平成13年2月定例会 第9回岩手県議会定例会会議録

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〇23番(斉藤信君) 商工文教委員長報告に対して質疑をいたします。
 請願陳情受理番号第44号岩手県における小・中学校教科書採択制度の改善を求めることについて請願と、その請願の慎重審議を求める受理番号第47号の請願がどちらも採択されたとの商工文教委員長報告について質疑いたします。
 第1に、教科書採択制度の改善を求める請願は、今、国際的に批判が強まっている新しい歴史教科書をつくる会による過去の歴史を否定、軽視する歴史教科書問題と一体のものとして全国的に取り組まれているものと考えます。実際、新しい歴史教科書をつくる会は、これまで文部省の検定を合格した教科書に対しても自虐的、反日的と攻撃し、過去の侵略の事実を否定、軽視する教科書づくりとその採択を目指して教科書採択についての請願運動に全国で取り組んでいますが、こうした背景、関連についてどう議論されたのでしょうか。
 第2に、教科書採択の改善について、請願書では、平成2年3月20日の文部省通知の徹底を求めていますが、教科書採択の改善については、平成9年9月11日の文部省通知と平成9年3月の閣議決定において明らかにされた、将来的には学校単位の採択に向けて法整備を含めて検討していくという必要があるとの観点に立ち、当面の措置として、教科書採択の調査研究により多くの教員の意向が反映されるよう、現行の採択地区の小規模化、採択方法の工夫改善について都道府県の取り組みを促すというものと承知していますが、請願の趣旨、教科書採択の改善の中身についてどう議論されたのか示していただきたい。
 第3に、請願項目の第2項では、教科書用図書の内容を研究調査する研究員委嘱について触れられていますが、研究員ではなく、調査員の間違いではないでしょうか。
 第4に、委員会審査では採択に強い反対意見も出されたと聞きますが、これだけ国際問題とかかわり、文部省の最近の改善通知との関連も問われる請願が1度の審査で強行採決のように採択に付されたのはなぜでしょうか。他の委員会では、全会一致以外は継続審査の扱いとなっていると思いますが、こうした審議が慎重審議と言えるのでしょうか。
 明確な答弁を求めて商工文教委員長報告に対する質疑といたします。
〇商工文教委員長(田村正彦君) お尋ねの件につきましては、当局から参考説明を受け、慎重に審査した結果、多数をもって採択すべきものと決定したところでございます。
〇議長(山内隆文君) 以上で通告による質疑は終わりました。
 これをもって質疑を終結いたします。
 これより討論に入ります。討論の通告がありますので、発言を許します。阿部静子さん。
   〔12番阿部静子君登壇〕(拍手)

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