平成12年12月定例会 第8回岩手県議会定例会会議録

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〇34番(伊藤勢至君) ただいまの我が会派の吉田議員の真摯な質問に敬意を表したいと思います。同じ沿岸に住む人間といたしまして、防災という部分についてはいつも避けて通れないものと思っておりまして、その観点から防災について関連をして質問させていただきたいと存じます。
 ただいまの総務部長の答弁ですと、いわゆる情報のネットワーク化を進める、つまりこれは連絡網の整備をしていくんだと、こういう部分のお考えだろうと思いまして、これはこれで随分大事なことだと思いますので、ぜひこれも積極的に進めていただきたいと思います。ただ、最前線に立ちます、つまり北は種市から南は陸前高田まで、まさに海岸線700キロの地域に住まいをしております者は、津波最前線にあるといっても過言でないわけでありますが、情報ネットワーク化を進める、そして地域の市町村あるいは消防署が持っております伝達機器といたしますと、恐らく防災無線ということになるんだと思いますけれども、現在はそれぞれの家庭が随分堅牢で気密化になってきておりまして、防災無線ではこの家の中にいた際に聞こえないという懸念があるわけであります。これは沿岸の同僚議員から各質問が出るわけでありますし、また防災対策特別委員会におきましても議論がされておりますが、最も即効的な手段としては、各戸に受信機を備えるのがいいのではないか。他県にありましてはそういう部分を進めている県もあると伺っておりますから、この際、情報伝達を最前線にいち早く届け、避難をいち早くしていただくという観点からは、この各戸における受信機の設置というものが最も喫緊のといいますか、成果のある防災対策になるのではないか、このように思うわけでありますが、沿岸の市町村はそれぞれ残念ながら財政基盤が弱いとこういうこともありますから、当然これは県が大所高所からの御支援をしていくべきであろう、このように思いますので、この際あわせて各戸の受信機の設置という部分を市町村と協力をしながら進めるお考えがないかどうか、これをまずお伺いをいたします。
 それからもう1点、けさの午前中のあるテレビのニュース報道によりますと、本日のこの議会が取り上げられまして、我が会派の吉田議員の一般質問について、多分この防災という分についてだと思うのでありますが、こういう質問があって当局はこのように答弁をする模様とか予測とか、そういった部分が流れたやに聞いておるわけであります。このことは、情報公開を進めるということは大いに結構でありますし、県民の議会に対する関心が高まるのも大いに結構でありますけれども、我々はこの議員として議会活動の中で一番重いこの本会議場において、それまでは1週間なり十日なりの間、議員会館にこもりまして質問書を作成してくるわけでありますが、その間いろんなやり取りはありますけれども、正式な当局からの答弁を伺うのはこの場が初めてであるわけでありますが、それが事前に報道機関から流れるというのは当局が漏えいをしたのか、あるいはまた、取材に熱心なマスコミ関係の方々が行き過ぎた推測による報道であったのか議論があるところであります。もし、当局がこういった部分を漏らしたということでありますと、議会活動の軽視にもつながることでありますし、同時に、マスコミ関係の方々が先行した先走った報道であったとすれば、これは正しく報道していただきたい旨、議長を通じてこれはお願いをしていかなければならないもの、このように思うわけでありますが、総務部長としてはこの件についてどのようにお考えであるかお伺いをいたします。
   〔総務部長武居丈二君登壇〕
〇総務部長(武居丈二君) まず第1点、ネットワークに関連しまして、地域住民への周知の方法についての御指摘ございまして、私どもも大変重要な視点だというふうに考えております。現在、防災行政無線等を市町村で整備しているわけでございますけれども、確かに今後の課題といたしましては、戸別受信機をどのように必要な地域に配備していくかというものが、特に、防災行政無線の難聴世帯といったものに対しては、こういった配慮も必要になってくるんではないかというふうに考えているところでございまして、これにつきましては国庫補助金の活用等というものもあるわけでございますけれども、これからどういった整備を毎年度将来に向けてやっていくことができるのか、これは先ほど財政事情の話がございましたけれども重要な検討課題でございますので、市町村とともにこれから検討を進めてまいりたいというように考えております。
 それからもう1点、津波防災の関連の質問に関しまして、先ほど報道との関連のお尋ねございました。
 実は、私自身はどのような報道がなされたのか見ておらないわけでございます。昨日も遅くまで答弁つくっておりまして、けさもこの関連の答弁につきましては、朝報道がされた以降も私この答弁を作成していたものですから、実際どういった報道がされたのか承知していないわけなんですけれども、いずれこれにつきましては、私どもの方から情報を提供したということは全くございませんので、これにつきましては報道の方にきょう厳重に抗議をさせていただきました。
 いずれ津波防災につきましては、先ほど申し上げましたように、吉田議員御指摘のように大変重要な視点だというふうに考えているところでございまして、しかしながら、市町村で機器の配置が一部未整備なところもあるということでございますので、まずはいわて情報ハイウェイのこういった活用でありますとか、そういったものを行う中で一歩でも二歩でも前に前進させまして、そういったものとあわせて津波観測装置を各市町村で、県の総合補助金の制度等も活用しながら整備していく。それを全体としてシステムの構築につなげていく、こういったことを市町村と一丸となって進めて、万全を期してまいりたいと考えております。
〇議長(山内隆文君) 次に、照井昭二君。
   〔4番照井昭二君登壇〕(拍手)

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