平成13年12月定例会 決算特別委員会会議録

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平成13年12月7日(金)

1開会 午前10時5分

1出席委員 別紙出席簿のとおり

1事務局職員
事務局長     照 井   崇
議事課長     熊 谷 素 紀
議事課長補佐   浅 田 和 夫
主任議事管理主査 八重樫 典 彦
議事管理主査   浅 沼   聡
議事管理主査   熊 谷 正 則
議事管理主査   田 丸 裕佳子

1説明員
県土整備部長   竹 内 重 徳
土木技監兼県土整備部次長 猪 股   純
県土整備部次長兼県土整備企画室長 武 田 牧 雄
県土整備部次長  吉 田   健
県土整備企画監  藤 尾 善 一
用地監      鶴 田 修 三
建設技術振興課長 内 村 彰 良
技術企画指導監  平 井 公 康
道路建設課長   小田島 正 憲
道路環境課長   浅 沼 英 美
河川課長     小 林 昭 彦
河川開発監    佐 藤 文 夫
砂防課長     茅 野 拓 治
都市計画課長   海 野   伸
まちづくり推進監 沢 口 政登志
下水環境課長   大信田   隆
建築住宅課長   村 主 英 明
建築指導監    村 松   拓
営繕監      佐 藤 元 彦
港湾課長     沖   正 博
 
警察本部長    出 原 健 三
警務部長     齋 川 浩 司
生活安全部長   千 葉 俊 夫
刑事部長     鈴 木   勲
交通部長     及 川   攻
警備部長     菅 野   通
警務部参事官兼総務課長 菊 地 啓 一
警務部参事官兼警務課長 伊 東 忠 久
首席監察官兼監察課長 細 田 敬 一
生活安全部参事官兼生活安全企画課長 菅 原 正 彦
生活安全部参事官兼地域課長 工 藤 松 男
刑事部参事官兼捜査第一課長 滝 田 忠 州
交通部参事官兼交通企画課長 小野寺 英 一
警備部参事官兼警備課長 佐 藤 久 孝
会計課長     荒 牧   優
 
出納長      橋 田 純 一
副出納長兼出納局長 仙 石   夫
出納課長     山 口 喜 弘
 
監査委員     一 戸 克 夫
監査委員     及 川 桂 子
監査委員事務局長 藤 沢 政 則
総務課長     水 本 紘 一
監査課長     三 上 佑 子
 
財政課長     菊 池 秀 一
   

〇千葉伝委員長 これより本日の会議を開きます。
 12月4日の当委員会において執行部に求めておりました入札関係資料をお手元に配付いたしておりますので、御了承願います。
〔参照〕
平成13年12月7日
岩手県総務部
県営建設工事の指名競争入札における指名及び受注状況について
1. 対象期間
  平成11年4月1日から平成13年10月31日までの間に入札を執行した工事
2. 対象業種及び格付
  土木工事・A級
3. 対象資格者
  岩手県内に主たる営業所を有する県営建設工事請負資格者
4. その他
 (1) 普通会計を対象としていること。
 (2) 入札の結果、不調となった工事の指名回数についても含まれること。
 (3) 受注金額については、落札ベースであること。(百万円単位とし、切り捨て整理を行っていること。)
管内 番号 指名回数(回) 受注件数(件) 受注金額(百万円)
H11・12年度
土木A級登録業者 平成11年度指名・受注状況
【普通会計・落札ベース】
管内番号指名回数(回)受注件数(件)受注金額(百万円)
盛岡1137293、742
盛岡266101、823
盛岡3707856
盛岡4404443
盛岡5191117
盛岡635121、269
盛岡7225434
盛岡8271158
盛岡920
盛岡1018216
盛岡11292152
盛岡12186594
盛岡1321190
盛岡14192382
盛岡15182181
盛岡16264335
盛岡1712176
盛岡1815
盛岡19221101
盛岡207175
盛岡21153103
盛岡2212
盛岡2315
盛岡2414191
盛岡2512
盛岡26141164
盛岡2712
盛岡2813
盛岡2913
盛岡3011
盛岡3112
盛岡3242101、432
盛岡33244431
盛岡34492161
盛岡35395667
盛岡362110717
盛岡37405480
盛岡38362189
盛岡39423164
盛岡40392235
盛岡4121
盛岡4213
盛岡43361143
花巻175172、098
花巻2655570
花巻3354321
花巻4598861
花巻5641142
花巻63610977
花巻7625561
花巻8605454
花巻9603341
花巻1035190
北上1617610
北上2341127
北上3326545
北上428185
北上5512188
北上65381、036
北上715172
北上8150
北上9283175
北上10323329
北上1113173
北上12535579
北上13204313
北上1470
北上15120
北上1610
北上17293225
北上18130
水沢1778709
水沢2687723
水沢3717724
水沢4716675
水沢5456530
水沢6615368
水沢769121、336
水沢8686781
水沢9384456
水沢10405436
水沢11373221
水沢12619794
水沢13122213
水沢1430175
水沢1532190
一関1458870
一関2418643
一関3426630
一関4404371
一関5401135
一関6382155
一関7414313
一関8390
千厩15691、098
千厩2436626
千厩3395521
千厩429179
千厩5364402
千厩6190
千厩7333377
千厩830170
千厩922182
大船渡187303、332
大船渡2315209
大船渡3236343
大船渡4242272
大船渡5176379
大船渡6685411
大船渡7614208
大船渡8654587
大船渡915147
大船渡10162122
大船渡1110146
大船渡12113252
大船渡13265328
大船渡1414
大船渡15223149
大船渡1620189
大船渡17224335
大船渡1810179
大船渡1920
大船渡20164330
遠野1537428
遠野2454380
遠野327240
遠野4271108
遠野5438506
遠野6408604
遠野7407553
遠野8454294
遠野9407290
遠野10272168
釜石1148938
釜石2652472
釜石3699658
釜石468
釜石5143183
釜石6111143
釜石713497
釜石8101196
釜石98
釜石10912
釜石11913
釜石127186
宮古1132110
宮古2276310
宮古38810979
宮古4939594
宮古5202370
宮古682148
宮古719283
宮古8123159
宮古9222118
宮古10223193
宮古1152168
宮古12737464
宮古1381111
宮古1415
宮古15196447
宮古16164222
宮古17184248
宮古18152115
宮古19141148
宮古20172218
久慈1105262、862
久慈2779631
久慈384131、502
久慈4439824
久慈5336245
久慈67912855
久慈7706317
久慈8373186
久慈936
久慈10415482
久慈1135198
久慈1220178
久慈13196386
久慈1434169
二戸1368714
二戸2297408
二戸3323370
二戸4355489
二戸53781、134
二戸6326485
二戸7223567
二戸824
二戸9312142
二戸1023


H11・12年度
土木A級登録業者 平成12年度指名・受注状況
【普通会計・落札ベース】
管内番号指名回数(回)受注件数(件)受注金額(百万円)
盛岡1106131、496
盛岡2488685
盛岡34591、008
盛岡4333232
盛岡514
盛岡6294303
盛岡7144505
盛岡817133
盛岡915
盛岡1019
盛岡11242229
盛岡12134406
盛岡1319
盛岡14142170
盛岡1516150
盛岡1624
盛岡1762187
盛岡1891196
盛岡1917164
盛岡2010
盛岡21152160
盛岡2210
盛岡2310
盛岡2410191
盛岡255
盛岡2611169
盛岡275187
盛岡289
盛岡298
盛岡308
盛岡318
盛岡32294433
盛岡33196439
盛岡34322189
盛岡35294436
盛岡3618195
盛岡37262186
盛岡38252187
盛岡39282186
盛岡40292184
盛岡4113
盛岡4211
盛岡4326179
花巻178161、719
花巻2725603
花巻3354401
花巻4627767
花巻5717865
花巻6378902
花巻7684417
花巻8677674
花巻9643252
花巻1035
北上15010825
北上237188
北上3397539
北上425
北上5414256
北上65012919
北上7263265
北上823
北上9222141
北上10354380
北上1124
北上12468460
北上13202164
北上1422
北上1522
北上16
北上17342154
北上1833
水沢16881、026
水沢2627859
水沢3657679
水沢4657627
水沢5372170
水沢6604430
水沢7556660
水沢8598853
水沢9332203
水沢10343269
水沢11322196
水沢12605533
水沢13263271
水沢14291104
水沢1526178
一関1388835
一関2387663
一関3334424
一関4333342
一関5322266
一関6322253
一関7342307
一関833
千厩1305614
千厩2324414
千厩3283279
千厩422169
千厩5263240
千厩619186
千厩720185
千厩8221102
千厩921174
大船渡169111、155
大船渡217115
大船渡3142208
大船渡4152140
大船渡5152139
大船渡6565253
大船渡7523196
大船渡851179
大船渡910140
大船渡10102134
大船渡1111153
大船渡1294410
大船渡13121126
大船渡1410
大船渡1513172
大船渡1612
大船渡17112245
大船渡1810
大船渡198
大船渡20113331
遠野1514341
遠野2446513
遠野3251126
遠野425296
遠野5462221
遠野6447649
遠野7365412
遠野8475448
遠野9412196
遠野1025192
釜石1102243
釜石2522132
釜石3559404
釜石4543179
釜石57189
釜石65
釜石710169
釜石85
釜石95
釜石108
釜石117
釜石124
宮古1173288
宮古2327417
宮古3813283
宮古4857620
宮古525
宮古678
宮古726
宮古8172138
宮古925
宮古1027169
宮古1111169
宮古12724260
宮古1310
宮古14186131
宮古15253263
宮古16256343
宮古17244393
宮古18262141
宮古1922
宮古20256283
久慈183111、548
久慈2704423
久慈37811967
久慈4394411
久慈5193274
久慈6745425
久慈7664291
久慈837164
久慈9332146
久慈10402361
久慈11331102
久慈12152204
久慈1353283
久慈1431192
二戸1354371
二戸2323351
二戸3322163
二戸4344350
二戸5344273
二戸6342261
二戸7326548
二戸8322181
二戸9323247
二戸1034164


H13・14年度
登録業者 平成13年度指名・受注状況
【普通会計・落札ベース】
管内番号指名回数(回)受注件数(件)受注金額(百万円)
盛岡1162162
盛岡26
盛岡316196
盛岡4344304
盛岡5102158
盛岡68
盛岡77
盛岡810185
盛岡95
盛岡108185
盛岡1172173
盛岡126
盛岡137
盛岡1410175
盛岡156
盛岡1610
盛岡177197
盛岡187
盛岡198
盛岡206148
盛岡2110
盛岡224179
盛岡236
盛岡246
盛岡256
盛岡262
盛岡277
盛岡287195
盛岡298
盛岡307
盛岡317175
盛岡325
盛岡33204348
盛岡3452152
盛岡35192181
盛岡36183173
盛岡3717182
盛岡385
盛岡39173207
盛岡40182151
盛岡41195442
盛岡424
花巻1163250
花巻212136
花巻314
花巻4113250
花巻514
花巻6113256
花巻713
花巻8142170
花巻912183
花巻1011
花巻1112173
北上1263154
北上213
北上3264328
北上412
北上5254287
北上612
北上724171
北上8267628
北上924172
北上10255342
北上11224338
北上1212
北上1322
北上14222143
北上1514
北上169
北上179
北上189169
北上199
北上2012172
北上2112
水沢1264343
水沢2241318
水沢323185
水沢410175
水沢5243250
水沢69169
水沢79173
水沢8233278
水沢9102193
水沢103196
水沢11244362
水沢129169
水沢138170
水沢149173
水沢159
水沢168168
水沢177
一関1244301
一関2243244
一関323175
一関4232139
一関5232128
一関6212175
一関721195
一関821
千厩1262140
千厩2253247
千厩321193
千厩4192151
千厩5192144
千厩6192163
千厩7142183
千厩8182158
千厩914186
大船渡1283208
大船渡220
大船渡310184
大船渡482168
大船渡522197
大船渡622
大船渡73
大船渡87
大船渡94
大船渡1042130
大船渡1122
大船渡129111
大船渡138170
大船渡142
大船渡157169
大船渡167
大船渡173
大船渡182
大船渡191
大船渡201
大船渡213180
大船渡225
遠野1343262
遠野2346520
遠野3332169
遠野4213241
遠野5343287
遠野6332164
遠野7212188
遠野833
遠野921180
遠野10332155
釜石16130
釜石222
釜石3223118
釜石422
釜石56
釜石63
釜石75177
釜石83
釜石92
釜石101
釜石111
宮古1115157
宮古2152159
宮古3345251
宮古4333234
宮古5133180
宮古634
宮古710243
宮古810
宮古910
宮古10322114
宮古116
宮古122
宮古1310
宮古148
宮古152
宮古165
宮古17174309
宮古18164167
宮古19162176
宮古2016
宮古21162107
宮古2216193
宮古23163210
久慈1277445
久慈2253199
久慈325161
久慈472158
久慈525165
久慈67182
久慈7222160
久慈88
久慈925
久慈10211180
久慈115197
久慈128
久慈136
久慈146171
久慈158
久慈168
二戸110
二戸210185
二戸310170
二戸4102142
二戸510177
二戸610156
二戸710194
二戸863201
二戸97
二戸1010179


 昨日、当委員会において佐々木俊夫委員から、執行部に対する湯茶の提供についての議事進行の発言がありましたが、このことについて、委員会終了後世話人会を開き協議をいたしましたので、その結果を御報告いたします。
 執行部に対する湯茶の提供については、前回の申し合わせの際にも執行部の意見を参考にした経緯がございましたので、今回も執行部側の意見を参考にすることとし意見を伺いましたところ、御配慮には感謝申し上げるが、答弁する側の実態上、机のスペース等に余裕がないことから、茶器が気がかりになる点があり、必要があれば執行部側で適宜対応させていただくことにしたいということでありましたので、世話人会といたしましては、現行どおりということで御了承願います。

〇佐々木俊夫委員 大事な時間にこういう話をするのは本当はもったいないの。だけど、どうですか、どこの家庭でも、お客さんが来ればお茶を出すし、何だか粗茶と言って怒られた人があるそうですけれども、お互いにそういうこと、あるいはまた、いろいろな会議で、大きな会議は別として、お茶が出るのがまさに日本の文化です。これは文化ですよ。それを何で、もともとから出ていなければいざ知らず、その机の状態で前々は出ておったんですよ。もしそういうことで執行部の方が遠慮するのであれば、我々の方にも出さなきゃいいじゃないですか。こっちにも要りませんよ。そのかわり、我々物を言うとき必要なので、経費が問題であれば、そのときはミネラルウオーターか何かを自分で買って持ってきますよ。
 やっぱりお互いに県政のために真剣に話し合う雰囲気というものは、あるときは、どんな質問が来るかと思ってお茶を飲みながら構想を練ったり、我々もどういう質問をしようかと思ってやっているのであって、余り機械的にやらないで、どうですか、もっとおっとりと構えてね。それで、どうしてもまずいというなら、こっちにも出さない方がいいですよ。我々も必要があれば出て行って飲んできます。それぐらい平等に、お互いに、どちらも県政のためにやっているんですから、平等の立場で物事に接する。私どもは緊張してやれませんからということであれば、何か議員の方が特別扱いをされているようで逆にまずいと思うんです。ならばこっちにも出さない。(「どっちにも出せ」と呼ぶ者あり)
 どっちにも出すべきなんです。私は、片方がだめなら、こっちにも出すなと。(「同じ県民だ」と呼ぶ者あり)そうなんですよ。みんな同じ目的を持ってここへ集まっているわけですから、何も片方は被告席でもありませんし、こっちは検察庁でもありませんので、ぜひそこは、御苦労ですけれども、委員長、後でまた相談しましてやってください。
 決算委員会はきょうだけですから、何なら予算委員会からでもいいですから。あなたがまた委員長になるかどうかわかりませんけれども、ぜひそれはやってください。それは雰囲気なんです。大きく言えば、日本の文化のために私は言うんです。
 終わります。

〇千葉伝委員長 佐々木俊夫委員に申し上げます。
 私、先ほど御報告申し上げましたとおり、出さないということではありません。執行部側が適宜対応するという発言をしておりますので、御了承願いたいと思います。

〇佐々木俊夫委員 ますますもってけしからん。適宜対応ということは、じゃ、出ていってやるんですか。必要なときは、執行部の人たちはお茶を飲みに出ていくんですか。適宜というのはそういうことなんですよ。それはいかんですよ。むしろ、我々の立つのもいかんけれども、いつ、どういう質問が出るかわからんと思って──きのうなんかひどいじゃないですか、10時から5時までですよ、お茶も飲まない。
 それならば、いっそのことどうですか、みんな禁煙にしたら。(「禁煙賛成だ」と呼ぶ者あり)どうですか。話はずれますけれども、見ているところ、執行部の方にもたばこを吸う人がいると思うんですよ。7時間も我慢しているんです。我々は吸っている──私は吸いませんけれどもね。吸っているんですよ。ならば執行部も吸ってやるとか。灰皿が出ていますか。やっぱり同じ立場に立って──委員長をいじめているんじゃないよ。委員長、顔色変えないでください。いじめているんじゃなくて、やっぱりそういう形でやることが、私は県政に大いにプラスがあると思います。
 時間がもったいないからやめますから、どうぞまた検討してください。

〇千葉伝委員長 佐々木俊夫委員に申し上げます。お茶の用意につきましては適宜という表現をいたしました。中身については、ペットボトルなり、その分を必要な分で用意する、こういうやり方もある。こういうことは話の中に出ておりますので、御了承願いたいと思います。
 これより議事に入ります。認定第1号から認定第12号まで、決算12件を一括議題といたします。
 本日は、県土整備部及び警察本部関係の質疑を行い、その後、決算12件について意見の取りまとめと採決を行いたいと思いますので、御了承願います。
 なお、世話人会の申し合わせにより、平成12年度決算の審査であるので、当該年度に関する質疑とされたいこと、質疑項目が複数ある場合、関連する事項についてはできるだけまとめて質疑されたいこと、所属する委員会の部局審査では、当該委員の発言はできるだけ遠慮願いたいこと、各委員の発言機会を保証するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう願いたいこと、また、質疑及び答弁については簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いします。
 最初に、県土整備部長に県土整備部関係の説明を求めます。

〇竹内県土整備部長 平成12年度県土整備部関係の決算について御説明申し上げます。
 決算の内容に入る前に、平成12年度における県土整備部の施策の状況について御説明させていただきます。
 今年度から部の名称を県土整備部に変更いたしましたが、岩手県総合計画の基本目標でありますみんなで創る夢県土いわての実現に向けて、環境対策や地域づくりなど、ハードを支えるソフト面をこれまで以上に重視するとともに、多様な分野の交流・連携を視野に入れた県土の整備と保全を総合的・効率的に進めるため、各分野にわたる施策を積極的に展開してきたところでございます。
 まず、総合計画に示されております自然と共生し、循環を基調とする社会の実現に関する施策についてでありますが、自然環境との共生や循環型社会の形成を目指して、施設整備に当たっては、間伐材の活用や魚道の設置、建設廃棄物の再利用など、環境保全の取り組みを積極的に進めたところであります。
 また、自然との触れ合いを促進するため、大規模自転車道の整備や河川・海岸の環境整備事業により親水性のある水辺環境の形成に努めたところであります。
 さらに、魚にやさしい渓流整備事業では、魚道の整備など生態系の保全に努めたところであります。
 第2は、快適に安心して暮らせる社会の実現についてであります。質が高く快適な暮らしを実現するために、街路、公園、下水道等の都市基盤の整備を進めますとともに、市街地再開発等による快適な市街地環境の再生や良質な公営住宅等の供給、安全で快適な歩行者空間を形成する電線類の地中化等に取り組んだところであります。
 特に、下水道整備においては、汚水処理施設整備率が全国の平均整備率69%に比較いたしまして、平成11年度末47%と大きな開きがありますことから、重点的に整備促進に取り組んだところであります。
 また、地形的にも気象的にも厳しい自然条件のもとにある本県におきましては、災害に強い県土づくりが重要であります。このため、洪水、土石流、がけ崩れ、津波などの発生に備え、治水、砂防、海岸保全等、災害を未然に防止するための対策を着実に進め、その成果といたしまして、県営ダム整備では綾里川ダム、早池峰ダムが完成したところであります。
 第3は、ネットワークが広がり、交流・連携が活発に行われる社会の実現についてでありますが、広域的な連携や地域間の交流を促進し、地域の持つ特性を最大限に生かした個性ある地域づくりを進めるためには、その基盤となる総合的な交通ネットワークの早期形成を図ることが重要であります。
 まず、道路網の整備でありますが、平成11年度に策定した道路の整備に関するプログラムを着実に推進するため、道路ネットワークの骨格となる高規格幹線道路や地域高規格道路を含む交流促進型広域道路の整備を促進したほか、高速交通拠点へのアクセス道路や広域生活圏相互を連絡する幹線道路など、体系的な道路整備を推進してきたところであり、その成果として、国道281号大坊峠、主要地方道大迫東和線古田峠などの完成を図ったところであります。
 次に、花巻空港の整備についてでありますが、国内外の交流の結節点として空港機能の拡充を図る重要な事業でありますことから、早期の完成を目指して、地域の生活環境への配慮を図りながら本格的な盛り土工事に着手したところであります。
 さらに、港湾整備については、内陸部を含む背後圏の物流の拠点として、道路事業と連携を図りながら、それぞれの港湾の持つ特性を生かした整備を進めたところであります。
 これらの事業の実施に当たりましては、限られた財源を有効に活用するため、公共事業評価等により事業の必要性、緊急性、熟度なども考慮しながら、より一層の重点化・効率化を図ったところであります。
 以上申し上げましたとおり、平成12年度は各分野にわたり県土整備部の施策を積極的に推進してまいりました。近年、公共事業を取り巻く環境は厳しいものがございますが、夢県土いわての実現には、その基盤となる社会資本の整備は欠かせないものでありまして、引き続き施策の重点化を図りながら、効率的・効果的な事業実施に取り組んでまいる所存でございます。
 それでは、決算の詳細について説明を申し上げます。
 平成12年度県土整備部所管一般会計歳出決算額の総額は、土木費と土木施設災害復旧費を合わせて1、693億4、459万円余であります。前年度決算額1、746億8、640万円余に対して、額で53億4、181万円余、率にして3.1%の減となっております。
 お手元の平成12年度岩手県歳入歳出決算書の14ページをお開き願います。
 それでは、第8款土木費について御説明いたします。予算現額2、050億999万円余に対して、支出済額は1、579億2、370万円余で、翌年度繰越額は467億1、572万円余であります。
 16ページをお開き願います。第11款災害復旧費でありますが、第2項土木施設災害復旧費は、予算現額214億596万円余に対して、支出済額は114億2、088万円余で、翌年度繰越額は99億8、116万円余であります。
 以上、一般会計の土木費等について総括的に御説明申し上げましたが、具体的な内容につきましては、平成13年度に総務部から移管を受けた事業を含め、便宜、歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。
 平成12年度歳入歳出決算事項別明細書の112ページをお開き願います。
 以下、主なる事業について順を追って御説明申し上げますが、金額については省略させていただきます。
 まず、この112ページの2款総務費1項総務管理費の明細ですが、左ページ下の6目財産管理費であります。備考欄下から2行目の庁舎等集中設計管理費は、各部局が発注する県営建設工事に係る集中設計管理に要した経費であり、平成13年度に総務部から移管された事業であります。
 次に、238ページをお開き願います。第8款土木費第1項土木管理費1目土木総務費は、人件費など県土整備部の管理運営に要した経費及び流域下水道事業特別会計ほか3事業の特別会計に対する県債の償還等に充当するための繰出金等であります。
 なお、備考欄4行目の県営建設工事請負人選定費に含まれている県営建設工事請負予定人選定業務につきましては、平成13年度から総務部へ移管となっております。移管した事務事業については、現在所管している部局から御説明申し上げておりますので、御了承願います。
 2目建設業指導監督費は、建設業者等指導監督等に要した経費であります。
 なお、備考欄の最下段の建設工事管理情報システム開発費につきましては、平成13年度から総務部へ移管となっております。
 240ページをお開き願います。3目建築指導費は、住宅金融公庫から委託を受けて行う融資住宅の現場等審査及び建築確認の事務等に要した経費であります。4目空港費は、花巻空港の管理運営に要した経費及び滑走路拡張整備等に要した経費であります。
 242ページをお開き願います。第2項道路橋りょう費1目道路橋りょう総務費は、市町村道の計画的な整備を促進するための市町村道路整備事業に補助した経費等であります。2目道路維持費の主なものでありますが、交通安全施設整備事業費は、国の補助を受けて交通事故多発箇所を重点に自転車歩行者道の整備を図るとともに、交差点の改良等に要した経費であり、道路維持修繕費は、県管理に係る国道及び県道の維持修繕に要した経費であり、緊急歩道整備事業費は、自転車及び歩行者の安全確保のため、主要地方道二戸安代線安代町日影ほか25カ所の歩道整備に要した経費であります。244ページをお開き願います。3目道路新設改良費の主なものでありますが、道路改築事業費は、一般国道106号盛岡市簗川ほか23カ所の改良工事等に要した経費であり、緊急地方道路整備事業費は、主要地方道一関北上線北上市立花ほか90カ所の整備に要した経費であり、地方特定道路整備事業費は、主要地方道盛岡和賀線紫波町岩清水ほか104カ所の整備に要した経費であり、新幹線関連道路整備事業費は、主要地方道二戸九戸線九戸村折爪ほか1カ所の整備に要した経費であり、直轄道路事業費負担金は、国道4号など国が実施した道路事業等に対する県負担金であります。4目橋りょう維持費は、主要地方道盛岡横手線雫石町天沼橋ほか19橋の維持修繕工事に要した経費であります。246ページをお開き願います。5目橋りょう新設改良費の主なものでありますが、県単独橋りょう整備事業費は、主要地方道盛岡大迫東和線大迫町新大橋ほか13橋の橋梁架替工事等に要した経費であり、震災対策緊急橋りょう整備事業費は、一般国道282号安代町舘市橋ほか4橋の橋梁の落橋防止工事等に要した経費であります。6目高速道路対策費は、日本道路公団の受託を受けて、東北横断自動車道釜石秋田線の建設用地取得事務等に要した経費であります。
 246ページから249ページにかけての第3項河川海岸費1目河川総務費の主なものでありますが、河川水門管理費は、河川及び海岸の堤防水門の管理等に要した経費であり、直轄ダム管理費負担金は、国の管理する御所ダムほか4ダムの管理経費に対する県負担金であります。2目河川改良費の主なものでありますが、基幹河川改修事業費は、滝名川ほか11河川の改修工事に要した経費であり、河川局部改良事業費は、稗貫川ほか8河川の改修工事に要した経費であり、直轄河川事業費負担金は、北上川上流など国が実施した河川改修事業等に対する県負担金であります。248ページから251ページにかけての3目砂防費の主なものでありますが、砂防事業費は、中の沢ほか55カ所の堰堤工及び護岸工等の工事に要した経費であり、火山砂防事業費は、松川ほか8カ所の堰堤工及び護岸工等の工事に要した経費であり、急傾斜地崩壊対策事業費は、小佐野ほか33カ所の擁壁工等の工事に要した経費であります。4目海岸保全費の主なものでありますが、海岸高潮対策事業費は、金浜海岸ほか2海岸の防潮堤等の工事に要した経費であり、海岸環境整備事業費は、高田海岸の人工リーフ等の工事に要した経費であります。252ページをお開き願います。5目水防費は、河川情報提供システムを構築するための施設整備に要した経費等であります。6目河川総合開発費は、県営の早池峰ダムほか6ダムの建設に要した経費であります。
 254ページをお開き願います。第4項港湾費1目港湾管理費は、久慈港ほか4港の港湾管理に要した経費等であります。2目港湾建設費の主なものでありますが、港湾改修事業費は、宮古港ほか5港の施設整備等に要した経費であり、直轄港湾事業費負担金は、釜石港の湾口防波堤など、国が実施した港湾整備事業に対する県負担金であります。
 256ページをお開き願います。第5項都市計画費1目都市計画総務費の主なものでありますが、都市計画調査費は、都市計画基礎調査等に要した経費であり、広域公園管理費は、花巻広域公園及び御所湖広域公園等の維持管理に要した経費であります。256ページから259ページにかけての2目街路事業費の主なものでありますが、街路事業費は、上堂鵜飼線ほか9カ所の都市計画道路の整備に要した経費であり、緊急地方道路整備事業費は、犬袋新町線ほか27カ所の都市計画道路の整備に要した経費であります。3目下水道事業費の主なものでありますが、過疎地域公共下水道整備代行事業費は、宮守村ほか6町村で実施した過疎代行下水道整備に要した経費であり、下水道整備促進対策費は、遠野市ほか36市町村が実施した下水道事業債償還基金の積み立てに対し補助した経費等であります。
 260ページをお開き願います。第6項住宅費1目住宅管理費は、県営住宅等5、121戸の維持管理に要した経費であります。2目住宅建設費の主なものでありますが、公営住宅建設事業費は、盛岡市月が丘団地ほか3団地116戸の県営住宅建設に要した経費であり、既設公営住宅改善事業費は、盛岡市松園西団地ほか1団地の34戸について、狭小な3戸の住宅を2戸に改造するなどの住戸改善に要した経費であります。
 次に、第11款災害復旧費について御説明申し上げます。少し飛びまして、298ページをお開き願います。第2項土木施設災害復旧費1目河川等災害復旧費の主なものでありますが、河川等災害復旧事業費は、過年災、現年災合わせて580カ所の災害復旧工事等に要した経費であり、直轄河川等災害復旧事業費負担金は、国が実施した災害復旧工事等に対する県負担金であります。
 以上で、一般会計の説明を終わります。
 次に、特別会計について御説明申し上げます。恐れ入りますが、お手元の平成12年度岩手県歳入歳出決算書の44ページをお開き願います。
 平成12年度岩手県土地先行取得事業特別会計の決算について御説明申し上げます。
 まず、歳入決算の状況でありますが、収入済合計額は56億2、795万円余であります。その主な内容は、事業施行者に用地を売り払いした財産売払収入及び前年度からの繰越金等であります。
 次に、歳出についてでありますが、支出済合計額は56億2、793万円余であります。その主な内容は、土地開発基金の管理、県債の償還及び事業用地の先行取得等に要した経費であります。
 この結果、歳入総額から歳出総額を引いた1万円余は、翌年度に繰り越しているものであります。
 以上で、岩手県土地先行取得事業特別会計の説明を終わります。
 次に、48ページから51ページにかけてでありますが、平成12年度岩手県流域下水道事業特別会計の決算について御説明申し上げます。
 まず、歳入決算の状況でありますが、収入済合計額は127億8、209万円余であります。その主な内容は、流域下水道事業の施行等に伴う市町村負担金、国庫補助金及び県債等であります。
 次に、歳出についてでありますが、支出済合計額113億6、169万円余であります。その主な内容は、北上川上流流域下水道及び磐井川流域下水道の維持管理、建設工事及び県債の償還に要した経費であります。
 この結果、歳入総額から歳出総額を差し引いた14億2、039万円余は、翌年度に繰り越しているものであります。
 以上で、岩手県流域下水道事業特別会計の説明を終わります。
 次に、52ページをお開き願います。平成12年度岩手県港湾整備事業特別会計の決算について御説明申し上げます。
 まず、歳入決算の状況でありますが、収入済合計額は26億2、910万円余であります。その主な内容は、港湾施設、工業用地等の使用料、繰入金及び県債等であります。
 次に、歳出についてでありますが、支出済額合計は26億2、894万円余であります。その主な内容は、大船渡港の施設整備及び県債償還に要した経費等であります。
 この結果、歳入総額から歳出総額を差し引いた15万円余は、翌年度に繰り越しているものであります。
 以上で、岩手県港湾整備事業特別会計の説明を終わります。
 次に、54ページをお開き願います。平成12年度岩手県県民ゴルフ場事業特別会計の決算について御説明申し上げます。
 まず、歳入決算の状況でありますが、収入済額合計は1億5、194万円余であります。その主な内容は、花巻広域公園ゴルフ場の使用料及び繰入金等であります。
 次に、歳出についてでありますが、支出済合計額は1億5、112万円余であります。その主な内容は、花巻広域公園ゴルフ場の管理及び県債償還に要した経費であります。
 この結果、歳入総額から歳出総額を差し引いた81万円余は、翌年度に繰り越しているものであります。
 以上で、岩手県県民ゴルフ場事業特別会計の説明を終わります。
 なお、県土整備部の主要な事業の成果につきましては、主要施策の成果に関する説明書にそれぞれ記載してございますので、ごらんいただきたいと存じます。
 以上をもって県土整備部所管に係る平成12年度決算についての説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。

〇千葉伝委員長 ただいまの説明に対し、質疑はありませんか。

〇伊藤勢至委員 253ページの簗川ダム建設事業費に関連してお伺いいたします。
 12年度の決算額は36億円余でありまして、いよいよ本格的に動き出してきたのかと大いに期待をしているところであります。と申しますのは、宮古・下閉伊にとりましてダムそのものは直接の恩恵がないわけでありますけれども、ダムが完成することによって、堤体が現在の106号線の真上に来るということから、水没する部分の付替道路の工事が先行していると伺っております。7.5キロが水没することから、6.5キロの新しい付替道路の工事をしている。これが3本のトンネル、14本の橋と伺っておりまして、川目地区のあたりを通りますと大きな橋なんかが見えてまいりまして、いよいよ本格的に動き出してきたと期待しているところであります。
 このことによって、実は道路の時間短縮が図られるのではないかという期待が一つありますし、同時に、水没する区間の曲がりくねった部分が相当解消するだろう、安全にも資するだろう、こういうことからお伺いしたいと思います。
 そして当然、堤体が完成する前に付替道路が完成して、供用されるものだと思いますので、現在の状況の中でダムの進捗状況はどうなっているのか、完成年度はいつごろを目途としているのか、そしてまた、これが完成する前に当然供用開始になるであろう新しい付替道路の部分はいつごろから供用開始になるのか。それからもう1点、これは当然、宮古盛岡地域高規格道路の規格に沿ってやっているものだと思いますので、そこをあわせて確認させていただきたいと思います。

〇竹内県土整備部長 簗川ダムにつきましては、現在鋭意整備を進めているところでございます。特に、国道106号の簗川道路につきましては、地域高規格道路として、これは平成7年8月に指定を受けておりまして、平成8年度から事業に着手いたしております。この道路につきましては、平成13年度末の進捗率は事業費ベースで約40%を見込んでおります。
 どのぐらい短縮されるかというお尋ねがございましたけれども、その整備効果につきましては、お話もございましたように、橋梁、トンネルの整備などによりまして曲線部が解消されまして、現道の延長が約800メートルぐらい短縮されます。最小半径も、現況で80メートルぐらいのところがあるんですが、この最小半径が500メートルになります。最急勾配が現在7%程度ございますけれども、これが4%に緩和されます。通過時間が5分ほど短縮されることになると考えてございます。
 今後はこの整備に鋭意取り組んでまいりますが、御承知のように、公共事業費、特に高規格幹線道路関係事業費が非常に厳しい環境になってございます。したがいまして、今の段階でいつというように明確に申し上げるのはちょっと難しいかと思っておりますが、現段階で私どもが想定いたしておりますのは、平成19年度ごろの供用を目指してまいりたい、そのように考えてございます。
 ダムの進捗率等につきましては、担当の課長の方から御説明申し上げます。

〇佐藤河川開発監 簗川ダムの進捗率につきましては、現在の事業費のベースでいきますと18%程度になっております。

〇伊藤勢至委員 簡単明瞭、大いに結構です。
 関連してお伺いいたしますが、いよいよ岩手にもまたまた冬将軍がやってまいりまして、この106号線、峠道ということから大変危険な状態にいつも冬はあると思っております。そういう中で最も大変なのがトンネルを出た後で、橋梁でそれがカーブをしているという部分が大変きついといいますか、厳しい部分だと思っておりまして、冬期間のスリップ事故、転落事故等が発生しているのは多分そういうところなんだろうと思っております。
 したがいまして、今回のこのダムに関連しては、ほとんどストレートで抜けるということでありますので、これについては余り心配をしておりませんが、現在残っております曲線の、特にもトンネルを抜けてすぐ橋梁、それがカーブがきついという分につきましては、それぞれ標識を立てるとか、あるいはパトロールをされるとか、いろいろ対応されてきていると思っております。しかし、この宮古盛岡地域高規格道路が完成するのは、多分、私が生きているうちじゃないと思っておりますので、その間の緊急の交通安全対策として、今後、ロードヒーティングといいますか、局所局所改良していくという視点が当然おありになるだろうと思います。これについては次の予算委員会で資料等、事故等の頻発度を示しながらやりたいと思いますが、現在対応としてお考えになっている部分が今までを含めておありになれば、1点お伺いしておきたいと思います。

〇竹内県土整備部長 国道106号の宮古管内分の路面凍結に伴う危険箇所の状況把握につきましては、トンネルの出入り口、それから橋梁区間、急カーブ、交通事故の過去のデータなどについて点検いたしておりまして、その結果、何らかの対策が必要であると判断される箇所が現段階では6カ所ほどあるのではないかと認識しております。
 この6カ所のうち、1カ所の川井村平津戸地区では、視認性の確保と冬期間の幅員確保のための拡幅工事を今年度から実施いたしまして、来年度の完成予定になっております。
 また、川井村の門馬トンネルでは、危険箇所の解消のため、ロードヒーティング工法などの事業実施に向けた調査を現在行っております。
 その他の4カ所につきましても、消融雪施設(ロードヒーティング)を含めまして、各種の対策工法について、路面凍結によるスリップ事故対策を検討することとしております。
 なお、道路パトロールの強化や凍結抑制剤の重点的散布によりまして、路面凍結によるスリップ防止などについては、今後ともその解消に努めてまいりたいと考えております。

〇伊藤勢至委員 最後に、平成4年の県立宮古病院が開業した当時からの重要な宮古市の懸案であります北部環状線、つまり宮古病院アクセス道路についてお伺いしたいと思います。
 これは、平成4年に開業いたしました当時、何回もこの委員会でもやっておりますけれども、宮古の医師会の先生方から当局に対して、市内から通ずるあと1本の道路を何としても開業時までには整備してほしいという要望が、宮古市及び広域、あるいは県の方に上がってきたと思っております。そういう中で、これはまさに、特に冬期間になってまいりますと、今現在45号線1本しかないということから、積雪あるいはスリップ事故等が発生した場合には、救急車が立ち往生してしまうような状況にあるわけでありまして、これは10年来一つも変わっていない現況であります。
 そういう中で、私は平成3年に市会議員に当選しまして、このアクセス道路について一生懸命追いかけてきたつもりでありまして、この間、県の方にも何回も事情をいろいろ説明を伺いに上がりました。ところが、市会議員の名刺を持っていきますと、県のほとんどの皆さんは、名刺を見た切り顔も上げないで、はい、御苦労さん、こういう状況だったわけでありますが、その中で、当時の帷子道路整備課長、そして竹内道路整備課長補佐は、お時間があいているときは、どうぞお座りください、どういうことで来られましたか、お茶をどうぞ、コーヒーをどうぞ。コーヒーまでいただいて、大変、地獄に仏とはこのことかと思って感激をしてきたときもあります。
 そういう中でもずうっと一緒にといいますか、追い続けてきたわけでありますけれども、宮古市からの、あるいは宮古広域圏からの毎年の要望にも必ずのっている点でありますが、現在必ずしも進展しているとは思えない状況にあります。いろいろな事情はあるのだろうと思いますが、宮古あるいは宮古広域圏の命と健康にかかわる道路として、当局としてどのように今まで対応されてきたか、光明が前途に見えるのかどうかお伺いしたいと思います。

〇浅沼道路環境課長 ただいまの北部環状線についてでございますけれども、宮古市におきまして、主要地方道宮古岩泉線から国道45号までの間でございますが、総延長2.4キロ区間につきまして、現在、延長964メートルを工事区間といたしまして、国庫補助事業並びに地方特定道路整備事業によりまして事業を実施いたしているところでございます。
 平成13年度までの進捗率といたしましては、現段階で25%となっておるところでございます。残る1.4キロの区間につきましては、山間部を抜ける大規模な工事となる見込みであることから、現在、宮古市と県とが連携し、より効率的で経済的なルートなどについて検討を進めているところでございます。
 県といたしましては、宮古市が着工している区間の埋蔵文化財などの調査の進捗状況や残る1.4キロメートル区間の計画検討状況を見きわめながら、県の代行事業なども考えられますので、その支援方策について 検討してまいりたいと考えている次第でございます。

〇伊藤勢至委員 進捗はしているようではありますけれども、基本の部分、背骨の部分にまだ至っていないというところで、これは頑張っていかなければならないと思っているものであります。
 そういう中で、財政状況がこのとおりでございますので、それぞれ県内59市町村からの統一要望を見ましても6割から7割が道路等に関する部分だと思っておりまして、状況が厳しいことには変わりがないと思っております。
 そこで、13の市の中で、県の代行とか、県単事業とか、それぞれ五つも六つもいただける時期ではないということになるのだと思いますが、そうした際に、地元としてあっちもこっちもというのではなくて、どれかに絞って重点的な陳情・要望をしろというような御指導があれば、やはり健康と命にかかわる道路に集約してお願いしていくお願いの仕方も必要なのではないかと思うわけであります。大いにいっぱいやっていただきたいのはどこの市町村でも同じであると思っておりますけれども、その中でも特に特にということで、地元の、あるいは地元広域圏の意見を集約した方が自分たちも取り組みやすいというような点があれば、そういう御示唆もいただきながら、何とか宮古広域圏の住民が悲願としております北部環状線を進めていきたいと思っておりますので、当時私にお茶を勧めていただいた県土整備部長からひとつお答えいただいて、終わりたいと思います。

〇竹内県土整備部長 お話のございましたように、大変財政事情が厳しくなってございますので、やはり御要望いただくときには、地域の方々に一番大事な部分、すぐ、一番先に着手してほしい分、それが全体で地域の方々の御理解を得られた上で御要請をいただくというのが、私どももどちらかというと対応が前に進むのではないかと思っております。そういったものにつきましては、我々も精いっぱいおこたえしていきたいと考えておりますので、今後ともよろしくお願いしたいと思います。

〇工藤篤委員 242ページの道路橋りょう費の事業に関連いたしまして、幾つか項目的にお尋ねしたいと思います。
 まず、県土整備部の皆様方には、県北の新幹線関連道路を初め、道路の整備につきましては大変特段の御配慮をいただいておりまして、心から感謝申し上げる次第であります。
 まず最初に、県道二戸一戸線について何点かお尋ねしたいと思います。
 実は、昨年11月から12月にかけまして、二戸市内で小学生に車が突っ込む事故が2件ほどこの県道であったわけでありますが、特にこの事故のありました五日町地区、あるいは石切所の二戸署の前のあたりでありますが、これらの交通安全対策はその後どうなっているのか、これを第1点お尋ねします。
 2点目は、実は落久保地区で街路の事業を進めていただいておるわけでありますが、事業も大分進んでおりまして、この地域は何か電線の地中化も県北で初めて取り組んでいただけるということのようでありますが、見た感じでは予定より若干おくれているのかというようにも思うわけであります。町の中心地でもありますので、それらの事業の見通しについてもお尋ねしたいと思います。
 それから、やがて新幹線が参るわけでありますが、この路線の川原橋、あるいは岩谷橋等があるわけでありますが、非常に橋も古くなっておりまして、これらの架け替えも県の方で検討しているやにも伺っているわけでありますが、これらの見通しについてもお尋ねしたいと思う次第であります。
 それからもう1点は、堀野地区、実は県北でもここは非常に商業活動の盛んな地域でありまして、将来的にこのすぐ隣地に県立福岡病院の整備もなされるわけでありますが、朝夕、交通渋滞等々で緊急車両、救急車等々通る路線であるわけですが、一部改良してほしいというような地元の要望もありまして、これらについての取り組み等々についてもあわせてお尋ねいたします。

〇浅沼道路環境課長 まず、平成12年に起こりました交通事故の五日町の関係、あるいは石切所の関係でございますけれども、まず、五日町地区の交通安全対策につきましては、岩谷橋から480メートル間につきまして、歩道と車道を分離するという目的で、完全対策とは思っておりませんが、緊急対策といたしまして38本の歩道・車道分離帯を設置いたしておるところでございます。さらに石切所、これは川原橋から警察署の前でございますけれども、やはり同じような工法でございまして、デリニエーターを12本、あるいは、警察前の交差点でございますが、車線分離標4本を設置いたしておるところでございます。
 そういった緊急的な施設を整備いたしまして、さらに追加できる対策は何が必要なのかというのをちょっと時間をかけて、今現在、現地の状況を調査いたしているところでございます。
 さらに、先般二戸で交通安全対策協議会が開催されまして、その中で申し合わせた事項といたしましては、冬季における除雪の徹底、あるいは凍結危険箇所への啓発看板というようなものを緊急に設置してみてはどうだということで、これは、実は現地の地方振興局の方で年内に管内の危険箇所に啓発看板を設置するということで、現在設置を進めているところでございます。

〇海野都市計画課長 街路事業の落久保工区の進捗の見通しについてでございますけれども、まず、この区間につきましては、全体220メートルの区間につきまして平成8年度に事業を進めております。現在の進捗率は93.9%、平成14年度完成を目指して整備を進めております。現在、電線類地中化の実施をしております。
 次に、川原橋、それから岩谷橋の関係でございますが、まず、川原橋につきましては、平成12年に新規採択を受けまして、19年度ごろを完成予定としまして事業を始めたところでございます。延長が263メートル、その間に約80メートルの橋梁の架け替えを予定しております。現在、事業が始まったばかりでございますので、地元の皆様といろいろ御協議を申し上げているところでございます。
 それから、岩谷橋につきましては、橋梁が老朽化しているということについては調査しておりますが、公共事業のいろいろな状況の中から、やはり二戸市のこの路線に今2工区入っているということもありまして、いずれ、県全体の街路事業の推移等も見ながら、今後事業実施時期については検討してまいりたいと考えております。

〇浅沼道路環境課長 先ほどの二戸の堀野地区の道路の整備の関係でございますけれども、本地域につきましては、地元の商店会の方々から、景観などに配慮したまちづくりを自主的に検討していただいておるところでございます。これらを先般陳情を受けておりまして、県といたしましては、この今まで培っていただきました成果を尊重いたしながら、一般県道の二戸一戸線を中心に、交通安全とバリアフリーの観点から、コミュニティーゾーンの形成に向け具体的な計画策定を行いたいと考えております。そして、地域の皆様の声を反映させるために、平成14年度から具体的に調査・検討を行うことで進めていきたいと考えている次第でございます。

〇工藤篤委員 どうもありがとうございました。
 いろいろ事業に取り組みをいただいておりまして、これからも積極的に進めていただきたいと思うわけであります。
 それから、先ほどの交通安全対策の面で、実は除雪という話もあったわけでありますが、浅沼課長は現地にも詳しいわけでありまして、御承知のように非常に狭い道路でありまして、車道からグレーダーみたいなもので除雪しますと、人が歩く歩道部分に雪が積み上がって非常に歩きにくいという状況もあるわけであります。実は昨年、そういうものも原因だったのかと思うわけでありますが、運転者がハンドルをとられて歩道に乗り上げるような事故だったわけであります。
 そうしたことから、実は、昨年は地方振興局も大変熱心にやっていただきましたし、また、PTAとか商店会、あるいは町内会等々が、日曜日にボランティアで雪をトラックでよそへ運び込むようなこともしていただいたわけでありますが、ただただわきに雪をどけるということでは、なかなか安全にも不安があるのかと思いますので、それはもう一つ御配慮いただければと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、新幹線の関連道路整備について伺いたいと思いますが、実は過日、12月2日に新幹線盛岡八戸間のレールの締結式がありまして、いよいよ来年12月の開業に向けて非常に具体的になってきたなと実感を持ったわけであります。
 そこで、これまで新幹線のアクセス道路網の整備ということでさまざまな路線の整備をいただいているわけでありますが、残るところ二戸、九戸から軽米を経由して久慈に至る路線があるわけでありますが、この地区の宮沢トンネル、二戸、九戸の間にあります折爪トンネルが非常に大きな工事になっているわけであります。折爪地区が若干おくれているのかという印象を受けるわけでありますが、これらの整備が新幹線の開業に間に合うのかどうか、これらの見通しについてお尋ねしたいと思います。
 2点目は、二戸安代線、いわゆる合川地区と似鳥地区のバイパスの関係でありますが、これも非常に工事が進んでおります。ただ、工法等の変更もあったようでありまして、一部地区につきましては若干工事が、新幹線の開業に間に合うのかと実は心配もしております。これらの見通しについてもお尋ねしたいと思います。
 それから、同じ路線でありますが、これらができてきますと、その先の福田地区が実はあるわけでありますが、これらにもやはり交通の関係から考えますと、この地区の改良も必要かと思うわけでありまして、これらへの取り組み。
 それから、もう一つ大事なのは、やはり浄法寺町の町の中心地のバイパスが計画されているわけでありますが、これらの取り組みはいかになっているのかということでございますので、これも見通しについてお知らせいただきたいと思うわけであります。
 いま一つは、実は、国道4号から新幹線の駅舎の工事も今進んでおりまして、二戸市でも区画整理事業をこの一帯でやっておりまして、非常に形も見えてきたわけでありますが、4号線から駅に至る取りつけ道路事業は一体どうなっているのか。あわせてこの5点お尋ねしたいと思います。よろしくお願いします。

〇小田島道路建設課長 新幹線の二戸駅へのアクセス道路についてでございますが、当地区におきましては、平成6年度から新幹線関連整備事業で進めてまいっているところでございます。その中の折爪トンネルでございますが、主要地方道二戸九戸線の中で1、137メートルのトンネルでございます。これにつきましては、トンネル部分につきましては今年度完成いたしますが、前後の改良部分につきましてはもう少し時間がかかると考えてございます。しかしながら、新幹線の開業には間に合うように努力していきたいと考えております。
 次の合川、似鳥地区でございますが、主要地方道二戸安代線の中の合川地区が1、800メートル、似鳥地区が3、800メートルの工区で工事を進めてございまして、これにつきましても平成14年夏までには終わらせたいと考えてございます。
 次の二戸安代線の福田工区でございますが、これは昨年度バイパス案と現道拡幅案と二つの案を地元にお示しいたしまして、ことしの9月には地元の方とお話がつきまして、現道の拡幅案でいくということで進めてございます。今年度測量調査を進めてございまして、地元の方々の協力を得ながら事業の方を進めていきたいと考えてございます。
 次の浄法寺バイパスでございますが、これのバイパスは3.6キロメートルほどの延長でございますが、本年度から用地買収に入ってございます。地権者の数でございますが102名ほどございまして、現在、67%の方からの契約をいただいているところでございます。これにつきましても、地元の方々の協力を得ながら用地買収に努めてまいり、工事に着手したいと考えております。

〇海野都市計画課長 国道4号から二戸駅にアクセスする道路の整備についてでございますけれども、計画といたしましては、国道4号の晴山という地区とその北側の市道諏訪前線、それから北側でいきますと大村地区、この3カ所が国道4号からは駅にアクセスする計画にはなっております。
 整備につきましては、現在整備済みの市道諏訪前線と北側の大村地区からの県道の二戸安代線、この整備を今進めておりまして、この整備につきましては、先ほど委員からお話がありましたように区画整理事業で市の施行でやっております。二戸安代線につきましては延長1、300メートルで整備しておりますが、現在は約80%の進捗になっております。いずれ、来年、平成14年冬の新幹線開業までには間に合う予定で事業を進めているところでございます。

〇小田島道路建設課長 戸呂町軽米線の宮沢トンネルでございますが、延長が978メートルでございます。これにつきましては、今月の21日に開通式を予定してございます。

〇工藤篤委員 来年の12月の新幹線の開業には、何とかこの関連する道路が開通できるというような大変ありがたいお話をいただきまして、大変ありがとうございました。
 これから冬期、あるいは来年度いろいろ皆さんに頑張っていただかなければならないわけでありますが、ぜひひとつ地域住民も期待いたしておりますので、道路の整備にはこれからも万全を尽くして、事故のないように安全に進めていただきたい、このことをお願いして終わります。

〇岩城明委員 それでは、簡潔に1点だけお伺いいたします。峠道等の整備についてお伺いいたします。
 岩手県の総合計画においては、県北沿岸と内陸地域との交流促進、あるいは冬期間における安全確保等を図るため、峠道の整備を重点的に推進していくこととしておりますが、私どもの住んでいる久慈地域と内陸を結ぶ国幹道路、国道281号平庭峠のこれまでの取り組み状況と今後の整備計画はどうなっているのかお伺いいたします。
 あわせて、災害時の代替道路及び岩泉地区との地域間交流を目的として整備が進められております主要地方道久慈岩泉線の進捗状況についてもお伺いいたします。

〇竹内県土整備部長 国道281号の平庭峠道路ですが、ことしの3月からパブリックインボルブメント──地域の人たちにいろいろ御説明をいたしまして計画に参加していただくという形をとっておりますが──を行いまして、8月に調査ルートを公表いたしております。県立自然公園の中を通過いたしますので、これは環境アセスメントの対象事業になります。これを進めるためにことしの10月から11月にかけましてアセスメントの方法書の縦覧をいたしております。今後は、このアセスメントのための現況の環境調査とかあるいは予測評価、これを行いまして、準備書を作成して評価書までを全部やるのに大体3年程度はアセスメントの手続にかかるのではないかと考えておりますので、こういった調査を進めますとともに、なるべく早い時期に事業化に向けた具体の調査設計に取り組んでいきたいと考えております。
 それから、久慈岩泉線ですけれども、現在、山根地区の延長1.9キロメートルと、それから岩泉町の安家のところで1.6キロメートルの改良事業に着手をいたしております。この工事区間はトンネル2本と橋梁4橋がありまして、トンネル1本はことしの10月に着工いたしております。残りの1本につきましても本年度中に着工を予定しております。今後もその整備の推進に努めてまいりたいと考えておりますが、この2工区が完成いたしますと、現在の急カーブ、急勾配箇所が解消されまして、久慈-岩泉間の走行時間がこの2工区だけで約4分ほど短縮されると考えております。

〇岩城明委員 大変ありがとうございました。いずれ国道281号が災害等により交通不能になった場合、久慈地域は陸の孤島となりますので、今後、積極的な整備を期待したいと思います。
 以上で質問を終わります。よろしくお願いいたします。

〇樋下正信委員 私からは2点ほどお伺いしたいと思います。
 1点目は北山トンネルでございます。2月の議会でも質問させていただいておりますけれども、そのときには用地関係でございます。平成13年度中に用地の買収のめどをつけて、14年度には設計の方に入っていきたいというようなお答えだったと記憶しておりますけれども、その辺の状況がどういうふうになっているのか、現在の進行状況をお知らせしていただきたいと思いますし、三ツ割地区においてはトンネルのところまで工事は進んでおりますし、市内の方の県立中央病院の周辺もかなり整備が見えてきておりますので、ぜひその辺の進捗状況をお聞かせ願いたいと思います。
 それから、もう1点は情報BOXでございますけれども、この情報BOXは国土交通省の方では国道4号沿いにかなり設置が進んでいるように見えますけれども、県としても岩手山周辺とか登山道にも設置して、それなりに情報を収集しているというようなお話でございますけれども、この収集のみならず民間レベルまでおろしても情報BOXになり得る可能性があるのかないのか、その辺の見通しについてお伺いをしたいと思います。

〇小田島道路建設課長 北山トンネルの用地の状況でございますけれども、当トンネルがございます工区は、全体延長が約3.6キロメートルでございまして、現在、盛岡市の三ツ割地区内の約2.2キロメートルについては平成6年3月に供用を開始してございます。残る延長1.4キロメートルにつきましては、現在、トンネルの側から4号間の用地交渉も進めているところでございます。
 用地交渉の状況でございますが、昨年10月に地権者との間で、道路整備を進めることにつきまして基本的な理解を得られまして、現在、用地補償の具体的な話し合いを進めているところでございます。このような状況から、今後、早期に用地取得のための合意が得られるよう、努力してまいりたいと考えてございます。

〇浅沼道路環境課長 情報BOXの御質問にお答えいたします。
 まず、国土交通省の関係でございますけれども、国土交通省の情報BOXは、国が管理する国道について、道路管理用光ファイバーの収容空間として国が設置するものでございまして、雨のとき、あるいは雪のとき、あるいは凍結時などの道路情報を監視カメラで常時監視し、そして最新の道路情報を道路情報板を利用いたしまして、迅速かつ的確に道路利用者へ提供することを目的として整備いたしているものでございます。また、このほか、インターネットを介しまして岩手山の火山情報、火山防災の画像情報を提供することや、あるいは国が管理しております河川、あるいはダム等に関する施設管理の効率的な運用のため、情報BOXによって情報の一元化を図るものであります。それで、民間の方の民間レベルの貸し出しということでございますけれども、今現在、NTTとか民間の通信関係者に提供する計画があるということを聞いておるところでございます。
 岩手県の場合でございますけれども、岩手県の情報BOXにつきましては、平成12年度から13年度にかけまして、国道455号に光ファイバーケーブルを設置いたしまして、国の情報BOXと接続をいたしているところでございます。これによりまして、国が整備いたしました岩手山の火山防災情報と共有化が図られ、岩手山の異常時あるいは緊急時におきます道路利用者への情報提供、これらの情報を提供することが可能でございますし、迅速な迂回路の確保などが可能になってまいります。防災体制がこれでかなり充実されてきているのかなと思っているところでございます。あわせて民間の方のケーブルの貸し出しにつきましては、そういうお申し出があれば今後検討していきたいと思っているところでございます。

〇樋下正信委員 情報BOXの方に関してはよろしいかと思いますけれども、この北山のトンネルの件ですけれども、実はこれから冬期間に入っていきますし、毎年繰り返されることなんですけれども、松園の入り口あたりまで御存じのとおり渋滞しますし、今度新しく大平の団地が許認可になってこれから工事が進むと思われますけれども、いずれそうするとまた交通渋滞に拍車がかかるというようなことで、できれば年度年度に区切って計画的に進めば一番いいことなんでしょうけれども、相手があることでしょうし、大きな墓地もあるというようなことでその辺が進まない大きな要因になっていると思いますけれども、ぜひもう少し計画的に進むような、当初私が聞いたのでは、平成14年度からは設計にも入りたいというような話もされているように記憶しておりましたので、その辺、もう一度お聞かせ願いたいと思います。

〇竹内県土整備部長 お話しがあったような状況にかつてはあったわけですけれども、今いろいろあの用地につきまして、関係者の皆さんもなかなか大変な決断をしていただいたわけでございまして、その辺が用地が、これからまださらに慎重にお話し合いをしなければならない部分もございますので、それが御了解がいただければ、今一応テーブルに乗っていただきましたので、それが順調にいけば、その後はお話しがありましたように計画的に年度を区切っていけると思っておりますので、精いっぱい努力してまいりますので、よろしく御理解願いたいと思います。

〇樋下正信委員 いずれ地元の方々が随分どうなるんだろうということで、かなり気にしておりますので、よろしくお願い申し上げます。終わります。

〇及川敦委員 1点、歳出第8款1項2目建設業指導監督費に関しまして、請負者施工成績の評定について伺いたいと思います。
 まず、この請負者施工成績の評定についてでありますが、平成12年度までは旧要領に基づいて請負者の施工成績を評定してきたものと承知しておりますが、この場でまずその概要をお知らせ願いたいと思います。
 また、その制度で点数が低くつけられた場合に、非指名扱いを受けるというふうにも理解しておりますが、どのような場合に非指名扱いを受けるのか。また、何社程度その扱いを受けたのか、お知らせをいただきたいと思います。
 次に、その要領でありますが、平成13年度から改正されたと理解しておりますが、その理由は何であったのか。平成12年度までの運用の問題点は何であったのかもお知らせください。そして、その改正の主な内容もあわせてお示しを願います。

〇内村建設技術振興課長 まず、旧要領に基づく請負者の施工成績の評定の概要と非指名を受ける場合、また、何社程度その取り扱いを受けたかということについてでございますが、成績評定は、請負工事の厳正かつ的確な評定の実施を図り、もって請負業者の適正な選定及び健全な育成を図ることを目的としております。評定項目は、施工能力、施工者の熱意、地元との渉外関係、施工管理、現場整理、出来高、品質、できばえ、工事の進捗状況であり、これについて評定基準に基づき評定しておりました。評価の結果、評定合計点数が著しく低い場合は、当該年度に発注される工事において、過去の工事の成績等も勘案し、指名を見合わせることとして運用されております。なお、平成11年度及び平成12年度の2カ年間における工事の施工成績で指名を見合わせた企業は18社であると承知しております。
 次に、平成13年度、要綱を改正した理由等でありますが、平成13年4月に施行された公共事業の入札及び契約の適正化の促進に関する法律に基づく指針の中で、公共工事の発注者は、契約の適正な履行の確保、給付の完了の確認に加え、受注者の適正な選定の確保を図るため、工事の施工状況の評価を行うよう求められております。その中で、工事成績評定に当たっては、公共工事の品質を確保する観点から、施工段階の手抜き工事や粗雑工事に対して厳正に対処するとともに、受注者がその技術力を生かして施工を行った場合などにつきましては、積極的な評価を行うこととされております。また、評価を行う者によって大きな差が生ずることがないよう、評定要領を定めこれを公表するものとし、評定の結果につきましては、受注者に通知するとともに公表することとされております。したがいまして、このような法律等への対応、さらには、一括下請に関する施工体制の評価等、時代の要請にこたえるため旧要領を見直し、今回、改正したところでございます。
 次に、改正の主な内容についてでございますが、新要領は、公平性、客観性、透明性を高めながら、技術にすぐれた企業を適切に評価するもので、品質確保が不十分であったり、施工体制等が不備な企業を排除することとしております。評定項目としては、施工体制、配置技術者、安全対策、高度技術力、創意工夫等が新たに加わったものであり、受注者が実施しなければならない具体的な作業内容を定め、これが実施されたかどうかを確認しチェックすることとしております。また、評定結果につきましては受注者に文書で通知するとともに、公表いたすこととしております。さらに、受注者は評定の結果について発注者に説明を求めることができることとしております。

〇及川敦委員  御答弁ありがとうございました。今、課長から御答弁ありましたけれども、平成12年度までは旧要領で対応されて、施工成績について評定をして、ある一定の点数以下の請負業者さんについては2カ年だったと思いますが、ペーパーを私いただけませんでしたけれども、指名を見合わせるということで、表現は適当かどうかわかりませんけれども、事実上の指名停止状態というようなことがあったようでございまして、私もこのような制度があることを知り得るまでに非常に時間が──内部運用だったということもあって──かかりましたが、そのような運用をされて18社今あるというようなお答えがありました。問題点については今御答弁ありませんでしたけれども、私はやっぱり、その改正の内容で少し触れられておりましたけれども、客観性について少し担保されていなかったのかなと思いますし、また、公表されていないということで、請負業者さんが一たん施工してそれなりの工事をやって、もしこの指名を見合わされているという状況になっても、全くわからなかったというのが私は問題だったと思います。また、この制度の趣旨に、今御答弁の中で請負業者さんの健全育成というのがありましたけれども、一体何の理由でこういう点数をつけられて非指名扱いを受けたのかということが、全くわからないまま県営建設工事から外されておるというような事態がたびたび生じているということは、私は非常に大きな問題であったなということを指摘せざるを得ません。そのような意味で、平成13年からこの制度が改正されて公表になったと、今インターネット上で施工成績については何点ということが公表されているようでありますし、各請負業者さんにもその通知がなされている。もしその評定に不服がある場合は、またこの要領に基づいて申し立てですか、新要領の第5に説明請求という記述があります。評定点について説明を求めることができると、できる規定がございまして、工事の現場代理人等と監督職員及び検査員が評定内容について合意が得られるようにするというような内容になっておりますが、私は大前進だと思うのですけれども、またここで不備を指摘して改善を求めるものであります。それは何かと言うと、評定を受けた業者さんがその点数、これはおかしいんじゃないかと発注者に対して説明を求める、そこまではこの新制度で担保されておりますけれど
 そこで、提案を含めて改善を求めますが、例えば情報公開制度でも情報公開の請求が来る、議会にもそういう制度がありますけれども、その情報公開を拒んだ、その場合に開示請求者に対して拒んだ理由を明示しますけれども、もしそれで納得しない場合は第三者機関において、非公開にすることが妥当かどうかという第三者機関があるわけであります。そういった意味で私は、この請負者施工成績の評定についても、万が一そういう事態が発生した場合に調停する機関が絶対に必要だと考えるわけでありますが、この件につきましてどのようにお考えになっているのか伺いたいと思います。

〇内村建設技術振興課長 要綱第5条の説明請求に関して、それから調停機関等が必要ではないかというお尋ねでございますが、成績評定は、具体的なチェック項目に基づき評定しておりますが、監督員、検査員、公所長の三者がそれぞれ評定した結果を点数化し、評定点数を算定しております。請負者から評定結果について説明が求められた場合は、十分な説明をすることとしております。なお、評定点に関し御指摘のような苦情がある場合が想定されますが、今後、他県の状況等も勘案しながら、極力早い時期にこれを検証する機関を設置してまいりたいと考えております。

〇及川敦委員 今、検証する機関を早急に検討するということですが、これは絶対必要条件だと私は考えておりますので、御検討の上、対応されたいと思います。
 これで最後にしますけれども、やっぱり健全育成を業者さんに対してしていくというのであれば、その評定した内容についてきちっとそれぞれの工事において説明をして、よかったところはよかったと褒めたたえて、悪かったところは悪いときちっと説明をしてやるのが当然だと思います。後ろから刀で切りつけるようなそういうやり方は、やっぱり発注者として厳に慎むべきであろうと思いますし、その発注者の立場というのは、請負業者さんから見れば非常に絶大なるものがあって、抑制的にそういった立場を踏まえて振る舞っていただけないと、健全育成ということも絶対なされないと思いますので、さらなる改善を求めて終わります。

〇菊池雄光委員 私は専ら平成12年度の土木費決算を総括するという立場から、個別事業も含みますけれども二、三申し上げたいと思います。
 平成12年度の土木費の予算総額は2、050億円余でございますが、この金額は、当然ですけれども道路建設とか河川改修あるいは港湾、空港の建設などに費やした事業費のみではありません。この予算の中には平成11年度からの繰越費が433億円余あります。つまり4分の1は前の年の達成しなければならなかった事業ができなくて平成12年度に繰り越されてきたと、いわば後始末であります。逆に平成12年度にやらなければならなかった事業が年度内にできなくて平成13年度に繰り越しされた、いわゆる繰越明許費が456億円、これも予算総額の約5分の1ぐらいあります。これらの予算総額は当然この事業費だけではなくて、職員給料とか委託費あるいは拠出金、繰出金など、いわゆる経常経費が172億円余ありますから、地方自治法などにあるいわゆる予算の単年度主義、会計年度独立の原則から言いますと、平成12年度の純粋な事業費は繰越金433億円、繰越明許費456億円余、それに経常経費176億円余を差し引いた約900億円、2、000億円という土木費予算でありますけれども、純粋な事業費はその今の単年度主義からいけば900億円だと私は思うのですがいかがですか。
 それから、道路新設改良費というのがございます。これは地方特定道路整備事業75億円が計上されておりますけれども、この事業は平成4年から当時の自治省と建設省が協調して地域の発展のために進められてきた事業で、最初は時限的な事業であったと、平成4年から平成6年か7年までやったと思ったんですが、非常に好評でございまして、交付税対応の事業でございますから、事業開始以来、県と市町村でかなりの事業をやってきたと思うのですが、どの程度おやりになってきたのか、今後の見通しはどうなのか、まずこの2点をお伺いします。

〇竹内県土整備部長 平成12年度の予算現額、お話しのございましたように2、050億円余で、翌年度繰越額のうちの明許費が456億円余になっております。前年度からの繰り越しと、この翌年度の繰り越し両方を差し引くと実質額は非常に少ないのではないかというお話でございましたが、12年度に実際に執行して支出している経費というのは、やはり前年度から繰り越した額が持ち越されておりますので、実質的な実行額ととらまえております。この繰り越しがちょっと多い理由には、経済対策がございまして、これに要する経費が相当額入っておりますが、これらも経済対策等につきましては事業の前倒しという考えに立って、継続事業を重点的に配分するというふうに取り組んでおりまして、これも工事の平準化という意味では有効でありますことから、こういったことにもやはり取り組む必要があるだろうと考えてございます。
 それから、地方特定道路整備事業についてでございますけれども、これは平成4年度から平成12年度までの9年間で、県分が約699億円、市町村分が約539億円、合計で1、238億円を9年間に執行いたしております。平成12年度につきましては、県分は事業費78億8、000万円余、72路線、105工区、市町村分は事業費81億8、000万円余で、123路線、123工区の整備を行っております。この地方特定道路整備事業につきましては、総務省、国土交通省からは、当面13年度から平成15年度までの3年間実施するという通知が出されておりますが、今後ともこの事業を活用して、地域の発展につながる生活関連道路の整備等に努めてまいりたいと考えております。

〇菊池雄光委員 今、部長がおっしゃいましたように、この事業が当該年度にできなくて繰越明許の手続をとるということで、当然その年度である3月31日までにできなくて、出納閉鎖期である5月31日までに完了したものもあると思います。そのファクターとしては用地問題があると言われております。しかし、私はそれよりも、今お話しありましたように、政府が景気対策、経済対策として年度途中あるいは年度末に予算を補正して景気浮揚を図ったと大見えを切っているけれども、これをやらせられているのは地方であります。その地方は用地問題などのファクターで年度内に事業ができない、そうなりますとこの経済対策の効果は当然薄らいでくるということになる。何回も同じことを繰り返しているわけですが、今議会でも何回もそういう趣旨の意見がありましたけれども、決算でございますから、今、私が申し上げました問題について部長の見解を総括として述べていただきたいと思います。
 それから、最近、政府は構造改革という名のもとで超法規的な政策、制度の導入を図ろうとしている。財務担当の大臣が、地方の重要な固有の財源である地方交付税に何の根拠もなく1兆円削減すると言ったり、道路特定財源を他の政策財源に充当するということを言ったり、高速道路の建設や保有の見直しをするということなど、岩手のように幹線道路の整備が立ちおくれている地方にとっては、まことに憂慮にたえないわけでございます。これに対して部長は本会議でも、地方の立場で政府に主張しているということを述べられておりますが、当面、来年度の政府や県の予算編成に当たって、政府の方は10%公共事業を削減するというようなことを言っていますが、今のそのお話の中にもありましたように、この地方特定道路整備事業なども交付税が絡んでいますから、平成15年までには、それ以降やらないよというようなことではないかと私は思うのですが、そういったようなことですから、こういう幹線道路とともに生活道路の整備についても十分な配慮をして政府に要請すべきではないかと考えるのですが、いかがですか。

〇竹内県土整備部長 まず、経済対策のお話でございましたが、これにつきましては内需拡大効果の高い事業といったものを中心に実施していくものでございまして、やはり経済対策としては必要ではないかと考えております。特に経済対策につきましては、それだけに認められる有利な起債の運用もございまして、そういった財政措置を活用しながら、生活基盤の社会資本整備に係る事業の前倒しをやっていくという考えで、継続事業に重点的に配分をしてきたというところでございます。やはり地方にとりましても経済が今大変厳しい状況になっておりますので、こういった経済対策というのは必要なことだと認識しておりますので、これからもその都度、必要な場合には対応してまいりたいと考えてございます。
 それから、財源のお話がございましたけれども、これはいろいろ今、政府の方で検討がなされております。ちょっと前にも申し上げたかもしれませんけれども、やはり高規格幹線道路整備などというのは、これはまさに国の責務で整備が図られるべきものだと考えておりまして、道路特定財源につきましてもユーザー負担で整備を行うというその大原則、制度の趣旨を踏まえて必要な道路整備に財源を充当するべきであろうと考えておりますし、そういった主張を国に対しても、これまでも、現在も、それからこれからも続けていくつもりでおります。お話しのございました生活関連道路に対しても当然配慮すべきであろうというお話ございました。これは地方特定道路整備事業のような財政措置の伴った制度は、我々もこれからどうしても維持していっていただく必要があるだろうと考えておりますので、そういったこともあわせまして国の方に働きかけをしていきたいと考えております。

〇阿部静子委員 1点だけ質問をいたします。県営住宅についてでございますが、この不景気な昨今、県営住宅入居を希望する方がふえていると伺っておりますが、その現状はいかがでしょうか。入居状況についてお知らせをいただきます。
 それに伴って、いわゆる家賃の未納がふえていると、どのくらいの額に12年度上っておりましょうか。その対策についてお伺いをいたします。

〇村主建築住宅課長 本年9月末現在の県営住宅の入居状況を御説明申し上げます。
 入居可能な管理戸数が全部で4、699戸ございまして、それに対しまして入居戸数、実際入居しております戸数が4、542戸でございます。入居率は約97%となっております。ちなみに昨年同期、約98%でございました。
 次に、家賃未納状況についてでございますが、近年、県営住宅の家賃滞納額は増加傾向にございまして、平成12年度の滞納額は1億831万円余でございまして、平成11年度と比較をしますと2、385万円余の増加となっております。また、家賃徴収率は92.2%でございます。これは現年度分と過年度分を合わせたものでございますが92.2%でございまして、11年度と比べますと1.6%ほど低下をしております。
 未納対策でございますが、このような状況にかんがみまして、従来から滞納者に対しまして電話や隣戸訪問等によるきめ細やかな納入指導を行ってまいったところでございますが、通常の納入指導では改善が見込めない、言うなれば不誠実な滞納者につきましては、平成11年度以降、県営住宅の明渡等請求訴訟を提起しまして、新たな滞納者の発生の防止等に努めてきたところでございます。さらに、本年4月からは、盛岡地区の家賃納入指導員、これは委託をしております建築住宅センターの職員になりますが、これを1名増員いたしまして納入指導体制の強化を図ったところでございます。県営住宅の家賃滞納者に対しましては、今後ともこれらの滞納対策に積極的に取り組み、滞納額の減少に努めてまいりたいと考えております。

〇斉藤信委員 私はまず第1に、建設業指導監督費に関連しまして、岩手県の建設工事下請契約等相談窓口、紛争審査会があると思いますけれども、これへの相談件数とその対応の結果について、平成12年度、あわせて13年度をお聞きしたい。
 それと、昨日のニュースで準大手ゼネコンの青木建設が民事再生法申請をいたしました。青木建設にかかわる県内の工事の状況をどのように把握されているか示していただきたい。それで、私のところに金ケ崎町が発注した農業集落排水処理施設工事、これは4億2、000万円の工事ですけれども、これが日本水道、青木建設、地元のA級業者、このJVでこれは落札をしています。日本水道は既にこれは民事再生法を8月に申請をして、残った2社でこの工事をやられているそうですけれども、今度は青木建設がこういうことになって大変心配していると。私はこういうJVが工事を請け負ったときに、倒産したそういう業者の下請になっている場合も、JVがしっかり責任を持って、下請に対する未払いなどということがあってはならないと思うけれども、そういう点はどうでしょうか。

〇内村建設技術振興課長 まず、岩手県建設工事下請契約等相談窓口についてでございますが、相談件数は、平成12年4件、平成13年7件、これは10月末現在でございます。
 それから、対応でございますが、相談は匿名による相談が多く、その結果までは把握し切れていないのが現状でございます。
 次に、青木建設の件でございますが、青木建設、昨日、民事再生法の適用申請し受理されたと報道があったところでございますが、県営建設工事につきましては、現在、同社が請け負っている工事はないということでございます。また、他の発注者の工事については現在把握しておりません。金ケ崎町の工事についてでございますが、報道で青木建設が金ケ崎町の企業と共同企業体を結成しているということは承知しておりますが、その詳細については承知しておりません。また、こういう場合になったときの下請の対応でございますが、共同企業体、いわゆるJVの場合でございますが、下請契約関係もいわゆる不可分債権ということがございまして、民法第430条の規定により連帯債務に関する規定が準用されることと認識しております。

〇斉藤信委員 県営建設工事はないかもしれないけれども、新聞報道で仙人道路は国直轄でかかわっているんでしょう。これは岩手県の負担分もあるわけでしょう。そんなつっけんどんな話ではだめでしょう。こういう重大な事態が起きたときには、わかっている範囲で明らかにすると。
 そして、もう一つ私は確認したいんだけれども、今民法の話が出たけれども、だからJVからいわば下請で仕事をもらっている業者が、例えばその元請が倒産したとしてもJVが責任を持って下請に支払うと理解していいんですか。

〇内村建設技術振興課長 今回の場合2社なわけですが、1社が倒産した場合は他の構成員が支払い義務を負うと考えております。

〇斉藤信委員 だから、私が指摘したとおり理解していいのかな、それとも違うのかな、そこをちょっと、わかりやすく言ってください。

〇内村建設技術振興課長 今回の件は青木建設が倒産したわけですが(後刻訂正)、残った1社が下請等に対して支払い義務を負うということになります。

〇斉藤信委員 そこをしっかり見届けて、県内の工事などもやっていただきたい。下請に波及しないようにひとつ。
 第2点は、港湾整備事業の現状と今後の対応についてお聞きをします。
 県内港湾の整備状況、そして貨物取扱量の目標に対する実績の推移はどうなっているでしょうか。私は目標と実績の大きな乖離があると思いますけれども、これをどう受けとめているでしょうか。
 大船渡港湾整備事業について私は9月の県議会で取り上げました。その回答は、未着手になっている岸壁については、今後の取扱量の推移を見ながら、投資効果や整備の必要性について検討するという回答でした。今着手している工事と事業費、これは今どうなっているのか。その後は凍結されるのだと受けとめましたが、それでいいのでしょうか。
 港湾ビジョン検討委員会では、港湾の機能、役割が今どういうふうに議論をされているでしょうか。

〇沖港湾課長 県内港湾の整備状況についてでございますが、まず久慈港では昭和60年度の港湾計画の改訂以降、諏訪下地区のマイナス7.5メートル岸壁、そして半崎地区の4メートル物揚場、防波堤などを整備してきております。これまでの進捗につきましては、昭和60年の改訂時の事業費に対する事業費ベースの進捗で90%でございます。宮古港では、平成12年度の改訂以降、出崎地区の観光船係留施設など水深4メートルの物揚場の整備、そして竜神崎防波堤の整備などを進めてきておりまして、同じく事業費ベースで13%でございます。釜石港では、平成10年度の計画改訂以降、須賀地区の水深11メートル、そして7.5メートル岸壁など整備を進めておりまして、進捗は事業費ベースで40%でございます。大船渡港につきましては、平成4年度の改訂以降、永浜、山口地区の水深13メートル、これは直轄事業でございますが、それとそれからマイナス7.5メートル岸壁などを整備してきておりまして、進捗は事業費ベースで30%となっております。
 次に、貨物取扱量の目標に対する実績の推移でございますが、久慈港では、目標取扱貨物量550万トンに対しまして、平成8年度46万トン、それから平成12年度では35万トンとなっております。宮古港につきましては、目標取扱量100万トンに対しまして、平成8年が109万トン、平成12年は67万トンとなっております。釜石港では、目標取扱量340万トンに対しまして、平成8年209万トン、平成12年187万トンでございます。大船渡港につきましては、目標取扱量730万トンに対しまして、平成8年572万トン、平成12年418万トンとなってございます。これら目標取扱量と実績の相違につきましては、計画策定時において企業ヒアリング等を実施した結果、取扱量を定めておりますが、これらの目標取扱量につきましては、計画岸壁がすべて完成した場合の想定貨物量であること、また、厳しい経済環境の変化によりまして、企業誘致や物流が当初目標に見込んだとおり進んでいないことなどによりまして、計画時の目標と相違していると考えております。
 次に、大船渡港の着工中の工事と事業費についてでございますが、先ほど申しましたように水深13メートルの直轄事業による岸壁の整備でございますが、これとそれから県事業によるマイナス7.5メートル岸壁、それぞれ1バース、そしてそれに関連して埠頭用地や工業用地などの造成を行っているところでございます。これらの全体事業費は、それぞれ約59億円、32億円、42億円、そして24億円となっておりまして、合計157億円でございます。今後につきましては、現在工事中の施設や既存施設の利用促進に努めるとともに、未着手になっている新たな港湾施設の整備に当たりましては、港湾取扱貨物量の推移や投資効果などを勘案しながら、今後、適切に対応してまいりたいと考えております。
 次に、岩手県港湾ビジョンの策定についてでございますが、現在の検討状況でございますが、各港の特性を検討するためのデータを分析いたしまして、港湾整備に対する課題や港湾の担うべき機能について議論いただいているところでございます。これらにつきましては、7月、第1回の委員会を開催しまして、11月9日、第2回でこれらを議論していただいたところでございます。第3回委員会につきましては、これらを踏まえて各港の特性、そして機能、港湾間の連携などについてさらに議論していただきまして、今後の本県港湾整備の基本方向に関する提言をいただいた上で、年度内をめどにビジョンの案を取りまとめる予定となっております。

〇千葉伝委員長 先ほどの答弁に訂正がありますので、この際、内村建設技術振興課長。

〇内村建設技術振興課長 先ほど答弁で青木建設が倒産と申しましたが、民事再生法の適用を申請したということに訂正させていただきます。おわびいたします。

〇千葉伝委員長 斉藤信委員にお伺いします。質問項目多数……(斉藤信委員「では、港湾のところだけ、あと一つだけ聞かせてください。簗川は午後に。」と呼ぶ)

〇斉藤信委員 これで終わりますから。今、港湾の貨物取扱量をお聞きしました。久慈港は目標に対して6.4%です。全体は41.1%です。久慈港は321億円投資して、投資率は90%、もうほとんど完成しているんです。あとはやれないというところに来ているんです。私はだからこの目標と実績の乖離というのは、完成しないからなどというそんな甘いものではないと、監査委員に聞きたいぐらいですよ、これは、聞きませんけれども。だから、そういう点でぜひ、大船渡も420億円のこの事業を計画したときには需要予測調査をやった。甘かったと思うけれども、今そういう状況ではないと言うから、これは需要予測調査をしっかりやって、やっぱり根拠のある港湾の見直しをきちんとすべきだと、過大の投資をすべきでないと、部長、一言だけお願いします。

〇竹内県土整備部長 久慈港につきましても大船渡港につきましても、港湾計画の見直しの時期が参りますので、適切に検討してまいりたいと考えております。

〇千葉伝委員長 斉藤信委員の質疑中でありますが、この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午前11時56分 休 憩
   午後1時5分 再 開

〇千葉伝委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

〇斉藤信委員 河川開発費にかかわって、私は簗川ダムの問題についてお聞きします。
 簗川ダムはこの間、当初事業費340億円が670億円に倍増となりました。その理由は何でしょうか。
 10年前に、もし当初670億円の事業費が算定されていれば、ダムではなく河川改修の対応にこそメリットがあったのではないでしょうか。10年前の事業費比較はどうだったのか示していただきたい。
 次に、公共事業評価委員会での検討の論点と結果、附帯意見はどうなっているでしょうか。わずか2カ月程度で公共事業評価委員会は結論を出しました。これは私は拙速ではなかったかと考えます。私も傍聴しましたし、議事録も全部読みましたが、これだけ事業費が倍増となるという重大問題に対して、十分県民のさまざまな疑問、論点というのが論議されなかったのではないかと私は考えます。
 それで、事業費が倍増となった場合、ダム建設の妥当性、河川改修の方法、これは県任せではなく、専門家を含めた検討が必要だったのではないでしょうか。実際、鳥取県では1年間かけた専門家によるダム検討委員会が設置されて、見直しが答申されましたし、今長野県では、これから建設されるダムについての検討がされています。私は、岩手県の場合も、今回のようなケースは、こうした専門家による専門的、科学的な検討が求められていたのではないかと思います。

〇佐藤河川開発監 まず、簗川ダムの増額理由についてでありますが、当初算定した事業費は、既存の5、000分の1の地形図でダム本体や付替道路の工事費などを算定したものでありましたが、事業採択後、本格的な地形測量や地質調査を行った結果、想定していた岩盤線が予想以上に深いことが判明したことが大きな理由でございます。
 次に、10年前にも同じように比較検討を行っておりまして、河川改修のみの場合の事業費が約388億円、ダムと河川改修を組み合わせる場合が297億円となっておりまして、現在と同じように、ダムと河川改修を組み合わせた治水対策の手法が経済的となっていたものであります。
 次に、簗川ダム建設事業の公共事業評価委員会では、事業費が大幅に増額になっていることから、種々の検討を加え審議した結果、四つの意見を付され事業継続が妥当との結論に至ったものでございます。その一つは、今後事業内容に大幅な変更があり、再評価を実施する必要があると判断した場合には、再度再評価を行うこと。二つ目として、事業費の縮減に全力で取り組むこと。三つ目で、利水については、盛岡市、矢巾町及び豊沢川土地改良区の意向を取り入れ、計画に見直しの必要が生じた場合はダム事業計画に反映させること。四つ目は、簗川ダム建設事業の基本コンセプトである自然と人との共生の舞台に基づき、環境に配慮した事業を計画・実施することでございます。
 次に、評価委員会は県土整備部会を3回開催いたしまして、現地調査を行ったほか、委員や市民団体の方々の質問事項等について可能な限り迅速に対応しており、結論を出すための期間・内容とも適正であったと考えております。
 次に、県土整備部会の委員の方々は、社会経済、環境、土木建築の専門家でございまして、さらに公共事業評価委員会の際は、委員の方々それぞれの専門の知識を生かして検討を行っていただいたと考えております。

〇斉藤信委員 10年前の河川改修の事業費は388億円という想定だったわけですね。私は、本当に10年前の試算というのは極めてずさんだったと。これは公共事業評価委員会でも、なぜ倍額になるぐらい違いが出たのかということが議論になって、事前事業費が足りなかったという回答をしていました。私は本当に、そういう点できちっとやられていたら、最初からダムが選択されたということにはならなかったのではないか。もう一つは、河川改修について、ダム並みに吟味したら、ダム以上の効率的な河川改修の試算は必ず出ると思います。私はそういう点で、今回の試算、河川改修も額が上がってダムの方がわずかに効率がいいということになりましたが、この検討というのは、私は第三者がやるべきだと思います。これは指摘だけにしておきます。
 それで私は、具体的な問題について次にお聞きします。一つは、ダムの規模を決める一番のポイントは基本高水流量でありますけれども、今回は100年に1回の治水安全度で2日間雨量210ミリ、毎秒773トンになっていますが、これまでの簗川の洪水実績からすれば、165ミリの雨量で毎秒90トンでした。153ミリのときで毎秒89トン。210ミリで773トンというのは、私はこれまでの洪水実績から比べて極めて大きな乖離があるのではないか、大きく試算し過ぎているのではないかと思いますが、その根拠は何でしょうか。
 被害想定額、これは費用対効果を出すときの想定額ですが、100年に1回の治水安全度で1、333億円の被害を想定しています。私はこれは極めて大きいと思います。その結果、年間平均39億6、100万円という被害想定額になっています。これは県の資料なんですけれども、10年に1回の洪水の場合、これは118.4ミリですが、このときの被害想定額は105億円です。20年に1回の雨量の場合140ミリですが、被害想定額257億円、30年に1回の場合は、161.5ミリの雨で465億円と想定しています。
 しかし、実際簗川の洪水実績を見ますと、1979年、123.6ミリ降っています。これは20年に1回に匹敵しますけれども、このときの被害額は3億3、900万円であります。1981年には165.6ミリ降っていますが、これは30年に1回の雨ということになりますけれども、この被害額は9、100万円であります。なぜ、現実に20年に1回、30年に1回の雨が降ってこういう被害額なのに、県の試算では20年に1回の場合には257億円、30年に1回の場合には465億円というふうになるんですか。100年に1回になると1、333億円というとてつもない被害額を想定して、これだけのダム建設の効果があると。私は、これは本当に実態、実績から遊離しているのではないかと思いますがいかがでしょうか。
 簗川・根田茂川流域はクマタカやカワネズミ、またヤシャゼンマイなど貴重な動植物が生息する自然環境豊かな地域であります。盛岡ではもうほとんど残されていない地域と言ってもいいです。県のレッドデータブックに記載されているどういう動植物がここでは確認されているでしょうか。
 ダム建設によって破壊される自然環境の影響、リスクは具体的にどう検討されたんでしょうか。
 利水計画についてもお聞きします。
 盛岡市と矢巾町の利水計画は、ダム建設の当初、人口が41万4、020人、これは平成28年度までを想定していました。これを想定して利水計画が立てられた。しかし、この人口推計は今7万人減少しています。7万人減少しますと簗川ダムに利水参加する根拠がなくなる。なくなるだけではなくて、御所ダムの水も余るんです。私は、そういう点ではこの利水計画というのは、今本当に見直されなければならないと思います。そういう点で、事業費を確定する16年度までにこれはきちんとやるべきだと思いますけれども、どのように進めるのか。
 農業用水の問題でも、減反分、農地転用分、ついに減少しています。いわば農業水田面積は当初計画の64%です。これもきちんと見直して、利水計画の見直しを私は実行すべきだと。
 矢巾町の場合も、これは私の個人的な意見だけれども、簗川から引くよりは御所ダムから引いた方が効率がいいんです。そういう点で、私は必要のない水は無理してこのダムにかさ上げする必要はない。それだけでも自然環境に大きな影響を与えることになると思いますが、いかがでしょうか。

〇佐藤河川開発監 まず、基本高水流量の算定に当たりましては、簗川流域近傍で大正5年から観測されております82戸の雨量資料に基づきまして100年確率雨量を求めまして、その後に実測の洪水データから流出解析を行って定めているものでありまして、適正であると判断しております。
 次に、簗川は人口集中地区を流下している一級河川でございまして、洪水はんらん防除区域内には6、400人の人々が生活し、また、家屋や事業所等が1、700棟、約3、100億円の資産がございます。100年に1度の降雨で発生する基本高水流量が起きた場合には、その起きるエリアのはんらん計算を行っておりまして、その浸水の深さに応じた被害額を算定し累計額が1、333億円余となったものでございます。
 年間平均被害軽減期待額についても、各確率別にはんらん計算を行っておりましてその被害額を算定し、通常行われている手法で年平均被害軽減額を算定し、その累計した結果、約39億6、100万円となったものでございます。
 それから、費用対効果につきましても、これらの算定結果に基づき算定しているものでございます。
 次に、県のレッドデータブックに記載されている動植物は、哺乳類ではツキノワグマ、鳥類ではハチクマなど10種類、両生類・爬虫類ではモリアオガエル、昆虫類ではイシハラカメムシなど5種類、植物ではヒメニラなど19種類の合わせて36種類が確認されております。
 次に、簗川ダムの建設によりまして、鳥類や猛禽類、渓流性小動物、魚類などの生態系に及ぼす影響につきまして、専門家による周辺環境調査検討委員会を設置しまして検討を進めてきております。中でも猛禽類のクマタカにつきましては、繁殖期の作業の制限や営巣中心域を避けるための付替県道のルート変更、大規模な掘削を避けるためのトンネル工への変更、対岸道路の湖畔側の立木存続などを行っているほか、常時満水位から上の林地の保全などの方針を示しており、今後も継続的なモニタリングなどを行い、猛禽類を初めとする生態系の保全の配慮に努めていく考えでございます。
 次に、利水計画についてでありますが、今後、盛岡市及び矢巾町で将来の給水計画が修正される場合、市や町と十分な協議を行いまして、必要に応じて利水計画の変更を検討していきます。
 また、農業用水についても、豊沢川土地改良区の意向を十分に聞きながら、計画の変更が生じた場合はダム計画の見直しを行っていく考えでございます。
 現在、県が策定しております水需給計画中期ビジョン、水道整備基本計画を踏まえながら、貯留量などについての見直しの必要が生じた場合には、ダム計画の修正を含め適切に対応していく考えでございます。

〇斉藤信委員 簡潔な紋切り型の答弁で、私はかなり具体的な話をして聞いているんだけれども、被害想定額の問題について、簗川の洪水実績というのは私が紹介したとおりですよ。20年に1回、30年に1回の洪水で3億4、000万円程度の被害しか出ていないのに、何でそれが250億円とかそういう想定になるんですか。経済学的に言う費用対効果というのは実態に合わせるのですよ。皆さんがやっているのは、実態からかけ離れた試算をやっているわけです。そしてダムの規模を大きくすると。
 そういう点で、だから私は専門家による検討が必要だと提起しているんです。県はダムをつくる立場ですから、何回やっても、ダムの方が河川改修より安くなるという試算が幾らでもできるんです。基本高水流量でもいろいろな係数があって、その係数をどう選択するかで全然違ってくるんですよ。実際の係数をどうするかといった場合に、洪水の実態、実績、これをとるのですよ。
 今、全国的にダムが問題になっているのは、そこに大きな乖離があるからです。例えば今、熊本県で川辺川ダムというのは大問題になっています。これを専門家が検討して河川改修の案をつくったら70億円です。1、000億円を超えるダムが、70億円の河川改修の方が効率がいいということが、これは専門家集団がやってですね。実は、国の審議会の元会長さんも、これはすばらしい案だと言っているような状況が生まれているわけです。
 私は、利水問題はこれから大いに見直しの可能性があると思っていますから、再びこれが見直しにかかる可能性はあると思います。土木部長、ぜひ、私は2カ月ぐらいの公共事業評価委員会では、我々もいろいろな質問状を出した、そこにとどまるんですよ。やっぱり県民に、公聴会を開くとか、そういう立場でこの評価委員会というのはやられるべきではないでしょうか。そして、やっぱり時間をかけて、こういう大事なときには専門的な検討が目に見えるようにやられるということが必要だと思いますけれども、どうですか。

〇竹内県土整備部長 公共事業評価委員会につきましては、相当な専門家の先生に十分な議論をしていただいたと私は認識いたしております。また、公共事業評価委員会そのものも、御案内のように公表いたしてやっておるものでございますので、これから事業を進めるに当たりまして、なるべく県民の皆さんにより多くその内容を知ってもらえるような努力をしてまいりたいと考えております。

〇斉藤信委員 2カ月で結論を出されたら、県民は疑問を呈するだけで終わっちゃうんですよ。そういうことだけ私は指摘しておきます。ぜひ他県の例も参考にして、本当に県民に開かれた県政、こういう評価でも進めていただきたい。
 本当の最後です。津付ダムについて紋切り型で聞きます。
 ダム建設に係るコストの比較はどうなっているでしょうか。
 気仙川流域でなぜ支川の大股川上流にダムを建設するのでしょうか。その理由は何でしょうか。流域流量の何割をこのダムは調節できるのでしょうか。
 昭和橋と広田湾河口で、これは90年に1回の洪水の場合にどれだけの流量、水かさを軽減できるのでしょうか。
 あの地域の環境調査で明らかになっている注目すべき動植物がどうなっているかお聞きします。

〇佐藤河川開発監 まず、津付ダムの治水代替案の経済比較についてでございますが、ダムを伴わない堤防かさ上げ案や河道掘削案などについて比較検討を行い、経済性や家屋移転、土地利用状況、自然的・社会的影響、地元住田町や陸前高田市などの意向などを踏まえ総合的に判断し、ダムと河道の拡幅を組み合わせた治水対策が最も望ましいと判断しております。
 次に、気仙川流域の大股川にダムを建設することについてでありますが、気仙川の治水対策については、沿川の家屋の状況や流域の土地利用状況、洪水はんらん区域内の人口や資産の状況などを総合的に検討しております。また、あわせてダムサイトの適地も検討した結果、気仙川本川などでは石灰岩地帯で漏水などの問題が考えられ、さらに多くの家屋移転や土地の改変などが生ずるなど社会的影響が大きく、地形・地質上十分な治水効果が期待できる大股川にダムを計画したものでございます。
 それから次に、陸前高田市島部地点における気仙川の基本高水流量は2、000トンでございまして、ダムによる計画高水流量が1、840トンとなることから、約1割の流量を低減できることとなります。
 次に、流量及び水位の軽減の量でございますが、事業採択時の調査結果では、30年に1度の場合、住田町の役場前の昭和橋で毎秒125立方メートル、水位にして約40センチメートルでございます。
 それから、90分の1というお話でございましたが、70分の1ということで答えさせていただきますと、治水基準地点である島部地点では、30分の1の場合111立方メートル、約21センチメートルでございます。70分の1の場合、昭和橋で毎秒130立方メートル、約60センチメートルでございます。それから、島部地点で毎秒160立方メートル、約30センチメートルとなってございます。
 次に、環境調査で注目すべき動植物につきましては、猛禽類のイヌワシ、クマタカ、オオタカ、植物ではクマガイソウ、動物ではヤマコウモリなどとなってございます。

〇斉藤信委員 これで終わろうと思ったけれども、答弁漏れですよ。私はダム建設にかかるコストの比較を聞いたのです。それをはっきり言ってください。それで今、流域の何割を調整できるかと言ったら、1割ですよね。だから本当に効率の悪いダムなんです。道路のためのダムなのか、ダムのためのダムなのか、私は本当にそういう点では、これは気仙川の清流を守ることの方が、そして河川改修の方が効率的だということを指摘して、答弁漏れを求めます。

〇佐藤河川開発監 大変失礼しました。
 ダムと河川改修を組み合わせた事業費は約196億円となってございます。掘削と引堤で222億円となってございます。

〇千葉伝委員長 ほかに質疑はありませんか。

〇小野寺好委員 予定を変更してお伺いいたします。
 かつて県内の幹線道路を車で走っていて、前をシカに横切られたということがありましたけれども、ことしの夏は、紫波町内の国道396号でクマと出くわしました。左右確認せずにいきなり飛び出してきたもので危うく衝突しそうになったんですけれども、そこでまず、県内のそういった幹線道路でどのような動物が犠牲になっているかお伺いいたしたいと思います。

〇浅沼道路環境課長 ただいまの幹線道路上の動物の事故に遭遇している件数ということでございますけれども、平成12年度で調べてまいりました結果、処理件数というか、そういった事故の遭遇件数541件ございます。これには県のパトロール、24班体制で4、200キロの県が管理している道路のパトロールをやっている状態でございます。541件の動物が1年間に事故に遭遇いたしておる状態でございます。
   〔「何があるか」と呼ぶ者あり〕

〇浅沼道路環境課長 その動物につきましては、犬、猫、タヌキ等が主体となっておるようでございます。

〇小野寺好委員 高速道路の場合は、動物用にわざと通れるように配慮がしてあったり、河川整備の際には魚道確保といった配慮もなされておるようなんですけれども、そこで、平成12年度の場合に、こういった動物のためにどのような配慮をして道路建設を行ったかお伺いしたいと思います。

〇小田島道路建設課長 動物に配慮しました道路の建設ということでございますが、特に自然度の高い山間地部におきまして、動物が使用しているいわゆるけもの道が道路建設によって分断されるような場合には、動物が通る小道や誘導さくなどを設けたエコロードが考えられます。現在といいますか、12年度もそうでございますが、国道283号の仙人道路で実施している例がございます。
 今後、動物の事故の状況を把握し、また分析しながら、この対策を検討していきたいと考えてございます。

〇千葉伝委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇千葉伝委員長 質疑がないようでありますので、県土整備部関係の質疑をこれで終わります。
 次に、警察本部長に警察本部関係の説明を求めます。

〇出原警察本部長 平成12年度の警察本部関係の決算について御審議いただくに当たりまして、まず、治安情勢について簡単に御説明申し上げます。
 県警察といたしましては、県民の安全と平穏な生活を守るため、平成12年中における警察運営重点の基本姿勢を県民の期待と信頼にこたえる警察と設定し、これを具体的に推進するための重点目標を交通死亡事故の抑止、悪質重要犯罪の徹底検挙、少年非行の防止、組織犯罪対策の推進、安全な地域づくりの推進や大規模災害対策等の推進の6項目と定め、組織の総力を挙げて取り組んだところであります。
 県内の平成12年の治安情勢は、社会情勢の変化等に伴い、強盗など重要犯罪の増加、来日外国人による組織犯罪の多発、少年事件の凶悪化や交通事故の増加など、厳しい情勢が続いたところでありました。
 また、最近の治安情勢におきましても、殺人や強盗等の重要犯罪の増加、来日外国人等の組織的な窃盗集団による事務所荒らし事件の多発に加え、ハイテク犯罪、ストーカー犯罪等、新たな形態による犯罪の発生等、依然として厳しい情勢が続いており、加えて、9月に発生しました米国における同時多発テロ事件や炭疽菌感染事案の発生が、我が国における重要施設を対象とする直接的なテロやいわゆる生物・化学テロ発生の不安を生じさせております。
 このような情勢に対処し、県民の皆様の安心と安全を確保するため、犯罪抑止と検挙の両面から県警察の総力を挙げて取り組んでいるところであります。
 また、交通事故による死者数が前年を大きく上回っており、昨日現在の死者数は141人で前年同期比16人増、12.8%の増となっております。中でも高齢者の事故が多発し、全死者数の40.4%を占める状況にあります。このため、11月12日には、9月に続きことし2回目の交通事故非常事態宣言を発令するなど、厳しい状況に歯どめをかけるため、関係機関・団体と緊密な連携をとり、一丸となって各種の交通安全対策を強力に推進しているところであります。
 それでは、平成12年度における警察費の決算について御説明申し上げます。
 まず、お手元の平成12年度岩手県歳入歳出決算書の14ページをお開きいただきたいと思います。第9款警察費の予算現額は327億4、880万円余であります。これに対して支出済額は326億7、826万円余となっております。不用額は7、053万円余であります。
 以下、個々の内容につきましては、平成12年度歳入歳出決算事項別明細書により項目別に御説明申し上げます。
 恐れ入りますが262ページをお開き願います。第1項警察管理費第1目公安委員会費の支出済額789万円余は、公安委員会の運営に必要な委員報酬など、公安委員会運営に要した経費であります。第2目警察本部費の支出済額258億271万円余は、岩手県警察の運営に要した経費であり、警察職員の給料、職員手当などの人件費が主なものであります。この中には、警察業務の高度情報化のための警察情報管理システム開発事業費、駐在所勤務員と同居して警察業務に協力している奥様などに支給している駐在所等報償費などの経費があります。また、予備費890万円は、警察官の職務に協力援助した者の災害給付に当たりまして支給したものであります。次に、264ページをお開き願います。第3目装備費の支出済額3億4、013万円余は、犯罪捜査、大規模災害対策などに対応するための警察装備品の整備と維持管理の経費で、車両・災害対策資機材の購入及び車両・警備船・航空機の維持管理などに要した経費であります。第4目警察施設費の支出済額26億4、596万円余は、治安の基盤をなす警察署、交番、駐在所などの整備及び維持管理に要した経費であります。主な施設整備の一つは、盛岡東警察署等庁舎の建築であります。平成12年度からの3カ年計画で旧庁舎跡地に警察本部の一部機能を併設し、平成14年10月の完成を目指しております。平成12年度は全体工事の5%を施行したほか、電波障害対象地域の補償対策及び屋上ヘリポート設置許可等に要した経費であります。さらには、花巻警察署桜台交番の移転新築用地の取得に要した経費のほか、5カ所の交番、駐在所及び4カ所の職員宿舎の新築整備によって、行政サービスの向上と執務環境の改善などを図ったものであります。第5目運転免許費の支出済額5億2、688万円余は、交通事故防止を図るため、運転免許行政処分者に対する講習、高齢者講習など、運転者対策を推進した経費であります。次に、266ページをお開き願います。第6目恩給及び退職年金費の支出済額1億1、526万円余は、恩給及び退職年金の支出に要した経費であります。
 次に、第2項警察活動費第1目一般警察活動費の支出済額4億6、711万円余は、交番機能強化対策の一環として、交番相談員を配置するなど、安全な地域づくりを推進するために要した経費のほか、警察通信施設の維持管理などに要した経費であります。第2目刑事警察費の支出済額2億9、225万円余は、少年の非行を防止するための活動、悪質巧妙化する犯罪に対する的確な捜査取締活動、並びにハイテク犯罪に対処するため、サイバーパトロール機材など捜査活動を支援する各種資機材の整備に要した経費であります。次に、268ページをお開き願います。第3目交通指導取締費の支出済額24億8、004万円余は、交通指導取締活動の推進などのほか、交通事故の防止と交通の円滑化を図るため、交通安全施設の整備拡充などに要した経費であります。平成12年度における交通安全施設整備の主なものは、幹線道路における交通の円滑化を図るための環境の整備、都市交通機能を確保するための交通管制エリアの整備、主要幹線道路における交通事故防止のための施設の整備や交通弱者等の安全確保のための交通環境の整備などであります。
 以上をもちまして、簡単ですが、平成12年度における警察本部関係の決算の説明を終わらせていただきます。よろしく御審議のほど、お願い申し上げます。

〇千葉伝委員長 ただいまの説明に対し、質疑はありませんか。

〇柳村岩見委員 ただいまの説明の中にも一部出てまいりましたけれども、平成12年度における交番・駐在所の新規設置及び統廃合、この状況についてお尋ねいたします。
 あわせて、スクラップ・アンド・ビルドという考え方からいきますと、交番・駐在所の新規あるいは統廃合に伴う、あるいはまた直接伴わない署員の増員あるいは減員という交番・駐在所もあるかと思いますが、あわせてお尋ねいたします。

〇斎川警務部長 平成12年度におきます交番・駐在所の統廃合状況でございますけれども、花巻警察署管内の松園駐在所、そして四日町駐在所を廃止しております。松園駐在所につきましては1名、それから四日町駐在所につきましては2名の配置でございましたけれども、これを廃止いたしまして、桜台交番を4名体制で新設しております。
 それからもう1カ所、水沢警察署管内の姉帯駐在所につきましては、1名体制でございましたけれども、これを廃止いたしまして、常磐交番を4名体制ということで充実させていただきまして新設ということにさせていただいております。

〇柳村岩見委員 平成12年度の状況についてはわかりました。
 そこで、この交番・駐在所の新規設置、統廃合については基本的な考え方があっておやりになっていることは当然であります。そのほかに地域住民より要望が出されるということ、それは当然当初から認識はあった。そのことについて改めて請願・要望が寄せられるというケースもあるわけですが、それらへの対応について、基本的な考え方と対応についてお尋ねしたいと思います。

〇斎川警務部長 交番・駐在所につきましては、地域に根差し、地域住民の皆様と一体となって地域の安全を確保するという重要な役割を果たしているということは私どもよく認識しているところでございます。
 一方で、近年全国的に犯罪情勢が悪化しておりまして、また交通事故も多発しているという状況にございますなど、県民の皆さんの不安も増加している、高まっている現状にあると考えております。
 そういうことから、県警察としては、これらの情勢に対応するため、的確に対処するため、限られた警察力を効率的・効果的に配置していく必要があると考えております。
 交番・駐在所の設置あるいは統廃合につきましては、以上のような点を踏まえて、今後とも住民の利便性、管内の人口、世帯数の動向、犯罪等の発生状況等、地域の実情を勘案しつつ、また、住民の要望をも参考にしながら警察力の効率的・効果的な配置の観点から、十分な検討を加えた上で適正な交番・駐在所の配置に努めてまいりたいと考えております。

〇佐藤力男委員 ただいまの柳村委員の質問にも関連いたしますけれども、まず、今日のように大変暗い世情の中で、国のみならず、国外からも犯罪が予想されるというような中にあって、県警察の御努力に敬意を表しながら、機構再編という点での考え方と、増大する業務の対応策についてお伺いさせていただきます。
 まず、駐在所の存在意義については十分承知いたしておりますが、しかし、こうした時代趨勢になってまいりまして、道路もよくなりましたし、また、情報の伝達方法についても格段に進歩いたしております。そうした中では、駐在所に約1割の警察職員が配置になっているわけでありますが、こうした人たちの専門的知識といいますか、有効利用というのもこの際検討されてはいかがかと思っているところでございます。駐在所を否定するということではなくして、再検討しながら、警察の持っている総力を挙げて県民の安全をより高いレベルで守っていく、そうした見地での検討をされるべき、今そうした時代趨勢にあるのではないかと思っておりまして、そうした点に対する考え方をまず第1点お示しいただきたいと思います。
 それから、関連いたしまして、今各地域には、その地域を市民の皆さんの協力で守るとする地域組織の安全組織ができ上がっているところが数多くあるわけであります。そうした皆さん方との連携を県警察がとって、地域を守っていくという考え方もできるのではないか。言いかえるならば、駐在所にかわる、駐在所に警察官を配置する、そうした形にかわるものとして、例えば県警察OBですとか、自衛隊のOBですとか、しかるべき知識と能力を持っている皆さん方に、地域保安官のような権利を与えて一部行政を移行していく、そうした考え方もこれからの時代には必要ではなかろうかと思っておりますが、その双方合わせた考え方をお示しいただきたいと思います。

〇斎川警務部長 私の方から、前半の組織体制の関係につきましてお答えさせていただきます。
 現在、県内には17警察署のもと、50の交番、169の駐在所が設置されております。交番・駐在所勤務員合計約450名が勤務しております。それぞれ地域と一体となった活動を展開し、県民の皆さんの安心と安全の確保に努めているところでございます。
 ただ、先ほど委員の御指摘のように、近年、犯罪の国際化ということも言われておりますけれども、全国的に犯罪情勢が悪化しておりまして、また交通事故が多発しているなど、県民の皆さんの不安が増加しているという現状にございます。そういったことから、県警察といたしましては、これらの情勢に的確に対処するため、御指摘のような交番・駐在所の統廃合も含めまして、限られた警察力を効率的・効果的に配置していく必要があるということは十分認識しております。
 ただ、一方、交番・駐在所につきましては、地域に根差し、地域住民の皆様と一体となって地域の安全を確保するという重要な役割を担っているとも考えております。
 以上のような点を総合的に勘案いたしまして、交番・駐在所につきましては、今後とも住民の利便性、管内の人口、世帯数の動向、犯罪等の発生状況等、地域の実情・実態を勘案しながら、警察力の効率的・効果的配置という観点からも検討を加えまして、適正な交番・駐在所の配置を図ってまいりたいと考えております。

〇千葉生活安全部長 私の方から、地域の安全を確保するためには、警察官を支援するための制度を考えるべきではないかということに対してお答えいたします。
 限られた体制の中で、年々ふえ続けております警察業務を処理するためには、御提言にありましたように、警察官の業務を支援していただく制度があれば大変心強いわけであります。現在、この制度に類似したものといたしまして、地域部門には、退職した警察職員による交番相談員制度があります。この制度は、平成7年4月から実施されておりますけれども、現在15名の相談員、県内15の交番所に各1名ずつ配置しておりまして、空き交番対策の一環といたしまして、交番に勤務する警察官の業務を支援しております。
 また、生活安全部門には、少年巡回指導員5名、それから少年指導員71名、こういう制度がありまして、主として一線警察署の生活安全業務の支援をいたしております。
 それから、交通部門でございますけれども、平成3年から地域交通安全活動推進委員の制度がございまして、地域における交通安全モラルの向上等を目的に活動していただいております。民間の方228名を委嘱いたしまして、一線警察署の交通業務の支援をいただいているところでございます。
 当面、これらの制度や既存の防犯協会あるいは交通安全協会などの各種外郭団体との連携をより一層強めまして、いろいろな御支援をいただきながら警察業務を効率的に推進してまいりたいと考えております。

〇佐藤力男委員 わかりました。
 現行の制度、考え方の中ではそのようなことで全力を尽くしていただいていると認識いたしております。しかし、この時代趨勢に合わせて警察官を増員する、あるいは減らすということは、これは恒常的経費が伴ってくるわけでありまして、どうしても限りがある話でございます。しかしながら、犯罪が増加する、あるいはいろいろな予知される出来事が起こってくる、そうした中では、やはり専門的知識を持っている警察官本来の職務をカバーしてもらえるような組織をつくりながら対応していくことしか、私は方法がないのではなかろうかと思っているところでございます。
 駐在所の役割なり、今とっておられる対応策については承知いたしております。しかし、昔のように駐在さんが奥さん、子供を伴って一緒に駐在するというような形がだんだんとりにくくなってきている。もっと乱暴な言い方をすれば、休日には駐在さんがいなくなるというような駐在所も多くあるわけでありまして、これもやむを得ないことであろうと思っております。
 そうした見方をすれば、警察官が警察官の使命に燃えて、本当に地域の安全もさることながら、県民の生活と命を守っていくんだという強い使命感で警察官の仕事を続けていく、そうした体制をとることも、県警察の士気の高揚として私は大変大切なことではないか、そんなことを思っております。そうした意味では、もっともっと柔軟に、この時代趨勢に合わせて何ができるのか、県警察の対応としてもっと何かできることはないかと考えていただきながら県民の期待にこたえていく、それが私は、今の求められている姿ではなかろうかと思っております。
 そうした意味で、先ほど申し上げましたように、地域保安官のような、拳銃は持っていないけれども、警察官と同じような役目を果たしてもらえるという、県民のよりどころになるような、そんなことも考え合わせてもいいのではないかと思っているところでございます。特に、出原本部長には、この警察業務に対しましては幅広い見識を持たれていると思っておりまして、県民の期待も大きいものと認識いたしておりますので、本部長、ぜひ岩手県独自のそうした対応をお考えになったらいかがでしょうか。御所見をお伺いいたします。

〇出原警察本部長 今委員御指摘のとおり、私ども、従来からも行われておりますように県民のための警察ということで、限られた体制でありますが、職員一丸となって取り組んでいるわけでございます。
 しかし、先ほども御説明のところで申し上げましたとおり、最近の犯罪情勢は、量的な増加とともに、また質的な変化も大きくなっておりまして、その内容も一層専門化といいますか、技術化しております。そのような情勢に対応するために、もちろん警察職員一人一人の質的な向上も必要でありますし、また、場合によっては体制の強化ということも私どもも望んでいるわけです。しかし、いずれにしましても、そういうことは別にしまして、やはり県民の皆さん方から警察業務に対する幅広い理解と協力を得るためにも、これからいろいろ取り組んでいきたいと思いますし、その中で専門的な業務に対する県民の皆さん方の支援を得るために、またいろいろな体制なり組織づくりということも出てくると思います。そういうことを踏まえまして、今委員の御指摘にあったようなことも踏まえまして、これからいろいろ勉強していきたいと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

〇阿部静子委員 2点質問いたします。1点目は、先ほど本部長の方から交通事故の対象であるとか件数についてはお話がございましたので、ちょっと角度を変えて質問をいたします。
 その交通事故の発生状況、どういう状況の中での事故発生が多いか、それから、時間帯はいつが多いか、それから死亡事故の特徴をお伺いいたします。
 それから、防止策については先ほどお話でございますので、これは省きます。
 2番目の質問は、チャイルドシートについてでございます。
 昨年の4月からチャイルドシートが義務づけられたわけでございますが、その着用の状況はどうなのか。促進策について県はどんな方策をとっておられるのかお伺いいたします。

〇及川交通部長 まず、県内の交通事故の発生状況でありますが、本年11月末現在でありますけれども、発生件数は5、199件、前年比でマイナス246件、死者数は138人、前年比でプラス15人、傷者数は6、482人、前年比でマイナス332人となっております。発生件数、傷者数ともに前年と比較しますと減少しておりますが、死者数のみが大幅に増加している状況にございます。
 また、昨日現在の死者数は、先ほど本部長の報告にもありましたが141名ということで、前年対比で増加数あるいは増加率とも全国のワースト5という大変厳しい状況になってございます。
 死亡事故の特徴でありますが、大きな特徴としましては、郊外でのスピードの出し過ぎによる道路逸脱、対向車線へのはみ出しによる自爆型交通事故が129件中60件ということで46.5%、大変多くなっているということであります。2番目の特徴としては、国道など主要幹線道路での発生が64件、49.6%と約半数を占めているということであります。また、3点目の特徴として、65歳以上の高齢犠牲者が57人ということで41.3%と高い比率を占めているということが挙げられると思っております。
 それから、時間帯の問題では、夜と昼では、どうしても夜間の事故が多いのでありますが、最近のように、時間帯で申しますと薄暮及び夜間に対するものが非常に多くなっているという状況にございます。
 それから、2点目のチャイルドシートの関係でございます。
 まず、県内のチャイルドシートの着用状況についてでありますけれども、本年9月、秋の全国交通安全運動期間中に県内各警察署で調査した結果でありますが、着用率は一般道路で78.6%となっており、これを4月に実施しました春の全国交通安全運動期間中の調査と比較しますと2ポイント上昇しております。また、全国の平均は73.1%となっておりますので、これも上回っている状況にございます。ただ、本県はシートベルトの着用率、これはチャイルドシートではなくてシートベルトでありますけれども、着用率は全国のトップクラスにありますが、現在95.2%の着用率となっております。これに比較しますと、チャイルドシートの方の着用率は大変低いということが言えるところであります。
 次に、着用促進に向けた取り組みでありますけれども、日常的に実施しております交通指導取締り及び広報のほか、各警察署で実施しております交通安全関係機関と連携した各種交通安全講習会を通じての着用指導、あるいは広報啓発、さらには警察本部が実施しておりますところの、いわゆる交通安全教育班による着用指導を実施しているところであります。
 また、着用推進のための広報としましては、警察の広報紙やマスコミの広報媒体を利用したもの、あるいはパンフレットの配布など、広報啓発活動によって着用の促進を図っているところであります。

〇阿部静子委員 ありがとうございました。
 その死亡事故がふえているというのをどのように分析なさっていますか、お伺いいたします。
 それから、チャイルドシートでございますが、私も孫が神戸から私のところに来るときに、そのチャイルドシート着用の部分で大変困ったんです。こういうときはチャイルドシートが要りませんよというパンフレットが配布になっておりましたけれども、どうするかということになったわけです。そうしたら、滝沢の方では、新生児用は役場でちゃんと貸してくれるとか、こういう自治体もあるようです。ただ、チャイルドシートは年齢によって違いますから、それでいろいろ尋ね歩きまして、上堂のところでレンタルを借りたんです。ところが結構高いんです。値段は忘れましたけれども、あれは洗濯代も含まれているらしいので、1日にするとやっぱり五、六百円でなかったかなあ……、確かに孫のことを見ていてもだらだらとやりますからね、あれは洗濯代は当然だなあと思いましたけれども、そういう着用の部分でも、地元の人でない場合もあるんじゃないかという気がいたします。それで、どういうふうにすればいいのかという、チャイルドシートに対する相談はどちらに行けばいいんでしょう、お伺いをいたします。

〇及川交通部長 まず最初に、交通死亡事故の関係でありますが、交通事故の死者数は先ほど申し上げたとおりでありますが、高齢者が多いということは大体おわかりだと思いますが、そのほかに20代と40代の方々の第一当事者となられる方の死亡事故が多いというような状況にございます。岩手県では大きな特徴として、全国の中でも致死率が高い、いわゆる人身事故に対する死亡率、致死率と申しますが、それが非常に高い。あと重傷者率、これも高いということであります。この致死率が高いというのは、いわゆる先ほども件数で申し上げましたが、発生件数は減少しているのに死亡者数が高いということで非常に暴走型といいますか、自爆型、いわゆる自分で危険な運転をして死亡事故に至るという者が多いという形であります。これは全国の中でも非常に高い率を占めておりますので、その原因というのはやはり実勢速度、いわゆるふだんの速度、分析上は事故発生直前の速度が高過ぎるという分析結果が出ておりまして、そうなると日ごろの速度を下げる、いわゆる実勢速度を抑制する取締り活動が重要だろうと考えて、そういう形の事故ということになっております。
 それから、二つ目のチャイルドシートの、お孫さんが使う場合にどうしたらいいだろうかというような内容の御質問でございましたけれども、チャイルドシートは幼児を悲惨な交通事故から守るという趣旨で法制度が改正されたものでありまして、これは平成11年の法改正で12年4月1日から施行されておるところであります。長期に利用される、あるいは一時的に利用される、いろいろあると思いますけれども、レンタルの方法というのがあったんですが、高いということでありましたけれども、今レンタルでも有料のもの、無料のものございます。そのほかに、ある程度使い方によると思いますが、ある程度一定期間使われるというような場合には、その持っておられる、そのお孫さんに合ったチャイルドシートでありますので、宅配してそれでさらに使って、また送って使うという方法もあろうかと思います。いずれそのチャイルドシートのレンタル、そういった関係は警察が直接やっているわけではありませんけれども、現在のところレンタル事業につきましては岩手県交通安全協会の13支部及び県内の25市町村の自治体等が現在実施していると承知しております。そういった関係の相談等についても各市町村及び交通安全協会がそういったことを実施しておりますので、相談していただければと考えております。

〇佐々木一榮委員 1点のみ教えていただきたいと思いますが、チャイルドシートの着用義務違反、これは県内に何件ぐらいありますでしょうか。

〇及川交通部長 今の御質問について数字を出してお答えしたいのでありますが、今、手元に来ておりませんので、済みません。

〇斉藤信委員 3点お聞きしたい。一つは、平成12年度の自殺者の実態、要因、経済問題を理由にした自殺者が急増していると思うけれども、平成12年度の自殺者の実態、要因はどうなっているでしょうか。年代も含めて。

〇千葉生活安全部長 10月末現在の自殺の現状についてお答えをいたします。12年の方はちょっと資料を持っておりません。

〇千葉伝委員長 ただいまの質問、後ほどの答弁ということでよろしいですか。

〇斉藤信委員 ちょっと変化球を投げてしまったものだから、失礼しました。後からひとつ。
 では、2番目の質問を先にやらせてください。公安委員会に対する一職員の提訴とその対応についてお聞きをします。
 この職員は1985年7月に採用され、以後16年間にわたって警部補のまま、事実上不当差別を受けている職員と思われます。この職員は平成3年10月26日に1回目の提訴状を県公安委員会に提出しています。その提訴の内容はどういうものでしょうか。公安委員会はどのように対応したのでしょうか。
 この件については平成2年に法務局人権擁護委員会に人権侵害であるとして提訴され、平成3年3月に県警本部監察課に対して口頭で人権擁護の啓発を勧告したとされていますけれども、どういう勧告で、県警はこの勧告についてどう対応したのでしょうか。

〇斎川警務部長 ただいま委員御指摘のような県公安委員会に対する投書があったのは事実でございます。その内容につきましては、当時の上司の言動の不満等に関するものでございまして、それに対する本人の処遇改善を求めるものでございます。
 また、公安委員会がどういう対応をしたかというお尋ねでございますけれども、この件に関しましては、職場での取り扱い、待遇面等に関する警察組織内部のことでございますので、警察内部で適正に対応しているところでございます。
 それから、人権擁護委員会に提訴という関係に対するお答えでございますけれども、さかのぼって調べてみましたけれども、平成3年5月に当方から人権擁護委員会の方に照会をいたしました。そうしたところ、人権擁護委員会では、職場での取り扱い、待遇面等に関する警察内部のことであるということで、人権擁護委員会は介在、啓発する性質のものではないと、かつ人権侵犯には当たらないという判断をしたという回答を得ております。なお、この結果につきましては、人権擁護委員会の方から本人に対して、その旨説明がされたと聞いております。したがって、御指摘のような人権擁護委員会から当局が改善勧告を受けたという事実はございません。

〇千葉伝委員長 先ほどの答弁が出てまいります。

〇菅原生活安全部参事官兼生活安全企画課長 それでは、お答えいたします。平成12年中の自殺の数でございますが、504人ということになっております。詳しい動機とかにつきましては、ちょっと手元にございませんので、後でまた申し上げたいと思っております。

〇斉藤信委員 今、回答がありました。この職員の上司は、平成2年3月8日、この職員が制止したにもかかわらず違反行為を行いました。こうした違反行為は日常茶飯事であったと指摘をされています。このことを通報したこの職員は別の上司から犯罪者扱いの取り調べを受け、以後、嫌がらせと不当な人事差別が続いているということであります。こうしたことが16年間、何ら改善されずに、ことしも県公安委員会にその改善と対応を求めて2度目の提訴状が提出されたのであります。公安委員会は今回の提訴についてどう対応したでしょうか。

〇千葉生活安全部長 それでは、私の方からまず前段の部分についてお答えいたします。
 平成2年3月の事案でございますけれども、岩手山系における山岳遭難救助訓練の部隊に対しまして、無線通信用のバッテリーを緊急に送り届けなければならないやむなき事態となりまして、そういったことから当該事案が惹起されたものであります。事後にこの緊急性の理由を監督官庁に報告をし了解を得ております。また、これを監督官庁に架電通報した本人に対し、この趣旨の説明を求めたことがあります。嫌がらせや不当な扱いを行ってはおりません。

〇斎川警務部長 私の方から公安委員会の対応関係についてお答えさせていただきます。
 本年、県の公安委員会に対しまして御指摘のような投書があったことについては事実でございます。公安委員会あてに要望、意見等の投書などがあった場合にはもちろんのこと、警察あての苦情、意見であっても、その内容いかんを問わず我々警察当局といたしましては、公安委員会に幅広く報告し指導等を受けているところでございます。したがって、委員御指摘の件につきましても、公安委員会に報告し、きちんと説明しておりまして必要な指導を受けております。その内容は、職場の上司あるいは同僚の勤務態度とか、人事上の処遇に関する問題等でございますことから、人事管理の問題ということで、警察組織内で処理、改善が図られるべきものであるということで公安委員会で判断をいただいたものでございます。事実関係の有無の調査結果等につきましては、警察内部におきまして事実関係を調査いたしまして、その結果を公安委員会にきちんと報告をしているところでございます。

〇千葉伝委員長 斉藤信委員に申し上げます。ただいまは警察本部の平成12年度決算の審査ということでありますので、その趣旨に沿って質疑されたいこと。

〇斉藤信委員 16年間不当な差別を受けている職員の問題を私は指摘しているんですよ。これは警察本部費でしょう。それで、残念ながら誠意ある答弁がなかったのでもう少し具体的に私は聞きます。どういう点をこの職員が提訴したかと言いますと、一つは、この職員が不倫疑惑を投書で告発をされた。しかし、これは事実無根だった。ところが、その後、当時の警務部長から、不倫をしたのだから辞職しろという暴言を受けているわけです。大変酒癖の悪い警務部長だったということも指摘をされています。私が今指摘をした違反行為というのは、これは山岳救助訓練のときの問題であります。山岳救助訓練のときに、落下させてはならない、いわばそういうものを届け出なしにやったということです。落下させたものはミカンと酒です。これが何で必要なことなんですか。(「何のことかわからぬ」と呼ぶ者あり)いや、わかるんだ、県警は。そういう事実について県警は確認しましたか。そして、16年間なぜこの職員は警部補のまま不当な差別されたんですか。

〇千葉生活安全部長 先ほど御説明いたしましたように、平成2年3月8日の落下物については、無線通信用のバッテリーを緊急に送り届けなければならないということで、やむを得ない状態で送り届けたわけでございます。そう承知しております。

〇斉藤信委員 本部長、改めて私はその事実を調査していただきたい。これは本当に事実捏造ということになりますよ。今のような回答は本人にも行っていないですよ。本人はこれは国家公安委員会にも提訴されていることですから、そういうことであれば、本部長、この問題はきっちり事実を調査してください。そして、事実に基づいてやってください。

〇出原警察本部長 今の問題全体についてお答えしたいと思いますが、私は組織の最高責任者として、人事管理に当たりましては常に公平、公正を旨として人事管理に当たっているつもりでございます。したがいまして、先ほど委員が言われました、16年間警部補云々というものも、警察には御案内のとおり厳然とした昇任試験制度がございます。昇任試験を受けない限りどんな者でも昇任できないというのは当然御案内のとおりでございまして、私ども各級幹部を通じて当の本人にも昇任試験を受けるようにということを常々指導しているところですが、残念ながら本人が試験を受けないというのが一つの事実だということを御理解いただきたいと思います。
 それから、今の事実関係につきましては、私どももそういうことには一つ一つ古い話で承知していないところもございますが、ただ、一方的な話もございますし、それを一つずつ確認するかどうかはこの場でお約束できないという面もございますので、今後とも人事管理を徹底しまして、本人の職務に邁進できるように私どもも今後心がけていきたいと考えております。

〇斉藤信委員 今の件について昇任昇給試験は確かに受けていないんです。なぜかというと、当時の警務部長からは、おまえは絶対に昇任昇給させないと、こういう嫌がらせを受けたということもそれは事実ですから、今の本部長の答弁どおり、これは公安委員会に今提訴中ですから、しっかりやっていただきたい。改めてその結果を踏まえて私は取り上げたいと思います。
 最後であります。社会福祉法人寿水会の前理事長が10月25日、社会福祉法人にかかわる横領事件で県警が捜査し、地検に書類送検をされました。この被疑事実はどういうものでしょうか。
 前理事長と常に行動をともにしてきた経理責任者の女性がいましたが、職場では女帝と言われている人物で、実質ナンバーツーの人物であります。私はこの女性は横領事件の共犯者とも言うべき役割を果たしてきたのではないかと思いますが、横領事件で果たした経理責任者の役割とはどういうものだったのでしょうか。そういう調査はされているでしょうか。
 具体的事例についてお聞きします。金融機関と法人との間で民事裁判がありました。法人の名義で借り入れをした際、北銀の場合も信金のときも経理責任者の女性が同行していたということが指摘をされています。暴力団絡みのやみ金融との取引にも前理事長とともに主導的にかかわったのが経理責任者ですが、こうした事実は確認されているでしょうか。
 経理責任者の女帝は、業者への物品等の発注権限が集中しており、掛け値発注を行い、後で業者に寄附をさせる、こういうことをやっておりました。無届けの売店収入が11年間で約570万円ありましたが、その使い道は不明となっています。こうしたことも調査されたのでしょうか。
 特養ホームの入所者から前理事長と経理責任者、生活指導員が99年3月31日、1、200万円の借金をしています。このお金は職員の年末手当と給料に使われたとのことですけれども、いまだに返済されていないのではないでしょうか。この金額も横領の中に含まれているのでしょうか。

〇鈴木刑事部長 お答えいたします。本件につきましては、本年1月10日に告訴を受理し、所要の捜査を実施した結果、10月25日に法人の前理事長を、14回にわたり4、227万円を横領したという業務上横領事実により、盛岡地方検察庁に送付したところであります。
 同法人の事務員をなぜ被疑者として送付しなかったかとのお尋ねでありますけれども、本件犯行の形態、横領金の使い道を精査するなど、事実と証拠に基づき捜査を実施した結果、同事務員に共犯性はないものと判断し、前理事長のみを被疑者として送付したところであります。なお、本件は現在、検察庁において捜査中でもありますので、詳細については答弁を差し控えさせていただきたいと思います。

〇斉藤信委員 実はこの女性には法人の方で処分をしています。その処分理由というのはこういうものです。長年ナンバーツーの立場にあって、前理事長と行動をともにし今回の不祥事を招いたことがいろんなところから聞かれます。ここに寿水会の経理を総括する立場にありながら、そのような流れをつくったことについて反省を促し訓戒します。こうやって、これは法人が、ナンバーツーの役割を果たした経理責任者として処分しているんです。実際に不正理由の実態を見ますと、後半は確実にこの経理責任者の方が主導したと、そして金策を行ったということが明らかですが、さらに、99年10月15日に寿水会の不正事件というのが報道されました。その二、三日前に前理事長と経理責任者のこの女性は、かなりの量の業務書類を持ち出しました。また、監査が入る直前にはこの女性が黒いごみ袋を三つ焼却炉で燃やしていたとの職員の証言があります。これは証拠隠滅に当たるのではないでしょうか。この経理責任者の女性は、昨年1月15日の理事会で今紹介したように処分を受け寮母に職務がえになっていますけれども、その給料は法外な5級の給料を今も受け続けています。こういう点では今でも実権を失っていないというのが実情であります。以前は経理責任、人事権、こういうのも集中してやっていた。こうしたことも含めて答えていただきたい。

〇鈴木刑事部長 先ほどもお答えしましたように、事実と証拠に基づいて精査等をやった結果、共犯性はないものと判断をし、前理事長のみを検察庁の方に送付したのであります。なお、繰り返しになりますけれども、現在も検察庁の方で捜査中の事案でありますので、詳しい詳細の答弁については差し控えさせていただきたいと思います。

〇出原警察本部長 先ほどの斉藤委員の御質問に重ねて答えるようですが、一言申し上げさせていただきます。先ほど委員の方から提訴中という話がありましたが、この問題につきましては既に公安委員会の方から、先ほど警務部長も御答弁申し上げましたとおり、警察組織の内部の人事問題にかかわる問題であるという判断を受けまして、公安委員会からはその旨、本人にも示達しております。私どももその指導を受けまして、各級幹部を通じて本人に公正、厳正にこれからの人事管理に当たるという考えで臨んでおりますので、その旨はぜひ御理解いただきたいと思います。

〇菅原生活安全部参事官兼生活安全企画課長 それでは、先ほどの平成12年中の自殺の動機別について申し上げます。
 504名の自殺のうち、病苦が199、それから借金苦を含めての経済問題が121、それから家庭問題が55、仕事上の問題が22、男女問題が9、その他84となっております。

〇及川交通部長 先ほど佐々木一榮委員の方から御質問のありましたチャイルドシートの取締り状況はどうかということについて、わかりましたのでお答えしたいと思います。
 本年11月末現在で61件の違反がございました。なお、昨年につきましては、試行の関係もありまして5件ということで、指導の方が中心であったと思っております。

〇菅原温士委員 今の斉藤委員の質問に対して考えておったわけでありますけれども、いわゆる警察官というものは守秘義務があるんではないかと、そんな感じをいたします。それを他人に漏らすということは警察官本来の姿ではないと、なぜならば、強制捜査、選挙違反の摘発とかいろんな極秘で事を進めなければいけない場合、そういう場合を他人に漏らしていいんですか。それでは厳正な警察活動ができないんじゃないですか。それによってあるいは住民が不利益をこうむるというような場合も実はあるんではないんですか。岩手県警の中にそういう警察官がいる、嘆かわしいことでありますが、本部長の見解をお聞きします。

〇出原警察本部長 お答えいたします。菅原委員の御指摘の内容につきましてですが、この問題はいずれにしましても、先ほどから申し上げましたとおり、組織内部といいますか、人事管理の問題に関連する問題ですので、少なくとも本県2、350人の警察職員の中で、仮にもそういう者がいるということは、最高責任者である私としましても非常に不徳のいたすところだと感じておりまして、今後ともそういうことがないように厳正な指導に当たっていきたいと考えておりますので、御理解よろしくお願いしたいと思います。

〇千葉伝委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇千葉伝委員長 質疑がないようでありますので、警察本部関係の質疑をこれで終わります。
 お諮りいたします。当委員会に付託されました決算12件について、その意見の取りまとめの方法でありますが、直ちに議会運営委員会室において各会派の代表の方々で御協議をお願いし、その結果を待って、午後3時ごろをめどに委員会を開き、結論を出すこととしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇千葉伝委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
 この際、意見の取りまとめのため、暫時休憩いたします。
   午後2時34分 休 憩
 
   午後3時8分 再 開

〇千葉伝委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 決算12件に対する各会派の意見を取りまとめましたので、その結果を御報告申し上げます。
 認定第1号については、次の意見、すなわち、平成12年度における本県財政は、地方交付税や県税が増加したものの、国の経済対策等に伴う県債の元利償還金の増加による公債費の増嵩など、一段と厳しさを増す財政環境にありながらも、社会資本整備や実行段階を迎えた地方分権の推進及び介護保険制度の円滑な施行などに積極的に取り組んだことは多とするところである。
 今後の財政運営に当たっては、国における財政構造改革や地方交付税制度の見直しの動きを注視しながら、政策評価制度を通じた施策の重点化による事業の精選と見直しを行い、限られた財源の重点的かつ効果的な活用に努め、岩手県総合計画に基づく各般にわたる施策の着実な推進に、一層努力せられたい旨の意見を付し、認定することとし、認定第2号から認定第12号までは、認定することといたした次第であります。
 これより採決いたします。
 認定第1号については、ただいま報告いたしました意見を付して、認定することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇千葉伝委員長 起立多数であります。よって、認定第1号については、ただいまの意見を付して、認定することに決定いたしました。
 次に、お諮りいたします。
 認定第11号及び認定第12号の2件について、賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇千葉伝委員長 起立多数であります。よって、認定第11号及び認定第12号の2件については、認定することに決定いたしました。
 次に、お諮りいたします。
 認定第2号から認定第10号までの9件について、賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇千葉伝委員長 起立全員であります。よって、認定第2号から認定第10号までの9件については、認定することに決定いたしました。
 以上をもって、当特別委員会に付託されました案件の審査は全部終了いたしました。委員各位の御協力に対し、深く感謝を申し上げます。
 これをもって決算特別委員会を閉会いたします。
   午後3時11分 閉 会

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