平成14年2月定例会 第13回岩手県議会定例会会議録

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〇6番(小野寺研一君) 自由民主クラブの小野寺研一でございます。
 通告に従いまして、順次、質問をさせていただきますので、県当局の積極的な御答弁をよろしくお願いいたします。
 まず最初に、知事の政治姿勢についてお伺いをいたします。
 2001年7月の参議院選挙の際、小泉内閣総理大臣が2度にわたって来県をされました。選挙応援の来県でございましたので、ためらいもあったであろうと、そのように推察はされますけれども、知事は盛岡を留守にされたと聞いております。日程の変更ができない重大な用件があったのかはわかりませんけれども、普通でありますと現職の内閣総理大臣が来県をされたときは、大抵は県あるいは県民のために、抱えております問題を総理大臣にいろいろとお願いをする、あるいは申し上げる、そういうことのための日程調整をするべきと考えるのでありますが、この考えは間違いなのでしょうか。国に対して願い事あるいは頼み事はないにしても表敬のあいさつを交わされることは常識と思うのでありますが、いかがでございましょうか。知事が、県内の市町村に出向かれたとき、プライベートですのでなかなかいろいろな具体なお話やお会いすることができませんという、そういう通知があったというふうなことであれば別でしょうけれども、市町村長は、自治体のため表敬あるいは陳情等を行おうと日程の調整に真剣に取り組んでいる姿を見ております。しごく当然のことと思います。あの際、県庁に10分ぐらいの休憩をということは考えられなかったのでしょうか。あのときの知事の思いは、どのようなものであったかの真意をお聞かせ願いたいと思います。
 知事は、就任以来、県民総参加の県政推進に努力をされ、各地において懇談会や対話集会を開催するなど、きめ細かな対応をしてまいりました。県民は、好感を持ち高く評価をしているものと感じます。政治的にも一党一派に偏らず、県民党的立場で自治運営をつかさどっている姿勢も、県民が好感を持たれている一つの大きな理由であろうと、そのように思います。さきの知事所信表明演述でも、県民一人一人と対話をし、参加をしてもらいながら、県政をより充実したものにしていく確認をしておられました。
 私ごとで恐縮でございますけれども、平成7年6月に町村議長会の会長に就任をさせていただきました。当時、県庁は食糧費問題で持ち切りでございまして、自主規制のもと、あらゆる懇談会、懇親会等への出席の見直し等を強力に推し進めておられたと記憶いたしております。町村議長会の知事を囲む懇談会の終了後に行われる懇親会も例外ではありませんでした。歴代の知事は、町村議長会の懇談会を重視し、知事以下各部長全員が出席をされ、陳情を受け、情報交換等熱心にしていただきました。懇談会後の懇親会の場においても、時間的制約があって発言できなかった議長たちも、1時間ぐらいの知事や幹部職員との話し合いを大変貴重なものと受けとめ、町村議長会としては大変感謝をしていたものであります。一方、県においても、県政課題や方針等について、町村や町村議会に対し、理解と協力を得るための場にしようとする姿勢が見てとれたものでございました。
 そこで、お伺いをいたしますが、県内45の町村議会の代表が集まり、議会の立場で地域課題や県政課題を議論し、提言をする場に関係部長が出席しなくなったのは、どのような理由からでございましょうか、お伺いをいたしたいと思います。
 いま一つは、知事の懇親会への出席はいまだにできないのでしょうか。当時、知事室へ局長と2度にわたってお願いに参りましたが、食糧費問題等大変な状況でありますので、しばらくお待ちをいただきたいとの回答を知事から直接ちょうだいをした記憶があります。県議会議員になってからも秘書課にお願いをいたしましたが、余り前向きな返事はいただいてございません。懇親会への出席は、やましいことなのでしょうか。県民に何か疑惑でも与えるようなことなのでしょうか。ほかに理由があるとすればどのようなことなのでしょうか、御所見をお伺いいたしたいと思います。
 次に、環境問題について、特にも産業廃棄物処理施設についてお伺いをいたします。
 平成11年、12年にわたって、産業廃棄物処理施設の必要性について質問をしてまいりました。自然環境、生活環境の汚染防止が第一でありますが、不法投棄の防止やリサイクル活用の推進のためにも絶対必要との思いと、当該自治体の強い要請を受けて提言をしてまいったつもりでございます。県としても、盛岡以北の自治体の意を酌み取られて積極的に取り組まれた結果、調査費計上にまでこぎつけたのであります。しかし、このたぐいのものは、総論が賛成、各論反対ということが、しばしば起きてまいります。まず、第1が場所の選定であります。手を挙げてくれる自治体があればいいのですが、思うようにいかないかもしれません。できるだけ速やかに組織を立ち上げ、県、そして各自治体、議会、住民一体となって、実現に努力することが強く望まれるところであると思いますが、そこでお伺いをいたします。
 まず一つ、平成14年度のこの計画事業は、どのような形でお進めになるおつもりなのでしょうか、お聞かせを願います。
 二つ目には、処理施設のエリア内──恐らく江刺市の処理施設でも、県が買い取りまして県有地となっているであろうと思われますが──そのエリアの外に民間の力でリサイクル施設等併設することも一つの考えと思います。例えば、家屋の新築に際しまして、旧家屋の廃材の中には十分に使える材料などもあるとのこと、建築業界の知恵を持ってすれば、特殊材展示館や特殊材有効利用の設計相談など、予期せぬ大正ロマンの香り高い建築物がお目見えするかもしれません。また、民間参画のいま一つは、廃材の木炭化であります。わざわざ炭窯をつくり採算を合わせようとすれば、採算性も課題になります。しかし、焼却処分をするのですから、何がしかの手数料をもらい、できた木炭は新築家屋の床下に敷いて住環境を整え快適な生活が営めるなど、関係者の要請もありますので、民間でぜひやりたいとなった場合、県としても規制を和らげて相談に乗ってあげる必要があると思うのですが、御所見をお聞かせ願います。
   〔議長退席、副議長着席〕
 次に、農林業の振興についてお伺いをいたします。
 まず最初に、農業についてお伺いいたします。
 日本経済は、戦後最大の不況下にあり、しかも、かつて経験したことのないデフレ経済の真っただ中にあります。岩手農業とて例外ではございません。先般、久慈地方振興局管内のホウレンソウの生産額が、今年度10億円を突破したということがマスコミで報道されました。聞けば夏のやませという冷涼な気候に着目しての、地域性を生かした知恵と努力の成果と聞き拍手を送りたいと思います。安代町の花卉リンドウ日本一、バーレーとは言うものの浄法寺町の葉たばこ日本一、奥中山高原一帯の高原野菜等に並ぶ立派な産地が形成をされ、今後ますます拡大されるであろうことを期待いたしたいと、そのように思うところであります。これからの岩手農業は、グローバルスタンダードという名のもとの一律の考え方ではなく、地域の歴史に裏づけされた、資本の蓄積と知恵と技術による経営でなければならない、強く感じているところでございます。二戸地方においては、農業粗生産額の半分がブロイラーであり、ブロイラーを含めた3分の2までが畜産によって占められております。畜産の経営には、当然のことながら家畜排せつ物が伴うのでありますが、さきに法制定もあり、地域の環境保全対策への取り組みが極めて大切であると考えます。
 環境対策は、人によっては経営のマイナス要素と言う人もありますけれども、資源として見た場合、農業組織と企業との連携に大きな産業となることも我々は考えておかなければならないと思うのであります。このような状況に置かれたとき、地域の農業者は、個々でなく産地として手を携えて経営努力をしていく必要があり、その場合、適切な指導が不可欠と考えます。
 そこでお伺いいたしますが、県が標榜する食料供給基地を目指すためにも、産地形成を中心とし、地域特性を生かした農業を展開すべきと思いますがいかがでしょうか、御所見をお伺いいたします。
 これまでに産地形成を成し遂げ、目標を達成した団体の努力は並大抵のものではなかったと推察いたします。長年かかっての成果だったと思われます。県は、その努力に対し、かつまた今後の頑張りに対しても努力賞を与え、賞状だけではなく、特別支援などで励ましてほしいと強く思うのでありますが、いかがでしょうか。なかなか回答も大変だろうと思いますので、この際、この点に関しては御要望いたしておきたい、そのように思うところであります。
 次に、林業についてでありますが、本県は、森林が県土面積の77%を占め、林業は山村地域の基幹産業の一つであります。外材輸入の増大や木材の需要不振等により、木材価格は長期にわたり低迷し、収益性は悪化の一途をたどっております。そのため、林業は生産活動が停滞し続け、不振にあえいでいるのが現状であります。このような情勢から、森林所有者の林業経営意欲は減退し、経営を放棄した森林や除間伐等の適切な森林整備が十分に行われていない森林が増加していると聞いております。
 一方で、地球温暖化の防止や良好な生活環境の保全のためには、適切な森林整備により健全な森林を育成し、水資源の涵養や国土の保全等の森林の持つ特有の多面的な機能を高度に発揮させることがこれまで以上に要請されるところであります。
 このような状況を踏まえ、次の3点についてお伺いいたします。
 まず1点目は、森林整備地域活動支援交付金についてであります。
 国は、森林所有者等による計画的かつ一体的な森林整備を推進するため、平成14年度から新規事業として森林整備地域活動支援交付金制度を創設すると聞いております。そこで、この制度の内容と本県での対象となる森林面積、また、この制度の実施により、どのような効果があると考えておられるのかお伺いいたしたいと思います。
 2点目は、外材輸入への対応についてであります。
 森林整備地域活動支援交付金制度は、林業の置かれている厳しい現状を抱える森林所有者や林業に携わっている人たちに何がしかの希望を与えることと思われ、時宜を得た施策として期待するものであります。
 しかし、基本的には、外材輸入量の増大を野放しにしては、木材需要の促進はほど遠いものがあると思います。一つの県でどうなるものでもなく、国策として、しかも重点課題として、木材市況のみならず、国土保全のため、また環境維持等のため、国内外に向け理解してもらうよう努力する必要があります。
 昨年、ネギ、生シイタケ等のセーフガードの暫定発動が行われましたが、日本の林業を振興するためには、まずもって輸入比率が高くなっている輸入材──約1兆2、000億円とも言われております──に歯どめをかけ、少しでも減じていく方策が必要であります。幸いにして、昨日のテレビで、ロシア、インドネシアから不法伐採の木材輸入は絶対にしないでほしいとのテレビ発言もあったことでございますので、国に強く働きかけていただきたい。このことによって林業が再び元気を取り戻し、山が守られ水資源が確保され、川が守られ、海が守られると思うのであります。どのような対応が考えられるのかお伺いいたします。
 3点目は、地元産材の活用についてであります。
 岩手県北部の浄法寺町は、老朽化した役場庁舎の建てかえに当たって、町長を先頭に町民が知恵を絞って、町有林材を活用し、日本一安い、しかも快適ですばらしい新庁舎を完成させたというニュースが新聞紙上をにぎわしました。私も見せていただきましたが、これぞこれからの地方自治のありようを先取りした快挙と拍手を送りたいと、このように思うのであります。また、一戸町の県産材を利用したコミュニティーセンターの建築も特筆に値するものと思います。企画立案から着手まで何かと相談に乗り、支援していただいた県や関係者に対して大変感謝をしていますとの両町長の話でもございました。私も敬意を表したいと、そのように思います。どちらの施設も県内外からの視察者が多く、両町長とも反響の大きさには大変びっくりされておりましたけれども、勇気づけられたり、ますます自信を深められたことと思われます。
 林業の低迷により荒廃が懸念される町有林の活用は、林業の活性化のみならず、森林の大切さを知り、植林や刈り払い体験などを通してボランティア精神をはぐくみ、住民意識の高揚につながるなど、町の活性に大きな役割を果たすことが期待されるものであります。県としても、市町村有林を初めとして、地元産材をもっと有効利用されるよう指導、支援していく必要があると思うのですが、いかがでしょうか。
 次に、二戸警察署新築移転についてお伺いいたします。
 盛岡東警察署新築により、実質先送りされてまいりました二戸警察署の移転新築計画もいよいよ実施されようとしております。一昨年の一般質問でも取り上げられ、最終的段階に入り、場所の選定を検討しているところでありますという県警察本部の回答でございました。その後、二戸市から要望が出され、現在の二戸警察署から北へ5キロ、青森県境まで約4.5キロの金田一地区を候補地とするよう要請があったと聞きます。ちなみに、二戸署管内の岩手町境までは36キロございます。要請のあった候補地は、管内の北の端という感を否めません。二戸署管内には5市町村があります。当然、広域的見地からも、また、警察機能が最大限生かされる、すなわち各市町村に有事のあった場合、速やかに到達できる地理的条件も十分考慮されなければならないものと思います。
 その後、一戸町からも要望書が出されました。それは、二戸署管内の5市町村の中心部が望ましいと。しかも、高速道路を利用でき、各市町村に6分から20分で到達できる場所を候補地として要請をしたところであります。
 そこでお伺いいたしますが、このような場所の選定を行うとき、県警本部としてはどのようなことを考慮され決定するものなのでしょうか。
 いま一つ、2通の要望書が出されました。当該市町にどのように対応をされたのでしょうか。
 そしてまた一つ、管内の5市町村、二戸警察署、二戸地方振興局からの事情聴取や意見交換など当然行わなければならないと思うのですが、いかがだったでしょうか。その内容についてもお知らせ願います。
 二戸警察署新築の進捗状況と今後の方向性をお伺いいたします。
 最後に、広域連携についてお伺いいたします。
 地方分権の推進を受けて、どのような広域連携が望ましいのか全国的に議論がなされております。岩手県においても例外ではございません。平成11年度以後の定例県議会での一般質問を初め、委員会等で県の考えが聞かれたり意見が述べられたりしてまいりましたが、回答は一貫して市町村の意向次第、合併機運の高まってきた地域には協力、支援してまいりたい。極めて消極的対応と映ったのは私だけだったのでしょうか。
 その後、大船渡市と三陸町の合併が唯一ございました。両市町民の方々の苦労が新聞紙上で紹介され、いよいよ県も本格的に指導、合併促進に動き出すのかと期待しておりましたが、そのような様子もなく、地域に精通している各地方振興局にも動きがないということは、本庁からの通達要請がなかったと判断せざるを得ないのであります。
 昨年の暮れ、知事の方針が新聞に発表になりましたが、前向きではございましたが、具体的な進め方については示されていないと承知いたします。市町村合併は避けて通れない問題だと承知しております。規模を大きくすることは必ずしもいいことだとは思いませんが、人口1万人以下では、これからの自治体運営にかなりの支障を来すおそれがあると考えます。
 県が合併問題に力を入れること、それが強制をしていると受けとめられると心配するならば無用と思われます。テーブルに着いてもらってさまざまな議論をするわけですが、結論を出すのはそれぞれの自治体なのであります。2005年3月、市町村合併特例法の期限切れを間近に控え、地方振興局を中心に各自治体と検討に入るタイムリミットが迫っていると思うのですが、いかがでしょうか。テーブルに着くまでは県も最大限努力をすべきと思っているのですが、県の決意のほどをお伺いいたします。
 市町村が合併のテーブルに着くとき、問題となるのがメリット、デメリットであります。岩手県内においても、既に合併をした盛岡市と都南村、北上市と和賀町、江釣子村があり、その事例等も勘案しながらメリットを探ると、大きくは次のようなことが挙げられると思います。まず、1、行財政基盤の強化と大規模投資の実現、二つ目には、行財政運営の効率化、3番目には、専門的な行政サービスの拡充、四つ目には、行政区域の一本化と近隣地域の一体的整備、このようなものが大きく挙げられるだろうと思います。一方、合併に対するデメリットとしては、地域格差の拡大のおそれ、既存ポストへのこだわり、行政サービスの低下に対する懸念等が挙げられると思われます。
 市町村合併は、進め方次第で有意義な効率化が実現し、希望の持てるまちづくりが推進できるものと私は信じます。しかし、反対に、やりようによっては住民に遺恨を残しているケースもあり、特にも、中核となる都市が周りに対しての気配りを忘れてはならないということが言えると思うのであります。これらの事例から学ばなければならないことは、関係住民に対し議論をオープンにして進めること、そして、関係者の理解が得られることこそが最大のキーワードと考えます。また、合意を得るために、自治体関係者、それに県にもさまざまな創意工夫が求められ、今後、岩手の地方自治が望ましい姿で行われることが期待されるところでありますが、県当局の御所見はいかがなものでしょうかお伺いいたします。
 最後に、合併を阻害するものに、地域間においての信頼関係が損なわれ、住民感情に不信感が芽生え始めることであります。私の出身の二戸地方振興局管内の広域合併問題の状況を見ますと、だれもが管内5市町村もある中で、二戸市と一戸町のどちらが抜けても理想の合併とはならないだろうと考えております。私も同感であります。10年前、二戸地区の将来を語るとき、中核都市である二戸市を抜きにして語れないだろうと、二戸市議会にお願いをして二戸・一戸議員連絡協議会を開いていただき、その席上、議長として、まず合併のテーブルに着いて、他に先駆けて検討に入るべきと申し上げたことを思い出します。
 環境整わず今日に至っておりますが、ようやく5市町村の首長さん方が賛意を示しておられるようで喜んでおりましたが、突然降ってわいたように一戸高等看護学院の二戸市への移転が発表になったのであります。50年間、学院の生徒からも病院の関係者からも苦情もなく、一生懸命お互いに頑張ってきたものとすれば、裏切られたと思うのも無理からぬことであろうと。岩手県の高等看護教育の充実を考え、県の責任でやりましたと言う、政治的に非常に思いやりのなさを痛感したものでございました。
 ところが、まだ決まっておりませんけれども、またまた二戸警察署の新築移転が問題になってまいりました。二戸署新築移転地選定いかんでは、合併問題にとどまらず、広域振興すべてに大きな影を落とすことになることを申し上げておきたい、そのように思うところであります。一地域に県の政治判断が一方的に、しかも連続して下されるとなれば、まことに残念で遺憾と言わざるを得ません。御所見をお伺いしたいと、そのように思います。
 以上で私の一般質問を終わります。お聞きいただきましてありがとうございました。(拍手)
   〔知事増田寛也君登壇〕

〇知事(増田寛也君) 小野寺研一議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、私の政治姿勢についてのお尋ねでございますが、昨年7月に行われました参議院議員選挙の際には、2度小泉総理も御来県されたと記憶しております。盛岡に来られたときには私自身も盛岡におりまして、たしか予定しておりましたシンポジウムに北九州市長などと当初の予定どおり参加していたかと記憶しております。私自身、特定政党や候補者への応援や支援を行わないということを申し上げておりましたところでございまして、小泉総理大臣には、自民党の総裁として、選挙期間中の選挙活動のための御来県でございましたので、私の方も御遠慮申し上げたものでございます。
 次に、町村議会議長会の知事を囲む懇談会の懇親会についてでございますけれども、私は、県政の主役は県民であるという認識のもとで、できるだけ多くの皆さん方から幅広い御意見を伺うことができるよう、さまざまな会合などにも参加させていただいているところでございます。限られた時間の中でございますので、お招きのすべてにおこたえすることが難しくて、時には会議に続く懇親の場などでは失礼せざるを得ないこともございますけれども、このような場合には、出席をさせていただいた会議において、可能な限り多くの出席者の皆様方と意見交換をさせていただくように努めているところでございます。
 今後も、できるだけ多くの県民の皆さんの御意見をお伺いするということを基本として、生活者や地域の視点に立った開かれた県政を推進していきたいと考えております。
 次に、地域特性を生かした農業の展開についてでございますが、本県は、広大な県土、そして標高差や変化に富んだ地形、多様な気象条件など豊富な資源と多彩な立地特性を有してございます。このような本県のすぐれた生産環境を上手に生かして、今日では、全国でも有数の高品質、良食味米である県南ひとめぼれや夏季冷涼な気象条件を活用したホウレンソウやリンドウ、そして豊かな畑地を基盤とした葉たばこ、転作田を生かしたピーマンなどの果菜類、さらには豊富な草資源を利用した北上山系における日本短角牛、そしてまた中山間地域におけるワサビのような地域特産物など、地域地域の特性を存分に生かした特色ある生産活動が県内各地で展開されておりまして、県全体として、米、園芸、畜産のバランスのとれた産地の形成が着実に進んでいると考えております。
 こうした地域の生産活動がなお一層力強く展開されていくためには、まず、各地域にありまして、産地づくりのリーダーとしてその中核を担う主業型農家を育成することが重要でございます。この主業型農家を中心として、地域が一体となって産地づくりに取り組む地域ぐるみ農業を積極的に推進することといたしております。また、適地適作を基本として作目再編を進めながら、本県ならではの環境に配慮した持続的な農業の推進を図りますとともに、各種共同利用施設などの生産体制の整備を促進して、高品質、多品目の長期安定出荷体制の強化を図ってまいります。さらに、消費者に対する積極的な情報提供や流通システムの改善などによりまして、販売力を強化して、輸入農産物や他産地との産地間競争に打ち勝つことができるいわて純情産地の形成を促進して本県のブランド力の向上に努めてまいります。
 こうした取り組みを通じて、地域が持つ可能性を最大限に引き出して、個性あるいわて農業の確立を図ってまいりたいと考えております。
 その他のお尋ねにつきましては関係部長から答弁をさせますので、御了承願います。
   〔地域振興部長飛澤重嘉君登壇〕

〇地域振興部長(飛澤重嘉君) まず、町村議会議長会の知事を囲む懇談会についてでありますが、毎年、町村議会議長会からのお招きをいただきまして、地域課題や県政課題についてそれぞれの立場からのお話を伺う機会を設けていただいているところでございまして、こうした懇談会は大変貴重なものであると考えているところであります。
 この懇談会には、かつては知事を初め、副知事、出納長、関係部局長なども出席させていただいておりましたが、県内すべての町村議会の議長さん方が出席され、個々の議長さん方からさまざまな課題などについて意見を伺った上で知事からの考えをお話しできる貴重な機会であり、知事との濶達な意見交換に重きを置くという観点から、町村議会議長会とも御相談申し上げ、県側の出席者の見直しを図ったものと認識いたしております。
 なお、懇談会の場で出されました県政課題などにつきましては、知事から関係部局に伝え、必要な措置を講ずるよう指示をいたしておりまして、以前と同じような機能が損なわれないよう配慮しているところでございます。
 今後におきましても、双方にとって実りの多い懇談会となるよう、県の対応に配慮してまいりたいと考えております。
 次に、広域連携についてでありますが、地方分権が現実の歩みを始めた今日において、住民に身近な基礎的自治体である市町村が、厳しい財政状況などの環境の変化を踏まえ、多様化、高度化する行政課題に的確に対応していくためには、行財政基盤を強化し、自立性を高めていくことが不可欠であり、その方策として市町村合併が有効な選択肢になるものと考えております。もとより、市町村合併は全県一律に進めるべきものではなく、それぞれの地域の実情に即して議論を尽くした結果として自主的に選択されるべきものであり、それに至る過程においても、地域がみずからの判断と責任で主体的に取り組んでいくという姿勢が基本であると考えております。
 県といたしましては、合併特例法の期限を踏まえ、ことし1年は地域の将来のあり方について必要な議論を行うべき重要な年であると考えており、市町村に対しましては、こうした議論が深められるような取り組みを促し、また、県としても議論の材料となる具体的かつ客観的な情報を提供するほか、地方振興局を中心に、地域での議論にも参画し、地域の取り組みに応じてさらに具体的な支援を行うなど、県としての役割を積極的に果たしてまいります。
 また、関係者の合意に向けましては、市町村合併は地域の将来のあり方や住民の皆さんの生活に大きくかかわる問題でありますことから、合併問題について住民の皆さんにできるだけ身近な問題としてとらえていただき、主体的に議論に加わっていただけるよう、市町村を初め自治体関係者は、地域地域の住民に対して丁寧に説明を繰り返し、精力的に議論を積み重ねていく必要があると考えております。
 県といたしましても、県内各戸に資料を配布するなど、具体的な情報をわかりやすく提供し、それぞれの地域における議論が住民の皆さんの参加によってより一層の広がりとなるよう努めてまいりたいと考えております。こうした取り組みを通じ、それぞれの地域がみずからの発想によって地域の実態に即した独自の施策を展開できるような地域づくりが進められ、住民自治を基本とする成熟した分権型社会が築けるものと考えております。
 また、広域連携に関連して、県の施設の配置のあり方についてでありますけれども、その施設の性格、規模などに応じて機能を最大限発揮できるよう、地域住民の利便性などを含めて、総合的に判断すべきものと考えております。今後とも、県の施設が地域の振興、活性化に及ぼす効果や地域の実情などを考慮して、設置場所について十分検討を加えまして、関係市町村等の意見を伺いながら、その適正配置に努めてまいりたいと考えております。
   〔環境生活部長時澤忠君登壇〕

〇環境生活部長(時澤忠君) 産業廃棄物処理施設についてでありますが、盛岡以北の公共関与によるモデル施設につきましては、今年度、学識経験者等で構成する検討委員会におきまして、本県の主要産業である第1次産業から排出されます有機性廃棄物のリサイクルを核とした処理施設を整備するための基本的な方向性について、検討いただいてきたところであります。この検討結果を踏まえまして、モデル施設につきましては、地域で発生した廃棄物は地域で再生し、利用することを基本理念といたしまして、焼却、埋め立てを極力少なくし、マテリアルリサイクル、エネルギー利用を中心とした官民の協調による資源循環型のモデルとして整備する必要があると考えております。
 平成14年度でございますが、事業実施の可能性等について検討するため、処理対象廃棄物の需要見込みでありますとか、リサイクル技術、リサイクル製品の需要、回収エネルギーの活用、事業主体、採算性など立地に向け、必要な基礎調査を実施し、その具体化に取り組んでまいりたいと考えているところであります。
 また、民間の力によるリサイクル施設等の併設についてでありますが、検討委員会におきましては、このモデル施設を核といたしまして、その周辺に余熱エネルギーの利用施設でありますとか、バイオマス資源の利活用施設等の立地を図り、環境共生型産業を創設することが提言をされているところでありまして、提言を十分に踏まえながら今後の調査を実施してまいりたいと考えております。
   〔農林水産部長佐藤勝君登壇〕

〇農林水産部長(佐藤勝君) まず、森林整備地域活動支援交付金についてでありますが、近年、林業の採算性の悪化、森林所有者の高齢化、不在村化が進行する中で、林業生産活動が停滞し、伐採後の植林や間伐が行われない放置森林が発生するなど、森林の多面的機能の発揮に支障を来すことが懸念されております。このような状況を踏まえまして、国におきましては、昨年、森林・林業基本法を制定し、森林所有者等による計画的かつ一体的な森林の施業が特に重要であることから、地域における林業活動を支援することとし、その具体的な施策として森林整備地域活動支援交付金制度が創設されたものであります。その内容は、森林所有者等が市町村長等との協定に基づき、森林施業の実施に不可欠な森林の現況調査や歩道の整備などの地域活動を実施した場合に、1ヘクタール当たり1万円の交付金を交付するものであります。対象となる森林は、森林法に基づき森林所有者等により森林施業計画が作成されている森林のうち、原則として林齢が35年生以下の人工林と60年生以下の一部の天然林で、県内ではおおむね15万ヘクタール程度が対象になると考えております。
 この交付金制度の実施による効果でありますが、森林の現況調査などを行うことにより、除間伐などの適正な森林施業の必要性が再認識され、停滞している林業生産活動が再び活性化する機会になるとともに、地域が一体となった計画的な森林整備が推進されることにより、森林の多面的機能の高度発揮が確保できるものと考えております。
 次に、外材輸入への対応についてでありますが、平成11年における我が国の木材自給率は19%と極めて低い水準となっております。このことにより国内の林業、木材産業は深刻な影響を受け、適切な森林管理が進まない大きな要因となっているものと考えております。このような状況を踏まえ、農林水産省におきましては、セーフガードの発動に必要とされている情報を収集するため、製材品及び集成材を緊急監視対象品目とし、また、合板を監視対象品目として、それぞれ輸入動向などのモニタリング調査を行っているところであります。本県におきましても、4製材工場が調査に協力をいたしております。農林水産省では、今後もこのモニタリング調査を継続することといたしておりますので、これまでと同様に、セーフガード発動に資する調査には積極的に協力してまいるとともに、急激な輸入増加等の動きがあった場合には、林業関係団体等とも連携を図りながら、セーフガード発動に向けた要請を行うことも念頭に置きながら、対応してまいりたいと考えております。
 また、一方、国産材の需要促進及び自給率の向上を図るためには、品質や性能の高い木材を低コストで安定的に供給することが必要であることから、森林組合や木材加工業者などの、上流・下流の事業体が一体となった生産や流通の合理化に向けた取り組みに対する支援を積極的に進め、力強く、競争力のある木材供給基地を形成してまいりたいと考えております。
 次に、地元産材の活用についてでありますが、森林の多面的機能を持続的に発揮していくためには、健全で活力ある森林の整備を進めることが重要であります。また、このためには森林を適切な時期に伐採して利用することが必要であり、このことは、環境を重視した循環型社会の構築にもつながるものであると考えております。このため、本県におきましては、地域の木材を使った施設を地域の方々が身近に活用することで、木のよさが広く普及啓発され、県産材の利用が推進されるものと考え、市町村等が行う木造施設の整備に対し積極的に支援してきたところであります。特に、昨年、一戸町、浄法寺町におきまして整備してまいりました公共木造施設につきましては、木材の生産から加工・流通まで、地元の木材加工業者を初めとする地域の関係者の方々が連携・協力し県産材の有効活用に取り組んだ模範的な事例であります。このような取り組みは、林業の活性化のみならず、地域経済への波及効果も極めて大きいものと考えております。
 このため、県におきましては、今後とも市町村等が行う県産材を利用した木造施設の整備に対する支援や、県産材を利用して住宅を建築した方への利子補給補助などを積極的に進めてまいりますとともに、市町村や林業関係団体とも連携を図りながら、もっと・WOOD・県産材利用推進運動や、間伐材の利用技術の開発、木造住宅普及セミナーの開催など、県産材の利用拡大に向けた取り組みを一層強力に進めてまいりたいと考えております。
   〔警察本部長熊崎義純君登壇〕

〇警察本部長(熊崎義純君) 二戸警察署の新築移転につきましてお答えいたします。
 まず、警察署設置場所の選定に当たって考慮する事項ということでございますが、一般的には管内住民の利便性の確保、事件・事故等の発生実態や将来予測、これに対応するための機動性の確保等に配慮することとしており、さらに具体的な候補地につきましては、警察活動の拠点に適した交通条件、立地条件や周辺環境についても総合的に検討して選定することになります。
 二戸警察署の移転新築に関しましては、昨年、二戸市及び一戸町からそれぞれ移転候補地についての要望がなされており、これに対しまして現地調査を行うなどして必要な検討を部内で行っているところであります。また、管内市町村等地元の事情につきましては、二戸警察署からも報告を受けて承知をしており、県警察といたしましてはこれを踏まえ、さきに申し上げた視点から検討を早急に進めた上で、関係機関等と協議を行うこととしております。現時点において、具体的な見通しを申し上げる段階には至っておりませんが、しかるべき時期には、県警察の方針につきまして関係市町村等に対して御説明を申し上げ、御理解を得たいと考えております。

〇6番(小野寺研一君) 御回答いただきましてありがとうございました。政治姿勢について、特にも議長会のことについて知事にお尋ねを申し上げたいと思います。
 前の方は自民党総裁としてという、選挙運動その他というふうなことでということで了解をいたしました。
 議長会の方では、何と申しますか、地方6団体の一角を占めておる、そういう町村議長会ということでございますので──これは地域振興部長の方かな──そういうところが知事の、県民の多くの人たちとお会いしていろいろなことを語り合いたいということに、私は反しないというふうな感じがするわけです。強い要請があって、できれば30分あるいは1時間同席をしていただいていろいろなお話し合いをしていただけないでしょうかと、こういうことでございますので、はっきりとお伺いをしたわけですが、もう一度再考していただくように確認をさせていただきたいと、そのように思います。
 それから、県警本部の方でございますけれども、出原県警本部長とおかわりになってから熊崎本部長は日が極めて浅いというふうに承知をいたします。引き継ぎはされたんでありましょうが、本部長はまず多忙でというふうなことになればあれですが、現地を、県北部の状況、そういうふうなところを、特にも二戸警察署管内をやはり一度御見聞をされて、これがやっぱり県警本部の考えだというふうなことをはっきりと示していただくように、あちらの方を見ていただきたいと思うんですが、もうごらんになったんでしょうか。それだとすれば私の思い違いといいますか、考え違いでございますが、ぜひ見ていただいて御判断をいただきたいと、そう思うところでございますが、いかがでございましょうか。

〇知事(増田寛也君) 町村議会議長会との懇談会の懇親会への出席の関係でございますが、最近の議長会の方々とその点についてどのように考えておられるのか、私、直接お伺いをしておりませんので、この数年間の私の記憶ですと、2時間ほど議論をいたしまして、それでお昼を一緒に食べて、お弁当を食べましてそれで解散という形でここ数年間はやっていたかというふうに思います。町村議会議長会の方ともまた来年度のやり方についていずれ相談をしてみたいというふうに思いますし、事務方の担当しているところで打ち合わせとか日程調整とかをすると思いますが、どうしてもその懇談会の懇親会を夜にやってほしいということであれば、もちろんこちらの方でも検討してみたいというふうに思いますし、内容について、いずれにしてもマスコミの皆さん方も入ってどのようなやりとりが行われたか、私もどういうふうに申し上げたかということを、地域のそれぞれの代表の方々でございますので、できる限り明らかにしておきたいと思うので、そういう場も、と同時に、できれば重要な案件はその懇談会の方でお話しをしていただければというふうに、こんなふうに考えているところでございます。

〇警察本部長(熊崎義純君) 二戸警察署の新築移転の工事について、既に見たかということでございますけれども、先月、二戸警察署に初動巡視に参りました際に、ごく短時間ではございますけれども、大変重要な案件でございますので、現地を視察してきております。今後ともこの件につきましては、地元の事情を十分把握しながら、検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

〇副議長(瀬川滋君) この際、暫時休憩いたします。
   午後3時22分 休 憩

出席議員(46名)
1  番  及川 敦 君
2  番  飯沢 匡 君
3  番  樋下正信 君
4  番  照井昭二 君
6  番  小野寺 研 一 君
7  番  吉田昭彦 君
8  番  工藤大輔 君
9  番  川村農夫 君
10  番  佐々木 順 一 君
11  番  佐藤力男 君
12  番  阿部静子 君
13  番  阿部富雄 君
14  番  田村 誠 君
15  番  岩城 明 君
16  番  中 屋 敷十 君
17  番  千葉 伝 君
18  番  佐々木 大 和 君
19  番  及川幸子 君
20  番  阿部敏雄 君
21  番  川口民一 君
22  番  小 野 寺好 君
23  番  斉藤 信 君
24  番  伊沢昌弘 君
25  番  田村正彦 君
26  番  上澤義主 君
27  番  瀬川 滋 君
28  番  水上信宏 君
29  番  藤 原 泰次郎 君
31  番  谷藤裕明 君
32  番  菊池 勲 君
33  番  佐々木 一 榮 君
34  番  伊藤勢至 君
35  番  高橋賢輔 君
36  番  小原宣良 君
37  番  長谷川 忠 久 君
38  番  千葉 浩 君
39  番  吉田洋治 君
40  番  工藤 篤 君
41  番  菅原温士 君
43  番  山内隆文 君
44  番  折居明広 君
45  番  村上惠三 君
46  番  藤原良信 君
47  番  及川幸郎 君
48  番  菊池雄光 君
49  番  佐々木 俊 夫 君

欠席議員(3名)
5  番  柳村岩見 君
30  番  船 越 賢太郎 君
42  番  佐藤正春 君

説明のため出席した者
休憩前に同じ

職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ

午後3時45分 再 開

〇副議長(瀬川滋君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第1、一般質問を継続いたします。菊池雄光君。
   〔48番菊池雄光君登壇〕(拍手)


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