平成13年12月定例会 決算特別委員会会議録 |
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平成13年12月6日(木)
1開会 午前10時4分 1出席委員 別紙出席簿のとおり 1事務局職員 事務局長 照 井 崇 議事課長 熊 谷 素 紀 議事課長補佐 浅 田 和 夫 主任議事管理主査 八重樫 典 彦 議事管理主査 浅 沼 聡 議事管理主査 熊 谷 正 則 議事管理主査 田 丸 裕佳子 1説明員 農林水産部長 佐 藤 勝 農林水産部林務局長 坂 元 邦 夫 農林水産部水産局長 船 越 穣 農林水産部次長兼農林水産企画室長 小田島 栄 農林水産部次長 石 川 格 司 農林水産部次長 佐々木 忠 正 農林水産部技術参事 小笠原 嘉 光 農林水産企画監 古 澤 眞 作 団体指導課長 高 橋 信 雄 組合指導監 太 田 和 男 流通課長 佐々木 崇 農業振興課長 得 田 啓 史 中山間対策監 及 川 傳 弘 農業普及技術課長 河 村 茂 幹 農村計画課長 安 樂 敏 総合国営対策監 芦 長 喜 農村建設課長 川 邊 賢 治 農産園芸課長 澤 田 行 一 水田農業推進監 小瀬川 博 畜産課長 馬 場 明 雄 林業振興課長 千 田 壽 光 緑化推進課長 塩 井 常 文 松くい虫対策監 佐々木 孝 昭 森林保全課長 盛 合 嘉 信 水産振興課長 武 井 篤 漁業調整監 伊 藤 正 明 漁港漁村課長 千 葉 信 明 出納長 橋 田 純 一 副出納長兼出納局長 仙 石 夫 出納課長 山 口 喜 弘 監査委員 一 戸 克 夫 監査委員 及 川 桂 子 監査委員事務局長 藤 沢 政 則 総務課長 水 本 紘 一 監査課長 三 上 佑 子 財政課長 菊 池 秀 一 〇千葉伝委員長 これより本日の会議を開きます。 昨日、当委員会において佐藤正春委員から牛海綿状脳症の問題についての議事進行の発言がありましたことについて、昨日、委員会終了後、世話人会を開き、協議いたしましたので、その結果を御報告いたします。 当委員会は、12年度決算の審査であるということを念頭に置いていただき、牛海綿状脳症の問題については、当該常任委員会において十分に御審議いただきたいとの結論に達しましたので、御了承願います。 これより議事に入ります。 認定第1号から認定第12号まで、決算12件を一括議題といたします。 本日は、農林水産部関係を終わるよう進行したいと思いますので、御協力をお願いします。 なお、世話人会の申し合わせにより、平成12年度決算の審査であるので当該年度に関する質疑とされたいこと、質疑項目が複数ある場合、関連する事項についてはできるだけまとめて質疑されたいこと、所属する委員会の部局審査では、当該委員の発言はできるだけ遠慮願いたいこと、各委員の発言機会を保証するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう願いたいこと、また、質疑及び答弁については簡潔明瞭に行い、午後5時をめどに審査が終了するよう議事進行に御協力をお願いします。 農林水産部長に農林水産部関係の説明を求めます。 〇佐藤農林水産部長 平成12年度の農林水産部関係の決算につきまして御説明申し上げます。 決算の内容に入ります前に、平成12年度における農林水産業の概要と施策の推進状況について申し上げます。 本県の農林水産業は、地域経済の基盤をなし、食品など関連産業への波及効果の高い基幹産業であり、また、県土の保全などの多面的機能を有するなど、本県の経済、社会の発展と県民生活の安定に極めて重要な役割を果たしております。しかしながら、近年の農林水産業を取り巻く情勢は、従事者の減少や高齢化の進行、担い手の不足、輸入農林水産物の増大による価格の低迷など、一層の厳しさを増している状況にあります。 農林水産部といたしましては、こうしたさまざまな課題に対処し、農林水産業の振興を図るため、農・林・水の各基本計画に掲げる目標の達成に向けて、地域の意向を十分に踏まえながら、農林水産施策の推進に努めてきたところであります。 次に、平成12年度における農林水産業の特徴的な事項につきまして申し上げます。 農業関係では、米が作況指数106の良となり、一等米比率は全国第2位となったほか、県南ひとめぼれが7年連続で全国食味ランキング特Aに評価され、県産米の食味評価が盤石なものとなりました。しかしながら、12年産米の作柄や米の需要と価格動向などから、緊急総合米対策により、米生産調整面積の追加配分が行われたところであります。 また、園芸では、価格の低迷により販売額が前年を下回りましたが、その中でキャベツは、いわて春みどりの作付1、000ヘクタールの目標をほぼ達成したところであります。 畜産では、肉質にすぐれた黒毛和種の県産種雄牛糸晴清など4種雄牛を新たに造成し、また、家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律に基づく県計画を策定し、処理施設の本格的な整備に取り組んだところであります。 また、平成12年度から新たに農業生産条件の不利な地域の耕作放棄地の発生を防止し、多面的機能を確保する観点から中山間地域等直接支払制度が導入され、対象農用地面積の82%に当たる1万6、386ヘクタールで取り組まれたところであります。 林業では、県土と県民を守る森林の適正な整備を図るため、岩手県緊急間伐5カ年計画を策定し、緊急間伐団地の設定や高齢級間伐対策の強化などにより重点的かつ計画的な間伐の推進を図るとともに、組織的な間伐材の利用促進など総合的な間伐推進体制の整備を図ったところであります。 また、児童生徒に木のよさや森林・林業に対する理解を深めてもらうため、小・中学校への木製食器の導入、公共施設等への県産材の利用、県産材を活用した高性能住宅の提供に向けたいわて夢住宅推進基本構想の策定、木材利用、間伐促進キャラバンの実施などにより、県産材の利用促進に積極的に取り組んできたところであります。 水産業では、つくり育てる漁業の推進のため、ヒラメ、マツカワの種苗生産施設、中間育成施設の整備により、あわせて120万尾の生産体制が成立したところであります。 また、本県の主要魚種である秋サケは2年続きの不漁でありましたが、不漁要因の究明やふ化放流体制の強化、さらにはアワビ、ウニ等の放流事業の充実強化に取り組んだほか、産地市場の衛生管理体制の強化などにより、県民への安全な水産物の供給体制の整備に努めたところであります。 それでは、決算の内容につきまして御説明申し上げます。 まず、一般会計についてでありますが、お手元の平成12年度岩手県歳入歳出決算書の14ページをお開き願います。農林水産部関係の予算規模は、6款農林水産業費の1、896億5、531万円余、16ページの11款災害復旧費1項農林水産施設災害復旧費の47億3、078万円余をあわせまして、総額が1、943億8、610万円余であります。これに対する支出済額は、農林水産業費1、617億1、181万円余及び災害復旧費43億5、630万円余の、あわせまして1、660億6、812万円余となっております。また、平成13年度への繰越額は、6款農林水産業費及び11款災害復旧費1項農林水産施設災害復旧費をあわせ、繰越明許費62事業及び事故繰り越し4事業で281億3、486万円余であります。これは、工法等の検討、計画調整、用地取得等に不測の日数を要したことなどから、繰り越しを余儀なくされたものであります。この結果、予算現額に対する支出済額の割合は85.4%となるものであります。また、県の一般会計決算額に占める農林水産部の割合は17.6%となるものであります。 以下、個々の内容につきましては、便宜、平成12年度の歳入歳出決算事項別明細書によりまして御説明申し上げます。 なお、金額の読み上げは省略させていただきまして、主な事業を中心に御説明申し上げますので、あらかじめ御了承願います。 歳入歳出決算事項別明細書178ページをお開き願います。6款農林水産業費1項農業費1目農業総務費についてでありますが、管理運営費は、農政関係職員の人件費などに要した経費であり、国土調査事業費は、地籍調査等に要した経費について助成したものであります。次に、180ページをお開き願います。2目農業金融対策費の主なものでありますが、農業近代化資金融通対策費、農家負担軽減支援特別資金利子補給は、農業者等の資本装備の高度化による農業経営の近代化を図るため、農協などが貸し付けた制度資金に対する利子の補給を行ったものであります。次に、3目農業構造改善対策費の主なものでありますが、地域農業基盤確立農業構造改善事業費は、農業・農村の活性化、望ましい農業経営体を育成するため、土地基盤整備、近代化施設整備あるいは集落の環境条件の改善等に要した経費について助成したものであります。経営構造対策事業費は、認定農業者の育成や新規就農の積極的な推進等を図るため、生産・流通・加工等の施設の整備に要した経費について助成したものであります。 なお、繰越明許費の1億131万円余は、地域農業基盤確立農業構造改善事業費等について、工法の検討や計画調整に不測の日数を要したことから、年度内の完成が困難となり、翌年度に繰り越したものであります。 以下、同様の事情によります事業繰り越しが関係する目にございますが、その説明は省力させていただきますので、御了承願います。 182ページをお開き願います。4目農業改良普及費は、12カ所の農業改良普及センターの管理運営に要した経費、県立農業大学校の施設整備に要した経費であります。次に、5目農業振興費の主なものは、山村等振興対策事業費は、定住環境の整備、都市との交流促進対策等に要した経費について助成したものであります。185ページをお開き願います。新いわて農業再編総合対策事業費は、収益性が高く、地域ごとに特色ある農業への再編を促進するため、土地基盤、共同利用施設等、生産から流通に至る各種の条件整備に要した経費について助成したものであります。中山間地域等直接支払事業費は、生産条件の不利な中山間地域において、農業生産活動を行う農業者等に対する交付金の直接支払いに要した経費であります。次に、6目農作物対策費の主なものについてでありますが、いわて純情米生産体制強化総合推進対策事業費は、生産コストの低減のため、生産性の高い営農システムの確立を図るため、その推進指導や共同利用施設の整備などに要した経費について助成したものであります。水田農業経営確立対策費は、米の計画生産と水田における麦、大豆、飼料作物などの生産による収益性の高い安定経営の確立のため、その推進活動等に要した経費について助成したものであります。次に、中央卸売市場整備事業費補助は、盛岡市中央卸売市場の移転新設整備に要したその経費について助成したものであります。次に、7目畑作振興費の主なものについてでありますが、農業生産総合対策事業費は、高品質の麦、大豆を安定生産できる主産地を形成するため、実証圃の設置、集団営農用機械の整備導入などに要した経費について助成したものであります。次に、187ページをお開き願います。高品質果実生産体制整備事業費は、本県産リンゴ等の銘柄確保のため、低コストで省力化が図られる矮化栽培の促進と生産、集出荷に係る施設、機械の整備等に要した経費について助成したものであります。次に、青果物等価格安定対策事業費補助は、産地から市場に出荷した青果物等の価格が著しく低下した場合に、農家経営の安定、青果物の生産及び出荷の安定を図るために交付する生産者補給金の財源に対して助成したものであります。次に、8目北上奥羽山系開発費の主なものについてでありますが、広域農業開発事業償還金は、農用地整備公団が事業主体となって実施いたしました北上山系8 次に、2項畜産業費1目畜産総務費の主なものについて御説明申し上げます。管理運営費は、畜産関係職員の人件費など管理運営に要した経費であります。畜産団体育成対策費は、岩手県肉牛生産公社に対して、経営の円滑化を図るため、無利子資金の貸し付け及び長期借入金への利子補給補助を行ったものであります。次に、2目畜産振興費の主なものについてでありますが、畜産振興総合対策事業費は、生産コストの低減、高品質牛の生産等による経営の安定・高度化を図り、子牛や肥育牛の生産拡大を推進するため、畜舎の整備、機械等の整備、自給飼料の生産促進、肉用牛資源の維持拡大等に要した経費について助成したものであります。家畜改良増殖対策事業費は、肉質、肉量の高い能力を備えた県産優良種雄牛の作出による黒毛和種の産肉能力等の向上、新たなランドレース種の優良系統豚の造成などに要した経費であります。次に、195ページをお開き願います。家畜畜産物価格安定対策事業費は、肉用子牛等の価格低落時に生産者補給金を交付するための生産者積立金に対して助成したものであります。食肉処理施設等再編整備事業費補助は、と畜場法施行規則の一部改正による食肉の衛生基準の強化に伴う屠畜・解体処理施設の整備に要する経費について助成したものであります。次に、3目草地対策費は、畜産関係の公共事業がその主なものであります。このうち、県営畜産経営環境整備事業費は、総合的な畜産経営のための環境整備を図るため、畜産の生産基盤、家畜排せつ物の処理施設等の整備に要した経費であります。次に、4目家畜保健衛生費は、家畜保健衛生所の管理運営、家畜の衛生対策、伝染病予防対策に要した経費並びに盛岡及び水沢の家畜保健衛生所の新庁舎の整備に要した経費であります。次に、196ページの5目農業研究センター費及び198ページの6目牧野費は、それぞれ岩手県の農業研究センター畜産研究所、種山牧野事務所の管理運営あるいは試験研究等に要した経費であります。 次に、3項農地費1目農地総務費は、農地関係職員の人件費などに要した経費であります。次に、2目土地改良費の主なものについてでありますが、かんがい排水事業費は、9地区のかんがい排水施設の整備に要した経費であり、農道整備事業費は、広域農道9地区及び一般農道24地区の整備に要した経費であります。ほ場整備事業費は、農地等の区画形質の改善を中心に、農道、用排水路等を総合的に整備するとともに、農地の利用集積による農作業の効率化等を図るため、55地区の整備に要した経費であります。201ページをお開き願います。土地改良総合整備事業費は、用排水施設、農道、暗渠排水等の各種事業をあわせ、圃場条件を総合的に整備し、農地の高度利用を図るため、19地区の整備に要した経費であります。中山間地域総合整備事業費は、中山間地域の持つ多面的機能を生かした農業の確立と農村地域の活性化を図り、定住化や国土保全に資するため、生産・生活環境の整備を推進するため、31地区の整備に要した経費の助成に要した経費であります。農村総合整備事業費は、農業及び農村の健全な発展を図り、農業生産基盤整備、生産環境整備を総合的、計画的に推進するため、35地区で実施する団体営事業への助成に要した経費であります。農業集落排水事業費は、農業集落におけるし尿、雑排水等を処理する施設整備のため、30地区で実施する団体営事業へ助成したものであります。ふるさと農道緊急整備事業費は、過疎・高齢化の進展によりまして活性化が急務な地域におきまして、営農及び農産物物流の改善、集落間交流の促進など農山村の生活環境改善のため、39地区で実施した事業に要した経費であります。次に、3目農地防災事業費の主なものについてでありますが、防災ダム事業費は、安代町根石地区及び金ケ崎町の千貫石地区の整備に要した経費であります。ため池等整備事業費は、老朽化した施設の改修等9地区、用排水施設整備13地区、土砂崩壊防止7地区、頭首工改修2地区の整備に要した経費であります。海岸保全施設整備事業費は、海岸の背後地の農地を高潮などから保全するため、海岸堤防の新設あるいは改良2地区の整備に要した経費であります。次に、202ページをお開き願います。4目開墾建設事業費の主なものについてでありますが、農地開発事業費は、優良農地の確保と安定的農業用水の供給により、農業経営の安定及び農村の総合 以上で農業費関係を終わりまして、次に、林業費関係について御説明申し上げます。 204ページをお開き願います。4項林業費1目林業総務費の主なものについてであります。管理運営費は、林業関係職員の人件費などに要した経費であります。県有林事業特別会計繰出金は、県有林事業関係職員の人件費及び公有林造林資金償還金に充てる経費を繰り出したものであります。次に、206ページをお開き願います。2目林業構造改善対策費は、林業生産の増大及び生産性の向上を図るため、8地区において林道、木材加工施設等の整備を実施した市町村等への助成に要した経費であります。3目林業振興指導費の主なものについてでありますが、森林計画樹立事業費は、北上川上流森林計画区を対象とする地域森林計画の樹立などに要した経費であります。木材産業振興対策事業費は、木材産業の健全な発展を図るため、木材製造業者等に対する経営安定資金の貸し付けなどに要した経費であります。県産材需要拡大対策事業費は、県産材を利用した住宅の取得者に対する助成、岩手県木材協同組合連合会に対する乾燥材の安定供給促進資金の貸し付けなどに要した経費であります。特用林産振興対策事業費は、シイタケ生産施設等の整備に対する助成、岩手健康しいたけモッコリくん流通促進資金の貸し付けなどに要した経費であります。209ページをお開き願います。林業普及指導事業費は、普及指導職員の人件費、活動費など林業技術の普及指導に要した経費であります。森林組合育成強化対策事業費、林業振興資金貸付金は、岩手県森林組合連合会に対しまして、森林組合の財務改善、合併促進に必要な資金、森林組合が行う林産事業等に必要な資金をそれぞれ貸し付けたものであります。水土保全森林緊急間伐対策事業費は、間伐の緊急かつ重点的な実施を図るため、間伐、作業道開設等を実施した市町村に対する助成などに要した経費であります。岩手県林業公社事業資金貸付金は、森林資源の育成を図るため、同公社に対し、分収造林事業に必要な資金を貸し付けたものであります。次に、4目森林病害虫等防除費は、森林資源の保護育成を図るため、松くい虫被害木の駆除等を実施した市町村に対する助成などに要した経費であります。次に、5目造林費についてでありますが、造林事業費は、森林資源の充実及び森林の公益的機能の維持増進を図るため、市町村、森林組合等が実施した人工造林、除間伐等に対する助成などに要した経費であります。次に、210ページをお開き 以上で林業費関係を終わりまして、次に、水産業費関係につきまして御説明申し上げます。 214ページをお開き願います。5項水産業費1目水産業総務費は、水産業関係職員の人件費、水産科学館の管理運営などに要した経費であります。次に、2目漁業構造改善対策費の主なものについてでありますが、沿岸漁場整備開発事業費は、水産資源の維持増大を図るため、地先型増殖場6カ所及び広域型増殖場1カ所の造成、大型魚礁14カ所の設置などに要した経費であります。217ページをお開き願います。沿岸漁業漁村振興構造改善事業費は、沿岸漁業の振興及び経営の近代化を図るため、漁業近代化施設の整備等を実施した漁業協同組合に対する助成などに要した経費であります。次に、3目水産業振興費の主なものについてでありますが、水産業改良普及費は、改良普及員の人件費、活動費など、沿岸漁業に関する技術、知識の普及教育に要した経費であります。水産物流通加工振興対策費は、水産加工業の経営の近代化を図るため、財団法人いわて産業振興センターが水産加工設備貸与譲渡事業を低利で実施しておりますが、その事業資金の貸し付けに要した経費であります。次に、219ページをお開き願います。さけ・ます増殖費は、サケ・マス資源の維持、安定を図るため、河川に放流する稚魚の買い上げなどに要した経費であります。魚類栽培推進事業費は、ヒラメ、マツカワの栽培漁業を推進するための種苗生産施設の整備などに要した経費であります。社団法人岩手県栽培漁業協会育成事業費は、同協会の円滑な運営を図るため、アワビ、ウニの種苗生産事業に係る運転資金の貸し付け、マツカワ、アユの種苗生産業務の委託などに要した経費であります。次に、4目水産業協同組合指導費についてでありますが、漁業協同組合信用事業統合促進資金貸付金は、漁業系統団体が推進する信用事業統合の促進を図るため、漁業協同組合の統合に要する長期資金を低利で借り受けできるよう、岩手県信用漁業協同組合連合会に対し無利子で資金を貸し付けたものであります。次に、5目漁業調整委員会費及び220ページの6目漁業調整費は、海区漁業調整委員会の運営、漁業調整などに要した経費であります。次に、7目漁業取締費は、漁業取締事務所の管理運営、漁業取締船の運航などに要した経費であります。次に、8目水産技術センター費、222ページの9目内水面水産技術センター費は、それぞれのセンターの管理運営、試験研究などに要した経費であります。次に、224ペ 以上で水産業費関係の説明を終わらせていただきます。 大きく飛びまして、294ページをお開き願います。11款災害復旧費1項農林水産施設災害復旧費1目農地及び農業用施設災害復旧費は、現年災169地区、過年災183地区の復旧に要した経費について助成したものであります。296ページをお開き願います。2目林道災害復旧費は、現年災12路線、過年災13路線の復旧に要した経費であります。3目治山災害復旧費は、現年災1地区の復旧に要した経費であります。次に、5目漁港災害復旧費は、現年災1地区の漁港施設等の復旧に要した経費であります。 以上が一般会計の歳出決算についてであります。 次に、特別会計について御説明いたします。 322ページをお開き願います。農業改良資金特別会計についてでありますが、予算現額は、歳入歳出それぞれ10億9、707万円余であります。 まず、歳入についてでありますが、収入済額合計は11億97万円余でありまして、その主なものは、一般会計からの繰入金、前年度からの繰越金、諸収入は貸付金に係る償還金等であります。 次に、歳出についてでありますが、支出済額合計は9億4、148万円余であります。その主なものは、農業改良資金及び就農支援資金の貸し付けのほか、この事務の推進に要した経費等であります。 次に、326ページをお開き願います。県有林事業特別会計についてでありますが、予算現額は、歳入歳出それぞれ59億1、709万円余であります。 まず、歳入についてでありますが、収入済額合計は51億103万円余であります。その主なものは、一般会計からの繰入金、基金からの繰入金及び県債であります。 次に、328ページから335ページの歳出についてでありますが、支出済額合計は50億2、782万円余であります。その主なものは、公有林造林資金の元利償還、95ヘクタールの新植、9、146ヘクタールの保育などに要した経費であります。 また、繰越明許費8億5、722万円余につきましては、計画調整等に不測の日数を要したため、翌年度への繰り越しを余儀なくされたものであります。 次に、336ページをお開き願います。林業改善資金特別会計についてでありますが、予算現額は、歳入歳出それぞれ22億4、359万円余であります。 まず、歳入についてでありますが、収入済額合計は22億5、021万円余であります。その主なものは、貸付金の元利償還金、繰越金であります。 次に、338ページの歳出についてでありますが、支出済額合計は11億3、580万円余であります。その主なものは、林業改善資金貸付金及び木材産業等高度化推進資金貸付金であります。 次に、342ページをお開き願います。沿岸漁業改善資金特別会計についてでありますが、予算現額は、歳入歳出それぞれ6億5、155万円余であります。 まず、歳入についてでありますが、収入済額の合計は6億5、557万円余であります。その主なものは、繰越金、貸付金償還金収入であります。 歳出についてでありますが、支出済額の合計は1億2、433万円余であります。その主なものは、経営等改善資金貸付金であります。 以上をもって農林水産部所管に係る平成12年度決算についての説明を終わらせていただきます。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。 〇千葉伝委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。 〇佐々木俊夫委員 今の部長の説明を聞いて、質問するのも遠慮しなければいけないなと。文武両道でないと部長は務まりませんよ。 御苦労さんだからお茶をと言おうと思ったら、お茶が出ていないんですね。私どもには出ているんだけれども、何で執行部の方にお茶は出ないんですか。昔は──昔と言うと年寄りになるんですけれども──、何年か前までは3時になるとお茶菓子も出たんですよ。これは記者席にも出たし全部に出たものなんです。ところが、冗費節約とかということでやめたんですね。当時は県内の各地区の農産物も出ましたし、さまざまなものが出て、そして最後は、牛乳が出ないのはけしからぬといって牛乳まで出た時代もあるんです。ところが、今見たところお茶すらも出さないで、これはちょっと手落ちではないでしょうか。まだまだ午後も続くんですし、本当は最初に言えばよかったんです。もうあしたしかないんですけれども、これからは執行部にもお茶を出して、私ども気の毒でお茶も飲めなくなりますよ、これでは。出してください。(「県内で生産されたものを出せばいいんだね」と呼ぶものあり)そうです、賛成。 ところで、またBSE関連であります。またと言えばなんですけれども、私は、本会議でも、きのうも取り上げました。もうやめようかなと思っておりましたが、けさ起きてみて、どうも納得できないと思いまして、無通告で大変失礼ですけれども、賢明なる部長に質問させていただきたいと思いますので、どうぞきょうは部長、ひとつ本音で答弁していただきたい。 私は思うのでありますけれども、県政というものは県民のためにあるものだと思います。でありますから、県は一回決めたことだから、県民のためにならないとわかっておりながらも、メンツだとか権威にかかわるから変えられないという態度は一番悪いと思う。やっぱり県民のために即刻改める必要があると思うならば直ちに改めるべきだと。賢明なる佐藤部長は、そういう信念を持って従来から仕事をやってこられた方であることを私は百も承知しております。(「それはどうかな」と呼ぶ者あり)それはやじです、私は心で思っておりますから。 そこで具体的に申し上げますけれども、BSEの検査結果の公表の仕方なんです。こだわるようですけれども、岩手方式、それも一つの方式でしょう。方式ですから、それはそれなりの意味があると思うんですけれども、実際にちょっとうまくないというときは、やっぱり潔くこれを改めるにはばかってはいけないと、こう思います。 私がなぜそういうことを言うかといいますと、岩手県の牛の安全性を早く知らせるために県民にその経過を知らせると、こう言っているんですけれども、急がば回れということもあるんですよ。余り急いで悪い結果になる場合も多々あり得るのではないか。なぜならば、県で発表するというのは紫波の屠場での検査結果だけなんですよ。岩手県の牛が100%あそこに行くわけないですよ。東京に行くのもあれば、青森にも現実に出ています。そして、この間、御承知のように、青森県の屠場で岩手の牛が疑陽性になりましたね。ところが、青森県は二次発表組ですから発表しません。しかし、岩手の牛がそうなったんだということであれば、紫波の分を発表すると言っている岩手県はなぜそれを発表しないのか。岩手の牛ですよ。片手落ちじゃありませんか。 仮に、私と隣の家のだれかが、私は紫波に出しました、片方は十和田に出しました。たまたまどっちも疑陽性だと。もしもそうなった場合、私のは発表になりますね。そうしますと、賢明なるマスコミの方々は直ちに私のところに取材に来ます。あなたはどこからこの牛を買いましたか、何を食べさせましたか。次の日は新聞にどっと佐々木俊夫の牛がこうだと出ます。隣の家は同じ疑陽性でありながら出ませんよ。次の日、あれは間違いでしたと今度は小さく出ます。そういう事態が出たら、果たしてこれで公平なる岩手の農政なんだろうかと。 もっと逆に考えれば、そんなうるさい岩手には出荷しない方がいいよと。秋田だとか青森あるいは東京は二次組だから疑陽性段階で発表にならない。確定したらこれはしようがないですよ。確定なら堂々と発表されて結構な話なんですが、そんなあやふやな岩手に出さない方がいいよということになると、今度はそっちの方の経営問題、あるいは岩手の生産者が岩手に出荷しない。農協系統の問題からいろいろな面に絡んでいくようなものを何でこだわるんだろうかと。まず、この点について、岩手の農政を預かる部長といたしましてはどう判断をされますか。 もう一つは、これは皆さんも新聞でごらんになったと思いますけれども、農林大臣発言に絡みますけれども、ヨーロッパの例からして、日本でも今後もBSEは出るだろうと。これはもう学者は言っていますよね、まだまだ出ると。だから、出てもいいような対策をとるのが本当であってということで、恐らく農林大臣もその流れの中での発言だと思いますけれども、まだまだ日本には出るでしょうと。そのために高齢の乳牛は食用にしない、食べ物にしない方がいいんだと、こういう発言をされましたね。そうしますと、聞きますところ、毎年岩手県からそれに該当するのが七、八千頭あるそうですけれども、もしそうなったら、酪農家は大変なことになりますね。経営が成り立ちません。牛乳が出なくなれば廃棄処分ですから、そんな経営なんていうのはあり得ないわけですので、もしそういう事態が出た場合、どうなるんでしょうか。これは農林大臣の発言だからとは言えないんです。やっぱり権威があると思うので、当然農政部、岩手県でもそのことについては深刻に受けとめて何らかの考えをお持ちであろうと思うんですが、いかがなものでしょうか。 〇佐藤農林水産部長 ただいまのBSEに対する検査の公表についてですが、一次検査の結果、陰性となるか陽性となるか。これがもし陽性となれば疑陽性ということで発表されるということですが、このときの一次検査はエライザ法という方法によりまして、このエライザ法は、感度が高く、精度がかなりいいということで、いわば疑陽性が出やすいということが巷間言われているわけでありますし、また、そういうふうに私どもも受けとめて、出る確率は結構高いのかなと思ってはおります。しかし、これまで10月18日以降、私どもの方で検査をし、そして、その結果は翌日の朝にすべて発表いたしておりますけれども、シロ、つまり陰性であるということを発表させていただいている。これは、マスコミを通じて、あるいはホームページを通じて、生産者の皆さんにも、それから消費者の皆さんにも、県民のすべての皆さんにお知らせする仕組みを行っているわけです。つまり、きのうやった解体処理の結果、検査をしたところ、すべて安全な牛として合格しましたということを直ちに報告するということになるわけです。 ただ、確かに検査の方法によって、エライザ法という方法もありまして、そこで陽性となった牛についてももちろん発表するということになるわけです。そして、それが二次の検査に回る。二次の検査の結果について、本当の意味のシロかクロかを発表する。したがいまして、疑陽性は決してBSEに罹患した牛でも何でもない。ここで吟味してもう一度確認しますよという意味の検査になるわけであります。 私どもの方の一次、二次の検査でありますが、まず、私どもが考えているのは、一次の検査を受けるということは、BSEに罹患しているかどうかチェックするため、確実に安全な牛肉を流通に回すためにということで、いわば一つの関門として設けた。それが一次、二次と分けられておりますが、これはいわば検査システムを精査するために分けただけでありまして、検査は変わりがない。そのほか、安全対策とか、あるいは、今後新たにBSEが出ないようにするためのいろいろな対策を私ども練っておりまして、この結果は検査にも反映されなければなりませんし、安全な牛肉流通にも結びつけなければならないということで、その安全性というものは、生産者もあれば検査する側もあれば消費する側もあるということで、まず一つには、生産者側が安んじて出荷できるようにする。これは堂々と、今まで一生懸命やって育ててきておりますから、恐る恐るではなくてじゃんじゃん出してくれと。しかし、検査でいいかどうか、それはしっかりやりますから、その結果を直ちに伝えますから、まず、安心してやってくださいと。かかった場合には何かどこかに落ち度がある。例えば飼料、与えているえさに間違いがあるんじゃないかとか、日常の飼養管理をもう一遍点検するということで、そこは直ちに生産者に知らせるということで、生産者の皆さんにもやるし、その結果につきましては、逆に言えば対策に対する信頼でありますから、消費者の皆さんにも伝える。そうすれば、今、県がとっている取り組みに対する理解を深めさせることによってこれが信頼につながる。これは決して消費者の皆さんだけではなくて、生産者自身が、生産者は消費者のニーズに即した形で生産しなければなりませんから、消費者抜きには生産者は今は考えられないということになりますと、生産者も消費者もこの難問を、あるいは食の安全に対する理解をどうやってお互い共通の認識にしようかということはみんなおのずと持っているわけですから、ここは、そういう接点となる我々検査を預かっている行政とすれば、正しい情報を流して、そしてそれを共通の認識にして、お互い大丈夫だと。万が一──エライザ法においてもうちの県では万が一だと思いますが──疑陽性が出たとしても、そこはいろいろな形ではじかれるんであって、今までもそういう疑陽性の牛は大半シロであるわけですから、3日、4日であればそこは むしろ一次でシロだと──これからも恐らくそうだと思いますが、ほとんどが陰性でありますから──、それをいち早く消費者の皆さんに伝えた方がむしろ風評被害を防止したり、あるいは生産者に対しても自信につながるというような意識もありまして進めていると、こういうものでございます。 なかなか説明がうまくつきませんけれども、私どもの仕事の進め方は、県の計画の中で、これからの事務事業の進め方の第1の項目に、何か状況の変化によって、あるいは事情が違った場合には、それは恐れることなく改めましょうと、こういうことで来ましたので、誤りがあればもちろんそうですが、今の考えはそうですということでよろしくお願いいたします。 〇馬場畜産課長 乳牛の廃用牛対策でございますけれども、確かに3頭続けて5歳の廃用牛から感染牛が出たということで、なかなか市場の方では引き取ってくれないといいますか、受け入れてくれないという状況で、酪農家からすれば出しにくいという状況でございますし、また、一般の市場に出してもやはりかなりたたかれているという現状でございます。 二つの面があろうかと思います。いわゆる価格が安くなるという面と、それから、だんだん出口がなくなっていくといいますか、行き先がなくなるという二つの面で大変な状況ではないかと思っております。 まず、価格という面からしますと、実は乳牛は償却資産という扱いになっておりまして、全部毎年減価償却されているものでございますし、最後は処分損あるいは処分益という観点で処理されるということで、それですべて十分補てんされるということではないんですけれども、ある程度そういう面で見ていけるのかなと思うところがございます。 ただ、出口ということになりますと、これは岩手県単独で解決できることではないというのが正直な気持ちでございます。したがって、これは全国的な取り組みということになるのではないかと思います。私ども国の方からはまだ詳しく知らされておりませんので、あくまでも報道の範囲内でございますけれども、いずれ何らかの対策が必要だという報道は見ておりますし、ただ、そうは言いましても、廃用牛はこれまで国内の牛肉の自給量を高める貴重な資源であったわけでございます。したがって、そういうものも考慮する必要があると。一方でそういう役割もあるわけでございますから、そういった両面から考える必要があるのではないか。やはりここは国の方でしっかり考えていただき、また対策をというのが正直なところでございます。 〇佐々木俊夫委員 部長大分お疲れだろうと皆さん言っていました。そこで聞くのもなんですけれども、やっぱり歯切れが悪いんですよ。何ぼ同情して聞こうと思っても悪い。だって、そんなに岩手が正しいと言うなら、国も正させなさいよ。隣の県も岩手方式にさせなさいよ。そうしますと、それでいいんです、これは。どっちが正しいか私もわかりませんが、同じじゃないと、さっき申し上げましたように、片方は公表。それは公表しただけだといったって、1、000頭に1頭は出るだろうと最初からわかっている話ですから、必ず岩手にも出ますよ、そのうち。全国的には既に50頭ぐらい出ているだろうと言われていますね。でも、発表されてないから我々知らないですけれども、そういうことでございます。もう少しすっきりとやってわかりやすくお願いします。 それから、高齢牛は償却資産だからいいじゃないかという論法は、確かに理屈はそうなりますが、それは黒字経営している場合であって、償却もできないようなのが実態なのであって、それをただ捨て去るということになると、これは大変な経営だろうと思いますので、これはひとつ検討をお願いいたします。 それから、部が林業、水産に及んでいますので、申しわけないんですけれども、水産問題を一つ二つお願いします。 一つは、ワカメの問題であります。間もなく漁が始まりますので、漁場の漁業者は大変神経を使っていると思います。昨年も輸入によって大変な価格暴落ということで、いろいろ輸入制限してほしいということで、水産庁でも、では調査しましょうということになっておったと私は記憶しているのですが、その調査結果は一体どういうことになっているのだろうか。農産物の方は暫定措置をしたにもかかわらず、御承知のとおりです。何か撤回するような雲行きであります。 それからもう一つ、サケの問題であります。どうも最近動向が変でございまして、昨年も大不漁、ことしは出足がよかったのでありますけれども、どうも最近の様子は余りよく聞こえませんが、どのような実態で、その原因はどのようなものだと思っておられますか。昨年、または例年、過去平均に比べてどんな状況でありますか。 〇武井水産振興課長 まず、ワカメの調査──これはセーフガードに関する調査ということと思いますが──について御説明いたします。 まず、ワカメの輸入の状況でございますが、例えば平成13年の状況をちょっと御説明いたしますと、これは平成13年9月末の状況でございますが、塩蔵でもちまして2万トンの輸入が行われております。これは対前年で90%でございます。それから、乾燥で5、550トン、これは対前年で105%という形でございます。それで、昨年非常に国内生産をはるかに上回る量の輸入がなされたわけでございまして、そういう意味では昨年とほぼ同様の量の輸入がなされておるという状況でございます。こういう状況を踏まえまして、現在、政府におきましてセーフガードの調査が行われておるという状況でございます。さきほど申しましたとおり、ことしにおきましてもやはり非常にかなり高水準の輸入、昨年とほぼ同様のような輸入が行われておるということでございまして、国におきましては国内価格の低迷という状況も続いておりますので、引き続きセーフガードの監視対象といたしまして調査しておるという状況でございまして、県としても、国に対して必要な協力を行っておるという状況でございます。 続きましてサケの状況についてでございます。本県の秋サケ漁、平成11年、12年と2年続きの不漁でございました。ことし平成13年でございますが、まず10月末までは昨年を大きく上回る漁模様でございました。しかしながら、11月に入りまして漁獲の伸び悩みが見受けられまして、11月末現在の累計でございますが、尾数では対前年比106%の613万8、000尾、それから重量では対前年比110%の2万830トンということで、11月末現在で昨年を若干上回るという水準にございます。また、値段の方でございますが、11月末におきます秋サケの平均単価はキロ当たり288円でございます。これは昨年同期の67%ということでございまして、全体の漁獲金額が前年の74%の55億7、600万円という水準でございます。近年、非常にサケの時期別の漁獲状況も変化しておるという中で、今後どのような漁模様になるか、この見通しについてはなかなか正確に申し上げるのは非常に難しいという状況でございます。ただ、先ほど申し上げました11月末現在の漁模様、これをここ数年と比較いたしますと、最終的に全体で2万4、000トンとれました平成11年、12年、これよりは上回った水準でございます。片方で最終的に3万7、000トンとれました平成10年よりは下回っているという状況でございます。したがいまして、ことしの最終漁獲量としては2万4、000トンと3万7、000トンの間、3万トン弱程度ではないのかなと見込んでおるところでございます。 続きまして、片方で、現在サケ・マスにつきましては外国からの輸入が非常に多い状況でございます。平成12年の1年間で、サケ・マスの国内の生産量17万9、351トン、これを上回ります23万2、215トンが平成12年に輸入されてございます。それで、13年について見ますと、これは10月末までの量が手元にございますが、10月末までで既に22万7、890トンということで、昨年1年間とほぼ同程度の輸入がなされております。これを前年同期と比較いたしますと18%の増加ということでございます。特に量販店、スーパーマーケットなどで主力となりますギンザケとか、大西洋サケ・マスといったような養殖のサケ・マスがふえておるという状況でございます。それで、輸入物の単価でございますが、これは特に主力であります冷凍サケ・マスについて見ますと、昨年がおおむね500円前後でございましたが……。 〇千葉伝委員長 簡潔に答弁願います。 〇武井水産振興課長(続) ことしは400円前後ということで2割ほど減少しているということでございます。こういう形の中で量も若干ふえた程度、それから金額も低迷ということで、漁獲金額も大きく落ち込むのではないのかということが懸念されておりますので、関係者と一体となりまして、今後、ふ化放流事業などの生産体制、あるいは価格向上のための流通対策を講じてまいりたいと考えてございます。 〇佐々木俊夫委員 質問をできるだけ簡潔にやっていますので。 問題は、数量もよくないのに金額が67%というところが問題なんですよね。問題はそこなんで、この対策、その原因は輸入だという今のお話でございます。20数万トンも輸入ということですから、やっぱりこれも輸入にやられる問題になるわけであります。 それから、ワカメの件、引き続いて調査をされると、結構なんですが、輸入が結構減るんだろうという予想に対して、昨年よりふえてきているということは問題ですので、今後もひとつ調査をしていただきたい。 それから、もう一点、さっき言い忘れたんですが、来年水産庁では指定漁業の変更、書きかえになりますね。そのとき県からも申し入れをしていると、本会議でお聞きしまして大変心強く思ったのですが、その際ぜひお願いしたいと思いますのは、国で定めている操業水域、まき網漁業を岩手県の陸上にまで許可水域が入っているんですよ。おかの上まで。あれは戦後直後に決めたものらしいんですけれども、何で陸上まで許可する、だから沿岸漁業とぶつかり合っても何とも言えない。現にその場所は指定、具体的に申し上げますけれども、私の町に船越半島というのがあります。これの小根ケ崎というところが操業区域の中に入っているんだそうです。専門家が図面をちゃんと引いてみたら。これだけは最低でも許可から外してもらわないと、陸の上まで船が来て魚をとっていくのかと。こんなことが今の法制の中に通っているんだそうで、これだけは改めないと、これはちょっと岩手県といたしましても迂闊だったですよね、そういうものを農林大臣が許可していたということは。ほかの田んぼまで行ってとっていいですという許可、私、間違いですか。もしなければ、時間がないからやめますけれども、どうぞ後でよく調べて、そういうことがあれば最低でもそれぐらい除外するということは全部やり直しをしてほしいです。(「田んぼのフナでもとるのか」と呼ぶ者あり) 〇伊藤水産振興課漁業調整監 佐々木委員お尋ねのとおり、まき網漁業の線引きに関しましては、確かに山田町のところが御指摘のとおり陸域すれすれの状態になっています。それで、この件に関しましては、かなり前ですけれども水産庁に県として要望なんかしているんですけれども、これも引き続きやっぱりそういった形で是正するように要望は繰り返していきたいと考えております。 〇佐々木俊夫委員 やめようと思ったけれども間違っておったということになれば重大なんですよ。引き続きではなくて、わかったら、よその田んぼまで許可しておいて、ここでフナとっていくのかと言ってましたけれども、それはすぐ変えさせなければだめですよ、そんな法律ないですよ。以上です。終わります。 〇藤原良信委員 決算でございますので、決算の中身について当然お聞きしたいのですが、大きく分けて2点についてお伺いいたします。 1点は11目の漁港建設費でございます。その中で漁業集落排水、たびたびこの整備については取り上げてまいりまして、昨年の6月に私は一般質問で取り上げましたし、各先生方からもそれぞれ常にこれが話題として出ます。今度の決算ですが、平成12年度末で予算を計上してから、これについて漁業集落排水施設の整備率がどのくらいになりましたか、お示しをいただきたいと思います。 これをもととして岩手県が22年までで80%の生活排水対策をやるということで、これは基本的な方向づけをつくってございます。その中での一翼を担うのが漁業集落排水も一つでございます。よって、12年度末の決算でどのくらいの整備率になったのか。将来にわたって22年までの80%、これは全土、これは漁業集落排水だけではないんですけれども、農業集落排水あるいは合併浄化槽、下水道を含めてでこれは整備していくわけですけれども、この中の一翼を占める漁業集落排水ではどういう今後進め方をしようとするか。これ2点目。 それから、3点目といたしまして、これを進めていく上で、これは事業主体が市町村でございますので、起債との関係も出てまいります。よって、極めてこれを進めていくのが市町村財政の中で厳しいのは御案内のとおりでございますけれども、県では代行を平成13年度からスタートいたしました。これは国の理解をいただいてスタートしたんですけれども、国の財務省、総務省関係してくると思うのですけれども、代行制度に関係いたしまして、その代行の要件緩和ですね。これを求めていかなければならないと思うのですが、過疎地域等々でないと裏負担とれないから代行は認められない。そうすると沿岸沿いの市町村は過疎地域ばかりではないものですから、圧倒的にそうではない状況下が多いわけで、なかなか対象になる市町村がなくなっていく。よって、これは県としても総合的取り組みの中で全国的なオールジャパンの話といたしまして、代行の要件緩和を求めていかなければならないと思うのですね。この取組姿勢について、第1点として一括してこれをお聞きをいたします。よろしくお願いいたします。 〇船越農林水産部水産局長 漁業集落排水施設の整備についてお答えを申し上げたいと存じます。 漁業集落排水施設整備率のお尋ねでございますけれども、平成10年度、12年度末におきますその整備率は15%となっております。委員御指摘のとおり、漁業集落排水施設については整備がなかなか進まない状況にございまして、平成11年度では7%でございましたので、1年で8ポイント上がったということで、かなりの上昇率ではございますが、依然として12年度末で12%ということで、まだまだ一生懸命整備を進めていかなければならないという状況にございます。 そこで、平成22年度までに県全体で80%、うち漁業集落排水施設では63%に上げるという計画になっておりまして、しからばどういった手だてでやるのかということでございますが、ことし新たに各地方振興局ごとに地域汚水適正処理推進協議会というものを設けまして、これはいわゆるその地方振興局単位で広域的な連携を図りながら、効率的に進めるという体制をつくったわけでございます。こういったような体制づくりを今進めているということ。それから、もう一点は、この整備促進のためには市町村あるいは地域住民の方々の一致した協力が必要でございます。こういった機運の醸成を図ることも重要だということでございまして、本年8月に釜石市におきまして漁村リフレッシュフォーラムというものを開催いたしまして、地域における機運の醸成に努めてきたところでございます。 また、お話しのとおり市町村の財政が大変苦しいと、実際はこれは市町村事業でやっておりますので、幾ら旗を振っても財政が伴わないと進まないという状況にございます。こういった中でどういった県は支援をするのかというお尋ねでございますけれども、これまで起債の償還基金に対する補助をやってまいりました。これについては当然今後も続けてまいります。そしてまた、平成13年度からお話しの代行制度も創設したわけでございまして、今後もこれを十分に活用してまいりますが、御案内のとおり過疎市町村、しかも条件がかなり厳しいということでございますので、これにつきましては条件緩和について、ことしの統一要望でも要望しておりますが、今後とも強く国に条件緩和について働きかけてまいりたいと考えております。 〇藤原良信委員 ありがとうございます。この必要性についてはくどく申し上げるつもりはございませんので、みんな共通して認識を持っているわけでございます。沿岸沿いは内陸と比べまして環境条件が厳しいわけでございまして、生活排水対策というのはなかなか要件が厳しくて進捗率が厳しいということでございますので、これは統一した見解で、代行制度をせっかくこうしてつくっていただきましたので、要件緩和がこれは第一の大きなまずは目途となると思います。これに向けて議会とともに執行部も取り組んでいっていただきたいと思います。 それから、2点目でございます。これは3目の水産業振興費でございます。その中で、ただいまもお話しございましたが、水産物の振興でございますけれども、極めて厳しい環境になってきております。今話題になりましたワカメも一つでございまして、この中身についてはただいまお話しのようにセーフガード、これは必要でございますので、この点ではお答えありましたので、これは割愛させていただきます。 先般、私ども自由党県議団で中国にお邪魔をしてまいりまして、その報告を県議会でもさせていただきました。ワカメもそうでありますし、アワビも、現場を見ましたけれども、岩手県南部栽培漁業センターで栽培しているやり方と全く同じでございまして、日本の技術でアワビがどんどん生産されていく。それから、昆布も大規模な生産体系に入っている。日本の技術でございます。ワカメもそのとおりでございます。フグは養殖が大々的に行われておりまして、日本だけ買って生きたまま船に乗せて持ってくると、養殖するときにはもう買い人が決まっていると、そのくらい奪い合いである。安いからなんですね。そういう実態で、中国が御案内のようにITから、あるいは食まで構造的に生産体系に入る世界の生産地になるだろうと言われております。 その中で、このワカメが今話題になりましたので、ワカメについて例として題材として出させていただきますけれども、ワカメは実は岩手県が日本でナンバーワンの生産地なんですね。これは何度も申し上げておりました。実はこれは漁業者だけの問題ではございません。ちなみに平成11年、ワカメで56億円水揚げされております。これが13年度は21億円になりました。半分。これは私は地元の大船渡商工会議所でも話しているんですけれども、消費購買力の商店街の大きな減少になっております。御案内のように日本のGDPの6割は個人消費です。岩手県は農産物、林業、それから水産物の一級の1次産業の県なんですが、その中で今回は水産だけ取り上げさせていただきますけれども、その中の水産物でワカメを題材にさせていただきますけれども、ワカメだけではないんです。これが生産がだんだん減少していって、平成11年が56億円水揚げが岩手県あったんです。13年には21億円になっています。半分以下なんです。将来的には恐らくワカメの生産は生産する人がなくなるだろうと心配されております。今の状況が続きますと。これはどこに影響するかと言うと、一時的にはこれは現在の生産者なんですけれども、しかし回り回って商店街の経済の減退にも大きくつながっていきます。いろんなものに波及するんです。米がとれなくなると内陸では歯医者さんの数まで減ると言われているんです。1次産業というのは極めて大きいんです。そういう意味でこれらの対策を今から練っていかなければならないんですけれども、セーフガードが発令されたとしても4年間だけですから、その後は全く無防備になってしまう。ワカメだけではなくて水産物についてこれらをどう対応していくかと、生かしていくかということ、これはいろんな案を私どもも真剣になって考えなければならないんですけれども、どう考えていらっしゃいますか。そして、今度の12月のこの決算で12年度の水産業振興費でどのような活用のされ方をされたのでしょうか。それから、今後どういうふうにそれを踏まえて予算に来年度に向けて盛り込んでいこうとされておるのか、お示しをいただきたいと思います。 〇船越農林水産部水産局長 ワカメを中心といたします水産業の振興というお尋ねでございますが、ワカメの状況につきましては先ほど来、御質問あるいは回答を申し上げましたような状況でございますが、特に中国からの輸入増加の中でワカメの状況と申しますのは、いわゆる中国の安い労働力で生産されたものと、それから国内のそういった物価の違う中で生産されたものの違いということで、コストで勝負することはもうなかなかこれは大変だろうと思っております。現在のところでも価格差で4分の1とか5分の1とかという中国の安さでございますので、しかしながら我々の方としても、一つにはコストの削減というのは当然これは避けて通れないだろうと思っております。しかしながら、ただいま申し上げましたようにコストの削減だけではなかなか乗り切れないということで、水産業の全体のこれからの持って行き方をどうするかということでございますが、委員御指摘のとおり、当面はこのワカメが大体その先鞭を切るものかなと思っておりまして、そういった意味でワカメを例として申し上げたいと存じます。 そういった中では、これまでどうしても我々がとってきた施策は生産者視点と申しますか、やっぱり生産を上げることに主眼を置いてきた嫌いがあったのではないのかなという反省もございまして、今後どうしてもやはり消費者視点という観点から、生産面についても考えていかなければならないと考えております。こういったことから関係者一丸となって生産から流通、加工、販売に至るまでの一貫した生産コスト削減、そしてまた、消費者視点に立った製品づくりというものが大事だろうと考えております。 したがいまして、生産におきましては、協業化あるいは省力化によるコスト削減、それから岩手ワカメのセールスポイントと言われれる肉厚で風味豊かな、こういったものは地元種苗を主としたもので何とか対応できるのではないのかなと考えておりまして、そういった地元種苗を中心とした品質のいいワカメの生産。それから、加工につきましては、塩蔵あるいはカットワカメにかわる付加価値の高い加工品の開発がやっぱり急務でございまして、例えば季節限定あるいはその鮮度が要求される早取りワカメのような製品開発、こういったようなものがいわゆる地域のオリジナル性を出せる岩手ならではのものの加工品の開発ということが大事ではないのかなと考えております。 それから、販売におきましては、どうもやっぱりまだまだPRが足りないのではないか。例えば、積極的に、パンフレットとかそういったものだけではなくて、特にやっぱり食べていただくということで、試食を中心としたようなPRで岩手ワカメのよさを実際に体験していただくというような取り組みがもっと必要ではないかと考えております。そしてまた、これはイメージ的なものになるかもしれませんが、岩手の青い海あるいは青い空というふうな、自然豊かな印象をもっと都会の方々に認識していただく必要があるのではないか。こういったような消費者ニーズに立地したような生産あるいは加工、流通といったような取り組みを進めることが大事だろうと思っております。 〇藤原良信委員 提言を申し上げておきたいと思います。佐藤部長、これは今、1次産業の産品の中での水産の中でワカメを取り上げましたけれども、これは農産物も林産物もみんな一緒でございまして、シイタケもそのとおりでございまして3分の1でございますからどうにもならないんですけれども、これら等々含めましてどうやって1次産業の我が県が生きていくのか、あるいは生産者を今後とも続けさせていくのかということは大きなテーマなので、これはともに考えなければなりませんけれども、私は差別化だと思います。今お話しございましたように、ワカメも肉厚で厚いんです。溶かしてみてお湯に入れてしまいますと中国のものはぴらぴらぴらとなっている。こちらの方が厚いからしっかりしているんです。これらを含めて産地を明確化する。何でもそうですけれども店舗に並んでいますと、どういう経路で生産されたか、特に食はそうだと思います。日本の場合は安全でつくっていますので、そういうところが大きいんですけれども、シイタケもそうなんですけれども、肉厚で、さっきお話が出ましたね、天皇賞をとるようなモッコリくんなんか、とてもほかではつくれない。岩手県ならではの気候風土だからつくれるので、そういういいものを岩手県産だよと、こういうような地域でとれたんだと、そういう明確化をしていくということ、これをシールか何か張って制度化をしていくということを含めて差別化の作業をしていくということが、一つは私は大きなこれが材料になると思います。それで価格の差をつけていかなければならない。同じ価格では競争できませんから、ですからそういうこと等を含めて、ワカメだけを取り上げさせていただきましたけれども、ワカメは極めていい材料になるものですから、岩手県が──岩手県といいますか、日本のワカメの生産の中で75%が岩手県と宮城県で生産しておりますから、その中で宮城県の倍が岩手県である。私の地域の大船渡地区というのは今だと金額で約46%を生産しております。全体の岩手県の中で。ですから、これがなくなっていきますと、岩手県そのものもそうですけれども地域が大きく影響を受けていきます。そういうこと等を含めて今後よろしく次の予算体系に向けて頑張っていただきたいと思います。終わります。 〇千葉浩委員 185ページですが、私は水田農業確立対策費ということに関連しまして、米政策の見直しについてお聞きしてまいりたいと思います。 米政策の見直し問題でございますが、余りにも突飛に出てきた、突然出てきたということでございまして、生産者はもちろんでございますし、関係者からも一斉に異論、反論が多く出されてまいりました。改革の柱の部分と申しますか、そういうものについては先送りになったようでございますが、私は当然の施策だと思っております。しかし、農業の基幹でございます稲作──水田農業というものはこのままでいいのかという思いはだれもが私は持っていると思っております。この間テレビでもいろいろ米、野菜の構造改革について放映されたのでございまして、私も見ましたが、見た方も結構多いと思いますが、水田農業の問題点を私は鋭く指摘していたなとも思っております。したがいまして、この米問題につきましてまとめて3点ほど質問させていただきます。 まず、第1番は、今回のこの米政策の見直しについて、県としてどういう考えを持ったか、県の見解をまずお聞きをいたします。 2番目は、昨年の12月だったと思うのですが、農林水産常任委員会で私も質問していろいろ審議したわけですが、減反の緊急拡大というものは今年限りということで答弁があったわけでございますが、国は来年度も継続して実施するということでございますが、これは約束違反と私は思っているんです。1年限りという約束をほごにしたのは一体何なのか、どういう理由でこういうふうになったのか、その辺をお聞きいたします。 3点目でございます。今の水田農業対策でございますが、約束の平成16年度まで継続してほしいという農民の現場の方々の声を私は多く聞きます。県はこうした生産者の声をどう受けとめて、どう対応していくつもりなのか、このまず3点についてお願いをしたい。 〇佐藤農林水産部長 米政策の見直しについてでありますが、ただいまお話しありましたように、課題といいますか、今日抱える水田農業推進の上での課題ということは、ただいまお話しありましたように、今、改革を何らか検討しなければならない、そういう差し迫った時期にありますから、国が米政策の見直しを図ること自体については、何ら確かに異論ないわけでありますが、お話しありましたように時期が時期、今現在進めている制度そのものとどう整合するかという問題も解決しないままにやるのではないかということで、実は県といたしましても、その辺のところを提言という形で国に御要望申し上げまして、今回それを見送るという形になりました。ただ、お話し申し上げたとおり、今、水田農業を推進する、あるいは本県の水田農業確立のために揺るがせにできない課題というのが、もちろん構造改革であったり、あるいは担い手をどう育成するかということで、その視点というものは軌を一にするものがありますので、これは見守っていかなければならない。ただ、幸いにして時期がずれたということで、国におきましては今回の経緯等を踏まえて地域の実態なり、あるいは地域の実情を超え、これを十分に見直しに反映させたいということで、いろんな関係する団体等から、あるいは県、市町村も入りますけれども、そこから委員を募って、そしてそこでつぶさに検討するというようなことがございますから、それを推移を見ていきたい。私どもとしては引き続き機会があればどんどん現場の声、現場の実態、そういうものを訴えていきたいと考えております。 それから、お話しのありました緊急拡大等につきましては、担当の監の方から御説明申し上げます。 〇小瀬川水田農業推進監 減反の緊急拡大につきましてでございますが、本年度、生産調整面積が全国で4万7、000ヘクタール拡大されまして、都合101万ヘクタールで取り組んだわけでございます。国によりますとこの101万ヘクタールの生産調整によりまして、需給改善が進み、また米価も堅調に推移していると見ておりまして、ただ、これを14年度、元に戻しますと再び米余り状況が到来すると見ているようでございます。ただ、一方では、生産現場では生産調整のこれ以上の拡大はもはや困難と、限界感が非常に強いという意見があるということも承知しているようでございまして、そういったもろもろのことを踏まえつつ生産者団体と協議した結果、平成13年度と同様の101万ヘクタール規模の生産調整に取り組むことが適当であると判断したと伺っております。県といたしましては、この決定は非常に厳しいものと受けとめているところでございますけれども、米需給と米価の安定を図るためにはやむを得ない措置と考えておりまして、今後とも、稲作の減収分を補てんする観点に立って、収益性の高い水田農業の確立を一層推進してまいりたいと考えております。 次に、生産現場、今、生産者の声をどう受けとめて、どう対処しようとしているかということでございますけれども、先月、県内2カ所におきまして生産者との意見交換会を開いたわけでございますけれども、この中で、現行の対策が平成16年度まで続くことを前提にして、水田の集積とかあるいは設備投資を行ってきたという声とか、あるいは制度を急に変えられますと、せっかく築き上げてきた集落営農が崩壊するといった現場からの切実な意見をいただいております。こういった意見につきましては、直ちに東北農政局長に説明いたしまして、平成15年度もし改革をするのであれば、そういった検討に向けて反映させていただくように強く要望したところでございます。国は、新たに研究会を設置いたしまして、そういった現場の声を聞きながら今後進めると伺っておりますので、今後とも県といたしましてもこの研究会に積極的に参加して、現場の声を強く訴えてまいりたいと考えております。 〇千葉浩委員 減反問題、大変今まで長い間やってきたわけですから、岩手県は減反のこの目標達成率などというの、やっぱり大したものですよ。だから、これは皆さん農民の方々が本当に努力して協力してそしてやっていこうという形で岩手県はやってきたと思うんですよ。やっぱりそういう中でこういうものを1年で例えば約束したことをほごにしたり、そういう一介な転換をしていくなどというようなことを、根幹にかかわる問題ですから、集落営農にしましても、大豆にしても麦にしてもみんなやっているわけですから、そういうものを根幹から覆すような政策転換などというのは、やっていただくことは絶対困る。県として国にもっと強力にそういう現場の声というものを反映するような米政策をやっていただくように、ひとつお願いをしたいとも思いますし、米政策いろいろ大変だと思いますが、最後に部長、もう一回決意のほどをお聞きして終わります。 〇佐藤農林水産部長 先ほどから申し上げているとおり、まさに今回の国の見直しは見送りされたわけですが、いずれ将来を見据えて、しかも近々の将来を見据えてもう一度検討すると。ただ、そのときに国が言明していることは、地域の声をきちんと聞くということでありますし、と同時にそのことは地域の実情を踏まえてやる。そのかわりに県なり市町村なり、その地域地域の実情を訴えたことにも耳を傾けてくれるということを信じまして、今お話しありましたとおり、県内の実情等をつぶさに訴えて、そしてそれらが反映されるようやってまいりたいと考えております。 〇菊池勲委員 いや、そんな甘い話では僕は農業はやっていけないんだよな。私も朝3時半から起きて農業をしながらこのお仕事もさせてもらっている。たまたまきょう県庁に出勤する前にラジオで聞きながら走っておった。日本の農業政策は大型農家を育成しながら、兼業農家をつぶす政策ではないけれども政策はその方向に転換をしている。残念ながら今の農業情勢から、米価を踏まえて、大型農家こそ大変危機に陥っている。そして、兼業農家は年間所得が800数十万、そして大型農家が逆に100万円ぐらい下がっていると言うんだよ。それでは将来は農地を集積してやる意欲の若者がわいてこないだろうと、最後には日本農業の主食の米がだめになるだろうという、ラジオでやっておった。きょうは農政部の審査にいいネタをもらったと思った。先輩が先に質問したから関連しかなかったんだけれども、私も自分で農業をしていてこれではだめだなと。日本の農業はこれは当然守らなければいけない。協力しなければいかぬと思う。岩手の農業だけでは日本、我々農家はやっていけないと思うから、県の農林水産部は、あなたが第一、環境を重要視しながら全面積を作付すれば、有機米を超えた形のもの、無農薬栽培というのがあるんですね。そういうのをやっているの私の近所にもいっぱいいるわけだ。これは大変な努力だけれども、スタートから3年か5年たつと定着するんだそうだ。本当は8年だと言うけれども、私は8年というのは難しいと、石の上にも3年という言葉があるから、3年なら取り組む気があるんだけれども、8年たたなければできないと言うから私も手を出しておらぬけれども、例えば県の農政としては全面積を、これでは絶対に荒れてしまうんだ。私は前から3割は減反だ。私も改良区の委員長やっているけれども開田地帯はほとんど減反だ。だけど安樂さんに頼んで今圃場整備、国営の2期工事をまたやろうとして努力して、約200数十億を金かけようとね……。 〇千葉伝委員長 菊池勲委員、関連ですので簡潔に質問をお願いします。 〇菊池勲委員(続) そんなものですから、そういう状態で金を投じるんだけれども現況の農政はこれだけですよ。あなたのところでこれからもう一つ別な質問で通告しているから後でやるけれども、けさの新聞にもこんなことが上がっている。今回のケースは52億円のもあるから後でこれは質問する。今関連ですからこれは別にやるけれども、私はそういう転換を岩手の農政として、国の農政に全く離れたことはできないかもしれないけれども、岩手農政としては転換の手法を考えないと、これはいつもこの議論が出るんです。農林水産部長、ベテランのあなたはこれはどう考えるか。 〇佐藤農林水産部長 これからの農業、稲作経営といいますか、水田を中心としたその農業経営を考えたときなんですが、今お話しあったように、これからのそれぞれの、集落、地域、それを核としたといいますか、その地域農政を進める上でその中に中核的な、だれが担い手になるか。ですから、例えば後継者の問題であるとか、あるいは確かになかなか進まない農地の利用集積、これらをどうやってやっていくか、なかなか課題はたくさんあるわけですが、方向としては、たまたま国の目指す方向、これと大体並行して県の計画もつくられておりますけれども、その中の目指す方向としては、まず一つの地域ぐるみの農業をやろうと、その地域ぐるみの農業を推進するについては、もちろん大規模な経営体もあれば、あるいは副業的な形で進めている人もさまざまありますけれども、まず地域地域の、集落集落でそれを単位にして見た場合に、これを守っていくにはまず中核的な担い手の農家がいて、それと一種の共同体的に進めていくんだという形のものを推進したいということでやっておりますけれども、今お話しあったとおり、それに向けて簡単に進まないといいますか、横たわる課題というのはたくさんありますから、これをどういうふうにして並行して解決しながら持っていくかということで、ただ、本県の場合水田だけではない、水田と離れた形の中山間地域もたくさんありますし、これらもどういうふうにするか、一体的、総合的な農政というのが今強く求められているということで、我々としましては永続してといいますか、確かに自給率の問題とか、あるいは主食である米をどうやって守るかという問題ありますが、それ以上に岩手の農地とか岩手の農業をどのようにして長らえながら持続的にやっていけるか、そういう方法がまずは一つの解決に地域農政というものを、地域ぐるみの農業というものを挙げておりますけれども、と同時にあわせて、いろんな複合的なそういう観点からの見方というものも大事だ、農業オンリーではないというようなことで進めていきたいと考えております。 〇佐藤正春委員 私は執行部と討論するつもりはございませんから、だから無愛想に聞いたことだけをひとつ答弁してください。無愛想でいいですから。 まず、先ほど佐々木俊夫委員からベゴの話で質問があったわけなんですが、関連して一言申し上げたいのは、私はスーパーとか肉屋へ直接買いに行くんですが、安全シールを張っているんですよね。そこで、肉屋の中でも輸入肉だの松阪肉だのいろいろあるんだけれども、せめてどうなんですか、岩手で生産された肉に対して、いわて牛として生産牧場は何々、検査の結果安全ですと、岩手県農林水産部とでっかく張れば、これは岩手の牛に限っては、ほかのところちょっと申しわけないけれども、生産者も安全だし消費者も安全に食べられると思うので、そういうことはできるんですか、できないんですか。それをやったらいいんじゃないですか。 県内の農協が経営難から深刻な状態になっている。また、いろいろな問題が表面化しております。農協の指導監督は県の権限となっており、農協法では1年以上事業を停止した場合は解散を命令できることになっている。御存じのとおり。昨年度、国の調査によると岩手県では専門農協248のうち休眠状態が約半数の105ございます。 そこで、1、105の農協名はどこですか。委員長に申し上げますが、委員に執行部から委員長の許可を得て、その名簿をひとつ御配付願いたいと思います。名簿あるでしょう。配付してください。 〇千葉伝委員長 ただいま佐藤正春委員から資料の提供を求められました。執行部に対しまして資料の提出を求めてよろしいでしょうか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 〇千葉伝委員長 異議なしと認めます。よって、執行部に対しまして資料の提出をお願いします。 ただいまから事務局職員をして資料を配付させます。 〔参照〕 事業停止状態にある専門農協 (平成13年3月31日現在) "
〇佐藤正春委員 そこで、ただいまそのリストを配付いたしますが、このうち、今105が国の調査では休眠状態となっているんですが、このうち長期間、例えば10年以上事業を停止しているところがあるんですよね。私の調査ではこれは20カ所あるんです、10年以上ぶん投げているところは。休眠というよりも死に体になっているわけだ。この20カ所の名前をお示し願いたい。でなかったら私の方から申し上げます。 それから、この105の農協のうちで、裁判中、係争中のものはどことどこかということをひとつ。 次に、肉牛生産公社。今までもこの公社の問題についてはいろいろ論議があったわけですが、この問題は私が火つけ役なのでここで締めくくってみたいと思います。平成12年2月予算議会で農政部長は、牧場数も飼養頭数も大幅にリストラをかけて再建にもう一度チャレンジさせていただきたいと言っています。同12年12月決算特別委員会では、私から経営責任を問われ農政部長は、そういう責務は当然であると考えていますと答弁している。さて、13年の収支は4、800万円の赤字、チャレンジは完全に失敗だったわけですね。累積欠損金が13億円。改善策にさらに10億円をつぎ込み、増殖事業の分3億円は自助努力によって解消する。これは本当に解消するんですか。これはできないでしょう。また問題なんですよ。できないのをできるできると言っているんですから。私は今日までの責任ある今後の経営と失敗の責任を明確にこの際示していただきたい。役人が幾ら努力しても同じことですから、思い切っていわば民営に移したらいかがですか。特に昨今のベゴの狂牛病の問題になるとこれはなおさらでしょう。畜産岩手として肉牛の振興はぜひ必要でございますから、この際、公社を廃止すべきと、そして民間にこれを委託するということをなさったらどうでしょうか。 次に、九戸村森林組合の補助金流用について伺いたい。12年度の補助事業以外にも5年間で8、000万円の不正があると聞いております。1、あとは本当にないのですか、何に使ったんですか、お示し願いたい。 2、契約書が2通あるのはなぜですか。私の手元には、県職員と組合幹部と業者との癒着があり、ただ飲み食いは毎回、贈収賄もありとの告発が来ております。事実ですか。私はこの告発案に対して即刻その調査をせよと通告してありますから、どうなっていますか。 3、本当に三者の間に癒着があったとすれば、真相はつかめないんじゃないんですか。県民の税金が不正に使われたのですから告訴すべきではないですか。なぜ告訴しないんですか。 次は県行造林。県有林事業特別会計の借入金が平成12年度で502億円に達しております。県の外部監査が入ったと聞いております。これは本会議での質問でもって、入ったけれどもまだ不明であるという答弁でございます。林業公社の本年度の監査対象になっているのが、こちらも約430億円の借入金があると聞いております。合わせると約1、000億円の借金であるが、なぜこうなるまで放置していたのですか。それぞれについてその原因、内容を明らかにしていただきたい。 〇千葉伝委員長 佐藤正春委員の質疑の途中でありますが、この際、昼食のため午後1時まで休憩といたします。 午前11時56分 休 憩 午後1時5分 再 開 〇及川幸子副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 〇佐藤農林水産部長 冒頭お話のありました県産牛肉の消費拡大あるいはその普及促進ということで、お話ありましたとおり、県におきましては、10月18日以降検査がありまして、その検査に合格した牛肉については合格しましたというあかしのシールを張って、それが張られた牛肉が店頭に出ているということになりますし、もう一つは、昨年7月でございますが、JAS法の改正がありまして、これで原産地等の表示が義務づけられております。それを受けて私ども指導いたしているわけでございますが、いわて牛に限って申し上げますならば、このような特殊な状況下にありまして、さらに一層県民の皆さんの、あるいは消費者の皆さんの不安であるとか戸惑いを消すためにも、機会あるごとに安全であることのPRを行っておりまして、まだまだ足りないかと思いますので、これを一層やっていきたいと思っております。 いずれにいたしましても、県のBSEに対する対策は、可能な限り今とり得る措置は万全なものをとっているという自負を持っておりますが、この対策をしっかりやることによって、県民の皆さんあるいはすべての消費者の皆さんにその仕組みであるとか対策を十分に理解していただくと同時に、その理解を深めていくためにも、一次検査の結果を公表することを含めて、できる限り正確な情報を伝えるということで、それが相まって岩手の牛肉に対する安全性……(「同じことじゃないか、そんなことを聞いているんじゃないんだよ」と呼ぶ者あり)ということで頑張りますので、よろしくお願いいたします。 肉牛生産公社についてでございますが、増殖事業の今後の方向についてということで、増殖事業につきましては約3億円の累積欠損金がございます。これを直ちに解消することは大変困難であることから、今現在、公社職員の給与の抑制だとか、あるいは資産処分等の自助努力を基本としつつも、関係団体からの支援も得ながら、できれば5年程度の期間をもって解消することを目指した経営改善計画を現在公社におきましては策定中であります。この着実な推進をフォローするという関係から、外部有識者を含めた委員会を設けましてその進行状況を検証していくということと、それから、枝肉価格とか子牛価格が現在大変厳しい状況にあるわけですが、これらの状況を見ながら、必要に応じては見直し、ローリングも図りながら、そして着実な達成に向けて県としても指導を行ってまいる考えであります。 肉牛生産公社がこれまで実施してまいりました増殖事業につきましては、大規模肉用牛経営体が大分県内に育成されてきていることから、一定の成果が得られたということで、おおむね目的は達成されたのではないかと判断されます。この累積欠損金の解消をおおむね5年程度かけてやるということで、それが図られた段階で廃止することが適当であると考えております。 それから、肉牛生産公社の今後の方向については、家畜改良は、肉用牛の生産県を標榜いたしております本県にとりましては大変大事な業務であり、産地間競争に耐え得る優良な種雄牛を他県に先駆けて選抜しまして、本県の牛群を全国トップレベルの能力を有するものに整備するということで、県が積極的に取り組むべき畜産振興上の重要施策であると認識いたしております。したがいまして、改良事業の重要性は今後一層増していくのではないか。したがいまして、その実施に当たっては、県農業研究センター畜産研究所で高度化する改良手法に即応する技術開発を集中的に実施いたしまして、既に技術が確立されている産肉能力検定業務などは外部に委託して行うことが効率的あるいは効果的な推進になるのではないかということで、外部に委託することを今検討していると。 外部に委託する場合に、その受け皿でございますが、同一飼養環境の中で能力のそろった優良雌牛群が整備され、精度の高い産肉能力検定が実施可能な施設あるいは技術、そういう条件が整っている肉牛生産公社に対して県が委託して改良事業の一翼を担わせることが改良事業を推進する上で最も妥当な選択ではないかと。 したがいまして、県としては、公社に対して、県が行う改良事業を委託して実施するとともに、将来的には精液の生産であるとか供給を担わせるなどして本県肉用牛振興の中核として寄与できるよう、技術、経営両面から指導を強化してまいりたいと考えております。 そのほか、農協あるいは森林組合につきましては担当課長から説明させたいと思います。 〇高橋団体指導課長 続きまして、事業停止状態にある専門農協についてお答え申し上げます。 お手元にお配りいたしました名簿、105組合ございますが、これが事業停止状態にある専門農協の全部でございます。このうち、10年以上事業を停止している組合につきまして、ただいまからお答え申し上げます。 リストには番号と農協名と住所、業種がございますが、まず最初に、3番の岩手県軽種馬生産農業協同組合。農業協同組合という呼称は以下省略させていただきます。それから、4番岩手県アンゴラ、これは毛皮をとるウサギを生産していた組合のようでございます。5番の花泉村緬羊、9番岩手県マンナン、これはコンニャクイモを生産しておった組合とのことであります。10番の上閉伊農蚕繊維委託加工、11番の岩手農産加工、1枚めくっていただきまして、次のページ、80番でございますが……(「見ればわかるんじゃないのか」と呼ぶ者あり) 〇及川幸子副委員長 説明中であります。 〇高橋団体指導課長(続) 10年以上事業を停止している組合を今申し上げております。 80番宇部平糠、89番前沢町養蚕、90番生母村養蚕、右の方に参りまして、91番白山養蚕、92番古城養蚕、93番衣川村養蚕、94番金ケ崎町養蚕、97番浄法寺養蚕、98番山内養蚕、99番下晴山養蚕、100番の戸田養蚕、101番両磐養鶏、102番上閉伊酪農、104番沢田飯豊、以上の20組合でございます。 次に、現在係争中のところはどこかという御質問でございますが、これはまことに残念でございますが、私ども現在把握してございません。御了承のほどをお願いいたします。 〇塩井緑化推進課長 補助金の不適正な処理の調査結果についてでありますが、九戸村森林組合が実施した平成8年度から12年度までのすべての事業につきまして、本年の8月以降、県と九戸村が合同で実施した実態調査の結果、間伐作業路の整備事業について、国庫補助事業及び県単独補助事業の58路線のうち、46路線において補助金の不適正処理が行われていることが明らかになりました。 何に使い、あとはないのかというお尋ねでございますが、九戸村森林組合では、請負業者との間に補助金交付申請用と別途工事契約用の二通りの契約を締結し、その差額は5年間で8、272万4、000円に上り、その使途は、調査によると、組合においては事業ごとに区分した経理がなされていなかったことから明確な金額の使途の特定はできなかったものの、森林組合職員の給与、借入金の返済、森林組合の運営経費、資材購入費などに使用されているものと認められます。 それ以外の事業につきましては、以上のような補助金の不適正な処理は認められませんでした。 契約書が二通りあることについての理由は、組合は2通の契約書の差額を組合の口座に戻入させ、その金額を森林組合の運営等の経費に充用するためであったと認められます。 また、県職員と組合幹部と業者とのただの飲み食い、贈収賄については、調査を行った結果、そのような事実は認められませんでした。 したがって、今回の調査は補助金の取り扱いについて厳正に行ったもので、その結果不適正な処理を確認したことから、現在、補助金の返還について、国庫補助金との関係もあり、国と協議しているところであり、できるだけ速やかに対応したいと考えております。 〇坂元農林水産部林務局長 県有林事業特別会計及び林業公社の借入金についてでございますけれども、国内における木材供給基地を目指す本県にとりまして、森林資源の充実、整備を図る観点から、県有林につきましては、明治41年以降約6万ヘクタール、また、林業公社におきましては、昭和40年以降2万5、000ヘクタールをそれぞれ造成目標に掲げまして健全な森林の整備に積極的に取り組んできたところでありますが、伐採による収入は将来になりますことから、制度資金の借り入れによって財源を賄ってきたところであります。 当初におきましては、既に我が国で流通している木材のかなりの部分が外国産材で占められている状況下にありましたが、そのころ、諸外国においては、環境保護問題、また、木材の伐採制限、輸出禁止措置などの動きが見られ、将来的には、外材の占める割合が低下することによりまして国産材の占める割合が増加し、木材価格が上昇することが予想されていたところでありますが、実際は、その後、外材の輸入先がチリやニュージーランド等の南半球及びフィンランド等の北欧にまで拡大しまして、木材輸入量が減少しない、また、木材の代替材がいろいろ供給されるということによりまして、国産材需要の長期低迷、木材価格の下落によって当初予定した収入の確保が難しくなってきたわけです。 しかしながら、こういう状況の中で、県有林事業及び林業公社事業については期待される伐採収入の確保が当初思ったより難しくなってきたという状況ではありましたけれども、一方で、県土を維持造成することによる水資源の涵養、山地災害防止など森林の持つ公益的機能の高度発揮、また、県民生活を守る環境財としての重要な役割、さらには、山村地域住民の貴重な就労の場の提供及び安定的な雇用確保を図る必要性があるという認識のもとに、森林の造成、整備を継続して実施してきたところであります。 しかしながら、当初の一定の造成目標が達成されたこと、及び今後の県有林及び林業公社の経営のあり方をかんがみ、公益保全森林整備に関する検討会の検討結果をも踏まえまして、平成12年度をもちまして県有林と林業公社双方の拡大造林を中止したところでございます。 〇佐藤正春委員 途中省略して簡単に申し上げますから。 部長、いわて牛の安全と消費について、今の答弁を聞いていると、今までの論議をそれ以上出ていないんだよ。私が聞いているのは、スーパーマーケットだの肉屋だのいろいろ行ってみても、安全のシールは張ってあるんだよ。だけど、これは細かく切ってしまうとわからないんだけれどもね。そこで、輸入肉だの松阪牛、神戸牛といっぱいあるけれども、岩手県の牛については安全ですよという意味で看板を立てて、我々が選挙に使うような大きなやつでいいから看板を立てて、いわて牛○○牧場生産、岩手県安全と書いて、わきに岩手県農政部と入れて看板を出しなさいというんです。それがなぜできないんですか。あなたがいいと言えば、それを出したらいいじゃないですか。(「自信がないのだ」と呼ぶ者あり)自信がないんですか。今までのやりとりと同じじゃないですか。出しなさいよ、それほど自信を持って言うんなら。そのことを言っているんですよ。早速あしたから出して、私は、私の近所の選挙区の肉屋からスーパーから焼き肉屋から、みんなに出せと。あなたの方で経費がかかると言うのなら、それを言うから。私の看板も5本も6本もあるから、それに書いて。それをやれるかやれないかと聞いているんです。 それから、もう一つは、肉牛公社については、私が言っていることにだんだん部長が今の答弁でわかってきたと思うんです。あと5年したらやめると言うなら、今やめたらいいじゃない、何もそんなこと、あなた。あと5年したらやめると。おっしゃるように、民間にこれから委託してやっていこうと言うんだから、はっきり言ったらいいじゃない、やめて民間委託すると。何であと5年なんですか。5年後に何かあるのか。5年後に回復するわけじゃない、絶対にこのままいくんだから。だから、そういうことで、私はさっき責任論も聞いたけれども、あえて責任論に触れないから、やめなさい、もうこんなこと。やめたらいいんじゃないか。そうじゃないとまた言うよ、おれは。 次に、今の休眠農協でございます。今、よくあなたの方でちゃんと説明したと思って、かなり苦しかったろうと思うけれども。今、答弁のとおり、10年以上も休眠しているのが20組合ぐらいあるんですよ。なぜこれは解散命令を出さないんですか。それぞれの農協の事情は知っています、私は。ある農協なんかは、解散してしまうと、役員がみんな判こを押しているから家屋敷みんな取られてしまうと言うんだよ。それとこれは別なんだよ。県の監督下にあるんだから。なぜ10年以上も放っとくのが20もあってこのままにしているんですか。いつまでもこうしているんですか。解散したらいいじゃないですか、そのことを伺いたい。 それから、九戸の森林組合、これもよくそこまで踏み込んでしたと思います。私の聞くところによると県の立入検査を拒否していたそうだが、今のお話だと村と共同で中の検査をしたというのだから、よくやったと思っております。調査については、調査したけれどもわからないと言うんだから、私の方でこれからまた、調査費をもらっているから、今のところちょっと切れたから、この次またもらったら独自調査しますから、そのときまた発表するから。 これは9月10日の村議会の特別委員会でも問題になっているんですよね。今、答弁の中であったわけでございますから。これは、県ではどのような指導をしたか知らないけれども、某業者は10年間にわたって入札もなく独占的に受注して、そしておっしゃるように、組合関係者の指示で水増し工事の請求の疑いがあるということなんですよね。なおこれは調査していかなければならない。 つまるところ、これはかつて農林水産部として指導したことがあるんですかないんですか。今までこんなことを見て見ないふりをしたのか、それとも指導しなかったのか、監査しなかったんですか。県の担当者の補助事業採択事務については審査があるんです。これは審査したんですか、こういう事態というのは。それとも甘かったんですか。交付決定措置は無責任な結果ではないかと、私はそう思っています。あなた方の責任だ、結果的には。やったのは九戸村森林組合かもしれないけれども、責任は県にあるんですよ。そうするとあなた方は、いや、私のときじゃないと、こう言うかもしれないけれども、いいですか、行政というのは継続なんだから、あなた方に責任がある。その責任はだれがとるんですか。また知事だの副知事が減俸になるんですか。これははっきり答えてください。 県行造林、本当に困ったことで、外材の輸入が多うございまして、今いろいろ御苦労されております。結局、答弁のとおり、採算がとれないとなると農林漁業金融公庫からの事業資金の返済の見通しもおぼつかない。だとすれば、この際はっきり返済の計画を示していただきたい。林業公社も木材価格の現状から返済できない。おっしゃったとおり、平成12年度で役目は終了したのではないかと思うんですが、そうならば解散したらいいじゃないですか。その点どうですか。 また、県内の市町村が実施主体となっている造林事業の農林漁業金融公庫からの借入状況を見ると、軒並み全部赤字になっている。住田町、岩手町などでは返済額が7、200万円、4、900万円となっており、町の財政を現に圧迫しているんですよ。私の方の一関市でも856万円の返済に担当者が頭を抱えている。ナジョスルノヤと言ったら、ナジョも何も頭が痛くてワガンネと、こう言っている。 本来、返済金には伐採した財産収入を財源として支出すべきではないかと思います。しかし、実態として一般財源から支出しているようでございますが、これは地方財政制度上違法ではないんですか。県は、市町村の財政運営に対してどのような指導を行ってきたのか、また、これからどのように指導するのか。これは出納長の出番じゃないかな。 そこで、これからについて、こういうものを少しでも解消するのはどうすればいいか。やっぱりこれは水源税、今おっしゃるように、森林にはいろいろな役目がございます。その森林の役目を満たす、目的を守るという意味では水源税というものを導入することが一番いいのではなかろうかと。また、そういう論議がございます。どうですか、この際水源税というのを導入するつもりがあるかないか。 〇佐藤農林水産部長 いわて牛の普及促進につきましては、これまでも新聞紙上等で、あるいはPRを大いにすべくポスターをつくりまして、それを県内に張り……(佐藤正春委員「そんなこと聞いているんじゃない。おれの聞いていることにイエスかノーか言えばいいんだよ。ノーなのかイエスなのか。」と呼ぶ)なかなかあれなんですが、県がそれぞれに張り出すことにつきましては、普及促進のためのPRをするためにポスターをあちこち何とか張らさせてもらっているわけなんですが、ただ、今言うように、個々の店自体でその看板を出していいかどうかということになりますと、県がそこまで責任を負えるかどうかという問題があります。(佐藤正春委員「自信がないんだろう」と呼ぶ) 肉牛生産公社につきましては、お話ししましたように、5年間というのは、5年先に増殖事業をやめようということではなくて、今抱えている3億円の累積債務を5年間計画的に段階を踏んで解消して、その解消した暁には事業を廃止すると、こういう考え方であります。したがって、肉牛生産公社は、その後は、先ほど申し上げましたように、県政の重要課題の一つであります改良事業に特化してやるということであります。 そのほかにつきましては、局長、担当課長に説明させます。 〇坂元農林水産部林務局長 水源税の関係でございますけれども、現在、林野庁において税負担のあり方について検討しているということを聞いておりますし、また、都道府県におきましては、高知県、神奈川県、鳥取県等においてそのあり方について検討していると私どもは理解しております。そういう中で、昨今、北東北3県の知事サミットにおいても森林等上流の整備をやる場合の一つの負担のあり方等についても議論がなされまして、そういう動きもございます。 我が方といたしましては、そういう税負担の問題を考える場合、県民の理解、意識を醸成していくことがまず第一に必要ではないかと考えておりまして、そのためには、上流の森林整備に対する県民意識の醸成を図るための上・下流交流の促進とか、農民、漁民、林業者を通じた一つの連携、協力のあり方、そういう一つの意識醸成の手法、また、あり方等についていろいろ農林水産部挙げて連携をとりながら検討しているところでございまして、そういう中で、今後どういうふうにして森林整備をやっていったらいいかということについては、やはり総合的に検討されるべきではないかと考えております。 また、一方で、現在、日本学術会議においては、森林の公益的機能につきまして一番権威のある学術会員が……(佐藤正春委員「それはどうでもいいから」と呼ぶ)そういう動きもございますので、そこら辺もいろいろ勉強して研究してまいりたいと考えております。 〇高橋団体指導課長 業務停止状態の専門農協になぜ解散命令を出さないかという御質問でございますけれども、委員御指摘のとおり、確かに農協法には1年以上事業停止にある農協に対して解散命令を出せるという規定はございます。ただ、私どもといたしましては、こういう形は半ば強制的な形で法人格を奪うことになることから、そういう業務停止状態にある農協に対しましては、基本的には極力自主的な解散を指導してきた経緯がございます。 しかしながら、自主的な解散を指導した場合であっても、例えば代がわりなどで代表理事、組合長さんがもういなくなったとか、所在が不明だとか、あるいは組合財産の処分に当たって、組合員あるいは組合員の相続人の行方がわからないなどの事情がございますものですから、どうも思うように解散といいますか、処理ができない状況にございます。しかしながら、本年6月に開催されました国会において農協法が改正されまして、解散命令の手続を一部簡略化いたしました。例えば組合の代表権を有する者の所在がわからない場合には、官報にその旨を登載することによって解散命令の効力が生ずるといったように規定が改正されまして、来年の1月に施行されることになっております。 私どもといたしましては、多くある専門農協を一朝一夕に解散させることはできないかと思いますけれども、ただ、一歩一歩そういう方向で努力してまいりたいと考えております。 〇塩井緑化推進課長 九戸村森林組合の請負工事の時期についてでありますが、請負契約は工事の前に締結することは当然のことであり、契約事務が適正に行われるよう常日ごろから指導してきたところでありますが、今回の調査結果では、工事終了後に日付をさかのぼって契約書を作成したものも見られました。 また、特定業者が継続して受注していたことについてでありますが、森林組合が工事を発注する場合は、事業の透明性を図る上で競争入札を行うことが望ましいことから、このことにつきまして、組合に対し、機会をとらえて指導を行ってきたところでありますが、今回の調査では、平成8年から10年度までの3年間は3者からの見積もりを徴しておりましたし、平成11、12年度の2年間は特定の業者と随意契約がなされてきたことが判明しております。 それから、水増し工事との御指摘についてでありますが、調査の結果、2通の契約書が存在し、その差額を組合の口座に戻入させ、その金額を森林組合の運営等の経費に充用したことが確認されており、補助金の返還について国と協議しているところであります。 県が再三の指導を行ってきたにもかかわらず、このような結果を招いたことについてはまことに遺憾に存じているところであり、さらに指導の徹底を図ってまいりたいと考えております。 それから、交付決定措置についてでありますが、今回の事案は、森林組合が業者との正規以外の別途契約を締結し、書類上は正規の契約書だけを提示していたこと、また、作業路自体は申請書の設計どおり完成していたことから、県では、補助金申請の審査及び完成検査の段階では不適切な補助金処理についての事実を確認できなかったところであり、今後は、これらの補助金の不適正な事案について適正に処置するとともに、このような事案が発生しないように、補助事業採択事務についての指導、審査の徹底を図ってまいりたいと考えております。 それから、県有林事業特別会計及び林業公社の借入金についてでございますが、県では、昨年度、学識経験者等の参画による公益保全森林整備検討委員会を設置いたしまして、公的機関による森林整備のあり方について、県有林及び林業公社造林の債務の償還対策や経営の合理化対策についての提言をまとめた最終報告をいただきました。県では、この最終報告を受けまして、県有林及び公社造林とも当初計画した造成目標をほぼ達成したことから、先ほど局長から申し上げましたが、平成12年度をもって拡大造林を中止するとともに、林業公社については、将来債務の軽減を図るため、平成13年度から県貸付金の無利子化を図ったところであります。 お尋ねの県行造林事業の長期収支見通しにつきましては、この最終報告に基づき、より具体的な低コスト化のための施業転換や長伐期による伐採収入の確保、経営管理の合理化などを新たに盛り込んだ県有林基本計画及び林業公社営林基本計画を本年度中に抜本的に見直すことにしており、その中で債務の償還計画を策定することといたしております。 また、林業公社の存続についてでございますが、公社がこれまで営々として造成、整備してきた約2万4、000ヘクタールの分収造林地を今後とも引き続き適切に管理していく必要がありますことに加え、県内唯一の森林整備法人として、森林の公益的機能発揮や山村地域住民の雇用機会の創出など、分収林等による森林整備の担い手として、その活発な事業展開に対する期待はますます重要となってきており、今後、抜本的見直しを図ることにしている林業公社……。 〇及川幸子副委員長 簡潔にお願いします。 〇塩井緑化推進課長(続) 営林基本計画に基づき、経営改善を図りながら、本県森林の適正な維持、造成に資するように努めてまいりたいと思います。 また、造林事業の財源についてでありますが、造林事業は特別会計と一般会計があると考えられます。まず、特別会計についてですが、特別会計は、特別の必要に……(「違法だかどうだかと聞いているんだよ」、「会計制度はわかるから」と呼ぶ者あり)この場合は、条例で特別会計の歳入歳出について規定されておりますので、一般会計から支出されることも想定されるとなっております。次に、一般会計についてでございますが、木材の売り払いによる財産収入や一般財源が財源とされているものと考えられますので、これは市町村における造林事業以外の事業一般における場合と異ならないものであります。違法ではないと考えております。 〇千田林業振興課長 市町村有林の経営についてでございますけれども、これまで県といたしましては、造林補助制度の活用などによりまして、できるだけ市町村の財政負担が軽減されるようにという形で指導してきたところでございます。しかしながら、先ほど来話がありますように、木材価格が長期にわたって低迷しているということで、造林資金を借り入れたときに見込んでおりました収入の確保が非常に困難になってきた、金利の負担も非常に重荷になってきている、このような状況にあると承知いたしております。 このような現状を改善するため、昨年度、農林漁業金融公庫におきましては、長伐期化を図ろうとする地方公共団体向けに借りかえ資金を創設いたしました。これは、償還期間、据置期間の延長を内容とした極めて低利の資金でございますけれども、公有林施業転換資金を創設いたしました。当面、この資金を有効に活用することが市町村の財政負担の軽減にもつながるものと考えております。 なお、お話のありました一関におきましても、現在……(佐藤正春委員「いいから、そのことはいいから」と呼ぶ)ということでございます。 〇橋田出納長 ただいまお話ありましたように、償還方式のあり方につきまして、それぞれ執行部局においての判断に基づいてやっておるということでございます。 〇佐藤正春委員 さっきで終わりと言ったんだけれども、答弁が食い違っているんだよ。だから2点だけ言うから。 専門農協の場合に、県では解散命令を出す権限を持っているんだよ。10年も放っておいて、一切出さないと。今の答弁では、自主的な解散を望んでいるというのは、どっちのことなんだ、これは。あなた方は全然県としての権限というものを行使してないじゃないか。何か後ろ暗いところがあるのか。つるんでいるんじゃないのか。なぜそれをやらないんだ。あくまでも自主解散を求めるということなのか。どっちなんだ、はっきりしなさい。 もう一点、九戸村森林組合ですが、大分私の調査では面倒くさい相手でもってなかなか調査に応じないというのを、よくやったと思う。ただ一つ、不正流用については補助金の返還を求めていると、こういうことを言っている。と同時に、もう一つは、補助事業、採択事業について不適正な面は見られなかったと。これは矛盾しないか、この2点について。 〇高橋団体指導課長 解散命令についてでございますが、実は、解散命令を出す手続といいますのが、かなり相当の手続を踏んで、例えば行政手続法という法律がございますが、弁明の機会ですとか聴聞の機会、そういうものを与えなくてはならないわけでございます。(佐藤正春委員「10年間か」と呼ぶ)先ほど申し上げましたように、相手方に通知を出すこと一つをとってみても、所在が明らかでないとか、そういった現実的な問題がございます。これが非常にネックになっているわけでございまして、先ほど申し上げましたように、農協法の改正によって所定の手続の一部が簡素化になりますから、1月1日以降は極力そういう方向で事務を進めてまいりたいと考えております。 〇坂元農林水産部林務局長 九戸村森林組合の事務処理の関係でございますけれども、県の方としましては、交付決定に当たりまして、書類上の申請書の審査、また、作業路ができた後の完成検査を行ったところ、そのときの調査においてはそれらの不適正なものが判明しなかったということで、それらの審査については規定されているとおりやっていると、そういう結果が出ております。 〇藤原良信委員 ただいまの佐藤正春委員の、産地あるいは日付等を含めまして私も必要だと思うんですけれども、今の御質問の内容に賛成なんですけれども、先ほど私は前段で水産物を題材として出しましたけれども、岩手県の1次産業の産物それぞれが生き残っていく上で、私は各産物の差別化が必要だということを申し上げて、部長に質問というつもりで申し上げましたけれども、まあ、頑張ってくださいで一応終わりにしたんですが、今の佐藤正春委員の質問に対しまして、佐藤農林水産部長からももう一度明確な方針をお示ししていただく必要があると思いますので、御質問いたしました。 先ほども申し上げましたけれども、岩手県の1次産業に従事している生産者だけではなくて、岩手県のすべての経済にかかわってくる重要な、雇用もかかわってまいります重要な問題なんですね、生きていかなきゃならない。先般、深谷市に行って深谷ネギを見てまいりましたけれども、小売価格で2分の1だと。中国産と比べてとてもじゃないけれども競争できなくなっていくわけですよ。セーフガードが発動されたとしても4年だと。何で生き残っていくかというと、価格が高くても、安心だ、安全だということが売り物の一つになると思うんです。よって、産地、日付等を明確にしたシール等を張って消費者にわからせていく、そういうことが高くても買ってもらう産物につながっていくと思います。 DFCということを前も取り上げました。これは生産者と流通と小売、これを全部トータルをしてDFCという会をつくりまして、岩手県の有機農業が東京等のスーパーマーケットで引く手あまたです。DFCのシールを張っているんですよ。これは一つのやり方なんですけれども、これらを差別化していくことが基本的には岩手県の1次産業の産物が生き残っていく大きな材料になると思います。 そのことをお伺いしたいんですけれども、あわせて、私は国に対しても、岩手県は特にも1次産業の県だからですけれども、国家の安全保障の一翼が食料だと思います。安全保障というのは大きく分けると三つだと思うんですよ。自衛隊を含めた正面整備とエネルギーと食料だと。 〇及川幸子副委員長 簡潔に。(「簡潔にやれ」と呼ぶ者あり) 〇藤原良信委員(続) わかった、今発言しているんだよ。 食料の中で、岩手県は1次産業の県なので、これをきちっとやっぱり自給率は残していく、そう思います。ですから、そういうことを含めて、スタンスをひとつお示しいただきたいと思います。 〇佐藤農林水産部長 先ほどワカメを例にとりまして御説明申し上げましたが、今のこういう状況下にありましては、単に生産性を高める、低コスト化を図るだけではおぼつかないということで、問題は差別化だということで、それぞれ工夫を凝らさなければだめだということなんですが、あわせて同時に、今、委員の言う流通だと思います。昨年7月にJAS法が改正されましたし、これを契機に、県といたしましても、かなりきめの細かいそういう指導を行っているつもりであります。しかし、今、お話ありましたように、例えば外国産の農産物にこれからどうやって対抗するかということ、あるいは岩手県限りで考えた場合には、岩手県外の他産地との競争というものも熾烈化しますので、当然現産地表示を徹底する。そして同時に、岩手県の品質の高さ、よさ、あるいは岩手県ならではの工夫を凝らした特産品的なものを製品化して開発し、それで打って出るということで、これまで以上にまたその観点からも進めていきたいと、こう考えております。 〇阿部敏雄委員 午前中、佐々木俊夫委員からも質問がありました秋サケについて関連して質問したいと思います。 本県の秋サケは、御承知のとおり、ことしは平成8年の7万3、000トンの半分以下という数量でございますが、私が一番危惧している漁業協同組合の経営基盤に大きな影響が出てくるのではないかという点についてお伺いいたします。 サケの生産量の大半は定置網なんです。定置網は、今、個人定置がなくて、生産組合が若干ありますけれども、漁業協同組合が定置網を経営して、そして、漁協の経営がよくなるも悪くなるも、その生産金額1点に絞られていると私は見ておるんですけれども、要するに、県は、漁業協同組合に対して利子補給や漁業協同組合の強化対策事業とか補助事業をしているわけですから、もし数量が多くとれてもサケの単価というのは下がるから、私はこれ以上のあれは来年も再来年も望めないんじゃないかと。多く水揚げされればされるほど魚価が低迷する。現在ですらも魚価が低迷している中ですから、私は、極端に十五、六年前みたいに各漁協の所得番付がトップに上がるような、そういう好景気は見られないと思います。むしろ、漁業協同組合は、今後このサケの減少によって経営に行き詰まるところも出てくるのではないかと危惧するわけですが、その辺について県はどう把握しておるか聞きたいと思います。 それから、当局ではサケの減少の原因をどう分析しているのかということなんですけれども、前に伊藤勢至委員からも北洋鯨がふえているのではないかという質問がありました。私の友人がサンマ船を経営していますので、先般、聞いたんですよ。非常に鯨がふえていると。佐々木俊夫委員も御存じだと思いますけれども、昔は、サンマは網に入ったものを全部持ってきて、そしておかで選別したわけですけれども、今、機械を船に積んで、船で選別して、小さいサンマは全部海に捨ててくるわけですね。そうすると、それが1艘、2艘じゃない何百艘というサンマ船ですから、海が真っ白くなるそうです、あの小さいサンマで。それに鯨がもう無数で、もう漁船の方は怖くて猛スピードで逃げるというような状態。それから、独航船というまき網の船なんかでも、前に伊藤委員が話されたように、本当にその網に鯨が来て、それに恐れて網を捨てて逃げるという例もあるわけです。今、御承知のとおり10年前から商業捕鯨が禁止されているわけですけれども、この10年間でかなりの数の鯨がふえている。一部オンブズマンの方々からは鯨は哺乳類であるからという声もありますけれども、現実として三陸沿岸の声として、県はやはり捕鯨の問題について声を発すべきではないかと私は思うんです。なぜかといえば、鯨の腹を割くとかなりの数のサケが出てくるそうなんです。それは事実です。鯨に携わった人から私は聞きました。そういうことですので、このことについて、県はどう考えているか、わかり次第、簡単でいいですから答弁をいただきたいと思います。 〇高橋団体指導課長 最初に、秋サケが漁協の経営に与える影響でございますが、阿部委員御指摘のとおり、岩手県の漁協の収益の構造と申しますのは、ほとんどが自営定置からの収益の大部分でもって実質漁協が経営されているという実態にございます。したがいまして、ここ数年の秋サケの不漁によります漁協経営に与える影響というのも財務上の数字にあらわれておりまして、例えば平成12年度の決算におきましては、38組合中14組合が欠損金を出しているという状況にございます。漁協経営を担当する私どもといたしましては、そういった意味で秋サケの好漁を期待しているところでございます。 〇武井水産振興課長 鯨によりますサケの捕食についてでございますが、委員も御指摘のとおり、鯨によってサケが食べられているという指摘がございます。日本が実施しております鯨類の捕獲調査によりますと、全世界では鯨によって2億8、000万から5億トンもの生物が食べられているという結果になっております。この量は、世界の漁獲量が9、000万トンでございますので、その3倍から6倍と非常に大きい量でございます。北太平洋だけでも7、000万トンから1億トンぐらいの量の生物が鯨によって食べられていると、こういう結果でございます。残念ながら、このうちサケがどのぐらい食べられているのかということはまだ調査によっては明らかではありません。 いずれにいたしましても、海の生物を合理的に利用いたしまして食料を得るというのは本県にとっても我が国にとっても非常に重要なことであると考えております。来年、IWCの会議が日本で開催されると聞いておりますので、県としても、いろいろ海の合理的な利用に向かって国に対して必要な申し入れは行っていきたいと考えてございます。 〇田村正彦委員 大分件数の通告をしていましたけれども、1件だけに絞ってやります。 第1次産業、農・林・水の現場を抱え、そしてまた農林省のはざまで大変御苦労いただいているということは重々認識しております。国の考え方ではなくて、県単独で処理できる問題、考えていける問題についてお尋ね申し上げてまいりたい。 先ほど佐藤正春委員の方からも質疑がございました林業公社あるいは県有林事業特別会計の問題と、森林組合、そしてまたそれを束ねる連合会、こういった一連の林業団体の今後のあり方についてお尋ねしてまいりたいと思いますが、まず、先ほどの議論であったように、林業公社、そしてまた特別会計に1、000億円にならんとする県費が投入されております。今までの審査の中で、一戸監査委員からは財務の面を主に監査しているんだというお話があったわけでございますけれども、この特別会計あるいは公社の運営について、財務の面から見た監査委員の御感想というんですか、所見をまずお伺いいたします。 〇一戸監査委員 県有林事業特別会計の事業の執行につきましては、収入支出の事務手続を中心に監査を行っているところであります。 監査の結果につきましては、おおむね良好に処理されていると認められております。しかし、先ほど佐藤正春委員の御質問にありましたように、502億4、885万4、000円という多額の県債残高を有しておりますので、今後の事業運営に当たりましては、この会計が果たしてきた中山間地域への経済効果、森林の県土保全機能への貢献などを勘案しながら、適正な資産管理が行われ、将来の県債償還に支障が生じないよう強く望むものであります。 また、岩手県林業公社は、県から補助金及び貸付金の財政的援助を受けている団体として監査を実施しているものでありますが、最近では平成12年度に実施しております。 公社の分収造林事業は、公社が山林所有者との契約により地上権を設定して植林を行い、将来売却した木材収入を分け合う内容と承知しておりますが、木材価格の低落から、売却収入で借入金を返済するのが難しい状況にあると認識しております。 このような状況から、県では、公社への貸付利子を軽減するなどの支援策を講じていると理解しておりますが、公社におきましても、県議会の質疑を重く受けとめるとともに、財政上の危惧される状況を正しく認識され、一層の経営努力が必要であることを痛感しております。 〇田村正彦委員 まさに今、一戸監査委員のおっしゃるとおりなんですよね。特に公社と特別会計、大体中身は同じ仕事をやっていますね。先ほど局長がいみじくもおっしゃっておりましたけれども、見通しを誤ったと。見通しを誤った結果、このくらいの累積が出ているんだと。今後ともそれの速やかな解消というのは望めない、こういう話だったと理解しております。 そこで、分収林という性格上、これは早期には解決できないと思います。いろいろな法的な契約案件もありますので、それはすぐにはできないと思いますけれども、やはり存続ありきで検討するのではなくて、5年後、10年後を見通して、解消を含めた見通しを立てて検討していく必要があるのではないか。組織を温存するだけの検討では未来永劫この債務というのは膨張する一方ではないかと私は思うわけです。 そこで、先ほど森林組合の話も出ました。一般質問での森林組合のあり方、運営の現状、合併問題と絡めた認識の中で、部長は、流域ごとの森林組合の合併が望ましいというお話をされておりましたけれども、果たしてそういう考えでいいのか。それで本当に解決できるんですかと私は言いたいんです。もっともっとグローバルに大きく考えて、そして森林組合というものの役割を、例えば公社、特別会計、これを今後森林組合が担っていけるような体制づくりまで考えたようなグローバルな検討の仕方というのはぜひ必要ではないのかな。流域ごとに合併したってそんなによくなるはずないです。そういうふうな考えを持たないとこの公社の問題も特別会計の問題も解決できないと私は思うのです。その中で、今まさに現実に森林組合連合会、これがあるんですが、その財務も大変な状況だと聞いております。公庫から借り入れするにも単位森林組合の保証がなければ公庫が連合会に貸さない。これは逆の話なんですね。連合会そのものがそういうような状況。ましてや連合会というのはある程度指導する機関です。それが先ほど議論に出ているような、単位森林組合の経営も全然指導が行き届かないというような状況の中で、やはり森林組合というのは県下一本であるべきだし、なおさら連合会そのものもその中に包括していくべきだ。それが岩手の緑を守り公益性を守ることだと私は思うのです。よく公益性、公益性という話をされますけれども、1、000億円の県費をつぎ込んで公益性ということはないです。その金があったらもっと別なすばらしいことができるんです。そういったものも考えて検討していくべきだと私は思うのですが、いかがでしょうか。 〇佐藤農林水産部長 ただいまの森林組合のこれからのあり方ということで、私、本会議におきましては、5流域ごとにというお話を申し上げました。これは現在進めております計画自体5流域ということで、一足飛びに今現在ある森林組合を一つにということはなかなか方向づけが難しいということで、まず段階を踏んでいこうということで、とりあえずは12の地方振興局単位でどうかということで今進めているさなかであります。行く行くは平成22年度を目途にいたしておりますが、流域ごとに森林組合をまとめていくと。一方では、今お話しありました県有林の特会事業にかかわる森林整備、それから林業公社の事業と、ただいまのお話、受け皿としてそういう広域合併された森林組合がいいのではないかというお話にも受けとめていいのではないかと考えておりますが、これまでいろいろ御説明したように、県有林につきましても林業公社につきましても、森林整備に係る経費が確かにこのようにかさんできておりますし、一方、見通しが甘かったということもこれは指摘を受けているわけでありますが、ただ、蓄積された森林、これは現在に確実に伝えられているものである。 今現在享受している森林のその公益的な利益、それを今ここに我々が受けているということもまた一つでありまして、これまでのその財そのものは失われていないということで、なかなか今のこういう市況の中にありましては難しい状況にありますが、そういうことも含め公社自体がこれからどうするかという問題は、先ほど佐藤正春委員に御答弁申し上げましたように、拡大造林はやめて今度は、今現在抱えているその立木の管理、これに力点を置いてやっていこうということで、したがいましてちょっとこれまでの経営内容と異なる運営が求められているという状況下にあります。そういうことも考えながら、もう一つは、果たしてこれからの森林組合がどういう形がいいのか、それももう一度内部で議論しながら進めたい。ただ、当面は五つの流域、それから委員のお話しありました件も十分に理解できますので、これをも参考にさせていただきながらまた検討したいと思います。 〇田村正彦委員 今の部長の答弁でも皆さんおわかりのとおり、ありきなんですよね。今の制度は守っていくんだと、公社も維持していくんだと、特別会計も維持していくんだと、そういうありきの議論なんです。こういう時代、こういう財政の中でそういう議論をやっていっていいのか。特別会計でも公社のその事業でも、今までやってきた事業は末端では森林組合が請け負ってやっているんでしょう、みんなほとんどが。県職員の天下っている造林協というのもありますけれども、ほとんどが末端では森林組合がやっているんです。そういったことも考えながら私はぜひ、何も今々と言うのではない。その流域ごとの合併が進んで、そしてまたいろんな検討がなされて、それを受ける受け皿をどう整備していくのか。公益性を維持し、今までつくった大事な貴重な緑財産を維持していくためにはどうすればいいのか。一番経費がかからない方法で合理的に、そういったことを、組織ありきの考え方ではなくて、それを5年、10年のスパンで十分に私は検討していかなければならない時代に入ってきているという認識を持っているんですが、もう一度。 〇佐藤農林水産部長 田村正彦委員のおっしゃったとおりで私もそのように思っておりまして、ただ、特会で行っている県有林事業と、それから林業公社の事業、これは今お話しございましたようにちょっと異質である。それから、もちろんその事業を実施する上での財政構造も違いますし、これで一遍に一緒にするとか、それから例えば林業公社の仕事はこれは森林組合、それから県有林につきましては造林協ということで、そういう体系も違いますし、これら平成11年から県の県有林の造成事業、県有林の事業につきましては、すべて今、林業公社に委託して実施しておりますから、こういう実態をまず見きわめながら、そして一方では、森林組合の体力強化、これに努めるということで、今、確かにこういう転換期というか、あるいはこれまでのやり方ではもうとても対応できないということは十分に認識しておりますから、それを見ながら定める方向を見きわめたいという考えを持っております。 〇佐々木俊夫委員 私も一般質問で取り上げた一人なんですけれども、私どもは借金の方ばかり言っているんですよ。ところが、そこに来るまで岩手県の林業にどんな役割を果たしてきたのか、林業労働者に何十年も仕事を与えてきた今日があるということ。それから、なおかつ、持っている森林の力によって我々がいかにきれいな水と空気を享受しているか。と同時に、やっぱり蓄積している蓄財があるんです。これをどう評価するかなんです。やっぱり資産があるんです。借金ばかりではなくてやっぱりその資産価値というものをきちっと計算して、現在の価格であればどうなるんだ。まさかゼロではないでしょう。50年もやっている木ですからね。そういうものをきちっと計算をして示さないと、借金はどうなっているんだ、こうなっているんだとばかりの議論だとまことに暗い話なんです。ですから、きょうはいいんですが、担当課では県有林事業、公社事業ともどもにどれだけの蓄財があって、どれだけの資産価値がありますということをきちっと示してほしいです。その上でなおかつ、物すごい赤字があってどうにもならないならば、それをどうして払うのかと、それは次の段階の話なので、赤字ばかりだ、借金ばかりではなく、関連ですから一応要望、関連質問というのは要望はおかしいんですけれども、でもやむを得ない、資料に絡むので後でひとつ、どうですか、私の考え方。 〇佐藤農林水産部長 私も先ほどちょっと申し上げましたが、これまでの先人が築いてきたこの中で初めて今の森林から得られるものが我々甘んじて享受しているということで、それは現実に評価方法等、これは林野庁で示したやり方で評価する公益的な機能の分も含めて、あるいは現実にこれまで蓄えてきたその蓄財のその評価とか、これはおっしゃるとおりかと思いますので、そのことが結果的には県民の皆さんから支持が得られて、そこで初めてどうやって森林を守るか、あるいは先ほどお話の出た環境税の問題もありますし、そういうところに結びつけて広く深く内部でも議論し、そして県民の皆さんにも理解を求めるようなそういう計数化されたものを示していきたいと考えております。 〇佐々木大和委員 今のに関連して、ただいま御指摘のとおり、やっぱり山の木に関しては資産的評価というのは必ず見なければならないと思いますし、木の樹齢というのは5年が1齢級と数えますので、これはもうみんな知っているわけですから、そういう意味でもう一つの評価の仕方、損益計算書の見方というのは一体どう考えるのか。これが例えば100年だったら100年で1回です。農業だったならば多分1年で出すんでしょうが、その辺について坂元林務局長に質問しておきたい。その分が一つの疑問点になるのだと思うのですが、林業の損益というものの出し方を、考え方というものをやっぱり示しておかなければ、この部分の評価というのは伝わらないのではないかと思います。 〇坂元林業水産部林務局長 ただいまの委員の損益決算のやり方ということでございますけれども、(佐々木大和委員「考え方です」と呼ぶ)木の資産については、私も細かい専門家ではございませんけれども、やはり長期の間に、例えば伐期まで40年とか50年とか、そういう間に得られる資産を例えば考課でやる、その段階でどれだけの価値があるかという方法とか、それをもう一回割り戻してやるとか、いろいろ方法があるかなと思いますけれども、そういう意味では若干農業とか短期間で得られる生産物とは違いますし、それに対してどういうふうにやはり県民に理解を得ていくかというところがありますので、そこら辺のところも今後我々としましては十分その評価の仕方とか、どういう形で県民に今の資産がどれだけの資産があるかというものを理解していただくことについても、今後やはり包括外部監査等の、今検討されておりますので、そういう中での御指摘等を踏まえてしっかり整理した上で透明性を図って県民の理解を得て、今後の施策に結びつけていく必要があるかなと思います。 〇菊池勲委員 2点ほどお願いをしておったのだけれども、まず最初に189ページ、農業協同組合指導費の中で経営改善特別貸付金50数億円の金を平成12年度決算では出ておるわけです。これを質問通告しておったら、けさの新聞にまたこういうのが出てきた。随分大きい数だ。これは決算は52億6、000万円。これが50億円を5年間以内に積み立ててそれを支援資金の元としたいということだ。これを足して5年以内ですから、まだ今50億円出したわけではないんだ、これは答申だからね。そういう格好でこの52億6、000万円貸付資金を県が用意して問題の農協を支援したはずなんだ。決算でありますから、その結果がどうなっているかまずそれを第1点。 それから、私も平成4年からある組織の中の先に立っているんだけれども、農林省関係の補助事業が県内にいっぱい入ってもらっている。ありがたい話なんだけれども、これも制度としてちゃんと計画を立てて、そして実施段階には少なくとも3年ないし4年かかっているわけです。今のこの経済情勢、農業情勢の変化の速さ、計画時点には大変いいことだったんだけれども、実行する時点ではすっかり狂っている場合がある。そして、実行をそのまました、そして流れて完成する間際におかしなくなってしまったのはいっぱいあるわけだ。そうすると何年かに一度は会計検査院が来てチェックをされる。平成12年度決算の中でも、10年の中でも1年間の中でも、その農林関係で会計検査院に指摘された事項が何件かあるはずだと思う。それを知らせてほしい。それから約1年たっているわけですから、改善計画を指示されて、そして次の機会までには会計検査院が来たときに果たしてその方法をとってうまくいくのか。よくやったと褒めてそれがパスされるのかどうか、その流れもひとつ知らせてほしい。 〇高橋団体指導課長 最初の御質問でございます52億6、000万円、県は貸付金という形で平成10年度から毎年4月1日に52億6、000万円を貸し付け3月31日に返還をいただいております。その間の運用でもって県として7億3、000万円ほど5年間で運用益が出る勘定になりますが、これでもって県は農協系統に対して支援をしたと、その支援の中身は委員おわかりかと存じますが改めて申し上げますと、平成10年当時、六つの組合が債務超過の状態でございました。その組合と申しますのは、当時の住田町農協、二戸市農協、一戸町農協、姉帯農協、九戸村農協、軽米町農協でございました。この債務超過額を解消すべく、県とそれから系統、つまり信連、経済連、共済連、それから地元の市町村、あわせて一体となってこの債務超過を解消しましょうということで、県の支援分として52億6、000万円を毎年貸し付けているものでございます。その結果、幸いにしてこの6組合の債務超過が解消されまして、現在では御案内のとおり、住田町は陸前高田市農協と合併いたしました。それから、二戸市、九戸村、軽米町のそれぞれの農協は合併して北いわて農協となっております。それから、一戸町、姉帯農協はいわて奥中山農協と合併しております。その52億6、000万円の行政支援はそういう形であらわれているということでございます。 〇古沢農林水産企画監 会計検査の関係の御質問にお答えします。 会計検査の結果、指摘事項を受けた件数が本県に関しまして2件ございます。1件は農業集落排水事業ということで、汚水処理水槽の設計が不適切ということで、汚水処理施設の簡易分槽の設計に当たりまして、基礎、これは底場と言うんですかね、底の板なんですが、かかる重荷を過小に算出したためにその安全度が確保されていないということで、国庫補助金1、209万円が不当となっていたということでございますが、これにつきましては構造物のその安全確保のために補強工事を実施して、国庫への返還というものはないということになってございます。 それから、もう一件につきましては漁港改修事業につきまして、これは釜石漁港内の関係なんですが、ケーソン製作費の積算が不適切ということで、製作費の積算に不適切があったために国庫補助金504万円が不当となっていたということで、これにつきましては13年2月の補正予算で返還をしているというところでございます。 〇菊池勲委員 ありがとうございます。答弁だと立派なんだけれども、きょうの新聞はなぜこんなの出たんだろうね。改善計画をして良好だから合併をしたと。これは県の農林水産部ではないけれども、農協中央会五連が県内農協の合併、私ども改良区もそうなんだけれども、農業団体も含めて合併を進めて改善計画をしながら、いい方向に展開をするために組織を大きくして中身をよくするというのが目的なわけだよね。ところが、残念ながらその組織を大きくして中身はだんだん悪くなっていって、またぞろこの50億円の資金を五連が積み立てて、そしていて支援しなければならないのがまた出てきた。今の課長の答弁だと過去の6農協は完成をしたと言っている。だけれどもまだこんなの出てくるんだよ。だから、そのときに僕は質問したんだけれども、例えばサッカーのような形でイエローカードに匹敵するものはないのかと言ったら、そのときはないと言った。後で調べてください。ないと言っているんだから。それだけれどもまたこういうのが出てきている。それはどうするんですか、部長。これは下手するとこの連続なんだ。県内広いから農協の数も多過ぎるかもしれない。だけれどもこれは組織としてはしようがないんだ。ところが、残念ながら農業団体そのものが、昔は大変いい組織であったんだ、私も組合員だけれども、今は何でしょう、農家を土台にして食い物にして組織が生きているような感じなんだよ、はっきり申し上げて。私も3回当選させてもらった。平成7年から資産公開条例が制定されまして資産を公表しなければならなくなった。先般、平成11年、3期目当選させてもらった。また事務局に資産を提出したのが新聞にでかでかと書かれた。私の借金は全然減っていない。ですから、4年ごとに出さなければならないからそのまま書かれる。あるときに、先生、まだそんなにいっぱいあるんですかと言われたの。もちろん払わなければあるわけだけれども、まじめに払っているんですよ。だけれども私が借りたときの時点はかなり先の話なんだけれども、その当時の金利のままで今も私は払っている。今の金利は何ですかね、金利ってあってないようなものでしょう。預ける人はほとんどない、借りる人はあるけれどもね、それでもそのままの金利で今も払っているの。8.何ぼですよ、あの金額を。あの金額忘れたけれども。そんなぐあいでありまして、例えば農民を食い物にしてつくる組織に県が50億円も100億円も出して一生懸命支援したって意味をなしていないんだよ。さっき千葉浩委員言ったように、米の政策議論をする前に、農林水産部が必死にやっているんだ、国も必死にやっているんだ、だけれども農業団体が何をやっているかだよ。これで、岩手の農政もそうだけれども、日本の農政もうまくいっていないのはここなんだ。全国からごまんと集めて昔は鉢巻きをして東京で農林省、国会に米価要求をした。私も一農家だから、スケテけろと言われた、私は断った。鉢巻きをしていくくらいならば、何十億かけて国から集めるならば、それこそ責任政党である自由党、あ、違うか……、そういう政党にお願いをして、そして日本の農業を守ってほしいと陳情した方が特に早いと思った。そういう時代も過去にあったんだ。それは過去の話だから。私はこの農業団体の組織の強化は、今、担当者の答弁ではわかったけれども、中身を、それは数字合わせはうまくいったんだ。農家に対してはどういう形でこの組織は生きているか、これを聞かせてください。 〇高橋団体指導課長 委員、今、本日の岩手日報の記事をお示しいただいたわけでございますが、実は昨日、非公式に系統団体の方からこういう答申があったというお話をいただきました。細部を実は私も十分承知しておりませんけれども、ただ、この組織は私の理解によりますと、系統団体では4月1日からのペイオフの解禁を控えて信用事業部門の強化に現在努力しているところでございます。具体的には4月1日までに必ず自己資本比率4%をクリアすること、そして自主ルールでさらにもって3年以内には自己資本比率8%まで引き上げましょうと、そうでないとこういう大競争の時代には農協金融は太刀打ちできないという認識のもとに、そういう自主ルールを立てたわけでございます。これは全国的なルールでございまして、そこの指令塔、中心は農林中央金庫でございます。それに対応するために、例えば4月1日以降4%を下回るような農協があった場合、あるいは2年後、3年後8%を下回るような農協があった場合に、系統内の自助努力でもって支援しましょうと、そのための基金50億円をその各系統内、単協ですとか、寄附ですとか、連合会から集めてその基金としてつくりましょうという趣旨の組織だと理解しております。したがいまして、この組織自体は県の財政支援とかそういうものはないものでございます。 〇菊池勲委員 時々新聞、テレビで見る話なんだけれども、問題が起きると責任者は一応辞表を出してやめて、それなりの責任をとって大概処理しているんだ。ところが、この農業団体だけはそれ一切ないんだよな。とことんまでいっても一切責任とっていないんだよ。先般、先生のところだよな、水沢を中心にする農協が組合長を選ぶのにだれもなる人がないって、あんなことあるんですかね。責任者になる人がないということは組織の実態がどういうことなんだ。これでは農民がやっていけないんだ。農民個々では何ともならない。それを束ねるのが農協だったんだ。それが先に立つ人がいないと大騒ぎして新聞に出て騒がれて、やっとこだれかに与えて見つかったというような組織が岩手県にあるんだよ。それも一番いい胆江地区に、平らなところだよ、岩手県の金札米の出るところだ、私の方よりもっとうまいんだ、これは。そういうところでも組合長になり手がないなんていうのは、組織の中身がどうなっているかだよ。数字のごろ合わせではないんだ、中身の実態だ。私はあれを見てびっくりした。大概でも農協の組合長や改良区の連中はみんななり手があってけんかだ。最後には賄賂を渡してとれた人たちもあるんだけれども、そういう状態のときになり手がないなんて言うんだから大変な話なんだ。そこまで農業団体が落ち込んでしまったの。部長、責任者であなた気の毒だよな、私はあなたの顔を見て、いい男なんだけれども、中身は気の毒だと見ているんだ。そんなような状態になっている農業団体をしっかりしなければだめだ。これがまず第1点。 先ほど、会計検査院に捕まったの全部処理した。ところが、なかなか処理できないのもあなたのところで別なもの持っているんだ。今の説明のほかにあるんだ。これは具体的には言わないから、だれかいるんだ、担当課長がここらに。だけれども平成14年3月31日までに期限があって2年間の猶予で、それで解決ができなければまたもう一回来るんだ。私は資料を見せられたけれども、平成14年に検査が来たときに通るような改善計画にこれはなっていないんだ。そのときの補助金約20億円だ。それだれが返納するんだ。担当課に聞いたらそれはなかなか難しいと言った。計画の段階で間違ったわけではなかったんだ。2億円でも大変だよ。20億円だよ、あなた。それが全部農家にも負担がかかっているの。部長、知らないわけないだろう。指導はしていると思う。あなた方悪いとは思っていないんだよ。だけれどももっと厳しい指導をしなければ、これでは我々農民がやっていけないの。私も農民だ。だから、やっていけないからあなたに頼んでいるんだよ、部長、いい答弁頼むよ。 〇佐藤農林水産部長 農協のあり方ということかと思いますが、こういういろいろ農協が抱える課題というのは多いということで、そういうことを背景にして農協法が改正されたということで、そもそも農協のあるべき姿というのは大変多角的にいろんな議論をされておりまして、しかし基本は営農ではないかということで、営農を第一とする農協をつくるということで、まずその前提としてはやはり財務をきちっとして、体力のある、体質の強いそういう農協にする、それが広域合併のいわば基本的な考え方の一つであります。これを先ほどの52億円、あるいはこれからの来年4月1日からのペイオフ、あるいは本格的には8%という自己資本比率が高められますから、それに向けての体制整備をするというのも、その農協のあり方を考えた上で、では体質を強化しようという前提で今進められている。したがって、きょうの新聞に出まして、私ちょっと詳しく読んでいないんですが、要は系統内部で自身で、系統自身でもそれは立て直しをしなければいけないという強い意識のもとにこれが打ち出されたものということで、私どもそういう意味では評価できると思っております。 それから、農協のあり方等についてもいろいろありまして、そのような方向性が出るんだけれども、実態がついていかないと、あるいは内部の理事者の責任の問題とかいろいろ今御指摘ありましたが、合併するに当たってはまずは財務の改善が必要だ。その財務につきましてはどうしても不良債権、あるいは極端に言えばいろんな借金を抱えているというような状況にあって、経営者どうするかというと、それなりの責任をとりながら、今、何とかここまで、ほぼ目的に近い状態で広域農協の合併ができておりますから、あと一息ということで、ただ、そこにネックになったのがきょうお話しあったペイオフを控えての財務改善ということで、これを乗り切ってさらにやる。問題は中身、その中にいる組合員も含めての農協のあり方だろうと思います。したがって、農協内部でも大いに議論されるべきでありますし、と同時に、私どももそういう方向性を見きわめながら、あるいは農協の上部団体である中央会等がどういう指導方針のもとにやっているか、それを連携とりながら指導には徹底してまいりたいと考えております。 〇得田農業振興課長 補助事業の導入につきましては、まことに委員おっしゃるとおり地元の同意、地元のコンセンサス、地元の熟度といったものが大変大事だ、重要であるということを踏まえまして、今後の補助事業の導入に当たりましては十分地元の声を聞いて、しっかりと対処してまいりたいと思っております。 また、経営改善計画、過去に出されたもので、いまだその進捗状況が余りはかばかしくないもの、確かにございます。これにつきましては引き続き地方振興局といろいろと手を携えまして、一歩ずつでもその計画の達成に向けて進むように促してまいりたいと思っております。 〇菊池勲委員 大変いい答弁なんだけれども、おとなしいね、あなた、課長、あなたおとなし過ぎるんだ、それじゃだれも言うこと聞かないんだ。厳しい経営の中で厳しい運用をしているわけだから、あなたのようないい言葉だとほとんど前に行かないの。私みたいに高い声を出して、それではだめだよ、通らぬときはどうするんだ、あなたと、総額が20億円の補助事業だよと、あなた言わなければだめだと言うの。それをあなたにきのう私は頼んだけれども、本人に何となく、部長、知っているんでしょう。部長から答弁もらうかな。この件で得田課長にきのうお話ししたの。具体的な固有名詞は出さないんだけれども、その改善計画2年間、平成13年、14年3月31日までの猶予を持って、そして14年にまた会計検査院が検査に来るということになっているんだ。だけれども私が見た資料では、当然通るような資料の改善計画にはなっていないんだ。コンマ1%ぐらい上がっただけなんだもの。それでいて総体がまだ30%以内でおさまっている。補助金の執行は100%執行しているんだ。実質はそうなんだもの。このことなんだよ。なかなかおとなしい課長だな、これでは通らないと思うんだ。きのう私は高い声で言いなさいと言ったんだ、忘れたのかな。そういう状態で部長、そういう今の課長の話も私は正しいと思う。だけどその分だと会計検査院にひっかかったときに、大きな金額の補助金をもし返せと言われたときにだれが返すかといったら、我々組合員にみんなこれはぶっかかるんだ。その責任者では払えっこないんだ、20億円だからね。それを聞いているの。部長、あなたの強い御指導の決意をお願いしたい。 〇佐藤農林水産部長 意思の疎通をちょっと欠きまして、いずれ聞きまして強く指導しますので、よろしくお願いいたします。 〇岩城明委員 それでは、2点質問をさせていただきます。 最初に、漁港の管理についてお伺いをいたします。 近年、海洋性レジャーの普及、拡大に伴いましてプレジャーボート等の船舶の漁港利用が増加し、岩手県管理漁港においては、現在、約600隻が漁港内500隻、フィッシャリーナ内100隻のプレジャーボートが係留をされております。このうちプレジャーボートの専用施設であるフィッシャリーナは種市、吉里吉里、箱崎にあり、係留については許可制で行っております。それ以外の漁港内への係留については現在規制がなく自由に係留をされておりますが、一部漁港においては無秩序なプレジャーボート等の係留が目立つなど、現状を放置すると漁業者の漁業活動に支障を来すことが懸念をされております。他県ではプレジャーボートの保有者が損害賠償保険に加入していない無保険の状態のため、事故を引き起こしたボートの引き揚げ費用の数百万円の負担ができず自己破産をしてしまい、被害を受けた定置漁業者が途方に暮れるなど、補償問題を含めた法整備の必要性を求める声が漁業関係者から上がっているところであります。このような状況から秋田県におきましては、既に県条例が改正され、特にも秋田県南部漁港の白沢、金浦、象潟の3漁協においては、プレジャーボートが県管理の漁港を利用するためには、陸上の自動車に課せられる自賠責保険と同様な考えで船舶損害賠償保険の加入を使用許可の要件として明示をしております。従来の漁船中心の漁港管理から、漁船以外の船舶を含めた秩序ある漁港管理を目指した新たな管理体制が必要となっておりますが、当局のこれまでの対応とプレジャーボートへの損害賠償保険の加入を係留許可する条件とすることを含めた今後の対策についてお伺いをいたします。 それから、もう一点、私の方の地元の話でありますが、ホウレンソウ農家の生産振興についてお伺いをいたします。 海外からの生鮮農産物の輸入拡大や国内の産地間競争により、県内野菜産地が著しく厳しい状況にあります。私の住む久慈地方では、やませに適した雨よけホウレンソウを牽引役として園芸振興に積極的に取り組んでおり、本年度、目標の販売額10億円をほぼ達成される見通しとなっております。生産農家の努力に大いに称賛を与えたいと私は考えております。ついては、こうした生産農家の意欲をさらに助長して、県北地域の基幹作目として生産拡大が図られるよう、地元農協、市町村と一体になった支援策が望まれますが、今後の県の取組方策についてお伺いいたします。 〇千葉漁港漁村課長 まず、プレジャーボート等の漁港への係留に伴う秩序ある対策についてであります。 まず、漁港におけるプレジャーボート等の秩序ある利用についてということでございますが、お話しのように現在本県にはフィッシャリーナに収容された以外にもたくさんのプレジャーボートが漁船と一緒に混在しているといったような使われ方をしておるところでございます。全国的にもこのようなことが問題になっておりますので、今般、漁港法も改正されて、必要がある場合には漁船以外の船舶の放置禁止区域を設定することができるようになりまして、私どもとしてもこれを活用して、あるべき漁港のあり方について現在検討しておるところでございます。具体的には、まず必要となるところは係留の禁止区域を設けると、それでもってその上に改めて係留許可区域を設けるということを考えてございまして、現在、漁業者あるいはプレジャーボートの所有者等とそのあり方について協議を進めているところでございます。予定としては平成14年度を目途に許可制を実施したいということで、各地域、地方振興局を通じたりしながら説明会をしているところでございますが、お話にありました船舶の損害保険への加入を許可の条件とすることにつきましては、ただいま委員の方から秋田で前例があるよということではございますが、やはり海上事故等が発生した場合には確かにその損害を担保するという意味から非常に大切なことだとは考えられますが、ただ、公共施設の利用に当たって任意加入を原則とする保険を義務づけるということは、その妥当性についてももう少し勉強させていただきたいと考えております。 〇澤田農産園芸課長 ホウレンソウ農家の生産振興につきまして、久慈地域におきましては、気象、土地基盤整備等が県の中では厳しい地域でございますけれども、こうした中にありまして、夏季冷涼な気象を生かしましてホウレンソウの産地化に取り組んでおります。特にも平成11年から、関係機関、団体が一体となりまして黄金の馬車推進運動、この運動は、ホウレンソウ、野菜、花卉を馬に例えまして、これを牽引役としまして地域農業の活性化を図ろうとするものでございます。これらの運動を展開するなど、現在、産地の拡大に一生懸命取り組んでいただいているところでございます。その結果、全体的に野菜生産が伸び悩んでいる中にありまして、久慈地域のホウレンソウの販売額は、平成12年度6億7、700万円だったものが、本年度11月末現在で8億5、000万円と大幅に伸びております。最終的には、初めて念願の10億円の達成という見込みにあると聞いておりまして、このことは、生産者あるいは関係者のたゆまぬ努力のたまものであると存じております。 また、通常の雨よけ栽培に加えまして、収穫間際にホウレンソウを外気、冷気にさらしまして食味を高めていく寒締めホウレンソウ、この産地化にも現在取り組んでおります。この栽培面積につきましても平成12年の4ヘクタールから本年度は16ヘクタールと4倍にも拡大しているところでございます。 県といたしましては、これまで久慈地域の野菜の産地化に対しまして、県単事業でございます花と野菜の郷づくり推進事業によりましてハウスの団地形成、あるいはいわて農業担い手支援総合対策事業によりまして、ホウレンソウの調製機、包装機などの省力機械の導入も進めているところでございます。そうしまして規模拡大を積極的に支援してきたということでございます。今後におきましても、こうした施設整備とあわせまして、最も労力を必要とするホウレンソウの調製・出荷作業の軽減を図っていくという観点から、地域の方々の協力をいただきまして、これら作業の受託する調製センターの設置や、あるいはグリーンヘルパー制度の導入に努めてまいりたいと考えております。 〇岩城明委員 それで、1点再質問させていただきますが、ただいまの漁港の管理の答弁の中で、船舶損害賠償保険への加入を係留許可の条件とすることについて、任意加入を原則とする保険への加入を行政が強制することにもなりかねないということから、その妥当性について慎重に検討をしてまいりたいとの答弁でありましたよね。私は逆に漁民の立場を保護する立場からも、保険の加入を係留許可の条件とすべきと思いますけれども、再度答弁をお願いいたします。 〇千葉漁港漁村課長 先ほど申し上げたとおりでございますが、保険を許可条件にすることは行政からの義務づけということになりますので、そういった件につきましては若干疑義も残っておりますので、国の指導あるいは全国の動向等を見ながら慎重に検討してまいりたいと考えております。 〇阿部敏雄委員 我が郷里の吉里吉里も立派な、本当に何億円とかけて整備されて漁業権も捨ててそしてつくって、そこに地元漁船でなく、その船に漁船の保険が入っていないとなれば、おかを要するに自賠責のついていない、車両保険にも入っていない車が走っていると同じなんですよ。そして、万一事故が起きた場合は漁民、その人はいないんですよ、しけにしても、その管理をしているのは地元の人たちが本当に寝ないで管理したりするんですよ。万が一その人がぽっと1年に1回か2回来て事故でも起こしたら、ぶつけられた船はただ泣き寝入りなんですよ。だから、やはりここは岩手県として、ここがううとかああでなく、やはりきちっとして対処すべきだと思いますよ。そうでなければ無免許運転と同じ船が走っていて、スピードが速いでしょう、万が一しけなんかに出てやったら漁民が2日、3日の捜査ですよ。その費用が全部漁協がかぶるような状態になるから、県が国の補助でやったから漁港はあのとおり立派にしたところに、年がら年じゅうつないでいる船がそういう保険にも入らないで、やはりそれは条件として、今、岩城委員が言ったとおり、それくらいの強い姿勢でやらなければ漁民のためにもならないし、まして人災事故につながるおそれがあった場合にだれが責任をとると言ったら、やはり県としての責任も出てくるのではないですか。だから、これは条件としても一つも県民が不思議には思いませんよ。これは絶対岩城委員言うとおり条件としてもつけさせるべきです。保険に入れなければだめです。そう思いますからもう一度、漁港漁村課長。 〇千葉漁港漁村課長 今のプレジャーボートが保険に入っていないかどうかについては、現在のところほとんど所有者もわかりませんし、もちろん加入している方も大分いると思うんですが、所有者がわからないこと、あるいは保険の加入の有無についてもわからないで、そういうのであれするのもなんですが、今度許可制にする場合は全部登録していただいて許可するように、その時点で保険の有無等もわかると思いますが、なおこの保険の義務化についてはもう少し、先ほど申し上げたとおり、そういったことが可能かどうかも含めてお時間をいただきたいと思います。 〇山内隆文委員 今の問題について私からも関連をさせていただきます。先ほどの御答弁の中で係留禁止区域を定めるといったことがございました。またさらには、許可区域を定めるということがあったわけですね。そこには係留していいよということを県の名のもとに許可をするということであります。そうしますとそこに係留を許可する、そこからの運航、航行を要するに想定した許可を出すわけですね。そうした中で万が一事故があったと、この許可を出した県の責任において原状回復あるいは損害補てんということをやるということであればわかるんですが、どうなんですか、そこをもう一度答えてください。 〇千葉漁港漁村課長 現在のところ、漁港の中に現実にフィッシャリーナに127隻おりますし、それ以外の一般の漁港にも県管理で500隻、それ以外の市町村管理も100隻ぐらいおりますので、それが今だれのものかわからないし、非常に漁協さんとの間で係船場所の競合といいますか、問題になっておるので、その辺をしっかりとした形で許可しようということで、漁港内については考えていますが、それから沖の方に出ていった場合の海難事故等についてまではまだ検討いたしておらないのが実態でございます。 〇山内隆文委員 もう一方関連の方があるので、この1回でとどめますけれども、やはり県が許可をするといった以上は、県が責任を有していくということだろうと思うんですね。条例の中にそういったことを要件とすることが、先ほどの御答弁の中では任意保険であるから強制加入させるわけにはいかないといった御答弁はあったんですが、しからば先ほど岩城委員が紹介された秋田県の条例、これはどういったことで定められたと把握していますか。実際に国の方からこういう条例はつくってはいかぬといった指導が直接あったんですか。 〇千葉漁港漁村課長 秋田県の例でございますが、秋田県の方では条例には書いていなくて事務取扱要領で運用の方で定めているようでございます。条例の記述はないし、それから実はこの問題について水産庁の方にも照会したところですが、まだ国の方としては秋田県の例は承知しておらなかったようですが、全国的にそのようなケースは聞いたことがないし、保険の義務づけは適正ではないのではないか。担当者の意見としてそういったものを聞いたばかりでございますので、もっと詰めて研究してまいりたいと思います。 〇山内隆文委員 要するにこれは法のすき間なんですね。法の専権事項、これはまさに空白の部分です。今のお答え聞く限りにおいては。であれば、これは先導的にやっていい話になりますよ。やってはいかぬということであればこれはできませんけれども、やっていかぬということもなければ、やれとも書いていないのであれば、これは条例なり何なりでできる。ましてや運用の部分で秋田県はおやりになっているというのであれば、これは本県だってできるということになりませんか。ぜひともこれは検討に直ちに入っていただきたい。そのことについてお約束できますか。これを聞いて終わります。 〇佐藤農林水産部長 ただいまの件につきまして再度また検討いたします。これは必要性というのは十分わかりますし、ただ、一方では法律論議ということになりますと、かなり難しい問題は確かにあります。したがって、水産庁におきましても直ちにゴーサインを出せない状況にあるかと思います。ただ、一方では現実にその実益が上がるということになると、方法がないわけでもないのではないかというようなことから、比較考慮しながらどれがいいのか、あるいは法的にどうなのか、少し時間を必要といたします。いずれにせよこの許可制を実施するについては条例をもってやりますので、条例の改正というのが出てまいります。したがって、そのときはいろいろまた議会におきまして委員の皆さん方から御指導を賜るということになります。それまでにまた結論はつくっていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。 〇及川敦委員 関連であります。冒頭、我が会派の岩城明政調会長が御質問いたしましたが、会派の総意を受けて今回質問させていただいたわけであります。係留問題については、今、課長の答弁で、これから対策をということで、今関連で安全管理の問題について損害保険の義務づけ等について質問がありましたが、今ちょっと御答弁聞いていておかしいなと思ったことがあるんですが、今、最終的に部長の方から、これからその条例なり要領なりで対応するということありましたが、秋田県の施行月日が平成12年7月1日でありますので、今、課長が水産庁が把握していないというのは非常におかしな答弁だなと思いますし、その答弁の中で、プレジャーボートの保有者がわからないというような御答弁もありましたが、それではこの決算の当該年度であるこの12年にどのような安全管理の対策をされてきたのか、検討されてきたのかということは非常に私は問題になるのではないかなと思うわけであります。つきましては、今、最後に部長の答弁で、これから条例なり秋田県の漁港施設の使用許可に関する事務取扱要領、要領の形での義務化、こういうことも十分可能であろうと思いますし、早急にやっぱりこれはやるべきだと思いますが、再度、水産庁が本当にそういう認識であるのかどうか。本県の今後の早急なる取り組みについて再度御答弁いただきたいと思います。 〇佐藤農林水産部長 この問題につきましては、いわば任意保険でありますから、これは義務づけることになります。義務づけるということは、これを指導で義務づけてそれをお願いすると、あるいはできるだけそうしてくださいよということはこれは可能かもしれません。行政指導です。しかしながら、それを義務づけて、その保険に加入されたことを前提に許可するかどうかということになりますと、いわば規制ということになりますから、その規制は法律もしくは地方公共団体であるならば条例ということになりますので、その辺のところが大いに議論されるということで、少し検討しなければいけないのではないかということでありまして、秋田県の場合は恐らく仕組みを見ますと、これは指導でそういう方向でやっているのではないかと思いますが、いずれその辺も含めて検討させていただくと、やらないということではありません。もう少し詰めなければならない。その結果できなければまた別でございますが。 〇及川幸子副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。 午後2時59分 休 憩 午後3時19分 再 開 〇千葉伝委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕 〇佐々木俊夫委員 私、けさほど申し上げたのは、だてや酔狂で言ったんじゃないんですよ。我々委員の方は用事があれば立ちますし、手洗いにも行くし、だれかみたいに質問が終わるといなくなるし、お茶を飲んでいるんですよ。3時の休み時間ぐらいお茶を何で出さないのか。何か規則があるんですか。私、検討するように委員長に頼んだんだけれども、検討されましたか。 〇千葉伝委員長 いえ、頼まれたとは認識していませんでした。 〇佐々木俊夫委員 議事課長、何か規則があってお茶を出さないの。頼んだよ、私。(「人権問題にかかわる」と呼ぶ者あり)そうだそうだ。私、きのう牛権と言ったけれども、人権問題にかかわる。失礼だよ。しかもよその部は何時間で終わるんですけれども、農林水産部は1日かかってしまうよ。その間お茶1杯出さないというのは、これはまさに人権問題。委員長に権限がなければ、事務局長、今からでもいいから出してください。(「監査委員の人たちも大変なんだ」と呼ぶ者あり)そうだそうだ。全く全く。本当に同情するよ。お茶ぐらい出しながら和やかに審議するのもいいんじゃないですか。どうでしょう。(「賛成、速やかにやりなさいよ」と呼ぶ者あり) 〇千葉伝委員長 佐々木俊夫委員の議事進行の件につきまして、委員長の認識として、この件に関しましては、以前の議運で出さないと、こういうことで取り決めをなされていると認識しておりますので、次回以降の分につきまして、もし必要であれば議運で取り決めしていただく、こういうことでお願いしたいと思います。 〇佐々木俊夫委員 何で議運でそんなことまで決めたの。今、委員長いるけれども、前の委員長でしょう。それは失礼なんだよ。また、我々にそんな報告もなかったからああいう質問になっちゃったので、速やかに次回の議運でやって、和やかな委員会にしましょうよ。 〇千葉伝委員長 私、決特の委員長でございます。したがいまして、今の発言に対しましては、当職の方から議運の方に速やかに伝えると、こういうことで御了承願いたいと思います。 〇藤原泰次郎委員 私から三つほどお伺いします。 まず、まとめて二つほどお伺いします。 まず、第1点は、麦、大豆の関係についてでございます。 麦、大豆につきましては、昨年も本会議で、そしてまた先刻の9月議会でも小麦の消費あるいはまた新品種ということでいろいろお伺いし、また、積極的な答弁をいただいたわけでございますが、平成12年における小麦の関係につきましては、作付面積あるいは生産量等、当初は予算の中で計画を立てるわけですが、結果として12年産はどうだったのかということで、当初見込みに比べての成果をお聞きいたします。 なおまた、13年産につきましても、本来は12年の結果ではございますけれども、今までの作付の状況がわかるとすればそれをお伺いしたいと思います。それが一つ。 二つ目は、時間もあれでございますので、次は松くい虫対策についてお伺いします。 平成13年における松くい虫の被害ということでお伺いするわけでございますが、この松くい虫につきましては、毎回の議会あるいはまた毎年のように出てくるわけでございますし、また、全国的に見ましても、南の方では大変な被害を受けているということは御案内のとおりでございます。本県でも紫波郡地域まで松くい虫が北上しているということで、非常に大変な事態になっておるわけでございますが、平成12年における松くい虫の発生の状況についてどのような状況があったのか、その辺をお伺いします。 それから、二つ目、この松くい虫につきましては、今、伐採等で予防措置をしている。予防といいましても、被害木になったのを伐採するということでございますので、完全な農作物の病気を抑えるための事前の策ではない。出た結果を伐採すると。そしてまた、被害木が余り飛散しないようにという対応でございますが、今現在のところ、そうした伐採以外にそうした被害の防止策を研究なり検討されておるものか、その辺の状況をお聞かせ願いたいと思います。 〇澤田農産園芸課長 麦、大豆の作付面積等についてのお尋ねでございますけれども、麦、大豆の作付面積あるいは生産量につきましては、農業団体あるいは製粉業者、大豆等加工業者等で構成しております岩手県麦・大豆産地体制確立推進協議会の場におきまして協議、検討した上で毎年度の目標を設定しているところでございます。 平成12年度の小麦作付面積につきましては1、680ヘクタールと見込んだところでございますけれども、水田での本作化が進んだことによりまして、最終的な作付面積は1、830ヘクタールとなっております。また、生産量につきましては4、100トンと見込んだところでございますけれども、播種後の長雨によります発芽や生育不良から3、820トンとなりまして、目標を下回る結果となりました。また、大豆につきましては、12年産の作付面積を3、200ヘクタールと見込んでいたわけでございますけれども、小麦と同様に水田での作付が拡大してきたということから、最終的な作付面積は3、570ヘクタールとなり、目標を370ヘクタールほど上回っております。生産量につきましては6、070トンと、目標の5、100トンを970トン上回ってございます。また、これら麦、大豆の生産実績を県農業・農村基本計画の最終年におきます作付面積と比べてみますと、小麦は約8割ほどの達成状況でございますし、大豆につきましては既に目標を達成しているところでございます。 なお、13年産の小麦につきましては、作付面積が2、630ヘクタール、生産量が6、470トンと当初見込みを上回っており、大豆につきましても同様に作付面積が3、950ヘクタール、生産量6、320トンと当初見込みを上回っている状況でございます。 なお、今後の生産につきましては、品質を高めながら、実需者の求めております生産物の供給に努めてまいりたいと考えております。 〇佐々木流通課長 平成12年産麦、大豆の販売動向についてでございますけれども、まず、小麦につきましては、集荷いたしました3、200トンすべてが政府に買い上げされ、販売先といたしましては、8割が県内の製粉業者に、また、残りの2割でございますけれども、県内のしょうゆ加工業者、製粉業者にそれぞれ1割ずつ販売されているところでございます。 また、大豆につきましては、全国的に生産量が増加いたしまして大変厳しい販売環境下に置かれたわけでございますけれども、集荷しました約2、000トンすべてをこの9月までに経済連が全農を通じて販売してございます。その販売先につきましては、県内は豆腐加工業者を中心に約15%、残りの85%は県外となってございます。 なお、平成13年産の小麦と大豆の状況につきましては、本会議でも御答弁申し上げましたけれども、まず、小麦につきましては、県内の実需者に対する追加契約等によりまして、集荷した5、550トンすべてをほぼ前年並みの単価で販売してございます。また、大豆につきましては、およそ3、100トンの集荷が見込まれているところでございますが、集荷が始まって間もないこともございまして、つい最近、11月21日に行われました第1回の入札では、ほぼ前年並みの約10トンと、少のうございますけれども取引されてございます。その単価は前年の約2割安という状況でございます。 〇佐々木松くい虫対策監 まず、平成12年度の松くい虫被害防除についてでございますけれども、平成12年度に松くい虫被害は23の市町村で発生いたしまして、被害量は3万5、829立方メートルという状況になっております。これに対しまして、松くい虫の被害木の駆除を重点とした防除対策を実施したところでございます。被害木の駆除対策のほかに、薬剤の地上散布あるいは空中散布、そのほか、被害にかからないようにアカマツの木に対しまして薬剤を注入する樹幹注入という事業も一緒にあわせて実施したところでございます。 それから、平成13年度の松くい虫被害の予算の関係等についてでございますけれども、まず、当初予算におきましては、松くい虫の被害駆除量につきまして2万4、691立方メートルを予定したところであります。しかしながら、本年度の被害量は、昨年夏の高温少雨の影響によりまして年越し枯れがふえましたことから、現在の段階では4万8、000立方メートル程度と見込んでおるところであり、昨年度を大きく上回る水準で被害が推移している状況となっております。このため、9月補正予算におきまして被害木の駆除予算を大幅に増額し、また、県庁と関係地方振興局に松くい虫被害木駆除緊急対策実施本部を設けるなどによりまして、緊急に松くい虫被害を抑止するための松くい虫被害木駆除緊急対策を関係市町村や森林組合等と一体となって懸命な実施を図ってまいっておるところでございます。 次に、松くい虫防除の技術的な方法等についてでございます。 松くい虫被害は、先ほど申しましたように、被害にかかった被害木を駆除するということに重点が置かれております。これにつきましては、被害木の中で被害を伝播させるマツノマダラカミキリが繁殖するということで、被害木の中からマツノマダラカミキリが飛び出す前に駆除をしなければならないということで、重点的に被害木の駆除を実施しておるものであります。そのほかに、特に重要な松につきまして、この被害にかからないように予防するという対策についても、先ほど申しましたように薬剤の散布等によりまして実施しております。こういった予防方法によりまして、特に重要な松につきましては被害から守られておるところであります。 また、松くい虫被害に強いアカマツ林を造成するため、松くい虫被害抵抗性品種の研究開発を林業技術センターにおいて実施してきておりまして、順次抵抗性の高い品種系統の開発をしつつあります。一部につきましては、種子生産のための採取園を造成しておるところでございます。 今後、重要なアカマツや地区の保全すべきアカマツ林等におきましては予防対策を強化する必要がありますので、関係市町村と綿密に連携をとるとともに、地域の森林所有者、住民の方々の理解と協力を得ながら、これら薬剤散布や樹幹注入による防除方法を被害木の抜倒駆除とあわせまして有機的に組み合わせながら、地域における被害の発生がより早期に防止されるように進めてまいりたいと考えておるところでございます。 〇藤原泰次郎委員 麦、大豆の関係につきましてはいろいろお答えがあったわけでございますが、昨晩も教育長といろいろ懇談する機会があって、その中でも、関係部長を初め、それぞれの御努力によって教育委員会との連携がスムーズにいっているということで、しかも各市町村の教育委員会にも大分趣旨が徹底されたということで意を強くしたわけでございます。しょせんは土地利用型ということで、イチゴとかキュウリであれば1人で2ヘクタールも3ヘクタールもということにはいかないわけですが、これは非常に機械化体系も完備されておりまして面積拡大が容易だし、それからまた、荒地耕地もなくなるということで非常にいいわけでございますが、一番心配されますのは、かつての米の生産調整のときのように、50万トン運動を掲げた途端に今度は減反政策ということがかつてあったものですから、この麦、大豆の振興については大変御努力いただいておりますが、消費の面もやはり念頭に置いてやらなければ大変だなということを痛感しておるわけでございます。これは予算委員会の関係でございますが、中期的な見通しがもしおありであるとすればその辺をお伺いしたいと思います。 次に、松くい虫の関係でございますが、防除策におきましては、抜倒、いわゆる木を切るとかさまざまな手だてがあるわけでございます。しかし、そうは言いましても、これは出た結果について抜倒するということでございます。先ほどもお答えの中に空中散布とかがありましたが、空中散布の場合、厄介なことに自然環境に与える薬剤被害ということもあるわけでございますので、今までの経過がもしおわかりだとすればその辺の状況を伺いたいし、それからもう一つは、アカマツの新品種を開発しようということで非常に力強いわけでございますが、この辺の奨励といいますか、皆さん方に推進できるような時期というのは大体いつごろなのか、もし見通しがあるとするならばお知らせいただきたいと思います。 〇佐々木流通課長 麦、大豆の消費の見通しということでございますけれども、まず、麦につきましては伸びてきているところでございますけれども、播種前に実需の方と契約して進めるという手がたい方法がとられてございます。しかしながら、全国的にも生産が伸びてございますので、これはやっぱり県内の消費をふやしていくという方向を大きくとっていかなければならないだろうということで、現在、例えばパンに県産小麦を使いますとか、それから、先般やりましたけれども、そうめんを1万ケースつくって売って好評だった。これを受けまして、今度はうどんをやってみようとか、そういうようなもので県内消費を拡大して生産の伸びに対応していこうと考えてございます。 大豆につきましても生産が伸びているわけでございますが、麦に比べますと、業界さんの県内の状況がまだまだ結束を強めていただきたい面がございますけれども、例えば県産大豆を使いました豆腐が130円から110円ぐらいで生協さんなんかで売られているわけでございますけれども、これが大変好評で伸びているということがございますし、それから、県内の豆腐屋さん大手6社の方──黒川さんでありますとか平安さんでありますとか豆腐屋さんがあるわけでございますが──、この方々が県産大豆を使った豆腐の新作商品を出すということで、この12月12日──豆腐の日でございますけれども──を契機に少しテスト販売してみるというようなことで、県内の消費を拡大してまいりたいということで対応してまいりたいと思ってございます。 〇佐々木松くい虫対策監 空中散布におきます薬害の関係についてでございますけれども、まず、空中散布を実施している市町村、それから散布の面積についてでありますが、県南部の五つの市と町におきまして約7ヘクタールの散布を今年度実施いたしたところであります。ここにおきまして、薬剤につきましてはメップ乳剤を使っておるんですが、これが環境等に影響はないかという問い合わせが一部の市町村からあったところであります。また、有機農産物の制度が今年度から発足しておるわけでありますけれども、それに対する影響等のないようにということについてもいろいろとお話をいただいておりまして、それらにつきまして、私どもの方では、まず、メップ乳剤の性質上、環境等に対して薬害が生じるということはないということと、それから、有機農産物につきましては、被害が及ばないような形でもって散布を実施するということをヘリコプター会社等にお願いをし、そのような形で実施もしておりまして、現在のところはそのようなことは避けられておるという状況でございます。 それから、抵抗性品種の開発ということについてでございますけれども、これにつきましては、抵抗性のかなり高いもの、そしてまた、抵抗性が極めて高くて、そういう松くい虫被害にかからないというような、そういった二つの段階でもって研究開発が進められておるところであります。 まず、初めの方の抵抗性がかなり高いというものにつきましては、平成16年度ごろをめどに種子の供給ができるように採取園を造成しておるところでございます。最終的な抵抗性のものにつきましては、現在のところでは平成25年度ごろをめどにしておるというような計画と伺っておるところでございます。 〇藤原泰次郎委員 私も麦については一般質問でもお聞きしたので、大豆のところが落ちておったので再度お伺いしたわけでございます。 また、ただいまのアカマツの対策につきましては、防除をしろということで私どもも議会でしょっちゅう申し上げているわけでございまして担当部署も苦労しているわけでございますが、ただ、一面、薬害によって農産物に与える影響、自然の関係ということで、非常に相入れない難しさの中で仕事をやるということになれば大変御苦労さんでございますが、どうかひとつ抵抗性の強い品種の開発につきましては特段の御努力を願いたいと思います。 次に、BSE対策についてお伺いします。 これにつきましては、毎日の委員会に出てくるわけでございますが、私は若干視点を変えましてお伺いしたいと思います。 このBSE対策につきましては、一つには畜産農家あり、そしてまた流通・加工の立場があり、そして消費と、分けますというとその三つになるわけでございます。今現在、前後するような関係もございますが、消費、そして逆に行って今度は流通・加工、そして農家という逆回りのような形の中でそれぞれの立場の方々が苦労されておるわけでございます。先刻もこのBSE対策については部長からもいろいろ御答弁あったわけでございますが、私が申し上げたいのは、やはり流通・加工の中において非常に苦慮している部分があると伺って、私も単独でいろいろ調べたこともあったわけでございますが、その中で事故が起きまして、安全な肉を消費者に供給するという手だては、きのうも関係部長からもあり、また、きょうも部長からもあったわけですが、ただ、そうした安全なものを供給する場合に、非常に経費がかかるということでございます。 一つには、隔離した在庫牛肉につきましては、焼却処分ということでいろいろ手だてをしなければならないということがあるわけでございますが、これは個人の勝手な飼育方法が悪くて出てきた問題ではなくて、やはりえさの関係等もあって、これは国全体の問題であるのではないかと感ずるわけでございます。そうした場合、在庫の牛肉等は、期間を置いて消費者に売るのか、あるいは即座に焼却するか、この二つしかないと思います。その場合、流通させますと、疑わしいものは食わないということもあるわけでございまして、やはり焼却処分するのが一番安全ではないかと私は感ずるわけでございます。そういうことからしました場合、たしか畜産流通センターでも89トンでしたか、約90トン近いと記憶してございますが、そうした肉が在庫になっているわけでございます。それが焼却処分になりますと1億五、六千万円という金額になるわけでございますが、いずれはどこかで費用を負担して処理しなければならないという大きな問題があるわけでございます。そこで私が思うのは、一応国ではそういう対応をするということは私たちは記憶にあるわけでございますが、ただ、そうは言いましても、全額国が責任を持って対処するのであればいいけれども、それが一部、例えば2分の1なら2分の1あるいは3分の2なら3分の2と仮定した場合、あとの3分の1なり半分なりというのは県が責任を持って対処してくれるのか、あるいは農家が対処するのか、あるいはまた、畜産流通センターという立場の中でそれぞれ責任分担してやるのか、これは私はわかりませんけれども、少なくともそうした処分の場合には国で責任を持ってやってもらうという方法が考えられるわけですが、その辺のところをお伺いしたい。 例えば地元の負担が出た場合、国の評価額が即座に現場の価格に反映する評価であればいいけれども、例えばキロ1、000円というものを国では設定する、ところが、実際は1、500円ということになりますと、地元としては生産農家かだれかが負担する場合には当然負担がふえるわけでございますので、いずれそうしたことで、基本的には県等が行政の責任の立場において処理できないものかというふうなことの考え方でございます。 次に、やや似たようなものでございますが、特定危険部位の焼却処分でございます。これも流通の過程においてはいろいろあるわけでございますが、やはり最終的に危険部位を焼却する場合は、ある焼却の施設にお願いしなければならない。頼まれた場合、その施設としては無料でやれるものではないわけでございます。当然経費がかかります。もちろん委託する業者も、あるいは施設も──農家も含むわけでございますが──、そうした中では、やはり経費がどこかでは出てくるわけです。安全なもの、あるいは焼却なり、そういう費用が出た場合だれが負担するのか、この辺が明確でないと、最終的にその負担が生産者、畜産農家に賦課されてきては大変だということを心配するわけでございます。 そこで、そういった負担の関係等が出た場合、今の考え方としてどのようなものがあるのか。私は当該委員でもございませんで、しかもまた、2月、3月の予算議会となりますと先になるわけでございますので、あえて決算の委員会のこの場を利用しましてその対応についてお伺いしたわけでございます。 もう一つ、畜産流通センターの関係につきましては、いずれ経営も容易ではないわけでございます。先ほども農協経営のこともあったんですが、やはり費用も相当かかっている。従来の130なり150頭を処理しなければ経営がペイしない中で、50頭なり70頭なりということになりますと当然経営も大変だと思います。 〇千葉伝委員長 藤原委員、簡潔に願います。 〇藤原泰次郎委員(続) そういうことで、ひとつその辺の対応もお願いしたいということでございます。その考え方をひとつお願いします。 〇佐々木流通課長 まず、牛肉の保管、処分のことについてでございますけれども、当然岩手畜産流通センターさんの負担増ということになりかねませんので、これを回避するということで、未検査牛肉の輸送、保管、処分を内容とします支援事業について本議会で御審議いただいているところでございます。 それから、特定危険部位についてでございますけれども、この特定危険部位の焼却の経費につきましては、牛肉の流通に至る以前──いわゆる牛の状態でございますが──のいわゆる出荷経費であるということで、基本的には屠畜場設置者が生産者から屠畜料に含めて徴収すべきものと考えてございますけれども、ただ、BSE発生以来大変厳しい経営環境下にある生産者でございますので、その負担を転嫁することは大変難しいと思ってございます。したがいまして、このことにつきましては、県としましては、このような状況とともに、特定危険部位の焼却が国のと畜場法施行規則──省令でございますけれども──により義務づけられた経過等も踏まえまして、焼却経費の負担につきましては国に対しまして強く要望しているところでございます。 畜産流通センターへの支援についてでございますけれども、委員御指摘のとおり、大変厳しい環境下にございます。10月の牛の枝肉、正肉、副産物の販売実績等を見ますと、販売額は対前年比の29.3%、屠畜頭数では31.1%という状況でございます。その後、全頭検査が実施されました翌月の11月の牛肉需要を見ますと──これは岩畜さんのデータでございますけれども──、首都圏向けが対前年比で約4割、県内向けが約5割と回復の兆しが見えてきてございます。今後においては、この動きを加速させていくということで、早期に牛肉の消費回復を図るということが大変大事だと思ってございます。 したがって、県としては、本県の牛肉の安全確保体制といいますか、そういうことへの対応を積み重ねまして、県民、消費者の牛肉に対する信頼に努めてまいりたいと思いますし、また、岩畜さんの経常経費の節減等経営の努力を促してまいりたいと思います。 特にも、私が冒頭申し上げましたように、岩畜は大変厳しい経営環境下にあります。御案内のとおり、岩畜は本県唯一の牛の屠畜場でありますとともに、食肉流通の中心的な役割を担っているところでございます。本県の畜産振興を図る上で、その経営の健全性を維持し、これからも大いに寄与していただくということが大変重要だと思ってございます。したがいまして、今後におきましても、生産や消費の動向を見きわめながら、県といたしましてどのような支援が可能かを含めまして検討してまいりたいと考えてございます。 〇及川敦委員 私からは、6款5項の水産業費のうち、内水面漁業に関して伺いたいと思います。中身については、外来魚の対策であります。 平成12年6月議会の一般質問で、私、ブラックバス類の対策について御質問いたしまして、当時の本山林業水産部長からリリースの禁止等の対策をとるという御答弁をいただいて、その後、ブラックバス等外来魚対策協議会などを設置して前向きに御検討されてきたことについては非常にありがたく思っております。以下、その中身について3点、現況をお伺いしたいと思います。 まず、1点目は、平成12年8月に外来魚の生息域の調査がされていると思うんですが、非常に今、ブラックバス類の生息域が拡大してきておると理解しておりますが、どのような状況であるのか、その拡大の理由もお知らせいただきたいと思います。きょうの新聞報道等でも、北上川流域に上流から下流まで広い範囲での生息分布が確認されたということになっておりますが、わかる範囲で状況をお知らせいただきたいと思いますし、また、一部内水面漁業においてワカサギ、イワナ、ヤマメの被害が出ているやに伺っておりますが、その実態をどのように把握されているかお知らせいただきたいと思います。 2点目は、その密放流の実態についてでありますが、昨年来いろいろ報道の中で、私が放流しましたという方が新聞の記者さんのインタビューの中で告白のようなことをされていて、八郎潟から私が持ち込んだという方が名乗りを上げているような記事もるる出ておりますが、この外来魚の密放流の実態については、今、120人の監視員の方でいろいろやられていると思いますが、どのように把握されているのかお伺いします。 3点目は、その対策でやられておりますいわゆるリリースの禁止──一度釣ってから放すことの禁止──ですが、これについての効果であります。これは、平成13年3月1日適用ですから平成12年度の件だと思いますが、それからリリースに関する規制が始まったと理解しておりますが、この効果のほどはどうなっているのかお示しいただきたいと思います。私は、最終的には駆除が絶対に必要になってくると思っておりますが、今後の取り組みについてもあわせてお知らせいただきたいと思います。 〇伊藤漁業調整監 ブラックバス等外来魚対策についてでありますが、本県におけるブラックバス等外来魚の生息状況の点でございます。平成11年度までは、内水面漁協等の報告によりますと、14地点で確認されておりました。今、委員が御指摘のとおり、平成12年度に市町村の協力を得て全県的な調査を実施しました結果、25市町村の18河川、11ダム、49ため池等合計78地点で生息が確認され、本年度は、岩手町及び室根村のため池、気仙川で新たに生息が確認されるなど、その生息域は拡大しております。これは、外来魚の釣りを楽しみたい方などの密放流や、ため池などに生息していた外来魚が河川に生息範囲を拡大したり、先ほども出ましたが、北上川本流にまで支流から入ったとか、そういう形で範囲を拡大していることが要因と考えられております。 それから、外来魚の影響でございますが、御指摘のとおり、御所湖ではワカサギが減ったとか、そういう話は伺っておるんですけれども、残念ながらきちんとしたデータは把握できておりません。したがいまして、内水面水産技術センターの方で──後でまた述べますが──駆除対策等を今年度から本格的にやっていますので、とれた魚の胃の内容物を調べたりして、どんなものを食べているのか、ちょっと基礎的なところかもしれませんけれども、そういったあたりからきちんと把握してまいりたいと考えておるところでございます。 密放流についてでございます。平成5年に県内水面漁業調整規則で移植を禁止するとともに、本年3月には内水面漁業関係法令違反事件通報要領を策定し、県警、県漁業監視員、漁業関係者等による連携を密にして監視、取り締まりに取り組んでいるところでありますが、残念ながら、これまでのところ密放流を発見した事例がなく、その実態は不明でございます。 外来魚につきましては、本年1月の内水面漁場管理委員会指示によるリリース及び生体での持ち出し禁止のほか、生息を抑制するためには総合的な対策が必要との観点から、本年2月に漁業関係者、遊漁関係者、取締機関、行政機関で構成する岩手県ブラックバス等外来魚対策協議会を設置し、対策を検討の上、生息及び生態調査、刺し網等による外来魚の駆除、県警と合同の密放流等防止指導パトロールの実施、マスメディア等を活用した密放流禁止等の啓発などを積極的に実施したところでございます。 先ほどリリース等の効果ということがありましたけれども、そんなものも含めまして、県民の方々には、外来魚は本県内水面の生態系に悪影響を与える魚との認識が広まっており、室根村では、村と遊漁者等が一体となって外来魚の大規模な駆除を実施するなど外来魚の生息を抑制する動きが拡大し、徐々にその効果があらわれてきていると考えております。しかしながら、本格的な対策は本年度が初年度でありまして、有効な駆除方法の開発など効果的な対策についてはさらに検討していくことが必要でありますことから、今後は、本年度の対策の実施状況を踏まえ、岩手県ブラックバス等外来魚対策協議会において次年度以降の対策を検討の上、引き続き対策を講じてまいりたいと考えております。 〇千葉伝委員長 この際、質疑、答弁は簡潔に願います。 〇及川敦委員 では、簡潔に、最後にいたします。 対策の概要については承知いたしましたが、本格的な対応はこれからということでありますので、徹底した対応をお願いしたいと思いますが、1点だけ気になる点がございます。水産基本政策小委員会資料というのを以前ちょうだいしましたが、その中にこんな文章があります。「外来魚と在来魚のすみ分けを進め、内水面漁業、遊漁秩序を構築していく」ということになっております。つまり、外来魚については閉鎖水域である程度囲い込んで、遊漁の振興も考えながらやっていくと。閉鎖水域以外のところは外来魚の駆除をするというような考え方のように私は理解しておりますけれども、私は、こういう手ぬるい方法でいくと必ず後に禍根を残すと思いますので、今、課長の御答弁だと前向きに駆除の方向でいくということであったと思いますが、その点最後に1点確認して終わりたいと思います。 〇伊藤漁業調整監 ただいまの外来魚のすみ分け、封じ込めの件でございますが、水産庁として、平成12年12月にこういったことを提案しております。その提案の結果、物すごい大きな反響がございまして、特に内水面の漁業者サイドからは痛烈な反論、反発もございました。ただ、ブラックバス等を愛好する団体からは逆に歓迎、釣り具屋さんからは歓迎というのがあって、釣り具屋さんたちの話でも、全国に250万人もブラックバスの愛好者がいるということも言われております。そういう議論もあって、水産庁はもう少し検討を進めていくということで、今、その提案は棚上げになっていると聞いております。今後は、水産庁の姿勢としましては、いろいろな関係者の意見をよく聞いて今後の対策を検討していきたいと伺っておるところでございます。 〇菊池勲委員 課長の答弁だと、愛好者がいっぱいいるからいいんだということを聞いてないんだ、及川委員は。そのために今ある魚がいなくなっちゃったときどうするかということの話なんだよ。愛好者が全国に何百万人いるからブラックバスはいいんだという議論の課長の答弁だと、これは一般の魚はほとんどすめなくなるんでしょう、これは。そうじゃないの。ブラックバスだけがあってあとの魚がすめなくなったら自然環境にどんな影響を及ぼすか、それはわかってるのか、課長。もう一回答弁してください。 〇伊藤漁業調整監 私の説明が不足しておりました。ちょっと回りくどいんですが、岩手県のブラックバス対策協議会の中では、岩手県は、自然環境が豊かで魚族種類も豊富なのでブラックバスは不適切だという意見が多いところでございまして、先ほど述べたのは、水産庁の意見として、全国に250万人もいるのでどうだこうだということを述べたので、本県とはちょっと事情が違っておりましたので、その辺言葉が足りなかったので説明いたします。 〇菊池勲委員 今、本県の決算審査だから、本県のことだけ議論すればそれまでなんだけれども、全国的な自然環境は今まであった魚の方がよかったわけだよ。ところが、だれかが自分の楽しみのものを外国から持ち込んだわけだよな。それがある魚を食い殺していくわけでしょう、どんどん。自分らの種族はどんどんふえていく。それが全国では何百万人いるからという議論だと、環境を損なってしまうんだ、絶対に。だから、及川委員が言っているのは、それじゃまずいから対策を講じてくれないかという質問をしているんだと思うんだ、私は。ブラックバスを飼えということは言っていないんだ、だれも。それを、課長の答弁ではそうじゃないんだから、これはまずいと言うのさ、課長。だから、どこかにそれだけすまわせる方法はないんだろう、絶対に。ブラックバスだけすむ池やなんかつくって、そこでぼんぼん遊ばせるというならわかるんだけれども、それはできないことなんだ、これは。だから対策を講じてくれというんだから、それに対して答えなきゃだめだと思うよ。 〇佐藤農林水産部長 伊藤漁業調整監の答弁に不足があったかもしれませんが、私ども、ブラックバス等の外来魚の対策協議会というのをつくっておりましてこの中で議論しているわけなんですが──私、会長ということで──、この中では、ブラックバス等の外来魚についてどうやって駆除するか、あるいはリリース等をどうやって抑えるかとか、いわゆるブラックバスをどうやってふやすかとか全然そういう話じゃありませんから、もう確実に撲滅しようという観点に立ってこの対策を進めております。ただ、今、日本全国ではこういう状況だとか、そういうお話がありますが、本県におきましては、先ほど漁業調整監からお話ししましたように、14地点しかないのが、ことし調査した結果かなりのところでブラックバスが見られましたので、これはゆゆしきことだということで、この対策協議会の協議をさらに強めるということで、ことしもかなりのいろいろな事業を行っております。方向は、これをどうやって抑えるか。と同時に、愛好者がいるということもこれまた事実でありますから、この方々との共存もやはり考えなければならない。ただ、愛好者の方々は、自然を破壊することを前提に愛好しているのではなくて、楽しむんだ、だけれども自然は守るよということを前提にしてやっていくということですから、それは可能だと思っております。そういうことで進めていきたいと、こう思っております。 〇千葉伝委員長 先ほど佐々木俊夫委員から発言のありました執行部に対する湯茶の提供につきましては、先ほど、議会運営委員会において申し合わせたものであると申し上げましたが、調べましたところ、私の記憶違いがありました。これについては、平成12年9月定例会における決算特別委員会の世話人会において湯茶の簡素化を申し合わせたものであり、以来その取り扱いとなっているものでありますので、訂正いたします。 今後の取り扱いについては、委員会終了後、世話人会を開催し、協議することといたしますので、御了承願います。 〇伊沢昌弘委員 世話人会はいつでも開けると思いますので、ぜひそれも前向きに御検討していただければと私からもお話し申し上げたいと思います。 県内の基幹産業であります1次産業を一手に引き受けている部でありまして、生産者のみならず、県内経済に大きな影響を持つ分野として農林水産部の皆さんの指導体制の充実が求められているのではないかと思っております。今委員会にも、部長以下27人の課長、対策監等がいるということで、今までにない審査が行われているわけでありますけれども、ぜひそういった意味で、今までの論議も含めて豊富化をぜひお願いしたいと思っております。 私からは、担い手の育成策についてまずお伺いしたいと思います。 現下の厳しい経済状況の中で、雇用問題を考えた場合、他産業からのUターン、Iターンなどの新規参入者を初め、新規学卒者も含めた新規就業者の増加が望まれるところだと思っているわけであります。県においても、この決算書を見ますと、新規参入者のための事業を各般にわたって行ってきているところでございますけれども、平成12年度における事業の内容と、農・林・水産業三つの分野に参入をしました新規就業者の状況についてお知らせいただきたいと思っています。重要施策の成果に関する説明書の33ページにトータルでの人数があるわけでありますけれども、先ほど申し上げましたUターンなりIターン、さらには新規学卒者等の分類についてお示しいただければと思います。 〇小田島農林水産部次長 農林水産業に参入した新規就業者の状況でございますが、活力ある農林水産業の実現を図っていくためには、委員お話しのとおり、意欲ある担い手の確保が不可欠であります。こういうことで、新規就農総合対策事業あるいは林業従事者育成確保対策事業、漁業担い手対策事業などにより、広報活動や新規就業者の技術研修、就業支援のための資金の貸し付けのほか、農・林・水の各担い手育成基金が連携しまして就業相談活動を展開しているところでございます。 こうした中で、平成12年度に農林水産業に参入した新規参入者は、UターンあるいはIターンあるいは新規学卒者、他産業からの新規参入者など農業では89人、林業では28人、水産業では47人となっております。そのうち、新規学卒者でありますが、農業に関しましては32名、水産に関しましては15名、林業の方は、今、手元に資料がございませんので御了承願いたいと思います。 〇伊沢昌弘委員 新規学卒者の方も多分昔は多かったと思うんですが、傾向としてふえているのかどうか、そういったところについてもう一度後で御答弁をお願いしたいと思っています。 いずれ、大変な状況の中で、農林業、水産業それぞれ努力しているわけでありますけれども、食べられる産業にしない限りこれはかなり難しい問題だと思っています。そういった意味で、ぜひ豊富化もお願いしたいと思っているんですけれども、今までの議論の中で言い尽くされている感もあるわけですけれども、今後の対策といいますか、新たな方々に対する事業、今、お話をいただいた事業のほかに、今やっていることなり、今後考えられることがあればあわせてお伺いしたいと思っています。 〇小田島農林水産部次長 新規学卒者の傾向でございますが、農業で申しますと、平成9年が27名、10年が29名、11年が26名、12年が先ほど言いましたように32名ということで、微増といいますか、ふえている傾向にございます。 それから、今後の対策といたしましては、農林水産業の現状と特性を踏まえまして、技術の習得のための研修の充実あるいは就業後の経営の発展段階に応じましたきめ細かな技術指導、就業を希望する新規参入者に対する県内外での就業相談活動の充実あるいは経営・生活の安定を図るための就農支援資金、林業就業促進資金、沿岸漁業改良資金などの活用あるいは関係機関・団体が行う新規参入者の受け皿づくりなどにつきまして一層支援してまいりたいと考えております。 〇伊沢昌弘委員 2点目お伺いしたいと思います。 県有林特別会計と林業公社について私もお聞きしたいということで申し上げていました。総括の中で私、債務負担行為について取り上げまして、いろいろ見ていきますと、林業公社がお借りしている金融機関からの分野について、約200億円を超える程度のものを債務負担行為で見ているということがありまして、将来的に大変だなと思った分野で総括で取り上げたところであります。特別会計、林業公社の運営につきましては、先ほど来関連質問もあって、一定程度の方向性なりが今後固まっていくだろうと思うわけでありますが、私は、この県有林特別会計、それから公社の問題については、部長が冒頭申し上げましたような多面的な利用も含めて、将来的に公的な機関で一定程度やる必要があると基本的に思っています。ただ、そうは言っても、伐期を迎えた中で一定程度の借入金を返していく、そのことはぜひ対応をお願いしたいものだと思うわけであります。 そこで、視点を変えてお伺いしたいわけでありますが、これまで話の中にもありましたように、森林組合とか林業従事者にとって、この二つの事業は大変大きな位置を占めてきたと思うわけであります。特会事業なり林業公社の県内の林産業に果たしてきた貢献度についてどのように評価をしているのか改めてお伺いしたいと思っています。 また、平成12年度以降、県行造林の中止を行うということで検討委員会の中で方向が出て今動いているわけでありますけれども、いろいろな意味でこれまで貢献されてきたところが、事業が縮小されると思うわけであります。しかし、今後、保育なり間伐などの事業は残っていくと思うわけでありますけれども、そういった事業量について、前に比較して今後どのように変わっていくのか、もしお答えができるのであればお話をいただきたいと思います。 〇坂元農林水産部林務局長 委員御指摘の点でございますけれども、先ほど来お話ありましたように、県有林特別会計による事業、また、林業公社事業につきましては、森林の多面的機能の維持造成、また、地域住民の雇用対策にとって大変大きな貢献をしてきておる、その結果、県有林においては約6万ヘクタール、公社造林については2万5、000ヘクタールに近い人工造林地を造成したところでありまして、具体的な雇用の効果といたしましては、例えば、その2万5、000ヘクタールを造成してきております岩手県林業公社におきましては、平成12年で新規拡大造林が終わったところでございますけれども、14市町村におきまして527億円の造林資金を投入いたしまして、延べ558万人の就労の場を提供し、このことによって森林資源の拡充や山村地域の活性化などに大きく寄与してきているところでございます。また、県有林事業については、具体的数字は持ち合わせておりませんけれども、さらに大きな雇用効果をもたらしてきているということで、山村経済の活性化にとっても大きな役割を果たしてきているということが言えるかと思います。 また、今後の事業の見通しでございますけれども、拡大造林につきましては、平成12年度をもちまして県有林事業、また、林業公社事業につきましては中止するということで、終了したところでございます。それによって、基本的には、従来やっておりましたような拡大造林に伴う植栽、下刈り等に伴う事業がやはりどうしてもだんだんなくなってまいりますので、事業量としては減少する傾向にあるだろうと。そのかわり、間伐とか森林を育成強化するための整備事業がこれから重要になってきておりますので、それらと、また、平成13年度から公益的機能の高い森林を重点的に5カ年間で1、200ヘクタール造成いたすことを目的としております公益保全森林整備事業というものを創出いたしたわけでございますので、それも組み合わせながら、やはり山村の雇用対策としても活用できる公社事業、また、県有林事業の育成整備、そのためには、やはり経営改善の徹底した実施を行って健全経営に近づけていくという努力を前提にいたしましてそれらに取り組んでまいりたいと考えております。 〇伊沢昌弘委員 それぞれ大変な状況にあるものを、多くのいろいろな監査も含めて今後出てくると思うんですけれども、将来的には、20年、30年、50年後を考えれば、県産材時代が必ず来ると思うんです。そういったときに使えるようなものを残す、そしてまた、水源涵養も含めて残すということで、いろいろ議論があった部分を含めてこれから検討されると思うんですが、私は、国有林の借財問題を含めて、伐採ができなくなったということを含めて、保安林を含めて、管理の体制を含めて、今、変わってきている面があると思います。一定程度税金も投入するということで動いてきているものもあるわけでありまして、今、これまでつくってきた林野がすべてそういうものであってはならないと思うんですけれど、材として出しながら、そして岩手の自然を守るといいますか、水を守る、そういう立場で、大きな視点でいろいろ検討されることをお願いいたしまして終わります。 〇阿部静子委員 3点について質問いたします。 第1点目は、県産米の売り込みについてお伺いいたします。 部長から説明の段階でもございましたが、ことしの3月、日本穀物検定協会において県南ひとめぼれが最高の特Aを7年連続で取ったと、すばらしいことでございます。7年連続といいますと、思い出せば、釜石の新日鐡がラグビーで7年連続で大変なお祭り騒ぎをしたわけです。しかし、この7年連続の県南ひとめぼれでそんなにお祝いしたったんえかという思いが私の胸にはございますが、この7年連続するには関係者の皆さん、そして県御当局がどんなに御苦労なさり、どんなに努力をなさったかということを思えば胸が熱くなります。そこで、お伺いをいたします。どのような御苦労があったのでしょうか。 それから、何ぼ、んめと言われても売れなければどうしようもないんです。そこで、県として売り込みをどうなさって、どんな価格でどれだけ売れたのかお伺いをいたします。 次に、農業の意義であるとか、その大事さの意識啓発について、幼い、年齢の低いころからそれを啓発すべきであろうと思います。それで、各農協を中心としながら小学生や中学生に教材用の副読本によって農業の意識啓発に向かって努力をしているということを伺ってございますが、それは県内においてその活用状況と成果について県はいかが判断をなさっていらっしゃるでしょうか。これが2番目でございます。 最後でございますが、食品リサイクル、私、議員になりましてうんと気にかかることは、レセプションにかなり呼ばれていくんです。そうするといっぱい食べるものが出るんです。余りにも余る。あら、これどうするんだろう。これが家庭内における残滓もそうでございますし、これらについて一体県はどのような取り組みといいますか、指導といいますか、それをなさっているのでしょうか、お伺いをいたします。 〇石川農林水産部次長 県南ひとめぼれの特Aを確保したこれまでの取り組みの状況と、それから販売の状況についてのお話でございました。お話しありましたように、県南ひとめぼれ、これは平成6年産米から7年連続最高位の特Aの評価を得ているわけでございます。これにつきましては生産者の方々のたゆまぬ努力、そしてまた、こういったものが品質安定に高い産地となった評価と受けとめておるところでございます。御案内のように、非常に米の今産地間競争、大変激しいものがあるわけでございますが、そうしたときにやっぱり売れる米、消費者が求める米、これを生産していくことだろうと思っております。県といたしましては、こういった高品質、良食味な米を安定的に供給するということで、生産者を初め、関係機関、団体と一体となって、県産米の品質向上に向けた全県的な運動を展開いたしております。 その具体的な話をちょっとさせていただきますが、まず何といっても土づくりでございますので、土づくりには堆肥の施用というのが大事でございますので、これをきちっと適正に施用していくということの目標を掲げております。10アール当たり1、000キログラムは入れようという目標でございます。それから、種をやっぱり自家採取ではなくて新しいきちんとした採取されたものを使うということ、これが種子更新率ということでございますが、これの向上、これを100%確保しようという目標を掲げておりますし、さらにまた、一等米比率でございます、これは90%以上何とか確保しようという目標を掲げまして、一生懸命みんな頑張っておるわけでございます。当然技術指導が第一でございますし、さらにまた、そういった良質なものをつくろうという意識の啓発というのが大事でございますので、いろんなマスコミだとかあるいはチラシ等を通じて徹底しているところでございます。 こういったことで、実はこの運動をかなり前からやってございますが、平成12年度からさらにこの目標をレベルアップいたしまして、そして新たにまたそれに食味計というのできちんと食味を検査する方法も確立されておりますので、そういったものも新たに目標に掲げまして、いわて純情米レベルアップ運動というような新たな取り組みを今現在やっておるところでございます。そのために普及センターなどには新しい米の白さを測定する装置だとか、あるいは被害粒を判別するような機器なども入れまして、そういったものをきちっと調査をしながら、それに基づいた指導をしているということでございます。こういった取り組みの成果として、7年連続の特Aの評価に加えまして、12年産米、これは一等米比率が92%ということで全国第2位の成績、これは東北では当然第1位でございますし、さらに、今年産米も、今現在11月15日現在のデータがございますが、一等米比率93.6%ということで、現在では昨年同様に全国第2位、東北では第1位ということでございます。今後もこういった地位をきちっと確保していくような取り組みを一層進めてまいりたいと思っております。 それから、販売状況でございますが、今言いましたように特Aという評価をいただいておることもございまして、最近の自主流通米価格形成センターの入札におきましては全量完売しております。特に平成11年産以降につきましては、ひとめぼれ、隣の宮城県産米よりも高く取引されておりまして、今ひとめぼれといたしましては全国トップの販売価格を維持しているという状況にございます。これもまた、先ほど申し上げましたような非常に過剰基調の中での状況でございますので、一層大消費地に向けてこういった成果をPRしていきたいと思っておりまして、米の取り扱いの業者等に直接産地の情報をつなぐと、あるいは大消費地に行ってPRするといったようなことのさまざまな取り組みをしてまいりたいと思っております。 〇古沢農林水産企画監 教材用の副読本の活用状況と成果についてでございますけれども、県では農業用副読本・いわての農業を1万7、000部作成しまして県内すべての中学校1年生全員に配布しているところでございます。学校では社会科でありますとか理科の学習の教材補助として、また、クラブ活動であるとか、夏休み、冬休みの自由研究課題の資料などに使われているようでございます。また、学校以外におきましても、農業大学校でありますとか、農業高校などでも使われているということで幅広く活用されているものと思ってございます。 この活用したその成果でございますけれども、この成果につきましては、例えば一学校一農園運動などの農業体験学習とあわせて、子供たちが地元農業や身近な自然環境に興味を持ったり、農業が食料生産に果たす役割や大切さについて理解を深める手助けになっていると考えております。ただ、現在までは林業副読本と農業副読本、それぞれ副読本が二つございましたけれども、農林水産部が一緒になったというわけではないんですけれども、やはり農・林・水一体となった1次産業についての理解を深めてもらうということが非常に重要であろうということから、農林水産業を一体的に解説した副読本としまして、また内容も産業としての役割のほかに、食のあり方でありますとか、自然環境とのかかわりなど、そういった幅広い内容にしたいと考えてございます。それからさらに、この見直しの機会に、これまで中学生に配布しておりましたものを、社会産業を学習し始めます小学校の高学年での配布というのがより適切ではないかということで、小学生向けに小学生にも理解できる内容で、総合的学習時間などにも活用されるような形でのそういった副読本にしたいということで、現在その見直しを進めているところでございます。 〇佐々木流通課長 食品リサイクルについてでございますけれども、委員おっしゃったとおり、食品のロスといいますか、これは目立ってございます。ということで国が調査したデータをちょっと御紹介申し上げますけれども、これは平成12年でございますけれども、結婚披露宴で23.9%、あるいは宴会では15.7%というようなことで大変ロス率が高いということが明らかになったところでございます。こうした背景もございまして、ことしの5月1日でございますけれども、食品リサイクル法というものが施行されてございます。この法律におきましては、食品の製造・流通業者、さらには、家庭をも含めましたそれぞれの段階で、食品廃棄物の発生を抑制するとともに、その有効利用を促進するということとされているところでございます。そのような取り組みを通じまして環境への負荷を軽減し、持続的に発展できる循環型社会を目指そうというものでございます。 県といたしましては、この法律の制定を受けまして、食品リサイクルを円滑に推進するということで、これまでも食品廃棄物を堆肥化し地域内で有効利用を図っている事例などの県内外の先進事例の調査、あるいは関係者への情報提供を行ってきたところでございます。 今後の取り組みについてでございますけれども、食品リサイクルを進めていくためには、まず発生源である食品関連事業者、それからその食品廃棄物を肥料あるいはえさに製造する業者、さらにこれを使う農林漁業者、この三者による一体的かつ計画的な取り組みというものが大変重要でありまして、そのため近々、これらの関係者を対象といたしまして、食品リサイクルのねらいでありますとか、それぞれが果たすべき役割、具体的方策等についての研修会を開催することとしてございます。また、県内における食品廃棄物の種類、発生量、処理方法、そういう実態でありますとか、既に取り組まれてございます食品リサイクルの状況を調査する予定としてございます。 さらに、食品関連事業者等の団体等の意見をお聞きしながら、県内における食品リサイクルの取組目標でありますとか、それに向けた推進方策、そういうものを内容とした県の食品リサイクル推進指針、仮称でございますけれども、こういうものを策定し積極的に推進してまいりたいと存じております。 〇阿部静子委員 本当に詳細にありがとうございました。県産米の7年連続特Aというのでございますが、伺ったらこれは大変な御苦労なわけです。まず土壌、土の改良ですか、この間、私テレビを見ておりましたら、いわゆるお米のブランドでは新潟県の魚沼ですか、あれ高いんですよね。ところが、その隣の富山県が何としても自分たちのところもブランドの米をつくりたいというので、湿地帯で本当は1文にも2文にもならないようなところを、乾燥させてそこに堆肥を入れて、そして新しいうまい米をつくり完成しつつあるというのが報道になってございました。そうすると、今食品リサイクルのお話がございましたが、それらをも兼ね備えながら、また一ついい米ができていくんでないかなという思いがいたします。 それから、今度13年度でございます。3月あたりにこの味見会がまた穀物検定協会であると思いますが、ことしはどうでございます、8年連続に特Aの自信はおありでございましょうか。 〇石川農林水産部次長 これは分析を今、例えば経済連などが中心になりましてやっておる。そのデータをちょっと私、見ておりませんけれども、ことしの状況を見まして、例えば一等米比率が去年と同等に高い結果を得ていますし、かなり可能性は高いのではないかと期待しております。 〇阿部静子委員 誇りを持って、自信を持っておやりになっていただきとうございます。それで、やっぱり8回連続したら何かお祝いしなければお申しわけないと思うんです。それから、コマーシャルで青森の米と岩手の米と二つ出て、青森の米は、うめ、岩手の米は、んめ、あわせてうんめとかというコマーシャルあったんです。ごらんになった方ありますか。あれを青森のものはいいから、岩手のひとめぼれは、んめ、特A連続8年岩手ひとめぼれとかと、そういうやっぱりコマーシャルを少しお金かけても出してみてはいかがですか。 〇石川農林水産部次長 県内全域ひとめぼれ特Aであればいいわけですが、いろんな品種、気象的な条件等々ありまして、それぞれのやっぱり米を売るためのいろんな手だてをしております。その中の一つがブランド提携をして青森と一体となって付加価値を高めて売るというのが、んめでございますので、そういったものもあるし、それからやっぱり県南のものは県南のものとして大々的に特Aだとか食味の特Aをうんと全面に出しながら売り込みをかけていくべきだと思っております。 〇阿部静子委員 私はやっぱり心が狭かったです。東北全体で東北のお米を売り出していくと、今後とも頑張ってください。 〇千葉浩委員 今、県南のひとめぼれの問題が出ましたので、来年も大丈夫だという話、私は10年は絶対大丈夫だと(「100年だ」と呼ぶ者あり)、100年まではどうだか私は生きていませんからわかりませんが、いろいろの理由で努力によってここまで築き上げてきたわけです。ただ、今、宣伝の方法とかいろいろの話もありました。私も新潟にも行ってコシヒカリ食べるんです。ところが、県南のひとめぼれより私は落ちると思っているんですよ、食べてみてね。ただ、値段にいきますと、半分ではないんですが、私の計算ではひとめぼれが62%ぐらいなんですよね。だから、連続非常に光栄なので、それだけ私はやっぱり実際おいしいと思うんですよ。だから、県内広いですからいろいろの宣伝いっぱいあるでしょう。ところが、県南のひとめぼれというものを本当の岩手のあれにして、もっともっと宣伝に力を入れて、そして値段も60とか50とかではなく、コシヒカリより私はおいしいと思っていますから、これは80にも90にも近づける努力をこれからやっぱり力を合わせてやっていかなければならないのではなかろうかと思っておるのが1点。 それから、もう一点は、県南のひとめぼれ、それだけおいしいわけですが、悲しいかな生産調整があるわけですよね。減反というものにひっかかる。そういうことでなぜ、おいしいところでいいものがとれるのに、高いものがとれるところにつくらせないのだといういろいろの話もあります。これはいろいろのことがありますから、そう簡単にはいかないと思うのですが、これは市町村間でやっているとも補償制度があるわけですよね。だから、県としてそういうとも補償というものもいろいろ問題があるでしょう、いろいろ難しいところはあるかもしれませんが、やはりお互いに県内で農業の所得を上げていく上で、このとも補償制度というものをもっと積極的に活用して、指導してやらせるような農業政策、水田対策、米対策というものを確立していったらどうかと思うのですが、その御意見を聞きたい。 〇石川農林水産部次長 第1点目の魚沼産コシヒカリとの価格差でございます。委員お話しのように、残念ながら6割方の値段でございます。これもやっぱり地道な売り込みでもって評価を確実に勝ち取っていって、そして魚沼産に近づいていくということの積み重ねだろうと思っておりますので、今後ともそういうように努力してまいりたいと思っております。 それから、地域間とも補償のお話はこれも私ども従前よりいろいろ調整しながら進めてきた経緯がございますが、これはやっぱり適地適作という私ども進めている大きな一つの農業の推進の方向、これの一つのものだろう。そのためにはやっぱり米にかわり得る、米よりももっといい作目をきちっと入れながら、そしてそういう地域地域の営農がきちっとされた段階において成立していくものではないかと思っておりますし、今度新しい米政策の中でもやっぱりその地域地域での営農というのが、これからますます重要になっていきますので、そんなものも一緒にしながら現場で議論をしながら進めていくことかなと思っております。 〇斉藤信委員 平成12年度決算にかかわりまして主要施策の成果に関する説明書というのが出ています。それを見ますと、農産物品目別粗生産額、これが平成9年の基準額と平成11年実績というのが出ていますけれども、粗生産額が基準額を下回っている。これは平成17年の目標は3、400億円でした。それが平成9年は、基準年ですけれども3、133億円、平成11年は2、928億円、平成12年は2、849億円、今大変いい話で盛り上がっているんだけれども、農業の実態をリアルに見ると生産額が縮小しているという、これは総合計画に逆行している事態であります。私は、なぜこうなっているのか、その原因と計画を達成する方策をどうとろうとしているのか、最初に伺います。 〇古沢農林水産企画監 農業粗生産額がマイナスとなっている原因についてでございますけれども、これにつきましては米の生産調整面積の拡大によって米の生産が減少している。この減少分を他の作物で補える努力をしているわけですけれども、その補完というものが十分補われていないということでありますとか、最近におきます農産物の価格の低迷というものが主たる要因であると認識しております。 また、その目標達成に向けた対策についてでございますけれども、農業生産の中核を担ってございます主業型農家の育成を重点的に進め、農地の利用集積を促進するほか、この主業型農家を中心とする効率的な地域ぐるみ農業が展開されるよう積極的に支援していく。さらに、雨よけホウレンソウのような産地づくりというものが非常に重要であるということから、この主業型農家を産地づくりのリーダーとして育成しながら、兼業農家も含めた特色ある産地づくりに取り組んでいくこととしております。そういった産地づくりにつきまして、産地づくりアドバイザーの派遣でありますとか、水田を高度に活用した収益性の高い野菜、花卉等の園芸作物の導入拡大を一層進め、さらに現在設置しております野菜産地リーディングファームを活用して革新技術の早期導入を図ってまいるなど、目標達成に向けて努めてまいりたいと考えてございます。 〇斉藤信委員 部長、私は前にもこの問題を取り上げているんだけれども、米の生産調整というのはわかりますよ。しかし、岩手県は米、園芸、畜産、これをバランスのとれた農業を目指してきた。米も園芸も畜産もマイナスなんですよ。品目的に言ったら果実、これぐらいが少し伸びているという程度で、全体が落ち込んでいるわけですよね。個別の対策も必要だけれども、やっぱり本当に抜本的にみずから立てた計画を達成するといったら、そういう個別の対策とあわせて本当に農政を転換するぐらいの意気込みで取り組まないとだめなんじゃないですか。部長、どう思いますか。 〇佐藤農林水産部長 農業粗生産額、これは必ずしも岩手県だけではなく、先ほど言いましたような水田対策の問題ありますし、それから何よりも農畜産物の価格の低迷、こういうものが大きく影響しておりまして、まだ今年度の粗生産額の状況、本県の部分わかりますが、東北6県の中では恐らくトップを維持しているものと思いますが、さはさりながら、ただいま委員から御指摘あったように計画と目標との乖離、あるいは年々粗生産額が落ちているという実態、これはつぶさに見ますと水田は確かにそのとおりで落ちておりますが、畜産については今回このような状況にありますけれども、昨年度の実績におきましては何とか踏ん張って頑張っているという状況ですし、園芸につきましても実は意欲面があらわれているであろう作付の面積、これを見ますと、粗生産額は落ちておりますが、作付面積についてはそれが幾らかでも伸びているということは、まだまだ今現在、岩手県で農業を営んでいる農家の方々の意気込みというか、あるいは意欲というか、そういうものが十分にあるということで、今後、私ども努力することによって必ずや岩手の粗生産額が決してマイナスオンリーでいくんではないと、必ず伸びていくと思っております。 〇斉藤信委員 わかりました。私はポイトンはやっぱり価格保証だと思うんですよ。生産面積がふえているということになれば、価格が下がっていると、この価格をどうやって守っていくかということになるので、それで県民意識調査、これを見ますと、改善評価の最下位が、農林水産業は活気があるか、マイナス29.8%で全項目の最下位なんです。農林水産部長、統合したこの成果を本当に発揮して計画に前進すると、逆行するのではなくてね。そういう取り組みを価格保証を充実させながら取り組んでいただきたい。 次に、第2番目の問題について移ります。畜産振興費、草地対策費にかかわる岩手の畜産の今深刻な危機、これがいわゆるBSE対策であります。それで、私はこのBSE──狂牛病汚染の責任は国にあると思います。だとすれば、今回の農家や関連業者の被害、損害というのは基本的には国の責任で補償されるべきだと、私は県がそういう立場で、今さまざまな課題についてやっぱりどんどん国に求めていくべきだと思います。実は日本共産党と民主党、自由党、社民党、野党4党、こういう法案をつくりました。伝染性海綿状脳症対策緊急措置法案、これは基本的には国の責任で農家や業者の損害を補償する。感染牛や特定牛を買い入れて処分すると、こういうものを野党4党がまとめました。ですから、地方からも国の責任でさまざまなこういう損害、被害を補償するように岩手県から声を上げるべきではないか。 あわせてちょっと聞きますが、肥育農家への生産費補償はどのぐらい対象になるのか、10月分や年末分について予測できるなら示していただきたい。今一番深刻なのは、出荷自粛が続いてこれが補償の対象になっていないということです。例えば、3頭出荷自粛すると月200万円から300万円の減収なんですよ。これがずんずん続いていくわけですね。飼料代の補償だけでは間に合わないんです。ですから、この対策を私は国に求めるべきだし、県としても考えるべきだと思いますけれどもいかがですか。 〇馬場畜産課長 BSE対策についてでございます。 まず最初に、BSE発生の責任ということでございましたが、いずれ国は既にBSE関連対策としまして、農家の経営安定におきまして、さまざまな角度から措置を講じていると思っております。また、かなりこの対策は全国的な対策といいますか、取り組みが必要な場面が多いと思っております。したがいまして、今後の推移にも十分注意しながら、また新たな対策が必要と思われる場合には速やかに国に要請していく必要があると思っておりますので、責任問題につきましては県として判断すべき性質のものではないと存じております。 それから、肥育農家への対策でございます。BSE対策として創設されましたBSE対応肉用牛肥育経営特別対策事業の、いわゆるその補てん対象となります10月分の出荷頭数でございますけれども、現在のところ1、054頭と見込まれております。まだこれは確定していないんですけれども、今の段階ではそのように見込まれております。この10月分の補てん金の単価も最近示されておりまして、例えば黒毛和種で申しますと1頭5万6、800円ということで、現在のところ今月の上旬に支払いの予定で事務が進められているところでございます。 なお、年内の様子ということになりますと、11月分としましては2、758頭、それから12月分としましては3、032頭が予定されております。既に11月分は過ぎているわけでございますが、その11月分の単価等についてはまだ未定でございます。なお、この事業では9月10日から3月31日までに出荷されたすべての肥育牛が対象となってございます。いわゆる10月分としましてもその補てん金の交付というものが12月にずれ込むということで、結局全体の事務がおくれているわけでございます。したがいまして、この補てん金が交付されるまでの間は、いわゆるBSE関連つなぎ資金の融通が措置されているところでございまして、この活用を進めているところでございます。 〇千葉伝委員長 斉藤信委員にお伺いします。質問項目たくさんおありでしょうか。 〇斉藤信委員 一定程度ありますね。まとめてやりましょう。 〇千葉伝委員長 もし関連あるものであれば、まとめてお願いしたいと思います。 〇斉藤信委員 では、協力します。 私、今の、国の責任は国が考えることという発想は間違いだと思いますよ。96年にWHOがこの肉骨粉の使用を禁止するという勧告を出したわけです。反すう動物に反すう動物の飼料を与えてはならないと、96年4月ですよ。それを野放しにしてきたのが政府なんですね。だから狂牛病が発生したんですよ。部長、だれに責任があると考えているんですか。農家にあるんですか、業者にあるんですか。政府でしょう、肉骨粉を輸入を規制しなかったのは。私はだから岩手県が堂々と、国の責任でこういう事態が起きたのだから、国の責任でさまざまな損害補償を求めるという立場に立たなかったら、これは大変なことですよ。改めて部長にこれはお聞きしたい。 今、補償の問題で10月分は5万6、800円ということでした。東京市場の枝肉価格を私は9月から最近まで調べてみました。一直線に下がっています。例えば、A5の最高級、これは9月3日、キログラム2、516円、12月5日、1、971円、これは1頭当たり400キログラムと計算して21万8、000円の減です。A2になりますと、1、374円が461円、差がこれは913円で36万5、200円の減です。これでは全然元が取れない。これは大変深刻で、なぜ5万6、800円なのか、わかるなら教えていただきたいし、こういう深刻な価格暴落に対応した補償がされるように求めていただきたい。 それで、BSEの汚染を一番心配しているのは今、酪農家であります。私は県南、県北と酪農家を回りました。こう言っていました。老廃牛は国の責任で買い取って処理してほしい、自分のところから出てもおかしくないと、深刻な危機感を持っています。だから、農林水産大臣がこの老廃牛については食肉に流通させないと、これは12月4日に発言しました。私はこれは極めて重要な発言だと思っています。老廃牛というのは以前は10万円で買い取られていますからね。国が食肉に流通させないというなら、以前の価格、せめて10万円程度で補償してこの措置をやるべきではないか。私はそのことを県は強く求めるべきだと思います。 あわせて、酪農家の要求は、今深刻な事態に立っている。そのときにふん尿処理施設を平成16年度までやらなくてはならない。これはとても無理だと言うんですよ。この狂牛病に直面をして操業資金どこからも出てこない。だから、このふん尿処理施設のこの期限を延長を求めるべきではないか。いかがでしょうか。 〇佐藤農林水産部長 今回のBSEについての責任問題、ただ、どういう責任ということかちょっとあれなんですが、損害賠償を求めるということで、法的な意味での損害賠償の請求ということが、これが被害を受けたと思われる方が請求することがどうかということで、県の私どもが県として、あるいは地方レベルでこれをどうのこうのという判断すべきではないということを申し上げたのです。 〇馬場畜産課長 肥育農家に対する補てんということでございますが、先ほど申し上げましたのはこのたびのBSE対応ということで出た制度での交付金単価で申し上げました。もう一方、実は今年度から、いわゆる肥育経営安定対策事業というものが走っておりまして、あくまでもこの制度に加入している農家ということになるわけでございまして、これもかなり途中でこのBSEが発生したということで加入促進を図りまして、かなりの方に加入していただいておりますが、いずれこの制度が実は四半期ごとに出るということで、いわゆる10月から12月でもって、過ぎてみないと単価が決まらないという実はそういう制度でございます。いずれそれはいわゆる家族労働費とそれから所得との格差、それにつきましての差額の8割を補てんするという制度になるわけでございますが、これが仮にこのようにいわゆる今回5万6、800円出るという、これは物材費としての不足に対しての補てんということになりますから、制度上からしますといわゆる従来の既存の肥育経営安定対策事業については補てん金が丸々出るという計算上になる予定でございます。したがって、まだ補てん金がすっかり計算されませんけれども、仮に試算をさせていただきますと、全体で合わせまして13万円ぐらいになるんでしょうか、ちょっと粗い計算になりますけれどもトータルしますとそのくらいの補てんということになります。先ほどいわゆるA5だとかそういうふうなランクの方の落差というのは大きいということをお話しありましたけれども、この制度というのは常にいわゆる平均的な生産費ということがベースになるものでございますので、A5を出す方々の場合は大抵はいわゆる平均的農家の技術以上に高いということで、いわゆる利潤を出している方というベースになってまいります。したがって、あくまでもこの制度というのは平均的な生産費をベースにしたものでの補てん対策と御理解をいただければと思っております。 それから、酪農家のいわゆる廃用牛対策でございますが、委員まさにおっしゃったとおりでかなり問題でございまして、確かにそういう報道は見ております。詳しくは私どもまだ具体的な内容については知らされておらないわけでございますけれども、いずれまさにこれは岩手県で試算上によりますと毎年6、000頭から7、000頭ぐらいの廃用牛が出るということで、これは全国でも相当な数になるわけでして、全国的な対策でなければと思っております。したがって、そういう面でも国にしかるべききちっとした対策を講ずるように要望する必要があると思っております。 それから、家畜排せつ物処理の施設の整備についてでございますが、いわゆる家畜排せつ物処理施設の整備に当たりましては、県では、家畜排せつ物の利用の促進を図るための県計画というものを策定しておりまして、平成16年10月までに計画的な整備を進めるということにしているわけでございます。これは最近、畜産経営は着実に大規模化しているということで、残念ながら中には家畜排せつ物の野積みだとか素掘りだとか、そういった不適切な管理が見受けられるということで、これが水質汚濁だとか悪臭発生ということになりまして、地域の方々とかなりトラブルが発生しているというケースが多くなっているわけでございます。したがって、早期にこの解決を図るという観点から計画されているものでございますが、いずれ環境問題に対する県民の意識というものが非常に高くなっているわけでございまして、それぞれの地域で畜産経営を安定的に営むという観点では、やはり法で定められている期間内での整備が必要と考えているところでございます。 〇斉藤信委員 部長、農家の立場に立って国に物を言うと、国、県、市町村対等なんだから、国のことは国が判断するなんていう、地方分権の時代にそぐわない。本当に農家は1月まで持つだろうか、やめざるを得ないのではないかという瀬戸際に今なっているんです。だから、ふん尿処理だって今1、000万円も借金してそういう施設つくれないです。狂牛病で今経営が成り立たないというときに。だから、いや法律に沿ってやらなくてはだめだなどという立場ではなくて、農家の実態に応じてやっぱり要求することは要求すると、これは要望だけにしておきます。 それで、BSEの原因究明について、3頭が発覚して代用乳の使用ということも取り上げられていますけれども、県内でもこの代用乳というのはどのぐらい使用されたのでしょうか。肉骨粉を使用した牛が全国で5、129頭、そして県内では50頭と言われています。農水省はこれを5年かけて焼却処分するとなっています。5年かけてと言うけれども早く国が買い取って処分すべきではないでしょうか。5年もかける必要はないと、そうしないと本当に消費者の信頼を勝ち取れないのではないか。特定危険部位の焼却費用、私はこれも国が基本的にやるべきだと思います。先ほど藤原委員もこれを取り上げましたので、岩畜に負担させるなどということをしないように、きちんと国に求め、それまでは県がちゃんと処置すると、こういう対応をすべきだと思います。 BSEの最後に大家畜経営維持資金について。11月15日段階で396戸、12億8、133万円、こういう見込みだと言っていましたけれども、11月末段階ではこの資金の需要はどうなっているでしょうか。畜産対象農家は恐らく1万2、000戸あるんですよね。わずか400戸弱、もしかしたらもっと減っているかもしれないけれども、そういう資金だったら使えない資金だと言わざるを得ないのではないでしょうか。償還期間1年というのが最大のネックで、やっぱりこれを取り払わなかったら、今借金しても1年では返せないというのが農家の切実な声であります。そういう点で今借りている制度資金の返済猶予措置も含めて改善を求めるべきだと思いますけれどもいかがですか。 〇馬場畜産課長 BSEの原因究明ということがお話しございましたが、実は最近になりまして国の方から2頭目までの感染原因あるいは感染源、あるいは感染経路の調査概要というものの資料の提供を受けたわけでございますが、いずれ国の方は、国あるいは発生県と──道・県ということになるでしょうか──発生農場を起点とした調査、あるいは輸入肉骨粉を起点とした調査、両面から調査を行っているというような内容でございました。いずれ現段階でのその内容を見ますと、感染牛の飼養農家の農場では、調査結果では、使用されていた配合飼料あるいは補助飼料の中には原料としては肉骨粉が使用されていなかったという状況になってございますし、また、輸入肉骨粉につきましては、イギリスあるいはデンマーク、イタリア、アジア諸国についての調査が今現在行われているということで、まだ現在のところ感染源なり感染経路を解明するには至っていないという状況でございます。 最近になりまして3頭目ということで、その共通している飼料ということで代用乳が取り上げられているわけでございます。県内の代用乳の使用状況ということでございますが、代用乳そのものはかなり古くから使われているものでございまして、かなり酪農家の中では子牛の保育期間に一般的に使われている飼料でございます。そういう状況でございますので、県内での使用状況すべてについて把握できる状況ではございませんで、緊急にこれまで発生のありました3頭の生産農場において、関東の同一工場で製造されていたということが報じられているものですから、急遽、その同工場で生産されておりました代用乳の本県での使用状況というのを緊急に調査いたしました結果、昨年度でございますけれども、トータルでその同工場からのものは120トンが県内に入荷されている状況でございました。ただ、この120トンのうち、いわゆる発生農場で使用されていた同一銘柄ということで見ますと、19トンという状況でございました。 それから、肉骨粉使用牛のその状況でございますが、これは何回も新聞で取り上げられておるわけでございますが、本県のその肉骨粉の使用実態について調査している過程で、不適切事例ということで2件あったわけでございます。1戸は肉用牛の繁殖農家でございましたし、これは4頭でございます。それから、もう1戸は酪農家でございまして、46頭ということで、計50頭でございました。ただ、その後、酪農家のうち乳房炎等で2頭が既に廃用になっておりまして、現在は48頭ということになっております。ただ、その廃用になった2頭につきましてはBSE検査を実施いたしまして、陰性であることを確認した後に家畜保健衛生所の方で焼却処分ということになってございます。現在、2戸のその農家についてでございますが、いわゆる家畜保健衛生所の監視のもとにありまして、廃用等の移動がある場合には必ず連絡するように指導しているところでございます。 今後についてでございますが、今後の取り扱いということで国に対して、このままではいかぬということで、早く対策を打つように要望してまいりまして、最近その方針が示されたところでございます。その内容でございますけれども、生産者の同意をとった上で、岩手県家畜畜産物衛生指導協会が、その廃用の時点で時価で買い上げまして、そしてBSE検査を行った上で、最終的に家畜保健衛生所の方で焼却処分をするという仕組みになってございます。これを受けまして、今後、生産者に説明をいたしまして、同意を得た上で対応してまいりたいと考えております。 それから、大家畜経営維持資金の需要見込みでございますが、11月30日現在でございますけれども、借り受け希望農家は171戸、貸付見込額で12億6、000万円ということで、貸付見込額そのものは15日現在とはほぼ変わりないんですが農家は減ってございます。これは第一段階のときは11月15日ということで、かなり早い段階で概数的なものだと私どもは理解しているところでございます。地方振興局を通じましていろいろ聞き取りをしたわけでございますが、確かに委員おっしゃるとおりにもう少し長ければという話もございますが、規模によりけりでございますが、いずれ自助努力で乗り切りたいという農家もあるということも現実でございます。確かに岩手県の肉牛生産農家は1万2、000戸ということになりますけれども、かなり規模が小さいということで、繁殖農家の場合は余り資金需要に結びついていないというのが状況でございます。なお、既に14件ほどの貸付実行がされておりますけれども、その中には14件のうち繁殖農家が3戸ございます。ということで実績としても繁殖農家の借り入れ部分が出ている状況でございます。 〇斉藤信委員 これ最後です。今の大家畜経営資金、検査してみたら171戸だと、1万2、000戸の畜産農家の中でこれしか使えないということに私はこの制度の欠陥があると思います。無担保、無保証、無利子の資金なんです。農家はこれを一番使いたいんです。しかし、1年償還だから使えないという、本当にそこの改善を強く求めてください。 大規模林道横沢-荒川区間について最後にお聞きします。 平成12年度、13年度の進捗状況はどうなっているでしょうか。 2つ目に、ルートの見直し、トンネル化を含めて工事の見直しで事業費はどうなったでしょうか。残延長、残工事費はどうなっているでしょうか。ルート見直しはどういう点を考慮して行われたのでしょうか。国の公共事業評価委員会、この結果とその理由はどうでしょうか。 国の評価委員会に示された費用対策効果について。これを見ますと事業費が23億8、500万円となっていますけれども、工事費の見直しを試算すれば32億4、000万円になって、投資効率は私はマイナスになるのではないかと思うけれどもいかがでしょうか。 〇盛合森林保全課長 大規模林道の横沢-荒川区間のことでございますが、平成12年度の実績でございます。延長については0.3キロメートル、事業費は2億4、100万円でございます。平成13年度の実績見込みでございますが、延長0.4キロメートル、事業費で2億6、000万円の予定となってございます。 次に、ルートの見直しについては、林野庁の再評価の結果はまだ出ておりませんが、林野庁が設置いたしました再評価委員会の結論が出ている段階と聞いてございます。再評価委員会の結論においては、公団が路線検討会を開催して決定した変更ルート案が適当とされており、それによりますと平成13年度末の見込みでは、残延長は概算延長で5.4キロメートル、残事業費は、概算事業費でございますが29億7、000万円になると聞いてございます。 なお、路線検討会における検討に当たりましては、土石流危険渓流通過状況、それから2番目にクマタカの高利用域通過状況、3番目にクマゲラの生息状況、4番目に動物の状況、植生の状況、景観の状況等について検討が行われ、現行ルートの評価を行い、そこで見出された課題をクリアするため具体的なルート案が決定されたと聞いてございます。 次に、国による大規模林道の再評価は、本県では横沢-荒川区間を含め3区間が対象になってございます。大規模林道事業再評価委員会は5名の委員で構成されてございまして、7月から11月まで5回の委員会の開催と……(斉藤信委員「中身だけでいいよ」と呼ぶ) 横沢-荒川区間については次のような再評価の結果となってございます。林業・林産業の活動の見通し、地域林業への貢献度などを総合的に検討した結果、事業を継続することが適当であり、また、緑資源公団が実施した路線検討会の結果に基づく変更路線は、環境への配慮、周辺道路網との整合性、費用などから見て妥当と考えられるので、計画路線を変更し、経路変更により延長を短縮して事業を継続することが適当と考える。なお、引き続き猛禽類のモニタリング調査などに基づき、環境保全に配慮して事業を実施することが必要と考えるという意見が出されまして、事業継続ということでございます。これを受けまして林野庁は、再評価委員会の結論を受けまして、最終的な再評価結果を決定し、平成14年度予算の概算決定前に公表する予定であると聞いてございます。 次に、今回の費用対効果分析の対象となったルート変更案の事業費は、平成13年度末の概算で29億7、000万円と見込まれてございます。一方、国が評価委員会に示した費用対効果分析試算結果においては、事業費に隔たりがあるとの御指摘でありますけれども、工事が一定期間を要することから、各年度の予定事業費をそれぞれ社会的割引率を適用いたしまして……。 〇千葉伝委員長 簡潔に答弁願います。 〇盛合森林保全課長(続) 現在価値化して計算を行ったことなどによるものと聞いてございます。 〇斉藤信委員 今、横沢-荒川区間について、私も国の評価委員会に出された費用対効果の一覧表を見ました。事業費が23億8、500万円になっているんです。それで、費用の合計は24億3、300万円、効果額の計が26億2、500万円、今、話があったように最新の残区間の事業費は29億7、000万円なんです。だったらこの費用対効果は1.08ではなくて1を割ってしまうんじゃないですか。私はこの中身を見ても、木材生産増進効果が9億6、500万円とか、炭素固定便益、CO吸収、これが8億8、900万円という、べらぼうな現実離れした試算をしているけれども、それで見たって残区間の事業費の方が上回る。そうじゃないんですか。 〇盛合森林保全課長 本県におきましては、これらの決定につきましては再評価委員会が行われ、また12月半ばほどに林野庁から公表になると話を聞いてございました。実は昨日、斉藤委員から資料の提示を求められ林野庁に聞いたところ、総括表のみいただいてございまして、中身については詳細な把握もしておりませんし、これに対する資料についてもまだもらってございませんので、ちょっとわかりかねるような状況でございます。 〇千葉伝委員長 ほかに質疑はありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 〇千葉伝委員長 質疑がないようでありますので、農林水産部関係の質疑をこれで終わります。 以上で本日の日程は全部終了いたしました。 本日はこれをもって散会いたします。 午後5時15分 散 会 |
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