口の複合ビルに対して出されたのか、まずお知らせいただきたいと思います。
 恐らく、来年度が実施設計ということになっていこうかと思うんですけれども、その県民の声というものは反映されたのかどうか、されたとすればどういったものがあったのか、その点についてもお知らせいただきたいと思います。

〇菊池地域政策課長 西口複合施設の基本計画をこの1月に策定いたしまして、これをもとに、基本計画の内容につきまして県民の意向調査を実施しております。その際、無作為抽出ということで県民2、500人に対するアンケート調査を実施しておりますし、それから、県の広報紙、いわてグラフというのがございますが、これの各戸配布用にも入れて、意見も聴取するというようなことをやっております。
 その中で、全体としてのアンケート調査の結果ですけれども、計画自体の評価につきましては、回答いただいた方のうち、これでよい、あるいはおおむねよいという方が61%になっております。それから、整備スケジュールにつきましても、計画より早く進めてほしいですとか、計画どおり進めてほしいとするものが71%という状況になっております。
 それから、主なものということでございますが、県民に有効に、かつ利用されるようなオープンな施設としてほしいといった声ですとか、あるいは、何らかのハンディを持った方々の意見も取り入れてほしいというもの、それから、複合施設なものですから、施設の配置をわかりやすいようにしてほしい、こういったようなものとかが出ております。
 個別のこれからの反映ということでございますけれども、意見につきましては、多機能型の複合施設ということで、庁内でも14課が該当しておりまして、それぞれの立場でアンケートの意見につきましてそれぞれが検討しながら反映していく、これからの作業と考えております。ことし基本設計をやっておりますので、例えば、すべての人に優しいバリアフリーを採用するとか、基本設計段階で取り入れられるものは取り入れていきたいと思っておりますし、今後、実施設計あるいは施設の管理運営の段階、その段階ごとに、それぞれ反映できるものについては可能な限り反映していきたいと考えております。

〇及川敦委員 御答弁ありがとうございました。
 今、県民からの声、いろいろなものがあったということを御開示いただきましたけれども、ぜひ、この結果に基づいてお願いしたいことが一つございます。それは、大体の基本機能というのは今後おおむね変わらないのだろうと思っておりますけれども、正直申し上げて、西口の開発というのは歩みが非常に厳しい状況かなという認識を私持っております。
 特に、公有地が売却されずに、町並み・まちづくり事業が少し膠着ぎみかと思っておりまして、西口の複合ビルができることによって、民間に対してもいろいろなメッセージが伝わっていくことでまちづくりが進んでいくものだろうと思っております。来年度に向かって実施設計する中で、県民の皆様にこの機能をもう少し周知徹底させる中で、町並み・まちづくり事業が進むことを期待しておるわけでございますが、その点について、最後にコメントいただければと思います。

〇菊池地域政策課長 今、基本設計の段階でも考えておりますけれども、いずれにしましても、県民の方々に多数御利用いただくというのが基本でございますので、今、基本設計の中でも、単にそれぞれの施設を整備することだけではなくて、その施設自体が、例えばバリアフリーの話もありますし、環境に優しい、あるいは自然採光とか自然エネルギーを使うとかいったような先駆的なものにもなりながら、県民の方々が気軽に立ち寄れるような施設になるように、十分配慮しながら行きたいと思っています。そういうことで、各機能につきましてもこれから基本設計の中で詰めていきますが、県民の方々に周知徹底が図れるよう努めていきたいと考えております。

〇佐藤企画振興部長 ちょっと補足したいと思います。
 まちづくりに当たって、あの周辺一帯を調和のとれたものにしなければなりませんので、特に、駐車場の整備を市がやりますし、周辺の利用についても、西口・マリオスとの調和のとれた形でデザインを誘導してもらうように、市と十分連携をとりながら進めていきたいと思います。

〇谷藤裕明委員 先ほどは、大先輩の佐藤正春委員の方から、大変盛岡市を心配していただきまして、しっかりやれというようなことでございました。
 東北新幹線がいよいよ八戸までに向かって着々と進んできているわけですけれども、新幹線が北に延びていく、それはまた一つの喜びではありますが、反面、盛岡とすれば非常に危機感を持っている部分も実はあります。先ほど及川委員が質問したように、駅西口の開発についても、企業局会館の失敗策から始まって、なかなかうまくいかないで時間が経過していったわけです。そういう中で、やはり先導的な役割を本当は県がもっと積極的に果たしてほしかったという部分も今思っていますけれども、いずれ、新幹線が北まで延びていく中で、それぞれ地域の課題はありますでしょうが、拠点都市と言われる盛岡への影響というものをどのように見ておられるか、そしてまた、それに対してどういうように対策を組んでいくべきだと考えているか、その辺をお聞かせいただきたい。

〇佐藤企画振興部長 最近も新聞に出ているわけですけれども、整備新幹線の財源確保をどうするかというような議論がありますし、いまだに都市圏と地方における公共投資の配分の議論がされたりして、大変厳しい状況なわけですが、やはり、21世紀を展望して、世界的な見地から改めて盛岡というものを再確認しますと、宮沢賢治ゆかりの地でありましたり、あるいは、IT革命に寄与された西澤学長をトップとした県立大学が頑張っているとかいうような国内外に通ずる魅力のある顔づくりと申しますか、そういったことを高めていくことによって、北東北の拠点としての盛岡というものの位置づけが揺らぐことがないようにしなければならないと思っているところであります。
 なお、利用者の動向については、やはり北東北連携して今誘客に努めていますので、これまでよりも、盛岡経由で青森に行ったり、秋田に行ったりという、これは開業を前に大々的なキャンペーンも予定しております。そういったことで、盛岡の乗降客もふえてもらいたいし、それから以北の利用者もふえてもらいたいというような見地からの観光宣伝をやっていきたいと思っております。

〇谷藤裕明委員 いずれ、やはり新幹線が八戸まで行く段階で、どうしても、JRにしても、営業戦略上、運賃を稼ぐにはできるだけ遠くに乗っていってもらった方がいいわけですから、終着駅近辺を含めて、遠い地域を徹底的にPRしていくだろうと思います。そこの中で、盛岡も停車はします。そのときにどれだけ魅力ある町にしていくか、都市間競争の中で勝ち抜いていけるか、魅力あるものにつくり上げていくかというのが、もう差し迫った課題になる。もちろん、地元盛岡市としても相当頑張らなければならない、民間は民間としての立場で頑張っていかなければならないだろうと思いますが、やはり今後とも、県の立場からも、県都盛岡の果たしている役割は非常に大きいという私なりの認識を持っていますから、それに対しての対応をよろしくお願いしたいと思います。
 それから、今、北3県の観光の部分についても連携というものが非常に有効だろうというお話が出ましたけれども、知事が北東北の知事サミットというのを今展開されているわけですが、恐らく企画調整課が窓口になって、横断的に各部署のところを調整しながらこの3県の会議をやっているだろうと思います。そこの中で、11年度の場合、それぞれの部署でどういう事業をやってきたのかということ、それから、それをどう評価されているか、それとまた、経費の持ち方は、開催県がそれぞれ移動して持ち回りでやっているかもしれませんが、どういう形での経費負担をこの知事サミットの場合になされてきているのか。
 それから、特に3県で共同でやった場合がいい事業と、我が県単独でやった方がよかったなと思うような部分。それから、サミットですから、3県で決まればその方向に向かってやるのでしょうけれども、みんなが同じ方向を向いていけばいいでしょうが、それぞれの県で計画の順位というか、いろいろな事業があるだろうと思います。これらの整合性をとりながら進めていかなければならないと思いますが、3県集まって、2県はこの方向で行こう、我が県はそれはランク的に下の事業として考えるといった場合に、みんな同じであればいいでしょうけれども、それぞれの県の置かれている事情というものがあるでしょうが、そういう中で調整というものはどういうふうにやりながら進めてきているのか、その辺についてもお聞かせいただければと思います。

〇佐藤企画振興部長 3県の連携でありますけれども、知事の言葉をお伝えしますと、やっぱり機能分担だと。それぞれの役割分担を明確にしながら、補い合いながらやっていこうではないかというような言い方でございます。ですから、誘客キャンペーンなんかは、出し・出しでやれば大がかりな宣伝活動ができますし、それから、やはり観光需要でも非常に多様化しておりますので、そういった点で、こだわりとか本物志向とかいう観光客に対しては、やはりターゲットを絞った形でやった方が効果的なケースもまたあるわけです。そういったことで、何を訴えていくかというものをそれぞれに考えながら、より効果的な取り組みの仕方を探っていく必要があろうと思っております。
 あとのことは、企画調整課長に答弁させます。

〇阿部企画調整課長 北東北知事サミットにつきましてお答え申し上げます。
 まず、第1点目は、これまで検討されてきた内容、特に11年度というお話でございました。これまで4回ほど開催されておりまして、11年度を含めて申し上げますと、9年度の第1回目が観光でございます。北東北観光の魅力づくり、あるいは3県合同の観光の情報発信。それから、2回目が、本県で行われました、環境をテーマといたしまして、環境教育、ゼロエミッション型社会の構築。11年度、去年は秋田県でございますが、これは情報と産業をテーマにいたしまして、情報化による地域産業の活性化、それから情報と人づくり。それから、本年は青森県で、食料と子どもをテーマにいたしましてやってございます。
 これに対しましての評価の部分でございますが、やはり評価と言った場合に、検討された事項がどう具現化されたのか、どう効果が出たのか、その辺のことだと思います。まず、観光の部分につきましては、これは従来から北東北観光でいろいろなキャンペーンをやっておりますけれども、これを契機としまして、特に冬場の観光のキャンペーンを張ってございます。それからもう一つは、いろいろと今期から出ておりますが、福岡に3県で合同の情報発信の基地を設けたということでございます。
 それから、環境の関係でございますが、これにつきましては、去年、ことしと子ども環境サミットを開いております。あとは、3県で環境に係る行動率先指針というのをつくりまして、ISOの取得でありますとか、グリーン購入といったものを行政が積極的にやっていこうという指針をつくって取り組んでいるところでございます。
 それから、11年度にやりました情報の関係でございますが、現在3県でインターネット上にホームページを設けまして、世界じゅうに3県の情報を出していこうという形で、これは13年度にやるということで現在準備を進めてございます。
 それから、第4回サミットは食料と子どもでありましたが、現在、3県で具体的なものに対して話し合いを進めておりまして、3県の食料の情報発信、PRですとか、食料フォーラムとかをやって、北3県の食料を出していく。あるいは、子供を育てるという意味で、自然体感、あるいは文化・芸術、体育活動、そういったものをどうつくっていこうかということで今検討しております。今申し上げました具現化に向けているところ、ここは一つの評価と見てございます。
 それからもう一つ、評価の面では、このサミットを契機といたしまして、民間の動きが出てございます。北東北3県のNPO、民間、そういったところが、従来から活動がございましたけれども、新たに北東北広域連携構想推進協議会といったものをつくりまして、いろいろな形でここが中心的に活動を行っているといったことでございます。そういった形で、サミットの開催は一定の成果を上げていると考えてございます。
 それから、次の御質問でございますが、サミット開催の経費負担でございます。サミットは3県持ち回りでやってございまして、開催県が経費を負担しているという形になってございます。
 それから、次のいわゆる検討案件についての各県での調整、整合、いろいろ競合が出てくるのではないかというお話でございますが、基本的に、まず、これは開催県がテーマを設定するということでございます。つまり、3県の広域的な課題、あるいは3県で共同してやった方が効果が上がるといったテーマを開催県が設定いたしまして、それにつきまして3県で、どういう中身にしようか、どういうふうにやろうかといったところを検討して進めているものでございます。かつ、実施段階につきましても、お互いに調整をしながら図っているところでございます。当然、議論の中で、3県でございますのでいろいろと合わない場合があるわけでございますが、そこは、基本的には3県一緒にやるという形のところで進めてございます。

〇谷藤裕明委員 今聞いているところでは、大方いい方向でやっているというような感じに受け取りました。いずれ、それぞれの県が抱えている課題というのが全部イコールではないでしょうから、いろいろ温度差はあると思いますが、どういうテーマをやっていこうかということで、開催県が主導権を持ってやるのでしょうが、岩手でやる場合にしても、どういうことをテーマにしてやっていこうかというのが、議会とか、我々とすると全然わからないところでどんどん進んで、マスコミを通じて、いきなりぼかんぼかんと見えるんです。そういうのはやっぱり、議会とか県民の皆さんが、どういうところを知事サミットの中で取り上げて、それらをやってもらいたいという意見を聞くような場面がないような気がするんです。いきなりぼんと見えてくるという形に受けとめられるんですが、やはりそこは、企画調整課がリーダーシップをとって、もう少し積極的に、どういうものを今度のテーマに持っていくのがいいのかとかも含めて、そういう意見を聴取するようなものを考えていく必要があるのではないかと思いますけれども、部長、どうでしょうか。

〇佐藤企画振興部長 ただいまの御意見を十分拝聴しまして、情報提供不足だという御指摘だと思って、これからの対応を考えてまいりたいと思います。

〇伊沢昌弘委員 1点だけお伺いしたいと思います。
 計画調査費の中に地熱熱水の有効利用促進の費用額が1億1、000万円ほど計上されています。これに関連してお伺いしたいわけであります。
 11年度は西暦2000年世界地熱会議開催に向けて大変忙しい準備をされてきたのではないかと思われます。地熱熱水有効利用促進費の中で、先ほど部長の方から説明の中で触れられていたわけでありますけれども、これらを供給する際の運営費を含めて対応しているのだということであったわけですが、現状はどのようになっているのかということでまずお伺いしたいと思います。利用の状況、費用負担も含めて、どの程度の施設を使って、料金も取っていると思うんですが、そういった部分がもしわかれば教えていただきたいと思っています。
 また、先ほど申し上げましたが、ことし開催された西暦2000年世界地熱会議の中で、熱水利用、これは熱水だけではなくて、発電も含めていろいろあったと思うんですが、この会議をどのように評価されているのか。大変高い評価があるということで先ほどお話もあったわけですけれども、若干詳しくお願いしたいと思っています。
 また、先ほどの地熱熱水利用のことについてですけれども、前に、大変費用がかかるし大変なんですよと。県の中でもお金がかかるということで苦労されている話を前に聞いたことがあるんですが、2000年のこの地熱会議までは何としても岩手県で頑張っていかなければならないということで、担当の方が奮闘していたと、私数年前にお伺いしていたことがあったわけです。とすれば、この利用も含めて、施設も、熱交換機なり、使っていく水の確保なり、いろいろな分野、人問題もあるということも含めて大変な時期に来ているのではないかと。今後、いわば今使うことがなくても、ペイしない場合でも、将来的には地熱の利用というのは大きな意味で必ずや新しいエネルギーの中でクリーンエネルギーが必要になってくると思われるわけですが、部として、これまでの経過、経験なりを踏まえて、今後どのように進めていこうとしているのか、基本的なところで結構ですのでお示しいただきたいと思います。

〇佐藤企画振興部長 私からは、今後の地熱熱水利用の基本的な方向について、特に世界地熱会議の評価と、それを契機としたことについてお話ししたいと思います。
 御案内のように、6月に本県で開催されました世界地熱会議は、アジアで初めての開催ですし、大分県との激しい誘致合戦の末に、双方がともに譲らず、両地域で共同開催ということになったものであります。会場地2カ所でそれぞれ特色を出して変化に富んだ大会となりまして、参加国は61カ国、延べ参加人数1、870人という史上最大の大会になったそうであります。
 特にも、後半の開催となりました盛岡会場では、地熱は豊富で再生可能、かつクリーンな資源であり、地球と融和した社会の持続的発展に欠くべからざるものであるとの趣旨を閉会式におきまして岩手宣言として世界に発信するとともに、次の開催国トルコのエルスメル副首相の演説も行われるなど、盛況のうちに終わったところでございます。
 大会を通じて、ボランティアの活躍もありまして、本県の自然、人情、大会運営は参加者から大変高い評価を受けまして、一緒に参加された同伴家族からも、盛岡の文化行事が一番よかったというような感想も聞かれるなど、本県の国際的なイメージアップにも効果があったと評価しております。
 本県は、この会議の成果も踏まえ、我が国の地熱利用のトップランナーを目指しまして、今積極的に取り組んでいるところであります。現在の取り組み状況について申し述べますと、本県3番目の地熱発電所を目指して、安比地域で実用化に向けた調査に入っております。それから、地中熱利用ヒートポンプの利用におきまして、これは日本の先進事例となるものでありますけれども、仮称ですが、岩手県環境保健センターの冷房、それから床暖房システムに利用すべく、11月に着工いたしております。
 それから、本県企業と協調しながら、産学官の推進組織である地中熱利用ヒートポンプ協会も発足いたしまして、本県もこれに参画いたしております。今後の住宅普及に向けた取り組みが進むだろうと思っております。
 それから、もう一つは、葛根田の熱水造成施設を研究フィールドに、超電導技術等を応用いたしまして、熱水から砒素を取り除けないか。砒素を取り除くことによって、熱水の直接利用が可能になってくるわけですけれども、その研究も13年度から実施できるように、新エネルギー産業技術総合開発機構(NEDO)と協議中であります。
 今後とも、世界地熱会議の開催を通じて得られました人的ネットワークを活用しながら、地熱熱水利用の拡大に努めてまいりたいと考えております。

〇小沢資源エネルギー課長 熱水施設利用の現状でございますけれども、現時点では、一つは温水プールに使っておりますし、さらに、玄武温泉地区、民家とホテル、旅館等に使用されております。そのほか、ホテル等、農業ハウス8棟、小学校にも冬期間のみでございますけれども、使用されているところでございます。
 今後におきましては、掘り起こしを図るべく、地元と協議をしながら進めてまいりたいと考えております。特に、農業利用を中心といたしまして熱水需要の拡大を図るものと考えております。

〇伊沢昌弘委員 大変力強いお話をいただきました。私、現状を見ていけば、温水プールの問題も含めてあったわけですけれども、実証のために使ってきたものが先細りするのではないかと実は心配している部分がありました。かなりの投資がかかっていくだろうと思うんですけれども、ぜひ、ヒートポンプも含めて、将来に向けての大変有効な課題だと思いますので、これまでのノウハウが生かされるよう頑張っていただきたいと思います。

〇斉藤信委員 私、二つありますので、ちょっと分けて聞かせていただきます。最初は、在来線問題についてであります。
 運輸省がJR貨物に10億円の助成を行う方向が新聞報道されました。県としては、JR貨物の利用量の負担のルールをどう考えているのか、この間の交渉内容の現状はどうか、示せる範囲で示していただきたい。
 経営計画概要では、運賃水準は、三陸鉄道並みとした場合、普通運賃で1.59倍、通勤・通学定期は2.28倍となっています。特に定期については、私は、とても2倍以上では、これは知事の公約に反するのではないか、この点での負担軽減策が必要になると思いますが、いかがでしょうか。第三セクターの職員の募集、訓練、配置の見通し、スケジュールもちょっと出ていますけれども、立ち入ってお聞きします。

〇中村並行在来線対策室長 まず、JR貨物に対する支援のあり方につきまして、政府・与党整備新幹線検討委員会のワーキンググループという組織があるわけでございますが、そこで内々と言いますか、非公式な検討がなされていると聞いておりまして、その検討の中で運輸省が、ただいま委員からお話のありました報道につながるような提案といいますか、これをしたと聞いているわけでございます。
 ただ、運輸省から正式に、こういう案で岩手県どうだと話が来たものではございませんで、この報道の内容は、本県の貨物使用料ではなくて、JR貨物が支払うべき線路の使用料に対する財源措置を国が提案したものだと理解しております。
 それはそれといたしまして、本県におきましては、現在、運輸省、JR貨物との間で専用線路使用料につきまして、現在のアボイダブルコストルールにかわる新しいルールづくり、適正対価を支払っていただくための新しい経費負担ルールを協議しているわけでございます。協議の進捗状況でございますけれども、最近、盛岡以北の並行在来線は、今までのアボイダブルコストルールだけでは対応していけないのではないかという認識が運輸省の方にも生まれてきたと、本県の考え方を御理解いただけるような感じになってきたと感じてはおります。ただ、双方の認識にはまだまだ基本的な部分で違いもあるわけでございまして、残念ながら、まだ合意をするという段階には至っておりません。
 したがいまして、今後とも国の動向も注視しながら、JR貨物から適正な対価が得られますように、これからも引き続き協議を重ねてまいりたいと考えてございます。
 次に、並行在来線の運賃についてでございます。特に、定期運賃でございますけれども、これは経営計画概要でお示しいたしましたが、試算によりますと、いずれも現行の運賃水準の、定期については2倍を超えてしまうという形になってございます。これは、普通運賃が上がるという要因のほかに、定期の割引率が、今JRは非常に高い割引率を使っておりますが、三セクはなかなかそこまで大きな割引率を出せないという、言うなれば、相乗効果で悪い方に相乗になるという結果なわけでございます。
 私ども、この並行在来線運営会社の安定した経営を図る、それで将来にわたって鉄路を維持していくということを考えた場合に、ある程度の値上げはやむを得ないと考えているわけですが、御指摘のように、2倍を超えるというのは幾ら何でもちょっと、一気に2倍を超えるというのはアップ率として高過ぎるのではないかとも考えてございます。
 さらに、この計画概要について住民説明会を現在沿線市町村で開催中なわけでございますが、やはり定期運賃の負担増の緩和を求める声は住民の方からも多数いただいておるわけでございます。こういう意見も十分考慮いたしまして、最終的には、運賃は会社が運輸大臣の許可を得て決めるという制度になっているものではございますけれども、今後とも、経費の節減とか、運賃以外の収入増ということで、値上げの幅を縮小する検討をしていきたい。
 それから、県と沿線市町村で造成を今検討課題としております経営安定化のための基金の設置がございますが、この基金の活用等を通じまして、定期運賃の倍率が一気に大幅になるということになりませんように、負担の軽減化を考えていきたいと思っております。
 もう一つでございますが、第三セクターの社員の募集等でございます。この第三セクターは、東北新幹線が八戸まで開業したその日にJRから引き継いで運行するわけですが、前の日までJRが直接運行しているものを引き継ぐ関係がございますものですから、どういたしましても、円滑な移行をするためには、開業時点においては大半の職員をJRからそのまま引き継がざるを得ないと考えているものでございます。
 それはそれでございますけれども、第三セクターの会社として、やはり独自の運営を行っていくことも必要でございますので、平成14年度の初めには、大体10人ぐらいのプロパー社員を新規に採用いたしまして、その後、研修、実地訓練等を行いまして、それぞれの職種に配置するというふうにしたいと考えているものでございます。
 それから、これは開業前でございますが、開業後におきましても、数名ずつになると思いますけれども、毎年定期的にプロパー社員を採用いたしまして、JR東日本からの出向社員を順次切りかえていく形にしていきたいと考えているものでございます。

〇阿部敏雄副委員長 質疑の途中ですが、この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
   午後2時57分 休 憩
   午後3時14分 再 開

〇佐々木大和委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 本日の会議は午後5時を目途に進行する予定としておりますが、ただいまのところ相当オーバーするペースで進んでおります。この際、進行に御協力を願うため質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。

〇斉藤信委員 簡潔に聞くので答弁も簡潔明瞭にひとつお願いします。
 次に、県の広域行政推進指針についてお聞きをします。
 これは調査研究委員会の報告を受けて指針を発表したわけですが、指針の性格は何か。要綱としなかった理由は何でしょうか。政府の行政改革大綱との関連はどうなるのでしょうか。県の広報を見るとワンパターンのような気がします。自治省の受け売りそのままではないか。中身に説得力が欠けます。具体的にちょっと指摘しますと、広域合併のメリットは本当にメリットになっているのか。私は3月の県議会でこのことを指摘しましたが、そういう立ち入った中身がありません。例えば、合併をすると福祉サービスが安定的に供給されると言っていますが、盛岡市の場合、福祉水準が立ちおくれたというのが実態であります。重点的な整備ができると、これはそのとおりでありますが、逆に時代おくれの公共事業拡大と財政危機につながっているというのが盛岡の実態です。合併後5年間で盛岡市の借金は2倍にふえました。先ほど発言もありましたから説明ないと思いますが、合併によるまちづくり、これも大型店の出店の条件をつくるという形にならないか。デメリットの問題については実は岩手県がつくったこれには全く触れられていません。4月発行です。片手落ちです。デメリットについて自治省は住民の声が届かなくなるということについて、いやいや、地域審議会をつくるからいいのだと、私は絶対そうならないと思います。例えば、議員の大幅な減少でありますけれども、盛岡市、そして矢巾町、滝沢村が合併した場合に議員は42名減少するんですね。盛岡市と都南村の合併の際、都南地区の議員というのは20名から今6名に激減をしています。住民とのパイプが本当に細くなったというのが実態であります。地域固有の文化伝統が失われてしまうというのも全くそのとおりで、市役所、役場が遠くなるというのも全くそのとおり。盛岡市の場合、最初は8課体制で総合支所がスターとしましたけれども、今、課は一つもありません。総合支所の役割は全く果たしていません。ですから、そういう点で私はこのパンフレット、各地方振興局も出していますけれども、デメリットについて書いていない県のパンフレットと、書いているけれどもこういう改善をしますよというのは検証のない中身だと、そういう点をどう考えているかお聞きをします。
 盛岡市、都南村の合併で経常経費、職員定数の減少は実際どうなったのでしょうか。北上市の場合はどうだったのでしょうか。盛岡市、矢巾町、紫波町の合併案では具体的にこの点は試算をされているのでしょうか。私はあくまでも広域行政、市町村合併というのは住民自身の討論と選択にゆだね、国や県から押しつけるようなことがあってはならないと思いますけれどもいかがでしょうか。

〇福田市町村課長 簡潔に答えさせていただきます。岩手県広域行政推進指針についてのお尋ねでございますが、この指針は地方分権の推進、少子・高齢化や情報化等の社会経済情勢の変化、それから市町村を取り巻く昨今の厳しい行財政環境を踏まえまして、高度化、多様化する住民ニーズに的確に対応して、県民一人一人が真に豊かさを実感できる地域社会を主体的に築いていくためには、まさに市町村合併を含む広域行政の推進について検討することが時代の要請であることを踏まえまして、それぞれの地域で議論していただくための、いわばたたき台となることを期待して策定して公表したものでございます。本県におきましては、これからまさに市町村合併を含む広域行政推進に向けた議論を各地で進めていただきたいということで、その一つの方向性を示すという趣旨から要綱という文言でなく物事の進め方、それから手引という意味であります指針という文言が適当というふうに考えて指針としたものでございます。
 それから、政府の行政改革大綱との関連ということでございます。12月1日に閣議決定されたものでございますけれも、自治省におきましては、この行革大綱、それから各都道府県におきます市町村の合併の推進についての要綱の策定状況を踏まえて、要綱策定後の都道府県における合併推進についての具体的な取り組み方針についての新たな市町村合併の推進についての指針を作成すると、それで都道府県に通知するというふうにしておりますので、県といたしましてはこの通知される内容等を踏まえまして今後検討すべきものであると考えております。
 それから、この広域行政推進指針の中で市町村合併に伴うメリット、デメリットについて示しておるわけですけれども、これについてはあくまで一般的に考えられるものを示したということと、それから県が客観的なデータとして示せるものについて極力提示したというものでございます。今後さらにその個別具体的なメリット、デメリット、個別具体的な事項につきましては、まさにそれぞれの地域において議論を深めていただきたいと考えているところでございます。
 なお、この指針を受けまして、例えば盛岡市、矢巾町、それから滝沢村においては、このメリット、デメリット等について検討し、さらに詳しい住民等にわかりやすい資料を作成しようという動きが見られるようになっているところでございます。
 それから、盛岡市、都南村の合併、それから北上市の合併の関係で経常経費、職員定数の減少の状況はどうなったかということでございます。まず、盛岡市、都南村の合併についててでございますけれども、歳出に占めます経常的経費の割合は、合併後の平成4年度から平成8年度までは合併前の比率を下回る水準で推移しております。その後、平成9年度、平成10年度におきましては、先ほどの答弁でもお話ししましたクリーンセンターとか、あるいはキャラホールといった大規模施設を建設したということに伴って、ややふえているという状況でございます。それから、職員数の関係でございますけれども、公営企業等の職員を除く職員数については、合併前よりも若干の増となっておりますけれども、これは新たな行政需要の増大に伴いまして専門的な職員を充実させたということによるものでございます。なお、経常的経費に占めます人件費の割合については減少しているというところでございます。それから、北上市の合併の関係でございますけれども、歳出に占める経常的経費の割合については若干増となっております。これはみちのく民俗館ですとか、あるいは詩歌文学館といった施設建設に伴って若干増になっているという状況だと思います。それから、職員数についてでございますけれども、北上市については合併前よりも減少しているというところでございます。
 それから最後に、盛岡市、矢巾町、紫波町の合併について試算をしているのかということでございますけれども、この指針におきましてはこのパターンは提示しておりませんので、試算は今の段階ではしておりませんけれども、この組み合わせについても試算することは可能でございます。

〇斉藤信委員 これで終わりますけれども、今の答弁にもあるように、大体県の広報、パンフレットにデメリットを書いてないなんて片手落ちですよ。もう一つは、今、盛岡市のデータが出ましたけれども、結局合併して職員がふえた、大型開発はどんどん進んで借金は2倍にふえて福祉が後退したと、これが実情なんですよ。だから、一般論からこれからはもう各論になるわけだから、ひとつ説得力のある、住民が議論できる材料をきちんと惑わさずにやるように指摘をして終わります。

〇小野寺好委員 2点お伺いいたします。
 決算書によりますと鉄道、バス、こういった公共交通機関に対しまして巨費を投じているわけでありますが、議会事務局発行の資料によりますと、ずっと鉄道旅客乗車人数及びバスの輸送人数、毎年どんどん減っていっています。県の人口が減っているわけではありませんので、恐らくマイカーに移っていっているのかなと、その辺ちょっとどのようにとらえているのか。また、三鉄あるいは今度の並行在来線、その利用者数はやっぱり歯どめがきかない状態で減り続けていくのではないかと、そういうふうに懸念しますが、その辺どのようにとらえているかお伺いしたいと思います。
 並行在来線の関係なんですけれども、単線非電化ということは全く考えなかったのか。JR貨物は別な方を通ってくださいということですね。そういったことにすれば運賃は非常に軽く済むのではないかと思いますが、そういった点、全く考慮なかったのかどうかお伺いしたいと思います。
 もう一点ですけれども、きのうの総括質疑で省略したのですが、雪のエネルギー、岩手県はまず豪雪という地域になっているわけですが、水を氷にあるいは氷を水にという状態変化の場合に熱交換があるわけですが、例えば氷1グラムを水にする場合に79カロリーの熱を奪うと、これでいきますと1トンの氷を零度の水にするのに約8万キロカロリー、これだけの熱を奪うと。きょうもかなり雪が降っていますけれども、この岩手県にたくさん降り注いでいるこの雪をエネルギー源として、例えば資源エネルギー課とか情報科学課、こういったところでエネルギー源として何か考えているようなことはないか、これについてお伺いしたいと思います。

〇河原畑交通政策課長 公共交通機関の利用についてのお尋ねでございます。
 公共交通機関の利用者の推移についてでございますけれども、昭和50年度と平成10年度を比較いたしますと、鉄道は約25%の減少、それからバスについては約6割の減少となっておりまして、減少傾向にあるところでございます。この要因としては、委員御指摘のとおりマイカーの普及というのが大きな原因の一つと考えるところでございまして、三鉄について見ますと昭和59年4月1日に開業しまして以来、地域住民のマイレール意識、それから会社の経営努力によりまして、平成5年度までは10年連続で経常黒字を達成いたしましたが、マイカー利用の増加、少子化による通学客の減少、景気低迷による観光客や地元用務客の減少、沿線地域人口の減少などの影響を受けまして、平成6年度以降は6年連続で経常赤字を計上するということで、厳しい経営状況にあるところでございます。平成11年度で見ますと利用者数は過去最低の143万8、000人と、開業した昭和59年度の約半分近くまで落ち込んでおりまして、旅客運輸収入も対前年比で94.5%という水準になっています。このような厳しい経営環境の中にありますけれども、経常収支で見ますと、業務の見直し、効率化といった経費節減など、会社の経営努力などの結果によりまして赤字額は前年よりも少なくとどめておりまして、平成6年度以来の赤字としては一番少ない額となっております。いずれ岩手県では都市部、地方部ともいろいろな交通問題に対する課題を抱えておりまして、公共交通機関の活用が重要と考えておりますので、地域の実情に応じまして関係市町村、それから交通事業者などと連携を図って公共交通機関の利便性の向上に努め、その利用促進を図ってまいりたいと考えております。

〇中村並行在来線対策室長 まず、並行在来線の経営計画でございますが、これにおきましては利用者数の予測といたしまして、今の駅から半径2キロメートル以内に住む沿線の駅勢圏人口というものをはじいてございまして、これは盛岡都市圏では増加するであろうと、しかしながら玉山村以北では減少していくだろうと、こういう前提のもとに試算をしているものでございまして、全体で見ましても平成17年、開業4年目からは全体としても減っていくだろうという前提のもとに、なおかつ経営が成り立つような収支試算をしておるものでございます。
 それから、単線非電化の問題でございますけれども、並行在来線、まず技術的に現在の普通列車の運行本数を確保するという前提で技術的な面から検討いたしますと、盛岡から花輪線に乗り入れております好摩までの間はやはり複線でなければ現在の普通列車の運行本数を維持できないということになってございます。好摩から先は単線でも今の本数だけでやってやれないということはないという、技術的な検討結果が出てございます。ただ、単線にいたしますと、今、実は信号が上りは上り、下りは下りで一方向にしか信号がないわけでして、これを単線ですから両方向に切りかえるための工事というものをしなければなりません。それはやっぱりかなり時間もかかりますし経費もかかるという、初期投資がかかっていくという経過がございます。それから、非電化ということになりますと、ディーゼルカーを使うわけですけれども、今の普通列車、最高時速100キロメートルで走っていますが、ディーゼルですと100キロメートルは無理でして、やはりそういう意味で速度を落とさなければならないということで、利用客の皆さんに不便になると、そういうようなこともございました。そういうことを総合的に考えまして、この経営計画概要では複線電化という案をとっているものでございます。

〇小沢資源エネルギー課長 雪の新エネルギーとしての活用としましては、冷蔵施設や冷房の活用が考えられるところでございます。豪雪地帯での活用が効果的でありまして大変期待されているところでございます。本県におきましては湯田町や沢内村などで活用事例がございます。両町村ではそれぞれ新エネルギービジョンを策定しまして、今後のさらなる活用策を取り上げているところでございます。県といたしましては、この雪エネルギーの導入を検討している両町村に対しまして、北海道や新潟県等の先進事例の情報提供、国庫補助の活用指導などを積極的に支援してまいりたいと考えております。
 なお、先進事例でございますが、もみのまま米を夏場に雪で冷やして保管するライスセンターとか、有機農産物を貯蔵して市場流通への安定供与を図るための雪室、さらにその雪室を活用して融雪を活用した冷房システムなどもございます。特にライスセンターにおきましては電気料が4分の1になるというようなデータも出ておりますので、今後の活用を図ってまいりたいと考えております。

〇阿部富雄委員 並行在来線の経営計画概要策定の趣旨は、一つは県民の理解と協力を得ること、二つ目は出資予定者の理解を得ること、三つ目に鉄道事業許可等の大枠を固めることと、こういう考え方で策定をされているわけでありますが、しかし私はこの趣旨から照らしてみて、盛岡以北と盛岡以南での住民あるいはその関係者の受けとめ方には非常に大きな温度差があるのではないかと思っています。というのは、今まで当然県が進めてきたのは盛岡以北の沿線市町村で並行在来線対策岩手県協議会というものをつくって、ここだけでいろいろな地域の要望なり方針等を説明し理解を求めてきた。盛岡以南については全くそういう取り組みはなされてこない。こういうことも大きな要因だろうと思っています。知事は、並行在来線は県民の共有の財産だと、県民全体で支えていくことが必要だと、そのためには直接関係者以外の方々にも協力を求める。こういう言い方をしていますけれども、果たしてこれで理解が得られるのかということを私は心配をしています。盛岡以南の方々について言えば、かつて政府・与党の申し合わせであった、なぜミニ新幹線方式ではだめだったのだ、ミニ新幹線を仮にやったとすれば今出されているような問題は起きてこないだろう。それから、今度は鉄路を残すということで複線電化ということで決めておるわけでありますけれども、なぜ鉄路なのだ、バス路線の転換という方式だって選択肢とすればあるのではないか、こういう議論もしているわけですよね。したがって、こうしたミニ新幹線なりあるいはバス路線への転換の問題についての優位性というのは、並行在来線を残す優位性というのは何がそういうふうなことであるという考え方で今回の経営策定に至ったのかお伺いいたします。

〇中村並行在来線対策室長 まず最初に、なぜミニ新幹線ではだめだったのかということでございますけれども、そもそも東北新幹線盛岡以北にミニ新幹線という話が持ち出されましたのは、さかのぼるわけですけれども昭和63年8月31日の政府・与党申し合わせというのがございまして、このときに東北新幹線盛岡以北、盛岡─沼宮内間がミニ、それから沼宮内─八戸間がフル規格と、八戸─新青森間がミニ新幹線というこういう案が政府・与党申し合わせで出たわけでございます。しかしながら、本県におきましてはこの案を検討したわけでございますけれども、その結果といたしまして、東北新幹線はやはり日本列島を縦貫する国土の大動脈であるということでございますので、それにふさわしいフル規格で整備するべきであると。それから、フル規格ですと時速200キロメートル以上の走行ということになるわけでございますが、こういう高速度の新幹線によりまして首都圏との交流、それから地域経済活動の大きな効果が期待できると、こういう検討結果によりまして青森県、それから北海道と連携をいたしまして全線フル規格で整備するように国に要望を重ねてきたと、こういう経過がございます。その結果、平成6年12月19日の連立与党申し合わせ、それから関係大臣の申し合わせによりまして、盛岡─八戸間の全線フル規格による整備になったと、こういう経過があるものでございます。
 次に、バス輸送の御質問でございますが、盛岡県境間の経営分離されます区間の代替交通機関のあり方といたしまして、バス輸送につきましても調査検討をした経緯がございます。これは県と沿線市町村等で構成する並行在来線対策岩手県協議会の場において検討したわけでございます。一般的に申し上げまして、鉄道の優位性はまず大量輸送、それから定時到達、それから高速輸送と、これが鉄道の優位性です。対しましてバスの優位性というのは、運行に小回りのきく輸送、それから初期投資が少なくて手軽に開業できる、こういうそれぞれの優位性があるわけです。これを盛岡以北全体で見ました場合に、バスということになりますと、これはピーク輸送時に相当の運行本数が必要になってくるということで、今の道路環境、それからバスターミナルの容量等で考えますと、新たにこのバスで代替するというのは困難であろうと、これが一つでございます。それから、やはり天候、道路状況、これで運行時間がかなり影響されますので、定時性の面でやはり相当劣りますし、全体の到達時間も長くなる。それから、バスの運賃、1人当たりの運賃が鉄道よりも高くなるだろうと、こういうような検討結果になりまして、この区間では鉄道に比べましてバスの優位性というのを発揮するには至らないのではないかと、こういうような検討結果が一つ出ておりました。それから、この経営分離の同意、これを沿線市町村から同意を得て新幹線の盛岡以北の工事着工凍結解除に、工事着工にこぎつけた経過があるわけですけれども、その際に地域の住民の方々からも鉄路の存続に対する強い要望が出ておるわけでございまして、これらの点を総合的に検討いたしまして、慎重に検討した結果、平成11年10月に並行在来線に関する基本方針を策定したわけでございますが、この際に輸送形態といたしましては沿線住民の利便性を確保するという見地から鉄路というものを選択したものでございます。

〇佐々木大和委員長 本決算特別委員会は平成11年度の普通会計にかかわる決算を審査するための委員会でありますので、その趣旨を踏まえて質疑を願いたいと思います。

〇阿部富雄委員 今のお話でありますが、11年度に並行在来線の基本方針を策定しているわけでありますから、私はそれにかかわって質問しておりますので、御理解をいただきたいと思います。
 今答弁いただきました内容については、私どもについては一切目に触れていない、あるいは県民にも広くその内容については選択肢として出していないわけですよね。やっぱりそういうことを出して議論を進めてくるべきではなかったのか。今、例えばこれから出資金だとか基金を創設していくわけですよね。それは盛岡以北だけではなくて全県でやろうと言っているわけですから、その理解を求める意味でもそういう選択肢なり考え方をやっぱり示していくというのは本来あるべきでなかったのかと考えているわけであります。ぜひこれからの取り組みの中でその部分についてはやっていただきたい。このことを要望して終わります。

〇佐々木大和委員長 ほかに質疑はありませんか。   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇佐々木大和委員長 質疑がないようでありますので、企画振興部関係の質疑をこれで終わります。
 次に、教育長に教育委員会関係の説明を求めます。

〇合田教育長 それでは、平成11年度教育委員会関係の決算について御説明申し上げます。
 決算の内容に入る前に平成11年度の教育施策の推進状況について若干御説明申し上げます。
 平成11年度におきましては、国が推進している心の教育の充実、個性を伸ばし多様な選択ができる学校制度の実現、自主性を尊重した学校づくりの促進等の教育改革等を踏まえ、一人一人が学びの世界を拓く、心豊かでたくましい人づくりを基本目標とする第8次岩手県教育振興基本計画を策定し、21世紀初頭を展望した本県の総合的な教育行政施策を明らかにしたところであります。
 また、全国高等学校総合体育大会を開催したほか、県立高等学校新整備計画や岩手県図書情報総合センター整備基本計画を策定するとともに、平成14年度から実施される総合的な学習の時間の実践研究、国際理解教育等の一層の充実に努めるなど、各分野にわたる施策を積極的に推進してまいったところであります。
 それでは、決算について御説明申し上げます。お手元の平成11年岩手県歳入歳出決算書の14ページをお開き願います。教育委員会関係の所管に関する予算現額は、10款教育費のうち1項教育総務費から7項保健体育費までの合わせて1、765億7、915万8、000円、支出済額は1、761億973万3、981円、翌年度繰り越しは3億3、665万9、000円であります。
 次に、16ページをお開き願います。11款災害復旧費でありますが、3項教育施設災害復旧費は、予算現額4、138万8、000円で、その支出済額は4、138万6、164円であります。
 次に、決算の内容につきまして、便宜、平成11年度歳入歳出決算事項別明細書により、その主なものについて御説明申し上げます。決算事項別明細書の274ページをお開き願います。10款教育費についてでありますが、教育費のうち学校教育については、教育の機会均等の理念を基本とし、その具体化を図りつつ、生涯学習の基礎を培うという観点に立ち、基礎的、基本的内容を確実に修得させながら、児童生徒の個性を尊重し、多様な能力、適性を伸長させるとともに、社会の変化にみずから柔軟に対応できる、たくましい心の豊かな人間の育成に努めてまいりました。まず、1項教育総務費1目教育委員会費の支出済額1、624万円余は、教育委員会の運営に要した経費であります。2目事務局費の支出済額24億7、260万円余は、教育委員会事務局の管理運営に要した経費のほか、外国語教育の充実を図るため、外国青年を教育事務所や県立高校に配置した経費であります。次に、276ページをお開き願います。3目教職員人事費の支出済額119億1、686万円余は、教職員の退職手当等に要した経費であります。4目教育指導費の支出済額4億8、068万円余は、児童生徒の健全育成を図るため、在学青少年指導員やスクールカウンセラーの配置に要した経費、高校生の国際交流、産業教育フェアの開催、教育センターや小・中学校あわせて240校に民間の情報処理技術者を派遣して、教員研修や授業に活用するなど、情報教育を推進したマルチメディア活用推進事業などに要した経費であります。次に、278ページをお開き願います。5目教育センター費の支出済額6億223万円余は、教職員の各種研修等に要した経費であります。6目幼稚園費の8、730万円余は、こまくさ幼稚園の管理運営に要した経費であります。次に、280ページをお開き願います。7目恩給及び退職年金費の支出済額7億6、046万円余は、恩給及び扶助料等であります。
 次に、2項小学校費でありますが、1目教職員費の支出済額555億8、083万円余及び3項中学校費1目教職員費の支出済額324億3、870万円余は、それぞれ小・中学校の教職員の人件費や初任者研修等に要した経費であります。
 次に、282ページをお開き願います。4項高等学校費でありますが、1目高等学校総務費の支出済額365億7、570万円余は、県立高校の教職員の人件費や初任者研修等に要した経費であります。2目全日制高等学校管理費の支出済額20億7、131万円余は、全日制高校の管理運営費や教育設備の整備に要した経費であります。3目定時制高等学校管理費の支出済額8、042万円余は、定時制高校の管理運営費や教育設備の整備に要した経費であります。次に、284ページをお開き願います。4目教育振興費の支出済額12億1、705万円余は、県立高校の産業教育設備、部活動設備、情報処理教育設備及び教育実験実習等に要した経費であります。5目学校建設費の支出済額74億7、777万円余は、県立高校の施設整備及び維持補修等に要した経費でありますが、校舎建設は盛岡第一高校、産業教育施設建設は種市高校など3校、部活動施設整備は北上農業高校など9校、校地整備は宮古水産高校など9校、大規模改造は前沢高校など10校の校舎、大東高校など2校の体育館、水泳プール整備は盛岡商業高校、セミナーハウス建設は花泉高校など3校の整備に要した経費であります。また、繰越明許費2億7、236万円余は、セミナーハウス整備事業、生徒部室建設事業で、工法の選択に不測の日数を要したことから、翌年度に繰り越したものであります。次に、286ページをお開き願います。6目通信教育費の支出済額1、097万円余は、通信教育のための管理運営に要した経費であります。
 次に、5項特殊学校費でありますが、1目盲聾学校費の支出済額23億1、079万円余は、盲学校及び聾学校の管理運営及び盲学校の校舎大規模改造に要した経費であります。次に、288ページをお開き願います。2目養護学校費の支出済額87億2、368万円余は、養護学校の管理運営及び花巻養護学校の校舎大規模改造等に要した経費であります。
 6項社会教育費でありますが、社会教育については人間形成の基礎を培う家庭教育の充実を図るとともに、生涯の各時期における社会教育活動の推進に努めたほか、社会教育施設の整備充実に努めてまいりました。また、文化の振興については、すぐれた芸術作品の鑑賞や文化交流の機会を充実しつつ、地域における多様な文化活動の振興を図るとともに、文化財の保存とその活用に努めたほか、美術館の建設を進めるなど、県民が生涯にわたって、文化活動に親しみ、創造できる環境の整備に努めたところであります。1目社会教育総務費の支出済額19億7、116万円余は、家庭における子育てを支援する家庭教育振興の集いの開催、生涯学習を推進するための県民フェスティバルや長寿学園の開催、青少年ふるさと体験学習事業など青少年の野外体験活動を通じた心身の健全育成及び青少年の家の管理運営に要した経費であります。次に、290ページをお開き願います。2目視聴覚教育費の支出済額566万円余は、教育メディア利用促進事業等に要した経費であります。3目文化財保護費の支出済額13億2、355万円余は、文化財の保護を図るため、史跡等公有化事業、柳之御所遺跡整備調査事業及び埋蔵文化財センターの管理運営等に要した経費であります。また、繰越明許費4、691万円余は、文化財保護事業費補助で計画調整に不測の日数を要したことから、翌年度に繰り越したものであります。次に、292ページをお開き願います。4目芸術文化振興費の支出済額49億5、767万円余は、芸術文化の振興を図るため、岩手芸術祭や青少年劇場等の開催、高等学校総合文化祭や国民文化祭への派遣、高校生の文化部活動の育成、北東北三県芸術文化連携交流の推進、美術品の取得、県立美術館──仮称でございますが──の建設、県民会館の管理運営及び施設整備に要した経費であります。5目図書館費の支出済額3億6、792万円余は、県立図書館の管理運営に要した経費であります。次に、294ページをお開き願います。6目博物館費の支出済額6億2、030万円余は、県立博物館の管理運営及び施設整備等に要した経費であります。
 7項保健体育費でありますが、体育・スポーツについては県民の日常的なスポーツ・レクリエーション活動の定着を図るなど、生涯スポーツの振興に努めたほか、児童生徒の基礎的な体力や運動能力の向上に努めるとともに、体育施設の整備を図るなど、体育・スポーツの充実に努めてきたところであります。また、平成11年8月に開催された全国高等学校総合体育大会は、県内20市町村で28競技の熱戦が繰り広げられ、数々の輝かしい成果を残しながら、成功裏に終了したところであります。1目保健体育総務費の支出済額8億1、568万円余は、児童生徒の保健安全の充実及びエイズ・性教育推進事業に要した経費であります。次に、296ページをお開き願います。2目体育振興費の支出済額22億4、626万円余は、生涯スポーツ推進事業、競技力向上対策事業、全国高等学校総合体育大会本県開催に要した経費であります。3目体育施設費の支出済額9億7、783万円余は、県営運動公園、県営体育館等体育施設の管理運営及び施設改修等に要した経費であります。また、繰越明許費1、738万円は、施設設備整備で計画調整に不測の日数を要したことから翌年度に繰り越したものであります。
 次に、11款災害復旧費についてでありますが、少し飛びまして304ページをお開き願います。3項教育施設災害復旧費1目学校施設災害復旧費の支出済額4、138万円余は、千厩東高校など3校の校地の災害復旧に要した経費であります。
 以上で御説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。

〇佐々木大和委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。

〇佐々木俊夫委員 簡潔に2点お願いします。まず、第1点は、旧石器発掘の捏造事件であります。日本では1980年ごろ、つまり今から約20年前にはもう3万年前の石器でびっくりしました。ところが、さらに5年ぐらいたったら10数万年前の石器が発見されたということで大変な大発見と、ところがそれから5年もたたないうちに今度は宮城県の上高森遺跡から約50万年前の石器ということで、一挙に日本の旧石器時代が脚光を浴びてきたわけであります。しかも、それが東北地方ということでございますから、東北が俄然、世界の注目を浴びたという点もいいと思うのでありますが、御承知のとおりそれが捏造であったということになりまして、日本の考古学の信用というものはもうがたんと落ちてしまったと。私が質問したいのは、現在高等学校の歴史教科書が、私聞き間違いかもしれませんが約30種類ぐらいあるのだそうでありますけれども、そのうちの15種類ぐらいにこの上高森遺跡のことが書いてあるのだそうでありますが、本県ではそれの記述されている教科書がどの程度使用されているものか、いないものかということが第1点であります。
 それから、第2点目は、小学校の集団登下校の問題であります。農村とか山村のようなところですと、子供たちが一緒になって登校したり下校するという、非常にほほ笑ましい、非常にいい風景なのでありますし、また学年間の教育といいますか、大変効果があるものなりと、こういうように思っているわけですけれども、本県ではどの程度これが実施されていると把握しておられますか。

〇合田教育長 私の方から集団登校の御質問に答弁させていただきますけれども、学校において集団登校を実施している詳細な資料をちょっと持ち合わせありませんけれども、基本的に文部省におきましては交通安全基本法によります計画によりまして、各教育委員会、各学校に対して集団登下校、特に都市の方の関係があるかもわかりませんが、下校の方に力を入れまして、それを指導しておりますので、大部分は本県において集団登校をやっているものと認識しております。
 それから、教科書の関係につきましては、指導課長の方から答弁させていただきます。

〇西指導課長 ただいまのお尋ねいただきました上高森遺跡等の教科書の記述の件でございますが、平成12年度の教科書採択状況を見ますと、岩手県の高等学校における教科書は、例えば実教出版という教科書ございますが、この中にはそれらが記載してございます。これらを採用している学校が2校ほどございます。また、そのほかに新聞報道等によりますと上高森遺跡関連の記述のある教科書は、ほかに東京書籍、三省堂、山川出版社、それから清水書院、桐原書店の5社がございまして、岩手県ではすべての高校が実教出版のほか上記5社のうち桐原書店を除く4社を高等学校では採用していることになっております。そこで日本史の採択を行っているわけでございますが、もし他の出版社等も追随してこの訂正申請が出るとなれば、日本史の教科書の訂正の対象になっていくだろうととらえているところでございます。県教委といたしましては、この訂正申請に対して文部省の判断を見守りながら、適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。

〇佐々木俊夫委員 この旧石器に絡みまして本県の岩泉町の瓢箪穴遺跡の問題があるわけでございます。人骨が出るのではないかということで大変な注目を浴びましたし、もしそれが出たとなればこれまた、委員長の出身地でございますのでかわって申し上げますけれども、大変な観光資源といいますか、そういうことがあろうと思うのでありますが、ところが御承知のようにこれのリーダーがその問題の藤村氏であったということでございまして、一挙にまたこれも見方が変わってきたわけでありますが、報ずるところによりますと、岩泉町では今日まで約1、600万円か1、800万円ぐらいの費用を出してこの発掘に協力をしてきたと、またお願いをしてきたと、こういうことなのでありますが、このことについて今までのことについて県教育委員会としては何かかかわりを持ってこられたのでしょうか、全然ノータッチであったものでしょうか。あるいはまた、今回のこういう事件になってから岩泉町の方から何か協議があったのか、あるいはまた、あったとすればどのような指導をされ、あるいは発掘再開の見通しはどのように持っておられるのでしょうか。
 それから、次の集団登下校、今の教育長のお話ですとほとんどの学校でやっているだろうと、こういうことなのでありますが、これまた御承知のように、先般二戸市で集団登校中の小学生9人に車が突っ込んだという大変な痛ましい事故がございまして、1年生1名が死亡、7名が重軽傷と、こういう大惨事になりました。私は集団による登下校というのはある意味では両刃の剣だなと、いい場合もあるし悪い場合もあるなということは、かねてから実は心配しておった一人なのであります。たしか過去にもこういう集団登校中か下校中の子供に車が突っ込んだという例がよそにあったように私記憶があるのですが、これは明らかではありません。私はむしろ都市部、まちの中では集団登校とか下校というのは必要ないのではないか。何もまとまって事故の多いところを通らせることはないのではないか。むしろ逆にばらばらに登校しなさいと、まちの中ですから、極端に言えば私はそういう指導があっていいのではないか。あるいはまた、どうしても集団で登校させるならば、下校させるならばそれに対応した交通安全策というものをとらなければ、わざわざそういう悲劇を起こすような指導をしているのではないのかなということを思うのですがいかがでしょう。

〇合田教育長 私の方から二戸市の集団登校の事件についてお話しいたしますけれども、このたび小学生がきちんと整列した中に突然車がやってきまして、小学生に非がないのですが、こういう痛ましい事件が起きたこと、本当に残念に思っております。集団登校というのは各学校が置かれた状況によりまして、通学時の交通事故のみならず犯罪の防止、巻き込まれないように子供たちの安全を確保するために一つは有効な方法ではないかと考えております。また、高学年の児童が低学年をよく世話する、面倒見ると、そういった形で子供たちの思いやりや倫理観、責任感が醸成され、あるいは交通マナーやルールを学ぶなどの教育的価値もございます。それで、一般的ですが集団登校の実施につきましては、先ほどもお話ししましたように、文部省の交通安全業務計画等に基づきまして、各学校におきまして通学路の道路事情及び交通事情を具体的に検討し、保護者の了解の上、個々の通学路ごとに実施するかどうかを決めていることになっております。この場合の福岡小学校の場合ですが、ここは特にそれが父兄の方が児童の交通関係に非常に熱心でございまして、集団登校の実施に当たりましては保護者及び関係団体が協力いたしまして街頭指導を行う。また、月1回リーダー会議や各学期の初めには全校指導による班会議を開催して、集合時間とか集合場所の確認、横断と歩行の仕方、あいさつなどについて具体的な指導を実施しているところでありますが、今回このような痛ましい事故がありましたので、今後は一般的な形の対応ではなく、周囲の状況によって集団登校のあり方をひとつ検討しなければならないかと考えております。それとあわせまして道路の安全施設がなかったり、狭隘で交通量が多く危険性が予想される場合には、通学時間帯の交通規制や迂回路の設定等について関係者とも協議をしながら、協力を得まして今後万全を期してまいりたいと考えております。
 岩泉町の瓢箪穴遺跡については文化課長から答弁させていただきます。

〇伊藤文化課長 岩泉町の瓢箪穴遺跡の調査についてのお尋ねでございますが、この調査は民間の研究所でございます東北旧石器文化研究所などが学術調査を目的としまして平成7年から実施しているものでございます。この間、委員御指摘のように岩泉町が調査費の一部や環境整備費として補助をしてきたものと承知しております。瓢箪穴洞穴遺跡の発掘調査につきましては、文化財保護法に基づきまして30日前までに届け出をもらうなど、所定の手続はとっていただいておりますけれども、民間団体の学術調査であるために、県の教育委員会といたしましては特段の関与はしてきていないところでございます。今般、東北旧石器文化研究所が他県で行いました発掘調査において事実の捏造が行われたことが判明しましたことは大変遺憾なことでございます。同研究所では瓢箪穴洞穴遺跡に関しては捏造の事実はないというふうに言明しておりますが、今後、過去の発掘調査の検証を第三者を交えて実施し、捏造がなかったことを証明した上で、平成14年度以降に調査を継続したいとの意向を表明しているところでございます。また、岩泉町教育委員会でもこれまでの調査に捏造がなかったことが明確になった場合には、調査の支援の再開も検討していくというふうに伺っているところでございます。県の教育委員会としましては、いずれにしましても現段階では調査結果の検証がまず大変重要であると、このように認識しておりまして、同研究所の今後の取り組みを見守りながら、岩泉町教育委員会と密接に連絡をとり、事実関係の明確化に向けて必要に応じ協力をしていきたいと、このように考えているところでございます。

〇佐々木俊夫委員 ありがとうございます。しつこく聞きます。岩泉町から何か具体的な相談的なものはないのですか。何か今聞きますと、又聞きしたような感じの答弁なのですが、具体的な相談あるいは説明、そうしたものはなかったのですか。

〇伊藤文化課長 ただいま私の方が申し上げましたような形で、岩泉町の方からの状況は現在も密接に連携をとっているところでございまして、これまで岩泉町がどのような観点で関与してきたか、また現在どのように考えているか、今後どう考えているかというようなところにつき、町の情報は適宜入れていただいているところでございまして、私どもそうしたことも含めて、現段階ではまずもって東北旧石器文化研究所が第三者を交えて検証を実施するという意向を持っているようでございますので、この動きを注視しながら今後岩泉町ともより密接に連携をとりながら、適切に対応していきたいと考えております。

〇及川幸子委員 大変重要な問題なので簡単には質問できないと思いますので、御了承ください。279ページの豊かな心をはぐくむ教育推進事業についてお伺いいたします。
 まさに、たくましく人間性豊かな人づくりでは重要な課題だと考えるわけですが、この中で事業実施の箇所数が合計で68カ所ということでございます。農林漁業体験及び自然体験活動が36校、伝統文化創造活動が12校、自然体験活動及び世代間交流学習が20園、この実績額も1、360万円という、岩手県では大変学校数に対して少ないのではないかと思うわけでございます。と申しますのも、私PTA活動をしているときにテレビゲームが大変盛んになったときがございまして、父兄からとにかく友達と遊ばないでテレビゲームをしていて大変だという問題を討論したことが何度もございます。今まさに情報時代でございます。子供たちがますます機械に向かう機会が多くなるわけでございますが、こういう中で豊かな心を育てる教育にしては余りにも少ない金額で実施されたのではないかと思いまして、その実施状況をこの中でちょっとお聞きしたいということでございます。よろしくお願いいたします。

〇西指導課長 ただいまお尋ねをいただきました、豊かな心をはぐくむ教育推進事業のいわば取り組みやその成果というふうなことのようでございますが、これにつきまして特に自然体験の方からちょっと申し上げてみたいと思いますけれども、自然体験の取り組み状況は、特に土に親しむというふうなことも含めまして、田植えや稲刈りや草取りや野菜栽培、それからシイタケ栽培等農作業体験や花壇整備等、それから子供たちが実際に土に触れさまざまなもの等を育てる活動や小動物の飼育など、体験活動を現在この自然体験取り組みの中で進めているところでございます。これに伴う成果でございますけれども、子供たちは小動物等の触れ合いや世話を通して互いに優しい言葉をかけるなど、他を思いやる心がはぐくまれているとともに、岩手の厳しい自然の中での栽培活動などを通して、動植物の命の大切さということを体験を通して感じることができたというふうな報告が学校からも来ております。また、いずれの取り組みにおきましても地域の方々の力をかりながらの活動でありまして、地域の教育力を最大限生かす活動となっているというふうに学校でもとらえているようでございます。また、一般的な知識、技能だけではなく、その地域に根差した知恵を学ぶということから地域を知り、さらに自分の地域について考えるという態度についてもつながっているという、そのような報告を受けております。
 なお、数の件で少ないのではなかろうかという御指摘でございましたけれども、ただいま総合的な学習の時間というのが移行措置で取り組んでおりまして、例えば小学校におきましての取り組みですが、今のような心豊かにはぐくむとなれば、環境教育等をちょっと例に挙げますと、大体小学校の64.7%、310校ぐらいがこういう総合的な学習の時間の中でも取り組んでおりますので、実際に豊かな心をはぐくむ教育推進事業では御指摘のとおり68校・園でございますけれども、実態とすれば各小学校及び中学校ではもう少しの数で総合的な学習の時間等で取り組んでいるということでございます。

〇及川幸子委員 教育長にちょっとお尋ねいたしますが、先日テレビで田んぼの学校という大変ユニークなシンポジウムが開催されておりまして、ちょっと私それを見ることができましたのですが、その中で子供たちがとにかく田んぼの中で、今の環境ではとても生き物がすめないということを肌で実感させるという、そういうことの意見が交わされていたわけでございますが、小学校等で田んぼを持って実際に田植えから稲刈り、そういうふうに土に親しむという教育をしている学校は今、その分ちょっとお知らせください。

〇合田教育長 直接各学校に幾ら持っているかというのは、ちょっと私手元に資料ございませんけれども、県の農政部で田んぼとか畑の子供たちの連携の事業をやっておりますので、詳細につきましては指導課長から答弁させます。

〇西指導課長 ただいまの一学校一農園の関係では、県内16校でただいま取り組んでおりますが、そのほかには、先ほど申し上げましたような総合的な学習の時間の中でも取り組んでおります。ただ、その総合的な学習の時間で農業関係の方にどの程度取り組んでいるかということは、今資料が手元にございませんので、後ほどちょっと時間をいただいて御回答申し上げたいと思います。

〇及川幸子委員 ありがとうございます。
 やはり、若い人たちの農業離れ、それから担い手の不足ということから、これは重要課題と考えますので、今後も熱心に取り組んでいただきたいと思います。

〇船越賢太郎委員 2点だけ、産業教育関係について御質問いたします。
 その前に二つばかり御礼申し上げますが、去る2日、大変だろうなと思っておった水産高校の実習船が進水いたしました。13億円、大変ありがとうございます。
 それからまた、インターハイのヨットハーバーのところに生徒たちの部室をぜひつくってもらえないかと、こういうことを申し上げた、これも、今基礎をやって、だんだん立ち上がってきたということで、非常にヨットハーバーが立派になったんです。
 それに関して、インターハイは10年だった。そこで、何が何でも岩手県ではインターハイを立派にやらなければならないということでやあやあだった。ところが、あそこに新しくヨットハーバーをつくるというときに、あとは埋め立てをやるなよということで県は漁民たちに約束していたのに、新しくヨットハーバーをつくった。それの条件の中の一つ、一番大事なのに、斜路を50メートルばかりつくってくれるという約束をしたんです。だから10年にやればいいんだけれども、10年はヨットハーバーをやるから、翌年やるから待っていろということで、その説得役を私がやった、できた。
 ところが、11年の予算の中で、先ほど高橋出納長は、実質14億1、000万円とか黒字が出たと肩を張っていたけれども、約束したことをやらなければ黒字が出るのは当たり前だ。中に入って一生懸命漁師を説得した私は詐欺師だ。大した怒られているわけだ。だから、県ではこうやっていつでもほらを吹く。やるときは、ぜひお願いしますと言っておきながらやらないということで、非常に私は漁師たちに怒られている。これは土木で言ってください、私たちのやるところではないと言うかもしれないが、そういうことがあったということを土木によく言っておいてください。
 あと1点は、今、水産高校その他のことで、宮古から20何キロ、山田の船越までぐるっと回っていって、あそこに実習場があるわけです。ところが今度、2キロか3キロ離れた高浜にすごく広い県有地の埋め立てができた。それで、住民や学校等では、山田まで行かないで、山田の実習場も大分古くなったから近くのところに建ててくれという要望があるんですが、教育長は非常にいい案だとお思いですかどうですか。

〇合田教育長 先ほどの第1点の話につきましては、委員御存じのとおり、所管が土木でありますので、今の趣旨を踏まえて土木に通じさせていただきたいと思っております。
 二つ目の、もともとは高浜の近くにあったんだと思いますけれども、現在山田の方にあります実習場に使っております件につきましては、高浜の漁港整備で公共関係もできるということで、移転の空間はあると考えております。そのほかに、水質の状況とかいろいろな条件がありますので、その調査をまずやりまして、適地かどうかを検討していきたいと考えております。

〇小原宣良委員 昨年、本県で開催されましたインターハイに関連してお伺いいたします。
 昨年8月に本県で行われました全国総合体育大会は、北上の陸上競技場を主会場といたしまして、これまでの他県開催に劣らないすばらしい大会になったと思います。県教育委員会は、昨年のインターハイ岩手大会をどう振り返り、その成果と反省をその後にどのように生かしてきたとお考えでしょうか、お伺いいたします。
 昨年のインターハイ岩手開催に当たりましては、県内各市町村にあって、さまざま競技施設の整備に取り組んでまいりました。これら市町村で整備いたしましたインターハイ関連施設整備の総事業費についてどう把握しておられるでしょうか。また、県はこうした施設整備に対して、最終的にどれだけの財政支援がなされたのか、この際お伺いしておきたいと思います。

〇松田保健体育課長 それでは、最初の方のインターハイの成果とその反省をどう生かしてきたのかという御質問についてでございますけれども、お尋ねの岩手インターハイの成果と反省は、'99岩手総体の名のもとに、選手、監督、役員など5万5、000人の参加総数を数えまして、大会関係者や多くの県民の御支援により、おおむね成功裏に終えることができました。
 この大会は、高校教育の一環として開催されるものであることを踏まえまして、県内すべての高校生が、総合開会式への出演や式典補助員、各競技の補助員、さらには、草花育成や手づくりの記念品の作成など、一人一役運動を積極的に展開したところでございます。また、会場地周辺の住民や小中学生の工夫を凝らした熱心な応援、美化運動などの市民運動の盛り上がりもありました。
 これらを通じて、互いに協力して物事をなし遂げる協調性や責任感、あるいは県内外の多くの人々と接することによりまして、思いやりや感謝の気持ちというものが養われるなど、大きな成果を得ることができました。
 学校におきましては、その後、学習や部活動などに活性化をもたらし、より積極的な姿勢やボランティア精神が培われ、さらには、地域におきましても連携が図られるとともに、スポーツに対する関心が高まりまして、生涯スポーツの振興に大きな寄与をしてくれたと思ってございます。
 2点目でございますけれども、インターハイ関連の施設の整備費についてでございますが、私ども教育委員会所管のインターハイ関連スポーツ施設整備事業で整備した施設は、御案内のとおり5市3町の12施設でございます。総事業費は236億900万円余でございます。そのうち、県の私どもの方からの補助が58億5、200余万円という状況になります。このほかに、国庫補助金、それから地域総合整備事業債というものも導入いたしましたので、市町村の実質の負担は、平均しますと3割程度という状況になってございます。

〇小原宣良委員 この生涯学習という県民皆スポーツといいましょうか、すべての県民がスポーツに親しむという土壌の醸成にも、高校生のインターハイは十分役立ったという総括でありますが、これをぜひこれからに生かしていただきたいと思います。
 そこで、ただいま御答弁がありましたけれども、それぞれ市町村が整備をしたインターハイ関連のスポーツ施設の建設に当たっては、市町村の平均負担は実質3割であるということではございますが、額が額だけに、その3割もまた、それぞれの市町村にとってはそう軽くない負担であろうかと思います。そうした努力のもとに平成11年のインターハイは成功に導かれたと思います。もちろん、県の御労を多とするものでございます。
 そこで、今後のこれら施設の活用方法についてでございますが、県は、ただいまもお話ありましたように、豊かなスポーツライフの実現ということでそれぞれ各種事業を展開しておりますけれども、このインターハイの関連施設の有効活用は各市町村にとっても大事な課題でございますが、同時に、県にとっても、この広い県土を有する本県でございますから、それぞれ各地域のスポーツ施設を市町村と連携をとりながら有効活用を図っていくという観点が必要かと思うわけです。そういう意味で、大変御努力いただいて、それぞれ市町村も積極的にその責任を果たしてまいりました施設の有効活用について、県はどのようにお考えでしょうか、お伺いいたします。

〇松田保健体育課長 インターハイ関係施設の有効活用についてということでございますけれども、インターハイ関連で整備されました施設につきましては、当該市町村はもとより、広域圏をも巻き込んだスポーツの活動の場として、また、全国的イベントの開催の場として、生涯スポーツ、競技スポーツ振興を図る上からも大きな効果が期待できる施設ととらえております。その活用を十分にということが、私ども重要だと考えているところであります。
 今年度の各施設を利用したビッグイベントを紹介したいと思いますが、北上総合運動公園を会場としては、全国ゲートボール大会、それから日本ペタンク選手権大会が開催されました。また、花巻市の総合体育館の方では、シドニーオリンピック女子マラソン優勝者高橋尚子選手の講演会も開催されました。それから、東和町漕艇場におきましては、シドニーオリンピックのボート競技選手の最終というんですか、直前合宿の実施などがここで行われました。
 今後は、平成17年に、御案内のとおり本県開催が予定されてございます全国スポーツ・レクリエーション祭に積極的に活用することとしてございます。そのほか平成13年度には、北上総合運動公園においては日本学生陸上競技選手権大会が、平成14年度には、一関総合体育館において全国高等専門学校体育大会のバスケットボール競技が開催されると伺ってございます。また、県民体育大会や県の高等学校総合体育大会などの各種大会の開催はもとより、県民スポーツ・レクリエーション祭やスポーツフェスティバルなど、広く県民が参加できるイベントなどにも活用すると考えてございます。地域の生涯スポーツの場として気軽に活用されること、これもまた一つ重要なことだと思ってございます。
 今後とも、市町村、そして各競技団体と連携を図りながら、施設の有効活用に積極的に取り組んでまいりたいものと考えてございます。

〇小原宣良委員 ただいま、それなりに予定されているスポーツの競技開催について紹介がございましたけれども、なお、これはこれとして大変重要でありますから、積極的に当該市町村あるいは団体と連携をとって、成功のために御努力いただきたいと思います。
 同時にまた、豊かなスポーツライフの実現ということを目指して、県民のスポーツ振興に当たっている県教育委員会として、主体的な形でこのスポーツ振興にかかわって、施設を有する市町村との連携を受け身ではなくて、県教育委員会の側からそうしたものを組み立てて施設利活用という方向にも向かっていただきたい。決して受け身の形でそれをサポートするということだけにとどまらないで、失礼になろうかと思いますが、重々おわかりのことかと思いますけれども、ぜひそうした決意で、せっかくのスポーツ施設、立派なスポーツ施設をそれぞれ有しておるわけですから、今後も御努力をいただきたい。その点について再度伺って終わります。

〇松田保健体育課長 競技スポーツ、生涯スポーツ、両面でスポーツのいろいろなことが出てきますけれども、やはり、あくまでも県民の健康増進のため、さらには、競技スポーツの競技力向上のためというところで、指導的な役割を県として果たしてまいりたいと思ってございます。ありがとうございます。

〇佐々木大和委員長 先ほど、及川委員の質問の答弁を保留しておりましたけれども、ここで答弁をさせます。

〇西指導課長 先ほど、及川委員からお尋ねいただきました学校農園を設置している学校数でございますが、小学校では86%の408校でございます。それから、中学校におきましては、25%の54校となっております。
 大変失礼いたしました。

〇斉藤信委員 三つのテーマがありますので、簡潔に聞きます。鮮明に答えていただきたい。
 一つは、県立高校の新整備計画について、1月24日に決定されましたいわゆる再編統廃合計画であります。これは、北上、花巻の農業高校を存続するなどの重要な見直しがありましたが、その他については変更なしの、そういう計画になりました。しかし、県内四つの地域では、大変根強い批判、そして疑問の声が強まっています。一戸高校、紫波高校、大船渡農業、大船渡高校、広田水産、そして大東高校、大原商業の改編・統廃合計画に、地域住民の反対・疑問の声が強まっていると思いますが、この間の説明会での住民の声はどういうものだったのか示していただきたい。
 私は、12月8日に文部省交渉を行ってまいりましたが、その際、地域住民の反対が強ければ改編・統廃合は難しいと、文部省はこのように述べておりました。県教委も同じ考えだと思いますが、いかがでしょうか。
 県議会も、昨年9月議会で、県立高等学校の整備に関しては、県民の理解、協力が不可欠、県民の理解が得られる計画の策定に特段の努力を求めると決議を上げています。今後の説明会にもかかわらず理解が得られない場合は、計画を見直すべきではないでしょうか。
 増田知事は11月27日、気仙地区議会議員協議会で地元との話し合いの場を設け、できるだけ歩み寄りの道を探りたい、このように述べていますが、教育長も同じ考えでしょうか。歩み寄りとは、さらに計画の見直しも可能ということだと思いますが、いかがでしょうか。
 再編統廃合とかかわって、地元の強い声は30人学級の実現であります。少人数学級編制が実現すれば、統廃合も必要ないのではないかという根強い声がありますが、今後、文部省の動向では、県教委の裁量で少人数学級の編制が可能になります。
 そこでお聞きしますが、生徒の減少を学校の統廃合ではなく、30人学級こそ実現すべきという父母、教師、生徒のこの強い願いにこたえるべきではないでしょうか。高校で30人学級を実現するなら、学級増、教員増、必要経費はどう試算されるでしょうか。第1学年から実施すれば、どういう教員増、学級増、そして必要経費になるのでしょうか。小学校、中学校の30人学級実現の場合も、同じように示していただきたいと思います。

〇合田教育長 私の方から計画の見直しについて、それ以外は担当課長の方から説明させていただきます。
 委員御案内のとおり、現時点においてまだ十分な理解を得ていない地域がございますけれども、それぞれの地域において温度差がございますが、実は、まだ土俵に上がってもらえない地域が若干ございまして、現時点におきましては、一応、我々が考えている計画をその地域で聞いてもらうということに全力を尽くしてまいりたいと考えております。

〇伊藤高校改革推進監 今年度のこれまでの説明会における住民の声についてでございますが、一戸地区、紫波地区の総合学科については、学区との関連による御心配、教員や施設設備面での裏づけの御心配、それから、農業科を残すべきである、十分な相互理解の上で進めてほしいなどというものでございまして、条件整備に向けた御意見が多かったところでございます。
 それから、大東地区、陸前高田地区でございますけれども、商業や水産の専門教育の確保、統合後の跡地利用、また、生徒の進学への配慮の必要性など、地域の高校教育を維持していきたいとの観点からの御意見があったところでございます。
 今後についてでございますが、特に、小学校、中学校の保護者を対象とした懇談会、中学校ごとの保護者、地域の皆様、教員などによる意見交換会の開催、当該高等学校からの具体的な説明会などを通しまして、なお一層話し合いを深めてまいりたいと考えておるところでございます。
 県立高等学校新整備計画にも記載してございますように、地域の状況にかんがみ、十分な理解を得て実施するためにも、今後の説明会等において、これからの地域の高等学校教育のあり方、生徒の育成など、相互理解が深められるよう努力してまいりたいと考えているものでございます。

〇田口県立学校課長 高等学校で学級を30人で編制した場合についてでございますが、平成12年5月1日現在の生徒数で試算してみますと、学級数は586学級、教員数は1、172人増加し、必要経費はおよそ100億8、000万円、また、第1学年から実施する場合は、学級数は205学級、教員数は410人増加し、必要経費はおよそ35億2、000万円となることが見込まれるところでございます。

〇森川義務教育課長 平成12年5月1日現在の数字でありますが、小学校を30人学級で編制しますと570学級の増加が見込まれ、それによる教員増は684人、経費は約57億円増と見込まれているところであります。
 中学校では、407学級が増加することにより、692人の教員が増加し、経費は小学校と同様、約57億円が見込まれ、小中合計で約114億円の負担増となるところでございます。
 また、小学校新1年生の場合は、今年度5月1日現在では92学級の増加が見込まれて110人の教員増、約9億円の負担増となりますし、さらに、中学校新1年生のみを30人学級にした場合には、133学級が増加し、226人の教員増、約19億円の負担増となる見込みでございます。

〇斉藤信委員 肝心なところに答えていないのでね。私は文部省の見解も述べたし、増田知事の話も紹介して、どうかと聞いたんです。それで、今回の本会議で船越教育委員長が、地域に支えられた教育が必要だと熱弁を振るいました。私は、この観点というのは大事だと思うんです。ですから、例えば、一戸高校と紫波高校は、平成14年から総合学科を実行するとなっているけれども、今の段階で合意がない。だとするなら、来年度はもう準備をしなければ平成14年度はできないわけだから、そういう住民合意がない中でこれが強行できるのかということについてはっきり答えていただきたいし、私は、14年度の実施というのはもう見直すべきではないか、これは時間をかけて対応すべきではないかと。改めて教育長に聞きます。教育長、ちゃんと聞いたことに答えてください。
 次に、高校入試制度の問題について、これも昨年度、調査研究委員会の報告書が提出されて、今、改善草案としてそれが具体化されている問題であります。今回の草案は、高校進学率が97%を超え、生徒減少の中で、すべての進学希望者が高校に進学できる客観的条件がありながら、一層の受験競争の激化をもたらしかねない重大な内容を含んでいると考えられます。
 そこで具体的にお聞きします。第1点、私は中学校の校長会の会長さんに、中学校の要望は何か聞いてまいりました。そうしましたら、高校進学率が97%を超えて、高校が準義務化とも言うべき状況にあるときに、選抜ではなく選考方式にすべきと主張・提案しているが、これは通らなかった。なぜ今選考方式でなく選抜方式なのか、そして、中学生に受験競争を押しつけなければならないのか、このことを答弁していただきたい。
 二つ目、面接をすべての受験生に課すとしていますが、今までの面接とどう違うのか。個別か、集団(グループ)面接か。英会話を面接の中で実施するというけれども、なぜでしょうか。今回の面接は点数化して評価されます。合否の評価にかかわります。短時間で公正な評価ができるのでしょうか。評価の基準はどうなっているのでしょう。中学校では、一層面接対策が強化され、中学生に新たな負担を与えると考えますが、いかがでしょうか。
 中学生にとって一番の悩み、苦しみは、中学校生活を評価・監視される調査書、いわゆる内申書の問題であります。今回、調査書は500点に評価される。特別活動、総合学習をどう評価し、点数化するのでしょうか。調査書の採用、点数化はやめるべきではないでしょうか。学力試験が300点から500点となりますけれども、5教科の問題数が1.7倍にふえるのでしょうか。これも中学生の受験競争を一層強化することになるのではないでしょうか。
 高校の合否判定は3段階で判定するという仕組みのようであります。これは大変複雑なものであって、受験生の公正な評価に結びつくとは考えにくいと思いますが、いかがでしょうか。情報公開の時代に、公正性がわかりやすいことが必要ではないか。試験結果は情報公開されるのでしょうか。学校教育の一番の問題は、学力危機の打開、ここに全力で取り組むことでありますけれども、文部省の昨年の調査では、授業がよくわかると答えたのが小学校で4人に1人、中学校で20人に1人、高校では30人に1人であります。この学力の危機と言われる問題にどう対応すべきなのか。入試制度の検討でこれも検討されたのかお聞きしたい。

〇合田教育長 先ほど申したとおり、現時点においては、地域に理解を得るよう全力を尽くしていくと、こういう考えでございます。

〇西指導課長 ただいま6点にわたってお尋ねいただいたと認識しておりますが、まず最初に、中学校の校長会は選抜ではなく選考方式にすべきと主張・提案しているが、なぜ選考方式をとらなかったのかというお尋ねでございますが、中学校長会は、改善草案は生徒を総合的・多元的な観点から評価しようという意図がうかがえること、それから、入学後の学習活動・生徒指導の参考資料になることから、基本的に賛成である旨意見を表明していると理解しているところでございます。
 学校教育法施行規則では、高等学校の入学は、入学者の選抜に基づいて校長がこれを許可するとあり、また、文部省通知においても、高等学校教育を受けるにふさわしい基礎学力や意欲等を評価するものとしていることから、改善草案においては選抜としております。
 今回の改善草案は、進学率の向上や少子化等の中で、基礎学力の確認や生徒の個性を重視し、各高等学校の特色化を図るなど、各生徒のすぐれた面を多面的に評価しようとするものであり、選考の要素も多く取り入れているところでございます。
 次に、面接をすべての受験生に課すとしているが、今までの面接とどう違うか、または個別か集団か、それから、英会話を行うのはなぜか等々のお尋ねでございますが、今までの面接は、一般入学者選抜においては学力検査後に実施しております。改善草案におきましては、志願者全員が希望する高校で面接を受け、次に全員が学力検査を受けることとなる案で今進めているところでございます。また、面接の際に、自己アピールカードを利用するなど、生徒のすぐれた面をより適切に評価できるものと考えているところでございます。
 なお、面接の形態等のより具体的なことにつきましては、今後の方策検討委員会等におきまして検討していただきたいと考えているところでございます。
 現在は国際化の時代であって、英語は国際共通語の性格を持っております。草案においては、中学校卒業段階での基礎的学力を確認するとともに、国際社会で自分の考えを述べる能力や表現力を育成するため、面接の一部に英語による簡単な質問と応答を実施することをただいま検討しているところでございます。
 全員に対して面接を行う趣旨は、知識の量だけではなく、調査書、適性検査等とともに、子供たちのすぐれた面や意欲・関心など、学力検査にあらわれにくい、いわば将来の学力につながる面を見ることであり、客観的な評価の方法を今後工夫してまいりたいと考えているところでございます。
 次に、3点目の、今回調査書は500点に評価される。特別活動、総合学習をどう評価し、点数化するのか。調査書の採用、点数化はやめるべきではないかというお尋ねでございますが、調査書は、中学校における学業等学習状況を評価したり、生徒の個性を多面的にとらえるものでありまして、特別活動、総合的な学習の時間等の評価につきましては、生徒の興味・関心、学習意欲、向上心、思いやりなどのすぐれた面を的確に理解し、入学後の個性伸長や学校の活性化につながるよう工夫してまいりたいと考えているところでございます。
 岩手県公立高等学校入学者選抜の在り方に関する調査研究委員会の報告書では、調査書は、学力検査でははかりがたい日ごろの学習状況等を評価することができるとありまして、この報告書の考え方を踏まえて検討いただき、改善草案を示しておるところでございます。個々の中学生の個性、長所が生かされ、伸び伸びとした中学生生活が送れるように指導に努めてまいりたいと考えているところでございます。
 また、4点目でございますが、学力検査が300点から500点になる、5教科の問題が1.7倍程度にふえるのか、これも受験競争を一層強化することにならないかのお尋ねでございますが、学力検査の総点が300点から500点に変更されることは、より丁寧に学力を見るものでありますが、点数に比例して問題数が1.7倍になるわけではございません。
 5番としまして、3段階で合否を判定する仕組みは、入試制度を複雑にすることはあっても、受験生の公正な評価に結びつくとは考えにくい。情報公開の時代に、公正性がわかりやすいことが必要ではないか等々でございますが、多様な生徒の個性を評価して選抜するため、異なる評価尺度による合否の判定が必要であると考えております。試験方法等の情報公開等につきましては、情報公開制度の趣旨にのっとって、適切に対応してまいりたいと考えております。
 試験結果の情報公開等につきましては、情報公開制度の趣旨や現在検討されている個人情報保護制度を踏まえて、適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。
 最後に、学校教育の一番の課題は学力の危機打開に全力で取り組むことではないかとのお尋ねでございますが、これにつきましては、新しい学習指導要領に基づく教育課程によりまして、基礎的・基本的な内容の確実な定着を図ってまいりたいと考えているところでございます。

〇斉藤信委員 選抜方式か選考方式かということで、結局、選抜方式になったので、中学校長会は、選抜方式の中で総合的に評価できるという話をしているようですが、選抜方式か選考方式かということでは全然違うんですよ。
 それで、きょうの新聞報道で、内申書も絶対評価。実は、この教育課程審議会は、学力評価も絶対評価と言っています、内申書も絶対評価と言っています。絶対評価になった場合に、選抜方式になじまないと私は思いますよ。そして、これは情報公開すべきだと書いています。私は、こういう文部省の新しい方向から見たら、学力も点数化する、内申書も点数化する、そういう受験制度というのは、子供たちを絶対評価するということからいったらなじまないと。
 そして、今の回答にもあったように、点数化する基準が全然はっきりしない、公正性が見えない。そういう点では、新たに受験生に大変な負担をもたらす。大体、今高校の倍率は1.1倍行かないぐらいですよ。高校は大体定員みんな入るんです。そういうときになぜ、すべての受験生に面接を課し、学力試験を課し、受験のための競争をさせるのか、ここに根本があるんですよ。授業内容を変えて理解させる教育をすべきです。その点についてちゃんと答えてください。
 最後です。体罰・セクハラ教師に対する甘い対応についてお聞きします。
 私は3月の県議会で、高校教師による卒業式当日の体罰事件を取り上げました。その後の対応に注目していましたが、処分は文書訓告でありました。これは、地方公務員法に基づかない事実上の強制措置であります。教育長が、毎年のように体罰の防止について通知し、学校教育法第11条で厳重に禁止されている体罰について、これは児童生徒の人権を侵害するものであるが、こんな甘い対応でいいのでしょうか。教育長の通知では、体罰が依然として後を絶たずと県教委自身が指摘しているのに、こういう対応でいいのでしょうか。
 セクハラ行為の教頭事件というのがありました。ある小学校の教頭が、ある月に2回のセクハラ行為を行った。この内容は新聞報道にもなりましたが、私はこの実態について、その教育長から状況を聞きました。ひどい内容で、悪質でありました。ところが結局、依願退職で処理をされました。県教委はセクシャルハラスメント防止策の基本方針を持っていますが、これに基づいて対応されたのでしょうか。基本方針では、地方公務員法に規定する信用失墜行為、全体の奉仕者たるにふさわしくない非行に該当する場合には、懲戒処分に付されるとありますけれども、懲戒処分とすべきではなかったでしょうか。

〇合田教育長 体罰につきまして私の方からお話いたしますと、体罰が発生した場合は、それぞれ担当教員あるいは校長から、体罰に至った経緯、あるいはその体罰の対応、それから児童生徒の傷害の程度について事情聴取するとともに、過去の同種の事例を参考にしながら総合的に検討して決定しているもので、適正な処置であったと考えております。
 なお、今委員お話のとおり、体罰の関係について、人権やいろいろなことがございますので、体罰の根絶に向けて校長会議とか初任者研修で指導しておりますけれども、ことしから、盛岡地方法務局の職員の人権擁護に関する講演会を校長会等で開催して、よりこういうことがないように努めているところであります。
 教頭のことにつきましては、義務教育課長から答弁させます。

〇西指導課長 先ほど委員からお尋ねございました調査書の絶対評価のところでございますが、12月4日の教育課程審議会の答申において、調査書の取り扱いについて、設置者に、絶対評価に転換するよう努力を求める表現となっております。今後、教育課程審議会の動向を踏まえた文部省の対応が注目されているところではございますが、本県の高校入試における調査書の取り扱いにつきましても、文部省の方針を踏まえ、適切に対応してまいりたいと考えております。具体的な対応といたしましては、本県高等学校の入学者選抜方策に関する基本的事項を審議する入学者選抜方策検討委員会において検討してまいりたいと考えております。

〇森川義務教育課長 ある小学校の教頭に対する、懲戒処分とすべきではなかったかということでございますが、御指摘の小学校教頭は、4月の酒席において、同席していた女性に対して服の上から腕や肩をさわったとされるものであるが、本人が否定したため、服務監督権者である町の教育長は、職員の範となるべき管理職としてこうしたことが話題になること自体に問題があるとの認識から、厳しく指導を行ったと聞き及んでいるところであります。当該行為については、町教委の確認はそれ以上できなかったことから、県教委としても、懲戒処分は難しいものと判断したものであります。
 その後、本人から、教育活動に対して熱意と情熱を失ったということで辞職願が出され、それを受けて、町教育委員会から県に対して内申が提出されたものであります。県としては、町教育委員会の判断を尊重して、辞職を承認したものであります。

〇斉藤信委員 これで終わりますけれども、今の義務教育課長の答弁は、残念ながら事実と違う。私は、担当の教育長から詳しく話を聞きましたけれども、実は、4月に2回セクハラ事件を起こしているんですよ。どういうときかというと、教職員の歓迎会のときですよ。この人は新任の教頭で、そのときにセクハラ事件を起こした。若いお母さんの身体をさわって、周りの人が注意したけれどもやめなかった。PTA会長が無理やり別の部屋に連れていった、これが1件です。もう1件は、実はその前にセクハラ事件があって、地域の体育会の懇親会の席上で、若い女性にセクハラをやって、それをとめようとした女性までセクハラを受けた。教育長が学校長からこの報告を受けて、何度もこの事実について確認をしようとしたけれども、最後まで認めなかったが、被害を受けた人はそれを認めたということであります。だから、私は二重に悪質だと思うんです。
 そして、当該の学校長も教育長も、これは懲戒処分に当たると私にはっきり言いました。しかし、なぜ依願退職にしたかというと、ずうっと学校にいられては、学校が混乱する。だからこの教育長は、みずから首をかけて、やめる決意で依願退職を迫ったんですよ。そういう事件です。
 だから私は、こういう事件については、セクハラ防止に基づいてしっかり調査をして、そして、例えばその学校から一時期は離して、きちんと調査して処分する。大体、税金で退職金が払われるなんていうことはとんでもないことですよ。(「決算の審査だから」と呼ぶ者あり)退職金がかかるんだから。そういう点で、ぜひ厳しく対応していただきたい。
 終わります。

〇佐々木大和委員長 答弁はよろしいですね。
 ほかに質疑はございませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇佐々木大和委員長 質疑がないようでありますので、教育委員会関係の質疑をこれで終わります。
 次に、出納局長に出納局関係の説明を求めます。

〇藤沢出納局長 出納局関係の決算について御説明を申し上げます。
 便宜、お手元に配付しております歳入歳出決算事項別明細書により御説明いたしますので、110ページをお開き願います。
 第2款総務費第1項総務管理費第1目一般管理費のうち、出納局関係の支出済額は、111ページ備考欄に記載しております出納局の管理運営費13億8、765万円余で、職員161名の人件費、その他、局の管理運営に要した経費であります。次に、114ページをお開き願います。第5目会計管理費の支出済額は5億8、173万円余であります。その主なものは、一時借入金の支払い利息などの管理運営費、証紙の売りさばき手数料及び給与の計算事務委託等に要した経費であります。
 次に、飛んでいただきまして、362ページでございます。証紙収入整理特別会計についてでありますが、収入済額の合計は92億7、142万円余であり、支出済額の合計は90億2、148万円余であります。この歳出は、一般会計に繰り出したものであり、その内訳は、県税、使用料及び手数料等となっております。この結果、歳入総額から歳出総額を差し引いた実質収支額は2億4、993万円余で、翌年度に繰り越しをしているものであります。
 以上で出納局関係の説明を終わります。よろしく御審議賜りますよう、お願い申し上げます。

〇佐々木大和委員長 ただいまの説明に対して質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇佐々木大和委員長 質疑がないようでありますので、出納局関係の質疑を打ち切ります。
 出納局関係をこれで終わります。
 次に、人事委員会事務局長に、人事委員会関係の説明を求めます。

〇鈴木人事委員会事務局長 人事委員会関係の決算につきまして御説明申し上げます。
 便宜、お手元の歳入歳出決算事項別明細書の134ページをお開き願います。
 第2款総務費第8項人事委員会費でございますが、予算総額1億8、814万9、000円に対し、支出済額は1億8、792万9、000円余でございます。第1目の委員会費の支出済額は747万8、000円余でございまして、これは、委員3名分の報酬及び活動に要した経費でございます。次に、第2目の事務局費の支出済額は1億8、045万1、000円余でございますが、これは、主として職員17名分の人件費及び事務局の管理運営に要した経費でございます。
 以上で説明を終わります。よろしく御審議を賜りますよう、お願い申し上げます。

〇佐々木大和委員長 ただいまの説明に対して質疑はありませんか。

〇斉藤信委員 昨年の人事委員会の勧告は戦後初めてマイナス人勧となり、40歳の係長クラスで10万5、000円の減収でした。さらに、ことしはボーナスを0.2カ月削減して、今年度分で7万9、000円の削減、昨年度分に上積みになりまして合わせて実質18万4、000円の減収となる異常なもの、最悪のものでありました。
 人事委員会の給与勧告は、職員が労働基本権を制約されていることへの代償措置として行われるものであり、職員にとってほとんど唯一の給与改善の機会であります。これは人事委員会の報告にこう書いてあります。減収を勧告することが、労働基本権の制約の代償となるのか、唯一の給与改善の機会を奪うものではないのか。人事委員会のあり方にかかわると思いますけれども、こういう点はどのように検討されたのかお聞きしたい。
 県職員の給与は県内労働者に大きな影響を与えるものであります。社会的な賃金水準の目安ともなるものであります。全国では750万人、雇用者の14%に影響を与えますが、県内ではどれだけの労働者、%も含めて影響を与えるか示していただきたい。
 超過勤務の縮減が毎年報告されていますが、平成10年度、平成11年度で実態はどう改善されたでしょうか。十分改善されていない場合は、その要因を把握しているか示していただきたい。
 私は、昨年もサービス残業の実態について指摘しましたが、人事委員会としてサービス残業の実態を把握しているでしょうか。平成10年度は1人平均年120時間、31万円、総額では15億円のサービス残業でありましたが、平成11年度はどうなっているでしょうか。

〇鈴木人事委員会事務局長 ただいまの御質問は大きく分けて3点だったと思いますが、私の方からは、人事委員会勧告について、その他の勧告の県内労働者への影響の数と超勤の実態等については、職員課長の方から答弁させます。
 まず、人事委員会の行う給与勧告でございますが、委員御指摘のように、これは労働基本権制約の代償措置として設けられておるわけでございますが、同時に、職員の給与を社会一般の情勢に適応させる機能をも有するものと理解しております。職員の給与は、地方公務員法第24条の規定によりまして、生計費並びに国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与等を勘案して定めることとされており、また、人事委員会は、同法第26条の規定によりまして、給与を決定する諸条件の変化に対応し、給料表に定める給料額を増減することが適当であると認めるときは、所要の勧告をすることができることともされているところでございます。
 したがいまして、当委員会といたしましては、従前からこれら給与勧告の果たします役割に留意いたしますとともに、給与決定の原則あるいは根本基準に従いまして、検討の上、給与勧告を行ってきているところでありますが、本年は、民間における極めて厳しい給与情勢などを反映いたしまして、国及び他の都道府県と同様に、昨年に引き続きまして全体としてマイナスの勧告となったものでございますので、御理解を賜りたいと存じます。

〇小野寺職員課長 それでは、そのほかの御質問でございますが、まず1点目は、人事委員会勧告が影響を与える県内雇用者数はどの程度かということでございます。これにつきましては、まず、御案内のとおり県職員が約2万8、000人ございます。それから、現在は地方分権ということでございますので、必ずしもストレートにはまいらないかと存じますが、市町村の職員が、大ざっぱに申しますと大体1万6、500人ございます。このほか、公益法人、あるいは病院等の民間事業所で、県職員に準拠して給与改定を行っているところもあるやに仄聞しているところでございますが、その実態については把握しておらないところでございます。
 それから、職員の超勤の実態というお尋ねでございます。これにつきましては、本年の当委員会の給与勧告の際、報告におきまして、職員の超過勤務の縮減等について言及しているところでございますが、いわゆる超過勤務等の実態は、昨年度、知事部局、教育委員会及び警察本部の全体で、1人当たり月平均25.0時間、平成12年度は26.7時間でございましたので、若干改善が見られたというところでございます。
 また、職員の超過勤務の状況が十分改善されていない要因というお尋ねでございましたが、当委員会で実施しております職員のいわゆる超過勤務等に関する調査でございますが、これは、職員の健康保持、あるいは公務能率の維持・向上の観点から、その全体の傾向について把握するために行っているものでございます。したがいまして、その要因等、詳しく分析しておらないところでございます。
 それから、サービス残業の実態ということでございました。当委員会の調査は、ただいま申し上げましたとおり、職員の健康保持及び公務能率の維持・向上といったような観点から、その全体の傾向を把握するために行っておりますものですから、いわゆる超過勤務、それに対する手当額といったような関係については、具体的に把握はいたしておらないところでございます。

〇斉藤信委員 私は、人事委員会というのは給与改善の唯一の機会だから──改善ですよ──改悪というのは、私は人事委員会の性格に反すると思います。これは指摘だけにとどめます。
 超過勤務の問題は、残念ながらほとんど減っていない。知事部局で1人当たり22から21時間。そして、サービス残業は、去年は10時間だったけれども、11年度はまだ6時間残っていますよ。サービス残業というのは不払い残業ですから、直ちに根絶すべき課題です。私はそういう点で、不払い残業を存続するなんていうことは許されないことだから、人事委員会もきちっと──超過勤務縮減の一番の決め手はサービス残業をなくすことです。そういう点もしっかりやっていただきたい。指摘して、終わります。

〇佐々木大和委員長 ほかに質疑ありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇佐々木大和委員長 質疑がないようでありますので、人事委員会関係の質疑をこれで終わります。
 次に、監査委員事務局長に監査委員会関係の説明を求めます。

〇小笠原監査委員事務局長 それでは、監査委員関係の決算につきまして御説明申し上げます。
 便宜、お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。134ページをお開き願います。
 第2款総務費のうち、第9項監査委員費1目委員費の支出済額は2、384万9、000円余でありますが、これは、監査委員4名の報酬、給与、監査等に要した経費であります。次に、136ページをお開き願います。2目事務局費の支出済額は2億6、487万9、000円余でありますが、これは、事務局職員19名の人件費等事務局の管理運営に要した経費であります。
 以上で監査委員関係の説明を終わります。御審議のほど、よろしく賜ります。

〇佐々木大和委員長 ただいまの説明に対して質疑はありませんか。

〇斉藤信委員 1点だけ。
 平成11年度の決算について、重点事項として工事請負契約、委託契約、補助金の交付契約などの方法、手続及び完了確認事務が適正かを監査したと聞いておりますが、監査結果、指摘事項はどうでしょうか。
 工事費、設計額が過大に積算されたケースがあったと聞きますが、その原因は何でしょうか。

〇一戸監査委員 先ほど、委員長から御発言がありましたので、大変恐縮でございますけれども、簡潔に答えさせていただきます。
 まず、監査の結果から申し上げますと、これまで鋭意改善を要する事項として、県報で指摘・公表したのは8件であります。このうち、今年度の監査の重点事項に係る工事請負契約に関するものが3件、委託契約に関するものが1件の合わせて4件であります。
 また、工事費や設計額が過大に積算されたものは3件であり、いずれも繰越工事に係る設計変更の際、積算額を誤ったものであります。
 これを原因別に見ますと、1件目は、平成10年度から11年度への繰越工事の設計変更に当たり、工期が7月30日まであるのに、冬季率を100%で積算したものであります。
 2件目は、同じく平成10年度から11年度への繰越工事の設計変更に当たり、2カ年の工事費を合算する際に、平成11年度の直接工事費に誤って移記したことによるものです。
 3件目は、平成11年度から12年度への繰越工事に当たり、排水口の設計に誤りがあったものであります。
 これらは、いずれも特記すべき事例でありましたので、御質問があったと受けとめておりますが、既に本監査などで、関係部門に対しましては厳重に注意を喚起したところであります。

〇佐々木大和委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇佐々木大和委員長 質疑がないようでありますので、監査委員会関係の質疑をこれで終わります。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後5時16分 散 会


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