平成13年9月定例会 第11回岩手県議会定例会会議録

前へ 次へ

〇39番(吉田洋治君) 政和会の吉田洋治でございます。
 私は、議案第17号の大船渡市と三陸町の合併議決につきまして、賛成の討論を行います。
 新しい世紀の始まり、21世紀、気仙の夜明けとともに、新生大船渡丸が大海原に船出しようとしております。
 私は、合併協定書にある47項目、すなわち気仙郡三陸町を廃し、その区域を大船渡市に編入すること、合併の期日を平成13年11月15日とすること、市の名称を大船渡市とすることなど、そして大船渡市・三陸町合併建設計画を全面的に支持し、その力強い推進を願望するものであります。
 私の認識として、今日の合併論議は、我が国をめぐる内外情勢の急速な変化に対応し、中央集権型の政治行政システムから脱却すべく、地方分権を強力に推進すべしとの観点に立った議論から派生してきたものと考えております。
 地方分権の推進につきましては、平成5年の衆参両院における地方分権の推進に関する国会決議を契機として急速に進展してきたものでありますが、特にも、時の政府が当時の諸井日経連会長を委員長に地方分権推進委員会を設置し、明治維新以降における第3の改革と位置づけて抜本的改革を断行したことが大きな推進力となったものと考えております。
 地方分権推進委員会におきましては、精力的な議論を経て5次にわたる勧告を行ったものでありますが、さらに真の地方分権社会の実現のために自治体の合併は避けて通れないとの認識のもと、平成12年11月27日、市町村合併の推進についての意見を提出し、その中で、合併を促進するため、国に対しては合併指針の見直し、知事に対しては全庁的な支援態勢の整備等を要請したものであります。
 これを受けて国においては、平成12年12月1日、市町村合併の推進が盛られた行政改革大綱を閣議決定し、市町村合併の自治体数を1、000を目標とする、この方針を踏まえまして、市町村合併を積極的に推進し、財政基盤を強化するとの基本的な考え方を示したものであります。
 また、平成11年8月には、国は知事に対し、市町村合併のパターンの作成等を内容とする市町村合併推進の要綱の作成と市町村への支援が要請され、これを受けて、県では直ちに合併パターンを含む広域行政推進指針を策定し、平成12年5月、これを市町村に示し、これを機に県内各地域におきまして合併論議が盛んに行われてきたことは、皆さん御承知のとおりであります。
 さて、今次合併の当事者であります大船渡市、三陸町においては昭和60年に大船渡商工会議所が中心となって気仙2市2町の合併推進の動きを具体化するなど、今般の合併論議に先立って、合併を推進する素地が既に形成されてきたものと私は認識しております。
 県内市町村が真に厳しい財政状況に置かれている現実を目の当たりにして、地方分権時代においては少子・高齢化の進展や多様化かつ増大する行政需要にどうこたえていくのか、地域住民へのサービスをどのように確保するのか、将来のまちのあり方を考えるとき、行政運営の責任者である首長や住民の代表者である議会議員の悩みの深さ、大きさははかり知れないものと思料され、私は大船渡市長、三陸町長、そして両議会における御努力に心より敬意を表すると同時に、この大事業の事務推進に当たった多くの関係職員の皆さんの労に、大きな拍手を送りたいと思うのであります。
 一方で、今回の合併について地域住民への説明が不足、異常なスピード等の意見もあるようでございますが、私の知る限り、住民説明会を繰り返し開催する、また、広報紙、合併推進だよりを数多く発行するなど、住民意向の把握に積極的に取り組むとともに、住民から出された数多くの意見、要望を建設計画等に的確に反映されており、任意の協議会や法定協議会の協議を経て、その成案を得たものと認識するものであります。
 合併を推進するに当たっては、住民の意向を尊重することはもちろん重要なことであります。したがって、合併後の将来のまちづくりに対する不安を安心に変えていく並々ならぬ努力が、行政当局に求められることは言うまでもありません。
 私は、大船渡市及び三陸町議会が真摯な検討の積み重ねの中で出された結論を当県議会におきましても尊重されるべきものと考えるものであります。新たなる大船渡市が住民及び行政、議会等が一体となって合併してよかったと思えるまちづくりに邁進されることを期待し、賛成討論を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔23番斉藤信君登壇〕


前へ 次へ