平成13年2月定例会 第9回岩手県議会定例会会議録

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〇28番(水上信宏君) 自由民主クラブの水上でございます。
 記念すべき21世紀最初の知事の所信表明を受けて、本日一般質問の機会を与えていただきました先輩・同僚議員に感謝しながら、知事が平成13年度予算編成に当たって生活者、地域の視点に配慮したとすることを重んじ、県民が日常生活を営む上で最も身近なことを重点的にお伺いします。
 また、増田知事におかれては、県内90分構想の着実な推進やひとづくりについて歴代知事の業績を受け継ぎ、さらなる取り組みを進めるとともに、今般新たに、地域医療を確保するため岩手県医師養成事業を創設されました。知事及び医療局長の取り組み姿勢を高く評価するものであります。
 それでは、質問に移らせていただきます。
 まず、最初に、地方振興局の機能、権限の強化についてお伺いします。
 地方振興局は、昭和61年の設置以来、組織の統合、連携の強化を図ってきております。特にも、増田知事におかれては機能強化に積極的に取り組まれ、保健所、土木事務所の統合、地域活性化事業調整費の拡充、市町村総合補助金の創設、さらには予算や組織、定数の要求権の付与など、数次にわたって強化策を講じてきたところであります。
 しかしながら、自己完結権という点からするとまだまだという感があります。例えば、事業の新規採択一つをとってみても、地方振興局で独自に決定できるわけではなく本庁と協議をしなければなりませんし、しかも最終的な決定権は本庁にあるものであります。市町村から見ると、これが中二階と見える最大の理由であります。
 そこで伺いますが、地方振興局の自己完結機能の強化について知事はどのようにお考えでしょうか。この機能の強化があってこそ地方振興局が地元で生き生きと活動ができると思うのでありますが、いかがでしょうか。
 関連して、地方振興局職員の人事について伺います。
 地方振興局が地域づくりの拠点となるには、明確な地域づくりへの思いが必要であり、それは地方振興局長のリーダーシップによるところが大きいと思うのでありますが、一つの事業を立ち上げ、育てていくには、石の上にも三年の例えがあるように、やはり3年ぐらいを要するのではないでしょうか。ここ数年の地方振興局の幹部職員の人事異動を見ると、ほぼ2年程度で交代しており、職員にとっても仕事の達成感という面で、物足りない、短過ぎると思うのではないでしょうか。今後、地域の発展を目指し、地域づくりの専門家を育てていこうとするなら、職員の異動基準を見直し、3年程度とすべきと思いますが、御所見をお伺いします。
 次に、行政改革に関連してお伺いします。
 県は、平成11年2月に行政システム改革大綱を策定し、11年度から13年度までを集中推進期間として鋭意行政システムの改革に取り組んできていることに敬意を表するものであります。この間、本庁機構の再編や政策評価体制の確立へ向けた取り組みなど、行政の枠組みを大きく変える動きが出てきており、それはそれなりに評価されるべきものと思っております。
 しかしながら、このような派手さはないものの、むだを省いて経常的経費を節減するといった日常的な積み重ねもまた必要なのではないでしょうか。これは単に経費の節減ということではなしに、知事を先頭に、県全体で行政改革に真摯に取り組んでいるということを県民に対してわかりやすく示すということにもなると思います。
 例えば、ある市町村では、首長を初めとする幹部職員の出張にグリーン車、ファーストクラスは使わないといったことも聞きますが、さまざまな面で経常的経費を見直し、節減努力を続けていくことが行政改革につながるものと考えております。
 県としては、このような経常的経費の節減に向けてどのように取り組んでおられるのでしょうか、お伺いします。
 次に、特定地域振興室のこれまでの成果についてお伺いします。
 県土の均衡ある発展を図っていくことは本県にとって重要な課題でありますが、県北・沿岸地域等についてはさらに一層の振興を図っていく必要があるという考えから、平成8年度に企画調整部地域計画課内に特定地域振興室を設置していただきましたことに、県北沿岸地域に住む私どもは大変心強い思いで期待してまいりました。それからほぼ5年を経過したわけでありますが、この間の特定地域振興室の取り組み実績と成果はどのようになっているのでしょうか、具体的にお示しいただきたいと思います。
 また、このたびの本庁機構再編により特定地域振興室を廃止されると伺っております。県土の均衡ある発展ということは今後とも県政の重要課題であると思うのでありますが、今後の特定地域振興の基本的考えと取り組み体制についてお伺いします。
 次に、福祉問題についてでありますが、まず、介護保険制度の実施状況について伺います。
 介護保険制度は、世紀をまたぎ、国を挙げて実施され、はや1年になろうとしております。私は、過去においても本制度の実施、対応、市町村への指導等について伺ってまいりましたが、再度伺いたいことは、果たして平等な取り扱いになっているのかということであります。国、県、市町村を挙げてあれほどの広報活動を展開した事業であるにもかかわらず、その手続は専門に勉強している方にも難しく、保険料は納めなければならないのに、ほとんどの施設は満杯で、入所がままならないと聞いております。制度創設当時の合い言葉、介護保険は老後の安心、皆で支える仕組み、このことは理解しながらも、ここに平等が問われ始めているのではないかと思うのであります。
 県介護保険協議会の報告では、介護保険制度施行以来、介護老人福祉施設への入所希望者は増加傾向にあり、1月末現在で県内で600人を超える人が待機しており、介護老人福祉施設の整備は緊急に必要な状況にあるとされております。県民が施設介護を希望しても、入所できる者、施設不足のため入所できない者があっては平等な取り扱いにならないと思うのであります。現今において、国、県、市町村ともに厳しい財政運営になっていることは理解できますが、制度の趣旨からいえば、何とか入所定員をふやしていくことが必要ではないかと思うのであります。そこで、お伺いしますが、県としては介護老人福祉施設の入所希望者に対して、今後どのように対応しようとされているのでしょうか。具体的な答弁をお願いします。
 次に、生活保護への対応について伺います。
 日本国憲法第25条では、すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有するとありますし、生活保護法は憲法の理念に基づき、生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とするとされております。法で定められている最低限度の生活を営む権利とはいっても、明解なラインを引くことの難しさがあり、保護を受けようとする側の言い分、それを審査する側からの見方によって、全部が全部すべて納得とはいかないのが世の常とはいっても、平等な取り扱いは当然のことであると思うのであります。保護を受けようとする理由、住まい、扶養義務者またはその者と同居している親族、世帯単位のとらえ方等々、厳しく吟味されていると思うのでありますが、いずれを見ても申請の仕方次第ではと思われる節もあります。こうした取り扱いについてのトラブルも考えられるのであり、これに関する一部について決算審査の際に伺ったところでもあるのでありますが、いま一度本席から、生活保護のトラブルについて最近の状況と、可能ならばその内容及び今後の解消策についてお伺いしたいと思います。
   〔議長退席、副議長着席〕
 次に、県立病院における医療事故対策について伺います。
 国立大病院看護婦93%が「ひやり」経験、これは既にごらんの岩手日報2月7日付で報じられた記事の見出しであります。これを見た県民は、まさかと思いながらも、最後まで読まれたのではないかと思います。これを明らかにしたのは全国大学高専教職員組合のアンケートでありますが、怖いのは、事故が続いた後でも実効性ある対策がとられていない。職員不足も解消されず、現場は常に余裕がない、と事故の背景を指摘していることであります。さらに、事故対策として何が必要か複数回答で聞いたところ、個人の自覚が80%、看護婦の増加が77%、病棟構成の改善とベッド数の削減が45%と、勤務条件の改善を求める声も強かった、とあります。また、2月9日付河北新報の河北春秋欄では、大学病院の腐敗を連想したとか、手術に立ち会った医師が手術ミス、組織的な隠ぺい工作があった等々、生々しく報じられております。
 今挙げた例はごく一部でありますが、御案内のとおり最近毎日のようにマスコミで報じられている一つに医療事故があります。事、人命にかかわることであり、自分の推測をもって言えるものでないとの認識から、新聞報道の一部をそのまま取り上げましたが、そこでお聞きしたいのは、医療事故を防ぐ意味で、本県における県立病院の職員配置は万全なのかということであります。あわせて、今後、医療事故防止にどのように対応することとしているのかお伺いします。
 次に、農業問題について伺います。
 財務省が先日公表した貿易統計によりますと、野菜の輸入量は281万トンと過去最高を記録したということであります。また、先日のNHKテレビでは、経済の低迷に悩むアジア諸国が日本市場をターゲットにした野菜の輸出戦略に関する特集を組んでおりました。従来、野菜の輸出は鮮度保持などの点で困難とされてきたものでありますが、保冷技術の向上により、年じゅう、どこへでも輸出が可能となったのであります。今やアジア諸国は国家プロジェクトとして農業振興に国を挙げて取り組み、新たな国際的ビジネスの創設に必死で取り組んでおります。
 このように、我が国の農業を取り巻く環境はまことに厳しいものがありますが、とりわけ本県、中でもやませの影響を受ける沿岸北部地域の農業環境はさらに厳しいものがあります。このような状況を克服すべく稲作から野菜栽培や雑穀栽培に転換し、それなりの成果を上げている農家もありますが、大半の農家は作目の転換に踏み切れないでおります。その理由は新規作目に対する技術不足、施設投資に対する先行きの不安感、農産物全体の価格の低落傾向などにあると考えられます。そこでお伺いしますが、県北のやませ地域における農業振興に向けてどのように取り組んでいかれるのか、県の基本的な考え方をお聞かせ願います。
 次に、県有林及び林業公社について伺います。
 県有林及び林業公社は、これまで森林資源の造成や山村地域の振興に大きな成果を上げてきましたが、その事業は将来の木材販売収入を償還財源として予定した借入金により行ってきており、低迷を続ける木材価格が現状のまま推移すると、今後の経営は極めて厳しいものが予想されます。特に11年度末現在、県有林は497億円、林業公社は416億円もの借入残高を抱えていると聞いており、このままでは自己収入による償還は極めて困難になるものと考えられますが、県では県有林及び林業公社の現状に対し、どのような対策を講じようとしているのかお伺いします。
 また、こうした厳しい状況にあっても、県有林及び林業公社は県土の保全、水資源の涵養、さらには二酸化炭素を固定化することによる地球温暖化防止など、公益的機能を持つ森林を維持していくことが県民から期待されておるところであります。しかしながら、分収林も近い将来には伐期を迎えるとともに、他の民有林においても荒廃が指摘されている現在、県有林及び林業公社が適切に対応していくことができるでしょうか。そこで、県では、県土と県民を守る公益的機能の高度発揮が必要な森林について、どのように整備しようとしているのかお伺いします。
 次に、大規模林道の整備促進についてお伺いします。
 北上山地は森林・林業に依存する割合が高い地域であり、林業の振興が不可欠であります。林業生産活動を担う林業労働者は、長期にわたる林業の低迷や若年層の都市部への流出等により激減し、高齢化も進行していることから、このままでは木材生産はおろか、除間伐等の森林管理も行われず、森林が荒廃するおそれもあります。このようなことから、林業収益の向上、林業労働環境の改善を図るためには、林道の整備は喫緊の課題と思われます。また、交通手段の乏しい山村地域では、林道は地域の主要な交通網としても位置づけられておりますが、とりわけ大規模林道は林道網の骨格として一般林道と連結し、林道を機軸とした産業の振興や、定住環境の整備を図ることを目的としており、早期完成に対する地域住民の期待は切実なものがあります。一方、川井住田線横沢-荒川区内においては、猛禽類の生息が確認されたことから、調査を実施しながら、自然環境の保全に配慮したルートを検討する路線検討会を開催して、慎重な工事が進められていると聞いております。そこで、お伺いしますが、大規模林道の現在の状況と川井住田線横沢-荒川区間の今後の見通しについてお聞かせ願います。
 次に、ウニ増殖場の改良についてお伺いします。
 本県の重要な磯資源の一つであり、沿岸漁業者の夏場の貴重な収入源となっているウニは、毎年殻つきで1、000トン強の生産量があり、平成10年は生産量が1、205トン、全国シェアが8.8%と、北海道、長崎県に次いで全国第3位の生産量を誇っております。しかしながら、ここ数年、春先の海水温が高いことに起因すると思われる、ウニのえさとなる天然昆布等の大型海藻類が減少するいわゆるえさ不足などにより、ウニの生産量が落ち込んでおります。特にも平成12年は、県漁連の共販資料では914トンと、対前年比15.4%の大幅な生産減となっており、安全で良質なウニ資源の生産拡大が今後の課題となっております。県におきましては、昭和51年度から沿岸漁場整備開発事業により、種市町の海岸線で全国的にも珍しい、干潮時に広大に露出する平岩盤に人工の溝、いわゆる増殖溝を造成して当地域のウニの生産拡大を積極的に推進してこられました。また、これを受けて地元漁業協同組合も、増殖場を活用したウニの種苗放流や移植に積極的に取り組んだ結果、当該漁場から生産されるウニはむき身が大きく良質であり、今や県内屈指の生産地として多大の成果を上げてきていることは御案内のとおりであります。そこで、お伺いします。地元の漁業関係者の話によりますと、ウニの増殖を願い、増殖溝の増設を強く要望していると聞いておりますが、私といたしましても、既存のウニ増殖場の改良により、今後、当地域におけるウニのさらなる生産増が期待でき、それにより地域の漁業者の所得向上が図られると思われますが、県当局のお考えをお伺いします。
 最後に、土木関係の諸問題について何点かお伺いします。
 まず、沿岸の広域生活圏中心都市と盛岡市を結ぶ幹線道路の整備についてお伺いします。
 産業、経済活動などのほとんどが自動車交通に依存せざるを得ない本県沿岸地域にとって、道路の整備は依然として地域の発展を左右する重要かつ緊急な課題となっているところであります。これまで県は、県土の均衡ある発展を目指し、さまざまな施策を講じてきたところであり、岩手県総合計画においては、県内90分交通ネットワーク整備プロジェクトを重点プロジェクトとして位置づけ、三陸沿岸地域の主要な都市と盛岡とを90分で結ぶ交通ネットワークづくりを推進してきたと承知しております。このような中で、沿岸の主要な都市から盛岡までの所要時間は現在どの程度になっているのか、また所要時間を短縮するため、これまでどのような取り組みを行い、今後どのように取り組んでいくおつもりなのかお伺いします。
 次に、関連して国道281号の改良について伺います。
 国道281号は、沿岸北部地域と盛岡を結ぶ随一の幹線道路であり、地域間交流や産業の振興を図る上で、極めて重要な社会基盤であります。県では、これまでも本路線の重点的な整備を進めてきており、昨年末には大坊峠が完成するなど、着実に機能強化が図られてきたところであります。しかしながら、この281号には、なお整備を必要とする区間が残されております。特に平庭地区峠部の葛巻町側は、急カーブ、急勾配が連続する本路線最大の難所であり、冬場の通行には大変な苦労を強いられている状況にあります。つきましては、平庭峠の整備の今後の見通しと、あわせて、現在進めていただいている山形村下川井地区及び久慈市落合地区の整備の進捗状況と、今後の見通しについてお伺いいたします。
 次に、何回か質問してまいりましたが、主要地方道八戸大野線の整備についてお伺いします。
 本路線は岩手、青森両県にまたがり、久慈広域生活圏と八戸市とを結ぶ路線として、古くから産業、経済、文化等の交流のために重要な役割を果たしております。また、木工のふるさと大野における地域経済や観光の振興を図る上から、この道路の早急な整備を行う必要があると考えております。しかしながら、本路線の大野村中心部などにおいては、道路の幅が狭く、急なカーブがあり、歩道も整備されていないため、大型車の通行に支障を来している状況であります。また、歩行者の安全性向上のためにも、早期整備が強く望まれているところであります。つきましては、この道路の整備計画の進捗状況と今後の見通しについてお聞かせ願いたいと思います。
 次に、土木部所管の公共施設に関して、大規模な大雨洪水災害が連続して発生した市町村への県の支援等についてお伺いします。
 古くは昭和22年、23年のカスリン、アイオン台風により一関が2年連続して被災した実例がありますが、それに続く大災害として、平成11年10月27、28日の県北大雨洪水災害が規模の大きい災害であります。この災害で軽米町を初めとして二戸市、山形村などが大きな被害を受けたことは御案内のとおりであります。現在、二戸地方振興局や地方振興局管内の市町村が復興に向けて努力しておられることについては、心から感謝申し上げる次第であります。このような中で、山形村が平成10、11、12年の3年間に局部激甚災に指定されていると伺っておりますが、過去にこのような災害が2年以上続いた市町村の例があるでしょうか。このような場合、県は市町村に対してどのような対応をとるのか、また今回の山形村に対してどのような対応や支援をしてきているのか、具体的な対応策をお示し願いたいと思います。
 また、この3年間の県と山形村の災害関連事業の実施箇所数と決定額、またその進捗状況はどのようになっているのでしょうか、あわせてお伺いします。
 以上で私の一般質問を終わります。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
   〔知事増田寛也君登壇〕
〇知事(増田寛也君) 水上信宏議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、地方振興局の自己完結機能の強化についてのお尋ねでございますが、県庁全体としての一体性は保ちながらも、本庁は県全体の政策の企画立案や調整、そして国や他の都道府県との総合的な調整や協力が必要な事項についての機能などを担って、そして地方振興局は地域に密着した施策や事務事業、現地での迅速な対応が必要となるものについての機能などを担当するというように、それぞれの役割、本庁と地方振興局のそれぞれの役割を大きく分けることができるわけでございますが、とりわけ広大な面積を有しております本県につきましては、それぞれの地域の実情に即した県行政を推進していくためにも、地方振興局が総合性を高めながら責任を持って現場で処理することができるよう、出先機関との統合や権限の大幅な委譲を今まで進めてきたところでございます。平成8年度以降これまでの間、地方振興局を中心に本庁から550を超える事務を委譲しているわけでございますが、平成11年度には、県営建設工事の執行権限を5億円未満まで引き上げますとともに、12年度には、地域で行う公共事業に関する予算要求権限をさらに拡充するなどの取り組みを行ってきているところでございまして、こうした取り組みの中で、例えば、先日平成13年度当初予算案の最終調整、知事査定を行いましたんですけれども、その段階で地方振興局長からその要求内容について、直接その場で説明を受けて、私が最終的に判断し措置したと、こういった事例も今、出てきているところでございます。
 地方振興局につきましては、生活者主権、地域主権の社会の実現に向けて、市町村とともに地域経営の担い手としての役割が今後ますます期待をされるところでございまして、先ほど申し上げましたとおり本庁との役割分担をしっかりと認識をしながら、本庁組織の再編後の大きな課題でございますこの地方振興局のあり方とあわせまして、地域で一層生き生きと活動ができるように、その機能の拡充について積極的に検討してまいりたいと考えております。
 次に、今後の特定地域振興の基本的考え方と取り組み体制についてでございますが、県北・沿岸地域などが抱える基本的課題は、距離や地形の壁を克服すること、それから地元雇用機会を創出し地域の活力を高めていくことなどであると、このように認識をしております。したがいまして、今後におきましても、三陸縦貫自動車道や新幹線関連道路を初めとする、生活、生産両面を支える交通網の整備、インターネットや、いわゆるモバイル通信を容易に使える情報通信環境の整備などを図りますとともに、地域特性を生かした農林水産物の産地化や、付加価値を高めた特産品の開発、グリーン・ツーリズムなどの体験型観光の振興、環境等の新たな分野における産業創出など、個性と活力に満ちた自立的な地域づくりを促進しながら、県土の均衡ある発展のために取り組んでまいりたいと考えております。
 また、今般の組織再編に当たりましては、地域の視点に立った県政を推進するため、特定の地域課題について部局横断的な取り組みを強化するとともに、地方振興局が市町村と密接に連携して、個性豊かな地域づくりを推進する機能を一層発揮できるよう、総合的に支援する地域振興部というものを整備し、この中に県北・沿岸地域等の振興施策を支援、推進する地域振興課を設置することとしたところでございます。
 次に、沿岸の広域生活圏中心都市と盛岡市を結ぶ幹線道路の整備についてのお尋ねでございますが、これらの幹線道路は、沿岸地域振興の基礎となる極めて重要な社会資本であることから、これまで積極的な整備を進めてきたところでございます。現在、盛岡市までの所要時間は、久慈市及び宮古市からは、それぞれ104分、釜石市が150分、大船渡市が130分となっておりまして、県内90分構想の実現を目指すため、さらに重点的な取り組みが必要であると考えております。このため、現在久慈市と盛岡市を結ぶルートにつきましては、主要地方道戸呂町軽米線の軽米町宮沢地区、それから宮古市からのルートにつきましては、地域高規格道路として国道106号の盛岡市簗川道路、釜石市からのルートにつきましては、直轄権限代行による国道283号・仙人峠道路、また大船渡市からのルートにつきましては、国道107号の大船渡市長岩地区などにおいて、それぞれ鋭意整備に取り組んでいるところでございます。今後とも、道路の整備に関するプログラム、これは平成10年から19年までの事業量を書いているものでございますが、この道路の整備に関するプログラムを着実に推進しながら、岩手県総合計画に掲げております平成22年度の計画目標が達成できるよう、これらの幹線道路の整備を進めていく考えでございます。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部局長から答弁させますので、御了承をお願いいたします。
   〔総務部長武居丈二君登壇〕
〇総務部長(武居丈二君) まず、地方振興局幹部職員の人事についてでございますが、職員の人事異動につきましては、これまでも業務が適切に遂行され、県民サービスの一層の向上が図られるよう、また職員一人一人の意欲向上と能力育成を図るために、適材適所の人事配置を基本としながら行ってきているところでございます。地方振興局幹部職員の異動に際しましては、業務運営の一貫性、継続性が確保されるよう、十分に配慮してきているところでございますけれども、あわせまして、県全体としての組織体制の確保という面も考慮し、これを行っているところでございます。異動基準のお話がございましたが、したがいまして、今後とも適材適所ということが基本になろうかというふうに考えているところでございますが、いずれ県民本位の視点に立ち、責任ある業務執行体制を確保し、各部局の事務事業が停滞することのないよう、とりわけ地方振興局にありましては、地域に根差した業務運営が一層推進されるように、職務を取り巻く環境や課題に十分配慮しながら、適切な人事異動を行っていく考えでございます。また、異動に際しましては、職位を問わず、十分な事務引き継ぎを行うよう指導、徹底を図るなどし、地方振興局の業務運営につきまして、万全を期してまいる考えでございます。
 次に、経常経費の節減についてでありますが、これまでも不断の見直しを行ってきているところでございまして、現在は、平成11年2月に策定いたしました行政システム改革実施計画に基づきまして、歳出規模の抑制や事務事業の運営改善の観点から、光熱水費、印刷製本費、消耗品費などの需用費、旅費などの事務的経費の節減でございますとか、民間委託の推進などさまざまな具体的取り組みを行ってきているところでございます。
 また、県におきましては本庁を皮切りに現在順次、県環境マネジメントシステムを実施いたしまして、昼休みの原則消灯、事務用紙の節約、リサイクルなど、資源・エネルギーの消費節減に努めているところでございますが、例えば県庁舎におきましては、基準年の平成10年の上期と比較した場合、本年度上期では、電力消費量につきましては目標をマイナス5.0%というふうに定めたわけでございますが、これに対しまして、現在、上期でマイナス3.3%、それから、重油使用量につきましては同じく目標マイナス5.0%と定めたわけでございますが、マイナス19.9%ということで、一定の成果が上がっているところでございますけれども、新年度予算におきましても、その成果を予算に盛り込むなど、経費の節減合理化に努めているところであります。
 さらに、新年度からは、庁内各部局における自主的な執行を認めております事務的経費の一部につきまして、職員の自主性及びコスト意識を引き出すことで執行面からの経費節減を促進するとともに、計画的、自律的な予算執行の奨励及び予算の年度間調整を図ることを目的といたしまして、効率的な執行により当該年度節減した予算相当額を翌年度に加算して予算要求することができる、こういった制度を新たに設けたところであります。
 いずれにいたしましても、職員一人一人が、みずから一つ一つの節減を図る具体的取り組みを行っていくことが極めて重要でありますことから、引き続き経費の節減に努めてまいりたいと考えております。
   〔企画振興部長佐藤徳兵衛君登壇〕
〇企画振興部長(佐藤徳兵衛君) 特定地域振興室の取り組み実績と成果についてであります。
 同室は、県北・沿岸地域等の振興に係る総合窓口として、各部局や地方振興局、市町村と連携しながら、地域づくり支援や先導的なプロジェクトの推進などに取り組んでまいりました。
 その主な取り組みについて申し上げますと、地域活性化事業調整費のいわゆる特定地域分として2億円の増額措置や、市町村総合補助金制度の創設に当たっての、財政基盤の弱い市町村への補助率かさ上げ、これは、ソフト事業の補助率は原則3分の2なんですけれども、これを4分の3にかさ上げする、こういう措置を講じております。さらに、久慈、二戸地域における住民参加型の地域づくり活動支援などを展開してきたところであります。
 このような取り組みにより、県北・沿岸地域等の地方振興局管内においては、地域活性化事業調整費を活用した地域づくり活動が活発化しておりまして、また、二戸地域では、住民主体の広域的な地域づくり活動支援団体が創設されるなど、着実に成果を上げてきているものと考えております。
 また、環境の視点に立ちまして、平庭地域の豊かな自然や生活文化を体感できるエコパーク平庭高原、これの基本計画を、今、策定中でありますが、引き続きその推進を図ってまいる考えであります。
 さらに、海洋環境研究の国際化拠点を目指しまして、その研究成果を本県水産業の振興に波及させるため、海洋環境国際共同研究事業を国連大学、東京大学海洋研究所と共同で進めておりまして、今後、この成果が期待されているところであります。
   〔保健福祉部長関山昌人君登壇〕
〇保健福祉部長(関山昌人君) まず、介護保険制度の実施状況についてでありますが、県におきましては、これまで市町村の計画をもとに策定した岩手県介護保険事業支援計画に基づき、平成14年までの整備計画の前倒しも行いながら、積極的に介護老人福祉施設の整備を進めてまいったところであります。
 介護老人福祉施設への入所を希望している在宅の要介護者は平成13年1月末現在で618人となっておりますが、今後、介護老人福祉施設の入所定員は、現在整備中の3施設で150床増加するほか、先般、厚生労働省に対して、平成12年度追加分として4施設、138床増加の国庫補助協議を行っております。
 また、介護老人福祉施設への入所希望者に対応するため、本県独自の弾力的な措置として、市町村等との調整のもとに、本年2月に、整備がおくれている介護療養型医療施設の入所定員目標の一部163床を介護老人福祉施設の増床分に振りかえたところであります。さらに、本年1月から介護老人福祉施設に併設されているショートステイ床の一定割合を入所施設サービスに利用できることとなったため、本県においては最大で183床の利用が可能となっております。
 これらの措置によって、全県的には634床確保可能な見込みとなっておりますが、県といたしましては、今後におきましても介護老人福祉施設ニーズに適切に対応できるよう、岩手県介護保険事業支援計画に基づき、さきに述べたような弾力的な措置を講じながら市町村等に対して必要な支援を積極的に行うとともに、本計画の平成14年度における見直しに当たっては、より地域の実情に対応できるよう、市町村と一体となって準備を進めてまいりたいと考えております。
 次に、生活保護への対応についてでありますが、平成12年度に地方振興局及び市の福祉事務所に寄せられた生活保護の処分に関する苦情は、資産や収入の取り扱い等に関するものなど7件のほか、不服審査請求が2件あり、保護の停止決定に関するものについてはその取り消しを、収入認定に関するものについては審査請求を棄却したところであります。
 県においては、今後とも申請者等に対し生活保護制度の趣旨を十分説明し、相談者の立場に立った懇切丁寧な対応に配慮しながら、適正で的確な援助に当たるよう、処遇事例研究会や事務監査等を通じて地方振興局及び市の福祉事務所を指導し、公平かつ適切な生活保護制度の運営に努めてまいります。
   〔医療局長佐藤文昭君登壇〕
〇医療局長(佐藤文昭君) 県立病院における医療事故対策についてでございますが、まず、職員の配置数については、医師、看護部門で申し上げますと、医師については、医療法に定める標準数に対して90%弱とまだ不足している状況にございまして、今後とも必要数の確保にさらなる努力が必要と考えております。また、看護部門につきましては、医療法に定める標準数を大きく上回っているものの、病床100床当たりの職員数は、新潟県を含めた東北7県の県立病院の中ではおおむね中位となっておりまして、厳しい経営状況や民間病院の実情などを総合的に考慮いたしますと理解していただける職員配置数になっているものと認識しております。
 一方、日本病院会が行った医療事故の調査結果や自治体病院共済会に報告のありました医療事故を見ますと、その多くが手術、注射及び投薬のミスとなっておりまして、その主な原因としましては、職員の思い込みや不注意によるものが多いと分析されているところでございます。したがいまして、職員一人一人がとうとい命を預かっているという意識を常に持ち、真心のこもった対応をすることを確認し合いながら、また、職員の配置につきましては、患者数の動向などを見きわめながら今後とも適正配置に努めてまいりたいと考えております。
 また、具体的な事故防止対策につきましては従前から病院個々に対応してきているところでございますが、全国的に多発状況にございますので、本年2月、岩手県医療局医療安全対策指針を策定し、さらに人工呼吸器や麻酔器などの取り扱いなどのほか、注射器の用途別色分けなどを盛り込んだ医療事故防止マニュアルを定め、加えて、病院におきまして、冷やりとしたり、あるいはハッとしたりといった事例につきましても報告を求めることにしております。特にも、このヒヤリ・ハット事例につきましては、その原因を分析しまして、全病院でこれを共有し、今後の事故防止に有効に活用してまいりたい、このように考えております。
   〔農政部長佐藤克郎君登壇〕
〇農政部長(佐藤克郎君) 県北やませ地域の農業振興についてでございますが、この地域におきましては、たび重なるやませによる冷害に悩まされながらも、その気象条件を逆手にとって、雨よけホウレンソウなどの園芸や畜産を軸とした農業を展開してきているところであります。また、近年におきましては、これらに加え、健康志向の高まりを背景として、需要が増大しているソバなど雑穀の生産拡大やホウレンソウなどを冬の寒さに当て、食味、栄養価等を向上させる、いわゆる寒締め栽培の取り組みなど個性ある産地の形成に向けた取り組みが進展してきているところであります。
 県といたしましては、こうした取り組みにさらに弾みをつけるため、野菜、花卉等の園芸作物の生産拡大に向けたビニールハウスなどの施設整備に対する支援を積極的に進める一方、県北農業研究所において、コマツナなどを冬春期に安定的に生産する技術や地域に適した雑穀の品種の選定、野菜の省力化技術の確立など、地域農業が抱える課題解決に向けた研究を鋭意進めており、大型機械による雑穀の栽培技術など一部につきましては既に普及に移しているところであります。
 こうしたことにあわせ、今後ともこの地域の特性に合った所得形成力の高い作物の導入拡大や無農薬栽培の取り組みなどによって、多彩な農業を確立するよう積極的に支援してまいりたいと考えております。
   〔林業水産部長本山芳裕君登壇〕
〇林業水産部長(本山芳裕君) まず、県有林及び林業公社の債務償還対策と公益性の高い森林の整備についてでありますが、森林所有者による森林の整備が進まない中で、水源の涵養など森林の公益的機能の発揮に対する県民の要請はますます高まっており、県有林、林業公社等公的機関が事業環境の変化に適切に対応しつつ、今後ともその役割を果たし得るよう対策を講ずる必要があります。
 こうした状況を受けて、昨年5月に学識経験者等で構成する公益保全森林整備検討委員会を設置し、森林整備にかかわる公的機関のあり方と今後の方向について検討をお願いし、12月に最終報告をいただいたところであります。
 この報告を踏まえ、県において、県有林及び林業公社あわせて約900億円の借入金の償還対策について検討した結果、今後、県有林においては、平成13年度に県有林基本計画を抜本的に見直し、作業工程の見直しなどによる経費の削減等を進めるとともに、長伐期優良大径材生産や利用間伐の推進などにより収入の増大を図ることとし、当面は県有林造成基金の取り崩しや一般会計からの繰り入れにより償還を行い、今後、本格的な主伐期を迎えることから、将来的には採算の合う県有林となるよう努力してまいりたいと考えております。
 一方、自主財源を持たない林業公社においては、県有林と同様徹底した経営改善を組み入れた公社営林基本計画を平成13年度に抜本的に改定するとともに、林業公社の所期の目的を達成するため、一般管理費の節減など厳しい自助努力を前提に、支払い利息の増加を抑え、償還総額の縮減を図るため、既往分を含め、県貸付金を平成13年4月以降無利子化することにしております。
 また、公益的機能の高い森林の整備についてでありますが、県有林及び林業公社では、既往の造林地のうち土地条件のよいものについては、皆伐施業から非皆伐施業への転換、伐期を延長して長伐期化・複層林化などを進めることにより皆伐面積を抑制することとしております。さらに、災害の防止、水資源の涵養などの公益的機能の発揮が高度に求められ、真に森林整備が必要な荒廃林地等については、新たに公益保全森林整備総合対策事業を創設し、林業公社を事業主体として、将来債務を少なくするような措置を講じた上で整備を促進してまいりたいと考えております。
 次に、大規模林道の整備促進についてでありますが、本県の平成12年度末の進捗状況は、計画延長に対し、幹線林道の八戸川内線及び川井住田線の合計では約90%、支線林道の葛巻田子線では約27%となる見込みであります。
 このような中、平成9年、横沢-荒川区間の計画路線付近においてクマタカの生息が確認されたことから、緑資源公団では、毎年、環境庁マニュアルに従い猛禽類モニタリング調査を実施し、自然環境に十分配慮しつつ事業を行ってきております。
 さらに、自然環境の保全等の観点からより適切なルートを検討するため、横沢・荒川区間路線検討会が同公団により昨年12月及び本年2月に開催されたところであります。これまでの検討会においては、資料の補完、工法等について意見が出されており、今後、現地調査も実施し、13年度の中ごろまでに結論をまとめたいとしております。
 なお、13年度のこの区間の再評価は、この結論を踏まえ、総合的な見地からなされるものと考えております。
 県におきましては、緑資源公団と連絡調整をより緊密に図り、今後とも整備が円滑に進められるよう努めてまいりたいと考えております。
 次に、ウニ増殖場の改良についてでありますが、この増殖場は、種市地域特有の平たんな岩盤地帯でくしの歯状の溝を掘削し造成したものであり、種苗放流や積極的な給餌等と相まって、近年の春先の高水温によるえさ不足の中でも安定した生産量を維持するなど、大きな事業効果を上げております。このような成果が見られてきていることから、今後におきましても、本県の主要栽培魚種であるウニなどの資源をより有効に育成するため、地域の特性や投資効果等を十分に踏まえ、増殖場の造成や改良を積極的に実施し、ウニ生産漁家の所得向上に寄与してまいりたいと考えております。
   〔土木部長竹内重徳君登壇〕
〇土木部長(竹内重徳君) まず、国道281号の整備の今後の見通しについてでありますが、平庭峠につきましては、これまで整備に向けた調査を進めてきておりまして、概略の計画がまとまりつつありますことから、近々計画の概要を地域の皆様方にお示しすることといたしております。今後は、この路線が県立自然公園内の計画となりますことから、環境影響評価を実施するなど、さらに計画の熟度を高め、極力早い時期に事業着手できるように努めてまいる考えであります。
 次に、山形村川井地区及び久慈市落合地区の改良整備についてでありますが、下川井地区1.2キロメートルにつきましては、平成8年度に整備に着手いたしまして、用地の買収をほぼ終えまして、早期の工事着手に向け、現在、工法等について詳細な検討を進めているところであります。また、落合地区につきましても、平成14年度の完成供用を目指して整備を進めておりますが、なお一層の促進に努めてまいります。
 次に、主要地方道八戸大野線の整備についてでありますが、本路線は、八戸市を起点といたしまして大野村に至る延長約34キロメートルの県際交流道路であります。現在、大野村明戸地区から国道395号タッチまでの区間について現況調査などを進めているところでございますが、このうち、明戸地内につきましては、平成13年度、県北・沿岸地域などの振興を目指して創設いたしました新規事業の地域振興支援道路ネットワーク整備事業の整備箇所として位置づけいたしまして、早期の工事着手を目指すことといたしております。
 また、大野村中心部につきましては、人家が連檐しておりますことから現道を大規模に拡幅して改良整備を行うことは難しい状況にございますので、バイパスの計画検討を開始したところであります。今後は、地元大野村とも十分に話し合いを行いながら、さらなる検討に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、公共土木施設の大規模災害時における市町村への支援等についてでありますが、まず、これまで局部激甚災害に指定された大規模災害が2年以上連続して発生した事例につきましては、これまで普代村、大野村、川井村、浄法寺町、九戸村、三陸町、そして今回の山形村と7町村になっております。
 これに対する県の支援についてでありますが、当該市町村に対するバックアップ体制を整えまして、適時技術的アドバイスを行うなど、その後の災害復旧が円滑に進むよう支援を行っているほか、国への申請に当たっては、補助率のかさ上げなどの要請を行ってきたところであります。中でも、特に被害の大きかった山形村の平成11年の災害への対応に際しましては、県の職員を派遣いたしまして、直接的に復旧事業への支援を行ったところであります。
 また、山形村における災害復旧の状況についてでありますが、河川災害や道路災害など、平成10年災、11年災及び12年災の3カ年をあわせまして被害箇所は223カ所になっておりまして、災害復旧事業の決定額は総額47億8、000万円に及んでおります。その進捗状況につきましては、平成10年災は今年度末、11年災は13年度末にすべての箇所が完了する予定となっておりまして、12年災につきましても本年1月末現在で既に70%が発注済みとなっております。
 県といたしましては、県施行分の早期完成はもとより、村の施行分につきましても早期の復旧が図られるよう、技術的助言など、その支援に努めてまいりたいと考えております。
〇28番(水上信宏君) ただいまは、風邪で聞きづらい質問にもかかわらず、知事及び関係部長、そして医療局長の誠意ある御答弁をいただき、大変ありがとうございました。
 私がいつも思っていることに、どのような立場にある人でも、また、どういう地域に住む人間も、人権が保障されて初めて生きている喜びを感じ、社会生活に参加できるものと思うのであります。他県での出来事とはいえ、電気をとめられた家庭でろうそくを用いて勉強中の中学生の火災によっての死、保護を断り生活していた名古屋市での夫婦の餓死や、連日のように報道されている医療ミス等々の約7割近くは、行政や地域住民が意を用いたコミュニケーションによって解決できるものであると言い切っている専門家もおりますし、私もそう思います。
 新しい政策をもって、実効性ある県境を越えての政策等々、増田知事は全国知事会においても注目され、政治評論家の方々からも高く評価されておられ、一県民として大変うれしい限りでありますが、さきにも申し上げましたような小さなことと申しますか、身近で社会的窮状にある人たちへの配慮等についての知事の所感をお伺いし、私の質問を終わります。
   〔知事増田寛也君登壇〕
〇知事(増田寛也君) 今、水上議員の方からお話ございました、本当に社会で一生懸命生きている皆さん方に我々としても十分報い、血の通った行政を行わなければならないと、今、議員のお話をお伺いいたしまして、改めて強くそのように思った次第でございます。
 これから県職員一丸となりまして、おっしゃるとおりの心の通った、そして、隅々まで目の行き届いた行政に誠心誠意努力していきたいと思います。
   
〇副議長(吉田洋治君) この際、暫時休憩いたします。
午後3時35分 休 憩
   
出席議員(48名)
1番 及川 敦  君
2番 飯沢 匡  君
3番 樋下正信  君
4番 照井昭二  君
5番 柳村岩見  君
6番 小野寺 研 一  君
7番 吉田昭彦  君
8番 工藤大輔  君
9番 川村農夫  君
10番 佐々木 順 一  君
11番 佐藤力男  君
12番 阿部静子  君
13番 阿部富雄  君
14番 田村 誠  君
15番 岩城 明  君
16番 中屋敷   十  君
17番 千葉 伝  君
18番 佐々木 大 和  君
19番 及川幸子  君
20番 阿部敏雄  君
21番 川口民一  君
22番 小野寺   好  君
23番 斉藤 信  君
24番 伊沢昌弘  君
25番 田村正彦  君
26番 上澤義主  君
27番 瀬川 滋  君
28番 水上信宏  君
29番 藤 原 泰次郎  君
31番 谷藤裕明  君
32番 菊池 勲  君
33番 佐々木 一 榮  君
34番 伊藤勢至  君
35番 高橋賢輔  君
36番 小原宣良  君
37番 長谷川 忠 久  君
38番 千葉 浩  君
39番 吉田洋治  君
40番 工藤 篤  君
41番 菅原温士  君
43番 山内隆文  君
44番 折居明広  君
45番 村上惠三  君
46番 藤原良信  君
47番 及川幸郎  君
48番 菊池雄光  君
49番 佐々木 俊 夫  君
51番 吉田 秀  君
欠席議員(2名)
30番 船 越 賢太郎  君
42番 佐藤正春  君
   
説明のため出席した者
休憩前に同じ
   
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
   
午後3時55分 再 開
〇副議長(吉田洋治君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第1、一般質問を継続いたします。千葉浩君。
   〔38番千葉浩君登壇〕(拍手)

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