平成12年12月定例会 決算特別委員会会議録

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平成12年12月4日(月)
  

1開会 午前10時4分

1出席委員 別紙出席簿のとおり

1事務局職員
事務局長     和 美 宏 幸
議事課長     熊 谷 素 紀
議事課長補佐   千 田 正 和
主任議事管理主査 浅 田 和 夫
議事管理主査   浅 沼   聡
議事管理主査   森   達 也
議事管理主査   熊 谷 正 則
議事管理主査   下 山 義 彦

1説明員
副知事      千 葉 浩 一
出納長      高 橋 洋 介
総務部長     武 居 丈 二
総務部次長兼行政システム改革室長 佐 藤   勝
総務部次長兼県立大学室長     保 坂 貢 一
参事兼人事課長  邨 野 善 義
総務学事課長   宮 舘 壽 喜
財政課長     池 田 克 典
税務課長     菅 原 晴 輝
消防防災課長   小野寺   博
 
企画振興部長   佐 藤 徳兵衛
企画振興部次長  赤 津 征 男
企画振興部次長  相 原 正 明
企画調整課長   阿 部   健
地域政策課長   菊 池 秀 一
市町村課長    福 田   毅
情報科学課長   古 澤 眞 作
 
副出納長兼出納局長 藤 沢 政 則
出納課長     山 口 喜 弘
 
監査委員     一 戸 克 夫
監査委員     及 川 桂 子
監査委員事務局長 小笠原   宗
総務課長     青 木   拓
監査課長     三 上 佑 子
  

〇和美議会事務局長 御承知のとおり、委員長が互選されるまでの間、委員会条例第7条第2項の規定により、年長の委員が委員長の職務を行うことになっておりますので、年長の委員を御紹介申し上げます。
 出席委員中、船越賢太郎委員が年長の委員でありますので、御紹介申し上げます。
 船越賢太郎委員、どうぞ委員長席に御着席願います。
   〔年長委員船越賢太郎君委員長席に着く〕

〇船越賢太郎年長委員 紛れもない年長委員でございます。
 それでは、ただいまから決算特別委員会を開会し、直ちに本日の会議を開きます。
 これより委員長の互選を行います。委員会条例第7条第2項の規定により、委員長互選の職務を行います。
 お諮りいたします。委員長の互選の方法につきましては、指名推選の方法によりたいと思いますが、これに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇船越賢太郎年長委員 異議なしと認めます。よって、互選の方法は指名推選によることに決定いたしました。
 お諮りいたします。指名の方法につきましては、当職において指名することにいたしたいと思いますが、これに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇船越賢太郎年長委員 御異議なしと認めます。よって、当職において指名することに決定いたしました。
 決算特別委員長に佐々木大和君を指名いたします。
 お諮りいたします。ただいま当職において指名した佐々木大和君を決算特別委員長の当選人と定めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇船越賢太郎年長委員 御異議なしと認めます。よって、ただいま指名いたしました佐々木大和君が決算特別委員長に当選されました。
 ただいま当選されました佐々木大和君が委員会室におられますので、本席から当選の告知をいたします。
 佐々木委員長、委員長席にお着きを願います。
   〔決算特別委員長佐々木大和君委員長席に着く〕
   (拍手)

〇佐々木大和委員長 ただいま決算特別委員長に選任いただきました佐々木大和でございます。
 委員の皆様の御支援をいただきながら職務を全ういたしたいと思います。皆さんの御協力をよろしくお願いいたします。(拍手)
 引き続いて副委員長の互選を行いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇佐々木大和委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。
 これより副委員長の互選を行います。
 お諮りいたします。副委員長の互選の方法につきましては、指名推選の方法によりたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇佐々木大和委員長 御異議なしと認めます。よって、互選の方法は指名推選によることに決定いたしました。
 お諮りいたします。指名推選の方法につきましては、当職において指名することにいたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇佐々木大和委員長 御異議なしと認めます。よって、当職において指名することに決定いたしました。
 決算特別副委員長に阿部敏雄君を指名いたします。
 お諮りいたします。ただいま当職において指名した阿部敏雄君を決算特別副委員長の当選人と定めることに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇佐々木大和委員長 御異議なしと認めます。よって、ただいま指名いたしました阿部敏雄君が決算特別副委員長に当選されました。
 ただいま当選されました阿部敏雄君が委員会室におられますので、本席から当選の告知をいたします。
 阿部副委員長、ごあいさつを願います。

〇阿部敏雄副委員長 ただいま副委員長に御推薦いただきました阿部敏雄でございます。
 大変光栄に存じております。
 委員長を補佐し、スムーズな運営に努めてまいりたいと思いますので、委員各位の皆様方の御協力と御指導をよろしくお願いいたします。(拍手)

〇佐々木大和委員長 お諮りいたします。当決算特別委員会に付託されました決算12件についての審査の方法でありますが、お手元に配付してあります日程案のとおり、本日から12月8日までの5日間は、出納長及び関係部局長の説明を求め、質疑を行うこととし、決算12件に対する意見の取りまとめと採決につきましては、12月8日の警察本部関係の質疑が終わった後、各会派の意見調整を経た上で行いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇佐々木大和委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。
 これより議事に入ります。認定第1号平成11年度岩手県一般会計歳入歳出決算から認定第12号平成11年度岩手県県民ゴルフ場事業特別会計歳入歳出決算までの12件を一括議題といたします。
 これより出納長に決算の総括説明を求めます。

〇高橋出納長 平成11年度歳入歳出決算の概要について御説明申し上げます。
 岩手県総合計画の初年度に当たる平成11年度一般会計歳入歳出予算は、当初予算が義務的経費を中心とした骨格的予算とされ、8、697億1、157万円余が措置されたところであります。この当初予算に、新規または政策的経費や国の経済対策に呼応した公共事業費及び県単独事業費など859億7、375万円余の追加補正が行われ、さらに、前年度からの繰越事業費837億5、023万円余を加えた結果、予算現額は1兆394億3、556万円余となりまして、前年度に比べますと313億4、820万円余、3.1%の増となったものであります。
 それでは、お手元に配付いたしております歳入歳出決算事項別明細書・実質収支に関する調書の381ページをお開き願います。
 ただいま申し上げました予算現額に対する決算額は、お手元の調書に記載のとおり、一般会計の歳入総額は9、506億866万円余、歳出総額は9、290億198万円余であり、歳入歳出差し引き額は216億668万円余となったものであります。また、歳入歳出差し引き額から翌年度へ繰り越すべき財源201億9、180万円余を差し引いた実質収支額は14億1、487万円余の黒字となったところであります。
 次に、歳入歳出決算書の2ページ及び3ページをお開き願います。
 まず、歳入についてでありますが、収入済額は9、506億866万円余で、前年度に比べますと35億7、668万円余、0.4%増加し、収入済額の割合は、予算現額に対しまして91.5%、調定額に対しまして99.7%となったところでございます。
 なお、収入未済額は23億8、335万円余で、前年度に比べまして5億5、682万円余増加いたしましたが、この収入未済額の主なものは県税であります。
 次に、4ページ、5ページの歳出についてでございますが、支出済額は9、290億198万円余で、前年度に比べますと58億8、297万円余、0.6%増加し、予算現額に対する支出済額の割合は89.4%となったところでございます。
 また、翌年度繰越額は1、090億6、644万円余で、前年度に比べまして253億1、621万円余増加いたしましたが、この繰越額の主なものは、土木費及び農林水産業費であります。
 なお、不用額は13億6、713万円余で、前年度に比べまして1億4、901万円余増加いたしました。
 以上、一般会計の決算の内容について御説明申し上げましたが、その特色といたしましては、第1には、決算規模の伸び率が低下したことであります。予算規模は前年度に比べ3.1%の増加となりましたが、翌年度への繰越額が増加したこと等によりまして、決算規模の伸び率は歳入が0.4%、歳出が0.6%と、歳入、歳出とも低い伸び率にとどまったものであります。
 第2には、実質収支、単年度収支とも引き続き黒字となったことであります。依然として厳しい財政環境のもと、歳入の確保、歳出の効率的な執行に努めました結果、実質収支では14億1、487万円余、単年度収支では3、009万円余と、前年度に引き続き、ともに黒字となったものであります。
 第3には、自主財源が減少したことであります。繰入金が前年度に比べ113億2、316万円余、59.7%減少したこと等によりまして、自主財源が前年度に比べ64億227万円余、2.0%減少いたしました。一方、依存財源は、県債が前年度に比べ140億5、696万円、8.7%減少したものの、地方交付税が213億9、134万円余、8.3%増加したこと等によりまして、前年度に比べ99億7、896万円余、1.6%増加したものであります。
 第4には、公債費が増加したことであります。公債費は、国の経済対策に取り組むために発行した県債等の元利償還金の増加によりまして、前年度に比べ85億9、757万円余、9.6%増加して980億4、275万円余となり、過去最高となったものであります。
 第5には、繰越額が多額となったことであります。翌年度に繰り越した金額は、前年度に比べ253億1、621万円余、30.2%増加して過去最高の1、090億6、644万円余となりましたが、これは、国の経済対策に対応して追加された公共事業の繰り越しのほか、計画調整、設計及び工法の検討に不測の日数を要したことなどにより繰り越しとなったことによるものであります。
 以上、一般会計決算の特色を申し上げましたが、次に、母子寡婦福祉資金特別会計ほか10会計の決算内容について御説明申し上げます。
 特別会計歳入歳出決算総括表により御説明申し上げますので、歳入歳出決算書の20ページ以下をごらんいただきたいと存じます。
 母子寡婦福祉資金特別会計ほか10会計の歳入合計額は、25ページに記載されておりますとおり433億2、081万円余であり、収入未済額は14億6、980万円余となりましたが、その主なものは、中小企業振興資金特別会計における中小企業高度化資金の償還金などであります。
 また、歳出合計額は、28ページに記載されておりますとおり386億3、932万円余であり、各会計とも実質収支は黒字となったところであります。
 以上で決算の概要説明を終わりますが、お手元に歳入歳出決算書、歳入歳出決算事項別明細書・実質収支に関する調書など8件の法定書類のほか、説明資料として歳入歳出決算説明書をお配りいたしておりますので、御参照いただきたいと存じます。
 なお、決算内容の詳細につきましては、審査日程に従いまして、それぞれ担当の部局長から説明申し上げることとなっております。
 また、監査委員から御意見のありました事項につきましては関係部局において所要の措置を講じたところでありますが、会計事務の適正な執行につきましては、今後とも各部局への指導、適切な出納審査等を行うなど、その万全を期してまいりたいと存じております。
 よろしく御審議の上、御認定くださいますようお願い申し上げ、説明を終わらせていただきます。

〇佐々木大和委員長 これより総括質疑に入ります。
 最初に、代表質疑を行います。発言時間は、答弁を除き1人30分以内となっておりますが、発言時間に残時間があるときは、その範囲内で、当該会派に属する委員に限り関連質疑を認めることになっております。
 なお、世話人会の申し合わせにより、平成11年度決算の審査であるので、当該年度に関する質疑とされたいこと、質疑項目が複数ある場合、関連する事項についてはできるだけまとめて質疑されたいこと、また、質疑及び答弁については簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力されるようお願いいたします。
 これより代表質疑に入ります。

〇折居明広委員 自由党の折居明広でございます。
 会派を代表しまして、平成11年度決算について総括的に質問させていただきます。これまでの質問と一部重複する部分もあろうかと思いますが、お許しをいただき、簡潔明瞭かつ内容の濃い御答弁をお願い申し上げます。
 まず、平成11年度の県政についてお伺いいたします。
 平成11年度は、我が国経済が長引く不況から緩やかに改善し、3年ぶりに国内総生産の実質成長率がプラスとなったのでありますが、雇用情勢は依然として厳しく、景気が回復したという実感が伴わなかったように思うのであります。このような中で増田県政2期目がスタートし、8月には環境、ひと、情報を柱とする新しい総合計画が策定されました。
 環境、ひと、情報といえば、教育関連では夏にインターハイが開催され成功裏に終わりましたし、年明けのいわゆる2000年問題では社会の情報化を改めて実感したのでありますが、県内にはさしたる被害とてなく、まずは一安心したのであります。また、環境問題では、県みずからISO14001を取得するなどの明るい話題もありました。一方では、10月に県北部を中心として大雨による被害が発生し、自然の恐ろしさを改めて痛感した年でもありました。
 そこでお伺いしますが、平成11年度の県政全般を顧みてどのように評価されているのでしょうか、お聞かせ願います。

〇千葉副知事 平成11年度は、みんなで創る夢県土いわてを基本目標としました総合計画を8月に策定したわけでございますが、実施計画に掲げる主要な事業を中心といたしまして施策の積極的な展開に努めたところでございます。しかしながら、県民の信頼を損なう事件が発生し、また、今年度は入札などをめぐって不祥事が発生したことは極めて遺憾でございまして、改めておわび申し上げますとともに、再発防止に全力を尽くしてまいりたいと考えております。
 平成11年度における施策の展開状況でございますけれども、最初に、総合計画において、21世紀の岩手を切り開くキーワードとして掲げました環境、ひと、情報の三つの視点から施策の展開状況について御説明申し上げます。
 まず、環境の関係でございますけれども、日本の環境首都を目指しまして、その中枢的機能を担う環境保健センターの整備に着手するとともに、国を上回る二酸化炭素の削減目標を設定いたしまして、環境負荷低減に向けた取り組みを県民の参加と連携のもとに進めたほか、国連大学等との共同による海洋環境に関する研究に着手したところでございます。
 また、ひとの関係でございますが、世界や地域に貢献するたくましい岩手の人を育てるため、子供たちの自然との触れ合いやボランティア体験等の促進に努めるとともに、積極的に情報教育を推進したほか、ボランティア活動やNPO活動を支援するための取り組みを実施したところでございます。
 また、情報の関係でございますけれども、情報の森づくりを進めるため、いわて情報ハイウェイの整備を推進するとともに、県内外の医療機関の情報ネットワーク化や防災面での情報化の推進を図ったところでございます。
 次に、岩手が目指す将来像として掲げました五つの社会ごとに施策の展開状況について御説明申し上げます。
 まず、自然と共生し、循環を基調とする社会の実現に向けた施策でございますが、県がみずからISO14001の認証を取得するとともに、県版レッドデータブックの作成を進めたほか、県営施設への太陽光発電設備の設置など新エネルギーの導入に努めたところでございます。
 また、快適に安心して暮らせる社会の実現に向けた施策につきましては、上下水道の整備を進めるとともに、県立一戸・北陽病院など地域医療の中核を担う医療機関の整備充実を図ったところでございます。また、昨年10月の県北部の大雨災害の災害復旧に努めるとともに、被災者に対しましてさまざまな救済措置を講じたところでございます。
 次に、創造性あふれ、活力みなぎる産業が展開する社会の実現に向けた施策につきましては、農業につきましては、いわて総合食料基地宣言を行いまして農地の利用集積や低コスト生産のための基盤づくりを進めるとともに、林業につきましては、間伐の推進や広葉樹林施業の導入等によりまして多様な森林づくりを進め、森林の公益的機能の維持、増進を図ったところでございます。また、水産業につきましては、ハセップ方式の導入によりまして安全な水産物の流通体制の整備を図ったところでございます。また、商工業につきましては、企業と大学、試験研究機関等の連携を強めまして本県独自技術の確立に向けた研究開発を進めるとともに、新産業創出を支援する中核的機関として財団法人いわて産業振興センターの設立に向けた取り組みを進めたところでございます。また、中心市街地活性化基金を創設するとともに、第12回国際超電導シンポジウムを開催したところでございます。
 また、ネットワークが広がり、交流・連携が活発に行われる社会の実現に向けた施策につきましては、地域主体のいわて地元学の実践活動や地域間交流を促進するとともに、東北横断自動車道釜石秋田線等の整備や東北新幹線盛岡以北の建設を促進したほか、花巻空港滑走路2、500メートル延長整備に努めたところでございます。
 また、個性が生かされ、共に歩む社会の実現に向けた施策につきましては、いじめや不登校などの問題につきまして関係機関や地域と一体となった取り組みを進めるとともに、平成12年4月の岩手県立大学への大学院設置に向けた取り組みを進めたほか、本県で開催されました全国高等学校総合体育大会を成功裏に終えたところでございます。
 以上、平成11年度における成果の一端について申し上げたところでございますけれども、平成11年度は新しい総合計画の初年度に当たったわけでございまして、各分野において積極的な施策の展開を図ったところでございまして、県勢は着実に進展しているものと考えているところでございます。

〇折居明広委員 そうしますと、平成11年度の県政全般は、満点を100とすれば、大体合格点以上、80点近くとれると考えていると思いますが、そのようなところでしょうね。
 次に、本県の経済の状況と今後の見通しについてお伺いいたします。
 我が国の経済は、平成9年の春以降、景気の後退局面に入ったわけでありますが、経済対策などの各種の政策効果によって平成11年春ごろに下げどまり、その後、緩やかな改善が続いていると言われております。しかしながら、実感として地方の実態はまだまだ厳しい状況にあると思われるのであります。
 そこでお伺いいたします。先般、県で公表した岩手県の県民所得においては、平成10年度の本県経済は、現行統計が開始された昭和50年度以降最大のマイナス成長となったと分析しておられましたが、本県経済の現状と今後の見通しについてお示し願います。

〇佐藤企画振興部長 本県経済は、平成9年度後半から減速、低迷状態で推移いたしまして、平成11年度の前半になって下げどまりの動きが見られ、その後、緩やかながらも回復の傾向に向かっていると見ております。
 最近の動きを見てみますと、大型小売店販売額は、飲食料品、衣料品など各商品が総じて不振なことから、9月は前年同月比8.7%減となり、11カ月連続して前年水準を下回って低迷しております。また、有効求人倍率も依然として0.6倍台の低水準が続いております。
 一方、新設の住宅着工戸数を見ますと、貸し家などが増加していることから、8月に前年同月比5.4%増、9月は3.5%増と、このところ前年水準を上回っており、鉱工業生産指数は、精密機械が好調のほか、食料品、たばこなどが増加しておりますことから、9月は前年同月比2.4%増となり、5カ月連続して前年水準を上回っております。
 以上のことから、本県の経済は、なお厳しい状況にある中で、弱いながらも改善が続いていると見ております。
 今後の見通しでありますけれども、去る10月に日本新生のための新発展政策を決定したところでありまして、これに呼応した国、地方を通ずる総合的な経済対策の実施によりまして着実な景気の回復が図られるよう強い期待を持っております。

〇折居明広委員 12月初めの報道によると、県内景気の後退、業種間格差も拡大しているという記事もありましたが、いずれこれだけは中央の情勢と非常に密接な関係があるわけでありますから、とにかくやれるだけやって頑張ってもらうということ以外にないわけであります。
 次に、平成11年度決算の分析についてお尋ねいたします。
 平成11年度の地方財政対策は、前年度に引き続き多額の財源不足を生じながらも、恒久的な減税に対する地方財政への影響分については地方特例交付金の創設などで補てんするとともに、地域福祉施策の充実、景気対策への配慮など、地方財政の運営に支障が生じることのないよう所要の地方財源の確保が図られております。しかし、地方財源の確保に当たっては、交付税特別会計の資金運用部資金からの借入を初めとし、地方債の増発などの措置によるなど、依然として厳しい財政状況にあったものと思われます。
 本県におきましても、決算を見ますと、監査委員の審査意見にもありますように、主要財源である地方交付税、国庫支出金については前年度を上回る収入となっておりますが、国の経済対策に伴う景気対策や、増大する行政需要に対応するため多額の県債発行を余儀なくされるなど、厳しい財政状況が続いております。
 そこでお尋ねしますが、県当局は、平成11年度決算についてどのように分析しておられるのかお伺いいたします。

〇武居総務部長 平成11年度の決算の分析でございますが、歳入面では、厳しい財政環境の中で、自主財源比率につきましては、県税収入が景気低迷による法人2税の落ち込みなどで減少したことや、主要3基金からの繰り入れの抑制などによる繰入金の大幅な減少によりまして前年度を0.6%下回ったところでございます。また、一般財源比率につきましては、地方交付税の大幅な増加や地方特例交付金の創設によりまして前年度を1.7ポイント上回っております。また、県債は、大規模施設整備の終了や建設抑制によりまして減少したところでございます。
 一方、歳出につきましては、前年度に比べまして52億7、300万円、0.6%の増加をしております。この要因といたしましては大きく3点ございますが、普通建設事業につきましては、オートキャンプ場等の整備が終了したことによりまして4.4%減少しております。一方で、11年10月に軽米町を中心とする大雨・洪水災害の発生などがございまして、災害復旧事業が増加いたしました。総額で65億円の増加でございます。さらに3点目としまして、公債費が大きく伸びてございます。これは、前年に比較しまして99億円の増加でございますが、こういったこともございまして、増減ございまして0.6%の増加となってございます。
 こういった決算分析を踏まえました財政構造の分析でございますけれども、財政構造を前年度と比較してみますと、これまでの経済対策や地方財源不足に対処するために発行した財源対策債等の償還額の増加によりまして公債費が増加したため公債費比率が1.3ポイント上昇したほか、経常収支比率は、地方交付税の増加などによりまして1.9ポイント低下しているところでございます。
 しかし、これらの指標を東北各県と比較しますと、おおむね良好な財政運営を維持し得たものと考えております。これは、財政運営に当たりまして、財源の確保に努め、経常経費を可能な限り節減し、社会資本の整備を重点的に推進するなど、限られた財源を重点的かつ効率的に配分するよう努めた結果であると考えているところでございます。
 県財政は引き続き厳しい財政環境が現在も続いているところでございますけれども、行政システム改革大綱に沿って、中期的な財政見通しのもとに、行財政運営の簡素合理化を進めながら、今後とも健全な財政運営に努めてまいりたいと考えております。

〇折居明広委員 次に、県税の決算についてお尋ねいたします。
 平成11年度の県税の収入済額は1、241億4、893万円余であり、補正後の予算額を1億8、090万円ほど上回る結果となっており、予算額の確保にまず敬意を表するものであります。
 そこでお伺いしますが、平成11年度の調定額に対する収入済額の状況は、前年度あるいは他県と比較した場合どのような状況でしょうか。また、収入未済額は20億7、759万円余となっておりますが、これを前年度と比較した場合はどうでしょうか。
 本年4月に地方分権一括法が施行され、国と地方は、これまでの上下・主従の関係から対等・協力の関係に移行し、多くの権限が地方に委譲されたところでありますが、財源委譲の問題は依然として積み残されたままとなっております。このような現状から見て、自主財源である県税の確保はますます重要となってきているところであります。自主財源の確保の観点からも収入未済額の縮減が大変重要であると思いますが、未済額の縮減にどのように取り組んでおられるのかあわせてお尋ねいたします。

〇武居総務部長 平成11年度の調定額に対する収入済額の状況でございますけれども、前年度との比較につきましては、調定額に対する収入済額の状況といたしまして、いわゆる収入歩合でございますが、これは98.28%で、前年度に比較しますと0.46ポイントの減でございます。これを他県との比較で見ますと、全国都道府県の収入歩合の平均は95.97%で、本県は2.31ポイント上回っております。また、東北6県の収入歩合の平均は97.79%で、本県はこれを0.49ポイント上回っているところでございます。
 収入未済額の状況でございますが、まず、前年度との比較につきましては、平成11年度は収入未済額が20億7、759万円余で、前年度に対しまして5億3、735万円余の増加で、率では34.9%の増加となっております。
 この収入未済額の増加した主な理由でございますが、後ほど詳しく説明させていただきたいと思いますが、軽油引取税で輸入軽油に係る多額滞納事案が発生いたしましたほか、景気の低迷による営業不振、資金繰り困難等から滞納が増加したためでございます。
 収入未済額の縮減対策でございますが、まず、個人県民税、大口滞納者及び自動車税関係でございますが、平成12年5月に県税滞納整理特別対策要綱を策定しまして長期・大口滞納者に対する滞納整理を強化したほか、自動車税につきましては、初動集中整理を実施するなど新規滞納の縮減に努めました。また、個人県民税につきましては、市町村との連携を図りまして、共同催告等滞納整理の方策について支援、助言を講じて収入未済額の縮減に努めているところでございます。
 それから、先ほど後ほど詳しくと申し上げました軽油引取税の滞納案件でございますが、これが実は10年度と11年度の滞納額の増加のほとんどの要因でございまして、滞納額が軽油引取税で4億7、300万円余発生しておりますが、このうち、輸入軽油分で4億2、400万円余の滞納となっております。この軽油引取税の未済額のほとんどは全国規模で発生しているところの輸入軽油に対する極めて悪質な滞納でございまして、これは全国的に同様の被害が相当程度発生しておりまして、手口はほぼ同じなんですが、本県の場合ですと、本県に本店所在地を持つペーパーカンパニーが軽油を輸入したとして申告しますが、ペーパーカンパニーでございますので当然資力がなく、差し押さえ可能な財産もないことから滞納になっているものでございます。
 この事案につきましては、東京都が非常に被害額が多く、また、関係県が全国にわたっているところから種々協議を重ねてまいりまして、11月7日、東京都の輸入軽油申告不納付事案に係る地方税法違反事件の関係人としての嘱託を本県も受けまして、このペーパーカンパニーの代表者を国税犯則取締法に基づき強制調査したところでございまして、東京都を初め、関係道府県と連絡をとりながら滞納額の解消策に努めているところでございます。
 なお、地方分権とのかかわりがございまして、輸入軽油に係る滞納額については、このように極めて制度的な問題もあったところから、地方分権一括法によりまして、このたび12年度から地方交付税の額の算定方法に関しまして国に対する意見の申出制度というものができましたので、同じような被害を抱えている他県とともに意見の申出を自治大臣あてに行いまして、地方交付税の算定基礎を改正していただきまして交付税措置をしていただいたところでございます。
 また、滞納事案につきまして、制度的な欠陥もあるのではないかということで、国に要望しまして、平成13年度の制度改正において地方税法の改正の動きがあるやに聞いているところでございます。

〇折居明広委員 長期の大口滞納者対策、本当に大変だと思いますが、頑張っていただきたい、このように思います。
 次に、広域行政の推進についてお伺いいたします。
 地方分権一括法が施行され、いよいよ地方の時代を担える自立した地方自治体への取り組みに迫られてきております。本年5月に岩手県広域行政推進指針が策定されましたが、今後の行政体制のあり方や広域行政の推進について広く議論を展開するための資料としては一応評価できるものと私は思いますが、一方では、広域行政区域内での市町村の組み合わせだけで目新しさに欠け、極めて常識的だとか、また、合併の理念や必然性の言及に乏しいなどと物足りなさを指摘する声もあります。しかし、基本的には、各地域における情勢の変化や議論の動向に応じて随時見直しを行い、地域の将来のあり方を議論していくことが必要との考え方も示されておりますし、合併は、最終的にはそこに住む人々が決断すべきものでありますから、まず、各地域でもっと議論を深めていくことが必要だと思います。
 そこでお尋ねいたします。広域行政の組み合わせパターンを現行の広域市町村圏内にのみこだわった理由をお聞かせください。
 例えば、私見でありますが、盛岡の場合、盛岡市と直接境界を接している岩泉町や大迫町あるいは川井村との組み合わせパターンなどは考えられなかったのでしょうか。指針では新都市創造型とか行政機能効率型などとありましたが、そのほかに夢や希望を先行させた組み合わせなどもおもしろくて大切だと思いますが、いかがでしょうか。盛岡市と岩泉町が例えば合併したとすれば、岩手の県都も太平洋に面することになります。本州随一の広大な面積の中に酸素の放出量が日本一の森林を持ち、小本港からは世界の国々へと夢も膨らみます。また、大迫町と合併するとすれば、早池峰国定公園や日本有数の高山植物の宝庫を有し、早池峰神楽など国の重要無形民俗文化財が伝承されている大自然の中の県都として、あるいは川井村との合併では、シラカバ林に囲まれた区界高原やスズランの美しい兜明神のふもとに日本短角牛の大生産基地を持つ県庁所在地として限りなく飛躍するような気持ちもいたしますが、いかがでしょうか。こういう組み合わせパターンというものは今後考えられないものでしょうか、お伺いいたします。

〇佐藤企画振興部長 市町村の合併等を考える場合、基本的に住民の日常生活圏の圏域に配慮することが重要な要素であり、さらには、広域行政のエリアも、行政サービスをより効率的に展開していく上で、時代とともにそれぞれ変わっていくものと考えております。
 広域行政推進指針における広域行政の方向性の検討に当たっては、個々の市町村について、通勤通学圏や商圏、医療圏などの客観的な指標に基づく住民の日常生活での結びつき、地理的・地勢的条件などの要素を勘案いたしました。したがいまして、まずは広域市町村圏ありきでの検討を行ったものではありませんけれども、市町村の広域行政は昭和44年から昭和47年にかけて設定した広域市町村圏を基礎として展開されている状況等を踏まえて圏域内での組み合わせの提示にとどまったものであります。
 また、指針で示した類型や組み合わせ以外についても、これまで本会議などでたびたび取り上げられておりますようにいろいろな考え方があるところであり、指針をたたき台として、委員御提案のような組み合わせも含め、それぞれの地域で大いに議論していただくことを期待いたしているものであります。

〇折居明広委員 はい、わかりました。
 合併の手法として、対等合併、いわゆる吸収合併とか、それから飛び地合併、分筆合併といろいろあるわけでありますから、いろいろな形を想定しながら柔軟に組み合わせを考えていくことによって議論も沸いてくるのではないかと思って発言した次第であります。
 次に、県出資等法人についてお伺いします。
 まず、県出資等法人の見直しについてでありますが、県では、平成11年2月に策定した岩手県行政システム改革大綱を踏まえ、地方分権時代にふさわしい簡素で効率的な行財政改革を進める上からも県出資等法人の見直しは重要課題の一つであるとして、特別法及び民法法人46、商法法人24、計70の県出資等法人を一斉に点検しております。そして、その運営状況の評価を行った結果、県出資等法人指導監督事務要綱に定める整理合理化基準に照らして15法人を統廃合とし、13法人の出資を引き揚げるほか、整理合理化の対象とはしないものの5法人には経営改善、経営健全化の指導を行うとしておりましたが、その実施状況と、今後どのように合理化を進めていこうとしているのかお聞かせ願います。
 次に、出資等法人への役員の就任についてもお伺いします。
 本年5月に公表された県出資等法人の整理合理化の基本方針において、知事、副知事等県幹部職員の役員就任の縮減を図ることとしておりますが、現在の就任状況はどうなっているのでしょうか。また、今後どのように縮減していくおつもりなのかお示し願います。
 さらに、知事は、本年の5月時点で、県空港ターミナルビルなど3法人から受けていた役員報酬を辞退しておられますが、副知事ほか県幹部職員の方々は無報酬だったのでありましょうか、念のためお伺いいたします。

〇武居総務部長 県出資等法人の見直しについてでございますが、これにつきましては、本年5月に県出資等法人の整理合理化の基本方針を策定しまして、この方針に基づき、それぞれの法人所管部局において取り組んでいるところでございます。
 その実施状況でありますが、統廃合につきましては、本年3月末に三陸振興株式会社が解散し、また、本年4月には財団法人岩手県中小企業振興公社と財団法人岩手県高度技術振興協会との統合を行っているところでございます。また、出資の引き揚げにつきましては、本年6月に安比総合開発株式会社から出資の引き揚げを行っております。
 その他の統廃合や出資の引き揚げ対象法人につきましても、法人の運営状況や他の株主等に与える影響に配意しながら、所管部局におきまして対象法人及び他の出資者等との調整を図りながら取り組んでおりまして、特に来年度に具体的な動きが多くなってくると思いますが、おおむね順調に実施されているところでございます。
 また、経営改善の指導を行う法人もその中で定めているわけでございますけれども、岩手県肉牛生産公社、岩手県勤労者福祉協会及び岩手県林業公社など、それぞれ経営改善計画の策定を進めているところでございまして、計画の着実な実行を指導しているところでございます。
 今後の整理合理化に当たりましては、県出資等法人指導監督事務要綱に基づく所管部局による運営評価を行うとともに、その実施状況を的確に把握しながら継続的に見直しを図ってまいりたいと考えております。
 それから、県出資等法人への役員の就任についてでございますけれども、県内に主な事務所を有する県出資等法人への役員就任につきましては、平成12年6月30日現在、67法人中57法人に延べ122人就任しておりまして、前年度に比べ4法人、6人の縮減となっております
 今後につきましては、法令により職の指定があるものや他の都道府県との均衡を図る必要があるものを除きまして、若干詳しくなりますけれども、おおむね次の基準によることとしておりまして、知事等三役を初めとする県幹部職員の役員就任の縮減を図っていくこととしております。
 その基準でありますが、大きく5点ございまして、第1点目は、法人の業務が県行政と密接不可分のもの及び施策の推進上特に必要が認められるもののみ就任をすると。それから、2点目は、県の職員が法人の役員に就任する場合にあっては、原則として当該法人を所管する部局の職員による対応とする。ただし、県の重点施策である分野あるいは新たな行政分野等については知事または副知事のいずれかが就任できるものとする。それから、第3点目は、所管部局の職員が役員に就任する場合におきましては、当該部局の長、次長及び課長は同一の法人の役員に重複して就任しないものとすること。それから、4点目は、部局の長等は、特に必要があると認められる場合を除き、他の部局が所管する法人の役員には就任しないものとすること。それから、最後の5点目でございますけれども、県の職員が特に幹事または監査役に就任する必要がある場合は次によるものとするということで、知事または副知事が役員に就任している場合は出納長が就任、それから、法人所管部局の職員が役員に就任している場合は出納局の職員、それから、法人所管部局の職員が役員に就任していない場合は所管部局の職員という形で、基準を定めて対応していきたいと思います。
 いずれ、こういった基準を厳密に適用しまして役員就任の縮減を図っていくこととしまして、毎年度法人所管部局から報告を求めまして、その実施状況を把握していきたいと考えております。
 なお、御質問のございました県出資等法人の役員に就任している副知事ほか県幹部職員につきましては従来から無報酬でございまして、今後とも報酬は受け取らないこととしているところでございます。

〇折居明広委員 今、部長の示された方針、まことに結構でありますし、ぜひ進めていただきたい、このように思います。
 次に、岩手県観光開発公社と岩手県観光連盟についてでありますが、さきの県出資等法人の整理合理化の基本方針において両法人の統合の方針が示されております。観光開発公社は、これまで八幡平温泉郷の別荘地分譲や市町村の観光施設建設譲渡事業などに取り組み、観光施設の充実を初めとして、本県の観光施策の推進に大きく貢献してきております。一方、観光連盟は、観光事業者などの民間団体、市町村観光協会、行政機関等と一体となって観光客の受け入れ態勢の整備や時々のニーズに対応した観光宣伝を展開するなど、観光客の誘致拡大に大きな役割を果たしてまいりました。
 観光は、観光施設、宿泊、運輸などのいわゆる観光産業はもとより、農林水産業や商工業をも包含する総合産業として地域経済の発展に欠かせないものとなってきております。また、近年の観光分野における地域間競争が激化する中にあって、より強固な観光推進体制の構築が望まれておりますが、これまで本県の観光を担ってきたこの二つの組織が統合し、より強力な組織へと充実を図ることはまことに時宜を得たものであると思います。
 そこでお伺いしますが、岩手県観光開発公社と岩手県観光連盟の統合に当たっての基本的な考え方と統合の見通しについてお示し願います。

〇千葉副知事 最近の観光は、国際観光やバリアフリー観光など、新たな課題が生じてきております。また、地域間競争も激化してきているわけでございますが、このため、情勢の変化に迅速かつ柔軟に対応できる観光推進体制の整備が必要となってきているところでございます。これまで本県観光振興の両輪としてその役割を果たしてきました岩手県観光開発公社と岩手県観光連盟を統合することによりまして、民間主導による観光振興の中核的な組織を整備しようとするものでございます。
 この統合によりまして、二つの法人が長年培ってきました県内観光に関する知識や観光客誘致の経験、ノウハウを活用いたしまして、効果的な誘致宣伝活動が展開できると考えております。また、体制強化によりまして、国際観光やバリアフリー観光などの新しい分野への取り組みが強化されるものと期待しているところでございます。
 現在、二つの法人の間で統合に向けての具体的な準備作業が進められておりますけれども、年明け早々にも観光連盟の総会と観光開発公社の理事会が開催されまして統合方針が決定される見通しとなっております。平成13年4月の統合に向けまして、現在、鋭意取り組んでいるところでございます。

〇折居明広委員 次に、農業問題に移りますが、私は余り農業問題には詳しくありませんので、ゆっくり原稿を読んで進めたいと思いますので、お許しいただきます。
 東北農政局岩手統計情報事務所の農業経営動向統計によれば、平成11年の県内の農業所得は、米価の下落などで前年比3.8%減で5年連続の減少とのことであります。しかも、2年連続で農業所得が100万円を割っており、農業経営は依然として厳しい状況に置かれております。
 こうしたことに加えて、来年の減反目標面積は、緊急総合米対策の拡大分を含めると、これまた過去最大の規模である3万4、000ヘクタールとのことであります。2年連続の豊作による米余りと米価の低落に歯どめをかけるための減反はやむを得ないとしても、減反と米価の低落のダブルパンチを受けている稲作主業農家をどう育成していくのかということが大きな課題となっていると思うのであります。
 このような状況下において、県では平成11年度の減反拡大への対策として、歳入歳出決算書の6款1項6目農作物対策費で緊急生産調整推進対策費、水田麦・大豆等生産振興緊急対策事業及び県単独緊急生産調整推進対策費の各事業によってその対策を講じられたわけでありますが、麦や大豆などの有利な助成対象となっている作物への転作にどの程度取り組まれたのでしょうか。そして、あわせて適地適作も推進しておられますが、これまでの成果をどのように評価しているのか、お伺いしたいと思います。

〇千葉副知事 麦、大豆の転作への取り組みの状況でございますけれども、麦、大豆の11年度の作付面積は、緊急生産調整推進対策が実施される前の9年度に比べまして、麦は約300ヘクタール増加して1、125ヘクタール、大豆は約540ヘクタール増加いたしまして1、421ヘクタールとなっておりまして、この二つの作物で転作面積の11%を占めているところでございます。
 これらの作物の県内の動向を見ますと、麦は紫波町、花巻市などで、大豆は胆沢町、北上市などの水田地帯で増加しているところでございます。
 また、これまでの成果についてでございますけれども、県はこれまで適地適作を推進してきたところでございますが、米では、日本穀物検定協会の食味評価で最高位の特Aに、6年連続ランキングされております県南ひとめぼれの産地が形成されております。また、米以外の作物につきましては、県内各地で野菜、花卉などの高収益作物による産地化の取り組みが行われております。特に、最近では水田地帯における麦、大豆などの土地利用型作物の大規模団地や機械化体系によるネギ産地の形成など、新たな産地づくりも見られておりまして、徐々にではございますが、着実にその成果があらわれてきているものと考えております。

〇折居明広委員 本県の農業立地特性を考えますと、工夫次第ではさまざまな取り組みが可能であり、中でも先般の北東北知事サミットでも取り上げられたように、米生産が不利な地域においては、園芸作物や雑穀などの地域の特色ある作目を積極的に振興し、米依存型の農業から転換することにより、活路を見出すことも真剣に考える時期に来ていると思いますが、県の考え方をお聞かせ願います。

〇千葉副知事 県北、中山間地域など条件の不利な地域におきましては、これまでの冷災害を契機に、地域の農業者の努力によりまして、米だけに頼らない農業に取り組んできたところでございます。その成果といたしまして、安代のリンドウや西根のホウレンソウ、葛巻の酪農など、全国に誇る産地が形成されてきたところでございます。
 今後におきましても、それぞれの立地特性を生かしまして、野菜や花卉などの園芸作物や葉たばこなどの工芸作物の作付拡大、また、雑穀、山菜などの地域の食材の高付加価値化、さらには産直や農家民宿など、創意と工夫を凝らした取り組みを積極的に支援してまいりたいと考えておるところでございます。

〇折居明広委員 次に、中心市街地の活性化についてでありますが、第7款1項2目の中小企業振興費の中の中心市街地活性化推進費及び中心市街地商店街施設整備費補助に関連してお伺いします。
 盛岡市の中心市街地は、古くから行政を初め金融、サービス、文化、居住などの機能が集積し、また、優先的に公共投資によるインフラも整備されており、県都の顔とも言うべき地域としてその役割を担ってまいりました。ところが近年、郊外型の大型店との競合やモータリゼーションの進展への対応のおくれなどから、中心部の商店数や販売額が減少しているほか、中心部の居住人口が減少するなど、中心市街地の停滞傾向が顕在化してきております。
 つい先日の報道でも、盛岡市の前潟地区に店舗面積3万平方メートルの複合型映画館を併設した県内最大規模のショッピングセンターが、平成15年の開業を目指して準備をしているとのことであり、これには既存の中心商店街や盛岡の映画館通り等との兼ね合いから、懸念の声も上がっていると報じられております。さらに、最近では材木町の伝統工芸館や肴町の市営屋内プールなど、集客施設の中心市街地からの撤退や廃止の動きが伝えられ、中心市街地の空洞化に拍車がかかるのではないかと懸念されているところであります。
 このような中で、盛岡市ではことし3月に、賑わいのある商店街が連続する街などの基本方針を示した中心市街地活性化基本計画を策定するなど、商業全体の推進に本格的に取り組もうとしております。中心市街地のにぎわいを取り戻すためには、このような地域の主体的な取り組みがまずもって重要でありますが、あわせて県の積極的な支援も望まれるところであります。
 つきましては、県として、近年、盛岡市の中心市街地活性化のためにどのような支援策を講じてきたのか、また、どのように対応していくお考えなのかお伺いいたします。

〇千葉副知事 盛岡市の中心市街地活性化策についてでございますけれども、本年3月に策定されました盛岡市の中心市街地活性化基本計画では、賑わいのある商店街が連続する街などを基本方針といたしまして、中心市街地の活性化を図ることといたしております。県におきましては、計画策定段階からこれに参画いたしまして、盛岡の地域特性を生かした実効性のある計画となるよう、指導、助言をしてきたところでございます。
 商店街活性化のための具体的な支援策として、これまで材木町商店街や大通商店街の立体駐車場の整備、肴町商店街と大通商店街の空き店舗対策として県内特産品のアンテナショップの開設など、にぎわいのある商店街づくりを支援してきたところでございます。このほか、市街地整備のための具体的な支援策といたしましては、映画館通りの電線地中化でございます。これにも補助してまいりました。また、盛岡駅前通、東大通り地区の民間再開発ビルの優良建築物等の整備に対する補助、中ノ橋地区プラザおでってへの都市再生推進事業の導入などを進めてきたところでございます。
 今後におきましては、肴町商店街のアーケードのリニューアル整備など、中心市街地活性化のための事業が本格化するところから、盛岡市、盛岡商工会議所等の意向を十分に把握し関係部局との密接な連携を図りながら、適切な事業の導入や促進に努めるなど、盛岡市の中心市街地の活性化を支援してまいりたいと考えております。

〇折居明広委員 県都の飛躍、発展なくして岩手県は発展できませんから、ぜひ盛岡市当局初め商工会議所、経済団体等とも連携をとりながら、ぜひ空洞化対策、市街地、中心部の活性化対策にお力を貸していただきたいと、このように心からお願い申し上げる次第であります。
 次に、都市型災害に対する取り組みについてお伺いします。
 平成11年度の盛岡市総合防災訓練は、県、建設省、自衛隊を初め、秋田市、八戸市、北上市や周辺市町村と関係機関からの派遣、応援を得て地域住民多数が参加し、県立中央病院を中心に都市型の防災プログラムに基づき行われました。
 県内陸南部を震源としたマグニチュード7.8の地震が発生、盛岡の震度を6弱と想定してのもので、時期が岩手山南西地震からちょうど1年目ということもあり、防災ヘリコプターが病院屋上の被災者を救出したりレスキュー隊が高層階から降下したり、あるいは電話、電気、ガス、水道などライフラインの復旧作業など、本番さながらの訓練だったと報じられておりましたが、県としてこの訓練をどのように評価されているのかお聞かせ願います。
 次に、都市災害対策についてでありますが、人口が密集し複雑化している都心部において、地震や火災、事故などが一たび起きれば多種多様な危険物が流出したり、爆発、類焼など2次災害も懸念されます。平成7年の阪神・淡路大震災でも、神戸市内では水道利用の消火栓の麻痺により、あのような大惨事となってしまいました。
 そこでお伺いしますが、都市災害を極力抑えていくための地域づくりや都市災害に備えた教育も考えていくべきと思いますが、御所見をお聞かせ願います。
 次に、災害が重複した場合の対策についてもお伺いします。
 北海道有珠山の噴火、伊豆諸島の地震、全島民が避難した三宅島の噴火と続いた後の9月の東海豪雨は、100年に1度と言われる猛烈なものだったようであります。愛知、三重、岐阜3県の約5万6、000戸の家屋を浸水させ、最大時で18万世帯、約40万人に避難勧告や避難指示が出されました。停滞した秋雨前線に加えて、台風14号からの湿った空気が流入するなど、予想外の悪条件が重なったことが原因と報じられておりますが、例えば地震と噴火と台風あるいは津波と大雨と洪水など、自然災害が重なった場合の備えとしての対策やガイドラインなども検討してみておく必要があると思いますが、いかがでしょうか。
 次に、耐水対策についてお伺いします。
 国の都市型水害緊急検討委員会では、9月の東海豪雨による大水害を踏まえて、緊急的に実施すべき都市型水害対策をまとめ、提言として建設省へ提出しております。これを受けて建設省では、補正予算要望に天端舗装による堤防強化対策を盛り込んだほか、河川や下水道施設の耐水性緊急点検を、自治体も含む関係機関に依頼したと報じられております。提言には、近年多発している局地的集中豪雨の際に、大都市地域の水害を防止し軽減するため、緊急的に点検、実施すべき事項等も入っているとのことでありますが、本県における浸水時の耐水対策や地下街、ビル地下室などへの耐水対策の現状についてお聞かせ願います。

〇武居総務部長 それでは、私の方から3点お答えさせていただきたいと思います。
 まず、平成11年度盛岡市総合防災訓練について、この訓練をどう評価しているかという御質問でございますけれども、この訓練につきましては、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえまして、平成8年度から市街地における大規模地震災害を想定した訓練として実施していると承知しておりまして、平成10年度の訓練は、御案内のように、9月3日に岩手県内陸北部地震ということで中止され、2年ぶりの訓練であったと承知しておりまして、当日は私どもの方からも消防防災課長が参観させていただいているところでございます。
 この訓練は、高層の病院を使用しての避難誘導でございますとか傷病者等の搬送など、医療機関における災害対策を検証する訓練でございますとか、地域住民と防災関係機関が一体となって行う連携訓練など、大都市において実際起こり得るさまざまな災害を想定した実践的な訓練であったと承知しております。
 この訓練では、近隣の消防本部でございますとか消防団等による広域的な合同訓練、それから火災防御訓練でありますとかライフライン復旧訓練などの総合的な訓練、さらには地域住民、生徒など、多数の参加による都市型災害を想定した大規模な訓練として実施されたものでございまして、こういったことから防災関係機関相互の協力体制の確立はもとより、地域住民の防災意識の高揚に大きな役割を果たしたものと考えております。
 それから、都市型災害に関連しての地域づくりでございますとか教育の問題という御質問でございましたが、都市型災害につきましては、阪神・淡路大震災を教訓といたしまして、本県におきましては、都市の防災化を図るため地域防災計画を大幅に見直ししたところでございまして、その中で災害に強いまちづくりといたしまして、建築物の耐震化、不燃化の促進、公園等の防災空間の確保、それから道路、橋梁、上下水道などのライフラインの耐震性の確保、市街地の再開発などを推進していくこととしております。
 都市型災害におきましては、同時多発あるいは集中的に予想外の被害が発生する可能性もあることから、県といたしましては、市町村におけるハード面での都市防災対策につきまして必要な支援を行いますとともに、広域的なかかわりというのが特に出てくると考えておりますので、防災関係機関それから自衛隊、さらには隣接県等との情報伝達体制でありますとか応援体制の確立など、今後、一層の連携の強化に努めてまいりたいと考えております。
 また、都市災害に備えた教育ということにつきましては、災害が発生した場合、都市機能が混乱し防災関係機関の対応に支障を生ずる可能性というものが特に都市災害の場合にございます。阪神・淡路大震災のときもそのようなことが被害対応をおくらせた原因にもなったわけでございますけれども、そういった観点から、自治会等を単位とする自主防災組織の役割というものが大変大きいと考えてございますし、また、初動時にはボランティアの協力体制というものも大変重要になってくるのではないかと考えているところでございまして、県といたしましては、このような観点から、市町村が行う自主防災組織の育成強化でございますとか、地域住民への防災意識の普及啓発のための研修会等に対し積極的に支援、協力を行ってまいりたいと考えてございますし、また、県におきましては、毎年度総合防災訓練というものを実施しておりますけれども、これは盛岡市を初め県内の各市持ち回りで行っておりまして、大変多数の地域住民の参加をいただいているところでございますので、こういった場を活用するなりあるいは県の総合防災センターにおける体験学習等を通じまして、防災意識の普及啓発に努めてまいりたいと考えております。
 それから、災害が重複した場合の対応ということでございましたが、これにつきましては特に洪水、地震、津波等の自然災害に対しまして、県、市町村がそれぞれの地域防災計画に基づきまして対応することとしておりまして、その場合に、現在の災害は御指摘もございましたように同時多発、突発的に発生するなど複雑、多様化しておりまして、重複して災害が発生することも十分予想されるわけでございますけれども、こういった場合には、県は市町村とともに、どういう対応をしていくかということが大変重要になるわけでございまして、大雨洪水や津波に対する市町村の活動マニュアルの作成、こういった場合には具体的にどのように行動したらいいのかという活動マニュアルというものが大事になってくるのではないかと考えておりまして、そういったマニュアルを市町村が作成していく際の参考となるガイドラインを作成したいと考えてございまして、その際に災害が重複した場合の対応につきましても、あわせて盛り込むように検討してまいりたいと考えております。
 さらに、自然災害が重複して起こった場合には、県、市町村はもとより、特に自衛隊でありますとか警察でありますとか、消防機関でありますとか防災関係機関が一体となりまして、その機能が最大限に発揮できるようにする必要があると考えております。
 情報伝達の迅速化でありますとか情報の共有化などにも努め、今後とも、関係機関との連携の強化に努めてまいりたいと考えております。

〇千葉副知事 本県における主な耐水対策でございますけれども、まず、緊急排水対策でございます。浸水時の緊急排水対策といたしましては、河川、下水道等の排水ポンプ場が21カ所ありまして、御質問のあった緊急点検調査を行った結果、すべてが浸水時において稼働が可能であるということを確認したところでございます。そのほかに、建設省では移動可能な4台の排水ポンプ車を配備いたしております。
 次に、下水道のマンホールの転落防止の対策でございますけれども、大雨等の浸水に伴います下水道のマンホールのふたの浮上、あるいは飛散等による転落事故を防止するため、浮上防止型のマンホールのふたの新設を進めているところでございます。また、既設マンホールのふたにつきましては、今後、順次取りかえを行ってまいりたいと考えております。
 それから、水害情報の提供でございますけれども、住民に河川がはんらんしたときの浸水の程度や避難場所等を周知するための洪水ハザードマップは、盛岡市ほか5市町村で作成しておりまして、今年度は水沢において作成する予定でございます。また、大雨等による市街地の浸水実績等を示した浸水情報マップにつきましても、宮古市ほか10市町において作成し公表しているところでございます。
 また、河川の情報につきましては、建設省が北上川の主要な地点の水位や雨量の情報についてインターネットのほかiモードで提供しておりまして、県も準備を進めているところでございます。
 次に、地下街などの耐水対策でございますけれども、盛岡駅前地下街におきましては、盛岡駅前広場等管理運営協議会が緊急時対応の体制を整えておりまして、年3回の防災訓練も実施しているところでございます。市街地のビル地下室の耐水対策につきましては、ビルの管理者に対しまして、出水時における地下室の危険性を喚起するパンフレットを配布いたしまして、早期避難や浸水対策等について指導を行っているところでございます。

〇折居明広委員 いずれ、この災害に対しては備えあれば憂いなしでありますから、ぜひ緊張してこれに当たっていただきたいと思います。
 時間ですので急ぎます。
 次に、献血の推進についてお伺いします。
 近年の高度医療の進展とともに、輸血用血液の必要性がますます高まってきております。血液は、この現代科学の粋をもってしても人工的につくることはできません。しかも、生きた細胞であり、長期に保存することもできないため、輸血に必要な血液を絶えず安定的に献血してもらう必要があります。
 また、県内で必要な血液は県内で自給することが原則であり、県民の献血思想の定着が強く望まれておりますが、私どもも昨年、献血の重要性を県民の方々に御理解いただくために、議員の立場から超党派で岩手県献血推進議員連盟を全国に先駆けて発足させ、献血や献血の普及啓発活動に参加しながら、県民運動として広がるよう努めているのでありますが、特にも近年、若年層が献血離れをしていると聞いており、今後さらに少子・高齢化が進行することを考えれば、若年層を中心とした啓発が重要になってくると思います。
 そこでお伺いしますが、本県における献血の普及啓発について、若年層対策を含めた取組状況と昨年度の県予算で補助し移転整備した献血ルーム、メルシーの利用状況をお示し願います。

〇千葉副知事 若年層対策を含めた普及啓発の取り組みの状況でございますけれども、マスメディアを利用した年間を通じたキャンペーンの実施や、若年層を対象とした啓発用小冊子を発行しているところでございます。また、平成11年度から日本赤十字社岩手県支部が設置しました献血推進専門員6名が献血協力事業所の新規開拓や高校献血の際のPTAやOBの参加協力など、新しい企画のもとに地域に根差した献血推進活動を展開しているところでございます。
 また、高校の献血の強化といたしまして、高校長会議を通じまして献血への理解と協力要請をするほか、養護教諭に対する高校献血への理解と協力のための研修会を実施しているところでございます。また、大学生による成分献血友の会とかあるいは献血同好会などの献血ボランティアグループの育成も図っているところでございます。
 献血ルーム、メルシーの利用状況でございますが、4月に移転しました献血ルーム、メルシーは、高校生や若年層を中心に幅広く利用されておりまして、10月末現在での献血者数は前年同期の約1.4倍となっております。特にも、高校生の献血者数は前年同期の2倍となっておりまして、若年層を中心とした啓発の拠点としても機能していると考えております。

〇折居明広委員 次に、一般国道455号の盛岡市北山地区の道路整備の状況についてお伺いします。
 一般国道455号については、既に御承知のように、県都盛岡市から早坂高原を経て沿岸部とを結ぶ幹線道路であり、産業経済の振興や地域開発を支援する道路として、さらには龍泉洞や陸中海岸国立公園へのアクセス道路としても極めて重要な役割を果たしている路線であります。このうち、盛岡側においては、近年のサンタウン松園や桜台ニュータウン等の大規模宅地開発に伴い自動車交通量が大幅に増加しており、三ツ割地区から北山地区にかけての朝夕の慢性的な交通渋滞は深刻な状況となっております。現在、三ツ割地区から国道4号までの区間の道路整備が中断していますが、一刻も早い工事の再開と整備の完了が強く望まれているのであります。つきましては、現在の事業の進捗状況と今後の整備の見通しについてお伺いします。
 次に、盛岡市青山地区の県道盛岡滝沢線に接続する市道と東北本線との立体交差化についてお伺いします。
 北東北の中核都市を目指す盛岡広域都市圏のさらなる発展には交通体系の整備が大切であり、広域的な連携を推進する幹線道路網の整備が重要であると思います。特にも、滝沢村と盛岡市の中心市街地を結ぶ幹線道路である県道盛岡滝沢線は、盛岡市内への通勤・通学や買い物などのための生活道路としてまことに重要な路線であります。しかしながら、本路線にある青山地区の通称馬頭踏切付近は変則の交差点に加え歩道幅員が狭小であり、交通安全上放置できない状態となっております。この幹線道路のネックは、単に交通安全上の問題のみならず、交通渋滞により盛岡広域圏の都市機能を阻害する要因ともなっていることから踏切の立体交差化が必要と思われますが、県としてはどのような対応を考えておられるのかお尋ねいたします。

〇千葉副知事 一般国道455号の盛岡市北山地区の道路整備についてでございますけれども、これまで80%に当たる約6キロメートルが完成し、供用しているところでございます。残る未整備区間は国道4号から三ツ割地区までの約1.4キロメートルでございまして、そのうち一部の用地について地権者の同意が得られず、トンネル部分の工事に着手できずにいたところでございます。しかし、本年10月に地権者から、現在示されている道路計画で用地、補償の交渉を受け入れる旨の意向提示がなされたところでございます。県といたしましては、道路計画に対し地権者の理解が得られたところから、今後、より具体的な用地、補償についての交渉を誠意を持って進めてまいりたいと考えております。
 トンネル部分の工事着手の時期につきましては、今後の用地交渉の展開に大きく左右されるわけでございまして、できるだけ早く工事に着手できるよう、最善の努力をしてまいりたいと考えております。
 次に、県道盛岡滝沢線に接続します市道と東北本線の立体交差でございますが、この道路は市の管理する道路といたしまして、昭和49年に地下式の立体交差で都市計画決定がなされていたわけでございますが、沿道土地利用に対応するため側道が必要であり、これに伴って都市計画変更が必要となってきているものでございます。
 盛岡市におきましては、計画的、重点的に街路事業を進めるため、本年11月に盛岡市都市計画道路整備プログラムを策定いたしまして、本箇所の整備につきましては早期に整備が必要な箇所として位置づけているところでございます。
 本箇所の改良につきましては、市道上堂一丁目青山二丁目線の県道昇格を要望されているところでございますが、事業費の確保や各施設管理者との協議など解決すべき課題が多く、県としては道路管理者であります盛岡市と協議しながら、今後の方向性を検討してまいりたいと考えております。

〇折居明広委員 千葉副知事初め各部長のまことに明快な御答弁に感謝して、私の質問を終わります。ありがとうございました。

〇千葉伝委員 自由民主クラブの千葉伝であります。私は、自由民主クラブを代表して、平成11年度決算について総括的に質問をいたします。
 本機会を与えていただいた先輩・同僚議員に感謝申し上げ、また、先ほどの折居委員と一部重複する点もあると思いますが、よろしくお願いいたします。
 まず、新しい県総合計画初年度の取り組みについてお伺いします。
 県は昨年度、自立、参画、創造を理念とする新しい総合計画を策定しましたが、その中で描かれた岩手の将来像としての五つの社会の実現に向け、実施計画において、平成11年度から平成17年度までの前期7カ年に実施すべき343の主要な事業を明らかにしております。平成11年度はこの総合計画の初年度であったわけでありますが、これら主要な事業についての県の取組状況についてお伺いします。

〇千葉副知事 平成11年度における主要な事業への取組状況でございますけれども、県総合計画の初年度でありました平成11年度における主要な事業への取組状況につきましては、着手事業数285事業、着手率83%、それから実績額の合計、県決算ベースでは3、759億円余となっておるところでございます。
 総合計画の五つの社会ごとの主な取り組みについて幾つか申し上げたいと思いますが、まず、自然と共生し循環を基調とする社会につきましては25事業に着手いたしまして、循環型社会の形成に向けましてごみの減量化や再資源化を進めるとともに、ダイオキシンや環境ホルモン等の調査を実施いたしまして、化学物質による環境への負荷の低減を図ったところでございます。
 次に、快適に安心して暮らせる社会につきましては92事業に着手し、快適な暮らしの基盤となる下水道を初めとした汚水処理施設の整備を促進するととも、地域医療や高度救急医療支援の情報ネットワークづくりについての基本構想の策定に取り組み、医療分野における地域情報化を進めたほか、介護支援専門員の養成や認定審査会委員等の研修など、介護保険に向けた準備を進めたところでございます。
 次に、創造性あふれ、活力みなぎる産業が展開する社会では97事業に着手いたしましたし、収益性が高く地域ごとに特色のある農業への再編を進めるため、生産から消費に至る各種条件整備を行うとともに、農林水産業の各分野における意欲ある担い手の育成に取り組んだところでございます。
 また、厳しい経営環境にあります中小企業に対しまして事業資金を融資するとともに、いわてISO認証取得研究会を発足させるなど、国際規格の認証取得を支援したところでございます。
 次に、ネットワークが広がり、交流・連携が活発に行われる社会につきましては30事業に着手いたしまして、新たな社会をつくる情報ネットワークの構築を目指し、今月12日から稼働するいわて情報ハイウェイの整備を進めたところでございます。また、県内市町村の望ましい広域行政体制について調査、研究を行うとともに、シンポジウムを開催し広域行政推進の機運の醸成を図ったところでございます。また、東北新幹線盛岡以北の建設を促進したほか、県内各地を結ぶ道路網の整備を進めたところでございます。
 次に、個性が生かされ、共に歩む社会では41事業に着手いたしまして、高等学校においての情報教育や国際理解教育を推進したほか、バーチャルユニバーシティプロジェクトを推進いたしまして、国内外の大学とのテレビ会議を活用し、遠隔授業を実施したところでございます。また、男女が対等なパートナーとなる社会を目指していわて男女共同参画プランを策定いたしました。
 以上、平成11年度における主要な事業への取り組みは、総じて所期の成果を上げたものと考えておりますけれども、今後におきましても、計画的、効果的な事業の展開に努めまして、総合計画の着実な推進を図ってまいりたいと考えております。

〇千葉伝委員 御答弁の中、着手というのが285事業の83%ということであります。副知事の御答弁、新しい世紀に向けて岩手の将来、県民の生活向上のための各種事業を積極的かつ確実な実施をお願いするところであります。
 次に、平成11年度一般会計当初予算に対する県議会の附帯意見への対応についてお伺いします。
 平成11年度においては、長引く景気の低迷などにより、本県財政は県税が大幅に落ち込むとともに、国庫支出金等の伸びが期待できない一方で、公債費などの義務的経費の増加が見込まれたことから、これまでになく厳しい財政環境下に置かれるものとの予想のもとに、当初予算に対して2点の附帯意見を決議しております。
 具体的には、第1点として、行政システム改革大綱に基づき、歳出の徹底した見直しを進めるとともに、県税などの自主財源については可能な限りその確保を図るなど、引き続き財政運営の健全化に努めること、第2点としては、地域経済の動向に配慮し、その活性化を図る観点から、適時適切な措置を講ずるとともに、平成11年度を軸とする新しい総合計画に基づく諸施策を着実に推進し、活力ある地域社会の形成と地域の特性を生かした県土の均衡ある発展に、さらに努力することを意見として申し上げております。
 そこでお伺いしますが、県当局は決算の評価に関連して、当該意見にどのように対応されたのかお伺いします。

〇武居総務部長 2点ございました。附帯意見についてでございますけれども、1点目の財政運営の健全化についてでございますが、これにつきましては、財政調整基金等の主要3基金の当初の取り崩し予定額、これを260億円と予定していたわけでございますけれども、年度内に他の財源、これは優良な県債等でございますが、これの確保に努めることで、公共施設等整備基金の取り崩しを39億4、500万円にとどめたところでございます。こういったことなどを含めまして、県行政システム改革実施計画に定める歳出規模の抑制、県債依存度の縮減、主要3基金の残高の確保という目標を達成したところでございます。
 具体的にその健全化を図るための手段として、歳出の徹底した見直しに関しましては、事務事業評価システムの見直しによりまして、これは総数で247件、26億8、200万円、この見直しを行ったわけでございますけれども、このほか県有林特別会計への繰り出しに県有林造成基金を活用することによる一般会計繰出金の縮減でございますとか、県単独補助金の整理合理化などによりまして、11年度を通じまして節減の努力を行いながら、事業の執行に努めたところでございます。
 また、財政運営の健全化に関連しまして、自主財源の確保という項目もあったわけでございますけれども、これは使用料、手数料の見直し、それから法人県民税の税率の特例の継続、それから自治振興基金から一般会計への繰り戻し、県有未利用地の処分などに努めたところでございます。
 それから大きく2点目でございますが、地域経済の活性化のための適時適切な措置に関しましては、国の経済対策等に呼応して、公共事業等予備費関連事業としまして9月、2月と補正がございましたが、あわせまして77億4、500万円、それから経済新生対策関係事業といたしまして12月、2月の補正をあわせまして、678億7、900万円を措置したところでございます。
 また、2点目の中で、活力ある地域社会の形成と県土の均衡ある発展を図るために、新しい県の総合計画の推進に鋭意努めたところでございまして、これは先ほど千葉副知事の方から御答弁がございましたが、全体で285事業で着手率が83%ということで、実績額の合計は3、759億円余となっているところでございます。
 このように、11年度におきましては、景気の低迷等による厳しい財政環境にはございましたが、中期財政見通しのもと、新しい県総合計画に掲げる諸施策につきまして、財政運営の健全化に配意しながら推進した結果、下水道等の生活基盤の整備それから高速交通幹線等の整備等、21世紀に向けた基盤づくりが進み、県勢は着実に発展し、県民生活の向上が図られたものと考えているところでございます。

〇千葉伝委員 私どもの附帯意見に対し、真摯に御努力をいただいているということについては評価を申し上げるわけですが、いずれ先ほどの答弁にあったとおり、現状を思うとまだまだ厳しいというものがあると。したがいまして、相当な厳しさを持って今後とも取り組んでいただきますよう、お願いいたします。
 次に、歳計現金の資金管理について出納長にお伺いします。
 歳入歳出決算事項別明細書によると、歳計金利子は4、310万円余となっており、前年度の9、036万円余と比較して4、725万円余、52.3%の減となっております。公金の運用は、確実かつ有利な方法によることが原則であり、日ごろからその原則に沿って努力されているものと思いますが、この歳計金利子の半減の要因は何であったのかお伺いします。
 仮に、資金計画が一層厳しくなっていることによるものであるとするならば、一般会計当初予算で、借入最高額を定めている一時借入金の支払利子が増嵩していることも予測されますが、決算関係資料では不明でありますので、この点についてもお伺いしたいと思います。
 また、平成14年4月からはペイオフ解禁が予定されておりますが、歳計金の運用においてその対応をどのようにお考えなのか、あわせてお伺いします。

〇高橋出納長 まず、歳計金利子の減少要因でございますが、平成11年度の預金残高は若干ふえてはおります。ただ、平成11年、去年の2月から1年半にわたりまして実施されましたゼロ金利政策、このために預金利率が著しく低下しておりまして、歳計現金の平均運用利率も10年度に対しまして11年度は0.16%と、約3分の1まで下がったということでございます。私どもとしては、その間運用回数をふやしましてきめ細かな運用に努めたわけでございますが、残念ながら、そのようなことで受取利子が大幅に減少したということでございます。
 次に、一時借入金の支払利子でございますが、これは事項別明細書の115ページの会計管理費、償還金利子及び割引料に載ってございますが、平成11年度の支払利子は2億4、264万円余と、10年度の4億8、529万円余に比較いたしまして半減しております。この借入金は、借入額そのものは御指摘のように、私ども終始厳しさを増してきておりまして増加をしておるわけでございますが、金融機関からの借り入れに比較いたしまして、より低い利率で資金を調達できる基金からの現金の繰替運用という制度を使いまして、繰替運用額を大幅にふやしたというようなことでございまして、その結果、支払利息が半減したと、こういうようなことでございます。そういうようなことで、受取利子から支払利子を差っ引いた平成11年度の差額運用益でございますが、これはもちろんマイナスではございますが、マイナス幅が前年度に比べて1億9、000万円ほど改善をしたということになっております。
 それから、ペイオフのお話でございました。御指摘のように、平成14年の4月からペイオフが解禁されるということになりますと、これまで保護されておりました公金預金も原則として1、000万円を超える部分の保護がないと。自分たちの責任で対応せいと、こういうようなことになるわけでございます。
 公金預金には、私どもが管理運用しておりますもののほかに、庁内では各種基金がそれぞれ運用しているものもございます。そのほかに、政策融資の原資というような形で預託金という格好で金融機関に預けているものもあるわけでございまして、これらを全部足しますと、多いときには2、000億円から2、500億円というようなオーダーになる時期があるわけでございまして、仮に金融機関が倒産というようなことになりますと、大変な影響をこうむるということになるわけでございます。ただ、このペイオフにつきましては、まだ公金預金と県債、地方債との相殺ができるかできないかとか、そこら辺をどうするかというような話とか、それから今申し上げました県単融資制度の融資原資、これは私どもは貸付金という格好で考えているわけですが、金融機関が預金というような形で取り扱っていると、こういうようなことでこの政策融資制度というものの預託金の取り扱いの問題とか、また、民間会社で言えば決済資金というような形で預け入れているもの、これを公金預金の中でどう考えていくかというような問題等、まだまだ検討しなければならない事項が結構あるわけでございまして、今、自治省を中心として、国でもそれから全国出納長会でも検討が行われているわけでございます。
 県といたしましては、国なり全国出納長会に私どもの意見を申し上げながら、また、そういう検討状況の推移を見ながら対応していかなければならないわけでございますが、当面、金融機関の経営状況をこれから十分に把握しなければならない、それからまた、金融商品もいいものを選ばなければならないと、そういうような選定というようなことも重要になってまいりまして、専門的な知識を有する職員というものを養成していくというようなことも必要になっておりますし、それらを踏まえて体制の整備ということが非常に重要になってくるわけでございますが、そういうことで、まず当面は私どもで扱っている歳計金と、基金というものを一体的に運用するというような方向で、今そういう一括運用に向けて検討を庁内で進めているところでございます。

〇佐々木大和委員長 この際昼食のため、午後1時まで休憩いたします。
   午前11時54分 休 憩
   午後1時5分 再 開

〇佐々木大和委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 代表質疑を続けます。

〇千葉伝委員 先ほどの御答弁ありがとうございます。県民の税金、すなわち公金の運用に当たっては、今後とも確実、有利な方法に御努力を願いたいと思います。
 それから、ペイオフの部分については、先ほど出納長がおっしゃったとおり、自治省との今後の検討課題がたくさんあるということでありますので、その辺については、本県だけではなく、他県ともよく御検討願いたいと思います。
 次に、県内市町村の決算状況等についてお伺いいたします。
 現在、市町村財政は、県財政と同様、我が国経済の厳しい状況を反映して税収入が低迷する一方、数次にわたる景気対策による公共事業の追加や減税の実施などにより地方債現在高が年々増嵩していくなど極めて厳しい状況にあります。その一方で、市町村は、地方分権の進展に伴い、先端行政の実施主体としてその役割がますます増大化しており、新たな財政需要に対応した積極的な施策の展開が求められているところであります。
 このような状況の中で、県内の市町村にあっては、その規模等により財政状況は異なると存じますが、11年度決算の状況はどのようなものであったのか、まず、お伺いいたします。
 また、その決算状況などから見て、県内市町村における財政運営上の課題をどのようにとらえているのか、さらに、今後、県としてどのように対応していくつもりなのかあわせてお伺いいたします。

〇佐藤企画振興部長 県内市町村の11年度決算見込みを10年度と比較いたしますと、財政構造の弾力性を示す経常収支比率は80.2%という高い数字でありますが、前年度よりも0.2ポイント下回っております。また、公債費の負担状況を示す公債費負担比率は18.5%で、前年度より0.2ポイント上昇しております。また、地方債残高も御指摘のとおり年々増加しておりまして、2.9%増という状況にあります。
 全国平均との比較を申し上げたいんですが、まだ11年度がまとまっていませんので10年度ベースで申し上げますと、岩手県の経常収支比率は80.4%ですが、全国平均が81.7%で、若干いい状況であります。それから、公債費負担比率、10年度は18.3%ですが、全国平均は16.5%で、全国平均よりも悪い状況でありますし、それから、財政力指数で申し上げますと、全国の市平均が0.71に対して岩手県の市の平均が0.47で、かなり低い状況であります。それから、町村で見ますと、全国の0.34に対して岩手県は0.23で、やはり岩手県の財政構造はなかなか厳しいということであります。
 こういう厳しい財政状況の中にありまして、市町村においては、地方分権の推進や少子・高齢社会に向けた総合的な地域福祉施策あるいは生活関連社会資本の整備などの重要政策課題に係る財政需要の増大が今後ますます見込まれ、これらの需要に的確に対応していくためにも今後なお一層徹底した行財政改革に取り組むとともに、将来の財政負担も十分見通しながら、財源の計画的、重点的な配分による機動的、効率的な財政運営が強く求められているところであります。
 県といたしましては、市町村に対しまして、このような厳しい状況や財政課題を十分に踏まえ、税収入の確保や受益者負担の適正化など財源確保に努める一方で、事務事業評価などに基づき、歳出の効率化、重点化を図るとともに、既に一部の市町村で取り入れられ始めましたバランスシートあるいは行政コスト計算書といった財務諸表の活用なども図りながら、財政構造の十分な分析と的確な把握を行い、財政状況をわかりやすく、かつ正確に公表し、住民の理解を得ながら、中長期的な見通しのもとに健全な財政運営を進めていくことができますよう必要な助言をしてまいりたいと考えております。

〇千葉伝委員 各市町村財政は、今の御答弁のとおり大変厳しい状況にあるということであります。地方分権が進展する中で、今後とも必要な各種施策はどんどんやっていかなければならない。ただ、そこの部分で財源が伴うということであります。先ほどの御答弁のとおり、今後ともその財源の確保、または県の方の財政支援も含めて適切な指導をよろしくお願いしたいと思います。
 次に、地域活性化事業調整費についてお伺いいたします。
 この制度は、御案内のとおり、昭和61年度に地方振興局が発足した際、地方振興の拠点としてその機能が十分発揮し得るようにするために創設され、これまで市町村や地域づくり関係団体からの要望を踏まえたさまざまな事業に充当され、地域の活性化に大きな役割を果たしてきたものと考えております。
 制度創設以来予算総額は大幅に拡大し、現在8億円となっており、また、補助限度額についても上限を定めていたものを、地方振興局長が予算の範囲内で決定できることにするなどの改正もなされてきたところですが、さらに加えて、平成11年度予算からは地方振興局に予算要求権限が付与され、また、本年度からは市町村総合補助金も創設されたことにより地方振興局の支援方法は一層強化され、地域の視点でより着実に地域の振興を促進できるようになったのではないかと考えております。
 そこでお伺いしますが、決算審査でありますので、地方振興局への予算要求権限の拡大に伴い昨年度限りで終了したいわゆる広域連携分、これは地方振興局管内の市町村が連携して取り組む事業に対して支援を行うものでありましたが、その成果等をどのように評価しておられるのかお伺いします。

〇佐藤企画振興部長 地域活性化事業調整費の広域連携分でありますけれども、平成8年度から11年度までの4カ年間に33事業、約11億円を充当しております。分野別の特徴としては、観光振興が52%で最も多く、その次に地域情報化の推進が18%、地域文化の振興が12%という順序になっております。
 代表例で申し上げますと、一関、千厩、大船渡地方振興局が連携いたしまして、岩手、宮城の県境の観光振興を図るために観光案内板の設置を行うとか、県境観光ルートのPRビデオを作成し、放映をやったりといった広域連携事業がなされているわけであります。
 こうした連携の取り組みによりまして、複数の市町村なり民間なりが共同連携して取り組んだ結果、広域的な視点に立った施策推進についての認識が高まるとともに、地域を越えたさまざまな分野における交流・連携が図られるなど、着実な成果を上げたものと評価いたしているところであります。

〇千葉伝委員 地方にとっては大変結構な事業と思っておりますし、私自身も、各地域でさまざま独自色を出しながら、あるいは広域的な連携をとるという意味でこの活性化事業を進めていると認識しております。
 そこで、加えてお伺いしたいんですが、事業によっては地域に定着させるために継続性が求められるものが多いと思います。事業採択において、このような部分についてどのように考えているかをお伺いしたいと思います。と申しますのは、単年度単発の事業、行事等に対してのやり方もあるわけですけれども、継続こそ力なりといいますか、地域の要望の中で特に新しい事業を実施する場合、定着までの数年間支援することがより一層活性化と地域振興が図られるものとの観点から、地方振興局あるいは県の方はどのように対応を考えているのかお伺いしたいと思います。

〇佐藤企画振興部長 お話ありましたように、単年度で達成できるものもあれば、試験研究のように数年やらないとなかなか成果が出てこないものもあるわけでして、平成4年度から、それまでは2年継続までオーケーということを、1年延長いたしまして3年まで可能なように措置いたしているところであります。ただ、3年を超えますと、固定化してしまうと言ったら語弊がありましょうか、むしろ別な制度化を図って必要な支援をするとか、そういうふうにした方が適当ではないかと思っておりますし、また、今年度創設した市町村総合補助金の活用という仕方もあろうかと思っております。
 数年継続した事例をちょっと御披露しますと、一関の全国地ビールフェスティバル開催事業、これはしばらく継続して支援しましたし、それから、東和町での園芸療法の推進事業、これもそういった形で支援を行っているところであります。

〇千葉伝委員 継続する場合、逆にそれが本当に定着したかどうかという見きわめも含めて難しい部分もあろうと思いますが、やっぱり地域の独自性を進めるという部分では、そこの地域に合ったやり方を今後ともよろしくお願いしたいと思います。
 次に、国際化の推進についてお伺いいたします。
 近年、人、物、情報等の国境を越えた移動が地球規模で拡大しており、インターネットの普及など情報通信分野の革新的とも言える発達に伴い、そのスピードはますます加速化しております。私どもの周りを見ても外国人の姿を見かけるのは日常的なことであり、県内の学校にも多くの外国語指導者が配置され、生きた外国語を学ぶ機会もふえております。また、海外の情報も、従来のテレビや新聞ばかりでなく、最近はインターネットなどを通じて瞬時に知ることができます。
 法務省の統計によりますと、平成11年度末現在の岩手県内における外国人登録者数は4、004人で、10年前の平成元年末の2、035人の約2倍にふえております。県内市町村では、これまで20市町村が11カ国、25の市や町との姉妹友好提携を結び、交流事業を展開しておりますし、一方、県においても、昨年度来、南米ペルーと南部鉄器などの本県の鋳物技術に関する国際協力を行っているなど、毎年多くの海外研修員を県の試験研究機関や県内企業などに受け入れていると伺っております。
 このように、国際化の状況は年を追うごとに進展を見せておりますが、県は、このような国際化の現状をどのように認識され、今後、国際化関連の施策を展開するに当たり、どのような方針で臨まれようとしているのか基本的な考え方をお示し願います。
 また、先ほど述べましたペルーにおいて大統領の交代が行われましたことは新聞報道等を通じ承知しておりますが、その国際協力について影響が生ずる懸念はないのかあわせてお伺いいたします。

〇千葉副知事 まず、国際化の現状認識でございますけれども、情報・交通手段などの発達によりまして、日本の地域と各国の地域とが直接交流することが可能となってきております。本県においても国際化が進展し、地域からの国際交流、国際協力が活発となってきております。
 平成11年の主な指標でございますけれども、本県を訪れた外国人観光客数は4万5、552人回で、10年前の約2.1倍となっております。また、留学生も181人が来ておりまして、9年前の約3.3倍で、数字の上でも国際化が進行しているということがわかるわけでございます。
 また、これからですけれども、環境問題や食料問題、資源問題などの地球規模の問題は我々の生活にも直接影響を及ぼすようになってきておりますので、これらの問題に地域から取り組むことが重要となってきているところでございます。
 国際化関連施策の実施の基本方針でございますけれども、現在、県では、国際関係施策の一層の充実を図り、地域からの国際交流・協力を積極的に推進していくため、新しい計画を策定中でございます。この計画では、本県の魅力が世界の各地域に伝わり、文化・経済交流も含む多様多彩な交流を推進できるよう積極的な情報発信を行うこと、海外からの研修員や留学生を受け入れ、海外への専門家やボランティアの派遣など、本県の人材、技術、自然環境などの岩手の特徴を生かした国際協力を推進することなどを柱としたいと考えているところでございます。
 それから、ペルー大統領の交代による影響でございますけれども、ペルーとは鋳造技術協力を行っているわけでございますけれども、この鋳造技術協力は、日本からペルー共和国への国際協力事業といたしまして国際協力事業団、JICAと本県が連携して実施しているものでありますが、JICAからの情報では、現時点ではペルー共和国の大統領の交代により影響が生ずることはないと受けとめております。

〇千葉伝委員 どんどん国際化が進むという中であります。県の方でも、新しい総合計画の中で、環境、ひと、情報というキーワードをつくってあるわけであります。そういった意味で、岩手からのさまざまな発信も含め、あるいはほかの国から来た方々に岩手のよさを知っていただく、いろいろな意味でこれからますます重要なことになろうと思うわけであります。今後とも、国際交流も含めて推進されますよう要望いたします。
 次も関連するわけですが、海外との経済交流事業の実施状況についてお伺いいたします。
 本県の特産品は国内各地の消費者から好評を得ており、東京東銀座のアンテナショップいわて銀河プラザでは年間3億円もの売り上げを誇っていると伺っております。しかしながら、今、国内で売れているからよいというのでは不十分であり、国際化の進む中で、海外での新商品の開発や競合商品の流入を初め、ハセップなどの新しい品質管理方法の導入など、地域産業といえどもこうした動向を無視できない状況にあることも事実であります。
 このことから、経済の国際化に向けた取り組みが今後一層重要となってくるものと考えるものであり、海外への販路拡大の取り組みはもちろんのこと、貿易流通のノウハウの獲得や国際的な視野に立った産業人の育成に努めることが重要ではないかと考えるところであります。
 県では、平成9年度からハンガリーとの経済交流に取り組み、本年度もまた9月に現地で岩手の物産を紹介するとともに、昨年からは新たにオーストラリアでの物産展を開始しております。こうした海外との経済交流事業の展開につきましては、以前からヨーロッパの国際見本市として有名なドイツのフランクフルトメッセに参加したりアメリカでの物産展を展開しているわけでありますが、こうした経済交流事業への取り組みについての基本的な考え方と、どのような戦略で県内産業にどのような効果を期待しておられるのかお伺いします。
 また、この海外での事業展開により、具体的にどのような効果が上がってきているのか、今後の海外経済交流事業の展開方策とあわせてお伺いいたします。

〇千葉副知事 海外との経済交流についての基本的な考え方でございますけれども、国際的な社会情勢の変化に対応し、海外において物産展等を開催することによって県産品の販路の開拓を図るとともに、地場産業関係者の国際感覚を涵養し、輸出入手段・方法の学習による実践や品質管理の国際規格の導入等を促進するための呼び水とするということを基本的な考えとしているところでございます。
 海外物産展の戦略といたしましては、ロサンゼルスやメルボルン等における現地デパートやスーパーの買い取りによる県産品の試食販売や実演販売などを中心とした方式、それと、ハンガリーブダペストでの見本品の展示、試食試飲等を織りまぜながら日本食レストランや小売業者を対象とした商談会方式、この二つの方式を基本的な戦略としているところでございます。
 これまでの具体的な効果といたしまして、南部鉄器とか、米、めん類などの商品が常時取引と結びつきまして、現地のデパートの商品として定番化されたものがございます。また、地場企業の実演者などの派遣によりまして国際感覚の醸成が図られたものと考えております。特にも、国際的な食品の品評会でございますベルギーのモンドセレクションに日本酒を初めとして積極的に出品するようになってきておりまして、また、このモンドセレクションにおきまして賞を受賞いたしまして、その受賞した商品がヨーロッパの販路に結びついたといった事例も出てきておるところでございます。
 私もこの9月にハンガリーのブダペストの物産展に行ってその状況をつぶさに見てきたわけでございますけれども、現地の大使館あるいはジェトロ等の協力もありまして非常に盛況でございました。海外での物産展についての自信を深めてきたわけでございますけれども、今後におきましても海外における事業展開を進めてまいりたいと考えておるところでございますが、特にも、今後、有望な市場と考えておりますヨーロッパでの新たな場所での物産展の開催等や博覧会への出展を検討してまいりたいと考えております。

〇千葉伝委員 副知事が直接ハンガリーにお出かけになって、現地の状況等も把握しながら進めておられるということであります。私も去る10月に、議員10名で海外視察ということでアメリカ、カナダを直接見てまいりました。そういった中で、日本商品が各地で見られるということでありました。海外において岩手のさまざまな物産を見る機会、さわる機会、食べる機会、さまざまな物産展の企画というものが今後の国際化の中にあって重要なことであると思いますし、ひいては県内産業を活性化すると考えますことから、ただ1回ということではなく、場合によっては継続あるいはお互いの交流を深めるという意味で今後とも努力していただきたいと思います。
 次に、観点が変わりまして、並行在来線対策について数点お伺いいたします。
 まず、1点目は、千葉副知事にお伺いいたします。
 私は、本年2月県議会において、知事の並行在来線視察についてその所見をお伺いしたところですが、聞くところによりますと、千葉副知事もほぼ同じ時期に並行在来線の現地視察をされたとのことであります。千葉副知事は、実際に視察をされてどのような所感を持たれたのか、まず、お伺いします。
 2点目は、住民説明会についてであります。
 県では、昨年10月に並行在来線に関する基本方針を策定して以来、沿線市町村等において住民説明会を開催しております。私も何回か説明会に出席させていただきましたが、住民の鉄道にかける思いや経営分離後の不安など、まさに現地の生の声を伺うことができました。説明会は今回で3巡目となり、延べ20数カ所の会場で、多くの住民から運賃水準の問題を初め、さまざまな意見、要望が出されたと承知しております。県では、この説明会の結果をどのように評価し、今後の対策にどのように役立てていこうとしているのかお伺いします。
 3点目として、直通乗り入れと乗り継ぎ制度についてお伺いします。
 現在、JR東日本では、例えば北上発沼宮内行きであるとか盛岡発青森行きのような列車運行を行っております。盛岡-八戸間が経営分離されれば、東北本線は、盛岡以南がJR、盛岡以北の青森県境までが岩手県の第三セクター、県境から八戸までが青森県の第三セクター、八戸以北がJRと、非常に経営区間が入り組むこととなります。こうした経営区間が入り組む中にあっても、直通乗り入れの実施により利用者の利便性を確保すべきであると考えますが、この問題についての基本的な考え方をお伺いします。
 また、線路が1本であっても、経営主体が異なる場合、初乗り運賃の問題が出てまいります。例えば、花輪線の大更から仙北町に行く場合、利用者は相当割高な運賃を払うこととなります。経営計画概要では、乗り継ぎ割引について実施する旨の記述がされておりますが、その実施に当たっての基本的な考え方をお伺いします。

〇千葉副知事 ことしの1月でございますけれども、好摩駅を中心に視察をしてまいりました。また、新しい会社で導入を予定しております701系電車にも実際乗車いたしまして盛岡まで来まして、その後、盛岡駅で制御装置等を見たわけでございます。率直な感じを申し上げますと、幹線鉄道でございますので、三鉄しか経営の実績を持たない岩手県でこの幹線鉄道を引き受けて本当に大丈夫だろうかという率直な感じを持ったわけでございます。
 それから、好摩駅で貨物鉄道の通過を見送ったわけでございますけれども、改めて貨物鉄道が東北本線の物流の大動脈であるということを認識したわけでございます。ただ、ホームに立っていまして風圧と振動が物すごく大きかったわけでして、貨物の負担が大変なものだということを改めて認識したわけでございます。本数も旅客列車と比較にならない本数が通過するわけでございまして、この貨物の関係につきましては、やはり使用に応じたところの適正対価をもらわなければならないということをそのとき初めて実感したわけでございます。
 いずれにしましても、実際に私もお客さんと一緒に乗ってみたわけでございますけれども、県民の足であるということはこの目で確認してまいりました。いろいろな障害がありますけれども、前向きに取り組まなければならないということを意識して帰ってきたものでございます。

〇佐藤企画振興部長 並行在来線の関係での住民説明会でありますけれども、お話ありましたとおり、昨年10月の基本方針の策定時点、それから、本年8月の経営計画概要原案の公表時点に住民説明会を開催いたしましたほか、現在、10月に策定いたしました並行在来線経営計画概要の説明会を開催中でございます。これまで22会場、延べ1、250人の御参加をいただきまして、およそ300件ぐらいの意見等をちょうだいいたしております。私も出席いたしておりますけれども、並行在来線の経営問題について住民の皆様方の非常に高い関心を呼び、また、説明を通じ、より深い御理解をいただいているのではないかと思っております。
 住民の皆さんからは、運賃水準に関する要望や新駅設置に関する期待の声などさまざまな御意見をいただきまして、これらを踏まえて、経営計画概要の策定におきましては、青森県会社との車両のプール運用による経費節減策や初期投資を県交付金により措置することなどによりまして、当初の全国の第三セクター並みの運賃水準でしか経営が成り立たないという考えを少し改善できまして、三陸鉄道並み、現在のJRの水準からいうと1.59倍に当たるんですけれども、三鉄並み以下に引き下げたい、こういうような計画変更で反映していると思っております。
 今後、平成14年中の開業に向けまして鉄道事業の詳細計画を策定することとなりますけれども、これまで同様に県民の皆さんの意見、要望を把握し、詳細計画への反映に努め、適切な開業準備とマイレール意識の醸成に努めてまいりたいと考えているところであります。
 それから、直通乗り入れと乗り継ぎ割引の関係でありますけれども、盛岡-八戸間で青森県会社と列車の共同運用を実施することにより相互直通乗り入れを行うとともに、花輪線につきましては、JR東日本による盛岡-好摩間の直通乗り入れを確保し、さらに、盛岡駅以南及び盛岡駅以北との相互直通乗り入れを一部列車について行う計画であります。具体的な乗り入れ区間や本数、時間帯につきましては、先月の11月29日に本県と青森県とJR東日本の三者共同で旅客流動調査、いわゆるOD調査を実施いたしましたので、その結果を踏まえて関係者間で協議をしてまいりたいと考えております。
 それから、乗り継ぎ割引の関係ですが、異なる会社の鉄道を乗り継ぐ場合、それぞれの会社の運賃を合算して運賃を決定するのが原則でありますため割高な運賃になって、現行のJR運賃と比べて利用者に負担増を強いる結果になりますので、乗り継ぎ割引制度は必要であると考えておりますが、一方におきまして、この問題は会社の運賃収入にも影響いたします。それから、相手会社の合意を得て実施するものでもあります。そういったことで、現時点では、短い区間で実施導入することを基本に、会社経営の健全性と利用者の方々の利便性のバランスを図りつつ、青森県やJR東日本と協議の上、具体的な検討を進めてまいりたいと考えております。

〇千葉伝委員 並行在来線については、本県分は第三セクターということになるわけですが、いずれにしても線路は1本ということであります。先ほど御答弁いただいたさまざまな住民の要望、それからまた、会社の経営のやり方ということでのいろいろなことがあると思いますが、いずれにしても、経営スタートまでは利用者の利便性の問題、それからまた運賃、コストの問題、まだまだいろいろなことが出てくると思います。そういった意味におきまして、沿線の住民のみならず、県民の理解を得ながら最大限の努力をお願いしたいと思います。
 次に、介護保険についてお伺いします。
 平成11年度予算においては、本年度からの介護保険制度の円滑な導入を図るための関連事業が数多く措置されたところであります。介護保険制度がスタートして9カ月経過しましたが、全国的に事業を展開している民間大手の介護保険事業者が既に一部地域で撤退するという事態も報じられているように、新規参入事業者の中には利用者を確保できず苦戦しているところが多いと伺っております。
 介護保険制度においては、民間事業者の自由な参入を期待し、利用者はサービスを選択できることとされておりますが、本県における介護サービス基盤の整備状況はどのようになっているのか、また、新規参入事業者の状況はどうか、まず、お伺いします。
 次に、介護保険制度においては、措置制度から契約によるサービスの利用に仕組みが変わったわけでありますが、利用者にとっては、実際に受ける介護サービスの内容や質が気になるところであります。全国的に見ると、書類の改ざん、介護報酬の不正請求など、介護保険事業者にかかわる不適正な事例が報じられておりますし、県内においても観光目的のショートステイ利用があったところであります。このような不適正な事例は言うまでもなく是正、改善する必要がありますが、介護サービスに対する苦情や不満といったことにも適切に対処することが求められております。そこでお伺いいたしますが、県における苦情等の状況はどうなっているのでしょうか。
 また、介護保険事業者に対しては、まさに制度開始初年度において、制度にのっとった適正なサービスを定着させていくことが重要であると考えますが、県においてはどのように指導監督を行おうとしているのかお伺いいたします。

〇千葉副知事 本県における介護サービス基盤の整備状況でございますけれども、居宅サービス事業につきましては、各市町村において主なサービスの体制が確保されております。介護老人福祉施設と介護老人保健施設につきましては、高齢者保健福祉計画、介護保険事業支援計画に基づき計画的に整備を進めているところでございます。平成12年度の入所定員目標数に対する12年度末の整備見込み率は、介護老人福祉施設、介護老人保健施設ともに96%でございます。
 なお、これらの施設整備につきましては、平成14年度の必要数まで前倒しで整備できることとされております。
 また、介護療養型医療施設の平成12年度の入所定員目標数に対する9月1日現在の指定率は54%でございます。
 次に、新規参入の状況でございますけれども、居宅サービスに関しましては、7月1日現在で、みなし指定事業者を除く512事業所のうち、新たに参入した事業所は133事業所となっております。
 それから、介護保険に関する苦情等の状況でございますが、制度がスタートいたしました4月から9月までに、国保連合会あるいは市町村に寄せられた相談・苦情件数は221件でございます。このうち、介護サービスの内容に対する相談、苦情は68件で、全体の3割を占めております。その他に、要介護認定、保険料に関する相談が寄せられております。
 苦情等のあった事業者に対しましては、国保連合会が必要に応じまして調査の上、指導、助言をしているところでございます。
 それから、介護保険施設等に対する指導監督でございますけれども、本県におきましては、地方振興局と保健所が行うこととしております。今年度は介護保険制度の施行年度であるところから、介護サービス事業が適正に実施されるよう、指導に重点を置いて行っております。
 なお、指定基準違反、不正請求や不適切な介護サービスの提供が明らかになった場合には、厳正に監査を実施することといたしております。

〇千葉伝委員 まだことしはスタートしたばかりであります。その中でも、地域によってはさまざまな問題を抱えているということもあります。今後の御指導をよろしくお願いいたします。
 そこで、苦情相談もありますが、要望といった中で、報道によりますと、県内町村の一部で全額負担するところがあると聞いているわけですが、これまでの指導状況と今後の対応について改めてお伺いしたいと思います。

〇千葉副知事 2町において老齢福祉年金受給者の保険料を減免する規定を条例上定めているわけでございますが、他の第1号被保険者との公平を確保するため、減免する場合であっても、一律の免除ではなくて、個々の資産や扶養の状況等を総合的に判断した上で実施するよう、また、その財源については、将来的な財政上の影響を考慮いたしまして、一般会計から補てんを行わず、高齢者の保険料によって賄うよう検討をお願いしているところでございます。

〇千葉伝委員 保険制度ということを考えた上での適切な指導を今後ともよろしくお願いします。
 次に、農業問題に入ります。
 水稲の品種開発についてお伺いします。
 ことしの稲作の状況は、10月15日現在の全国の作況指数は104となり、3年ぶりの豊作となることが確定的となりました。一方、10月末の第4回自主流通米入札結果を見ますと、全銘柄の平均価格は1万5、858円で1万6、000円台を割り込むとともに、落札率は78%にとどまるなど、本年度米の販売環境は非常に厳しい状況となっております。本県におきましても作況指数は106の2年連続の豊作となったわけですが、このような米の厳しい需給、価格の状況においては素直に喜べないものがあり、しかも稲作専業農家ほど所得が目減りしており、将来の営農への展望が見出せなくなってきております。
 私は、米の需給が緩和し、価格が低迷している現状にあって、品質、食味にすぐれたいわて純情米を低コストに生産する取り組みを強化して販売力を一層高めていくことが、今、何よりも重要であると思うものであります。
 県では、本年度から全国トップクラスの米主産県としての地位を確固たるものとするため、いわて純情米レベルアップ運動を全県的に展開していると伺っております。また、農家段階では、減農薬栽培米などの生産にも取り組んでいると聞いております。私は、産地間競争がますます激化する中で、本県産米の販売戦略を考えたとき、こうした取り組みはまさに必要なものであると評価するものでありますが、さらにグレードを高めていくためには、中長期的視点に立って、消費者が求める多様な品種を早急に開発していくことが極めて重要ではないかと思うのであります。
 そこでお伺いしますが、県では、売れる米づくりに向け、本県オリジナル水稲品種の開発をどのような考えのもとに進めているのかお聞かせ願います。

〇千葉副知事 本県オリジナル品種の開発につきましては、平成2年度から取り組んできております。これまで、かけはし、ゆめさんさ、最近では酒造好適米の吟ぎんが、ぎんおとめを開発し、普及しているところでございます。
 売れる米づくり推進のためには、適地適品種の作付を徹底するとともに、地域の立地条件に適応した商品性の高い品種の開発が重要でございます。現在、あきたこまちが栽培適地より標高の高いところにも作付されているところから、これを改善するため、耐冷性が極めて強く、食味、品質ともにすぐれた品種を年度内に奨励品種として普及に移せるよう準備を進めているところでございます。
 今後におきましても、これまでの成果を踏まえまして、本年9月に策定いたしました今後10年間の品種開発方向を示したいわてライスフロンティア計画に基づきまして、消費者の求める本県オリジナル品種を開発してまいりたいと考えております。

〇千葉伝委員 次に、畜産部門であります。
 二つ用意してありますが、黒毛和種の種雄牛の一元管理は部局審査に回したいと思います。
 同じ肉牛振興の中で、岩手県肉牛生産公社の運営についてお伺いします。
 肉牛生産公社の平成12年度総会資料によりますと、肉牛生産公社の平成11年度決算は2億1、381万7、000円の当期欠損となっており、累積債務は12億5、769万8、000円まで膨らんでおります。このように肉牛生産公社の経営は極めて厳しい状況にあり、本県が我が国の食料供給基地を標榜し、畜産主産県として今後も積極的に肉用牛の振興を図ることとしている一方で、肉牛生産農家が注目している肉牛生産公社がこのような状況にあることはまことに憂慮にたえないところであります。
 そこでお伺いします。まず、肉牛生産公社の経営悪化の原因として、県が推進している種雄牛造成など肉用牛の改良事業が大きな要因となっているのではないかと考えておりますが、経営悪化の分析結果と今後の公社の運営方法について簡潔にお示し願います。
 次に、今後とも公社に家畜改良事業の一翼を担わせる必要があるのかお伺いします。

〇千葉副知事 肉牛生産公社は、牛肉の自由化を契機として、平成4年度以降継続して当期欠損金を生じております。平成11年度決算では累積欠損が12億5、000万円余りでございまして、御指摘のとおり、極めて厳しい状況下にございます。
 累積欠損を事業別に見ますと、家畜改良事業関連でおよそ8割、その他事業──肥育事業等でございますが──でおよそ2割となっております。経営安定時は家畜改良事業の損失額をその他の事業の収益で補ってきたわけでございますけれども、平成4年度以降は肉用牛の情勢の悪化により補えなくなり、その他事業でも損失が生じてきたところでございます。
 なお、一般事業で補えなくなった主な原因といたしましては、平成3年度からの牛肉輸入自由化以降、牛肉の市場価格の下落に伴いまして短角牛肉の産直取引価格が大幅に引き下げられたことが挙げられます。また、平成10年度以降、大口量販店との産直取引が中止となったことが挙げられます。また、経営再建のため、不採算部門となっております日本短角種の繁殖種雄牛の飼養頭数を減らしたことにより処分損が発生したことによるものでございます。
 今後の公社の運営方法でございますけれども、岩手県農業・農村基本計画におきましては、肉用牛については積極的に生産振興を図ることとしておりまして、目標の達成に向けた施策の展開に当たり、肉牛生産公社の役割は極めて大きいと考えております。今後、公社の早急な経営健全化は不可欠でございまして、家畜改良事業と肥育事業等一般事業などの事業ごとに区分経理をしながら、公社のより一層の自主努力を求めるとともに、県、関係団体の支援についても検討し、公社経営の安定を図ることが急務と考えているところでございます。
 次に、家畜改良事業の一翼を公社に担わせる必要があるのかということでございますが、家畜改良は生産のもとでございまして、繁殖性、産肉性、不良遺伝子の排除など、家畜畜産物の生産性向上を図るために不可欠でございます。このため、家畜改良増殖法では、国と都道府県あるいは家畜改良増殖の促進に有効な事業につきましては、これを積極的に行わなければならないとされているところでございます。肉牛生産公社は、種雄牛としての能力判定のため産肉能力検定を行っているわけでございますけれども、検定の精度を高めるためには、多頭飼養が可能で飼育環境や技術水準も一定であることが必要でございます。このような条件を備えております肉牛生産公社に担わせることは、本県肉用牛の改良を推進するため不可欠であると考えているところでございます。

〇千葉伝委員 この問題については、さきに我が会派の佐藤正春委員からも質問があったわけでありますが、私は、この肉牛生産公社の果たしてきた役割として、県内肉牛農家にとって大きな支えとなってきたことと、今後においても畜産振興を図る上で必要なものと考えておりますが、先ほどの御答弁のとおり、輸入自由化とともに経営悪化し、大きな負債を抱えているということであります。今後は、不採算部門の整理あるいはきちっとした経営運営方法を示す必要があり、指導してきた県が、公社の自助努力はもちろんでありますが、その大きな役割を果たすべきと考えますことから、畜産振興のため最大限の努力を重ねていただきますよう要望いたします。
 次に、花卉を用意いたしましたが、これも部局審査に回したいと思います。
 続きまして、セーフガードに関連してお伺いしたいと思います。
 セーフガードに関連する林産物及び水産物の動きについてお伺いします。
 新聞報道等によりますと、農林水産大臣は、11月24日に野菜6品目について、また、11月30日には製材品及び集成材を対象とする木材について一般セーフガードに係る調査を開始するよう、大蔵、通商産業両大臣に要請した旨伝えられておりますが、本県では、農業はもちろん、林業、水産業も重要な産業であり、私としてはこの動きについて関心を寄せているところであります。
 ついては、セーフガードに関し、林産物及び水産物の動きはどのようになっているのかお伺いします。
 あわせて、森林組合の経営状況についてお伺いします。
 森林組合は、森林所有者が組織する唯一の協同組合であり、これまで森林資源の造成、利用等の面で大きな役割を果たしてきたところであり、地域林業の中核的な担い手として期待されているところであります。今さら申し上げるまでもなく、森林を適切に管理しながら林業生産活動を展開し、森林を持続的に経営していくことは森林の公益的機能の高度発揮の面からも重要であり、その中で森林組合の果たす役割は特に大きいものがあります。現在、森林組合系統では、その役割を果たすべく各森林組合が21世紀ビジョン5カ年計画を策定し、その取り組みを展開しようとしているところであります。
 そこで、県内の森林組合の経営は厳しい部分があるわけですが、その森林組合の経営状況はどのようになっているのか、そして、経営の厳しい森林組合に対してどのような指導、支援を行っているのかあわせてお伺いします。

〇千葉副知事 セーフガードに関連する動きでございますけれども、木材につきましては、製材品及び集成材の輸入増加による国内産業への影響を踏まえまして、一般セーフガードの発動に向けた調査を開始するよう、農林水産大臣から大蔵、通商産業両大臣に要請を行ったと伝え聞いております。
 木材輸入量の推移につきましては、林野庁の公表資料によりますと、近年、製材品及び集成材ともに増加しておりまして、平成12年におきましては、対前年比で製材品は6.3%増、集成材は46.4%増となっているところでございます。木材以外の林産物と水産物で本県にとって重要な品目と考えられるものは、例えば干しシイタケとワカメがあるわけでございますが、大蔵省の貿易統計によって見ますと、ちなみにこの9年から11年の3カ年で見ますと、若干の増減があるものの、ほぼ横ばいとなっている状況でございます。今の段階では、セーフガードにおけるこれらの品目の取り扱いについて公表されていないため、県としては、今後、関係の省庁あるいは団体等の動きを注視しながら、適切に対応してまいりたいと考えております。
 次に、森林組合の経営状況でございますけれども、平成11年度における組合決算は、28組合のうち当期剰余金を計上した組合が26組合で、当期欠損金を計上した組合は2組合となっております。繰越金で見ますと12組合が累積欠損金を計上し、その総額は6億4、200万円となっておりまして、特に4組合においてその累積欠損金が県下全体の約8割を占め、大変厳しい経営状況となっているところでございます。
 経営改善のための指導、支援策でございますけれども、累積欠損金の多い森林組合について、その状況を把握するため、森林組合法第111条第4項に基づく常例検査を重点的に実施いたしまして、具体的な事業展開を盛り込んだ経営改善計画の策定を指導するとともに、運転資金といたしましては、低利な県の森林組合経営体質強化資金の貸し付けによりまして、経営改善に向けて支援しているところでございます。
 森林組合の経営改善を図るためには、組織や財務などの脆弱な経営基盤を強化することが必要でございまして、平成22年度までに5流域単位の広域森林組合の実現を目指した岩手県森林組合合併基本構想について、森林組合連合会、市町村等と連携をとりながら推進してまいりたいと考えております。

〇千葉伝委員 セーフガードについては、本県は農林水産の主産県ということであります。そしてまた、その産地を守る観点から、このセーフガードの発動は私は早急にお願いする必要があるのではないかと思っておりますので、県はもちろんですが、私ども議会の方でも対応してまいりたいと思っております。よろしくお願いいたしたいと思います。
 森林組合につきましては、この経営の厳しい中にあって、今後とも県の指導、支援をよろしくお願い申し上げたいと思います。
 最後に、国道4号の茨島から分レ間の道路整備についてお伺いします。
 この道路整備については再三にわたり本会議において取り上げてまいりましたが、近年、この沿線の宅地化が著しく、慢性的な交通渋滞が続き、道路交通の隘路となっていることから再度お伺いいたします。
 近年、道路ネットワークの整備が進み、県北・沿岸との時間距離の短縮は目覚ましいものがあります。久慈市と盛岡市を結ぶ国道281号も改良が進み、交通の便は隔世の感があるほど改善されております。しかしながら、交通量の違いはありますが、国道4号に入った途端渋滞があり、特に茨島-分レ間の渋滞により、せっかくの時間距離の短縮が阻害されていると言っても過言ではないと思っております。
 県は、このたび盛岡北部研究学園都市形成ビジョンを公表されており、盛岡の北部圏はますます発展する地域として大いに期待されるところであります。このような地域であるからこそ、県北・沿岸地域との交通の隘路となることがないよう、都市開発とあわせて道路交通の問題が生じないよう配慮すべきであると考えております。国道4号の茨島-分レ間の道路整備はどのようになっておられるのか、また、どのようにこの地区の道路整備に取り組んでいかれるのかお示し願います。

〇千葉副知事 国道4号の道路整備の関係でございますけれども、茨島から分レ間の約4キロメートルにつきましては、現在、建設省において4車線化の検討を行っているところでございます。この区間は、旧鹿角街道としての歴史的景観や貴重な自然環境に恵まれているところから、地域の代表者や学識経験者で構成します国道4号盛岡滝沢道路懇話会を設置いたしまして、広く意見をいただきながら、複数の計画案について検討を重ねているところでございます。これらを踏まえまして、早期に最も望ましい案をまとめ、都市計画決定など所要の手続を進めた後、事業に着手する予定と伺っているところでございます。
 取り組みの状況でございますけれども、これまでの取り組みといたしまして、県といたしましては、本路線区間の重要性から、これまで国に対しまして機会あるごとにその早期整備の必要性を訴えてきたところでございまして、計画の熟度を高めるよう要請してきたところでございます。
 今後も、現在工事中の茨島跨線橋の早期完成と、茨島から分レ間について早期に事業着手されるよう、関係市町村等とも連携を図りながら国に強く働きかけたいと思っております。

〇千葉伝委員 国道整備という問題については、いろいろと森林というか環境の問題とかさまざまあるわけであります。工事事務所ではいろいろと考えておるようでありますので、これも一緒に頑張りたいと思います。
 以上で私の総括質問を終わります。ありがとうございました。

〇田村誠委員 政和会の田村でございます。
 私は、県政に参加し、おかげさまで2年目となりました。この間の諸先輩の御支援、御指導に感謝申し上げながら、政和会を代表いたしまして総括質問の機会を賜りましたので、以下、平成11年度決算について質問いたしてまいりますので、当局の誠意ある答弁をお願い申し上げます。
 さて、平成11年度は増田県政2期目の初年度であり、21世紀へのシナリオ・みんなで創る夢県土いわてを基本目標に掲げた岩手県総合発展計画を策定し、環境、ひと、情報の三つの視点に基づく各般にわたる施策を積極的に推進していくこととしております。まず、このことに対し敬意と感謝を申し上げながら、11年度における取り組み状況と今後の県政推進について順次お伺いしてまいります。
 まず、知事は、平成11年度からの4年間を変革と創造の4年間と位置づけておりますが、県民が急激な変化に対し戸惑いを感じていないかということであります。確かに、行政を取り巻く情勢が今までにないほど大きく変化している中で、必要な見直しを適時に実施することは必要なことであり、積極的に取り組むべきものと思います。
 一方、県政を進める上では、市町村や県民の理解と協力を得ながら着実に進めることもまた大事であると考えますが、この点についてどのように取り組んでこられたのか、まずお伺いをいたします。

〇千葉副知事 県民にわかりやすい開かれた県政の推進を目指しまして、これまで行政の説明責任と情報公開に努めるとともに、政策形成過程からの県政への住民参画を図るため、さまざまな機会を通じまして県民の皆さんとの対話に努め、県政に対する御意見、御提言をお聞きするなど、新しい岩手づくりを進めてきたところでございます。
 具体的には、昨年策定いたしました岩手県総合計画の推進につきましては、計画の概要版パンフレットの県内全世帯への配布や多くの出前説明会の開催によりまして、計画に対する県民への理解とみんなで進めることを基本とした計画への県民参画に取り組んできたところでございます。また、県民の意向を広く把握いたしまして、これを県政に反映することを目的とした県政懇談会を平成11年度は40回開催いたしております。また、ファクシミリ、手紙、電話、インターネットなどを通じた県政への提言を県民の皆さんからいただき、これらにつきましては関係部局で検討の上、可能な限り県政へ反映させているところでございます。
 また、本年4月からパブリックコメント制度を実施いたしまして、県の施策に関する基本的な計画等を立案する過程でその内容を県民に公表し、意見を考慮しながら意思決定を行うなど、県民の皆さんの意見を県の意思決定過程に反映させる機会を確保しているところでございます。
 なお、本年度から県民満足度調査を実施いたしまして、県民の皆さんの政策に対する満足度、優先度を把握した上で、それらを次年度の施策に反映していくこととしたところでございます。
 また、市町村とは対等なパートナーとして、相互に連携、協力してさまざまな施策を進めていくことが重要であるところから、市町村の要望を現地でお聞きするとともに、地方振興局はもちろんのこと、本庁の各部局におきましても積極的に現地に出かけまして、市町村との連携のもとに施策の展開を図っているところでございます。
 こうした取り組みを通じまして、今後とも現場重視の地域経営を進めるとともに、県民の理解と参画を得ながら、そして行政の先端を担う市町村との連携のもとに、県民一人一人と県行政との距離を縮める顔の見える県政を積極的に進めていきたいと考えております。

〇田村誠委員 次に、予算編成と景気対策についてお伺いをいたします。
 平成11年度は、長引く景気の低迷による税収の減収や国庫支出金の伸びに期待できない一方、公債費等の義務的経費の増加など厳しい財政環境にあり、その中で景気対策についての予算編成も強く求められたところであります。加えて、年度途中には国の公共事業等予備費の配分や経済対策など、予算の編成に当たっては大変御苦労をなさったと思いますが、平成11年度の財政運営に当たり、年間を通じ特に留意をされた点は何か、その成果はどのようになっているものかお伺いをいたします。
 また、国の経済対策を効果的なものとするためには、各市町村においてもこれに積極的に呼応していく必要があるものと考えますが、先ほどの質問にもありましたとおり、市町村の財政状況がなお一層厳しい中にあって、県としては国の経済対策への市町村の呼応状況をどのように把握し対応してきたものか、その成果を含めてお聞かせを願います。

〇武居総務部長 平成11年度の財政運営についてでございますが、何よりもまず新しい総合計画の方向性を踏まえながら、環境、ひと、情報の視点に立ちまして、限られた財源の効果的な活用を図りながら、事業の重点化などによりまして緊急度と優先度の高い施策を厳選するなど、執行することに最大限の配意を用いたところでございます。
 昨年度につきましては、それぞれ特に春先から若干説明させていただきますと、当初予算は春の統一地方選挙を控えているということでございまして、骨格的予算とする方針のもとに編成したところでございますけれども、依然として厳しい経済情勢を踏まえまして、また、国の15カ月予算との整合性や景気対策に配慮し、対前年度伸び率を3.1%とする当初予算編成を行いました。
 6月補正予算につきましては、新規政策的経費を中心にしまして事業の重点化などにより、緊急度と優先度の高い施策を厳選しまして、いわゆる肉づけ予算として編成したところでございます。また、現下の厳しい経済状況への対応は何よりも緊急の課題であるということから、国のいわゆる15カ月予算に対応し、景気対策予算の執行につきまして、例えば公共事業の上期の契約率を84%に設定しまして、その施行促進に努めるなど全力で取り組んだところでございます。その後、国の公共事業等予備費の使用の決定に伴いまして対応する予算を9月補正で追加提案するとともに、国の経済新生対策に係る2次補正予算に呼応した予算を、12月及び2月補正におきまして編成したところでございます。
 これらの予算編成に当たりましては、昨年度はそういったことで補正対応が相当程度出てきたわけでございますけれども、県の総合計画の着実な推進を図るために中期財政見通しを踏まえまして、これに基づく中期的な見通しのもとに財政運営の健全化に努めたところでございます。その結果につきましてはいろいろあるわけでございますけれども、計画に基づくさまざまな施策が着実に推進されたと考えております。
 また、財政運営の健全化という観点につきましても、県の行政システム改革実施計画に定める歳出規模の抑制、県債依存度の縮減、それから財政調整基金等、主要3基金の残高の確保という目標が達成されているところでございます。

〇佐藤企画振興部長 市町村の経済対策の関係ですけれども、経済新生対策に関する通知につきましては速やかに伝達し周知を図ったほか、経済新生対策の趣旨を踏まえて地方単独事業の積極的な推進についても要請を行ったところであります。市町村におきましては、これに呼応いたしまして、住民生活に密着した道路、住宅あるいは下水道など、こういった基盤整備の実施や市町村の総合開発計画に掲げる事業の前倒し実施等に取り組んだところであります。この結果、普通建設事業のうち、補助事業につきましては9月現計予算において568億2、900万円であったものが、その後の補正予算において84億9、700万円を追加したところでありますし、単独事業につきましても9月現計では1、069億1、900万円であったものが、その後の補正予算において34億8、900万円を追加し、市町村の地域特性に応じた生活関連、社会資本整備が図られたものと認識しております。

〇田村誠委員 今、2点関連してお伺いしたわけでありますが、市町村、特にも沿岸部、県北部の地域におきましては大変な財政状況にもございます。公債費比率も高くなってきておりまして、この経済対策になかなか呼応できないという声も聞かれるわけでありますので、急激な変化の中で思いやりの県政を、支援をひとつお願いをしておきたいと思います。
 それでは次に、均衡ある県土の発展について幾つかお伺いをいたします。
 1点目でありますが、140万県民がひとしく幸せが実感できる均衡ある県土の発展は県政の重要課題であるとの認識から、県としても鋭意努力をいただき、着実にその成果を上げ、進展をしてきているところであります。しかしながら、いまだ各種の数値にあらわれておりますように、依然として内陸部と県北・沿岸地域の格差は解消しておらず、特にも若者の域外流出が地域の高齢化に拍車をかけ、加えて第1次産業や企業活動の低迷が活力に陰りを与えております。そうした市町村では、何とか生き残りをかけて努力をしておるわけでありますが、現実は大変厳しいものがございます。
 そこで、県としてはこのことをどのように認識され、11年度は格差の解消にどのように取り組まれ、また、その成果はどうなっているかお伺いをいたします。

〇佐藤企画振興部長 人口動態を見ましてもあるいは市町村所得の伸びを見ましても、工業出荷額の動向あるいは下水道普及率、こういった数字で見ましても、県北・沿岸地域の格差はかなりあると認識いたしております。
 11年度の取り組みと成果でありますけれども、県といたしましては、地域活性化事業調整費を県北・沿岸地域に重点配分いたしまして、特色ある地域づくりを一層推進するとともに、重点的かつ計画的な事業の導入を図ってまいりました。
 具体的には、東北新幹線盛岡以北の工事促進や幹線道路網など交通基盤を初めとして、情報通信基盤の整備や港湾機能の高度化など、地域振興のための基盤整備でありますとか地域資源を生かした野菜、花卉等の高収益作物の導入拡大やヒラメ、マツカワなどつくり育てる漁業の推進、大船渡魚市場等へのハセップ方式の導入、あるいは魚菜王国等の岩手四王国やグリーン・ツーリズムの推進による観光の振興などの地域産業の振興、あるいは県立病院──一戸・北陽病院でありますけれども──移転新築や釜石病院の増築、それから農山漁村におきます集落環境や下水道整備などの生活環境の整備、こういった事業を展開してまいりました。
 一方、全国太鼓フェスティバルに代表される県内外に情報発信するようなイベントや全国農村アメニティーコンクールで最優秀賞を受賞いたしました久慈市の山根地区、さらには各地で展開されている地域の資源を再確認、再認識する地元学への取り組みなどこれらも活発化しておりまして、このような数値にはあらわれない地域おこしの取り組みにも積極的に支援しながら、県北・沿岸地域の振興に努めてまいりたいと考えております。

〇田村誠委員 いずれ、私も資料について見ているわけでありますけれども、この数字を見てみますと、平成11年度、各般にわたりまして特定地域の場合は格差に問題があるという感じがしますが、この数字であれば特定地域の平均値なわけでありますので、もっと厳しいところがあるのだろうと思います。そうした市町村に対してやっぱり思い切った手だてをこれからやっていただきたい。そうしておきませんと、ますますこの格差は広がる傾向にあると私は見ておりますので、特段の御理解とお力添えをここでお願いしておきたいと思います。
 それから、二つ目は地域振興についてであります。
 地域における振興策の基本は産業の振興であり、それによる雇用の確保が何よりも重要であると考えております。
 そこで最初に、新規学卒者の県内就職及び雇用の確保に大きな影響を与える企業誘致についてお伺いをいたします。
 平成2年度と平成11年度の人口を比較してみますと、全県ではマイナス0.1%と若干減少しているものの、ほぼ横ばいで推移をしておりますが、県北・沿岸等の特定地域はマイナス7.1%と大きく減少しております。これが高齢化にも拍車をかけ地域の元気にも影響を与えることから、早急な人口減少の歯どめ策が必要と考えられます。人口減少をくいとめ地域の活性化を図るためには、新規学卒者などの若者の地元定着が何よりも重要であります。そのためには、若者が魅力を感じて地元に定着できるような地域整備はもちろんのことでありますが、それ以上に若者が安心して働ける雇用の場が重要であり、県北・沿岸地域への優良な企業の誘致の重要性が増してきていると思います。
 そこでお伺いをいたしますが、新規学卒者の県内就職状況はどのようになっているのか、また、地元就職希望者が地元で就職できるようにするために、県はどのような取り組みを行っているかお伺いをいたします。
 また、雇用の場を確保する上で重要な企業誘致について、内陸と県北・沿岸地域への誘致件数の状況及び今後の取り組み方についてお伺いをいたします。
 加えて、先般、ヤマハ発動機の子会社でありますヤマハ大船渡ケミカルが来年3月末で閉鎖されるとの発表がございましたが、県内に立地したものの、景気の低迷等により閉鎖や撤退した誘致企業の件数、理由はどのようなものになっているのでしょうか。また、せっかく来てくれた誘致企業の撤退等を防ぐための取組状況、万が一、不幸にして撤退等を余儀なくされた場合の地元への影響を最小限にくいとめるための対策はどのようになされてきたものか、今後の取組方針を含めてお示しをいただきたいと思います。

〇千葉副知事 最初に、新規学卒者の県内就職状況でございますけれども、岩手労働局の調査によりますと、県内に就職を希望している平成12年3月の新規卒業者の県内就職率は、高校卒にあっては99.3%、大学卒にあっては93.0%となっております。
 地元就職希望者の地元就職に向けた取り組みでございますけれども、県内就職率を高めるためには県内企業の求人数の拡大が肝要でございますから、経営者団体や事業主に対しまして求人要請を行っているところでございます。また、県内企業の情報を、直接、企業の採用担当者から入手できる機会を提供するために、大学、短大等の卒業予定者を対象に、盛岡、東京、仙台、札幌を会場に就職面接会を開催しているところでございます。
 都会に居住している人々の間にふるさと志向が高まっている中で、本県へのU・Iターンを希望している首都圏在住者を対象に、岩手県U・Iターンフェアを開催している、そういう状況にございます。
 次に、誘致企業の関係でございますけれども、内陸と県北・沿岸部への誘致件数の状況でございます。
 過去10年間の誘致件数は88件でございまして、その内訳は内陸地域が66件で全体の75%を占め、沿岸地域は17件で19%、県北地域は5件で6%という状況にございます。平成12年度におきましては、これまでに10件の立地があったわけでございますけれども、うち2件が県北・沿岸地域の立地となっております。依然として全体の7割以上が内陸に集中しておりまして、雇用の場を確保するためにも、県北・沿岸地域への企業誘致は大きな課題であると認識しております。
 県北・沿岸地域への今後の取り組みでございますけれども、県北・沿岸地域につきましては、現在、東北新幹線八戸開業や東北横断自動車道釜石-花巻間などの道路網や港湾の整備が進められておりまして、立地環境が高まってきていると考えております。これらを含めた地域固有の産業資源等につきまして、ホームページやiモード、電子メールなどの情報ツールの有効活用を図りながら、積極的に情報を発信したいと思っています。
 また、情報や環境関連などの成長分野を重点とした幅広い誘致活動を展開するとともに、北上川流域地域に集積しております先端技術を有する企業の2次展開と、これらの企業と関連の深い企業の誘導を図ってまいりたいと考えております。
 閉鎖した誘致企業の件数と理由でございますけれども、本年度におきまして、閉鎖もしくは閉鎖の意思表示が行われた工場はこれまで9工場となっておりまして、そのほとんどが生産拠点の海外シフトや国内工場の再編に伴うものでございます。
 撤退を防ぐための取り組みの状況でございますけれども、誘致企業が地域に定着いたしまして発展していただくためには、操業後における地域とのつながりが大事であると考えております。このため、知事と企業との懇談会の実施や意見交換、企業訪問などによりまして各企業から相談や要望等を聞きまして、基盤整備や金融、人材確保などの企業の要望にできる限り対応するなど、立地後のフォローアップに努めているところでございます。
 不幸にして撤退に至った場合には、地元への影響を最小限にくいとめるため、従業員の削減を最小限にとどめるよう企業側へ働きかける、あるいは再就職問題につきましては従業員の希望を十分に考慮した上で、第一義的には企業側で解決すべきことを強く要請するとともに、県におきましても、関係機関が協力して説明会の開催などの支援を行うほか、撤退した企業の空き工場への代替企業の企業導入を図るなど、雇用の場の確保に努めているところでございます。

〇田村誠委員 いずれ、かなり御努力をいただいて県北・沿岸にもそれなりに配置をしていただいていることに対しては敬意を表するわけでありますけれども、なかなか来ていただいてもすぐ撤退をするというのが沿岸の場合は多い、そういう傾向にございますので、ぜひ優良企業について特段の御配慮をいただきたいし、それから今、繊維関係の工場でも閉鎖といううわさが出ておりまして、業界ではセーフガードをも発動していただきたいような、そういう状況にあるのだということも言われているようでございますので、ひとつ、せっかくおいでいただいた企業をいつまでも存続させるようにぜひ取り組みをなお一層お願いを申し上げますとともに、地元として工場を閉鎖されますと大規模な、100名程度でも、それでなくても厳しい雇用環境なものですから、それを受け入れるだけの能力を持っていないわけであります。市だけでは当然なかなか厳しい。したがって、県の力というものはかなり好影響を与えていただくと思いますので、先ほど副知事の方から、ぜひ関係機関と県も一緒になってやるということでございますので、そのことをぜひお願いを申し上げる次第であります。
 それでは、次に雇用の関係について。
 さらに雇用の確保に加えて重要なことは、安心して働ける雇用対策であります。県内の障害者あるいはパート、高齢者を含めた勤労者の雇用対策についてお伺いをいたします。
 まず、障害者については法定雇用率が定められておりますが、県内における障害者の雇用はどの程度進み、その取組状況はどうなっているでしょうか。
 次に、パート労働者の実態把握と相談窓口への内容及びその対応策はどうなっているのか。そして、高齢者雇用促進の対策と成果はどのようになっているかお伺いをいたします。

〇千葉副知事 障害者の雇用状況でございますけれども、岩手労働局の調査によりますと、平成12年6月1日現在の法定雇用率が適用される一般の民間企業における障害者の実雇用率は1.64%と、全国の1.49%を若干ではありますが上回っております。
 法定雇用率達成に向けての支援策でございますけれども、障害者に対する支援策といたしましては、岩手労働局において障害者雇用の啓発のための事業主懇談会の開催、あるいは障害者と企業との就職面接会の開催、就職が特に困難な者を雇用する事業主に対して、賃金の一部を助成するそういった取り組みをしているところでございます。
 また、事業主に対する支援策といたしましては、日本障害者雇用促進協会におきまして、障害者雇用納付金制度を設けているところでございます。また、社団法人の岩手県障害者雇用促進協会におきましては、この制度を活用いたしまして、事業主に対して障害者作業施設設置や障害者雇用継続のための助成を行っております。
 次に、パートの実態でございますけれども、毎月勤労統計調査によりますと、平成12年9月現在の本県におけるパートタイム労働者数は約6万7、000人で、常用雇用者数約43万5、000人に占める割合は15.5%となっております。
 相談窓口への内容でございますけれども、公共職業安定所が行っているパート労働者の相談の内容は、主にパートタイム求人情報に関することでございます。
 対応策でございますけれども、女性の能力発揮促進事業などを実施している財団法人21世紀職業財団岩手事務所において次のような事業をやっております。
 労働に関する諸制度のパートタイム希望者等に対する説明会、この労働ガイダンスをやっておりますし、事業主、労務担当者への情報提供などの雇用管理改善セミナーを実施しているところでございます。
 高齢者の雇用促進の関係でございますけれども、国におきましては65歳までの雇用の確保に向けた取り組みを行っております。岩手労働局におきましては、企業訪問等によりまして65歳までの継続雇用の指導などに努めているところでございます。具体的な事業の内容は、地域高齢者能力活用職域開発支援事業、こういった事業をやっております。また、社団法人岩手県雇用開発協会におきましては、希望者を65歳以上まで継続雇用する制度を導入した事業主に対する助成業務、これは継続雇用定着促進助成金の活用促進ということで、その助成金をやっているわけでございますけれども、これは国からの委託によりましてこういったものを実施いたしております。
 それから、岩手労働局の高年齢者雇用状況報告結果によりますと、一律定年制を採用しております企業のうち、60歳以上の企業の割合は、平成11年度は99.7%と前年度を0.7ポイント上回っておりますし、希望者全員が65歳まで雇用される企業の割合は21.5%と、前年度を0.4ポイント上回っている、そういう状況にございます。

〇田村誠委員 これらの雇用対策について関連するわけでありますが、従来、機関委任事務制度及び地方事務官制度のもとで、国と県が一体となり取り組んでまいりましたが、本年4月のいわゆる地方分権一括法の施行に伴い、国は全国的な規模や視点から行うことが必要な施策を行い、地方公共団体は、国の施策と相まって、地域の実情に応じて必要な施策を講ずるように努め、それぞれが行う施策が密接な連携のもとに実施されるよう、相互に連携、協力することとされました。国においては、職業安定業務や労働基準監督業務などを一元化して岩手労働局を新たに設置をしたところでありますが、大変厳しい雇用情勢の中で、県は今後どのように岩手労働局と連携を図り、雇用対策を推進していくおつもりなのかお伺いをいたします。

〇千葉副知事 本年4月の地方分権一括法の施行によりまして、これまで県の機関委任事務となっておりました職業安定業務と雇用保険業務が国の事務に一元化されたところでございます。また、雇用対策法の改正によりまして、地方公共団体は、国の施策と相まって、地域の実情に応じて必要な施策を講ずるよう努めるとともに、国が行う職業指導、職業紹介の事業等々、地方公共団体の施策が効果的に実施されるよう、国と地方が相互に連絡、協力し合うことが求められているところでございます。このため、国と岩手県との連携の場といたしまして、この10月に岩手労働関係連絡調整会議を発足させたところでございますが、県としても今後この会議の場におきまして、県民各層のさまざまな意見を伺いながら、これまでの施策に加えまして若年者や高齢者、障害者の雇用対策に順次取り組んでまいりたいと考えております。

〇田村誠委員 そこでちょっとお伺いをいたしたいわけでありますけれども、その労働関係者の方々から、現在、県の方に相談に行くとそれは国なんだというふうな、あるいは関係機関に対して御要望は伝えますというふうなことが多いと。したがって、これからはどこに行けばいいのかという話が出されておりまして、今、知事がおっしゃった問題がこの11月の3日に新聞で見たわけでありますけれども、雇用対策で国にかみついたというあれがあるわけでございまして、ぜひこれをきちっとやっていただかないと、やっぱり今までは県でお願いしておったものがこれから国と、そこにはざまが出ないように、ひとつ十分連携をお願いいたしたいと思います。
 それでは次に、観光振興についてお伺いをいたしてまいります。
 我が県は、海の景観を代表する陸中海岸国立公園、山の景観を代表する十和田八幡平国立公園を初めとする豊かな自然景観や数多くの歴史的遺産など、すぐれた観光資源を有しております。観光関連産業は、宿泊や飲食、交通など、幅広い分野を包含しており、新たな雇用の創出など、地域経済の発展に大きく貢献をすると考えられます。豊かな自然環境を数多く有する県北・沿岸地域において、地域の個性を生かした観光の推進や魅力ある観光エリアの整備を図り、それを情報発信していくことは、地域の振興を図っていく上で非常に重要であります。しかしながら、観光客の入り込み数を見ますと、平成8年度の4、150万人回をピークに、平成10年、11年と4、000万人回を割り込んできており、また、平成2年と11年で観光客入り込み数を比較してみますと、特に県北・沿岸地域で大きく減少しております。
 そこで、今後の観光を地域産業の大きな柱の一つに据えて、海と水産物を有効に活用し、地域の特性を十二分に生かした観光施策を積極的に進めるべきと思いますが、三陸沿岸地域でのこれまでの観光施策の取組状況とその成果についてお示しをいただきたいと思います。
 また、陸中海岸国立公園の名称を三陸海岸国立公園に変更することについて、関係者の間では一定の方向性が出されたようでありますが、県としては、今後、どのように考えていくおつもりなのかお伺いをいたします。

〇千葉副知事 三陸沿岸地域はすばらしい海岸美を有する地域であり、豊富な海や山の幸など観光資源に恵まれております。この地域では陸中海岸の冬の新鮮な魚介類など、地域の観光資源を活用した地域提案型旅行商品である魚彩王国などの販売に取り組んでいるところでございます。このほか、観光施策といたしましては、三陸鉄道リアス・シーライナーやイベント列車の運行、サケの一本釣り、ホタテ・ホヤむき、網起こし体験、体験型を重視した修学旅行の誘致、花巻・仙台空港からのチャーター便による台湾人観光客の誘致、こういったものに取り組んできているところでございます。
 三陸沿岸地域の観光は、全体的に厳しい基調にあるわけでございますけれども、観光施策の推進により次のように一部に明るい兆しが見えてきております。
 北山崎の本年1月から9月の観光客の入り込みは、前年比12.1%増加しているところでございます。また、魚彩王国は冬の旅行商品として、これまでに1万2、100人余りの観光客を誘致いたしております。また、サケの一本釣りは本年度400人余り入漁者が増加しております。また、本年初めて実現しましたエバー航空、中華航空を利用した台湾人観光客は3、800人でございました。
 次に、陸中海岸国立公園の名称変更についてでございますけれども、平成12年5月、関係市町村等で構成する陸中海岸国立公園協会の総会で了承されまして、現在、各市町村がそれぞれの関係団体の合意形成を図っている段階でございます。
 県といたしましては、今後、地元市町村、あるいは関係団体の意見の一致を見た上で、また、公園計画の再検討のスケジュールなどを念頭に置きながら、国に対して働きかけをしてまいりたいと考えています。

〇田村誠委員 それでは観光に関連いたしましてまたお伺いしますが、私は沿岸部の振興を図る観点からはどうしても自然、海、水産物の活用を連想するわけでありまして、これらを活用し、地域全体の魅力を高める工夫が必要であると考えるものであります。例えば、漁村を活用するフィッシャーマンズワーフの整備などはいかがなものでしょうか。あるいはまた時代背景がバブル時代とは異なり、民間の大手観光企業の誘致などは大変困難であるということは承知しておりますが、地域の取り組みはもちろんのこと、県としても地域の魅力を増すような施策についてお考えがあればお聞かせをいただきたいと思います。

〇佐藤企画振興部長 フィッシャーマンズワーフの御提言でございましたけれども、今お話しありましたような経済情勢等々を勘案いたしますと、まずその前段といたしまして、四季を通じていつでも行ってみたいと言わせるような、そういう魅力をもっともっと高めていくと。オールシーズンに誘客できるような目玉をいっぱい持つということを前提に、そういう特定の施設にプロジェクトを組むというような二段ステップでいかないと、やはり特定の時期しか稼げないというようなことになっては採算的に大変問題が出てくるだろうと思っておりまして、いわばそういう意味で三陸の持っている多彩な資源というものをみんなで創意工夫しながら、これまで以上に、オールシーズンに三陸海岸を訪れていただける人数をふやしていくということに、まず取り組むべきであると考えております。

〇田村誠委員 よく私も理解できないんであれなんですが、いずれ、今観光の中心は八幡平であるとか温泉であるとかそうしたもので、割と海の方にはなかなかお客様が来てくれないのが実情だろうと思います。それが数字として出てきているのだろうと思いますが、やはりこれは県として、例えば誘客を図るような中核施設というものを私は位置づけてもいいのではないか、あるいは検討してみてもいいのではないか。大手ディベロッパー、観光業者が来てそうしたものをつくっていただければいいんですが、実は私の先輩議員からお話を聞いたわけでありますが、東京から今度あるツアー客を持ってきました。持ってくると、平泉、花巻そして八幡平、沿岸にはなかなかグループが回ってくれないという、泊まるところがあれば泊まってもいいよと、あるいはそういう魅力のあるところであればいいよという話をされました。そうしたことから、沿岸の観光を進めていく上には、今の自然をあるいは今の形だけではなかなか集客力はないのではないかという気がいたしますので、これはひとつぜひ前向きに御検討をいただきたいと思う次第であります。
 それでは、次に水産振興についてお伺いをいたします。
 本県の沖合は親潮と黒潮がぶつかり合い、世界の三大漁場の一つに数えられる豊富な水産資源に恵まれております。沿岸では、浜の景気がよいと地域全体が明るくなり、また、浜の景気が悪くなると地域全体が暗くなると。精神的な面も含めて水産振興が地域の経済に大きく影響しており、水産業が統計数値ではかられる以上に地域の活力に大きな影響を与えております。
 そこで、近年低迷しているとはいえ、沿岸部においては地域経済の根幹をなす水産業をどのように発展させていこうと考えているのか、まずお伺いをいたします。
 次に、魚類栽培の推進についてお伺いをいたします。
 本県では、つくり育てる漁業を推進し、サケ、アワビ、ウニの栽培漁業、ワカメ、カキ、ホタテガイなどの養殖を進めてきた結果、これらが沿岸漁業の8割を占める重要な漁業となってきているところであります。しかしながら、近年、サケの漁獲不振、ワカメの生産量低下により、新たな取り組みが必要とされてきているところであります。このような状況の中で、県においては新たにヒラメ、マツカワの種苗放流を進めることとし、種苗生産施設の整備を進めてきていただいたところでありますが、平成13年度からの本格的な種苗放流の開始に際し、施設の整備状況はどうなっているのでしょうか。また、種苗の放流に当たり、関係者がどのような体制で魚類栽培を推進しようとなさっているのか、お伺いをいたします。
 さらに、マツカワについては、当面10万尾を生産し放流技術の開発を行い、将来的には90万尾の放流を行うとしているようでありますが、北海道でも現在マツカワの種苗の大量放流を目指して、施設の整備に取り組むものと聞いております。本県においても、早急に事業化に取り組むべきものと考えますが、この点についてあわせてお伺いをいたします。

〇千葉副知事 沿岸地域における基幹産業である水産業の現状は、資源水準の低下による漁業生産量の減少と輸入水産物の増加等によります魚価の低迷、あるいは漁業就業者の減少と高齢化の進行など、年々厳しさを増してきているところでございます。このため、県では、昨年11月に、夢のある水産業の実現と活力ある漁村の創造を基本目標とした新しい水産業基本計画を策定し、本年度より施策を実施しているところでございます。
 施策の基本的方向といたしましては、豊かな海と資源づくりのためのつくり育てる漁業の推進、新鮮で安全な水産物を提供するための流通体制と情報交流の強化、活力と潤いのある漁村づくりのための漁港、漁村環境の整備、そして未来を切り開く技術開発のための水産技術の高度化によりまして、本県水産業の振興を図ることといたしております。
 次に、ヒラメ、マツカワの関係でございますけれども、ヒラメ、マツカワの種苗生産施設につきましては、平成10年度から12年度までの3カ年計画で、大槌町の大槌漁港と大船渡市の門の浜漁港に整備しておりまして、12年度中に完成する見込みでございます。これによりまして、ヒラメ110万尾、マツカワ10万尾の種苗を放流することといたしております。
 また、その推進体制についてでございますが、生産した種苗の放流数量、放流海域等につきましては、県栽培漁業協会内に設置いたしました漁業団体、市町村、県等で構成いたします魚類栽培運営委員会において協議、決定することといたしております。
 また、ヒラメ種苗の生産経費につきましては、県、市町村、漁業団体が共同して負担することとして検討しており、また、マツカワにつきましては放流技術試験段階にあるわけでございまして、そのために県が負担していくことといたしております。
 マツカワの放流の事業化については、現在、放流する種苗の大きさ、放流適地、種苗放流による経済効果等の研究を進めているところでございまして、できるだけ早く事業化のめどを立てていきたいと考えております。

〇田村誠委員 これと同じようなことでありますが、次に県産アユの中間育成施設の充実についてお伺いをいたします。
 今年度、各河川におけるアユ漁は、近年まれに見る豊漁であり、盛川、気仙川においても、連日多くの釣り客でにぎわったところであります。これは県が行った岩手産アユ資源造成事業によって、従来の琵琶湖産系のアユ種苗から海産系の種苗に切りかえたためと聞いており、今後も健康な種苗の生産に取り組んでいただきたいと思うのであります。これらの健康な種苗を生産し県内に効果的に放流するためには、中間育成施設の整備が重要と考えますが、今後、県ではどのように取り組んでいかれるのか、あわせてお伺いをいたします。

〇千葉副知事 県内の河川環境に適した健康なアユを安定して放流していくためには、種苗の生産施設と放流サイズまで育てるための中間育成施設を県内において整備することが重要であると考えております。
 県内河川の放流量は、岩手県内水面漁場管理委員会が毎年の目標を30トンと定めておりまして、種苗生産施設は岩手県栽培漁業協会において必要量を満たす生産能力があるわけでございますけれども、県内にある中間育成施設は20トン程度の生産能力となっているところから、不足する分については県外の業者に依存しております。このため、平成12年度において国庫補助事業であります内水面環境活用総合対策事業によりまして、県内の漁協に年間3トンの生産能力を有する中間育成施設の整備を行っているところでございます。
 今後とも、アユ種苗の生産状況等を勘案しながら、中間育成施設の整備について最大限、努力をしてまいりたいと考えております。

〇田村誠委員 この中間育成施設というものは漁業振興、これは海であれ内水面であれ大変重要な施設でございますので、ぜひ早急に、十分満足できる施設を配置していただきたいと要望を申し上げさせていただき、次に移らさせていただきます。
 次に、県立農業大学校における教育のあり方についてお伺いをいたします。
 近年の輸入農産物の増大と食料自給率の低下の中で、農業従事者の減少や高齢化が進行し、また、そのことに起因する農業全体の活力の低下が感じられてきております。特に、消費者側から、将来にわたる良質で安全な食料の確保に対し、あるいは農業の持つ機能とも言える自然環境の保全に対する不安が増幅をしてきております。このようなことから、農業の国際化にも対応できる具体的なビジョンのもとに、力強く実践的な担い手を教育し確保していくことが、21世紀に向けた我が国の農業や農村を維持していく上で極めて重要であると考えます。
 県は、農業者教育の中核施設として県立農業大学校を設置し、時代の変化に対応し、変遷を重ねながら本県農業を支える人材育成の使命を果たしてきたところであります。しかしながら、昨今の農業を取り巻く環境の変化は大きく、技術の高度化や農産物の市場の国際化はもとより、農産物に求める消費者のニーズは多様化をしてきております。新時代の農業担い手については、技術力や実践力とともに、経営管理能力や販売感覚にもすぐれた人材養成が求められております。また、経済社会の環境変化のテンポはますます急速になっていくことも予想されますことから、情勢の変化に対応できる柔軟性や問題解決能力なども求められてきております。
 このようなことから、新時代にふさわしい人材育成を行うためには、農業大学校の教育の再編が急務であり、高度で実践的な教育のできる施設や設備などの整備も極めて重要になってきていると思われます。また、隣接する県立花きセンターや農業研究センターとの連携も検討しながら、農業大学校の教育の近代化に活用していくことも有効と思われますが、これまでの農業大学校の成果をどのように評価をされているのかを含めて、今後の農業大学校の教育のあり方、施設整備などの考え方についてお聞かせをいただきたいと思います。

〇千葉副知事 農業大学校は昭和56年に開校以来、これまで農業自営者や地域の農業技術指導者の養成に取り組んでおりまして、1、900名余の卒業生を輩出しております。そのほとんどは、出身地域に戻って農業の実践者や農協などの農業団体等の職員となって、地域農業の中心的な役割を担っているところでございます。
 21世紀の農業の担い手は、高い技術力と社会変化にも機敏に対応できる経営能力が求められておりまして、このため、先進農家研修による実践的な学習や流通、販売現場での学習等を積極的に取り入れるなど、経営者養成の視点に立った学科再編とカリキュラムの見直しを行うこととしております。また、同校の実習圃場の活用に加え、農業研究センターや花きセンターの施設等も生かし、学生や新規就農者が実践的な技術習得ができる研修も実践することといたしております。
 施設の整備の関係でございますけれども、同校の施設整備はこれまでも老朽化した施設について、順次、改築整備を進めてきたところでございますけれども、今後とも新たな教育に対応できるよう、計画的に整備していきたいと考えております。

〇佐々木大和委員長 田村委員の質問中でありますが、この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
   午後2時58分 休 憩
   午後3時15分 再 開

〇佐々木大和委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 代表質疑を続行します。

〇田村誠委員 岩手県立農業短大に関連してお伺いいたしますけれども、実は私も10月3日に直接農業短大に出向きまして眺めさせていただきました。先ほど副知事からも、この大学の果たしてきた役割は大変重要であると、そうしたことから、今後、老朽化している部分を整備していきたい、あるいは再編についても検討していくという御答弁をいただいたわけでありますが、行ってみてまずびっくりしたのは、これが農業立県を標榜する岩手の後継者育成施設なのかなというのが直感といいますか、行って感じたところであります。施設が大変老朽化しておりまして、今ちょうど男子寮の整備を進めていただいているようでございますし、子供たちも一生懸命これに向かってやっているわけでありますが、施設もそうですし、設備といいますか、トラクターなどももう既に余り農家でも使わないような感じのものがあったり、あるいはまた廃屋のような建物が残っておったり、あるいは周辺の環境整備についてもまだまだ大変おくれていると私は感じてまいりました。
 多分副知事もごらんになっているだろうと思いますけれども、帰りましてから農政部の方に行きまして勉強したわけでありますが、平成9年に基本構想が策定され、10年には基本計画が策定されてございます。これを見てみますと、再編することによって応募者が増加しているという宮崎県、あるいは新潟県などでもやっておられるようでありますし、これからの農業後継者を育成するという意味からも大変重要な計画であると思いますが、まず、これをごらんになっていらっしゃるかどうか。そして、これを13年から19年までの7年間の計画で約46億円余りをかけて整備をする。7年間かけるということでありますが、果たして7年間、この後継者施設がもつのかどうかという心配すらするわけでありますけれども、これは庁内で合意形成がとられている計画なのかどうか、まず、その辺、私がお話ししましたことを含めて答弁をお願いします。

〇千葉副知事 県立農業大学校の施設がかなり老朽化しているということは私も現地に行って確認しておりますので、その点は否めないと思います。それに対する計画の内容については、私は承知いたしておりません。

〇田村誠委員 これは事務方でつくったということになってしまうわけでありますけれども、先ほども申し上げましたとおり、農業短大は農業にとっては大変重要な施設であるということからしますと、これをやっぱり早急に庁内で合意形成を図り、そして、この計画が整々と、今はやりで言いますと粛々と進むように取り組むべきと思いますけれども、その決意を改めてお聞かせいただきたい。

〇千葉副知事 農業大学校の施設の関係については、昭和56年開校以来、これまで図書館や総合科学実験棟、バイテク実験施設等いろいろ整備してまいりました。一般農業者や農業指導者のための研修館なども整備してきたわけでございますけれども、いずれにしましても、全体的に近代的な農業にふさわしいかどうかということについてはかなり疑問であるということは否めないところでございます。今、委員から御要望あったところでもありますし、教育内容を高めるためにも、早急に整備の関係について前向きで検討させていただきたいと思います。

〇田村誠委員 詳しくはまた部局別の審査で改めてお伺いさせていただくことにいたしまして、時間の関係上、次に移らせていただきます。
 次に、産業廃棄物対策についてお伺いいたします。
 平成11年度予算1、600万円により産業廃棄物適正処理指導員4名を配置し、これまで保健所職員が兼務していた地域パトロールや事業所の立入検査などを行ういわゆる産廃Gメンを配置したところであります。その業務は、不適正処理の日常監視、処理施設と事業所への定期的な立入検査、不適正処理事案の調査、指導、適正処理推進の啓発などでありますが、産廃Gメンの導入前と導入後ではどのような効果があったか、まず、お伺いいたします。例えば、産廃Gメン導入前の平成10年度における不適正処理事案は43件あったと伺っておりますが、平成11年度は増加したと伺っておりますが、最終的には何件になったのでしょうか。その辺の具体的な数字を含め、成果をお示し願います。
 次に、産廃Gメンの配置体制であります。
 制度導入後、政和会同僚議員の質問でも、広い県土を有する本県でのパトロールには増員の必要性が訴えられ、今年度からは新たに2名が増員されたそうであります。制度導入後1年8カ月余りが経過しましたが、業務の実績、不適正処理の現状などから産廃Gメンは本県に何名必要とお考えなのか、監視体制の強化策とあわせてお伺いいたします。
 関連いたしまして、本県では、二戸市と青森県田子町にまたがる牧野への産業廃棄物の不法埋め立て、さらには一関市の産業廃棄物処理業者による事前協議を無視した県外からの医療廃棄物などの搬入、最終処分場への埋め立てなどの事案から、県民の不安は高まってきております。知事は、より抜本的な産業廃棄物対策として、監視体制の強化と資源循環型廃棄物処理構想を策定する予定であると承知しておりますが、報道などでは、北東北3県での広域処理などを検討しているとされております。そこで、これらの検討状況と産業廃棄物適正処理への抜本的な対策についてお示しをお願いいたします。

〇千葉副知事 産廃Gメンの導入効果でございますけれども、産業廃棄物の不適正処理の指導、摘発件数は、産廃Gメン導入後の平成11年度は80件、10年度対比で1.86倍でございます。12年度も11月末現在で68件で、いずれも導入前の10年度より増加している状況でございます。
 また、産廃Gメンの11年度の立入調査件数は年間延べ1、391件でございまして、1人当たり約350件となっております。
 これらのことから、導入前の10年度以前に比較いたしまして監視指導体制が相当強化されたものと考えておりまして、今後、抑止効果も期待できると考えております。
 体制の強化でございますけれども、産廃Gメンの人員配置は、現在6人体制でやっているわけでございますけれども、その実績を見ながら、今後とも必要に応じた体制整備に努めていきたいと考えております。先ほど何名ぐらい必要かということでございますけれども、いずれ、ここしばらく様子を見ながらその実数を確定していきたいと考えております。
 また、その他の監視強化といたしましては、本年6月に県内全保健所に関係出先機関、市町村、地元の関係団体等による産業廃棄物不適正処理情報ネットワークを設置いたしまして、産廃Gメンを核とした連絡通報体制を強化したところでございます。これによりまして部局横断的な協力体制が整いまして、市町村や地元住民からの通報がふえ、不法投棄に対する関心が高まっているところでございます。
 このほか、先ごろの北東北知事サミットの合意事項を受けまして、3県連携した監視指導体制についても検討することといたしております。
 それから、資源循環型廃棄物処理構想でございますけれども、この構想では、廃棄物の原則自県(圏)内処理、一般廃棄物と産業廃棄物の共同処理など、従来にない新たな理念を取り入れているところでございます。具体的には、リサイクルやごみ発電などの機能を持った新しいタイプの廃棄物処理施設を軸といたしまして、例えば、県北地区では農林水産業型、また、県南地区では工業型のエコタウン構想など、地区ごとの望ましい資源循環による廃棄物処理の方向性等を提案しておりまして、今年度中に策定予定でございます。
 それから、広域的な産業廃棄物処理対策でございますけれども、信頼性の高い優良業者の育成、悪質な業者への厳しいペナルティーを与えることによる業者の自覚の促進、万が一不適正処理が行われた場合の原状回復への公金投入の回避などの観点から、先日、北東北環境フォーラムを開催いたしまして、当面、13項目の検討テーマを設定いたしまして、実務者によるワーキンググループを設置いたしまして、月1回ペースで検討を進めることといたしております。
 適正処理への抜本対策でございますけれども、資源循環型廃棄物処理構想の考え方のもとに、業者に対する保証金、供託金、優良業者の登録制、さらには廃棄物税制など、いわゆる経済的手法の導入も含めて、3県の検討内容も加味しながら、本県にとって望ましい総合的、効果的な対策について可能なものから順次実施に移していきたいと考えております。

〇田村誠委員 もう一つ、ISO14001の認証効果については、時間の関係がございますので部局別審査に回させていただきますので、よろしくお願いします。
 私も初めての代表質疑ということで的を射ない質問にもかかわらず、副知事を初め、関係部長からは大変前向きな御答弁をいただきました。ありがとうございます。
 今後ともこうした機会を通じながら、私は、均衡ある県土の発展あるいは水産振興、そうしたものを中心にやっていきたいと思いますので、今後ともよろしく御指導をお願い申し上げまして質問を終わらせていただきます。

〇佐々木大和委員長 以上で代表質疑を終わります。
 次に、自由質疑を行います。自由質疑は、議会運営委員会の申し合わせにより、発言時間は、答弁を除き1人10分を限度とし、交渉団体会派以外の委員を優先することとなっております。
 質疑はありませんか。

〇阿部静子委員 社会民主党の阿部静子でございます。
 平成11年度決算について総括的に質問をいたします。
 初めに、財政問題についてお伺いいたします。
 国は、平成11年度予算編成に当たって、平成10年11月の17兆円を超える大規模な第3次補正予算と一体ととらえ、いわゆる15カ月予算との考えに立って当面の経済対策に当たるとしてきたものと存じております。本県にあっても、こうした国の経済対策に呼応して、平成10年度において経済対策分として総額1、210億円余の追加補正を行ってまいりました。このうち、国の第3次補正に対応した分といたしましては約552億円となっているものと承知いたしております。しかし、結果におきまして、この経済対策分のうち、平成11年度に県が繰り越した額は約618億円と承知いたしております。
 さて、こうした経過を受けて、以下お伺いいたします。
 ただいま申し述べました平成11年度に繰り越した経済対策分約618億円はどのように執行されたのでございましょうか。また、平成11年度の経済対策分とあわせて経済効果をどう見ていらっしゃるのでしょうか。
 さらに、平成12年度に経済対策分として繰り越した額とその要因をどう見ていらっしゃるのかお伺いいたします。
 もし国に要望する点がございましたならば、どんな点でございましょうか、あわせてお伺いいたします。

〇武居総務部長 まず、平成11年度に繰り越した経済対策予算の執行状況でございますけれども、平成11年度に142件、618億2、500万円余を繰り越しましたけれども、これらにつきましては、平成12年度に事故繰越の手続を行った2件、5、100万円余を除きまして、残りの140件、617億7、400万円余が11年度中にすべて完了しているところでございます。
 同様に、平成11年度の経済対策予算で12年度に繰り越した経済対策分の繰越状況でございますけれども、中身は大きく3点になるわけでございます。第1点は、公共事業等予備費対応分が10件でございまして、17億7、900万円余。それから、2点目が国の第2次補正予算対応分で90件、539億6、300万円余。それから、先ほどとも関連してまいりますが、第3点目は、10年度分で事故繰越手続を経て12年度に回ったものが2件、5、100万円余ございまして、あわせまして102件、557億9、400万円余となっております。
 繰越しの要因は、先ほど私御説明しましたように、その大宗をなします2点目の国の第2次補正予算対応分について申し上げますと、12年度の当初予算と一体的にとらえて景気回復に全力を尽くすとした国のいわゆる15カ月予算に呼応して、12月補正予算で541億7、000万円、それから2月補正予算で137億900万円ということで、あわせまして総額で678億7、900万円を措置したところでございます。こういった関係で、景気対策の関係から、11年度に補正の予算は積みましたけれども、12年度まで繰り越されることも前提になったものもございましてこういった状況になっているところでございます。
 そういったことで、国に対する要望といたしましては、今回の11年度から12年度の繰越しに関して申し上げますれば、国のいわゆる15カ月予算に呼応して県で予算措置を講じたため生じたものでございまして、今回のこういったものに伴う繰越しについてはやむを得ないものではなかったのかと考えているところでございます。

〇佐藤企画振興部長 経済対策予算には貸付金等も含まれておりますので、経済効果につきましては公共事業費をベースにしてお答え申し上げます。
 前年度繰越分を含む11年度中の公共事業の執行額は665億2、600万円でございます。これから用地費を除いた630億8、000万円について、本県経済に与える波及効果を岩手県産業連関表を用いて計算いたしますと、建設業に対する直接効果と、これに伴って他産業の生産を誘発する間接効果をあわせた第1次波及効果が892億円程度、また、雇用の新たな創出や所得の増加に伴う生産誘発効果である第2次波及効果が136億円程度となっております。これらを合計いたしますと、当初経費の1.63倍に相当する1、028億円程度の経済波及効果があったものと推計いたしております。

〇阿部静子委員 時間10分でございますので、次に進ませていただきます。
 次に、環境問題についてお伺いいたします。
 県は、昨年9月に岩手県環境基本計画を策定いたしました。まさに環境首都いわてを標榜するにふさわしく、県民、事業者、行政が一体となって、ともどもにその実現のために努力していきたいと願うものでございます。
 そうした思いを込めて幾つかお伺いいたします。
 県は、平成11年3月に自然環境保全指針を策定し、県民に公表いたしました。これは、本県の豊かで多様な自然環境の体系的な保全に役立つとともに、身近な自然の保全を含めて大変有効な指針と思われますが、その活用状況はどうなっているのでしょうか、お伺いいたします。
 また、県では、これまで希少動植物、絶滅危惧種の実態を取りまとめたいわゆる県版レッドデータブックの作成作業が行われてきたと思いますが、いつごろの完成を目指しているのかお伺いいたします。
 続いて、水質の保全についてでございますが、近年、環境ホルモンやダイオキシン、トリクロロエチレン等の水質汚染源が問題となっておりますけれども、これらの検査、監視体制はどうなっているのでしょうか。
 また、本県の海水を含めた水質の状況はどうなっているのか大変心配でございますが、平成11年度の水質調査結果と現状についてお知らせいただきとうございます。
 なお、当決算にもありますとおり、建設を進めている仮称環境保健センターの機能はどのようなものかお伺いいたします。

〇千葉副知事 まず、自然環境保全指針の活用状況でございますけれども、この指針につきましては、平成11年3月の策定以降、環境アセスメントを実施する際の事前指導や希少野生動植物の生息状況などの問い合わせに対応しているもののほか、森林施業や河川開発などの行政計画策定の際の意見照会においても広く活用されているものでございます。
 また、指針のホームページは、水辺や緑などの身近な自然や、貴重な生物的環境などのすぐれた自然の情報を容易に入手できるように設置したものでございますが、そのアクセス件数は1、500件となっておりまして、十分活用されているものと考えております。
 次に、県版レッドデータブックでございますけれども、本県の希少野生動植物の実態を明らかにして、その保護を図るための基礎資料として、平成9年度から作成作業を進めているところでございます。現在、各分野の専門家が学術的な価値や生存に対する圧迫要因等について執筆を行っておりまして、平成13年3月末の完成を目指して鋭意取り組んでいるところでございます。
 なお、希少野生動植物種をランクづけしたレッドリストにつきましては、レッドデータブックの発行に先立ちまして今月中に公表する予定でございます。
 次に、環境ホルモン等の水質汚染の検査、監視体制でございますけれども、環境ホルモン等あるいはダイオキシンにつきましては、平成10年度から他県に先駆けまして、県単独で主な河川、湖沼等の水域について実態調査を実施しているところでございます。また、トリクロロエチレン等につきましては、平成元年度から公害センターを中心に計画的な調査を実施いたしております。特にダイオキシンにつきましては、新たにダイオキシン類対策特別措置法に基づき常時監視が県に義務づけられたこともございまして、今年度から調査地点を大幅に増加いたしました。これは6地点から86地点に増加するなどして監視を強化しているところでございます。
 それから、11年度の水質調査結果でございますけれども、環境ホルモンにつきましては、河川について14地点、湖沼については2地点、海域6地点で検出される可能性の高い物質10種類について調査を実施いたしました。その結果、湖沼と海域からは検出されなかったわけでございますけれども、河川の一部からビスフェノールA等3物質が検出されました。なお、環境ホルモンにつきましては、その内分泌攪乱作用の程度やメカニズムがいまだ十分に解明されておらず、基準もないところから、現状では測定値を評価できない状況にございます。
 ダイオキシン類につきましては、県内の6河川について2回調査を実施いたしましたが、すべての地点で環境基準を下回っております。
 トリクロロエチレン等の有機塩素化合物については、一部高濃度汚染が発見された例もございましたが、これ以外の高濃度汚染の事例はなかったものでございます。
 次に、環境保健センターの関係でございますけれども、環境保健センターは、衛生研究所と公害センターを再編整備するものでございまして、これまで持っておりました監視測定、試験検査、調査研究、研修指導の機能を強化するとともに、新たに情報管理と普及啓発、企画調整の機能を備えることとしているものでございます。このような機能の発揮によりまして、これまで測定できなかったダイオキシン類や、いわゆる環境ホルモンなどの高度な分析が可能になるほか、大気汚染、水質汚濁などの環境保健情報の提供や研修の場としての機能も持たせたいと考えております。また、新たに、野生生物の生態、地球環境問題、健康危機管理などに関する研究にも取り組みたいと考えております。
 また、同センターを核といたしまして、大学や他の研究機関などとの共同研究を積極的に推進することによりまして質の高い研究を行いまして、環境と保健に関する科学的・技術的中核機関となるよう整備してまいりたいと考えております。

〇阿部静子委員 次に、地域における雇用の開発と労働環境の整備についてお伺いします。
 今、長引く不況と産業構造の変化に伴いまして、雇用情勢は大変厳しい状況下にございます。大都会と地方との雇用機会の格差は依然として大きいものがございます。しかし、これからは、地域に見合った雇用機会を創出できる産業政策を持ち、適切な職業能力開発を展開する必要がございます。流出や出稼ぎといった方法ではない解決策が求められていると思います。
 このような認識のもとで、以下、お伺いいたします。
 県は、個性を生かし能力を発揮して働ける環境の整備と人づくりを掲げ、平成11年度においても施策の展開とその成果を述べておられますが、県内の地域間格差についてどのような認識をお持ちか、そして、地域に見合った雇用機会の創出と適切な職業能力開発の展開がどのように図られたとお考えでございましょうか。
 また、一般質問におきまして我が党の伊沢議員も触れてございますが、国の機構改革による労働行政の国一元化は、地域を主体とする施策の展開上、決して好ましい姿ではないと存じます。この際、県当局の御所見をお伺いいたします。

〇千葉副知事 まず、地域間格差の認識でございますけれども、県北・沿岸地域においては内陸部と比較して工業集積が立ちおくれておりまして、新規求人数も沿岸地域で県全体の19.6%、県北地域では10.4%にとどまっておりまして、有効求人倍率も沿岸地域で0.50倍、県北地域で0.45倍と、県全体の0.58倍を大きく下回っているところでございます。また、久慈地域と釜石・宮古地域が雇用機会増大促進地域として指定を受けるなど、就業機会の不足を反映して、出稼ぎ労働者や若者の域外流出が続く厳しい状況にあるものと考えております。
 このような状況を踏まえまして、新しい産業の創出や優良企業の誘致を積極的に推進することが雇用機会の創出につながるものと考えておりますし、また、雇用を生み出す源泉であります地域の中小企業の成長発展が不可欠であると考えているところでございます。このため、企業や個店経営における情報化や市場開拓力などの経営力の強化や、新たな分野、業態への事業転換を支援するとともに、地域の特性や新たなニーズを生かした新産業の創出に努めてまいりたいと考えております。
 また、職業能力開発につきましては、今後、急速に進展いたします情報化や技術の高度化を担う実践的な技術者、技能者を養成するという視点に立ちまして、県のほか、職業訓練法人や雇用・能力開発機構とともに機能分担を行いながら、地域の実情に合った能力開発を行うことといたしております。
 それから、地方分権一括法の施行後、職業安定業務と雇用保険業務が国の事務に一元化されたわけでございますが、実は、地方分権一括法の施行以前から、労働行政につきましては権限も、あるいは財源も地方にはほとんど与えられていない実情にございました。しかし、雇用施策につきましては県も重大な責任があるわけでございますので、国とのはざまが出ないように、岩手労働関係調整会議を設置いたしまして、国との連絡協議を続けてまいりたいと考えております。
 いずれにしましても、今後、本格的な地方分権時代が到来するわけでございまして、県が地域の実情に即した雇用対策を企画立案し、実効性のあるきめ細かな施策を実現するためにはこれまで以上に地方への権限と財源の委譲が必要でございまして、この点の改善につきまして、他県とも協議しながら、国に対して強く働きかけてまいりたいと考えております。

〇阿部静子委員 次に、保健福祉分野の3プランについてお伺いいたします。
 保健福祉の分野は広く県民生活に直結する業務であって、県民の関心が高く、計画策定にパブリックコメントを実施するに最適の分野であると思っております。平成11年度から計画策定に着手している少子化対策の総合的な計画であるいわて子どもプラン、重度・重複障害者の増加や自立意識の高まりを背景に策定する新しい岩手県障害者プラン及び県民の自主的な健康づくりを目指す健康いわて21プラン、いずれも仮称でございますが、この三つのプランは、それぞれ今年度にパブリックコメントを実施しております。
 そこでお伺いいたします。これら3プランについてパブリックコメントを実施し、県民から寄せられた声はどのようなものであったのでしょうか。また、それをどう評価し、どのように活用していくお考えでしょうか。
 あわせて、県民生活に密接なプランでございますので、住民に身近な市町村、少なくとも市部ではぜひ同様に計画策定の必要があると思っておりますが、御見解をお伺いいたしとうございます。

〇千葉副知事 パブリックコメントの実施状況についてでございますけれども、本年度中に策定を予定しておりますいわて子どもプラン、これは仮称でございますけれども、これらの3プランについては、本年4月から実施しておりますパブリックコメント制度によりまして幅広く県民の意見を聞き、計画を策定することといたしております。
 いわて子どもプラン(仮称)につきましては、県内12カ所で意見を聞く会を開催したほか、ファクス、電子メール等を通じまして、就労環境の整備や保育サービスの充実、子育て支援の体制づくりや経済的負担の軽減、子供の健全育成や教育の問題など700件近い意見が寄せられたところでございます。
 また、新しい岩手県障害者プラン──これも仮称でございますけれども──は10カ所で意見を聞く会を開催いたしまして、障害者の相談・生活支援拠点の整備を初め、ホームヘルパー、デイサービス、ショートステイなど在宅福祉サービスの充実等について400件を超える意見が寄せられたところでございます。
 また、健康いわて21プランにつきましては、これまで3カ所で意見を聞く会を開催したところ、食生活改善推進員の養成や健康づくりの運動普及に係る協議会のネットワークづくりなど、既に100件近い意見が寄せられているところでございます。
 3プランともに幅広く多数の県民から貴重な意見が寄せられているところでございますけれども、県民の生活に密着した領域を対象としている計画であるところから、県民の関心が非常に高いものと受けとめております。いただいた意見につきましては、施策としての有効性、効率性、実行可能性などを考慮しながら計画に取り入れていきたいと考えております。
 それから、市町村の計画策定でございますけれども、それぞれの計画領域の課題に対しまして、県と市町村とが密接な連携を図りながら関連施策を推進する必要があるものと認識しておりまして、できるだけ早期に市町村計画も策定することが望ましいものと考えております。
 3プランに対応する市町村計画の平成11年度末における策定状況でございますけれども、いわて子どもプラン関係では32市町村、新しい岩手県障害者プラン関係では51市町村が策定済みとなっておりますけれども、健康いわて21プラン関係では全市町村が未策定となっております。今後は、未策定市町村に対しまして、早期の計画策定が可能となるよう指導、支援に努めるとともに、策定済みの市町村に対しましても、社会経済情勢や住民ニーズの変化等に対応した見直し等が適切に行えるよう、地方振興局を通じましてきめ細かな支援を行っていく必要があるものと考えております。

〇阿部静子委員 最後でございますが、消費者行政関係施策についてお伺いいたします。
 県は、平成11年度から本庁業務を県民生活センターに統合して、消費者行政の一元化及びその充実強化のために御努力をなさっております。敬意を表します。
 さて、消費者を取り巻く状況は、経済社会の目まぐるしい変化とともに、消費者が求めるものも求めることも多種多様でございます。それに呼応してさまざまな商品やサービスが生まれ、消費者取引にかかわるトラブルやカード等による多重債務者、そして、自己破産に至るケースも増加していると聞いております。
 そこでお伺いします。苦情、相談の処理についてでございますが、どのような相談状況なのでしょうか。相談内容の傾向、特徴をお示しください。さらに、生活相談員の配置状況、あわせて消費者行政全般の課題と対策について御見解をいただきとうございます。

〇千葉副知事 消費生活相談の状況でございますけれども、相談件数は年々増加しておりまして、平成11年度は6、436件で、前年度と比較いたしまして805件増加いたしまして、過去最高の件数となったところでございます。平成12年度上半期における相談件数は3、273件で、前年同期に比べ13件の増加となっております。
 平成11年度の相談の内容といたしましては、消費者金融からの借り入れやクレジット利用による債務等に係る相談が1、988件で最も多く、次いで電話勧誘による資格講座に係る相談が604件となっております。平成12年度上期における相談についても同様の傾向となっているところでございます。
 なお、多重債務に係る相談は1、156件で、前年度と比較いたしまして14件減少いたしております。
 特徴的事例といたしまして、平成11年度に全国各地で問題となりました布団のモニター商法による被害の相談が内陸、県南地方で多く寄せられたところでございます。
 次に、生活相談員の配置状況でございますけれども、生活相談員は、非常勤専門職員といたしまして、県民生活センターに5人、盛岡を除く地方振興局に23人を配置し、県民からの消費生活相談に応じているところでございます。
 相談に当たりましては、複雑多様化する相談内容に適切に対応するため、国民生活センター主催の専門研修の受講や、弁護士を助言者とした事例研究会を毎月開催いたしまして資質の向上に努めているところでございます。
 次に、消費者行政全般の課題と対策でございますが、情報化や規制緩和の急速な進展に伴いまして、消費者のニーズに応じた新たな商品やサービスが出現するなど、消費者を取り巻く環境は大きく変化してきておりまして、消費者一人一人に自己責任が求められてきているところでございます。このため、県民に対する啓発事業といたしまして、若者、高齢者向けのパンフレットの配布、一日教室、消費者大学等各種講座、毎月発行しているくらしのひろばやインターネットによる情報提供の充実に努めているところでございます。
 また、市町村、老人クラブ、民生委員協議会等と連携を密にいたしまして、各種広報媒体などを活用しながら広く県民に対し情報の提供と啓発に努めているところでございます。
 物価安定対策といたしましては、国との連携のもとに、生活関連物資の価格動向と需給状況を毎月調査いたしまして県民に情報提供するとともに、物価講演会等を開催いたしまして物価に関する意識啓発に努めているところでございます。

〇阿部静子委員 いずれ岩手県が住みよい県であるように、行政、県民、私たち一体となって頑張ってまいりましょう。終わります。

〇斉藤信委員 日本共産党の斉藤信でございます。
 第1に、昨年の県北集中豪雨の被害者への生活再建、個人補償についてお聞きします。
 軽米町では全壊25件、半壊5件、床上浸水446件、床下浸水は137件、計613件、618世帯が住家被害を受けました。全壊、半壊被害で雪谷川河川改修の住宅の補償対象になる戸数はどうなっているでしょうか。対象にならない戸数はどうでしょうか。
 住居の流失や解体など、一番被害の大きい方々が何の補償もないというのは、私は、社会の公平性からいって大問題ではないかと考えます。
 鳥取県では、鳥取県西部地震の被害者に最高300万円の補助を行うことを決めました。これは、個人補償としては全国初めてであります。県は、鳥取県のこの対策をどう評価し、受けとめているか。
 県として、鳥取県並みに昨年の県北豪雨災害の被災者に対応するとすれば、対象件数と補助額はどうなるか。
 県として、鳥取県に次いで個人補償、生活再建に取り組むべきではないか。
 軽米町の中心商店街が大きな被害を受けましたが、どういう対策がとられたか、今年度、来年度の対策はどうなっているか示していただきたい。

〇千葉副知事 雪谷川の河川改修事業に伴う住宅の補償対象は、全壊家屋が24戸、半壊家屋が5戸となっております。対象にならない全壊家屋は1戸で、瀬月内川筋の高家地区の家屋であり、半壊家屋は1戸で、雪谷川筋の蓮台野地区の家屋でございます。
 それから、鳥取県の対策をどう評価し、どう受けとめているかということでございますが、自然災害からの復旧・復興対策において被災者の生活再建は重要な課題であるわけでございますが、私有財産である住宅の再建は自己責任が原則でございまして、災害の大小にかかわらず、個人の負担で行われてきているところでございます。鳥取県においては、災害と被災地の状況を踏まえた特別の判断がなされたものと理解しております。
 鳥取県並みの対応をすれば対象件数と補助額はどうかということでございますが、鳥取県の場合は地震災害でございまして、軽米町の場合は水害でございます。したがって、被災状況が基本的に異なるものでございまして、推計は困難でございます。
 それから、県として、鳥取県に次いで住宅再建に取り組むべきではないかということでございますが、県では、当面みずからの資力では住宅を確保できない人のために応急仮設住宅を提供しておりまして、住宅を再建しようとする被災者に対しましては集団移転地の造成、分譲を行うとともに、低利で融資が受けられる住宅金融公庫の災害復興住宅融資制度の活用等により住宅再建が円滑に進むよう支援に努めているところでございます。
 次に、商店街の復興対策でございますが、被災のあった直後の昨年11月1日に大雨・洪水災害に伴う金融・商工相談窓口を県庁、二戸地方振興局、軽米町商工会に設置いたしまして地元商店等からの金融相談に対応するとともに、既存の中小企業向け制度貸付金の金利を引き下げるなど、弾力的な対応を行ってきたところでございます。また、平成11年度の12月補正予算と2月補正予算におきまして、被災商店街復興対策といたしまして、商店街街路灯改修、ごみ集荷所整備、商店街の歳末大売り出しイベントへの助成、商店街のイベント広場の整備、経営相談員の派遣などの追加支援を行ったところでございます。さらに、軽米町の罹災した中小企業者を対象に中小企業災害復旧資金を創設するとともに、この資金利用者に対しまして利子と保証料の全額を給付したところでございます。
 今年度におきましては、軽米町商工会の計画しております街の駅設置事業が国の中小・小売商業活性化事業に採択されるよう、軽米町、軽米町商工会に対して指導、助言を行ってきたところでございまして、今後もその実現に向けて関係機関に働きかけてまいりたいと思います。
 来年度以降も、軽米町や地元商店街の要望については、地元と相談しつつ、各種補助事業の活用を図りながら積極的に支援してまいりたいと考えております。

〇斉藤信委員 家屋が流失した世帯、水害後に解体した世帯、これは建物の補償になっていないんですよ。何軒ですか。

〇千葉副知事 ちょっと手元にその資料がございませんので、後ほど御報告申し上げます。

〇斉藤信委員 私は通告して聞いているんですよ。建物の補償がないということで住宅再建の問題を取り上げているんですよ。そんな冷たい答弁で、あいまいな答弁ではだめだ。後から答えてください。
 次に行きます。
 介護保険の改善について、問題が噴出している介護保険について、マスコミの世論調査でも、例えば日報に載った全国世論調査では、実施してよかったが54%、よくなかったが36%であります。読売新聞では、介護保険を評価している44%、評価していないが46%、老後に不安を感じるが75%で、4人に3人であります。介護保険が実施されて不安を感じているというのが実際であります。私は、11月8日、厚生省交渉に行ってまいりましたが、厚生省の担当者は、問題が噴出していることは認識していると、このように言っていますが、県は、介護保険8カ月をどう評価しているでしょうか。

〇千葉副知事 4月から福祉による措置制度から社会保険方式による新しい仕組みに制度が大きく変わった中で、要介護認定者は当初見込んだ要援護高齢者を既に上回っておりまして、これらの認定者のうち、入院中の方を除いた約86%の方に介護サービスを御利用いただき、その後も利用を継続していただいているところなどから、介護保険制度に係る課題は残っていると思いますけれども、制度としては徐々に県民に定着しているものと考えております。

〇斉藤信委員 一番の問題は、重過ぎる利用料の負担と高い保険料の徴収であります。要介護5の高齢者がこれまでのサービスを半分に減らしたと、こういう例も生まれています。介護保険の実施によって、これまで受けていた、また、必要なサービスが受けられなくなるという事態、高齢者の生命と健康が脅かされる事態を私はつくってはならないと考えますが、いかがでしょうか。
 こうした事態に、全国でも県内でも市町村独自に利用料、保険料の減免を実施していますけれども、その状況をどう把握しているでしょうか。
 県として国に低所得者対策を要望していますが、要望している中身は何でしょうか。
 すべての居宅サービスは当面3%に低減する対策が必要だと考えますが、いかがでしょうか。

〇千葉副知事 利用料あるいは保険料徴収により懸念される影響でございますけれども、調査によりますと、大半の方々は、現行制度において適切な負担のもとに介護サービスを御利用いただいているという状況にございます。
 保険料と利用料につきましては、国民の共同連帯の理念と、負担と受益の関係を明確にする制度の中で定められているものでございますけれども、利用者が適切な負担のもとに必要なサービスを利用できることが肝要と考えております。
 低所得者の利用料負担の軽減策につきましては、これまでも市町村、社会福祉法人等に働きかけてきたところでございますが、来月から軽減措置の対象が拡大されるところから、その実施を市町村に強く徹底してまいりたいと考えております。
 県内13市町村において市町村単独事業による利用者負担の軽減等を実施しておるところでございますが、これらの措置につきましては、地域の実情に応じ、自主的な判断により実施しているものと承知いたしております。
 また、保険料につきましては、2町において老齢福祉年金受給者の保険料を減免する規定を条例上定めているが、一律の免除や、その財源を一般会計から補てんすることについては問題があると考えております。
 それから、国に対する要望でございますけれども、国に対しましては、6月と政府予算要望において低所得者の対策について要望しているわけでございますけれども、その内容は、真に介護サービスが必要な低所得者が利用者負担を支払えないために介護サービスを利用できないことのないよう、サービスの利用状況を踏まえまして、低所得者に対する利用者負担の軽減措置を講ずること、低所得者の保険料負担についても、実態を踏まえ、所要の措置を講ずること、こういう要望を出しております。
 なお、すべての居宅サービスの利用料を3%とすることは、介護保険制度における利用者負担のあり方に関することであり、慎重に判断すべきものと考えております。

〇斉藤信委員 県は低所得者対策を求めているのだから、その立場でやってくださいよ。私が聞くとみんな冷たい答弁ばかりじゃないですか。
 10月から保険料が徴収されました。高齢者の保険料徴収状況を私は調べてみました。盛岡市の徴収率は78%、普通徴収分です。水沢市は77.8%、宮古市は71%、これを足しますと、5市で3、732人が保険料を払えないという実態になっています。わずか5市でですよ。保険料を払えない高齢者が少なからず私は出ていると思うけれども、特別の減免措置が必要ではないでしょうか。少なくとも生活保護基準以下の生活実態の方々には軽減、免除の対策を国に求めるべきと思いますが、いかがでしょうか。

〇千葉副知事 第1号保険料の1回目の徴収分の状況でございますけれども、11月30日が納期の保険者もございますので、現在、調査中でございます。
 それから、保険料を払えない高齢者への対策についてでございますが、保険料につきましては、国民の共同連帯の観点から、所得状況に応じてお支払いいただくことにしておりまして、まずは収納の状況、未納者の状況等について調査させていただきたいと思います。

〇斉藤信委員 かなりかみ合わないので、続けます。
 社会福祉法人の不正・不祥事件への対応についてお聞きします。
 昨年来、社会福祉法人の不正・不祥事件が相次いでいることは極めて残念で重大なことであります。これらの実態、問題点、県の監査指導はどうであったか示していただきたい。

〇千葉副知事 ことし4月から介護保険制度の施行や社会福祉事業法等の改正に伴いまして、平成15年度には措置制度から利用制度に移行することに対応して、県では、県民が福祉サービスを安心して利用できるよう、社会福祉法人に対する指導監査を強化しているところでございます。しかし、依然として法人運営や事業運営上に適正を欠く事案が発生している状況でございます。
 このようなことから、県では、平成11年度に社会福祉法人の指導監査権限を地方振興局長に委譲いたしまして、さらにきめ細かく社会福祉法人の指導監督ができる体制を整えるとともに、本年度は県本庁に監査指導監を置き、指導監査体制の強化を図り、社会福祉法人で生じている不祥事を明らかにし、その改善に努めてきたところでございます。

〇斉藤信委員 重大なことは、県が指導監査に入っても十分な改善が図られていない、こういう例があることであります。
 私は、水沢市の社会福祉法人寿水会の実態調査を行ってきました。前理事長時代の問題が改善されているとは言いがたい実態でありました。県が行った監査で明らかになった問題点と改善はどうなっているか。
 3月17日付で保健福祉部長名で社会福祉法人の適正な運営の確保についての通知が出されていますが、寿水会に対してどのように指導され、改善されているか示していただきたい。

〇千葉副知事 寿水会に対しましては、指導監査の結果、著しく不適正な法人運営が認められたところから、平成11年10月に社会福祉事業法に基づく立入検査を実施したところでございます。
 立入検査結果を踏まえまして、12月に寿水会に対し、不正流用に係る事実関係の調査、それから法人・施設の適正運営、内部牽制体制の整備、欠員になっている施設長の選任、会計処理の適正化、情報公開など10項目について社会福祉事業法第54条第2項に基づく改善措置命令を行ったところでございます。平成12年1月に法人から改善報告書が提出されまして、確認監査を行った結果、不正流用された運営費の未回収という問題が残っているわけでございますけれども、その他の面では徐々に改善が図られてきていると認識いたしております。

〇斉藤信委員 その認識が極めて甘いんですね。
 私は、具体的な問題について指摘したい。前理事長の不正事件に事実上の経理責任者としてかかわった職員の処分、対応が極めて甘いのではないか。この人物は人事権から経理まで、以前も今も実権を握っているのが実態であります。
 前理事長が辞任、交代後、施設運営の改善に取り組んだ2人の施設長がわずか数カ月で辞任、解任されていますが、その理由について県は承知しているでしょうか。法人からの報告はあるのでしょうか。

〇千葉副知事 2人の施設長の辞任につきましては、法人から報告がありましたので承知いたしております。ただし、その理由につきましては、この場では御報告申し上げられません。

〇斉藤信委員 答弁漏れがあるでしょう。それだけじゃないでしょう、聞いたのは。施設長のことだけじゃないでしょう。
 委員長、答弁漏れがあるでしょう。

〇千葉副知事 質問は、施設長だけの質問でございました。

〇斉藤信委員 11月30日に水沢での裁判がありましたけれども、不正流用に携わって、絶えず金融機関に同行した女性が経理責任者であります。この経理責任者はどういう処分をされていますか。

〇千葉副知事 残念ながら、私は承知いたしておりません。

〇斉藤信委員 不正問題の核心なんですよ、これ。この間、5回、6回、監査やっているでしょう。それで承知していないという、そういう監査をやっているから、こういう不正問題が解決されないんですよ。
 さらに聞きます。
 物品購入委員会がつくられていないで、業者からの物品購入に問題が指摘されています。食材の購入の際、数%掛け値して、その差額を寄附金として納入させていますが、これはどう処理をされていますか。
 ベッドの購入で、納入番号と実物が違う。これらの業者は高額で納入して、後で寄附がされています。ことし4月の寄附金150万円は、現理事長100万円、理事長夫人50万円と領収書が切られています。
 ことし4月に一方的に手当の廃止──これは職員の廃止です──強行されましたが、これは労働基準法違反ではないですか。

〇千葉副知事 物品購入につきましては、物品購入委員会等のチェック体制を速やかに整備し、物品購入の適正化が図られるよう指導してまいりたいと考えております。
 手当等の廃止につきましては、本俸は現行のまま、業務手当及び3月の勤勉手当を廃止したと聞いております。

〇斉藤信委員 5月に特別監査を行っているんです。私は特別監査の中身を聞いているんですよ。
 ベッドの購入、さらには食材のそういう差額の問題も監査しているでしょう。報告がないんですか。

〇千葉副知事 監査の細かい具体的な事項につきましては私は承知しておりませんので、部局の審査の際に御質問願いたいと思います。

〇斉藤信委員 私は県政の重要課題だから総括で聞いているんですよ。通告しているんですよ。何を聞くかも聞いているんですよ。特別監査の中身を聞いているんです、私は。それを副知事が聞きもしないということは、まじめに回答しようとしていないわけでしょう。
 残念ながら、これ寿水会の問題は、理事長が現体制になったけれども、その体質は変わっていないということです。そして今でも実権を握っているのが当時の経理責任者であります。二重帳簿もつくられていたと指摘もあります。私はこの間、5回、6回、岩手県が監査をして、そういうことをきちっとなぜ正すことができないのか。
 副知事、どう思いますか。5回、6回監査して、そういうことがなぜ改善されないのか。監査のあり方についてお聞きしたい。

〇佐々木大和委員長 斉藤信委員、こちらの方から申し述べさせていただきます。
 当該委員でもありますし、ただいま部局審査で審査願いたいということですが、そういうことで、委員会の方でこの先の部分はやっていただきたいと思います。(斉藤信委員「部局審査でやってくれということですね、委員長。」と呼ぶ)

〇佐々木大和委員長 部局審査ではなくて、当該委員に係る申し合わせがありますので常任委員会の方でやっていただきたい。そういう申し合わせがあるものですから、よろしく御了解いただきたいと思います。

〇斉藤信委員 私は、部局審査ではやれないからここでやっているんですよ、県政重要課題で。県の信用にかかわるから、県政の社会福祉法人の不正問題というのは今、県政の重要問題ですよ。そして監査に入った県の責任が問われているんだから、それ以上答弁がないから残念だから……、最後、この問題の最後ですよ。
 今後、県の監査、指導を抜本的に強化すべきと思いますけれども、そして改善されるまで県は監査、指導を強めるべきと思いますけれども、どうでしょうか。

〇千葉副知事 当該法人は、本県で初めて社会福祉事業法に基づく改善措置命令を発した法人でございます。今後とも、適正な法人運営がなされるよう、本年3月に、保健福祉部長名で発した社会福祉法人の適正な運営の確保についての通知の趣旨を踏まえ、引き続き、より一層指導を徹底してまいりたいと考えております。

〇斉藤信委員 ぜひ、県民の信頼がかかっているから真剣にやってください。
 最後に、それでは米価の暴落の影響についてお聞きをいたします。
 新食糧法施行以来、米価が暴落をしています。政府米、自主流通米の価格はどう推移したでしょうか。米価暴落と減反拡大による減収はどうなっているでしょうか。新食糧法施行以来の減収額を示していただきたい。

〇千葉副知事 新食糧法のもとでは、初めて流通した平成8年産米の政府米価格は1万6、392円、60キログラム当たりであり、平成11年産米は1万5、528円、60キログラム当たりとなっております。また、自主流通米価格は平成8年産米が1万9、806円、平成11年産米は1万6、904円となっているものでございます。これはいずれも60キログラム当たりでございます。
 それから、新食糧法施行直後の平成8年産の生産額等は、米の生産額1、038億円に転作作物の生産や助成金など、およそ302億円を加えると1、340億円と推計されます。同じく平成11年産については、米の生産額906億円に転作作物の生産や助成金などおよそ329億円と、平成10年度から実施されております稲作経営安定対策の補てん金交付額57億円を加えますと1、292億円と推計されます。したがって、新食糧法施行後の平成8年産の1、340億円と平成11年産の1、292億円を比べますと、およそ48億円の減収額になるものと見込まれております。
 なお、平成12年産につきましては、緊急総合米対策の実施により、米価の水準がどの程度となるか推測できないので、その減収額を申し上げられない状況にございます。

〇斉藤信委員 私はこの米価の暴落で一番打撃を受けているのが専業農家、大型農家だと思います。専業農家、大型農家はどういう影響を受けているか。10町歩規模の農家の減収、農業所得の減収、このことを示していただきたい。
 米の生産費。この生産費から見た減収はどのように試算をされるか、これもあわせて示していただきたい。
 米価の最低価格、ミニマムアクセス米の制限、WTOの農業協定の改定など、国の言いなりではなくて、今本当に農業、米を守るという点で地方自治体から私は国に強く声を上げるべきと思いますが、いかがでしょうか。

〇千葉副知事 岩手県農家経済調査結果によりますと、稲作部門7ヘクタール以上の大規模な経営体について、平成8年と新たな米政策が導入されました平成10年と比較いたしますと、10アール当たりの粗収益では3万8、300円の減、生産費では1万1、200円の増となっておりまして、所得では4万9、500円の減となっているものでございます。ただし、平成10年は、7月中旬から10月上旬にかけまして長雨等の天候不順が続いたわけでございまして、この規模の調査農家では、平年収量の約8割と大幅に減収となったことに留意する必要があると考えています。
 それから、米価暴落の影響等に対することでございますけれども、私は先般、ミニマムアクセス米について、国産米の需給に大きく影響することが懸念されるところから、WTO農業交渉においては可能な限り輸入水準の引き下げに努めるよう、国へ要請してきたところでございます。
 今後とも、機会をとらえまして稲作農家の経営安定が図られる価格となるよう、引き続き強く国に対して要望してまいりたいと考えております。

〇斉藤信委員 結局、新食糧法で米価の下支えをなくしたんですね。その結果、一直線に米価暴落ですよ。だから、この新食糧法のやり方を私は変えなくちゃだめだと思うんです。結局、米価が暴落して減反拡大がされる。東和町の町長が、自主減反を言ったときがありました。そのときの知事の議会記者会見での表明は、これ以上の減反拡大は限界だということでした。ところが、あれからもう8、000ヘクタールも減反が拡大されたんですよ。この点について、もう限界だという減反が8、000ヘクタールも拡大されたけれども、副知事、どうですか。こういう減反拡大を許していいんですか。

〇千葉副知事 減反については本当に限界感といいますか、それが蔓延しているということはそのとおりでございますが、何しろ減反につきましては国の施策でございますので、県独自でどうこうするというわけにまいりませんので、当面は国の施策にのっとってやっていきたいと考えます。

〇斉藤信委員 結局、総合食料供給基地を標榜しているわけでしょう。国の言いなりになったら、米も野菜も全部だめですよ。だから、県政としてどう米や野菜を守るのかと、そういう施策がなければだめだと、それなしに統合したらだめだと。その点についてだけ聞きます。

〇千葉副知事 農業問題につきましては、これは国策によるところも多いわけでございますけれども、県の措置できる部面もあるわけでございますので、これを両方採択しながら頑張ってまいりたいと考えています。
 なお、先ほど軽米町の関係ですが、被災家屋31戸中、河川改修区域内29戸、うち移転補償のないもの11戸となっております。

〇佐々木大和委員長 この後、2人の委員の自由質疑が行われる予定でございます。本日の会議が長くなることから、世話人会の了解をいただきましたので、ここで5分間ほど休憩をいたします。
   午後4時26分 休 憩
   午後4時37分 再 開

〇佐々木大和委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 自由質疑を続行いたします。

〇小野寺好委員 公明党の小野寺好でございます。
 最初に、新エネルギー導入のうち、太陽光発電についてお伺いいたします。
 電力消費は毎年増加を続けていますが、現状の原発や火発を見た場合、これ以上負担をかけるわけにはいかず、クリーンな電源開発を急ぐ必要があると思います。環境負荷が小さく小規模でメンテナンスの楽な太陽光発電は、一般家庭用として有望であります。しかし、この装置は決して安いものではなく、普及しがたい現状にあると思われますが、これまでに個人住宅にはどれだけ導入されましたか。最近の県内における傾向を把握しておりましたら、お示しいただきたいと思います。
 本県の10年後の太陽光発電の目標が8万7、000キロワットとされており、仮に1世帯3キロの装置を考えますと、実に2万9、000世帯ということになります。県は、市町村等に対し積極的な導入を促進すると言明していますが、現状では絵そらごとに思えてなりません。国の補助率は2分の1から3分の1になりましたし、今年度はキロワット当たりの補助が27万円から18万円に引き下げられております。このような背景から、太陽光発電に対する補助制度を創設する自治体がふえてきており、県内では花巻市でも導入促進のため補助を決めております。県内のこれまでの実績と今後の見通しについてお伺いいたします。
 今までお伺いいたしました答弁では、稼働率が低いとか個人の資産という認識で、専ら県は公共施設に対してのみ目を向けておりましたが、本来、数々のメリットを持っておりますので、大局的なエネルギー対策という観点からの英断を望むものであります。県の方針を伺います。
 次に、電線類地中化事業についてでありますが、11年度の実績と今後の見通しをお伺いいたします。また、工事完了後に新たに電線類を引く必要が生じた場合、どのような対応になるのか、原則のようなものがあればお尋ねいたします。
 工事を終えた例として、盛岡市大通りのもとの献血ルーム付近はすっきりした町並みになりましたが、現在、道路を横断して電線類が張られていますが、これはどのような経過によるものかお伺いいたします。

〇佐藤企画振興部長 太陽光発電の導入につきましては、国の補助制度が2分の1から3分の1に変わった平成9年度以降も順調に伸びておりまして、本県での導入も平成10年度50戸に比べ、11年度99戸、12年度では当初ベースで153戸、今次の補正分対応で30戸程度、あわせて180戸程度と見込まれ、来年度も要求どおり、国の予算が5割増になりますと240戸程度と予想しております。2010年の目標値8万7、000キロワットのうち、個人住宅分向けとして7万3、600キロワット、件数では1万2、800戸程度と見込んでおりますが、これからの発電効率の向上、コスト低下に伴い、目標年度に近づくほど加速的に普及するものと予測いたしております。
 国の取り組み方は、産業自立化を目指し、設置コストの低減状況等見合いで支援度合いを講じておりますので、県といたしましては、これまでも答弁申し上げてまいりましたとおり、個人住宅向けについては国の補助制度を活用していただくことを基本とし、今後の設置コストの低減状況を見ながら、必要な国の支援措置を要望してまいりたいと考えております。

〇千葉副知事 電線類の地中化事業についてでございますが、県の総合計画におきましては、平成17年度までの目標値を1万9、440メートルとして整備を進めることといたしております。平成11年度まで、1万405メートルが整備済みでございます。
 なお、平成11年度は924メートルを実施しておりまして、今後9、035メートルの整備を予定しているものでございます。
 電線共同溝が整備された区間の上空占用につきましては、電線共同溝の整備等に関する特別措置法によりまして、道路管理者が区間を定めて電線共同溝を整備すべき道路として指定すれば、その区間の地上に新たな電線・電柱の設置の許可をすることができないこととなっております。ただ、指定の日以前に道路占用許可により設置された電線・電柱等の維持、修繕あるいは災害復旧を行う場合などは除かれるものでございます。
 盛岡の通称映画館通りの状況でございますが、あそこは盛岡市道でございまして、現在、上空を占用しております横断支線は事業着手前よりある電柱の転倒を防ぐ目的で設置されておりまして、撤去できないものであると盛岡市から説明を受けているものでございます。

〇小野寺好委員 ただいまの答弁についてですけれども、太陽光発電に対する国の補助は2002年で終わるわけですが、その後についてはやっぱり県は何も考えないのかどうかお伺いいたします。
 次に、盛岡駅西口複合施設についてでありますが、マリオスに隣接することになるこのビルについてまだ余り話題になってはおりませんが、11年度の調査事業を受けてどのように進められているのか、及びこの複合施設への導入施設の概要を発表した後の反響についてお伺いいたします。
 また、県立美術館に通じる仮称中央大橋や盛岡駅西口開発全体の進捗状況についてもあわせてお伺いいたします。
 次に、県立点字図書館の機器について、情報技術の進展に伴ってどのように変わってきているのか、お伺いいたします。
 私が数年前にボランティアグループによる視覚障害者の方への音声翻訳活動を視察した際に、点字図書館の音声翻訳機器を拝見いたしましたが、非常に高価なものであるとの説明をいただきました。しかし、近年開発されている情報機器の様子からすると、価格や性能も大きく変わり購入しやすくなったのではないかと思いますが、現状をお伺いいたします。
 機械の力で、大量にしかも早く音に変えることが可能になりますが、実際の使い勝手はいかがでしょうか。
 次に、交通安全施設整備費にもかかわってくると思いますが、歩道の段差解消についてお尋ねいたします。
 車道と歩道の分離を明確にする手段として、歩道に段差をつけたりガードレールを設置したり、あるいはその両方であったりしています。県道に限って見た場合、11年度における段差解消、その逆の段差設置の実績はどうなっているかお尋ねいたします。
 段差歩道はスロープをつけたとしても、自転車、車いすにとって不便であります。車道と歩道はフラットにしておいてガードレールでの分離だけにすべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 なお、車道と個人住宅との間に段差歩道がある場合、段差解消工事は許可を得て利用者の負担において行うとされておりますが、実際この負担を回避する手段としては、鉄板、ブロック、丸太、ゴム製品類が置かれているという実態があります。自転車や車がこうした鉄板類に乗り上げてハンドルをとられたりすることもありますが、交通の安全確保という観点では、どのように認識しているのかお尋ねいたします。

〇千葉副知事 西口開発の関係につきまして、私からは中央大橋の進捗状況等について御答弁申し上げます。
 中央大橋の進捗状況でございますが、県事業として整備をしております。これは平成11年度から事業に着手いたしまして、現在、下部工と雫石川右岸側の取りつけ道路の整備を行っておりまして、盛岡の軸状都心構想の実現に重要な役割を担う橋でございます。早期整備が必要であるという観点から、4車線のうち当面2車線の供用を目指しているものでございます。進捗率は平成12年度末の事業費ベースで約18%となっております。
 また、盛岡駅西口開発全体の進捗状況でございますけれども、盛岡市が基盤整備や高次都市機能を高めるため、平成3年度より土地区画整理事業等を導入いたしまして整備を進めているものでございます。本年度は建物等の移転補償を引き続き進めるとともに、主要な道路や電線共同溝、マリオスのわきの道路の人工地盤等の整備を行っております。
 本地区の進捗率といたしましては、平成12年度末の事業費ベースで約59%となっているものでございます。
 次に、点字図書館の関係でございますけれども、視覚障害者用音声翻訳機器につきましては、コンピューター関連技術の進歩によりまして、市販のパソコンに音声翻訳用のソフトウェアを組み入れて使用することが可能となり、また、数年前に比べて操作性が格段に向上するとともに、値段も安くなってきているところでございます。このようなところから、県立点字図書館では、視覚障害者の情報取得を支援するために、インターネットや活字情報を音声に変換できるパソコン8台を整備いたしまして、来館者が利用できるようにしております。さらに、17年度を目途に、現在の点字図書館を盛岡駅西口複合施設に視聴覚障害者情報センターとして整備する計画でございまして、最新の音声出力装置等の情報機器を設置いたしまして、視覚障害者の情報取得等を一層支援していきたいと考えております。
 それから、歩道と車道の分離の段差解消でございますけれども、平成11年度における県が管理しております道路で、既存の歩道の段差解消につきましては4地区で1、663メートルを実施しております。歩道の設置に当たりましては、車道部との間に縁石、防護さくなどの工作物を設置いたしまして、自動車と分離したフラット型の構造と歩道面を車道面より高くしたマウントアップ型に大別できるわけでございますけれども、歩道の幅員、排水性などを勘案いたしまして、適切な構造形式を選択し採用してきているところでございますけれども、最近の県事業におきましては極力フラット型を採用するようにいたしております。
 それから、個人住宅などについての車両の乗り入れについてでございますけれども、マウントアップ歩道における車道と個人住宅の車両の乗り入れにつきましては、道路を新設あるいは拡幅する場合、隣接住民の意見を参考に道路管理者が設置しておりまして、既存の道路の個人住宅などからの新たな出入り口の設置は、道路法24条の申請によりまして、利用者の負担で入り口を設置しているところでございます。
 車道と歩道との間に設置しております鉄板などによる出入り口用の施設は違反行為でございます。交通安全上の危険を避けるため、道路パトロールなどにより撤去を指導しているところでございます。

〇佐藤企画振興部長 最初に、太陽光発電の2003年度以降の対応の考え方でありますけれども、先ほど御答弁申し上げましたけれども、今後のコスト削減の状況を見ながら必要に応じて国の支援措置を要望してまいりたいと、こう申し上げたわけでありますけれども、そのコスト削減が産業自立化につながらないということであれば、引き続き国の補助制度を存続してもらいたいという要望を重ねていきたいという趣旨で申し上げたところであります。
 次に、盛岡駅西口複合施設の関係でありますけれども、11年度におきまして、図書情報総合センターを核とした県民利用型の多機能型複合施設の整備を内容とする基本計画を策定したところであり、今年度においてはこの基本計画をもとに基本設計を行っているところでございます。
 基本設計に当たりましては、基本計画に掲げた図書情報の提供や旅券発給等の行政サービスの向上、県民活動や学習の支援などの機能が最大限に発揮されるよう、関係部局と連携しながら設計者との協議を行っております。また、建物全体がすべての人に優しいユニバーサルデザインの実現や環境への配慮、自然エネルギーの活用を図るほか、にぎわいの創出にも配慮した設計となるように進めているところであります。
 なお、複合施設の基本設計に対する反響についてですが、ことし2月に県民2、500人と銀河系いわてモニター120人を対象としたアンケート調査を実施したところ、基本設計の内容についてはこれでよいと思う、おおむねこれでよいと思うとする割合が61%となっており、また、整備スケジュールについては、計画より早く進めてほしい、計画どおりに進めてほしいとするものが71%となっております。

〇小野寺好委員 次に、働く女性に関してお伺いいたします。
 第1次産業における女性の役割は、過去においてもまた現在においても非常に大きいものがあります。しかし、実態上は主体者でありながら形式上は表に出ることが少ないため、仮にみずから業を起こそうとした場合、種々の困難が予想されます。
 農業を例にしてみた場合、女性の責任において、例えば減反の後に花卉の栽培を始めようと球根を購入するとか、牛をもう1頭ふやしてみようと考えた場合、主体者である女性名義での貸し付けが行われれば、一層意欲が沸くのではないかと思われます。ところが実際は、夫あるいは父の名において借りれば十分事足れりと一蹴されてしまいます。また、女性が大型農業機械の操作をせざるを得なくなっているにもかかわらず、正式な指導がなされていないため、見よう見真似で危険と隣合わせで作業をしているとも言われております。このような従たる立場から、主体者であるという実態に即した支援策が必要と考えますが、働く女性に関する県の基本方針をお伺いいたします。
 次に、体験・滞在型のグリーン・ツーリズムあるいはブルー・ツーリズムの傾向をお伺いいたします。
 これまでと違う観光ということで注目を集めておりますが、本県の場合、どのような目的を掲げてこれに取り組んでいるのか。その結果として、近年の実績、反響はどうなっているのかお聞きしたいと思います。
 名所旧跡を通過する観光と異なり、迎える側、参加する側のさまざまな思いが交錯しているはずで、その後のリピーター、また、県産品消費といった2次的展開、フォロー等についてもお伺いいたします。
 最後に、民放テレビ難視聴解消事業についてお伺いいたします。
 テレビ難視聴は、地域格差是正課題の一つであります。11年度の難視聴解消実績はどの程度であったか。今後の見通しについてはどうか、お伺いいたします。
 住民の皆さんのことを思うと、県は市町村に補助金を交付し受信設備を整備しようとするわけでありますが、本来、テレビ会社が設備すべきものを県の補助があるにしても、役場の負担で整備するのはおかしいとの納税者の本音が聞こえてくるような気がします。類似例として、携帯電話等の地域格差是正にも県費を投入しているわけですが、今後これら放送・通信事業者との交渉をどのように進めていくのか、県の基本姿勢をお伺いいたします。

〇千葉副知事 第1次産業において働く女性に対する支援策についてでございますけれども、農業経営に必要な制度資金は、農業を営む者であれば男女を問わず借り入れることができるものでございます。ただ、借り入れに当たりましては、一般的に担保、保証を求められることになります。自分の名義の資産がない女性が資金を借り入れる場合は、資産名義人である夫から担保の提供を受けるとか、あるいは夫との連帯債務とするなどにより、担保や保証の提供が必要となってまいります。
 なお、県農業信用基金協会の保証制度を活用し、無担保、無保証で借り入れることも可能でございます。
 県では、農業機械の操作技術の向上を図るため、トラクター免許取得研修や農業機械士養成研修、農作業安全研修などを実施しております。女性の参加率はいずれの研修でも20%以上を占めておりまして、年々増加の傾向にございます。農村社会や農業経営における女性の役割が増してきているところから、県は、むら・もり・うみ女性ビジョンを策定いたしまして、農業・農村におけるパートナーシップの実現に向けて取り組みを進めております。
 具体的には、女性の経営内での役割を明らかにする家族経営協定の締結や女性の経営能力を向上させるための女性パワーアップ講座の開設、さらには農村生活アドバイザーや食の匠の活動等に対して支援を行っているところでございます。
 今後も引き続き、女性の農業経営における役割発揮を向上させるため、積極的な支援をしてまいりたいと考えております。
 次に、グリーン・ツーリズム、ブルー・ツーリズムの関係でございますが、都市と農山漁村の交流人口の拡大によって、農山漁村地域の活性化や都市住民の農業・農村理解の向上を図る上で、グリーン・ツーリズムやブルー・ツーリズムは大きな効果があり、積極的に推進しているところでございます。
 実績でございますけれども、県内では農林漁業体験民宿や交流施設等において稲刈りやリンゴの収穫、カキの殻むき、郷土芸能など、各地の農林漁業体験が行われております。農林漁業体験民宿は、東北で最も多い34軒が登録されておりまして、昨年度において約2万8、000人の方が利用しております。また、体験交流施設の利用者数は約14万6、000人となっておりまして、いずれも近年増加傾向にございます。
 成果等でございますが、農林漁業体験の参加者の中には再度訪れてみたいという方もおりまして、反響は大きいものがございます。
 体験に参加した人へのフォローアップについてでございますが、リピーターとして定着するかどうかは受け入れ側と参加する側との人的なつながりによるところが大きく、何よりも参加者が再び利用してみたいと思えるサービスの提供が重要であると考えております。このため、岩手県グリーン・ツーリズム推進協議会の活動を強化いたしまして、受け入れサービス向上のための各種研究やインストラクターの育成など、受け入れ態勢の整備を進めていきたいと考えております。
 こうした取り組みの積み重ねが、県全体のイメージアップにもつながるわけでございますし、県産品の消費拡大など、2次的な効果へと発展していくものと考えております。

〇佐藤企画振興部長 テレビ難視聴地域の解消対策でありますけれども、11年度におきましては、国庫補助事業を活用いたしまして、大東町で178世帯、それから県単独補助事業によりまして、県内31市町村で6、800世帯の解消に取り組んだところであります。
 今後におきましては、13年度中に再度テレビ難視聴世帯の実態調査を実施したいと考えておりまして、その調査結果に基づきながら今後の対策を講じてまいりたいと考えております。
 この進め方の基本的な考え方でありますけれども、放送法で、放送事業者は、その行う放送に係る放送対象地域において、当該放送があまねく受信できるよう努めるものとすると規定されておりまして、テレビ難視聴地域の解消は、基本的には放送事業者の責務において行うものとなっております。
 また、高度情報通信ネットワーク社会形成基本法で、ネットワーク社会の形成については、原則として民間が主導的役割を担うこととなっております。しかしながら、地形的な特性などから、放送事業者あるいは通信事業者の努力だけでは整備が進まない地域については、国庫補助事業や県単独補助事業を活用しながら、市町村、放送事業者や通信事業者と連携して、その解消に努めているところでございます。

〇阿部富雄委員 介護保険が導入され、県が4月30日現在で行った介護保険運営状況等調査によると、制度施行後における問題点、課題等については54市町村、3広域から304件、早期に制度の改善が必要な事項、31市町村から51件、市町村で把握している利用者の声、35市町村から104件、その他26市町村から43件が寄せられています。県では、市町村に改善を指導するもの、政府に要望するもの、県で対応すべきものに分類し順次対応するとしていましたが、その解決状況についてお聞きします。
 また、一関市においては、特別養護老人ホームの入所を希望しても待機者が20数名に及び、病院や老人保健施設を渡り歩き順番を待たざるを得ないなど、保障やサービスの不公平を招いているが、こうした事態にどう対応し公平性を確保していくのかお聞きします。

〇千葉副知事 介護保険の運営状況についてでございますけれども、制度施行後における問題点、課題等の解決状況でございますが、制度がスタートして間もないことでもあり、介護保険制度上の諸課題につきましては基本的に国においてまず対応すべきものと考えまして、調査の結果、改善すべき事項について速やかに国に対し強く要望し、また、政府予算統一要望において、県議会ともども重ねて国に要望したところでございます。
 その結果、国におきましては、要介護認定における1次判定ソフトの見直しの検討に着手しておりますし、短期入所サービスについても、来月から利用限度を大幅に緩和するほか、低所得者に対する利用料の軽減措置を拡充するなど、制度運営上の諸課題が一つ一つ着実に改善されてきているところでございます。
 県で対応すべき点につきましては、施設から要望がありましたショートステイ用ベッド74床の特別養護老人ホームへの転換を実施したほか、認定調査員や介護認定審査会委員に対する研修、市町村に対する指導等に努めているところでございます。
 また、介護支援専門員や事業者との連携など、市町村が対応すべき課題等につきましては、関係者との連絡を密にいたしまして、十分な連携のもとに改善に向けて対応するよう、会議等の場で指導いたしております。
 次に、介護老人福祉施設の入居についてでございますけれども、県におきましては、本年3月に介護保険事業支援計画を策定したところでございます。整備すべき介護保険施設の目標数の設定に当たっては、市町村が今後の施設利用需要の動向を推計いたしまして、策定した各市町村の介護保険事業計画に基づき、圏域内の関係市町村間の調整を経て定めたものでございます。
 なお、現在、この計画に基づいて介護基盤の整備を促進しているところでございますけれども、両磐高齢者保健福祉圏域においては、平成16年度の介護老人福祉施設の入所定員目標数729人を現時点で既に達成している状況にございます。ただし、平成13年1月1日から特例措置といたしまして、介護老人福祉施設に併設されるショートステイ床を施設入所定員の5%、一関市では8床まで、介護老人福祉施設として活用することが可能となるものでございます。また、平成12年12月1日現在で、一関市内の介護老人保健施設には8床の空きベッドがあるところから、施設の目的に応じた適正な利用がなされるよう、ケアマネジャーの調整機能の強化充実を図っているところでございます。
 さらに、岩手県介護保険事業支援計画は、平成14年度に見直すこととしておりまして、施設需要の動向等を踏まえた上で入所定員目標数の見直しを図るなど、必要な措置を講じていきたいと考えております。

〇阿部富雄委員 介護老人保健施設については県は14年度見直しだということですから、それはそれでいいと思うんですが、問題は先ほどもお話ししたように、現実に待機があってケアプランで、あなたはこういうサービスを受けてもいいということを言われても、受けられないという実態があるわけですから、ぜひそこはいろいろな方法があるだろうと思いますので、個別具体に対応していただくようにお願いをしたいと思います。
 次に、県立大学の運営等についてお聞きいたします。
 県立大学は、整備事業費498億8、300万円の巨費を投じて平成10年度に開学、また、平成12年4月には大学院を設置しました。平成11年度の単年度収支は、収入が6億7、900万円余に対し支出が53億2、500万円余、このうち交付税で8億6、000万円余の措置を除けば、37億8、500万円余に加え起債償還額10億3、900万円余の48億2、500万円余が投入されています。
 一方、県内出身学生の割合は60.4%となっていますが、こうした県費を投入している以上、県内学生の推薦枠を拡大するなど、県内学生に多くの就学機会を与えるべきと考えますが、どの程度まで引き上げていくお考えかお聞きいたします。
 また、恒常的に支出が収入を上回ることから、県立大学にあっても独立採算的な運営も将来的に求められてくるものと思われます。今後の大学運営について、どのように対応していくのかお伺いします。
 さらに、国においては、平成12年度以降の大学等の設置及び収容定員増に係る学則変更に関する審査に当たっては抑制的に対応するとしています。一方で、看護職員の養成に資するもの及び情報、社会福祉、医療技術、先端科学技術などの我が国全体として特に必要と認められるものなど、極めて必要が高いものについては、大学等の設置及び収容定員増については認めるものとしています。県内私立の4年制大学3、短期大学4の計13学科のうち、今春の入学者が定員に満たなかったのは4年制大学一つで2学科、短大二つで2学科、計4学科であり、少子化に加え人気不人気の二極化が進んでいるものと思われます。こうした中で、県内の大学等の整備について県はどのように考えているのかお伺いいたします。

〇武居総務部長 まず、県立大学における県内学生の就学機会の関係についての御質問でございますが、県立大学の入学選抜におきましては、アドミッション・オフィス入試、それから社会人特別選抜等多角的方法によりまして、県内はもとより、全国から多様な個性と創造性にあふれた優秀かつ意欲的な人材を確保するよう努めているところでございます。現在、文部省におきましては、4年制大学の推薦入学者の割合を5割を上限とし、その範囲において各大学が適切に定めることができることとしておりまして、県立大学におきましては、推薦入学枠を募集人員のおおむね3割といたしまして、この3割分をすべて県内の高校に充てているところでございます。平成12年度の入学者選抜の結果、全国の公立大学におきましては、県内出身者が入学者に占める割合の平均は35.6%でございますけれども、県立大学の場合は62.3%でございまして、過去3年間の平均が60.4%ということで高い数字になっているところでございます。
 今後におきましては、このような県内出身者の入学状況の推移を見ながら、推薦入学を含めました入学者選抜のあり方について検討をしまして、優秀な人材の確保に結びつけてまいりたいと考えております。
 それから、県立大学の今後の運営についてでございますけれども、県立大学は開学後3年目を迎えまして、4年次までの学生がそろう平成13年度の学部完成に向けまして大学の運営の充実を図るとともに、本年度開設いたしました大学院の拡充に取り組んでいるところでございます。
 県立大学の運営に当たりましては、現在、県において試算を行っておりますところの企業会計方式による評価や業務内容、教育研究内容等の積極的な公表などにつきまして検討を進めるとともに、受託研究や共同研究の積極的な受け入れなどを図りながら、業務運営の一層の効率化、適正化に努めてまいりたいと考えております。
 また、あわせまして、公開講座の開催でございますとか大学施設の開放、教員の積極的な地域社会への参画等を通じまして、地域社会に貢献する開かれた大学となるよう努めてまいる考えであります。

〇佐藤企画振興部長 大学等の高等教育機関につきましては、これまでも種々国に対して整備、充実について要望を重ねているところでありますけれども、11年度におきましては、岩手大学の地域共同研究センターの充実が図られたところでありますし、また、13年度に向けてでありますけれども、一関高専への専攻科の設置が概算要求に盛り込まれているところであります。
 一方、委員御指摘のとおり、今後18歳人口の減少が見込まれ、国では大学及び短大の新設は抑制基調にあるということでございますので、これからは時代の変化や生徒のニーズ等に対応した魅力ある教育内容を確保した教育機関に持っていきたいと、こう思っております。

〇阿部富雄委員 次に、自動車検査登録事務所誘致についてお聞きいたします。
 岩手陸運支局自動車検査登録事務所誘致について、平成5年から釜石市を中心に、三陸地域自動車検査登録事務所誘致促進協議会が組織されています。一方、平成4年から胆江地区を中心に、岩手県南自動車検査登録事務所誘致促進期成同盟会が組織され、それぞれ誘致活動を展開しています。
 現在の国の動向は、行財政改革以降、自動車検査登録事務所は平成11年に栃木県に設置以来、以降の設置については凍結状態にあり、国に対する陳情も控えてほしい旨、東北陸運支局からは言われていると聞いております。
 また、自動車検査登録事務所の設置を伴わない地域名表示の細分化について、中長期的に検討していくこととしていると聞いております。誘致が具体化する段階では、県の考え方も求められることと思われることから、検査登録事務所誘致を一本化し効果的な誘致活動を図るべきと考えますが、県の対応についてお伺いいたします。

〇佐藤企画振興部長 自動車検査登録事務所の関係でありますけれども、委員御指摘のとおり、現在の国の状況から考えますと、実現は当分の間、困難ではないかと思っております。それで、率直に申し上げまして、誘致活動を一本化できたとしても、その実現困難性の状況には変わりがないと思っております。
 一方、新たな動きでありますナンバープレートの地域名表示の細分化、すなわち、自動車検査登録事務所の設置を伴わない御当地ナンバーと言っておりますけれども、御当地ナンバーの採用については運輸省から中長期的に検討していくと伺っておりますので、地域の活性化や全国的な知名度の向上といった面では、自動車検査登録事務所の設置と同様に効果的なものと考えられます。したがいまして、県といたしましては、御当地ナンバーの実現に向けて地域の合意形成を促しつつ、国に働きかけを行ってまいりたいと考えております。

〇阿部富雄委員 今の部長の答弁であれば、一本化しても難しい状況だろうというお話ですが、それならそれで私は結構だと思うんですが、ただ、この両地域は一生懸命やっているわけです。もう少し県の方が、そういう情報があったり考え方があるとすれば、両地域に対してその旨を話して一本化にするとか、あるいは誘致の方式を先ほど言いましたようにいわゆる地域名表示の方に変えていくとかという、そういう形にしないと、私はむだな運動を続けていくことになりかねないのではないかと心配しますので、その対応をしていただきたいと思います。
 次に、弁護士の確保についてでありますが、岩手弁護士会の会員は現在42人。人口当たりの弁護士の数は釧路弁護士会、青森弁護士会、島根弁護士会に次いで全国で4番目に少ない弁護士過疎地域になっています。しかも、県都盛岡に31人、74%が集中しており、県土が広いことから、その活動が制約されていることも事実であります。時間的に余裕がないことから、ついつい依頼者に対してぞんざいな態度をとる、依頼事件の処理がおくれる、手抜き仕事をする、弁護士費用が高いなどの批判もあり、法律業務の独占をしているにもかかわらず、十分に県民のニーズにこたえていません。こうしたことから、岩手弁護士会では、全国でも3カ所目の公設事務所を遠野市に開設し、当面は同会員が交代で週2日詰めることとしており、常駐する弁護士を全国から募集しているとのことですし、来年4月までに二戸市、宮古市、北上市にも同様の事務所を設置したいと聞いております。
 政府の司法制度改革審議会は、司法試験の年間合格者を現在の約1、000人から約3、000人にふやす方針を決定しています。日弁連も11月1日、臨時総会で法曹人口を大幅にふやす決議を行っています。県としても、弁護士会と協力して弁護士の確保を図り、安く、早く、依頼者の希望に沿う解決ができるようにすべきですが、弁護士確保について県の対応をお聞きします。
 また、県業務が広範になり、事業者や県民との調整を図ることが増加していること、条例制改定や法定業務を取り扱うことから、弁護士資格を持つ人材を採用することも必要と考えられますが、弁護士の全県的な充足及び職員としての確保について県の対応をお伺いいたします。

〇武居総務部長 弁護士の確保対策についてのお尋ねでございますけれども、県におきまして、直接所掌する部局というものがございませんので、法規部門を私の方で担当しておりますので私の方から答えさせていただきたいと思いますけれども、弁護士の確保につきましては、近年、県内の弁護士は増加傾向にあると聞いているところでございますが、岩手弁護士会では、今年の5月にも、本県出身などの司法修習生に対しましての本県での開業の勧誘をするなど、その確保対策に積極的に取り組んでいると聞いているところでございます。ちなみに、平成9年度当時36名でありました本県の弁護士会の会員が、本年の11月現在では42人ということで、6名ほどふえていると聞いているところでございますけれども、県といたしましては、今後、司法制度改革として司法試験の合格者数が大幅に増加されることによりまして、県内で開業する弁護士がふえてくることを大いに期待しているところでございます。
 一方、日本弁護士連合会では、地域の実情に応じた総合的な司法改革として、来年3月末を目途に、地域司法計画の策定を呼びかける決議を本年の8月にしたと聞いておりまして、今後、各県の弁護士会におきましてもそのような動きが出てくるのではないかと思いますけれども、岩手弁護士会におきましても、今後どのような対応になるのか今後になると思うんですけれども、そういった動きが出て、県としてお手伝いができるようなことがあれば、そういった面につきまして協力をしてまいりたいと考えているところでございます。
 また、弁護士資格を持つ職員の確保につきましては、現在、私どもは法制執務を専門に行う部署におきまして条例の立案とか審査等の立法事務を初めとしまして、法令の疑義解釈や訴訟案件の総括等を行っているところでありまして、訴訟が提起された場合や異例に属する法的な問題につきましては、その都度、弁護士に依頼あるいは相談するなどしているところでございまして、当面、県政推進上は支障がないものと考えているところでございます。
 御指摘のような点につきましては、司法制度改革全般にかかわってきますところの、いずれ合格者の数が大幅にふえてまいりますと、本県の弁護士会をめぐるいろんな動きも変わってくると思いますので、将来的な検討課題とさせていただきたいと考えております。

〇阿部富雄委員 次に進ませていただきます。
 発がん性の疑いのあるポリ塩化ビフェニール、いわゆるPCBの保管については平成4年に調査が行われました。この調査をもとに、平成10年に行った調査では、事業所の回答率が悪く実態把握が不十分と指摘されています。適正に保管されているのか、管理能力があるのか、紛失や行方不明となったケースはないのかなど正確な実態把握が必要ですが、どのように行うのかお聞きいたします。
 厚生省は、PCBを絶縁油として含んでいる安定器を使った蛍光灯と水銀灯を、来年度にすべての公共施設から原則撤去するとしておりますが、県は公共施設におけるこれらの調査、撤去についてどのように対応されるかお伺いします。
 また、国はPCB処理施設について、来年度から都道府県主導による廃棄物処理センター事業を拡充し、PCBの無害化処理施設の整備も国庫補助の対象にすることとしておりますが、管理能力や保管についても限界があることから、処理施設を設置しPCB処理を行うべきと考えますが、県はどう対応していくのかお考えをお伺いいたします。

〇千葉副知事 PCBの実態把握でございますけれども、平成10年度に行った厚生省通知に基づく調査は、未報告、未回答が多く回答率が低かったところから、6年度、7年度に調査しました台帳をもとに今年度再調査を検討していたところ、厚生省から管轄通産局と連携を図り、保管施設のみならず、使用施設についても調査するよう指示があったところでございます。これに基づきまして、今年度中に台帳記載の616事業所のほか、10年度調査で未報告、未回答だったところも含めてフォローアップ調査を行い、正確な実態を把握するとともに、今後は毎年定期的に監視に努めてまいりたいと考えております。
 11月28日に開催されました政府閣議におきましては、平成13年度末を目標として自治体が管理している施設からPCBを撤去することが了承されまして、近日中に厚生省から詳細な通知がなされると聞いているところでございます。
 今後、厚生省からの通知に従いまして、関係機関に該当品の撤去あるいは撤去後の適正保管について周知徹底を図ってまいりたいと思います。
 それから、PCBの処理施設についてでございますけれども、高度な処理技術と巨額な投資が必要でございます。したがいまして、県の枠を越えた広域的な対応が想定されるなど今後の課題もあるところから、厚生省において検討中と聞いているところでございます。県としては、当面、その検討の状況を見守っていきたいと考えております。

〇佐々木大和委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇佐々木大和委員長 質疑がないようでありますので、総括質疑はこれで終わります。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 明日以降は午前10時に開会いたしますので、よろしくお願いいたします。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後5時28分 散 会


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