平成13年9月定例会 第11回岩手県議会定例会会議録

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〇23番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 議案第1号2001年度岩手県一般会計補正予算、議案第8号港湾整備事業特別会計補正予算、議案第20号から24号の請負契約案件について質問いたします。
 議案第1号一般会計補正予算についてでありますが、第1に、緊急地域雇用特別基金事業補助として3、808万円余が計上されています。これによって県、市町村それぞれどれだけの雇用拡大となるのか、実人員、雇用期間について示していただきたい。補正を含めて今年度全体ではどれだけの雇用拡大となるのか示していただきたいと思います。この事業はことしで3年目となりますが、昨年度、一昨年度の実績はどうか。
 雇用拡大は県政の最重要課題の一つとなっていますけれども、知事に伺いたい。福島県では県独自に10億円の緊急雇用対策事業を9月補正で計上していますが、岩手県としても県独自に取り組むべきではないのか。各部局で検討しているということでありますが、これは、県独自に福祉、教育、防災、緑の公共事業などの雇用拡大に取り組むということなのか、検討課題、内容を含めて示していただきたい。
 第2に、水田作付体系転換緊急事業費補助として5、237万円余が計上されています。これは減反の緊急拡大分に対応するものでありますが、増額となった理由は何でしょうか。
 本県の減反達成率はどうなっているでしょうか。
 需給調整水田分の実施状況はどうでしょうか。
 本県の作況指数が昨日、平年作の101と9月15日段階で発表されました。私は、この状況では、青刈り、えさ米の配分はないと考えますが、それでも需給調整水田、いわゆる青刈り分の実施が求められるのかどうか、見通しを含めて示していただきたい。
 第3に、肉用牛肥育経営安定対策事業費補助が新規事業として3、980万円計上されています。農家の要望にこたえる画期的なものだと思われますが、この事業の内容はどういうものか、対象農家、頭数、そして国、県、市町村、農家の負担割合を示していただきたい。
 県の負担分について、黒毛和種、乳用種は県畜産会の積立金単価を県補助単価としているのに、日本短角種の場合だけ別建てとしたのはなぜでしょうか。
 短角種も同じ補助単価とした場合の県負担額はどうなるのでしょうか。
 第4に、新空港ターミナルビル整備事業費が新規事業として1、350万円余計上されています。新空港ターミナルビル整備事業費は現段階でどう見込まれているのでしょうか。
 県が負担すると言われる国際線分はどう見込まれているのか、維持管理費を含めて示していただきたい。
 利用客が低迷している中で、新空港ターミナルビル整備が今すぐ必要か検討すべきと思いますけれども、いかがでしょうか。
 最近の利用客は、計画に比べてどうなっているでしょうか。現実的な利用人員の見通し、計画を立て直す必要があるのではないでしょうか。
 第5に、クリーンいわてローラー大作戦として4、079万円余が計上されています。これは、河川等に不法投棄された廃棄物を緊急に処理しようとするものですが、不法投棄の実態調査の結果はどうなっているでしょうか。全体の処理費用はどう見込まれているでしょうか。
 不法投棄を減少させる対策はどうなっているでしょうか。
 あわせて、県警本部としてこの不法投棄にどう対応しているのか示していただきたい。
 第6に、港湾施設整備費と港湾整備事業特別会計に1億2、000万円の委託事業費が計上されています。これは、大船渡港湾整備事業にかかわる工事用道路を大船渡市の市道として整備するものでありますが、5メートルの工事用道路を13メートルの市道として整備することに対し県の負担分が大きいと思われますが、道路整備事業費と県、市の負担分を示していただきたい。なぜ県の負担分が13分の5以上となるのか、その理由を示していただきたい。
 大船渡港湾の貨物取扱量は平成7年の541万トンから平成11年の435万トンに大幅に減少していますが、当初計画どおりに420億円余の港湾整備事業費を進めるのかどうか、当面どの程度の整備を行おうとしているのか、事業費を含めて示していただきたい。
 内陸の企業が将来大船渡港を利用するアンケート調査なり具体的根拠があるのか示していただきたい。
 次に、議案第20号から24号の請負契約案件について質問いたします。
 それぞれの設計金額に対する落札金額の比率はどうなっているでしょうか。予定価格に限りなく近いものと考えられますが、適正な競争が行われたものと考えるのかどうか。
 五つの請負契約案件ともすべてがゼネコンとゼネコンのJVが落札していますが、これは県内企業ではできない工事なのか。県内企業が受注できるよう工夫、努力をすべきと思いますが、いかがでしょうか。
 談合が疑われる場合、県として具体的にどう対応するか示していただきたい。
 以上です。
   〔知事増田寛也君登壇〕

〇知事(増田寛也君) お答え申し上げます。
 県独自の雇用拡大の取り組みについてでございますが、この10月に取りまとめる雇用対策の中で、国が行うもの、それから雇用・能力開発機構など雇用関係団体が行うもの、そして県独自に行うものなど、これを組み合わせながらまとめたい。すなわち、県独自に行うものも入れてこの対策をまとめたい、このように考えております。
 その他のお尋ねにつきましては関係部長から答弁させますので、御了承お願いします。
   〔商工労働観光部長鈴木清紀君登壇〕

〇商工労働観光部長(鈴木清紀君) 緊急地域雇用特別対策基金事業についてでありますが、9月補正による新規雇用の実人員と雇用期間については、県事業が12人で平均雇用期間が88日、市町村事業が22人で平均雇用期間が51日と見込まれております。今年度事業全体の新規雇用人員と平均雇用期間は、県事業が376人で38日、市町村事業が382人で65日と見込まれております。それから、一昨年──平成11年度──につきましては、県事業が新規雇用1、027人で17日、市町村事業が新規雇用1、533人で18日となっております。また、昨年度──平成12年度──につきましては、県事業が新規雇用762人で16日、市町村事業が新規雇用823人で37日となっておりまして、このように、1人当たりの平均雇用を見ますと年々増加してきております。
   〔農林水産部長佐藤勝君登壇〕

〇農林水産部長(佐藤勝君) まず、水田作付体系転換緊急事業費補助の増額につきましては、当初予算で見込んだ作物別面積のうち、助成単価の低い作物の面積が減少し、逆に単価の高い作物の面積が増加したということでございます。
 それから、達成率は101.6%を見込んでおります。
 それから、需給調整水田の実施状況ですが、これは、9月5日現在で申し上げますと、子実前刈り取り──これは青刈りになりますが──が72ヘクタール、それから稲発酵粗飼料用稲──ホールクロップサイレージ用稲──は18ヘクタールということで、計90ヘクタールになっております。
 それから、次にお尋ねのあった作況指数100の場合云々の件でございますが、先ほどお話ありましたとおり、101ということになります。本県は、当初からの転作の特別調整水田と、それから、既に実施されました青刈り等の需給調整水田をあわせまして687ヘクタールということで、これは率にいたしますと101から102に相当する需給調整に取り組んでいるという状況にあります。したがいまして、9月15日現在の作況が101ということで平年並みが示されましたので、こういう状況であれば、いわゆる発動は外れるのではないか、こういう見込みを立てております。
 次に、肉用牛の肥育経営安定対策事業ですが、事業内容は、四半期ごとに算定される肥育牛1頭当たりの平均所得が、あらかじめ設定されている基準家族労働費を下回った場合に、その差額の8割以内で肥育牛生産者に補てん金を交付するための原資となります経営安定基金に対する助成を今回行おうとするものであります。
 今年度の対象戸数ですが、522戸、加入頭数は2万6、700頭を見込んでおります。
 それから、基金の負担割合は、社団法人の中央畜産会が4分の3、県はおおむね16分の1を助成することとしております。
 なお、市町村に対しましては、県と同額の助成をお願いしてはどうかということで内部で検討しておりまして、その残りが生産者が負担と、こういうことになります。
 それから、県補助単価等についてですが、黒毛和種、乳用種、交雑種などにつきましては、農林水産省の生産費調査に基づきまして単価設定を行ったものでありますが、日本短角種につきましては国のこの調査が行われておらないために客観的なデータに基づく価格設定が難しい、できないということから、県の補助単価の決定に当たりましては、同じ肉専用種であります黒毛和種と同じ単価に設定したものであります。
 それから、日本短角種も、例えば県畜産会の積立金の単価とした場合には増額どのぐらいかということで、125万円の増額になるものでございます。
   〔県土整備部長竹内重徳君登壇〕

〇県土整備部長(竹内重徳君) 新空港ターミナルビル整備事業費の見込みについてですが、補正予算の計上に当たっては他の類似空港を参考としているもので、新ビルの規模や事業費及び国際線分の見込み等については、今年度、基本計画策定の中でその概略の費用の算定を含めて検討を行う予定としております。
 また、維持管理費については、設備の内容の検討とあわせて来年度基本設計において算定してまいりたいと考えております。
 次に、新空港ターミナルビル整備が今すぐ必要かというお尋ねでございますが、現在のビルは、中型ジェット機の出発時や小型機の出発が重複した場合などには大変狭い状況となりまして、また、国際線施設についても極めて狭隘で、特にも、平成11年度の3倍近くに増大している国際チャーター便の利用者には不便を強いている状況であります。このようなことから、新ターミナルビルの整備は空港の拡張と同時に行う必要があると考えております。
 次に、最新の利用客が計画に比べてどうなっているかということでございますが、需要予測では、拡張整備の完成年次になる平成16年度で約83万人と推計しておりました。昨年度の利用客は50万4、000人でありましたが、今後ともなお一層利用促進に努めますとともに、空港利用者数の需要予測につきましては、ことしの5月、総務省が国土交通省に対して予測手法に関する基本的な事項などを事業主体に示すよう勧告しておりますので、この動向等を見きわめながら適切な対応をしてまいりたいと考えております。
 次に、廃棄物の不法投棄についてでありますが、一斉点検の結果、県土整備部所管の公共用地内においては約2、600トンの不法投棄廃棄物を確認しております。このうち、今般、河川区域及び砂防指定地で水源地域や親水空間などにあって県民生活に著しい支障があると認められた廃棄物の処理費用として4、079万円余を計上しておりますが、全体の処理費用については、今後、廃車など大型の廃棄物を含めて投棄原因者の特定を進め、最終的な必要額を算定していきたいと考えております。
 また、今後の不法投棄減少対策につきましては、公共施設の監視体制を整えますとともに、周辺住民及び市町村に対し監視通報等の協力を依頼するなど、県民の皆様方と協同することによって不法投棄の再発防止に努めてまいります。
 次に、大船渡港の港湾整備事業特別会計の受託事業収入についてですが、工事用道路に関する平成13年度の県負担額は1億3、374万2、000円、大船渡市負担額は1億3、965万1、000円であり、市施行額1、965万1、000円を差し引いた1億2、000万円を受託事業収入として9月補正予算に計上し、県が受託しようとするものです。
 次に、県負担額が幅員比より多い理由についてですが、今回費用負担を行う市道は、路面部分については全幅13メートルのうち工事用道路が5メートル、市道が残りの8メートルとしてそれぞれ費用負担を行うものでありますが、この道路工事のうち掘削土砂は本来県の埠頭用地の埋め立てに使用するものであり、この土砂の掘削、運搬に要する経費は、双方で負担する工事の対象から除外して県が負担すべき工事としていることによるものであります。
 次に、当初計画どおり港湾整備事業を進めるのかどうかということですが、未着手になっている岸壁につきましては、今後の取扱量の推移を見ながら、投資効果や整備の必要性について検討してまいります。
 次に、内陸企業等の大船渡港の利用についてでありますが、現在の港湾計画の策定時において、内陸を中心とする県内企業を訪問し、ヒアリング調査等を実施の上、その結果をもとに取扱貨物量を推計したものであります。
   〔総務部長小原富彦君登壇〕

〇総務部長(小原富彦君) まず、県営建設工事の請負契約案件の設計金額に対する落札金額の比率についてでありますが、海岸保全施設整備事業下荒川地区第1号工事は、対設計金額比94.39%、主要地方道一関大東線東大橋上部工工事は96.99%、主要地方道久慈岩泉線安家2号トンネル築造工事は93.28%、津軽石川筋三陸高潮対策(水門機械設備期)工事は96.96%、小鎚川筋三陸高潮対策(水門機械設備期)工事は96.92%となっております。これらの請負契約案件につきましては、いずれも条件付一般競争により適正な競争がなされたものと考えております。
 次に、県内企業で受注できない工事かというお尋ねでございますが、県営建設工事については県内企業への発注を優先しておりまして、技術を要する特殊な工事、例えばトンネル工事、橋梁工事あるいは水門工事などでありますが、こうした特殊工事について、県内に施工実績のある建設業者が少ない場合に県外業者の参入を認めております。その場合にあっても、県内の建設業者を構成員とする特定共同企業体を結成させ、県内企業への技術移転等が図られるよう配慮しているところであります。
 今回提案している請負契約案件につきましては、トンネル工事、橋梁工事及び大規模な水門の工事でありまして、これらに対応した工事の実績を有する県内業者が少ないため、県外企業の参入を認め、結果として県外企業が落札したものであり、うち3件は県内企業を含むJVを組んでいるところであります。
 次に、談合が疑われる場合の対応についてでありますが、県においては、対応マニュアルに基づき適切に対処することとしておりまして、必要と認められる場合には、県営建設工事公正入札調査委員会、これは本庁の方の委員会と地方振興局ごとに置いております地方委員会でございますが、この委員会におきまして関係者からの事情聴取など厳正な調査を行うこととしております。その結果、談合の事実が確認され、もしくは疑いがあると認められる場合には、当該工事の入札の中止あるいは入札の無効あるいは契約の解除など所要の措置を講ずるとともに、法的な権限を有する公正取引委員会及び県警察本部に対して通報することとしております。
   〔警察本部長出原健三君登壇〕

〇警察本部長(出原健三君) 不法投棄に対する県警察の対応についてでありますが、県警察といたしましては、毎月第2水曜日を環境犯罪捜査の日と定めて、県警ヘリコプターによるスカイパトロールや警察官の巡回活動を実施し、未然防止のための広報啓発活動などを行うとともに、悪質な事犯につきましては検挙に努めているところであります。
 ちなみに、本年8月末現在、産業廃棄物及び一般廃棄物不法投棄事案をあわせ15件18人を検挙しております。
 また、本年4月から環境生活部資源循環推進課に警察官1名を併任配置し、県との連携強化を図るとともに、県が実施しております不法投棄監視強化月間にあわせて関係機関との合同パトロールなども推進しているところであります。
 県警察といたしましては、今後とも、県など関係機関・団体とより一層の連携を図りながら、不法投棄の未然防止や悪質事案の検挙に努めてまいる考えであります。

〇議長(谷藤裕明君) これをもって質疑を終結いたします。
 次に、お諮りいたします。認定第1号から認定第3号まで、以上3件については、49人の委員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(谷藤裕明君) 御異議なしと認めます。よって、認定第1号から認定第3号まで、以上3件については、49人の委員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することに決定いたしました。
 お諮りいたします。ただいま設置されました決算特別委員会の委員の選任については、委員会条例第5条第1項の規定により、議長を除く全議員を指名いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(谷藤裕明君) 御異議なしと認めます。よって、ただいま指名いたしましたとおり、議長を除く全議員を決算特別委員に選任することに決定いたしました。
 決算特別委員会は、委員長互選のため、10月1日午前10時に決算特別委員会室にこれを招集いたします。改めて招集通知を差し上げませんので、御了承願います。
 次に、ただいま議題となっております議案第1号から議案第28号までは、お手元に配付してあります委員会付託区分表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
   
〔参照〕
委員会付託区分表
(第11回県議会定例会 平成13年9月28日)
総務委員会
1 議案第1号中
   第1条第1項
   第1条第2項第1表中
    歳入 各款
    歳出 第1款、第2款、第9款、第12款
   第3条
2 議案第15号
3 議案第18号
4 議案第19号
5 議案第25号
6 議案第26号
環境福祉委員会
1 議案第1号中
   第1条第2項第1表中
    歳出 第3款、第4款
2 議案第16号
商工文教委員会
1 議案第1号中
   第1条第2項第1表中
    歳出 第5款、第7款、第10款
   第2条第2表中
    2変更中 6
2 議案第6号
3 議案第27号
農林水産委員会
1 議案第1号中
   第1条第2項第1表中
    歳出 第6款
   第2条第2表中
    1追加中 1
    2変更中 1~3
2 議案第2号
3 議案第3号
4 議案第4号
5 議案第5号
6 議案第9号
7 議案第10号
8 議案第11号
9 議案第20号
県土整備委員会
1 議案第1号中
   第1条第2項第1表中
    歳出 第8款、第11款
   第2条第2表中
    1追加中 2、3
    2変更中 4、5
2 議案第7号
3 議案第8号
4 議案第12号
5 議案第13号
6 議案第14号
7 議案第21号
8 議案第22号
9 議案第23号
10 議案第24号
11 議案第28号
   

〇議長(谷藤裕明君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後4時56分 散 会


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