平成13年2月定例会 予算特別委員会会議録

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平成13年3月16日(金)
   

1開会    午前10時3分

1出席委員  別紙出席簿のとおり

1事務局職員
事務局長      和美宏幸
議事課長      熊谷素紀
議事課長補佐    千田正和
主任議事管理主査  浅田和夫
議事管理主査    浅沼 聡
議事管理主査    森 達也
議事管理主査    熊谷正則
議事管理主査    下山義彦

1説明員
生活環境部長    村上勝治
生活環境部次長兼環境政策室長 長山 洋
総務生活課長    長澤忠雄
交通安全対策監   白木健志
文化国際課長    稲田 収
青少年女性課長   廣田 淳
環境保全課長    晴山祐典
廃棄物対策監    簗田 幸
自然保護課長    菅野文也
環境政策監     久保協一
保健福祉部長    関山昌人
保健福祉部次長   石川 戡
保健福祉課長    小原公平
地域福祉課長    冨手正義
監査指導監     細川敦子
長寿社会課長    及川宣夫
介護保険システム整備監 六本木 義光
障害保健福祉課長  細田重憲
児童家庭課長    笹木 正
保健衛生課長    若城康平
国保援護課長    滝田勇夫
財政課長      池田克典
   

〇中屋敷十委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
 認定第1号から認定第21号まで、議案第31号から議案第38号まで、議案第40号、議案第42号、議案第46号、議案第48号、議案第50号及び議案第51号の以上35件を一括議題といたします。
 本日は、生活環境部及び保健福祉部関係を終わるように進行いたしたいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 また、質疑につきましては世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保証するため、質疑項目が複数ある場合、関連する事項についてはできるだけまとめて質疑されるとともに、質疑及び答弁は簡潔明瞭に行い、午後5時を目途に審査が終了するよう議事進行に御協力をお願いいたします。
 なお、関連質疑については、冒頭に質疑を表明している委員より優先して発言を認めているものでありますので、その性格上、関連性の強いもののみ短時間、簡潔に発言されるよう、また要望のみで終わることのないよう御協力をお願いいたします。
 最初に、生活環境部長から生活環境部関係の説明を求めます。

〇村上生活環境部長 それでは、生活環境部関係の平成13年度当初予算及び関連する条例案につきまして御説明申し上げます。
 なお、平成13年度の組織再編に伴いまして、予算科目、事業が移行しているものがございますので、御了承願います。
 まず、議案第1号平成13年度岩手県一般会計予算についてでございます。議案その1の6ページをお開き願います。6ページから7ページにかけてでございます。
 まず、先ほど申し上げました組織再編に伴いまして、当部から地域振興部所管となる予算でございますが、2款総務費2項企画費及び3項の地域振興費の一部であります。これは、県民運動、ボランティア・NPO、文化及び国際交流関連事業などでございます。
 また、環境生活部所管となる予算は、現在の当部の予算の中から地域振興部が抜けた分でございますけれども、環境生活部所管の予算となるものは、3款民生費2項県民生活費及び7ページをお開き願いますが、4款衛生費2項環境衛生費の一部でございまして、記載はしてございませんが、総額で61億1、132万3、000円でございます。
 当部の平成13年度当初予算に当たりましては、生活関係では、ボランティア、NPO活動への支援の強化、いわて男女共同参画プランの着実な推進、さらに、岩手県国際交流・協力計画に基づく国際協力等の推進など、各分野でその重点化を図ったところでございます。
 また、環境関係では、環境首都いわての実現に向けた事業の推進を図ることとし、地球温暖化防止に向けた普及啓発事業の積極的な推進及び循環型社会の創造に向け、いわて資源循環型廃棄物処理構想に基づく廃棄物処理対策の推進など、環境問題への対応に重点化を図ったところであります。
 以下、予算の内容につきましては、予算に関する説明書により御説明申し上げます。お手元の予算に関する説明書でございますが、95ページをお開き願います。なお、説明に際しましては金額の読み上げは省略させていただきまして、主な事業を中心に説明させていただきますので、御了承願います。
 まず、地域振興部所管分でございますが、2款総務費3項地域振興費1目地域振興総務費のうち、愛ランドいわて県民運動協議会運営費補助は、環境を守り育てる運動推進事業など、県民運動を展開する協議会に対し補助しようとするものでございます。ボランティア活動等支援事業費は、ボランティア活動・NPO活動を支援するため、支援拠点機能の強化及び活動者への情報提供等を行うものであります。また、NPO活動支援事業費は、NPO活動の活発化を図るため、公益信託により活動費の助成による支援等を行おうとするものでございます。文化情報総合システム整備事業費は、県民、文化活動団体が、文化に関するさまざまな情報をインターネットにより手軽に受発信できるシステムを整備しようとするものでございます。次に、98ページをお開き願います。5目国際交流推進費でございます。国際交流推進費は、国際交流員の招致、日本語ボランティア研修の実施、外国人留学生に対する奨学金の支給等を行うものであり、国際協力推進費は、海外技術研修員等の受け入れ、岩手県国際交流・協力計画の推進を図るためのフォーラムの開催等を行おうとするものでございます。グローバルネットワーク推進事業費は、南米移住者の子弟との青年交流等を行おうとするものでございます。
 次に、環境生活部所管分でありますが、少し飛んでいただきまして、122ページをお開き願います。
 3款民生費2項県民生活費1目県民生活総務費でございます。管理運営費は、職員の人件費等であり、消費生活協同組合等育成事業費は、消費生活協同組合の育成、支援等を行おうとするものでございます。次に、2目交通安全対策費でございます。交通安全指導費は、市町村が交通指導員を設置する経費に対する補助等であり、次123ページに参りまして、交通安全キャンペーン推進費は、県民の交通安全意識の高揚と交通マナーの向上を図り、交通事故の減少を目指すため、テレビを活用したキャンペーンを実施しようとするものでございます。次に、3目青少年女性対策費でございます。青少年育成指導費は、ポニーを活用した青少年の健全育成推進事業を実施するものなどであり、岩手っ子の夢チャレンジ事業費は、子供たちがかなえたい夢を地域の協力を得ながら実現することにより、自立心や協調性をはぐくむとともに、これをサポートする活動を通じまして青年ボランティアを育成しようとするものでございます。いわて男女共同参画プラン推進事業費は、いわて男女共同参画プランを推進するため、サポーターの養成、フェスティバルの開催等総合的な施策の展開を図ろうとするものでございます。
 また少し飛んでいただきまして、138ページをお開き願います。
 4款衛生費2項環境衛生費1目環境衛生総務費のうち、管理運営費は、環境部門職員の人件費等であり、いわてゼロ・エミッション推進事業費は、資源ごみ回収拠点モデル実証調査及びごみ減量化・リサイクルマニュアルの作成等を行おうとするものでございます。地球温暖化対策推進費は、環境基本計画に定める二酸化炭素8%削減を達成するため、アクションプログラムの作成、環境家計簿の配布などを行おうとするものであり、仮称でございますが、いわて環境展21開催費は、環境首都いわてにふさわしい資源循環型社会の形成を目指し、県民、企業、行政のパートナーシップによる環境創造に向け、環境展を開催しようとするものでございます。次に、139ページに参りまして、3目環境衛生指導費でございます。営業施設経営指導費は、生活衛生関係営業の経営の健全化、衛生水準の維持向上を図るため、財団法人岩手県生活衛生営業指導センターが実施する事業に対し補助しようとするものでございます。140ページに参りまして、産業廃棄物処理モデル事業推進費でございます。産業廃棄物処理モデル事業推進費は、財団法人クリーンいわて事業団に対する運営資金など、安定運営に向けた支援及び廃棄物の飛散防止設備整備に対し補助しようとするものであり、廃棄物適正処理監視等推進費は、廃棄物の不適正処理や不法投棄を未然に防止するため、産廃Gメンの配置、産業廃棄物の排出処理状況、受け入れ状況等の調査及びスカイパトロールなどを実施しようとするものでございます。次の資源循環型廃棄物処理推進事業費は、資源循環型廃棄物処理構想を具体化するため、岩手県廃棄物処理計画の策定を行おうとするものであり、下水道事業債償還基金費補助は、特定地域生活排水処理事業による合併処理浄化槽の整備促進を図るため、市町村が設置する下水道事業債償還基金の積み立てに要する経費に対し助成しようとするものでございます。次に、4目環境保全費のうち環境創造資金貸付金は、環境影響評価に要する経費、ISO14001認証取得経費、リサイクル施設の設置経費など、中小事業者が実施する環境の保全及び創造に関する事業に対し融資のあっせんを行おうとするものでございます。141ページに参りまして、化学物質環境対策費は、ダイオキシン類環境モニタリング事業、環境ホルモンの実態調査及び化学物質情報管理システムの整備等を実施しようとするもので
 次に、債務負担行為についてでございますので、議案その1に戻っていただきまして、11ページをお開き願います。第2表債務負担行為のうち生活環境部関係は、2環境創造資金の融通に伴う利子補給であり、これは、中小事業者が国民生活金融公庫等から融資を受けた場合に利子補給を行うもので、期間、限度額を定めて債務を負担しようとするものでございます。
 引き続きまして、予算に関連した条例案について御説明申し上げます。議案その2、75ページをお開き願います。
 生活環境部関係の条例案は、議案第40号廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行条例の一部を改正する条例の1件でございます。これは、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部改正によりまして、許可に係る廃棄物処理施設を承継させる法人の分割について、知事の認可を要することとされたことに伴いまして、この認可について手数料を徴収しようとするものでございます。
 以上、生活環境部関係の説明を終わらせていただきます。よろしく御審議のほどお願いいたします。

〇中屋敷十委員長 ただいまの説明に対し質疑ありませんか。

〇谷藤裕明委員 いっぱい予定しておりましたけれども、今回の一般質問でも環境問題は大分たくさんの方が取り上げられておりますので、主に2点に絞ってお伺いしたいと思います。
 知事演述にもあるとおり、自然と共生して循環を基調とする社会の実現に向けて取り組んでいくんだということがうたわれておるわけでありますけれども、一つは、環境配慮型製品というのが最近たくさん出回ってきていると思いますが、提供者側から行けば、一方的に一つの価値観で製作されて、商品化されてきているものではあると思いますが、これらの、本当に環境にとって負荷の少ないというか、そういうものにつながっているか、ちょっと疑わしきものも出回っているのではないのかという話を聞くわけであります。本県としても、何か独自の基準というものでそれらをチェックしてくるものが必要になってくるのではないかと思いますけれども、その辺の取り組みの状況というものをお知らせいただきたいと思います。

〇久保環境政策監 環境配慮型製品につきましてでございますけれども、現在、環境配慮型製品の評価基準につきましては、財団法人日本環境協会等公益法人が行っておりまして、例えば、日本環境協会ですとエコマークというものをラベリングしております。それから、古紙再生促進センターではグリーンマークというものをやっております。それから、主なものとしますと、もう一つ、パソコン等OA機器の省エネタイプにつきましては、省エネルギーセンターで、国際エネルギースターロゴというもののラベリング制度がございます。
 したがいまして、県といたしましては、こういったエコマークとかグリーンマークの制度を県民の皆さんにできるだけ詳しくお知らせするというのが大事だろうと考えております。
 それから、今委員お話ございました疑わしき商品云々につきまして、具体的に把握してございませんけれども、そういうものがございましたら、県民生活センターに言って、可能な限り商品テストあるいはその情報を調査する、そういった形で対応してまいりたいと考えてございます。

〇谷藤裕明委員 いずれ、環境首都を目指すということですから、かなり吟味しながら今後取り組んでほしいと思います。
 本会議でもいろいろ、佐々木順一議員も環境家計簿、環境会計についての質問、また小野寺好委員もグリーン購入についてのこととか、環境ビジネス等の質問も出されておるわけですけれども、いずれ、この環境問題に取り組んでいくときに、どうしてもいろいろ財政施策というか、そこの部分でのグリーン化についての問題というのが出てくるんだろうと思います。
 実は、アメリカの環境研究機関であるワールドウオッチング研究所というのがあるそうですけれども、そこのデヴィッド・ルードマンという方が、汚染や資源の枯渇につながる活動に課税し、環境破壊を促進する補助金、世界全体では年間6、500億ドルぐらいあるんだそうですが、これらを廃止すれば、持続可能な循環型社会の構築が可能だという主張をしておるわけです。課税のみならず、歳出の抑制の面で環境に配慮したものと注目されているわけであります。これは表裏ありますから、いろいろ問題点あろうかと思いますけれども、この考え方について御所見をお聞かせいただきたい。

〇村上生活環境部長 ただいまの本につきましては、私もゆうべいろいろ勉強させていただきました。大変難しいわけですけれども、要するに、市場メカニズムを使って持続可能な経済社会をつくるべきだというような主張だと思います。現在の市場メカニズムといいますのは、21世紀は環境の世紀と言われますけれども、環境の負荷の部分のコストが市場価格、コストの中に入っていないというような指摘をされておりまして、例えば今御指摘の、いわゆる環境を破壊しているような補助金はやめる、それから、環境に負荷を与えているようなものにつきましては課税するとか、そういうかなりドラスチックな提案をされているわけでございます。この考え方につきましては、一部西ヨーロッパの方でも実施しまして、日本でもよく紹介されているわけですが、その考え方も一つ大事な点ではないかと思ってございます。
 特に最近の、昔で言えば規制行政だったわけですが、特定の事業者がはっきりしていまして、それに対するいろいろな規制を加えることが可能でございましたが、最近では、地球環境問題とか化学物質のように、発生源が非常に分散している、多種多様の物質も複雑に絡み合っているということになりますと、なかなか規制行政だけではうまくいかないということから、誘導するような経済的手法というものも最近真剣に考えられてきている。
 国の方の新しい環境基本計画の中でも、これは去年の12月に出ておりますが、この中でも、経済的な手法について検討する必要があるのではないかという提言がなされております。したがいまして、今後この検討の流れはますます強くなってくるのではないか。また、経済的手法のみならず、例えば、住民の意識を高めていくとか、そういうものも加えまして、いわゆるポリシーミックス、いろいろな手法を加える、そういうことで検討することが重要になってくるのではないかと思っております。
 特に、本県としましても、そのような一つの流れになるかと思いますが、北東北3県で行っております産業廃棄物問題につきましても、そのような視点も踏まえながら、例えば、税ありきではないんですが、供託金とか、保証金制度も現在いろいろ検討しているところでございます。

〇谷藤裕明委員 これは財政施策という部分に非常にかかわっていくので、せっかく財政課長もおいでですので、この際ちょっとお伺いしておきたいと思うんです。特に池田財政課長は、今度環境生活部の環境政策企画室長に栄転されるということで、今後担当していくことにもなっていくだろうと思うのですが、御所見があればお伺いしたいと思います。

〇池田財政課長 所見ということでございますけれども、あの著書に関しましては一つの極論だろうと思っています。環境に関する税を課せば事業に課す税はなくなるというようなお話でございますし、それから、ほとんどの経済活動に補助金を出して、それは環境破壊につながるというような形での議論ではないかと思いますので、一つの極論だと申し上げているわけです。
 ただ、考え方としますと、事業者でありますとか、個々人の生産活動あるいは経済活動というものが、紛れもなく地球的な規模の環境についていろいろなかかわりがある、影響があるということでございます。そして、なおかつ個人と事業者と密接に関連がありますので、自治体としましては、やはり地球規模での環境問題について、事業者あるいは個々人と密接にかかわるところでの環境問題について十分配慮して、財政面でも措置をしていかなければならないと思っております。
 なおかつ、自治体自体が一つの事業主体、経済主体でありますので、これについてはISOを取得しているわけでございますが、そういう意味で、諸活動については、自治体自体も環境面での配慮が十分必要だろうと思っております。

〇伊藤勢至委員 140ページの財団法人クリーンいわて事業団運営資金貸付金11億円について伺いたいと思います。
 ここの12年3月31日の利益剰余金処分計算書を見ますと、当期利益として△10億680万円、大体11億円が累積の赤字になっているということでありまして、毎年11億円、11億円という部分は貸付金としてやっている。これは金利稼ぎ、運転資金、両面あるのかもしれませんが、確かに県内の市町村あるいは民間で受け入れがたいものを受け入れているのだから、お金はかかってしようがないのだという感覚では、経営感覚という部分に、民間的な部分にとらえますと余り消極的ではないのかなと、このように思うわけであります。
 つまり、環境首都宣言、リサイクルあるいはゼロ・エミッションを進めますなんてかけ声はいいのでありますが、まず足元のこういうところを積極経営に転換して、早く自立していただきたい、私はそのように思うわけであります。
 しかも、所管ではないかもしれませんけれども、バリアフリーと言った場合に、まさに生活環境に密着しているわけでありまして、保健福祉ではないわけでありまして、この11億円なるものが、早く自立することによって別なる展開ができてくると思うわけでありますが、まず所感をお伺いしたいと思います。

〇村上生活環境部長 民間の経営感覚で積極的に自立経営に向けたらどうかというお話でございます。私も、基本的にはそういう方向に行きたいと考えてございます。
 ただ、現状を申し上げますと、例えば平成12年度に12億円の貸し付けを受けてございまして、開業当初から今まで利用率が伸び悩んだということもございまして、累積赤字がございます。借りた12億円は、もう4月には支払いの方に回さなければならないという、なかなか厳しい状況にございまして、毎年大体10億円台の無利子の借り入れを受けているわけでございます。これは、私たちも決してよしとはしておりませんで、収入確保に向けた加入活動とか、そういうものも積極的にやってきておりますし、また、今後ともできるだけ早い時期に自立できるような経営を心がけていきたいと思っております。

〇伊藤勢至委員 確かに背景として、あるいは法律的に受け入れがたいものを県が受け入れているんだという部分はあると思います。それはそれで、県政に貢献をしているんだとは思うんですが、民間的発想をどんどん取り入れまして、入ってくるものを再び資源として売り出すというような部分を加えていきませんと、毎年毎年の委託料が1億800万円同じ会社にずうっとやってきている、こういう部分にもあると思うんです。産業廃棄物処理については技術が日進月歩でありまして、いろいろな技術が出てきているんだと思います。したがいまして、安定的に年間1億円の委託料で仕事をしているんだという思いの甘えといいますか、ぬるま湯的な部分がまずあるのではないか。そういうところに競合させる、新しい技術を取り入れる、そういう発想が必要なんだろうと思うんです。
 そういう中で、担当課長にお伺いしたいわけでありますが、確かにいろいろな背景がありますが、まさに日進月歩の技術の中で、ゼロ・エミッションという部分について、入ってきたものを資源に変えて商売として出していくんだぐらいの取り組みがなければ、いつまでもこういうお金を、毎年毎年11億円を借りていくような経営が続いたのではよしとしないという声もあろうと思うんですが、その部分をお伺いしたいと思います。
 それともう一つ、県の真ん中江刺に1カ所でありますが、もう少し経営感覚を持ちながら、県北・沿岸地区にもこういったものが必要だという声があるわけでありますが、そこに関しましてもあわせてお伺いいたします。

〇簗田廃棄物対策監 ゼロ・エミッションへの具体的な取り組みをしていく必要があるのではないかということでございます。
 平成12年度、今年度初めからでございますけれども、産業廃棄物のリサイクルのモデル事業を実施しております。これは、最近非常に運搬量が多くなってきております木くずでございますが、これを原料として木質ボードとか、あるいは舗装材、緑化基盤材などのリサイクル製品の標準化に関する調査研究を実施しております。
 今後も、新たなそういったリサイクル製品の標準化や、あるいはセンターへのリサイクル機能の付与の検討など、ゼロ・エミッションに向けての取り組みを進めてまいりたいと考えているものでございます。
 それから、公共関与の施設ということでございますが、この施設を整備する基本的な方向は、現在あります県南の江刺のクリーンセンターとの地域バランスというものを考慮し、また、既存の処理施設の立地状況あるいは産業振興を考慮し、盛岡以北に整備するということを前提として13年度から取り組んでまいりたいと考えておるものでございます。この施設は、これまでの焼却、埋め立て処理ではなく、リサイクル機能やバイオマス発電など、未利用エネルギーを有効に活用できるような多面的な機能といったものを備えた施設を考えておりますが、処理施設の建設、運営に当たりましては、排出事業者や市町村にも参画を求め、地域の実情に応じ、第三セクターあるいはPFI方式など、民間の資金やノウハウを活用した公共関与のあり方を検討してまいりたい、必要であると考えているところでございます。

〇伊藤勢至委員 沿岸という部分が聞けませんでしたが、忘れたんですか。
 確かに県内にいきなりいっぱいつくることにはならないと思うんですが、環境汚染という部分を考えますと、県土に広く、均等に機会を与えるといいますか、受け入れ先を整備していくという部分は、逐次とは言いながらも、ある程度公平にという部分を考えますと、やはり県北オーケーでありますが、沿岸にもあっていいんだ、こういう考えをぜひ持っていただきたいと思います。
 それから、木くずの再利用の部分について今調査中ということでありますが、秋田県とか、青森県とか、あるいは県内にも、民間でありますが、既にこの部分を先覚的に取り組んで、十分に商売が成り立って利益を上げているところがあるんです。ですから、そういう部分をいち早く取り入れて、民間にならったって別に恥ずかしいことではないと思うので、そういう部分を積極的に取り入れながら、経営の改善に努力していただきながら、なおかつ新しく切り込むゼロ・エミッションの部分を県民に広く示していただきますようにお願いして、終わります。

〇岩城明委員 発がん性を含むPCB(ポリ塩化ビフェニール)の保管と処理についてお伺いいたします。
 環境省は近く、いわゆるPCB廃棄物適正処理推進法案を提出する予定との報道がございました。その内容は、PCBを含む使用済みの機器の無害化を保管する事業者に義務づけ、また自治体の処理計画策定も盛り込んでおります。
 また、処理施設の整備を後押しするために、立地場所や整備方法などに関する調査を平成13年度に行う方針と承知しております。
 現在、一部の大手企業は自社処理を始めておりますけれども、中小企業などは保管分を処理するめどが立っておりません。安全な処理方法は確立されてはいるものの、住民の不安感が強いため、自社内処理を始めた企業も、外からの廃棄物を持ち込まないなどと地元と約束しております。
 このため東京都は、6月に専門家を交えたPCB廃棄物適正処理委員会を設置し、この委員会での議論を受けて施設整備策に取り組むようであります。
 そこでお伺いいたしますが、岩手県内のPCB並びにPCBを含む機器等の保管状況はどのようになっておられるのか、把握していればお知らせ願いたいと思います。
 また、県の今後の対応策等についてもあわせてお示し願いたいと思います。

〇簗田廃棄物対策監 PCBの保管の状況と今後の県の対応についてということでございます。
 当時の厚生省の通知、平成10年度に実施しました調査結果では、高圧トランス、コンデンサーが319事業所に813台、感圧複写紙が8事業所に約1、700キログラム、廃PCB等が1事業所に106キログラム保管されております。
 しかし、この調査では未報告も多かったことから、独自に保管事業所の調査を検討しておりましたところ、国の方から、あて先不明等による未報告分のフォローアップ調査の指示がありまして、使用中の機器を管轄している東北経済産業局と連携し、13年度のできるだけ早い時期に正確な実態を把握するよう、現在調査を進めているところでございます。
 また、平成6年度から7年度にかけまして県独自に全数調査をしております。管理者に対しましては投棄禁止のラベルの貼付、管理責任者の設置、飛散、流出防止等の廃棄物処理法に基づく基準に沿った保管を指導しておりますが、今後においても、経済産業局など関係機関と連携を図りながら、指導に努めてまいりたいと考えております。
 なお、国におきましては、今国会に御案内のいわゆるPCB措置法案が提出されておりまして、処理計画の策定、保管の届け出等の手続が規定される予定と伺っております。これによって、今後PCBの保管については適切な指導ができるものと考えております。
 また、同法案では、PCB廃棄物を処理する施設の設置運営のための、仮称でございますがPCB廃棄物処理基金が創設されることになっておりまして、本県もこの基金に対し、平成13年度分の拠出金として2、200万円を予定しております。
 県といたしましては、国の動向を見守りながら、PCBの計画的な処理に取り組んでまいりたいと考えております。

〇岩城明委員 いずれ、大変重要な問題でありますので、県においても、今後対策を積極的に講ずるようお願いいたしまして、質問を終わります。

〇千葉伝委員 4人目の登板ということで、4番バッターありがとうございます。
 私の答弁は課長になるかもしれませんけれども、最初に部長に一つだけ、素朴な疑問であります。
 といいますのは、生活環境部が来年度から環境生活部、せっかくなれた名前がなかなかこれどういうわけかと、こういうことで、もちろん私の勝手な推量からすれば、知事が大きな課題として環境、ひと、情報という部分で、環境が先に来たのかなと思うんでありますが、そこで部長、どういう観点で環境生活部という名前にしたか、ちょっと教えていただきたいと思います。

〇村上生活環境部長 あるいはこの環境を頭に置く名称につきましては、総務担当の方でも考えておったかもしれませんけれども、私の方でも積極的にこれは提案させていただいたものでございます。といいますのは、やはり環境首都を目指して今後取り組もうという姿勢を考えたときに、東北各県は環境が頭に来ているんですね。そういうことから考えると、ちょっとこれは気恥ずかしい感じがいたすものですから、ぜひ環境を頭に置いて、かつ環境にもう少し特化した体制をつくりたい。
 さらに、今回の特徴的なものは、廃棄物というのが非常にイメージが悪い。資源循環推進課という名称にしまして、とにかく廃棄物処理構想の考え方のリサイクルを中心にした処理の仕方を全県的に考えていきたい、そういう趣旨で取り組んでいく。したがって、これも前にどこかで話したかと思いますけれども、今までの待ちの環境から、今後は地域振興に向けた環境、前向きに取り組める環境、環境生活部というスタンスになったものと考えてございます。

〇千葉伝委員 よくわかりました。
 県民に対してそういった趣旨というか、中身をどんどんPRして、間違われないような、部の名前が環境生活部となりましたということで、環境ももちろん優先しなければならない、それから生活もフォローしなければならない、これが共生といった中に来るのではないかと思いますので、ぜひ頑張っていただきたい。
 それで本題に入ります。そういったことで環境を大事にするということになるわけですけれども、来年度の生活環境部の中の予算に関する説明書142ページの4款衛生費2項環境衛生費6目鳥獣保護費の分についてお伺いしたいと思います。
 地球環境、自然環境、さまざま叫ばれているわけでありますけれども、自然との共生、人間と自然、それからまた、昔からそこに生きている野生の動物、こういった中での共生ということもまたいろいろな観点で考えていかなければならないと思うわけであります。その中で、どんどん減って希少価値になる希少な動植物の問題、部ではレッドデータ等々にも取り組んでいただいております。また一方では、ふえ過ぎて困るというようなことで、シカの対策も進めていただいています。それから、どんどん人間社会が自然の中に入っていくわけで、そうしますと、以前クマ談義もさせていただいたわけですけれども、クマの生態もこれから調査するということで、さまざまな部分に取り組んでいただいている。これに対しましては敬意を表する次第であります。
 その中で、野生の動物がよく保護される、こういう例がときどき聞こえてくるわけです。その保護された動物がどういう状況になっているのかということもちょっと気にしておりますので、第1点は、野生動物保護の実態というようなことで、最近の保護された中身とか、そういったあたりをお知らせいただきたい。
 関連しまして、保護する場合に、今滝沢に鳥獣保護センターというものがあるわけです。来年度の予算でその施設整備を図るという予定になっているようでありますが、その中身についてもお知らせ願いたいと思います。

〇菅野自然保護課長 まず、幼傷病野生動物の保護の実態でございますけれども、平成11年度の保護の件数についてみますと、オオハクチョウとかカモシカなど451件ございまして、これは10年前の平成元年度に比較しまして約2倍ということで、近年増加の傾向にございます。
 保護される原因としましては、事故等による外傷などが約4割を占めておりまして、次いで衰弱や伝染性疾患、親と離れたひなの保護という状況になってございます。
 それから、鳥獣保護センターの整備内容でございますけれども、現在のセンターの敷地内に管理棟と飼育棟を新築するということでございまして、この機会にこれまで未整備でありましたレントゲンなどの検査・治療設備を備えるということのほか、猛禽類などの野生復帰を促すために、飼育棟に飛翔訓練といいますか、飛ぶことができるような高さとか広さを持ったものを確保するということになってございます。
 運営に当たりましては、これまでどおり県直営でやるということで、獣医師の資格を持ちます非常勤職員を配置いたしまして、1次救護を経た野生生物を収容しまして、必要に応じて手術などの2次治療を実施するということで、こうしたことによりまして、野生復帰の長期療養を行う体制を充実したいということでございます。

〇千葉伝委員 11年に451件という鳥の数、ハクチョウ等、いろいろな形で保護されている。そういった中に、昨年かちょっと前かもしれませんけれども、中には鉛中毒というか、猟の関係が主ということでありますが、そういったこともいろいろと考えなければならない問題だと思います。それはまた別な観点かと思うんですが、鉛の玉を使わないとか、そういった形のものもあるかと思ってございます。
 そういった病気あるいは事故、よく私も夜運転して歩いていますと、タヌキ、さまざまなものが交通事故で死亡している例、もちろん、道路にあるとごみとして扱われるかもしれませんが、それも生態系が少しずついろいろな形で乱れているという部分もその中にあろうと思います。動物は物を言えない話でありますし、勝手に自分のえさを求めて歩くといったことから、そういった事態もあるわけで、それを見た場合に、青少年に対してもこれは、いろいろな意味で、そういった動物、あるいは死にかけた動物、そういったものをほったらかしにするかどうかといったあたりがまた一つの大きな意味があろうかと思います。
 そういった中で鳥獣保護を図って、病気のものは治す、あるいは事故のものも最大限の手当てをして、また自然に返す、こういった形のものを少しでもやっていただければありがたいと思うんです。
 それで、先ほど部長の説明の中で、これを進める中で、県内に開業獣医さんを指定して進めるということで何人、そしてまた、それに対して、月なのか年なのかわかりませんけれども、どの程度の手当になるのか、あわせて、そういったことでこれからの鳥獣保護に取り組む今後の姿勢といったあたりをお知らせ願いたいと思います。

〇村上生活環境部長 私の方からは、今後の取り組み姿勢について御答弁申し上げまして、指定獣医師の関係につきましては担当課長の方から答弁させますので、よろしくお願いいたします。
 今後の取り組みでございますけれども、昨年中に岩手県獣医師会さんの協力をいただきまして、1次救護体制を整備いたしております。一般住民の方々が傷病の鳥獣を発見した場合には、もし簡単な治療で済むのであれば、その獣医師さんのところに運んでもらって、治療していただくという1次救護体制は整備いたしまして、今年度鳥獣保護センターを整備いたしますけれども、その1次救護で救護できないようなものにつきましては、鳥獣保護センターで治療を行うという体制ができるものと考えてございます。
 それから、さらに自然環境分野の研究、こういう鳥獣等の研究につきましては、13年度に開所いたします環境保健研究センターが御存じのとおりございますけれども、これが今まで岩手県になかったような自然環境の研究分野を新たに中に設けることにしてございまして、今後、この研究センターと鳥獣保護センターが密接な連携をとりながら、幼傷病の救護に関する調査研究をしてまいりたい。
 なおまた、鳥獣保護センターにつきましては、小学生、児童生徒の方々にもおいでいただいて、動物との触れ合いといいましょうか、自然の生態なんかも勉強していただきたいということを考えております。

〇菅野自然保護課長 1次救護体制につきましては、昨年11月から岩手県獣医会さんの御協力によって始めておりますけれども、県内27名の獣医師さんにお願いしてございます。
 それから、単価につきましては鳥類と獣類に分かれておりまして、鳥類が1件あたり6、000円、獣類が1件当たり8、000円ということでお願いしているところでございます。

〇佐々木順一委員 環境衛生費に関連いたしましてお伺いいたしますが、一般質問でも私お伺いしましたけれども、公害防止条例の改正についてまず伺います。
 目的、それから改正の時期、手順、項目の一部につきましては御答弁いただきましたが、項目が10数項目と記憶しておりますけれども、残る項目についてまずお答えいただきたいと思いますし、また、昨年11月に発表されました環境首都宣言との関連性につきまして、ひとつお願いいたします。

〇晴山環境保全課長 公害防止条例の改正についてでございますが、まず、検討中の項目はどんなものがあるかということでございます。
 現在、環境審議会に設置いたしました検討委員会におきまして内容検討中のものでございますので、内容はまだ未確定のものでございますけれども、さきに一般質問で御答弁申し上げました3項目以外の項目ということでございますが、まず、ごみのポイ捨ての禁止、それから、廃自動車等の野積みの保管の規制でございます。それから、オゾン層保護のためのフロンの排出規制、それから、地球温暖化対策といたしまして二酸化炭素の排出の削減を求めるもの、あと、現在予測しないような公害がもし出てきた場合に迅速に対応できるような措置、こういったものを含めまして、現在委員会の方で検討いただいているところでございます。
 次に、環境首都創造いわて県民宣言との関連性ということでございますが、県民宣言の方は、環境首都を目指すということのための行動原則を示したものでございます。また一方、今回の条例改正は、一定の規制等を導入することによりまして、環境首都いわての実現を目指すというようなことでございますので、密接な関連があると理解いたしております。

〇佐々木順一委員 わかりました。
 それで、例えば私の一般質問では、アイドリングのストップとか、ごみくずの野外焼却の禁止、小型焼却炉の規制、今は、ごみのポイ捨てとか、野積み自動車の保管の規制などなどありましたが、いわばこれらは県民の生活防衛上、日常的に常態化している内容のものでもあると思います。したがって、この実効性を確保していくためには、それ相当の理解と努力が当然必要だと思うのでありますが、ついては、こういった日常的な行動に対する県民への浸透策、あるいは理解を深めるような手段につきまして、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
 もう一つ、同時に、日常化しているわけですからなかなか一気に切りかえるというのは難しいと思うのでありますけれども、したがって、この条例に対して何らかの違反行為に対する罰則規定などを盛り込むような考えがおありになるのかどうか、その辺をお聞かせいただきたいと思います。

〇晴山環境保全課長 まず、実効性を持たせるために県民への浸透等の理解を深める方策、手段ということでございますが、先ほどお話いたしましたように、環境審議会の検討中で項目等がまだ確定いたしておりませんが、その中には日常生活に密着した行為の規制の導入といったものが一部入っておりますので、その実効性を上げるためには、委員御指摘のとおり、県民の理解あるいは協力が必要なものと考えております。
 また、さきにパブリックコメントという形で県民の皆様から意見を募集したわけでございますが、その際にも、規制の導入は必要だけれども、事前に県民の理解を得るために十分な啓発普及等が必要だという意見も多くいただいたところでございます。したがいまして、この周知の手段でございますけれども、例えば、県が行います環境展ですとか、あるいはこどもエコクラブの学習会、いわて環境市民フォーラム、こういったところを活用いたしまして普及啓発に努めてまいりたいと考えております。
 次の、罰則の導入はどうかということでございますが、これも何遍も申し上げますとおり、まだ内容が確定いたしてございませんので、今後、環境審議会での意見を踏まえまして、専門家ですとか関係機関とも十分協議いたしまして、検討してまいりたいと考えております。

〇佐々木順一委員 いずれ、環境審議会の結論待ちということのようでありますけれども、何回も言うとおり、日常生活に密着しているような状況といいますか、内容でありますので、いきなり罰則発動ということは、逆に環境政策に対する県民の反発を招く可能性もあると思いますので、ある程度の周知期間といったものを設けられる必要もあると思いますので、その辺に対する御配慮を念頭に置きながら、素案をまとめていただければと思います。
 それから、環境税の導入の検討、今どういう状況にあるのか、その辺最後に1点確認します。

〇簗田廃棄物対策監 環境税ということでございますけれども、私の方で、一般的に環境税の中で廃棄物対策について検討を始めてはおります。ただ、最初から環境税の中の廃棄物関連税ということありきではなく、そのほかでいろいろな広域的な産業廃棄物対策をどのように進めていけばいいかということで、例えば、保証金とか供託金、あるいは課徴金とか、そういった面もすべて総合的に含めまして、最終的に税もどのように進めていけばいいかということを、具体的には2月20日から、いろんな研究会等で進めているところでございます。

〇及川敦委員 本日は2点について伺いたいわけでありますが、村上生活環境部長とは、多分、最後の論戦の場になってしまうかとも思いまして、初当選以来、いろいろ議論をさせていただいたので非常に感無量なわけでありますが、総括的な所感を最後に伺いたいと思っておりますが、まずは非常に近々の問題がありますので、最初に2点伺いたいと思います。
 まず1点目は、家電リサイクル法の対応でありますけれども、御案内のとおり、4月施行ということで、さまざまな準備が今進んでいるものと理解しておりますけれども、今、特に課題になっておりますのは、運搬とその運搬費用に関してであると思われます。一番の悩みは、運搬につきましては、販売店よりも安い費用であれば、市民が安易に自治体に引き取りを求める逆流が予想されておりますし、また、自治体の料金が高過ぎれば、不法投棄等を誘発しかねないという多くのジレンマがあるようでございます。
 そういった状況の中で、過日、報道で私も知ったわけでありますけれども、これまで、この3県でいろいろな環境施策についても御検討をなさってきたと伺っておりますが、その中で、3県で民間業者が廃家電を北東北で広域収集、運搬をする方式の導入を検討して、これはたしか全国で初めてだと思うんですが、そういった3県の広域処理ということで認可を環境省に求めていると伺っております。環境省の方では初めての対応であるようですので、広域収集に関しては省令改正が伴って、省令改正が間に合ったにしても業者指定などの作業にはその後となるため、運用はその先になると懸念されておるようでございますが、どういった経緯と内容を検討されてきておるのか。また、その課題についてもお知らせをいただきたいと思います。
 その後、また報道では、日通が指定業者として申請ということのようでありますし、料金も初めて900円から1、300円という形で示されたことも伺っておりますけれども、まず共同処理に関しましてお知らせをいただきたいと思います。

〇簗田廃棄物対策監 家電リサイクルを行うに当たりましては、排出者にとって、小売業者やあるいは収集運搬業者が、戸口まで廃家電4品目をとりに来てくれるということが最も望ましい方式であります。現行制度は、排出者からこの収集運搬業者に直接依頼できないケースなどがありまして、排出者にとっては、排出時の手続が繁雑になることが予想されております。したがいまして、北東北3県では、この排出者の不便さを解消するとの観点から、11年度から、3県で合同の協議会を設けていろいろ協議をしてきております。この広域指定制度というのは、電話一本で戸口までとりに来てもらえる収集運搬業者の広域指定制度でございます。これを国の方に3県共同で要望しているものでございます。これは、13年4月からこの制度が規則で定められるということになっております。
 この広域指定制度が指定されるまでの対応としましては、岩手県電機商業組合に対しまして引き取り義務のない家電商品の引き取りを要請し、今了承されております。その他、こういうことにつきましてはすべて市町村の方にも通知し、万全の体制で進めてまいりたいと思っております。

〇及川敦委員 今、その概要についてお知らせをいただきましたけれども、最初私、この報道を伺ったときに、懸念しておりました空白の期間というんですか、もう、出るのかと思っておりましたけれども、今御答弁では、岩手県電機商業組合にいろいろ対応を求めるということのようでありますので安堵いたしましたけれども、この省令の改正の見込みと運用について、どのような状況に今あるのかもお知らせいただきたいと思いますし、あと、指定業者が広域で収集運搬するに関しては、指定の見込みは申請がなければもちろんできないようでありますが、何社ぐらいになるのか。1社なのかという形で今受け取っておりますけれども、その辺についてもお知らせをいただきたいと思います。

〇簗田廃棄物対策監 規則のようでございます、規則の方で制定されると伺っております。4月1日に家電4品目が規則で指定されまして、そこから業者の方が指定制度の認可申請を行うと。それがおりるまでは、一定期間がかかることが予想されます。
 それから指定要件ですけれども、これは家電製造業者の委託を受けて、指定取引場所から再商品化施設までの区間を運搬する運搬事業者という一つの要件がございます。それから、資本金3億円を超える運搬事業者という要件がございまして、今のところ北東北3県では1社でございますが、ほかにも出てくることが予想されております。

〇及川敦委員 その体制につきましては了解しましたので、また万全を期していただきたいと思いますが、この件についてもう一点伺いたいのは、いわゆる周知のあり方というんですが、過日、私もある会合でこの家電リサイクルの話を伺っていたんですが、かなりの誤解とかなりの混乱があるようでして、今、ちまたでは、駆け込み需要という副産物まであるようですが、誤った認識で、この家電を排出するときにはどうしたらいい、こうしたらいいというのが、いろんな形で流布されているようでありますけれども、もちろん、これは家電事業者が本来的には周知徹底するべきでありましょうし、市町村もやるべき話だと思いますが、県としてもこの家電リサイクル法、いろいろ問題多き法だと、これも私は思っておりますが、一度運用されるわけでありますので、この周知に関して、県として何か取り組む姿勢があればお教えいただきたいと思います。

〇簗田廃棄物対策監 周知についてでございます。これは今までもいろんな報道を通して、あるいは市町村それから各電機商業組合、卸商組合とのいろんな協議を進めてやってきているわけでございますけれども、具体的には3月の23日に消費者団体協議会の方に、電機商業組合それから卸商組合とうちの方とで、いろんな面の、制度的な面とかあるいは収集運搬の方式とか、そういったことで説明し周知を図っていきたいと思っております。

〇及川敦委員 もう一点の方を伺いますが、家電リサイクルあと不法投棄等の問題もあると思いますが、総括質問でもお伺いしたとおり、今年度から早急に対策をとっていただくと、警察官の配置も含めてやっていただくということでありますので、感謝を申し上げつつ、また、万全を期していただきたいと思います。
 もう一点ですが、レッドリストの公表と種の保存条例制定についてであります。
 昨年末に、先ほど千葉伝委員からもお話がありましたけれども、レッドリストについて公表されましたが、この公表に関して、こういった形で希少種を守っていくのには万全であるかどうかという議論があるようであります。つまり、希少種を、これまで本当に御当局の皆さんのいろいろな御苦労で、平成9年から調査を行ってレッドリストが昨年末まとまったと。それを公表されたわけでありますが、逆に公表することで、その希少種が、株というんですか価値が上がり、盗掘などがまた増加するのではないかということも指摘をされております。つまり、この希少種について調査そしてリストをまとめ公表するということは、その段階で種の保存条例などやその他の保護規制の方策がないと、また逆効果になるのではないかということが懸念されております。今後重要になってくるのは、何をこのレッドリストの中で指定種として規制していくのかということが課題かと認識しておりますけれども、以前からいろんな形で質問をさせていただいておりますが、その規制と実行の、規制の担保に非常に困難は伴うものと私も理解しておりますけれども、やはり発表と同時とまでいかないにしても、ある程度早い時期に種の保存条例などを含む、いろんな規制策についても手を打っていかなければいけないのではないかと思っておりますが、このレッドリストの公表の問題と条例制定等について、まず、御認識を賜りたいと思います。

〇村上生活環境部長 レッドリストの公表と種の保存条例の制定との関係でございますけれども、確かに委員御指摘の面もございます。心配される面もございますけれども、やはり私たちとしましては、県内の希少野生生物を保護するためには、まず県民の皆さんに対して、本県においての野生生物がどういう状況にあるか、これを十分現状をお知らせしてその必要性について、規制の必要性について御理解いただくことが極めて重要なことではないかと考えてございます。また、今後、条例制定の過程でパブリックコメント等も予定しまして、規制の仕方について御意見をお伺いするんですが、いろんな意見が出てくるのではないかと思ってございます。
 現実に他県の例を見ますと、条例制定が先というところもやはりございます。ただ、この話を聞きますと、例えば広島県の例ですと、ツキノワグマを保護しなければならないという、最初から条例の対象物として決まっているというようなものとか、それから特定の植物群落、これを保護しなければならないという、そういう最初に対象物がもう既に県民合意がなされているような、そういう場合には条例が先になっているということがございますが、後のそのほかの県につきましては、やはり実態をまず明らかにして、県民に明らかにしてそして条例制定に理解をしていただくと、そういう進め方をしてございます。
 そういうことで、今後とも県としましては、例えばレッドデータブックもつくりますけれども、このブックにつきましても議員の皆さん方の御意見等も踏まえながら、余り特定、絞られることのないような工夫をしながら、可能な限り県民に情報提供をしていくという方法で進めてまいりたいと考えております。

〇及川敦委員 今、御答弁の趣旨は理解しましたが、県民合意があればという話ですが、合意されている品目もあるのではないかとちょっと今思いましたが、いずれ、今、冬期間ですから、盗掘等についても心ない方にとっては非常に厳しい時期であろうかと思いますけれども、春先から多少懸念されないわけではないと思っておりますので、前々から申しているように、早急にお願いをしたいと思っておりますが、今、私の理解では、8月までに専門委員会から基本答申をいただいて、それから検討して13年度中というような話であろうかと思っておりますが、その条例制定に向けての課題、いろんな専門委員会の議事録等も私も読ませていただきましたが、いろんな課題があると思っておりますが、現段階で、担当課の課長としては条例制定に向けて何が課題と考えておられるのか、また、条例制定以外の、いわゆる保護規制策につきましても何かお考えがあるやにも伺っておりますが、その点についてもお考えがあればお示しをいただきたいと思います。

〇菅野自然保護課長 お話しのとおり、現在、条例制定を目指して鋭意取り組んでいるということでございまして、専門委員会でいろいろ審議、議論されているあるいは事務的に検討している中で、課題としましては、本県の場合に、委員御指摘のとおり、どういう種を選定するのがまず必要かということが第1点でございます。
 それから、流通段階、法律等では捕獲採取まで言っているわけですけれども、流通段階における規制を実効あるものにするためにはどういう方法がいいのかというのが2点目でございます。
 それから、条例でございますので県内が対象になるということで、これが例えば県外に流出した場合にどういったような規制の方法があるかという、いろいろな面で実効性を高めるための方策をいろいろ議論をされているところでございます。
 それから、条例以外でのものといいますか、規制以外でこういったような希少野生動植物の保護を図るという面で何が課題かということでございますけれども、これは他県の例で見ますと、規制だけでは非常に限界があるということで、これは県民の皆様が非常に貴重な県民共有の財産である、そしてこれを次世代に引き継ぐものだというふうな共通認識といいますか、それが基本にないとなかなか実効が上がらないということで、いかに普及啓発を図っていくかというものが一番大きな課題と考えてございます。そしてさらに、レッドデータブックで生存への圧迫要因というものを分析してみますと、こういったいろんな産業活動の変化、特に林業とかそういったようなものが野生生物の減少に影響があるというのが結構ありまして、そうしますといろんな産業活動との関連といいますか、そういったような大きな面も課題に挙げられてございます。
 いずれ、こういったようなもろもろも現在専門委員会の中で検討しておりますので、その中で一定の方向性を出していきたいと考えてございます。

〇及川敦委員 これで最後でございます。
 それぞれ御答弁ありがとうございました。環境施策については、13年度につきましても非常に多くの視点からいろんな議論がなされるものと理解しておりますが、特に岩手資源循環型廃棄物処理構想の中身が今後公表されて、具体についてこれから進んでいくものと思っておりますが、また万全の対応でお願いをしたいと思います。

〇樋下正信委員 私からは3点ほどお聞きしたいと思いますけれども、最初に廃棄物の処理施設についてでありますが、来年14年度の12月から施行されますけれども、焼却炉の構造基準が変わり新しく適用になるわけでございますけれども、現在、県内で稼働している焼却施設は自家用と営業用があるわけでございますけれども、36施設ほどあると聞いておりますが、来年の14年度の12月以降の新しい基準に適合する施設が何件かあるやにも聞いておりますし、また、現在申請している施設もどの程度あるのか、そしてまたトータルでどの程度になるのか、把握しているかをお伺いしたいと思います。
 そしてまた、県では資源化再利用を進める循環型の廃棄物処理構想を策定中と聞いていますが、特に解体された木くずなどは今後とも排出されてくるわけでございます。伴いまして、その現状を踏まえ、県として木くずの処理についてどのように、今後、指導していこうとしているのかお伺いをします。
 次に、一般家庭における焼却についてでありますが、一般家庭における焼却については、今のところ法令などの規制はないと聞いておりますが、県としては、このような一般家庭の焼却について今後どのような方法で取り扱いを考え、そしてこれを周知していくのかお伺いしたいと思います。
 三つ目でございますけれども、先ほど及川委員からも話がありましたけれども、家電リサイクル法が4月から施行されるわけでございますけれども、県では環境首都を目指しているわけでございますので、先駆けてこの4品目以外にもぜひ品目、かなりの品目があるわけでございますので、県としてはそういう国に先駆けてふやす用意があるのかないのか、その辺の考えがあればお聞きしたいと思います。

〇簗田廃棄物対策監 廃棄物の焼却施設についてでございます。平成14年12月以降、新たな基準が出てまいります。委員御案内のとおり、現在稼働しておりますのは36施設でございます。14年12月からの構造面と維持管理面でございますが、この新しい基準に合致している、満たしているというものは5施設でございます。それから、現在申請されているものはございませんが、事前協議中のものは5件出てきております。その他基準を満たしていない施設はまだ31施設あるわけですけれども、これにつきましては、現在、事業を継続する意思があるものについて今後の構造改造、あるいはリサイクル施設への転化も含めた計画の提出を求めております。早期に基準に適合するよう、指導を行ってまいりたいと考えております。
 それから、木くずのリサイクルにつきましては、先ほども申したとおりでございますが、江刺のクリーンセンターの方で、12年度にかけましてモデル事業を実施したところでございます。木くずにもいろんなものがございまして、例えばタールで防腐加工されたものとか、CCA加工された防虫剤のようなものとか、そういったものの使用用途が多面的といいますか多用途にわたるわけでございます。その辺の調査を進めておりまして、今後、循環型地域社会を構築していく上で、ボードなどの建築材料あるいは緑化基盤材、再生利用、木質バイオなど、できるだけリサイクルを進めるような方向に持っていきたいと考えております。

〇晴山環境保全課長 一般家庭における焼却についてということでございますが、一般家庭の日常生活に伴いまして排出いたしますごみの焼却につきましては、委員御指摘のとおり、現在のところ法的には規制がない状態でございますけれども、ダイオキシン類の対策あるいは周辺への煙害あるいは悪臭防止、こういったことを考えまして、設備の整った施設で焼却することが望ましいと考えておりまして、できるだけ市町村のごみ処理ルートで処理をしていただくように、これは指導をしているところでございます。
 また、今後につきましては、現在検討いたしております公害防止条例の改正の中で、ダイオキシン類削減対策の観点から、家庭での焼却行為につきましても検討いたしてございまして、例えばダイオキシンが発生しやすい塩化ビニール等の焼却を禁止するとか、あるいは市街化を形成いたしております区域、それから市町村のごみの収集運搬体制の整備の状況、こういったことを勘案いたしまして、段階的に規制を導入するとか、こういったことを含めまして検討いたしておりまして、一定の規制の導入につきまして検討を進めているというところでございます。
 今後、5月ごろをめどに環境審議会の方で条例改正についての意見の取りまとめをいただくことになっておりますので、こういったことを踏まえまして対策を講じてまいりたいと考えております。
 それから、県民への周知ということでございますが、先ほど公害防止条例のところでもお話し申し上げましたとおり、県民の理解を得るようなさまざまな方法によりまして、県民の理解をいただくように努めてまいりたいと考えております。

〇簗田廃棄物対策監 家電リサイクル法に関連しまして4品目以外にも県の方で率先して進めていく気はあるかどうかということでございます。平成7年に容器包装リサイクル法ができまして、それ以来、家電リサイクルあるいは家畜排せつ物法のリサイクルとか、あるいは食品リサイクル、建設資材リサイクルというリサイクル法が次々と施行されてきております。現在、国の方でもいろんなOA機器、パソコン関連、それからカーリサイクルというようなところまで現在法制度化を検討されていると伺っております。できるだけ県としましてもそういったものを進めてまいりたいと考えておりますが、国の方のいろんな動向がございますので、関連法を見守りながら、できるものから進めてまいりたいと考えております。

〇樋下正信委員 各答弁をいただいたわけでございますけれども、産廃Gメンとかも配置もしているわけでございますし、環境首都を目指している本県でございますので、その辺もきちっとしながら、それなりの施策を講じながら対処していただきたいとお願いして終ります。

〇川村農夫委員 全圏域汚水適正処理構想の推進について、それを担っている部としてお伺いいたします。
 現在、生活環境部、合併処理浄化槽整備費補助とか、それからもちろん土木部それから農政部、農業集落排水事業など、平成22年度末の汚水処理施設整備目標を80%としておりますが、昨今の新聞報道に見られる県内町村の整備構想は、合併処理浄化槽の選択が見受けられます。また、合併処理浄化槽を採用または検討しようとしている市町村が14自治体にも及んでおりますが、私はこの選択過程に大いに疑問を持っているものでございます。
 特定地域生活排水処理事業、環境省所管のものが、3省統一の経済比較マニュアルによりますと、建設費はいかにも安く、短期間に供用開始できるものとなっておりますが、私は維持管理費に多くの費用を要すると考えるものでございます。
 そこで、集合処理、例えば公共下水道、集落排水施設の耐用年数との違いなどから、これを建設費、維持管理費、償却年数などを総合して私なりに比較した結果では、集合処理施設の場合には、総合耐用年数約40年にはちょっと欠ける数字でありますが、約40年ととらえまして、合併処理浄化槽は約十五、六年と私は試算いたしました。ということは、集合処理施設に比べて2.5回の更新が必要だということになります。それを40年で1戸当たりの負担額を比較換算しますと、集合処理は月4、000円から5、000円ぐらい、個別処理、合併処理でありますと月1万1、000円、1万円を超えてしまうようになって2.8倍ほどの開きで個別処理、すなわち合併処理浄化槽が高い負担を強いることに結果としてなりました。
 この数値は、私個人の試算でありますので固執するわけではございませんが、ほか長所、短所、それぞれ持ち合わせてはいると思いますけれども、1戸当たり管路延長、例えば集合処理の場合、公共下水、集落排水の場合の下水管の延長に換算しますと、45メートルから50メートルぐらいを境に合併処理浄化槽が、50メートルを超える場合には合併処理浄化槽が有利な工法となってくるのではないか。そういったことを踏まえまして、今まで県は集合処理の優位な判定基準あるいは個別処理が不利となる要件等を具体的に示さないままに、3部それぞれの縦割りで事業推進に取り組んできたのではないかと。ちょっときつい言い方にはなりましたけれども、そういう思いが私にはあります。新年度から連携モデル調査にも取り組まれる折、岩手県としての汚水処理施設整備を推進する上で、80%整備の目標達成に向けて禍根を残さない高い事業評価を得るためにも、そして県民の負担を最小限にするためにも、3部合同による、しかも実務者レベルの現場に即した総合的判断基準となるマニュアルあるいはガイドラインを早急に作成し、共通認識のもとで事業選定を進めていくことが大変重要であると私は考えます。これに関して、積極的なお考えをお示しいただきたいと思います。

〇簗田廃棄物対策監 合併処理浄化槽について、今後、下水道、農集あるいは合併浄化槽の壁を取り払って最も低コストで生活排水を処理できるよう、統一したガイドラインを策定すべきではないかということでございます。
 生活排水処理施設の費用対効果比較につきましては、昨年の10月に当時の厚生、農水、建設の3省の連名によります汚水処理施設の効率的な整備の促進についてという通知が出されておりまして、環境省ではこの通知を受けた生活排水処理施設整備計画策定マニュアルを策定し、この3月9日に本県で説明会、効率的な施設整備手法を市町村に対して説明、周知をしているところでございます。
 県といたしましても、市町村とともにこのマニュアルを有効に活用するための検討会、これは県と市町村の合併処理浄化槽普及促進協議会がございますので、そちらの方と検討会を設置しまして、費用対効果の高い整備手法を、事業主体である市町村が選択できるよう支援してまいりたいと思っております。
 また、御提言のありましたガイドラインなど市町村への統一的な指導のあり方につきましては、部局横断的な協議組織であります全県汚水処理適正化推進協議会などの場で、環境部局と連携しながら検討してまいりたいと考えております。

〇川村農夫委員 その完成の後には、各自治体への再検証をも含めて20年、40年の将来に負の遺産を残さぬように慎重に指導、啓発をいただきたいと思います。
 この件につきましては、土木常任委員会の方でも申し述べさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

〇吉田昭彦委員 4款2項6目鳥獣保護費のシカ特別対策費に関連してお伺いいたします。
 ホンシュウジカ及びカモシカ対策につきましては、自然保護、文化財保護サイドの対策と農業、林業の被害を受けているサイドからの問題提起がされるかと思いますが、全庁的なシカ対策会議及びカモシカ等対策連絡会議が生活環境部で所管されていることから質問をさせていただきます。
 ホンシュウジカ及びカモシカの食害については、沿岸南部地域で関係市町はもちろん、農業、林業関係団体等による対策協議会でもって長年にわたって要望活動がなされ、それを受けての県の対策も講じられているところでありますが、近年では、庭先とか道路にも出没し被害が多様化しており、沿岸南部地域の大変な課題であります。
 そこで伺いますが、被害の動向、実態はどうなっているか。生息頭数の実態調査、有害駆除の成果はどうなっているかお伺いいたします。

〇菅野自然保護課長 まず、シカの農林業被害についてでございますけれども、平成11年度5、500万円ございまして、平成5年度の6億7、500万円をピークに年々減少しているという状況でございます。
 生息数につきましては、2、000頭を適正生息数にしてございますが、昨年3月のヘリコプター調査によりますと4、100から4、600という状況になってございまして、このため、有害駆除につきましては、平成12年度は個体数調整を1、900頭に強化して、現在、実施しているという状況でございます。
 それから、カモシカについてでございますけれども、平成11年度の林業被害、これは1億2、400万円ということで、これはほぼ横ばいで推移しているという状況でございます。
 生息数につきましては、国でカモシカの保護地域に指定、設定を予定しております県内3地域について、県教育委員会が平成6年度から11年度にかけて実施した調査によりますと、この3地域であわせて2、273頭が生息しているという状況でございます。

〇吉田昭彦委員 シカによるただいま林木被害が大幅に減っているというお話でございますが、ある方というか地域の意見によりますと、被害によっていわゆる再生産の放棄をしているということから、被害額も少なくなっているのではないかというような御意見なり見方をされていることも私聞いておりますので、そのあたりも御精査をいただければと、そのように思うわけでございます。
 地元猟友会の協力によりまして、有害駆除によって対処をしておるわけですが、ただいまのお答えにもありましたように、適正頭数の2倍の4、000頭がすんでおるということでございますので、さらにホンシュウジカとカモシカの総合的な対策が必要であり、シカ対策協議会及びカモシカ等対策連絡会議での検討はその後どのような形でされておるか、改めてお伺いいたします。
 また、産業振興上、生産者の生産意欲の向上のために重要な課題でございますので、ホンシュウジカの適正頭数と同様に、特別保護となっておりますカモシカについても適正頭数にする必要があると思いますが、どのようにお考えになっているかお伺いいたします。
 あわせて、平成13年度までの計画となっております五葉山地域のシカ保護管理計画につきまして、計画改定など、どのように対処されるかあわせてお伺いいたします。

〇菅野自然保護課長 シカ対策についてでございますけれども、昨年シカ対策委員会の場を通じまして策定いたしましたシカ保護管理計画、これに基づきまして、農林業被害を最小限に抑制するために防護ネット等の措置を講じてございます。
 それから、適正生息数の2、000頭を目指しまして、猟友会の協力のもとに個体数調整を鋭意進めていきたいということで、これは2カ年の事業でございますので、3点目の質問にありましたが、改正につきましては実績を見ましてさらにその時点で検討していくということになると思いますけれども、従来と同様であれば、鳥獣保護法に基づく特別化計画を立てるという形も考えられるということでございます。
 それから、カモシカにつきましては、現在、国では生息地を限っての地域指定の意向を目指しているという状況でございまして、これは全国13地域に保護地域を設定するということで、調整を国の方で進めてございます。
 県といたしましては、保護地域指定の早期実現を国に強く働きかけているところでございまして、地域指定の意向を待ってカモシカ保護管理計画の策定については検討し、適切なカモシカ保護管理対策を実施していきたいと考えてございます。

〇吉田昭彦委員 林木被害は先ほどもお答えいただいたように減っておるわけですが、農作物についてはまだ依然としてむしろ微増というか、そういう見方も可能ではないかと、そのように思いますので、収穫直前の食害被害は農業生産者にとっては大変なショックであり、切実な問題であるという見方もできるかと思いますので、生産者の立場に立った緊急の対処、これまで以上の対策を講じていただくように、お願いを申し上げるものでございます。
 あわせて、カモシカについては特別保護区の設定による適正頭数の調整が考えられるようでありますが、ある県の事情で、国の方で対処できないでいるとのことも聞いておりますので、条件の整ったところから対処するとか、国に対して強力に働きかけるよう、庁内の対策会議、連絡会議で協議検討し対処していただきたいことを申し上げ、質問を終わります。

〇田村正彦委員 カモシカが出たので関連で質問させていただくんですが、実は私ども住んでおります岩手山山ろく、西根町、松尾村なんですが、子供のころからカモシカなんて見たことがなかった、ずっと。最近、田んぼに入っているカモシカとかあるいは山林に行くと時々見かけるということで、このカモシカの生態調査というんですか、そういったものを県でどう把握なさっているのかお尋ねします。

〇菅野自然保護課長 カモシカにつきましては、特別天然記念物ということで所管を教育委員会の方でやっているということで、教育委員会から得た情報では、これまで実施している調査は、先ほど申しました県内全域ではなくて国の方で指定している特別地域、そこについて調査していると伺ってございます。

〇田村正彦委員 そうすると、このカモシカについては教育委員会所管ということ、そう理解していいんですか。

〇菅野自然保護課長 特別天然記念物の対応としてはそちらでやっているという、全体の調査につきまして。

〇折居明広委員 私は吉田委員の質問に関連して。
 今、いわゆる個体数の数字が最後の73、3匹まで言っていましたけれども、この個体数の把握は野生動物の場合、どのような方法で個体数を確認するのですか、それを教えてください。

〇菅野自然保護課長 教育委員会の方からは個体数の実数だけをお伺いしていまして、ちょっと方法までは今聞いていませんので、ちょっと御了承願いたいと思います。

〇折居明広委員 資料によりますと、ヘリコプターで一応上空から確認している、概数なそうでありまして、3匹までというのはびっくりして今質問したわけでありますが、ただ、この記事の中にこういうことがありました。
 このシカは、東北地方には昔は広く分布していたと。しかし、乱獲のため各地で姿を消したと。そんな中で自然に恵まれた五葉山周辺は、そこに住んでいる人たちが海に食料を求めて狩猟が盛んでなかったこともあって、辛うじて五葉山周辺に集まって生息していたという記事があります。その辺の環境は山系開発──北上山系開発だと思いますが──一変して最近増加を促したと、そのために。これは、シカは群れる習性があるためということであります。森林を切り開いて造成された牧野は、畜産の衰退とともに格好のえさ場となったと。食料を豊富に得たシカは繁殖力を高め、近年の暖冬で生存率が向上、増加に拍車をかけた。地球温暖化が指摘されているが、人間は自然の摂理を狂わしてはいないだろうかという問題提起があります。これは、シカの方にもツキノワグマ、イヌワシなど野生動物とのかかわりが焦点となっているが、今、そういう野生動物と人間との共生のあり方というものも探らなければならない時代ではないかというような趣旨の記事ですが、いずれ、ふえたからそれを今度は管理、いわゆる保護管理するために狩猟と駆除に頼るというだけの方法ではなく、やっぱり大局的、長期的な観点に立った共存という、共生という立場からの管理方法も今後は考えるべきだと思いますが、それについて一言お伺いしたいと思います。

〇菅野自然保護課長 1点目の調査した頭数の関係、委員御指摘のあれは、シカの方であればうちの方でヘリコプターで調査しておりまして、カモシカの方は教育委員会の方でやったものということで、一応御承認いただきたいと思います。
 それから、野生生物と人との共生ということにつきましては、現在いろいろな施策、単発の奇策だけでなくて、いろなん施策を組み合わせてやっていかなければならないと考えてございまして、例えば最近の例でありますと林野庁の方でやっております緑のコリドー、これも同じような発想でやっておりまして、あるいは林野庁の方に新しい施策、先ほど種の保存条例の関係で申しましたけれども、いわゆる規制だけではなくて森林等の産業活動が衰退してきていることよって共生が難しくなっているという面もありますので、そういったようなものも協調しながら、こういったものをやっていきたいという考え方でございます。

〇折居明広委員 まさにそのとおりだと思います。ただ、農作物に関する被害もまた無視できない。実際、被害額は減っていると言うけれども、被害地の分布といいますか地域がふえているわけです。拡大しているわけです。だから、そういう今県が取り組んでいるような方法と同時に、今、課長が答えたように長期的な視野に立った、共生という立場からもやっぱり管理する方法というものをぜひ強調しておきたいということで立ちました。

〇藤原良信委員 菅野自然保護課長、今の審議状況を聞いていて、今後の取り組み姿勢、これ予算審議ですから今の予算の将来的なことにも関係してくるのでちょっと質問をいたしますけれども、今、カモシカの話が出ました。ニホンジカとカモシカというのは担当が違ってきますから、当然今の答えになるんですけれども、被害状況はカモシカもニホンジカも被害の実態は似たようなもので、どちらが、例えば林木の被害の場合、ニホンジカの被害なのかカモシカの被害なのかというのはわからないんですよ。役所の場合、縦割りになっていきますから、それは教育委員会、それはどこどことなっていくんですよ。それではだめだと思います。ですから、それで岩手県の県として生活環境部が窓口になって一本化したはずなんです。ですから、これはカモシカの場合は文化庁なんです。ですから、それでそういう言い方になって教育委員会となるわけですけれども、被害対策状況は一本化をして今後いかなければならないと思います。そうではないと解決しないです。そういうことを村上生活環境部長、今、御退任するところをこういう話をするのもいかがかと思いますけれども、これは将来的なことで取り組んでいかなければなりませんけれども、ニホンジカの被害あるいはカモシカの被害というのはローカルで限定された地域だったんですけれども、岩手県全体で今、田村委員からもお話しのように、全く違った地域であらわれ始めていると。トータルでこれは窓口を一本化してやる必要があると思います。このことについて予算計上されていますけれども、担当部の窓口を一本化した生活環境部としての御見解を、予算審議ですからお示しをいただきたいと思います。

〇村上生活環境部長 ただいまのお話でございますが、確かに文化庁の方ですと文化財の保護という観点で対応しているものと思います。ですから、実態調査なんかもやっていると思いますし、また、保護対策をどうするかということにウェートを置いているものと思います。
 ただいまお話しのありました被害という切り口で考えたときに、確かに生息地域が競合している問題等もございます。これは簡単にいくかどうかちょっと私自信がありませんが、被害対策の側面で当部の方で対応できるものなのかどうか、それをちょっと検討させていただきまして、極力、一本化する方向で考えてみたいと思います。

〇中屋敷十委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午前11時55分 休 憩
   午後1時3分 再 開

〇佐々木一榮副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。

〇阿部静子委員 私は95ページ、地域振興総務費の中のボランティア活動、それからNPOにかかわって質問をいたします。
 昨年6月一般質問で、私は平和の文化国際年に当たっての事業等について質問をいたしました。そのときに村上部長から文化国際年にかかわりながら、来年はボランティア国際年──来年というのはことしでございます──である。国が全国10カ所で開催するボランティア国際年記念シンポジウムの本県開催を要望し、北海道・東北地区で唯一の開催地に内定したところである。このシンポジウムは今年2月、盛岡市を会場に、基調講演やパネルディスカッション、写真展を内容として開催するが、これを契機としてボランティア活動、NPO活動に対する県民の関心をさらに高めるとともに、県内における活動を一層活性化してまいりたい、このような御答弁をいただきました。
 そこでお伺いいたします。この2月、盛岡市を会場に開催されたボランティア国際年記念行事、その内容と成果についてお尋ねいたします。
 そして、なお一層ボランティア活動、NPO活動の活性化のために、県民の関心をさらに高める、この具体的な取り組みについてお伺いいたします。

〇長澤総務生活課長 ボランティア国際年シンポジウムの成果についてでございますけれども、委員御案内のとおり、2月16日にボランティア・NPO活動の一層の促進を図ることとして実施いたしました。予想、約600人を予定しておったんですけれども、大変県民の関心が高まりまして、約800人の参加をもって開催することができました。
 この基調講演、そしてパネルディスカッションですが、やはりボランティアやNPO活動の第一線で活動されている講師方をお招きして実施したわけでございますけれども、このシンポジウムに参加されたボランティアあるいはボランティア団体、そして行政に対して、この講師方からボランティア活動の課題、あるいは実践活動を通じての教訓、ネットワークの重要性などの御提言をいただきました。また、ボランティア基金の先進事例の紹介等もあり、大変有意義なシンポジウムだったというふうに考えてございます。
 したがいまして、このシンポジウムを一つの契機として、今後、県民のボランティアやNPO活動の活性化、活発化がなされるものと期待しているところでございます。
 それから、県民のボランティア参加意欲の向上につきましては、やはり継続的に行うことが重要であると考えてございます。したがいまして、13年度も県社会福祉協議会のボランティア活動振興センターや市町村と連携を図りながら、ボランティアフェスティバルやボランティア研修等実施してまいりたいと考えてございますし、特にも情報に関しては、今までインターネットで一方的な情報提供だけでございましたけれども、やはりボランティア団体のイベントの情報、あるいはボランティアを募集する情報、これらも必要でございますので、双方向のインターネットの情報を樹立したいと考えてございます。
 また、公益信託によるNPOの基金ということで今予算で提案させていただいてございますけれども、やはり、県民が活動しやすい環境整備を図りながら、ボランティア・NPO活動の一層の推進に努めてまいりたいと考えてございます。

〇阿部静子委員 ありがとうございました。
 ボランティアの活動というのは、本当に阪神の災害等、あるいは有珠山、それから岩手におきましても県北の水害等における活動が目覚ましいわけでございますが、そこで、この95ページ、ボランティア活動等支援事業費とございます。済みません、細かいことですが、等とございますのは、ボランティア以外何がここに当てはまるのでございましょうか、それ一つ。
 それから、今御説明ございましたように、NPO活動支援5、000万円計上してございますが、この出捐金の交付対象、そしてその活動内容はどのようになっておりますか、お知らせをいただきたい。

〇長澤総務生活課長 まず、予算書の事業名でございますけれども、県の社会貢献活動の促進に関する条例等、あるいは指針がございます。この中では社会貢献活動に関して幅広く、総合的に支援していくということになってございます。ですから、これは個人であろうと、団体であろうと、企業であろうと、いずれ支援していくという考え方でございます。ここにありますのは、いわゆるボランティア団体ばかりではなくて、そういうNPO団体、あるいはそういう企業等も含めて広く支援してまいるという趣旨で、こういう事業名を使わせていただいてございます。
 それから、公益信託における交付対象事業等でございますけれども、これにつきましては、原則的には今お話ししましたとおり社会貢献活動、一つにはいわゆるNPO法がございますけれども、その中に12の事業基準がございます。これが一つの目安にはなるかと思いますが、不特定多数のいわゆる広域的な活動と言っておりますけれども、そういう活動であれば対象になるものと考えてございます。
 いずれ、そういう団体の要件なり、あるいは補助率とか、補助限度額とか、審査基準というものにつきましては、公益信託の中に運営委員会というものを設置していただきまして、ここで検討していただきたいと考えてございます。

〇阿部静子委員 等の中身はわかりました。ありがとうございます。
 それで、法人としてのNPOはどのくらい登録されてあるんでございますか。

〇長澤総務生活課長 登録といいますか、法律に基づきまして法人認証した数でございますけれども、今現在で28法人となってございます。

〇阿部静子委員 28法人の活動内容をひとつ。

〇長澤総務生活課長 28法人の活動内容といいますか、活動分野でございますけれども、1団体が1分野だけやるとは限らないで、二つも三つもやる場合もございます。28の活動分野を集計してみますと82分野になってございます。このうちで、一番多いのが保健・医療・福祉、まあ福祉ですけれども、これが一番、約5割の事業でございます。その後、岩手県の特徴といたしましては、次がまちづくりが約4割、そして環境の保全が36%、そして、子供の健全育成を図る活動というものが35%台というふうに、全国と比べて特徴的なのが環境の保全を図る活動、これが全国に比べて多い。全国は26%でございます。
 以上、こういう特徴がございます。

〇佐々木一榮副委員長 阿部静子委員に申し上げますが、関連ある質問はまとめてお願いしたいと思います。

〇阿部静子委員 済みません。では、これで終わりますから許してください。この質問で終わりにいたします。
 28団体、82に及ぶ分野での活動なわけで、すばらしい活動をしてるんだなと。その中で福祉関係が5割ということでございますが、いわゆるNPOは非営利団体でございますから、どうかこの活動に対して県も積極的な御支援を、もう少し予算をぼーんとふやすとかですね、そういう方向性をとっていただくわけにはいきませんか。

〇長澤総務生活課長 公益信託につきましては13、14年度と5、000万円ずつで1億円を目指してございます。このほかに、できれば県民の皆様から広く寄附金を集めて、むしろこの公益信託をふやしていただきたいという形でございます。
 ただ、やはりNPO、ボランティア団体に対して、その自主性なり自立性を尊重することが大事でございますので、その辺の兼ね合いを考えながら、どういう形がいいのかをいずれ考えてまいりたいと考えてございます。

〇斉藤信委員 1点に絞って簡潔にお聞きします。
 家電リサイクル法施行の問題点と対応についてでありますが、一つは、家電製品の廃棄物の処理状態は今どうなっているかということをまずお聞きします。
 それで、一番心配されるのが不法投棄の問題ですけれども、実際に現在の不法投棄の実態をどう把握されているか。4月以降不法投棄されたものは、だれが、どう処理することになるのか、これが第2点であります。
 第3点は、この家電リサイクル法の一番の問題は消費者負担が大きいということです。最近日通が収集運搬料金を示しましたけれども、これは全体こういう形で右ならえになると受けとめていいのかどうか。日通の料金を見ますと、収集運搬で、冷蔵庫が一番高いんですが1、300円、リサイクル料金が4、600円、合わせて5、900円です。ところが、こういうただし書きがあるんです。屋内から運び出す場合は3、000円以内で追加されると。そうすると、最大8、900円になるんですね。冷蔵庫一つ出すのに1万円ぐらい負担されるとなった場合、私は本当にこれでスムーズにいくのかと。
 実は、欧州は消費者から取ってはならないという、製造者、メーカー責任がはっきりしていますけれども、私は、根本的にはこの製造者、メーカーの責任で、買ったときにこういうリサイクル料金は製品に付加すべきものだと考えますがいかがでしょうか。

〇簗田廃棄物対策監 家電リサイクル法についてでございます。
 現在の処理実態ということでございますが、市町村で引き取って、破砕、そして埋め立てされている実態が大体七、八割となっております。不法投棄の現状ですが、現在市町村でいろいろな不法投棄苦情が100件ぐらいございます。そのうちの約3割が家電品が投棄されているという実態と聞いております。(後刻訂正)
 処理についてどこがやるのかということですが、リサイクルルートに乗せるものについては、これは市町村が回収して、料金を払ってそのルートに乗せる。長期化していてリサイクルルートに乗せられないものについては、従来どおりの破砕、埋め立てということになろうかと思います。
 それと、消費者負担、非常に負担がかかるのではないかということでございます。これは現在のリサイクル法の流れを申しますと、まずメーカーである企業が支払い、そして流通業者が支払い、消費者の負担ということも求められてきている流れでございまして、その辺が容器包装リサイクル、そして家電リサイクルというような国の方の考え方ということになっております。

〇斉藤信委員 そうすると、結局不法投棄されたものの処理は市町村が責任を持って、金を払ってやらざるを得ないと、こういうことになるわけですね。そうですね。
 それで、やっぱり不法投棄が一番心配されるのが、私先ほど言ったように消費者の負担なんですよね。欧州では、だから消費者負担がリサイクルについてはないんですよ。製品に最初から入っていると。
 私はそういう点では、実はペットボトル、容器リサイクル法が実施されたときにこういう現象が起きたわけです。97年のペットボトルの回収率は9.6%でした。これが法律で回収を義務づけられて、回収率は23.5%になりましたが、生産量は21万9、000トンから33万2、000トンにふえて、実際にペットボトルのごみ量は5万6、000トンふえてしまった。結局、メーカーの製造責任をはっきりさせないと、回収責任を自治体に押しつけてもごみは減らない。
 今回の場合には消費者に負担を押しつけるものだから、必然的にそういう不法投棄の危険が強まってくる。私はこういう点はぜひ改善を求めていくべきだと思いますけれども、部長どうですか、この問題点。

〇村上生活環境部長 ただいまの御質問でございますけれども、消費者の負担を軽減するような方途を考えるべきだというお話でございました。先ほど担当課長の方からもお話し申し上げましたが、これからの時代は、それぞれが適正な負担をしていく時代、そういう時代であると私は思ってございます。したがいまして、制度というのはいろいろ問題はあるかと思いますけれども、問題がある場合には、今後改善するようにお願いしていくものだろうと思っています。
 当面、現行制度が4月1日から適正に運用されるように、私たちも全力を尽くしてまいりたいと思っておりますので、その辺、斉藤委員も御理解いただきたいと思います。

〇斉藤信委員 わかりました。

〇佐々木一榮副委員長 ほかに質疑ありませんか。

〇高橋賢輔委員 僣越でありますが、私から、村上生活環境部長への送別の言葉を述べさせていただきます。
 村上生活環境部長におかれましては、この3月をもって県を勇退されるとのことでありますので、これまでの御尽力に対し、この場をおかりして一言お礼を申し上げます。
 村上生活環境部長は、昭和42年に総務部人事課に勤務されて以来、34年の長きにわたり県の主要な部署においてその幅広い識見と卓越した行動力、指導力を発揮されて県勢の発展に多大な貢献をされたことは御案内のとおりであります。
 秘書課、財政課を経て、予防課成人病係長時代には、老人保健制度の導入という大きな事業にかかわり、さらに、昭和63年に総務学事課短大開設準備室長に就任されて、県立宮古短大の開設に尽力されたのを初め、教育委員会事務局財務課長、総務部地方振興課長、企画調整部企画調整課長、農政部次長と数々の要職を歴任されました。
 平成7年には、釜石地方振興局長に就任され、持ち前の明るい人柄で積極的に地域に溶け込み、釜石市と大槌町の連携を深めるための取り組みを推進したほか、この地域と岩手大学との交流の道筋をつけるなど、地域の活性化に尽力されたのであります。
 そして、平成8年には県議会事務局長に就任され、流動化した情勢の中で議会の円滑な運営に心を砕き、難しい役割を果たしていただきました。
 さらに、平成10年には現職である生活環境部長に就任されたのであります。
 生活環境部長として、環境分野においては、環境と共生する社会を構築し、持続可能な発展を実現するための長期的な目標と施策の基本的な方向を明らかにした環境基本計画を策定されたほか、本県の目指す資源循環型地域社会の方向を構想としてまとめたいわて資源循環型廃棄物処理構想の策定、環境マネジメントシステムの国際規格であるISO14001の認証の取得、ダイオキシン、環境ホルモンの実態調査の実施、本県の自然環境の保全の方向を示した自然環境保全指針の策定、本県の野生生物保護行政の重要な基礎となる県版レッドデータブックの作成などを手がけられ、まさに環境首都を目指すための礎を築いていただいたのであります。
 一方、生活分野では、ボランティア・NPO活動支援の計画的、総合的推進を図るため、社会貢献活動の支援に関する指針を策定したほか、全国に先駆けたいわて男女共同参画プラン、岩手県国際交流協力計画の策定、交通指導員などを対象とした県民の交通安全功労者表彰制度の創設など、他県にぬきんでた先進的な取り組みを積極的に進め、数々の業績を上げられました。これも村上生活環境部長の熱意と高度な行政手腕、行動力のたまものと存じます。ここに改めて感謝を申し上げる次第であります。
 村上生活環境部長におかれましては、退任後も健康に留意されて、県勢発展のために御助言を賜りますようお願い申し上げ、お礼の言葉といたします。
 この際、村上生活環境部長から、退任に当たっての御所見をお持ちであればお聞かせ願いたいと思います。

〇村上生活環境部長 大変貴重な時間をいただきまして、私からも御礼を申し上げさせていただきたいと思います。
 ただいまは大変身に余るお言葉を賜りまして恐縮しているところでございます。もとより浅学非才の私でございまして、ただいまお話ございましたような事業実績につきましては、今回ここに列しております職員の支えがございましたし、また、県議会の先生方の御支援のたまものと自分自身理解いたしております。
 お話ありましたとおり、34年間の県庁生活でございまして、34年間というと大幅な世の中の移り変わりがあったわけでございますが、その中でも、私自身、宮古短期大学を設立した、その設立の事務に携わりました。2年間という大変短い期間に脂汗をかいた記憶がございますし、また、県議会事務局では、先生方に大変お世話いただきまして、また違った観点から県行政を見ることができて、いい思い出になってございます。
 最後の3年間は、県政の重要課題、三つの課題のうちの環境を担当させていただきまして、これも後々思い出に深く残るものであると思ってございます。
 環境を担当いたしまして、知れば知るほどすそ野が広くて、どこまで入っていけば我々の範疇が見えてくるんだろうというようなことをしょっちゅう思ったことがございました。いずれ、これからまだまだ環境の世紀としていろいろなことが起きてくるかと思いますけれども、夢県土いわては道半ばでございまして、ぜひ県政が今後とも県民とともにその歩みを進めてほしいと期待いたしておりますし、また、議員の先生方におかれましても、健康に留意されまして、ますます御活躍されることを御期待申し上げたいと思います。
 簡単でございますけれども、大変お世話になりました。ありがとうございました。(拍手)

〇佐々木一榮副委員長 これで生活環境部関係の質疑を終わります。
 生活環境部の皆さんは退席されて結構です。
 次に、保健福祉部長から保健福祉部関係の説明を求めます。

〇関山保健福祉部長 保健福祉部関係の平成13年度当初予算及び条例案について御説明申し上げます。
 まず、議案第1号平成13年度岩手県一般会計予算についてでございます。議案その1の6ページをお開き願います。
 保健福祉部関係の一般会計歳出予算額は3款民生費の530億6、000余万円のうち、2項県民生活費を除く520億6、000余万円と、7ページの4款衛生費231億6、100余万円のうち、2項環境衛生費の一部を除く172億5、800余万円と、9ページに参りまして、13款諸支出金の1項公営企業貸付金から3項公営企業負担金までのうち、2項公営企業出資金の一部を除く255億8、400余万円と合わせて949億1、000余万円であり、これを前年度当初予算と比較いたしますと4億4、500余万円の増、率にしまして0.5%の伸びとなっております。
 当部の平成13年度当初予算については、平成12年度政策評価に基づく平成13年度施策重点化方針を踏まえ、施策の重点化・優先化を図り、県総合計画に掲げる環境、ひと、情報はもとより、少子化、健康、社会参加と就労、ユニバーサルデザインの四つのキーワードを念頭に、21世紀初頭における健康安心・福祉社会づくり元年となるよう施策の創出、拡充を図ったところでございます。
 以下、予算の内容につきましては、便宜予算に関する説明書により御説明申し上げますので、お手元の予算に関する説明書113ページをお開き願います。
 なお、金額の読み上げは省略し、主な事業を中心に説明させていただきますので、御了承願います。
 3款民生費1項社会福祉費1目社会福祉総務費のうち、114ページのひとにやさしいまちづくり推進事業費は、ひとにやさしいまちづくりを推進するための整備資金の貸し付け等を行うものであります。2目身体障害者福祉費の障害者社会参加促進事業費は、身体障害者の社会活動への参加と、さらに自立を促進するものであります。116ページに参りまして、3目知的障害者福祉費の知的障害者更生援護費は、入所援護委託等を行うものでありまして、117 ページに参りまして、4目老人福祉費の老人福祉施設整備費は、老人入所施設等を整備するものであります。118ページに進みまして、介護給付費等負担金は、市町村が行う介護給付及び予防給付に要する費用の一部を負担するものであり、介護予防・生活支援事業費補助は、要介護認定において自立と判定された高齢者等へ、市町村が実施する介護予防・生活支援サービスに対して助成するものであります。
 少し飛んでいただきまして、124ページをお開き願います。3項児童福祉費1目児童福祉総務費の特別保育事業費は、多様化する保育需要に対応するため、市町村が行う各事業等に対し補助するものであります。125ページに進みまして、仮称でございますが、すこやか子どもランド整備事業費は、一戸町奥中山地区に自然を活用した児童の健全育成のための拠点施設を整備するものであります。
 少し飛んで129ページをお開き願います。4項生活保護費2目扶助費は、生活保護世帯に対する生活扶助等の給付に要する経費などであります。
 131ページをお開き願います。5項災害救助費1目救助費は、平成11年10月の豪雨による被災者について、応急仮設住宅の継続利用を可能にするための事業に対し補助する経費であります。
 133ページに参りまして、4款衛生費1項公衆衛生費1目公衆衛生総務費の母子保健対策費は、乳幼児の健全な発育や生涯を通じた女性の健康支援等を行うものであります。134ページをお開き願います。3目予防費の特定疾患対策費は、パーキンソン病等の特定疾患患者に医療費の給付等を行うものであります。135ページに進みまして、4目精神保健費の精神障害者入院等措置費は、措置入院患者の医療の給付等を行うものであります。136ページにかけまして、5目老人保健費の老人保健対策費は、老人保健法に基づく医療費及び保健事業の負担等を行うものであります。6目環境保健研究センター費は、平成13年度中に開所する、仮称でございますが、環境保健研究センターの試験研究に要する経費などであります。
 少し飛んで、143ページをお開き願います。3項保健所費1目保健所費の施設整備費は、二戸地区合同庁舎移転新築工事に伴い、二戸保健所の新築工事を行うものであります。144ページからの2目医務費でありますが、145ページにまいりまして、救急医療対策費は、病院群輪番制病院の運営費補助及び救命救急センターの運営費補助等を行うものであります。
 次に、264ページをお開き願います。13款諸支出金1項公営企業貸付金1目公営企業貸付金の県立病院等事業会計運営資金貸付金は、県立病院等事業会計に対して運転資金の貸し付けを行うものであります。
 265ページに参りまして、2項公営企業出資金1目公営企業出資金のうち、県立病院等事業会計出資金は、県立病院等事業会計に対して出資を行うものであります。
 266ページをお開き願います。3項公営企業負担金1目公営企業負担金の県立病院等事業会計負担金は、県立病院等事業会計に対して負担を行うものであります。
 次に、議案第2号の平成13年度岩手県母子寡婦福祉資金特別会計予算について御説明申し上げますが、便宜、予算に関する説明書により説明させていただきます。
 予算に関する説明書の318ページをお開き願います。歳入歳出予算総額はそれぞれ4億5、100余万円であります。
 319ページに参りまして、歳入は一般会計からの繰入金、繰越金、諸収入であり、325ページに参りまして、歳出は、母子家庭及び寡婦の経済的自立、生活意欲の助長、児童の福祉の増進などを図るために必要な資金の貸し付けに要する経費であります。
 以上で、母子寡婦福祉資金特別会計予算の説明を終わります。
 次に、予算に関連する議案について御説明申し上げます。
 議案その2の42ページをお開き願います。議案第33号の保健婦養成所等授業料等条例の一部を改正する条例は、保健婦養成所等の授業料等の額を増額しようとするものであります。
 68ページをお開き願います。議案第36号の岩手県衛生研究所検査等手数料条例の一部を改正する条例は、仮称でございますが、岩手県環境保健研究センターの設置に伴い、所要の整備をしようとするものであります。
 以上、保健福祉部関係の議案についての御説明を終わります。御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。

〇佐々木一榮副委員長 ただいまの説明に対し、質疑ありませんか。

〇佐々木俊夫委員 大分多いようですので簡潔に、1点に絞ってお伺いいたします。
 4款衛生費4項医薬費2目医務費に絡んで、終末期医療、ターミナルケアについて伺います。
 どなたが名づけたんでありましょうか、スパゲッティ症候群というのがある。これは、余りよくない名づけ方ではないかと思うんですが、薬だとか、栄養にするものを全部パイプだ、排泄もパイプ、もうパイプに絡まれているのでスパゲッティのようだというまことに失礼な表現でありますけれども、お医者さんにしますと、1分でも1秒でも長生きさせようという努力のあらわれでありますし、今の医学の進歩のあらわれなんであります。しかし、そういうことなんですけれども、いや、もうそういう治療はやめるべきだという世論も最近非常に多くなって、むしろ穏やかな人生と言いましょうか、あまり苦痛のない人生を終わらせた方が人間的ではないのか、こういうような意見を持っている方が最近多くなってきたということでありましょうから、県の方でも、ターミナルケアのあり方について検討会を設置して活動を開始されたと、評価いたします。
 そこで、この検討会は現段階どのような検討をされて、どのような見通しを持っておられますか。

〇関山保健福祉部長 本検討会につきましては、医学医術の進歩が図られているわけでありますが、治療不可能な患者さんがやはり存在しております。とりわけ末期がんなどの患者さんにおかれては、いや応なく死という現実に向き合わなければならないということでございまして、これらに対して適切に対応できるよう、岩手県ターミナルケアあり方検討会を設置いたしたところであります。
 この検討会におきまして、まず、県民の方々の意識を適切に把握し、その意識を把握した後に、どのようなありようを考えるかということで今現在進めていただいておりまして、調査では、本年1月に県内、県民の方、医師、看護婦等合わせますと1、600人を対象にいたしまして調査を行ったということでございます。今その調査に基づいて検討を進めさせていただいておるということでございまして、この検討結果については、今月中にでも取りまとめられるよう、今御検討を願っているという状況でございます。

〇佐々木俊夫委員 その調査も1月だということですので、今はもう3月でございますから、その中身の傾向性はわかるのではないかと。もしお許しをいただければ、その傾向性をお話いただければと思うのであります。
 このターミナルケアというのは、取り扱いによりますと、逆に人権問題にもなる、あるいはまた肉親の情といいますか、あるいは宗教的な問題も絡んでくるということで大変難しい課題ですけれども、しかし取り組まなければならん課題だと。ただ、これは、今の健康保険というのは私もよくわかりませんけれども、恐らくこれは病気を治す、あるいはまた予防するという目的での制度だと思うんですが、もう既に治療困難という場合、今の健康保険制度のもとではちょっと合わなくなっていくのかなと、こういう感じを受けます。したがいまして、今の制度のもとでターミナルケアを行う施設というものをつくる場合、非常に難しいのではないのか。もっと根本的なところから掘り起こしていかないと、理屈としてはわかるんですけれども、現実の施設を整備し、その体制をとるということは非常に難しいのではないか、こんな感じを持つんですけれども、部長のその辺の見通しですね、あなたは国家的立場も持っておられる方ですが、ひとつ。
 それと同時に、全国的なこの問題についての動向はどのようになっているものでしょうか。

〇関山保健福祉部長 このターミナルケアの今後の状況ということでございます。
 ターミナルケアにつきましては、課題となりますのが、患者さん本人とその御家族が残された人生をその人らしくいかに送るかということでございまして、告知に当たっては、患者本人に対して適切な情報の提供と意思決定ができるその人にふさわしい環境づくりをいかに進めるか、また、医療のみならず、福祉等も含めまして、その残された人生においてその人にふさわしい支援をいかに行っていくかということが非常に大きな課題となっております。
 ここについては、まずは、その健康なときから、県民、国民の方々が、一人一人が人生をどのように送るかと、いざ死に直面して考えるということもありますが、その前からいかに人生を送るかということについて日ごろより考えておくことが重要だということが言われております。したがいまして、こういったことについての意識啓発ということも重要でありますし、また、適切な支援ができるということに対しては、医療従事者等において、また福祉関係者も含めてでございますが、心のケアに関する知識・技術の向上、また、医療関係者においては疼痛緩和の技能の向上というソフト面の充実というのが必要でございます。
 一方、ハード面についてまさに緩和ケア病棟の整備というものもございます。
 いずれにいたしましても、ソフト面においての充実を図り、そして、これは患者さん方に対応しますのは、いろいろな関係の方々が1人の患者さんをサポートしていきますから、そういった横のチームアプローチのとり方の問題もございます。そういうようなことが今現在課題になり、その課題を一つずつ解決していく必要があるのではないかと考えております。

〇佐々木俊夫委員 他県、全国的な取り組み状況をお聞きしたんですけれども。

〇関山保健福祉部長 他県においても、このターミナルケアの問題は、やはりまだまだ緒についた段階でございます。やはり、緩和ケア病棟の整備状況を見ても、まだまだこれからだというところもございます。緩和ケア病棟の対象も、医療保険制度ではがん末期とエイズの患者さん等と一定程度限定がございます。そういう状況の中でこの制度として動いておりますが、とりわけニーズの高いがん末期の方々に対しての適切な対応というのが、全国的にも体制整備が望まれているという状況になっております。

〇藤原良信委員 予算に関する説明書の117ページで老人福祉費、老人福祉活動推進費につきましてお尋ねいたします。
 私は一般質問で、痴呆性高齢者のケアについてということで4項目質問いたしました。痴呆性高齢者対策としてどのような基本的な考え方を持っているのか、痴呆性高齢者の現状の把握と今後の推移の見通しはどうか、そして、精神病院に入院している痴呆性高齢者はどの程度いるのか、そしてこの4番目といたしまして、これらの痴呆性高齢者に対して今後どのように対処していくのかということで、4点御質問させていただき、お答えをいただいたわけでございます。
 一般質問でございましたから、細部にわたっては、当然時間的な余裕はございませんでした。今回、痴呆性高齢者のケアについての一環で御質問させていただくんですが、今回、13年度の予算として計上されております、ただいま申し上げました老人福祉活動推進費の中でございますが、現在、全国で65歳以上の痴呆性高齢者が160万人というのが出てございます。2010年には230万人、30年後には330万人のいわゆる65歳以上の高齢者の中での痴呆性対象者が出ると数字が出ております。いわゆる高齢者の中で10人に1人が痴呆性の対応という、痴呆性の対象者がそのくらいの数になるという数字にはっきりと見えているわけでございますので、今からその対応・対策をしていかなければならないことは御案内のとおりで、よって予算計上されているわけです。
 その中で、昨年の12月16日に厚生省が、これからは痴呆性介護のプロを養成しなければならないということで決定いたしましたね。全国に3カ所養成機関を設けると。いわゆる東京と愛知と仙台ですか、3カ所と伺ってございますが、東北管内は仙台ということになるんだと思いますが、自治体から数名これへ派遣いたしまして、指導者として養成される。65歳以上の高齢者で、介護対象者としては寝たきりもありますし、痴呆性もある。寝たきりの場合は寝たきりで、これは寝てるだけの対応者ですから、それなりにやり方があるわけですけれども、痴呆性の場合は、火を使ったり、徘回したり、複雑な対応に対処していかなければならないという、今後指導をしていく上で、プロとしての必要性が出てきたんだと思います。
 そこで、この予算計上の中で今回、13年度のそれに対応するための予算が盛り込まれておりますが、この中身については詳しく書いてないからよくわからないんですが、盛り込まれていると思いますが、指導者を養成したのが帰ってきまして、自治体に戻ってきて、今度は実務者を指導するわけですね。実務者が、今度は各施設の職員を指導するという形になっていくんだと思うんです。これらが、何人派遣し、指導者として養成するかということと、帰ってきて、その実務者養成についてはどんな対応で養成をしていくおつもりなのか。今後、それによっての対応の仕方というのはどういう見通しを持っているのか。せっかく予算を計上していますから、そのことについてお示しいただきたいと思います。

〇及川長寿社会課長 痴呆介護研修事業の関係ですが、これは自治体からというお話でございましたけれども、特に自治体からと限定されたものではございませんで、あくまでも痴呆介護実務者研修の講師などの指導的役割を担う職員ということでございますので、施設の長とか、あるいは医師の場合もあろうかと思います。現実、1カ月半の研修を終えて、戻られまして、そして痴呆介護実務者研修の方、つまり県内でやる研修の講師として反映させてもらうというものでございます。
 その間の1カ月半につきましては、それぞれ人件費の補助等も考えているところでございます。
 今後、人数につきましては、今のところ13年度からスタートする事業でございまして、本県から3人という枠で示されておりますけれども、今後、事業の拡充等なされればということはございますが、ただ、現実1カ月半も空にするということからすれば、さらに多くの枠の拡大ということはなかなか難しいのかと考えているところでございます。

〇藤原良信委員 今後のことですが、3名派遣されて、指導者として養成されて、帰ってきて、今度は実務者を指導すると。実務者が、今度は職員を指導するという形になるんだと思うんですけれども、それでいかがなんでしょうか、見通し的に、対応をし切れていかれる状況か、どのくらいの人数の指導者が今後養成されればいいと思っておりますか。

〇及川長寿社会課長 毎年度の県の方で、いわゆる実務者の方の研修といたしましては、基礎課程の研修が年間120人、専門課程の研修が30人、計150人を研修実施していくわけでございまして、これまでは711人が研修終了してございます。今後、さらに年間150人ずつ研修を予定していくということで、この3人の方々が毎年3人、6人、9人とふえていきますと、さらに充実されていくもので、特に不足を生じるという懸念は今のところ持っておらないところでございます。

〇田村正彦委員 1点だけ。実は私、最近どうもショックを受け、めいっているんです。と申しますのは、ここ1月ぐらいの間で、私の周辺というんですか、知り合いで、みずから命を断つというのが8名ほど出ております。本当に異常なことだと思うんですが、保健福祉部で把握している県内のそういったみずから命を断たれる方の人数とか、年代構成とか、そういったものがおわかりでしたら教えていただきたい。

〇小原保健福祉課長 自殺者の数ということかと思いますが、これは警察本部が統計をとっておりますので、そちらのデータでございます。
 総人数で申し上げますと、平成10年は536人、平成11年は529人となっております。
 それから、年代別ということでございましたが、60歳以上というくくりになりますが、平成11年で204人ぐらい、50歳台が121人、40歳台が95人ということで、順番は、60歳以上、50歳台、40歳台という形になっています。

〇田村正彦委員 何か働き盛りの人のウエートがかなり高いという感じも受けますし、またある反面、60歳以上、高齢者もかなりその中には包括しているのかと思います。
 そこでお尋ねしたいんですが、例えば人口当たりの比率で言えば、岩手県というのは全国レベルで見た場合にどの程度の位置を占めているのか。そしてまた、例えば全国で見た場合にかなりな上位というんですか、率が高いという数字がもし出たとしたら、その原因というんですか、背景というのはどうとらえていらっしゃるのか。

〇小原保健福祉課長 順位というのは、警察からいただいている資料では、全国が幾らで岩手が幾らという形なものですから、ちょっとそちらのデータでは持ち合わせておりませんが、別なデータで申し上げますと、例えば人口動態調査というのがございます。これは警察の調査に比べると、要するに市町村役場に届けた数でいくものですから、ちょっと不明が多くなっていて、警察より少なめに出るんですが、そちらのデータで全国比較しますと、岩手県は、10年ぐらいですと、全国で多い方の3番以内には入っているようでございます。多いという傾向でございます。
 それから、原因、動機というのも、これは詳細に私ども把握しているわけではございませんが、県警本部のデータによりますと、病苦とか、健康の問題が一番多くて、次いで経済、生活関係、それから家庭関係といったような順番になっていまして、こういった傾向は、割合は違いますが全国のデータもこういう順番になってございます。

〇田村正彦委員 人口動態比較では2番目だ、3番目だという高い比率にあるということなんですが、いろいろ警察のデータ、警察の調べという答弁でしたけれども、保健福祉部としてこういった傾向をどうとらえて、そしてまたこれの対処の仕方というのは大変面倒だとは思うんですが、こういった傾向をどう対応なさっているのか。電話の相談もあるようなんですけれども、そういったものも含めてどう対応していくのか、最後に。

〇小原保健福祉課長 自殺の動機とか背景というのはなかなか特定するのが困難でございます。しかし、先ほど申し上げましたように、病苦等の健康とか家庭の問題が多いといったようなことも指摘されておりますので、保健、医療、福祉の分野で必要とされる対策をきめ細かに講じていく必要があると考えております。
 具体的には、全国もそうなんですが、高齢者の割合が高いという点が挙げられますので、シルバー110番と言いまして高齢者さんの相談センターでの相談体制、あるいは生きがいづくりということで高齢者大学等の事業、それから要援護者につきましては、適切なサービスを提供するといったようなことをやっております。それから精神面もありますので、心と体の健康という面から、保健所とか精神保健福祉センターで精神の専門医とか保健婦による健康相談、精神保健相談あるいは訪問指導等々を実施しております。また、老人の心の健康づくり推進事業というのがございまして、これによりまして、モデル的に地域を選んで重点的に窓口相談、訪問指導、啓発活動をやっております。それから、若年者もありますので、児童相談所等の各種相談。それから地域とか民間ですと、民生委員あるいは市町村社協にあります心配ごと相談所等で相談に対応しております。それから、民間では盛岡いのちの電話が、ボランティアとしてそういった電話相談を行っております。
 さらに、健康いわて21プラン、現在策定中でございますが、この中で重点的に取り組む11の領域の中の一つとして、本県独自にこの自殺問題を取り上げることにしております。したがいまして、今後はこれに基づきまして、また関係機関と一体となりまして対策を講じてまいりたいと考えております。

〇水上信宏委員 予算に関する説明書の17ページそして129ページのうち、三、四点についてお願いします。
 まず、介護保険制度についてお伺いします。介護保険制度については、一般質問で福祉施設等について伺いましたが、再度お願いしたいと思います。
 県の介護保険協議会がまとめた介護保険運営状況調査によると、第1号被保険者から保険料を徴収した昨年10月前後で主な居宅サービスはおおむね伸びており、1割の利用料負担が適用される訪問看護で12%の増、通所介護・通所リハビリで8%の伸びとなっているものの、保険料の負担割合が最も低い第一段階では17%の減となっております。私は、この第一段階での利用者の減は、利用者が利用料負担の重さを感じ、利用したくても利用しなかったのではないかと考えております。
 佐賀県の調査によりますと、訪問系のホームヘルプサービスが伸び悩んでいる要因として、他人を家に入れることを嫌っている、あるいは利用料の1割負担については5.6%がサービスを減らしたと理由に挙げているとされており、また、長野県の岡谷市では、居宅サービスの介護度別に定められた使用限度額に対して実際の利用率は平均37%、最低の要支援でも53%にとどまっているとしています。介護を平等にひとしく受けられる理想のもとで出発しているこの制度において、本県ではどのような利用率になっているのでしょうか。もし他県のように利用率が伸びていないとするならば、その要因はどのように分析され、どう対応していくお考えなのかお伺いします。
 また、一つ追加ですが、施設サービスと在宅サービスのバランスについてお伺いします。
 介護サービスは利用者が自由に選べるのが基本であるが、整備の整った施設サービスのニーズが極めて高く、特別養護老人ホームなどは多くの待機者があり、入所に何年もかかる状態にあると聞いております。要介護高齢者の方々が、人間として尊厳を持って生活していくためには、在宅サービスをさらに充実させ、地域の支援なども受け、在宅で介護を受けてもらうのが望ましいのでありますが、当然、設備の充実している施設サービスの希望にもこたえる必要があると思います。
 そこでお伺いしたいのですが、本県における特別養護老人ホーム待機者の現状と対策はどうか。また、施設整備のおくれなどから市町村間のサービスの格差は生じていないのか、これに対する対応もお聞きしたいと思います。
 続けてもう一つ。
 次に、さきの決算特別委員会またはこのたびの一般質問でもお伺いしましたが、生活保護についても再度お伺いします。
 決算特別委員会において、生活保護世帯の認定に当たり生活保護の特例措置があると伺いましたが、世帯認定に当たり、特例措置としてどのようなものが、また、その適用状況はここ数年どのようになっているのでしょうか。特に、久慈地域においての特例措置の状況はどのようになっているのでしょうか、お伺いします。

〇六本木介護保険システム整備監 まず、本県のサービスの利用状況でございますが、区分支給限度額に対して、総量として平成12年の10月時点で31.7%の利用率となっております。この支給限度額につきましては、おおよそ高齢者2人だけの世帯において、在宅で生活する場合に必要なサービス量を想定して決められておりまして、実際にはそれぞれの要介護者の家庭介護力等によって必要なサービスは異なると考えられます。そういったことから、31.7%という数字は、一概に評価できないものではないかと考えております。
 なお、現在のサービス量につきましては、市町村が実態調査を踏まえた上で必要と見込んだサービス量があるわけですけれども、これ計画上のサービス量の80%となっております、在宅サービスについて。これについて、県の方でサービスの利用を最大限に見込んで計画を策定するようにという指導をしてまいりましたので、やや計画に対しては低くなっているというものでございます。
 調査によりますと、こういったような状況ではございますが、約9割の方は現在のサービスの量でいいとしておりますけれども、一部4%の方で利用者負担が重いとして、そういう理由からサービスを制限されているというような方もございます。これにつきましては、本年1月から、低所得者に対する利用料の軽減措置が拡充されたことを踏まえまして、市町村あるいは社会福祉法人に対して、この措置の実施について働きかけているところでございます。
 また、今後、高齢者が必要な介護サービスを適切に利用するように、ケアプランを策定する介護支援専門員の資質の向上を図るということと、在宅サービスの利用につきまして、市町村とともに県民の方々に周知を図ってまいりたいと考えております。

〇細川監査指導監 生活保護の特例措置についてでございますけれども、生活保護法によりますと、世帯の認定につきましては例外的な取り扱いで世帯分離を行うことができます。例えば、世帯員の中に稼働能力がありながら収入を得る努力をしないといったように、そのために他の世帯員がやむを得ず保護を要する状態に至ったといったような場合、それからあと、保護を要する方が自分に対して生活保持義務関係のない世帯に転入した場合、同一世帯として認定することが適当でないといったような場合もございます。それからあと、長期入院の患者とか施設入所の方がおいでになる場合なんですが、世帯分離しないとその世帯全体を保護しなければならないといったようなケースが考えられます。
 ちなみに、ことしの2月1日現在の県内の世帯分離による保護の適用の状況を見てまいりますと、49世帯52人となっております。久慈圏域だけ限定して見てまいりますと、平成10年度で12世帯12人、それから11年度が13世帯13人、ことしの2月1日現在では12世帯12人となっております。
 なお、保護の申請に当たりましては、世帯の生活状況とか収入状況を的確に把握いたしまして、民生委員の方々と連携を図りながら、保護が適切に行われるよう指導してまいりたいと考えております。

〇及川長寿社会課長 介護老人福祉施設への待機者等の関係でございますけれども、県下の状況といたしましては平成13年の1月末現在で、全体で618人という数に上っておりますけれども、高齢者の保健福祉圏域ごとによりますと、盛岡、岩手中部、胆江、釜石の圏域につきましては、現在施設整備の国庫補助内示があったものと、それからショートステイ床の弾力活用によって、ほぼ対応が可能と見ているところでございます。その他の圏域におきましては、平成13年2月に、12年度分の介護療養型医療施設の入所定員目標の一部を、介護老人福祉施設に振りかえた増床計画について市町村に対して早急に具体化するよう要請するとともに、平成13年度におきましても同様、当該年度の介護療養型医療施設の入所定員目標に余裕がある場合には、その一部の振りかえを行うことも検討してまいりたいと。また、平成14年度における岩手県介護保険事業支援計画の見直しに向けて、市町村ともども適切な施設の定員が確保できるよう、準備を進めてまいりたいと考えております。

〇水上信宏委員 私でもわかるように丁寧に御説明いただき、大変ありがとうございました。
 御案内のとおり、保険料負担そして利用料負担、医療費負担等で県民の皆さん、特にも弱者の方々には重い負担がのしかかってきていると思うことから、従来型だけの考えでの生活保護制度では物足りなく、犠牲者がどんどんふえてくると思いますが、これらの全般的な対応をどのように考えているのか、関山保健福祉部長のお考えをお伺いして終わります。

〇関山保健福祉部長 生活保護の問題につきましては、私ども、生活保護の申請を行われた方々については、その方々のお立ち場を十分配慮しながら、そしてその方々に対する懇切丁寧な対応をして、適切に法等に基づいて御支援をさせていただきたいと思っております。

〇阿部富雄委員 介護保険についてお伺いをいたします。
 ただいまの答弁で、特養ホーム等の入所希望については618人待機者がいるということで、介護保険圏域ごとに見れば、新たな整備なども含めて盛岡圏域だけはほぼ充足できるだろうと、こういう見通しでありますが、問題は、これら介護療養型医療施設のいわゆる老人福祉施設への増床切りかえなどをしても、なおかつ、満たされない圏域というのはかなり出ているわけです。そういうところについての対応というのは、今後どのように考えていらっしゃるのか。
 あわせて、この介護保険制度が入りまして約1年経過するわけでありますけれども、介護保険事業会計の状況というのはどういう状況になっているのかお伺いいたします。

〇及川長寿社会課長 水上委員に対する答弁と重なるところがあるかもしれませんけれども、なお不足を生じるところにつきましては、今後、当該年度の介護療養型医療施設の残余分を活用する方途も考え、さらには平成14年度におきます介護保険事業支援計画の見直しに向けまして努力をしてまいりたいと考えているところでございますので、御理解をいただきたいと思います。

〇六本木介護保険システム整備監 各市町村における介護保険財政の収支見通しについてでございますけれども、本年度においては、計画対比で100%を超えると見込まれておりますのは2町村ございます。その他の市町村につきましては、本年度は100%以内におさまると見込まれております。県全体といたしましては、平成12年度について全体では91%の計画対比、給付割合、給付額になる見通しでございます。この給付費につきまして、各市町村においてこの給付額を計画の中で見込んでいるわけでございますけれども、県といたしましては、もし給付額が見込みを上回った場合には財政不足を生じて、それに対して財政安定化基金からの借り入れが必要になります。借り入れた場合には、次の3年間において、その借り入れた額を保険料に上乗せするという必要がございます。そういったような事情もございまして、サービスの利用を最大限に見込んで計画をつくるようにという指導をしてまいりました。その結果として、おおむねの市町村では、現在の計画の中におさまっているといったような状況でございます。

〇村上惠三委員 ふれあいランド岩手の用地問題についてお伺いしますが、さきの企画振興部の審査でも、土地開発公社の関連で質問したところでありますが、この施設の主管部であります保健福祉部長にお伺いをいたしたいと思います。
 この問題は、平成7年の2月定例県議会の場における質問以来、その早期解決について担当課にたびたび説明などを求めてきたものであり、一昨年の決算特別委員会でも、関山保健福祉部長に対して質問いたしておりますので、事の詳細については申し上げません。
 部長からは、引き続き研究を重ねて地権者の理解をいただくよう、誠意を持って取り組むとの答弁を得たところでありますが、部長、あれからもう既に1年を経過しております。その経過についてどのようになっているかをお知らせいただきたいと思います。
 この間、先ほども申し上げましたが、どのように取り組まれたのか、また、地権者にどのような理解を求めてきたでありましょうか。その経過とともにお知らせ願いたいと存じます。また、土地開発公社はしっかりと協力体制で御協力いただけたものかどうか、その点についてもお答えをいただきたいと思います。

〇関山保健福祉部長 ふれあいランド岩手の土地問題でございます。県におきましては、平成10年12月議会におきまして、知事答弁を踏まえ、関係部局との検討を数次にわたり開催し、行政としてできる範囲の中でさまざまな方策を検討してまいりました。また、地権者の方については、ゴルフ練習場用地としての活用は断念されたということでございますが、事業用地として当該代替地を活用したいとの御希望もございますことから、平成12年1月以降、県、矢巾町、土地開発公社の三者によりまして、代替地活用についての研究会を開催しております。現行の土地利用規制のもとで、どのような方策があるかということについて研究してまいりました。この研究につきましては、平成13年の1月時点で取りまとめられた研究成果として、市街化調整区域、農振法あるいは農地法による規制区域での土地活用事例というものを整理したところであります。その活用事例について、現行の土地利用規制の中において活用可能性があるものを、これは一覧表にいたしまして地権者の方にお示しさせていただいたということでございます。現段階においては、そのようなことで、地権者の方に活用事例をお示しさせていただいて、今、その事例に基づいて地権者の方に御検討願っているという状況でございます。この間、土地開発公社においても、私どものこの研究会の進め方について、十分御協力いただいているところでございます。

〇村上惠三委員 部長、随分勘違いしているんじゃないですか。活用の事例を私も見せてもらいましたけれども、活用の事例はどういうことなんですか。農業をやれるような施設だけを活用していくと言っているんですよね。基本は、農業をしないで事業用地をあっせんしてくれという約束でやったものでしょう。今さら何ですか。農業用地だったら、何もこの方は文句を言わないわけですよ。そうでしょう。それを農業用地だから何々施設はつくれる、何々施設はつくれると、農業用地でつくれるものだけを提示しているということだから、基本的には何も解決にならないんじゃないですか。検討するに値しないんじゃないですか。最初から農業用地じゃないところをあっせんしてくれと言って、そういうところをあっせんすると県が言っているわけだから、今さらになって農業用地でありますから、農振も解けないからこうものをやれますということでは、全然進歩がないんじゃないですか。その点どう思いますか。

〇関山保健福祉部長 これは平成13年の1月31日に地権者と担当課長、それから県、土地開発公社の担当者で面談させていただいて御説明をさせていただいたわけであります。その後、3月になりまして地権者の方から、県土地開発公社の方に御連絡がございまして、現状で打開策がなければ、1月31日に示された例示の中で可能性を検討したいという御連絡をいただいているということでございます。

〇村上惠三委員 今の部長の答弁は議事録に残るから、私はそれを見てからにしますけれども、私にはそういうことを言っておりません。私もこの関係については関連してきたものですから、平成5年以来8年になるわけです、この問題は。一向に進展していない、8年たっても。
 地権者が希望しているのは、事業用地を要求しているわけです。県は事業用地をあっせんすると言っているんですよ。今、農振のかかった田んぼを世話して、その田んぼは今寝かせた、そのままなんですよね。寝かせっきりなんですよ。それに地権者が文句を言っているんじゃないですか、要求しているんじゃないですか。
 私は、この施設を建てるときから、ふれあいランド岩手を建築するときからずっとかかわってまいりましたけれども、やっぱりそういう立場で、県議会議員として、県が地権者にそういううそをつくようなやり方をしてどうかということで、私の議員としての良心もあるわけです。
 地権者の話によりますと、もう当事者で解決できないのであれば司法の場で、要するに裁判で決着をつけるというようなことも言っているんですよ。もしそうなった場合は、県の対応はどうするんですか、部長、それをお伺いします。

〇関山保健福祉部長 私どもといたしましては、できる限り地権者の方に対して誠意を持って行政としてできる範囲の中で対応させていただきたいと思っております。ただ、そういった訴訟の問題ということについては、その訴訟が提訴された段階で御検討させていただくわけでございますが、いずれにいたしましても、今の段階におきましては、私どもでできる範囲の中で努力をさせていただきたいということでございます。

〇村上惠三委員 長年同じ答弁ばかりで一向、8年たっても全然前進していないというのがこの結果なんですよね。一県民が、県庁という組織の中で、3月31日の予算執行が最後であるというドタバタで、売買契約書に判こをつかせて、そして農振法を解いてやるというようなことを言ってこれをやっているんじゃないですか。それに対して、県が何の反省もないじゃないですか。県民の主権とか地方主権という時代でありまして、一県民の一人が、県庁という組織挙げての、何といいますか、圧力に屈しているんですよ。圧力というか、だまされているんですよ。どうですか、課長。あなた当時、課長補佐で担当したでしょう。答えてくださいよ。

〇細田障害保健福祉課長 今、部長からも申し上げましたとおりでございまして、私どもとしてはできる範囲で、最大限の努力をしてこの問題の解決に努めたいと常に思っているところでございます。

〇村上惠三委員 全然進みませんから、その答えはもう8年前から同じことを言っているんですよ。全然進歩、進んでいないですよ。だから県がそういう態度で、一県民にそういう態度で臨むということであれば、今後、私は私なりにまた質問してまいりますし追及してまいりますので、これで終わります。

〇及川敦委員 2点ございましたけれども、1点目のターミナルケア、ホスピスケアにつきましては佐々木俊夫委員が先ほど概括的に質問しまして、その内容を理解いたしましたので質問はいたしませんが、また今後、先ほど御答弁ありました県ターミナルケアあり方検討会の答申、報告を受けまして、またその点につきましていろいろ議論させていただければと思っております。
 関山保健福祉部長も、非常に問題意識を高く持ってお進めするという意欲があるようでございますので、非常にこの分野につきましては、これまで欧米各国から比べれば非常におくれてきております。そして今、県民の間で、私の認識では非常に高い要望がある分野だと思いますので、また早急に事業が進展するように着手していただければと思っております。
 2点目につきましては、障害者の地方自治体での雇用についてでありますが、まず、御案内のように、身体障害者の雇用促進法は障害者雇用促進法という形で衣がえしまして、法定の雇用が2.0%ということになっておりますが、県の雇用状態は、これは本来であれば人事課があれなんでしょうけれども、担当課としてこの2.0%をクリアしているかどうか、把握しているかどうか、まずお聞かせいただきたいと思います。
 県下の市町村につきましても、どのような雇用状況にあるのか、お知らせをいただきたいと思います。

〇小原保健福祉課長 法定雇用率の関係は国、岩手労働局の所管でございます。ただ、出されているデータでお話ししますが、これは毎年6月1日現在で統計をとっているようですが、12年6月1日現在で、県の機関が1.61%、市町村の機関が2.05%となっております。

〇及川敦委員 所管ではないということのようでありますが、そこで担当課の方に聞くわけでございますが、御案内のとおり、非常に厳しい景気状況で雇用が今0.62ですか、そういった状況で、障害者の方についての雇用状況も非常に好ましい環境ではないと。そういった状況の中で、在宅の方がかなりふえていると私も認識しておりますし、また、在宅でいることによっても、またそれぞれの問題も出ているものと理解しております。担当課の障害保健福祉課としましては、こういった法定雇用率に対して県は1.61%ですか、市町村は2.05%という状況でありますけれども、この点についてどのように見ておられるのかと思いますし、あともう一点ですが、国家公務員の採用試験においては、点字による試験が認められているようでありますが、本県の採用の際にはそういったものがまだ認められていないと伺っておりますが、これも担当課としてどのように認識をされておりますか。今後の対応等についてもお示しをいただきたいと思います。

〇細田障害保健福祉課長 前段の雇用率についての考え方でございますが、私どもが直接の雇用率についての意見ということではありませんが、障害者プランを今策定しておりますけれども、その障害者プランにおきましては、県では障害者雇用率について1.93%まで、平成22年度までに民間企業の障害者雇用率でございますが、これを引き上げるということで目標を明示して取り組むこととしております。さまざまな対応をこれから検討していくことにしておりますので、私ども、それに向けて一緒に努力をしていきたいと思っております。
 また、一般雇用から外れますが、一般雇用が難しい方の場合には、例えば私どもで言いますと通所の施設でありますとか地域の中で働けるような場所をつくっていくことによって、在宅者が地域の中で活動できるような、そういう設定もしていきたいと考えているところでございます。

〇小原保健福祉課長 採用の関係でございますけれども、県職員の採用関係事務というのは人事委員会とか人事課とか、いわゆる人事機関というところがやっております。そちらのデータなんですが、岩手県では58年から競争試験と別枠で身体障害者を対象とする採用、選考試験というのをやっております。これまで6人の視覚障害者──いずれも5級ないし6級でございますけれども──を含めまして、66人の採用実績がございます。現在のいわゆる別枠試験といいますか、これの受験資格の中に、活字印刷文による出題に対応できる方という受験資格がございまして、したがいまして、著しい視覚障害の方は対応することが難しいというような方式になっております。ただ、人事委員会に伺いますと、試験問題に拡大文字を使ったりして、視覚障害者にも配慮はしておるということでございます。
 保健福祉部としましては、社会福祉事業団に点字図書館を委託しているんですが、11年の4月から社会福祉事業団と協議しまして、点字図書館に事業団のプロパー職員として1級の視覚障害者を採用いたしております。
 それから、県全体の関係につきましては、所管の人事機関の方にお伝えしたいと考えております。

〇及川敦委員 今後の課題でもあるのかと思います。今、小原保健福祉課長から御答弁あったように、活字印刷物によるもので対応が可能な方しか受けられないというようなことであると思いますが、先行して、こういったみずから県庁そして地方公共団体が率先して一般雇用の先導役になるように進めていただくべきと思っておりますが、最後に、部長の前向きな御答弁をお聞かせいただければ、終わります。

〇関山保健福祉部長 私ども、障害者の方の社会参加と雇用という問題は大変重要な問題であると認識しておりまして、これについてはまずその方々が地域の中で生活できるように、相談コーディネート体制をきちっとやろうと。そして、その方々に対するサポートをできるようなサービスを提供できるような体制づくりを立てていこうと。また、次にIT化ということになっておりますので、デジタルデバイドにならないようにもしていこうと。その上で福祉的な就労とそれから一般就労というのがございます。私どもの作業所、授産施設でお働きになるという方々、福祉的な就労の場所、そしてそういう場所よりももっと能力がおありになって、作業能力がおありになって一般就労になるということで、こういう段階を踏まえながら総合的に施策を講じていこうということで、今現在、障害者プランというものを関係部局と横断的につくっております。これができましたならば、これに基づいて速やかに達成できるように傾注したいと思っております。

〇小野寺研一委員 2点についてお尋ねをいたしたいと思います。
 まず最初に、3款民生費の3項児童福祉費に関して、すこやか子どもランド、仮称でございますけれども、この点についてお尋ねをいたしたいと思います。
 この事業は、県議会といいますか、すべての賛意を得てございませんが、私とすればこれからの児童福祉、なかんずく、それ以上に児童教育、これに非常に役立てなければならない、そういう観点からぜひともこの問題に関しては、担当を初め県全体でこの事業を推し進めていかなければならない、そのような感じを持っているところでございます。
 そこでお尋ねをいたしますけれども、この経緯といいますか今までの進捗の状況、それから供用開始までの見通し、そういうことでおくれあるいは何か問題はないのかどうか、その点をまずお尋ねをいたしたいと、そのように思います。
 その中の二つ目には、運営は一体どのような形で行われてまいるのでございましょうか。県直営ということにはならないようなお話をお聞きしておるわけでございますけれども、この点についてどのような経営主体といいますか経営方法がなされるのか、その二つ。
 それともう一つは、昨日の教育委員会の審査でもございましたが、教育委員長の発言の中に、体験学習のこれからの重要性、そういうことが大事であろうという発言がありました。私も、非常に科学技術の先端のいろいろな形での取り入れは、施設の中にあるということは承知をいたしておりますが、具体的に児童の体験の学習、それには水もあるでしょうし、植物もあるでしょうし、動物もあるだろうと、そんな感じもありますし、また、農業体験あるいは畜産の体験、そういうことも、環境あるいはこれからの生活の上で大変重要なことを知るいい機会だろうと、そんなことも含めて、当然、地元の自治体そういうところとの協力関係がますます密になってこの事業を実効あるものにしていかなければならない。当然、反対された方の反対意見というか提言はこれをクリアしていかなければならないし、それを越えてこの事業の成功をさせていかなければならない、私はそう思うのでございますけれども、以上のこの3点、今までの経過、それからこの点についてひとつお尋ねをいたしたいと、そのように思います。

〇冨手地域福祉課長 すこやか子どもランド、仮称でございますけれども、整備の進捗状況を申し上げたいと思います。
 これまでの整備の進捗状況につきましては、造成工事におきまして一部繰り越ししたものがございます。しかし、おおむね計画どおり進んでいるということでございます。全体の工事費ベースで見ますと、大体14.3%ぐらい進んでいるという形でございます。
 今後の見通しとして工事状況でございますけれども、今後の整備の見通しにつきましては、13年度にはキャンプ場等あるいは屋外建設工事とか、あるいは舗装工事とか次から発注してやる予定であると考えて、大体15年度のオープンを目指して進めているという形でございます。
 それから、運営ということでございましたが、現在、施設運営の基本的な考え方あるいは委託するという方向で考えておりましたので、その運営主体の選定の考え方につきまして、現在すこやか子どもランド(仮称)の運営検討委員会で検討しているという形でございます。
 また、先ほど地元との関係につきましてお話がございましたが、これにつきましても常にすこやか子どもランド、先ほど申し上げました運営検討委員会にオブザーバーとして御出席いただいておりまして、必要となるような連携を常に図っているという状況でございます。
 今後とも、地元との連携を図りながら進めてまいりたいと考えております。

〇小野寺研一委員 ひとつ万難を排してこの事業を進めていただきたいと思いますし、できる施設の近くに、農業に関するいわて奥中山農協というのが今度合併をされまして新しくスタートするという、そういうブランド品を抱えた非常に今活力のある農協もございます。そこも畜産あるいは農業体験の学習にはある程度の御協力を申し上げたいと、そういうお話しもありますので、町当局もそうでございますけれども、そういうところにもひとつ気配りをされながら、よく御意見をお聞きになって参考にされればということを強く望んでおきたいと、そのように思います。
 それから2点目でございますけれども、一戸高等看護学院の移転に関してお尋ねをします。
 まず、移転しなければならない理由、これをまずお尋ねをしたい。

〇小原保健福祉課長 本会議等でも答弁したと思いますが、看護職員の教育につきましては実習が極めて重要だということでございます。設置当初とそういう実習病院の状況が変わりまして、診療科目数とかあるいはベッド数とかの関係で、現在7割程度が福岡病院で行われていると。したがいまして、そこの生徒はバスで時間をかけて実習に通っているといったような状況がございます。既にお話ししておりますが、検討委員会を開きましてるる検討した結果、やはり今後とも質のいい看護婦を養成するためには、実習を重視すべきだといったような意見がございまして、そういったようなことから、検討委員会のそういった意見を踏まえまして、今回の方針を決めたということでございます。

〇小野寺研一委員 そのことだけの理由ではないのだろうと思いますけれども、私の一般質問に対する知事の回答には、講師の方々が新幹線で盛岡から行くと二戸駅におりる。そのときに、福岡病院と一戸病院では時間の差があると、こういうお話をされたと私は記憶しております。しかし、これは5分違いませんよ、ためしてみてもらえれば。そうこともある。それから7割が実習。これはそのとおりでございます。実習病院の近くに学院があれば、これにこしたことはないことは確かです。ただ、今まで50年間、県のいろいろな形で経営をされたものに、一つの自治体なり地域の人たちは非常に、たくさんに私は貢献というか協力をしてきておると思います。保健福祉部の方々はどういう理解をしているのかわかりませんけれども、私はそう思う。ですから、そういうことなどを勘案すれば、現地から時間がかかるとか7割が実習。特にも時間がかかるという、20分の時間。15分から20分ですけれども、学院生にすれば実習地に向かうバスの中での20分というのは、私はむしろ貴重なミーティングなりあるいはコミュニケーションの、その時間帯だろうというような感じがする。そういう理由は極めて希薄であると、私はそう思います。これに答弁は必要ございませんけれども、まだこれから補正などでいろいろ出てくるでありましょうから、まだ議論の余地を残しておきたいと、こういうこともありまして、その理由に関してはまだ私も言い分はございますけれども、これでやめておきますが、もう一つは、広域の連携といいますか、知事が標榜するあるいは国も進めようとする地方分権に伴う県内の広域連合、合併を含め、これがこれから真剣に取り組まれていかなければならないというときに、こういう問題を県が率先してといいますか、地元の声が余り相談もされない中で、5市町村があるわけでございますけれども、そこができるだけ県が決めたことに余り反対するわけにいかんと、これが本当の声なんだと。ですから、町長なり県議なりが行ってよくその辺をお話をしてくれないかと、中核になる都市と周りを取り囲む町村があるわけでございまして、特にも中核となる都市は、あたりのことにある程度の配慮が私は広域合併の場合必要だろうと思います。そういうことを痛感しているわけです。それを県が独自にこういうことで決定をされると。検討委員会の趣旨ということは十分理解を
 そこで、一つだけ提案をさせていただくというか所感をお尋ねしたいところでございますけれども、極めて財政難厳しい折でございまして、この移転を少なくても5年間ぐらい広域のいろいろな相談が煮詰まるまで凍結をしていただいて、そしてあるいはそのことを二戸広域にボールを投げ返していただいて、二戸福岡病院のそばに高等看護学院が設置されることが望ましいと、そういう理解を得てからでも私は遅くないような感じがするんでございますけれども、関山保健福祉部長の御所見をお伺いしたいと、そのように思うところであります。

〇関山保健福祉部長 今回の県立一戸高等看護学院の移転につきましては、良質な看護職員の養成の観点から進めさせていただいているということでございます。また、一戸町の方々におかれましても、今まで地元の方によって温かく養成所を見守っていただいたということについては、深く感謝する次第でございます。
 この件については、せんだっての一般質問の際において知事から答弁なされましたように、一戸高等看護学院につきましては、主たる実習施設がある県立福岡病院の移転改築に合わせて隣接地に整備することとしたと、この整備方針で進めさせていただくという御答弁を申し上げた次第でございますので、この方針に基づいて対応を進めていきたいと、このように考えております。
 なお、地元へのその間説明というものは十分にさせていただきたいと思っております。

〇小野寺研一委員 最後でございますけれども、こういう問題は少なくとも昨年の議会でも磐井病院の新築移転、そのことで医療局の佐藤医療局長が、私ども県議会の議員の発言で、県が指導を発揮してそして磐井病院の立地の場所を決めなさいと、こういうことを再三申し上げたんですが、それをかたくなに、地元の合意がなければどうしてもこれを進めていくわけにはいきませんということを3回、4回、佐藤医療局長はそしてそれをお断りをしている。それを考えれば、非常に見事に即決をしたなというのが私の印象でございますので、それを加えて質問を終わりたいと思います。
 これからもひとつよろしくお願い申し上げます。

〇佐々木一榮副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
   午後2時57分 休 憩
   午後3時14分 再 開

〇中屋敷十委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
 なお、生活環境部の質疑において、斉藤信委員の家電製品の市町村処理実態の質疑に際し、約5割と答弁すべきところを7から8割と誤って答弁した旨申し出がありました。当職において会議録を整理することにいたしましたので、御了承をお願いいたします。

〇伊藤勢至委員 130ページの生活保護施設についてお伺いいたします。
 県立松山荘についてでありますが、この施設は現在地に立地をしてから約28年経過したということから、大変施設が老朽化しておりますし、また居住性においても、人員と平米数の関係から、大分狭隘になってきたということからお願いしてきた経緯があります。また、地域の方々は、いまや地域に密着した施設ということから、改修あるいは改築に当たってはぜひとも現在地でお願いしたい、こういう要望がございまして、一昨年の私の一般質問では部長から、現在地でいいと思っているという答弁をいただきました。また、昨年の決算委員会では、福祉施設の整備手順では、松山荘を第1番目に考えていると答弁いただいたところであります。
 さらに、今度の予算には、地質調査費として9、557万円を計上いただいておりますし、また、マイクロバスの更新ということで、これの予算も今措置をいただいているようでありまして、大変ありがたいと思っておりまして、私といたしましては今すぐでもこの予算案に賛成を申し上げたいと思っているところであります。
 そこで、地元では、はえば立て、立てば歩めの親心ということから、そういうふうに決まれば、今度はいつ、どのようなタイムスケジュールで進んでいくだろうか、こういう部分がございますので、もし差し支えなければ、今後のタイムスケジュールについてお聞かせいただければありがたいと思います。

〇細川監査指導監 具体的なタイムスケジュールにつきましては、地盤が軟弱ということもございまして、予算が通れば、来年度地質調査を実施いたしまして、その後具体的に詰めてまいりたいと考えております。

〇伊藤勢至委員 ぜひ精力的にお進めいただきたいとお願いしておきたいと思います。
 そこで提案を一つ申し上げたいと存じますが、実は、この県立松山荘は、まさに地域に溶け込んだ施設でございまして、例えば秋のスポーツ大会、従来の運動会とでも言うんでしょうか、そういった場合には、地域の皆さんがこぞって参加して、一緒にしている施設でもあります。
 そういう中で、松山荘の隣には、まさにすぐ隣なんですけれども、高等技術専門校がございまして、これの存続も決めていただいたところでありますが、いずれ、この建物も老朽化しているということから、近い将来改修計画等が出てくるんだと思っておりますが、松山荘と高等技術専門校が持っているグラウンドを一緒のものにして、つまり両方で一緒に使える立派なグラウンドに整備をしたらいかがかと思うわけであります。つまり、こういうことが日常健常な人たちとも触れ合うということから、まさにバリアフリーという部分になるのではないか、このように思います。学校の生徒諸君あるいは地域の皆さんがこぞってこのグラウンドが活用できるような、あるいは整備、維持管理等については、地域の皆さんも入れた中で一緒に整備をしていくということになれば、県内でのまさにバリアフリーのグラウンド利用という新しい部分につながっていくかと思うんですが、お考えがあればお聞かせいただきたいと存じます。
 なお、技術専門校は商工労働観光部の所管であるわけですが、そっちの方では言わないことにして、先に始めるこちらの方から声をかけていただいて、協議をしてくださいとお願いをしていたところでありますので、それも含めてお願いしたい。

〇関山保健福祉部長 今、委員から御提案のございました件につきましては、私ども、この県立松山荘の改築整備については、県総合計画の前期計画で位置づけられております。片や、県立高等技術専門校については、県総合計画で位置づけられていないというような状況もございまして、私どもとしては、まず、この県立松山荘についての対応を進めていきたいと思っております。
 委員御提案の件については、商工労働観光部がいかように考えるかということについても伺いながら、参考にしたいとは思っているんですが、そのようなことでまずは対応させていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

〇伊藤勢至委員 この際、グラウンドとグラウンドが面している部分があって、例えば、でこぼこがあったり、あるいは斜めがあったりしたら、そういった融通はお互いやりながら、両方が使えるものにしていただけますようにお願いして終わります。

〇樋下正信委員 予算に関する説明書の135ページ、4目精神保健費というところでお聞きしたいと思いますけれども、精神障害者の生活支援についてでありますが、まず、精神病院を退院した人たちの帰住先についてでありますが、身元引受人として考えられるのは、何といっても家族のいる家庭であると思います。ところが、家族の高齢化、または事情によって面倒を見れない、そして、中には世間体を気にする余り自宅に帰れないケースもあると聞きます。そうなると、帰りたくても帰っていくところがないということになるわけでございます。
 精神障害者は身障者と違いなかなか表には見えにくく、それゆえに世間の目にとまりにくいということから、実態がつかみにくいということは確かなようであります。だからこそ私たちは、たとえ数こそ少なくても、このような弱い立場の人たちに目を向け、手を差し伸べていかなければならないと思うものであります。
 すべての人が社会参加できるまちづくりの推進の一環として、精神障害者地域生活事業実施数が平成10年度は3カ所、平成17年度は9カ所、9年後の平成22年度は14カ所となっていますが、これらはどのような事業なのか。ひとにやさしいまちづくり推進指針で説明も出ているわけでございますけれども、もう少し詳しくお伺いしたいと思います。
 また、帰住先で困っている人がいるのかどうか、いるとすれば、その人数と対応についてお聞かせ願いたいと思います。
 また、退院可能であっても、一般社会になかなかなじめないで、やっぱりここがいいと病院へとどまる人もいると聞きます。退院した人たちが安心して暮らせる施設、自立して生きていくすべを身につけさせるような施設として、グループホームの設置状況はどのような状況になっているのかお伺いしたいと思います。
 また、篤志家がグループホームのような施設をつくる場合、県からの補助、優遇措置など、過去の実績、そして現在の状況はどのようになっているのかお知らせ願いたいと思います。

〇細田生涯保健福祉課長 精神障害者についてのお尋ねでございます。
 精神障害者につきましては、現在は医療中心ということから、社会復帰をさせて、地域の中で生活をするということに施策が移ってきているところでございまして、そういう地域生活を支援する施策を進めるということが、私どもに課せられた大きな課題であると認識しております。
 まず、お尋ねの精神障害者地域生活支援事業でございますが、これは、地域で生活をする精神障害者の相談の拠点とお考えいただければいいと思います。この事業は、地域生活支援センターというところがございまして、そこにケースワーカー、いわゆる相談に応ずる職員等を配置いたしまして、その方が、例えば障害者の職場に出かけていったり、家庭に行ったりして相談に応じたりする、対人関係のトラブルなどを含めて対応する、あるいは電話で相談を受けたりする。さらには、地域の精神障害者のグループづくりなどをするといったようなところでございまして、何かあればそこにまず相談をするというような、そういう拠点になる施設でございます。これも障害者プラン、保健福祉計画等で今後圏域ごとに拡充していくという方向で考えているところでございます。
 第2でございますが、帰住先についてでございます。ちょっと資料が古いんですけれども、平成7年度に県が精神病院の入院患者を対象に調査を行ったことがございます。約2、900人の方のうち460人ぐらいの方が、帰るところがあれば入院医療が必要ないのではないかと考えられる方がございました。そういうことでございますので、私どもとしても、その方々が地域で生活できるようにするためのさまざまな支援、具体的に言いますと、社会復帰施設と呼ばれるようなものを近年非常に力を入れて整備を進めてきているところでございます。例えば、病院を出てから2年ないし3年日常生活の訓練等を行う生活訓練施設とか、通所授産施設、作業をしながら社会適応を図るといったような施設をつくってきているところでございます。
 お尋ねの第3点でございますけれども、グループホームにつきましては、現在県内に18カ所整備してございまして、これにつきましても、障害者プラン等によりまして、平成17年度までには、おおむね現在の倍ぐらいの数字に伸ばしていきたいと考えているところでございます。
 また、県からの補助、優遇措置等でございますが、グループホームにつきましては、設置する主体が限られておりまして、個人の方というのがなかなか難しい仕組みになっております。また、建物につきましては既存の建物を使うということが前提になっておりますので、建物の整備費は出ませんが、的確な主体が運営する場合には、運営費の補助というのがございまして、現在すべてのグループホームに対して運営費を補助しているということになっております。

〇阿部敏雄委員 今、樋下委員、それから及川敦委員の質問とかち合うところがありますけれども、予告しておりますので、科目を変えて質問します。
 民生費の社会福祉の関係ですけれども、障害者の働く場の確保についてお伺いしたいと思います。
 一生懸命働いて賃金を得ることによって、障害のある方々が本当の自立の喜びを自覚できる、そのような福祉行政がまず必要であると思うんでありますが、雇用問題については、景気の動向に大きく左右されまして、国の施策によるところが大であります。障害者の方々の中には、一般企業で働くことは難しいとしても、何らかの形で働いて、社会に貢献できるようになりたいと望んでいる人がたくさんおります。こうした障害者のためには、先ほど樋下委員も話しましたが、作業所や通所授産施設の役割が大変大きいことから、その充実が重要であります。
 そこで、障害者作業所や通所授産施設の現状はどうか、また、今後の整備充実の方向をどう考えているかお示し願いたいと思います。

〇細田障害保健福祉課長 障害を持った方が持たない方と同じように地域の中で自立して生活していくめには、一般の雇用ができればいいわけでございますけれども、それとともに、授産施設や作業所など、いわゆる福祉的な就労の場が非常に重要であると考えております。
 通所授産施設や作業所の現状でございますが、13年2月現在で、通所授産施設は三つの障害、身体障害、知的障害、精神障害を通じまして30カ所整備されております。また、福祉作業所は69カ所が運営しておりまして、現在1、600人を超す方々がその中で生産活動等しておられるということでございます。
 今後の整備の目標でございますが、おおむね圏域を単位といたしまして、それぞれの需要に応じて整備をしてまいりたいと思っておりますが、通所授産施設につきましては、平成17年度で現在30カ所を55カ所程度に伸ばしたい。それから、福祉作業所につきましては87カ所を目標としております。これは、福祉作業所から規模が少し大きくなりますと通所授産施設に格上げといいますか、法定施設になるということもありますので、単純にふえるという形にはならないので、この程度の数字になってるものでございます。
 いずれにいたしましても、このような形で身近なところで障害者が作業できる、地域生活ができるという場を拡充していきたいと考えているところでございます。
 なお、福祉作業所につきましては、平成13年度予算案におきまして補助基準をかなり大幅に改善させていただきまして、作業所の運営の充実のために役に立つことかと考えているところでございます。
 また、作業所につきましては、それぞれ個別に運営しておるというだけでは非常に弱い経済主体でございますので、作業所連絡協議会というものを平成11年11月につくりまして、共同して受注をしたり、販路の拡大をするということを支援しております。
 また、授産施設につきましても、13年度におきまして授産活性化特別対策事業というもので、やはり同じように受注や販路の拡大などを共同して行う、あるいは高度情報化へ対応するための検討を行うといったような事業を導入することといたしております。

〇阿部敏雄委員 どうもありがとうございました。
 今、障害は知的障害、精神障害、身体障害と、やはりそういう子供を持つ親にとっては、県と国なんかのお力をかりなければならないという場面が多いわけでございまして、私も思うんでございますが、本当にこれから社会に復帰したいと思っても、なかなかできないのが現状なんです。そしてまた、ゲーテの言葉の中に、飛びたいと思う我が精神の翼に我が肉体の翼が伴うことが容易でないと。自分ではこうしたい、ああしたいと思ってもどうにもならない。ましてや知的障害の方にとってはなおさらです。ですから、どうか県の障害保健福祉課で、障害を持っている家庭の気持ちを十分酌み取って、最大限の補助を出して施設を充実していただきたいと思います。

〇工藤大輔委員 献血事業についてお伺いしたいと思います。
 昨年の秋ごろからヨーロッパの方で社会問題となっている狂牛病が献血事業に多大な影響を及ぼすのではないかということが昨今指摘されているわけでございます。狂牛病になった牛の脳や骨髄などを食べることにより、脳がスポンジ状になって、結局は死に至ってしまう。病名で言いますと、致死性の痴呆症であるCJD、いわゆる変位型クロイツフェルト・ヤコブ病という難病にかかる疑いがある、現状ではそういったところまでしか解明されていないわけであります。
 この病原体であるプリオンに治療法が見つからない、また、献血や動物性飼料等から事前に検出ができないということも、今後大きな課題となってくるわけでございますが、現在、このCJDに対しましてどのような認識を持っており、それに対してどのような対策をとっているのか示していただきたいと思います。

〇若城保健衛生課長 献血についての狂牛病と新変位型クロイツフェルトということでございますけれども、今御質問の中でありましたように、狂牛病はプリオンという通常の細胞たんぱくが変位したものが原因とされております。牛などの家畜の脳細胞がスポンジ状になるという牛の病気でございまして、献血とのかかわりでございますが、現在のところ、血液を介してヒトに対する直接的な感染症事例は確認されておりません。
 それで、この対策でございます。予防措置として現在やられておりますが、平成12年3月、昨年の3月からは、献血時の問診におきまして、献血者の海外渡航歴を確認する。そして、1980年(昭和55年)から1996年までの間に英国に通算6カ月以上滞在した方については、献血をお断りしているという状況でございます。
 それから、先ほどのお話の中でございました欧州に狂牛病が広く蔓延しているという状況を踏まえまして、平成13年3月31日、つまりことしの3月31日からは、イギリス、アイルランド、スイス、スペイン、ドイツ、フランス及びポルトガルの7カ国に、1980年以降通算6カ月以上の滞在歴を有する方々には献血をお断りするということにいたしておりまして、日本赤十字社の方で、問診のためのマニュアルを改訂するなどして対応しております。

〇工藤大輔委員 これは、やはり国の方が中心となって今やっていることではございますが、厚生労働省の調査会の中で、確かにこれまでイギリスだけに絞ったような形でやってきたのが、そのほかの国まで広げていこうという答申が出たというか、そういう内容になっていくだろうということになったわけであります。特にも、アメリカの食品・医薬品局の委員会の方ではもっとあいまいなというか、軽く見ている向きの提言が出されているわけであり、今やっていることは確かに一歩も二歩も踏み込んだ内容になっていて、評価するところではございますが、この通算6カ月以上の滞在という基準はどこから来るものなのかということと、また、これを実施した場合に、献血者数また量において、全国、そして岩手県でどのぐらい減少すると見込んでいるのかお示し願いたいと思います。
 また、これらを踏まえて、最近少子化なども含めてこれから献血者数が減っていくだろうということも指摘されていますし、また、例えば、これは男性もいますけれども、ピアスだとか、あと、最近の女性は本当に細く軽い方が多くて、体重制限というのもあったりして、したくても献血できない人というのが増加傾向にあるわけでございます。反面、血液の保存技術は確実に進歩していっているという状況の中、近い将来、これらの事業がどのように進展していくと推測されるかお示し願います。

〇若城保健衛生課長 一つ目は、6カ月以上の滞在の根拠ということだったんですが、この根拠については承知しておりません。
 それから、この影響でございますね。日本赤十字社の推計では、これを実施することによりまして献血者数が0.3%ほど減少するであろうと見ております。0.3%というのは、国内ですと年間大体600万人の献血者がございます。それの0.3%ですと約1万8、000人程度に影響があるということでございます。
 それから、県内の状況でございますが、県内では毎年大体6万人強、11年ですと6万3、000人ぐらいの献血者数でございますけれども、これに単純に0.3%を掛けますと180人ぐらいと予想されております。
 ちなみに、平成12年3月から、英国についての海外渡航歴を確認して現在までやってきてございますけれども、今のところ、大体4月から12月ぐらいまでの推計でございますが、英国渡航歴等によって献血をお断りした数が1けたと伺っておりますので、全国よりは若干少ないかと思っております。
 もう一つは、今後の献血に対する見通しというお話だったわけですけれども、確かに、献血については毎年減少しておりますし、楽観視できない状況でございます。殊にも若い世代、高校生を中心にしてこれからお願いしなければならないわけでございますが、今高校生につきましては、献血者数も以前に比べると落ちてきております。これを何とかしなければならないということで、現在さまざまなアンケート調査を実施してございますので、これらのアンケート調査をもとに、関係機関と懇談会を実施するなどして、何とか献血意識の盛り上げをしてまいりたい。安全で十分な量の献血が確保されますように努力したいと思っております。

〇工藤大輔委員 0.3%ということで、国の方では1万8、000人、また県内では180人ということで、これが多いか少ないかということは問いませんけれども、いずれ、これについてわからない面が多過ぎて、将来的にこれがどのような大きなことに発展するかということも予想されるわけでございます。これについてさまざま、海外とかの食料事情とかも想定されるわけですので、引き続き国と連携しながら進めていただきたいと思います。
 また、先日献血議員連盟で血液センターの方に行ってまいりまして、松田センター長さんの並々ならぬ思いや、中で働いている職員の方々の一生懸命な姿を拝見、また拝聴しまして、本当に心に響くものを感じながら帰ってきたわけでございます。
 そのような中で、やはり岩手で必要な血液は岩手で賄うというような精神のもとに、今後ともこの事業を力強く推進してもらうことをお願い申し上げまして、質問を終わります。

〇阿部静子委員 介護保険についてお伺いいたします。委員長の御注意が出ないように、まとめて質問させていただきます。
 まず、介護保険制度がスタートして間もなく1年になります。この間、まず介護を受ける側にしても、介護をする側にしても、あるいは行政にしても、すべてが初体験でございますから、戸惑いもいろいろあろうかと思いますが、いずれ、介護サービスとしてはまだまだ不十分でございます。
 不満の傾向を見ますと、まず、ホームヘルパーに対する不満、それからケアマネジャーに対する不満、そしてショートステイに対する不満が並んでいるようでございますが、岩手においてはどうでございましょうか。特に在宅サービスの三本柱と言われるホームヘルプ、デイサービス、ショートステイの拡充と内容充実が必要であろうと思います。
 ところが、介護サービスの中核的な担い手である介護労働者の待遇はまだまだ低く、担い手の確保は深刻さを増しているのではないか。
 そこでお尋ねいたします。介護労働者の待遇、特にも報酬の改善についてどのように対応なさるのでしょうか。
 また、介護保険施設に対する指導監督について、2番目にお尋ねいたします。介護サービス基盤の整備など、量的な拡大はもちろん必要でございますが、今後はサービスの質の向上に向けて、サービス事業者の指導監査がより重要になると考えるものでございますが、どのように取り組んでいかれるのかお示しいただきとうございます。

〇六本木介護保険システム整備監 介護サービス、幾つかの在宅サービスについての苦情等についてでございますけれども、特に県として把握しておりますのは、市町村等、あるいは利用者等から、ショートステイの利用が非常に制限されたということが強く意見として上げられております。これについては国に対してすぐに意見を出しまして、大幅に利用の制限が緩和されたといったようなところでございます。
 それから、ヘルパーに関しては、具体的に非常に問題があるといったようなことについて、直接私どものところに苦情といったようなものは余りございませんけれども、国保連の方に実際には具体的な例が幾つか挙がっておりまして、それに対しては国保連が適切に対応するという仕組みになっているところでございます。
 それから、介護サービスの充実のための基本となる介護報酬ということでございますけれども、現在の介護報酬につきましては、制度が始まる前に国において全国的な実態調査をいたしております。これは介護サービスに移行する事業者の3分の1という抽出率で、事業の運営状況、経費等について調査したものでございまして、これを踏まえて各サービスの種類ごとの単価が決められているものでございます。この単価につきましては、保険料と連動するということになりますので、3年ごとの改定となる見通しでございます。そういったようなことから、介護報酬が妥当な額かといったような問題につきましては、今後、国においてまた大規模な調査を行った上で、状況を踏まえて、検討が行われる必要があるものと考えております。
 なお、県といたしましては、介護サービスの事業者団体、あるいは市町村等から、報酬についての問題点、要望等が出されましたら、その内容を検討した上で、それに対して要望等の対応を行ってまいりたいと思います。
 それから、またこれもサービスの質につながるわけですけれども、指導監督、これは県が行うことになっておりますが、岩手県では地方振興局と保健所が事業者に対する指導等を行うこととしております。現在まだ制度が施行されまして間もないこともありますし、新規の事業者も相当ありますことから、現在は、事業者が運営基準等を遵守すること、そして介護サービスを適正に実施することについて重点を置いて、事業者に対する立ち入り等による指導を行っている状況にございます。
 事業者に対する指導あるいは利用者等からの苦情等の中で、もしも指定基準違反であるとか、不正請求、不適切な介護サービスといったようなことが明らかになった場合には、厳正に監査を実施していくこととしております。

〇阿部静子委員 初めての制度でございますから、いろいろ不十分な点はあると思いますけれども、私の介護から社会的な介護、こういう制度でございまして、介護保険制度が制定されない前は、働く女性たちがどれだけ介護のためにやめていったか。もし私もその立場なれば、やめたのかもと思ったりもいたします。
 私事で済みませんが、私の父も母も介護保険制度のないうちに亡くなりました。父は母が介護をして、老老です。母の方は、私の夫、娘、兄嫁、めい、ローテーションで、まあできたからよかったわけですけれども、皆々そういう条件にはないわけでございます。その不備な点は不備な点として改善方向に一生懸命御努力いただく。
 苦情が、例えばホームヘルプに対しては、今までは決まった人が来てくれて、心も通じたが、かわる、そこを何とか固定化してくれないかというような具体的な要望もあるようでございますが、介護保険があってよかったというような励ましの声はないものでしょうか。

〇六本木介護保険システム整備監 私は制度が始まる前から担当しておりますけれども、不満とか苦情といったようなことは非常に声になりやすいですけれども、満足しているとか、よくなったということは、余り声を出してくれないものだなと思っておりますが、声なき声を感じるようにしております。やはりサービスも伸びておりますし、そういったようなものは実態としてはあると考えております。

〇千葉伝委員 介護保険について阿部委員からそれぞれ質問があったわけであります。始まってまだ1年ということで、進める中では問題点がいろいろ出てきている。そういったことで、県内の59市町村からさまざまな形で要望を聞く機会を私どもつくっているんですが、そういった中でも、いろいろな事業者を含め、市町村のやっている中身、それから、利用者の方からこういうことが市町村の方には来ている、こういったものを一応整理しているところであります。
 そういった中で、始まってまだ1年ということでありますが、今の阿部委員の質問に関連して、そういった声というのを県の方がみずから進んでどういう問題があるか、どういう状況になっているかということを今までどういう形で進めてきたか、現在そういったことを進めているのか、そのことをちょっとお伺いします。

〇関山保健福祉部長 介護保険につきましては、先ほどからも御議論ございますように、まさに初めての制度であるということでございます。これが県民生活の中に定着するようにしていくためには、やはりそれを御活用いただいている方々、また、その事務を担当される方々のお声を聞く必要があろうかということで、この点については、制度の施行後速やかに、昨年5月、6月にかけて市町村の担当者、あるいはその後でありますが、ケアプランを立てていらっしゃるケアマネジャーの方々に対してアンケート調査をさせていただいたということでございます。このアンケート調査に基づいて、政府統一要望を上げ、そこで改善すべき項目について、国に対して老人福祉局の関係する課に集まっていただいて、2時間、3時間ぐらいかかりましたが、私どもの方からるる御説明し、そういったことで現場の状況、意見、あるいは要望をさせていただいた。それによって改善すべきところは改善していただいているということでございます。
 その後においても、必要なときにそういう現場の方々のお声をいただこうということで、アンケート調査をしておりますし、また、1年たちましたので、4月、5月にかけてアンケート調査を市町村の方々に対して行い、今どういう問題があるのかということ等、アンケート調査をして、その上で国に対して要望すべきものはして、制度として確実なものとなるようにしてまいりたいと考えております。

〇千葉伝委員 そういったことで、やっぱり1年1年というか、3年後の見直し等はもちろん国の方では進めると思います。県の方のそういった整理をした上での個々具体の分としてまた国の方に要望するということであるわけですが、たまたま、私ども今議会の方で、各会派突出した形で、1年後にどういう問題があるかといったことを、個々具体の分はこれからまとまった形で出てくるけれども、今、国に対する省庁要望といった形で、意見書の形で、ぜひともやっている事業者から、それから利用者から、そういった方々からの声を十分聞いた上で改善を進められたいという形の意見書として議会の方でも検討しているということでありますので、一緒に頑張れればありがたいということです。

〇伊藤勢至委員 この介護保険制度がスタートしてまさに1年でありますが、40歳から加入するわけですが、スタート当初、加入しない、できない人が全国で800万人いたと言われております。しかし、これは40代という部分が人生の中で一番お金がかかる年代でもあるんだと思うんです。子供のこと、あるいは車のこと、あるいは家のこと。そういった中で、一番お金のかかる、しかし、次を支える世代の人が加入しなければ、これは当然破綻していくという大きな部分があるんだろうと思うんですが、県内においてはそのような状況はどのようになっているのかお知らせいただきたい。

〇六本木介護保険システム整備監 介護保険制度は、基本的に義務的な制度でして、加入する、しないというものではないということでございます。40歳から64歳までの方は、医療保険の中で合わせて保険料を支払っていただきます。また、65歳以上の方は、各市町村が定めた保険料を払うという形で、生活保護の方も含めて保険料を払っていただくという形で、基本的には、一部の適用除外施設がございますが、それを除いては加入しないということはできない制度になってございます。

〇中屋敷十委員長 ほかに質疑ありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇中屋敷十委員長 質疑がないようでありますので、これで保健福祉部関係の質疑を終わります。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後3時56分 散 会


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