平成14年9月定例会 第15回岩手県議会定例会会議録

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〇12番(阿部静子君) 社会民主党の阿部静子でございます。
 今回は項目が多いので、やや早口でまいります。通告に従い質問いたしますので、誠意ある御答弁をよろしくお願い申し上げます。
 初めに、日朝関係について質問いたします。
 小泉首相は9月17日に初めての日朝首脳会談に臨みました。朝鮮半島は、かつて日本が植民地として支配した地であります。韓国とは1965年に日韓条約締結によって国交回復いたしましたが、北朝鮮はいまだ国交のないままに遠い国であります。私たちは、包括的、総合的な判断のもとで、国交回復の糸口を探るとした小泉首相の訪朝の決断を評価し、その成果を注目しておりました。交渉の前提として日本側が位置づけた拉致問題に対する北朝鮮側の発表は、驚くべき内容であり、悲しみにたえないものであります。この問題は、真実を徹底解明し、拉致された本人と家族に対して謝罪と補償がなされてしかるべきものと考えます。一方、岩手の地にあっても、朝鮮半島から強制連行され、非業の最期を遂げられた方々が眠っておられる現実を直視し、日朝両国は、二度と過ちを繰り返さないことを誓い、一日も早い国交回復と友好親善が図られることを切に願うものでございます。
 そこで、お伺いいたします。知事は、今回の日朝首脳会談をどのように受けとめられ、また、本県における朝鮮半島出身者と今後どのように共存を深めていくお考えか、お示しいただきとうございます。
 次に、有事法制の問題について質問いたします。
 この問題につきましては、さきの6月定例県議会一般質問で、我が党の小原宣良議員が知事に見解を承ったところでございます。私からもこの際お伺いいたします。知事は答弁で、今回の有事法案については、有事のとらえ方や有事におけるさまざまな国民保護のための措置に当たって、国の判断と地方自治体の判断の整合性など、国民や地方自治体にわかりにくい内容になっていると感じていると述べられました。さらに、国民の保護に関する法律こそが基本法であり、その具体的内容をできるだけ早期に明らかにし、その上で有事法制について、一つ一つきちんとした議論を積み重ね、広く国民の合意を得ることが必要と考えると述べられました。
 そこで、お伺いいたします。知事が言われるわかりにくい内容となっているとの認識は、具体的にどのような点を指していらっしゃるのでしょうか。
 また、政府・与党は、武力攻撃事態対処法案について、おそれや予測などの定義について見直しに入ったと報じられておりますが、どのように知事は把握していらっしゃるのでしょうか。いずれ地方自治体としては、国からの一方的な指示による訓練等が強制的に日常化されることは、絶対に避けるべきと考えますがいかがでしょうか。知事の御見解をお聞かせください。
 次に、県民運動の振興についてお伺いいたします。
 胸痛む事件が多い昨今、感動いたしましたことがございます。それは、広く県民運動として活動中の長編アニメーション映画アテルイの製作、上映事業でございます。古代の英雄アテルイが没後1200年のこの夏、さっそうとよみがえりました。製作上映運動推進岩手県民の会の方のお話によりますと、3年前、県民みんなに呼びかけて、お金を集めて、みんなで映画をつくって、みんなで見よう、を合い言葉に、数人の有志がボランティアで立ち上げた運動であるということ、そして延べ3万2、900人の県民の方々が製作協力費を寄せ、157の企業、団体が協賛をし、岩手県と水沢市から力強い御支援があったということでございます。
 ついに映画が完成しました。そして、現在、県内各地で上映され、わらび座の舞台と相まって感動の波紋が大きく広がっております。全国発信のスタートとして、あす9月28日には東京読売ホールで完成試写会が予定され、首都圏にお住まいの岩手県関係者が多数招待されていると伺っております。私も盛岡の試写会を鑑賞いたしました。大きな感銘を受けました。鑑賞後たくさんの方々がメッセージを寄せていらっしゃいます。子供たちに見せたい、最後のシーンは決して悲しみではない、未来への光である。歴史の重さと岩手のパワーを感じた。子供たちに平和をみずからつくり出す夢と希望を持たせたい。今の世にアテルイが欲しい。命のとうとさと信頼と平和、団結の美しさを全国、世界に広めたいなどなどです。この映画を、まさにみちのく岩手からの誇り高き生き方への発信の場にしたいと考えているのは私一人ではないと思っております。
 そこで、知事にお伺いいたします。知事はこの運動の名誉会長でいらっしゃいます。どんな感想をお持ちでしょうか。また、すばらしいこの県民運動を一過性に終わらせずに、今後ともに歴史や先人の偉業を誇り高く、わかりやすく、広く伝えていく施策について、知事はどのようにお考えですか。知事の清新なアイデアをお聞かせください。
 次に、岩手県男女共同参画推進条例案の制定について質問をいたします。
 まずもって、本条例案が今定例議会に上程されましたことを大変うれしく思い、関係者の皆さんの御努力に敬意を表するものでございます。条例制定につきましては、増田知事が昨年の9月議会で、菅原温士議員への答弁で、本年度の早期議会に提案する意向を表明されたのでした。その後、パブリックコメントなどでのできるだけ多くの県民参加の条例とするために、もっと時間をかけてほしい、もっと勉強したいという県民の要望を代弁した形で私が3月の予算特別委員会で申し上げましたところ、橋副知事は、県としては、6月の時期にこだわらずに県民の皆さんと十分対話を重ね、理解と協力を得ながら、意見、要望はできる限り条例案に具体的に反映できるように検討し、県民総参加型の条例づくりをしたいとの、すてきな御見解を述べられましたことは新聞にも大きく取り上げられました。このような理由で、当初予定していた上程の時期を6月から延期されることになったものでございます。延期していただいたのはいいのですが、上程時期が明示されなかったので延び過ぎるのではないかと心配をいたしましたが、本当によかったです。超党派で条例制定に向けて御尽力くださった多くの先輩、同僚議員に心から感謝を申し上げるものでございます。以上のような経緯からしても、県の条例案を県民総参加のもとでまとめるための大事な6カ月であったわけでございます。
 そこで、お伺いいたします。この間、どのような取り組みがなされたのでしょうか、具体的にお知らせください。また、条例の名称に私はこだわります。条例の目的を示す名称が共同参画にされたのはなぜか。なぜ平等ではなかったのでしょうか。県の御見解をお示しください。
 私は、平等は人間としての普遍的な理念であり、目標であって、共同参画は平等を達成する過程で使われる言葉であると考えております。私は、平等推進条例が最高の名称だと考えていることを、あえて強く表明いたしておきます。本県条例案の目玉として報じられたのは、第三者における苦情相談や勧告措置機関の設置であります。これは、埼玉、石川、愛媛、鳥取各県に続いて全国5番目であり、大きな特色だと評価されております。さきに延期決定後の取り組みについて伺いましたが、県内各地域における意見交換会及びその後の意見集約において、特徴的な内容、意見についてどのような論議があったのかお聞かせいただきとうございます。
 また、これらの県民の意見について条例にどのように盛り込まれたのか、あわせて、話題の苦情処理第三者機関設置の条文化について、どのようなことに当局は御苦労なさったのか、率直な御感想をお聞かせいただきとうございます。
 条例というものは制定していがった、終わりというものではございません。特に、国の重要課題であり、県民の意識啓発が大事であるとされている男女平等推進に関する条例となると、まず条例を県民に広く周知させることが極めて重要であり、これをしっかり行わなければ、条例は単なる絵にかいたもちに終わってしまうのではないかと危惧するところであります。
 そこで、お伺いいたします。条例を県民にとってより身近なものとし、実効ある男女平等社会とするために、県では条例制定後、具体的にどのような取り組みをされるお考えなのですか。また、活動の拠点として予定されている西口複合施設の進捗状況はどうなっているのですか、お知らせください。
 次に、地球温暖化防止対策についてお伺いいたします。
 2001年、平成13年に取りまとめられた気候変動に関する政府間パネル――IPCCの報告書によりますと、このまま温暖化対策が実施されない場合、1990年と比較して地球の平均地上気温は、21世紀末までに最大で5.8度上昇し、海面水位は最大で88センチメートル上昇すると予測されています。この海面水位の上昇により、海抜の低い島や陸地が水没するほか、洪水や高潮の発生、干ばつの激化、食料生産への影響など、人類の生存そのものへの深刻な影響が危惧されております。
 国においては、平成10年に地球温暖化対策の推進に関する法律を策定したほか、現在、京都議定書の約束に基づき、温室効果ガスを2010年において1990年レベルより6%削減することとし、さまざまな施策が検討されているところでございます。本県においては、平成11年に策定した岩手県環境基本計画において、国より厳しい8%の二酸化炭素の削減目標が設定されております。この8%の削減目標を達成するために、去る3月、岩手県地球温暖化防止県民行動計画が策定されたところでありますが、計画によりますと本県の二酸化炭素排出量の約8割は事業活動によって排出されているということであり、事業者の取り組みが極めて重要な課題となっております。行動計画は、ISO14001に基づく環境管理システムの構築が有効な手段として取り上げられており、総合計画においても、2010年までに認証取得事業所の目標を230事業所としてございます。この230という目標数値は、かなり高い目標設定であると考えますが、一方、全事業所の1割にも遠く満たない数値であることも事実であります。
 そこで、お伺いいたします。ISO14001の認証取得には、多額の費用と労力を要するのが実態であり、小規模な事業所での認証取得は極めて困難な状況になっております。こうした状況を見ますと、環境首都いわてを目指すためにはISO14001を補完するような、小規模な事業所、あるいは学校や家庭でも比較的容易に取り組むことができる本県独自の環境管理システムの検討が必要ではないかと思われますが、御見解をお示しください。
 次に、食の安全への対応についてお伺いいたします。
 消費者の信頼を失って解散に追い込まれた雪印食品の偽装牛肉事件を初めとして、その後相次ぐ産地偽装の数々、日本ハムグループによる牛肉偽装問題、そして中国産農作物からの残留農薬の検出、全国各地に流通が確認された無登録農薬の問題など、目を覆うばかりの惨状が続いております。消費者の視点が見事に欠落していると言っても過言ではないと思います。言うまでもなく、食品を扱う企業にとって何よりも安全・安心が大事にされるはずなのに、食品業界全体にルール無視の体質がしみ込んでいるのではないかとさえ思える現状です。一体この国の食の安全はどうなっているのでしょうか。安全についての責任は、第一義的には当該企業が負うのが当然でありましょうが、私は、混乱を招いた国の行政の責任も大変重いものがあると考えております。過半、国におきましては、BSE問題等の反省から内閣府に食品安全委員会(仮称)を設置させることを決めました。また、来年7月にも食品表示Gメンを設置し現行の不透明な食品表示をルール化し、不適正な食品表示をチェックして、食品に対する消費者の信頼回復を図るとしております。
 そこで、お伺いいたします。県は、県内における食の安全の実態をどのようにとらえ、消費者の食の安全に対する不信感を取り除くために、食品安全行政基本方針策定を含めて、どのような対策をなさるのですか、お聞かせください。
 次に、地産地消と食文化についてお伺いいたします。
 過日、畜産議員クラブの現地視察に参加をいたしましたが、その日の昼食で地産地消の食文化の現地発信を体験いたしました。及川幸子さんともども大変な感激でございました。3種類のおぜんのうち増田知事は2種類召し上がったとのことでございます。各地における食の匠の活躍の実態と、県としての今後の活動支援策についてお知らせください。
   〔副議長退席、議長着席〕
 次に、女性農業委員の活躍についてお伺いいたします。
 3年の任期満了に伴う農業委員の統一選挙が7月7日に行われました。本県では、45市町村から646人が選出され、今回特筆されるのは、女性委員が改選前の2人から13人にふえ、これに議会や団体推薦委員と継続委員を加えると61人になったという大変うれしいニュースでございます。しかし、全委員に占める割合はまだ5.4%にすぎませんが、それでも東北では最も高くなっています。また、県農業会議の常任会議員に、学識経験者6号会議員として農村生活アドバイザー協会会長が選ばれたということは、まことに明るく元気の出るニュースでございます。
 そこで、お伺いいたします。県は、女性農業委員が約5倍にふえた要因をどのように把握していらっしゃいますか。また、今後一層の女性農業委員の拡大や活動の充実発展に向け、どのようなことを期待しながら御支援をなさるお考えか、お示しいただきとうございます。
 次に、全国都市緑化フェア開催誘致についてお伺いいたします。
 山形県寒河江市と新庄市を主会場に6月から2カ月間余にわたって開催されました第19回全国都市緑化やまがた花咲かフェアが幕を閉じました。入場者数は目標の2倍を超える約120万人、官も民も大変な盛り上がりだったと伺っております。全国都市緑化フェアは、国や地方公共団体、そして県民が一体となって活動し、都市における緑豊かな生活環境を整備、推進していくことを目的にしております。新庄市に住んでいる私の友人は、開かれたフェアとして、人的交流をもとに県及び地域に大きな貢献をもたらしたすばらしい事業でありましたと評価いたしておりました。いわてフェアを誘致して開催することは、近年環境問題がクローズアップされ、花と緑に対する国民的関心が高まっている中、環境首都を目指す我が岩手県にとって、緑豊かな環境資源、そして県土を次世代へ引き継いでいくための大きな契機となり、県はもちろんのこと、市町村を含め開催地及び関連団体を、そして何よりも県民運動としての積極的な取り組みを全国に発信する絶好の機会であると考えております。全国都市緑化フェアは、開催までに4年から5年の準備期間が必要と言われております。本県におきましては、関係団体によって全国都市緑化いわてフェア誘致推進委員会が設置され、積極的な活動が展開されております。
 そこで、お伺いいたします。確かに財政の厳しい昨今です。しかし、都市緑化への意識の高揚、知識、技術の普及等、何よりも人々の交流による新たな文化発信などのはかり知れない効果が期待されます。いわてフェア誘致を平成18年度以降のできるだけ早い年度に開催誘致することについて、県の前向きの御見解をお示しください。
 次に、義務教育費の国庫負担制度見直しについて質問をいたします。
 義務教育費国庫負担制度について、今、重大な事態が生じております。小泉首相の改革案を受けて地方分権改革推進会議の中間報告が6月に発表され、10月にもまとめを行うとしております。中間報告の考え方は、義務教育費の国庫負担金について最終的には全額を地方自治体の裁量になる一般財源化にしたいが、当面は現行学級の数がもとであったものを子供の数を基準に交付金化する。事務職員、栄養職員を定数法等の規定から外す。学級編制について41人以上も可能にする。高校生に対する育英奨学金事業について、国が財政負担しているのを見直す。そして、公立小・中学校の教職員給与を国がその半額負担する制度を見直して、地方への移譲を進めようというのであります。義務教育費国庫負担制度の堅持を求める意見書は、毎年岩手県を初め、地方議会から国へ意見書が上がっています。ちなみに、昨年は1、400自治体でございました。
 そこで、教育委員長にお伺いいたします。私は、義務教育は国の根幹であり、国庫負担は最低保障の制度であり、教育の機会均等を保障する原点であると確信しております。それを改革しようとする今回の見直し案について、県教育委員会は地方への影響をどのように認識され、今後どのように意思表示をなさるのでしょうか。御見解をお示しください。
 次に、県少人数指導支援事業についてお伺いいたします。
 県教育委員会は、小・中学校の指導形態について、30人以下学級ではなく、授業内容や子供たちの学習到達度などの状況に応じて人数を編成する少人数指導支援事業を本年度の重点施策に盛り込みました。
 そこで、お伺いいたします。すこやかサポート、第7次定数改善計画、学校いきいきプランにおける現在の教員の配置状況、現状での成果と課題について及び今後の見通しについてお知らせください。
 最後に、県立美術館の充実についてお伺いいたします。
 岩手の芸術生活を応援しますのスローガンのもと、県民の多くの期待を受けて、昨年10月6日、県立美術館は開館をいたしました。これは20有余年の長きにわたる県民の建設促進の運動があって実現したものと記憶いたしております。すぐれた建築、圧倒的な豪華建造物として誇れる美術館でございます。収蔵作品数は3、500点を超え、常設の萬鐡五郎、松本竣介、舟越保武の作品をメーンとしての岩手県ゆかりの作品で占められております。時に特別企画の展示が行われるわけですが、過日開かれました30点ものモネの水蓮にはどぎもを抜かれました。
 そこで、お伺いいたします。作品の評価や収集については一定の基準があってのことと考えますが、どのような組織、手順、方法で収蔵作品を決定しているのでしょうか、お伺いいたします。私も気づいたのですが、書の作品が見当たらないということでございます。日本の文化を語るとき、国宝の多くの作品に見られるように書は一つの視点と考えられます。岩手県立美術館が洋画に偏した収集をしているとすれば、建設への熱い思いであった芸術生活の応援の場として、また、21世紀の美術館として問題があると考える県民も多いのではないかと思います。書、写真、デザイン等についても展示、公開してこそ多くの県民に愛される県立美術館になると私は思うのでございます。特色ある県立美術館として誕生した岩手県立美術館が、多くの美的分野に広く平等の光が当たる運営のためにも大切な視点ととらえ、収集、収蔵の基本的な考えをお示し願います。
 また、開館1周年を迎えるわけですが、この1年間における主なる特別企画と、その事業に対する入館者の状況、反応をお知らせいただきとうございます。
 以上でこの場からの質問を終わります。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
   〔知事増田寛也君登壇〕

〇知事(増田寛也君) 阿部静子議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、今回の日朝首脳会談についてお尋ねがありましたが、日朝両国は、御承知のとおり、大変近い隣国同士でありながら、これまで半世紀以上もの長い間国交がないという大変不正常な関係にあったわけでございますが、今回の首脳会談におきまして国交の正常化交渉の再開を決められたということでございまして、これは、日朝関係の改善にとどまらず、国際社会の平和と安定につながる重いに手がかかった段階と受けとめております。重いを開いたと言いたいところなんですが、慎重に、手がかかった段階と、こんなふうに思っています。と申しますのは、これからの交渉がどのように進められ、どのような成果に結びつくか、これがすべてでありますので、そういうことで、今後の政府の対応や交渉にすべてがかかっている。我々国民も、こうした今後の政府の対応や交渉の行方を真剣に見守っていく必要があると考えております。
 特にも、首脳会談で明らかにされた北朝鮮による拉致事件でございますが、これはもちろん国民に大きな衝撃を与えているわけでございます。これは、国家としての犯罪行為でありまして、我が国の政府としても、この事件の全容を解明して、その結果を国民の前に明らかにする責任があるわけで、今後の正常化交渉に当たりましては、十分な議論と国民的な理解を踏まえて、毅然とした態度で臨むべきである。また、むしろ国家の尊厳をかけて我が国が毅然とした態度をとることこそが今後の日朝関係を正常化する上でもよい方向に導く、このように考えております。
 そして、我が国と朝鮮半島の長い交流の歴史の中で、今日、朝鮮半島出身の方々が数多く我が国に在住されております。本県におきましても、多くの方々が地域社会の一員として生活されております。今後とも、お互いの歴史、文化を相互に十分理解し、そして尊重し合いながら、ともに力を合わせてよりよい地域づくりを進めていくことが肝要であると考えております。
 有事法制についてのお尋ねですが、私は、国から示されました武力攻撃事態対処法案に示されております予測ということ、それから、おそれ、発生、こういう3段階に分けた武力攻撃事態、言ってみれば有事の定義なんですけれども、これが大変抽象的である。さらには、いざ有事の際の我々地方自治体の役割も不明確であるということがありますので、この有事法制全体について極めてわかりにくい、このように思っておりますし、そのように申し上げたものでございます。
 これらの点は、有事法制の基本にかかわる事項でありますので、やはりきちんとした議論を行って、広く国民の合意を得る必要があると折々に述べてきたものでありまして、特に、私ども地方自治体というのは、住民の生命、身体及び財産の保護のための必要な措置を国の対処基本方針を踏まえて実施することになっているわけですが、これらを具体的に規定する国民保護法制については、今後2年以内につくる、こういう形になって先送りになっているわけです。これは、先ほど言った、極めて自治体の権限がわからないということ、全体のわかりにくさにつながってくるわけでございますので、2年以内と言わずに、できるだけ早期に、あるいは一緒に国民の前に内容を明らかにすべきと主張してきたものでございます。
 こうした中で国の方では、先般の通常国会の議論を受けて、武力攻撃事態対処法案の修正が内部で検討されているようでございますが、現在のところ、その内容について私どもの方に国からの情報提供は特にございませんで、私どももマスコミ報道程度しか持ち合わせておりません。引き続き情報収集には努めてまいりたいと思います。
 それから、武力攻撃事態に関する訓練についてでございますが、国では、国民の協力に関し、必要な組織、訓練のあり方について国民の十分な理解を得られるような仕組みを考えたいとしている段階でございまして、今後、整備・検討される国民保護法制において、県や市町村の役割が明確になっていく中で具体的な議論がなされるものと考えています。
 いずれにしても、この有事法制全体については、国の方で――これはマスコミ報道であるわけですが――武力攻撃事態対処法案の修正の動きがあるということ、それから、この法案の枠組みのもとに国民保護法制の整備・検討がなされる、こういうことになっていますので、今後とも、県民の生命、身体、財産を守るという地方自治体の立場から、私も国に対して言うべき意見を明確に申し上げていきたいと考えております。
 次に、県民運動の振興ということで、映画のアテルイについてお話がございましたが、これは、製作上映運動推進岩手県民の会が中心となって、製作資金の確保から声優の募集、さらにはチケットの販売や上映会場の準備などすべて手づくりで、県民の皆さんの協力を得て製作、上映されたものでありまして、こういう昨今の経済状況が大変厳しい困難な中での、有志による、まさに地域に根差した取り組みであると受けとめております。
 これまで県内16の市町村で上映され、観客数も2万5、000人を超えるなど大変好評を博していると聞いているわけでございまして、上映運動などにかかわられた県民の皆さんの努力が結実したものと考えておりますし、このような地域に根差し、広範な盛り上がりを見せた活動によって、この岩手の魅力とすばらしさが大いに再認識されたと考えております。
 また、私は、新たな地方の時代が始まろうとしている今、子供たちや地域の人々がその地域の歴史や文化を学ぶことによって、それぞれの地域に対して誇りや愛着を持ち、そこにしかない個性ある文化あるいは資源を大切にし、育てながら、力を合わせて地域づくりに取り組み、そして、その輪をさらに広げていくことが豊かさや魅力にあふれた岩手の発展につながると考えています。このため、学校教育の場では、我々の持つ先人の偉業などを紹介するものを副読本の中に取り入れて活用しているほか、県立博物館、図書館などにおいて岩手の歴史や先人に関する企画展、講演会などの開催をさらにしていきたいと思いますし、先般開設した県の文化情報ホームページいわての文化情報大事典――これは動画なども全部入っておりますが――の中での情報の提供、全国への発信にもさらに努めていきたいと考えています。
 現在、整備・検討を進めているいわて地元学情報センターでも郷土の歴史、文化に関する情報を収集いたしますとともに、県内各地に郷土資料館や民俗資料館などがございますので、そうしたところといわて地元学情報センターとがネットワークを構築して、また、やはりこの際には、アテルイの映画製作の運動と同様に県民参加ということが大変大事でございますので、多くの県民の皆さん方の参加や協力をいただいて、そしてその情報を広く発信していきたいと考えております。
 その他のお尋ねにつきましては関係部長から答弁をさせますので、御了承願います。
   〔環境生活部長時澤忠君登壇〕

〇環境生活部長(時澤忠君) まず、岩手県男女共同参画推進条例(案)の制定に関し、議会提案時期を6月から9月に延期したことによるその間の取り組みについてということでありますが、この間、県内5地区におきまして、県民を対象といたしました第3回目の説明会、意見交換会の開催、2回目のパブリックコメントの実施、関係団体への訪問説明、そして、3回の男女共同参画推進懇談会というものを開催いたしまして御意見等をいただき、その集約に努めてきたところであります。
 次に、条例の名称についてでありますが、男女共同参画といたしましたのは、男女平等の実現を当然の前提とした上で、さらに、男女が各人の個性に基づいて能力を十分に発揮できる機会を保障することや、男女平等を実質的に実現するためには、女性の意思決定への参加、つまり参画を強調する必要があるということからこのようにいたしたものでありまして、また、県民の方々の間に男女共同参画という言葉が浸透してきている事情も考慮したものであります。
 次に、県民からの意見の特徴についてでありますが、苦情及び相談をしっかり処理して条例の実効性を確保するようにという意見がどの説明会、意見交換会、パブリックコメントにおいても出されたところであります。
 この苦情処理に関する条文化についての苦労、感想ということでありますが、県民の方々からの要望をできるだけ具体的な仕組みとして盛り込みたいと努めてきたところでありまして、この制度が有効に機能して、県民の方々からの期待に実際にこたえられるような制度にしていきたいと考えております。
 次に、条例制定後の具体的な取り組みについてでありますが、男女共同参画を県内隅々にまで浸透させるために、条例制定後の普及・啓発、これが何よりも重要であると考えておりまして、今後、あらゆる広報媒体を通じた普及・啓発活動を初め、県内各地へ出向いての説明会の開催など、きめ細かな普及・啓発活動を積極的に実施してまいりたいと考えております。
 また、県民にとって最も身近な市町村において今後積極的に計画策定に取り組んでいただきたいと考えておりまして、これまでも機会をとらえて要請をしてまいりましたが、今後とも必要な支援を図ってまいりたいと考えております。
 次に、活動拠点となります盛岡駅西口施設の中に設置を予定しております――仮称でありますが――男女共同参画推進センターの進捗状況ということでありますが、県内の女性団体の意見も参考にしながら施設内部のレイアウト等について検討を行ってきたところでありまして、引き続き、運営の組織等ソフト面についてさらに具体的に意見をいただきながら検討を進めてまいりたいと考えております。
 次に、地球温暖化防止対策についてでありますが、県内のISO14001の認証取得件数でありますが、本年8月末現在で150件と急速に増加している状況であります。しかし、中小企業等にとりましては、多くの経費や労力を要することが認証取得の障害となっているとも考えられるところでありまして、これまで県としましては、取得経費に対する助成や研修会等の開催を行うなど、認証取得のための支援を行ってきたところであります。
 一方、ISO14001を補完します環境管理システムの検討につきましては、最近他府県においてもこれを創設し、また、検討する動きが見られているところでありますけれども、本県におきましても、先般、民間主導の研究会が発足いたしまして、より取得、運用の容易な地域版ISOを目指すいわて環境スタンダードの創設に向けて鋭意検討が進められているところであります。この方式につきましては、環境管理システムに関する取り組みの底辺を広げる観点から非常に重要と考えておりまして、県としてもその必要性を強く認識しているところでありまして、職員を検討会に参加させ、情報提供を行うなど必要な支援を行っているところであります。
 このいわて環境スタンダードの創設に当たりましては、県といたしましてもISO14001と相まった普及・啓発を図るとともに、県のグリーン購入におきましても、その基本的な方針として、認証の取得を考慮事項の一つに位置づけるなど、地球温暖化防止対策の有効な方策として定着するように、研究会との十分な連携を図りながらその推進を図ってまいりたいと考えております。
   〔保健福祉部長長山洋君登壇〕

〇保健福祉部長(長山洋君) 食の安全への対応についてでありますが、BSE問題や不適正な食品表示などの問題を契機として、本県におきましても消費者の食の安全・安心に対する意識が高まっており、今後さらに安全を重視した食品の選択性が強まるものと考えております。
 県では、食品等の安全性を確保するために、各保健所等に65名の食品衛生監視員を配置し、製造・加工施設や飲食店、販売店等に対しまして年間約5万8、000件にわたる監視、指導を行うとともに、環境保健研究センター等においては、輸入食品を含めた流通食品について、残留農薬や添加物等の検査を計画的、重点的に行っております。さらに、昨年10月からは、食肉衛生検査所においてBSEの全頭スクリーニング検査を実施するなど、食品に起因する危害の発生防止に努めてきているところであります。また、これらに関する情報につきましては、ホームページ等を通じ、県民の皆様方に適宜お知らせしているところであります。
 一方、農林水産物の生産面では、農業者に対する農薬の正しい使用についての啓発と知識・情報の提供、土づくりを基本とした減農薬、減化学肥料栽培技術などの普及、流通・消費面では、食品表示110番の設置やトレーサビリティーシステムの導入促進などによる積極的な情報発信に努めているところであります。
 これら食の安全・安心対策の促進に関する検討のため、本年8月1日に関係部局から成る岩手県食の安全安心対策検討連携会議を設置し、調査等を進めてきたところでありますが、今後、対策の一層の充実を図るため、部局横断的な新たな組織についても検討を進めているところであります。
 県といたしましては、今後とも、消費者等関係団体との連携を密にしながら、県民への安全な食品の提供に向け積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
   〔農林水産部長佐々木正勝君登壇〕

〇農林水産部長(佐々木正勝君) 食の匠の活動実績と支援策についてでありますが、先人の食のわざや知恵を保存、伝承するとともに、岩手ならではの豊かな食文化を消費者に発信することをねらいといたしまして、150の個人、団体を食の匠として認定しているところであります。
 食の匠は、県内外の物産展等において、地元で生産された農林水産物を活用した多彩な料理を実演・紹介し、匠の食のわざと真心こもった味わいが多くの方々から好評を得ているところであります。また、食の匠の4割は、そば、もちなどの郷土料理や加工食品を農家レストランや直売所等で販売するとともに、お話がありましたように、久慈地方では食の匠が中心となって食文化研究会を結成し、地元の食材を使ったおぜんを提供するなど、各地でみずからのわざを活用した活動を展開しており、県が進めている地産地消運動の一翼を担っていただいているものと考えております。
 県といたしましては、今後とも、食の匠による伝承活動を初め、消費者との交流や小・中学校の体験学習における指導活動を一層促進するとともに、商品の開発や研究活動、施設の整備等に対し支援してまいりたいと考えております。
 なお、来る10月11日に地産地消全国の集い・いわて大会を開催することとしておりますが、その一環として、各地方を代表する食の匠の料理をこの場で紹介するとともに、消費者との交流を図る食の匠内覧会を同時に開催し、全国へ岩手の食文化を発信することとしております。
 次に、女性農業委員についてでありますが、農村において女性は生産の重要な担い手であるとともに、近年、産直施設や農村レストランを開設するなど、新たな分野においてその持てる能力を積極的に発揮した活動が展開されているところであります。これらの取り組みを通じて、これまでにも増して経営や地域社会の方針決定への参画意識が高まり、女性の方々みずからが農業委員として活躍すべく学習活動を進めてきたところであり、こうした努力が実り、このたびの農業委員統一選挙において、女性農業委員は5倍の大幅増になったところであります。
 県といたしましても、農業委員会において、こうした女性農業委員がその活力と感性を十分に生かしながら生活者の視点に立った地域活動を行うとともに、認定農業者の掘り起こしや家族経営協定締結の推進などに取り組まれるよう大いに期待しているものであります。既に女性農業委員連絡協議会――いわてポラーノの広場という名称でございますが――が設立されておりますので、この協議会が行う研修会や交流会のほか、女性農業委員がそれぞれの地域で行う活動に対しましても支援してまいる考えであります。
 今後におきましても、農村女性がさまざまな意思決定の場に参画できますような環境づくりに努めてまいりたいと考えております。
   

〇議長(谷藤裕明君) 本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめ延長いたします。
   
   〔県土整備部長猪股純君登壇〕

〇県土整備部長(猪股純君) 全国都市緑化フェアの開催誘致についてでありますが、過去に開催された全国の事例を調査したところでは、入場者数が100万人から200万人規模、開催期間が2カ月から3カ月ということで、主催者である県及び市町村が20数億円を負担し、民間からも相当額の協賛金等を得て運営されており、本県で過去に開催いたしました三陸・海の博覧会、また、アルペンスキー世界選手権大会に匹敵するような大きなイベントと認識しております。
 全国都市緑化フェアの実施要領を見てみますと、原則として、都市緑化植物園の設置予定または設置済みの都市公園を会場とすることとされておりまして、県内の候補地としては、現在、盛岡市が本宮地区で整備を進めている中央公園が考えられるところであります。盛岡市の9月議会におきましても都市緑化フェア開催についていろいろ議論されて、盛岡市からは、平成18年度以降の早期開催については、準備期間や多額の費用を要することから慎重に検討する必要があろう、また、市の総合計画に位置づけて実施すべきものであろうといったような考えが示されております。
 県といたしましては、非常に大きなイベントであるということから、今後の社会経済情勢の推移や県の財政状況、関連施設の整備状況等を踏まえるとともに、県民の皆様方の御意見にも十分配慮し、また、盛岡市などとも連携を図りながら判断すべきものだと考えております。
   〔教育委員会委員長船越昭治君登壇〕

〇教育委員会委員長(船越昭治君) 義務教育費国庫負担制度の見直しに関してでございますけれども、御指摘のございました地方分権改革推進会議の中間報告によりますと、義務教育における地方教育行政の裁量の幅を拡大して国の関与のあり方を見直す、義務教育費の経費負担等について検討を求めているものでございまして、義務教育制度の根幹にかかわる事項を含んでいると理解しております。
 県教育委員会としましては、義務教育は、憲法の要請によって国民として必要な基礎的資質を培いますとともに、国と地方が適切な役割分担のもとで、すべての国民に対して教育の機会均等と水準の維持・向上を図っていく上で必要であると考えております。
 このような観点から、国における今後の義務教育費国庫負担制度の見直しに当たっては、国の責任において義務教育費に係る財源を保障しつつ、時代の要請であります地方の権限と責任の拡大という地方分権を推進する立場から、地方の実情に応じたような特色ある教育活動が展開できる仕組みができますよう、全国都道府県教育委員会連合会等を通じまして、機会をとらえて国に要望してまいりたいと思っております。
   〔教育長五十嵐正君登壇〕

〇教育長(五十嵐正君) まず、少人数指導支援事業についてでありますが、今年度、県教育委員会といたしましては、少人数指導の充実を図る観点から、県単措置によるすこやかサポート推進事業として86校に116名、第7次定数改善計画による少人数指導加配として219校に320名、緊急地域雇用創出特別交付金による学校いきいきプランとして73校に73名を措置し、これにより30人を超える学級を有するすべての小・中学校、延べ378校に対して509名の教職員を配置したところであります。
 配置した各学校からの報告によれば、小学校1年生のすこやかサポートにおいては、集団生活になじめず登校を渋る傾向にあった児童のうちの約8割が、非常勤講師等の支援により、1学期末までには元気に学校に通うなどの改善が見られたとされております。また、少人数指導加配については、チームティーチングのほかに課題別や習熟度別に集団分けを行う指導などにより、理解や技能及び学習意欲が高められているととらえております。さらに、学校いきいきプランの中では、理解に時間を要する児童生徒の学習を支援することにより、基礎基本の定着に効果を上げているとされております。
 今後の課題としては、指導力に富んだ人材の確保や、教員相互の連絡調整の徹底を図るなどが必要であると考えており、今後におきましても、このような成果と課題を踏まえ、より一層個に応じたきめ細かな指導ができるよう、県単措置によるすこやかサポートや国の少人数指導加配等を効果的に活用しながら、少人数指導の充実を図ってまいりたいと考えております。
 次に、県立美術館の充実についてでありますが、まず作品の収集方針については、原則として明治時代以降に制作されたすぐれた美術品を収集すること、かつ本県出身及び本県にゆかりのある作家の作品を重点的に収集することと定めており、この方針に基づき、萬鐡五郎、松本竣介及び舟越保武の作品を中心に、作品本意で将来的な評価に耐え得るすぐれた作品の収集に努めているところであります。このように作品の収集方針では、作品のジャンルは限定しておりませんので、書、写真、デザインに分類される作品についても、基本的に収集対象から除外しているものではありません。
 また、作品を取得するときは、外部の専門家により構成される美術品収集評価委員会に諮問し、美術品の鑑定評価、価格の妥当性等についての十分な審議を経た上で、収集作品を決定しているところであります。
 なお、来年度以降においては、地元作家のすぐれた書などの作品を幅広く紹介する観点から、岩手芸術祭の美術展で表彰された作品等の展覧会を開催するよう計画しているところであります。
 次に、開館後これまでの主なる企画展の実施状況についてでありますが、平成13年度に開催したモネ展などの三つの企画展の観覧者数は10万1、000人余りであり、当初の目標を上回る観覧状況となっており、14年度においては9月20日現在、パウル・クレー展などの三つの企画展の観覧者数は3万8、000人余となっております。来館者の方々からは、質の高い美術作品を身近に鑑賞できることに喜びの声が寄せられているところであり、今後とも魅力ある企画展を開催するなど芸術鑑賞機会の拡充に一層努めてまいりたいと考えております。

〇12番(阿部静子君) もうそろそろ皆さんお疲れのことでございますが、ちょっとだけ、先ほどは議長に礼をしないで帰ってきてしまいまして、大変申しわけございませんでした。
 実は、この男女平等推進にかかわっての再質問でございますが、過日、私、盛岡市議と市民が語り合う、聞いてみよう、話してみよう、市議会議員さんと、という集会にコーディネーターとして参加をいたしました。昨年は女性だけの会だったのですが、ことしは男性のパネラーも半々で、そうしたらなかなかやっぱりおもしろいんですよ。これが大事だということでございます。男女平等推進について女だけが集まって女だけでしゃべっていたってだめだということ。いかに、それこそ平等、共同参画ですから男性の皆さんにも入ってお話しをいただけるかということを、それを企画、立案していかなければならないであろうということでございます。ただ、男性議員のお一人が、男性議員も勉強しなければならないという意見が出てきたときに、ジェンダー等、言葉自体がわからない、だから今のままが一番いい、こう言って余り触れたがらない。そういう男性議員が多いということでございます。多いのですから全部というのではございません。そういう学習の場をつくっていく必要があろう。その中で広島市の女性助役公募の際には132人の応募があったこと、盛岡市の係長以上の職員は男性735人に対して、女性が81人しかいないということなど、女性の積極的な登用とかジェンダーからの解放とか、人権教育の充実等そういう課題について浮き彫りになり、市町村レベルで推進条例を整備し、県民の意識改革をしていかなければならないのだという、そういう啓発の方向にその場を通じながら変わっていくという、そこが大事だということでございまして、私は一つ盛岡市の取り組みを取り上げましたが、そこでお伺いするわけです。
 県内の自治体において特筆すべきこういう活動状況がございましたらお知らせをいただきとうございます。何か県内で温度差があるんですよ、この意識に対する。
 それから次に、この男女平等推進にかかわる県庁内における最高の責任者、これは菅原温士さんの質問の中で、部長から知事へという御答弁がございました。それを検討するという、大変うれしいことでございますが、私が気にかかりますのはこの課の名前なんですよ。青少年女性課です。そして、それが所属する課が環境生活部、ここへの検討についてはいかがでございましょうか。全国的にはどのような傾向にございますか、お知らせをいただきとうございます。
 それから、最後にこれは要望になりますがお許しをいただきとうございます。この条例制定につきまして、私、名称等あるいは中身の文面であるとかいろいろ不満な部分はございますが、延ばしてそして皆さんの御意見を伺いながら集約にこぎつけて、このたび上程することができたということにつきまして、私は高く評価をいたしているところでございます。不満はあるけれども何とか今回のこの議会において成立するように期待をいたしておりますという立場を明らかにして終わります。

〇環境生活部長(時澤忠君) 男女共同参画につきまして何点か御質問がありました。
 まず、県内自治体における特筆すべき活動ということでございます。県内市町村におきまして、例えば盛岡市では女性センターを設置しまして、女性団体と連携をしていろんな取り組みを行っております。例えば、情報誌を発行するなどの活発な活動が行われているところであります。それから、大船渡市と花巻市におきましては、男女共同参画推進に関する条例を既に制定しておりますほか、大船渡市におきましては男女共同参画宣言都市というような宣言を行っておりまして、いろんな各種講座、シンポジウムの開催、情報誌の発行など積極的に取り組んでいるところであります。
 市町村における取り組みにつきましては、やはり県民の意識改革の観点から極めて重要であると考えておりまして、今のような特色ある取り組みにつきましては、他の市町村への紹介をするなど、まだ十分な取り組みを行っていない市町村に対しまして、積極的な情報提供を行うなど、市町村における取り組みが充実されるように支援をしてまいりたいと考えております。
 それから、名称についての御質問がありました。全国における男女共同参画担当課でございますけれども、全国の状況につきましてはこの4月1日現在で、課・室等に男女共同参画の名前をつけておりますのが、47都道府県中42ということで、全体の約9割が男女共同参画の名を付しているということでございまして、男女共同参画等の名前を使っていないのが、本県を含め5府県となっているところでございまして、この担当課の名称につきましては、やはり男女共同参画を所管する担当課の名称に男女共同参画ということを付すこと自体が所管を端的に示す、なおかつわかりやすいと考えておりますので、組織主管部と協議してまいりたいと考えております。
 なお、先ほど若干御提言ありましたように、男性についてやはり我々も男性の理解、意識改革が極めて重要だと私どもも考えておりまして、例えば職場における研修でありますとか、男性のための講座、こういったものを通じて男性の参加促進策ということについても考えていきたいと考えております。

〇議長(谷藤裕明君) 以上をもって一般質問を終結いたします。
   
日程第2 認定第1号平成13年度岩手県立病院等事業会計決算から日程第28 議案第24号損害賠償請求事件に係る和解及びこれに伴う損害賠償の額を定めることに関し議決を求めることについてまで

〇議長(谷藤裕明君) この際、日程第2、認定第1号から日程第28、議案第24号までを一括議題といたします。
 これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、発言を許します。斉藤信君。


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