平成14年12月定例会 第16回岩手県議会定例会会議録

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〇23番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 議案第10号、12号、16号から19号、21号から26号に反対の討論を行います。
 議案第10号は、岩手県立学校設置条例の一部を改正する条例です。その内容は、生徒数の減少に対応して学校の再編と学科の改編、学級減を実現しようとするものであります。
 第1の問題は、生徒数の減少を理由に県立高校の再編統合を進める内容となっていることであります。今回の改正では花巻農業と北上農業が統合され花巻農業高校となります。県民の世論と運動によって農業高校が存続されましたが、来年度の生徒募集はわずか3学科に縮小されます。花北商業が花北青雲高校と再編されますが、これは当初花巻農業と統合して総合的専門高校をつくるというものでした。その前提が崩れたにもかかわらず、単独で総合的専門高校をつくるために工業系の学科が1学科で、これまで実績のある商業科もビジネス情報科と改編するものであります。これでは専門教育自身が不十分なものになりかねません。
 第2の問題は、毎年実施される場当たり的学科改編であります。今回も雫石高校の国際教養科、宮古北高の体育科などが廃止をされますが、学科の多様化路線は既に破綻していると言わなければなりません。
 第3に、来年度の入試にかかわる高校の再編と学科の改編、募集定員を受験間近に迫った12月議会で議決しようとすることは、受験生と進路指導にとって混乱をもたらすものであります。
 議案第12号は、簗川ダム建設橋りょう工事の請負契約にかかわるものであります。簗川ダム建設事業は、昨年、事業費が340億円から670億円に倍増となり、事業の必要性が根本から問われているものであります。利水問題では、盛岡市の3万1、000トンの利水計画が60年後に必要となるというもので、その理由は、給水人口が36万8、000人という二重に根拠がないものであります。治水問題でもダムの専門家が基本高水流量の見直しを含め、河川改修でこそ費用もかからず、環境破壊も行わずできると提言しています。ダム建設による貴重な自然と環境、生態系の破壊も極めて重大であります。公共事業評価委員会の委員長でもある首藤伸夫県立大学教授は、我々には治水のレベルや工法が妥当かまで検証する時間も権限もないと新聞紙上で述べていますが、深刻な財政危機のもとで670億円の県内最大規模の大型開発については、長野県や徳島県、鳥取県のように専門家による専門的、科学的検討と、情報公開と住民参加で県民が納得する真の見直しを行うべきであります。
 議案第16号から19号、21号から26号は、人事委員会の勧告に基づく給与改定にかかわるものであります。最大の問題は、人事委員会の勧告制度が実施されて以来、初めて基本給の引き下げを行ったことであります。また、不利益不遡及の原則を踏みにじって4月にさかのぼって引き下げを実施するとしていることであります。これは、労働基本権の代償措置としての人事委員会制度の根本にかかわるものであります。
 第2に、今回のマイナスの給与改定によって、40歳の係長、配偶者と子供2人の場合、年間18万円の減収であります。県職員全体では48億円の減収となり、その地域経済に対するマイナスの波及効果は71億円となります。市町村職員を含めると減収額は73億円となり、その経済波及効果は108億円にも及ぶものであります。公務員の賃金引き下げは100億円を超える消費の落ち込み、経済への重大な影響を与え、さらに、民間の賃金引き下げにもつながる悪循環をもたらすものと言わなければなりません。
 第3に、県職員の超過勤務は、知事部局で月平均21時間、超過勤務手当は17時間しか支給されていません。これは1人平均月4時間のサービス残業を強いられていることを示しています。年間では1人12万円、知事部局全体では5億4、000万円となるものであります。こうしたサービス残業を放置して基本給の引き下げだけを実行することは二重に問題であります。この是正を強く求めるものであります。
 議案第20号は、特別職の給与改定にかかわるものですが、不利益不遡及には反対しますが、一般職員と違って給与水準そのものが高いことから全体の引き下げには賛成するものであります。この際、特別職の退職金のあり方も再検討し見直すべきであります。
 以上申し上げまして、私の反対討論といたします。御清聴ありがとうございました。
〇議長(谷藤裕明君) 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより議案第5号循環型地域社会の形成に関する条例を採決いたします。
 本案の委員長の報告は修正でありますので、まず、委員会の修正案を起立により採決いたします。
 委員会の修正案を委員長報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(谷藤裕明君) 起立多数であります。よって、委員会の修正案は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、ただいま修正議決した部分を除く原案について採決いたします。
 修正部分を除くその他の部分を原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(谷藤裕明君) 起立全員であります。よって、修正議決した部分を除くその他の部分は、原案のとおり可決されました。
 次に、議案第16号から議案第19号までを一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(谷藤裕明君) 起立多数であります。よって、議案第16号から議案第19号までは、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第10号、議案第12号及び議案第21号から議案第26号までを一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(谷藤裕明君) 起立多数であります。よって、議案第10号、議案第12号及び議案第21号から議案第26号までは、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第1号から議案第4号まで、議案第6号から議案第9号まで、議案第11号、議案第13号から議案第15号まで、議案第20号及び請願陳情を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(谷藤裕明君) 起立全員であります。よって、議案第1号から議案第4号まで、議案第6号から議案第9号まで、議案第11号、議案第13号から議案第15号まで、議案第20号及び請願陳情は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
   
日程第28 委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件
〇議長(谷藤裕明君) 次に、日程第28、委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件を議題といたします。
   
〔参照〕
総務委員会
 地方税財源のあり方に関する検討状況について
環境福祉委員会
受理
番号
件   名
90いわて子どもプランを実効あるものにして学童保育の更なる充実を求める請願

商工文教委員会
受理
番号
件   名
82遺伝子組換えイネを学校給食に使用しないこと並びにその承認と表示に関して国へ意見書提出を求める請願
8730人学級・少人数学級の早期実現を求める請願
89ゆきとどいた教育をすすめるため30人学級の早期実現を求める請願

農林水産委員会
受理
番号
件   名
83遺伝子組換えイネを学校給食に使用しないこと並びにその承認と表示に関して国へ意見書提出を求める請願

県土整備委員会
岩手県住宅マスタープランに基づく本県の住宅行政の展開について
   
〇議長(谷藤裕明君) お諮りいたします。委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件につきましては、先ほど各委員長から報告のとおり申し出がありましたが、委員長からの申し出のとおり、閉会中の継続審査及び継続調査に付することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(谷藤裕明君) 御異議なしと認めます。よって、本件は委員長からの申し出のとおり、閉会中の継続審査及び継続調査に付することに決定いたしました。
   
日程第29 認定第1号平成13年度岩手県一般会計歳入歳出決算から日程第40 認定第12号平成13年度岩手県県民ゴルフ場事業特別会計歳入歳出決算まで
〇議長(谷藤裕明君) 次に、日程第29、認定第1号から日程第40、認定第12号までを一括議題といたします。
 各案件に関し、委員長の報告を求めます。千葉決算特別委員長。
   〔決算特別委員長千葉伝君登壇〕

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