平成14年9月定例会 第15回岩手県議会定例会会議録

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〇23番(斉藤信君) 商工文教委員長の報告に対し、商工文教委員長に質問します。
 請願陳情受理番号第66号30人以下学級実現を中心とする、ゆきとどいた教育をすすめる請願が一部不採択となっています。特に第1項目の、すべての小中高学校で30人以下学級を実現し、教職員を大幅に増やすよう再度、国に強く働きかけることが不採択となっています。不採択とした理由は何でしょうか。
 また、請願陳情受理番号第76号教育予算の拡充、学級編制基準・教職員定数の改善、義務教育費国庫負担制度の堅持を求める請願は、4項目すべて採択されています。その第3項目は、30人以下学級の実現のため法律改正を行うことであります。これは、請願陳情受理番号第66号の不採択とされた第1項目と同趣旨のものであります。なぜ第66号では不採択とし、76号では採択としたのでしょうか、その理由について明確な答弁を求めたいと思います。

〇商工文教委員長(上澤義主君) ただいまお尋ねの件につきましては、岩手県の教育行政を取り巻く現状を十分に認識して、議員間では良心的に慎重審査をした結果、委員長報告のとおり決定したところでございます。

〇23番(斉藤信君) 私は二つ聞きました。不採択とした理由と、もう一つは、二つの請願が、同趣旨にもかかわらず片方は不採択であり片方は採択された、この違いは何でしょうか。

〇商工文教委員長(上澤義主君) 委員会の結果しか言いませんが、ただいま委員長報告をさせていただいたとおりでございます。

〇議長(谷藤裕明君) 以上で通告による質疑は終わりました。
 これをもって質疑を終結いたします。
 これより討論に入ります。討論の通告がありますので、発言を許します。斉藤信君。
   〔23番斉藤信君登壇〕

〇23番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 請願陳情受理番号第66号30人以下学級を中心とする、ゆきとどいた教育をすすめる請願の一部不採択に反対の討論を行います。
 この請願は、30人学級の実現を求める県民の強い願いを踏まえた請願であります。請願には、1万9、664人の署名も提出されました。ところが、商工文教委員会では、第1項目の、すべての小中高学校で30人以下学級を実現し、教職員を大幅に増やすよう再度、国に強く働きかけることが不採択とされました。
 これは、第1に、30人以下学級を求める県民の願いに背を向けるものであります。既に全国では、文部科学省の調べでも、今年度、22道府県が独自に少人数学級を実施しています。とりわけ東北では、山形県が今年度、小学校1年から3年生まで、3年間で小学校全学年で21人から33人学級を実現するとしています。福島県では、厳密な30人学級を小学校1年と中学校1年で実施し、来年度は小学校2年生まで広げるとしています。秋田県でも、小学校1年と2年、中学校1年で30人程度の学級編制を実施し、青森県でも、小学校1年生で33人以下学級を実施、来年度は2年生にまで広げるとしています。
 今や30人学級を求める動き、独自に実施する動きは、大きな流れとなっていると言っても過言ではない状況であります。この背景には、子供たち、教師、父母、国民の強い願いと要求があるからであります。こうしたときに、国に対して30人以下学級を求める請願を不採択することは、全国の、そして東北の大きな流れに背を向けるものと言わなければなりません。
 第2に、この不採択は、矛盾に満ちているということであります。一方では同じ趣旨の請願受理番号第76号の第3項目で採択とし、第66号では不採択としたことは、全く理解に苦しむ矛盾に満ちたものであります。第3項目は、30人以下学級の実現のため法律改正を行うことを国に求めるものであります。県民の切実な請願に対し、6カ月をかけて審議した結果がこうした矛盾に満ちた結果になったことは極めて残念なことであります。
 第66号の請願の第2項目は、岩手県独自でも、30人以下学級を実現、当面小学校1・2年生から実施を求めるものでありました。これも不採択となりました。既に述べたように、東北4県で、全国22道府県で少人数学級は実施されており、岩手県でも少人数指導ではなく少人数学級に踏み込むべきであります。増田知事が地方分権の時代と言うなら、30人学級こそ、今、地方から国のおくれ、国の悪政を変える重要な課題となっているのではないでしょうか。
 岩手県で30人学級、少人数学級に踏み込む意義は、子供たちに行き届いた教育を保障し、確かな学力を培う上で重要なだけでなく、既に実施している県の実践では、子供と教師の距離がなくなっていると言われるように、大きな効果を持つものであります。
 また、福島県では、今年度、小学校1年、中学校1年の30人学級実現で県費を18億円投入し、409人の常勤講師を配置しました。山形県では、小学校1年から3年生までの少人数学級で7億2、500万円の県費投入で106人の常勤講師を配置し、さらに拡充しようとしています。こうした立場から、山形県では、山形大学教育学部の廃止にも強く反対しています。30人学級の実現は、教師を目指す学生の就職難打開に役立つだけでなく、岩手大学に教育学部を存続させる力にもなるものであります。
 私は、今こそ教育立県の旗を大きく掲げ、教育最優先の県政の実現を強く求めるものであります。
 以上申し上げまして私の討論といたします。御清聴ありがとうございました。

〇議長(谷藤裕明君) 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより、請願陳情中、受理番号第66号を採決いたします。
 本案は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇議長(谷藤裕明君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第66号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第1号から議案第24号まで、及びただいま議決いたしました請願陳情を除く請願陳情を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇議長(谷藤裕明君) 起立全員であります。よって、議案第1号から議案第24号まで、及びただいま議決いたしました請願陳情を除く請願陳情は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
   
日程第26 委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件

〇議長(谷藤裕明君) 次に、日程第26委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件を議題といたします。
   
〔参照〕
総務委員会
 盛岡東警察署・警察本部別館合同庁舎について
環境福祉委員会
受理
番号
件名
78介護老人福祉施設の増床、介護報酬の改善及び低所得者への施策、介護予防、虚弱高齢者向け福祉関連施設などの整備促進を求める請願

商工文教委員会
 岩手県工業技術センターの研究開発の取り組みについて
農林水産委員会
 地産地消の推進について
県土整備委員会
 岩手県港湾ビジョンについて
   

〇議長(谷藤裕明君) お諮りいたします。委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件につきましては、先ほど各委員長から報告のとおり申し出がありましたが、委員長からの申し出のとおり、閉会中の継続審査及び継続調査に付することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇議長(谷藤裕明君) 御異議なしと認めます。よって、本件は、委員長からの申し出のとおり、閉会中の継続審査及び継続調査に付することに決定いたしました。
   
日程第27 認定第1号平成13年度岩手県立病院等事業会計決算から日程第29 認定第3号平成13年度岩手県工業用水道事業会計決算まで

〇議長(谷藤裕明君) 次に、日程27、認定第1号から日程第29、認定第3号までを一括議題といたします。
 各案件に関し委員長の報告を求めます。水上決算特別委員長。
   〔決算特別委員長水上信宏君登壇〕


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