平成13年2月定例会 予算特別委員会会議録

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平成13年3月19日(月)
   

1開会    午前10時3分

1出席委員  別紙出席簿のとおり

1事務局職員
事務局長      和美宏幸
議事課長      熊谷素紀
議事課長補佐    千田正和
主任議事管理主査  浅田和夫
議事管理主査    浅沼 聡
議事管理主査    森 達也
議事管理主査    熊谷正則
議事管理主査    下山義彦

1説明員
商工労働観光部長  鈴木清紀
商工労働観光部次長 大沼 勝
商政課長      長葭常紀
岩手ブランド推進室長 佐々木 由勝
経営金融課長    齊藤静夫
工業振興課長    三浦 聡
企業立地推進監   勝部 修
観光課長      山口和彦
労政能力開発課長  千葉 務
医療局長      佐藤文昭
医療局次長     伊藤勝也
参事兼経営指導室長 小林繁芳
参事兼医師対策監  大川正裕
管理課長      岩渕良昭
職員課長      露木 利
業務課長      内藤善雄
システム管理室長  大沢 孝
地方労働委員会事務局長 盛合 桂三郎
総務課長      米本清一
審査調整課長    高橋敏美
財政課長      池田克典
   

〇中屋敷十委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
 議案第1号から議案第21号まで、議案第31号から議案第38号まで、議案第40号、議案第42号、議案第46号、議案第48号、議案第50号及び議案第51号の以上35件を一括議題といたします。
 本日は、商工労働観光部、医療局及び地方労働委員会関係を終わるように進行いたしたいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 また、質疑につきましては、世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保証するため、質疑項目が複数ある場合、関連する事項については、できるだけまとめて質疑されるとともに、質疑及び答弁は、簡潔明瞭に行い、午後5時を目途に審査が終了するよう議事進行に御協力をお願いいたします。
 なお、関連質疑については、冒頭に質疑を表明している委員より優先して発言を認めているものでありますので、その性格上、関連性の強いもののみ、短時間、簡潔に発言されるよう、また、要望のみで終わることのないよう、御協力をお願いいたします。
 最初に、商工労働観光部長から商工労働観光部関係の説明を求めます。

〇鈴木商工労働観光部長 平成13年度の商工労働観光部関係の予算について御説明申し上げます。
 まず、一般会計予算でありますが、議案その1の7ページをお開き願います。
 5款労働費のうち、3項労働委員会費を除いた33億7、570万5、000円と、7款商工費の804億5、126万1、000円、合わせまして838億2、696万6、000円が商工労働観光部関係の予算の総額であります。これは、前年度予算額に比較いたしまして2億8、032万2、000円の増、率にして約0.3%の増となるものでありますが、前年度予算額には、平成13年度の行政機構の再編整備に伴いまして、商工労働観光部から、地域振興部と環境生活部へ移管する事業に係る予算が8億6、576万4、000円計上されておりますので、この移管する予算を控除いたしまして、改めて比較をいたしますと、実質的な伸びは11億4、608万6、000円の増、率にして約1.4%の増になるものであります。
 なお、他部へ移管する予算の内容を含めまして、各項目ごとの内容につきましては、便宜、お手元の予算に関する説明書により御説明申し上げます。
 なお、予算額の読み上げにつきましては、省略させていただきますので、御了承いただきます。
 それでは、予算に関する説明書の97ページをお開き願います。2款総務費3項地域振興費3目情報科学費のうち、行政機構の再編整備等によりまして、商工労働観光部から地域振興部へ移管する海洋バイオ研究開発促進費などの予算は、研究開発の推進などに要する経費であります。
 次に、飛びまして、141ページをお開き願います。4款衛生費2項環境衛生費4目環境保全費のうち、行政機構の再編整備によりまして、商工労働観光部から環境生活部へ移管する予算は、旧松尾鉱山の発生源対策工事、それから新中和処理施設の維持管理などに要する経費であります。
 次に、148ページをお開き願います。5款労働費1項労政費1目労政総務費は、中小企業の労務改善や労使関係の安定促進、それから各地方振興局へ新たに配置する地域雇用相談員の運営などに要する経費であります。2目労働教育費は、各種労働講座の開設に要する経費であります。次に、149ページに参りまして、第3目労働福祉費は、仕事と家庭両立支援促進費など、労働者の福祉の向上に要する経費であります。第4目雇用促進費は、緊急地域雇用特別基金事業費補助及び障害者雇用対策費、並びに人材確保対策事業費など、雇用の促進に要する経費であります。
 次に、151ページに参りまして、2項職業訓練費1目職業訓練総務費は、技能労働者の技術水準向上のための認定職業訓練や、青年技能者の育成などに要する経費であります。2目職業訓練校費は、県立産業技術短期大学校を初めとする公共職業能力開発校の管理運営、それから技能労働者の向上訓練等に要する経費であります。
 次に、飛びまして、197ページをお開き願います。7款商工費1項商工業費1目商工業総務費の主なものでありますが、みちのく夢ネット──これはまだ仮称でございますが──開設事業負担金は、岩手県、青森県及び秋田県の3県共同によります産業等の情報ネットを開設しようとするものであります。いわて新産業創造支援事業費は、内発的な工業振興を図るため、ベンチャー企業や企業家の育成を行おうとするものでございます。いわて新事業創造プラットフォーム推進事業費は、財団法人いわて産業振興センターが行います中小企業者等への研究開発から事業化までの各種支援事業に要する経費への補助などでございます。ユニバーサルデザイン開発技術普及促進費は、県産品へのデザインの応用や販路拡大を図るため、人に優しいユニバーサルデザインの開発技術を普及しようとするものでございます。次に、198ページに参りまして、2目中小企業振興費の主なものでありますが、コミュニティ・ビジネス育成支援事業費は、中心市街地におきまして、地域福祉、それからまちづくりなどの地域課題の解決に取り組む活動グループを支援しようとするものでございます。商工業小規模事業対策費は、商工会や商工会議所等が行います経営改善普及事業費などに要する経費に対しまして補助しようとするものであります。小規模企業経営支援強化対策費補助は、商工会連合会や商工会議所が行います地域中小企業センターの設置に要する経費に対しまして補助しようとするものであります。中心市街地活性化推進事業費は、199ページに参りまして、商店街活性化のためのソフト事業を支援するため設置されております中心市街地活性化基金のその基金の充実を図るとともに、その事業に要する経費に対しまして補助しようとするものであります。新世紀型商店街創出モデル事業費補助は、活力ある商店街づくりを支援するため、商工会等が行う少子・高齢化や環境・リサイクルなど社会ニーズに対応したモデル事業に要する経費に対して補助しようとするものであります。次に、貸付金関係の主なものでございますが、商工観光振興資金貸付金は、中小商工業者等の設備改善等に要する経費に対する貸付金であります。中小企業経営安定資金貸付金は、中小企業者に対して、運転資金を融資することにより、経営の健全化を図るための貸付金であります。いわて企業家育成資金貸付金は、創意と活力あ
 次に、204ページに参りまして、2項観光費1目観光総務費の主なものでありますが、北東北広域観光推進事業費は、岩手県、青森県及び秋田県の3県共同で、各種観光宣伝事業を実施し、観光客の誘致拡大を図ろうとするものであります。三陸夢紀行創造事業費は、三陸地域の観光振興を図るため、首都圏からのアクセスを確保し、地域資源を活用したテーマ旅行を提案しようとするものであります。総合観光情報システム整備事業費は、岩手の魅力を総合的に情報発信するため、観光資源情報のデータベースの構築等を図ろうとするものであります。2目観光施設費の主なものでありますが、快適観光空間整備事業費補助は、外国人観光客の来訪を促進するため、地域の伝統文化を体験する場や、住民との交流の場の整備に要する経費に対しまして補助しようとするものであります。八幡平御在所地区中継基地整備事業費は、八幡平御在所地区に駐車場、トイレ等の休憩スペースを新たに整備しようとするものであります。八幡平山頂展望休憩等施設整備事業費は、秋田県と共同で八幡平山頂地区に新たな展望休憩等施設を整備するため、実施設計を行おうとするものであります。
 以上で一般会計歳出予算の説明を終わりまして、次に債務負担行為について御説明申し上げます。戻りまして、議案その1の11ページをお開き願います。
 第2表債務負担行為のうち、事項欄の5から6、及び12ページに参りまして、7までの3件が当部関係のものでございます。
 議案その1、11ページに戻りまして、5は、岩手県火災共済協同組合が行う火災共済契約の履行に伴う損失補償であります。
 6は、岩手県信用保証協会が行う創造的中小企業支援資金についての信用保証契約の履行に伴う損失補償であります。
 12ページに参りまして、7は、財団法人いわて産業振興センターが貸与した設備について、被貸与者からの償還金の納入がない場合の不足額の損失補償であります。これらはいずれも、それぞれの期間及び限度額を定めて、債務を負担するものであります。
 次に、特別会計について御説明申し上げます。議案その1の34ページをお開き願います。
 議案第7号平成13年度岩手県中小企業振興資金特別会計予算でありますが、これは、歳入歳出予算の総額を歳入歳出それぞれ28億3、069万4、000円とするものであり、歳入及び歳出の区分は、35ページの第1表のとおりとするものであります。
 各項目ごとの内容につきましては、予算に関する説明書により御説明申し上げます。予算に関する説明書の380ページをお開き願います。
 歳入歳出予算の総額につきましては、ただいま申し上げたとおりですが、まず歳入について御説明申し上げます。381ページに参りまして、1款繰入金1項一般会計繰入金1目一般会計繰入金は、中小企業高度化資金の貸付原資として一般会計から繰り入れるものであります。
 次に、382ページに参りまして、2款繰越金1項繰越金1目繰越金は、前年度からの繰越金を予定するものであります。
 次に、383ページに参りまして、3款諸収入1項貸付金元利収入1目貸付金元利収入は、設備資金貸付金などの貸付償還金であります。
 次に、384ページに参りまして、2項預金利子1目預金利子は歳計現金の利子であります。
 次に、385ページに参りまして、3項雑入1目雑入は非常勤職員に係る社会保険料納付金であります。
 次に、歳出でありますが、386ページに参りまして、1款小規模企業者等設備導入資金貸付費1項貸付費1目設備資金貸付費は、財団法人いわて産業振興センターが行います設備資金貸付事業に要する資金を貸し付けしようとするものであります。2目設備貸与資金貸付費は、財団法人いわて産業振興センターが行います設備貸与事業に要する資金を貸し付けしようとするものであります。3目高度化資金貸付費は、構造改善等高度化資金貸付金及び中小企業総合事業団に対する償還金などであります。
 次に、387ページに参りまして、2項貸付事務費1目貸付事務費は、貸付事務及び資金の回収などに要する経費であります。
 以上で商工労働観光部関係の予算についての説明を終わります。
 続きまして、予算以外の議案について御説明申し上げます。
 議案その2の77ページをお開き願います。議案第42号工業技術センター等条例の一部を改正する条例でありますが、これは、工業技術センターの依頼試験手数料の額を増額し、平成13年4月1日から施行しようとするものであります。
 以上で商工労働観光部関係の予算及び予算以外の議案についての説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。

〇中屋敷十委員長 ただいまの説明に対し質疑ありませんか。

〇伊藤勢至委員 1点お伺いをいたします。クレジット、それからサラ金の問題についてでございますけれども、現在このクレジット、サラ金問題は大変大きな社会問題になっていると思っております。借りやすいということからついつい多額に借りてしまった人たちが、借りてしまった後でその金利の高さに驚いて、つまるところ最終的には自己破産にいってしまう。しかも、この自己破産に走る部分は若年層の人たちが相当多いのではないかなと、こういう大きな問題があるのだと思っております。世の中は順繰りばんこでありますから、次のいろんな部分を支える若い世代が、どんどん自己破産をされてしまったのではこの社会が成り立たない、このように思うわけでありますが、県として現状をどのようにとらえて、どのような対策を講じて、こういった部分をどのように救済といいますか、指導していこうとしておられるのか、お伺いをいたします。

〇鈴木商工労働観光部長 サラ金問題等についてでございますが、県におきましては、貸金業の規制等に関する法律に基づきまして貸金業者に立入検査をしておりまして、すべての業者に対して原則3年に一度は実施しておりますが、特に苦情が多い業者に対しては毎年度立ち入りいたしまして、法令等の遵守を強く指導しているところでございます。一番多いときは、苦情総件数では187件です。これが平成10年度です。平成12年度は46件ということで、苦情総件数がかなり減ってきております。私どももやはりこれは大変重要なことでございますので、立入検査し、そして特に問題があるような場合には、警察本部とか関係機関の連絡を図りながら厳正に対処してまいります。それから、若者、若年層に非常に最近多いということは非常にこれは憂慮すべきことでございまして、やっぱりこれは私ども商工労働観光部としては、そういった業者へのこういった立ち入り等、そういった監督などを十分しなければなりません。また、これはほかの教育委員会とかあるいは青少年対策の課ともいろいろ連携をとりながら、やっぱり若者、特に若年者に対する金銭のあり方、金銭の使い方というか、そういうようなモラルの向上といいますか、そういったものにもこれから十分努めていかなければならないと思います。私どもは業者のその立入検査等を厳しくやっていくし、それからあとはそういった他の部局との連携をしながら、そういったことを普及啓発を図っていくことが大変重要ではないかなと、そう思っているところでございます。

〇伊藤勢至委員 直接的には業者を指導する、言って見ればそれはそのとおりだと思うんですね。問題は、高い金利という部分をつい考えずに借りてしまった人たちに本当は一義的には責任はあるのだと思います。しかし、いきなり自己破産という部分に結びついてしまいますと、まさに次なる世代が言ってみれば禁治産者になってしまって、社会活動ほとんどができなくなってしまう、経済状況に乗っかってこないということになるんだと思うのです。したがいまして、そこに行く前の調停という部分を、こういう制度があるんだよという部分を商工労働観光部の方から積極的に県民に働きかけをして、門戸を開いて積極的に相談に乗っていくという姿勢が必要なのではないかなと思うわけであります。つまりこの調停ということになりますと、国が決めている、いわゆる金利法で決めている金利以外の金利については無効だということになります。無効とは法律上は効果がないこと、つまり約束しても守る義務はなく、守らないからと裁判所に訴えて守らせることもできないという約束だ。こういうことなんですね。したがって、借りてしまった人は、借りてしまって金利金利の請求に、つい我を忘れてしまって驚いてしまって逃げ回ってしまって、被害者意識に入ってしまって、ひどいときにはみずから命を断ったりして逃避をしてしまう。そういう部分につながりやすいのだと思いますが、なかなかこういった部分の相談に行くところがないといいますか、恥ずかしいことと思うのでしょうか、なかなか行きづらいんだと思うのです。したがって、来るのを待っている、あるいは何%で何件で減ってきているという部分とは裏腹に、現実には相当ふえているのではないかという部分があるわけであります。特に一番危惧しますのは、まさに若い世代の、自分の年収よりも高い自動車に乗っている若い者たち、これはほとんど親が買い与えているわけですね。そういう人たちが一たん事故を起こすと、自賠責にしか入っていないわけですから、任意に入っていないということでまたひどい不幸が双方に起きてしまう。そういった部分の、親を含めた若年層が簡単に借りやすいということで借りてしまうという部分をいかに防止をしていくのか。こういう部分に実は根本があるのかもしれません。今コマーシャルが大変にぎやかであります。ラララ何とか君、初めての何とか何とか、相談できるの、ソウダンですと

〇鈴木商工労働観光部長 金融相談、多重債務等、この相談窓口は県民生活センターでその相談員がございまして、そこでいろいろさまざまな消費者のトラブルの受け付けをやっておりまして、そこに結構多重債務の相談があるというふうに聞いております。ただ、私どもはそれはそれでやっていくし、それから地方振興局にもそういった金融相談の受付窓口等もございます。今、確かにこれからの若い青年たちの将来ということを考えれば、きちんとした金銭感覚ということを身につけてもらいたいと思いますので、地方振興局の相談する業務もございますので、そこなどを我々も指導しながら、広くそういった相談に来ていただくとともに、また、きちんとそういった金銭感覚を身につけていくような、そういった普及もこれから努めてまいりたいと思っております。

〇伊藤勢至委員 最後でありますが、相談できるの、ソウダンです。こういうコマーシャルを逆手にとって積極的に相談に乗っていただくようお願いをして終わります。

〇柳村岩見委員 県内の中小企業を取り巻く金融状況は、この長引く景気低迷によって企業の収益が減少、あるいはまた、借り入れ関係の場合の担保、保証能力の低下などがこういう厳しい状況にあると思います。最近の報道によると、県内の企業倒産が増加傾向にあると、こういうことでありますが、最近、近年の倒産件数の状況、これをお聞かせいただきたいと、こういうように思います。
 それから、こういった倒産に関連する連鎖倒産の状況はどうなっているかというようなこともお尋ねいたします。
 そして、この連鎖倒産の発生を防止するために県はどのような対策を講じておられるかと、こういうことについてお尋ねをいたします。

〇齊藤経営金融課長 まず、県内企業の倒産状況についてでございますが、民間信用調査機関の調査によりますと、平成12年の企業倒産の状況でございますが、件数で118件、負債総額で381億円、件数は微増でございます。しかしながら、負債総額は73.5%も増額したわけでございます。これは負債額が10億円を超すような大型倒産が過去最多の7件も発生したと。昨年では千厩町のカミヤマの例がございます。これらにより負債額が増加したところでございます。ことしに入ってからは1月6件、2月7件というふうに1けた台にとどまっておりますが、御承知のとおり2月に負債総額80億円の県内有数の建設会社さんが民事再生法の申し立てを行うなどしまして、負債総額はかなり増加しているという状況にございます。これらをちょっと業種別に見ますと、建設業37件、卸・小売業も同じ37件ということで、これらを合わせまして全体で63%ほどを占めておるということで、言ってみますと構造不況業種とかと言われるような産業分野に集中しているという状況にございます。それから、倒産原因でございますけれども、従来から借りている資金のしわ寄せ、既往のしわ寄せでございます。それから、業績販売不振、そういう不況型倒産といいますか、それが80件の68%ほどを占めているということで、不況型倒産が特徴となっております。これが県内企業の倒産状況でございます。
 次に、連鎖倒産の状況ですが、これも同じく民間信用調査機関で倒産の原因別に調べておるわけでございますが、その中で他社の倒産による余波を受けて倒産したと、これが連鎖倒産に値するのかなと思っております。これは景況が最悪期の平成10年におきましては13件と多発いたしました。11年になりましてから3件、平成12年には5件となって、やや沈静化の兆しはありますが、昨今の大型倒産が起きておりますので予断を許さないと、そういうように考えております。
 次に、県の連鎖倒産防止の対策でございますが、県内には商工会議所8カ所、岩手県商工会連合会など9カ所に倒産防止相談室というのを設置いたしております。これは中小企業が倒産を未然に防止するということで、その相談、指導、専門家を入れまして対応しているところでございます。それから、資金的に不安定になってきたという場合に、中小企業の経営安定のための各種制度の普及活用、これを進めているところでございまして、例えば中小企業の倒産防止共済制度に加入している場合にはそういう資金が活用できますし、政府系の資金、あるいは県単制度でありますと中小企業経営安定資金など、そういったものを活用しながら、そういう利用を働きかけ経営安定をお願いしていると。それから、いわて産業振興センターでは受発注をあっせんする業務もやっておりますので、そういう業務を活用したり、それから大型倒産が発生した場合には、中小企業信用保険法によります経営安定関連保証制度というのが新保証協会の業務としてあります。これらを活用して速やかに指定になるように働きかけておるところでございます。こういうことでいろいろな制度はありますが、根本的には中小企業の連鎖倒産を防止するためには、常日ごろより中小企業者みずからがその経営体質の強化に取り組んでいくというのが何よりも重要ということで、県におきましては平成12年度にいわて産業振興センターの中に県の中小企業支援センターを設置した。それから、県内7カ所に、これは平成11年から12年にかけまして地域中小企業センターというのを整備いたしまして、きめ細かな相談をしたり経営ノウハウに係る専門家派遣を行ったりして、中小企業の経営資源の充実強化、経営体質の強化を積極的に支援していると、そういうところでございます。

〇柳村岩見委員 丁寧に御答弁いただいたので言いづらくなったんですけれども、こういう手の施策というのは大変難しいものがあるのだろうと思います。要するに県の施策としてどこまでやればいいのかということだし、やる以上は効果が出なければならないと、こういうことであります。ましてやそういった仕事の──仕事といいますか、施策を対象とすることは年々、あるいはまた、その時期によって変化をいたします。そういった状況でありますので、大変やりにくい施策ではないかと、こういうように思いますが、私お尋ねしたいのは、実感としていろいろ今、課長答弁されましたが、一体実感としてこれで大分十分だというふうにお考えなのか、いや実は不十分だとは答えにくいと思いますが、その実感をちょっとお聞かせいただいておきたいと思います。お金がないからここまでだよというふうな議論にならない話をこの施策では求められると思うので、そんな質問をします。

〇齊藤経営金融課長 こういうただいま説明したような制度を総合的に駆使して、いろいろと施策はありますが、一番の根本的な問題は、中小企業者がどういう点で困っているのか、そういう実情に応じた相談、適切な指導をやっていくという、きめ細かな対応というのが重要なのだろうと考えております。したがいまして、大型倒産等が発生した場合には、第1には地元の商工会、商工会議所を中心としながらいろいろな相談に乗っていくということ、それから県も関係課と連携しながらそれをサポートしていくというようなことで、被害が最小限にとどまるように対応していくということが大事だと考えております。

〇佐々木一榮委員 雇用対策問題と工業団地立地問題と大きく2点ございます。若干、今の柳村委員にも関連いたしますけれども、議事進行に協力いたしまして大きく二つに分けて質問しますので、答弁漏れないようによろしくお願い申し上げます。
 まず、離職者対策貸付金と賃金不払い対策についてお尋ねします。
 今、課長からも話しありましたが、この2月の負債総額1、000万円以上、これは県内7件、負債総額は95億8、400万円でありまして、件数では前期比12.5%の減少でありますが、負債総額では何と882%の極端な増加であります。今後の見通しとしても個人消費は一向に盛り上がりを見せず、民間投資も不透明な状況でありまして、また、輸出産業もアメリカの経済、アジアの経済が減速ということから非常に厳しい環境にあります。また、最近の株価を見ましても、非常に今後の経過は逼迫しておるというように認識しておりますが、また、平成10年9月から施行された特別保証資金制度がこの3月末で期限となることも看過できず、ますますその状況は悪化に向かうのではないかと私は考えております。そこでお尋ねいたしますが、平成13年度予算編成における県内景気対策としての効果ありと自負される施策は何でしょうか。
 また、今後の景気予測を含め離職者対策貸付金も計上されると考えますが、12年度の離職者数はどの程度であり、また、その見込みを踏まえ今後の推移をどう分析され貸付枠を設定されたのでしょうか。
 あわせて、市町村事業に補助している緊急地域雇用特別基金事業費補助の成果をどう分析し、13年度は市町村にどの程度の効果を期待しているのでしょうか。
 また、過日の岩手労働局の発表によりますと、昨年の賃金不払い額は総額7億199万円、1人当たりでは80万4、616円となり、過去10年間で最も高い数字と発表されております。国の所管かと存じますが、県としてはこれらの問題、いずれ不払いのうち企業が倒産するケースも非常にふえていると聞いております。どう国と連携をとり、また地域の実態をどう把握されていくお考えかお尋ねいたします。
 次に、出稼ぎ労働者対策費と人材確保対策事業費について、あわせてお尋ねいたします。
 ただいまの質問に関係してくるわけでありますが、最近の出稼ぎ相談所の状況と出稼ぎ労働者数及び傾向についてお尋ねいたします。
 あわせて逆に、県としてUターン、Iターンなど人材確保を図るため人材確保対策事業費を計上されていますが、これまでの状況と13年度の具体的取り組みについてお尋ねいたします。

〇鈴木商工労働観光部長 私の方からは平成13年度予算の景気対策につきまして御説明申し上げまして、あとの離職者対策資金、雇用特別事業基金、それから出稼ぎ等は課長から答弁させます。
 平成13年度予算における景気対策ということでございますが、私ども商工労働観光部の観点からいたしますと、やはり経済の構造改革といいますか、岩手県内の産業の高度化、これをやっぱり図っていく必要があるのではないのかなと。私どもの方は公共事業はまずほとんどございません。所管としてございますのが商業、工業、そういったものでの地域の産業振興、やっぱりそのためには日本の経済、岩手の産業を高度化していくというためには一番必要であると。そういうことでまず観点といたしましては、新しい事業の創出、それから技術革新とか技術の企業への移転、あるいは商店街の活性化対策、それから企業誘致ということでは、環境産業とかあるいは自動車関連のそういったところを重点的に企業誘致していくとか、柱とすればそういうところかなと考えております。新事業の創出につきましては、これはいわて産業振興センターとそれから各種の県内の産業支援機関、花巻にあります企業化支援センターとか、北上の基盤技術支援センターとか、それから工業技術センターとか、岩手大学の地域共同研究センター、そういったところと連携をとりながら、新しい事業をまず立ち上がりの段階から事業化まで、一貫してそれぞれの分野で支援していくという体制をとっていきたいなと、それにはベンチャー企業への投資のこれからのあり方とか、それからあとは中小企業創造活動促進法によります環境産業とか情報産業、そういったところに重点的に補助とか低利融資をやっていくということでございます。それから、技術革新、技術移転につきましては、中小企業計画支援法という法律に基づきまして、積極的に新商品のサービス化とか、あるいは改善とか、IT化とか取り組む中小企業者に対する経営革新計画をつくりまして、それに対しての低利融資、補助等がございますので、それらも重点的に物づくりとか、IT化だとか、これからの成長が望めるものへ重点的に補助、それから低利融資を図ってまいりたいと思っております。それから、商店街対策につきましては、やはり環境、リサイクルとか情報とか、そういうようなテーマを持った商店街振興、それからTMOが実施いたします中心市街地の活性化のためのソフト事業を支援すると、こういうことでやっぱり商業の振興を図ってまいりたいと思っております。それから、企業誘致には、先ほど申し上げましたように、環境産業、それか

〇千葉労政能力開発課長 私の方から離職者対策貸付金と賃金不払い、それから緊急雇用基金事業についてお答えいたします。
 まず、離職者対策資金の今後の推移と貸付枠の設定についてでございますけれども、離職を余儀なくされた場合には基本的には国のセーフティーネットである雇用保険法による失業給付により生活が保障される仕組みとなってございます。この貸付金制度は、離職を余儀なくされた方が求職活動中に生活の安定を図る観点から、平成11年8月に県単独事業として創設したものでございます。貸付枠の設定につきましては、過去の貸付実績や企業の倒産件数、離職者数などを考慮して貸付枠を設定しておりますけれども、この制度を創設した平成11年8月から岩手労働金庫と連携しながら、その協調倍率を1.5倍として7、800万円の貸付枠を確保してきております。過去の貸付実績は11年度に1件、平成12年度に1件と少ないところでございますけれども、今後とも急激な利用増加は見込まれないものの、不測の事態に備えて13年度においても7、800万円の貸付枠は確保してございます。
 次に、賃金不払いの件につきましてでございますが、基本的には賃金不払い事案などの問題は労働基準監督署が窓口になって各種相談に応じているところでございます。県でも県民から寄せられる賃金不払いなどに関する相談がありますので、県内各地方振興局及び本庁で労働相談窓口を設置して受け付けております。平成11年度には賃金や退職金にかかわる相談として受理した件数は12の地方振興局で93件、本庁が実施している特別労働相談では8件となってございます。賃金不払いという事案につきましては、その労働者及び家族の生活に直接影響するところが大きいところでございまして、その状況の情報を早くキャッチし、いわゆる早期発見と早期解決に努める必要がございます。適切に処理されるように岩手労働局等の指導監督機関に取り次ぎ、紹介を行うなどしながら、国との関係で密に連携を図りながら対応してまいりたいと考えております。
 次に、緊急地域雇用特別基金事業についてでございますが、市町村へのこの基金事業費補助の成果のことについてでありますけれども、この事業によって新たに創出された新規雇用、これは研修事業を除いておりますけれども、平成11年度の実績では1、409人、1人当たり平均雇用日数は18日となっております。また、平成12年度の見込みといたしましては、新規雇用は778人、1人当たり平均雇用日数は42日となっております。
 次に、13年度に市町村に期待される効果についてでありますけれども、年度当初の計画では事業費が3億4、000万円余で、新規雇用は352人、1人当たり平均雇用日数は68日ということになってございます。この事業は緊急の雇用対策として臨時応急の措置ではありますけれども、この事業を実施することによって、この事業は3カ年度にわたって実施されるものでありますけれども、県、それから市町村事業全体で約4、700人の新規雇用の創出が見込まれていることから、一定の効果があるものと考えております。
 出稼ぎ関連につきましてですが、最近の出稼ぎ相談所の状況と出稼ぎ労働者数及びその傾向ということでございます。市町村が実施する出稼ぎ相談所事業に対する補助金につきましては、補助対象市町村の数が53市町村程度で推移してきております。その事業内容といたしましては、地域相談指導員の設置、それから健康診断の実施、留守家族による就労先の訪問のほかに、市町村単独で出稼ぎ労働者やその留守家族に対する窓口相談、それから出稼ぎ労働者の共済事業への加入の取り次ぎなどを行ってございます。出稼ぎ労働者は昭和47年度の4万5、460人をピークに年々減少が続いております。平成11年度には1万2、125人とピーク時の26.7%となってございます。産業別の就労状況を見ますと、建設業及び製造業の2業種でおおむね全体の95%を占めております。また、就労地域別では京浜地域で全体の60%余を占めてございます。
 それから、U・Iターンなど人材確保の対策のこれまでの状況と13年度の具体的取り組みについてでございますが、若年労働力や県内企業の求める有能な人材の確保を図るため、新規学卒者の県内就職促進に向けて、平成12年度には岩手就職面接会を県内外で6回開催しているほか、首都圏に在住するU・Iターン希望者等を対象に、岩手県U・Iターンフェアを東京で2回開催し、また、国も主催しておりますUターンフェアにも参加して県内就職を支援しているところでございます。さらに、福岡を除く4カ所の県外事務所に設置しております岩手県U・Iターンセンターにおいて、U・Iターン関係者の相談への対応や情報提供を行っているところでございます。13年度の具体的取り組みにつきましては、引き続きましていわて就職面接会や岩手県U・Iターンフェアの充実に努めるとともに、県外事務所の岩手県Uターンセンターに新たにパソコンを配備いたしまして、来訪者に対して総合的な定住情報を提供することとしているほか、国の人材地方就職促進事業の総合的な情報機関であります地方就職支援センターが、これは国の機関でありますけれども、それが保有している求人情報についても、岩手県Uターンセンターにおいて検索して提供することとしてございます。

〇佐々木一榮委員 この後の質問のときに御一緒に答弁いただいて結構かと思いますが、まず第1点目でありますけれども、確かに商工労働観光部は公共事業はないわけでありまして、そういった意味で先ほどの鈴木部長の答弁で理解するわけでありますが、私はバブルの崩壊時から、またバブル時も含めて岩手県というのは余り日本全体のそういうものに踊ったこともないし、どっちかといえば産業構造も中央とは違うというふうに認識しております。そういった意味で誘致企業は別にしまして、私は岩手県は岩手県の経済政策をつくるべきではないかなと、産業構造もそうでありますし、1次産業主体でありますし、そういった意味では問題になっております金融団等も含めて、やはり商工労働観光部が中心になってそういう岩手県としての経済政策をつくるべきと思いますが、商工労働観光部長の御意見を伺いたいと思います。
 それから、離職者対策貸付資金でありますが、非常に利用率が低いということで、万が一に当たって今回も7、800万円計上しているということでありますが、冒頭の伊藤勢至委員のクレジット、サラ金問題でありませんが、ああいうところというのは意外にこういう方々もそういった資金が必要性があって行く方も多いのではないかと思います。いわばこういう制度そのものがあるということが周知できていないのではないかと思いますので、その辺の今後のPRの強化についてお尋ねしておきたいと思います。
 それから、大きく2点目、最後の質問になりますけれども、循環型工業団地整備についてお尋ねいたします。
 昨年の決算特別委員会でも質問させていただきましたが、一関に予定されている循環型工業団地構想の13年度の取り組み方針についてお尋ねいたします。前回の答弁で、研究型工業団地からゼロエミッション工業団地も視野に入れての構想変更により、答弁では、地元検討委員会との検討延長とはちょっと変わるが、一関市、地元産業界とその辺を何とか意見交換して合意に至れればと部長に答弁いただきましたが、その合意に達したのでしょうか、その後の経過をお知らせいただきたいと存じます。合意したとすれば具体的スケジュールをどうお考えでしょうか。
 また、本県における環境関連産業の立地可能性や立地基盤のあり方、産業のゼロエミッション化を専門調査機関に依頼されていますが、現在の検討状況と課題についてお尋ねいたします。もし時期がわかるのであれば専門調査機関のその報告の時期についてもお尋ねしたいと思います。一関市では浅井市長みずから海外へも出向き、その可能性を模索しているとも伺っておりますが、現在どのように地元市と打ち合わせているでしょうか、お尋ねいたします。

〇鈴木商工労働観光部長 県としての経済計画のお話と、それから一関工業団地についての一関市長とのお話については私の方から、それからほかは担当課長の方から説明申し上げます。
 まず、県としての経済計画のお話でございますが、岩手県では今度の新しい総合計画の部門別計画ということで、いわて産業振興ビジョンというものをつくりまして、その県の産業の、商工業のこれからの推進方向というものを定めております。この中で人口の推移とか経済成長率とかいうようなものも書いてはありますが、具体的に、ではどの程度の投資額でどの程度の波及効果ということになると、これはまた、いろいろそういったデータなども見ながら、これからの施策の重点度を見てどこを重点とするか、これちょっと研究していかなければならないと思います。ただ、基本的には産業振興ビジョンであります。あとは数値的なもの、経済成長率、国の施策の中で、あるいは県の中期財政収支計画の中でどのように持っていくかということは、ちょっとこれは研究させていただきたいと思います。
 それから、一関市の工業団地の件でございますが、現在の一関東工業団地の分譲率が97%ということで、これからの一関市の地域の振興のためにはやはり次の団地が必要であろうなと思います。それには具体にどのような団地にしていくかということを、やはり地域の住民の方々といろいろ一緒に考えていく必要があるんだと。これからの工業団地は、この前お話ししましたように、環境共生型の工業団地ということでこれは望ましいのではないのかなということで、実は年明け1月に一関市長さんにちょっとお会いいたしました。一関試験研究工業団地の構想を継承発展させながら、次の新しい時代にふさわしい工業団地というものを考えてみませんかということでお話ししましたら、一関市長さんは検討してみますということでした。2月になりまして一関市長さんが私のところを訪れまして、まず適地の選定ということで私がお願いしましたら、わかりましたと、それでは一関市の当初予算に工業団地の適地等を含めた予算を計上しましょうということで、聞くところによりますと百二、三十万円の調査事業ということを聞いております。それをもとにしまして、まず一関市の方で適地をいろいろ住民の方々とお話しして定めていただきまして、それに基づきまして私どもの方で具体の、どのように造成して、どのようなものを持っていくかというものをやりたいと思います。それは補正予算で対応していきたいなと思っております。あとはその地域の方々でどういうものをやっていくかという、パブリックコメントなどもやりながら整備計画を練り上げていくと、こういうふうな考えで進めたいと思っております。

〇三浦工業振興課長 環境関連産業の立地可能性等について調査についてお尋ねありました。まず、検討状況でございますけれども、この調査につきましては今年度専門機関に調査を委託しておりまして、これまで県内の産業廃棄物の現状と課題の抽出、それから今後本県において成長が見込まれる環境産業分野の分析、県内企業における環境産業への参入意向などのアンケート調査、さらには、国保工業団地など先進的な取り組みについての調査というようなことを実施しております。
 それで、検討の中身としては、本県における環境関連産業の振興方策、それからゼロエミッション化の導入方策、さらには環境共生型工業団地のあり方などを検討しております。
 報告の時期についてお尋ねございましたが、これは今年度の委託事業でございまして、したがって今月中に最終的な結果がまとまる予定でございます。
 課題についてもお尋ねございました。これについては、これから出てまいります最終報告の中で示されますが、現時点の検討報告としては、例えば環境関連産業の振興につきましては、本県では汚泥でございますとか、建築系の木くずあるいは廃プラスチックというものが大量に排出されて、しかも再資源化がおくれているというようなことがございますので、こうした分野でのリサイクル産業の誘致でありますとか、新事業の創出が大事であるというようなこと、あるいは、ゼロエミッション化の推進について申し上げれば、個々の企業における廃棄物の排出抑制や、あるいは産業間、団地間の連携といったことが課題であるということ。
 さらに、三つ目の環境共生型工業団地のあり方については、例えば地域の地形や植生といった自然をできる限り生かした造成手法が大事であるとか、あるいは、研究開発から製造リサイクルまでの作業がバランスよく立地することが大事だといったことが課題として出てきてございます。
 今の状況は、そういうことでございます。

〇千葉労政能力開発課長 離職者対策資金に関連いたしまして、PRが足りないのではないかというようなお話がございました。
 この離職者対策資金につきましては一定の条件がございまして、一つは、まさに自発的であれ、非自発的であれ、離職をした方が対象であって、雇用保険の受給中の方か、そういった関連の手続をしている者と限定されてございます。そういった条件のもとでの貸し付けということになります。
 先ほどの伊藤委員との関連の話がありまして、若い方々にもこれを利用できるものではないかというお話がありましたが、やはり、仕事をしている方には貸せない資金で、離職をした方に対する貸し付けということでの緊急・不測の事態に備えた貸付金でございますので、おのずと限定されたものに対する貸し付けというものがこの制度でございます。

〇樋下正信委員 私からは、環境に関してお聞きしたいと思います。
 御存じのとおり、来年度の12月には新幹線は八戸の方に開通することから、岩手に来る観光客が減少しかねないと危惧の念を持っているところでございます。きょうの日報でも、スキー客が随分減っているというような報道もありました。このようなことから、何としても今のうちから岩手、そして盛岡広域、岩手県全体のことにも相なるわけでございますけれども、観光の目玉が必要ではないのかと考えているものでございます。
 いずれ、たくさんの方が岩手を訪れていただいて、岩手のよさをどんどん国内に発信していかなければならないと思っているところでございます。
 そういう中におきまして、例えばでございますけれども、雫石の方には立派な地熱の施設もあるわけでございますので、そのようなところに植物園とか、例を出せば、能代には東北電力の火力発電の余熱を使った植物園がありますし、青森の方には夜越というところでございますけれども、ここは町でやっている植物園があります。
 また、岩手公園の整備ということで、前にも質問させていただいておりますけれども、天守閣の復元とか、これは随分難しいという話もあるわけでございますが、それから、中津川沿いに屋台を出せるようにする、これは福岡の中州がそのようなところもあります。そしてまた、岩山の周辺の広域的な整備がなされてもいいのではないかと思っているところでございます。
 盛岡市の場合は、カナダ・ビクトリアとの姉妹都市にもなっておりますし、ビクトリアの高台があるわけでございますけれども、そこには、たしかエリザベス公園という公園がありまして、やっぱり植物園がそこにはありました。
 いずれそういう形で、あそこはゴルフ場、展望台、動物園などあるわけでございますので、そういう一体的な観光を目指したものが必要ではないかということから、県の観光部といたしまして、盛岡市との連携をどのように考えているかお聞かせ願いたいと思います。
 それから、三陸夢紀行創造事業費に関連してでございますけれども、これは、三陸地域の観光振興について、本県の観光については台湾からの観光客の誘致など、明るい話題もあったわけでございますけれども、JR東日本がスキー場から撤退を決定するなど、依然として厳しい状況が続いている中に、三陸沿岸地域については、北山崎や浄土ケ浜、碁石海岸などすばらしい景勝地に恵まれているわけでございますが、首都圏からのアクセスの問題などもあり、観光客が思うように伸びず、宿泊客の減少などにより地域の観光施設が非常に苦しい経営を強いられていると聞いております。三陸の魅力を積極的にPRするとともに、効果的な観光客誘致策が必要と考えられます。
 そこでお聞きしますが、三陸地域への観光客の入り込み状況はどうなっているのか、そしてまた、本県では来年度新たに三陸夢紀行創造事業を実施するとしているが、どのような展開を考えているのかお示し願いたいと思います。
 また、観光客誘致に当たっては、地域の観光事業者や市町村などの関係者が一体となって盛り上げることが重要と思われますが、三陸夢紀行創造事業の実施に当たっては、地元との連携をどのように図っていこうとしているのか、あわせてお尋ねするものでございます。

〇山口観光課長 盛岡への観光客の誘致のための施策についてと、三陸地域への観光振興についてのお尋ねでございます。
 まず最初に、盛岡への観光客の誘致のための施策についてでございます。
 盛岡は、委員おっしゃいましたように、北東北の交通の結節点ということにつきましては、八戸開業後も北東北の広域観光の重要性というのは変わりないと考えております。
 このことから、岩手県におきましては、平成11年度ですけれども、全国で初めて快適観光空間整備事業、これは今回の予算にもお示ししておりますが、盛岡市が第1号でございますが、その事業の指定を受けまして、盛岡市が事業主体になりまして、11年度から5年間で都市型の魅力ある観光地づくりというものを進めているところでございます。
 具体的に申しますと、きょうの読売新聞にも載りましたが、旧九十銀行というのが中ノ橋通にございます。これは、中の橋のところに岩手銀行中ノ橋支店がございますが、それと同じぐらい古い九十銀行というのがございます。ここに盛岡文化のテーマ館の整備ということで、そういうところにそういう魅力づくりをします。ここは、賢治とか啄木というゆかりある方々に関する展示コーナーとか、市民が利用できるギャラリー、あるいは喫茶、そんなものを一応考えております。
 あとは、啄木の新婚の家というのが中央通にありますが、そういうところの改修とか、あるいは北上川と中津川、特に、ごらんになるとわかりますが、中津川の岸に、今、夜になると街灯をスイッチしていますね。あれが大体そうですが、あれがそういう散策ルート、歩いて楽しめるようなルート、そういうものに今いろいろと積極的に支援しているところでございます。
 盛岡市の都市型観光の振興のためには、特にそういう、民話のふるさと遠野とか、あるいは蔵のまち長浜というような、例えばそういう統一されたコンセプトによるまちづくりというのが大事だと思いますし、イメージづくりが大事だと思います。そういうことで、今後とも統一イメージに基づく計画的な施設整備について支援してまいりたいと考えております。
 それから、三陸地域への観光振興についてでございますが、平成12年度の観光客の入り込み、これは三陸地域を見ますと708万9、000人ほどでございます。対前年比で1.9%の増でございます。そういうことで、平成10年度以降、次第に増加傾向には転じてきておりますけれども、まだまだ低目に推移している状況でございます。
 そういうことで、この三陸地域全体を対象にしまして、三陸夢紀行創造事業というものに取り組むこととしたところでございます。
 この事業内容を、首都圏とか仙台圏からは1次アクセスで新幹線とか長距離バスで参りますけれども、その後が問題でございまして、やはり2次アクセスというのが非常に問題です。そういうことで、今回は1次交通と2次交通をつなげるという事業でございます。そうしまして、観光客がスムーズに三陸地域を訪れていただくということで、着いた後にさまざまな体験なんかをやっていただく、これについてもさまざまありますから、そういうものを体験していただくということで、今回は43機関・団体でそういうことをやろうとしております。これは交通機関を含めてそういうことで考えております。
 そういうことで、今後は三陸夢紀行創造事業実行委員会というものを設立しまして、それを中心にしまして、いずれ関係機関と一緒になって、地元と一体となって取り組みを行っていきたいと考えているところでございます。

〇佐藤力男委員 2点についてお伺いいたします。
 まず1点につきましては、県産品の普及推進についてお伺いいたします。
 県におきましては、全国で開催される物産展や東京、福岡のアンテナショップにおける展示等により、県産品の販路拡大に努めていると承知いたしております。しかるに、昨今の景気低迷の状況、さらには商取引市場の変化などによりまして、県産品の販売にあっても難しくなってきていると認識いたしております。
 特にも本県の県産品を代表する一つでありました岩谷堂たんすにつきましては、先般、ドイツの美術館に車たんすを寄贈し、その感謝状が届いたことが新聞記事になるなど明るい話題もございますが、一方で販売が伸び悩んでいる状況にあると聞いているところでございます。全国への販路拡大も大変大事なことではございますが、流通コストの点などにおいても、県内で生産されたものを県民の方にもっと利用していただく方策が必要であると考えるわけであります。例えば、農産物の地産地消の取り組みとあわせた取り組みなどもいかがかと思うものでありますが、県として、この県産品の県民への普及促進をどのように進めようとしておられるのか、まずお尋ねいたします。
 次に、企業立地の対策についてお伺いいたします。
 先ほど来の質問の中でも、今我が国の経済の状況についてはいろいろお話あったとおりでございまして、こうしたまさに最悪の状況下にありまして、我が国の企業は新たな企業展開はもちろんでございますが、その存続すら危ぶまれるという状況下にも一部の業種にはあると思っております。
 こうした状況下にありましても、県では、34億7、000万円余の対策費を講じて、この企業立地をさらに進めようということでやっておられることに対しては敬意を表するわけでありますが、この見通しについてはどのような状況下にあるのか、お知らせいただきたいと思います。

〇佐々木ブランド推進室長 それでは、県産品の普及推進についてお答えいたします。
 農林水産物などの1次産品、さらには、お話ありました岩谷堂たんすなどの伝統的工芸品などの県産品につきましては、まず地元の皆様方に活用いただきまして、定着したものを広く全国、あるいは海外に岩手のブランドとして拡大していくことが大事であると認識いたしております。したがいまして、県内のアンテナショップでございますブランドiやらら・いわてなどの展示即売、あるいは川徳さん等々で実施いたしております岩手地場産品フェアなど、いろいろなイベントの中で県内の県産品についての御理解をいただくような展開をいたしております。
 こういったようなものをさらに工夫しながら、県民の皆様方に御理解いただくような展開を進めてまいりたいと考えております。
 また、毎年7月と12月には、県内の地場企業の皆様方、あるいは商工関係の皆様方が、県産品普及推進連絡会というものを長年設置して、いろいろな県内の消費者の皆様方に県産品の御理解をいただいておりますが、さらに、岩手産業貿易振興協会などと一体となりまして、新聞紙面、あるいはラジオ、テレビ等のキャンペーン活動、さらにはボランティアの皆様方の御協力をいただきながら県内のキャンペーン等を実施いたしております。これらをさらに県民運動まで盛り上げるようなことを今後展開してまいりたいと考えております。
 今後におきましても、こういった活動を通じまして、県産品に対する県内の消費者の皆様方の御理解をさらに深めながら、県産品の普及拡大に一層推進してまいりたいと考えております。

〇勝部企業立地推進監 企業誘致の今後の見通しについてでございますけれども、昨年度、今年度と、昨年度は10件、今年度が13件ということで、何とか2けたの誘致件数を確保してございますが、なお状況はかなり厳しいものがございまして、現在折衝中の企業の中にも、進出時期を若干先延ばし等を考えていらっしゃる企業も現にございます。
 そういう中で私どもは、特にも、既に進出済みの企業さんに対しましてフォローアップを充実させていこうというところに重点を置いて取り組んでいきたいと考えてございます。進出済みの企業さんに対するフォローアップを充実させていくことが、すなわち企業動向の的確な把握にもつながるものと思っておりますので、今後、特に13年度におきましては、そこの面に重点的に取り組んでいきたいと思っております。
 なお、業種的には、例えば製造業中心で誘致対象としていくことはもちろんでございますが、そのほかにも前広に取り組んでいきたい。例えば第1次産業関連、情報関連、福祉産業とか、そういう幅広い対象を視野に入れて取り組んでまいりたいと考えております。

〇佐藤力男委員 ありがとうございました。
 1点目の県産品の販売促進につきましては、いずれ、これは各個々が経済活動として努力を積み重ねることはもちろんでございますけれども、県においても、こうした状況下にあって、そういう御認識で一層お進みいただきたいと思います。
 後半の分で1点だけ、先ほど部長さんの御答弁にもございましたように、関東自動車さん関連の企業がまことに有望なことはそのとおりなんでありますが、一方でお聞きいたしますと、いろいろ示されても、なかなか名古屋エリアのような企業の取り組みができない。これは、労働力がまだまだ熟達していない、そうしたことも起因だとも言われておりますし、いろいろ要因があるようでございますが、ぜひそうしたことも広く工業センターなり、県の関係の皆さんで御支援、御指導いただきながら、本県にあってのそうした立地が進むように努力していただきたいと思っておりますが、その点についてだけお伺いいたします。

〇鈴木商工労働観光部長 自動車産業につきましては、関東自動車の方からも現地調達力を高めてほしいということでございます。二つ方法があるのかなと。一つは、トヨタ関連で、名古屋周辺に結構そういった部品等のすそ野の広い業者がありますので、まずその辺からの企業誘致に努めていくこと。これもいろいろ情報を探りますと、初期投資を回収するには随分時間がかかるので、今の状況ですと相当慎重なところもございますが、そこは私ども、何とか頑張ってまいりたいと思います。
 それから、やはり内発型の産業を興していくことも必要だと思います。これは、委員おっしゃるとおり、自動車の部品は品質管理が非常に厳しいので、これが世界的に通用する部品となっていくためには、地場の技術力を高めるということが非常に大変なことでございます。おっしゃいましたように、工業技術センターとか、そういったことで、私ども岩手県としての今までの蓄積というものは、だんだん追いついてはきていますが、もともと乏しかったものですから、やはりこれは、さらにいろいろ大学とか、産業支援センターとか、アドバイザーとか、そういった方々のお力を得ながら、内発型企業の品質を高めていくことが重要な課題かと認識しております。

〇小原宣良委員 雇用対策についてお伺いいたします。
 先ほども議論がございました。この数年、公共事業など大規模な経済対策が次々行われてまいりましたが、問題は雇用対策にあると私は考えております。経済対策という部分を雇用の面から見るという視点が不足しているのではないかというのが実感でございます。
 そこで、先ほども議論ございましたし、答弁もありました。経済対策における雇用という面から見た場合の県の対策、あるいは国の対策を含めて、私は不足があると思いますし、この際、やはり経済対策の中心に雇用、働いている人方、働く人方、こういう人方を中心に置いてこの対策が図られるべきだと思うんですが、部長の基本認識をこの際お伺いしておきたいと思います。
 それから、具体的にお伺いいたしますが、最初は失業者の実態でございます。
 本県の失業者の実態はどうなっているでしょうか。東北との比較、おわかりでしたら全国との比較という点でお話をいただきたいと思います。
 二つ目は、求職、求人の実態でございます。
 県内職業安定所管内の求職、求人の実態というのはどうなっているでしょうか。有効求人倍率という形で表現されているわけですけれども、これらの特徴的な傾向についてお伺いいたします。
 なお、ことしの春卒業されます高校の新規卒業者の就職予定、この見通しについてもあわせてお伺いしておきます。
 3点目は、先ほども柳村委員、そして佐々木一榮委員からも御質問がございました連鎖倒産というわけでありますが、これら予期しない形で余波を受ける、まさかあの企業がということで影響を受けていくといった場合に、そうした影響を受けた企業、事業者に対して優先的に支援する制度というのはあると思うんですが、その辺をお知らせいただきたいと思います。
 確かに、目先がきかなかったということだけでは、なかなかにその影響を受けた企業というのは泣くに泣けないという状況が発生してまいりますので、そうした連鎖ということに起因した、影響を受けた企業の優先的な支援策というものについて伺います。
 4点目は、雇用におけるミスマッチでありますけれども、これは長く言われておる課題ですが、職種におけるミスマッチ。自分はこういう仕事をしたいんだけれども、なかなか見つからない、あるいは、求人する側はこういう人材を求めたいんだが、なかなか来てくれない、このミスマッチの状況。職種における相互の違い、求人、求職相互のすれ違いというのがあるわけですが、もう一つは、地域選択といいましょうか、自分は、同じ職種はあるんだけれども、例えば、北上ではなくて、盛岡で働きたい、こういう地域を希望するといった部分も出ているようですね。こういう部分をどう押さえておられるのかお伺いいたします。

〇鈴木商工労働観光部長 私の方からは、雇用対策の働く人たちの視点に立った基本的認識について御答弁申し上げます。その他につきましては、担当課長の方から御説明申し上げます。
 労働行政、これは労働基準、職業安定、職業能力開発等、三本立てかと思っておりますが、大半の労働行政は、国直轄型の行政システムになっておりまして、雇用定着促進助成金初め、多くの助成金というものが、国の方から直接労働局とか、労働関係の外郭団体を通じて事業主とか事業団体に行くようなシステムになっているわけでございます。
 これを県の予算の方で見ますと、県の予算9、000億円のうち、労働費は34億円、率にして0.4%、歳入の国庫補助金につきましても、労働費の国庫補助、県の予算を通っているのは12億円、率にして、県の予算の国庫補助金の約0.1%でございます。これはどこの県も同じようでございまして、ちなみにどうなっているかというと、労働関係のこういった雇用の助成、就業促進といった助成金がどのぐらい岩手県に入っているのか、必ずしも把握できていない面がございます。これは、岩手県の配分額についてどのぐらいになっているのかということをこれから私どもは、岩手労働関係連絡調整会議などを通じまして、岩手労働局にそれを情報公開していただくよう持っていきたいと思っております。これは、そういった労働行政と、少ないんですが、県とがいずれ一緒になって、地域視点、生活者視点の労働行政を進めることがこれから必要だと思っています。
 そこで、まず私ども考えたのは、今県単独で、県内の国の公共職業安定所に配置している職業アドバイザーを地方振興局に置こうじゃないか。そして、総合的な行政で労働を考えようということで、平成13年度から地域雇用相談員ということで、非常勤職員でございますが、各地方振興局に置きまして、岩手労働局からの情報とか、あとは各事業者を訪問して、直接国からは助成金が出ていますけれども、こういうような助成金が出ていますよと、21世紀職業財団とか、雇用能力開発機構とか、障害者促進雇用協会とか、10ぐらいの労働関係の団体が県内にありますので、どこに行けば、どういう労働相談がありますよ、どういう助成金がありますということを案内するような役割をやっていきたいと思っています。
 そして、次に考えておるのは、これはまだ部段階で検討していることでございますけれども、まず、地方振興局も、それは国の事務ということじゃなくて、労働行政はこういうことになっているんだという仕組みを覚えて、そして地域雇用を育てるとともに住民の方々に周知していく。そして、職業紹介の方は公共職業安定所、それから、岩手県の場合は職業訓練法人、民間の職業訓練協会は、はっきり言いまして全国一ではないかと思います。というのは、国から民間の職業訓練法人に流れている助成金のうち約1割が岩手県に入ってございます。ですから、これは地方振興局と職業紹介をする公共職業安定所、これは国でございます、それから民間の職業訓練法人、この三者のネットワークで、そして地方振興局が中核になって、その地域に立った、生活者視点に立った労働対策を考えていこうじゃないか。まず、障害者の雇用対策からやっていこうということで、今ちょっと検討していることでございまして、いずれそういう方向に向けて、生活者視点の労働行政を進めてまいりたいと考えております。

〇中屋敷十委員長 執行部に申し上げますけれども、この際、進行に御協力願うため、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。

〇千葉労政能力開発課長 県内失業者の実態についてのお話がございました。岩手労働局の調査によりますと、1月の新規常用求職者は6、524人となっており、うち離職者が4、956人、無業者が479人となってございます。
 それから、職業安定所管内の特徴的傾向についてでございますけれども、これもまた岩手労働局の調査による数値でございますが、これは昨年12月の一般常用の有効求人倍率でございますが、全県で0.53倍となっでおります。地域別に見ますと、倍率が高い方では、北上公共職業安定所管内が1.13倍、県内で唯一1倍を上回っているところでございます。一関では0.58倍、水沢で0.50倍。他方、低い方では、久慈で0.39倍、大船渡及び二戸で0.40倍となってございます。
 雇用におけるミスマッチの特徴ということでのお話がありましたが、これまた岩手労働局の調査の数値でございますが、職業別の有効求人、求職の状況では、事務職について1、000人余の求人に対して、求職が5、400人余、有効求人倍率でこの事務職種では0.19倍でございます。一方、逆のミスマッチが出ているのでは、いわゆる警備保障業務に携わる保安職というのがございますが、これが200人余の求職に対しまして、求人が500人弱ということで、有効求人倍率は2.15倍となっております。
 こういったふうに、一つの特徴的な例を挙げましたが、二つの分野においては著しいミスマッチが生じております。
 それから、全国の状況、東北の状況ということでございますが、全国につきましては、厚生労働省の発表等で私どもも承知いたしますけれども、東北各県についての数値につきましては、私どもの手持ちではございません。
 それから、高校卒の就職内定率の状況ということでございますが、これは、12月末でございますけれども、その時点で高校卒業者の就職内定率は74.4%ということで、その時点ではやはり厳しい状況となってございます。
 それから、一つの例として、ある地域の求職者が地域的に希望するということに関しましては、求職、求人のいわゆる職業紹介業務は公共職業安定所でやっておりまして、本人が希望する業種、地域、あるいは賃金月額等々、自分の望む条件を示しながら、その職業紹介業務をそれぞれやってございますので、そういった地域に行きたいということであれば、いまやパソコンの時代ですので、瞬時に各ハローワークでそういうのがわかるようなシステムになってございます。ただし、希望するけれども、なかなかそういったところに自分の希望するものがうまくいかないというのが、いわゆるミスマッチの例となるものだと思います。

〇齋藤経営金融課長 連鎖倒産の件でございますが、予期しないで取引先の企業が倒産した、特にそれが大型倒産という場合におきましては、それを優先的に金融面から支援する制度として、信用保証協会が取り扱います経営安定関連保証制度というものがあります。これは、倒産した企業の負債額が大きく、取引先企業が多数に上る場合、地域経済にかなりの影響を及ぼすという場合に、国が中小企業信用保険法に定める倒産事業者ということで指定する制度であります。この指定がなりますと、大型倒産事業者に売掛金等を有する中小企業者に対しまして、信用保証協会が通常保証のほかに別枠保証をするという制度でございます。
 現在、1社当たり付保限度額というのは、普通保証で2億円、無担保保証で8、000万円の2億8、000万円あるわけですが、これの倍額保証が受けられる制度であります。
 それから、県の経営安定資金の制度も、こういう国が指定した場合におきましては別枠で、現在は通常で5、000万円でありますけれども、それを別枠でさらに5、000万円、4月以降には、私ども無担保保証で5、000万円目いっぱい使っているという方々もおられるだろうということから、この限度額を8、000万円に引き上げて対応してまいりたいということで、そういう制度が活用できると考えております。

〇小原宣良委員 先ほどの部長のお話をお聞きしまして、雇用行政について、実は地方事務官の身分移管という形がございまして、国の立場に立ったわけですけれども、これらが本当に地域から見てよかったのかどうかという部分については、私もかねて、地方事務官の身分移管については、地方公務員にすべしと主張しておったのでありますけれども、いずれ、これらが基本的には国の行政であるということからして、県、あるいは職業訓練協会、地域の中でそういう面では技能者の育成という点で大変大きな力を発揮しておられるというそれぞれの役割をもっと有効に連結する必要がある。その際に、職業安定所、国の機関ということの中で、県としても直接的な形でなかなか対応できない部分が伺われるわけであります。しかしながら、それは制度的にそういうふうになったということを踏まえれば、県として工夫していく必要がある。そこのところが先ほどのアドバイザーの振興局への配置というところなどもあると思うんですが、いずれ、今の深刻な不況の状況下で、雇用対策をしっかり確立することは、もちろん本県のみならずのことではございますが、ぜひ優先してこれらに対応していただきたいということを御要望申し上げます。
 それから、先ほど御説明ありましたが、県内の職業安定所管内の部分が出ました。そういう意味では、地域格差が大変出ている。これは、今の地域経済の実態をある意味ではあらわしているのかと思いますが、それぞれ実際にそうした地域経済対策をてこ入れするということが必要でございますが、先ほど出ました数値について、今後の課題という点でどのようにお考えであるのかお伺いいたします。
 それから、高卒者の就職予定という点で、大変厳しい見通しが出たわけですけれども、これについては、ぜひ各学校、あるいは生徒本人含めて、いろいろな要望等、希望等も個別にあると思いますので、それらに十分対応しながら、就職がしっかり内定するように、県としても万全をとってほしいと思いますが、いかがでしょうか。

〇千葉労政能力開発課長 雇用対策に関連しましては、先ほど部長が言いましたように、県もその力を出していかなければならないということで、新年度から新たな体制で臨むということはその一つでございます。
 個々の数値を私ども今承知している中身だけをもってはなかなか分析しかねる部分がございます。よって、これからは、今その途上ではございますけれども、労働局と県の施策、あるいは民間で動いている状況をお互いに分析しながら、意見交換をしながら進めていく必要があると考えております。
 それから、高校卒の就職に関しましては、私も、各方面の会議に出ている際に、経営者、企業者側の方からの御意見では、学校側から採用してくれという要望が強く出されるけれども、私どもの方も、会社側の方は今生きるか死ぬかのときになかなかうまくいかないというような話があります。
 ただ、新規学卒が職業につけないというのは大変なことでございますので、いろいろな職業能力開発というものに重点を置けば、もちろん高校卒から県立の職業能力開発校もありますので、そういったところに入ることによって、即戦力が身について採用につながる、それから、民間訓練法人でも、先ほど部長が言いましたように、地域の訓練法人でたくさんの訓練をしながら世に出していっていますので、そういったものとリンクしながらやっていけば、地元、県内、あるいは県外であってもいいんですけれども、職につけるという方法があるかと思います。そういった形で、県としても国と連携を図りながら、施策を推進してまいりたいと考えております。

〇伊沢昌弘委員 商工労働観光部の皆さんにおかれましては、1次産業と深く結びついた岩手ブランド推進員の仕事とか、2次、3次を含めて大変広範な中で県内の企業発展に努力されているということで、まずもって敬意を表したいと思います。
 私の方から、2次産業、とりわけ県内の工業関係の分野で頑張っていらっしゃる工業技術センターに関連して何点かお伺いしたいと思っております。
 工業技術センターは基礎的な研究を進めるとともに、県内企業からさまざまな依頼試験を引き受けながら、企業活動に大きな貢献をしてきているものと思っております。
 そこでまず、県内企業から依頼を受けている試験について、いろいろな試験があると思うんですが、これの実績について、主な試験項目と件数について、できればここ数年の動向について承知をしていればお知らせいただきたいと思っております。
 また、センターで研究した成果を県内の企業の製品に生かしていくこと、大変重要なことでありまして、去年ですか、私どもも工業技術センターを見せていただく中で多くの成果があったことを報告いただいたわけであります。私の覚えでは、最近では、この2月に吟ぎんがを利用した酒蔵、そういったものも含めて29酒蔵から一斉に発売されたわけでありますけれども、醸造部門においての大きな成果であると思っております。そのほかにも、めん類を含めて大きな努力があったと思うわけでありますけれども、この間の成果について、主なものを含めてお知らせをいただければと思っております。
 次に、共同研究でこういった成果があったということになろうかと思うんですけれども、新年度におけるこのセンターの運営の基本方針といいますか、基礎研究は当然のこととしていろいろな形をやっていくと思うんですが、県内企業との産学官共同というのがずっうとうたわれてきているわけでありますが、学の持っているいろいろなノウハウを官のセンターが諸策をして、民のところに言ってみれば広めていく、そういったことも含めた工業技術センターの運営の基本方針についてお示しいただきたいと思っております。
 以上、お願い申し上げたいと思います。

〇鈴木商工労働観光部長 工業技術センターの運営方針について私の方から、その他のお尋ねにつきましては、担当課長の方から御説明申し上げます。
 工業技術センターは、県内の産業支援センターの中でも中核的な役割を担っておりまして、これは、伝統技術から先端技術に至るまで、いずれ研究、技術の交流、技術の支援、人材の育成、情報化、そういったものを今重点的に行っているところでございます。
 あとは、産学官交流というものをこれからどんどん進めなければならない、特にも岩手大学の工学部との、今までINSAとかいろいろやっていますが、それをもっと具体的に実践の場に、いわゆる企業の皆様方にその成果が直接もたらされるような、そういったことにこれから重点を置いていくことが一番必要だと思っております。
 あとは、いろいろ特許なども今たくさんございまして、工業技術センターの特許がたしか今15件ほどで、出願が37件ほどありますので、これらの特許をもう少し何とか地場に生かしていけないか、あるいは県外の企業さんでも、岩手県に来てこういった特許を活用していけないか、その辺も13年度の事業の大きな取り組みにしたいと考えているところでございます。

〇三浦工業振興課長 私の方からは幾つか依頼試験の状況等についてお答えしたいと思います。
 まず、依頼試験の現状でございますけれども、件数を全体で申し上げますと、平成11年度が2、172件、12年度は、2月末まででございますが1、903件というのが現状でございます。
 主な項目別にということでございました。これで申し上げますと、例えば金属材料の成分分析というところでは1、036件、金属やプラスチック材料などの強度試験が243件、石灰などの成分、粘土分布などを調べる試験が103件というところが大きいところでございます。
 それから、ここ数年の動向でございますけれども、設立した平成6年度から平成9年度までは増加してきておりまして、ここ二、三年は若干減少しているというのが実際の推移でございます。
 それから、共同研究の成果についてお尋ねございました。これにつきましては、御質問の中にありました吟ぎんがの発売開始ということ以外にも、例えば、金属とプラスチックの接着技術を活用しての曇らない自動車のミラーの製品化でございますとか、あるいは、木工関係で、象眼装飾体をつくって装飾品をつくるとか、あるいは、県産のアカマツの利用拡大、リンゴサイダーの製造等々の具体的な製品で成果が出ているというところが主な成果でございます。

〇伊沢昌弘委員 ありがとうございました。
 大きな成果が目に見えてきているような気もするわけでありますけれども、言ってみれば、先ほども一榮委員でしたか、お話ありましたが、県内の経済を含めて、岩手の中でいろいろなことをやっていく、こういうことから行けば大変大きなセクションを占めていると思いますので、いろいろ開発したものも含めて、今後、いろいろな意味での拡大策もお願いしたいと思っております。
 そこで、もう1点お伺いしたいんですが、議案第42号に依頼試験の手数料の改正についてのことが提案されております。どなたも聞かなかったので1点お伺いしたいわけでありますが、これ、別表3の中に、今お話にありました強度試験とか、いろいろな意味での粘性の問題とか、いろいろなものが入っているんですが、私が見た限り、今回の改定はそのうちの10の金額を変えるということで出ています。表を見ましたところ、そのほかの金額もいっぱいあるんですが、今回、10円から50円引き上げるという中で、何か意図的なものがあるのかなと。先ほどお伺いをした依頼試験の中身等々絡むのかどうかも含めて、どういう理由で別表3、数ある金額の中でこういったものが今回の改定になったのかお示しいただければと思います。

〇三浦工業振興課長 今回の試験手数料の額についてでございますが、実は、これについては人件費でございますとか、あるいは材料費など、物件費の上昇率を勘案しまして、2年度ごとに見直しを行っているということでございます。前回の改定が平成11年度でございました。今回、それから2年たちまして、工業技術センターの施設設備の使用量、手数料、全体の見直しを行いました。すべて行いまして、個々に人件費なり材料費との関係でどのぐらい上がるのかというのを計算したということでございます。たまたまこの議案の中でごらんいただいている手数料については、手数料を引き上げる必要があるということが計算上出てきたという考え方でございます。
 そのようなものについては、計算したのですが、増加幅がない、あるいは増加が10円以下の非常にわずかなものであったということでございますので、改定はしなかったという考え方で計算してございます。

〇伊沢昌弘委員 わかりました。改定の表が金額であらわされている。項目に同じ金額で別な項目も入っていたように思うので、ほかの手数料条例も含めて、同じような表の改定を提案されているんですが、中身を含めて今のようなことであれば、それぞれの検査にかかわっての人件費なり、需要費なり、そういったものが絡むということであれば、何か別な提案の仕方があるのかと思ったものですから、ちょっと疑問でございまして、これがいいとか悪いとかということではなくて、ぜひ今後御検討いただければ幸いかと思いまして御質問いたしました。

〇中屋敷十委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午前11時55分 休 憩
   午後1時4分 再 開

〇佐々木一榮副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。

〇斉藤信委員 まず第1に、大型店問題についてお聞きをします。
 盛岡市の前潟地区にマイカル東北の大型店出店が取りざたされてきました。しかし、最近、スーパー大手のマイカルは、経営再建に向けた3カ年計画を立てたと報じられています。経営再建計画の中身はどういうものか。
 また、遠野や釜石なども閉鎖検討対象との報道もあるけれども、どう受けとめているか。
 こうした状況の中で前潟地区への大型店の出店は可能なのか、県としてどう認識されているかお聞きをします。
 盛岡市は、前潟地区の流通商業ゾーンを特別用途地区の特別業務地区に指定する方針を固めたと言われています。この指定になりますとシネマコンプレックスの進出は不可能となると思いますけれども、県としてこの盛岡市の対応をどう受けとめているでしょうか。
 大型小売店の立地法ではどのような課題について配慮、検討されることになるか、これは項目でいいですから示していただきたい。

〇長葭商政課長 マイカルの経営再建計画につきましては、1月24日に平成13年1月から平成16年2月までを計画期間とする新中期3カ年経営計画を公表したところでございます。計画の中身は、物販事業への経営資源の集中とか、有利子負債の削減、それから財源の確保、経営の透明性の向上、これらを3本柱といたしまして、平成16年の2月期までに赤字店舗約50店の閉鎖とか、あるいはグループで2、700人の人員削減などを計画していると承知しております。
 それから、遠野店、釜石店などの閉鎖の報道でございますけれども、3月8日付の日本経済新聞の記事によりますと、マイカルは県内の遠野店及び釜石店を含む全国49店舗の閉鎖について検討していると報道されているところでございます。これにつきましてマイカル東北に確認いたしましたところ、今回の報道についてはマイカル側は一切関知しておらず、大変遺憾である、閉鎖検討と報道された店舗については、当社として決定したものではないという回答はいただいております。
 前潟地区へのマイカルの出店につきましては、現時点で県に対して大規模小売店舗立地法に基づきます届け出や、その事前相談を受けておりませんので掌握しておりません。なお、盛岡市が昨年11月にマイカル東北から聞いたところによりますと、出店の意思はあるものの、その規模及び内容については現段階では白紙の状態であるということでございました。
 次に、盛岡市の特別業務地区の指定への対応でございますけれども、盛岡市では前潟地区の特別業務地区の指定については、市の総合計画や国土利用計画に位置づけられている流通業務系の土地利用を純化させる目的で、都市計画における用途地域を補完して定めようとしていると伺っております。私どもとしましては、特別業務地区の指定は都市計画法上盛岡市の自治事務でもございますので、基本的に盛岡市の判断で決定すべきものであろうというふうに受けとめるところであります。
 それから、大規模小売店舗立地法の適用でございますけれども、今後マイカルを含めまして大規模小売店舗立地法の新設の届け出があった場合には、立地に伴います周辺環境の保持の観点ということから、同法に定める指針に照らしまして、交通渋滞でありますとか、騒音あるいは廃棄物等の事項について届け出者が適切な配慮をするよう対応してまいりたいと考えております。

〇斉藤信委員 大型店、この前潟地区へのマイカル東北の進出問題というのは、私は一貫してこの問題を取り上げてきましたけれども、地元商店街に20%前後の売り上げ減少の影響があると、市商連の方々がこれは厳しく指摘してきた問題でありました。マイカル自身がこういうダイエー型の大変深刻な経営実態に陥ったということで、マイカル東北もこれはマイカルに統合されるということで、かなり情勢が変わるのではないか。そういう中で盛岡市がこのような特別業務地区に指定をしたというのは、自治体として本当に都市計画上、まちづくり上、商店街振興上、私は積極的な措置だったと、このように思います。
 それで、ちょっと追加して聞きたいのですが、昨年、平成11年度の商業統計調査結果が出されました。それによると、岩手県全体の大型店の小売店売り場面積に占める比率はどうなっているか。盛岡市については平成11年以降もかなり西地区に大型店出店していますから、その後の推移も含めて全県的な大型店の比率と、盛岡市のその後の推移も含めた大型店の占有率を示していただきたい。
 第2点に入ります。雇用拡大策について。労働時間の短縮が雇用拡大策の私は最も大事な課題だと考えています。それでお聞きしますが、県内企業で年間1、800時間、これは政府の目標ですが、これを達成するならどれだけの雇用増に結びつくか。残業を解消すればどれだけの雇用増に結びつけるか。
 民間の企業のサービス残業根絶について、私は、これは審議会の建議もありましたが、岩手労働局と連携して県も取り組むべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
 ソニー千厩の外国人労働者問題について本会議でお聞きをしました。このソニー千厩に400人以上の外国人労働者が今さまざまな形で働いているわけでありますけれども、これは人材派遣契約ではなく請負契約だとしています。実際、外国人労働者を400人以上派遣しているのが私は実態だと思うのですけれども、この雇用実態わかるでしょうか。請負契約か派遣契約かと。実は私どもの市議団が直接ソニー千厩に行って聞いてきました。人材派遣会社と契約をしているという話でした。人材派遣会社が請負契約ができるかどうか、このことも示していただきたい。問題は、この雇用の内容を見ますと、3カ月雇用、そして劣悪な労働条件であります。私は外国人労働者の就労にもちろん機械的に反対するものでありません。しかし、地元に、本当に今深刻な雇用難の中で、就業の希望が強い中で、3カ月雇用とか、本当に劣悪な雇用条件を持ち込むのはいかがかと。その点で私は、地元から正規職員の雇用を拡大するように県として強く求めるべきではないかと思いますがいかがでしょうか。

〇鈴木商工労働観光部長 私の方からは人材派遣法の関係とソニー千厩の関係、それからその他のお尋ねは担当課長の方から御答弁申し上げます。
 それで、まず最初の労働派遣事業との関係でございますが、労働派遣法によりますと、当分の間は製造業務については労働派遣は適用除外ということになっております。この法律の指導につきましては、所管は労働局でございます。私どももこの問題につきましては岩手労働局に確認した経過がございます。労働局ではそのソニー千厩の担当者が一関公共職業安定所、それから千厩出張所に来所したときに、請負と派遣との違いをはっきり説明したということでございます。そして、労働局では現在、そのソニー千厩の生産ラインと、それから小規模分社生産工場を請負ということで発注しているということで、これはその器具を発注しているので問題はないというふうに岩手労働局の方からは回答を得ております。
 それから次に、ソニー千厩の地元雇用のお話でございますが、1月に私もソニー千厩に行って地元雇用を要請いたしました。会社側のお話では、現在、携帯電話の組み立てということで、現在の需要が3年から4年でほとんどまず今やっている業務はなくなるだろうと、請負をやっている部分ですね。そういうことですので長期の地元雇用がなかなか対応が難しいということでございました。再度会社の方に、地元でも希望者があれば請負会社への採用をお願いできないかということにつきましては、希望者があれば請負会社を通じて受けることについては考えたいということでございまして、現在、地元の職安でそれを対応していると聞いております。

〇長葭商政課長 平成11年の商業統計、これは11年7月1日現在でございますけれども、市町村の小売商業売り場面積における大型店の占有率でございますが、盛岡市が49.6%、それから県全体では41.3%となっております。

〇千葉労政能力開発課長 労働時間短縮に関連してのお話でございますが、まず、県内企業で年間1、800時間の労働時間を達成するなら、どれだけの雇用増となるかという御質問でありますけれども、11年に県が調査した毎月勤労統計調査によりますと、県内の年間所定内労働時間は1、809時間となっております。これを年間1、800時間とした場合の本県での雇用増については、単純に計算すると約2、000人となります。
 次に、残業を解消すればどれだけの雇用増に結びつけるかということですが、これもまた11年県調査の毎月勤労統計調査によりまして、県内の年間所定外労働時間は130時間となっております。これを単純に計算いたしますと、約3万2、000人相当となります。
 民間のサービス残業の根絶等についてでございますが、岩手労働局では労働者からの時間外労働についての相談があった場合には、随時その内容を個別に判断いたしまして、必要に応じて事業主に対する指導などを行っているところであります。また、岩手労働局の方が主催しておりますけれども、県や社団法人岩手労働基準協会、社会保険労務士会などと共催いたしまして、ゆとり推進2000岩手大会などを開催しまして普及啓発の推進に努めているところでございます。
 なお、雇用労務管理の創意工夫による雇用の創出をねらいとする、いわゆるワークシェアリングについては、労使双方の研究協議を主な目的として設立しております労働問題研究会、それから労務改善団体連合会、これは任意の団体でありますけれども、こういった研究会、連合会の中で取り上げて今後研究してまいりたいと考えております。

〇斉藤信委員 ソニー千厩の件で、現場ではどういう説明をしているかと言いますと、こう言っているんですよ。3カ月、6カ月の労働はワーキングビザで延長雇用もあると。ソニー千厩が人材派遣会社へ毎月必要な人員要請をしていると。それで私、岩手労働局にも聞いたんですね。岩手労働局は何と言っているかというと、こういうことを言っているんです。製造業は人材派遣はできませんよと、できるのは請負ですよと。私はだから、実態は人材派遣ではないのかということを聞いているわけです。私が先ほど聞いたのは、人材派遣会社が請負契約はできるのかと、そして実態として請負契約に本当にそうなっているのかと。ここを確かめる必要があるのではないでしょうか。そういう点でこれは本当に有力な誘致企業で地域への大きな貢献をしていると思うけれども、今の常勤が約400人そこそこです。そして、外国人労働者がさらに400人以上入ってきているわけですね。確かに見通しというのはいろいろあるでしょうけれども、本当に私はこういう不安定、そして劣悪な労働条件を持ち込むというのは誘致企業としては私は問題だと、そういうことで取り上げたので改めてそこらがわかるのかどうか。人材派遣会社というのがそういう請負ができるのか。人材派遣と言ってますよ、ソニー千厩も。私が岩手県からもらった資料でもこう言っていますよ。従業員として直接雇用することは難しいが、人材派遣会社との委託契約にやっているという話ですからね。労働局の指摘があって、正式文書は請負になっているのではないでしょうか。それが1点。
 あと私、大型店の占有率を聞きましたが、課長、申しわけない、ちゃんと丁寧に聞いていただけばよかったのだけれども、平成11年の商業統計の答えは今聞きました。盛岡市についてはこの2年間というの大型店の出店が相次いだので、盛岡市についてはその後の大型店出店を踏まえればどういう占有率になりますかということを聞いたので、追加して答えてください。
 次に、障害者の雇用問題についてお聞きをいたします。私のところに身体障害者が中心になって働いているKKユニ・グラフィックというところから相談がありました。親会社から5月をもって閉鎖を伝えられ、身障者の方々が途方に暮れて心配しているということでありました。ここの工場の実態は、障害者が13人、そして健常者が正規で1人、非常勤で1人と、文字どおり障害者が中心になってやっている印刷関係の会社であります。私は今、深刻な不況、雇用危機の中でこういう身体障害者の方々が頑張ってきた職場というものは守られる必要があると思うけれども、身障者の雇用と工場を守る対策はどうなっているか。県としても関係部と連携して万全の対策をとるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

〇長葭商政課長 盛岡市のその後の出店の占有率というお尋ねでございますけれども、現状では約51%というようになっております。

〇鈴木商工労働観光部長 ソニー千厩の件でございますけれども、これは岩手労働局の方からも私ども確認したときに文書でいただいてございまして、小規模分社生産工場をすべて下請に発注していることで、適正に下請企業に発注しているものと認識しているということでございます。これはあくまでもこの法律の所管というものは岩手労働局でございます。

〇千葉労政能力開発課長 身障者の雇用問題、株式会社ユニ・グラフィックについてのことでございますが、この会社は障害者雇用納付金制度に基づく奨励金や助成金を受けてきて順調に推移してきたところでございます。特にも重度障害者多数雇用事業所の認定を受けて、施設設備の設置更新に当たって国の計3分の2を助成を受けたりなどしてきたところでございます。この障害者を雇用する場合の事業主について、特に障害者について解雇する場合には公共職業安定所に届け出をすることに決まっておりまして、このユニ・グラフィックからは現在までその届け出は公共職業安定所には出されていないと聞いております。しかし、先ほどお話しありましたように、従業員の一部の方々から県にも解雇について相談がありました。現在、障害者雇用納付金制度の窓口となっております岩手県障害者雇用促進協会、それから岩手労働局と連絡を取り合いながら、現在、状況を確認しているところでございます。また、この工場を福祉作業所等として利用することなどについて申し入れがあった場合には、保健福祉部と協議して対応してまいりたいと考えております。

〇斉藤信委員 今の障害者の雇用問題についてはぜひ、今まで大変重要な役割を果たしてきたので、本当に関係課と連携を取り合ってやっていただきたいと、これは要請をしておきます。
 それで、雇用問題の最後に、岩手県の雇用問題で大事なのは、労働時間の短縮ということが大事ですけれども、もう一つ、県内事業所の99%、従業員の8割を占めているのが中小企業ですよ。この中小企業対策が本当に抜本的に強化されるというのが雇用対策のかなめだと思うのです。それでお聞きしますが、中小企業対策の予算は来年度これはどうなっているでしょうか。これは一般歳出に占める比率、額、これを示していただきたい。その際、金融対策を除いた場合にどうなるかも示していただきたい。
 最後の質問でありますが、カミヤマ、丸協のこの再建倒産対策について、カミヤマの倒産への対応について関連企業への影響、解雇者の雇用確保は今どうなっているでしょうか。
 丸協建設については最近、再建策が提出されたと報道がありましたが、この内容はどういうものでしょうか。現段階で関連中小企業への影響、雇用対策、これはどうなっているか。
 県の離職者対策資金について。これは佐々木委員が厳しく先ほど取り上げました。私あわせて、結局、去年、ことしと1件しか使われていないと、7、800万円の枠があるのに1件しか使われていないと。これは制度の欠陥だと思うんですね。なぜ1件しか使われていないか、その原因、理由をどのように受けとめているか、示していただきたい。

〇長葭商政課長 一般会計歳出予算に占めます中小企業対策関連は750億5、200万円ほどでございまして、金融以外をお話ししますと89億5、400万円ほどで、構成比が1.0%ぐらいとなってございます。本県におきます事業者のほとんどが中小企業者でありまして、私ども商工関係予算全体が何らかの形で中小企業対策と関連するものであると認識しております。これまでも中小企業対策には力を入れておりまして、一般会計ベースで東北平均を上回ってきたというように考えております。平成13年度におきましても商工費は歳出合計の8.9%を占めておりまして、東北平均の7.5%を上回っているということでございます。それから、金融対策を除いた中小企業対策関係の予算につきましても、歳出合計に対する構成比は1.0%で昨年度と比べますと25%ぐらい増額になっているということでございます。

〇千葉労政能力開発課長 カミヤマ、丸協建設関連に関連して、カミヤマについての解雇者の雇用状況はどうなっているかということでございますが、一関公共職業安定所千厩出張所によりますと、離職票を提出した104名のうち、2月末までに就職が決まったのは40名、未就職者につきましては3月1日と2日に求人情報交換会が開催されております。その際にはカミヤマ関連の方は44名参加されておったと聞いております。今後、同千厩出張所で再度求人事業所と求職者との面接の場を設けて、きめ細かい就職支援活動を行うと伺っております。
 丸協建設の雇用問題はどうなっているかということでございますが、民事再生法の適用を申請した同会社については、去る3月15日に第2回債権者集会が開催されまして、席上、社長から再建に係る事業計画案が示され、資本を9、500万円から3、000万円に減少させるとともに、ゼネコンからの支援を得て再建を図る。会社の規模も現在希望退職を募っているところであるが、40名から50名の規模になるのではないかと考えているとの説明があったと聞いております。雇用問題につきましては、水沢地方振興局を中心に水沢公共職業安定所、前沢町、前沢商工会等から構成される次回の連絡会議において、雇用対策を協議することとされているところでございます。

〇齊藤経営金融課長 カミヤマの倒産に関連しての関連企業への影響はどうかということでございますが、昨年倒産いたしましたカミヤマの負債総額は約110億円、このうち金融機関の借入金とか税金等を除きました一般負債でございますけれども、これは約25億円余と見られます。これは会社からの提供資料でございます。債権者数は、資料等に不十分な面、不透明な分あるわけなんですけれども、あくまで概算ですが約190件前後、このうち県内企業は約80件余となっております。債権者は千厩町を中心に東磐井、西磐井に60件ほど集中しておると、そういう状況にあります。県としては、千厩地方振興局を中心に連鎖倒産防止等のいろいろな相談事業を実施してきたわけでありますが、関連する取引先が大手が多いということが一つの特徴でございます。したがいまして、地元での相談会には1件あったというのみでございます。県には1件寄せられたと、計2件でございます。これまでカミヤマの倒産に伴います連鎖倒産でございますが、系列で1社、さらに一部事業部門を廃止したものが1社というふうに、そういう状況にとどまっていると、取引先企業が自助努力の中で努力していると、そういう状況と伺っております。
 次に、丸協建設の関係でございますが、まず最初に、関連企業への影響でございます。2月26日に民事再生法の適用を申請したわけでございますが、負債総額は約80億円、関連する下請企業や資材納入業者など取引先企業も多数に上るということから、地域経済に与える影響が大きいものと、そういうふうに見ております。会社から提供された資料によりますと、一般負債でありますけれども、約280件27億円余の一般負債となっております。このうち県内の中小企業でありますが、約180件余となっておりまして、このうち売り掛け債権が50万円以上の中小企業は150件ほどと、そういうふうになっておるところでございます。全体としては、県内180件のうち100社ほどが胆江地域に集中していると、そういう状況にあります。地元と一緒になって水沢地方振興局を中心に関係商工団体、市町村いろいろ相談事業をやっているわけでございますが、これまでに寄せられている相談は61件に上っておりまして、9カ所の商工会、商工会議所で60件の相談、内訳は金融相談が29件、法律相談が32件となっております。そういうことでこれに関連した連鎖倒産というのは、宮城県で1件発生したという情報がありますが、県内では今のところはそういう連鎖倒産の情報はございません。
 次に、丸協建設の再建策についてでありますが、3月3日に続き、3月15日に債権者説明会が開かれて会社側から再建案が提示されたわけでありますが、今後10年間でいろいろ受注を確保し、7.8%の返済、配当するというような計画を示したと聞いております。破産に至った場合は0.93%という3月3日の説明もありますので、いずれにしてもこの配当状況から見ますと、かなり厳しいものがうかがわれるということでございます。今後、裁判所が任命しました監督員が今月末までに債権者の意向を集約し、再生手続開始についての意見書を4月16日までに裁判所に提出すると、そういうふうに伺っているところであります。県としましては、丸協建設の民事再生法による再建の動向に注目しておりますし、地元地域の影響を極力抑えるという必要から、今後とも連鎖倒産防止に向けて全力を挙げて取り組んでまいりたいと、そう思っております。

〇佐々木一榮副委員長 離職者対策資金について、千葉労政能力開発課長。

〇千葉労政能力開発課長 離職者対策資金についてお答えいたします。
 県の利用が少ないところは先ほどお示しいただいたとおりでありますが、県の貸付金のほかに市町村独自でやっているところもございます。これも千厩町で5件、胆沢町で1件という件数になっておりますし、県の制度を利用して利子補給をしている一関市、花泉町では実績がないような状況でございます。これら利用が少ないということにつきましては、率直に申し上げましてPRも不足していることは一因かもしれません。もう一つは、離職者になった場合に雇用保険の失業給付が速やかになされているというのが一つ大きな制度としてありますので、即貸付金の方には回ってこないのかなという感じは持っております。また、無担保、無保証人制度にすべきではないかというお話でありますけれども、現在も無担保ではあるが保証人は必要としてございます。

〇斉藤信委員 最後ですけれども、ぜひ丸協については、今、再建協議中ということで微妙なところですけれども、土木、農林でかなりの県事業、これは事業途中でございました。さらに、水沢市、前沢町などの公共事業も請け負っていた最中なんですね。それにかかわる下請中小企業が多かったわけです。私はそういう今の事業とのかかわりで、少なくとも今発注の事業についてはきちんと下請に支払われるような対策を、関係部と連携して担当部としてもやっていただきたい。
 離職者対策資金で、今PR不足という話あったけれども、これは完全な認識不足ですね。実際離職者から聞きますと、大体保証人の条件が厳し過ぎるということですよ。千厩町、5件使われていますよね。これは無担保、無保証、無利子にしたんですね。丸伊工業が倒産したときには水沢市も胆沢町もこれは無担保、無保証でした。それで積極的に使われたということがありました。市町村はそうやって使われる制度にしているわけだから、7、800万円の枠がたった年間1件しか使われないというのは、こういうことをそのままにしていたらだめだと思うんですよ。私は前にもこれは取り上げたんですよね。使われない制度は改善すべきです。少なくとも市町村がやっているような制度に改善して、使われるようにやっていただきたい。部長、どうですか。

〇鈴木商工労働観光部長 無担保、無保証というお話でございますが、これは損失補償ということにもなるという、県が損失補償ということを言ったと思います。ただ、離職者対策資金の対象者というのは基本的には離職を余儀なくされた場合に、国のセーフティーネットである雇用保険ということで、失業保険でまず生活が保障されてございます。離職者対策資金はこのような雇用保険の失業給付を受けてもなお生活に困窮する場合などの事由が生じた場合、その離職者の求職活動の生活の安定を図るということで、国の社会保障制度を補完しているものでございますが、何か不測の事態が生じる場合はともかくとして、そのように失業保険等失業給付がございますので、もともと多くは貸し付け申し込みがあるものと想定したものではなくて、社会的に弱い立場の方、この人たちを救済に、何か不測の場合に救済をしようということの趣旨で創設したものでございます。この離職者対策資金は現在信用保証しているのは財団法人岩手県勤労者信用基金協会、ここが信用保証しております。この財団法人岩手県勤労者信用基金協会は、平成13年度末に全国レベルの社団法人日本労働者信用基金協会にその事業を譲渡し解散すると、そして平成13年4月以降は新規の保証業務は行わないということでございます。新たに保証業務を行う社団法人日本労働者信用基金協会、これは離職者に対する貸し付けについてはリスクが高いことから信用保証は引き受けられないということでしたけれども、これは岩手労働局が一生懸命その協議をしていただいた結果、保証人のある者を前提でまずこれは社団法人日本労働者信用基金協会に引き受けてもらうことになりました。一方、東北各県ともこれは連携がございまして、労働金庫、これは平成14年10月以降で統合を目指しておりますし、この保証機関である県の岩手県勤労者信用基金協会も、これも東北各県とも全国の日本労働者信用基金協会への移行ということも今検討しておりまして、これが今、損失補償はこの制度、離職者対策資金制度を創設しているのは岩手県と福島県だけでございまして、福島県は県が損失補償をしていますが、これも13年度限りと聞いております。要は労働金庫の統合とあわせて各県ともこれらの信用保証業務が日本労働者信用基金協会への移管ということになると思いますので、これは県の保証、無担保、無保証、そして損失補償に

〇斉藤信委員 長々とした説明で、肝心なことは実際に離職者対策資金を求めている人はどういう人かと言うと、例えば、今回のカミヤマにしても一昨年の畑瀬機工にしても年末の倒産なんですよ。年末というのはいろんなローンの返済とか何とかかかるわけですね。ですから、失業保険が入るまでの、ある意味でいけばつなぎの役割を果たすんです。そして、借りられる限度額が50万円ですよ。実際には50万円ではなくて20万円、30万円借りているのが実態なんですね。そのわずか数十万円借りるのに保証人の条件が所得450万円ですよ。そういう保証人を探さなければだめだったら、実際には借りられないんです。だから、千厩町や水沢市や胆沢町は労働金庫に預託をして無保証人にしているわけでしょう。だから、本当に全く短期的で限度額もわずかな額で、本来求めている制度なんだから、市町村がやれることをなぜ県がやれないのかということを私は指摘したのですよ。意義があるということで制度をつくっているわけだから、だったらそれが使われるように、市町村もやっているような制度に改善してほしい。指摘をして終わります。

〇佐藤正春委員 3分間ちょっと伺います。まず、私の方から部長に公開質問状を出していたのですが、釜石鉱山の戦時朝鮮人強制労働者の問題については、県知事と部長の名前で県の見解、並びに対応についてこの文書が参りました。ありがとうございました。これは直接には関係ないのですが、やはり県内で起きた汚点というものは早く解消すると、例えば秋田の花山事件等もかなり県が積極的に動いたという経過がございますので、ひとつよろしく今後ともお願いしたい。
 それから、海外の物産展についてでございますが、これは知事がハンガリーの物産展とかペルーの鉄瓶の交換等も行っているようでございますが、一昨年、韓国の束草というところで日本の物産展がございました。行ってみたのですが、青森、宮城の物産があるんだ、岩手県はない。ちょっと残念でございました。そこで、ことしも、部長は大分熱心なようでございますが、8月10日から約2カ月半、世界陶磁器エキスポ2001というのが、これはソウルからすぐ近くなんですが、日本語で言えば利川というところなんですが、そこで行われるわけです。約2カ月半。これはもう世界じゅうのいわば陶器、瀬戸物が集まるわけでございまして、ぜひこういう機会に岩手県でも久慈焼だとか、私の方では磐井焼と、いろんな優秀なものがございますので、ぜひこれは今度こそ出してもらいたいのですが、どうでしょうか、そういうお考えがありますか。

〇鈴木商工労働観光部長 アジア地域とのやはり経済交流、そういった物産、観光、こういった交流はこれから非常に大切で、特にも韓国というのは日本の隣国でもございますし、我々も力を入れなければならないと思っています。それで、物産展ということではございませんが、新年度予算に海外経済交流促進費というものを予算計上いたしまして、韓国が中心になると思いますが、韓国との将来に向けての物産のあり方、観光の進め方、そういったものを調査して、韓国と岩手県との交流というものを深める、そういったことを調査するということを計画してございます。その調査の中で、今、委員おっしゃった物産展には直接参加はできないということは今ないんですが、行って、あとは宮城県の事務所もソウルにございますので、そういったところも訪問して、韓国の経済情勢を見ながら次の手だてを考えていきたいと思っております。

〇菊池勲委員 通告しておったのだけれども、きょう風で高速道路がなかなか走れなくておくれてまいりましたので、出納局の審査にもあったわけですが、金融機関の関係ですね。詳しいデータは手元には持ち合わせておりませんけれども、一般的に中小企業の経営者なりその責任者に聞くと、どうもなかなか経済は上向きにならんで大変困っていると、銀行に一応お金を借りにいったところがなかなか貸してくれないと、もちろん支払い能力がなければ貸すわけはないと思うのだけれども、その中でも特に岩手銀行は見事にきついと、岩手銀行に行って頼んだけれどもなかなか貸してくれなかったから、よその銀行に行ったらおかげさまで手当てをしてくれて、どうやら経営を継続しているという業者が中小企業にはいっぱいおるわけだよね。先ほど長葭商政課長の答弁では、中小企業対策が年間約750億円ぐらい金を出しておるという話を言ったね、これは数字が間違っておったら後でまた説明してもらいますけれども、そういう状態で、一生懸命県も中小企業対策に力を入れている。もちろん国もそのとおりだと思うのだけれども、残念ながら地元の金融機関でそういう形のものがあるとするならば大変残念だなと思っております。先般の第三セクターである並行在来線の問題等も議論されたときに、岩手銀行とか銀行団ですかな、金融機関の団体が、出資をお願いしたところが寄附でお願いしたいという格好をとったという話を聞いたのだけれども、私は少なくとも、岩手を背負うとは言わぬけれども、岩手の中で一番メーンである岩手銀行が積極的な姿勢をとらずにそういう形である。そうならばあえて岩手県の指定金融機関にする必要はないだろうというのが私の持論なんだけれども、商工労働観光部長は私の町の合併のときにも助役として就任されたわけでありますので、御所見をひとつ賜りたいと思います。

〇鈴木商工労働観光部長 指定金融機関の制度をどうかということにつきましては、これは出納局の所管でございまして、私の方からはちょっと確たることは申し上げられませんので、済みませんが御了承いただきたいと思います。

〇菊池勲委員 全くそのとおりなんだけれども、渡しているのはそれは最後につけ加えたわけです。例の部長への通告には指定金融機関という通告になっているのだけれども、貸し渋り対策、それについてはどうなんですかね。

〇鈴木商工労働観光部長 貸し渋りということにつきましては、平成10年に国で言ういわゆる貸し渋り大綱ができたわけでございますけれども、そのときの貸し渋りの大綱が言うには、金融環境の変化によって適正かつ健全に事業を営む中小企業者が必要な事業資金の調達に支障を来していると、こういうときに対策を講じたというわけでございます。これは借りる側とそれから融資する側のかなりの主観的なものがあるので、どこまでかというとこれはなかなか難しい問題で、どうもあるのかないのかというのはちょっと確たることはなかなか難しいと思います。ただ、岩手県信用保証基金協会が信用保証している状況を見ますと、県全体で信用保証基金協会全体で100といたしますと、岩手銀行が41.3%、東北銀行が20.6%、それから北日本銀行が20.8%ということで、この3行で全体の83%ほど保証していただいて協力はいただいていると理解しております。ただ、預貸率──預金量に対する貸出金の割合というのは、岩手銀行は他の銀行に比べてやはり低いということがございますので、年末などの資金需要期とか、あるいは大型倒産発生時の防止対策上いろいろ円滑な資金供給はお願いしているところでございますが、今後においてもその預貸率を高めて県内の中小企業へのさらなる支援、協力ということを要請していきたいなと思っております。

〇菊池勲委員 要請してくれるんですね、部長ね、いいですね、要請してくれることはね、確認しておきたい。これはどこもそうなんだ、銀行に限らず中小企業を含めて大変厳しい経済の中で、仕事先から当然さまざまな内部リストラですかな、整理をしながら仕事をしていると思うのだけれども、最近特に目立つのは、岩手銀行は今までは集金に来ておったんだそうだ、ここ2年ぐらい前から集金にも来なくなったということが、例えば、これは想像でしかないんだが、5、000円や3、000円の金集めてわざわざ手間を払うよりは、1、000円、2、000円も払うよりはそんなのいいと、我が銀行はもう岩手県が後ろにいるから心配ないという、そんな気持ちでそういう経営の手法を変えた。よその銀行はやっぱり1、000円でも500円でも集金者が来るんだそうですよ。ここ2年ぐらいは岩手銀行は来なくなったそうだ。部長は調べていないからわかないんだな。そういうのを見たときにどうもこの岩手銀行というのは、県民の中小企業者に対して余りいい銀行じゃないんだなと、そう思いたくなるんだな。私はほとんど農協ですから、銀行は使ってないからね。そんなものだから、私は農業をしているものだからそこしか使えないんだ。そんなようなぐあいでありまして、今、部長の答弁では御指導したいというお話あったから、私はそう聞こえたんだけれども、そこをもう少し強く、全面的に貸し渋りないような、岩手銀行も含めて御指導したいという言葉に聞こえたんだけれども、その言葉には間違いないわけですね。もう一度確認させてください。

〇鈴木商工労働観光部長 金融機関に対しましては、年末の需要期とか、今回の大型倒産が発生しておりますので、その連鎖倒産が出ないよう防止のためいろいろ協力をしていただきたいということは文書でお出しいたしております。
 それから、あと先ほどの預貸率の話ですけれども、他行に比べて低いということですので、これもひとつそこは指導していきたい──指導というか、低いということは多分向こうも御存じだと思いますので、ちょっとそこは努力していただきたいということはお話ししたいと思います。

〇佐々木一榮副委員長 ほかに質疑ありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇佐々木一榮副委員長 質疑がないようでありますので、これで商工労働観光部関係の質疑を終わります。
 商工労働観光部の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 次に、医療局長から医療局関係の説明を求めます。

〇佐藤医療局長 平成13年度岩手県立病院等事業会計予算につきまして御説明申し上げます。
 予算の内容を御説明申し上げる前に、事業運営に当たっての基本的な考え方について若干申し上げたいと存じます。
 御案内のように、病院事業につきましては、少子化の進展、本格的な高齢社会の到来や疾病構造の変化、あるいは国民の価値観の変化などによる医療ニーズの多様化及び経済構造の変化など、医療を取り巻く環境は著しく厳しく変化してきているところでございます。
 国においては、このような状況に対応するため、医療制度の抜本的改革は避けて通れない課題であるとし、平成14年度を目途に薬価制度、診療報酬体系、高齢者医療制度及び医療供給体制の見直し等の検討を進めておりまして、今後の病院事業の運営につきましては、さらに厳しいものになると予想しているところでございます。
 このため、平成13年度の事業運営に当たりましては、昨年策定しました長期経営計画に即し、県営医療50年の中で培われました創業の精神を堅持しつつ、新たな時代に対応した医療サービスの提供を目指しまして、安定した経営基盤の構築と効率的、効果的な県営医療システムの確立のため、職員一丸となって取り組んでまいりたいと考えております。
 なお、最近における全国的な医療事故の発生を厳しく受けとめまして、本年2月、岩手県医療局医療安全対策指針を策定し、これに基づき、人工呼吸器や麻酔器などの取り扱いや注射器を用途別に色分けするなどを定めました医療事故防止マニュアルの策定や、いわゆる冷やりとしたりハッとした事例の報告を求める通知をしてきたところであります。特にも、ヒヤリ・ハット事例につきましては、その原因を分析して、全病院でこれを共有化することなどによりまして、今後の事故防止に有効に活用することといたしております。
 それでは、議案の説明に入らせていただきます。議案その1の49ページをお開き願います。
 議案第13号平成13年度岩手県立病院等事業会計予算につきまして御説明申し上げます。
 まず、第2条の業務の予定量でございますが、収益的収入及び支出につきましては、病床数を6、205床と定め、年間延べ患者数を、入院では193万2、000人、外来では462万5、000人と見込むものでございます。
 次に、資本的収入及び支出でございますが、病院建築工事のうち、沼宮内病院新築工事につきましては、14年度の竣工に向け、工事費など所要の事業費を計上するものでございますし、磐井病院及び南光病院新築工事につきましては、実施設計料を計上するものでございます。大船渡病院増改築工事につきましては、外来患者数の増加による現施設の狭隘化を解消するため、実施設計料を計上するものでございます。また、医療器械の購入費として24億7、300万円を予定しているところでございます。その主なものは、磁気共鳴画像診断装置等の購入でございます。さらに、医師養成負担金につきましては、県立病院の医師充足を促進するとともに、県内の公的医療施設に対する支援体制を強化するため、岩手にはぐくまれた有能な人材が、地元岩手におきまして、国立大学並みの学納金で医師として誕生できるように、岩手医科大学に本県出身者の入学枠を新たに確保し、その養成経費を負担しようとするものでございます。
 第3条の収益的収入及び支出と、50ページに参りまして第4条の資本的収入及び支出の具体的な内容につきましては、後ほど予算に関する説明書により御説明申し上げます。
 次に、51ページに参りまして、第5条の債務負担行為でございますが、これは、工期が翌年度以降にわたる磐井病院及び南光病院新築工事に係る設計料、並びに福岡病院新築工事に係る建築費等につきまして、債務負担行為の期間と限度額を定めようとするものでございます。
 第6条の企業債でございますが、病院建築工事や医療器械購入等の財源となる起債の限度額を54億5、000万円とするほか、その償還方法等を定めようとするものでございます。
 第7条は、一時借入金の限度額を106億円と定めようとするものでございます。
 52ページに参りまして、第8条は、議会の議決を経なければ流用することのできない経費を定めようとするものでございます。
 第9条は、薬品、診療材料等の棚卸資産購入限度額を定めようとするものでございます。
 第10条は、重要な資産の取得でございますが、これは、購入予定価格が1件7、000万円以上の医療器械の取得でございます。
 それでは、予算に関する説明書の441ページでございますが、平成13年度岩手県立病院等事業会計予算実施計画につきまして御説明を申し上げます。
 初めに、収益的収入及び支出についてでございます。
 まず、収入でございますが、第1款病院事業収益は1、098億1、000余万円で、12年度の最終予算と比較いたしますと5億4、400万円、0.5%の増加でございます。
 第1項医業収益は961億6、400余万円で、1目入院収益は568億7、900余万円、2目外来収益は332億9、000余万円でございます。3目その他医業収益は59億9、500余万円で、その主なものといたしましては、救急医療等の一般行政経費に係る一般会計繰出金、健康診断等の公衆衛生活動収益等でございます。
 第2項医業外収益は135億8、100余万円で、主なものといたしましては、3目負担金交付金123億1、900余万円は、高度医療等の不採算経費に係る一般会計繰出金でございます。5目その他医業外収益7億8、900余万円は、不動産貸付料等でございます。
 次に、442ページに参りまして、第3項特別利益は6、400余万円で、大迫病院の跡地売却益を見込んだものでございます。
 次に、支出についてでございますが、第1款病院事業費用は1、099億余万円で、12年度の最終予算と比較いたしますと3億3、400余万円、0.3%の減少でございます。
 第1項医業費用は1、042億3、800余万円で、その主なものといたしましては、1目給与費572億5、100余万円、2目材料費316億7、100余万円、3目経費110億8、100余万円、5目減価償却費37億1、300余万円等でございます。
 次のページに参りまして、第2項医業外費用は55億9、000余万円で、その主なものといたしましては、1目の企業債等に係る支払い利息45億4、700余万円等でございます。
 第3項特別損失は6、600余万円で、大迫病院の旧建物の解体工事費でございます。
 以上、収入の合計額1、098億1、000余万円に対しまして、支出の合計額は1、099億余万円となり、収入と支出の差では8、900余万円の純損失が見込まれるものでございます。
 444ページをお開き願います。次に、資本的収入及び支出につきまして御説明申し上げます。
 収入の総額は96億4、200余万円であり、その主なものといたしましては、第1款資本的収入の第1項企業債54億5、000万円で、これは、さきに業務の予定量で御説明申し上げました沼宮内病院新築工事等の経費や 医療器械の購入等に充てるためのものでございます。
 第3項負担金41億7、600余万円は、企業債償還等に係る一般会計繰出金でございます。
 次のページに参りまして、支出でございますが、その総額は148億2、700余万円であり、その主なものといたしましては、第1款資本的支出の第1項建設改良費61億7、300余万円でありますが、その内容は、2目建物費29億8、200余万円、3目医療器械費24億7、300万円等でございます。
 第2項企業債償還費は80億3、700余万円でございます。
 第3項投資は2億9、900余万円でございますが、その内容は、1目長期貸付金は、医師等に対する奨学資金の貸付費として1億300余万円、2目医師養成負担金は1億9、600余万円でございます。
 第4項開発費は、情報処理システム等の開発費で3億1、500余万円でございます。
 なお、447ページ以降の資金計画、給与費明細書、債務負担行為に関する調書、予定貸借対照表及び予定損益計算書につきましては、説明を省略させていただきます。
 よろしく御審議いただきますようお願い申し上げます。

〇佐々木一榮副委員長 ただいまの説明に対し質疑ありませんか。

〇佐々木俊夫委員 2点について質問いたします。
 最初の1点につきましては通告いたしておりますので、前と後の2回に分けます。
 通告している方の第1点でありますが、これは、県立病院の医療ミスについて。
 先日の報道によりますと、県立釜石病院で乳がんのために死亡された女性の最高裁での判決で県が敗訴した。4、500万円余りの賠償金を払わなければならない。担当されたお医者さんも病院としても全力を尽くしたわけですが、このような結果になって大変残念であります。あってはならないことですし、病院を信じまして命を預けた患者、あるいはまた県民にとって、県立病院に対する信頼を著しく損ねた事件であります。
 そこでまず、12年度中に発生した県立病院の医療事故の件数、それから、過去から現在までまだ係争中のものがあろうかと思いますが、示談等が進んでいるもの、あるいはまた告訴されているもの等々何件ありましょうか。できれば病院ごとに知らせていただければ結構であります。
 あわせて、先ほども局長のお話にもございましたけれども、医療事故をなくすためにどのような対策を講じておられますか、あるいはまた、これから講じようとされておりますか。

〇佐藤医療局長 医療事故の現状、それから係争中の件数等につきましては業務課長から説明させますが、医療事故の防止対策につきましてでございます。
 これにつきましては、従前、病院個々にそれぞれ対応してきたところでございますけれども、先ほどのお話のように多発傾向にございますので、全庁的な取り組みが必要と考えまして、本年2月には、岩手県医療局医療安全対策指針を定めまして、先ほど申し上げましたように、機器の取り扱いや機器の色分け、そういったようなことをし、さらには、冷やりとしたり、ハッとしたりといったようなものを集めまして、それを全病院共通の資料といたしまして、その傾向を分析しながら対応したいということで、現在取り組んでいるところでございます。

〇内藤業務課長 平成12年度の医療事故及び患者さんとの間に紛争がありまして、病院から報告ありました件数は17件でございます。御家族等に御説明しまして納得いただいて解決したものは2件ありまして、示談で解決したものは5件、話し合い中のものは10件となってございます。
 それから、裁判で現在係争中のものは4件でありまして、9年度に提訴されたものが1件、これは千厩病院のケースでございます。それから、11年度に提訴されたものは1件ございまして、これは北上病院のケースでございます。それから、今年度、12年度に提訴されたものは、中央病院と久慈病院がそれぞれ1件で計4件でございます。

〇佐々木俊夫委員 どうも聞き取れなかったんです。皆さんわかりましたか。皆さんわからないと言っているんですが、もう一回数字のところをゆっくりしゃべってくれませんか。

〇内藤業務課長 今年度病院から報告あったものは17件でございます。話し合いをして、示談というか、話し合い、納得してもらったものが2件でございまして、あと示談というのは、幾らかの賠償金をお払いするなり、そういうことをしたものが5件ございます。現在話し中のものが10件ございます。裁判中のものは4件ございます。裁判中のものは4件でございます。

〇佐々木俊夫委員 17件のうち納得してもらったものが2件、示談が5件、そのほかの10件のうち4件が裁判中、6件が話し合い中、こう理解しましたが、示談をお金でというお話でしたが、総額でどの程度払ったんですか。

〇内藤業務課長 先ほど10件というのはことしに起きたものでございまして、係争中のもの4件というのは、9年度1件、11年度1件、12年度に提起したのが2件となっております。

〇佐々木俊夫委員 まあ、わかったことにします。非常に難しい説明でございまして、もっと我々にわかりやすく説明してほしかったんですが。
 いずれ、こういうことで、想像した以上に件数があるものだなと率直に感じました。私どもはもう、県立病院は絶対だというつもりでおりますし、地域でも中核病院で、それだけの業績を上げておりますので、やっぱり県民の期待に沿うようになお一層努力していただきたいし、また、解決に当たっては、県民納得の、事故者、被害者納得のいくようにやっていただきたい。だからといって、甘く、何でもかんでもじゃないので、やっぱり基本というものがあるわけですから、基準にのっとってきちっと対応していただくようにお願いします。
 次に、通告していなかった件でございます。これは、釼吉業務課長補佐、一生懸命私のところに来たんですけれども、私の質問の焦点が定まらなかったものですから、中身を通告できませんでした。したがって、これは釼吉補佐の名誉のために言いますけれども、彼の努力不足ではございません。私の都合で通告できなかったんですが、ようやく今定まりましたので質問いたします。
 さて、私たちは今、13年度の予算案を審議しております。つまり、今月の27日まではこれは案でありまして、まだ予算として決まったものでないことは当然であります。
 ところが、医療局では去る15日に、13年度の県立病院の清掃・警備などの入札を実施したと聞いておりますが、本当ですか。来年度の分。つまり、我々の議決前に入札を実施したということであります。もしそれが本当だとしたら、予算が決まっていないのに入札をする根拠、あるいは権限と言ってもよいのですが、それはどこから与えられたのでしょうか。何で議会の議決前に行わなければならなかったのでしょうか。
 これはことしだけですか、それとも前から行ってきたいわば慣例的なものでしょうか。
 議決前の入札実施は、明らかに議会軽視というよりは無視ではないかと思いますが、局長、いかがでしょう。

〇佐藤医療局長 工事等の入札などにおきましても、当然、議会の議決をして、その入札の効果が発せられる、いわゆる留保された形で、そして入札の金額につきまして、また議会の議決を得たりしてなっているものでございまして、これは毎年度、実は4月1日から、例えばいろいろな事業が発生いたしますので、議決後にその契約が成立するという形になるものでございます。

〇佐々木俊夫委員 私の聞いているのと違うんです。それは予算が決まりましてから入札をして、一定金額以上は議会の議決を得なきゃなりませんので、それは議会にまた提案をして、議決を得て、契約になる。これは私も知っていることなんですけれども、私の申し上げているのは、13年度予算が今審議中なのに、まだ議決前に入札をしたのはどういうことですか、前からそういうことをやっていたんですか、ほかにもあるんですかと、こう聞いているんです。

〇佐藤医療局長 私どもの入札につきましては、あくまでも予定行為ということでございまして、議会の議決が成立しなければ、それはつまり契約がなかったことということになるもので、これは毎年度、4月1日から清掃その他いろいろなものがございますので、それに間に合うようにやっているものでございます。

〇佐々木俊夫委員 4月1日に間に合うようにやっていますというんですが、私どもは今議会審議中なんですよ。それを事前に入札をして、4月1日に間に合わせるから、議会で審議の前、15日ですから3日も4日も前ですね、その日にやるということは、ちょっと私ども納得できないんです。もしそんなに急ぐものであれば、何でもっと前に議会に出さなかったんですか。前もって議決を得て、そして4月1日からの事業に間に合わせるように作業をして、何ら空白のないようにやるのが本当じゃないでしょうか。今、27日に我々が議決するか、否決するかわかりませんよ、これ。それを事前にやったということは、従前からやっているんですかと聞いているんです。

〇佐藤医療局長 入札はいたしましたけれども、契約は4月1日ないしは議決後の契約という取り扱いをしております。

〇佐々木俊夫委員 入札をやれば、だれかに決まったんでしょう。じゃ、4月1日までは、入札は実行したけれども、これはどうなっているんですか。その間は何か、金庫にでも入れておくんですか。そして、4月1日にあけて見るんですか。それとも発表していないんですか。

〇佐藤医療局長 入札はいたしましたけれども、あくまでも予定行為ということで、実際の契約の効果は、契約をいたしましてから発効するということで、従前、その取り扱いをいたしております。

〇佐々木俊夫委員 しつこくはやりませんけれども、じゃ、そういう予定行為がありますよと。議会では審議をお願いしているけれども、既に入札も実施しています、契約はしませんけれども、そういう予定行為がありますよという説明をしたことはありますか。

〇佐藤医療局長 私に関しましては、そのように説明したことはございませんでした。

〇佐々木俊夫委員 医療局は昔からこういうことをやっていたんですか。

〇佐藤医療局長 昔からそういう事務が、例えば清掃等の業務につきましては、そのような取り扱いをいたしております。

〇佐々木俊夫委員 そういうことがあったと。何か、私どもに教えなかったことが昔から行われておったと、こういうことでございまして、私ども真剣に予算案を審議する立場からしますと、何かもう形式化しちゃって、進むものはもう進んじゃったと、こういうことでは、今後の審議に大いに差しさわりがあるし、議会の権威のためにも、こういうことはよくないことだと。急ぐのであれば、もっと早いうちの議会に出して、特別議決を得て、時間的な余裕を持ってやるべきじゃないか、こう思います。これは言っておきます。
 そこで、じゃ関連して聞きます。私は12月の決算委員会で28病院の清掃問題について質問しました。平成9年までは28病院個々の入札であったんでありますけれども、10年から一括随意契約にして、10年、11年、2カ年ともに岩手ビル管理事業協同組合と契約をして、実際の仕事は組合と組合員の業者の間でしかるべき契約をさせてやらせた。そのことについてこの前質問したけれども、医療局はわかりませんと、こういうことでした。どんな契約をやったかわからなかった。
 ところが、去年になりますと、突然今度はまた一般競争入札制に直しました。しかも一括ですね、県内1本にして。その結果、契約価格は7億2、324万円となって、私はちょっと不自然な点があるよと、こう質問いたしましたところ、内藤課長は、清掃面積が増加したし、物価も上昇したし、労務賃もアップしたからですと、こう答弁をされました。
 そこで、私お伺いいたしますけれども、そのように値上がりしていくのは当然ですという答弁があったんですが、先ほど私が指摘した4日前の入札ではどこの業者が落札したか、まずお答えいただけませんか。私の情報は不確実ですので聞いているんですが、あなたたちが今まで最もいい業者だと言った県業者組合は落札できませんでした。県外の業者が落札したと聞いておりますが、その内容はいかがでしょうか。

〇内藤業務課長 業務の予定行為ということで、去る15日に開札を執行しました。一般競争入札でやりまして、五つの業者さんが参加いたしまして、結果、今のところは東京の業者さんに予定がなってございます。

〇佐々木俊夫委員 私、不確かですけれども、業者は知っているんですよ。私が言うと後でまずいと思って言わないだけなんです。
 しかも、この前の私の質問に対して7億2000幾らは適当な価格だから、随契もしましたしと、こう説明したんですが、15日の入札では、驚くなかれそれより15%安く落札しているんですよ。7億円の15%ということは1億5、000万円でしょう。しかも、これは県外の業者なんです。となれば、今まで適当です、適当ですと契約した金額が、実は適当でなかった。何十年間県民にそれだけの負担を与えてきたことになりませんか。私はそういう思いがあるから、この前の決算のときも説明したんですけれども、のらりのらりとやったんです。
 もし、これがこのまま、あなた方はまだ契約しないと言っていますけれども、実際、入札行為をもうしたんですよ。そして、落札者は仕事を準備しているんですよ。そういうことですので、そうなりますと、今まで何十年も地元の業者が、地元銀行として、県民銀行として仕事をしてきたのが今回除外される。そうなりますと、それぞれの地域経済には大変な影響が出るのではないか、こう思うんですがいかがでしょう。

〇佐藤医療局長 病院の清掃につきましては、9年以前は個々の病院が非常に仕様その他がまちまちで、それではなかなか病院の性格上、まちまちな状況では困るということと、もう一つは、病院の事務担当者は非常に忙しいということもございまして、それを病院から局で一括に何とか事務処理をしてくれないかということがございまして、それで10年度に、これはビル管理組合に随契という形で契約をいたしました。
 このビル管理組合と申しますのは、県内のそれぞれの業者さんの集まりでございまして、そこに随契をしたということで、10年度、11年度はそこに随契をいたしましたが、12年度に至りまして、それだけでは競争性の確保という観点からもう少しこれを深めていただきたいということで、12年度に一般競争入札にいたしました。結果として、これはビル管理組合が受注することになったわけですが、さらに、13年度は、この県内の業者も含めまして全体で入札した結果、お話のように県外の業者さんがこの仕事を受注すると申しますか、予定者になったと、こういう経緯でございます。

〇佐々木俊夫委員 ですから、やっぱり入札したんでしょう。素直に認めればいいんです。まだ、どうのこうのと言わないで。しかも、入札でやったんですから、県の権威でやったんでしょうから、どなたが落札したのはけしからんと私は言っているんじゃないんです。問題は、まだ予算審議中に事前に入札して、しかも結果として、せっかくみんなで県内企業育成と頑張っているときに、ばっともう県外業者が落札をした。しかも金額は、どういうそろばんでしょうか、15%近くも安いということになると、今まで正当な価格で契約しておったんだろうかという疑問が今度は私どもに出てくるし、今後、県内でこれらの仕事をしていた業者、今まで27ですか、その方々はどうなるんだろうかという心配を私はいたすわけでございますので、その点については、やっぱり議会の方にきちっとやっていただきたいということと、今後、これから派生してくる諸問題があると思うので、その対応もきちっとやっていただきたい。
 ひとまず終わっておきます。

〇田村正彦委員 今、清掃業務の入札の件が出ましたので、それに関連してお尋ね申し上げます。
 今の議論の中で、落札業者というんですか、来年度の清掃業務の予定業者が決まったというようなことなんですが、県外の業者という表現なんですが、どういうふうな会社で、そしてまた、その会社の役員構成はどうなっているのか、社員はどうなのか。果たして確実に県立病院の清掃業務をしかとできるに足りる業者なのか、その辺をまず御答弁お伺いします。

〇内藤業務課長 ちょっと手元に資料がないものですから詳しいことはあれですけれども、東京の業者さんで、新潟大学とか、あるいは横浜市立大学、それらの病院を結構やっている業者さんでありまして、病院をできるという判断をした、またはWTOで一般競争入札なものですから、それらの資格は本当は有しないという、一般競争入札の資格があれば競争に参加できるという制度なわけでございますが、一応、病院なものですから、それぞれ事前に医療局でそういう実績なり、あるいは医療法に基づく許可条件とか、そういうものの資料は取り寄せて入札に参加させたものでございます。

〇田村正彦委員 さっきの質問の中での役員構成とかそういったものの資料は、早急に御提示いただきたいと思います。
 今、WTOを持ち出されたのであえて私は申し上げたいと思います。例えば、県内土木建築業者で、県内の業者の発注率を高めるようにという請願が出されております。そういった請願を、例えば議会で議決した場合、WTOという観念から行けば、議会の議決というのはその精神に反するということですか。

〇内藤業務課長 いずれ、特例政令、WTOで、清掃業務は 3、300万円以上のものについては一般競争入札に付しなさいという法律があるものですから、それに基づいて実施したものでございます。

〇田村正彦委員 清掃業務は特例ですということですので、理解をしました。
 そこで、そのくらい土木業界でも県内の発注率を高めてください、これは県内の経済基盤を強化するため、あるいはそういうための請願なわけです。やはり医療局においても、私は、県内には清掃業者がいっぱいあるわけですから、そういった業者を指名して、その中から競争の原理を働かさせていただいて、それを落札させる──落札させるという表現は悪いんですけれども、そういったものから選定するというのが、私は県民にとっては一番納得のいくことだと思うんです。何もWTOがそうだからといって、後で役員構成がどうなるのか……。

〇佐々木一榮副委員長 田村正彦委員に申し上げます。
 関連質疑は冒頭に質疑を表明している委員よりも優先して発言を認めているものでありますので、その性格上、関連性の強いもののみ、短時間、簡潔にお願いします。

〇田村正彦委員(続) じゃ、最後にお尋ねします。
 例えば、こういう清掃業務というのは、私は1年間の短期契約というのはなじまないと思うんですよね。やはり、これは業務の中で患者と直接触れ合うプライバシーの面もあります。教育とか、研修とか、そういったものも含めて、やはりこれは1年の短期ごとに業者がころころかわるのではなくて、ある程度継続性を持たせた清掃業者の選定の仕方がぜひ必要だと思いますので、そういった考え方に対しての御見解をお尋ねします。

〇佐藤医療局長 私どもも県内の業者さんになるべく多く仕事をしていただきたいという思いは変わりございません。ただ、WTOの関係につきましては、3、300万円以上のものにつきましては、これは一般競争入札ということになっているものでございますので、仮に3、300万円以上であれば、これはWTOに基づく一般競争入札となるものでございます。ただ、先ほど申し上げましたように、中小企業組合法、つまりビル管理協同組合につきましては、随契できる対象となっているというものでございまして、平成9年度、10年度はそういうことで随契をいたしましたが、その後、やはり競争性を求める声も強かったということで、今回、それから前回等も一般競争入札に付したということでございます。
 いずれにつきましても、それぞれの利点、欠点等がございますので、十分研究をしながら、いい方法を今後模索してまいりたいと考えております。

〇内藤業務課長 役員構成はないです。事業計画とかそういうものをもらって判断したものでございます。

〇菊池勲委員 入札したというのは、まだ予算も通っていないから、当然本契約はしていないわけなんだけれども、例えば、去年の入札価格からすれば15%も下がったと、そして請け負った業者は東京だと来るわけだ。これは恐らく、東京から何百人の人を連れてきてやるわけじゃないんだ。これは絶対に去年までやった業者の下請や何かだ。15%も下げて、去年適当と言っていて、1年たったら15%と、物が上がっているときに15%下げて落札していて、絶対にまともに仕事ができるはずがないんだよ。そうすれば、下請にまた丸投げだ。県内の県民がその下で働くしかない、これは絶対に。そしてあなたの年度の計画では、最初から赤字の計画だよ、これ、予算審議ではね。そういうときに、県民が負担していて、よその業者に取られて、しまいには岩手県民がそこで働かなければならないんだよ。こんなやり方ないだろう。WTOに引っかかるなら、27の病院があったら、全部27に分けたらいいんじゃないの。そうしたらみんな3、000万円以下になっちゃうんじゃないか。どう、局長。これじゃ、県民のためにはやり方が悪い。

〇佐藤医療局長 仮に27の病院を分けましても3、300万円以上のものが、多分私の記憶では半分近くあったということでございまして、それを分けたとしても、一般競争入札というものから全部免れるのはなかなか難しい状況にあります。
 ただ、いずれにいたしましても、委員がおっしゃることと、私どもが考えることとは同じことでございますので、心配するのは同じことでございますので、いずれ、今後研究を重ねてまいりたいと思っております。

〇佐々木一榮副委員長 執行部に申し上げますが、先ほどの田村委員の質問に関し、審査終了までに資料の取り寄せを行い、再度答弁をお願いいたします。間に合わない場合は、全委員に答弁資料を配付願うことになりますので、御了承をお願いします。

〇折居明広委員 簡単にお伺いします。
 医療局の担当の方にお伺いしますが、10年度、11年度、12年度、県立病院のそういう関係の担当業者は、10年度が9業者、11年度が9業者、12年度が9業者、これは随契の場合も一般競争入札の場合もそういう業者さんが27の病院を分担してやっておりますが、今、県外のNという企業がこれを一括契約するということになれば、27病院を何業者でやることになるのか、そういう見通しはついているのか。それとも、Nという会社が1社でやるのか、その辺だけお伺いしたいと思います。

〇佐藤医療局長 10年度、11年度、12年度、病院が一括して契約に入ったわけですが、あくまでも10年度以降はビル管理組合という1社が請け負いまして、そして施行してきたと。ただ、現実には構成員の方々がおりますので、その方々が分担したかもしれませんけれども、そのことについては組合内部のことでございまして、あくまでも私どもは1社のいわゆる企業体と契約をしたということでございますし、また、今度予定いたしておりますところも、これまた1社ということでございまして、先ほど業務課長から申し上げましたように、その施行に当たりましての担保と申しますか、そういうことについては十分ヒアリングをいたしました。
 なお、これは結果として、実際来年度以降契約をし、内容を厳しくチェックしていかないと、今後の方向性というものにつきましては、それを待って論議するしかないと思っております。いずれ、適正に執行できるものとの判断から入札に応じていただいたものでございます。

〇折居明広委員 局長、ビル管理組合の場合は傘下というか、グループの構成メンバーに相当数の業者があった。質問は、今度のN社というところにそれがあるのかということです。

〇佐藤医療局長 そのグループにつきましては把握いたしておりません。

〇折居明広委員 やはりはっきりN社という企業体の背景なり、グループなりを調べた上で、これは契約に応ずるべきだと思いますが、御検討いただきたいと思います。

〇伊藤勢至委員 2点お伺いいたします。1点は、今の皆さんの議論のまさに清掃業務についてでありますが、一たん水入りをしてからやりたいと思いまして、先に別な方をお伺いいたします。
 宮古市の旧県立宮古病院の跡地の問題についてお伺いいたします。
 旧宮古病院跡地は、宮古駅前の一等地にあり、宮古市の中心商業地域の活性化のために大変重要な土地であると認識いたしております。当該地域については、平成2年12月に東北郵政局長から岩手県医療局長に対して、宮古郵便局移転用地として譲渡依頼があったものでありますが、同年、境界確定訴訟が起こされ、売買契約が見合わされた経緯がございます。
 その後、8年を費やして、平成10年7月に判決が確定し、跡地の売買契約が可能な状況となりましたが、国においては、財政状況が厳しく、あるいは民営化、独立採算性などの議論もあり、いまだに郵便局移転用地取得の予算確保に至っていないと伺っております。
 去る3月8日の岩手日報の報道によりますと、宮古市議会において市長が、総務省は宮古病院跡地への郵便局移転に前向きな姿勢を示したと答弁したとしておりますが、医療局は現在の状況をどのように認識しているかお伺いいたします。
 あわせて、当該地の利用については、第一義的には所有者である県が方針を示して行動し、地元宮古市は市民のために公共利用を進めていただくという観点から医療局をバックアップしていくということが本来の姿であろうと思いますが、医療局と宮古市との協議や連携はどのように進められておるのでしょうか。
 病院移転から約10年となり、また境界確定訴訟の結審から2年余りを経過しておりますが、医療局は今後どのような方針で跡地の利用を図っていくお考えかお伺いいたします。

〇岩渕管理課長 まず、現在の状況をどのように認識しているかということでございます。
 旧宮古病院跡地につきまして若干経緯を申し上げますと、東北郵政局から平成2年12月6日付の文書で郵便局建設予定地として譲渡依頼がありました。これに対しまして医療局としましては、平成3年3月22日付で譲渡することに同意しているところでございます。
 委員御指摘のとおり、旧病院跡地に係る2件の境界確定等請求訴訟が起こされまして、譲渡交渉が中断しておりましたが、平成10年に県の勝訴ということで結審したことから、東北郵政局は平成12年度、それから13年度に東北郵政局管内では第1優先順位ということで郵政本省に予算措置の要望をしたということでございますが、2年連続で予算化に至らなかったと聞いております。
 このような状況ではございますが、東北郵政局に譲渡の約束を早期に果たしていただきたいと考えております。
 次に、宮古市との協議・連携についてでございますが、宮古市からは、平成2年11月29日付の文書で、宮古病院跡地につきましては、宮古市の中心市街地に位置していること、そして、その利用はまちづくりにとって重要な課題であるということから、東北郵政局への譲渡について要望されているところでございます。
 医療局としましては、地元宮古市の意向を尊重して、必要に応じて協議しながら、東北郵政局への予算措置要望を続けてきたところでございます。また、宮古市におきましても、側面から総務省や東北郵政局に働きかけをしていただいていると考えております。
 次に、今後の跡地の利活用の方針でございます。
 医療局としましては、県有財産を長期間にわたって遊休資産としておくことは当然に好ましくないと考えております。地元宮古市からは、宮古郵便局の建設について総務省への要請を継続して、宮古市単独で活用すること等については考えていないと聞いておりますので、引き続き地元の意向を尊重しながら、東北郵政局への予算確保の要望をしていきたいと考えております。
 しかしながら、今後の東北郵政局の予算確保の見通しによりましては、これ以外の活用方法についても検討していかなければならない場合もあると考えております。

〇伊藤勢至委員 一義的には宮古市が自分の土地でない、所有者の岩手県にお願いをするというのが私は筋だと思っております。したがって、それを受けた形で岩手県が積極的に総務省と交渉していただく、これが筋なんだと思っておりますが、岩手県から宮古市に助役が行っているからといって、岩手県と必ずしも関係が密接ではない、相手があることでありますから、人が来たら密接だということにはならないと思うんですね。単価の面もあるでありましょうが、状況は大変厳しいと思っておりますから、なおひとつ積極的に、宮古市の駅前活用という観点からも重ねて積極的にお取り組みいただきますように、これは強く要望しておきたいと思います。
 それから、先ほど来の議論の部分でありますけれども、私も大変関心を持っております。昨年の決算委員会でもこの議論があったわけでありまして、ただその中で、総じて今までのやり方が、県内の業者と何となく癒着があるような雰囲気でけしからんという論点だったように私は思っております。そういう中で、今回、いろいろな検討を医療局が加えた中でこういう入札の結果になったのかと思いますが、結果的に、あけて見たらば県内の業者でない人が落札予定者になったと、こういうことのようでありまして、医療局としても踏んだりけったりの部分があるのかなと、そんな部分も実は思っているところであります。
 そしてなおかつ、県内業者育成という部分はどうするんだと今になって言うのは、ちょっと忘れて、1年おくれの議論ではないのかと、実はそんなふうに思ったところであります。
 確かに入札のすぐ次の日にある新聞に、仙台の青葉区の言われておる業者の求人広告が載ったようであります。清掃パート急募。パートですよ、パート・アルバイト募集と、こういうことであります。つまり、仙台に支店があって、盛岡には営業所がない。県内に主たる営業所のない人を指名して、その結果、そういう人が落札予定者になったということは、まさに県民の財産で、県内の病院の委託清掃を立派にしようという基本の部分に反しているのではないか、このように思うわけであります。
 そこで、金額的な部分だけが取り上げられております。前の年は7億強のものが今回5億円云々、1億5、000万円も安くなったという話でありますが、その中には、実は県立病院という大変重要な、命にかかわる医療機関の清掃ということから、例えば院内感染は厳に慎まなければならない、そういうことから今までのいろいろな流れの中で、いろいろなやりとりがあった中で、相当厳しい資格条件といいますか、相互の中に紳士協定で定められてきているんだと思っております。
 また、基本的には日常的な清掃業務は再委託を禁止しているようであります。これは、医療法施行令ほか、こうなっておりますから、つまり、丸投げは絶対にできない、こういうことをうたっていながら、落札をした会社がすぐ次の日に県内に広く求人をするような、そんな状況で、果たして正しい委託清掃の業務ができるのか、こういう思いがあるわけであります。
 そのほかに、清掃業務自己検査の実施年2回、及び結果報告、あるいは清掃作業員研修会の実施、あるいは各清掃区域ごとに、使用用具を区分して、いろいろなやりとりがあったんだと思う。だから、こういう部分を忠実に果たしていこうとすると、あるいは7億円にもなったのかもしれませんが、こういう部分を全く無視をして、仕様書も無視をして、とればいいさという業者が札を入れて、もし落札したのだとすれば、これは後で重大なそごを来すおそれがある、このように思うわけであります。
 しかも、本社が東京で、仙台に支店があって、盛岡には何ら営業所がない。そうなりますと、事業税、法人税、所得税、消費税も岩手県には還元されてこない、こういうことになるわけでありまして、岩手県民の医療を扱う医療局が、県民が働いている会社の経営を損ねてしまうようなことになりはしないか、こういうふうにも思うわけでありますが、これについて見解をお伺いいたしたい。

〇佐藤医療局長 今、委員がおっしゃられたことにつきましては、私も基本的な考えとしては同じでございまして、いろいろ、まず病院個々ではこの業務は大変だということから、一括契約をし、そして一括契約で多くの県内の業者さんが集まっておりますビル管理組合に随意契約をいたしました。そうしたところ、今度は競争性のことで非難を浴びるということになりますと、やはりこれは、これも含めました競争入札ということでやらざるを得なかった。しかしながら、今議論されていることにつきましては、私ども十分、何とかできないものかとは考えておりまして、今後とも、この方法につきましては検討しながら、より望ましいものにしていきたいと考えております。

〇伊藤勢至委員 最後になりますけれども、こういう清掃業務という部分の積算の根拠もある程度あるんだと思います。例えば、建設工事の場合でしたらば、例えば柱という場合には、鉄筋が何本入って、コンクリートが幾らとあるんですが、清掃という部分は、言ってみれば主観的なもので、きれいだとか、汚れているとか、クモの巣があるとか程度のものでしか判定がもしできないとすれば、大変に決めづらい部分もあるかと思うのであります。しかし、算定基準があって価格を設定しているということであれば、ある程度最低基準の、これ以下では到底自分たちが要望する委託業務はできないんだという価格があるんだと思うんですが、そういうところについてはどうお考えですか。

〇佐藤医療局長 確かに、成果品として目に見えない難しさはあるものの、仕様そのものにつきましては、それぞれ決められたものがございます。したがいまして、日常の病院におけるチェックが何よりも大切だと、このように考えております。

〇伊藤勢至委員 最後であります。
 先ほども触れましたけれども、清掃委託の場合は再委託業務が禁止されている、こう医療法施行令ほかにうたっているということでありますから、まさに下請を使ってはいけないという部分をうたっているんだと思います。東京に本社があって、仙台に支社があって、盛岡に何らない会社が、こういう部分に触れないで仕事ができるものではないと思っておりますから、こういう部分から、やはり県内に妥当でないものは、過ちは過ちとして改めて配慮をしていただくような検討を進めていただくようにお願いして終わります。

〇佐々木一榮副委員長 先ほど、田村委員からの質問に対し、内藤業務課長より答弁があります。

〇内藤業務課長 13年度の契約予定している業者の名前は南部興業という東京の新宿にある会社でございます。資本金は4、000万円となっていまして、役員は、取締役として萩原順、萩原千里、番沢稔、監査役として萩原智となっております。

〇田村誠委員 それでは、簡単に二つお伺いさせていただきます。
 まず一つは、医薬分業、いわゆる院外処方についてお伺いいたします。
 これは、国は高齢化社会に対応した医薬品適正使用の推進、あるいは医療制度の改革、患者の知る権利、医療費適正化対策、あるいは国際化等に対応するため医薬分業を推進しておりまして、これを受け、岩手県としても院外処方を各県立病院が導入・実施をしているようでございます。
 院外処方の実施状況と実施後の患者の意見、要望、あるいは問題点、これらをどのように把握され、それにどのように対応しているのか、まずお伺いいたしたいと思います。
 さらに、今後新しく院外処方に取り組む県立病院もあるわけでありますが、導入前に患者の理解を十分得ることになっているようでございますが、その対策は今後どのように行われていくものかお伺いいたしたいと思います。
 次に、医療事故と苦情ということで、先ほど医療事故につきまして、その実態については先輩委員の答弁に対し、理解いたしました。事故については私からは省略させていただきますが、特に苦情の対応ということでお伺いいたしたいと思います。
 近年、新聞報道に事故あるいはミスなどによって死亡という記事の掲載が目立ってきているわけでありますけれども、県医療局としても、先ほどの答弁によりますと、マニュアルをつくり対応と答弁いたしております。
 実は私事になりますけれども、私もおやじのつき添いで先生や看護婦さんの仕事の実態に触れる機会がございました。お医者様、看護婦様には大変御苦労をおかけしておるなということを眺めたわけでございますが、一たん夜間に重症患者が発生いたしますと、他の患者の呼び出しベルにも看護婦さんなどが対応できないような状態を見たことがあり、そのため先生などは一晩寝ないで、次の朝には既に外来患者の診察診療に当たる。いわゆるみずからの健康を削りながら治療に従事をする、そうした関係者の皆さんに頭の下がる思いを経験いたしました。
 そこでお伺いいたしたいわけでありますが、最近のように医療事故あるいはミスというものが非常に多くなってくる要因の一つに、お医者さんの過重労働というものは影響がないものかどうか。私は、先ほど申し上げましたとおり、みずからの健康を削ってやっているお医者さんの姿を見ますと、次の朝、まともな治療ができるのかなということさえ思うことがあるわけでございまして、これらについて、まずその実態についてお聞かせいただきたいと思います。
 それから、医療に対する苦情ということでございますけれども、これはどこの病院ということではなくて、全体的に、医療事故にはつながらないものの、患者への対応、あるいは説明不足等々による苦情として病院や医療局に出されているものはないものでしょうかという点であります。そして、もしあるとするものならば、これらの対応策はどのようにしているものか、これをまずお伺いいたしたいと思います。

〇佐々木一榮副委員長 世話人会申し合わせの時間ではありますけれども、答弁を求めましてから休憩したいと思いますので、委員の皆さん、よろしくお願いしたいと思います。

〇佐藤医療局長 まず私からは、医薬分業につきまして答弁させていただきまして、その他は業務課長の方から答弁させます。
 まず、県立病院における医薬分業の実態でございますけれども、全体を100とした場合に、およそ17%弱が発行になっているということで、そのうち、ほぼ全面発行というところは中央病院、花巻厚生病院、磐井病院、久慈病院、高田病院というところで、そこら辺は大体80%という状況であります。
 発行に当たりまして、何としても我々気をつけていかなければなりませんのは、例えば調剤薬局さんが広く分布されている地域については問題ないわけですけれども、県北のように必ずしもそうなっていないところがあるといったようなところにつきましては、積極的には取り組まないといたしておりますし、それから、そういう土壌が地区の薬剤師会等々と整いつつあるところにつきましては、これを発行していきたい。
 これは、委員既に御存じのことと思いますけれども、最近、お年寄りの方が複数の病院に行って、薬をもらってくる。そうしたものについては、やはりどうしても医療事故等が起きないようにダブルチェックというものが必要になってくるので、何とかそういうことを防止していかなければならないということから進めているものでございます。
 これにつきましては、まず、各病院には運営協議会がございまして、これには首長さん初め、地域の方々が入って、その病院をどう運営していこうかということで、毎年一度、なるべく私もお邪魔しながら、意見を聞きながらやっておりますが、その中で医薬分業の話というのは必ずと言っていいほど出てきている状況でありまして、そういうときに理解を求めるとか、あとは、病院の中で院外処方箋の検討委員会というのを持っておりまして、そこでは会計窓口あるいは薬剤科の窓口等においてのいろいろな意見や要望がありますので、それらを踏まえて、地域の薬剤師会や地域の方々にお話をしながら進めていくというふうにしております。
 今後におきましても、先ほども申し上げました趣旨から、応需体制が整いましたところから進めていきたいと考えております。

〇内藤業務課長 医師の過重労働の実態についてどう認識しているかということでございますけれども、県立病院全体の医師の充足率は、13年2月現在で89.8%となっております。全体でも不足しているわけでございますけれども、特にも大船渡病院の場合には、医療法上の必要数62名に対して、現在の医師数は44.9人で17.1人不足しており、充足率は72.4%にとどまっております。
 委員御指摘のとおり、入院患者さん等の容体急変等、あるいは夜間の呼び出し、救急患者さんの対応を行った後、その翌日も外来診療に当たるというのが実態でございます。そういう意味では、頑張ってやっているという認識をしてございます。
 こういう状況ですので、医師の労働時間短縮は今の状況の中では難しいものがございますけれども、今後も、従前からの医師奨学資金貸付制度に加え、新たな医師養成制度等を利用して、医師の確保に努めてまいりたいということでございます。
 それから、忙しいことが医療事故の要因の一つになっていないかということでございますけれども、日本病院会というところが公的な病院、民間病院を対象としまして調査しました医療事故の分析結果によりますと、その多くは手術・注射及び投薬のミスとなっております。その主な原因としまして、職員の思い込みや不注意によるものが多いと分析しております。しかしながら、職員の心身の疲労等による医療事故も少ないながらあると分析されているところであります。したがいまして、先ほど答弁したとおり、特にも医師の確保には努力してまいりたいということで考えてございます。
 それから、医療に対する苦情の状況でございますけれども、本年度に本庁及び病院に寄せられました診療に関する苦情の件数は約90件あります。その主な内容は診療に関する説明不足による苦情が大部分でございまして、あるいは患者さんに対する言葉遣い、態度、接遇等に関するものが多くなってございます。
 苦情への対応につきましては、全病院長、事務局長、総看護婦長等、機会あるたびごとに注意を喚起しているわけでございますけれども、特に本庁に寄せられた苦情につきましては、その結果を病院に通知しまして、事実関係の報告を義務づけさせておりまして、場合によっては病院長からその担当医師に注意するように伝えてございます。
 その中身によりましては、提言された、あるいは寄せられた方に結果をお知らせしております。
 また、病院におきましても、直接説明したり、必要によっては掲示板を利用したりしてございます。
 今後におきましても、苦情のないようにいろいろ気をつけまして、インフォームドコンセントをやるように指導してまいりたいと思ってございます。

〇佐々木一榮副委員長 田村委員の質疑の途中ではありますが、世話人会の申し合わせにより、この際、10分間ほど休憩します。
 田村誠委員、御了承願います。
   午後3時8分 休 憩
   午後3時24分 再 開

〇中屋敷十委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。

〇田村誠委員 それでは、まず最初に医薬分業、院外処方についてお伺いをいたします。
 先ほどは応需体制が整ったなら実施をしていくという答弁をいただいたわけでありますが、私も医薬分業、いわゆる院外処方についてはこれは当然やるべきだという立場での質問なんでありますけれども、ただ、今後新たに入っていく病院の場合、例えば大船渡病院ではことし4月2日より実施をしたいということで、これまでいろいろ関係者やあるいは医療局長みずから運営協議会などで説明をし、いろいろ意見が出されたわけであります。今回の一般質問の中でも、患者の立場の意見として、高齢者や体の不自由な人たちへの配慮、あるいは交通安全対策、いわゆる患者事情を含めてというのは、院内処方も当面継続をしてほしいんだと、急激にすべてまちの薬局で調剤をしてということになると、今の状況では交通の便だとかさまざまな事情があるようでありますが、そうしたことがいろいろ検討しているとの答弁なようでありますが、医療局としてはその辺をどのように今後病院を指導していくのか。その中で、これまでの実績を見てみますと、まだ半分以上とか、そこまでいかない各種病院もあるようでございます。それらもこうした事情によるものなのかどうなのか含めてお伺いをいたしたいし、それから、処方した薬剤がその薬局にない場合、そういう場合の対応はどうなされるのか、ひとつお聞かせをいただきたいと思います。
 それから、医療に対する苦情でありますが、先ほど90件ぐらいあると、これは説明不足、そうしたものが主な内容だということのようでございますけれども、例えばお医者様の判断ミスとか、あるいは看護婦さんの判断、そうしたものなどによる苦情というものはないものなのでしょうか。いずれこの医療事故、先ほど先輩委員が聞いておりましたとおり、県立病院というものは患者さんにとりましては命の救急病院でありますから、信頼してそこにかかるわけでありますけれども、結果的には治療の成果が変な方に、何というお話をすればいいのかわかりませんが、いずれ本来治療すればまともになる病気がまともにならなかったと、むしろ別な要因を生み出したという事例などはないものかどうか。そうしたことも含めて改めてお聞かせをいただきたいと思いますが、いずれ今のお医者さんの状況を見てみますと、とても患者さんに一人一人事細かに説明できるような状況ではない。そういうふうに見られます。あるいは看護婦さんなどもかなり飛び回っている状況にあります。そうしたことからそれが大きな事故につながるようなことがあってはならないと考えるわけでございますが、この医師不足、充足率が72.4%というところもあるようでございますが、県医療局としてもかなり御苦労なさっていることは十分理解できます。しかし、例えば偶然急患で行っても本来内科の先生であればいいものが小児科の先生であったり、いろんな対応に苦慮している病院の数というのはかなり多いのではないかという気がいたします。ぜひこれは、要望でありますが、医師の充足についてもっともっと努力をしていただくように御要望申し上げまして、まず質問を終わります。

〇内藤業務課長 院外処方につきまして、高齢者や体の不自由な患者さんに対する対応についてでございますけれども、県立病院では地域の事情等を考慮しまして、患者さんの協力を得て発行することにしております。委員御指摘のとおり、体の不自由な方やそういう高齢者の方につきましては配慮をすることはもちろんでありますし、御不便をかけないように対応してまいりたいと考えてございます。それから、交通安全対策等につきましては、警察なり市なりそういうところに横断歩道等の設置をお願いしているケースもございます。いずれ今後とも便利な院外処方については、地区の薬剤師会と協議をいたしましてよい方向に行くように努力していきたいと考えてございます。
 それから、苦情につきましては、いずれそういう判断ミスでないかという苦情等も中にはございます。そういうものはなかなか言い分が難しいものもあって調整が難しいものも事実あります。

〇佐藤正春委員 それでは、医療局長、いいですね、準備は。医療ミス、医療事故が多く社会の非難を浴びている。当委員会でも一番問題になりました。飛行機は、落ちないことが最大のサービスであり、病院は命を守ることが最大のサービスでございます。県立病院の事故あるいはミスについては、ただいま件数をもって報告がございました。医療局では県立病院での医療ミス防止や予防に向け、医療安全対策指針を策定し4月から取り組みを実施するとあるが、これは佐藤文昭医療局長の英断であって、退任最後の功績として高く評価をいたしたいと思います。
 先般、県病の勤務医の医師会費の公費負担が問題になったようでございますが、本県は当然のことでございます。私はかねてから医師会を通じて開業医の先生から県病の不足医師の代替をお願いしなさいと、こう主張してきたわけでございますから、医師会費の公費負担というものは私は当然であると、こう思っております。
 私は1月、中央病院に約40日入院しましたが、さすが県内一の中央病院とあって、至れり尽くせりであり感謝を申し上げたいと思います。そこで感じたことは、限られた医師、看護婦体制の中で、患者の要望や満足度が満たされる中、かなりの無理がございます。これは今、田村委員からも医師の状況などの質問があったわけでございますが、かなり無理がございます。確かに熱いお茶、温かい食事、おかずの選択、入浴、体ふきと、このローテーションがうまくいっているときはいいのですが、とっさの場合、緊急事態のときにすぐにこの頭の切りかえ、身のこなしができるものだろうかと、私は毎日ベッドに寝ながら見ていたのですが、これだけ無理してやって、限られた人数ですからね、やって、これはふやすなら別ですよ、大変だなと思っておりました。そこにサービスの負担がミス、事故につながらないものだろうかと憂慮するものでございます。最大のサービスは命を守ることを重点とすべきだと思いますがいかがですか。
 次に、中央病院で年間約400人の患者が亡くなると聞いてまいりました。いわゆるホスピスケア、中にはかなり苦しんでいる患者も実はおられたわけでございまして、このホスピスケアに対してどのような考えと対策を立てておられますか。
 次に、よい病院で先端治療を受けたいというのは、患者の願いでございます。地方の遠隔地から入院する場合、付き添いの家族の滞在費が大変な負担でございまして、特に子供の小児がん、難病の場合は、どうしても親が一緒でなくてはなりません。聞くところによると、東京都の亀戸に安い宿泊費で、また、北海道の北大病院でも1泊1、000円程度で、企業の善意によって合弁でつくったと聞いております。本県でも、中央病院、医大病院、赤十字病院のある盛岡市に、このような施設が必要であると思いますがどうでしょうか。
 次に、磐井病院の移転問題についてお尋ねをいたします。
 さきに地元阿部富雄議員の質問に対しまして、大平地区の進捗状況に医療局長は、地権者37人中35人の同意を得たと一関市より聞いていると、何とか12年度中に間に合うよう努力したいと答えておられますが、先般一関市議会においては、反対者2人のうち1人は同意を得ましたと、もう1人は見返り地を要求されております。そこで、この地権者に対して市長と医療局長名で確約書を出したいと、こういうふうに議会のやりとりがあったわけでございますが、これに同意をしたのでしょうか。また、35名同意の地権者のうち、土地名義人は35人なのでしょうか。それとも複数の名義人になっているのでしょうか。その土地は何カ所ぐらいございますか。さらには、前の予定地でございました前堀地区の約束の事後対策ですね。これは知事、医療局長、地元の市長として約束したことでございまして、この事後対策はその後どうなっているでしょうか。
 以上について質問いたします。

〇佐藤医療局長 まず、医療ミス、医療事故についての、とにかく病院のサービスというのは命を最重点にするべきだということで、全く私も同感であります。基本的には第一にそれを据えてやっておりますが、やはり従業員は皆さんの喜ぶ顔も見たいということで、やはり余剰が生じている時間、あるいは何とかして余剰をつくりながら、よりいいサービスをしたいということで頑張っておりまして、その結果、看護婦さんが走り回っていろいろ業務を遂行しているということにつきましては、私もそう思っておりますし、また感謝もしているということでございます。しかし、基本は先ほど申し上げたとおりでございます。
 それから、ホスピスケアと申しますか、これに対する考え方でございますけれども、県立病院のホスピスケアについてでありますが、これは身体的な痛みを取り除き、家族を含めました精神的、社会的苦痛を緩和しながら、患者さんが家族とともに残された時間を有意義に過ごせるようにというふうなことで対応していかなければならないことでございますが、特にも入院を必要とする患者さんにつきましては、家族とともに過ごすことができるような、恵まれた個室や人的体制の整った緩和ケア病棟というのが求められているところでございます。しかしながら、この緩和ケア病棟というふうなことになりますと、新たな施設の整備や、それから医師の充足率がその病院に100%以上いなければならないとか、それから看護婦さんの数が患者さん1.5人に1人だといったようなことなどなど、多くの課題がございまして、県立病院でこの緩和ケア病棟をつくることには今すぐはなかなか困難が伴います。したがいまして、現実的な対応といたしましては、既存の個室を有効活用しながら、それから新築時にはそういった個室をふやすといったようなことで極力対応しているということでございますし、それからまた、最近では自宅で療養を希望する患者さんが多くなってきているということでございまして、さらには、通院しながら痛みのコントロールもできるようになってきたということで、福祉サービスの利用やかかりつけ医との連携を図りながら、こういった条件づくりといったようなものを取り組んでいきたいと考えております。
 それから、小児がん等の、言ってみれば中央病院なんかで子どもさんに付き添ってくる方の宿泊施設と申しましょうか、そういうふうな話がございましたけれども、県内では岩手県難病団体連絡協議会というところが、盛岡市内に一軒家をその憩いの家として開設しているということでもございますし、それから医療局として今後、中央病院にいる患者さんの実態調査をいたしまして、これは県立病院のみならず岩手医大とか、それから市立病院とかいろいろありますので、トータルで取り組むべき課題ではないかということでございますので、関係部局ともそういう話があるということを踏まえまして、ともども検討していきたいと考えております。
 あとの磐井・南光病院につきましては、管理課長の方から答弁をさせます。

〇岩渕管理課長 磐井・南光病院用地に係る見返り地要求の確約書についてでございますが、用地交渉を委託しております一関市と当該地権者との交渉過程におきまして代替地提供の要請がありました。これに応ずるため確約書を用意して市に託し、一関市では本人に渡したと報告を受けております。
 次に、土地の名義人についてでありますが、登記簿上の土地名義人は35人となっております。また、複数の名義になっている土地、いわゆる共有地になっている土地は、地番ごとに区分すれば全部で10カ所というふうに聞いております。
 それから、前堀地区の事後対策についてでありますが、前堀地区につきましては現在、一関市において保健施設などの用地として取得する計画であると伺っております。医療局としましては、一関市から具体的な相談があった段階で関係部局と連携をとりながら、現行制度上許容される範囲で可能な限り支援をしてまいりたいと考えております。

〇佐藤正春委員 割合はっきりと御答弁いただきましてありがとうございます。この磐井病院は当初計画、前堀地区ですとことし完成なわけですね。この大平地区に内定して既に1年おくれております。今担当課長から説明があったわけでございますが、12年度、あと10日ほどしかございません。ですから、この10日ほどの間に用地測量、用地取得はこれは物理的に無理なわけですね、どう考えたって。今土地等についても10カ所ほどあるという答弁でございますから、これは全部名義を直したり、これからまだ代替地が欲しいという人は、その代替地があれば測量でも何でも許すけれども、そうじゃなかったら反対だと言っているわけでございますからね。物理的に無理だということになると、また1年おくれるわけですね。この点についてはっきり御答弁を願いたい。そうすると、ちなみに1年おくれることによってどれだけ県民の税金がむだになるかということは御承知でしょうか。割合承知していないのではないかな。自分の金ではないからね。この磐井病院のみの12年度の修繕費というのは幾らかかるかと言うと、12年度4、044万3、000円かかっているんです。隣に露木さんいるけれども、もとこの人もいたのだからわかっているんだ。磐井病院だけで12年度4、044万3、000円、南光が2、084万1、000円かかっている。合計で6、128万4、000円かかっている。だから、これからだんだんその病院がぼろになっていくわけで、これはもっとかかるわけです。両方で6、000万円もかかっているわけだ。5年おくれて幾らになりますか。10年おくれて幾らになりますか。そういうことを頭に入れながら、とにかく早く進めていかなければいけないわけでございまして、だからもっとこの一関市と密にして、そしてとにかく早くつくるということでなければならないと思っているわけでございまして、この点についてどうなのか。担当の課長、物理的に無理でしょう。だから、また1年おくれるならおくれると。さっき局長の方からは設計費を計上したという説明があったわけでございますから、これは2年あるから何とかその間にできればいいのかなというような気もするけれども、いずれ皆、着々とおくれていっているわけでございますよ。その点についてお答えを願いたい。
 それから、先ほど医療ミスについて各県において報告がありました。実はこの医療ミスについては、局長は今度御退任なさるのだから、私は報告があれば質問しないと思っておった。ところが、どうでしょうか、示談、話し合い中、裁判中と、こういうふうに説明があったのですが、この中に隠ぺい中というのがあるんですよ、隠しているのが。わかるでしょう、局長これ。いいですか、文藝春秋の4月号に何て書いている。病院に殺されないためにという特集記事があるんです。読んだでしょう。日本の一流雑誌にこういうことを書かれているんですから。知事も何て言っているか。職員はあったことは隠すことが一番悪いと、こう言っているんですよ。医療ミスを隠しているのではないですか。県立磐井病院では平成11年12月に医療事故を起こしています。これは皆さん承知なはずです。某患者ががん検査のために内視鏡を入れて検査中に腸に穴をあけてしまった。医師が早急に穴を結び危なく一命を取りとめたと私は聞いております。この医師──O医師はなぜか大学の方にその後すぐに転勤になった。その後、某患者──患者のプライバシーのために言えないわけでございまして──の様態が思わしくなく、病院側では10万円払った。10万円払ったきりその後一銭も払っていない。1年間にわたり医療ミスの補償、休業補償と交渉が続きますが、金額が折り合わない。そして今日に至っております。医療局は先般、〇〇円の金額を提示しているんですよ。ところが患者の方で納得しない。この問題はその後どうなったのでしょうか。
 また、医療事故ミスによる補償の規則はどのようになっておりますか。この患者の場合のケースはどのケースに該当しますか。そのほかにもCTの検査の指定日に行くと、きょうは器械が故障でだめだから後で来てくださいと。田舎のばんつぁんは泣き泣きしようなくてまた帰っていく。磐井病院ではこういうクレームが尽きないんですよ。これらの医療ミス、事故というものはすべて劣悪な環境のもとで、古い器械を使用しなければならないという磐井病院の現状にあるんです。おくれている現状にあるんだ。医師や看護婦のいらいらもこれが原因ではないでしょうか。県民の命にかかわることでございますから、ひとつきちんと、私はこれ質問しないつもりでいた、ところが、もやもやとなってその説明しないから、これは聞かないわけにいかない。きちんとひとつお答え願いたい。

〇佐藤医療局長 磐井病院の進捗状況等につきましては管理課長の方から答弁をさせますが、医療ミスの関係で私の方に報告がありまして、確かに磐井病院で大腸ファイバー検査の関係で手術等について患者さんの方から、それから病院の方から話が来ているのがございまして、これは現在は患者さんとも十分話をしながら金銭的なもので示談を交渉中というふうになっております。決して隠していることではなくて、いち早くこういったことがあれば、患者さんの方にもお話しをし、そして納得のいくような形で交渉をしたいということで進めておりますが、金銭的なものから若干今おくれているということでございます。
 それから、補償等の基準関係につきましてですが、基本的には医療関係の事故につきましては、これは保険を掛けておりまして、その保険会社との交渉、これは全国的にそういった医療関係の保険の事務を扱っておりますので、適切な金額等につきまして御指導いただき、また、その結果につきまして保険で対応してもらえるということでございますので、そちらとの連携をよくとりながら、そしてまた、患者さんの御希望にもかなうようにということで進めているものでございます。いずれにいたしましても、病院の建築につきましては、とにかく医療局、一生懸命に取り組んでいるつもりでございますが、何せ相手側のこともあるものですから、物理的には本年度あと少しの時間でありますけれども、鋭意今、交渉中でありますので、御理解をいただきたいと思っております。

〇岩渕管理課長 磐井・南光病院の用地取得の件でございますが、いずれ今年度中に契約発注までたどり着くのは非常に困難ではないかという委員の御指摘でございます。確かに今、微妙な段階に差しかかっております。あと1名ということで何とかその方から確約書をいただきたいと、残すところあと10日でございますが、いずれ何とかめどをつけたいということで、一関市ともども今、一生懸命にやっている状況でございます。めどがつけば直ちに契約登記ということにしたいと思っております。17年度開院という予定でございますが、既に境界分筆の確定のための測量調査、間もなく終わりますし、それから造成設計についても既に取りかかっております。したがいまして、確たることは申し上げられませんが、最終的には来年度4月または5月ごろまでに用地取得のめど、あるいは用地取得ができれば、17年度中開院についてはおくれないであろうと考えております。
 それから、磐井病院の修繕費がかかっているのではないかという御指摘でございます。確かに老朽化したということでいろいろのものもかかっておりますが、ただ、磐井病院に限らずその他のこういう中核病院9病院ありますが、9年度から11年度までの修繕費の3カ年平均を見ますと、磐井病院が4、906万8、000円、その他の9病院平均が5、647万7、000円ということで、必ずしも磐井病院だけが多額の修繕費を要している状況ではないと数字上は考えております。いずれ病院関係の建設計画のおくれに伴う課題につきましては、こういうふうに今までも対応してきましたが、今後とも患者さんの診療に支障を来さないように努めてまいりたいと考えております。

〇佐藤正春委員 あのね、岩渕課長、あなた一関市出身ですよ。一関市の内容よく知っているでしょう。この反対の地主があと10日で決まるわけないじゃないの。この人はもう一本重大なアクセスの道路の地主なんだよ。今、県では土地収用かけようとしているんだ。片っ方は土地収用かけようとして、片っ方は何とかお願いしますって、うんと言えるわけないじゃないか。何て言っているかというと、道路縁の代替地を欲しいと言うんだ。どこの道路縁と言っていないんだ。気に入らなかったら5年でも10年でもこの人は延びるんだよ。今までそういう実績のある人なんだ。それで10日間でやってめどがつくなんて言えるかね。そういうそらぞらしいことを言ってはだめだよ。だから10日ではとても間に合わないが、継続して何とかやるとか、あるいは医療局長言っているんだ、前には答弁しているんだから、地主が何ともならないときにはほかを考えようと言っているんだから、それなら今のうちから土地が、例えば──例えばだよ、現在地では、当初現在地の今の磐井病院のところも考えたことあるんだから、最初はね。じゃその方が早いのかと思ったら、今のうちからいろんな選択肢というのを考えていかなければだめでしょう。そんなそらぞらしいこと言って2年たってまた転勤なんて言ったってだめだよ、そんなこと言ったって。そういうことをよく考えていかなければいけないし、それから跡地、前の前堀地区の問題についても、ぜひこれは促進していただきたいと、こう思っているわけでございます。
 さて、どうですか、局長、私、あなたに言うの気の毒なんだ、言わないと思ったけれども、この医療ミスについてはね。一生懸命局長は御理解をいただきたいと、私が理解するんじゃないんだよこれは、相手の患者だよ。危なく一命取りとめたんですよ、この人は、穴あけられて。はっきり言うけれど、今あれでしょう、金額だってあなたの方で100万円提示しているわけでしょう。向こうでは納得しないわけですよ。ハッとどころではないんだよ、これはもう。ハッとと冷やっとではないんだ。死とすれすれだったわけだから。御理解をいただきたいと、1年間この交渉はまだ決まらない。どういうことなんですかこれは、それが誠意ですか、それが誠意なんですか。それから、こうなってくるとどうも怪しくなってくる。私はこの隠ぺい中のものは何件かと、こう思ったのですが、この話し合い中の中に隠している部分があるのではないですか、課長。この隠ぺい中のものは話し合いに入るかどうかわからぬが、ほかの現在話し合い中、どうもこれも隠しているのかもしれん。これは私は磐井病院のものは私自身が調べたもの。そのほかのものもひとつこの際明らかにしてください。

〇内藤業務課長 あくまでも病院から報告あったものの数字を言っていまして、別に隠しているものはないと思っています。

〇佐藤正春委員 あなた随分わかりやすいこと言うね。これ私が言わなかったら永久にわからないんでしょう。これは隠したのではないと言うんだね、言わなかっただけだと言う。こういう大事件というものは病院側で責任を持って言わなければならないものでしょう。それをあえて私の方から、何年何月にこういう事故があったではないかと、金もこれしか払ってないではないかと、1年間どうしているのだと言われて初めて答弁なされたわけでしょう。だから、どうもそうなってくるとほかにもあるのではないかと、これはここにおられる皆さん、委員さんみんなそう思いますよ。ほかにもまだ隠しているのあるのではないかと。しかも、そのO医師というのはもうすぐに大学病院の方へ引き揚げていった。随分転勤となるとこれは早いものだ。だから、そういうことというのは私はこの際、今、全国的にこれは問題になっている。だからこそ申し上げる。少なくとも日本一の県病と言われる岩手県ですよ。その岩手県にこういうことがあっていいのか悪いのか。私はこの際やっぱり、医療局長、あなたはここで勇退するときに、後輩に対してきちんとこのことを申し渡してほしい。もう一度お願いします。

〇佐藤医療局長 先ほどの答弁が少し舌足らずな分があったと思いますが、今、委員が御指摘の磐井病院の事故につきましても、病院の方からはきちんと報告をいただいておりまして、そして今その交渉に入っているということで、患者さんの方にはいち早くそのことをお話ししながら交渉しているということで、その金額と折り合いの関係がありまして若干時間がかかっておりますけれども、鋭意患者さんとも誠意を持って交渉していきたいと考えております。
 それから、事故の件数でございますけれども、先ほど12年度については17件と、これは患者さんが必ずしも納得いかない部分もありますので、必ずしもこれが病院のミスかどうかというのはいろいろありますけれども、そういう意味でいきますと12年度は17件、11年度は11件というふうに近年ふえてくる傾向にございまして、そういうことで先ほど答弁いたしましたように、この件をとにかく最重点課題ととらえまして、いろんな対策を実施したいということで、鋭意取り組んでいることでございます。

〇佐藤正春委員 念のために局長、聞いておくけれども、ほかにもうないんですね。これだけきちんと言ってください。ほかに隠しているのはありませんね、医療ミス、医療事故で。例えば、単純な風邪を引いたのに何か別な薬を飲ませてちょっと熱が上がったとか何とかというのならどうか知らぬけれども、命にかかわるような医療ミスとか医療事故あるんですか、ないんですか、これだけきちんと言ってください。

〇佐藤医療局長 私の方には、例えば病衣を交換する際に、非常に年とった方、90歳近くの方が着がえ中に、つまり骨折をしてしまったなどというところまで報告が来ておりますので、命にかかわるもの等がもしあれば漏れなく報告が来ているものと思いますけれども、しかし、これにつきましてはさらに徹底をして、いろんなミスにつきましては包み隠さず、漏らさず報告をいただくようにしております。しかし、今までのことにつきましては、命にかかわるものについては報告をいただいておると思いますけれども、それ以外のものについては必ずしも徹底していなかった向きがあるので、冷やりとしたりハッとしたものにつきましても報告をいただくように、こういうふうにしております。

〇菅原温士委員 2点の通告をいたしておるわけであります。1点は、医師確保対策であります。2点目は、病院施設整備計画の進捗状況でありますが、これは取りやめいたします。今、佐藤正春委員もお話しあったような関係もありますからこれは質問いたしません。そのかわり、先ほどから話題になっておりました清掃業務に関すること、ほか関連がありますので御質問いたしたいと思うわけでございます。
 これまで医療局では、県立病院経営計画の整備計画に沿って、計画的に移転新築整備や高度な医療器具の整備を逐次行ってきたところであります。地域医療の確保に御尽力をいただいていることに対しましては深く敬意を表する次第でございます。しかし、病院の建物や医療器具の整備といった施設の設備は金銭、いわゆるお金では解決できるわけであります。しかし、医療に携わる、とりわけ医師の確保については、一般的には大学の医局制度や大学と関連病院との関係など、素人いわゆる我々にはわからない理解しにくい仕組みがあると聞いておるわけであります。きょうの読売新聞にも大きく書いておりました。また、医療局と岩手医大との関係は非常に良好な関係、協力体制にありますからこれは私は問題はないと、そのように思っておるわけでございます。また、大学自体についても医師が絶対不足していると言っているわけであります。そこで、最近の若い医師は、利便性のよいいわゆる都市志向、大きなまち、そういうところに勤務をしたいというような要望があると、そういうことでございまして、この医師不足は金銭のみでは解決できない問題があるわけであります。このようないろんな要素がかみ合って本県でも医師不足が依然として深刻な問題になっているということでございます。
 県民が健やかに暮らしていくためには、何よりも医療体制の充実が極めて重要だと思っておるわけでありますが、単に医者をふやせばいいと、医師をふやせばということでなく、直接患者の命を預かる医師、こういう方、知識や技能もしっかりした人、人間性にもすぐれた人、その医師の配置が必要ではないかと考えておるわけでございます。県医療局においては、以前から医師確保のためにさまざまな努力をしていることは十分承知いたしております。特に医師確保が困難となっている100床前後の小規模病院における医師の充足の現状は一体どうなっているのでしょうか、お伺いをいたします。
 また、今回、新たに県が策定いたしました医師養成制度は、県立病院の医師充足と町村病院の支援体制強化につながるものと期待をいたしているわけでありますが、これが抜本的な医師確保対策となり得るものでしょうか。
 さらに、この制度によって、従前からあったこの医療局の奨学金制度などの医師確保対策は、一体今後どうなっていくのでしょうか。
 それから、今までこの奨学金を受けた医師の勤務状況、定着状況、これは一体どうなっておるのでしょうか、この点をまずお伺いいたしたいと思います。

〇佐藤医療局長 まず、医師確保対策についてでありますが、お話のように100床未満の小規模病院、10施設を仮に見ますと、医師の充足率は約71%ほどということで、県立病院全体は約9割でございますので約19ポイント弱低い状況になっております。これはやはり現在の医学教育はどちらかというと専門志向になってきておりまして、多くの症例について検討、研修、勉強できる大きい病院に集中する傾向がございまして、小規模病院につきましてはどちらかというと、先ほど委員お話しのような向きもあるかとは思いますけれども、むしろそういう自分の向上心といったようなものに左右するものも多いのではなかろうかと思っております。
 それから、今回御審議をいただいております医師養成制度でございますが、これは岩手にはぐくまれて地域に情熱と生きがいを持っている人に対して、国立大学並みの学納金で学ぶことができるようにしたものでございまして、岩手医科大学の定員が80人でございますが、そのうち別枠として5人を確保し、この5人につきましての選考はあくまでも県がこれを選考し、医師としての適格ある者を選考して、そして岩手医科大学にお願いしようというものでございまして、当然その選考に当たりましては人間性や情熱など、なるべく、なかなかわかりにくいものがありますけれども、そういったものも十分踏まえていきたいと。それから、少子・高齢化の時代に入ってきておりましたので、特にも不足している産婦人科や小児科、あるいは眼科、耳鼻咽喉科といったような充足に配慮してまいりたいと考えておりまして、そういう意味では抜本的な対策ではないかと思っております。
 それから、今までの医師確保対策についてでございますが、その定着率、先ほどの奨学資金等の定着率につきましては医師対策監の方から申し上げますけれども、既存の制度と相まってこの制度を生かしていくことが、結果として今後の岩手県立病院の医師の充足に、そしてまた、地域の市町村立病院等に対する応援等につきましても、今よりも手厚くできるのではなかろうかと、このように考えております。

〇大川参事兼医師対策監 奨学生の勤務状況、定着率はどうかと、こういうお尋ねでございます。これまで貸し付けを行った奨学生は346人でございます。そのうち全部の義務を履行した方が131人、約38%でございます。また、一部を履行し残余の部分返還した者でございますが84人でございます。それから、現在義務を履行しておる者が17人と、合わせまして232人、67%ほどが何らかの形で義務を履行したと、こういうふうに思ってございます。それから、これらの方々が現在もなお県立病院にどれだけいるかということでございますけれども、これはちょっと少なくなるわけですが、現在、義務履行後も継続し県立病院に勤務している医師が61人、約18%程度おります。いずれ何らかの形で義務が履行されるわけでございますから、その部分に限って見れば一定の成果はあるものだと、このように考えてございます。

〇菅原温士委員 奨学金を借りまして、卒業しまして資格を取って一人前のお医者さんになるわけですが、奨学金を一括返済すると義務を果たさなくてもいいというようなことのようですが、そういうことできないような方法はないのでしょうか。
 それから、もう一つ、遠隔地に医者が来ないというようなことでありますが、医師の待遇面というもの、これには問題はないのかと。それから、同じような県立病院等が全国にあると思いますが、そういうところと比較して岩手県の県営医療に携わっている医師の待遇というものの差があるのでしょうか。この点をお伺いをいたします。

〇大川参事兼医師対策監 確かに一括返還されますと、これまでもケースあったわけでございます。そういう意味では先ほど医療局長申し上げたように、まさしく地域医療に情熱と気概を持つそういったやはり人材、これを発掘といいますか、貸し付けると、こういう手しかないのかなと、こんなふうに思ってございます。
 それから、待遇面について問題ないのかと、それと全国と比べてどうなのかということでございます。待遇の面について、主として給与面でございますけれども、経験年数などの関係もございまして、一概に比較することは、なんですけれども、東北各県、それから新潟含めた給与の面から言えば、本県は上位にあると認識いたしております。そういうことで他県と比較しても、そう何といいますか、悪い待遇という状況にはないということが言えようかと思います。

〇菅原温士委員 では、第1点目の質問に対しましては、答弁でそれを了解いたしました。
 それから、関連あるわけですが、清掃業務なんですが、今まで随意契約したものについてもやっぱり何か問題が実はあると。それから、今回入札いたしました。確かに1億5、000幾らですか、安い価格で札があった方が落札したと、そういうことでありますが、これも問題が私は出てくるのではないかと思うのですよね。ということは、例えて言いますと、400円のラーメンが味のいいところも悪いところもあるんですよ。ですから、高い安い、これは評価できないんですね。これと同じで、安く入札した業者がどんな質のいい清掃業務をするかということが私は問題ではないかと思うのですよね。また来年入札いたしますと、この価格よりもさらに実は安くなってくると。そうしますと本当に良質な我々が求める清掃業務が出てくるのかと。これは問題になってくるんですよね。イタチごっこになってくるんですよ。これはやっぱり根本的にこういう問題は検討していかなければいけないのではないかと、そんな感じをいたしておるわけでございます。今、県内のあらゆる企業も非常に苦しい状況、いわゆる企業努力をしてこのコストを下げるというような方向に取り組んでいるわけなんですが、やっぱり県内業者もそういう方向で努力をして値段を下げていくと、そして受注をするというような、そういうことでなければこれは円満な解決にはならないと私は思うわけであります。したがって、WTO等々の問題等もあろうと思いますけれども、これはやっぱり岩手型──岩手型のやり方というものをやっぱり創設していく必要があるのではないかと、そんな感じをするわけなんですね。非常に難しい問題でありますけれども、やっぱり当局は真剣にこの問題を考えていくと、そうしないといつまでたってもこの論議は尽きないということになるわけであります。医療局長の見解をお示しください。

〇佐藤医療局長 先ほどの清掃業務のことでございますけれども、私どもにとりましても県内の業者さんにやっていただければいいと思っております。県内の業者さんであれば地の利も、それからいろんなこともほかから来るよりは条件はいいのではないかと、したがって、入札をいたしましてもそれがきっと生かされてくるのではないかと思っています。いずれにいたしましても、どれをとりましてもなかなか多くの方々から納得いただけるようなことというのは難しいわけでございますけれども、いずれ病院という特殊性があるその清掃でございますので、今後勉強してよりよい制度を活用してまいりたいと思っております。

〇菅原温士委員 それから、先ほどの佐藤正春委員の質問なんですが、磐井病院、南光病院の建設に対する地権者の問題、今、話があったわけですが、どうですか、管理課長、一関市では3人の県議会議員いるんですよ。ですから、この方々に協力要請して一日も早く解決するというような方法を考えませんか。

〇岩渕管理課長 御案内のとおり、基本的には一関市に委託して医療局と連携をとりながらやっていただいているわけですが、場合によりましては地元の県議会議員にもるる御説明申し上げ、協力得られるところは協力をぜひお願いしたいと思います。

〇谷藤裕明委員 それでは、簡単に3点お聞きしたいと思います。
 まず、医療局職員の人事や、それから給与、これらに関する部分でございますけれども、医療局職員の給与は地方公営企業法の第38条第3項で、公営企業の経営状況その他の事情を考慮して定めなければならないとされておるようですけれども、実際には知事部局に準じておるのだろうと思いますけれども、高知県の方の病院局では莫大な累積赤字の拡大の一因になっているというようにとらえて、給与、人事制度の見直しをするということで、知事部局との人事交流を停止することを検討しているというように出ておりますけれども、御承知だろうとは思いますけれども、日ごろから大変努力をされている医療局の職員の皆さんに申しわけないお話ではありますけれども、これらの累積赤字は赤字として現実にありますし、それから地方公営企業法に基づくこの考え方、これについての医療局長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

〇佐藤医療局長 医療局におきます給与面、それから人事の問題で御質問ございましたけれども、端的に申し上げまして、私どもは給与に見合った働きをしたいということで、長期の経営計画をつくりながら何とか単年度の収支を限りなく収支ゼロぐらいに持っていきたいということで職員一同努力をし、おかげさまで東北の中では新潟を含めましてまずまずの成績を上げており、昨年度11年度の決算ではいろいろ一般会計からのお手伝いもありますので大きな声では言えませんけれども、黒字を計上したということでございます。お説の高知県の方の話を新聞等を見ますと、経営状況もかなり厳しいということでございますが、我々はそういうふうなことに至らないように何とか気をつけて、そして頑張っていきたいと考えておりまして、そういう意味からは知事部局に準じた給与体系をとり、それに見合った働きをしていきたいと思っておりますし、また、人事交流につきましても、そこの場所だけではない価値観を求められる場合が往々にございますので、これにつきまして今後とも交流は続けてまいりたいと考えております。

〇谷藤裕明委員 病院数等も全然けたが違う中での話であれなんですけれども、いずれ大変ではありましょうけれども、できるだけ一般会計からの依存脱却を目指して頑張っていただきたいと思います。
 それから次に、先ほども内視鏡を使って穴をあけてしまったという話がありましたけれども、この内視鏡手術用の使い捨ての器具関係についてちょっとお知らせいただきたいのですけれども、日本看護協会の看護教育研究センターというところの調査によれば、超小型カメラの内視鏡を使った手術用の器具については、感染や事故を防止するために使い捨てとしてつくられていると。ところが、実際には9割ぐらいが再利用されているのが実態ではないかというような報告が出されておるわけですけれども、なかなかこれらは洗浄とか滅菌というのは非常に難しいと言われているようですけれども、ちょっとこの基準が使い捨ての基準があいまいだと。本来、国が薬事法により器具の承認をする場合でも使い捨ての前提となるその基準というか、それらにも問題あるようにも思いますけれども、岩手県の実態というのはどういうふうなことになっているのか、コスト面考えると非常にどの程度のものかちょっと私も承知しませんけれども、実態どうなっているのか、お知らせをいただきたい。

〇内藤業務課長 内視鏡の使い捨て器具についてでございますけれども、お尋ねの内視鏡用器具の再利用についてでありますが、一部の病院では内視鏡器具のうちの高額なはさみやメスなどは数回の使用に耐えられるという、そういうものがあるものですから、安全性を確かめながら再利用している実態はございます。今後とも再利用に当たりましては経済性もさることながら、使用方法等を検討して、安全性を確かめながら使用してまいりたいと思ってございます。

〇谷藤裕明委員 コスト削減だけがいいわけではありません。安全性が第一でございますので、とにかくそこの洗浄とか滅菌というのはなかなか難しいようですけれども、最大の努力を払いながら今後とも診療に努めていただきたいと思います。
 それで、これは関連する部分もありますけれども、院内感染の対策ですけれども、医療ミスとはまた別な意味で、本来、病気を治すために病院に行っているんだけれども、逆に、病気に感染してしまう、まさに院内感染ですね。以前にもちょっと聞きましたけれども、これらの実態、それから対策というのは、現状はどうなってきているのかという部分についてお聞かせいただきたいと思います。
 日本の場合は診療とか治療というのは先進国だと言われていますけれども、この院内感染の対策というのは非常に後進国だというとらえ方もされている部分もあるようですが、この辺についてどういう状態になっているかお知らせください。

〇内藤業務課長 院内感染というのは、血液を介して感染する肝炎ウイルスとか、あるいはMRSA、さらには結核菌とか、そういうものがあるわけでございますけれども、最も院内感染で多いと言われていますのはMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)という名前で呼ばれていますが、これはどこにもいる黄色ブドウ球菌が、抗生剤を使うことによって、形を変えて抵抗力を持った菌だと言われてございます。
 健康な人には問題ないと言われているわけでございますけれども、免疫力が弱くなっている高齢者の方や、術後の免疫の弱っている方に感染しますと重篤な状況になる場合があるということで、これにつきましては病院でも重点的に対応を図っているということでございます。
 特に、MRSAにつきましては、原因菌がもともと患者さんが持っているものなのか、あるいは職員から感染を起こしたものか、そういう実態はなかなか把握できかねるという状況にありまして、院内感染なのかどうかというのはつかみ切れないのが実態でございます。しかしながら、患者さんに接する職員が原因になって感染を引き起こすということはあってはならないことでございますので、職員に対しては、院内感染のないようにということで徹底を図ると同時に、手洗いが一番重要だと言われていますので、日常の手洗いと消毒については徹底を図っている状況でございます。
 それから、肝炎とか、そういうものにつきましても、危険性が極めて高い感染の菌については、それぞれの感染予防対策マニュアルをつくりまして、それによって予防を図っております。
 さらには、MRSAでございますけれども、これは毎月院内感染予防対策委員会で報告することになってございまして、そこで毎月チェックしておりまして、菌の検出状況をチェックするなどして、感染予防対策に努めているところでございます。

〇小原宣良委員 2点お伺いいたします。1点は、医療用廃棄物の処理の現状についてでございます。
 県立病院における医療用廃棄物の処理はどのようになっているのでしょうか。この場合、医療用廃棄物処理業者への処理委託ということが行われていると思うんですが、それら状況はどうなっているでしょうか。
 なおまた、この処理業者はだれでもできるということではないと思いますので、適正に処理ができる業者の判断基準はどういうものでしょうか。これが1点であります。
 2点目は、地域医療のあり方についてでありますが、岩手中部広域圏におきましては、北上病院、花巻厚生病院がそれぞれ地域医療の中核を担っているところでございます。今後、両病院が担うべき役割をどのように認識しておられるでしょうか。高次医療の確保、あるいはまた標榜診療科の充実ということも求められているわけでありますが、どのようにお考えでしょうか、お伺いいたします。

〇内藤業務課長 県立病院から出ます医療廃棄物の処理の件でございますけれども、可燃できるものは各病院で焼却している病院もありまして、その他の病院につきましては、県知事の許可を得た収集運搬業者あるいは処理業者に、最終処分場等を確認しまして、委託しておる状況でございます。
 いずれ、医療廃棄物は従前からいろいろと問題になっていまして、これにつきましてはマニフェストとか、そういうものを確認しながら、あるいは最終処分場、12年度も全部見て確認していますが、そういう処分場の確認をしながら委託している状況でございます。

〇佐藤医療局長 花巻厚生病院、北上病院の将来構想ということでございますが、現在、この両病院の修築計画に向けまして、平成17年度に改築設計に着手することで、現在の長期の経営計画が策定されております。今までもこの両病院をめぐりましていろいろな御意見がございます。例えば、現在地におきまして改築をしてほしい、これは主には地域の活性化の観点から、ここの場所から離れないでほしいという意見、それから、そうは言うものの、両病院とも現在診療科が大体15ほどありますけれども、半分ぐらいは実はひとり診療科なんです。そういうことから、ぜひこれをダブルの人を置けるようにして、夜も十分な診療体制を敷いてほしいということで、この両病院、たまたま距離も近いものですから、これを統合して強化してほしいという意見もあるということでございます。
 現在、医療局の中では、内部でこの検討を進めている段階でございまして、現時点で確たることを申し上げるにはなかなか難しいわけですけれども、ぜひとも今後新しい病院に向けましては、診療科も、例えばリハビリテーション、あるいは麻酔、病理といったようなものを整備し、中核病院としてふさわしい機能を備えたいと医療局としては考えておりまして、今後、両病院における運営に対します運営協議会というのもございますし、陳情に来られる方々に対しましてもこれらの選択肢を示しながら、望まれる方向にこれをまとめていきたいと考えております。

〇小原宣良委員 医療用廃棄物の処理業者でございますけれども、確かに知事の認可を受けた業者に委託するというのは当然の話なんですが、そうではなくて、私は、現状問題はないかという問題意識をお尋ねしたわけでございます。
 最終処分場を確認したというわけですが、この最終処分場、業者の方できっちりと最終処分場を持っておる業者ということを意味しているんでしょうか。確かに、自治体においては最終処分場等持っておりますけれども、それとは関係なしに、委託した民間の業者において、最終処分場をきっちり持っている、そういう業者に委託している、こういう意味でしょうか。
 新年度において、委託をする医療用廃棄物処理業者の業者数、それからその経費、これについては幾らを見ておれらるのでしょうか、その点をお伺いいたします。

〇内藤業務課長 最終処分場については、県のクリーンセンターあるいは民間のところもありますけれども、それらは県の許可を得た業者さんに委託して、適正に処分されていると見てございます。
 それから、予算につきましては──済みません、ちょっと。

〇小原宣良委員 その辺は後ほどで結構です。
 先ほど医療局長から、中部地域における北上病院、花巻厚生病院の今後のあり方という点で考え方が示されました。私も中長期的には、やはり高次の医療体系が整う、そうした新しい病院のスタイルというもの、そうした地域のニーズにこたえていくと同時に、地域の医療との連携、例えば、開業医の地域の先生方、あるいは北上では済生会病院、花巻には花巻病院、それぞれに中核の民間の病院があるというところとの連携を含めて、中部地域の中における高次医療体制を整備するという方向性は私も同感です。いずれにしましても、今内部的な検討中ということでございますから、それぞれ関係する地域、関係者とも十分に協議をいただきながら、そうした方向、よりよい方向に向かって進んで行けるように、これは強く要望いたしておきたいと思います。
 先ほどの課長の答弁は、時間も遅くなっておりますから、後ほど私の方に教えてください。

〇中屋敷十委員長 一応、決まりがございますので、もし審査終了までに資料のお取り合わせができれば再度答弁してください。間に合わない場合は、全委員に答弁資料を配付願うこととなりますので、御了承願います。

〇斉藤信委員 じゃ、簡潔にまとめてお聞きしますので、よろしくお願いします。
 一つは、救急医療体制の改善強化についてであります。
 救急患者の状況はどうなっているでしょうか。
 救急患者への対応は、医師、看護婦、検査技師等、宿直体制、待機制、こういう対応になっていると思いますけれども、この点については、労働基準監督署からの調査が入り、是正勧告もあったと思いますが、どういう勧告、指導の内容でしょうか、明らかにしていただきたい。
 第2点は、2人夜勤体制の改善の問題であります。
 この間、2人夜勤の解消はどう進められているでしょうか。2人夜勤を解消するための人員増は幾らになるでしょうか。特に、陸前高田の高田病院では、三・三体制から三・二体制への逆行現象も今論議をされていますが、私はこういう逆行現象はやるべきでないと思いますが、いかがでしょうか。
 最後でありますが、新聞報道にありました医師会の加入問題についてお聞きします。医療局長にお聞きしたい。
 医師会は個人加入が原則でありますが、岩手県の場合には340人分、2、500万円医療局が負担をしているとされています。本当でしょうか。これは本来個人が負担すべきものでありますから、私は見直すべきと思いますがいかがでしょうか。この中には、医師会の政治連盟の会費まで入っているんでしょうか。そのことを示していただきたいと思います。
 同時に、この2、500万円はどういう支出の項目になっているんでしょうか。456人が常勤者だと思いますが、340人というこのずれはどういうものでしょうか。

〇佐藤医療局長 私の方からは、医師会に対する会費の問題でございますけれども、まず、医療局では医長以上に対しまして、およそ340人ですが、それに対して2、500万円の負担をしているということで、全員ではございませんし、また、医師会費というのは、日本医師会と県医師会と、それから郡市医師会というのがございまして、その郡市医師会の方につきましては、多分に単価もそれぞれ違うし、活動内容もそれぞれ違うということで、これについてはやはり個人で負担をしていただきたいということで、あくまでも日本医師会と県医師会に対する負担ということでございます。
 この負担の理由につきましては、医師確保の処遇の面もございますし、それからまた、健康診断、予防接種、地域の開業医さんとの連携の問題等もございまして負担してきているほか、少々細かいことを言えば、母体保護法の指定医の資格を得るためには、医師会に加入していなければ、人工中絶等を行う医師の資格がとれないなどがありまして、負担してきている状況にあります。
 今後におきましては、そういう今までの実態は実態といたしまして、見直しをしなければならない部分もあると考えておりまして、今後この見直しに着手してまいりたいと思っております。

〇内藤業務課長 救急患者の取り扱い状況でございますけれども、県立病院全体での1日当たりの取り扱い患者数につきましては、10年度が406名、11年度が433名、12年度が、13年1月まででございますけれども、404名と年々増加傾向にございます。

〇続職員課長 宿直勤務の改善についてでございます。
 先般、花巻厚生病院ほかの7病院に労働基準監督署の立入調査が行われ、釜石病院につきましては是正勧告等がなされたところでございます。
 その内容は、宿直勤務内における本来業務の処理時間が恒常的なこと等から、改善が認められない限り、当直許可は撤回せざるを得ないというような内容でございます。
 是正勧告等の内容及び他の病院における当直勤務中の超過勤務等の状況を判断しまして、平成13年4月1日からは、胆沢病院の看護部門につきましては、現在の勤務者1名、当直者1名による勤務体制を勤務者2人の体制に改善しようとしているものでございます。
 また、福岡病院の看護部門につきましては、現在の当直者2人による体制を、勤務者1人、宿直者1人による体制に改善する予定でございます。
 なお、北上病院の看護部門につきましても、現在の宿直者2人による体制をできるだけ早い時期に福岡病院と同様の体制に移行したいと考えているものでございます。
 さらには、おおむね200床以上の15病院につきましては、現在の宿直体制を改善するために、現行の日勤の勤務時間を9時半まで延長しますし、当直明けの午後は勤務を割り振りしないというような予定で考えてございます。
 これらの改善を図ることによりまして、勤務中の超過勤務が減少し、宿直許可の要件を満たすものではないかと考えてございます。
 それから、2人夜勤体制の改善についてでございますけれども、2人夜勤の状況につきましては、平成12年までの過去3年間においては五つの病棟が増加しております。その中で2人夜勤病棟は3病棟ふえ49病棟から52の病棟になってございます。
 また、3人夜勤以上の病棟は2病棟ふえてございまして、46病棟から48病棟になってございます。
 なお、2人病棟の増加の主な理由は、病院の移転新築に伴いまして、病床規模の大きい病棟の適正化を図ったことにより、病棟がふえたものでございます。
 次に、2人夜勤体制の病棟を3人夜勤体制にするための増員数でございますけれども、平成11年5月1日における積算では、217人の看護婦を増員する必要があると考えてございます。

〇斉藤信委員 医師会の会費の問題でありますけれども、医師確保対策であれば、若手の医師こそ本当は対象になるんですよ。医長以上であったら、これは手当でしょう。私は、本来これは個人加入が原則なんですから、医療局が全体をまとめて負担するというのは全くこの原則に反すると思います。そういう点で、ぜひ見直しをすべきではないか。実際にやっていない沖縄県とか、ここでは必要ないと、高知県では見直しをすると言っていますから、その点について医療局長、改めて政治連盟の会費は入っていないのかどうか、ここをはっきりと答えていただきたい。

〇佐藤医療局長 単価がそれぞれ日本医師会、県医師会決まっておりまして、その中身につきましては示されていないところでありますので、お説の政治連盟の件についてはわかりません。
 それから、見直しの件につきましては、先ほど答弁いたしましたとおり、時代の趨勢もございまして、今までは医師確保あるいは地域の連携、そういったようなことも考慮しながら、これを公費で見てきたということでございますが、あくまでも全員でございませんので、今後、これらについては見直しをしてまいりいと思っております。

〇斉藤信委員 了解。

〇中屋敷十委員長 先ほどの再答弁、小原宣良委員に対する答弁ですけれども、準備ができているなら発言を許可します。

〇内藤業務課長 収集運搬している業者さんは12業者でございます。それから、最終処分場でやっているのは6業者であります。それから、予算につきましては、1億9、400余万円になってございます。

〇中屋敷十委員長 ほかに質疑ありませんか。

〇工藤篤委員 佐藤文昭医療局長におかれましては、この3月をもって県を勇退されると伺っておりますので、この機会をおかりいたしまして一言御礼を申し上げたいと存じます。
 佐藤医療局長は、昭和37年に当時の岩泉建設事務所に勤務されて以来、一つの課で主事から課長まですべてのポストを19年間にわたって務められたという総務部財政課を初め、土木部、商工労働部、教育委員会事務局、花巻地方振興局、そして医療局と、県政の主要な部署において、その幅広い識見と卓越した実行力を発揮し、県職員としての39年間、県勢の発展に御尽力をいただきました。心から敬意と感謝を申し上げるところでございます。
 平成5年からの財政課長時代には、依然として厳しい財政環境の中、第三次岩手県総合発展計画策定後間もない時期にあって、各般にわたる施策の推進に向け積極的に取り組まれ、予算編成に大いに手腕を発揮されたところでございます。
 また、平成7年からは教育次長として、生涯学習推進センターの整備や学校5日制月2回実施の定着、県立美術館整備のための実施計画に着手し、平成9年には花巻地方振興局長として、花巻空港の利用促進や同空港の拡張整備に向けプロジェクトを実質スタートさせるなど、地域課題の解決、地域の活性化に取り組まれたところでございます。
 そして、平成10年からは現職の県立病院等事業管理者、医療局長に就任されておりますが、この3年間の御活躍ぶりは皆様御承知のとおりでございます。
 私から申し上げるまでもなく、医療を取り巻く環境は著しく変化してきており、病院事業経営は容易ならざる状況にありますが、こうした中にあって、佐藤医療局長は、21世紀を見据え、より確かな県営医療システムを構築するための指針、県立病院等長期経営計画を策定され、県営医療のさらなる発展の方向性を示されたものと確信しております。
 また、病院整備についても、一戸病院を初め、伊保内病院、大迫病院の整備を完了させたほか、福岡病院、磐井・南光病院、沼宮内病院の整備にも着手するなど、積極的に取り組んでいただきました。
 その一方で、全国自治体病院の中でもいち早く診療情報の開示に取り組まれ、特にも、県立病院を初めとする県内公的医療機関の共通の課題である医師確保のため、今議会には岩手医大に県出身者枠を確保する医師養成事業を新たに提案されており、この先駆的、意欲的な取り組みに対し、改めて感謝申し上げる次第であります。
 佐藤医療局長は、豪放らいらく、かつ柔和なお人柄のこともあって、常日ごろから上司、同僚、部下にブンちゃん、ブンショウさんと親しみを込めて呼ばれ、我々議員とも、仕事は当然のこととして、ゴルフ場、ジャン荘、あるいは夜の町でも親しく接していただきありがとうございました。
 とにもかくにも県職員としての数々の功績は、佐藤医療局長の確固たる信念と持ち前の粘り強さ、バイタリティーに加え、県政に対するたぎるような情熱からのものと拝察するものであり、ここに改めて心から敬意を表しますとともに、感謝を申し上げる次第であります。
 佐藤医療局長におかれましては、退任されましても、どうぞ健康に十分留意され、なお一層の御活躍とご発展をお祈り申し上げますとともに、県勢発展のために御指導、御助言を賜りますようお願い申し上げ、お礼の言葉といたします。本当に御苦労さまでございました。
 そこで、県庁生活を振り返ってみまして、御所見をお聞かせいただけますならば幸いに存ずる次第であります。

〇佐藤医療局長 ただいまは、工藤先生から心にしみる数々のお言葉をいただきまして感激をしております。
 さて私、37年から長い間いろいろお世話になってまいりましたが、特にもここ3年間、医療局に来まして、質の高い医療、そして経営というその二つの方向を何とか軌道に乗せたいということで取り組んでまいりましたが、なかなか経営環境というのは厳しいものがございまして、今後とも職員が苦労していくものと思います。したがいまして、先生方からますますの御指導、御鞭撻をいただければまことに幸いであります。
 それからまた、先生方におかれましては、今後とも御壮健で、県立病院にはなるべく縁が遠いようなことでお過ごしをいただくよう、御祈念を申し上げまして、御礼の言葉にかえたいと思います。
 まことにありがとうございました。(拍手)

〇中屋敷十委員長 これで、医療局関係の質疑を終わります。
 医療局の皆さんは退席されて結構です。
 次に、地方労働委員会事務局長から、地方労働委員会関係の説明を求めます。

〇盛合地方労働委員会事務局長 それでは、平成13年度地方労働委員会関係の予算につきまして御説明申し上げます。
 便宜、お手元の予算に関する説明書により御説明申し上げますので、153ページをお開き願います。
 第5款労働費第3項労働委員会費のうち、1目委員会費3、520万4、000円は、委員の報酬及び委員会運営に要する経費であり、2目事務局費1億2、829万6、000円は、事務局職員の人件費など、事務局の管理運営に要する経費であります。
 以上で、地方労働委員会関係の予算についての説明を終わります。よろしく御審議くださるようお願いいたします。

〇中屋敷十委員長 ただいまの説明に対し、質疑ありませんか。

〇田村正彦委員 盛合地方労働委員会事務局長には、この3月をもって県を勇退されるとのことでありますので、この機会に、一言御礼の言葉を申し上げたいと思います。
 盛合事務局長は、3年間の全くの民間会社等の勤務を経て、昭和39年に経済部労政課に採用されております。その後、人事委員会事務局の業務課勤務以来、総務部人事課の給与・人事担当課長補佐まで県職員の給与制度、勤務条件を長く担当され、給与制度の専門家として、オイルショックによるインフレのための空前の高率であった給与改定、県の厳しい財政状況による給与の抑制、給料の等級制の大幅な改正など、大きく変化してきた時代の中で、給与の適正化や勤務条件の改善に多大な御苦労をされ、職員組合との交渉にも誠心誠意御努力されてこられました。
 平成2年には企画調整部の総合交通対策室長になられ、特にも、東北新幹線盛岡以北の着工に当たり、建設費の地元負担と並行在来線の切り離しに伴う引き受けという条件を国から提示され、県政の重要課題に直面し、国に対して、県民の要望、県の状況、考えを強く訴え、極めて困難な折衝を粘り強く続けられたことは、今まさに東北新幹線盛岡以北の開業間近という時期を迎え、改めて当時の盛合事務局長の苦渋に思いをいたしつつ、その御労苦に対し深く敬意を表します。
 平成8年には花巻地方振興局長に着任され、持ち前の行動力と包み隠さない性格から、率先して市町村や各種団体、地域住民と精力的に接触し、数多くの要望、提言をよく聞かれて、地域の振興に尽力されました。
 土木部次長のときには、奥産道の新設工事による問題などが起き、県民の信頼を取り戻すために、部内の事務事業の適正かつ厳正な執行体制の確立に御苦労なされました。
 また、総務部次長として多忙を極める中、兼務された行政システム改革室長として、行政システム改革大綱の策定、事務事業の評価制度の確立、また、地方分権プロジェクトチーム班長として、県の分権施策推進体制の構築、さらに、個人情報保護制度検討委員会委員長として、条例化に向けての報告書の取りまとめなど、職務を精力的に遂行されました。
 昨年4月には地方労働委員会事務局長に就任され、部課職員をよく指揮・監督されながら、会長や各委員と緊密な信頼関係を築かれて、補佐されるとともに、みずからもあっせん委員として深夜まであっせんに努められたと伺っております。
 盛合事務局長は、困難に直面しても、その明朗闊達な人柄を発揮して対応され、また、組織の長としての職責を強く自覚され、常に最も自分に対して厳しくされて事に当たってこられました。これまでの36年余の長きにわたり、絶えずあふれるばかりの熱意と渾身の努力をもって仕事に取り組まれ、県勢の発展に多大に御尽力をなされたことに深く感謝申し上げるとともに、数多くの御業績を残されたことに深く敬意を表するとともに、私事になりますが、大先輩として、後輩として誇りに思っております。
 退任されましても、どうぞ御健勝で、県勢伸展のために御協力を賜りますようお願い申し上げまして、お礼の言葉といたします。本当に御苦労さまでございました。
 この際、御経験を踏まえられ、御所見をお聞かせいただければ幸いに存じます。

〇盛合地方労働委員会事務局長 ただいまは過分なお言葉を賜りまして大変恐縮いたしております。
 私は、御紹介いただきましたように、昭和39年8月に県に採用されておりますが、それまでは民間会社等で技術畑の仕事に従事いたしておりましたので、180度異なる社会への転職でございました。このこともありまして、県職員としての生活にはなかなかなじめないものがありましたが、すばらしい先輩、上司、そして同僚に恵まれまして、何とか36年余を過ごすことができたと、このように考えております。
 議会の先生方に御指導いただくようになりましたのは、昭和61年7月から2年間、福祉文教委員会の併任書記として、それから、委員会で発言が許されるようになりましたのは、平成2年4月に企画調整部総合交通対策室長となってからであります。その年は東北新幹線盛岡以北着工という大きな問題、それから、エアカーゴの調査、ヘリコミューターの実験運航を行っておりまして、交通政策をめぐって大変議論の多い年でありましたが、12月定例会の一般質問におきまして、1日に33本の質問が集中し、うち12本が知事答弁で、徹夜での答弁調製を行ったことを思い起こしているところでございます。
 以後、これまでの間、公私にわたり多大な御指導をいただきました。心からの感謝を申し上げたいと存じます。
 最後になりましたが、議会の先生方の今後ますますの御活躍と御健勝とを心から祈念申し上げまして、御礼の言葉とさせていただきます。
 長い間大変ありがとうございました。(拍手)

〇中屋敷十委員長 これで地方労働委員会関係の質疑を終わります。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後5時5分 散 会


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