平成14年2月定例会 第13回岩手県議会定例会会議録

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〇23番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 議案第1号2001年度岩手県一般会計補正予算に反対の討論を行います。
 今回の補正予算は、小泉内閣が従来型の補正はやらないというみずからの公約を投げ捨て、2兆5、000億円もの公共事業の積み増しを行ったことに対応するものであります。従来型の大型開発中心の公共事業の積み増しは、景気回復に何ら効果がないばかりか、国、地方の財政危機を一層深刻にするものであります。県の補正予算も、総額210億円でありますが、土木費が142億円余で67.5%、農林水産費が42億円余で20.3%、あわせて185億円余、87.8%を占めるもので、来年度の公共事業を前倒しして実施しようとするものであります。
 深刻な財政危機のもとで、小泉内閣は財源手当てができず、NTT株売却益の無利子貸し付けで対応するとして地方に借金を押しつけたのであります。その結果、210億円の補正予算の財源は、県債が185億円余で88.1%を占める異常なものとなりました。今年度の県債発行額は1、819億円余で、県債の償還額は883億円余、結局、1年間で936億円の借金をふやし、県債残高は1兆2、959億円余となったのであります。
 補正予算の中には、特養ホームや保育所の整備など県民の要望にこたえるものも当然ありますが、農道や林道の整備、ダム建設事業費など不要不急のものが少なくありません。デフレの悪循環に入ったと言われる今日の深刻な経済危機の最大の原因は需要不足であり、日本経済の6割を占める国民の消費購買力の落ち込みにあります。今、景気対策と言うなら、何よりも国民、県民の暮らしと雇用、医療と福祉を守り、冷え込んだ個人消費を暖める対策こそ必要であります。大企業、誘致企業の目先の利益だけを優先させるリストラ、人減らしをやめさせ、30人学級の実現や特養ホームの緊急増設など、教育、福祉、防災などの公的分野で必要な雇用を拡大することこそ求められています。
 また、医療改悪による医療費の負担増ではなく、早期発見、早期治療、自己負担の軽減に踏み出すことこそ必要であります。
 議案第2号岩手県県有林事業特別会計補正予算は、新たに7億9、700万円の県債を発行し、県有林事業を行おうとするものであります。その結果、特別会計の地方債残高は509億9、300万円余となります。
 県有林事業は、今回、包括外部監査を受けました。そこでは、木材価格が下落低迷を続けている現在、特別会計の枠内だけで収支均衡は図れない状況にあるとして、借入金主体の造林事業の見直しや造成規模の縮小が指摘されています。情報公開と県民の理解も求められています。見通しのない今までのような惰性ではなく、今こそ抜本的見直しが必要であります。
 議案第3号から5号まで、また、議案第80号から84号までは、県営建設事業に要する経費の一部を関係市町村に負担させるもので、反対であります。
 議案第75号県港湾整備事業特別会計補正予算は、使用料及び手数料が2、564万円余の減額であります。これは、貨物取扱量の減少を示すもので、過大な港湾整備事業の見直しの必要性を示すものであります。
 議案第76号県民ゴルフ場特別会計補正予算は、使用料及び手数料が3、151万円余の減額となっています。これは、予算額の実に39%に当たります。一方で、その穴埋めを一般会計からの繰り入れ3、081万円余で行おうとするものであります。県民ゴルフ場のあり方を抜本的に見直すべきであります。
 議案第77号は、県立病院等事業会計特別会計であります。患者数と1日1人当たりの収益が減少して約2億円余の赤字となったことは残念であります。この要因には、診療報酬の改悪、消費税の負担増など国の悪政の影響があることも事実であります。また、マイナスの人事委員会勧告に基づいて、一時金の0.05カ月カットで1人当たり1万9、000円の減収、全体で9、400万円のカットとなったことは職員に犠牲を強いるもので、反対するものであります。
 最後に、継続審査分の請負契約案件である議案第12号、第14号は、落札業者が、東京多摩地区の自治体発注工事で談合疑惑で公正取引委員会が課徴金納付命令を受けることから12月県議会で継続とされていたものであります。昨年の12月14日、公正取引委員会は、東洋建設、錢高組などゼネコン34社に課徴金7億円の納付命令を出しました。これは重大なことであります。ゼネコン各社が不服を申し立て、審判開始請求を行うとしても、重大な談合疑惑を消すことも、その責任も消えるものではありません。本来、今回の契約は破棄して入札をやり直すべきであります。また、34社のゼネコン各社の今後の入札参加も検討し直すべきであります。
 簗川ダム建設事業は、その他にも談合疑惑にまみれており、ダム事業と入札のあり方が根本的に問われています。
 以上申し上げ、私の反対討論といたします。御清聴ありがとうございました。

〇議長(谷藤裕明君) 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより、議案第12号、議案第14号、議案第1号から議案第5号まで、議案第75号から議案第77号まで及び議案第80号から議案第84号までを一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇議長(谷藤裕明君) 起立多数であります。よって、議案第12号、議案第14号、議案第1号から議案第5号まで、議案第75号から議案第77号まで及び議案第80号から議案第84号までは、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第65号から議案第74号まで、議案第78号、議案第79号及び議案第85号から議案第87号までを一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇議長(谷藤裕明君) 起立全員であります。よって、議案第65号から議案第74号まで、議案第78号、議案第79号及び議案第85号から議案第87号までは、委員長の報告のとおり決定いたしました。
日程第32 議案第88号教育委員会の委員の任命に関し同意を求めることについて

〇議長(谷藤裕明君) 次に、日程第32、議案第88号教育委員会の委員の任命に関し同意を求めることについてを議題といたします。
 提出者の説明を求めます。高橋副知事。
   〔副知事高橋洋介君登壇〕

〇副知事(高橋洋介君) 本日提案いたしました人事案件について御説明いたします。
 議案第88号は、教育委員会の委員であります合田武氏が3月31日をもって退任いたしますので、その後任として、新たに五十嵐正氏を任命するため議会の同意を求めようとするものであります。
 よろしく御審議の上、原案に御同意くださるようお願いいたします。

〇議長(谷藤裕明君) お諮りいたします。ただいま議題となっております議案は、人事案件でありますので、会議規則第34条第2項の規定及び先例により、議事の順序を省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(谷藤裕明君) 御異議なしと認めます。よって、これより議案第88号教育委員会の委員の任命に関し同意を求めることについてを採決いたします。
 ただいま議題となっております議案第88号教育委員会の委員の任命に関し同意を求めることについては、これに同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇議長(谷藤裕明君) 起立多数であります。よって、議案第88号教育委員会の委員の任命に関し同意を求めることについては、これに同意することに決定いたしました。
   

〇議長(谷藤裕明君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後1時58分 散 会


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